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みんかぶニュース コラム 来週の株式相場に向けて=エヌビディア決算機に本格反騰に突入するか  17日の東京市場は日経平均株価が前日比132円安と4日ぶりに反落した。前日の米国市場で半導体関連株などが下落したことが警戒されたほか、過去3日間で日経平均株価が700円強上昇していた反動も出た様子だ。  足もとでは、NYダウやナスダック指数が最高値を更新する一方、日経平均株価は2カ月近い調整局面に入っている。春先までの急伸の反動と言えば、その通りだが「結局は、1989年12月につけた旧最高値(3万8915円)を意識する相場が続いている」(アナリスト)との声も出ている。チャート的には3月22日につけた最高値4万888円から4月19日安値までの下げ幅の2分の1戻しが3万8978円。「半値戻しは全値戻し」という格言もあり、上昇基調に拍車がかかるかどうかの大きなポイントに差し掛かっている。  そんななか、来週はいよいよ22日に米半導体大手エヌビディア<NVDA>の決算発表がある。ちょうど3カ月前の2月のエヌビディア決算ではその好内容が評価され、半導体株高のなか、日経平均株価は34年ぶりの最高値更新へ駆け上がったことは記憶に新しい。  東京エレクトロン<8035.T>やアドバンテスト<6857.T>といった半導体関連株が日経平均株価に与える影響は大きい。それだけに、エヌビディアの決算次第で一気に上昇基調を強めることも、逆に再び下落基調となることも起こり得る。来週は「テック相場」入りするか、あるいは三井住友フィナンシャルグループ<8316.T>など銀行株を中心とする「バリュー株相場」の色彩が強まるかの大きな岐路となりそうだ。また、22日には4月30日~5月1日開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録が公表され、米金融政策の行方を探るうえで注目を集めそうだ。  上記以外のスケジュールでは、来週は海外では22日に米4月中古住宅販売件数、23日に同新築住宅販売件数、24日に同耐久財受注が発表される。20日にキーサイト・テクノロジー<KEYS>、22日にシノプシス<SNPS>、アナログ・デバイセズ<ADI>などの決算発表が予定されている。  国内では21日に日銀「金融政策の多角的レビュー」に関する第2回ワークショップが開催される。22日に4月貿易統計、24日に4月消費者物価指数(CPI)が公表される。20日に東京海上ホールディングス<8766.T>やSOMPOホールディングス<8630.T>、MS&ADインシュアランスグループホールディングス<8725.T>の決算発表が予定されている。来週の日経平均株価の予想レンジは3万8400~3万9200円前後。(岡里英幸) 出所:MINKABU PRESS 2024/05/17 17:18 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=Arent、建設業界のDX化進展で一段の飛躍機運  Arent<5254.T>の株価水準の更なる切り上がりに期待したい。同社は建設業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)化を支援するためのコンサルティングやシステム開発・製品販売などを展開。9日に発表した24年6月期第3四半期累計(23年7月~24年3月)の連結決算は、売上高が前年同期比53.5%増の21億8600万円、最終利益が同2.3倍の4億1400万円となり、直近3カ月となる1~3月期の売上高と各利益は四半期ベースで過去最高となった。  人手不足の構造的な問題を抱え、生産性向上の余地がある建設業界において、Arentの課題解決力に対するニーズは拡大の一途にあるとみられ、中期的な事業成長への期待は根強い状況にある。業界大手の複数のサブコン・ゼネコンとのプロダクト開発に関連する売上高も規模が拡大しており、安定的な成長に寄与している。  日足チャート上では5日移動平均線と25日移動平均線が5月に入りゴールデンクロスを達成した。今年3月につけた年初来高値と5月の安値の半値戻しの水準となる5852円近辺を突破すれば、反騰機運を一段と強めそうだ。(碧) 出所:MINKABU PRESS 2024/05/17 10:00 みんかぶニュース コラム 17日の株式相場見通し=反落、欧米株上昇一服で利食い誘発  17日の東京株式市場は主力株をはじめ広範囲に利益確定の売りに押される地合いが想定され、日経平均株価は4日ぶりに反落する公算が大きい。ここ世界的に株式市場ではリスクを取る動きが優勢だったが、足もとでは上昇一服局面となっている。前日の欧州株市場では独DAX、仏CAC40、英FTSE100など主要国の株価指数が総じて軟調だった。また、米国株市場ではNYダウが午前中の取引で初の4万ドル大台乗せを果たしたが、午後の取引では値を消す形となり結局小幅ながらマイナス圏で引けている。ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も狭いレンジでの値動きとなったが、午後は上値の重い展開となりマイナス圏で取引を終えた。米国では4月の消費者物価指数(CPI)の発表を受けて、FRBによる早期利下げ期待が再燃し上値指向を強めたものの、足もとで過熱感も拭えず、この日は利益確定を急ぐ動きが買いの勢いを上回った。ダウは今月に入って2000ドル以上の上昇をみせており、フシ目の4万ドル大台に乗せたことで目先達成感からの売りを誘発した格好だ。欧米株市場が上昇一服となったことで、きょうの東京市場も見送りムードが強まりそうだ。ここ低下基調にあった米長期金利が下げ止まったことから、外国為替市場ではドルが買い戻され円安方向に振れており、これは輸出セクター中心に株価の下支え材料となる可能性はある。日経平均は3万8000円台半ばから後半の水準で売り買いを交錯させそうだ。  16日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比38ドル62セント安の3万9869ドル38セントと3日ぶり反落。ナスダック総合株価指数は同44.069ポイント安の1万6698.321だった。  日程面では、きょうは3カ月物国庫短期証券の入札が予定。海外では4月の中国70都市の新築住宅価格動向、4月の中国工業生産高、4月の中国小売売上高、4月の中国不動産投資、4月の中国固定資産投資、4月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値、4月の米景気先行指標総合指数など。 出所:MINKABU PRESS 2024/05/17 08:00 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=怒涛の世界株高とスタグフレーション  きょう(16日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比534円高の3万8920円と3日続伸。前日の米国株市場ではビッグイベントであった4月の米消費者物価指数(CPI)の伸び率が事前コンセンサスを若干下回ったことを受け、主力株中心にこれが好感されてリスク選好の地合いが演出された。前日の欧州株市場もほぼ全面高で、きょうのアジア株市場も全面高、当然ながらアジアの一員である東京市場もこれについて行く格好となった。  取引時間中は、米長期金利低下を背景に急速に円高に振れる為替市場を横目にしながら伸び悩む場面もあったが、後場終盤に入ると先物主導のインデックス買いで日経平均が押し上げられた。もっともTOPIXの上げは小幅にとどまっており、日経平均が独走した感が強い。何よりも値下がり銘柄数が1000近くに及び値上がり銘柄数を大幅に上回っていることから、一般投資家にとってはあまりリスクオンが実感できない地合いだったはずである。  改めて世界のマーケットを見渡せば強気一色といっても過言ではないような状況だ。欧州株市場では英国に続き、ドイツの主要株価指数であるDAXも最高値を更新したが、直近ではこれに続いてフランスCAC40も最高値街道に突入した。米国では前日にNYダウ、ナスダック総合株価指数、S&P500指数の3指数が揃って最高値を更新。アジア市場では半導体王国の台湾が最高値街道を突き進み、更にオーストラリアが最高値近辺で推移、南米ではアルゼンチンも最高値水準で強調展開を維持している。日本株優位論に沸いた1~3月の喧騒が東京市場にもそろそろ戻って来ていい頃合いだ。  日本株も1月から3月上旬にかけては、日経平均がまさに爆騰モードで7000円あまりの上昇をみせた。2008年のリーマン・ショック後に日経平均は7000円近辺まで売り込まれたが、今年は年初からわずか3カ月で、当時の日経平均の時価総額まるごと全部を創出したような状況となった。ただ、その奇跡の3カ月がもたらした高揚感は、ここ最近はご無沙汰状態といってもよい。ある意味世界の中でもっとも冷めた市場かもしれない。  きょうは為替のドル安・円高が急速に進んだことが邪魔をした面はあるが、それでも後場取引終盤は日経225先物主導の買い戻しが利いて、この日の高値圏で着地した。しかしながら今一つ不完全燃焼、ジグソーパズルで言えば足りないピースが存在する。プライム市場だけを見ていると肌感覚が伴わないが、今のグロース市場に目を向けると荒れ果てた状態にあり、これは今後の不安要因として意識せざるを得ない。きょうはグロース市場指数とグロース250指数はともに年初来安値を更新した。しかも昨年10月の安値も下回っており、投資マネー離散の現状を如実に物語っている。  昨年10月時点で日経平均は3万円台ソコソコの水準だった。グロース市場を炭鉱のカナリアに見立てれば、昨年の秋口にカナリアは確かに鳴き止んでいた。だが、主力銘柄は崩れなかった。日経平均はその後4万円台まで怒涛の上昇波を形成した経緯は周知の通りだ。今回はどうか、仮死状態にあるカナリアが息を吹き返すのかどうか、それとも全体波乱相場の予兆なのか見極めていく必要がある。きょうは東京エレクトロン<8035.T>、アドバンテスト<6857.T>などをはじめ生成AI関連で潤う半導体株が相場を牽引した。しかし、これらは皆グローバルエリアで活躍するゼロワンクラスの銘柄群だ。今朝がた発表された1~3月期の国内総生産(GDP)は2四半期ぶりのマイナス成長となったが、内需のマイナスは4四半期連続だ。個人消費も落ち込みが止まらない。米国経済のスタグレーション懸念が東京株式市場でも警戒されていたが、むしろ足もと警戒すべきは国内のスタグフレーションのようだ。小型の内需株が集積するグロース市場の低迷は、実質賃金上昇など夢物語の「日本企業の99%を占める中小企業」の苦悩を代弁しているようにも見える。  あすのスケジュールでは、国内では特に目立ったイベントはないが、午前中に3カ月物国庫短期証券の入札が予定されている。海外では4月の中国70都市の新築住宅価格動向、4月の中国工業生産高、4月の中国小売売上高、4月の中国不動産投資、4月の中国固定資産投資など中国での重要経済指標発表が集中する。このほか4月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値、4月の米景気先行指標総合指数など。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/05/16 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=エラン、CSセットが順調に拡大  エラン<6099.T>は5月8日、24年12月期第1四半期(1~3月)の連結決算を発表。経常利益は前年同期比6.8%増の10億6500万円となり、上半期計画の17億円に対する進捗率は62%超となった。  介護医療関連事業の主力サービスである「CS(ケア・サポート)セット」をより普及・拡大させるため、全国28カ所の本支店及び営業所から営業活動を施設(病院及び介護老人保健施設など)に対して展開したことが奏功。導入施設数は2360(23年12月期末は2320)、月間利用者数は43万5576人(同42万8503人)に増加した。  株価は5月9日に直近高値1080円をつけたあとは調整色を強めているが、日足チャートでは25日線と75日線が徐々に接近。ゴールデンクロスが実現すれば、出直り機運が高まりそうだ。(参) 出所:MINKABU PRESS 2024/05/16 10:00 みんかぶニュース コラム 16日の株式相場見通し=続伸、欧米株最高値相次ぎリスクオンに  16日の東京株式市場は主力株をはじめ広範囲に買いが広がり、日経平均株価は上値追い指向を強めそうだ。世界的にリスクオンの流れが強まっている。前日の欧州株市場で主要国の株価指数が総じて上昇し、独DAX、仏CAC40、英FTSE100がいずれも史上最高値を更新した。また、米国株市場ではNYダウが続伸し約1カ月半ぶりに最高値をつけ、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も連日で最高値を更新した。米国ではこの日の朝方に発表された4月の米消費者物価指数(CPI)が市場コンセンサスを下回る伸び率となり、インフレに対する過度な懸念が緩和され投資家心理が強気に傾いた。米長期金利が4.3%台まで低下し、株式の相対的な割高感が薄れたことも追い風となっている。半導体関連株も総じて強く、エヌビディア<NVDA>やアドバンストマイクロデバイシズ<AMD>、アプライド・マテリアルズ<AMAT>といった銘柄が大幅高に買われ、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も大幅に水準を切り上げ4連騰と上昇基調を強めた。これを受け相対的に出遅れる東京市場でもリスク選好の地合いが予想され、日経平均は3日続伸し3万8000円台後半に歩を進めそうだ。ただ、日米金利差縮小を背景に外国為替市場では急速にドル安・円高方向に振れており、これが全体相場の上値を押さえる可能性もあり、買い一巡後の動きが注目される。  15日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比349ドル89セント高の3万9908ドル00セントと続伸。ナスダック総合株価指数は同231.210ポイント高の1万6742.390だった。  日程面では、きょうは1~3月期国内総生産(GDP)、3月の鉱工業生産(確報値)など。海外ではフィリピン中銀による政策金利発表、4月の米輸出入物価指数、4月の米鉱工業生産指数・設備稼働率、4月の米住宅着工・許可件数、5月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数など。 出所:MINKABU PRESS 2024/05/16 08:00 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=半導体セクターに復活の兆候  きょう(15日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比29円高の3万8385円と小幅続伸。前日の米株高と円安を好感して朝方こそ大きく買いが先行する場面があったが、寄り後20分弱で天井を形成、それ以降は一貫して下値を切り下げた。値下がり銘柄数が全体の7割を占め実質的には下げ相場だ。米消費者物価指数(CPI)発表前で持ち高を減らしておきたいという思惑が働くのは仕方ない、という解釈が一般的だがそれはおそらく本質とは異なる。本家本元の米国では直前にきてナスダック総合株価指数が史上最高値を更新しており、東京市場が買えない理由を米CPIになすり付けるのは無理がある。  そうしたなか光明は半導体関連株が軒並み息を吹き返したこと。前日の米国株市場で半導体関連株が総じて買われたことが追い風となったが、それだけではなさそうだ。米国とは違って、日本企業の決算発表では今期業績の保守的な見通しが買いの気勢を削いだ。とりわけ半導体関連セクターは決算発表の内容次第で株価が極端に振れるケースが目立つ。したがって総論では“まだ買えない”というコンセンサスが漂っていたのだが、きょうで決算発表ラッシュが終了することもあり、ネガティブな流れが変わりつつある。  来週22日に予定される米画像処理半導体大手エヌビディア<NVDA>の決算が大きな意味を持つ。しかし、既にマーケットは同社の強い業績ガイダンスを先取りしているようなムードもある。市場筋は「台湾の半導体受託生産最大手TSMC<TSM>の4月の月次売上高が過去最高であったこと、更に生成AI関連が需要を喚起しているAIサーバー用半導体は、今後増勢が強まるとの見方が支配的であり、エヌビディアの今回の決算(及び見通し)はかなりポジティブなものになるのではないか」(中堅証券アナリスト)と指摘する。実際の数字的な部分はフタを開けてみないことには分からないが、事前の期待が強すぎると、得てしてその高いハードルに足をとられるケースもありがちだ。だが、エヌビディアの現在の株価は上場来高値圏より低い位置で瀬踏みしている状態にあり、その点では今回の決算発表で出尽くし売りという選択肢を引く可能性は低いように思える。  米国では半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が戻り足を強め、底入れ反転後の上昇一服場面からもう一段上のステージをうかがう場面にある。ちなみにSOX指数のチャートの起伏は構成銘柄の一つでもあるエヌビディアと非常に似ている。代表的な半導体関連株でもSOX指数とは必ずしも値動きは連動しておらず、例えばインテル<INTC>やアドバンストマイクロデバイシズ<AMD>は依然として株価は低位を這っている状況だ。対してエヌビディアやTSMCの株価は復元力の強さが浮き彫りで、そのチャートはそのままSOX指数にオーバーラップしている。  米半導体関連株には跛行色がみられ、これは東京市場でも同じことがいえる。そのなか半導体主力株のなかで同業他社よりも早く調整モードを強いられていたのがアドバンテスト<6857.T>だった。しかし、ここにきて満を持して底入れ足を明示しておりマークしておきたい。同社株は遅かれ早かれ5日・25日移動平均線のゴールデンクロス(GC)がみられそうだが、仮にGC示現の時には今よりだいぶ株価水準は切り上がっている公算が大きい。したがって、時価5000円台前半の水準は打診買いを入れてよいタイミングである。  また、半導体関連で括れるかは微妙だが、英半導体設計アーム<ARM>を傘下に置くソフトバンクグループ<9984.T>の戻り足にも着目。24年3月期は最終赤字継続ながら損失幅は縮小傾向となった。決算内容については評価が分かれるところだが、時間軸的に決算発表通過で怖いものがなくなった。AI分野に経営の重心を置くことを明確に打ち出しており、エヌビディアと同じ路線を走る銘柄として株価連動性を高める可能性がある。  あすのスケジュールでは、朝方取引開始前に1~3月期国内総生産(GDP)が開示される。また、午前中に1年物国庫短期証券及び20年物国債の入札が行われる。午後取引時間中には3月の鉱工業生産(確報値)の発表がある。海外ではフィリピン中銀による政策金利発表のほか、4月の米輸出入物価指数、4月の米鉱工業生産指数・設備稼働率、4月の米住宅着工・許可件数、5月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数など。また、週間の米新規失業保険申請件数も注目される。海外主要企業の決算発表ではアプライド・マテリアルズ<AMAT>、ウォルマート<WMT>(いずれも2~4月期)が予定されている。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/05/15 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=大栄環境、参入障壁が高い施設保有が強み  大栄環境<9336.T>は、業績拡大期待を背景に、3月1日につけた年初来高値2874円更新から更なる上値を目指しそうだ。  同社は、産業・一般廃棄物の収集運搬、中間処理、最終処分をワンストップで提供する国内最大級規模の廃棄物処理業者。特に最終処分場や焼却施設といった参入障壁が高い施設群を有しているのが強みで、24年3月期時点で全国の自治体の約26%となる467自治体と取引がある。  5月13日に発表した24年3月期決算は、営業利益が197億1400万円(前の期比18.6%増)となった。インフラ開発案件に伴う廃棄物処理需要を獲得したことや三木バイオマスファクトリーが昨年10月に本格稼働したこと、更にパートナー企業や自治体との廃プラスチック資源循環システムの構築に注力したことなどにより廃棄物の受入量が拡大。また、内製化によるコスト削減を進めたことも寄与した。  今後も強みである最終処分場や焼却施設といった施設を有することに加えて、M&Aや処理能力の拡張を行うことで高い業績成長が期待できる。また、公民連携(PPP)を通じた取引自治体数の拡大も見込まれる。足もとで老朽化などによる自治体施設トラブルの発生により、一時的な処理受託が増加していることなどもプラスに働こう。会社側では25年3月期営業利益205億円(前期比4.0%増)を見込むが、230億円強を見込む調査機関もある。(仁) 出所:MINKABU PRESS 2024/05/15 10:00 みんかぶニュース コラム 15日の株式相場見通し=続伸、米株高受けリスクオンの地合いに  15日の東京株式市場は主力株中心に買い優勢の地合いが継続し、日経平均株価は続伸する公算が大きい。3万8000円台半ばから後半にかけての強調展開が見込めそうだ。前日の米国株市場では米長期金利が低下基調となるなかリスク選好ムードとなり、ハイテク株や景気敏感株など幅広く買いが広がった。NYダウ、ナスダック総合株価指数ともに取引後半に上げ足を強める展開で、ナスダック指数は終値で4月11日の高値を上回り約1カ月ぶりに史上最高値を更新した。この日の朝方発表された4月の生産者物価指数(PPI)は市場コンセンサスから上振れたものの、3月分が下方修正されたことがポジティブ視された。パウエルFRB議長の金融イベントでの発言では、政策金利は当面現状維持する方針を示したが、これまでと同じく次の政策変更が利上げではなく利下げの可能性が高いとの認識を示したことで、マーケットに特に嫌気されることはなかった。米株高を受けきょうの東京市場でも強気が優勢となりそうだ。米株市場では半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も上昇、外国為替市場では円安水準が維持されていることで、半導体セクターに追い風として意識される。ただ、日本時間今晩に発表される4月の米消費者物価指数(CPI)を控え、買い一巡後は様子見ムードが広がる可能性もある。  14日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比126ドル60セント高の3万9558ドル11セントと反発。ナスダック総合株価指数は同122.942ポイント高の1万6511.180だった。  日程面では、きょうは4月の訪日外国人客数など。海外では1~3月期ユーロ圏域内総生産(GDP)改定値、3月のユーロ圏鉱工業生産指数、5月のNY連銀製造業景況指数、5月の全米住宅建設業協会(NAHB)住宅市場指数、4月の米消費者物価指数(CPI)、4月の米小売売上高、3月の米企業在庫など。なお、香港と韓国市場が休場。 出所:MINKABU PRESS 2024/05/15 07:59 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=米CPI発表前で錯綜する思惑  きょう(14日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比176円高の3万8356円と反発。方向感の定まらない地合いというが、5分足チャートを見ると文字通り往ったり来たりで行き先の見当がつかない酩酊状態を思わせるような値動きとなった。日経平均は朝方にリスク選好で始まったものの買いが続かなかった。案の定、前場後半に下げに転じたが、後場終盤に再び買い板が厚くなり、結局プラス圏に再浮上して後場の高値で引けた。  前場の崩れ足は国内長期金利の上昇を嫌気したというが、10年債利回りは依然として1%未満で外国為替市場はどこ吹く風で1ドル=156円台の円安が進行。“売りの材料不足”で最後は小さいながらも陽線で着地し帳尻を合わせた。しかし、値下がり銘柄数が値上がりを上回るなど見た目より体感温度は低い。3万8000円台半ばで25日移動平均線と75日線のデッドクロスが示現したが、テクニカル的には様子見の時間帯にある。  個別株は全体相場とは別次元で考えておく必要があるのは当欄でも主張してきた通りだが、いかんせん今は半導体関連株に跛行色が目立ち、波に乗れていないのが痛いところ。この日も24年12月期上期(1~6月)の業績予想を増額修正した日本マイクロニクス<6871.T>が大きく売り叩かれたほか、24年12月期第1四半期(1~3月)決算で最終67%増益達成の東京応化工業<4186.T>が大幅安を強いられるなど、決算期待が裏目に出るにせよ、少々合理から外れた首を捻ってしまうような下げに見舞われている。たとえ実態が良い銘柄でも決算跨ぎの株は極力持つべきではないというのは、好決算を発表しても、このように需給先行で過剰に売り込まれるケースがあるからだ。チャートの位置的にもボックス圏で推移し、出尽くしと言われるほど高いポジションにいないのにもかかわらず、容赦ない売りの洗礼が浴びせられる。これは投資マインドを疑心暗鬼に陥らせるに十分なインパクトがある。鉄火場を避け、決算発表後の銘柄の値動きをよく確認しながら、好実態株に照準を絞る方が勝ちやすい。  全般論としては、あす15日に発表が予定される4月米消費者物価指指数(CPI)の結果を見極めないことには、おいそれとは動けないという状況。事前コンセンサスは総合指数で前年同月比3.4%、前月比では0.4%の上昇。また、コア指数は前年同月比3.6%、前月比で0.3%の上昇というところだが、万が一この数字を上振れた場合は、ここ強調展開が続いていた米国株市場は少なからず影響を受けそうだ。  もっともそれを承知で米国株市場は強い動きを続けてきた。前日こそ売りに押され小幅に反落したとはいえ、その前日まで8連騰と上値追いを満喫、この間に1700ドル近く水準を切り上げた。「もし、米CPIが上振れして米国株が崩れた時は買い場と判断している向きが多い」(中堅証券ストラテジスト)という声も聞かれる。なお、これに先立って、日本時間今晩にパウエルFRB議長のオランダ・アムステルダムでの討議参加が予定されている。ECBエリアということもあって、比較的ハト派的な論調でまとめてくるのではないかという見方もあり、CPI発表の緩衝材となる可能性もある。  個別株は決算発表一巡後にテーマ買いの動きが復活しそうだ。あす引け後に開示される4月の訪日外客数を前にインバウンド関連の一角に目を向けておきたい。きょうは好決算発表を受けコメ兵ホールディングス<2780.T>が急騰を演じたが、業態の近いシュッピン<3179.T>もマークしておきたい。また、ホテル事業に力を入れるツカダ・グローバルホールディング<2418.T>の400円台も食指の動く水準で、投資指標面からPERが5倍、PBRも0.8倍と、インバウンド関連のなかでは割安感が際立つ。  あすのスケジュールでは取引時間中に特に目立ったイベントはないが、引け後に4月の投信概況が開示されるほか、4月の訪日外国人客数にマーケットの関心が高い。また、エーザイ<4523.T>、日本郵政<6178.T>、リクルートホールディングス<6098.T>、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>、第一生命ホールディングス<8750.T>などが決算発表を予定している。海外では1~3月期ユーロ圏域内総生産(GDP)改定値、3月のユーロ圏鉱工業生産指数、5月のNY連銀製造業景況指数、5月の全米住宅建設業協会(NAHB)住宅市場指数、4月の米消費者物価指数(CPI)、4月の米小売売上高、3月の米企業在庫など。なお、この日は香港と韓国市場が休場となる。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/05/14 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=ラクトJ、乳製品需要旺盛で上値指向鮮明  ラクト・ジャパン<3139.T>の上値指向が続いており、この流れに乗ってみたい。乳原料やチーズなどの食品原料や食肉加工品などの輸入販売を行う専門商社だが、足もとの業績は変化率の高さが際立つ。  国内事業では輸入乳製品原料や食肉関連商品の販売が好調で収益押し上げに寄与している。また、アジア事業においてもチーズの販売が伸びており全体業績に貢献している。更に製品価格引き上げ効果も利益率向上に反映され、24年11月期第1四半期(23年12月~24年2月)は経常利益が前年同期比50%増の11億1600万円と急拡大した。通期の経常利益は34億円(前期比19%増)を計画しているが、進捗率から上振れする公算がある。  株価は年初来高値近辺に位置するが、時価予想PERは11倍前後と依然として割安感が強く上値余地を示唆。2000円台後半の売り物をこなし、21年4月以来となる3000円大台乗せが視野に入りそうだ。(桂) 出所:MINKABU PRESS 2024/05/14 10:00 みんかぶニュース コラム 14日の株式相場見通し=頑強な値動きか、米ハイテク株堅調で強含み  14日の東京株式市場は売り買い交錯のなか引き続き方向感のつかみにくい地合いとなり、日経平均株価は前日終値近辺で一進一退ながら頑強な値動きが予想される。前日の欧州株市場では高安まちまちもドイツ、フランス、英国など主要国の株価指数は総じて利益確定の売りに押された。また、米国株市場でもNYダウが9日ぶりに反落に転じた。この日の前日まで8日間で1700ドル近い上昇をみせていただけに、その反動が出た形だ。今週15日に発表が予定される4月の米消費者物価指数(CPI)を控え、持ち高調整の売りが上値を押さえた。ただ、ダウの下げ幅は100ドル未満にとどまり、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数の方は反発して引けている。インテル<INTC>やマイクロンテクノロジー<MU>など半導体主力株の一角が強い動きをみせ、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も小幅ながら続伸した。東京市場ではここ日経平均株価の戻り足が鈍く、3万8000円台後半での戻り売り圧力に上値を押さえられる展開が続いている。上値抵抗ラインとなっている25日移動平均線を巡る攻防だが、下値に対しても底堅さが確認されており、きょうは強弱観対立のなかも日経平均は強含みで推移する可能性がありそうだ。  13日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比81ドル33セント安の3万9431ドル51セントと9日ぶり反落。ナスダック総合株価指数は同47.369ポイント高の1万6388.238だった。  日程面では、きょうは4月の企業物価指数、5年物国債の入札、3月の特定サービス産業動態統計、4月の工作機械受注額など。海外では4月の英失業率、5月の欧州経済研究センター(ZEW)独景気予測指数、4月の米生産者物価指数など。 出所:MINKABU PRESS 2024/05/14 08:01 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=日経平均とは裏腹に躍動する個別株  週明け13日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比49円安の3万8179円と小幅反落。どうにもこうにも上値が重く、何が悪いかと聞かれれば株式需給というよりない。日銀による国債買いオペの減額で動揺を余儀なくされ、金融政策スタンスの変更がしきりに悪材料として囃(はや)されるが、冷静に考えればこれまでの流れの延長であり、今に至って大騒ぎするような話ではない。仮に早晩追加利上げに動いても、ゆっくりと階段をのぼって行くような緩やかな引き締め路線が担保されており、元来相場の基礎体力が強ければ、売り玉は容易に吸収される。それができないのは、今の日本株がグロバールマネーのポジション調整における売りグループの方に入っているためだ。  株式需給の実態悪は時間を経過して数字に反映されるまでは明確には把握できない。しかし、テクニカルが今の需給バランスの閉塞感を裏付けており、年初から3月上旬まで強力な下値支持ラインとして機能していた25日移動平均線が、気が付けば上値抵抗ラインに見事に化けている。騙(だま)し絵を見るような“25日線の裏切り”は、図ったかのような75日線とのデッドクロス演出によって投資家の気勢を削いでいる。  前週末の欧州株市場はリスクオン一色で独DAXや英FTSE100はともに6連騰で最高値街道を快走している。そして仏CAC40も6連騰で遂に史上最高値に躍り出た。米国株市場ではNYダウが8連騰で3万9500ドル台を回復し、約1カ月半ぶりとなる最高値復帰まであと300ドル弱に迫っている。アジアでは中国・上海総合指数や香港ハンセン指数が年初来高値圏でなお上値を慕う動きが鮮明だ。逆行する日本株のウィークポイントが何かに思いを巡らしがちだが、日経平均は年初からわずか3カ月で7000円あまりの上昇をみせ、市場関係者の度肝を抜いたわけで、その揺り戻しであると考えるのが妥当。世界株のリスクオンが続くのであれば、遅かれ早かれ日本株にも再び出番は回ってくる。  個別株の物色意欲は旺盛で、決算発表は次期業績ガイダンスが保守的であれば売り叩きのネタになっているのは確かだが、好内容であれば想定以上に評価されて株価を急騰させるケースも相次ぐ。きょうは、値上がり銘柄数と値下がり銘柄数がいずれも800あまりでほぼ同数という状況。そのなか、値上がり上位をみるとストップ高銘柄のオンパレードであった。決算プレーで実際にうまく立ち回るのは難しいが、物色ターゲットとなった銘柄への投資マネーの流れ込み方は半端ではない。  個別は好決算を発表した銘柄の中から有望と思われる株を漸次絞り込んでいく。例えばテーマ買いの動きとしては今一つ盛り上がりを欠いているが、インバウンド関連では今週央の訪日外客数発表を前に700円近辺で煮詰まっているラウンドワン<4680.T>。5日・25日移動平均線のゴールデンクロスが目前だ。また、データセンターや半導体生産工場など半導体設備投資関連ではダイダン<1980.T>の好業績が光る。PER12倍台は成長力を考慮して割安かつ3%台の配当利回りが魅力だ。AI関連では他社と一線を画す抜群の業績成長路線を走るユーザーローカル<3984.T>の戻り足が輝きを放っている。  このほか、マド開け急伸後に売り物をこなし一段の上値指向で新値圏を舞うエーアンドエーマテリアル<5391.T>。目先的には高値警戒感から利益確定の動きを誘発しやすいが、そこにしっかりと買い向かう動きが観測される。8倍台のPER、0.5倍台のPBR、そして4%超の配当利回りと3拍子揃っていることがその理由。またファインケミカル部門で先端半導体材料に傾注している四国化成ホールディングス<4099.T>も24年12月期第1四半期決算は売上高と経常利益が2ケタの伸びで、進捗率を考慮すれば通期上振れ期待十分。化学セクターでは前週9日に24年3月期決算を発表したダイセル<4202.T>や、8日に開示したタキロンシーアイ<4215.T>などが強いチャートを形成している。  あすのスケジュールでは、4月の企業物価指数が朝方取引開始前に開示され、午前中に5年物国債の入札も予定。午後取引時間中には3月の特定サービス産業動態統計、引け後に4月の工作機械受注額が発表される。なお、国内主要企業の決算発表ではINPEX<1605.T>、楽天グループ<4755.T>、ENEOSホールディングス<5020.T>、ソニーグループ<6758.T>、ニトリホールディングス<9843.T>など。海外では4月の英失業率、5月の欧州経済研究センター(ZEW)独景気予測指数、4月の米生産者物価指数などが注目される。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/05/13 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=トクヤマ、高配当利回りで上昇余地  トクヤマ<4043.T>に注目したい。24年3月期の連結営業利益は、前の期比78.8%増の256億3700万円だった。セメントや化学品の値上げや製造コストの削減などが寄与した。25年3月期の同利益は前期比28.7%増の330億円と連続増益の見込み。今期は半導体向け多結晶シリコンの回復が寄与する見通しだ。配当性向30%以上を目指しており、今期配当は前期比20円増の100円を予定している。  業績の増益基調を評価する格好で、足もとの株価は上昇しているが、連結PBRは0.9倍前後で今期予想の配当利回りも3%台と割安感は強い。バリュー株として上値余地は大きく、ここからの一段高が狙える。(地和) 出所:MINKABU PRESS 2024/05/13 10:00 みんかぶニュース コラム 13日の株式相場見通し=強弱観対立、欧米株高も上値重い展開か  13日の東京株式市場は強弱観対立の地合いとなり、日経平均株価は前週末終値近辺でもみ合う展開が想定される。海外市場に目を向けると欧米株市場の上昇基調が継続している。前週末の欧州では独DAXが6連騰で連日の史上最高値圏更新、英国FTSE100も6日続伸し最高値街道を走っている。米国株市場でもNYダウが昨年12月以来となる8日続伸と上値追いが止まらず、3万9500ドル台まで上昇、史上最高値まであと300ドル弱に迫った。マクロでは米長期金利の低下が投資家のセンチメント改善につながっているほか、ミクロ面でも企業業績の好調が改めて好感されている。前週1週間のダウの上げ幅は830ドルあまりに達し、これは昨年12月以来約5カ月ぶりの大きさとなった。前週末はハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数がわずかながらマイナス圏で引けたものの、エヌビディア<NVDA>やマイクロンテクノロジー<MU>など半導体主力株が強い動きをみせ、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は上昇に転じている。これを受けきょうの東京市場はリスク選好の地合いが期待されるところ。ただ、最近は日経平均が欧米株高にキャッチアップできないケースが目立っており、きょうも3万8000円台半ばでは戻り売り圧力の強さが意識され、上値の重い地合いとなる可能性がある。  10日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比125ドル08セント高の3万9512ドル84セントと8日続伸。ナスダック総合株価指数は同5.396ポイント安の1万6340.869だった。  日程面では、きょうは4月のマネーストックが朝方取引開始前に開示される。 出所:MINKABU PRESS 2024/05/13 08:06 みんかぶニュース コラム 来週の株式相場に向けて=米CPIに注目集まるが一進一退継続か  10日の日経平均株価は3日ぶりに反発し、前日比155円高で取引を終えた。一時600円超上昇したが、その後は伸び悩んだ。この日は「先物で買われ、先物で売られた」(市場関係者)といい、やや方向感に欠けた。ゴールデンウイーク明けの今週は4日間の立ち会いだったが、週間では7円安とほぼ横ばいだった。日経平均株価の上値は25日移動平均線(3万8550円前後)に抑えられており、上値の重い展開となっている。  東京市場の上値の重さの要因には、第1には米金融政策への警戒感が挙げられる。また、第2にはトヨタ自動車<7203.T>の25年3月期業績予想が市場予想を下回るなど、業績面への不透明感もあるだろう。  まず米金融政策に関しては、先週の米4月雇用統計などを受け市場には再び利下げ機運が台頭しているが、この期待が続くかどうかだ。特に来週は15日に米4月消費者物価指数(CPI)が発表されるだけに、その結果を市場は注視しそうだ。また、15日には米4月小売売上高も発表されるほか、CPIに先立つ14日には米4月卸売物価指数(PPI)が公表される。加えて、大きな焦点である半導体関連株の動向に関しては16日にアプライド・マテリアルズ<AMAT>の決算発表が予定されており、その結果も関心を集めるだろう。  日本企業の決算では13日のソフトバンクグループ<9984.T>、14日のソニーグループ<6758.T>、15日の三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>などが注目される。決算発表は来週15日には一巡するが、今期業績予想に関しては「会社側からは控え目な数字も出ており、決して悲観的になる必要はないが、その内容を確かめるには夏場の第1四半期(4~6月)決算発表を待つ必要がありそうだ」(アナリスト)との見方もある。日経平均株価の高値をつけたのは3月下旬であり、「小回り3カ月」とすれば、次の転換点は6月下旬頃となる。こうしたなか、当面の相場は一進一退を予想する声も出ている。  上記以外のスケジュールでは、16日に米4月鉱工業生産、同住宅着工件数、17日に中国4月小売売上高などが発表される。15日にシスコ・システムズ、16日にウォルマート<WMT>の決算が予定されている。国内では15日に訪日外客数、16日に1~3月期国内総生産(GDP)が公表される。13日に大成建設<1801.T>、ブリヂストン<5108.T>、14日にSMC<6273.T>、楽天グループ<4755.T>、15日にリクルートホールディングス<6098.T>、エーザイ<4523.T>などの決算発表が予定されている。来週の日経平均株価の予想レンジは3万7800~3万8900円前後。(岡里英幸) 出所:MINKABU PRESS 2024/05/10 17:19 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=インソース、今期最高益・増配見通しで出直り本番へ  インソース<6200.T>はここからの出直りに期待したい。同社は企業研修、公開講座など社会人向け教育サービスの大手。業績は成長トレンドを継続中だが、株価はここ1年以上にわたり調整を続けてきた経緯がある。業務効率化や生産性向上に向けてリスキリング(学び直し)への関心が高まりをみせるなか、同社に吹く追い風は今後ますます強まるだろう。  直近7日に発表した上期(23年10月~24年3月)連結決算は旺盛な需要を捉え、営業利益は前年同期比24%増の24億円だった。今期予想(45億9000万円)に対する進捗は順調だ。前期まで3期連続の営業増益を達成しており、今期も増益で過去最高益を更新する見通しにある。配当も増配基調にあり、今期は前期比2円増の15円を見込む。(イ) 出所:MINKABU PRESS 2024/05/10 10:00 みんかぶニュース コラム 10日の株式相場見通し=反発、欧米株高続き買い戻し誘う  10日の東京株式市場は主力株中心に幅広く買い戻す動きが強まり、日経平均株価は大幅反発し3万8000円台半ばまで水準を切り上げる展開も想定される。前日は欧州株市場で主要国の株価指数が上昇基調を継続し、独DAXや英FTSE100はいずれも5連騰で連日の最高値更新とリスクオンの流れが鮮明。注目された英中銀の金融政策委員会の結果は政策金利を据え置いたものの、ベイリーBOE総裁のコメントなどを受け早晩利下げに動くとの見方が強まった。また、米国株市場でも景気敏感株を中心に物色意欲は旺盛でNYダウは7連騰と気を吐いた。この日に発表された週間の新規失業保険申請件数が事前予想を上回り、労働需給の緩和が意識されるなかFRBによる年内利下げへの期待が全体相場を押し上げる格好となっている。投資マインドが強気に傾くなか、ダウは直近7営業日で1500ドル以上も水準を切り上げた。こうした欧米株市場の強い動きを引き継いで、きょうの東京市場でもリスク選好の地合いが予想される。ただ、米株市場ではエヌビディア<NVDA>やマイクロンテクノロジー<MU>など半導体関連株が冴えず、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は反落となったことで、半導体セクターには風向きが悪く、日経平均の上値を重くする可能性もある。  9日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比331ドル37セント高の3万9387ドル76セントと7日続伸。ナスダック総合株価指数は同43.509ポイント高の1万6346.265だった。  日程面では、きょうは株価指数オプション5月物の特別清算指数(オプションSQ)算出日。このほか、3月の家計調査、3月の国際収支、4月の貸出・預金動向、4月の景気ウォッチャー調査など。海外では5月の米消費者態度指数(ミシガン大学調査・速報値)、4月の米財政収支など。 出所:MINKABU PRESS 2024/05/10 08:00 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=世界を俯瞰しながら日本株を考える  きょう(9日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比128円安の3万8073円と続落。大型連休明けとなった今週は上下に激しく揺さぶられたが、結局のところは材料不在、週末のオプションSQ算出をにらんだ先物を絡めた仕掛け、というのが実体のようだ。きょうは後半に売り込まれたものの、TOPIXはしっかりプラス圏で着地し値上がり銘柄数が全体の65%を占めた。後場の崩れ足を過度に悲観すると間違える可能性がある。  市場関係者の声を聞いても強気と弱気が入り乱れている状況で、しかもいずれも決定的な根拠に乏しい。それだけ先が見えにくい相場環境といえる。ひとつ確かなことは、年初からの急騰を目の当たりに一時は「新NISA特需」を囃し今後も下値を切り上げる相場が続くというイメージがあったが、これは修正を余儀なくされたということ。一本調子とはいかないまでも「とりあえず4万円台固め」を経て、次のステージつまり年内5万円大台を目指すというシナリオは希薄化した。ネット証券大手の話では、4月に入ってからNISAの口座数が今年に入って初めて減少に転じたという。決して悪い意味で言うのではなく、“夢から醒めた”というのが現在地なのかもしれない。実際問題、今は近くて遠い4万円大台ラインをいつ、どういう形で跨いで行くのか、ということが現実的な関心事となっている。  世界を俯瞰すれば相場は決して弱くはない。欧州株式市場ではここまで英国FTSE100が最高値街道を邁進中だったが、直近は独DAXも遂に史上最高値圏に回帰した。年内の利下げ有るや無しやで一喜一憂する米国株市場とは異なり、欧州市場はECBが6月利下げに動く可能性がかなり高いとみられており、流動性相場復活への期待が募る。  一方、アジア市場に目を向ければ、不動産バブル崩壊でリスキーな経済環境が喧伝されていた中国・上海株の戻り足が鮮明だ。香港ハンセン指数もこれに歩調を合わせてにわかに上値指向に弾みがついている。ついこの間まで中国からの投資資金退避(流出)の観測がメディアを賑わしていた。少々の景気指標の改善で、潮の流れが劇的に変わるとも思えないが、もしそれが根拠であるとしたなら、中国株凋落のシナリオを底値圏で喧伝したメディアの先見性のなさは罪深いものとなる。  個別株は決算発表が佳境を迎えつつある。社数的にはあす10日をピークに来週半ばまでに集中的に開示され、15日でほぼ終了形となる。決算跨ぎで株を保有するのはなるべく避けた方が無難だが、好決算を発表した銘柄の中から日柄とチャートを吟味して改めて投資対象を選別していくというのは有効な作戦である。好実態株はそれが表面化した時に過剰に買われる傾向があるが、それが一巡した後に調整を入れても大半は下値切り上げ波動を維持しているケースが多く、いわば「買いの目印」がついたような状態となる。  例えば、工業炉トップの中外炉工業<1964.T>の業績は好調を極めており、4月末に発表した25年3月期の営業利益は前期比74%増益予想で、配当も前期実績から20円増配となる100円を見込む。PER・PBRともに割安感があり、7日に3545円の高値をつけた後に調整を入れているが、そろそろ狙い場が近づいているように見える。全固体電池関連としてのテーマ性も内包しておりチェックしておきたい。また、九州電との関係密接で存在感を示す正興電機製作所<6653.T>も好チャート。24年12月期は大幅増収増益で売上高・経常利益ともに過去最高を更新する見通しだが、株価面では最高値が21年2月の2615円で時価とかなりのギャップがある。このほか、好決算発表組で押し目買い妙味のある銘柄としては、航空機などのオペレーティング・リースを手掛けるジャパンインベストメントアドバイザー<7172.T>や中古車クレジットや自動車保証などを主力展開するプレミアグループ<7199.T>。また、SNSでの炎上対応などネットセキュリティービジネスを展開するエルテス<3967.T>の底値離脱を先取りする作戦も面白そうだ。  あすは、株価指数オプション5月物の特別清算指数(オプションSQ)算出日。このほか、3月の家計調査、3月の国際収支、4月の貸出・預金動向などが朝方取引開始前に開示されるほか、午前中に3カ月物国庫短期証券の入札、30年物国債の入札が予定されている。午後取引時間中には4月の景気ウォッチャー調査が開示される。海外では5月の米消費者態度指数(ミシガン大学調査・速報値)、4月の米財政収支など。インドネシア市場は休場となる。国内主要企業の決算発表では、資生堂<4911.T>、オリンパス<7733.T>、東京エレクトロン<8035.T>、三井不動産<8801.T>、NTT<9432.T>などが予定されている。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/05/09 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=ガイシ、DS事業が今期業績を牽引  日本ガイシ<5333.T>は4月26日、25年3月期通期の連結業績予想を公表。経常利益は前期比12.6%増の710億円を見込み、年間配当は前期比10円増配の60円を計画している。  自動車関連は前期並みとなりそうだが、デジタルソサエティ(DS)事業が好業績を牽引する見通し。具体的には半導体製造装置用製品が半導体需給バランスの改善に伴って徐々に需要が回復するとみられるほか、電子デバイスではハードディスクドライブ(HDD)用圧電素子や水晶向けセラミックパッケージの在庫調整が進んでいることから今後の巻き返しが期待される。  株価は4月26日に年初来高値2188円をつけたあと一服商状となっているが、日足チャートでは25日線や75日線が上昇基調を維持。PERやPBRといった指標面に割高感はなく、押し目は積極的に狙ってみたい。(参) 出所:MINKABU PRESS 2024/05/09 10:00 みんかぶニュース コラム 9日の株式相場見通し=買い優勢か、欧州株高と強調続くNYダウに追随  9日の東京株式市場は強弱観対立のなかも押し目買いの動きが勝り、日経平均株価は反発する可能性が高そうだ。前日の欧州株市場は高安まちまちも独、仏、英など主要国の株価指数は総じて頑強な値動きを継続しており、独DAXと英FTSE100は揃って史上最高値を更新した。米国株市場でもNYダウが6日続伸と上値指向を継続し、3万9000ドル大台を約1カ月ぶりに回復した。FRBによる年内利下げ実施の思惑が再燃しており、これを拠りどころとした株式の相対的な割高感の後退が、投資家のセンチメントを強気に傾けている。この日はFRB高官がインフレ目標の達成には想定していたよりも時間を要するとの見解を示したが、これを特に嫌気する動きは見られなかった。ただ、景気敏感株やディフェンシブストックは買われたものの、米長期金利が強含みで推移したこともあってハイテク株は冴えない値動きをみせるものも目立ち、ナスダック総合株価指数は小幅ながら続落している。東京市場では前日に日経平均株価が先物主導で売り込まれ630円あまりの急落をみせたが、きょうは欧米株市場が強い動きをみせたことで安心感が広がり押し目買いを誘導しそうだ。足もと外国為替市場では円安方向に振れており、輸出セクターには追い風となりやすい。一方、英半導体設計のアーム<ARM>が決算発表後に時間外で大きく株価を下げており、これは半導体関連には逆風で全体指数の上値を押さえる可能性もある。  8日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比172ドル13セント高の3万9056ドル39セントと6日続伸。ナスダック総合株価指数は同29.799ポイント安の1万6302.756だった。  日程面では、きょうは3月の毎月勤労統計、4月上中旬の貿易統計、日銀金融政策決定会合の主な意見(4月25~26日開催分)、4月のオフィス空室率、3月の景気動向指数速報値など。海外では4月の中国貿易統計、1~3月期フィリピンGDP、マレーシア中銀、ポーランド中銀、メキシコ中銀などが政策金利を発表、イングランド銀行(英中銀)の金融政策委員会の結果発表と議事録開示など。 出所:MINKABU PRESS 2024/05/09 08:00 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=再びの上昇気流「AI関連株」リベンジ  きょう(8日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比632円安の3万8202円と急反落。大型連休明けに広範囲に買い戻されヤレヤレ感が漂ったのも束の間、きょうは前日の上げ幅を帳消しにする大幅安に見舞われ、今の相場の不安定さが浮き彫りとなった。何よりも米長期金利が低下しているのに、外国為替市場ではドル買い・円売り圧力が強まり、今度は円安に振れているにもかかわらず、株式市場ではハイテク株が売り一色となるなど、セオリー無視の流れに警鐘を鳴らす市場関係者もいる。為替も株も狂った計器を想起させる相場つきで、何やら風雲急を告げているように見えなくもない。  きょうは午後1時55分のトヨタ自動車<7203.T>の決算発表にマーケットの視線が集中した。端的に言えばポイントは25年3月期業績のガイダンスだったが、案の定というべきか市場コンセンサスから大幅に下振れた。しかし、保守的な予想は半ば想定されたことで、想定為替が実勢よりかなり厳しめの設定であり、これは業績上振れ要因として作用する。もう一つのカギは株主還元だったが、こちらは期待にたがわず最大1兆円の自社株買いを発表。もし全体相場が凪状態ならばトヨタの株価は大幅高していた可能性がある。結局は地合い悪に流され小安く引けたものの、決算イベント自体は勝ち名乗りを上げたに等しい。  足もと油断のならない相場だが、決算発表期を通過すればテーマ買いの動きが再燃する可能性を念頭に置いておきたい。投資テーマとしては、やはりデータセンターの増設需要の源泉ともなっている生成AI周辺から目が離せない。もはやAIは“諸刃の剣”であることが世界的に強く認知されており、日本でも岸田政権がAI開発の国内外の大規模事業者を対象に法規制を検討する方向にあることが伝わっている。今月中に開く政府の「AI戦略会議」で、法規制導入や想定される具体策について議論する方向という。これは、それだけAIが持つ両刃の不都合な側の切れ味に人類は身構えるよりなくなった状況を意味し、逆に言えば色褪せることがないテーマ性を担保していることになる。  決算発表イベントに邪魔されない銘柄の中からAI関連の有力株を探してみると、例えば圧倒的に不足するAI/DX人材の育成で実力を発揮し、加速度的に売上高を拡大させるアイデミー<5577.T>のリベンジ相場に期待。株価は大底圏で売り物を枯らし動き出せば足は軽そうだ。また、AI技術を駆使してソリューション開発及び運用を手掛けるpluszero<5132.T>もマークしておきたい銘柄。こちらもトップラインの伸びが著しく、25年10月期以降は利益面でも飛躍期突入の可能性がある。株価は2200~2300円(分割後株価)のゾーンで売り物をこなし再浮上の機をうかがう。  このほか、クラウド導入支援ビジネスを展開し大企業との取引実績も豊富なテラスカイ<3915.T>も要マークだ。25年2月期営業利益は前期比73%増の9億500万円予想と目を見張る伸びで一気に過去最高を更新する見通し。NTTデータグループ<9613.T>との資本・業務提携で業容拡大の道筋が見え、グッと輝きを増している。同社はセールスフォース<CRM>の顧客を対象に生成AIによって社内情報を検索し情報漏洩リスクも少ない「ミトコAI」で需要を開拓している。  これ以外では株価が既に動兆著しいが、生体認証・画像解析・マシンラーニング技術を活用したオンライン認証ソリューションを展開するELEMENTS<5246.T>に着目。また、医薬、法務、財務など専門性の高い分野でAIを活用した自動翻訳サービスを手掛けるメタリアル<6182.T>などもソーサーボトム形成から立ち上がりの初動にあり、チェックしておいて損はない。番外として、来週15日に24年12月期第1四半期決算発表を控えている銘柄だが、にわかにチャートに生気が戻ってきたAVILEN<5591.T>を挙げておきたい。前出のアイデミーと同業で、時流に乗るビジネスモデルが中期的な上値の可能性を示す。  あすのスケジュールでは、3月の毎月勤労統計、4月上中旬の貿易統計、日銀金融政策決定会合の主な意見(4月25~26日開催分)、4月のオフィス空室率、3月の景気動向指数速報値などが発表される。海外では4月の中国貿易統計、1~3月期フィリピンGDPのほか、マレーシア中銀、インドネシア中銀、ポーランド中銀、メキシコ中銀などが政策金利を発表。また、イングランド銀行(英中銀)が金融政策委員会の結果と議事録を開示する。米国では週間の新規失業保険申請件数が注目され、米30年債の入札も行われる。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/05/08 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=JINSHD、会社の修正計画は保守的  ジンズホールディングス<3046.T>は、上期決算と同時に24年8月期通期の最終利益予想を下方修正し、これを受けて株価は大きく下落したが、修正計画は保守的との見方が強い。今後、国内売り上げの回復基調確認で株価も反転攻勢が期待でき、時価水準は下値買いの好機だろう。  同社は「JINS」ブランドを展開するアイウェア(眼鏡)製造・販売会社。4月12日に発表した第2四半期累計(23年9月~24年2月)連結決算は、中国事業の苦戦から売上高は従来予想の385億円を下回る380億1800万円(前年同期比10.0%増)を計上。一方で主に国内アイウェア事業で広告宣伝費や業務委託費を抑制した効果により、営業利益は18億4000万円の計画に対して25億6300万円(同69.9%増)となった。  上期決算の発表にあわせて同社では、国内で店舗従業員の待遇改善による人件費増加などを理由に通期最終利益予想を31億円から29億円(前期比64.6%増)へ引き下げた。ただ、販促や接客の強化により有料オプションレンズの装着率が上がり、眼鏡一式単価が上昇していることや、下期の既存店売上高前提4.6%増に対して4月は5.5%増と想定を上回っていることなどを考慮すると計画上振れの可能性は十分で、会社計画の通期営業利益予想55億円(前期比13.5%増)に対して、65億円を見込む調査機関もある。上方修正期待が高まれば、株価の見直しも進みそうだ。(仁) 出所:MINKABU PRESS 2024/05/08 10:00 みんかぶニュース コラム 8日の株式相場見通し=売り優勢、米株上昇一服受け利食い誘発  8日の東京株式市場は強弱観対立のなかもやや売り優勢の地合いとなり、日経平均株価は下値を探る動きとなりそうだ。前日の米国株市場ではNYダウが5日続伸も小幅の上昇にとどまり、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数はわずかながら4日ぶりに反落して引けた。前週から急速に戻り足をみせていた米株市場だが、足もと上昇一服感をみせている。週明けのマーケットはFRBによる早期利下げ期待が再燃していることを背景に下値抵抗力を発揮したものの、目先高値警戒感から利益確定を急ぐ動きが上値を押さえ、主要株価指数は揃って狭いゾーンでもみ合う展開となった。決算発表を受けてウォルト・ディズニー<DIS>が9.5%安と急落したことが市場センチメントを冷やす要因となっている。東京市場では大型連休明けとなった前日に、日経平均株価が先物主導で急伸をみせ、3万8800円台まで一気に水準を切り上げたが、きょうは米株市場が様子見ムードとなったことを受け、一段と上値を買い進む動きは見込みにくい。取引時間中はここ乱高下している外国為替市場の動向に左右される場面も想定される。個別にはトヨタ自動車<7203.T>の決算発表に投資家の視線が向いやすく、投資マインドにも影響を与えそうだ。  7日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比31ドル99セント高の3万8884ドル26セントと5日続伸。ナスダック総合株価指数は同16.690ポイント安の1万6332.555だった。  日程面では、きょうは10年物国債の入札、4月の輸入車販売、4月の車名別新車販売、4月の軽自動車販売など。海外ではスウェーデン中銀、ブラジル中銀などが政策金利を発表。このほか3月の米卸売在庫・売上高、米10年国債の入札など。 出所:MINKABU PRESS 2024/05/08 08:01 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=「データセンター関連」5月再噴火の兆候  4連休明けとなった7日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比599円高の3万8835円と急反発。5月といえば「セル・イン・メイ」の格言もあり、大型連休明けの相場に警戒ムードは確かにあった。実際、4月下旬には為替市場で1ドル=160円台に乗せる急激な円安を不穏視する向きもあったが、当局の円買い介入で歯止めがかかった。その後は荒い値動きながら152~155円のゾーンの往来となっており、この水準の上下動なら株式市場に与える影響として少なくともネガティブには作用していない。  24年3月期の企業業績はここまで総じて好調なものが目立っている。その反動で25年3月期は慎重な数字を出す企業が多いのは、日本の企業文化的な要素を理解したうえで悲観的に見る必要はない。ここからドル安・円高が加速するような場面があれば、それは株式に投資する側も仕切り直す必要があるが、1ドル=150円台前半のゾーンはいわばゴルディロックス的な心地良さがあり、リスクオンの側に針が振れやすい状況といえる。  また東京市場が休場の間、前週末に発表された4月の米雇用統計の結果もショート筋にはボディーブローのように利いている。米国でのインフレ警戒感は根強く、年内は利下げなしという見方がマーケットを揺るがしたが、それを大方織り込みつつあったところで、今度は事前想定を下回る雇用者数の増加や賃金の伸びが明らかとなった。これにハト派的姿勢を印象づけるパウエルFRB議長のイメージが重なり9月利下げ期待が再燃、しかも年内2回の利下げシナリオがメインストリートに躍り出て、ショートを積み上げていた向きが慌てて買い戻すという流れとなった。これから先もFRBの金融政策に対するコンセンサスは二転三転することが予想されるが、一瞬にして利下げの有る無しが入れ替わるほど地に足がついていない代物であることを認識し、これに振り回されないようにすべき。いみじくもそれを今回の米雇用統計が教えてくれた。  個別株は決算発表のピーク突入を目前になかなか手を出しにくい場面にある。決算跨ぎの銘柄を確信犯で狙うのであれば、それはそれで否定できないが、決算発表はいわゆるノイズであって、銘柄観に自信があればこそノイズに晒されるタイミングに敢えて買いを入れる必然性には乏しい。過去10年を振り返って、日経平均の月足で5月は高かったケースが8回つまり8勝2敗で、6月も6勝4敗であるから、「セル・イン・メイ」はアノマリー的に信憑性がそれほど高くはないことが分かる。ただ、5月の決算発表を跨ぐ前にいったんキャッシュポジションを高めておくのは、投資する側の知恵として有効性が高い。  日経先物主導の上昇は個別株の物色意欲とは合致しないが、きょうの地合いについて言えばテーマ買い復活の兆候も見られる。日経平均寄与度の高い半導体関連株への買い戻しとは別に、4月10日の当欄でも取り上げた「データセンター関連株」が繚乱のごとく返り咲きの様相をみせた。米アップル<AAPL>がデータセンター向けに独自のAI用半導体開発に取り組んでいると米ウォール・ストリート・ジャーナルが報じたことが導火線となったもようだが、株価的に休養十分のさくらインターネット<3778.T>が急動意、決算発表を通過したブロードバンドタワー<3776.T>はストップ高に買われる人気となった。本来であればさくらケーシーエス<4761.T>なども大立ち回りをみせておかしくないが、来週13日に決算発表を控えているだけに、買い方も腰が引ける。もっとも、決算発表期を通過した5月後半相場でデータセンター関連株は改めて要マークとなる公算は大きい。  このほか、決算発表済みの銘柄の中からチェックしておきたい銘柄を挙げると独立系ソフトウェア会社のアイ・エス・ビー<9702.T>はPER10倍で配当利回り3.2%台。バリュー株ではPBR0.4倍台の日本鋳鉄管<5612.T>も意外性を内包している。  あすのスケジュールでは、10年物国債の入札が午前中に行われるほか、4月の輸入車販売、4月の車名別新車販売、4月の軽自動車販売などが発表される。海外ではスウェーデン中銀、ブラジル中銀などが政策金利を発表。また、米国では3月の卸売在庫・売上高が開示され、米10年国債の入札も行われる。国内主要企業の決算発表ではトヨタ自動車<7203.T>、三菱重工業<7011.T>、ローム<6963.T>、伊藤忠商事<8001.T>、日本郵船<9101.T>などが予定されている。海外ではアーム・ホールディングス<ARM>の決算に市場の関心が高い。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/05/07 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=良品計画、今期最終5割増益で押し目買い妙味  良品計画<7453.T>に妙味がある。25日移動平均線とほぼ同水準まで調整を入れた時価近辺は押し目買いのタイミングと判断したい。「無印良品」で抜群の認知度を誇るが、24年8月期業績はスキンケア製品や生活雑貨が牽引役を担い、商品値上げ効果も反映され極めて好調だ。売上高が前期比10%増の6400億円と過去最高を更新予想、最終利益も同50%増の330億円予想と急拡大し、ピーク利益に肉薄する見込み。  同社は海外売上比率が4割を占めるが、中国や東南アジアでの積極的な店舗展開が功を奏し業容拡大が続いている。また、足もと外国為替市場で円高傾向にあることも、海外生産比率の高い同社にとってはプラス要因となる。年間配当は40円配を続けており、配当利回りにして1.6%前後と高くはないが、株主に「無印良品」の割引が適用される優待カードをもれなく贈呈(年2回)していることはポイントとなる。株価は4月15日につけた年初来高値2599円を通過点に3000円大台を目指す強調展開が期待される。(桂) 出所:MINKABU PRESS 2024/05/07 10:00 みんかぶニュース コラム 7日の株式相場見通し=大幅反発、米株高受け投資家心理改善  7日の東京株式市場は主力株中心に広範囲に買いが広がり、日経平均株価は大幅反発し3万8000円台後半に水準を切り上げる展開が想定される。きょうは大型連休明けとなるが、この間に欧米株市場が上値指向を強め、とりわけ米国株市場ではハイテク株をはじめ買いに弾みがつき、NYダウは前日まで4日続伸し合計1000ドル以上の上昇、ナスダック総合株価指数も3日続伸で合計740ポイントあまりの急伸をみせた。前週末発表された4月の米雇用統計は非農業部門の雇用者数の増加幅や賃金の伸びが事前の予想を下回り、FRBによるタカ派的政策への過度な警戒感が和らいだ。米長期金利が低下基調を強めるなか、株式の相対的な割高感が緩和され、景気敏感株やグロース(成長)株などに物色の矛先が向いている。週明けには取引時間中にイスラム組織ハマスがイスラエルとの休戦を受け入れると伝わったことも、原油先物価格の下落とともに投資家心理を強気に傾ける背景となった。外国為替市場では荒い値動きとなっているが、急速に円高に振れた後はドルが買い戻され円安方向に押し戻されており、輸出セクターへのマイナス影響も限られそうだ。国内企業の決算発表もここまで総じて好調で、好業績銘柄を中心に全体相場を押し上げる地合いが想定される。  6日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比176ドル59セント高の3万8852ドル27セントと4日続伸。ナスダック総合株価指数は同192.917ポイント高の1万6349.245だった。  日程面では、きょうは5月の日銀当座預金増減要因など。海外では豪中銀の政策金利発表、3月のユーロ圏小売売上高、3月の米消費者信用残高など。 出所:MINKABU PRESS 2024/05/07 08:00 みんかぶニュース コラム 来週の株式相場に向けて=日本企業決算の佳境入りで反発狙えるか  2日の東京市場は、日経平均株価が一時300円を超す下落となる場面もあったが、売り一巡後は値を戻し、結局前日比37円安で引けた。市場の関心を集めた米連邦公開市場委員会(FOMC)は、政策金利は予想通り据え置きだった。注目のパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見では、追加利上げに関して「可能性が高いとは思わない」と発言。懸念されたタカ派姿勢はみられず、1日のNYダウは87ドル高で取引を終えた。  むしろ、2日の東京市場に対して直接的な影響が大きかったのはAMD<AMD>の急落などで米半導体株が下落したことだった。しかし、東京エレクトロン<8035.T>やレーザーテック<6920.T>も朝安後はプラス圏に切り返した。このため、株式市場は大きな波乱はなく、話題は為替介入の観測が強まるなか急激な円高に振れた為替市場に集中した。とはいえ「米インフレ懸念は依然として根強く警戒は怠れない」(市場関係者)との見方は強く、6月11~12日の次回FOMCに向けて要注意の姿勢は続きそうだ。  東京市場は明日からゴールデンウイーク後半の4連休に突入するが、明日3日には米4月雇用統計が発表される。また、5月月内では15日の米4月消費者物価指数(CPI)などが注目されそうだ。また、経済指標以外では22日のエヌビディア<NVDA>決算を視野に半導体関連株は神経質な値動きが続く展開も予想される。  そんななか、来週は日本では決算発表が佳境を迎え、週末10日には700社前後が予定されている。なかでも、8日にはトヨタ自動車<7203.T>が場中に決算発表を行うほか、9日には日本製鉄<5401.T>、10日には東エレクといった主力銘柄の発表が予定されている。24年3月期の業績に関しては業績の上振れが目立つとも伝わっているが、25年3月期見通しに対して市場がどんな反応を示すかが焦点となる。  上記以外のスケジュールでは、海外では9日に中国4月貿易収支、10日に米5月ミシガン大学消費者マインド指数が発表される。7日にウォルト・ディズニー<DIS>、8日にアームホールディングス<ARM>の決算発表がある。国内では、9日に4月開催分の日銀金融政策決定会合の「主な意見」、10日に4月景気ウォッチャー調査が公表される。決算発表では7日に任天堂<7974.T>、JFEホールディングス<5411.T>、川崎汽船<9107.T>、8日に伊藤忠商事<8001.T>、三菱重工業<7011.T>、オムロン<6645.T>、9日にパナソニック ホールディングス<6752.T>、日産自動車<7201.T>、住友金属鉱山<5713.T>、10日に三井不動産<8801.T>、ホンダ<7267.T>、アシックス<7936.T>などが予定されている。来週の日経平均株価の予想レンジは3万7600~3万8600円前後。(岡里英幸) 出所:MINKABU PRESS 2024/05/02 17:21 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=note、コストマネジメント強化で赤字幅は縮小傾向  note<5243.T>は、クリエイターがユーザーとコミュニケーションをとりながらデジタルコンテンツを創作・公開・販売できるプラットフォーム「note」を運営。また、法人向け情報発信SaaS「note pro」なども展開している。  4月10日に発表した24年11月期第1四半期の連結決算は、主力の「note」事業が堅調だったことから売上高は8億400万円(今期から連結決算に移行したため前年同期との比較なし)で着地。営業損益は700万円の赤字となったが、コストマネジメントの強化で前期の第3四半期(5300万円の赤字)及び第4四半期(1600万円の赤字)から改善している。  株価は4月11日に年初来安値495円をつけ、その後は持ち直す動き。日足チャートでは25日移動平均線と75日移動平均線とのゴールデンクロスが目前で、戻りを試す展開に期待したい。(参) 出所:MINKABU PRESS 2024/05/02 10:00 みんかぶニュース コラム 2日の株式相場見通し=続落、急速な円高受けリスクオフの地合いに  2日の東京株式市場はハイテク株中心に売りに押される展開が予想され、日経平均株価は続落する公算が大きい。前日の米国株市場では主要株価指数が高安まちまちの展開となり、NYダウは小幅反発したものの、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は取引終了間際にマイナス圏に沈み小安く引けている。いずれも取引終盤に急激な上下動をみせた。注目されたFOMCでは事前の予想通り6会合連続の政策金利据え置きを決めたほか、これと合わせて量的引き締め(QT)の減速方針も決定した。会合後のパウエルFRB議長の記者会見では、インフレの沈静化には時間がかかるとの認識を示し早期利下げの可能性を否定する一方、「次の政策金利の変更が利上げになる可能性は低い」と発言し、マーケットには安心感が広がった。NYダウは一時500ドルを超える急騰をみせたが、その後は急速に値を消すなど荒れた値動きをみせている。一方、外国為替市場ではドル売り・円買いの動きが加速、一時1ドル=153円台前半まで円高に振れる波乱含みの展開に。きょうの東京市場ではこの円高が警戒材料となり、ハイテク株など輸出セクター中心に売り優勢の地合いを強いられる可能性が高い。日経平均は為替の動向を横にらみに不安定な値動きを強いられ、3万8000円台を割り込む場面もありそうだ。  1日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比87ドル37セント高の3万7903ドル29セントと反発。ナスダック総合株価指数は同52.341ポイント安の1万5605.481だった。  日程面では、きょうは日銀金融政策決定会合の議事要旨(3月18~19日開催分)、4月のマネタリーベース、4月の消費動向調査など。海外では3月の米貿易収支、3月の米製造業受注など。中国市場は休場。 出所:MINKABU PRESS 2024/05/02 08:00

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