注目トピックス 日本株ニュース一覧

注目トピックス 日本株 グッドコムアセット---もみ合い、業績下方修正も記念優待実施発表などが下支えに *13:44JST グッドコムアセット---もみ合い、業績下方修正も記念優待実施発表などが下支えに グッドコムアセット<3475>はもみ合い。前日に25年10月期の業績予想下方修正を発表している。営業利益は従来予想の58.8億円から29.4億円、前期比46.1%減にまで下方修正。マンション価格の上昇を背景とした販売戸数の減少が背景に。大幅下方修正ではあるものの、第3四半期までの状況から一定程度の下振れは想定線、加えて、配当計画を据え置いていること、上場10周年を記念した株主優待の実施を発表したことなども下支えになっている。 <HM> 2025/12/09 13:44 注目トピックス 日本株 TOA---大幅反落、自己株式処分による希薄化をマイナス視 *13:38JST TOA---大幅反落、自己株式処分による希薄化をマイナス視 TOA<6809>は大幅反落。400万株の公募による自己株式の処分、並びに、60万株を上限としたオーバーアロットメントによる売出の実施を発表している。処分価格は16日から22日までの間に決定する予定。トータルの株式数460万株は、自己株式を除いた発行済み株式数の15.3%の水準となる。株式価値の希薄化をマイナス視する動きに。なお、調達資金は試験研究目的資金、本社改修工事の設備投資資金などに充当するもよう。 <HM> 2025/12/09 13:38 注目トピックス 日本株 コニカミノルタ---大幅続伸、国内証券では業績予想を上方修正して投資判断格上げ *13:33JST コニカミノルタ---大幅続伸、国内証券では業績予想を上方修正して投資判断格上げ コニカミノルタ<4902>は大幅続伸。岡三証券では投資判断を「中立」から「強気」に格上げ、目標株価も580円から840円に引き上げている。構造改革効果によって26年3月期営業利益は大幅に改善する見通しであるとし、456億円程度のコンセンサスを上回る530億円を予想している。今後も、収益性改善の取組によって、一定の利益水準は維持すると見込んでいるようだ。業績上方修正、中期計画の公表がカタリストになるとみている。 <HM> 2025/12/09 13:33 注目トピックス 日本株 PBシステムズ Research Memo(11):収益力強化で、企業成長と株主還元の両立へ *13:21JST PBシステムズ Research Memo(11):収益力強化で、企業成長と株主還元の両立へ ■株主還元ピー・ビーシステムズ<4447>は、株主に対する利益還元を経営上の重要課題の1つと位置付ける一方、さらなる拡大を目指す成長過程にあるため、経営体質の強化及び将来の事業展開のための内部留保の充実に重点を置く方針を取っていたが、足元の業績から株主への利益還元が可能と判断し、2024年9月期に初めて1株当たり10円の期末配当を実施した(配当性向は25.0%)。2025年9月期は、2025年8月12日付で期末配当を1株当たり10円~12.5円の期初予定から、20円へと大幅に引き上げた(配当性向は141.6%)。なお、2026年9月期からは中間配当を計画しており、中間配当10円、期末配当10円~12.5円(年間で20円~22.5円)を予想している。また、配当以外の株主還元策となる自社株買いについても2023年9月期以降加速しており、2025年9月期には521,200株、305,894,900円の自社株買いを実施した。株主還元はもちろんだが、新KGI「2030年9月期までにROE30%を達成、維持継続」を意識した、2025年9月期の利益低迷に伴うROE下支えの動きもあると弊社では見ている。2026年9月期は、売上高30億円台の回復とともに利益増加を計画しており、早期戦力化した人財による業績寄与が進む見通しもあることから、収益力の強化による株主還元とROE向上、結果として同社が決算補足資料に明示する「稼ぐ力の増強」と「株式価値向上」の同時実現に注目したい。投資家に企業理解を深めてもらい、中長期的に株式を保有してもらうことを目的として、毎年9月30日現在の株主名簿に記載または記録された株主を対象とする株主優待制度も導入している。新KGI策定に伴い2025年9月期からは、配当金などを中心に株主還元する方針に変更し、保有株式数にかかわらず100株以上保有する株主に対して一律で「QUOカード500円分、特製カレンダー1冊」を贈呈する。なお、優待内容は今後変更される可能性がある(毎年8月頃に優待内容について開示)。(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一) <MY> 2025/12/09 13:21 注目トピックス 日本株 PBシステムズ Research Memo(10):30億円台回復に向け成長戦略を再構築・推進(2) *13:20JST PBシステムズ Research Memo(10):30億円台回復に向け成長戦略を再構築・推進(2) ■ピー・ビーシステムズ<4447>の今後の見通し戦略3:スマートファクトリー人手不足などを背景とした製造業のDX需要を睨み、工場のスマート化を推進する。ターゲットを中堅・中小企業に据え、まずは直面するネットワークの老朽化や複雑化という課題に対し、基礎インフラ刷新ニーズに対応する。2024年8月にはアライドテレシス(株)と協業し、拡張性を持つシンプルな構成のネットワーク環境を構築して全館フルWi-Fi化を実現した。同時にアライドテレシスの統合管理ツール導入で、ネットワーク全体の可視化と自動復旧機能を備え、運用を開始した。同社の構想では、基盤技術導入という意味で第1フェーズをWi-Fi環境整備やネットワーク刷新とし、第2フェーズでローカルLLM/SLMの活用による一部スマートファクトリー化、最終段階となる第3フェーズではデータ活用・AI連携によるIoT・動画/画像監視分析、ロボティクスによる無人工場領域まで幅広く対応するフルスマートファクトリー化の支援を目指す。2025年9月期中には、(株)ロキテクノの実績をもとに第1フェーズに絡んだ引合いが複数あり、足元で受注に向けて提案を進めているようだ。また、第3フェーズについても、設備センサー連携を含む工場IoTシステムを活用したシステムマイグレーション案件について、パートナー企業と連携し具体的な商談が進行中と明かされており、同社が描いているスマートファクトリー支援会社としての実績づくりが大きく進展する期となりそうだ。2) エモーショナルシステム事業戦略1:MetaWalkers2025年7月に商業施設や文化施設の空間づくりを手掛ける丹青社<9743>と、MetaWalkersと丹青社の空間演出技術を融合した体験型コンテンツの可能性を探る実証実験を行った。4日間で丹青社関係者のMetaWalkers実体験を実施し、計約500名から意見やアイディアを募った。実証から小規模娯楽施設の全面VR化など実現可能性の高いアイディアも見られたようであり、今後新たな領域や用途が創出される可能性に期待したい。ほかにも、多様な領域の大手企業と連携し、各企業の専門性を生かしたMetaWalkersの活用法を探っている。現在、3Dシミュレーターやメタバースコンテンツの上映テストに着手しており、協業からの収益化を目指す。また、同技術の考案時より力を入れる防災領域では、2025年2月には(一社)AR防災と協業し「-災害を疑似体験-地震編」をリリースした。災害対策は国策となることから、まずは年間10件以上の防災イベント出展を目標として、イベント実績からの本体販売への進展を目指す考えである。戦略2:MetaAnywhere2セグメント3戦略のなかで、最も重要な戦略と見られるのが、この「MetaAnywhere」だ。従来のMetaWalkersには、箱型の強みがあった反面、プロジェクションの角度・距離制限、常設型で高コスト・大規模工事必須、天井構造や照明位置との干渉といった課題があったことで、顧客側からのニーズはあっても、実際には案件化できないこともあった。しかし、新たにリリースしたMetaAnywhereは、プロジェクションマッピングのアイディアに近く、180度・270度・壁面配置など柔軟な角度対応や簡易設置が可能なモジュール構造と高演出性を両立するなど、従来課題を解決する空間演出ソリューションとなっている。さらに特筆すべき点として、大規模なハード提供がなくほとんどがシステム構築となるため高い利益率が期待できる。リリース間もない2025年5月にはつくばエキスポセンターからの受注が決まり、続けてイベントや大型アミューズメントアトラクション案件を獲得するなど、同社としても将来性に強い期待感を持っている。また、製品の提供のみならず空間演出や映像制作も組み合わせる構想を持つほか、コンパクトな資金で短期間に設置できることから、顧客のコンテンツ需要に合わせたシステム更改などリピート率向上で定期的に収益寄与する可能性もあるだろう。エモーショナルシステム事業の黒字化、そして一段の成長を促す強力なツールとなるか弊社でも注目している。戦略3:企業・自治体向けメタバース同社は、仮想空間の最も有効な活用法として、現実に存在しない状況を体験できる場の提供が、顧客満足度の向上につながると予測している。それに呼応するように、最近では企業工場での安全教育でのメタバース活用の要望が見られている。例えば、机上の空論になりがちな再現不可能な事故の疑似体験や、それへの対応策の研修など、より実践的で臨場感のある環境の構築が想定される。近年の国内製造業では外国人財が従事するケースも多く、口頭でのコミュニケーションに困難を要する場面も想像され、このような実践的な安全対策活動は効果的になっていくかもしれない。さらに労働人口の高齢化も始まっており、厚生労働省が2026年4月に改正労働安全衛生法を施行し、高齢労働者の労災防止策を企業の努力義務とする流れも、企業向けメタバースの利用機会拡大につながる可能性もある。ほかにも、住宅販売でのメタバース活用の相談もあるようだ。2. 中長期の成長戦略同社は、足元で活発な議論が進んでいる東証グロース市場改革案や株式市場の環境変化に対応し、なおかつ一段の成長意欲を対外的に示すべく、従来のKGI(Key Goal Indicator)「2028年9月期までにセキュアクラウドシステム事業の営業利益率16%を達成」を改め、「2030年9月期までにROE30%を達成、維持継続」を新たなKGIとして採用した。「稼ぐ力の増強」と「株式価値向上」を念頭に置いた変更であり、新KGI達成のため「資本政策の強化と株主還元の向上」「成長戦略への積極投資」の2施策を展開していくことで、持続的な成長を実現する方針である。なお、同社の2025年9月期のROEは6.6%(前期比12.4ポイント減)、参考までに2025年3月期の東京証券取引所の情報・通信業のROE平均値は、プライム市場が10.6%(同2.3ポイント増)、スタンダード市場が10.8%(同0.7ポイント増)、グロース市場が5.8%(同1.5ポイント減)(日本取引所グループ)となる。(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一) <MY> 2025/12/09 13:20 注目トピックス 日本株 PBシステムズ Research Memo(9):30億円台回復に向け成長戦略を再構築・推進(1) *13:19JST PBシステムズ Research Memo(9):30億円台回復に向け成長戦略を再構築・推進(1) ■ピー・ビーシステムズ<4447>の今後の見通し1. 2026年9月期の業績見通し2026年9月期の業績は、売上高が前期比13.9%増の3,000百万円、営業利益が同96.3%増の245百万円、経常利益が同97.8%増の251百万円、当期純利益が同93.0%増の165百万円を計画する。今期は「成長への再スタートの年」と位置付け、引き続き2事業それぞれ3本の柱からなる成長戦略を進める(戦略詳細は後述)。市場環境及び自社の持続的な成長、人財強化などの観点から、新規顧客数の増加を第1目標に据え、売上高拡大を目指す。下準備は2025年9月期に粛々と進めており、首都圏の新規顧客数は前年比で約1.5倍まで増加させているもよう。狙いとしては、需要の見込める有力なターゲット市場や大手企業との取引でさらに実績を積み上げること、若手エンジニアの多種多様な実務経験の積み上げによる、稼働率及び技術力の向上などが挙げられる。当然ながら、若手人財を積極的に登用する組織拡大の動きも継続し、OJTによりベテランの技術力を伝達して一段の戦力化を図る。また、前期課題への対処という意味で、営業強化策としてセールスエンジニアを純増させるほか、エンジニアからセールスエンジニアへの配置転換を進め、技術力を顧客に100%訴求できる体制の構築を目指す。ハイブリッドクラウド構築技術を強みに持つ同社にとって、ハードウェア販売高は業績を大きく左右する。2025年9月期は前期比33.7%増の1,116百万円と過去最高で推移しており、「2025年の崖」関連需要の表面化に伴い、2026年9月期も増加が予想される。一方、シトリックス製品を含む高付加価値製商品に関しては、外部要因として、仮想基盤ベンダーによるライセンス体系や価格の変更などに伴う顧客での導入見送りなど、不透明な要素も意識される。こちらについては、中堅・中小企業向けを中心にシトリックス製品の国内販売を展開するCXJとの連携強化を筆頭に、ベンダー各社との関係進化も追い風としながら、案件を継続して受注していく考えである。各現場で人財の充実に伴い外注活用を減らしていく方針で、徐々に内製化率も高まりつつある。インフラ関連の基盤構築を手掛けるプラットフォーム部門では、システム構築において人財の経験値が重要となるが、実際にベテランから若手への技術伝達の仕組みが整いつつあり、外注は減少傾向にある。まだ人財の成長や先行投資の継続含め、企業改革の途上ではあるが、売上高及び利益面双方で着実な業績回復を見せられるか注目したい。1) セキュアクラウドシステム事業戦略1:基幹システムのハイブリッドクラウド化総務省の令和7年版情報通信白書によれば、国内民間企業の設備投資に占める情報化投資比率は、「2025年の壁」が指摘された2018年の15.2%から2020年のピーク18.1%を経て、2023年には17.5%と減少傾向を見せている。円安やインフレ進行に伴う価格高騰の市場環境を鑑みると、企業における「2025年の崖」対応には遅れが予想され、システムのモダン化需要はまだ多く残ると予想できるだろう。CXJとの協業を重点に置き、新パートナー契約を通じて連携を本格化させている。また、AI活用による既存システムの効率的なモダン化も推進している。通常、顧客社内でも解明できないレガシーシステム(アプリ)の刷新では、構築時のロジック保有者は不在のことが多く、詳細を読み解く難易度が高いためロジック解析に手間取り案件の初動を鈍らせる。その解決策として、2025年9月期に受注した食品製造業向け基幹システム案件ではAIを活用している。ロジック解明が高速化することで生産性が向上し開発期間が短縮され、高い顧客満足度と開発コスト削減を同時実現している。同案件が完工すれば、AI解析による基幹システムのモダン化の実績として、今後の開発案件に横展開していく方向でいる。さらに、同案件では顧客同意の上でパブリックAIを利用したが、情報セキュリティの観点からローカルLLM/SLM※の活用を目指し、現在ロジック解析に向けた実証実験を進めている。ローカルLLM/SLMでセキュリティ担保と短期間システム構築を実現すれば、顧客利益は最大化し、強い営業訴求力となるだろう。さらに、需要を囲い込み複数案件の開発を同時進行するなど新たな道も開ける可能性がありそうだ。※ クラウドを利用せず自社内で生成AIを運用する仕組みでセキュリティや応答速度に優れている。戦略2:サイバーセキュリティサイバー攻撃の多様化・高度化の加速が止まらないなか、同社では「一気通貫レジリエンス」を特徴とする総合セキュリティ対策サービス「サイバー忍法帖」の提案を推進している。顧客の規模や業種に応じ、コンサルティング提案から導入、保守まで要望に合わせてカスタマイズし、一貫対応する。サイバー攻撃の入り口で防御の仕組みを構築し、24時間365日体制で監視を続け、感染の際にはバックアップによるリストアで早期復元・回復を図る。2025年11月にはアクトとの連携強化を発表しており、「サイバー忍法帖」を中心としたセキュリティ対策の信頼性を高めるため、AI型EDR「Sentinel One」とアクトが運営するセキュリティオペレーションセンターを統合し、セキュリティ対策の強化、拡大を推進する計画である。実際、「Sentinel One」で既存顧客向けに中規模案件を受注しており、昨今の大企業の相次ぐサイバー被害増加という状況も追い風となることで、需要の取り込みが進むか注目したい。また、EDRの次の段階としてNDR※の需要も当然見据えていると見られ、「サイバー忍法帖」のポートフォリオ拡充について開示を待ちたいところだ。※ Network Detection and Responseの略で、ネットワーク全体を流れるトラフィックを監視・分析することで、脅威を検知・対応し、組織のネットワーク全体を俯瞰的に監視する。詳細は現段階で開示されていないものの、過去にレジリエンスソリューションにおける重要な戦略製品と位置付けていたDELLの「DP4400(※製造中止)」の後継ないし代替製品を選定中であるほか、効果的なオフラインバックアップに関しても、費用対効果が最大化する手法を検討している。なお、警察庁では、ランサムウェア被害で復旧期間が長引くほど費用が増加するというデータも公表しており、サイバー攻撃を想定したBCP(業務継続計画)の一環として、オフラインバックアップを推奨している。(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一) <MY> 2025/12/09 13:19 注目トピックス 日本株 PBシステムズ Research Memo(8):新規開拓進展、エモーショナル事業も好調 *13:18JST PBシステムズ Research Memo(8):新規開拓進展、エモーショナル事業も好調 ■ピー・ビーシステムズ<4447>の業績動向3. 2025年9月期のセグメント別業績動向2025年9月期のセグメント別業績は、セキュアクラウドシステム事業の売上高が前期比16.6%減の2,553百万円、セグメント利益が同63.5%減の144百万円、エモーショナルシステム事業の売上高が同70.4%増の81百万円、セグメント損益が19百万円の損失(前期は33百万円の損失)となった。セキュアクラウドシステム事業は、案件のクロージングに苦戦したものの、複数の業界で今後にもつながる案件を獲得し、収益を支えた。1つは「小売業大手向け高性能ハードウェア販売の大型案件」で、中間期での計上予定から第3四半期にズレこんだものの、無事に計上している。同顧客自体も事業基盤を拡大中とのことで、需要機会の増加が予想される。2つ目は、顧客内でのM&Aに伴う「グループ仮想基盤統合案件」で、こちらも業務システム連携などの需要継続がありそうだ。3つ目は受注残に含まれているが「ホームセンター向けの旧世代基幹システムのデータベース最新化及びデータ移行案件」だ。こちらも地方で増勢中の企業とのことで、今後の継続的な取引に期待できそうである。医療業界では、既存顧客の「医療法人向け仮想基盤更改案件」を受注した。同業界では近年の医療DXの流れに加え、こちらも金融業界同様セキュリティ重視の姿勢もあり、引き合いが徐々に出始めているもよう。また、同案件は、近年加速している仮想基盤での脱VMwareの流れからのものであり、代替ソリューションとしてHyper-V(Windows)を採用した。なお、脱VMwareとは、VMwareライセンス体系変更に伴い価格が上昇したことで、顧客が代替品へのブランドチェンジを進めることを指す。同社は今後も顧客での脱VMwareの流れは継続すると予想し、最適なソリューション提案を固めつつあるようだ。エモーショナルシステム事業については、MetaAnywhereは、短期間となったリリース初年度で売上30百万円計上と好調なスタートを切った。なかでも受注総額100百万円規模(期中計上は一部)の「大型アミューズメントパーク向けMetaAnywhere 案件」は、乗り物アトラクションでのバーチャル空間構築で、複数のプロジェクターを配置し、運行スケジュールに合わせ、不定形なオブジェクトに映像を映し出す仕組みを設計した。アトラクション自体が話題になれば、水平展開にもつながっていく可能性が生まれそうだ。MetaWalkersについては、本体販売数は計画に届かず、イベント売上中心となったが、イベント実施件数自体は倍増しており、認知は広がっている。また、2025年8月には、多摩26市の市長が任意に組織する「東京都市長会」の防災担当者交流プログラムでは、省スペース型の「MetaWalkers ATOM」を提供しており、防災関連での活用を推進する。なお、第3四半期に受注した「Fintech企業向けの基幹システム仮想化基盤の大型更改案件」は親交を深めているDELLを介した案件だが、DELLやCXJ(シトリックス)に限らず新規のベンダー各社と、連携を戦略的に推進している。足元では、IT専門商社や商社系ICT企業、インフラ系ベンダーなど、着々と関係構築を進めている。これら連携は、同社課題の営業力強化の一環ともなり、全国区で幅広い顧客層に事業展開する大手企業との連携により、事業基盤を広げる考えである。特にセキュアクラウドシステム事業部では首都圏をターゲットに強く推進しており、現在連携が加速している。受注残については、セキュアクラウドシステム事業において前期比20.0%減の617百万円、エモーショナルシステム事業では同673.6%増の95百万円と大幅に伸長している。合計では前期比9.2%減の712百万円となっているが、決算発表後にはモータースポーツ施設向けシューティングライドのリプレース案件を受注したことで、足元でのエモーショナルシステム事業の受注残は1億円を超えた。また、セキュアクラウドシステム事業でも新規顧客となる大手損害保険会社向け新規案件を受注したことを説明会資料の中で開示している。(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一) <MY> 2025/12/09 13:18 注目トピックス 日本株 PBシステムズ Research Memo(7):大型案件の反動をカバーできず苦戦、規模拡大投資は停滞させず *13:17JST PBシステムズ Research Memo(7):大型案件の反動をカバーできず苦戦、規模拡大投資は停滞させず ■ピー・ビーシステムズ<4447>の業績動向1. 2025年9月期の業績動向2025年9月期の業績は、売上高が前期比15.2%減の2,634百万円、営業利益は同65.5%減の124百万円、経常利益は同64.9%減の127百万円、当期純利益は同66.5%減の85百万円と、減収減益で着地した。第3四半期決算発表時に期初計画を下方修正しており、修正後計画比では、売上高が9.2%減、営業利益は22.0%減、経常利益は20.5%減、当期純利益は11.9%減となった。下振れ要因は、主力のセキュアクラウドシステム事業で、過去最高売上高を記録した2024年9月期のような大型案件がなく、それを埋めるための中規模案件のクロージングに苦戦したことである。インフレや円安影響によるハードウェア価格高騰からの顧客の投資判断の鈍りなど、市場環境によるところも大きいが、セールスエンジニアの数と経験の不足も一因であろう。同社の訴求点である技術を熟知した営業人財が不足し、引き合いに比してクロージングまで至らなかったものがやや増えたもよう。また、高付加価値製商品の中核となるシトリックス製品の売上減少からも打撃を受けた。これは、同社大口取引先に係る案件で、こちらも主に製品価格の値上げが顧客需要心理に影響を与えたようだ。一方、エモーショナルシステム事業では、リリースからわずかな期間でMetaAnywhereが売上高30百万円に達し、順調に貢献を見せている。顧客環境に合わせカスタマイズ対応したことで顧客の利便性と満足度を向上させ、引き合いは増加しており、2025年9月期の受注残も好調である。利益面では、減収を主因に苦戦したが、持続的な成長に向けた基盤固めのための先行投資となる、人財投資や技術開発拠点「エンジニアハビタット」増床などの設備投資も影響した。また、受注の減少が技術エンジニアの稼働率低下を招き、利益減少の一因となった。人財については、従業員数、エンジニア・セールスエンジニア数とも期初計画には至らなかったものの、それぞれ前期末比8名増、9名増と順調に増加したほか、2026年新卒は10名の内定が決定し、中途は2026年9月期に3〜4名の採用を計画するなど人財の拡充は進んでいる。新卒採用については、九州地域で国立大学から高等専門学校(高専)まで幅広く採用ルートを確立した点も成果と言えよう。2. 2025年9月期の財務状況2025年9月期末の資産合計は前期末比1,053百万円減の1,819百万円、負債合計は同769百万円減の666百万円、純資産合計は同283百万円減の1,152百万円となった。2025年9月期の収益落ち込みを主因に、資産では、現金及び預金が同72百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が同752百万円、商品及び製品が同84百万円、それぞれ減少した。負債でも同様に、買掛金が同632百万円減少した。また、2025年9月期に長期借入金を全額返済したことで有利子負債はなくなり、営業キャッシュ・フローベースのインタレスト・カバレッジ・レシオも前期末から大幅に改善し財務健全性が高まった。純資産は、自己株式の取得による減少が同2.8倍の472百万円あったものの、上記要因により総資産が同3分の2程度に圧縮されたこともあり、自己資本比率は63.4%と前期末比13.4ポイント上昇した。2025年3月期の東京証券取引所プライム市場の情報・通信業平均値31.4%(日本取引所グループ)と比較しても高水準にある。(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一) <MY> 2025/12/09 13:17 注目トピックス 日本株 PBシステムズ Research Memo(6):国内有数の「仮想化技術企業」として有名海外IT企業からも高い評価 *13:16JST PBシステムズ Research Memo(6):国内有数の「仮想化技術企業」として有名海外IT企業からも高い評価 ■強みピー・ビーシステムズ<4447>の社名にある「P」は「Powerful」、「B」は「Beautiful」、つまり力強く美しいシステムを指している。時代の流れに左右されず、可能な限り普遍的で、障害に強いシステムを作りたいという想いをその技術力で現実のものとしつつ、顧客の期待のさらにもう一歩先を考慮したシステム構築(ソリューション提案)を目指すことが創業時からの変わらぬ姿勢だ。そうした品質に対する強いこだわりは、パートナー企業から受けている高い評価からも明らかだ。シトリックス・システムズ・ジャパンから『Local King of the Year』として2017年に表彰、さらに『Best of Citrix Advisor Rewards/Net New Partner Sourced Award』を2017年、2018年と2年連続で受賞、2019年には国内初の『Technology Excellence Award』も受賞するなど、仮想化技術企業として評価を得ている。シトリックスのリセラー(正規販売代理店)は、「PLATINUM」をトップとする3ランクで構成されており、当然ながら同社は「PLATINUM」に位置し続け、2021年には新設された最上位の「PLATINUM PLUS」に認定された実績もある(※2023年3月のパートナー制度変更に伴い終了)。また、世界的にも知名度の高いMicrosoftやBroadcom、DELLからも同様に高い評価を受けているほか、国内IT企業とも多数のパートナー関係を構築している。2024年2月28日には、クラウド型ストレージの先進企業であるWasabi Technologies Japan(同)が開催したWasabi Partner Network 2024 Japanにおいて、『Cloud Visionary Award』を受賞した。なお、2024年11月にシトリックスを傘下に持つ米Cloud Software Group, Incと仮想デスクトップ製品の開発を手掛けるアセンテック<3565>が戦略的事業提携し、国内事業拡大に向け営業や技術支援を担当する(株)CXJを設立した。中堅・中小企業向け仮想デスクトップ市場での拡販を目指し、同社とCXJとの協業が本格始動しており、2025年6月にアセンテックと協働し、CXJ後援の自治体向けオンラインセミナーをメタバースで開催した。現在はCXJパートナープログラムにおける「Platinum」ランク企業として、CXJとの連携を深めることで、業績につなげていく考えである。(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一) <MY> 2025/12/09 13:16 注目トピックス 日本株 PBシステムズ Research Memo(5):クラウド化とセキュリティ対応で事業基盤を強化 *13:15JST PBシステムズ Research Memo(5):クラウド化とセキュリティ対応で事業基盤を強化 ■事業内容1. セキュアクラウドシステム事業ピー・ビーシステムズ<4447>の主力事業であるセキュアクラウドシステム事業は、一言で表現すればデジタルワーク推進からDXの実現までをクラウド技術力でトータルにサポートする。具体的には、単一企業・組織内で利用するクラウドを「プライベートクラウド」と呼ぶが、「システムのプライベートクラウド化」を核として事業を展開している。企業名で言えばCitrix、Broadcom(旧 VMware)、DELL、Microsoftなどの多様な選択肢のなかから、セキュリティ、ストレージ、サーバーなどのハードウェア商品及び各種ソフトウェア商品を含め、企業のDX実現の前提となる最適なクラウド基盤の提案を設計・構築・維持にとどまらずレジリエンスまで含めて行っている。また、近年大企業でも多数の事例があり、強く問題視されているのが「サイバー攻撃」だ。ランサムウェアや不正アクセスなどをはじめとした攻撃によって引き起こされるシステム障害からの回復力、システム自体の強靭化、つまり「レジリエンス」に対する実務レベルでの深い知見と豊富な実績を持っていることが同事業の特色の1つとして挙げられるだろう。BtoCで直接サイバーセキュリティ対策製品を開発・提供しているわけではないため、サイバーセキュリティ対策の専門家としての性格がややわかりにくい。しかし2025年3月から企業・自治体向けサービス「サイバー忍法帖」で、コンサルティングから防御・監視・バックアップまで一気通貫での提供を開始した。早速サイバー攻撃被害企業からの引き合いが来ており、レジリエンス支援の特性を強めている。多種多様な選択肢のなかから、基幹システムとの整合性なども踏まえて、顧客にとって最適な提案を行うことができるのは、独立系のSIerである同社の強みだ。2023年には、国内市場シェアで1位を獲得した実績もあるEDR※製品を有する「Cybereason」のパートナーに同社が加わったほか、2025年11月には急増するランサムウェア対策の強化を目的に、EDR製品「SentinelOne」と(株)アクトが運営するセキュリティオペレーションセンターを統合したソリューションの提案に向け、アクトとの協業も強化した。※ Endpoint Detection and Responseの略で、PCやサーバーといった「エンドポイント」を保護対象に、内部の挙動を常時監視し、不審な動きを検知・分析する。なお、同社は売上高100~500億円規模の中堅企業をメインターゲットとしてビジネス展開しており、近年は公共(自治体や各種団体など)領域での引き合いも増加している。同事業は、サーバーの仮想化や強靭なセキュリティ環境の構築を行う「プラットフォーム」、仮想化環境に特化し、現場から発生するニーズを満たした機能を製品化して販売を行う「プロダクツ」、老朽システムの刷新、業務ロジックのプログラミング、DXでデータ活用に必要となるデータベース構築を行う「カスタマイザー」の3区分で構成されている(約9割が「プラットフォーム」)。「MetaAnywhere」「MetaWalkers」の二本柱で需要取り込み2. エモーショナルシステム事業エモーショナルシステム事業は、360度スクリーンに3D映像を切れ目なく表示する特許(特許第4166260号:立体映像の投影方法及び立体映像の投影装置)をもとにした、没入感の高いVR空間を生み出す、体験共有型VRシアター「MetaWalkers(旧称:4DOH、2023年1月16日に変更)」シリーズを中心に製造販売する事業だ。2025年9月現在、同シリーズの常設設置箇所は遊園地を中心として、国内12ヶ所、海外1ヶ所、計13ヶ所(一般向けに利用公開されていない研究機関の国内設置先1ヶ所を含まず)。このほかに本社ショールームと東京オフィスにデモ機を設置しており、オフィスに訪れる既存顧客などへ試用を促して潜在需要を発掘している。MetaWalkersについては、もともと遊園地を中心としたアトラクション需要がメインだったものの、博物館や科学館での利用を皮切りに、可能性が拡大しており、コロナ禍を超えて防災や地方創生、介護医療及びスポーツ分野への活用が進みつつある。2025年9月期では、九州産業大学と九州産業大学造形短期大学部が開催した展示会でMetaWalkersによるトレーニングシステムを出展したほか、最近ではJFEスチール(株)西日本製鉄所が開催する防災展示会に採用され、開拓を進める防災領域で、公共団体以外での活用事例を作った。2025年9月期第2四半期決算発表時に「MetaAnywhere」の取り組みを公開した。180度、270度、壁面など既存の構築物にも柔軟な角度対応が可能なうえ、MetaWalkersのようなハードへの投資を要しない。Anywhereの名のとおり場所の制約が取り除かれ、システムさえ用意できれば“どこでも”動く3Dや2D映像をリアルかつインタラクティブに楽しめる。これにより顧客での導入が簡素化され、アイディア次第で気軽に投影対象や映像内容を変更可能となり、需要の変化に即した更改で顧客満足度を継続的に維持できるだろう。2025年7月の「つくばエキスポセンター」で初採用の後も、まつりイベントやアミューズメントパークで採用されるなど、顧客環境に合わせたフレキシブルな対応で好調なスタートを切っている。従来の「MetaWalkers」を没入感が求められる用途に展開し、「MetaAnywhere」を空間演出やある程度の臨場感が必要なライトな環境に提供するという二本柱で事業を進め、成長を促進する考えだ。(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一) <MY> 2025/12/09 13:15 注目トピックス 日本株 PBシステムズ Research Memo(4):サイバー攻撃被害の急増はビジネスチャンス *13:14JST PBシステムズ Research Memo(4):サイバー攻撃被害の急増はビジネスチャンス ■会社概要3. 事業環境まず、ピー・ビーシステムズ<4447>の主力事業であるセキュアクラウドシステム事業が対象としているクラウドサービス市場について概観しておく。総務省の令和7年版情報通信白書によれば、国内のパブリッククラウドサービス市場は成長を続けており、2024年には売上高で約4.1兆円(前年比26.1%増)となった。コストパフォーマンスや利便性に着目したオンプレミス環境からクラウドへの移行というIT業界のトレンドを背景として、今後も市場規模拡大が見込める事業分野であることがわかる。また、同じく令和7年版情報通信白書には2029年までの同市場の推計値について、世界各地の市場の成長が続くこともあり、日本国内では約8.8兆円まで拡大が見込まれているとの記載がある。なお、同推計はパブリッククラウドサービス市場に関するものであり、同社が得意とするプライベートクラウドの市場とそのまま重なるわけではないものの、世界のみならず日本国内においても、今後の情報通信技術の進歩や各種IT関連サービスの進化などによって、クラウド分野が成長を持続する確度は非常に高く、クラウドサービス市場は基本的に良好な成長市場であると弊社は見ている。このように、ビジネスにおけるクラウドの重要性が増すなか、同時にサービスの安定的な稼働、つまりセキュリティに気を配った基盤構築の必要性が不可避的に増している。そこで、サイバー攻撃(サイバーセキュリティ)の状況についても確認する。国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)がまとめた「NICTER観測レポート2024」では、「1IPアドレス当たりの年間総観測パケット数」をインターネットにおけるサイバー攻撃関連活動の活発度を表す指標として考えている。この数値を見ると、2017年では約57万パケットが観測されていたが、2024年には約242万パケット、つまり約4.2倍の数値となっており、サイバー攻撃が数年でどれだけ活発化しているのかが一目瞭然だ。2024年と2023年の比較でも前年比7.4%増と拡大を続けている。実際、多数の上場企業や官公庁がサイバー攻撃のターゲットとなり、多くの被害が報告されている。ランサムウェアに関しては、2025年9月に警察庁が公表した「サイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」で、2025年上半期の被害件数116件のうち66%が中小企業で、業種別では製造業が45%、卸売・小売業が14%と上位を占める。同社主要顧客の中小製造業、小売業が狙われやすい状況にある。また、最近では中小企業を足掛かりにサプライチェーンを経由して中堅・大企業を狙うケースや、そもそも大企業が身代金を支払わないため中小企業を狙うケースなど、いずれも中小企業のセキュリティ対策の薄さを突く攻撃が増加している。これら被害企業は、同社のターゲット顧客層にあたることから、需要獲得機会は多いことが窺える。なお、同社はこうした状況を踏まえて2022年にEmotet対策・サイバーレジリエンス構築サービスを、2025年3月には「サイバー忍法帖TM」(商標出願中)の提供を開始した。最後に今後中長期的に同社ビジネスの対象市場となるメタバース市場について簡単に触れておきたい。米国ではより顕著だが、国内においても既に巨額の投資資金がメタバース関連の領域に流入していることは明白だ。足元で社会的な関心が急激に高まっていることもあり、各調査会社が市場規模を推計しているが、いずれを見ても超巨大市場に成長することを示唆している。令和7年版情報通信白書では、世界のメタバース市場は、2022年に461億ドルだったものが2030年には5,078億ドルまで拡大すると予測しており、日本のメタバース市場についても、2021年度の793億円から2028年度には1兆87億円まで拡大すると予測している。メタバースの利用については、2025年5月に警察庁の情報技術解析部門が、入手したソースコードの解析のため仮想環境を構築し、ランサムウェアの暗号アルゴリズムや暗号化ファイルの構造などの解明に成功するなど、公共領域での活用も広がっており、長期目線ではあるものの、多方面での活用可能性が探られているようだ。(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一) <MY> 2025/12/09 13:14 注目トピックス 日本株 PBシステムズ Research Memo(3):技術を磨き続け、実績を積み上げて卓抜した存在に成長 *13:13JST PBシステムズ Research Memo(3):技術を磨き続け、実績を積み上げて卓抜した存在に成長 ■会社概要2. 沿革ピー・ビーシステムズ<4447>は、現 代表取締役社長である野村コンピュータシステム(株)(現 野村総合研究所<4307>)出身の冨田和久(とみたかずひさ)氏が1997年2月に創業した。2004年4月にはシトリックス・システムズ・ジャパン(株)と、シトリックス・ソリューション・アドバイザー/プラチナ契約を締結して、技術を磨き続けながら実績を積み上げ、シトリックス・ソリューションを筆頭に、システム仮想化やクラウド基盤構築などにおいて、卓抜した存在に成長している。また、2010年12月にはエモーショナルシステム事業を開始した。その後、2019年9月に福岡証券取引所Q-Boardに株式を上場すると、2020年に株主優待制度を導入、東京営業部も設置した。2022年10月には東京証券取引所グロース市場に上場するなど、着実にステップアップして、順調に上場企業として成長を続けている。2024年には本格的に首都圏での受注活動を加速するべく、東京オフィスを開設し、同年福岡に開発した技術開発拠点「エンジニアハビタット」を、人財拡充に伴い2025年7月には計3フロアに増床した。(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一) <MY> 2025/12/09 13:13 注目トピックス 日本株 PBシステムズ Research Memo(2):「ハイブリッドクラウドのプロフェッショナル集団」へ *13:12JST PBシステムズ Research Memo(2):「ハイブリッドクラウドのプロフェッショナル集団」へ ■会社概要1. 事業概要ピー・ビーシステムズ<4447>は、中堅企業をメインターゲットとしつつ、SaaS事業者、公共団体向けに各種情報システムを構築する、システム仮想化技術に精通したクラウド基盤構築力が強みの独立系SIerである。福岡を地盤に2024年1月からは本格的に首都圏エリアに進出し、2拠点体制で需要をカバーする。身近なところではデジタルワーク推進から、サイバーセキュリティに絡んだレジリエンス構築やDXの実現までをクラウド技術力でトータルにサポートするセキュアクラウドシステム事業を中核とする。VR空間を生み出す、体験共有型VRシアター「MetaWalkers」シリーズを製造販売するエモーショナルシステム事業との2軸構成でビジネスを推進している。2025年9月期には「MetaWalkers」の技術を進化させた、あらゆる場所に映像体験を届ける空間ソリューション「MetaAnywhere」をリリースした。また、メタバース事業も育成中である。同社は、これまで「少数精鋭のシステム仮想化のプロフェッショナル集団」を標榜してきた。しかし、さらなる成長に向け2024年9月期から規模拡大へと舵を切り、新たに「ハイブリッドクラウドのプロフェッショナル集団」へと変貌していくことを示している。例えば、構築から数十年が経過し硬直化しきって生産性も上がらないばかりか、DXのためのデータ活用も行うことができないシステム、積年の場当たり的な補強などによって複雑化・ブラックボックス化してしまったようなシステムを使用している日系企業は、想像以上に多い。その結果、もはや安易にクラウドへ移行ができない状態に陥っており、これを解消しなければ、2025年以降には経済損失が年間12兆円にまで拡大する可能性があるというのが日本経済が抱える「2025年の崖問題※」と呼ばれるものだ。旧式システムの抜本的変革を行うには、まずプライベートクラウドへの移行、そして「ハイブリッドクラウド」へさらに移行するという段階を踏んでいくのが基本となる。ハイブリッドクラウドとは、プライベートクラウドとパブリッククラウドを組み合わせて、それぞれの長所を生かすことで、顧客のデータ集約と利活用を顧客自身が自己管理できる基盤のことを指す。※ 経済産業省が2018年に発表した「DXレポート」で初めて使用された言葉で、DX推進しなければ競争力が低下し、2025年から年間で最大12兆円の経済損失が発生すると予測していること。ハイブリッドクラウドを実現する際にカギとなるのは、まず第1に基礎となるプライベートクラウド部分となるが、年々顧客が求めるクオリティも上がるプライベートクラウドを高水準で構築することができる国内SIerは実は多くない。理由としては、プライベートクラウドはSIerがハードウェアを設定しなければならず、その適切な設定には長年、つまり新旧の膨大なノウハウが必要となるからだ。また、プライベートクラウドへの移行が済んでいる、いわゆるDXが進んでいるような企業においても「クラウドロックイン」と呼ばれるような、コアコンピタンス(自社データ)が特定のパブリッククラウドに縛られてしまう新たな課題が表面化してきている。具体的には、新ビジネスへ自社データを活用できない、災害復旧時に高額のダウンロード費用が発生、料金体系が不利に変更されても他のクラウドへ乗換えが困難といったリスク状況に晒されるのだ。「2025年の崖問題」は、その名称から一見すると2025年が最大の山場のようだが、実際は旧式システムの抜本的変革が各社で進まない限り、経済的損失や事業継続リスクの危険な状態は高止まりし続ける。象徴的な解決策としてのハイブリッドクラウド、そのプロフェッショナル集団として同社は立ち位置をさらに高めていく。(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一) <MY> 2025/12/09 13:12 注目トピックス 日本株 PBシステムズ Research Memo(1):2025年9月期は減収減益、26年9月期は最高売上を目指す *13:11JST PBシステムズ Research Memo(1):2025年9月期は減収減益、26年9月期は最高売上を目指す ■要約1. 「ハイブリッドクラウド」のプロフェッショナル集団へピー・ビーシステムズ<4447>は、中堅企業をメインターゲットとしつつ、SaaS事業者、公共団体向けに各種情報システムを構築する、システム仮想化技術に精通したクラウド基盤構築力が強みの福岡を地盤とする独立系SIerである。サイバーセキュリティに絡んだレジリエンス構築やDX(デジタルトランスフォーメーション)の実現までをクラウド技術力でトータルにサポートするセキュアクラウドシステム事業を中核とする。また、VR(仮想現実)空間を生み出す、体験共有型VRシアター「MetaWalkers(旧称:4DOH)」シリーズを製造販売するエモーショナルシステム事業との2軸構成だが、新たに「MetaAnywhere」も開発した。2. 大型案件の反動をカバーできず苦戦、規模拡大投資は停滞させず2025年9月期の業績は、売上高が前期比15.2%減の2,634百万円、営業利益は同65.5%減の124百万円、経常利益は同64.9%減の127百万円、当期純利益は同66.5%減の85百万円と、減収減益で着地した。セキュアクラウドシステム事業で前期の大型案件を補うはずの中規模案件の受注が伸び悩んだことが主因である。背景にはインフレや円安に伴うベンダーの各種値上げやセールスエンジニアの数と経験の不足があった。一方、エモーショナルシステム事業では7月末にリリースした新しい空間ソリューション「MetaAnywhere」がわずかな期間で貢献し、同事業の赤字縮小に勢いをつけた。人財については、期初想定どおりに進まなかったとはいえ、従業員数は前期比8名増、エンジニア・セールスエンジニア同9名増と着実に増加した。3. 成長戦略をブラッシュアップ、売上高30億円台への回復を目指す2026年9月期の業績は、売上高が前期比13.9%増の3,000百万円、営業利益が同96.3%増の245百万円、経常利益が同97.8%増の251百万円、当期純利益が同93.0%増の165百万円を計画する。今期は「成長への再スタートの年」と位置付ける。市場環境及び自社の持続的な成長、人財強化などの観点から、新規顧客数の増加を第1目標に据え、売上高拡大を目指す。下準備は2025年9月期に粛々と進めており、首都圏の新規顧客数は前年比で約1.5倍まで増加させているもよう。また、前期課題への対処という意味で、営業強化策としてセールスエンジニアを純増させるほか、エンジニアからセールスエンジニアへの配置転換を進め、技術力を顧客に100%訴求できる体制の構築を目指す。■Key Points・2025年9月期は前期大型案件の反動を中規模案件でカバーしきれず先行投資が重しに・2026年9月期は成長戦略のブラッシュアップで過去最高水準の売上高30億円台回復を目指す・顧客基盤拡大からの売上増加に向け、営業力強化と若手人財の一段の戦力化がポイントに(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一) <MY> 2025/12/09 13:11 注目トピックス 日本株 日経平均寄与度ランキング(前引け)~日経平均は続伸、アドバンテストが1銘柄で約45円分押し上げ *12:49JST 日経平均寄与度ランキング(前引け)~日経平均は続伸、アドバンテストが1銘柄で約45円分押し上げ 9日前引け時点の日経平均構成銘柄の騰落数は、値上がり100銘柄、値下がり122銘柄、変わらず3銘柄となった。日経平均は続伸。106.26円高の50688.20円(出来高概算10億3533万株)で前場の取引を終えている。前日8日の米国株式市場は下落。ダウ平均は215.67ドル安の47739.32ドル、ナスダックは32.22ポイント安の23545.90で取引を終了した。ダウ・ナスダックともに上昇して始まるも下落に転じ、その後マイナス圏でのもみ合いとなった。市場は9日から始まるFOMCでは追加利下げを織り込んでいるが、会合後に発表されるFOMCメンバーによる最新の経済見通しや金利予測分布図(ドットチャート)で来年以降の利下げシナリオを見極めたいとするムードが強まった。セクター別では半導体・同製造装置が上昇、家庭・パーソナル用品が下落した。米株式市場の動向を横目に、9日の日経平均は95.42円高の50677.36円と続伸して取引を開始した。寄付き直後は前日の米国安と若干の警戒感があったものの、国内では輸出関連やハイテクなど一部を中心に買いが先行し、午前中にかけて安定した値動きとなった。為替も大きな変動は見られず、需給では持ち高整理後の買い戻しの動きが意識されたようだ。市場関係者の間では、年末に向けたポジション調整とする見方もあった。個別では、アドバンテスト<6857>、東エレク<8035>、ファナック<6954>、イビデン<4062>、ディスコ<6146>、レーザーテク<6920>、塩野義<4507>、ソフトバンクG<9984>、安川電<6506>、ソニーG<6758>、住友電<5802>、第一三共<4568>、富士フイルム<4901>、リクルートHD<6098>、良品計画<7453>などの銘柄が上昇。一方、ファーストリテ<9983>、TDK<6762>、ダイキン<6367>、コナミG<9766>、任天堂<7974>、トレンド<4704>、信越化<4063>、ベイカレント<6532>、バンナムHD<7832>、テルモ<4543>、三井不<8801>、住友不<8830>、オリンパス<7733>、菱地所<8802>、スズキ<7269>などの銘柄が下落。業種別では、医薬が上昇、ゴム製品や電気機器、機械、非鉄金属も堅調だった。一方で、水産・農林、鉱業、鉄鋼、建設、パルプ・紙、その他製品、不動産などが軟調で、セクター間で明暗が分かれた。値上がり寄与トップはアドバンテスト<6857>となり1銘柄で日経平均を約45円押し上げた。同2位は東エレク<8035>となり、ファナック<6954>、イビデン<4062>、ディスコ<6146>、レーザーテック<6920>、塩野義薬<4507>などがつづいた。一方、値下がり寄与トップはファーストリテ<9983>となり1銘柄で日経平均を約30円押し下げた。同2位はTDK<6762>となり、ダイキン<6367>、コナミG<9766>、任天堂<7974>、トレンド<4704>、信越化<4063>などがつづいた。*11:30現在日経平均株価    50688.20(+106.26)値上がり銘柄数   100(寄与度+284.50)値下がり銘柄数   122(寄与度-178.24)変わらず銘柄数    3○値上がり上位銘柄コード 銘柄       直近価格 前日比 寄与度<6857> アドバンテ      20420   170  45.46<8035> 東エレク       33570   410  41.11<6954> ファナック      6128   221  36.94<4062> イビデン       13265   525  17.55<6146> ディスコ       50030  2570  17.18<6920> レーザーテック    32510   750  10.03<4507> 塩野義製薬     2776.5  91.5  9.18<9984> ソフトバンクG    18700    45  9.02<6506> 安川電機       5025   214  7.15<6758> ソニーG        4341    41  6.85<5802> 住友電気工業     7135   194  6.48<4568> 第一三共       3493    64  6.42<4901> 富士フイルム     3323    45  4.51<6098> リクルートHD     8134    38  3.81<8015> 豊田通商       5119    35  3.51<7453> 良品計画       2994  52.5  3.51<7751> キヤノン       4642    66  3.31<8001> 伊藤忠商事      9457    94  3.14<3659> ネクソン       3818    45  3.01<2801> キッコーマン     1392  12.5  2.09○値下がり上位銘柄コード 銘柄       直近価格 前日比 寄与度<9983> ファーストリテ    55770  -380 -30.48<6762> TDK        2413   -33 -16.55<6367> ダイキン工業     19435  -325 -10.86<9766> コナミG       22735  -290  -9.69<7974> 任天堂        12060  -260  -8.69<4704> トレンドマイクロ   6885  -226  -7.55<4063> 信越化        4768   -42  -7.02<6532> ベイカレント     6603  -205  -6.85<7832> バンナムHD      4296   -68  -6.82<4543> テルモ        2349  -20.5  -5.48<8801> 三井不動産     1755.5  -43.5  -4.36<8830> 住友不動産      7469  -107  -3.58<7733> オリンパス     2058.5   -20  -2.67<8802> 三菱地所       3745   -75  -2.51<7269> スズキ        2312  -18.5  -2.47<2413> エムスリー     2183.5  -28.5  -2.29<6645> オムロン       4050   -67  -2.24<7741> HOYA       23795  -130  -2.17<5713> 住友金属鉱山     5349  -120  -2.01<5803> フジクラ       18395   -60  -2.01 <CS> 2025/12/09 12:49 注目トピックス 日本株 東邦ガス Research Memo(6):自己株式取得(年間300億円規模)等の施策を加速 *12:36JST 東邦ガス Research Memo(6):自己株式取得(年間300億円規模)等の施策を加速 ■成長戦略・トピック1. 中期経営計画(2026年3月期~2028年3月期)で経常利益300億円を目指す東邦ガス<9533>は、2026年3月期を初年度、2028年3月期を最終年度とする3ヶ年の中期経営計画を遂行している。グループビジョンでは、「地域におけるゆるぎないエネルギー事業者」として多様なエネルギーの提供者であることとともに、「エネルギーの枠を超えた、くらし・ビジネスのパートナー」とうたっており、課題解決型ビジネスの深耕と、他分野との連携による事業領域の拡大を目指す。基本戦略としては、経営資源配分の見直しを加速し、事業構造の変革を推進する。コア事業の収益力を強化しつつ、そこで得たキャッシュを戦略事業に積極投資し成長する計画である。新中期経営計画の利益目標は、連結経常利益で300億円(2028年3月期)である。足元の経常利益の実力値を250億円と想定し、そこから50億円伸ばす計画である。中期経営計画期間においては様々な費用の上昇(物価、賃金、利払い等)が想定されるなか、コア事業の効率化、収益力強化を継続しつつ、戦略事業(電気、海外、地域を基点とした課題解決型ビジネス)の成長による収益向上を目指す。2. コア事業及び戦略事業における進捗状況同社のコア事業は、都市ガス事業及びLPG事業であり、安定的なキャッシュフローの創出を目指し、サプライチェーンの各段階での取り組みを推進する。2026年3月期中間期は、都市ガス・LPGともに顧客数が増加し、順調に顧客基盤が拡大した。また、先行投資としてスマートメーターの設置に注力しており、短期的にはコスト増となるものの、中期的には検針の効率化などによるメリットが大きい。戦略事業として、電気事業、海外事業、地域を基点とした課題解決型ビジネス群を挙げている。特にガス事業で培った強み(基盤・技術・知見)を存分に生かせる電気事業、海外事業は次世代の利益成長の原動力として有力である。電気事業は既に売上規模で1,000億円に達しており、2025年3月期に黒字化も達成し好調に推移している。中期経営計画期間には、競争力のある電源の構築、再エネ開発の推進、営業ソリューション多様化などに取り組む。自前の大規模電源の開発に関しては、2029年稼働に向けて準備が進んでいる。海外事業では、これまでに天然ガスや再エネの普及拡大を通じて、各地域の低・脱炭素化に貢献しており、2026年3月期は東南アジアを中心とした投資を進めている。地域を基点とした課題解決型ビジネス群は、同社のセグメントでは、主に「その他」に分類される。くらし・行政サポート、エンジニアリング、まちづくり・不動産開発、情報サービス、アグリ・フードの5分野において、エネルギー事業での強みを生かして、地域のくらしやビジネス、自治体等とのWin-Winの関係・共生につながる課題解決型ビジネスの深耕を図る。実績の一例としては、アグリ・フードにおけるサーモンの陸上養殖やシャインマスカット育成・販売などが挙げられる。3. 中期的に自己資本4,000億円を目安に、自己株式取得(年間300億円規模)等の施策を加速同社は2024年4月に「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」を公表し、PBR(株価純資産倍率)の向上のために、資産効率の向上や適切な資本構成を目指している。資産効率の向上においては、各事業の収益性を高めるほか、政策保有株式の売却スピードを加速する。具体的には、保有意義の薄れたものを中心に、当面は2024年3月末の残高に対し、評価額ベースで約1/3程度の売却を進める。適切な資本構成としては、自己資本の目安とする水準を4,000億円とし、2028年3月期末に達成を目指している。直近の自己資本は、2025年3月期末で4,483億円、2025年9月末で4,567億円と4,500億円前後で推移している。中期的に約500億円の低下を計画しているが、そのドライバーとなるのが、自己株式の取得である。2025年3月期には300億円の自己株式を取得した実績があり、2026年3月期も同額を計画する(上期150億円取得済)。2026年3月期中間期で言えば、配当総額39億円に対して、150億円の自己株式取得が行われており、その規模の大きさがわかる。高水準の自己株式の取得が中期的に続くと予想されるため、株主にとっては充実した株主還元が期待できる。■株主還元策2026年3月期は前期比10円増の年90円の配当を予想同社は、経営基盤の強化と安定配当を利益配分に関する基本方針としている。中期経営計画の計画期間(2026年3月期~2028年3月期)においては、利益成長とともに累進的な増配を計画している。また、自己株式の取得を進め、2028年3月期末の自己資本4,000億円を目安に最適化を図る(2026年3月期中間期末の自己資本は4,567億円)。2026年3月期は、配当金90円(前期比10円増配、中間45円済、期末45円予想)、配当性向31.4%を予想する。2026年3月期も上期150億円(取得済)、下期150億円(2025年9月公表)の自己株式の取得が進行しており、総還元性向は100%超に高まる想定となっている。同社の株主優待は、3月末に6ヶ月以上継続して100株以上保有している株主に対して、保有株式数・保有期間に応じて「株主優待ポイント」を進呈する制度である。株主優待ポイントを利用して、同社とつながりのある地域の名産品との交換や、同社のガス・電気料金の支払いに充当できる。2年連続で株主優待制度を拡充しており、2025年3月期に関しては、進呈される株主優待ポイントが3,000~6,000ポイント増加された。(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫) <HN> 2025/12/09 12:36 注目トピックス 日本株 東邦ガス Research Memo(5):2026年3月期中間期は増収増益 *12:35JST 東邦ガス Research Memo(5):2026年3月期中間期は増収増益 ■業績動向1. 2026年3月期中間期の業績概要東邦ガス<9533>の2026年3月期中間期の連結業績は、売上高が前年同期比4.7%増の307,161百万円、営業利益が同24.7%増の23,817百万円、経常利益が同17.1%増の26,734百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が同12.5%増の20,236百万円となり、増収増益となった。売上高に関しては、主力のガス事業で前年同期比4.9%増の200,925百万円と堅調に推移した。都市ガスの顧客数は前年同期末比2千件増の1,754千件、販売量は前年同期比0.9%減の1,569百万m3となった。販売量微減の要因としては、業務用等では顧客設備の稼働が前年同期を下回ったこと等がある。LPG・その他エネルギー事業の売上高は、同2.4%減の43,168百万円となった。LPGの顧客数は同30千件増、販売量は同0.9%増の211千トンとなった。電気事業の売上高は、同8.5%増の50,211百万円と順調に増加した。電気の顧客数は同42千件増、販売量は同4.4%増の1,430百万kWhと増加した。その他事業の売上高は、同9.2%増の26,915百万円と伸長した。利益に関しては、ガス事業でのスライドタイムラグ(原材料費と売上高の期ずれ差益、前年同期比で約50億円増)など原料関連の市況変動等の影響(原油価格、為替レートの影響含む)が前年同期比約35億円増となったことが、営業増益の主な要因となった。販管費に関しては、販管費率で前年同期並みの21.3%とコントロールされている。特別利益として政策保有株式の売却益1,384百万円が計上されている。自己資本比率は60.0%で健全かつ安定した財務基盤2. 財務状況と経営指標2026年9月期末の資産合計は前期末比2,053百万円増の760,818百万円となった。そのうち固定資産は13,587百万円増であり、投資その他の資産が20,256百万円増加したことが主な要因である。流動資産は11,534百万円減であり、有価証券が増加(22,000百万円増)するなか、現金及び預金(18,423百万円減)、受取手形、売掛金及び契約資産(16,890百万円減)がそれぞれ減少したことが主な要因である。負債合計は前期末比6,295百万円減の304,075百万円となった。そのうち固定負債は627百万円減、流動負債は5,668百万円減であり、未払費用及び未払金等が減少したことが主な要因である。有利子負債残高は前期比1,109百万円減少して152,279百万円となった。純資産合計は同8,348百万円増加の456,743百万円、自己資本比率は60.0%(前期末は59.1%)となり、健全な財務基盤を堅持している。また、同社は自己資本について4,000億円を目安に最適化すべく、中期的に自己株式の取得を進めている。■今後の見通し2026年3月期は、経常利益で前期比1.8%増の33,000百万円を予想。中間期の好業績を反映し上方修正2026年3月期通期の連結業績は、売上高が前期比4.0%減の630,000百万円、営業利益が同12.6%減の27,000百万円、経常利益が同1.8%増の33,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同6.1%増の27,000百万円と、減収及び経常増益を予想しており、中間期の好業績を反映して売上高・各利益ともに上方修正した。売上高に関しては、原材料費の低下に伴う都市ガス販売価格の低下などが予想されるため、前期比260億円の減収を見込む。都市ガスの顧客数は、前期末比7千件増の1,757千件、販売量は3,279百万m3(前期比2.1%減)を予想する。LPGの顧客数は、前期末比2千件増の648千件、販売量は前期比1.9%増の483千トンを予想する。電気の顧客数は、前期末比35千件増の727千件、販売量は前期比0.8%増の2,838百万kWhを予想する。営業利益に関しては、ガス事業において、スライドタイムラグの影響(前期比で40億円増)、経費の減少(同30億円)などプラス要因があるものの、原材料在庫の受払差(同15億円減)、その他の原料関連の市況変動等のマイナスの影響が上回り、合計で同45億円の減益要因となる。2026年3月期の原油価格は前期比10.6ドル安の71.8ドル、為替レートは、同2.1円高の150.5円を予想している。経常利益に関しては、営業外収支が改善するため、前期比588百万円増(1.8%増)を見込む。前期と同様に、政策保有株式の売却も進めており、投資有価証券売却益(特別利益)の計上も期待できる(中間期実績1,384百万円)。弊社では、同社の計画精度が高いこと、足元のエネルギー価格の動向が予想の範囲からやや下降トレンドで推移していることなどから、2026年3月期の業績予想は十分達成可能であると考えている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫) <HN> 2025/12/09 12:35 注目トピックス 日本株 東邦ガス Research Memo(4):エネルギーと非エネルギー領域で事業基盤を拡大し成長 *12:34JST 東邦ガス Research Memo(4):エネルギーと非エネルギー領域で事業基盤を拡大し成長 ■東邦ガス<9533>の事業概要3. LPG・その他エネルギー事業:特徴と業績動向LPG・その他エネルギー事業は、1959年に開始された事業である。愛知県、岐阜県、三重県のエリアのほかに静岡県、長野県、北陸エリアなど広域に展開する。子会社の東邦液化ガス(株)等では、LPG販売、LPG機器販売、LPG配管工事及びコークス・石油製品販売等を行っており、配送や回収などの物流が伴うのが本事業の特徴である。LPG・その他エネルギー事業の売上高は2021年3月期以降増加傾向で推移している。その前提となる顧客数が年平均成長率で2.1%増と推移しており、それに伴って販売量もほぼ一定の水準で推移している。セグメント利益の変動も緩やかであり安定している。一方でセグメント利益率では、2.6%(2025年3月期通期)と水準としては低い傾向にある。2026年3月期中間期の売上高は前年同期比2.4%減の43,168百万円となった。セグメント損失は前年同期比378百万円拡大して458百万円となった。4. 電気事業:特徴と業績動向同社は、2016年に一般家庭向けの電力小売りが自由化されたのを機に電気事業に参入した。10年目を迎えた現在では、約1,000億円の事業規模、顧客数で約70万件と、長い歴史を誇るLPG事業に匹敵する規模に成長した。都市ガスやLPGで蓄積した顧客接点を生かし、ガスと電気を組み合わせた提案を営業上の強みとしている。電気事業の売上高は2021年3月期以降、上下動を伴いながらも増加基調にある。前提となる顧客数が年平均成長率で12.1%増と推移しており、それに伴って販売量も増加傾向である。過去の営業利益の変動は激しく、一例として、2023年3月期にはロシア・ウクライナ紛争などによる市場価格の高騰が発生し、電力仕入価格が上がり同社の営業利益が大きく落ち込んだ。同社では、複数社からの分散調達や契約年度や期間の分散、相対契約とスポット調達の組み合わせといった収支改善に向けた取り組みを強化してきた結果、2025年3月期に通期黒字化を達成した。2026年3月期中間期の売上高は前年同期比8.5%増の50,211百万円、セグメント利益では同3.1%減の1,242百万円と堅調に推移している。5. その他事業:特徴と業績動向同社は、2030年代半ばに目指す姿の1つとして「エネルギーの枠を超えたくらし・ビジネスのパートナー」を掲げている。現在進行中の中期経営計画においては、エネルギー以外の戦略として「地域を基点としたビジネスの深耕」を挙げ、具体的には、1) くらし・行政サポート、2) エンジニアリング、3) まちづくり・不動産開発、4) 情報サービス、5) アグリ・フードの5分野を設定した。地域価値創造ビジネス群の事業利益としては、2028年3月期に50億円を目指している。主体としては、不動産の管理・賃貸の東邦ガス不動産開発(株)、プラント・設備の設計施工を行う東邦ガスエナジーエンジニアリング(株)、情報処理・サービスの提供を行う東邦ガス情報システム(株)などである。また、海外事業もこのセグメントに含まれる。その他事業の売上高は2021年3月期以降上昇トレンドで推移しており、収益性も高くセグメント利益率は2025年3月期に9.2%に達し、エネルギー関連事業を上回っている。2026年3月期中間期の売上高は前年同期比9.2%増の26,915百万円となった。セグメント利益では、同19.9%増の2,905百万円と順調に事業規模を拡大した。(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫) <HN> 2025/12/09 12:34 注目トピックス 日本株 東邦ガス Research Memo(3):大黒柱のガス事業とLPG関連事業が中核 *12:33JST 東邦ガス Research Memo(3):大黒柱のガス事業とLPG関連事業が中核 ■東邦ガス<9533>の事業概要1. 同社の強み同社の強みは、多様なエネルギーの提案と提供、地域の顧客接点と信頼関係、安定供給を可能にする人的資源などであり、これまでの歴史・経験のなかで培われたものである。カーボンニュートラルが求められる時代に入り、顧客先での多様なエネルギーや技術の知見を生かした具体的なソリューション提案に加え、電気事業など新しい事業の顧客開拓におけるガス事業での顧客基盤を大きな強みとしている。これまでのサービスを通じて蓄積してきた各種の経営資本(財務資本、製造資本、知的資本、人的資本、社会・関係資本、自然資本)を有しており、ソリューション提案力の源泉となっている。2. ガス事業:特徴と業績動向ガス事業は、創業期から続く都市ガスの供給に関連する一連の業務であり、同社の屋台骨を支える事業である。愛知県、岐阜県、三重県のエリアでガスの製造及び販売並びにガス器具の販売に加え、子会社を通じてガスの託送供給、ガス供給のための配管工事、コールセンター及び料金事務業務なども行っている。また、子会社の水島瓦斯(株)は、岡山県内においてガスの製造、供給及び販売等の事業を行う。ガス事業の売上高は2021年3月期以降比較的安定して推移してきた。ガス事業の販売量が2019年3月期以降微減傾向で推移するなかで、原料の調達価格の上昇に起因した価格の上昇が増収トレンドに影響していると考えられる。また、平年より気温が高い近年の環境においては、給湯で使用されるガスの使用量が低下する傾向にある。セグメント利益は変動幅が相対的に大きいが、これも原材料価格の変動に伴うタイムラグの影響が大きい。同社の事業に対する2025年10月以降の原油価格の感応度(年間)は1ドル/バレル上昇で営業利益約2億円のマイナス、為替レート(ドル円)1円上昇で営業利益約2億円のマイナスとなる。2026年3月期中間期は、顧客数、販売量が横ばいのなか、売上高は前年同期比4.9%増の200,925百万円と微増となった。セグメント利益では、スライドタイムラグ(原材料費と売上高の期ずれ差益)など原料関連の市況変動等の影響が前年同期比で約35億円の増益要因となり、全体として、同33.2%増の19,317百万円となった。(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫) <HN> 2025/12/09 12:33 注目トピックス 日本株 東邦ガス Research Memo(2):都市ガス、LPG、電気、周辺事業を展開する総合エネルギープロバイダー *12:32JST 東邦ガス Research Memo(2):都市ガス、LPG、電気、周辺事業を展開する総合エネルギープロバイダー ■会社概要1. 会社概要東邦ガス<9533>は、愛知県、岐阜県、三重県を地盤に、都市ガスからLPG、電気、周辺事業を展開する総合エネルギープロバイダーである。基本理念は「東邦ガスは、グループ各社とともに、人々との信頼のきずなを大切にし、うるおいと感動のあるくらしの創造と魅力にあふれ、いきいきとした社会の実現に寄与します。」であり、地域社会への貢献を実践している。2022年に100周年を迎えた歴史ある企業であり、時代とともにエネルギーの原料転換(石炭→石油→天然ガス)を経験し、脱皮を繰り返してきた。グループビジョンや現在進行中の中期経営計画では、電気事業や海外事業、さらにはエネルギー事業の枠を超えた分野の成長も計画している。都市ガス事業においては、東京ガス、大阪ガスとともに業界トップ3社の1社であり、ものづくり産業が盛んな東海3県において、業務用の販売量が多いのが同社の特徴である。子会社32社及び関連会社40社、従業員数6,074名を擁し(2025年3月期末時点)、都市ガス、LPG、電気のトータルで地域の顧客約310万件(2025年9月末)にエネルギーを提供している。2. 沿革同社の創業は、100年以上前の1922年であり、初代社長の岡本桜氏が都市ガス事業を開始した。当時の原料は石炭であった。会社の新設や合併により営業地域を増やし東海3県及び岡山県で基盤を固め、1949年には東京・名古屋及び大阪の証券取引所に上場した。1959年にはLPG事業を開始し、営業エリアの拡大を開始した。1960年以降、ガスの原料を次第に石炭から石油へ転換し、さらに1993年には天然ガスへの転換を完了した。2012年には豪州イクシスLNGプロジェクトに参画し、海外展開を開始した。現在では、豪州とシンガポールに拠点を持ち、アジア及び北米を中心にプロジェクトを推進する。2016年には、電力の小売り自由化とともに電気事業に参入し、現在では次代を担う柱に成長した。2022年の東京証券取引所及び名古屋証券取引所の市場区分の見直しでは、東京証券取引所プライム市場及び名古屋証券取引所プレミア市場にそれぞれ移行した。3. 事業内容同社の事業セグメントは、ガス事業、LPG・その他エネルギー事業、電気事業、その他事業に分かれる。ガス事業では、主に愛知県、岐阜県、三重県、岡山県において、都市ガスの製造・販売、ガス器具の販売、ガスの託送供給、ガス供給のための配管工事など一連の業務を行っている。全社売上高の構成比で62.6%(2026年3月期中間期、以下同)、セグメント利益で84.0%を占め、全社の業績を支える存在である。LPG・その他エネルギー事業は、LPG販売、LPG機器販売などのほかに、LNG販売、熱供給事業を行っている。全社売上高の構成比で13.4%、セグメント利益で-2.0%である。電気事業は、電気の販売を行っており、全社売上高の構成比で15.6%、セグメント利益で5.4%と足元の収益は小さいが成長性が高い。その他事業は、不動産の管理・賃貸、プラント・設備の設計施工、CN×P事業(CN化支援事業)、情報処理サービスの提供、車両・設備機器等のリース、海外における天然ガス等に関する開発・投資等、多様な事業を行っている。全社売上高の構成比で8.4%、セグメント利益で12.6%と収益貢献度が高い。(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫) <HN> 2025/12/09 12:32 注目トピックス 日本株 東邦ガス Research Memo(1):2026年3月期中間期は増収増益。エネルギー各事業で顧客数増加 *12:31JST 東邦ガス Research Memo(1):2026年3月期中間期は増収増益。エネルギー各事業で顧客数増加 ■要約東邦ガス<9533>は、愛知県、岐阜県、三重県を地盤に、都市ガスからLPG、電気、周辺事業を展開する総合エネルギープロバイダーである。基本理念は「東邦ガスは、グループ各社とともに、人々との信頼のきずなを大切にし、うるおいと感動のあるくらしの創造と魅力にあふれ、いきいきとした社会の実現に寄与します。」であり、地域社会への貢献を実践している。2022年に100周年を迎えた歴史ある企業であり、時代とともにエネルギーの原料転換(石炭→石油→天然ガス)を経験し、脱皮を繰り返してきた。都市ガス事業においては、東京ガス<9531>、大阪ガス<9532>とともに業界トップ3社の1社であり、ものづくり産業が盛んな東海3県において、業務用の販売量が多いのが同社の特徴である。子会社32社及び関連会社40社、従業員数6,074名を擁し(2025年3月期末時点)、都市ガス、LPG、電気のトータルで地域の顧客約310万件(2025年9月末)にエネルギーを提供している。1. 業績動向2026年3月期中間期の連結業績は、売上高が前年同期比4.7%増の307,161百万円、営業利益が同24.7%増の23,817百万円、経常利益が同17.1%増の26,734百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が同12.5%増の20,236百万円となり、増収増益となった。売上高に関しては、主力のガス事業で前年同期比4.9%増の200,925百万円と堅調に推移した。LPG・その他エネルギー事業の売上高は、同2.4%減の43,168百万円となった。電気事業の売上高は、同8.5%増の50,211百万円と順調に増加した。都市ガス、LPG、電気の顧客数は順調に増加した。その他事業の売上高は、同9.2%増の26,915百万円と伸長した。利益に関しては、ガス事業でのスライドタイムラグ(原材料費と売上高の期ずれ差益、前年同期比で約50億円増)など原料関連の市況変動等の影響(原油価格、為替レートの影響含む)が前年同期比約35億円増となったことが、営業増益の主な要因である。2026年3月期通期の連結業績は、売上高が前期比4.0%減の630,000百万円、営業利益が同12.6%減の27,000百万円、経常利益が同1.8%増の33,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同6.1%増の27,000百万円と、減収及び経常増益を予想しており、中間期の好業績を反映して売上高・各利益ともに上方修正した。売上高に関しては、原材料費の低下に伴う都市ガス販売価格の低下などが予想されるため、前期比260億円の減収を見込む。各事業の顧客数は、都市ガスで前期末比7千件増の1,757千件、LPGで同2千件増の648千件、電気で同35千件増の727千件と順調に増加する見込みである。営業利益に関しては、ガス事業において、スライドタイムラグの影響(前期比で40億円増)、経費等の影響(同30億円増)などプラス要因があるものの、原材料在庫の受払差(同15億円減)、その他の原料関連の市況変動等のマイナスの影響が上回り、合計で前期比45億円の減益要因となる。2026年3月期の原油価格は前期比10.6ドル安の71.8ドル、為替レートは、同2.1円高の150.5円を予想している。経常利益に関しては、営業外収支が改善するため、前期比587百万円増(1.8%増)を見込む。同社の計画精度が高いこと、足元のエネルギー価格、気温の長期予想の動向が予想の範囲内で推移していることなどから、2026年3月期の業績予想は十分達成可能であると考えている。2. 成長戦略同社は2024年4月に「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」を公表し、PBR(株価純資産倍率)の向上のために、資産効率の向上や適切な資本構成を目指している。資産効率の向上においては、各事業の収益性を高めるほか、政策保有株式の売却スピードを加速する。具体的には、保有意義の薄れたものを中心に、当面は2024年3月末の残高に対し、評価額ベースで約1/3程度の売却を進める。適切な資本構成としては、自己資本の目安とする水準を4,000億円とし、2028年3月期末に達成を目指している。直近の自己資本は、2025年3月期末で4,483億円、2025年9月末で4,567億円と4,500億円前後で推移している。中期的に約500億円の低下を計画しているが、そのドライバーとなるのが、自己株式の取得である。2025年3月期には300億円の自己株式を取得した実績があり、2026年3月期も同額を計画する(上期150億円取得済)。2026年3月期中間期で言えば、配当総額39億円に対して、150億円の自己株式取得が行われており、その規模の大きさがわかる。自己株式の取得が中期的に続くと予想されるため、株主にとっては充実した株主還元が期待できる。3. 株主還元策同社は、経営基盤の強化と安定配当を利益配分に関する基本方針としている。中期経営計画の計画期間(2026年3月期〜2028年3月期)においては、利益成長とともに累進的な増配を計画している。また、自己株式の取得を進め、2028年3月期末の自己資本4,000億円を目安に最適化を図る(2026年3月期中間期末の自己資本は4,567億円)。2026年3月期は、配当金90円(前期比10円増配、中間45円済、期末45円予想)、配当性向31.4%を予想する。2026年3月期も上期150億円(取得済)、下期150億円(2025年9月公表)の自己株式の取得が進行しており、総還元性向は100%超に高まる想定となっている。同社の株主優待は、3月末に6ヶ月以上継続して100株以上保有している株主に対して、保有株式数・保有期間に応じて「株主優待ポイント」を進呈する制度である。株主優待ポイントを利用して、同社とつながりのある地域の名産品との交換や、同社のガス・電気料金の支払いに充当できる。2年連続で株主優待制度を拡充しており、2025年3月期に関しては、進呈される株主優待ポイントが3,000〜6,000ポイント増加された。■Key Points・東海3県を地盤に、都市ガス、LPG、電気、周辺事業を展開する総合エネルギープロバイダー。大黒柱のガス事業とLPG関連事業が中核。強みはソリューション提案力・2026年3月期中間期は増収・経常増益。主力の都市ガス事業で原料市況変動等のプラス影響が主要因。エネルギー各事業で顧客数増加・2026年3月期の配当金は前期比10円増の年90円(中間45円済、期末45円予想)(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫) <HN> 2025/12/09 12:31 注目トピックス 日本株 ピーバンドットコム---部品実装「リフロー実装」の納期を最大2営業日短縮 *12:16JST ピーバンドットコム---部品実装「リフロー実装」の納期を最大2営業日短縮 ピーバンドットコム<3559>は5日、部品実装サービスにおけるリフロー実装工程の標準納期を見直し、最大2営業日短縮を実現したと発表した。これにより、従来よりも迅速な試作・開発スケジュールが可能となり、電子機器開発におけるリードタイム削減を強力に支援する。リードタイムの短縮が強く求められるなか、同社では製造・実装領域の工程改善やライン稼働の最適化に取り組み、今回のリフロー実装における納期短縮を実現した。同社は今後、基板製造から部品調達・実装までを一気通貫で提供するサービス基盤を強化し、ものづくりDXの実現を加速させていく。特に、工程の自動化、システム連携の高度化、在庫管理・実装依頼の効率化などを通じて、ユーザーが「待たないものづくり」を実現できる環境を引き続き拡張していく。 <NH> 2025/12/09 12:16 注目トピックス 日本株 NSW---2025年度「IT賞(顧客価値・サービス革新)」を受賞 *12:12JST NSW---2025年度「IT賞(顧客価値・サービス革新)」を受賞 NSW<9739>は8日、同社が提供するデジタルツイン設備管理サービス「ZeugMa(ジーグマ)」が、公益社団法人企業情報化協会が主催する2025年度(第43回)IT賞において「IT賞(顧客価値・サービス革新)」を受賞したと発表した。IT賞は、ITやデジタル技術を活用して社会貢献の実現や業務改革に取り組んだ活動体を表彰する制度である。同社の「ZeugMa」は、IoT・AI・3Dデジタルツインを組み合わせ、設備の稼働状況を常時監視し、異常時の迅速な対応や遠隔確認を可能とする点が高く評価された。これにより、設備保守の省人化・効率化・安全性向上を実現し、現場の人手不足や熟練技術者への依存といった課題に対応している。本サービスは、現場の3D空間データをもとに、現地に赴くことなく点検や保守が可能な次世代型の設備管理を実現しており、全国で進行する社会インフラ維持の持続可能性向上に寄与する取り組みとして位置付けられている。短期間でのモデル生成や柔軟なカスタマイズが可能な運用スキームを構築し、顧客の個別ニーズにも対応可能な点が受賞理由として挙げられた。 <NH> 2025/12/09 12:12 注目トピックス 日本株 Jトラスト Research Memo(6):累進配当で配当性向30%以上を目指し増配を計画。TOPIX銘柄入りを目指す *12:06JST Jトラスト Research Memo(6):累進配当で配当性向30%以上を目指し増配を計画。TOPIX銘柄入りを目指す ■株主還元策Jトラスト<8508>は、株主への適正な利益還元と安定的な配当の維持を配当政策の基本方針としている。推進中の3ヶ年計画では、計画期間において事業成長に伴い安定的な配当の実施・拡大を想定し、余剰資金が発生した場合は適宜自己株式取得等を通じて株主に還元する方針を掲げており、配当性向30%以上と、累進配当及び資本効率を意識した機動的な株主還元を目指している。2025年12月期は好決算見通しに基づき、年間配当金は前期比2.0円増配するとともに、第50期の記念配当1.0円を加えて合計17.0円とし、配当性向は34.7%になる予定だ。加えて、株主への利益還元と資本効率の向上により適切な株主価値の実現を図るべく、2025年11月に、取得した自己株式4,142,400株(発行済株式総数の3.10%)の消却を行った。株主優待制度については、2025年12月期についても6月末を基準に100株以上保有の株主を対象に美容クリニック等の4種類の施術優待券の贈呈、500株以上保有の株主を対象に東京宝塚劇場貸切公演の観劇チケット(ペア)を抽選で贈呈した。当期より、宝塚大劇場(兵庫県宝塚市)での貸切公演も加えた。公演への応募者総数は4,889名と好評だ。さらに、IR活動の強化を目的として、2025年12月期も個人投資家向け説明会を全国各地で開催し、海外IR(機関投資家との面談)にも注力している。こうした積極的なIR活動は、同社が業績の回復を見込んでいることを示すものと評価できる。同社では従来からESG(環境・社会・ガバナンス)に関する活動に積極的に取り組むとともに、充実した情報開示に努めている。その結果、2025年6月には、ESG投資のための代表的な株価指数で、ロンドン証券取引所グループ傘下のFTSE Russellが提供する国内株式を対象にしたESG指数「FTSE Blossom Japan Sector Relative Index」の構成銘柄に初選定された。これに伴い、今後は同社株に対してインデックスファンドからの資金流入が期待される。また、日本取引所グループ<8697>では、TOPIXの第2段階の見直しとして、全市場区分(プライム市場・スタンダード市場・グロース市場)を対象に、流動性を重視して銘柄の定期入れ替えを実施する計画だ。2026年秋のTOPIX入りを目指し、流動性基準をクリアするため浮動株比率の引き上げを図る。3ヶ年計画に基づき業績の改善・拡大を目指すとともに、株主重視の経営姿勢は評価できる。同社は2022年4月の東京証券取引所の再編においてスタンダード市場を選択したが、Group Lease PLCらとの裁判に勝訴したことで同社に対するレピュテーションリスクは解消されており、3ヶ年計画どおりに業績が飛躍的に改善すれば、プライム市場への昇格も視野に入ると弊社では見ている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希) <HN> 2025/12/09 12:06 注目トピックス 日本株 Jトラスト Research Memo(5):3ヶ年計画は現状を前提にした保守的な計画で、上振れを目指す *12:05JST Jトラスト Research Memo(5):3ヶ年計画は現状を前提にした保守的な計画で、上振れを目指す ■Jトラスト<8508>の中長期の成長戦略● 3ヶ年計画の概要3ヶ年計画「J TRUST VISION」(2025年12月期〜2027年12月期)では、最終年度に営業収益1,568億円(2024年12月期比287億円増)、営業利益174億円(同112億円増)、税引前利益182億円(同99億円増)、親会社の所有者に帰属する当期利益114億円(同54億円増)を目指す。Jトラストロイヤル銀行の株式保有比率55%の関係で少数株主利益を控除すること、繰越欠損金がなくなり税金がかかるようになることなどから、親会社の所有者に帰属する当期利益の増加は営業利益の増加と比較して小さくなるものの、年平均成長率で約22%の成長を計画する。この3ヶ年計画は正式な中期経営計画ではなく、達成可能と考えられる保守的な業績予想だが、事業セグメント別に営業利益計画を開示している。中期的な収益及び利益目標を示すことは、企業の将来の業績予想に基づいて投資を判断する投資家にとって重要であると弊社では考えており、今後の進捗状況に注目したい。計画達成に向けた事業ポートフォリオとして、日本金融事業(保証事業・債権回収事業・カード事業(割賦))及び不動産事業を着実に成長させるとともに、国内証券事業、海外事業(韓国金融事業、東南アジア金融事業)を大きく伸ばす計画である。国内証券事業を除く日本金融事業を「安定成長事業」と位置付け、利益を創出しながら事業規模を着実に拡大していく。また国内証券事業、東南アジア金融事業を「成長期待事業」と位置付け、グループのさらなる成長を図る。さらに、韓国金融事業を「再構築事業」と位置付け、課題解決により利益拡大を見込んでいる。(1) 日本金融事業保証事業・債権回収事業の安定成長により、2027年12月期に営業利益75億円(2024年12月期比5億円増)を見込み、安定的な利益計上により同社グループ全体の業績を下支えする計画だ。具体的には、安定的な保証事業と債権回収事業を主軸に、カード事業(割賦)の加盟店拡大による割賦売掛金の増加により収益増を見込む。証券事業では預かり資産の拡大を図り、地域金融機関との連携などを通じて富裕層向けプライベートバンキングビジネスを拡大する。Jトラストグローバル証券は、2024年12月末時点で4,092億円の預かり資産を2029年12月末までに1兆円にすることを目指す。Jトラストグローバル証券の業績貢献は、2025年12月期予想のみ日本金融事業の営業利益に織り込んでいるが、2026年12月期以降の計画には織り込んでいないことから大きなアップサイドが期待される。預かり資産1兆円達成時には、30~35億円程度の営業利益を見込んでいる。(2) 韓国金融事業韓国金融事業における再構築や引当金の戻入等による回復によって、2027年12月期に営業利益55億円(2024年12月期比46億円増)と、再成長を計画する。韓国では貯蓄銀行2行(JT親愛貯蓄銀行、JT貯蓄銀行)及び債権回収事業を運営している。貯蓄銀行は主に個人や中小企業向け融資を中心として貸出業務を行う金融機関であり、貯蓄銀行79行のうち、同社グループの貯蓄銀行2行合計の総資産額は業界6位(2025年6月時点)である。貸出残高は底を打った状態であり、今後は厳格な貸出審査を維持しながら、黒字計上に伴う資本の拡大とともに貸出残高を増やす方針だ。両行とも預貸スプレッドは改善傾向にある。不良債権比率は、JT親愛貯蓄銀行が引当金控除後で低水準を維持しており、JT貯蓄銀行はやや高いものの不動産等の担保で保全済である。2025年12月期からは貸出残高の増加に伴う収益増を中心に成長し、2026年12月期以降は貸倒関連費用の減少と貸付利息収益率の改善により、利益が大きく改善する見込みである。(3) 東南アジア金融事業経済成長に伴うインドネシアとカンボジア両行の成長継続によって、2027年12月期に営業利益53億円(2024年12月期比38億円増)を計画する。厳格な与信審査や貸倒引当を維持するが、インドネシアの増資による貸出増により利益の上振れが期待される。Jトラスト銀行インドネシアでは2024年12月期第4四半期には複数の大口の貸出債権が一括完済された影響があったものの、貸出残高は安定して増加傾向にある。ただしバーゼル規制※の関係上、今後について同様のペースで貸出残高を伸ばすには資本増強が必要な状況である。そこで日本の銀行・企業や現地企業など、同社グループ外からの増資を基本とし、増資のタイミングに合わせて貸出を実施する。2027年12月期の営業利益計画には貸出残高の増加に伴う増収増益を見込んでいるものの、インドネシア事業の資本増強による成長可能性は織り込んでいない。このため、増資が実現すれば計画の上振れ要因になる。※ 自己資本比率や流動性比率に対する国際統一基準であり、金融機関が取るリスク量に対する制限。カンボジアでは、コロナ禍以降に中国からの不動産投資が減少した影響により同行の営業利益は買収前の25〜30億円の水準に戻っていないが、引き続き安定した利益を計上している。首都プノンペンでは中断していた建設工事の再開・着工の動きもあり、資金需要の回復が期待される。Jトラストロイヤル銀行では、事業環境の落ち着きを踏まえ、貸出残高をコントロールする方針から徐々に増やす方針へ転換する。担保物件の競売や法的手続き等による回収とモニタリングを強化し、不良債権の抑制に取り組む。(4) 不動産事業及び投資事業不動産事業では安定的な事業拡大を目指し、2027年12月期に営業利益11億円(2024年12月期比8億円増)を計画する。投資事業では、裁判関連費用の負担が減少する一方、回収は最低限を見込むことで、営業損失4億円(2024年12月期比11億円の損失減少)を計画している。回収が進んだ場合は、計画を上回る可能性がある。(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希) <HN> 2025/12/09 12:05 注目トピックス 日本株 Jトラスト Research Memo(4):2025年12月期は期初計画を据え置き、大幅な営業増益を見込む *12:04JST Jトラスト Research Memo(4):2025年12月期は期初計画を据え置き、大幅な営業増益を見込む ■Jトラスト<8508>の業績見通し2025年12月期の連結業績は、営業収益が135,100百万円(前期比5.4%増)、営業利益が11,100百万円(同77.5%増)、税引前利益が11,900百万円(同42.2%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益が6,500百万円(同7.6%増)としている。第3四半期累計では各項目が計画未達だったものの、第4四半期には不動産事業等の収益計上を見込んでおり、通期の期初計画を据え置いた。営業収益は、これまでのM&Aの成果として収益基盤が一層強化されたことにより、日本金融事業での安定的な収益のほか、韓国金融事業や東南アジア金融事業においても銀行業における貸出金の増加に伴う利息収益の増加などが見込める。営業利益は、韓国金融事業、東南アジア金融事業において基準金利の利下げが実施され調達金利が低下したことにより、今後極端な収益悪化はないものと考えられる。足元ではインドネシアで不良債権が出始めており、貸倒関連費用が増える懸念があるが、債権の不良化等に備えてあらかじめ保守的に貸倒引当金(損失評価引当金)を計上していることから、安定的な利益確保ができると見込む。親会社の所有者に帰属する当期利益については、順調な業績見込みを背景に法人所得税費用の増加を見込んでいる。事業セグメント別営業利益については、東南アジア金融事業には当局の規制や経済環境などの不確定要素があるものの、日本金融事業における堅調な増益維持と、韓国金融事業における継続的な増益により、金融3事業における増益基調が続く見通しである。加えて、不動産事業は、第4四半期に販売用不動産の売却により、収益化する見通しだ。2025年12月期は3ヶ年計画の初年度であるが、Jトラスト銀行インドネシアの増資に伴う貸出及び利益の増加は計画に織り込まないなど、保守的な前提に基づいた業績予想としている。事業別の好不調はあるものの、堅調な日本金融事業と業績改善が著しい韓国金融事業がけん引し、計画達成の確度は高いと弊社では見ている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希) <HN> 2025/12/09 12:04 注目トピックス 日本株 イード---「ロボスタ」が法人向けサブスク提供開始 *12:03JST イード---「ロボスタ」が法人向けサブスク提供開始 イード<6038>は8日、ロボット・AI情報メディア「ロボスタ」において、企業・研究機関・行政機関など複数名で利用できる新サービス「プレミアム法人会員」を2025年12月より開始したと発表した。ロボスタでは既に個人向けに無料会員・プレミアム会員を提供しているが、組織として継続的に学習したい、複数名でセミナーを受講したいというニーズに対応し、人数に応じて割引される法人向けの年間プランを新設した。本プランでは、ロボスタが提供する月2回のオンラインセミナーを、同一企業内で追加料金なく複数名が視聴できる。また、過去に開催したセミナーの見逃し配信についても法人内メンバー全員が視聴対象となる。さらに、請求書払いへの対応、利用メンバーの入れ替え、セミナー資料の社内共有など、法人利用を想定した運用サポートも提供する。加えて、2025年12月から新たに開始されたヒューマノイドロボットの研究開発・事業化を扱うシリーズ「Series ヒューマノイド」も視聴対象に含まれ、組織内での知識共有や事業テーマ探索に具体的なメリットを提供する。 <NH> 2025/12/09 12:03 注目トピックス 日本株 Jトラスト Research Memo(3):日本金融事業及び韓国金融事業が連結業績をけん引 *12:03JST Jトラスト Research Memo(3):日本金融事業及び韓国金融事業が連結業績をけん引 ■Jトラスト<8508>の業績動向2. 事業セグメント別動向(1) 日本金融事業主力事業である日本金融事業の営業収益は13,745百万円(前年同期比14.7%増)、営業利益は5,567百万円(同12.5%増)であり、営業利益は計画比6億円の上振れとなった。(株)日本保証における債務保証残高は、2025年9月末には2,794億円へ増加し、2025年12月末計画の2,714億円を既に達成している。アパートローン・海外不動産担保ローン・有価証券担保ローンの保証が好調で、保証残高は順調に増加している。2025年10月には、第一地銀では初となる山陰合同銀行<8381>と不動産購入ローンに関する包括保証契約を締結した。サービサー(債権回収)事業では、パルティール債権回収(株)の請求債権残高は2025年9月末には10,906億円へと増加し、債権買取、回収は順調だ。債権回収事業においては、多様な債権回収事業会社出身者のノウハウを結集した国内トップクラスの回収力があり、保証業務と並び日本金融事業の利益の柱となっている。また、Nexus Card(株)では割賦事業の好調により、2025年9月末の割賦売掛金残高は242億円で、2025年12月末計画の235億円を達成した。Jトラストグローバル証券(株)(旧 エイチ・エス証券(株))では、好調な株式市場の影響もあり、預かり資産は2025年9月末には4,754億円に達し、2025年12月末には5,000億円を目指し手数料収益の増加を計画している。2025年10月より、欧州株の新規取り扱いを業界最低水準の国内委託手数料で開始した。(2) 韓国金融事業営業収益は33,009百万円(前年同期比4.1%減)、営業利益は1,595百万円(前年同期は141百万円の損失)となった。営業収益は、貯蓄銀行業において為替が円高に振れたことで、円換算後の貸出金利息収入が減少したことなどにより減収となった。営業利益は、為替の影響による円換算後の預金利息費用の減少や、NPL債権(不良債権)の売却により債権の健全性が改善したことなどにより増益となった。計画よりも前倒しで黒字転換を果たし、計画比11億円の上振れとなっている。JT親愛貯蓄銀行(株)の貸出残高は2025年9月末には2,423億円となった。前年9月末で底を打ち、安定的に増加している。貸倒引当金を控除したネット不良債権比率は2.21%と低位であった。また、JT貯蓄銀行(株)の貸出残高も2025年9月末には2,059億円と、2025年6月末以降は小幅増加している。債権の質の良化を重視し、貸出残高をコントロールしており、ネット不良債権比率は3.55%であった。JT貯蓄銀行ではネット不良債権比率は高いものの、大半が担保で保全されている。(3) 東南アジア金融事業営業収益は34,640百万円(前年同期比2.6%減)、営業利益は1,055百万円(同54.3%減)となった。営業収益は、貸出金の減少と為替の影響で円換算後の貸出金利息収入が減少したことにより、減収となった。営業利益は、貸倒関連費用の増加等により大幅減益となり、計画を10億円下回った。現状は調整局面にあるが、不良債権の回収を進めることで徐々に改善する見通しだ。Jトラスト銀行インドネシア(PT Bank JTrust Indonesia Tbk.)では、2025年9月末の貸出残高は2,436億円で、ネット不良債権比率は1.81%の低位で推移している。自己資本比率を踏まえて、貸出残高及びポートフォリオの中身をコントロールしている。2025年12月期から2027年12月期までの3期で、毎期30億円増資する計画だが、2025年12月期の増資については約20億円を見込んでおり、資本増強により収益確保を図る。増資は業績予想には織り込んでいないことから、増資が実現すれば、業績の上振れ要因となる。一方、当局の指示により、これまでより厳しい基準で貸倒引当金の積み増しを実施している。また、米国関税の影響により輸出企業の一部が苦戦しており、こうした規制や経済環境は当面、収益圧迫要因となりそうだ。カンボジアのJトラストロイヤル銀行(J Trust Royal Bank Plc.)では、2026年度から導入予定であるカンボジア中央銀行による自己資本比率規制の遵守体制を見据え、貸出残高とポートフォリオの中身を調整している。2025年9月末の貸出残高は1,508億円と小幅に減少しているが、ネット不良債権比率は0.62%の低位である。経済停滞に伴い不良債権の回収が遅れているが、回収強化を図る。カンボジアでも、規制や経済停滞の影響は徐々に落ち着くと見られる。(4) 不動産事業不動産事業については、主にJグランド(株)、(株)グローベルス及び(株)ライブレントが行っている。米国ハワイ州のProspect Asset Managementについては、2025年12月期中間期に解散し、非継続事業に分類した。同事業では、販売予定であった物件の建築確認に時間を要し、売却が後倒しになったことから、営業収益は10,552百万円(前年同期比28.2%減)、営業利益は189百万円(同71.9%減)となった。(5) 投資事業投資事業については、主にJトラストアジア(JTRUST ASIA PTE.LTD.)が行っている。営業収益は145百万円(前年同期は5百万円)、営業損失は570百万円(前年同期は1,221百万円の損失)となった。Group Lease Public Company Limited(以下、Group Lease PCL)に関わる訴訟の判決により同社からの回収金を計上したことや、訴訟費用の圧縮などから損失額が減少した。同社では当該金銭債権に対して既に全額貸倒引当金を計上しており、将来の回収金はその他収益に計上される。(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希) <HN> 2025/12/09 12:03 注目トピックス 日本株 Jトラスト Research Memo(2):2025年12月期第3Qは堅調な日本金融事業と韓国金融事業の改善で営業増益 *12:02JST Jトラスト Research Memo(2):2025年12月期第3Qは堅調な日本金融事業と韓国金融事業の改善で営業増益 ■Jトラスト<8508>の業績動向1. 2025年12月期第3四半期の業績概要2025年12月期第3四半期累計の連結業績は、営業収益92,041百万円(前年同期比4.9%減)、営業利益6,385百万円(同28.3%増)、税引前利益5,987百万円(同2.0%減)、親会社の所有者に帰属する四半期利益2,613百万円(同35.5%減)となった。営業収益は、韓国金融事業及び東南アジア金融事業において為替の影響により円換算後の貸出金利息収入が減少したこと、不動産事業で販売用不動産における販売収益が後ずれしたことなどにより減収となった。一方、営業利益は、主に韓国金融事業の改善が進んだことにより増益となった。親会社の所有者に帰属する四半期利益は、為替差損の計上等により減益となった。この結果、営業収益及び各段階利益ともに計画を下回った。しかし、営業利益は、第3四半期段階で2024年12月期通期の実績を超過した。事業セグメント別営業利益では、日本金融事業は順調に継続成長し、韓国金融事業は前倒しで変革が進み、両セグメントは計画を上回って連結業績をけん引した。一方、東南アジア金融事業は貸倒関連費用が増加して減速し、不動産事業・投資事業とともに計画を下回った。セグメントごとに強弱はあるものの、好調な日本金融事業・韓国金融事業が、他事業のマイナス分を補うことで、通期計画の達成を目指す。(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希) <HN> 2025/12/09 12:02 注目トピックス 日本株 Jトラスト Research Memo(1):2025年12月期第3Qの営業利益は前年同期比大幅増。通期計画の達成目指す *12:01JST Jトラスト Research Memo(1):2025年12月期第3Qの営業利益は前年同期比大幅増。通期計画の達成目指す ■要約Jトラスト<8508>は、日本金融事業・韓国金融事業・東南アジア金融事業などのアジアの金融事業を中心に、不動産事業(国内)も展開しているホールディングカンパニーである。年初に公表した3ヶ年計画に基づき主力の金融3事業に一層注力するとともに、不動産事業の拡大により持続的な成長を目指している。1. 2025年12月期第3四半期の業績概要2025年12月期第3四半期累計の連結業績は、営業収益92,041百万円(前年同期比4.9%減)、営業利益6,385百万円(同28.3%増)、税引前利益5,987百万円(同2.0%減)、親会社の所有者に帰属する四半期利益2,613百万円(同35.5%減)となった。営業収益は、韓国金融事業及び東南アジア金融事業において為替の影響により円換算後の貸出金利息収入が減少したこと、不動産事業で販売収益が後ずれしたことなどにより減収となった。営業利益は、主に韓国金融事業の改善が進んだことにより増益となった。親会社の所有者に帰属する四半期利益は、為替差損の計上等により減益となった。この結果、営業収益及び各段階利益ともに計画を下回った。ただ、営業利益は、第3四半期段階で2024年12月期通期の実績を超過している。事業セグメント別営業利益では、日本金融事業は継続的に成長し、韓国金融事業は前倒しで改善が進み、両セグメントは計画を上回って連結業績をけん引した。一方、東南アジア金融事業は貸倒関連費用が増加して減速し、不動産事業・投資事業とともに計画を下回った。2. 2025年12月期の業績見通し2025年12月期の連結業績は期初計画を据え置き、営業収益135,100百万円(前期比5.4%増)、営業利益11,100百万円(同77.5%増)、税引前利益11,900百万円(同42.2%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益6,500百万円(同7.6%増)としている。事業セグメント別営業利益については、東南アジア金融事業には当局の規制や経済環境などの不確定要素があるが、日本金融事業で堅調な増益を維持し、韓国金融事業についても計画どおりの増益継続で、金融3事業における増益基調が続くと見ている。また、第4四半期には不動産事業の収益計上を予定しており、連結営業利益の計画達成を目指す。年間配当金は前期比2.0円増配するとともに、記念配当1.0円を加えて17.0円とし、配当性向は34.7%を予定している。また、株主優待を充実させるとともに、適宜自己株式の取得等を通じて株主に還元するなど、株主還元に前向きで、国内・海外でのIR活動にも積極的に取り組んでいる。2026年秋のTOPIX入りを目指している。3. 中長期の成長戦略同社グループでは、「J TRUST VISION」(2025年12月期〜2027年12月期)を推進しており、2027年12月期に営業収益1,568億円(2024年12月期比287億円増)、営業利益174億円(同112億円増)、税引前利益182億円(同99億円増)、親会社の所有者に帰属する当期利益114億円(同54億円増)を目指す。東南アジア金融事業の関係で少数株主利益控除後の親会社の所有者に帰属する当期利益の増加は営業利益の増加と比較して小さくなるものの、年平均成長率で約22%の成長を計画している。事業セグメント別営業利益については、日本金融事業では安定的な推移を志向するとともに、韓国金融事業の再構築完了に伴う再成長、東南アジア金融事業におけるインドネシア・カンボジア両行の成長等による飛躍を目指す。不動産事業では増益を、投資事業では損失の減少をそれぞれ計画している。この3ヶ年計画は、現状を前提にした保守的な計画である。■Key Points・2025年12月期第3四半期の営業利益は、日本金融事業の堅調推移と韓国金融事業の業績改善により前年同期比で大幅増益・2025年12月期は、日本金融事業・韓国金融事業の増益基調に加え、第4四半期に不動産事業の収益計上を見込み、期初計画の達成を目指す。引き続き株主還元に前向き・3ヶ年計画は現状を前提にした保守的な計画で、上振れを目指す(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希) <HN> 2025/12/09 12:01

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