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みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=ナレルG、在籍人数や契約単価が順調に伸長  ナレルグループ<9163.T>は建設業界向け技術者派遣が主力事業。24年10月期は在籍人数や契約単価が順調に伸長したことなどを背景に、連結営業利益は前の期比26.0%増の31億1000万円で着地した。  今後も公共土木・民間建築ともに老朽化に伴う維持・修繕工事の増加に加え、民間設備投資の持ち直しが進んでいることから底堅い需要が続く見通し。今25年10月期は持続的な成長を実現するために業務プロセスの効率化と高度化に取り組むとしており、連結営業利益は前期比6.4%増の33億1000万円を見込んでいる。また、年間配当計画を前期比5円増配の115円(中間配55円、期末配60円)としていることにも注目したい。  株価は今期業績予想を手掛かりに、16日には中期トレンドを示す75日移動平均線を突破。同線と25日移動平均線とのゴールデンクロスが実現すれば戻りに弾みがつきそうだ。(参) 出所:MINKABU PRESS 2024/12/19 10:00 みんかぶニュース コラム 19日の株式相場見通し=大幅続落か、FOMC後の米株大波乱でリスクオフ  19日の東京株式市場は主力株をはじめ広範囲に売りが広がり、日経平均株価は大幅続落となる可能性が高い。前日は4日続落と下値模索の動きを強め3万9000円大台攻防の様相を示したが、安値引けとはなったものの3万9000円台は維持した。しかし、きょうは3万8000円台半ばまで深押しする状況が想定される。前日は欧州株市場が高安まちまちだったものの、米株市場では取引終盤に波乱が待っていた。注目されたFOMCの結果は市場の事前予想通り、FRBが0.25%の利下げを決めた。しかし、2025年の金融政策見通しについて、前回9月時点ではドットチャートで年4回の利下げを見込んでいたものが、今回は年2回に半減した。会合後のパウエルFRB議長の記者会見では、今回の利下げについて「紙一重の判断」という見解を示したこともマーケットにネガティブな印象を与えた。また、トランプ次期米大統領の財政拡張策への対応は不透明で、場合によっては更にFRBがタカ派寄りとなることも警戒されている。これを受けて米国株市場ではNYダウが1000ドルを超える急落となった。また、この日の下落でNYダウは約半世紀ぶりの10日続落を記録、合計で2600ドル以上も下げる形となっている。また、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は700ポイント以上の下げで下落率は3.5%を超え、NYダウを大きく上回った。東京市場では、米株市場がリスクオフ一色となったことを受け、幅広い銘柄に売りが優勢となりそうだ。日経平均は前日まで4日続落と調整色を強めていたこともあり、きょうは下げ一巡後は空売り筋のショートカバーなどで下げ渋る可能性はあるが、大幅に水準を切り下げる展開は避けられそうにない。  18日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比1123ドル03セント安の4万2326ドル87セントと10日続落。ナスダック総合株価指数は同716.368ポイント安の1万9392.693だった。  日程面では、きょうは日銀金融政策決定会合の結果発表と植田日銀総裁の記者会見が行われる。海外では10月のユーロ圏経常収支、英中銀の政策金利発表、7~9月期米実質GDP確定値、12月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数など。 出所:MINKABU PRESS 2024/12/19 08:00 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=自動車業界に再編の号砲、「日本企業買収」は新年のテーマか  18日の日経平均株価は前日比282円安の3万9081円と4日続落した。日本時間の19日未明に判明する米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果と、同じく明日の日銀金融政策決定会合の結果待ちで、積極的な買いは手控えられた。  FOMCでは0.25%の利下げが有力視されているが、焦点は新年の利下げペースでありドットチャートやパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見での発言などが注目されている。日銀会合では、追加利上げは見送られるとの見方が浮上しているが、不透明感も残るなか結果発表後の市場の反応が注目されている。  そんななか、この日の話題を一身に集めたのが「ホンダと日産自動車が経営統合に向けて協議に入る」という報道だ。この報道を受け、日産自動車<7201.T>と同社が筆頭株主となっている三菱自動車工業<7211.T>はストップ高と急騰。業界再編に向けた思惑からマツダ<7261.T>やSUBARU<7270.T>が値を上げた。一方、ホンダ<7267.T>は下落した。経営不振に陥っている日産自との経営統合は、ホンダには事業面での負担が大きいとの見方が強まった。  電気自動車(EV)などの急速な普及を背景に、「これまで大きな経営統合などがなかった自動車業界にもいよいよ再編の波が押し寄せる」(市場関係者)格好だ。ただ、日産自の株価はPBR0.2倍台まで売り込まれており、いつ買収のターゲットとなってもおかしくない水準だった。実際、村上ファンド系のアクティビストであるエフィッシモ・キャピタル・マネージメントが大株主に浮上していたほか、報道によれば台湾の電機大手である鴻海精密工業が経営参画を模索していたという。  いまや、セブン&アイ・ホールディングス<3382.T>が外資系企業から狙われるなど、大手企業でもM&Aの脅威から逃れられなくなっている。為替の円安は、日本企業買収のハードルを一段と引き下げており、25年は「日本企業買収」が市場の大きなテーマに浮上することも考えられる。自動車関連株では、業界再編絡みで日産車体<7222.T>や河西工業<7256.T>、ユニプレス<5949.T>、パイオラックス<5988.T>、それに日産東京販売ホールディングス<8291.T>などは引き続き注目されそうだ。  日米金融政策決定会合以外では、今晩から明日にかけて海外では米11月住宅着工件数が発表されるほか、マイクロン・テクノロジー<MU>が決算発表を行う。日本では11月首都圏新規マンション発売が発表される。Synspective<290A.T>とdely<299A.T>が新規上場する。 出所:MINKABU PRESS 2024/12/18 17:30 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=JPHD、今期業績の上振れ公算大  JPホールディングス<2749.T>は、10月9日に年初来高値ツラ合わせとなる772円をつけたあと調整しているが、業績上振れへの期待感から再騰に向かいそうだ。  11月13日に発表した9月中間期決算は、営業利益が27億2000万円(前年同期比34.6%増)と大幅増益となった。新規施設の開設・受託や児童数の増加、異次元の少子化対策による4、5歳児の預かり児童数に対応した保育士の配置基準の見直し(対人数の見直し)などが寄与。物価高騰による補助金の減収や保育士の処遇改善費用などの計上はあったものの、大幅増益となった。  上期の営業利益の通期計画に対する進捗率は57%に達したが、会社側では補助金の精査が不十分なことや確実性のある計画を前提とする方針から25年3月期通期の営業利益予想は47億5100万円(前期比3.6%増)の従来見通しを据え置いた。  ただ、新規施設の開設効果に加えて、「対人数の見直し」による補助金の増加などが寄与し、上期からの業績トレンドが続く見通し。また、こども家庭庁から発表された「保育士等の抜本的な処遇改善」などによる補助金の増加やこれによる保育士の離職抑制と採用コストの軽減も期待でき、業績上振れの可能性は大きい。調査機関のなかには、25年3月期営業利益を60億円前後と見込むところもある。(仁) 出所:MINKABU PRESS 2024/12/18 10:00 みんかぶニュース コラム 18日の株式相場見通し=続落、米株安と円安一服で キオクシアIPOと自動車株注視  18日の東京株式市場で、日経平均株価は続落する見通しだ。前日の米株式市場でNYダウ平均株価は9日続落。ナスダック総合株価指数は3日ぶりに反落した。米11月小売売上高は前月比0.7%増となり、市場予想を上回って着地。10月分は上方改定された。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控える局面にあって、今回は0.25%幅の利下げ決定が市場のコンセンサスとなっているが、来年以降の利下げシナリオに対する不透明感が意識され、米国株の重荷となった。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は1.6%の下げとなっている。外国為替市場でドル円相場は一時1ドル=153円10銭台まで円高に振れるなど、直近の円安基調も一服。日経平均先物は夜間取引で水準を切り下げた。朝方の東京市場ではハイテク関連株を中心に売りが優勢となる見込みだ。  東京市場においても、FOMCの後に開かれる米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の記者会見での発言内容を精査したいとのムードが広がっている。このため日経平均は朝安後、膠着感が強まると想定される。米半導体関連株が軟調となった地合いのなかで、キオクシアホールディングス<285A.T>が東証プライム市場に新規上場することとなる。東芝の半導体部門を源流とする同社の公開価格は1455円と、仮条件の上限を下回った。同社株の初値水準とその後の値動きが半導体株への物色意欲にどのような作用を及ぼすのか注視される。  18日付の日本経済新聞朝刊は、「ホンダと日産自動車が経営統合に向けた協議に入る」と報じた。ホンダ<7267.T>と日産自動車<7201.T>は持ち株会社を設立し、将来的には三菱自動車工業<7211.T>が合流することも視野に入れると伝えている。今年3月にホンダと日産自は電動化などに向けた戦略的パートナーシップの検討開始について発表している。組み合わせそのものに違和感はないが、実現すれば国内自動車業界に多大な影響をもたらす大型再編となる。経営不振にあえぐ日産自の株価にとどまらず、サプライヤー各社の株価反応も注目されることとなりそうだ。  17日の米株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比267ドル58セント安の4万3449ドル90セントと9日続落。ナスダック総合株価指数は同64.830ポイント安の2万109.061だった。  日程面ではきょうは国内では11月の貿易収支が公表されるほか、引け後に同月の訪日外客数が発表される予定。キオクシアが東証プライム市場に新規上場する。海外ではFOMCの結果が発表され、FRBのパウエル議長が記者会見に臨む。ユーロ圏の11月の消費者物価指数、米国の11月の住宅着工件数なども発表される予定となっている。 出所:MINKABU PRESS 2024/12/18 08:02 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=テスラ・エフェクトで自動運転に追い風吹く  きょう(17日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比92円安の3万9364円と3日続落。下げ幅こそ100円未満だが安値引けとなった。朝方は米ハイテク株高と為替の円安進行を好感する形で高く始まったが買いは続かなかった。日米の金融政策決定会合を前に様子見ムードといえばその通りだが、特にそのビッグイベントの通過を、息を殺して待っているというふうでもない。  半導体関連セクターは総じて底堅い動きながら、アドバンテスト<6857.T>の急落がかなりのインパクトで市場関係者の視線を集めた。明らかな悪材料は見えていないが、一部では「海外機関投資家など法人筋の大口売りが出ている可能性が高い」(中堅証券ストラテジスト)とする。キオクシアホールディングス<285A.T>の新規上場をあすに控えた換金売りという見方が一つの理由に挙げられそうだが、半導体製造装置大手の中で同社株だけが一極集中的に売りの洗礼を浴びることに妥当性はない。半導体関連の最後の牙城だったアドテストへの売り浴びせは、積み上がった信用買い残の投げを誘発しやすい。信用取組に目を向ければ、レーザーテック<6920.T>や東京エレクトロン<8035.T>の方が信用倍率はアドテストよりはるかに高く、つまり需給関係は悪い。きょうは両銘柄ともプラス圏を維持したが、今後は改めて上値の重さが嫌気される可能性があり、その点は注意が必要となる。  鳴り物入りの上場となるキオクシアについても公募価格が1390~1520円の仮条件の上限ではなく、1455円で決まったということに同社株に対する需要の鈍さが反映されている。安く決まったことでセカンダリーでは人気化することも考えられるが、少なくとも半導体関連、特に主力銘柄については既に満腹状態まで買い漁ってしまったという現実があり、鮭の川登りのようにキオクシアが遡上することができるのか否か、先行きは極めて不透明である。  一つの救いは設計開発大手のソシオネクスト<6526.T>が突如覚醒したかのように戻り相場に突入していることだ。同業態の米ブロードコム<AVGO>が急騰したことに連動した形だが、多品種少量生産のカスタム半導体分野は成長性ありというマーケットの判断が新たな潮流を生んでいる。しかし、「半導体」というワードが看板にあるだけで十把一絡げに投資マネーがそこを目指す、という相場は終わったといえそうだ。  米国ではAI用半導体のシンボルストックとなっていたエヌビディア<NVDA>の株価が変調である。AIという大きなテーマは依然として健在としても、ハード系からソフト系に投資マネーがローテーションを始めている気配がある。「AIとの相性が良いIP(知的財産権)関連株の上昇波動はその流れを示唆する」(ネット証券マーケットアナリスト)という指摘も聞かれる。東京市場では任天堂<7974.T>が上場来高値を更新し、ソニーグループ<6758.T>も最高値圏で頑強な値動きを示しているのはそれを裏付ける。  このほか、米国発の流れを引き継ぐとすれば、量子コンピューター関連と自動運転関連で当面マークが必要となる。米国株市場で自動運転関連ではテスラ<TSLA>の上げ足が強烈だ。トランプ次期米大統領を味方につけたイーロン・マスクCEOの戦略が奏功しそうである。日本国内に目を向けると、米アルファベット<GOOGL>傘下のウェイモが、ディー・エヌ・エー<2432.T>が出資する配車アプリ大手のGO(東京都港区)や日本交通と連携し、来年にも自動運転技術の実証を都内で開始すると発表した。自動運転の社会実装に向けた黎明期で、関連銘柄を物色する動きに発展する可能性は高い。付加価値化した地理情報システムで先駆するドーン<2303.T>が上値指向にあるほか、地図情報で群を抜くゼンリン<9474.T>も目先は底値もみ合いながら、早晩日の目を見るタイミングが訪れそうだ。このほか、自動運転開発用ソフトを手掛けるヴィッツ<4440.T>の押し目や、低位株ではモバイル端末のソフト開発から次世代モビリティ分野に重心を移すシステナ<2317.T>に注目。  あすのスケジュールでは、7~9月期の資金循環統計、11月の貿易統計のほか、午前中に1年物国庫短期証券の入札が予定されている。大引け後に11月の訪日外国人客数が開示される。海外ではタイ中銀、インドネシア中銀の政策金利発表、11月の英消費者物価指数(CPI)、11月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)、11月の米住宅着工件数のほか、FOMCの結果発表及びパウエルFRB議長の記者会見に市場の関心が高い。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/12/17 17:30 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=鈴茂器工、業績絶好調で青空圏を舞う展開に  鈴茂器工<6405.T>は寿司ロボットや盛り付けロボットなど米飯加工機械の製造販売を手掛けている。海外売上高比率が約3割を占めるが、寿司ロボットでは堂々の世界トップシェアを誇る。寿司ロボットは国内ではスーパーマーケットからの増設需要が収益に反映され、米飯盛り付けロボットについてはレストランなどでの入れ替え・新設の動きがフォローウインドとなっている。また製品価格の引き上げも利益率改善に寄与している。  25年3月期は営業利益が前期比29%増の19億円と大幅な伸びで3期ぶりに過去最高利益更新を見込んでいる。株価は11月中旬に大陽線で上放れて以降、5日移動平均線をサポートラインに一貫した上昇トレンドを形成し、週明け16日には1999円の上場来高値をつけた。その後はいったん利食われたものの早晩切り返し、2000円台での活躍へ歩を進めそうだ。(桂) 出所:MINKABU PRESS 2024/12/17 10:00 みんかぶニュース コラム 17日の株式相場見通し=買い優勢、米ハイテク株高と円安進行を好感  17日の東京株式市場は売り買い交錯のなかも買い優勢の地合いが想定され、日経平均株価は3万9000円台半ばから後半で頑強な値動きを示しそうだ。外国為替市場ではドル買い・円売りの動きが一段と顕著で一時1ドル=154円台半ばまで円安が進行、これを拠りどころに、輸出セクター中心に日経平均に押し上げ効果をもたらしそうだ。前日の欧州株市場は高安まちまちながらドイツやフランスなど主要国の株価は総じて軟調な推移となった。16日発表された中国の経済指標が中国景気の停滞を示唆する内容であったことが市場センチメントを冷やす格好となった。一方、米国株市場ではNYダウが午前中は高い場面もあったが、午後はおおむねマイナス圏で推移し、取引終盤に大口の売りが出て下げ幅を広げた。これでダウは8日続落となり、調整色が拭えなくなっている。今週18日に結果が判明するFOMCについては、マーケットはFRBが0.25%の利下げを行うことをほぼ100%織り込んだ状況にあるが、併せて開示されるドットチャートやパウエルFRB議長の記者会見を見極めたいとの思惑が買いを手控えさせた。ドットチャートについては来年の利下げ回数が、前回時点の4回から3回もしくは2回に減る可能性を警戒している面もあるようだ。ただハイテク株は株価を上昇させる銘柄が目立ち、ナスダック総合株価指数の方は上げ足に弾みがついており、史上最高値を更新している。東京市場では前日に日経平均が小幅ながらマイナス圏で引けたが、きょうは米ハイテク株高と足もとで進む円安を好感し切り返す動きが見込まれる。日米の中央銀行による政策金利発表を控え、買い一巡後は方向感が定まりにくく、3万9000円台半ばでもみ合う展開となることも予想される。  16日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比110ドル58セント安の4万3717ドル48セントと8日続落。ナスダック総合株価指数は同247.167ポイント高の2万173.891だった。  日程面では、きょうは20年物国債の入札など。海外では11月の英失業率、12月の独IFO企業景況感指数、10月のユーロ圏貿易収支、12月の欧州経済センター(ZEW)独景気予測調査、11月の米小売売上高、11月の米鉱工業生産指数・設備稼働率、12月の全米建設業協会(NAHB)住宅市場指数、10月の米企業在庫など。 出所:MINKABU PRESS 2024/12/17 08:00 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=全方位型・個別株物色の勘所  週明け16日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比12円安の3万9457円と小幅続落。前週末はメジャーSQ通過後に深押しする味の悪い地合いとなった。きょうは為替が円安方向に振れていることもあって、朝方はリバウンド狙いの買いが先行したのだが、それも束の間、前場中盤以降は値を消した。米国株市場もハイテク株は強さを発揮しナスダック指数は高値圏で売り物を吸収する展開ながら、NYダウの方は気が付けば7日続落。しかも7日連続で陰線を形成し、25日移動平均線を下放れるという典型的な利食い急ぎの兆候がみられる。  今週は米国のFOMCの結果発表を18日(日本時間19日早朝)に控えるほか、半日遅れて日銀の金融政策決定会合の結果が19日の昼ごろに開示される。FOMCでは0.25%の追加利下げの可能性が濃厚とみられる。当然ながら米株市場はこれを織り込んでいるが、マーケットの視線が注がれているのは、来年のFRBの金融政策の舵取りがどういう方向に切られるのかという点だ。  FOMCメンバーの政策金利に対する見方、いわゆるドットチャートがいつも以上にクローズアップされやすい状況にある。ドットチャートは2025年については年間で1%、つまり25ベーシスで4回の利下げが前回時点のメインシナリオだった。これが今回は0.75%(年3回)、あるいは0.5%(年2回)に減じられる可能性がある。更にマーケットの視点は再来年、26年にも向いていて、この年に利下げ打ち止めとなるのは既にコンセンサスといってもよいが、FRBが踵を返し利上げに転じるという思惑が生じるとなると話は別で、センチメントは一気に冷える。来年の話をすると鬼が笑うというが、“再来年”を気にするマーケットに投資家が振り回される構図だ。  一方、日銀金融政策決定会合については12月の利上げあるや無しやで外野がかまびすしい。だが、わざわざ日銀サイドから利上げ見送りのアドバルーンを上げておいて、確信犯で円安誘導してから「やっぱり利上げします」というのであれば、マーケットにもそれなりの不信感が広がるはずである。いつの間にか1ドル=153円台後半まで円安が進んだ。少し前までは1ドル=150円ラインが日銀の追加利上げのトリガーとみなす向きも多かった。そこから4円近く円安に振れた現状は、間違いなく引き金を引く水準である。  しかし、売り方も動けない。今回の12月の決定会合と来年1月の下旬に行われる会合はいわばコインで言えば裏表になっていて、今回利上げが見送られれば自動的に1月は利上げに踏み切るし、今回引き上げれば、1月はコインの裏側で現状維持(利上げ見送り)というパターンが想定される。したがって、実際は今週の会合で利上げがあってもなくても大きな差はないというのが、市場筋の暗黙のコンセンサスとなっているようだ。やはり、経済独り勝ち状態の米国で、株式市場のゴルディロックス環境がいつまで続くのかということが、米国だけでなく世界株市場にとって最大の関心事となっている。  もっとも森を見ていても埒(らち)が明かない。当面は個別株勝負だ。そうしたなか、物色の流れは防衛関連一本槍から、良い意味で広がりが出てきた。全方位型でアンテナを高くする場面である。データセンターの電力設投周辺では光コネクターなどの光関連部品や光電融合技術で実力を発揮する精工技研<6834.T>が依然として上値指向。光半導体関連でデクセリアルズ<4980.T>も新たにマークしておきたい。また、ビッグデータやAI活用のネット広告配信で時流に乗るソニー系の伏兵、SMN<6185.T>も面白い存在だ。米株市場で人気沸騰のテーマとなっている量子コンピューター関連ではレゾナック・ホールディングス<4004.T>に意外性があるほか、低位のユビキタスAI<3858.T>に着目したい。このほか、インバウンド特需を取り込み業績好調なDDグループ<3073.T>も要注目といえる。  あすのスケジュールでは、午前中に20年物国債の入札が予定されている。また、東証グロース市場にリスキル<291A.T>、東証スタンダード市場に黒田グループ<287A.T>がそれぞれ新規上場する。海外では11月の英失業率、12月の独IFO企業景況感指数、10月のユーロ圏貿易収支、12月の欧州経済センター(ZEW)独景気予測調査が注目されるほか、11月の米小売売上高、11月の米鉱工業生産指数・設備稼働率、12月の全米建設業協会(NAHB)住宅市場指数、10月の米企業在庫などにマーケットの関心が高い。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/12/16 17:30 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=共立メンテ、今期業績に増額期待膨らむ  共立メンテナンス<9616.T>に注目したい。同社はビジネルホテル「ドーミーイン」に加えリゾートホテルや学生寮の運営を展開。インバウンド需要拡大の追い風に乗り、主力のホテル事業が好調だ。第2四半期(4~9月)の連結営業利益は前年同期比26.5%増の106億1800万円で着地。25年3月期通期の同利益は185億円(前期比10.7%増)の最高益が予想されているが、市場には200億円台への増額期待が出ている。  10月の訪日外客数は単月で過去最高を記録するなどインバウンド需要は拡大しており、同社はその恩恵を享受することが見込める。株価は3000円台回復から3月につけた3624円50銭の最高値更新が狙えそうだ。(地和) 出所:MINKABU PRESS 2024/12/16 10:00 みんかぶニュース コラム 16日の株式相場見通し=反発か、円安追い風も日米の金融政策会合控え強弱観対立  16日の東京株式市場は強弱観対立のなかも主力株に買い戻しの動きが広がり、日経平均株価は強含みで推移しそうだ。外国為替市場で一段と進むドル高・円安を支えに3万9000円台半ばから後半での強調展開が見込まれる。前週末の欧州株市場は高安まちまちながらもドイツやフランス、英国など主要国の株価は総じて軟調だった。米国だけでなく欧州でも長期金利が上昇傾向にあることを警戒して買いが手控えられた。もっとも、ECBの金融緩和策に対する期待感が下値を支え、各国市場いずれも下げ幅は限定的なものにとどまっている。一方、米国株市場ではNYダウが7日続落と調整色を強めている。足もとで米10年債利回りの上昇が重荷となった。しかし、今月17~18日の日程で行われるFOMCでFRBが0.25%の利下げを決めるとの見方が強まっていることは追い風材料だ。これが押し目買いニーズを喚起し、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数の方はしぶとく売り物をこなし切り、小幅ながらプラス圏で着地している。東京市場では前週末に日経平均は一時600円を超える下げをみせるなど投資家心理を冷やしたが、足もとでは米金利上昇を背景に外国為替市場でドル買いの動きが進み、1ドル=153円台後半までドル高・円安が進行していることで、これが輸出セクターを中心に追い風材料となる。今週は1日違いで開示される日銀とFRBの金融政策の内容を見極めたいとの思惑が強く、売り買いともに一方向にポジションを傾けにくくしている。取引時間中は為替動向や米株価指数先物の値動きなどを横目に強弱観対立の中で不安定な値動きが想定される。  13日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比86ドル06セント安の4万3828ドル06セントと7日続落。ナスダック総合株価指数は同23ポイント高の1万9926.724だった。  日程面では、きょうは10月の機械受注、10月の第3次産業活動指数など。また、海外では11月の中国工業生産高、11月の中国小売売上高、11月の中国固定資産投資、12月の仏PMI、12月の独PMI、12月のユーロ圏PMI、12月の英PMI、12月のNY連銀製造業景気指数、12月の米PMI(S&Pグローバル調査・速報値)など。 出所:MINKABU PRESS 2024/12/16 08:01 みんかぶニュース コラム 来週の株式相場に向けて=掉尾の一振に向け「ゲーム・IP関連株」の輝きは増すか  13日の日経平均株価は前日比378円安の3万9470円と5日ぶりに反落。12日には一時、約2カ月ぶりに4万円を回復するなど反発基調にあっただけに、この日は利益確定売りに押される展開となった。  今年も残すところ、あと半月程度。東京市場では年末にかけ株価が上昇する「掉尾の一振」があるかが話題となる季節だが、来週は日米中央銀行の金融政策決定会合があり、年内最後の「中銀ウィーク」を迎える。米連邦公開市場委員会(FOMC)が17~18日、日銀金融政策決定会合が18~19日に予定されている。FOMCの結果が判明し日銀会合の結果が公表される19日が大きなポイントとなる。  市場ではFOMCでは0.25%利下げが有力視されており、ドットチャートなどの内容が注視されている。日銀会合は追加利上げの見送り観測も出ているが、なお状況は不透明だ。両会合を経て、株式市場にどんな影響があるかが注視される。  そんななか、東京市場では個別株物色の流れも強まりつつあるが、なかでも値動きの良さが目立つのが、ゲームやIP(知的財産)関連株だ。約25年ぶりの最高値更新が話題となったソニーグループ<6758.T>もいまやエレクトロニクスというよりゲーム・映画などエンターテインメント株であり、サンリオ<8136.T>の株価は昨年末から2.3倍に上昇している。足もとではバンダイナムコホールディングス<7832.T>やタカラトミー<7867.T>、カプコン<9697.T>、コナミグループ<9766.T>、それにハピネット<7552.T>やKADOKAWA<9468.T>、ディー・エヌ・エー<2432.T>などが人気となっている。外部環境の影響は受けにくいセクターでもあり、年末・年始にかけ一段の上昇が期待される。  上記以外のイベントでは、海外では16日に米12月ニューヨーク連銀製造業景気指数、米12月S&Pグローバル製造業PMI、17日に米11月小売売上高、米11月鉱工業生産、18日に米11月住宅着工件数、19日に米7~9月期GDP確定値、米12月フィラデルフィア連銀製造業景気指数、20日に米11月個人消費支出(PCE)物価指数が発表される。18日に米マイクロン・テクノロジー<MU>、19日にナイキ<NKE>、フェデックス<FDX>、20日にカーニバル<CCL>が決算発表を行う。   国内では16日に10月機械受注、18日に11月貿易収支、同訪日外客数、20日に11月消費者物価指数(CPI)が発表される。16日にパーク24<4666.T>、サンバイオ<4592.T>、20日に日本オラクル<4716.T>、西松屋チェーン<7545.T>、ツルハホールディングス<3391.T>が決算発表を行う。17日に黒田グループ<287A.T>、リスキル<291A.T>、18日にキオクシアホールディングス<285A.T>、19日にSynspective<290A.T>、dely<299A.T>が新規上場する。来週の日経平均株価の予想レンジは3万8900~4万円前後。(岡里英幸) 出所:MINKABU PRESS 2024/12/13 17:30 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=eWeLL、在宅医療DXニーズ追い風に成長加速へ  eWeLL<5038.T>については、下値切り上げ型の上昇トレンドの継続を期待したい。同社は訪問看護専用のクラウド型電子カルテ「iBow」や、事務管理代行サービスを展開。24年12月期の売上高は前期比23.7%増の25億6000万円、経常利益は同22.1%増の11億1200万円の見通しで、ともに前期に続いて過去最高を更新する計画だ。  団塊世代が75歳以上となる「2025年問題」に対し、社会全体が対応を迫られている。高齢者の増加に伴って介護や在宅医療のサービスに対する需要は一段と拡大すると見込まれる半面、事業者側は慢性的な人手不足にあることから、介護・医療業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)化を後押しする同社のサービスへのニーズはますます拡大しそうだ。iBowを巡っては、生成AIを活用した訪問看護報告書の自動作成機能を搭載したことも市場参加者の関心を引き付ける要因となった。株価は8月5日に上場来安値1054円をつけた後、足もとでは2000円近辺まで戻した。それでも上場来高値の2865円までなお、回復余地があるといえそうだ。(碧) 出所:MINKABU PRESS 2024/12/13 10:00 みんかぶニュース コラム 13日の株式相場見通し=一進一退か、米株安重荷も円安基調が支え 日銀短観を注視  13日の東京株式市場で、日経平均株価は一進一退の展開となる見通し。前日の米株式市場ではNYダウ平均株価が6日続落。前日に2万の大台を初めて突破したナスダック総合株価指数は反落となった。欧州中央銀行(ECB)は12日、0.25%幅の利下げを決定した。あわせて成長率やインフレ見通しを引き下げ、来年以降の追加利下げの可能性が示唆されたものの、欧州株を大きく押し上げるまでには至らなかった。米国では11月卸売物価指数が前月比0.4%上昇となり、伸び率は市場予想を上回った。インフレ環境の長期化が意識されるなかで、米30年債入札が低調な結果となったことも手伝って米長期金利が上昇。トランプ次期米大統領がニューヨーク証券取引所でオープニングベルを鳴らした記念すべき日となったが、ハイテク株を中心に持ち高調整目的の売りが膨らみ、米株式相場は軟化した。一方、米長期金利の上昇を背景に、外国為替市場でドル円相場は1ドル=152円台で水準を切り上げるなど円安基調を維持しており、夜間取引における日経平均先物の下値をサポートした。  国内では寄り付き前に12月の日銀短観が公表される。18~19日の金融政策決定会合を巡り、利上げが見送られる可能性について指摘するメディア報道がここまで相次いでいる。短観は金融政策に関する判断材料となるため、企業の業況判断や設備投資動向などから国内景気の先行き懸念が広がった際には、市場における利上げ観測を更に後退させ、株式相場を支援すると想定される。反対に、国内景気の堅調ぶりが示されれば利上げ観測が再び台頭することも予想される。もっとも、日銀にとって最悪のシナリオは、利上げを決めた後に円安が進むことである。短観とともに市場動向も加味して日銀は政策の判断を行うとみられ、会合までの間、市場においては緊張状態が続くこととなりそうだ。加えて、きょうは12月限株価指数先物・オプションの特別清算指数(SQ)が算出される。メジャーSQ算出日となるため、寄り付き後に先物主導で相場が不安定な動きとなる可能性があることも留意が必要となる。  12日の米株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比234ドル44セント安の4万3914ドル12セントと6日続落。ナスダック総合株価指数は同132.052ポイント安の1万9902.842だった。  日程面ではきょうは国内では日銀短観のほか、10月の鉱工業生産(確報値)、同月の設備稼働率が発表される予定。ラクサス・テクノロジーズ<288A.T>が東証グロース市場に新規上場する。海外ではユーロ圏10月鉱工業生産指数と米11月輸入・輸出物価指数の公表を控えている。 出所:MINKABU PRESS 2024/12/13 07:59 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=東京市場を牽引する米「サンタラリー」は続くか  東京市場で日経平均株価は一時720円近い上昇となり4万91円まで上昇した。取引時間中の4万円乗せは10月15日以来、約2カ月ぶりのこと。終値では結局4万円に届かなかったものの、市場には年末高に向けた期待が膨らんだ。   この日経平均株価の上昇を演出した要因は、11日に米ナスダック指数が初めて2万台に乗せたことだ。年初からのナスダック指数の上昇率は33%に達した。ナスダックの上昇率は、NYダウの17%や日経平均の19%を大きく上回っている。ナスダック株高は米国市場に「サンタクロース・ラリー」の期待をもたらし、その流れは東京市場にも波及している。  では、ナスダック高の要因はなにか。ひとつには、米追加利下げへの期待だ。高PERのハイテク株が多いナスダック銘柄には、利下げ効果は大きいとみられている。もう一つは、「やはりトランプ効果が大きいだろう」(市場関係者)とみられている。イーロン・マスク氏率いるテスラ<TSLA>の急騰は言うまでもないが、ビッグデータなどAI関連、仮想通貨関連株などが活気づくなか、ナスダック指数が押し上げられている。  エヌビディア<NVDA>に対する関心は依然強いものの、AI関連でビッグデータ分析での高実績を持つパランティア・テクノロジーズ<PLTR>などに対する関心は集まっている。また、仮想通貨関連ではコインベース・グローバル<COIN>やマイクロストラテジー<MSTR>などが注目されている。特に、マイクロストラテジーにはナスダック100への採用期待も出ている。  17~18日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%利下げが発表されると、ナスダック指数はいったん利益確定売りも警戒されるが、今回の上昇は「年明け以降も続くのではないか」(同)と予想する声は少なくない。東京市場に目を転じれば、ディスコ<6146.T>などの動向が注目されるほか、上場来高値に浮上したソニーグループ<6758.T>のような銘柄が更に出てくるかがポイントとなりそうだ。  今晩は欧州中央銀行(ECB)理事会が開催されるが、市場では0.25%利下げが有力視されている。また、米国では新規失業保険申請件数や11月卸売物価指数(PPI)が発表される。東京市場では、明日は12月日銀短観が発表されるほか、先物のメジャーSQ算出日となる。ラクサス・テクノロジーズ<288A.T>が東証グロース市場に新規上場する。 出所:MINKABU PRESS 2024/12/12 17:30 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=ヌーラボ、新規事業創出などに注力  ヌーラボ<5033.T>は下期にサービス基盤・組織強化を中心とした追加投資を予定。また、新規事業の創出や長期的な戦略投資(M&Aを含む)に向けた動きを加速させるとしており、今後の動向に注目したい。  足もと業績は堅調で、11月14日に発表した25年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結営業利益は前年同期比56.8%増の3億7400万円で着地。プロジェクト管理ツール「Backlog」や組織の情報セキュリティ・ガバナンスを強化するツール「Nulab Pass」のユーザー数が順調に増加したことなどが寄与した。通期業績については期初計画を上回って推移する見通しだとしている。  株価は10月24日と11月11日に718円をつけ下値の堅さが確認された格好。日足チャートで25日移動平均線と75日移動平均線とのゴールデンクロスが実現すれば、戻りに拍車がかかりそうだ。(参) 出所:MINKABU PRESS 2024/12/12 10:00 みんかぶニュース コラム 12日の株式相場見通し=大幅高で4万円台視野、米ナスダック2万台到達と円安が支援  12日の東京株式市場で日経平均株価は大幅に続伸する見通し。4万円の大台乗せが視界に入る。前日の米国市場でNYダウ平均株価は5日続落となったものの、ナスダック総合株価指数は急反発し過去最高値を更新。史上初めて2万台に到達した。11月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比で2.7%の上昇と、伸び率は市場予想と同水準となった。17~18日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)で、0.25%幅の利下げが実施されるとの見方が一段と強まるなか、テスラ<TSLA>が新高値をつけたほか、アルファベット<GOOG>が急伸。エヌビディア<NVDA>など半導体株も買われ、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は2.7%の上昇となった。日経平均先物は夜間取引で4万円を上回る水準で推移している。  米ハイテク株の頑強な動きを踏まえて、12日朝方の東京市場では半導体関連株を中心に売り方の買い戻しが誘発されると見込まれる。外国為替市場においては米CPI公表前に米ブルームバーグ通信が、日銀が「消費者物価の上昇に加速感が見られず、海外経済の不確実性が強まっている中で、追加利上げを急ぐ状況にはないと認識している」と報じ、その後ドル高・円安方向に大きく振れた。中国政策当局が来年は人民元安を容認することを検討しているとロイター通信が報じたこともドル買いを誘う形となったようだ。1ドル=152円台半ばに位置する為替水準は、日本の輸出関連株のサポート要因となるだろう。半面、日経平均が4万円を上回る水準まで上昇した際には、一定の戻り売り需要が顕在化する可能性もある。ショートカバーが一服した後に上値を買う投資主体が現れなければ、株価指数は伸び悩みを余儀なくされそうだ。  11日の米株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比99ドル27セント安の4万4148.56ドルと5日続落。ナスダック総合株価指数は同347.652ポイント高の2万0034.894だった。  日程面ではきょうは国内では11月の都心オフィス空室率が公表されるほか、ユカリア<286A.T>が東証グロース市場に新規上場する。また、12月限の株価指数先物・オプションの最終売買日となる。海外ではECB(欧州中央銀行)理事会の結果発表と、ラガルド総裁の記者会見が予定されている。加えて、スイス中銀の政策金利が発表される予定。米国では11月卸売物価指数と週間の新規失業保険申請件数が公表され、30年物国債入札も控えている。 出所:MINKABU PRESS 2024/12/12 08:01 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=3万6000円プットが示す波乱相場への警戒感  11日の東京株式市場で、日経平均株価は前営業日比4円65銭高の3万9372円23銭と小幅に3日続伸した。米半導体株安が重荷となり、下げ幅は一時250円を超えたが、11月の米消費者物価指数(CPI)の結果を見極めたいとのムードは強く、一方向にポジションを傾けようとする姿勢は限られて後場に持ち直した。  米CPIに関しては、市場予想は前年比2.7%上昇と伸び率は前月の2.6%から拡大するとの見方が優勢。ただし、市場予想を上振れして着地した際には、8割台まで織り込みが進んだ今月17~18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)における0.25%幅の利下げ観測が、後退する恐れがある。織り込み度合いが5割程度に低下した際には「丁半博打」の様相を帯びかねず、FOMC前後の米国市場のボラティリティを高めそうだ。  利下げ観測の後退で米長期金利に上昇圧力が掛かることとなれば、米国のハイテク株に逆風が吹きつけることとなるかもしれない。エヌビディア<NVDA>の株価は130ドル近辺に接近している。10月半ば以降のサポートラインを割り込んで調整色を一層強めた場合は、日本の半導体関連株に対しても一段の売り圧力が加わる可能性がある。  日本国内では18~19日に日銀金融政策決定会合が開かれ、これに先立ち12月日銀短観が13日に公表される。1ドル=151円台後半で推移する為替相場だけを根拠とすれば、追加利上げの思惑が広がってもおかしくはない。もっとも、日銀内部において利上げには慎重だとする通信社報道もあり、決め打ちはしにくい状況だ。日銀の金融政策を巡り、会合まで市場のコンセンサスが固まらないシナリオもある。  トランプ次期米政権の関税強化策を含め、マクロ面での不透明要因がいくつも存在するなかにあって、日本株の上昇機運が高まらない状況にある。11日のオプション市場をみると、期先物へのロールオーバーが主体の流れとなり、期先物の1月限はコール(買う権利)もプット(売る権利)も総じて冴えない展開だったが、日経平均が底堅さを見せながらも権利行使価格4万円のコールは売られている。プット側では権利行使価格3万8000円に加えて、3万6000円が活発に取引され、日経平均が下値を探る場面では、それぞれプレミアムがプラスとなる場面もあった。全体相場の調整に備えようとする投資家の姿勢が透けて見える。  前日時点での日経平均のEPS(1株利益)は加重平均ベースで2484円前後。過去10年間のPER(株価収益率)が15倍を中心に推移してきたことを踏まえると、これらを掛け合わせた数値は3万7250円程度となる。「過去10年でみて1月の日本株のパフォーマンスの悪さが際立っており、年明けの波乱相場に対する警戒感も広がっている。バリュエーション面でのサポートラインを下回ると一段と下押ししかねないとの見方や、流動性の観点から、下落時に利益を得られる3万6000円プットへの物色意欲が高まった」(中堅証券ストラテジスト)との見方が出ている。  現物株に視点を移すと、この日に上昇が際立ったのは何といっても防衛関連株である。売買代金ランキングでは川崎重工業<7012.T>とIHI<7013.T>、三菱重工業<7011.T>の重工大手3社がトップ3を占めた。防衛特別法人税の新設報道が刺激材料となったとはいえ、トランプ次期政権が同盟国に一段と防衛費負担の増加を求めるとの見方がくすぶる状況において、収益拡大ストーリーの「確からしさ」を防衛関連株が備えているのは間違いないだろう。  確からしさという文脈では、ITシステム関連のエクイティ・ストーリーも見過ごすことはできない。コロナ禍が発生して来年は5年目となり、リモートワークの導入とともに購入されたノートパソコンやシステム機器は、更新時期に差し掛かっている。更に来年10月には、ウィンドウズ10のサポートが終了し、中小企業を中心に対応に迫られるところは多いはずだ。関連銘柄には大塚商会<4768.T>やダイワボウホールディングス<3107.T>、ソフトクリエイトホールディングス<3371.T>、内田洋行<8057.T>などがある。マクロ環境が不透明ななかでも、年末相場では来年のテーマを先取りする投資行動が繰り返し見られてきただけに、小粒なテーマとはいえ人気化を期待したいところである。  あすのスケジュールでは、国内では主な経済指標の発表は予定されていない。ビジョナル<4194.T>やラクスル<4384.T>、三井ハイテック<6966.T>、タイミー<215A.T>などが決算発表を行う。また、ユカリア<286A.T>が東証グロース市場に新規上場する。海外ではECB(欧州中央銀行)理事会の結果発表と、ラガルド総裁の記者会見が予定されている。豪州では11月新規雇用者数と失業率、米国では11月卸売物価指数と週間の新規失業保険申請件数が公表される。米国では30年物国債入札も控えている。(碧) 出所:MINKABU PRESS 2024/12/11 17:30 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=しまむら、商品力強化で最高益連続更新へ  しまむら<8227.T>は、好業績期待を背景に株価5ケタを目指す展開が期待できる。  同社は「ファッションセンターしまむら」などを展開する実用・ファッション衣料店チェーン。店舗の魅力度が低下したことなどを背景に20年2月期まで3期連続で営業減益となったが、20年2月に鈴木誠社長が就任以降増益に転じ、24年2月期には営業利益が過去最高益を更新している点に注目したい。  業績回復の背景には商品力の強化に舵を切ったことがある。業績低迷期は売り上げ成長を優先して積極的な出店を行い、不採算店が増加。利益を確保するために万人受けするコア商品の在庫を増やして商品数を絞り込んだが、店舗の魅力度が低下し、在庫を消化するためにセールに依存する悪循環となっていた。  これを改め、以前のような少量多品種の品ぞろえに戻したほか、プライベートブランド(PB)やサプライヤーとの共同開発ブランド(JB)を拡充。また、コラボ商品にも力を入れることで商品力を強化した。一方、出店も都心部を中心に拡大し、これらが業績回復に貢献した。  25年2月期は営業利益563億6200万円(前期比1.9%増)を見込むが、8月中間期の営業利益は314億400万円(前年同期比4.1%増)と上期として過去最高と順調に推移しており、連続最高益更新の達成確度は高い。調査機関によっては、今期営業利益570億円台後半、26年2月期は同600億円台乗せを見込むところもあり、好業績期待を背景にした株高が期待できよう。(仁) 出所:MINKABU PRESS 2024/12/11 10:00 みんかぶニュース コラム 11日の株式相場見通し=弱含みの展開、米半導体株安が重荷 先物主導で振幅も  11日の東京株式市場で、日経平均株価は弱含みで推移する見通し。前日の米国市場ではNYダウ平均株価とナスダック総合株価指数がともに続落し、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)の下落率は2%を超えた。11月の米消費者物価指数(CPI)の結果を見極めたいとの姿勢が強まるなか、量子コンピューター向け新型チップ「ウィロー」搭載のコンピューターによる超高速計算の発表を行ったアルファベット<GOOG>が大幅高となった。一方、エヌビディア<NVDA>をはじめ主要半導体株の下げが目立った。外国為替市場では、米連邦準備制度理事会(FRB)が17~18日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%幅の追加利下げが決まるとの見方が強まるなかにあって、ドル円相場は一時1ドル=152円台前半までドル高・円安に振れた。日本株には米半導体株の下落が重荷となる半面、円安基調が下支え要因となる見込みだ。  東京市場では13日が日経平均先物などの特別清算指数(SQ)算出日となり、12日が12月限の先物・オプションの最終売買日となる。メジャーSQ週の水曜日とあって、取引時間中は期先物へのロールオーバーなどに絡んだ売買の影響により、日経平均は不安定な動きを示す可能性がある。日足チャートをみると前日の日経平均のローソク足はほぼ十字足ではあるが、終値は始値を下回っており、陰線が5本連続して現れたと解釈することも可能である。不安定な相場展開に売り方が乗じる形で下値を模索する展開となった際には、節目の3万9000円近辺で押し目買い意欲が高まるか注目されることとなりそうだ。中国景気に対する楽観的な見方は欧米市場では一巡した感もあるものの、取引時間中に香港・上海株が底堅く推移した際には、円安基調とともに日本株のサポート要因とみなされることとなるだろう。  10日の米株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比154ドル10セント安の4万4247ドル83セントと4日続落。ナスダック総合株価指数は同49.448ポイント安の1万9687.242だった。  日程面では、きょうは国内では11月の企業物価指数が公表されるほか、財務省による10~12月期法人企業景気予測調査が発表される予定。また、半導体産業の国際展示会「SEMICON JAPAN」が13日までの日程で開かれる。海外では中国において中央経済工作会議が12日まで開催される。米国では11月CPIのほか、MBA住宅ローン申請指数、11月月次財政収支の公表を控えている。このほか、米10年物国債入札やカナダ中銀の政策金利発表も予定されている。 出所:MINKABU PRESS 2024/12/11 08:00 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=防衛・原子力周辺に群がる投資マネー  きょう(10日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比207円高の3万9367円と続伸。これで12月に入って日経平均は6勝1敗となった。今週末にメジャーSQを控え、先物主導で荒れた値動きも警戒されるところだが、日経平均はしぶとく売り物をこなし強調展開を維持している。もっとも、きょうは値下がり銘柄数が値上がり数を170あまりも上回っており、体感温度的にはむしろ寒風に肩をすぼめるような地合いだった。  目先は空売り筋の手仕舞いの動きも一部で観測されている。半導体関連はその典型であり、前日の米国株市場ではエヌビディア<NVDA>が中国当局に独占禁止法疑惑で標的にされ、これを嫌気されて下落したのだが、東京市場ではディスコ<6146.T>をはじめ半導体主力銘柄は総じて買い戻しが優勢となった。また、安川電機<6506.T>や資生堂<4911.T>などこれまで中国関連として逆風が強かった銘柄にもショートカバーが入った。中国共産党が9日に開いた中央政治局会議で、25年の経済政策について「財政政策の積極化と緩和的な金融政策を行う」とのメッセージを発した。これが好感されたわけだが、何か現時点では取ってつけたような買い材料といえなくもない。実際、両銘柄とも上値は重かった。日本時間のあす夜に開示される11月の米CPIについては、来週のFOMCでの利下げを邪魔するものにはならないという見方が優勢だが、それでもSQ算出を目前に波乱の二文字が脳裏をよぎる。225先物に振り回されない個別株のテーマ物色に資金が集まりやすい。  そうしたなか、IMV<7760.T>が大勢3段上げの様相をみせている。初動から継続的にフォローしてきたが、ここから上値に買いつくのはそれなりのリスクを伴うため押し目を待つか、さもなければ観賞用にとどめておくところではある。ただ、上場来高値圏で戻り売り圧力から解放されたゾーンを走りながらPERなど指標面で割高感がなく、しかも200億円足らずの時価総額を考慮すれば、一段の上値余地を否定することもできない。これまでIMVは、電気自動車(EV)向けや自動車のエレクトロニクス化と並行して技術開発が進展する自動運転分野向けなどが活躍フィールドとして意識されていた。これだけでも成長シナリオは十分描けるが、同社の振動試験装置や計測器には、三菱重工業<7011.T>など総合重機メーカーから受注する形で間接的な「防衛省」関連案件の需要が乗ってきている。以前とは別の切り口でグローバルニッチトップの実力に光が当たり始めている。試験装置の販売だけでなく、テストラボ増設によって受託試験サービスでも防衛向け需要を獲得する準備が進んでいるもようだ。  同社株に限らず、防衛関連株や原子力・エネルギー周辺の中小型株に投資マネーが流れ込んできている。それを示唆するのが、目先再動意している助川電気工業<7711.T>だ。熱制御技術に強い研究開発型メーカーで、原子力関連機器で高い商品競争力を有し、次世代原子炉の研究で使われる核融合関連分野でも製品納入実績が豊富だ。  また、こうなると原子力発電所向けバルブアクチュエーターで9割強の圧倒的商品シェアを有する日本ギア工業<6356.T>も、このまま投資マネーが放置し続けるとは考えにくく、どこかで見せ場を作る可能性がある。日ギアの25年3月期は営業23%減益予想だが、上期時点では2ケタ増益を達成し、株価指標面でもPER5倍台、PBR0.5倍台という格安水準にある。  このほか、同じ系統の銘柄を探すと、東京電力ホールディングス<9501.T>や東北電力<9506.T>を販売先とする岡野バルブ製造<6492.T>もきょうは大きく下押しているものの、前日にマド開け大陽線を示現し、マーケットの視線を集めた経緯がある。押し目買い対象としてチェックしておきたいところだ。  あすのスケジュールでは、11月の企業物価指数が朝方取引開始前に日銀から開示されるほか、財務省からは10~12月期法人企業景気予測調査が発表される。また、この日から13日までの日程で「セミコン・ジャパン2024」が東京ビッグサイトで開催される。海外では11月の米消費者物価指数(CPI)に対するマーケットの注目度が高い。このほか、11月の米財政収支も発表される。また、米債券市場では米10年物国債の入札も予定されている。カナダ中銀が金融政策決定会合を開催し政策金利を発表。ブラジル中銀も政策金利を発表する。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/12/10 17:33 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=スパイダー、売上高成長続き底値買いチャンス  スパイダープラス<4192.T>は大底圏で急動意をみせているが、300円台半ばの水準は依然として拾い場と判断される。早晩400円台乗せから一段と水準を切り上げる展開が期待される。建築図面や現場施工の管理アプリを開発・販売し、建設現場の業務効率化サービスを提供する。契約企業は大手ゼネコンをはじめ2000社を超え、サブスクリプション形態で安定した収益基盤を構築している。人工知能(AI)を活用した配筋検査業務の機能拡充など、付加価値を高めて更なる需要開拓を図る。  業績は人的投資など先行費用の関係で営業赤字が続いているものの、トップラインの伸びが顕著で成長力の高さは証明されている。25年12月期を境に営業損益が黒字転換する可能性があり、今は安値買いの好機に。(桂) 出所:MINKABU PRESS 2024/12/10 10:00 みんかぶニュース コラム 10日の株式相場見通し=売り買い交錯、米CPI発表前で上値重い  10日の東京株式市場は強弱観対立のなか、日経平均株価は前日に続き比較的狭いゾーンでの値動きとなり、3万9000円台前半でのもみ合いが予想される。前日の欧州株市場では主要国の株価が高安まちまちの展開となり、直近まで7連騰で史上最高値更新を続けていた独DAXは8日ぶりに上昇一服となった。防衛関連株への売りが目立ち全体指数に影響したが、下げ幅はわずかにとどまっている。一方、仏CAC40は8連騰を記録、中国の財政政策への期待が拠りどころとなり、底入れ反騰色を強めている。米国株市場ではハイテク株などを中心に幅広い銘柄に利食い急ぎの売り圧力が表面化しており、主要株価3指数いずれも下落した。NYダウは12月に入ってから上値の重さが目立ってきた。今月行われるFOMCではFRBが0.25%の利下げを決定するとの観測が強まっているが、11日に発表予定の11月の米消費者物価指数(CPI)を前に、この結果を見極めたいとの思惑から積極的な買いが手控えられた。個別ではエヌビディア<NVDA>をはじめ半導体関連株への売りが目立つ。エヌビディアは中国当局が独占禁止法などの疑いで調査を始めたと伝わったことが売りを誘った。また、アドバンスト・マイクロ・デバイシズ<AMD>はアナリストの投資判断引き下げが嫌気され大幅な下落を余儀なくされた。最高値街道を走っていたナスダック総合株価指数も反落し、2万の大台乗せを前に足踏みを余儀なくされている。東京市場ではここ最近はナスダック指数に連動する形で日経平均が上昇基調にあったが、きょうは同指数の軟化を受けて上値の重い展開を強いられそうだ。今週末13日にメジャーSQ算出を控えており、先物主導で荒れた値動きとなる可能性もあるが、押し目買いニーズも強い。外国為替市場でドル高・円安方向に振れていることは輸出セクターを中心に株価の下支え材料となる。  9日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比240ドル59セント安の4万4401ドル93セントと3日続落。ナスダック総合株価指数は同123.084ポイント安の1万9736.690だった。  日程面では、きょうは11月のマネーストック、5年物国債の入札、11月の工作機械受注額など。海外では、豪中銀の政策金利発表、11月の中国貿易統、11月の全米自営業者連盟(NFIB)中小企業楽観度指数など。なお、タイ市場は休場。 出所:MINKABU PRESS 2024/12/10 08:00 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=内需株の地殻変動、噴き上げる「DX関連」  週明け9日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比69円高の3万9160円と反発。スタートダッシュを決めた師走相場だが、前週末あたりから上値追いにやや懐疑的なムードも出てきた。きょうも変動幅こそそれほど大きくはないが、寄り付き天井を形成し、その後は上下に不安定に揺れた。しかし、米国ではハイテク株中心にリスクオン相場が続いており、ナスダック指数が最高値圏を快走するのを横目に足もとで弱気に傾く道理もない。今週は週末にメジャーSQ算出を控え、先物主導で全体相場の流れが急変することも考えられるが、中小型株への物色意欲が再燃している点は個人投資家には追い風といえる。  今週は11日に11月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えているが、米株市場ではここを無風通過と読んでいるのか、前週末時点で12.77と13%を割り込んだVIX指数をみても、かなり楽観に傾斜していることが分かる。来週17~18日のFOMCでは0.25%の利下げが既定路線となっている雰囲気だが、問題はドットチャートで、来年のFRBの金融政策の舵取りがどうなるかに世界の関心が高い。いまのところ年間で1%もしくは0.75%の引き下げ予想が本線のようだが、「毎会合連続ということではなく、様子をみながらボチボチ引き下げる、景気も強いしそれで十分というイメージ」(ネット証券ストラテジスト)とする。そうした声を聞くほどに、楽観の中で成熟した上昇相場が陶酔の中で消えていく件(くだり)とならないかと不安がよぎる。  東京市場で懸案となっている半導体関連株の低迷脱出は、レーザーテック<6920.T>が象徴するように株式需給がカギを握る。高水準の信用買い残の整理が進むどころか、株価を下げながら買い残が増勢一途となっており、需給悪を見込んで新規の買いが入ってこないという悪循環に陥っている。これだけ下げれば、レーザーテクなどは逆張りで食指が動くのが人情だが、株価水準よりも需給的な観点が必要で、今は戻っても吹き値売りで対処するよりない時間帯だ。また、皆がそう考えるからこそ吹き値売りもそう簡単ではない。  流れは内需の中小型株に向いている。にわかに動意が相次いでいるのが、DX関連の銘柄群である。こちらはしばらく「投資家の視点から姿を消していた」という点が、半導体セクターと異なる。株価が下落トレンドを強いられる過程で、逆張りで信用買い残が膨張するような状況にはなかったため、テーマ物色の波が起きると戻り足も軽い。  DX関連も業績面で選別していくのが基本だが、足もとの進捗率で騙されるケースもある。例えば下期回収型の銘柄は、上期の収益がパッとしなくても、後半追い込みがかかる「まくり」パターンで帳尻が合うことが多い。もちろん、その逆のケースもあるが基本的にITソリューション関連は大型案件の計上一発で景色が変わるので、安易に進捗率で判断しないことが肝要だ。「相場は相場に聞け」というが、これは個別株にもそのまま当てはまり、チャートの値動きはある意味、その銘柄の鼓動であり息遣いである。同様のコンセプトで、より実践的に「強い株につけ」という格言もある。  最近の動きでは派遣型研修のDX支援ビジネスを展開するインソース<6200.T>が現在進行形で強さを発揮。また、独立系で自治体に強いアイネス<9742.T>なども大勢2段上げを思わせる動きだ。このほか、官公庁向けで実績の高いクロスキャット<2307.T>が拾い場を提供している感触。ビッグデータ・AI関連の成長株としては、既に動兆著しいがFinatextホールディングス<4419.T>などの押し目買いに妙味がありそうだ。このほか、ネットリサーチを祖業に、近年はデジタルマーケティングなど高付加価値分野に舵を切り業績を変貌させているクロス・マーケティンググループ<3675.T>も目が離せない。  あすのスケジュールでは、11月のマネーストックが朝方取引開始前に開示されるほか、午前中に5年物国債の入札が行われる予定。午後3時以降に11月の工作機械受注額が発表される。また、この日はGENDA<9166.T>の2~10月期決算発表が予定されている。海外では、豪中銀が政策金利を発表するほか、ブラジルの金融政策員会が11日までの日程で開催される。また、11月の中国貿易統計にマーケットの関心が高い。米国では11月の全米自営業者連盟(NFIB)中小企業楽観度指数が開示され、7~9月期労働生産性指数の改定値も公表される。米債券市場では3年物国債の入札が予定されている。なお、タイ市場は休場となる。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/12/09 17:30 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=ラクス、経理デジタル化需要が拡大  ラクス<3923.T>に注目したい。同社はクラウド経費精算システム「楽楽精算」などが主力。25年3月期の連結純利益は従来予想の69億円から73億1000万円(前期比74.6%増)に増額され、配当も従来予想を20銭上回る4円10銭(前期比1円75銭増)に見直された。中堅・中小企業の経理業務のデジタル化需要は強く、主力のクラウド事業が想定を上回って推移している。IT人材を派遣するIT人材事業も堅調だ。  同社は中期経営目標で26年3月期の同利益を100億円以上(今期予想比36.8%以上増)に置いているが、この目標は達成可能との見方が出ている。株価は8月高値2457円更新からの一段高が見込める。(地和) 出所:MINKABU PRESS 2024/12/09 10:00 みんかぶニュース コラム 9日の株式相場見通し=反発、米雇用統計後のハイテク株高が追い風  9日の東京株式市場は主力株中心に買い戻しが優勢の地合いとなり、日経平均株価は反発する可能性が高そうだ。前週末の欧州株市場は高安まちまちの展開だったが、ドイツの主要株価指数であるDAXは小幅ながら7日続伸し、連日で最高値をつけている。また、フランス株もここドイツ株に歩調を合わせCAC40が7日続伸、政局不安がやや後退するなか戻り足を強めてきた。米国株市場では景気敏感株や金融株の一角が冴えず、NYダウは続落となったが、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は反発し最高値を更新した。また、機関投資家がベンチマークとして重視するS&P500指数も反発し最高値街道に復帰している。発表された11月の米雇用統計は非農業部門の雇用者数が事前コンセンサスを上回る水準だったほか、10月分も上方修正した。平均時給も予想を上回った。一方、失業率は前月の4.1%から4.2%に加速したが、これはコンセンサスとほぼ合致し、総じて今回の雇用統計は強い内容だったといえる。とはいえ際立って強い数字でもなく、今月17~18日に開催されるFOMCでFRBによる0.25%の利下げは有力という見方に変化は生じていない。今週は11日に11月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えており、これを確認したいというニーズはあるものの、足もとの米長期金利が低下傾向を示したこともあって、ハイテクセクターには追い風の意識される相場環境となった。東京市場では前週末に日経平均が5日ぶりに上昇一服となったが、きょうは前週末の米ハイテク株高を受けて、再び仕切り直しの買いが流入しそうだ。ただ、今月18~19日の日銀の金融政策決定会合を控え、上げ幅は限定的となる可能性もある。  6日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比123ドル19セント安の4万4642ドル52セントと続落。ナスダック総合株価指数は同159.051ポイント高の1万9859.774だった。  日程面では、きょうは10月の国際収支、11月の景気ウォッチャー調査、7~9月期GDP改定値など。海外では11月の中国消費者物価指数(CPI)、11月の中国生産者物価指数(PPI)、10月の米卸売在庫・売上高など。 出所:MINKABU PRESS 2024/12/09 08:00 みんかぶニュース コラム 来週の株式相場に向けて=円高懸念残るなか「外食・小売り」の上昇は続くか  6日の東京市場で日経平均株価は304円安の3万9091円と5日ぶりに反落した。前日まで日経平均株価は1200円近く上昇しており、利益確定売りが膨らんだ格好だ。特に、今晩は米11月雇用統計が発表される。市場では17~18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利下げを7割近い確率で織り込んでいるが、なお3割近くは政策金利据え置きを予想しているだけに、今晩の雇用統計への関心は高い。  また、来週は11日に米11月消費者物価指数(CPI)、12日に同生産者物価指数(PPI)が発表される。加えて、18~19日の日銀金融政策決定会合では追加利上げに対する見方は割れている。それだけに、13日の12月日銀短観も目が離せないだろう。  日米金融政策の結果で「為替が円安・円高のどちらかに動くかで株式市場の物色傾向も左右される」(市場関係者)ことになる。円安基調が強まれば、当然、半導体関連などハイテク株が見直されるが、足もとでは一時1ドル=148円台まで進んだ円高を意識し内需株に見直し買いが入っていることは見逃せない。  特に、円高メリットも期待される外食や百貨店、スーパー、専門店などを含む「小売り株」は堅調な値動きを続けている。東証33業種別の「小売業」セクターは、きょう1992.67と年初来高値をつけた。小売業の年初からの上昇率は21%となり、日経平均株価の17%やTOPIXの15%を上回る頑強ぶりだ。外食関連では、牛丼チェーンでは吉野家ホールディングス<9861.T>傘下の「吉野家」やゼンショーホールディングス<7550.T>傘下の「すき家」などの月次売上高は堅調に推移している。また、衣料など専門店ではファーストリテイリング<9983.T>や良品計画<7453.T>、しまむら<8227.T>などが月次売上高の伸びを材料に株価は上昇している。ニトリホールディングス<9843.T>を含め、当面は為替動向を横目に見ながら、小売り株の株価動向を注視する展開が予想される。  上記以外の来週のスケジュールでは、海外では9日に中国11月CPI、10日に中国11月貿易収支、12日に欧州中央銀行(ECB)理事会が開催される。10日にトール・ブラザーズ<TOL>、11日にアドビ<ADBE>、12日にコストコ・ホールセール<COST>、ブロードコム<AVGO>が決算発表を行う。  国内では9日に7~9月期GDP改定値、11月景気ウォッチャー調査、11日に10~12月期法人企業景気予測調査が発表される。13日は、先物のメジャーSQ算出日となる。9日に泉州電業<9824.T>、ミライアル<4238.T>、10日にGENDA<9166.T>、11日にANYCOLOR<5032.T>、12日にビジョナル<4194.T>、タイミー<215A.T>、13日に神戸物産<3038.T>、丸千代山岡家<3399.T>が決算発表を予定している。12日にユカリア<286A.T>、13日にラクサス・テクノロジーズ<288A.T>が新規上場する。来週の日経平均株価の予想レンジは3万8400~3万9700円前後。(岡里英幸) 出所:MINKABU PRESS 2024/12/06 17:31 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=伊勢化、もみ合い上放れ再び人気化へ  伊勢化学工業<4107.T>は調整一巡から再上昇の機運を強めている。同社はAGC傘下のヨウ素メーカー大手。世界トップクラスの生産シェアを誇り、20カ国以上に製品を供給している。脱炭素社会の実現に向けて政府が後押しする「ペロブスカイト太陽電池」の主原料がヨウ素であることから、同太陽電池関連の有力株として投資家の熱い視線が注がれている。  業績は絶好調だ。ヨウ素の国際市況が堅調なことや円安を追い風に、23年12月期は営業4割増益で過去最高を更新。今24年12月期も前期比3割近い増益を予想している。株主還元にも前向きで今期は6期連続の増配となる見通しだ。株価は年前半に急速に物色人気化し、6月に4万500円の上場来高値をつけた。その後反動安に見舞われたものの、右肩上がりの200日移動平均線に支えられる形で徐々に下値を切り上げ、足もと2万円前後のもみ合いを上放れてきた。(イ) 出所:MINKABU PRESS 2024/12/06 10:00 みんかぶニュース コラム 6日の株式相場見通し=狭いレンジでのもみ合いか、米雇用統計前で様子見ムード  6日の東京株式市場は強弱観対立のなか、日経平均株価は前日終値近辺で様子見ムードの強い地合いとなることが予想される。前日の欧州株市場はほぼ全面高に近い形で上昇し、ドイツの主要株価指数DAXは6連騰で最高値を更新、11月以降は政局不安で調整色を強めていたフランスの主要株価指数CAC40も直近は6日続伸と底入れを明示している。しかし、米国株市場ではここやや過熱気味に買われていたことで警戒感も出ている。前の日にNYダウやナスダック総合株価指数など主要株価3指数が揃って最高値を更新したが、この日は目先持ち高調整の売りが表面化した。日本時間今晩に発表される11月の米雇用統計を前にこの内容を見極めたいとの思惑から買いポジションを軽くする動きが優勢だった。9月から10月にかけての米雇用統計についてはハリケーンやストライキの影響が反映された要素も強く、その意味で11月の雇用統計の内容に注目度が高いとの指摘も出ている。なお、この日の朝方取引開始前に発表された週間の米新規失業保険申請件数は事前コンセンサスを上回った。一方、マーケットの関心が高いビットコイン価格は4日の夜に初めて10万ドルの大台に乗せており、米株市場でも関連株の一角を物色する動きを誘発している。東京市場では12月に入ってから日経平均が4連騰と上値指向を強めていたが、前日の米国株市場が上昇一服となったことを受け、きょうは上値の重い展開を強いられそうだ。米株価指数先物の動向などを横目に不安定な値動きとなることも予想されるが、下値も限定的で3万9000円台前半の比較的狭いレンジでのもみ合いに終始しそうだ。  5日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比248ドル33セント安の4万4765ドル71セントと反落。ナスダック総合株価指数は同34.857ポイント安の1万9700.259だった。  日程面では、きょうは10月の家計調査、10月の毎月勤労統計、11月上中旬の貿易統計、10月の景気動向指数速報値など。海外では7~9月期のユーロ圏実質国内総生産(GDP)確報値、10月の独鉱工業生産指数、11月の米雇用統計、12月のミシガン大学・米消費者態度指数速報値、10月の米消費者信用残高など。 出所:MINKABU PRESS 2024/12/06 07:59 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=「防衛関連株」の裾野に広がる鉱脈  きょう(5日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比119円高の3万9395円と4日続伸。気が付けば日経平均は12月に入ってから安い日がない。きょうは寄り付き直後に高値をつける“寄り天”状態となったのだが、それでも大引けにしぶとくプラス圏で着地するあたり、売り方の立場であれば焦燥感にかられるところかもしれない。  米国株市場の上昇に拍車がかかっている。これまでは、買われている銘柄をみても景気敏感株が有利な時と、ハイテク株の好調が目立つ時とが交互に訪れる感じで、指数で言えばNYダウが上値指向を強めている時は相対的にナスダック総合株価指数が出遅れ、ナスダック指数の上げ足に勢いがつくと、ダウの方は動きが鈍くなるというパターンが多く見られた。しかし、直近はもう猫も杓子も十把一絡(ひとから)げに上がる相場で、両指数ともに一緒に坂道を駆け上がるような状況となっている。当然ながらS&P500指数も最高値圏を走っている。そうしたなか、特徴的なのはフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)の動向であり、今年7月上旬につけた最高値5904はおろか、10月中旬につけた戻り高値5445にも届いていない。「エヌビディア・エフェクト」はAI用半導体というエポックの象徴としてなお絶大な影響力を及ぼしているが、同社の劇的な「成長スピード」も峠を越えたという認識が、半導体セクターから覇気を奪っているようだ。  ただし、米国では半導体関連株の人気復活が実現しない段階でも、全体指数はフィーバー状態に近いブル相場が演出されている。日本の場合は半導体関連セクターの値動きと日経平均やTOPIXの値動きはかなり連動性が高い。これは底値圏もみ合いを続ける日経半導体株指数と、日経平均やTOPIXの波動を見比べれば一目瞭然だ。SOX指数とダウやナスダック指数のトレンドにほとんど相関が見られないのとは対照的である。しかし、東京市場においても半導体関連の上値が重いからといって、その他のセクターも冴えない動きを強制されるということはない。個別株は指数の動向とはまた別次元である。  きょうは三菱重工業<7011.T>が後場に利食いで値を消したものの、前場に約3週間ぶりに上場来高値を更新した。川崎重工業<7012.T>、IHI<7013.T>は上場来高値には届いていないが、いずれも急勾配のリバウンド局面に転じている。今週の初めにスウェーデンのストックホルム国際平和研究所が、世界の兵器メーカー上位100社の収益が2023年に前年比4%あまり増加し、日本円換算で約95兆円だったことを公表。そのなか、三菱重や川重など日本企業5社の兵器による収益合計は同35%増と大幅拡大し、約1兆5000億に達したことが伝えられた。24年、そして25年はこの金額よりも更に膨らむことが確実というコンセンサスによって「防衛関連」というテーマが一段と強靱化されている。  関連銘柄では防衛関連という範疇では伏兵だったIMV<7760.T>が想定以上の物色人気となり、8月初旬以降の戻り相場で時価総額を短期間で倍化させた。倍化しても今の時価総額は200億円未満である。動電型振動試験装置で世界トップクラスの競争力に耳目が集まっている。その実力が国家安全保障という錦の御旗のもとで開花することは、それは理想買いの段階としても株高ストーリーとして申し分がない。  このIMV効果は他の銘柄にも伝播するタイミングが訪れることが予想され、既にその緒に就いた状況にもみえる。ここからは出遅れ銘柄に目が向くところであり、防衛関連という物色テーマの持続性が保たれる中で、投資資金が流れ込む蓋然性は非常に高い。いわゆる待ち伏せ買いで妙味を内包している銘柄としては、防衛省向け訓練・救難用発煙筒などで受注を積み上げる細谷火工<4274.T>、情報システム関連など防衛装備品を提供する日本アビオニクス<6946.T>、US-2型救難飛行艇などで防衛省との取引実績が豊富な新明和工業<7224.T>、防塵・防毒マスクで高シェアを確保する重松製作所<7980.T>、官公庁向けで強みを持つ技術商社でドローンなど新技術分野に定評がある理経<8226.T>などが挙げられる。  あすのスケジュールでは、10月の家計調査、10月の毎月勤労統計、11月上中旬の貿易統計、10月の景気動向指数速報値など。海外では7~9月期のユーロ圏実質国内総生産(GDP)確報値、10月の独鉱工業生産指数が発表されるほか、米国では11月の雇用統計にマーケットの関心が高い。12月のミシガン大学・米消費者態度指数速報値、10月の米消費者信用残高なども開示される。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/12/05 17:30

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