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コスモスイニシア Research Memo(3):新築だけでなくリノベーションマンションも人気
配信日時:2022/07/15 15:13
配信元:FISCO
■事業内容
コスモスイニシア<8844>は不動産の開発及び販売を行っているが、主として一般消費者向けに住宅に関わる商品・サービスを提供するレジデンシャル事業、事業者や投資家向けに収益不動産の販売・賃貸管理、土地の有効活用、設計・建築コンサルティングなどの商品・サービスを提供するソリューション事業、家族やグループでの中長期滞在ニーズに対応する都市型アパートメントホテルを開発・運営する宿泊事業、オフィス内装などのデザイン設計や施工をする工事事業で構成されている。2022年3月期の事業別の売上高構成比は、レジデンシャル事業38.7%、ソリューション事業46.7%、宿泊事業5.9%、工事事業8.7%で、主力事業のレジデンシャル事業とソリューション事業は主に同社が展開し、宿泊事業の運営は(株)コスモスホテルマネジメント、工事事業は(株)コスモスモアが担っている。
1. レジデンシャル事業
レジデンシャル事業では、「新築・中古」といった従来の枠にとらわれず、一般消費者に対して住宅に関わる商品やサービスをワンストップで提供している。商品・サービスのメニューは新築マンション「イニシア」、新築一戸建「イニシアフォーラム」、新築タウンハウス「イニシアテラス」、アクティブシニア向け分譲マンション「イニシアグラン」、リノベーションマンション「イニシア&リノベーション」で、ほかにリテール仲介やオーストラリアでの分譲住宅開発等も行っている。レジデンシャル事業に占めるそれぞれの売上高構成比は、新築マンション・一戸建販売※60%、リノベーションマンション販売※38%、その他(不動産仲介・海外事業等)※2%となっている(2022年3月期)。同社の特徴は、新たな商品・サービスを生み出す企画力や評価の高いアフターサービスなど「お客さま」志向の強いサービスクオリティにある。なお、同社はレジデンシャル事業における商品・サービスを2020年から「INITIA(イニシア)」ブランドに統合し、新築分譲住宅(新築マンション、新築タウンハウス、新築一戸建、アクティブシニア向け分譲マンション)およびリノベーションマンションについて「INITIA(イニシア)」を冠したブランド名称・ロゴへ変更している。
※新築マンション・一戸建販売には、新築マンション、新築一戸建の他、新築タウンハウス、宅地分譲を含む。リノベーションマンション販売には、物件保有期間中の賃貸収入を含む。その他(不動産仲介・海外事業等)にはオーストラリアでの分譲住宅開発事業を含む。
同社の事業において中心となる新築マンションは、30代から40代のシングル・DINKS・ファミリーなど幅広い1次取得者層をターゲットとしている。商品・サービスの企画力の面では、インテリアデコレーターがコーディネートしたプランから感性にあった空間をセレクトできる「ホームデコレーションサービス」や、施工体制から各種サポートサービスまで独自の品質管理体制「QIT」による徹底した品質へのこだわりなど、住む喜びや暮らしやすさ、使いやすさなど顧客が期待する以上の価値の提供を目指している。分譲を始めて37年目となる2011年に累計10万戸を突破、現在までの累計供給戸数が107,000戸に達するなど、同社のマンションは長く好評を博しており、20年連続グッドデザイン賞も受賞している(2002年度~2021年度)。
「人生100年時代」と言われているなか、アクティブなシニアに向けて分譲マンション「イニシアグラン(旧:グランコスモ)」を開発した。シニアというと介護などと短絡しがちだが、実際にはアクティブなシニアが多い(しかも増加している)。それにもかかわらず、アクティブシニアを想定した企画が少なかったこともあり、「イニシアグラン」は人気となっている。「サービス付高齢者住宅」や「介護付き有料老人ホーム」などと異なり、自由に暮らせる上資産としての価値が残せるところに特徴がある。さらに、大浴場やカフェダイニングなど住民が交流できる共有施設や、子会社(株)コスモスライフサポートなどによる各種イベントの実施や健康・安心につながる生活支援など、アクティブかつ健やかな暮らしを応援する様々なサービスやサポートが用意されている。コロナ禍でシニアの動きが一時的に鈍くなっているが、政令指定都市や人口40~50万人以上の都市の、買い物や趣味、旅行、医療など生活するうえで利便性の高い市街地再開発事業などをメインに現在も開発を進めている。
マンションデベロッパーのイメージの強い同社だが、リノベーションマンション「イニシア&リノベーション」では、デザインや機能性など新築マンションで培ったノウハウを生かし、中古マンションを「暮らし心地」の面から生まれ変わらせている。同社が物件選定から空間設計、品質管理、アフターサービスまでワンストップで運営しているため「イニシア&リノベーション」への信頼性は厚く、資源再生などの観点からも成長分野ということができる。ほかに、居住用不動産の仲介・買取では、新築分譲やリノベーションマンションとの連携によりスムーズな住み替えをサポート、居住用不動産のリノベーション・リフォーム工事では、最適なプランによって価値ある住まいへのリノベーションを提案している。また、新築一戸建「イニシアフォーラム」の開発はすでに4,000区画を超え、独自の品質管理体制「QIT」を新築一戸建にも導入したことなど商品性で高い評価を得ている。新築タウンハウス「イニシアテラス」は一戸建とマンションの良いところを併せ持つ低層レジテンスとして新しい暮らし方を提案している。
不動産活用のソリューションをワンストップで提供
2. ソリューション事業
ソリューション事業では、不動産デベロッパーとしてのノウハウと実績をもとに、収益不動産オーナーに対し、同社グループや大和ハウスグループと連携した、不動産活用に関するソリューションサービスをワンストップで提供している。商品・サービスメニューは、賃貸マンション「コスモリード」や「コスモグラシア」、賃貸オフィスビル「リードシー」や「クロスシービル」などの販売を行う収益不動産等販売、マンションやオフィスビルの転貸などを行う不動産賃貸管理・運営、一棟投資用マンションや事業用地をはじめとした土地・建物の仲介や、不動産に関するコンサルティングなどその他(不動産仲介等)である。ソリューション事業に占める売上高構成比(2022年3月期)は、収益不動産等販売68%、不動産賃貸管理・運営31%、その他(不動産仲介等)1%となっている。
収益不動産の販売では、都心部など需要の高いエリアで、デザイン性の高い賃貸マンションや賃貸ビル、商業施設の新築に加え、中古の賃貸マンションや賃貸ビルを一棟丸ごとデザイン性や機能性の高い物件にリノベーションして安定した利回りの見込める不動産に再生し、内外の投資家や投資ファンド向けに販売している。マンションデベロッパーとして培ったノウハウ等を駆使し、価値の高い収益不動産を新築・再生し販売するこの事業は、同事業の成長ドライバーにもなっている。なかでも共同出資型不動産「セレサージュ」は、個人単独での取得が難しかった数十億円規模の都心好立地不動産の所有権を小口化し、1,000万円(1口500万円)からの投資を可能にした投資用商品である。管理・運営を同社が一括で行うため、手軽で安心感のある投資用商品として人気になっている。
また、同社は30年以上の長きにわたって賃貸管理を行っており、住宅サブリースは9,951戸を受託している(2022年3月末)。住宅サブリースでは、オーナー所有のマンションを同社が借り受けて入居者に転貸している。このためオーナーは、賃借人の募集、契約、引渡、更新手続きや入居中のトラブル対応といった面倒な業務から解放され、賃料収入も安定する。オーナーにとって利便性の高い価値あるサービスといえ、同社にとっても所有リスクのない安定収益源となる。また、収益不動産や賃貸オフィスビルをより魅力的な物件にするため、同社は様々な運営コンテンツの開発を進めている。レンタルオフィス「MID POINT」はその1つで、入居者のコミュニティを形成するコミュニティマネージャーが駐在し、キッチンも常備するなどオフィスに新たな価値を与えている。「MID POINT」はコロナ禍で認知が増したため、現在、本格的な展開を進めている。ほかにも「“ゆるやかな隣人”のいる新しい暮らし」をコンセプトとする新しい形のシェアレジデンス「nears」がある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<ST>
コスモスイニシア<8844>は不動産の開発及び販売を行っているが、主として一般消費者向けに住宅に関わる商品・サービスを提供するレジデンシャル事業、事業者や投資家向けに収益不動産の販売・賃貸管理、土地の有効活用、設計・建築コンサルティングなどの商品・サービスを提供するソリューション事業、家族やグループでの中長期滞在ニーズに対応する都市型アパートメントホテルを開発・運営する宿泊事業、オフィス内装などのデザイン設計や施工をする工事事業で構成されている。2022年3月期の事業別の売上高構成比は、レジデンシャル事業38.7%、ソリューション事業46.7%、宿泊事業5.9%、工事事業8.7%で、主力事業のレジデンシャル事業とソリューション事業は主に同社が展開し、宿泊事業の運営は(株)コスモスホテルマネジメント、工事事業は(株)コスモスモアが担っている。
1. レジデンシャル事業
レジデンシャル事業では、「新築・中古」といった従来の枠にとらわれず、一般消費者に対して住宅に関わる商品やサービスをワンストップで提供している。商品・サービスのメニューは新築マンション「イニシア」、新築一戸建「イニシアフォーラム」、新築タウンハウス「イニシアテラス」、アクティブシニア向け分譲マンション「イニシアグラン」、リノベーションマンション「イニシア&リノベーション」で、ほかにリテール仲介やオーストラリアでの分譲住宅開発等も行っている。レジデンシャル事業に占めるそれぞれの売上高構成比は、新築マンション・一戸建販売※60%、リノベーションマンション販売※38%、その他(不動産仲介・海外事業等)※2%となっている(2022年3月期)。同社の特徴は、新たな商品・サービスを生み出す企画力や評価の高いアフターサービスなど「お客さま」志向の強いサービスクオリティにある。なお、同社はレジデンシャル事業における商品・サービスを2020年から「INITIA(イニシア)」ブランドに統合し、新築分譲住宅(新築マンション、新築タウンハウス、新築一戸建、アクティブシニア向け分譲マンション)およびリノベーションマンションについて「INITIA(イニシア)」を冠したブランド名称・ロゴへ変更している。
※新築マンション・一戸建販売には、新築マンション、新築一戸建の他、新築タウンハウス、宅地分譲を含む。リノベーションマンション販売には、物件保有期間中の賃貸収入を含む。その他(不動産仲介・海外事業等)にはオーストラリアでの分譲住宅開発事業を含む。
同社の事業において中心となる新築マンションは、30代から40代のシングル・DINKS・ファミリーなど幅広い1次取得者層をターゲットとしている。商品・サービスの企画力の面では、インテリアデコレーターがコーディネートしたプランから感性にあった空間をセレクトできる「ホームデコレーションサービス」や、施工体制から各種サポートサービスまで独自の品質管理体制「QIT」による徹底した品質へのこだわりなど、住む喜びや暮らしやすさ、使いやすさなど顧客が期待する以上の価値の提供を目指している。分譲を始めて37年目となる2011年に累計10万戸を突破、現在までの累計供給戸数が107,000戸に達するなど、同社のマンションは長く好評を博しており、20年連続グッドデザイン賞も受賞している(2002年度~2021年度)。
「人生100年時代」と言われているなか、アクティブなシニアに向けて分譲マンション「イニシアグラン(旧:グランコスモ)」を開発した。シニアというと介護などと短絡しがちだが、実際にはアクティブなシニアが多い(しかも増加している)。それにもかかわらず、アクティブシニアを想定した企画が少なかったこともあり、「イニシアグラン」は人気となっている。「サービス付高齢者住宅」や「介護付き有料老人ホーム」などと異なり、自由に暮らせる上資産としての価値が残せるところに特徴がある。さらに、大浴場やカフェダイニングなど住民が交流できる共有施設や、子会社(株)コスモスライフサポートなどによる各種イベントの実施や健康・安心につながる生活支援など、アクティブかつ健やかな暮らしを応援する様々なサービスやサポートが用意されている。コロナ禍でシニアの動きが一時的に鈍くなっているが、政令指定都市や人口40~50万人以上の都市の、買い物や趣味、旅行、医療など生活するうえで利便性の高い市街地再開発事業などをメインに現在も開発を進めている。
マンションデベロッパーのイメージの強い同社だが、リノベーションマンション「イニシア&リノベーション」では、デザインや機能性など新築マンションで培ったノウハウを生かし、中古マンションを「暮らし心地」の面から生まれ変わらせている。同社が物件選定から空間設計、品質管理、アフターサービスまでワンストップで運営しているため「イニシア&リノベーション」への信頼性は厚く、資源再生などの観点からも成長分野ということができる。ほかに、居住用不動産の仲介・買取では、新築分譲やリノベーションマンションとの連携によりスムーズな住み替えをサポート、居住用不動産のリノベーション・リフォーム工事では、最適なプランによって価値ある住まいへのリノベーションを提案している。また、新築一戸建「イニシアフォーラム」の開発はすでに4,000区画を超え、独自の品質管理体制「QIT」を新築一戸建にも導入したことなど商品性で高い評価を得ている。新築タウンハウス「イニシアテラス」は一戸建とマンションの良いところを併せ持つ低層レジテンスとして新しい暮らし方を提案している。
不動産活用のソリューションをワンストップで提供
2. ソリューション事業
ソリューション事業では、不動産デベロッパーとしてのノウハウと実績をもとに、収益不動産オーナーに対し、同社グループや大和ハウスグループと連携した、不動産活用に関するソリューションサービスをワンストップで提供している。商品・サービスメニューは、賃貸マンション「コスモリード」や「コスモグラシア」、賃貸オフィスビル「リードシー」や「クロスシービル」などの販売を行う収益不動産等販売、マンションやオフィスビルの転貸などを行う不動産賃貸管理・運営、一棟投資用マンションや事業用地をはじめとした土地・建物の仲介や、不動産に関するコンサルティングなどその他(不動産仲介等)である。ソリューション事業に占める売上高構成比(2022年3月期)は、収益不動産等販売68%、不動産賃貸管理・運営31%、その他(不動産仲介等)1%となっている。
収益不動産の販売では、都心部など需要の高いエリアで、デザイン性の高い賃貸マンションや賃貸ビル、商業施設の新築に加え、中古の賃貸マンションや賃貸ビルを一棟丸ごとデザイン性や機能性の高い物件にリノベーションして安定した利回りの見込める不動産に再生し、内外の投資家や投資ファンド向けに販売している。マンションデベロッパーとして培ったノウハウ等を駆使し、価値の高い収益不動産を新築・再生し販売するこの事業は、同事業の成長ドライバーにもなっている。なかでも共同出資型不動産「セレサージュ」は、個人単独での取得が難しかった数十億円規模の都心好立地不動産の所有権を小口化し、1,000万円(1口500万円)からの投資を可能にした投資用商品である。管理・運営を同社が一括で行うため、手軽で安心感のある投資用商品として人気になっている。
また、同社は30年以上の長きにわたって賃貸管理を行っており、住宅サブリースは9,951戸を受託している(2022年3月末)。住宅サブリースでは、オーナー所有のマンションを同社が借り受けて入居者に転貸している。このためオーナーは、賃借人の募集、契約、引渡、更新手続きや入居中のトラブル対応といった面倒な業務から解放され、賃料収入も安定する。オーナーにとって利便性の高い価値あるサービスといえ、同社にとっても所有リスクのない安定収益源となる。また、収益不動産や賃貸オフィスビルをより魅力的な物件にするため、同社は様々な運営コンテンツの開発を進めている。レンタルオフィス「MID POINT」はその1つで、入居者のコミュニティを形成するコミュニティマネージャーが駐在し、キッチンも常備するなどオフィスに新たな価値を与えている。「MID POINT」はコロナ禍で認知が増したため、現在、本格的な展開を進めている。ほかにも「“ゆるやかな隣人”のいる新しい暮らし」をコンセプトとする新しい形のシェアレジデンス「nears」がある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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