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コスモスイニシア Research Memo(8):中長期的には宿泊事業の回復も再成長をけん引
■コスモスイニシア<8844>の業績動向3. 事業別の業績動向2022年3月期は、レジデンシャル事業のリノベーションマンション販売とソリューション事業の収益不動産等販売が利益をけん引したが、2023年3月期は、回復への最終局面となる宿泊事業以外、各事業がしっかり利益貢献していく動きになると予想される。コロナ禍からの回復には2023年3月期いっぱいかかる見込みだが、中長期的に、新築マンション販売を基軸にリノベーションマンションと収益不動産等販売、宿泊事業の回復が収益をけん引していく姿がイメージされる。(1) レジデンシャル事業2022年3月期の業績は売上高41,844百万円(前期比2.8%増)、営業利益1,822百万円(同37.9%増)と増収増益となった。引渡数について、新築マンションは前期並み、リノベーションマンションは前期比約1.5倍となった。一方売上総利益率は新築マンションが上昇、リノベーションマンションが低下したが、売上総利益額の点ではいずれも増益寄与した。なお、新築マンションの完成在庫が増加したが、これはコロナ禍の影響でアクティブシニア向け分譲マンションが販売遅延となったことが要因である。2023年3月期の業績見通しについて、同社は売上高49,000百万円(同17.1%増)、営業利益2,800百万円(同53.7%増)と増収大幅増益を見込んでいる。引渡数は新築マンション、リノベーションマンションともに微減を見ているが、全体の売上総利益率の改善とオーストラリアでの分譲住宅開発の引き渡しが計画されていることから、2ケタの増収増益見込みとなっている。前期の実績として、内装カラーやインテリアなどにトレンドと顧客ニーズを取り入れた新たな3つの住空間スタイル—GRACE style(グレイス・スタイル)、MODEST style(モデスト・スタイル)、MELLOW style(メロウ・スタイル)を導入した。また、中長期的に成長期待の大きいアクティブシニア向け分譲マンション「イニシアグラン札幌イースト」を竣工し入居を開始した。アクティブシニア向け分譲マンションは、福井県、福岡県、大分県など複数の街地再開発事業でのプロジェクトが進行中である。風や光を効率的に取り込むパッシブデザインを採用した新築一戸建「イニシアフォーラム尾山台」や、大人二人世帯向けリノベーションマンション「センチュリー中野南台」など、暮らしの変化とニーズの多様化に対応した商品の開発も進めた。(2) ソリューション事業2022年3月期の業績は、売上高50,477百万円(前期比3.6%減)、営業利益5,580百万円(同7.9%増)と減収増益だった。収益不動産等販売(うち一棟物件)の引き渡しが減ったことが減収要因で、収益不動産等販売(一棟物件)の売上総利益率の改善と不動産賃貸管理・運営住宅(サブリース)の空室率の改善が増益要因となった。2023年3月期の業績見通しについて、同社は売上高51,800百万円(同2.6%増)、営業利益4,400万円(同21.1%減)と増収減益を見込んでいる。収益不動産等販売(一棟物件)の引渡数増加により増収が見込まれるが、前期にあった高採算物件の反動などにより売上総利益率が低下することが減益を見込む要因である。前期に稼働した代表的な物件として、プライベートな空間を維持しながら入居者同士のゆるやかなつながりを生むシェアレジデンス「nears川崎」を竣工し入居を開始した。働き方やライフスタイルの「多様性」と建物の「機能性」・「快適性」を追求した、中規模の新築オフィス・商業ビルの新ブランド「cross-c bldg.(クロスシービル)」を開発、なかでも環境に配慮したオフィス空間が評価された「クロスシー東日本橋ビル」が環境省の定める「ZEB Ready※」を取得した。ほかに、新築ビル1棟丸ごとをレンタルオフィスとして運営する『MID POINT渋谷神泉』を開業、共同出資型不動産「セレサージュ目黒イースト」と「セレサージュ目黒ウェスト」の販売を開始した。※ZEB Ready(Net Zero Energy Building Ready):「ZEB」は、優れた省エネ・創エネ技術によって年間の1次エネルギー消費量をゼロもしくはマイナスにできる建築に対する、経産省による評価の1つ。「ZEB Ready」は再生可能エネルギーを除き、基準1次エネルギー消費量から50%以上の1次エネルギー消費量を削減した建物。(3) 宿泊事業2022年3月期の業績は、売上高6,356百万円(前期比971.8%増)、営業損失2,061百万円(同956百万円増益)と厳しい業績だった。年間を通してコロナ禍の影響でホテル施設運営が低迷したものの、ホテル施設販売の引き渡しがあったことなどにより大幅な増収となった。2023年3月期の業績見通しについて、同社は売上高11,200百万円(同76.2%増)、営業損失2,000百万円(同61百万円増益)を見込んでいる。コロナ禍の収束が進んで2023年4月にはコロナ禍以前の稼働水準に近づくとの前提で、ホテル施設運営では稼働の回復と平均客単価の改善、未開業施設すべての開業を見込んでいる。また、ホテル施設販売ではホテル施設の引渡数の増加を計画している。このため大幅増収予想だが、ホテルの新規開業に伴う費用の増加などにより営業利益は横ばい圏を見込んでいる。なお、2022年3月期末には開業前9施設545室、開業済19施設925室(うち休業中2施設132室)、2023年3月期末には未開業施設をすべて開業し、開業済28施設1,470室(うち休業中1施設36室)の見込みとなっている。前期に開業した代表的な宿泊施設として、アパートメントホテルの新シリーズ「MIMARU SUITES(ミマルスイート)京都四条」を開業、京都の目利きが集めた暮らしの道具を客室で自由に使える新サービスを提供した。また、東京・京都・大阪の「MIMARU」でライフスタイルショップとコラボレーションしたコンセプトルームでの宿泊体験や、家族・友人とパーティーやキッチンでの料理が楽しめるプランを用意するなど、多様な過ごし方を提案した。(4) 工事事業2022年3月期の業績は、売上高9,459百万円(前期比32.8%減)、営業利益73百万円(同90.1%減)と減収減益となった。収益性の高い大型案件がなかったこと、緊急事態宣言によって受注機会が減少したことなどが要因である。2023年3月期の業績見通しについて、同社は売上高13,500百万円(同42.7%増)、営業利益500百万円(同584.9%増)と、受注環境の回復により大幅な増収増益を見込んでいる。前期の実績としては、同社の工事事業を担う「コスモスモア」が携わった施設が「iF DESIGN AWARD2022」を含む複数の賞を受賞した。ほかに、築60年全5棟の大型ビル「Recruit Kudanshita New Office」を働き方改革に対応したオフィスへと再生、インクルーシブデザインを取り入れた屋外型スポーツ施設「TOKYO SPORT PLAYGROUND SPORT×ART」の設計・施工も担当した。(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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2022/07/15 15:18
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コスモスイニシア Research Memo(7):レジデンシャル事業とソリューション事業の採算が改善
■業績動向1. 2022年3月期の業績動向コスモスイニシア<8844>の2022年3月期の業績は、売上高107,349百万円(前期比0.1%増)、営業利益3,351百万円(同41.1%増)、経常利益2,610百万円(同18.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,703百万円(同15.1%減)となった。また、2021年11月公表の業績予想に対して、売上高で7,650百万円の未達となったが、営業利益で351百万円、経常利益で310百万円の増益になった。コロナ禍の影響に関しては、レジデンシャル事業でアクティブシニア向け分譲マンションの販売進捗に一部影響が生じたものの、全体としては限定的で、在宅勤務が増えたことなどからむしろ住宅購入に対する需要は堅調に推移した。ソリューション事業も影響は限定的で、収益不動産に対する需要は堅調に推移した。宿泊事業はコロナ禍の影響を直接受け、年間を通じて稼働が低迷した。工事事業は、緊急事態宣言下における受注機会の減少により受注遅れが生じた。この結果、売上高は伸びず、2021年11月公表の業績予想に対して未達となったが、高採算物件や高付加価値商品・サービスの扱いが増えたことでレジデンシャル事業とソリューション事業の売上総利益率が改善し、営業利益は大幅な増益となった。なお、親会社株主に帰属する当期純利益のみ減益となったが、前期に法人税等調整額(益)の計上があったこと等の反動が要因である。また、報告セグメントに関して、サブセグメントの名称・区分を一部変更した。宿泊事業は2023年3月期末にコロナ前の稼働水準へ2. 2023年3月期の業績見通し2023年3月期の業績見通しについて、同社は売上高125,000百万円(前期比16.4%増)、営業利益3,500百万円(同4.4%増)、経常利益3,200百万円(同22.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,200百万円(同29.1%増)を見込んでいる。コロナ禍の影響の業績見通しへの織り込みについて、レジデンシャル事業は前期と同様、アクティブシニア向け分譲マンションの販売進捗には一部影響が残るものの、全体としては限定的であり、住宅購入に対する需要も堅調に推移すると想定している。ソリューション事業は、収益不動産の稼働状況が現状より著しく悪化するとは考えづらく、収益不動産に対する需要は堅調に推移すると想定している。ただし、前期に好採算物件があった反動で、売上総利益率の低下を見込んでいる。宿泊事業は、コロナ禍の収束が進んで、2023年3月にはコロナ禍以前の稼働水準に近づくと想定している。前期において一時的に受注機会が減少した工事事業は、受注環境の回復を想定している。(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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2022/07/15 15:17
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コスモスイニシア Research Memo(6):リノベーションマンション販売と収益不動産等販売をドライバーに再成長へ
■コスモスイニシア<8844>の中期経営計画20263. 主要な取り組み(1) 成長と安定を両立する事業ポートフォリオの構築前中期経営計画で未達となった業績の回復と向上に向けてセグメント戦略を展開する計画だが、中期経営計画2026を着実に進行して目標に必達するため、まず成長と安定の両面で事業ポートフォリオを再構築する。安定的な経営を支える現在の事業ラインアップを継続強化するとともに、戦略的に拡大を進めてきたリノベーションマンション販売と収益不動産等販売をドライバーに事業成長に弾みをつける。宿泊事業については、仕掛中の施設の開業や稼働率向上に向けた運営及び着実な施設販売を進めるとともに、インバウンドの回復・再拡大に応じて、中期経営計画2026に織り込んでいない新規案件への投資再開も検討する。宿泊事業の復活も強い成長ドライバーになると思われる。さらに、不動産に対するニーズの多様化を念頭においた高付加価値戦略と、その実現に向けたバリューチェーンの強化やデジタル化の促進により収益性の向上も目指していく。(2) セグメント別戦略(レジデンシャル事業)レジデンシャル事業全体としては、「INITIA」へのブランド統合を機にブランド価値のさらなる向上を追求し、リノベーションマンション販売をドライバーとした事業の成長と、デベロッパーノウハウと製販一貫体制を生かした付加価値の高い商品企画の提供を目指す。また、新築マンション全住戸へのZEH※採用や地域コミュニティの形成、中古ストック再生などによりESG経営を実践する。新築マンション・一戸建販売では、立地特性と顧客ニーズの多様化にマッチする商品企画に加えデジタルマーケティングを強化する。また、総合ギャラリー「イニシアラウンジ三田」を活用して、首都圏での新築マンションの仕入・販売を強化するなどエリア戦略を推進する。資源再生の観点からも人気のリノベーションマンション販売では、自社の既存分譲マンションなどの営業資産や中古ストックを活かした、付加価値の高い商品展開で多様化するニーズに応えていく。なお、新築マンション・一戸建は少子高齢化の中で中期的に需要減の傾向となっているが、リノベーションマンションの需要拡大を見込んでいる。海外事業では、オーストラリアでの分譲住宅開発事業の深耕を想定している。これらによってレジデンシャル事業の拡大と収益性の向上をともに目指す考えである。※ZEH(net Zero Energy House):家庭で使用するエネルギーと太陽光などで発電するエネルギーをバランスして、年間の消費エネルギーの量を実質的ゼロ以下にする家。(3) セグメント別戦略(ソリューション事業)ソリューション事業全体としては、新築・中古を問わない多様なアセットタイプの収益不動産と、独自の不動産運営コンテンツとのシナジー効果により、事業拡大と収益性向上を目指す。ESG経営の実践としては、中古ストック再生や、コミュニティ形成につながる運営コンテンツの開発・展開などを目指す。収益不動産等販売では、新築と中古ストック再生の双方を強化、取り扱うアセットのタイプを拡充して事業拡大を目指す一方、「MID POINT」など独自の運営コンテンツや共同出資型不動産「セレサージュ」など販売チャネルの多様化により収益性向上も推進する。また、「MID POINT」や「nears」に続く不動産運営コンテンツの開発と展開を強化し、収益不動産等販売における高付加価値オプションとして受託の拡大を図る。不動産賃貸管理・運営では、住宅サブリースの収益性向上を進めるとともに、オフィスビルなどの賃貸管理・運営の事業拡大を目指す。収益不動産等販売がけん引する恰好で、ソリューション事業の収益拡大を目指す。(4) セグメント別戦略(宿泊事業)宿泊事業全体としては、家族・グループでの中長期滞在ニーズに応える都市型アパートメントホテルとして「MIMARU」ブランドの強化を図るとともに、仕掛中の施設の開業や稼働率の向上、着実な施設販売を進める方針である。また、公的不動産をアウトドアリゾートとして有効活用した「ETOWA」の展開や積極的な外国人採用などESG経営を実践する。ホテル施設販売では、2022年3月期末時点の棚卸資産の販売を見込んでいるが、うち約半数については保守的に最終年度の販売とし、販売損益が概ね均衡するという想定になっている。ホテル施設運営では、2023年3月には稼働がコロナ禍前の水準に回復するということを前提に、当面は国内需要の獲得に注力する。ホテル施設販売もホテル施設運営もインバウンドの回復・再拡大次第となるが、施設販売の前倒しや、施設運営での仕掛中施設の開業や稼働向上をできる限り早めて収益向上を目指す。一方で、インバウンド市場の回復・再拡大に応じて、中期経営計画2026で織り込んでいない新規案件への投資再開も検討していく方針としている。(5) セグメント別戦略(工事事業)国内外のデザインアワードなどで多くの受賞実績がある空間設計・デザイン力をさらに強化するとともに、コンサルティング・マネジメントの総合力も身につける方針である。また、オフィス移転・内装工事などファシリティ領域、建築・リノベーション工事・マンションギャラリー設営工事など建築領域において、事業拡大と収益性向上を目指す。特にオフィスの内装工事は、ニューノーマル下の働き方改革のなかで需要拡大が見込まれている。ESG経営の実践に関しては、環境配慮型の商品を活用するなど環境負荷の低い事業展開への取り組みを進める。なお、受注環境の悪化はコロナ禍による一時的なものと考えられるため、同社では早期に回復すると想定している。(6) その他の事業拡大・収益向上への取り組み新たな事業創造として、海外事業の強化、新たな運営コンテンツの開発、アセットマネジメント事業への展開を進めていく方針である。海外事業は国内で培ったノウハウを活用できる事業に絞って展開しており、現在、シドニーエリアで分譲住宅開発事業を行っている。現地パートナーとのジョイントベンチャーで4プロジェクトを推進中で、今後の事業拡大を目指している。また、市場成長性の高い地域への進出・展開も進めており、米国テキサス州ダラスでは底堅い賃貸住宅需要が見込まれる中古賃貸アパートメントのValue-Add(再生販売)事業、人口増加と経済成長が見込まれるベトナム・ホーチミンでは分譲住宅開発事業をスタディ中である。運営コンテンツとして、これまでアパートメントホテル「MIMARU」、レンタルオフィス「MID POINT」、シェアレジデンス「nears」、アウトドアリゾート「ETOWA」などを開発してきた。同社はさらに、これらに続く新たな運営コンテンツを開発し、収益不動産の価値最大化と運営受託による収益基盤の拡充を目指す。また、ソリューション事業で培った収益不動産の価値向上ノウハウをアセットマネジメント事業に活かしていく考えである。収益不動産等販売における仕入機会や販売チャネルの拡充が期待されると同時に、不動産賃貸管理・運営を受託する機会も増えそうだ。(7) DXの強化とESG経営の実践これまでもビジネス領域とコーポレート領域でデジタル化を推進してきたが、さらにDX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みを加速する計画である。ビジネス領域では、デジタル化により提供価値や業務効率の向上を進めてきたが、これにDXの取り組みを加速することで、カスタマーエクスペリエンスの向上や新たなサービスの開発など事業の革新につなげていく方針である。コーポレート領域では、デジタル基盤の構築によってDXの推進と多様な働き方を促進し、革新的経営の実現を目指す。同社は、各事業で社会的価値の高い運営を通じてESG経営を実践することで、企業価値の向上を目指している。具体的には、Environmentでは、新築マンション全住戸ZEHの実現、リノベーションマンション販売や収益不動産等販売における中古ストック再生の取り組み、環境負荷の低い商品・サービスの開発などにより、環境にやさしい建物・都市生活づくりを目指す。Socialでは、コミュニティ形成や子育てを支援する商品・サービスの開発や、同社独自の働き方改革を通じて、人と人の温かなつながりがある豊かな都市生活づくり目指す。Governanceでは、リスク管理機能とコーポレートガバナンスを継続的に強化することで、多様な事業ラインアップに対応した持続的な成長の基盤づくりを目指す。(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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2022/07/15 15:16
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コスモスイニシア Research Memo(5):コロナ禍の影響で未達となった中期経営計画2021
■コスモスイニシア<8844>の中期経営計画20261. 中期経営計画2021の振り返り2020年3月期スタートの中期経営計画2021では、中長期経営方針に基づいた新たなステージの第一歩と位置づけ、最終年度の2022年3月期に売上高1,350億円、営業利益81億円などの財務目標を設定し、増収・営業増益を目指した。しかし、2020年3月期は順調に進捗したが、コロナ禍の影響により2021年3月期以降の業績が厳しくなることが見込まれたため、当初の財務目標を取り下げることとなった。事業別詳細は後述するが、レジデンシャル事業は、新築マンションやリノベーションマンションなど総じて順調だったが、コロナ禍により、高齢者の動きが鈍化したため期待していたアクティブシニア向け分譲マンションに販売遅延などの影響が生じた。また、オーストラリアにおける工事も一部ストップしたことで引き渡しの期ズレが生じた。このため、当初計画に対して最終年度2022年3月期の売上高・セグメント利益はやや未達となった。ソリューション事業は収益不動産のニーズが強く全般的に好調だったことに加え、好物件の販売もあったため、売上高・セグメント利益ともに超過達成した。宿泊事業は、ターゲットが激減したインバウンドだったこと、国内需要の獲得に注力したものの緊急事態宣言下での営業が一部縮小したことなどにより、売上高・セグメント利益ともに大幅な未達となった。工事事業も、コロナ禍の影響によって営業機会が制限されたため、売上高・セグメント利益ともに未達となった。但し、コロナ禍という外部リスクの発生が計画未達の要因であり、内部的には、新築マンションやリノベーションマンション、収益不動産の好調や、「MID POINT」ほか今後の成長につながる新たな商品・サービスの開発など、評価できる部分も多かったように思われる。3つの重点テーマを推進し、2027年3月期に営業利益100億円を目指す2. 中期経営計画2026Mission(存在意義)として掲げる「Next GOOD」の実現に向けて、中計2026では、「事業・財務基盤の強化」「新たな事業創造」「ESG経営の実践」という今後に向けた3つの重要テーマを掲げて取り組んでいく方針。国際政治情勢や都市生活ニーズの多様化加速、インバウンドの中長期増加期待、ESGなどへの関心の高まりなど外部環境を正確に認識し、10万戸超の分譲マンション供給実績や不動産アセットの加工力、独自の働き方改革といった同社の強みを的確に用いることで、重要テーマを推進し、中長期の成長実現と企業価値の更なる向上を目指していく考えである。このため同社は5ヶ年の新中期経営計画2026を発表した。最終年度となる2027年3月期に営業利益100億円、営業利益率6%、自己資本比率30%を目指す。株主価値の向上に向けては、「事業基盤の強化」に向けた投資の拡充と「新たな事業創造」への挑戦により事業成長を加速させる。また、内部留保を充実させて「財務基盤の強化」を図るとともに、前中期経営計画期間にコロナ禍の影響で一時減配となった1株当たり配当金について持続的な増配を目指すこととしている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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2022/07/15 15:15
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コスモスイニシア Research Memo(4):巻き返しへ向けた兆しが見えるアパートメントホテル「MIMARU」
■コスモスイニシア<8844>の事業内容3. 宿泊事業宿泊事業は、2020年3月期からセグメント分けされた新しい事業で、新築マンションの開発や建築のノウハウを活かし、“暮らすように滞在する”都市型アパートメントホテル「MIMARU」の開発・運営をはじめ、アウトドアリゾート「ETOWA」の企画・運営を行っている。東京・大阪・京都で展開している「MIMARU」は、都市周辺の観光地などにアクセスしやすい立地にあり、キッチンやダイニングスペースが備わった広い客室で、4名以上のファミリーやグループが自宅と変わらない快適な長期滞在を可能とする宿泊施設である。インバウンド向けに開発して多店舗展開を進めていたが、コロナ禍の影響で2020年2月以降、宿泊需要が激減して稼働率が低下した。このため一部施設を休業したり、国内需要向けのメニューを開発したりと経営努力が続けられているところである。但し、世界的にウィズコロナの時代にシフトし、コロナ禍の規制も緩和・解除の方向にあり、また、日本がコロナ収束後に訪れたい国No.1に選ばれたこと※もあって、少しずつだが遠からずインバウンドが回復・再拡大する可能性が指摘されている。このため今後の巻き返しへ向けて、需要回復を睨みながら営業再開や新規開業を進めているところである。※(株)日本政策投資銀行と(公財)日本交通公社が2020年12月1日~12日に共同で実施した「アジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査(第2回新型コロナ影響度特別調査)」による。オフィス内装工事や建築・リノベーション工事などを手掛ける4. 工事事業工事事業では、オフィスの移転改修・内装工事、建築・リノベーション工事、マンションギャラリーの設営などを手掛けている。また、ブランド浸透や生産性向上、働き方改革といった顧客企業のニーズにも目を向け、ビジネス環境やカルチャー、従業員のライフスタイルに合わせたオーダーメイドのオフィス空間を設計・施工している。経済的・環境的諸条件を考慮しつつ、街の活性化に寄与する商業施設などの設計・施工も行っている。現在、スポーツ施設やアミューズメント施設といった施設の設計・工事に参入するなど、業容を徐々に拡大しているところである。なお、海外アワードを受賞するなど、デザインも高い評価を受けている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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2022/07/15 15:14
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コスモスイニシア Research Memo(3):新築だけでなくリノベーションマンションも人気
■事業内容コスモスイニシア<8844>は不動産の開発及び販売を行っているが、主として一般消費者向けに住宅に関わる商品・サービスを提供するレジデンシャル事業、事業者や投資家向けに収益不動産の販売・賃貸管理、土地の有効活用、設計・建築コンサルティングなどの商品・サービスを提供するソリューション事業、家族やグループでの中長期滞在ニーズに対応する都市型アパートメントホテルを開発・運営する宿泊事業、オフィス内装などのデザイン設計や施工をする工事事業で構成されている。2022年3月期の事業別の売上高構成比は、レジデンシャル事業38.7%、ソリューション事業46.7%、宿泊事業5.9%、工事事業8.7%で、主力事業のレジデンシャル事業とソリューション事業は主に同社が展開し、宿泊事業の運営は(株)コスモスホテルマネジメント、工事事業は(株)コスモスモアが担っている。1. レジデンシャル事業レジデンシャル事業では、「新築・中古」といった従来の枠にとらわれず、一般消費者に対して住宅に関わる商品やサービスをワンストップで提供している。商品・サービスのメニューは新築マンション「イニシア」、新築一戸建「イニシアフォーラム」、新築タウンハウス「イニシアテラス」、アクティブシニア向け分譲マンション「イニシアグラン」、リノベーションマンション「イニシア&リノベーション」で、ほかにリテール仲介やオーストラリアでの分譲住宅開発等も行っている。レジデンシャル事業に占めるそれぞれの売上高構成比は、新築マンション・一戸建販売※60%、リノベーションマンション販売※38%、その他(不動産仲介・海外事業等)※2%となっている(2022年3月期)。同社の特徴は、新たな商品・サービスを生み出す企画力や評価の高いアフターサービスなど「お客さま」志向の強いサービスクオリティにある。なお、同社はレジデンシャル事業における商品・サービスを2020年から「INITIA(イニシア)」ブランドに統合し、新築分譲住宅(新築マンション、新築タウンハウス、新築一戸建、アクティブシニア向け分譲マンション)およびリノベーションマンションについて「INITIA(イニシア)」を冠したブランド名称・ロゴへ変更している。※新築マンション・一戸建販売には、新築マンション、新築一戸建の他、新築タウンハウス、宅地分譲を含む。リノベーションマンション販売には、物件保有期間中の賃貸収入を含む。その他(不動産仲介・海外事業等)にはオーストラリアでの分譲住宅開発事業を含む。同社の事業において中心となる新築マンションは、30代から40代のシングル・DINKS・ファミリーなど幅広い1次取得者層をターゲットとしている。商品・サービスの企画力の面では、インテリアデコレーターがコーディネートしたプランから感性にあった空間をセレクトできる「ホームデコレーションサービス」や、施工体制から各種サポートサービスまで独自の品質管理体制「QIT」による徹底した品質へのこだわりなど、住む喜びや暮らしやすさ、使いやすさなど顧客が期待する以上の価値の提供を目指している。分譲を始めて37年目となる2011年に累計10万戸を突破、現在までの累計供給戸数が107,000戸に達するなど、同社のマンションは長く好評を博しており、20年連続グッドデザイン賞も受賞している(2002年度~2021年度)。「人生100年時代」と言われているなか、アクティブなシニアに向けて分譲マンション「イニシアグラン(旧:グランコスモ)」を開発した。シニアというと介護などと短絡しがちだが、実際にはアクティブなシニアが多い(しかも増加している)。それにもかかわらず、アクティブシニアを想定した企画が少なかったこともあり、「イニシアグラン」は人気となっている。「サービス付高齢者住宅」や「介護付き有料老人ホーム」などと異なり、自由に暮らせる上資産としての価値が残せるところに特徴がある。さらに、大浴場やカフェダイニングなど住民が交流できる共有施設や、子会社(株)コスモスライフサポートなどによる各種イベントの実施や健康・安心につながる生活支援など、アクティブかつ健やかな暮らしを応援する様々なサービスやサポートが用意されている。コロナ禍でシニアの動きが一時的に鈍くなっているが、政令指定都市や人口40~50万人以上の都市の、買い物や趣味、旅行、医療など生活するうえで利便性の高い市街地再開発事業などをメインに現在も開発を進めている。マンションデベロッパーのイメージの強い同社だが、リノベーションマンション「イニシア&リノベーション」では、デザインや機能性など新築マンションで培ったノウハウを生かし、中古マンションを「暮らし心地」の面から生まれ変わらせている。同社が物件選定から空間設計、品質管理、アフターサービスまでワンストップで運営しているため「イニシア&リノベーション」への信頼性は厚く、資源再生などの観点からも成長分野ということができる。ほかに、居住用不動産の仲介・買取では、新築分譲やリノベーションマンションとの連携によりスムーズな住み替えをサポート、居住用不動産のリノベーション・リフォーム工事では、最適なプランによって価値ある住まいへのリノベーションを提案している。また、新築一戸建「イニシアフォーラム」の開発はすでに4,000区画を超え、独自の品質管理体制「QIT」を新築一戸建にも導入したことなど商品性で高い評価を得ている。新築タウンハウス「イニシアテラス」は一戸建とマンションの良いところを併せ持つ低層レジテンスとして新しい暮らし方を提案している。不動産活用のソリューションをワンストップで提供2. ソリューション事業ソリューション事業では、不動産デベロッパーとしてのノウハウと実績をもとに、収益不動産オーナーに対し、同社グループや大和ハウスグループと連携した、不動産活用に関するソリューションサービスをワンストップで提供している。商品・サービスメニューは、賃貸マンション「コスモリード」や「コスモグラシア」、賃貸オフィスビル「リードシー」や「クロスシービル」などの販売を行う収益不動産等販売、マンションやオフィスビルの転貸などを行う不動産賃貸管理・運営、一棟投資用マンションや事業用地をはじめとした土地・建物の仲介や、不動産に関するコンサルティングなどその他(不動産仲介等)である。ソリューション事業に占める売上高構成比(2022年3月期)は、収益不動産等販売68%、不動産賃貸管理・運営31%、その他(不動産仲介等)1%となっている。収益不動産の販売では、都心部など需要の高いエリアで、デザイン性の高い賃貸マンションや賃貸ビル、商業施設の新築に加え、中古の賃貸マンションや賃貸ビルを一棟丸ごとデザイン性や機能性の高い物件にリノベーションして安定した利回りの見込める不動産に再生し、内外の投資家や投資ファンド向けに販売している。マンションデベロッパーとして培ったノウハウ等を駆使し、価値の高い収益不動産を新築・再生し販売するこの事業は、同事業の成長ドライバーにもなっている。なかでも共同出資型不動産「セレサージュ」は、個人単独での取得が難しかった数十億円規模の都心好立地不動産の所有権を小口化し、1,000万円(1口500万円)からの投資を可能にした投資用商品である。管理・運営を同社が一括で行うため、手軽で安心感のある投資用商品として人気になっている。また、同社は30年以上の長きにわたって賃貸管理を行っており、住宅サブリースは9,951戸を受託している(2022年3月末)。住宅サブリースでは、オーナー所有のマンションを同社が借り受けて入居者に転貸している。このためオーナーは、賃借人の募集、契約、引渡、更新手続きや入居中のトラブル対応といった面倒な業務から解放され、賃料収入も安定する。オーナーにとって利便性の高い価値あるサービスといえ、同社にとっても所有リスクのない安定収益源となる。また、収益不動産や賃貸オフィスビルをより魅力的な物件にするため、同社は様々な運営コンテンツの開発を進めている。レンタルオフィス「MID POINT」はその1つで、入居者のコミュニティを形成するコミュニティマネージャーが駐在し、キッチンも常備するなどオフィスに新たな価値を与えている。「MID POINT」はコロナ禍で認知が増したため、現在、本格的な展開を進めている。ほかにも「“ゆるやかな隣人”のいる新しい暮らし」をコンセプトとする新しい形のシェアレジデンス「nears」がある。(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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2022/07/15 15:13
注目トピックス 日本株
新興市場銘柄ダイジェスト:TKPは年初来高値、ソシャルワイヤがストップ高
<7074> 247 570 -100ストップ安。22年11月期第2四半期累計(21年12月-22年5月)の営業損益を3.12億円の赤字(前年同期実績は0.64億円の赤字)と発表している。新型コロナウイルス感染者数減少後の需要を見込んで広告宣伝費を投下したが、想定した収益に至らなかった。各地域の旗艦店近隣にサテライト店を展開し、出店や運営にかかるコストを抑えながらニッチエリアの顧客獲得を狙う。通期予想は未定。<9326> 関通 595 -100ストップ安。23年2月期第1四半期(22年3-5月)の営業利益を1.32億円と発表している。説明資料によると、前年同期(単体ベース)比28.0%減。物流サービス事業で新規顧客の獲得が順調に進んだものの、既存顧客はコロナ禍の反動減があったほか、新設した物流センターの賃料負担開始で固定費が増加した。通期予想は9.43億円で据え置いた。進捗率は14.0%にとどまっており、先行きへの警戒感から売りが膨らんでいるようだ。<3929> ソシャルワイヤ 381 +80ストップ高。グループ会社でクラウド翻訳やAI翻訳を手掛けるトランスマート(東京都港区)でインバウンド関連翻訳業務の依頼が急増し、22年4-6月の売上高が前四半期比率で約4倍、前年同期比約6倍を記録したと発表している。外国人観光客に対する入国制限緩和の影響という。ニーズの高まりを受け、今月15日からネイティブ翻訳者が英語文章の校正を行う「英語ネイティブチェックサービス」の提供を開始する。<9270> バリュエンス 2075 +178大幅に続伸。22年8月期第3四半期累計(21年9月-22年5月)の営業利益を前年同期比105.0%増の9.34億円と発表している。リニューアルした自社オークションが拡大したほか、地金相場の上昇で卸売(地金)の売上高が直前の四半期から2倍以上の大幅な上昇となった。通期予想は前期比54.0%増の18.00億円で据え置いた。第2四半期累計(2.13億円)と比べ営業利益が大幅に増加し、買い安心感が広がっているようだ。<6521> オキサイド 4790 +415大幅に続伸。23年2月期第1四半期(22年3-5月)の営業利益を前年同期比164.5%増の3.24億円と発表している。光計測・新領域事業が堅調だったことに加え、半導体事業でデータセンターやDX/GX投資による需要が旺盛だった。ヘルスケア事業もPET装置向けシンチレータ単結晶が好調に推移した。通期予想は前期比18.3%増の7.06億円で据え置いた。進捗率は45.9%に達している。<3479> TKP 2169 +358年初来高値。23年2月期第1四半期(22年3-5月)の営業損益が12.15億円の黒字(前年同期実績は8.29億円の赤字)に転換したと発表している。費用削減が奏功して貸会議室・宿泊事業の利益率が向上したほか、レンタルオフィス事業も企業のオフィス縮小化やサテライトオフィス需要の増加を受けて好調だった。通期予想は20.00億円の黒字で据え置いた。高進捗率(60.7%)が好感され、買いが集まっているようだ。
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2022/07/15 15:12
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コスモスイニシア Research Memo(2):新築マンションやリノベーションマンション、収益不動産を販売
■会社概要1. 会社概要コスモスイニシア<8844>は首都圏や近畿圏を中心にマンションや一戸建を取り扱う、大和ハウスグループの中堅デベロッパーである。1次取得者向けファミリータイプのマンション開発事業を長年展開してきており、新築マンションの累計供給戸数は107,621戸(2021年12月末時点)に達している。主力のマンションブランドは「イニシア」で、リクルートコスモス時代には「コスモ」を使用していた。顧客のニーズが多様化するなか、一般消費者向けに、新築マンション・一戸建販売やリノベーションマンション販売、リフォーム工事、リテール仲介、入居後サービスなど、様々な商品とサービスをワンストップで提供している。また、事業用不動産保有者向けには、収益不動産等の販売、賃貸マンションやオフィスビルのサブリース、事業用不動産仲介、不動産コンサルティングなど不動産活用のワンストップソリューションを提供している。このように同社は、新築マンションの開発・販売で培った強みを活かし、事業ポートフォリオを大きく広げ、都市環境をプロデュースする企業へと進化を続けている。コロナ禍が落ち着きを見せるなか、中期経営計画2026を策定2. 沿革1969年に日本リクルートセンターの子会社、株式会社日本リクルート映画社として同社は設立されたが、1974年に不動産事業に転換した。1985年には社名を株式会社リクルートコスモスに変更し、1986年に店頭公開(後の東証JASDAQ市場)、2005年にMBOによりリクルートグループから独立し、2006年に現社名となった。リーマンショックによる不動産市況悪化の影響を受けて2009年に債務超過に陥ったことから事業再生ADR手続を申請、金融機関による金融支援や大和ハウス工業へのマンション管理会社の売却などを軸とした事業再生計画をスタートした。2013年に事業再生ADR債務を完済し事業再生計画が終了したのち、大和ハウス工業と資本業務提携契約を締結して子会社となった。ちなみに、この大和ハウス工業による同社の子会社化は、シナジー発揮の典型例と言える。同社にとって、不動産開発を行ううえで重要な資金調達力が向上、信用の補完や総合力のサポートという点で大きな支援となった。また、大和ハウス工業は被買収企業の経営を尊重することから、同社の場合も、人材活用や運営、上場維持など自主性が重んじられた。このため、経営やブランドの継続性を維持することができ、その後の収益回復の原動力となった。一方、戸建住宅や賃貸住宅、商業・事業施設など多くの事業を抱える大和ハウス工業にも、マンション事業において、最大市場である首都圏でのプレゼンスが小さいという課題があった。それが、マンションデベロッパーとして首都圏を中心に強みを持つ同社がグループに加わったことで、マンション事業の拡大に弾みが付くことになったのである。同社は、大和ハウスグループ入りした後、順調に成長戦略を推進してきた。ところが、2020年に世界に蔓延したコロナ禍の影響を同社も受けることとなった。主力のレジデンシャル事業やソリューション事業などへの影響は限定的であったが、特にインバウンドを見込んで強化していた宿泊事業に強い影響が及んだ。この結果、中期経営計画2021の財務目標を途中で取り下げることとなった。コロナ禍が落ち着きを見せる中、同社は新たに中期経営計画2026を策定、ニューノーマルに適した戦略を展開し、再成長を目指している。中長期経営方針に大きな変更はなく、コロナ禍による規制も緩和・解除される方向となっており、遠からずインバウンドの復活も望めることから、同社は中期的に回復~再成長の道を着実に進んでいくと思われる。(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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2022/07/15 15:12
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コスモスイニシア Research Memo(1):中期経営計画2026を通じてコロナ禍から回復~再成長へ
■要約1. マンションデベロッパーを基軸に広がる事業領域コスモスイニシア<8844>は、首都圏や近畿圏を地盤とする中堅デベロッパーで、新築マンションや収益不動産の開発・販売などを行っている。1969年に(株)日本リクルートセンター(現リクルートホールディングス<6098>)の子会社として新築マンションの販売事業を開始、現在は大和ハウスグループ(大和ハウス工業<1925>)の一員として成長戦略を推進中である。同社グループは、新築マンション・一戸建やリノベーションマンションなどを販売するレジデンシャル事業、収益不動産等販売や不動産賃貸管理・運営などを行うソリューション事業、中長期滞在ニーズに対応する都市型アパートメントホテルの販売・運営を行う宿泊事業、オフィス内装工事や建築などを行う工事事業の4事業を展開している。レジデンシャル事業ではオーストラリアでマンション販売も行っている。2. リノベーションマンションと収益不動産が順調に成長レジデンシャル事業では、主力の新築マンション「イニシア」や、資源再生テーマにもつながる好調のリノベーションマンション「イニシア&リノベーション」などのブランドを展開している。10万戸超の供給実績を誇る新築マンションデベロッパーとして培った、新しい商品・サービスを生み出す企画力やアフターサービスなど「お客様」志向の強い事業展開に強みがある。ソリューション事業は、マンションデベロッパーのノウハウを生かしたワンストップソリューションやレンタルオフィス「MID POINT」など運営コンテツに特徴があり、収益不動産等販売では投資用マンション「コスモリード」や「コスモグラシア」、オフィスビル「リードシー」や「クロスシービル」の販売が順調に伸びている。宿泊事業や工事事業においてもデベロッパーとしての強みを生かしている。3. 中期経営計画2026で2027年3月期営業利益100億円を目指す同社は5ヶ年の新中期経営計画2026(2022年度~2026年度)を発表した。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)で未達に終わった前中期経営計画2021(2019年度~2021年度)からの業績回復〜再成長に向けて、「事業・財務基盤の強化」「新たな事業創造」「ESG経営の実践」という3つの重要テーマを実践する計画である。安定的な経営を支えてきた現在の事業ラインアップを継続強化するとともに、戦略的に拡大を進めているリノベーションマンション販売と収益不動産等販売をドライバーに成長に弾みをつける。宿泊事業については、仕掛中の施設の開業や稼働率向上に向けた運営、着実な施設販売を進めるとともに、インバウンドの回復・再拡大に備える。こうした戦略により、2027年3月期に営業利益100億円、営業利益率6%、自己資本比率30%の達成を目指す。4. 2023年3月期はコロナ禍からの回復が顕著になってくる2022年3月期の業績は、売上高107,349百万円(前期比0.1%増)、営業利益3,351百万円(同41.1%増)となった。リノベーションマンションと収益不動産の販売好調が利益をけん引した。コロナ禍は、宿泊事業で稼働が低迷するなど大きな影響があったが、その他の事業は概ね限定的だった。2023年3月期の業績見通しについて、同社は売上高125,000百万円(同16.4%増)、営業利益3,500百万円(同4.4%増)を見込んでいる。新築マンションやリノベーションマンション、収益不動産は一定の利益貢献が期待でき、工事事業やオーストラリアでの分譲住宅開発も利益貢献する予定である。なかでも、2023年3月期はまだ回復途上で費用先行となるが、宿泊事業が稼働の改善や新規開業など回復へ向けて踏み出す見込みとなった点は、非常にポジティブな印象である。■Key Points・商品・サービスの企画力とサービス品質に強みのある中堅デベロッパー・中期経営計画2026を策定、2027年3月期営業利益100億円を目指す・2023年3月期末に向けコロナ禍の影響を受けた宿泊事業が回復トレンドへ(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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2022/07/15 15:11
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IXナレッジ Research Memo(9):安定配当優先。2022年3月期の配当は前期比5円増配の20円を実施
■株主還元アイエックス・ナレッジ<9753>では株主還元に関して、経済環境の変動が激しいことから、安定配当を第一とし、業績や将来の見通し、配当性向、配当利回り等を総合的に勘案し配当を決定する方針である。過去に遡ると、減益となった期もあったものの、1株当たりの配当金は維持または増配を行ってきた。2022年3月期は、普通配当20円(前期比5円増配)を実施し、配当性向は23.3%となった。2023年3月期は普通配当20円(前期同額)、配当性向23.7%と予想している。(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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2022/07/15 15:09
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IXナレッジ Research Memo(8):3つの社会の実現に貢献すべく、「IKIのSDGs宣言」を発表
■SDGsへの取り組みアイエックス・ナレッジ<9753>は、“情報サービスを通じ人と社会の豊かさに貢献する”という企業理念のもと、「持続可能な開発目標(SDGs)」を経営課題の1つと捉え、事業活動を通じてその達成に向け積極的に貢献していく方針である。2021年11月には、企業理念と行動指針に基づき、持続的成長と企業価値の向上に努め、「平和と公正な社会」「すべての人が生き生きと活躍できる社会」「豊かで持続可能な社会」という3つの社会の実現に貢献すべく、「IKIのSDGs宣言」を発表した。具体的な取り組みは、以下のとおりである。(1) 平和と公正な社会の実現に貢献企業としての継続的な成長を通じて社会からの信頼を高め、公平で平等な企業活動により平和と公正な社会の実現を目指す。具体的には、コーポレートガバナンス体制の強化による公平な意思決定を実施しているほか、「ISO/IEC27001(ISMS)」及び「ISO9001」の認証取得と維持管理により、情報セキュリティ管理、システム開発における品質管理を徹底している。また、国籍や人種、性別を問わない、公平で平等な人材の雇用と登用にも取り組んでいる。(2) すべての人が生き生きと活躍できる社会の実現に貢献人材育成や女性の活躍推進、広く次世代を担う人材の創出とその支援に取り組み、すべての人が生き生きと活躍できる社会の実現を目指す。具体的には、ワークライフバランスや女性活躍推進などの働き方改革を積極的に推進するほか、社員が健康的に働くことができる環境の整備と支援(健康経営宣言及び健康優良企業「金の認定」の継続)や、次世代を担う子どもたちの学習機会の創出、障がい者雇用を目的とした業務創出などに取り組んでいる。このうち、「次世代を担う子どもたちの学習機会の創出」の取り組み事例としては、「ロボット&プログラミング体験教室」が挙げられる。10年にわたり実施し、延べ746名(2022年3月末現在)が参加した。車型ロボットキットを用いたプログラミング体験を通じて、多くの子どもたちにものづくりの楽しさ、IT技術の面白さを伝えてきた。(3) 豊かで持続可能な社会の実現に貢献社会インフラとしての情報システムの安定的な稼働を支え、社会生活の維持に貢献していく。また、情報サービス企業として培ってきた業務知識や技術力とともに、先端技術を活用した高付加価値サービスを創出し顧客のDXを支援することで、豊かで持続可能な社会の実現に貢献している。具体的には、DXやデジタル化等の技術を活用し、産業発展に寄与することを目指すほか、IT業界団体との連携を図ることで技術革新を追求し、パートナー企業との連携を強化することで高品質・高付加価値なITサービスを提供している。(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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2022/07/15 15:08
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IXナレッジ Research Memo(7):クラウド人材育成やクラウドベースERPなどを含む中期経営方針を推進
■中長期の戦略アイエックス・ナレッジ<9753>では、中期経営方針として「中核事業の拡大」「次期成長事業の創出」「事業基盤の強化」の3本柱を掲げ、営業体制の強化や開発体制の整備、案件対応力の強化、加速するDXへの対応を進めている。(1) 中核事業の拡大「中核事業の拡大」としては、クラウド構築からクラウド開発へ対応するため、クラウド開発技術者の育成に注力している。また、クラウドベースサービスへの対応として、ERPビジネスの立ち上げやMicrosoftビジネスなどを検討している。(2) 次期成長事業の創出「次期成長事業の創出」としては、DXの進展により今後さらなる需要が見込まれるクラウド化への対応に注力している。コロナ禍後は“非対面・非接触、オンライン”が主流となり、自動運転や金融のデジタル化(キャッシュレス)、オンライン業務などに代表される社会変化が進んでいるが、同社ではDX化が加速する事業環境を前提とし、クラウドに注力することで「持続的成長」を可能とする礎づくりを推進していく方針だ。コロナ禍によりテレワーク・在宅勤務やオンライン会議、グループウェア・ビジネスチャットなどが求められており、クラウド型システムの構築は急務であることから、AWS、Azure等の技術者育成及びクラウド事業の積極的展開を行うべく、2021年4月に「DX推進室」を設立し、専門組織を立ち上げた。デジタル化対応人材の育成強化を目的に各事業部門から精鋭を集結させて専門性を蓄積し、クラウド関連のプロジェクトに参加する。専門性を高めた後は各事業部門に戻り、普及・啓蒙を行う役割も担う予定である。また、同社ではクラウド技術をDXの中核技術と捉えており、多様な顧客ニーズに対応するためにクラウドネイティブな人材育成にも注力している。特にAWSで進捗が著しく、2021年12月には、AWS認定資格取得数が100を超える企業として、「AWS 100 APN Certification Distinction」に認定された。2023年3月期はクラウドサービス人材の育成ペースをさらに加速する計画である。DXシフトに取り組む顧客のニーズに対応した技術・サービスの開発や大手SI企業とのデジタル先端技術を活用したプラットフォームサービス事業への取り組みなど、新たな成長事業の創出に注力している。ERPソリューションに関しては、NTTデータグループと連携し、ERP出荷数トップのビズインテグラル及びワークフロー/BPMでトップのintra-martを活用したソリューションを提供する方針である。このうちintra-martは、現場で素早く導入できるワークフローからローコード開発による本格的なDXまで、同一のプラットフォームで行うことができる。(3) 事業基盤の強化「事業基盤の強化」では、事業提携・M&Aの推進がテーマとなる。積極的な事業投資を行い、成長のスピードアップとケーパビリティ拡大を目指す。同社は大阪や新潟といった首都圏以外でも事業を展開し、事業モデルを確立しているが、首都圏以外に基盤を持つ企業との連携は有力な選択肢となる。同社では、M&Aのための財務基盤も十分整っており、今後の動向が期待される。(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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2022/07/15 15:07
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IXナレッジ Research Memo(6):コンサルティング、システム開発、システム運用すべてが順調に成長
■業績動向1. 2022年3月期の業績概要アイエックス・ナレッジ<9753>の2022年3月期の業績は、売上高が前期比7.2%増の18,541百万円、営業利益が同32.3%増の1,149百万円、経常利益が同33.6%増の1,233百万円、当期純利益が同34.6%増の848百万円となった。売上高は順調な着地となった。主力のシステム開発において、大手通信事業者向けシステム開発案件やシステム検証案件に加え、資産運用事業者向けシステム開発案件が拡大した。コンサルティングでは、食品商社における案件が拡大した。また、運用サービスにおいては、大手ベンダー経由の社会・公共サービス系システム運用案件や基盤・環境構築案件が拡大した。なお、コロナ禍の影響によるプロジェクトの遅延や中止はほとんどなく、DX化の推進機運の高まりが追い風となった。利益面では、各利益が前期比30%超の増益となった。売上高の増加に加え、適正な原価管理による売上原価率の低減、働き方改革(リモートワークの推進による通勤費や出張費の削減)や社内デジタル化(新たに稼働した新基幹システムによる生産性向上)への継続的な取り組みにより、販管費を抑制できたことが寄与した。このほか、近年戦略的に推進している技術者(クラウドやRPA等の専門領域の知識を有する人材)の育成が単価向上につながった。これらの結果、売上原価率は前期比0.6ポイント改善し80.8%、販管費率は同0.6ポイント改善し13.0%となり、営業利益は過去最高水準となった。安全性が高く堅実な財務体質。ROE14.4%、ROA11.3%と経営効率も上昇2. 財務状態と経営指標2022年3月期末における総資産は前期末比560百万円増の11,209百万円となった。このうち流動資産は同597百万円増加したが、これは現金及び預金が338百万円増加、受取手形、売掛金及び契約資産が429百万円増加したことが主な要因である。固定資産は同36百万円減少したが、無形固定資産が減少したことが主な要因である。負債合計は前期末比150百万円減の4,943百万円となった。このうち流動負債は同351百万円増加したが、これは買掛金が160百万円増加したことが主な要因である。固定負債は同501百万円減少したが、これは退職給付引当金が625百万円減少したことが主な要因である。純資産合計は前期末比710百万円増の6,266百万円となった。これは、当期純利益の計上により利益剰余金が755百万円増加したことが主な要因である。流動比率は277.2%と短期の安全性の目安となる200%を大きく上回る。また、自己資本比率は55.9%であり、中長期の安全性も高い。ROE(自己資本当期純利益率)で14.4%(前期比2.4ポイント上昇)、ROA(総資産経常利益率)で11.3%(同2.3ポイント上昇)と経営効率も高まっている。これらの結果から、全体として健全な財務体質を維持していると言える。2023年3月期も増収及び営業増益を見込む。DX化の進展など受注環境が良好ななかで、安定成長を目指す3. 2023年3月期の業績見通し2023年3月期の業績については、売上高で前期比5.7%増の19,593百万円、営業利益で同2.7%増の1,180百万円、経常利益で同1.0%減の1,220百万円、当期純利益で同1.7%減の834百万円を見込んでいる。受注環境については、コロナ禍で加速したデジタル化による企業のビジネス変革の動きは今後も継続し、それを支えるIT投資は堅調に推移すると見込まれる。一部で半導体不足や原材料高騰などサプライチェーンの混乱が発生しているものの、システムインテグレーション業界への影響は軽微である。システム開発に関しては、既に受注している案件をこなしつつ、新規案件の獲得及び既存案件の拡大に力を入れる。特に、既存事業では車載組込みシステム開発案件、第三者検証サービス案件、運用設計や基盤構築案件などの受注拡大を目指す。新規ではクラウド化案件(オンプレミスからクラウドへの移行や統合など)の受注拡大を目指す。人員の補強がカギとなるが、定期的な新卒採用(2022年4月に81名を新卒採用、2023年4月も前年並み予定)に加えて、中途採用及びパートナーとの連携も強化されており、機会を逃さない体制が整っている。営業利益は前期比2.7%増、営業利益率6.0%(同0.2ポイント低下)、売上総利益は同8.8%増、売上総利益率19.8%(同0.6ポイント上昇)と堅調に推移する見込み。一方、販管費は同11.7%増、販管費率13.8%(同0.8ポイント増)と、前期の反動もあり増加する予想だ。コロナ禍で減少した通勤費・出張費・交際費などが増加することに加え、人材育成を計画的に進めていることによる。経常利益及び当期純利益は微減となるが、前期の一過性の要因がなくなるためで、順調な予想に変わりはない。弊社では、同社の顧客ポートフォリオは多様であり既存顧客からの安定的な受注が見込めること、コロナ禍を契機としてクラウド化のニーズが顕在化しDX化の動きが活発となっていること等から、業績予想は妥当性があると見ている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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2022/07/15 15:06
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IXナレッジ Research Memo(5):「大手顧客からの安定受注」と「人材マネジメント力」が強み
■強み1. 大手顧客からの安定受注アイエックス・ナレッジ<9753>の強みは、コンサルティングからシステム開発、システム運用・保守に至るまでの総合的かつ一貫的なサービスを提供できる体制を整えていることである。加えて、創業以来長年にわたり構築してきた強固でバランスの取れた顧客基盤を有することも安定した成長を可能とする大きな強みと考えられる。2022年3月期における主要顧客の動向を見ると、構成比の大きいトップ5社の顔触れに変動はなく、構成比も向上していることから、顧客構成は安定していると言える。トップ5社の売上構成比は58.2%に達し、前期から6.0ポイント上昇した。5社の内訳としては、NTTデータグループ(産業分野など多様なエンドユーザーの案件)、日立グループ(車載組込みシステム案件開発など)、KDDIグループ(システム検証案件など)、NECグループ、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>である。大手10社の構成比も71.3%(前期比4.8ポイント上昇)と上位集中度がさらに高まる傾向にある。また、年に1社から2社は、11位以降から大手10社にランクインしていることから、顧客ポートフォリオは健全に管理されていると言える。さらに、これらのユーザーとの取引関係で蓄積してきた業務知識やノウハウを保有することも強みとなっている。金融系のシステム開発等で、ユーザーから同社の実績が評価され、大手システムインテグレーターを経由せずにエンドユーザーとの直接取引があるのは、その表れと言える。2. 人材マネジメント力同社は、人材の「採用」「育成」「処遇」における人材マネジメント力が奏功し、人材不足が叫ばれる業界においても計画どおりの人材確保を実現している。(1) 採用同社にとって、「人材」が差別化の源泉であることに疑いの余地はない。人材獲得競争が厳しいなか、これまで毎年継続的に50~100名の新卒採用を行っており、2020年4月に77名、2021年4月に84名、2022年4月に81名が入社した。システムインテグレーター間の人材獲得競争はもちろん、近年では、事業会社(ユーザー企業)もIT人材の採用に積極的に取り組んでおり、競争は厳しくなる傾向にある。このような状況で同社は、2022年4月の新卒採用を完全オンライン採用方式で行った。コロナ禍という事情があったとはいえ、最終面接もオンラインで行ったことで、これまでは距離の壁により採用が難しかった地方の優秀な人材を獲得できたという。数年前からは中途採用も開始しており、即戦力の補強手段として定着してきた。一方、同社のパートナー企業は全国に40社以上あり、プロジェクトの組成や需要の変動に対応するためには不可欠な存在となっている。同社とパートナー企業は、プロジェクトのなかでは一心同体であり、同社はパートナー企業の従業員を含めて教育を行う。同社の外注費は6,802百万円(2022年3月期)であり、売上原価の45.6%に相当することからも、その存在の大きさがわかる。(2) 育成新入社員は半年間の研修(集合研修3ヶ月、OJT3ヶ月。コロナ禍以前)を経て配属されるが、同社の手厚い研修・新人サポートは“人を育てる環境が整った会社”として学生の間でも評価が高い。また、事業部によるプレゼンテーションが年に1回行われ、自ら配属希望を提出できる形式になっている。さらに配属後もスキルアップ研修などを充実させることにより、モチベーションの維持・向上を図っている。また、同社は「DX化ニーズへの対応」を戦略として掲げており、クラウドネイティブ人材の育成にも注力している。AWSやAzure(マイクロソフトアジュール)等の技術者育成により、2021年12月には、AWS認定資格取得数が100を超える企業として「AWS 100 APN Certification Distinction」に認定されるなど、積極的な人材への投資を行っている。(3) 処遇働き方改革にも積極的に取り組んでいる。新規採用に占める女性の比率は約半数、全体でも女性SE比率は約2割となっている。女性の育児休業取得率100%が示すように、女性にとって働きやすい環境を整えている。直近では、2022年4月に「おかえりなさい制度」を開始した。一度退社した人材を復帰しやすくした制度であり、特に子育てや介護などを理由に退職した人材を復帰しやすくした。既に2名が復帰を果たしている。数年前から残業削減にも取り組んでおり、平均残業時間は約14時間と業界平均を下回る。テレワークも管理部門を中心に以前から導入しているが、コロナ禍でさらに全社的な動きへと加速した。また、同社は「健康経営」にも積極的だ。特に活発な活動はスポーツであり、野球、サッカー、フットサル、バスケットボール、テニスなどのチームが組成され、同業種内で競うリーグ戦で優勝を争うレベルのチームも多い。活発なクラブ活動は横断的な社員のつながりを築き、健康経営のみならず社員の生きがいの創出にも貢献している。社内にストレッチルームを開設する取り組みなど、健康維持による生産性の向上にも積極的だ。このような取り組みが認められ、2021年3月には健康優良企業「金の認定」を取得した(2022年3月も継続取得)。ちなみに、同社の平均勤続年数は14年11ヶ月に達しており、その定着率の高さが職場の魅力を表している。(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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2022/07/15 15:05
注目トピックス 日本株
IXナレッジ Research Memo(4):主要3業種向けのシステム開発をバランス良く受注
■事業内容同社グループは、アイエックス・ナレッジ<9753>及び関連会社HISホールディングス(旧 北洋情報システム。2004年8月に資本・業務提携、同社出資比率20.0%)で構成され、コンサルティングから主力のシステム開発(システムインテグレーションサービス)、システム運用(システムマネージメントサービス)、商品販売までのトータルソリューションサービスを提供する情報サービス事業を主たる事業として展開する。2022年3月期のサービス品目別売上構成比は、コンサルティング10.3%、システム開発69.1%、システム運用20.3%、商品販売他0.4%と前期とほぼ同じ構成比で、システム開発が占める割合が大きい。また、ユーザー業種別売上構成比は、産業・サービス33.6%、金融・証券31.2%、情報・通信26.2%、社会・公共8.9%となっており、主要3業種のバランスが良い。1. コンサルティングビジネスの知識・経験・業務ノウハウを兼ね備えたコンサルタントやエンジニアが、ユーザーのニーズに合わせてIT戦略立案コンサルティング、IT化推進コンサルティング、BI※コンサルティングなどを提供する。営業的な側面では、コンサルティングで実績を積み上げ、システム開発及びシステム運用案件につなげることに注力している。※BI(Business Intelligence)とは、ビジネスにおける意思決定の高速化と迅速化を支援する情報システムのこと。2. システム開発同社の主力事業で、大手システムインテグレーターやユーザー系の情報システム子会社から金融・証券、産業・サービス、情報・通信などのユーザー向けの業務アプリケーションの開発を受託するソフトウェア開発を行うほか、ソフトウェア・ハードウェア・ネットワークを統合してベスト・ソリューションを導き出すシステムインテグレーションサービスも行う。さらに、ストレージやルーターなどのITプラットフォーム関連機器、カーナビやメーターなどの車載機器、OCR(光学式文字読取装置)やデジタル複合機など、各種機器製品向けの組込みソフト開発も手掛けている。同社が手掛けてきたシステム開発の実績として、金融・証券向けでは証券基幹業務パッケージシステム(フロント/バックオフィスシステム)、大手銀行基幹業務システム開発・保守や情報系インフラ構築/データ移行、生保基幹業務システム全般などがあり、官公庁向けでは職員情報システム開発などがある。特に、大手銀行向けの外為・外貨フロント~バックオフィスシステムの開発は、長年にわたって同社が手掛けてきた実績があり、ユーザーから高い評価を得ている。また、システム品質の妥当性を第三者的な立場で確認し、業務要件の実現性や操作性など実運用の適合性をユーザーに代わってシステムを検証し、品質状況を報告する第三者検証サービスも提供している。具体的には、要件定義検証サービス(同社が実践してきた要件定義検証のプロセスを活用して、システム開発の上流工程の品質を確保し、システム開発全体の品質向上を支援する)、システム受入検証サービス(稼働前のシステムに対する第三者視点の受入テストを実施し、対象のシステムがユーザーのビジネスモデルや経営課題に適合しているかの妥当性を確認し、ユーザーの要求が漏れなく実現できているかを検証するシステムの品質評価サービス)、システム開発検証サービス(開発組織から独立した立場で検証を行うサービス)がある。3. システム運用運用業務のアウトソーシングサービス、運用業務効率化のための運用設計や基盤構築など、システム運用に関するあらゆるサービスを提供する。具体的には、他社が開発したシステムにも対応するアプリケーションの保守サポート、運用業務の安定効率化やドキュメント作成などのシステム基盤保守サポート、24時間365日のシステム運行管理サービス、システム監視及び障害検知からのエスカレーション、問い合わせ対応、ITIL※準拠のインテリジェント管理サービスといったヘルプデスクサービスなどを提供する。※ITIL(ITインフラストラクチャ・ライブラリ:IT Infrastructure Library)とは、英国商務局が策定したITに関する運用・管理手法を体系的にまとめたガイドラインのこと。ITの活用において先進的な企業の事例をもとに、そのノウハウを標準化したもの。なお、ITILは包括的なガイドラインであり、何をどのように行うか詳細に記述されているわけではない。導入に当たっては実際の業務に照らして独自にプロセスを定める必要がある。(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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2022/07/15 15:04
注目トピックス 日本株
IXナレッジ Research Memo(3):IT市場は拡大も、IT人材不足は深刻化の見込み。同社への期待は高まる公算
■アイエックス・ナレッジ<9753>の市場環境国内IT市場は堅調な成長を続けている。ハードウェア、ソフトウェア、サービス含むIT市場規模は、今後も2~3%前後の安定成長が続くと予想されている。今後の成長ドライバーと期待されるのが、製造業などではDXに対するIT投資案件、金融業では「FinTech」を活用したサービス、通信関連では5G(第5世代移動通信システム)関連である。情報セキュリティ等に対するニーズの増大やビッグデータ、IoT等の新しい技術やサービスの登場も、市場拡大を後押しする可能性が高い。(株)アイ・ティ・アールが実施した「国内IT投資動向調査」によると、企業のIT投資は、コロナ禍の影響により見送りや中止が発生した結果、2020年に一時的に下降したものの、2021年には持ち直し、2022年も堅調な成長が予想されている。リーマンショック時のような需要の落ち込みはなく推移している。拡大する市場や多様化するニーズのなかIT人材の需要は高まる一方で、国内の人材供給力が低下することから、IT人材不足はより一層深刻化する可能性が高い。みずほ情報総研(株)(現 みずほリサーチ&テクノロジーズ)(経済産業省委託事業)が2019年3月に公表した「IT人材需給に関する調査」によると、2018年時点で約22万人のIT人材が不足しているが、今後IT人材の供給能力が伸び悩むなか、ITニーズの拡大によりIT市場は拡大を続けるため、IT人材不足は一段と深刻化し、2030年には約45万人まで人材の不足規模が拡大すると予想されている。同社のビジネスモデルは「IT人材の供給」の側面もあり、今後も同社への期待は高まることが見込まれる。システムインテグレーターはSIer(エスアイヤー)とも呼ばれ、システムの開発・運用・保守を行う会社である。メーカー系、ユーザー系、独立系に分類され、同社は独立系に属する。このうち、メーカー系SIerはコンピュータなどのハードウェアを製造していたメーカーがSIも行うようになった企業であり、NEC<6701>、日立製作所、東芝<6502>、日本アイ・ビー・エム(株)などが代表例となる。中堅SIerにとっては、競合にも顧客にもなる。また、ユーザー系SIerは銀行、保険、通信、商社などの大手企業の情報システム部が独立し、親会社や系列会社だけでなく、他社からの仕事も請け負うようになった企業であり、みずほリサーチ&テクノロジーズやNTTデータ、伊藤忠テクノソリューションズ<4739>などが代表例となる。中堅SIerにとっては、メーカー系SIer同様に競合にも顧客にもなる。なお、同社の属する独立系SIerは、BIPROGY<8056>やSCSK<9719>などが競合となる。(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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2022/07/15 15:03
注目トピックス 日本株
IXナレッジ Research Memo(2):前身2社の経営統合から20年を超えた、中堅独立系システムインテグレーター
■会社概要・沿革1. 会社概要アイエックス・ナレッジ<9753>は、独立系の中堅システムインテグレーターである。IT戦略提案、IT化推進などのコンサルティングからシステム開発、検証、保守・運用までのシステムライフサイクルに対応した一貫したサービスを提供する。「情報サービスを通じ人と社会の豊かさに貢献する」を基本理念として掲げ、「Information & Knowledge Innovation」(ITと知恵による変革)をコンセプトに事業を展開する。業務知識と技術・知恵を駆使し、様々なユーザーの課題解決に取り組みながら、新しいシステムを提案し、ユーザーのIT基盤の構築・整備に貢献してきた。銀行、証券、保険などの金融、情報・通信、社会・公共、流通・小売などの幅広い業種のエンドユーザーの業務アプリケーション開発プロジェクトに参画する。主要顧客は、日立製作所やNTTデータなどの大手システムインテグレーターや、みずほリサーチ&テクノロジーズなどのユーザー系システム会社経由で受注する、いわゆるサブコントラクターで、KDDIなどエンドユーザーとの直接取引も行う。また、RPAやブロックチェーンなど先進のIT技術にも積極的に取り組んでいる。なお、国内の拠点は3ヶ所(東京都港区、大阪市、新潟市)、従業員数は1,232名(2022年3月末)を数える。2. 沿革日本ナレッジインダストリ(株)(1979年6月設立)と(株)アイエックス(1964年7月設立)が1999年10月に合併し、アイエックス・ナレッジ株式会社が誕生した。合併後は、2003年7月に教育訓練業務に特化した子会社(株)IKIアットラーニングを設立したのに続き、同年12月には関連会社であったアイ・ティ・ジェイ(株)※の営業譲受を目的に、子会社アイ・ティ・ジャパン(株)を設立(2004年2月にアイ・ティ・ジェイから営業の一部を譲受け)し、2004年3月期から連結決算へ移行した。2004年5月に各種パッケージによるソリューションサービスを提供する子会社アイケーネット(株)を(株)アクロネットと合弁で設立したほか、同年8月には新たな地方戦略を目的に、パートナー会社として北洋情報システム(株)(札幌市、現 HISホールディングス(株))と資本・業務提携した。さらに、2007年4月には子会社アイ・ティ・ジャパンとときわ情報(株)が合併し、(株)アイエックスときわテクノロジーを誕生させたほか、2010年9月にはオフショア開発の中国現地法人、大連愛凱系統集成有限公司(以下、大連IKI)を設立するなど、積極的な子会社展開を行う。※(株)マツヤデンキの子会社で2003年9月に大阪地裁へ民事再生法を申請し、同日財産保全命令を受けた。しかし、2009年3月期に不採算案件が発生し業績が悪化したアイエックスときわテクノロジーを、2009年10月に同社本体へ吸収合併。さらに、2013年3月にはアイケーネットの全株式をアクロネットに売却したほか、同年4月にはIKIアットラーニングの全事業を譲受し、同年7月にはIKIアットラーニングを清算した。また、全国に分散していた営業所などの地方拠点の整理、統合にも着手し、グループ再編、事業のリストラクチャリングを進め、2014年3月期から単独決算へ回帰した。2016年には、子会社である大連IKIの出資持分を大連共興達信息技術有限公司(大連CNC)へ譲渡した。1988年に日本証券業協会に株式店頭登録し、2013年7月の東京証券取引所(以下、東証)と大阪証券取引所の市場統合に伴い東証JASDAQ市場に上場した。2018年12月には、J-Stock銘柄(JASDAQ上場銘柄のうち時価総額及び利益額などについて一定の基準を満たした銘柄)に選定された。また、2019年10月には前身の2社が経営統合してから20周年を迎えた。なお、2022年4月の東証市場区分再編に伴い、スタンダード市場へ移行した。(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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2022/07/15 15:02
注目トピックス 日本株
IXナレッジ Research Memo(1):2022年3月期業績は増収及び前期比30%超の増益を達成
■要約アイエックス・ナレッジ(IKI)※<9753>は、独立系の中堅システムインテグレーターである。IT戦略提案、IT化推進などのコンサルティングからシステム開発、検証、保守・運用までのシステムのライフサイクルに対応する一貫したサービスを提供する。日立製作所<6501>やNTTデータ<9613>などの大手システムインテグレーターやみずほリサーチ&テクノロジーズ(株)などのユーザー系システム会社、KDDI<9433>などのエンドユーザーなどが主要取引先であり業績は安定している。なお、顧客企業上位10社で売上高の約7割を占める。※同社の略称はIKI(IX Knowledge Inc.)で、企業コンセプトのInformation & Knowledge Innovationともリンクしている。1. 業績動向2022年3月期の業績は、売上高が前期比7.2%増の18,541百万円、営業利益が同32.3%増の1,149百万円、経常利益が同33.6%増の1,233百万円、当期純利益が同34.6%増の848百万円となった。主力のシステムインテグレーションサービス(システム開発)において、大手通信事業者向けシステム開発案件やシステム検証案件に加え、資産運用事業者向けシステム開発案件が拡大した。コンサルティングでは、食品商社における案件が拡大した。また、システムマネージメントサービス(運用サービス)においては、大手ベンダー経由の社会・公共サービス系システム運用案件や基盤・環境構築案件が拡大した。なお、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響によるプロジェクトの遅延や中止はほとんどなく、DX化の推進機運の高まりが追い風となった。利益面では、売上高の増加に加え、適正な原価管理による売上原価率の低減、働き方改革や社内デジタル化への継続的な取り組みにより、販管費を抑制できたことが寄与したほか、近年戦略的に推進している技術者の育成が単価向上につながった。これらの結果、営業利益は過去最高水準となった。2023年3月期の業績については、売上高で前期比5.7%増の19,593百万円、営業利益で同2.7%増の1,180百万円、経常利益で同1.0%減の1,220百万円、当期純利益で同1.7%減の834百万円を見込んでいる。受注環境については、コロナ禍で加速したデジタル化による企業のビジネス変革の動きは今後も継続し、それを支えるIT投資は堅調に推移すると見込まれる。システム開発に関しては、既に受注している案件をこなしつつ、新規案件の獲得及び既存案件の拡大に力を入れる。一方、新規ではクラウド化案件の受注拡大を目指す。弊社では、同社の顧客ポートフォリオは多様であり既存顧客からの安定的な受注が見込めること、コロナ禍を契機としてクラウド化のニーズが顕在化しDX化の動きが活発となっていること等から、業績予想は妥当性があると見ている。2. 成長戦略同社では、中期経営方針として「中核事業の拡大」「次期成長事業の創出」「事業基盤の強化」の3本柱を掲げ、営業体制の強化や開発体制の整備、案件対応力の強化、加速するDXへの対応を進めている。このうち「次期成長事業の創出」として、DXの進展により今後さらなる需要が見込まれるクラウド化への対応に注力している。その一環として同社ではクラウド技術をDXの中核技術と捉えており、多様な顧客ニーズに対応するためにクラウドネイティブな人材育成にも注力している。特にAWS(アマゾン ウェブ サービス)で進捗が著しく、2021年12月には、AWS認定資格取得数が100を超える企業として、「AWS 100 APN Certification Distinction」※に認定された。2023年3月期はクラウドサービス人材の育成ペースをさらに加速させる計画である。また、DXシフトに取り組む顧客のニーズに対応した技術・サービスの開発や大手SI企業とのデジタル先端技術を活用したプラットフォームサービス事業への取り組みなど、新たな成長事業の創出に注力している。ERP(統合基幹業務システム)ソリューションに関しては、NTTデータグループと連携し、ERP出荷数トップのビズインテグラル及びワークフロー/BPMでトップのintra-mart(イントラマート)を活用したソリューションを提供する方針である。※AWSパートナーネットワーク(同社は2015年9月に認定)に所属し、AWS認定資格の取得数が一定数を超えた場合に認定される表彰制度。「事業基盤の強化」では、事業提携・M&Aの推進がテーマとなる。積極的な事業投資を行い、成長のスピードアップとケーパビリティ拡大を目指す。同社は大阪や新潟といった首都圏以外でも事業を展開し、事業モデルを確立しているが、首都圏以外に基盤を持つ企業との連携は有力な選択肢となる。同社では、M&Aのための財務基盤も十分整っており、今後の動向が期待される。3. 株主還元同社では株主還元に関して、経済環境の変動が激しいことから、安定配当を第一とし、業績や将来の見通し、配当性向、配当利回り等を総合的に勘案し配当を決定する方針である。過去に遡ると、減益となった期もあったものの、1株当たりの配当金は維持または増配を行ってきた。2022年3月期は、普通配当20円(前期比5円増配)を実施し、配当性向は23.3%となった。2023年3月期は普通配当20円(前期同額)、配当性向23.7%と予想している。■Key Points・DXなどによりIT市場が拡大するなか、IT人材不足は深刻化する見込み。同社への期待は高まる公算・2022年3月期業績は増収及び前期比30%超の増益を達成。コンサルティング、システム開発、システム運用すべてが順調に成長・クラウド人材育成やクラウドベースERPなどを含む中期経営方針を推進。今後は人的リソースの拡大等を目的に、M&Aも視野に入れる方針(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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2022/07/15 15:01
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オプティム---図化アプリ「OPTiM Geo Design」をリリース
オプティム<3694>は14日、図化アプリ「OPTiM Geo Design」をリリースしたと発表。「OPTiM Geo Design」はGNSS測量・杭打ちアプリ「OPTiM Geo Point」などで取得した座標データを「OPTiM Geo Design」のマップ上に表示し、任意の点と点を選択することで、簡単に図形を作成することができるアプリ。同社ではGNSS測量・杭打ちアプリ「OPTiM Geo Point」を「OPTiM Geo Scan」の無料オプションとして提供している。「OPTiM Geo Point」を用いることで、高精度な座標データを取得できる。ユーザーが「OPTiM Geo Point」を使用する中で、測量結果を得るだけではなく、測量データから平面図や縦断図、横断図などの2次元図面を作成したいという要望があったため、今回「OPTiM Geo Scan」の無料オプションとして、図化アプリ「OPTiM Geo Design」を開発したとしている。
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2022/07/15 14:52
注目トピックス 日本株
ネクスグループ---2Qは営業利益で大幅な黒字転換、IoT関連事業のUSB型LTE/3Gデータ通信端末の売上が増加
ネクスグループ<6634>は14日、2022年11月期第2四半期(21年12月-22年5月)連結決算を発表した。売上高が前年同期比6.4%減の21.51億円、営業利益が4.74億円(前年同期は3.24億円の損失)、経常利益が5.45億円(同2.55億円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益が同11.1%減の3.23億円となった。同社グループは「慢性的な営業赤字の解消」と「財務基盤の強化」を目的とした、事業構造改革を推進し、インターネット旅行事業及びブランドリテールプラットフォーム事業の全株式を譲渡し撤退した。あわせて、今後の収益の柱となる新事業への進出も進めており、デジタルコンテンツ分野では、長年出版業界で事業を行ってきた實業之日本社の電子書籍部門の受託業務を行う実日デジタルを子会社化し、メタバース分野ではVRゲーム・コンテンツの開発などを行うワイルドマンを持分法適用関連会社化している。メタバース・デジタルコンテンツの売上高は0.14億円、営業損失は0.14億円となった。実日デジタルは、電子書籍配信サイト、Web漫画サイト、漫画アプリなどが主な取引先となり、第2四半期連結累計期間においては出版業界の商習慣として、売上計上が2ヶ月後に計上されることから、5月の概ね1ヶ月分のみの売上げ計上となった。一方でのれん代の償却を3ヶ月分計上したことから、第2四半期連結累計期間においては営業損失を計上しているが、第3四半期以降は、単月・累計期間ともに黒字化する見込みになっている。今後は、売上増強のため図書館向けや学校向けのサブスクリプション・サービスや、市場が拡大しているオーディオブックにコンテンツ投入を進める。IoT関連事業の売上高は前年同期比8.3%増の2.55億円、営業損失は0.19億円(前年同期は0.85億円の損失)となった。ネクスは、培ってきた自動車テレマティクスをはじめとする様々な分野に対するIoT技術をベースに「IoT×ブロックチェーン技術」「IoT×AI技術」など、「IoT×新技術」を活用した新たなサービスの提供を目指している。既存製品は、NTTドコモの取扱製品として全国のドコモショップ及びドコモオンラインショップにて販売されているUSB型LTE/3Gデータ通信端末「UX302NC-R」の売上が増加している。インターネット旅行事業は、前述した株式の譲渡により、当第2四半期連結累計期間では、連結対象から除外されていることから、売上高は1.00億円(前期比45.9%増)、営業損失は0.21億円(前期は0.96億円の損失)となった。ブランドリテールプラットフォーム事業は、前述した株式の譲渡により、当第2四半期連結累計期間では、連結対象から除外されていることから、売上高は9.83億円(前期比44.3%減)、営業損失は1.25億円(前期は2.44億円の損失)となった。暗号資産・ブロックチェーン事業の売上高は7.76億円(前年同期は2.24億円)、営業利益は7.76億円(同2.22億円の利益)となった。一部暗号資産の売却を行ったことで、営業利益を計上している。2022年11月期通期の連結業績予想については、依然として新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う先行き不透明な現在の状況が同社グループの事業活動や経営成績に影響を及ぼす可能性があり、また同社グループの事業構造改革における新規事業の整備または事業再編による影響も踏まえた業績予想について、現時点で適正かつ合理的に算定することが極めて困難なことから、開示していない。今後、合理的な算定が可能となった段階で改めて公表するとしている。
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2022/07/15 14:50
注目トピックス 日本株
出来高変化率ランキング(14時台)~PSS、セントラル総がランクイン
※出来高変化率ランキングでは、直近5日平均の出来高と配信当日の出来高を比較することで、物色の傾向など市場参加者の関心を知ることができます。■出来高変化率上位 [7月15日 14:35 現在](直近5日平均出来高比較)コード⇒銘柄⇒出来高⇒5日平均出来高⇒出来高変化比率⇒株価変化率<1656> iS米債7 149884 5069.8 2856.41% 0.48%<6521> オキサイド 431500 42800 908.18% 8.91%<6378> 木村化工 1584200 184240 759.86% 5.31%<7711> 助川電気 731500 85960 750.98% 13.31%<3479> TKP 1747300 256600 580.94% 19.27%<7420> 佐鳥電機 863800 129620 566.41% -8.34%<2634> 野村SPH有 408870 63330 545.62% 0.21%<7370> Enjin 1795200 282000 536.60% -2.02%<3922> PRTIMES 450800 75720 495.35% 9.35%<8892> 日本エスコン 668700 118700 463.35% -3.72%<6199> セラク 571200 108480 426.55% -12.35%<2590> DyDo 352500 67860 419.45% -0.99%<4412> サイエンスアーツ 215000 43340 396.08% 5.74%<4443> Sansan 12454100 2557880 386.89% 16.97%<1615> 銀行 6171000 1295660 376.28% -2.16%<3990> UUUM 511500 113560 350.42% -7.51%<7599> IDOM 2228300 514940 332.73% -7.25%<4199> ワンプラ 567200 135960 317.18% 17.65%<8057> 内田洋行 138600 33980 307.89% 1.5%<9270> バリュエンス 550700 142900 285.37% 9.12%<1945> 東京エネシス 266200 70380 278.23% 7.68%<3387> クリレスHD 2547900 701520 263.20% 2.13%<7545> 西松屋チェ 1135500 334840 239.12% 0.45%<3547> 串カツ田中 136100 40460 236.38% 2.47%<3808> OKウェイヴ 2054300 676960 203.46% 17.51%<5026> トリプルアイズ 528700 174820 202.43% -14.23%<2934> Jフロンティア 76800 26240 192.68% 3.5%<6184> 鎌倉新書 344400 117940 192.01% 5.33%<7707>* PSS 7670800 2879720 166.37% 13.76%<3238>* セントラル総 316600 119100 165.83% 5.33%(*)はランキングに新規で入ってきた銘柄20日移動平均売買代金が5000万円以下のものは除外
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2022/07/15 14:47
注目トピックス 日本株
トリプルアイズ---3Q売上高18.40億円、AI・IoT・DX開発やWEBシステム開発及びAIZE関連開発が堅調に推移
トリプルアイズ<5026>は14日、2022年8月期第3四半期(21年9月-22年5月)連結決算を発表した。売上高が18.40億円、営業利益が1.31億円、経常利益が1.15億円、親会社株主に帰属する四半期純利益が0.96億円となった。2021年8月期第3四半期においては四半期連結財務諸表を作成していないため、2022年8月期第3四半期の対前年同四半期増減率を記載していない。同社グループは、「テクノロジーに想像力を載せる」という経営理念の下、人にやさしいICTサービスの提供を目指し、グループ独自のテクノロジーで新たな時代への橋渡しとなるイノベーションを追求している。経営基盤の安定を担うSI部門と成長を加速させるAIZE部門のシナジー効果を最大限に発揮させ、技術力と社会実装力を併せ持つ独自の企業としての優位性を確立していくとしている。当第3四半期会計期間においては、アルコールチェック義務化に伴う安全管理業務工数を大幅に軽減可能な、アルコール検知AIクラウドシステムのサービスを開始している。また、人材の採用・育成にも注力し、クライアントのさらなる課題解決に取り組んだ。AIソリューション事業の売上高は18.04億円、セグメント利益は1.21億円となった。IT技術者の不足を背景としたAI、IoT、DXに係る開発やWEBシステム開発やAIZE関連請負開発に関する売上が堅調に推移した。また、当セグメントのうち、SI部門における経営上の指標である派遣単価については623千円(前年度比1.1%増)、派遣人数については2,119人月(前年度比73.2%の進捗)、AIZE部門における経営上の指標である拠点ID数は1,408件(前年度末比72.1%増)となった。研修事業の売上高は0.28億円、セグメント利益は0.09億円となった。当第3四半期会計期間において、季節性の要因で新卒研修等の実施件数が増加した。また、経営上の指標である研修の請負金額は、28,628千円(前年度比89.7%の進捗)となった。2022年8月期通期については、売上高が前期比22.3%増の25.95億円、営業利益が同188.6%増の1.74億円、経常利益が同94.6%増の1.63億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同264.5%増の1.38億円とする5月31日に公表した連結業績予想を据え置いている。
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2022/07/15 14:46
注目トピックス 日本株
ネクスグループ---暗号資産ネクスコインの価値向上の検討を開始
ネクスグループ<6634>は14日、2017年2月に発行した暗号資産「ネクスコイン(NCXC)」の価値向上に向けた取り組みを開始することを発表した。同社グループでは、NCXCを利用したサービスの拡充、NCXCホルダーの裾野の拡大、NCXCの流通促進のために注力を行い、トークンエコノミーの形成に取り組んでいく。また、価値向上の検討にあたり、業務提携先であるクシム<2345>との連携により、同社グループの製品や事業分野を活かしたサービスの決済や仕組みにNCXCが利用できるよう取り組み、NCXCの認知度の向上、利用範囲の拡大及び革新的なサービスの創出を目指していくとしている。
<ST>
2022/07/15 14:37
注目トピックス 日本株
日本システムウエア---インテルと共同で千葉市動物公園の混雑予測配信などの実証実験開始
日本システムウエア<9739>は14日、インテルと共同で、千葉市動物公園における来園者向けサービス向上に向けたAIやデータ活用の実証実験に参画することを発表した。同実証実験は、千葉市がスマートシティ実証補助事業プロジェクトの第一弾として実施する。千葉市動物公園内の各ゲート(3箇所)や利用の多い園内施設、駐車場出入口に取り付けたカメラ映像から、AIを活用して来園者数のカウントを行うほか、リアルタイムに混雑予測情報をホームページなどで配信するもので、2022年7月20日から2023年2月28日まで実施する。同社は今後、同実証実験により得られたノウハウをもとに、地方自治体での効率的な都市運営や観光客集客のための需要予測などのサービス提供を検討していくとしている。
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2022/07/15 14:35
注目トピックス 日本株
フォーバル---仙台市「エコにこゴールドマイスター」に認定
フォーバル<8275>は14日、同社の東北支社が仙台市環境配慮事業者認定制度の「エコにこゴールドマイスター」に認定されたと発表。エコにこマイスター認定制度は、地球環境への影響を考慮し、循環型社会の形成の推進を図り、より快適な生活環境をつくっていくために、ごみの減量・リサイクルの推進等に取り組む市内の事業者を認定し、市民、事業者の環境保全に対する意識の高揚を図ることを目的としている。エコにこゴールドマイスターの認定は、「市内に事業所を持つ事業者であること」「共通審査項目12項目中7項目以上、かつ全審査項目20項目中12項目以上の実施が認められること」「認定の有効期間は認定を受けた年度の4年後の年度末まで」となっている。
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2022/07/15 14:33
注目トピックス 日本株
PRTIMES---急伸、第1四半期増益決算で過度な警戒感後退へ
PRTIMES<3922>は急伸。前日に第1四半期決算を発表、営業利益は4.3億円で前年同期比9.3%増益となり、上半期計画の6.8億円、同24.8%減に対する進捗率は63.4%にまで達している。「PR TIMES」の利用企業社数、プレスリリース件数などが順調に伸長しているもよう。今期の2ケタ減益見通しがネガティブサプライズとなり、株価が急落した経緯があるが、第1四半期決算を受けて、業績見通しは保守的との見方につながる形になっている。
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2022/07/15 14:15
注目トピックス 日本株
三菱UFJ---大幅続落、米金融関連株下落の流れが波及へ
三菱UFJ<8306>は大幅続落。本日は銀行株が業種別下落率の上位になっている。前日の米国市場では、JPモルガン・チェースが第2四半期業績の下振れ、自社株買い一時停止発表で約3.5%の大幅安となる。また、モルガンスタンレーも投資部門低調で想定を下回る決算となって売りが優勢に。米金融関連株の下落が国内メガバンクにも波及する形のようだ。FRBウォラー理事が市場の1%利上げの憶測は時期尚早との見解を示したことも逆風に。
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2022/07/15 13:55
注目トピックス 日本株
出来高変化率ランキング(13時台)~オキサイド、木村化工などがランクイン
※出来高変化率ランキングでは、直近5日平均の出来高と配信当日の出来高を比較することで、物色の傾向など市場参加者の関心を知ることができます。■出来高変化率上位 [7月15日 13:32 現在](直近5日平均出来高比較)コード⇒銘柄⇒出来高⇒5日平均出来高⇒出来高変化比率⇒株価変化率<6521> オキサイド 392000 42800 815.89% 8.46%<6378> 木村化工 1402600 184240 661.29% 2.31%<7711> 助川電気 564600 85960 556.82% 12.08%<3479> TKP 1579700 256600 515.63% 19.55%<7370> Enjin 1715900 282000 508.48% -1.86%<7420> 佐鳥電機 783000 129620 504.07% -8.9%<3922> PRTIMES 400000 75720 428.26% 10.1%<8892> 日本エスコン 626200 118700 427.55% -3.33%<2590> DyDo 341700 67860 403.54% -0.4%<6199> セラク 525900 108480 384.79% -11.94%<1615> 銀行 6089000 1295660 369.95% -2.16%<4412> サイエンスアーツ 198400 43340 357.78% 6.62%<4443> Sansan 11578900 2557880 352.68% 17.85%<4199> ワンプラ 567200 135960 317.18% 17.65%<3990> UUUM 441100 113560 288.43% -7.75%<7599> IDOM 1934400 514940 275.66% -9.33%<9270> バリュエンス 513500 142900 259.34% 9.44%<8057>* 内田洋行 116600 33980 243.14% 0.3%<3387> クリレスHD 2344200 701520 234.16% 3.19%<7545> 西松屋チェ 1100000 334840 228.52% 0.51%<1945> 東京エネシス 227700 70380 223.53% 7.18%<3547>* 串カツ田中 119700 40460 195.85% 2.94%<5026> トリプルアイズ 507600 174820 190.36% -14.16%<3808> OKウェイヴ 1902200 676960 180.99% 16.38%<6184> 鎌倉新書 315000 117940 167.08% 4.44%<6349> 小森 182400 73460 148.30% 1.88%<2934>* Jフロンティア 64700 26240 146.57% 3.46%<2160>* GNI 940100 387140 142.83% 3.42%(*)はランキングに新規で入ってきた銘柄20日移動平均売買代金が5000万円以下のものは除外
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2022/07/15 13:52
注目トピックス 日本株
エルテス---1Qは2ケタ増収、各セグメントの売上高が好調に推移
エルテス<3967>は14日、2023年2月期第1四半期(22年3月-5月)連結決算を発表した。売上高が前年同期比48.9%増の9.33億円、EBITDAは0.18億円(前年同期は0.29億円の損失)、営業損失が0.05億円(同0.73億円の損失)、経常損失が0.25億円(同0.51億円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失が0.21億円(同0.29億円の損失)となった。M&Aや事業体制の刷新により、第1四半期では過去最高の売上高・EBITDAを計上。実行した3件のM&A関連一時費用により損失を計上したものの、実態収益力ベースでは大幅な増収増益基調にあり、例年期末にかけて売上が増大する積み上げ型のビジネスモデルを確立していることから、2Q以降の業績向上を見込む(一時的な要因を除くEBITDAは0.75億円、営業利益は0.51億円、経常利益は0.31億円)。デジタルリスク事業の売上高は前年同期比29.4%増の5.80億円、セグメント利益は同92.5%増の2.03億円となった。「ソーシャルリスクサービス」については、IPO検討企業や既存コンテンツへのリスク対策など、多種多様な課題解決のために、活用が進んでいる。「内部脅威検知サービス」については、国内大手企業から中小企業まで幅広くニーズが増加している。2022年3月にエンジニア派遣・受託開発を手掛けるGloLingを連結子会社化、内部脅威検知サービスのさらなる売上拡大のための基盤構築と、エンジニア派遣などによる、さらなる付加価値の提供に努めた。また2022年4月には、ラックと資本業務提携を締結し、監視サービスとインシデント対応サービスの事業拡大を目的として、サービス向上と新たな価値の創出に挑戦する。AIセキュリティ事業の売上高は前年同期比73.3%増の3.07億円、セグメント損失は0.23億円(前年同期は0.03億円の損失)となった。2022年3月にISA、SSSが連結子会社となった影響で、前年同期比で売上高は増加した。また、事業のさらなる加速とグループ会社とのシナジー効果を生み出すために、PMI推進本部を設置し、取り組みを強化した。さらに、総合セキュリティカンパニーである東洋テック<9686>から、出資を受け入れ、新たな人材や新しい領域の警備案件獲得などの広がりを見せている。一方で、実行したM&Aなどの諸費用などにより一時的な費用増となった。DX推進事業の売上高は前年同期比2,665.3%増の0.48億円、セグメント損失は0.42億円(前年同期は0.21億円の損失)となった。包括連携協定を結んだ岩手県紫波町との取組みを継続、住民総合ポータルアプリや健康増進アプリ、移動車両によるデジタル支援などを推進した。紫波町に続き、岩手県矢巾町とも包括連携協定を締結した。また、2022年4月には地方銀行へのデジタルマーケティングに特化したアクターを連結子会社化し、人材育成ビジネスとの融合も見えてきている。一方で、実施したM&Aなどの諸費用が影響し、一時的な費用増となった。2023年2月期通期の連結業績予想については、売上高が前期比23.3%増の40.00億円、EBITDAが3.50億円、営業利益が2.00億円、経常利益が1.80億円、親会社株主に帰属する当期純利益が0.80億円とする期初計画を据え置いている。なお、当第1四半期よりEBITDAの予想数値を追加している。
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2022/07/15 13:48
注目トピックス 日本株
Branding Engineer---3Qは2ケタ増収増益、7四半期連続で最高値を更新。純利益は3Q時点で通期予算超過
Branding Engineer<7352>は14日、2022年8月期第3四半期(21年9月-22年5月)連結決算を発表した。売上高は前年同期比57.2%増の47.83億円、営業利益は同43.7%増の1.74億円、経常利益は同42.9%増の1.80億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同64.4%増の1.21億円となった。純利益の進捗率は3Q時点で110.5%と、通期予算を超過した進捗となっている。国内の人材市場については新型コロナウイルス感染拡大後に有効求人倍率が急速に低下したが、先行きは依然として不透明な状況にある。その一方で同社の事業領域と相関の高いIT市場は、デジタルトランスフォーメーションへの投資案件も増加基調は続いており、ITエンジニアに対する企業の採用意欲は依然として高い水準にあると考えており、デジタルシフトを進める企業にITエンジニアを提供する同社の役割は、より重要なものになると認識している。このような事業環境下において、同社は企業のデジタル化を推進すべく、企業に対しITエンジニアリソースの提供を行うとともに、社員へのデジタル教育を行いたいというニーズに応えるために、ITエンジニアの独立支援を行うMidworks事業の拡大に注力した。4Qにおいては3Qまでの利益を投資に回すことで、来期以降の売上拡大につなげる。2022年8月期通期の連結業績予想については、売上高は前期比37.8%増の59.02億円、営業利益は同40.8%増の1.80億円、経常利益は同35.4%増の1.78億円、親会社株主に帰属する当期純利益は同45.4%増の1.10億円とする期初計画を据え置いている。
<ST>
2022/07/15 13:46