注目トピックス 経済総合ニュース一覧

注目トピックス 経済総合 NYの視点:FOMCタカ派的な据え置き *07:40JST NYの視点:FOMCタカ派的な据え置き 連邦準備制度理事会(FRB)は米連邦公開市場委員会(FOMC)で市場の予想通り政策金利(フェデラルファンドFF金利の誘導目標)を5.25-5.50%に据え置くことを全会一致で決定した。声明の変更はほぼないが、経済の判断で、「活動は堅調なペースで拡大」と、「緩やかなペースでの拡大」から上方修正された。FRBのスタッフ予想でも、23年のGDP予測中心値で成長見通しは2.1%と、前回6月からほぼ2倍に引き上げられた。24年も+1.5%と、前回+1.2%から引き上げ。労働市場の見通しでは雇用の伸びは「力強い」から「減速」に下方修正されたものの、依然強いと指摘された。「インフレは引き続き高止まり、リスクを注視していく」、と繰り返した。スタッフ予想では12名のメンバーが年内あと1回の利上げを想定。あとの7名は据え置きを予想。PCEコア価格指数予想では23年の予測中心が3.75%と、3.95%から下方修正された。24年度も2.8%から2.65%へ下方修正された。インフレよりも経済の強さに焦点があてられている。スタッフの過半数が年内の利上げを想定していることや経済の見通し上方修正を受けてタカ派的な据え置きとの見方。市場でも年内の追加利上げ観測が強まった。パウエル議長も追加利上げを巡り、ないよりも利上げの可能性のほうが強いとの見方を示した。また、議長はリスクとしては以下を挙げた。●自動車労働者組合(UAW)スト(期間次第)●政府機関閉鎖リスク●学生ローンの返済再開●長期金利の上昇●燃料価格の上昇11月の連邦公開市場委員会(FOMC)までには、10/6:9月雇用統計10/12:9月CPIの結果を判断していくことになる。追加利上げ観測がくすぶりドルも底堅い推移が予想される。 <CS> 2023/09/21 07:40 注目トピックス 経済総合 コラム【新潮流2.0】:ロードショー(マネックス証券チーフ・ストラテジスト広木隆) *09:32JST コラム【新潮流2.0】:ロードショー(マネックス証券チーフ・ストラテジスト広木隆) ◆日経新聞「NIKKEIプラス1」の巻頭は「何でもランキング」である。今月の初めは「1000人が選んだ『もういちど紙で読みたい』あの名雑誌」という企画だった。第1位は「ぴあ」。まあ、順当だろう。少し意外だったのは3位に「ロードショー(集英社)」が選ばれたことだ。中学・高校時代の愛読誌だった。憧れのスターは、テータム・オニール、ファラー・フォーセット、ソフィー・マルソー、フィービー・ケイツ…。付録のピンナップを自室の壁に貼っていた。◆話はやや逸れるが、当時の僕は夜にラジオを聴きながら机に向かっていて、ニッポン放送の『欽ちゃんのドンといってみよう!』が好きだった(だからまったく勉強に身が入らなかったのは言うまでもない)。リスナーからの投稿に贈られる賞が、番組のスポンサーである集英社の雑誌にちなんだネーミングになっていて(例えば「ジャンプ賞」など)、その中で洒落が効いていたのが「ロード賞」であった。番組に挟まる「ロードショー」のラジオCM、ナレーションは小森のおばちゃまで、アラン・ドロン/リノ・ベンチェラ主演『冒険者たち』の主題歌がバックに流れていた。あの切ない口笛のメロディを聴くと今も、銀幕のスターに憧れた当時の記憶が甦り、胸がいっぱいになる。◆「ロードショー」の語源はブロードウエーなどで劇の一部を宣伝のため路上で演じたことに由来する。そこから転じて映画では、一般公開に先立ち特定の劇場でのみ上映する先行上映のことを指す用語だったが、いまでは映画の初公開、つまり封切りのことを言うようになった。証券界にも「ロードショー」がある。こちらもまさに初公開のためのものだ。IPO (Initial Public Offering; 新規公開)に先立って、上場予定企業が機関投資家をまわって市場の需要を探ることを「ロードショー」と言う。その場で出される質問や意見で投資家の「食いつき具合」を測り、IPOの仮条件が決められる。IPO企業にとって「ロードショー」は非常に重要なプロセスである。◆SBG傘下の英半導体設計会社であるアームが先週、ナスダックに新規上場した。初日の終値は売り出し価格を25%上回り、時価総額は652億ドル(約9兆6100億円)となった。アームのレネ・ハースCEOは機関投資家向けロードショーで、エヌビディアのAI向け半導体にアームが設計したCPUが使われていることを強調し、AI時代の成長ストーリーを熱く語った。そうしたこともあって上場前の機関投資家からの申し込みは売り出し株数の10倍を超えるものとなったという。ロードショーの段階でアームのIPOの成功はほぼ約束されていたと言えよう。◆当時の話に戻ると、僕は「ロードショー」といっしょに「スクリーン」も読んでいた。「スクリーン」も映画スターのビジュアル満載の雑誌だ。ほぼ内容は同じようなものだから、いまとなっては両方買う必要はなかったかもしれないと思うが、なにしろネットなどなかった時代である。お気に入りのスターの情報は少しでも多く集めたい ‐ ファン心理とはそういうものだ。その「スクリーン」は実はまだ廃刊にならずに続いている。誌名は創刊当時の「SCREEN」となり、現代らしくオンラインでも読めるが、紙の雑誌もいまだ健在である。そういえば、半導体製造装置メーカーである大日本スクリーン製造も、10年ほど前にSCREENホールディングス(7735)と商号変更した。アーム上場で半導体株人気が再燃する気配もあり、こちらのSCREENにもぜひ健闘してもらいたいものである。マネックス証券 チーフ・ストラテジスト 広木 隆(出所:9/19配信のマネックス証券「メールマガジン新潮流」より抜粋) <CS> 2023/09/20 09:32 注目トピックス 経済総合 NYの視点:FOMC利上げ終了との思惑強い中、原油高でインフレ再加速も *07:42JST NYの視点:FOMC利上げ終了との思惑強い中、原油高でインフレ再加速も 連邦準備制度理事会(FRB)は19日から20日に開催する連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を据え置く公算となっている。経済専門局のCNBCがエコノミストやマネー・マネジャーなど市場関係者を対象にした調査によると、回答者の93%がFRBが今回の連邦公開市場委員会(FOMC)で金利を据え置くと予想している。11月は63%が据え置き、37%が利上げを再開すると見ており、市場関係者の大半はFRBの利上げ終了を予想している。また、FRBがピーク金利を維持すると見られる期間の予想平均は9.7カ月。また、24年6月に利下げに転じると見ていることが明らかになった。金融システムにはシステミックリスクが高いとの指摘は回答者の65%を占め前回の49%から上昇。利上げは十分との主張も多く聞かれる。■CNBCの調査(FOMC)9月FOMC:93%が据え置き予想11月FOMC:据え置き63%、利上げ37%ピーク金利維持期間:9.7カ月間利下げ時期:24年6月金融システムにはシステミックリスクが高い:65%(49%)一方で、カナダ8月消費者物価指数(CPI)は前年比+4.0%となった。伸びは7月+3.3%から予想以上に拡大し、4月来で最大となった。ガソリン価格の上昇が全体指数を押し上げ。カナダ中銀は主要中銀の中でも、速やかに利上げを休止したが、インフレの鈍化が想定通り進まず、再利上げを強いられている。8月の米国のCPIの伸びも予想以上に拡大。FRBが利上げをいったん休止したとしても、原油高に連れインフレが再び加速した場合、追加利上げが強いられる可能性も残る。原油価格がインフレ指標に反映するには3カ月程要すると見られており年末までのインフレ指標の伸びが拡大を続ける可能性は年内の追加利上げの可能性を強める。 <CS> 2023/09/20 07:42 注目トピックス 経済総合 NYの視点:米9月住宅市場指数は5カ月ぶりの低水準、FRBの利上げ見送り正当化 *07:39JST NYの視点:米9月住宅市場指数は5カ月ぶりの低水準、FRBの利上げ見送り正当化 全米住宅産業協会(NAHB)が発表した9月NAHB住宅市場指数は45と、8月50から予想以上に低下し、4月来の50割れとなった。50は建設業者のセンチメントの楽観的と悲観的の境目。金利上昇にも関わらず在庫が限定的で、指数は今年7月までは改善基調にあった。多くの建設業者は奨励金の提示や価格の引き下げに踏み切っている。32%の業者は販売価格の引き下げに踏み切ったと報告された。8月の25%から上昇し、NAHBによると2022年12月以降で最高だという。何らかの奨励金を提示していると答えた企業は4カ月ぶりの高水準に達し、住宅市場もいったんピークに達した可能性が示唆された。住宅ローン金利の上昇が引き続き売り上げに影響。景気や雇用への楽観的な見方が後退しつつあることも住宅の購入に消費者が一段と慎重になると業者が考える理由になる。同時に、依然在庫不足は継続。建設業者は依然労働者不足、保険コストの上昇などが住宅セクターの懸念材料になっているとNAHBは指摘。購入者の42%が初めての住宅購入者で、歴史的な平均である27%を上回る高水準であることは朗報となる。■9月NAHB住宅市場指数:45(50)1戸建販売現在:51(57)1戸建販売見通し:49(55)購買見込み客足数:30(35)金融市場は連邦準備制度理事会(FRB)が今週19日、20日に開催する連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を据え置き、今後追加利上げが必要かどうかを見極めと見ている。 <CS> 2023/09/19 07:39 注目トピックス 経済総合 国内外の注目経済指標:米FOMC会合で政策金利の据え置きが決定される見込み *14:22JST 国内外の注目経済指標:米FOMC会合で政策金利の据え置きが決定される見込み 9月18日-22日週に発表される主要経済指標の見通しについては、以下の通り。■20日(水)日本時間21日午前3時結果判明○(米)連邦公開市場委員会(FOMC)会合-予想は政策金利の据え置き前回の会合後に公表された声明では「金融政策の度重なる引き締め、金融政策が経済活動とインフレ率に及ぼす影響の遅れ、および経済と金融の動向を考慮する」との見解が提示された。累積的な金融引き締めが経済と金融の動向に一定の影響を及ぼしていることから、今回は金利据え置きが妥当な選択か。■21日(木)午後8時発表予定○(英)英中央銀行政策金利発表-予想は0.25ポイントの利上げ英中央銀行金融政策委員会(MPC)のマン委員は「利上げ停止は時期尚早」との見方を伝えているが、早急な追加利上げについて慎重な意見も出ている。英国経済の減速懸念は消えていないことから、金利据え置きの可能性は残されている。■22日(金)政策決定会合の終了予定時刻は未定○(日)日本銀行金融政策決定会合-予想は金融政策の現状維持日本銀行の植田総裁は2%の物価安定目標の実現が見通せるタイミングでマイナス金利政策を解除する可能性があるとの見方を伝えたが、これまでのところ、そのような状態に至っていないため、今回の決定会合では金融政策の現状維持が決まる見込み。■22日(金)午後10時45分発表予定○(米)9月サービス業PMI -8月実績は50.5参考となる8月実績は50.5と市場予想を下回った。新規受注の減少が主な要因。9月については大幅な改善は期待できないため、前回並みの水準にとどまる可能性がある。○その他の主な経済指標の発表予定・19日(火):(米)8月住宅着工件数・20日(水):(日)8月貿易収支、・21日(木):(NZ)4-6月期国内総生産、(スイス)スイス中央銀行政策金利発表・22日(金):(日)8月全国消費者物価コア指数、(欧)9月ユーロ圏製造業PMI <FA> 2023/09/16 14:22 注目トピックス 経済総合 NYの視点:米8月小売売上高はガソリン価格の上昇が押し上げ、中銀の金利ピーク観測も *07:40JST NYの視点:米8月小売売上高はガソリン価格の上昇が押し上げ、中銀の金利ピーク観測も 米8月小売売上高は前月比+0.6%と、伸びは7月+0.7%から鈍化したものの予想を上回った。ガソリン価格の上昇でガソリンスタンドでの売り上げが+5.2%と過去1年で最大の伸びとなり、全体指数を押し上げた。同時に裁量支出が抑制された。7月、6月分は下方修正された。国内総生産(GDP)の算出に用いられる自動車・建材などを除いたコア小売りのコントロールグループは前月比+0.1%と、7月の+1.0%から鈍化も予想外に5か月連続プラスと、7-9月期GDP成長のプラスに寄与する。アトランタ連銀の7-9月期GDP成長見通しは従来の5.6%から4.9%へ下方修正された。実質個人支出の伸びが4%から3.5%、民間国内投資の伸び11.7%から10.6%、政府支出の伸び2.3%から1.9%へ下方修正された。欧州中央銀行(ECB)は定例理事会で10会合連続の利上げに踏み切ったが同時に、一部メンバーが利上げ休止を支持、さらに成長見通しを引き下げており、中銀のピーク金利の思惑が強まりつつある。 <CS> 2023/09/15 07:40 注目トピックス 経済総合 NY金は1900~2000ドルのレンジで推移 サンワード貿易の陳氏(花田浩菜) *17:22JST NY金は1900~2000ドルのレンジで推移 サンワード貿易の陳氏(花田浩菜) 皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター花田浩菜の気になるレポートです。今回は、金についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、『NY金は1900~2000ドルのレンジで推移』と述べています。続いて、『先週までの米連邦準備制度理事会(FRB)高官らのコメントは全体として、9月19日~20日に開催される次回米連邦公開市場委員会(FOMC)では政策金利の据え置きを示唆しているが、インフレとの戦いが終わったと宣言するには時期尚早と見ているようだ』と伝えています。また、『週明け11日のCMEのFEDWATCHによると、FRBが次回FOMCで金利を据え置くとの見方は93%と前日の92%から上昇した。また、11月または12月の会合で利上げする確率は40%を超えている』と解説しています。次に、『今週、FRB当局者はブラックアウト期間に入った。今週は13日に8月消費者物価指数(CPI)、14日に8月生産者物価指数(PPI)、8月小売売上高、15日に9月ニューヨーク連銀製造業景況指数、9月ミシガン大消費者信頼感指数などの重要経済指標が発表される』と伝え、『米経済指標が市場予想を上回る場合には、年内の追加利上げ観測の高まりや来年の利下げ時期後ろ倒し観測の高まりからドル買いが加速し、金相場は下落しよう。逆に、結果が低下していれば、金利とドルが軟化し、金相場を押し上げよう』と言及しています。陳さんは、『11月のFOMCまではまだ日数があり、利上げ見通しが完全に後退するわけでもないため、金の上値は限定的だろう。一方、利上げ見通しが高まっても、利上げサイクル終了は近いとの見方から、金の下値はサポートされよう』と考察しています。こうしたことから、NY金について、『予想レンジは依然として、1900~2000ドル』と予想しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の9月13日付「NY金は1900~2000ドルのレンジで推移」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 花田浩菜 <CS> 2023/09/14 17:22 注目トピックス 経済総合 NYの視点:米8月CPI、ゲームチェンジャーにならず *07:46JST NYの視点:米8月CPI、ゲームチェンジャーにならず 米労働省が発表した8月消費者物価指数(CPI)は前月比+0.6%と、7月+0.2%から伸びが拡大し、インフレがピークに達した昨年6月来で最大となった。前年比では+3.7%と、7月+3.2%から予想以上に伸びが拡大し5月来で最大の伸び。ガソリン価格の上昇が主要因となったほか、自動車保険や処方薬コストの上昇が響いた。FRBがインフレ指標として注目している変動の激しい食品と燃料を除いた8月コアCPIは前月比+0.3%。伸びは予想外に7月+0.2%から拡大し5月来で最大となった。前年比では+4.3%と、7月+4.7%から予想通り伸びが縮小し、21年9月来で最小の伸び。賃金の伸びは価格の伸びを上回ってきたことが消費を今まで支えてきた。しかし、賃金の伸びは2カ月連続で縮小。物価の伸びとの差も縮小しつつあり今後、消費が減速する可能性がある。ガソリン価格は1カ月で10.6%上昇と、昨年3月来で最大の伸びを記録するなど、世帯を圧迫している。FRBが特に注視している住宅を除いたコアサービス価格は前月比+0.4%と、過去5カ月で最大の伸びとなり、FRBが慎重姿勢を維持する可能性がある。ただ、前年の4%からは伸びが縮小しており、FRBの利上げサイクルがピークに近づいたとの市場の見解には変わりがない。 <CS> 2023/09/14 07:46 注目トピックス 経済総合 南アフリカランド円今週の予想(9月11日) サンワード貿易の陳氏(花田浩菜) *17:21JST 南アフリカランド円今週の予想(9月11日) サンワード貿易の陳氏(花田浩菜) 皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター花田浩菜の気になるレポートです。今回は、南アフリカランド円についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、『今週の南アランド円は、レンジ内での推移となりそうだ。南アフリカ経済には、景気回復の兆しが見えるものの、先行きは不透明』と述べています。続いて、『2023年第2四半期国内総生産(GDP)は前期比(季節調整済み)で0.6%増えた。農業と鉱業がそれぞれ伸び、市場予想の0.1%増を上回った。第1四半期は0.4%増えていた。第2四半期の前年同期比は1.6%増。エコノミストらは南半球の冬季に計画停電が増えて成長率が抑えられると予想していたが、電力会社エスコムが計画停電の水準をいくらか緩和した。第2四半期に10業種のうち6業種が前期比でプラスになった』と伝えています。次に、『8月の南アフリカ製造業購買担当者景気指数(PMI、季節調整済み)は49.7と前月の47.3から上昇したものの、経済活動の拡大・縮小の分かれ目である50を7カ月連続で割り込んだ。ただ、縮小ペースは鈍化した』と伝えています。また、『8月の南アフリカ購買担当者景気指数(PMI)は51.0で、7月の48.2から上昇し、6カ月ぶりに好不況の分かれ目となる50を上回った。需要が改善し、生産を後押しした。ただ、国営電力会社エスコムによる計画停電、通貨ランド安、供給混乱などの国内要因は引き続き成長阻害懸念にある』と説明しています。また、『7月消費者物価指数(CPI)の上昇率は前年同月比4.7%(前月は5.4%)に鈍化し、南アフリカ準備銀行(中央銀行)が掲げる物価目標(3~6%)の範囲内に収まっている。南アフリカ準備銀行(中央銀行)は23年の経済成長率が0.4%となり、中期的にはわずかな上昇にとどまると予想している』と伝えています。こうしたことから、陳さんは、南アフリカランド円の今週のレンジについて、『7.5円~7.9円』と予想しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の9月12日付「南アフリカランド円今週の予想(9月11日)にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 花田浩菜 <CS> 2023/09/13 17:21 注目トピックス 経済総合 メキシコペソ円今週の予想(9月11日) サンワード貿易の陳氏(花田浩菜) *17:19JST メキシコペソ円今週の予想(9月11日) サンワード貿易の陳氏(花田浩菜) 皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター花田浩菜の気になるレポートです。今回は、メキシコペソ円についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、『メキシコペソ円は、下げ止まりから値固め局面となろう。好調な経済と高金利を背景にした買いが下値をサポートすると予想する』と述べています。続けて、『8月31日にメキシコ中央銀行が為替ヘッジプログラムの縮小を打ち出してから、メキシコペソ円は下げが続き、9月7日には一時8.32円と、およそ1か月ぶりの安値をつけた。メキシコ中銀の声明によると、ヘッジは9月から段階的に縮小される予定で、約75億ドルの未払いポジションを持っているとのこと。これが解消されるまでは売りが続くと思われたが、下げ止まり感が出てきた。ヘッジプログラムの解消はペソ急落の懸念が小さくなったことの裏返しといえよう』と伝えています。また、『ペソ急落という通貨安懸念が出れば、メキシコ中銀は再び買いヘッジを作動させるかもしれない。ヘッジプログラムの解消は、利益確定売りの要因となってもペソ下落の要因にはならないだろう』と言及しています。次に、『ファンダメンタルズ的に見ても、メキシコ経済は好調で主力の自動車産業が順調に回復している』と述べ、『8月の自動車生産台数は、通常の生産規模の目安とされる30万台を上回り、16カ月連続で前年同月の水準を上回った。メキシコの2023年4-6月期実質国内総生産(GDP)確定値は、前四半期比で0.8%増だった。生産地を消費地に近づける「ニアショアリング」で米国市場向けの投資が活発になり、メキシコで建設需要が拡大している。23年4-6月の分野別は、製造業や鉱業などの第2次産業が前四半期比で1.2%増と最も成長した』と解説しています。また、『8月消費者物価指数(CPI)は、前年同月比で4.64%上昇し、2カ月連続で5%を下回った。農畜産物とエネルギー価格を除くコアインフレ率は6.08%だった。インフレ率は減速しているが、市場ではメキシコ銀行(中央銀行)が当面は政策金利(11.255%)の据え置きを続けるという見方が強まっている』と伝えています。こうしたことから、メキシコペソ円の今週のレンジについては、『8.40円~8.90円』と予想しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の9月12日付「メキシコペソ円今週の予想(9月11日)」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 花田浩菜 <CS> 2023/09/13 17:19 注目トピックス 経済総合 コラム【ポートフォリオのススメ】論理的判断と感覚的判断(1)(マネックス証券 塚本 憲弘) *09:26JST コラム【ポートフォリオのススメ】論理的判断と感覚的判断(1)(マネックス証券 塚本 憲弘) 金融商品では投資判断の際に数学的アプローチなどを用いて論理的な判断がなされる一方、一般的な投資判断では理性的・直観的な判断をすることが多いでしょう。前者は多くの人に納得される投資判断でしょうし、後者は感覚的で他人には理解されづらい意思決定と言えるかもしれません。今年2023年6月に死去した経済学者のハリー・マーコビッツ氏は1950年代に分散投資がリスクを軽減する仕組みを科学的に証明しました。現代ポートフォリオ理論の端緒であり、期待リターンとリスクに基づいて各資産への最適な投資比率を決定するもので、あるリスクの水準で最大のリターンを獲得できるポートフォリオの集合を示す有効フロンティアなど現在でも幅広く認識・活用される考え方でしょう。1990年にはその理論によりノーベル経済学賞を受賞しています。ところで当人は自らの資産運用を聞かれたときに以下の通り答えたとされています。自分が株を持っていないときに株式市場が大きく値上がりした場合に感じる後悔と、自分が株を持っている時に株式市場が大きく値下がりしたときに感じる後悔について想像した。そこで将来の後悔を最小限にするという意図でポートフォリオを組むことにした。結果、債券と株式に半分ずつ投資している。数理的なアプローチを考案しながらも自身の現実的な考えに沿って投資判断したようです。元々ポートフォリオ理論では投資家は合理的でリスク回避的であることが仮定されたものの、行動経済学に代表されるように、そもそも我々は合理的ではないという考え方も広まっていますが、自らの投資行動にはその点が勘案されていたかのようにも感じられます。買いの判断をするときに、数理的に適正な購入量を決めないまでも、買うか・買わないか・半分買うか、は分かり易い対立軸です。売りにおいても値上がりしてきたので、売るか・様子見るか・投資元本分は回収するか、などありますが一部売却するというのは心の整理がつきやすいものです。為替リスクのヘッジについて、アカデミックの場では詳細に様々な議論がなされつつも、最終的にこの3つが主要なものになっているようです。為替の期待リターンはゼロだからヘッジすべきだ、短期的に意味があっても長期的には意味が無いのでヘッジの必要性なし、後悔を最小化するために半分ヘッジするという具合です。なお、為替ヘッジの論文はドルを軸に海外では盛んになされているものの、円に関して日本でされているものはあまり見かけられないのが実態のようです。さて、数学的思考は冷静で必要な論理的アプローチながら、計算上一番得をする最適な方法ではなくとも直感や好みも踏まえ自分が納得のいく分かり易い現実的・合理的な判断も尊重されるべきでしょう。未来予測が困難な中では自分の計画をたて、後悔を回避しつつ、定期的な見直しと修正の余地を残すことが特に大切です。一貫性が無いかもしれませんが、何が起こるかわからない中で一貫性のある人生を目指すことの方が難しいでしょう。もう一方の数理面の興味深さ・直観の危うさついては別の機会に話そうと思います。マネックス証券 インベストメント・ストラテジーズ 塚本 憲弘(出所:9/11配信のマネックス証券「メールマガジン新潮流」より、抜粋) <CS> 2023/09/13 09:26 注目トピックス 経済総合 NYの視点:米8月CPIの上向きサプライズに警戒感 *07:39JST NYの視点:米8月CPIの上向きサプライズに警戒感 原油価格が再び上昇基調にある。石油輸出国機構(OPEC)プラスが価格安定を目指し減産方針で、NY原油先物は89.37ドルまで上昇し、年初来高値を更新。最近のインフレの鈍化は原油価格の上昇が一段落したことが主要因とされているが、原油価格が再び上昇した場合、インフレが再び加速する可能性もある。また、同時に、消費者のインフレ期待値も引上げ、FRBの利上げが長引く可能性もある。米国の8月生産者物価指数(CPI)は前年比+3.6%と、2カ月連続で伸びが拡大し、5月来で最大となると予想されている。一方で、FRBが重要視している変動の激しい食品、エネルギーを除いたコアCPIは前年比+4.3%と、4カ月連増の伸び鈍化で、21年10月来で最低の伸びにとどまる見込み。CPIには上方サプライズの可能性が指摘されている。コアでは、8月にピークに達した人気アーティストの全国ツアーの影響で、ホテル代などの上昇が指摘されている。また、総合インフレでは、テキサス州での電気代73%近くの高騰が影響した可能性が指摘された。万が一、CPIが上方サプライズとなった場合は、利上げ観測が強まり金利上昇に伴うドル買いに拍車がかかると見られる。 <CS> 2023/09/13 07:39 注目トピックス 経済総合 NYの視点:NY連銀8月インフレ期待率は上昇、FRBの利上げ長期化も *07:37JST NYの視点:NY連銀8月インフレ期待率は上昇、FRBの利上げ長期化も NY連銀は毎月行う世論調査の1300世帯を対象に行った8月分を発表した。連邦準備制度理事会(FRB)は金融政策決定においてインフレ期待動向を重要視。ミシガン大消費者信頼感指数での期待インフレ率と同様にNY連銀のインフレ期待率動向も参考材料として、注目している。8月NY連銀調査の1年後のインフレ期待率は3.6%と、7月3.5%から上昇。3年は2.8%と7月の2.9%から低下も、特にFRBが重要としている5年は3.0%と7月2.9%から上昇した。賃金の伸び予想は2.9%と、21年7月来で最低。そのほか、調査によると与信獲得が困難との回答は過去最高となっており、信用を巡り懸念が強まった。住宅価格の上昇予想は3.1%と、22年7月来で最高。今後12カ月内に失業する可能性があるとの回答は13.8%と、21年4月来で最高に達し、労働市場のひっ迫改善も同時に示唆された。■NY連銀8月調査●インフレ期待率1年:3.6%(7月3.5%)3年:2.8%(2.9%)5年:3.0%(2.9%)●住宅価格上昇予想:3.1%、22年7月来で最高●賃金の伸び予想:2.9%、21年7月来で最低●今後12カ月内に失業する可能性:13.8%(7月11.77%)、21年4月来で最高また、イエレン財務長官は10日、インドからの帰途の航空機中でのインタビューで、「最近のデータはインフレが着実に鈍化、求職者にも増加が見られ、米国経済のソフトランディングにより自信をもった」「どのインフレ指標も鈍化を示している」「景気後退を回避、インフレも抑制軌道にある」と、楽観的な見方を示している。原油価格が再び上昇基調で、今後インフレ期待にも影響を与えかねない。インフレ制御には時間が想定以上にかかり、FRBの利上げも長引く可能性もある。短期金融市場ではFRBは9月連邦公開市場委員会(FOMC)で金利を据え置いたのち、11月に0.25%の利上げを再開すると見ている。 <CS> 2023/09/12 07:37 注目トピックス 経済総合 NYの視点:【今週の注目イベント】米CPI、PPI、小売売上高、ECB定例理事会、英雇用関連指標、中国人民銀、など *07:39JST NYの視点:【今週の注目イベント】米CPI、PPI、小売売上高、ECB定例理事会、英雇用関連指標、中国人民銀、など 今週は、欧州中央銀行(ECB)が14日に定例理事会開催を予定しており注目となる。最近の域内経済の低迷で市場の平均予想で政策金利の据え置きが予想されているが、ハト派的な利上げかタカ派的な利上げ見送りとなるか、追加利上げを巡り見解が拮抗している。ECBは理事会に先立ち11日に最新の経済見通しを発表する予定で、欧州経済が一段と悪化したことが指摘される見通しで、さらなるユーロ売り圧力になる可能性もある。そのほか英中銀が注視している英国雇用関連指標にも注目。賃金の伸びが高止まりする一方で、雇用の伸びが減少した場合、中銀の判断を困難にする。また、中国人民銀はMLFの金利引き下げが予想されておりリスク選好の動きを支援する可能性がある。米国では8月消費者物価指数(CPI)や生産者物価指数(PPI)、また、景気動向を確認するために8月の小売り売上高の結果に注目が集まる。CPIは9月会合より、見通しや11月会合に影響するとの見方もある。FRBが特に注視している変動の激しい食品やエネルギーを除いたコアCPIは前年比で4カ月連続で伸びが鈍化し21年10月来で最低の伸びとなる見込み。また、小売り売上高も7月から伸びが大幅に鈍化する予想となっている。最新の地区連銀経済報告(ベージュブック)で示された通り、物価や景気の鈍化傾向が裏付けられると見通し。もし、予想通りの結果となった場合、9月の利上げ見送り観測を正当化しドルの上値を抑制することになる。■今週の主な注目イベント●米国13日:8月消費者物価指数(CPI)14日:8月小売売上高速報、8月生産者物価指数(PPI)、7月企業在庫、UAWストの可能性15日:8月輸入物価指数、9月ニューヨーク連銀製造業景気指数、8月鉱工業生産・設備稼働率、9月ミシガン大消費者信頼感指数●中国15日:小売売上高、鉱工業生産●英11日:英中銀、チーフエコノミスト、ピル氏が講演12日:失業率、失業保険申請件数13日:鉱工業生産●欧州11日ECB経済見通し発表12日:独ZEW調査13日:ユーロ圏鉱工業生産14日:ECB定例理事会●日本11日:M213日:PPI14日:機械受注、鉱工業生産 <CS> 2023/09/11 07:39 注目トピックス 経済総合 海外の注目経済指標:ECBは追加利上げの可能性 *14:21JST 海外の注目経済指標:ECBは追加利上げの可能性 9月11日-15日週に発表される主要経済指標の見通しについては、以下の通り。■13日(水)午後9時30分発表予定○(米)8月消費者物価コア指数-予想は前年比+4.3%参考となる7月実績は前年比+4.7%で6月実績の+4.8%をわずかに下回った。8月につぃてはインフレ抑制の見方が強まり、コアCPIの伸びは7月実績を下回る可能性があるため、インフレ鈍化の思惑がさらに強まる見込み。■14日(木)午後9時15分発表予定○(欧)欧州中央銀行(ECB)政策金利発表-予想は追加利上げの可能性欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのビルロワドガロー仏中銀総裁は「金利はピークに近い」と指摘した。独連銀総裁も金利がピークに達した可能性があると指摘しているが、今回開催の理事会では、政策金利の引き上げが決まる可能性がある。■14日(木)午後9時30分発表予定○(米)8月小売売上高-予想は前月比+0.2%参考となる7月実績はオンライン販売を含む無店舗小売高が増えたことによって全体の売上高を押し上げた。8月についてはオンライン販売を含む無店舗小売高の売上高は減少する可能性があるため、全体的には小幅な伸びにとどまる見込み。■15日(金)午前11時発表予定○(中)8月小売売上高-予想は前年比+3.0%参考となる7月実績は前年比+2.5%にとどまった。個人消費はさえない状態が続いており、すみやかな回復は期待できない。中期貸出制度の金利引き下げは景気刺激策となるが、8月時点で個人消費の拡大には寄与していないため、売上高の大幅な伸びは期待できない。○その他の主な経済指標の発表予定・12日(火):(英)8月失業率、(独)9月ZEW景況感調査期待指数・13日(水):(英)7月鉱工業生産、(欧)7月ユーロ圏鉱工業生産・14日(木):(豪)8月失業率、(米)8月生産者物価コア指数・15日(金):(中)8月鉱工業生産、(米)9月ミシガン大学消費者信頼感指数速報 <FA> 2023/09/09 14:21 注目トピックス 経済総合 中国は果たしてウクライナ問題の仲裁役を担うのか【中国問題グローバル研究所】 *10:52JST 中国は果たしてウクライナ問題の仲裁役を担うのか【中国問題グローバル研究所】 ◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページ(※1)でも配信しているテムール・ウマロフの考察をお届けする。8月に2日間のフォーラムがジッダで開催され、世界40カ国の代表者が参加した。その主な議題はロシアによるウクライナ侵攻をどのように終結させるかである。参加者は特にゼレンスキー大統領の「平和の公式(ピース・フォーミュラ)」として知られるウクライナ側の和平条約(※2)案について議論した。この議論には中国も加わっており、中国政府が関与することで、ロシア側の立場に影響を与えられる可能性があると期待する声が多かった。結果的に、このフォーラムは相反する成果を生んだように見受けられる。新たな仲裁プラットフォームロシアとウクライナの交渉は2022年春まで続いたが、それ以降ロシア政府とウクライナ政府は交渉の場を設けておらず(※3)、ウクライナとその同盟国からの圧力だけではロシア政府に外交努力の再開を強いることができずにいる。こうした状況を変える可能性があるのは、侵攻以降もロシアとの関係を維持してきた国からの働きかけだ。そのため、ウクライナは西側の同盟国と連携し、ウクライナ侵攻で中立派とされる国を含めた対話のためのグローバルなプラットフォームづくりを進めている。このプラットフォームでは、紛争を徐々に緩和し、場合によってはそれを終結させる可能性のある方法について各国が話し合う。コペンハーゲン(※4)で開かれた第1回目の会議には、このような中立派の国が参加しておらず、李輝氏が特別代表を務める中国も出席していない。その時点では、これはやや不透明な、新しい様式であり、特にNATO加盟国で開催されたことが大きな阻害要因となった。2回目となるジッダ(※5)会議は前回と事情が異なり、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子が個人で主導して開催された。中国にとってサウジアラビアの重要性が高まっていることを踏まえると、李輝特別代表のジッダ訪問は、サウジ・中国関係への投資とみることもできる。中国をはじめとする諸国が、ウクライナやその同盟国と同じテーブルに着くことの意義は、ロシアの政治体制に別の角度から圧力をかけられる可能性を秘めているところにある。理論的には、パートナー国からのこうした圧力で、自国の立場の再検討を実際にロシアに促すことができると考えられる。特に中国は、大規模な制裁下でのロシア経済の崩壊を防ぎ、その技術・軍事機構によるウクライナ侵攻の継続を可能にするうえで極めて重要な役割を担ってきた。ロシアの対中貿易は2022年に30%増えて(※6)1,900億米ドルに上り、2023年も7月末時点で36.5%増加し、1,341億米ドルに達した。その一方で、中国政府は公然かつ無条件にロシア政府を支持しているわけではない。中国は発言の中で、ウクライナに関するロシアの決まり文句を用いておらず、また中国の企業と銀行も制裁措置を順守している。さらに、中国は公然に大量の武器をロシア政府に供与してもいない。換言すると、中国は中立的立場の維持を試みており、こうした現実的な姿勢は理に適っている。こうした立場をとる国は中国だけではなく、また現在の危機的状況の恩恵を短期的に受けている国も中国だけではない。例えば、インドは、ウクライナ侵攻のおかげで、過去に例を見ない割引幅でロシア産原油を輸入している(※7)。このような中立的立場をとるのには、いくつかの理由がある。まず、中国など中立派の国にとって、どちらか一方を支持することにメリットはない。そのため、修辞的で外交的、かつ象徴的なツールのみに頼り、ウクライナの領土の保全を支持し、国連憲章の順守を明言し、あるいはロシアによる侵攻を口先だけで非難することすらしている。だが、こうした国々は自らの言葉を実行に移す意欲に乏しい。次に、プーチン政権が国の命運を賭けてウクライナと戦っていることはどの国も理解するところである。ロシア国内の危機はさておき、ウクライナにおける未来と自国の振る舞いに関するロシア政府の考え方に外部から影響を及ぼす余地はほとんどない。つまり、仮に中国政府やインド政府がウクライナを支持する姿勢を明確に打ち出し、ロシア政府との協力関係を解消したとしても、それによりプーチン大統領が武器を捨て、ウクライナに領土を返還し、大統領を辞任する結果になるとは思えない。地政学的手腕ロシアによるウクライナ侵攻は、ロシア政府の計画通りに進んでおらず長期化し、外交政策の今後の進め方をめぐって、ロシアには限られた選択肢しか残されていない。これは、経済やテクノロジーなど、国際社会とのつながりに頼る必要のある分野で特に顕著である。その結果、中国はロシアのテクノロジーや機械工学部品の主たる調達先であり、エネルギー資源の主な市場であり、また金融インフラの主要な供給元となった。ロシアはこうしたリソースに頼り、自国の経済を維持しているのが現状だ。ロシアの「予算規則」(※6)は現在、中国元の売却により履行されている。ロシアの政府系ファンドである「国民福祉基金(National Wealth Fund)」に人民元が占める割合は60%(※7)に上り、 以前の30%から倍増した。プーチン大統領によると、中露間の商取引の80%(※8)がルーブルと元で行われている。ロシアが中国をパートナーとしてますます必要としていることは明白だ。だが、中国がなぜロシアを必要としているかについては、疑問が生じる。理由の一つは、外交政策問題でロシアを部分的に支持することが、中国の利益に適うことだ。中ロ関係という文脈においては、中国が現在、米国との対決が間近に迫りつつあるという可能性を認識していることを念頭に置いておくことが重要となる。ここ数年、建設的関与の試み(※9)がある程度なされたものの、二超大国間では緊張(※10)関係が続いている。中国は現在、米国との対立期間にあり、自国の対応に関係なく今後も米国政府から圧力をかけ続けられると考えているのだ。例えば、仮に中国がロシア政府に背を向け、制裁措置を科し、ウクライナ侵攻に対する立場を変えたとしても、それが米国との関係改善につながるだろうか。こうした対応を受けて、米国政府と中国政府の間の関係が根本的に変わるだろうか。それはあり得ないと中国首脳陣はみている。それどころか中国政府はロシア政府という味方を失い、何の見返りも得られないという恐れすらある。むしろロシア問題で一切譲歩しないことが、米国との関係の根本的な改善につながるというのが中国の考えだ。したがって、現在のところ中国にはウクライナ侵攻に対する自らの立場を見直す誘因がない。中国政府にとって、対欧州関係は優先課題である。同政府は西側世界全体との紛争の回避に努め、米国と欧州連合の分断を図っている。中国政府が目指すのは、欧州理事会が示した(※11)ように、デカップリング(切り離し)ではなく、デリスキング(リスク削減)に向けて取り組むよう欧州を促すことだ。プーチン大統領によるウクライナ侵攻を中国は支持していないと欧州に受け止めてもらうことは中国の利益となる。欧州が中立派の国として中国政府を信用すればするほど、デリスキングに向けた取り組みはスムーズに進む。一方、デリスキングに向けた取り組みの進捗が遅ければ遅いほど、中国は欧州市場と先端技術、そして自由な資金源へのアクセスの確保に時間がかかることになる。責任ある大国ウクライナで今なお続く紛争により、中国は難しい立場を強いられている。物的損失と評判の下落、その両面で代価を払わされているのだ。物的損失としては、食料品価格とエネルギー価格の高騰などが挙げられる。一方、ロシア政府との関係を改善させているにもかかわらず、中立姿勢であるかのようにみせようとする中国政府の対応が評判に影響を与えている。換言すると、中国はロシアの政治体制を間接的に支えており、そうした対応はなにより国際法に違反し、ウクライナの領土を併合する行為にあたる。このあいまいな立場が欧州諸国から非難を浴びている。中国政府は自国の優先課題のバランスを取ろうとするあまり、相反する声明を出し、矛盾する措置を講じているのが現状だ。一方でウクライナの領土の保全を認めながら、他方ではNATO拡大を批判する。こうした矛盾は、2023年2月24日に発表され、ほどなくして「中国の和平案」と称されるようになったウクライナ侵攻に関する中国の立場表明(※12)にも現れている。李輝特別代表がまずウクライナ(※13)を訪れ、次にジッダ会議に出席したが、これは戦略的あいまいさというこの方針の一環だ。一方で、中南米やアフリカ、中央アジア、中東の途上国の間における責任ある大国(※14)という中国の評判を過小評価してはならない。ウクライナ侵攻について中立的立場を崩さず、具体的な解決策を欠いていても、平和的解決を唱えることで、中国は影響力を拡大し、途上国との関係を強化できる。それにより、中国は新たな市場と資源へのアクセスだけでなく、外交政策の目的に対する支持を国際舞台で得ることができるようになる。中国が目指しているのは、ウクライナ紛争に関与する他の諸国とは異なり、建設的な解決策を模索する「責任ある大国」であると途上国世界に実証することだ。だが、中国がそうした方向へと具体的に動き出すとはまず思えない。本来外交政策とは具体性をもつものであるが、責任を伴わないあいまいな文言を好む中国の伝統的外交手法にはそれがない。このあいまいさにより、中国政府は一貫性のない行動をとることができる。ロシアが排除されたイベントに出席したかと思えば、他方ではアラスカやアリューシャン列島沖においてロシアと過去に例を見ない規模の合同海軍演習(※15)を行う。近い将来に、ウクライナ侵攻に対する姿勢を中国が著しく転換することはまずない。これが中国の外交政策を研究する多くの専門家の見解だ。写真: ウクライナ和平会議 サウジで開催(※1)https://grici.or.jp/(※2)https://www.president.gov.ua/en/news/ukrayinska-formula-peredbachaye-chesnij-mir-tomu-maye-univer-83893(※3)https://meduza.io/en/feature/2022/10/14/why-russia-is-pushing-a-return-to-negotiations(※4)https://www.euractiv.com/section/global-europe/news/copenhagen-meeting-helps-advance-ukraine-peace-summit-plan/(※5)https://www.reuters.com/world/ukraine-calls-jeddah-talks-productive-russia-calls-them-doomed-2023-08-06/(※6)http://www.customs.gov.cn/customs/302249/zfxxgk/2799825/302274/302277/4899681/index.html(※7)https://www.bloomberg.com/news/articles/2023-08-11/india-s-russian-oil-buying-spree-continues-even-as-prices-climb(※8)https://quote.rbc.ru/news/article/63be8a839a79478a60e73436(※9)https://quote.rbc.ru/news/article/63be8a839a79478a60e73436(※10)https://tass.ru/ekonomika/18183427(※11)https://www.whitehouse.gov/briefing-room/statements-releases/2022/11/14/readout-of-president-joe-bidens-meeting-with-president-xi-jinping-of-the-peoples-republic-of-china/(※12)https://thechinaproject.com/podcast/evan-feigenbaum-on-the-u-s-in-the-indo-pacific-region/(※13)https://www.consilium.europa.eu/en/press/press-releases/2023/06/30/european-council-conclusions-on-china-30-june-2023/(※14)https://www.fmprc.gov.cn/zyxw/202302/t20230224_11030707.shtml(※15)https://www.fmprc.gov.cn/eng/wjdt_665385/wshd_665389/202305/t20230530_11086121.html#:~:text=From%20May%2016%20to%2017,Affairs%20Li%20Hui%20visited%20Ukraine.(※16)https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/10670560125308?journalCode=cjcc20(※17)https://www.wsj.com/articles/russia-and-china-sent-large-naval-patrol-near-alaska-127de28b <CS> 2023/09/08 10:52 注目トピックス 経済総合 NYの視点:米新規失業保険申請件数は2月来の低水準、FRBの利上げ長期化も *07:44JST NYの視点:米新規失業保険申請件数は2月来の低水準、FRBの利上げ長期化も 米労働省が発表した先週分新規失業保険申請件数(9/2)は前週比1.3万件減の21.6万件となった。前回から予想外に減少し、2月来で最低となった。また、失業保険継続受給者数(8/26)も167.9万人と、前回171.9万人から減少し7月来で最低。レーバーデーの祭日関連で混乱も見られるが、より平均的な傾向を示す4週平均(9/2)でも22.9万件と、前回(8/26)の23.75万件から減少した。最新の米地区連銀経済報告(ベージュブック)で示された内容とは対照的に労働市場が依然力強い証拠となった。4-6月期単位労働コスト改定値も前期比年率+2.2%と、速報値+1.6%から予想以上に上方修正された。1-3月期+3.3%からは伸びが鈍化した。堅調な雇用状況に加えて従業員解雇が限定的となっていること、賃金の伸びも小幅な鈍化にとどまり、消費者が引き続き支出を続け、米国経済の成長を今後もけん引し、景気後退回避する可能性も強まる。米連邦準備制度理事会(FRB)の追加利上げの可能性も完全には除外できず、当面、ドルを支えると見る。 <CS> 2023/09/08 07:44 注目トピックス 経済総合 NYプラチナは900~1000ドルのレンジで推移 サンワード貿易の陳氏(花田浩菜) *09:23JST NYプラチナは900~1000ドルのレンジで推移 サンワード貿易の陳氏(花田浩菜) 皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター花田浩菜の気になるレポートです。今回は、NYプラチナについてのレポートを紹介します。陳さんはまず、『NYプラチナは900~1000ドルのレンジで推移』と述べています。続いて、『プラチナ相場は、ワールド・プラチナ・インベストメント・カウンシル(WPIC)の四半期リポートで、過去2年間の余剰を経て、今年は3年ぶりの供給不足となり、不足は31トンになると予想された事から、堅調に推移すると思われたが、下値は900ドル、上値は1000ドルのレンジで推移している』と伝えています。また、『需給逼迫が予想される中で、900ドルを下回る売りは買い戻されるが、金利高・ドル高を受けて1000ドルは売られるという展開。米商品先物取引委員会(CFTC)建玉はファンドの買い越しは8月15日時点で1枚となったが、翌週22日には834枚に増加し、さらに29日には1万5080枚に増えた。需給逼迫感や将来の需要増加を考えてプラチナの出遅れが意識されているようだ』と考察しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の9月6日付「NYプラチナは900~1000ドルのレンジで推移」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 花田浩菜 <CS> 2023/09/07 09:23 注目トピックス 経済総合 NY金は1900~2000ドルのレンジで推移 サンワード貿易の陳氏(花田浩菜) *09:21JST NY金は1900~2000ドルのレンジで推移 サンワード貿易の陳氏(花田浩菜) 皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター花田浩菜の気になるレポートです。今回は、金についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、『NY金は1900~2000ドルのレンジで推移』と述べています。続いて、『米金融当局が「タカ派」姿勢を明確にしたものの、先週発表された米経済指標が弱い結果だったため、市場の追加利上げ見通しは後退した』伝え、『7月米雇用動態調査(JOLTS)は、非農業部門求人数が前月比33万8000件減の882万7000件となり市場予想を下回った。3カ月連続の減少。8月米消費者景気信頼感指数は106.1と、市場予想を大きく下回った。7月米個人消費支出(PCE)物価指数はFRBが物価目標とする2%を上回ったものの、市場予想通りの内容だった。8月米雇用統計は、非農業部門就業者数が市場予想を上回ったものの、失業率は悪化し、インフレに影響する平均時給の伸びが鈍化した。一連の結果か、市場ではFRBによる追加利上げ観測が後退。米長期金利も低下したため、金利を生まない資産である金を押し上げることになった』と解説しています。陳さんは、『NY金はおおよそ1900~2000ドルのレンジで推移している。1980ドル超では2000ドルが意識されて利益確定売りが出て上値が重くなることも示された』とし、『追加利上げの確率は低下したものの、11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)までは、まだ日数があり、これから発表される経済指標の結果次第では、利上げ見通しも変わってくるだろう。先週末は、インフレの先行指標として注目される米ISM支払価格が市場予想を大幅に上回ったことが追加利上げ要因になると注目された』と言及しています。一方で、『追加利上げがあっても後1回で打ち止めになるとの観測も強く、金をサポートしている。NY金は当面、このレンジで推移しよう』と考察しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の9月6日付「NY金は1900~2000ドルのレンジで推移」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 花田浩菜 <CS> 2023/09/07 09:21 注目トピックス 経済総合 NYの視点:米8月ISM非製造業景況指数はサービスインフレの強さ確認、FRBの早期利上げ終了観測が後退 *07:38JST NYの視点:米8月ISM非製造業景況指数はサービスインフレの強さ確認、FRBの早期利上げ終了観測が後退 全米管理協会(ISM)が発表した8月ISM非製造業景況指数は54.5と、7月52.7から低下予想に反し上昇し、2月来で最高となった。同指数の仕入れ価格は58.9と4月来で最高となり、サービスインフレが依然高止まりしている証拠となった。雇用も54.7と、50.7から上昇し21年11月来の高水準。サービス業が引き続き好調で、米国経済が景気後退を回避可能との見方も強まりつつある。■米8月ISM非製造業景況指数:54.5(7月52.7)新規受注:57.5(55.0)仕入れ価格:58.9(56.8)受注残:41.8(52.1)入荷水準:48.5(48.1)雇用:54.7(50.7)新規輸出受注:62.1(61.1)輸入:52.3(52.3)良好なISMの結果に対し、FRBが公表した最新の米地区連銀経済報告(ベージュブック)の中では景気や雇用の鈍化また、物価の伸び鈍化も指摘されており、対照的な結果となっている。短期金融市場は連邦準備制度理事会(FRB)が11月FOMCで0.25%の利上げを再開することを50%近く織り込んだ。金利先高観は根強く、ドルを支える。 <CS> 2023/09/07 07:38 注目トピックス 経済総合 コラム【最新クリプト事情】:バイナンスは黒船なのか、それとも_黒い_船なのか マネックス証券 松嶋 真倫) *09:39JST コラム【最新クリプト事情】:バイナンスは黒船なのか、それとも_黒い_船なのか マネックス証券 松嶋 真倫) 2023年8月に世界最大の暗号資産取引所であるバイナンスが満を持して日本でのサービス提供を開始した。その取扱銘柄数は34種類と開始時点で国内最多を誇っており、レンディングサービスやNFT取引サービスなどその他のサービスも充実し、まさに黒船の来航である。リリース直後、果たしてどれほど新規口座開設の申込みが増えているかはわからないが、これまでグローバル版を利用していたユーザーも日本版に移行されるため相当数の口座を抱えていることが予想される。後日に開催されたメディア向けの事業説明会ではバイナンスの日本戦略の一端が明らかになった。まずは早期に暗号資産の取扱い数を100まで増やし、第一種金融商品取引業の登録後にはグローバル版で人気のデリバティブ取引についても提供する予定とのことだ。また、すでに海外では自社ブランドで手掛けているステーブルコインについても、2023年6月に施行された改正資金決済法に則ってライセンスを取得し、パートナー企業と日本展開する方針である。このようにバイナンスは日本の暗号資産市場に突如として現れた黒船とも言えるが、その内部事情を巡っては黒い噂も絶えない。米国では証券取引委員会(SEC)と商品先物取引委員会(CFTC)から提訴されており、未登録商品の販売だけでなく、顧客資産の流用や相場操縦、ロシア制裁違反などの容疑までかけられている。また米国の司法省はこれらの詐欺容疑でバイナンスを訴追することを検討しているとも報じられている。バイナンスは容疑を真っ向から否定しているが、こうした訴訟に対応するためのコストも膨らむ中で、大規模なリストラや新たな銀行パートナー探しを行うまでに追い込まれている。同社の事業や財務の状態が悪化している可能性は高く、もし当局による指摘が真実であった場合には、2022年に起きたFTXショックの二の舞になる恐れは否定できないだろう。あるいは全ての容疑を晴らして業界トップとしての立場を維持するのかもしれない。果たしてバイナンスは日本に来航した黒船なのか、それとも”黒い”船なのか、訴訟問題の行方には引き続き注視が必要である。マネックス証券 暗号資産アナリスト 松嶋 真倫(出所:9/4配信のマネックス証券「メールマガジン新潮流」より抜粋) <CS> 2023/09/06 09:39 注目トピックス 経済総合 この記事は削除されました *09:34JST この記事は削除されました この記事は削除されました <CS> 2023/09/06 09:34 注目トピックス 経済総合 NYの視点:米リセッション懸念が一段と後退、金利先高観が根強い *07:36JST NYの視点:米リセッション懸念が一段と後退、金利先高観が根強い 最新8月の雇用統計では失業率が予想外に上昇、平均時給の伸びが減速するなど、労働市場のひっ迫緩和の兆候が見られ、連邦準備制度理事会(FRB)の利上げの効果が見られ始めた。タカ派として知られるウォラー理事は「データは差し迫って何かをする必要性を示していない」と、9月連邦公開市場委員会(FOMC)の利上げ見送りを支持する姿勢を示した。同時に、あと1回の利上げが景気後退を誘発するとは思わない。また、労働市場を損なう可能性も明確ではない、と、あと若干の利上げが経済や労働市場の大きな損傷になるとも考えておらず、データ次第では追加利上げの可能性も除外していない。クリーブランド連銀のメスター総裁はドイツ紙ベルゼン・ツァィトウングとのインタビューで、これまでの状況から政策金利をもう少し引き上げる必要があるかもしれないとの考えを示した。同総裁は本年の連邦公開市場委員会(FOMC)の投票権は持たない。ゴールドマンサックスは今後12カ月内に米国経済が景気後退入りする確率を15%に引き下げた。従来は20%。最高は3月に35%。理由としては、堅調な雇用や実質賃金の伸びが続き、実質可処分所得の伸びも24年に加速することや、FRBの引き締めが時間さで経済に影響し、景気後退に導くとの考えには賛成しないと説明。チーフエコノミストは24年末までの米国国内総生産(GDP)は2%成長を予想している。一方で、大半のエコノミストはブルーンバーグでの平均予想で以前6割、景気後退入りを予想している。サウジアラビアやロシアが価格安定させるために減産を維持しており、原油高が再びインフレを加速させる可能性も除外できない。FRBの早期の利上げ終了の可能性は後退すると見る。 <CS> 2023/09/06 07:36 注目トピックス 経済総合 中国不動産部門における危機とダイナミクスの変化(2)【中国問題グローバル研究所】 *10:26JST 中国不動産部門における危機とダイナミクスの変化(2)【中国問題グローバル研究所】 ◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページ(※1)でも配信している「中国不動産部門における危機とダイナミクスの変化(1)【中国問題グローバル研究所】」の続きとなる。4.中国不動産市場の課題とトレンドの検証恒大とSOHO中国をめぐり明らかになった新事実で中国不動産部門の脆弱性が浮き彫りになったことで、中国不動産市場全体の存続可能性に今、厳しい目が注がれている。デベロッパーの安定性、財務構成のレジリエンス、現在のような危機への規制メカニズムの有効性など、疑念は山積している。たとえば、福建省厦門のような小都市では不動産開発が地域経済を大きく支えているが、市場の先行きが不透明になったことで、建設や不動産関係の地元企業の間に不安が広まっている。財務危機の大揺れで舞い上がったほこりが収まったところで、中国不動産市場やより広い経済エコシステムを支える基盤の強度について掘り下げる問いが数多く投げかけられた。危機によって明るみに出た脆弱性は、経済的な要因ばかりでなく、規制の複雑さ、地政学的な要因、さらにはより広範な社会政治的状況とも絡み合っている。歴史的パターンからの逸脱:中国の不動産部門で進行中の危機は、中国がかつて不動産救済を行った際に設定した結果の予想から逸脱している。救済措置に呼応する形で劇的な住宅価格上昇が起きた2008年と2014年とは異なり、現在進行中の「壮大な」救済の試みは、過去のパターンから逸脱している。このような逸脱によって、同部門で複雑な変化が起きたことが明らかになり、状況に適応できる多面的な対応の必要性が際立つこととなった。構造的進化と需要の変化:過去のパターンから逸脱した根本的な原因は、最高権力層のお墨付きを得たことで中国不動産部門に生じた構造的変化にある。20年以上にわたる活発な開発によって、中国における一人あたりの居住面積は8平方メートルからヨーロッパの住宅水準を凌駕する42平方メートルへと急増した。都市部世帯の持ち家率は96.0%という驚異的な数字で、米国のそれを30ポイント以上も上回っている。だが、こうした目覚ましい成果も住宅供給過剰という思わぬ状況を生み出し、中国の住宅事情に重大な転換をもたらすこととなった。需要の変化と人口統計学的要因:状況の変化について深く掘り下げてみると、需要に関する人口統計学的要因の変化と将来のトレンドが見えてくる。都市部の住宅取得率は称賛されるレベルに達しており、中高年世代、特により良い住宅を求める人々にとって住宅需要はさほどひっ迫したものではなくなっている。過去の投資ブームの副産物である住宅ストックの余剰が、市場の動きをさらに複雑にしている。将来のトレンド予測:先を見通すと、少子化の流れは当然、将来の住宅需要の減少につながる。ここ数年、年間出生率は一貫して低下しており、人口のマイナス成長への道が固まってきた。こうした人口動態上の変化は、今後数年間の不動産市場における新規需要の減少を予測させるものだ。5.世界を覆う不透明感とパラダイムシフトを乗り切る激しい変化を特徴とする中国の不動産部門によって、グローバルに影響を与え合う網の目のように絡まり合った問題の存在が白日の下にさらされた。このような危機の中で、相互に網のように結びついた課題が明らかになり、金融界の枠を超えて個人、地域社会、利害関係者にまで影響を及ぼしている。かつては持ち家を安定のよすがとしていた家庭は今後の見通しが立たない状況に直面し、若い世代の人生設計は市場力学の変化に左右されている。複雑にリンクし絡み合った世界の金融市場は事態の推移に目を光らせ、国際社会は投資家から各国政府に至るまで、影響が連鎖してより広範な経済領域に波及するのではないかと神経を尖らせている。中国の不動産部門が直面している危機に対するこうした見方は、より大きな世界経済の変化の縮図だ。住宅に求める条件が厳しいものからより柔軟で融通の効くものに変化していることは、経済状況の変化を反映したものだ。この変化が、都市住民の期待やニーズの変化に合わせた戦略見直しを促している。中国不動産部門を席巻している変革は、中国経済のより大きなスケールの変容を反映したものだ。都市化への願望と呼応する形で、一人当たりの居住面積はこれまでの20年間で大幅に拡大した。こうした変化は、生活の質と持続可能な発展の両方を重視した、より都市中心型でサービス志向型の経済の到来を予感させる。相次ぐ危機がもたらした波紋は、不動産部門の枠をはるかに超えて、グローバル金融の複雑なネットワークにまで広く及んでいる。金融市場は密接に絡み合い相互にリンクしているため、こうした動きには厳しい監視の目が注がれている。政府、投資家、国際機関は、潜在的悪影響がより広い経済圏にまで連鎖反応をもたらし得ることを十分承知している。かつて経済成長の象徴だった中国不動産業界は、いまでは成長促進と安定確保が微妙なバランスの上にある事実を知らしめる存在となった。6.課題とチャンス世界の金融システムが中国の不動産部門と相互に連関し、国境を越えて影響を及ぼし合う状況にあっては、課題もまた複雑なものとなることは否めない。不動産会社の規制に向けて中国政府が導入した「三条紅線」という規制の枠組みが、事態をさらに複雑化させている。だがこうした苦境には、状況を一変させ、将来危険な状況から身を守ることのできるような画期的な解決策を生み出すチャンスも潜んでいる。これまでの危機から得た教訓、そして「三条紅線」がもたらした影響は、間違いなく政策決定、経済戦略、規制の枠組みに影響を与え、不動産部門をよりしなやかで安定した未来へ導くだろう。政府の介入の中で経済的安定性を確保:前例のない性質の危機であるがゆえに、政府には従来の介入を超える多面的な対応が求められる。安定と長期的に持続可能な成長とのバランスをとるにはきめ細かな政策アプローチが必要だ。介入にあたっては、短期的な経済的圧力と、将来のショックに耐えうるしなやかな不動産部門の育成の両方への対処が不可欠となる。市場均衡に向けた政策の大幅な柔軟化:政策立案者は、需要と供給の力学の変化に向き合い、微妙なバランスを取って政策の舵取りをしなければならない。市場参入の制限を前提にした購入制限は市況の変化によりその有効性が損なわれてしまった。住宅供給が需要を上回るという状況の中で成長を促すと同時に安定も確保するには、繊細なアプローチが不可欠となる。購入制限緩和による影響の評価:現在進行中の対応策の肝となるのが、購入制限緩和の可能性、特に一級都市におけるそれである。だがここで、この政策変更が住宅価格回復の狼煙となるのか、という大きな疑問が生じる。その疑問への答えは需要と供給のダイナミクスの変化に応じて変わってくる。住宅供給が需要を上回るようになった今、市場参入が制限されることを前提としたこの政策はもはや不動産業界の現状にそぐわなくなった。7.結論:中国不動産業界のレジリエンス強化へ恒大集団、碧桂園、SOHO中国を襲った危機は、積極的な事業拡大と負債への依存がはらむ危険を知らしめる教訓となった。これらの事例は、慎重な財務管理、バランスの取れた負債による資金調達、多角化戦略の再調整の必要性を強調するものだ。これらの事例から引き出された教訓は、経済学的な考察を超えて広がり、中国における住宅事情の変化や、しなやかな市場ダイナミクスの必要性について我々に教えてくれる。市場動向の変化のデータに基づく分析は、潮流の見極めが難しい不動産業界の激流のさなか、行く手を導く羅針盤となる。過去のパターンからの逸脱は、現在の危機が予測不可能なものであることを我々に見せつけている。消費者心理の変化と新しい規制介入が相まって市場の均衡の形が変わり、複雑な要因の相互作用と調和して現状に適応する政策が求められるようになった。過去の救済措置の後に起きた価格高騰が今回起きなかったことは、この業界がダイナミックで予測不可能である証であり、こうしたパラダイムの変化を乗り切るには多面的な対策が必要だ。中国不動産市場の苦境とトレンドを掘り下げていくと、この業界の安定性は経済学的考察を超えたところにある、という明確なメッセージが浮かび上がってくる。これらの危機が露呈させた脆弱性は、規制の仕組みや社会政治的な複雑さそのものに由来するものである。これらの問題はより広範な世界情勢と相互に関連しており、このことが従来の枠組みを超えた包括的な理解が務であることを強く際立たせている。だが、苦境の中には変革のチャンスが潜んでいる。中国不動産部門の回復力がどれほどのものであるかは、変化する現実に適応し、持続可能性への道を切り開く能力にかかっている。今回の危機から得た教訓をもとに、政策、規制、市場戦略が再構成されるのは確実だろう。同部門が不透明な状況を乗り越えていくにあたって、成長と安定のバランスの見直しが極めて重要になる。また、中国経済がより都市中心型でサービス志向型のモデルへと変貌を遂げるなか、生活の質と持続可能な発展に改めて重点を置くことが求められている。結論として、中国の不動産部門における危機は、適応と革新の旅に出るよう我々を手招きしている。恒大集団、碧桂園、SOHO中国が直面した苦境は、戦略の綿密な再評価を行い、同部門の中核にしなやかさを注入することを強く促すものだ。データに基づく洞察によって、そしてマクロ経済の変化を理解することによって、混乱を乗り越えて中国の不動産業界をより持続可能で公平な未来へ導くビジョンが生まれる。中国の不動産事情が変化して行くなか、今日得た教訓は、きっとしなやかで豊かな明日への礎になるだろう。写真: EVERGRANDE, REQUEST FOR BANKRUPTCY PROTECTION(※1)https://grici.or.jp/ <CS> 2023/09/04 10:26 注目トピックス 経済総合 中国不動産部門における危機とダイナミクスの変化(1)【中国問題グローバル研究所】 *10:22JST 中国不動産部門における危機とダイナミクスの変化(1)【中国問題グローバル研究所】 ◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページでも配信している(※1)陳建甫博士の考察を2回に渡ってお届けする。1.はじめに国際市場との相関関係、そして経済成長推進の大黒柱という役割によって増幅された中国不動産部門の荒れ狂わんばかりの展開は、世界の金融情勢に衝撃を与えた。この危機がもたらした深刻な影響は不動産業界の枠を超え、建設、資材、銀行などの関連業界にも及んでいる。たとえば不動産業界が経済成長の一つ柱となってきた深圳市では、現状の先行き不透明感から、建設作業員の間で雇用や将来の収入への不安が広がっている。恒大集団(Evergrande group)による破産保護申請を受けて世界中の投資家、規制当局、政府は危機感を強め、今回の危機による影響を最小限に抑え、より広範囲な経済への悪影響を回避しようと対応に追われた。中国の不動産危機の世界的な影響は、国境を越えて事業を展開する金融機関にも及んでいる。これらの金融機関が大きな不確実性に直面している一方、不動産業界と建設業界など他業界との共生関係は新たな段階に入った。グローバルな金融が網の目のように複雑に結びついたことを反映してサプライチェーンは混乱の影響を受けやすくなっていることから、商品価格の変動が懸念材料となっている。中国の不動産部門はダイナミックでプレイヤー同士が深く結び付いていることから、経済圏の枠を超えて波及するいくつもの困難を招いた。本稿では、不動産業界を揺るがしている状況について深く堀り下げ、恒大集団、碧桂園(Country Garden)、SOHO中国(SOHO China)などの主要プレイヤーが直面した危機から得られた教訓を読み解いてみたい。市場の状況についてのデータに基づいた考察や、規制当局の対応やパラダイムシフトについての検討を通して、複雑な中国不動産業界の混乱を見ていこう。中国不動産業界の今後を決める課題やトレンドを探る中で、よりしなやかで持続可能な未来への道筋を示す変革のチャンスが見えてくるだろう。グローバルな金融への影響、政策的配慮、社会経済上の込み入った問題が複雑に絡み合う状況において、こうした危機から引き出された教訓が、中国の不動産をめぐる状況を語るための新たな語り口を形成していくことに疑いはない。2.恒大集団、碧桂園、SOHO中国からの教訓まず最初に挙げたいのは、不動産部門の突出したプレイヤーである恒大集団で起きた大混乱だ。恒大集団の物件にそれまで蓄えてきた貯金を注ぎ込んだ個人の住宅所有者は今、住宅完成についても金銭的損失についても見通しが立たないという現実に直面している。恒大集団が直面している混乱は、「三条紅線」(=3本の赤い線、three red lines)という規制の枠組みに関わるもので、この規制は2020年8月に行われたデベロッパー各社との会合で住宅都市農村建設部(Ministry of Housing and Urban-Rural Development)と中国人民銀行(People’s Bank of China)が示したものだ。「三条紅線」は、1)前受金等を除いた資産負債比率が70%超、2)純負債自己資本比率が100%超、3)現預金に対する短期有利子負債の比率が1倍未満、という3つの評価基準を設定しており、不動産会社は「三条紅線」の評価状況に応じて「赤」、「オレンジ」、「黄」、「緑」の4段階の監視レベルに分類される。上記の基準にすべて当てはまった不動産会社は赤レベルとされ、有利子負債の増加が認められなくなる。2021年1月1日以降、不動産業界はレバレッジ解消の正式な審査段階に入った。試験運用対象に指定された不動産会社12社は2023年6月までに、「三条紅線」基準への適合を迫られた。さらに、恒大集団をはじめとするすべての不動産会社が、2023年末までにこれらの基準に適合することが義務付けられた。2023年8月、恒大集団は米国のマンハッタン破産裁判所を通じて破産保護手続きを開始した。同月末には債務再編計画を決議する集会も予定されている。同様に碧桂園のケースでも、同社が開発した地区のコミュニティーが、資産価値と需要が変動する中で市場の動きの変化による影響を受けている。同社は知名度が高い割に負債による資金調達と土地取得戦略に大きく依存しており、経済が大きく混乱すればその脆弱性が露呈するおそれがある。同社は積極的な事業拡大で躍進したが、それは過剰だったおそれもある事業拡大や競争激化による相当程度のリスクももたらした。これに加えて、不動産業界が規制環境や消費者の選好の変化に対応する中、碧桂園が長期的な成長を維持するには機敏な事業運営を続けなければならない。さらに、不動産市場は相互につながっているため、碧桂園で悪い事態が発生すれば業界全体のリスクが増幅されるおそれがある。ある大企業1社の財務問題が債務不履行や金融混乱という連鎖反応を誘発する「ドミノ効果」の可能性が不動産業界の脆弱性を際立たせている。こうした不透明な状況を乗り越えていく過程で、債務管理、リソースの最適化、ビジネスモデルの転換といった同社の戦略は、起こりうる悪い結果を軽減させて持続可能な成長への道を切り拓く上で大きな力になるだろう。3つ目の事例は財務不安が露呈したSOHO中国だ。子会社の「北京望京捜候房地産」(Beijing Wangjing Sohou Real Estate)による土地増値税滞納が明らかになったことで、業界の宿痾とも言える財務面の脆弱性が浮き彫りになった。SOHO中国は積極的な用地取得に突き進んだ末の過剰拡大と負債の増加という、この業界でよく見られる典型的な苦境に直面している。中国の都市化ブームの恩恵を受けようと力を入れた一等地の取得競争はデベロッパー各社の財務を圧迫したほか、不動産価格の上昇が進んで持ち家を高嶺の花にしてしまった。さらに、SOHO中国の大幅な業績悪化が業界内の懸念を増幅させている。今年度上半期の利益はマイナス90%という異例の落ち込みで、かつての安定ぶりとは天と地ほどの差がある。こうした苦境の背景には、政策や規制の変化によって不動産市場の成長見通しが鈍化したという、より広いマクロ経済情勢がある。同社の苦境は、過剰債務や恒大集団の危機で見られたような外部要因で悪化した脆弱性が露呈することがどのような結果をもたらすのかを示している。現在進行中の危機がより広範な金融不安にエスカレートするおそれがあり、クロスデフォルトの恐怖が迫っている。恒大集団、碧桂園、SOHO中国の事例は、経済の先行きが不透明な状況では財務のレジリエンスが極めて重要であることをよく示している。これらの企業の野心的な拡大戦略から生じた脆弱性に照らしてみるに、中核となる強みに合わせた多角化戦略が必要であることがよく分かる。持続的成長には負債による資金調達と慎重な財務管理を調和させることが大前提となる。グローバルな金融市場と経済成長の要として重要な地位を占めている中国の不動産部門が相互に複雑に影響し合い、危機の影響を増幅させている。さらに、建設、資材、銀行などの関連業界にも幅広く影響して事態の深刻さに拍車をかけている。恒大集団の破産申請が世界的に波紋を広げた中、各国の投資家、規制当局、政府は警戒を強め、こうした悪影響がさらに広がることがないよう対応に当たっている。3.データで見る不動産市場の変化こうした危機の核心にあるのが、中国不動産部門の成長と安定の微妙なバランスだ。恒大集団、碧桂園、SOHO中国といった大手企業が直面した課題によって、慎重な財務管理を促す頑健な規制の必要性が浮き彫りになった。国家統計局が最近発表したデータによると、7月の住宅価格は70の主要都市で目立った動きを見せた。これは過去のパターンから逸脱するもので見過すことはできない。たとえば武漢市では住宅価格が大幅に下落し、将来の経済的安定のため不動産価格上昇を当てにしていた家庭が厳しい現実に直面している。調査対象都市のうち65都市で中古住宅価格が前年同月比で下落した。前月比で下落したのは63都市に上り、この現象が広範囲に及んでいることが分かる。この多面的なデータによって危機の複雑さや、それに対処する戦略を包括的に再評価する必要性が浮き彫りになった。データに基づくこの知見は、経済面で重要であるだけでなく、消費者感情の変化、規制介入の影響、そして不動産をめぐる状況そのものの変化を反映している。予想されていた価格高騰が起こらなかったことから、さまざまな要因が複雑に絡み合う状況を切り抜ける上で、状況に適応した政策の必要性が示された。さらに中古住宅価格が下落したことで、消費者行動、銀行の安定性、全体的な経済成長など、より広範な経済的影響への懸念も生じている。少子化の傾向は当然、将来の住宅需要の減少に直結する。ここ数年、年間出生率は一貫して低下しており、人口のマイナス成長への道が固まってきた。こうした人口動態上の変化は、今後数年間の不動産市場における新規需要の減少を予想させるものだ。データに基づくこうした視点から導き出された全体的な知見から、危機がはらむ問題の複雑さが浮き彫りになったとともに、市場の動きの変化、規制の影響、消費者の選好の変化、世界経済の相互関連性も考慮した包括的で状況に適応できるアプローチが必要であることが強く示されている。データに基づくこの視点は、不動産部門のしなやかで持続可能な未来を模索する政策立案者、投資家、利害関係者らを導く光となるだろう。「中国不動産部門における危機とダイナミクスの変化(2)【中国問題グローバル研究所】」に続く。写真: EVERGRANDE, REQUEST FOR BANKRUPTCY PROTECTION(※1)https://grici.or.jp/ <CS> 2023/09/04 10:22 注目トピックス 経済総合 NYの視点:【今週の注目イベント】ベージュブック、中国貿易、豪準備銀、日本のGDPなど *07:37JST NYの視点:【今週の注目イベント】ベージュブック、中国貿易、豪準備銀、日本のGDPなど 今週は、豪州準備銀、カナダ中銀が金融政策決定会合を予定している。カナダの4-6月期国内総生産(GDP)が予想外のマイナスに落ち込んだが中銀は6日金融政策決定会合で政策金利を5%に据え置く見通し。豪州準備銀も政策金利を4.1%で据え置く見込みとなっている。欧州はPMIなどの経済指標が予想以上に悪化しており、9月定例理事会での利上げの行方が不透明となった。欧州中央銀行(ECB)のデギンドス副総裁は「最近の指標によると、Q3おそらくQ4の成長減速を示唆している」とし「利上げにおいて最終段階に入った」との見解。「今後数日のデータが9月金融政策決定において重要」と指摘しており、今週発表されるユーロ圏のGDPやサービスPMI、PPI、小売売上高に注目が集まる。もし、予想を下回り、景気減速が証明された場合は9月の利上げ観測が一段と後退し、ユーロ売り圧力が強まる。米国では8月ISM非製造業景況指数、8月サービス業PMI確定値で米国の消費動向をさらに探る。労働市場は鈍化の兆候が証明されつつあり、消費も控えられた可能性もある。予想を下回ると、FRBの利上げ観測がさらに後退しドルの上値を抑制する。米連邦準備制度理事会(FRB)は6日に地区連銀経済報告(ベージュブック)を発表する予定。この内容はFRBが9月連邦公開市場委員会(FOMC)で金融政策を決定する上で重要な材料のひとつとなるため注目が集まる。労働市場の減速や物価圧力の後退などが指摘されると、9月の金利据え置き見通しをさらに強め、ドル買いが一段と後退すると見られる。■今週の主な注目イベント●米国4日:レーバーデーの祭日で休場5日:7月耐久財受注6日:8月ISM非製造業景況指数、7月貿易収支、8月サービス業PMI確定値、地区連銀経済報告(ベージュブック)、コリンズ米ボストン連銀総裁講演、ローガン米ダラス連銀総裁講演7日:4-6月期非農業部門労働生産性・単位人件費、新規失業保険申請件数、ウィリアムズNY連銀総裁がイベント参加、ボスティック米アトランタ連銀総裁が講演8日:7月卸売売上高●豪州5日豪州準備銀、政策金利6日:GDP●カナダ6日:金融政策決定会合7日:カナダ中銀のマクレム総裁講演8日:カナダ失業率●中国5日:財新サービスPMI7日:貿易●欧州5日:ユーロ圏サービスPMI、PPI、欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁が討論会主催6日:ユーロ圏小売売上高、独製造業受注7日:ユーロ圏GDP、独鉱工業生産8日:独CPI●日本8日:GDP <CS> 2023/09/04 07:37 注目トピックス 経済総合 国内外の注目経済指標:日本の4-6月期GDP改定値は下方修正の予想 *14:04JST 国内外の注目経済指標:日本の4-6月期GDP改定値は下方修正の予想 9月4日-8日週に発表される主要経済指標の見通しについては、以下の通り。■6日(水)午後6時発表予定○(欧)7月ユーロ圏小売売上高-予想は前月比-0.3%参考となる6月実績は前月比-0.3%。自動車燃料は増加したが、食品・飲料が減少。7月については個人消費の拡大は確認されていないため、6月に続いて減少する可能性がある。■6日(水)午後9時30分発表予定○(米)7月貿易収支-予想は-675億ドル参考となる6月の貿易収支は輸入金額の減少によって赤字幅は655億ドルにとどまった。7月については、輸出入額の増加は予想されていないため、貿易赤字幅は6月実績との比較で若干縮小する可能性がある。■6日(水)午後11時発表予定○(米)8月ISM非製造業景況指数-予想は52.3参考となる7月実績は52.7と6月実績の53.9を下回った。企業活動の拡大ペースは減速している。8月は雇用、新規受注の改善が期待できないことから、節目の50を超えるものの、7月実績をやや下回る可能性がある。■8日(金)午前8時50分発表予定○(日)4-6月期国内総生産改定値-予想は前期比年率+5.6%参考となる一次速報値は前期比年率+6.0%の高い伸びを記録。国内総生産の実額は過去最高となったが、個人消費の伸びはマイナスとなった。改定値については個人消費が上方改定される可能性は低いため、企業の設備投資が上方改定されない場合、速報値と同水準または、若干の下方修正が予想される。○その他の主な経済指標の発表予定・5日(火):(豪)豪準備銀行政策金利発表、(欧)7月ユーロ圏生産者物価指数・6日(水):(豪)4-6月期国内総生産、(加)カナダ中央銀行政策金利発表・7日(木):(中)8月貿易収支、(豪)7月貿易収支、(欧)4-6月期域内総生産確定値・8日(金):(日)7月経常収支、(加)8月失業率 <FA> 2023/09/02 14:04 注目トピックス 経済総合 NYの視点:米7月消費者支出は拡大、今後鈍化の兆しも、貯蓄率低下や労働市場の悪化で *07:34JST NYの視点:米7月消費者支出は拡大、今後鈍化の兆しも、貯蓄率低下や労働市場の悪化で 米商務省が発表した7月個人所得は前月比+0.2%となった。伸びは予想外に6月+0.3%から鈍化し、昨年12月来で最低。一方、同月個人消費支出(PCE)は前月比+0.8%。伸びは6月+0.6%から予想以上に拡大し1月来で最高となった。インフレ調整後の実質個人支出も前月比+0.6%と、1月来で最大の伸びとなった。サービス支出は+0.4%。良好な天候で、レストランなどでの支出に拍車がかかった。一方で、消費支出を支える実質可処分所得は-0.2%。貯蓄率は3.5%と、11月来で最低となった。米国の貯蓄率はパンデミックによる政府支援策や経済封鎖の影響で2020年4月には過去最高となる33%に達したが、その後正常化しつつある。今後は、労働市場の悪化、支払い延滞率の上昇、学生ローン支払いの再開で消費者の財政状態が一段と悪化し、支出も鈍化する可能性が示唆された。米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として注目している燃料や食品を除いた7月のコアPCE価格指数は前年比+4.2%と、予想通り6月+4.1%から伸びが拡大。FRBが注目している住宅費や燃料、食品を除いたサービスインフレが+0.5%と年初来最大となったため、追加利上げの可能性は完全に払しょくされない。投資アドバイスなどのコストが押し上げた。このカテゴリーを除いたスーパーコアサービスインフレ率は+0.25%だった。今後、消費が想定されるとおり鈍化した場合は必然的にコアサービスインフレも低下し、FRBの利上げ打ち止めが正当化されることになる。 <CS> 2023/09/01 07:34 注目トピックス 経済総合 NYの視点:米8月雇用統計でのネガティブサプライズに備える *07:35JST NYの視点:米8月雇用統計でのネガティブサプライズに備える 米労働省が発表する8月雇用統計の市場エコノミスト平均予想で、非農業部門雇用者数は前月比+14.5万人と7月からさらに伸びの鈍化が予想されている。ただ、失業率は3.6%と、7月に続き約50年ぶりの低い水準が維持される見込み。雇用統計の先行指標のひとつである民間部門の雇用者数を示すADP雇用統計の8月分は前月比+17.7万人と、伸びは予想を下回り1月来で最小となった。同統計は労働省が発表する雇用統計での雇用者数を平均1.6万件上回る傾向にある。また、一部で行われた従業員ストの影響では1月にあたり1000件雇用減となるため、伸びの鈍化は必至と見られる。製造業の雇用も引き続き冴えない。8月NY連銀景況指数雇用者数は-1.4と、+4.7からマイナスに転じた。フィラデルフィア連銀景況指数の雇用も-6.0と、7月-1.0から一段と悪化。コンファレンスボードが発表した雇用現況で雇用が「十分」との回答は40.3%と、2月から低下基調にある。前年同月47.6も下回った。これに対し、「不十分」との回答は45.6%と、2月から6カ月連続で上昇。前年同月の40.8を上回った。「困難」との回答も14.1%と、11.3%から上昇。昨年の11.6%も上回り、消費者が雇用市場への自信を無くし始めたことが新たに証明された。最新7月JOLT求人件数も882.7万件と予想950万件を大幅に下回り、21年3月以降ほぼ2年超ぶりの低水準となった。雇用市場への自信をあらわすと注目している自主的退職者数は25.3万人減の354万人と、21年2月来で最低。採用者数も16.7万人減の577万人と2021年1月来で最低となった。さらに、JOLTの回答企業が31%にまで低下していることで、統計の正確性が疑問視されており、実際は労働市場が一段と悪化していると警戒している市場参加者も少なくない。失業率が依然歴史的な低水準で推移しているほか、週次失業保険申請件数が20万件台で安定していることは労働市場の強さを示すが、米雇用統計ではネガティブサプライズに備える必要もある。■8月雇用先行指標ADP雇用統計:+17.7万人(予想:+19.5万人、7月:+37.1万人←+32.4万人)NY連銀景況指数雇用者数:-1.4(+4.7)週平均就業時間:-10.7(+0.3)6カ月予想雇用者数:+24.9(+13.2)週平均就業時間:‐1.0(-5.9)フィラデルフィア連銀景況指数雇用:-6.0(-1.0)週平均就業時間:6.3(-3.0)6カ月予想雇用:12.0(21.3)週平均就業時間:8.3(16.5)フィラデルフィア連銀非製造業雇用:フルタイム8.1(11.9)、パートタイムー0.7(?3.9)週平均就業時間:-1.5(+3.4)6カ月予想雇用者数:+21.3(+13.1)週平均就業時間:+16.5(0.6)週次失業保険申請件数08/19/23|  230,000|  -10,000|  236,750|   n/a08/12/23|  240,000|  -10,000|  234,500|   1,702,00008/05/23|  250,000|   23,000|  231,500|   1,711,00007/29/23|  227,000|   6,000|  228,250|   1,684,00007/22/23|  221,000|   -7,000|  233,750|   1,692,00007/15/23|  228,000|   -9,000|  237,500|   1,679,00007/08/23|  237,000|  -12,000|  246,750|   1,749,00007/01/23|  249,000|   13,000|  253,500|   1,721,000コンファレンスボード消費者信頼感指数現在の業況雇用十分:40.3(7月43.7、前年同月47.6)不十分:45.6(45.0、40.8)困難:14.1(11.3、11.6)6カ月後雇用:増加:16.7(16.6、17.1)減少:18.0(15.6、19.6)不変:65.3(67.8、63.3)所得増加:16.5(17.8、16.6)減少:12.4(9.9、13.9)不変:71.1(72.3、69.5)■市場8月雇用統計予想・非農業部門雇用者数:予想:+17万人、6月:+18.7万人)・失業率:予想:3.5%、7月3.5%)・平均時給:前年比予想:+4.3%、6月:+4.4%) <CS> 2023/08/31 07:35 注目トピックス 経済総合 南アフリカランド円今週の予想(8月28日) サンワード貿易の陳氏(花田浩菜) *17:14JST 南アフリカランド円今週の予想(8月28日) サンワード貿易の陳氏(花田浩菜) 皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター花田浩菜の気になるレポートです。今回は、南アフリカランド円についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、『今週の南アランド円は、堅調に推移しそうだ』と述べています。続いて、『先週の南アランドは、BRICS首脳会議で、中国の習近平国家主席と南アフリカのラマポーザ大統領が好感された。二国間の貿易不均衡問題についての協議を実施した。中国は南アフリカから高品質の製品をより多く輸入するよう最善を尽くすという』と解説しています。そして、『中国と南アフリカによる温室効果ガスの排出削減技術・送配電・原子力発電に関する協定が調印された。これにより、南アフリカの国営電力会社エスコムは、中国企業と技術共有し、石炭火力発電所の温室効果ガス排出量を減らすと共に、中国企業からエスコムの送配電インフラの更新支援や、原子力発電分野における専門技術の共有を受けることになった』と伝えています。また、『インフレの低下も支援要因。南ア7月消費者物価指数(CPI)は前年比+4.7%と予想+4.9%、前回+5.4%を大きく下回り、コアCPIも前年比+4.7%、予想+4.9%、前回+5.0%を下回った。こうした背景から、週後半に週間高値まで上昇した』と述べています。次に、『ファンダメンタルズ的には、中国の不動産バブル崩壊懸念による同国経済の先行き不透明感や、米連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締め長期化観測が重石になっている』とし、ただ、『一連の悪材料は一通り織り込まれた感があり、ファンドはランドのショートカバーを継続させている。この流れは続きそうで、南アランドは堅調に推移しよう』と考察しています。こうしたことから、陳さんは、南アフリカランド円の今週のレンジについて、『7.6円~8.0円』と予想しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の8月29日付「南アフリカランド円今週の予想(8月28日)にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 花田浩菜 <CS> 2023/08/30 17:14

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