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両岸関係の舵取りに徹した蔡総統の外交戦略を総括する(1)【中国問題グローバル研究所】
*16:03JST 両岸関係の舵取りに徹した蔡総統の外交戦略を総括する(1)【中国問題グローバル研究所】
◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページでも配信している(※1)陳建甫博士の考察を2回に渡ってお届けする。はじめに台湾、蔡英文総統のリーダーシップは、特に中国本土との関係においてダイナミックに入り乱れる困難とチャンスで特徴づけられる。在任期間を歴史的観点から評価したとき、台湾の両岸政策(対中政策)に対するアプローチは、彼女の足跡の特に重要な側面と言えるだろう。蔡総統は在任中、台湾の主権や民主主義の原則、そして安全保障上の利益をしっかりと守りながら、中国本土との関係を舵取りするという複雑極まる課題に取り組んできた。本論では、台湾の主権護持、外交の多角化、経済的レジリエンスの促進、国防および安全保障の強化という、蔡総統の対中政策の柱となる4つの要素について深堀して考えたい。4つの要素を個別に詳しく分析しながら、習近平主席指導下の中国の軍事・経済力というより広範な背景を踏まえて、これらの要素の意義について考察する。さらに、台湾の主権護持、外交関係の拡大、経済的適応力、国家安全保障の強化といった重要分野に焦点を当てながら、蔡総統の対中政策の長短について総括する。これらの側面を掘り下げることで、蔡英文総統が両岸関係を巧みに調整し、台湾の将来の方向性を確立する上で直面した成果と課題について、包括的理解を深めることを目指していく。台湾の主権護持台湾の主権護持には、中国本土からの圧力や脅威にさらされる状況で島の自治と民主主義的価値観を守るという側面が含まれる。蔡英文総統は台湾の主権護持について毅然とした態度を取り、中国本土による「一国二制度」の枠組みを退ける一方、台湾の民主主義の原則と自決権の重要性を強調してきた。習近平指導下の中国は、アジア太平洋地域全体で軍事力を大幅に増強し、その威力を誇示している。中国政府が台湾を自国領土の不可欠な一部とみなし、統一のため武力行使をも辞さないことを考えるに、中国本土からの軍事的侵略を未然に防ぐには、台湾の主権護持が絶対不可欠となる。習近平主席が「中国の夢」と「中華民族の偉大な復興」のビジョンについて熱弁していることで、台湾に対する中国政府の思惑を懸念する声が高まっている中国が軍事力を急速に増強している現状において、地域の安定を維持し、中国政府による強制的な台湾併合の動きを阻止するために、台湾の主権護持がいよいよ不可欠なものとなっている。台湾の主権は、その経済的繁栄や国際的地位と複雑に絡み合う形で維持されている。台湾の自治が損なわれることになれば、台湾の経済や外交関係を根底から変えることになりかねないため、中国本土からの圧力が高まる状況において台湾の主権と民主主義的価値観を堅持することが、蔡総統にとって急務となった。台湾の主権について蔡総統が確固たる姿勢を維持する、これこそが同政権の対中政策の要の役目を果たしてきた。中国本土が提唱する「一国二制度」モデルを否定することで、総統は台湾の民意を擁護し、台湾民主主義の理念を守ってきた。中国政府からの圧力がエスカレートするなか、台湾の自決権とアイデンティティを守った確固たる主権護持の姿勢は称賛に値する。蔡総統のアプローチは、台湾民主主義の原則への変わらぬ支持を軸としたものだ。在任中、一貫して民主主義と人権の重要性を力説したその声は、苦労して獲得した自由を大切に守り、それが脅かされるとなれば激しく反発してきた台湾の人々の心に深く響いた。さらに、台湾主権を貫く毅然とした姿勢は台湾の国際的地位を高め、国際社会との連帯を獲得することにもつながった。台湾の自決権を断固として主張することにより、世界の舞台で台湾の認知度を高め、国際社会の責任ある一員としての地位を強化した。しかし、主権護持を貫く蔡総統の姿勢は、中国本土との緊張と政治的軋轢を高めるものでもあった。中国政府は台湾を従順ならざる自国領土とみなしており、「一つの中国」という原則に従うよう蔡政権に対して執拗に圧力をかけ続けてきた。結果、両岸関係は緊張を高め、言葉による応酬や断続的な軍事演習が双方で行われることとなった。批評家たちは、蔡総統がいわゆる「1992年コンセンサス」(双方とも「一つの中国」の存在を認めつつ、その解釈は各自で異なるとする合意)を認めようとしないことが、両岸関係改善の努力の妨げとなっていると主張する。蔡総統がこの枠組みを否定することにより、中国政府との有意義な対話と交渉を妨害し、緊張を高め、台湾海峡における紛争リスクを高めている、というのが彼らの言い分である。蔡総統の揺るぎない主権擁護の姿勢は、国際舞台における台湾の外交的孤立をも招いてきた。中国本土の影響力が急上昇していることで、中国との関係を密にするべく、多くの国々が台湾との外交関係を断つこととなった。こうした外交的孤立によって、台湾が国際社会と関わり、差し迫ったグローバルな課題に対処する力が抑制される結果を招いている。外交の多角化台湾において外交の多角化とはすなわち、中国本土の外側への国際関係拡大、そして、民主的な同盟国や志を同じくする国々との関係強化を伴うものとなる。蔡総統が推進する「新南向政策」は、アジア太平洋地域にとどまらず、南アジア、東南アジア、それ以外の地域の国々との関係強化を目指している。中国の経済的・政治的影響力の増大は、台湾の国際的地位と外交関係を脅かす大きな障壁となる。中国政府は台湾の外交的孤立を促さんと積極的に動いており、中国本土との関係を密にする代わりに台湾との関係を断絶するよう各国に圧力をかけている。こうした状況において、台湾が中国の強圧的な戦術による影響を弱め、国際舞台で確固たる存在感を維持するためにも、外交の多角化が不可欠となる。民主的な同盟国や志を同じくする国々との関係を深めることで、台湾は外交面でのレジリエンスを強化し、中国本土の圧力戦術に対する脆弱性を軽減できるようになるだろう。台湾が経済面でチャンスを拡大し、地域の安定と繁栄を促進させるためにも、外交の多角化は不可欠である。アジア太平洋地域諸国との経済的・文化的交流をより緊密にすることで、台湾の経済的レジリエンスは向上し、地域全体の発展と繁栄にも貢献できるだろう。習近平主席が、中国が世界で指導的役割を果たすことを目指し、「一帯一路」構想を重視している以上、台湾外交を多角化することはもはや必然である。中国がアジア太平洋地域、さらにはその先の地域でも影響力を拡大しようとしている今、台湾は国際社会と積極的に関わり、グローバルな舞台で自国の価値観と利益を主張していかなくてはならない。台湾が外交的孤立に追い込まれようとする状況で、蔡政権は対中国本土以外へと外交関係の多角化をはかるという積極的な戦略を推進してきた。「新南向政策」によって、台湾は国際的な交流範囲と影響力を拡大することに成功した。米国、日本、欧州諸国などとの関係を緊密にすることで、台湾は外交的なレジリエンスを高め、中国本土の圧力戦術に対する脆弱性を軽減させてきた。国際社会と台湾の関わりを深めようとする蔡総統の努力は、台湾の価値観と利益をグローバル規模で推進するものとして広く称賛を集めている。世界保健総会(WHA)などの国際会議や国際民間航空機関(ICAO)といった組織への参加は、外交的な困難にもかかわらず、国際社会に貢献しようとする台湾の真摯な姿勢の表れである。だが、台湾の国際的地位を弱めようとする中国本土の働きかけもあって、蔡総統の多角化戦略は大きな困難に直面した。中国政府は経済的・政治的影響力によって各国に圧力をかけ、台湾との外交関係を断絶させて台湾の外交的苦境を悪化させている。批評家たちは、蔡総統の多角化戦略は台湾の外交的課題に対して効果を発揮できておらず、台湾の国際的認知度の実質的向上にもつながっていないと主張する。民主的な同盟国との関係を深めようと努力してはいるものの、台湾は依然として外交面での障害に阻まれ、重要な国際会議や組織から排除された状態が続いている。これに加えて、蔡総統の多角化戦略は両岸関係に緊張をもたらし、台湾海峡における衝突リスクを高めている。中国政府は、台湾が国際的なプレゼンスを拡大しようとする姿勢を中国主権への挑戦とみなし、中国の権威に抗おうとするあらゆる動きに警戒している。「両岸関係の舵取りに徹した蔡総統の外交戦略を総括する(2)【中国問題グローバル研究所】」に続く。写真: Taiwan's President Tsai Ing-wen(※1)https://grici.or.jp/
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2024/05/22 16:03
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NYの視点:各国中銀の金融政策に乖離、為替変動率が上昇へ
*07:36JST NYの視点:各国中銀の金融政策に乖離、為替変動率が上昇へ
コロナ期やその後のインフレ加速で、世界各国の金融政策はほぼ同調したものだった。しかし、コロナ後、政府財政策の解消、サプライチェーン混乱回復、景気の正常化で、各国中銀の金融政策に乖離が出始めた。為替相場の変動率が上昇する可能性がある。欧州中央銀行(ECB)はラガルド総裁を含め金融当局者がインフレが目標値に向けて改善していることを一段と確信したと、6月の利下げ開始をほのめかしている。ただ、ECBは6月以降も利下げが続くわけではないと、加えた。英中銀も食品小売りインフレが21以来の低水準となったため、8月の利下げ観測が強まった。カナダ4月消費者物価指数は前年比+2.7%と伸びが3月+2.9%から予想通り鈍化し21年3月来で最低となったため、早くて7月の利下げ観測が一段と強まった。一方、連邦準備制度理事会(FRB)の年内の利下げの行方は不透明。ウォラー理事は4月の消費者物価指数(CPI)でインフレが加速していない証拠が得られ、インフレ改善の進行が再開したことが示唆されたと歓迎した。同時に、経済が驚くほど柔軟性があるとし、利下げにはあと数カ月良好なインフレデータが必要だとした。経済が悪化する兆候は見られず、3,4カ月金利を据え置いても、経済は悪化しないと指摘した。ただ、利上げの必要はないとの見解。FRB金融政策当局者はインフレが目標値に達する一段の確信を得られておらず、当面現行金利据え置きが予想されている。ウォラー理事はデータで正当化されれば年末に利下げを検討することが可能と述べた。米アトランタ連銀のボスティック総裁も、利下げは少なくとも第4四半期になると予想。また、豪準備銀行は5月政策決定会合の議事要旨で、CPIが、一段と長く目標を上回る可能性を指摘し、利上げ協議を再開したことを明らかにした。
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2024/05/22 07:36
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NYの視点:地政学的リスクがくすぶる、引き続きインフレリスクに
*07:42JST NYの視点:地政学的リスクがくすぶる、引き続きインフレリスクに
多くの連邦準備制度理事会(FRB)高官は、米国のインフレは鈍化基調だが、目標達成を一段と確信するデータはいまのところ乏しく、想定以上に長く現行の金利を据え置く可能性が高まっているとの見解で一致していると見られ、ドルを支えている。本年の連邦公開市場委員会(FOMC)の投票権を持つサンフランシスコ連銀のデイリー総裁は「インフレが持続的に2%に向けて鈍化する確信がまだもてない」としながらも、「利上げが必要な証拠は現在見られない」と、利上げは予想していないが、当面金利据え置きを予想している。やはり本年の投票権を有するアトランタ連銀のボスティック総裁は「インフレが目標である2%に達成することが確実になるまで時間がかかる」「FRBはすべての可能性にオープン、多くの経済シナリオがある」、と展開次第で、利上げの可能性もほのめかした。ジェファーソンFRB副議長やバーFRB副議長はインフレ対処で辛抱強さが必要との考えを示した。ジェファーソン副議長はディスインフレの過程が長期にわたると指摘。バー副議長は最近の金融引き締め策で、インフレが目標値に達成するまでには一段の時間が必要となる可能性が強いと指摘した。バー副議長は第1四半期のインフレに失望したとし、同時に、利下げに向けた確信は何も供給されなかった、と失望感を隠さなかった。金利を据え置き、動向を見守る良い位置にあるとし、やはり金利据え置きを支持。FRB高官は依然インフレが低下基調にあるとの見解では一致しているようだが、中東リスクがくすぶることは商品価格の高止まり、インフレリスクの存続につながる可能性がある。国営メディアによると、航空機事故でイランのライシ大統領とアブドラヒアン外相の死亡が確認された。イランの政策が大幅に修正されることはないと言われているが不透明感につながる。また、イスラエルのベングビール国家安全保障大臣が親イラン組織ヒズボラを壊滅させるためにはレバノン侵攻が必要と指摘するなど、地政学的リスクは依然根強い。
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2024/05/21 07:42
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金は1万2000円を前に足踏みか サンワード貿易の陳氏(山崎みほ)
*17:05JST 金は1万2000円を前に足踏みか サンワード貿易の陳氏(山崎みほ)
皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター山崎みほの気になるレポートです。今回は、金についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、『金は1万2000円を前に足踏みか』と述べています。続けて、『15日のNY金は、インフレ圧力の鈍化が示されて上昇。終値は2394.90ドル、4月中旬以来約1カ月ぶりの高値を付けた』と伝え、『4月米消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.4%上昇となり、前月から3カ月ぶりに鈍化した。インフレの沈静化が示唆されたことから、市場では米連邦準備制度理事会(FRB)が年内にも利下げを実施するとの期待が高まった。ただ、ニューヨーク連銀が発表した消費者調査で、1年先の期待インフレ率が上昇したことは圧迫要因』と言及しています。また、『長期金利が低下し、対ユーロでドル売りが優勢となって、ドル建て金は割安感が強まった』と伝えています。次に、『CMEグループのフェドウオッチによると、市場は現時点で9月会合での利下げを7割程度織り込んでいる』と述べています。陳さんは、『次の節目である2400ドル突破には、何らかの追加材料が必要だろう。この上値抵抗線をブレイクすれば、4月に付けた最高値2448.80ドルを試す展開になろう』と考察しています。また、『ドル円は、ドル売り・円買い介入が2回行われ、その後に弱い米経済指標やFRBの利下げ見通しが強まったことで、1ドル=155円を下回った』と伝え、『OSE金相場は、NY金が上昇したもののドル円の下落に相殺されて上値が重い。1万2000円の壁を前に保ち合いが続きそうだ』と見解を述べています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の5月16日付「金は1万2000円を前に足踏みか」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 山崎みほ
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2024/05/20 17:05
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ニアショアリングのハブ拠点:メキシコが台湾企業の米国市場進出を促進(2)【中国問題グローバル研究所】
*16:00JST ニアショアリングのハブ拠点:メキシコが台湾企業の米国市場進出を促進(2)【中国問題グローバル研究所】
◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページ(※1)でも配信している「ニアショアリングのハブ拠点:メキシコが台湾企業の米国市場進出を促進(1)【中国問題グローバル研究所】」の続きとなる。ニアショアリングでメキシコが担う役割台湾企業にとって、メキシコが持つニアショアリングのハブ拠点としての戦略的意義は、米国に地理的に近いということにとどまらない。台湾からのメキシコの製造セクターへの投資は、エレクトロニクスや自動車、繊維製品(テキスタイル)などの産業に及び、投資先としてのメキシコの魅力を物語っている。例えば、台湾に本社を置くエレクトロニクスメーカーである鴻海はメキシコでの拠点拡大を図っており、シウダー・フアレスに新しい工場を建設するために10億ドルを投資する計画である。こうした戦略的パートナーシップは、鴻海の米国市場へのアクセスを向上させるだけでなく、メキシコの雇用創出と経済成長も刺激する。加えて、台湾とメキシコの二国間貿易協定と戦略的パートナーシップの締結が、サプライチェーンの最適化と米国市場への参入を模索する台湾企業が選ぶ投資先としてのメキシコの立場を一層強固なものとした。2023年、テスラ社が北米の主要市場の近くに位置するヌエボレオン州モンテレイ市サンタカタリーナにある工業団地に製造工場を新設する計画を発表したことで、ハイテク産業へのメキシコの訴求力が高まった。同社の決定は、メキシコの強固なインフラと豊富な熟練労働力、良好なビジネス環境が、テスラの事業拡大に理想的な選択であることを如実に表している。同社の狙いは、この工業団地を活用することで、サプライチェーンの効率性と市場アクセスを向上させ、ヌエボレオン州およびメキシコ全土のイノベーションと経済成長の両方に寄与することにある。製造セクターだけでなく、情報技術(IT)やビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)などの領域を中心としたメキシコのサービスセクターも、グローバル市場での競争力強化を目指す台湾企業にさらなる好機をもたらす。例えば、緯創や広達電脳などの企業は、メキシコの熟練労働力と良好なビジネス環境を活用するため、メキシコにITサービスセンターを設置した。複数のセクターにまたがる、こうした投資の多様化は、メキシコがニアショアリング先として万能であり、多様な産業で事業を展開する台湾企業の進化するニーズに対応できることを裏付けている。さらに、メキシコは北米と中南米の間に位置し、戦略的に有利な場所にあるため、中南米地域の新興市場への架け橋の役割を担う。台湾企業は、中南米が秘める成長潜在能力を認識し、メキシコを拠点として、これらの市場での存在感を拡大している。メキシコに足場を築くことで、台湾企業は貿易協定と特恵関税の広範なネットワークにアクセスできるようになり、新規市場への参入や顧客基盤の多様化が可能になる。こうした戦略的な拡大は、台湾、メキシコ、およびその他の中南米諸国間の経済的な結びつきを強化するだけでなく、地域統合と経済発展を促進する役割も果たしている。台湾とメキシコの戦略的パートナーシップ台湾とメキシコのパートナーシップが増大する背景には、相互の経済成長と繁栄を促進するための戦略的利害の一致がある。台湾がメキシコとの経済的提携を強化し、中南米への架け橋としての戦略的立場を利用することを模索するなか、両国は貿易関係の強化と共同事業で恩恵を受けることができる。メキシコの強固な製造インフラと台湾の優れた技術力を活用することで、このパートナーシップは、イノベーションを加速させ、雇用機会を創出し、持続可能な経済発展を促進する大きな可能性を両国にもたらす。また、環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)などの地域貿易協定にメキシコが参加したことで、中南米での市場プレゼンスの拡大を目指す台湾企業にとって、戦略的パートナーとしての同国の魅力が一段と高まっている。そして、台湾とメキシコの戦略的パートナーシップをより強固なものにしているのが、包摂的成長と持続可能な発展を推進する、共同の取り組みである。共同研究開発プロジェクトや技術移転プログラム、教育交流などのイニシアチブは、両国のイノベーションと能力育成の触媒役を担う。また、文化外交イニシアチブと人材交流が、台湾とメキシコのコミュニティ間の理解と連携を深め、長期的な経済協力と相互繁栄の基盤を築いている。結論ニアショアリングという文脈における台湾とメキシコの共生的関係が、戦略的連携と経済レジリエンスにおける説得力のあるナラティブとなっている。米中の緊張が解消されないなか、両国は複雑な世界貿易力学を乗り切るために、戦略的な位置付けを確立してきた。台湾企業は、地政学的不確実性の高まりを受けて、サプライチェーンの多様化が不可欠であることを認識し、メキシコを信頼できるパートナーとみなしてきた。米国市場に近く、製造インフラが確立されているメキシコを活用することで、台湾企業は競争力を強化し、中国製造業への依存に伴うリスクの軽減を図っている。一方、ニアショアリングのハブ拠点としのメキシコの役割も、台湾からの投資とパートナーシップにより強化されている。台湾資本のメキシコ製造セクターへの流入が、雇用創出と経済成長、技術イノベーションを刺激し、両国の持続可能な発展の土台を築いた。国際貿易環境が変化し続ける今、台湾とメキシコの連携は、戦略的パートナーシップが変革をもたらす可能性を秘めていることの証となる。イノベーションを促進し、競争力を高め、包摂的成長を促すことで、両国は新たなチャンスを生かし、パンデミック後の時代に共栄への道を切り開く態勢を整えている。写真: Bank of Mexico(※1)https://grici.or.jp/
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2024/05/20 16:00
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ニアショアリングのハブ拠点:メキシコが台湾企業の米国市場進出を促進(1)【中国問題グローバル研究所】
*15:56JST ニアショアリングのハブ拠点:メキシコが台湾企業の米国市場進出を促進(1)【中国問題グローバル研究所】
◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページでも配信している(※1)陳建甫博士の考察を2回に渡ってお届けする。はじめに現在の国際貿易環境においては米中の摩擦が激化しており、サプライチェーンの戦略的再編が急務となっている。米中関税合戦が勃発する以前から、家具や繊維製品(テキスタイル)などローエンドの労働集約型セクターを中心に、中国の多くの産業がすでにメキシコへの事業拡大を始めていた。この動きの背景には、中国国内での人件費の上昇や競争の激化、新規市場への参入意欲などさまざまな要因がある。メキシコがニアショアリングの新たなハブ拠点としての役割を担うことで、グローバルなサプライチェーンが活性化し、台湾企業も貿易環境の変化に対応する上で必要な魅力的な選択肢を得ることができた。今回のコラムでは、関税合戦以前に中国企業が相次いでメキシコに進出し、その後ニアショアリング活動が急増したこれまでの背景を検証し、メキシコの極めて重要な役割に焦点を当てる。ニアショアリングとは、コストや物流、戦略面での優位性を求めて製造拠点などを近隣諸国に移転することであり、台湾とメキシコ、そしてうまみのある米国市場を結ぶサプライチェーン形成の原動力となっている。米中摩擦が高まるなかでの貿易ダイナミクス米中貿易摩擦の激化をきっかけに、世界レベルでの貿易ダイナミクスのパラダイムシフトが起きている。関税の賦課に加え、台湾海峡での緊張の高まりや中国の一帯一路構想(BRI)などの地政学的要因を受けて、中国の輸出業者は輸出ルートの多角化を加速させてきた。例えば、華為や鴻海などの企業は、米中貿易紛争にともなうリスクを軽減するため、メキシコでの製造拠点を拡大している。この戦略的な行動の目的は、中国産製品の市場アクセスを維持しつつ、米国による制裁関税が及ぼす悪影響を軽減することである。加えて、米中貿易摩擦は、グローバルなサプライチェーンの見直しも促し、多国籍企業が中国の製造業への依存軽減を模索するようになった。メキシコは米国に近い上、人件費が比較的安く、インフラも整備されているため、魅力的なニアショア先となる。例えば、自動車産業ではBMW社やAudi社のような企業が、北米市場向け製品の製造と、貿易の混乱による影響を最小限に抑えることを目的に、製造工場をメキシコに新設した。さらに、米中貿易摩擦の激化は、国際貿易関係の幅広い再編を引き起こしている。こうした地政学的な対立に巻き込まれた台湾などの国々は、サプライチェーンの多様化や代替の製造拠点の探求を余儀なくされてきた。ニアショアリングのハブ拠点というメキシコの戦略的ポジションは、台湾企業が米国市場へのアクセスを確保しつつ、こうした不確実性を乗り切るための有効な解決策を提供する。中国のニアショアリング戦略中国のニアショアリング戦略は、国際貿易環境の変化に対応するレジリエンスと変化対応力の高さを如実に表している。メキシコのような仲介国を活用することで、中国の輸出企業は関税障壁を効果的に回避し、貿易摩擦の影響を受けやすい主要セクターでの競争力を維持してきた。特にエレクトロニクスセクターでは、ニアショアリング活動が急増しており、Xiaomi(シャオミ)やLenovo(レノボ)などの企業は、北米市場向けの製造拠点をメキシコに開設した。こうした戦略的アジリティは、中国の輸出志向型経済を保護するだけでなく、地政学的な不確実性にも対処することができる経済大国としての中国の地位を強化している。さらに、中国の一帯一路構想がメキシコでのインフラ整備を促進し、同国における製造拠点の設置を目指す中国企業にとってのシナジーを生み出してきた。例えば、中国の資本が入ったメキシコ-トルカ高速道路の建設は、製造ハブ拠点と輸出ターミナルの連携を強化し、ニアショアリング先としてのメキシコの魅力をさらに高めている。台湾企業も、米中貿易摩擦がもたらす課題を認識し、サプライチェーンの多様化とリスクの軽減を図るために、ニアショアリング戦略を取り入れてきた。メキシコに製造拠点を設けることで、台湾企業は中国の製造業への依存を軽減するだけでなく、メキシコと米国の距離の近さを生かし、北米市場の需要を取り込むことができる。メキシコとの戦略的提携は、台湾企業のレジリエンスを高めるだけでなく、台湾とメキシコという2国間の経済的結びつきも強化する。米国の輸入動向への影響中国のニアショアリング輸出戦略の影響は、米国の輸入動向、特にメキシコのような仲介国からの輸入の急増に反映されている。米国商務省が公表したデータによると、米国のメキシコからの輸入額は2022年から2023年にかけて著しく増加し、4,750億米ドルを超えた。こうしたメキシコからの輸入急増は、中国からの直接輸入の減少と相まって、米中貿易摩擦による混乱を緩和する代替貿易ルートの有効性を浮き彫りとしている。さらに、メキシコの対米輸出は、自動車やエレクトロニクスなどの従来のセクターにとどまらずに多角化しており、医療機器や航空宇宙などのセクターが頭角を現すようになってきた。米国の輸入動向の変化も、台湾企業にサプライチェーン戦略の見直しを促している。メキシコがニアショアリング先として注目を集める中、台湾企業はメキシコの米国市場への距離や、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)のような有利な貿易協定を利用するため、同国におけるパートナーシップや投資機会の模索を進めている。加えて、ニアショアリングのハブ拠点であるメキシコへの依存が高まっていることから、米国企業は調達戦略を見直す必要に迫られている。貿易協定の再交渉と中国からの輸入品への関税賦課により、米国企業は、中国に代わる信頼できる物品調達先として、メキシコに目を向けるようになった。こうした変化は、メキシコの輸出業者に恩恵をもたらすだけでなく、メキシコと米国の経済的結びつきを強化し、主要なセクターでの連携と投資の拡大に道を開くものである。「ニアショアリングのハブ拠点:メキシコが台湾企業の米国市場進出を促進(2)【中国問題グローバル研究所】」に続く。写真: Bank of Mexico(※1)https://grici.or.jp/
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2024/05/20 15:56
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NYの視点:【今週の注目イベント】FOMC議事録、英・日本CPI、パウエルFRB議長
*07:43JST NYの視点:【今週の注目イベント】FOMC議事録、英・日本CPI、パウエルFRB議長
今週は連邦準備制度理事会(FRB)が連邦公開市場委員会(FOMC)(4月30日‐5月1日開催分)議事要旨を公表するほか、英国、日本が消費者物価指数(CPI)を発表する予定で、今後の金融政策の行方を見極めるうえで重要となる。日銀が17日に国債購入額を変更しなかったため緩和的政策維持との見方に円が軟調に推移。CPIも伸びが停滞する見通しで、円の軟調推移が継続する可能性がある。英国の4月CPIは物価上昇率が中銀の目標値に向かっていることを示す新たな証拠となる見通し。早期利下げ観測につながるとポンド売り圧力となる。ただ、予想以上に強い結果となると、6月以降の利下げ開始の思惑を強めポンドの買戻しが強まる。一部では英中銀が利下げ開始を8月まで待つとの観測も浮上しており、4月CPIの結果が鍵を握る。欧州中央銀行(ECB)のシュナーベル理事は6月利下げは適切だが、その後については慎重なアプローチをとるべきと、6月以降の各会合での連続利下げに注意を促した。FOMC議事要旨では経済やインフレの見通しに注目される。この会合では、第1四半期のインフレを巡り改善がほとんどなく2%目標達成を一段と確信するにはより時間がかかるとの見通しが示された。パウエル議長は、年内のいつか利下げするとの予想を示さなかった。ただ、インフレは年内に鈍化するとの見通しは維持。利上げの可能性は少ないとした。NY連銀のウィリアムズ総裁も期近に一段の確信を得らることは不可能で当面高金利を維持する必要があるとの見解を示した。米ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁や米クリーブランド連銀のメスター総裁、ボウマンFRB理事は、インフレ動向次第で追加引き締めも除外しておらず当面ドル売りが限定的となる可能性がある。FRBはパウエル議長がコロナ感染で在宅勤務し、予定されていたジョージタウン大法科学院卒業式のスピーチも録画動画となると発表された。■今週の主な注目イベント●米国20日:ボスティック米アトランタ連銀総裁が挨拶、バーFRB副議長、ボスティック米アトランタ連銀総裁がイベント参加21日:バーキン米リッチモンド連銀総裁が挨拶、ウォラーFRB理事が講演、ボスティック米アトランタ連銀総裁がコリンズFRB理事、メスター米クリーブランド連銀総裁との討論会で司会22日:4月中古住宅販売件数、FOMC議事録23日:4月シカゴ連銀全米活動指数、新規失業保険申請件数、5月製造業・サービス業PMI、4月新築住宅販売件数、5月カンザスシティ連銀製造業活動、ボスティック米アトランタ連銀総裁がスタンフォード大MBAのイベント24日:4月耐久財受注、5月ミシガン大消費者物価指数確定値●欧州23日:ユーロ圏グローバルサービスPMI、製造業PMI、消費者信頼感●英国20日:英中銀、ブロードベント副総裁が金融政策に関し講演21日:CPI、英中銀、ベイリー総裁が講義23日:PMI●日本20-23日:サウジアラビアのサルマン王子が訪日、エネルギー、ゲーミングセクターに関し協議22日:コア機械受注、貿易●中国20日:融資プライムレート●カナダ21日:CPI24日:小売売上
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2024/05/20 07:43
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国内外の注目経済指標:日本の4月コアCPIは3月実績を下回る見込み
*13:14JST 国内外の注目経済指標:日本の4月コアCPIは3月実績を下回る見込み
5月20日-24日に発表予定の経済指標の予想については以下の通り。■22日(水)午前8時50分発表予定○(日)4月貿易収支-予想は-3735億円参考となる4月上中旬分の貿易収支は-8500億円。赤字額は前年同期比でやや減少。前年4月の貿易収支は最終的に-4298億円だったことから、今年4月の貿易収支は前年と同程度の赤字幅となる可能性がある。■22日(水)午後11時発表予定○(米)4月中古住宅販売件数-予想は416万戸参考となる3月実績は419万戸。2月に販売件数が急増した反動が出たことや住宅ローン金利の高止まりが影響したようだ。4月については、ローン金利が大きな動きを見せていないため、3月実績を下回る可能性がある。■23日(木)午後5時発表予定○(欧)5月S&Pグローバルユーロ圏製造業PMI -4月実績は45.7参考となる4月改定値は45.7。速報値から若干改善。ただ、新規受注はさえない状態が続いており、指数を圧迫している。5月については4月時点の新規受注が低調であることから、4月実績と同程度にとどまる見込み。■24日(金)午前8時30分発表予定○(日)4月全国消費者物価コア指数-予想は前年比+2.2%参考となる3月実績は前年同月比+2.6%。原材料価格上昇の転嫁の影響が一段と後退し、コア指数の伸び率は2月実績を下回った。4月については、円安や原油価格上昇の影響はあるものの、前年比での上昇率は3月実績を下回る見込み。○その他の主な経済指標の発表予定・22日(水):(NZ)NZ準備銀行政策金利発表、(英)4月消費者物価コア指数・23日(木):(米)5月サービス業PMI、(米)4月新築住宅販売件数・24日(金):(米)4月耐久財受注
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2024/05/18 13:14
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NYの視点:FRB高官、インフレは正しい方向も利下げには依然慎重、ドル下値限定的か
*07:54JST NYの視点:FRB高官、インフレは正しい方向も利下げには依然慎重、ドル下値限定的か
連邦準備制度理事会(FRB)の高官は、インフレが今後鈍化するとの見通しだが、目標の2%達成を一段と確信するには長い時間を要する可能性があるとの考えで、一致している。しかし、インフレ動向次第での追加引き締めの可能性に関しては、パウエル議長は「利上げの可能性は少ない」との見解。一方で、米ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁や米クリーブランド連銀のメスター総裁は、インフレ動向次第で追加引き締めも除外していない。カシュカリ総裁は2024年度の連邦公開市場委員会(FOMC)の投票権を持たないが、メスター総裁は投票権を持っている。米アトランタ連銀のボスティック総裁は4月消費者物価指数(CPI)が3カ月平均を下回り、住居インフレが21年半ば以来の低水準となったことを歓迎したが、改善基調はまだ十分ではなく、「金融当局は辛抱強く警戒を怠らない姿勢が必要だ」と慎重姿勢を維持。ただ、年末にかけて利下げに踏み切るのが適切となる可能性を指摘した。議長や副議長と同じく連邦公開市場委員会(FOMC)で影響力が強いNY連銀のウィリアムズ総裁は「最新のインフレデータは物価上昇圧力が和らいでいることを裏付けているが金利を調整するには更なる証拠が必要」と、利下げに慎重。今、金融政策のスタンスを変える理由があることを示す指標は見当たらないと、政策金利を現状で当面維持することを支持した。また、インフレ率が2%目標に近づくという一段と強い確信が必要だが、近い将来にそれが得られるとは思わない、と当面利下げを見込んでいない。ウィリアムズ総裁はインフレで年末までに2%台前半、2024年は2.5%、来年末は2%に近づくと予想している。FRBの利下げに慎重な姿勢でドルの下値も限定的か。
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2024/05/17 07:54
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プラチナはFRBによる利下げ見通しと供給不足で年初高値を更新 サンワード貿易の陳氏(山崎みほ)
*17:46JST プラチナはFRBによる利下げ見通しと供給不足で年初高値を更新 サンワード貿易の陳氏(山崎みほ)
皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター山崎みほの気になるレポートです。今回は、NYプラチナについてのレポートを紹介します。陳さんはまず、『プラチナはFRBによる利下げ見通しと供給不足で年初高値を更新』と述べています。続けて、『プラチナは、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ見通しが高まったところに、供給不足が改めて認識されて、14日に0NYプラチナ(7月限:1048.8ドル) 、15日にOSEプラチナ(5326円)がいずれも年初来高値を更新した。OSEプラチナは円安の支援もあり、上値抵抗線と目されていた5000円の大台を突破した』と伝えています。次に、『4月米雇用統計は、非農業部門就業者数の伸びが前月から大きく縮小したほか、平均時給の伸びも前月から減速するなど労働市場の勢いが鈍化していることを示唆する内容だった。9日に発表された新規失業保険申請は2週連続の悪化となり、労働市場の沈静化が示唆された。FRBが年内にも利下げに踏み切るとの期待が改めて強まり、ドル安を受けてプラチナ相場は上昇した』と解説しています。また、『英精錬大手ジョンソン・マッセイは9日に公表した報告書で、今年の白金市場は過去10年で最大の供給不安に陥っていると明らかにした。前年に高水準を保っていたロシアからの輸出が平年の水準まで減少したことや、工業用の底堅い需要が背景にある』とし、また、『ワールド・プラチナ・インベストメント・カウンシル(WPIC)は13日、今年の白金供給不足が市場予想を上回るとの見通しを明らかにした。白金は自動車の排ガス触媒としての需要が高まっており、相場はパラジウムを上回って推移するとも予想された。実際、5月に入り、NY市場ではプラチナ価格はパラジウム価格を上回っている』と伝えています。陳さんは、『大手2社による供給不足見通しを受けて、プラチナ相場は年初来最高値を更新して上昇基調に転じた。押し目買いが続くだろう』と考察しています。今週のレンジについては、NYプラチナが『1000~1100ドル』、OSEプラチナが『4600~5600円』と想定しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の5月15日付「プラチナはFRBによる利下げ見通しと供給不足で年初高値を更新」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 山崎みほ
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2024/05/16 17:46
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NYの視点:米9月の利下げ開始観測が再燃
*07:39JST NYの視点:米9月の利下げ開始観測が再燃
労働省が発表した4月消費者物価指数(CPI)は+0.3%となった。伸びは予想外に3月+0.4%から鈍化し1月来で最低。6か月間で初めて伸びが鈍化した。前年比では+3.4%と、予想通り3月+3.5%から伸びが鈍化した。連邦準備制度理事会(FRB)が特に注視している燃料や食品を除いたコア指数は前月比+0.3%と、予想通り3月+0.4%から伸びが鈍化し昨年12月来で最低となった。前年比では+3.6%。伸びはやはり予想通り3月+3.8%から鈍化し21年3月来で最低となった。燃料コストが1.1%上昇で総合インフレ指数を押し上げ。ガソリン価格が+2.8%(3月+1.7%)と上昇したが、天然ガスや電気代の下落が相殺した。食品価格は横ばい。物のコア指数は-0.1%。中古車価格が―1.4%(3月―1.1%)、新車が―0.4%(-0.2%)。コアサービスインフレも+0.4%と、3月の+0.5%から伸びが減速。賃貸は+0.35%と3月の+0.41%から減速。一方で自動車保険コストは+1.8%、レジャーサービスも+0.3%と3月の+0.1%から加速し、インフレの根強い証拠となった。ただ、遅行指標とされる賃貸にもようやく、ディスインフレの兆候が見られ始めたことは連邦準備制度理事会(FRB)にとり朗報となり、インフレが正しい方向に向けて推移している証拠となった。同時に他の項目での価格の上昇が見られ、インフレ改善に向け、FRBが一段と確信するにはまだ、不十分との見方も少なくない。FRBが最もインフレ指標として注目している31日に発表される4月コアPCEデフレーターはCPIやPPIの結果を受けて、減速の基調を示すと見られている。ブルーンバーグの予想で、コアPCEデフレーターは+0.247%と、第1四半期のレンジ0.26%-0.49%を下回る見通し。前年比では+2.8%と、3月と同水準。パウエル議長が特に注視している住宅を除いたコアサービス、スーパーコアも+0.21%(3月+0.39%)、前年比+3.4%(+3.5%)鈍化が予想されている。ただ、目標の2%は引き続き上回る見込み。米ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁も「金融政策が経済にどの程度、下方圧力を加えているかが最大の不確実性となっており、このため、より長く、金利を据え置く可能性が高い」との見解を再表明した。インフレ鈍化を一段と確信するためにはさらなる証拠が必要となる可能性が残る。
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2024/05/16 07:39
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南アフリカランド円今週の予想(5月13日)サンワード貿易の陳氏 (山崎みほ)
*17:40JST 南アフリカランド円今週の予想(5月13日)サンワード貿易の陳氏 (山崎みほ)
皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター山崎みほの気になるレポートです。今回は、南アフリカランド円についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、南アフリカランド円について、『ドル円の堅調地合いもあり、押し目買いが続きそうだ』と述べています。続いて、『先週の南アフリカランド円は、4月スタンダード銀行PMIが50.3と好不況の分岐点50.0を超えたことが好感された。前月は48.4だった。また、南アフリカの主要産品である金とプラチナ価格が堅調に推移したことも交易条件の改善期待を強めた。こうした背景から、南アフリカの主要株価指数が約9ヵ月ぶりの高値圏へと急上昇した。3月製造業生産は-6.4%と予想+0.3%を大幅に下回ったが、市場の反応は小さかった』と伝えています。今週は、南アの第1四半期失業率、3月小売売上高等主要経済指標が発表されます。また、交易関係の深い中国の4月小売売上高、4月固定資産投資、4月鉱工業生産も発表されます。陳さんは、『南ア経済指標が市場予想を上回る場合や、中国経済指標が力強さを示す場合には、南アフリカ経済の回復期待から、南アランドは一段高となりそうだ』と考察しています。また、『5月29日開催予定の南ア総選挙では、与党のアフリカ民族会議(ANC)過半数を割り込むと予想されているが、中長期的に南ア政治の透明化や汚職払拭に繋がるとの期待感が出てきている』と示唆しています。南アフリカランド円の今週のレンジについては、『8.25円~8.55円』と予想しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の5月14日付「南アフリカランド円今週の予想(5月13日)にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 山崎みほ
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2024/05/15 17:40
注目トピックス 経済総合
NYの視点:米CPIは伸び鈍化期待、4月PPI受け、PCEインフレは高止まりも
*07:40JST NYの視点:米CPIは伸び鈍化期待、4月PPI受け、PCEインフレは高止まりも
米4月生産者物価指数(PPI)は前月比+0.5%となった。3月-0.1%からプラス改善し伸びは予想+0.3%を上回った。ただ、3月分は-0.1%と、速報の+0.2%から下方修正された。前年比では+2.2%と、予想通り1年ぶり最大の伸びとなった。3月分は+1.8%と、+2.1%から下方修正された。変動の激しい燃料や食品を除いたコア指数も前月比+0.5%と、3月-0.1%から予想以上に伸びが拡大。3月分は+0.2%から-0.1%へ下方修正。コア指数は前年比+2.4%。伸びは昨年8月来で最大の伸びで予想+2.3%も上回った。結果はディスインフレ兆候が引き続き停滞した証拠となった。ただ、一部PCEの算出に用いられる項目、病院の通院コスト―0.1%、航空券―3.8%と伸びが一服。さらに、医師による診察コストも緩やかな上昇にとどまった。サービスコストは+0.6%と7月来で最大の伸びとなり、PPI指数を押し上げた。物は燃料価格の上昇が影響し+0.4%。航空料金の大幅下落、自動車保険の伸びが横ばいにとどまったため、4月消費者物価指数(CPI)では伸び鈍化が予想されている。ただ、総合PPIが高く、PCEは高止まりする可能性には警戒が必要か。
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2024/05/15 07:40
注目トピックス 経済総合
潮目の変化:台湾の半導体セクターが相次いで中国から撤退(2)【中国問題グローバル研究所】
*16:06JST 潮目の変化:台湾の半導体セクターが相次いで中国から撤退(2)【中国問題グローバル研究所】
◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページ(※1)でも配信している「潮目の変化:台湾の半導体セクターが相次いで中国から撤退(1)【中国問題グローバル研究所】」の続きとなる。習近平の「新質生産力」戦略習近平の「新質生産力」戦略は、半導体業界を取り巻く環境に多大な影響を及ぼしてきた。特に中国国内ではその影響が顕著であり、台湾のパッケージング・テスト大手企業は戦略の練り直しを余儀なくされている。この戦略の登場により、中国政府が新たな質の生産力の育成に力を入れるようになり、半導体業界の競争力学が再構築された。質の生産力の育成が重視されるにつれて、補助金やリソースが国内企業に優先的に配分され、競争環境を変化させたのである。台湾企業はコスト圧力の高まりと失注リスクを受け、競争力を維持し、市場シェアを確保するため中国工場の売却を強いられた。この戦略的な行動は、コスト最適化を容易にするだけでなく、習近平のイニシアチブの目的にも沿う。今後は、中国の国内サプライヤーへの支援が強化されることで、競争環境の再構築が進む可能性がある。半導体などの極めて重要な産業全体で自給自足の強化が推し進められており、中国での事業継続の理由が急速に失われてきている。中国の半導体パッケージング・テスト業界ではここ数年、競争が激化しており、「インボリューション(内巻)」と呼ばれる現象を招いていた。台湾企業の撤退理由の1つに、この現象がある。京隆科技の売却先の1つである通富微電を例に説明する。同社の昨年の収入は、京隆科技のそれをはるかに超える1,000億ニュー台湾ドルに達した。だが、中国政府からの補助金を差し引くと、純利益はわずか2億7,000万元で、京隆科技のそれをはるかに下回る。これは、中国の半導体市場の価格競争の熾烈さを物語っている。さらに、マイクロコントローラユニット(MCU)とパネルドライバICの主要企業による、台湾から中国国内のウェハー製造への戦略的な乗り換えは、半導体バリューチェーンのダイナミクスの変化を如実に表しており、中国国内への生産プロセスの集約が重視されていることがよく分かる。こうした動向を受け、台湾の半導体企業は戦略の優先順位を再評価し、地政学的環境と経済環境の変化に対応する必要がある。現在、半導体業界は習近平の「新質生産力」と中国の技術的野心によってもたらされる複雑な状況で困難な調整を余儀なくされている。競争が激しさを増す環境で企業が生き残るためには、アジリティを高め、イノベーションを起こす必要がある。台湾半導体企業の次なるステップ台湾のパッケージング・テスト企業は、急速に変化する戦略環境に直面しており、課題が増大する中、競争力を維持するためには将来を見据えたアプローチが必要となる。地政学的ダイナミクスが変化する中で台湾の半導体企業が生き残るためには、アジャイルな戦略をとる必要がある。台湾企業は、地政学的緊張による影響と半導体業界の力学の変化に対処しながら、中国の同業他社との技術格差を拡大するための方策を模索せざるを得ない。品質とイノベーションを重視する台湾企業は、厳しい品質要件を持つ顧客から選ばれるパートナーとなるために戦略的な準備を行い、優れた技術力を活かして市場での差別化を図っている。京元電子にとって、蘇州工場の売却は、戦略の道筋の転換点となる。さらに、台湾の半導体テスト施設においては、中国市場に関連する課題に対処しつつ、成長と拡大を目指す代替策を模索している。同社はこうした戦略的な動きに加えて、今年、設備投資額を70%も増やすという野心的な計画を発表した。この積極的な見通しは、高性能コンピューティング(HPC)や人工知能(AI)など急成長セクターにおいて、今後大きなビジネスチャンスが生まれるという京元電子の確信を示している。同社の高度なテストシステムへの戦略的投資は、重要な顧客である米国企業のニーズの変化に対応し、世界の半導体エコシステムのリーダーとしての地位を強化するという同社の姿勢の表れにほかならない。さらに、台湾の半導体テスト施設は、中国市場がもたらす課題に対処する中で、成長と拡大を図る代替策を模索している。台湾への資金と技術の還流に加えて、これらの企業は東南アジアやメキシコなど新たなアウトソース国に新たなチャンスを見出している。友好的なアウトソース国の出現により、台湾企業は生産拠点を多様化し、地政学的不確実性にともなうリスクを軽減する戦略的チャンスを得ることができた。一方、中国のニアショアアウトソーシング戦略は、ローテク産業あるいは労働集約型産業の国内集約を奨励することで、米国による対中関税引き上げに対抗する、総力を結集しての取り組みにほかならない。こうした戦略のシフトを受け、備品やハードウェアなどの業界では、メキシコへの拠点の移転が急増している。その後押し要因である米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)で関税が免除されることから、生産性が急激に向上しており、メキシコではこれら業界が対米輸出で不可欠な存在となった。結論世界の地政学的情勢が複雑化する中、半導体業界は知らぬ間に不確実性の渦に巻き込まれ、京元電子など台湾の大手企業は、戦略の優先順位を徹底的に見直す必要がある。地政学的緊張の高まりに対処するために、将来を見据えたアプローチを取り、リスク軽減と持続的な成長やイノベーションを両立させる代替戦略を模索することが台湾の半導体企業にとって不可欠である。中国子会社の売り急ぎは不確実性に直面する今、賢明な選択に思えるかもしれないが、台湾企業はそうした決定がもたらす長期的な影響を慎重に見極めなければならない。全面的な売却の代わりに、ニアソーシングやフレンドショアリングを有効な代替策として検討する必要がある。ニアソーシングにより、企業は中国における戦略的プレゼンスを維持しながら、同国の主要市場への近接性と熟練した労働力へのアクセスを活用できる。フレンドショアリングは、米国に本拠を置くサプライヤーとのパートナーシップで明らかなように、サプライチェーンの多様化と、地政学的緊張の高まりに伴うリスクの軽減を図るチャンスをもたらしてくれる。加えて、台湾の半導体企業は、東南アジアやメキシコなどの友好国にアウトソーシングすることで、新たなチャンスを生かすことができる。生産拠点を多様化することで、企業は一つの市場への依存を減らし、地政学的不確実性の高まりにともなうリスクを軽減することができる。また、台湾の各業界は、研究開発とイノベーションに優先的に投資をし、世界の半導体エコシステムにおける競争力を維持すべきである。新しいテクノロジーを採用し、新たな市場トレンドに適応することで、台湾企業は、地政学的課題に関係なく、業界のリーダーとしての地位を確立できる。習近平国家主席が新質生産力の育成に力を入れる今、台湾の半導体業界はアジリティと変化対応力を保持しなければならない。イノベーションと戦略的洞察力を活用することで、台湾企業は急激に変化する地政学的環境に対応し、今まで以上に強力な組織となり、半導体エコシステムにおけるグローバルリーダーとしての地位を確立することができるのである。写真: SPIL(※1)https://grici.or.jp/
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2024/05/14 16:06
注目トピックス 経済総合
潮目の変化:台湾の半導体セクターが相次いで中国から撤退(1)【中国問題グローバル研究所】
*16:03JST 潮目の変化:台湾の半導体セクターが相次いで中国から撤退(1)【中国問題グローバル研究所】
以下、中国問題グローバル研究所のホームページでも配信している(※1)陳建甫博士の考察を2回に渡ってお届けする。はじめに世界的な地政学的情勢が相互に作用し複雑さを増す中、台湾のパッケージング・テスト業界は大きな転機を迎え、課題とチャンスが混在する環境で難しいかじ取りを迫られている。日月光投資控股(ASE)傘下の硅品精密工業(SPIL)が2020年に中国から撤退したことを受け、市場における地位の強化と生産拠点の多様化を目的とした戦略的対応が、業界全体で相次いでみられてきた。ASE、京元電子股分有限公司(KYE)、力成科技股分有限公司、南茂科技股分有限公司などの台湾企業が、中国の拠点から次々と撤退している。米国のQorvo社やSkyworks Solutions社、そして韓国のSFA半導体社も、今年に入り、中国の工場を売却している。この動きを契機に、業界全体で見直しの動きが広がり、地政学的ダイナミクスの変化に直面しながら、SPILなどの企業は戦略の再構築を余儀なくされた。SPIL社は、地政学的な不確実性に対応するため、将来を見据えたアプローチを反映した多面的な戦略を展開している。桃園や彰化、高雄など主要地域での生産拡大による台湾でのプレゼンスの強化だけでなく、フィリピンや韓国、マレーシアなど新たな市場へも果敢に進出している。これらの戦略的な拡大は、世界情勢の不確実性が高まる中で、多角化とリスク軽減に取り組むSPIL社の姿勢を明確に示している。他の企業も地政学的な変化に応じて戦略の練り直しを進めており、業界全体でSPIL社と同様の対応が広く見られる。これは、地政学的な緊張がもたらす課題に直面する業界のレジリエンスと変化への対応力の高さを明確に示している。このような背景から、以下のセクションでは台湾の半導体セクターにおける複雑な状況を深く掘り下げ、京元電子による京隆科技の売却や、習近平の「新質生産力」戦略が業界に及ぼす影響など、主要な動きを検証する。これらを探る中で、台湾の半導体企業が地政学的な課題にどのように対処し、将来の成長と成功に向け態勢を整えているかを把握する。京元電子による京隆科技の売却2024年4月26日、半導体バックエンドテスト業のグローバルリーダーである京元電子は、中国で約15年にわたって営業してきた子会社である京隆科技を217億2,000万元で売却すると発表した。京隆科技は、2002年に中国の蘇州で設立され、現地で急速に増加しているICパッケージングサービスの需要に戦略的に対応してきた。京隆科技は、自社の堅固なインフラと豊富な専門知識を活かし、強力なレベニュードライバーとして、京元電子の昨年の収入全体に対する寄与率が30%に達した。純利益が19億元で、親会社の利益全体に占める割合が30%という予想を上回る業績は、中国当局肝いりの「科創板」への上場という京隆科技の当初の計画の実現を後押しした。しかしながら、京元電子がこの中国子会社の売却を決定したことにより、業界内でさまざまな憶測や議論が巻き起こった。この決定は、地政学的な不確実性に直面する中での、リスク管理と戦略的ポジショニングに対する京元電子の先を見据えたアプローチを反映したものである。中国子会社の売却により、同社は業務効率を最適化し、コアコンピテンシーに注力することで、世界の半導体市場における競争力を強化することを目指す。こうした戦略の練り直しは、ハイエンド製品のテスト能力を台湾で強化することで、世界の半導体分野での競争力を高めるという同社の姿勢を如実に表している。業界は現在、地政学的緊張や経済の不確実性に対処するために困難な局面に直面しており、京元電子のこの決定は、半導体エコシステムのリーダーとしての地位を維持するために、変化への対応力と戦略的洞察力がいかに重要であるかを浮き彫りにした。売り急ぎの背景にある理由を探る世界の地政学的情勢が変化する中、半導体業界は未知の領域に進出しており、あらゆる戦略的な作戦行動が市場ダイナミクスと競争環境に大きな影響を及ぼす。京元電子をはじめとする台湾の半導体大手による中国子会社の「売り急ぎ」は、地政学的な不確実性に対する単なる通例的な反応ではない。これは、国際関係の潮目の変化に対する意図的な対応なのである。2018年までは、未開拓の可能性と無限のチャンスを秘めた中国市場の魅力に、世界各地の大手半導体企業が誘い込まれた。だが、米中関係の新時代が始まる中で、貿易摩擦の悪化や規制環境の不確実性の高まりなどにより、地政学的な情勢も風向きが変わった。米国が輸出禁止や追加課税の措置を連発したことで、世界中の半導体業界には大きな衝撃が走り、半導体企業は戦略の優先順位やリスクプロファイルの見直しを迫られることとなった。こうした地政学的変動と時を同じくして、中国政府は国内の半導体エコシステムを強化するために全力を挙げて取り組み始めた。この動きには、外国企業への依存を減らし、中国発のトップ企業を育成する狙いがある。この戦略的な取り組みは、中国で事業を展開する外資系半導体企業に多くの困難をもたらし、規制上の障壁や激しい競争圧力など、過酷さを増すビジネス環境における課題を増やすこととなった。中国子会社を売却し、その資金を台湾に還流させるという京元電子の決断は、地政学的逆風を受けて、レジリエンスとアジリティの向上へと戦略を方向転換させたと言える。この決断により、同社は事業を台湾に集約することで、国際政治の予測のつかない変動による影響を完全にシャットアウトすることができるだけでなく、台湾の強固な半導体エコシステムを活用し、研究開発力と生産力を強化することも可能となる。台湾の半導体企業の「脱中国」は、業界全体に広がる傾向を反映したものであり、企業は世界最大の半導体市場における拠点の見直しを進めている。SPILなどの大手企業に続き、台湾の半導体企業は、不確実性が高く、規制当局の監視も厳しい、危険が潜んでいる可能性のある海域を避けるため、中国の資産の削減を進めている。業界内部関係者からの情報によると、中国に進出した半導体企業が直面している課題とチャンスについて、厳しい現実が浮かび上がってきた。激しい価格競争や国内競合他社への国家主導の支援に直面しながら、外資系企業はダビデとゴリアテの戦いから脱することができず、戦略的なアジリティとイノベーションが生き残りの鍵を握る。結局のところ、中国子会社の売り急ぎは、地政学的な情勢と企業戦略の複雑な相互作用を明確に示している。いかなる動きも、グローバルな力学と経済的必然性の視点から厳密に精査される。半導体業界が荒れ狂う海域を進む今、企業は緊張感を持ち、変化に対応し、将来を見据えた考え方を崩さずに、複雑な地政学的環境に対処し続けなければならない。「潮目の変化:台湾の半導体セクターが相次いで中国から撤退(2)【中国問題グローバル研究所】」に続く。写真: SPIL(※1)https://grici.or.jp/
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2024/05/14 16:03
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NYの視点:米インフレ期待の上昇が目立ち年内の利下げ観測が後退
*07:41JST NYの視点:米インフレ期待の上昇が目立ち年内の利下げ観測が後退
NY連銀が発表した4月分の調査で1年先のインフレ期待は3.26%と、昨年11月来で最高となった。特に連邦準備制度理事会(FRB)が期待インフレ率として注目の5年先のインフレ期待も2.82%と、3月の2.62%から上昇した。住宅価格、ガス料金、食品価格、賃貸、大学の費用など広範にわたり消費者は一段の上昇を予想していることが明らかになった。ただ、賃金の伸びは2.71%と、2.79%から減速が予想されている。また、職を失うことを予想している消費者は減ったが、同時に、労働市場の強さを示すと見られている自主退職の可能性も低下した。さらに、失職後、3カ月内で新たな仕事が見つかるとの期待も低下したことは労働市場のひっ迫が緩和した証拠と見られる。■NY連銀4月調査インフレ見通し1年:3.26%(3月3%)3年:2.76%(2.9%)5年:2.82%(2.62%)住宅価格:+3.29%(+3.05%)ガス料金:4.78%(4.47%)食品:5.31%(5.08%)賃貸:9.12%(8.74%)賃金の伸び:2.71%(2.79%)職を失う可能性:15.12%(15.73%)自主退職の可能性:19.36%(20.64%)3カ月で新たな仕事が見つかる期待:50.88%(51.17%)先週発表された5月ミシガン大消費者信頼感指数でも1年期待インフレ率速報値は3.5%と、4月3.2%から予想外に上昇し昨年11月来で最高となった。5-10年期待インフレ率速報値も3.1%と、予想外に4月3.0%から上昇し昨年11月来で最高となった。FRBは金融政策を決定するうえで、期待インフレの動向を重要視している。長期期待インフレが下げ止まつた場合、利下げも先送りされる可能性が強まる。
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2024/05/14 07:41
注目トピックス 経済総合
金相場、動き出すのは来週か サンワード貿易の陳氏(山崎みほ)
*09:58JST 金相場、動き出すのは来週か サンワード貿易の陳氏(山崎みほ)
皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター山崎みほの気になるレポートです。今回は、金についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、『金相場、動き出すのは来週か』と述べています。続いて、『NY金は2月下旬から4月中旬まで約400ドル急伸し、イスラエルがイランを攻撃した4月19日には2413.8ドル引けて、終値ベースで初めて2400ドルを超えた。その後、4月末に2300ドル台を割り込んだが長続きせず、2200ドル台後半で支えられた。4月中の急騰局面でみられた買われ過ぎ感は解消しつつある』と伝えています。次に、『1日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では金融政策に変更はなかった。政策金利は2001年以来の高水準となる年5.25~5.50%のまま。声明では、インフレ鈍化について「ここ数カ月、一段の進展がない」と明言し、「大きな確信を得るまで、利下げは適切と考えていない」との見解を堅持した』と伝え、『ただ、パウエルFRB議長は記者会見で、次の政策が「利上げの可能性は低い」と明言したことで、市場では想定ほど「タカ派」でないと受け止められた』と解説しています。また、『7日はミネアポリス連銀のカシュカリ総裁が、FRBの利下げが24年内は実施されない可能性を示唆した。8日、ボストン連銀のコリンズ総裁は需要を抑制し物価上昇圧力を低減するには、おそらく従来の想定以上に長く金利を高水準に維持する必要があるとの考えを示唆した』と伝えています。一方で、『ただ、金相場への影響は小さく、レンジ内から抜けていない。現況、2300~2360ドルで推移している。来週発表される米消費者物価指数(CPI)が、レンジブレイクの決め手になりそうだ』と示唆しています。また、『OSE金相場は、財務省による「ドル売り・円買い」が実行され、円安が抑えられたことで、1万2000円目前から下落し、7日には一時1万1180円まで下落した。ただ、ドル円が再び円安に推移したことで、長い下ヒゲとなり、1万1600円まで戻している』と伝えています。こうしたことから、陳さんは、『移動平均線を見ると、50日、100日、150日、200日の主要な移動平均線を上回っているので、上昇トレンドに変化はないものの、20日移動平均線を下回っているため、短期的には保ち合いとなりそうだ。RSIは40%を下回って下落しているが、30%を下回ると、調整一巡も近いことになりそうだ。動意付くのは、やはり来週からだろう』と考察しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の5月9日付「金相場、動き出すのは来週か」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 山崎みほ
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2024/05/13 09:58
注目トピックス 経済総合
南アフリカランド円今週の予想(5月7日)サンワード貿易の陳氏 (山崎みほ)
*09:56JST 南アフリカランド円今週の予想(5月7日)サンワード貿易の陳氏 (山崎みほ)
皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター山崎みほの気になるレポートです。今回は、南アフリカランド円についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、『ランド円は堅調に推移しそうだ』と述べています。続いて、『先週2日に発表された4月の南ア製造業PMIは54.0と市場予想の50.5と前回の49.2をともに大きく上回った。このため、ランド円は8.2円台を維持した。ランド円日足は、25日、50日、100日、200日の主要移動平均線を上回っており、上昇トレンドが形成されているため、押し目買いが続きそうだ』と伝えています。一方で、『5月29日には総選挙が行われるため、徐々に選挙に対する思惑が出てきそうだ』とし、『現与党であるアフリカ民族会議(ANC)の支持率を見ると、2月世論調査では約4割に過ぎない。次点は「民主同盟(DA)」でおよそ3割弱。ANCの単独政権は困難と見られている。そのため、総選挙後の政権空白期間が長期化するリスクが高いとみられている』と言及しています。南アフリカランド円の今週のレンジについては、『8.10円~8.50円』と予想しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の5月8日付「南アフリカランド円今週の予想(5月7日)にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 山崎みほ
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2024/05/13 09:56
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ドル円今週の予想(5月7日) サンワード貿易の陳氏(山崎みほ)
*09:55JST ドル円今週の予想(5月7日) サンワード貿易の陳氏(山崎みほ)
皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター山崎みほの気になるレポートです。今回は、ドル円についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、今週のドル円について『介入が警戒される一方で、日米の金利差もあるため、上値も下値も限定的となり、保ち合いとなりそうだ』と述べています。続けて、『先週は、4月29日に1ドル=160円を超えたところで、日本市場が休場で薄商いの中、2022年以降初めてとなる政府・日銀の「ドル売り・円買い」介入が入ったようだ。30日に判明した日本銀行の当座預金残高の見通しから、介入規模は約5.5兆円に上った見込み。1日の介入規模としては過去最大だった2022年10月21日の5兆6202億円に匹敵する』と伝えています。次に、『米連邦準備制度理事会(FRB)は1日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を6会合連続で据え置くことを決めた。政策金利は2001年以来の高水準となる年5.25~5.50%のまま。決定は全会一致だった』と伝え、『会合後に公表した声明では、インフレ鈍化について「ここ数カ月、一段の進展がない」と明言し、「インフレが持続的に2%へ向かうという、より大きな確信を得るまで、利下げは適切と考えていない」との見解を堅持。経済指標を精査していく姿勢を改めて示した』と解説しています。ただ、『パウエルFRB議長は記者会見で、次の政策が「利上げの可能性は低い」と明言したことで、市場では想定ほど「タカ派」でないと受け止められ、ドル売り・円買いが進んだ』と述べています。また、『FOMCが終了したこの日、ドル円は4円以上急落し、政府・日銀による「介入第2弾」と見られた。29日もこの日も、薄商いの時間帯を狙っており、市場では、いつ第三弾が来るか疑心暗鬼になっており、その故に、ドル買いに歯止めがかかってきている。政府・日銀は「24時間体制の覆面」で、薄商いの時間帯に介入効果の最大化を狙っているようだ』と言及しています。また、『4月雇用統計は予想より弱い結果となり、FRBによる利下げ見通しが強まり、ドル円を押し下げた。ただ、かつての節目と言われた152円は維持され、ドルの底堅い地合いも確認された』と伝えています。こうしたことから、陳さんは、『今回の介入で、160円の壁が意識される一方で、日米の金利差から152円が底堅いことも判明した。当面はレンジ相場が続きそうだ』と考察しています。ドル円の今週のレンジについては、『152.00円~156.00円』と予想しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の5月8日付「ドル円今週の予想(5月7日)」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 山崎みほ
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2024/05/13 09:55
注目トピックス 経済総合
NYの視点:【今週の注目イベント】米CPI、PPI、パウエルFRB議長、ユーロ圏・日本GDP、英失業率
*07:37JST NYの視点:【今週の注目イベント】米CPI、PPI、パウエルFRB議長、ユーロ圏・日本GDP、英失業率
今週は米国の消費者物価指数(CPI)や生産者物価指数(PPI)の重要インフレ指標に加えてパウエルFRB議長が講演を予定しており、注目材料となる。また、ユーロ圏や日本もGDPやCPI,PPIが発表されるため、金融政策の行方を判断するうえで重要となる。英国では金融政策決定会合を受けて、速やかな利下げ観測が強まっているが、雇用関連指標に注目。米5月ミシガン大消費者信頼感指数が予想以上に悪化したが地政学的リスクや大統領選挙などへの懸念よりもインフレや失業への懸念が影響したという。高インフレに加え、パンデミック貯蓄も減少しつつあり、消費の鈍化が予想される。ただ、インフレ改善の停滞が証明されると、ドルはもみ合いとなる可能性がある。■今週の主な注目イベント●米国13日:4月NY連銀1年インフレ期待14日:4月PPI、パウエルFRB議長が講演15日:ニューヨーク連銀製造業景気指数、4月CPI、4月小売売上高16日:新規失業保険申請件数、4月住宅着工・建設許可件数、4月輸入物価指数、4月鉱工業生産・節義稼働率17日:4月景気先行指数●欧州14日:独CPI15日:ユーロ圏GDP17日:ユーロ圏CPI●英国14日:失業保険申請件数、失業率●日本14日:PPI16日:GDP、鉱工業生産●中国17日:小売売上、鉱工業生産
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2024/05/13 07:37
注目トピックス 経済総合
国内外の注目経済指標:1-3月期の日本経済はマイナス成長に
*13:50JST 国内外の注目経済指標:1-3月期の日本経済はマイナス成長に
5月13日-17日週に発表される主要経済指標の見通しについては、以下の通り。■15日(水)午後6時発表予定○(欧)1-3月期域内総生産改定値-速報値は前年比+0.4%。参考となる速報値は前年同期比+0.4%。中核国であるドイツで建設投資と輸出が回復したことなどが成長に寄与した。改定値では大きな修正はないと予想されており、成長率は速報値と同水準の見込み。今後については個人消費の動向が成長を左右するとみられる。■15日(水)午後9時30分発表予定○(米)4月消費者物価コア指数-予想は前年比+3.6%参考となる3月実績は前年比+3.8%。サービス価格や住居費の上昇が続いており、インフレ率のすみやかな低下は期待できないとの見方が多い。4月のコアインフレ率は3月実績と変わらない水準となる可能性がある。■16日(木)午前8時50時発表予定○(日)1-3月期国内総生産速報値-予想は前期比年率-1.5%成長率は2四半期ぶりにマイナスとなる見込み。物価上昇や自動車大手の認証不正による減産などが経済成長を圧迫したようだ。4-6月期以降については個人消費、輸出、設備投資などの顕著な回復は期待できないため、経済成長率は低い伸びにとどまる見込み。■17日(金)午前11時発表予定○(中)4月小売売上高-予想は前年比+3.8%参考となる3月実績は前年同月比+3.1%で市場予想を下回った。不動産市況は不透明であり、内需はやや低迷。個人消費の顕著な回復は期待できないことから、4月については3月実績をやや上回る伸びにとどまる可能性がある。○その他の主な経済指標の発表予定・14日(火):(米)4月生産者物価コア指数・15日(水):(欧)3月ユーロ圏鉱工業生産、(米)4月小売売上高・16日(木):(豪)4月失業率・17日(金):(中)4月鉱工業生産
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2024/05/11 13:50
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NYの視点:各国の金利動向の乖離広がる
*07:45JST NYの視点:各国の金利動向の乖離広がる
英中銀は金融政策決定会合で市場の予想通り16年ぶりとなる高水準で政策金利を6会合連続で据え置くことを決定した。また、ディングラ委員に加えてあらたにラムズデン副総裁も利下げを支持し7対2での決定となった。他の7人のメンバーはインフレ抑制の見通しを示す、更なる証拠が必要だと据え置きを支持した。英国中銀はインフレの見通しでも2026年には1.5%と、2%割れを予想しており利下げの環境は整いつつあることが示唆された。ベイリー総裁は正しい方向に向かっていると楽観視。6月の利下げに関しては、その前に発表されるインフレや賃金データが重要であることを強調したが可能性を初めて除外しなかった。さらに、市場は今後数カ月の利下げペースを過小評価していると指摘し、現在予想されているよりも早いペースで利下げを実施する可能性を示唆したことはポンドの売り圧力となる。チーフエコノミストのピル氏も今後数回の会合で金利を動かすことを検討していると明らかにし、英中銀が利下げに傾斜したさらなる証拠となった。■BOEハト派ポイント●7対2での決定、2名の委員が利下げ支持●ベイリー総裁「正しい方向に向かっている」●2026年インフレ見通し:1.5%●チーフエコノミストのピル氏「今後数回の会合で金利を動かすことを検討している」英国のインフレ率は2022年以降初めて、米国のインフレ率を下回った。ピル氏が指摘しているとおり世界の金利の動きのシンクロ率が低下しつつあり、今後の為替動向につながる可能性が強い。
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2024/05/10 07:45
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NYの視点:スウェーデン中銀が利下げ、ECBやFRBに先駆け
*07:41JST NYの視点:スウェーデン中銀が利下げ、ECBやFRBに先駆け
スウェ―デン中銀はスイス国立銀行に続いて2016年以降8年ぶりの利下げに踏み切った。低調な国内景気に対処する目的で政策金利を従来の4%から0.25%ポイント引き下げ3.75%とした。経済活動が低調に推移する一方、インフレ率が目標に近づきつつあり、金融政策の緩和が可能だと判断。下半期にはさらに2回の利下げを見込んでいると加えた。スウェ―デンの国内総生産(GDP)は3四半期連続のマイナス成長とすでに景気後退入りしている。インフレも2年ぶりの低水準。欧州中央銀行(ECB)や連邦準備制度理事会(FRB)に先駆け。短期金融市場は欧州中央銀行(ECB)の6月の利下げ開始を織り込んでいる。しかし、ECB政策当局者の一部は利下げに慎重な見解を示している。ベルギー中銀のウンシュ総裁は賃金の伸びなどを背景とし、インフレ見通しを巡る上方リスクが継続する可能性や、FRBとの経済、金融政策の乖離によるユーロのインフレへの影響を警告し、今は、金利軌道を公約する時期ではないと主張。また、ホルツマン・オーストリア中銀総裁も、「過剰にはやく、大幅に金利を引き下げる理由は見あたらない」と、早期の利下げに注意を促した。米国経済は、減速の兆しがあまり見られない。米商務省と類似したモデルを使用しているため注視されるアトランタ連銀の国内総生産(GDP)見通しにおいて、第2四半期国内総生産(GDP)の成長見通しは4.18%と、従来の3.31%から上方修正された。パウエル議長も直近の連邦公開市場委員会(FOMC)会合後の会見でインフレの2%目標達成を一段と確信するまで予想以上に時間を要する可能性を認めた。しかし、インフレは引き続き鈍化基調にあると利上げの可能性を否定した。ボストン連銀のコリンズ総裁は8日講演で、インフレの2%目標達成が想定以上に時間を要する可能性があり、インフレの目標達成がより確実になるまで、現行金利を維持すべきだとの考えを示した。金融政策が緩やかな引き締め的で、金融引き締めの効果が経済にまだ十分に反映していない可能性もあると指摘。同時に、「過剰に早い利下げにはリスクがある」と警告。24年にディスインフレの進展は見られないと悲観的見通しを示した。米ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁も現行の金利がインフレ制御に十分に引き締まっているかどうかに懐疑的見解を示し、必要とあれば長期にわたり現行の金利を維持、または、利上げも辞さない姿勢を見せた。両総裁とも24年の投票権は持たない。ユーロ・ドルは重要な節目となる200日移動平均水準の1.0795ドルを試すも突破できず。当面ドル高基調が継続する可能性がある。
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2024/05/09 07:41
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NYの視点:米利上げの可能性くすぶる
*07:46JST NYの視点:米利上げの可能性くすぶる
米ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は最近のインフレデータによるとインフレを連邦準備制度理事会(FRB)の目標である2%目標に完全に回帰させるうえで金融政策が十分に引き締まっているかどうかに懐疑的見解を示した。特に住宅インフレが根強く、FRBはインフレ制御のため、まだやるべきことがある可能性を指摘した。自分の想定する長期の中立金利を2%から2.5%引き上げたとした。同総裁は年内の利下げの可能性は確かにあるとしながらも、必要とあれば長期にわたり高金利を据え置く、または、利上げも除外しない姿勢を示した。ドルも下げにくい環境が続くと見る。ミネアポリス連銀のカシュカリ米総裁は今年の連邦公開市場委員会(FOMC)投票権を持たない。
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2024/05/08 07:46
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『国家九条』― 厳しい規制とリスク防止をめざす、中国資本市場のための新たなガイドライン(2)【中国問題グローバル研究所】
*10:35JST 『国家九条』― 厳しい規制とリスク防止をめざす、中国資本市場のための新たなガイドライン(2)【中国問題グローバル研究所】
◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページ(※1)でも配信している「(1)【中国問題グローバル研究所】」の続きとなる。配当金をめぐって投資家の投資リターンを強化するため、『国家九条』では優良な配当企業にインセンティブを与え、配当利回り向上を促すための明確な規定を定めている。長期にわたる無配が続く企業や配当率の低い企業に対しては、大株主による持ち株比率の引き下げを制限し、リスク警告を実施することが明記されている。これらの措置は、企業による配当支払い優先を奨励し、投資家のため配当の安定性、持続性、予測可能性を高めることをめざすものである。さらに『国家九条』では、上場企業が1年間で複数回の配当を積極的に推進するよう提唱している。これに向けて、上場会社に対しては配当頻度を決定する際に、未配当利益や現在の業績などの要素を総合的に評価するよう求めている。状況が許すならば、投資家の配当期待を安定させるため、企業が配当頻度を増やすことも奨励される。さらに、財務諸表の監査要件に関する誤解を払拭するため、中期的な配当利益基準の明確化にも焦点が当てられている。配当政策にまつわる事柄に明確性と透明性を持たせることで、投資家の信頼を醸成し、持続可能な配当を実現するための環境促進に向けた措置となっている。『国家九条』は、企業による配当支払い優先を奨励するための環境を創生し、投資家へのリターンを高め、資本市場全体の安定性と持続可能性に貢献することをめざしている。上場廃止の監視『国家九条』では上場廃止の監視について明確な方向性を提示しており、市場の健全性を維持し、投資家の利益を守るため4つの重要な側面に焦点を当てている。上場廃止基準の厳格な実施: 金融詐欺の取り締まりを優先し、詐欺行為を行った企業はただちに上場廃止となる。「不正金額+不正の度合い」に基づく上場廃止基準をさらに引き下げ、不正行為を効果的に取り締まる。上場廃止チャネルの多様化: 内部統制の不備、支配株主による非営業資金の占有、支配権の無秩序な変更という、3つの新しいタイプの上場廃止シナリオが追加されている。こうした追加措置は、投資家や市場の健全性にとってリスクとなる、ガバナンスや業務上のさまざまな欠陥への対処を目的としたものである。上場廃止指標の厳格化: 赤字企業の上場廃止となる収益指標引き上げ措置を実施し、メインボードでも収益指標を3億元に引き上げる。さらに、財務報告に対する内部統制監査意見を提示するための仕組みを導入し、透明性と説明責任性を強化する。市場価値基準の改善: メインボードA株の上場廃止となる市場価値指標を5億元まで引き上げる。こうした調整は資本市場の健全性を強化し、業績不振または財務的に不安定な企業に関連するリスクを軽減することを目的としたものである。『国家九条』は資本市場の信頼性向上、投資家からの信頼強化、中国金融状況の長期的な安定性と持続可能性の確保を目標としている。資本市場の監督と安定性『国家九条』は、資本市場の本質的な安定性を高めるという政府活動報告の指示に沿って実施される。ここで挙げられている重要な戦略を紹介しよう。円滑な市場運営の促進: 包括的リスク評価の強化、戦略的準備金ならびに安定メカニズムの構築強化、リスクおよび脆弱性の特定への注力がこれに該当する。潜在的弱点に対処してレジリエンスを強化するためのこうした措置により、資本市場を円滑に機能させることを目指す。取引に対する監督強化: 不正取引や相場操作に対する規制基準を改善するほか、高頻度のクオンツ取引に対する監督も強化する。非公開株式ファンドの運用ルール策定も優先項目となる。中国証券監督管理委員会(証監会、CSRC)が「株式市場におけるプログラム取引に関する管理規制(試行版)」に対する意見を募集したことからも、プログラム取引における厳格な監督とリスク管理に対する本気度が見えてくる。期待管理メカニズムの確立: 『国家九条』では、主要な経済政策ないしは非経済政策が資本市場に及ぼす影響の評価が、マクロ政策の整合性評価の枠組みに明確に組み込まれている。政策情報公表のための調整メカニズムの確立もこれに含まれ、政策協調の強化と協調努力の維持をめざす。マクロ政策の整合性評価に非経済政策を組み込むことにより、政策協調の強化と、潜在的な市場の混乱を緩和するという効果をねらっている。以上のような取り組みを通じて『国家九条』は、資本市場の安定性、レジリエンス、完全性を高め、持続可能な成長や投資家の信頼につながる環境を醸成することを目指している。考察および示唆過去2度の『国家九条』発表後(2004年、2014年)、A株市場は大幅に上昇し、政策指示が市場の動きに潜在的な影響を与えたことを示唆している。2004年には、『国家九条』の発表後に上海総合指数が初取引日で2.08%、深セン成分指数が初取引日で1.56%上昇した。このように迅速に好反応が出たことが、その後の改革イニシアチブによる持続的な成長の舞台を用意した。2004年の発表後、上場企業の株式分割改革を目的とした一連の改革文書が発表された。これらの改革は相次いで実施され、A株市場の大幅な株価上昇につながった。2007年10月までに上海総合指数は6092.06ポイントの高値をつけ、深セン成分指数は19358.44ポイントまで上昇した。注目すべきは、非鉄金属、銀行、不動産といったセクターの優良株がこの時期の市場上昇を牽引した点である。同様に、『国家九条』の発表から1年後の2014年にも、A株市場は再び強気相場に入っている。上海総合指数は3,000ポイント近く急上昇して最高値の5166.35ポイント、深セン成分指数は18098.27ポイントに達した。この時期はコンピュータ、メディア、通信などの業種が特に好調で、市場全体の成長に貢献している。一方、2024年の新『国家九条』発表は、中国経済が課題に直面する中で行われた。それぞれの政策ならではの背景や目的に鑑みれば、過去の成功パターンをそのまま踏襲することは本質的に問題をはらんでいる。市場環境や状況も時間とともに変化している可能性もあるゆえ、現在の経済状況に合わせた具体的な政策措置が必要だ。こうした課題を抱えているとはいえ、新『国家九条』はやはり重要な政策発表であり、資本市場の安定と発展にとって極めて重要な方向性を示している。市場監督の強化、コーポレートガバナンスの改善、投資家保護の強化といった措置を強調することで、新たな指令は資本市場への新たな活力注入と、より成熟した強固な軌道への方向転換を目指したものとなっている。写真: 中国 証券取引所と中国金融先物取引所(※1)https://grici.or.jp/
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2024/05/07 10:35
注目トピックス 経済総合
『国家九条』― 厳しい規制とリスク防止をめざす、中国資本市場のための新たなガイドライン(1)【中国問題グローバル研究所】
*10:26JST 『国家九条』― 厳しい規制とリスク防止をめざす、中国資本市場のための新たなガイドライン(1)【中国問題グローバル研究所】
◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページでも配信している(※1)陳建甫博士の考察を2回に渡ってお届けする。中国国務院は先頃、「資本市場の監督強化、リスク防止、質の高い発展を促進する意見」、いわゆる新『国家九条』を発表した。前回の2014年通達から10年を経たタイミングで発表された今回の通達は、2004年の通達から続く一連の流れにおいて重要な節目にあたる。中国を取り巻く現在の経済状況にあって、これら新たなガイドラインは資本市場の指導という点に特化した国務院指令として、極めて重要な意味合いを持っている。中国金融市場はさまざまな課題に直面しており、新たなガイドラインを手掛かりとした断固たる措置が求められている。経済成長のスピードが鈍化してマクロ経済のファンダメンタルズに下方圧力がかかり、経済運営における不確実性も高まっている。昨今の不動産市場の不安定ぶりによって市場心理のさらなる悪化への懸念が高まるとともに、国際資本市場に悪影響が及ぶことへの不安が国内における混乱の引き金となるおそれがある。さらに、土地譲渡益の大幅減少が地方政府の債務急増に拍車をかけ、債務不履行リスクも高まっている。こうした状況での新『国家九条』発表は、低迷する金融市場の刺激と体系的リスクへの対処に中国政府が本気で取り組もうとしていることを知らしめるものだ。ガイドラインは監督強化、リスク防止、質の高い発展を促進する形で、中国資本市場に自信を植え付け、安定性を高め、持続可能な成長を促すことを目指している。今回改訂された序文は、新『国家九条』発表にまつわる詳細な背景情報を伝えるとともに、中国金融市場が直面する課題への取り組みが重要な急務であることを強調している。新『国家九条』政策の注目点同政策は、中国資本市場の強化を目的としたいくつかの重要な戦略的取り組みを柱としている。第1に、「両会」を受けて、中央レベルでの政策調整を一致団結して実行する、としている。中央での協調努力に重点を置いていることからも、さまざまな規制努力を整合させ、団結したアプローチによる市場監督を促そうという政府の本気度が見て取れる。第2に、新『国家九条』では、違法行為コストを顕著に引き上げ、株式ファンドを大幅増加させるとしている。こちらの措置は、違法行為を抑止しつつ法令順守と責任ある投資慣行を奨励することにより、市場の健全性を高め投資家からの信頼を強化しようというものだ。第3に、新規株式公開(IPO)、上場廃止、配当といった重要分野に的を絞っている。これら市場運営の要に注目し、資本市場のエコシステムにおける透明性、効率性、公平性を確保するのが目的である。第4に、継続的改善や進化する市場力学への適応をめざす姿勢を反映させる形で、関連する評価基準の強化に向けた協調努力が盛り込まれている。『国家九条』というこの反復的なアプローチは、過去繰り返し打ち出された『国家九条』政策で得られた歴史的遺産を土台として、資本市場の現状ならではの課題や機会に対応している。「安定した発展」や「健全な発展」を優先していた過去の『国家九条』とは対照的に、新『国家九条』では「厳格な監督・管理」に重点が置かれている。こうした戦略的転換は、リスク軽減と規制監督に対する積極的な姿勢を印象付けるものであり、市場の安定と健全性の保護が不可欠である点を反映している。新『国家九条』の実施については、株式上場から上場廃止までの一連のプロセスをクローズドループとする形での発行者管理、機関投資家に対する監督強化、アルゴリズム取引活動への規制強化による市場の公正性維持などの措置を盛り込んだ包括的なアプローチとなっている。指令の遂行にあたり、中国証券監督管理委員会(証監会、CSRC)では規制案を発表、また証券取引所では業務規則の見直しを行い、強固な規制を確立するための土台を用意した。こうした協調努力からも、集約的・効果的な政策エコシステム確立を目指そうとする強い意志が見て取れる。『国家九条』は短期目標と長期目標を織り込んだ体系的なものであり、包括的な戦略を実施するものだとする証監会主席の呉清氏の表明も、これら政策イニシアチブを支える戦略的ビジョンを強調している。現在、「1+N」という政策体制の整備が広く進められているが、ここでの「1」とは「指導意見」を指し、「N」とは資本市場の基盤およびガバナンスの強化に向けた取り組みを後押しする、さまざまな管理規則を指す。新『国家九条』の実施にあたって、証監会はいくつかの規則草案を発表した。証券取引所側でも業務規則の見直しを行い、「1+N+X」政策体制の確立を着々と進めている。「N」が表す範囲は、今後も継続的に拡大すると見られている。現時点では主に、上場後の監視、株式発行の監視、上場企業の監視、証券会社の監視、取引の監視、上場審査、大型の資本再構築の審査、株主や取締役の持株率引き下げといった領域に重点が置かれている。つまり、「基盤・ガバナンスの強化」を旨としている。証監会では6つの政策について、また上海、深セン、北京の証券取引所では同時に19の管理規則について意見を求めており、合計すると政策数にして25に及んでいる。資本市場の厳格管理『国家九条』には、資本市場の質の高い発展を促進するためには不可欠となる5つの必須原則を具体化した、厳格なガバナンスを遵守する旨も盛り込まれている。5つの原則として、党の指導への揺るぎない忠誠、人民の福祉を優先する金融慣行の実施、監督ならびにリスク防止メカニズムの包括的強化、改革のさらなる深化、弾力性のある実体経済と現代産業システム構築への献身的な奉仕が挙げられている。『国家九条』における重点項目の1つが、資本市場での株式発行ならびに上場のための厳格な参入要件の確立である。この戦略的方向性は、いくつかの重要な側面に的を絞りながら、上場をめざす企業に課されるハードルを上げることを意図している。その第1が、科学技術革新委員会の評価基準の改善と並んで行われる、メインボードとChiNext(チャイネクスト)ボード両方の上場基準強化に向けた協調的な努力である。特に、国家発展改革委員会は3月15日、上場基準の引き上げならびに評価基準の強化を目的とした具体的な措置を発表している。これらの措置は、上海証券取引所と深セン証券取引所に対して、上場規則を改正し、特定の財務指標を緩やかに引き上げ、総合的な評価基準を充実させ、成長段階や業種、規模の異なる企業が適切な市場区分に上場するための後押しをするよう指示している。第2に、『国家九条』では株式発行から企業上場まで終始責任を持って行うことの重要性を強調している。これは、審査プロセスにおける取引所の責任追跡性に改めて重点を置くとともに、発行者の主な責任や仲介機関が門番として果たすべき義務が強化されることを意味している。仲介機関は、キャッシュフローの検証、顧客とサプライヤーの関係の包括的なチェック、財務データの正確性と業務実態の忠実な提示を保証するための立ち入り検査など、厳格な方法を採用することが義務付けられている。こうした要件は審査プロセスにおける重要な精査項目とみなされており、上場プロセスにおいて開示される情報の完全性と信頼性を保証するものだ。第3に、『国家九条』では監視機構の有効性向上を優先させている。その一端として、新規株式公開(IPO)時の各段階における株価設定ならびに配分に対する監督の強化、情報開示慣行の強化、市場におけるさまざまな不正行為への対応、部門横断的な監督ならびに規制調整の強化、あらゆる形態の違反行為を取り締まるための厳格な措置の実施などが挙げられている。こうした努力は、市場参入者からの信頼を高め、投資家の利益を守り、市場の健全性と安定性の維持をめざすものである。『国家九条』は、中国金融界の持続可能かつ質の高い発展を促進するためにも不可欠となる、透明性、責任追跡性、完全性を特徴とする資本市場環境を本気で育成するという姿勢を強調するものである。「『国家九条』― 厳しい規制とリスク防止をめざす、中国資本市場のための新たなガイドライン(2)【中国問題グローバル研究所】」に続く。写真: 中国 証券取引所と中国金融先物取引所(※1)https://grici.or.jp/
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2024/05/07 10:26
注目トピックス 経済総合
NYの視点:米労働市場に減速の兆しもインフレも根強い可能性残る
*07:40JST NYの視点:米労働市場に減速の兆しもインフレも根強い可能性残る
米4月雇用統計は非農業部門雇用者数や平均賃金の伸びが予想を下回ったほか、失業率は予想外に上昇し、労働市場の減速の兆候を示した。さらに、連邦準備制度理事会(FRB)が4月30日から5月1日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)でもインフレが2%目標達成を一段と確信するには想定以上に時間を要するとの見方が示され、利下げ開始が遅れる可能性が示唆された。一方で、FRBのパウエル議長は利上げの可能性を否定。年内のインフレの鈍化基調を再確認したため利下げ観測も再燃した。議長や副議長と同様にFOMCで影響力のあるNY連銀のウィリアムズ総裁も6日に利下げはデータ次第としながらも、いずれ利下げすることになるだろうとの見解を示した。9月の利下げ開始観測も再燃。ただ、インフレも根強い。4月ISM製造業景況指数の支払い価格は低下予想に反し上昇し22年6月来で最高。4月ISM非製造業の仕入れ価格も上昇し1月来で最高となった。イスラエル、ハマス戦争でも停戦期待に原油価格が一時下げ止まったが、停戦の可能性が遠のき中東情勢緊張で商品価格も下げ止まるとさらなるインフレリスクにもなり得る。
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2024/05/07 07:40
注目トピックス 経済総合
NYの視点:FRB、警戒された程タカ派色強めず
*07:39JST NYの視点:FRB、警戒された程タカ派色強めず
米連邦準備制度理事会(FRB)は連邦公開市場委員会(FOMC)で市場の予想どおり6会合連続で政策金利据え置きを決定した。声明では、最近数カ月のインフレの進展が欠如していると指摘し、「インフレが2%目標に向けて進展する一段の確信が持てるまで、政策金利維持を想定」と、利下げ開始が遅れる可能性を示唆した。しかし、同時に、「2つの責務達成へのリスクはより良い位置に移行した」と繰り返した。パウエル議長はインフレの低下への確信の度合いが以前よりも弱まったとしたものの、今年のインフレ低下予想を再確認した。次の行動が利上げになる可能性も否定した。さらに、FRBはバランスシート縮小ペース減速を6月から開始すると発表。量的引き締めのテーパリングは大規模で想定より早めとの見方で、タカ派色を弱めるさらなる材料となった。■3月声明との比較●経済の判断:引き続き堅調ペースで拡大(前回:堅調ペースで拡大した)●インフレ判断:ここ数カ月、インフレが委員会の目標2%達成に向けた一段の進展が欠如している(インフレは昨年鈍化も依然高止まり)
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2024/05/02 07:39
注目トピックス 経済総合
NYの視点:FOMCのタカ派サプライズを警戒
*07:43JST NYの視点:FOMCのタカ派サプライズを警戒
米労働省が発表した1-3月期雇用コスト指数(ECI)は前期比+1.2%となった。伸びは10-12月期+0.9%から予想以上に拡大し、昨年同期以降1年ぶり最大となった。前年同期では+4.2%と、10-12月期と同水準。賃金・給与は前期比で+1.1%。前年比+4.4%と、10-12月期4.3%から伸びが拡大した。唯一小売りで賃金の下落が見られたが、公務員、プロフェッショナル、製造業など広範に賃金上昇が目立った。カリフォルニア州では最低賃金が20ドルに引き上げられるなど、賃金圧力が今後もインフレを高止まりさせる可能性がある。連邦準備制度理事会(FRB)が30日から5月1日にかけて開催する連邦公開市場委員会(FOMC)では5会合連続での政策金利の据え置きが予想されている。今回はFRBの政策当局者予測ドット・プロットが発表されないため声明やパウエルFRB議長会見に焦点が集まる。前回会合では年初のインフレ指標が予想を上回ったにもかかわらず政策当局者はット・プロットで平均年3回の利下げ予想が維持された。また、パウエル議長は、1月の高インフレが季節的要因で、インフレが鈍化基調にあることに変わりはないと、年内のいつかに利下げを予想するとハト派姿勢を維持。しかし、3月の消費者物価指数(CPI)、生産者物価指数(PPI)、PCEコア価格指数が引き続き予想を上回る伸びとなるなど、引き続きインフレ鈍化基調が停滞している証拠が目立つ。このため、議長やFOMCがタカ派に再び転じる可能性が警戒される。
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2024/05/01 07:43
注目トピックス 経済総合
NYの視点:ドル高の流れ転換は困難か、パウエル議長タカ派色強める可能性も
*07:38JST NYの視点:ドル高の流れ転換は困難か、パウエル議長タカ派色強める可能性も
連邦準備制度理事会(FRB)は30日から5月1日にかけて連邦公開市場委員会(FOMC)会合を開催する。インフレが連邦準備制度理事会(FRB)の目標である2%達成軌道を一段と確信するデータに乏しく、FRBは政策金利を据え置く見通し。パウエル議長は1月の高インフレが季節的要因が大きく影響したためで、インフレ緩和の基調は依然変わらずとしていたが、最近、インフレが2%目標に向けて改善している一段の確信を得るには想定以上に時間がかかる可能性があるとハト派姿勢を後退させた。また、年内の利下げの可能性にも言及しなかった。3月の消費者物価指数(CPI)や生産者物価指数(PPI)、PCE価格指数ではインフレの一段の改善は見られず。最近のインフレ改善ペースの停滞が目標値に向けた荒い軌道の一環か、または、それ以上のことを示唆しているのかのFRB金融政策当局者の判断に焦点が集まる。一部の高官は必要とあれば追加利上げも辞さない姿勢を見せた。パウエル議長も今回の会見で、タカ派姿勢を強める可能性も残る。連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ先送り観測が強まり、円相場は対ドルで対ドルで160円と、1990年来の円安水準となった。これを受け、日本の当局は円安是正介入を行った可能性が報じられた。神田財務官は「介入かどうか申し上げないが24時間対応できる準備をしている」と述べており、月末まで明確化されない。同時に、米国のインフレ改善が停滞しているほか、景気や雇用も底堅く、パウエル議長が指摘したようにFRBが利下げに踏み切る条件が整うまでにはまだ時間がかかる可能性がある。ドル高の流れを修正するのは困難と見られる。このため思惑が強まっている日本当局による円安是正介入も急速な動きを抑制するには有効と見られるが、流れを転換させるのは困難と見られる。
<CS>
2024/04/30 07:38