みんかぶニュース コラムニュース一覧
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=TWOST、ITエンジニア需要追い風に成長軌道は不変
TWOSTONE&Sons<7352.T>はテクニカル分析の観点で売られすぎの域にあり、業況を踏まえると押し目買いの好機にみえる。同社はITエンジニアと企業のマッチングサービスを中心に事業を展開。25年8月期第1四半期(9~11月)の売上高は前年同期比28.5%増の41億3700万円、営業利益は同4.9倍の2億8900万円、最終利益は同6.8倍の1億9100万円と高成長を果たしている。更に、営業利益の通期計画に対する進捗率は約47%と、利益予想の上振れの可能性を意識させる水準にある。
産業界において生産性の向上を目的としたDX化やAIの導入などが加速している。こうした潮流のなかでITエンジニアの需要は高い状態が続いており、同社の事業の展望自体は良好といえるだろう。株価は2月12日に戻り高値1405円をつけた後は調整色を強めており、25日移動平均線との下方カイ離率は足もとで10%を超える。日足の一目均衡表の雲領域にも近づいており、下値抵抗力を発揮できるか注視される。(碧)
出所:MINKABU PRESS
2025/03/14 10:00
みんかぶニュース コラム
14日の株式相場見通し=下値模索、米株大幅安受け買い手控えムード
14日の東京株式市場は売り優勢の展開で日経平均株価は下値を試す動きを余儀なくされそうだ。前日は朝方に500円あまりの急伸をみせたあと値を消すなど不安定な動きとなったが、投資家の不安心理を煽る荒れた地合いは続きそうだ。前日の欧州株市場では高安まちまちながら、ドイツの主要株価指数であるDAXやフランスのCAC40は反落した。トランプ米政権が打ち出す関税政策による悪影響を警戒し、景気敏感株など幅広い銘柄に売りがかさんでいる。米国株市場でも関税を巡る不透明感が強まるなか、リスク回避ムードが強く、NYダウは大幅安で4日続落し、昨年9月以来約半年ぶりの安値圏に沈んでいる。トランプ米大統領は自身のSNSで、EUによる米国産ウイスキーへの50%関税が撤廃されなければ、EUのアルコール類に200%の関税を課す方針を示すなど貿易戦争の様相が激化しており、これを嫌気する動きとなっている。また、つなぎ予算の期限が14日の夜に迫るなか、政府機関が一部閉鎖する可能性も警戒された。朝方発表されたインフレ関連指標である2月の米卸売物価指数(PPI)は前月比横ばいで、こちらは事前予想を下回った。しかし、最近の関税引き上げによる影響が今後に反映されるケースも懸念されるなか、これを好感する動きは限られた。東京市場では米国株市場でNYダウ、ナスダック総合株価指数いずれも大きく下げたことを受け、市場センチメントが悪化し軟調な地合いが想定される。3万6000円台前半では押し目買いニーズも観測されるが、メジャーSQ通過後に改めて先物主導で売り直される可能性もある。
13日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比537ドル36セント安の4万813ドル57セントと4日続落。ナスダック総合株価指数は同345.436ポイント安の1万7303.014だった。
日程面では、きょうは株価指数先物・オプション3月物の特別清算指数(メジャーSQ)算出日にあたる。また、3カ月物国庫短期証券の入札が行われる。海外では米国でつなぎ予算の期限、3月の米消費者態度指数(ミシガン大学調査・速報値)など。なお、インド市場は休場。
出所:MINKABU PRESS
2025/03/14 08:01
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=難局でも勝負できる逆張り銘柄を探す
きょう(13日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比29円安の3万6790円と小反落。何とも読みにくい相場展開が続いている。前日の米国株市場でハイテク株比率の高いナスダック指数が200ポイントを超える上昇をみせ、エヌビディア<NVDA>をはじめ半導体関連などへの買い戻しが顕著となった。これを引き継ぎ東京市場でも朝方はリスクオンに傾いた。日経平均は一時500円超の上昇をみせたのだが、開始後30分弱でこの日の天井をつけたのは想定外。それ以降は、一転して漸次下値を切り下げる展開に変わった。午後は植田日銀総裁の参院財政金融委員会での早期利上げを匂わす発言を受け、為替相場が円高方向に振れ、投資マネーの気勢を削いだ。
もっとも、植田総裁を責めるのはお門違いで、今の相場は日米欧を問わず基本的にトランプ米大統領の一挙一動で目まぐるしく景色が変わる。トランプならぬ関税カードバトルだ。アメリカ・ファーストとはいっても、関税を振りかざす手法は相手のいることであり、そう簡単ではない。トランプ流の北風政策はその弊害も天秤にかけたうえで、おそらく確信犯で進めていると思われるが、このままでは氷山に突っ込む。実際はその前に経済の近未来を映す株式市場がトランプ氏に「ノー」を突きつけることになるはずである。逆に言えば今のNYダウやナスダック指数の水準はトランプ政策に軌道修正を催促するレベルにはなく、その観点で米国株の波乱はまだ序章といえる。
孟子の故事を引けば「恒産なくして恒心なし」という言葉があるように、安定した生活基盤がないと人心もすさんでしまうのは避けられない原理だ。米国とEU、あるいはカナダなどとの関税合戦は結局何も得るものはなく、インフレを加速させ、そして容赦なく個人消費を冷やす。民主党支持者はいうまでもなく、共和党支持者であっても一枚岩とみられたトランプ政権の支持基盤は、このまま行けば瓦解することは目に見えている。まさに真の意味でトランプ氏の手腕が問われる場面に移行しつつある。
株式市場におけるストラテジーを考えた場合、個別株はリバウンド狙いが基本で、これは半導体セクターをはじめ幅広い範疇で対象銘柄は多い。25日移動平均線もしくは75日移動平均線とのマイナスカイ離の大きいものに照準を合わせていく。もちろん短期が前提であり、そこは割り切りも必要だ。気をつけなければいけないのは、人気が高い銘柄ほど下落過程で信用買い残が雪だるま式に増えやすいということ。株式需給の観点で戻り売り圧力が強いものは避けるのがセオリーで、“昔の名前”や高値覚えで銘柄を選ぶと失敗する。
逆張り妙味株では、例えば微細化・積層化ニーズに対応した半導体パッケージ関連装置を手掛けるAIメカテック<6227.T>。業績変化率が大きく将来的な成長性も併せ持つ。株式需給面では貸株制限が入っているが、信用買い残についてはピーク時からかなり整理が進んでおり2月以降は横ばいである。大型案件を受注しているが収益に反映されるのは主に来期とみられている。また、海運セクターでは明海グループ<9115.T>が面白い。同社は鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶバラ積み船などの外航船舶をおよそ70隻保有するが、2月中旬以降バラ積み船市況の主要指数であるバルチック海運指数が目を見張る上昇を示している。ホテル経営も行っており、中期的にインバウンド恩恵も享受しやすい。
更に、日本電子<6951.T>もマークしておきたい銘柄。電子顕微鏡の世界トップとして有名だが、理科学・計測器や産業機器、医用機器などに横軸展開し、半導体関連では電子ビームで回路パターンを描写するマルチビーム描画装置で高実績を誇る。そして小売り関連ではエービーシー・マート<2670.T>に着目。好業績で成長性も十分、インバウンドの追い風も強い。2月初旬を境に崩れ足となったが、機関投資家特有の持ち高調整の売りが五月雨的に出ていることをうかがわせる。2月の月次売上高が36カ月ぶりに前年を下回ったことがダメ押しの売りを誘った。しかし、35か月連続で前年を上回ってきたこと自体が尋常ではなく、むしろここは買い場を暗示している。これら4銘柄はいずれも直近大きく株価がディスカウントされた状態にあり、リバウンド狙いの対象として目を配っておきたい。
あすは、株価指数先物・オプション3月物の特別清算指数(メジャーSQ)算出日にあたる。また、3カ月物国庫短期証券の入札が行われる。海外では米国でつなぎ予算の期限を迎えるほか、3月の米消費者態度指数(ミシガン大学調査・速報値)が開示される。なお、インド市場は休場。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2025/03/13 17:30
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<注目銘柄>=サンクゼール、既存店の客数や単価が回復傾向
サンクゼール<2937.T>は食のSPA(製造小売り)企業として、「久世福商店」などのブランドを展開。既存店の顧客数や顧客単価が昨年4月を底に回復傾向にある。
特に年末にかけてのギフト需要増に向けた各種施策が奏功し、2月4日には25年3月期通期の連結業績予想を上方修正。売上高の見通しは従来の192億4000万円から195億8100万円(前期比2.2%増)、営業利益の見通しは6億1100万円から7億8200万円(同39.3%減)に引き上げた。
足もとの株価は下値を切り上げる展開。日足チャートでは3月上旬に25日移動平均線と75日移動平均線とのゴールデンクロスが実現しており、戻り歩調が更に強まることが期待される。(参)
出所:MINKABU PRESS
2025/03/13 10:00
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13日の株式相場見通し=続伸、米ハイテク株高を受け強調展開か
13日の東京株式市場は前日に続き頑強な地合いとなることが予想され、日経平均株価は続伸し3万7000円台近辺で売り買いを交錯させる展開が予想される。ここ最近下値を探る動きを強いられていた欧州株市場だが、前日は高安まちまちながら主要国の株価は堅調に推移した。独DAXが4日ぶりに反発し1.5%高に買われたほか、仏CAC40、英FTSE100なども切り返す展開となっている。ドイツでは防衛大手ラインメタルが好決算を材料に買われ、市場センチメント改善に貢献した。一方、米国株市場ではダウが3日続落となったものの、後半下げ渋り下げ幅は100ドル未満にとどまった。また、ハイテク株に強い動きを示すものが目立ち、ナスダック総合株価指数は終始プラス圏で推移し、200ポイントあまり上昇して引けている。朝方取引開始前に開示された2月の米消費者物価指数(CPI)は事前コンセンサスを下回り5カ月ぶりに減速を示した。米インフレに対する警戒感が後退し株式市場には追い風材料となったが、そうしたなかも米長期金利が強含みで推移したことから、CPIを好感する買いは限定的だった。一方、個別にエヌビディア<NVDA>やテスラ<TSLA>などが大幅に株価を上昇させたことは、リスク選好ムードを後押しした。東京市場では、前日に日経平均が反発したものの取引終盤に値を消し、上げ幅はわずかにとどまっていた。しかし、きょうはその分だけ上値余地が広がりそうで、堅調な地合いが想定される。あすは株価指数先物・オプション3月物の特別清算指数(メジャーSQ)算出日にあたることで、先物主導で不安定な値動きとなることも予想され、ここ上下にボラティリティの高まっている為替市場の動向も注視されそうだ。
12日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比82ドル55セント安の4万1350ドル93セントと3日続落。ナスダック総合株価指数は同212.355ポイント高の1万7648.450だった。
日程面では、きょうは週間の対外・対内証券売買契約、2月の投信概況がなど。海外では1月のユーロ圏鉱工業生産指数、2月の米生産者物価指数(PPI)、週間の米新規失業保険申請件数など。
出所:MINKABU PRESS
2025/03/13 08:00
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=「トランプ関税」というジョーカーの功罪
きょう(12日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比25円高の3万6819円と小反発。前日はアジア時間を引き継いで欧州もリスクオフ一色に染まり、ドイツやフランスをはじめ全面安。米国株市場ではNYダウが一時700ドル強水準を切り下げ、終値ではやや下げ渋ったが478ドル安で約半年ぶりの安値に沈んだ。関税カードを手当たり次第に切りまくり、他国をねじ伏せようとするトランプ米大統領の手法に投資マネーもやや“ドン引き”状態で、グローバルファンド筋から米国株の投資判断を引き下げる動きも出てきた。米国から資金を引き上げ中国にシフトするシナリオも冗談とは言えなくなっている。東京市場の方はまだその潮流の外にあるが、米国株との連動性が高く注意は必要となる。
今週末にメジャーSQ算出を控えるなか、きょうは俗に言う「SQ週の魔の水曜日」にあたる。しかし、全体相場が既にここまで波乱モードで来ているので、“青天の霹靂”的なリスクオフに晒されることもなく、淡々と売り物をこなした印象だ。もっとも、上値の重さも拭えない。不透明感が強く、日本時間今晩に2月の米CPI発表を控えていることもあって、売り方と買い方いずれも手を出しにくいという地合いであった。
日経平均は比較的狭いゾーンでの値動きに終始したが、3万6000円台後半のおおむね前日終値を上回る水準で推移した。目を引いたのはTOPIXの上昇率が相対的に大きかったこと。日経平均については指数寄与度の高いアドバンテスト<6857.T>の下落が足を引っ張った面が大きいが、一方でTOPIXの方は、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>などメガバンクが堅調だったことや、ソニーグループ<6758.T>や日立製作所<6501.T>といった銘柄が強調展開を示したことが押し上げ効果をもたらした。
基本的には循環物色で、半導体が買い戻される場面では防衛関連や金融株は安く、半導体の上値が重くなれば防衛関連や金融株に資金が還流する。今の相場は少なくとも大勢上昇トレンドに乗った状態ではないが、株式市場からノンストップで資金が流出するような急を要する場面でもない。国内金利の上昇を横目に徐々に機関投資家が後ずさりをしているような時間帯にある。屋上から飛ばした紙飛行機が緩やかに弧を描いている状況で、風が吹けば当然のごとくそれに乗って上昇するが、風が止めば引力に逆らえなくなる。
防衛関連については、きょうは売買代金トップに返り咲いた三菱重工業<7011.T>をはじめ川崎重工業<7012.T>、IHI<7013.T>などが買われる順番だった。ウクライナが米国の提示する30日間の停戦案を受け入れるとの報道が出たところで、防衛関連が買い直されるというのもアイロニカルな展開だが、今回の停戦合意が地政学リスクの後退とイコールであるいう捉え方をマーケットはしていないことを物語っている。市場関係者からは「トランプ米大統領の米国第一主義は徹底していて、TSMCに千数百億ドルを投資させて米国内に生産ラインを確保することが決まったことで、台湾を本気で守る必要はなくなったと考えているフシがある」(ネット証券アナリスト)という声も聞かれた。そのなか、中国の思惑が対岸の火事ではない日本にとって、防衛コストは否が応でも増幅されるとの見方がリアル防衛関連株への投資マネー攻勢を促している。
やや短期的な視点では、日本株が米国株離れできるかどうかが一つのカギを握る。日本も米国もテクニカル的には売られ過ぎの水準だが、リバウンドのタイミングをピンポイントで捉えるのが難しく、また安値を拾ってもそのままホールドして報われる環境かどうかも定かではない。ただ現在、世界的に株式市場の流れを支配するほとんどの材料は米国から発生している。相変わらずトランプ大統領の発言で振り回される状況が続いているが、直近のカナダに対する追加関税25%上乗せ(計50%)をSNSで表明した後、通商・製造業上級顧問のナバロ氏が火消しに動き、その後にトランプ氏本人も撤回するという結末となった。カナダ側(オンタリオ州)が折れたということだが、この朝令暮改のトランプ発言が茶飯事となれば、もはやカオス状態に近くマーケットは何を信じていいのか分からない。
あすのスケジュールでは、週間の対外・対内証券売買契約が朝方取引開始前に財務省から発表されるほか、午後取引時間中に2月の投信概況が開示される。海外では1月のユーロ圏鉱工業生産指数が発表され、米国では2月の生産者物価指数(PPI)にマーケットの関心が集まる。このほか週間の米新規失業保険申請件数も注目される。なお、米債券市場では30年国債の入札が予定されている。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2025/03/12 17:30
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<注目銘柄>=リガクHD、半導体プロセス・コントロール機器を牽引役に中期成長が魅力
リガク・ホールディングス<268A.T>の押し目は狙い場と考えたい。
同社は昨年10月に上場したX線技術を中心とした分析・計測機器の開発・製造・販売会社。X線分析ソリューションの提供を通じて多様な研究開発ニーズに応える「多目的分析機器」、半導体製造におけるさまざまな品質テストの工程で利用される「半導体プロセス・コントロール機器」、X線技術以外の分析機器事業である「部品・サービス」の3事業を展開している。
24年12月期の連結営業利益は183億6700万円(前の期比20.4%増)だった。多目的分析機器事業におけるアジアを中心としたグローバル市場でのシェア拡大や、半導体プロセス・コントロール機器事業におけるAI半導体に必要なGAA(Gate All Around)世代チップ用途などの新たな需要獲得が牽引役となった。
25年12月期業績予想は、上期こそ前期の中国の補正予算案件の反動減で、多目的分析機器事業の苦戦が見込まれるものの、引き続き同事業における海外シェアの獲得が期待できる。また、半導体プロセス・コントロール機器事業での先端メモリでの投資回復やAI半導体チップ向けGPU/CPUの堅調な需要が追い風となるほか、生産能力拡大による案件獲得なども期待でき、下期からは再び業績拡大が見込まれる。営業利益は200億4900万円(前期比9.2%増)を予想。更に、27年12月期に調整後営業利益265億~275億円(24年12月期209億円)を目指す中期経営計画にも注目したい。(仁)
出所:MINKABU PRESS
2025/03/12 10:00
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12日の株式相場見通し=売り優勢か、米株波乱続くもウクライナ停戦合意はプラス材料
12日の東京株式市場は強弱観対立のなかも売り優勢の地合いで、日経平均株価3万6000円台半ばで売り買いを交錯させる展開が予想される。前日に一時1000円超の下落から急速に下げ渋り大引けは230円あまりの下落にとどめたが、依然として全体相場が底を入れた感触はない。メジャーSQ算出を今週末に控え、先物主導で引き続き不安定な値動きが予想される。前日は欧州株市場が全面安商状となった。米関税政策に対する警戒感からリスク回避目的の売りが止まらない状況となっている。また、米国株市場ではNYダウが一時700ドル強の下落を見せるなど波乱展開が続いている。この日はトランプ米大統領が自身のSNSにカナダから輸入する鉄鋼とアルミニウムに対する関税を引き上げると投稿し、貿易戦争の様相が強まることへの警戒感が景気敏感株などを中心に売りを誘った。ただ、同日に行われた米国とウクライナの政府高官による会談で、ウクライナが米国の提示した30日間の停戦案を受け入れることで合意したと伝わり、地政学リスクの後退を好感する形で下げ幅を縮小した。NYダウは前の日に890ドルの下落をみせており、目先売られ過ぎとみた押し目買いや空売りの買い戻しも入りやすいタイミングにあった。なお、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は一時プラス圏に切り返したが、引け際に軟化し小幅マイナス圏で引けている。東京市場では前日は日経平均が反落したものの、後半は一貫して戻り足となり高値引けとなるなど自律反発に向けた動きもみせており、投資家心理が錯綜している。米株安が続いていることは警戒されるが、足もと外国為替市場で円安方向に振れていることもあって、弱気一辺倒の地合いとはなりにくい。
11日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比478ドル23セント安の4万1433ドル48セントと続落。ナスダック総合株価指数は同32.226ポイント安の1万7436.095だった。
日程面では、きょうは2月の企業物価指数、1~3月期法人企業景気予測調査、20年物国債の入札など。海外ではポーランド中銀の政策金利発表、カナダ中銀の金融政策決定会合、米国では2月の消費者物価指数(CPI)、2月の米財政収支など。
出所:MINKABU PRESS
2025/03/12 08:00
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=米国株の波乱はまだ序章
きょう(11日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比235円安の3万6793円と反落。反落はしたものの日経平均はこの日の高値で引けており、勝敗をつけるとすれば勝ちに等しい相場であった。しかし、出来高を伴う下ヒゲ陽線ではあったが、後場の分足チャートを見るとAIアルゴリズムによるアンワインドであることが如実に反映されている。これが株価調整の終着点である可能性は低そうだ。
見えているようで、実は見えていないものが世の中には数多(あまた)ある。株式市場であれば、株価の値動きに対して後講釈としてついてくるさまざまな見解は、誰の目からも明らかな理由が存在する場合を除き、実際は本質から外れたケースもかなり多く紛れ込んでいる。今は世界の株式市場が正体不明の“暴落確変モード”に慄(おのの)いている。逆説的に言えば、下げ相場に何かしらの理由がないと不安が増幅されてしまう。
その典型が米国株市場。株価の変調が際立っており、その犯人探しにマーケット周辺は躍起となっている。トランプ関税強化を背景としたインフレ誘発懸念や、ウクライナ情勢に絡む米露接近が「ヤルタ2.0」と揶揄されるなど大国主義に対する政治的リスクが警戒されている。キーマンであるイーロン・マスク氏のウクライナに対するスターリンク遮断発言や、トランプ政権内における不協和音なども不安材料だ。そして、足もとでは米経済減速からリセッションへの警戒感がにわかにクローズアップされてきた。これまではFRBの金融政策にスポットが当たっており、経済指標については「グッドニュースはバッドニュース」、つまり強い経済指標はFRBの利下げを遠のかせる悪材料として捉えられるのがコンセンサスだった。ところが、ここにきて順風満帆だったはずの米経済が急ブレーキを踏んでいるとの認識が、株式市場の最大の敵として取り上げられるようになった。
そうしたなか、今週9日にFOXニュースのインタビューでトランプ米大統領は米国の景気後退の可能性について問われた際に否定しなかった、ということがタイムリーに報じられた。関税によるデメリットはトランプ氏もよく認識しており、米経済について現状は「移行期にある」とした。つまり「アメリカ・ファースト」を実現するために、少々の揺れは我慢せよというニュアンスで答えたつもりだったと思われるが、それをネガティブ方向に拡大解釈し「リセッション覚悟」と変換してしまうのが今の相場環境だ。「移行期」という表現が悪意の売りネタにされてしまうところが、マーケットの基礎体力の弱体化を浮き彫りにしている。もし、株価が巡航速度を保っていれば、ニュースメディアの今回のインタビューなどは相場的にはスルーされても何の不思議のない案件であったと思われる。
きょうは、日経平均、TOPIXともに長い下ヒゲをつけており常識的には目先底を打ったという印象を投資家に与える。実際、きょうのネット証券大手の店内では、レーザーテック<6920.T>やアドバンテスト<6857.T>など半導体関連の主力や、フジクラ<5803.T>、IHI<7013.T>といった銘柄に個人が信用枠をフル活用して買い向かう動きが観測されている。取引時間中に米株価指数先物が切り返しており、為替市場も円安方向に大きく押し戻された。ここは全力で底値を拾うチャンスという見方が広がってもおかしくない。
だが、米リセッション懸念が売りの背景とするなら東京市場がこの日1日で織り込めるはずもない。米国市場も同様であり、当面は上下に揺れまくることが予想される。トランプ氏は、米国第一主義を進めるカードとして関税に絶大な信頼を寄せているように見えるが、早晩副作用が大き過ぎることに気づくはずだ。4月2日に発動が予定される自動車関税や、農産物関税、更に詳細は不明ながら相互関税も同日に発動するとしており、少なくともここを通過するまで投資家サイドは打診買いにとどめておくのが妥当であろう。今回のボックス圏下放れが意味することは、当面は押し目買いではなく戻り売りの相場に変わったということ。中期保有するならば上値に因縁玉のない(シコリのない)銘柄に限られる。
あすのスケジュールでは、2月の企業物価指数、1~3月期法人企業景気予測調査が朝方取引開始前に発表されるほか、午前中に20年物国債の入札が行われる。午後取引時間中には秋野地銀協会会長の記者会見が予定されている。また、この日はANYCOLOR<5032.T>の5~1月期決算とGENDA<9166.T>の1月期通期決算が発表される。海外ではポーランド中銀の政策金利発表のほか、カナダ中銀の金融政策決定会合が行われる。またECBウオッチャー会議がドイツで開催予定。米国では2月の消費者物価指数(CPI)に対するマーケットの関心が高い。2月の米財政収支も開示される。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2025/03/11 17:30
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=ノーリツ鋼機、M&A戦略で成長期待満載のバリュー株
ノーリツ鋼機<7744.T>の4000円台半ばのもみ合いは年初来の安値圏にあり、拾い場と判断される。M&A戦略に積極的で業態の転換を図っており、現在はペン先などの部品・材料や音響機器関連の製造を主軸に事業展開している。音響機器はスピーカーなどのDJ機器で世界トップクラスのシェアを誇る。24年12月期は期中4回も増額修正を繰り返し最終的に上振れ着地するという異色の好決算で、営業利益段階で前の期比43%増の205億700万円と大幅な伸びを達成、過去最高益更新となった。25年12月期についてはその反動で前期比15%減の174億円を見込んでいるが、これも保守的とみられる。
PBRは0.7倍台に過ぎず、株主還元にも前向き。配当利回りが5%近くありバリュー株素地に富んでいる。株価は早晩5000円台に切り返す公算が大きく、昨年12月末につけた5260円の高値クリアも視野に入る。(桂)
出所:MINKABU PRESS
2025/03/11 10:00
みんかぶニュース コラム
11日の株式相場見通し=急落、米株波乱受けリスクオフ一色に
11日の東京株式市場は大きく売り優勢に傾き、日経平均株価は3万6000円台前半から場合によっては3万6000円台割れまで視野に入れる波乱展開が予想される。前日の欧州株市場は全面安に売り込まれたが、米国時間に入るとリスクオフの流れが加速した。NYダウは一時約1200ドルの急落で、終値はやや下げ渋ったものの900ドル近い下げとなった。更にハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数の下げが際立ち、終値ベースで下げ幅は700ポイント超、率にして4%の暴落となった。トランプ政権の打ち出す関税政策に対する不透明感が強く、米経済のリセッション懸念が意識されリスク回避目的の売りが噴出した。トランプ米大統領が9日に景気後退への可能性を明確に否定しなかったことも投資家の不安心理を助長している。恐怖指数と称されるVIXも高騰、一時29.56まで上昇し昨年8月以来となる水準まで切り上がった。個別ではテスラ<TSLA>が15%を超える暴落となり、投資家の狼狽売りを誘っている。テスラは昨年12月の高値から既に半値以下となっている。きょうの東京市場では米株急落を受け、下値模索の動きが避けられない。今週末にメジャーSQ算出を控えていることで先物主導の仕掛け的な売りも予想されるところ。外国為替市場では一時1ドル=146円台後半まで円高が進む場面があり、輸出セクターを中心にネガティブに作用しそうだ。
10日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比890ドル01セント安の4万1911ドル71セントと急反落。ナスダック総合株価指数は同727.900ポイント安の1万7468.321だった。
日程面では、きょうは1月の家計調査、2月のマネーストック、24年10~12月期の国内総生産(GDP)改定値、2月の工作機械受注額速報値など。海外では2月の全米自営業者連盟(NFIB)中小企業楽観度指数、1月の米雇用動態調査(JOLTS)など。
出所:MINKABU PRESS
2025/03/11 08:00
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=トランプ政策の危うさが浮き彫りに
週明け10日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比141円高の3万7028円と反発。朝方はマイナス圏で推移する場面もあったが、その後は押し目買いが優勢となり、後場も右往左往しながらも頑強な値動きを続けた。しかし、前週末に800円超の下落をみせた割に反発力は弱いともいえる。きょうの株価を牽引したのは半導体関連株だったが、悲鳴も歓声も聞こえてこない。レーザーテック<6920.T>が久々に売買代金首位となり10%高と気を吐いたが、それでも現状は自律反発の領域から抜け出ていない。プライム市場全体では値を下げた銘柄の方が多く、TOPIXは小幅ながら続落して引けている。
日経平均3万8000~4万円のレンジ相場は昨年9月下旬から2月末まで約5カ月間続いたが、案の定というべきか遂に下放れる形となった。このまま行くとこれまでボックス下限であった3万8000円大台ラインが、ボックス上限に切り替わってしまう可能性は否めない。実際に累積売買代金が最も積み上がっているのは3万8500~3万9000円の水準だが、3万8000円近辺もこれまで何度も下方ブレークのピンチを切り抜けてきただけに、ここを再び上に抜けるのは相当なエネルギーが必要となる。国内の金利上昇スイッチが入ってしまったことを考慮すると、株式市場はボックス圏が切り下がったことを念頭に置いて個別株戦略を練り直すよりないところだ。
問題は米国株の動向である。トランプ政権下でリスクアセットが沈下することは考えにくいという不文律が揺らぎ始めた。「アメリカ・ファースト」の政策スタンスは第1次トランプ政権と一緒だが、関税を武器にした“ゴリ押し外交”にとどまらず、ロシアに対する融和的姿勢に世界は緊張を高めている。対中国の観点からもロシアを取り込んだ方が手っ取り早いとする思考プロセスは稚拙であっても、有効性が高く現実的だ。世界的な防衛関連株の物色人気は、防衛関連株への資金逃避という見方もできる。ウクライナ・ロシアの戦争が終結したとして、地政学リスクはむしろ高まるという皮肉な結果が待っている。とりわけロシアの侵略戦争が事実上成功を収めたとなれば、中国による台湾有事の引き金が引かれる可能性を高めることにもなり、日本にとってはかなりのプレッシャーとなり得る。
そうしたなか、防衛関連株は物色の裾野が広がってきたようにも見える。防衛省との取引額で群を抜く三菱重工業<7011.T>を筆頭に川崎重工業<7012.T>、IHI<7013.T>が“防衛三羽烏”に位置付けられるが、実際高値圏をどんどん突き進むような勢いは今の相場環境では難しい。事実きょうは、いずれの銘柄も大陰線を引いている。このほかリアル防衛関連の一角である東京計器<7721.T>や新明和工業<7224.T>といった銘柄も同様の値動き。更に防衛関連の指揮統制・通信インフラで本命格に位置するNEC<6701.T>なども目先調整局面に移行している。
ただ、主力どころが一休みしている傍らで、出遅れ中小型株に循環物色の矛先が向くのが常であり、これは半導体関連が投資テーマとして全盛を極めた時にも見られた。直近は大阪チタニウムテクノロジーズ<5726.T>や東邦チタニウム<5727.T>などのチタン関連が防衛用航空機向けの需要増大を見込み急動意をみせた。これは3月期末を控えた需給事情も絡む。両銘柄とも外資系証券名義の貸株市場を通じて積み上がった空売りの手仕舞い、買い戻しによって株価に浮揚力が働きやすい時間軸にあることも影響している。
他方、あまりマーケットの視線が向いていなかったシェルターや電磁波シールド関連などの一角も注目される兆しがある。放射線防護工事で実績が高い技研ホールディングス<1443.T>は200円未満の株価で値ごろ感があるが、PER7倍前後と割安であり、年1円とはいえ長く配当を続けている企業がPBR0.2倍台という超低空飛行を続けているのは修正余地がある。また、住宅向けシェルターで実績を有するサンヨーホームズ<1420.T>や電磁波シールド材を手掛ける藤倉化成<4620.T>などもバリュー株素地が際立つ。
あすのスケジュールでは、1月の家計調査、2月のマネーストック、24年10~12月期の国内総生産(GDP)改定値がいずれも朝方取引開始前に開示される。また、午後3時以降に開示予定の2月の工作機械受注額速報値も注目される。海外ではポーランドの金融政策委員会が12日までの日程で行われるほか、米国では2月の全米自営業者連盟(NFIB)中小企業楽観度指数が発表される。また、1月の米雇用動態調査(JOLTS)にマーケットの関心が高い。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2025/03/10 17:30
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=山九、配当利回り3%台で割安感
山九<9065.T>に注目したい。同社は物流事業とメンテナンスや設備工事などに関わる機工事業を手掛けている。1月末に25年3月期連結業績予想の増額修正を発表し、営業利益は390億円から410億円(前期比16.4%増)に見直され、5期ぶりに最高益を更新する見込みだ。機工事業でSDM(シャットダウンメンテナンス)案件で追加工事を獲得したことや、物流事業では構内での付帯作業を獲得したことなどが寄与する。今期配当は前期比30円増の204円が予定されている。
株価は業績拡大を評価する格好で2月下旬には19年11月以来、約5年ぶりに6000円台に上昇したが、足もとの配当利回りは3.4%台と依然として割安感は強い。先行き18年10月につけた6550円の最高値更新が期待できそうだ。(地和)
出所:MINKABU PRESS
2025/03/10 10:00
みんかぶニュース コラム
10日の株式相場見通し=大幅反発か、パウエル発言受けた米株高で買い戻し
10日の東京株式市場は主力株をはじめ幅広い銘柄に買い戻しが優勢となり、日経平均株価は大きく切り返す展開が想定される。前週末の欧州株市場は高安まちまちだったが、ドイツの主要株価指数であるDAXは1.8%安と大幅反落。DAXはここ最高値圏での強調展開を続けていたが、米国の関税政策に対する警戒感から利益確定売りが株価を押し下げた。これまで相場を牽引していた防衛大手の独ラインメタルなどが売られ、市場センチメントを冷やした。一方、米国株市場では午前中はリスク回避ムードが強く、NYダウ、ナスダック総合株価指数ともにマイナス圏で推移する時間が長かったが、後場の取引で押し目買いや買い戻しが入り、両指数ともにプラス圏で頑強な値動きとなった。この日の朝方に発表された2月の米雇用統計は非農業部門の雇用者数が事前コンセンサスを下回ったほか、失業率が市場予想に反し上昇するなど米経済の減速を示唆する内容だった。これを受け取引前半は弱い動きだったものの、その後にパウエルFRB議長の講演で「米経済は堅調なペースで成長している」との見解が示されたことで、空売り筋の手仕舞いによる買い戻しを誘った。個別にはデータセンター向け半導体大手のブロードコム<AVGO>が8%強の上昇をみせたことから、半導体セクター全般のショートカバーを誘発する格好となっている。フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)の上昇率は3%を超えた。東京市場では前週末に日経平均が800円を超える急落を強いられたが、その反動もあってきょうは自律反発を狙った動きが全体相場に反映され、フシ目の3万7000円台を回復しそうだ。ただ、今週は12日に2月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えるほか、国内では週末14日にメジャーSQの算出を控え、上値では先物主導の不安定な値動きも想定される。
7日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比222ドル64セント高の4万2801ドル72セントと反発。ナスダック総合株価指数は同126.966ポイント高の1万8196.221だった。
日程面では、きょうは、1月の毎月勤労統計、1月の国際収支、2月の対外・対内証券売買契約、2月の貸出・預金動向、1月の景気動向指数(速報値)、2月の景気ウォッチャー調査などが発表される。
出所:MINKABU PRESS
2025/03/10 08:00
みんかぶニュース コラム
来週の株式相場に向けて=“国内発インフレ要因”が日経平均の抑制材料に浮上か
7日の日経平均株価は前日比817円安と大幅安となり、昨年9月以来、半年ぶりの水準となる3万6800円台に落ち込んだ。この株価下落には国内と海外の要因を指摘する見方が出ている。海外要因は言うまでもなくトランプ関税に対する警戒感だ。ただ、関税要因に関しては、市場も徐々にマイナス面を織り込みつつあるとの声もある。新たな警戒材料に浮上しているのが、「急上昇する日本の長期金利だ」(アナリスト)という。ドイツなど欧州の金利上昇に並ぶ格好で、日本の10年債利回りは1.5%台と15年ぶりの水準となっている。
この国内金利上昇の背景には、「春闘の賃上げ率が6%近辺に達する可能性が出てきたこと。それに防衛費増強による財政赤字拡大の懸念が浮上していること」(同)が指摘されている。これまでの国内金利上昇は、円安などを起因とする海外発だったが、足もとでは“国内発のインフレ要因”が警戒されている。気になるのは、金利上昇は許容される株価のPERの上限を抑制する要因に働くことだ。
今月18~19日には、米連邦公開市場委員会(FOMC)と日銀金融政策決定会合が同日に開催される。なかでも日銀決定会合に関しては、「長期金利が急上昇するなか、何らかの対策が求められる可能性がある」(市場関係者)との声も出ている。いずれにせよ、日米の金融政策決定会合が通過するまでは、相場は動きにくい展開が続きそうだ。一段の円高進行も警戒されるなか、当面は内需株中心の展開が予想される。
スケジュール面では、今晩の米2月雇用統計が高い関心を集めているほか、12日に米2月消費者物価指数(CPI)、13日に米2月卸売物価指数(PPI)が公表される。また、11日には米1月雇用動態調査(JOLTS)求人件数、14日に米3月ミシガン大学消費者マインド指数が発表される。10日にオラクル<ORCL>、12日にアドビ<ADBE>、13日にダラー・ジェネラル<DG>が決算発表を行う。
国内では、10日に1月毎月勤労統計調査、11日に10~12月期GDP確報値、12日に1~3月期法人企業景気予測調査が発表される。同じく12日は春闘集中回答日で、14日はメジャーSQ算出日となる。10日にミライアル<4238.T>、学情<2301.T>、11日に三井ハイテック<6966.T>、セルソース<4880.T>、12日にサムコ<6387.T>、GENDA<9166.T>、13日にビジョナル<4194.T>、ラクスル<4384.T>、14日に神戸物産<3038.T>、パーク24<4666.T>などが決算発表を行う。来週の日経平均株価の予想レンジは、3万6400~3万7400円前後。(岡里英幸)
出所:MINKABU PRESS
2025/03/07 17:31
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=プレイド、グーグルと提携する高成長企業
プレイド<4165.T>に注目。同社はウェブサイトやスマートフォンアプリを運営する事業者向けに、CX(顧客体験)プラットフォーム「KARTE」を提供する。アパレルや美容に加え、金融や人材サービス、不動産、小売りと幅広い業界に展開し、24年9月期末時点で単体顧客社数は659社にのぼる。米グーグルと戦略的パートナーシップを結んでおり、AI分野などで協業していく構えだ。
売上高は継続的な2ケタ成長を遂げ、営業損益は前期に黒字化した。今25年9月期は売上高が前期比23.5%増の135億7500万円、営業利益が同2.6倍の6億7800万円で、ともに連続での過去最高更新を見込む。株価は今期好調見通しを発表した11月以降、ボラタイルな展開となっており、値動きが落ち着いたタイミングで拾っていくのがよさそうだ。(イ)
出所:MINKABU PRESS
2025/03/07 10:00
みんかぶニュース コラム
7日の株式相場見通し=急反落、半導体関連株のリスクオフ加速
7日の東京株式市場は再びリスク回避ムードが強まり、日経平均株価は急反落し3万7000円台前半に水準を切り下げそうだ。場合によっては3万7000円台を割り込むケースも考えられる。前日は欧州株市場が全面高ではなかったものの総じて強い動きで、ドイツの主要株価指数であるDAXは最高値を更新した。ドイツではこれまでの財政規律重視のスタンスから財政拡張策に切り替える方向にあり、幅広い銘柄に買いが向かった。フランスCAC40も堅調だった。ECB理事会では事前予想通り0.25%の利下げを決めたが、ラガルド総裁は今後の利下げペースが減速することに言及しており、ドイツの10年債利回りは1年5カ月ぶりの水準まで上昇した。一方、米国株市場は欧州時間のリスクオンの流れを引き継げず再び下値模索の動きとなり、全面安商状を余儀なくされている。トランプ米政権が打ち出す関税政策への不透明感が強いなか、NYダウは一時600ドルを超える下げとなった。特に半導体セクターを中心にハイテク株への売り圧力が際立っており、ナスダック総合株価指数の下落率は2%を上回った。データセンター向け半導体を手掛けるマーベルテクノロジーグループ<MRVL>が決算発表を受け一時20%を超える暴落に見舞われるなど、半導体関連は投げ売りの動きが目立ってきた。東京市場でも米株市場が大幅安となったことを受け、信用買い残の溜まっている半導体製造装置の主力株などを中心に売りがかさみそうだ。外国為替市場で1ドル=147円台までドル安・円高が進んでいることもネガティブ視される。また、日本時間今晩に発表される2月の米雇用統計の内容を見極めたいとのニーズは強く、下値で買い向かう動きも限定的となりそうだ。
6日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比427ドル51セント安の4万2579ドル08セントと大幅反落。ナスダック総合株価指数は同483.479ポイント安の1万8069.255だった。
日程面では、きょうは2月上中旬の貿易統計、消費活動指数など。海外では2月の中国貿易統計、2月の中国外貨準備高、2月の米雇用統計など。また、パウエルFRB議長の講演も予定。
出所:MINKABU PRESS
2025/03/07 08:02
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=鳴動する巨大マネー「防衛関連」新章突入か
きょう(6日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比286円高の3万7704円と続伸。かつてのボックス下限であった3万8000円どころが上値抵抗ラインとなるのかどうか、今後を占ううえで今週末から3月中旬にかけての値動きはポイントとなる。トランプ米大統領の一連の言動は“二枚舌外交”の最たるものだが、これを批判したところで始まらない。投資家は銘柄に惚れこまず、ババを引いても機動的に修正できる柔軟なスタンスで臨むしかない。
トランプ米政権は関税政策やウクライナ・ロシア戦争などで、その一挙手一投足が世界の注目の的となっている。グローバルな視点では、強引な「アメリカ・ファースト」を好意的に捉えるムードは皆無といえるが、経済を映すといわれる株式市場はある意味不思議な鏡で、ネガティブな環境の中にあっても、強いところを見つけそこに資金が流れ込む習性がある。バイデン政権時代とは真逆と言ってもよい政策転換にマーケットは振り回されているが、投資マネーはしたたかであり、ゲームチェンジの瞬間を虎視眈々と狙っていた。その答えが現在の防衛関連株への怒涛の買い攻勢として顕在化している。
欧州はリベラル系でどちらかと言えば米国では民主党政権と相性が良い。共和党でしかも暴走機関車のように突き進むトランプ政権とは水と油で融和することがない。トランプ大統領の親露を前面に押し出した姿勢に業を煮やし、反トランプのエネルギーが国防費拡大の動きに反映され、皮肉にもそのまま株式市場の強力な物色テーマとして一本杉と化している。財政規律に厳格なあのドイツが、防衛関連への投資を促すためになりふり構わず拡張的な財政政策に舵を切るというのは想定外だが、憤懣(ふんまん)やるかたない現状を投影したものでもある。これは株式市場の観点で大きな変化を示唆する。ドイツの防衛大手ラインメタルは年初との比較で既に7割近くも時価総額を膨張化させている。
東京市場にもこの流れが波及している。今週4日には米国防総省の次官候補に指名されたコルビー氏が、議会公聴会で日本の防衛費の水準が低すぎると不満を表明し、GDP比で3%への引き上げを促す発言を行っている。これに対し、石破首相は日本の防衛費は日本が決めるもので、アメリカに限らず他国に言われて決めるものではない、と突っぱねるコメントを出したが、これはむしろ自らハードルを高くしてしまっているきらいがある。株式市場はこうしたやり取りの中に、ゲームチェンジの匂いを嗅ぎ取った。目先は行き過ぎに買われている銘柄も多いとは思われるが、押し目買いを念頭にうまく対処したい。
きょうは、文字通り防衛関連株のオンパレードとなった。3700億円超という一頭地を抜く売買代金をこなした三菱重工業<7011.T>が大幅高で上場来高値を更新したのをはじめ、売買代金2位の川崎重工業<7012.T>が値を飛ばし、同3位のIHI<7013.T>も活況高を極めた。更に日本で唯一の大型火砲メーカーである日本製鋼所<5631.T>がプライム市場の値上がり率でトップに買われるという滅多にお目にかかれないハイパフォーマンスを演じた。
防衛関連というと機械セクターのイメージがあるが、三菱重を旗艦銘柄とすれば、裏のシンボルストックは部門別売上高で同社と双璧であるNEC<6701.T>が挙げられる。同社は防省衛向け指揮統制システムや通信システムなどで圧倒的実績がある。NECを猛追するのが三菱電機<6503.T>だ。両銘柄とも確変モードで急速に株価水準を切り上げている。このほか、ソナーなど海洋分野で防衛向け需要を開拓しているのが沖電気工業<6703.T>。こちらも動兆著しいが、株価は1000円近辺にあり、PER8倍台、PBR0.6倍前後と依然として出遅れ感がある。このほか、きょう急騰を演じたシンフォニア テクノロジー<6507.T>も防衛用航空機向け電装品でトップシェアを誇る。
中小型株では当欄でも過去に継続フォローしたIMV<7760.T>が上場来高値を更新した。振動試験装置で世界首位級の実力を持ち、三菱重などを経由して間接的に防衛省案件の需要を獲得している。時価総額は依然として300億円未満である。また、建設会社でマリコンも防衛関連の一角として要マークとなる。鹿児島県西之表市の馬毛島基地工事では東亜建設工業<1885.T>に注目。好業績かつ高配当利回りで人気素地を内包している。このほか、レーダー装置など防衛装備品を手掛ける日本アビオニクス<6946.T>もチェックしたい。
あすのスケジュールでは、2月上中旬の貿易統計が朝方取引開始前に開示されるほか、午前中に3カ月物国庫短期証券の入札が行われる。また、午後取引時間中には日銀が消費活動指数を開示する。海外では2月の中国貿易統計、2月の中国外貨準備高のほか、2月の米雇用統計に注目度が高い。また、この日はFRB高官の発言機会が相次ぐ。そのなかパウエルFRB議長の講演も予定され、発言内容に耳目が集まる。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2025/03/06 17:30
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=丸運、料金改定効果などが業績に寄与
丸運<9067.T>は貨物輸送事業とエネルギー輸送事業の両輪経営を展開。国内外に広がる充実した物流ネットワークが高度に連携することにより、スピーディーでダイナミックな物流を提供している。
足もとでは取り組んできた運賃・料金改定の効果が出てきていることに加え、既存顧客の荷動きが改善しているほか、新規の取り扱いが増加。2月13日には25年3月期通期の連結営業利益予想を従来の9億円から10億7000万円(前期比2.1倍)に上方修正し、期末配当を従来計画比3円増額の11円(中間配当5円をあわせた年間配当は16円)に引き上げている。
株価は戻りの鈍い展開が続いているが、日足チャートでは25日移動平均線と75日移動平均線が徐々に接近。ゴールデンクロスが実現すれば上げに弾みがつきそうだ。(参)
出所:MINKABU PRESS
2025/03/06 10:00
みんかぶニュース コラム
6日の株式相場見通し=続伸、関税への警戒感後退による米株高に追随
6日の東京株式市場は主力株中心に広範囲に買いが優勢となり、日経平均株価は続伸し3万7000円台後半まで水準を切り上げる展開となることが予想される。ここ上値を押さえる抵抗ラインとなっていた5日移動平均線を終値ベースで11営業日ぶりに上回る公算が大きい。前日は欧州株市場で独DAXが3.4%高と前の日の下げ分とほぼ同水準の急反発をみせたほか仏CAC40も1.6%高と切り返した。ドイツでは防衛力強化などに向けた拡張的な財政政策が経済浮揚効果をもたらすとの見方が広がり、防衛関連や景気敏感株など幅広い銘柄に買いを誘導している。米国株市場でも午前中は上値が重く、NYダウ、ナスダック総合株価指数ともにマイナス圏で推移する場面もあったが、午後の取引で買いの勢いが増し、漸次下値を切り上げる強調展開となった。NYダウは終値で500ドル近い上昇をみせたほか、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は上昇率でNYダウを上回った。トランプ米政権が前の日に発動したカナダとメキシコに対する関税について自動車を対象に1カ月の適用除外とすることを表明、貿易戦争に発展することを警戒していたマーケット心理が改善し、全体相場を押し上げた。また、この日に発表された2月の米ISM非製造業景況感指数が前月から上昇し事前コンセンサスを上回ったことから、米経済減速に対する警戒感が緩和されたことも株高を後押しする格好となった。東京市場では、前日に日経平均が前場は方向感なくもみ合ったものの、後場は買いが終始優勢だった。きょうは欧米株高を引き継ぎ上げ足を強めそうだ。ただ、今週末に2月の米雇用統計発表とパウエルFRB議長の講演を控えており、買い一巡後は目先筋の利益確定売りが上値を押さえる可能性もある。足もとで再び円高方向にふれていることも気がかりだ。
5日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比485ドル60セント高の4万3006ドル59セントと大幅反発。ナスダック総合株価指数は同267.571ポイント高の1万8552.734だった。
日程面では、きょうは対外対内証券売買契約、6カ月物国庫短期証券の入札及び30年物国債の入札、2月の輸入車販売、2月の車名別新車販売、2月の軽自動車販売、2月のオフィス空室率など。海外では1月の豪貿易収支、トルコ金融政策決定会合、ECB理事会の結果発表とラガルドECB総裁の記者会見、1月のユーロ圏小売売上高、1月の米貿易収支、1月の米卸売在庫・売上高、週間の米新規失業保険申請件数など。
出所:MINKABU PRESS
2025/03/06 08:00
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=上か下か、金利動向と地政学の狭間で惑う
きょう(5日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比87円高の3万7418円と反発。一歩進むごとに周りの風景が目まぐるしく変わる正体不明の相場が続いている。今週は欧州でECB理事会が行われ、米国ではISM製造業・非製造業景況感指数や週末の米雇用統計発表と注目イベントが相次ぐが、きょうは取引時間中の要人発言にマーケットが耳を澄ませる日であった。国内では内田日銀副総裁の金融経済懇談会での発言にスポットが当たり、海外ではトランプ米大統領の施政方針演説に世界中の耳目が集まった。
内田副総裁の発言については、言質を取られないように注意を払っているのがありありと窺われたが、市場では「タカでもハトでもない中庸な印象ながら、これまで通り日銀は粛々と利上げを進めていく方針を否定しなかった点で、少なくともハト派寄りではなかった」(中堅証券ストラテジスト)という声が聞かれた。なお、新発10年債利回りは一時1.450%と上昇傾向を強めた。「徐々に外堀が埋まってきた。金利が次第高の局面で機関投資家の立場では株式に強気姿勢は維持できない」(中堅証券ストラテジスト)とする。
一方、為替市場ではドル・円相場がむしろ円安方向に振れたのだが、直近の円高にいったん歯止めがかかったという程度でインパクトは薄い。これは今週3日のトランプ氏の円安牽制発言の時も、騒がれた割には大して円高に振れなかったのと同様で、円高に振れた分が元に戻った程度の微動であった。
きょうの市場は内田発言の後は、トランプ氏の演説におのずと材料を求める雰囲気となったが、こちらも想定通りの内容で相場に与える影響は限定的だったといえる。ただし、演説中にインパクトの強い“毒舌”が出ないとも限らなかったため、ここをほぼ無風で通過できたことは安心材料となったようで、後場に入り東京市場ではショートポジションの解消によって上げ幅を広げる場面があった。そして、これまでであれば、AIアルゴリズムが作動して大引けにかけて全体指数はどんどん上げ幅を広げていく、という流れが想定されるところだった。だが、きょうは違った。その後も日経平均は方向性を見出せず、3万7000円台前半から半ばで彷徨を続けた。ここから下値を売り込むような展開は想定しにくいが、かといって売り方が手仕舞いを急ぐような気配もない。個人投資家の信用買い残が高水準に積み上がっていることで、需給面の重さを見透かされているような感もある。
ネット証券大手の店内では個人による先物買い越し比率が非常に高く、「今の状態は昨年7月26日と同じ水準」(マーケットアナリスト)という。言うに及ばず昨年7月26日というのは7月の第4週末であり、翌週木曜日の8月1日に日経平均は975円安、そして8月第1週末の2日に2216円安、更に週を跨いだ8月5日には4451円安という雪崩を連想させるような歴史的暴落局面に遭遇した。今の状況もこれと符合する部分がある。逆張りに全体重をかけた個人の買いが空売りファンドの標的になる可能性はゼロではなく、悲観に偏る必要はないものの、ここは用心するに越したことはない。
この時期にひとつ目が離せないのは、ウクライナ情勢である。関税政策の行方や金利動向は重要だが、仮に株価が上放れるとすればそれはファンダメンタルズではなく地政学的な要因だ。トランプ氏は演説の中でウクライナのゼレンスキー大統領からの手紙に「感謝する」と述べた。決して突っぱねたわけではない。ウクライナとすれば、いずれにせよ「停戦」というカードを選ぶよりない立場になりつつある。ウクライナに不利な形であっても、戦争が終結した場合、マーケットは“一度は”急速にリスクオンに振れる可能性がある。投資家とすれば、この「停戦」のカードとの距離感を常に意識しておく必要がありそうだ。また、物色対象として世界的な防衛関連株人気が一過性で終わるのか、それとも今後テーマ買いのポールポジションを確保するのかが併せて注目される。
あすのスケジュールでは、対外対内証券売買契約、6カ月物国庫短期証券の入札及び30年物国債の入札、2月の輸入車販売、2月の車名別新車販売、2月の軽自動車販売、2月のオフィス空室率など。海外では1月の豪貿易収支、トルコ金融政策決定会合、ECB理事会の結果発表とラガルドECB総裁の記者会見、1月のユーロ圏小売売上高、1月の米貿易収支、1月の米卸売在庫・売上高、週間の米新規失業保険申請件数など。なお、この日はウォラーFRB理事が経済イベントの討論会で発言機会がある。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2025/03/05 17:30
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=エニマインド、グローバルな高成長継続へ
AnyMind Group<5027.T>は2月17日に直近高値1320円をつけたあと調整しているが、高成長期待を背景に先高感が強く、押し目買いの好機ととらえたい。
同社は、法人やクリエイター向けDXサービスを手掛ける。ブランド向けに商品開発、生産、EC、物流、マーケティングまでを一気通貫で支援するプラットフォームを展開するほか、パブリッシャー向けにWebメディア・モバイルアプリの運用最適化に向けた開発・マーケティング支援を展開。クリエイター向けには企業案件の獲得、グッズ展開や音楽配信のほか、タレントマネジメントまでを支援する。16年にシンガポールでデジタルマーケティングの企業としてスタートし、17年に日本支社を設立。現在は世界15カ国・地域で事業を提供している。
24年12月期で売上高の40%が日韓、43%が東南アジア、17%が中華圏・インドとなっており、特に東南アジアが高成長となった。インフルエンサーマーケティングが各地域で成長したほか、法人向けEC事業も各地域で順調に進捗。クリエイター向けプラットフォームも新規クリエイターの獲得が進み堅調で、営業利益は25億5800万円(前の期比3.4倍)と大幅増益となった。
法人向けのEC支援やマーケティング支援の高い成長が持続しており、25年12月期も営業利益35億500万円(前期比37.0%増)と大幅増益が続く見通し。中期的にはアジアでの法人支援体制強化やローカルネットワーク拡大、AI活用強化などを推進することで、27年12月期に売上高1050億円(24年12月期507億1300万円)、売上総利益385億円(同187億5600万円)を目指している。(温羅)
出所:MINKABU PRESS
2025/03/05 10:00
みんかぶニュース コラム
5日の株式相場見通し=売り優勢、欧米株の大乱調を警戒
5日の東京株式市場は売り優勢、日経平均株価は3万7000円台を再び割り込む場面も予想される。前日に一時900円超の下落をみせる場面があったが、取引後半は下げ渋る動きをみせた。目先的には需給先行で売られ過ぎとの判断も働くところで、押し目買いや買い戻しで下値抵抗力が発揮されるケースも考えられる。一方、反騰局面に移行する明確な強気材料もなく日経平均の上値は重そうだ。前日の欧州株市場は独DAXが3.5%安と急落したのをはじめほぼ全面安商状となった。トランプ米政権の関税政策やウクライナへの軍事的支援停止といった政策に対して欧州でも警戒感が高まっている。この日はドイツやフランス市場で自動車株などへの売りが目立ち、全体指数を押し下げている。また、米国株市場でも欧州株安を引き継いで午前中はNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに下値を探る動きとなり、ダウは800ドルあまり下げる場面があったが、昼頃から流れが変わり戻り足に転じた。ところが、引け際に売り直されダウは600ドル超の下落で引けたほか、ナスダック指数も小幅ながらマイナス圏で取引を終えている。エヌビディア<NVDA>など半導体関連株への買い戻しが全体相場に浮揚効果をもたらす局面もあったが買いは続かなかった。東京市場でも乱調を極める欧米株市場の動きは不安視される。トランプ関税への警戒感は拭えず、前日発動されたメキシコやカナダへの関税についても両国は即座に報復関税を課すことを表明しており、世界経済への下押し圧力につながることが懸念される。今週後半に米国の重要経済指標の発表が相次ぐこともあり、改めて様子見ムードが広がる可能性がある。取引時間中は為替動向なども注視されそうだ。
4日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比670ドル25セント安の4万2520ドル99セントと大幅続落。ナスダック総合株価指数は同65.028ポイント安の1万8285.163だった。
日程面では、きょうは中国で全国人民代表大会(全人代)開幕、2月の財新中国非製造業購買担当者景気指数(PMI)、10~12月期の豪国内総生産(GDP)、2月のADP全米雇用リポート、2月の米ISM非製造業景況感指数、1月の米製造業受注、米地区連銀経済報告(ベージュブック)など。
出所:MINKABU PRESS
2025/03/05 08:00
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=波乱続く東京市場、半導体株は逆風止まず
きょう(4日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比454円安の3万7331円と大幅反落。前日に日経平均は629円高とリバウンドに転じたのも束の間、きょうは一時900円を超えて下落する場面があり投資家は翻弄されるがままとなっている。相変わらず取引時間中の値動きも含め株式市場はヘアピンカーブの連続だが、次に右に振られるのか左に振られるのか皆目分からない視界不良の局面が続いている。
前日は東京市場でプライム上場の9割近い銘柄が上昇し、日経平均も大きくリバウンドに転じていた。その流れを引き継ぐ形で欧州株市場でも主要国の株価がほぼ全面高に買われる展開となった。欧州では地政学リスクが改めて意識されるなか、2日にロンドンで欧州首脳が一堂に会し緊急会合が催され、国防費の早期増額でおおむね意見が一致した。これを背景に各国の株式市場で防衛関連株が強く刺激され、全体相場を押し上げる格好となっている。特にドイツの主要株価指数であるDAXは約2週間ぶりに史上最高値を更新するという欧州株市場のリスク選好ムードを象徴する動きとなった。
しかし、トランプ米政権発足以降は欧州と米国は政治的にデカップリングが顕著で、株式市場も欧州時間から米国時間に移行する過程で流れが変わるケースが心なしか多いようにも見受けられる。前日の米国株市場では取引後半に再び波乱展開が待っていた。米ISM製造業景況感指数が事前予想を下回る一方、項目別で仕入れ価格が著しく上昇したことで、またぞろスタグフレーション懸念がトリガーとなりNYダウは一時900ドルを超える急落。また、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は下落率でダウを上回った。
トランプ米大統領が関税政策を漸次強行する構えにあることで、インフレ懸念がボディーブローのように米株市場にダメージを与えている。とりわけ、トランプ関税は最近の弱い米経済指標と共鳴して投資家の弱気心理を呼び覚ましている。4日にはメキシコとカナダに25%の追加関税を発動した。これは両国に生産拠点を持つ日本の自動車メーカーも影響が免れないが、貿易戦争となれば米国も無傷では済まない。更に追い討ちをかけるように、半導体セクターの変調が止まらない。コンセンサスを上回る好決算を発表してもエヌビディア<NVDA>がバランスを崩したまま立ち直れない現実が、株式需給悪の実態を映し出している。「レバレッジ型ファンドの買いも加わり、同社株はもはやパンパンに張った風船の状態」(ネット証券アナリスト)で、大勢2段下げに突入するかどうかの瀬戸際だ。
東京市場は、きょうは大引け時点で454円安と下げ幅の半分を取り戻し、結局3万7000円台をキープして取引を終えた。弱気論が蔓延するなか、先物を絡めた売りプログラムが下げを助長していることも確かで、そのアンワインドが利いている。しかし、今回は踏み上げ相場に発展するまでにはクリアすべきハードルが多そうだ。海外マネーの退潮が著しい一方で、値ごろ感から個人投資家が信用取引を使って買い込んだ半導体関連などの弱さが日経平均の値動きにそのまま映し出されている。TOPIXとの比較でも日経平均の下値抵抗力の弱さが浮き彫りとなっている。半導体関連は値ごろ感からリバウンド局面に移行しても、それは空売り筋の買い戻しが原動力であり、実需面では持ち高調整の売りが当分切れそうもない。戻り売りで対処するのが妥当と思われる。
きょうは防衛関連が買われたが、欧州に倣って消去法的に買われたイメージも拭えない。日本と欧州との決定的な違いは、ただ一つ中央銀行の政策スタンスだ。欧州では6日のECB理事会で0.25%利下げの可能性が高く、その後の会合でもECBは利下げのカードを切り続ける公算が大きい。片や日銀は今後も段階的に利上げを続ける。金利水準はまだ日本の方がはるかに低いが、問題は金融政策のベクトルの向きであり、株は常に未来に視点を置く。これは株式需給悪と合わせ今の東京市場のアキレス腱となっている。
あすのスケジュールでは、3月の日銀当座預金増減要因見込みが開示されるほか、日銀の内田真一副総裁が静岡県の金融経済懇談会で挨拶及び記者会見を行う。海外では中国で全国人民代表大会(全人代)が開幕し、同日に2月の財新中国非製造業購買担当者景気指数(PMI)が発表される。このほか、10~12月期の豪国内総生産(GDP)、2月のADP全米雇用リポート、2月の米ISM非製造業景況感指数、1月の米製造業受注、米地区連銀経済報告(ベージュブック)などにマーケットの関心が高い。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2025/03/04 17:30
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=インテリクス、DX導入効果で業績飛躍
インテリックス<8940.T>は中古マンションの再生販売を行うリノベーションで業界トップに位置する。業績はネットを活用した物件情報管理などをはじめデジタルトランスフォーメーション(DX)ツールの導入が奏功し、利益回復が加速している。25年5月期は営業利益段階で前期比2.2倍の20億6300万円と高変化が見込まれている。また、システムを外販するDX支援ビジネスにも参入し、今後の展開が注目されそうだ。
投資指標面から割安さも際立っている。PER5倍台でPBRは0.5倍台。4%近い配当利回りも魅力だ。足もとの利益成長が顕著な一方、抜群のバリュー株素地を内包している。株価は今年1月7日につけた昨年来高値910円を通過点に、中勢4ケタ大台に迫る動きが予想される。(桂)
出所:MINKABU PRESS
2025/03/04 10:00
みんかぶニュース コラム
4日の株式相場見通し=大幅反落か、米株が再び波乱展開でリスクオフに
4日の東京株式市場はリスク回避の地合いとなり、日経平均株価は3万7000円台前半で売り優勢の展開が想定される。前日の欧州株市場は主要国の株価が総じて上昇する展開で、ドイツの主要株価指数であるDAXは2.6%あまりの大幅高となり、約2週間ぶりに史上最高値を更新した。ウクライナ情勢の不透明感が拭えないなか、欧州各国がウクライナ支援を視野に防衛費を増額するとの見方から、防衛関連株などに物色の矛先が向かい、全体相場に押し上げ効果をもたらしている。しかし、米国株市場では取引後半に再び波乱展開が待っていた。NYダウは一時900ドルあまり水準を切り下げたほか、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も600ポイントを超える急落に見舞われた。米国によるメキシコ、カナダへの関税発動を目前に警戒感が再燃しているほか、個別ではAI・半導体の象徴銘柄に位置付けられるエヌビディア<NVDA>が大幅安に売り込まれ、投資家のセンチメントを悪化させた。トランプ米政権が半導体の対中輸出を強化するとの思惑がエヌビディアをはじめ半導体セクターへの売りを誘導している。また、この日に発表された米ISM製造業景況感指数は事前コンセンサスに届かず、項目別では仕入れ価格の上昇が顕著だったことから、米経済のスタグフレーション懸念がくすぶっている。東京市場でも米株急落を受けリスクオフの流れは避けられない。米長期金利は4.1%台半ばまで低下したが、これが外国為替市場ではドル売り・円買いの動きを誘い、一時1ドル=149円トビ台での攻防を意識させる水準まで円高が進んだことで、輸出セクターにはネガティブ材料となる。
3日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比649ドル67セント安の4万3191ドル24セントと大幅反落。ナスダック総合株価指数は同497.088ポイント安の1万8350.191だった。
日程面では、きょうは1月の有効求人倍率、1月の失業率、10~12月期の法人企業統計、2月のマネタリーベース、2月の消費動向調査、2月の財政資金対民間収支など。海外では1月の豪小売売上高、1月のユーロ圏失業率など。
出所:MINKABU PRESS
2025/03/04 08:01
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=利回り5%超「期末一括配当株」を狙う
名実ともに3月相場入りとなった3日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比629円高の3万7785円と大幅反発。前週末28日は太陽系の「惑星直列」という稀有な天体イベントと重なったが、くしくも日経平均は暴落しボリンジャーバンドのマイナス3σ(シグマ)の帯の外側へと押し出された。±3σをはみ出るのは0.3%以下と極めて稀である。もっとも、欧州時間からマーケットは立ち直る展開となり、米国株市場では取引後半に痺れを切らしたショート筋のアンワインドでダウは600ドル超の上昇。ハイテク株比率の高いナスダック指数は上昇率でダウを上回った。きょうの東京市場も、前週末の下げ分の6割程度とはいえ、もはや見飽きるくらいの急反転コースをたどった。
3月は年度末に向け機関投資家がポジション調整の売りや利益確定に走る傾向がある。海外投資家も黒い目の外国人が含まれているからか過去10年で8回も売り越しており、その売り越し額も他の月と比較して大きくなりやすいのが特徴だ。ただ、近年は企業の株主還元姿勢の高まりを背景に配当権利取りなどの動きが活発で、これは株価の下支え要因となっている。加えて月後半になると配当再投資というワードがメディアに躍る。そのため海外投資家が相場動向を左右するという常識は当てにならず、実際に日経平均の月間騰落で3月は6勝4敗と勝ち越している。
個別では3月決算期末を前に配当権利取り狙いの買いが意識されやすいが、本気で配当を取りに行くことが目的であれば、実はこの時期に動くのは得策ではない。上値に飛びついて買ってもあまり意味がなく、なぜなら期を跨げば配当権利落ちのキャピタルロスが生じるからで、理想を言えば3月権利付き最終売買日(27日)までの短期間に配当利回り分の利が乗ったら欲張らずキャッシュ化しておくのが賢明となる。決算プレーと同様、配当権利取りプレーはモメンタム相場の要素が強い。短期マネーはそれを承知で参戦している。
そうした事情を理解したうえで、3月相場は高配当株がテーマ買い対象として最有力視されるのは間違いない。実際、全体相場が波乱含みとなっても、配当利回りの高い銘柄は相対的に株価の強さを際立たせるケースが少なくない。3月1日にアップされた株探トップ特集「波乱相場で値千金の投資術、『究極の好業績・高配当株』で乗り切る!」では配当利回りが5%超の好業績株として極東開発工業<7226.T>や東京鐵鋼<5445.T>など5銘柄がエントリーされていたが、当欄ではその姉妹編として配当利回りが5%超の高水準で、なおかつ「期末一括配当」の銘柄群にスポットを当ててみる。
明和産業<8103.T>は25年3月期の期末配当が37円で配当利回りにして5.11%。加えてPER9倍台、PBRが0.7倍台で水準訂正余地が大きい。化学品や樹脂を扱う三菱系商社で今期営業2ケタ増益見通しにある。また、北関東を地盤に戸建の分譲販売を展開するグランディハウス<8999.T>も今期は増収・2ケタ営業増益見込みで、株価は600円未満と中低位に位置するが、期末に32円配当を計画し利回りは5.46%となる。成長に向けた戦略投資にも前向きで0.6倍台の低PBR改善に取り組んでいる。また、フェイスネットワーク<3489.T>は投資用マンションの新築一棟売りを展開しており、今期は営業利益倍増と変貌を見込み、EPSは273円台まで伸びる見通し。配当性向35%を掲げており、期末一括で96円配当を計画。これは前期比倍増以上で配当利回りは5.17%。更に来期も最終利益の成長が予想されることで増配の可能性がある。
商い薄の銘柄ではあるが、段ボールの小ロット多品種生産で強みを発揮する大村紙業<3953.T>にも穴株素地がある。PBR0.6倍で配当利回りは5.74%に達する。最後に、材料株素地に富む銘柄ではシライ電子工業<6658.T>が意外性を内包している。配当利回りは前週末時点で5%ジャスト。毎期増配を繰り返しており、株価はエレクトロニクス系銘柄ならではの瞬発力を有している。
あすのスケジュールでは、1月の有効求人倍率、1月の失業率のほか、10~12月期の法人企業統計、2月のマネタリーベースなどがいずれも朝方取引開始前に発表される。また午前中に10年物国債の入札が行われ、午後取引時間中には2月の消費動向調査や2月の財政資金対民間収支が開示される。海外では1月の豪小売売上高や1月のユーロ圏失業率など。また、トランプ米大統領が米議会の上下両院合同会議で施政方針を演説する。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2025/03/03 17:30
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=TREHD、廃棄物処理事業など好調
TREホールディングス<9247.T>に注目したい。同社は産業廃棄物処理と資源リサイクル事業を主力としている。25年3月期連結純利益は108億円(前期比3.0倍)と2期ぶりに最高益を更新する見込みだ。能登半島地震の復旧・復興支援事業にかかる関連需要などが寄与する。今期配当も前期比5円増の45円を計画している。
足もとで地震や豪雨、台風などの災害廃棄物処理の需要が拡大。また建設系廃棄物は、高度経済成長期に整備された社会資本の老朽化の進展とともに今後も堅調な伸びが見込める。株価は今期予想連結PER7倍台、配当利回りは2.7%前後と割安感も強く、先行き2000円乗せを目指す堅調展開が期待できる。(地和)
出所:MINKABU PRESS
2025/03/03 10:00
みんかぶニュース コラム
3日の株式相場見通し=大幅反発か、米株急反騰受け不安心理改善
3日の東京株式市場は前週末の急落の反動で日経平均株価は自律反発局面に移行し、3万7000円台半ばから後半を目指す動きとなることが予想される。前週末の欧州株式市場はアジア株全面安を引き継いで投資家のセンチメント低下が懸念されたものの、高安まちまちで下値では押し目買いの動きが観測され底堅さを発揮した。米国株市場を横にらみに取引後半は買いに厚みが加わり、ドイツの主要株価指数であるDAXはほぼ横ばいで着地し、仏CAC40や英FTSE100などは上昇して取引を終えた。一方、米国株市場では前半は上値が重い場面もあったが、後半は尻上がりに株価は上昇基調を強める展開となった。この日は注目されたPCEデフレーターの伸びが前月から減速したことで、米長期金利の低下が顕著となり、株式の相対的な割高感が薄れたことが買いの根拠となっている。NYダウは構成銘柄の90%以上の銘柄が値を上げた。ハイテク株も総じて強くナスダック総合株価指数は上昇率でダウを上回っている。ただ、同日行われたトランプ米大統領とウクライナのゼレンスキー大統領の首脳会談では、激しい口論となるなど仲たがいで終わり協定の署名が行われなかった。これに伴う警戒ムードは拭い切れず、ダウ、ナスダック指数とも小幅下落する場面もあった。東京市場では前週末に先物主導で日経平均は想定外の急落に見舞われ、1100円も水準を切り下げたが、きょうは米株市場の大幅高を受け投資家心理が改善することが予想される。ウクライナ情勢が混沌としていることで地政学リスクはくすぶるが、足もとでは空売り筋の買い戻しが全体相場に浮揚力をもたらしそうだ。外国為替市場ではドルが買われ、足もと1ドル=150円台に戻すなど円安方向に振れていることも輸出セクターを中心にポジティブ材料となりやすい。
2月28日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比601ドル41セント高の4万3840ドル91セントと3日ぶり急反発。ナスダック総合株価指数は同302.860ポイント高の1万8847.279だった。
日程面では、きょうは2月の新車販売台数、2月の軽自動車販売台数など。海外では2月の財新中国製造業PMI、2月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)、2月の米ISM製造業景況感指数など。
出所:MINKABU PRESS
2025/03/03 08:01
みんかぶニュース コラム
来週の株式相場に向けて=日経平均急落で想定外の下放れ、建設株などに突破口期待
28日の東京株式市場は日経平均株価が前日比1100円安の3万7155円と大幅安となった。前日の米国市場でナスダック指数が2.8%安と急落。26日に決算発表を行ったエヌビディア<NVDA>が8%安と急落し、日米で半導体関連株が軒並み安となった。
エヌビディアの決算は良好だったが、「多少内容が良い程度では、逆に株価は売られてしまう局面に入った」(市場関係者)ともみられている。日経平均株価に関しても「3万8000~4万円の往来圏が長く続いていたが、相場が下放れしたことで、ヘッジ売りが膨らんだ面もあるだろう」(同)と分析されている。足もとで、出遅れの日本株には上昇期待も強かっただけに、往来圏下放れは「想定外」とみる声は少なくない。
昨年夏の「令和のブラックマンデー」と呼ばれた急落時も、相場が落ち着くまで荒い値動きが続いた。足もとの東京市場も目先、乱高下も予想されるが、日経平均株価の下値は3万6000円前後ともみられ、一段安局面は買い場になると期待されている。アナリストからは「為替動向にも不透明感が強く、当面は内需株が物色の中心。設備投資需要の増加が見込める建設・電気工事関連などが狙い目だろう」との声もある。鹿島<1812.T>や関電工<1942.T>のような業績が堅調な高配当利回り銘柄などが見直されそうだ。
来週からは3月相場に突入するが、週末7日の米2月雇用統計が最大のポイントとなる。それに先立つ格好で3日の米2月ISM製造業景況指数、5日の米2月ADP雇用統計などの経済指標が注目される。また、中国では5日から全国人民代表大会(全人代)が開幕する。
上記以外のスケジュールでは、3日に中国2月財新製造業PMI、5日に米2月ISM非製造業景況指数、米ベージュブック(米地区連銀経済報告)、6日に米1月貿易収支、ECB定例理事会、7日に中国2月貿易収支が発表される。4日にターゲット<TGT>、6日にブロードコム<AVGO>、ヒューレット・パッカード・エンタープライズ<HPE>が決算発表を行う。3日から6日にかけスペイン・バルセロナでモバイル見本市「モバイルワールドコングレス(MWC)」が開催される。
国内では4日に1月失業率・有効求人倍率、10~12月期法人企業統計、5日に内田日銀副総裁が静岡県金融経済懇談会に出席する。6日に2月都心オフィス空室率が発表される。3日に伊藤園<2593.T>、ピープル<7865.T>、4日に内田洋行<8057.T>、ダイドーグループホールディングス<2590.T>、6日に積水ハウス<1928.T>、泉州電業<9824.T>、7日にクミアイ化学工業<4996.T>、日本駐車場開発<2353.T>が決算発表を行う。来週の日経平均株価の予想レンジは3万6800~3万8000円前後。(岡里英幸)
出所:MINKABU PRESS
2025/02/28 17:30