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NYの視点:神田財務官:慢性的な貿易赤字是正には原発再稼働や脱炭素化が重要になる

配信日時:2023/12/25 07:45 配信元:FISCO
*07:45JST NYの視点:神田財務官:慢性的な貿易赤字是正には原発再稼働や脱炭素化が重要になる 報道によると、神田財務官は12月21日、日本記者クラブで講演し、今年の外為市場のドル・円相場について「通貨当局と市場のコミュニケーションなどの問題があり円安が止まらなくなったが、誰かが為替介入スタンバイと発言し、ドル・円が下がり、今は米利下げ期待でドル安基調になっている」と指摘した。神田財務官は円安が急速に進行していた11月、為替介入に関して「スタンバイだ」と発言したことは周知の事実。この発言を受けて、市場では介入に対する警戒感が広がった。

神田財務官は世界経済の見通しについて、「欧米などの利上げの累積的効果で景気は厳しくなるとの見方がよく聞かれる」と述べた。また、円安の要因については「日米金利差を材料にしたキャリートレードを含めた投機」があるとの見方を伝えており、「その時々で要因は違うが、長期的には潜在成長率や相対的貨幣価値などの議論がある」と述べた。さらに、円安の構造的要因についても言及しており、「慢性的な貿易赤字の是正には早期の原発再稼働や脱炭素化が重要になる」との見方を示した。同氏は「一般論ではあるが、日本に魅力がなければ円の価値が下がるに決まっている」との見方も伝えた。

市場参加者の間からは「神田財務官は円安要因となる慢性的な貿易赤字をある程度問題視しており、財務省の管轄外である原発再稼働の必要性について言及したことはちょっとした驚き」との声が聞かれた。米国では当初の予想よりも早い時期に利下げが始まるとの見方が広がっているが、神田財務官の見解を参考にすると米国の早期利下げを想定してドル安円高の流れはしばらく続く可能性がありそうだ。

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