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ドル円今週の予想(6月10日) サンワード貿易の陳氏(山崎みほ)
*17:19JST ドル円今週の予想(6月10日) サンワード貿易の陳氏(山崎みほ)
皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター山崎みほの気になるレポートです。今回は、ドル円についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、今週のドル円について『米連邦公開市場委員会(FOMC)や日銀金融政策会合を受けて、変動の大きい週になりそうだ』と述べています。続けて、『今週は、11~12日に米連邦公開市場委員会(FOMC)、12日に5月消費者物価指数(CPI)も発表される。また、13~14日に日銀金融政策決定会合が開かれる』と伝えています。また、『先週は、カナダ中銀が利下げを実施し、6日には欧州中央銀行(ECB)も利下げを開始した。先進国が利下げに踏み切る中、米連邦準備制度理事会(FRB)の次の一手は利下げだろうが、強い雇用統計を背景に、時期や回数が減少し、後ずれする可能性が高い』とし、『5月米雇用統計では、景気動向を敏感に反映する非農業部門就業者数が前月比27万2000人増と、伸びは4月の16万5000人増(改定)から拡大。市場予想(18万5000人増)を大幅に上回った。失業率は4.0%と、前月から若干悪化したものの、インフレに影響する平均時給は前年同月比4.1%上昇と、伸びは前月から小幅ながらも加速した。米雇用情勢が依然として底堅いことが示されたことを受け、米早期利下げ観測が後退した』と解説しています。次に、『今回のFOMCでは、政策金利は据え置かれる見込み。市場が注目するのはドットチャートだろう。前回の3月会合では、年内の利下げ回数は3回に据え置かれた』と伝え、『その後の経済指標などから、今回のドットチャートは2回ないしは1回の利下げに修正されることになるだろう。仮に2回となれば、9月に利下げを開始し、12月に追加利下げとなろう。1回ならば11月の利下げとなろう。週明け10日のFEDWATCHによると、利下げは年1回で11月のみ、46%強が織り込まれている。1回となればドル買いが強まろう』と考察しています。一方で、『日本の長期金利が1.0%を超える状況が出現したが、日銀会合では、国債購入の減額が決定されるのではないか。市場の混乱を避けるため、緩やかで段階的なものになろうが、来るべき利上げの地ならしになりそうだ。利上げ時期に関しては、7月か10月で見方が別れている』と言及しています。ドル円の今週のレンジについては、『154.50円~158.50円』と予想しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の6月11日付「ドル円今週の予想(6月10日)」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 山崎みほ
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2024/06/12 17:19
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NYの視点:FOMCではドット・プロットに注目、利下げ回数予想は引下げか
*07:43JST NYの視点:FOMCではドット・プロットに注目、利下げ回数予想は引下げか
連邦準備制度理事会(FRB)は11日から12日に開催している連邦公開市場委員会(FOMC)でも政策金利を据え置く見通しとなっている。会合では声明、パウエル議長会見に加えてスタッフ予測のドット・プロットに特に焦点が集まる。年内の利下げの可能性を探るため経済や金利見通しに注目。昨年12月、前回3月と中間値で年3回利下げ予想が維持されたが、今回は下方修正されると見られ、ドル買い材料になる可能性がある。もし、19人のスタッフの中間値で1回の利下げ予想となった場合は、最初の利下げが11月、または12月になるとの見方。エコノミストはFRBが国内総生産(GDP)の見通しを引下げると同時に、インフレ見通しを3月から引き上げると見ている。CNBCの市場関係者を対象にした調査で、経済は柔軟性が強いとの見方。第2四半期GDP成長見通し:2%、第3四半期1.8%、第4四半期1.4%。景気後退予想も31%まで低下した。ソフトランディング予想も50%。同時に投資家が最大の脅威としてFRBの利下げが過剰に遅くなることを挙げている。パウエル議長は前回のFOMC後の会見で1-3月期のインフレ改善の進展の停滞に失望感を示し「年内のいつか利下げする見通し」との言及をしなかったが、4月の消費者物価指数(CPI)やPCEを受けて、インフレが2%に向けて改善する軌道に変わりはないことには確信を強めたと見られ、ドルの上昇も限定的か。
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2024/06/12 07:43
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中国の戦略的メッセージ発信と強引な外交:2024年アジア安全保障会議からの洞察(2)【中国問題グローバル研究所】
*10:25JST 中国の戦略的メッセージ発信と強引な外交:2024年アジア安全保障会議からの洞察(2)【中国問題グローバル研究所】
◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページ(※1)でも配信している「中国の戦略的メッセージ発信と強引な外交:2024年アジア安全保障会議からの洞察(1)【中国問題グローバル研究所】」の続きとなる。これまでのアジア安全保障会議との比較2024年アジア安全保障会議は、これまでとは大きく様変わりし、特に中国など主要参加国間の緊張の高まりと声高な自己主張が目立った。比較分析を行った結果、トーンと内容、成果においていくつかの顕著な相違点が明らかになり、アジア太平洋における大国間の対立ダイナミクスの変化と地域安全保障の課題が浮き彫りとなった。まず、2024年会議では、外交的エンゲージメントと参加した代表者のレベルがこれまでとは著しく異なる。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領や中国の董軍国防相など注目度の高いリーダーの参加は、世界的な安全保障問題に対処する場としての同会議の重要性が高まっていることを裏付けている。その一方で、ロシアやインドなど主要なステークホルダーの欠席で議論の範囲が限定され、今回の会議の包摂性には疑問符が残った。次に、2024年会議では、この地域の地政学的緊張と戦略的競争の拡大を反映し、主題の焦点が深刻化する米中大国間の対立へとシフトした。協力・信頼醸成に重点を置くことが多かったこれまでの会議とは異なり、今年は台湾と南シナ海などセンシティブな問題を中心に、鋭い言葉遣いと対立的な応酬が目立った。さらに2024年会議では、参加国間の戦略的優先課題と政治的立場の相違が鮮明となり、地域安全保障上の課題で合意形成と協力醸成を図る取り組みが一段と複雑なものになった。地域のガバナンスと安全保障体制に関するビジョンの対立を反映し、日本やオーストラリアなど一部諸国がルールに基づく秩序を守り、自由で開かれたインド太平洋を推進することへのコミットメントを改めて表明したのに対して、中国やロシアなどの諸国は既存の規範と制度に異議を唱えようとした。加えて、2024年会議は成果においても、具体的なコミットメントと外交イニシアチブの面でこれまでとは異なる。過去の会議では、信頼醸成や合同演習、協力の枠組みで合意に至ったのに対して、今年はかなりの問題で限定的な進展しか見られず、この地域のアクター間で二極化と不信感が拡大していることが浮き彫りとなった。全体的に見て2024年アジア安全保障会議は、これまでの協調の精神からの逸脱にほかならず、アジア太平洋地域で対立と競争が一段と激化していくことを示唆している。地政学的緊張が高まり続け、戦略的対立が深まる中、地域安全保障協力の未来は相変わらず不透明で、地域の紛争管理と安定促進には、対話の維持と信頼醸成、外交エンゲージメントが必要なことは明らかだ。懐疑的見方と批判2024年アジア安全保障会議は、中国の外交戦略と地域の安全保障ダイナミクスについて貴重な洞察を得る場となった一方、検討に値するさまざまな疑念と批判も引き起こした。南シナ海と台湾海峡における強引な行動をはじめとする不透明で曖昧な中国の戦略的意図も、主な批判の1つに数えられる。批評家は、中国の参加により、アジア安全保障会議のようなフォーラムが、真の対話と協力の場ではなく言葉巧みな駆け引きの場になると主張している。海事紛争に関する国際仲裁機関の裁定に従うことに中国が抵抗し、また自国の領有権の主張にそぐわない多国間イニシアチブを退けているとして、中国は順守する国際規範・制度を選り好みしていると指摘している。懐疑派はさらに、軍事の近代化と係争地域での領土拡大も進めていることに着目し、中国が真摯に対話と協力を呼びかけているのか疑問視している。安定と平和的発展を協調する中国の姿勢の裏には、地域の覇権を握り、世界的な影響力を持つという壮大な野望があり、同国の外交提案の信頼性を損ねていると主張している。もう1つの批判は、中国の台湾に対する扱いと、台湾が独立した政治主体であることを認めない姿勢に関するものである。中国は「一つの中国」という原則を主張し、台湾の独立に向けたいかなる動きにも反対しているが、台湾海峡における同国の威圧的な戦術と軍事演習は、緊張を高め両岸の安定を損なうものでしかないと批評家は主張している。さらに、観測筋の中には、自国の長期目標の達成と地域における影響力の強化にあたっての、中国の外交戦略の実効性を疑問視する向きもある。彼らは、中国の強引な態度と国際規範の軽視が、主要なパートナーとの関係を悪化させ、地域の反発を引き起こし、最終的に同国のソフトパワーと外交的信頼性を低下させかねないとしている。こうした疑念と批判に対し、中国の外交戦略の支持者は、地域安全保証の課題への対応における対話とエンゲージメント、相互理解の重要性を強調している。中国の行動は強引に見えるかもしれないが、合理的な安全保障上の懸念と自国の主権・領土保全の考えに突き動かされたものだというのが彼らの主張である。さらに、中国のアプローチへの賛同者は、米国やASEAN諸国など地域のステークホルダーとの建設的なエンゲージメントがアジア太平洋の平和と安定の推進に依然として不可欠だとしている。彼らは、緊張の緩和と係争地域での紛争防止には、現実的な協力と信頼醸成が必要だと強調している。全体的に見て、中国の外交戦略は一部から批判や懐疑的な見方を招くかもしれないが、同時に、アジア太平洋地域の対話と協力、紛争解決の潜在的機会ももたらす。微妙な意味合いを理解し、バランスの取れた形で疑念と批判を解釈することで、地域の安全保障問題で中国が果たす役割の変化と、それが世界の安定にもたらす影響をより総合的に理解することができる。今後の見通しと影響今後は、中国の外交戦略がアジア太平洋地域の将来の安全保障情勢に及ぼす影響を検証することが不可欠である。中国がアジア安全保障会議のようなフォーラムで役割と影響力を行使する今、同国の関わり方がどのように変化していくかを見通すことが欠かせない。現在の傾向を分析し、その結果から今後の傾向を予想することで、近い将来生じうる課題と機会について貴重な洞察を得ることができる。地域安全保障に関する協議に中国が参加し、強い存在感を示すことで、地域の安定に大きな影響が及ぶ。中国の外交戦略は自国の利益を高める一助となる一方で、近隣諸国や大国との緊張も高めかねない。アジア太平洋の平和と安全保障の推進を目指す政治家とアナリストにとって、この戦略が地域の安定に及ぼす影響の把握は不可欠である。ただ、こうした課題がある一方で、建設的な関係構築と協力の機会も存在する。地域のステークホルダー間で対話と信頼を醸成することで、地域の紛争のリスクを軽減し、安定の強化を図ることができるかもしない。効果的な戦略を策定し、地域のダイナミクスに対応していくには、このような課題と機会の両面を認識することが極めて重要となる。複雑な地域安全保障情勢を乗り切るうえで、先を見越したエンゲージメントと多国間協力は不可欠である。開かれた対話と信頼醸成を提唱することで、地域のステークホルダーは一致協力して共通する安全保障上の懸念に対処し、紛争の深刻化を防ぐことができる。戦略的エンゲージメントと協力に力を入れることが、アジア太平洋地域のより平和で豊かな未来の土台を創るのだ。写真: Ukrainian President Volodymyr Zelenskiy speaks at the Shangri-La Dialogue in Singapore(※1)https://grici.or.jp/
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2024/06/11 10:25
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中国の戦略的メッセージ発信と強引な外交:2024年アジア安全保障会議からの洞察(1)【中国問題グローバル研究所】
*10:21JST 中国の戦略的メッセージ発信と強引な外交:2024年アジア安全保障会議からの洞察(1)【中国問題グローバル研究所】
◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページでも配信している(※1)陳建甫博士の考察を2回に渡ってお届けする。はじめに:2024年アジア安全保障会議国際戦略研究所(IISS)が毎年主催するアジア安全保障会議(シャングリラ会合)は、アジア太平洋地域の安全保障上の課題と協力機会を話し合う極めて重要な場となっている。2002年に始まった同会議では世界各国の国防相や軍幹部、政治家が一堂に会し、地域・世界の安全保障に影響を与える極めて重要な問題を討議する。今年(2024年)の会議は、さまざまな国際的リーダーの多大な貢献に加え、米中間を中心とする大国間の対立の深刻化が浮き彫りとなり、特に注目すべき会議となった。同会議は各国が安全保障上の懸念の表明や解決策の提案、そしてハイレベルな外交協議を行う場を提供するものであり、その重要性は計り知れない。今年は多様なトピックが取り上げられたが、特に注目を集めたのはウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領と中国の董軍国防相というキーパーソンの参加であった。2人の演説や記者会見は、現在の世界的な安全保障ダイナミクスについて重要な洞察をもたらした。今回の会議は戦略的情勢に不可欠なものとして、政策決定に影響を及ぼし、アジア太平洋地域の安全保障体制を方向付けることになる。2024年会議のハイライトの1つは、ウクライナのゼレンスキー大統領が行った演説である。彼は、ロシアによるウクライナ侵攻への対処に焦点を当てた、来る6月の平和サミットの概要を説明した。同サミットには106の国と組織が参加を表明しているが、中国の外相は5月31日、ロシアが招待されていないことを理由に同国の不参加を発表した。ゼレンスキー大統領は演説の中で、ウクライナ侵攻が世界の安全保障に及ぼす幅広い影響と、武力行使への対処における国際的な団結の重要性を強調した。同大統領の演説は心を打つものであり、今回の侵攻がウクライナの主権と国民に壊滅的な影響を与えていることを聴衆に再認識させた。演説ではロシアの武力行使に国際社会が一枚岩となって対応することを求め、ウクライナでの紛争が単なる地域の問題ではなく、国際的な法と規範の順守を国際社会が堅持できるかどうかを試す極めて重要な試金石であると訴えた。これにより、続く地域安全保障についての議論の舞台が整ったが、董軍中国国防相がこれに参加することは大きな意味を持つ。ウクライナ紛争は、世界の安全保障問題が相互に関連しており、地域の紛争が国際社会の安定に広範な影響を及ぼすことを示している。董軍国防相の演説の詳細分析中国が安全保障に関する国際的な議論に参加する中でも、2024年アジア安全保障会議での董軍国防相の演説は重要な意味を持つものとなった。同国防相は米中の安定した軍事関係の重要性を強調し、中国は対話と協力にコミットする責任ある大国だと主張したが、その言葉を注意深く見てみると、戦略的動機と地政学的意味合いが根底にあることが分かる。注目すべきポイントの1つが、米国との緊張が高まっているにもかかわらず、中国が自国を平和を求める国だと表現した点である。米国をアジア太平洋地域の不安定化を招く主な要因と位置付けることで、南シナ海における軍事プレゼンスの強化など、自国の強引な行動から注意をそらす狙いがある。この戦略的なナラティブは、米国による攻撃の被害者という中国のイメージを国際舞台で打ち出すと同時に、中国共産党への国内の支持を固める役割を果たす。また、同国防相の台湾問題に対する強硬な姿勢は、領土の保全と主権に対する中国の揺るぎないコミットメントを如実に物語っている。台湾の独立に向けた動きに対する強い警告と、中国人民解放軍は介入をも辞さないという表明は、中国政府が許容できるレッドラインと、それを守るためには武力行使をいとわないという姿勢を表したものである。こうした台湾に対する攻撃的な姿勢には、国内の国家主義的な感情の喚起や、台湾政府によるさらなる挑発的な行動の抑止、台湾海峡へのいかなる干渉にも断固たる対応を取るという米国へのシグナルなど、複数の目的がある。さらに、同様の安全保障会議を北京で開催したいという中国の意向を董国防相が示したが、この発言からは、国際的な安全保障体制を自国に有利になるよう再編したいという同国の野望が透けて見える。主催国になることで、中国は地域安全保障についての議題とナラティブの設定に自らの影響力を行使して、アジア安全保障会議のような欧米主導のフォーラムの優勢(ドミナンス)を脅かそうとしている。こうした動きは、自国の利益と価値観に合致した国際制度を新たに設け、推進することで、第二次世界大戦以降主流となってきた欧米中心の秩序にくさびを打つという、中国のより広大な戦略を反映したものである。同国防相の演説を詳しく見れば、アジア安全保障会議に参加することによって、中国が自国の地政学的目標を推進し、世界的な安全保障問題での自国の役割に対する各国のとらえ方を方向付けようとしていることが明らかだ。表向きは協力と対話を掲げながら、こうした会議を戦略的に利用して、自国の支配的立場を明確にするとともに既存の世界秩序に異論を唱えており、地域の安定と、すでに確立された国際関係の規範に複雑な課題を突きつけている。そのため、中国がこうした会合に参加する根本的な動機と意味合いを深く理解することが、変化し続けるアジア太平洋安全保障情勢のダイナミクスに対応していくうえで不可欠となる。中国の外交戦略の検証中国も参加した2024年アジア安全保障会議は、中国がアジア太平洋地域にとどまらず、自国の利益を高めていくことを目的とした外交的レトリックと戦略的メッセージをともに披露する場となった。だが、その外交戦略を批判的に検証したところ、地域安全保障とグローバルリーダーシップに対する中国のアプローチの強みと限界の両方が明らかになった。董国防相が演説の中で強調した中国の主要な外交戦略のひとつは、対話と協力の推進を礎とした世界の安全保障の確保である。安定した米中軍事関係の重要性を強調し、誤解を防ぐためのコミュニケーションチャネルの強化を求めることで、中国は平和的な紛争解決に尽力する、理性的で責任あるアクターだという自らのイメージを打ち出した。中国が国際的な場で取ることが多いこうした外交姿勢は、多国間主義や不干渉の原則と矛盾せず、グローバルな問題に建設的に参画しているという同国のイメージ作りに資するものだ。しかし、協力はうわべだけで、その下には既存の国際秩序に異議を唱え、地域における中国の支配的立場を明確にすることを目的とした、より強硬なアジェンダが隠れている。ブロック間の対立を助長し、アジア太平洋の緊張を高めているとして米国を非難する同国防相のレトリックからは、南シナ海における軍事化など、自国の強引な行動を議論から外そうとする中国の努力がうかがえる。こうした戦略的フレーミングは、中国の行動を正当化すると同時に、ルールに基づく秩序を重視する欧米主導のイニシアチブにくさびを打つことで、アジア安全保障会議などの集まりや制度に対する国際社会の信頼を低下させる役割を果たす。また、台湾問題に関する中国の外交戦略からは、独立に向けたいかなる動きも阻止し、領土権を主張するために、威圧的な戦術を用いる意向であることが分かる。台湾の段階的独立の動きに対する董国防相の厳しい警告と、中国人民解放軍は介入をも辞さないという表明は、中国政府にとってのレッドラインと、台湾海峡の現状維持へのコミットメントを如実に物語っている。しかしこうしたアプローチは、台湾と、米国など台湾の同盟国との緊張を高めるおそれがあり、また長く続く中台紛争の平和的解決に向けた努力にも水を差しかねない。さらに、同様の安全保障会議を主催するという意向の表明は、国際的な安全保障体制を自国に有利になるよう再編したいという中国の野望を表している。主催国になることで、中国は地域安全保障についての議論により大きな影響力を行使し、自国の利益と価値観に合致した新たなナラティブを広めようとしている。だがこのような動きは、中国の意図と、グローバルガバナンスにおける透明性と包摂性(インクルーシビティ)の原則への同国のコミットメントに疑念を生む。中国の外交戦略の検証にあたっては、地域安全保障への中国のアプローチに特徴的な、協力と競争、建前と現実の複雑な相互作用を認識することが欠かせない。中国が対話と協力を推進する国であると自国をアピールする一方、その行動は自国の戦略的利益を高め、既存の秩序に異論を唱えることを目的としたより強硬なアジェンダを反映していることが少なくない。そのため、地域の緊張にうまく対応し、アジア太平洋の安定を促進するには、中国の外交戦略が持つ微妙な意味合いを理解することが不可欠である。「中国の戦略的メッセージ発信と強引な外交:2024年アジア安全保障会議からの洞察(2)【中国問題グローバル研究所】」に続く。写真: Ukrainian President Volodymyr Zelenskiy speaks at the Shangri-La Dialogue in Singapore(※1)https://grici.or.jp/
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2024/06/11 10:21
注目トピックス 経済総合
NYの視点:NY連銀1年期待インフレは低下、5年期待インフレは上昇
*07:41JST NYの視点:NY連銀1年期待インフレは低下、5年期待インフレは上昇
NY連銀が発表した5月分の消費者調査によると、1年先のインフレ期待は3.17%と4月3.26%から低下した。3年先は2.8%で4月から変わらず。5年は3.0%と、4月の2.8%から上昇した。連邦準備制度理事会(FRB)は特に長期の期待インフレ動向を注視。労働市場の状況では、職を失う確率は12.4%へ低下、自主退職も19.6%へ上昇するなど、労働市場への自信も根強い。消費を支え、インフレ改善にも時間を要する可能性がある。●米5月NY連銀消費者調査:1年先インフレ期待:3.17% (4月:3.26%)、3年先:2.8%(2.8%)、5年先:3.0%(2.8%)・中間住宅価格の伸び:+3.3%・1年先のガス価格:+4.8%、食品+5.3%、賃貸+9.1%、医療コスト9.1%、大学費:-8.4%■労働市場・賃金の伸び1年先:2.7%・職を失う確率12.4%へ低下、自主退職:19.6%へ上昇・新規の職を得られる確率:52.2%へ上昇
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2024/06/11 07:41
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NYの視点:【今週の注目イベント】FOMC、パウエル議長会見、日銀金融政策決定会合、米CPI・PPI、など
*07:40JST NYの視点:【今週の注目イベント】FOMC、パウエル議長会見、日銀金融政策決定会合、米CPI・PPI、など
今週は連邦準備制度理事会(FRB)が連邦公開市場委員会(FOMC)を予定しているほか、日銀が金融政策決定会合を予定しており注目となる。米国では消費者物価指数(CPI)や生産者物価指数(PPI)でインフレの改善動向をさらに確認していく。5月コアCPIは21年4月以降3年ぶりの低い伸びに改善する見通しで、予想通り4月に続きインフレ改善の証拠が見られると、年内の利下げ観測が再燃する可能性がある。日銀は会合で金融政策を据え置くと見られるが、国債購入減額を協議するとの報道もあり、政策の修正は円買いにつながる。FRBもFOMCで政策金利を据え置く見込み。強い雇用統計を受けて、7月の利下げも除外された。同時に、5月雇用統計の結果で、FRBの政策軌道が大幅に変わったわけではない。9月の会合までに、多くの新たな指標がでる。また、4月CPI やPCEで、インフレ改善兆候が見られFRBの次の行動は利下げとの見方に変わりはない。FOMCではパウエル議長会見やドット・プロットに焦点が集まる。特にスタッフ予測では、前回の予測では3回の利下げ予想が12月に続いて維持されたためドル売りにつながった。今回の予測では年2回、また1回の利下げ予想に引き下げられる可能性が強く、ドルの下値が限定的になる可能性がある。■今週の主な注目イベント●米国10日:NY連銀調査インフレ11-12日:連邦公開市場委員会(FOMC)、パウエル議長会見、ドットプロット12日:5月消費者物価指数(CPI)13日:新規失業保険者数、生産者物価指数(PPI)、ウィリアムズ米NY連銀総裁がイエレン財務長官との討論会で司会14日:輸出物価指数、ミシガン大消費者信頼感指数●日本10日:GDP11日:PPI13-14日:金融政策決定会合14日:鉱工業生産●英国11日:失業率12日:鉱工業生産●欧州11日:ECBのチーフエコノミスと、レーン理事講演13日:ユーロ圏鉱工業生産●中国12日:PPI、CPI●13-15日G7首脳サミット
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2024/06/10 07:40
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国内外の注目経済指標:米FOMC会合で政策金利の据え置き決定へ
*14:50JST 国内外の注目経済指標:米FOMC会合で政策金利の据え置き決定へ
6月10日-14日に発表予定の経済指標の予想については以下の通り。■10日(月)午前8時50分発表予定○(日)1-3月期国内総生産改定値-予想は前期比年率-2.0%参考となる速報値は前期比-2.0%。1-3月期のソフトウエアを除く全産業の設備投資額は前年同期比+6.8%でまずまず良好だったが、個人消費はさえない状況が続いており、速報値からの上方改定は期待できない。■12日(水)午後9時30分発表予定○(米)5月消費者物価コア指数-予想は前年比+3.5%参考となる4月実績は前年比+3.6%。5月については財の価格が伸び悩んでいるが、サービス価格の上昇率は特に鈍化していないため、コアインフレ率は4月並みの水準となる可能性がある。■12日(水)日本時間13日午前3時結果判明○(米)連邦公開市場委員会(FOMC)会合-予想は政策金利の据え置き直近公表の地区連銀経済報告によると、物価は緩慢なペースで上昇し、さらなる物価上昇が消費に影響を及ぼしていることが判明した。複数の地区連銀総裁はインフレが低下し続けていることを示すより多くの証拠を待つ必要があると述べており、6月の会合でも政策金利の据え置きが決まる見込み。FOMCの金利・経済見通しに注目したい。■14日(金)決定会合の終了予定時刻は未定○(日)日本銀行金融政策決定会合-予想は国債買い入れ額の減額日本銀行の植田総裁は参議院の財政金融委員会に出席し、「物価安定目標の実現に向けては、人々が2%の物価上昇が将来にわたって続くと予想するようになる必要がある」との考えを示した。ただ、国債買い入れの減額については「金融緩和の出口戦略を進めていく中で減額することが適当だと考えている」と述べており、今回の会合で減額される可能性がある。○その他の主な経済指標の発表予定・10日(月):(日)4月経常収支・12日(水):(中)5月消費者物価指数・13日(木):(欧)4月ユーロ圏鉱工業生産、(米)5月生産者物価コア指数・14日(金):(米)6月ミシガン大学消費者信頼感指数
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2024/06/08 14:50
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金、今週は5月雇用統計に注目 サンワード貿易の陳氏(山崎みほ)
*17:14JST 金、今週は5月雇用統計に注目 サンワード貿易の陳氏(山崎みほ)
皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター山崎みほの気になるレポートです。今回は、金についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、『金、今週は5月雇用統計に注目』と述べています。続いて、『先週のNY金は、経済指標が強弱入り混じる中、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ見通しみ揺れて上値の重い展開となった。5月終値は2345.80ドル。週間では0.48%高。月間では1.86%高』と伝えています。また、『5月消費者景気信頼感指数は前月から上昇し、市場予想も大きく上回った。1~3月期米実質GDP(国内総生産)改定値は速報値(1.6%増)から下方修正され、GDPの伸びは前期(3.4%増)から大幅に減速した。4月米個人消費支出(PCE)物価指数は、前年同月比2.7%上昇したが、伸び率は前月から横ばいで、市場予想と一致した』と伝え、『市場が警戒していたほどインフレ圧力が高まっていないことから、米長期金利が低下し、金相場をサポートした』と見解を述べています。次に、『今週は米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ見通しが強まり堅調に推移している。5月米製造業PMIは48.7と、前月から低下し、市場予想も下回った。4月米雇用動態調査(JOLTS)では、非農業部門の求人数が市場予想を下回り、2カ月連続の減少となった。5月ADP全米雇用報告では、非農業部門民間就業者数(季節調整済み)の前月比増加幅が市場予想を下回った』と伝えています。また、『労働需給の軟化の兆しが示されたとの見方から、市場では米連邦準備制度理事会(FRB)が9月に利下げを開始するとの観測が改めて浮上した』と言及しています。こうしたことから、陳さんは、『6月12日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されるため、今週は1日からFRBがブラックアウト期間に入った』と伝え、『7日には5月米雇用統計が発表される。非農業部門雇用者数の底堅い伸びが見込まれているが、前回4月分はいずれも弱めの結果となったため、その流れが続くかどうか注目される』と述べています。NY金の予想レンジは、『2320~2420ドル』と想定しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の6月6日付「金、今週は5月雇用統計に注目」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 山崎みほ
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2024/06/07 17:14
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NYの視点:ECBのタカ派的利下げ、FRBの早期利下げ観測には注意必要
*07:36JST NYの視点:ECBのタカ派的利下げ、FRBの早期利下げ観測には注意必要
カナダ中銀はG7諸国の中で初めて利下げを実施した。続いて欧州中央銀行(ECB)も2019年来の利下げを実施した。協調緩和の思惑も強まった。ただ、カナダ中銀は追加利下げの可能性に言及した一方、ECBは追加利下げの可能性を示唆しなかっただけでなく物価予測を2024年2.5%(2.3%)、2025年2.2%(前回2%)へそれぞれ引き上げた。来年の見通しは依然目標値2%を上回ることになり、2%回復は2026年と見ている。ラガルド総裁は利下げの理由として、インフレが目標値に達する軌道にあることを過去数カ月で政策決定当局者が強めたためだと説明。また、政策がまだ、景気抑制的であり、その度合いを緩和させただけだとした。今後の政策はデータ次第と確認。ECBの中で数人のタカ派メンバーは6月の利下げを過剰に早期の時点で公約したことは間違いだったと批判。数人のメンバーはもし、公約していなければ、据え置きを支持したことを明らかにした。ECBの6月利下げは若干強いられたものとなった可能性がある。7月の利下げの可能性は除外された。また、9月の利下げの可能性も不透明となり、今後の指標動向次第となる。米国では1-3月のインフレ改善停滞後、4月の消費者物価指数(CPI)やPCE指数でインフレ改善の進行が再開した可能性が示唆された。加えて、JOLT求人件数やADP雇用統計、週次新規失業保険申請件数の結果で労働市場の減速傾向が示唆された。7月の利下げ確率も若干上昇。ただ、米国はバイデン政権が気候変動対策や法人税増税を盛り込んだ2兆ドル規模の「インフレ削減法案」(Inflation Reduction Actinflation act)という名目で経済に資金を大量供給しており、他諸国に比べ利下げがさらに遅れると見られるため、早期の利下げを織り込むのは注意が必要と見る。
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2024/06/07 07:36
注目トピックス 経済総合
南アフリカランド円今週の予想(6月3日)サンワード貿易の陳氏 (山崎みほ)
*16:45JST 南アフリカランド円今週の予想(6月3日)サンワード貿易の陳氏 (山崎みほ)
皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター山崎みほの気になるレポートです。今回は、南アフリカランド円についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、南アフリカランド円について、『選挙結果を受けて、どのような政権ができるかが焦点となろう』と述べています。続いて、『5月29日投票の南アフリカ国民議会(定数400)選挙は2日、開票が終了し、与党アフリカ民族会議(ANC)は獲得議席159と、1994年の全人種参加選挙以来で初めて過半数を割った。背景には高い失業率や大きな格差、頻発する停電などを巡る国民の怒りや不満があるとみられている。ただ、第1党の座は維持した。ANCは政権維持に向け、他党との連立協議に臨むことになる』と伝えています。これに対し、『企業や海外投資家らは、ANCと第2党の民主同盟(DA)の連立政権がより好ましいとの見方をしている。ANCを離脱したズマ前大統領が率いる「民族の槍」(MK)や、急進的な「経済開放の闘士」(EEF)が連立に加われば、政治や経済の混乱が懸念されるためだ』と言及しています。次に、『南アフリカ準備銀行(中銀)は30日、政策金利を8.25%に据え置いた。金利据え置きは6会合連続。物価上昇圧力を抑えるとともに過去30年間で最も接戦となった選挙で目立つ行動を避けるため、中銀は政策姿勢を変えないだろうと見込まれていた』と伝えています。また、『今週の経済指標では、3日に発表される南ア第2四半期BER信頼感指数、14日の南ア第1四半期GDP、5日の南ア第1四半期経常収支が注目される』と述べています。南アフリカランド円の今週のレンジについては、『8.25円~8.55円』と予想しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の6月4日付「南アフリカランド円今週の予想(6月3日)にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 山崎みほ
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2024/06/06 16:45
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NYの視点:米5月雇用統計で労働市場減速のさらなる証拠を模索
*07:47JST NYの視点:米5月雇用統計で労働市場減速のさらなる証拠を模索
米労働省の5月雇用統計発表を控え、雇用統計の先行指標として注目される民間部門の雇用統計であるADP雇用統計の5月分は+15.2万人だった。伸びは4月+18.8万人から鈍化し昨年11月来で最低となった。また、4月JOLT求人件数は805.9万件と、21年2月以降3年ぶり低水準となった。失業者1人に対する求人件数も1.2件と21年6月来で低水準とコロナパンデミック以前の水準に戻るなど、労働市場の減速の兆候が出始め、利下げを後押しする結果となった。ただ、雇用統計の市場エコノミスト予想では失業率が3.9%と、4月と同水準を維持する見通し。また、非農業部門雇用者数は前月比18.5万人増と、17.5万人から伸びが拡大すると予想されている。先行指標として注目される全米の製造業活動を示すISM製造業の5月雇用は51.1と昨年9月来で初めて活動の拡大を示す50を回復し、22年3月来で最高となった。米国経済は消費がけん引するため、より注視されているISM非製造業景況指数の5月雇用も47.1と、前月の45.9から上昇した。ただ、予想を下回ったほか、活動の縮小となる50を4カ月連続で割り込んだ。労働市場のひっ迫緩和基調には変わりはないと思われるが、底堅さが再表明される可能性も残る。■5月雇用先行指標●ISM製造業景況指数雇用:51.1(48.5、4月48.6)●ISM非製造業景況指数雇用:47.1(47.2、45.9)●ADP雇用統計:+15.2万人(+18.8万人)●JOLT求人:805.9万(835.5万)●新規失業保険申請件数05/25/24| 219,000| 3,000| 222,500|05/18/24| 216,000| -7,000| 220,000| 1,791,00005/11/24| 223,000| -9,000| 218,000| 1,787,000| 1.2%05/04/24| 232,000| 23,000| 215,250| 1,786,000| 1.2%04/27/24| 209,000| 1,000| 210,250| 1,781,000| 1.2%04/20/24| 208,000| -4,000| 213,500| 1,768,000| 1.2%●米雇用統計予想失業率:3.9%(3.9%)非農業部門雇用者数:18.5万人(17.5万人)
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2024/06/06 07:47
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メキシコペソ円今週の予想(6月4日) サンワード貿易の陳氏(山崎みほ)
*17:24JST メキシコペソ円今週の予想(6月4日) サンワード貿易の陳氏(山崎みほ)
皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター山崎みほの気になるレポートです。今回は、メキシコペソ円についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、『メキシコペソ円は、予想通りに与党候補が勝利したことで、押し目を形成し上昇に転じよう。経済政策は、現政権の流れを引き継ぐと思われる』と述べています。続けて、『メキシコで2日午前(日本時間同日夜)、大統領選の投票が始まった。左派与党「国家再生運動(MORENA)」のクラウディア・シェインバウム前メキシコ市長(61)が、約6割の支持率を維持するロペスオブラドール大統領の人気をてこに、当選確実となった。メキシコ初の女性大統領が誕生する。次期政権は国内で横行している犯罪や多額の財政赤字への対応が急がれる』と伝えています。そして、『選挙結果を受けて、週明け3日のメキシコペソは対ドルで約4%下落した。メキシコ大統領選挙でのシェインバウム氏の圧勝を受け、連立与党が議会で圧倒的多数を確保し、エネルギー分野などでの憲法改正を推し進めるのではないかとの観測から下落した。メキシコペソは1ドル=17.7205ペソと1カ月以上ぶりの安値を付けた』と言及しています。次に、『今後の新興国債券投資は、総合的な指数型から各国を選別することになりそうだ。投資先として選好されるのは、経済がしっかり成長しているか、改革が進められているメキシコやブラジル、トルコ、インド、ポーランドなど。今後の投資家は幅広い新興国資産をパッケージ化した指数商品よりも、個別の国ごとに投資することを望んでいるという。こうした流れの中で、大規模な資金力を有する国際的な有力債券ファンドが、幾つかの重要市場に「非常に大規模な」投資を行っているという。新興国の間でも経済動向に格差が生じつつあり、さまざまな投資家が選別的な投資を好むようになってきた』と伝えています。陳さんは、『投資資金が流入しているのは経済が好調な新興国で、メキシコやインド、ベトナムがそれに適するという。いずれもインフレが抑制され、米中貿易摩擦から恩恵を受けているという共通点がある』述べています。メキシコペソ円の今週のレンジについては、『9.25円~9.55円』と予想しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の6月4日付「メキシコペソ円今週の予想(6月4日)」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 山崎みほ
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2024/06/05 17:24
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NYの視点:米4月JOLT求人件数は2021年来の低水準、過熱感の後退で利下げ観測強まる
*07:39JST NYの視点:米4月JOLT求人件数は2021年来の低水準、過熱感の後退で利下げ観測強まる
米国労働局(BLS)が発表した4月JOLT求人件数は805.9万件と、3月835.5万件から予想以上に減少し、21年2月来で最低となった。失業者1人に対する求人件数も1.2件と21年6月来で低水準とコロナ以前の水準に戻った。労働市場への労働者の自信をあらわすとされる自主退職は350.7万と、340.9万から小幅増。自主的退職率は2.2%と、変わらず。1年前の2.3%からは低下した。雇用削減率は0.9%と0.8%から上昇も前年の1.0%からは低下。ただ、採用者数は500万台半ばとコロナ期を除いて2018年1月来の低水準近くで推移しており、冴えない。JOLTの結果はBLSも認めたとおり、あくまでも想定水準であることや回答率が過去最低の3割であることから実際にはより低迷している可能性も懸念されている。アトランタ連銀の4-6月期国内総生産(GDP)予想も1.7%と、前回の2.7%から大幅下方修正されるなど、景気減速で、9月の利下げを織り込む動きも再燃した。■4月労働市場ダッシュボード求人件数:4.8%(3月5.3%、2023年6.0%)採用率:3.6%(3.6%、3.8%)自主的退職率:2.2%(2.2%、2.3%)雇用削減率:0.9%(0.8%、1.0%)失業率:3.9%(3.8%)不完全雇用率(U6):7.2%(7.1%)非農業部門雇用者数:+17.5万人(+31.5万人)平均時給:前月比+0.2%、前年比+3.9%(+0.3%、+4.1%)
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2024/06/05 07:39
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軍事演習への断固たる対応。平和に向けた両岸協力の呼びかけ【中国問題グローバル研究所】
*16:15JST 軍事演習への断固たる対応。平和に向けた両岸協力の呼びかけ【中国問題グローバル研究所】
◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページ(※1)でも配信している陳建甫博士の考察をお届けする。中国人民解放軍東部戦区が先ごろ、台湾周辺で2日間にわたり軍事演習を行った。それを受け、台湾の頼清徳総統は5月26日、台湾自治島周辺で軍事演習があったとはいえ、依然として中国と協力する気概があると述べた。頼総統は交流と協力を通じて台中間で相互理解と寛容さ、融和を促進し、双方にとって有益な状況を作り出し、共に平和と繁栄に向かうことを期待している。軍事演習の背後にある思惑中国人民解放軍の「連合利剣」演習は2022年に比べ規模が縮小され、期間も短縮された。その最大の理由は、2022年の軍事演習の範囲があまりにも広すぎたため、すでに緊張状態にあった日中関係をさらに悪化させるなど、国際社会の関心を広く集めてしまったことにある。中国共産党(CCP)も、演習活動がフィリピン北部にある米軍レーダー基地に察知されれば、戦略的展開に影響を及ぼすことを危惧した。その前回の演習ではCCPの発射したミサイルが仮想敵となり、第一列島線にある米国、台湾、フィリピン、日本のレーダー基地の共同戦闘能力を試すことになった。この演習を通じ、関係者はCCPが発射した11発のミサイルの位置とパラメータに関する貴重なインテリジェンス情報を収集し、今後の防衛・対応措置の参考となる貴重なデータを得た。国際社会の反応中国の軍事演習を受けて、国際社会は台湾海峡の状況に懸念と支持を表明した。米国は5月20日時点で航空母艦4隻を海外に展開し、中東、日本、シンガポールにそれぞれアイゼンハワー、レーガン、ルーズベルトを駐留させるとともに、リンカーンを東太平洋地域に向かわせていた。他にもUSSアメリカ(LHA-6)が佐世保に配備されている。これらの展開・配備はアジア太平洋地域における米国の強力な軍事プレゼンスと同地域の安全保障状況に対する強い関心を如実に物語っている。この間、バイデン米大統領はウェストポイント陸軍士官学校で演説を行い、同盟国の利益と地域の安全保障に対する揺るぎないコミットメントを強調し、米国は引き続き同盟国およびパートナー国と協力してインド太平洋地域の平和と安定を確保すると述べた。これは台湾を強く支持するだけでなく、地域の安全保障体制全体を再確認する発言である。頼清徳総統は演説の中で、バイデン米大統領と米国政府・議会、そして世界各国による、台湾海峡での平和と安定に対する確固たる支持に感謝の意を表明した。同総統は5月20日の就任演説において、台湾海峡の平和と安定は世界の安全保障と繁栄に不可欠な要素であると述べた。台湾海峡に波風を立て、地域の安定に影響を及ぼすいかなる国も、国際社会の抵抗と反発を受けるだろう。同総統は「台湾は国際社会の支援、特に米国の断固たる姿勢に感謝する。我々は進んで地域の安定を維持する責任を共同で担い、地域の平和に取り組むすべての国々と協力する」と強調した。両岸間の交流と協力の可能性台中の間には政治的・経済的・軍事的違いがあるとはいえ、交流と協力を通じて相互理解と寛容さを深めることが平和と繁栄の実現への重要な道筋であることに変わりはない。頼清徳総統は、平等と相互利益の原則の下で中国本土と交流・協力し、地域の安定と発展に貢献する用意があることを強調した。これは台中両国の国民の共通の利益にかなうだけでなく、アジア太平洋地域の平和と安定の維持にも寄与する。頼総統はまた、中国本土と台湾が地域の安定を維持する重責を共同で担うことも呼びかけた。同総統は、両岸間の交流と協力を通じて両国が理解を深め、相互信頼を高め、双方にとって有益な状況を醸成し、平和と繁栄に向かって共に歩むことを期待している。中国の「小粉紅」の反応今回の軍事演習は、いわゆる「統一」スピーチをネット上で精力的に展開してきた中国の一部ナショナリスト(通称「小粉紅」)の理性的とは言いがたい反応を国内で引き起こしているとはいえ、演習の終了が中国による台湾占領を意味するものではないことを明確に述べておかなければならない。台湾は依然として自由と自治を維持している。さらに、台湾のアーティストに対して、統一への支持を明確に示し台湾の独立に反対するよう求めるネット上の圧力には、常に分別と寛大さをもって対応していかなければならない。台湾人には、たとえ相手が統一に支持を表明したり、中国籍であったりしても、そのアーティストを応援し、好きになる権利がある。台湾は自由国家であるため、こうしたアーティストが自らの発言を理由に台湾で権利の行使を禁じられることはない。これとは対照的に、中国ではアーティストが統一に支持を表明しないと弾圧を受けることが多い。このような差は、言論の自由とアーティストの権利の保護における両岸間の考えの違いを示している。平和的協力の呼びかけに対して予想される中国の反応頼総統からの平和的協力の呼びかけを受けて、中国は外交的措置や経済的措置を含めたさまざまな非軍事的措置を講じる可能性がある。外交面では、中国は台湾との市民交流や民間のコミュニケーションルートを強化し、ソフトパワーを通じて台湾世論に影響を与えようとするかもしれない。加えて、より多くの両岸経済協力プロジェクトを進め、台中間の緊張緩和と経済相互依存の強化を図る可能性もある。経済分野では、中国は台湾企業・製品による市場アクセスを緩和し、台中間の貿易と投資を促進し、経済的利益を接点として両岸関係の改善を推し進めるかもしれない。同時に、RCEPなど地域経済協力の枠組みを利用して、より多くの協力機会を提供し、台湾を引き込み、地域経済統合のプロセスに参加させることも考えられる。だが、それでも将来の両岸関係は非軍事的衝突のリスクに直面するおそれがある。中国は、台湾が海峡両岸経済協力枠組取り決め(ECFA)の精神に反し、中国製品に貿易障壁を設けているとして、世界貿易機関(WTO)に提訴するかもしれない。こうした経済対立が国際貿易の場での台中間の緊張を高め、両岸関係の不確実性が増す可能性がある。まとめ絶えず変化する複雑な国際情勢に直面する今、台湾と中国は、平和的共存を基本とし、対話と協力を通じて互いの相違を解決し、相互信頼を高め、平和と繁栄に向かって共に歩むべきである。定期的に接触をするための外交ルートの確立や両岸協議の再開、信頼醸成策の着手などを具体的に進めることで、建設的な対話の道を開くことができるだろう。貿易協定や投資パートナーシップ、共同開発プロジェクトなどの経済連携イニシアチブは、経済成長や雇用創出、技術の進歩の面で相互の利益となる。さらに、文化交流や教育プログラム、人と人との交流で、台中間の理解と友好を育むことができる。対話と協力を促進することで、台湾と中国は共通の課題に対処し、発展機会をつかむことができる。経済成長や文化交流、地域の安定など、連携がもたらす潜在的メリットを強調することが不可欠である。経済協力が繁栄の共有につながり、また文化交流が両国の社会の多様性を高めることが期待できる。さらに、交流と相互理解の深まりは、地域の紛争の平和的な解決と衝突の防止に寄与しうる。頼総統の演説は、台湾が抱く平和への期待を表すだけでなく、両岸関係の今後の動向に関する新たな考え方と方向性も示している。相互尊重と平等、相互利益を原則とすることで、台湾と中国はアジア太平洋地域にとどまらない永続的な平和と繁栄の土台を築くことができる。協力と連携なくして、両国が違いを乗り越え、安定と繁栄という共有ビジョンに向けて取り組むことはできない。写真:台湾周辺で中国軍が軍事演習開始(※1)https://grici.or.jp/
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2024/06/04 16:15
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NYの視点:米5月ISM製造業景況指数は2カ月連続の活動縮小、需要弱く
*07:44JST NYの視点:米5月ISM製造業景況指数は2カ月連続の活動縮小、需要弱く
全米供給管理協会(ISM)が発表した5月ISM製造業景況指数は48.7と、4月49.2から上昇予想に反し低下し、2月来で最低となった。2カ月連続の50割れで活動縮小となった。重要項目の新規受注は45.4と4月から上昇予想に反し低下し、やはり2カ月連続の50割れで23年5月以降1年ぶりの低水準となったことが指数を押し下げた。また、支払い価格は22年6月以降で最高となった60.9から57へ低下した。ただ、活動の拡大を示す50を5カ月連続で上回った。雇用は51.1と、予想外に昨年9月来で初めて活動の拡大域を回復。22年3月来で最高となった。供給の改善が停滞する中、需要が弱く、企業は在庫処理を優先、製造活動が弱まった。これにより価格の伸びも緩やかなペースにとどまり、潜在的に「物」のコアインフレを新たに抑制すると指摘されている。■米5月ISM製造業景況指数:48.7(4月49.2)仕入れ価格:57.0(60.9)生産:50.2(51.3)新規受注:45.4(49.1)受注残:42.4(45.4)入荷遅延:48.9(48.9)在庫:47.9(48.2)雇用:51.1(48.6)輸出:50.6(48.7)アトランタ連銀の4-6月期国内総生産(GDP)成長見通しは1.8%と、5月31日時点の2.7%から大きく下方修正された。実質個人消費支出や民間居住投資の伸びが1.8%、1.5%とそれぞれ2.6%、3.1%から低下した。4月に入り、インフレ圧力の軟化や景気の減速の証拠が見られ、年内の利下げを後押しする結果が目立つ。短期金融市場は11月の利下げを100%織り込んだ。
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2024/06/04 07:44
注目トピックス 経済総合
頼総統の就任演説が示す台湾の今後の道筋と中国からの反応【中国問題グローバル研究所】
*16:07JST 頼総統の就任演説が示す台湾の今後の道筋と中国からの反応【中国問題グローバル研究所】
◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページ(※1)でも配信している陳建甫博士の考察をお届けする。頼総統の描く展望 ― 繁栄・民主主義・国際的地位の確立へ5月20日の頼清徳(らい・せいとく)台湾総統の就任演説は台湾の未来に向けた構想を示すものとなり、台湾にさらなる繫栄、民主化、自由をもたらすとともに、国際社会で確固たる地位を築くことを約束した。その焦点は、歴代総統との比較でも、中国や米国に向けた声明でもなく、あるいは中国が言う「成績表の未完部分」への回答でもなかった。そこで掲げられていたのは、台湾の独自性、人民の権利、そして国のこれからの発展方向であり、演説は台湾の人々を団結させ国の未来のために協力を促すものだった。これまでも、台湾総統の就任演説の内容が事前にリークされ、上層レベルの仲介者を通じて台湾海峡対岸の関係者に届けられているという噂がまことしやかに囁かれていた。頼総統の演説も例外ではなく、中国と米国の双方が事前に内容を把握していたとの憶測もある。しかし実際に頼総統が行った演説は事前情報とは大きく異なり、海峡両岸の高官の中には落胆や不安を覚える者も出るなど、緊張の高まりをうかがわせるものとなった。演説の中で頼総統は「1992年コンセンサス」、「一つの中国、異なる解釈」もしくは「一つの中国」といった、歴史的に両岸関係に影響を及ぼしてきた用語の使用を避けた。だが、いかなる言葉を使ったとしても、中国共産党が不満を示す可能性が消えるはずもなく、台湾は自らの立場を明確に主張する必要性を示すことになった。頼総統は従来のアプローチから脱却し、中国政府との宥和よりも台湾の主権と民主的価値を優先させる方向へと戦略的転換を行うことになった。ここでの戦略的転換とは、中国本土とは明らかに異なる国家意識を持つ台湾の市民が増えている状況を踏まえ、台湾社会で広く共有されている感情を汲んだものだ。主権と民主主義の原則を強調する頼総統の姿勢は、1つの政治的な姿勢としてだけでなく、台湾が独自の理念と願望を持つ活力ある民主主義国家へと進化していることをも映し出している。政治的変化の中で、中国共産党は軍事作戦の実施により優位性を誇示中国共産党は頼総統の就任演説と台湾独立派の脅威を受け、「共同剣2024A」軍事演習を実施した。軍事演習は中国共産党がよく使う手段であるが、こうした演習の規模やロケーションは、台湾海峡における中国の戦略的利益を主張する目的に沿うよう計算された上で設定される。2022年のナンシー・ペロシ米下院議長訪台後に実施された演習など、これまでの軍事演習と比べると、今回の共同剣2024A演習は、台湾東部や離島までを含むより広い地域を網羅するものとなった。今回の演習領域拡大は、中国共産党が力を誇示し、台湾を威嚇せんとする意図を強調するものであり、軍事専門家の間では、偶発的な衝突や地域の不安定化といったリスクへの懸念が高まっている。中国共産党はこうした演習を通じて恐怖と不安を植え付けようとしてきたが、台湾国内がこれにひるむ様子を見せることはなかった。台北証券取引所はパニック反応よりもむしろ市場の強靭さを示し、軍事的姿勢の誇示に慣れた台湾市民の成熟ぶりと適応力の高さが見て取れた。このことは、台湾社会がプロパガンダと現実の区別に習熟していくにつれて、台湾の国民感情に影響を与えようとする中国共産党の試みが、今後さらに実を結びにくくなる可能性を示唆している。その一方で両岸関係の対立が長期化していることが、この地域の和解と安定にとっての課題となっている。中国共産党は対外プロパガンダから国内向けプロパガンダに軸足を移し、経済的課題から台湾への制裁に注意をそらそうとしており、台湾に対して主導権を維持し、己の権威を主張していくという中国共産党の強い意思が感じられる。だが台湾国民が中国側の戦術に動じることなく株式市場も底堅く推移するとなれば、中国共産党は己の力を誇示し統一を声高に主張する手段として、より頻繁な軍事演習に打って出るかもしれない。こういった複雑な状況を乗り切るには、台湾が防衛力を高め国際的なパートナーとの協力を強化しながら、断固たる姿勢を維持することが不可欠となる。外圧を受けてもなお強靭さを示し、民主的価値観と主権を堅持する方針を改めて明確に示すことで、台湾は中国共産党の軍事行動による影響を緩和し、台湾海峡における利益を守ることができるだろう。分断し統治せよ ― 台湾の団結切り崩しを目論む中国共産党の戦術中国共産党による台湾の内部分裂戦略は、既存の政治的・社会的断層線を巧みに利用して台湾の統一と主権を切り崩そうというものである。台湾立法院による最近の法的措置や外部団体との対立などは、台湾社会に不和をもたらし己の政治的影響力を行使せんとして中国共産党が意図的に行った作戦と見られている。ロシアによるクリミア併合など、他の国際的状況とも類似性を感じさせる中国共産党の戦術は、台湾に存在する民族的、政治的、社会的亀裂に乗じて地政学的目標を達成しようとするものだ。中国共産党は自身の行動計画に同調する特定の政治派閥や利益団体を支援することで、台湾の政治状況に亀裂を生じさせ、外部からの強制への抵抗力を削ごうとしている。中国共産党の戦略が目に見える形となった例の1つが、親中派の政治家や組織に対する秘密裏の支援である。これは台湾の政治的方向性を形成し、世論に影響を与えることを狙ったものだ。他にも、中国共産党はメディアやオンラインプラットフォームを利用してプロパガンダを流布し、不信感を煽ることによって台湾社会内部の分裂を悪化させている。内部分裂は台湾に甚大な悪影響をもたらし、台湾の政治的安定と民主主義的制度に重大な課題を突きつけている。台湾が外部からの分裂の企てに耐え抜くためには、政治的・社会的結束の強化が不可欠となる。そのためには台湾政府、諸政党、市民社会組織が対話と協力を通じて内部紛争に対処し、社会の連帯を強化し、外部からの工作にも折れない強靭さを得るための協調的な努力が必要だ。台湾が外部からの干渉にもしぶとく耐えられるかどうかは、分裂を促す戦術に対抗するための統一戦線を張れるか否かにかかっている。市民社会組織、報道機関、草の根運動は、外部からの操作に抵抗して台湾の民主主義的制度を守る上で極めて重要な役割を果たしている。そして台湾の主権を強化し、外部からの強要にも折れない強靭さを高めるためには、志を同じくする国々からの国際的な支持と連帯もまた不可欠である。内部の結束を強め、強固な国際的パートナーシップを結ぶことで、台湾は中国共産党の内部分裂戦略にも巧みに耐え抜き、変化を続ける地域ダイナミクスにあって台湾の自治と民主的価値観を守り抜くことができるだろう。求められるバランス感覚 ― 国際的注目が高まる中で習近平氏が抱えるジレンマ習近平氏にとっては、国際的な対中制裁リスクの存在によって、台湾に向けた今後の軍事行動をめぐる算段の難易度がさらに上がっている。日米軍事同盟による介入を招く危険性に加え、厳しい国際制裁を課される可能性もあり、中国にとってその影響は経済面でも政治面でも広範囲に及ぶおそれがある。近年、中国による人権侵害、領土問題、南シナ海での強引な行動に対して世界の関心がさらに高まっている。こうした問題は中国の国際的評判を落とし、外交関係を緊張させ、抑止と責任追求の手段として国際的制裁発動の懸念が増している。習近平氏にしてみれば、国際的制裁が視野に入ったことで、国内の安定と国際的圧力との間で微妙なバランス感覚が求められることになった。米国や日本などの国々からの強い反発は、国際的制裁の脅威とも相まって、中国経済のみならず国内における習近平氏の政治的正統性にとっても不吉なものとなりかねないからである。また、台湾海峡における中国の行動に対する国際社会からの反応も極めて重要である。台湾が中国共産党からの圧力に耐え抜くためには、米国や日本などの国々からの支持が不可欠だ。ただし、国際的な対中制裁措置の発動は両岸関係をさらに複雑なものとし、緊張の度合いを高めることによって平和的解決の見通しを損なう可能性がある。こうした難局を乗り切るには、すべての関係者が自制し、外交的関与を優先させることが大前提となる。対話と協力を促し、状況をエスカレートさせるリスクを軽減し、国際法と人権の原則を守ることによって、国際社会は台湾海峡の平和と安定の促進に建設的な役割を果たせることだろう。前進あるのみ ― 海峡両岸のダイナミクスにおける台湾の戦略的重要課題両岸関係の展望について考える上で、台湾海峡を取り巻く複雑なダイナミクスの荒波を乗り切るべく台湾が採用している戦略的アプローチに目を向けないわけにはいかない。中国共産党からの圧力が強まる中、頼総統政権は台湾の主権と民主的価値観を守りつつ安定と安全を維持するという難題に直面している。頼総統政権が最優先で行うべきは、党派を超えた協力関係と合意の形成を通じて政治的分裂を融和させ、台湾内の社会的結束を強化することだ。対外的な圧力に対抗して台湾の利益を守るためにも、国民党や台湾民衆党などの野党との建設的な対話が不可欠である。また、台湾は主権を明確に主張して、国際的な支持を積極的に求めていかなくてはならない。米国や日本などの重要なパートナーとの同盟関係を強化し、防衛力を高め、外交的な活動範囲を拡大していくことが、中国共産党の侵略に対抗して台湾の自治を守るためにも極めて重要である。台湾の進むべき道は、信念を持って主張するという態度を維持し、中国共産党が投げかける無数の難題に確固たる決意と万全の準備をもって対処しつつも、中国との対話にも前向きであり続けるというものだろう。国際社会との結びつきを強めながら対話の機会も逃さない、そうした姿勢によって、台湾は主権と安全保障に資するような両岸関係を形成しながら、自身の地位と影響力を高めていけるだろう。台湾が外部からの干渉にもしぶとく耐えられるかどうかは、分裂を促す戦術に対抗するための統一戦線を張れるか否かにかかっている。市民社会組織、報道機関、草の根運動は、外部からの操作に抵抗して台湾の民主主義的制度を守る上で極めて重要な役割を果たしている。そして台湾の主権を強化し、外部からの強要にも折れない強靭さを高めるためには、志を同じくする国々からの国際的な支持と連帯もまた不可欠である。内部の結束を強め、強固な国際的パートナーシップを結ぶことで、台湾は中国共産党の内部分裂戦略にも巧みに耐え抜き、変化を続ける地域ダイナミクスにあって台湾の自治と民主的価値観を守り抜くことができるだろう。写真:台湾、頼清徳総統が就任(※1)https://grici.or.jp/
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2024/06/03 16:07
注目トピックス 経済総合
NYの視点:【今週の注目イベント】ECB、加中銀、米ISMや雇用統計、OPECプラス
*07:39JST NYの視点:【今週の注目イベント】ECB、加中銀、米ISMや雇用統計、OPECプラス
今週は欧州中央銀行(ECB)が定例理事会を予定しているほか、カナダ中銀は金融政策決定会合を予定している。米国ではISM製造業、非製造業景況指数、JOLT求人件数、米雇用統計など重要経済指標に注目。FRBは6月11日、12日に開催する連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、ブラックアウト期間入りするため、高官の講演やイベントは予定されていない。ECBはこの会合で0.25%の利下げを開始すると見られている。会合を前に発表されたユーロ圏5月消費者物価コア指数速報値は予想外に加速。一部では利下げの可能性に不透明感が広がった。センテノ・ポルトガル中銀総裁は「5月インフレの加速は、見通しを若干上回る程度」と述べており、ECBが計画通り利下げに踏み切る可能性を示唆した。独連銀のナーゲル総裁などは、6月に利下げしたあとも景気動向次第で判断し、2回目の利下げが9月ごろになると利下げペースに慎重な姿勢を見せた。ラガルド総裁会見で利下げペースを探ることになる。同時に予想外に利下げを見送った場合はユーロ買いが加速すると見る。カナダ中銀も会合で利下げに踏み切る見通し。同時に、カナダの第1四半期国内総生産(GDP)で成長が底堅いことが確認されており、万が一利下げが見送られるとカナダドル買いが強まると予想される。豪準備銀やNZ準備銀は直近の会合で、インフレ鈍化が進まず利上げの可能性にも言及した。米5月雇用統計で失業率は3.9%と4月と同水準を維持する見込みで、非農業部門雇用者数は19万増が予想されており、労働市場の底堅さが証明される見通し。一部の連邦準備制度理事会(FRB)高官は現在の政策が十分に景気抑制的であるかどうかに懐疑的見解を示し始めていたが、4月消費者物価指数(CPI)に続きコア価格指数で少なくともインフレが再燃していないことが証明されたため追加利上げリスクは低下した。ただ、PCEコア価格指数は前年比で2.8%と依然2%を上回っており、FRBが特に注視している住宅を除いたコア指数もあまり変化なく、高金利をより長く維持する必要性が強まっていることは確かか。■今週の主な注目イベント●米国3日:建設支出、ISM製造業景況指数4日:製造業受注、JOLT求人件数5日:ISM非製造業景況指数6日:週次失業保険申請件数、貿易収支、非農業部門労働生産性7日:米雇用統計、卸売り在庫●英国3日:製造業PMI●欧州3日:ユーロ圏、独・仏製造業PMI4日:独失業率6日:ユーロ圏小売売上高、独工場受注、欧州中央銀行(ECB)定例理事会、ラガルドECB総裁会見7日:ユーロ圏GDP、独鉱工業生産、ナーゲル独連銀総裁、ショナーベル理事が講演●中国3日:財新製造業PMI5日:財新サービス業PMI7日:貿易収支、外貨準備●日本7日:家計支出
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2024/06/03 07:39
注目トピックス 経済総合
欧米の注目経済指標:ECBは0.25ポイントの利下げ決定へ
*13:54JST 欧米の注目経済指標:ECBは0.25ポイントの利下げ決定へ
6月3日-7日に発表予定の経済指標の予想については以下の通り。■3日(月)午後11時発表予定○(米)5月ISM製造業景況指数-予想は49.6参考となる4月実績は49.2。新規受注指数と生産指数の低下が要因。5月については4月時点の新規受注指数が50を下回っていることから、大幅な改善は期待できない。そのため、4月に続いて節目の50を下回る可能性がある。■6日(木)午後9時15分発表予定○(欧)欧州中央銀行(ECB)理事会-予想は0.25ポイントの利下げ理事会の複数のメンバーが6月利下げを想定しており、0.25ポイント幅の利下げ実施が決定される見込み。ただ、7月以降についてはデータ次第との見方が多く、年内の追加利下げは1回にとどまる可能性がある。■6日(木)午後9時30分発表予定○(米)4月貿易収支-予想は-696億ドル3月は消費財と資本財の輸入額は増加。一方、財の輸出は伸び悩んだ。4月については資本財の輸入額は減少しないと予想されており、財の輸出額が急増する可能性は低いことから、貿易赤字は3月並みの水準となる見込み。■7日(金)午後9時30分発表予定○(米)5月雇用統計-予想は非農業部門雇用者数が前月比+18万人、失業率は3.9%非農業部門雇用者数が4月実績をやや上回る可能性があるものの、労働参加率はやや上昇する可能性があるため、失業率は4月実績と同水準となる可能性が高いと予想されます。○その他の主な経済指標の発表予定・5日(水):(米)5月ADP雇用統計、5月ISM非製造業景況指数、(加)カナダ中央銀行政策金利発表・7日(金):(中)5月貿易収支、(欧)1-3月期ユーロ圏域内総生産確報値
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2024/06/01 13:54
注目トピックス 経済総合
NYの視点:米4月PCEコア価格指数でインフレ鈍化進展動向を探る、インフレ巡る不透明感多く
*07:45JST NYの視点:米4月PCEコア価格指数でインフレ鈍化進展動向を探る、インフレ巡る不透明感多く
米4月PCEコア価格指数で、インフレ鈍化の進展が再開したことを確認できるかに注目が集まる。米国のインフレ動向を判断するうえでの重要指標で、FRBがインフレ指標として特に注目しているため、年内の利下げ時期を判断していく上で重要。1-3月期の消費者物価指数(CPI)でインフレ改善に進展が見られず、FRB高官は可能性は少ないが、利上げも除外しない考えを示した。4月CPIでようやく鈍化基調が再開、PPIは予想を上回ったったがその項目で、PCE価格指数の算出にも使われる外来医療費は0.1%、航空運賃は3.8%それぞれ低下しており、PCEもCPIと同様に、インフレ鈍化の進展再開が示唆されると期待される。ただ、インフレ鈍化の進展ペースは依然遅く、また、FRBが昨日公表したベージュブックの中で、特に保険など、支払い価格の上昇が指摘されており、短期的にはインフレの緩やかな上昇継続が予想されている。JPモルガンのダイモン最高経営責任者(CEO)は政策金利が6%に達する可能性やスタグフレーションを警告。インフレを巡り、前回の連邦公開市場委員会(FOMC)でも指摘されていた通り、いまだに多くの不透明性が存続している。NY連銀のダドリー前総裁はインフレ抑制を巡り金利が十分に高くない可能性に言及。今後のインフレ動向次第では、追加利上げの可能性も除外できない。
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2024/05/31 07:45
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プラチナは年初高値を更新 サンワード貿易の陳氏(山崎みほ)
*16:46JST プラチナは年初高値を更新 サンワード貿易の陳氏(山崎みほ)
皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター山崎みほの気になるレポートです。今回は、NYプラチナについてのレポートを紹介します。陳さんはまず、『プラチナは年初高値を更新』と述べています。続けて、『先週は週初めに地政学リスクの懸念から金が急騰したのに連れて、プラチナも1105ドルと年初来の高値を更新した。その後は、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ見通しが後退したことから軟化したが、1000ドルの大台は維持された。OSEプラチナも5000円の大台が維持された』と伝えています。陳さんは、『プラチナは供給不足の懸念が支援要因だろう』と考察しています。次に、『英精錬大手ジョンソン・マッセイは最新の報告書で、今年の白金市場は過去10年で最大の供給不安に陥っていると明らかにした。前年に高水準を保っていたロシアからの輸出が平年の水準まで減少したことや、工業用の底堅い需要が背景にある』とし、『ワールド・プラチナ・インベストメント・カウンシル(WPIC)も、今年の白金供給不足が市場予想を上回るとの見通しを明らかにした』と伝えています。また、『プラチナの需給逼迫懸念に加え、銅やアルミ等の産業用非鉄金属価格が上昇したことも支援要因となったようだ。特に銅は、電気自動車(EV)や自動化、人工知能などの成長分野による消費が供給を上回るとみられ、1万1100ドル超と、史上最高値を記録した』と見解を述べています。今週のNYプラチナのレンジについては、『1020~1150ドル』と予想しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の5月29日付「プラチナは年初高値を更新」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 山崎みほ
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2024/05/30 16:46
注目トピックス 経済総合
NYの視点:ベージュブックも政策据え置きを後押し
*07:38JST NYの視点:ベージュブックも政策据え置きを後押し
連邦準備制度理事会(FRB)はダラス連銀が4月初旬から5月中旬の情報をもとにまとめた米地区連銀経済報告(ベージュブック)を発表した。12地区のうち10地区がわずかまたは緩慢な成長を報告、2地区が横ばいを報告するなど、景気の底堅さが確認された。一方で、消費の勢いが鈍化している可能性も示唆されており、今後のサービスインフレの緩和にもつながる可能性もある。物価の高騰で、消費者が価格に敏感となり、裁量的支出を抑えていることが明らかになった。小売は消費者を引き付けるための割引を提示。自動車販売でも、一部のメーカーは顧客を引き付けるためのインセンティブを提示していることが明らかになった。また、見通しで不透明感が多く、下方リスクを警戒し、「いくらか悲観的」と指摘されている。消費の鈍化が具体化すればFRBの利下げの見通しがつく可能性がある。ただ、物価は、「緩やかなペースで上昇、継続を予想」と報告されている。一部の建設や製造業の原材料は下落が報告されているが、特に保険など、支払い価格の上昇が指摘されており、短期的には緩やかな上昇予想が報告された。結果は連邦準備制度理事会(FRB)が次回の連邦公開市場委員会(FOMC)で金融政策を発表するうえで参考材料となるが、政策据え置きを後押しすると見られる。JPモルガン銀のダイモン最高経営責任者(CEO)は政策金利が6%まで上昇する可能性に言及したほか、スタグフレーション入りする確率が現在予想されている以上に高いと警告した。・米地区連銀経済報告(ベージュブック)■経済「経済活動は拡大、ほとんどの地区でわずかまたは緩慢な成長。2地区は横ばい」「小売は裁量的支出の減少を示唆。消費者は価格に敏感」「自動車販売はおおよそ横ばい。一部のメーカーはインセンティブを提示」「旅行関連は強まった。レジャー関連の夏に向けた見通しは強弱まちまち」「非金融サービスの需要は増加、交通関連は様々」「製造業は横ばいか、拡大。2地区が鈍化を報告」「与信基準の強化や高金利で貸し出しの伸びが抑制」「商業用不動産の需要は弱まった」「住宅需要は緩やかに上昇。一戸建て建設は増加」「商業用不動産の状況は弱まった」「不透明性の上昇や下方リスクの上昇で見通しはいくらか悲観的」●雇用「雇用は緩慢に増加」「賃金の伸びは緩やか。一部地区ではパンデミック前の水準に正常化したと報告」●物価「物価は緩やかなペースで上昇、継続を予想」「小売は消費者を誘導するための割引を提示」「支払い価格が引き続き上昇、特に保険。一部の建設や製造業の原材料は下落が見られる」「短期的には緩やかな上昇が予想される」
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2024/05/30 07:38
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南アフリカランド円今週の予想(5月27日)サンワード貿易の陳氏 (山崎みほ)
*16:45JST 南アフリカランド円今週の予想(5月27日)サンワード貿易の陳氏 (山崎みほ)
皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター山崎みほの気になるレポートです。今回は、南アフリカランド円についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、南アフリカランド円について、『急上昇後の押し目形成になりそうだ』と述べています。続いて、『先週発表された経済指標は弱い内容だった。南ア3月景気先行指数は110.4と前回の112.5から低下、南ア4月消費者物価指数(CPI)は前月比+0.3%と予想の+0.4%を下回った。コア指数も市場予想を下回り、南アフリカ中銀の利下げ観測が再燃した』と伝えています。また、『米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、「一部の当局者は長期金利がこれまで考えられていたよりも高くなる可能性があると認識」、「数人の当局者は必要ならさらなる引き締めに意欲」等と予想以上にタカ派的な内容で、ドル高が進んだことも、南アランドを押し下げた。金やプラチナ価格の大幅下落も重石となった』とし、『ただ、南アフリカ経済の復調に期待感があることや、金利差面から南アランド買い・円売りが優勢なことから、下値は限定的だった』と解説しています。今週は、29日に南アフリカ総選挙が行われ、30日には南アフリカ中銀会合が開かれます。陳さんは、『重要なイベントが2つもあるため、様子見が強まろう。南アフリカ準備銀行(中央銀行)会合では、政策金利の据え置きが見込まれている』と言及しています。南アフリカランド円の今週のレンジについては、『8.40円~8.65円』と予想しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の5月28日付「南アフリカランド円今週の予想(5月27日)にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 山崎みほ
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2024/05/29 16:45
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NYの視点:米5月消費者信頼感指数は4カ月ぶり上昇もインフレ期待が上昇、労働市場への自信も後退
*07:45JST NYの視点:米5月消費者信頼感指数は4カ月ぶり上昇もインフレ期待が上昇、労働市場への自信も後退
コンファレンスボードが発表した米5月消費者信頼感指数は102と、4月97.5から低下予想に反し、上昇した。現況は143.1と、4月140.6から上昇。期待も74.6と、2月来の高水準となった。また、今後12カ月先のインフレ期待も平均値で5.4%、中間値でも4.4%とそれぞれ昨年12月来で最高に達したことは、インフレが今後も高止まりする可能性を示唆し、連邦準備制度理事会(FRB)にとり懸念材料となる。一方で、労働市場への雇用者の自信が後退しつつある証拠も見られ、FRBにとり朗報となる。雇用が十分との回答は37.5%で38.4%から低下した。一方で、不十分は49.0と、46.1から大幅上昇。ただ、「職を得るのが困難」との回答は13.5%で、4月15.5%から低下した。また、消費者は今後12カ月に景気後退に陥る可能性がいくらかある、かなり可能性があると回答したのは、69%と、景気に慎重な姿勢が表れた。■米5月消費者信頼感指数:102(4月97.5)現況:143.1(4月140.6)、期待:74.6、2月来の高水準●今後12カ月先のインフレ期待平均:5.4%(4月5.3%)中間:4.4%(4.3%)、年初来で最高●今後12カ月に景気後退に陥る可能性:69%●ビジネス状況良好:20.3(20.8)悪い:17.6(17.6)正常:62.1(61.6)6か月先改善:13.3(13.4)悪化:16.8(19.1)変わらず:69.9(67.5)●雇用雇用が十分と雇用を得るのが困難の差24.0(22.9)十分:37.5(38.4)不十分:49.0(46.1)職を得るのが困難:13.5(15.5)6か月先増加:12.6(12.3)減少:18.2(19.8)不変:69.2(67.9)所得増加:16.9(16.8)減少:11.0(14.0)不変:72.1(69.2)
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2024/05/29 07:45
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NYの視点:【今週の注目イベント】米ベージュブック、PCEコア、米国債入札、ユーロ圏・東京都CPIなど
*07:39JST NYの視点:【今週の注目イベント】米ベージュブック、PCEコア、米国債入札、ユーロ圏・東京都CPIなど
今週は米国の1-3月期GDP改定値、4月米個人消費支出(PCE)コア価格指数に注目が集まる。そのほか、連邦準備制度理事会(FRB)が次回の連邦公開市場委員会(FOMC)で参考材料とする地区連銀報告書(ベージュブック)を公表予定で注目材料となる。FRBは4月30日、5月1日にかけて開催された連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨で現行の金利を当面維持する姿勢を示した。様々なメンバーが必要とあれば追加利上げにも前向きな姿勢を見せているため、次回6月会合では据え置きが確実視されている。利下げの可能性を探るためFRBがインフレ指標として重要視しているPCEコアに注目される。予想では、前月比での伸び率が年初来の最低水準に鈍化した可能性が高いと見られている。想定通りとなると、年内の利下げ軌道が確認され、ドル売り材料となる。一方、米財務省が入札を予定しており米国債相場の上値を抑制することになる可能性が強い。そのほか、ユーロ圏と東京都区部の消費者物価指数(CPI)にも注目される。■今週の主な注目イベント●米国27日:メモリアルデー休日28日:消費者信頼感指数、メスター米クリーブランド連銀総裁が東京で日銀主催イベントで講演、カシュカリ米ミネアポリス連銀総がECBのクノット理事と講演29日:FRB、ベージュブック公表、ウィリアムズ米NY連銀総裁がイベント参加30日:週次新規失業保険申請件数、1-3月期GDP改定値、ウィリアムズ米NY連銀総裁講演、ローガン米ダラス連銀総裁が講演31日:コアPCE価格指数●中国27日:鉱工業生産、独IFO31日:製造業、非製造業PMI●英国27日:金融市場休場、バンクホリデー●欧州27日:ECB、チーフエコノミストレーン理事、講演29日:独CPI30日:ユーロ圏経済信頼感、失業率、消費者信頼感指数31日:ユーロ圏CPI●日本31日:失業率、東京CPI、鉱工業生産、小売
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2024/05/27 07:39
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欧米の注目経済指標:ユーロ圏インフレ率は高止まりの可能性も
*14:09JST 欧米の注目経済指標:ユーロ圏インフレ率は高止まりの可能性も
5月27日-31日に発表予定の経済指標の予想については以下の通り。■28日(火)午後11時発表予定○(米)5月CB消費者信頼感指数-予想は96.5参考となる4月実績は97.0で3月改定値を大幅に下回った。将来のビジネス環境や雇用機会に対する懸念が高まっていることが指数の低下につながった。5月については顕著な改善は期待できないため、100を下回る可能性が高い。■30日(木)午後9時30分発表予定○(米)1-3月期国内総生産改定値-予想は前期比年率+1.2%参考となる速報値は前期比年率+1.6%。サービス消費が堅調だったことなどが寄与した。改定値については個人消費や設備投資の上方改定は期待できないため、速報値を下回る可能性がある。■31日(金)午後6時発表予定○(欧)5月ユーロ圏消費者物価コア指数-予想は前年同月比+2.8%4月実績は前年同月比+2.7%。外食・宿泊、その他財・サービスなどの上昇率は高止まりしている。5月については、財、サービスの価格は上昇が予想されているため、コア指数の上昇率は4月実績と差のない水準となる可能性がある。■31日(金)午後9時30分発表予定○(米)4月コアPCE価格指数-予想は前年比+2.8%高金利でも経済は持ちこたえており、インフレ圧力は根強いようだ。4月のコアPCE価格指数は3月実績と差のない水準にとどまる見込み。市場予想と一致した場合、9月利下げの確率はやや低下する見込み。○その他の主な経済指標の発表予定・27日(月):(独)5月IFO企業景況感指数系・29日(水):(独)5月消費者物価指数・30日(木):(欧)4月ユーロ圏失業率・31日(金):(日)4月失業率、(日)4月鉱工業生産
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2024/05/25 14:09
注目トピックス 経済総合
NYの視点:米5月総合PMI速報値は2年ぶりの高水準、企業は依然慎重、リスク存続
*07:38JST NYの視点:米5月総合PMI速報値は2年ぶりの高水準、企業は依然慎重、リスク存続
S&Pグローバル・マーケットが発表した米5月総合PMI速報値は54.4と、4月51.3から低下予想に反し上昇し、22年4月以降2年ぶり高水準となった。サービスの強い成長やインフレ再加速が指数を押し上げた。製造業PMI速報値は50.9と、4月50.0から50割れに悪化する予想に反して活動の拡大を示す50台を5カ月連続で維持した。同月サービス業PMI速報値は54.8と、4月51.3から低下予想に反し上昇し、1年ぶり高水準となった。製造業の支払い価格は2022年11月来で最高の伸び。サービス業の仕入れ価格と販売価格も上昇した。S&Pグローバルのチーフエコノミストは、米国経済が2カ月減速したのち再度加速。受注が再開したことによる生産拡大だけでなく、ビジネス信頼感も高まっていると、指摘。一方で、インフレや金利の不透明感、地政学的リスクの上昇や大統領選挙を控えた不透明感が存続し、企業は経済見通しに引き続き慎重な姿勢を維持していると、加えた。1-3月期国内総生産(GDP)は速報値の+1.6%から1.2%に伸び鈍化が予想されているが、引き続き堅調な成長が続くと見られる。同時に、不透明感も多く連邦準備制度理事会(FRB)の利下げの行方も今後のデータ次第となる。
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2024/05/24 07:38
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トルコリラ円今週の予想(5月20日)サンワード貿易の陳氏 (山崎みほ)
*17:15JST トルコリラ円今週の予想(5月20日)サンワード貿易の陳氏 (山崎みほ)
皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター山崎みほの気になるレポートです。今回は、トルコリラ円についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、今週のトルコリラ円について『トルコリラ円は、保ち合いが続きそうだ』と述べています。続けて、『23日のトルコ中銀会合では、政策金利が50.0%に据え置かれる見込み。トルコ中銀は3月会合で、物価高の見通しの悪化を理由に政策金利を45%から50%に引き上げた。4月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同月比69.8%だった。トルコ中銀は、5月にインフレ率は75%前後でピークとなり、その後は金融引き締めを受けて、年末までに38%程度まで下がると中銀は予想している』と伝えています。次に、『トルコ中央銀行は9日、四半期インフレ報告を公表し、2024年末の消費者物価指数(CPI)上昇率の中間値の予想を前回の36%から38%に引き上げた。カラハン総裁は金融引き締めスタンスを維持し、インフレの長期的な悪化を防ぐと表明。インフレ率は今月ピークに達し、その後ディスインフレ傾向が定着するとの見通しを示した』と伝え、『4月のCPI上昇率は前年同月比69.8%だった。トルコ中銀のカラハン総裁は14日、5月のインフレ率は約75%に達するとの見方を示した上で、インフレ率を引き下げるために「必要なことは何でもする」と述べ、政策引き締めスタンスを維持すると約束した』と言及しています。また、『ユルマズ副大統領は16日、エルドアン大統領の全面的な後押しを背景に、インフレとの闘いを続けるトルコの新たな財政緊縮策による予算削減額が予想を上回るとの見通しを示した。ユルマズ氏は、夏季に物価上昇が和らぎ、長年の物価高騰を経てインフレ率の沈静化に懐疑的になっているトルコ国民を納得させるのに役立つだろうとの見方も示した』と伝えています。こうしたことから、陳さんは、『予算削減額は1000億トルコリラ(31億ドル)程度に達する可能性がある』と考察しています。トルコリラ円の今週のレンジについては、『4.60円~5.00円』と予想しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の5月21日付「トルコリラ円今週の予想(5月20日)」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 山崎みほ
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2024/05/23 17:15
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NYの視点:米5月FOMC議事録タカ派色強まるもその後のインフレデータは改善
*07:39JST NYの視点:米5月FOMC議事録タカ派色強まるもその後のインフレデータは改善
米連邦準備制度理事会(FRB)は米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(4月30日-5月1日会合分)を公表した。その中で、参加者が第1四半期のインフレデータに失望、最近のデータが利下げへの一段の自信につながっておらず、インフレが2%目標に向けて改善する一段の確信が持てるまで、一段と時間を要すると考えていることが再表明された。さらに、政策の引き締まりの度合いを巡り、多くが不透明性を指摘した。様々なメンバーが、必要とあれば、追加引き締めに前向きな姿勢を示したことも明らかになった。もし、インフレが持続的に2%に向けて低下しなければ長期にわたり高金利を維持することを議論した。ただ、この会合で参考となっていたのは1-3月期データで、内容自体が古い。5月FOMC後に発表された4月消費者物価指数(CPI)は前月比で予想外に伸びが鈍化、さらに、FRBが注視している変動の激しい消費やエネルギーを除いたコア指数も前年比で予想通り鈍化し、21年4月来の低水準まで改善している。4月データを受け、FOMC後のイベントや講演で、FRB高官は結果を歓迎。ウォラーFRB理事も1-3月期のインフレは改善が停滞していたが、4月データによるとインフレの改善が再開し始めたようだと言及。4月データがインフレが再燃している証拠にはならなかったとし、データが後押しした場合、年後半の利下げの可能性にも言及した。議事要旨を受けて過剰にFRBの過剰なタカ派方針を織り込む必要はないと見る。
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2024/05/23 07:39
注目トピックス 経済総合
メキシコペソ円今週の予想(5月20日) サンワード貿易の陳氏(山崎みほ)
*17:19JST メキシコペソ円今週の予想(5月20日) サンワード貿易の陳氏(山崎みほ)
皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター山崎みほの気になるレポートです。今回は、メキシコペソ円についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、『メキシコペソ円は、週明け20日に9.39円と上場来の最高値を更新した。インフレの鈍化から米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ見通しが拡大し、ペソは対ドルで堅調に推移している』と述べています。続けて、『メキシコ中銀は6月の政策会合で利下げを決定する可能性もあると示唆されたが、後に、中銀幹部がこれを否定したことが好感されたようだ』と言及しています。こうしたことから、陳さんは、メキシコペソ円について、『日墨の金利差を背景に押し目買いが継続しよう』と考察しています。今週のレンジについては、『9.15円~9.45円』と予想しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の5月21日付「メキシコペソ円今週の予想(5月20日)」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 山崎みほ
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2024/05/22 17:19
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両岸関係の舵取りに徹した蔡総統の外交戦略を総括する(2)【中国問題グローバル研究所】
*16:06JST 両岸関係の舵取りに徹した蔡総統の外交戦略を総括する(2)【中国問題グローバル研究所】
◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページ(※1)でも配信している「(1)【中国問題グローバル研究所】」の続きとなる。経済的レジリエンス経済的レジリエンスとは、両岸関係の変化や世界経済の不確実性など、台湾が外的な衝撃や混乱を耐えしのいで発揮できる回復力を指す。蔡政権はここまで、台湾の中国本土への依存度を低下させて長期的な経済的安定性を強化するため、経済の多角化を推進し、イノベーション主導による成長を促すことを優先させてきた。世界経済において中国が台頭し、アジア太平洋地域で中国がさらに声高な主張を行うようになった状況は、台湾の経済状況に困難とチャンスの両方をもたらしている。中国本土は台湾にとって主要な貿易相手であり、重要な投資元であることに変わりはないが、経済的相互依存が高まればそれだけ、中国政府主導による貿易紛争、投資制限、市場アクセス障壁などのリスクにさらされることになる。このような状況にあって、台湾が複雑な両岸関係を巧みにさばき、中国が経済的に圧倒的な強さを見せるなかで経済的競争力を維持するためには、経済的レジリエンスが極めて重要なものとなるだろう。経済の多角化とイノベーション主導の成長を推進することで、台湾は中国本土への依存を減らし、手つかずだった市場や急成長産業の開拓に乗り出せるようになる。また、台湾が賃金の伸び悩み、生活費の高騰、貧富の格差の拡大など、国内に山積する課題に対処する上でも経済的レジリエンスが不可欠である。ダイナミックかつ包括的な経済を醸成すれば、台湾は社会の安定と繁栄を強化し、経済的利益を社会全体に公平に分配できるようになるだろう。習近平主席が経済発展を重視し、中国が世界経済への影響力を拡大させていることで、台湾における経済的レジリエンスの重要性が高まっている。中国がアジア太平洋地域、さらにはその先の地域でも経済的な影響力を拡大しようとしているなか、台湾は経済的基盤を強化し、持続可能かつ包括的な成長を促進して、グローバルな舞台での競争力を維持する必要に迫られている。蔡政権は台湾の中国本土への経済的依存度を低下させ、経済の多角化とイノベーション主導の成長を強化する戦略を積極的に推進してきた。こうした努力は、台湾の長期的な経済的レジリエンスを強化し、両岸関係の混乱に対する脆弱性を緩和するものとして高く評価されている。蔡総統が推進する経済政策の要となるのが、外資を呼び込み、起業家精神とイノベーションを刺激する力である。バイオテクノロジー、情報技術、再生可能エネルギーといった重要分野への投資を通じて、台湾は新興産業のトップランナーとしての地位を確立し、伝統的な製造業や輸出への依存度を低下させている。蔡英文政権はさらに、中小企業やスタートアップ企業を支援するための取り組みを実施し、よりダイナミックで包括的な経済の醸成に努めている。起業家精神とイノベーションを育むことで、台湾はグローバルな舞台での競争力を強化し、この先の持続的成長に備える態勢を整えてきた。それでもなお、蔡総統の経済戦略は、台湾の市場参入を抑制し、両岸の経済関係を混乱させようとする中国本土の動きによって困難な道を歩むことを余儀なくされた。中国政府は、蔡総統が「一つの中国」という原則を支持しないことに対して、両岸貿易や投資の制限などの懲罰的な措置を課してきた。蔡総統の経済政策は台湾経済の脆弱性に十分に対処できておらず、台湾経済の見通しを大きく向上させることはできなかったと批判の声が上がっている。経済の多角化とイノベーションの推進に努めてきたにもかかわらず、台湾は賃金の伸び悩み、生活費の高騰、貧富の格差の拡大といった課題に直面している。これに加えて、蔡総統の経済イニシアティブは両岸関係に緊張をもたらし、台湾海峡における衝突リスクを高めている。中国政府は、中国本土への経済的依存度を下げようとする台湾の姿勢を中国の権威に対する挑戦とみなし、中国の主権を損なおうとするあらゆる動きを警戒している。国防および安全保障の強化国防と安全保障を確固たるものとするには、中国大陸からの侵略を未然に防ぎ、台湾海峡の平和と安定を維持するため、台湾の軍事力と戦略的パートナーシップを強化する必要がある。蔡政権は、台湾の防衛力を強化し、米国など主要同盟国との協力関係を深めることに重きを置いてきた。アジア太平洋地域において中国が軍事力の近代化を急速に進め、さらに声高な主張を行うようになった状況は、台湾の安全保障と安定にとって大きな脅威となっている。中国政府は軍事費を大幅に増大させて海・空の軍事力拡大に動いており、台湾に対する思惑をめぐって懸念を呼んでいる。こうした状況において、中国大陸からの軍事的侵略を未然に阻止し、台湾海峡の平和と安定を守るためにも、防衛力と安全保障の強化が台湾にとっては極めて重要となる。先端兵器に投資し、サイバーセキュリティ上の防御力を強化し、重要な同盟国との連携を深めることで、台湾は抑止力の強化と安全保障上の利益保護を実現できるだろう。中国本土からの圧力が高まるなか、台湾が主権と民主主義の理念を維持していくためには、防衛と安全保障の強化が不可欠である。確固たる防衛体制を維持し、志を同じくする国々との協力を促進することで、台湾は自決権と価値観を守るという姿勢を強調し、主権を損なおうとする中国政府の目論見を抑止することができるだろう。習近平主席が「中華民族の偉大な復興」を提唱し、中国が軍事力を急激に拡大させていることで、台湾における防衛と安全保障の重要性が改めて浮き彫りになった。中国がアジア太平洋地域における軍事的プレゼンスを強化し、台湾海峡における優位性を主張しようとする状況にあって、台湾はこれからも地域の平和と安定を維持するため警戒を怠らず、防衛能力に投資せざるを得ない。蔡政権は台湾の防衛力を強化し、重要な同盟国、特に米国との連携を深めることを優先してきた。このアプローチは、台湾の安全保障上の利益を守り、中国本土からの侵略を未然に阻止しているという点で高い評価を得ている。蔡総統が推進する国防政策の要となるのが、中国本土からの軍事的脅威が高まるなかで、台湾の自衛能力とレジリエンスを強化する力である。先端兵器への投資、サイバーセキュリティの強化、非対称戦争における戦力強化により、台湾は潜在的脅威への対抗力を強化してきた。蔡政権はこれに加えて、「台湾関係法(Taiwan Relations Act、TRA)」と「六つの保証(Six Assurances)」を軸に米国との関係を深めてきた。この戦略的パートナーシップは台湾の防衛態勢を強化し、先進的な軍事技術や訓練へのアクセスを可能にし、台湾海峡における抑止力の強化につながった。しかし、中国本土が軍備を近代化し、アジア太平洋地域における存在感を高めようとしていることで、蔡総統の国防政策は困難に直面している。中国政府はこれまで、台湾海峡で中国主権に抗おうとするあらゆる動きを警戒し、台湾との統一を達成するため必要であれば武力による威嚇も行ってきた。蔡総統の国防政策は台湾海峡での衝突リスクをエスカレートさせ、両岸関係を改善しようとする努力の妨げとなっているという批判がある。中国政府は、台湾による防衛力強化の動きを中国主権への挑戦とみなし、中国の権威に抗おうとするあらゆる動きを警戒している。さらに、蔡総統の国防政策は中国本土との関係を緊張させ、台湾海峡での軍事的緊張を高めるのではないかという懸念を招いた。地域の平和と安定を守ろうとする努力にもかかわらず、台湾と中国本土の緊張関係は続いており、台湾海峡における紛争と不安定化のリスクが高まる事態となっている。まとめ蔡英文総統が絶妙なバランス感覚で進めてきた対中政策は、成果と課題の両方を残した。任期を通して、一貫して台湾の主権と民主主義の原則の護持に努め、島の自治権とアイデンティティを守り抜いたその手腕に賞賛が寄せられている。しかしその一方で、強硬な姿勢がもとで中国本土との緊張と政治的対立が高まる結果にもなった。また、台湾外交の多角化と経済的レジリエンスの強化を目指した蔡総統の努力は称賛に値するものであり、台湾の国際的地位と経済的競争力の向上につながった。ただ、中国本土からの圧力を受ける状況において、その道は並々ならぬ困難を伴うものであった。蔡総統の任期を歴史的観点から評価したとき、台湾の両岸政策に対するアプローチは、紛うこと無く彼女が残した遺産の最たる部分と言える。台湾のこの先の未来と、中国本土との関係を決定づける重要な道筋となるだろう。これからも台湾は絶えず変化する地政学的状況において、複雑な両岸関係の舵取りを迫られることとなる。主権護持の方向と中国と関わる機会を追及する方向、2つの微妙なバランスを取ることが台湾の安全と繁栄を確保する鍵となるのである。「両岸関係の舵取りに徹した蔡総統の外交戦略を総括する(2)【中国問題グローバル研究所】」に続く。写真: Taiwan's President Tsai Ing-wen(※1)https://grici.or.jp/これに加えて、蔡総統の多角化戦略は両岸関係に緊張をもたらし、台湾海峡における衝突リスクを高めている。中国政府は、台湾が国際的なプレゼンスを拡大しようとする姿勢を中国主権への挑戦とみなし、中国の権威に抗おうとするあらゆる動きに警戒している。「両岸関係の舵取りに徹した蔡総統の外交戦略を総括する(2)【中国問題グローバル研究所】」に続く。写真: Taiwan's President Tsai Ing-wen(※1)https://grici.or.jp/
<CS>
2024/05/22 16:06