注目トピックス 経済総合ニュース一覧
注目トピックス 経済総合
プラチナは1300ドル超えか? サンワード証券の陳氏
*17:37JST プラチナは1300ドル超えか? サンワード証券の陳氏
皆さん、こんにちは。今回は、プラチナについてのレポートを紹介します。陳さんはまず、『プラチナは1300ドル超えか?』と述べています。続いて、『ここ数日、金相場以上にプラチナが急騰している』と述べ、『ワールド・プラチナ・インベストメント・カウンシル(WPIC)の第1四半期レポートで、2025年も供給不足が予想されるため、23年から3年連続の供給不足になるという見通しが発表された。昨年は31 トンの大幅不足となり、今年は30 トンの不足が予想されている』と解説しています。また、『4月の中国のプラチナ輸入量が大きく伸びたことが今回の上昇のきっかけとなったようだ』と見解を述べています。一方、『過去3年間を見ると、プラチナは1000ドルを超える場面が数回あったが、いずれも上昇は長続きせず900〜1000ドルの取引レンジに戻った』と伝え、『しかし、すでに1200ドルを超えて上昇が続いている。金価格が3400ドルを超えて史上最高値圏にあるため、宝飾用需要が落ち込む中、金との価格差が2200ドルもあるため、プラチナの金に対する割安感が改めて意識された可能性がある』と示唆しています。こうしたことから、陳さんは、『NYプラチナは、短期的に1200~1300ドルのレンジで推移しそうだが、投資需要が増えると1300ドルを超えて一段高の展開も想定されよう』と考察しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の6月18日付「プラチナは1300ドル超えか?」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。
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2025/06/19 17:37
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金は地政学リスクで大幅高 サンワード証券の陳氏
*16:37JST 金は地政学リスクで大幅高 サンワード証券の陳氏
皆さん、こんにちは。今回は、金についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、『金は地政学リスクで大幅高』と述べています。続いて、『先週のNY金(8月)は、週末13日に3452.80ドルと清算値ベースで4月下旬以来約1カ月半ぶりに史上最高値を更新した』と伝え、『イスラエルが13日未明に、イラン中部のウラン濃縮施設やミサイル工場を含む複数の軍事目標に空爆を加え、複数の軍トップや著名な核科学者を殺害した。これに対しイランもドローンやミサイルを発射し報復を行った。イスラエル側にも死傷者が出ており、報復が更なる報復を呼ぶ展開になっている』と解説しています。陳さんは、『事態は沈静化するどころか複雑化しており、最悪の事態として、エネルギー供給の途絶、核兵器使用が連想される。現時点では、この戦争の落としどころが見えてこないため、地政学リスクの継続が金相場をサポートする展開が続き、3500ドルを突破して最高値更新の可能性が高いだろう。OSE金相場は、16日に1万6131円と史上最高値を更新した』と述べています。そして、『今週は17、18日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。4会合連続で政策金利は据え置きとなる見込み。米経済は緩やかに減速しているものの、総じて堅調であることから、利下げ開始は早くても9月と予想されている。利下げ予想は、金相場には押し上げ要因となろう』と考察しています。NY金(6月)予想レンジは、『3200~3600ドル』と想定しています。OSE金の予想レンジは、『1万5600~1万6200円』と想定しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の6月18日付「金は地政学リスクで大幅高」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。
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2025/06/19 16:37
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NYの視点:FOMC予想通り政策据え置き、タカ派姿勢維持
*07:42JST NYの視点:FOMC予想通り政策据え置き、タカ派姿勢維持
連邦準備制度理事会(FRB)は連邦公開市場委員会(FOMC)で市場の予想通り政策金利(フェデラルファンドFF金利の誘導目標)を据え置き、4.25-4.50%に決定した。前回の失業率やインフレ上昇リスクを判断していくとの文言を削除し、「失業率は引き続き低く、労働市場は依然堅調」とした。また、経済見通しにおける不透明感は低下したが依然高いとの判断。パウエルFRB議長は会見で、関税を巡る不透明感は4月がピークだったと指摘。●声明の修正点■失業率:引き続低い←前回:ここ最近低水準で安定■経済見通しの不確実性:低下したが依然高い←一段と上昇した■(委員会は)失業率の上昇、インフレの上昇リスクを判断していくとの文言を削除注目となっていた金融当局者の見通しでは、今年の国内総生産(GDP)予想を前回+1.7%から+1.4%成長に引下げ、コアPCEインフレは3.1%と、2.8%から引き上げられた。また、金利予想では、10メンバーが年2回の利下げ予想、7メンバーが年内の利下げなしと、見解は分かれた。パウエル議長は、現状で金利の確かな軌道を想定することは困難で、政策判断する前に、関税によるインフレへの影響を見極めたいとした。議長は不透明性が高まる中、経済は引き続き堅調だとの見方を示したほか、今後数カ月はインフレを想定しており、政策決定で考慮するべきだと、引き続きタカ派姿勢を維持した。金利は高くなく、幾分引き締め的だと指摘。そのほか、中東情勢による燃料価格上昇の可能性を指摘したが、利上げが基本シナリオではないことに間違いはないと強調。金融当局者は年2回利下げ予想を維持しているなど、まちまちなシグナルとなった。7月以降に関税を巡り、より確実になるまで、ドルも方向感を探る展開が続く可能性がある。
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2025/06/19 07:42
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南アフリカランド円今週の予想(6月16日)サンワード証券の陳氏
*17:36JST 南アフリカランド円今週の予想(6月16日)サンワード証券の陳氏
皆さん、こんにちは。今回は、南アフリカランド円についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、今週の南アフリカランド円について、『レンジ相場が続きそうだ』と述べています。続けて、『中東情勢の緊迫化を背景に、新興国通貨市場には投資資金が入りにくくなっている。5月の製造業購買担当者景気指数(PMI、季節調整済み)は43.1と4月の44.7から低下した。企業からは需要を抑制している根強い物流の問題を指摘する声が上がっている。好不況の分かれ目である50を下回るのは7カ月連続で、景況感の悪化を反映している』と伝え、『ただ、6カ月後の事業環境見通しを示すサブ指数が年初来の高水準を記録したことは明るい材料。世界的な関税の一時停止や、国内の政策を巡る政治的対立が解消されるという楽観的な見方が背景。先行きに対するセンチメントは改善したものの、根本的な需要と活動レベルは依然として弱い』と見解を述べています。また、『2025年1-3月期の国内総生産(GDP)は季節調整済みで前期比0.1%増だった。24年10-12月期の成長率は0.4%増と、当初の見通し0.6%増から下方修正した』と伝え、『南アフリカは、08-09年の世界金融危機以来、経済成長に勢いを欠き、過去10年均で1%を割り込んでいる。昨年の連立政権樹立以降、企業や消費者の心理は改善されたものの、生産量の増加につながっていない』と述べています。そして、『南アフリカ準備銀行は先週、25年の経済成長率見通しを1.2%と、従来の1.7%から引き下げた。南アフリカ経済は勢いを失っており、追加利下げの必要性が高まっている』と示唆し、『南アフリカ準備銀行は5月29日、政策金利を0.25%引き下げて7.25%に決定した』と伝えています。南アフリカランド円の今週のレンジについては、『7.90円~8.30円』と予想しています。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の6月17日付「南アフリカランド円今週の予想(6月16日)にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。
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2025/06/18 17:36
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NYの視点:FOMCタカ派据え置き予想、ドルも下げ止まる可能性も
*07:43JST NYの視点:FOMCタカ派据え置き予想、ドルも下げ止まる可能性も
連邦準備制度理事会(FRB)は17日から18日にかけて連邦公開市場委員会(FOMC)を開催している。関税を巡る不透明感が存続するほか、最近の地政学的リスクの上昇で、インフレ、景気への影響を判断するのがより困難となるため、当面政策維持する計画を再表明する可能性が強い。米国の週次失業保険申請件数が増加基調にあり労働市場にも減速の兆候も見られる。雇用者も労働市場への自信を無くしつつあり、消費者は支出に慎重になりつつあり、成長を抑制している。しかし、緊急的な利下げを必要するような状況ではない。関税のインフレへの影響に関し、パウエルFRB議長は一時的としてきたが、他の高官は、一時的にとどまるかどうか明確ではないと慎重な姿勢を示している。さらに、中東情勢の悪化で、原油が再び上昇すると、追加のインフレ要因になる可能性もある。このため、FOMC参加者の予測ではインフレ予想が引き上げられる可能性もある。また、金利予測分布図(ドット・プロット)では中間予測で年1回の利下げにとどまる可能性がある。年初の2回利下げからさらに後退することになり、ドル支援材料となる。
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2025/06/18 07:43
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NYの視点:米6月NY連銀製造業指数は予想外に低下、仕入れ価格低下も販売価格は上昇、見通し依然不明確
*07:37JST NYの視点:米6月NY連銀製造業指数は予想外に低下、仕入れ価格低下も販売価格は上昇、見通し依然不明確
米6月NY連銀製造業景気指数は-16.0と、5月―9.2から改善予想に反し低下し、3月来の低水準となった。4カ月連続のマイナスとなった。主要項目の新規受注が-14.2と、5月+7.0から再び減少に落ち込んだことが全体指数を押し下げた。原材料の仕入れ価格指数は12.2ポイント前月から低下し、46.8と3月来で最低となった。低下幅は2年ぶり大幅となった。6か月先の仕入れ価格見通し指数低下。一方で、販売価格指数は5月から上昇。販売価格の見通しも上昇しており、企業は値上げ基調にあることはディスインフレや消費動向を抑制する可能性がある。雇用者数は4.7と、1月来の上昇圏を回復。週平均就業時間は-1.5と、5月-3.4から回復。見通しは3カ月連続で減少となった。連邦準備制度理事会(FRB)は明日から2日間にわたり連邦公開市場委員会(FOMC)を開催予定。消費や雇用に減速の兆しが見られ、インフレも鎮静化基調にあるものの、依然関税による影響が不透明であることに加えて、中東情勢の悪化で、当面様子見で金融政策を据え置く姿勢を再表明する可能性が強い。■米6月NY連銀製造業景気指数:-16.0と、5月―9.2新規受注:-14.2(5月+7.0)仕入れ価格:46.8(59.0)販売価格:26.6(22.9)出荷:-7.2(3.5)入荷遅滞:1.8(1.0)在庫水準:0.9(4.8)受注残:-8.3(4.8)雇用者数:4.7(-5.1)週平均就業時間:-1.5(-3.4)6か月先景況指数:21.2(-2.0)仕入れ価格:59.6(66.7)販売価格:41.3(35.2)出荷:23.0(-3.4)入荷遅滞:-9.2(3.8)在庫水準:-14.7(1.9)受注残:-8.7(-9.5)雇用者数:10.4(11.6)週平均就業時間:-1.8(-4.8)
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2025/06/17 07:37
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【今週の注目イベント】G7首脳会議、中東情勢、FOMC、英中銀、日銀、米小売
*10:12JST 【今週の注目イベント】G7首脳会議、中東情勢、FOMC、英中銀、日銀、米小売
今週末、G7首脳会議がカナダ開催されるが、米国トランプ政権の関税策の行方が焦点となる。日本政府は15-17日にカナダのアルバータで開かれるG7サミットに合わせ日米首脳会談、関税問題で一定の合意を探りたい考えだと報じられており、交渉の行方に注目される。カナダのカーニー首相もトランプ大統領と会談する予定。また、今週末は、米国とイランが核兵器問題を巡る協議を開催する予定だったが、イスラエルによる空爆で、イランは参加を取りやめる見通し。一方、トランプ大統領はイスラエルによる攻撃が独自の判断であり、米国は攻撃には参加していないと主張し、イランに外交的解決の2回目の機会を与えると主張、合意を促した。引き続き動向に注目が集まる。イランは米国と、核兵器を巡る外交的な協議を進める中、核兵器に必要なレベルに近い高濃縮ウランの保有量を増やし続け、核兵器完了が間近となったことを警戒し、イスラエルは防衛的な攻撃に踏み切ったと見られている。トランプ大統領が核兵器開発を留まるよう4月から外交的協議を進める中、イランに警告した60日を過ぎたあとの攻撃となった。また、金融政策では、連邦準備制度理事会(FRB)が連邦公開市場委員会(FOMC)を開催。英中銀や日銀も金融政策を開催する予定で注目材料となる。FRB、日銀は政策を据え置く見込み。英中銀も英雇用や賃金の低調な伸びにもかかわらず政策据え置きが予想されている。スイス国立銀は0.25%の利下げに踏み切る見込みとなっている。そのほか、米国では米小売などに注目材料となる。5月の米小売売上高は前月比でマイナスとなる見通し。日本の全国消費者物価指数(CPI)は高止まりが予想されている。FRBの今後の利下げの可能性を判断するうえで、FOMC参加者の金利予測分布図(ドット・プロット)にも注目。パウエルFRB議長は、政策の不確実性が続き、FOMCの様子見姿勢を繰り返す可能性がある。同時に、関税で、スタッフメンバーの予測では、インフレの上振れリスクに焦点を当てる結果が示唆される可能性がある。一部の理事は、労働市場は依然強く、今はインフレに焦点を当てているとの見解を示した。中東情勢を受けた原油高、関税の影響でFRBのタカ派姿勢が維持された場合、ドルが下げ止まる可能性がある。■来週の主な注目イベント●15-17日にカナダのアルバータで開かれるG7サミット●米国16日:NY連銀景況指数17日:小売売上、企業在庫、鉱工業生産、NAHB住宅市場指数17-18日:連邦公開市場委員会(FOMC)、住宅着工件数、ドットプロット、パウエル議長会見、新規失業保険申請件数19日:祭日で休場20日:先行指数●英国18日:CPI19日:英中銀金融政策決定会合20日:小売売上●欧州17日:独ZEW期待指数18日:ユーロ圏CPI●日本17日:日銀金融政策決定会合18日:機械受注、貿易収支20日:CPI●スイス19日:金融政策決定会合
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2025/06/16 10:12
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国内外の注目経済指標:日米政策金利は据え置きの公算
*14:13JST 国内外の注目経済指標:日米政策金利は据え置きの公算
6月16日-20日発表予定の経済指標予想については以下の通り。■17日(火)決定会合の終了予定時刻は未定○(日)日本銀行金融政策決定会合-予想は政策金利の現状維持日本銀行の植田総裁は参院財政金融委員会で基調的な物価上昇率は物価目標の2%まで少し距離があるとの認識を示した。政策金利は当面据え置きとの見方は変わらず、今回の会合でも政策金利の据え置きが決まる見込み。■18日(水)日本時間19日午前3時結果発表○(米)連邦公開市場委員会(FOMC)会合-予想は政策金利の現状維持米連邦準備制度理事会(FRB)が公表した地区連銀経済報告によると、関税や不確実性の高い状況が経済全体に波及していることが示唆された。現時点で政策金利が短期間で変更される可能性は極めて低いとみられる。■19日(木)午後8時発表予定○(英)英中央銀行政策金利発表-予想は政策金利の現状維持英中央銀行は前回の会合で今後の政策緩和は慎重にしか進めず、貿易戦争が及ぼす成長へのリスクで従来の方針を変えるには至っていないことを示唆。追加利下げにはさらなる材料が必要となりそうだ。■20日(金)午前8時30分発表予定○(日)5月全国消費者物価コア指数-予想は前年比+3.7%政府の電気・ガス価格抑制策の補助金縮小や食料価格の上昇が要因。5月については原材料価格や物流費が上昇していることから、物価上昇率は4月実績を上回る可能性が高い。○その他の主な経済指標の発表予定・16日(月):(中)5月小売売上高、(中)5月鉱工業生産・17日(火):(米)5月小売売上高・18日(水):(日)5月貿易収支、(米)5月住宅着工件数・19日(木):(NZ)1-3月期国内総生産・20日(金):(米)5月景気先行指数
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2025/06/14 14:13
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NYの視点:米失業保険継続受給者数は21年来で最高、4週平均も23年8月来で最高で労働市場の減速兆候を示唆
*07:39JST NYの視点:米失業保険継続受給者数は21年来で最高、4週平均も23年8月来で最高で労働市場の減速兆候を示唆
米国労働省が発表した先週分新規失業保険申請件数(6/7)は前回から横ばいの24.8万件となった。前回から減少予想に反し、同水準を維持。前回分は24.7万件から上方修正された。2週続けて、24年10月来で最高水準となった。失業保険継続受給者数(5/31)も195.6万人と、前回190.2万人から予想以上に増加し21年11月来で最高となった。メモリアルデーの休日、いくつかの州で学校の夏休みが開始したことなどが特別要因として影響した可能性も指摘されている。ただ、より変動の少ない4週平均も240250と2023年8月来で最高に達し、労働市場の弱さが明らかになりつつある。遅行指標の雇用統計などは労働市場の大幅な減速の兆候を依然示唆していないが、先週分新規失業保険申請件数は労働市場の現況がより正確に反映されていると、動向に注目されている。失業保険継続受給者数の大幅増加は失業者が新たな職に就くにはより長い時間を要することを意味する。企業の新規従業員採用の減速を示した。インフレの鈍化とともに労働市場の減速がより明らかになると、連邦準備制度理事会(FRB)の利下げを正当化する。
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2025/06/13 07:39
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南アフリカランド円今週の予想(6月9日)サンワード証券の陳氏
*17:48JST 南アフリカランド円今週の予想(6月9日)サンワード証券の陳氏
皆さん、こんにちは。今回は、南アフリカランド円についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、今週の南アフリカランド円について、『堅調に推移しそうだ』と述べています。続けて、『南アフリカの金融機関アブサが発表した5月の製造業購買担当者景気指数(PMI、季節調整済み)は43.1と4月の44.7から低下した』と伝え、『企業からは需要を抑制している根強い物流の問題を指摘する声が上がっている。好不況の分かれ目である50を下回るのは7カ月連続で、景況感の悪化を反映している。ただ、6カ月後の事業環境見通しを示すサブ指数は年初来の高水準を記録し、明るい材料を提供した』と解説しています。次に、『5月PMIは南ア製造業の脆弱な状態を浮き彫りにしたようだ。先行きに対するセンチメントは改善したものの、根本的な需要と活動レベルは依然として弱い』と述べています。また、『2025年1─3月期の国内総生産(GDP)は季節調整済みで前期比0.1%増だった。農業は15%以上増えて好調だった一方、鉱業は4%、製造業は2%それぞれ減った』と伝えています。そして、『南アフリカ準備銀行(中央銀行)は先週、25年の経済成長率見通しを1.2%と、従来の1.7%から引き下げた』と伝え、『今回のデータは南アフリカ経済が勢いを失っていることを示しており、中銀による追加利下げの必要性が高まっている。南アフリカ準備銀行(中銀)は5月29日、政策金利を0.25%引き下げて7.25%に決定した』と述べています。南アフリカランド円の今週のレンジについては、『7.90円~8.30円』と予想しています。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の6月10日付「南アフリカランド円今週の予想(6月9日)にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。
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2025/06/12 17:48
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NYの視点:米5月CPIはインフレ鈍化示唆、関税の影響限定的
*07:41JST NYの視点:米5月CPIはインフレ鈍化示唆、関税の影響限定的
米労働省が発表した5月消費者物価指数(CPI)は前月比+0.1%となった。伸びは、4月+0.2%から予想外に鈍化した。前年比では+2.4%と、4月+2.3%から予想通り上昇。連邦準備制度理事会(FRB)が重要視している変動の激しい食品やエネルギーを除いたコア指数は前月比+0.1%と、4月+0.2%から伸び加速予想に反し鈍化した。前年比で+2.8%と、4月から加速予想に反し同水準を維持した。●5月CPIガソリン価格:-2.6%電気・ガス:-1.0%卵:-2.7アパレル:-0.4%新車:-0.3%中古車・トラック:-0.5%関税関連で物の価格の上方圧力をサービスディスインフレが相殺した。12日に発表予定の生産者物価指数(PPI)もCPIと同様、インフレの緩和傾向が示される可能性がある。FRBが最もインフレ指標として注視しているコアPCEインフレは前年比では+2.7%近く、4月の+2.52%から伸びが加速する見込みとなっている。5月コアPCEデフレーターにも用いられるPPIサービス項目のひとつ病院コストは+0.4%と、前月+0.3%から伸び加速。ポートフォリオマネージメントの手数料は-0.1%(4月-6.9%)。国内の航空運賃は-2%と見られている。関税のインフレへの影響は今のところ限定的と見られる。FRBの利下げを容易にする可能性がある。
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2025/06/12 07:41
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ドル円今週の予想(6月9日)サンワード証券の陳氏
*10:00JST ドル円今週の予想(6月9日)サンワード証券の陳氏
皆さん、こんにちは。今回は、ドル円についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、今週のドル円について『決め手材料待ちだが、関税交渉やトランプ発言等の突発的材料も想定されるため、レンジ相場となりそうだ』と述べています。次に、『先週末に発表された5月雇用統計は、予想をやや上回る内容で、米連邦準備制度理事会(FRB)による早期利下げ観測がやや後退した。今週は11日に5月消費者物価指数(CPI)、12日に卸売物価指数(PPI)がそれぞれ発表される』と伝え、『結果が予想を上振れれば金利上昇に伴うドル高、下振れれば金利低下ドル安で反応することが予想される』と述べています。そして、『ただ、足元の米国では関税発動前に大量輸入された在庫を消費している過程にあるため、関税に伴う価格上昇はインフレ指標に本格的にはまだ表れないとの見方がある。インフレ指標に対する関税の影響はこれからとなる可能性が高い。経済指標の結果を注視しつつ米国との関税交渉を待つことになろう』と見解を述べています。次に、『赤沢経済再生担当相は6日、ベセント財務長官、ラトニック商務長官とそれぞれ会談した。5回目となる今回の関税交渉について、「(日米の)合意の実現に向けた議論がさらに進展した」と強調した一方、現時点で「一致点は見いだせていない」と明らかにした』と伝えています。また、『米中は9日、2回目の閣僚級協議をロンドンで開催する。トランプ米大統領と習近平国家主席が膠着状態を打開して以来初めての交渉となる。前向きな兆しとして注目されるのは、中国が既にレアアース輸出の申請を一部承認したと発表した点だ』と述べています。そして、『欧州連合(EU)欧州委員会のハンセン委員は5日、トランプ米政権との貿易交渉で、米国から輸入する肥料の関税引き下げを提案する可能性を明らかにした』と伝えています。陳さんは、『経済指標以外は、交渉事の結果も発表タイミングも予想できないため、内容次第で上下するだろうが方向感には欠く展開になりそうだ』と考察しています。今週のドル円の予想レンジについては、『142.00円~146.00円』と想定しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の6月10日付「ドル円今週の予想(6月9日)」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。
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2025/06/11 10:00
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メキシコペソ円今週の予想(6月9日) サンワード証券の陳氏
*09:57JST メキシコペソ円今週の予想(6月9日) サンワード証券の陳氏
皆さん、こんにちは。今回は、メキシコペソ円についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、メキシコペソ円について、『メキシコペソ円は、米国との金利差から堅調に推移しそうだ』と述べています。続けて、『世界的な貿易摩擦への懸念から、米国への投資がためらわれる中、ドル安の流れを受けてキャリートレードが活発化し、より高利回りの新興国通貨に資金が流入しやすい。MSCI中南米通貨指数は、週間で2%以上上昇し約1カ月ぶりの大幅高となった。同期間、メキシコペソは対ドルで1.6%上昇し約2カ月ぶりの上昇率となった』と伝え、『ドルは依然として不安定な状況にあり、財政・貿易政策面での悪材料の影響を受けやすい。米国への投資に自信が持てないような状況が続くようであれば、より高い利回りを得られるところを探さざるを得なくなる』と述べています。また、『メキシコの主要な輸出品である原油や銀の価格が上昇していることも、ペソには支援要因だろう。週末6日のNY原油先物相場は続伸し、1バレル=64.58ドルと4月中旬以来約1カ月半ぶりの高値を付けた。NY銀相場もおよそ3年ぶりの高値をつけた』と伝えています。一方、『メキシコ中央銀行が発表した4月のメキシコへの送金額が前年同月比12.1%減の47億6000万ドルとなり、減少率は2012年9月以来12年7カ月ぶりの大きさとなったことはネガティブ要因』と述べ、『送金額が世界で2番目に多いメキシコは、主に隣国の米国で働く移民から送金を受けている。今年1月にトランプ米大統領が返り咲いて以来、米国で移民の取り締まりを強化していることが送金額減少の要因とみられる』と解説しています。次に、『メキシコの5月前半の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で4.22%上昇。市場予想より大きく、中銀目標範囲の2―4%を上回った。メキシコ中央銀行は5月、経済の「下方リスク」に対応し、主要政策金利を8.50%と2年9カ月ぶりの低水準に引き下げた』と伝え、『米国と強く結び付いたメキシコ経済が今後数四半期はマイナス成長に陥るリスクがあると警戒されている』考察しています。メキシコペソ円の今週のレンジについては、『7.30円~7.80円』と予想しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の6月10日付「メキシコペソ円今週の予想(6月9日)」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。
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2025/06/11 09:57
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NYの視点:米5月中小企業楽観指数は年初来初めて上昇も関税政策や税制問題くすぶり上昇は限定的か
*08:29JST NYの視点:米5月中小企業楽観指数は年初来初めて上昇も関税政策や税制問題くすぶり上昇は限定的か
全米自営業連盟(NFIB)が発表した5月中小企業楽観度指数は98.8と、4月の95.8から予想以上に上昇し、2月来で最高となった。年初から低下基調にあったが、本年初めて前月から改善した。良好な見通しが全体指数を押し上げた。関税を巡り、米中の一時的な引き下げなどの対応で、貿易摩擦悪化への脅威が一時より緩和したためと見られる。経済の回復を予想していると回答した企業は25%と、4月の15%から回復。また、資本支出を引き上げるとの回答は22%と、年初来で最高に達し、企業の自信が若干戻った証拠となった。一方で、「不確実性指数」は上昇。トランプ米大統領による関税政策の行方が依然不透明であるほか、現在米国議会で審議中の税制改革案をめぐる不透明性も増している。最も重要な問題として「税金」が挙がったのは、NFIB調査で2020年末以来初めてだという。脅威が緩和基調にあるものの関税や税制問題が解決したわけではない。関税を巡り不透明感は依然強く、企業は当面、新規従業員雇用や設備投資などに消極的な姿勢を維持する可能性は根強いと見る。●雇用を計画:12%(4月13%)●販売価格を引き上げ:25%(25%)●資本支出を引き上げ:22%(18%)●在庫水準の引き上げる計画:-1.%(-4%)●経済の回復を予想:25%(15%)●売り上げ増を予想:10%(-1%)●信用状況の緩和:10%(9%)●空いているポストを埋められない:34%(34%)不透明性指数:94(92)
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2025/06/11 08:29
注目トピックス 経済総合
習近平は本気だと心得よ(2)【中国問題グローバル研究所】
*10:27JST 習近平は本気だと心得よ(2)【中国問題グローバル研究所】
◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページ(※1)でも配信している「習近平は本気だと心得よ(1)【中国問題グローバル研究所】」の続きとなる。だが、それはいつか?台湾の社会と政治は進化しており、台湾が共産党のルールを進んで受け入れるとは考えにくいため、習氏は武力と強制によってしか自らの夢をかなえられないだろう。中華人民共和国と台湾の何千人もの人々の屍の上に築く夢である。問題は実行するつもりかどうかではなく、そのタイミングだ。米軍関係者の多くは、台湾有事の時期として2027年に注目している。その背景には、戦力増強ペースの差から、2027年に米国(と台湾)の軍事力を中国が上回る可能性が高いことがある。またこの年は、国家ではなく共産党の軍隊である人民解放軍の創設100周年にあたる。政治的に見ても、習氏の共産党総書記3期目が終わり、前例のない4期目がスタートする。もちろん永遠に生きるわけではなく完全な健康体でもないだろうが、まだ71歳(6月中旬に72歳になるが)である。4期目を務める可能性は極めて高く、何事もなければそれ以降も続投が考えられる。ただ、人民解放軍の軍備増強はめざましいとはいえ過大評価はできない。中国には高度な新兵器が豊富にあるが、その指導者や前線の兵士・船員の中に、実際に戦闘を目のあたりにしたことや、陸海空軍の間で長期的な軍事作戦を行ったことのある者はいない。こうした実戦経験不足を中国が克服できるはずもなく、それが常に未知の要因として習氏に付きまとうことになろう。だが、ここにきてトランプ氏が大統領に返り咲いたことで、2027年の再統一実現に向けた追い風が吹いたといえるかもしれない。混乱や突然の政策転換が2年間続く。習氏はこれを絶好のチャンスと考えるのではないだろうか。計画と準備が重要トランプ氏は戦争を嫌う。それは言うまでもなく美点であり、海外への軍の派遣や軍事攻撃には消極的だと見る人もいるだろう。だが、限定的な成功しか収められなかったとはいえ、イエメンのフーシ派拠点に実際にミサイルを撃ち込んだ。外国での軍事行為を嫌う姿勢と、日々生み出す政策の混乱。この2つが重なり、トランプ氏が大統領のうちに行動を起こそうと習氏を勢いづかせかねない。トランプ発の政策混乱が2年続いても、米国の伝統的な同盟国は一致協力して中国を抑止できるのか。答えは「イエス」かもしれないが、それは困難を伴うだろう。重要なのは、同盟国がトランプ氏の生み出す雑音を無視して、中国がもたらす脅威、そして何より中国抑止のために協力し備える必要性を認識している議会や政府閣僚と協力できるかという点だ。2007年当時、プーチン氏はミュンヘン安全保障会議で、世界の一極支配とNATOを批判する、今となっては悪名高き演説を行った。それは西側との決別を公然と述べたものであり、最終的に翌年のジョージア侵攻、そして2020年代のウクライナ侵攻へとつながった。習氏も政権の座に就いて以降、米国を批判する演説を行い、台湾支配への意欲を示してきた。彼は信念を持って発言しており、本気だと受け取るべきである。他国は彼の話を真剣に受け止め、それに応じた備えを進めなければならない。台湾を守る上で必要な対策の1つは、台湾の武装化である。誰よりも先に前線に立たされるのは台湾の人たちだ。そのため、最新兵器を十分に備え、それを扱う訓練を行う必要がある。これはすでに進められているが、それを継続し、拡充しなければならない。再武装化に関しては、アジアや欧州の同盟国全体が同様の危機感と緊張感を持つことが求められる。容易な軍事作戦などなく、台湾侵攻は、すべてがうまく運んだとしても驚くほど困難なものになると考えられる。ロシア軍の力をもってすればウクライナは数日か数週間で陥落するというのが、大方の軍事アナリストの見方であったが、3年経ち、何十万人ものロシア軍兵士が命を落としても、ロシアはわずかな成果しか上げていない。習氏はこうした状況を間違いなく理解しているし、考えや行動がどうあれ、彼は無謀な人間ではない。だが一度決めたらやり遂げる人間でもある。中国を抑止するには、各国が軍事的にも経済的にも一枚岩になる必要がある。習氏は今後、ロシア軍の侵攻が遅々として進まないことを憂慮するようになるだろうが、海外にあるロシア資産に対する制裁や押収にも大きな不安感を抱くかもしれない。彼は外国への依存を減らそうとしてきたが、その成果は限定的で、中国は相変わらず世界経済にしっかりと組み込まれ、多くの原材料や重要物資を輸入に頼っている。経済制裁は軍事力と同様に有力な抑止力となりえる。トランプ政権の数ある雑音の中で中国は「シグナル」であることから、米国の同盟国と台湾は足並みをそろえて中国抑止に取り組むとともに、習氏の言葉を本気だと受け止めることが重要である。日々繰り広げられる「ドナルドショー」に気を取られて、習氏に「チャイニーズドリーム」を実現する機会を与えてはならない。トランプと習近平(写真:ロイター/アフロ)(※1)https://grici.or.jp/
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2025/06/10 10:27
注目トピックス 経済総合
習近平は本気だと心得よ(1)【中国問題グローバル研究所】
*10:22JST 習近平は本気だと心得よ(1)【中国問題グローバル研究所】
◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページでも配信している(※1)フレイザー・ハウイーの考察を2回に渡ってお届けする。雑音にまみれたシグナル「トランプ氏の発言は、言葉どおりかどうかは別として常に真剣だ。」「すでに発表されている政策をころころ変えるのは些細な雑音のようなもので、その裏に明確なシグナルが隠されているのだ。」トランプ氏の支持者や擁護者はそう口をそろえる。トランプ政権の中国への対応にも、こうしたもっともらしい説明が当てはまるのだろうか。トランプ氏のチームによると、中国に対する145%の追加関税は決して本気ではなく、(トランプ氏の考えでは)中国を交渉のテーブルに着かせる交渉手段にすぎなかった。現在トランプ氏は、今月初旬(注:5月)にジュネーブで結んだ限定的な合意に中国が違反していると主張しているが、何を指しての発言は定かではない。彼のどの言葉が雑音で、どの言葉がシグナルなのか。おそらく彼の言葉にまったく意味はなく、単なる嘘と無意味な言葉の羅列なのだろう。息を吐くように嘘をつく人物であり、その嘘が自分に利益をもたらし注目を浴びることができれば、それでいいのである。外国政府に対するこうした支離滅裂な対応は、ウクライナのゼレンスキー大統領と口論になったときに彼が言ったように「テレビ映え」するかもしれないが、政策を明確化し、国が直面する極めて深刻な課題に米国とその同盟国が備えることにはつながらない。彼の名誉のために言っておくと、第1次トランプ政権時には、中国の不公平な貿易慣行と南シナ海での武力行使拡大を米国大統領として初めて非難したという実績がある。そして経済制裁と関税を通じて(失敗に終わったとはいえ)有名な「第1段階」貿易合意にこぎつけ、中国についてタブーを口にする覚悟を持ち、はるかに現実的かつ重大な議論を米国政治に持ち込んだ。政治システムが機能不全に陥り、両党の意見が一致する問題がほとんどない今、ひょっとすると中国により厳しい態度で臨むことが、党派を超えて幅広い支持を得られる唯一の事柄なのかもしれない。習氏の言葉に耳を傾ける習近平は、ドナルド・トランプとは大きく異なるタイプの指導者である。オープンな記者会見を開かず、とりとめのない受け答えや演説をすることもなく、ショーマンシップのかけらもない。中国の指導者にアドリブ要素はまったくなく、すべてが計画され、予行演習され、事前調整されている。当然のことながら、演説や公式発表は退屈でつまらないものになる。中国研究の第一人者シモン・レイスはかつて、中国共産党の文書を読むことを「サイのソーセージを食べるか、バケツ一杯のおがくずを飲み込む」ようなものと評している。使われる言葉が意図的にぼかされ、それが意味するものをあえて隠している。だからといって、その内容は読む価値がないわけでも、信頼できないわけでもない。5月初旬、習氏はモスクワで開かれた第2次世界大戦終結80周年記念の式典に参加した。その訪露を受けて2本の文書が発表され、中国の指導者が今後の地政学的情勢をどのように見ているかが明らかとなった。その文書とは、「国際法の権限を守るための今後の協力強化に関する中華人民共和国とロシア連邦の共同宣言」と、習氏が執筆し、ロシアの新聞「ロシアン・ガゼット」に掲載された「歴史から学び、より明るい未来をともに築く」と題する記事である。いずれもインターネットで簡単に閲覧でき、読むに値する内容である。なぜなら、「ウクライナ紛争については、中国はロシアと完全に歩調を合わせているわけではない」という欧州や米国、アジア諸国の希望的観測を明らかに一掃する内容だからである。またこの記事からは、習氏が台湾の統治権取得に意欲を燃やしていることもはっきりと読み取れる。これらの文書をざっと読んだだけでも、書いてあることと現状の明白な矛盾に気づくだろう。ロシアと中国は共同声明の中でたびたび、「両国は威嚇または武力の行使を慎むという原則を再確認」している。また「内政不干渉」と「紛争の平和的解決の原則」を支持しながら、ロシアによるウクライナ侵攻には一切触れておらず、虚言がドナルド・トランプの専売特許でないことが裏付けられた。手の込んだしつこいサイバー犯罪・攻撃の拠点となっている両国が「オープンかつ安全で、安定しアクセスしやすく、平和で相互運用可能なICT環境」を望んでいるとは!しかしそうした偽善的な内容を除けば、両国がお互いに強くコミットし合っていることが明らかになってくる。中国が近い将来、ロシアとの関係を断つことはない。ロシアに対する支援の対象がマンパワーや致死兵器に及ぶことはないかもしれないが、中国はロシア産炭化水素を購入し、ロシアに多くの日用品や軍民両用技術を供給しており、ロシア経済を支える最大の支柱であることに変わりはない。習氏の記事は第二次世界大戦の歴史の書き換えに多くの時間を割きつつ、「正しい歴史観」とやらを支持している。彼は、中露両国の国民が当時大きな犠牲を払ったと書いているが、実際には1945年8月初旬までソビエト連邦が日本に宣戦布告していないことや、戦闘の大部分を当時の国民政府が行ったため、中国共産党は日本人とほとんど闘っていないこと、毛沢東氏が実際に「日本が国民党を弱体化させてくれたおかげで共産党は内戦に勝つことができた」と述べていることを忘れてはならない。ただ、歴史の書き換えも気になるとはいえ、重要なのは近い将来の懸念、特に台湾問題である。習氏は「台湾島の状況がどのように変化しようと、あるいは外部勢力のどのような介入があろうと、中国による再統一は不可避であり、そこに向かう歴史の流れを止めることはできない」と書き、さらに次のように続けている。「中国とロシアは互いの重要な関心事や懸念事項に関して常に支え合ってきた。ロシアは事あるごとに、台湾は中国の領土の不可分の一部だとする『一つの中国』という原則を支持し、いかなる形の『台湾の独立』にも反対し、中国政府と中国国民が国家の再統一を実現するために講じるあらゆる措置を強く支持すると繰り返し述べてきた。中国はロシアの一貫した姿勢を称賛する。」虚言の数々と歴史のでっち上げから成るこれらの文章が発信するメッセージはシンプルだ。習氏は台湾内部の動向に関心がなく、台湾島に住む2,300万人の人たちの希望や願いは彼にとってはどうでもいいことだ。「再統一」は不可避であり、その立場に対するロシアの全面的な支持を、少なくとも書面の上では取り付けている。こうした姿勢を今さら驚く世界の指導者やビジネスリーダーはいるまい。習氏は長年にわたりこうした発言をしており、彼が唱える「中国民族の復興」には台湾の再統一が欠かせない。台湾が事実上独立し、中国共産党の支配の及ばない存在であるかぎり、1世紀に及ぶ屈辱を忘れることは決してないと考えているのである。「習近平は本気だと心得よ(2)【中国問題グローバル研究所】」に続く。トランプと習近平(写真:ロイター/アフロ)(※1)https://grici.or.jp/
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2025/06/10 10:22
注目トピックス 経済総合
NYの視点:米5月NY連銀インフレ期待率が低下、労働市場や景気への懸念は緩和
*08:04JST NYの視点:米5月NY連銀インフレ期待率が低下、労働市場や景気への懸念は緩和
米NY連銀が5月消費者調査を発表した。連邦準備制度理事会(FRB)も金融政策決定において重要視している期待インフレ動向を判断するうえで注目するインフレ期待は短中期先で軒並み低下した。1年先は3.2%と、4月3.63%から予想以上に低下した。3年先は3.0%と、4月3.17%から低下、5年先も2.61%と4月2.74%から低下した。中国と関税低下で合意したことが奏功したと見られる。一方、米失業率が1年先に上昇する確率は40.8%と、4月44.1%から3.3%ポイント低下。今後3カ月間に債務返済が停滞する確率も13.4%と、4月13.9%から0.5%ポイント低下し、1月来で最低となった。金融ひっ迫状況の緩和、労働市場や景気低迷への懸念は後退した。インフレ期待の低下は利下げを正当化する。一方で、労働市場への消費者の自信は堅調で、経済は引き続き底堅く推移する可能性は速やかな利下げの必要性を弱める。■米5月NY連銀消費者調査●インフレ期待1年3.2%(予想3.5%、4月3.63%)、3年3.0%(4月3.17%)、5年2.61%(4月2.74%)●米失業率が1年先に上昇する確率:40.8%(4月44.1%)●今後3カ月間に債務返済が停滞する確率:13.4%(4月13.9%)●来年のガソリン価格期待:+2.71%、食品価格期待:+5.52%、医療コスト期待:+7.39%、大学教育費期待:+7.52%、賃貸期待:+8.4%
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2025/06/10 08:04
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NYの視点:【今週の注目イベント】米中通商協議再開、米中CPI・PPI、日本GDP、中国貿易収支、など
*07:36JST NYの視点:【今週の注目イベント】米中通商協議再開、米中CPI・PPI、日本GDP、中国貿易収支、など
今週は関税関連で、米中代表がロンドンで通商協議を再開する。中国政府は米自動車大手向けのレアアース輸出を一部許可するとのメディア報道もあり、問題解決への期待が高まる。また、米韓首脳が6日に電話会談、関税合意の早期実現を目指すことで一致したと伝えられている。日本政府は15-17日にカナダのアルバータで開かれるG7サミットに合わせ日米首脳会談、関税問題で一定の合意を探りたい考えだと報じられている。交渉が進展した場合は、経済にプラス材料となる。トランプ米政権の関税策をめぐり他国の反発が見られる中、米国財務省が実施する国債入札で外国資本の米資産投資状況を確認していく。米国では連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策決定材料となる消費者物価指数(CPI)や生産者物価指数(PPI)など重要インフレ指標に注目。特にFRBがインフレ指標として注視しているCPIのコア指数は伸びの加速が予想されている。雇用統計も労働市場の減速が明らかになったものの、依然健全な水準で速やかな利下げの必要性を示していない。トランプ米大統領が利下げを要請する中、数人のFRB高官は労働市場よりもインフレリスクに焦点を当てていることを明らかにしており、早期利下げ観測の後退でドルの底堅い展開が予想される。英国の雇用統計は、労働市場の軟化に伴い賃金の伸びがさらに鈍化したことを示すと予想されている。中国の貿易統計では、米中貿易戦争の休戦を受けた企業による駆け込み輸出の動きで、輸出が今のところ底堅さを保っていることを示す可能性がある模様。また、CPI、PPIで中国の景気動向を探る。その他、日本の国内総生産(GDP)確定値に注目が集まる。■今週の主な注目イベント●米国・連邦準備制度理事会(FRB)は連邦公開市場委員会(FOMC)控えブラックアウト入り9日:卸売り在庫、米中通商協議再開10日:3年債入札11日:CPI、10年債入札12日:PPI、失業保険申請件数、30年債入札13日:ミシガン大消費者信頼感●英国10日:失業保険申請件数、失業率12日:鉱工業生産、貿易収支●中国9日:貿易収支、CPI、PPI●欧州12日:デキンドスECB副総裁が講演、ショナーベル氏講演13日:鉱工業生産、、独・仏CPI●日本9日:GDP、経常収支11日:PPI13日:鉱工業生産
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2025/06/09 07:36
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国内外の注目経済指標:日本の1-3月期GDP改定値は上方修正の可能性も
*13:22JST 国内外の注目経済指標:日本の1-3月期GDP改定値は上方修正の可能性も
6月9日-13日発表予定の経済指標予想については以下の通り。■9日(月)午前8時50分発表予定○(日)1-3月期国内総生産改定値-予想は前期比年率-0.7%1-3月期法人企業統計調査では、企業の設備投資(ソフトウェア投資を除く)の前年比伸び率がやや拡大したことから、改定値は若干の上方修正もあり得る。■11日(水)午後9時30分発表予定○(米)5月消費者物価コア指数-予想は前年比+2.9%。参考となる4月実績は前年比+2.8%。新車と中古車は伸びが上昇する一方、衣料品は伸びが低下。サービス価格の上昇率はやや鈍化したが、一部項目における上昇率は4月実績をやや上回る可能性があるため、コアインフレ率は4月実績をやや上回る可能性がある。■13日(金)午後6時発表予定○(欧)ユーロ圏4月鉱工業生産-3月実績は前月比+2.6%参考となる3月実績は前月比+2.6%。資本財や耐久消費財の生産は増加。4月については米国による関税措置の影響が予想されるため、伸びは3月実績を下回る可能性がある。■13日(金)午後11時発表予定○(米)6月ミシガン大学消費者信頼感指数速報-予想は52.0参考となる5月実績は52.2。5月時点でCB消費者信頼感指数は改善しているが、関税措置に対する消費者の関心は高いため、5月実績を上回る可能性は低いとみられる。○その他の主な経済指標の発表予定・9日(月):(中)5月貿易収支、(中)5月消費者物価指数・12日(木):(英)4月鉱工業生産、(米)5月生産者物価指数・13日(金):(欧)4月ユーロ圏貿易収支
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2025/06/07 13:22
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南アフリカランド円今週の予想(6月2日)サンワード証券の陳氏
*09:45JST 南アフリカランド円今週の予想(6月2日)サンワード証券の陳氏
皆さん、こんにちは。今回は、南アフリカランド円についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、今週の南アフリカランド円について、『堅調に推移しそうだ』と述べています。続けて、『南アフリカ準備銀行(中銀)は29日、政策金利を0.25%引き下げて7.25%にすると決定した。前回3月に開かれた金融会合以降、消費者物価指数(CPI)上昇率は中銀目標3─6%を下回って推移し、予算を巡る与党連合内の対立もほぼ収まっている。2025年の経済成長率見通しは従来の1.7%から1.2%に引き下げた。25年のインフレ率も3.6%から3.2%に下方修正した』と伝え、『南ア中銀は、米政権による関税措置や不確実性の高まりが世界経済の低迷につながる可能性があることを引き続き指摘したが、金利を据え置いた3月会合時よりも金融緩和への慎重姿勢が弱まった』と述べています。また、『南アは米国による関税措置を受け、ラマポーザ大統領が先週、トランプ大統領と会談するなど協議を続けている』とし、『南アフリカのラマポーザ大統領が21日に米ホワイトハウスを訪れ、トランプ大統領と会談した際に、包括的な通商協定の一環として米国から今後10年にわたって液化天然ガス(LNG)を購入する提案をしていたことが分かった。この文書によると、南ア側は米国から年間75─100ペタジュール(約7500万─1億立方メートル)相当のLNGを輸入する意向』と解説しています。南アフリカランド円の今週のレンジについては、『7.90円~8.20円』と予想しています。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の6月3日付「南アフリカランド円今週の予想(6月2日)にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。
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2025/06/06 09:45
注目トピックス 経済総合
トルコリラ円今週の予想(6月2日)サンワード証券の陳氏
*09:36JST トルコリラ円今週の予想(6月2日)サンワード証券の陳氏
皆さん、こんにちは。今回は、トルコリラ円についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、『トルコリラ円は、インフレ懸念が再燃し、経済成長も鈍化しているため、上値の重い展開が続きそうだ』と述べています。続けて、『4月の消費者物価指数(CPI)は前月比+3%に加速した。前月比予想は+3.1%上昇、3月は前月比+2.46%上昇。ただ、前年比は37.86%上昇に減速した。4月の生産者物価指数(PPI)は前月比2.76%上昇、前年比22.5%上昇だった。沈静化の兆しが見えていたインフレだが、上昇する可能性が出ている』と伝えています。また、『第1四半期の国内総生産(GDP)は前年同期比2.0%増加した。国内の金融引き締め政策やイスタンブール市長の逮捕に端を発した国内市場の混乱などが影響し、市場予想には届かなかった。成長率は2024年第4四半期の3.0%から減速した。エコノミスト予想は2.3%だった』と述べています。陳さんは、『インフレが上昇する懸念が強まっているため、トルコ中銀による追加利上げが待たれるが、経済成長の鈍化は利下げへの見通しを強めよう。トルコ中央銀行は難しい局面に立たされており、6月の会合では様子見となるのではないか』と考察しています。トルコリラ円の今週のレンジについては、『7.30円~7.60円』と予想しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の6月3日付「トルコリラ円今週の予想(6月2日)」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。
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2025/06/06 09:36
注目トピックス 経済総合
メキシコペソ円今週の予想(6月2日) サンワード証券の陳氏
*09:23JST メキシコペソ円今週の予想(6月2日) サンワード証券の陳氏
皆さん、こんにちは。今回は、メキシコペソ円についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、メキシコペソ円について、『メキシコペソ円は、上値の重い展開が続きそうだ』と述べています。続けて、『メキシコ中央銀行が5月15日に開いた金融政策決定会合で、理事会メンバーの5人全員が世界での貿易政策発表によって不確実性が高くなっているとの認識で一致していたことが分かった。メキシコ中銀は同日発表した四半期報告書で、2025年のメキシコの国内総生産(GDP)予測を前年比0.1%増とし、従来予想の0.6%増から引き下げた。国内の経済活動の鈍化と、米国の貿易政策の不確実性の影響が要因だと説明した』と伝えています。次に、『メキシコの5月前半の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で4.22%上昇。市場予想より大きく、中銀目標範囲の2―4%を上回った』と伝えています。そして、『メキシコ中央銀行は5月、経済の「下方リスク」に対応し、主要政策金利を8.50%と2年9カ月ぶりの低水準に引き下げた。米国と強く結び付いたメキシコ経済が今後数四半期はマイナス成長に陥るリスクがあると警戒されている』と述べています。メキシコペソ円の今週のレンジについては、『7.20円~7.60円』と予想しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の6月3日付「メキシコペソ円今週の予想(6月2日)」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。
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2025/06/06 09:23
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NYの視点:米5月雇用統計:労働市場の状況判断へ、労働者の市場への自信は
*07:41JST NYの視点:米5月雇用統計:労働市場の状況判断へ、労働者の市場への自信は
米労働省が発表する5月雇用統計で労働市場をさらに確認していく。雇用統計の先行指標のひとつとして注目の民間雇用者数を示す5月ADP雇用統計は+3.7万人と、マイナスとなった23年3月来で最低に落ち込んだ。コンファレンスボードが発表した4月消費者信頼感指数で、エコノミストが労働市場動向を判断するうえで注視している「雇用が「十分」31.8と「困難」18.6の差は13.2 と4月から13.7からさらに低下。消費者の労働市場への自信が一段と後退したことを示唆。また、4月JOLT求人件数求人件数は予想外に前月から増加したものの、労働者の市場への自信を示す自主的退職率は低下。雇用削減も増え、市場の弱さを示した。求人件数の失業者総数に対する割合は、1.01から1.03へ小幅上昇した。ISM製造業の雇用は48.5と4月48.7からさらに低下し、3カ月連続で活動の拡大と縮小の境目である50を割り込んだ。唯一、ISM非製造業の雇用が50.7と、予想外に拡大圏となる50を3カ月ぶりに回復した。先行指標で示されたように、雇用統計でも労働市場の減速が示唆されると、年内の利下げを正当化し、ドル売りにつながると見る。■5月雇用先行指標●ADP雇用統計:+3.7万人(予想:+11.4万人、4月:+6.0万人)●ISM製造業:雇用48.5(4月48.7)●ISM非製造業:雇用50.7(予想49、4月49)●コンファレンスボード消費者信頼感指数現在の業況雇用十分:31.8(4月31.2、前年同月37.0)不十分:49.6(51.3、48.7)困難:18.6(17.5、14.3)6カ月後雇用:増加:19.2 (4月13.9、前年同月13.1)減少:26.6(32.4、18.8)不変:54.2(53.7、68.1)所得増加:18.0(15.9、17.7)減少:13.8(17.7、11.5)不変:68.2(66.4、70.8)■市場予想・米・非農業部門雇用者数:予想:+12.5万人、4月:+17.7万人)・米・失業率:予想4.2%、4月:4.2%・米・平均時給:前月比+0.3%、前年比+3.7%、4月:+0.2%、+3.7%)
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2025/06/06 07:41
注目トピックス 経済総合
NYの視点:トランプ米政権の関税政策、米国経済にも強い打撃を与えることに
*07:40JST NYの視点:トランプ米政権の関税政策、米国経済にも強い打撃を与えることに
経済協力開発機構(OECD)は6月3日に公表した最新の経済見通しで、今年の世界経済の成長率予想を2.9%に下方修正した。昨年実績の3.3%を下回る見込みとなった。3月時点で3.1%に引き下げることが発表されたばかり。今年上半期に成長率見通しは2回下方修正されたことになる。トランプ米政権の関税政策は貿易摩擦を激化させ、世界経済は下降に向かっており、OECDの想定では米国も最も打撃を受ける国・地域に含まれるもようだ。なお、日本の2025年の成長率は0.7%と3月時点の1.1%から下方修正。2026年は0.4%と想定されている。米国の成長率見通しについては2025年が1.6%、2026年は1.5%に下方修正されている。報道によると、OECDのチーフエコノミスト(アルバロ・ペレイラ氏)は「景気見通しの悪化が世界中で感じられ、成長率低下と貿易減少が所得に打撃を与え、雇用の伸びを鈍化させることになる」と指摘している。OECDは、米国の貿易相手国・地域からの報復措置や金融市場での新たな価格調整が生じることで世界経済の状況は一層悪化する可能性があると懸念している。
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2025/06/05 07:40
注目トピックス 経済総合
NYの視点:米国とEUとの貿易交渉の今後の展開については予断を許さない状況か
*07:37JST NYの視点:米国とEUとの貿易交渉の今後の展開については予断を許さない状況か
報道によると、欧州連合(EU)は、トランプ米政権が貿易相手国に対し6月4日までに最善の貿易交渉案を提示するよう求めた書簡を受け取っていないようだ。トランプ大統領は欧州委員会のフォンデアライエン委員長と会談し、EUとの通商交渉の期限を7月9日まで延長することに同意している。EUの執行機関である欧州委員会のフォンデアライエン委員長はトランプ氏と「良い電話会談」を行ったとSNSに投稿し、EUは米国との通商交渉を迅速に進める用意があるが、良い合意に達するためには、米相互関税の上乗せ部分の停止期限である7月9日まで時間が必要だと述べていた。今週予定されているワシントンでの技術チームの会合や、シェフチョビッチ欧州委員(通商担当)とグリア米通商代表部(USTR)代表がパリで予定している会談の成果に対する関心が高まりそうだ。
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2025/06/04 07:37
注目トピックス 経済総合
NYの視点:5月ISM製造業景況指数は48.5に低下、 一部商品の供給不足を示唆
*07:43JST NYの視点:5月ISM製造業景況指数は48.5に低下、 一部商品の供給不足を示唆
米供給管理協会(ISM)が6月2日発表した5月製造業購買担当者景気指数(PMI)は48.5に低下した。低下は3カ月連続。関税の影響でサプライヤーの納入に時間がかかっており、一部商品の供給不足が迫っている可能性がある。4月は実績は48.7。市場予想は49.5程度。4月の指数悪化は製造業が、米中貿易摩擦の緩和の恩恵を受けていないことを示唆している。供給業者の納入を示す指数は4月の55.2から56.1に上昇した。50超は納入が遅延していることを示す。納入期間の長期化は通常、好景気と関連しているが、今回の長期化は、関税に関連したサプライチェーンのボトルネックを示唆している可能性が高いとみられている。先行指標となる新規受注指数は4月の47.2から47.6に上昇した。支払い価格指数は、4月の69.8から69.4に低下したが、依然として高水準。雇用指数は4月の46.5から46.8に上昇した。
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2025/06/03 07:43
注目トピックス 経済総合
NYの視点:大規模関税措置で貯蓄率高まる
*07:37JST NYの視点:大規模関税措置で貯蓄率高まる
米商務省が5月30日発表した4月個人消費支出(PCE)価格指数は、前年比+2.1%にとどまり、3月実績の+2.3%を下回った。米国の関税措置を巡る状況が変化し、経済的な不確実性が高まる中、家計が消費よりも貯蓄に資金を振り向けている可能性が示された。また、コア指数は前年比+2.5%で伸び率は3月の+2.7%を下回った。2021年3月以降で最小となった。4月の個人消費支出は+0.2%で伸び率は3月実績の+0.7%を下回った。なお、貯蓄率は4.9%で3月の4.3%から上昇し、1年ぶりの水準を付けた。市場参加者の間からは「トランプ大統領が発表した大規模関税措置で消費者信頼感はやや悪化しており、消費者の貯蓄志向が高まっている」との声が聞かれている。なお、4月の消費支出は主に住宅・光熱費、医療費、外食・宿泊などのサービス支出に向けられた。一方、自動車・部品、衣料品・履物、レジャー用品など、財(モノ)への支出は減少。
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2025/06/02 07:37
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欧米の注目経済指標:ECBは追加利下げ実施の可能性
*13:06JST 欧米の注目経済指標:ECBは追加利下げ実施の可能性
6月2日-6日発表予定の経済指標予想については以下の通り。■2日(月)午後11時発表予定○(米)5月ISM製造業景況指数-予想は49.0参考となる4月実績は48.7。3月実績を下回ったが、新規受注の指数は47.2に上昇。生産指数は44.0に低下。仕入れ価格指数は69.8に上昇。5月については大幅な改善は期待できないものの、先行指標の製造業PMIが改善していることから、4月実績を上回る可能性がある。■3日(火)午後6時発表予定○(欧)5月ユーロ圏消費者物価コア指数-4月実績は前年比+2.7%。参考となる4月実績は前年比+2.7%。エネルギー価格の上昇は適度に抑制されており、サービス価格の上昇率は鈍化しつつあることか5月のコアインフレ率は4月実績を下回る可能性がある。■5日(木)午後9時15分発表予定○(欧)欧州中央銀行政策金利発表-予想は0.25ptの利下げ参考となる前回実績は2.40%。米国の関税措置に対する市場の懸念はある程度緩和されたようだ。ユーロ圏におけるインフレ再加速の可能性は低下しており、0.25ptの追加利下げが決定される可能性は残されている。■6日(金)午後9時30分発表予定○(米)5月雇用統計-予想は非農業部門雇用者数は前月比+13.0万人、失業率は4.2%4月の非農業部門雇用者数は+17.7万人、失業率は4.2%。関税措置の影響で財、サービス部門の雇用者数は4月実績を下回る可能性がある。失業率は労働参加率次第となるものの、市場参加者の間では4月実績と同水準となることが予想される。○その他の主な経済指標の発表予定・3日(火):(米)4月JOLTS求人件数・4日(水):(豪)1-3月期国内総生産、(米)5月ADP雇用統計、(米)5月非製造業ISM景況指数、(加)カナダ中央銀行政策金利・5日(木):(米)4月貿易収支、(日)4月鉱工業生産・6日(金):(加)5月失業率
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2025/05/31 13:06
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軽んじられた同盟国:台湾が自ら戦略的価値を主張すべき理由(2)【中国問題グローバル研究所】
*10:33JST 軽んじられた同盟国:台湾が自ら戦略的価値を主張すべき理由(2)【中国問題グローバル研究所】
◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページ(※1)でも配信している「軽んじられた同盟国:台湾が自ら戦略的価値を主張すべき理由(1)【中国問題グローバル研究所】」の続きとなる。VI. リスクヘッジと域内での足場固め戦略的リスクを軽減するため、台湾は地域的なリスクヘッジを体制化する必要がある。デジタルガバナンス、エネルギー転換、戦略的インフラ分野での東南アジアやインド、日本、オーストラリアとの連携を、象徴的意味合いのものから確固たる協力関係へと進化させなければならない。貿易および気候変動における世界的な連携でASEANの重要性が増しているが、これは台湾が継続的なパートナーシップを構築するチャンスとなる。グローバルサウスにおいて、台湾は援助国というイメージから、信頼される政策支援国へと転換を図る必要がある。融資では中国に対抗できないが、電子政府や反腐敗システム、災害レジリエンスなどの分野に的を絞った専門知識・技術の提供やガバナンス連携はできる。このような形のソフトパワーが、台湾の組織や制度への信頼を構築し、地政学的競争が続くなかで、台湾が存在意義を持ち続ける一助となる。VII 恩恵を受ける立場から戦略的ステークホルダーへ台湾は、単なるステークホルダーから、世界的なイノベーションと安全保障における価値創造者へと自らのイメージを変える必要がある。具体的には、セキュアなテクノロジー回廊やサイバーセキュリティ連合、2国間経済協定への台湾の参加などである。戦略的資産を具体化させることで、台湾はインド太平洋地域の安定化で脇役ではなく主役とみなされるようになる。台湾の外交組織はそのために、データ、アドボカシー、組織力に投資しなければならない。政策のモデル化、費用対効果のシミュレーション、相手に応じたロビー戦略は、もはやできればすればいい程度のものではなく不可欠なツールである。これからはパーソナリティが演出する政治ショーではなく構造的な同盟関係の時代となる。台湾は、半導体セキュリティ、クリーンエネルギーの技術交流、軍民両用の研究開発イニシアチブでのセクター固有の基本合意など、準条約的な合意枠組みも推進する必要がある。それにより、台湾は主要な戦略的セクターで信頼できるプレイヤーとしての役割を果たすことができるようになる。VIII. 米国市場との関係を見直す:50州のリスクに対応する米国に進出する台湾企業は、50州でそれぞれ異なる実情に直面しなければならない。労働法やインセンティブ、インフラは州により大きく異なる。新南向政策下での東南アジアへの進出で犯した過去の失敗が教えてくれるように、デューデリジェンスが不十分であると、規制による行き詰まりを招きかねない。政府は法務に関する説明会や、政治リスクの評価、セクター別のガイダンスでアウトバウンド投資を支援しなければならない。画一的な米国進出戦略は時代遅れであり、必要なのは的を絞り、各州に合わせてリスクを調整することだ。具体的には、ハイテク産業地域の特定、労働組合員の割合が高い州の労働コンプライアンス状況の把握、地域のサプライチェーンハブとの調整などが挙げられる。さらに重要なのは、米国に拠点を置く台湾系企業を戦略的メッセージングに取り込むことである。TSMC ArizonaやAUOのエネルギーベンチャーなどの企業は、2国間の取り組みや信頼構築の実証例の役割を果たしうる。こうした投資対象を共通のセキュリティおよびイノベーション基盤の一部と位置づけて発信していく必要がある。IX. 次なるステップ:受動的な立ち位置から戦略的設計へ台湾が受動的な外交を脱却するには、自らの民主的レジリエンスと世界に必要とされる技術力を、明確に戦略的資本へと転換する国家戦略を体制化しなければならない。それには、外務、経済計画、国家安全保障を担当する高官からなる、政府機関同士をつなぐタスクフォースを常設して、外交メッセージと産業支援の整合を図る必要がある。台湾は主要な同盟国から期待できる戦略的見返りを積極的に特定し、相手の気付きを待つのではなく、それを二国間の対話に反映させるべきである。価値観に基づくパートナーシップは、価値を明確に伝えることから始まるのだ。次に、台湾は自らの戦略的貢献を数値化して、それを伝える能力を強化しなければならない。その1つに、グローバルなサプライチェーンや地域安全保障の枠組みから台湾を疎外することのリスクの費用対効果を、独立機関に評価してもらうことがある。こうした評価の結果を、米国や欧州、日本など主要国政府に対する的を絞ったロビー活動で交渉の根拠にすることができる。台湾は、安全保障と経済関連の言論を得意とする商業外交担当者を育成し、交渉を主導して、道義的理由からだけでなく戦略的必要性の観点から台湾の重要性を主張する必要がある。X. まとめ:便利な存在から必要とされる存在へ台湾は便利な存在に甘んじていてはならず、必要とされる存在になることにこだわらなければならない。戦略的有用性が重視される世界では、存在意義は誰かに与えられるものではなく自らが主張するものである。台湾の存続は、正しくあるかどうかだけでなく、必要不可欠な存在になれるかどうかにもかかっている。台湾が存続し続けるためには、公の場で明確かつ自信を持って、自らの価値を主張することを学ばなければならない。戦略的プレゼンスとは、認められるかどうかではなく、自らの位置付けによって決まるのだ。台湾は席が用意されるのを待つのを止め、率先して話し合いの場を設け、主導していかなければならない。「軽んじられた同盟国:台湾が自ら戦略的価値を主張すべき理由(2)【中国問題グローバル研究所】」に続く。写真: トランプ米政権の関税政策 世界経済に打撃の懸念(写真:AP/アフロ)(※1)https://grici.or.jp/
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2025/05/30 10:33
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軽んじられた同盟国:台湾が自ら戦略的価値を主張すべき理由(1)【中国問題グローバル研究所】
*10:29JST 軽んじられた同盟国:台湾が自ら戦略的価値を主張すべき理由(1)【中国問題グローバル研究所】
◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページでも配信している(※1)陳建甫博士の考察を2回に渡ってお届けする。I. 衝撃と関係性の再編:戦略的警鐘としての関税ドナルド・トランプ米大統領は2025年4月2日、無差別に「相互関税」を課す大統領令14257号に署名した。米国は世界貿易の均衡を取り戻すためだとするものの、標的は中国だというのが一般的な見方であった。ところが、ふたを開けてみると、台湾に提示された関税率は32%と、日本(24%)や韓国(25%)を上回り中国(34%)に匹敵する高さとなり、不意打ちを食らう形となった。4月5日には世界全体を対象とした10%の基本関税も発効している。トランプが中国に対する関税率を2日間で段階的に145%へと劇的に引き上げたのは、そのわずか6日後のことである。これを受けて、中国も米国製品に125%の関税を課すとともに、米国へのレアアースの輸出を停止した。緊張が高まっていたが、両国は2025年5月12日、ジュネーブで暫定的合意に達した。5月14日から発効したこの合意では、両国が90日間関税率を引き下げ(追加関税率は米国側が30%、中国側が10%)、その間、協議を継続することが決められた。この一連の事態は、台湾には厳しいメッセージとなった。数十年にわたり米国を支持してきたにもかかわらず、米中の覇権争いにたやすく巻き込まれる。これは単なる関税率の問題ではなく、認識の問題である。台湾は、信頼できるパートナーではなく他の戦略的ライバルとひとくくりにされるのだと気付かされた。こうした侮辱を受けたことで、価値観同盟に対する米国の支持への信頼が失われ、民主主義国家の団結に疑念が生じている。II. トランプのメディアファースト戦略とその副次的影響トランプの貿易戦略は長期を見据えたものではなく、「メディア映え」を意識したものである。ニクソン氏の熟慮の末の意図的な外交とは異なり、トランプはイメージとディールを重視した小手先のアプローチをとる。関税は、確かな思考に基づく交渉のツールというより、権力を誇示するパフォーマンスのためのツールと化している。市場はこうした動向に敏感に反応した。4月2日の発表以降、ダウジョーンズ工業株平均は2,000ポイント以上下落したものの、5月12日のジュネーブでの「ディール」をトランプが公表したことで反騰し、完全に値を戻した。トランプの世界観では、これは自らのスタイルの正当性の立証にほかならない。市場が回復し、トップニュースで自分のタフネス(強さ)が裏付けられれば、米国の勝ち。世界的な混乱など関係ないのだ。こうした予測不能な動きが同盟国にシステミックリスクをもたらしている。特に台湾は政策面で混迷し、リアルタイムに予想や影響力の行使、あるいは対応ができなくなった。大きなダメージを受けているのは貿易だけではない。忠誠を示しても、それが戦略的不干渉の確保にはつながらないとの認識ももたらした。III. ルールに従う側か、ルールをつくる側か?台湾の通貨が試されるトランプの一貫性のない政策スタイルは、台湾の抱えるジレンマ(道義のためにおもねることと戦略的に主体性を発揮することの相反性)が深まっている現状を浮き彫りにした。台湾は数十年にわたり、民主的で、ルールを守り、透明性が高い模範的な同盟国という役割を担い、その役割を果たすことで米国に守ってもらえると信じてきた。だが、今回のトランプ関税は、そうでないことを証明する出来事となった。880億ニュー台湾ドル(27億米ドル)の支援策と韓国・済州島で開催されたAPEC貿易担当大臣会合における外交交渉という台湾の対応は迅速であったものの、結局のところ後手に回っている。重要なのは、台湾がルールを作る側ではなく、ルールに従う側になるのか、世界秩序におけるその立ち位置である。2025年5月、地域の通貨が激しく変動するなかで、台湾と韓国の対応は大きく分かれた。韓国銀行は、通貨高圧力を受けて介入の用意があることを表明した。この積極的な姿勢が韓国の輸出セクターを守り、政策の自律性を高めた。これとは対照的に、2日間で通貨が1米ドル33ニュー台湾ドルから30ニュー台湾ドルに上昇したにもかかわらず、台湾の中央銀行は通貨高圧力を認めたり介入の意向を示したりせずに、高騰回避のための軽微な介入をするにとどまった。この暗黙のコンプライアンスは、韓国の積極的な姿勢と対極をなす。通貨主権を主張することに後ろ向きな姿勢は、自律性のアピールより米国政府との関係を重視して戦略的服従をする台湾政府のお決まりのパターンを反映している。圧力を受け入れ、政治的に利用しようとしないのが台湾の姿勢だ。IV. 戦略的な不均衡と国民の不満一方、こうした姿勢を維持することは徐々に難しくなってきた。台湾は、米国への非対称的な依存に対する国内の不安の高まりに直面している。IPEF(インド太平洋経済枠組み)からの除外や厳しい関税政策など度重なる冷遇を受け、よりバランスの取れた外交政策を求める声が強まっている。市民社会や技術官僚、若年層が求めているのは、単に足並みを揃えるだけでなく、主体的に行動することである。政治指導者は今こそ、米国との関係を維持しながらも、互恵関係の構築と国の尊厳を守ることを求める有権者の声に応えるという、二重の課題にうまく対応していかなければならない。台湾の外交政策は、道義的議論にのみ依拠するのではなく、相互に利益のあるパートナーシップに置き換える必要がある。民主的な関係には、価値観の共有だけでなく利益の共有も必要となる。そしてその利益は、目に見える形で取り決めた上で守られなければならない。V. 自らの価値を影響力へ:台湾の役割を再定義するトランプが見返りを与えるのはネゴシエーターであり、言うことを聞く生徒ではない。台湾は「模範的な同盟国」というペルソナから脱却し、自らの戦略的価値を発信しなければならない。安全を保障する価値のある投資先として、半導体やサイバーセキュリティ、地政学的・戦略的要衝という立地など、極めて重要な要素を数値化する必要がある。台湾支援は、道義的に当然だからではなく、戦略的計算によるものとなる。台湾の安定は、世界のメモリチップ供給を安定化させる。台湾の民主的な政治体制の維持は、インド太平洋地域のレジリエンスを高める。こうした事実を、金銭的価値や希少性、どのような結果をもたらすかなど、米国政府側に響く言葉で伝えなければならない。台湾には新たな交渉の糸口を見つけ、商業外交担当者を教育し、シンクタンクと連携して民主的な同盟を数値的メリットに落とし込むことが求められる。感情論を戦略という形に置き換えるのだ。ほかにも、台湾を見捨てることでどのような悪影響が生じるかを明確に示す必要がある。台湾のメモリチップ生産能力の安定的確保ができなくなったら、世界のサプライチェーンにどのような事態が起きるのか。台湾が不安定化した場合、どのような地域的リスクが生じるのか。こうした問題を、抽象的な懸念としてではなく、コストやリスク、代替案を含む、具体的なシナリオとして示さなければならない。「軽んじられた同盟国:台湾が自ら戦略的価値を主張すべき理由(2)【中国問題グローバル研究所】」に続く。写真: トランプ米政権の関税政策 世界経済に打撃の懸念(写真:AP/アフロ)(※1)https://grici.or.jp/
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2025/05/30 10:29