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ミアヘルサHD Research Memo(2):首都圏で医薬・子育て支援・介護と、社会的ニーズの高い3事業を展開(1)
配信日時:2025/07/15 14:02
配信元:FISCO
*14:02JST ミアヘルサHD Research Memo(2):首都圏で医薬・子育て支援・介護と、社会的ニーズの高い3事業を展開(1)
■ミアヘルサホールディングス<7129>の事業概要
同社は経営ミッションとして「少子高齢化社会の課題に挑戦し、地域社会を明るく元気にする」を掲げ、その実現に向けて、医薬事業、子育て支援事業、介護事業と社会的ニーズの高い事業領域へと展開しながら、「地域包括ケアシステム※」の構築に取り組んでいる。
※ 超高齢化社会に向けて地域に合ったケアシステムの体制を整えていくという政府が掲げる方針のこと。厚生労働省では、高齢者が可能な限り住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、医療や介護など地域の包括的な支援・サービス提供体制の構築に取り組んでいる。
事業セグメントは医薬、子育て支援、介護の3つとその他(食品事業)に区分して開示している。2025年3月期の売上構成比は、子育て支援事業が40.9%、医薬事業が40.2%、介護事業が14.9%となり、ここ数年はM&Aを積極的に推進※してきたこともあり子育て支援事業の構成比が上昇し、初めて医薬事業を上回った。また、営業利益率については介護事業を除いて比較的安定して推移している。介護事業についてはコロナ禍の影響によって2022年3月期以降悪化し、2024年3月期は2期連続で損失を計上したが、不採算事業所の整理を進めたことで2025年3月期は黒字に転換した。主要3事業の売上高のうち、7〜9割は社会保険料や自治体等の公費でまかなわれているため、価格競争が起きにくく安定した市場環境ではあるものの、国の政策によって収益性も変動するリスクがある点には留意する必要がある。
※ 2020年に(株)東昇商事、2021年にライフサポート(株)を相次いで子会社化した(その後、2社ともミアヘルサ(株)が吸収合併)。
1. 医薬事業
医薬事業では、「日生薬局」「ミアヘルサ薬局」のブランド名で調剤薬局を首都圏に展開している。2025年3月末の店舗数は43店舗(東京39店舗、神奈川3店舗、埼玉1店舗)で、出店形態としては大型総合病院前の門前薬局が27店舗と全体の6割強を占めている。そのほか、医療モール型で10店舗、面対応型で6店舗をそれぞれ需要が見込める都市部の駅前立地等に出店している。
医薬事業の特徴としては、大学病院等の大規模病院の門前薬局が多いため、1店舗当たりの平均調剤売上高が221百万円、平均処方箋単価が13,771円/枚(2025年3月期)と業界平均の132百万円、9,360円/枚(2023年度実績)※に比べて大きいこと、また、1店舗当たりの薬剤師の数も平均4人程度(非常勤含む)と業界平均の2~3人を上回っていることが挙げられる。強みとしては、門前薬局では必然的に抗がん剤の副作用対応や難病疾患医薬品の取り扱いなど、高度な薬学管理のスキルが求められるため薬剤師の知識レベルが総じて高いことや、ミッションに基づいた教育研修により、顧客満足度の高い丁寧な接客サービスを提供していることが挙げられる。
※ 出所:厚生労働省「令和5年度 調剤医療費(電算処理分)の動向」
医薬事業の売上高の99%は調剤報酬で占められる。調剤報酬は薬剤料と技術料で構成されており、薬剤料に関しては2021年度より厚生労働省にて毎年製品ごとに薬価の見直しが行われ、医療財政負担の増大を背景に薬価は引き下げられる方向にある。医薬品の仕入価格は医薬品卸会社との交渉で決まるため、薬価と仕入価格の差(薬価差益)が薬剤料の粗利益となる。ここ数年は後発医薬品の供給不足もあって需給ひっ迫が続いており、仕入価格の交渉においても総じて厳しい状況が続いている。医薬品の需給ひっ迫により店舗間で在庫品を融通し合う回数も増えるなど(配送費の増加)、医薬品の調達コストが上昇傾向にあり調剤薬局業界全体の課題となっている。
一方、技術料は調剤薬局が独力で収益を高められる付加価値部分となり、調剤基本料や薬学管理料で構成されている。調剤基本料は薬局の規模や処方箋集中率(特定医療機関の占める比率)などによって処方箋1枚当たりの点数が区分されているほか、地域支援体制加算(在宅患者向け業務実績、薬局の開局時間等)や連携強化加算(災害時の他の保険薬局との連携体制、オンライン服薬指導対応の有無)、在宅薬学総合体制加算(在宅処方回数等)といった「かかりつけ薬局」としての機能強化に関わる項目や、後発医薬品調剤体制加算(後発医薬品の使用率)、2024年度より新設された医療DX推進体制整備加算(マイナンバーカード、電子処方箋対応等)など、様々な算定項目を厚生労働省が設定している。薬学管理料は、薬剤師が患者に対して行う対人業務(服薬管理指導、かかりつけ薬剤師指導、在宅患者訪問薬剤管理指導、オンライン服薬指導、お薬手帳等)の状況に応じて加算される項目となる。
これら技術料に関しては厚生労働省にて2年ごとに改定が行われる。このため同社は、これら改定ポイントに早期に対応することで技術料単価を引き上げ、また新規店舗の開発や店舗の業務効率化を推進することで収益の安定化を図っている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<HN>
同社は経営ミッションとして「少子高齢化社会の課題に挑戦し、地域社会を明るく元気にする」を掲げ、その実現に向けて、医薬事業、子育て支援事業、介護事業と社会的ニーズの高い事業領域へと展開しながら、「地域包括ケアシステム※」の構築に取り組んでいる。
※ 超高齢化社会に向けて地域に合ったケアシステムの体制を整えていくという政府が掲げる方針のこと。厚生労働省では、高齢者が可能な限り住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、医療や介護など地域の包括的な支援・サービス提供体制の構築に取り組んでいる。
事業セグメントは医薬、子育て支援、介護の3つとその他(食品事業)に区分して開示している。2025年3月期の売上構成比は、子育て支援事業が40.9%、医薬事業が40.2%、介護事業が14.9%となり、ここ数年はM&Aを積極的に推進※してきたこともあり子育て支援事業の構成比が上昇し、初めて医薬事業を上回った。また、営業利益率については介護事業を除いて比較的安定して推移している。介護事業についてはコロナ禍の影響によって2022年3月期以降悪化し、2024年3月期は2期連続で損失を計上したが、不採算事業所の整理を進めたことで2025年3月期は黒字に転換した。主要3事業の売上高のうち、7〜9割は社会保険料や自治体等の公費でまかなわれているため、価格競争が起きにくく安定した市場環境ではあるものの、国の政策によって収益性も変動するリスクがある点には留意する必要がある。
※ 2020年に(株)東昇商事、2021年にライフサポート(株)を相次いで子会社化した(その後、2社ともミアヘルサ(株)が吸収合併)。
1. 医薬事業
医薬事業では、「日生薬局」「ミアヘルサ薬局」のブランド名で調剤薬局を首都圏に展開している。2025年3月末の店舗数は43店舗(東京39店舗、神奈川3店舗、埼玉1店舗)で、出店形態としては大型総合病院前の門前薬局が27店舗と全体の6割強を占めている。そのほか、医療モール型で10店舗、面対応型で6店舗をそれぞれ需要が見込める都市部の駅前立地等に出店している。
医薬事業の特徴としては、大学病院等の大規模病院の門前薬局が多いため、1店舗当たりの平均調剤売上高が221百万円、平均処方箋単価が13,771円/枚(2025年3月期)と業界平均の132百万円、9,360円/枚(2023年度実績)※に比べて大きいこと、また、1店舗当たりの薬剤師の数も平均4人程度(非常勤含む)と業界平均の2~3人を上回っていることが挙げられる。強みとしては、門前薬局では必然的に抗がん剤の副作用対応や難病疾患医薬品の取り扱いなど、高度な薬学管理のスキルが求められるため薬剤師の知識レベルが総じて高いことや、ミッションに基づいた教育研修により、顧客満足度の高い丁寧な接客サービスを提供していることが挙げられる。
※ 出所:厚生労働省「令和5年度 調剤医療費(電算処理分)の動向」
医薬事業の売上高の99%は調剤報酬で占められる。調剤報酬は薬剤料と技術料で構成されており、薬剤料に関しては2021年度より厚生労働省にて毎年製品ごとに薬価の見直しが行われ、医療財政負担の増大を背景に薬価は引き下げられる方向にある。医薬品の仕入価格は医薬品卸会社との交渉で決まるため、薬価と仕入価格の差(薬価差益)が薬剤料の粗利益となる。ここ数年は後発医薬品の供給不足もあって需給ひっ迫が続いており、仕入価格の交渉においても総じて厳しい状況が続いている。医薬品の需給ひっ迫により店舗間で在庫品を融通し合う回数も増えるなど(配送費の増加)、医薬品の調達コストが上昇傾向にあり調剤薬局業界全体の課題となっている。
一方、技術料は調剤薬局が独力で収益を高められる付加価値部分となり、調剤基本料や薬学管理料で構成されている。調剤基本料は薬局の規模や処方箋集中率(特定医療機関の占める比率)などによって処方箋1枚当たりの点数が区分されているほか、地域支援体制加算(在宅患者向け業務実績、薬局の開局時間等)や連携強化加算(災害時の他の保険薬局との連携体制、オンライン服薬指導対応の有無)、在宅薬学総合体制加算(在宅処方回数等)といった「かかりつけ薬局」としての機能強化に関わる項目や、後発医薬品調剤体制加算(後発医薬品の使用率)、2024年度より新設された医療DX推進体制整備加算(マイナンバーカード、電子処方箋対応等)など、様々な算定項目を厚生労働省が設定している。薬学管理料は、薬剤師が患者に対して行う対人業務(服薬管理指導、かかりつけ薬剤師指導、在宅患者訪問薬剤管理指導、オンライン服薬指導、お薬手帳等)の状況に応じて加算される項目となる。
これら技術料に関しては厚生労働省にて2年ごとに改定が行われる。このため同社は、これら改定ポイントに早期に対応することで技術料単価を引き上げ、また新規店舗の開発や店舗の業務効率化を推進することで収益の安定化を図っている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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