注目トピックス 日本株
IXナレッジ Research Memo(1):2022年3月期業績は増収及び前期比30%超の増益を達成
配信日時:2022/07/15 15:01
配信元:FISCO
■要約
アイエックス・ナレッジ(IKI)※<9753>は、独立系の中堅システムインテグレーターである。IT戦略提案、IT化推進などのコンサルティングからシステム開発、検証、保守・運用までのシステムのライフサイクルに対応する一貫したサービスを提供する。日立製作所<6501>やNTTデータ<9613>などの大手システムインテグレーターやみずほリサーチ&テクノロジーズ(株)などのユーザー系システム会社、KDDI<9433>などのエンドユーザーなどが主要取引先であり業績は安定している。なお、顧客企業上位10社で売上高の約7割を占める。
※同社の略称はIKI(IX Knowledge Inc.)で、企業コンセプトのInformation & Knowledge Innovationともリンクしている。
1. 業績動向
2022年3月期の業績は、売上高が前期比7.2%増の18,541百万円、営業利益が同32.3%増の1,149百万円、経常利益が同33.6%増の1,233百万円、当期純利益が同34.6%増の848百万円となった。主力のシステムインテグレーションサービス(システム開発)において、大手通信事業者向けシステム開発案件やシステム検証案件に加え、資産運用事業者向けシステム開発案件が拡大した。コンサルティングでは、食品商社における案件が拡大した。また、システムマネージメントサービス(運用サービス)においては、大手ベンダー経由の社会・公共サービス系システム運用案件や基盤・環境構築案件が拡大した。なお、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響によるプロジェクトの遅延や中止はほとんどなく、DX化の推進機運の高まりが追い風となった。利益面では、売上高の増加に加え、適正な原価管理による売上原価率の低減、働き方改革や社内デジタル化への継続的な取り組みにより、販管費を抑制できたことが寄与したほか、近年戦略的に推進している技術者の育成が単価向上につながった。これらの結果、営業利益は過去最高水準となった。
2023年3月期の業績については、売上高で前期比5.7%増の19,593百万円、営業利益で同2.7%増の1,180百万円、経常利益で同1.0%減の1,220百万円、当期純利益で同1.7%減の834百万円を見込んでいる。受注環境については、コロナ禍で加速したデジタル化による企業のビジネス変革の動きは今後も継続し、それを支えるIT投資は堅調に推移すると見込まれる。システム開発に関しては、既に受注している案件をこなしつつ、新規案件の獲得及び既存案件の拡大に力を入れる。一方、新規ではクラウド化案件の受注拡大を目指す。弊社では、同社の顧客ポートフォリオは多様であり既存顧客からの安定的な受注が見込めること、コロナ禍を契機としてクラウド化のニーズが顕在化しDX化の動きが活発となっていること等から、業績予想は妥当性があると見ている。
2. 成長戦略
同社では、中期経営方針として「中核事業の拡大」「次期成長事業の創出」「事業基盤の強化」の3本柱を掲げ、営業体制の強化や開発体制の整備、案件対応力の強化、加速するDXへの対応を進めている。このうち「次期成長事業の創出」として、DXの進展により今後さらなる需要が見込まれるクラウド化への対応に注力している。その一環として同社ではクラウド技術をDXの中核技術と捉えており、多様な顧客ニーズに対応するためにクラウドネイティブな人材育成にも注力している。特にAWS(アマゾン ウェブ サービス)で進捗が著しく、2021年12月には、AWS認定資格取得数が100を超える企業として、「AWS 100 APN Certification Distinction」※に認定された。2023年3月期はクラウドサービス人材の育成ペースをさらに加速させる計画である。また、DXシフトに取り組む顧客のニーズに対応した技術・サービスの開発や大手SI企業とのデジタル先端技術を活用したプラットフォームサービス事業への取り組みなど、新たな成長事業の創出に注力している。ERP(統合基幹業務システム)ソリューションに関しては、NTTデータグループと連携し、ERP出荷数トップのビズインテグラル及びワークフロー/BPMでトップのintra-mart(イントラマート)を活用したソリューションを提供する方針である。
※AWSパートナーネットワーク(同社は2015年9月に認定)に所属し、AWS認定資格の取得数が一定数を超えた場合に認定される表彰制度。
「事業基盤の強化」では、事業提携・M&Aの推進がテーマとなる。積極的な事業投資を行い、成長のスピードアップとケーパビリティ拡大を目指す。同社は大阪や新潟といった首都圏以外でも事業を展開し、事業モデルを確立しているが、首都圏以外に基盤を持つ企業との連携は有力な選択肢となる。同社では、M&Aのための財務基盤も十分整っており、今後の動向が期待される。
3. 株主還元
同社では株主還元に関して、経済環境の変動が激しいことから、安定配当を第一とし、業績や将来の見通し、配当性向、配当利回り等を総合的に勘案し配当を決定する方針である。過去に遡ると、減益となった期もあったものの、1株当たりの配当金は維持または増配を行ってきた。2022年3月期は、普通配当20円(前期比5円増配)を実施し、配当性向は23.3%となった。2023年3月期は普通配当20円(前期同額)、配当性向23.7%と予想している。
■Key Points
・DXなどによりIT市場が拡大するなか、IT人材不足は深刻化する見込み。同社への期待は高まる公算
・2022年3月期業績は増収及び前期比30%超の増益を達成。コンサルティング、システム開発、システム運用すべてが順調に成長
・クラウド人材育成やクラウドベースERPなどを含む中期経営方針を推進。今後は人的リソースの拡大等を目的に、M&Aも視野に入れる方針
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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アイエックス・ナレッジ(IKI)※<9753>は、独立系の中堅システムインテグレーターである。IT戦略提案、IT化推進などのコンサルティングからシステム開発、検証、保守・運用までのシステムのライフサイクルに対応する一貫したサービスを提供する。日立製作所<6501>やNTTデータ<9613>などの大手システムインテグレーターやみずほリサーチ&テクノロジーズ(株)などのユーザー系システム会社、KDDI<9433>などのエンドユーザーなどが主要取引先であり業績は安定している。なお、顧客企業上位10社で売上高の約7割を占める。
※同社の略称はIKI(IX Knowledge Inc.)で、企業コンセプトのInformation & Knowledge Innovationともリンクしている。
1. 業績動向
2022年3月期の業績は、売上高が前期比7.2%増の18,541百万円、営業利益が同32.3%増の1,149百万円、経常利益が同33.6%増の1,233百万円、当期純利益が同34.6%増の848百万円となった。主力のシステムインテグレーションサービス(システム開発)において、大手通信事業者向けシステム開発案件やシステム検証案件に加え、資産運用事業者向けシステム開発案件が拡大した。コンサルティングでは、食品商社における案件が拡大した。また、システムマネージメントサービス(運用サービス)においては、大手ベンダー経由の社会・公共サービス系システム運用案件や基盤・環境構築案件が拡大した。なお、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響によるプロジェクトの遅延や中止はほとんどなく、DX化の推進機運の高まりが追い風となった。利益面では、売上高の増加に加え、適正な原価管理による売上原価率の低減、働き方改革や社内デジタル化への継続的な取り組みにより、販管費を抑制できたことが寄与したほか、近年戦略的に推進している技術者の育成が単価向上につながった。これらの結果、営業利益は過去最高水準となった。
2023年3月期の業績については、売上高で前期比5.7%増の19,593百万円、営業利益で同2.7%増の1,180百万円、経常利益で同1.0%減の1,220百万円、当期純利益で同1.7%減の834百万円を見込んでいる。受注環境については、コロナ禍で加速したデジタル化による企業のビジネス変革の動きは今後も継続し、それを支えるIT投資は堅調に推移すると見込まれる。システム開発に関しては、既に受注している案件をこなしつつ、新規案件の獲得及び既存案件の拡大に力を入れる。一方、新規ではクラウド化案件の受注拡大を目指す。弊社では、同社の顧客ポートフォリオは多様であり既存顧客からの安定的な受注が見込めること、コロナ禍を契機としてクラウド化のニーズが顕在化しDX化の動きが活発となっていること等から、業績予想は妥当性があると見ている。
2. 成長戦略
同社では、中期経営方針として「中核事業の拡大」「次期成長事業の創出」「事業基盤の強化」の3本柱を掲げ、営業体制の強化や開発体制の整備、案件対応力の強化、加速するDXへの対応を進めている。このうち「次期成長事業の創出」として、DXの進展により今後さらなる需要が見込まれるクラウド化への対応に注力している。その一環として同社ではクラウド技術をDXの中核技術と捉えており、多様な顧客ニーズに対応するためにクラウドネイティブな人材育成にも注力している。特にAWS(アマゾン ウェブ サービス)で進捗が著しく、2021年12月には、AWS認定資格取得数が100を超える企業として、「AWS 100 APN Certification Distinction」※に認定された。2023年3月期はクラウドサービス人材の育成ペースをさらに加速させる計画である。また、DXシフトに取り組む顧客のニーズに対応した技術・サービスの開発や大手SI企業とのデジタル先端技術を活用したプラットフォームサービス事業への取り組みなど、新たな成長事業の創出に注力している。ERP(統合基幹業務システム)ソリューションに関しては、NTTデータグループと連携し、ERP出荷数トップのビズインテグラル及びワークフロー/BPMでトップのintra-mart(イントラマート)を活用したソリューションを提供する方針である。
※AWSパートナーネットワーク(同社は2015年9月に認定)に所属し、AWS認定資格の取得数が一定数を超えた場合に認定される表彰制度。
「事業基盤の強化」では、事業提携・M&Aの推進がテーマとなる。積極的な事業投資を行い、成長のスピードアップとケーパビリティ拡大を目指す。同社は大阪や新潟といった首都圏以外でも事業を展開し、事業モデルを確立しているが、首都圏以外に基盤を持つ企業との連携は有力な選択肢となる。同社では、M&Aのための財務基盤も十分整っており、今後の動向が期待される。
3. 株主還元
同社では株主還元に関して、経済環境の変動が激しいことから、安定配当を第一とし、業績や将来の見通し、配当性向、配当利回り等を総合的に勘案し配当を決定する方針である。過去に遡ると、減益となった期もあったものの、1株当たりの配当金は維持または増配を行ってきた。2022年3月期は、普通配当20円(前期比5円増配)を実施し、配当性向は23.3%となった。2023年3月期は普通配当20円(前期同額)、配当性向23.7%と予想している。
■Key Points
・DXなどによりIT市場が拡大するなか、IT人材不足は深刻化する見込み。同社への期待は高まる公算
・2022年3月期業績は増収及び前期比30%超の増益を達成。コンサルティング、システム開発、システム運用すべてが順調に成長
・クラウド人材育成やクラウドベースERPなどを含む中期経営方針を推進。今後は人的リソースの拡大等を目的に、M&Aも視野に入れる方針
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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