注目トピックス 経済総合ニュース一覧

注目トピックス 経済総合 国内外の注目経済指標:米FOMC会合で0.25ptの追加利下げ実施へ *14:19JST 国内外の注目経済指標:米FOMC会合で0.25ptの追加利下げ実施へ 12月8日-12日発表予定の経済指標予想については以下の通り。■8日(月)午前8時50分発表予定○(日)7-9月期国内総生産改定値-予想:前期比年率-2.0%財務省が発表した7-9月期法人企業統計で金融・保険業を除く全産業の設備投資は前年同期比+2.9%と、やや低い伸びにとどまった。このため、7-9月期国内総生産(GDP)改定値は速報段階(-1.8%)から下方修正となる可能性がある。■10日(水)午前10時30分発表予定○(中)11月消費者物価指数-予想:前年+0.2%参考となる10月実績は前年比+0.2%。インフレ率は中期的にやや上昇する可能性があるものの、国内需要が短期間で拡大する可能性は低いため、中国の物価上昇率は1%未満の状態がしばらく続く見込み。■10日(水)午後11時45分発表予定○(加)カナダ中央銀行政策金利発表-予想:政策金利の据え置き雇用情勢は特に悪化していないこと、インフレ見通しが短期間で大きく変わる可能性は低いことから、カナダ中央銀行は政策金利の据え置きを決定する見込み。中期的なインフレ、成長率見通しが注目されそうだ。■10日(水)日本時間11日午前4時結果判明○(米)連邦公開市場委員会(FOMC)-予想は0.25ptの追加利下げニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は先月、労働市場の軟化を背景に、連邦準備制度理事会(FRB)は近いうちに再び利下げを行う余地があるとの見方を示した。インフレは一定水準を維持しているが、雇用情勢のすみやかな改善は期待できないため、12月利下げの可能性はかなり高いとみられる。○その他の主な経済指標の発表予定・8日(月):(中国)11月貿易収支、(日)10月経常収支・11日(木):(豪)11月失業率、(スイス)スイス中銀政策金利・12日(金):(英)10月鉱工業生産、10月商品貿易収支 <FA> 2025/12/06 14:19 注目トピックス 経済総合 NYの視点:2026年も複数回の米利下げの可能性 *07:50JST NYの視点:2026年も複数回の米利下げの可能性 ロイター通信などの報道によると、米バンク・オブ・アメリカ・グローバル・リサーチは、米連邦準備制度理事会(FOMC)が12月9-10日に開催する連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を0.25pt引き下げると予想しているもよう。従来予想の据え置きを変更した。労働市場が弱いことや、最近の金融当局者らによる早期利下げを示唆する発言を理由としたようだ。従来は据え置きを予想していた。また、2026年6月と7月の2回、0.25ptの利下げが行われ、最終的に政策金利は3.00%-3.25%になると予想しているようだ。バンク・オブ・アメリカ・グローバル・リサーチの アナリストによると、「来年の追加利下げ予想は議長の交代によるもので、経済見通しによるものではない」と指摘している。CMEのフェドウオッチによると、金融市場は12月に0.25ptの利下げが行われる確率を87%程度と予想している。 <CS> 2025/12/05 07:50 注目トピックス 経済総合 NYの視点:11月28日から30日までのオンライン売上高は推定236億ドル *07:47JST NYの視点:11月28日から30日までのオンライン売上高は推定236億ドル 年末商戦が本格化する感謝祭翌日の金曜日から3日間(11月28-30日)のオンライン売上高は推定236億ドルだったようだ。データ会社アドビ・アナリティクスによると、12月1日の米オンライン売上高は前年比+6.3%の142億ドルに達する見通し。感謝祭後の4日間のオンライン売上高は約380億ドルとなる可能性がある。消費者信頼感の低迷や関税による物価上昇の影響が懸念されたが、富裕層が支出をけん引したことや多くの消費者が限られた予算の中で贈り物などを購入したようだ。また、大幅な値引きが購買意欲を刺激したとの見方もあり、後払い決済(BNPL)の利用も見られた。ブラックフライデーのオンライン売上高 は前年比+9.1%、118億ドルと、過去最高を更新した。なお、後払いサービスの利用増加については、シビックサイエンスが行った調査によると、回答者の38%がブラックフライデーの週末の買い物でBNPLを1回以上利用し、利用者の大半は若年・低所得層だったようだ。 <CS> 2025/12/04 07:47 注目トピックス 経済総合 NYの視点:米12月FOMC睨む展開、最新雇用統計やCPI発表見送り *07:48JST NYの視点:米12月FOMC睨む展開、最新雇用統計やCPI発表見送り 米国短期金融市場では12月連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げを98%織り込んだ。12月9日、10日の2日間に開催される連邦公開市場委員会(FOMC)までに発表される金融政策決定に重要な指標としては、唯一コア個人消費支出(PCE)価格指数のみ。政府機関閉鎖の影響で、最新雇用統計や消費者物価指数(CPI)の発表はない。コアPCE価格でインフレ最近のインフレ基調は判断可能となる。古い統計となるが9月のコアPCE価格指数は前年比+2.8%と、8月の2.91%から低下する見込み。インフレ鈍化基調を証明すると見られている。一方、労働市場状況では、ADP雇用統計やJOLT求人件数などを参考にしていくことになる。FRBは金融政策決定判断で困難に直面する。トランプ米大統領は来年初めには次期議長候補を指名すると言及。ハセット国家経済会議(NEC)委員長が最有力候補とされている。来年は積極的な利下げが見込まれ、ドルの上値も限定的となる可能性がある。 <CS> 2025/12/03 07:48 注目トピックス 経済総合 南アフリカランド円今週の予想(12月1日)サンワード証券の陳氏  *18:13JST 南アフリカランド円今週の予想(12月1日)サンワード証券の陳氏  皆さん、こんにちは。今回は、南アフリカランド円についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、今週の南アフリカランド円について、『今週のランド円は、日限の利上げ見通しからクロス円の重石となり、もち合いで推移しそうだ』と述べています。続いて、『南アフリカ準備銀行(中央銀行)の金融政策委員会(MPC)は11月20日、政策金利を0.25%引き下げて6.75%にすると全会一致で決定した』と伝えています。また、『利下げを決めたことで、新目標による利下げ抑制への懸念は和らぎそうだ。南アフリカは9月会合以降、違法な資金の流れに対する「グレーリスト(監視強化対象国・地域)」から除外されたほか、S&Pグローバルの格付けが引き上げられた。これが好感され、ランドは対ドルで23年以来の水準まで上昇した』と述べています。そして、『南ア財務省によると、主要格付け機関による格上げは16年余りぶりとなる。S&Pによると、今回の格上げは、南アの経済成長の見通し、財政の改善、国営企業、特に国営電力公社エスコムの債務の減少が要因と述べている』と伝えています。南アフリカランド円の今週のレンジについては、『8.85円~9.30円』と予想しています。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の12月2日付「南アフリカランド円今週の予想(12月1日)にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。 <CS> 2025/12/02 18:13 注目トピックス 経済総合 NYの視点:米11月ISM製造業景況指数、需要停滞を示す、12月利下げ正当化 *08:22JST NYの視点:米11月ISM製造業景況指数、需要停滞を示す、12月利下げ正当化 米供給管理協会(ISM)が発表した11月ISM製造業景況指数は48.2と、10月48.7から改善予想に反して悪化し、7月来で最低となった。活動の拡大と縮小の境目となる50を9カ月連続で割り込み、活動縮小圏となった。調査結果は製造業が依然通商政策の不透明感や高コストが影響し、停滞している証拠となった。重要な項目となる新規受注は47.4と、10月49.4から低下し、7月来で最低。3カ月連続で活動縮小圏となった。材料コストは58.5と、予想外に58.0から上昇した。関税や鉄、アルミ価格上昇が影響し、14カ月連続で拡大圏を維持した。雇用は44.0と、46.0から低下。8月来で最低で、10カ月連続の活動縮小圏となった。おおよそ25%の回答者が雇用鈍化を報告しており、2020年半ば以降で最高。アパレル、木材、製紙、織物業などで伸びが縮小したと同時に、コンピューター、電化製品での伸びは年初来最低となった。需要が弱く、価格は上昇、雇用も予想外に鈍化する低調な結果となった。連邦準備制度理事会(FRB)の利下げを正当化する内容となった。◇米11月ISM製造業景況指数総合景況指数:48.2(48.7)新規受注:47.4(10月49.4)雇用:44.0(46.0)支払価格:58.5(58.0)生産:51.4(48.2)受注残:44.0(47.9)入荷遅延:49.3(54.2)在庫:48.9(45.8)新規輸出:46.2(44.5)輸入:48.9(45.4) <CS> 2025/12/02 08:22 注目トピックス 経済総合 日本の戦略的転換と、インド太平洋抑止に台湾が果たす新たな重要性【中国問題グローバル研究所】 *10:23JST 日本の戦略的転換と、インド太平洋抑止に台湾が果たす新たな重要性【中国問題グローバル研究所】 ◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページ(※1)でも配信している陳建甫博士の考察をお届けする。※この論考は11月20日の< Japan’s Strategic Turn and Taiwan’s New Centrality in Indo-Pacific Deterrence>(※2)の翻訳です。I. 高市首相下の日本の戦略的メッセージ「台湾有事は日本有事」という高市早苗首相の発言は、単に常套句を繰り返したものではなく、日本政府の戦略構想におけるパラダイム転換を示している。歴代政権は地域の緊張を強調するためにこの表現を用いてきたが、高市氏は日本の安全保障のアイデンティティをより広範な再構築の中に組み込んでおり、消極的な正常化から積極的な戦略的管理に移行しようとしている。かつて日本を中台間の不安定な情勢から隔てていた冷戦後の緩衝地帯は事実上消滅し、日本政府は今や台湾の防衛と日本の防衛が相互に不可分となりつつあることを認識している。冷戦後の緩衝地帯とは、日本を台湾紛争の直接的な影響から切り離すことになった物理的かつ心理的な地政学的距離を指す。この緩衝地帯は、中国の軍事力の及ぶ範囲が限定的であることや、米国の地域的優位性、両岸の安定、そして日本自身の戦略的曖昧さに依存していた。中国の軍事現代化が地理的隔たりを消し去り、東シナ海での威圧を強め、核と連動した抑止力学をもたらしたことで、この緩衝地帯は崩壊した。現在、日本は台湾の防衛を自国の国家安全保障、領土防衛、同盟の信頼性から構造的に切り離せなくなったことを認識している。この緩衝地帯を破壊した要因は何か?(1)中国の急速な軍事現代化(2015年~現在)(2)中国による東シナ海の軍事化と尖閣諸島への圧力(3)米国の抑止分散への転換(直接的防衛の縮小)(4)日本の防衛線における台湾の戦略的重要性(5)ウクライナ戦争後の核による威圧ウクライナ戦争はこの認識の変化を加速させた。ロシアによる核威嚇がNATOの行動範囲を制限する上で効果的に使われ、日本は権威主義的な修正主義の時代において危機管理への理解を改めた。中国の急速な核拡大、加速する海軍現代化、グレーゾーンでの威圧、台湾に対する強硬姿勢の高まりによって、日本がこれまで台湾有事を存立危機事態ではなく周辺的な問題として扱うことができたロジックは一挙に崩壊している。軍事面での積極的関与に歴史的に抵抗してきた日本の世論も認識を改めつつある。今では世論調査でも、10年前には考えられなかった改革案を受け入れる見方が広がっている。高市氏の枠組みでは、台湾を対外的な問題ではなく、日本の戦略的アイデンティティを構成する要素と位置付けている。とはいえ日本の関与は感情論に基づくものではなく、その大きな原動力は国益だ。ただし、この違いを認識することは台湾にとって非常に重要となる。日本政府の言葉を過度に美化すれば日本の動機を誤解する危険があり、単なる見せかけと片付ければ、歴史的な戦略転換を過小評価する恐れがある。台湾はむしろ、日本のメッセージを政策連携の深化、危機コミュニケーションの制度化、共通の作戦ロジック構築を呼びかけたものと解釈すべきだ。高市氏の発言は、日台政府間の継続的な戦略対話のきっかけにすべきであり、それは象徴的なものではなく現実主義に基づかなければならない。II. 進化する日米抑止の枠組み日米同盟構造の進化は、冷戦初期以来見られなかった戦略的連携の高まりを反映している。日本が反撃能力の整備を加速させ、米国ミサイル防衛網に加わり、南西諸島全域で態勢を強化することで、総合的に日本の役割は守りの「盾」から、台湾有事の展開を受け止めつつ主導権を握ることもできるハイブリッド戦力に変容する。米国政府が分散抑止モデル(集中配備よりも生存性、分散、冗長性を優先する戦略)を採用することにより、日本の求心性が高まる。琉球列島の地理を考えると、日本は前線の兵站拠点、ミサイル分散プラットフォーム、対潜水艦戦の拠点、および台湾北部戦域とさらに広範なフィリピン海を結ぶ防空結節点としての役割を果たせる。しかし、この構造的変化には暗黙の条件も伴う。日本がより大きな責任を引き受ける意志を持つかどうかは、日本が台湾のレジリエンス、意思決定の一貫性、危機管理能力を信頼できるかどうかにかかっている。今後の紛争において、抑止力への信頼性は同盟国の兵器だけでなく、政治的シグナルの連動、準備態勢サイクルの連携、リスク評価の共有にも左右される。台湾が日本の改革と同じペースで政治・情報・民間防衛システムを近代化できなければ、抑止力の連鎖は弱まる。したがって、台湾は日米の枠組みを安全保障の傘ではなく、戦略的エコシステムとして捉えなければならない。これには継続的な連携、コミュニケーションの定例化、共同計画が求められる。抑止力は今後、単に米国や日本の支援を前提とするのではなく、台湾がこのエコシステムに自らを組み込めるかどうかに大きく左右されるだろう。III. 韓国の海底戦略再編韓国は、攻撃型原子力潜水艦(SSN)で米国と協力を深めようとしており、この動きは北東アジアの安全保障において特に重大な進化だ。公の議論では韓国が核兵器を保有する可能性に焦点が当てられがちだが、より革新的な変化は、海底での生存能力(すなわち北朝鮮の成熟しつつあるSLBM能力に対抗できる能力)が長期的な抑止力に不可欠である点を韓国政府が認識していることにある。この転換は、米国と日本の戦略的利益と本質的に合致する。米韓SSN協力が実現すれば、海中監視網が拡張され、第一列島線の北部全域も切れ目なく監視できる。核による威圧と敵潜水艦隊の高度化に対する懸念を共有する者同士が脅威を認識することで、公式に同盟を再編しなくても、三者間の相互運用性が深まる機会が生まれる。台湾にとって、影響は間接的だが戦略的には重大だ。米韓の海底防衛体制が強化されれば北部戦域が安定し、台湾有事の際には米軍の戦力をより柔軟に再配置できる。韓国の港湾・監視システム・海底ネットワークはフィリピン海への米軍展開を支援できるため、日本の運用上の負担が軽減されるとともに、地域的抑止の枠組み全体が強化される。韓国の転換は、この地域の重要な傾向を示している。つまり、米国の同盟国はもはやコミットメントの表明だけを当てにしてはいないということだ。各国は同盟抑止力を強化する独自の能力を高めている。台湾はこの点を明確に認識しなければならない。韓国政府が(差し迫った存立危機に直面していながらも)海中での持久力と生存性に多額の投資をするならば、台湾も同様の脆弱性を精査すべきとのロジックは説得力を持つ。IV. 日本の防衛産業の転換日本が防衛産業における長年にわたる規制を緩和したことは、インド太平洋地域の安全保障をめぐる秩序において大きな転換点となる。日本の産業力は数十年にわたって軍事的役割から切り離されていたが、この隔たりは高市氏の下で縮まりつつある。防衛輸出の規制改革により、日本は国力を強化できるだけでなく、技術の普及やサプライチェーンの安定化を通じて地域的抑止を拡大できる。東南アジア諸国はロシアや中国に代わる防衛装備品の調達先を求めており、高い信頼性、高度な精密製造、強固なサイバーセキュリティを特徴とする産業エコシステムを備えた日本は重要な供給源になる。センサー、防空部品、巡視船、新型自律システムを輸出することで、日本は分散型安全保障構造に貢献し、パートナー国のレジリエンスを強化するとともに、中国の威圧的拡大の余地を狭められる。台湾にとって、日本の産業正常化は3つの大きな機会をもたらす。第一に、電子戦、無人海上システム、安全な通信、強靭化された産業能力といった分野のデュアルユース技術で協力しやすくなる。第二に、日本の厚みのある産業基盤は長期化した危機において安定化の柱ともなり、修理拠点、予備部品、兵站の冗長性を提供できる。第三に、日本が東南アジアのパートナー諸国に装備品を供給すればするほど、中国がこの地域で軍事的優位を確立する能力は制限されるため、台湾の戦略的環境が間接的とはいえ実質的に強化される。台湾は、目立たない形ながらも意図を持って、日本の進化する産業防衛エコシステムへの統合を追求すべきだ。たとえ限定的な協力であっても、相互理解を深め、相互運用性を高め、共同危機対応への信頼を構築できる。このエコシステムに加わることで、正式な同盟に伴う政治リスクを負わずに抑止力を強化できる。V. 台湾の戦略的重要性の高まり日本、米国、韓国で同時に見られる戦略調整から、より深い構造的問題が浮かび上がる。それは、再構築されたインド太平洋秩序の中で、台湾は自らをどこに位置付けているのか、という問題だ。台湾が自らを単なる最前線の緩衝地帯と定義するなら、脆弱性と依存の議論から抜け出すことはできない。しかし台湾は、地域の安定に不可欠な結節点として自らを再定義できる経済的、技術的、政治的能力を備えている。台湾がこの力を発揮するには、重層的なレジリエンスを構築しなければならない。電力網、港湾、海底ケーブル、半導体製造工場といった重要インフラの強靭化は、単なる技術プロジェクトではなく戦略上の必須事項である。脆弱性を低減することは、台湾が厳しい圧力下でも統治と運用の継続性を維持できる持久力のあるパートナーであることを同盟国に示すことである。第二に、台湾は米日韓の新たな協力の枠組みに、より緊密に歩調を合わせる必要がある。正式な同盟参加は政治的に実現不可能かもしれないが、脅威評価の共有、サイバーセキュリティプロトコルの整合、危機対応メカニズムの連携などで実質的に歩調を合わせれば、集団抑止に向けた現実的な道筋となる。第三に、台湾は自らの戦略的ナラティブを再定義しなければならない。地域紛争の火種になり得る存在としてのみ認識されるのではなく、グローバルサプライチェーンを安定させる存在、オープンな技術エコシステムの守護者、そして権威主義的拡大に最前線で抵抗する民主主義体制としての役割を明確にすべきだ。このナラティブは日韓米の戦略的思考に深く共鳴し、台湾の外交的影響力を強化する。結局のところ、台湾がインド太平洋地域で激化する戦略的競争を乗り切れるかどうかは、この地域の地政学に左右される受け身の存在から、安全保障を主体的に生み出し、協力して抑止力を構築し、この地域に不可欠な結節点へといかに効果的に変容できるかにかかっている。新たな秩序は台湾を待ってはくれない。台湾は自ら前進し、その秩序の中で自らの立場を主張しなければならない。日本の高市総理(写真:つのだよしお/アフロ)(※1)https://grici.or.jp/(※2)https://grici.or.jp/6929 <CS> 2025/12/01 10:23 注目トピックス 経済総合 NYの視点:【今週の注目イベント】各国PMI、米PCE価格指数、ADP雇用統計、ISM、植田日銀総裁講演 *07:42JST NYの視点:【今週の注目イベント】各国PMI、米PCE価格指数、ADP雇用統計、ISM、植田日銀総裁講演 今週は連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として最も注目しているPCE価格指数の9月分が発表される予定で注目材料となる。古い統計ながら、インフレ基調を確認していく。12月連邦公開市場委員会(FOMC)での政策決定材料のひとつとなる。12月1日はサイバーマンデーで米国の消費者動向を判断。その他、ISM製造業で全米製造業動向、ISMサービス業活動指数でサービス業動向を判断していく。米PCE価格コア指数9月分は8月から低下する公算で、12月利下げを後押しすると見られる。12月ミシガン大消費者信頼感指数は改善が予想されているものの、消費者が依然高止まりしている物価や労働市場への懸念を強めているため、万が一、悪化した場合は、利下げ観測がさらに強まり、ドル売り圧力になると見る。日本では、植田日銀総裁が講演、記者会見を予定しており、発言で利上げを巡る見解に注目が集まる。■今週の主な注目イベント●米国1日:製造業PMI、ISM製造業、パウエルFRB議長あいさつ2日:ボウマン米連邦準備制度理事会(FRB)副議長が下院金融サービス委で金融規制に関する公聴会に参加3日:ADP雇用統計、鉱工業生産、ISMサービス業活動指数4日:週次失業保険申請件数、ボウマン米連邦準備制度理事会(FRB)副議長が銀行監督に関し講演5日:PCE価格指数、ミシガン大消費者信頼感指数●欧州1日:ユーロ圏製造業PMI2日:ユーロ圏CPI、失業率3日:サービスPMI、PPI、ラガルドECB総裁が講演、レーン氏講演4日:ユーロ圏小売売上高●加5日:カナダ失業率●OECD2日:経済見通し●英国1日:製造業PMI●日本1日:植田日銀総裁が講演、記者会見、製造業PMI5日:世帯支出、先行指数●中国1日:レーティングドッグ製造業PMI3日:レーティングドッグサービスPMI <CS> 2025/12/01 07:42 注目トピックス 経済総合 欧米の注目経済指標:9月米コアPCE価格指数は8月実績をやや下回る可能性 *13:06JST 欧米の注目経済指標:9月米コアPCE価格指数は8月実績をやや下回る可能性 12月1日-5日発表予定の経済指標予想については以下の通り。■1日(月)日本時間2日午前0時発表予定○(米)11月ISM製造業景況指数-予想:49.010月については関税による不透明感や新規受注の低調さが製造業の活動を圧迫したとみられる。この影響は薄らいでいるが、11月時点でも節目の50を下回っているとみられる。■2日(火)午後7時発表予定○(欧)11月ユーロ圏消費者物価指数-10月実績は前年比+2.1%。参考となる10月実績は前年比+2.1%。サービス価格が上昇する一方、エネルギー価格はやや低下した。この状況は11月時点でも変わっていないとみられるため、インフレ率は10月並みの水準にとどまる可能性がある。■3日(水)午後10時15分発表予定○(米)11月ADP雇用統計-予想:前月比+2万人10月実績は前月比+4.2万人。11月8日までの週次雇用平均は-1.35万人と減少傾向が続いている。民間部門における雇用削減が拡大していると断定できないが、11月の雇用者数は小幅な伸びにとどまる可能性が高い。■5日(金)日本時間6日午前0時発表予定○(米)9月コアPCE価格指数-予想:前年比+2.8%参考となる8月実績は+2.9%。インフレ緩和の明確な兆候は確認されていないものの、9月のコアPCE価格指数の上昇率は8月実績をやや下回る可能性がある。○その他の主な経済指標の発表予定・2日(火):(欧)10月失業率・3日(水):(米)11月ISM非製造業景況指数・4日(木):(欧)10月小売売上高・5日(金):(加)11月失業率 <FA> 2025/11/29 13:06 注目トピックス 経済総合 NY金は12月FOMCの利下げ見通しに揺れるも、先週末から反発へ サンワード証券の陳氏 *17:23JST NY金は12月FOMCの利下げ見通しに揺れるも、先週末から反発へ サンワード証券の陳氏 皆さん、こんにちは。今回は、金についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、『NY金は12月FOMCの利下げ見通しに揺れるも、先週末から反発へ』と伝えています。続いて、『先週のNY金(12月)は、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ見通しが後退したことから下落した。ただ、利下げ賛成の意見もあり、下げは小さかった』と伝えています。また、『週明け24日のNY金は、年内の米追加利下げ観測を背景に上昇。前週末比14.70ドル高の4094.20ドル』と伝えています。次に、『米政府機関の一部閉鎖の解除を受けて、米経済指標が徐々に発表されている。経済指標の結果は利下げを後押しする内容で、さらに、ブルームバーグが、次期FRB議長にハセット国家経済会議(NEC)委員長が有力と報じたことも利下げ見通しを強めた』と述べています。陳さんは、『NY金(12月)の10月20日高値4398ドルと28日安値3901.3ドルにフィボナッチ比率を当てはめると、戻りの目安は、0.38倍=4090ドル、0.5倍(半値)=4150ドル、0.62倍=4210ドルが算定される。25日には、ほぼ半値戻しが達成されたため、4200ドルを目指す展開になろう。0.62倍戻しを上抜けると、全値戻しが目安になろう』と考察しています。予想レンジは、『4050~4250ドル』を想定しています。一方、ドル円は、『日銀政府による介入警戒もあり、1ドル=158円をブレイクできなかった、156円台で推移しており、円安基調は崩れていない』と述べ、『円安支援もありOSE金はNY金よりも下値を切り上げている。10月20日高値22288円と28日安値19413円にフィボナッチ比率を当てはめると、戻りの目安は、0.38倍=20506円、0.5倍(半値)=20850円、0.62倍=21200円が算定される。26日に0.62倍に達したが、14日の高値21580円をブレイクすると、22000円が目標になろう』と考察しています。予想レンジは、『20500円~22000円』を想定しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の11月26日付「NY金は12月FOMCの利下げ見通しに揺れるも、先週末から反発へ」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。 <CS> 2025/11/27 17:23 注目トピックス 経済総合 メキシコペソ円今週の予想(11月25日) サンワード証券の陳氏 *17:15JST メキシコペソ円今週の予想(11月25日) サンワード証券の陳氏 皆さん、こんにちは。今回は、メキシコペソ円についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、メキシコペソ円について、『メキシコの追加利下げ観測からもち合いとなりそうだ』と述べています。続けて、『メキシコ中央銀行が20日公表した6日の前回会合の議事要旨によると、理事の大半はコアインフレ率が高止まりしている中でも、軟調な経済を受けて政策金利を引き下げるべきだと主張した』と伝え、『11月の会合では25ベーシスポイント利下げし、政策金利を7.25%とすることを決定。これは2022年5月以来、約3年半ぶりの低水準となった。今回の利下げ幅は広く予想されていたものの、今後の見通しについて慎重な姿勢を示した。理由としてコアインフレ率が高止まりしていることが挙げられた』と解説しています。次に、『メキシコのGDPは、2025年第3四半期に前四半期比季節調整済みで0.3%縮小した。これは2024年第4四半期以来の初の縮小であり、前期の0.6%拡大から縮小した。製造業の生産は1.5%縮小し、米国が課した関税の波の中で、車両や主要輸出産業の見通しの不確実性に圧力を受けた』と伝え、『一方、第一次産業の生産は3.5%増加し、サービスの生産は0.2%上昇した。前年比ではメキシコのGDPは0.1%縮小し、2021年第4四半期以来の初の減少となった。このため、メキシコ中銀は年内に追加利下げを決定する可能性が高いだろう』と見解を述べています。陳さんは、『メキシコ中央銀行のロドリゲス総裁は、同国経済は緩やかな成長を維持する見込みだが景気低迷は続くと述べたが、利下げは低迷する経済を支援しよう』と考察しています。メキシコペソ円の今週のレンジについては、『8.20円~8.50円』と予想しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の11月25日付「メキシコペソ円今週の予想(11月25日)」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。 <CS> 2025/11/26 17:15 注目トピックス 経済総合 NYの視点:市場、米12月利下げ85%近く織り込む、小売売上高や雇用指標、消費者信頼感指数が冴えず *07:47JST NYの視点:市場、米12月利下げ85%近く織り込む、小売売上高や雇用指標、消費者信頼感指数が冴えず 米商務省が発表した9月小売売上高は前月比+0.2%と、8月+0.6%から伸びが予想以上に鈍化し、マイナスとなった5月来で最小の伸びとなった。ガソリンスタンド、パーソナルケア用品などでの支出が指数を支えた。一方、自動車売上は4カ月間で初めて、減少。また、富裕層の消費が下支えとなっている。低所得者層では物価高、労働市場の減速により、支出を控えている兆候が見られる。変動の激しい自動車を除いた小売売上高は前月比+0.3%と、予想通り8月+0.6%から伸びが鈍化。マイナスとなった5月来で最小の伸びとなった。国内総生産(GDP)の算出に用いられる外食、自動車、建材、給油を除いたコントロールグループは-0.1%と、8月+0.6%から4月来のマイナスに落ち込んだ。夏休み明け、新学期に向けた8月の学校関連の支出加速から、急速な鈍化が見られ、7-9月期GDPのマイナスに寄与した可能性がある。また、コンファレンスボードが発表した米11月消費者信頼感指数は88.7と、10月95.5から予想以上に低下し4月来で最低となった。ミシガン大消費者信頼感指数の11月分も過去最低となった2022年6月以来で最低を記録。特に現況は2009年来で最低を記録した。消費者信頼感は価格高騰や賃金鈍化に引き続き悩まされていることが明かになった。10-12月期のGDP成長を引き続き消費が圧迫している可能性も警戒される。12月連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ確率は82%まで上昇した。 <CS> 2025/11/26 07:47 注目トピックス 経済総合 NYの視点:米11月ダラス連銀製造業活動指数は予想外に低下も詳細は良好 *07:49JST NYの視点:米11月ダラス連銀製造業活動指数は予想外に低下も詳細は良好 米11月ダラス連銀製造業活動指数は-10.4と、10月-5.0から回復予想に反し、低下した。4カ月連続のマイナスで6月来で最低となった。ただ、内容は良好。重要項目の新規受注は4.8と8月来のプラスに改善。生産も20.5と、5.2から大幅改善し7月来で最高となるなど強い伸びとなった。出荷も15.1と5.8から急伸。資本支出も9.8と4.8から上昇した。物価を巡り、原材料価格は35.3と33.4から上昇。販売価格も10.8と7.7から上昇した。雇用は1.2と、2.0から低下した。データからは経済の状況が依然明確化せず。25日に発表される小売売上高で消費動向を判断することになるが、9月分と古い。短期金融市場では再び12月の利下げが70%近く織り込まれた。連邦公開市場委員会(FOMC)の中でも、連邦準備制度理事会(FRB)議長、副議長と並んで影響力のあるNY連銀のウィリアムズ総裁が近いうちの利下げの余地がまだあるとの考えを示したことに加えて、ウォラー理事も「自分の懸念は労働市場。利下げを支持する」と、12月利下げを支持する姿勢を示した。◇米・11月ダラス連銀製造業活動指数:-10.4(予想:-2.0、10月:-5.0)企業見通し:-6.3(10月-0.3)生産:20.5(5.2)設備稼働:19.4(-1.1)新規受注:4.8(-1.7)Unfilled orders:-6.6(-6.4)出荷:15.1(5.8)Delivery time-8.4(-7.2)商品在庫:-14.3(-11.0)原材料価格:35.3(33.4)販売価格:10.8(7.7)賃金:15.4(14.2)雇用:1.2(2.0)労働時間:9.9(-5.5)資本支出:9.8(4.8)見通し不透明感:15.7(22.2)6カ月先活動指数:11.0(10月7.0)企業見通し:16.2(7.1)生産:33.7(21.0)設備稼働:34.0(17.5)新規受注:39.2(18.3)Unfilled orders:-0.5(-8.9)出荷:27.0(18.5)Delivery time-4.1(-1.4)商品在庫:-1.5(+3.1)原材料価格:40.7(46.1)販売価格:38.8(37.3)賃金:39.1(41.5)雇用:22.3(18.9)労働時間:5.7(7.2)資本支出:12.9(26.8) <CS> 2025/11/25 07:49 注目トピックス 経済総合 日米の注目経済指標:9月米小売売上高は前月比プラスの可能性 *13:53JST 日米の注目経済指標:9月米小売売上高は前月比プラスの可能性 11月24日-28日発表予定の経済指標予想については以下の通り。■25日(火)午後10時30分発表予定○(米)9月小売売上高-8月実績は前月比+0.6%関税賦課の影響は消えていないが、個人消費の明確な減退を示唆するデータは少ないため、9月も前月比プラスの可能性が高い。■25日(火)午後10時30分発表予定○(米)9月生産者物価コア指数-8月実績は前年比+2.8%参考となる8月実績は前年比+2.8%で市場予想を下回った。9月についてはインフレの一段の緩和を示唆するデータが乏しいため、上昇率は8月実績と同水準となる可能性がある。■25日(火)日本時間26日午前0時発表予定○(米)11月CB消費者信頼感指数-予想:93.310月実績は94.6で9月実績の95.6から低下し、4月以来の低水準。将来的な雇用機会の確保と関税による物価上昇の持続に対する懸念が残されているようだ。11月については雇用増加に対する期待は低下していること、インフレ持続が警戒されていることから、10月実績をやや下回る可能性がある。■28日(金)午前8時30分発表予定○(日)10月失業率-予想:2.6%参考となる9月実績は2.6%。就業者数は6834万人で前月比+24万人。完全失業者数は前月比+2万人。足元の雇用情勢は特に悪化していないため、10月の失業率は9月と同水準となる見込み。○その他の主な経済指標の発表予定・26日(水):(NZ)NZ準備銀行政策金利・28日(金):(日)10月鉱工業生産、(加)7-9月期国内総生産 <FA> 2025/11/22 13:53 注目トピックス 経済総合 NYの視点:米12月FOMC前で最後の9月雇用統計:失業率が4年ぶり高水準で12月利下げ確率は上昇 *07:51JST NYの視点:米12月FOMC前で最後の9月雇用統計:失業率が4年ぶり高水準で12月利下げ確率は上昇 米国労働統計局(BLS)が発表した9月非農業部門雇用者数は前月比+11.9万人と、予想+5.1万人を上回る伸びを記録し4月来で最大の伸びを記録し労働市場の底堅さが示唆された。ただ、8月分は―0.4万人と、+2.2万人からマイナスに下方修正された。過去2カ月間で合計3.3万人の下方修正となる。また、同月失業率は4.4%と、予想外に8月4.3%から上昇。21年10月来で最高に達した。労働参加率は62.4%と、62.3%から予想外に上昇し5月来で最高。週平均労働時間は34.2と予想に一致した。不完全雇用率(U6)は8.0%と、8.1%から低下した。平均時給は前月比+0.2%と、予想以上に鈍化。6月来で最低の伸びにとどまった。一方、前年比では+3.8%と、予想を上回った。より最新の労働市場状況となる米先週分新規失業保険申請件数(11/15)は22万件と、予想22.7万件を下回った。10月中旬来の低水準で大きな増加は見られず労働市場が堅調なあらたな証拠となった。ただ、失業保険継続受給者数(11/8)は197.4万人と予想195万人を上回り21年11月以降4年ぶりの高水準を記録した。失業した労働者があらたな職を見つけるのにより時間がかかる可能性が示唆された。モルガンスタンレーのエコノミストは9月の雇用の伸び加速を受け、12月連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げ見通しを撤回し、据え置き見通しに修正した。しかし、短期金融市場では、失業率や失業保険継続受給者数(11/8)が4年ぶり高水準に達したことを受け、逆に利下げ確率が上昇した。12月FOMC前の雇用統計は9月分のみとなる。現状の労働状況を把握し、12月利下げの可能性を探るために、引き続き民間の雇用関連指標に注目される。 <CS> 2025/11/21 07:51 注目トピックス 経済総合 金相場の反転は? サンワード証券の陳氏 *16:46JST 金相場の反転は? サンワード証券の陳氏 皆さん、こんにちは。今回は、金についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、『先週のNY金(12月)は、米連邦準備制度理事会(FRB)による追加利下げ観測が後退する中、週末に大幅安となったものの、週間ではなお上昇した』と伝えています。続いて、『週明け17日のNY金は、ドル高や米連邦準備制度理事会(FRB)による追加利下げ期待の後退が重しとなり3営業日続落した』と伝え、『前週末比19.70ドル安の4074.50ドル。複数のFRB高官が今月に入り、12月の連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利下げに対して慎重な姿勢を相次いで表明していることが引き続き重石となった。ただ、下げ幅は限定的だった。今週は、FOMC議事要旨(10月28、29日開催分)の公表や、米政府機関の一部閉鎖の解除に伴う雇用統計が20日に発表される』と説明しています。そして、『9月雇用統計の市場予想は、非農業部門就業者数の増加幅が8月の2万2000人から数万人になると見込まれているが、依然として水準は低く、市場予想通りであれば、雇用の減速が明白となり、12月の利下げ見通しが高まろう。金相場も反転する可能性が高いだろう』と考察しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の11月19日付「金相場の反転は?」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。 <CS> 2025/11/20 16:46 注目トピックス 経済総合 NYの視点:米FOMC議事要旨(10月分)、大半の参加者が12月据え置き支持、ドル指数200DMA突破で一段高の可能性 *07:40JST NYの視点:米FOMC議事要旨(10月分)、大半の参加者が12月据え置き支持、ドル指数200DMA突破で一段高の可能性 米連邦準備制度理事会(FRB)が公表した前回10月連邦公開市場委員会(FOMC)での議事要旨で、大多数の当局者が12月利下げに否定的な考えを示したことが明かになった。同時に、「数人が利下げに反対した」ことも明らかになった。米労働統計局は10月分の雇用統計の発表を中止。労働市場の減速を理由に利下げを継続してきたが、現状不透明で、様子見を望む委員が増えると見られる。11月雇用統計も12月FOMC後の発表と、雇用統計の発表が不足し、政策判断は困難となる。また、FRB高官の見通しは依然、大きく相違している。12月利下げを巡り、数人のメンバーは利下げに慎重で政策据え置きを支持。他のメンバーは今後のデータ次第で、判断してく姿勢。一方、12月も保険で0.25%の利下げが必要との見解もある。ミラン理事は引き続き0.5%利下げを主張すると見られる。12月利下げが見送られる可能性が強まったことに加え、たとえ、12月FOMCで0.25%の利下げが決定したとしても、少なくとも2メンバーの反対票が想定されるタカ派利下げとなる可能性が高い。トランプ大統領は引き続き利下げ要請し、パウエルFRB議長に加え、ベッセント米財務長官にまで圧力を強めた。短期金融市場での12月利下げ確率も30%を割り込み、ドル指数は100を突破。200日移動平均水準(DMA)も上抜けており、一段高の可能性がある。◇2025 FOMCメンバーの12月会合での予想パウエルFRB議長ウィリアムズ米NY連銀総裁:指標次第バーFRB理事ボウマン米連邦準備制度理事会(FRB)副議長:0.25%利下げコリンズ米ボストン連銀総裁:据え置きクック理事グールズビー米シカゴ連銀総裁:指標次第ジェファーソンFRB副議長:指標次第ミランFRB理事:0.5%利下げムサレム米セントルイス連銀総裁講:据え置きシュミッド米カンザスシティ連銀総裁:据え置きウォラーFRB理事:0.25%利下げ <CS> 2025/11/20 07:40 注目トピックス 経済総合 ドル円今週の予想(11月17日)サンワード証券の陳氏 *17:45JST ドル円今週の予想(11月17日)サンワード証券の陳氏 皆さん、こんにちは。今回は、ドル円についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、今週のドル円について、『米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ見通し後退から、堅調に推移しそうだ』と述べています。続いて、『FRBが12月9、10日の次回米連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利の引き下げを見送るとの観測が広がっている』と伝え、『利下げで景気を刺激するとインフレ加速を招くとの懸念から、FRB高官が相次いで据え置き支持を示唆。米政府機関の一部閉鎖が解除されても重要物価統計は発表されておらず、追加利下げへの慎重な見方が強まっている』と説明しています。また、『過去最長の43日間で政府閉鎖は終了し、9月分の雇用統計は20日に発表される予定だが、10月分の米消費者物価指数(CPI)は発表されない公算が大きい。一連の高官発言を受け、市場の利下げ観測も後退している』と述べています。一方、『日本銀行の植田和男総裁は13日、政策判断で重視する基調的な物価上昇率について、物価安定目標である「2.0%に向けて緩やかに上昇している」との見解を示した。日銀は10月29、30日の金融政策決定会合で、6会合連続で政策金利を据え置いた』と伝えています。陳さんは、『利下げしにくくなったFRBと、利上げしにくくなった日銀の対比から、ドル買い・円売りが優勢となりそうだ』。ドル円の今週のレンジについては、『152.00円~156.00円』と予想しています。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の11月18日付「ドル円今週の予想(11月17日)にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。 <CS> 2025/11/19 17:45 注目トピックス 経済総合 南アフリカランド円今週の予想(11月17日)サンワード証券の陳氏 *16:47JST 南アフリカランド円今週の予想(11月17日)サンワード証券の陳氏 皆さん、こんにちは。今回は、南アフリカランド円についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、今週の南アフリカランド円について、『格付けの引き上げを受けて堅調に推移しそうだ。今週の南アフリカ中銀会合では、利下げが予想されているが、弱材料にはならないだろう』と述べています。続いて、『南アフリカは12日、インフレ目標を従来の3-6%から3%プラスマイナス1%ポイントに引き下げた。25年ぶりの調整となり、即日実施される』と伝え、『これで今週20日の南アフリカ中銀会合では、利下げする余地が整ったといえよう』と述べています。次に、『格付け会社S&Pグローバルは14日、南アフリカの外貨建て長期ソブリン格付けを「BBマイナス」から「BB」に引き上げた。格上げは約20年ぶりで、成長見通しの好転、財政見通しの改善、国営電力会社エスコムの業績好転に伴う偶発債務の減少を根拠に挙げた』と伝えています。また、『南アフリカ政府は13日、2036年または40年の五輪・パラリンピック招致を目指すと発表した』と伝え、『南アフリカのケープタウンは過去に04年大会の招致に臨んだが、投票で3位に終わり実現せず。今回の招致に成功すれば、アフリカ大陸初の五輪開催となる。ケープタウンは世界的な観光地としての知名度の高さから、開催候補地としてより現実的な選択肢と見られている。南アフリカは1995年のラグビーワールドカップ(W杯)、2003年のクリケットW杯、そして10年にはサッカーW杯を成功させている』と解説しています。南アフリカランド円の今週のレンジについては、『8.70円~9.00円』と予想しています。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の11月18日付「南アフリカランド円今週の予想(11月17日)にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。 <CS> 2025/11/19 16:47 注目トピックス 経済総合 中国の第15次5カ年計画の建議に見る政治経済の転換(2)【中国問題グローバル研究所】 *10:29JST 中国の第15次5カ年計画の建議に見る政治経済の転換(2)【中国問題グローバル研究所】 ◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページ(※1)でも配信している「中国の第15次5カ年計画の建議に見る政治経済の転換:成長のナラティブから安全保障を基軸とした統治へ(1)【中国問題グローバル研究所】」の続きとなる。※この論考は11月6日の<The Political-Economic Turn in China’s 15th Five-Year Plan Proposal: From Growth Narratives to Security Governance>(※2)の翻訳です。III. 台湾の戦略的・制度的リスク回避とサプライチェーン主権このように戦略がシフトする中、台湾はインド太平洋地域において、安全保障を基軸とする統治と開かれた制度が持つレジリエンスがせめぎ合う最前線の実験場となっている。中国政府は主権の問題と見なしているが、国際社会の多くは、対立する統治モデルの耐久試験だと捉えている。そのため台湾の戦略は国家の存続を超え、開かれた制度と技術的専門性が、安全保障を掲げる強大な競争相手の引力に耐えられるかどうかの試金石となる。台湾にとって、中国の安全保障重視への転換は、分断や譲歩ではなく制度的リスク回避とサプライチェーン主権の必要性を高めている。台湾政府は、経済地理、技術的非対称性、強制手段が交錯する戦略的環境で舵取りをしている。中国政府が安全保障のロジックを強化すれば、台湾の行動範囲を狭めるだけでなく、台湾の制度上の優位性(法の支配の信頼性、テクノロジーの透明性、同盟と整合する規制枠組み)を活用して信頼できる経済・安全保障構造に加わろうとする動きを後押しすることになる。台湾の重要性は、中国の安全保障化された発展型国家を模倣することではなく、規制面での差別化とバリューチェーンに不可欠な存在になることにある。つまり、半導体で主導権を確立し、強靭なサプライチェーンガバナンスを制度化し、インド太平洋・欧州全域で戦略的パートナーシップを拡大することだ。これはイデオロギーによる連携ではなく機能的な主権であり、半導体エコシステム、重要インフラ、サイバーセキュリティ、人材交流、データガバナンス全体にレジリエンスを組み込むことである。台湾は規模で競うのではなく、システムの信頼性と明朗な制度で勝負している。二極化するインド太平洋地域で、究極の戦略的通貨は規模ではなく信頼性だ。中小国が二者択一の圧力に直面するこの地域で、台湾政府の姿勢は第三の道を体現している。それは、開放されていながら安全保障を確保する道であり、国際社会に組み込まれていながら主権を手放さない道だ。課題は、技術的資産と民主的正当性を、地域にとって恒久的に意義あるものへと転換することだ。戦略的同調だけでなく、統治能力と規範をともに構築する中でこれを行う。中国が安全保障を基軸とした現代化を体系化する中、台湾は対抗するビジョン(透明性のあるイノベーション、信頼される接続性、制度的多元主義)を明確にして運用化するとともに、そうしたビジョンをルール化、標準化し、協調安全保障体制に転換する必要がある。IV. 地域への影響:日本、ASEAN、そして安全保障の波及効果この方針転換は地域に重大な影響をもたらす。新興国にとって、中国との関与には制度的な整合性と安全保障上のゲート設定がますます必要となっている。多国籍企業にとっては、市場参入は単なる商業的選択ではなく政治的立場の表明となる。小国にとっては、中国の存在は資本や貿易だけでなく、規範、制度、安全保障上の動向にも影響する。日本はすでに対応している。中国が自らの位置付けを安全保障優先の現代国家に転換する中、日本政府は同盟中心の戦略、技術連合、重要サプライチェーンの強化、制度的レジリエンスにさらに注力している。中国のシフトによって、日本の「安全保障・テクノロジー・同盟関係の三位一体」が加速し、日米の経済安全保障協力が深まっている。一方、東南アジア諸国ではより重層的な対応が見られる。中国との関係はもはや純粋に経済的な問題ではなく、安全保障を外部に握られることにもなる。その結果、ASEANの中堅国は選択的関与という道を取っている。つまり貿易や生産では関係を維持しつつ、デジタルガバナンス、重要インフラ、新技術の導入においては統制を強化している。これはイデオロギー的なリスク回避というより、制度の二極化という状況下で自律性を維持するための現実的な選択だ。V. 新たなKPI(重要業績評価指標)を掲げる体制:政治的・制度的実績第15次5カ年計画の建議は、技術官僚的なロードマップではなく、中国の統治モデルの憲法的宣言として読むことができる。現代化は数値的拡大ではなく、統制・安定・政治的指揮という枠組みで語られる。中国は自らを新興市場の巨人というより安全保障を重視する主権国家と位置付けており、長期的な競争と制度の自衛に備えている。中国と主要国との競争はもはや「どこが速く成長するか」ではなく、どの体制が逆境に耐え、指揮系統を統制し、テクノロジーを支配し、ナラティブの権威を維持できるかという問題になっている。これは国際秩序の今後を再定義するものであり、インド太平洋地域で舵取りをする国々にとって構造的な課題だ。中国の道筋は、現代化が開放性や市場ではなく、レジリエンス・隔離・中央集権的政治権力で規定される未来を示唆している。今後の見極めのポイントは、世界がこのモデルを受け入れるかどうかだけでなく、中国が複雑な地政学的リスクや国内問題の圧力に直面し、断片化した世界経済で長期的な競争が予想される中で、このモデルを維持できるかどうかにある。成功の基準はGDPの数字ではなく、安全保障を基軸とする中国の現代化が、恐れなきイノベーションと、市場の信認なき繁栄を実現し、相互の開放がないままでも世界に影響力を行使できるかどうかにある。要塞型の安定と柔軟なバイタリティとの間に未解決のまま横たわる緊張が、中国の次の10年とそれを取り巻く地政学的構図を決定づけることになるだろう。要するに、第15次5カ年計画は単なる発展計画ではなく、中国が21世紀をどう生き延びようとしているのか、そしてその方針に地域がどう適応すべきと考えているかを宣言したものなのだ。2025年 中国共産党 第20期中央委員会第4回総会(4中総会)(写真:新華社/アフロ)(※1)https://grici.or.jp/(※2)https://grici.or.jp/6871 <CS> 2025/11/19 10:29 注目トピックス 経済総合 中国の第15次5カ年計画の建議に見る政治経済の転換(1)【中国問題グローバル研究所】 *10:23JST 中国の第15次5カ年計画の建議に見る政治経済の転換(1)【中国問題グローバル研究所】 ◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページでも配信している(※1)陳建甫博士の考察を2回に渡ってお届けする。※この論考は11月6日の<The Political-Economic Turn in China’s 15th Five-Year Plan Proposal: From Growth Narratives to Security Governance>(※2)の翻訳です。10月28日、新華社は「国民経済・社会発展第15次5カ年計画の策定に関する中共中央の建議」の全文を配信した。国際的な混乱が加速し、国内でも複雑な逆風が吹く中で公表されたこの建議で、中国政府は自国の発展状況に関する政治的見解を示している。産業の高度化や技術的自立から国家安全保障に至るまで、構造的課題に対する指導部の認識を示し、今後5年間の望ましい統治の道筋を概観している。ただし、改革・成長・効率が中国発展のナラティブを支えていた過去40年間と比べると、この文書には顕著な軌道修正が表れている。経済拡大は依然として重要ではあるものの、政治的安全保障、制度的安定、技術的主権、言説支配よりも下位に置かれるようになった。言い換えると、中国の現代化はもはや成長実績だけで測られるのではなく、国家が安全保障を統制し、秩序を維持し、統治システムを動揺から守れるかどうかで評価される。これは戦術的調整ではなく、地政学的競争の激化、国内の構造的緊張、そして国家安全保障を広い視点で捉えようとする時代の中で築かれた統治哲学を制度化するものだ。I. 成長よりガバナンス:安全保障のロジックの優位建議の文言自体、示唆に富む。「安全保障」「自立」「質の高い発展」「統治」といった言葉が目を引く一方で、「改革」「市場」「開放」など、かつて主流だった表現は安全保障の文脈の中に組み込み直された。並行する政策(プラットフォーム経済の是正、データセキュリティ法、反スパイ法の施行、輸出管理体制の再構築)からは、経済、資本、テクノロジーを国家安全保障ガバナンスという柱と一致させる明確なロジックが見て取れる。これは単なる発展方針の転換ではなく、安全保障を中心とした現代化と制度的ナラティブの登場であり、長期にわたる体系的な競争に備えるものだ。この転換は突発的でも偶発的でもない。国外からの戦略的圧力、国内経済の調整、そして中央集権体制の持続に対する指導部の信念が重なった結果だ。この枠組みの中では、経済成長は基盤ではなく手段である。体制のレジリエンス、政治的安全保障、戦略的持続性を実現する手段であって、それ自体が目的というわけではない。第14次5カ年計画からの重要な転換点として、成長目標や所得水準、2035年の数値目標はあえて明記されなかった。国外のアナリストは「中進国」の一人当たり所得としてよく2万5000米ドルという数字を引用するが、中国政府はそのような目標を明文化しなかった。中国の政治言語において、省略は意図的なものだ。中国政府は不確実性を認識しており、政治的余地を制約しかねない実績指標を拒否した上で、数値的な説明責任よりもナラティブの主権を優先している。内需、双循環、テクノロジーの進歩といった経済のテーマは残しつつも、政治的ロジックは市場の信認から国家の統制へとシフトした。不動産サイクルに起因する家計のバランスシート圧迫、地方財政の制約、社会福祉負担の偏り、若年層の雇用ミスマッチ、民間部門の不安定な景況感など、構造的摩擦は根強い。市場のダイナミズムに代わって導入されたのは、「国家戦略」「産業指針」「科学技術のブレークスルー」だ。しかし、こうした置き換えは政治化のリスクを高める。今では従来の効率指標より、政策へのアクセス、セキュリティ指定、サプライチェーンに組み込まれることが重視視されるようになった。II. 発展技術戦略からリスクガバナンスへこうした環境下でテクノロジーは再定義され、生産性の原動力だったものが、国家安全保障とイデオロギー統一の手段になった。重視されるのは単にイノベーションを起こすだけではなく、技術的従属を回避することだ。自律性は競争力であると同時に生き残るための力になる。イノベーションは、安全保障が確保された政治的境界内で起こす必要がある。国家が求めるのは新たなテンセントやアリババではなく「ボトルネックの排除」であり、これはダイナミズムを犠牲にしてでも実現しなければならない。したがって、「開放」という言葉は残されているが、その使い方は変化している。新たなモデルは選択的、保護的、主権中心であり、グローバルに参画しつつも防衛上の境界と体制の隔離は維持する。「世界から学ぶ」と同時に、「世界を選別する」ようになったのだ。中国はかつて「成長+効率」を国力の基盤としていたが、今では「統制+安定」を重視している。正当性は発展の実績から安全保障の実績へとシフトしている。これは守りでもあり自己主張でもある。中国政府は自らが「100年に一度の重大な世界的変化」の決定的局面にあると見ている。この変化の中で、外部環境は以前ほど寛容ではなくなり、サプライチェーンの信頼性は低下し、技術協力は政治利用され、地政学的な不信感がはびこるようになった。国家は今や、経済サイクルに従って政治を律するのではなく、政治的安全保障の基準を満たすために経済を律するようになった。グローバル化は条件付きとなり、武装化され、選別され、選択的なものとなった。これは事後的な危機管理ではなく、中国が統治のロジックを体系的に再設計したことを示す。中国政府はその場しのぎで動いているわけではない。レーニン主義的な組織統制、技術産業の主権獲得、安全保障優先の統治に根差した体制の維持という理論を運用しているのだ。実際、これによって中国の道筋は長期にわたる「要塞型の現代化」、つまり中央集権による政治の指揮、イノベーションチェーンの隔離、世界との選択的な関与というパラダイムに沿ったものになる。中国政府は自給自足に回帰するというより、安全保障回廊(資本チャネル、信頼できる技術パートナー、同盟関係によって選別された供給網、政治的に選別された情報フロー)を通じた開放を描こうとしている。これは、長期化する制度的対立を見据えた現代の権威主義的レジリエンスを示すものだ。「中国の第15次5カ年計画の建議に見る政治経済の転換:成長のナラティブから安全保障を基軸とした統治へ(2)【中国問題グローバル研究所】」に続く。2025年 中国共産党 第20期中央委員会第4回総会(4中総会)(写真:新華社/アフロ)(※1)https://grici.or.jp/(※2)https://grici.or.jp/6871 <CS> 2025/11/19 10:23 注目トピックス 経済総合 NYの視点:米雇用状況引き続き冴えず *08:05JST NYの視点:米雇用状況引き続き冴えず 米政府機関再開に伴い経済指標も少しずつ発表されている。労働統計局がウェブ上で発表した先週分新規失業保険申請件数(10/18)は23.2万件と、9月の中旬から水準はあまり変わらず。失業保険継続受給者数(10/18)は195.7万人と8月来の高水準となった。ただ、労働市場が急速に減速している証拠ではない。一方、調整前の週ベースの申請件数では増加が見られる。特に、ワシントンDC、ヴァージニア州、メリーランド州での増加が目立つ。チャレンジャー・アンド・クリスマスの10月人員削減数が加速したこともすでに明らかになっている。民間のADPが発表した民間部門雇用者数の11月1日までの4週にわたる週平均は2500人減少だった。前回10月25日までは、11250人の減少だった。労働市場は引き続き冴えないが、前回からは大幅回復で、新規雇用も増えていることが指摘されている。ADPによると、10月の新規に採用された従業員は全従業員の4.4%を占めた。前年の3.9%から加速。通常、雇用の加速は、消費や経済動向に連動していたが、最近は必ずしもそうとは言えない。退任した従業員のポジションを新たな従業員が埋めたことがその原因のひとつになっている可能性が一部で指摘されている。雇用の回復とは言えないと懐疑的見解も少なくない。 <CS> 2025/11/19 08:05 注目トピックス 経済総合 NYの視点:米11月NY連銀製造業景気指数は1年ぶり高水準、労働市場持ち直した可能性も示唆、ADPで確認へ *07:47JST NYの視点:米11月NY連銀製造業景気指数は1年ぶり高水準、労働市場持ち直した可能性も示唆、ADPで確認へ 米11月NY連銀製造業景気指数は+18.7と、10月+10.7から低下予想に反し上昇し、昨年11月以降1年ぶり高水準となった。2カ月連続のプラス。11月3日から10日の間に調査は実施された。政府機関再開により11月の指標として初めての指標のひとつとなった同指数は経済が堅調な証拠となった。重要項目の新規受注や出荷の著しい伸びが指数を押し上げ。強い需要で雇用も改善した。物価は低下基調にあるものの、引き続き高止まりとなった。平均労働時間は7.7と年初来で最高となった。3カ月ぶりのプラスと、労働市場の持ち直しの可能性も示唆された。一部、連邦準備制度理事会(FRB)高官が労働市場よりもインフレ対処に焦点を置きたいとしている見解を後押しする結果となった。明日18日には民間指標となるADP週次雇用者の暫定数が発表されるため、労働市場の最新の状況をさらに確認していく。◇米11月NY連銀製造業景気指数:18.7(10月:10.7)新規受注:15.9(3.7)仕入れ価格:49.0(52.4)販売価格:24.0(27.2)出荷:16.8(14.4)雇用:6.6(6.2)受注残:-5.8(-3.9)週平均就業時間:7.7(-4.1)入荷遅滞:7.7(3.9)在庫水準:6.7(-1.0)6か月先景況指数:19.1(30.3)仕入れ価格:62.5(65.0)販売価格:41.3(43.7)新規受注:23.3(34.9)出荷:23.3(31.6)入荷遅滞:1.0(5.8)在庫水準:8.7(7.8)受注残:1.0(5.8)雇用者数11.9(7.5)週平均就業時間:5.8(9.7) <CS> 2025/11/18 07:47 注目トピックス 経済総合 NYの視点:【今週の注目イベント】FOMC議事録、加、英、日本のCPI *07:40JST NYの視点:【今週の注目イベント】FOMC議事録、加、英、日本のCPI 今週は12月連邦公開市場委員会(FOMC)の利下げの行方が不透明となる中、10月28-29日に開催されたFOMC会合の議事要旨に注目される。さらに、9月の雇用統計も発表されるため、注目される。10月28-29日に開催分FOMC会合の議事要旨で、追加利下げを巡る当局者の考えをさらに明らかにする。連邦準備制度理事会(FRB)はこの会合で25ベーシスポイントの利下げを決定、バランスシートの解消(償還に伴う保有証券減少)を12月1日で終了すると明らかにした。米国の労働市場の減速を受け、市場は12月の利下げを確実視していたが、会合後の会見でパウエルFRB議長は、12月の利下げを巡り「決定事項ではない」としたため、利下げ確率が急速に低下した。その後も、労働市場のリスクよりもインフレリスクが上回るとのFRB高官の発言が目立つ。FRBはすでに「鉱工業生産統計の18日発表を延期する」と発表。一方、労働統計局が20日に発表予定の9月分で労働市場の減速が示されると、利下げ観測が再び強まる可能性も残る。そのほか、カナダや英国、日本の物価統計も注目材料となる。10月の日本の全国消費者物価指数(CPI)は、生鮮食品とエネルギーを除いたコアCPIが3.1%上昇と、前月の3.0%から加速したと予想されている。日銀の12月利上げ観測を正当化すると、円買いが優勢となる可能性がある。■今週の主な注目イベント●米国17日:NY連銀製造業活動指数、ウォラーFRB理事、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、ウィリアムズ米NY連銀総裁が講演18日:バーキン米リッチモンド連銀総裁、ローガン米ダラス連銀総裁が講演19日FOMC議事録、ウィリアムズ米NY連銀総裁講演20日:9月雇用統計、中古住宅販売、グールズビー米シカゴ連銀総裁が講演21日:ミシガン大消費者信頼感、製造業PMI●加17日:CPI、住宅着工21日:小売売上高●日本17日:GDP、鉱工業生産19日:貿易収支、機械受注21日:CPI、製造業PMI●欧州17日:デキンドスECB副総裁が講演19日:ユーロ圏CPI21日:ユーロ圏製造業PMI●英国19日:CPI21日:製造業PMI、小売売上 <CS> 2025/11/17 07:40 注目トピックス 経済総合 国内外の注目経済指標:7-9月期の日本経済は大幅なマイナス成長に *14:42JST 国内外の注目経済指標:7-9月期の日本経済は大幅なマイナス成長に 11月17日-21日発表予定の経済指標予想については以下の通り。■17日(月)午前8時50分発表予定○(日)7-9月期国内総生産-予想:前期比年率-2.4%アメリカの高関税政策による輸出の減少と、法改正前の駆け込み需要の反動による住宅投資の大幅な落ち込みによって大幅なマイナス成長となる見込み。ただ、輸出については自動車関税引き下げにより、10月以降はある程度持ち直す可能性がある。■19日(水)午前8時50分発表予定○(日)10月貿易収支-9月実績は-2374億円参考となる10月上中旬の貿易収支は-3076億円で赤字幅は前年同期比-27.1%。前年10月の貿易収支は-4723億円であったことから、今年10月についてはこの水準を下回る赤字額となる可能性が高い。■20日(木)午後10時30分発表予定○(米)9月雇用統計-8月実績:非農業部門雇用者数は前月比+2.2万人、失業率は4.3%8月時点で労働市場の減速が進んでいることが確認されており、9月時点でもこの状況は変わらないとみられる。非農業部門雇用者数は8月実績を上回る可能性があるものの、10月以降は再び悪化しているとみられる。■21日(金)午前8時30分発表予定○(日)10月全国消費者物価コア指数-予想:前年比+3.0%参考となる9月実績は前年比+2.9%。食料や通信料金の値上がりが要因。10月もこの状況は変わらないため、物価上昇率は9月実績と同水準または上回る可能性がある。○その他の主な経済指標の発表予定・19日(水):(英)10月消費者物価指数、(米)10月住宅着工件数・20日(木):(米)10月中古住宅販売件数・21日(金):(欧)11月ユーロ圏製造業PMI、(米)11月製造業PMI <FA> 2025/11/15 14:42 注目トピックス 経済総合 NYの視点:米金利とドルは逆行、12月FOMC利下げ確率は50%まで低下 *07:50JST NYの視点:米金利とドルは逆行、12月FOMC利下げ確率は50%まで低下 本年の連邦公開市場委員会(FOMC)の投票権を持つコリンズ米ボストン連銀総裁は、金利を当面据え置くことを支持するとしたほか、「追加利下げの壁は高い」と利下げに慎重姿勢を表明した。同じく、本年の投票権を有する米セントルイス連銀のムサレム総裁は金利が中立水準に近づくに連れ、注意深さが必要と主張。米サンフランシスコ連銀のデイリー総裁も、「米国経済に注意深く楽観的」との見解で、12月FOMCの利下げ判断は「時期尚早」で「オープンマインドだ」とした。米ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁はインフレが高過ぎ、経済には柔軟性があり、10月の利下げは支持しなかったと指摘。12月利下げを巡り強い見解はまだないと加えた。連邦準備制度理事会(FRB)高官が軒並み追加利下げに消極的な見解を示し、一時100%近く織り込まれていた12月利下げ確率が50%割れまで低下した。12月FOMCの政策判断で重要な消費者物価指数(CPI)の10月分は発表されない公算。雇用統計は、ハセット米国家経済会議(NEC)委員長によると、「10月雇用統計で、家計調査が実施されず統計の半分しか得られていない。雇用者数は公表されるが失業率は公表されない。これは1カ月分だけの措置」「9月分の雇用統計は来週公表される可能性がある」と指摘。労働統計局のスケジュール発表待ちとなる。政府機関再開により、12月9日、10日に開催される前、11月雇用統計や11月CPIは公表される。ドル指数は年内の利下げ観測後退に11月初旬に一時心理的節目の100を突破し100.31まで上昇。200日移動平均水準(DMA)に達した。その後は、心理的節目や200DMAが強いレジスタンスとなり、伸び悩んでいる。 <CS> 2025/11/14 07:50 注目トピックス 経済総合 金は週明けに大幅上昇で押し目完了 サンワード証券の陳氏 *17:53JST 金は週明けに大幅上昇で押し目完了 サンワード証券の陳氏 皆さん、こんにちは。今回は、金についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、『金は週明けに大幅上昇で押し目完了』と述べています。続けて、『先週のNY金(12月)は、米政府機関の一部閉鎖の長期化などを背景に安全資産として買われ、底堅く推移した。週終値は1オンス=4009.80ドルと大台を回復して引けた』と伝えています。また、『米経済指標も芳しくなく、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げが想起された』と述べています。そして、『11日のNY金は、米政府再開後の経済指標発表を控えて利益確定売りが強まり3営業日ぶりに反落。前日比5.70ドル安の4116.30ドル。米上院は10日、つなぎ予算案の修正案を可決し、下院に送付した。下院での再可決後にトランプ大統領の署名を経て成立する見通し。史上最長となった米政府機関の再開に向けて前進が見られる中、市場は再開後の経済指標発表に向かった』と伝えています。一方、『政府機関再開のニュースが出ても金の現物需要は堅調。金ETFは先週6日から増加傾向にあり、11日には前日比4.3トン増の1046.36トンとなった』と伝えています。陳さんは、『NY金(12月)は3500ドルを上値抵抗線とするもち合いが4月中旬から8月下旬までおよそ4か月続いた後に、わずか2か月余りで900ドル(およそ25.7%)も上昇した。10月20日高値4398ドルと28日安値3901.3ドルにフィボナッチ比率を当てはめると、戻りの目安は、0.38倍=4090ドル、0.5倍(半値)=4150ドル、0.62倍=4210ドルが算定される。11日には4155ドルの高値を付けており、半値戻しは達成された。4150ドルに水準が切りあがれば4200ドルに向けて上昇しよう』と考察しています。また、『ドル円は1ドル=155円が目前に迫り、片山財務相から円安牽制発言が出て、円安進行にブレーキがかかった。ただ、ドルの地合いは強く153~154円で推移している。』と述べ、『OSE金は、10月20日高値22288円と28日安値19413円にフィボナッチ比率を当てはめると、戻りの目安は、0.38倍=20506円、0.5倍(半値)=20850円、0.62倍=21200円が算定される。既に20850円に達しているため、半値戻しを終えて、21000を目指す展開から、22000円に向けて上昇する可能性が高まろう』と述べています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の11月12日付「金は週明けに大幅上昇で押し目完了」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。 <CS> 2025/11/13 17:53 注目トピックス 経済総合 NYの視点:米インフレは低下軌道維持か、燃料価格下落に加え関税軽減策が支援へ *08:01JST NYの視点:米インフレは低下軌道維持か、燃料価格下落に加え関税軽減策が支援へ 米国政府機関の閉鎖終了のめどがついた。議会上院がつなぎ予算案を可決、下院は12日夜の採決で案が可決される見込みで政府機関の再開に一歩近づいた。しかし、一連の経済指標の発表は引き続き遅れる可能性がある。今週は13日に連邦準備制度理事会(FRB)が金融政策決定において重要視しているインフレ指標のひとつ10月消費者物価指数(CPI)が発表予定だったがホワイトハウスは同指数と10月雇用統計の発表されない可能性が高いと明らかにした。統計局は政府機関閉鎖中にもかかわらず連邦公開市場委員会(FOMC)前であったこともあり10月24日に特別に9月CPIを発表した。現状で、中間のエコノミスト予想によると10月総合CPI前月比で+0.2%と、9月+0.3%から伸び鈍化予想。特にFRBが注視しているコア指数は前月比+0.3%と、+0.2%から加速が見込まれている。ただ、前年比では総合、コア両方とも+3.0%と、9月と同様の伸び予想で、インフレの大幅な加速は予想されておらず、12月の利下げを正当化すると見られている。ベッセント米財務長官は12日のインタビューで、アフォーダビリティ、手頃感を改善するためトランプ大統領が2、3日中にコーヒーやバナナなどに対し関税軽減策を発表することを明らかにした。来年の第1四半期、第2四半期には物価が下がり、アフォーダビリティーが改善するはずと主張した。トランプ大統領就任以降、ガソリン価格は23%下落、ガス代も下がっている。今後のディスインフレをさらに助長すると見られる。 <CS> 2025/11/13 08:01 注目トピックス 経済総合 中国の台湾に対する言論攻勢:言葉が主権になるとき(2)【中国問題グローバル研究所】 *10:28JST 中国の台湾に対する言論攻勢:言葉が主権になるとき(2)【中国問題グローバル研究所】 ◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページ(※1)でも配信している「中国の台湾に対する言論攻勢:言葉が主権になるとき(1)【中国問題グローバル研究所】」の続きとなる。※この論考は11月3日の<China’s Linguistic Offensive Against Taiwan: When Words Become Sovereignty>(※2)の翻訳です。V. 文明論的レトリックとAI時代の言葉の力中国政府のナラティブ戦略は、「文明国家」を標榜するようになったことと切り離せない。習近平体制下では、言葉は単なる道具ではなく、体制を正当化する柱である。共産党は今や「中国式現代化」を、自由民主主義に代わる道徳的・統治的パラダイムとして組み込もうとしている。こうしたイデオロギーの再定義には次の3つの目的がある。1.文明的正当性 - 中国共産党を多くの政府の一つではなく、西洋の規範的批判を超越した文明秩序の守護者と位置付ける。2.解釈の支配 - 解釈そのものを主権の領域として扱い、歴史とアイデンティティの定義を支配の一形態とする。3.技術政治的な増幅 - AIを活用したメディアのエコシステム、レコメンデーションアルゴリズム、合成ペルソナを展開し、国内外でナラティブの支配を運用化する。したがって「鍾台文」の活動は、文明的ナショナリズム、制度的安定、デジタル権威主義の融合という、より大規模な戦略の一環に位置付けられる。このモデルでは、言葉は単に何かを伝えるものではなく、統治だ。台湾をめぐる争いは単なる領土問題ではなく、認識論的な争いである。すなわち、現代性、正当性、そして中国語圏の未来を誰が定義するかという争いなのである。情報エコシステムはAI時代に入り、ナラティブの主権が国家安全保障の最前線となっている。台湾や他の民主主義国にとって、真実を守ることはもはやジャーナリズムや広報外交だけの問題ではなく、戦略的生存の問題だ。VI. 地域への影響とナラティブの防衛中国政府によるナラティブの攻勢は台湾だけを標的としたものではない。東アジアの戦略的言説を書き換えようとする広範な試みの一環だ。中国は「主権競争」を「共同発展」に置き換え、制度の浸透を「運命共同体」というレトリックで覆い隠そうとしている。東南アジアでは、インフラ資金調達や経済外交が地政学的影響力の行使ではなく「ウィンウィンの協力」と位置付けられている。インド太平洋地域では、日米主導の民主主義的な連携に対抗して、「平和的台頭」というナラティブが使われている。日本などその他の地域の民主主義国にとって、その戦略的危険性は明らかだ。平和をめぐる中国の語彙が広く受け入れられるようになれば、民主主義的な安全保障のナラティブは追いやられるおそれがある。したがって、台湾と日本は協力関係を軍事的な相互運用性や技術に限定することはできない。以下3つの具体的な次元で「ナラティブの防衛」にも拡大する必要がある。1.制度 - ルールに基づく多国間主義を守り、一義的な政治言語が国際環境を支配することを防ぐ。2.メディアや知識のネットワーク - ジャーナリズムやシンクタンクが国境を越えて連携し、偽情報や言説の支配に対抗する。3.文化的ストーリーテリング - アジアの経験に根差した民主的近代性のナラティブを推進し、この地域に適しているのは「中国式現代性」だけだとする虚構に対抗する。中国は、平和の旗印を掲げて支配を進めることに長けている。しかし民主主義には独自の対抗能力がある。それは多様性だ。台湾の経験は警告であり、教訓でもある。主権は戦車ではなく言葉によっても脅かされる。VII. 結論:言葉の境界で現実を防衛する「鍾台文」の出現は偶然ではない。これは中国の政治手法における転換点を示している。つまり、「力による外交」から「意味論的統治」への移行だ。この新たなパラダイムでは、概念が強制に取って代わり、言説の常態化が制度上の併合に先行する。しかし言葉での勝利と政治的勝利は同じではない。体制が言葉による独占に固執するのは、往々にして正当性への不安からであることを歴史が教えている。台湾の存在そのもの、すなわち多元的で民主的かつ自治的な存在は、中国が押し付けようとする覇権的ナラティブを崩壊させるものだ。したがって民主主義を守るには、反論するだけではなく発信し続けることが必要だ。台湾が自らのストーリーを自らの言葉で明確に語り続ける限り、言葉の境界線は開かれたままであり、主権は生き続ける。台湾の課題は軍事的圧力に耐えることだけでなく、言語と現実が交わる境界で声を上げることだ。力が未来を書き換え、過去を塗り替えようとするとき、唯一の真の抵抗は真実を語ることだ。それも繰り返し、何度も。国家を守ることはその語彙を守ることだ。民主主義を守ることはその言語を守ることだ。台湾は他者のナラティブの対象となるだけでなく、自らも自身のナラティブを紡いでいかなければならない。台湾・台北 中正紀念堂で国旗掲揚式(写真:AP/アフロ)(※1)https://grici.or.jp/(※2)https://grici.or.jp/6850 <CS> 2025/11/12 10:28 注目トピックス 経済総合 中国の台湾に対する言論攻勢:言葉が主権になるとき(1)【中国問題グローバル研究所】 *10:22JST 中国の台湾に対する言論攻勢:言葉が主権になるとき(1)【中国問題グローバル研究所】 ◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページでも配信している(※1)陳建甫博士の考察を2回に渡ってお届けする。※この論考は11月3日の<China’s Linguistic Offensive Against Taiwan: When Words Become Sovereignty>(※2)の翻訳です。ここ数週間、中国政府は「台湾光復節」の制定を発表し、新華社通信を通じて「鍾台文」という筆名で「中華民族の復興」「平和的再統一」「共通の文化的ルーツ」などのテーマを取り上げた一連の論考を配信した。一見するとこれらの文章は冷静かつ理性的で、融和的な印象を与える。しかし実際には、はるかに戦略的な意味があり、慎重に計画された「ナラティブ戦争」の一翼を担っている。この戦いの武器はミサイルではなく、言葉だ。その目的は説得ではなく定義にある。中国政府の考えでは、現代において権力は強制力によってのみではなく、言葉で現実を操ることでも行使できる。I. 言葉を利用した政治:「光復」から「再統一」へ中国の政治用語において、言葉は決して中立ではない。中国政府は「台湾光復」を政治日程に組み込むことにより、「言葉の上での支配権獲得」とも言える行為に出ている。こうしたナラティブの再構築は、主権への野心を柔らかい言葉で包み込んでいるのだ。つまり、「統一」を「光復」に置き換えることで、歴史的に正当性があるように思わせ、未来を併合ではなく「自然な回帰」として描こうとしている。この戦略は、まさに香港で起きたことを思わせる。1997年以降、「港人治港(香港人による香港統治)」の原則は、次第に「愛国者治港(愛国者による香港統治)」に置き換えられていった。まず政治言語が書き換えられ、次に制度が続き、ナラティブが常態化した後で統治構造が変容したのだ。中国政府は今、これと同じやり方を台湾にも適用しようとしている。言葉を通じて現実の政治条件をあらかじめ整えようとしている。台湾にとって、これは歴史の解釈をめぐる議論ではない。主権を侵害する行為だ。「光復」という言葉が国際的な言説として受け入れられるようになれば、台湾の存在そのものが、中国文明の延長線上に連なるものとして再定義されてしまうおそれがある。ナラティブ戦争が巧妙なのは、まさにこの点にある。強制するわけではないのに、認知的境界が微妙にシフトするのだ。服従を強いるのではなく、想定しうる境界を再定義することで力を行使する。II. ペースと目的:国家が仕込むナラティブの急増「鍾台文」の論文はメディアのエコシステムの中で自然発生したものではない。新華社とCCTVで連動して配信されたということは、国家レベルの広報活動であることを示している。内容は「世論」や「平和」といった言葉で包まれているが、以下で説明するように、その対象者と目的に二面性があるのは間違いない。国内ではナショナリズムの信念を強化し、「再統一」を歴史の必然的な道筋として常態化する。国際的には、中国政府を合理的で平和を求める当事者として位置付けつつ、台湾の民主的な訴えを常軌を逸した行為、または不安定化要因としてその正当性を否定する。これは単なるプロパガンダではない。それは「政策に先行する工作」だ。「平和的再統一」「運命共同体」「血のつながりと伝統」といった言葉を繰り返し発信することで、中国政府は「先延ばしにされている必然性」という心理的枠組みを構築している。つまり、統一は突然でも強制でもなく、歴史の自然な成り行きというわけだ。その論理は単純で、すでに聞き慣れたナラティブなら、いずれ政策が実行に移されても抵抗は弱まる。同じ言葉を繰り返すのは、レトリックの多用ではなく政治的な地ならしだ。III. 平和のレトリックと分断の論理中国政府にとって最も効果的な政治的ツールは「平和」の呼びかけであることが多い。「鍾台文」の文章は「平和的発展」や「対話とウィンウィンの協力」を強調しており、冷静な合理性を演出している。だがこれは、「まず言葉、次に制度」という体系的な順次戦略の一環だ。「平和的統一」は強制の放棄を意味するわけではない。むしろ、それは「認知的な分割統治の戦術」だ。仮に台湾が中国が求める条件での政治対話を拒否すれば、中国は台湾を平和を妨げる側として描く一方で、自らを対話を求める理性的な側として演出できる。このようにレトリックを反転させることで、国際社会を偽りの道徳的同等性、つまり「どちらの側も挑発は避けるべき」と思わせる罠に誘い込む。台湾の大陸委員会が簡潔に指摘したように、中国政府のいわゆる「愛国者による台湾統治」は、「正当性を欠いた見せかけの香港モデル」だ。重要なのはうわべの言葉ではなくその実像だ。「鍾台文」のレトリックは和解ではなく服従を、対話ではなく支配を目的としている。IV. 戦略的意図:言説主権を再び国家の管理下に「鍾台文」事象には、中国政府が「言説主権」を改めて国の管理下に置こうとしているという、より深い意味がある。これは長期的な政治プロジェクトで、中国、台湾、そして世界が両岸問題を理解する上で語られる言葉への支配を取り戻そうとしているのだ。この取り組みは、相互に連動する次の3つのメカニズムで機能する。1.認知的な先手。行動を起こす前に、意味論的な領域を掌握する。「統一」を「光復」に、「分離主義」を「誤解」とすることで、中国政府はすでに心理戦の場を形成している。2.制度的演出。言葉によって政治の基盤を整える。ナラティブが定着すれば、その後の法的手段や行政措置に対する抵抗が和らぐ。3.世界規模の共鳴操作。中国政府は、外交ルート、友好的シンクタンク、メディア網の影響力を通じて、解釈の枠組みを世界に発信している。時間の経過に伴い、台湾は民主的なパートナーではなく「一つの中国」という枠内の「国内問題」として、言葉の上で位置付けが再定義されるおそれがある。この枠組みでは、言葉によって統治が行われる。国境は地図上ではなく人々の意識の中で引き直される。中国政府はもはや支配権を主張するために領土を独占する必要はない。つまり、心理的な独占をはかっているのだ。台湾にとって、最前線はすでに言葉の領域に移っている。主権は法と安全保障の能力だけでなく、現実を定義する権利にも宿る。ナラティブの主権が崩壊すれば、制度的主権もすぐに崩壊してしまう。「中国の台湾に対する言論攻勢:言葉が主権になるとき(2)【中国問題グローバル研究所】」に続く。台湾・台北 中正紀念堂で国旗掲揚式(写真:AP/アフロ)(※1)https://grici.or.jp/(※2)https://grici.or.jp/6850 <CS> 2025/11/12 10:22

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