注目トピックス 経済総合ニュース一覧
注目トピックス 経済総合
住友電気工業を対象とするプット型eワラントが上昇率上位にランクイン(7日10:03時点のeワラント取引動向)
新規買いは、原資産の株価下落が目立つ信越化学工業<4063>コール209回 4月 18,500円を逆張り、IHI<7013>コール53回 4月 2,300円を逆張り、東京エレクトロン<8035>コール330回 4月 67,000円を逆張りで買う動きなどが見られる。手仕舞い売りとしてはビットコイン2022年4月 プラス5倍トラッカー1回 4月 13,000米ドル、日本郵船<9101>コール151回 4月 10,000円、住友金属鉱山<5713>コール292回 4月 5,900円、IHIコール53回 4月 2,300円などが見られる。上昇率上位は住友電気工業プット64回 3月 1,350円(+91.7%)、いすゞ自動車<7202>プット130回 3月 1,500円(+88.5%)、スズキ<7269>プット86回 3月 3,850円(+84.9%)、金リンク債コール373回 3月 2,000米ドル(+81.0%)、アサヒグループホールディングス<2502>プット123回 3月 4,600円(+78.4%)などとなっている。(カイカ証券)
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2022/03/07 15:41
注目トピックス 経済総合
(中国)上海総合指数は0.26%安でスタート、ウクライナ情勢の不透明感を警戒
7日の上海総合指数は売り先行。前日比0.26%安の3438.56ptで寄り付いた後は、日本時間午前10時45分現在、0.80%安の3419.94ptで推移している。ウクライナ情勢を巡る不透明感が引き続き警戒されている。また、原油など商品市場の高止まりを受け、世界経済の先行き不安も圧迫材料。国内では、きょう7日に1-2月の貿易統計が発表される予定となり、見極めるムードが強まっている。
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2022/03/07 11:29
注目トピックス 経済総合
勝手に降伏するロシア兵も…「焦る」プーチンを追い詰める「ロシアの大きな準備不足」【実業之日本フォーラム】
● 「クリミア侵攻時」とはここが違う!2022年2月24日、100発を超える弾道ミサイル、巡航ミサイル攻撃に引き続き、ロシア軍がウクライナ侵攻を開始した。外交の場で幾度となく繰り返されていた、「クリミア軍事侵攻の意図は無い」、というロシアの約束はあっさりと反故にされた。ウクライナ情勢については、昨年来幾度となく本欄で取り上げた。昨年末の「疑心暗鬼の代償−ウクライナ情勢−」では、プーチン大統領の「強いロシアへのこだわり」という不確定要素はあるものの、ロシア軍がウクライナに全面軍事侵攻する可能性は低いと見積もっていた。不幸にして、プーチン大統領のこだわりが、想像よりもはるかに大きかったことが明らかとなった。今回のウクライナ侵攻は、2014年のクリミア併合に引き続くものであるが、そのやり方には顕著な違いを見せている。今後のウクライナ情勢は、その違いが及ぼす影響を分析する必要がある。2014年のクリミア併合は、ウクライナ東部における親露派勢力による反政府暴動に引き続き、クリミアにおける独立宣言、併合に関する住民投票、そしてロシアとの併合条約締結という順にすすんだ。2014年3月11日の独立宣言から3月18日の条約調印まで1週間という速さであった。この間、ロシア軍の表立った活動や、クリミア市民の反ロシア活動もほとんど報道されていない。国際社会は、中国とインドを除き、ロシアを非難、アメリカを中心とした経済制裁が発動され、我が国もこれに追随している。今回、2月21日に「ドネツク人民共和国」及び「ルハンスク人民共和国」が独立宣言、22日にロシアがこれを承認した段階までは、まさにクリミア併合をなぞったようなやり方であった。しかしながら、2月24日以降の軍事侵攻は全く新たな展開であった。ハイブリット戦争の一環として見積もられていたサイバー攻撃や、ロシア軍による電磁波攻撃によるウクライナ国内の明らかな通信障害は現時点では認められていない。このため、欧米諸国はウクライナ国内の状況を刻一刻と伝え、ウクライナのゼレンスキー大統領も頻繁にSNSを更新している。もちろん、ウクライナ国防省や銀行へのサイバー攻撃、ロシア国防省のサイトが一時閲覧不能になる等のサイバー攻撃が伝えられており、さらにはロシア及びウクライナを支持する匿名ハッカー集団の動きも確認されている。しかしながら、現時点では通信は阻害されておらず、ウクライナにおける民間施設への攻撃等がリアルタイムで伝えられている。このことは、「攻撃目標は軍事施設のみ」とするロシア軍報道官の発言と大きく異なり、国際的にロシアへの批判が高まっている。● ロシア、たった4日で燃料不足に…2014年のクリミア併合と比較すると、今回のロシアのやり方は極めて稚拙である。特に、侵攻からわずか4日で燃料不足に陥るということは、侵攻自体が周到な準備に基づいて行われていないことを示唆する。さらには、ロシア国内において戦争に反対するデモが行われ、報道によれば6,000人以上が拘束されたと伝えられている(3月2日現在)。計画的な侵攻であれば、国内治安維持についても充分な準備が為されるはずであるが、事前にデモ等を禁止するような動きは伝えられていない。泥縄的対応に終始しているように映る。アメリカの動きにも顕著な違いがある。クリミア併合の際は、ロシアの打つ手があまりにも早く、対応が遅れていたが、今回アメリカは、秘密情報を含め、積極的な広報を行っている。バイデン大統領は、実際の侵攻が始まる5日前に、プーチンがウクライナ侵攻を決断したと述べている。一連の情報は、ロシアの行動を事前に抑止することを企図したものであろうが、積極的な情報公開はロシアのウクライナ侵攻後も継続している。2月27日、米国防省は、ロシアの侵攻スピードが遅く、補給に問題が生じている可能性を指摘した。2月28日には、ウクライナ軍の戦いを「ダビデとゴリアテの戦い」と称している。旧約聖書にある巨人ゴリアテを石投げ器で倒したダビデをウクライナ人に例え、最終的には巨人であるロシアに対して勝利を収めると比喩しているのであろう。また、ロシア軍は、依然として制空権を握れておらず、ウクライナ周辺に展開している約16万人の動員兵力の内、75%の約12万人をウクライナに侵攻させ、キエフ及びハリコフを包囲しようとしていると見積もっている。そして、燃料を含む補給品の問題は解決していないと見ている。3月1日、米国防省高官は、「ロシア軍が自らの命を危険にさらすようなリスクを避けようとする行動が確認されるとし、ロシア軍の中には戦いを行わずに降伏する部隊や訓練不足の招集兵の存在、さらにはどこで戦うのかさえ知らされていない兵士もいる」と述べている。以上のような積極的な情報公開は、情報操作の可能性は否定できないものの、ウクライナの士気を高めるだけではなく、国際的なロシア包囲網構築に役に立っている。● プーチンは「ロシアの力を過信していた」ロシアのウクライナ侵攻から、間もなく1週間が経過する。ロシア軍が侵攻すればゼレンスキー政権はあっという間に崩壊するという、プーチン大統領の思惑は大きく外れた。2月28日には初めての停戦交渉が行われ、3月3日には2回目の停戦交渉が行われたが大きな進展はない。ロシア軍は、首都キエフ及びウクライナ第二の都市ハリコフ付近に展開を完了し、市街地への攻撃も行っている。プーチン大統領は、人口の多い二都市を人質に、停戦交渉を有利に運ぼうとしていると考えられる。これに対しウクライナは、SNSを中心とした情報発信を積極的に行い、国際的支援とロシア国内の厭戦気分を盛り上げ、ロシア軍の即時撤退を訴えていくやり方を継続すると考える。ウクライナの抵抗を低く見積もり、ロシア軍の力を過信していたプーチンにとって、1週間以上戦闘が続くことは誤算であったと考えられる。中長期的に見れば、ロシアに対する経済制裁は、ロシアだけではなく国際社会に深刻な影響を与えるであろう。しかしながら、ロシアのウクライナ侵攻を成功裏に終わらせることは絶対に避けなければならない。プーチンの核の恫喝に妥協し、融和的解決を模索することは、将来の国際秩序に大きな禍根を残す。ウクライナ侵攻をプーチンの誤算まま終わらせる努力と覚悟が国際社会に求められている。サンタフェ総研上席研究員 末次 富美雄防衛大学校卒業後、海上自衛官として勤務。護衛艦乗り組み、護衛艦艦長、シンガポール防衛駐在官、護衛隊司令を歴任、海上自衛隊主要情報部隊勤務を経て、2011年、海上自衛隊情報業務群(現艦隊情報群)司令で退官。退官後情報システムのソフトウェア開発を業務とする会社において技術アドバイザーとして勤務。2021年から現職。写真:代表撮影/AP/アフロ■実業之日本フォーラムの3大特色実業之日本フォーラム( https://jitsunichi-forum.jp/ )では、以下の編集方針でサイト運営を進めてまいります。1)「国益」を考える言論・研究プラットフォーム・時代を動かすのは「志」、メディア企業の原点に回帰する・国力・国富・国益という用語の基本的な定義づけを行う2)地政学・地経学をバックボーンにしたメディア・米中が織りなす新しい世界をストーリーとファクトで描く・地政学・地経学の視点から日本を俯瞰的に捉える3)「ほめる」メディア・実業之日本社の創業者・増田義一の精神を受け継ぎ、事を成した人や新たな才能を世に紹介し、バックアップする
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2022/03/07 10:11
注目トピックス 経済総合
NYプラチナは1100ドル越を狙う サンワード貿易の陳氏(花田浩菜)
皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター花田浩菜の気になるレポートです。今回は、NYプラチナについてのレポートを紹介します。陳さんはまず、『NYプラチナは1100ドル越を狙う』と述べています。続けて、『ロシアがウクライナへ2月24日に軍事侵攻した。これを受けて欧米各国は経済制裁を科したが、ロシアからの輸出が停滞するとの見方が強まり、国際商品市況は上昇基調を強めている』と伝えています。次に、『とりわけ上昇しているのが原油や天然ガスといったエネルギーで、NY原油は110ドルを越え、終値でも2011年5月以来約11年ぶりの高水準となった。わずか3営業日でおよそ21%上昇した。穀物や非鉄金属も軒並み上昇し、代表的な国際商品指数のCRB指数は289ポイントに上昇した。インフレ状態となる300ポイントの大台を目指す可能性が高まった』と解説しています。また、『生活に直結する原油価格の上昇がクローズアップされているが、貴金属ではパラジウムの急騰も懸念されている。パラジウムも主としてガソリンの排ガス触媒に使われる。ロシアはパラジウムの主要生産国であり、供給懸念が依然として強く、買いが継続している』と言及しています。さらに、『パラジウムの上昇に連れて同じ白金族であるプラチナも堅調に推移しているが、上昇のピッチはやや緩慢だ。しかし、高騰するパラジウムの代替え需要が期待されることから、緩やかに上昇基調をたどっていくだろう』と分析しています。こうしたことから、NYプラチナについて、『CFTC建玉ではファンドの買い越しが増加しており、NYプラチナは再度、1100ドルを越える展開を予想する。これが実現した場合、ダブルボトムが形成され、テクニカル的にも一段高が期待されよう』と予想しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の3月3日付「NYプラチナは1100ドル越を狙う」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 花田浩菜
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2022/03/07 09:57
注目トピックス 経済総合
NYの視点:【今週の注目イベント】ウクライナ戦争、米CPI、ECB理事会、ラガルド総裁会見など
今週も一段と過激となるロシアのウクライナ軍事行動の行方を睨む。西側諸国は対ロ制裁を一段と強化する見通し。中国は第13期全国人民代表大会(全人代)第5回会議を開催。7日には外相が記者会見を予定しており、ウクライナ戦争を巡る中国の方針に注目が集まる。また、連邦公開市場委員会(FOMC)を15-16日控え、最新の米国消費者物価指数(CPI)の結果に注目が集まる。さらに、ウクライナ戦争を受けてユーロ圏内の経済の成長が停滞するとの懸念も広がる中、欧州中央銀行(ECB)の定例理事会にも注目が集まる。ウクライナ戦争受け、原油価格が100ドル超で急騰する中、エネルギー会議がテキサス州で開催される予定で注目材料となる。米国の2月雇用統計の結果は失業率が予想以上に低下、非農業部門雇用者数が予想を上回る伸びを示し3月連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げの論拠が一段と強まった。CPIでインフレ高進があらたに証明されると、さらに利上げ観測が強まる。パウエル議長は現状で25ベーシスポイントの利上げを支持する可能性を示唆したが、50ベーシスポイントの利上げの準備もあるとしている。果たして、CPIが大幅な利上げに繋がる結果になるかどうかに注目。ECBは定例理事会を開催する。ウクライナ戦争勃発後初めての主要中銀の金融政策決定会合となる。前回の会合で、今回の会合で新たな見通しとともに、政策を見直すとしていたが、利上げは当初に考えられていたよりも遠のく可能性が強い。ウクライナ戦争激化で原油高に加え欧州の天然ガスが過去最高値を更新するなど、燃料価格の上昇が域内消費者の生活を圧迫する。ロシア軍の攻撃の近隣諸国への飛び火も警戒される。金利先物市場ではECBの年内の利上げ確率は低下。ドイツ連邦債利回りも再びマイナス圏に落ち込んでおり、ユーロ売りは継続か。プーチン大統領はドイツのショルツ首相との電話会談でも、ウクライナ対話にはオープンだが、ウクライナの「非武装化」やクリミア半島におけるロシアの主権承認など、ロシアの全要求満たし場合のみと強硬姿勢を変えず。最終的には核兵器使用も除外しないと見られる。一方で、米国のバイデン政権は依然ロシアからの石油輸入を継続しているほか、イランとの核協議において、ロシアを仲介役として使っており、制裁の効果にも限度があると考えられ、最悪の結末が危惧される。■今週の主な注目イベント●米国8日:1月貿易収支、1月卸売り在庫9日:1月JOLT求人件数10日2月消費者物価指数(CPI)、新規失業保険申請件数11日:3月ミシガン大消費者信頼感指数●中国5日:中国の第13期全国人民代表大会(全人代)第5回会議7日:外相が記者会見、国人民代表大会●欧州8日:GDP、独鉱工業生産10日:ECB定例理事会、ラガルド総裁会見11日:独CPI
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2022/03/07 07:33
注目トピックス 経済総合
国内外の注目経済指標:日本の10-12月期GDP改定値は上方修正か
3月7日-11日週に発表される主要経済指標の見通しについては、以下の通り。■7日(月)発表予定時間は未定○(中国)2月貿易収支-米ドル建てベースの予想は年初来+950億ドル世界の新型コロナ感染動向が依然厳しく、外部環境は複雑で不確実になっており、外需の回復は遅れていることから、中国の貿易取引は一定の圧力を受けるとの見方が多い。2月については、自動車輸出がまずまず順調である一方、集積回路の輸入は高い水準を維持すると予想されている。エネルギー価格の上昇や供給制約の影響は消えていないため、貿易黒字幅は当面縮小する可能性がある。■8日(火)午後10時30分発表予定○(米)1月貿易収支-予想は-872億ドル参考となる12月実績は-807億ドルで赤字幅は市場予想を下回った。旅行や運輸を中心にサービスの輸出が増加した。ただ、財の貿易赤字は1000億ドルを超えており、過去最大。資本財と消費財の輸入が過去最大となった。1月については、資本財と消費財の輸入額は12月に増加した反動で減少する可能性があるが、消費財の輸出は伸び悩む可能性があるため、貿易収支は悪化する可能性がある。■9日(水)午前8時50分発表予定○(日)10-12月期国内総生産改定値-予想は前期比年率+5.7%参考となる速報値は前期比年率+5.4%。緊急事態宣言の解除で個人消費の伸びが目立った。改定値については、ソフトウエアを除く全産業の設備投資額は前年同期比+5.5%だったことから、上方修正される可能性がある。■10日(木)午後9時45分発表予定○(欧)欧州中央銀行政策金利発表-予想は各種政策金利は現状維持欧州中央銀行(ECB)のレーン専務理事は3月2日、「エネルギーなどの供給におけるショックによって引き起こされている現在のインフレ高進について、ECBは忍耐強く対応すべき」と述べた。2月ユーロ圏消費者物価指数速報値は、前年比+5.8%、同コア指数は+2.7%と高い伸びを記録したが、ウクライナ情勢の悪化を考慮して金融政策は現状維持となる可能性が高い。○その他の主な経済指標の発表予定・8日(火):(日)1月経常収支、(独)1月鉱工業生産、(欧)10-12月期域内総生産確定値・9日(水):(中)2月消費者物価指数・10日(木):(日)2月国内企業物価指数、(米)2月消費者物価指数・11日(金):(英)1月鉱工業生産:(加)2月失業率、(米)3月ミシガン大学消費者信頼感指数速報
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2022/03/05 14:42
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商船三井を対象とするコール型eワラントが前日比2倍超えの大幅上昇(4日10:08時点のeワラント取引動向)
新規買いは原資産の株価上昇が目立つ三菱重工業<7011>コール179回 4月 3,500円を順張りで買う動きなどが見られる。手仕舞い売りとしては商船三井<9104>コール131回 4月 11,200円、ビットコイン2022年3月 プラス5倍トラッカー3回 3月 43,000米ドル、日本郵船<9101>コール152回 4月 11,300円、日経平均プット1847回 5月 21,500円などが見られる。上昇率上位は商船三井コール128回 3月 11,800円(前日比2.6倍)、住友化学<4005>プット45回 3月 475円(前日比2.3倍)、AGC<5201>プット115回 3月 3,900円(前日比2.2倍)、住友化学プット46回 3月 550円(前日比2倍)、AGCプット116回 3月 4,700円(前日比2倍)などとなっている。(カイカ証券)
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2022/03/04 10:54
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(中国)上海総合指数は0.61%安でスタート、ウクライナ情勢の不透明感を警戒
4日の上海総合指数は売り先行。前日比0.61%安の3459.98ptで寄り付いた後は、日本時間午前10時46分現在、0.97%安の3447.44ptで推移している。ウクライナ情勢の不透明感が警戒され、売りが優勢。一方、国内の景気対策への期待が高まっていることが引き続き支援材料となっている。国会に相当する全国人民代表大会(全人代)はきょう4日に開幕する予定だ。
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2022/03/04 10:51
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NYの視点:米2月雇用統計やCPIで3月FOMCの利上げを確認
連邦準備制度理事会(FRB)は2週間後に連邦公開市場委員会(FOMC)を開催する。2月雇用統計や10日発表のCPIで3月の利上げの幅を探る。FRBのパウエル議長は議会証言で、インフレ高進とともに労働市場がひっ迫しており、非常に低い金利を引き上げる必要があると、金融正常化計画を維持していることを再表明した。議長は現状で3月FOMCで25ベーシスポイントの利上げを推奨。ロシアのウクライナ軍事侵攻が一段と激化し、ウクライナ近隣のNATO諸国にもリスクが波及する可能性なども警戒される中、一時3月FOMCの利上げ観測が後退した。しかし、議長の発言を受けて、3月FOMCでの利上げ観測が再燃。議長は加えて、高インフレが持続した場合、50ベーシスポイントの利上げの準備もあるとした。2月雇用統計では失業率が一段と低下、非農業部門雇用者数も40万超の増加が予想されている。賃金も20年5月以来で最大の伸びを記録する見通しで、利上げを正当化すると見られる。3月15−16日に開催されるFOMC直前の10日には2月消費者物価指数(CPI)が発表される。FRB高官の中には、前月比で伸びの鈍化が示されなければ50べ—シスポイントの利上げを支持するとの見解も見られる。
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2022/03/04 07:54
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世界のワクチン輸送を支えたのは「日本の冷蔵配送技術」だった!今求められる「健康危機に即応するための備え」とは(2)
本稿は、世界のワクチン輸送を支えたのは「日本の冷蔵配送技術」だった!今求められる「健康危機に即応するための備え」とは(1)の続きである。■ワクチン輸送を支える「日本の保冷配送技術」特筆すべきは、ワクチンコールドチェーンの整備など接種能力強化のため、日本がこれまで約60か国で実施してきた「ラスト・ワン・マイル支援」である。日本はワクチンの国際共同治験に参加できず、さらに国会の要請により国内での治験が求められたため、OECD諸国のなかでも接種開始が遅れた。その遅れは3回目接種の遅れにもつながっている。それでも菅義偉政権は1日100万回、最大170万回ほどのペースで急速にワクチン接種を進めた。効率的なコールドチェーンを支えたのは、日本が世界に誇るお家芸、保冷配送の技術である。小口保冷配送では「クール宅急便」のヤマト運輸が先駆者として知られている。同社は日本政府とともに小口保冷輸送の国際標準化を目指した。2020年、国際標準化機構(ISO)において、日本政府が主導する形で、小口保冷配送サービスはISO 23412として国際規格になっている。日本の技術をもとに官民連携でルールメイキングが進んだ好事例である。そして、日本の効率的なワクチン接種オペレーションの代表例が「豊田市モデル」である。愛知県豊田市は2021年4月から、医師会、トヨタ自動車、ヤマト運輸とともに、接種会場の効率的な運営やワクチンの安全な輸送を実現する「豊田市モデル」を実施してきた(参照:トヨタイムズ、2021年6月16日「『一人でも多く、一日でも早く』接種改善に込めた想い」)。オペレーションの設計では、トヨタ生産方式(TPS)で知られる、人や物、情報を停滞なく、負担なく、スムーズに流す秒単位のプロセス管理手法が、存分に活用された。そして輸送では、ヤマト運輸が超低温の「氷」と専用の保冷ボックスを活用した。その超低温氷をつくるため、マイナス120度まで冷やせる電気式冷凍庫が投入された。この超低温冷凍庫を開発したのは静岡県沼津市に本社を構えるエイディーディー(ADD)である。熟練の作業者の手作業が必要不可欠なADD社の超低温冷凍庫。トヨタはその生産性向上も支援した。こうして豊田市では、超低温冷凍庫から、超低温の氷、保冷配送、そして日々カイゼンされるトヨタ式の効率的オペレーションにのって、地元の医師会や産業医、看護師など医療従事者が効率的なワクチン接種を進めた。ワクチン接種の豊田市モデルを、国際協力機構(JICA)の国内研修センターでプログラム化したうえで、世界各国の保健当局などを招へいし、研修を実施することは一案であろう。ラスト・ワン・マイル支援は、ワクチンに留まらず、安全で、確実な配送が求められる医薬品のサプライチェーン強靭化にも貢献するはずである。■政府は、グローバルヘルス人材を管理せよ日本が目指すべき第二の方向性は、世界と日本の健康危機に即応できるグローバルヘルス分野の人材育成である。感染症の現場はこれまで途上国が多かった。こうした公衆衛生危機の現場で修羅場を経験してきた多くの人材が、日本のコロナ対策で活躍している。健康危機管理の専門家の層を厚くしていくことは、グローバルヘルスに貢献できるのみならず、我が国の有事における対応力を強靭なものにすることにもつながる。過去30年間だけでも世界各国はさまざまな感染症危機を経験してきた。高病原性鳥インフルエンザH5N1、SARS、H1N1新型インフルエンザ、H7N9鳥インフルエンザ、エボラ出血熱、デング熱、MERS、ジカウイルス感染症、エボラ出血熱、そして新型コロナウイルス感染症。しかし忘れてはならないのは、結核、マラリア、HIV/AIDSだけで毎年250万人以上の人々が亡くなってきたという事実である。感染症による死と隣り合わせの日常が続いている途上国は、まだまだ多い。イエメンのような紛争国では、治療薬やワクチンを届けるために紛争当事者との交渉が必要となり、人々に届く前に略奪されるリスクもある。また感染症によっては東南アジア、西アフリカなど、発生地が限定されたエピデミックに留まる場合も多い。こうしたさまざまな感染症を、すべて経験してきたのが、WHOである。日本のコロナ対応では、WHOで感染症対策を経験した医師が奮闘を続けてきた。政府のコロナ分科会メンバーでは、SARS制圧をWHO西太平洋地域事務局(WPRO)事務局長として指揮した尾身茂・地域医療機能推進機構理事長に加え、感染症地域アドバイザーとしてSARS対策特別チームの責任者を務めていた押谷仁・東北大学大学院教授らがWPROで活躍していた。また岡部信彦・川崎市健康安全研究所長(内閣官房参与)も1990年代前半にWPROで伝染性疾患予防対策課課長を務めていた。他にも、政府コロナ分科会や厚労省アドバイザリーボード、厚労省、国立感染症研究所(感染研)などで、以前にWHO職員やJICA専門家としてアフリカやアジアなど途上国で感染症危機に対峙してきた専門家が奔走を続けている。国連をはじめとする国際機関や開発援助機関の現場は、途上国である。紛争、クーデター、暴動、テロ、津波、タイフーン、飢餓、そして感染症。こうした危機において、自らの専門性を発揮して対峙するのが、国際機関職員の仕事である。人の命にかかわる修羅場を経験する。こうした経験と、そこで培った人脈が、日本の危機管理でも活かされている。最近では厚生労働省や地方自治体において、健康危機管理の実践的な研修プログラムを通じて、少しずつだが専門家の層が厚くなってきている。代表的なプログラムは実地疫学専門家養成コース(FETP)と感染症危機管理専門家(IDES)養成プログラムである。国内では感染研、国立国際医療研究センター(NCGM)や感染症指定医療機関、そして海外ではWHO、米国保健福祉省(HHS)やCDC、英国健康安全保障庁(UKHSA、旧PHE)、欧州疾病予防管理センター(ECDC)などで現場経験を積む。新型コロナ対応でも、こうした諸機関で働く邦人職員のネットワークが、情報収集や分析、政策立案においてフル活用されている。こうしたグローバルヘルス分野の人材のロスター(名簿)を政府が管理しておくことが、いざ海外、あるいは我が国で健康危機が発生した場合、即応するための備えとなる。母子保健などUHCの伝統を持つ日本のグローバルヘルスの貢献は、すでに世界中でよく知られている。それを日本の健康危機管理と結びつける仕組みが必要である。グローバルヘルスと、日本で今後ふたたび起こりえるパンデミックなど健康危機。この二つは相互に関連している。医薬品サプライチェーン強靭化と健康危機管理専門家の育成は、日本、そして世界の人々の命と健康を救うとともに、新たな時代の「人間の安全保障」の柱である保護(protection)、能力強化(empowerment)、そして連帯(solidarity)、これらすべての強力な推進力となるはずである。相良祥之一般財団法人アジア・パシフィック・イニシアティブ(API)主任研究員。国連・外務省・ITベンチャーで国際政治や危機管理の実務に携わり、2020年から現職。研究分野は国際公共政策、国際紛争、新型コロナ対策やワクチン外交など健康安全保障、経済安全保障、制裁、サイバー、新興技術。2020年前半の日本のコロナ対応を検証した「コロナ民間臨調」で事務局をつとめ、報告書では国境管理(水際対策)、官邸、治療薬・ワクチンに関する章で共著者。慶應義塾大学法学部卒、東京大学公共政策大学院修了。ツイッター:https://twitter.com/Yoshi_Sagara■実業之日本フォーラムの3大特色実業之日本フォーラム( https://jitsunichi-forum.jp/ )では、以下の編集方針でサイト運営を進めてまいります。1)「国益」を考える言論・研究プラットフォーム・時代を動かすのは「志」、メディア企業の原点に回帰する・国力・国富・国益という用語の基本的な定義づけを行う2)地政学・地経学をバックボーンにしたメディア・米中が織りなす新しい世界をストーリーとファクトで描く・地政学・地経学の視点から日本を俯瞰的に捉える3)「ほめる」メディア・実業之日本社の創業者・増田義一の精神を受け継ぎ、事を成した人や新たな才能を世に紹介し、バックアップする
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2022/03/03 17:33
注目トピックス 経済総合
NY原油は140ドルが視野に入る? サンワード貿易の陳氏(花田浩菜)
皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター花田浩菜の気になるレポートです。今回は、NY原油についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、『NY原油は140ドルが視野に入る?』と述べています。続けて、『1日のNY原油は、供給逼迫懸念が強まり大幅急伸となった。一時106.78ドルと11%超急騰し、2014年6月下旬以来約7年8カ月ぶりの高値を更新した。終値は103.41ドル(前日比+7.69)。北海ブレント原油も一時107ドル台に上昇し、14年7月以来の水準を付けた』と解説しています。また、『ウクライナに侵攻したロシアへの制裁強化で、エネルギー大国であるロシアからのエネルギー供給が停滞するとの懸念が一層強まった。国際エネルギー機関(IEA)はこの日、価格高騰に対応するため、臨時閣僚会合を開催し、日米などの加盟国は備蓄石油6000万バレルを協調放出することで合意した』と伝えています。一方で、『6000万バレルは世界の石油消費量の一日分にも満たない量とされ、制裁による供給減を補うには不十分との見方からむしろ買いを勢いづかせた。100ドルの大台をブレイクすると、ストップロスの買い戻しも入り急ピッチで上値を伸ばした』と言及しています。また、『米石油協会(API)による2つ月25日現在の米原油在庫が前週比610万バレル減と大幅に減少したことも供給懸念に拍車をかけたようだ。市場予想は270万バレル増だった』と述べています。さらに、『石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」は、ロシアによるウクライナ侵攻後も現在の小幅増産方針を維持する公算が大きいと述べた』と伝えています。こうしたことから、陳さんは、NY原油について『ロシアに対する経済制裁やロシアの報復で輸出が全面停止すれば、NY原油は2008年の過去最高値に近い140ドルが意識されるかもしれない』と述べています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の3月2日付「NY原油は140ドルが視野に入る?」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 花田浩菜
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2022/03/03 17:33
注目トピックス 経済総合
世界のワクチン輸送を支えたのは「日本の冷蔵配送技術」だった!今求められる「健康危機に即応するための備え」とは(1)
■「母子手帳」は日本発祥だったグローバルヘルス(国際保健)は地球規模の課題であるとともに、人々の「人間の安全保障」の課題として考えられてきた。1960年代から国民皆保険を実施してきた日本は、すべての人が適切な健康・医療サービスにアクセスできるユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の旗振り役として、国際的なUHC主流化をリードしてきた。世界でよく知られているのが、日本の母子保健である。日本は戦後、母子保健を劇的に改善させ、妊産婦死亡率は途上国の約100分の1、5歳未満児死亡率は約20分の1となり、世界でも最高水準の母子保健サービスを提供している。日本では当たり前の母子健康手帳は、母子保健の分野では画期的なイノベーションであった。その経験はODA(政府開発援助)を通じて新興国、途上国へ広がってきた。また持続可能な開発目標(SDGs)では、日本が提唱してきた「人間の安全保障」やUHCの概念が存分に取り入れられた。しかし新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、グローバルヘルスをめぐる状況を一変させた。新型コロナは発症前や無症候であってもステルスで感染が拡大する。グローバルな人の移動とともに世界中に拡散し、収束したかと思えば、新たな変異株が出現する。途上国の問題だと思われてきた感染症は、先進国、なかでも人が「密」な都市で猛威を振るっている。新型コロナは、主権国家が国民の命と健康を守れるかという安全保障の問題であり、また、ワクチンを筆頭に医薬品をめぐる経済安全保障の問題でもある。医療提供体制の強化とともに経済社会活動へのダメージを抑制するため巨額の財政出動がなされており、財務・保健当局が連携して持続可能な保健財政制度の在り方についても議論が進んでいる。これからのグローバルヘルスにおいて、日本が目指すべき方向性は何だろうか。■「期限切れワクチン」は、日々大量廃棄されている…第一に、グローバルな医薬品のサプライチェーン強靭化である。医薬品(ワクチン、治療薬、検査試薬等)を、東南アジアと連携し国際共同治験を進め、安全性が確認されたメイド・イン・ジャパンの医薬品を、安定して世界中に供給する。日本ならではの貢献となる。途上国、特にアフリカで新型コロナのワクチン接種が進んでいない。その背景にあるのはワクチンの在庫不足ではない。ワクチンの製造能力は世界中で大幅に強化された。いま生じていることはワクチン在庫の膨大な不均衡である。使用期限切れのワクチンが日々、世界中で大量に廃棄されている。アフリカの主要空港までは届くが、その時点で使用期限が迫っており、そのまま配布されず廃棄されるケースも頻発している。問題は、ワクチン等を生産し、輸送し、人の腕に打つまでのサプライチェーンの断絶である。超冷凍保存が必要なmRNAワクチンについては、冷凍・冷蔵・保管・輸送するコールドチェーンも必要不可欠である。2月14日、ブリンケン米国務長官の主催で、新型コロナ対策に関する外相会合が開催された。日本からは林芳正外務大臣が出席した。ここでブリンケン国務長官は2022年中に新型コロナを収束させ、将来のパンデミックへの備えを強化することを目的とした「グローバル行動計画」(GAP: Global Action Plan for Enhanced Engagement)を発表した。GAPでは6つの柱が掲げられた。その第一の柱が「ワクチンを腕まで」(Get Shots in Arms)であり、世界の少なくとも70%の人々が高品質で安全で有効なワクチンを接種完了できるよう、接種を推進する。そして第二の柱が「サプライチェーン強靭性の強化」(Bolster Supply Chain Resilience)であり、サプライチェーンのボトルネックを特定し、解消を目指す。日本は、このGAPにおける、もっとも大きな二つの柱で世界を主導する立場にある。メイド・イン・ジャパンのアストラゼネカ社ワクチンを台湾、東南アジア、太平洋島嶼国などに約4,000万回分以上、現物供与してきた。日本は世界有数のワクチン供与大国なのだ。さらにCOVAXファシリティ(COVID-19ワクチンを、いくつかの国で共同購入し、公平に分配するグローバルな取り組み)には10億ドル規模の財政貢献を積み重ねてきた。世界のワクチン輸送を支えたのは「日本の冷蔵配送技術」だった!今求められる「健康危機に即応するための備え」とは(2)へ続く。相良祥之一般財団法人アジア・パシフィック・イニシアティブ(API)主任研究員。国連・外務省・ITベンチャーで国際政治や危機管理の実務に携わり、2020年から現職。研究分野は国際公共政策、国際紛争、新型コロナ対策やワクチン外交など健康安全保障、経済安全保障、制裁、サイバー、新興技術。2020年前半の日本のコロナ対応を検証した「コロナ民間臨調」で事務局をつとめ、報告書では国境管理(水際対策)、官邸、治療薬・ワクチンに関する章で共著者。慶應義塾大学法学部卒、東京大学公共政策大学院修了。ツイッター:https://twitter.com/Yoshi_Sagara■実業之日本フォーラムの3大特色実業之日本フォーラム( https://jitsunichi-forum.jp/ )では、以下の編集方針でサイト運営を進めてまいります。1)「国益」を考える言論・研究プラットフォーム・時代を動かすのは「志」、メディア企業の原点に回帰する・国力・国富・国益という用語の基本的な定義づけを行う2)地政学・地経学をバックボーンにしたメディア・米中が織りなす新しい世界をストーリーとファクトで描く・地政学・地経学の視点から日本を俯瞰的に捉える3)「ほめる」メディア・実業之日本社の創業者・増田義一の精神を受け継ぎ、事を成した人や新たな才能を世に紹介し、バックアップする
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2022/03/03 17:32
注目トピックス 経済総合
(中国)上海総合指数は0.34%高でスタート、ウクライナ停戦交渉の再開期待などで
3日の上海総合指数は買い先行。前日比0.34%高の3495.92ptで寄り付いた後は、日本時間午前11時3分現在、0.32%高の3495.23ptで推移している。ウクライナの停戦交渉の再開期待など外部環境の落ち着きが好感されている。国内では、景気対策への期待が高まっていることが引き続き支援材料となっている。
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2022/03/03 11:08
注目トピックス 経済総合
コマツを対象とするコール型eワラントが2倍超えの大幅上昇(3日10:08時点のeワラント取引動向)
上昇率上位はコマツ<6301>コール233回 3月 3,150円(前日比2倍)、いすゞ自動車<7202>コール144回 3月 1,700円(+76.0%)、いすゞ自動車コール145回 3月 1,900円(+75.0%)、マツダ<7261>コール123回 3月 925円(+69.7%)、SOMPO ホールディングス<8630>コール42回 3月 5,700円(+50.0%)などとなっている。(カイカ証券)
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2022/03/03 10:27
注目トピックス 経済総合
NYの視点:米2月雇用統計、FRBの利上げ正当化へ
米国労働省はワシントンで4日、2月雇用統計を発表する。エコノミストの平均予想で、失業率は1月4%から3.9%に低下する見込み。非農業部門雇用者数は41.8万人増と、1月46.7万人増から伸びが拡大すると予想されている。先行指標の中で雇用統計と相関関係が最も強いとされる民間の雇用者数を示すADP雇用統計の民間雇用者数を示すADP雇用統計の2月分は前月比+47.5万人と、予想を上回った。1月分も+50.9万人と、パンデミック発生来で最低の伸びとなった-30.1万人からプラスに大幅上方修正され、2月の結果にも期待が集まる。連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は下院金融サービス委員会での半期に一度の証言で労働市場が非常にひっ迫しており、労働市場参加者の減少が賃金インフレの速やかな上昇に繋がっていると、言及。3月連邦公開市場委員会(FOMC)で25ベーシスポイントの利上げを提案、または、支持すると表明した。インフレ高進が持続した場合、50ベーシスポイントの利上げも除外しなかった。2月賃金の伸びも5.8%と1月から一段と拡大し20年5月来の大幅な伸びが予想されており、想定通りとなるとFRBの利上げ軌道を正当化し、ドル買いを支援することが予想される。■2月雇用統計の先行指標・ADP雇用統計:+47.5万人(予想:+37.5万人、1月:+50.9万人←-30.1万人)・ISM製造業景況指数雇用:52.9(54.5)・NY連銀製造業景況指数:雇用(現状):+23.1(1月16.1、6カ月平均+20.7)週平均就業時間:+10.9(+10.3、6カ月平均+16.0)6か月先雇用:+25.5(29.9、6カ月平均32.7)週平均就業時間:+15.3(13.8、6カ月平均+12.3)・フィラデルフィア連銀製造業景況指数雇用(現状):32.3(26.1、6カ月平均29.4)週平均就業時間:10.8(9.6、23.1)6か月先雇用:36.6(38.4、6か月平均42.8)週平均就業時間:2.4(9.0、6か月平均11.7)・消費者信頼感指数(%)雇用十分:53.8(55.0、23.1)不十分:34.4(33.0、55.2)困難:11.8(12.0、21.7)6カ月後増加:21.3(22.1、29.0)減少:17.9(16.6、19.9)不変:60.8(61.3、51.1)所得増加:15.7(16.2、16.0)減少:12.1(12.1、13.0)不変:72.2(71.7、71.0)・失業保険申請件数件数 前週比 4週平均 継続受給者数02/19/22| 232,000| -17,000| 236,250| n/a |n/a02/12/22| 249,000| 24,000| 243,500| 1,476,000| 1.1%02/05/22| 225,000| -14,000| 253,750| 1,588,000| 1.1%01/29/22| 239,000| -22,000| 255,250| 1,619,000| 1.2%01/22/22| 261,000| -29,000| 247,250| 1,621,000| 1.2%01/15/22| 290,000| 59,000| 232,000| 1,672,000| 1.2%01/08/22| 231,000| 24,000| 211,000| 1,624,000| 1.2%01/01/22| 207,000| 7,000| 204,500| 1,555,000| 1.1%■市場エコノミスト予想失業率:3.9%(1月4.0%)非農業部門雇用者数:前月比+41万人(1月+46.7 万人)民間部門雇用者数:前月比+39.3万人(+44.4万人)平均時給:予想:前月比+0.5%、前年比+5.8%(+0.7%、+5.7%)
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2022/03/03 08:08
注目トピックス 経済総合
(中国)上海総合指数は0.30%安でスタート、ウクライナ危機を引き続き警戒
2日の上海総合指数は売り先行。前日比0.30%安の3478.29ptで寄り付いた後は、日本時間午前11時00分現在、0.47%安の3472.31ptで推移している。ウクライナ危機の長引き懸念が引き続き警戒され、リスク回避の売りが広がっている。一方、景気対策への期待が高まっていることが指数をサポートしている。
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2022/03/02 11:05
注目トピックス 経済総合
対ロシア貿易額増大、中国の内需が要因か
■中露首脳会談で15カ条の協力文書を締結北京冬季五輪に出席したロシアのプーチン大統領は、2月4日の中露首脳会談で、天然ガスや金融インフラに関する協力を強化することを表明した。中ロ両国が署名した協力文書の中には、中国石油天然ガス公社(CNPC)と年間100億立方メートルのロシア産天然ガスを極東地域のガス管を通じて中国に供給するための長期契約も含まれている。2014年に締結した契約では、年間380億立方メートルのロシア産ガスを中国に30年間に供給するという内容であった。今回の契約では、供給量を増やし、年間480億立方メートル供給するという。そのほか、ロシア全域からの小麦輸入を拡大することも認められ、これも15カ条の一つである。今回の取り決めはロシアのウクライナ侵攻前に決定したことであるが、小麦輸入を増やし、ロシアへの経済支援をするのではないかという見方も多い。■2021年の中国の穀物輸入による現状中国では、主食となる米、小麦、トウモロコシの3大食糧自給率は98%に達成し、供給に問題はないと政府が表明している。中国の税関総署によると、2021年の穀物輸入が急拡大したという。2021年の穀物輸入は前年同期比18.1%増の16,453.9万トンとなり、穀物総生産量(68,285万トン)の24.1%を占めている。(1)トウモロコシの輸入量が急増しており、同比152.2%増の2,835万トン、総生産量の(27,255万トン)10%を占めている。2021年中国の養殖業統計データによると、アフリカ豚熱の流行で低迷していた養豚業(同比+27.4%)が引き続き急速に回復に向かっている。トウモロコシの輸入拡大は国内の家禽・養豚業の飼料需要が背景にあるとみられる。(2)小麦の輸入は、同比16.2%増の971.68万トンとなった。小麦の主な輸入先は、米国(28.06%)、カナダ(26.14%)、オーストラリア(28.14%)、フランス(14.57%)、ロシア(1.07%)で、上記の国で全体の総輸入量の97.9%を占めている(図表参照)。(3)大豆は、同比3.8%減の9,651.8万トンとなった。2021年国内の大豆生産量はわずかの1,640万トンとなり、大豆の輸入依存は85.5%に上る。米中貿易摩擦やコロナ禍の影響を受け、主要な輸入先であった米国からの大豆輸入シェアが減少し、第三国(ブラジルなど)からの輸入シェアが拡大している。■対ロシア貿易額、21年輸入額1,468.87億米ドル2022年1月17日に発表された国家統計局データによると、2021年ロシアによる貿易総額は前年同期比35.8%増の1,468.87億米ドルとなった。ロシアによる輸出額と輸入額はそれぞれ678.65億米ドル(+33.8%)と793.33億米ドル(+37.5%)となり、過去最高を記録した。中露首脳会談で、プーチン大統領は、「我々は貿易額を年間2,000億米ドルまで増加させるという目標に向かって確実に進んでいる」との表明もあった。2021年にトウモロコシや大豆などの先物が高騰した影響で、中国は主原料のトウモロコシを減らして小麦に変えたことにより、飼料用として小麦の需要が高まっている。国家糧食物資備蓄局によると、2021年の小麦の飼料用需要は4,000万トンに上り、前年同期比95.7%増の2,200万トン増となった。ロシア産の小麦原価は国内生産より安価で、飼料コストも低減できるという。中国の税関当局によれば、今後も国内の糧食安全の需要に応じてロシアからの小麦輸入を拡大する方針だという。
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2022/03/02 10:59
注目トピックス 経済総合
ビザを対象とするプット型eワラントが前日比2倍の大幅上昇(2日10:02時点のeワラント取引動向)
新規買いは原資産の株価上昇が目立つ住友金属鉱山<5713>プット256回 4月 5,100円を逆張りで買う動きや、原資産の株価下落が目立つソニーグループ<6758>プット360回 4月 13,000円を順張り、IHI<7013>プット52回 4月 2,300円を順張りで買う動きなどが見られる。手仕舞い売りとしてはWTI原油先物リンク債_2022年6月限コール1回 3月 65米ドル、アマゾン・ドット・コムコール177回 3月 3,400米ドル、住友金属鉱山プット256回 4月 5,100円、Inpex<1605>コール235回 3月 1,150円などが見られる。上昇率上位はビザプット54回 3月 160米ドル(前日比2倍)、銀リンク債コール89回 3月 28米ドル(前日比2倍)、太平洋セメント<5233>プット109回 3月 1,950円(+87.5%)、ビザプット55回 3月 190米ドル(+82.4%)、ブリヂストン<5108>プット115回 3月 4,200円(+74.2%)などとなっている。(カイカ証券)
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2022/03/02 10:26
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ウォール街を知るハッチの独り言 全米で1億人が観るスーパーボウルの経済学(マネックス証券 岡元兵八郎)
さて、マネックス証券の「メールマガジン新潮流」が、2月28日に配信されました。そのなかから今回は、同証券のチーフ・外国株コンサルタント、『ハッチ』こと岡元兵八郎氏のコラム「ウォール街を知るハッチの独り言」の内容をご紹介いたします。「全米で1億人が観るスーパーボウルの経済学 30秒のCMが8億円 その経済効果は最大で約550億円」アメリカで最も人々を団結させるスポーツイベントがスーパーボウルと言われています。スーパーボウルは、アメリカ最大のスポーツイベントと言われているアメリカンフットボールのプロリーグ「NFL」の優勝決定戦のことです。毎年第2週目の日曜日に行われることになっているスーパーボウルは毎年異なるスタジアム会場で開催されます。今年は2月13日にロサンゼルスにあるSoFiスタジアムで開催されました。今回の試合のホストであるロスアンゼルス・スーパーボール・コミッティは、今回のスーパーボウルの試合が地元にもたらす経済効果は2.34億ドルから4.77億ドル(約270億円から550億円)(注:以下全て1ドル115円で計算)の間だと試算しています。SoFiスタジアムには7万席あり、最大10万席まで増やすことができるそうです。チケットの値段は一枚950ドルから6,200ドル(約11万円から71万円)で、チケット収入だけで、少なく見積もっても6,650万ドル(約77億円)と言われています。今回の試合を見るために全米から10〜15万人のスーパーボウルファンがロスアンゼルスを訪れ、平均4日間宿泊すると言われていました。その結果、ロスアンゼルス地域ではホテル、レストランなどで2,200から4,700人の雇用を生み出し、宿泊代、レストランなどの飲食費、その他の直接の経済効果は2.59億ドル(約300億円)ほどだと言われています。その結果地元に落ちる税収は1,200〜2,200万ドル(約13.8億円から25.3億円)とのこと。そのスーパーボウルの視聴者数ですが、過去5年間の平均が1.12億人と、3人に1人のアメリカ人がこの試合を観ていることになります。これほど多くの視聴者に観られているテレビ番組は他にはありません。スーパーボウルの試合は、225を超えるテレビ局に加え、450ものラジオ局でも生中継され、180の国々で視聴されているそうです。スーパーボウルを1人で観るのは全体の5%だけで、95%が家族や友達と集まって観るそうなのですが、その数平均17人と言われています。面白いのは、スーパーボウルの翌日の月曜日、アメリカでは羽目を外した労働人口の6%が病欠で休むというデータがあるそうです。特に自分が応援するチームが勝った場合、試合が終わった後も祝宴となり盛り上がるのでしょう。それほどアメリカ人が熱狂するスポーツイベントですが、スーパーボウルのCMも試合と同じくらい注目されるものとなっています。広告予算がデジタル広告へシフトしていると言われている中、スーパーボウルの広告は別格です。全米で1億人が観るお祭り騒ぎのスーパーボウルは、企業にとっては自分達のサービスや製品をPRするために最高の機会で、スーパーボウルのCMは、企業がアイディアと大金を使うことでも有名です。スーパーボウルを放映したNBC放送によると、昨年550万ドル(約6.3億円)だったCMは、今年はこれまでの最高の650万ドル(約7.5億円)へと値上がりし、中には700万ドル(約8億円)というCM枠もあったそうです。東京のキー局の通常のCMが30秒で200万円もしないようですから、その違いの大きさはお分かりいただけるでしょう。米国の全米ネットワークの普通の番組のCMは同じ30秒で105,000ドル(約1,200万円)、NBC放送のサンデーナイトフットボールという通常のNFLの試合のCMコストでも811,679ドル(約9,334万円)とのことですから、30秒で700万ドル(約8億円)というプライシングがどれだけ企業にとって宣伝の場であるかご理解頂けると思います。今回の番組では70を超えるCMを放送したNBC放送のCM収入は5億ドル(約575億円)近くあったと言われています。そんな高額をかけて放送するCMも、アメリカでは誰でも知っている有名人の出演はもとより、アメリカ的なユーモアを散りばめたエンターテイメント性があり、毎年試合と同じくらい話題になっています。CMのスポンサーは、昔から変わらないスポンサーもあれば、アメリカの今を反映する企業のものもあります。今年の70以上のCMのうち30は新しいスポンサーによるものだということで、CMにも若返りが起きており、このCMを見ればその年の旬な業界や企業を知ることができます。毎年変わらないのは、ビール、ポテトチップやドリトスのようなアメリカの肥満文化を象徴するコマーシャルです。コロナ禍で人気になったウーバーイーツのCMもあり、食べ物以外の配達も始めましたよという内容のCMは面白おかしくできていました。近年の旬な業種としては仮想通貨です。 仮想通貨交換所のコインベースのCMは、会社名も出ず30秒の間QRコードが画面上で左右上下へゆっくり動くだけという、というこれまでなかった、ある意味斬新なもので、視聴者の注目を得ました。QRコードをスマホカメラで見ると、コインベースのホームページに移動するというものです。韓国のKIAやBMWのEV車のCMもよくできていました。アマゾンのCMは、AIスピーカーのアマゾンエコーが、もしも私たちの心を読めるようになった世界がどうなるのかをコメディタッチに見せてくれる非常に面白いものとなっています。今年はマーケットの乱高下する中、ウクライナ情勢も加わり、私はスーパーボウルを観る余裕はなかったのですが、1年後のアリゾナ州で行われるスーパーボウルについては、バドワイザーを片手にポテトチップをつまみながら、ゆっくり試合を楽しめる平和な世の中になっていることを願いたいと思います。マネックス証券 チーフ・外国株コンサルタント 岡元 兵八郎(出所:2/28配信のマネックス証券「メールマガジン新潮流」より、抜粋)
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2022/03/02 09:38
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NYの視点:バイデン米大統領、初の一般教書演説、インフレに焦点か
バイデン米大統領はワシントンで1日、就任後初めての一般教書演説を行う。政府の発表によると、インフレや物価を押し下げる具体策を発表するという。サプライチェーンを強化し、消費財などのコストの引き下げに努めるほか、独占禁止、組合を促進する計画。大統領はまた、米国経済のパンデミックからの回復を強調すると見られ、さらに、米国製商品をプロモートする。さらに、バイデン政権が推進しているビルド・バック・ベター(BBB)、環境対策案を推し進めると見られ、最低賃金の引き上げる法案、組合などの立ち上げを容易にする法案や、年収40万ドル以上の納税者や企業を対象にした増税案を可決するよう議会に求める。ロシアのウクライナ軍事侵攻を受けて、西側諸国が対ロ制裁を強化。ロシアの輸出が停滞し、供給不安からNY原油先物は2014年以来の100ドル超えとなった。原油だけでなく、様々な商品価格の上昇につながっており、燃料価格がインフレを押し上げ、さらには経済にも影響する可能性が市場では警戒され始めている。大統領の支持率は、低下の一途で40%割れ。大統領の経済法案が国民に支持される可能性には疑問が残る。
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2022/03/02 07:30
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商船三井を対象とするコール型eワラントが前日比3倍超えの大幅上昇(1日10:02時点のeワラント取引動向)
新規買いは原資産の株価上昇が目立つ商船三井<9104>コール131回 4月 11,200円を順張りで買う動きなどが見られる。手仕舞い売りとしてはビットコイン先物インデックスリンク債_2024年 トラッカー1回 5月 1.0米ドル、三井物産<8031>コール210回 4月 3,300円などが見られる。上昇率上位は商船三井コール128回 3月 11,800円(前日比3.5倍)、日本電気<6701>コール187回 3月 6,200円(前日比3倍)、商船三井コール127回 3月 10,400円(前日比2.8倍)、日本電気コール186回 3月 5,400円(前日比2.2倍)、日揮ホールディングス<1963>コール32回 3月 1,300円(+82.4%)などとなっている。(カイカ証券)
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2022/03/01 11:02
注目トピックス 経済総合
プーチン大統領の思惑、今回のウクライナ騒動を理解するには(元統合幕僚長の岩崎氏)(2)【実業之日本フォーラム】
この記事は「プーチン大統領の思惑、今回のウクライナ騒動を理解するには(元統合幕僚長の岩崎氏)(1)【実業之日本フォーラム】」の続きである。2.プーチン大統領は偉大?功績は?プーチン氏がロシアの最高権力者になって既に20年以上になる。我々の感覚からすれば、かなりの長期政権である。が、ロシアの歴史からすれば、それほどでもない。2018年にロシアで興味深いネット投票が行われたことがある。「ロシアの最も偉大な君主は?」というアンケートである。これはネット調査であり、かつロシアという我々とかなり価値観が異なる国の調査である。真実を反映しているか否かは不明ではあるが、結果は、1位:スターリン書記長、2位:ピョートル大帝、3位:プーチン大統領であった。我々からすれば世界的に尊敬されノーベル平和賞を受賞したゴルバチョフ大統領は、残念ながら遥か下であった。スターリンは、我々には、史上最悪の独裁者とのイメージがあるものの、政権トップに30年以上君臨し、ロシアの工業力を強化し、国力を高め、民に富を齎し、第二次大戦ではあのドイツを倒し、核を開発してロシアを米国と同等に押し上げた偉大な指導者である。ピョートル大帝は40年以上君臨し、海軍を立ち上げ、バルト海を制し、ロシアの領土を拡大した。いづれにしても、ロシア国民は、ロシア国民を鼓舞し、祖国ロシアの権益を拡大し、領土を拡大してくれる指導者を望んでいる様な調査結果である。プーチン大統領は、1999年12月31日、エリツイン大統領が辞任し、突然、ロシア大統領職代行となった。そして、翌年2000年5月7日、正式なロシア大統領に就任した。一度、2008年~2012年は首相(この際でも、実質的にはプーチン政権)になったものの、再び大統領に返り咲き、実質的に20年以上、政権トップと維持した。これまでのプーチン大統領の功績は何なのだろうか。この功績は、勝手に我々が考える功績でなく、ロシア国民の目から功績と言えるものでないといけない。前述のとおり、ロシア国民は、ロシア国民を鼓舞し、ロシアに富を齎してくれる指導者が好きだ。プーチン大統領は、先ずは、エリツイン大統領時代末期の混乱を収めてくれた偉大な指導者である。そして、ソ連が崩壊し、経済的にかなり低迷していたロシアを見事に復活させ、この経済力を使って、ソ連崩壊後、殆ど活動していなかった軍を活性化した指導者でもある。2007年、長年休止していた「常時警戒飛行」を再開する旨の発表を行い、実際にTu-95長距離爆撃等の飛行を再開した。英国の北海周辺、我が国周辺、そして米国のアラスカやカリフォルニア周辺にも飛行させ始めた。石油や天然ガスのパイプラインを欧州各国に敷設し始めたのもプーチン大統領である。そして、最近では、「クリミア半島」を獲得(併合)した。久々の領土拡張である。プーチン大統領は、2013年末から翌年にかけ、ウクライナ国境周辺に大規模な軍隊を移動させ、軍事演習を行った。また、この軍事行動とともに、所謂、ハイブリッド戦と言われる手法を駆使し、ウクライナ東部やクリミア半島で様々な諜報・宣伝・サイバー攻撃・情報かく乱活動を行った。もともとウクライナ東部やクリミア半島の地域は、ロシア系住民が多い地域である。このロシア系住民の主言語はロシア語であり、文化・生活様式等は、ほほロシア人に近い。プーチン大統領は、ウクライナ東部で、このロシア系住民がウクライナ政府(軍)から不当な扱い(武力攻撃)を受けているとの宣伝を行い、リトル・グリーン・メンなる実質ロシア兵をウクライナ東部に送った。このリトル・グリーン・メンとは、実態はロシア軍隊であり、ロシア軍人であることは明白である。彼らは、ロシア軍に似た戦闘服を着用しており、ロシア製の武器を装備している。しかし、階級章や部隊章等の徽章は装着しておらず、どこかの国の正規軍でないとの生出たちである。この集団が東部ウクライナに侵入し、ロシア系住民の安全確保の為、ウクライナ政府軍と戦い続けた。また、ロシアは、クリミア半島で様々な工作を行い、この地域の住民に、クリミア半島の帰属をめぐる住民投票を行わせた。この周辺住民も主要言語はロシア語であり、ロシア文化のもとで暮らしている人達である。かつ、ここの住民の多くは高齢者であり、年金受給者である。ロシアは、この住民に、ロシアの年金とウクライナの年金を具体的に説明したのである(ロシアの年金は、ウクライナのそれに比較し、高額である)。この選挙の結果は、予想どおりであった。結果を受けて、2014年3月18日、ロシア、クリミア自治共和国、セヴァストポリ特別区(市)の三者が、「ロシアへの併合に関する協定」に調印したのである。プーチン大統領は、銃弾を一発も使わず、クリミア半島を手中にした。ウクライナ、欧米、そして我が国も、この条約は有効でないとしているものの、既に8年もの間、ロシアによる不当な占領が続いている。この様な既成事実が長引けば、国際社会もその事実を容認せざるを得なくなる(我が国は、「北方四島」及び「竹島」は、わが国固有の領土であると70年以上、主張し続けているものの、国際社会の中で、我が国の主張を認めてくれる国は、ほぼ皆無である。同盟国の米国でさえ、この件に関してロシアや韓国に何も言ってくれない。でも、我々は諦めてはいけない。必ず取り戻さないといけない地域である)。そのようなことは避けないといけないと思いつつ8年経過した。以上の様に、クリミア半島では、ロシアの安定した占領が続いている。一方の東部ウクライナでの戦闘(紛争)は、ロシアの権益拡大の布石であり、両方ともプーチン大統領の大きな功績である。そして、今回の一連の動きは、ロシアのウクライナでの更なる権益拡大の始まりかもしれないのである。3.今後の我々の対応は?プーチン大統領は、なぜ今、この時期を選んだのだろうか。今は西側諸国の結束が必ずしも強固でない、と考えたのかもしれない。米国は昨年1月、新大統領になり、「同盟への回帰」を宣言したものの、一昨年前の大統領選での国内の分断がますます悪化し、外交に専念し難い状況が続いている。その最たるものが、アフガンからの撤退作戦であった。英国はEUからの離脱問題が依然として尾を引いており、コロナ禍でのパーティ問題もある。フランスは4月に大統領選を控えている。ドイツは、偉大なメルケル首相が去り、ショルツ首相になったばかりであり、かつ政権自体があまり盤石ではない。西側各国はいろいろな事情を抱えているのである。この様な中、ウクライナ国境周辺での大規模演習を行いながら、プーチン大統領は、一方的に東部ウクライナのロシア系住民が住む地域を独立国家として承認した。「ドネツク人民共和国」及び「ルガンスク人民共和国」である。かなり大胆な行動である。そして、遂にロシア軍にウクライナ国内への突入を命じ、軍は即座に行動を開始した。これは、米国のバイデン大統領及びNATOがウクライナ国内へ軍を派遣しないとのメッセージを何度も表明していることとの関連はないのだろうか。プーチン大統領としては、米国やNATO及び世界の枢要国からの経済制裁があろうが、米国とNATOに軍を入れないのであれば、簡単にウクライナを手中に収めることが出来る、と考えたのではなかろうか。軍のオプションは最終手段として常に取っておくべきである。バイデン大統領に、又はNATO事務局長に軍のトップはどのようなアドバイスをしたのだろうか。私は、知る由はないが、この様な判断が、次なる悲劇を生まなければ良いがと願うのみである。ここに至って、我々は何をすべきなのか。それはただ一つである。米国を中心に「結束」するしかない。台湾海峡問題でも示したように、我々、西側の各国が一丸となり、プーチン大統領が行おうとしている「力による現状変更」を止める必要がある。その為には、東部ウクライナの現状を、宇宙から、空から、地上から、通信系やネットワークに至るまで、常に警戒監視し、日々、その状況を公表し、彼らの主張していることが如何に操作されているのかを曝け出すことである。そして、更なる強力な経済制裁を行い断固たる態度を示すことである。この強力な経済制裁とは、単に個人とか関係者の口座凍結の様な単純で、影響の少ない制裁ではなく、より大胆にロシアとの経済取引を停止する覚悟が必要である。当然、この様な処置を行なえば、我々に跳ね返ってくることが容易に推測で来るが、今、我々にはその覚悟が必要な時である。ウクライナは地理的に、我が国から遠い国であるが、今、我々はプーチン大統領の勝手な行動を許すわけにはいかない。プーチン大統領の一挙手一投足を習近平主席が見つめている。「今日のウクライナは、明日の極東であり、台湾であり、我が国である」 我が国が果たすべき役割は、極めて大きいと考えている。(令和4.2.27)岩崎茂(いわさき・しげる)1953年、岩手県生まれ。防衛大学校卒業後、航空自衛隊に入隊。2010年に第31代航空幕僚長就任。2012年に第4代統合幕僚長に就任。2014年に退官後、ANAホールディングスの顧問(現職)に。写真:AP/アフロ■実業之日本フォーラムの3大特色実業之日本フォーラム( https://jitsunichi-forum.jp/ )では、以下の編集方針でサイト運営を進めてまいります。1)「国益」を考える言論・研究プラットフォーム・時代を動かすのは「志」、メディア企業の原点に回帰する・国力・国富・国益という用語の基本的な定義づけを行う2)地政学・地経学をバックボーンにしたメディア・米中が織りなす新しい世界をストーリーとファクトで描く・地政学・地経学の視点から日本を俯瞰的に捉える3)「ほめる」メディア・実業之日本社の創業者・増田義一の精神を受け継ぎ、事を成した人や新たな才能を世に紹介し、バックアップする
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2022/03/01 10:50
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プーチン大統領の思惑、今回のウクライナ騒動を理解するには(元統合幕僚長の岩崎氏)(1)【実業之日本フォーラム】
昨年末からウクライナ国境沿いでの緊張が高まっていることが世界中で、そして我が国でも、連日、報道されている。ロシアがウクライナ国境周辺や隣国のベラルーシに十数万の大規模なロシア軍を展開し、ロシア軍単独の大規模演習やベラルーシ軍との合同演習等を行い、米国、欧州各国、NATO(北大西洋条約機構)の説得にも拘わらず、ウクライナ侵攻を開始した。プーチン大統領は、今後ウクライナをどうしようと考えていのであろうか。最近の大規模な軍事侵攻の例を見てみよう。この様に他国との国境付近で演習等を行いつつ、機を見て軍事侵攻したケースが何例か上げられる。最も記憶に新しい事態は、「イラクのクウェート侵攻」であろう。1991年6月から7月にかけて、イラクがクウェート国境沿いに大規模な軍を展開し、大演習を行った。そして、同年8月2日、一挙にクウェートへ侵攻し、アッという間にクウェートを制圧、イラクのフセイン大統領は8月8日にクウェート併合を宣言したのである。この際、イラク軍のクウェート侵攻の兆候こそあったものの、米国を始めとする西側は、その兆候を結果的に活用することが出来ず、イラク軍の侵攻に際し、何の対応も取ることが出来なかった。それから米国等は、約半年をかけて多国籍軍を編成し、ペルシャ湾やその周辺諸国に大部隊を展開させ、闇夜である新月の夜を見計らい1992年1月17日、「砂の嵐」作戦を開始した。作戦当初、昼夜を問わない航空攻撃(戦闘機や爆撃機及び巡航ミサイル攻撃等)を行い、政治の中心は当然のことながら、イラク軍の司令部、航空基地、陸軍駐屯地、対空警戒網、対空ミサイル部隊、通信網等の殆どを破壊した。約1ヶ月後の2月23日から地上軍がクウェート国内及びイラク国内に展開し、約100時間でイラク軍をほぼ完璧に撃退し、多国籍軍は戦闘行動を停止したのが2月28日であった。これが所謂、「湾岸戦争」である。典型的な「大部隊の展開」→「演習」→「侵攻」→の「征服」のストーリーとなる。この他にも、1979年12月末、ソ連はアフガンへ大部隊を侵攻させた。この際も、ほぼ同じ手口で、アフガン国境周辺で大演習を行い、その後、機を見て侵攻したのである。残念ながら、この時も西側は無警戒であった。一般的に、ある国へ軍事侵攻(進攻)する為には膨大な兵力が必要である。前述の様に「湾岸戦争」の際にも、米国を主体とする多国籍軍は、約半年かけて兵力をイラク周辺諸国及びペルシャ湾に展開させた。そして、当該国や地域を占拠する(統制下におく)には陸上兵力(陸軍や海兵隊等の兵力)が必要である。空軍や海軍では、物理的に首都や政治・経済の中枢、そして軍の拠点等を攻撃・破壊することができるものの、常続的に占拠することが出来難いからである。そして、この陸上兵力(陸軍や海兵隊等)の移動には、他軍種よりも遥かに長い時間(期間)が必要であり、大部隊の移動は、相手方に簡単に発見される。演習名目が常套手段である所以である。また、どんな作戦でも入念な事前訓練が必要である。一般的に、各国軍隊は基礎訓練から高度な作戦訓練まで行っているが、これは飽くまでも一般的な訓練・演習であり、概ね全ての作戦に適合するものの、ある作戦の成功を確実にするには、事前の訓練・確認が必要である。これは、特殊作戦であろうが、大部隊を動員する作戦であろうが同じである。さて、世界の予測を裏切って、ウクライナ侵攻を開始したプーチン大統領の思惑はどこにあるのだろうかということ、彼のエンド・ステイは、について考えてみたい。そこで、プーチン大統領の今後の行動を予測するために知っておくべきことがある。一つは、第二次大戦後の欧州方面での米国・NATO vsロシア (ソ連)・WPO(ワルシャワ条約機構)の対立の経緯である。また、2014年にプーチン大統領が突如(彼とっては入念な計画どおり)、クリミア半島をロシアに併合したことも忘れてはいけない。1.欧州での米ソ対立の経緯米ソは、もともと考え方が根本的に異なっており、一度も心から理解しあったことがない国同士である。これは、何も第二次世界大戦後のことではない。第二次世界大戦は、ソ連が一応、連合国側として日・独・伊の枢軸国、特にドイツと戦ったものの、結果論として連合国側の一員であり、偶然にも共通の敵が出現すれば、一緒に協力し合うことがある。この類とさほど変わらない連携である。米・英の確固たる連携からすれば、連合国側のソ連との関係は、かなり緩やかな連携であった。第二次世界大戦の半ば以降、枢軸国側が形勢不利となり、先ずイタリアが陥落し、ドイツ国内にも連合国軍が入る様になった。米・英軍は、ドイツを西側から東進し、一方のソ連軍は西進した。そして、両軍は、遂に1945年4月25日、ベルリンの西側(ドイツ中央部から若干東側)を南北に流れるエルベ川で出会うことになった。有名な「エルベ川の誓い」である。その後、5月7日、ドイツは、ポツダム宣言(無条件降伏)受諾の文書に署名し、ヨーロッパ戦線は終結した。結果的に米ソ両軍は、ほぼそのままドイツに残留したので、エルベ川の西側に米・英軍が、東側にソ連軍が駐留することになり、実質的なドイツの分断が始まった。アジアでは、ドイツの降伏後、単独で連合国と戦っていた日本が1945年8月15日、連合国側の提示した無条件降伏の受諾を表明した。9月2日、東京湾の戦艦ミズーリ—上で降伏文書の調印式が行われ、第二次世界大戦が終わった。終戦直後、米・英は二度とこのような惨禍が欧州で起こらない様、1949年4月4日、米・英を中心とした12ヶ国によりNATOを設立した。一方のソ連を中心に東欧諸国8ヶ国が参加したWPO(友好協力相互援助条約)が1955年5月14日に立ち上げられ、これにより米ソの対立は、NATO vs WPOとなっていった。また、米国は第二次世界大戦中に核能力を持ち、広島・長崎に投下した。一方のソ連は、米国に遅れはとったものの、1949年8月には核実験に成功したことを公表した。米国のトルーマン大統領は、ソ連の意外にも早い核開発成功を知り、原子爆弾(核分裂)より遥かに大きなエネルギーを放出する水素爆弾(核融合)の開発に踏み切った。しかし、原子爆弾であろうが水素爆弾であろうが、破壊力が大きすぎ、事後の放射線の影響も長く残留することから、使用し難い兵器であり、両国ともこれまでの様な混獲的な戦争を始めることが難くなった。これが所謂、「冷戦」である。この「冷戦」には明確な定義はないものの、この様な核競争、米ソ(NATO/WPO)対立、そしてドイツの分断(ベルリンの壁)等が象徴的なものとされた。この米ソの対立は、長く続いたものの、1980年代に入り、ソ連経済が徐々に低迷し始め、1989年11月には「ベルリンの壁」が東西のベルリン市民により崩された。ソ連のゴルバチョフ書記長は、最早、米国等とこれ以上対峙することが出来ないと判断し、1989年12月2~3日、米国のブッシュ大統領と地中海のマルタ島沖に浮かぶロシアのマキシム・ゴーリキー船上で会談を行った。これが「マルタ会談」である。会談後、米ソ首脳は、米ソ首脳による初の共同記者会見に臨み「冷戦終結宣言」を行い、長い間の「冷戦」に終止符が打たれた。その後もソ連の凋落は続き、遂に1991年7月、WPOが解散され、同年12月25日、ゴルバチョフ書記長はソ連大統領やソ連共産党書記長等の役職を全て辞任することになり、ソ連は崩壊した。一方のNATOはソ連が崩壊するまでに着々と勢力を拡大し16ヶ国になっていたが、1994年1月のNATO首脳会議で、「NATO拡大方針」を打ち出し、1999年にはポーランド、チェコ、ハンガリーの3ヶ国を、2004年にはバルト三国、スロバキア、スロベニア、ブルガリア、ルーマニアの7ヶ国を、更に2009年にはアルバニア、クロアチアの2ヶ国を加え、そして最近では更にモンテネグロ・北マケドニアも参加することとなり、現在では30ヶ国まで拡大してきている。これは、ロシア側からすれば、米国やNATOの脅威が一歩、一歩モスクワに近寄ってきていることであり、安全保障上許し難い状況と感じていたことは簡単に予測される。「プーチン大統領の思惑、今回のウクライナ騒動を理解するには(元統合幕僚長の岩崎氏)(2)【実業之日本フォーラム】」に続く。岩崎茂(いわさき・しげる)1953年、岩手県生まれ。防衛大学校卒業後、航空自衛隊に入隊。2010年に第31代航空幕僚長就任。2012年に第4代統合幕僚長に就任。2014年に退官後、ANAホールディングスの顧問(現職)に。写真:AP/アフロ■実業之日本フォーラムの3大特色実業之日本フォーラム( https://jitsunichi-forum.jp/ )では、以下の編集方針でサイト運営を進めてまいります。1)「国益」を考える言論・研究プラットフォーム・時代を動かすのは「志」、メディア企業の原点に回帰する・国力・国富・国益という用語の基本的な定義づけを行う2)地政学・地経学をバックボーンにしたメディア・米中が織りなす新しい世界をストーリーとファクトで描く・地政学・地経学の視点から日本を俯瞰的に捉える3)「ほめる」メディア・実業之日本社の創業者・増田義一の精神を受け継ぎ、事を成した人や新たな才能を世に紹介し、バックアップする
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2022/03/01 10:48
注目トピックス 経済総合
(中国)上海総合指数は0.26%高でスタート、景気対策の期待感が支援材料
1日の上海総合指数は買い先行。前日比0.26%高の3471.36ptで寄り付いた後は、日本時間午前10時41分現在、0.62%高の3483.92ptで推移している。景気対策への期待が高まっていることが支援材料となっている。一方、ウクライナ情勢をめぐるロシアと欧米などの対立激化が世界経済に悪影響を与えるとの懸念が指数の上値を抑えている。
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2022/03/01 10:46
注目トピックス 経済総合
NYの視点:米金利市場、3月FOMCでの50BPの利上げ観測大幅後退、ウクライナ危機で
米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は今週、半年に一度の金融政策を巡る議会証言を控えている。そんな中、市場での3月連邦公開市場委員会(FOMC)での50ベーシスポイントの利上げ観測が後退しつつある。FRBがインフレ指標として注視しているコア消費者物価指数(CPI)やコアPCEの最新指数が金融目標である2%を大幅に上回り、ほぼ40年ぶりの大幅な伸びを示したため、FRBが金融政策でかなり立ち遅れており、3月のFOMCで50ベーシスポイントの利上げに踏み切るとの見方が一時強まった。しかしここにきて、ロシアが予想に反しウクライナ軍事侵攻に踏み切った。ウクライナの予想以上の抵抗を受けプーチン大統領は核兵器の利用も除外しない態度を示したため欧米は対ロ金融制裁も実施。今後の展開がより不透明となった。安全資産としての米国債にも投資資金が向かった。米金利先物市場では一時8割がた織り込まれていた3月FOMCでの50ベーシスポイントの利上げ観測も後退しつつある。一時7回近く織り込まれていた年内の利上げ確率も5回まで後退しつつある。しかし、エクスポージャーがほぼなくロシア、ウクライナ危機による米国経済への影響が最小限にとどまるとの見方に、FRB高官は高インフレの持続で、引き締めが必要との見方を変えていない。アトランタ連銀のボスティック総裁は今のところ3月FOMCで25ベーシスポイントの利上げを支持するが、もし、これから発表されるインフレ指標で特に前月比でインフレがピークをつけたことが確認できなければ、50ベーシスポイントを支持する可能性も示唆した。ドルも当面、方向を探る動きが予想される。パウエル議長の証言での発言に注目が集まる。
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2022/03/01 08:07
注目トピックス 経済総合
金は調整局面の可能性も サンワード貿易の陳氏(花田浩菜)
皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター花田浩菜の気になるレポートです。今回は、金についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、今週の金について『金は調整局面の可能性も』と述べています。続けて、『24日のアジア時間に、ロシアがウクライナでの軍事作戦決行を発表したことで、リスクオフモードが高まり、安全資産である金が買われて一時1976.50ドルと2020年9月中旬以来の高値まで上昇した』と伝え、『しかし、その後は利益確定の売りに押され、25日未明には一時1878.60ドルまで下落した。1日の上下の振れは100ドル近くに迫り、ボラテリティの高い展開となった。JPX金もこれに連動して7269円と上場来の最高値を更新した後に6969円まで急落した。こちらの振れ幅は300円になった』と解説しています。米国が発表した対ロシア追加制裁について、『輸出や金融関連など、一定程度想定された範囲にとどまっており、銀行決済取引網「国際銀行間通信協会(SWIFT)」からの排除までは踏み込まなかったことで、過度なリスク警戒が後退した。これを受けて、NYダウが安値から大きく値を戻したため、金は売り戻されたようだ』と示唆しています。陳さんは、『ウクライナを巡る地政学リスクはなかなか収まりようがないとみられるが、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げ方針を強めた場合、金には重石となろう』と言及しています。また、『ロシア軍の侵攻が拡大しなければ、マーケットの主眼はFRBの金融政策に移るだろう。その場合、金は調整局面を迎える可能性がある』と述べています。こうしたことから、陳さんは、『JPX金はRSIが70%を2回越えておりダブルトップを形成しており、かなり買われ過ぎ感が強い。調整安の可能性は高いだろう。その場合、6900~7000円が目先の押し目ゾーンになりそうだ。』と考察しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の2月25日付「金は調整局面の可能性も」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 花田浩菜
<FA>
2022/02/28 17:57
注目トピックス 経済総合
三井物産を対象とするプット型eワラントが上昇率上位にランクイン(28日10:02時点のeワラント取引動向)
手仕舞い売りとしてはWTI原油先物リンク債_2022年6月限コール10回 4月 90米ドル、野村NYダウ30連動ETF プラス5倍トラッカー38回 4月 33,000円、野村NYダウ30連動ETF プラス5倍トラッカー39回 4月 37,000円、WTI原油先物リンク債_2022年6月限コール5回 3月 85米ドルなどが見られる。上昇率上位は三井物産<8031>プット179回 3月 2,750円(+54.8%)、JT<2914>プット188回 3月 2,300円(+36.2%)、金リンク債コール372回 3月 1,850米ドル(+34.8%)、日揮ホールディングス<1963>コール31回 3月 1,150円(+32.2%)、Inpex<1605>コール235回 3月 1,150円(+26.5%)などとなっている。(カイカ証券)
<FA>
2022/02/28 11:02
注目トピックス 経済総合
(中国)上海総合指数は0.03%安でスタート、不安定な外部環境を警戒
28日の上海総合指数は売り先行。前日比0.03%安の3450.31ptで寄り付いた後は、日本時間午前10時45分現在、0.69%安の3427.64ptで推移している。欧米日がロシアのウクライナ侵攻を非難し、追加の経済制裁を決定したことなど不安定な外部環境が引き続き指数の圧迫材料となっている。一方、国内での景気テコ入れ策への期待が高まっていることが支援材料となっている。
<AN>
2022/02/28 11:01
注目トピックス 経済総合
NYの視点:パウエルFRB議長の議会証言、ベージュブック、米雇用統計、ISM、バイデン米大統領の一般教書演説
今週もロシアのウクライナ軍事侵攻の行方を睨む。また、米連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締めを織り込み、ドルは底堅い展開か。また、FRBが金融政策を決定する上で重要な雇用統計も発表予定で、注目となる。そのほか、全米の製造業活動業況を示すISM製造業景気指数やサービス業指数のISM非製造業指数も重要指標となる。また、高インフレや地政学的リスクが高まる中、パウエルFRB議長が金融政策に関する半年に一度の議会証言を予定しており、利上げやバランスシート縮小のタイミングやペースを探る上で注目が集まる。FRBはさらに、ベージュブック(地区連銀景況報告)を公表する予定。この結果は、3月15-16日に開催される連邦公開市場委員会(FOMC)で金融政策を決定する上で材料になる。各地区が物価、特に賃金の上昇や労働市場のひっ迫を強調した場合、FRBの利上げが正当化されることになる。さらに、バイデン大統領は就任後、初めての一般教書演説を3月1日に予定しており注目材料となる。ロシア軍はウクライナ首都のキエフに一段と近づいており、陥落間近かと見られている。北大西洋条約機構(NATO)事務総長はロシアの目的はウクライナの現政権を覆すことと述べており、ロシア、ウクライナ近くの同盟国を防衛するため素早く軍を送ることで首脳陣が合意したとしている。プーチン大統領は、中国の習国家主席との電話会合で、ウクライナと高官レベルの協議に前向きな姿勢を見せたという。ただ、大統領は「侵攻する計画はない」としながらも、侵攻を断行したことを考えると、動向はまだ不透明。ソ連崩壊から30年、「大国復活」へのプーチン大統領の野望は大きく、近隣のNATO諸国への侵攻といった情勢の深刻化も除外できない。一方、ウクライナ情勢の米国経済への直接的な影響は今のところほとんどないとの見方に、FRBは金融引き締めの軌道を修正する意向を見せていない。22年の連邦公開市場委員会(FOMC)投票権を持つセントルイス連銀のブラード総裁は、「ウクライナロシア情勢と米国経済の直接的な関係は最小」とし、7月1日までに100bpの利上げが必要だと再表明。ウォラーFRB理事はもし経済で過熱が示されれば3月50BPの利上げ論拠強まるとしている。■今週の主な注目イベント●米国28日:1月前渡商品貿易収支、1月卸売在庫、2月シカゴPMI、2月ダラス連銀製造業活動指数、ボスティック・アトランタ連銀総裁がビデオ討論会に参加3月1日:2月マークイット製造業PMI確定、1月建設支出、2月ISM製造業景況指数、一般教書演説、ボスティック・アトランタ連銀総裁が討論会に参加2日:パウエル議長が下院金融サービス委で半年に一回の証言、2月ADP雇用統計、ベージュブック(地区連銀景況報告)、エバンズ・シカゴ連銀総裁が経済金融政策に関し講演、ブラード・セントルイス連銀総裁が刑事あの見通しや金融政策に関するイベントに参加3日:10-12月期非農業労働生産性・単位人件費、週次新規失業保険申請件数、2月サービス業PMI、2月ISM非製造業景況指数、1月製造業受注、1月耐久財受注、パウエルFRB議長、上院銀行委で半年に一度の証言、ウィリアムズ米NY連銀総裁が討論会に参加4日:2月雇用統計(4日)●OPECプラス3月1日:ウクライナ、ロシアリスク、イラン核合意を巡り協議●中国3月1日:財新製造業PMI、非製造業PMI2日:財新サービスPMI●欧州3月1日:仏、独、ユーロ圏PMI、独、伊CPI2日:ユーロ圏CPI、独失業率、ECBレーン理事が講演3日:ユーロ圏サービスPMI、PPI、失業率、伊失業率、ECB2月定例理事会の議事要旨公表4日:ユーロ圏小売売上高、仏鉱工業生産、独貿易、伊GDP●英国3月1日:PMI、英中銀のマンMPC委やソーンダーズ委員が金融政策、インフレに関し講演2日:英中銀のテンレイロ委員、カンリフ副総裁が講演
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2022/02/28 07:36
注目トピックス 経済総合
海外の注目経済指標:2月米雇用統計で失業率はやや低下する可能性
2月28日-3月4日週に発表される主要経済指標の見通しについては、以下の通り。■3月1日(火)午前10時45分発表予定○(中国)2月財新製造業PMI-予想は49.1参考となる1月実績は49.1。エネルギー価格の上昇や供給制約の影響は消えていないため、製造業活動はさえない状態が続いているとみられる。1月に続いて節目の50を下回る可能性が高い。■3月1日(火)日本時間2日午前0時発表予定○(米)2月ISM製造業景況指数-予想は58.0参考となる1月実績は57.6に低下。中間材の不足、製品輸送の困難、新型コロナウイルスのオミクロン変異株の感染拡大に関連した製造現場での人手不足などが低下の要因。2月については多少の改善が見込まれているものの、米国の経済成長が減速していることを示唆する数値になるとみられる。■3月2日(水)午後7時発表予定○(欧)2月ユーロ圏消費者物価コア指数-予想は前年比+2.5%参考となる1月実績は+2.3%。供給制約の状態は改善していないこと、各種サービス価格の上昇が報告されていることから、2月のコアインフレ率は1月実績を上回る可能性がある。■3月4日(金)午後10時30分発表予定○(米)2月雇用統計-予想は非農業部門雇用者数は前月比+40.0万人、失業率は3.9%1月の非農業部門雇用者数は市場予想を大幅に上回ったが、2月上中旬の新規失業保険申請件数は大きく変わっていないため、大幅な雇用拡大は期待できない。ただし、失業率は、不完全雇用率が継続的に低下していることを参考にすると、1月実績の4.0%を下回る可能性がある。○その他の主な経済指標の発表予定・2月28日(月):(日)1月鉱工業生産・3月1日(火):(豪)豪準備銀行政策金利発表・3月2日(水):(豪)10-12月期国内総生産、(米)ADP雇用統計、(加)カナダ中央銀行政策金利発表・3月3日(木):(豪)1月貿易収支、(中)2月財新サービス業PMI、(欧)1月ユーロ圏失業率、(米)2月ISM非製造業景況指数・3月4日(金):(日)1月失業率、(米)2月雇用統計
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2022/02/26 15:06