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くすりの窓口 Research Memo(7):2026年3月期通期も増収増益予想、2027年3月期も高成長を継続
*13:07JST くすりの窓口 Research Memo(7):2026年3月期通期も増収増益予想、2027年3月期も高成長を継続
■くすりの窓口<5592>の今後の見通し● 2026年3月期通期の業績見通し2026年3月期通期の連結業績予想は2025年5月14日付の期初予想を据え置いて売上高が前期比9.8%増の12,300百万円、営業利益が同12.6%増の2,200百万円、経常利益が同10.0%増の2,135百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同10.1%増の2,240百万円としている。前期は基幹システム事業において補助金交付対象「電子処方箋管理サービス新機能」のショット売上高が特需の形で大幅に増加したが、この反動を吸収して増収増益を予想している。なお同社では「電子処方箋管理サービス新機能」関連特需を除いた比較では売上高を同15.0%増収、営業利益を同33.3%増益と見込んでいる。重点施策として、メディア事業では処方箋ネット受付の機能や関連製品の充実とエンドユーザー(患者)への認知度向上による予約件数の増加、みんなのお薬箱事業では調剤薬局や医療機関の新規獲得による医薬品流通金額の拡大、基幹システム事業では子会社のシステム・データ連携による施設保有数の増加、子会社のコスト適正化などを推進する。従業員数については事業拡大に向けて開発や営業を強化するものの、一方では子会社のバックオフィス業務に効率化余地があることから、当面は従業員数の大幅な増減は見込んでいない。中間期の進捗率は売上高が47.4%、営業利益が57.4%、経常利益が58.6%、親会社株主に帰属する当期純利益が72.4%である。中間期の利益進捗率が高水準であることに加え、積極的な事業展開で各事業ともストック売上高、ストック粗利の順調な拡大が期待できることを勘案すれば、会社予想に上振れの可能性があると弊社では考えている。さらに2027年3月期はストック売上高の順調な積み上げに加え、薬価及び調剤報酬の改定に伴ってショット売上高が増加する可能性があり、高成長を継続する見込みだ。■成長戦略2030年3月期の目標はストック売上高200億円、営業利益50億円以上1. 中期経営計画同社は中期経営計画の目標値に2030年3月期のストック売上高200億円、営業利益50億円以上を掲げている。ショット売上高は状況によって変動があるため、ストック売上高を積み上げながら安定的な利益確保を目指す。2025年3月期までの過去5期の年平均成長率はストック売上高が32%、営業利益が42%であり、目標達成に向けて順調な進捗状況である。顧客基盤の拡大については、2030年3月期末までに全社ベースの施設保有数100,000施設(2026年3月期中間期末時点の実績は調剤薬局39,640施設、介護施設2,277施設、医療機関5,065施設、合計46,982施設)を目指す。基本戦略としては、既存の主力3事業(メディア事業、みんなのお薬箱事業、基幹システム事業)でのデータ・システム連携などにより各々の市場シェアを拡大してストック売上を積み上げるほか、M&A・アライアンスも積極活用しながら「医・薬・介護、個人ユーザー(患者)をつなぐプラットフォーム」として、調剤薬局・ドラッグストア・医療機関・介護施設・患者等の様々なニーズを捉えた独自事業を自社開発して業容を拡大する。さらに未病予防事業を第4の柱に育成する方針だ。株主還元は配当性向15%を目途として安定的な配当を継続2. 株主還元策株主還元については、将来の事業展開に備えた資金や内部留保の充実を図りながら、連結配当性向15%を目途として安定的な配当を継続することを基本方針としている。当初は2026年3月期より配当を開始する予定としていたが、1年前倒して2025年3月期より配当を開始(期末一括27.00円、配当性向14.6%)した。また2026年3月期の配当予想は前期比3.00円増配の30.00円(期末一括)としており、予想配当性向は15.0%となる。今後も業績の拡大に伴って一段の株主還元強化が期待できると弊社では考えている。3. サステナビリティ経営サステナビリティ経営としては、事業を通して社会課題の解決に貢献する新たな価値を創造し、持続的な成長を目指すことを基本方針としている。ヘルスケア領域では増大する医療費の削減など医療体系の変革が急務となっており、「ヘルスケア領域に新しい価値を提供する」という企業理念の下、同社グループの「医・薬・介護、個人ユーザー(患者)をつなぐプラットフォーム」を提供することで、調剤薬局・医療機関・介護施設などの生産性の一層の向上と経営効率や収益の改善に貢献するとともに、ユーザー(患者)にこれまでにない利便性を提供することを念頭に置いて事業展開する。また、同社グループの事業は環境に与える負荷が小さいほか、気候変動に関わるリスク及び収益機会が同社の事業活動や収益に与える影響が少ないことも特徴である。利益成長の加速を期待4. 弊社の視点同社はヘルスケアテック領域において、既にポータルサイト「EPARKくすりの窓口」や電子お薬手帳アプリ「EPARKお薬手帳」が国内最大級のポジションを確立しているだけでなく、調剤薬局・ドラッグストア・医療機関・介護施設・患者等の様々なニーズを捉えた独自事業を自社開発して業容を拡大し、ストック売上高及びストック粗利が拡大基調であることが持続的な利益成長の源泉となっている。このビジネスモデルを弊社では高く評価している。今後もストック売上高及びストック粗利の拡大によって利益成長が加速することが期待され、弊社では成長戦略の進捗状況に注目したい。(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)
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2025/12/26 13:07
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くすりの窓口 Research Memo(6):競合リスクは小さい
*13:06JST くすりの窓口 Research Memo(6):競合リスクは小さい
■くすりの窓口<5592>の事業概要7. リスク要因と課題・対策ヘルスケアテック領域における一般的なリスク要因としては、競合激化、国の政策や法的規制の変更、)システム障害や個人情報保護、サービスやシステムの陳腐化、技術革新への対応遅れなどがある。ただし、同社は「医・薬・介護、個人ユーザー(患者)をつなぐプラットフォーム」として、ポータルサイト「EPARKくすりの窓口」や電子お薬手帳アプリ「EPARKお薬手帳」において国内最大級のポジションを確立していること、調剤薬局・ドラッグストア・医療機関・介護施設・患者等の様々なニーズを捉えた独自事業を自社開発して業容を拡大していること、ヘルスケアテック市場においては今後もオンライン診療やオンライン服薬指導などDXを活用した事業の市場開拓余地が大きいことなどを勘案すれば、現時点では競合リスクは小さいと弊社では考えている。■業績動向2026年3月期中間期は大幅増益で着地1. 2026年3月期中間期の業績概要2026年3月期中間期の連結業績は売上高が前年同期比7.0%増の5,825百万円、営業利益が同32.9%増の1,262百万円、経常利益が同35.7%増の1,252百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が同190.5%増の1,620百万円だった。EBITDAは同26.7%増の1,934百万円だった。全体としてストック売上高とストック粗利が順調に積み上がり、大幅増益で着地した。全社ベースのストック売上高は同14.9%増の3,977百万円、ストック粗利は同22.9%増の1,651百万円となった。事業別には、基幹システム事業において前年同期の補助金交付対象のサービス需要が一巡した反動があったものの、メディア事業とみんなのお薬箱事業の高成長がけん引し、利益面では販管費の減少も寄与した。決算短信上の全社ベース売上総利益は同2.3%増加し、売上総利益率は同2.6ポイント低下して56.8%となった。売上総利益率は先行投資の影響でやや低下した。販管費は同10.4%減少し、販管費率は同6.9ポイント低下して35.1%となった。販管費が大幅に減少した主な要因は、グループ従業員数が減少(中間期末時点の従業員数は同68名減の515名)したためである。グループ子会社を中心に自然退職で従業員数が減少したが、人員を補充することなくDXによる業務効率化でカバーした。親会社株主に帰属する中間純利益については、2025年9月1日に実施した減資に伴い、繰越欠損金に係る繰延税金資産を追加計上して調整額が法人税等を超過した。メディア事業とみんなのお薬箱事業のストック粗利が大幅増加2. 事業別の動向メディア事業の売上高は前年同期比8.7%増の2,294百万円(ショット売上高が同10.6%減の648百万円、ストック売上高が同18.8%増の1,646百万円)で、ストック粗利が同48.1%増の745百万円だった。ショット売上高は前年同期の調剤報酬改定による加算要件のサービス需要が一巡したため減少したが、施設保有数の増加に伴ってストック売上高が順調に増加し、ストック粗利も大幅に増加した。中間期末時点の「EPARKくすりの窓口」の施設保有数は前年同期比1,945施設増加して23,953施設となった。なお四半期別のストック粗利は第1四半期が388百万円、第2四半期が357百万円だった。第2四半期のストック粗利が第1四半期比で減少したが、これはリスティング費用や開発費用の増加という一過性要因によるものであり、トレンドとして増加基調に変化はないと弊社では考えている。みんなのお薬箱事業の売上高は同13.8%増の1,709百万円(ショット売上高が同9.5%増の220百万円、ストック売上高が同14.5%増の1,489百万円)で、ストック粗利が同18.4%増の752百万円だった。ショット売上高は「仕入サポートサービス」に関する医薬品卸との調整の影響が解消して回復基調となった。そして施設保有数の増加に伴ってストック売上高やストック粗利も順調に増加した。中間期末時点の施設保有数は前年同期比1,271施設増加して18,224施設となった。なお四半期別のストック粗利は第1四半期が383百万円、第2四半期が369百万円だった。第2四半期のストック粗利は、第1四半期の「不動在庫サービス」の販促活動の反動により第1四半期比で減少した。基幹システム事業は売上高が同1.8%減の1,707百万円(ショット売上高が同7.3%減の924百万円、ストック売上高が同5.7%増の783百万円)で、ストック粗利が同15.0%減の256百万円だった。前年同期の特需(補助金交付対象の「電子処方箋管理サービス新機能」の獲得増加)からの反動の影響でショット売上高が減少したが、調剤監査システムと電子カルテの導入が進み、ストック売上高は順調に増加した。中間期末時点の施設保有数は前年同期比384施設増加して8,184施設となった。なお四半期別のストック粗利は第1四半期が139百万円、第2四半期が117百万円だった。第2四半期のストック粗利は新商品に関わる先行投資の影響により第1四半期比で減少した。財務の健全性は良好3. 財務状況財務面で見ると、2026年3月期中間期末の資産合計は前期末比1,179百万円増加して13,336百万円となった。主に現金及び預金が149百万円減少した一方で、減資に伴う繰延税金資産の追加計上などにより投資その他の資産が1,138百万円増加、ソフトウェアの増加により無形固定資産が158百万円増加した。負債合計は同286百万円増加して3,927百万円となった。主に未払金が305百万円減少した一方で、長期借入金が同834百万円増加して898百万円となった。純資産合計は同892百万円増加して9,409百万円となった。主に利益剰余金が1,317百万円増加した。なお2025年9月1日付の減資によって資本の金額を減少し、資本剰余金に振り替えているが、純資産額に影響はない。この結果、自己資本比率は同0.4ポイント上昇して69.9%となった。同社は前期に「仕入サポートサービス」に関わる請求回収代行スキームを変更して金融機関からのスポット借入が不要になったことにより、流動資産と流動負債が大幅に減少して自己資本比率が大幅に上昇した。そして2026年3月期中間期末時点においても、キャッシュ・フローの状況を含めて特に懸念点は見当たらず、財務の健全性は良好と弊社では評価している。(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)
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2025/12/26 13:06
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くすりの窓口 Research Memo(5):みんなのお薬箱事業は「医薬品卸と薬局をつなぐプラットフォーム」
*13:05JST くすりの窓口 Research Memo(5):みんなのお薬箱事業は「医薬品卸と薬局をつなぐプラットフォーム」
■くすりの窓口<5592>の事業概要4. みんなのお薬箱事業みんなのお薬箱事業は「医薬品卸と薬局をつなぐプラットフォーム」をコンセプトとして、医薬品卸売事業者と薬局における医薬品の流通改善を支援するサービスを提供している。主力サービスは、薬局・医療機関に代わって医薬品卸事業者に対する医薬品の仕入価格交渉を代行する「仕入サポートサービス」、薬局・医療機関におけるAIを活用した医薬品在庫管理・自動発注システム「eオーダーシステム」、及び医薬品売買ニーズマッチングサイト「みんなのお薬箱」による「不動在庫サービス」である。その他サービスとして、調剤薬局チェーングループ内店舗間の在庫を最適化する「店舗間共有機能」をリリースしたほか、電気コスト削減を支援する「みんくす電気」も展開している。「仕入サポートサービス」はスケールメリットの享受を目的としたスキームで、収益は薬局等と医薬品卸事業者との間の医薬品売買における取引薬価・売買価格に応じて算定される手数料収入(ストック売上)となる。なお医薬品卸との調整で2025年3月期の営業活動が一時的に停滞したが、2024年11月にウィーズと業務提携(同社がウィーズの子会社J-Seedに出資)し、これまで医薬品卸事業者と価格交渉を行ってきたグローバル・エイチ(株)の株式を譲渡(2025年4月)して持分法適用関連会社から除外した。今後はウィーズが医薬品二次卸として培ってきたノウハウを生かした「仕入サポートサービス」(ウィーズが二次卸として加盟店と取引を行う形式)に一本化する。「eオーダーシステム」は、薬局等における過剰在庫抑制・欠品防止や薬剤師の事務負担軽減などの効果を目指し、薬局等のレセプトコンピュータと連携させ、AIを活用して必要な医薬品の種類と量を判断して自動発注する。収益は初期導入費用(ショット売上)及びシステム利用料収入(ストック売上)となる。「みんなのお薬箱」は国内最大級の医薬品売買ニーズマッチングサイトで、このサイトによる「不動在庫サービス」は全国の薬局の不動在庫(デッドストック)の有効利用を目的として、処方されずに不動在庫となった医薬品を売りたい薬局と、不足している医薬品を買いたい薬局の売買を仲介する。収益は売買が成立した医薬品の薬価に応じた手数料収入(ストック売上)である。なお2026年3月期には、グループ会社ピークウェルの自社倉庫管理をDXによって削減したコストを活用し、加盟薬局の不動在庫の高価買い取りなど価格還元策を実施したことで大手・中堅企業の獲得につなげている。みんなのお薬箱事業のKPIとして、2026年3月期中間期末時点で施設保有数は前年同期比1,271施設増加して18,224施設となり、全国の対象施設数約17万施設に占める同社シェアは約10.3%となった(同社調べ)。また流通額(「仕入サポートサービス」+「不動在庫サービス」)は、2026年3月期第1四半期が同2,751百万円減少して55,763百万円、第2四半期が同19百万円増加して56,695百万円となった。流通額は一時的な営業活動停滞の影響で減少傾向だったが、ウィーズとの業務提携により医薬品卸との調整及び移管が完了して正常化し、前年同期比では第2四半期より回復に転じた。基幹システム事業は「医科、薬局、介護のデータ連携プラットフォーム」5. 基幹システム事業基幹システム事業は「医科、薬局、介護のデータ連携プラットフォーム」をコンセプトとして、医療機関・薬局・介護施設に必要な事務処理システムや情報システムなどを提供している。主力サービスは、調剤薬局向けとして子会社モイネットシステムのオールインワンレセコン「Pharmy」、ハイブリッジの電子薬歴システム「Hi-story」、同社(2024年8月に同社がキューブイメージング(株)を吸収合併)の調剤監査システム「Cube.i」など、医療機関(病院・クリニック)向けとしてエーシーエスの医事会計・オーダリング・電子カルテシステム「HOSPITAC」、メディカルJSPのクリニック向け電子カルテシステム「Ex-Karte」及びレセプトコンピュータシステム「IJIα-5」、同社(2024年11月に同社が(株)ホスピタルヘルスケアを吸収合併)の外来受診支援アプリ「スマートガイドシステム」など、介護施設向けとして同社の電子介護記録システム「コメットケア」などがある。なお外来受診支援アプリ「スマートガイドシステム」の導入事例として、2025年11月に済生会横浜市東部病院において「スマートガイドシステム」医療費あと払いサービスを開始した。これにより、患者は会計で順番を待つことなく帰宅できるなど、患者にとって快適な通院を実現するとともに、病院におけるDXを実現した。またハイブリッジの電子薬歴システム「Hi-story」について、機能を強化した新バージョンを2025年末~2026年初にリリース予定である。収益は初期導入費用(ショット売上)と保守料収入の(ストック売上)である。基幹システム事業はほかの事業に比べて、システムの新規導入に)伴う初期導入費用等のショット売上高の構成比が高くなるため、新規導入数の変動が業績変動要因となる。基幹システム事業のKPIとして、2026年3月期中間期末時点の施設保有数は前年同期比384施設増加して8,184施設(内訳は薬局が同252施設増加して5,371施設、介護が同61施設増加して2,277施設、医科が同71施設増加して536施設)となり、全国の対象施設数約25万施設に占める同社シェアは約3.3%となった(同社調べ)。2026年3月期は基幹システム事業の薬局保有数1,000施設純増を目指す。未病予防事業は健診・人間ドック・特定保健指導サービスをサポート6. 未病予防事業未病予防事業は健康保険組合と契約し、被保険者の健康診断・人間ドックのWeb予約サービスなどを提供する「くすりの窓口健診サポート」及び「EPARK人間ドック」や、薬局で受ける特定保健指導をサポートする特定保健指導サービスを提供している。第4の柱に育成すべく2026年3月期より本格展開し、中間期末時点の予約数(「くすりの窓口健診サポート」の予約数+「EPARK人間ドック」の予約数)は、大手健康保険組合との契約獲得が寄与して前期末比15,530件増の20,580件となった。収益は、「くすりの窓口健診サポート」は受診を完了した際に発生する1名当たりの手数料(ストック売上)、「EPARK人間ドック」は利用者が受診したコースに対する手数料(ストック売上)、特定保健指導サービスは特定保健指導の初回面談時と完了時に発生する1名当たりの手数料(ショット売上)である。売上は実際に健康診断や人間ドックの受診を完了した月に計上されるため、通常は予約から2〜3ヶ月後に計上される。(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)
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2025/12/26 13:05
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くすりの窓口 Research Memo(4):メディア事業は「医療と患者をつなぐプラットフォーム」
*13:04JST くすりの窓口 Research Memo(4):メディア事業は「医療と患者をつなぐプラットフォーム」
■くすりの窓口<5592>の事業概要3. メディア事業メディア事業は「医療と患者をつなぐプラットフォーム」をコンセプトとして、EPARKから譲受した薬局業種向けEPARKサービスをベースに、患者の利便性、薬局の効率性・生産性の向上を目的としたサービスを提供している。主力サービスは、国内最大級の薬局検索予約ポータルサイト「EPARKくすりの窓口」と、患者のお薬情報確認機能や飲み忘れ防止アラーム発信機能等を有する電子お薬手帳アプリ「EPARKお薬手帳」である。いずれのサイト・アプリからも処方箋ネット受付・受取予約サービスを利用できる。また、検索上位表示機能やオンライン服薬指導機能が備わった「リッチプラン」、患者のリピート促進に特化した顧客管理システム「Pharmacy Support」、患者がネット予約した薬局店舗に薬の在庫がない場合などにグループ近隣店舗の在庫システムと連携して患者の離脱防止ができる「AI stock」機能など、既存サービスの機能強化や新サービスの開発を継続的に推進して様々なニーズに対応している。「AI stock」機能は2025年4月末時点で受注済み店舗数が1,500店舗以上となった。さらに、薬局店舗内の業務を無人化・効率化するソリューションのリアル店舗商材として、AIを活用して店舗内の基本受付業務を自動化する「AI受付機」や「無人精算機」も展開しており、特に「AI受付機」の引き合いが増加している。なお2025年1月にはオンライン診療の窓口となるプラットフォームを運営するファストドクター(株)と業務提携した。ファストドクターのプラットフォームを利用してオンライン診療を受診した患者が、医師からオンラインで受け取った処方箋を「EPARKくすりの窓口」加盟薬局へ送信することにより、診療から処方までの一連のプロセスをオンラインで完結できる。主な収益は「EPARKくすりの窓口」の処方箋ネット予約に関わる手数料収入(ストック売上)である。患者からの初回予約時に当該患者に関わる初回登録手数料が発生し、その後は初回よりも金額を抑えた手数料を当該患者に関わる登録管理料として毎月継続して得る。「EPARKお薬手帳」では直接的な収益は発生しないが、いつも利用する薬局をかかりつけ登録できる機能等により、薬局を検索することなく処方薬の受取予約ができるため「EPARKくすりの窓口」の利用促進・リピートにつなげる役割を担っている。また「リッチプラン」「Pharmacy Support」及びリアル店舗商材の収益は、初期導入費用(ショット売上)とその後の月額利用料収入(ストック売上)である。メディア事業のKPIとして、2026年3月期中間期末時点で「EPARKくすりの窓口」の施設保有(導入店舗)数は前年同期比1,945施設増加して23,953施設となり、全国の薬局店舗数約6.3万店舗に占める同社シェアは約38.0%となった(同社調べ)。「EPARKお薬手帳」の累計ダウンロード数は同1,219千件増加して6,718千件と国内最大級である。また処方箋ネット受付数(予約数)は2026年3月期第1四半期が同226千件増の1,613千件、第2四半期が同201千件増の1,627千件となった。直近の「EPARKくすりの窓口」処方箋ネット受付サービスの新規導入店舗として、2025年2月に(株)ウィーズ((株)E-BONDホールディングスの子会社、みんなのお薬箱事業で2024年11月に業務提携)の全国400店舗超の調剤薬局に導入、同年4月に(株)サンキュードラッグの61店舗の調剤薬局・ドラッグストアに導入、同年5月にファーマライズ(株)の調剤薬局・ドラッグストア227店舗及びファーマライズの子会社(株)ヘルシーワークの調剤薬局33店舗に導入、同年9月に(株)クスリのアオキのドラッグストア併設調剤薬局15店舗に導入した。また患者の利便性向上や利用拡大に向けて、マンションや商業施設内への処方箋受付機導入拡大を推進しており、同年4月に(株)つなぐネットコミュニケーションズと連携、同年5月に日本調剤<3341>、イオン東北(株)と連携した。(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)
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2025/12/26 13:04
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くすりの窓口 Research Memo(3):メディア事業、みんなのお薬箱事業、基幹システム事業、未病予防事業を展開
*13:03JST くすりの窓口 Research Memo(3):メディア事業、みんなのお薬箱事業、基幹システム事業、未病予防事業を展開
■くすりの窓口<5592>の事業概要1. 事業概要同社は事業区分を、メディア事業(薬局検索予約ポータルサイト「EPARKくすりの窓口」や電子お薬手帳アプリ「EPARKお薬手帳」など)、みんなのお薬箱事業(薬局や医療機関の医薬品仕入価格交渉を代行する「仕入サポートサービス」、AIを活用した医薬品在庫管理・自動発注システム「eオーダーシステム」、医薬品売買ニーズマッチングサイト「みんなのお薬箱」による「不動在庫サービス」など)、基幹システム事業(医療機関・調剤薬局・介護施設に必要な事務処理システムや情報システムなど)としている。また第4の柱を育成すべく、新規事業として未病予防事業(健康診断・人間ドックの予約、加盟薬局・ドラッグストアの店頭での特定保健指導)を開始している。M&A・アライアンスも積極活用しながら、EPARKから譲受した薬局業種向けEPARKサービス事業を拡大するとともに、「医・薬・介護、個人ユーザー(患者)をつなぐプラットフォーム」として、調剤薬局・ドラッグストア・医療機関・介護施設・患者等の様々なニーズを捉えた独自事業を自社開発して業容を拡大している。ストック売上高及びストック粗利は全事業とも拡大基調2. ストック売上高とストック粗利を重視収益は薬局等から得られる初期導入費用等のショット売上、及び月額利用料・手数料収入等のストック売上である。ショット売上は一時的要因で変動する可能性があるため、同社は継続的な収益が見込まれるストックビジネスを戦略的に重視し、ストック売上高及びストック粗利をKPIとしている。全事業ともストック売上高の拡大に伴ってストック粗利が拡大基調であり、持続的な営業利益成長や高収益構造の源泉となっている。そしてストック収益の最大化を図るとともに、ストック収益の顧客基盤から得られるデータを蓄積・活用して顧客ニーズを捉えた高付加価値サービスの開発につなげている。メディア事業のストック売上高※1は2022年3月期の1,664百万円から2025年3月期の3,002百万円へ約1.8倍に拡大した。そしてメディア事業のストック粗利※2は2022年3月期まで損失を計上していたが、ストック売上拡大に伴って2023年3月期に黒字化した後、2025年3月期には1,188百万円まで拡大した。みんなのお薬箱事業のストック売上高は同様に1,387百万円から2,665百万円へ約1.9倍に拡大し、ストック粗利は613百万円から1,304百万円へ約2.1倍に拡大した。基幹システム事業はメディア事業及びみんなのお薬箱事業との比較ではストック売上比率が低いものの、ストック売上高は同様に567百万円から1,512百万円へ約2.6倍に拡大、ストック粗利※2は261百万円から587百万円へ2.2倍に拡大した。なお、みんなのお薬箱事業の2025年3月期の売上高(ショット売上高とストック売上高の合計)は3,127百万円で前期比377百万円減少したが、これは「仕入サポートサービス」に関する医薬品卸との調整の影響で、新規導入獲得活動が一時的に停滞してショット売上が減少した一過性要因によるものである。※1 メディア事業に含めていたEPARK人間ドックの売上高を26/3期より未病予防事業に移管したため25/3期は遡及修正値。※2 メディア事業と基幹システム事業のストック粗利について26/3期より定義変更したため25/3期は遡及修正値。ストック売上比率はショット売上高の一過性要因による変動の影響を受けるため上昇基調とはなりにくいが、ショット売上高の増加は将来のストック売上高及びストック粗利の拡大につながる。2025年3月期はメディア事業におけるオンライン服薬指導が備わった「リッチプラン」の獲得が増加、基幹システム事業において補助金交付対象の「電子処方箋管理サービス新機能」の獲得が増加してショット売上が大幅に増加したため、それぞれのストック売上比率が一時的に低下した。ストック粗利率については、特にメディア事業の上昇が顕著(2023年3月期14.6%、2024年3月期30.1%、2025年3月期39.6%、2026年3月期中間期45.3%)であり、全社ストック粗利率及び連結営業利益率の上昇につながっている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)
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2025/12/26 13:03
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くすりの窓口 Research Memo(2):ヘルスケアテック領域において各種ソリューションを提供
*13:02JST くすりの窓口 Research Memo(2):ヘルスケアテック領域において各種ソリューションを提供
■会社概要1. 会社概要くすりの窓口<5592>は「ヘルスケア領域に新しい価値を提供する」という企業理念の下、調剤薬局・ドラッグストア・医療機関・介護施設等などの顧客の収益と生産性向上に貢献すること、個人ユーザー(患者)にこれまでにない利便性を提供することを念頭に置き、ヘルスケアテック領域において各種ソリューションを提供している。2026年3月期中間期末時点の総資産は13,336百万円、純資産は9,409百万円、自己資本比率は69.9%、発行済株式数は11,223,000株(自己株式106,122株を含む)である。グループは同社及び連結子会社10社と持分法適用関連会社1社の合計12社で構成されている。連結子会社は(株)ファーマリー、(株)ピークウェル、(株)エーシーエス、(株)モイネットシステム、(株)メディカルコーディネート、(株)EPARK人間ドック、(株)メディカルJSP、ハイブリッジ(株)、薬剤師求人転職(株)、(株)メディカルコネクト、持分法適用関連会社は(株)J-Seedである。なお、2025年3月31日時点で同社の第1位株主であったNBSEヘルステック投資事業有限責任組合が、投資期限到来に伴って同年8月25日に同社普通株式3,140,400株を出資者に分配したため、(株)EPARK(光通信<9435>の子会社)が同社の第1位株主となった。この分配に伴って同年8月26日の東京証券取引所(以下、東証)の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)によって自己株式250,000株を取得した。これらの結果、2025年3月末時点において上場維持基準(25.0%)に適合していなかった流通株式比率(24.3%)が、同年9月末時点で34.2%以上となって改善期間が解除された。また、同社の親会社であるEPARK及びEPARKの親会社である光通信との関係について、EPARKによる同社株式議決権保有割合は37.95%(2025年9月30日現在)となっている。また同社はEPARKと締結したオフィシャルパートナーシップ契約に基づき、EPARKに対してEPARKサービスに関わるロイヤリティ及びEPARKの社内LAN利用料を支払っている。ただし光通信、EPARK及びEPARKグループ企業からの役員もしくは出向社員の受け入れはなく、同社の経営の独立性は確保されている。2. 沿革同社の形式的な設立は、光通信が(株)サイバーテレコム(2007年1月に(株)L-NETへ商号変更)を設立した2004年9月である。様々な店舗のネット予約サービスを展開するEPARKでは2013年10月に薬局業種向けEPARKサービス事業(調剤予約、処方箋送信サービス等)を開始した。その後、EPARKから薬局業種向けEPARKサービス事業を譲受するため、光通信が休眠会社となっていたL-NETを(株)EPARKヘルスケアに商号変更した2015年6月を実質的な同社の創業としている。そして同年12月にEPARKとオフィシャルパートナーシップ契約を締結、2016年1月にEPARKから薬局業種向けEPARKサービス事業を取得、同年8月にフリービット<3843>が同社を子会社化、2017年12月に商号を(株)フリービットEPARKヘルスケアへ、2020年11月に現在の(株)くすりの窓口へ変更し、2023年10月に東証グロース市場へ株式上場した。事業展開では「医・薬・介護、個人ユーザー(患者)をつなぐプラットフォーム」として、M&A・アライアンスも積極活用しながら業容を拡大している。(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)
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2025/12/26 13:02
注目トピックス 日本株
くすりの窓口 Research Memo(1):ストック売上高・粗利が拡大して高成長を継続
*13:01JST くすりの窓口 Research Memo(1):ストック売上高・粗利が拡大して高成長を継続
■要約くすりの窓口<5592>は「ヘルスケア領域に新しい価値を提供する」という企業理念の下、調剤薬局・ドラッグストア・医療機関・介護施設などのヘルスケアテック領域において各種ソリューションを提供している。1. メディア事業、みんなのお薬箱事業、基幹システム事業、未病予防事業を展開同社は事業区分を、メディア事業(薬局検索予約ポータルサイト「EPARKくすりの窓口」や電子お薬手帳アプリ「EPARKお薬手帳」など)、みんなのお薬箱事業(薬局や医療機関の医薬品仕入価格交渉を代行する「仕入サポートサービス」、AIを活用した医薬品在庫管理・自動発注システム「eオーダーシステム」、医薬品売買ニーズマッチングサイト「みんなのお薬箱」による「不動在庫サービス」など)、基幹システム事業(医療機関・調剤薬局・介護施設に必要な事務処理システムや情報システムなど)としている。また新規事業として未病予防事業(健康診断・人間ドックの予約、加盟薬局・ドラッグストアの店頭での特定保健指導)を開始している。収益は薬局等から得られる初期導入費用等のショット売上、及び月額利用料・手数料収入等のストック売上である。ショット売上は一時的要因で変動する可能性があるため、同社は継続的な収益が見込まれるストックビジネスを戦略的に重視し、ストック売上高及びストック粗利をKPIとしている。全事業ともストック売上高の拡大に伴ってストック粗利が拡大基調であり、持続的な営業利益成長や高収益構造の源泉となっている。2. 2026年3月期中間期は大幅増益で着地2026年3月期中間期の連結業績は売上高が前年同期比7.0%増の5,825百万円、営業利益が同32.9%増の1,262百万円、経常利益が同35.7%増の1,252百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が同190.5%増の1,620百万円だった。EBITDAは同26.7%増の1,935百万円だった。全体としてストック売上高とストック粗利が順調に積み上がり、大幅増益で着地した。全社ベースのストック売上高は同14.9%増の3,977百万円、ストック粗利は同22.9%増の1,651百万円となった。事業別には、基幹システム事業において前年同期の補助金交付対象のサービス需要が一巡した反動があったものの、メディア事業とみんなのお薬箱事業の高成長がけん引し、利益面では販管費の減少も寄与した。親会社株主に帰属する中間純利益については、2025年9月1日に実施した減資に伴い、繰越欠損金に係る繰延税金資産を追加計上して調整額が法人税等を超過した。3. 2026年3月期通期も増収増益・過去最高予想、2027年3月期も高成長を継続2026年3月期通期の連結業績は期初予想を据え置いて、売上高が前期比9.8%増の12,300百万円、営業利益が同12.6%増の2,200百万円、経常利益が同10.0%増の2,135百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同10.1%増の2,240百万円と、増収増益を予想している。前期の「電子処方箋管理サービス新機能」関連特需を除いた比較では売上高を同15.0%増収、営業利益を同33.3%増益と見込んでいる。中間期の進捗率は売上高が47.4%、営業利益が57.4%、経常利益が58.6%、親会社株主に帰属する当期純利益が72.4%である。中間期の利益進捗率が高水準であることに加え、積極的な事業展開で各事業ともストック売上高、ストック粗利の順調な拡大が期待できることを勘案すれば、会社予想に上振れの可能性があると弊社では考えている。さらに2027年3月期はストック売上高の順調な積み上げに加え、薬価及び調剤報酬の改定に伴ってショット売上高が増加する可能性があり、高成長を継続する見込みだ。4. 2030年3月期の目標はストック売上高200億円、営業利益50億円以上同社は中期経営計画の目標値に2030年3月期のストック売上高200億円、営業利益50億円以上を掲げ、ストック売上高を積み上げながら安定的な利益確保を目指す。基本戦略としては、既存の主力3事業(メディア事業、みんなのお薬箱事業、基幹システム事業)でのデータ・システム連携などにより各々の市場シェアを拡大してストック売上を積み上げるほか、M&A・アライアンスも積極活用しながら「医・薬・介護、個人ユーザー(患者)をつなぐプラットフォーム」として、調剤薬局・ドラッグストア・医療機関・介護施設・患者等の様々なニーズを捉えた独自事業を自社開発して業容を拡大する。さらに未病予防事業を第4の柱に育成する方針だ。■Key Points・ヘルスケアテック領域において各種ソリューションを提供・2026年3月期中間期は大幅増益で着地・2026年3月期通期も増収増益予想で高成長を継続・2030年3月期の目標はストック売上高200億円、営業利益50億円以上(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)
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2025/12/26 13:01
注目トピックス 日本株
日経平均寄与度ランキング(前引け)~日経平均は大幅続伸、アドバンテストが1銘柄で約140円分押し上げ
*12:41JST 日経平均寄与度ランキング(前引け)~日経平均は大幅続伸、アドバンテストが1銘柄で約140円分押し上げ
26日前引け時点の日経平均構成銘柄の騰落数は、値上がり148銘柄、値下がり73銘柄、変わらず4銘柄となった。日経平均は大幅続伸。509.14円高の50916.93円(出来高概算8億3067万株)で前場の取引を終えている。前日25日の主要欧米株式市場は休場。昨日の主要欧米株式市場が休場で手掛かり材料に乏しい中、26日の日経平均は119.34円高の50527.13円と続伸して取引を開始した。その後も買い優勢の展開となり上げ幅を大きく広げ、50900円を超えて前場の取引を終了した。引き続き、年内の少額投資非課税制度(NISA)枠利用に伴う個人投資家の買いや12月決算銘柄の配当権利取り狙いの買いが株価下支え要因となった。また、年内の警戒材料はほぼ出尽くしたとして、「掉尾の一振」に期待する買いも指摘された。個別では、アドバンテス<6857>、ファーストリテ<9983>、ソフトバンクG<9984>、東エレク<8035>、任天堂<7974>、コナミG<9766>、中外薬<4519>、KDDI<9433>、イビデン<4062>、レーザーテク<6920>、ネクソン<3659>、京セラ<6971>、TDK<6762>、日東電<6988>、ディスコ<6146>などの銘柄が上昇した。一方、ファナック<6954>、住友電<5802>、信越化<4063>、リクルートHD<6098>、フジクラ<5803>、三井金属<5706>、味の素<2802>、ミネベア<6479>、オムロン<6645>、エプソン<6724>、京成<9009>、SMC<6273>、エムスリー<2413>、安川電<6506>、塩野義<4507>などが下落した。業種別では、その他製品、情報・通信業、証券・商品先物取引業などが上昇した一方で、非鉄金属、ガラス・土石製品、鉱業などが下落した。値上がり寄与トップはアドバンテスト<6857>となり1銘柄で日経平均を約140円押し上げた。同2位はファーストリテ<9983>となり、ソフトバンクG<9984>、東エレク<8035>、任天堂<7974>、イビデン<4062>、コナミG<9766>などがつづいた。一方、値下がり寄与トップはファナック<6954>となり1銘柄で日経平均を約8円押し下げた。同2位は住友電工<5802>となり、信越化<4063>、フジクラ<5803>、味の素<2802>、リクルートHD<6098>、三井金属<5706>などがつづいた。*11:30現在日経平均株価 50916.93(+509.14)値上がり銘柄数 148(寄与度+553.46)値下がり銘柄数 73(寄与度-44.32)変わらず銘柄数 4○値上がり上位銘柄コード 銘柄 直近価格 前日比 寄与度<6857> アドバンテ 20320 525 140.39<9983> ファーストリテ 57340 1260 101.08<9984> ソフトバンクG 17985 500 100.28<8035> 東エレク 34240 450 45.12<7974> 任天堂 10915 365 12.20<4062> イビデン 13285 350 11.70<9766> コナミG 21775 320 10.70<9433> KDDI 2749 23 9.23<4519> 中外製薬 8418 89 8.92<6920> レーザーテック 29820 460 6.15<3659> ネクソン 3863 78 5.21<6971> 京セラ 2213 18.5 4.95<6146> ディスコ 48400 680 4.55<6758> ソニーG 4062 23 3.84<6988> 日東電工 3768 23 3.84<6367> ダイキン工業 20375 110 3.68<6762> TDK 2236.5 6.5 3.26<4568> 第一三共 3442 31 3.11<4578> 大塚HD 9203 92 3.08<7735> SCREEN 15165 230 3.08○値下がり上位銘柄コード 銘柄 直近価格 前日比 寄与度<6954> ファナック 5997 -48 -8.02<5802> 住友電気工業 6375 -165 -5.52<4063> 信越化 4922 -20 -3.34<5803> フジクラ 17535 -85 -2.84<2802> 味の素 3382 -28 -1.87<6098> リクルートHD 9092 -18 -1.80<5706> 三井金属 17420 -440 -1.47<6479> ミネベアミツミ 3141 -37 -1.24<6645> オムロン 3949 -34 -1.14<6724> セイコーエプソン 1991.5 -17 -1.14<8015> 豊田通商 5335 -11 -1.10<6273> SMC 53700 -300 -1.00<2413> エムスリー 2078.5 -11.5 -0.92<7267> ホンダ 1555 -4.5 -0.90<9009> 京成電鉄 1306.5 -16 -0.80<6506> 安川電機 4664 -22 -0.74<6305> 日立建機 4625 -20 -0.67<8725> MS&AD 3625 -22 -0.66<4507> 塩野義製薬 2852.5 -6.5 -0.65<7269> スズキ 2332 -4 -0.53
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2025/12/26 12:41
注目トピックス 日本株
ランディックス: 25周年記念・通常優待が本日26日に権利取り期日、総還元で年率約5%
*12:40JST ランディックス: 25周年記念・通常優待が本日26日に権利取り期日、総還元で年率約5%
ランディックス<2981>の設立25周年記念優待・通常優待獲得が本日26日に権利取りの期日を迎える。同社では1Qに続き2Q決算時には連続的な増配を発表しており、今期の配当予想を42円→47円(前期比+8円)とし、設立25周年の記念株主優待(15,600円相当のデジタルポイント)とした。合計利回りは4.66%(200株保有の場合、記念優待2.91%+通常配当1.75%)となる。また既存の通常優待「ランディックス・プレミアム優待倶楽部」(400株以上保有の場合)は別枠で実施となる点にも注目しておきたい。6月には中期経営計画の数値と「在庫&景気変動リスクが大きい“フロー型不動産業者”認識からの脱却」という自社の立ち位置が明確にされ、かつ納得感のある内容を開示していたが、その達成に向けて順調な進捗を確認できる。保守的に見積もっても、株価は上方への乖離がある。順調に推移している2026年3月期の当期純利益予想16.5億円に対して、その15倍は247.5億円であり、ネットキャッシュ▲60億円を差し引いていたとしても、現状の時価総額である152億円の23%上。売上高のストック的な性質かつ高成長、自己資本比率で約40%という健全な財務体質、高ROEであることを考慮すれば、中計達成時(2028年3月期の売上高350億円、経常利益率10%)のPER15倍、時価総額で約300億円という計算は成り立つ。株価は現状から2倍だ。
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2025/12/26 12:40
注目トピックス 日本株
京葉瓦斯 Research Memo(7):2025年12月期は記念配当実施により26.0円配を予定
*12:37JST 京葉瓦斯 Research Memo(7):2025年12月期は記念配当実施により26.0円配を予定
■株主還元策京葉瓦斯<9539>は、ガス事業を中心とする公共性の高い業種であることから、持続的成長と中長期的な企業価値向上の実現に向け、安定的な経営基盤の確保と将来の経営環境の変化への対応に必要な自己資本を維持することを目指す。このため株主還元については、業績や財務状況、株主資本配当率(DOE)などを総合的に勘案し、累進配当を目指す。また、2025年5月8日に都市ガスの顧客件数が100万件に到達したことを記念し、2025年12月期の1株当たり配当金については、中間・期末においてそれぞれ1株当たり2.0円の記念配当を実施する。このため、1株当たり年間配当金は、期初予想から4.0円増配の26.0円(中間配当金13.0円、期末配当金13.0円)を予定している。(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)
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2025/12/26 12:37
注目トピックス 日本株
京葉瓦斯 Research Memo(6):2025年12月期は利益予想を上方修正、原料価格下落により利益率改善
*12:36JST 京葉瓦斯 Research Memo(6):2025年12月期は利益予想を上方修正、原料価格下落により利益率改善
■京葉瓦斯<9539>の業績動向3. 2025年12月期の業績予想2025年12月期業績について、同社は売上高116,200百万円(前期比0.4%増)、営業利益2,800百万円(同95.3%増)、経常利益3,400百万円(同50.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,500百万円(同54.0%増)を見込んでいる。前期は電力小売事業の環境が厳しかったが、2025年12月期は電力小売事業が回復し、大幅増益をけん引する見込みである。なお、期初予想に対して原料価格が想定を下回って推移したため、中間期決算と同時に売上高で2,700百万円下方修正、営業利益で400百万円、経常利益で300百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で400百万円上方修正した。売上高は、ガス及び電力小売販売量の増加により増収を見込む。利益面では、家庭用ガス販売量及び電力小売販売量の増加、電力小売事業における調達コストの減少などにより採算が改善し、大幅増益を予想する。通期業績の修正要因として、売上高の下方修正は、LNG価格が当初想定より10%下がるなど、原料価格が想定を下回って推移したことに伴うガス販売価格の値下がりによる。一方、営業利益の上方修正は、原料価格の下落によるスライドタイムラグの影響などで、売上総利益率が大きく改善したことが要因である。セグメント別では、エネルギーが全体の増収増益をけん引する計画である。家庭用ガスは、同社の供給エリア内の住宅増加を背景に、着実な新規顧客獲得を目指す。工業用は、CO2排出削減に貢献する天然ガスの優位性を訴求し、積極的な営業を展開する。併せて、ガス事業の顧客を深掘りして電気小売の顧客の増加を図る。再生可能エネルギーへの取り組みとして、蓄電池や太陽光発電への投資を強化する方針である。ライフサービスは、顧客接点の多さを生かして「まるごとサポート」や「クラシモ」などを積極的に展開する。リアルエステートでは、「リーフシティ市川 ザ・レジデンス」の竣工・入居開始に伴う初期費用が第2四半期に発生したため、通期業績見通しは厳しい。しかし、第3四半期以降は収益改善が続く見込みである。中期経営計画初年度は、投資とエリアマネジメントが順調に進捗4. 中期経営計画の進捗と成長イメージ「中期経営計画2025-2027」の初年度となる2025年12月期における進捗は、収益面ではエネルギー領域の収益改善効果が大きかった。また、投資については、米国でKG America, LLCを通じて分散型太陽光発電事業へ出資する仕組みを構築したほか、メガソーラー開発が難しくなった国内で小規模な太陽光発電事業を一括買収するなど、再生エネルギー関連のM&Aを実行した。また、「リーフシティ市川」の開発は順調であり、「リーフシティ市川 ザ・レジデンス」に続き、2025年11月には健康増進型・賃貸シニアレジデンス「オウカス リーフシティ市川」の入居も開始した。中期成長イメージとして、低炭素の天然ガスに対するニーズは長期的に強く、主力のエネルギーで安定成長を見込む。このため、カーボンオフセット都市ガス※の販売などにも注力する。同時に、再生可能エネルギーの内製化の動きもさらに強化する。ライフサービスでは、「くらしサポートサービス」を生かせるリフォーム事業に注力する。リアルエステートでは、エリアマネジメントによる「リーフシティ市川」の安定収益化とさらなる高付加価値化を見込むため、今後は新たに不動産を購入し開発する方針である。※ 都市ガスのライフサイクルで発生する温室効果ガスを、国内外の様々なプロジェクトで削減・吸収したCO2で相殺すること。「中期経営計画2025-2027」の業績目標達成に向けては、エネルギーの収益改善に加え、ライフサービスとリアルエステートの両事業を成長させる計画である。なお、株主価値向上とPBR(株価純資産倍率)1倍割れ是正に向け、資本戦略をより具体的に検討する。(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)
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2025/12/26 12:36
注目トピックス 日本株
京葉瓦斯 Research Memo(5):2025年12月期第3四半期は電力調達コスト減少などにより大幅増益
*12:35JST 京葉瓦斯 Research Memo(5):2025年12月期第3四半期は電力調達コスト減少などにより大幅増益
■京葉瓦斯<9539>の業績動向1. 2025年12月期第3四半期の業績動向2025年12月期第3四半期は、売上高が89,879百万円(前年同期比1.5%増)、営業利益が4,470百万円(同82.0%増)、経常利益が4,953百万円(同71.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益が3,539百万円(同81.2%増)と好調となった。なお、従来、一部の不動産賃貸収入及び不動産賃貸費用は「営業外収益」及び「供給販売費及び一般管理費」に含めて表示していたが、セグメントの変更に合わせて、第1四半期より「売上高」及び「売上原価」に表示することとした。この変更を反映させるため、前第3四半期の不動産賃貸収入及び不動産賃貸費用についても「売上高」及び「売上原価」への組み替えを行ったが、影響は軽微である。また、同社の業績はガス事業のウエイトが高いため、売上高に需要の多い冬季(1月〜3月)に多く計上されるという季節的偏重がある。第3四半期のガス販売量は、家庭用については顧客件数増、業務用については顧客設備の稼働増により、それぞれ伸長した。これにより、ガス販売量合計は514百万立方メートル(前年同期比0.9%増)となった。売上高は、原料価格の下落による販売価格低下をガス販売量の増加と電力小売販売量の増加でカバーし、増収となった。利益面では、ガス事業における原料価格の下落や、電力調達コストの減少などによる電力小売費用の減少などにより、売上原価が同1.3%減少した。この結果、売上総利益率は同1.9ポイント改善の33.2%となった。また、販管費を同0.5%増に抑制したため、営業利益は大幅に伸びた。なお、2025年9月に、同社初の海外子会社であるKG America, LLCが、三井物産<8031>の子会社で分散型太陽光発電、蓄電池の分野におけるリーディングカンパニーForeFront Power, LLC (FP)とともに、米国においてPPA(Power Purchase Agreement)方式※による分散型太陽光発電事業に出資することを決定した。国内の再生可能エネルギー開発が停滞傾向にある一方、米国では電力需要の増加により加速している。同社は、米国を戦略的に重要な成長市場と位置付け、この出資を通じて再生可能エネルギー事業を本格的に展開する計画である。※ PPA事業者が需要家の敷地内などに太陽光発電設備を設置し、需要家は初期投資をすることなく使用した分の電気料金をPPA事業者に支払う仕組み。エネルギーの収益改善が全体業績をけん引2. セグメント別の動向セグメント別の業績※動向は、エネルギーが売上高83,722百万円(前年同期比2.2%増)、セグメント利益6,049百万円(同61.8%増)、ライフサービスが売上高4,784百万円(同12.3%減)、セグメント利益480百万円(同18.9%減)、リアルエステートが売上高1,573百万円(同19.4%増)、セグメント利益617百万円(同20.1%減)となった。エネルギーの収益改善が、全体業績の伸びをけん引した格好である。※ 売上高・セグメント利益ともに調整前。エネルギーは、ガスと電力小売の販売量が増加した一方、調達コストが下がったため、大幅な増益となった。主力のガス事業では、原料のドル建てLNG価格下落に伴い、販売価格も同様に低下した。家庭用ガス販売量は顧客件数の増加などにより前年同期比1.2%増と着実に伸長した。業務用ガス販売量は、商業用で一部の機器更新に伴い空調需要が減少したものの、工業用・その他用において顧客設備の稼働が増加したことなどにより、同0.7%増となった。家庭用・業務用ともに、スライドタイムラグ※1による売上総利益率の向上が利益を押し上げた。※1 原料費調整制度※2に基づき、ガス原料価格の変動がガス販売単価に反映されるまで一定の時間差。家庭用で3ヶ月程度、業務用で1ヶ月程度のラグができ、一時的な増減益要因になる。※2 事業者の効率化努力を透明化するとともに、経済情勢を迅速に料金に反映させるため、原料費の変動に応じて料金を変化させる制度。電力小売事業では、顧客件数の増加や夏の猛暑による空調の使用増が寄与し、特に第3四半期に販売量が伸長した。販売量増加に加えて、ウクライナ情勢により市場価格が高騰していた時期に締結した電力の高値相対契約が徐々に解消していることが要因となり、損失ながらも大幅な増益となった。なお、電力小売事業は損失傾向が続いているが、高値の相対契約の解消により、将来の黒字化が見込まれる。ライフサービスは、前年同期に災害時の停電対策にも有効なものとして小中学校の体育館向け大口ガス空調案件を獲得した反動により、減収減益となった。リアルエステートは、「リーフシティ市川 ザ・レジデンス」が2025年6月より入居を開始したことで売上高は順調に増加したが、竣工に伴う償却費など初期費用により、減益となった。(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)
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2025/12/26 12:35
注目トピックス 日本株
京葉瓦斯 Research Memo(4):2027年12月期に経常利益60億円、ROE4.5%を目指す
*12:34JST 京葉瓦斯 Research Memo(4):2027年12月期に経常利益60億円、ROE4.5%を目指す
■京葉瓦斯<9539>の中期経営計画1. 「中期経営計画2025-2027」の概要カーボンニュートラル実現に向けてGX(Green Transformation)推進法が2023年5月に成立し、カーボンプライシングの仕組み構築など脱炭素への動きが加速している。また、生成AIや5Gなど高速で信頼性の高いデジタルサービスの普及が進んでいる。さらに、記録的な猛暑や地震、頻発する局所的大雨など気候変動や自然災害の激甚化、地政学リスクの高まりや新興国の経済発展に伴うエネルギーの需要増加と価格高騰などもあり、同社の事業環境が激変している。こうした変化に対応するため、同社は2024年に「中期経営計画2025-2027」を策定した。基本方針としては、都市ガスの安定供給・保安確保という社会的使命を担い続けるとともに、新しい価値を広く提供することで、顧客の“期待に応える”存在となることを目指す。基本方針のなかで、同社は3つの事業領域の成長とそれを支える経営基盤への投資を強化する方針を掲げている。エネルギー領域において、安定供給や無事故はもちろん、着実なガス事業運営に向けて再投資を継続する計画である。加えて、電気事業と再生可能エネルギー事業の強化に向けた投資も行い、ガス事業で着実な利益を創出すると同時に、ガス事業以外の収益拡大も推進する。ライフサービス領域では、様々なサービスを通じて顧客の“くらしのかかりつけ”を担う「くらしサポートサービス」への投資を進める計画である。リアルエステート領域では、「リーフシティ市川」の開発や不動産への投資によって、不動産事業の成長と地域の課題解決に取り組む。経営基盤の強化に向けては、人財やCX(顧客体験)・DX(デジタルトランスフォーメーション)への投資を強化する方針である。数値目標として、2027年12月期に経常利益60億円、ROE4.5%の達成を掲げている。「中期経営計画2025-2027」では、2021年12月期〜2023年12月期の平均経常利益19億円から41億円の増益を計画する。増益の大部分は、ガス及び電気の販売量増加により確保する方針である。電気事業においては、ガス100万件の顧客を取り込んで顧客数を10万件から拡大するとともに、調達の低コスト化を図る。ライフサービス領域では、水回りからリフォーム全体に視野を広げるなど新たな取り組みを進める。リアルエステート領域では、「リーフシティ市川」の本格稼働が見込まれるが、「リーフシティ市川」以外の新たな賃貸事業などを強化する。さらに、人口がピークアウトする将来を見据えた長期的な営業体制を考慮し、客数が増えているうちにDX推進による業務効率化やローコスト化などガス事業の効率化を進める。経営基盤も強化、中期経営計画の進捗管理精度を向上2. 具体的な取り組み具体的には、エネルギー領域で、ガス事業者としての使命を果たすとともに、環境性能の高いガス・電気の拡大を図り、地域のけん引役としてカーボンニュートラルを推進する。そのため、安全・安心の取り組みの強化に注力する。効果的な投資による導管ネットワークの強靭化、事業者間連携などによる災害対応力の向上、災害に強いガス機器などの普及、地域防災への貢献を通じて、レジリエンス※と災害対策の強化を進める。また、スマート保安のさらなる推進や保安スペシャリストの育成などを通じて、保安体制を強化・拡充する。※ 困難に対してしなやかに適応し、回復する能力や精神的な力。低炭素・脱炭素社会への貢献に向け、都市ガス・LPGの普及拡大、オール京葉ガスの接点機会を生かした電気販売の強化、デジタルデータを活用したエネルギー最適化の提案、電気工事の内製化などによるワンストップサービスの提供など、多様なエネルギーの提供とエネルギーの高度利用を進める。そのなかで、自治体や地域と連携し、脱炭素に向けたコンサルティングから削減策の実行支援までを担い、ゼロカーボンシティの実現に貢献する方針である。また、カーボンオフセット都市ガス商材の拡充や、CO2排出が実質ゼロとなる非化石価値付電気料金プランの拡販、バイオガスやe-メタンの調査研究など、カーボンオフセットな都市ガス提供へ向けた動きを強化する。M&Aやアライアンスも視野に入れており、分散型エネルギーリソースを束ねて制御するVPPアグリゲーター※への挑戦も検討している。※ 分散型エネルギーリソースを1つの発電所であるかのように統合・制御するVPP(Virtual Power Plant)で、太陽光発電設備や蓄電池などのエネルギーリソースを一括で監視・制御する事業者。ライフサービス領域では、「ハウスクリーニング」「まるごとサポート」「クラシモ」など多様な「くらしサポートサービス」を提供する“くらしのかかりつけ”を目指す。具体的には、顧客のライフステージに合わせて対面接点とデジタル接点を最適に組み合わせることで、顧客接点の拡大と強化を図る。高品質のサービスを提供することに加え、提案力・施工力・対応力を向上することで、「クラシモ」を顧客や地域から信頼されるリフォームブランドへと強化する。また、業務用サービスも強化し、顧客の事業成長を支援するサービスを提供するとともに、地域振興向けにデジタル技術の活用を図り、プロモーション強化やデータ活用によるターゲティングを進める。また、M&Aやアライアンスなどを活用した新サービスの創出を通じ、「くらしサポートサービス」全体を強化する。リアルエステート領域では、「リーフシティ市川」の開発や不動産事業の展開を通じて、地域・社会の活性化に貢献する方針である。「リーフシティ市川」では、開発完了後のエリアマネジメントによって、地域の活性化と防災に資するまちづくりを進めるため、持続可能な事業運営体制を構築する。さらに、千葉県北西部を中心にM&Aやアライアンスを視野に不動産事業の多角化と機能強化を図り、新たな不動産へ投資するとともに賃貸住宅・高齢者施設などの賃貸不動産の取得も推進する。経営基盤の強化では、従業員の働きがいを高め行動の変容を促すことで、中期経営計画の達成と持続的な企業成長を目指す。そのため、CX向上とDX推進を一体として取り組む方針である。具体的には、エンゲージメントの把握・向上、個の能力の最大化、自律的なキャリア形成、人財確保、DE&I(多様性・公平性・包括性)など人的資本経営を推進する。そのうえで、DX人財の育成へ向け、人事体系に基づく階層別教育や仕事の進め方に対する意識改革を進める。CX向上では、顧客の期待と評価のギャップを把握し改善アクションを実施することで、顧客の体験価値向上を目指す。さらに、開発の柔軟性と低コストを併せ持つ新基幹システムを構築し、約1,000の業務でデジタル化や廃止・簡略化を検討することで、生産性の向上やCX改善につなげる方針である。なお、同社は2025年12月期より報告セグメントを変更したが、ステークホルダーに対する情報開示の透明性を高めるとともに、「中期経営計画2025-2027」の進捗管理の精度向上を図ることが目的である。(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)
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2025/12/26 12:34
注目トピックス 日本株
京葉瓦斯 Research Memo(3):主力事業は都市ガスの製造・供給・販売
*12:33JST 京葉瓦斯 Research Memo(3):主力事業は都市ガスの製造・供給・販売
■事業概要1. エネルギー(1)ガス事業京葉瓦斯<9539>は、千葉県北西部(市川市・船橋市・松戸市・柏市・鎌ケ谷市・浦安市・白井市など)を主な供給区域として、都市ガスの製造・供給・販売を行っている。連結子会社の京和ガス(株)は、同社からガスの卸供給を受け、同県流山市を主な供給区域として都市ガスを供給・販売している。同社のガス事業は売上高の4分の3を占める主力事業であり、東京のベッドタウンとして人口密度が高く、人口が増加傾向にある地域を供給地盤としている点が特長である。高い成長性を支える地盤であり、導管輸送の効率も高い。また、集合住宅も多いことから、毎月行われる検針や4年に1回行われる検査の効率もよい。調達元は主として東京ガス<9531>で、そのほかに都市ガスの原料であるLNGを燃料として輸入する東京電力ホールディングス<9501>(東京電力)や千葉県産の天然ガスもある。3ルートとも品質に差異はない。ただし、東京ガスからは製品として調達できるのに対し、東京電力からは液化石油ガス(LPG)で熱量調整が必要となり、コストに影響が生じる。また、円安局面では千葉県産天然ガスが相対的に有利となるものの、採掘制限があるため利用できる量には限りがある。一方、販売単価は、競争があるためコスト上昇を即座に反映しにくい状況にある。都市ガスの小売自由化後も、ガス導管については依然として地域ごとの既存事業者が独占的な地位を維持している。同社の供給区域にも日本瓦斯<8174>(ニチガス)やENEOS(株)といった新ガス事業者が参入したが、現在は事業環境の変化もあって新規事業者による参入は落ち着いている。持分法適用関連会社のなのはなパイプライン(株)は、同社の将来にわたる原料調達の安定化を目的にガス導管の運営を行っている。また、同社が製造するガスの原料の一部は、その他の関係会社(大株主)の(株)南悠商社から仕入れている。(2)電力小売事業同社と京和ガスは、主として都市ガスの顧客を対象に、新電力事業者として電気の販売を行っている。ガスと電気をセットにすることで、顧客に値頃な価格を提示できる。また、同じ請求システムを使用することでコストシナジーを創出している。事業者向けには、価格に加えてガスと電気のベストミックスも提案している。電力小売事業は制度変更が多く、価格変動が運営リスクとなる特徴がある。足元で状況は落ち着きを見せているものの、2022年には燃料価格の急騰を背景に調達コストが大きく上昇するなど、近年の事業環境は厳しい状況が続いている。2. ライフサービスライフサービスでは、同社と京和ガスが、都市ガス事業に関連してガス機器の販売や工事を行っている。同社が販売するガス機器の一部は、持分法適用関連会社の京葉住設(株)から仕入れている。また、「ハウスクリーニング」、ガス機器や水回りの「まるごとサポート」、リフォームサービス「クラシモ」など、顧客の“くらしのかかりつけ”を担う「くらしサポートサービス」も展開している。3. リアルエステート連結子会社の京葉ガス不動産(株)は不動産の賃貸などを手掛け、同社も京葉ガス不動産から事務所建物の一部を賃借し、土地の一部を賃貸している。不動産事業は賃貸収入が中心となる安定的な収益構造が特徴である。同社は、かつて主力工場であった市川工場の跡地(約3.8ヘクタール)を活用し、複合開発事業「リーフシティ市川」を手掛けている。「リーフシティ市川」では2023年12月にコンビニエンスストアが開店し、2025年5月に賃貸マンション「リーフシティ市川 ザ・レジデンス(9階建て235戸)」、同年7月に健康増進型・賃貸シニアレジデンス「オウカス リーフシティ市川(10階建て181戸)」が竣工した。2026年春には、開発区域中心部の約7,000平方メートルの敷地に2階建て延べ床面積約9,700平方メートルのイオンリテールの商業施設「(仮称)イオンスタイル市川南」が開店する。同年末には定借分譲マンション「リーフシティ市川 ザ・タワー(29階建て674戸)」が竣工する予定である。さらに、地域住民の交流促進を目的に、中央広場・運動場、地域貢献施設の整備も予定している。(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)
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2025/12/26 12:33
注目トピックス 日本株
京葉瓦斯 Research Memo(2):都市ガスを軸に周辺事業・サービスを展開。電力小売や不動産などへ業容拡大
*12:32JST 京葉瓦斯 Research Memo(2):都市ガスを軸に周辺事業・サービスを展開。電力小売や不動産などへ業容拡大
■会社概要1. 会社概要京葉瓦斯<9539>は、千葉県北西部を主要な供給区域として、都市ガスの製造・供給・販売を行っている。加えて、主に都市ガスの顧客向けに電力を小売販売しているほか、不動産の賃貸、ガス内管工事・ガス機器販売、ガスメーターの検針、情報処理サービスといった事業も手掛けている。また、「ハウスクリーニング」、ガス機器や水回りの「まるごとサポート」、リフォームサービス「クラシモ」など、地域の顧客の生活を幅広く支援する「くらしサポートサービス」も提供している。電力・ガスの自由化や資源価格の高騰などエネルギー業界を取り巻く環境が変化するなかで、2030年のありたい姿として「“つぎの「うれしい!」”をご提供することで、お客さまの“期待を超える”存在となる」ことを掲げ、エネルギー、ライフサービス、リアルエステート3つの事業領域において新しい価値を提供し、持続的な企業成長を実現するため「長期経営ビジョン2030」を策定した。さらにビジョンの実現に向け、2024年11月に「中期経営計画2025-2027」も策定した。これに伴い、報告セグメントを従来の「ガス」「電力小売」「不動産」「その他(ガス工事・ガス機器販売等)」から、「エネルギー」「ライフサービス」「リアルエステート」へと変更した。なお、本レポートでは、前年同期のセグメント情報について、変更後の区分により遡及修正した数値を使用している。2. 沿革同社は、創業者である田中知一郎氏が、都市ガスの供給を目的に同社の前身となる葛飾瓦斯(株)を1927年に設立したことに始まる。第2次世界大戦後の1955年に、中興の祖とも言える菊池寛実氏により経営が引き継がれた。その後は2000年に向け、ガス供給力の強化、天然ガス化の推進、サービス体制や保安体制の充実、供給元の多様化などを進めた。2000年以降は、家庭用コージェネレーションシステム「エコウィル」や家庭用燃料電池コージェネレーションシステム「エネファーム」、太陽光発電システムの販売を開始するなど、業容を拡大した。2016年には小売電気事業者として電気の販売を開始し、2017年のガス小売全面自由化(導管事業・小売事業の会計分離)後はガス販売事業者として他エリアへの進出を図った。また、市川工場跡地で「リーフシティ市川」事業を開始、賃貸マンションが2025年に竣工するなど、開発を推進している。3. 都市ガス事業の概要都市ガス事業は、主に都市部に敷設された導管を通じてガスを一般家庭・工場・商業施設などへ供給する。導管網の敷設と運営には多額の投資とコストがかかるため、規模の経済性を生かせる都市部を中心に発展した。都市ガスの主な原料である天然ガスの大部分は液化天然ガス(LNG)として海外から輸入される。このため、ガス導管網は、輸入拠点の港湾地域にあるLNG受入基地を起点に扇状に整備された。この結果、全国各地の都市部を中心に約200(千葉県で16)の都市ガス事業者(一般ガス導管事業者)が点在する構造となっている。普及エリアも国土面積の約6%に留まる。これは、戦後復興期に安定電力の確保が優先され、送電網が全国的に統合された結果、事業者(一般送配電事業者)が10社に集約された電気事業とは対照的である。ガス小売は、1995年の大口顧客への自由化を皮切りに段階的に自由化範囲が拡大し、2017年4月には、小口(家庭用)を含むすべての顧客に対して全面自由化された。これにより、既存の都市ガス事業者が担ってきた保安業務のうち、ガス機器の調査や危険発生防止の周知に関する業務は、新規参入事業者を含むガス小売事業者が担うこととなった。近年、オール電化の普及により熱源として電力の利用が増加傾向にあるなか、台風や地震などの自然災害による停電リスクが懸念されている。これに対し、地中に敷設されている導管網ガスの災害時における優位性が再評価されている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)
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2025/12/26 12:32
注目トピックス 日本株
京葉瓦斯 Research Memo(1):2025年12月期第3四半期は大幅増益。2025年8月に通期予想を上方修正
*12:31JST 京葉瓦斯 Research Memo(1):2025年12月期第3四半期は大幅増益。2025年8月に通期予想を上方修正
■要約京葉瓦斯<9539>は、千葉県北西部を主な供給区域として都市ガスの製造・供給・販売を行っている。千葉県北西部は東京のベッドタウンとして人口密度が高く、人口も増加傾向にあるため、導管輸送や検針などの効率性が高い地盤を保有する。同社は都市ガス事業以外の事業も多角的に展開しており、電力小売事業では主に都市ガスの顧客を対象に電気の販売を行っている。ライフサービスでは、都市ガス事業に関連したガス機器の販売、水回りのリフォームなどを行っている。リアルエステートでは、不動産賃貸事業などを展開しており、現在は市川工場跡地及びその周辺所有地において住・商・緑複合の街「リーフシティ市川」の開発を進めている。1. 「中期経営計画2025-2027」の概要進行中の「中期経営計画2025-2027」では、3つの事業領域ごとに基本方針を掲げている。エネルギー領域では、着実なガス事業運営に向けて再投資を継続して安定的な利益を創出すると同時に、電気事業と再生可能エネルギー事業の強化に向けた投資も行う。ライフサービス領域では、「ハウスクリーニング」、ガス機器や水回りの「まるごとサポート」、リフォームの「クラシモ」など、顧客の“くらしのかかりつけ”を担う「くらしサポートサービス」の拡大を目指す。リアルエステート領域では、「リーフシティ市川」の開発や不動産への投資を通じて、不動産事業の成長と地域の課題解決に向けた取り組みを推進する。また、経営基盤の強化に向け、人財やCX・DXへの投資を強化する目標として、2027年12月期に経常利益60億円、ROE4.5%を掲げている。2. 2025年12月期第3四半期の業績概要2025年12月期第3四半期の業績は、売上高が89,879百万円(前年同期比1.5%増)、営業利益が4,470百万円(同82.0%増)と好調となった(表示変更に伴い前年同期の業績数値を修正して増減率を算出。以下同)。エネルギーは、家庭用ガスで顧客件数が増加し、業務用ガスで顧客設備の稼働が増えたほか、電力小売で顧客件数の増加などにより販売量が増加し、売上高は前年同期比2.2%増加した。さらに、電力調達コストの減少などにより採算が改善し、セグメント利益は同61.8%増となり、全体の業績をけん引した。ライフサービスは、前年同期の大口案件の反動により売上高は同12.3%減、セグメント利益は同18.9%減となった。リアルエステートは、「リーフシティ市川」で賃貸マンションが竣工したが、竣工に伴う初期費用のため、売上高は同19.4%増、セグメント利益は同20.1%減となった。3. 2025年12月期業績予想と中期経営計画進捗2025年12月期業績について、同社は売上高116,200百万円(前期比0.4%増)、営業利益2,800百万円(同95.3%増)と、大幅増益を見込んでいる。なお、期初業績予想に対して原料価格が想定を下回って推移したため、中間期決算の発表と同時に、売上高で2,700百万円下方修正、営業利益で400百万円上方修正した。2025年12月期は「中期経営計画2025-2027」の初年度となるが、投資と「リーフシティ市川」の開発において成果があった。投資については、米国でのKG America, LLCによる分散型太陽光発電事業への出資や、国内での太陽光発電事業の買収など、再生可能エネルギー関連のM&Aを実行した。また、「リーフシティ市川」の開発が順調に進展し、賃貸マンションなどの入居を開始した。■Key Points・主力のガス事業を中心に、2027年12月期に経常利益60億円、ROE4.5%を目指す・2025年12月期第3四半期は電力調達コストの減少などにより利益率が改善し、大幅増益・2025年12月期は予想を上方修正、原料価格下落により利益率改善(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)
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2025/12/26 12:31
注目トピックス 日本株
フジ日本:精糖を基盤にイヌリンを軸とした機能性素材・フードサイエンス領域へ展開、配当利回り3%超え
*12:14JST フジ日本:精糖を基盤にイヌリンを軸とした機能性素材・フードサイエンス領域へ展開、配当利回り3%超え
フジ日本<2114>は、精製糖、砂糖関連製品の製造販売を主力に食品添加物や機能性食品素材「イヌリン」の製造販売なども行っている。セグメントは、糖類事業(前期売上構成比率48.9%)、機能性素材事業(同47.8%)、不動産事業(同2.3%)の3つに分類でき、非砂糖セグメントは計51.1%と事業ポートフォリオの再構築を進めている。糖類事業では、業務用砂糖を主体として国内へ販売展開している。国が需給を管理しているため、安定した事業ではあるが、他社との製品差別化も難しく、市場の成長性も見通しにくい。機能性素材事業では、東南アジアを中心とする海外及び国内で展開する砂糖由来の水溶性食品繊維「イヌリン」の販売が増加している。不動産事業は、賃貸を開始した「東横INN茅場町駅」をはじめ、各物件の堅調な稼働により安定収益を確保している。競合環境を見ると、糖類事業は国内でDM三井製糖ホールディングスやウェルネオシュガーといった大手が存在し、規模や取扱量では同社を上回る。一方で、精糖業界全体は国による需給管理制度の下で運営されており、価格競争が激化しにくい構造となっている。こうした環境下において、フジ日本は自社で製造設備を抱え込まず、太平洋製糖へのアウトソースを活用することで固定費負担を抑え、需給調整や販売機能に経営資源を集中させている。また、塩水港精糖とのアライアンスを通じて、単独では得にくい規模の経済や物流効率の向上を補完しており、成熟市場における合理的なポジショニングを取っている。一方、機能性素材事業、とりわけイヌリンについては競争環境が大きく異なる。同分野では欧州のチコリ由来イヌリンメーカーがグローバルで高いシェアを有し、国内では伊藤忠商事が欧州産イヌリンの販売を担っている。また、同社の特徴として、精糖事業と機能性素材事業を完全に切り離すのではなく、「糖」を起点とした技術・知見を横断的に活用している点が挙げられる。精糖事業で培った経験を基に、独自の技術によって世界で初めて砂糖からイヌリンを作り出すことに成功しているが、精糖事業と同様に、長年蓄積した原料調達、品質管理、安定供給のノウハウは、機能性素材事業においても顧客からの信頼獲得に寄与しているとみられる。イヌリンは腸内環境の改善をはじめ、肌や骨、脳機能など身体の様々な健康機能へ効果があるが、同社が製造販売するイヌリンは他の水溶性食物繊維(難消化性デキストリンやポリデキストロース)と比べて100%が腸内細菌のエサになる特徴を持っている。さらに、イヌリンの用途については一般食品に加え、ペットフードなど周辺分野への展開余地もあり、特定用途に依存しない事業展開が可能な点も特徴である。このように、大手競合は原料や生産規模で優位性を持つ一方、フジ日本は精糖事業で培った糖加工技術を背景に、品質の安定性や用途提案力、顧客への技術サポートを強みとして差別化を図っている。2026年3月期第2四半期の連結業績は、売上高が14,180百万円(前年同期比4.2%増)、営業利益1,847百万円(同14.3%増)で着地した。糖類事業では、インバウンド需要による外食関連や土産菓子向けの出荷が好調となり、コスト面では原材料費、物流コストの上昇が続いている中、品質管理の徹底による製品の安定供給に取り組むことで顧客満足度の向上を図った。また、機能性素材では「イヌリン」ならびに子会社であるユニテックフーズ株式会社の食品素材の販売増加が寄与した。通期計画は、売上高29,100百万円(同3.1%増)、営業利益3,100百万円(同4.1%減)を見込んでいる。中期経営計画「CHANGE-2028」では、経常利益36億円を目標に掲げており、その達成に向けた最大のドライバーは機能性素材事業の成長と海外展開の位置付けが明確である。精糖事業は安定収益源として維持しつつ、成長領域へ経営資源をシフトする方針で、投融資枠180億円を設定してM&A、海外投資、設備投資を通じた成長加速を視野に入れている。また、塩水港精糖とのアライアンスについては、足元では製造・物流・情報面での効率化といった基盤強化が中心であるが、中長期的には機能性素材やフードサイエンス領域でのシナジー創出も期待される。長期経営目標は、経常利益は100億円、海外比率は40%以上、ROEは12%以上としている。食を通じた社会課題解決への貢献を掲げており、人手不足対応や食品ロス削減といったテーマに沿った商品・サービス展開を進める考え。2024年11月、タイとの大手食品会社との戦略的協業に合意し、新規事業としてキャッサバでん粉製造販売事業及び周辺事業への参入も開始した。今後はでん粉製造工場2か所の稼働により、キャッサバでん粉の拡販を進めつつ、新たな付加価値を持つ商品を開発していく。日・タイの製造拠点から海外展開を目指す。12月18日には、タイ国イヌリン工場の製造能力を 1.5 倍に拡大することを発表した。イヌリンの販売数量は国内外で年々増加しており、特に海外では大手ユーザーへの納入が好調に推移。成長するグローバル市場を見据え、製造能力を拡大し、安定供給を実現するため、工場増設に着手する。稼働開始時期は2027年7月予定となっている。株主還元については、安定配当を基本方針とし、業績動向を踏まえた配当水準の維持・向上を志向、DOE3.5%以上も見据えている。また、自社製品が届く株主優待も導入している。成長投資を優先しつつも、継続的な株主還元を行う姿勢を示しており、個人投資家にとっては中長期保有を意識しやすい点といえる。今後は、収益基盤の強化に伴い、還元余地が徐々に拡大していく可能性もあろう。総じて、フジ日本は精糖メーカーからフードサイエンスカンパニーを目指すため、攻めへの転換を進めている企業である。機能性素材事業を成長ドライバーとして海外展開をはかり、新規領域への開拓進捗が焦点となる。安定した製糖事業という基盤と成長余地を併せ持つ点を踏まえ、配当利回り3%で推移するなか、同社の中長期的な業績動向に引き続き注目していきたい。
<NH>
2025/12/26 12:14
注目トピックス 日本株
アイティメディア:圧倒的なブランドと専門性が武器、配当利回り6.6%超えの高配当銘柄
*12:10JST アイティメディア:圧倒的なブランドと専門性が武器、配当利回り6.6%超えの高配当銘柄
アイティメディア<2148>は、IT・テクノロジー分野に特化したオンライン専門メディア群を展開し、国内デジタルメディア市場で高いブランド力を持つ企業である。テクノロジー領域で数多くのオンラインメディアを運営し、BtoBテクノロジー市場を軸に、リードジェンや広告といったデジタルマーケティングソリューションを販売している。主要媒体である「ITmedia」や「@IT」は、情報システム部門の担当者やエンジニア、技術者層を読者の中心に据えており、特にBtoB企業にとって価値の高い読者セグメントを大規模に保持している。デジタルイベント開催回数200回/年、専門メディア数30メディア、記事本数7,000本/月、月間PV4億PVという圧倒的な数字を誇る。事業セグメントは、BtoBメディア事業(前期売上構成比82%)、BtoCメディア事業(同18%)の二つに分類される。BtoBメディア事業は、リードジェン収益37%、デジタルイベント収益21%、予約型広告収益24%で構成されており、専門性の高いコンテンツと読者データを基盤とした独自のビジネスモデルを確立している。顧客・ユーザー規模では、見込み顧客数7,000社、テクノロジー製品の売り手たる顧客数2,300社、買い手たるプロファイル会員130万人、読者数2,500万人(5,000万UB)。デジタルマーケティングのコンサルとして幅広いソリューション一括提案を行っている。BtoCメディア事業では、運用型広告収益が主力となっている。同社の強みは、専門メディアとしてのブランドと読者の質の高さである。有用なテクノロジー製品の情報が集積されており、さまざまな企業におけるバイヤーが読者・会員としてメディアを閲覧し、テクノロジーの情報収集を行っている。多くの企業のバイヤーの読者・会員化に成功しており、デジタルマーケティングの場として大きな魅力を生んでいる。また、「リードジェン」をはじめとするデジタルならではの収益モデル開発に成功している点も特徴となる。同社は媒体横断で蓄積される読者データを活かし、企業の見込み顧客獲得(リードジェネレーション)や検討フェーズの可視化など、広告の枠売りを超えた価値提供が可能となっている。オンラインイベント運営や資料請求導線の最適化など、複合施策で成果を高める点も競争力につながっている。2026年3月期第2四半期業績は、売上高3,921百万円(前年同期比1.9%増)、営業利益766百万円(同13.5%減)で着地した。BtoBメディア事業では、国内SaaS系顧客が鈍化するなか、発注ナビに広告宣伝費を投入。前期に鈍化していた外資系顧客のマーケティング活動は穏やかな回復が続き、予約型広告収益が増収となったようだ。一方、BtoCメディア事業では、読者の嗜好や検索エンジン等プラットフォームの動向に即したコンテンツの高品質化が奏功し、広告単価が大きく改善したようだ。利益面では、有望領域拡張とシステムへの投資がメインとなりコストが先行した結果として減益着地となった。通期計画は、売上収益8,500百万円(同4.9%増)、営業利益2,100百万円(同3.5%増)である。中計目標では、2029年度 EPS140円の到達目標を掲げている。成長投資に関しては、既存投資とR&Dに10億~20億円、戦略投資と新規事業などのM&A投資枠は中期投資枠で50~80億円としている。BtoBメディア事業を基盤としつつ、中期では「発注ナビ」とBtoCメディア事業を強化。テクノロジーの需要が高まる領域への対応力を高めることによって、持続的な成長拡大を目指す。AIおよび関連領域、SaaS領域、産業系テクノロジー領域など外部の有力専門メディアとのアライアンス拡大、データをつなげて生かす基盤「Campaign Central」の構築とそれを活用したリードジェン、デジタルイベントの高度化に加えて、動画メディア「TechLIVE」の開発なども注力する。そのほか、コンテンツ制作を含む業務プロセスにおけるAI活用も推進する。10月には、テクノロジー領域のリサーチ会社である株式会社ピイ.ピイ.コミュニケーションズを完全子会社化した。テクノロジーに関する高度な知見やデータを生かした収益モデルの拡大として、リサーチ・アドバイザリー領域に進出しており、今後のM&Aの動向にも注目したい。同社は継続的な利益成長を背景に配当を強化しており、2026年3月期の年間配当金は100円を予定。今後も、配当性向70%以上の安定的な水準を予定しているという。内部留保は主にメディア価値向上やデータ基盤整備、M&Aなど成長投資に充当しており、成長と還元のバランスを重視した資本政策を採用している。総じて、同社は専門メディアとしての高いブランド価値と、データを活用したBtoBマーケティング支援という強固な収益モデルを持つことで、広告市況の変動に左右されにくい事業構造を確立している。IT市場のテーマ性が強まり、広告主の期待が高まる中、安定的な成長が見込まれる企業である。配当利回り6.6%水準と高水準で推移するなか、専門領域の拡大やデータ活用の高度化により、持続的な収益成長が期待されるため、同社の今後の動向に注目していきたい。
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2025/12/26 12:10
注目トピックス 日本株
日産東HD Research Memo(8):配当性向30%以上維持、自己株式消却も
*12:08JST 日産東HD Research Memo(8):配当性向30%以上維持、自己株式消却も
■株主還元策1. 配当政策日産東京販売ホールディングス<8291>は、株主への利益還元を行うことを経営の重要課題の1つと認識している。基本方針は、成長性を確保するための内部留保も考慮しながら、配当性向30%以上の維持を目標に据えるとともに、業績に応じた機動的な対応を行うなど株主還元を強化することである。2026年3月期の1株当たり年間配当金は24.0円(中間配当金12.0円、期末配当金12.0円)を予定している。なお、2025年11月に、資本効率向上と株主還元を目的に、自己株式7,056千株全株を消却した(消却前の発行済み株式総数に対する比率10.58%)。人気車種をデザインしたQUOカードを贈呈2. 株主優待制度同社は、株主の日頃の支援に感謝するとともに、同社株式への投資魅力を高め、より多くの株主に中長期的に同社株式を保有してもらうことを目的に、株主優待制度を導入している。対象は、基準日(3月31日)の株主名簿に記載または記録された同社株式5単元(500株)以上保有している株主である。株主優待の内容は、同社人気車種を意匠したオリジナルデザインのQUOカードを、500株以上1,000株未満を保有する株主に1,000円分、1,000株以上5,000株未満を保有する株主に2,000円分、5,000株以上を保有する株主には保有継続期間2年未満で3,000円分、保有継続期間2年以上で5,000円分を贈呈している。贈呈の時期は、毎年1回、同社定時株主総会終了後(6月下旬ごろ)に発送する予定としている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)
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2025/12/26 12:08
注目トピックス 日本株
日産東HD Research Memo(7):環境変化に対応し企業理念を実現する
*12:07JST 日産東HD Research Memo(7):環境変化に対応し企業理念を実現する
■日産東京販売ホールディングス<8291>の中期経営計画1. 企業理念「CASE」や「MaaS」の考え方が広がるとともに、カーボンニュートラルに対する社会全般の意識や、所有からシェアやリースなどへとシフトする顧客の自動車に対する考え方、店頭からオンラインへという顧客の購買プロセス、人口減少や多様な働き方など、同社を取り巻く事業環境の変化が加速している。これに対して同社は、移動の楽しみや安心・安全・快適な運転といった普遍的価値を提供し続けることを目的に、「モビリティの進化を加速させ、新しい時代を切りひらく 笑顔あふれる未来のために、わたしたちは走り続ける」という企業理念を掲げた。同社は企業理念を実現するため、EVの普及、個人リースの販売拡大、モビリティ事業の拡張、リアルとデジタルを融合した店舗づくり、業務・運営体制の改善などを取り組むべき課題として挙げている。また、企業理念実現の通過点として4ヶ年の中期経営計画(2024年3月期~2027年3月期)を策定し、電動化リーダー、安全・運転支援技術、モビリティ事業を重点施策に、売上高1,550億円、営業利益65億円、配当性向30%以上などの財務目標の達成を目指している。電動化リーダー、安全・運転支援、モビリティが重点施策2. 中期経営計画の重点施策(1) 電動化リーダー電動化リーダーとは、EVなど電動車のパイオニアとしての強みを生かし、電動車を運転する感動を世の中に広げ、カーボンニュートラルの推進に直接的に貢献していくことである。日産自動車以外EVに本格参入している国産メーカーは限定的であるものの、EVに対する消費者の関心は高い。そこで同社は、長年にわたって蓄積してきたEVのノウハウやインフラを生かし、早期に電動車販売比率90%以上(既に達成済みで上方修正の可能性あり)、EVの年間販売台数10,000台の達成を目指すこととした。このため、既存も新型もEVの販売を一段と強化し、日産のEV販売シェアを持続することで、将来もEVのフロントランナーとして電動化をけん引していく考えである。また、EV販売を通して、CO2排出量1.6万トン削減、災害時のエネルギーマネジメント、充電インフラの拡充、再生可能エネルギー利用の店舗網構築を目指すことで、モビリティ社会への対応を先行的に展開していく考えである。(2) 安全・運転支援技術同社は、安心・安全の先進運転支援技術とそれを支える整備体制を顧客に提供している。このため、店舗に配備した1,400台の試乗車やレンタカーの試乗機会を増やし、顧客がプロパイロットなど先進運転支援システムを体験する機会を広げている。なお、プロパイロットは既に主要車種の大半に標準装備またはオプション設定され、事故発生率の減少に貢献しているようだ。また、すでに一日の長のある整備体制をさらに強化し、技術革新に対応できる人財基盤を整備するとともに、検査ラインの自動化などDXを活用して作業の効率化と作業精度の向上を推進する。さらに、車載式故障診断装置を全店に配備するとともに、特定整備制度に向けた最新整備機器を導入するなど、安心・安全なカーライフに直結する「電子制御システム整備」の体制構築を推進する。(3) モビリティ事業所有からリースやシェアへシフトしている消費トレンドに的確に対応するため、モビリティ事業を強化している。1997年から展開している新車個人リース「P.O.P」については、販売ノウハウなどをベストプラクティスとして全社的に生かし、利用率・定着率の向上と乗り換えの促進につなげている。この結果、「P.O.P」は、早期の買い替えを通じて同社の新車販売と中古車販売の拡大に貢献し、さらには整備・保険などのストック収益の拡大にも寄与する事業として急成長した。また、中古車個人リースにも参入し、好調な立ち上がりとなった。モビリティ事業ではほかに、レンタカー事業で「日産レンタカー」の全店配備と運用台数の増強を進めている。(4) 投資計画同社は重点施策を実行するため、既存領域への継続投資に加え、注力領域へ積極的な投資を行うため、4年間で総額300億円規模の投資を実行する予定である。内訳は、持続的成長のための既存ビジネス強化を目的としたネットワーク刷新や環境対応、事業ポートフォリオ再構成に250億円以上、変革の推進力となる人財・DXの強化、ITによる効率/生産性向上や事業の多角化、ベストプラクティスの強化に20億円以上、モビリティ関連やEV周辺事業のための新規事業や資本業務提携に30億円以上としている。積極的な投資により収益力向上を図り、2027年3月期にはROE(自己資本当期純利益率)7.0%を計画する。また、ROE向上のために、ネットワークの刷新や新たな顧客接点の構築、効率化投資などにより営業利益率4.2%、収益拡大に向けた投資と資産の有効活用(不要な資産の圧縮)によりROA(総資産当期純利益率)3.4%、財務安全性を確保しつつ資本構成の最適化を図ることでD/Eレシオ0.26倍を目指している。中期経営計画は順調に進捗、目標はほぼ達成3. 中期経営計画の進捗中期経営計画では、新車販売台数のコロナ禍前水準への回復、新車販売の収益拡大、ストックビジネスでの収益上積み、人財・デジタルへの投資強化、設備費・経費の最適化にも取り組んできた。このため、店舗投資をコンスタントに続け、人的・DX投資ではロールプレイングや社内作業軽減などにAIを活用してきた。2025年4月にはモビリティに関する新規事業を検討する事業開発室を設置した。2026年3月期中間期はやや厳しいスタートとなったが、下期に新型車2車種と新店舗2店舗を投入、2027年3月期には高速での燃費を向上した第3世代e-POWERを載せた人気の新型大型ミニバン「エルグランド」を投入する予定である。この結果、財務目標の中心である営業利益は2024年3月期に3年前倒しで達成、売上高など以外大半の指標でも目標を達成した。このため、中期経営計画は着実に進捗しているということができる。(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)
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2025/12/26 12:07
注目トピックス 日本株
日産東HD Research Memo(6):持続的成長へ向けた取り組みを継続
*12:06JST 日産東HD Research Memo(6):持続的成長へ向けた取り組みを継続
■日産東京販売ホールディングス<8291>の業績動向3. トピックス同社は、人的資本の充実に向けて、1966年より開催されている「全国日産サービス技術大会2025~NISSAN MASTERS Grand Prix」に参加、自動車整備に関する技術や顧客対応スキルを競うコンペティションで同社チームが準優勝を飾った。また、日産自動車の人財育成プロジェクトの一環である「メカニックチャレンジ」に参戦、外国籍を含む同社整備士5名が「SUPER GT」や「スーパー耐久」のレーシングチームの一員として参加し、スキル向上のためプロのレース現場を経験した。地域社会への貢献も強めており、自治体が主催するイベントや防災訓練などの会場電源としてEVを提供、給電デモンストレーションにより災害などによる大規模停電時のEVの有用性をアピールした。また、大学の要請に応じて、企業研究をテーマとする講義などに同社幹部社員を講師として派遣、同社の事業モデルや企業理念、サステナビリティに関する取り組みなど、企業活動を通じて社会に提供している価値を紹介した。受賞関連も引き続き多く、東京都が推進する「TOKYOこども見守りの輪プロジェクト」に参画、店舗ネットワークを活かした見守り活動やこども防犯教室を実施したことなどが評価され、東京都より表彰を受けた。また、オリコン<4800>による「2025年オリコン顧客満足度(R)調査」の車検関東部門において、「車検館」が2年連続で第1位を獲得した。新型車と新店を武器に下期は反転攻勢へ4. 2026年3月期の業績見通し2026年3月期の業績は、売上高145,000百万円(前期比2.4%増)、営業利益7,000百万円(同5.6%減)、経常利益6,500百万円(同11.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益4,000百万円(同7.2%減)を見込んでいる。もともと減益予想とはいえ高水準の通期営業利益を見込んでいたため、下期の営業利益は5,000百万円以上が必要となる。これに対して、モーターショーなどの日産ブースへの客足などから日産自動車リストラによる風評による影響は改善しつつあり、また同社の販売力は健在のため、新型車が投入され新店をオープンすれば、反転攻勢に出て一定の売上・利益を確保することは可能と考えられる。売上面については、新型車やマイナーチェンジ車の投入と、店舗ネットワーク刷新により増収を見込んでいる。そのため、試乗車や出店、待遇向上や採用・教育、働く環境の整備などの人的資本投資、支援システム導入といったDXなど必要な投資は積極的に実施する計画である。そのなかで下期はより新型車を軸に新規顧客への訴求を強め、リーフを見に来店した客にEVのフラッグシップであるアリアへのアップセルなども促す。こうした投資を試乗車の管理強化や在庫の効率化によって吸収し、またコストコントロールをより精緻に実施することで、期初予想の営業利益を確保する計画である。事業別で新車販売は、新型EV「リーフ」と人気ゾーンの新型軽トールワゴン「ルークス」の2車種(ともに2025年度下半期より受付開始)、世田谷烏山店と足立店の新店舗(建て替え)がけん引する見込みである。なかでも新型「リーフ」は700kmを超える航続距離や大幅に向上した急速充電性など性能が向上、安全性や快適性が売りの「ルークス」は駆動がガソリンのため「サクラ」と共存できる点が特徴である。日産自動車も再建第1弾としてプロモーション投資を強化しており、先行予約となった「ルークス」は発表1ヶ月で全国11,000台受注というロケットスタート、「リーフ」も順調に立ち上がっているようだ。新店では集客力と商談力の向上に向け、AIを活用した営業支援(顧客ターゲティング・販売スキル支援・在庫管理など)で販売活動の効率化と受注率の向上を図る。特に、これまで営業員の勘で見極めていた顧客ターゲットを販売ビッグデータから抽出できるようにして、ロールプレイング(商談シュミレーション)を人対人から人対AIに進化させる。こうした取り組みを通じて、営業員が様々な顧客対応を独力で習得できるようにすることで、個人の営業力を効率的に強化する。個人リースについては、依然ニーズが高いことから、新型車投入をテコに販売台数の増加と顧客基盤の強化につなげる考えだ。中古車販売は、下期に入って相場が上昇に転じ始めているところに、新車販売台数増に伴う下取車の増加が見込まれ、販売台数、販売価格ともに回復を見込む。新店の効果も期待できる。また、高収益な小売販売の比率を一段と高めることで収益の最大化も進める。中古車個人リースは、引き続き拡販を進めることで再販車両の活用と新たなリピート需要の創出を図る。整備事業は、35万件の顧客基盤を背景にした安定的な整備入庫により引き続き堅調な業績を予想、「車検館」は新規出店効果(青梅店)などにより4期連続増収増益を見込む。(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)
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2025/12/26 12:06
注目トピックス 日本株
日産東HD Research Memo(5):中間期は下限に近いが想定内で着地
*12:05JST 日産東HD Research Memo(5):中間期は下限に近いが想定内で着地
■日産東京販売ホールディングス<8291>の業績動向1. 2026年3月期中間期の業績動向2026年3月期中間期の業績は、売上高が63,123百万円(前年同期比9.9%減)、営業利益が1,933百万円(同49.1%減)、経常利益が2,048百万円(同45.6%減)、親会社株主に帰属する中間純利益が1,571百万円(同36.8%減)となった。大幅減益ではあるが、下期に新型車投入や新規出店が集中することもあって、下限に近いが想定内の着地となった。同社は、中期経営計画に掲げる成長戦略に即し、地域密着型の営業体制を生かして顧客との関係性をより一層強化することで、変化の激しい自動車業界において、持続的かつ安定的な収益構造の確立と企業価値の向上を目指した。しかしながら中間期は、堅調な入庫により整備事業が増収となったものの、新型車が端境期であったこと、新店がなかったこと、供給元の日産自動車のリストラに伴う風評が新規顧客の集客に影響したことなどにより、新車販売と中古車販売の台数が減少して減収となった。営業利益は、成長のための投資は継続しつつコストコントロールに努めたが、販売台数の減少や販売価格の低下の影響により減益となった。もともと新型車が端境期のため通期では減益予想だったが、新車と中古車の販売台数が想定よりやや少なかったため、中間期業績が下限に近いが想定となった。なお、特別利益で受取補償金が発生したため、親会社株主に帰属する中間純利益の減益幅は営業・経常利益に比べると少なくなっている。中古車個人リースと整備事業が堅調に推移2. 事業別の売上動向事業別の売上高は、新車販売の伸び悩みとそれに伴う中古車販売及び手数料収入等の減少を、個人リースや整備事業でカバーしきれなかった。なお、額は小さいがその他の売上高が大きく伸びたのは、不動産の有効活用を進めたことが要因である。(1) 新車販売同社は、充実した電動車ラインナップ(EV4車種、e-POWER車5車種など)を軸とした販売に加え、個人リースなどの強みの提案型営業を生かし、受注台数と販売単価の維持・向上による収益の確保に取り組んだ。しかし、新型車の端境期、新規来店客数低下などの影響により、同社の新車登録台数は前年同期比15.9%減となった(全国の新車登録台数は同0.5%増、同社マーケットである東京都内は同2.1%増)。営業利益は、販売台数の減少及び経年による販売単価低下により減益となった。新規来店の減少については、新型車のない中間期は我慢の時期でもあり、既存客を中心にコミュニケーションの強化に取り組んだ。また、新型車の投入される下期へ向けては、ネット経由のカタログ請求に対応するためにホームページの集客力を強化したほか、ネット経由の情報を生かし他車からの買い替えを促進するリードキャンペーンを実施している。電動車比率については、人気の「サクラ」が一巡したことでEV比率が9.5%と前期末比0.3ポイント下がったが、e-POWER車の販売が安定的に推移したことで電動車比率は92.6%と同2.1ポイント上昇した。個人リースは、販売台数は新型車不在のため2,314台と同500台減となったが、増加傾向の市場トレンドや同社の長い経験、ラインナップの多さ、ワンプライス販売を背景に、新車販売と収益の拡大に引き続き貢献していくと思われる。(2) 中古車販売中古車販売は、中古車市場の相場が高騰から下降へ転じたことによる販売単価下落、新車販売台数の減少に伴う下取車の仕入れ減少により、減収となった。営業利益は、売上高同様に販売単価低下と販売台数減少の影響により減益となった。下降傾向を続けていた市場相場もここで底を打ち、オークションでは9月に上昇傾向に転じた模様である。中古車個人リースについては、顧客ニーズの多様化を背景に241台(前年同期比21台増)と順調に販売台数を増やし、ワンプライス販売による収益確保や将来の新車需要の基盤拡大に貢献した。(3) 整備事業整備事業では13万件超のメンテナンスパック会員という安定したストック基盤に支えられ、メンテナンス需要を継続的に取り込んだことで増収となった。また、メンテナンスパック会員による安定した入庫に加え、メンテナンスパック会員以外の顧客向けに価格改定を行ったことで、営業利益も増益となった。なかでも「車検館」は、入庫予定のデジタル化など仕組み面での利便性向上と出店継続によって、リピート顧客の確保と新規顧客の獲得を同時に進め、増収増益を継続した模様である。同社もこうした「車検館」のノウハウを取り込むことで、顧客基盤のさらなる活用を図っている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)
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2025/12/26 12:05
注目トピックス 日本株
日産東HD Research Memo(4):顧客基盤やベストプラクティスなどに強み
*12:04JST 日産東HD Research Memo(4):顧客基盤やベストプラクティスなどに強み
■日産東京販売ホールディングス<8291>の事業概要2. 同社の強み「CASE」や「MaaS」の時代に、同社が総合モビリティ事業のフロントランナーとして優位性を発揮できるのは、EV販売のパイオニア、顧客基盤35万件のストックビジネス、地域に根ざした店舗ネットワーク、ベストプラクティスといった強みがあるからである。(1) EV販売のパイオニア同社は、EVの販売やサービスで長年蓄積してきたノウハウを有し、EV販売のパイオニアとして業界をリードしている。販売面では、国産初の量産EV「リーフ」や軽自動車EV「サクラ」など充実したラインナップや、累計16,000台を超えるEVの販売実績があり、家庭用充電器の販売やEVに蓄えた電力を自宅で使うことができるV2H※の提供などEVコンサルテーションも行っている。メンテナンス体制は、日産EV認定整備士約700名、エヌティオートサービスのEV重整備工場3ヶ所を有し、EVの急速充電器も都内に約100基配備している。※ V2H(Vehicle to Home):カーバッテリーに蓄えている電力を自宅で使えるようにする機能。(2) 顧客基盤35万件のストックビジネス同社には、新車や中古車の販売に加え、個人リース、整備収入につながる13万件超のメンテナンスパック会員、利用率約50%の金融商品、約13万件の保険付保などを通じて構築した35万件の顧客基盤がある。これをベースにストックビジネスを展開、既存顧客との取引による安定したストック収益で営業費の約90%をカバーしており、同社の収益体質の強さにつながっている。(3) 地域に根ざした店舗ネットワーク同社の地盤は東京都都心8区※を除く東京都全域で、東京都1,400万人の人口の約9割をカバーしている。新車販売101店舗(ルノー店4店舗を含む)、中古車販売18店舗、「車検館」13店舗、エヌティオートサービス8拠点という店舗ネットワークを軸にモビリティ事業を展開している。特に新車販売店舗は「ニッサン・リテール・コンセプト」に沿った新世代型店舗へのバージョンアップを継続し、購買力の強い東京の消費者にさらに密着することで、ドミナントエリアを一層強化していく考えである。※ 東京都都心8区とは千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、台東区、渋谷区、豊島区のことで、いわゆる都心にあたり、法人需要をメインとする日産自動車の連結子会社が展開しているエリアである。(4) ベストプラクティスノウハウや情報を速やかに共有し水平展開するベストプラクティスも同社の強みである。同社はこれまでベストプラクティスによって、販促や営業のヒット率や顧客のニーズに合わせた商品提案力を向上してきた。その結果、制度や仕様面で説明が難しいと言われるEV販売や個人リースに関して、競合他社に対して優位性を築いてきた。また、東京という高コストのエリアを地盤にしていながら、自動車ディーラーとしては相対的に高い水準の営業利益率を実現している。(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)
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2025/12/26 12:04
注目トピックス 日本株
日産東HD Research Memo(3):新車と中古車が回転し、整備が積み上がるビジネス
*12:03JST 日産東HD Research Memo(3):新車と中古車が回転し、整備が積み上がるビジネス
■日産東京販売ホールディングス<8291>の事業概要1. 事業内容同社の事業は、個人リースを含む新車販売、中古車販売、整備事業などで構成されている。事業全体でカーライフのワンストップサービスを提供し、付加価値の高い提案とメンテナンスや金融など自動車関連サービスによって顧客のLTV(ライフタイムバリュー)を最大化するとともに、モビリティを事業として展開していくことでグループシナジーを追求している。収益構造を見ると、例年、売上高の50%以上を新車が占める一方で、売上利益は収入手数料等も含めて各事業間でバランスが取れている。また、新車を販売することで中古車販売の回転が良くなり、整備などのストックビジネスが積み上がるという安定したバリューチェーンを築いている。なお、日産自動車と日産東京販売の関係は、日産東京販売が日産自動車から新車や部用品を仕入れて一般消費者などに販売するというだけでなく、EVやe-POWERといった先端技術車のPRや試乗会開催、急速充電器の拡充などを通じて、日産自動車と消費者をつなぐ役割も担っている。(1) 新車販売子会社の日産東京販売は、EVやe-POWERなど日産自動車の新車全車種を、都内の約100店舗を通じて販売している。現在これらの店舗は、日産自動車が継続的に投入する最先端の新型車と多様化した顧客の期待やライフスタイルに合わせ、「ニッサン・リテール・コンセプト(NRC:Nissan Retail Concept)」という新世代型店舗へとリニューアルしているところである。ルノー車については、日産東京販売社内においてルノー車専門のバーチャルカンパニーとして販売店4店舗を運営、全国のルノーディーラーでNo.1の販売実績を誇っている(2025年3月期実績)。なお、新車販売台数は、少子高齢化や人口減少、自動車保有率の低下傾向などを背景に、全国で500万台程度と横ばいで推移する時代になった。ディーラーが企業として成長するには、スケールメリットや集約化によって新車販売の収益性を高めるとともに、個人リースや中古車販売、整備など新車販売以外の事業を成長ドライバーとする、独自戦略を展開する必要が生じている。(2) 個人リース「P.O.P」個人リースは、同社がリース会社に販売しリース会社が個人にリースする、同社にとって新車販売の1形態である。自動車を所有するモノというより利用するモノと考える消費者や、諸手続きや所有の煩わしさを軽減したい消費者にとって、非常に利便性の高いサービスとなっている。1997年よりサービス展開してきた経験と、「P.O.P」という日産ブランドに依存しないブランドが特徴で、現在、東京都では約4割という高いシェアを占める。また、カーリースの契約では残価や残存期間など制度や仕組みの説明にEVと同様の高いスキルが必要となるため、同社が約30年間個人リースを展開してきた経験は大きな強みとなっている。「頭金ゼロ・コミコミ・定額」のワンプライス販売も評判で、一般的に通常の新車買い替えサイクルが8~9年、リース契約が5年と言われるなか、7割以上の顧客が3年で次の新車に乗り換えている。さらに、リピート率が9割以上に達し、状態のよい中古車の仕入元にもなるため、同社にとって非常に効率のよいビジネスと言える。このため近年市場は成長を続け、ガソリンスタンドなど様々な業種が参入してきたが、消費者の選択肢が広がることから市場活性化につながっており、経験豊かな「P.O.P」にとって強い追い風となっている。(3) 中古車販売中古車の買取・販売は、収益の1つの柱であると同時に新車買い替えを促進する機能もある。仕入は主に新車販売時の下取車や買取、オークションなどで調達しており、近年はリースアップした車も増えている。販売は、日産自動車による厳しい認定基準をクリアした同社を含む「クオリティショップ」で取り扱っており、充実した保証やアフターサービスも提供している。仕入・販売ルートはこのように様々だが、収益性の高い自社在庫を自社中古車店舗で消費者に直接販売する「小売販売」が主力である。なお、新車個人リースの好調をヒントに、中古車販売の新たな形態として中古車個人リースを2023年4月に開始し、販売台数を着実に伸ばしているところである。(4) 整備事業整備は、日産東京販売のストックビジネスの柱として各店舗を中心に事業展開しており、メンテナンスパック会員は13万件超、グループ内の整備入庫の総台数は約65万台となっている(2025年3月期)。また、大規模総合自動車整備会社で子会社のエヌティオートサービス(株)は、専業としての確かなサービス品質と最新鋭の設備によって、板金・塗装や車検整備、納車整備などを行っており、グループ内の整備を集中的に扱うセンターとしての役割を果たしている。事業所は東京に7拠点、埼玉に1拠点あり、高級輸入車のアルミボディにも対応できる業界屈指の高い技術力を有している。車検は、日産東京販売及び日産ブランドに依存しない車検専門店「車検館」でも扱っている。「車検館」は東京を中心に神奈川、埼玉、千葉に13店舗のネットワークを有する。全店が最新設備をそろえた指定工場で、メーカーを問わず幅広い車種の自動車を入庫でき、国家資格を持つ検査員による確かな技術に基づく検査がセールスポイントである。また、価格やサービスにも定評があり、顧客の8割以上がリピーターで好調な業績を続けている。(5) その他の事業このほか、損害保険・生命保険の代理店や車両輸送・登録代行業務、日産車をベースにしたキャンピングカー専門のディーラー、不動産賃貸など、自動車販売周辺の事業へと多角化することでグループとしてシナジーを高め、幅広いユーザーの獲得につなげている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)
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2025/12/26 12:03
注目トピックス 日本株
日産東HD Research Memo(2):全国最大規模の日産自動車系ディーラー
*12:02JST 日産東HD Research Memo(2):全国最大規模の日産自動車系ディーラー
■会社概要1. 会社概要日産東京販売ホールディングス<8291>は、日産自動車系の自動車ディーラー(日産東京販売)など連結子会社4社と非連結子会社3社を傘下に持つ持株会社である。主力の日産東京販売は、日本の中心で人口が集中する東京を地盤に、日産及びルノーブランドの自動車を販売する事業を展開しており、全国のディーラーのなかでも最大級の規模を誇る。同社は主に日産自動車とそのグループ会社からEVなど先端的な自動車や部用品を仕入れて販売するほか、中古車の買取・販売や車体整備・車検整備などの事業も行っており、総合モビリティ事業のフロントランナーとして、顧客に対しカーライフに関わるすべてのサービスをワンストップで提供している。同社は、1942年の商工省通牒「自動車および同部分品配給機構整備要綱」に基づき、東京府自動車配給(株)として東京市で発足した。戦後の1946年に東京日産自動車販売(株)に商号を変更した後、徐々に業容を拡大し、1961年に東京証券取引所市場第1部に上場した。1989年に東京日産コンピュータシステムを設立してシステム事業に参入、2002年には(株)車検館を設立して車検整備を強化するなど事業の多角化を図ってきた。2004年に会社分割により持株会社体制に移行して(株)東日カーライフグループへと商号を変更、2008年には日産自動車子会社の日産ネットワークホールディングス(株)に対し第三者割当増資を実施し、日産自動車の持分法適用関連会社となった。2011年には東京を地盤とする東京日産自動車販売、日産プリンス東京販売(株)、日産プリンス西東京販売(株)の3社をグループ化し、東京における日産自動車の販売をほぼ一手に引き受けることになり、商号も現在の日産東京販売ホールディングスへと変更した。グループ化が軌道に乗った2021年7月、さらなる効率化とスケールメリットを目指し、日産系自動車販売会社3社を統合して日産東京販売を設立、名実ともに国内最大級の自動車ディーラーとなった。さらに2023年10月、グループ内の経営資源を自動車関連事業に集中するため、東京日産コンピュータシステムの全株式をキヤノンマーケティングジャパン<8060>に譲渡した。日本のEV市場は依然肥沃2. 自動車業界の動向コロナ禍やウクライナ情勢などによる生産や流通の混乱が落ち着きを見せても、自動車業界は先端技術化やCO2排出削減など課題は尽きない。こうした状況のなか、「CASE」と「MaaS(Mobility as a Service)」という潮流が、自動車業界に100年に1度の大変革をもたらすと注目されている。「CASE」とは、自動車のIoT化(C:Connected)、自動運転(A:Autonomous)、所有から共有へ(S:Shared & Service)、電動化(E:Electric)のことで、自動車業界に大変革を引き起こす一連の技術進化を指す。一方「MaaS」は、移動自体をサービスとして捉えた「モビリティ」という考え方に基づき、様々な交通手段を最適に組み合わせて検索・予約・決済などをワンストップで提供、個人単位の移動ニーズにまで対応したサービスである。こうした大変革の波に乗ってEVを急速に普及させたのが欧米や中国で、日本では話題が先行するばかりで必ずしも普及しているとは言い難かった。EVに本格的に参入している国内メーカーは日産自動車以外は限定的で、国内の新車販売台数に占めるEVの構成比が2%と非常に小さいからだ。このため、業界全体で急速充電器を増やすというモチベーションが働かず、消費者にEV購入の二の足を踏ませているともいえる。こうした環境ではあるが、同社は早い段階からEVやe-POWER※1といった電動車※2の普及に取り組み、電動車と相性がよいと言われるIoTには先端技術で、自動運転にはプロパイロット(ProPILOT:運転支援技術)など技術進化で対応してきた。また、他社メーカーのEVでも利用可能な急速充電器を各店舗に設置しているほか、リースやレンタカーなどモビリティ事業の強化も行っている。※1 e-POWER:日産自動車独自のハイブリッドユニット。発電のみにエンジンを使用するため、EVと同様のドライビングフィールを味わえる。※2 電動車:EV、プラグインハイブリッド車(PHEV、PHV)、ハイブリッド車(HEV、HV)、燃料電池車(FCEV、FCV)などの総称。同社の場合はEVとe-POWER、ハイブリッド車を指す。一方、足元では欧米や中国でEVの普及が頭打ちとなったことや、EVの環境貢献に対する疑問の声があること、また、日産自動車のリストラに伴う風評などが、同社にネガティブな印象を与えている。しかし、欧米や中国の低迷は補助金の打ち切りや景気低迷が要因で、引き続き補助金を投入しても2%という低い普及率を引き上げたい日本とは状況が異なる。EVは運転時にこそCO2を排出しないとはいえ、電力の発電方法が化石燃料や、設置・廃棄時には環境破壊の恐れがある太陽光発電に依存するため、環境に負荷を与えているとの批判は確かにある。しかし、昨今では原子力発電の再稼働が数基予定されるなど電気の作り方自体に見直しが進んでいる。また、日産自動車のリストラに伴う風評であるが、同社には過去に様々経験してきたことによる耐性がある。加えて、リチウムイオン電池に対して安全性などの点で優位性のある全固体電池が登場間近である。欧米や中国と異なり、日本のEV市場は未だ依然肥沃と言えるため、トヨタ自動車<7203>もホンダ<7267>も足元ではEV強化を打ち出している。中長期的にEVへのネガティブな印象が縮小し、EV需要が拡大すれば、同社が先行者メリットを享受する状況は十分に考えられる。(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)
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2025/12/26 12:02
注目トピックス 日本株
日産東HD Research Memo(1):新型車投入テコに通期業績予想達成へ
*12:01JST 日産東HD Research Memo(1):新型車投入テコに通期業績予想達成へ
■要約1. 東京都の人口の約9割をカバーする国内最大級の日産系自動車ディーラー日産東京販売ホールディングス<8291>は、日産自動車<7201>系の自動車販売会社などを傘下に持つ持株会社で、子会社の日産東京販売(株)は日産ブランドとルノーブランドの新車の販売や中古車の買取・販売、自動車整備などを行っている。国内最大級の自動車ディーラーで、販売エリアは東京都の人口の約9割をカバーする。同社は総合モビリティ事業※のフロントランナーとして、カーライフに関わるすべてのサービスをワンストップで提供しているほか、個人リースなど日産ブランドに依存しないオリジナルの事業も展開している。足元は欧米や中国でEV(電気自動車)の普及が頭打ちになっているが、その要因は補助金の打ち切りや景気低迷によるものである。補助金を投入しても2%という低い普及率を引き上げたい日本は、依然肥沃なマーケットと言える。※ モビリティ事業:販売や整備だけでなく、自動車による移動や運搬をスムーズに行うためのサービスも含む。2. 顧客基盤やベストプラクティスなどの強みを武器に業界の大変革期を乗り切る同社には、EV販売のパイオニア、顧客基盤35万件のストックビジネス、新車販売店舗101店舗(ルノー店4店舗含む)などの店舗ネットワーク、ノウハウや情報を速やかに共有し水平展開していくベストプラクティスといった強みがある。こうした強みを背景に、新車のみならず中古車や整備も含めた幅広い事業を展開し、総合モビリティ事業のフロントランナーとして優位なポジションを獲得している。例えば、他社に先駆けて展開し、早期買い替えや良質な中古車の確保といった面で大きなシナジーの出ている個人リースも、ベストプラクティスにより急成長した事業である。また、先端技術の発展や環境問題などを背景に、現在の自動車業界は100年に1度の大変革期にあると言われている。同社はこうした強みを武器に、大変革期も乗り切る方針である。3. 新車販売台数が予定よりやや少なかったが、中間期業績は下限に近いが想定内2026年3月期中間期の業績は、売上高が63,123百万円(前年同期比9.9%減)、営業利益が1,933百万円(同49.1%減)となった。堅調な入庫により整備事業が増収となったが、新型車が端境期であったこと、新店がなかったこと、供給元の日産自動車のリストラに伴う風評が新規顧客の集客に影響したことなどにより、新車販売と中古車販売の台数が減少して減収となった。成長のための投資は継続しつつコストコントロールに努めたが、販売台数減少や販売価格低下の影響などにより営業減益となった。新車と中古車の販売台数は予定よりやや少なかったが、中間期業績は下限に近いが想定内であった。事業別では、新車販売の伸び悩みと、それに伴う中古車販売及び手数料収入等の減少を、個人リースや整備事業でカバーしきれなかった。4. 販売力は健在、新型2車種投入で一定の売上・利益を確保する見込み。期初業績予想を据え置く2026年3月期の業績は、売上高145,000百万円(前期比2.4%増)、営業利益7,000百万円(同5.6%減)を見込んでいる。日産自動車リストラの風評も回復の兆しを見せており、同社の販売力も健在である。加えて、下期は新型EV「リーフ」と新型軽ワゴン「ルークス」の投入、2店舗の新店も予定されるため、通期業績は一定の売上、利益が確保可能と考えられ、期初予想を据え置いた。同社は中期経営計画で、電動化リーダー、安全・運転支援技術、モビリティ事業を重点施策に、売上高1,550億円、営業利益65億円を目指している。財務目標の中心である営業利益を2024年3月期に3年前倒しで達成したほか、大半の指標についてもほぼ達成している。また、新型車投入や新店投資は予定通りで、中期経営計画は着実に進捗していると言える。■Key Points・国内最大級の自動車ディーラーを運営、顧客基盤や店舗ネットワークなどに強み・2026年3月期中間期業績は新車販売台数が予定に届かず、下限に近いが想定内に着地・2026年3月期業績予想は新店と新型車で売上・利益を確保する見込みのため、期初業績予想は据え置き(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)
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2025/12/26 12:01
注目トピックス 日本株
メニコンResearch Memo :独自のサブスクリプションプランと1DAY・オルソケラトロジーでグローバル成長加速
*12:00JST メニコンResearch Memo :独自のサブスクリプションプランと1DAY・オルソケラトロジーでグローバル成長加速
株式会社メニコン<7780>は、日本で初めて角膜コンタクトレンズの実用化に成功した企業であり、長年にわたり“コンタクトレンズのパイオニア”として業界を牽引してきた。現在は「新しい『みる』を世界に」をスローガンに掲げ、グローバル展開を加速させている。事業はコンタクトレンズおよびレンズケア製品を中心とするビジョンケア事業が約9割を占め、残りをヘルスケア・ライフケア事業が担う。ビジョンケアでは1日使い捨て(1DAY)やオルソケラトロジー関連レンズを主力とし、国内では会員制サービス「メルスプラン」による安定収益基盤を持つ。海外では欧州や北米の大手量販チェーンとの取引を拡大し、中国やアジア各国にも積極展開しており、売上は80カ国以上に広がっている。1. 競合優位性同社の強みは、第一に独自の会員制モデル「メルスプラン」である。定額制のサブスクリプションで、費用を気にせずに眼の状態に合わせてコンタクトレンズを交換できる。会員数は130万人を超え、安定した収益源として国内事業の下支えとなっている。第二に、グローバルな顧客基盤を持つことである。ハードタイプのコンタクトレンズは国外においても一定の知名度と高いシェアを獲得している上、シリコーンハイドロゲル素材を用いた1DAYレンズや、これまでの研究から小児への使用により近視進行抑制効果が示されているオルソケラトロジーレンズは、世界的に需要が拡大している。第三に、研究開発力と生産体制の強さが挙げられる。研究開発費は年間58億円、特許件数は662件に及び、国内外の製造拠点を活用したグローバル供給体制を構築している。2. 直近の業績直近の2026年3月期第2四半期(中間期)決算は、売上高61,480百万円(前年同期比1.5%増)、営業利益5,168百万円(同5.8%減)となった。シリコーンハイドロゲル素材を用いた1DAYの生産量増加による国内物販の拡販や欧州・北米での量販チェーン向け拡販が寄与した。一方、営業利益はマレーシア工場の減価償却の影響、中国におけるオルソケラトロジー関連の競争激化が影響し減益となった。ただし、シリコーンハイドロゲル素材を用いた1DAYレンズのOEM生産による供給拡大、物価高騰に応じた価格改定を進めることで通期では売上高125,000百万円(前期比2.9%増)、営業利益10,200百万円(同1.5%増)の会社計画を据え置いている。旺盛な近視人口の増加を背景に、需要の底堅さは継続している。3. 今後の成長戦略今後の成長見通しとして、同社は中期経営計画「Vision2030」に基づき、(1)1DAY戦略の推進と(2)オルソケラトロジー関連強化の2軸を掲げる。1DAY製品は酸素透過性の高いシリコーンハイドロゲル素材の需要が高く国内外で引き合いが強いため、マレーシア工場の増設などで供給体制を強化することで欧米の大手量販チェーンへの販売拡大を進めさらなるグローバルシェア拡大を図る。オルソケラトロジー関連では特徴の異なる複数の製品のラインアップにより多様化する顧客の需要に応えることで中国でのシェアの維持やその他の日本を含むアジア等を中心に需要拡大を見込む。また、インド大手眼科病院との提携や日本国内での近視管理アプリ「ミオログ」の提供を通じ、医療との連携強化を進めている。特にアジアでは今後も近視児童の人口が大きく増加していくと言われており、そうした需要を取り込む体制の構築を先行して進めている。一方、ヘルスケア・ライフケア事業ではフェムテック、動物医療、環境関連など新領域への進出をしているが、成長性や効率性の観点から事業ポートフォリオの見直しを進めると共に、第二の柱となるような事業の創出を目指している。4. 株主還元株主還元については、2026年3月期から累進配当を掲げ、年間28円の配当を予定している。財務健全性を背景に成長投資を継続しながらも、安定配当を重視する姿勢が確認できる。また、第1四半期には約24億円の自社株買いも実行した。PBRは1倍近辺で推移していたが、自己株買いの実行や2026年3月期第2四半期(中間期)決算発表によりPBRは1.3倍付近となっているものの、資産価値面からの評価余地も残されている。Key Points・国内の会員制「メルスプラン」で安定収益を確保。海外80カ国以上へ1DAY・オルソケラトロジーを軸に展開し、開発・生産体制を強化し成長を加速させる。・投資先行で中間期は減益も通期計画を維持。マレーシア工場増設で供給力を強化し、近視需要を取り込む「Vision2030」を推進。・累進配当・自社株買いなど還元を重視。強化された供給体制を基盤に、来期以降の更なる業績拡大と企業価値向上が期待される。
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2025/12/26 12:00
注目トピックス 日本株
ナック Research Memo(7):期初計画据え置き、成長投資を加速させつつ、主力事業の成長に注力(3)
*11:37JST ナック Research Memo(7):期初計画据え置き、成長投資を加速させつつ、主力事業の成長に注力(3)
■ナック<9788>の今後の見通し3. 中期経営計画の進捗状況(1) 中期経営計画20282026年3月期から2028年3月期までの3ヶ年を、長期ビジョン2035に定める2035年に目指す姿「ラストワンマイルを最大限に活用してLTV最大化~もっと暮らしに寄り添うナック~」を実現するための投資フェーズと位置付け、重点施策を推進している。建築コンサルティング事業や住宅事業を除く事業については、顧客に対する定期的なサービスの提供を中心に売上高を伸ばす投資を行う。そのうえで、長期ビジョン2035の方針である、商品サービスの拡充や営業エリアの拡大、顧客数の増加のための施策を進める。積極的に売上増を狙うが、同時に投資を強化するため利益は横ばいとなる見込みだ。市場環境の厳しい建築コンサルティング事業や住宅事業では、現状の売上高水準を維持する施策展開となる。2028年3月期の数値目標として、クリクラ事業、レンタル事業、美容・健康事業及びその他M&Aの合計で売上高49,500百万円、建築コンサルティング事業及び住宅事業の合計で売上高19,000百万円、総計68,500百万円(2025年3月期比14.6%増)を目指し、営業利益は3,300百万円(同9.7%増)を目指す。事業別の重点施策としては、クリクラ事業は「クリクラ」ブランドを明確に定義し、顧客への浸透を図る。同時に、健康的で快適な生活をサポートするサービス業へと進化し、新規顧客獲得に向けた販売促進を強化する。クリクラ事業は労働集約型のビジネスであることから、人材確保に注力し、重点的に投資する考えだ。レンタル事業ではダスキン事業やウィズ事業における積極的な新規エリアへの出店により新規顧客の獲得を進める。出店の一環としてダスキン加盟店のM&Aも検討する。またダスキン事業において出店強化した拠点でのケアサービス事業の利益率向上を図る。ダスキン事業では現在業務DXを進めており、新中期経営計画期間中にもさらに推進することで生産性と利益率の向上を目指す。美容・健康事業については、JIMOSにおいて新規顧客獲得や新たな事業の軸となる新製品創出のための広告等の販促投資を行う。またベルエアーでのOEM事業挑戦やトレミーでの医薬部外品の製造受託案件獲得を目指すほか、各部門において競争力や価値のある新商品開発を進める。建築コンサルティング事業では、「人的資源」の課題解決を目的とするソリューションの開発や販促で顧客層に効果的にアプローチし、魅力的な住宅FC加盟メニューの開発や、アライアンスによる顧客開拓の推進で売上の維持改善を図る。住宅事業はケイディアイ等での用地仕入れの情報収集力強化や、金利上昇期等の住宅取得ニーズが高まるタイミングに備えた人材育成、より柔軟な原価管理を実現するための仕入制度の構築等を実施することで売上高を維持する。(2) 重点施策の進捗状況クリクラ事業では、クリクラブランドの訴求とともに、健康のためのウォーターサーバーの1年に一度の交換の必要性を消費者に浸透させるべく、2025年7月に「クリクラ『夏の大掃除の日(7月20日)』制定記念イベント」を開催した。お笑いコンビをゲストに迎え、夏の新たな暮らしの習慣として「夏の大掃除の日」を制定する意義を発信し、ウォーターサーバーの定期的な交換の重要性や、家庭内に潜む「見えない汚れ」への対策を伝えることで、清潔で快適な生活環境づくりの大切さを広く呼び掛けた。また顧客のLTVの向上に向けた施策としてCRMの深化を進めている。顧客との良好な関係を築き、顧客ロイヤルティの向上を図ることで解約率の低減やLTVの向上につなげる施策で、クリクラのサービス利用者に対するメルマガの発信や会報の発行等を開始しており、今後さらに具体的な施策を進めるもようだ。レンタル事業では加盟店の新規出店を進めている。2026年3月期は5店(相模原・練馬・水戸・いわき・千葉)を出店した。出店強化によりダストコントロール部門の顧客数減少に歯止めをかけるほか、並行して出店強化するケアサービス事業の利益率向上にもつなげる。なお、新規出店にあたっては、M&Aも重要な選択肢に入っている。美容・健康事業では、JIMOSを中心に上期で手ごたえをつかんだ広告施策に下期も引き続き積極的に投資し、売上拡大を目指す。(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一)
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2025/12/26 11:37
注目トピックス 日本株
ナック Research Memo(6):期初計画据え置き、成長投資を加速させつつ、主力事業の成長に注力(2)
*11:36JST ナック Research Memo(6):期初計画据え置き、成長投資を加速させつつ、主力事業の成長に注力(2)
■ナック<9788>の今後の見通し2. セグメント別の見通し(1) クリクラ事業売上高は16,000百万円(前期比2.6%増)、営業利益は1,700百万円(同3.0%増)と増収増益を見込んでいる。通期ベースの進捗率は、売上高は51.0%、営業利益は53.1%と順調だ。中期経営計画2028の重点テーマである「クリクラ」ブランドの明確な定義と浸透を進めるべく、これまでの事業活動において蓄積した、安心・安全から培われた顧客からの信頼というブランディングを軸としたPR活動を進めるほか、配送員のスキルアップや加盟店のシステムインフラである「CrePF(クリクラプラットフォーム)」の加盟店での導入拡大を引き続き推進する。そのほか、下期は年末商戦等の機会を確実に捉えて業績向上につなげるため、有効なツールとなる副商材の活用として様々なプランを検討しているもようだ。副商材には比較的高価格な商品も含まれるため、業績寄与度も大きくなる可能性がある。(2) レンタル事業売上高は18,000百万円(前期比0.8%増)、営業利益は1,720百万円(同10.8%増)を見込む。通期ベースの進捗率は、売上高は49.5%、営業利益は36.3%とおおむね堅調である。ダスキン事業については、ダスキンとの資本業務提携契約に基づく出店計画を完了し新規エリアへの出店を進めている。新規出店においてはダスキン加盟店のM&Aも選択肢に入っており、上期にはその一環としてダスキンヤマナカを子会社化した(2025年12月にナックに吸収合併済)。ダストコントロール部門では顧客件数が低下傾向にあり、こうした出店戦略のほか、顧客の高齢化への対策として若年層の取り込みを進める考えで、平日に接点を持つのが難しい共働き世帯等へのアプローチ方法の検討等を行っている。さらに顧客属性に合わせた副商材の領域拡大や、営業ツールの電子化、顧客とのLINE連携、新販売管理システム導入といったDX推進施策も継続して進める。ウィズ事業でも新規エリアへの出店を積極化するとともに営業人員を増加させるほか、製品改善の投資と営業活動の強化を継続する。アーネストではベッドメイキングの受注増による定期売上の増加や、請負価格の上昇に向けた交渉を強化し、売上増加と利益率の改善を目指す。キャンズではダスキン事業の法人営業部との連携強化を継続し、受注数と活動エリアの拡大を図る。(3) 建築コンサルティング事業売上高は6,000百万円(前期比11.4%増)、営業利益は350百万円(同12.7%減)を見込む。通期ベースの進捗率は、売上高は36.5%だが利益面は中間期実績が142百万円の損失となっており大きく挽回が必要だ。コンサルティング部門では顧客である地場工務店の経営環境悪化に加え、法改正に伴う工期の延長等によりさらなる逆風が吹く状況であるが、一方で人手不足が深刻な課題となっている建設業界ではICTの活用による生産性向上を図る動きが活発になっており、同社は顧客である地場工務店の中でも比較的余力のある上位層をターゲットとして、「人的資源」の課題解決を目的とした生産性向上のためのツールを開発・販売する。2025年10月には提案力の強化と業務効率化を実現する「NAC AI TOOL」を販売開始した。具体的には、AIを活用した見積もり自動作成や商談をチャット形式で行うツール等で、これらツールは中小企業庁が所管する「IT導入補助金」の活用が可能なものとなり、顧客の工務店は導入に際し補助金というメリットを享受できる。工務店の経営環境が悪化し経営改善のための投資に足踏みが見られるなか、同社は一部商品においてこの補助金を有効活用することで、販売を推進する方針である。ナックハウスパートナーでは引き続き社内事業部やコンサルティング部門とのシナジーによる省エネ関連商材の受注比率を向上させ、ノウハウ商品や自社施工を生かしたワンストップサービスを強みに売上増を目指す。(4) 住宅事業売上高は13,000百万円(前期比2.8%減)、営業利益は250百万円(同37.5%減)を見込んでいる。通期ベースの進捗率は、売上高は33.6%、利益面は中間期実績が199百万円損失と建築コンサルティング事業同様に挽回が期待される。法改正等による影響から住宅家屋の工期が延長傾向にあり、下期も同様な状況が継続すると考えられるが、同社によれば契約獲得に落ち込みは見られるものの軽微であり、例年下期に完工・引き渡しとなる案件が多い傾向から、下期の好転に期待したい。ケイディアイでは都内の用地仕入れ強化に向けて、これまで以上に地元の不動産業者等との関係性強化を図り、用地仕入れに関する情報ネットワークの構築に注力する。また分譲物件の販売タイミングを完工前にシフトすることで、物件の値引販売を回避し、一定の利益率を確保する方針である。ジェイウッドでは引き続きGX(脱炭素)志向型住宅や平屋など、顧客のニーズに寄り添うラインナップで高い利益率を確保するほか、投資家向けの投資物件として小規模アパートの建築を請け負う等の施策を進める。秀和住研は、引き続き青森県や秋田県に有するモデルハウスを活用した販売強化策や、高気密・高断熱の技術力を生かした付加価値の高いプランの提案を進める。(5) 美容・健康事業売上高は7,000百万円(前期比7.6%増)、営業利益は230百万円(同31.3%減)を見込んでいる。通期ベースでの進捗率は、売上高は45.1%、営業利益は30.4%とおおむね堅調である。JIMOSにおいては、売上増加施策として、各ブランドの主要製品の強化やリニューアル、及び新規顧客獲得のための製品開発に向けた投資を行う方針に変更はない。また年末商戦等の販売拡大の好機を捉えた売上向上も期待される。ベルエアーではサプリメント等の商品リニューアルを実施し、会員サポート体制の充実により新規顧客を獲得する。また上期に好調だった対面での販促イベントも継続する。さらにOEM製品の受託にも挑戦し、新たな販路を築く。トレミーでは主要取引先からの受注減をカバーするためにも、協力会社との連携によるフルフィルメントサービス(通信販売における、商品注文から発送や代金回収等までの業務を代行するサービス)への挑戦を継続するほか、医薬部外品では開発スピード向上とオリジナル処方の蓄積による新規製造受託案件の獲得を引き続き推進する。(6) その他その他事業では、売上高2,000百万円(前期比56.2%増)、営業損失100百万円(前期は営業利益27百万円)を見込んでいる。売上高の通期ベースの進捗率は37.7%とおおむね堅調である。営業利益に関しては、立ち上げに伴う先行費用により中間期時点での損失が157百万円と計画を若干下回るが、事業を軌道に乗せることで下期の好転に注目したい。「Yesmart」事業では、2025年10月にも2店出店し、合計7店舗の運営体制を当面継続する。商品戦略や物流戦略を含めたビジネスモデルの確立を優先して対応し、その後にフランチャイズ化を視野に入れている。TOMOEワインアンドスピリッツでは従来のBtoB販売に加えて、グループ企業顧客への「ワインのサブスク」やWeb販売によるBtoC販売の拡大を引き続き強化する。「買取大吉」事業については加盟店として当面現状の店舗体制による運用を継続する。(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一)
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2025/12/26 11:36
注目トピックス 日本株
ナック Research Memo(5):期初計画据え置き、成長投資を加速させつつ、主力事業の成長に注力(1)
*11:35JST ナック Research Memo(5):期初計画据え置き、成長投資を加速させつつ、主力事業の成長に注力(1)
■ナック<9788>の今後の見通し1. 2026年3月期の業績見通し2026年3月期の連結業績予想については期初予想を据え置き、売上高62,000百万円(前期比3.7%増)、営業利益2,900百万円(同3.6%減)、経常利益2,900百万円(同4.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,900百万円(同39.1%増)と増収ながら最終利益を除いて減益を見込んでいる。事業セグメント別の業績予想についても変更はない。2025年3月期までの新規出店等による投資の回収を行いつつ、長期ビジョン達成に向けた人的資本や新商品・新サービス、販促活動に向けた投資を進めるというスタンスも継続する。建築コンサルティング事業や住宅事業については、上期に引き続き下期においても同様に厳しい事業環境が予想されるが、両事業ともに下期に業績が伸びる傾向があるほか、特に住宅事業については、2026年3月期に入り受注の落ち込みは軽微とのことで、下期の巻き返しに期待がかかる。クリクラ事業、レンタル事業、美容・健康事業においても重点施策を推進するほか、これらの事業に関しては、下期に到来する年末商戦等の販売拡大機会が業績向上の好機となることから、確実な売上・利益増加につなげたいところだ。また2026年3月期から開始した「その他」事業については、先行投資が嵩むものの着実に増収が図られており、業績予想達成をにらんでの注力ポイントの1つとなることが期待される。なお配当も期初予想に変更はなく、1株当たり年間22円(中間5円、期末17円)を計画し、配当性向49.7%を見込んでいる。(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一)
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2025/12/26 11:35