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注目トピックス 日本株 日産東HD Research Memo(5):中間期は下限に近いが想定内で着地 *12:05JST 日産東HD Research Memo(5):中間期は下限に近いが想定内で着地 ■日産東京販売ホールディングス<8291>の業績動向1. 2026年3月期中間期の業績動向2026年3月期中間期の業績は、売上高が63,123百万円(前年同期比9.9%減)、営業利益が1,933百万円(同49.1%減)、経常利益が2,048百万円(同45.6%減)、親会社株主に帰属する中間純利益が1,571百万円(同36.8%減)となった。大幅減益ではあるが、下期に新型車投入や新規出店が集中することもあって、下限に近いが想定内の着地となった。同社は、中期経営計画に掲げる成長戦略に即し、地域密着型の営業体制を生かして顧客との関係性をより一層強化することで、変化の激しい自動車業界において、持続的かつ安定的な収益構造の確立と企業価値の向上を目指した。しかしながら中間期は、堅調な入庫により整備事業が増収となったものの、新型車が端境期であったこと、新店がなかったこと、供給元の日産自動車のリストラに伴う風評が新規顧客の集客に影響したことなどにより、新車販売と中古車販売の台数が減少して減収となった。営業利益は、成長のための投資は継続しつつコストコントロールに努めたが、販売台数の減少や販売価格の低下の影響により減益となった。もともと新型車が端境期のため通期では減益予想だったが、新車と中古車の販売台数が想定よりやや少なかったため、中間期業績が下限に近いが想定となった。なお、特別利益で受取補償金が発生したため、親会社株主に帰属する中間純利益の減益幅は営業・経常利益に比べると少なくなっている。中古車個人リースと整備事業が堅調に推移2. 事業別の売上動向事業別の売上高は、新車販売の伸び悩みとそれに伴う中古車販売及び手数料収入等の減少を、個人リースや整備事業でカバーしきれなかった。なお、額は小さいがその他の売上高が大きく伸びたのは、不動産の有効活用を進めたことが要因である。(1) 新車販売同社は、充実した電動車ラインナップ(EV4車種、e-POWER車5車種など)を軸とした販売に加え、個人リースなどの強みの提案型営業を生かし、受注台数と販売単価の維持・向上による収益の確保に取り組んだ。しかし、新型車の端境期、新規来店客数低下などの影響により、同社の新車登録台数は前年同期比15.9%減となった(全国の新車登録台数は同0.5%増、同社マーケットである東京都内は同2.1%増)。営業利益は、販売台数の減少及び経年による販売単価低下により減益となった。新規来店の減少については、新型車のない中間期は我慢の時期でもあり、既存客を中心にコミュニケーションの強化に取り組んだ。また、新型車の投入される下期へ向けては、ネット経由のカタログ請求に対応するためにホームページの集客力を強化したほか、ネット経由の情報を生かし他車からの買い替えを促進するリードキャンペーンを実施している。電動車比率については、人気の「サクラ」が一巡したことでEV比率が9.5%と前期末比0.3ポイント下がったが、e-POWER車の販売が安定的に推移したことで電動車比率は92.6%と同2.1ポイント上昇した。個人リースは、販売台数は新型車不在のため2,314台と同500台減となったが、増加傾向の市場トレンドや同社の長い経験、ラインナップの多さ、ワンプライス販売を背景に、新車販売と収益の拡大に引き続き貢献していくと思われる。(2) 中古車販売中古車販売は、中古車市場の相場が高騰から下降へ転じたことによる販売単価下落、新車販売台数の減少に伴う下取車の仕入れ減少により、減収となった。営業利益は、売上高同様に販売単価低下と販売台数減少の影響により減益となった。下降傾向を続けていた市場相場もここで底を打ち、オークションでは9月に上昇傾向に転じた模様である。中古車個人リースについては、顧客ニーズの多様化を背景に241台(前年同期比21台増)と順調に販売台数を増やし、ワンプライス販売による収益確保や将来の新車需要の基盤拡大に貢献した。(3) 整備事業整備事業では13万件超のメンテナンスパック会員という安定したストック基盤に支えられ、メンテナンス需要を継続的に取り込んだことで増収となった。また、メンテナンスパック会員による安定した入庫に加え、メンテナンスパック会員以外の顧客向けに価格改定を行ったことで、営業利益も増益となった。なかでも「車検館」は、入庫予定のデジタル化など仕組み面での利便性向上と出店継続によって、リピート顧客の確保と新規顧客の獲得を同時に進め、増収増益を継続した模様である。同社もこうした「車検館」のノウハウを取り込むことで、顧客基盤のさらなる活用を図っている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光) <HN> 2025/12/26 12:05 注目トピックス 日本株 日産東HD Research Memo(4):顧客基盤やベストプラクティスなどに強み *12:04JST 日産東HD Research Memo(4):顧客基盤やベストプラクティスなどに強み ■日産東京販売ホールディングス<8291>の事業概要2. 同社の強み「CASE」や「MaaS」の時代に、同社が総合モビリティ事業のフロントランナーとして優位性を発揮できるのは、EV販売のパイオニア、顧客基盤35万件のストックビジネス、地域に根ざした店舗ネットワーク、ベストプラクティスといった強みがあるからである。(1) EV販売のパイオニア同社は、EVの販売やサービスで長年蓄積してきたノウハウを有し、EV販売のパイオニアとして業界をリードしている。販売面では、国産初の量産EV「リーフ」や軽自動車EV「サクラ」など充実したラインナップや、累計16,000台を超えるEVの販売実績があり、家庭用充電器の販売やEVに蓄えた電力を自宅で使うことができるV2H※の提供などEVコンサルテーションも行っている。メンテナンス体制は、日産EV認定整備士約700名、エヌティオートサービスのEV重整備工場3ヶ所を有し、EVの急速充電器も都内に約100基配備している。※ V2H(Vehicle to Home):カーバッテリーに蓄えている電力を自宅で使えるようにする機能。(2) 顧客基盤35万件のストックビジネス同社には、新車や中古車の販売に加え、個人リース、整備収入につながる13万件超のメンテナンスパック会員、利用率約50%の金融商品、約13万件の保険付保などを通じて構築した35万件の顧客基盤がある。これをベースにストックビジネスを展開、既存顧客との取引による安定したストック収益で営業費の約90%をカバーしており、同社の収益体質の強さにつながっている。(3) 地域に根ざした店舗ネットワーク同社の地盤は東京都都心8区※を除く東京都全域で、東京都1,400万人の人口の約9割をカバーしている。新車販売101店舗(ルノー店4店舗を含む)、中古車販売18店舗、「車検館」13店舗、エヌティオートサービス8拠点という店舗ネットワークを軸にモビリティ事業を展開している。特に新車販売店舗は「ニッサン・リテール・コンセプト」に沿った新世代型店舗へのバージョンアップを継続し、購買力の強い東京の消費者にさらに密着することで、ドミナントエリアを一層強化していく考えである。※ 東京都都心8区とは千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、台東区、渋谷区、豊島区のことで、いわゆる都心にあたり、法人需要をメインとする日産自動車の連結子会社が展開しているエリアである。(4) ベストプラクティスノウハウや情報を速やかに共有し水平展開するベストプラクティスも同社の強みである。同社はこれまでベストプラクティスによって、販促や営業のヒット率や顧客のニーズに合わせた商品提案力を向上してきた。その結果、制度や仕様面で説明が難しいと言われるEV販売や個人リースに関して、競合他社に対して優位性を築いてきた。また、東京という高コストのエリアを地盤にしていながら、自動車ディーラーとしては相対的に高い水準の営業利益率を実現している。(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光) <HN> 2025/12/26 12:04 注目トピックス 日本株 日産東HD Research Memo(3):新車と中古車が回転し、整備が積み上がるビジネス *12:03JST 日産東HD Research Memo(3):新車と中古車が回転し、整備が積み上がるビジネス ■日産東京販売ホールディングス<8291>の事業概要1. 事業内容同社の事業は、個人リースを含む新車販売、中古車販売、整備事業などで構成されている。事業全体でカーライフのワンストップサービスを提供し、付加価値の高い提案とメンテナンスや金融など自動車関連サービスによって顧客のLTV(ライフタイムバリュー)を最大化するとともに、モビリティを事業として展開していくことでグループシナジーを追求している。収益構造を見ると、例年、売上高の50%以上を新車が占める一方で、売上利益は収入手数料等も含めて各事業間でバランスが取れている。また、新車を販売することで中古車販売の回転が良くなり、整備などのストックビジネスが積み上がるという安定したバリューチェーンを築いている。なお、日産自動車と日産東京販売の関係は、日産東京販売が日産自動車から新車や部用品を仕入れて一般消費者などに販売するというだけでなく、EVやe-POWERといった先端技術車のPRや試乗会開催、急速充電器の拡充などを通じて、日産自動車と消費者をつなぐ役割も担っている。(1) 新車販売子会社の日産東京販売は、EVやe-POWERなど日産自動車の新車全車種を、都内の約100店舗を通じて販売している。現在これらの店舗は、日産自動車が継続的に投入する最先端の新型車と多様化した顧客の期待やライフスタイルに合わせ、「ニッサン・リテール・コンセプト(NRC:Nissan Retail Concept)」という新世代型店舗へとリニューアルしているところである。ルノー車については、日産東京販売社内においてルノー車専門のバーチャルカンパニーとして販売店4店舗を運営、全国のルノーディーラーでNo.1の販売実績を誇っている(2025年3月期実績)。なお、新車販売台数は、少子高齢化や人口減少、自動車保有率の低下傾向などを背景に、全国で500万台程度と横ばいで推移する時代になった。ディーラーが企業として成長するには、スケールメリットや集約化によって新車販売の収益性を高めるとともに、個人リースや中古車販売、整備など新車販売以外の事業を成長ドライバーとする、独自戦略を展開する必要が生じている。(2) 個人リース「P.O.P」個人リースは、同社がリース会社に販売しリース会社が個人にリースする、同社にとって新車販売の1形態である。自動車を所有するモノというより利用するモノと考える消費者や、諸手続きや所有の煩わしさを軽減したい消費者にとって、非常に利便性の高いサービスとなっている。1997年よりサービス展開してきた経験と、「P.O.P」という日産ブランドに依存しないブランドが特徴で、現在、東京都では約4割という高いシェアを占める。また、カーリースの契約では残価や残存期間など制度や仕組みの説明にEVと同様の高いスキルが必要となるため、同社が約30年間個人リースを展開してきた経験は大きな強みとなっている。「頭金ゼロ・コミコミ・定額」のワンプライス販売も評判で、一般的に通常の新車買い替えサイクルが8~9年、リース契約が5年と言われるなか、7割以上の顧客が3年で次の新車に乗り換えている。さらに、リピート率が9割以上に達し、状態のよい中古車の仕入元にもなるため、同社にとって非常に効率のよいビジネスと言える。このため近年市場は成長を続け、ガソリンスタンドなど様々な業種が参入してきたが、消費者の選択肢が広がることから市場活性化につながっており、経験豊かな「P.O.P」にとって強い追い風となっている。(3) 中古車販売中古車の買取・販売は、収益の1つの柱であると同時に新車買い替えを促進する機能もある。仕入は主に新車販売時の下取車や買取、オークションなどで調達しており、近年はリースアップした車も増えている。販売は、日産自動車による厳しい認定基準をクリアした同社を含む「クオリティショップ」で取り扱っており、充実した保証やアフターサービスも提供している。仕入・販売ルートはこのように様々だが、収益性の高い自社在庫を自社中古車店舗で消費者に直接販売する「小売販売」が主力である。なお、新車個人リースの好調をヒントに、中古車販売の新たな形態として中古車個人リースを2023年4月に開始し、販売台数を着実に伸ばしているところである。(4) 整備事業整備は、日産東京販売のストックビジネスの柱として各店舗を中心に事業展開しており、メンテナンスパック会員は13万件超、グループ内の整備入庫の総台数は約65万台となっている(2025年3月期)。また、大規模総合自動車整備会社で子会社のエヌティオートサービス(株)は、専業としての確かなサービス品質と最新鋭の設備によって、板金・塗装や車検整備、納車整備などを行っており、グループ内の整備を集中的に扱うセンターとしての役割を果たしている。事業所は東京に7拠点、埼玉に1拠点あり、高級輸入車のアルミボディにも対応できる業界屈指の高い技術力を有している。車検は、日産東京販売及び日産ブランドに依存しない車検専門店「車検館」でも扱っている。「車検館」は東京を中心に神奈川、埼玉、千葉に13店舗のネットワークを有する。全店が最新設備をそろえた指定工場で、メーカーを問わず幅広い車種の自動車を入庫でき、国家資格を持つ検査員による確かな技術に基づく検査がセールスポイントである。また、価格やサービスにも定評があり、顧客の8割以上がリピーターで好調な業績を続けている。(5) その他の事業このほか、損害保険・生命保険の代理店や車両輸送・登録代行業務、日産車をベースにしたキャンピングカー専門のディーラー、不動産賃貸など、自動車販売周辺の事業へと多角化することでグループとしてシナジーを高め、幅広いユーザーの獲得につなげている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光) <HN> 2025/12/26 12:03 注目トピックス 日本株 日産東HD Research Memo(2):全国最大規模の日産自動車系ディーラー *12:02JST 日産東HD Research Memo(2):全国最大規模の日産自動車系ディーラー ■会社概要1. 会社概要日産東京販売ホールディングス<8291>は、日産自動車系の自動車ディーラー(日産東京販売)など連結子会社4社と非連結子会社3社を傘下に持つ持株会社である。主力の日産東京販売は、日本の中心で人口が集中する東京を地盤に、日産及びルノーブランドの自動車を販売する事業を展開しており、全国のディーラーのなかでも最大級の規模を誇る。同社は主に日産自動車とそのグループ会社からEVなど先端的な自動車や部用品を仕入れて販売するほか、中古車の買取・販売や車体整備・車検整備などの事業も行っており、総合モビリティ事業のフロントランナーとして、顧客に対しカーライフに関わるすべてのサービスをワンストップで提供している。同社は、1942年の商工省通牒「自動車および同部分品配給機構整備要綱」に基づき、東京府自動車配給(株)として東京市で発足した。戦後の1946年に東京日産自動車販売(株)に商号を変更した後、徐々に業容を拡大し、1961年に東京証券取引所市場第1部に上場した。1989年に東京日産コンピュータシステムを設立してシステム事業に参入、2002年には(株)車検館を設立して車検整備を強化するなど事業の多角化を図ってきた。2004年に会社分割により持株会社体制に移行して(株)東日カーライフグループへと商号を変更、2008年には日産自動車子会社の日産ネットワークホールディングス(株)に対し第三者割当増資を実施し、日産自動車の持分法適用関連会社となった。2011年には東京を地盤とする東京日産自動車販売、日産プリンス東京販売(株)、日産プリンス西東京販売(株)の3社をグループ化し、東京における日産自動車の販売をほぼ一手に引き受けることになり、商号も現在の日産東京販売ホールディングスへと変更した。グループ化が軌道に乗った2021年7月、さらなる効率化とスケールメリットを目指し、日産系自動車販売会社3社を統合して日産東京販売を設立、名実ともに国内最大級の自動車ディーラーとなった。さらに2023年10月、グループ内の経営資源を自動車関連事業に集中するため、東京日産コンピュータシステムの全株式をキヤノンマーケティングジャパン<8060>に譲渡した。日本のEV市場は依然肥沃2. 自動車業界の動向コロナ禍やウクライナ情勢などによる生産や流通の混乱が落ち着きを見せても、自動車業界は先端技術化やCO2排出削減など課題は尽きない。こうした状況のなか、「CASE」と「MaaS(Mobility as a Service)」という潮流が、自動車業界に100年に1度の大変革をもたらすと注目されている。「CASE」とは、自動車のIoT化(C:Connected)、自動運転(A:Autonomous)、所有から共有へ(S:Shared & Service)、電動化(E:Electric)のことで、自動車業界に大変革を引き起こす一連の技術進化を指す。一方「MaaS」は、移動自体をサービスとして捉えた「モビリティ」という考え方に基づき、様々な交通手段を最適に組み合わせて検索・予約・決済などをワンストップで提供、個人単位の移動ニーズにまで対応したサービスである。こうした大変革の波に乗ってEVを急速に普及させたのが欧米や中国で、日本では話題が先行するばかりで必ずしも普及しているとは言い難かった。EVに本格的に参入している国内メーカーは日産自動車以外は限定的で、国内の新車販売台数に占めるEVの構成比が2%と非常に小さいからだ。このため、業界全体で急速充電器を増やすというモチベーションが働かず、消費者にEV購入の二の足を踏ませているともいえる。こうした環境ではあるが、同社は早い段階からEVやe-POWER※1といった電動車※2の普及に取り組み、電動車と相性がよいと言われるIoTには先端技術で、自動運転にはプロパイロット(ProPILOT:運転支援技術)など技術進化で対応してきた。また、他社メーカーのEVでも利用可能な急速充電器を各店舗に設置しているほか、リースやレンタカーなどモビリティ事業の強化も行っている。※1 e-POWER:日産自動車独自のハイブリッドユニット。発電のみにエンジンを使用するため、EVと同様のドライビングフィールを味わえる。※2 電動車:EV、プラグインハイブリッド車(PHEV、PHV)、ハイブリッド車(HEV、HV)、燃料電池車(FCEV、FCV)などの総称。同社の場合はEVとe-POWER、ハイブリッド車を指す。一方、足元では欧米や中国でEVの普及が頭打ちとなったことや、EVの環境貢献に対する疑問の声があること、また、日産自動車のリストラに伴う風評などが、同社にネガティブな印象を与えている。しかし、欧米や中国の低迷は補助金の打ち切りや景気低迷が要因で、引き続き補助金を投入しても2%という低い普及率を引き上げたい日本とは状況が異なる。EVは運転時にこそCO2を排出しないとはいえ、電力の発電方法が化石燃料や、設置・廃棄時には環境破壊の恐れがある太陽光発電に依存するため、環境に負荷を与えているとの批判は確かにある。しかし、昨今では原子力発電の再稼働が数基予定されるなど電気の作り方自体に見直しが進んでいる。また、日産自動車のリストラに伴う風評であるが、同社には過去に様々経験してきたことによる耐性がある。加えて、リチウムイオン電池に対して安全性などの点で優位性のある全固体電池が登場間近である。欧米や中国と異なり、日本のEV市場は未だ依然肥沃と言えるため、トヨタ自動車<7203>もホンダ<7267>も足元ではEV強化を打ち出している。中長期的にEVへのネガティブな印象が縮小し、EV需要が拡大すれば、同社が先行者メリットを享受する状況は十分に考えられる。(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光) <HN> 2025/12/26 12:02 注目トピックス 日本株 日産東HD Research Memo(1):新型車投入テコに通期業績予想達成へ *12:01JST 日産東HD Research Memo(1):新型車投入テコに通期業績予想達成へ ■要約1. 東京都の人口の約9割をカバーする国内最大級の日産系自動車ディーラー日産東京販売ホールディングス<8291>は、日産自動車<7201>系の自動車販売会社などを傘下に持つ持株会社で、子会社の日産東京販売(株)は日産ブランドとルノーブランドの新車の販売や中古車の買取・販売、自動車整備などを行っている。国内最大級の自動車ディーラーで、販売エリアは東京都の人口の約9割をカバーする。同社は総合モビリティ事業※のフロントランナーとして、カーライフに関わるすべてのサービスをワンストップで提供しているほか、個人リースなど日産ブランドに依存しないオリジナルの事業も展開している。足元は欧米や中国でEV(電気自動車)の普及が頭打ちになっているが、その要因は補助金の打ち切りや景気低迷によるものである。補助金を投入しても2%という低い普及率を引き上げたい日本は、依然肥沃なマーケットと言える。※ モビリティ事業:販売や整備だけでなく、自動車による移動や運搬をスムーズに行うためのサービスも含む。2. 顧客基盤やベストプラクティスなどの強みを武器に業界の大変革期を乗り切る同社には、EV販売のパイオニア、顧客基盤35万件のストックビジネス、新車販売店舗101店舗(ルノー店4店舗含む)などの店舗ネットワーク、ノウハウや情報を速やかに共有し水平展開していくベストプラクティスといった強みがある。こうした強みを背景に、新車のみならず中古車や整備も含めた幅広い事業を展開し、総合モビリティ事業のフロントランナーとして優位なポジションを獲得している。例えば、他社に先駆けて展開し、早期買い替えや良質な中古車の確保といった面で大きなシナジーの出ている個人リースも、ベストプラクティスにより急成長した事業である。また、先端技術の発展や環境問題などを背景に、現在の自動車業界は100年に1度の大変革期にあると言われている。同社はこうした強みを武器に、大変革期も乗り切る方針である。3. 新車販売台数が予定よりやや少なかったが、中間期業績は下限に近いが想定内2026年3月期中間期の業績は、売上高が63,123百万円(前年同期比9.9%減)、営業利益が1,933百万円(同49.1%減)となった。堅調な入庫により整備事業が増収となったが、新型車が端境期であったこと、新店がなかったこと、供給元の日産自動車のリストラに伴う風評が新規顧客の集客に影響したことなどにより、新車販売と中古車販売の台数が減少して減収となった。成長のための投資は継続しつつコストコントロールに努めたが、販売台数減少や販売価格低下の影響などにより営業減益となった。新車と中古車の販売台数は予定よりやや少なかったが、中間期業績は下限に近いが想定内であった。事業別では、新車販売の伸び悩みと、それに伴う中古車販売及び手数料収入等の減少を、個人リースや整備事業でカバーしきれなかった。4. 販売力は健在、新型2車種投入で一定の売上・利益を確保する見込み。期初業績予想を据え置く2026年3月期の業績は、売上高145,000百万円(前期比2.4%増)、営業利益7,000百万円(同5.6%減)を見込んでいる。日産自動車リストラの風評も回復の兆しを見せており、同社の販売力も健在である。加えて、下期は新型EV「リーフ」と新型軽ワゴン「ルークス」の投入、2店舗の新店も予定されるため、通期業績は一定の売上、利益が確保可能と考えられ、期初予想を据え置いた。同社は中期経営計画で、電動化リーダー、安全・運転支援技術、モビリティ事業を重点施策に、売上高1,550億円、営業利益65億円を目指している。財務目標の中心である営業利益を2024年3月期に3年前倒しで達成したほか、大半の指標についてもほぼ達成している。また、新型車投入や新店投資は予定通りで、中期経営計画は着実に進捗していると言える。■Key Points・国内最大級の自動車ディーラーを運営、顧客基盤や店舗ネットワークなどに強み・2026年3月期中間期業績は新車販売台数が予定に届かず、下限に近いが想定内に着地・2026年3月期業績予想は新店と新型車で売上・利益を確保する見込みのため、期初業績予想は据え置き(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光) <HN> 2025/12/26 12:01 注目トピックス 日本株 メニコンResearch Memo :独自のサブスクリプションプランと1DAY・オルソケラトロジーでグローバル成長加速 *12:00JST メニコンResearch Memo :独自のサブスクリプションプランと1DAY・オルソケラトロジーでグローバル成長加速 株式会社メニコン<7780>は、日本で初めて角膜コンタクトレンズの実用化に成功した企業であり、長年にわたり“コンタクトレンズのパイオニア”として業界を牽引してきた。現在は「新しい『みる』を世界に」をスローガンに掲げ、グローバル展開を加速させている。事業はコンタクトレンズおよびレンズケア製品を中心とするビジョンケア事業が約9割を占め、残りをヘルスケア・ライフケア事業が担う。ビジョンケアでは1日使い捨て(1DAY)やオルソケラトロジー関連レンズを主力とし、国内では会員制サービス「メルスプラン」による安定収益基盤を持つ。海外では欧州や北米の大手量販チェーンとの取引を拡大し、中国やアジア各国にも積極展開しており、売上は80カ国以上に広がっている。1. 競合優位性同社の強みは、第一に独自の会員制モデル「メルスプラン」である。定額制のサブスクリプションで、費用を気にせずに眼の状態に合わせてコンタクトレンズを交換できる。会員数は130万人を超え、安定した収益源として国内事業の下支えとなっている。第二に、グローバルな顧客基盤を持つことである。ハードタイプのコンタクトレンズは国外においても一定の知名度と高いシェアを獲得している上、シリコーンハイドロゲル素材を用いた1DAYレンズや、これまでの研究から小児への使用により近視進行抑制効果が示されているオルソケラトロジーレンズは、世界的に需要が拡大している。第三に、研究開発力と生産体制の強さが挙げられる。研究開発費は年間58億円、特許件数は662件に及び、国内外の製造拠点を活用したグローバル供給体制を構築している。2. 直近の業績直近の2026年3月期第2四半期(中間期)決算は、売上高61,480百万円(前年同期比1.5%増)、営業利益5,168百万円(同5.8%減)となった。シリコーンハイドロゲル素材を用いた1DAYの生産量増加による国内物販の拡販や欧州・北米での量販チェーン向け拡販が寄与した。一方、営業利益はマレーシア工場の減価償却の影響、中国におけるオルソケラトロジー関連の競争激化が影響し減益となった。ただし、シリコーンハイドロゲル素材を用いた1DAYレンズのOEM生産による供給拡大、物価高騰に応じた価格改定を進めることで通期では売上高125,000百万円(前期比2.9%増)、営業利益10,200百万円(同1.5%増)の会社計画を据え置いている。旺盛な近視人口の増加を背景に、需要の底堅さは継続している。3. 今後の成長戦略今後の成長見通しとして、同社は中期経営計画「Vision2030」に基づき、(1)1DAY戦略の推進と(2)オルソケラトロジー関連強化の2軸を掲げる。1DAY製品は酸素透過性の高いシリコーンハイドロゲル素材の需要が高く国内外で引き合いが強いため、マレーシア工場の増設などで供給体制を強化することで欧米の大手量販チェーンへの販売拡大を進めさらなるグローバルシェア拡大を図る。オルソケラトロジー関連では特徴の異なる複数の製品のラインアップにより多様化する顧客の需要に応えることで中国でのシェアの維持やその他の日本を含むアジア等を中心に需要拡大を見込む。また、インド大手眼科病院との提携や日本国内での近視管理アプリ「ミオログ」の提供を通じ、医療との連携強化を進めている。特にアジアでは今後も近視児童の人口が大きく増加していくと言われており、そうした需要を取り込む体制の構築を先行して進めている。一方、ヘルスケア・ライフケア事業ではフェムテック、動物医療、環境関連など新領域への進出をしているが、成長性や効率性の観点から事業ポートフォリオの見直しを進めると共に、第二の柱となるような事業の創出を目指している。4. 株主還元株主還元については、2026年3月期から累進配当を掲げ、年間28円の配当を予定している。財務健全性を背景に成長投資を継続しながらも、安定配当を重視する姿勢が確認できる。また、第1四半期には約24億円の自社株買いも実行した。PBRは1倍近辺で推移していたが、自己株買いの実行や2026年3月期第2四半期(中間期)決算発表によりPBRは1.3倍付近となっているものの、資産価値面からの評価余地も残されている。Key Points・国内の会員制「メルスプラン」で安定収益を確保。海外80カ国以上へ1DAY・オルソケラトロジーを軸に展開し、開発・生産体制を強化し成長を加速させる。・投資先行で中間期は減益も通期計画を維持。マレーシア工場増設で供給力を強化し、近視需要を取り込む「Vision2030」を推進。・累進配当・自社株買いなど還元を重視。強化された供給体制を基盤に、来期以降の更なる業績拡大と企業価値向上が期待される。 <HM> 2025/12/26 12:00 注目トピックス 日本株 ナック Research Memo(7):期初計画据え置き、成長投資を加速させつつ、主力事業の成長に注力(3) *11:37JST ナック Research Memo(7):期初計画据え置き、成長投資を加速させつつ、主力事業の成長に注力(3) ■ナック<9788>の今後の見通し3. 中期経営計画の進捗状況(1) 中期経営計画20282026年3月期から2028年3月期までの3ヶ年を、長期ビジョン2035に定める2035年に目指す姿「ラストワンマイルを最大限に活用してLTV最大化~もっと暮らしに寄り添うナック~」を実現するための投資フェーズと位置付け、重点施策を推進している。建築コンサルティング事業や住宅事業を除く事業については、顧客に対する定期的なサービスの提供を中心に売上高を伸ばす投資を行う。そのうえで、長期ビジョン2035の方針である、商品サービスの拡充や営業エリアの拡大、顧客数の増加のための施策を進める。積極的に売上増を狙うが、同時に投資を強化するため利益は横ばいとなる見込みだ。市場環境の厳しい建築コンサルティング事業や住宅事業では、現状の売上高水準を維持する施策展開となる。2028年3月期の数値目標として、クリクラ事業、レンタル事業、美容・健康事業及びその他M&Aの合計で売上高49,500百万円、建築コンサルティング事業及び住宅事業の合計で売上高19,000百万円、総計68,500百万円(2025年3月期比14.6%増)を目指し、営業利益は3,300百万円(同9.7%増)を目指す。事業別の重点施策としては、クリクラ事業は「クリクラ」ブランドを明確に定義し、顧客への浸透を図る。同時に、健康的で快適な生活をサポートするサービス業へと進化し、新規顧客獲得に向けた販売促進を強化する。クリクラ事業は労働集約型のビジネスであることから、人材確保に注力し、重点的に投資する考えだ。レンタル事業ではダスキン事業やウィズ事業における積極的な新規エリアへの出店により新規顧客の獲得を進める。出店の一環としてダスキン加盟店のM&Aも検討する。またダスキン事業において出店強化した拠点でのケアサービス事業の利益率向上を図る。ダスキン事業では現在業務DXを進めており、新中期経営計画期間中にもさらに推進することで生産性と利益率の向上を目指す。美容・健康事業については、JIMOSにおいて新規顧客獲得や新たな事業の軸となる新製品創出のための広告等の販促投資を行う。またベルエアーでのOEM事業挑戦やトレミーでの医薬部外品の製造受託案件獲得を目指すほか、各部門において競争力や価値のある新商品開発を進める。建築コンサルティング事業では、「人的資源」の課題解決を目的とするソリューションの開発や販促で顧客層に効果的にアプローチし、魅力的な住宅FC加盟メニューの開発や、アライアンスによる顧客開拓の推進で売上の維持改善を図る。住宅事業はケイディアイ等での用地仕入れの情報収集力強化や、金利上昇期等の住宅取得ニーズが高まるタイミングに備えた人材育成、より柔軟な原価管理を実現するための仕入制度の構築等を実施することで売上高を維持する。(2) 重点施策の進捗状況クリクラ事業では、クリクラブランドの訴求とともに、健康のためのウォーターサーバーの1年に一度の交換の必要性を消費者に浸透させるべく、2025年7月に「クリクラ『夏の大掃除の日(7月20日)』制定記念イベント」を開催した。お笑いコンビをゲストに迎え、夏の新たな暮らしの習慣として「夏の大掃除の日」を制定する意義を発信し、ウォーターサーバーの定期的な交換の重要性や、家庭内に潜む「見えない汚れ」への対策を伝えることで、清潔で快適な生活環境づくりの大切さを広く呼び掛けた。また顧客のLTVの向上に向けた施策としてCRMの深化を進めている。顧客との良好な関係を築き、顧客ロイヤルティの向上を図ることで解約率の低減やLTVの向上につなげる施策で、クリクラのサービス利用者に対するメルマガの発信や会報の発行等を開始しており、今後さらに具体的な施策を進めるもようだ。レンタル事業では加盟店の新規出店を進めている。2026年3月期は5店(相模原・練馬・水戸・いわき・千葉)を出店した。出店強化によりダストコントロール部門の顧客数減少に歯止めをかけるほか、並行して出店強化するケアサービス事業の利益率向上にもつなげる。なお、新規出店にあたっては、M&Aも重要な選択肢に入っている。美容・健康事業では、JIMOSを中心に上期で手ごたえをつかんだ広告施策に下期も引き続き積極的に投資し、売上拡大を目指す。(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一) <HN> 2025/12/26 11:37 注目トピックス 日本株 ナック Research Memo(6):期初計画据え置き、成長投資を加速させつつ、主力事業の成長に注力(2) *11:36JST ナック Research Memo(6):期初計画据え置き、成長投資を加速させつつ、主力事業の成長に注力(2) ■ナック<9788>の今後の見通し2. セグメント別の見通し(1) クリクラ事業売上高は16,000百万円(前期比2.6%増)、営業利益は1,700百万円(同3.0%増)と増収増益を見込んでいる。通期ベースの進捗率は、売上高は51.0%、営業利益は53.1%と順調だ。中期経営計画2028の重点テーマである「クリクラ」ブランドの明確な定義と浸透を進めるべく、これまでの事業活動において蓄積した、安心・安全から培われた顧客からの信頼というブランディングを軸としたPR活動を進めるほか、配送員のスキルアップや加盟店のシステムインフラである「CrePF(クリクラプラットフォーム)」の加盟店での導入拡大を引き続き推進する。そのほか、下期は年末商戦等の機会を確実に捉えて業績向上につなげるため、有効なツールとなる副商材の活用として様々なプランを検討しているもようだ。副商材には比較的高価格な商品も含まれるため、業績寄与度も大きくなる可能性がある。(2) レンタル事業売上高は18,000百万円(前期比0.8%増)、営業利益は1,720百万円(同10.8%増)を見込む。通期ベースの進捗率は、売上高は49.5%、営業利益は36.3%とおおむね堅調である。ダスキン事業については、ダスキンとの資本業務提携契約に基づく出店計画を完了し新規エリアへの出店を進めている。新規出店においてはダスキン加盟店のM&Aも選択肢に入っており、上期にはその一環としてダスキンヤマナカを子会社化した(2025年12月にナックに吸収合併済)。ダストコントロール部門では顧客件数が低下傾向にあり、こうした出店戦略のほか、顧客の高齢化への対策として若年層の取り込みを進める考えで、平日に接点を持つのが難しい共働き世帯等へのアプローチ方法の検討等を行っている。さらに顧客属性に合わせた副商材の領域拡大や、営業ツールの電子化、顧客とのLINE連携、新販売管理システム導入といったDX推進施策も継続して進める。ウィズ事業でも新規エリアへの出店を積極化するとともに営業人員を増加させるほか、製品改善の投資と営業活動の強化を継続する。アーネストではベッドメイキングの受注増による定期売上の増加や、請負価格の上昇に向けた交渉を強化し、売上増加と利益率の改善を目指す。キャンズではダスキン事業の法人営業部との連携強化を継続し、受注数と活動エリアの拡大を図る。(3) 建築コンサルティング事業売上高は6,000百万円(前期比11.4%増)、営業利益は350百万円(同12.7%減)を見込む。通期ベースの進捗率は、売上高は36.5%だが利益面は中間期実績が142百万円の損失となっており大きく挽回が必要だ。コンサルティング部門では顧客である地場工務店の経営環境悪化に加え、法改正に伴う工期の延長等によりさらなる逆風が吹く状況であるが、一方で人手不足が深刻な課題となっている建設業界ではICTの活用による生産性向上を図る動きが活発になっており、同社は顧客である地場工務店の中でも比較的余力のある上位層をターゲットとして、「人的資源」の課題解決を目的とした生産性向上のためのツールを開発・販売する。2025年10月には提案力の強化と業務効率化を実現する「NAC AI TOOL」を販売開始した。具体的には、AIを活用した見積もり自動作成や商談をチャット形式で行うツール等で、これらツールは中小企業庁が所管する「IT導入補助金」の活用が可能なものとなり、顧客の工務店は導入に際し補助金というメリットを享受できる。工務店の経営環境が悪化し経営改善のための投資に足踏みが見られるなか、同社は一部商品においてこの補助金を有効活用することで、販売を推進する方針である。ナックハウスパートナーでは引き続き社内事業部やコンサルティング部門とのシナジーによる省エネ関連商材の受注比率を向上させ、ノウハウ商品や自社施工を生かしたワンストップサービスを強みに売上増を目指す。(4) 住宅事業売上高は13,000百万円(前期比2.8%減)、営業利益は250百万円(同37.5%減)を見込んでいる。通期ベースの進捗率は、売上高は33.6%、利益面は中間期実績が199百万円損失と建築コンサルティング事業同様に挽回が期待される。法改正等による影響から住宅家屋の工期が延長傾向にあり、下期も同様な状況が継続すると考えられるが、同社によれば契約獲得に落ち込みは見られるものの軽微であり、例年下期に完工・引き渡しとなる案件が多い傾向から、下期の好転に期待したい。ケイディアイでは都内の用地仕入れ強化に向けて、これまで以上に地元の不動産業者等との関係性強化を図り、用地仕入れに関する情報ネットワークの構築に注力する。また分譲物件の販売タイミングを完工前にシフトすることで、物件の値引販売を回避し、一定の利益率を確保する方針である。ジェイウッドでは引き続きGX(脱炭素)志向型住宅や平屋など、顧客のニーズに寄り添うラインナップで高い利益率を確保するほか、投資家向けの投資物件として小規模アパートの建築を請け負う等の施策を進める。秀和住研は、引き続き青森県や秋田県に有するモデルハウスを活用した販売強化策や、高気密・高断熱の技術力を生かした付加価値の高いプランの提案を進める。(5) 美容・健康事業売上高は7,000百万円(前期比7.6%増)、営業利益は230百万円(同31.3%減)を見込んでいる。通期ベースでの進捗率は、売上高は45.1%、営業利益は30.4%とおおむね堅調である。JIMOSにおいては、売上増加施策として、各ブランドの主要製品の強化やリニューアル、及び新規顧客獲得のための製品開発に向けた投資を行う方針に変更はない。また年末商戦等の販売拡大の好機を捉えた売上向上も期待される。ベルエアーではサプリメント等の商品リニューアルを実施し、会員サポート体制の充実により新規顧客を獲得する。また上期に好調だった対面での販促イベントも継続する。さらにOEM製品の受託にも挑戦し、新たな販路を築く。トレミーでは主要取引先からの受注減をカバーするためにも、協力会社との連携によるフルフィルメントサービス(通信販売における、商品注文から発送や代金回収等までの業務を代行するサービス)への挑戦を継続するほか、医薬部外品では開発スピード向上とオリジナル処方の蓄積による新規製造受託案件の獲得を引き続き推進する。(6) その他その他事業では、売上高2,000百万円(前期比56.2%増)、営業損失100百万円(前期は営業利益27百万円)を見込んでいる。売上高の通期ベースの進捗率は37.7%とおおむね堅調である。営業利益に関しては、立ち上げに伴う先行費用により中間期時点での損失が157百万円と計画を若干下回るが、事業を軌道に乗せることで下期の好転に注目したい。「Yesmart」事業では、2025年10月にも2店出店し、合計7店舗の運営体制を当面継続する。商品戦略や物流戦略を含めたビジネスモデルの確立を優先して対応し、その後にフランチャイズ化を視野に入れている。TOMOEワインアンドスピリッツでは従来のBtoB販売に加えて、グループ企業顧客への「ワインのサブスク」やWeb販売によるBtoC販売の拡大を引き続き強化する。「買取大吉」事業については加盟店として当面現状の店舗体制による運用を継続する。(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一) <HN> 2025/12/26 11:36 注目トピックス 日本株 ナック Research Memo(5):期初計画据え置き、成長投資を加速させつつ、主力事業の成長に注力(1) *11:35JST ナック Research Memo(5):期初計画据え置き、成長投資を加速させつつ、主力事業の成長に注力(1) ■ナック<9788>の今後の見通し1. 2026年3月期の業績見通し2026年3月期の連結業績予想については期初予想を据え置き、売上高62,000百万円(前期比3.7%増)、営業利益2,900百万円(同3.6%減)、経常利益2,900百万円(同4.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,900百万円(同39.1%増)と増収ながら最終利益を除いて減益を見込んでいる。事業セグメント別の業績予想についても変更はない。2025年3月期までの新規出店等による投資の回収を行いつつ、長期ビジョン達成に向けた人的資本や新商品・新サービス、販促活動に向けた投資を進めるというスタンスも継続する。建築コンサルティング事業や住宅事業については、上期に引き続き下期においても同様に厳しい事業環境が予想されるが、両事業ともに下期に業績が伸びる傾向があるほか、特に住宅事業については、2026年3月期に入り受注の落ち込みは軽微とのことで、下期の巻き返しに期待がかかる。クリクラ事業、レンタル事業、美容・健康事業においても重点施策を推進するほか、これらの事業に関しては、下期に到来する年末商戦等の販売拡大機会が業績向上の好機となることから、確実な売上・利益増加につなげたいところだ。また2026年3月期から開始した「その他」事業については、先行投資が嵩むものの着実に増収が図られており、業績予想達成をにらんでの注力ポイントの1つとなることが期待される。なお配当も期初予想に変更はなく、1株当たり年間22円(中間5円、期末17円)を計画し、配当性向49.7%を見込んでいる。(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一) <HN> 2025/12/26 11:35 注目トピックス 日本株 ナック Research Memo(4):クリクラ、レンタル、美容・健康事業が堅調(2) *11:34JST ナック Research Memo(4):クリクラ、レンタル、美容・健康事業が堅調(2) ■ナック<9788>の業績動向2. セグメント別の動向の続き(3) 建築コンサルティング事業売上高は2,188百万円(前年同期比6.7%減)、営業損失142百万円(前年同期は65百万円の損失)となった。なお、販管費にはナックハウスパートナー(株)ののれん償却額20百万円を含む。計画比では売上高は24.5%未達、営業利益は20百万円の計画に対し損失での着地となった。コンサルティング部門では、ターゲット顧客である地場工務店において、住宅業界の着工棟数減少や建築基準法改正への対応、コロナ融資の返済開始等の課題を抱え、財務的な事情から経営改善への投資を行う余裕のない状態が続いている。2026年3月期に入ってからは、法改正による工期延長や建築コストの増加が上積みされ、工務店のさらなるキャッシュ・フロー悪化を招いている。対策として、これらの課題解決を目指す商品を2025年3月期に複数上市し、積極的に販促したものの、受注状況は例年に比較して落ち込みが大きく、売上高は901百万円(同28.3%減)となった。ナックハウスパートナーでは、住宅フランチャイズを展開するエースホームブランドにおいて、加盟店での上棟数が増加したことや新規加盟店が増加したことにより売上高は1,299百万円(同18.3%増)と大きく増収となった。損益面ではコンサルティング部門での減収が響き、前年同期比で営業損失の幅がさらに拡大することとなった。(4) 住宅事業売上高は4,366百万円(前年同期比16.9%減)、営業損失は199百万円(前年同期は197百万円の損失)となった。なお、販管費には(株)秀和住研ののれん償却額22百万円を含む。計画比では売上高は19.1%未達、営業損失は120百万円の予想に対し79百万円上乗せされた。(株)ケイディアイでは東京都内の地価高騰の影響から用地仕入に苦戦した。元々分譲住宅の販売を主としており、用地取得においても一定以上の規模を持つものが対象となるが、競争の激しい地域だけに思うように確保できず、結果として販売数が減少したことで売上高は2,409百万円(同16.7%減)と減収となった。(株)ジェイウッドでは2025年3月期からの受注残が少なかったことに加え、2026年3月期に入ってからの法改正に伴う工期の長期化により引き渡し棟数が伸び悩んだ。1棟当たりの単価を高く設定する施策を採ったものの、売上高は1,000百万円(同34.5%減)と減収となった。秀和住研((株)秀和を含む)では、豊富な商品ラインナップを有するモデルハウスを活用して受注拡大を図り、秀和住研の売上高は761百万円(同1.4%減)と前年同期並み、秀和の売上高は194百万円(同205.0%増)と大きく増収となった。損益面では、ケイディアイでの物件販売において適正利益の確保に努めたものの、ジェイウッドの減収が響き、営業損失は拡大した。(5) 美容・健康事業売上高は3,155百万円(前年同期比0.0%減)、営業利益は70百万円(同57.9%減)となった。販管費にはJIMOS、(株)トレミーののれん償却額45百万円を含む。計画比では売上高は7.2%未達、営業損益は損失60百万円の予想に対し黒字での着地となった。化粧品や健康食品の通販等を行うJIMOSでは、主要ブランドである「MACCHIA LABEL(マキアレイベル)」や「SINN PURETE(シンピュルテ)」を中心に広告を強化して販促活動を進めた結果、売上高2,727百万円(同3.1%増)と増収を確保した。なお、JIMOSではナックの子会社であった(株)アップセールを2025年4月に吸収合併しており、増収幅は前年同期の両社売上の合算に対応する。(株)ベルエアーでは会員の高齢化に伴う販売数減少がかねてより課題であったが、対面での販促イベントが奏功して売上高は136百万円(同0.8%増)と前年同期をわずかだが超えた。トレミーでは、2025年3月期から継続している主要取引先からの受注減少に対応すべく、新規顧客開拓や取引拡大を図ったものの穴埋めには至らず、売上高は355百万円(同27.3%減)となった。利益面ではJIMOSにおける広告販促への積極投資やトレミーの減収が響き大きく減益となった。(6) その他2026年3月期から新たに設定された「その他」部門では、韓国食品スーパーを運営する「Yesmart」事業、TOMOEワインアンドスピリッツ(株)、中古品買取の「買取大吉」フランチャイズ加盟店を展開する(株)ナックライフパートナーズが取り組みを展開している。売上高は753百万円(前年同期比57.1%増)、営業損失は157百万円(前年同期は34百万円の損失)となった。販管費にはTOMOEワインアンドスピリッツののれん償却額1百万円を含む。計画比では売上高は5.8%未達、営業損益は40百万円の損失予想に対して157百万円の損失となった。203百万円の収益を計上した「Yesmart」事業では、既存の3店に加えて2026年3月期に入り、中間期末時点で2店舗(宇都宮・北本)、2025年10月には2店舗(日野・太田)を新規出店し、現在は計7店舗を運営している。当面は7店舗体制でビジネスモデル確立のための運営ノウハウを蓄積する方針で、時期を見て事業規模拡大に向けた施策を展開する考えだ。TOMOEワインアンドスピリッツでは売上高398百万円(同0.3%減)とほぼ前年同期並みとなった。従来のBtoB販売に加え、ナックグループ企業の顧客に対するBtoC販売を進めている。2026年3月期はBtoB販売が好調に推移した一方、ワインのサブスク等の通販によるBtoC販売の伸びが鈍化したことが主な要因となった。「買取大吉」事業は売上高185百万円(同132.1%増)と大きく増収となった。2026年3月期に入り5店舗目の新規出店を行っており、出店後の業績は順調に推移した。(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一) <HN> 2025/12/26 11:34 注目トピックス 日本株 ナック Research Memo(3):クリクラ、レンタル、美容・健康事業が堅調(1) *11:33JST ナック Research Memo(3):クリクラ、レンタル、美容・健康事業が堅調(1) ■ナック<9788>の業績動向2. セグメント別の動向(1) クリクラ事業売上高は8,161百万円(前年同期比4.6%増)、営業利益は903百万円(同3.8%増)と増収増益となった。なお、販管費には前期に子会社化したコンビボックスに係るのれん償却額13百万円を含む。計画比で売上高は1.7%未達だったが、営業利益は20.4%超と計画を達成した。定額かつ安価で利用可能な浄水型ウォーターサーバーの需要が引き続き拡大するなか、長期ビジョン2035における同社の目指す姿であり、戦略でもある「顧客へのラストワンマイルを最大限に活用してLTV最大化」を実現すべく、配送員の教育体制を強化したほか、営業ツールを刷新した。直営部門では宅配水「クリクラ」での1顧客当たりのボトル消費量の増加や、配送員の教育効果による解約率の低下などが奏功し、売上高は同0.9%増の5,260百万円を確保した。加盟店部門では、新規顧客獲得のためのキャンペーンや旧型サーバーからの切替促進施策が奏功したことで加盟店向けのサーバー販売台数が増加し、売上高2,493百万円(同4.7%増)となった。オンライン販売中心の小型浄水型ウォーターサーバー「putio(プティオ)」を扱う「その他」部門では、需要拡大が続くなか顧客獲得が好調に推移し、売上高318百万円(同79.6%増)と増収となった。クリクラ事業の東北地方の主要拠点となる子会社のコンビボックスは、連結後も業況は堅調に推移し、売上高304百万円を確保し増収に寄与した。利益面では「putio」の顧客件数増加に伴いサービス用品費(サーバーのリース料金)が増加したものの、増収効果が上回り増益を確保した。直営部門での解約率低下の要因としては、以前から実施している副商材の販売が好調なことや、配送員の教育体制強化といった施策が挙げられる。前者については企業と提携し、話題性の高い商品を顧客限定価格でクローズド販売するなどの施策を行っており、好評を博している。後者については動画教育ツールの活用によるスキルアップを図っているほか、ナンバーワンの配送員を選ぶコンテストを企画するなど、配送員のモチベーションアップにつながる施策を展開している。(2) レンタル事業売上高は8,908百万円(前年同期比0.4%増)、営業利益は625百万円(同15.7%減)となった。販管費には(株)キャンズ及び2025年8月に子会社化した(有)ダスキンヤマナカに係るのれん償却額6百万円を含む。計画比では売上高は3.2%未達、営業利益は16.6%未達となった。ダスキン事業は、売上高6,753百万円(同1.6%増、ダスキンヤマナカ分の売上高1百万円を含む)となった。ダストコントロール部門では前年同期比で顧客件数が減少したものの、ケアサービス部門及びヘルスレント部門においては2025年3月期までに出店拡大してきた店舗の売上高が順調に推移し増収につながった。特にケアサービス部門では、前期より注力しているアウトバウンド営業が奏功しており、こちらも増収要因となった。一方、害虫駆除器「with」を取り扱うウィズ事業は売上高1,076百万円(同2.3%減)となった。コロナ禍後に主として飲食業界において堅調に顧客獲得を進めてきたが、ここにきて一服感もありほぼ前年同期並みの水準で着地した。法人向け定期清掃サービスを提供する(株)アーネストでは、日常清掃業務において大口案件の解約もあり、新規やスポット案件の受注を進めたもののカバーできず、売上高は947百万円(同2.3%減)となった。賃貸物件等の現状回復工事等を行うキャンズでは、ナックの法人営業部との連係による事業拡大を図ったものの、受注が伸び悩み売上高は219百万円(同5.0%減)となった。利益面ではダスキン事業における新規出店や各部門での受注獲得に向けた販促費が増加したことにより、減益での着地となった。(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一) <HN> 2025/12/26 11:33 注目トピックス 日本株 ナック Research Memo(2):2026年3月期中間期は最終利益を除き減収減益 *11:32JST ナック Research Memo(2):2026年3月期中間期は最終利益を除き減収減益 ■ナック<9788>の業績動向1. 2026年3月期中間期の業績概要売上高27,383百万円(前年同期比1.6%減)、営業利益419百万円(同45.1%減)、経常利益429百万円(同43.2%減)、親会社株主に帰属する中間純利益281百万円(同160.5%増)となった。中間計画比では、売上高が8.7%未達、営業利益が35.4%未達、経常利益が33.6%未達、親会社株主に帰属する中間純利益が37.5%未達となり、前年同期比では売上面はほぼ同等であったものの利益面で下回り、計画比ではいずれも未達で着地した。主な要因としては、前期に好調だった住宅事業が2025年4月施行の建築基準法改正(木造住宅に関する構造計算義務化拡大)に伴う工期の延長(確認申請審査の長期化)や建築コストの上昇等を要因として引き渡し棟数減少を招き、同16.9%減の4,366百万円となった。ほかにも、建築コンサルティング事業は顧客である中小工務店の業績不振といった構造的な課題を抱えており、同6.7%減の2,188百万円となった。前者については同社でも相応の予想を立てていたが、想定以上に響いたもようだ。その他売上面では、主力のクリクラ事業において直営部門での宅配水の1顧客当たりのボトル消費量増加や解約率低下、加盟店部門でのサーバー販売台数増加等が寄与したほか、前期に子会社化した(株)コンビボックスの堅調な業績もあって同4.6%増の8,161百万円となった。レンタル事業は同0.4%増の8,908百万円と、ダスキン事業の同1.6%増が収益を支えた。美容・健康事業は(株)JIMOSでの広告販促を強化したことで増収となったものの、他部門での減収により全体としては同0.0%減の3,155百万円となった。なお、今期より新設した「その他」の部門には食品スーパー「Yesmart」事業や中古品買取の「買取大吉」事業のフランチャイズ運営等が含まれるが、両者ともに出店を強化したことで、全体では同57.1%増の753百万円と大きく伸びた。利益面では全体としての売上総利益が増加した一方で、人件費がベースアップやM&Aによるグループ拡大で増加したほか、広告宣伝費や販売促進費はクリクラ、レンタル、美容・健康の各事業で増加した。なお、現中期経営計画期間は長期ビジョン2035実現に向けた投資フェーズと位置付けられているが、たとえば成長投資だけ見ても、M&Aや人的資本投資を含め合計60億円以上の投下を見込んでおり、同方針に沿った内容である。また、その他販管費としてクリクラ事業でサーバーのリース料金の増加があったことで、営業利益は前年同期比減益となった。事業別では、クリクラ事業は増収効果による増益があった一方でその他の各事業は軒並み減益となり、建築コンサルティング事業、住宅事業及び「その他」部門では営業赤字を計上した。なお中間純利益が前年同期比で増益となったのは、前年同期に計上した投資有価証券評価損(185百万円)等の特別損失の反動によるものである。(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一) <HN> 2025/12/26 11:32 注目トピックス 日本株 ナック Research Memo(1):通期予想は据え置き、各種投資等が重しだが引き続き重点施策推進 *11:31JST ナック Research Memo(1):通期予想は据え置き、各種投資等が重しだが引き続き重点施策推進 ■要約ナック<9788>は、「暮らしのお役立ち企業」を基本戦略として、ダスキン<4665>のフランチャイズ加盟店を主力とした「レンタル事業」のほか、自社ブランドの宅配水「クリクラ」や浄水型ウォーターサーバー「feel free(フィールフリー)」等の製造販売をする「クリクラ事業」を柱に、「建築コンサルティング事業」「住宅事業」「美容・健康事業」など、住まいと暮らしに関わる分野における多角化経営により発展してきた企業である。1. 2026年3月期中間期の業績概要売上高27,383百万円(前年同期比1.6%減)、営業利益419百万円(同45.1%減)、経常利益429百万円(同43.2%減)、親会社株主に帰属する中間純利益281百万円(同160.5%増)となった。中間計画比では、全項目で未達となっている。2025年3月期に好調だった住宅事業が、2025年4月施行の建築基準法改正に起因する工期の延長や建築コストの上昇等から引き渡し棟数減少を招き減収となったほか、中小工務店顧客の業績不振といった構造的な課題を抱える建築コンサルティング事業の減収が主因だ。その他売上面では、主力のクリクラ事業において直営部門での宅配水のボトル消費量増加や解約率低下、加盟店部門でのサーバー販売台数増加等が増収に寄与した一方、レンタル事業や美容・健康事業は前年同期並みだった。2026年3月期より新設した「その他」部門では韓国食品スーパー「Yesmart(イエスマート)」事業や中古品買取の「買取大吉」事業等が出店強化等により増収につながった。利益面では、人件費や広告宣伝費・販売促進費が増加したことやクリクラ事業でのサーバーのリース料金の増加があったことで営業利益は前年同期比減となった。なお最終損益は前年同期の特別損失の反動で増加した。2. 2026年3月期の業績見通し2026年3月期の連結業績予想については期初予想を据え置き、売上高62,000百万円(前期比3.7%増)、営業利益2,900百万円(同3.6%減)、経常利益2,900百万円(同4.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,900百万円(同39.1%増)と増収ながら最終利益を除いて減益を見込んでいる。事業セグメント別の業績予想についても変更はない。2025年3月期までの新規出店等による投資の回収を行いつつ、長期ビジョン達成に向けた人的資本や新商品・新サービス、販促活動に向けた投資推進という方針も継続する。建築コンサルティング事業や住宅事業については下期も同様に厳しい事業環境が予想されるが、両事業とも例年下期に業績が伸長する傾向があるほか、特に住宅事業は、2026年3月期の受注の落ち込みは軽微であり、下期の巻き返しに期待がかかる。クリクラ事業、レンタル事業、美容・健康事業においても、重点施策推進のほか年末商戦等の機会を業績向上の好機として、確実に売上・利益増につなげたいところだ。また「その他」事業については、先行投資が嵩むものの、新たな取り組みとして業績予想達成をにらんでの注力ポイントの1つとなる。なお配当も、1株当たり年間22円(中間5円、期末17円)の期初予想に変更はなく、配当性向49.7%を見込んでいる。■Key Points・2026年3月期中間期の売上高は前年同期並み。住宅関連事業の苦戦から最終利益を除き減益・苦戦の建設コンサルティング事業や住宅事業は、売上が下期に集中する傾向・上期の減益要因は続く見通しだが、据え置いた期初計画の達成を目指す(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一) <HN> 2025/12/26 11:31 注目トピックス 日本株 藤倉コンポジット---大幅続伸、高水準の自社株買い実施を発表 *11:26JST 藤倉コンポジット---大幅続伸、高水準の自社株買い実施を発表 藤倉コンポジット<5121>は大幅続伸。発行済み株式数の6.48%に当たる130万株、20億円を上限とする自社株買いの実施を発表している。取得期間は26年1月5日から7月31日まで。財務状況や資本効率、株価の状況等を勘案し、株主利益の向上に向けた機動的な資本政策として自社株買いを実施する方針。同社の自社株買いは24年5月に立会外取引で400万株を取得して以来。高水準の自社株買いによる今後の需給改善を期待する動きが強まっている。 <HM> 2025/12/26 11:26 注目トピックス 日本株 エイベックス---大幅続伸、サンリオと戦略的パートナーシップに向け基本合意 *11:23JST エイベックス---大幅続伸、サンリオと戦略的パートナーシップに向け基本合意 エイベックス<7860>は大幅続伸。持分法適用関連会社であるSANRIO SOUTHEAST ASIAの全株式をサンリオに譲渡すること、及び、サンリオと戦略的パートナーシップに向けた基本合意を締結することを発表している。音楽・イベント・マーチャンダイジング等の分野を含む包括的な戦略的パートナーシップ契約の締結に向けてサンリオと基本合意、さらなるIPの創出・展開を図る方針。なお、株式譲渡益として26年3月期に特別利益10億円を計上する。 <HM> 2025/12/26 11:23 注目トピックス 日本株 CIJ---大幅続伸、日立製作所との業務提携契約締結を材料視 *11:17JST CIJ---大幅続伸、日立製作所との業務提携契約締結を材料視 CIJ<4826>は大幅続伸。日立製作所のデジタルシステム&サービスセクターとの間で、業務提携契約を締結したと発表している。業務提携の内容は、システム開発事業における協働および人材育成の推進のための協働を行っていくこと。これまでもシステム開発事業において友好的なパートナー関係を築いていたが、連携を一層強化していく方針。DXや生成AI分野における業容拡大へつながっていくとの期待感が先行。 <HM> 2025/12/26 11:17 注目トピックス 日本株 カカクコム---大幅反発、オアシスマネジメントが大量保有 *11:14JST カカクコム---大幅反発、オアシスマネジメントが大量保有 カカクコム<2371>は大幅反発。前日に提出された大量保有報告書によると、オアシスマネジメントが5.23%を保有する大株主になったことが明らかになっている。保有目的は、ポートフォリオ投資および重要提案行為としている。オアシスマネジメントは香港を拠点とするアクイティビストとされており、株主還元強化など今後の企業価値向上策に対するプレッシャーにつながっていくとの見方が先行へ。 <HM> 2025/12/26 11:14 注目トピックス 日本株 ナック---完全子会社ナックイエスマートを吸収合併 *11:12JST ナック---完全子会社ナックイエスマートを吸収合併 ナック<9788>は25日、完全子会社であるナックイエスマート(本店:福島県郡山市)を吸収合併することを決定したと発表した。本合併は、2026年3月1日を効力発生日とする簡易合併および略式合併であり、取締役会決議および合併契約締結はいずれも2025年12月25日である。ナックを存続会社とする吸収合併方式で、ナックイエスマートは解散する。合併に伴う新株式の発行や金銭等の交付は行われない。ナックイエスマートは現時点で債務超過の状態にあるが、合併に先立ち、ナックを割当先とする第三者割当増資を実施し、債務超過を解消する予定である。本合併は完全子会社との合併であるため、連結業績に与える影響は軽微とされている。 <NH> 2025/12/26 11:12 注目トピックス 日本株 クスリのアオキ---ストップ高買い気配、9-11月期好決算に還元強化策もサプライズ *11:09JST クスリのアオキ---ストップ高買い気配、9-11月期好決算に還元強化策もサプライズ クスリのアオキ<3549>はストップ高買い気配。前日に上半期の決算を発表、営業利益は135億円で前年同期比6.7%増となり、据え置きの通期計画230億円、前期比13.5%減に対し好進捗、9-11月期は前年同期比17.3%増と2ケタ増の形に。長期ビジョンも開始しており、30年5月期営業利益440億円と想定以上の強気計画も発表している。さらに、年間配当金の8円から48円への大幅増配、発行済み株式数の6.32%を上限とする自社株買い発表など還元強化もサプライズに。 <HM> 2025/12/26 11:09 注目トピックス 日本株 中西製作所---組織変更、取締役・執行役員の担当変更及び社員の人事異動 *11:09JST 中西製作所---組織変更、取締役・執行役員の担当変更及び社員の人事異動 中西製作所<5941>は25日、2026年4月1日付で実施する組織変更の詳細を発表した。営業本部体制の見直しや複数部署の統合・改編など、全社的な再編が実施される予定となっている。具体的には、営業本部内に「本部統括」と「支店統括」を新設し、従来の「営業統括」および支店・営業所の東西ブロック制を廃止する。また、営業推進部と営業企画部を統合し「営業戦略部」を新設。フードシステム部とフードテック事業部を統合し「フードクリエーション事業部」として再編するほか、フードシステム部炊飯調理研究課は生産本部の研究開発部へ移管される。さらに、奈良工場と群馬工場の品質保証部を統合し、生産本部長直下の「品質保証部」として一本化されるほか、管理部では総務課と管理課を統合し、人事課は廃止の上、社長直下に「人事部」を新設する。また、「マクドナルド部」は「マクドナルド事業部」、「メンテナンス事業部」は「メンテナンス部」へと、それぞれ名称変更される予定。あわせて取締役、新役員の担当変更や社員の人事異動も実施する。 <NH> 2025/12/26 11:09 注目トピックス 日本株 マイクロアド Research Memo(8):既存事業の成長と新領域へのデータ活用によってさらなる成長加速を目指す *11:08JST マイクロアド Research Memo(8):既存事業の成長と新領域へのデータ活用によってさらなる成長加速を目指す ■中長期の成長戦略中長期の成長戦略としてマイクロアド<9553>は「アドテクノロジーの企業から、総合データカンパニーへ」というスローガンの下、データ活用を軸とした成長戦略を描いている。具体的には「データプロダクトの拡大」「新領域へのデータ活用」という2つの基本戦略により、業績の拡大と企業価値の向上を目指す構えだ。(1) データプロダクトの拡大インターネット広告市場において「ブランド領域(自動車や飲料・食品など、実店舗での製品提供を行う企業が対象となるマーケティング領域)」に特化しながら、販売体制の強化と新製品のタイムリーな投入によって「UNIVERSE」の稼働アカウント数を増やす計画である。ブランド領域に特化する理由は、競合企業がいないためだ。また、既存マス広告4媒体(テレビ・新聞・雑誌・ラジオ)からのデジタルシフトによって、市場規模の拡大が見込めることも要因だ。成長する市場のなかで利益を確保していく。販売体制の強化に関しては、2021年10月に営業組織を顧客の属性に特化した組織体制へと変更したほか、リモートワークを実施する顧客に対応するため、オンラインセミナーを通じて販売強化を推進している。2022年9月期は全40回のセミナーを実施し、販売問い合わせ件数は6,600件(受注金額は140百万円)へ拡大した。2023年9月期においてはオンラインで営業活動を行う専門の部署を新設し、販売体制をより時代に合った形へ変更したほか、「まちあげ」「UNIVERSE for 新NISA」「MARBLE」などの新プロダクトの提供を開始した。2025年9月期は新たな販売拠点として北海道支社を設立した。これは、地方自治体や拠点周辺の企業のデジタルマーケティングニーズに対応するためであり、「UNIVERSE」の売上拡大を推進するうえで営業人材を地方拠点にも配置することが重要であるからだ。加えて、付加価値の高い製品を継続的に市場に投入し、中長期的な成長を実現するため土台となる人材への投資を一段と厚くする。具体的には生成AIなどを活用した独自の育成ノウハウによって質の高い人材プールを構築する方針だ。(2) 新領域へのデータ活用同社の事業は広告関連が中心であるが、保有している膨大なデータや分析技術を活用し、広告以外の領域へもデータビジネスの拡大を進めており、実績を順調に積み上げている。2023年1月からオルタナティブデータを活用した自己資金での投資事業を開始した。さらに直近ではデジタルマーケティングのデータ分析手法を取り入れながら独自の投資戦略を構築している。2025年9月期実績は新旧2つのモデルを並列して運用し、年利換算で-4.84%となったが、7月以降新モデルへの切替を行い、新モデルのみの2025年1月から9月までの実績は+5.99%となった。今後も安定収益を獲得することを目的にさらに運用モデルのブラッシュアップを進める方針だ。それ以外にも今後のさらなる成長に向けて、インバウンド関連の新規サービスや越境EC関連の新規サービス、「UNIVERSE」関連の新規サービスなど、市場投入を続けている。同社はこれまでポストCookieに向けた対応に注力し、3rd Party Cookieのサポートが停止された際のデジタルマーケティング市場において先行者優位を獲得することを成長戦略の1つとしてきた。しかし、GoogleがCookie廃止の撤回を発表したことを受け、同戦略は停止し、Cookie対策に投下したソフトウェアの減損を前期に行った。なお、開発リソースを「UNIVERSE」や新規サービスの開発に振り向けることにより業績の拡大と企業価値の向上を目指す方針だ。■株主還元策株主還元と投資魅力向上を目的として株主優待制度を新設同社は株主に対する利益還元を重要な経営課題の1つとして認識しており、成長途中の段階であることや現在の時価総額や個人株主の比率が高い点を加味し、個人株主への利益還元の一環として2025年11月14日に2026年3月末日を初回基準日としたデジタルギフトによる株主優待制度の導入を発表した。個人株主に対する同社株式の投資魅力を高め、より多くの株主に中長期的な応援を得ることを目的としている。株主優待の基準日は3月末日と9月末日の年2回実施され、各基準日時点の株主名簿において800株以上を保有する株主を対象にデジタルギフト7,000円分を進呈するもので、年間では14,000円分が提供される。贈呈時期は基準日から3ヶ月以内を目途として案内が発送される予定である。また、株主優待に関わる費用は今期の業績予想に織り込み済みであり、業績予想に対する影響は軽微であると見込まれる。参考として、2025年11月12日時点の株価終値501円に基づく最低取得単位である800株保有の場合の年間株主優待利回りは3.49%であった。株主優待は継続して実施する方針とのことだが、剰余金の配当に関しては、同社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー、時価総額帯や株主構成などを総合的に勘案したうえで、検討していく方針である。今後は株主優待や自己株式の取得による株主への利益還元に加えて、業績拡大によって利益が積み上がるなかで配当が開始される可能性もあると弊社は見ている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司) <HN> 2025/12/26 11:08 注目トピックス 日本株 マイクロアド Research Memo(7):営業利益15億円を目指し、生産性向上と新規事業の取り組みも推進 *11:07JST マイクロアド Research Memo(7):営業利益15億円を目指し、生産性向上と新規事業の取り組みも推進 ■今後の見通し(3) 生産性向上施策マイクロアド<9553>は、今後1〜2期で売上高200億〜220億円、営業利益15億円の達成を目標に掲げており、その実現に向けて、増員した人員の戦力化と生産性向上を軸とした成長戦略を推進している。この取り組みにより、従業員数の増加は抑制しつつ効率的な成長体制を構築し、販管費率の低減を目指していく。増員した営業人員の戦力化は、同社のトップライン拡大に直結する重要な施策として位置付けられている。2025年9月期第3四半期には非需要期により生産性が一時的に低下したものの、第4四半期には速やかに回復し、営業全体の生産性は前年と比較して着実に向上している。特に2024年4月に入社した新卒社員が担当する1人当たり平均アカウント数は、最需要期である3月を超える水準を記録しており、増員によって拡大した人員が確実に成果へつながり始めている。こうした新卒社員の早期戦力化は生産性向上施策の成果の一部であり、営業基盤の厚みを増す要因として重要な意味を持つ。加えて、営業活動により多くの時間を割けるようにするための各種施策を導入し、業務効率化を推進している。具体的には、生成AIを活用した業務改革の一環として、社内チャットボットによるナレッジアクセスの効率化を図り、必要な情報を迅速かつ正確に取得できる体制を整備した。また、営業担当者が担う顧客へのレポート作成などの定型業務を自動化・削減し、営業活動に集中できる時間を増やしている。これにより、営業1人当たりで月間約5,145分(10日分)の業務時間削減を実現し、目標である4,800分(10日分)を上回る成果を拳げている。その結果、営業活動に費やす時間は5割増加し、営業1人当たりの提案数も1.5倍に増加している。また、提案準備や顧客訪問に費やす時間が増えたことで提案の質も向上しており、より大きな予算を獲得できるケースも増えている。粗利生産性の向上に向けては、オフショア開発拠点として位置付けられていた中国・瀋陽の子会社を清算し、業務を国内へ移転する施策が進められた。この拠点清算により開発原価が削減され、今期は粗利率の改善に通期で寄与する見込みである。加えて、グループ内での人員適正化も進めており、子会社と本社の間で人的リソースを共有することで外部に流出していた費用の抑制を図り、業務委託費や開発原価の削減が進められている。これらの取り組みは内部リソースの最適配分を通じてコスト構造の見直しを行うものであり、その効果が粗利率の向上として現れる構造となっている。(4) 事業アップデート2025年6月に日本国内で正式にローンチしたTikTok Shopに関連した新規事業を開始している。100%子会社の(株)UNIVERSE PULSEでは、同社の企画・制作によってTikTok Shop出店企業の売上拡大を目的としたTikTok LIVEの新番組を開始した。UNIVERSE PULSEは2025年6月に設立された企業であり、TikTok Shop参入を総合的に支援する子会社として、「UNIVERSE」のデータと分析力を軸とし、事業提携によって構築した独自のインフルエンサーネットワークを強みとしている。新番組「推しコマ!」は2025年12月より放送を開始しており、TikTok Shopを舞台に視聴者がリアルに推すアイテムを紹介する構成とし、毎週月曜日から木曜日の1日2回週4日間の配信をしている。MCには、ゆうこす氏などの人気タレント・インフルエンサーを起用し、エンターテインメント性豊かな企画を通じて購買促進を図る。加えて、関連会社である(株)IZULCAでは、地方自治体との共同TikTokコマースを実施している。IZULCAは2025年6月に、中国版TikTok ShopをはじめとするECプラットフォームの運営代行など幅広い事業を展開するPinspaceグループとの合弁会社として設立され、同グループの日本進出支援や企業・自治体のTikTok Shop進出支援を行う。2025年9月に実施された兵庫県豊岡市との共同プロジェクトでは、企画立案からアカウント開設、ライブ配信の実施までを一貫して担当し、6時間で4百万円を超える売上を達成している。また、その後もIZULCAが地方特産品や農産物などを扱うTikTok Shopの「47マルシェ」では豊岡産ブランド米「にじのきらめき」の売れ行きが好調で、2025年11月13日〜19日の期間、TikTok Shopの全商品部門およびライブ配信販売の両部門で週間売上1位を獲得しており、同社のコンテンツ企画力や販売ノウハウが購買行動に結びついたと考えられる。また、海外事業の拡大を目的として、中国・上海及びインドネシアの現地企業を連結子会社化する方針が示されており、2026年1月より連結対象となる予定である。海外事業では複数の事業領域における他国展開を積極的に推進しており、その内容は現地企業のデジタルマーケティング支援、訪日観光客向けのインバウンドマーケティング支援、日本のIPを活用したコラボ商品の現地消費者への販売拡大など多岐にわたる。これらの領域で各拠点との連携を深め、海外事業全体での規模拡大をねらう姿勢が鮮明である。加えて、海外コンサルティング事業に属するIPmixerでは新プロジェクトが開始されている。日本の人気VTuberなどのIPとメーカー商品のコラボレーション企画から販売までを一貫して行う事業を展開しており、2026年度にはプロジェクト実施数のさらなる増加を予定している。新たに展開されるプロジェクトとして、2025年11月から1ヶ月の期間限定でスマートフォンケースのコラボ商品販売が開始された。台湾発のスマートフォンアクセサリーブランドであるRHINOSHIELDのスマホケース等と、ANYCOLOR<5032>が運営する「にじさんじ」及び「NIJISANJI EN」に所属するVTuberとのコラボレーション商品が対象となっており、IPと製品の組み合わせによる新たな需要を開拓する取り組みとなっている。また、2025年12月にも1ヶ月の期間限定でANYCOLORが運営する「NIJISANJI EN」所属VTuberとのコラボレーションコスメシリーズ「Glowing Shade」の受注販売を開始しており、今後も新プロジェクトのリリースが順次予定されている。なお、現時点では各プロジェクトにおける商品は期間限定の受注生産としているが、将来的には在庫を保有するモデルも視野に入れており、さらなる利益率向上を見込んでいる。(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司) <HN> 2025/12/26 11:07 注目トピックス 日本株 マイクロアド Research Memo(6):流動比率・固定比率ともに健全な数値 *11:06JST マイクロアド Research Memo(6):流動比率・固定比率ともに健全な数値 ■業績動向2. 財務状況と経営指標マイクロアド<9553>の2025年9月期末時点の財務状況は、総資産は前期末比755百万円増加の9,149百万円となった。このうち、流動資産は受取手形及び売掛金の増加539百万円などにより、394百万円増加した。固定資産は、繰延税金資産の増加348百万円などにより、361百万円増加した。負債合計は前期末比755百万円増加の5,252百万円となった。このうち、流動負債は短期借入金の増加300百万円、支払手形及び買掛金の増加264百万円などにより、800百万円増加した。固定負債はリース債務の減少22百万円、長期借入金の減少19百万円などにより、44百万円減少した。純資産合計は前期末から大きな変動はなく3,897百万円となった。経営指標は、流動比率が前期末比11.1ポイント減の107.1%、固定比率が同9.3ポイント増の98.3%となった。流動比率、固定比率ともに依然として健全な数値であり、長短の支払い能力に問題はないと弊社は考えている。また、自己資本比率は38.2%となり、前期末比0.8ポイント低下した。ただ、利益率の高いデータプロダクトに注力するなかで当期純利益を積み上げることによって純資産の厚みが増すため、弊社は中長期的には自己資本比率は高まるものと推察する。■今後の見通し2026年9月期は増収増益見込み、本格的な利益創出フェーズへ2026年9月期の連結業績は、売上高で前期比11.3%増の17,444百万円、のれん償却費と株式報酬費を考慮した調整後営業利益が同30.9%増の1,026百万円、営業利益で同33.0%増の815百万円、経常利益で同43.4%増の761百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同240.1%増の663百万円を見込んでいる。2025年9月期に実施した生産性向上施策により、同社は売上のベース拡大と利益率の改善を同時に達成した。これを踏まえて2026年9月期は本格的な利益創出フェーズへ移行する方針を掲げている。利益成長の実現と並行して、新たに開始したIP関連事業やTikTok Shop関連事業への投資と拡大も積極的に進める。既存事業の基盤強化に加え、新規事業の攻勢展開によって事業の成長基盤をより厚いものにしていく姿勢が示されている。今後の成長イメージに関して、同社は総合データカンパニーとしての事業拡大を進めており、2025年9月期には新規事業としてBtoC領域における複数の物販事業を開始した。これに続いて2026年9月期は、BtoB領域における「UNIVERSE DATA PLATFORM」の新たな活用事業を積極的に推進する方針を示している。「UNIVERSE」は自社広告プラットフォーム「UNIVERSE Ads」への広告配信により発展してきたが、データ経済圏の拡大を目的とした取り組みが進んでいる。その中心となるのが、「UNIVERSE DATA PLATFORM」の他社広告プラットフォームへの連携推進であり、これにより大手SNSや動画プラットフォームへの広告配信が新たに可能となる。具体的には、Facebook、Instagram、TikTok広告などとの連携を前期に進めており、自社プラットフォームのみでは到達できなかった領域へ広告配信の幅が広がる。連携によって利用可能となるデータは、趣味嗜好データ、購買データ、ビジネスユーザーデータなど多岐にわたり、「UNIVERSE」が扱う業種特化型製品のデータ範囲も拡張できることとなる。自社プラットフォームにおいては従来どおりWebサイトやスマートフォンアプリへの広告配信が主体であるが、他社プラットフォームとの連携開始によってデータ活用の幅は飛躍的に高まり、「UNIVERSE」の事業領域拡大を強力に後押しする見通しである。既存サービスの深化だけでなく、「UNIVERSE」を軸とした新規領域への展開を通じて事業構造の広がりを図る姿勢が明確であり、中長期的な成長の拡大が期待されると弊社では見ている。(1) データプロダクトデータプロダクトでは、売上高で前期比10.5%増の10,214百万円、売上総利益で同14.5%増の3,621百万円を見込んでいる。自社プラットフォームにおいては利益率の改善を通じた粗利総額の拡大をねらう方針である一方、今期は市場規模の大きい他社プラットフォームでの展開を一段と加速させる方針である。他社プラットフォームを新規顧客獲得のチャネルと位置づけ、そこから自社プラットフォームへの併用を促すクロスセル施策も推進する。共通の営業リソースを活用することで稼働アカウント数の純増を促し、データプロダクト全体として売上と粗利の成長を目指す構図となっている。自社と他社の双方のプラットフォームを生かすことで、収益源の複線化と成長速度の向上を図ることが期待されている。(2) コンサルティングコンサルティングでは、売上高で前期比12.5%増の7,229百万円、売上総利益で同12.4%増の1,849百万円を見込んでいる。メディア向けコンサルティングサービスにおいて、契約メディア数や広告枠数を着実に積み上げることで拡大を続ける見通しである。また、連結子会社であるエンハンスでは、ユーザーによる定期課金やコンテンツごとの課金など、多様な課金モデルに対応した、Webメディア向け収益化支援プラットフォーム「AE」事業を2025年12月に取得し、メディア運営企業の収益最大化支援の拡大が期待される。海外コンサルティングサービスでは、訪日観光客の増加によるインバウンドマーケティングの需要を捉えつつ、IPコラボの新規事業であるIPmixerを通じて事業規模の拡大をねらう。国内外双方の市場において需要が高まる領域を着実に取り込みながら、サービス全体の成長加速を見込む構成となっている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司) <HN> 2025/12/26 11:06 注目トピックス 日本株 マイクロアド Research Memo(5):生産性向上施策により大幅増益、新規事業への投資・拡大も進む *11:05JST マイクロアド Research Memo(5):生産性向上施策により大幅増益、新規事業への投資・拡大も進む ■業績動向1. 2025年9月期の業績概要マイクロアド<9553>の2025年9月期の連結業績は、売上高が前期比14.3%増の15,670百万円、のれん償却費と株式報酬費を考慮した調整後営業利益が同109.0%増の784百万円、営業利益が同99.4%増の613百万円、経常利益が同80.2%増の531百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同31.0%減の195百万円となった。生産性向上施策に注力したことで、ベース売上の拡大と利益率の改善が進展した。利益の算定においては、繰延税金資産の計上に伴う法人税等調整額が反映されており、これが一過性要因として最終利益を押し上げている。また、生産性向上施策の一環として将来の減損リスクを回避する目的で特別損失や各種費用を計上しており、この点は短期的には利益を圧迫するものの、長期的な財務健全性の確保に寄与する構造である。さらに、人的投資として2025年9月には決算賞与を実施しており、組織運営面でも重要な投資が行われた期であった。これらの一過性の要因を考慮した実質的な純利益水準は約4.2億円まで拡大した。主力事業である「UNIVERSE」及びコンサルティング事業のいずれにおいても売上総利益が増加しており、データプロダクト事業の売上総利益は2,605百万円(前期比15.8%増)、コンサルティング事業の売上総利益も2,202百万円(同20.3%増)と両事業ともに順調な推移を見せた。生産性向上施策による構造改革で利益創出基盤を整備したと同時に、新規事業への投資・拡大にも注力した。また、2025年8月に新設した北海道支社は、既に一定の顧客基盤を持っていたこともあり順調に立ち上がっている。2025年9月期は生産性向上施策が想定を上回る効果を発揮し、期中に2回の上方修正を実施する結果に至った。特に、各段階利益は当初の計画を大幅に上回る水準まで拡大しており、施策の進捗状況と効果が業績に確実に反映された期であったと弊社では高く評価している。(1) データプロダクトデータプロダクトの売上高は前期比2.3%増の6,991百万円、売上総利益は同15.8%増の2,605百万円となり、第1四半期に非連結となったMADSのデジタルサイネージ事業を除いた「UNIVERSE」単独の売上高は前期比15.9%増の69.14億円、売上総利益は同24.6%増の25.95億円となった。データプロダクト全体ではMADSの非連結化による減少影響が存在したものの、そのマイナスを吸収して余りある水準まで粗利が拡大している。生産性の底上げにより事業の収益構造が強化され、売上総利益も大きく改善した。データプロダクト「UNIVERSE」は、前期に採用した人員が本格的に戦力化したことで売上増加に寄与しており、同時に生産性が改善したことで利益率も高い伸びを示した。事業の成長を支える製品として、中小顧客を中心に需要を獲得しているBtoB向けの「シラレル」や、人材領域で展開する「MARBLE」などの業種特化型サービスがあり、これらが安定的な売上創出に寄与している。また、「UNIVERSE」では複数の業種に対して製品展開を進めており、特定業種や特定企業に依存しない事業構造を形成している点が強みとなっている。顧客属性別の動向に着目すると、安定的な成長が期待できる「中小顧客」に重点を置いた戦略が展開されている。新人社員の配属や営業拠点の拡大といったリソースの重点投下により、この領域の強化が進められた。大手顧客の代理店領域では前年同四半期比(2024年9月期第4四半期比、以下同)71%増、前四半期比(2025年9月期第3四半期比、以下同)でも13%増と大幅な伸びを記録しており、単価が高く大規模な案件が多いことから、景況感や季節性の影響を受けやすくボラティリティは高いものの、新商品であるUNIVERSEのデータを活用した他社プラットフォームへの広告配信サービスの開始により前年比で拡大した動きが見られた。一方で大手顧客の直販領域では前年同四半期比60%減、前四半期比15%減と減少しており、一部の大手顧客における予算縮小が影響している。ただし景況感の影響を受けづらい特性を持つため将来的なポテンシャルは大きく、アカウント数の増加による回復を目指す方針である。中小顧客の代理店領域は前年同四半期比23%増、前四半期比23%増と成長を維持している。新人社員の活動が本格化した影響が大きく、さらに2025年8月に新設された北海道支社がこの領域の拡大に寄与するなど、基盤強化が順調に進んでいる。また、「UNIVERSE」の稼働アカウント数は非需要期にあたる第3四半期で例年どおり一時的に減少する傾向を示したが、第4四半期には回復し前年同四半期比28%とアカウント数は再び拡大している。これは、前期に採用した新人の営業活動が本格化したことや生産性向上により顧客提案件数が1.5倍まで増加したことによる成果であり、人材投資や営業効率化が順調に成果へと結びついていることを示している。顧客単価については中小顧客の比率が増加しているため若干の減少が見られるが、これは構造的な顧客構成の変化に伴う自然な推移であると言える。収穫逓増・高収益である「データプロダクト」が売上高に占める割合は、2021年9月期の32%から2025年9月期には44.6%まで高まった。今後も同社は「データプロダクト」に注力する方針であり、より一層収益性が高まるものと弊社は予想している。(2) コンサルティングコンサルティングの売上高は前期比26.1%増の8,679百万円、売上総利益は同20.3%増の2,202百万円となった。メディア向けコンサルティングサービスが順調に推移したことに加え、海外コンサルティングサービスで新規事業として展開するIPmixerの収益が増加したことで、前期比で大幅な増収増益となった。国内のメディア向けコンサルティングサービスにおいては、インターネットメディアの広告収益最大化を支援するサービスを提供しており、契約メディア数や広告枠数が着実に積み上がったことで高い成長を記録した。海外コンサルティングサービスでは第4四半期に、IPとのコラボ商品としてIPmixerの物販売上を計上しており、売上高・粗利の双方を押し上げた。国内外双方で新規事業が寄与し、総じて成長の裾野が広がっている状況である。(3) オルタナティブデータ事業の進捗オルタナティブデータ事業では、「UNIVERSE」に蓄積されたデータを活用し、自己資金による株式投資を行っている。2025年9月期は年利換算で-4.84%となった。同事業では新旧2つのモデルを並列運用していたが、7月に旧モデルを停止し、新モデルへの完全切り替えを実施済みである。新モデルのみを対象とした1月〜9月の実績は1,652万円のプラス、年利換算5.99%となっており、今後は新モデルでの集中運用を進める方針である。加えて、新たな分析モデルを継続的に試行しており、今後も随時アップデートを行いながらパフォーマンス向上を目指す方針である。(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司) <HN> 2025/12/26 11:05 注目トピックス 日本株 マイクロアド Research Memo(4):統合マーケティング基盤「UNIVERSE」のアカウント数拡大 *11:04JST マイクロアド Research Memo(4):統合マーケティング基盤「UNIVERSE」のアカウント数拡大 ■マイクロアド<9553>の会社概要b) 「UNIVERSE」の稼働アカウント数「UNIVERSE」の主要なKPIである稼働アカウント数は、人員強化及び業務効率化の取り組みにより大幅な増加を見せている。2025年9月期第4四半期(7月~9月の3ヶ月間)における累積稼働アカウント数は前年同期比28.0%増の2,202件に拡大した。新卒社員の本格的な営業活動が始まったことや新設した広島、仙台、北海道などの地方拠点での新規代理店開拓がアカウント数の急増をもたらしており、販売体制の強化が成果として表れている。顧客基盤として安定的な成長が期待できる中小顧客にフォーカスし、新人社員の配属や営業拠点の拡大など重点的にリソースを投下した。平均顧客単価は67万円(前年同期比18万円減)と新規の中小顧客の増加により若干低下しているが、おおむね現状水準で下げ止まる見通しである。過去推移を見ても特段低すぎる水準ではない模様だ。一方で、大手顧客の単価は季節要因により伸びる時期があるため、時期によっては平均顧客単価が上昇する局面もあるだろう。また、新プロダクトのタイムリーな市場投入やデータ連携による既存プロダクトの性能強化、顧客属性ごとに最適化した営業体制や地方拠点による営業活動の推進などがアカウント数の増加に寄与してきた。各業界業種に特化することによって顧客ニーズは今後も高まることが予想され、稼働アカウント数も順調に推移すると弊社は推察する。また顧客企業のKPIを深く理解することにもつながり、データから抽出したインサイトを適切にKPIと関連付けながら顧客に提案できるという点も同社プロダクトの訴求力を高める要因となっている。顧客企業のKPIに対する深い理解とそれに基づく提案は同社の長い事業活動のノウハウによるもので、他社には模倣が難しく、同社が競争優位にしているポイントと言える。加えて、レポートの自動化などの営業外の業務を削減したことで、営業活動時間が5割増加し、1人当たりの提案数も約1.5倍に伸びたため、将来の売上につながる案件の提案数が大幅に増加している。また、提案準備や顧客訪問に費やす時間が増えたことで提案の質も向上し、より大きな予算を獲得できるケースも増えている。さらに、累計リピート月数が長くなるにつれて、顧客当たりの月額単価が拡大する傾向にある。顧客が広告活動に投じる予算を段階的に増やしていることが要因だ。今後も新規アカウントの拡大と並行して、リピートアカウントが積み上がることにより、同社の業績も順調に拡大するものと想定される。今後も高い需要が見込まれる「海外コンサルティングサービス」に注力3. コンサルティング「コンサルティング」では、メディア企業向けプロダクト「MicroAd COMPASS」と子会社エンハンスによるサービス「Enhance」を提供する「メディア向けコンサルティングサービス」、海外を拠点にデジタルマーケティングの総合的な支援や日本企業の海外向けプロモーション(インバウンドマーケティング)を支援する「海外コンサルティングサービス」を行っている。(1) 「メディア向けコンサルティングサービス」「メディア向けコンサルティングサービス」は、「MicroAd COMPASS」と「Enhance」から構成される。a) 「MicroAd COMPASS」「MicroAd COMPASS」は、インターネット広告を掲載するメディア企業向け広告収益最大化サービスである。RTBによるオークションによってリアルタイムで最も収益が見込める広告を瞬時に選択し、顧客の広告収益最大化に貢献している。そのほかの特徴として無償で利用できる豊富なアドサーバー機能、マルチデバイスへの対応、ブランド価値を守る柔軟な掲載可否設定などがある。2025年9月期末時点で累計2,000社を超えるインターネットメディアに導入されており、RTBを通じて多くのDSP(Demand-Side Platform)に接続している。2025年9月期末時点の月間広告配信回数は580億回となった。収益は、メディア企業へ支払われる広告費の一部をプラットフォーム利用料として得ている。b) 「Enhance」連結子会社であるエンハンスは、主にメディア企業の広告収益拡大に向けたコンサルティングサービスを提供している。各メディアの広告枠の運用を預かる形で、様々な広告サービスを組み合わせることで収益の最大化を実現し、コンサルティングフィーの形で収益を計上している。(2) 「海外コンサルティングサービス」台湾を中心とした中華圏及び東南アジアにおいて、デジタルマーケティング領域のコンサルティングサービスを展開している。提供内容はプロモーション施策の立案から、LINE、Google、Facebookといった主要プラットフォームにおける広告枠の買い付け・運用、さらに広告クリエイティブ制作まで一体的に手掛ける点に特徴がある。また、クロスボーダー事業では、国内外の有力パートナーとの連携を生かし、訪日観光客向けマーケティング支援や中華圏への事業進出支援など、多面的なサービスを提供している。資本業務提携においては、訪日観光客への商品訴求が可能な、訪日外国人向けショッピングサポートアプリを展開する「Payke」、日本の宿泊施設において、訪日観光客に便利で快適なサービス提供が可能になるDXソリューションを展開する「Tabi Life」、「荷物を預けたい人」と「荷物を預かるスペースを持つお店」をつなぐシェアリングサービス「ecbo cloak」を提供するecbo(株)との連携が挙げられる。戦略的業務提携としては、中国の旅行予約データを活用した訪日中国人向けプロモーション支援を展開している「Eternity X」との協業がある。事業拡大の面では、台湾最大級の親日女性向けメディアである「Japaholic」の多言語化を進め、新たに中国・インドネシア・タイ・韓国・英語圏向けに事業を拡大している。これにより、訪日旅行者の70%以上へリーチ可能となり、同メディアの情報発信力は大幅に拡大した。以上の連携と事業展開により、同社は訪日観光客に対してあらゆる場面でアプローチできる体制を構築している。さらに2025年2月からは、BtoC向けの物販事業を新たに開始した。子会社として設立した(株)IPmixerが、日本の人気VTuberなどのIPと商品メーカーを繋ぎ、タイアップ企画からブランディング、マーケティング、販売までを一貫して担うモデルを採用している。具体的な事例として、VTuber以外でも、台湾で人気のある料理研究家とのコラボによるフライパン販売などが挙げられる。IPmixerは、現地のニーズに合致する製品やコラボ相手の選定から、その後のマーケティング・販売までをすべて引き受ける。そのため、IP側にとっては、リソースを割かずに物販展開ができる点で非常に有用なスキームとなっている。また、メーカーやブランドにとっても、IPmixerを活用することで、リスクを抑えながら効果的に海外進出と新たな収益機会の創出が可能になる。IPを起点としたマーケティングを通じて、より強力なブランド訴求を実現する体制が整いつつある。(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司) <HN> 2025/12/26 11:04 注目トピックス 日本株 シンバイオ製薬---ポリオーマウイルス感染症の治療に関し、ペンシルベニア州立大学から独占的権利取得 *11:03JST シンバイオ製薬---ポリオーマウイルス感染症の治療に関し、ペンシルベニア州立大学から独占的権利取得 シンバイオ製薬<4582>は24日、IV BCV(ブリンシドホビル注射剤)に関して、ペンシルベニア州立大学医学部との共同研究の対象であるポリオーマウイルス感染症治療薬開発について、グローバルの独占的事業化を目的としてペンシルベニア州立大学とライセンス契約を締結したことを発表した。同社は当該特許出願に基づくIV BCVの開発・商業化についてグローバルの独占的権利を有することになり、一日も早い事業化に向けて展開する。なお、当該特許出願の特許協力条約(PCT)に基づく国際出願を既に完了している。同社は2019年9月にBCVのグローバルライセンスを取得して以来、3つの治療領域において、そのポテンシャルを掘り起こすことを目的として研究機関と共同研究を進めてきた。現在、対象疾患領域として、第1の柱である造血幹細胞移植後のウイルス感染症領域をはじめ、第2の柱として血液がん・固形がん領域、第3の柱として脳神経変性疾患領域の3治療領域を中心に経営資源を集中して開発を進め、グローバルに事業展開をすることによりBCVの事業価値の最大化を目指す。 <NH> 2025/12/26 11:03 注目トピックス 日本株 マイクロアド Research Memo(3):消費者の購買プロセスの段階に応じて広告配信を行う「UNIVERSE」 *11:03JST マイクロアド Research Memo(3):消費者の購買プロセスの段階に応じて広告配信を行う「UNIVERSE」 ■マイクロアド<9553>の会社概要2. データプロダクト「データプロダクト」は、企業のマーケティング課題を解決するためのデジタル広告ソリューション群で構成される。消費者に関する膨大なデータの分析を基に顧客ごとに最適な広告配信を実現する「UNIVERSE」の収益が含まれる。また、「UNIVERSE」には2024年4月に買収したデータ活用支援事業を展開する子会社UNCOVER TRUTHの収益が含まれる。UNCOVER TRUTHは、サイト内行動分析ツール「Content Analytics※1」や企業が保有する既存顧客のデータ分析を行うCDP※2「Eark※3」、即戦力データアナリストの人材常駐支援サービス「DX-Accelerator」を提供している。なお、「デジタルサイネージサービス」はMADSを2024年11月に非連結化したため、データプロダクト事業の収益は「UNIVERSE」のみとなる。※1 コンテンツデータによるユーザー体験分析ツール。ユーザーが「ページ内のどこのコンテンツに注目しているのか」がわかり、嗜好性を数値化することで、顧客のより詳細な属性を分析する。※2 Customer Data Platformの略。複数のデータソースから顧客データを収集・統合管理し、それらのデータ分析によって個々の顧客に適したマーケティングやカスタマーエクスペリエンスを提供するプラットフォーム。※3 顧客データの収集・統合・活用をノーコードで可能にするプラットフォーム。データエンジニアの稼働を抑えることでCDP関連の開発コストや運用コストの削減に寄与する。a) 「UNIVERSE」の概要「UNIVERSE」は業界や業種ごとに多種多様な消費者の好みや購買プロセスを分析し、そこから得られた知見を活用することによって顧客が抱えるマーケティング課題の解決を支援するサービスである。「UNIVERSE」は同社が開発した2つの独自プラットフォーム「UNIVERSE DATA PLATFORM」「UNIVERSE Ads」により構成される。「UNIVERSE DATA PLATFORM」には、消費者のライフスタイルの変化を捉えるデータ、消費者の性別・年齢などを推定したデモグラフィックデータなど一般的なデータ群に加えて、業界・業種に特化した大量のデータが蓄積されている。2025年9月期末時点で220を超える外部データ保有企業・メディアから閲覧履歴などのデータを収集・集約しており、これらを分析することによって消費者の複雑な購買行動を分析している。UNCOVER TRUTHの連結化により、同社が保有する企業の顧客データなどの分析・活用が可能となった。これら大量のデータを組み合わせた分析を通じて、消費者の多様な購買・消費行動に関するより多角的で深度のあるマーケティング支援が可能となる。「UNIVERSE Ads」は、「UNIVERSE DATA PLATFORM」が導き出したインサイトを活用し、RTB(Real Time Bidding)という広告配信技術を用いて顧客ごとに適切な消費者に向けて広告配信を行うプラットフォームである。中核となるのが、同社のAIによる最適化アルゴリズムである。これは、企業の製品・サービスのカテゴリ、広告の掲載面の品質やコンテンツの内容、配信のタイミング、広告クリエイティブの形式(静止画・動画・ネイティブ広告など)など広告の費用対効果を決定付ける要因を変数として解析し、費用対効果を最大化する設計となっている。これにより、リアルタイムで消費者の特性に応じた広告を最適な価格で配信することが可能となっている。また、複数のSSP(Supply-Side Platform)との接続に対応しており、月間600億を超える配信先に対して広告を届けることができる点も、ターゲティング精度の向上に寄与している。「UNIVERSE DATA PLATFORM」「UNIVERSE Ads」の連携により、顧客の業界業種に応じたマーケティングプロダクトの提供が可能となり、同社は複数の業界に特化したプロダクトを開発し、顧客へサービス提供を行っている。たとえばBtoBマーケティング支援「シラレル」は、企業の特定部門の役職者を推定し直接アプローチできるプロダクトである。人材業界に特化した「MARBLE」は、求職者のWeb行動履歴や関心領域を基に、潜在層へのリーチを可能にしている。飲料・食品業界に特化した「Pantry」は実店舗での購買データを活用し、広告が商品購買に与える影響を可視化できる。自動車業界に特化した「IGNITION」は、消費者の比較検討から購買直前までの段階に応じたアプローチが可能である。エンタメ業界に特化した「Circus」は、作品ジャンルや監督、俳優など消費者の趣味嗜好に基づいたマーケティングを可能にする。美容・化粧品業界に特化した「Vesta」は、美容への関心や購買行動を基に、広告配信から効果測定までを一括で支援する仕組みを備えている。医療・製薬に特化した「IASO」は、データを活用し特定の疾患予備軍を推定することで、疾患やワクチンの啓発活動を実施している。現在の業界特化型プロダクトは19業種に展開しており、特定の企業や業種に大きく依存しない仕組みを構築している。なお、「UNIVERSE」の収益モデルは従量課金型であり、顧客がマーケティング活動を行うたびに同社に支払われる広告費とデータ費が売上として計上される仕組みである。「UNIVERSE」では、同社が保有する多様なデータ資産を他社広告プラットフォームへ連携する取り組みを本格化させており、同社のデータ経済圏拡大に向けた重要な転換点を迎えている。従来は自社広告プラットフォーム「UNIVERSE Ads」を軸に、Webサイトやスマートフォンアプリへの広告配信が中心であったが、2025年度から大手SNSや動画プラットフォームへの配信が可能となったことで、データ活用の射程が一段と広がった。この連携強化により、「UNIVERSE」が保有する各種データの利用範囲が拡張し、広告主に対して提供できる価値も高まっている。他社プラットフォームから得られる収益は、これまでコンサルティングサービスのうち「その他」に区分されていたが、2025年度はデータ連携の強化に伴い販売を強化したことから、売上が前期比37.8%増、粗利も同33.8%増と大きく伸長した。組み換え分を反映した、UNIVERSEの「自社プラットフォーム」と「他社プラットフォーム」を合算した、第4四半期における売上高は15%増、粗利は23%増となった。2026年度はこの動きをさらに加速させる方針で、他社プラットフォームとの連携拡大を「UNIVERSE」の販売戦略における最優先テーマとして位置付ける。こうした事業領域の拡大を踏まえ、同社は2026年9月期より、事業セグメントを構成するサービス区分の見直しを実施する。これにより、他社プラットフォームから得られる収益は、データプロダクトサービスのうち「他社プラットフォーム」に区分される。これは「UNIVERSE」を主力事業とする戦略を明確化し、同事業が提供する価値範囲の拡張を報告区分にも反映させるものであると弊社では考える。(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司) <HN> 2025/12/26 11:03 注目トピックス 日本株 マイクロアド Research Memo(2):大量のデータから消費者行動を分析し、企業のデジタルマーケティングに貢献 *11:02JST マイクロアド Research Memo(2):大量のデータから消費者行動を分析し、企業のデジタルマーケティングに貢献 ■会社概要1. 会社概要マイクロアド<9553>は「Redesigning the Future Life(データとテクノロジーの力で未来を予測する)」というビジョンの下、データとテクノロジーの力によってマーケティングを変革し、人々の生活をより良く、より充実したものにすることを目指している。同社の強みは「膨大な消費者行動データを保有していること」「プライバシー保護に対応したデータ分析と商品開発力を有していること」「マネタイズ能力が高いこと」の3つに大別できる。これらの強みを有機的に結合することによって、大量のデータから消費者行動を分析し、顧客のデジタルマーケティングにおける課題解決に取り組んでいる。2025年9月期末時点において、(株)エンハンス、(株)cory、(株)UNCOVER TRUTHをはじめとする連結子会社15社を有する組織体制となっている。国内の事業所は東京本社のほか、大阪支社、福岡支社、名古屋支社、広島支社、仙台支社、北海道支社がある。なお、「デジタルサイネージサービス」を提供する(株)MADSは2024年11月に非連結化し、持分法適用会社となった。同社はデータプラットフォーム事業の単一セグメントであるものの、ビジネスモデルに応じた成長戦略を立案するために「データプロダクト」と「コンサルティング」の2つのサービスで事業展開している。(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司) <HN> 2025/12/26 11:02 注目トピックス 日本株 マイクロアド Research Memo(1):売上高・各段階利益ともに予想を上回る着地。利益創出の基盤が整う *11:01JST マイクロアド Research Memo(1):売上高・各段階利益ともに予想を上回る着地。利益創出の基盤が整う ■要約マイクロアド<9553>はデータとテクノロジーを活用して、顧客のマーケティング課題の解決を支援する企業である。同社の主力はマーケティングプロダクト「UNIVERSE」で、外部企業とメディアが保有する大量のデータを収集・蓄積、データから多種多様な特性を持つ消費者の購買行動を分析したうえで、顧客ごとに適切な広告配信を行っている。また、Webメディアにおける総合的な収益化支援を目的としたプロダクト「MicroAd COMPASS」などを提供している。海外子会社においてはデジタルマーケティングの総合的なコンサルティングサービスや訪日観光客向けインバウンドマーケティング支援なども手掛けている。1. 2025年9月期の業績概要2025年9月期の連結業績は、売上高が前期比14.3%増の15,670百万円、のれん償却費と株式報酬費を考慮した調整後営業利益が同109.0%増の784百万円、営業利益が同99.4%増の613百万円、経常利益が同80.2%増の531百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同31.0%減の195百万円となった。2025年9月期は生産性向上施策が想定を上回る効果を発揮し、期中に2回の上方修正を実施する結果に至った。特に、各段階利益は当初の計画を大幅に上回る水準まで拡大しており、生産性向上施策の進捗状況と効果が業績に確実に反映された期であったと弊社では高く評価している。2. 2026年9月期の業績見通し2026年9月期の連結業績は、売上高で前期比11.3%増の17,444百万円、のれん償却費と株式報酬費を考慮した調整後営業利益が同30.9%増の1,026百万円、営業利益で同33.0%増の815百万円、経常利益で同43.4%増の761百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同240.1%増の663百万円を見込んでいる。今後の成長イメージに関して、同社は総合データカンパニーとしての事業拡大を進めており、2025年9月期には新規事業としてBtoC領域における複数の物販事業を開始した。これに続いて2026年9月期は、BtoB領域における「UNIVERSE DATA PLATFORM」の新たな活用事業を積極的に推進する方針を示している。「UNIVERSE」は自社広告プラットフォームである「UNIVERSE Ads」への広告配信を基盤として発展してきたが、データ経済圏の拡大を目的とした取り組みが進んでいる。その中心となるのが、「UNIVERSE DATA PLATFORM」の他社広告プラットフォームへの連携推進であり、これにより大手SNSや動画プラットフォームへUNIVERSEの有する大量の消費行動データを活用した広告配信が新たに可能となる。既存サービスの深化だけでなく、「UNIVERSE」を軸とした新規領域への展開を通じて事業構造の広がりを図る姿勢が明確であり、中長期的な成長の拡大が期待されると弊社では見ている。3. 中長期の成長戦略同社は「アドテクノロジーの企業から、総合データカンパニーへ」というスローガンの下に、データ活用を軸とした中長期成長戦略を描いている。「データプロダクトの拡大」「新領域へのデータ活用」を基本戦略とし、業績の拡大と企業価値の向上を目指す。販売体制の強化と新製品の投入を継続的に実施することによって「UNIVERSE」の稼働アカウント数を増やし、人材投資によって付加価値の高い製品を継続的に生み出す質の高い人材プールを構築する。最終的には広告サービスという枠にとどまらず、保有している膨大なデータや分析技術を活用して新領域への積極参入へつなげる。最近でもインバウンド関連の新規サービスや海外消費者向けのIP(知的財産)とメーカー商品のコラボレーション企画・販売サービス、2025年6月に日本国内にローンチしたTikTok Shop関連の支援サービス、「UNIVERSE」関連の新規サービスなど、市場投入を続けている。■Key Points・2025年9月期は生産性向上施策により大幅増益・2026年9月期は増収増益見込み、本格的な利益創出フェーズへ・既存事業の成長と新領域へのデータ活用によってさらなる成長加速を目指す(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司) <HN> 2025/12/26 11:01 注目トピックス 日本株 プロディライト---「Telful」に新機能を追加 *10:41JST プロディライト---「Telful」に新機能を追加 プロディライト<5580>は25日、クラウド電話応対サービス「Telful(テルフル)powered by INNOVERA」において、IVR(音声自動応答)機能の強化と新機能の追加を実施したと発表した。今回のアップデートでは、従来1階層9分岐だったIVRの設定を9階層9分岐に大幅に拡張。これにより、複雑な問い合わせにも柔軟に対応可能な自動応答フローの構築が実現され、選択肢の分割によって案内時間の短縮と顧客満足度の向上が期待される。、営業時間帯ごとの案内切替や通話録音、転送、SMS送信といったアクションも設定可能なため、電話対応効率化のニーズに高いレベルで応えられるサービスとなった。さらに、IVRの設定画面は直感的なUIに刷新され、分岐の編集やガイダンスの設定、通知先の指定などが容易に操作できるよう改善された。加えて、設定方法に関する疑問を即時に解決できるよう、AIチャットボット機能を搭載。PR TIMES<3922>のカスタマーサポートツール「Tayori」を活用し、FAQに基づいた正確な回答を24時間365日提供可能な体制を整備した。 <NH> 2025/12/26 10:41

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