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みんかぶニュース コラム 27日の株式相場見通し=続落か、欧米株高安まちまちで様子見ムード  27日の東京株式市場は売り買い交錯のなかも弱含みで推移し、日経平均株価は続落する公算が大きそうだ。前日の欧州株市場では主要国の株価が方向感を欠く展開となり、独DAXは小安かったものの、仏CAC40はプラス圏で着地するなど高安まちまちの動きとなった。ただ、いずれも値幅は小さく様子見ムードが強い。また、米国株市場でも上値が重く、NYダウは小幅ながらプラス圏を維持し、7月17日以来となる史上最高値を更新したが、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数はほぼ終日マイナス圏で推移する展開だった。今週発表される画像処理半導体大手エヌビディア<NVDA>の決算にマーケットの関心が高まるなか、この結果を見極めたいとの思惑から足もとで利益を確定する動きが観測された。エヌビディアは2.2%あまりの下落でナスダック指数の足を引っ張っている。一方、パウエルFRB議長のジャクソンホール会議での講演がハト派的な内容だったことが、FRBによる利下げ期待を高め、下値では押し目買いが入り総じて底堅さも発揮した。東京市場では、ここ日経平均が戻りいっぱいの様相をみせており、3万8000円台は累積売買代金も多く、75日移動平均線が上値抵抗ラインとなっている状況だ。足もと外国為替市場でドル高・円安方向に振れていることはポジティブ材料だが、前日の欧米株市場が高安まちまちだったことで、きょうも上値を積極的に買い進む動きは見込みにくい。  26日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比65ドル44セント高の4万1240ドル52セントと続伸。ナスダック総合株価指数は同152.029ポイント安の1万7725.765だった。  日程面では、きょうは7月の企業向けサービス価格指数、基調的なインフレ率を捕捉するための指標など。海外では1~7月の中国工業企業利益、ハンガリー中銀による政策金利発表、6月のFHFA全米住宅価格指数、6月のS&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数、8月の消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード調査)など。 出所:MINKABU PRESS 2024/08/27 08:01 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=グロース市場に大還流するマネーを追う  週明け26日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比254円安の3万8110円と3日ぶり反落。ジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の講演は予想されたとはいえかなりハト派寄りで、米国株のリスクオンを引き継ぎたいところだったが、足もとの円高に阻まれる形となった。今の売買代金では3万8000円台の潜在的な売り圧力をこなすには時間がかかる。ただ一方で、鳴き止んでいた炭鉱のカナリアの方が目を覚ました。  繰り返しになるが「株は需給がすべての材料に優先する」という。今のグロース市場の戻り足はその黄金セオリーを如実に体現している。プライム市場の大型株が活況となるのを横目に、グロース市場は長い期間にわたり低迷を強いられてきた。旧マザーズ指数を引き継いだグロース250指数は、コロナ禍の反動で急上昇に転じた2020年の10月に1365の高値を形成したが、21年以降は鳴かず飛ばず、とりわけ22年は出足から大きく崩れ、年央にはそれまでの上昇分を全部吐き出す形で売り叩かれた。その後は1年以上も安値圏もみ合いが続いたのだが、信用買いの総投げ状態に陥るようなことは一度もなかった。  外資系証券経由の貸株市場で調達した空売りが下げを助長し、追い証が発生するかどうかというタイミングで売り方の買い戻しによって持ち直す、という繰り返し。表現は悪いが生殺し状態にあった。グロース市場は復活のシナリオが見えないというような辛口コメントも聞かれるようになったが、投資家にすれば今更ロスカットできず、信用買い残を悶々と抱えたままの状態が続いた。ところが、8月初旬の歴史的な暴落によって、そのグロース市場で遂に投げ売りに引火した。市場関係者によれば「コロナ禍以降の相場では初めてのこと。日本株暴落後の8月上旬時点で信用買い残高は7月上旬に比べ約30%も減少する、あまり過去に例がなかった超スピードで整理が進捗した」(ネット証券アナリスト)という。  グロース市場の弾丸リバウンドは、ファンダメンタルズ面から劇的に評価が変わったというわけではない。それどころか、業績面の評価は変わらないに等しい状態で株価のみ劇的に上昇する、これが株の難しいところだ。株式市場は「経済を映す鏡」というようなアカデミックな形容をされることが多いが、実際に投資家の立ち位置で相場と至近距離で対峙すれば、もっとドロドロとした人間心理が錯綜するジャングルのイメージが強い。プライム市場の箱庭的な存在ながらグロース市場はまさにそれに該当し、戻り売りニーズの大半が解消されたジャングルに目ざとく投資マネーが還流してきたのは、今の環境では道理にかなう。そして、グロース市場の戻り相場の現在地はまだ6合目あたりで、時間軸的にも今はまだ“確変状態”にあるといってよさそうだ。空売りを仕掛けたファンド筋は、信用買い残の急減で貸株調達がままならず、撤退・買い戻しを余儀なくされる事態に陥っている。  グロース市場の復権とイコールではないものの、そのひとつの象徴となるのがバイオ関連株の人気再燃だ。前週22日に取り上げたキャンバス<4575.T>は23日と週を跨いだきょう26日の取引で連続ストップ高に買われた。きょうは材料も出たことから、大口の買い注文がなだれ込み値幅制限上限にカイ気配で張り付く人気となった。同じく22日に紹介した免疫生物研究所<4570.T>とDNAチップ研究所<2397.T>(※こちらはスタンダード上場)は、両銘柄ともキャンバスと比べ相対的におとなしい値動きとはいえ上値指向は強い。基本的に短期割り切りスタンスが前提だが、佳境入りはこれからといえる。グロース市場に上場するバイオセクターの他の銘柄ではティムス<4891.T>、坪田ラボ<4890.T>、トランスジェニック<2342.T>、ラクオリア創薬<4579.T>などに目を配っておきたい。  このほか、バイオ関連以外でAIやネット周辺にも爆発力を内在させた銘柄は多い。直近派手な値動きを見せているものではビリングシステム<3623.T>、シェアリングテクノロジー<3989.T>などがある。このほか、ファーストアカウンティング<5588.T>やコムチュア<3844.T>の仕切り直し相場にも期待がかかる。  あすのスケジュールでは、7月の企業向けサービス価格指数、基調的なインフレ率を捕捉するための指標などが発表される。海外では1~7月の中国工業企業利益が発表され、ハンガリー中銀による政策金利も発表される。また、米国では6月のFHFA全米住宅価格指数、6月のS&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数、8月の消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード調査)などにマーケットの関心が高い。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/08/26 17:01 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=双日、連結PBR0.7倍で上昇余地  双日<2768.T>に注目したい。第1四半期(4~6月)の連結純利益は、前年同期比4.1%増の230億4400万円となった。ビジネスジェット事業が好調な「航空・社会インフラ」事業や化学品トレードが伸びた「化学」事業などが堅調だった。25年3月期の同利益は前期比9.2%増の1100億円の見込み。足もとの進捗率は21%だが、下期はエネルギー事業などの寄与で今期の同利益は達成することが見込まれている。  同社の今期配当は前期比15円増の150円が計画されている。株価は、8月の波乱で調整局面だが、足もとの連結PBRは0.7倍台で配当利回りも4.4%前後と割安感は強い。先行き5月につけた年初来高値4408円奪回が期待できる。(地和) 出所:MINKABU PRESS 2024/08/26 10:09 みんかぶニュース コラム 26日の株式相場見通し=強弱観対立、米株高も円高は向かい風に  26日の東京株式市場は強弱観対立のなかもやや利益確定の売りに押される展開が想定される。前週末の欧州株市場は主要国の株価が総じて上昇、米国株市場でもNYダウ、ナスダック総合株価指数いずれも高く、ダウは一時4万1200ドル台まで上値を伸ばし7月17日につけた史上最高値を上回る場面もあった。ジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の講演内容が注目されていたが、パウエル氏は「金融政策を調整すべき時が来た」と発言し、これがポジティブ材料となり投資家心理は強気に傾いた。FRBが9月のFOMCで利下げを実施することはほぼ確実視される状況で、場合によっては0.5%の大幅利下げの可能性も意識される状況となった。米債券市場では長期債が買われ、米10年債利回りは3.9%を下回る水準まで低下、これを背景にハイテク株比率の高いナスダック指数の上昇率が相対的に高くなっている。個別にはエヌビディア<NVDA>が4.5%高に買われるなど半導体関連の主力銘柄に物色の矛先が向き、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も反発した。米株高を受け、きょうの東京市場もリスク選好の地合いが想定される。ただ、日経平均の3万8000円台は4月下旬から6月下旬にかけてのもみ合い期間が長く、滞留出来高の多い水準であることで、売り圧力の強さも拭えない。足もと外国為替市場では日米金利差縮小を背景にドル売り・円買いの動きを誘発、1ドル=144円台前半まで円高に振れていることもあり、ハイテクセクターを中心に上値は重そうだ。今週予定されるエヌビディアの決算発表を控え、半導体関連株も様子見ムードが出やすく、日経平均は3万8000円台前半の比較的狭いゾーンでのもみ合いが予想される。  23日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比462ドル30セント高の4万1175ドル08セントと反発。ナスダック総合株価指数は同258.440ポイント高の1万7877.794だった。  日程面では、きょうは6月の景気動向指数改定値、7月の外食売上高など。海外では8月の独Ifo企業景況感指数、7月の米耐久財受注額など。なお、英国とフィリピン市場は休場となる。 出所:MINKABU PRESS 2024/08/26 08:02 みんかぶニュース コラム 来週の株式相場に向けて=「NYダウ」と「エヌビディア」は最高値に舞い上がるか  株式市場では、米国のビッグイベントに対する関心が高まっている。その一つが、22~24日に開かれている「ジャクソンホール会議」で、今晩パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が行う講演だ。「パウエル議長が9月以降の金融政策にどんな姿勢を示すか」(市場関係者)に関心は向かっており、特に米国はソフトランディングに向かうかが問われるなか、同議長の米国経済に対する現状認識が注目されている。  米株式市場ではソフトランディングに向けた期待が高まっており、足もとでNYダウは7月につけた最高値まであと400ドル強の水準に迫っている。9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げは0.25%にとどまり、その後も利下げを続けるという観測が強まるなか、パウエル発言を機にNYダウは最高値を更新するかが関心を集めている。  そして、パウエル議長の講演と並び市場の関心を集めるのが、28日に予定されているエヌビディア<NVDA>の決算発表だ。生成AIに絡む半導体需要は強く、同社の株価も6月につけた最高値140ドルに接近している。同社株の場合「市場の予想をどれだけ上回ることができるか」(アナリスト)が焦点となるが、予想を上回る好決算となれば、最高値更新も期待できる。その場合、半導体株全体への見直し機運が高まる展開も予想される。  ただ、東京エレクトロン<8035.T>やアドバンテスト<6857.T>など日本の半導体関連株に関しては「今春のエヌビディア祭りの頃とは、為替の水準や方向性が異なっている」(同)点は見逃せない。このため、円高懸念との両にらみとなることも予想されるが、エヌビディアが好決算を発表すれば、半導体関連株の強い追い風となることは間違いない。「ジャクソンホール会議」と「エヌビディア」が好結果となれば、日経平均株価も一段の上値が期待される。  上記以外のイベントでは、海外では26日に米7月耐久財受注、27日に米消費者信頼感指数が発表される。また30日の米7月個人所得・支出(PCEデフレーター)も高い関心を集めそうだ。  国内では30日に8月東京都区部消費者物価指数(CPI)、7月失業率・有効求人倍率、7月鉱工業生産が発表される。27日にダイドーグループホールディングス<2590.T>、28日にイズミ<8273.T>、29日に東和フードサービス<3329.T>、30日にピープル<7865.T>、ACCESS<4813.T>、トリケミカル研究所<4369.T>が決算発表を行う。来週の日経平均株の予想レンジは、3万7900~3万8900円前後。(岡里英幸) 出所:MINKABU PRESS 2024/08/23 17:24 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=ニップン、コメ不足懸念のなかパスタ需要増に期待  ニップン<2001.T>はPER(株価収益率)が7倍台と製粉大手との比較では割安感が強く、本業の底堅さを考慮すれば株価修正の余地が見込めそうだ。同社の25年3月期の売上高は前期比2.9%増の4120億円、営業利益は同0.8%増の205億円を計画。営業利益は前期に続き連続で過去最高益を更新する見込みだ。製粉事業で小麦粉販売価格の一部引き下げによる影響を受けながらも販売数量の増加により、コスト高要因を補う見通し。5月の本決算発表時には、中期経営計画の修正も公表し、27年3月期の売上高目標を従来の計画から500億円増額して4500億円、営業利益目標を60億円増額して210億円に見直している。  8月6日発表の25年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算は、営業利益は減益となったものの、通期計画に対する進捗率は約25%と順調に推移した。スーパーで米が商品棚に陳列されていなかった、などとするSNS上での投稿が相次ぐなか、代替商品としてパスタの購入が拡大すれば、同社の業績にはプラス効果をもたらすこととなる。PBR(株価純資産倍率)は0.7倍台。資本効率の向上に向けた新たな施策の有無も注目点となっている。(碧) 出所:MINKABU PRESS 2024/08/23 10:01 みんかぶニュース コラム 23日の株式相場見通し=弱含み、米ハイテク株安重荷 閉会中審査での日銀総裁発言を注視  23日の東京株式市場で、日経平均株価は弱含みの展開が想定される。22日の米株式市場でNYダウとナスダック総合株価指数はそろって反落。ナスダックの下落率は1.6%超とハイテク関連株の下げが目立ち、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)の下落率は3%を超えた。カンザスシティー連銀が主催する経済シンポジウムのジャクソンホール会議において、翌日に米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の講演が予定されている。その発言内容に市場の関心が向かうなかで、カンザスシティー連銀のシュミッド総裁が利下げを支持する前に経済データを注視したいとの見解を示したと伝わった。パウエル議長の講演に関しても、市場では利下げペースなどで踏み込んだ発言はしないとの見方があり、米長期金利が上昇しハイテク株の圧迫要因となった。日本株には米ハイテク株安が重荷となり、日経平均は軟調な滑り出しとなると予想される。一方、ドル円相場は1ドル=146円台前半と、前日午後3時時点に比べてドル高・円安方向に振れており、東京市場の序盤において輸出関連株のサポート要因となる見込みだ。取引時間中は日銀の植田和男総裁による衆参両院での閉会中審査での発言に注目が集まることとなる。8月上旬の急速な株安・円高が一服し、金融市場が落ち着きを取り戻しつつあるなか、段階的な利上げに前向きな発言が出た場合は、全体相場には下押し圧力が高まりそうだ。反対に植田総裁からの一連の発言を受け、利上げに消極的な姿勢を示したと市場が受け止めた場合は、日本株の下支え要因となるシナリオが見込める。もっともパウエル議長の発言機会の前とあって、上値を追って買い上がる姿勢は限られる公算が大きい。日経平均は日中、3万7700円から3万8200円の範囲で推移しそうだ。  22日の米株式市場では、NYダウが前営業日比177ドル71セント安の4万712ドル78セントと反落。ナスダック総合株価指数は同299.633ポイント安の1万7619.354だった。  日程面では、国内では7月の全国消費者物価指数が公表される予定。7月全国百貨店売上高も午後の取引時間中に発表される。また日銀の植田和男総裁が衆参両院での閉会中審査に出席する予定。海外では米国で7月の新築住宅販売件数が公表されるほか、FRBのパウエル議長がジャクソンホール会議で講演に臨む。 出所:MINKABU PRESS 2024/08/23 08:01 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=中小型株復権で「人材とバイオ」に着目  きょう(22日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比259円高の3万8211円と反発。日替わりで上下動を繰り返すが、全体商いが細るなか3万8000円台を猛然と突き進むようなパワーはないが、かといって3万7000円台を深く売り込むような悲観的なムードもない。そうこうするうちに株価のボラティリティも低下傾向となっている。半導体関連は総論として今は手が出しにくい。エヌビディアの決算を来週28日に控えている。同社の足もとの業績が飛ぶ鳥を落とす勢いなのは分かっているが、問題は今後の見通しである。見切り発車はできない。となれば、投資マネーの視線は自然と内需系銘柄に向く。  前日発表された訪日外客数は329万人と単月としては過去最高を記録。訪日客の急増でコト消費が刺激されている。例えば居酒屋などを含めた飲食関連はある意味でエンタメ的な要素があり、コト消費の延長という見方もできる。当然ながら、需要に対応してサービスを提供する側にすれば人手不足の問題がのしかかる。7月26日に鳴り物入りでグロース市場に新規上場したタイミー<215A.T>は、現代社会ならではのニーズに着目したスキマバイトサービス(バイト仲介アプリの運営)を展開するが、ここにきて株価は戻りトレンドに乗り、今週に入ってから連日で上場後の最高値を更新している。新値街道が7月の訪日外客数の発表とタイミングがほぼ合致しているのも、決して偶然とは言えない。  “タイミー効果”が他の銘柄にも波及する公算は小さくない。8月上旬の暴落局面でツレ安した銘柄も多く、その意味では時間軸的に今はバーゲンハンティングのチャンスともいえる。まず、戻り足が鮮明なツナググループ・ホールディングス<6551.T>をマーク。同社はアルバイトやパートに特化した採用代行業務を展開し、慢性的な人手不足に悩まされている小売りや飲食業界に重点を置いている点がポイントで、75日移動平均線越えから上値指向に勢いがつく可能性もある。また、クチコミ情報サイトを運営し、企業向け採用支援サービスも手掛けるオープンワーク<5139.T>は足もとの株価は調整を入れているが、押し目に買い向かって妙味がありそうだ。同社は21年12月期以降、大幅増益路線をまい進、24年12月期営業利益は前期比17%増と伸び率こそ鈍化するものの2ケタ増益で初の10億円台に乗せ、ピーク利益を更新する見通しにある。  同じく人材関連の低位株ではランサーズ<4484.T>の220円台のもみ合いは格好の仕込み場かもしれない。同社はIT系人材のマッチングプラットフォームを運営するが、こちらも需要と供給のバランスが極めてタイトで企業側の外注ニーズは高い。生成AI関連分野への布石も抜かりなく、25年3月期は2ケタ増収かつ33%営業増益を見込んでいる。  このほか、ここ最近はバイオ関連株への物色人気が再燃し、これがグロース市場の反騰機運にも貢献している。これはバイオ関連に限ったことではないが、8月上旬の暴落で、膨張していた信用買い残が投げ売りによって急激に収縮し、これによって株式需給面で上値の重石が外れたことが大きい。そのなか、激しい動きで目を引くのが、再生医療分野をフィールドとするセルシード<7776.T>。8月に入って全体パニック売り環境の中で信用買い残を逆に増加させるという異色の銘柄で、株価の上昇パフォーマンスも強烈だった。貸株市場を経由した外資系証券の空売りが高水準に積み上がるなか、買いを仕掛けている資金の方が強く、踏み上げ相場に発展した。同社株の動きは他のバイオ株に波及しそうだ。  商いは薄いが、DNAチップ研究所<2397.T>や免疫生物研究所<4570.T>の中段もみ合いは待ち伏せ買いの対象としては面白い。免疫生物研は5日・25日移動平均線のゴールデンクロスが目前であり、DNAチップも株価が上向けば5日・25日線GCが形成されるタイミングにある。また、バイオ関連のなかでもボラティリティの高さが際立つキャンバス<4575.T>も要マーク。600円台前半で瀬踏みを繰り返しているが、どこかで持ち前の瞬発力を発揮する可能性がある。  あすのスケジュールでは、朝方取引開始前に開示される7月の全国消費者物価指数(CPI)にマーケットの関心が高い。また、午後取引時間中には7月の全国百貨店売上高が発表される。海外では目立ったイベントは少ないが、米国で7月の新築住宅販売件数が開示される。また、ワイオミング州ジャクソンホールで開催されている経済シンポジウムでパウエルFRB議長の講演が行われる予定にあり、この内容が注目されている。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/08/22 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=バリュエンス、売上総利益率重視の仕入れが奏功  バリュエンスホールディングス<9270.T>はブランド品の買い取り「なんぼや」「BRAND CONCIER」、BtoBネットオークション「STAR BUYERS AUCTION」、ユーズド・ヴィンテージショップ「ALLU」などを運営している。  ALLU新宿店や国内買い取り店舗の出店による地代家賃の増加などが重荷となっているものの、在庫入れ替えを進めつつ売上総利益率重視の仕入れに切り替えたことが奏功。24年8月期第3四半期(3~5月)の連結営業損益は4億2900万円の黒字に浮上(第2四半期は6億1600万円の赤字)し、通期予想は従来の12億円の赤字から6億円の赤字(前期は21億8300万円の黒字)に上方修正している。  株価は8月7日に761円まで下押す場面もあったが、すぐに切り返し。日足チャートでは中期トレンドを示す75日移動平均線が上向きに転じており、一段の上値が期待できそうだ。(参) 出所:MINKABU PRESS 2024/08/22 10:11 みんかぶニュース コラム 22日の株式相場見通し=強含みもみ合い、欧米株しっかりで安心感  22日の東京株式市場は全般様子見ムードのなか、日経平均は前日終値近辺の狭いゾーンでもみ合う展開が想定される。前日の欧州株市場では主要国の株価が総じて堅調、独DAX、仏CAC40、英FTSE100など揃って反発した。ただ、ボラティリティは低く、上げ幅は限定的なものにとどまっている。一方、米国株市場でも主要株価指数の値動きは狭い範囲にとどまり、NYダウは前の日の終値を挟んでマイナス圏とプラス圏を往来する方向感に乏しい動きで、結局小幅ながら上昇して引けている。この日は米雇用統計の年次改定が注目されたが、米労働省は今年3月までの1年間の雇用者数が81万8000人の下方修正となるとの推定値を公表、修正幅は過去15年間で最大となった。これを受けてFRBによる利下げを後押しするとの見方がマーケットでは強まっている。一方、同日午後にはFRBが7月30~31日に開催されたFOMCの議事要旨を開示、メンバーの大多数が9月利下げを肯定するハト派的な内容だった。もっとも、早期利下げについてマーケットでは織り込みが進んでおり、NYダウは0.1%高、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も0.6%高と反応は限られている。23日に予定されるジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の講演内容を前に、この内容を見極めたいとの思惑も上値を押さえる形となった。きょうの東京市場では欧米株がしっかりだったことを受けて安心感が広がりそうだが、積極的に上値を買い進む展開とはなりにくい。日経平均の3万8000円台は累積売買代金も高水準で戻り売り圧力が意識されやすく、きょうは強含みで推移するなかも値幅は限定的となりそうだ。  21日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比55ドル52セント高の4万890ドル49セントと反発。ナスダック総合株価指数は同102.050ポイント高の1万7918.987だった。  日程面では、きょうは7月の全国スーパー売上高など。海外では7月のユーロ圏購買担当者景気指数(PMI)速報値、7月の仏PMI速報値、7月の独PMI速報値、週間の米新規失業保険申請件数、7月の米中古住宅販売件数、8月の米PMI速報値など。また、この日から24日までの日程で、米ワイオミング州でジャクソンホール会議が行われる(パウエルFRB議長の講演は23日)。 出所:MINKABU PRESS 2024/08/22 08:00 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=「マド開け急動意後」の好実態株に勝機  きょう(21日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比111円安の3万7951円と反落。ハイボラ相場に慣れてしまうと、きょうなどはヤケに静かな相場に思えてしまうのだが、それでも日経平均は朝方に450円あまり下落する場面があった。後場は一貫して下げ幅を縮小し、大引け直前に3万8000円台にワンタッチし、この日の高値をつけた。AIアルゴリズム取引に撹拌されて目が回るような地合いが続くが、3万8000円台後半は累積売買代金が高水準であり、先物を絡めたAI主導の相場とはいえ、何か材料が発現しないことにはこの厚い壁を突き破るのは難しそうだ。  21日公表される米雇用統計の年次改定で今年3月までの過去1年分の雇用者数が60万~100万人規模で大幅下方修正されるという観測が広がった。仮に観測通りだった場合は、統計の信憑性が疑われるほどのインパクトがあるが、バックミラーに映る景色に驚いて相場が波乱に陥るということは考えにくい。今年3月までの1年間、インフレ率が修正なしとして、雇用者数のみ大きく下方修正されるということは、米経済がスタグフレーションの環境に晒されていたということにもなる。むしろFRBが利下げのカードを切りまくっても肯定されるような状況となり得る。となれば米株高を後押しする思惑につながっていくが、これも現時点では何とも言えない。改めて米経済はリセッション懸念とソフトランディング期待の狭間を右往左往することになる。  先が読めない地合いが続くなかも、個別株戦略は基本に忠実に好実態株の水準訂正のプロセスを狙っていきたい。直近取り上げたスマートフォン向けアフィリエイトを展開するレントラックス<6045.T>は今月15日にマドを開け大幅高に買われていたが、その後は600円台前半で売り物をこなし、きょう大陽線で上放れた。25年3月期営業36%増益予想と回復色が鮮明でPERにも割安感があるが、23円配当を計画するなど株主還元志向が強く、3.5%前後の配当利回りはこの業態の小型成長株としては珍しい部類に入る。  このレントラクスと同様、マド開け急騰後のもみ合いで売り物をこなしている好実態株はマークしておくところ。例えば、アイスタイル<3660.T>は前期の営業利益2.4倍化に続き、今期も前期比24%増の24億円を見込んでおり、7期ぶりに過去最高を更新する見通しにある。15日にマドを開けて大幅高を演じた後も強含みもみ合いを続けており、一段の上値余地が意識される。  また、株価指標面で超割安圏に位置するユニバンス<7254.T>も継続マークしたい。13日にマドを開けストップ高に買われた後、500円台前半での往来を繰り返すが、PERが何と4倍強で、PBRは0.4倍という、この株価水準で放置され続けるとは思えない。今期の営業利益は3割減益を見込むが、これは前期に急拡大した反動を考慮した保守的な数字。第1四半期(24年4~6月)時点で前年同期比5.1倍の10億7700万円に達しており、対通期進捗率も36%で業績上振れの公算が大きい。  このほか、業績変化が際立つ割に評価不足とみられる銘柄では、クラウドサービスを展開するBBDイニシアティブ<5259.T>が挙げられる。24年9月期は前期比18倍の4億円を見込む。また、前日に取り上げたテックファームホールディングス<3625.T>も強い動きとなっている。スマートフォン向け中心に先端技術を活用したシステム開発を手掛け、25年6月期は67%営業増益を見込む。更に、株価は既に動兆著しいが、コンビニエンスストアなどの電子決済関連や収納代行を手掛けるウェルネット<2428.T>も押し目買い対象として要チェックだ。新紙幣発行を契機に国内でも今後電子マネーや電子チケットの普及に弾みがつきそうだ。同社は時流に乗るビジネスモデルで、中期的にマーケットで注目を浴びる可能性がある。足もとの業績も絶好調で25年6月期は連続の大幅増収増益見込みにある。  あすのスケジュールでは、午後取引時間中に7月の全国スーパー売上高が発表される。海外では7月のユーロ圏購買担当者景気指数(PMI)速報値、7月の仏PMI速報値、7月の独PMI速報値などが注目されるほか、米国では週間の新規失業保険申請件数、7月の中古住宅販売件数、8月のPMI速報値などにマーケットの関心が高い。また、この日から24日までの日程で、米ワイオミング州でジャクソンホール会議が行われ(パウエルFRB議長の講演は23日)、投資家の注目度が高い。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/08/21 17:01 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=東洋合成、半導体向け感光性材料回復から再拡大へ  東洋合成工業<4970.T>は、好業績期待を背景に、3月につけた年初来高値1万660円更新に向けた動きが期待できる。  同社は、半導体や液晶のフォトレジスト用感光性材料大手。8月9日に発表した第1四半期(4~6月)単独決算は、営業利益が13億200万円(前年同期比56.0%増)だった。半導体市場の需要回復が想定よりも早まり、半導体向け感光性材料が先端分野を中心に伸長。ディスプレー向け材料も中国を中心にパネル生産が一定レベルに保たれ、需要が堅調だった。また、需要回復により操業度も向上し、利益に貢献した。  第1四半期の好決算を受けて、25年3月期通期業績予想を営業利益で31億円から36億円(前期比2.5%増)へ上方修正したが、収益性の高い半導体向け感光性材料の増収効果などにより更なる上振れも期待できる。  中期的にも、電子機器の生産高増加に伴う半導体生産の増加で、半導体向け感光性材料や化成品事業の高純度溶剤などの需要の増加が見込まれる。今期に稼働開始予定の千葉工場(千葉県東庄町)第4感光材工場の増産効果もあり、償却費や労務関連費用を吸収して、26年3月期以降も増収増益基調を継続しよう。調査機関のなかには、26年3月期営業利益を50億円台後半、27年3月期同70億円乗せと予想するところもある。(仁) 出所:MINKABU PRESS 2024/08/21 10:08 みんかぶニュース コラム 21日の株式相場見通し=反落、米株上昇一服と円高を背景に売り優勢  21日の東京株式市場は幅広い銘柄に売り優勢の地合いとなり、日経平均株価は反落する公算が大きい。前日の欧州株市場では高安まちまちながら主要国の株価が総じて軟調な値動きとなった。ここ上値指向を続けていた独DAXも11日ぶりに反落するなど戻り一服となっている。また、米国株市場でも目先利益確定の動きが主要株価指数の上値を押さえた。NYダウは最高値まであと300ドルあまりに迫っていたが、この日は終始軟調な値動きで小幅ながら6日ぶり反落。ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数と機関投資家がベンチマークとして重視するS&P500指数はいずれも9日ぶりの反落となっている。21日にFRBが開示予定にあるFOMC議事要旨(7月開催分)や23日に予定されるジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の講演内容を見極めたいとの思惑が買いを手控えさせている。また、ダウは構成銘柄の一つであるボーイング<BA>が大きく売られたことも下げに影響した。もっとも、下値では押し目買いが活発で3指数ともに下げ幅は限定的なものにとどまっている。東京市場では米株市場の上げ足が止まったことや、外国為替市場で1ドル=145円台前半まで円高が進んでいることから、ハイテク株中心に下値を試す動きが想定される。米株価指数先物の動向なども横目に3万7000円台後半で売り買いを交錯させる展開となりそうだ。押し目に買い向かう動きも予想されるが、国内では9月の自民党総裁選を前に、候補者が乱立し次期総裁が誰になるか予想がつきにくい状況にあり、政策の方向性に不透明感が強いこともあって、積極的な買いは見送られる可能性が高い。  20日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比61ドル56セント安の4万834ドル97セントと6日ぶり反落。ナスダック総合株価指数は同59.834ポイント安の1万7816.937だった。  日程面では、きょうは7月の貿易統計、7月の食品スーパー売上高、実質輸出入動向、7月の訪日外国人客数など。海外ではタイ中銀、インドネシア中銀の政策金利発表、FOMC議事録(7月30~31日開催分)など。なお、フィリピン市場は休場。 出所:MINKABU PRESS 2024/08/21 08:01 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=晩夏の二度咲き、さくらネットに続くのは  きょう(20日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比674円高の3万806円と急反発。前日の後場にあれよという間に値を崩し大幅安となったが、くしくもきょうは前日の下げ幅とピタリ合致する戻りを演じた。日替わりで猫の目のように変わる読みにくい相場が続く。そのなか、きょうはグロース市場の戻りが目立った。足もとで中小型株のモメンタム相場の色が強く、テーマとしては久しぶりに生成AI関連に出番が回っている。  生成AIに限ったことではないが、新たな成長市場が創出される時は、その初動は未知数ゆえに期待感が先に立つのは避けられない。株価が上昇するということは単純に言ってしまえばその銘柄を買いたい人が多い、人気が集まっているからこそ起こる現象である。つまり当該企業の近未来の成長可能性を織り込む形で株価は水準を切り上げる。しかし、これは時に行き過ぎるため、その修正がどこかのタイミングで入ることになる。基本的にはバブル部分が剥落するわけだが、「買い被り」過ぎると収縮ではなく、破裂する形で株価がクラッシュするケースへと発展する。2000年のITバブル崩壊は、膨らみ過ぎて破裂した事例といえる。個別株では当時の光通信<9435.T>の急騰急落はその典型であった。  近年の生成AIというテーマは、2000年当時のITバブルよりは現時点ではるかに成長期待を裏付ける実績があるが、関連株が過剰に買われてきた印象は否めない。ここ最近のエヌビディア<NVDA>を筆頭とするAI半導体の周辺銘柄が値を崩したのは、そうした部分の調整で、これは企業のファンダメンタルズに対する明確な失望ではなく、株式需給面での偏りが是正された、いわばプチバブル崩壊のようなものである。  したがって需給が改善すれば、再び株価のベクトルは上向きに変わる。例えばここエヌビディアの株価の戻りが顕著となっているが、同社は来週28日(日本時間29日)に上期決算を発表予定にあり、それを前に好決算を先取りする動きともいえる。実際、好決算かどうかはフタを開けて見ないことには分からない。ただ、今月初旬に年初からの強力な下値サポートラインであった75日移動平均線をいったん下放れてからの株価復元は、実需の押し目買い、もしくは空売り買い戻しのいずれにしても強い数字を予想する向きが多いことを暗に示唆している。もし、エヌビディアが決算発表後に一段と上値を追うような展開で最高値圏に浮上するような展開となれば、日米ともに売り込まれた生成AI関連株の見直しムードが急速に高まる可能性はある。  前日の米国株市場ではエヌビディアが大幅高に買われたが、その後塵を拝することなく株価を大きく上昇させたのがライバル企業であるアドバンスト・マイクロ・デバイシズ<AMD>だった。AMDはサーバーの製造やデザインを手掛ける米ZTシステムズを49億ドルで買収することを発表、これによりAI用半導体事業の強化、換言すれば“生成AIシフト”に本腰を入れる構えを明示し、これが投資マネーの食指を動かした。  この流れは、海を渡って東京市場にも及んだ。信用買いの投げ売りで需給の枯れた銘柄が多かった生成AI関連(データセンター関連)に火が付いたが、その代表格は、きょうストップ高を演じたさくらインターネット<3778.T>である。株価は今年3月初旬に瞬間風速で1万980円の上場来高値を形成したが、その直後に急反落し長い下降トレンドを余儀なくされた。8月上旬には2300円まで水準を切り下げ、高値から約80%の下落と容赦なく売り叩かれた。これでも時価予想PERは100倍程度と高いのだが、需給の歯車が逆回転を始めた時はファンダメンタルズを論じてもあまり意味がない。この流れに沿って、生成AI関連の出遅れ株を探す作業が始まりそうだ。関連銘柄としてはブロードバンドタワー<3776.T>、フィックスターズ<3687.T>、ヘッドウォータース<4011.T>、テックファームホールディングス<3625.T>、FRONTEO<2158.T>などに注目。  あすのスケジュールでは、7月の貿易統計、7月の食品スーパー売上高、実質輸出入動向、7月の訪日外国人客数など。また、東証グロース市場にオプロ<228A.T>が新規上場する。海外ではタイ中銀、インドネシア中銀の政策金利発表、米国ではFOMC議事録(7月30~31日開催分)にマーケットの関心が高い。なお、フィリピン市場は休場。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/08/20 17:01 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=ビックカメラ、期中2度の上方修正で営業58%増益へ  ビックカメラ<3048.T>の戻り一服場面は狙ってみたい。国内の消費関連セクターは訪日外国人急増を背景にインバウンド需要が旺盛だが、そのなか駅前に大型店舗を構える同社はその恩恵を享受しやすいメリットがある。M&A戦略を駆使して業容拡大路線を走るが、近年は売上高が伸び悩み利益面も苦戦が続いていた。しかし、24年8月期は業績回復色が鮮明で、営業利益は期中2度にわたる増額修正を経て前期比58%増の225億円を見込む。なお、第3四半期(23年9月~24年5月)時点で前年同期比76%増の191億9400万円と大幅な伸びを達成している。  100株以上の株主を対象に指定店舗で使用できる優待券(金券)を2月と8月に贈呈するなど株主優待に積極的で、長期投資対象としても妙味がある。株価は7月23日につけた年初来高値1808円を目指す展開へ。(桂) 出所:MINKABU PRESS 2024/08/20 10:14 みんかぶニュース コラム 20日の株式相場見通し=大幅反発か、欧米株全面高も円高は警戒  20日の東京株式市場は主力株をはじめ広範囲に買いが先行する形となり、日経平均株価は大きく切り返す可能性が高そうだ。前日の欧州株市場では主要国の株価をはじめほぼ全面高商状に買われた。そのなか独DAXは10連騰となるなど、値刻みこそ小幅ながら上値指向の強さを明示している。米国株市場でもハイテク系グロース株を中心に買い意欲が旺盛で、NYダウが5日続伸したほか、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は今年最長となる8連騰を記録した。米景気失速への行き過ぎた懸念が和らぐなか、ポジション調整の売りをこなして両指数とも上値追いを続けている。大手金融機関による分析では、米経済が1年以内にリセッションに陥る可能性を引き下げており、これが投資家の不安心理後退を促した。また、FRB高官によるハト派的な発言が主力IT株などの株価に浮揚力を与えている。もっとも、ここ最近の急ピッチの戻りを受け、景気敏感株の一角などに目先筋の利益確定の動きも表面化、ダウの上値は重い展開だった。東京市場では前日の欧米株が全面高商状となったことを受け、リスク選好の地合いが予想される。前日の後場に日経平均は為替市場の円高進行を横目に波乱含みの下げに見舞われたが、その反動もあってきょうはリバウンドに転じそうだ。ただ、ドル・円相場は引き続き荒れた動きで足もとは1ドル=146円台と円高水準で推移しており、この為替動向を横にらみに買い一巡後は不安定な値動きとなる可能性もある。米株価指数先物の値動きなどの影響も受けそうだ。  19日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比236ドル77セント高の4万896ドル53セントと5日続伸。ナスダック総合株価指数は同245.051ポイント高の1万7876.771だった。  日程面では、きょうは20年物国債の入札、7月の首都圏マンション販売、7月の主要コンビニエンスストア売上高など。海外では8月の中国最優遇貸出金利、豪中銀理事会(8月開催分)の議事要旨、トルコ中銀とスウェーデン中銀の政策金利を発表など。 出所:MINKABU PRESS 2024/08/20 08:00 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=グロース市場9連騰、異色の上昇株選抜  週明け19日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比674円安の3万7388円と大幅反落。後場に入り急速に値を崩したが、前日まで5連騰で3200円以上も水準を切り上げていたことを考えれば、この程度の押し目は仕方ないというところだ。それにしても後場寄りから別世界に足を踏み込んだかのような崩れ方に、意表を衝かれた投資家も多かったのではないか。市場関係者からは、昼休み時間中の後場取引開始直前まで強気論が聞かれていたぐらいで、全くもって人間には優しくない相場である。繰り返しになるが、今の株式市場は躊躇なき高速売買のAIアルゴに支配されており、同じ時間軸で売り買いする“生身の”短期トレーダーほどその被害をこうむっている。  今週は週後半のジャクソンホール会議にマーケットの耳目が集まるが、既に9月の0.25%利下げをほぼ100%織り込んだ状態にあり、23日に予定されるパウエルFRB議長の講演に耳を傾けるにせよ、おそらくデータ次第というお決まりの口上で、今市場で言われているほどの相場を突き動かすようなトリガーとはならないのではないか。  米大統領選も現状はトランプ前大統領の返り咲きか、それともハリス副大統領が初の女性大統領の座を射止めるのか、皆目分からなくなってきているが、フィフティ・フィフティーでどちらになるか二つに一つであることには変わりがない。それに比べて10人を超える候補者が立つ、国内の自民党総裁選の方がよほど先行き不透明である。派閥解消の影響とはいえ、ここまで如実に競争倍率を高めることになったのは驚きであった。小林鷹之前経済安全保障担当相を担ぎ上げる動きがにわかに高まっているが、国民目線では正直無名に近く、選挙に勝つための看板としてどうなのかという思惑がある。市場では「(新首相が小林氏であれば)岸田政権で苦汁をなめた勢力にとって復権の足掛かりが作れる」(生保系エコノミスト)という指摘もあるが、永田町のパワーバランスを考えた場合、本当にこの形での若返りが望まれているとは考え難い面もある。上川陽子外相の方が永田町的にはニーズが強いような気もする。  さて、個別株に目を向けると、全体相場は後場に入ってから円高にリンクさせた仕掛け的な売りで日経平均は波乱含みの下げに転じたものの、グロース市場が相対的に強さを発揮、グロース市場指数はプラス圏を維持し9連騰を記録している。バイオ関連株の戻りが作用した面が大きかったが、その背景には決算発表シーズンが通過したことで、赤字の多いバイオベンチャーの決算を嫌気した売りを浴びにくくなったということが挙げられる。  また、バイオ関連以外でも好業績が確認された銘柄に素直に見直し買いが流入している。グロース市場は一時ネット証券大手のデータで信用取引の評価損益率が40%を超える局面に陥るなど急激に冷え込み、追い証絡みの投げが噴出した。ロスカットを半ば強要された個人投資家にとっては気の毒な状況となったが、信用買い残の整理進捗に伴いシコリ玉が解消され、戻り足に弾みがついたというのが8月6日以降の相場だ。プライム市場の動きが鈍くなっても、グロース市場への資金シフトの動きに目を向けておきたい。  グロース市場に上場するファンダメンタルズ面で高評価できる銘柄としてはjig.jp<5244.T>。ライブ配信事業を手掛けるが、前期の営業8割増益に続き、25年3月期も11%増益と2ケタ成長を予想しており、押し目は狙える。また、障がい福祉サービス事業を手掛けるココルポート<9346.T>も営業2ケタ増益が続く。オープンワーク<5139.T>は就職・転職のクチコミ情報サイトを運営するが、24年12月期上期営業減益ながらも通期は17%増益の10億円乗せが有力視されている。更に、縫製自動機の開発・製造やエアバッグを手掛ける松屋アールアンドディ<7317.T>は業績飛躍局面にあり、売上高・営業利益ともに過去最高を更新する見通しだ。このほか、スマートフォン向けアフィリエイトを展開するレントラックス<6045.T>は25年3月期36%営業増益を見込んでおりマークしたい。  あすのスケジュールでは、20年物国債の入札、7月の首都圏マンション販売、7月の主要コンビニエンスストア売上高など。海外では8月の中国最優遇貸出金利が決定され、豪中銀理事会(8月開催分)の議事要旨も開示される。このほかトルコ中銀とスウェーデン中銀が政策金利を発表する。また、ASEAN高級実務者会議がラオスで開催される(~22日)。米国ではバーFRB副理事が討議に参加、その発言内容が注目される。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/08/19 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=ダイフク、業績増額修正で再評価  ダイフク<6383.T>の調整局面は絶好の拾い場となりそうだ。搬送・保管システムのトップ企業である同社の業績は好調だ。同社は8日に決算発表を行うとともに、24年12月期の連結営業利益を従来予想の520億円から560億円に増額修正することを明らかにした。豊富な受注残を抱えるほか、コスト増加分の価格転嫁や経費削減効果などが寄与した。今期配当予想も従来予想から3円増の年40円に引き上げた。  半導体関連や製造業・流通業向けなどに受注は拡大傾向にあり、今期同利益は570億円前後への再増額期待もある。全体相場の急落で同社株も下落したが、足もとでは戻り歩調にある。実力再評価で見直し余地は大きい。(地和) 出所:MINKABU PRESS 2024/08/19 10:07 みんかぶニュース コラム 19日の株式相場見通し=戻り一服、米株上値重く円高傾向で利食い誘発  19日の東京株式市場は売りが優勢となり、日経平均株価は戻り一服となる可能性が高い。前週末まで5連騰でこの間に3200円強も水準を切り上げており、足もと主力銘柄は目先筋の利益確定売りや戻り売り圧力が表面化しそうだ。前週末の欧州株市場は高安まちまちながら、独DAXは9日続伸と上値指向の強さをみせつけている。また、米国株市場では景気敏感株やハイテク系グロース株など根強い買いが続き、NYダウは4日続伸、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は小幅ながら7日続伸と強調展開を継続している。直近の経済指標が相次いでコンセンサスを上回る結果となり、過度な米景気失速懸念を後退させ、ダウは前週1週間で1160ドルあまりの上昇をみせた。ただ、目先スピード調整の売り圧力も拭えず、前週末は朝方にマイナス圏で推移する場面があるなど、上値の重い展開を強いられた。今週は週央に発表される7月開催分のFOMC議事要旨や、週後半から行われるジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の講演などにマーケットの関心が高く、ポジション調整の売り圧力が重石となっている。東京市場でも、米国株市場以上に日経平均の上昇ピッチが速く、足もと上値が重くなりそうだ。3万8000円台は滞留出来高が高水準で、きょうは3万7000円台に押し戻される公算が大きい。外国為替市場では1ドル=147円台の推移と、ひと頃より円高方向に傾いていることもハイテク株中心に向かい風となることが予想される。  16日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比96ドル70セント高の4万659ドル76セントと4日続伸。ナスダック総合株価指数は同37.224ポイント高の1万7631.720だった。  日程面では、きょうは6月の機械受注、1年物国債の入札など。海外では7月の米景気先行指標総合指数など。 出所:MINKABU PRESS 2024/08/19 08:00 みんかぶニュース コラム 来週の株式相場に向けて=相場は「平時モード」に復帰基調、ジャクソンホール会議が焦点  8月相場は、とにかく上下に変動するボラティリティの大きな相場となっている。今日の日経平均株価は前日比で1336円高と歴代9位の上昇幅だった。歴代トップの下落幅は5日(4451円安)、同上昇幅では6日(3217円高)であり今年8月は歴史に残ることは確かだ。  ただ、日経平均株価は4万円近い水準にあり、上下の値幅が大きくなることは当然と言える。また、5日の下落幅が1987年10月を超えたことから「ブラックマンデー」以来という言葉が頻繁に飛び交ったが、米国発の金融危機だった当時と、一部投機筋が円キャリートレードで過剰なリスクを取ったために引き起こされた今回の暴落相場とでは状況は大分違うようにもみえる。  最大の懸念材料は日銀の利上げではなく、米国が景気後退に陥ることだろう。ただ、足もとの米小売売上高や米消費者物価指数(CPI)をみれば、「米国経済に対するソフトランディング期待が蘇りつつある」(アナリスト)という。「恐怖指数」と呼ばれる米VIX指数も一時の60超えが、足もとでは15程度と警戒ラインの20を大きく下回ってきた。これらからも分かるように、市場は「平時モード」へ復帰しつつある。日経平均株価は7月11日高値から8月5日安値までの半値戻し(3万6841円)を今日達成したが、3分の2戻し(3万8635円)ももうすぐだ。  次の焦点は22日から24日にかけて開催されるジャクソンホール会議だ。特に、23日に予定されているパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演が注目される。市場では、米国の9月利下げ幅は0.25%が有力視されているが、同議長が足もとの市場環境をどうみており、今後の金融政策に対して何を語るかが最大のポイントとなる。  上記以外のスケジュールでは、海外では21日に7月30~31日開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録が公表される。22日に米8月S&Pグローバル製造業PMI、23日に米7月新築住宅販売件数が発表される。  国内では19日に6月機械受注、21日に7月訪日外客数、23日に7月消費者物価指数(CPI)が公表される。19日に北川精機<6327.T>、あい ホールディングス<3076.T>が決算を発表する。21日に東証グロース市場にオプロ<228A.T>が新規上場する。来週の日経平均株価の予想レンジは3万7200~3万8800円前後。(岡里英幸) 出所:MINKABU PRESS 2024/08/16 17:19 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=エレメンツ、上場来初の営業黒字化に期待  ELEMENTS<5246.T>は200日移動平均線で下げ止まりの気配をみせている。同社はオンライン本人確認サービス「LIQUID eKYC」をはじめとする認証ソリューションを手掛ける。社会のデジタル化が進むなかセキュリティー対策へのニーズは高まっており、同社には追い風が吹いている。  先月、上期決算とあわせ24年11月期通期業績見通しの修正を発表。営業損益の予想レンジを損益トントン~7500万円の黒字(前期2億9700万円の赤字)とし、従来の赤字予想から上方修正した。足もとの業績動向や新規連結効果の影響を織り込んだ。2022年の上場以来初となる営業黒字化に期待がかかる。(イ) 出所:MINKABU PRESS 2024/08/16 10:06 みんかぶニュース コラム 16日の株式相場見通し=米株大幅高と円安進行受けリスクオン加速  16日の東京株式市場は主力株をはじめ広範囲に買いが広がり、日経平均株価は大幅続伸し3万7000円台後半まで一気に水準を切り上げる公算が大きい。前日の欧州株式市場がほぼ全面高に買われたほか、米国株市場ではNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに大幅高に買われており、東京市場でもこの流れを引き継ぐ公算が大きい。米株市場ではこの日の朝方に発表された7月の米小売売上高が前月比1.0%増と事前コンセンサスの0.3%増を上回ったことで、米景気先行きに対する過度な警戒感が和らいだ。景気敏感株に買いが広がったほか、グロース株の物色が目立ちハイテク株比率の高いナスダック指数は2.3%あまりの上昇率でダウを上回った。また、エヌビディア<NVDA>をはじめ半導体関連株にも投資資金が流れ込み、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は4.9%高と上げ足が際立っている。東京市場では、欧米株高を受けリスク選好の地合いが加速しそうだ。外国為替市場でドルが買われ、1ドル=149円台まで急速なドル高・円安が進んでいることも輸出ハイテクセクターなどに強力な追い風となる。  15日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比554ドル67セント高の4万563ドル06セントと3日続伸。ナスダック総合株価指数は同401.895ポイント高の1万7594.496だった。  日程面では、きょうは対外・対内証券売買契約、3カ月物国庫短期証券の入札、10年物物価連動国債の入札、6月の第3次産業活動指数など。海外では7月の英小売売上高、6月のユーロ圏貿易収支、7月の米住宅着工・許可件数、8月の米消費者態度指数(ミシガン大学調査・速報値)など。 出所:MINKABU PRESS 2024/08/16 08:01 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=決算発表通過で勇躍する好業績株に照準  きょう(15日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比284円高の3万6726円と4日続伸。8月に入るやいなや全体相場は歴史的な大波乱に見舞われた。5日は4451円安という歴代1位の暴落をみせたのだが、その直前2営業日(8月1日と2日)の下げも強烈であり、3営業日合計で7640円あまりの下落、率にして19.5%というとんでもないものだった。たった3日間で東証時価総額の2割を吹っ飛ばしたことになる。  しかし、相場はある意味サディスティックで、そこからは意外なほど素直に戻り歩調をみせている。信用買い残に目を向けると、8月初旬の波乱相場に遭遇し金額ベースで一気に1兆円近くも減少した。まさに年初から積み上げた分を一気に吐き出した格好だ。ネット証券大手の店内データでも信用評価損益率が全体でマイナス11.9%と1ケタ台のマイナスまであと一歩で改善色が強い。だがこれはあくまで相場の現状を定点観測したもの。5日の暴落によって半強制的に信用取引で投げさせられた人は、既に資金を引いてしまっている関係上、その直後に相場が踵(きびす)を返した局面でリベンジできなかった現実がある。  では、相場の調整局面に備え待機資金を確保していた人は足もとのリバウンドに上手く乗れたかというと、「(5日の急落に)全力で買い向かうことができた投資家は極めて稀少な存在」(中堅証券ストラテジスト)と指摘する。バッターボックスに立ってもバットを振ることができず、ど真ん中のストレートを見逃すというケースが多かった。暴落のトリガーを引いたのはタイミング的には日銀だが、追加利上げのカードを切ること自体は寝耳に水ということではないし、何が変わったかと言えば、何も変わらないそれまでの日常の延長である。そうした中で3日続けての大幅安、しかも下げが急加速している異常な状況では、蛮勇を振るうことなど本能的にできない。人間であればそうなる。しかしながら、今の相場を牛耳っているのはAIアルゴリズムである。  前日は、現地時間朝方の7月の米消費者物価指数(CPI)に耳目が集まった。結果は前年同月比2.9%の上昇で事前予想の3.0%を下回り、伸び率は21年3月以来となる3%割れで約3年5カ月ぶりの低い水準となった。一方、エネルギーと食品を除くコア指数の方も同3.2%の上昇と鈍化傾向を示し、市場予想とも合致、これにより9月のFOMCでの利下げの可能性を一段と高めている。  ただし、今はFRBによる利下げ期待よりも米景気失速への懸念が先に立つ。端的には個人消費の動向が気になるわけで、その観点では日本時間今晩9時半、米国では前日同様に朝方取引開始前に発表される7月の米小売売上高の方がCPIよりも注目度は高い。更に、それを上回る視線を集めそうなハードデータが週間の新規失業保険申請件数だ。小売売上高が想定を上回る一方で、失業保険申請件数が想定を下回れば米株市場には強力な追い風となるが果たしてどうか。いずれにしても大きなヤマ場といえそうだ。  東京市場では企業の決算発表を通過し、全体論としては評価の分かれるところではあるが、個別には好決算発表組にスポットライトが当たっている。大型株では三菱重工業<7011.T>の切り返しが鮮烈で既に1900円台を回復。仮に2000円台まで上値を伸ばせば、上場来高値2087円も視界に入る。この背景には、株式需給面では信用買い残の急減、そしてファンダメンタルズ面では4~6月期決算(純利益2ケタ成長で過去最高を更新)の好実態評価がある。また、中小型株でも好業績株への注目度は高い。発表された第1四半期の営業利益の伸びが際立つものでは、日本化学工業<4092.T>、ヤマシンフィルタ<6240.T>、新田ゼラチン<4977.T>、日本高純度化学<4973.T>、太平電業<1968.T>などが挙げられる。また、6月決算企業では前期に続き25年6月期も好決算が期待されるArent<5254.T>、日本情報クリエイト<4054.T>などをマークしておきたい。  あすのスケジュールでは、対外・対内証券売買契約が朝方取引開始前に開示されるほか、午前中に3カ月物国庫短期証券の入札、10年物物価連動国債の入札が予定される。午後取引時間中には6月の第3次産業活動指数が発表される。海外では7月の英小売売上高、6月のユーロ圏貿易収支、7月の米住宅着工・許可件数、8月の米消費者態度指数(ミシガン大学調査・速報値)などに耳目が集まる。このほか、APECエネルギー担当相会合がペルーで開催される。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/08/15 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=キッセイ、過活動膀胱治療薬など伸びる  キッセイ薬品工業<4547.T>は7月30日、25年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算を発表。営業利益は前年同期比32.2%増の21億5800万円となり、上半期計画の15億円を超過した。  過活動膀胱治療薬「ベオーバ錠」、潰瘍性大腸炎治療薬「カログラ錠」、顕微鏡的多発血管炎・多発血管炎性肉芽腫症治療薬「タブネオスカプセル」、慢性特発性血小板減少性紫斑病治療薬「タバリス錠」、透析患者におけるそう痒症治療薬「コルスバ静注透析用シリンジ」などの売り上げが伸長した。上半期及び通期業績予想は従来の見通しで据え置いており、保守的といえそうだ。  また、日足チャートで25日移動平均線と75日移動平均線とのゴールデンクロスが実現していることにも注目。3~5月に上値を抑えられた3700円ラインの突破に期待したい。(参) 出所:MINKABU PRESS 2024/08/15 10:14 みんかぶニュース コラム 15日の株式相場見通し=やや売り優勢か、欧米株高も目先利益確定の動き  15日の東京株式市場は売り買い交錯のなか日経平均は前日終値近辺での値動きが予想されるが、やや利益確定売りに押される展開が予想される。前日の欧州株市場では主要国の株価をはじめ総じて上昇した。この日発表された7月の英消費者物価指数(CPI)が予想を下回り、英利下げ観測が高まるなか投資家心理が改善している。また、米国株市場ではNYダウが続伸しフシ目の4万ドル大台を回復したほか、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数もわずかながら5日続伸し、上値は重かったものの頑強な値動きを示した。注目された7月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.9%の上昇となり、これは事前コンセンサスを下回り21年3月以来約3年5カ月ぶりの低い水準となっている。なお、エネルギーと食品を除くコア指数の方は市場予想と合致し、FRBによる利下げ期待を後押しした。東京市場でも欧米株高はポジティブ材料となるが、日経平均は前日まで3日続伸しこの間に1600円あまり水準を切り上げており、目先的には上昇一服局面となりやすい。加えて、前日に岸田首相が9月の総裁選に不出馬を表明したことを受け、次期首相候補を巡る思惑から足もとで様子見ムードも広がる可能性がある。ただ、全般軟調展開となっても下値では押し目買いが入り、下げ幅は限定的となりそうだ。      14日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比242ドル75セント高の4万8ドル39セントと続伸。ナスダック総合株価指数は同4.993ポイント高の1万7192.601だった。  日程面では、きょうは4~6月期国内総生産(GDP)のほか、6月の鉱工業生産確報値など。海外では7月の中国70都市新築住宅価格、7月の中国工業生産高、7月の中国小売売上高、7月の中国固定資産投資、7月の中国不動産開発投資、フィリピン中銀、ノルウェー中銀が政策金利を発表、週間の米新規失業保険申請件数、7月の米小売売上高、7月の米輸出入物価指数、7月の米鉱工業生産・設備稼働率、8月のNY連銀製造業景況指数、8月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、8月の米NAHB住宅市場指数、6月の米企業在庫など。なお、韓国、インド市場は休場。 出所:MINKABU PRESS 2024/08/15 08:01 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=「次期首相は誰か?」錯綜する思惑  きょう(14日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比209円高の3万6442円と3日続伸。終始方向感の見えない1日であった。朝方は前日の米株大幅高を受け、リスク選好ムードの中でスタートした。米国では7月の卸売物価指数(PPI)の伸び率鈍化が確認され、なおかつ市場予測を下回ったことから、FRBによる早期利下げ期待、具体的には9月のFOMCでの利下げ観測が強まり、ハイテク株を中心に買いに勢いがついた。ただ、東京市場では前日に日経平均が1200円あまりの急騰をみせていたことに加え、日本時間今晩に発表予定の7月の米消費者物価指数(CPI)の結果を前に、ポジション調整の売り圧力も意識され、強気になり切れないタイミングではあった。それでも寄り後早々に日経平均は450円高と値を飛ばし、前日後場からのリスクオン相場は継続しているようにも見えたが、3万6000円台半ばでは戻り売り圧力が顕在化し伸び悩んだ。  その間隙を縫ってマーケットに稲光のごとく走ったのが「岸田首相の自民党総裁選不出馬」の報道である。若干のタイムラグを置いたものの、ほぼニュースヘッドラインに呼応する形で日経平均はジリジリと水準を切り上げた。これは短期筋のショートカバーが反映されたものだが、その後は次期総裁の顔が見えない状況下で我に返り、急速に値を消すことになった。前引け時点ではマイナス圏に沈む“気迷いモード全開”の地合いである。  岸田首相の実質退陣宣言を受けマーケットが無風なわけはないが、政治とカネの問題が噴出し支持率も著しく低空飛行であったことを考慮すれば、時間の問題という見方があったのは事実で、いったん株価に浮揚力が働いたのはそうした事情による。しかし、冷静に考えると、次期総裁が誰になるかで政策の方向性に変化が生じる公算は小さくない。市場関係者は「次期首相の顔が見えない状況にあって、海外投資家にすれば、これまでの日本株のポートフォリオを見直す蓋然性が高まる。したがってこのタイミングでは安易に動けずフリーズ状態となるのは自明」(ネット証券マーケットアナリスト)とする。9月の総裁選を前に海外の機関投資家が総裁候補の情報収集に躍起となっている構図が浮かぶ。  石破茂・元幹事長が早々に総裁選出馬の意向を表明しているほか、小泉進次郎・元環境相、茂木幹事長、高市経済安全保障相、河野デジタル相、上川外相などが総裁選出馬候補として挙げられる。群雄割拠の総裁選に見えるが、今の永田町を俯瞰すれば意外にも選択肢は限られているという声もある。まず、今回の首相交代に向けた動きの源流をたどれば、来年11月までに行われる選挙で自民党が勝利するための準備といってよい。  市場では「茂木氏は本音を言えばここで火中の栗を拾うようなリリーフ登板はしたくはないはず。しかし、岸田・茂木・麻生の(権力の)トライアングル構造を維持するために与党の座は死守しなければならない。つまり選挙に勝つためには国民支持率の高い“看板”を立てることが絶対条件」(前出のアナリスト)と指摘する。この場合、石破氏、小泉氏が有力となってくる。しかし石破氏の党内の支持は弱く推薦人すらままならない状況。仮に担いでも岸田・茂木・麻生のトライアングルが崩壊するのでは岸田首相が退く意味がない。  とすれば表現は悪いが傀儡(かいらい)となり得る小泉氏を担ぐというのが最強の選択肢という話になる。また、トライアングルの維持が保証され、なおかつハーバード大卒で英語堪能の上川氏は外国人ウケもよく、実務能力も考慮して本来最良の選択肢ではあるが、選挙に勝つという条件をクリアするうえで最強とはいえない。あくまで“政治屋”的切り口だが、最強の選択肢か、最良の選択肢かのどちらかを引く方向で永田町のパワーバランスが働く可能性が高い。こう考えると、9月の総裁選、11月の米大統領選を経て、日米ともに初となる女性の国家指導者が揃い踏みという可能性も出てきた。  あすのスケジュールでは4~6月期国内総生産(GDP)のほか、6月の鉱工業生産確報値が発表される。海外では7月の中国70都市新築住宅価格、7月の中国工業生産高、7月の中国小売売上高、7月の中国固定資産投資、7月の中国不動産開発投資のほか、フィリピン中銀、ノルウェー中銀などが政策金利を発表する。米国では週間の新規失業保険申請件数、7月の小売売上高、7月の輸出入物価指数、7月の鉱工業生産・設備稼働率、8月のNY連銀製造業景況指数、8月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、8月のNAHB住宅市場指数、6月の企業在庫などが発表される。なお、韓国、インド市場は休場。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/08/14 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=ラクトJ、商品ミックス改善で好業績継続へ  ラクト・ジャパン<3139.T>は、好業績期待を背景に7月16日につけた年初来高値更新から更なる上値を目指す展開へ向かいそうだ。  同社は乳原料やチーズをはじめとする独立系の食品専門商社。7月に発表した第2四半期累計(23年12月~24年5月)連結決算は、経常利益が22億6000万円(前年同期比68.1%増)と大幅増益となった。主力の乳原料・チーズ部門はインバウンド消費の増加などにより外食・レジャー産業が活況となったため、業務用需要が回復。なかでも、土産品、アイスクリーム、チョコレートなどの原料販売が好調に推移した。また、商品ミックスの改善により部門の利益率が改善し、連結経常利益の増額に貢献した。  下期は、会社側では円安進行や食品価格上昇による消費動向への影響、足もとで増産傾向にある生乳生産が国内脱脂粉乳在庫に及ぼす影響などを懸念材料としつつも、これらを考慮したうえで24年11月期の経常利益予想を従来予想の34億円から41億円(前期比44.0%増)へ上方修正し、期末配当予想を31円から45円(年76円)へ引き上げた。乳原料・チーズ部門で利益率の高い商品の販売数量が増加していることに加えて、アジアのチーズ製造販売の販売数量も増加していることが牽引する。会社側の修正予想は上振れの可能性も十分だ。  来期以降も商品ミックス改善効果は続くとみられる。更に、プロテイン製品の原料となる乳たんぱくの輸入販売も伸長しており、業績は再成長期入りが鮮明となりそうだ。(仁) 出所:MINKABU PRESS 2024/08/14 10:00 みんかぶニュース コラム 14日の株式相場見通し=続伸か、米株大幅高も米CPI控え不安定な地合い  14日の東京株式市場は売り買い交錯のなかも強気優勢の地合いで、日経平均株価は上値指向を継続しそうだ。足もとでは世界的にリスク選好の流れとなっている。前日の欧州株市場では主要国の株価が総じて堅調、独DAXは6日続伸と戻り足を強めている。また、米国株市場ではFRBによる利下げ期待を背景にNYダウが400ドルあまりの上昇をみせたほか、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も400ポイント強水準を切り上げ、上昇率は2.4%に達した。この日に発表された7月の米卸売物価指数(PPI)が前月比0.1%上昇と伸びが鈍化し、事前の市場コンセンサスを下回った。これがFRBの9月利下げ開始に対する思惑を後押しする形となり、投資家心理を強気に傾けている。米10年債利回りの低下を受けて大手IT株への買いを誘導、半導体関連もエヌビディア<NVDA>が6.5%高と値を飛ばし、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も4%高と急伸をみせるなど強調展開が際立った。これを受けて東京市場も主要株価指数の上値追い基調が維持されそうだが、日経平均は前日に1200円を超える急騰をみせており、目先はスピード警戒感からの利益確定売りが上値を押さえるケースも考えられる。日本時間今晩に7月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控え、思惑が錯綜し上下に荒い値動きとなることも予想される。  13日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比408ドル63セント高の3万9765ドル64セントと反発。ナスダック総合株価指数は同406.999ポイント高の1万7187.608だった。  日程面では、きょうは7月の英消費者物価指数(CPI)、4~6月期のユーロ圏実質域内総生産(GDP)改定値、6月のユーロ圏鉱工業生産、7月の米CPIなど。 出所:MINKABU PRESS 2024/08/14 07:59 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=予測不能、AI主導の不規則バウンド相場  3連休明けとなった13日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比1207円高の3万6232円と続急騰。後場は先物主導のインデックス買いによる典型的な高値引けとなった。人間はその英知のもとに科学技術を飛躍させ、数々の不可能を可能としてきたが、今もって一寸先の未来すら覗くことができない。きょうのような相場ではそれを思い知らされる。一つ言えるのは、人間が技術の粋を集めて創り出した人工知能(AI)に、多くの投資家が振り回されているという事実だ。  全体株価は上なのか下なのか、上がるとすればどのくらい上値が期待できるのか、逆に下がる場合にはどのくらい下値が深いのか。こうした短期的な相場の波動は、実際に取引が開始されないことにはどうにも分からない。いったんハイボラ相場のスイッチが入ってしまうとトレーダー泣かせのAIが支配する地合いに翻弄されるよりない。きょうは、東京市場が連休中に米国株がハイテク株中心に堅調な動きをみせたことや、外国為替市場で1ドル=147円台で円安水準が保たれていたことから、追い風局面には違いなかったが、日経平均が1000円を超えるような大幅高の可能性に言及する声は皆無だった。よくて3万5000円台後半、ここまで上値を伸ばせれば御の字というところであったと思われる。  真相は株式需給にある。前週末の日経平均株価はしっかりだったが、週初に史上最大の下げ幅に見舞われた残像が残るなか、投資家のマインドはリスクオフに傾いていた。3連休前で、しかもイランとイスラエル間の緊張が極度に高まっており、イスラエルへの報復攻撃が近々に行われる公算が大きいとの見方が広がっていた。更に「気象庁が警鐘を鳴らした南海トラフ地震への警戒感もかなり強く、これに対応して週末はにわかにショートを積み上げる動きが観測された」(ネット証券マーケットアナリスト)という指摘がある。おそらく過激なショートポジションを組んだのはAIのなせる業で、きょうはその無機質なアンワインドの動きが、日経平均やTOPIXの上げ足を加速させる格好となった。  気が付けば日経平均は前週初の4451円の崩落に遭遇する前の水準を上回ってきた。しかし、この1000円超の急騰が相場の底入れ転換を担保するものではない。8月5日に開けたマド埋めを果たしたが、もう一つ上の8月2日に開けたマドを埋めるまでは疑心暗鬼の相場が続く。ただ、今はトレンドを予測すること自体が難しくなっている。全体相場が上昇すれば、それなりの理由をテキスト化し、下落すればそれに見合う講釈をつける。人間によるその作業が自ら相場の方向感を見えなくしている。AI取引が支配するなかでは、何も考えずに突っ込み買いの吹き値売りを徹底させた方が結果としてリターンは大きい。これは総論的な見地だが、そういうケースが繰り返されてきた。  一方、個別株戦略では人間の知恵が生きる。今後も含め「生成AI特需」が本物かどうかは置くとして、半導体関連、特にディスコ<6146.T>やレーザーテック<6920.T>のような主力銘柄には上値のしこりがかなり高水準である。下げ過ぎ是正のリバウンドにつくという割り切りであれば話は別だが、上場来高値もしくは今年の高値をクリアするような相場はここ1~2年のタームでは難しそうだ。  当面はここまで相場がなかったセクターや銘柄に資金が流れる方向が読める。目先的には決算発表をほぼ通過したことで、業態を問わず好業績銘柄については分かりやすく選別が可能だ。きょうは通期業績予想の上方修正を発表した淀川製鋼所<5451.T>が大きく買われたが、注目すべきは5.4%の配当利回りである。高配当利回り株は、中堅建設株に意外に多く、25年3月期46%増益予想の淺沼組<1852.T>が5.1%と高く、株価も値ごろ感がある。また、大型株では直近の株価下落によって、再び配当利回りが5%弱まで切り上がったJT<2914.T>なども拾い場となっている可能性がある。  あすのスケジュールでは、国内で目立ったイベントはないが午前中に5年物国債の入札が予定されている。また、午後取引終了後に7月の投信概況が開示される。海外ではニュージーランド中銀の政策金利発表、7月の英消費者物価指数(CPI)が注目されるほか、4~6月期のユーロ圏実質域内総生産(GDP)の改定値、6月のユーロ圏鉱工業生産が発表される。米国では7月のCPIにマーケットの関心が高い。なお、米主要企業の決算発表ではシスコ・システムズ<CSCO>の5~7月期決算が予定されている。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/08/13 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=オリックス、最終ピーク利益更新続き戻り相場本番へ  オリックス<8591.T>の戻り相場についてみたい。リース事業を中核に金融関連ビジネスを多角的に展開している。国内では日銀の大規模金融緩和策の転換を受け金利上昇局面に移行しており、メガバンクを筆頭とする銀行セクター同様に同社の金融収益にも追い風が意識される。24年3月期は最終利益段階で前の期比19%増の3461億3200万円と2割近い伸びを示し過去最高となった。続く25年3月期の最終利益も前期比13%増の3900億円予想と2期連続の2ケタ成長でピーク利益更新が続く見通しにある。  株価は8月上旬に大幅な調整に見舞われた。全体波乱相場に引きずられる形で2600円台まで売り込まれる場面があったが、その後は実態が見直され急速にリバウンド局面に移行している。株主還元に前向きな姿勢も評価され、早晩3400円台を横に走る75日移動平均線クリアから3000円台後半へ歩を進める強調展開が期待される。(桂) 出所:MINKABU PRESS 2024/08/13 10:11

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