みんかぶニュース コラムニュース一覧

みんかぶニュース コラム 5日の株式相場見通し=大幅反落、米株急落受けリスクオフの流れに  5日の東京株式市場は大型株を中心に大きく売り優勢に傾き、日経平均株価は大幅反落を余儀なくされそうだ。3万9000円台前半に水準を切り下げ、場合によっては3万9000円大台攻防を意識させる展開もあり得る。前日の米国株市場ではNYダウが500ドルを超える大幅安となり4日続落、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も200ポイントを超える下げとなった。NYダウは4営業日で1200ドルを上回る下落幅となっている。この日は朝方取引開始前に開示された週間の新規失業保険申請件数が予想を上回ったことで労働需給のタイト感が緩和され、主要株価指数は高く始まったが、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁が年内の利下げ見送りの可能性に言及し、これが嫌気される形となり大きく値を崩した。原油市況が一段と水準を切り上げ、一時1バレル=87ドル台後半まで上昇し、約半年ぶりの高値をつけたこともインフレ再燃を想起させ、全体相場の下げを助長している。東京市場では米株市場が波乱含みの下げとなったことを受けリスク回避ムードは避けられず、主力ハイテク株をはじめ広範囲に売りが広がることが予想される。日本時間今晩に3月の米雇用統計発表を控えており、この内容を見極めたいとの思惑もあり押し目に買い向かう動きも限定的となりそうだ。  4日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比530ドル16セント安の3万8596ドル98セントと4日続落。ナスダック総合株価指数は同228.376ポイント安の1万6049.082だった。  日程面では、きょうは2月の家計調査、3月上中旬の貿易統計、3カ月物国庫短期証券入札、2月の景気動向指数(速報値)など。海外では、2月の豪貿易収支、2月のユーロ圏小売売上高、3月の米雇用統計、2月の米消費者信用残高など。なお、台湾、中国市場は休場。 出所:MINKABU PRESS 2024/04/05 08:01 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=「エネルギー関連」に怒涛の資金流入  きょう(4日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比321円高の3万9773円と反発。3月下旬に4万円台固めに入ったと思いきや突風に煽られてバランスを崩し、3万9000円近辺まで急降下、その後は再び真空地帯を駆け上がる荒い値動きが続いている。きょうは先物主導で切り返したが、取引終盤にブレーキがかかった。日経平均は一体どこに向かっているのか。一連の値動きが高値波乱とすれば、きょうの戻り足を素直に信用してはいけないことになる。しかし、ここで日々の上げ下げに気を揉んでも仕方がない。「何事も行き着くところに落ち着くものである」とは『ガルガンチュア物語』の著者として名を馳せたラブレーの言葉。敢えて鈍感になることも大切。また、森全体がどんなにざわめいても強い株は買われる。今のプライム市場はそれが当てはまる地合いだ。  きょうはソシオネクスト<6526.T>が咆哮した。ストップ高に張り付き、大引け買い物を残す急騰パフォーマンスを演じ市場関係者の耳目を驚かせた。SoC(システム・オン・チップ)をファブレス形態で供給、半導体設計大手として国内ではほぼ無双状態。個別のチップを組み合わせて一つの半導体チップを完成させるという「チップレット集積」は半導体の高性能化における必須技術とみられ、これが同社に独占的な活躍の舞台を提供する可能性がある。もっとも、きょうは半導体関連全般が有卦に入った状態ではなかった。「足もとで物色の流れに変化が生じている。目先は世界的なインフレ気配でエネルギー周辺株に投資マネーの視線が移った」(ネット証券アナリスト)と指摘する声も出ていた。  ここにきて、ひと際コモディティ価格の高騰が目立つ。原油市況や金価格の高騰はもとより銀や銅、アルミ価格も揃って急上昇しており、言うに及ばずインフレの匂いが強烈に漂う。特に原油市況については、イスラエルとイランの対立が先鋭化するなか地政学リスクが強く意識され、「資源・エネルギー」という範疇で投資マネーを誘引している。直近の電力株高は政治的な背景、いわゆる岸田政権の原子力政策に対する思惑が大きいのだが、今の相場の地合いにマッチしているからこそ人気化しているともいえる。  そして次に来るワードとして「水素」に着目。水素はクリーンエネルギーの代表で燃焼時にCO2を排出しない特性を有することで、脱炭素戦略では重要なポジションを担う。製造はもちろんのこと貯蔵や運搬にも多くの企業が携わる。更に自動車業界や鉄鋼業界向けなどをはじめ利用する側の産業エリアも広範にわたり、ひとつの経済圏としてみた場合、想像以上に裾野が広いテーマである。原子力と並び水素を前面に押し出した政府のエネルギー政策は、株式市場でもインパクトのある投資テーマとして中期的に脚光を浴びやすい。   そうしたなか、直近では、政府が原子力を活用した水素製造の実証を2028年にも始めるとの報道がなされた。水素を次世代原子炉で製造する技術にメドがついたということを意味しており、関連企業はにわかに色めき立つことになる。きょうは産業用ガスの専門商社で水素事業への注力姿勢を明示している岩谷産業<8088.T>がマドを開けて買われ上場来高値を更新した。また、株価低位のユニチカ<3103.T>も急騰、50円高はストップ高となる218円でカイ気配に張り付いたが、これも水素絡み。ハイエントロピー合金を合成する技術を開発したことを発表し材料視されたものだが、同技術は水素利用を促進する高性能な水素生成電極や燃料電池用電極触媒への応用で注目されている。  そして、ここで目を向けてみたいのが三菱商事系の総合エンジニアリング企業である千代田化工建設<6366.T>だ。水素ビジネスで先行し、とりわけ同社独自の貯蔵・運搬技術に注目度が高い。また、トヨタ自動車<7203.T>とは水素電解システムの開発で協業体制にあり、今後折に触れて話題となりそうだ。業績も23年3月期を境に急回復トレンドに突入している。このほか、水素ステーション向け圧力計測器をほぼ独占供給し、トヨタの燃料電池車ミライ向けに圧力センサー納入実績を持つ長野計器<7715.T>も要マークといえる。  あすのスケジュールでは、2月の家計調査、3月上中旬の貿易統計がいずれも朝方取引開始前に開示されるほか、午前中に3カ月物国庫短期証券入札が予定されている。午後取引時間中には2月の景気動向指数(速報値)が発表される。海外では、2月の豪貿易収支、2月のユーロ圏小売売上高のほか、3月の米雇用統計にマーケットの関心が高い。このほか米国では2月の消費者信用残高も開示される。なお、台湾、中国市場は休場となる。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/04/04 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=コーセル、受注残解消に向けた増産が好業績に寄与  コーセル<6905.T>は電子機器や電機機械器具の製造・販売を手掛けており、半導体の高速スイッチング作用を利用したスイッチング電源が主力製品となっている。  足もと業績は好調で、3月22日に公表した24年5月期第3四半期累計の連結経常利益は前年同期比87.0%増の67億2300万円で着地。部品材料の調達状況が改善してきたことを受け、受注残の解消に向けた増産対応を継続したことが寄与した。通期の連結経常利益予想は73億100万円(前期比38.4%増)で据え置いているが、進捗率は92%超に達していることから上振れ余地が大きいといえそうだ。  株価は3月22日に年初来高値1644円をつけ、その後は上げ一服商状となっている。ただ、PERは依然として割安感があり、時価は押し目買い好機と捉えたい。(参) 出所:MINKABU PRESS 2024/04/04 10:00 みんかぶニュース コラム 4日の株式相場見通し=反発、米ハイテク株堅調受け買い戻し優勢  4日の東京株式市場は主力株中心に買い戻しが優勢となり、日経平均株価は先物主導でリバウンドに転じる公算が大きい。前日の欧州株市場では3月のユーロ圏消費者物価指数が予想を下回る内容だったことで、ECBによる利下げ期待が高まり、主要国の株価指数が総じて堅調に推移した。一方、米国株市場ではNYダウが3日続落となったものの、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は反発した。朝方に発表された3月のADP全米雇用リポートが事前コンセンサスを上回る強い内容だったことや、アトランタ連銀のボスティック総裁やパウエルFRB議長の発言を背景にやや不安定な値動きとなったものの、3月の米ISMサービス業景況感指数が予想を下回る内容だったことは、全体相場に下支え効果をもたらした。米長期金利の上昇が一服したことを背景にIT関連の一角には買い戻しの動きが観測された。ただ、取引終盤は手仕舞い売りが出て地合いが軟化している。東京市場では前日に日経平均が一時600円を超える大幅安をみせ、終値でも400円近い下げとなった。しかし先物主導で下げ過ぎた感も拭えず、今日はその買い戻しが見込まれそうだ。外国為替市場で一時1ドル=152円近辺まで円安が進んだことは輸出セクター中心に追い風として意識されやすい。  3日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比43ドル10セント安の3万9127ドル14セントと3日続落。ナスダック総合株価指数は同37.009ポイント高の1万6277.458だった。  日程面では、きょうは3月の輸入車販売と3月の車名別新車販売、3月の軽自動車販売、4月の日銀地域経済報告(さくらリポート)、30年物国債の入札など。海外では、2月の米貿易収支、週間の新規失業保険申請件数など。なお、香港、台湾、中国市場は休場。 出所:MINKABU PRESS 2024/04/04 08:00 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=“ラピダス経済効果”で出世株輩出へ  きょう(3日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比387円安の3万9451円と反落。足もとで全体相場の流れが悪くなっており、日経平均は朝方に想定外の崩れ足で600円以上の下落を示しヒヤリとさせられる場面もあった。  3月19日に4万円大台に回帰し、4万円台固めから上値追い再開かと思われた矢先にあえなく滑り落ち、きょうはあっという間に3万9200円近辺まで水準を切り下げる展開。どんな強気相場であっても“好事魔多し”という言葉が当てはまることを痛感させられるが、3月中旬の小波乱と同じく、25日移動平均線を小幅に下回ったところで踏みとどまることができれば、今回もご多分に漏れず絶好の押し目買い場提供となり得る。きょうは、日経平均が大きく下げるなかも、値上がり銘柄数が800を超え値下がりを上回った。これは株価指数先物と絡まない次元で個別株に対する純粋な物色意欲を反映している。  ただし、足もとで新たな警戒材料が発現していることには注意が必要となる。市場関係者によると「2つの悪材料が立て続けに出た。一つはイスラエルによるイラン大使館への空爆。両国の対立先鋭化は避けられず、ともすると『イラン・ロシアVSイスラエル・米国』という政治的な色合いが強まるなか、地政学リスクによる原油価格の一段の高騰が懸念される。そして、もう一つは今朝方に発生した台湾付近を震源とする地震で、TSMC<TSM>の半導体工場がストップしていること。半導体のサプライチェーン・リスクが再び警戒される場面にある」(ネット証券アナリスト)という。原油価格の高騰と半導体供給トラブルに伴う製品価格上昇圧力は、いずれも世界的なインフレモード再燃へとつながっていく。米国の6月利下げ観測の後ずれはもとより、年内3回どころか利下げ自体が難しいというようなコンセンサスが生まれれば、これは株高シナリオの変更につながりかねない。  そうしたなか、きょうの東京市場では電力株が軒並み高に買われ目を引いた。前日取り上げた北海道電力<9509.T>は前引け時点でプライム市場の値上がり率トップとなる大立ち回りをみせたが、東京電力ホールディングス<9501.T>も柏崎刈羽原発の再稼働思惑を背景に、売買代金で上位に食い込む活況を呈し、上値追い態勢を維持した。このまま行くと原油高に加え円安による輸入コストの上昇で、電力料金の上昇圧力も拭えなくなる。概念的にデフレ脱却は望むところだが、現実問題としてコストプッシュ型インフレは解散総選挙を念頭に置く岸田政権にとって是が非でも回避したいのが本音のはず。したがって、供給不足をクリアする原発稼働への道筋は、政権維持の上でも必要条件となっている。特に、次世代半導体量産を担うラピダスの千歳工場の稼働で生じる膨大な電力需要は、泊原発の稼働が必須となる。その意味で北海電の株価刺激材料には事欠かない。  PERなどを考慮すると北海電の上値の伸びしろが4ケタ大台ラインの手前で消滅することはなさそうだ。だが、ラピダス関連の切り口で商機をつかむ銘柄は電力株や半導体関連にとどまるものではない。例えば、北海道が拠点の建機レンタル大手カナモト<9678.T>はマークしておく価値がありそうだ。同類項として北海道を地盤とする建設資材商社であるクワザワホールディングス<8104.T>が既に人気化しており、これに追随できるか注目となる。カナモトは24年10月期営業18%増益予想で75円配当は配当利回りにして2.8%台。しかも、PBR0.7倍前後で一段の株主還元強化も期待できる。  また、熊本同様に“半導体城下町”効果による経済活性化で活躍機会が増すのが地銀である。低PBR株の宝庫で再編思惑など株価の刺激材料にも事欠かないセクターだが、そのなか北海道を地盤に第2地銀で最大規模の資金量を誇る北洋銀行<8524.T>は買い安心感がある。株価も400円台と値ごろ感があり、しかもPBRは0.4倍に過ぎない。  あすのスケジュールでは、週間の対外・対内証券売買契約が朝方取引開始前に開示されるほか、午前取引時間中に3月の輸入車販売と3月の車名別新車販売、3月の軽自動車販売が発表される。また、4月の日銀地域経済報告(さくらリポート)にも注目が集まる。このほか、午前中に30年物国債の入札が予定されている。この日はIPOが1社予定されており、東証スタンダード市場にアズパートナーズ<160A.T>が新規上場する。海外では、2月の米貿易収支、週間の新規失業保険申請件数などにマーケットの関心が高い。なお、香港、台湾、中国市場は休場となる。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/04/03 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=Lドリンク、消費者の低価格志向が追い風  ライフドリンク カンパニー<2585.T>は2月8日に年初来高値6040円をつけた後下落していたが、調整一巡から再騰機運を高めている。  同社は水や茶系飲料、炭酸飲料、茶葉製品の製造・販売が主な事業。自社製品に加えて、他社PB商品受託製造を手掛けており、低価格での商品提供が強みだ。  近年では食料品の相次ぐ値上げで、消費者はより安い商品を求める傾向にあり、こうしたPB商品の需要が拡大。同社の24年3月期第3四半期累計決算でも既存工場の生産能力増強投資や23年1月に子会社化したニットービバレッジの貢献もあり、生産数量は前年同期比15%増と伸長した。これに加えて、生産数量増に対応した販売先確保やコスト増に対応した価格改定の効果もあり、営業利益は40億2900万円と、通期計画に対する進捗率88%を記録。通期では同46億円を見込むが、進捗率の高さから上振れが期待されている。  25年3月期は、引き続き消費者の低価格志向が追い風となる。御殿場新工場の稼働が売り上げ増に寄与する一方、償却費負担から増益率は鈍るとみられるものの、2ケタ増益を継続すると見る調査機関が多いようだ。(仁) 出所:MINKABU PRESS 2024/04/03 10:00 みんかぶニュース コラム 3日の株式相場見通し=売り優勢、欧米株安受けリスク回避ムード  3日の東京株式市場は売り優勢の地合いとなり、日経平均株価は3万9000円台後半で軟調に推移する公算が大きい。前日の欧州株市場では最高値更新の続いていた独DAXが9日ぶりに反落するなど総じて軟調な地合いで主要国の株価指数が揃って下落、米国株市場でもリスク回避の流れは止まらず、NYダウは一時500ドルを超える下げをみせるなど下値模索の動きを強いられた。発表される米経済指標が相次いで強い数字を示していることで、FRBによる利下げが年後半に後ずれするとの思惑が強まっている。この日は米10年債利回りが一時4.4%台まで水準を切り上げるなど、金利の上昇基調が一段と鮮明となり、株式の相対的な割高感が意識された。個別では電気自動車(EV)大手のテスラ<TSLA>が1~3月期の世界販売台数の不振を受けて5%近い下落をみせたことも、市場センチメントを冷やす形となった。東京市場では前日に日経平均株価が反発したものの上げ幅はわずかで、値下がり銘柄数がプライム市場全体の8割以上を占めるなど実質的には下げ相場が続いている。きょうは機関投資家の益出しの動きが一巡するものの、欧米株安を受け、引き続き買い手控えムードが拭えない状況といえる。今週末に発表される3月の米雇用統計を前に、この結果を見極めたいとの思惑も上値を重くしそうだ。  2日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比396ドル61セント安の3万9170ドル24セントと続落。ナスダック総合株価指数は同156.383ポイント安の1万6240.449だった。  日程面では、きょうは4月の日銀当座預金増減要因見込み、3カ月物国庫短期証券の入札など。海外では3月の財新中国非製造業購買担当者景気指数(PMI)、2月のユーロ圏失業率、3月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値、3月のADP全米雇用リポート、3月のサプライマネジメント協会(ISM)サービス業景況感指数など。 出所:MINKABU PRESS 2024/04/03 08:00 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=ラピダス関連最右翼に浮上した意外な株  きょう(2日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比35円高の3万9838円と小幅反発。高く引けたとはいえ、途中は前日終値を下回る時間帯もあり、TOPIXの方は、後場は終始マイナス圏で推移した。値下がり銘柄数は1300超と全体の8割以上を占めており、実質的に前日同様の下げ相場が続いたといってもよい。とりわけ東証グロース市場の下げは厳しく、投資家の体感温度は冬の寒さに逆戻りした状態かもしれない。  前日の米国株市場ではNYダウは反落したものの大手IT株が総じて堅調だった。マグニフィセントセブンもアップル<AAPL>とテスラ<TSLA>を除き上昇、ナスダック総合株価指数は小幅ながらプラス圏で着地した。半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も3日続伸と戻り足を強めており、東京市場にとってもポジティブな流れであったはずだ。しかし、東京エレクトロン<8035.T>やレーザーテック<6920.T>、ディスコ<6146.T>といった大所が買われはしたが、今ひとつ盛り上がりを欠いた。本来であればもう少し半導体セクターの銘柄が派手に買われてよい場面であった。  なぜなら、このタイミングで日の丸半導体会社ラピダスへの政府による大規模追加支援が発表されたからだ。ラピダスは2027年に線幅2ナノメートルの次世代半導体の量産を目標に掲げているが、経済産業省は2日、同社の半導体開発に2024年度で最大5900億円の追加支援を明らかにした。支援総額では1兆円に迫る水準となり、TSMC<TSM>の熊本第1工場・第2工場の支援規模に早くも肩を並べそうな勢いにある。  米国の意思が反映された部分も大きいと思われるが、まさに唸りを上げてエンジンの回転数を上げるがごとし、日本の半導体政策が目を見張るスピードで加速してきた。SOX指数の上げ下げに一喜一憂するよりも、こうした国内の半導体支援の動きが関連銘柄にとってはこの上ない強力なフォローウインドとなる。その割に熱量が足りない印象を受けるのは、全体相場の調整モードが続いていることによる。きょうは依然として金融機関や年金資金の益出しの動きが観測される一方、海外マネーの本格攻勢には若干のタイムラグがあり、その時間軸の狭間に沈む形で値動きに冴えを欠いた。  そうしたなか、ラピダス関連の意外な有望株として市場関係者の間で話題となっていたのが、北海道電力<9509.T>だ。電力株は原発再稼働の思惑を背景に需給相場の色彩を強めていたが、特に柏崎刈羽原発を有する東京電力ホールディングス<9501.T>が、常に投資家の関心の中心軸に位置していた。実際、東電HDの株価は22年1月に300円前後だったが、今年3月15日には967円30銭の高値をつけ2年ちょっとで3倍以上に化けた。ただし、23年1月からの株価推移をみると九州電力<9508.T>がむしろ主役。700円台だった株価を直近3月22日には1403円とおよそ2倍化させている。これはいうまでもなくTSMCの熊本工場の絡みで、半導体製造に使う膨大な電力需要創出に対する思惑が、九州電の株高シナリオと共鳴したものだ。  こうなると、次はラピダスの順番となり、千歳工場の本格稼働による電力需要エリアを管轄する北海電に視線が向くのは自然だ。しかも、こちらは超先端2ナノ品の量産を目指す純国産製造ラインである。北海電の株価は2月下旬からスイッチが入り“本番モード”となったが、株価は1カ月半で3割強の上昇をみせたに過ぎない。近い将来に半導体工場稼働となれば電力供給は圧倒的な需要に追いつかないことは自明であり、市場では「政府としてはラピダスの工場稼働までには、何としても泊原発を稼働させる形に持っていきたいという考えがある」(ネット証券アナリスト)と指摘する。その意味で、ここからの北海電の株価は東電HD以上に熱視線を浴びる可能性がある。なお、同社の予想PERは、最終利益がイレギュラーとはいえ、わずか2倍台に過ぎず、ここからの水準訂正余地を暗示している。  あすのスケジュールでは、4月の日銀当座預金増減要因見込みが朝方取引開始前に開示されるほか、午前中に3カ月物国庫短期証券の入札が予定されている。午後取引時間中には需給ギャップと潜在成長率が発表される。海外では3月の財新中国非製造業購買担当者景気指数(PMI)が開示され、欧州では2月のユーロ圏失業率、3月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値、米国では3月のADP全米雇用リポートや、3月のサプライマネジメント協会(ISM)サービス業景況感指数に対する市場の関心が高い。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/04/02 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=RSテクノ、再生ウエハーの需要拡大に期待  RS Technologies<3445.T>を半導体関連の出遅れとしてマークしたい。同社は半導体製造工程で使われる再生ウエハーの受託加工を行うが、世界シェアトップの実力を誇り、今後中期的に半導体需要の拡大が追い風として意識されそうだ。中国、台湾などを中心に海外向けが売り上げの大半を占めているが、国内でも台湾の半導体受託生産最大手TSMC<TSM>の熊本工場向けなどで新たな需要獲得が見込まれ、業績拡大に弾みがつく可能性がある。  24年12月期は営業利益段階で前期比18%増の140億円を見込むが、続く25年12月期も2ケタの利益成長が視野に入りそうだ。時価予想PER10倍台は割安感があり、3230円の年初来高値奪回を通過点に、早晩3500円近辺への上値チャレンジが有力視される。(桂) 出所:MINKABU PRESS 2024/04/02 10:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=コマツ、業績最高益基調が続く  コマツ<6301.T>に注目したい。建機最大手である同社の第3四半期累計(23年4~12月)の連結純利益は前年同期比31.2%増の3042億6700万円だった。北米での建機需要が堅調なほか、鉱山機械も伸びた。販売価格の引き上げも寄与した。24年3月期の同利益は前の期比4.2%増の3400億円と最高益が予想されているが、第3四半期までの進捗率は89%に達しており、3700億円前後へ上振れも期待できる。  25年3月期も堅調な建機需要が予想され、同利益は3900億円前後への連続増益が見込める。株価は最高値圏にあるが、3%近辺の配当利回りも期待でき、なお割安感は強い。先行き5000円乗せから一段高が予想される。(地和) 出所:MINKABU PRESS 2024/04/01 10:00 みんかぶニュース コラム 1日の株式相場見通し=強弱観対立のなか、4万円トビ台でもみ合う展開  1日の東京株式市場は売り買い交錯のなか、日経平均株価は4万円トビ台前半でもみ合う展開か。前週末の欧米株式市場がグッドフライデーの祝日に伴い揃って休場だったことから、手掛かり材料に乏しく、強弱観対立のなか比較的狭いゾーンでのもみ合いが想定される。きょうから名実ともに新年度入りとなる東京市場では機関投資家による新たな買い需要が見込まれ、全体相場を下支えする可能性があるものの、積極的に上値が買い進まれる展開は想定しにくい面もある。外国為替市場では1ドル=151円台前半の推移で円安水準は維持されていることで、輸出セクターやインバウンド関連にはポジティブに作用しそうだ。また、31日に発表された3月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)や中国非製造業PMIはいずれも50を上回り、市場コンセンサスを上回る強い数字だったことは、中国景気に対する警戒感の後退につながり、これも投資家心理にプラスに働きやすい。一方、朝方取引開始前に開示される日銀短観が全体相場に影響を与える可能性もあり、その内容が注目されそうだ。  日程面では、きょうは3月の日銀全国企業短期経済観測調査(日銀短観)、3月の新車販売台数、3月の軽自動車販売台数など。海外では3月の財新中国製造業購買担当者景気指数(PMI)、3月の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数、2月の米建設支出など。 出所:MINKABU PRESS 2024/04/01 07:59 みんかぶニュース コラム 来週の株式相場に向けて=新年度相場を占う展開、やはりバリュー株優位か  29日の日経平均株価は前日比201円高と反発。前日に600円近い下落を演じていただけに、自律反発狙いの買いが入った様子だ。年度末を迎え「足もとでは年金などのリバランスの動きも出ていたようだ」(市場関係者)という。ただ、リバランスの売買も今日で一巡し、来週からは4月で新年度入りする。ここで相場の物色に変化が出るかが、ポイントだ。  海外投資家などグローバル資金は米国の金融政策を注視しており、年3回の利下げがあるかが関心を集めている。米利下げ観測が優勢となれば、ドル安・円高圧力が強まることも予想される。そんななか、今晩発表の米2月個人消費支出(PCEデフレーター)や来週5日の米雇用統計が注目される。そして国内では1日には日銀短観が発表される。  もし米利下げ期待が後退したとしても、1ドル=151円後半では政府・日銀による為替介入が警戒される。ここからの一段の円安に対する期待感が後退するなか、半導体を中心とするハイテク株は買い上がるには胆力のいる状況となりつつある。  そんななか「新年度に入っても為替の影響度が小さいバリュー株に対する物色が続くのではないか」(アナリスト)との見方は増えている。三井不動産<8801.T>や三菱地所<8802.T>といった不動産株は新値追いを続けており、大成建設<1801.T>や大林組<1802.T>、清水建設<1803.T>といった建設株も堅調な値動きとなっている。来週は、重要経済指標の発表が目白押しであり、新年度相場の行方を占ううえでは目が離せない展開となりそうだ。  上記以外のイベントでは、海外では1日に米3月ISM製造業景況指数、2日に米2月JOLTS求人件数、3日に米3月ADP雇用統計、同ISM非製造業景況指数、4日に米2月貿易収支が発表される。国内では、4日に日銀が地域経済報告(さくらレポート)を公表するほか、5日に2月家計調査が発表される。1日にしまむら<8227.T>、5日に安川電機<6506.T>が決算発表を行う。来週の日経平均株価の予想レンジは3万9800~4万800円前後。(岡里英幸) 出所:MINKABU PRESS 2024/03/29 17:23 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=Aバランス、今期最高益予想で株価は調整十分  Abalance<3856.T>は調整十分でここからのリバウンドに期待したい。同社はソフト開発を祖業とし、現在では太陽光発電事業にシフト。太陽光パネルの製造をはじめ、発電システムや関連製品の販売を手掛ける。傘下の太陽光パネル部品会社を米ナスダック市場に上場させるべく現在手続きを進めており注目だ。  高成長トレンドを突き進み、今24年6月期も営業最高益を計画。上期時点で利益進捗は6割を超えている。同社株は業績拡大を背景に2020~23年にかけ、数百円から1万円台まで急騰する大相場を演じた経緯がある。その後は調整を余儀なくされ、足もと2000円近辺での値動きに。PERは6倍台と急騰前の水準まで低下しており、値ごろ感が意識される。(イ) 出所:MINKABU PRESS 2024/03/29 10:00 みんかぶニュース コラム 29日の株式相場見通し=反発か、欧米株堅調受け買い戻し優勢に  29日の東京株式市場は売り買い交錯のなかも主力株中心に買い戻しが優勢となり、日経平均株価は4万円台前半で頑強な値動きとなることが予想される。前日に先物主導で大きく売られた反動で切り返しに転じる公算が大きい。前日の欧州株市場は主要国の株価指数が総じて高く、独DAXは8連騰を記録し連日で最高値更新基調が続いている。また、米国株市場では高安まちまちの地合いだったが、ナスダック総合株価指数は小幅反落したもののNYダウは続伸し過去最高値を更新、機関投資家がベンチマークとして重視するS&P500指数も連日で最高値を更新した。これを受けて東京市場でも投資家のセンチメントが改善し、全体相場はリバウンドに向かう可能性が高いとみられる。前日は配当権利落ちに伴う下げ圧力も加わり終値で600円近い急落を強いられたが、きょうは値ごろ感からの買い戻しが全体相場を押し上げそうだ。ただ、株式需給面では日経平均入れ替えに伴う売り圧力が生じることで、これを背景に買い一巡後は警戒感から上値が重くなるケースも考えられる。  28日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比47ドル29セント高の3万9807ドル37セントと続伸。ナスダック総合株価指数は同20.063ポイント安の1万6379.458だった。  日程面では、きょうは2月の失業率、2月の有効求人倍率、3月の都区部消費者物価指数(CPI)、2月の鉱工業生産速報値、2月の商業動態統計、2月の自動車輸出実績、2月の住宅着工統計など。海外では2月の米個人所得・個人消費支出・PCEデフレーターなど。なお、米国市場のほか、香港、シンガポールなどアジア市場の一角、ドイツ、フランスなど欧州主要国市場が休場。 出所:MINKABU PRESS 2024/03/29 08:15 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=インフレ・スイッチが入った不動産関連  きょう(28日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比594円安の4万168円と急反落。前日の欧米株がほぼ全面高様相で、世界株高モードのなかでバトンが回ってきたが、配当権利落ちに伴う下げ圧力には抗(あらが)えず出足からつまずいた。というより配当落ち分である約264円の下押し圧力に二重三重の売りが加わる形となってしまった。日経平均の下落幅は一時700円超の下げ、大引けで全体の8割強の銘柄が下落した。  想定外の荒れた値動きとなったが、そのなか昨日の流れを引き継いで強さを発揮したのが不動産セクターだった。住友不動産<8830.T>は嵐の中で終始強さを発揮、一時273円高の5745円まで上値を伸ばし上場来高値を更新。株式3分割で注目された三井不動産<8801.T>も一時は高く推移し、実質上場来高値を更新した。大手不動産株が上値を慕うなか、中小型株にも投資マネーが食指を動かしており、この流れを上手く捉えたいところだ。  個別にみると、前日に取り上げたグッドコムアセット<3475.T>やコスモスイニシア<8844.T>以外にも上値期待十分と思われる銘柄が少なくない。この2銘柄の共通点はPERが低く、株価が3ケタ台に位置していることであり、個人投資家の立ち位置から見れば買いやすさが意識されやすい。実際、不動産流動化ビジネスに関わる銘柄は低PER銘柄の宝庫でもある。金利や景気動向などその時の外部環境によって業績が左右されやすく、固有の潜在成長力を織り込みにくい点が、PERが低く抑えられている背景にあるようだ。しかし、足もとの環境はインフレ期待を背景に風向きが強力なフォローウインドへと変わった感触がある。低PER修正に動くなら今しかないという雰囲気が漂う。  まず、株価3ケタ台の銘柄ではアーバネットコーポレーション<3242.T>に着目。人気化したグッドコムAと同様に都内で投資用マンションの開発・販売を展開するが、同社はワンルームマンションに特化し、法人向けに1棟単位の販売を手掛ける。株価400円台でPER8倍台。4.8%弱という配当利回りの高さも魅力だ。  このほか、1000円未満の中低位株ではトラストホールディングス<3286.T>やエストラスト<3280.T>が穴株的魅力を満載しており面白い。トラストHDは新築分譲マンションも手掛けるが、主力は駐車場を投資家向けに小口販売するというユニークな業態。同社が地盤とする九州はTSMC効果による熊本バブルが話題のほか、訪日客の玄関口である福岡県などインバウンド観光の要衝エリアで時流に乗っている。また、マンション開発を手掛けるエストラストも山口県に本社を置き、やはり福岡など九州での営業展開に重心を置いている点で類似している。PERはトラストHDが7倍前後、エストラストは何と4倍台と超割安圏だ。両銘柄とも地方拠点ならではの割安放置が続いたが、目先状況は変化しており、見直し買い余地の大きさに切り替わる可能性がある。  このほか、1000円トビ台の銘柄にも妙味がある。株価が4ケタ台に乗せると値幅制限の幅が広がることもあって、良し悪しは別にしてボラティリティが高まりやすく注目度が増す。当然ながら足もとの業績が好調であることが肝要で、チャートも現在進行形で上値を指向しているものに照準を合わせる。例えば、東京23区を中心に都市型レジデンスとオフィスなどの収益不動産を開発するディア・ライフ<3245.T>。24年9月期は最終利益段階で19%増の51億円と連続最高益更新を見込む。来期も2ケタ以上の増益が有力視される。また、中古オフィスビルの再生や用地開発、富裕層向け不動産コンサルで躍進するビーロット<3452.T>も要マーク。PER5倍台と割安感が強く、会社側は未開示ながら順当に今期増配実施となれば配当利回りは5%を超える公算が大きい。  あすのスケジュールでは、2月の失業率、2月の有効求人倍率、3月の都区部消費者物価指数(CPI)、2月の鉱工業生産速報値、2月の商業動態統計がいずれも朝方取引開始前に開示されるほか、午前中に2年物国債の入札が予定されている。また、午後取引時間中には2月の自動車輸出実績、2月の住宅着工統計が発表される。この日はIPOが2社予定されており、東証グロース市場にグリーンモンスター<157A.T>、マテリアルグループ<156A.T>が新規上場する。海外では2月の米個人所得・個人消費支出・PCEデフレーターのほか、パウエルFRB議長が討論会に参加する予定。なお、米国市場のほか、香港、シンガポールなどアジア市場の一角、ドイツ、フランスなど欧州主要国市場が休場となる。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/03/28 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=巴工業、インド市場での展開に期待  巴工業<6309.T>は高成長が見込まれるインド市場に注力する姿勢をみせており、今後の展開が期待される。  また、3月14日に発表した24年10月期第1四半期(23年11月~24年1月)の連結決算で、経常利益が前年同期比2.1倍の11億6300万円となったことにも注目したい。主力の化学工業製品販売事業は半導体組み立て用途向け材料が伸び悩んだものの、半導体製造用途向け材料や建材用途向けを主とした材料などが伸長。機械製造販売事業では部品・修理が国内外で堅調だった。  株価は3月18日に上場来高値となる4805円をつけ、その後は上げ一服商状となっている。ただ、PERやPBRといった指標に割高感はなく、押し目は絶好の拾い場となりそうだ。(参) 出所:MINKABU PRESS 2024/03/28 10:00 みんかぶニュース コラム 28日の株式相場見通し=底堅さ発揮か、配当権利落ちも押し目買い  28日の東京株式市場は戻り売り圧力が意識されるなかも主力株をはじめ広範囲に根強い買いが流入し、日経平均株価は4万円トビ台で底堅さを発揮しそうだ。前日の欧州株市場では主要国の株価指数がほぼ全面高様相となり、独DAXは7日続伸し最高値街道を走っている。米国株市場でも前日はNYダウが500ドル近い上昇で史上最高値に肉薄した。ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も高く、機関投資家がベンチマークとして重視するS&P500指数は最高値を更新した。FRBが年央の利下げに動くとの思惑や、米経済のソフトランディング期待が個別株の物色意欲に反映されるなか、四半期末を控えたポジション調整の売り圧力が一巡し、押し目買いが優勢となった。ダウは直近3営業日で500ドルの下落を示したが、その下げ分をほぼ埋める形となっている。欧米株高を受けて東京市場でも強気優勢の地合いとなることが予想されるが、きょうは配当権利落ちに伴う下げ圧力が働くことで、その分上値は重くなる。前日は外国為替市場で一時1ドル=152円近辺まで約34年ぶりの円安水準となったことが株高を後押ししたが、為替介入への思惑から足もとで円は買い戻されており、株価に対する浮揚効果も見込みにくい局面となっている。  27日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比477ドル75セント高の3万9760ドル08セントと4日ぶり急反発。ナスダック総合株価指数は同83.822ポイント高の1万6399.521だった。  日程面では、きょうは日銀金融政策決定会合の主な意見(3月18~19日開催分)、2月の建機出荷など。海外では、2月の豪小売売上高、3月の独失業率、週間の米新規失業保険申請件数、10~12月期米実質国内総生産(GDP)確定値、3月の米シカゴ購買部協会景気指数、3月の米消費者態度指数(ミシガン大学調査・確報値)、2月の米仮契約住宅販売指数など。 出所:MINKABU PRESS 2024/03/28 07:59 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=インフレの足音と株高のトリガー  きょう(27日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比364円高の4万762円と反発。朝方は小高くスタートしたものの、そこからは先物に引っ張られ、坂道を駆け上がるかのごとく漸次上げ幅を拡大、後場に入ると一時は600円近い上昇でそのまま4万1000円台に踏み込むかという勢いをみせた。引け際の手仕舞い売りによる萎(しぼ)み方は、前日の米国株市場の値動きと瓜二つだったが、それを除けば終始強気が前面に押し出されていた。朝方の市場関係者との間では「配当再投資の思惑から、あす以降の先高期待は強いものの、配当権利落ち分が260円程度あるなか、敢えてきょう買いに動く必要性はない」(中堅証券ストラテジスト)という話であった。だが、その想定は外れた。  ドル買い・円売りの動きが加速しており足もと1ドル=151円台後半まで円安が進行、これが追い風となった。「前日に発表された2月の米耐久財受注が予想以上に好調でドル買いの動きを誘発した」(ネット証券アナリスト)という見方に加え、日本の方では午前中に、銀行出身者でタカ派寄りの日銀・田村審議委員が青森県金融経済懇談会で挨拶し、「金融政策正常化への第一歩を踏み出した」との現状認識を示す一方、「当面緩和的な金融環境が継続する」との見方を示したことが、モラトリアムな円安要因として捉えられたようだ。  もっとも円安好感とはいえ、きょうの東京市場で物色の矛先が向かったのはハイテクや自動車セクターというより、むしろ不動産や小売り、銀行、保険などの内需株が中心だった。特に不動産株へ流れ込む資金に勢いがある。都心を中心に公示地価の上昇が顕著だったことに反応し、きょうは業種別騰落率でみても「不動産」は33業種中で明らかに一頭地を抜いて買われる展開となった。日経平均が大幅に上昇する際には先物を絡めたインデックス買いによる浮揚効果が反映されるケースが多く、指数寄与度の高い値がさハイテク株が牽引するのが常である。しかし、きょうはこれまでとは「相場の質」が異なる。  中国では政府当局が不動産バブル抑制に動き、既にその効果が浸透し、確信犯的な形で不動産バブル崩壊が起きている。一方、半周遅れで米国でも商業用不動産の損失が懸念視されてきた。融資の焦げ付きが銀行のネガティブ材料としてどの程度のインパクトを持つのか今は定かではない。だが、13ポイント台の“大底・楽観ゾーン”を這うVIX指数(恐怖指数)とは裏腹に、現状で投資家のマインドに警戒の念が宿っていることは確かだ。  一方、日本はどうか。日銀の言を借りれば本格的なデフレ脱却がなされるのかどうかの正念場という位置づけで、不動産バブルを懸念するというような文言はどこにも見当たらない。マンション価格の高騰は巷間話題にはなっているが、例えば海外筋から見れば日本の不動産は、円安を追い風に「まだ安い今のうちに買い漁っておこう」という話の流れとなる。高値圏を舞う三井不動産<8801.T>や三菱地所<8802.T>、住友不動産<8830.T>など大手不動産株のここからの上値はともかく、出遅れている中小型の不動産流動化関連などにキャッチアップを期待した見直し買いの動きが出ても不思議はない。コスモスイニシア<8844.T>、グッドコムアセット<3475.T>などは動兆著しいが、前者はPER8倍台、後者はPER7倍台に過ぎず、押し目狙いなら投資対象として十分な魅力がありそうだ。  タカ派の田村審議委員でなくとも、追加利上げがどこかのタイミングで必要という論調は当然過ぎるほどの正論としてマーケットは認識している。しかし、今はようやくマイナス金利解除という異次元からの脱却を果たしたばかり。利上げの階段を上るにはまだかなりの距離があることにもマーケットは確信に近いものを持っているフシがある。世界とは周回遅れのインフレステージを東京市場は株高の原動力としてまだ反映していない。  あすのスケジュールでは、日銀金融政策決定会合の主な意見(3月18~19日開催分)が朝方取引開始前に開示されるほか、午後取引時間中に2月の建機出荷が発表される。また、この日はIPOが2社予定されており、東証グロース市場に情報戦略テクノロジー<155A.T>とカウリス<153A.T>が新規上場する。海外では、2月の豪小売売上高、3月の独失業率、週間の米新規失業保険申請件数、10~12月期米実質国内総生産(GDP)確定値、3月の米シカゴ購買部協会景気指数、3月の米消費者態度指数(ミシガン大学調査・確報値)、2月の米仮契約住宅販売指数など。なお、この日はグッドフライデーの前日で米債券市場は短縮取引となる。また、フィリピン、マレーシアの各市場が休場となる。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/03/27 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=平田機工、半導体関連が増益を牽引  平田機工<6258.T>は3月7日に高値8600円をつけて以降調整しているが、ここは拾い場と考えたい。  同社は自動車や半導体などの生産設備エンジニアリング会社。2月9日に発表した第3四半期累計(23年4~12月)連結決算は、営業利益が59億300万円(前年同期比32.0%増)と大幅増益を達成。電気自動車(EV)関連や車載向けフラットパネルディスプレー関連が伸長したほか、価格転嫁が進んだことで自動車・半導体関連の原価率が改善したことが寄与した。  注目は営業利益の半分以上を稼ぐ半導体関連だ。同社では、シリコンウエハーを各種処理装置に取り込むロードポートや、大気・真空環境に対応可能なウエハー搬送ロボット、それらを統合したEFEMなどを製造しており、第3四半期でも比較的利益率が高いこれらウエハー搬送関連が好調に推移した。生成AIの普及や九州におけるシリコンアイランド化の進展は同社にとってもビジネスチャンスであることから、リソースを集中しており、引き続き「稼ぎ頭」として期待できそうだ。  同社では、第3四半期決算の発表と同時に24年3月期通期業績予想の修正を発表。顧客の設備投資計画の遅延などから売上高は900億円から830億円(前期比5.8%増)へ下方修正したが、営業利益は54億円の減益予想から62億円(同4.7%増)の増益予想へと上方修正した。25年3月期は営業利益80億円前後と予想する調査機関もあり、業績拡大基調が続きそうだ。(仁) 出所:MINKABU PRESS 2024/03/27 10:00 みんかぶニュース コラム 27日の株式相場見通し=売り買い交錯、狭いゾーンでのもみ合いか  27日の東京株式市場は主力株をはじめ広範囲に売り買いが交錯する展開となり、日経平均株価は4万円台前半でのもみ合いで推移する可能性が高そうだ。前日の欧州株市場では主要国の株価指数が総じて上昇したものの、米国株市場ではこの流れを引き継ぐことができなかった。四半期末を控えポジション調整の売り圧力が拭えず、NYダウが小幅ながら3日続落となったほか、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数もマイナス圏で引けている。今週末29日はグッドフライデーの祝日で休場となることもあり、機関投資家は持ち高を増やすことに慎重で、押し目買いの動きもまばらだった。また、同日に発表される2月のPCEデフレーターの結果を見極めたいとの思惑も、買い手控えムードにつながっている。東京市場では軟調な米株市場を受けて、投資家心理が盛り上がりにくく前日終値を挟んだ狭いゾーンでもみ合う展開が想定される。きょうは3月期決算企業の配当権利取り最終日であることから、駆け込みでインカムゲインを確保しようとする買いが下値を支えるが、週末のグッドフライデーを控え海外投資家の買いが入りにくく上値も限定的となりそうだ。  26日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比31ドル31セント安の3万9282ドル33セントと3日続落。ナスダック総合株価指数は同68.768ポイント安の1万6315.699だった。  日程面では、きょうは3月決算期企業の権利付き最終売買日。このほか40年物国債の入札など。海外では1~2月の中国工業企業利益、2月の豪消費者物価指数(CPI)、スウェーデン中銀、南アフリカ中銀の政策金利発表、米7年物国債の入札など。  出所:MINKABU PRESS 2024/03/27 07:59 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=4月の外国人買いアノマリーに期待  きょう(26日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比16円安の4万398円と小幅ながら続落。前日に先物主導で470円あまりの下げを強いられたこともあり、きょうは目先値ごろ感からの押し目買いが機能して下値を支えた。しかし上値を買い進む動きには発展せず、結局引け際の大口売りで前日終値を下回る水準で着地した。  今週は米国でFRB高官の発言機会が相次ぐものの、前週にFOMCを通過していることで、仮にタカ派寄りの発言があっても証文の出し遅れ的な意味合いが強い。このほかに投資家の視線が注がれるような大きなイベントは見当たらず、手掛かり材料に事欠く状況だ。期末特有の機械的なリバランス売りなどの影響を考慮すると積極的に相場と対峙するようなムードにはなりづらい。確かに配当や株主優待などの権利取り狙いの買いが、全体相場に浮揚力を与えるという見方はあるが、あくまで一般論の範疇で、個人投資家が個別株を投資するにあたってあまり追い風材料として作用することはない。市場関係者からは「(あすに権利付き最終日を控えていることで)権利落ち後の配当調整分の下げ圧力が気になって、トレーダー感覚では目先手が出しにくい時間軸にある」(中堅証券ストラテジスト)という見方が示されていた。  加えて、今週末29日はグッドフライデーで米国株市場はもとより、欧州各国やアジアでも香港、シンガポール、インドネシアなど軒並み休場となる。海外機関投資家も週半ばには早めに“店じまい”して名実ともに4月に入ってから仕切り直すというスタンスをとるのが自然な流れだ。そうした事情が東京市場の足もとの売買代金にも反映されている。前日にプライム市場の売買代金は4兆3400億円台と今月に入って2番目に低い水準に落ち込んだが、きょうもそれとほぼ並びの4兆3500億円台にとどまった。  一方、前週後半からのIPOラッシュで東証グロース市場に目が向く可能性はあったが、フタを開けてみれば活性化には程遠く前週末からグロース指数、グロース250指数ともに冴えない値動きで売買高も盛り上がりを欠いている。きょうは4社がグロース市場に新規上場したが、初値は公開価格を大きく上回ったものの大陰線を形成する銘柄のオンパレード、セカンダリーで参戦した投資家にとっては残念な結果となった。  ただし、きょう上場した4社のなかでハッチ・ワーク<148A.T>だけは別格だった。公開価格を30%上回る2815円で初値を形成した後も上値を指向する展開で、ストップ高となる3315円で張り付いたまま取引を終えている。月極駐車場の検索ポータルサイトや管理支援クラウドサービスなどを運営するユニークな業態。資金調達額が7億5300万円と比較的小さく、これが上値の軽さにつながったようだ。もっとも、資金調達額4億4500万円と更に小型のJSH<150A.T>は公開価格の倍近い893円で初値を形成した後、1008円まで駆け上がったところまではよかったが、後半は次第安の展開で初値を約1割下回って引けている。IPO祭りも資金の回転の速さがひと際目立つ。足もと全体相場の手詰まり感と符合する形で“焦り”が感じられる。  海外投資家は3月第2週に現物で800億円強、先物で5700億円強売り越しており、このまま行くと月間売り越しとなる公算は大きい。しかし、過去10年間を振り返って3月の外国人動向は2勝8敗、つまり8回売り越しておりアノマリー的には全く違和感はない。その代わりといっては何だが、新年度入りとなる4月は海外資金が流入する月でもあり、過去10年で9回買い越している。とすれば、この3月権利落ち後に全体相場がずるずると下値を探るような局面に遭遇した場合、ムードに流されず値がさハイテクなど指数寄与度の高い銘柄を黙って拾っておくというスタンスが勝利を呼ぶ可能性もある。  あすは3月決算期企業の権利付き最終売買日。このほかのイベントとしては、午前中に40年物国債の入札が行われるほか、田村日銀審議委員が青森県金融経済懇談会に参加予定。また、IPOが3社予定されており、東証グロース市場にダイブ<151A.T>とシンカ<149A.T>、東証スタンダード市場にコロンビア・ワークス<146A.T>が新規上場する。海外では1~2月の中国工業企業利益、2月の豪消費者物価指数(CPI)が発表され、スウェーデン中銀、南アフリカ中銀などが政策金利を発表する。米国では7年物国債の入札が行われ、ウォラーFRB理事が米経済団体のイベントで講演を行う予定にある。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/03/26 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=湖北工業、業績回復でニッチトップの実力再評価へ  湖北工業<6524.T>の5000円台前半は買い場と判断される。同社はアルミ電解コンデンサーのリード端子で高付加価値品を中心に圧倒的な世界トップシェアを誇るほか、海底ケーブル向け光部品(光アイソレーター)でも競合は米企業1社のみという状況にあり、世界で双璧をなしている。2つの異なる商品分野でグローバルニッチトップとして存在感を示し、株式市場でも注目度が高い。  24年12月期業績予想は売上高が前期比8%増収の145億3600万円、営業利益は同15%増の32億4300万円と増収増益を見込む。利益面で寄与度の大きい光部品は、世界的に通信量が増勢一途となるなか商機が高まっている。また、同社では26年12月期に営業利益63億円を目指す野心的な中期経営計画を掲げており、これも株価の見直し余地につながる。(桂) 出所:MINKABU PRESS 2024/03/26 10:00 みんかぶニュース コラム 26日の株式相場見通し=一進一退か、値ごろ感意識も米株安受け上値重い  26日の東京株式市場は強弱観対立のなか日経平均株価が4万円台前半で一進一退の展開が予想される。前日の欧州株市場では主要国の株価指数が高安まちまちで独DAXは5日続伸し最高値更新が続いたが、仏CAC40はわずかながら続落し新値街道からは外れた状態にある。また、米国株市場でも主力株中心に利益確定の売り圧力が意識される地合いとなり、NYダウ、ナスダック総合株価指数いずれも下落した。インテル<INTC>やアップル<AAPL>、メタ・プラットフォームズ<META>など大手IT株に値を下げるものが目立ち、全体の地合いを悪くした。また、エヌビディア<NVDA>は6日続伸と個別に強さを発揮したものの、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も4日ぶりに反落となっている。これを受けて東京市場でも上値の重い動きが想定される。日経平均は前日に470円あまりの大幅安をみせたことで、値ごろ感からの押し目買いを誘うことも考えられるが、積極的な買いは見込みにくい。あすに権利付き最終売買日を控え、駆け込みでの配当権利取り狙いの買いが予想される一方、3月期末を目前に機関投資家のリバランスの売り圧力が全体相場にネガティブに作用しそうだ。  25日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比162ドル26セント安の3万9313ドル64セントと続落。ナスダック総合株価指数は同44.352ポイント安の1万6384.467だった。  日程面では、きょうは2月の企業向けサービス価格指数のほか、基調的なインフレを捕捉するための指標が日銀から開示される。海外では、ハンガリー中銀が政策金利を発表、2月の米耐久財受注額、1月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数、3月の米消費者信頼感指数など。 出所:MINKABU PRESS 2024/03/26 08:00 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=動き出したインバウンド関連株  週明け25日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比474円安の4万414円と反落。全体相場はようやくというべきか上昇一服局面に遭遇した。前週末までの直近4営業日で2000円以上も水準を切り上げており、日経平均の騰落レシオ(25日移動平均)も前週末時点で147%まで上昇、ここでのひと押しは後々を考えれば必要なガス抜きともいえる。きょうは先物主導で安値引けを余儀なくされたが、4万円トビ台でのもみ合いは、強弱観対立のなかで売りと買いがせめぎ合っているというような緊迫感はない。  日本株に先立って、前週末の米国株市場では最高値街道を疾走していたNYダウが300ドルあまりの下げでブレーキを踏んだが、機関投資家の持ち高調整の売りという解説がなされ、地合いの変調を示唆する声は聞かれなかった。今週は日本時間今晩に予定されるクックFRB理事のハーバード大学での講演を皮切りにFRB高官の発言機会が相次ぐ。そして週末には2月のPCEデフレーターが開示されることで、若干の警戒感も漂う。しかし、それでも12~13ポイントの大底圏を這うVIX指数が現状の安心感を物語っている。  個別は半導体関連にやや買い疲れ感があり内需株シフトの動き。とりわけインバウンド旋風が吹き荒れる消費関連セクターに元気印の銘柄が目立った。前週19日に日本政府観光局が開示した2月の訪日外国人観光客は前年同月比で何と9割増、2月として単月の過去最高を記録した。そして、この流れは春風に乗って更にパワーアップする気配がある。  ここにきて思わぬ寒の戻りと冷たい雨で開花が遅れているものの、今週後半から4月初旬にかけてソメイヨシノが見ごろとなりそうだ。“日本の桜”は外国人に大人気を博しており、インバウンド関連株もにわかに色めく。実際目を凝らせば、同関連株にはひと頃の半導体関連の人気株を彷彿とさせるような株高を演じている銘柄も見受けられる。きょうは引け際に軟化したが「椿山荘」を運営する藤田観光<9722.T>や、共立メンテナンス<9616.T>、グリーンズ<6547.T>などのホテル関連、またドン・キホーテを展開するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス<7532.T>などが新値圏を快走している。  前週末23日配信の株探トップ特集「爆騰DNA開花『インバウンド特選6銘柄』」でエントリーされたエアトリ<6191.T>、手間いらず<2477.T>、インバウンドプラットフォーム<5587.T>、ツカダ・グローバルホールディング<2418.T>なども軒並み高、週足チャートでみれば、いずれも出遅れ感が際立っており、水準訂正余地に目をつけた波状的な買いが観測される。投資資金が流れ込む背景には、これらが「3月期決算銘柄でない」ということも大きい。この時期一見有利に働くように見える3月期末の権利取り絡みの銘柄は、権利落ち後に配当分などで相応の下げ圧力が働くため、キャピタルゲインを追求するトレーダーの観点では決算期の違う銘柄が選好されるという“裏セオリー”がある。上記の人気となった銘柄もこれに該当する。インバウンド関連の妙味株として新たにマークしたい銘柄は差し当たって3つ。トレジャー・ファクトリー<3093.T>、シー・ヴイ・エス・ベイエリア<2687.T>、そして既に動意してしまっているが、サニーサイドアップグループ<2180.T>も有望。  このほか、AI株人気から派生して米GPU大手エヌビディア<NVDA>とビジネス面で思惑がある周辺株にも光が当たっている。ここ本家が強い波動を取り戻しており、周辺銘柄の動きも顕著だ。そのなか当欄で紹介したCIJ<4826.T>は2日連続ストップ高で更に上値を慕う望外の人気。このほか、エヌビディア関連ではHPCシステムズ<6597.T>の押し目に着目したい。ジーデップ・アドバンス<5885.T>も25日線との上方カイ離修正を入れたところで狙い場となっている。また、生成AI活用の販促支援を行うイーエムネットジャパン<7036.T>が3日連続ストップ高人気で大いなる輝きを放ったが、この物色の流れから紡ぎ出されるのがAIソリューションで新境地を開拓中の共同ピーアール<2436.T>だ。インバウンド関連の切り口でも注目要素があり、再びマークしておきたいタイミングにある。  あすのスケジュールでは、2月の企業向けサービス価格指数のほか、基調的なインフレを捕捉するための指標が日銀から開示される。また、この日はJSH<150A.T>、ハッチ・ワーク<148A.T>、ソラコム<147A.T>、L is B<145A.T>がいずれも東証グロース市場に新規上場する。海外では、ハンガリー中銀が政策金利を発表、2月の米耐久財受注額、1月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数、3月の米消費者信頼感指数など。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/03/25 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=岩谷産、業績は最高益基調続く  岩谷産業<8088.T>に注目したい。同社は産業・家庭用ガス専業商社。特に、水素販売で国内最大手の実績を持つ。第3四半期(23年4~12月)の連結営業利益は前年同期比35.7%増の319億600万円と好調。産業ガス・機械事業など工業分野向けが伸びた。24年3月期の同利益は前期比12.4%増の450億円と2期ぶりの最高益更新の予想。25年3月期の同利益は480億円前後へ連続増益が見込めそうだ。  昨年12月には、水素事業の協業に向けてコスモエネルギーホールディングス<5021.T>の株式の2割を取得。水素事業の拡大に向けた期待が膨らんでいる。業績は好調であり、株価は8000円台からの一段高が見込める。(地和) 出所:MINKABU PRESS 2024/03/25 10:00 みんかぶニュース コラム 25日の株式相場見通し=5日ぶり反落か、目先過熱感から売り優勢に  25日の東京株式市場は主力株中心に利益確定の売りが優勢となり、日経平均株価は5日ぶりに下落に転じそうだ。前週末までの4営業日合計で日経平均は2000円以上水準を切り上げており、取引時間中に4万1000円台を回復する場面もあった。先物主導のインデックス買いによる影響もあるとはいえ、目先過熱感は拭えない状況にある。前週末の欧州株市場は高安まちまちだったが、米国株市場では景気敏感セクターなどを中心に利食われる展開で、NYダウが300ドル超の下げを強いられた。特に悪材料が確認されたわけではないが、ここ最近の株高の反動でポジション調整の売りが上値を押さえた。一方、エヌビディア<NVDA>が3%超の上昇をみせるなど半導体関連株の一角は強い動きを続けたこともあり、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は5日続伸と上値追い基調を維持した。ただ、上げ幅はわずかにとどまった。東京市場では米国株同様に目先スピード警戒感からの持ち高調整の売りが出やすい場面にあり、前週末時点で日経平均ベースの騰落レシオ(25日移動平均)が146%台に達するなどテクニカル面からも買い手控えムードが漂う。一方、3月期末の駆け込みでの配当権利取り狙いの買いなどが下値を支える要因となり、日経平均の下げ幅は限定的なものにとどまる可能性もある。  22日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比305ドル47セント安の3万9475ドル90セントと5日ぶり反落。ナスダック総合株価指数は同26.983ポイント高の1万6428.819だった。  日程面では、きょうは日銀金融政策決定会合の議事要旨(1月開催分)、2月の全国スーパー売上高、2月の外食売上高、2月の全国百貨店売上高など。海外では2月の米新築住宅販売件数、米2年国債の入札など。なお、インド市場は休場となる。 出所:MINKABU PRESS 2024/03/25 08:00 みんかぶニュース コラム 来週の株式相場に向けて=バリュー株物色でTOPIXは最高値を視野に  22日の東京株式市場は日経平均株価が一時4万1000円台に乗せるなど堅調に推移し、連日での史上最高値を更新した。半導体関連株が上昇し、東京エレクトロン<8035.T>は初の4万円に乗せる場面もあった。ただ、朝高後は半導体関連の主力株は値を消す展開にとなり、後場に入り日経平均株価は一時マイナス圏に転じた。しかし、その後再び買い直され上昇に転じるのが、いまの相場の強さだろう。  三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>や三井住友フィナンシャルグループ<8316.T>は後場に高値圏に買われたほか、トヨタ自動車<7203.T>など自動車株や三井物産<8031.T>など商社株、三菱地所<8802.T>など不動産株が一日を通して底堅い値動きとなった。全体相場は「半導体株と銀行株などバリュー株の循環物色の流れが強まっている」(市場関係者)。そんななか、さすがに買い疲れ感もみえる半導体株に対し、バリュー株が優勢な展開となりつつあるようだ。  3月に入ってからの日経平均株価の上昇率は4.4%に対して、TOPIXは5.1%。とりわけ、TOPIXは1989年12月につけた最高値(2884.80)に迫っている。日経平均株価の最高値更新には一歩遅れているが、内需株のウエートが高いTOPIXの最高値更新が持つ意味は小さくない。  来週は3月の年度末を迎え、27日が権利付き最終日、翌28日が権利落ち日となる。配当の権利取り後も銀行などバリュー株が底堅い値動きを続けるかがポイントとなりそうだ。また、その後の配当再投資の動きも注目される。来週は29日引けにかけ、日経平均株価の春の入れ替えに伴うリバランスが予想されている。新規採用のディスコ<6146.T>やソシオネクスト<6526.T>、ZOZO<3092.T>などの動向が注目される。  上記以外のイベントでは、海外では26日に米3月消費者信頼感指数、28日に米10~12月GDP確定値、29日に米2月個人消費支出(PCEデフレーター)が発表される。29日は聖金曜日(グッドフライデー)で休場となる。  国内では25日に1月開催分の日銀金融政策決定会合の議事要旨、28日に3月開催分の同決定会合の「主な意見」が公表される。29日に3月東京都区部消費者物価指数(CPI)が発表される。更に3月IPOが本格化する。25日にイシン<143A.T>、26日にL is B<145A.T>、ソラコム<147A.T>、ハッチ・ワーク<148A.T>、JSH<150A.T>、27日にコロンビア・ワークス<146A.T>、シンカ<149A.T>、ダイブ<151A.T>、28日にカウリス<153A.T>、情報戦略テクノロジー<155A.T>、29日にマテリアルグループ<156A.T>、グリーンモンスター<157A.T>が上場する。来週の日経平均株価の予想レンジは3万9800~4万1300円前後。(岡里英幸) 出所:MINKABU PRESS 2024/03/22 17:27 みんかぶニュース コラム 22日の株式相場見通し=続伸、世界同時株高に乗り4万1000円台視野  22日の東京株式市場はリスク選好の地合いが続き、主力株をはじめ広範囲に買いが広がり日経平均株価はフシ目の4万1000円台に乗せる可能性がある。足もとで世界的な株価上昇局面が続いている。前日の欧州株市場は主要国の株価指数がほぼ全面高商状となり、独DAXは連日で史上最高値を更新した。また、米国株市場でも20日に発表されたFOMCの結果を受けて引き続き強気優勢の地合いが継続、NYダウ、ナスダック総合株価指数、S&P500指数いずれも連日で最高値更新と強さを際立たせている。半導体メモリー大手のマイクロンテクノロジー<MU>が14%高に買われ上場来高値を更新したほか、画像処理半導体大手のエヌビディア<NVDA>も上値指向を続け、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も大幅続伸した。前日はアジア株市場も軒並み高く、欧米株高によって世界同時株高が意識されるなか、東京市場でも引き続き強気優勢の相場展開が予想される。外国為替市場で1ドル=151円台後半まで円安が進んでいることも、輸出ハイテク株や自動車株、インバウンド関連などを中心に追い風材料として働きやすい。  21日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比269ドル24セント高の3万9781ドル37セントと4日続伸。ナスダック総合株価指数は同32.428ポイント高の1万6401.836だった。  日程面では、きょうは2月の全国消費者物価指数(CPI)、3カ月物国庫短期証券の入札など。海外では、独Ifo企業企業景況感指数、ロシア中銀の政策金利発表など。また、FRB主催のイベントでパウエルFRB議長の発言機会がある。 出所:MINKABU PRESS 2024/03/22 07:59 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=「エヌビディア・エフェクト」で飛翔する株  きょう(21日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比812円高の4万815円と大幅高で3連騰。上げ足がどうにも止まらなくなってきた。今週に入ってわずか3営業日で2000円強の上昇、さすがに反動も出そうだが、祝日前の19日時点でプライム市場の騰落レシオ(25日移動平均)は120%強とかろうじて過熱領域に足を踏み入れた程度、押し目買いを入れたくてもなかなかそのチャンスが訪れない。  週前半に日米の金融政策決定会合のヘアピンを通過したが、結果的に日銀もFRBもマーケットが構えていた程にはタカ派的ではなく、これを好感したというよりは安心感から買いを誘った印象が強い。売り方にすれば買い戻すより選択肢がない地合いとなった。日銀の決定会合は「マイナス金利解除」「ETF買い入れ停止」「YCC撤廃」と3枚の手札を一気に切ったが、事前にアドバルーンを上げまくったことによって、ネガティブサプライズを事前に霧消させ、「緩和的な環境は続く」というフレーズのみがクローズアップされたような格好となった。また、FOMCでは年内3回の利下げ見通しが維持されたことで市場には安堵感が漂い、加えてQT(量的引き締め)についてかなり早い時期に縮小する方針が示されたことは、棚ぼた的に福音をもたらした。いずれにしても、今は棒上げ状態の全体指数に惑わされることなく、個別株の選別に集中するところ。仮に全体株価が下がっても上がる銘柄を探す、いわゆる「森より木」の戦略に特化したい。  物色の流れに目を向けると、日米ともにAIバブル相場の色彩が強まってきた。もちろんこれは“バブルっぽい”というだけで、実態が伴っている部分の方が多く、いつ弾けるか戦々恐々とするような時間帯にはない。例えば、米エヌビディア<NVDA>が急拡大する生成AI市場と歩調を合わせ業績を飛躍させていることは紛れもない事実であり、同社の株価はその業績変貌を横目に上昇パフォーマンスを演じている。怖いのはむしろAIが幻想ではなく、リアルに人間を凌駕する時代が差し迫っているような兆しが、社会現象として随所にみられること。テキスト・画像を経て、あっという間に動画生成AIまでコンテンツのレベルが切り上がっているが、現実はもはや「どう抑制(規制)するか」が課題で、しかも人間の叡智では容易に解決できない局面に突入しつつあるような気配が漂う。シンギュラリティの概念があまりに早く現実味を帯びていることには驚くよりない。   ともあれ、投資家目線ではAIバブル相場の初動には違いなく、いかに個別株の波動を捉えるかが肝要となる。エヌビディアが世界で急速にその存在を大きくするなか、日本のIT大手も音無しの構えではいられないが、そうしたなか日立製作所<6501.T>がエヌビディアとサーバーやメタバース領域などAIシステムの開発で協業を発表したことは、今後を占ううえでの大きなメルクマールとなるかもしれない。日立の周辺で商機をつかむ企業の見極めも重要となっていく。  独立系システムインテグレーターながら、日立からの受託開発のウエートが高いCIJ<4826.T>に着目。同社はAI領域にこれまで以上に重心を置き、最近はDX人材の育成にも強力に取り組んでいる。エヌビディアと日立が手を組んだ延長線上に同社がどういう形で位置するかは未知数ながら、今後の可能性は無視できない。また、AI関連株のなかで先駆的なポジションにあるブレインパッド<3655.T>やFRONTEO<2158.T>なども、改めて戦略を練り直してくることは容易に想像がつくだけに、リリースに目を配っておきたい。  ディープラーニング分野を深耕するPKSHA Technology<3993.T>や生成AIの実装で注目されるエッジAI分野で布石を打つヘッドウォータース<4011.T>も改めてマーク。このほか、日常にAIが実装されたエリアで活躍する銘柄を探すことも必要だ。新たなところでは、AIレジに経営資源を投下するサインポスト<3996.T>や、医薬品や食品向け画像検査装置のソフトウェアで先駆し、AIを活用した欠陥分類や原因解明といったサービスを手掛けるシリウスビジョン<6276.T>などは面白い存在といえる。  あすのスケジュールでは、2月の全国消費者物価指数(CPI)、3カ月物国庫短期証券の入札など。また、東証グロース市場にジンジブ<142A.T>が新規上場する。海外では、独Ifo企業企業景況感指数、ロシア中銀の政策金利発表など。また、FRB主催のイベントでパウエルFRB議長の発言機会があり、この内容にも耳目が集まる。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/03/21 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=寺崎電気、高進捗で通期業績に上振れ余地  寺崎電気産業<6637.T>は2月13日、24年3月期通期の連結経常利益予想を従来の35億3000万円から44億8000万円(前期比28.7%増)に引き上げた。ただ、第3四半期時点で進捗率は87.0%に達しており、更なる上振れが期待できそうだ。  2月の上方修正は、機器製品(低圧遮断器など)や船舶用システム製品(船舶用配電制御システムなど)のほか、エンジニアリング及びライフサイクルサービスが堅調だったことが主な要因。また、為替レートが想定よりも円安水準で推移したことも寄与した。なお、第4四半期の前提レートは1ドル=135円、1ユーロ=150円となっている。    株価は2月26日に昨年来高値2567円をつけ、その後は上げ一服商状となっているが、短期トレンドの25日移動平均線や中期トレンドの75日移動平均線は上昇基調を維持。PERやPBRには割安感があり、押し目は絶好の拾い場と捉えたい。(参) 出所:MINKABU PRESS 2024/03/21 10:00

ニュースカテゴリ