注目トピックス 経済総合ニュース一覧

注目トピックス 経済総合 海外の注目経済指標:9月米鉱工業生産は伸び悩みか *14:13JST 海外の注目経済指標:9月米鉱工業生産は伸び悩みか 10月13日-17日発表予定の経済指標予想については以下の通り。■15日(水)午前10時30分発表予定○(中)9月消費者物価指数-予想:前年比-0.2%8月実績は-0.4%。9月については個人消費の持ち直しを受けてインフレ率は下げ止まる可能性があるが、短期間で前年比プラスに戻す可能性は低いとみられる。■15日(水)午後6時発表予定○(欧)8月ユーロ圏鉱工業生産-予想:前月比+0.1%参考となる7月実績は前月比+0.3%。製造業活動のすみやかな拡大は期待できないもの防衛関連の需要がややしっかりとなっており、8月も小幅な増加となる可能性がある。■17日(金)午後9時30分発表予定○(米)9月住宅着工件数-予想:131万件参考となる8月実績は130.7万件。過剰な住宅在庫が業者の建築意欲を鈍らせた。9月については在庫調整が続いていることから、住宅着工の大幅な増加は期待できないため、8月実績と差のない水準にとどまる見込み。■17日(金)午後10時15分発表予定○(米)9月鉱工業生産-予想:前月比0.0%参考となる8月実績は前月比+0.1%。企業活動のすみやかな低下は予想されていないものの、製造業の生産活動が活発となっている証拠はないため、9月は横ばいか、小幅な伸びにとどまる見込み。○その他の主な経済指標の発表予定・13日(月):(中)9月貿易収支・14日(火):(独)10月ZEW景気期待指数・15日(水):(中)9月生産者物価指数・16日(木):(豪)9月失業率、(英)8月鉱工業生産、(米)9月生産者物価指数・17日(金):(米)9月住宅着工件数、(米)9月建設許可件数 <FA> 2025/10/11 14:13 注目トピックス 経済総合 NYの視点:FRB高官の利下げを巡る見解依然分かれる、政府機関閉鎖でさらに拡大する可能性も *07:48JST NYの視点:FRB高官の利下げを巡る見解依然分かれる、政府機関閉鎖でさらに拡大する可能性も 議長や副議長と同じく連邦公開市場委員会(FOMC)で影響力のあるNY連銀のウィリアムズ総裁はNYタイムズ紙とのインタビューで、労働市場減速懸念が年内の追加利下げを支持することになるだろうと指摘した。労働市場の減速は注視に値すると言及。インフレ見通しが年初に比べ回復しつつあり、労働市場の一段の減速リスクに焦点をあてていると述べた。また、金利を中立に戻すことが適切との考え。労働市場の減速がインフレを限定的とすることを支援していると言及した。ただ、経済が景気後退の瀬戸際にあると考えているわけではない。一方で、バー理事はインフレが抑制されていることに懐疑的な見方を示し、追加利下げに向け、注意深い対応が必要だと主張した。FRBが8日に公表した9月連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨でも金融政策を巡る見解の相違は依然大きいことが明らかになった。政府機関閉鎖で、雇用統計に加え、来週発表予定の重要インフレ指標の消費者物価指数(CPI)の発表も延期される可能性があり、成長、物価を巡り不透明感が一段と広がる。このため、見解の相違が一段と拡大する可能性も懸念される。 <CS> 2025/10/10 07:48 注目トピックス 経済総合 NY金は4000ドル、国内金は2万円 サンワード証券の陳氏 *18:01JST NY金は4000ドル、国内金は2万円 サンワード証券の陳氏 皆さん、こんにちは。今回は、金についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、『NY金は4000ドル、国内金は2万円』と述べています。続けて、『NY金(12月)は、10月7日に1オンス=4004.40ドルと、中心限月清算値ベースで初めて4000ドルの大台を突破した。翌8日のロンドン金塊相場でも、史上初めて1オンス=4000ドルの節目を突破した。この記念すべき上昇の大きな要因は、米政府が機能不全に陥っている事だろう』と見解を述べています。また、『米議会では、医療保険制度改革法(オバマケア)をめぐる民主党と共和党の対立に端を発し、歳出法案が成立せず、暫定的なつなぎ予算も成立しなかったため、10月1日(現地午前0時)に米政府機関の一部閉鎖が始まった閉鎖は7日目に入り長期化が予想されている。米経済活動に混乱が生じるとの警戒感から安全資産である金の買いが加速した。金ETF(スパイダーゴールド)は、9月下旬以降、1000トンの大台を維持している。10月1日には1018.89トンと年初来最大を更新した』と伝えています。次に、『8日、イスラエルとイスラム組織ハマスが、パレスチナ自治区ガザ和平計画の第1段階となる停戦と人質解放で合意した。地政学リスクの一つが解消されるとの期待から、金相場には売り要因となろうが、米政府の閉鎖が続いている以上、大きな下落には至らないだろう。逆に言えば、歳出法案と暫定的なつなぎ予算がいずれも成立し、米政府機関の閉鎖が解除された場合、金相場にはそれなりの調整場面が訪れることは想定しておきたい』と示唆しています。さらに、『トランプ大統領は米連邦準備制度理事会(FRB)に対し、繰り返し利下げを要請しているが、インフレの高進の中で利下げを強行すれは、米国の実質金利(名目金利-インフレ率)はマイナスに転じる可能性が高まる。これは、ドル安を引き起こし、利子を産まない金にとっては更なる強材料となろう』と述べています。陳さんは、『NY金が4000ドルの大台に上昇し、1ドル=150円を超える円安もあって、OSE金は2万円の大台を示現した。自民党総裁選で勝利した保守派の高市早苗氏の金融政策は、金融・財政の両面で緩和的で「サナエノミクス」と呼ばれおり、追加利上げには慎重で、日本銀行による10月利上げ観測が後退する可能性が高まっている』と述べ、『日銀の10月利上げ見通しは大きく後退し、今後の経済指標の結果次第では年内の利上げも困難視されている。当面、円安基調は続きそうだ』と考察しています。OSE金予想レンジは『1万9000~2万1000円』と想定しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の10月9日付「NY金は4000ドル、国内金は2万円」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。 <CS> 2025/10/09 18:01 注目トピックス 経済総合 南アフリカランド円今週の予想(10月6日)サンワード証券の陳氏 *09:40JST 南アフリカランド円今週の予想(10月6日)サンワード証券の陳氏 皆さん、こんにちは。今回は、南アフリカランド円についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、今週の南アフリカランド円について、『押し目買いに堅調だろう』と述べています。続いて、『南アフリカの9月製造業購買担当者景気指数(PMI、季節調整済み)は52.2と、8月の49.5から上昇した。堅調な内需がけん引した。好不況の分かれ目である50を上回るのは今年2度目』と伝えています。また、『南アフリカ株の上昇が続いている。南ア全株指数(ETSE/JSE)は10月3日にも最高値を更新した』と伝え、『金やプラチナ相場が大きく上昇したことで、貴金属関連の銘柄に買いが集まっている。南ア株には鉱山企業が多く、貴金属価格と連動しやすい性質がある』と述べています。そして、『南アフリカはかつて最大の金生産国だったが、近年では鉱山の採掘が進み、往時の10分の1の生産量に落ち込んでいる。それでも年間100トン程度は産出している』とし、『プラチナに関しては世界最大の生産国で、第二位の生産国であるロシアが経済制裁を受けて輸出できなくなっていることから、南アの輸出が重要視されている。プラチナは3年連続の供給不足が見込まれている。そのため、鉱山企業に投資資金が集まっている』と解説しています。南アフリカランド円の今週のレンジについては、『8.40円~8.80円』と予想しています。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の10月8日付「南アフリカランド円今週の予想(10月6日)にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。 <CS> 2025/10/09 09:40 注目トピックス 経済総合 ドル円今週の予想(9月29日)サンワード証券の陳氏 *09:33JST ドル円今週の予想(9月29日)サンワード証券の陳氏 皆さん、こんにちは。今回は、ドル円についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、今週のドル円について、『高市トレードを背景に上昇基調が継続しそうだ』と述べています。続いて、『3日の米国市場では、米連邦政府が1日に予算切れを受け、政府機関の一部を閉鎖した影響で、市場が注目する9月雇用統計は発表されなかった。しかし、4日の自民党総裁選で高市早苗新総裁が誕生したことで、週明け6日早朝のドル円は一時150円に迫る急上昇となり、午後早い時間には8月1日以来、およそ2か月ぶりに150円台に上昇した』と伝えています。次に、『高市新総裁は安倍晋三元首相の「アベノミクス」路線を継承し、景気刺激を重視している』とし、『財政拡張や金融緩和継続が期待されてドル買い・円売りが強まった。円は対ドルで149円92銭に急落し、対ユーロでは175円82銭と過去最安値を更新した。ドルは心理的節目となる150円を試す展開になるとの見方が広がっており、実際に150円台乗せとなれば、ストップロスを巻き込んで一段の円安も予想される』と述べています。また、『高市氏の金融政策は、金融・財政の両面で緩和的で「サナエノミクス」と呼ばれおり、追加利上げには慎重で、日本銀行による10月利上げ観測が後退する可能性がある。スワップ市場が織り込む10月の利上げ確率は5割強から2割程度に急低下している』と伝えています。陳さんは、『ただ、今回の選挙戦で高市氏が「責任ある積極財政」を主張して財政問題へ配慮する姿勢を見せたことで従来の自身の主張を穏健化させているとの見方がある。それに加え、米国の政府閉鎖や雇用市場の軟化というドル安要因もあり、円安の持続性に関しては見極めが必要だろう』と見解を述べています。そして、『国内では、日銀が6日に支店長会議を開き、地域経済報告(さくらリポート)を公表する。8日には植田総裁の講演が予定されており、内容次第で早期利上げが意識されれば、円安にブレーキがかかるだろう、逆に、そうでなければ円売りに安心感が強まろう』と述べています。米国に関しては、『政府機関の一部閉鎖による統計発表延期の影響で、金融政策を巡る動向が見通しづらい。つなぎ予算案に、大型減税関連法で定められた低所得者向け医療制度「メディケイド」削減の撤回などを主張する民主党とどう折り合いをつけるかはまだ不透明。米政府の閉鎖は継続する公算が大きく、ドル買いは強まりにくいだろう』と考察しています。ドル円の今週のレンジについては、『148.00円~152.00円』と予想しています。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の10月8日付「ドル円今週の予想(10月6日)にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。 <CS> 2025/10/09 09:33 注目トピックス 経済総合 NYの視点:米9月FOMC議事要旨:大幅利下げ支持は1メンバーにとどまる、インフレ上振れリスク警戒 *07:45JST NYの視点:米9月FOMC議事要旨:大幅利下げ支持は1メンバーにとどまる、インフレ上振れリスク警戒 米連邦準備制度理事会(FRB)は9月16日―17日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨を発表した。FRBはこの会合で昨年12月以来の利下げに踏み切った。参加者は労働市場の下方リスクが上昇したことを確信したことが利下げの背景になったと見られる。当局者は雇用の伸びが鈍化、失業率の上昇を予想。一方で、大半のメンバーがインフレ見通しで上向きリスクを強調。ほとんどの高官はインフレにおいて、短期で上昇、段階的な目標達成を予想していることが明かになった。金利を巡る見通しでは依然見解が分かれる。パウエル議長が会合後の会見で言及していたが、議事要旨でも0.5%の利下げ主張は1メンバーにとどまったことが明かになった。ほとんど全メンバーが0.25%の利下げを支持したことが明かになった。議事要旨では、当局者が年内の追加利下げが適切となる可能性が強いと見ている一方、依然インフレ見通しで上方リスクを警戒していることが明らかになった。 <CS> 2025/10/09 07:45 注目トピックス 経済総合 香港の再生(2)【中国問題グローバル研究所】 *10:27JST 香港の再生(2)【中国問題グローバル研究所】 ◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページ(※1)でも配信している「香港の再生(1)【中国問題グローバル研究所】」の続きとなる。※この論考は9月28日の<Hong Kong Reboot>(※2)の翻訳です。2019年以前の香港ではない香港は死んでおらず、70万人が暮らすこの街は動きを止めたり世界の地図から消えたりはしていない。ただ、トラウマが残り、変化が生じたことはまぎれもない事実である。香港は、中国に対し独自の立場を維持している。なぜなら、特に(またこれが重要な点であるが)金融フローの面で、依然として本土とは異なるルールで動いているからだ。中国の国内経済が活況を呈する中、上海が香港から中国最大の金融センターの座を奪うだろうと書き立てられたが、常に最大の障害となってきたのが資金規制だ。香港はその独特の立場により「コーポレート・チャイナ」と国家全体にとって有益な存在であり続けてきた。現在の金融セクターの活況がこうした強みを最大化しているが、抗議デモやコロナ禍後の香港は、以前とは異なる場所となっている。香港での抗議活動に対する制裁の一環として、香港は対米貿易での関税の特別優遇措置を受けられなくなった。米国は現在、香港と中国を共通の組織体であり、地政学的影響を及ぼすとみなしている。一部の企業は香港で事業を続けながらも登記上の拠点を香港外に移し、米国の投資家から受け入れられやすい体裁を整えている。トランプ氏は今ところ、怒りを全面的に中国に向けてはいないかもしれないが、超党派の支持を得られる唯一の問題が中国であることに変わりはなく、しかも香港と中国は現時点で同一視されている。米国の投資家は一部の中国関連投資を政府から抑制されてきた。そして制限強化の余地はまだ大いにあり、その時が来れば香港はその対象となるだろう。香港は、習政権下の中国では得られない自由を求める本土の多くの専門家にとって避難場所となっていた。香港が「単なる中国の都市の一つ」として本土との距離を縮める中、勝ち組の中国人はより遠くへと目を向け、アジアの海外拠点として特に日本に注目するようになっている。この傾向は今後も続く可能性が高い。香港政府はすべてを国家安全保障の観点から捉え、その主たる政策は、「グレーターベイエリア(粤港澳大湾区)」への統合拡大である。今後香港に惹かれる人々の構成は、過去とは大きく異なるものとなるだろう。香港は数十年間にわたり幾度となく自己改革を行ってきており、これも一つの改革に過ぎない。とはいえ、政治・市民レベルの変化を軽視することはできない。国家安全維持法の導入で、政府は個人の生活や企業の事業運営を統制するとてつもない権力を手にした。政府批判に対して今も続く政治的弾圧はあらゆる企業にとって極めて憂慮すべき問題である。独立系報道機関の閉鎖やジャーナリストに対する規制もこうした不安を高めている。香港は常に中国経済の経済的繁栄に支えられてきた。今のところは、活況を呈している本土のセクターや企業が確かにあるとはいえ、香港が中国内の不況から逃れることはできない。中国経済全体は厳しい状況にある。中国は世界最大のEV生産国であるが、収益を上げている企業はほとんどなく、その多くが統合と倒産の影響を受けることになる。今年のCATLの上場は注目を集めたが、ほんの数週間前には、数年前から株式の売買を停止されていた恒大が香港証券取引所でついに上場廃止となった。かつて中国最大の不動産会社であった恒大の遺産は今や、3,000億米ドルの負債である。これが中国の好況と不況の実情だ。香港の金融は当面の間は活況を呈し、取引が行われ株価が上昇するだろうが、今の香港は10年、20年前とはまったく異なる道を歩んでいる。政治改革がかつてのようにこの街のスローガンになるとは考えにくい。そして企業に向けられた警鐘は明確だ。国家の安全だけを重視する姿勢と、報道の自由の崩壊を無視することはできず、香港がこれまでと変わらないという考えは修正すべきである。香港は死んでもいなければ、都市として消滅しかけてもない。しかし、かつてのようなダイナミックな場所ではなくなり、中国政府指導部はそれを喜ぶに違いない。香港ビクトリア湾の全体図と女神像(写真:REX/アフロ)(※1)https://grici.or.jp/(※2)https://grici.or.jp/6680 <CS> 2025/10/08 10:27 注目トピックス 経済総合 香港の再生(1)【中国問題グローバル研究所】 *10:23JST 香港の再生(1)【中国問題グローバル研究所】 ◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページでも配信している(※1)フレイザー・ハウイーの考察を2回に渡ってお届けする。※この論考は9月28日の<Hong Kong Reboot>(※2)の翻訳です。香港の金融セクターが活況激動の6年間を経て、香港は再び勢いを取り戻しつつあるようだ。この1カ月、フィナンシャル・タイムズ紙には金融セクターの復活と活況を伝える記事が多数掲載されており、同セクターはしばしば香港の経済と先行指標としてみられている。過去6年間の道のりは到底平坦だったとは言えない。6カ月以上続いた民主化デモの直後にコロナ禍に見舞われた香港は、中国を含め諸外国に対して出入境ポイントを封鎖し、当初こそコロナ感染者ゼロの聖域を享受していた。しかし政府が民主化デモの中心人物を取り締まる中、過剰な検疫に加え、ウイルスが最終的に都市を襲った際の対応の失敗、加えて政府による民主化支持派への弾圧が相まって地元住民と外国人居住者両方の流出を招いた。香港は死んだも同然で、元に戻らないのではないかと多くの人が考えたのも当然である。このコラムでは先月、株高に沸く中国本土にスポットを当てたが、そうした状況は香港も変わらない。香港市場は1年間で30%上昇し、資金調達額は5年ぶりの高水準であった。専門家のシンガポールへの流出が懸念されたものの、現実のものとはならなかった。確かに、相変わらず厄介な香港の検疫規制を受けて、行員や社員をシンガポールに異動させた銀行や企業は多いが、シンガポール側が新規入国者の多くに長期就労ビザをなかなか発給しないため、流出人数は限られている。就労ビザの多くは有効期限がわずか数カ月だ。シンガポールは当初から現在に至るまで、外国人労働者の流入増加に不満を募らせる国民への対応に苦慮しているのだ。すべての産業を対象に厳格なクオータ(雇用割当)制を設けて、シンガポール人労働者と外国人労働者の割合を管理している。しかし、この問題がなくてもシンガポールが中国本土への玄関口になることはない。その役割を担えるのは香港だけである。一方、今回の香港金融セクターの活況は、これまでの活況と比べても注目に値する。過去30年間に起きた香港関連の活況はほぼすべて、中国とその巨大な市場の虚構と現実がけん引役となっていたが、今回の中国発の活況はそれとは異なる。香港は一党支配体制下でかなりの資本規制が設けられ、それが撤廃される望みはないとはいえ、これまで対中国投資にオープンかつ法的に健全な手段を提供してきた。その特権的立場により、中国本土への投資を視野に入れる投資家にとってユニークな立ち位置にある。しかし、今や状況は反転し、1兆香港ドルを超える本土の資金と企業が香港市場に流入し、主導権を握っている。本土の企業はこれまでと同様に資金を必要としており、香港がそのニーズを満たしている。今年初めにバッテリーメーカー「CATL」が新規株式公開を実施した。この世界最大規模となった新規株式公開により同社は外貨を獲得し、海外進出を果たすことができるであろう。一方、中国企業と中国内外への資金の流出入は香港市場を裏で支える原動力となってきたが、現在とこれまでの活況の最も明確な違いはおそらく人材の構成である。フィナンシャル・タイムズ紙によると、香港政府から提供されたデータに基づき同紙が計算した結果、2023年と2024年、2025年上半期に本土住民に対して発給された就労関連ビザは241,000件を超える。これは就労ビザ全体の74%にあたる。一方、2019年に本土住民が取得した就労関連ビザは24,000件で、全体の37%にすぎない。本土住民へのビザ発給件数のこうした急増は、外資系銀行においてさえも、必要とされる雇用人材に変化があることを如実に示している。大手グローバル企業が香港で採用を再開するとしても、それは過去数十年にわたり見られた国際的な人材構成ではない。本土住民の大量流入は、市民社会や教育環境の悪化を受けて香港から英国やオーストラリア、カナダに移住した中流階級の専門職の香港人就労者の穴埋めが一因であることは間違いない。その他の変化株式市場や金融セクターの活況を安易に経済状況全体の「指標」とすることがあまりに多いが、これは一部正しいものの、往々にして読み間違う結果となる。香港は金融センターであり、世界においても重要な存在であると同時に中国にとっては不可欠な存在である。しかし政府の統計によると、金融セクターはGDP全体の4分の1弱、雇用全体の10%弱を占めるにすぎない。極めて重要なセクターである反面、香港に住む人々のほとんどが直接関わることはない。同じ統計によると、雇用数がそれより若干少ない香港の小売セクターは苦境に直面している。上海が、有数の金融センターとしての座を香港に譲ったのに対して、深センは小売拠点としての香港の地位を確実に脅かしている。本土の都市は現在、今では地元の鉄道(MTR)ネットワークによるアクセスで越境の移動がかつてないほど容易になった。香港で暮らす多くの人にとって、深センでの買い物や飲食は今や当たり前となっている。その一方で、この6年間で暗く不吉な傾向が表れつつある。香港自由委員会基金会は今月、香港の刑務所内での組織的な虐待を詳述するレポートを発表した。レポートは現状を強く非難しており、ここに直接引用する。その概要は次のように始まる。「…本レポートでは、虐待とネグレクトを常態化させ、反対意見を抑え込み、国際法と国内法の双方にも違反してきた刑務所体制の実態を明かす。香港の刑務所は市当局が市民の自由を裏で蹂躙する最前線と化し、抑制されない権力と秘密主義を盾に説明責任を阻んでいる。刑務所の平均収容人数8,250名のうち、1,900名以上が2019年以降に政治的容疑で香港の刑務所に収監され、裁判を経ていないケースも多い。民主化活動に関わった約800人の男女や若者が投獄されたままである。彼らは決まって何年にもわたり(保釈を認められずに)拘束され、嫌がらせや隔離の標的にされる」こうした文言は、2019年以前の香港を知る人には信じがたいものに思えるだろうが、政治的弾圧は今や日常茶飯事となり、政府が取り組むことはすべて国家安全保障という視点で行われる。国家安全維持法に基づき指名手配されている香港市民のページが香港警察のウェブサイトにあることも信じがたい。「外国勢力と結託し国家の安全を脅かす」や「国家転覆」、「分離の扇動」という曖昧な法律用語の下、19名の香港人に100万香港ドルの報奨金がかけられ、さらに15名には「わずか」20万香港ドルの報奨金がかけられている。全員が現在外国におり、怯えながら暮らしている。香港の金融セクターは新たなハイテク企業の上場や企業に支えられているが、中国の大手投資銀行で、中国有数のインターネット会社が利用する華興資本の創設者兼CEOの包凡氏を思い浮かべた人もいるかもしれない。彼は「捜査に協力」していた間、2年以上も消息を絶っていたが、つい最近ようやく釈放された。銀行家やCEOが拘束されるのは彼が初めてではなく、また最後でもないだろう。中国企業の財務状況に関し優れた報道を期待している人は、ブルームバーグのレベッカ・チョン・ウィルキンス記者に対する今回のジャーナリスト就労ビザ拒否事例にも留意すべきである。彼女は、理由を付けてビザ更新を拒否された多くのジャーナリストの一人となった。2019年、香港は国境なき記者団の報道の自由度ランキング(Reporters without Borders Press Freedom Index)で73位となった。2025年にはスリランカとカザフスタンの間の140位に転落した。ちなみに中国は178位で、下から3番目である。筆者は常々、人、情報、資金の自由な流れがなければ国際金融の中心地としての基盤は維持できないと考えてきた。香港は最初の2つについて後退しつつあり、当面の間、その弱みを3つ目で補うことになる。「香港の再生(2)【中国問題グローバル研究所】」に続く。香港ビクトリア湾の全体図と女神像(写真:REX/アフロ)(※1)https://grici.or.jp/(※2)https://grici.or.jp/6680 <CS> 2025/10/08 10:23 注目トピックス 経済総合 NYの視点:米9月NY連銀消費者調査でインフレ期待率が上昇、労働市場状況はまちまち *07:51JST NYの視点:米9月NY連銀消費者調査でインフレ期待率が上昇、労働市場状況はまちまち NY連銀が実施した消費者調査で9月のインフレ期待率は上昇した。1年先のインフレは3.38%と、4月来で最高となった。特に低・中間所得者層の間で、食品、燃料価格圧力の上昇が響いた。3年先は3.05%(3.0%)、5年先は2.97%(2.93%)とそれぞれ小幅上昇。労働市場を巡る判断はまちまち。失業する可能性があるとの回答は全体の14.85%と、8月14.48%上昇。自主退職する可能性があるとの回答は20.69%と、18.95%から上昇した。また、失職した場合、3カ月内に新たな職が見つかるとの回答も、47.45%と44.91%から上昇。さらに、世帯の財政状況も安定している。3カ月内に滞納する可能性は12.64%と、13.09%から低下した。◇米9月NY連銀世論調査インフレ期待率:1年先3.38%(8月3.2%)、3年先3.05%(3.0%)、5年先2.97%(2.93%)ガス:+4.23%(8月+3.92%)食品:+5.85%(+5.53%)賃貸:+6.97%(+5.99%)医療費:+9.28%(+8.18%)中間賃金の伸び:+2.45%(+2.54%)失業する可能性:14.85%(14.48%)自主退職する可能性:20.69%(18.95%)失職した場合、3カ月内に新たな職が見つかる:47.45%(44.91%)3カ月内に滞納する可能性:12.64%(13.09%) <CS> 2025/10/08 07:51 注目トピックス 経済総合 WTOでの中国の立ち位置に変化:途上国待遇からデュアルポジショニング戦略へ【中国問題グローバル研究所】 *10:19JST WTOでの中国の立ち位置に変化:途上国待遇からデュアルポジショニング戦略へ【中国問題グローバル研究所】 ◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページ(※1)でも配信している陳建甫博士の考察をお届けする。※この論考は9月29日の< China’s WTO Identity Shift: From Developing-Country Privileges to Dual Positioning Strategy>(※2)の翻訳です。2025年9月23日にニューヨークで開催された国連総会の演壇で、中国の李強首相は、今後の世界貿易機関(WTO)の交渉で中国は新たな「途上国」優遇措置を求めないと表明した。この表明は直ちに世界各国の注目を集めたが、これを世界貿易システムにおける中国の役割の大きな転換点と見る向きが多い。中国にとってこの転換は国外に対する宣言というだけでなく、国内向けに立場を再定義することにもなる。中国政府は何十年にもわたり自国を「世界最大の途上国」と位置付け、長期の移行期間や貿易上の義務の緩和、補助金給付の余地を確保してきた。今回、中国は新たな特権を自発的に放棄したが、この動きには国際的圧力と戦略的計算の両方が働いたと考えられる。2001年から2025年まで:これまでの道のりと役割今回の決定の意義を評価するには、中国のWTO加盟後の20年余りを振り返らなければならない。2001年の中国のWTO加盟は、中国がグローバル化の転換点として歓迎された。途上国待遇によって、中国は猶予期間の延長や比較的高いレベルの関税保護、優遇産業への政府補助金給付といった恩恵を得てきた。こうした制度的な恩恵に、潤沢な低賃金労働力が加わり、中国は「世界の工場」になるに至った。そしてわずか20年で輸出が数倍に増え、中国経済は世界第6位から米国に次ぐ世界第2位の規模に成長した。とはいえ、2025年の中国はこれまでとはまったく異なる。グローバルなサプライチェーンの中核を担う産業大国である一方、一人当たりのGDPはタイやメキシコと同水準にとどまり、地域格差や発展の不均衡も残る。こうした二重性が、長年にわたり中国の国際的な立ち位置を形成し、世界の大国というイメージを打ち出しながらも途上国待遇を手放せないでいた。新たな途上国優遇措置を求めないものの、途上国という地位を維持するという李首相の宣言は、このパラドックスを物語っている。今回の表明は、2001年の中国のWTO加盟当時を思い起こさせる。最初の転換点がこの制度への加盟とそこから得られる利益を目的としたものであるとしたら、今回の目的は、この制度内での立場の修正と再定義である。外部の圧力を受けての現実的な選択この政策は自ら殻を破ったというより、外部の制約に対する現実的な対応という面が大きい。トランプ政権は2018年に中国に対して大々的な貿易戦争を開始し、WTOの多国間メカニズムを無視して、単独措置で数千億ドル相当の中国製品に関税を課した。WTOの紛争解決システムは機能不全に陥り、WTOルールの執行力が低下した。同時に、米国政府は中国の途上国扱いの正当性に公然と疑問を呈し、中国政府の「二重性」を世界的な論争の火種にした。第2次トランプ政権下で、この貿易戦争は米国以外にも広がり、世界各国が関税障壁を設ける事態となった。インドやベトナム、インドネシア、ブラジル、トルコ、メキシコが中国製品に高関税を課し、EUやカナダ、オーストラリアも同様の措置を導入している。このような環境では、中国がWTOの優遇措置を受けられるとしても実利はほとんど得られず、特別待遇の要求に固執していては孤立を深めかねない。新たな特権を放棄することで、中国政府は国外からの圧力を軽減するとともに、柔軟性を発揮して制約を戦略的作戦へと変えたのである。なぜ、今?「世界の工場」のジレンマと国内のボトルネック今回のタイミングは国内の経済的圧力も反映している。数十年にわたり成長の中核を担ってきたのは、製造クラスターに支えられた「世界の工場」という輸出主導型モデルだ。しかし人口ボーナスの低下や人件費の上昇、貿易戦争後に続く高関税に伴い、製造分野の比較優位性が損なわれた。さらに重要なのは、国内需要では輸出減少分を相殺することが難しくなっていることだ。消費の低迷や脆弱な不動産セクター、地方政府の財政悪化で、中国政府の「国内需要主導型成長」戦略の効果が限定的にしか現れていない。こうした状況で途上国に認められる便益に執着しても、構造的な制約を解消することはできない。一方、特権を自主的に放棄すれば、中国の国際的なイメージを向上させ、他の領域で影響力を高められる可能性がある。これが意味するところは明確である。「世界の工場」モデルだけを柱として成長を遂げることはもはやできない。中国政府に今求められているのは産業の高度化と技術革新、国内市場の拡大の促進である。このように、李首相の宣言は国外へのアピールだけでなく、経済変革を求める国内の圧力を暗に認識してのものだ。デュアルポジショニングという戦略的柔軟性李首相は、中国の途上国としての地位は今後も変わらないと強調した。これは意図的なバランス調整を示している。中国は、責任ある大国というイメージを失いたくない一方で、途上国として得られる政策的配慮も諦めたくない。中国政府は、国外的には責任あるステークホルダーとしてのイメージを打ち出すことができ、国内的にはまだ完全には近代化していないセクターを対象とした優遇措置の維持を正当化できる。この二重性(デュアルポジショニング)により、中国はその場の状況に応じて立ち位置を戦略的に切り替えることが可能になる。先進国・地域からより多くの責任を負うよう求められれば、中国政府は途上国であることを強調できる。逆に、他の新興国・地域との取引では、支援やインフラ投資を提供する「発展途上大国」というイメージを打ち出せる。こうした柔軟性は、中国が十分な責任を負うことを先延ばしにしながら、グローバルサウスに対し影響力を維持するのに役立つ。つまりこれは貿易であると同時に、アイデンティティ・ポリティクスという政策なのである。米国に対する外交的シグナル外交的な計算も働いている。今回の表明を、間もなく行われる「トランプ・習会談」に向けた準備と解釈する向きも多い。トランプ大統領の訪中を促すため、中国政府はTikTok問題での譲歩を示し、米国企業による支配株取得を認めることすらほのめかしている。WTOにおける態度の軟化もまた「和解の申し出」である。米国政府への意思表示であると同時に、国内の政治的圧力を軽減する手段でもある。李強首相が今回表明したことは、外交的課題への対応にあたっての彼の役目と、中国指導部内の役割分担を物語る。より深く見ると、この動きは米国だけではなく、広く国際社会に向けたものでもある。南シナ海やテクノロジーサプライチェーン、地域の安全保障をめぐり緊張が高まる中、貿易政策で「現実主義的な歩み寄りの姿勢」を示した背景には、どこかで一息つきたいという中国の思惑も垣間見える。米国政府はこれを構造的な変化ではなく、戦術的調整と受け取るかもしれない。中国政府にとってこれは、最も重要な戦略的利益を引き出すために差し出した「小さな譲歩」といえる。日本の視点と地域への影響日本にとって、WTOにおける中国の方針転換は経済政策の選択以上の意味を持ち、アジア太平洋地域での制度間競争の再構築を意味する。中国は歴史的に途上国としての地位を利用しながらも、同時に一帯一路やRCEPなどの構想を推し進めて、自らの規範的影響力を拡大してきた。新たな特権を放棄することで、中国政府は地域の枠組みに再び焦点を合わせ、RCEP内での自らの立場を強化するだけでなく、CPTPP加盟への関心を示唆する動きさえ見せた。それにより、新たな形の「制度間競争状態」が生じる可能性もある。日本政府は、RCEPを通じて中国政府が影響力を拡大させることを懸念しているが、中国によるWTOでの態度の軟化を利用して、CPTPPの高水準の規則を強化するかもしれない。世界第2位の経済大国であり、途上国でもあるという中国の主張には、他の新興国・地域と比べてはるかに大きな戦略的重みがある。自らの二重性が受け入れられれば、中国政府はグローバルサウスに対するリーダーシップを今まで以上に確立し、南南協力とインフラ金融を通じて自らの魅力を高めることができるかもしれない。これは、日本の「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」戦略に、「地域パートナー国が中国の資本・市場に依存している状況にどのように対処しながら、多国間で定めた基準を維持するか」という二重の課題を突きつける。国際関係という観点に立つと、これは単なる経済的調整ではなく「制度的権力」の行使であり、中国政府はアイデンティティを切り替える戦略で大きな交渉力を得ることになる。結論:新たな転換点中国が新たなWTO特権を放棄したことは、単なる貿易政策の微調整以上の意味を持ち、国際的なアイデンティティの再定義を意味する。2001年のWTO加盟以降、「世界の工場」として利益を模索してきた中国政府は、2025年にこうした利益の一部を自主的に放棄するに至って、「制度の利用者」から「制度の作り手」へとその姿を変えつつある。それでも矛盾は残る。中国は世界の経済大国でありながら、自称途上国でもあり、大国としての責任と政策の柔軟性維持の両立を図っている。国際社会の反応は様々である。米国政府はこれを変革ではなく戦術的な動きと解釈し、関税と技術規制を維持する可能性が高い。EUと日本は中国政府の「象徴的な譲歩」を歓迎するかもしれないが、言行が一致するかどうか様子見をしており、慎重な姿勢を崩していない。日本にとってこの譲歩は、多国間協力のきっかけとなると同時に、CPTPPやFOIPの枠組み内で中国が規範的リーダーシップを強化するかもしれないという注意喚起ともなる。結局のところ、この政策は外国貿易の現状への現実的な対応であるだけでなく、アイデンティティを政治に活用し制度的な力を行使するための再調整でもある。WTOやRCEP、CPTPPにおける中国の「デュアルポジショニング」に、日本などアジア太平洋地域諸国がどのように対応するかがインド太平洋地域の行く末を大きく左右することになる。李強首相の今回の表明は、歴史的な転換点であると同時に戦略の修正であり、グローバル化と脱グローバル化がせめぎ合う中での大国の駆け引きを映し出している。中国が自らの身の丈に合った責任を負いながら成長を維持できるかどうかが、極めて重要な試金石となる。アジア太平洋地域の近隣諸国を中心に、国際社会がそれを注視している。中国の国慶節祝賀レセプションで乾杯の挨拶をする習近平国家主席(写真:ロイター/アフロ)(※1)https://grici.or.jp/(※2)https://grici.or.jp/6684 <CS> 2025/10/07 10:19 注目トピックス 経済総合 NYの視点:米9月雇用統計は回復した可能性、政府機関閉鎖が長引くと連邦職員の大量解雇リスクも *07:41JST NYの視点:米9月雇用統計は回復した可能性、政府機関閉鎖が長引くと連邦職員の大量解雇リスクも 米国の政府機関閉鎖により、先週分の新規失業保険申請件数の発表は延期された。パイパー・サンドラーのアナリストは各州の報告書の数値を合計して非公式の集計を作成、9月27日までの週の申請件数は22.5万件前後と、引き続きレンジ内にとどまっている可能性を示唆した。また最新9月雇用統計の発表も延期されたが、ゴールドマンサックスのエコノミストが民間部門のデータをもとに試算した結果、9月は8万人の雇用増となった可能性を指摘。この結果は平均エコノミスト予想となった5万人増を上回る。また、4カ月続いた冴えない結果から回復した可能性が示唆された。トランプ大統領は政府機関の閉鎖を利用して連邦職員を通常の一時帰休扱いではなく、解雇する意向を示している。共和党が提示している11月21日まで政府機関の運営を継続するためのつなぎ予算案を巡り、もし、民主党が反対姿勢を貫き、政府機関閉鎖が長引けばトランプ政権発足直後に続き、連邦職員の大量解雇第2弾につながる可能性もあり、労働市場の混乱につながる可能性は警戒される。 <CS> 2025/10/07 07:41 注目トピックス 経済総合 NYの視点:【今週の注目イベント】FOMC議事要旨、米予算案協議の行方、日本自民党総裁選挙、NZ準備銀 *07:45JST NYの視点:【今週の注目イベント】FOMC議事要旨、米予算案協議の行方、日本自民党総裁選挙、NZ準備銀 今週は引き続き米国予算案を巡る与野党協議に注目が集まる。政府機関閉鎖が長引けば経済指標や連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策決定にも影響を与えかねない。また、日本の総裁選挙やNZ準備銀金融政策決定会合に注目される。トランプ大統領が提示したガザ紛争をめぐる和平案で期限を設定。ハマスは同意する意向を見せたものの条件つきで、警戒感は残る。FRBは9月に開催した米連邦公開市場委員会(FOMC)会合の議事要旨を公表する。公開された金利予測分布図(ドットプロット)の中央値では、当局者が年内にあと2回の0.25%の利下げを見込んでいることが明かになった。ただ、FRB高官の見解は分かれ、政策で引き続きインフレ抑制を最優先すべきとの見解も少なくなく、ドル売りが限定的となっている。ミラン理事は政策金利を中立水準に近づけるため大幅利下げが必要と見ている考えを明らかにしたが、パウエル議長は会見で、大幅利下げを巡り大きな支持は得られなかったことを明らかにしている。議事要旨では、大幅利下げを主張するメンバーの見解やインフレを引き続き焦点にすべきとしているメンバーの見解に焦点が集まる。■今週の主な注目イベント●米国7日:貿易収支8日:連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨公表9日:卸売り売上、週次失業保険申請件数、パウエルFRB議長があいさつ、ベッセント米財務長官、ボウマン米連邦準備制度理事会(FRB)副議長がチャットに参加。デイリー米サンフランシスコ連銀総裁、バーFRB理事が講演。10日:ミシガン大消費者信頼感指数、グールズビー米シカゴ連銀総裁があいさつ、ムサレム米セントルイス連銀総裁講演●ユーロ圏6日:小売売上、ラガルドECB総裁が欧州議会で証言7日:独製造業受注●日本7日:世帯支出8日:植田総裁が講演10日:PPI●英6日:英中銀ベイリー総裁が講演●NZ8日:NZ準備銀金融政策決定会合 <CS> 2025/10/06 07:45 注目トピックス 経済総合 国内外の注目経済指標:10月米ミシガン大学消費者信頼感指数は悪化の可能性 *15:01JST 国内外の注目経済指標:10月米ミシガン大学消費者信頼感指数は悪化の可能性 10月6日-10日発表予定の経済指標予想については以下の通り。■6日(月)午後6時発表予定○(欧)8月小売売上高-予想:前月比+0.2%参考となる7月実績は前月比-0.5%。自動車燃料などの売上高が減少。8月については7月に減少した反動増の可能性があるため、小幅な増加となる可能性がある。■7日(火)午後9時30分発表予定○(米)8月貿易収支-予想:-647億ドル参考となる7月実績は前月比-783億ドル。資本財の輸入増加で貿易赤字幅は拡大。8月については資本財の輸入額減少が想定されるため、貿易赤字幅はやや縮小する可能性がある。なお、政府機関の一部閉鎖が続いた場合、発表は延期される。■8日(水)午前8時50分発表予定○(日)8月経常収支-予想:+33698億円参考となる7月実績は+2兆6843億円で黒字額は前年同月比で減少。第一次所得収支が減ったことが主な要因。8月については第一次所得収支の黒字幅が前年同月比で拡大する可能性があることから、経常黒字額は7月実績を上回る可能性がある。■10日(金)午後11時発表予定○(米)10月ミシガン大学消費者信頼感指数速報-予想:54.3参考となる9月実績は55.1。10月については、インフレ緩和の期待はあるが、雇用情勢の悪化などを背景に9月実績を若干下回る可能性がある。○その他の主な経済指標の発表予定・8日(水):(NZ)NZ準備銀行政策金利発表・10日(金):(加)9月失業率 <FA> 2025/10/04 15:01 注目トピックス 経済総合 NYの視点:米年初来の人員削減は20年来で最高、ペースは鈍化 *07:45JST NYの視点:米年初来の人員削減は20年来で最高、ペースは鈍化 チャレンジャーグレイ・アンド・クリスマスが発表した米9月人員削減数は前年比―25.8%と、8月の+13.3%からマイナスに転じた。下落率は2023年11月来で最大と人員削減ペースの鈍化が明らかになった。企業は新規採用に慎重ながら、従業員削減にも消極的であることが鮮明。ただ、4月の連邦職員の大幅解雇で、年初からの削減数は94.6万人と、2020年来で最高に達した。米ダラス連銀のローガン総裁は「雇用の伸びは著しく鈍化」と労働市場の減速を認める一方、「インフレは目標を上回る水準で推移、上昇基調」で連邦準備制度理事会(FRB)の2つの責務達成にリスクがあると指摘。9月の利下げが一段と急速な雇用減速への利下げを慎重に行うことが必要と主張した。今年の連邦公開市場委員会(FOMC)投票権を有する米シカゴ連銀のグールズビー総裁は経済がかなり堅調で労働市場も安定しており、前倒しで過剰に積極的な利下げには注視が必要と慎重姿勢を崩していない。政府機関閉鎖のため雇用統計の発表も延期される可能性が濃厚となった。閉鎖期間中のデータの収集も滞るため10月以降のデータにも影響がでる可能性は除外できず。連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策にも影響がでるリスクは警戒される。 <CS> 2025/10/03 07:45 注目トピックス 経済総合 前日に動いた銘柄 part2栗林商船、Waqoo、メタプラネットなど *07:32JST 前日に動いた銘柄 part2栗林商船、Waqoo、メタプラネットなど 銘柄名<コード>2日終値⇒前日比日本ヒューム<5262> 3235 -29525日線割れの前日から下げが加速。中国電力<9504> 876.5 -38.5長期経営ビジョンを好材料視で1日に急伸。三井松島HD<1518> 1273 -8130日の長い上ヒゲを意識で。マツダ<7261> 1037 -21ドル安円高の流れをマイナス視。北海道電力<9509> 1056 -37電力株は全面安の展開に。エムスリー<2413> 2200 -67.5半導体株一極集中で資金流出も。パルグループHD<2726> 2358 -1168月の月次発表以降はさえない動きに。東北電力<9506> 1056 -34電力業界が業種別下落率のトップに。バンナムHD<7832> 4790 -10025日線に上値は抑えられる形となり。フジHD<4676> 3316 -103メディア株全般低調な動きにも押される。夢みつけ隊<2673> 329 +80値動きの軽さだけでの物色が続く。テクニスコ<2962> 355 +80データセンター関連として資金向かう格好に。栗林商船<9171> 2070 +400有価証券売却益の計上を発表。ANAPHD<3189> 556 +49自律反発狙った値幅取りの動き。アジア投資<8518> 241 +13データセンター開発企業を子会社化。メタプラネット<3350> 579 +63ビットコイン事業好調で業績予想を上方修正。オプトエレクト<6664> 277 -60業績下方修正で一転経常赤字見通しに。fonfun<2323> 770 -1381日は長い上ヒゲ残し伸び悩む。助川電気<7711> 4050 -465高市トレードの反動が続く。大盛工業<1844> 622 -82個人投資家の処分売り続く。地盤ネットHD<6072> 157 +4テスホールディングス<5074>子会社と業務提携。リプロセル<4978> 186  0米国の連結子会社が米国メリーランド州政府の外郭団体の補助金に採択。上値は重い。データHR<3628> 611 +426年3月期純利益予想を上方修正し1日ストップ高。2日も買い優勢。Waqoo<4937> 1407 +1971日急落で押し目買い誘う。夢展望<3185> 249 +49一旦割り込んだ25日線を短期で回復し先高期待が再燃。オンコリス<4588> 656 -11厚労省に腫瘍溶解ウイルスOBP-301の「希少疾病用再生医療等製品」指定を申請したと発表し1日買われる。2日は売り買い交錯。マイクロ波化学<9227> 677 -821日上伸するも長い上ひげとなり手仕舞い売り誘う。PRISMBio<206A> 175 +15PepMetics化合物の新規二環性化合物に関する特許を取得。ハートシード<219A> 1396 -6541日まで2日連続ストップ安の売り地合い継続。レナサイエンス<4889> 1620 -43XPRIZE Healthspanのセミファイナル臨床試験(特定臨床研究)患者登録が完了。上値は重い。 <CS> 2025/10/03 07:32 注目トピックス 経済総合 NY金は4000ドルか? サンワード証券の陳氏 *17:32JST NY金は4000ドルか? サンワード証券の陳氏 皆さん、こんにちは。今回は、金についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、『NY金は4000ドルか?』と述べています。続けて、『NY金(12月)は、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ見通しを背景に3800ドルの大台を維持して先週を終えた。先週の終値は1オンス=3809.00ドル。週間では2.78%上昇した。9月17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、0.25%の利下げが決定され、会合後に公表された政策金利見通しの中央値では0.25%幅で年内あと2回の利下げが想定された』と伝えています。また、『26日に発表された8月米個人消費支出(PCE)物価指数は、前年同月比2.7%上昇。価格変動が激しいエネルギーと食品を除いたコア指数は2.9%上昇し、ともに市場予想と同水準だった。個人所得と消費は予想から若干上振れしたものの、FRBが想定する年内あと2回の利下げを阻む内容ではないと受け止められた』と伝えています。次に、『週明け29日、30日は、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ見通しに加え、政府機関閉鎖へのリスク警戒感から安全資産としての金需要が一層高まり、連日の最高値更新となった。』と伝えています。さらに、『アジア時間1日午前の取引で金相場は最高値を更新した。NY金(12月)は一時、9月30日に付けた高値を上回る1オンス=3904.10ドルと、一時初めて3900ドルを付けた』と伝え、『会計年度末を迎えた米国では、つなぎ予算成立のめどが立たず、政府機関閉鎖の可能性を巡る不安から安全資産である金への買いが継続した。予算成立に向けた米共和、民主両党の協議は打開が見通せず、1日に米政府機関の一部閉鎖が始まった』と伝えています。そして、『金相場の年初来の上昇率は47%を超え、このままいけば年間ベースで1979年以来の大幅な値上がりとなりそうだ。世界の中央銀行による買いは継続しており、最近では金ETFへの資金流入が相場急騰を支えている』と述べています。NY金予想レンジは、『3800~4000ドル』と想定しています。一方、『国内では10月4日に自民党総裁選が一大イベントだろう。金融市場では高市氏勝利なら、為替相場は円安に動くと見る向きが多い。小泉氏なら大きな影響はない模様』と考察しています。OSE金予想レンジは、『1万8000~1万9000円』と想定しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の10月1日付「NY金は4000ドルか?」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。 <CS> 2025/10/02 17:32 注目トピックス 経済総合 南アフリカランド円今週の予想(9月29日)サンワード証券の陳氏 *16:35JST 南アフリカランド円今週の予想(9月29日)サンワード証券の陳氏 皆さん、こんにちは。今回は、南アフリカランド円についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、今週の南アフリカランド円について、『押し目買いに堅調だろう』と述べています。続いて、『南アフリカ株が好調。南ア全株指数(ETSE/JSE)は先週、最高値を更新した。金やプラチナ相場が大きく上昇したことで、貴金属関連の銘柄に買いが集まったことが背景。南ア株には鉱山企業が多く、貴金属価格と連動しやすい性質がある』と見解を述べています。次に、『南アフリカ準備銀行(中銀)の金融政策委員会(MPC)は18日、政策金利を7%に据え置いた。これまでの利下げの影響を見極める間、追加緩和を見送ることを決定した』と伝えています。そして、『8月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.3%上昇と、7月の3.5%上昇から予想外に減速した。予想では3.6%に加速するとみられていた。南アフリカ中銀は今年のインフレ率予測を平均3.4%とし、7月時点の予想(3.3%)から若干引き上げた。今年の経済成長率予測も0.9%から1.2%に引き上げた』と伝えています。南アフリカランド円の今週のレンジについては、『8.40円~8.80円』と予想しています。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の9月30日付「南アフリカランド円今週の予想(9月29日)にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。 <CS> 2025/10/02 16:35 注目トピックス 経済総合 NYの視点:米9月ADP雇用統計はネガティブサプライズ、雇用統計の先行指標は減速兆候を示唆 *07:36JST NYの視点:米9月ADP雇用統計はネガティブサプライズ、雇用統計の先行指標は減速兆候を示唆 米国政府機関が閉鎖したため、3日に労働省が予定していた9月雇用統計の発表が延期される可能性が濃厚となった。そんな中、最近の雇用状況を判断するうえで注目されていた雇用統計の先行指標のひとつ民間雇用者数を示すADP雇用統計の9月分は-3.2万人と予想外に8月に続き2カ月連続のマイナスとなった。8月分も-0.3万人と、+5.4万人から大幅マイナスに下方修正された。23年3月以来で最低となった。全米製造業活動を示すISM製造業景況指数の9月分の雇用は45.3と、8月43.8から上昇し5月来で最高。ただ、8カ月連続の50割れで活動の縮小となった。また、コンファレンスボードが発表した9月消費者信頼感指数で労働市場動向を反映するとエコノミストが注目している「雇用は十分」と「仕事を見つけるのが困難」の差は7.8と、7月の11.1から大幅に低下、2021年2月来で最低となった。雇用統計の先行指標は軒並み労働市場の弱さを露呈。連邦準備制度理事会(FRB)の年内の利下げを正当化する結果となった。米労働省が発表する9月雇用統計の非農業部門雇用者数は平均エコノミスト予想で+5.2万人と8月の+2.2万人から伸び回復予想。また、失業率は4.3%と、8月と同水準にとどまる見込みとなっている。■9月雇用先行指標●ADP雇用統計:-3.2万人(予想:+5.1万人、8月:-0.3万人←+5.4万人)●ISM製造業景況指数雇用:49.1(予想49.0、8月48.7)●コンファレンスボード消費者信頼感指数雇用十分:26.9(30.2)不十分:54.0(50.7)困難:19.1(19.1)6か月先増加:16.1(17.9)減少:25.6(25.9)不変:58.3(56.2)所得増加:17.6(18.8)減少:11.7(13.3)不変:70.7(67.9)■市場予想・米・非農業部門雇用者数:予想:+5.1万人、8月:+2.2万人)・米・失業率:予想4.3%、8月:4.3%・米・平均時給:前月比+0.3%、前年比+3.7%、8月:+0.3%、+3.7%) <CS> 2025/10/02 07:36 注目トピックス 経済総合 NYの視点:米8月JOLT求人件数は増加も内容は冴えず、労働市場の減速示唆 *07:49JST NYの視点:米8月JOLT求人件数は増加も内容は冴えず、労働市場の減速示唆 米国労働統計局が発表した8月JOLT求人件数は722.7万件と、7月720.8万件から増加し、予想を上回った。表面的な結果は良好だが、内容はさえない。米国政府機関が閉鎖となる可能性が高まっており、8月雇用統計の発表が延期される可能性から、この指数は現在の米国労働市場を判断する上で重要となる。1人の失業者に対する求人件数は0.98件と7月の1件から減少し、労働市場の鈍化の証拠のひとつとなった。また、雇用者の労働市場を巡る自信を示す自主的退職者数は309.1万人と昨年11月来で最低。自主的退職率は1.9%と2.0%から低下し、昨年12月来で最低となった。労働者は新しい仕事を見つけられることにさらに懐疑的になっている。採用者数は512.6万人と7月524万人から減少。採用率は3.2%と3.3%から低下した。同時に、解雇者数も172.5万人と前月から増加予想に反し減少し、5月来で最低。前月分も下方修正された。解雇率は1.1%で前月から変わらなかった。企業は従業員の新規採用に消極的な一方、解雇も回避していることが明かになった。コンファレンスボードが発表した9月消費者信頼感指数で労働市場動向を反映するとエコノミストが注目している「雇用は十分」と「仕事を見つけるのが困難」の差は7.8と、7月の11.1から大幅に低下、2021年2月来で最低となった。労働市場の鈍化を示唆するさらなる証拠となった。■8月労働市場ダッシュボード求人件数率:4.3%(7月4.3%)雇用削減率:1.1%(1.1%)自主的退職率:1.9%(2.0%)採用率:3.2%(3.3%)失業率:4.3%(4.2%)不完全雇用率(U6):8.1%(7.9%)非農業部門雇用者数:+2.2万人(+7.9万人)平均時給:前月比+0.3%、前年比+3.8%(+0.3%、+3.9%) <CS> 2025/10/01 07:49 注目トピックス 経済総合 自民党と国民党:長い歴史を誇る2大政党で党首選(2)【中国問題グローバル研究所】 *10:31JST 自民党と国民党:長い歴史を誇る2大政党で党首選(2)【中国問題グローバル研究所】 ◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページ(※1)でも配信している「自民党と国民党:長い歴史を誇る2大政党で党首選(1)【中国問題グローバル研究所】」の続きとなる。※この論考は9月20日の<From the LDP to the KMT: Leadership Contests of Two Century-Old Parties>(※2)の翻訳です。国民党が直面する7つの課題詳しく見ていく前に、課題を大きく2つのグループに分けるとわかりやすい。最初の5つはメディアで広く取り上げられ、有権者の関心も高いテーマで、国民的議論の的となっている。これに対して残りの2つは、議論にはさほど上っていないが、国民党が真に新しく生まれ変われるかどうかを左右する根深い構造的問題だと私は考えている。1.世代継承という課題国民党は「高齢者の党」と表されることが少なくない。意思決定は相変わらず年配者が牛耳り、若い党員はメディア対応やオンライン動員など補助的役割しか担わせてもらえない。こうした構造的な不均衡により、40歳未満の有権者の目には国民党が魅力的に映らない。若者の参加を声高に呼びかけてはいるが、それを真の影響力に変えるメカニズムがほとんどない。新主席が、若者が声を上げられる仕組みを制度化しないかぎり、「世代交代」は実現せずスローガンのままで終わるだろう。2.1992年合意の捉え方「1992年合意」は長年にわたり国民党の中台関係の試金石となってきた。高齢の支持者にとっては対話と平和の象徴であるが、若い有権者や中道派の目には政治的な負担と映り、「中国政府への譲歩」を暗に示す言葉になってきた。中国政府側は曖昧さを残さず、1992年合意は「1つの中国」という原則を受け入れたことを意味すると公然と断言している。中国のこうした強固な姿勢により、国民党が台湾内でこの概念を普及させることを一段と難しくしている。そのため、この合意に対する主体性を取り戻すことが不可欠である。民主主義と安全保障に合致した形でこの合意を再解釈しなければ、国民党の支持者の流出が続くだろう。次期主席はこの合意を更新するか、破棄するか、擁護するかを決めなければならないが、どれを選択したとしても大きな犠牲を払うことになる。3.2028年総統選に向けたつなぎ役今後について言えば、党内では多くが盧秀燕台中市長を2028年総統選挙の国民党候補として最有力視している。そうなると、新主席はリーダーというよりつなぎの役割を果たし、派閥の取りまとめや内紛の抑制、盧氏の立候補に向けた地固めを担うことになる。つまり、個人的な野心ではなく、調整役としての役割が求められる。この責務に対応できなければ、党内分裂で総統選出馬をめぐり混乱が生じた2024年の二の舞になりかねない。4.藍白合作の可能性と危険性国民党(藍)と台湾民衆党(白)の連携(藍白合作)協議が不可欠である。過半数の議席確保を考えると連携は魅力的だが、両者の間には根深い不信感がある。国民党は少数党である相手が足かせになることを心配し、民衆党は最大野党である相手に吸収されてしまうことを恐れている。価値観や長期的な戦略を共有できなければ、いかなる連携もご都合主義と思われかねない。そのうえ、連携が破綻すれば、2つの野党陣営の票が簡単に割れ、民主進歩党(民進党)が漁夫の利を得る可能性がある。主席には今後、現実主義と原則の間で微妙なバランスを取ることが求められる。5.財務・組織面の制約国民党は資産凍結により資金難に陥っている。資金集めで民進党に大きく後れを取り、草の根レベルでの活力も損なわれてきた。資金不足が政策刷新の減速と若手政治家育成への投資の抑制を招いている。国民党が地元の派閥や従来の後援ネットワークへの依存を強めれば強めるほど、21世紀の台湾統治を担う現代的な政党というイメージを打ち出すことが難しくなる。この資金調達に伴うジレンマを解決できなければ、誰が主席になったとしても、一度に限らずその後も続く選挙サイクルで勢いを持続するには苦労するだろう。6.党文化にちらつく「権威主義の影」こうしたおなじみの議論以外にも、日々のニュースではほとんど取り上げられない深刻な課題がある。国民党の組織文化に根強く残る権威主義的姿勢だ。見落とされがちだが最大の障壁と言えるのは、国民党の組織文化だろう。台湾の権威主義時代は何十年も前に終わったが、そのトップダウン型の意思決定モデルの名残が党に色濃く残っている。権力が幹部に集中する一方、一般党員に発言権はほとんどない。入党した若手政治家は、何世代にもわたり繰り返され定着してきた序列制度にしばしば道を阻まれる。これとは対照的に、民進党は派閥争いがあるとはいえ、伝統的に市民団体や社会運動、若者のアクティビズムから活力を引き出してきた。それでもやはり亀裂が生じつつある。かつては強固な民進党の牙城だった高雄などで起きた最近のスキャンダルは、地方官僚や派閥、建設廃棄物の不法投棄との間の癒着疑惑を伴っており、民進党も根深い縁故主義の腐敗的影響から逃れられないことを示唆している。いずれの政党も、序列制度と派閥主義のレガシーにそれぞれの形で苦しめられ続けている。国民党にとって、この「権威主義の影」は刷新の足かせとなるだけでなく、依存と服従という心理を育み、党の適応能力を制限している。国民党が新人を前面に打ち出したとしても、基本的な構造は変わらない。こうした文化的慣性に対処しなければ、主席の交代は真の刷新ではなく、単なるうわべだけの対応になりかねない。さらに視点を広げると、これは、社会が変化し続ける中で信頼性を維持するには、国民党だけでなく台湾の政党政治全体の構造刷新が必要なことを示している。7.国際的位置付けの曖昧さこれまであまり検証されてこなかった国民党のもう1つの弱点は、その国際的な立場である。これはメディアで取り上げられないことが多いが、インド太平洋地域における台湾の戦略的選択において極めて重要である。米中対立が深刻化し、インド太平洋戦略がこの地域に変化をもたらす中、国際社会で台湾の果たす役割がかつてないほど注視されている。民進党は親米反中の姿勢を一貫して示し、民衆党は中道という現実路線を取ってきた。一方、国民党は「平和的な中台関係」を強調し続けるだけで、幅広い外交政策の枠組みを示していない。こうした曖昧さは、3つのリスクをもたらす。国内的には中国を警戒する若い有権者を遠ざけ、国際的には日本や米国などパートナーの信頼を損ねる。これらパートナーは、国民党政権が安全保障上の約束を守るのか確信を持てずにいる。また地域的には、東南アジア諸国がヘッジ戦略の策定を積極的に進めている中で、インド太平洋地域の幅広い協議に台湾が参加できないまま取り残される。説得力のある国際的ビジョンがなければ、国民党は対中政策をめぐって国内の議論に終始し、複雑な国際秩序の中での統治能力に疑いを持たれかねない。一方、民進党は問題点があるとはいえ、インド太平洋地域における台湾の位置付けを明確に示してきた。これに対して国民党の曖昧さと民衆党の沈黙は、いずれも野党政治に危険な空白領域があることを露呈している。特に、国民党は台日関係の明確なビジョンを示しておらず、最も重要なパートナーシップの1つを曖昧なまま放置している。結論:国民党は自らの運命を書き換えることができるのか?国民党の主席選挙は単なる政党トップを決める闘いではない。党が組織を近代化し、メッセージを刷新し、社会と再びつながることができるかどうかの試金石となる。メディアは世代間の隔たりや1992年合意、藍白合作、資金難などおなじみのテーマにスポットを当てることが多いが、より根深い問題は、同党の文化に残る権威主義的姿勢や国際的な立場の曖昧さである。新主席がこうした制約を打ち破ることができなければ、国民党は前時代的で不満がくすぶる状態から抜け出せないままとなる可能性が高い。だが構造的な弱点に正面から向き合い、真の改革を受け入れ、国際社会における台湾の立場について確かなビジョンを明確に示せば、復活を現実のものとできるかもしれない。国民党は今、過去のしがらみから逃れられない野党になるか、未来を見据えた与党になるかの岐路に立たされている。台湾で最大野党議員のリコール投票 全選挙区で否決(写真:ロイター/アフロ)(※1)https://grici.or.jp/(※2)https://grici.or.jp/6657 <CS> 2025/09/30 10:31 注目トピックス 経済総合 自民党と国民党:長い歴史を誇る2大政党で党首選(1)【中国問題グローバル研究所】 *10:25JST 自民党と国民党:長い歴史を誇る2大政党で党首選(1)【中国問題グローバル研究所】 ◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページでも配信している(※1)陳建甫博士の考察を2回に渡ってお届けする。※この論考は9月20日の<From the LDP to the KMT: Leadership Contests of Two Century-Old Parties>(※2)の翻訳です。ほぼ同時期に行われる2つの党首選日本では自由民主党(自民党)の総裁選が再び行われ、台湾でも国民党の主席選挙が実施される。ともに長い歴史を誇り、それぞれの政治体制の道筋を確立してきた両党が今、まったく異なる岐路に立たされている。自民党は依然として政権与党の座にあるとはいえ、支持率が急落し、直近の衆・参院選で単独過半数を確保できなかった。一方、国民党は野党だが、立法院で多数派を占め、注目を集めたリコール投票を2回とも不成立に終わらせた。この2つの政党を比較することは興味深い。一方は政権維持に苦慮する与党であり、他方は野党でありながら、復活の兆しを見せている。自民党の野党への転落危機と国民党の復活の兆し日本にとって、自民党総裁選は単なる党内の人事刷新以上の意味を持ち、党の統治能力に対する民意を表すことが少なくない。1955年の結党以来、自民党は日本の「一党支配体制」を体現してきた。ところが昨今では、高齢化や成長停滞、安全保障上の脅威の深刻化など、構造的課題に悩まされている。党内部に目を転じると、派閥政治の復活で、総裁選は純粋にビジョンを競う場ではなく、ライバルの領袖同士が競り合う場と化している。連立パートナーの公明党(宗教団体である創価学会を母体とする中道の少数政党)抜きでは衆参両院で過半数を維持できず、支持率も過去最低水準に落ち込み、不安定な立場にあることは疑いようもない。そのため、今回の自民党総裁選は単に個人を選ぶのではなく、自民党が日本の未来の舵取り役としてふさわしい党かどうかが問われる選挙となる。一方、国民党はまったく異なるジレンマに直面している。与党ではなく、立法院で多数派を占める野党としての課題は、政権をいかに維持するかではなく奪い返すかである。言い換えると、自民党の総裁選は持ちこたえるための守りの闘いであるのに対して、国民党の主席選は返り咲けるかどうかの攻めの試金石である。政権維持のために闘う与党と存在価値を再び示そうとする野党を対比することで、日本の読者にわかりやすい形で両方の党首選の意義を伝えられるだろう。国民党の候補者と世代間ギャップ国民党の党首選には6名が立候補している。前立法委員の鄭麗文氏、現立法委員の羅智強氏、彰化県元県長の卓伯源氏、元台北市長の郝龍斌氏、元国民大会代表の蔡志弘氏、孫文学校総校長の張亜中氏である。この中で実際に「ミドル世代」の候補者といえるのは鄭氏と羅氏だけである。それ以外の4名はいずれもベテラン政治家であり、そのキャリアはひと時代前に遡る。この顔ぶれは、国民党内で世代間の分断が長く続いていることを物語っている。派閥主義でありながらトップの入れ替わりが慣行化している自民党とは異なり、国民党は若い人材の育成に苦慮してきた。党首の候補者が、未来を描くというより前時代を思わせる顔ぶれなのは、そのためである。「自民党と国民党:長い歴史を誇る2大政党で党首選(2)【中国問題グローバル研究所】」に続く。台湾で最大野党議員のリコール投票 全選挙区で否決(写真:ロイター/アフロ)(※1)https://grici.or.jp/(※2)https://grici.or.jp/6657 <CS> 2025/09/30 10:25 注目トピックス 経済総合 NYの視点:米8月中古住宅販売成約指数は3月来で最高、住宅市場に回復の兆し、住宅ローン金利低下が奏功 *07:43JST NYの視点:米8月中古住宅販売成約指数は3月来で最高、住宅市場に回復の兆し、住宅ローン金利低下が奏功 全米不動産協会(NAR)が発表した8月中古住宅販売成約指数は前月比+4.0%の74.7まで上昇した。3カ月ぶりのプラス成長に改善し3月来で最高となった。伸び率は予想上回り、3月来で最大を記録。今後の中古住宅販売の回復を示唆した。住宅ローン金利の低下が奏功した。最も一般的である固定30年物の住宅ローン金利は6.34%と、ほぼ1年ぶりの低水準。在庫も減った。金利の低下に加え、様々な優遇措置が奏功し市場の先行指標となる新築住宅販売の最新8月分も予想外の増加で、2022年来の高水準に達するなど、住宅市場に回復の兆しがみられる。 <CS> 2025/09/30 07:43 注目トピックス 経済総合 NYの視点:【今週の注目イベント】米政府機関閉鎖リスク次第で雇用統計、JOLT求人、ADP雇用統計、ISMに注目 *07:46JST NYの視点:【今週の注目イベント】米政府機関閉鎖リスク次第で雇用統計、JOLT求人、ADP雇用統計、ISMに注目 今週は予算案の行方に注目が集まる。共和党と民主党の対立が続き、予算案が成立せず政府機関が閉鎖するリスクが一段と強まった。話し合いの行方に注目。もし、決着がつかず政府機関が閉鎖した場合、雇用統計の発表も困難となる。このため、民間部門の雇用統計となるADP雇用統計やJOLT求人件数に注目が集まる。現時点で10月3日に発表予定の雇用統計では非農業雇用者数が前月比5万人増となる見込み。毎月の雇用の伸びの分岐点は0-5万人と、米リッチモンド連銀のバーキン総裁は指摘している。労働市場の弱さが再確認されると利下げ観測が強まりドル売りがさらに強まる。ユーロ圏のインフレ指標は多少の加速を示す可能性が高い模様。中国では10月1日から8日まで連休のため休場となる。また、日本の総選挙の行方にも焦点が集まる。■今週の主な注目イベント●米国29日:イスラエルのネタニヤフ首相がホワイトハウスでトランプ米大統領と会談、 米クリーブランド連銀総裁、パネル討論会に参加、米アトランタ連銀総裁、デルタCEOとの対談で司会・米中古住宅販売成約指数 (8月)30日:主要20都市住宅価格指数、FHFA住宅価格指数 、消費者信頼感指数、求人件数、米シカゴ連銀総裁は質疑応答、ダラス連銀総裁は討論会に参加、ジェファーソンFRB副議長とラガルドECB総裁、フィンランド中銀会議で基調講演(ヘルシンキ)10月1日:ADP雇用統計、S&Pグローバル米製造業PMI、ISM製造業景況指数、建設支出2日:新規失業保険申請件数、製造業受注、ダラス連銀総裁、討論会に参加3日:雇用統計、S&Pグローバル米サービス業・総合PMI、ISM非製造業総合景況指数●ユーロ圏29日:ユーロ圏景況感指数 、ユーロ圏消費者信頼感指数30日:独失業率、独CPI10月1日:EU首脳会議(非公式、コペンハーゲン)、ユーロ圏製造業PMI、ユーロ圏CPI、独製造業PMI2日:ユーロ圏失業率 (8月)3日:ユーロ圏サービス業・総合PMI、ユーロ圏PPI●日本4日:自民党総裁選挙●中国30日:中国製造業・非製造業PMI、中国RatingDog製造業・サービス業・総合PMI10月1-8日:国慶節の連休で休場●豪州30日:豪中銀、政策金利発表●英30日:GDP <CS> 2025/09/29 07:46 注目トピックス 経済総合 国内外の注目経済指標:9月米雇用統計の大幅な改善は期待されず *13:53JST 国内外の注目経済指標:9月米雇用統計の大幅な改善は期待されず 9月29日-10月3日発表予定の経済指標予想については以下の通り。■9月30日(火)午後11時発表予定○(米)9月消費者信頼感指数-予想:95.8参考となる8月実績は97.4で7月実績を下回った。雇用機会に関する評価が低下したことなどが要因。9月について雇用情勢の改善が期待できないため、8月実績を多少下回る可能性がある。■10月1日(水)午前8時50分発表予定○(日)日銀短観9月調査-大企業製造業DIは+15参考となる6月実績は+13。9月調査については、人手不足や物価高が重石となるものの、堅調なインバウンド需要や家計の所得環境の改善が評価されそうだ。大企業・製造業のDIは6月調査をやや上回る可能性がある。■10月3日(金)午後9時30分発表予定○(米)9月雇用統計-予想:非農業部門雇用者数は前月比+5.0万人、失業率は4.3%8月の非農業部門雇用者増加数は前月比+2.2万人にとどまっており、6月の雇用者は前月比-1.3万人に下方修正された。失業率は4.3%で予想と一致したが、上昇傾向にある。9月については8月分の反動増の可能性があるが、大幅な雇用増は期待できない。失業率は横ばいとなる見込み。■10月3日(金)午後11時発表予定○(米)9月ISM非製造業景況指数-予想:52.0参考となる8月実績は52.0。9月についてはインフレ持続や雇用情勢の悪化が警戒されており、目立った改善は期待できない。○その他の主な経済指標の発表予定・9月30日(火):(日)8月鉱工業生産、(米)8月雇用動態調査(JOLTS)・10月1日(水):(欧)9月消費者物価指数、(米)9月ADP雇用統計・10月2日(木):(欧)ユーロ圏8月失業率・10月3日(金):(日)8月失業率 <FA> 2025/09/27 13:53 注目トピックス 経済総合 NYの視点:米Q2GDP確定値は2年ぶり高水準、消費強くサービスインフレ上昇懸念も浮上、コアPCEに注目 *07:41JST NYの視点:米Q2GDP確定値は2年ぶり高水準、消費強くサービスインフレ上昇懸念も浮上、コアPCEに注目 米商務省が発表した4-6月期国内総生産(GDP)確定値は前期比年率+3.8%と改定値+3.3%から予想外に上方修正され23年7-9月期以降ほぼ2年ぶり最高となった。個人消費が底堅く成長を支えた。同期個人消費確定値は前期比年率+2.5%と、改定値+1.6%から上方修正され昨年10-12月期来で最高。消費はGDP成長に1.7%ポイントのプラス寄与と、改定値の1.1PPTから上方修正された。GDPの結果で、4-6月期の消費や投資が当初想定させていた以上に強かったことが明らかになった。関税ではなく、強いサービスがインフレを押し上げた可能性も示唆された。インフレリスクの上昇で連邦準備制度理事会(FRB)が注視しているインフレバランスが再び変わった可能性もある。FRBがインフレ指標として特に注視しているコア個人消費支出価格指数(PCE)の8月分は前年比+2.9%と、7月と同水準を維持する見込み。予想を上回った場合は、年内の利下げ観測が後退することになる。 <CS> 2025/09/26 07:41 注目トピックス 経済総合 米連邦公開市場委員会(FOMC)後、金は連日の最高値更新 サンワード証券の陳氏 *18:25JST 米連邦公開市場委員会(FOMC)後、金は連日の最高値更新 サンワード証券の陳氏 皆さん、こんにちは。今回は、金についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、『米連邦公開市場委員会(FOMC)後、金は連日の最高値更新』と述べています。続けて、『NY金(12月)が23日に清算値ベースで2日連続の最高値を更新となった。1オンス=3815.70ドル。金相場が45年前に記録したインフレ調整後のピークをはるかに上回った』と伝えています。また、先週17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、市場の予想通りに6会合ぶりの0.25%の利下げが決定された』と述べています。そして、『欧州の地政学リスクも高まっている。先々週、ポーランドの領空にロシアのドローン(無人機)が侵入した。また、19日にはエストニアが、ロシアのミグ31戦闘機3機が領空を侵犯したと発表した』と伝え、『地政学リスクの高まりも金買いに走らせている』と述べています。また、『米商品先物取引委員会(CFTC)によると、直近のNY金の建玉内容によると、ファンドの買い越しは前週比4670枚増の26万6410枚と4週連続で増加し、2月18日以来7カ月ぶりの高水準となった。ただ、2024年9月には31万5000枚の買い越しとなった時があり、現在の金相場を取り巻く強材料を見ると、ファンドの買い越しはまだ増加していく余地があるだろう。1トロイオンス=4000ドルの大台はそう遠くないかもしれない』と見解を述べています。NY金予想レンジは、『3750~3950ドル』と想定しています。そして、OSE金は、『先週19日の日銀金融政策会合は現状維持だったが、2名の委員が利上げを主張した。一時的に円高に振れる場面もあったが、自民党総裁選の渦中にあり、円買いには傾むかなかった。そのため、円高による急落は回避された。NY金の堅調地合いを背景に、さらに最高値を更新する可能性が高いだろう』と考察し、予想レンジは、『1万7000~1万9000円』と想定しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の9月22日付「米連邦公開市場委員会(FOMC)後、金は連日の最高値更新」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。 <CS> 2025/09/25 18:25 注目トピックス 経済総合 メキシコペソ円今週の予想(9月22日) サンワード証券の陳氏 *18:23JST メキシコペソ円今週の予想(9月22日) サンワード証券の陳氏 皆さん、こんにちは。今回は、メキシコペソ円についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、メキシコペソ円について、『押し目買いが継続しよう』と述べています。続いて、『今週25日のメキシコ中銀会合では、0.25%の利下げが予想されている』と述べ、『メキシコ中央銀行は四半期報告書で、2025年の国内総生産(GDP)予想を従来の前年比0.1%増から0.6%増へ、26年予測も0.9%増から1.1%増へそれぞれ上方修正した。メキシコ経済は予想を上回って推移しているとの見解を示した』と伝えています。そして、ロドリゲス総裁は、『トランプ関税のメキシコ経済への影響が明確になるにはさらに時間を要する可能性があるとして「メキシコ経済は外部環境が示唆するよりも良好なパフォーマンスを示しており、米国の経済政策の変更による悪影響が現れるまでに時間がかかる限り、予想を上回り続ける可能性がある」と指摘した』と解説しています。また、『国際通貨基金(IMF)は19日、メキシコ経済について、成長は2025年に減速を続けるものの、来年には小幅に上向くとの見通しを示した。長期的な安定のためには財政・構造対策が必要と警告した。見通しは貿易摩擦、インフラ格差、財政の脆弱性によって曇っていると指摘。ただ、財政安定性に対するリスクは低いと思われ、米国の需要が予想以上に強く、米国およびカナダとの貿易協定を有利に見直すことができれば改善する可能性があるとした』と伝えています。一方、『カナダのカーニー首相とメキシコのシェインバウム大統領は18日、メキシコ市で共同記者会見し、両国間の関係を一層深め、また米国とともに結んでいる自由貿易協定を強化する考えを表明した。シェインバウム氏は両国が敬意を持って協力を続けることに楽観的な見方を示した。カナダ、メキシコ、米国は来年、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の見直しを予定している』と伝えています。メキシコペソ円の今週のレンジについては、『7.90円~8.20円』と予想しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の9月22日付「メキシコペソ円今週の予想(9月8日)」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。 <CS> 2025/09/25 18:23 注目トピックス 経済総合 NYの視点:米8月新築住宅販売件数はポジティブサプライズ、先行指標も変動激しく回復に懐疑的見方も *07:39JST NYの視点:米8月新築住宅販売件数はポジティブサプライズ、先行指標も変動激しく回復に懐疑的見方も 米商務省が発表した8月新築住宅販売件数は前月比+20.5%の80万戸と、7月から減少予想に反し増加し、予想65万戸も上回った。2022年1月来で最高となった。増加率は22年8月来で最大。住宅ローン金利の上昇が緩和したほか、様々なプロモーションが奏功したと見られる。全地区で販売ペースの加速が見られたが特に南部での販売は2021年初旬来で最大のペースを記録。中間住宅価格は前年比+1.9%の41.35万ドルとなった。高級住宅の販売加速が中間価格を押し上げたが、今後は過剰な在庫が引き続き価格の上値を抑制すると見られている。全米ホームビルダー協会(NAHB)が発表した建設業者のセンチメントは購入希望者の客足が低迷、販売の低下を示唆していたため、結果はポジティブサプライズとなった。新築住宅販売は住宅市場で占める割合は小さいが、契約時点での統計となるため市場の先行指数として注目される。同時に、修正幅も大きく、変動の激しい指数としても知られるため、住宅市場の回復基調にはまだ懐疑的な見方もある。 <CS> 2025/09/25 07:39 注目トピックス 経済総合 上海協力機構の未来の姿とは【中国問題グローバル研究所】 *10:13JST 上海協力機構の未来の姿とは【中国問題グローバル研究所】 ◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページ(※1)でも配信しているテムール・ウマロフの考察をお届けする。※この論考は9月15日の<What Is the Future of the Shanghai Cooperation Organization>(※2)の翻訳です。世界的に大きな注目を集める上海協力機構(SCO)だが、この組織の評価については観測筋の間で意見が分かれる。「漠然とした寄り合い」から「NATOのような軍事同盟」、ひいては「新たな国際連合」までと幅広い。前身の上海ファイブが1996年に結成(2001年にSCOが発足)されてから来年で30周年の節目を迎えるが、その目標と目的はいまだ定かではない。天津(中国)で先日開催されたSCO首脳会議でも、掲げられた目的と実像の乖離というSCOの根本的問題が解決を見ることはなかった。表向きの目的SCO憲章によると、その主な目標は相互の信頼関係と友好関係の強化、政治・経済・文化面での協力推進、地域の平和と安全保障の共同維持などである。この公式文書にSCOの目的が明確に示されているとは言いがたい。SCOはまた、加盟国に対する指針として「上海精神」を掲げている。しかし、これが実際に何を意味するのかは曖昧だ。中国の公式メディアでさえ、「『上海精神』については、それぞれ独自の解釈がある」ことを認めている。SCOが具体的な成果として唯一挙げることができるのは、加盟国の総面積が世界の陸地の3分の1を占め、人口が世界全体のほぼ半分、GDPが世界全体の4分の1を占めているという印象的な統計データだけだ。ただし、こうした数字は例えば国の規模がその経済発展のスピードを証明しないのと同様に、SCOの有効性を示すものではない。このように実際の機能が欠如しているにもかかわらず、SCOは拡大を続けている。この10年間にインド、パキスタン、イラン、ベラルーシが新たに加盟し、14カ国が「対話パートナー国」となった。そこで次のような疑問が生じる。「得るものが乏しい組織に加盟するのはなぜだろうか?」実際の目的SCOがまったく機能していないというわけではない。1996年に上海ファイブとして発足したときには、中国と旧ソビエト諸国間の国境紛争を解決して大きな成果をあげた。その後は解散せず、ソ連崩壊後の中露間の地域協力プラットフォームへと移行した。ところが両国が共有ビジョンで合意できず、以来SCOは目的を模索し続けている。SCO首脳会議では数多くの声明や提案がなされるが、それが実際の変化や取り組みにつながることは稀である。また同組織はSCOビジネス評議会や銀行間コンソーシアムなどさまざまな機関を設置してきたが、その公式ウェブサイトにおいてさえ、具体的なプロジェクトの存在や加盟国の法制度改正についてほとんど確認できない。実際のところ、SCOとその機関の主な活動はイベントの主催である。実際に活動をしている組織は、合同軍事演習を実施しているSCO地域反テロ機構(RATS)しかない。SCOの価値は、各国がお互いの国内政治問題を指摘し合うことなく定期的に会議を開催できる「安全な場」という役割にある。この「イベント管理」が、そうでなければ交流の機会がないかもしれない政府機関間の架け橋を築くのに役立っている。隠れた目的SCOには独自のアジェンダがない。これは大規模な国際機関の多くに共通することだが、SCOの場合、加盟国それぞれの立場を反映している面が大きい。多様な国が加盟し、重要な問題で意見が一致しないことが多いため、公式な声明を出す際には細心の注意を払わなければならない。こうした慎重な姿勢が実質的に、外交の仲介者としてのSCOの機能を麻痺させている。とはいえ、これが各国が自国の利益のためにこの組織を利用しようとする妨げにはならない。例えばロシアは、外交政策上の目論見のためにSCOの後押しを得ることを幾度となく望んできた。2008年には当時のドミトリー・メドヴェージェフ大統領が南オセチアの独立問題を提起し、2014年のロシアのアジェンダにはクリミアの承認が盛り込まれ、2022年にはロシア政府がウクライナ戦争に関する国連決議の投票におけるSCOとしての統一的な立場を求めた。またロシア政府はSCOの新たなミッションに自らのイデオロギー的ビジョンを反映させようと定期的に試みているが、そのイデオロギーは今のところ他の加盟国が優先する外交政策と合致していない。2022年のSCO首脳会議はサマルカンドで開催されたが、ウズベキスタン政府はその開催前に、「SCOがNATOに対するロシアの対抗手段だ」とロシアのジャーナリストが主張したことに異議を唱えた。中国は自国のディスコースパワー(話語権)の強化にSCOを利用しており、それはこの組織が採択した共同文書に見てとれる。これらの文書には、「運命共同体」など中国共産党の文書に由来する言葉が並ぶ。中国政府はかつてSCOを、中央アジアで自らの野望を推し進めるための実務機関にしようとしたものの、開発銀行や自由貿易圏の創設など主要なイニシアチブをロシアにことごとく妨害された。その結果、中国はSCO発展への関心を失い、中央アジア各国との二国間関係を個別に構築する独自路線へ移行した。「C5プラス中国」体制を構築して地域での存在感を示し、「一帯一路」構想をはじめとするグローバルな取り組み(開発、安全保障、文明分野)に中央アジアを取り込んだ。イランとベラルーシ、そしてオブザーバー国のアフガニスタンは、自国が国際政治に関与しており、国際的に孤立していないことを知らしめる手段としてSCOへの参加を利用し、インドは西側諸国と交渉する上で自国の立場を強化する代替プラットフォームとしてSCOを位置付けている。中央アジア諸国がSCOを重視する理由はいくつかある。まず、これらの国々は創設国に名を連ねているが、彼らが創設に関わった主要な国際組織は他にはあまりない。次に、中央アジアを中心としたユーラシア地域をカバーするSCOは、貴重な地政学的プラットフォームである。3番目に様々な国の異なる政府レベルのリーダーと関係を構築できるというSCOならではの特徴がある。今後の目的SCOの未来は、強固な軍事・経済圏としてではなく、多国間交渉のプラットフォームとしての役割を拡大・強化し続けていくものになるだろう。加盟しても重大な責任を課されず、その国独自の目標を追求できるため、参加する国は増え続けている。SCOが持つ曖昧さは弱点ではなく、むしろ、現代国際関係における幅広い傾向を反映した重要な特徴である。他国の行動に対する責任を―たとえその国との関係が緊密であったとしても―負うことを避けるため、強固な同盟関係を忌避する国が増えている。豪印米日間のQUAD(クアッド)や豪英米間のAUKUS(オーカス)など米国の新たなイニシアチブにはもはや、一つの締約国への攻撃を全締約国への攻撃とみなすとするNATO条約第5条のような厳格なコミットメントは定められていない。この柔軟性こそが、SCOを戦略的資産たらしめている。立役者である中国は、SCOの活動を必要以上に規定することを望んでいない。地政学的環境が常に変化する状況において、それが制約となりかねないからだ。SCOは、ニーズの変化に応じてその目的を定める、未来の同盟関係のひな形とみなすことができる。その柔軟性により、関係性を保ちつつ、新たな加盟国を呼び込んでいるのであり、SCOを現代の国際関係においていささか異色の組織としている。上海協力機構首脳会議 中国・天津で開催(写真:新華社/アフロ)(※1)https://grici.or.jp/(※2)https://grici.or.jp/6644 <CS> 2025/09/24 10:13 注目トピックス 経済総合 NYの視点:米9月PMIはペース鈍化、売り上げ鈍化や関税の転嫁緩和でインフレ圧力も鈍化へ *07:49JST NYの視点:米9月PMIはペース鈍化、売り上げ鈍化や関税の転嫁緩和でインフレ圧力も鈍化へ 米9月製造業PMI速報値は52.0と、8月53.0から予想以上に低下した。ただ、成長圏である50台を2カ月連続で維持した。サービス業PMI速報値は53.9と、8月54.5から低下し6月来で最低となった。同月総合PMI速報値は53.6と、8月54.6から低下し6月来で最低。指標は第3四半期経済で前期比年率2.2%増成長に一致する。総合PMIの雇用項目は5カ月ぶりの低水準に落ち込んだ。売上げ鈍化で、在庫は2007年来で最大に積み上がった。在庫の積み上がりは将来の生産下方リスクを示唆。成長圏を保っているものの、一部で弱さが見られると、S&Pグローバルマーケットのチーフエコノミストは指摘。企業は新規採用を手控えていることや需要の鈍化状況が広範に報告されたという。関税を巡る懸念が重しとなったものの、金利の低下によるプラスの影響への期待に相殺された。インフレは今後数カ月連邦準備制度理事会(FRB)の目標を上回る水準を維持する可能性を示唆しているものの、需要の冷え込みへの対処で、関税コストによる値上げの動きが緩和。関税は製造業、サービス業のコスト上昇をけん引したが、企業は販売価格への転嫁を緩和しつつあると、S&Pグローバルマーケットのチーフエコノミストは指摘した。これにより、インフレの鈍化が予想されると加えた。FRBの利下げ軌道を後押しする結果となった。 <CS> 2025/09/24 07:49

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