注目トピックス 日本株ニュース一覧
注目トピックス 日本株
古河電工---大幅続伸、ラトニック商務長官は対米投資では電力インフラが重要分野と発言
*14:29JST 古河電工---大幅続伸、ラトニック商務長官は対米投資では電力インフラが重要分野と発言
古河電工<5801>は大幅続伸。ラトニック米商務長官は、日米関税合意で約束した5500億ドルの対米投資に関し、最初の案件については電力インフラが重要分野となるとの考えを示しているもよう。米国ではAI普及に伴って電力需要が高まっており、発電所建設や送配電網の整備などが念頭にあるとみられている。ラトニック氏は、日本の電力インフラと企業は世界トップクラスとも述べており、関連銘柄として同社などの電線株に関心が向かっているようだ。
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2025/10/28 14:29
注目トピックス 日本株
美樹工業---3Qは2ケタ増収・大幅な増益、建設事業・住宅事業の売上高・利益が順調に伸長
*14:22JST 美樹工業---3Qは2ケタ増収・大幅な増益、建設事業・住宅事業の売上高・利益が順調に伸長
美樹工業<1718>は27日、2025年12月期第3四半期(25年1月-9月)連結決算を発表した。売上高が前年同期比34.7%増の273.65億円、営業利益が同100.0%増の20.71億円、経常利益が同96.1%増の20.44億円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同118.1%増の12.63億円となった。建設事業に関しては、大型物件工事の工事進捗による影響に加え、1棟売収益マンションの売却が行われたことから、売上高は前年同期比59.7%増の168.87億円となった。利益については、売上高の増加に加え、同社において収益性の高い工事の完成があった影響等から、営業利益は同134.5%増の15.24億円となった。住宅事業に関しては、連結子会社のセキスイハイム山陽において期間売上の平準化が進み、新築引渡棟数が増加した影響から、売上高は同7.6%増の102.92億円、営業利益は同36.8%増の5.32億円となった。その他事業に関しては、売上高は同4.1%増の1.85億円となった。利益については、物価高の影響に伴い売上原価が増加したこと等から、営業利益は同4.0%減の0.07億円となった。2025年12月期通期については、売上高が前期比28.2%増の350.00億円、営業利益が同67.5%増の19.00億円、経常利益が同64.5%増の19.00億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同67.1%増の11.00億円とする7月28日に上方修正した連結業績予想を据え置いている。
<NH>
2025/10/28 14:22
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ZETA---新規子会社の設立及び既存連結子会社の目的の拡大とそれに伴う商号変更
*14:20JST ZETA---新規子会社の設立及び既存連結子会社の目的の拡大とそれに伴う商号変更
ZETA<6031>は27日、新規子会社の設立および既存連結子会社の目的拡大とそれに伴う商号変更について決議した。グループの持続的な成長と企業価値の向上を目的として、投資事業に特化した新規子会社DELTAを2025年12月1日付で設立予定であり、資本金500万円を投入して100%出資とする。新規子会社では、主にデジタルマーケティングを手がけるグロース企業への投資を通じて、事業ポートフォリオの拡充を行う。また、既存連結子会社であるVOICEの事業目的をメディア事業からAIコマースメディア構想へと拡大し、今後急速に成長が見込まれるコマース事業におけるAIの活用への取り組みを推進し、よりグループにおけるシナジー効果を高めていく。また、それに伴い商号をLAMBDAに変更する。
<AK>
2025/10/28 14:20
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タイミー---秋田県森林組合連合会と業務提携契約を締結
*14:18JST タイミー---秋田県森林組合連合会と業務提携契約を締結
タイミー<215A>は27日、秋田県森林組合連合会と業務提携契約を締結したと発表した。日本における林業従事者数は長期的に減少傾向で推移している。さらに、デジタル技術の導入の遅れや、バックオフィス業務の非効率化も業界課題として挙げられている。今回の提携により、秋田県森林組合連合会の有するノウハウと、同社が各産業で蓄積してきた知見を活かし、林業におけるスポットワークの活用を推進する。森林組合や林業事業者に同社の提供するスキマバイトサービス「タイミー」を紹介することで、労働力不足の解消を目指すとともに、初めて林業に従事するスポットワーカーにも対応可能な業務の切り出しや、林業に特化したマニュアルの作成支援も行う。スポットワーカーが担う業務には、苗木周辺の雑草や雑木の刈り取り、伐採された丸太の太さや長さの測定、枝木の集積や伐採予定木への紐巻き作業などが想定されている。※タイミーは、職業安定法に基づく有料職業紹介事業者としてサービスを提供。林業の業務のうち、職業安定法上紹介が禁じられている建設業務の紹介は行っていない。
<AK>
2025/10/28 14:18
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フォーシーズHD---ファイテンとのコラボ商品第2弾「薬用入浴剤」 累計販売個数1万包突破
*14:16JST フォーシーズHD---ファイテンとのコラボ商品第2弾「薬用入浴剤」 累計販売個数1万包突破
フォーシーズHD<3726>は27日、薬用入浴剤「アロマブルーム アロマティックバス」の累計販売個数が1万包を突破したと発表した。本商品は、ファイテンとのコラボレーションによる第2弾商品で、2025年9月3日に新発売された。アロマブルーム直営店やオンラインショップでの人気が高まっていることにより、卸販売の引き合いも増えているため、今後は様々な場所での販売を予定している。
<AK>
2025/10/28 14:16
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ギックス---Netflixシリーズ「グラスハート」デジタルスタンプラリーに「マイグル」が採用
*14:15JST ギックス---Netflixシリーズ「グラスハート」デジタルスタンプラリーに「マイグル」が採用
ギックス<9219>は24日、俳優・佐藤健のLINE公式アカウントを活用して2025年10月7日から10月31日まで実施されるNetflixシリーズ「グラスハート」デジタルスタンプラリーにおいて、同社が提供する行動データを活用したマーケティングツール「マイグル(Mygru)」の仕組みが採用されたと発表した。本企画は、主演を務める佐藤健とファンとの接点を深める施策であり、Netflixで2025年7月31日より世界独占配信中の「グラスハート」および劇中に登場するバンド「TENBLANK(テンブランク)」の魅力を広く伝えることを目的としている。マイグルは、ユーザーの行動データを活用してスタンプ獲得の状況を可視化し、エンゲージメント向上やファンとの関係構築を支援する仕組みとして導入された。ギックスは「マイグル」の展開において、エンターテインメント領域での活用拡大に注力している。今回の取り組みは、その一環となる事例であり、同社が持つ行動データ活用技術をファン体験向上に結びつける試みとして位置づけられる。
<AK>
2025/10/28 14:15
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出来高変化率ランキング(13時台)~プリマハム、マクアケなどがランクイン
*14:00JST 出来高変化率ランキング(13時台)~プリマハム、マクアケなどがランクイン
※出来高変化率ランキングでは、直近5日平均の出来高と配信当日の出来高を比較することで、物色の傾向など市場参加者の関心を知ることができます。■出来高変化率上位 [10月28日 13:32 現在](直近5日平均出来高比較)コード⇒銘柄⇒出来高⇒5日平均出来高⇒出来高変化比率⇒株価変化率<3370> フジタコーポ 628300 36960.34 289.55% 0.0477%<7640> トップカルチャ 715800 20297.8 244.85% 0.015%<9551> メタウォーター 983100 460996.28 220.48% 0.1164%<2432> DeNA 13496800 10119107.57 170.82% 0.0842%<4820> EMシステムズ 455100 74641.34 167.06% 0.0472%<4062> イビデン 8029200 21642594.72 160.35% 0.1506%<6653> 正興電機 803000 375242.74 150.87% 0.0807%<6469> 放電精密 521000 279537.3 146.38% 0.0737%<5532> リアルゲイト 283900 217050.68 145.45% 0.0714%<6356> 日ギア 1068900 220788.5 143.54% 0.0659%<8150> 三信電 230100 158810.72 142.70% 0.0434%<6803> ティアック 4142100 128420.66 137.52% 0.1428%<3529> アツギ 144500 44082.98 134.08% -0.0077%<7018> 内海造 1237000 5502654.2 132.82% 0.0764%<7047> ポート 309300 174917.98 131.13% 0.0594%<6309> 巴工業 530000 254065.94 130.89% 0.0222%<2281> プリマハム 538800 355759.12 130.30% 0.0153%<6937> 古河池 40600 25500.64 125.81% 0.0007%<6018> 阪神燃 103600 115231.8 125.38% 0.0159%<2001> ニップン 2143100 1644148.4 120.78% -0.0101%<4479> マクアケ 349900 119582.1 120.27% 0.0285%<3747> インタトレード 5279100 1911392.78 118.45% 0.1079%<9240> デリバリコン 187200 42864.44 118.41% 0.0278%<3853> アステリア 10151900 5810491.8 114.60% 0.0632%<3911> Aiming 574800 51999.16 110.54% -0.0316%(*)はランキングに新規で入ってきた銘柄20日移動平均売買代金が5000万円以下のものは除外
<CS>
2025/10/28 14:00
注目トピックス 日本株
正興電---大幅続伸、7-9月期も大幅増益基調が継続
*13:52JST 正興電---大幅続伸、7-9月期も大幅増益基調が継続
正興電<6653>は大幅続伸。前日に第3四半期の決算を発表、累計営業利益は17.9億円で前年同期比33.4%増となり、7-9月期も4.6億円で同37.3%増と高い増益率をキープしている。通期予想の26億円、前期比29.0%増は据え置き。発電所・変電所向けの受配電・制御装置、スマート保安システムなどが堅調に推移したほか、環境エネルギー部門の収益性も改善しているようだ。堅調な業績推移をあらためて評価する動きになっている。
<ST>
2025/10/28 13:52
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ギックス Research Memo(11):配当方針に基づき安定的な配当を実施
*13:11JST ギックス Research Memo(11):配当方針に基づき安定的な配当を実施
■株主還元策ギックス<9219>は、株主に対する利益還元を重要な経営課題と位置付けている。現在、同社は成長過程にあり、人材の確保・育成や新規・既存事業の展開に必要な投資、経営基盤の強化を通じて中長期的な企業価値の向上を図ることが、株主にとって最も有益であると認識している。その一方で、株主との中長期的な信頼関係を構築する取り組みとして、1株当たり中間配当26.5円、期末配当27.0円、年間53.5円(上場時売出価格1,070円の5%に相当)という金額固定の普通配当を継続的に実施していく方針である。2026年6月期についても配当方針に則り、1株当たり53.5円の配当を実施する方針である。なお、将来的な成長に向けた投資の必要性及び、そのための原資となる内部留保の確保が重要であることに鑑み、同社の創業者3名は、配当が実施された場合においても、当該配当金の受け取りを辞退する意向である。また、同社は現行の配当方針を継続する方針である。従来は利益について「配当原資分のみ確保」することを基本とし、中長期的な企業価値向上を目指した成長投資と株主への短期的利益還元を両立させる方針としてきた。新たな中期戦略においては、利益について「配当原資分のみ確保」から「一定の利益を確保」する方針に変更するものの、株主への短期的利益還元も考慮し現行配当方針を継続することとした。なお、創業者3名の配当辞退についても継続予定であるが、将来的には財務状況に応じて変更の可能性もある。成長投資を重視しつつ配当維持を明示する姿勢は、株主への信頼を損なわず、中長期的企業価値向上とのバランスの取れた適切なスタンスであると弊社では見ている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木 稜司)
<HN>
2025/10/28 13:11
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ギックス Research Memo(10):CAGR40%をターゲットに2028年6月期は売上高80億円を目指す(2)
*13:10JST ギックス Research Memo(10):CAGR40%をターゲットに2028年6月期は売上高80億円を目指す(2)
■ギックス<9219>の成長戦略2. 既存戦略を深化・拡張した成長シナリオ同社は、これまでに確立してきた戦略を基盤としつつ、その深化と拡張を通じて持続的な成長を実現することを目指している。本成長シナリオは既存戦略の延長線上にあるものの、その深化と拡張により、収益モデルの多層化と安定的成長の基盤を整備するものである。特に、新サービス領域の強化とM&Aによる外部リソースの取り込みは、同社の競争優位性を一段と高める可能性が高いと弊社では見ている。(1) 新サービス領域新サービス領域では、顧客理解を核としたビジネス改革(Business Innovation)と、それを支えるシステム改革(System Innovation)の両輪によってクライアント企業の事業成長を支援する。System Innovationでは、業務や業界の急激な変化に適応可能な「ビジネスの足を引っ張らないシステム」を構築することに注力している。具体的には、ADSを活用し、旧式の仕組みのモダナイゼーションや、基幹系システムやモバイルアプリなどと柔軟に連携することで円滑な情報取得を可能とし、分析に最適な形式でデータを蓄積する。また、MygruやCameconといった同社プロダクト群で行った施策実施内容・結果を、シームレス還流して蓄積することで、次の施策やサービス改善に活かす仕組みを整えている。Business Innovationでは、データインフォームドな顧客理解に基づき、顧客にとって最適な打ち手を導出する体制を整備している。「ゾクセイ」マーケティングやプロダクト群による現場業務変革といった仕組みを提供することで、プロジェクトのストック型への変革による安定的な売上確保を目指していく。(2) 協業先との取り組みBIPROGY(株)との業務提携においては、Data&AI Innovation LabTMのコンサルティング領域で共同提案を進めており、顧客企業におけるDX推進を加速させている。既存の情報処理基盤を高度に活用する事例として北海道ガス<9534>への支援が挙げられ、顧客のデータ活用強化を伴走支援している。また、新規案件では大手インフラ事業者の事例として、必要データの抽出から業務設計、定常運用を見据えた情報活用基盤構築までを一貫して支援している。また、Beyondge(株)との業務提携では、AI・デジタル人材不足の課題に対応する「DIGITAL BOOST」サービスを提供している。特に大企業においては既存制度や組織文化との摩擦により、優秀なAI・デジタル人材の定着や活用が困難となる問題が顕在化している。こうした課題に対して、AI・デジタル人材戦略の策定、評価制度やカルチャー設計、採用・育成支援まで全面的に支援することで、自走するデジタル組織の構築をサポートしている。(3) 単体売上高の拡大と単体コア営業利益率の上昇単体売上高拡大の方針は、DIコンサルティング、CU/ADS、実行施策(Mygru等)の一気通貫支援を実現することにある。施策としては、クライアントを従来通りC・B・A区分に区分し、アップセルによってCからB、BからAへの移行を目指す。A・B区分クライアントの拡大はリスク分散効果も期待され、KPIとしてはA・B区分クライアント社数の増加を重視する。単体コア営業利益率向上の方針は、ゾクセイやアルゴリズム等のアセット活用による生産性改善にある。施策としてはコスト統制を強化しつつ、1人当たり売上高を向上させ、一定利益水準を確保できる管理体制を構築する。KPIとして社内人件費・外注費の売上高比率や1人当たり売上高を設定し、効率的な収益構造を目指している。(4) 子会社売上高の拡大子会社売上高拡大の方針は、確立済みのM&Aチームを最大限に活用し、案件ソーシングを強力に推進することにある。施策としては、可能な限り多くの案件を検討し、同社方針に沿った案件を抽出して実行する。KPIはプロセス実施件数を重視するが、件数目安は設定されていない。M&A方針としては、既存事業及び周辺事業のバリューチェーンを補完できる企業を重視している。足元でも複数のM&A仲介業者と連携しソーシングを行っており、現時点で約35件のNDA締結済み仲介業者が存在する。(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木 稜司)
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2025/10/28 13:10
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ギックス Research Memo(9):CAGR40%をターゲットに2028年6月期は売上高80億円を目指す(1)
*13:09JST ギックス Research Memo(9):CAGR40%をターゲットに2028年6月期は売上高80億円を目指す(1)
■ギックス<9219>の成長戦略同社は、上場を果たした2022年6月期における売上高10億円を起点として、CAGR40%の売上成長を目標に掲げており、2028年6月期に売上高80億円、2030年6月期に売上高150億円を達成することをターゲットとしている。この目標はオーガニックな成長に加えてM&Aによるインオーガニックな成長も含んでおり、短期間で大幅な売上拡大を志向する姿勢が明確である。積極的なM&Aを推進する方針である一方で、M&A関連の一時費用やのれん償却費の見積りは困難であることから、グループの事業活動そのものから生み出されるコア営業利益を主要な目標値に設定している。2028年6月期のコア営業利益ターゲットは9.3億円+αとされており、この数値以上の利益確保を前提に各種施策が進められている。コア営業利益は営業利益からM&A関連一時費用やのれん償却費を控除する前の利益を指し、同社はこの数値をKPIの基盤として設定している。営業利益を起点としたKPIツリーを策定し、重要なKPIを具体的な施策に落とし込むことで、利益のボラティリティを低下させ、より安定的な収益構造の実現を目指している点が注目される。同社は一貫したDI思想を軸に、堅実かつ積極的な中長期成長戦略を描いている。CAGR40%という挑戦的な目標を掲げる中で、その実現に向けた組織体制、サービス構造、供給力のいずれにおいても実効的な施策を実行しており、アナリストとして高い評価を与えるに値する企業である。Mygruを中核としたストック型ビジネスへの転換が奏功すれば、同社の成長は一段と加速すると予想される。1. これまでの成長戦略同社はこれまで、既存の稼働型ビジネスの維持と、新たに立ち上げたストック型ビジネスの拡充を両立させる成長戦略を掲げてきた。特に、DIプロダクトにおける多面的な展開によって売上高比率の拡大を狙い、安定的な収益基盤を形成する方針を明確にしている。また、複数のM&A案件を通じた売上確保も計画的に実行しており、オーガニックとインオーガニック双方の手段を組み合わせたポートフォリオ形成を進めている。投資面では、DI変革Div.をはじめとした新組織や既存組織への人材投資を積極的に行い、さらにMygruの機能追加や周辺領域の強化に注力している。これらの取り組みは、単なる規模拡大ではなく、サービスの質を高めながら中期的な持続的成長を目指す戦略の一環と位置付けられる。(1) クライアントとの関係深耕・新規開拓同社は2024年6月期まで、人的リソースの制約から既存クライアント案件に集中し、縦横展開によって部門展開・社内展開を推進してきた。2025年6月期からはDI変革Div.を新設し、新規クライアント開拓に注力している。まずはC区分のクライアント獲得を着実に進め、それをB区分、さらにはA区分へと引き上げる段階的な戦略を展開している。この結果、「取引高1億円以上」のA区分クライアントの売上比率が80%を超える水準に達し、既存重点クライアントとの取り組みは順調に進展した。(2) 供給力強化成長の前提条件として、同社は人的リソースの確保に注力してきた。採用活動においては外部委託も活用しながら採用チームの体制を強化し、加えて社外人材をGPN(GiXo Professional Network)を通じて活用することで、柔軟かつ即戦力となるエキスパートを確保している。2025年6月期前半はデリバリーやセールスなどの実行人員を中心に採用を進め、後半からは事業統括責任者やハイクラス人材の採用を本格化させた。具体的には、Mygru事業統括責任者の招聘や、DI変革Div.において7名の採用を実現している。さらに、GPNを通じて元日本コカ・コーラ(株)のマーケティングエキスパート宇川氏を参画させるなど、外部知見の導入も進展している。(3) アセットの活用同社は過去プロジェクトで蓄積した知見をツールやモデルにアセット化し、今後のプロジェクト効率向上に活かす戦略を推進している。その成果として、変化に柔軟に対応できる「ADS」フレームワークを確立し、さらに顧客理解に特化した「CU/ADS」サービスをローンチした。「CU/ADS」は、プロジェクトごとに構築してきたコンポーネントやメソドロジーを組み合わせ、全体最適を実現する仕組みとして提供されており、単発のコンサルティングからストック型のプロダクト提供へとビジネスモデルを進化させている。(4) M&A同社はM&Aを成長の柱と位置付け、専門チームを立ち上げ多数の仲介業者とのネットワークを構築してきた。重点領域としてCU/ADSサービスの人的リソース確保、バリューチェーン補完、M&A対象企業の成長促進を掲げ、積極的に案件をソーシングしている。実績としては、2024年6月期にブランディング/クリエイティブデザイン事業を譲受し子会社ギディアを設立、2025年6月期にはフォトコンテストサービス「Camecon」をプロダクト譲受により取得、さらにシステム開発事業を手掛けるメイズの株式譲受を決定している(クロージングは2025年10月予定)。これらのM&Aは事業領域の拡張とプロダクト補完を意図しており、既存サービスとのシナジーが期待される。(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木 稜司)
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2025/10/28 13:09
注目トピックス 日本株
ギックス Research Memo(8):CAGR40%の売上高拡大目標を継続。M&Aによるインオーガニックな成長期待
*13:08JST ギックス Research Memo(8):CAGR40%の売上高拡大目標を継続。M&Aによるインオーガニックな成長期待
■ギックス<9219>の今後の見通し1. 2026年6月期の業績見通し2026年6月期の連結業績予想として、売上高が3,500〜4,000百万円(前期比45.9〜66.8%増)、利益の目標値として、同社の事業活動により生み出される利益であり、営業利益にのれん償却費とM&A関連費用を加えた「コア営業利益」を240百万円としている。また、営業利益は130〜150百万円(前期は99百万円の損失)、経常利益は110〜130百万円(同101百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は10〜30百万円(同99百万円の損失)としている。上場期を基準としたCAGR40%という高水準の成長目標を維持している点は、同社が依然として積極的な拡大路線を志向していることを示している。一方で、この売上高目標にはM&Aによるインオーガニック成長の効果も織り込まれており、取り組みの進捗や成立時期は同社が完全にコントロールできるものではない。そのため、単一数値ではなくレンジ方式で示している点は、不確実性を織り込んだ開示姿勢として評価できる。利益面については、2026年6月期より指標として導入したコア営業利益を240百万円(前期は74百万円の損失)とする目標を掲げている。M&Aに関連する費用やのれん償却といった要素が対象企業の規模や事業特性により大きく変動することから、営業利益については売上高と同様にレンジ方式の開示としている。また、2025年6月期に見られた特定案件によるネガティブな影響が解消されることに加え、売上拡大による利益貢献が見込まれる点はポジティブな変動要素であると弊社では考える。2026年6月期の重点施策としては、クライアント育成、特にA区分顧客の拡大が挙げられる。(同社はクライアントの取引高に応じて、1億円以上をA区分、10百万円以上1億円未満をB区分、10百万円未満をC区分に分類している)加えて、新規顧客開拓を進め、よりバランスの取れた顧客構成を構築していく方針である。売上ポートフォリオにおいてはストック売上比率の向上が重要テーマであり、数値目標は開示していないものの、ストック型ビジネスの拡大を明確に打ち出している。M&Aについては、2025年6月期もIM(情報取得)が86件(前期比32件増)、TOP面談が13件(同10件増)と活発な取り組み状況だったが、足元でも複数の案件が進行中であり、M&Aによるインオーガニック成長も大きく期待できる。また、2025年6月期に営業赤字となった要因を踏まえ、人的リソースや外注費を含むコスト管理を強化している。これらの取り組みに対する成果の表れとして、すでに2025年6月期第4四半期単体では黒字転換しており、2026年6月期通期ベースでの黒字確保も大いに期待できると弊社では見ている。2. ターゲット・イシュー・プログラムの締結同社は2025年9月24日、将来的な企業価値向上を企図し、第三者割当による第5回から第7回までの新株予約権(行使価額固定型)を発行し、マッコーリー・バンク・リミテッドとの間でターゲット・イシュー・プログラム(TIP)を締結することを発表した。本資金調達は、「M&Aの強力な推進によるインオーガニックな成長」に資金を振り向けることが主目的である。同社は2028年6月期に「売上高80億円、コア営業利益9.3億円+α」という高い財務目標を掲げており、その達成には3ヵ年で20億円から25億円程度のM&A投資が必要と見積もっている。本TIPを通じて、最大で約10億8,400万円の資金調達が見込まれており、これにより一定の手元資金を確保しつつ、機動的な投資判断の実行を目指す。このTIPの特徴は、行使価額が固定されており、かつ現状株価(2025年9月22日終値956円)に対して極めて高い水準に設定されている点である。設定されたターゲット価格(行使価額)は、第5回が1,800円(対終値+88.3%)、第6回が2,500円(+161.5%)、第7回が3,300円(+245.2%)と段階的に上昇している。この設計は、株価が上昇しターゲット価格を上回った場合にのみ権利行使が進み、資金調達が実現するというメカニズムを確立している。これにより、株価の下落・低迷時には行使が進まず資金調達はできないリスクがあるものの、既存株主にとっては、企業価値向上を伴わない時期に不必要な希薄化が発生することを回避できるという大きなメリットがある。また、全ての新株予約権が行使された場合の希薄化率は7.16%に留まる。新株予約権の発行により調達された資金1,084百万円は、全額、既存事業・周辺事業における機能補完を目的としたM&Aに充当される予定である(2026年1月~2028年10月支出予定)。M&Aの想定対象は、Business/System Innovation領域におけるコンサルタントやエンジニアなどの人材確保、または「Mygru」の機能強化や顧客開拓に資するデジタル領域のサービス・プロダクト**を提供する企業・事業としている。この資金調達は、将来的な企業価値向上と既存株主の利益に資するものであり、同社の中期成長戦略達成に向けたエクイティ性資金調達として合理的な選択肢であると弊社では評価する。(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木 稜司)
<HN>
2025/10/28 13:08
注目トピックス 日本株
ギックス Research Memo(7):DI変革Div.の取り組みで増収なるもコスト超過プロジェクトにより減益(3)
*13:07JST ギックス Research Memo(7):DI変革Div.の取り組みで増収なるもコスト超過プロジェクトにより減益(3)
■ギックス<9219>の業績動向2. 財務状況2025年6月期末の資産合計は、前期末比241百万円減の2,110百万円となった。流動資産は同353百万円減の1,873百万円となり、主な内訳は、現金及び預金が1,184百万円、売掛金及び契約資産が638百万円である。固定資産は同112百万円増の237百万円となり、主な内訳は、投資その他の資産が159百万円である。負債合計は、前期末比46百万円減の294百万円となった。流動負債は同55百万円減の250百万円となり、主な内訳は、未払金が145百万円である。固定負債は44百万円となり、内訳は、資産除去債務が44百万円である。純資産合計は同195百万円減の1,816百万円となった。主な内訳は、資本剰余金が1,160百万円である。自己資本比率は83.7%と財務健全性は盤石であり、短期的な懸念事項はないものと弊社では見ている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木 稜司)
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2025/10/28 13:07
注目トピックス 日本株
ギックス Research Memo(6):DI変革Div.の取り組みで増収なるもコスト超過プロジェクトにより減益(2)
*13:06JST ギックス Research Memo(6):DI変革Div.の取り組みで増収なるもコスト超過プロジェクトにより減益(2)
■ギックス<9219>の業績動向(2) 共通課題解決「共通課題解決」のサービス領域では、売上構造は「実施キャンペーン数×1ヶ月当たりキャンペーン単価」に分解されるため、実施キャンペーン数をKPIとしている。課金体系としてフロー型とストック型がありながらも、キャンペーン数と一定程度連動する傾向にある。また、現在は投資フェーズであるため従業員数との相関は小さい。2025年6月期においては、JR西日本グループでのMygruの活用が引き続き堅調に推移した。また、大型商業施設のキャンペーンツールとしての採用も拡大しており、店舗単独のキャンペーンのみならず、全国の施設を対象とするキャンペーンも実施されるなど、多様な施策に活用されている。Mygruが連携されているJR西日本公式アプリ「WESTER」においては、同アプリの開発が「2024年度IT賞」のIT最優秀賞(顧客・事業機能領域)を受賞した。Mygruは「おトクにGO!」メニュー内でデジタルスタンプラリーキャンペーンの基盤として活用されており、2023年度には75件のキャンペーンを実施し、総参加者数は約90万人に達した。このように、リアルとデジタルを組み合わせた「おトク」で「楽しい」体験の提供を通じて、顧客体験の質の向上に寄与している。また、JR西日本は「WESTER」を用いた取り組みにより、「令和6年度近畿運輸局交通関係環境保全優良事業者等表彰」をも受賞した。これは、鉄道利用を促すナッジ的アプローチにより脱炭素化を支援する施策として評価されたものであり、2022年から継続している特典付与型のスタンプラリーには3年間で延べ3万人以上が参加した。この実績は、社会的行動変容を促す先進的な取り組みとしての意義が大きく、Mygruが持つ社会的価値の一端を示す事例となっている。また、訪日外国人観光客の増加を踏まえ、中国人が日常的に使用するメッセンジャーアプリ「WeChat」内のミニプログラムとして「西日本旅游攻略 tabiwa」を提供している。クーポン機能のみならず、こだわり条件(発着地、外せないスポット、テーマ、時間、など)を設定することで、趣味趣向を反映した旅行計画を提案する「おでかけAIプランナー」を実装しており、訪日外国人観光客の利便性を高めている。直近では、2023年11月より提供されたJAL公式アプリ「JALマイレージバンクアプリ」に、「Mygru」が導入された。これは、JALグループでの初の採用であり、アプリのさらなる活性化と、新規ユーザー獲得・アクティブ会員増加を目指した顧客接点強化施策として導入された。導入第一弾として、「祝・新機能リリースマイルチャンススタンプ1億個山分けキャンペーン」が2025年2月17日から4月6日まで実施され、アプリの会員基盤活性化を支援した。(株)相鉄ビルマネジメントが運営するショッピングセンター・港南台バーズにおいては、LINEのミニアプリを通じて「Mygru」を展開し、買い回り促進や店舗送客を目的としたキャンペーンを実施した。相鉄グループは、2024年3月に同グループ初の共通ポイントサービス「相鉄ポイント」の運用を開始し、「相鉄ショッピングセンター公式アプリ」でも利用可能である。「Mygru」の導入により、アプリユーザー一人ひとりの参加意欲を高め、行動変容を促進することで、ロイヤルカスタマー化を図る各種施策を展開している。また、クライアントにおける顧客理解の深化により、効果的なマーケティング施策の実現が可能となっている。また、ユニバーサルミュージック(同)が2025年3月24日から4月6日に実施した、Mrs. GREEN APPLE「MGA DIGITAL STAMP RALLY」に「Mygru」が採用された。同イベントは、LINE公式アカウント「LINEエンタメアカウント」における初のLINEミニアプリ活用事例であり、アーティストとファンを繋ぐメディアとしての新たな展開を示すものとなった。Mygruの採用により、LINEプラットフォーム上でのエンターテイメント分野における新たな顧客接点の創出が可能となり、同領域における今後の展開を見据えた重要な実績である。加えて、「Mygru CRM for LINE」の提供開始により、LINEミニアプリでのキャンペーン参加者から取得した行動データを活用し、LINE公式アカウントでのメッセージ配信の最適化とコスト削減が実現可能となった。この拡張モジュールでは、キャンペーンで取得されたスタンプの種類や数量、ミッション達成状況、アンケート回答内容、インセンティブ利用状況などを通じて顧客の状態が可視化され、新たなセグメント分けが可能になる。これにより、メッセージの細分化配信や高効果セグメントの特定、配信対象の最適化が実現し、マーケティング精度の飛躍的向上が期待される。さらに、同社はLINEヤフー(株)が実施する「LINEヤフーPartner Program」において、「LINEミニアプリ」部門の「Technology Partner」に選出されており、今後は顧客のファン化やロイヤルカスタマー化を促進する機能の実装にも注力していく。例えば、獲得スタンプに応じた新たなミッションの提示や、1to1マーケティング支援といった施策が視野に入っている。その他、子会社のギディアでは、JR西日本SC開発(株)との取り組みを中心に活動が進展している。JR西日本SC開発が提供するショッピングセンター共通アプリ「WESPO」は、2019年9月の提供開始以来、会員数170万人を超える規模へと成長しており、現在ではJR西日本グループ全体の共通ポイント「WESTERポイント」にも連動する重要な顧客接点となっている。こうした背景のもと、ギディアは「WESPO」を単なるポイント付与の手段にとどめず、CRM施策の一環として、よりユーザーとの関係性を深める役割を担うアプリへと再定義する支援を行っている。特に、「WESPO My リワード」施策の推進においては、ギディアがブランディング及びクリエイティブディレクションを幅広く担当。施策のコンセプト設計やキャッチコピーの開発、さらにはオリジナルPRキャラクターの制作など、多面的なアプローチにより、ユーザーへの理解・認知向上に貢献している。今後もWESPOアプリとそのユーザー、ショッピングセンター入居テナントなど関係者を巻き込んだ展開に向けて、伴走型の支援を継続していく方針である。(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木 稜司)
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2025/10/28 13:06
注目トピックス 日本株
ギックス Research Memo(5):DI変革Div.の取り組みで増収なるもコスト超過プロジェクトにより減益(1)
*13:05JST ギックス Research Memo(5):DI変革Div.の取り組みで増収なるもコスト超過プロジェクトにより減益(1)
■ギックス<9219>の業績動向1. 2025年6月期の業績概要2025年6月期の連結業績は、売上高が2,398百万円(前期比13.3%増)、営業利益が99百万円の損失(前期は133百万円の利益)、経常利益が101百万円の損失(同132百万円の利益)、親会社株主に帰属する当期純利益が99百万円の損失(同88百万円の利益)である。2025年4月30日に公表された業績予想と比較すると、売上高・営業利益ともに上振れ着地となった。売上高の上振れは、追加案件の獲得に伴う積み増しが主因であり、さらに進行基準の会計処理変更による売上計上額の押し上げ効果も寄与した。営業利益の上振れについては、売上高の増加に伴う増益が主要因であるが、一部では販管費削減の取り組みが利益確保に貢献している。売上高の観点では、既存の重点顧客との連携強化及びDI変革Div.の取り組みによる新規顧客の獲得が一定の成果を収め、成長に寄与した。とりわけ、組織的な営業体制の拡充とマーケティング機能の強化が功を奏している。しかしながら、大規模開発案件におけるコスト超過プロジェクトの発生により、リソースの大部分がそちらに集中し、他プロジェクト、特にLM※案件へのリソース配分が制限された結果、売上成長にブレーキがかかった。その他に、M&Aの実施による事業拡大を想定していたが、実施タイミングが遅れたことで今期中の貢献が限定的となった。営業利益の観点では、コスト超過プロジェクトの直接的・間接的な影響により減益となった。加えて、M&A関連に伴う仲介手数料やデューデリジェンス費用もコストとして計上されており、これが営業利益の一段の低下を招いている。一方で、広告宣伝費等の販管費削減が一部の増益要因として働いている。全社KPIとしては「取引先別年間取引高構成」を掲げており、クライアントポートフォリオの質的改善を進めている。具体的には、取引先を取引高に応じてA〜Cに区分し、各区分の取引社数拡大と、CからB、BからAへの移行を戦略的に推進している。2023年9月に新規クライアント開拓チームを立ち上げ、2024年7月からは正式に部署として独立させたことにより、新規クライアント獲得と取引高拡大の双方で一定の成果を上げている。※ LM:Legacy Modernization(レガシーモダナイゼーション)の略。老朽化・複雑化が進んだレガシーシステムを、最新の技術や設計思想を取り入れながら刷新・改善し、企業のビジネス価値を向上させる取り組みを指す。同社は、重点投資領域に対して集中的な資源配分を実施し、複数の成果を上げている。中でも注目されるのは「ADS(Adaptable Data System)」フレームワークの確立である。これは、従来のDIプラットフォーム及び2024年7月に開始したLMの取り組みを発展させたものであり、ビジネス及び業務の変化に柔軟に対応可能な統合的仕組みとして整備された。このADSをもとに、より顧客理解に特化した「CU/ADS(Adaptable Data System for Customer Understanding)」もローンチされており、過去のアセット(アルゴリズム、コンポーネント、メソッド等)を活用した高度なサービスの提供が可能となった。また、M&A戦略の一環として、2025年4月25日にメイズの全株式取得による完全子会社化を決定しており、データ基盤構築の強化及びコスト構造の見直しを図るとともに、戦略的な事業ポートフォリオの拡充が期待される。これら一連の投資活動は、直近業績への即時的な貢献は限定的ながらも、来期以降の持続的成長に向けた布石として非常に意義深いと評価する。2025年6月期の業績には短期的な揺らぎが見られるものの、既存顧客との関係強化及び新規顧客の開拓が引き続き継続しており、中長期的な成長に対する蓋然性は高いものと弊社では見ている。(1) 個別課題解決「個別課題解決」のサービス領域では、売上構造は「フロント人員数×1人当たり売上高」に分解されるため、フロント人員数をKPIとしている。自社アセットやAI等の活用による生産性改善は実施しているものの、依然として従業員数と一定の相関関係がある。2025年6月期のフロント人員数は、前期比19人増の48人と増加傾向にあり、その効果が徐々に発現しつつある。特にハイクラス人材の採用を継続しており、案件対応力の向上に寄与している。コスト超過プロジェクトへの工数投下が影響し、1人当たり売上高は前四半期比で一時的に悪化しているものの、中長期的には高付加価値人材の蓄積が競争力強化に繋がると弊社では見ている。2025年6月期の主な取り組みとして、2024年7月に立ち上げたLMをさらに発展させ、ADSを確立した。これは、激しく変化するビジネス環境に対応するため、業務の機動的な変化に柔軟に適応可能な仕組みである。また、これまでの個別プロジェクトで構築してきたコンポーネントやメソドロジー等のアセットを組み合わせ、全体最適を実現する統合サービス「CU/ADS」をリリースした。これにより、クライアントがビジネス・業務変化を柔軟に受け止め、事業成長を加速させることを目指している。同社は、「ADS」及び「CU/ADS」を最大限活用することで、「顧客理解No.1カンパニー」を目指している。また、「レベニューマネジメント※高度化伴走支援」サービスの提供を新たに開始した。同サービスでは、レベニューマネジメントに必要なデータ分析から、高度化のためのデータインフォームドな業務サイクルの構築サポートまでを継続支援する。本サービスの第一弾として、ANAグループが新たに立ち上げた「AirJapan」に導入された。「AirJapan」はANAグループの第3のブランドとして位置付けられ、2024年2月より国際線定期旅客便の運航を開始している。同ブランドの立ち上げフェーズにおいて、同社は社内外データの収集と分析を起点に、戦略や戦術の策定から実行段階までを伴走し、レベニューマネジメントの高度化を実現し、利益の最大化を目指していく。※ レベニューマネジメント:需要予測をもとに価格・在庫・シフト等を調整し、利益の最大化を図る手法。航空業界やホテル業界をはじめ、様々な業界で導入されている。その他に、2025年4月22日には東京ミッドタウンホールにて、2回目となる同社主催の大規模イベント「GiXoデータインフォームド・サミット2025」を開催した。来場者数は300名を超え、前回の244名から増加した。イベントでは、(株)エアージャパン代表取締役社長・峯口氏の基調講演をはじめ、講演、パネルディスカッション等を含む全11プログラムが実施された。今回は、企業に加え、地方創生における「データインフォームド」の取り組みについても幅広く紹介された。また、各社の取り組みを紹介する展示ブースエリアを設置し、前回と同様に展示ブースの回遊促進を目的としたMygruを活用したスタンプラリーも実施された。(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木 稜司)
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2025/10/28 13:05
注目トピックス 日本株
ギックス Research Memo(4):データインフォームドな判断実現に向け各事業部門で高い専門性と技術力発揮(2)
*13:04JST ギックス Research Memo(4):データインフォームドな判断実現に向け各事業部門で高い専門性と技術力発揮(2)
■ギックス<9219>の事業概要4. 市場環境同社決算説明資料によると(出所「2024年3月21日 IDC Japan 国内ビッグデータ/アナリティクス市場ユーザー支出額予測:産業分野セクター別、2022年の実績と2023年〜2027年の予測」より同社推計)、同社がターゲットとする国内ビッグデータ/アナリティクス市場規模は、ビジネスの可視化需要によるビジネスインテリジェンス市場の継続的拡大や、データ活用環境整備に即した構造化データウェアハウス/非構造化データストア等の成長を背景に、2024年で2兆749億円と予測している。今後も生成AIや予測型AI利用の拡大と、これに伴うデータ需要の増加等が見込まれることから、2027年までのCAGR14.3%、市場規模は2027年に3兆541億円に達すると予測されている。DIの考え方を取り入れる対象となるビジネス判断は、「経営判断」「業務判断」「個人判断」に分類される。「経営判断」は年に数回程度の極めて大きな意思決定を、「業務判断」は現場で日常的に行われている判断を、「個人判断」は各自の自由意志に任される資料作成や上申などの判断を指している。同社ではこれらのうち「業務判断」市場を、BPRやRPAによる業種・業態別の業務効率改善の余地が大きいと捉えている。現場で日常的に行われている判断は、組織全体で膨大な無駄の温床となりやすいが顕在化していないためだ。「個別課題解決」の領域では、戦略コンサルティングのニーズに加え、データによる日々の業務判断のDI化を推進することで、経営判断・業務判断市場シェアを獲得していく。「共通課題解決」の領域では、個別課題を解決するなかで検知された共通課題を、同社が提供するプロダクトによって一気に刈り取る。事業判断にデータを活用する機運の高まりや生成AI等の技術革新・一般社会への普及などにより、企業各社も様々な取り組みを行っている。同社は、戦略コンサルティングと、高度なアナリティクスのケイパビリティを強みとしており、自社で取り組むだけでは得ることが難しい最適解を、クライアントに合わせて提供することが可能である。市場環境を鑑みれば、同社のデータインフォームド思想(以下、DI思想)は、より一層受け入れられていくものと弊社では見ている。加えて、DI市場の顕在化によりデータ活用・AI市場のさらなる拡大を見込んでいる。再現性の高い業務判断を行うためには、勘・経験・度胸をデータの活用により検証・補強する必要がある。従来のデータ提供の仕組みでは、ビジネス判断に耐え得る速度・品質のデータが提供されないという課題があった。同社は、データの蓄積・加工・判断への活用を一気通貫でサポートすることにより、データにより検証・補強された再現性の高い業務判断を実現する。(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木 稜司)
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2025/10/28 13:04
注目トピックス 日本株
ギックス Research Memo(3):データインフォームドな判断実現に向け各事業部門で高い専門性と技術力発揮(1)
*13:03JST ギックス Research Memo(3):データインフォームドな判断実現に向け各事業部門で高い専門性と技術力発揮(1)
■ギックス<9219>の事業概要同社は、「DIコンサルティング」「DIプラットフォーム」「DIプロダクト」の3つのサービスを通じて、データに基づく論理的思考や合理的判断により、人間の判断が効率化・高度化していく社会の実現を目指している。1. DIコンサルティングDIコンサルティングでは、顧客の業務上の判断をデータインフォームドに変革するためのサービスを提供する。同サービスは、「顧客理解」「解法模索」「解決策発見」の3つのフェーズに分かれ、顧客理解のフェーズではデータインフォームドな判断を行うために何が必要であるかを顧客と一緒に検討する。解法模索のフェーズでは、実施したい判断のために、活用可能なデータを用いた最適な分析方法を模索する。解決策発見のフェーズでは、分析結果をどのように業務に組み込んでいくべきかを見極め業務設計を行う。データ分析では、仮説検証型・試行錯誤型の2種類のスタイルによって、全件・全量データを用いた全粒度分析を行い、顧客の業務知識にデータという裏付けを与える。仮説検証スタイルでは、勘・経験に基づく仮説に対してデータによる検証・補強を行い、試行錯誤スタイルでは、顧客の興味・仮説に応じた動的な追加分析を行う。顧客理解から解決策発見のフェーズまでは、短くて3~4週間、平均6~7週間で到達する。同社に蓄積されたノウハウ・モジュール・ツールを活用し、顧客と併走しながら高速で分析を進めることで短期間での解決策発見が可能となる。顧客の蓄積されたデータを分析するだけではなく、物事を適切に判断していくためのアプローチを顧客とともに模索する点に、同サービスの価値が凝縮されていると弊社では考える。2. DIプラットフォームDIプラットフォームでは、DIコンサルティングで得られた分析要件を仕組み化し、データを用いる思考態度を日々の業務に浸透させる。DIプラットフォームとはデータ処理基盤であり、必要なデータを必要な形で蓄積・処理する仕組みである。具体的には、他システムからのデータ連携により取得したデータを、「ダッシュボード」「業務システム」「リアルタイム処理」などのシステム・機能で蓄積・処理し、継続的な分析処理を安定的に実行する。GCP(Google Cloud platform)やAWS(Amazon Web Services)などを主体とするクラウドベースのデータ基盤を採用しているため、可用性と拡張性の高いプラットフォームが実現されている。また、システムの構築手法にはアジャイル型アプローチを採用しており、開発するシステムを小さな単位に分け、計画・設計・実装・テストを繰り返すことで、迅速かつ柔軟な対応を可能としている。3. DIプロダクトDIプロダクトでは、「個別課題解決」プロジェクトで培った分析ノウハウを用いて、「共通課題解決」に役立つ複数のプロダクトを開発・提供している。「個別課題解決」プロジェクトで抽出された、業界特有の課題や分析ノウハウ、ツール・モジュールを汎用化し、プロダクト化することで、より幅広い層におけるデータインフォームドな判断を促進する。主なDIプロダクトとしては、商業施設や観光エリアにおける買い回りや回遊を促進するキャンペーンを提供する、スマートフォン向けWebアプリ「Mygru」がある。利用施設やサービスに関して、「MygruAI」により利用者の趣味・嗜好に合わせた選択肢が表示され、利用者がミッションを選択することで自分だけのスタンプラリーシートを作成できる。また、利用者が実際に選択した内容を「MygruAI」が学習することで、提示内容が最適化される。顧客は、スタンプラリーの実施によって得られたデータを用いることで、一過性のキャンペーンで終わらせることなく、継続的なキャンペーンの検討・実施に活用できる。また、リアルタイムで状況を把握できるため、キャンペーン実施期間中も集客や告知面での追加対応を検討することが可能だ。主要顧客は、商業施設や地方自治体、鉄道やバスなどの公共交通事業者で、料金はスタンプラリーの規模や期間に応じて使った分だけ払う方式と、利用期間中は同時に複数のキャンペーンの実施が可能となる月額固定料金制がある。なお、2026年6月期以降はサービス区分を「Business Innovation」と「System Innovation」の2つに変更することが発表されており、それぞれのサービス概要は以下となる。(1) Business Innovationデータインフォームドな判断を業務のどこに組み込み、また、その判断に基づいてどのような施策を行うべきかを明確化する。中でも、クライアント企業の自社顧客(エンド―ユーザー)に対する「顧客理解」を促進することによる業績改善、企業価値向上に特に注力する。データに基づく問いの設定から始まり、仮説構築・施策立案・実行までを一気通貫で伴走支援していきながら、クライアント企業の意思決定やマーケティングの高度化を支援する。また、その過程では、当社グループが創業時から開発・構築してきた体系的な分析手法やアルゴリズム、プログラム群といったノウハウ・ツール群を活用し、顧客と併走しながら高速で分析を進めることで短期間での解決策発見が可能となる。それに加えて創業当初より実施している全件・全量・全粒度のデータを使った分析、網羅的な事象の可視化、機械学習、数理最適化等の分析の方法論の適用といった、データインフォームドの肝である様々な手法は、引き続き「Business Innovation」内で提供する。(2) System Innovationデータインフォームドな行動様式をクライアント企業の日々の業務に組み込むために必要な分析基盤・データ基盤を整備・構築するサービスを提供している。同社は2025年3月にこれまで構築してきたアセットを活用することで確立したフレームワーク「Adaptable Data System(ADS)」は、従来提供していた継続的にデータインフォームドな判断を可能とするデータ基盤構築とLegacy Modernization(レガシーなシステムを新しい技術に部分的に置き換えていくことで、新たに生まれた技術を適切なタイミングでシステムに取り込んでいく、という思想)を発展させた、ビジネス環境の変化に柔軟に対応可能な仕組みである。このフレームワークには同社がこれまで開発してきた各種コンポーネント群およびメソッドが組み込まれ、クライアントのもつ事業課題に応じて実践的かつ柔軟に活用可能となっている。また、クライアント企業内に存在している基幹系システム、施策実行システムといった様々なシステムを柔軟につなぎ込み、円滑にデータをやり取りさせることで、即時性のあるデータの蓄積・変換・分析を可能とする。その中には、同社が提供しているプロダクトである、行動データで顧客を理解するマーケティングツール「Mygru」等で行った施策実施内容・結果も含まれる。(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木 稜司)
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2025/10/28 13:03
注目トピックス 日本株
ギックス Research Memo(2):データインフォームド推進企業として課題解決を実現
*13:02JST ギックス Research Memo(2):データインフォームド推進企業として課題解決を実現
■会社概要1. 会社概要ギックス<9219>は、「あらゆる判断を、Data-Informedに。」をパーパス(目的)として掲げるデータインフォームド推進企業である。データインフォームドとは、人間の判断にデータを加えることで判断業務をアップグレードする考え方を指す。戦略コンサルティングと高度なアナリティクス能力を組み合わせた新しいタイプのプロフェッショナルサービス集団として、クライアント企業の経営課題解決、競争力強化のために判断業務の変革を支援している。同社が提供するデータインフォームドサービスは、「個別課題解決」と「共通課題解決」に大別される。「個別課題解決」は、業務上の判断をデータインフォームドに変革するためのサービスを提供する「DIコンサルティング」と、継続的なDI判断を可能とするクラウドネイティブなデータ基盤を提供する「DIプラットフォーム」の2つのサービスからなる。「共通課題解決」は、DIコンサルティング、DIプラットフォームを提供する中で得られたノウハウや保有ツール群を活用し開発したソフトウェアサービスである「DIプロダクト」を提供している。具体的には、商業施設・観光事業向けキャンペーンツール「Mygru」がある。同社では、これらのサービスを通じて、データに基づく論理的思考や合理的判断により、人間の判断が効率化・高度化していく社会の実現を目指している。なお、2026年6月期より、サービス区分を「Business Innovation(ビジネスイノベーション)」と「System Innovation(システムイノベーション)」の2つに変更することが発表されている。「Business Innovation」は、データインフォームドな判断を業務のどこに組み込み、また、その判断に基づいてどのような施策を行うべきかを明確化し、クライアント企業の自社顧客(エンド―ユーザー)に対する「顧客理解」を促進することによる業績改善、企業価値向上を目指す。「System Innovation」は、データインフォームドな行動様式をクライアント企業の日々の業務に組み込むために必要な分析基盤・データ基盤を整備・構築するサービスを提供する。2. 沿革同社は2012年12月にデータによる判断業務の変革を目指し設立。現 代表取締役CEOの網野知博(あみの ともひろ)氏が、日本IBM(株)でのビッグデータやアナリティクス関連の業務を経て、当時同僚であった田中耕比古(たなか たがひこ)氏、花谷慎太郎(はなたに しんたろう)氏とともに創業した。2020年1月には、商業施設の買い回りや観光エリアの回遊を促進するキャンペーンツール「Mygru」の提供を開始した。2022年3月には、東京証券取引所(以下、東証)マザーズへ上場し、同年4月東証グロース市場に移行した。同年5月には、データインフォームドサービスにおけるデータ分析基盤の開発及び「Mygru」の需要拡大を見据え、(株)ベーシックと業務提携契約を締結し開発体制を強化した。また、2023年8月には、完全子会社として(株)ギディアを設立し、Lab&Design(株)よりブランディング/クリエイティブデザイン事業を譲り受けた。これに伴い、2024年6月期より連結決算に移行した。2024年9月には、(株)レトロックよりフォトコンテストサービス「Camecon(カメコン)」事業を譲受している。(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木 稜司)
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2025/10/28 13:02
注目トピックス 日本株
ギックス Research Memo(1):DI変革Div.の取り組みで増収なるも、コスト超過プロジェクトにより減益
*13:01JST ギックス Research Memo(1):DI変革Div.の取り組みで増収なるも、コスト超過プロジェクトにより減益
■要約1. 会社概要ギックス<9219>は、「あらゆる判断を、Data-Informedに。」をパーパス(目的)として掲げるデータインフォームド推進企業である。データインフォームドとは、人間の判断にデータを加えることで判断業務をアップグレードする考え方を指す。戦略コンサルティングと高度なアナリティクス能力を組み合わせた新しいタイプのプロフェッショナルサービス集団として、クライアント企業の経営課題解決、競争力強化のために判断業務の変革を支援している。2. 2025年6月期の業績動向2025年6月期の連結業績は、売上高が2,398百万円(前期比13.3%増)、営業利益が99百万円の損失(前期は133百万円の利益)、経常利益が101百万円の損失(同132百万円の利益)、親会社株主に帰属する当期純利益が99百万円の損失(同88百万円の利益)である。2025年4月30日に公表された業績予想と比較すると、売上高・営業利益ともに上振れ着地となった。売上高では、既存の重点顧客との連携強化及びDI変革Div.(Division)の取り組みによる新規顧客の獲得が一定の成果を収め、成長に寄与した。とりわけ、組織的な営業体制の拡充とマーケティング機能の強化が功を奏している。しかしながら、大規模開発案件におけるコスト超過プロジェクトの発生により、リソースの大部分がそちらに集中し、他プロジェクトへのリソース配分が制限された結果、売上成長にブレーキがかかった。また、営業利益では、コスト超過プロジェクトの直接的・間接的な影響により減益となった。実績面では、ANAグループブランド「AirJapan」との取り組みや、JAL公式アプリ「JALマイレージバンクアプリ」でのMygru(マイグル)の導入など大手企業との案件が進展した他、Mrs. GREEN APPLEデジタルスタンプラリーでのMygruの採用といった、エンタメ領域での展開もあり、今後も積極的に推進する方針である。また、新たな中期方針を打ち出しており、これまでの成果の整理と今後の成長戦略、さらに2028年6月期には売上高80億円、コア営業利益9.3億円+αというターゲットを明確にしている。2025年6月期の業績には短期的な揺らぎが見られるものの、既存顧客との関係強化及び新規顧客の開拓は引き続き順調に進捗している。加えて、中期的な視点での成長戦略を明確に打ち出しており、中長期的な成長に対する蓋然性は高いものと弊社では見ている。3. 2026年6月期の業績予想2026年6月期の連結業績予想は、売上高を3,500〜4,000百万円(前期比45.9〜66.8%増)、同社の事業活動により生み出される利益である「コア営業利益」を240百万円としている。また、営業利益は130〜150百万円(前期は99百万円の損失)、経常利益は110〜130百万円(同101百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は10〜30百万円(同99百万円の損失)としている。上場期を基準としたCAGR(年平均成長率)40%という高水準の成長目標を維持している点は、同社が依然として積極的な拡大路線を志向していることを示している。一方で、この売上高目標にはM&Aによるインオーガニック成長の効果も織り込まれており、取り組みの進捗や成立時期は同社が完全にコントロールできるものではない。そのため、単一数値ではなくレンジ方式で示している点は、不確実性を織り込んだ開示姿勢として評価できる。重点施策としては、クライアント育成、特にA区分(同社はクライアントの取引高に応じて、1億円以上をA区分、10百万円以上1億円未満をB区分、10百万円未満をC区分に分類している)顧客の拡大が挙げられる。加えて、新規顧客開拓を進め、よりバランスの取れた顧客構成を構築していく方針である。M&Aについては、2025年6月期もIM(情報取得)が86件(前期比32件増)、TOP面談が13件(同10件増)と活発な取り組み状況だったが、足元でも複数の案件が進行中のようであり、M&Aによるインオーガニック成長も大きく期待できる。また、2025年6月期に営業赤字となった要因を踏まえ、人的リソースや外注費を含むコスト管理を強化している。これらの取り組みに対する成果の表れとして、すでに2025年6月期第4四半期単体では黒字転換しており、2026年6月期通期ベースでの黒字確保も大いに期待できると弊社では見ている。■Key Points・戦略コンサルティングと高度なアナリティクス能力を融合したデータインフォームド推進企業・2025年6月期は、DI変革Div.の取り組みが奏功し増収となるも、コスト超過プロジェクトの発生により減益・2026年6月期は、CAGR40%の売上高拡大目標を継続し営業利益も黒字化見込み。M&Aを通じたインオーガニックな成長にも期待(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木 稜司)
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2025/10/28 13:01
注目トピックス 日本株
ファインデックス---医療機関連携サービス「PiCls Connect」をリリース
*12:51JST ファインデックス---医療機関連携サービス「PiCls Connect」をリリース
ファインデックス<3649>は24日、医療機関連携サービス「PiCls Connect」を開発し、全国の医療機関向けに提供を開始したと発表した。「PiCls Connect」は、医療情報交換の国際標準規格「HL7 FHIR」を採用し、紹介状や検査画像などの医療情報を安全にオンライン共有できるサービスとして構築された。紙やCD・DVDを介した従来の情報受け渡しに代わり、紹介元と紹介先の医療機関間で事前に直接データを送受信できるため、患者来院前の情報確認や受け入れ準備を効率化できる。2025年8月4日より千葉大学医学部附属病院で運用を開始している。また、医療文書作成サービス「DocuMaker Cloud」と組み合わせることで、紹介状の作成・送付を容易に行えるほか、オンプレミス製品「C-Scan」や「PDI+MoveBy」とも連携し、紹介情報や検査画像を電子カルテやPACSに転送することが可能となる。さらに、今後は医療機関間の予約調整機能も追加し、患者紹介業務のオンライン化を推進する方針である。
<AK>
2025/10/28 12:51
注目トピックス 日本株
日経平均寄与度ランキング(前引け)~日経平均は3日ぶり反落、ファーストリテが1銘柄で約56円分押し下げ
*12:33JST 日経平均寄与度ランキング(前引け)~日経平均は3日ぶり反落、ファーストリテが1銘柄で約56円分押し下げ
28日前引け時点の日経平均構成銘柄の騰落数は、値上がり51銘柄、値下がり170銘柄、変わらず4銘柄となった。日経平均は反落。92.36円安の50419.96円(出来高概算11億6149万株)で前場の取引を終えている。27日の米国株式市場は続伸。ダウ平均は337.47ドル高の47544.59ドル、ナスダック総合指数は432.59ポイント高の23637.46で取引を終えた。トランプ大統領やベッセント財務長官の発言を受け、対中通商合意への期待が広がった。加えて、人工知能(AI)関連銘柄を中心としたハイテク株が買われたほか、翌日から開催される連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利下げ観測も支援材料となった。終盤にかけて買いが強まり、主要指数はいずれも過去最高値を更新して取引を終えた。米株式市場の動向を横目に、28日の日経平均は155.17円安の50357.15円と反落して取引を開始した。序盤は半導体やハイテク関連の一角に買いが入り下げ幅を縮小する場面もあったが、為替が円高方向に振れたことや、利益確定売りが優勢となったことから上値は限定的だった。前日までの上昇に伴う戻り待ちの売りも重しとなり、午前中は方向感に乏しい展開が続いた。個別では、ソフトバンクグループ<9984>、東京エレクトロン<8035>、中外製薬<4519>、信越化学工業<4063>、住友電気工業<5802>、イオン<8267>、ディー・エヌ・エー<2432>、塩野義製薬<4507>、古河電気工業<5801>、テルモ<4543>、東京ガス<9531>、ディスコ<6146>、オリンパス<7733>、ルネサスエレクトロニクス<6723>などの銘柄が上昇。一方、ファーストリテイリング<9983>、ニデック<6594>、リクルートホールディングス<6098>、キヤノン<7751>、ファナック<6954>、ベイカレント<6532>、日東電工<6988>、良品計画<7453>、HOYA<7741>、京セラ<6971>、任天堂<7974>、安川電機<6506>、セイコーエプソン<6724>、レーザーテック<6920>などの銘柄が下落。業種別では、電気・ガス業、海運業、情報・通信業、銀行業、証券・商品先物が上昇。一方で、繊維製品、倉庫・運輸関連、金属製品、ガラス土石製品、サービス業などが下落した。値下がり寄与トップはファーストリテ<9983>となり1銘柄で日経平均を約56円押し下げた。同2位はニデック<6594>となり、リクルートHD<6098>、キヤノン<7751>、ファナック<6954>、ベイカレント<6532>、HOYA<7741>などがつづいた。一方、値上がり寄与トップはソフトバンクG<9984>となり1銘柄で日経平均を約156円押し上げた。同2位は東エレク<8035>となり、中外薬<4519>、信越化<4063>、塩野義薬<4507>、イオン<8267>、フジクラ<5803>などがつづいた。*11:30現在日経平均株価 50419.96(-92.36)値上がり銘柄数 51(寄与度+248.89)値下がり銘柄数 170(寄与度-341.25)変わらず銘柄数 4○値上がり上位銘柄コード 銘柄 直近価格 前日比 寄与度<9984> ソフトバンクG 26245 775 156.57<8035> 東エレク 31160 540 54.55<4519> 中外製薬 6852 65 6.57<4063> 信越化 4752 27 4.55<4507> 塩野義製薬 2509 26 2.63<8267> イオン 2380 26 2.63<5803> フジクラ 19430 75 2.53<4543> テルモ 2571 9 2.42<2432> ディー・エヌ・エー 2814.5 220 2.22<5801> 古河電気工業 10435 599 2.02<5802> 住友電気工業 4829 59 1.99<6146> ディスコ 54470 220 1.48<9531> 東京瓦斯 5507 163 1.10<7733> オリンパス 1961 7 0.94<6723> ルネサスエレクトロニ 1911 21 0.71<9107> 川崎汽船 2215.5 16.5 0.50<7832> バンナムHD 4824 4 0.40<8604> 野村 1101 10.5 0.35<8801> 三井不動産 1630.5 3.5 0.35<8331> 千葉銀行 1511.5 9.5 0.32○値下がり上位銘柄コード 銘柄 直近価格 前日比 寄与度<9983> ファーストリテ 55920 -700 -56.57<6594> ニデック 2070.5 -500 -26.94<6098> リクルートHD 7708 -197 -19.90<7751> キヤノン 4450 -202 -10.20<6954> ファナック 4922 -51 -8.59<6532> ベイカレント 7488 -211 -7.10<7741> HOYA 23955 -390 -6.57<7453> 良品計画 2940.5 -87.5 -5.89<6988> 日東電工 4033 -35 -5.89<6971> 京セラ 2170 -20.5 -5.52<6506> 安川電機 4365 -144 -4.85<6920> レーザーテック 21950 -360 -4.85<6724> セイコーエプソン 1980.5 -71.5 -4.81<6305> 日立建機 5040 -139 -4.68<7269> スズキ 2287.5 -30.5 -4.11<9433> KDDI 2457.5 -10 -4.04<4503> アステラス製薬 1613.5 -22.5 -3.79<8058> 三菱商事 3735 -37 -3.74<7203> トヨタ自動車 3196 -22 -3.70<4578> 大塚HD 8250 -109 -3.67
<CS>
2025/10/28 12:33
注目トピックス 日本株
シンバイオ製薬 Research Memo(8):2030年を節目にグローバル・スペシャリティファーマとして成長を目指す
*12:08JST シンバイオ製薬 Research Memo(8):2030年を節目にグローバル・スペシャリティファーマとして成長を目指す
■シンバイオ製薬<4582>の今後の見通し2. 長期戦略同社は長期目標として、グローバル・スペシャリティファーマとして成長を目指し、2030年に国内と海外の売上比率をそれぞれ50%にすることを目指している。国内については「トレアキシン(R)」が停滞するものの、BCVの上市で売上拡大を図る。新規導入品の検討も定期的に行っているが、BCVの上市が最優先事項となる。一方、海外についてはBCVで少なくとも2品目を上市することで売上を拡大する戦略だ。50%の水準については流動的だが、2品目の上市に成功すれば収益化も視野に入ってくると見られる。BCVのプラットフォーム展開として、当面は移植後のウイルス感染症や難治性がん領域、脳神経変性疾患を中心に開発・上市を目指すことになるが、アカデミアとの共同研究が活発に行われていることから、今後も新規開発パイプラインが追加される可能性は十分にある。これらの開発が順調に進めば、パートナー交渉においても優位に進めることができ、BCVがブロックバスターとなる可能性も高まることになる。そのような状況になれば、現在70億円台にとどまっている同社の企業価値(時価総額)も向上するものと期待される。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<HN>
2025/10/28 12:08
注目トピックス 日本株
シンバイオ製薬 Research Memo(7):2025年12月期はトレアキシン(R)の落ち込みで売上高を下方修正
*12:07JST シンバイオ製薬 Research Memo(7):2025年12月期はトレアキシン(R)の落ち込みで売上高を下方修正
■シンバイオ製薬<4582>の今後の見通し1. 2025年12月期の業績見通し2025年12月期の連結業績は、売上高で前期比42.9%減の1,400百万円、営業損失で4,262百万円(前期は3,876百万円の損失)、経常損失で4,467百万円(同3,689百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失で4,592百万円(同3,833百万円の損失)を見込んでいる。「トレアキシン(R)」の販売が想定を下回って推移していることから、期初計画に対して売上高で458百万円下方修正した。一方、営業損失は研究開発費を一部見直すことでほぼ期初計画並みとなる見通しだ。売上総利益率は前期の76.4%に対して76.3%を見込み、金額ベースでは805百万円の減益を見込む。販管費は前期比420百万円減の5,330百万円、うち研究開発費は同133百万円減の3,246百万円、その他販管費は同286百万円減の2,084百万円となる見通しだ。なお、為替前提レートは142円/USDとしている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<HN>
2025/10/28 12:07
注目トピックス 日本株
シンバイオ製薬 Research Memo(6):2025年12月期中間期はトレアキシン(R)の落ち込みで減収基調が続く
*12:06JST シンバイオ製薬 Research Memo(6):2025年12月期中間期はトレアキシン(R)の落ち込みで減収基調が続く
■シンバイオ製薬<4582>の業績動向1. 2025年12月期中間期の業績概要2025年12月期中間期の連結業績は、売上高で前年同期比49.7%減の646百万円、営業損失で2,154百万円(前年同期は1,719百万円の損失)、経常損失で2,340百万円(同1,481百万円の損失)、親会社株主に帰属する中間純損失で2,369百万円(同1,541百万円の損失)となった。売上高は、「トレアキシン(R)」の薬価改定(2025年4月改定、約5%ダウン)に伴う各医療機関の買い控えが第1四半期に発生したことや、後発医薬品への切り替えが進んだこと、また新規治療薬の上市により治療の選択肢が広がったことなどが影響し、中間期として3期連増の減収となった。「トレアキシン(R)」のシェア低下については徐々に緩やかとなり、下げ止まりつつあるようだ。なお、RTD製剤を先発医薬品とする後発医薬品は、2025年6月時点で3社が販売している。売上総利益は薬価改定の影響もあって前年同期比の77.6%から76.3%と若干低下し、金額ベースでは502百万円の減益となった。販管費のうち研究開発費は、同50百万円増の1,581百万円となったが、その他の販管費は経費削減に取り組み、同118百万円減の1,065百万円となった。営業外収支は前年同期比で425百万円悪化した。為替が円高に進んだことで為替差損益が334百万円悪化したほか、社債発行費92百万円を計上したことなどが要因だ。第三者割当新株予約権と普通社債の発行により開発資金を調達2. 財務状況2025年12月期中間期末の資産合計は前期末比829百万円減少の4,139百万円となった。主な変動要因は、流動資産で現金及び預金が909百万円、売掛金が218百万円それぞれ減少し、前渡金が207百万円、前払費用が75百万円増加した。負債合計は前期末比1,004百万円増加の1,775百万円となった。主な変動要因は、未払金が297百万円減少し、転換社債型新株予約権付社債1,800百万円を発行したことにより、社債残高1,300百万円を計上した。また、純資産は同1,833百万円減少の2,364百万円となった。転換社債の株式転換により資本金及び資本剰余金が261百万円それぞれ増加したが、中間期純損失2,369百万円の計上がマイナス要因となった。なお、現金及び預金は約30億円まで減少したが、今後の臨床試験費用など研究開発資金を調達するため、2025年8月にEVO FUNDを割当先とした第65~67回新株予約権と第1回無担保普通社債を発行した。新株予約権は普通株式相当で5千万株(希薄化率102.4%)となり、当初行使価額168円で行使すれば約84億円を調達できることになる(下限行使価額84円)。普通社債(ゼロ・クーポン債)は13億円発行し、償還期日は2026年10月26日となっている。返済資金は新株予約権行使による株式発行収入で充当していく。調達資金は主に2028年3月までの臨床試験費用に充当する予定で、Adv感染症を対象とした国際共同第3相臨床試験に係る費用で約50億円、悪性リンパ腫の国際共同第1b/2臨床試験に係る費用で約14億円となる。BCVの上市は早くても2030年前後となるため、当面は支出超の状態が続くことになる。今後、大型ライセンス契約が決まらない場合には、引き続き株式市場から開発資金を調達していくものと予想される。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2025/10/28 12:06
注目トピックス 日本株
シンバイオ製薬 Research Memo(5):2030年までに2~3本のパイプラインで承認取得を目指す(2)
*12:05JST シンバイオ製薬 Research Memo(5):2030年までに2~3本のパイプラインで承認取得を目指す(2)
■シンバイオ製薬<4582>のBCVの開発戦略(3) 造血幹細胞移植後のCMV感染症造血幹細胞移植後のCMV感染症※を対象とした第2相臨床試験を米国で2024年5月に開始している。CMV感染症の抗ウイルス薬としては、ガンシクロビルやホスカルネット、CDVが既に使用されているほか、2021年以降に難治性・抵抗性を示すCMV感染症に対して武田薬品工業<4502>の「LIVTENCITY」(一般名:マリバビル)が欧米及び中国、オーストラリアなどで承認されている(日本は2023年11月に承認申請)。ただ、臨床試験の結果ではマリバビルに対して44.3%の患者が効果を示さなかったほか、治療効果があったとしても再発し耐性を持つケースがあるなど課題があり、より有効性の高い治療薬が求められている。※ 症状は、発熱(38度以上)、倦怠感、関節痛などの全身症状のほか、CMVの侵襲部位によって肺炎や胃腸炎、網膜炎、皮膚潰瘍など局所症状がある。推定患者数は全世界で年間約2.5万人。BCVは過去にキメリックスが実施した経口剤による臨床試験において、CMV感染症に対して有効性の高いことが確認されていること、今回は安全性の高い注射剤で臨床試験を実施することから、良好な結果が得られる可能性は高いと弊社では見ている。現在の進捗状況は19例の登録を完了しており、至適用量及び奏功患者の特性解析を進めている段階にある。2025年内には第2相臨床試験を完了する予定にしており、試験結果を見て今後の開発方針を策定する方針だ。武田薬品工業では、マリバビルのピーク時売上高を7~8億米ドルと予想していることから、BCVで開発に成功すれば同等程度の売上が期待できることになり、今後の展開が注目される。(4) 進行性多巣性白質脳症(PML)米ペンシルベニア州立大学との共同研究によって、指定難病に指定されている進行性多巣性白質脳症(以下、PML)の治療薬としてBCVが有力候補となりうることが判明した。PMLとは多くの人が潜伏感染または持続感染しているJCウイルスが、免疫力の低下した状況で再活性化し脳内に多発性の病巣をきたす病気のことだ。初期症状としては、四肢麻痺や認知機能障害、視覚異常などが現れ、症状が進行すると不随意運動や脳神経麻痺、寝たきり状態となるなど命に関わる脳疾患である。同大学で実施した動物実験で、BCVがポリオーマウイルス(JCウイルスはポリオーマウイルスの一種)に対して増殖抑制効果を示したことが確認されており、PMLの予防または症状の進行を抑制する効果が期待される。同社では今回の研究成果を受けて、2026年にも第1b相臨床試験を開始し、2029年の承認申請を目指す。(5) 膠芽腫(GBM)5つ目のパイプラインとして膠芽腫(GBM)がある。GBMは脳腫瘍のなかでも悪性度の高い疾患で年間約2.2万人が発症している。GBMの標準的治療法は外科手術、放射線治療及び化学療法(テモゾロミド)となるが、平均生存期間が15~20ヶ月で5年生存率は5%以下と極めて低く、有効な治療薬の開発が強く望まれている領域となっている。カリフォルニア大学サンフランシスコ校との共同研究の成果として、BCV単剤でGBMに対する抗腫瘍活性が確認されたことや、BCVの治療効果を予測しうる2つの遺伝子バイオマーカー候補を特定したこと、動物実験によりBCV単剤療法で腫瘍増殖を抑制し、生存期間を有意に延長したことを2025年4月に開催された米国がん学会において発表した。こうした研究成果を踏まえて同社では開発戦略として、標準治療法(放射線+テモゾロミド)に抵抗性のある難治性GBMに対する新たな治療法の開発をBCVで目指している。また、バイオマーカーを活用することでBCVに効く患者をあらかじめ選別し、臨床試験における有効性の向上と開発時間の短縮を図る戦略だ。さらには直近の研究成果として、標準療法との併用療法で、治療効果がより向上する可能性が示されたとしており、同内容は2025年11月開催予定の国際的がん学会(Society of Neuro-Oncology)で発表する予定である。2026年後半には第1b相臨床試験を開始する予定で、生存予後の極めて悪いGBMで開発に成功すれば、BCVの価値も一気に高まるものと思われる。(6) 頭頚部がん同社はBCVの固形がんにたいする治療の可能性を探る前臨床研究を実施するなかで、頭頚部がんに対する有望な知見を獲得し、その研究成果が2025年10月開催予定の欧州臨床腫瘍学会に発表演題として採択された。頭頸部とは、頭蓋底(頭の下部)から鎖骨までの間にある顔や首の範囲を指し(鼻、副鼻腔、口腔、咽頭、喉頭、唾液腺、甲状腺などを含む)、これらの部位に発生するがんを総称して「頭頸部がん」と呼ぶ。推定罹患患者数は、世界全体で約90万人以上、日本国内では約3万5千人となり、上咽頭がんや中咽頭がんでは、EBウイルス(EBV)やヒトパピローマウイルス(HPV)といったウイルスがそれぞれの発がんに関与していることが知られている。BCVの抗ウイルス活性と言った特性を生かして効果の高い治療法を開発したものと推察される。同社では2027年頃に第1b相臨床試験の開始を目指している。(7) パートナリング戦略とBCVの潜在的事業価値これら複数のパイプラインの開発を同社単独で行うのは困難であり、グローバルに展開している大手製薬企業とパートナー契約を締結して資金負担を軽減しながら開発を進める戦略だ。パートナー交渉については水面下でパイプラインごとに最適なパートナーと契約交渉を活発に進めているものと推察される。1つの薬剤で複数の疾患を対象領域とする化合物は珍しく、これらパイプラインの開発にすべて成功すればBCVの事業価値も1,000億円を大きく超えるブロックバスターとなる可能性があると弊社では見ている。同社では2030年までに少なくとも2つの対象疾患で承認取得及び上市を目指しており、BCVプラットフォームの事業価値最大化に取り組むことで、グローバルファーマとして大きく飛躍していくことが期待される。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<HN>
2025/10/28 12:05
注目トピックス 日本株
シンバイオ製薬 Research Memo(4):2030年までに2~3本のパイプラインで承認取得を目指す(1)
*12:04JST シンバイオ製薬 Research Memo(4):2030年までに2~3本のパイプラインで承認取得を目指す(1)
■シンバイオ製薬<4582>のBCVの開発戦略2. 開発パイプラインBCVは現在、造血幹胞移植後のウイルス感染症や脳腫瘍、血液腫瘍、脳神経変性疾患など複数の領域でアカデミアとの共同研究も行いながら開発が進んでいる。このうち、造血幹細胞移植後のAdV感染症を対象とした第2相臨床試験においてヒトでのPOCを確立したことを2023年5月に発表している。POCの確立により、他の疾患領域における開発リスクの低減と開発期間の短縮化が見込めることになり、BCVのプラットフォーム展開による事業価値最大化に向け、パートナー契約交渉もスムーズに進むことが期待される。(1) 造血幹細胞移植後のAdV感染症BCV(注射剤)の最初の開発ターゲットとなる小児(成人含む)を対象とした造血幹細胞移植後のAdV感染症については、2024年前半に国際共同第2相臨床試験が終了し、2025年6月に国際共同第3相臨床試験を開始すべく、欧州医薬品庁に対して治験申請を行った段階にある。同臨床試験では4地域(欧米、日本、英国)で80施設、180症例の患者登録を予定しており、同年第3四半期に臨床試験を開始し、2028年第4四半期に欧州で承認申請することを目標としている。審査期間は1年程度で早ければ2029年第4四半期に承認取得、2030年にも上市する可能性がある。AdVは自然界に存在するウイルスで、呼吸器、目、腸、泌尿器などへの感染によって、咽頭炎、扁桃炎、結膜炎、胃腸炎、出血性膀胱炎等の感染症を引き起こす。健常人が感染しても重篤になるケースは稀だが、造血幹細胞移植後の免疫力が低下した患者が感染すると重篤化するリスクが高く、未だ有効な治療薬もないことから治療薬や予防薬の開発が強く望まれている。世界における造血幹細胞移植の件数は年間3.5万件で、このうちAdV感染症の患者数は欧州で1,300人、米国で1,000人、日本で400人と同社では試算している※。年々患者数は増加しており2030年には日米欧市場で3,500人を超える見通しだ。※ 出所:決算説明会資料。第2相臨床試験では安全性、忍容性及び有効性(血中AdV量の変化)を評価し、投与量(0.2mg/kg、0.3mg/kg、0.4mg/kg※1)を分けてそれぞれ週2回投与する群と、0.4mg/kgを週1回投与する群の4グループに分けて試験を実施した結果、週2回0.4mg/kg投与群(10例)において、すべての患者で血中AdVが消失し、そのうち90%の患者は治療後4週間以内にウイルス消失が確認された。また、全27例の患者のうち、経口BCV製剤で確認された胃腸毒性及び肝毒性を含む治療に関連する重篤な有害事象はなかったことが報告※2されており、ヒトでのPOCが確立されたとしている。同内容は2024年4月の欧州骨髄移植学会で発表され大きな反響を呼んだ。※1 体重50kg以上の場合は投与量10mg、15mg、20mg。※2 治療に関連した有害事象発生による投与中止は、0.4mg/kg(週2回)で1例、全27例中6例で観察されたが、治療終了後には消失している。第3相臨床試験では、180例中、120例にBCV、60例に現在治療用として使用されているCDVを投与し(4~12週間※)、主要評価項目である血中におけるアデノウイルスの不検出割合を比較する。また、治療後24週間にわたり安全性を見るフォローアップ期間とし、安全性のエンドポイント(全死因死亡率、非再発による死亡率)を確認することになる。第2相臨床試験の結果から、BCVは高い抗ウイルス効果が確認されていること、安全性の面においてもCDVが持つ腎機能障害や骨髄抑制の副作用はないことから、有意差を得られる可能性は極めて高いと弊社では見ている。※ 血中のアデノウイルス量が連続2回不検出となった場合は、最短で4週間となる。なお、今回の治験プロトコルは欧州のみの臨床試験に適用されるもので、その他の地域については現在、関係当局と協議を進めている段階にある。主要評価項目を血中のアデノウイルス量だけで評価するのか、それ以外のデータも評価項目に含めるのかがポイントとなっているようだ。このため、欧州で先行して臨床試験を開始することになり、承認申請も欧州で先行して行うことになりそうだ。なお、米国ではFDAからファストトラック指定を受けており、優先審査と迅速承認を受けられる。(2) NK/T細胞リンパ腫及びPTCL(悪性リンパ腫)BCVの2つ目の開発パイプラインとして、2025年6月に国際共同第1b/2相臨床試験の1例名の登録を完了したNK/T細胞リンパ腫及びPTCL※1が挙げられる。同疾患は2021年9月に共同研究契約を締結したシンガポール国立がんセンターで動物実験を進めてきたもので、2022年12月にBCVが持つ抗腫瘍効果について、2023年6月には抗腫瘍効果を予測するバイオマーカー(TLE1※2)についての研究成果を担当医師が学会で発表している。※1 NK/T細胞リンパ腫は、悪性リンパ腫の1つで、NK細胞あるいはT細胞由来のリンパ腫。進行の速さによって「低悪性度(進行が年単位)」、「中悪性度(進行が月単位)」、「高悪性度(進行が週単位)」に分類される。NK/T細胞リンパ腫は、主に節外性NK/T細胞リンパ腫として、鼻腔周囲や皮膚に発生する。中国を含めた東南アジアで比較的多く見られるのが特徴で、標準的な治療法は確立されていない。PTCL(末梢性T細胞リンパ腫)は、胸線での分化・成熟を経て抹消組織に移動したT細胞由来のリンパ腫。速やかに進行するアグレッシブリンパ腫に分類される希少がんの一つ。一次治療には多剤化学療法や放射線療法が用いられるが、治療効果は低く新たな治療薬の開発が望まれている。推定患者数は日米欧で約1.1万人。※2 TLE1は遺伝子の発現を調節することで造血器腫瘍を含めたがんを抑制する機能が知られている転写抑制因子。TLE1の低発現はいくつかのがん種で予後不良と関連しており、MYC(がん遺伝子の一種)の発現や他のがん促進シグナル経路を抑制すると報告されている。現在有効な治療法が確立していない悪性度の高いNK/T細胞リンパ腫やPTCLにおいて、BCVが腫瘍悪性化を促進するMYCの発現を抑制し、さらにはがん免疫を活性化することで知られる免疫原性細胞死を誘導することが新たに確認され、同腫瘍を移植したマウスモデルにおいて明確な腫瘍増殖抑制効果を示す結果が得られている。悪性リンパ腫は「トレアキシン(R)」の対象疾患でもあるため、開発に成功すれば併用療法として使用される可能性もあり、シナジーが期待できることになる。今後の予定は2025年内に1b相臨床試験の予定症例数15例の登録を完了し、2026年第2四半期に第2相臨床試験に移行、2028年第2四半期に承認申請、2029年第2四半期に承認取得を目指す。現在、日本のほかシンガポール、香港で臨床試験が進められている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2025/10/28 12:04
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シンバイオ製薬 Research Memo(3):BCVは難治性腫瘍等で治療効果が期待できゲームチェンジャーとなる可能性
*12:03JST シンバイオ製薬 Research Memo(3):BCVは難治性腫瘍等で治療効果が期待できゲームチェンジャーとなる可能性
■シンバイオ製薬<4582>のBCVの開発戦略1. BCVの特徴とライセンス契約(1) BCVの特徴BCVは、広範なDNAウイルスに対して高い抗ウイルス活性を持つほか、アカデミアの研究により抗腫瘍活性を持つことも明らかとなってきており、移植後のウイルス感染症だけでなく、ウイルス感染によって引き起こされる様々な合併症(血液腫瘍や膠芽腫、多発性硬化症など)のように未だ有効な治療法が確立されていない「空白の治療領域」を充足する治療薬として注目度が高まっている。抗ウイルス活性の強さを示す指標の1つである「抗ウイルス活性IC50」の値を見ると、AdVやCMVをはじめ多くのウイルスに対して、BCVは他の薬剤と比較して高い抗ウイルス活性を持つことが明らかとなっており、これは多くのウイルス性疾患や合併症において治療効果が期待できることを示唆している。1つの化合物で幅広い疾患をカバーする治療薬候補品は稀有であり、BCVの潜在的なポテンシャルの大きさを示している。BCVが高い抗ウイルス活性を持つ理由の1つとして、分子構造が挙げられる。BCVはCMV感染による網膜炎治療薬等で知られるシドフォビル(CDV)に脂肪鎖を結合した構造となっている。脂肪鎖を結合することで、CDVよりも細胞内に侵入しやすくなり、また侵入後は脂肪鎖が切り離されCDVと二リン酸が結合することで、DNAウイルスの複製を阻害する働きをする(=高い抗ウイルス活性)。さらに、安全性という点においても経口剤BCVはキメリックスが2021年にFDA(米国食品医薬品局)から天然痘治療薬として承認を取得しており、重篤な副作用が発生するリスクは極めて低いことが確認されている。2019年に同社がキメリックスとBCVのライセンス契約を締結するに至った経緯については、当時、キメリックスがBCVの経口剤タイプで開発を目指していたが、第3相臨床試験で下痢等の副作用が発生したほか、統計的に有意な結果が得られなかったことで開発を中断し、ライセンスアウト先を探しており、開発成功の可能性があると判断した同社が契約交渉を申し込んだことにある。同社は、BCVが優れた安全性と機能性(広域かつ高い抗ウイルス活性)を持ち、対象疾患が「希少疾患」で「空白の治療領域」を充足するという同社の事業方針と合致するだけでなく、「トレアキシン(R)」と同じ血液腫瘍も対象領域として含まれていたことから、営業面でのシナジー効果も得やすいと判断し、導入を決断した。キメリックスが経口剤の開発に失敗した原因は、消化器官からの薬剤の吸収率が低いため、多量の薬剤を服用せざるを得なかったことにあると同社では見ている。注射剤であれば経口剤の1割の投与量で同じ効果が期待できるため、副作用リスクも低く成功確率は高くなる。また、同契約では注射剤だけでなく経口剤についても契約内容に含まれており、将来的に経口剤の開発も進めていく可能性がある。なお、天然痘だけ契約の対象外となっているのは、バイオテロ対策として天然痘治療薬を米国政府が自国で製造、備蓄しておく必要があるためだ。(2) ライセンス契約についてBCVのライセンス契約ではグローバルライセンスであること、また、製造権も含めた契約となっている点が注目される。製造も含めて自社でコントロールし、事業リスクを極力抑える体制を構築していくことが、患者も含めたすべてのステークホルダーのためとなり、かつグローバル・スペシャリティファーマとして成長するためには重要であるとの認識だ。なお、BCVはFDAから造血幹細胞移植後のAdV感染症を対象としたファストトラック(優先審査)指定を受けているほか、2024年3月にはEUでも免疫不全患者におけるAdV感染症及びCMV感染症予防に対するオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)指定※を取得済みであることを発表している。本指定によりEUでは上市後10年間の排他的先発販売権が付与される。※ EUでは人口1万人あたり5人以下の患者数であり、生命に危険を及ぼす重篤な慢性疾患であること等がオーファンドラッグの指定要件となる。BCVのライセンス契約に関しては開発元のキメリックスに対して契約一時金5百万米ドル(約540百万円)を2019年12月期に支払っており、将来的なマイルストーンとして最大180百万米ドル、製品売上高に応じて2ケタ台のロイヤルティを支払う契約となっている。なお、2022年9月にキメリックスがBCVのライセンスをエマージェント・バイオソリューションズに譲渡したことを発表したが、同社が持つ全世界での独占的開発・製造・販売権についての影響はない。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2025/10/28 12:03
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シンバイオ製薬 Research Memo(2):がん、ウイルス感染症などの領域で、臨床試験段階から開発を行うベンチャー
*12:02JST シンバイオ製薬 Research Memo(2):がん、ウイルス感染症などの領域で、臨床試験段階から開発を行うベンチャー
■会社概要シンバイオ製薬<4582>は、2005年3月に現 代表取締役社長兼CEOの吉田文紀(よしだふみのり)氏が創業したバイオベンチャーである。事業戦略は、患者数が少ないため開発が見送られている「空白の治療領域」を埋める新薬の開発・提供を行うことを基本方針とし、なかでも医療ニーズの高い「がん、血液、ウイルス感染症」の分野にターゲットを絞り、ヒトでのPOCを取得した開発候補品を導入して臨床試験段階から開発を行うことで、高確率かつ迅速な創薬を目指すビジネスモデルであることが特徴だ。最初に導入した開発候補品は、ドイツのAstellas Pharma GmbH(以下、アステラス ファーマ)が開発した悪性リンパ腫向け抗がん剤「ベンダムスチン塩酸塩」(日本での商品名は「トレアキシン(R)」)で、2005年12月に国内での独占的開発及び販売権契約を締結した。同社は開発コード「SyB L-0501」(FD製剤)として、2006年より再発・難治性の低悪性度非ホジキンリンパ腫(NHL)及びマントル細胞リンパ腫(MCL)を対象とした臨床試験を開始、2008年にはエーザイ<4523>と国内における共同開発及び販売ライセンス契約を締結し、2010年に製造販売承認を取得、同年12月より販売を開始した。「トレアキシン(R)」はその後も適応拡大のための開発を進め、2016年に慢性リンパ性白血病(CLL)、未治療(初回治療)の低悪性度NHL/MCLで承認を取得したほか、2021年3月には再発・難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(以下、再発・難治性DLBCL)で承認を取得し、適応対象患者数を拡大していった。2017年には、「トレアキシン(R)」の液剤タイプとなるRTD製剤/RI投与(開発コード「SyB L-1701/SyB L-1702」)※の日本における独占的開発及び販売権契約をEagle社と締結し、2020年9月にRTD製剤での販売承認を取得、2022年2月にRI投与での承認を取得して以降は、順次RI投与に切り替わっていった。なお、エーザイとのライセンス契約は2020年12月9日で解消しており、現在は自社販売体制に移行している。※ これまでアステラス ファーマから仕入れていたFD製剤は、使用時に医療現場での溶解作業(調整時間含め3時間程度)が必要だったが、液剤タイプであるRTD製剤は同作業が不要なため、医療従事者の作業負荷が大幅に軽減されるメリットがある。また、RTD製剤とRI投与は希釈する生理食塩液の容量の違いだけであり、RTD製剤は250ml、RI投与は50mlで希釈している。このため、静脈注射時間ではRTD製剤がFD製剤と同じ60分間掛かるのに対して、RI投与は10分間と短くなり、患者負担が大幅に軽減されるといったメリットがある。また、2つ目の導入品として2011年にオンコノバと「リゴセルチブ」(開発コード「SyB L-1101(注射剤)/SyB C-1101(経口剤)」)に関する日本と韓国における独占的開発及び販売権契約を締結したが、開発が上手くいかなかったことから2025年4月にライセンス契約を終了している。2019年9月にはキメリックスとの間で、BCVに関して天然痘及びサル痘等のオルソポックスウイルスを除くすべてのウイルス性疾患を対象とする全世界を対象とした独占的開発・製造及び販売ライセンス契約を締結した。BCVは、広範なDNAウイルスに対して高活性の抗ウイルス効果を持つことから、複数の疾患で治療効果の期待できる薬剤として注目されており、海外のアカデミアとの共同研究が進んでいる。また、2023年5月には造血幹細胞移植後のAdV感染症を対象とした臨床試験で初めてヒトでのPOCを確立したことを発表している。今後の開発の中心はBCVとなる見込みで、グローバルでの開発戦略を策定、推進するための子会社を米国で稼働しているほか、2024年1月にはアイルランドにも子会社を新設した。同社は日鉄ケミカル&マテリアル(株)(以下、日鉄C&M)との共同研究により、ウイルス感染症を対象とした高感度かつ簡便なイムノアッセイ法及び関連装置に関する特許(特許第7756407号)を2025年10月9日に日本で取得し、公開したと同年10月20日に発表した。本イムノアッセイ法は、日鉄C&Mが開発したナノコンポジット微粒子「ESCURE(R)」と、同社独自の高感度測定法を組み合わせたものである。CRP抗原を用いた評価では、従来PCRなどでしか実現できなかった1桁ピコグラム/mL以下の検出感度、すなわち1兆分の1の濃度オーダーを確認している。この技術により、従来目視判定が困難だった極微量のウイルス抗原を定量化でき、ベッドサイドでの迅速かつ簡便なウイルス量の定量化が可能となり、感染初期の早期診断や重症化予防に貢献すると期待されている。また、本特許技術を基盤として、医療分野に加え、種苗・野菜等の農作物分野や環境モニタリングなど、ウイルス被害が深刻な領域にも応用した事業展開を進めている。グローバル展開に向けては、2025年10月15日に日鉄C&Mと共同でPCT出願を完了しており、海外での特許取得手続と並行して、各分野の専門企業とのパートナーシップを通じた事業化を加速する方針である。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2025/10/28 12:02
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シンバイオ製薬 Research Memo(1):BCVで2028年に2つの適応症で承認申請目指す
*12:01JST シンバイオ製薬 Research Memo(1):BCVで2028年に2つの適応症で承認申請目指す
■要約シンバイオ製薬<4582>は、アンメットメディカルニーズ※の高い「がん、血液、ウイルス感染症」領域をターゲットに、臨床試験段階からの開発を進めるバイオベンチャーで、ラボレス・ファブレス戦略により効率的な事業運営を推進している。パイプラインには、既に製品化済みの「トレアキシン(R)」(悪性リンパ腫向け治療薬)と、米国Chimerix(以下、キメリックス)から導入した抗ウイルス薬「ブリンシドホビル(以下、BCV)」がある。※ 患者や医師から強く望まれているにも関わらず有効な既存薬や治療法がない領域。1. BCVの開発動向BCV(注射剤)は、広範囲のDNAウイルスに対して高い抗ウイルス活性を持つほか、抗腫瘍活性を持つことが研究から明らかとなっており、現在アンメットメディカルニーズの高いウイルス感染症やがん疾患、脳神経変性疾患などの領域で研究開発が進められている。最も開発が進んでいる造血幹細胞移植後のアデノウイルス(AdV)感染症を適応症としたパイプラインは、2025年後半に国際共同第3相臨床試験を欧州でスタートし、2028年後半の承認申請を目指している。10月6日に2025年6月に欧州医薬庁(EMA)に対して申請した治験実施計画について、欧州連合(EU)の主要3ヶ国(ドイツ、フランス、イタリア)から承認を受領し、試験を開始することを決定したことを発表した。また英国において第3相試験の申請を行った。その他のEU加盟国においては、治験実施計画の承認を受け次第、順次試験を開始する予定である。また、悪性リンパ腫を適応症としたパイプラインも、現在国際共同第1b/2相臨床試験を日本、香港、シンガポールで実施しており、試験結果が良好であれば2028年後半に承認申請を行う方針だ。そのほか、希少疾患となる進行性多巣性白質脳症についても、米アカデミアとの共同研究により疾患の原因とされるポリオーマウイルスに対する増殖抑制効果が確認されたことから、早期に臨床試験入りし2029年の承認申請を目指す。なお、すべての開発プロジェクトを自費だけで賄うのは困難なため、水面下でパートナー交渉も活発に進めている。BCVの開発パイプラインが複数の適応症で承認取得されれば、BCVの事業価値は1,000億円を超える可能性もあり、今後の動向が注目される。2. 2025年12月期中間期の業績概要と通期計画2025年12月期中間期の売上高は前年同期比49.7%減の646百万円、営業損失は2,154百万円(前年同期は1,719百万円の損失)となった。2022年6月に「トレアキシン(R)」の後発医薬品が発売されて以降、市場シェアの低下傾向が続いているほか、新規治療薬に需要が一部シフトしており減収要因となった。利益面では研究開発費を含む販管費が前年同期比68百万円の減少となったものの、売上総利益の減少が響いて営業損失が拡大する要因となった。2025年12月期の業績計画は売上高で前期比42.9%減の1,400百万円、営業損失で4,262百万円と期初計画(売上高1,858百万円、営業損失4,263百万円)から売上高を下方修正した。これは「トレアキシン(R)」の見通しを引き下げたことによる。ただ、研究開発費を見直したことで営業損失については期初計画と同水準となる見通しだ。3. 2030年に向けた成長戦略同社は今後の事業戦略として、BCVで2030年に少なくとも2つの適応症で上市することを最優先目標として取り組む方針だ。複数の臨床試験を同時並行で進めるため、研究開発費の負担も増加することが予想されるが、必要資金については株式市場からの調達、またはパートナー契約を結ぶことで充当していく。2025年8月には第三者割当による新株予約権や無担保普通社債を発行しており、当面の資金繰りの問題については解消している。パートナー交渉については、事業価値を最大化できるような時期・条件で契約を締結することを基本に交渉に臨んでいる。2025年秋に欧米で開催される腫瘍学会において膠芽腫や頭頚部がんを適応症とした臨床研究の成果が発表される予定となっており、発表内容を見てパートナー交渉が進む可能性もある。当面は開発ステージが続くがBCVの潜在ポテンシャルは極めて大きいだけに、今後の動向が注目される。■Key Points・BCVは移植後のウイルス感染症や難治性腫瘍、脳神経変性疾患などで治療効果が期待でき「ゲームチェンジャー」となる可能性・複数のパイプラインで臨床試験をスタート、2030年までに2~3本の承認取得を目指す・2025年12月期中間期業績は「トレアキシン(R)」の落ち込みにより減収基調が続く・2030年をターニングポイントに、グローバル・スペシャリティファーマとして成長を目指す(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2025/10/28 12:01
注目トピックス 日本株
メタウォーター---大幅続伸、第2四半期黒字計上で通期予想を上方修正
*11:29JST メタウォーター---大幅続伸、第2四半期黒字計上で通期予想を上方修正
メタウォーター<9551>は大幅続伸。前日に第2四半期の決算を発表している。7-9月期営業損益は17.5億円の黒字となり、第2四半期としては初の営業黒字を計上したもよう。北米を中心とした海外事業の好調が背景になるようだ。通期業績予想は従来の115億円から130億円、前期比22.3%増に上方修正。125億円程度のコンセンサスも上回っている。年間配当金も56円から70円に引き上げ。営業利益130億円は28年3月期の目標値であった。
<ST>
2025/10/28 11:29