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注目トピックス 経済総合 NYの視点:ドル指数は200DMAも再び視野、インフレや経済底堅く、FOMCが利下げに慎重姿勢維持との見方も *07:44JST NYの視点:ドル指数は200DMAも再び視野、インフレや経済底堅く、FOMCが利下げに慎重姿勢維持との見方も 最近の米国経済指標は引き続き底堅い結果が目立ち、連邦準備制度理事会(FRB)の年内の利下げ観測も弱まりつつある。短期金融市場での年内の利下げ確率は3回にも満たない。利下げ開始時期の見通しも7月に先送りされた。全米ホームビルダー協会(NAHB)が発表した3月NAHB住宅市場指数は51と、予想外に2月48から上昇した。建設業者の楽観的見解を示す50を回復し、昨年7月来で最高となった。住宅ローン金利の上昇が一段落したほか住宅価格の引き下げなど、さまざまな優遇措置が奏功した。内訳でも一戸建て販売の現況が56と、52から上昇。一戸建て販売見通しも62と60から上昇した。購買部見込み客足指数も34と、32から上昇。■米3月NAHB住宅市場指数:51(2月48)一戸建て販売:現況:56(52)一戸建て販売:見通し:62(60)購買部見込み客足指数:34(32)米3月NY連銀サービス業活動は+0.6%と、昨年8月来のプラスに改善した。支払い価格は55.1と50.6から上昇し昨年11月来の高水準。販売価格も24.5から27.8へ上昇するなど、サービスインフレも下げ止まっていることが示された。■米3月NY連銀サービス業活動:+0.6%(2月-7.3)支払い価格:55.1(2月50.6)昨年11月来の高水準販売価格:27.8(24.4)1月、2月の消費者物価指数(CPI)や2月生産者物価指数(PPI)が予想を上回ったほか、消費にも回復基調が見られる。FRBは今週、19日、20日に開催する連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を5会合連続で据え置く見通し。同時に、最近発表された主要インフレ指標が予想を上回ったため同時に発表される米金融当局者の金利予測分布図(ドット・プロット)では前回12月の平均年内3回の利下げ予想が2回予想に修正されるとの見方も強まりつつある。そのほか、FOMCで利下げに慎重な姿勢が再表明されるとの見方も強まり、ドルを支援した。ドル指数は103.57まで回復し、重要な節目となる200日移動平均水準である103.699も視野に入った。 <CS> 2024/03/19 07:44 注目トピックス 経済総合 NYの視点:【今週の注目イベント】FOMC、日銀、英中銀金融政策決定会合、EUサミットなど *07:33JST NYの視点:【今週の注目イベント】FOMC、日銀、英中銀金融政策決定会合、EUサミットなど 今週は連邦準備制度理事会(FRB)が連邦公開市場委員会(FOMC)を開催するほか、日銀や英中銀金融政策決定会合開催を予定しており注目となる。最近のインフレ進展にあまり変化なく、FRBはFOMCで政策金利を5会合連続で据え置くことがほぼ確実視されている。利下げの可能性を探るため、声明やパウエル議長会見に注目が集まるほか、特に焦点は米金融当局者の金利予測分布図(ドット・プロット)となる。ただ、議長はたびたび見通しは政策ではないと強調しているほか、19人のスタッフ平均となるため、政策決定者の予想のみではないが、市場の注目度は高い。前回FOMCの12月時点では平均予想が年内平均3回利下げだったが、2回に修正されるとの思惑が強まりドル高につながった。もし、3回予想が維持され、さらにパウエル議長もハト派色を維持した場合はドル売りが再燃する可能性がある。そのほか、量的引き締め(QT)のテーパリング(段階的縮小)開始時期も焦点になる。英中銀も会合で政策金利を維持する見通し。注目は、採決結果の傾斜で、以前よりもハト派寄りになるとの予想もある。リーク報道によると、日本銀行は18日、19日に開催する金融政策決定会合でマイナス金利政策の解除を決める見通しで、賃金と物価がそろって上昇する好循環が実現する確度が十分に高まったと見ているという。ただ、マイナス金利解除後も緩和的な金融環境維持し、ゼロ金利政策に移行することを想定していると、報じられた。上場投資信託(ETF)の新規購入は停止する方向だという。現在はマイナス0.1%となっている短期の政策金利を0.1ポイント以上引き上げ、短期金利を0-0.1%に誘導する案が有力で、マイナス金利政策の解除とあわせて長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)も撤廃する方針だという。円買い材料とはなるが、すでに織り込み済みである可能性や「緩和的な金融環境維持」ということから、上昇も限定的か。■今週の主な注目イベント●米国18日:3月NAHB住宅市場指数19日:2月住宅着工・建設許可件数、1月対米証券投資19-20日:連邦公開市場委員会(FOMC)、パウエル議長会見、米金融当局者の金利予測分布図(ドット・プロット)21日:週次新規失業保険申請件数、3月製造業・サービス業・総合PMI、2月先行指数、2月中古住宅販売件数22日:ボスティック米アトランタ連銀総裁が司会●中国18日:鉱工業生産、小売売上高●欧州18日:ユーロ圏CPI19日:独ZEW期待調査20日:ユーロ圏消費者信頼感、ラガルドECB総裁が講演、ECBチーフエコノミスト、レーン氏が講演21日:ユーロ圏・製造業・サービスPMI22日:独IFOビジネス景況感●日本18日:機械受注19日:日銀金融政策決定会合結果21日:貿易収支、じぶん銀製造業PMI22日:CPI●英20日:CPI●豪州19日:豪州準備銀金融政策決定会合21日:英中銀、金融政策決定会合、製造業PMI●カナダ20日:カナダ中銀の議事要旨発表(3月6日開催分)22日:小売 <CS> 2024/03/18 07:33 注目トピックス 経済総合 国内外の注目経済指標:日銀はマイナス金利政策を解除へ *14:52JST 国内外の注目経済指標:日銀はマイナス金利政策を解除へ 3月18日-22日週に発表される主要経済指標の見通しについては、以下の通り。■18日(月)午前11時発表予定○(中)2月小売売上高-予想は年初来前年比+5.0%参考となる2023年1-2月期は前年同期比+3.5%。この時点で消費マインドは徐々に回復しつつあることが確認された。2024年については、一部製品類の売り上げは前年実績を下回る可能性があるものの、オンライン販売の増加が予想されており、全体的には前年同期比の伸びを上回る可能性がある。■19日(火)決定会合の終了予定時刻は未定○(日)日本銀行金融政策決定会合-予想はマイナス金利の解除日本銀行植田総裁は3月13日に参議院予算委員会に出席し、大規模な金融緩和策の転換を検討するにあたっては、春闘の動向が大きなポイントになるとの考えを示した。2023年実績を上回る大手企業が多いことから、マイナス金利を解除することが決定される見込み。■20日(水)日本時間21日午前3時結果判明○(米)連邦公開市場委員会(FOMC)会合-予想は政策金利の据え置き前回のFOMC会合後に公表された声明では、「経済活動は堅調なペースで拡大、雇用の伸びは依然として力強い、インフレ率は緩和したが、依然として高止まりしている」との見解が表明された。この状況は3月中旬時点で変わっていないため、政策金利は今回も据え置きとなる見込み。■21日(木)午後10時45分発表予定○(米)3月S&Pグローバルサービス業PMI -予想は52.0参考となる2月実績は52.3。複数の項目で指数が低下した。3月については新規受注や雇用などの指数改善は期待できないため、2月実績を下回る可能性がある。○その他の主な経済指標の発表予定・18日(月):(日)1月機械受注、(中)1-2月鉱工業生産・19日(火):(豪)豪準備銀行政策金利発表、(米)2月住宅着工件数・20日(水):(英)2月消費者物価コア指数・21日(木):(NZ)10-12月期国内総生産、(日)2月貿易収支、スイス中央銀行政策金利発表、(欧)3月ユーロ圏S&Pグローバル製造業PMI、(米)2月中古住宅販売件数・22日(金):(日)2月全国消費者物価コア指数、(英)2月小売売上高 <FA> 2024/03/16 14:52 注目トピックス 経済総合 金はFOMCまでは保ち合いが続きそう サンワード貿易の陳氏(花田浩菜) *09:59JST 金はFOMCまでは保ち合いが続きそう サンワード貿易の陳氏(花田浩菜) 皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター花田浩菜の気になるレポートです。今回は、金についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、『金はFOMCまでは保ち合いが続きそう』と述べています。続いて、『週明け11日は、前週の強地合いを受けて続伸。前週末比3.10ドル(0.14%)高の2188.60ドル。7営業日連続で終値が史上最高値を更新した』と伝えています。次に、『12日は2月米消費者物価指数(CPI)の強い結果を受けて9営業日ぶりに反落した。前日比22.50ドル(1.03%)安の1オンス=2166.10ドル。2月CPIは、前月比0.4%上昇、前年同月比では3.2%上昇。伸びはそれぞれ1月実績の0.3%、3.1%から小幅に加速した』とし、『インフレ圧力は2022年半ばのピークから弱まりつつあるものの、緩和のペースは鈍く、市場では連邦準備制度理事会(FRB)が6月までに利下げを開始するとの観測がやや後退した。ザラ場ながらも節目の2200ドルに達したこともあり、達成感から利益確定売りも出たようだ』と解説しています。一方で、『13日時間外取引は2160ドル台を維持しており、下落は調整の域を出ていないだろう』と言及しています。こうしたことから、陳さんは、『来週19、20日に予定されている連邦公開市場委員会(FOMC)をにらんで保ち合いが続きそうだ。3月FOMCでは政策金利は変更なしが見込まれている』と考察しています。そして、『市場は6月の利下げ見通しだが、それが妥当かどうか、また、FOMC後に示される最新の政策金利見通し(ドット・プロット)の中央値予想がどのように修正されるか、つまり、利下げ回数が従来の0.25%ずつ3回よりも後退するかどうかが注目されよう。CMEのフェドウオッチによると、市場はFRBが6月までに利下げに踏み切る可能性を依然70%前後織り込んでいる』と述べています。NY金の今週のレンジについては、『2100~2200ドル』と予想しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の3月13日付「金はFOMCまでは保ち合いが続きそう」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 花田浩菜 <CS> 2024/03/15 09:59 注目トピックス 経済総合 NYの視点:米インフレ根強く年内の利下げに疑問も、3月FOMCでは金利見通しに注目 *07:43JST NYの視点:米インフレ根強く年内の利下げに疑問も、3月FOMCでは金利見通しに注目 米国労働統計局が発表した2月生産者物価指数(PPI)は前月比+0.6%となった。伸びは1月+0.3%から予想外に拡大し、昨年8月来で最大。前年比では+1.6%と、伸びは1月から予想以上に拡大し、昨年9月来で最大となった。1月分は+1.0%と、+0.9%から上方修正された。燃料や食品を除いたPPIコア指数は前月比+0.3%と、1月+0.5%から伸び鈍化も予想を上回った。前年比では+2.0%と、伸び鈍化予想に反し、1月と同水準を維持。12月に+1.8%まで減速後、改善が停滞している。1月は消費者物価指数(CPI)が予想を上回ったものの、PPIが予想に一致したため市場の懸念が緩和した。しかし、2月分はCPIと同様にPPIも予想の2倍程、加速した。市場は、CPIよりもPCEとの関連性が強いPPIへの注目度を高めている。根強いインフレを受けて、FRBの利下げが先送りされるとの見方も強まりつつある。一部のエコノミストは年内の利下げは見送られると見ている。3月連邦公開市場委員会(FOMC)では政策金利を据え置くことはほぼ確実と見られるが、同時に発表されるスタッフ予測に注目が集まる。前回12月の見通しでは今年3回の利下げを予想していた。ここにきてインフレの改善のペースが鈍化、2%目標達成にも想定以上に時間がかかる可能性も浮上した。債券市場ではインフレが依然目標の2%を上回る中、FRB高官が果たして年3回の利下げを維持するかどうかに焦点をあてている。さらに、今年だけでなく、来年の利下げ見通しにも焦点をあてている投資家も少なくない。前回、25年には1%ポイントの利下げを予想。FOMC後に発表された10-12月のGDPは潜在的水準を上回り、25年も潜在的水準を上回るペースでの成長の軌道にある。イエレン財務長官はインタビューで、新型コロナウイルス禍を契機としたインフレ高進や利回り上昇の前に推移していた水準に市場金利が戻る「公算は小さい」との認識を示している。利上げは終了し、次の行動は利下げと見られるが、景気が引き続き強く、インフレが目標達成するさらなる確信につながるデータは見られず、年内の利下げ開始を疑問視する投資家もいる。ドルが再び上昇する可能性もある。 <CS> 2024/03/15 07:43 注目トピックス 経済総合 プラチナは堅調、900ドル台で推移 サンワード貿易の陳氏(花田浩菜) *17:41JST プラチナは堅調、900ドル台で推移 サンワード貿易の陳氏(花田浩菜) 皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター花田浩菜の気になるレポートです。今回は、NYプラチナについてのレポートを紹介します。陳さんはまず、『プラチナは堅調、900ドル台で推移』と述べています。続いて、『先週のNYプラチナ(4月限)は、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ見通しを背景にNY金が2200ドルまで上昇した地合いに連れて、総じて900ドル台で堅調に推移した』と伝えています次に、『今週は、12日に発表された2月米消費者物価指数(CPI)が予想外に強かったことから、FRBによる6月会合での利下げ見通しがやや後退し、上値が重くなった』と言及しています。また、『来週19,20日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、今後の金融政策を占うことになろう』と述べ、『上値は限定的だが、供給不足から900ドルは割安感から買われよう。当面、890~940ドルのレンジで推移しよう』と考察しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の3月13日付「プラチナは堅調、900ドル台で推移」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 花田浩菜 <CS> 2024/03/14 17:41 注目トピックス 経済総合 NYの視点:米中小企業のインフレへの懸念も再燃、米PPIで2月のインフレ動向さらに見極め *07:42JST NYの視点:米中小企業のインフレへの懸念も再燃、米PPIで2月のインフレ動向さらに見極め 1月に続き2カ月連続で予想を上回った米消費者物価指数(CPI)は、連邦準備制度理事会(FRB)が来週開催する連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げに向けて様子見姿勢を継続することを後押しするとの市場の見解をより強めた。全米自営業者連盟(NFIB)が発表した2月の中小企業の楽観指数は将来のインフレへの懸念が再燃し89.4と、上昇予想に反して低下した。昨年5月来で最低となる。インフレ期待が上昇すると、FRBの金融政策決定にも影響を与えかねない。一方、ボストン連銀のローゼングレン前総裁はCPIの結果がFRBが昨年12月に公表したドットプロットの金利予想、今年3回の利下げ予想を基本的に修正することはないとの考えを示した。同総裁の見解として、このデータは基本的にコアインフレで段階的に改善していることを示していると指摘。また、賃金が下落する限り、6月の利下げの確率を変えないと、インタビューで答えた。米2月生産者物価指数(PPI)で総合では前年比で伸び加速が予想されているが、コアでは伸びが2%割れにさらに減速が予想されており、FRBの利下げ軌道を後押しすると見られる。 <CS> 2024/03/14 07:42 注目トピックス 経済総合 メキシコペソ円今週の予想(3月11日) サンワード貿易の陳氏(花田浩菜) *17:12JST メキシコペソ円今週の予想(3月11日) サンワード貿易の陳氏(花田浩菜) 皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター花田浩菜の気になるレポートです。今回は、メキシコペソ円についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、『メキシコペソ円は、日墨の金利差を背景に押し目買いが継続すると思われるが、メキシコ中銀の利下げ姿勢とドル円の軟調地合いが上値を抑えそうだ』と述べています。続いて、『先週4日にメキシコペソ円は、ドル円の反発と原油相場の上昇を受けて8.85円と上場来の最高値を更新した。しかし、ドル円の下落を受けて反落に転じ、週明け11日は8.75円で推移している』と伝えています。次に、『2023年第4四半期のメキシコ国内総生産(GDP)改定値は前期比0.1%増で、速報値と一致した。市場予想も0.1%増だった。前年比では2.5%増と、速報値の2.4%増をやや上回った。成長率は前期比、前年比ともに第3四半期(前期比1.1%増、前年比3.3%増)から鈍化した。7日に発表された2月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比4.40%の上昇だった。上昇率は1月の4.88%、予想の4.42%を下回った』と伝えています。陳さんは、『GDPの伸び悩みやインフレ率の低下を受けて、メキシコ中銀が3月21日の会合で利下げを開始するとの予想が高まっている。メキシコ中銀は昨年3月以降、政策金利を11.25%に据え置いている』とし、『ただ、メキシコ中央銀行の複数の当局者は、インフレ低下を認めつつも、金融政策は慎重に検討する姿勢を示ししていることから、仮に、3月会合で利下げしても、その後の緩和は緩やかになるだろう。また、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げが6月になるとの見方も有力になっており、メキシコ中銀の利下げも3月から後ずれする可能性もある』と分析しています。さらに、『メキシコ中銀は四半期報告書で、今年の総合インフレ率とコアインフレ率の見通しをいずれも3.5%に小幅上方修正。ディスインフレは続くと予想する一方、状況は「複雑かつ不確実な環境下で進展し続ける」と付け加えた。今年の経済成長率見通しは従来の3.0%から2.8%に引き下げた』と伝えています。また、『先週6日、日銀が3月18、19日に開く金融政策決定会合で、一部出席者がマイナス金利政策の解除が妥当だと意見表明する見通しであることが分かった。日銀の正副総裁、審議委員で構成する政策委員9人のうち、少なくとも1人がマイナス金利解除が適切だと主張。過半の5人以上の委員が賛成すれば解除が決まり、2007年以来17年ぶりの利上げに踏み切ることになる』と言及しています。こうしたことから、陳さんは、メキシコペソ円の今週のレンジについては、『8.65円~8.95円』と予想しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の3月12日付「メキシコペソ円今週の予想(3月11日)」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 花田浩菜 <CS> 2024/03/13 17:12 注目トピックス 経済総合 コラム【新潮流2.0】:株は上がるもの(マネックス証券チーフ・ストラテジスト広木隆) *09:23JST コラム【新潮流2.0】:株は上がるもの(マネックス証券チーフ・ストラテジスト広木隆) ◆日経平均が34年ぶりに史上最高値を更新。ほどなくして初の4万円台をつけるなど怒涛の上昇ぶりを見せた。こうなるとメディアも放っておかない。新聞は日経だけでなく一般紙も、そして週刊誌もテレビのワイドショーでも株式相場の話題を取り上げるようになった。おかげで僕も連日のようにテレビ朝日「グッド!モーニング」に出演している。◆その他にもマスコミの取材が殺到。朝から晩まで働いて疲労困憊だ。妻にそう言うと、「それが普通だから」。さすが昭和の人間である。テレビドラマ『不適切にもほどがある!』では「馬車馬とがむしゃら以外に働き方なんてあるのかい?」との名言(?)があったが、思い返せばあのバブルの頃、証券マンはセブン・イレブン(朝7時から夜11時)なんて当たり前だった。リゲイン(注:バブル全盛の1988年に発売された“企業戦士”のための栄養ドリンク剤)のCMは「24時間戦えますか?」だった。◆僕の仕事はお声がかかるうちが花だ。だからどんなに忙しくてもメディアの取材には積極的に対応している。先日も某放送局から「オフィスでインタビューを収録させてほしい」というので、株価を大きなモニターに映すなど準備を整えて待っていると、取材はキャンセルとの連絡がきた。テレビの場合、他の話題との兼ね合いで株価のニュースが「落ちる」ということはよくあるので、残念ではあるが特に気にもしなかった。ところがキャンセルになった理由を聞いて憤慨した。◆その記者が言うには、僕ではない、別の専門家にインタビューするように局の上層部から指示されたというのである。その理由は、いまの相場は過熱していて危ない、こんなところで強気の見方をテレビで報じるわけにはいかない、株高に警鐘を鳴らすような弱気派にインタビューせよ、ということであったそうだ。怒りを通り越して呆れてしまった。なんとバイアスのかかった報道姿勢なのだろうか。◆僕に取材したら、きっと僕が強気の見通しを述べると思ったのだろう。もちろん、そうである。僕の持論は「株は上がるもの」だから。しかし、長期のトレンドは右肩上がりでも短期的なピークというものがある。それを指摘するのも僕の仕事で、日経平均が4万円をつけた時のレポートでは、バリュエーション面での短期的な割高感を示唆している。それに続いて先週金曜日のレポートでは目先ピーク、調整入りだと述べた。◆この株高をいち早く予見したことで各方面からお褒めの言葉を多くいただく。ありがたいことであるが、「万年強気派」というレッテルを貼られるのは嬉しくない。「株は上がるもの」がいけないのか。では、「株は上がったり下がったりするもの」にしようか。いやいや、そんなどこかの大臣が述べたような「当たり前」のことを言ったところで、まったく何の役にも立たない。やっぱり「株は上がるもの」だ。これが真実である。問題なのは、真実を伝えようとしない報道機関のほうである。マネックス証券 チーフ・ストラテジスト 広木 隆(出所:3/11配信のマネックス証券「メールマガジン新潮流」より抜粋) <CS> 2024/03/13 09:23 注目トピックス 経済総合 NYの視点:米2月CPI、インフレの根強さ表明、FRBのゲームチェンジャーとはならず *07:42JST NYの視点:米2月CPI、インフレの根強さ表明、FRBのゲームチェンジャーとはならず 米労働省が発表した2月消費者物価指数(CPI)は前月比+0.4%となった。伸びは1月+0.3%から予想通り拡大し、昨年9月来で最大。前年比では+3.2%と、予想外に1月+3.1%から伸びが拡大した。燃料価格が15BPインフレを押し上げた。ガソリン価格は+3.8%。連邦準備制度理事会(FRB)が特に注視している食品や燃料を除いたコアCPIは前月比+0.4%と、伸び縮小予想に反して1月と同水準の伸びに留まった。前年比では+3.8%と、1月+3.9%から伸び縮小基調は維持され、21年10月来で最低の伸びとなったが予想程は改善しなかった。コアではインフレ改善基調維持も同時に1月に続き予想を上回る結果となり、インフレの根強さが再表明され、FRBが利下げを速やかに確信する結果にはならず3月連邦公開市場委員会(FOMC)の政策金利据え置きがより確実視された。FRBが好んで使用している住宅を除いたコアサービスインフレ(スーパーコア)は+0.8%と、+0.3%から伸びが加速。航空運賃や自動車保険、医療コストの上昇が目立った。Owners’ equivalent rent(OER)(賃貸相当額)は+0.44%と、1月の+0.56%から減速したことはFRBにとり朗報。前年比で23年3月に8%超でピークに達したのち、23年末までに6.2%へ減速。24年末には4%まで減速が予想されている。Owners’ equivalent rent(OER)(賃貸相当額)は1月に上昇したあと、減速に転じており、住宅インフレが続く証拠とはならず、インフレや労働市場が一段と減速した証拠が得られれば、ベースケースとしてFRBが夏に利下げ開始する確率は依然高いと見られている。 <CS> 2024/03/13 07:42 注目トピックス 経済総合 NYの視点:米2月NY連銀インフレ期待は中長期で上昇、ガソリン価格の上昇が影響、利下げに慎重なFRBの姿勢正当化 *07:41JST NYの視点:米2月NY連銀インフレ期待は中長期で上昇、ガソリン価格の上昇が影響、利下げに慎重なFRBの姿勢正当化 NY連銀が行った消費者調査の結果で、インフレ期待が上昇したことが明らかになった。11月から低下基調にあったが、上昇に転じた。1年先の期待インフレ率は3.04%と、1月の3%から上昇。3年先は2.71%と、統計開始以降で最低を記録した1月の2.35%から上昇。5年先は2.9%と、6か月ぶりの高水準となった。1年先の医療関連コスト予想は2020年9月来で最低。賃貸も0.3%ポイント低下し6.1%と、3年間で最低となり、消費者物価指数(CPI)などの改善を今後、支援する可能性があることは朗報。一方で、ガソリン価格の上昇予想が全体指数を押し上げた。労働市場の兆候はまちまち。失業する可能性があるとの回答は+14.45%と、1月11.77%から上昇した一方で、労働者の市場への自信をあらわす自主退職の可能性があるとの回答も+19.48%と、+17.68%から上昇した。ただ、もし、失業した場合、3カ月以内に仕事が見つかるとの回答は52.33%と、54.21%から低下し、労働市場のひっぱくがわずかながら緩和した兆候も見られる。今週発表が予定されている消費者物価指数(CPI)、生産者物価指数(PPI)ではインフレ鈍化基調が証明される見込みだが、一方で、景気や消費が予想以上に堅調でインフレ制御には想定以上に時間がかかる可能性も残る。年内の利下げを予想しないとするエコノミストもいる。■2月NY連銀消費者調査●インフレ期待米・2月NY連銀1年インフレ期待:3.04%(1月:3.00%)米・2月NY連銀3年インフレ期待:2.71%(1月:2.35%)米・2月NY連銀5年インフレ期待:2.9%(1月:2.5%)●12カ月先の自主退職の可能性:+1.8%ポイントの19.5%●1年先のガソリン価格予想:+4.31%、食品+4.89%、医療コスト+6.8%、賃貸+6.13%●賃金の伸び:+2.76%(1月+2.83%)●失業の可能性:+14.45%(1月11.77%)●自主退職の可能性:+19.48%(+17.68%)●もし、失業した場合、3カ月以内に仕事が見つかる:52.33%(54.21%) <CS> 2024/03/12 07:41 注目トピックス 経済総合 NYの視点:【今週の注目イベント】米CPI、英雇用、中国人民銀、日本GDP、など *07:35JST NYの視点:【今週の注目イベント】米CPI、英雇用、中国人民銀、日本GDP、など 今週は米国の消費者物価指数(CPI)、中国人民銀の利下げの可能性や日本の国内総生産(GDP)、英国の雇用関連指標に注目が集まる。中国人民銀は景気を刺激するための利下げを実施する可能性がある。日本の23年10-12月期の国内総生産(GDP)はプラス成長に上方修正される見込みで、テクニカルリセッション入りを回避した場合、3月のマイナス金利解除の思惑を強め円買いが強まる可能性がある。英国では賃金圧力が根強く、リセッションからの脱却で利下げ開始が遠のきポンド買い要因になる可能性がある。連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は先週実施した議会証言で経済が予想通りに展開した場合、年内に利下げする可能性が強いとしたほか、インフレが目標に向けて鈍化していることを確信できるのは遠くないと、ハト派姿勢を示した。もし、CPIで1月の基調から展開し、インフレ鈍化基調が再び確認できると、利下げ観測を受けたドル売りが強まると見る。1月のCPIは予想を上回り、インフレ改善基調が停滞したため、警戒感も強い。万が一予想を上回ると、FRBが利下げ見通しを変更することは考えづらいがドル売りの勢いが後退する可能性も残る。■今週の主な注目イベント●米国11日:バイデン大統領、予算案12日:2月消費者物価指数(CPI)14日:2月小売売上高、2月生産者物価指数(PPI)、週次新規失業保険申請件数、1月企業在庫15日:2月輸入物価・輸出物価指数、2月鉱工業生産、設備稼働率、3月ミシガン大消費者信頼感指数速報値●中国14日:中国人民銀行中期貸出金利(MLF)●欧州12日:ユーロ圏財務相会合、ホルツマン・オーストリア中銀総裁講演13日:ユーロ圏鉱工業生産、ストゥルナラス・ギリシャ中銀総裁講演●日本11日:GDP12日:PPI●英国12日:英失業保険申請件数、失業率13日:鉱工業生産15日:インフレ報告を公表 <CS> 2024/03/11 07:35 注目トピックス 経済総合 国内外の注目経済指標:日本の10-12月期GDPは上方修正の見通し *14:09JST 国内外の注目経済指標:日本の10-12月期GDPは上方修正の見通し 3月11日-15日週に発表される主要経済指標の見通しについては、以下の通り。■11日(月)午前8時50分発表予定○(日)10-12月期国内総生産(GDP)改定値-予想は前期比年率+1.0%速報値はマイナス成長だったが、10-12月期法人企業統計で国内企業の設備投資は予想以上に堅調だったことからプラス成長に上方改定される見込み。ただし、個人消費は改定値でもさえない状態が続くとみられる。■12日(火)午後9時30分発表予定○(米)2月消費者物価コア指数-予想は前年比+3.7%1月は中古車価格の下落や衣料品価格が小幅な上昇にとどまったが、一部サービス価格は上昇しておりコア指数の上昇率は鈍化しなかった。サービス価格は下げ渋っており、この状況は2月も変わらないため、コア指数の上昇率は1月実績に近い水準となる見込み。■14日(木)午後9時30分発表予定○(米)2月小売売上高-予想は前月比+0.8%参考となる1月実績は前月比-0.8%で市場予想を下回った。自動車・同部品の売上高が減少したことが要因。2月については自動車・同部品の売上げは反動増が予想されており、1月に減少したオンライン販売は多少持ち直すと期待されていることから、前月比プラスとなる見込み。■15日(金)午後10時15分発表予定○(米)2月鉱工業生産-予想は前月比0.0%参考となる1月実績は小幅低下。2月については電子機器などの生産が順調であること、非耐久財の生産がやや持ち直すと予想されており、全体的には若干のプラスとなる可能性もある。○その他の主な経済指標の発表予定・12日(火):(日)2月国内企業物価指数・13日(水):(欧)1月ユーロ圏鉱工業生産・14日(木):(米)2月生産者物価指数・15日(金):(米)3月ミシガン大学消費者信頼感指数速報 <FA> 2024/03/09 14:09 注目トピックス 経済総合 NYの視点:パウエルFRB議長がより利下げを確信か、上院議会証言、今までで一番ハト派との見方 *07:36JST NYの視点:パウエルFRB議長がより利下げを確信か、上院議会証言、今までで一番ハト派との見方 連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は上院銀行委員会での証言で、もし、経済が想定通りに展開した場合、年内に利下げ開始することが可能になるとの考えを示した。また、利下げを確信するのは「そう遠くはない」と、年内の利下げの可能性を示唆。時期尚早な利下げによるリスク強調は見られず、利下げ開始する時期を過剰に遅らせることのリスクを認識しているとした。同時に、引き締め姿勢を注意深く解除していくと、慎重に行動することを再表明した。米国は経済、インフレで先進国の中でも最善だとした。商業用不動産関連の問題も米国の金融機関は逆風に耐えうるとの見方。バランスシートを巡り、期間短縮することも可能だと加えた。、今までの発言の中でも最もハト派姿勢が示されたととらえられている。しかし、あくまでもFRBの金融政策はデータ次第。もし、見通しが変われば、利下げが先送りされる可能性も残る。一部エコノミストは米国経済や雇用が引き続き強く、ノーランディング、年内の利下げはないとの見方を示している。 <CS> 2024/03/08 07:36 注目トピックス 経済総合 2024年の「両会」における中国の政策シグナルを読み解く【中国問題グローバル研究所】 *10:15JST 2024年の「両会」における中国の政策シグナルを読み解く【中国問題グローバル研究所】 ◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページ(※1)でも配信している陳建甫博士の考察をお届けする。合わせて「両会」と呼ばれる全国人民代表大会(NPC)と中国人民政治協商会議(CPPCC)が2024年3月4日と5日に、それぞれ北京で開幕する。両会では李強首相が就任後初めて行う「政府活動報告」から、2024年の中国の政策の方向性を垣間見ることができる。中国の憲法によると、NPCは国の最高権力機関であり、各省・自治区・直轄市・特別行政区や人民解放軍から選出された代表で構成される。代表の任期は5年で、現在は計2,977名いる。CPPCCは、中国共産党(CCP)や各民主党派、無党派人士、人民団体、各少数民族の代表、香港特別行政区同胞、マカオ特別行政区同胞、台湾同胞、帰国同胞の代表および特別招待者2,172名から成る。CPPCCは、中国の民間起業家が政治の世界に入る場を提供しており、テンセント創業者の馬化騰や恒大集団創業者の許家印、CATL創業者の曾毓群もCPPCCのメンバーを務めているか、務めていた。李強首相は、2023年の業績を振り返るほか、新しい年の目標と目的を概説する活動報告を発表する。特に関心を集めているのが、中国共産党の最高指導部「中国共産党中央政治局常務委員会」7名が主導し、地方や業界の代表と意見を交換する協議や審議である。彼らが選んだトピックと対話の内容は、その年の政策の方向性を示す指標とみなされることが少なくない。本記事では、この点に的を絞り、参考となる見通しを示す。それにより、両会で発せられる政策シグナルを深堀りでき、中国の今年の方向性に関する貴重な見識を読者に提供できると考える。経済目標は2024年も5%両会で中国の経済環境を掘り下げることで、課題が変化するなかでも成長を維持するための、多面的なアプローチが明らかになる。北京や上海、広州などの主要都市はすでに、GDP成長率目標を5%に設定すると発表しているが、両会では2024年の幅広い経済戦略が最大の焦点となる。慎重ながらも楽観的な姿勢を反映して、2024年の経済成長率目標は2023年と同じ「5%」前後」になるとアナリストらは予想している。世界経済環境の不確実性が解消されないなか、安定的な成長軌道の維持は中国にとって極めて重要となっている。両会での微妙な意味合いを持つ協議や審議は、数値目標だけでなく、それを下支えする包括的な戦略も精査する場となる。半数以上の省や市が前年より経済成長目標を引き下げており、成長実現と持続可能性確保の間で難しい綱渡りを迫られている。李強首相の政府活動報告を精査することで、経済レジリエンスを高め、地域格差に対処することを目的とした政策措置についての見識を得ることができる。両会は中国の証券市場を救うことができるのか中国の株式市場の複雑さへの対応が必要な今、両会は、金融安定に向けた政府の政策を明らかにする戦略的な場として浮上している。今年初めから株式市場が直面している課題はなかなか解消されず、そのため当面の安定策にとどまらず、財政政策や産業政策を深く掘り下げることを余儀なくしている。類似の基金が他国市場で成功したことを受けて、「株式安定化基金」の設立を求める声が強まってきた。この基金案は、「中国版国保障安基金」のようなもので、市場ダイナミクスに対する積極的な姿勢を表している。その設立と運営の可能性については、両会で綿密に検討されるため、レジリエンスが高く、投資家にやさしい金融エコシステム構築に向けた中国の取り組みについての見識を得ることができるであろう。中国国際金融(CICC)は先頃発表した報告書のなかで、市場を全面的に好転させるには、「強力かつ的を絞った財政支援策」が不可欠だと強調している。李強首相の政府活動報告の財政に関する部分は、こうした支援策の具体的な内容を明らかにする重要な契機になると注目される。焦点は、市場の安定化にとどまらず、イノベーションの促進と市場透明性の確保、規制の枠組みの強化による、長期的な投資家の信認の向上にも及ぶ。2024年の両会における防衛予算地政学的緊張が世界的に高まっていることを背景に、両会では、中国の防衛予算に大きな注目が集まる。防衛費のGDP比はこの10年間、2%前後で安定して推移しているが、2035年までの防衛と軍の近代化という意欲的な目標が、議論を未踏の領域へと進ませている。過去2年間で7%を超える大幅な増額により、中国は軍事費ランキングで米国に次ぐ世界第2位となった。最大の疑問は、景気低迷時に高額な防衛費を維持する能力が果たして中国にあるのかである。両会での複雑な審議では、配分額を明らかにするだけでなく、各軍種間での防衛予算の配分の指針となる戦略的考慮事項にも深く切り込むと思われる。こうしたなか、中国人民解放軍ロケット軍高官の解任と法的措置が最近注目を集め、状況がさらに複雑化している。両会は、中国が戦略的にどのように防衛予算を近代化目標に沿ったものにし、軍組織内の課題に対応するのかを理解するうえで重要な場として注目を集めている。両会での微妙な意味合いを持つ審議で、単なる配分額としてだけでなく、複雑な地政学のチェス盤上の戦略的な駒としての、防衛予算が持つ幅広い意味が明らかになる。観測筋の間では、中国の地政学的立ち位置と、世界の安全保障面の課題に対するアプローチについての見識が得られるとの期待が高まっている。定年退職年齢の引き上げが発表される可能性も人口動態のシフトと雇用環境の変化を背景に、両会では中国の定年退職政策に関する重大な発表があるかもしれない。現在の法定定年退職年齢は男性が60歳、女性幹部職・管理職が55歳、女性一般労働者が50歳だが、平均寿命の延伸と経済的配慮に照らし、この見直しがなされている。中国は高齢化と、将来不足する可能性がある社会保障基金の問題に対処しており、定年退職年齢を段階的に引き上げる提案は注目を集めている。李強首相の政府活動報告の発表は、革新を起こす可能性のある政策のシフトを明らかにする場となる。両会では、人口動態の課題への対処と世代間の公平性の確保、社会的安定性の維持の間の微妙なバランスについて複雑な話し合いが持たれると観測筋は予想している。先頃発表された「中国年金発展報告2023」は、法定定年退職年齢の引き上げが間もなく発表され、最終的に65歳で調整される可能性を示唆している。しかし、その社会的意味合いから、また両会で発表される可能性があることで、世間の受け止めと、高齢化問題の複雑さに対応する政府の取り組みに疑問が投げかけられている。新たな布陣2024年は中国政府の「指導部が交代」する年ではないが、両会では、わずかではあるが、布陣の重要な変更に光が当てられるかもしれない。秦剛前外相と李尚福前国防相が昨年解任され、主要な国務委員のポストが空席であることから、両会で新たな国務委員が任命されるのではないかとの観測が流れている。王毅外相は中国共産党中央外事工作委員会弁公室主任も兼務しており、外相に長くとどまることに疑問が呈されており、交代があると考えられる。有力候補は現共産党中央対外連絡部部長の劉建超であり、その任命も両会で行われると予想される。軍事面では、昨年末に董軍海軍司令官が国防相に任命され、リーダーシップダイナミクスのシフトを印象づけた。だが、慣習となっている国務委員の同時任命はまだ確認されておらず、軍の人事環境に関心が集まる材料が新たに加わった。予想されるこうした人事の変更はヘッドラインを飾るほどのニュースではないが、そこから、世界の力学が変化するなかでの指導部の戦略的ビジョンと安定化へのアプローチをうかがい知ることができる。このように両会は、政策を審議するだけでなく、リーダーシップダイナミクスが持つニュアンスを理解し、内外の複雑な課題に直面するなかでの安定化と適応化に向けた中国の取り組みに関する見識を得る場ともなっている。国際社会が見守るなか、両会は中国のこれから1年間の方向性を決め、変化し続ける世界の複雑さにうまく対応する態勢を整えていく。台湾政策の不透明感:両会の行方待ち両会の開催が近づくなか、中国の対台湾政策に変化があるのではないかと注視されている。台湾海峡での地政学的動きは常に世界の注目を集めてきた。2015年と2016年、2019年の両会で行ったスピーチで、習近平主席は中台関係の今後について極めて重要な見方を示した。台湾で先頃行われた総統選の結果を受けて、国際社会では、習近平主席が台湾関連の工作の今後について重大な指針を示すのではないかとの期待が高まっている。さらに、中国人民政治協商会議(CPPCC)の王岐山議長が、台湾の外事の監視で役割を担うのではないかとの推測も聞かれる。中国本土在住の台湾人で構成される全国人民代表大会台湾代表団の協議に彼が参加したことは、重要な意味を持つ。観測筋が特に注視しているのは、そのスピーチの内容である。今後1年間の台湾に対する中国のアプローチを明らかにするものになるかもしれない。加えて、李強首相の政府活動報告の台湾問題に関する部分も、微妙で複雑な見方を示すものになると予想される。首相の記者会見では、台湾関連の問題に触れる質問が出る可能性が高く、そうなれば、説明や、場合によっては発表がなされる可能性もある。今年は、台湾で民進党政権が3期目を迎えたことから、国際社会が警戒を強め、中国が超えてはならない一線を引き直し、台湾に対する姿勢を明確に示すのではないかと今後の行方を注意深く見守っている。台湾問題を法制化する可能性:法律闘争が勃発か?統一に対する中国の姿勢を反映した台湾に関する新たな法律が両会で発表されるのかどうか、注目が高まっている。王毅外相が先日、台湾独立は、「歴史と法の両面から確実に厳しい処罰」を受けることになると発言したことで、法律面に影響が及ぶ可能性があるとの観測が強まった。一方で、新たな疑問が浮かぶ。この「法の処罰」とは、どのような形を取るのか。精査中のシナリオの1つが、全国人民代表大会の場における、反国家分裂法の詳細な施行規則の制定である。2005年に制定された同法は、台湾で独立に向けた正式な動きがあった場合に、軍事行動を起こすことを認めている。緊張状態が続くなか、同法の執行を強化するための改正や補完法の制定の可能性があるのか、その行方を国際社会は注意深く見守っている。こうした法律上の駆け引きは、中国が一貫して推し進めてきた「独立反対・統一賛成」戦略を強化させかねない。もう1つ予想されているのが、中台統一を促すことを目的とした新しい法律の制定である。中台関係のダイナミクスが変化しており、中国は平和な統一という目標を推進するための立法措置を探求するかもしれない。こうした立法措置が実際に両会か、その後に取られるのか否かによって中台関係の今後の情勢は大きく変わってくるだろう。法律闘争の勃発は、この地域のすでに複雑な地政学的シナリオをさらに複雑化させる。両会が台湾関連問題への対処の行方を左右する極めて重要な場となるなか、地域の安定と国際的な外交関係に影響が及ぶ可能性もあると観測筋は見ている。写真: 2024年 まもなく全人代と政協会議 プレスセンターがオープン(※1)https://grici.or.jp/ <CS> 2024/03/07 10:15 注目トピックス 経済総合 金の上昇基調に変化はなく、最高値更新の可能性 サンワード貿易の陳氏(花田浩菜) *09:54JST 金の上昇基調に変化はなく、最高値更新の可能性 サンワード貿易の陳氏(花田浩菜) 皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター花田浩菜の気になるレポートです。今回は、金についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、『金の上昇基調に変化はなく、最高値更新の可能性』と述べています。続いて、『週明け4日のNY金は、米連邦準備制度理事会(FRB)による6月利下げ開始への期待を背景に3営業日続伸。前週末比30.60ドル(1.46%)高の1オンス=2126.30ドル。2月米ISMサービス業購買担当者景況指数(PMI)は52.6となり、前月から0.8ポイント低下し、市場予想(53.0)も下回った』と伝えています。また、『5日は一時2150.50ドルと、2023年12月4日に付けたザラバ史上最高値(2152.30ドル)に迫った。終値は2141.9ドル。2月末からの急伸により、2100ドルの上値抵抗線を完全にブレイクしたが、短期間で100ドル超も上昇したため、短期的にやや過熱感も高まっている』と述べています。次に、『今週は、6、7日にパウエルFRB議長の議会証言に加え、6日に2月ADP雇用統計、1月雇用動態調査(JOLTS)求人件数、米地区連銀経済報告(ベージュブック)、8日に2月雇用統計と重要なイベントや指標が複数あるため上下に振れやすくなろう』と示唆し、『ただ、地政学リスクが依然として高く、年後半の利下げ開始を背景に上昇基調は継続し、押し目買いが続くだろう』と考察しています。陳さんは、『金の史上最高値(2152.30ドル)更新の可能性は高い』と述べています。NY金の今週のレンジについては、『2080~2180ドル』と予想しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の3月6日付「金の上昇基調に変化はなく、最高値更新の可能性」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 花田浩菜 <CS> 2024/03/07 09:54 注目トピックス 経済総合 NYの視点:米1月JOLT求人件数は昨年10月来で最低、労働市場の減速の兆候、FRBの利下げ正当化へ *07:45JST NYの視点:米1月JOLT求人件数は昨年10月来で最低、労働市場の減速の兆候、FRBの利下げ正当化へ 米労働省が発表した米1月JOLT求人件数は886.3万件となった。12月888.9万件から減少し昨年10月来で最低となった。ただ、引き続き失業者総数612.4万人を273万件上回っている。また、1人の失業者に対する求人件数も1.45件と再び増加。昨年10月に1.35と、パンデミック前の付近まで回復後、再び増加基調にある。12月分は900万件台から888.9万件に下方修正された。雇用者の労働市場への自信を表明すると注目される自主退職者数は引き続き減少。12月の340万人から5.4万人減少し338.5万人と、パンデミック前の2020年2月の340万人を下回った。自主的退職率は2.1%と、12月の2.2%からさらに低下した。雇用者の労働市場への自信が後退しつつある証拠となった。採用者数は10万人減の568.7万人。採用率は3.6%と、12月の3.7%から低下した。雇用削減率は1.0%で12月と同水準。全般的に労働市場の弱さの兆候が示唆され、連邦準備制度理事会(FRB)の年内の利下げ軌道を後押しする結果となった。■1月労働市場ダッシュボード求人件数:5.3%(12月5.3%、2023年1月6.3%)雇用削減率:1.0%(1.0%、1.2%)自主的退職率:2.1%(2.2%、2.5%)採用率:3.6%(3.7%、4.1%)失業率:3.7%(3.7%)不完全雇用率(U6):7.2%(7.1%)非農業部門雇用者数:+35.3万人(+33.3万人)平均時給:前月比+0.6%、前年比+4.5%(+0.4%、+4.3%) <CS> 2024/03/07 07:45 注目トピックス 経済総合 南アフリカランド円今週の予想(3月4日)サンワード貿易の陳氏(花田浩菜) *16:56JST 南アフリカランド円今週の予想(3月4日)サンワード貿易の陳氏(花田浩菜) 皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター花田浩菜の気になるレポートです。今回は、南アフリカランド円についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、『今週のランド円は、保ち合いが続きそうだが、下抜けに警戒したい』と述べています。続いて、『先週は、大手格付け会社フィッチ社が「南アフリカが先週2月21日に公表した予算案は楽観的」と否定的な見解を発表したことで売りが強まった。南ア1月貿易赤字は94億ランドの赤字で、予想の55億ランド赤字を上回った。また、南ア1月生産者物価指数(PPI)は前年比+4.7%と前回+4.0%から伸びが加速したことも南アランドの重石となった』とし、『しかし、南ア2月製造業PMIが51.7と予想46.5を上回り、好不況の境目である50も上回ったことや、2月の自動車販売も前月より改善したことが好感されて7.86円で週を終えた』と伝えています。次に、『南アフリカ経済は、景気減速懸念にくわえ、インフレ加速の可能性があり、先行きには不透明感が強い。また、政治面でも5月29日に予定されている総選挙では与党のアフリカ民族会議が大幅に議席を失う可能性もあると予想されている。このため、南アランドは戻り売り圧力が続きそうだ』と分析しています。一方で、『南アフリカの1月消費者物価指数(CPI)は前年同月比5.3%上昇し、前月の5.1%から伸びが拡大したが、予想5.4%を下回った。食品と燃料価格を除いたコアインフレ率も12月の4.5%から4.6%へ加速した。南アフリカ準備銀行(中銀)のインフレ目標である3─6%に収まっているが、1月PPIも伸びが加速したことから、南アフリカ中銀はインフレへの警戒を怠らず、3月会合での利下げはなさそうだ』と述べています。こうしたことから、陳さんは、『金利面から南アランドはサポートされよう。また、主要な輸出品である貴金属価格が上昇していることも支援要因だろう』と考察しています。南アフリカランド円の今週のレンジについては、『7.75円~7.95円』と予想しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の3月5日付「南アフリカランド円今週の予想(3月4日)にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 花田浩菜 <CS> 2024/03/06 16:56 注目トピックス 経済総合 「黒船」対「白騎士」― 国際的半導体アライアンスをめぐる状況の変化(2)【中国問題グローバル研究所】 *10:29JST 「黒船」対「白騎士」― 国際的半導体アライアンスをめぐる状況の変化(2)【中国問題グローバル研究所】 ◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページ(※1)でも配信している「「黒船」対「白騎士」― 国際的半導体アライアンスをめぐる状況の変化(1)【中国問題グローバル研究所】」の続きとなる。業界アライアンスへの影響これまでに挙げた要因に対応するにあたり、インテルやサムスンをはじめとする業界プレイヤーは、技術の進歩を監視するだけではなく、アライアンスの変化状況を予測した戦略的な対応を迫られている。半導体のグローバルな舞台では、変革への動きが繰り広げられている。テクノロジーと地政学的要因、技術革新とが錯綜する業界でリーダーシップを発揮し続けるためには、適応力や協調性、先見性が不可欠となる。業界アライアンスに及ぶ影響は、直近のプレイヤーから遥か先にまで及び、グローバル規模で半導体製造の今後の行く末を左右する。グローバルな地政学的緊張:政治的不安による混乱の影響を受けやすいグローバルチェーンを抱えることから、半導体業界は以前にも増して地政学的緊張の焦点となっている。TSMCの日本への戦略的進出は、製造拠点の多様化だけにとどまらず、特に中国と台湾の間で地政学的な見通しが立たない状況において、外交的な作戦としても機能している。業界は現在、地政学的状況の変化に直面しており、各国は半導体戦略の見直しを迫られている。波及効果によって新たな提携関係が形成され、各国を巻き込んだ地政学的状況はいっそう複雑なものとなるだろう。技術移転とイノベーション:台湾と日本の協力関係は、地理的な拡大にとどまらず、技術移転とイノベーションに対する業界アプローチのパラダイムシフトを象徴するものとなった。半導体企業はこれまで、自社が達成した技術的進歩を厳重に秘匿するのを常としていた。ところが、TSMCと日本のパートナーシップはその不文律に挑戦し、より協力的なモデルへの道を切り開いた。両国間における専門知識の交換は、新時代の協力的アプローチの先例となる。この変化は他業界における同様の提携を検討するきっかけとなり、半導体技術の世界的な進歩のためにイノベーションを共有するという文化が育まれることになるかもしれない。サプライチェーンのレジリエンス:製造拠点を台湾、日本、米国に分散するTSMCの戦略は、業務効率だけでなく、レジリエンスの高い強靭なサプライチェーン構築がきわめて重要であることを示して見せた。最近の地政学的緊張状況や世界的なチップ不足の進行により、現在の集中型製造モデルの脆弱性が明らかなものとなった。業界は現在、地理的に分散し、レジリエンスを備えたサプライチェーンへの転換というパラダイムシフトのとば口に立っている。この進化によって、企業が不測の混乱に耐える柔軟性と適応力を優先させ、半導体サプライチェーンの協調的な再構築が実現するかもしれない。新たな業界プレイヤーの登場:台湾と日本による協力の取り組みは、半導体業界への新規参入者を生み出す触媒となっている。提携によって業界内のダイナミクスが変容することで、この変化を利用しようとする他地域からの新規参入者も現れるだろう。技術力を急成長させている国々も、パートナーシップを利用して、グローバルな半導体サプライチェーンにおける重要な貢献者の地位を確立するかもしれない。こうした動きが既存プレイヤーの支配を揺るがし、競争とイノベーションの新たな波が生まれることも期待できる。規制と政策の調整:半導体の世界をめぐる状況の変化が、政府や規制当局を動かし、業界に関する政策や規制の見直しにつながるかもしれない。提携によって競争環境が変化することで、技術革新の推進、知的財産の保護、公正競争の確保に重点が置かれるようになる可能性がある。政策立案者にとっては、変化のダイナミクスに適応し、国益を守りながら共同事業へのインセンティブを提供することも必要になるだろう。結果、業界内の提携が促進され、技術革新を促すような形で法規制の枠組みが刷新されるかもしれない。まとめTSMCの日本国内への戦略的拡張として設立されたJASMは、単なる製造拠点にとどまらず、グローバルな半導体業界のあり方を根本的に変えるきわめて重要な意味合いを持っている。「黒船」と「白騎士」を並べた表現は、歴史的意義や技術競争、地政学的同盟による複雑な相互作用をよく捉えている。インテルによる1.8nmプロセスの追及に代表されるTSMCとインテルの競争の激化は、半導体製造の分野が変革期を迎えたことを浮き彫りにして見せた。TSMCが世界で足場を固めるにつれて、業界はパラダイムシフトを迎え、インテルのような既存プレイヤーは技術進化への迅速な対応を迫られることとなった。インテルの対応は、半導体業界の今後の動きを決定づけるきわめて重要な要因となる。同様に、TSMCとサムスンの繊細なバランスから見て取れるように、業界内の関係性は複雑なものとなっている。激しい競争の一方で、TSMCは特定の材料をサムスンに依存しており、一皮むけばそこには相互依存の関係がある。こうした微妙なバランスに混乱が生じれば、半導体サプライチェーン全体を揺るがし、業界最大手だけでなく技術的生態系にも影響が及ぶことになる。インテルとサムスンへの影響は技術的なライバル関係にとどまらない。台湾と日本の連携は影響力があり、これまで技術革新に慎重だった業界に、協力関係のための新たな基準を打ち立てた。インテルとサムスンは互いに競争しあうだけでなく、技術的イノベーションの最先端に立ち続けるため、パートナーシップや提携をめぐる状況の変化に対応することも余儀なくされている。TSMC熊本工場の拡張が進み、アリゾナ工場が稼働する一方で、半導体業界は台湾と日本がグローバルサプライチェーンのルールを形成する支配的勢力として台頭する未来に備えている。両国の協力関係はインテルとサムスンに、前例なき変革が進む業界でリーダーシップを維持するためには、適応力と戦略的パートナーシップこそが鍵となる、という明確なメッセージを送るものである。さまざまな冒険譚が織り込まれた大河小説のような様相を呈する半導体業界において、TSMCの日本進出で設立されたJASMは、業界全体に内省を促すきっかけとなった。「黒船」来航は港への停泊にとどまるものではなかった。インテルとサムスンを変革の中心に、半導体業界の様相を一変させる一連の出来事を巻き起こしたのである。写真: 2024年 まもなく全人代と政協会議 プレスセンターがオープン(※1)https://grici.or.jp/ <CS> 2024/03/06 10:29 注目トピックス 経済総合 「黒船」対「白騎士」― 国際的半導体アライアンスをめぐる状況の変化(1)【中国問題グローバル研究所】 *10:22JST 「黒船」対「白騎士」― 国際的半導体アライアンスをめぐる状況の変化(1)【中国問題グローバル研究所】 ◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページでも配信している(※1)陳建甫博士の考察を2回に渡ってお届けする。「黒船」対「白騎士」半導体の世界最大手、台湾TSMC社(台湾積体電路製造、以下TSMC)による日本・熊本工場(Japan Advanced Semiconductor Manufacturing株式会社、JASM)開設は、日本の一部メディアによって「黒船」対「白騎士」(ホワイトナイト)の到来として報じられた。「黒船」という言葉は日本において、19世紀、アメリカ合衆国によって当時鎖国中であった日本が開国を余儀なくされ、大々的な近代化の道を歩み始めた歴史を象徴するものだ。日本の教科書では、黒船来航は侵略としてではなく、明治維新をはじめとする日本の近代化を促した出来事として扱われている。TSMCの熊本工場にからめて日本のメディアが「黒船」という言葉を使ったのは、半導体の世界最大手である台湾企業が日本国内での操業を開始したことの持つ意義を反映したものだ。ただ、台湾側から「黒船」という言葉を使った場合は、いささか傲慢に聞こえてしまうかもしれない。日本の一部メディアには、TSMC熊本工場に対して否定的な目を向けて「半導体バブル」という言葉を使ったり、地元の努力に目を向けずにTSMCを日本の救世主として持ち上げることに警鐘を鳴らしたりするものもある。これらメディアはTSMCが担う歴史的意義は「黒船」のそれにはあたらないとして、日本国内の半導体業界にも目を向けるべきだとしている。日本の技術力は非常に高く、TSMCのチップ製造は日本の半導体製造施設や上流材料に依拠するものだが、逆に、日本の半導体製造施設や材料も、TSMCの鋳造能力なしには威力を発揮できない。TSMCの熊本進出は、日本が世界の半導体業界で影響力を取り戻そうとしていることの表れであると見なされている。一方で、TSMCのウェハー製造工程なくして、日本の半導体製造施設と上流材料はチップ製造を全うすることができない。つまり、TSMCの熊本工場設立は、グローバルな半導体業界での影響力を取り戻さんとする日本国内の取り組みがもたらしたもの、と見るべきだろう。台湾メディアは、これとは別の見方を示している。日本から見ればTSMCは、韓国半導体業界そして新興の中国半導体業界に対抗するために招かれた「白騎士」に過ぎない。日本の半導体業界が本当にTSMCという騎士による助けを求めているとしても、面子にこだわる日本にとってその事実は受け入れ難いだろう。日本の半導体業界は腹の底では今でも、日本の技術がアジア随一であると信じている。手を組む相手を選ぶならば、中国や韓国ではなく台湾がより相応しいと考えるだろう。地政学的要因から、中国と台湾の関係が緊張するたびに、台湾の半導体業界は、さまざまな軍事的脅威や言葉による威嚇によって、脅かされる恐れがある。グローバルな半導体業界サプライチェーンの停滞や、崩壊の危機にも発展しかねない。TSMC熊本工場が円滑に稼働すれば、地政学的リスクにまつわるこうした不安要素も払拭されるだろう。同時に、半導体業界における台湾と日本の提携を、世界の半導体業界に向けて正式に宣言することになる。TSMCは、台湾では先端プロセス研究開発を続け、日本のTSMC熊本工場では先端プロセスによる半導体チップを製造する。半導体チップ製造でのこうした分業体制は、グローバルな半導体業界サプライチェーンの生態系を静かに変えつつある。インテルとサムスンの考察 ― 半導体の戦場を切り抜けるTSMCとインテルとの熾烈な争いにより、半導体業界はきわめて重要な局面を迎えている。長年トップを走り続けるインテルは、TSMCが大胆な事業拡大と最先端のプロセスに力を注ぐなか、テクノロジーの世界における軍拡競争の真っ只中にいると認識している。台湾と日本の半導体連合によって、米国のインテルと韓国のサムスンには間違いなく、厳戒信号が送られていることだろう。2024年2月21日に初開催されたインテルの「IFS Direct Connect 2024」イベントでは、Singh CEOから、同社のウェハー製造サービス(IFS)がマイクロソフト社から18A(1.8nm)プロセスを受注したとの告知が行われた。大手顧客4社との契約も締結しており、合計受注額は150億ドルに達するとも予想されている。インテルは2030年までに鋳造分野で世界第2位につけることを目指しており、2025年にはIntel 18Aプロセスでプロセス分野の主導権を取り戻そうと意気込んでいる。インテルが1.8nmプロセス受注を公表した背景には、再び技術的優位に立たねばならない、という切迫感が透けて見える。こうしたライバル関係が、個々の企業の枠を超えて技術革新を推進し、半導体業界の競争環境のありかたを大きく変容させている。TSMCの拡大を目の当たりにして、インテルは岐路に立たされており、技術の世界の進化にすばやく適応することを余儀なくされている。半導体業界は変革期を迎えており、既存のプレイヤーは戦略を見直し、かつてない勢いで革新的技術を取り込む必要に迫られている。インテルの対応は、市場シェアを目的とした1社の戦略的な動きというだけではない、業界の今後の均衡を決定づけるきわめて重要な要因となる。TSMCがグローバル展開するにつれ、半導体業界のもう一つの最大手サムスンとの関係性もなかなかに複雑なものとなっている。メモリとロジックチップの両分野で圧倒的な存在感を示しているサムスンは、TSMCとは直接競合する立場にある。だが、一皮むけばそこには相互依存の関係が見えてくる。TSMCは特定の材料をサムスンに依存しており、業界内の関係性は複雑なものとなっている。このような繊細な関係を成立させるには、慎重な戦略的立ち回りが不可欠となる。混乱が生じれば、世界の半導体サプライチェーンを揺さぶることになるからだ。インテルにとって、台湾と日本が手を組んだことは競合上の問題というだけでなく、考察と適応を促すものでもある。台湾と日本による連携の取り組みは、これまで技術革新に慎重だった業界に、協力関係のための新たな基準を打ち立てた。インテルはTSMCとの技術面での競合関係だけでなく、パートナーシップや提携による業界の変化にも対応しなくてはならない。インテルが半導体業界における重要性とリーダーシップを維持していくには、適応力が重要となる。サムスンもまた、微妙な課題に直面している。TSMCとの複雑な関係性もあって、サムスンは激しい競争と相互依存とのはざまで戦略的に立ち回ることを強いられている。技術的覇権の追及は独力ではなしえず、業界の行く末を左右するような慎重な協力関係や提携が関わってくる。こうした力学に対する対応が、変化を続ける半導体戦線におけるサムスンの強靭さと地位を決定づけることになる。2024年1月15日、韓国政府は、今後20年間かけて協力体制のもと進められる「超大規模半導体ウェハー製造コンプレックス」設立を念頭に、サムスン電子とSKハイニックスを支援すると宣言した。投資総額は622兆ウォン(約4,720億ドル)という、途方もない額である。韓国では、2nmプロセスを利用したチップや広帯域メモリなどの先端製品に特化した、世界クラスの製造能力を持つことを目指している。韓国産業通商資源部は、2030年までに韓国産非メモリチップの世界市場シェアが現在の3%から10%に急増すると予想し、大々的な成長を見込んでいる。さまざまな冒険譚が織り込まれた大河小説の様相を呈する半導体業界において、インテルとサムスンは自身が変革の物語の中心にいることを認識している。TSMCの日本進出が業界全体に内省を促すきっかけとなったことで、インテルとサムスンもただ競合するだけの関係から脱却して、競争と協力、グローバルな地政学的変化とが複雑に交差する状況を乗り切ることを余儀なくされている。業界の将来は、半導体の大々的な変革の時代における両社の戦略の見直しと機敏な対応にかかっている。「黒船」対「白騎士」― 国際的半導体アライアンスをめぐる状況の変化(2)【中国問題グローバル研究所】」に続く。写真: 2024年 まもなく全人代と政協会議 プレスセンターがオープン(※1)https://grici.or.jp/ <CS> 2024/03/06 10:22 注目トピックス 経済総合 南アフリカランド円今週の予想(3月4日)サンワード貿易の陳氏(花田浩菜) *09:56JST 南アフリカランド円今週の予想(3月4日)サンワード貿易の陳氏(花田浩菜) 皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター花田浩菜の気になるレポートです。今回は、南アフリカランド円についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、『今週のランド円は、保ち合いが続きそうだが、下抜けに警戒したい』と述べています。続いて、『先週は、大手格付け会社フィッチ社が「南アフリカが先週2月21日に公表した予算案は楽観的」と否定的な見解を発表したことで売りが強まった。南ア1月貿易赤字は94億ランドの赤字で、予想の55億ランド赤字を上回った。また、南ア1月生産者物価指数(PPI)は前年比+4.7%と前回+4.0%から伸びが加速したことも南アランドの重石となった』とし、『しかし、南ア2月製造業PMIが51.7と予想46.5を上回り、好不況の境目である50も上回ったことや、2月の自動車販売も前月より改善したことが好感されて7.86円で週を終えた』と伝えています。次に、『南アフリカ経済は、景気減速懸念にくわえ、インフレ加速の可能性があり、先行きには不透明感が強い。また、政治面でも5月29日に予定されている総選挙では与党のアフリカ民族会議が大幅に議席を失う可能性もあると予想されている。このため、南アランドは戻り売り圧力が続きそうだ』と分析しています。一方で、『南アフリカの1月消費者物価指数(CPI)は前年同月比5.3%上昇し、前月の5.1%から伸びが拡大したが、予想5.4%を下回った。食品と燃料価格を除いたコアインフレ率も12月の4.5%から4.6%へ加速した。南アフリカ準備銀行(中銀)のインフレ目標である3─6%に収まっているが、1月PPIも伸びが加速したことから、南アフリカ中銀はインフレへの警戒を怠らず、3月会合での利下げはなさそうだ』と述べています。こうしたことから、陳さんは、『金利面から南アランドはサポートされよう。また、主要な輸出品である貴金属価格が上昇していることも支援要因だろう』と考察しています。南アフリカランド円の今週のレンジについては、『7.75円~7.95円』と予想しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の3月5日付「南アフリカランド円今週の予想(3月4日)にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 花田浩菜 <CS> 2024/03/06 09:56 注目トピックス 経済総合 ウォール街を知るハッチの独り言 世界の証券取引所を見てきた話(マネックス証券チーフ・外国株コンサルタント 岡元 兵八郎) *09:28JST ウォール街を知るハッチの独り言 世界の証券取引所を見てきた話(マネックス証券チーフ・外国株コンサルタント 岡元 兵八郎) さて、マネックス証券の「メールマガジン新潮流」が、3月4日に配信されました。そのなかから今回は、同証券のチーフ・外国株コンサルタント、『ハッチ』こと岡元兵八郎氏のコラム「世界の証券取引所を見てきた話」の内容をご紹介いたします。今年に入り久しぶりにニューヨーク証券取引所(NYSE)を訪問する機会を得ました。証券取引所は、株式の価値を決める重要な機能を持つ資本市場の要です。1792年に24人の株の取引業者がボタンウッドという木の下で集まって株の取引を行ったのがNYSEの起源として知られており、アメリカの金融業界における重要な歴史的な出来事とされています。今や世界中の証券取引所の取引は電子化され、取引所のフロアでは人の姿を見ることができなくなっていますが、NYSEは未だ取引所のフロアにはスペシャリストという一部の株式の値決めを行う人たちがいる世界唯一のハイブリッド型の取引所です。そんなNYSEでは毎日取引開始と終わりを告げる鐘が鳴り響き、その様子は特に株価が乱高下すると日本のテレビのニュース番組でも中継されることがありますから、皆さんもご覧になった方は少なくないでしょう。この朝夕のセレモニーは世界中の映像メディア経由でライブ配信されており、世界中で毎日少なくとも1億人の人たちが見ていると言われています。20年以上前のことですが、私は一度この鐘を鳴らすセレモニーで取引所のポーディアムに登壇すると言う貴重な経験をしたことがありました。私たちの年金が外国株で運用される時にベンチマークとして使われている株価指数「MSCIコクサイ」と呼ばれる、世界株から日本株を抜いた株価指数があります。その株価指数に連動するETFがNYSEに上場したのを記念し、取引開始のオープニングベルのセレモニーに日本の証券関係者が参加できることになり、私は日本にあるアメリカの証券会社の代表として招待されたのです。まずはNYSEに到着すると、コーヒーやお菓子がたくさん用意された応接室に通され、セレモニーの行われ方が説明されます。その後時間が来ると、取引所のフアにあるポーディアムに私を含む20人くらいの米国株業務関係者が通され、この日はETFの運用会社の責任者が取引開始の鐘を鳴らすのです。周りの私たちの仕事はというと、鐘が鳴る前から握手をし、上場を祝福するのです。テレビで見ると、鐘が鳴っている音が聞こえますが、実際はというとポーディアムにあるボタンを押し続けると鐘が鳴る仕組みとなっています。私はこれまで世界81カ国を訪問したのですが、仕事は一生を通して外国株だったこともあり、新しい国を訪問する場合、できるだけその国に株式市場があることを確認して証券取引所を訪問することにしています。仕事が趣味というか、趣味が仕事みたいなものなのです。そんなこともあり、世界中の証券取引所を訪れたのですが、今でも記憶に残っているのはアフリカの証券取引所です。今や国の豊かさや貧しさは関係なく、ほとんどの国に株式市場があるか、ない場合は設立されつつあります。アフリカ大陸南東部にあるジンバブエの首都ハラレにある証券取引所は設立が1896年と歴史ある証券取引所です。この取引所は、政府系ビルの大きな会議室にあるのです。大型テーブルの周りに取引所会員証券会社を代表するトレーダーが囲み、証券会社の本社から注文が入ってくると口頭で取引をマッチさせるという昔ながらの方法で取引が行われていました。その後コンピューター化されると聞きましたので、今はすでに人を介さなくなっているのだと思います。また、多分世界で一番時価総額が小さいであろう証券取引所は同じくアフリカ南部にある当時スワジランド(現在エスワティニ王国)でしょう。人口約120万人の国にあるこの取引所は、スワジランドの中央銀行の建物の中の1フロアの一角にある小さな部屋にありました。当時上場しているのは数銘柄しかなかったのですが、その取引はホワイトボードに株価と買い売りの株数が書かれており、取引所の担当者が商いを成立させると言う非常にマニュアルなオペレーションが行われていたのです。今どうなっているかは不明ですが、機会があればまた訪れたいと思います。私は月に一回、東京証券取引所の中にある、金融情報チャンネルのスタジオで、米国株マーケットについてお話しするのですが、ここも完全に完全自動化されもはや人を見ることはありません。世界最大の株式市場であるニューヨーク証券取引所ですが、株価が大きく下がるとトレーダーが悲しそうな顔を、株価が上がると嬉しそうな顔が見られる喜怒哀楽のある世界最大の取引所、ぜひ今後もこのような形で取引を行ってもらいたいと思います。マネックス証券 チーフ・外国株コンサルタント 岡元 兵八郎(出所:3/4配信のマネックス証券「メールマガジン新潮流」より、抜粋) <CS> 2024/03/06 09:28 注目トピックス 経済総合 NYの視点:米2月ISM非製造業景況指数、サービスセクターの減速示す、FRBの年内の利下げ正当化へ *07:41JST NYの視点:米2月ISM非製造業景況指数、サービスセクターの減速示す、FRBの年内の利下げ正当化へ 全米供給者協会(ISM)が発表した2月ISM非製造業景況指数は52.6と、1月53.4から予想以上に低下し、昨年11月来の低水準となった。ただ、活動の拡大、縮小の境目となる50は14カ月連続で上回り、活動の拡大は継続した。重要な項目となる新規受注は56.1と、1月55.0から低下予想に反して上昇し、昨年8月来で最高。ただ、雇用や仕入れ価格など他の項目が軒並み弱く、ビジネス需要先行指標となる新規受注やビジネス活動の改善を相殺した形となった。企業は悪天候により抑えられていた繰延需要と説明している。在庫水準は47.1と、1月49.1からさらに悪化しており、企業の依然慎重な姿勢が浮き彫りとなった。企業は需要に合わせ在庫水準を減少させたと説明している。同指数の仕入れ価格は58.6と、やはり予想以上に低下し、インフレの鈍化基調を証明した。また、雇用は48.0と、予想外に1月50.5から昨年12月来の50割れに再び落ち込み、活動縮小となり、労働市場のひっ迫緩和の証拠となった。米国経済の7割を消費が占めるため、特にISM非製造業景況指数に注目が集まったが、インフレ鈍化基調や労働市場の減速などサービスセクターの減速は、連邦準備制度理事会(FRB)の利下げの論拠を強める。■米2月ISM非製造業景況指数:52.6(1月53.4)景況指数:57.2(1月55.8)新規受注:56.1(予想:54.4、1月55.0)雇用:48.0(予想51.4、1月50.5)仕入価格指数:58.6(予想62.0、1月64.0)在庫:47.1(1月49.1)受注残:50.3(1月51.4)入荷水準:48.9(1月52.4)在庫増減:47.1(1月49.1)在庫景況感:56.7(1月59.3)新規輸出受注:51.6(1月56.1) <CS> 2024/03/06 07:41 注目トピックス 経済総合 NYの視点:パウエルFRB議長の議会証言、利下げ急がない方針再表明か、与党議員からは利下げ圧力強まる可能性=選挙控え *07:39JST NYの視点:パウエルFRB議長の議会証言、利下げ急がない方針再表明か、与党議員からは利下げ圧力強まる可能性=選挙控え 連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は今週、下院金融委員会(6日)、上院銀行委員会(7日)で半期に一度の金融政策報告に関する議会証言を予定している。1月連邦公開市場委員会(FOMC)での声明や議長会見を含め金融政策決定者の講演やイベントでの発言から、議長はインフレが減速基調を継続しているが、まだ、賃金やインフレ圧力が多く見られ、利下げにはさらなるインフレ改善進展の確信が必要になる、と利下げを急がない姿勢を再表明する可能性が強い。議長のCBSの番組60Minutesでのインタビューのように、時期尚早の利下げによるリスクを警告すると見られる。2024年の連邦公開市場委員会(FOMC)投票権を持つ米アトランタ連銀のボスティック総裁は年内2回の利下げを予想、7-9月期に利下げを開始後、利下げによる経済への影響を見直すため連続の利下げは予想していない。利下げにより、今まで抑制されていた需要を押し上げ、インフレのきっかけとなる可能性も残ると、指摘した。同時に、高金利を過剰に長く維持するリスクにも言及している。インフレ率が2%へ低下すると完全に確信するため一層進展が必要で、健全な労働市場や経済が委員会の政策決定に余地を与えるとした。2008年の金融危機を予測した著名エコノミスト、ルービニ氏は今年も経済が好調で「ノーランディング」と、楽観的な見方を示した。リスクは上方と、指摘している。ただ、11月の大統領選挙を控え、与党議員からは利下げ圧力の声が高まる可能性がある。 <CS> 2024/03/05 07:39 注目トピックス 経済総合 NYの視点:【今週の注目イベント】パウエルFRB議長議会証言、米雇用統計、ベージュブック、ECB理事会、加中銀 *07:36JST NYの視点:【今週の注目イベント】パウエルFRB議長議会証言、米雇用統計、ベージュブック、ECB理事会、加中銀 今週は欧州中央銀行(ECB)が定例理事会を開催するほか、カナダ中銀も金融政策決定会合を予定している。さらに、米雇用統計や地区連銀経済報告(ベージュブック)に注目が集まる。連邦準備制度理事会(FRB)の3月連邦公開市場委員会(FOMC)では利下げを見送ると見られているが、一部の低調な経済指標を受けて、6月の利下げ開始を9割織り込んだ。雇用統計が弱い結果となると、6月の利下げ観測がさらに強まる可能性がある。FRBのパウエル議長は上下両議会での半年一度の証言を予定しており注目されるが、データ次第との方針を強調し、利下げを明確化しない可能性がある。他の高官も指摘しているように1月のCPIのように、目標達成までにはインフレが上下する可能性が高く、利下げにはさらなる確信が必要と再表明する可能性が強い。ドルの下値も支えられると見る。ECB理事会前に発表された2月消費者物価指数(CPI)は1月から伸びが鈍化しインフレ改善の基調が示された。市場はECBもFRBと同様に6月にも利下げを開始することを現時点で織り込んでいる。ECB高官もFRB高官と同様に物価目標達成する一段の確信が必要で、利下げを急がない姿勢を示している。各国のディスインフレが確信できるまでは、もみ合いが続くと見られる。■今週の主な注目イベント●米国4日:ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁講演5日:2月サービス業PMI、1月製造業受注、2月ISM非製造業景況指数、2月耐久財受注確定6日:2月ADP雇用統計、1月JOLT求人、1月卸売売上高、FRB地区連銀経済報告(ベージュブック)を公表、パウエル議長の下院金融サービス委員会での証言、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁が司会、デイリー米サンフランシスコ連銀総裁演説7日:1月貿易収支、10-12月期非農業部門労働生産性、単位人件費、週次新規失業保険申請件数、パウエルFRB議長、上院銀行委員会での証言、メスター米クリーブランド連銀総裁が講演8日:2月雇用統計、ウィリアムズ米NY連銀総裁が講演●中国5日:財新サービスPMI、第14期中国人民代表大会7日:貿易収支8日:PPI、CPI●欧州5日:ユーロ圏サービスPMI、植田日銀総裁講演7日欧州中央銀行(ECB)理事会、ラガルド総裁会見8日:ユーロ圏GDP●日本5日:東京CPI●英国5日:サービスPMI6日:建設PMI、ハント財務相が予算案発表●カナダ6日:中銀金融政策決定会合 <CS> 2024/03/04 07:36 注目トピックス 経済総合 欧米の注目経済指標:ECB政策金利は据え置き予想 *14:58JST 欧米の注目経済指標:ECB政策金利は据え置き予想 3月4日-8日週に発表される主要経済指標の見通しについては、以下の通り。■4日(月)日本時間5日午前0時発表予定○(米)2月ISM非製造業景況指数-予想は53.0参考となる1月実績は53.4と12月実績を上回った。新規受注の増加と雇用回復が要因。2月については、新規受注は1月実績を下回る見込みであるものの、投入価格指数や雇用指数の高止まりが予想されるため、1月実績に近い水準となる可能性がある。■7日(木)午後10時15分発表予定○(欧)欧州中央銀行(ECB)理事会-予想は政策金利の据え置きECBのデギンドス副総裁は、「利下げを開始する前にさらにデータを確認する必要がある」との考えを示しており、理事会メンバーの大半が同じ考えであることから、利下げ開始は6月になるとの見方が多いようだ。■7日(木)午後10時30分発表予定○(米)1月貿易収支-予想は-617億ドル参考となる12月実績は-622億ドル。石油輸出額は過去最高を記録しており、貿易収支の改善に寄与した。1月については工業用品と消費財の輸入額はやや増えるものの、石油輸出はまずまず順調であることから、貿易赤字が拡大する可能性は低いとみられる。■8日(金)午後10時30分発表予定○(米)2月雇用統計-予想は、非農業部門雇用者数は前月比+18.0万人、失業率は3.7%2月の非農業部門雇用者数は1月実績を下回る見込みだが、それでも15万人超の雇用増が予想されており、雇用情勢は引き続き良好であることを示唆するデータになりそうだ。失業率は横ばいが予想される。○その他の主な経済指標の発表予定・5日(火):(米)2月ISM非製造業景況指数・6日(水):(豪)10-12月期国内総生産(GDP)、(加)カナダ中央銀行政策金利発表・7日(木):(中)2月貿易収支・8日(金):(日)1月経常収支 <FA> 2024/03/02 14:58 注目トピックス 経済総合 (中国)上海総合指数は0.04安でスタート、弱い経済指標が足かせ *11:02JST (中国)上海総合指数は0.04安でスタート、弱い経済指標が足かせ 3月1日の上海総合指数は売り先行。前日比0.04%安の3013.82ptで寄り付いた後は、日本時間午前10時57分現在、0.14%安の3010.80ptで推移している。弱い経済指標が警戒されている。2月の製造業購買担当者景気指数(PMI、政府版)は49.1となり、前月の49.2を下回った。一方、政策期待の高まりが指数をサポートしている。 <AN> 2024/03/01 11:02 注目トピックス 経済総合 NYの視点:米ディスインフレ確信は3月まで困難との見方、年初の季節的要因多く *07:39JST NYの視点:米ディスインフレ確信は3月まで困難との見方、年初の季節的要因多く 米国商務省が発表した1月個人所得は前月比+1.0%となった。伸びは12月+0.3%から予想以上に拡大し、1年ぶり最大となった。一方で、同月個人消費支出(PCE)は前月比+0.2%。伸びは12月+0.7%から予想通り縮小し、昨年10月来で最低となった。連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として特に注視している食品や燃料を除いたコアPCE価格指数の1月分は前月比+0.4%と、1年ぶりで最大の伸びとなった。前年比では+2.8%と、予想通り12月+2.9%から伸びが鈍化。12カ月連続の伸び鈍化で、FRBの利下げに一歩近づいたとの見方も強まった。ただ、インフレ鈍化は引き続き「物」がけん引。サービスインフレは逆に上昇。特に、パウエル議長が注目しているスーパーコア、住宅を除いたコアサービスの1月分は+0.6%と、前月+0.3%から逆にペースが加速。前年比では+3.5%と、前月の+3.3%から伸びが加速した。1月の強いインフレは季節的な要因との指摘もある。年初で、多くの企業が値上げを実施。指標に季節調整の効果がでるのは3月くらいになるため、インフレの真の改善は3月まで明確化されないと、エコノミストは指摘している。賃金は引き続き伸びが拡大する一方で、消費者は12月のホリデーシーズン後、支出を一服した可能性があるほか、支出の弱さは季節的要因に加えて、悪天候も影響したと見られている。最新の消費者信頼感指数では消費者が労働市場への懸念を強め、支出を控えている兆候も見られる。貯蓄率は労働市場への自信が後押しし昨年、低下傾向にあったが1月は3.8%と、12月の3.7%から上昇。貯蓄の上昇が続けば、消費者の支出もさらに抑制されることになる。物価上昇を抑制することにもつながると見る。少なくとも3月連邦公開市場委員会(FOMC)での政策金利据え置きは確実になりつつある。 <CS> 2024/03/01 07:39 注目トピックス 経済総合 プラチナの900ドル割れは長続きしないだろう サンワード貿易の陳氏(花田浩菜) *17:32JST プラチナの900ドル割れは長続きしないだろう サンワード貿易の陳氏(花田浩菜) 皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター花田浩菜の気になるレポートです。今回は、NYプラチナについてのレポートを紹介します。陳さんはまず、『プラチナの900ドル割れは長続きしないだろう』と述べています。続いて、『先週のNYプラチナ(4月限)は、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ見通しが後退したため、節目の900ドルを割り込む場面もあったが、週の終値は900ドルに上昇して引けた』と伝え、『21日に公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(1月30~31日開催分)によると、参加者の大半が性急な利下げを行うリスクに警戒感を表明していた。ウォラーFRB理事は22日の講演で、「利下げ開始を急ぐことはない」と述べた。2月に入って発表された1月の経済指標は物価、雇用に関する統計がいずれも強く、FRBの利下げ見通しは後ずれしており、ドル建てプラチナ相場の重石になった』と説明しています次に、『週明け26日は3日ぶりに反落し、900ドルを下回った。前週末比28.50ドル(3.13%)安の1オンス=881.10ドル。米長期金利が上昇し、金利を生まない資産である白金族は売りが優勢となった。市場は、29日に発表される1月米個人消費支出(PCE)物価指数に注目している』と言及しています。また、『プラチナ最大の生産国である南アフリカの通貨ランドが下落していることもプラチナ価格下落の要因だろう。南アフリカでは5月29日に総選挙が予定されているが、30年間政権に居続けている与党アフリカ民族会議が過半数割れに陥る可能性が高まっているため、ランドの上値は重くなっている』と伝えています。陳さんは、『ただ、プラチナは2年連続の供給不足状態にあるため、需給面から900ドルを下回る水準は売られ過ぎと言えよう。当面の間、880~950ドルのレンジで推移しよう』と想定しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の2月28日付「プラチナの900ドル割れは長続きしないだろう」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 花田浩菜 <CS> 2024/02/29 17:32 注目トピックス 経済総合 NYの視点:FRB、少しづつ利下げに近づく *07:41JST NYの視点:FRB、少しづつ利下げに近づく NY連銀のウィリアムズ総裁は今年後半に利下げを検討する可能性が高いとの見解を示した。出発点として、年内3回の利下げを「検討すること」は理に適うとの考えを示した。経済は引き続き強く、連邦準備制度理事会(FRB)がプラス成長を予想しており、インフレも引き続き改善が続くと予想していることも明らかにした。ただ、1月の消費者物価指数(CPI)でインフレ改善停滞が示されたことを受けて、目標値の2%への進展の道のりにムラがある、と警告。2%目標達成はまだ長い道のりであると繰り返した。ウィリアムズ総裁は年内の利下げに関し、「3回の利下げを検討することは理に適う」との言及にとどめ、明確化しなかった。今年3回の利下げは昨年12月連邦公開市場委員会(FOMC)で公表されたFRBスタッフ予測の24年の金利予測に一致する。利下げの時期に関してはあくまでもデータ次第との姿勢を強調。利下げペースはカレンダーベースではなくデータ次第だとしたほか、利下げは見通しと連携する必要はないと主張した。米アトランタ連銀のボスティック総裁もインフレを巡り、まだやるべきことがある。勝利宣言はしないと慎重姿勢を見せ、辛抱強い政策を支持、最初の利下げは夏ごろを予想している。ウィリアムズ総裁と同様にボストン連銀のコリンズ総裁は1月消費者物価指数(CPI)の結果がインフレ進展にムラがあることを示唆しているとしたものの、インフレは進展を続けるとの考えには変わりはない。また、インフレ見通しリスクは両側にあると見ていることや、コリンズ総裁は「時期尚早に利下げしないことや、過剰に長期の間待たないことが不可欠」と、均衡した発言を行っており、過剰に長期間利下げを先送りすることもリスク要因として挙げており、年内の利下げに少しづつ近づいている可能性がある。 <CS> 2024/02/29 07:41

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