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みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=RSテクノ、再生ウエハーの需要拡大に期待  RS Technologies<3445.T>を半導体関連の出遅れとしてマークしたい。同社は半導体製造工程で使われる再生ウエハーの受託加工を行うが、世界シェアトップの実力を誇り、今後中期的に半導体需要の拡大が追い風として意識されそうだ。中国、台湾などを中心に海外向けが売り上げの大半を占めているが、国内でも台湾の半導体受託生産最大手TSMC<TSM>の熊本工場向けなどで新たな需要獲得が見込まれ、業績拡大に弾みがつく可能性がある。  24年12月期は営業利益段階で前期比18%増の140億円を見込むが、続く25年12月期も2ケタの利益成長が視野に入りそうだ。時価予想PER10倍台は割安感があり、3230円の年初来高値奪回を通過点に、早晩3500円近辺への上値チャレンジが有力視される。(桂) 出所:MINKABU PRESS 2024/04/02 10:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=コマツ、業績最高益基調が続く  コマツ<6301.T>に注目したい。建機最大手である同社の第3四半期累計(23年4~12月)の連結純利益は前年同期比31.2%増の3042億6700万円だった。北米での建機需要が堅調なほか、鉱山機械も伸びた。販売価格の引き上げも寄与した。24年3月期の同利益は前の期比4.2%増の3400億円と最高益が予想されているが、第3四半期までの進捗率は89%に達しており、3700億円前後へ上振れも期待できる。  25年3月期も堅調な建機需要が予想され、同利益は3900億円前後への連続増益が見込める。株価は最高値圏にあるが、3%近辺の配当利回りも期待でき、なお割安感は強い。先行き5000円乗せから一段高が予想される。(地和) 出所:MINKABU PRESS 2024/04/01 10:00 みんかぶニュース コラム 1日の株式相場見通し=強弱観対立のなか、4万円トビ台でもみ合う展開  1日の東京株式市場は売り買い交錯のなか、日経平均株価は4万円トビ台前半でもみ合う展開か。前週末の欧米株式市場がグッドフライデーの祝日に伴い揃って休場だったことから、手掛かり材料に乏しく、強弱観対立のなか比較的狭いゾーンでのもみ合いが想定される。きょうから名実ともに新年度入りとなる東京市場では機関投資家による新たな買い需要が見込まれ、全体相場を下支えする可能性があるものの、積極的に上値が買い進まれる展開は想定しにくい面もある。外国為替市場では1ドル=151円台前半の推移で円安水準は維持されていることで、輸出セクターやインバウンド関連にはポジティブに作用しそうだ。また、31日に発表された3月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)や中国非製造業PMIはいずれも50を上回り、市場コンセンサスを上回る強い数字だったことは、中国景気に対する警戒感の後退につながり、これも投資家心理にプラスに働きやすい。一方、朝方取引開始前に開示される日銀短観が全体相場に影響を与える可能性もあり、その内容が注目されそうだ。  日程面では、きょうは3月の日銀全国企業短期経済観測調査(日銀短観)、3月の新車販売台数、3月の軽自動車販売台数など。海外では3月の財新中国製造業購買担当者景気指数(PMI)、3月の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数、2月の米建設支出など。 出所:MINKABU PRESS 2024/04/01 07:59 みんかぶニュース コラム 来週の株式相場に向けて=新年度相場を占う展開、やはりバリュー株優位か  29日の日経平均株価は前日比201円高と反発。前日に600円近い下落を演じていただけに、自律反発狙いの買いが入った様子だ。年度末を迎え「足もとでは年金などのリバランスの動きも出ていたようだ」(市場関係者)という。ただ、リバランスの売買も今日で一巡し、来週からは4月で新年度入りする。ここで相場の物色に変化が出るかが、ポイントだ。  海外投資家などグローバル資金は米国の金融政策を注視しており、年3回の利下げがあるかが関心を集めている。米利下げ観測が優勢となれば、ドル安・円高圧力が強まることも予想される。そんななか、今晩発表の米2月個人消費支出(PCEデフレーター)や来週5日の米雇用統計が注目される。そして国内では1日には日銀短観が発表される。  もし米利下げ期待が後退したとしても、1ドル=151円後半では政府・日銀による為替介入が警戒される。ここからの一段の円安に対する期待感が後退するなか、半導体を中心とするハイテク株は買い上がるには胆力のいる状況となりつつある。  そんななか「新年度に入っても為替の影響度が小さいバリュー株に対する物色が続くのではないか」(アナリスト)との見方は増えている。三井不動産<8801.T>や三菱地所<8802.T>といった不動産株は新値追いを続けており、大成建設<1801.T>や大林組<1802.T>、清水建設<1803.T>といった建設株も堅調な値動きとなっている。来週は、重要経済指標の発表が目白押しであり、新年度相場の行方を占ううえでは目が離せない展開となりそうだ。  上記以外のイベントでは、海外では1日に米3月ISM製造業景況指数、2日に米2月JOLTS求人件数、3日に米3月ADP雇用統計、同ISM非製造業景況指数、4日に米2月貿易収支が発表される。国内では、4日に日銀が地域経済報告(さくらレポート)を公表するほか、5日に2月家計調査が発表される。1日にしまむら<8227.T>、5日に安川電機<6506.T>が決算発表を行う。来週の日経平均株価の予想レンジは3万9800~4万800円前後。(岡里英幸) 出所:MINKABU PRESS 2024/03/29 17:23 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=Aバランス、今期最高益予想で株価は調整十分  Abalance<3856.T>は調整十分でここからのリバウンドに期待したい。同社はソフト開発を祖業とし、現在では太陽光発電事業にシフト。太陽光パネルの製造をはじめ、発電システムや関連製品の販売を手掛ける。傘下の太陽光パネル部品会社を米ナスダック市場に上場させるべく現在手続きを進めており注目だ。  高成長トレンドを突き進み、今24年6月期も営業最高益を計画。上期時点で利益進捗は6割を超えている。同社株は業績拡大を背景に2020~23年にかけ、数百円から1万円台まで急騰する大相場を演じた経緯がある。その後は調整を余儀なくされ、足もと2000円近辺での値動きに。PERは6倍台と急騰前の水準まで低下しており、値ごろ感が意識される。(イ) 出所:MINKABU PRESS 2024/03/29 10:00 みんかぶニュース コラム 29日の株式相場見通し=反発か、欧米株堅調受け買い戻し優勢に  29日の東京株式市場は売り買い交錯のなかも主力株中心に買い戻しが優勢となり、日経平均株価は4万円台前半で頑強な値動きとなることが予想される。前日に先物主導で大きく売られた反動で切り返しに転じる公算が大きい。前日の欧州株市場は主要国の株価指数が総じて高く、独DAXは8連騰を記録し連日で最高値更新基調が続いている。また、米国株市場では高安まちまちの地合いだったが、ナスダック総合株価指数は小幅反落したもののNYダウは続伸し過去最高値を更新、機関投資家がベンチマークとして重視するS&P500指数も連日で最高値を更新した。これを受けて東京市場でも投資家のセンチメントが改善し、全体相場はリバウンドに向かう可能性が高いとみられる。前日は配当権利落ちに伴う下げ圧力も加わり終値で600円近い急落を強いられたが、きょうは値ごろ感からの買い戻しが全体相場を押し上げそうだ。ただ、株式需給面では日経平均入れ替えに伴う売り圧力が生じることで、これを背景に買い一巡後は警戒感から上値が重くなるケースも考えられる。  28日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比47ドル29セント高の3万9807ドル37セントと続伸。ナスダック総合株価指数は同20.063ポイント安の1万6379.458だった。  日程面では、きょうは2月の失業率、2月の有効求人倍率、3月の都区部消費者物価指数(CPI)、2月の鉱工業生産速報値、2月の商業動態統計、2月の自動車輸出実績、2月の住宅着工統計など。海外では2月の米個人所得・個人消費支出・PCEデフレーターなど。なお、米国市場のほか、香港、シンガポールなどアジア市場の一角、ドイツ、フランスなど欧州主要国市場が休場。 出所:MINKABU PRESS 2024/03/29 08:15 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=インフレ・スイッチが入った不動産関連  きょう(28日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比594円安の4万168円と急反落。前日の欧米株がほぼ全面高様相で、世界株高モードのなかでバトンが回ってきたが、配当権利落ちに伴う下げ圧力には抗(あらが)えず出足からつまずいた。というより配当落ち分である約264円の下押し圧力に二重三重の売りが加わる形となってしまった。日経平均の下落幅は一時700円超の下げ、大引けで全体の8割強の銘柄が下落した。  想定外の荒れた値動きとなったが、そのなか昨日の流れを引き継いで強さを発揮したのが不動産セクターだった。住友不動産<8830.T>は嵐の中で終始強さを発揮、一時273円高の5745円まで上値を伸ばし上場来高値を更新。株式3分割で注目された三井不動産<8801.T>も一時は高く推移し、実質上場来高値を更新した。大手不動産株が上値を慕うなか、中小型株にも投資マネーが食指を動かしており、この流れを上手く捉えたいところだ。  個別にみると、前日に取り上げたグッドコムアセット<3475.T>やコスモスイニシア<8844.T>以外にも上値期待十分と思われる銘柄が少なくない。この2銘柄の共通点はPERが低く、株価が3ケタ台に位置していることであり、個人投資家の立ち位置から見れば買いやすさが意識されやすい。実際、不動産流動化ビジネスに関わる銘柄は低PER銘柄の宝庫でもある。金利や景気動向などその時の外部環境によって業績が左右されやすく、固有の潜在成長力を織り込みにくい点が、PERが低く抑えられている背景にあるようだ。しかし、足もとの環境はインフレ期待を背景に風向きが強力なフォローウインドへと変わった感触がある。低PER修正に動くなら今しかないという雰囲気が漂う。  まず、株価3ケタ台の銘柄ではアーバネットコーポレーション<3242.T>に着目。人気化したグッドコムAと同様に都内で投資用マンションの開発・販売を展開するが、同社はワンルームマンションに特化し、法人向けに1棟単位の販売を手掛ける。株価400円台でPER8倍台。4.8%弱という配当利回りの高さも魅力だ。  このほか、1000円未満の中低位株ではトラストホールディングス<3286.T>やエストラスト<3280.T>が穴株的魅力を満載しており面白い。トラストHDは新築分譲マンションも手掛けるが、主力は駐車場を投資家向けに小口販売するというユニークな業態。同社が地盤とする九州はTSMC効果による熊本バブルが話題のほか、訪日客の玄関口である福岡県などインバウンド観光の要衝エリアで時流に乗っている。また、マンション開発を手掛けるエストラストも山口県に本社を置き、やはり福岡など九州での営業展開に重心を置いている点で類似している。PERはトラストHDが7倍前後、エストラストは何と4倍台と超割安圏だ。両銘柄とも地方拠点ならではの割安放置が続いたが、目先状況は変化しており、見直し買い余地の大きさに切り替わる可能性がある。  このほか、1000円トビ台の銘柄にも妙味がある。株価が4ケタ台に乗せると値幅制限の幅が広がることもあって、良し悪しは別にしてボラティリティが高まりやすく注目度が増す。当然ながら足もとの業績が好調であることが肝要で、チャートも現在進行形で上値を指向しているものに照準を合わせる。例えば、東京23区を中心に都市型レジデンスとオフィスなどの収益不動産を開発するディア・ライフ<3245.T>。24年9月期は最終利益段階で19%増の51億円と連続最高益更新を見込む。来期も2ケタ以上の増益が有力視される。また、中古オフィスビルの再生や用地開発、富裕層向け不動産コンサルで躍進するビーロット<3452.T>も要マーク。PER5倍台と割安感が強く、会社側は未開示ながら順当に今期増配実施となれば配当利回りは5%を超える公算が大きい。  あすのスケジュールでは、2月の失業率、2月の有効求人倍率、3月の都区部消費者物価指数(CPI)、2月の鉱工業生産速報値、2月の商業動態統計がいずれも朝方取引開始前に開示されるほか、午前中に2年物国債の入札が予定されている。また、午後取引時間中には2月の自動車輸出実績、2月の住宅着工統計が発表される。この日はIPOが2社予定されており、東証グロース市場にグリーンモンスター<157A.T>、マテリアルグループ<156A.T>が新規上場する。海外では2月の米個人所得・個人消費支出・PCEデフレーターのほか、パウエルFRB議長が討論会に参加する予定。なお、米国市場のほか、香港、シンガポールなどアジア市場の一角、ドイツ、フランスなど欧州主要国市場が休場となる。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/03/28 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=巴工業、インド市場での展開に期待  巴工業<6309.T>は高成長が見込まれるインド市場に注力する姿勢をみせており、今後の展開が期待される。  また、3月14日に発表した24年10月期第1四半期(23年11月~24年1月)の連結決算で、経常利益が前年同期比2.1倍の11億6300万円となったことにも注目したい。主力の化学工業製品販売事業は半導体組み立て用途向け材料が伸び悩んだものの、半導体製造用途向け材料や建材用途向けを主とした材料などが伸長。機械製造販売事業では部品・修理が国内外で堅調だった。  株価は3月18日に上場来高値となる4805円をつけ、その後は上げ一服商状となっている。ただ、PERやPBRといった指標に割高感はなく、押し目は絶好の拾い場となりそうだ。(参) 出所:MINKABU PRESS 2024/03/28 10:00 みんかぶニュース コラム 28日の株式相場見通し=底堅さ発揮か、配当権利落ちも押し目買い  28日の東京株式市場は戻り売り圧力が意識されるなかも主力株をはじめ広範囲に根強い買いが流入し、日経平均株価は4万円トビ台で底堅さを発揮しそうだ。前日の欧州株市場では主要国の株価指数がほぼ全面高様相となり、独DAXは7日続伸し最高値街道を走っている。米国株市場でも前日はNYダウが500ドル近い上昇で史上最高値に肉薄した。ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も高く、機関投資家がベンチマークとして重視するS&P500指数は最高値を更新した。FRBが年央の利下げに動くとの思惑や、米経済のソフトランディング期待が個別株の物色意欲に反映されるなか、四半期末を控えたポジション調整の売り圧力が一巡し、押し目買いが優勢となった。ダウは直近3営業日で500ドルの下落を示したが、その下げ分をほぼ埋める形となっている。欧米株高を受けて東京市場でも強気優勢の地合いとなることが予想されるが、きょうは配当権利落ちに伴う下げ圧力が働くことで、その分上値は重くなる。前日は外国為替市場で一時1ドル=152円近辺まで約34年ぶりの円安水準となったことが株高を後押ししたが、為替介入への思惑から足もとで円は買い戻されており、株価に対する浮揚効果も見込みにくい局面となっている。  27日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比477ドル75セント高の3万9760ドル08セントと4日ぶり急反発。ナスダック総合株価指数は同83.822ポイント高の1万6399.521だった。  日程面では、きょうは日銀金融政策決定会合の主な意見(3月18~19日開催分)、2月の建機出荷など。海外では、2月の豪小売売上高、3月の独失業率、週間の米新規失業保険申請件数、10~12月期米実質国内総生産(GDP)確定値、3月の米シカゴ購買部協会景気指数、3月の米消費者態度指数(ミシガン大学調査・確報値)、2月の米仮契約住宅販売指数など。 出所:MINKABU PRESS 2024/03/28 07:59 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=インフレの足音と株高のトリガー  きょう(27日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比364円高の4万762円と反発。朝方は小高くスタートしたものの、そこからは先物に引っ張られ、坂道を駆け上がるかのごとく漸次上げ幅を拡大、後場に入ると一時は600円近い上昇でそのまま4万1000円台に踏み込むかという勢いをみせた。引け際の手仕舞い売りによる萎(しぼ)み方は、前日の米国株市場の値動きと瓜二つだったが、それを除けば終始強気が前面に押し出されていた。朝方の市場関係者との間では「配当再投資の思惑から、あす以降の先高期待は強いものの、配当権利落ち分が260円程度あるなか、敢えてきょう買いに動く必要性はない」(中堅証券ストラテジスト)という話であった。だが、その想定は外れた。  ドル買い・円売りの動きが加速しており足もと1ドル=151円台後半まで円安が進行、これが追い風となった。「前日に発表された2月の米耐久財受注が予想以上に好調でドル買いの動きを誘発した」(ネット証券アナリスト)という見方に加え、日本の方では午前中に、銀行出身者でタカ派寄りの日銀・田村審議委員が青森県金融経済懇談会で挨拶し、「金融政策正常化への第一歩を踏み出した」との現状認識を示す一方、「当面緩和的な金融環境が継続する」との見方を示したことが、モラトリアムな円安要因として捉えられたようだ。  もっとも円安好感とはいえ、きょうの東京市場で物色の矛先が向かったのはハイテクや自動車セクターというより、むしろ不動産や小売り、銀行、保険などの内需株が中心だった。特に不動産株へ流れ込む資金に勢いがある。都心を中心に公示地価の上昇が顕著だったことに反応し、きょうは業種別騰落率でみても「不動産」は33業種中で明らかに一頭地を抜いて買われる展開となった。日経平均が大幅に上昇する際には先物を絡めたインデックス買いによる浮揚効果が反映されるケースが多く、指数寄与度の高い値がさハイテク株が牽引するのが常である。しかし、きょうはこれまでとは「相場の質」が異なる。  中国では政府当局が不動産バブル抑制に動き、既にその効果が浸透し、確信犯的な形で不動産バブル崩壊が起きている。一方、半周遅れで米国でも商業用不動産の損失が懸念視されてきた。融資の焦げ付きが銀行のネガティブ材料としてどの程度のインパクトを持つのか今は定かではない。だが、13ポイント台の“大底・楽観ゾーン”を這うVIX指数(恐怖指数)とは裏腹に、現状で投資家のマインドに警戒の念が宿っていることは確かだ。  一方、日本はどうか。日銀の言を借りれば本格的なデフレ脱却がなされるのかどうかの正念場という位置づけで、不動産バブルを懸念するというような文言はどこにも見当たらない。マンション価格の高騰は巷間話題にはなっているが、例えば海外筋から見れば日本の不動産は、円安を追い風に「まだ安い今のうちに買い漁っておこう」という話の流れとなる。高値圏を舞う三井不動産<8801.T>や三菱地所<8802.T>、住友不動産<8830.T>など大手不動産株のここからの上値はともかく、出遅れている中小型の不動産流動化関連などにキャッチアップを期待した見直し買いの動きが出ても不思議はない。コスモスイニシア<8844.T>、グッドコムアセット<3475.T>などは動兆著しいが、前者はPER8倍台、後者はPER7倍台に過ぎず、押し目狙いなら投資対象として十分な魅力がありそうだ。  タカ派の田村審議委員でなくとも、追加利上げがどこかのタイミングで必要という論調は当然過ぎるほどの正論としてマーケットは認識している。しかし、今はようやくマイナス金利解除という異次元からの脱却を果たしたばかり。利上げの階段を上るにはまだかなりの距離があることにもマーケットは確信に近いものを持っているフシがある。世界とは周回遅れのインフレステージを東京市場は株高の原動力としてまだ反映していない。  あすのスケジュールでは、日銀金融政策決定会合の主な意見(3月18~19日開催分)が朝方取引開始前に開示されるほか、午後取引時間中に2月の建機出荷が発表される。また、この日はIPOが2社予定されており、東証グロース市場に情報戦略テクノロジー<155A.T>とカウリス<153A.T>が新規上場する。海外では、2月の豪小売売上高、3月の独失業率、週間の米新規失業保険申請件数、10~12月期米実質国内総生産(GDP)確定値、3月の米シカゴ購買部協会景気指数、3月の米消費者態度指数(ミシガン大学調査・確報値)、2月の米仮契約住宅販売指数など。なお、この日はグッドフライデーの前日で米債券市場は短縮取引となる。また、フィリピン、マレーシアの各市場が休場となる。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/03/27 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=平田機工、半導体関連が増益を牽引  平田機工<6258.T>は3月7日に高値8600円をつけて以降調整しているが、ここは拾い場と考えたい。  同社は自動車や半導体などの生産設備エンジニアリング会社。2月9日に発表した第3四半期累計(23年4~12月)連結決算は、営業利益が59億300万円(前年同期比32.0%増)と大幅増益を達成。電気自動車(EV)関連や車載向けフラットパネルディスプレー関連が伸長したほか、価格転嫁が進んだことで自動車・半導体関連の原価率が改善したことが寄与した。  注目は営業利益の半分以上を稼ぐ半導体関連だ。同社では、シリコンウエハーを各種処理装置に取り込むロードポートや、大気・真空環境に対応可能なウエハー搬送ロボット、それらを統合したEFEMなどを製造しており、第3四半期でも比較的利益率が高いこれらウエハー搬送関連が好調に推移した。生成AIの普及や九州におけるシリコンアイランド化の進展は同社にとってもビジネスチャンスであることから、リソースを集中しており、引き続き「稼ぎ頭」として期待できそうだ。  同社では、第3四半期決算の発表と同時に24年3月期通期業績予想の修正を発表。顧客の設備投資計画の遅延などから売上高は900億円から830億円(前期比5.8%増)へ下方修正したが、営業利益は54億円の減益予想から62億円(同4.7%増)の増益予想へと上方修正した。25年3月期は営業利益80億円前後と予想する調査機関もあり、業績拡大基調が続きそうだ。(仁) 出所:MINKABU PRESS 2024/03/27 10:00 みんかぶニュース コラム 27日の株式相場見通し=売り買い交錯、狭いゾーンでのもみ合いか  27日の東京株式市場は主力株をはじめ広範囲に売り買いが交錯する展開となり、日経平均株価は4万円台前半でのもみ合いで推移する可能性が高そうだ。前日の欧州株市場では主要国の株価指数が総じて上昇したものの、米国株市場ではこの流れを引き継ぐことができなかった。四半期末を控えポジション調整の売り圧力が拭えず、NYダウが小幅ながら3日続落となったほか、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数もマイナス圏で引けている。今週末29日はグッドフライデーの祝日で休場となることもあり、機関投資家は持ち高を増やすことに慎重で、押し目買いの動きもまばらだった。また、同日に発表される2月のPCEデフレーターの結果を見極めたいとの思惑も、買い手控えムードにつながっている。東京市場では軟調な米株市場を受けて、投資家心理が盛り上がりにくく前日終値を挟んだ狭いゾーンでもみ合う展開が想定される。きょうは3月期決算企業の配当権利取り最終日であることから、駆け込みでインカムゲインを確保しようとする買いが下値を支えるが、週末のグッドフライデーを控え海外投資家の買いが入りにくく上値も限定的となりそうだ。  26日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比31ドル31セント安の3万9282ドル33セントと3日続落。ナスダック総合株価指数は同68.768ポイント安の1万6315.699だった。  日程面では、きょうは3月決算期企業の権利付き最終売買日。このほか40年物国債の入札など。海外では1~2月の中国工業企業利益、2月の豪消費者物価指数(CPI)、スウェーデン中銀、南アフリカ中銀の政策金利発表、米7年物国債の入札など。  出所:MINKABU PRESS 2024/03/27 07:59 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=4月の外国人買いアノマリーに期待  きょう(26日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比16円安の4万398円と小幅ながら続落。前日に先物主導で470円あまりの下げを強いられたこともあり、きょうは目先値ごろ感からの押し目買いが機能して下値を支えた。しかし上値を買い進む動きには発展せず、結局引け際の大口売りで前日終値を下回る水準で着地した。  今週は米国でFRB高官の発言機会が相次ぐものの、前週にFOMCを通過していることで、仮にタカ派寄りの発言があっても証文の出し遅れ的な意味合いが強い。このほかに投資家の視線が注がれるような大きなイベントは見当たらず、手掛かり材料に事欠く状況だ。期末特有の機械的なリバランス売りなどの影響を考慮すると積極的に相場と対峙するようなムードにはなりづらい。確かに配当や株主優待などの権利取り狙いの買いが、全体相場に浮揚力を与えるという見方はあるが、あくまで一般論の範疇で、個人投資家が個別株を投資するにあたってあまり追い風材料として作用することはない。市場関係者からは「(あすに権利付き最終日を控えていることで)権利落ち後の配当調整分の下げ圧力が気になって、トレーダー感覚では目先手が出しにくい時間軸にある」(中堅証券ストラテジスト)という見方が示されていた。  加えて、今週末29日はグッドフライデーで米国株市場はもとより、欧州各国やアジアでも香港、シンガポール、インドネシアなど軒並み休場となる。海外機関投資家も週半ばには早めに“店じまい”して名実ともに4月に入ってから仕切り直すというスタンスをとるのが自然な流れだ。そうした事情が東京市場の足もとの売買代金にも反映されている。前日にプライム市場の売買代金は4兆3400億円台と今月に入って2番目に低い水準に落ち込んだが、きょうもそれとほぼ並びの4兆3500億円台にとどまった。  一方、前週後半からのIPOラッシュで東証グロース市場に目が向く可能性はあったが、フタを開けてみれば活性化には程遠く前週末からグロース指数、グロース250指数ともに冴えない値動きで売買高も盛り上がりを欠いている。きょうは4社がグロース市場に新規上場したが、初値は公開価格を大きく上回ったものの大陰線を形成する銘柄のオンパレード、セカンダリーで参戦した投資家にとっては残念な結果となった。  ただし、きょう上場した4社のなかでハッチ・ワーク<148A.T>だけは別格だった。公開価格を30%上回る2815円で初値を形成した後も上値を指向する展開で、ストップ高となる3315円で張り付いたまま取引を終えている。月極駐車場の検索ポータルサイトや管理支援クラウドサービスなどを運営するユニークな業態。資金調達額が7億5300万円と比較的小さく、これが上値の軽さにつながったようだ。もっとも、資金調達額4億4500万円と更に小型のJSH<150A.T>は公開価格の倍近い893円で初値を形成した後、1008円まで駆け上がったところまではよかったが、後半は次第安の展開で初値を約1割下回って引けている。IPO祭りも資金の回転の速さがひと際目立つ。足もと全体相場の手詰まり感と符合する形で“焦り”が感じられる。  海外投資家は3月第2週に現物で800億円強、先物で5700億円強売り越しており、このまま行くと月間売り越しとなる公算は大きい。しかし、過去10年間を振り返って3月の外国人動向は2勝8敗、つまり8回売り越しておりアノマリー的には全く違和感はない。その代わりといっては何だが、新年度入りとなる4月は海外資金が流入する月でもあり、過去10年で9回買い越している。とすれば、この3月権利落ち後に全体相場がずるずると下値を探るような局面に遭遇した場合、ムードに流されず値がさハイテクなど指数寄与度の高い銘柄を黙って拾っておくというスタンスが勝利を呼ぶ可能性もある。  あすは3月決算期企業の権利付き最終売買日。このほかのイベントとしては、午前中に40年物国債の入札が行われるほか、田村日銀審議委員が青森県金融経済懇談会に参加予定。また、IPOが3社予定されており、東証グロース市場にダイブ<151A.T>とシンカ<149A.T>、東証スタンダード市場にコロンビア・ワークス<146A.T>が新規上場する。海外では1~2月の中国工業企業利益、2月の豪消費者物価指数(CPI)が発表され、スウェーデン中銀、南アフリカ中銀などが政策金利を発表する。米国では7年物国債の入札が行われ、ウォラーFRB理事が米経済団体のイベントで講演を行う予定にある。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/03/26 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=湖北工業、業績回復でニッチトップの実力再評価へ  湖北工業<6524.T>の5000円台前半は買い場と判断される。同社はアルミ電解コンデンサーのリード端子で高付加価値品を中心に圧倒的な世界トップシェアを誇るほか、海底ケーブル向け光部品(光アイソレーター)でも競合は米企業1社のみという状況にあり、世界で双璧をなしている。2つの異なる商品分野でグローバルニッチトップとして存在感を示し、株式市場でも注目度が高い。  24年12月期業績予想は売上高が前期比8%増収の145億3600万円、営業利益は同15%増の32億4300万円と増収増益を見込む。利益面で寄与度の大きい光部品は、世界的に通信量が増勢一途となるなか商機が高まっている。また、同社では26年12月期に営業利益63億円を目指す野心的な中期経営計画を掲げており、これも株価の見直し余地につながる。(桂) 出所:MINKABU PRESS 2024/03/26 10:00 みんかぶニュース コラム 26日の株式相場見通し=一進一退か、値ごろ感意識も米株安受け上値重い  26日の東京株式市場は強弱観対立のなか日経平均株価が4万円台前半で一進一退の展開が予想される。前日の欧州株市場では主要国の株価指数が高安まちまちで独DAXは5日続伸し最高値更新が続いたが、仏CAC40はわずかながら続落し新値街道からは外れた状態にある。また、米国株市場でも主力株中心に利益確定の売り圧力が意識される地合いとなり、NYダウ、ナスダック総合株価指数いずれも下落した。インテル<INTC>やアップル<AAPL>、メタ・プラットフォームズ<META>など大手IT株に値を下げるものが目立ち、全体の地合いを悪くした。また、エヌビディア<NVDA>は6日続伸と個別に強さを発揮したものの、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も4日ぶりに反落となっている。これを受けて東京市場でも上値の重い動きが想定される。日経平均は前日に470円あまりの大幅安をみせたことで、値ごろ感からの押し目買いを誘うことも考えられるが、積極的な買いは見込みにくい。あすに権利付き最終売買日を控え、駆け込みでの配当権利取り狙いの買いが予想される一方、3月期末を目前に機関投資家のリバランスの売り圧力が全体相場にネガティブに作用しそうだ。  25日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比162ドル26セント安の3万9313ドル64セントと続落。ナスダック総合株価指数は同44.352ポイント安の1万6384.467だった。  日程面では、きょうは2月の企業向けサービス価格指数のほか、基調的なインフレを捕捉するための指標が日銀から開示される。海外では、ハンガリー中銀が政策金利を発表、2月の米耐久財受注額、1月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数、3月の米消費者信頼感指数など。 出所:MINKABU PRESS 2024/03/26 08:00 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=動き出したインバウンド関連株  週明け25日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比474円安の4万414円と反落。全体相場はようやくというべきか上昇一服局面に遭遇した。前週末までの直近4営業日で2000円以上も水準を切り上げており、日経平均の騰落レシオ(25日移動平均)も前週末時点で147%まで上昇、ここでのひと押しは後々を考えれば必要なガス抜きともいえる。きょうは先物主導で安値引けを余儀なくされたが、4万円トビ台でのもみ合いは、強弱観対立のなかで売りと買いがせめぎ合っているというような緊迫感はない。  日本株に先立って、前週末の米国株市場では最高値街道を疾走していたNYダウが300ドルあまりの下げでブレーキを踏んだが、機関投資家の持ち高調整の売りという解説がなされ、地合いの変調を示唆する声は聞かれなかった。今週は日本時間今晩に予定されるクックFRB理事のハーバード大学での講演を皮切りにFRB高官の発言機会が相次ぐ。そして週末には2月のPCEデフレーターが開示されることで、若干の警戒感も漂う。しかし、それでも12~13ポイントの大底圏を這うVIX指数が現状の安心感を物語っている。  個別は半導体関連にやや買い疲れ感があり内需株シフトの動き。とりわけインバウンド旋風が吹き荒れる消費関連セクターに元気印の銘柄が目立った。前週19日に日本政府観光局が開示した2月の訪日外国人観光客は前年同月比で何と9割増、2月として単月の過去最高を記録した。そして、この流れは春風に乗って更にパワーアップする気配がある。  ここにきて思わぬ寒の戻りと冷たい雨で開花が遅れているものの、今週後半から4月初旬にかけてソメイヨシノが見ごろとなりそうだ。“日本の桜”は外国人に大人気を博しており、インバウンド関連株もにわかに色めく。実際目を凝らせば、同関連株にはひと頃の半導体関連の人気株を彷彿とさせるような株高を演じている銘柄も見受けられる。きょうは引け際に軟化したが「椿山荘」を運営する藤田観光<9722.T>や、共立メンテナンス<9616.T>、グリーンズ<6547.T>などのホテル関連、またドン・キホーテを展開するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス<7532.T>などが新値圏を快走している。  前週末23日配信の株探トップ特集「爆騰DNA開花『インバウンド特選6銘柄』」でエントリーされたエアトリ<6191.T>、手間いらず<2477.T>、インバウンドプラットフォーム<5587.T>、ツカダ・グローバルホールディング<2418.T>なども軒並み高、週足チャートでみれば、いずれも出遅れ感が際立っており、水準訂正余地に目をつけた波状的な買いが観測される。投資資金が流れ込む背景には、これらが「3月期決算銘柄でない」ということも大きい。この時期一見有利に働くように見える3月期末の権利取り絡みの銘柄は、権利落ち後に配当分などで相応の下げ圧力が働くため、キャピタルゲインを追求するトレーダーの観点では決算期の違う銘柄が選好されるという“裏セオリー”がある。上記の人気となった銘柄もこれに該当する。インバウンド関連の妙味株として新たにマークしたい銘柄は差し当たって3つ。トレジャー・ファクトリー<3093.T>、シー・ヴイ・エス・ベイエリア<2687.T>、そして既に動意してしまっているが、サニーサイドアップグループ<2180.T>も有望。  このほか、AI株人気から派生して米GPU大手エヌビディア<NVDA>とビジネス面で思惑がある周辺株にも光が当たっている。ここ本家が強い波動を取り戻しており、周辺銘柄の動きも顕著だ。そのなか当欄で紹介したCIJ<4826.T>は2日連続ストップ高で更に上値を慕う望外の人気。このほか、エヌビディア関連ではHPCシステムズ<6597.T>の押し目に着目したい。ジーデップ・アドバンス<5885.T>も25日線との上方カイ離修正を入れたところで狙い場となっている。また、生成AI活用の販促支援を行うイーエムネットジャパン<7036.T>が3日連続ストップ高人気で大いなる輝きを放ったが、この物色の流れから紡ぎ出されるのがAIソリューションで新境地を開拓中の共同ピーアール<2436.T>だ。インバウンド関連の切り口でも注目要素があり、再びマークしておきたいタイミングにある。  あすのスケジュールでは、2月の企業向けサービス価格指数のほか、基調的なインフレを捕捉するための指標が日銀から開示される。また、この日はJSH<150A.T>、ハッチ・ワーク<148A.T>、ソラコム<147A.T>、L is B<145A.T>がいずれも東証グロース市場に新規上場する。海外では、ハンガリー中銀が政策金利を発表、2月の米耐久財受注額、1月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数、3月の米消費者信頼感指数など。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/03/25 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=岩谷産、業績は最高益基調続く  岩谷産業<8088.T>に注目したい。同社は産業・家庭用ガス専業商社。特に、水素販売で国内最大手の実績を持つ。第3四半期(23年4~12月)の連結営業利益は前年同期比35.7%増の319億600万円と好調。産業ガス・機械事業など工業分野向けが伸びた。24年3月期の同利益は前期比12.4%増の450億円と2期ぶりの最高益更新の予想。25年3月期の同利益は480億円前後へ連続増益が見込めそうだ。  昨年12月には、水素事業の協業に向けてコスモエネルギーホールディングス<5021.T>の株式の2割を取得。水素事業の拡大に向けた期待が膨らんでいる。業績は好調であり、株価は8000円台からの一段高が見込める。(地和) 出所:MINKABU PRESS 2024/03/25 10:00 みんかぶニュース コラム 25日の株式相場見通し=5日ぶり反落か、目先過熱感から売り優勢に  25日の東京株式市場は主力株中心に利益確定の売りが優勢となり、日経平均株価は5日ぶりに下落に転じそうだ。前週末までの4営業日合計で日経平均は2000円以上水準を切り上げており、取引時間中に4万1000円台を回復する場面もあった。先物主導のインデックス買いによる影響もあるとはいえ、目先過熱感は拭えない状況にある。前週末の欧州株市場は高安まちまちだったが、米国株市場では景気敏感セクターなどを中心に利食われる展開で、NYダウが300ドル超の下げを強いられた。特に悪材料が確認されたわけではないが、ここ最近の株高の反動でポジション調整の売りが上値を押さえた。一方、エヌビディア<NVDA>が3%超の上昇をみせるなど半導体関連株の一角は強い動きを続けたこともあり、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は5日続伸と上値追い基調を維持した。ただ、上げ幅はわずかにとどまった。東京市場では米国株同様に目先スピード警戒感からの持ち高調整の売りが出やすい場面にあり、前週末時点で日経平均ベースの騰落レシオ(25日移動平均)が146%台に達するなどテクニカル面からも買い手控えムードが漂う。一方、3月期末の駆け込みでの配当権利取り狙いの買いなどが下値を支える要因となり、日経平均の下げ幅は限定的なものにとどまる可能性もある。  22日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比305ドル47セント安の3万9475ドル90セントと5日ぶり反落。ナスダック総合株価指数は同26.983ポイント高の1万6428.819だった。  日程面では、きょうは日銀金融政策決定会合の議事要旨(1月開催分)、2月の全国スーパー売上高、2月の外食売上高、2月の全国百貨店売上高など。海外では2月の米新築住宅販売件数、米2年国債の入札など。なお、インド市場は休場となる。 出所:MINKABU PRESS 2024/03/25 08:00 みんかぶニュース コラム 来週の株式相場に向けて=バリュー株物色でTOPIXは最高値を視野に  22日の東京株式市場は日経平均株価が一時4万1000円台に乗せるなど堅調に推移し、連日での史上最高値を更新した。半導体関連株が上昇し、東京エレクトロン<8035.T>は初の4万円に乗せる場面もあった。ただ、朝高後は半導体関連の主力株は値を消す展開にとなり、後場に入り日経平均株価は一時マイナス圏に転じた。しかし、その後再び買い直され上昇に転じるのが、いまの相場の強さだろう。  三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>や三井住友フィナンシャルグループ<8316.T>は後場に高値圏に買われたほか、トヨタ自動車<7203.T>など自動車株や三井物産<8031.T>など商社株、三菱地所<8802.T>など不動産株が一日を通して底堅い値動きとなった。全体相場は「半導体株と銀行株などバリュー株の循環物色の流れが強まっている」(市場関係者)。そんななか、さすがに買い疲れ感もみえる半導体株に対し、バリュー株が優勢な展開となりつつあるようだ。  3月に入ってからの日経平均株価の上昇率は4.4%に対して、TOPIXは5.1%。とりわけ、TOPIXは1989年12月につけた最高値(2884.80)に迫っている。日経平均株価の最高値更新には一歩遅れているが、内需株のウエートが高いTOPIXの最高値更新が持つ意味は小さくない。  来週は3月の年度末を迎え、27日が権利付き最終日、翌28日が権利落ち日となる。配当の権利取り後も銀行などバリュー株が底堅い値動きを続けるかがポイントとなりそうだ。また、その後の配当再投資の動きも注目される。来週は29日引けにかけ、日経平均株価の春の入れ替えに伴うリバランスが予想されている。新規採用のディスコ<6146.T>やソシオネクスト<6526.T>、ZOZO<3092.T>などの動向が注目される。  上記以外のイベントでは、海外では26日に米3月消費者信頼感指数、28日に米10~12月GDP確定値、29日に米2月個人消費支出(PCEデフレーター)が発表される。29日は聖金曜日(グッドフライデー)で休場となる。  国内では25日に1月開催分の日銀金融政策決定会合の議事要旨、28日に3月開催分の同決定会合の「主な意見」が公表される。29日に3月東京都区部消費者物価指数(CPI)が発表される。更に3月IPOが本格化する。25日にイシン<143A.T>、26日にL is B<145A.T>、ソラコム<147A.T>、ハッチ・ワーク<148A.T>、JSH<150A.T>、27日にコロンビア・ワークス<146A.T>、シンカ<149A.T>、ダイブ<151A.T>、28日にカウリス<153A.T>、情報戦略テクノロジー<155A.T>、29日にマテリアルグループ<156A.T>、グリーンモンスター<157A.T>が上場する。来週の日経平均株価の予想レンジは3万9800~4万1300円前後。(岡里英幸) 出所:MINKABU PRESS 2024/03/22 17:27 みんかぶニュース コラム 22日の株式相場見通し=続伸、世界同時株高に乗り4万1000円台視野  22日の東京株式市場はリスク選好の地合いが続き、主力株をはじめ広範囲に買いが広がり日経平均株価はフシ目の4万1000円台に乗せる可能性がある。足もとで世界的な株価上昇局面が続いている。前日の欧州株市場は主要国の株価指数がほぼ全面高商状となり、独DAXは連日で史上最高値を更新した。また、米国株市場でも20日に発表されたFOMCの結果を受けて引き続き強気優勢の地合いが継続、NYダウ、ナスダック総合株価指数、S&P500指数いずれも連日で最高値更新と強さを際立たせている。半導体メモリー大手のマイクロンテクノロジー<MU>が14%高に買われ上場来高値を更新したほか、画像処理半導体大手のエヌビディア<NVDA>も上値指向を続け、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も大幅続伸した。前日はアジア株市場も軒並み高く、欧米株高によって世界同時株高が意識されるなか、東京市場でも引き続き強気優勢の相場展開が予想される。外国為替市場で1ドル=151円台後半まで円安が進んでいることも、輸出ハイテク株や自動車株、インバウンド関連などを中心に追い風材料として働きやすい。  21日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比269ドル24セント高の3万9781ドル37セントと4日続伸。ナスダック総合株価指数は同32.428ポイント高の1万6401.836だった。  日程面では、きょうは2月の全国消費者物価指数(CPI)、3カ月物国庫短期証券の入札など。海外では、独Ifo企業企業景況感指数、ロシア中銀の政策金利発表など。また、FRB主催のイベントでパウエルFRB議長の発言機会がある。 出所:MINKABU PRESS 2024/03/22 07:59 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=「エヌビディア・エフェクト」で飛翔する株  きょう(21日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比812円高の4万815円と大幅高で3連騰。上げ足がどうにも止まらなくなってきた。今週に入ってわずか3営業日で2000円強の上昇、さすがに反動も出そうだが、祝日前の19日時点でプライム市場の騰落レシオ(25日移動平均)は120%強とかろうじて過熱領域に足を踏み入れた程度、押し目買いを入れたくてもなかなかそのチャンスが訪れない。  週前半に日米の金融政策決定会合のヘアピンを通過したが、結果的に日銀もFRBもマーケットが構えていた程にはタカ派的ではなく、これを好感したというよりは安心感から買いを誘った印象が強い。売り方にすれば買い戻すより選択肢がない地合いとなった。日銀の決定会合は「マイナス金利解除」「ETF買い入れ停止」「YCC撤廃」と3枚の手札を一気に切ったが、事前にアドバルーンを上げまくったことによって、ネガティブサプライズを事前に霧消させ、「緩和的な環境は続く」というフレーズのみがクローズアップされたような格好となった。また、FOMCでは年内3回の利下げ見通しが維持されたことで市場には安堵感が漂い、加えてQT(量的引き締め)についてかなり早い時期に縮小する方針が示されたことは、棚ぼた的に福音をもたらした。いずれにしても、今は棒上げ状態の全体指数に惑わされることなく、個別株の選別に集中するところ。仮に全体株価が下がっても上がる銘柄を探す、いわゆる「森より木」の戦略に特化したい。  物色の流れに目を向けると、日米ともにAIバブル相場の色彩が強まってきた。もちろんこれは“バブルっぽい”というだけで、実態が伴っている部分の方が多く、いつ弾けるか戦々恐々とするような時間帯にはない。例えば、米エヌビディア<NVDA>が急拡大する生成AI市場と歩調を合わせ業績を飛躍させていることは紛れもない事実であり、同社の株価はその業績変貌を横目に上昇パフォーマンスを演じている。怖いのはむしろAIが幻想ではなく、リアルに人間を凌駕する時代が差し迫っているような兆しが、社会現象として随所にみられること。テキスト・画像を経て、あっという間に動画生成AIまでコンテンツのレベルが切り上がっているが、現実はもはや「どう抑制(規制)するか」が課題で、しかも人間の叡智では容易に解決できない局面に突入しつつあるような気配が漂う。シンギュラリティの概念があまりに早く現実味を帯びていることには驚くよりない。   ともあれ、投資家目線ではAIバブル相場の初動には違いなく、いかに個別株の波動を捉えるかが肝要となる。エヌビディアが世界で急速にその存在を大きくするなか、日本のIT大手も音無しの構えではいられないが、そうしたなか日立製作所<6501.T>がエヌビディアとサーバーやメタバース領域などAIシステムの開発で協業を発表したことは、今後を占ううえでの大きなメルクマールとなるかもしれない。日立の周辺で商機をつかむ企業の見極めも重要となっていく。  独立系システムインテグレーターながら、日立からの受託開発のウエートが高いCIJ<4826.T>に着目。同社はAI領域にこれまで以上に重心を置き、最近はDX人材の育成にも強力に取り組んでいる。エヌビディアと日立が手を組んだ延長線上に同社がどういう形で位置するかは未知数ながら、今後の可能性は無視できない。また、AI関連株のなかで先駆的なポジションにあるブレインパッド<3655.T>やFRONTEO<2158.T>なども、改めて戦略を練り直してくることは容易に想像がつくだけに、リリースに目を配っておきたい。  ディープラーニング分野を深耕するPKSHA Technology<3993.T>や生成AIの実装で注目されるエッジAI分野で布石を打つヘッドウォータース<4011.T>も改めてマーク。このほか、日常にAIが実装されたエリアで活躍する銘柄を探すことも必要だ。新たなところでは、AIレジに経営資源を投下するサインポスト<3996.T>や、医薬品や食品向け画像検査装置のソフトウェアで先駆し、AIを活用した欠陥分類や原因解明といったサービスを手掛けるシリウスビジョン<6276.T>などは面白い存在といえる。  あすのスケジュールでは、2月の全国消費者物価指数(CPI)、3カ月物国庫短期証券の入札など。また、東証グロース市場にジンジブ<142A.T>が新規上場する。海外では、独Ifo企業企業景況感指数、ロシア中銀の政策金利発表など。また、FRB主催のイベントでパウエルFRB議長の発言機会があり、この内容にも耳目が集まる。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/03/21 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=寺崎電気、高進捗で通期業績に上振れ余地  寺崎電気産業<6637.T>は2月13日、24年3月期通期の連結経常利益予想を従来の35億3000万円から44億8000万円(前期比28.7%増)に引き上げた。ただ、第3四半期時点で進捗率は87.0%に達しており、更なる上振れが期待できそうだ。  2月の上方修正は、機器製品(低圧遮断器など)や船舶用システム製品(船舶用配電制御システムなど)のほか、エンジニアリング及びライフサイクルサービスが堅調だったことが主な要因。また、為替レートが想定よりも円安水準で推移したことも寄与した。なお、第4四半期の前提レートは1ドル=135円、1ユーロ=150円となっている。    株価は2月26日に昨年来高値2567円をつけ、その後は上げ一服商状となっているが、短期トレンドの25日移動平均線や中期トレンドの75日移動平均線は上昇基調を維持。PERやPBRには割安感があり、押し目は絶好の拾い場と捉えたい。(参) 出所:MINKABU PRESS 2024/03/21 10:00 みんかぶニュース コラム 21日の株式相場見通し=続伸、FOMC通過後の米株高受けリスクオン継続  21日の東京株式市場はリスクオンの流れが続き、日経平均株価は4万円台半ばを指向する展開が想定される。3月4日につけた史上最高値4万109円を更新する可能性が高い。祝日明けとなる東京市場だが、この間に米国株市場ではNYダウが2営業日合計で700ドル以上水準を切り上げたほか、ナスダック総合株価指数も大きく上値を追う展開をみせた。両指数いずれも最高値を更新しており、これに追随する動きが想定される。一方、外国為替市場では1ドル=151円台まで円安が進んでおり、これも輸出セクターやインバウンド関連を中心に追い風材料となる。注目されたFOMCではFRBが政策金利を5.25~5.5%に据え置いたが、今後の利下げシナリオに変化は見られなかったことで、米株市場ではこれが好感され買いの勢いが強まった。米物価指標に強い内容が相次ぎ、年内3回の利下げ見通しに変化が生じるとの見方も根強かっただけにマーケットに安心感が漂った。東京市場では祝日前の今週19日に日経平均株価が続伸し、終値で9営業日ぶりにフシ目の4万円大台を回復したが、きょうもリスク許容度の高まった海外投資家などの買いを背景に、主力株をはじめ一段と上値を伸ばす公算が大きい。  20日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比401ドル37セント高の3万9512ドル13セントと3日続伸。ナスダック総合株価指数は同202.617ポイント高の1万6369.408だった。  日程面では、きょうは2月の貿易統計、2月の食品スーパー売上高、2月の主要コンビニエンスストア売上高、2月の首都圏マンション販売など。海外では、3月のユーロ圏PMI、英中銀の金融政策委員会の結果発表、10~12月期米経常収支、2月の米PMI、2月の米中古住宅販売件数、2月の米景気先行指標総合指数など。 出所:MINKABU PRESS 2024/03/21 07:59 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=「異次元緩和」の終焉と次に見える景色  きょう(19日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比263円高の4万3円と続伸。朝方は様子見ムードだったが、後場に買い気が強まり結局高値引け。文字通り最後の一歩によって4万円大台での着地を果たす格好となった。  歴史的な観点でも注目度の高かった今回の日銀金融政策決定会合だったが、ほぼ想定通り。マイナス金利の解除、ETF買い入れの停止、イールドカーブ・コントロール(YCC)終了の3点セットは事前の観測報道と寸分たがわず、むしろ拍子抜けの感もあった。市場関係者の間では「(事前予想と合致したという点で)無風通過といってよい」(ネット証券アナリスト)という声も出ていた。だが、それでも株式市場の方はなかなか気迷い感を拭い去ることができず、日経平均はAIアルゴリズムによるヘッドライントレードの影響もあってか、発表直後は前日終値を挟んで右往左往する千鳥足モードとなった。  前日に先物を絡め1000円超の上昇をみせるなど、買われ過ぎ状態であったことから、きょうは事前コンセンサスと同等の内容なら日経平均は安くて当然という見方もあるにはあった。だが前日の想定外の株高をイレギュラーとみて、「直近ヘッジ目的でプットオプションを積み上げる動きが観測され、その手仕舞いが先物と連動した」(中堅証券ストラテジスト)という声も聞かれる。また、先物支配による理外の値動きは、前週11日の急落から引き継がれた一連の流れであり、つまるところプラマイゼロだ。きょうの日銀イベントはいわば仕切り直しで、原点回帰してからの再スタートという解釈もでき、相場の方向性はある意味この日を起点に徐々に鮮明化してくる。  きょうの決定会合通過後のポイントは為替動向。日経平均などの全体株価指数やメガバンクなど銀行株の値動きが不安定な上下動をみせる一方で、為替市場ではほぼ一貫してドル買い・円売りの動きに誘導される形となり、吸い上げられるように1ドル=150円台前半まで円安方向に振れた。日経平均が気迷った末に、結局上値を指向したのは、日銀イベントではなく足もとの円安効果が投影されたものと考えられる。決定会合の結果は事前コンセンサスと合致しているようでも、「植田日銀総裁の会見を待たずして、隠し切れないハト派的な匂いを漂わせていた」(生保系エコノミスト)という指摘もあった。  これは、声明文に「緩和的金融環境が継続する」と盛り込まれたことがひとつ。これについては実質金利がマイナスである限りは緩和的金融環境と強弁することは可能なので、いうまでもなく今後長期間にわたって緩和的であると言い切れなくもない。しかし、「国債買い入れに関して『4~6月もこれまでと同程度の買い入れを続ける』と明記したことで、市場は植田総裁のハト派寄りの気質を感じ取った」(同)とする。ともあれ、日経平均が取引終盤に尻上がりに水準を切り上げ、4万円大台を回復して着地したのとは対照的に、メガバンク各社の株価が小幅ながらマイナス圏で引けたことは、マイナス金利解除の先に浮かび上がっていた銀行サイドの思惑が希薄化したということを暗示する。つまり、日銀がゼロ金利に色をつける、本当の利上げに対しては慎重姿勢を維持しているということだ。  そして、足もとで進む為替の円安進行はあすのFOMCの結果も意識されている。政策変更はないものの、ドットチャートと会合後のパウエルFRB議長の記者会見に耳目が集まる。利下げのタイミングに関するコンセンサスは既に大分後ズレしている状況で、現状は6月がメインシナリオだが、更に遠くなる可能性がある。また、ドットチャートで年内3回の利下げが見込まれているが、メンバーのうち2人が翻意すれば2回がメインシナリオに変わる状況で、強靱な米経済と表裏一体とはいえ米株市場にとってはあまり嬉しくない。利上げに慎重な日本と、利下げ期待がしぼむ米国。この構図を横目に円安環境が維持されれば日本株には追い風となり得るが、新たな波紋を呼ぶ可能性もある。  あすのスケジュールでは、東京市場は春分の日の祝日に伴い休場となる。海外では中国最優遇貸出金利が開示され、インドネシア中銀、チェコ中銀、ブラジル中銀などが政策金利を発表する。2月の英消費者物価指数(CPI)にも市場の関心が高い。また、米国では連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表と会合後のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の記者会見が注目されている。このほか、米主要企業の決算発表ではマイクロン・テクノロジー<MU>の23年12月~24年2月期決算にマーケットの視線が集まる。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/03/19 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=オキサイド、紫外レーザーで今期急浮上へ  オキサイド<6521.T>は底値圏もみ合いから離脱の時が近そうだ。光学分野における酸化物単結晶やレーザー光源、光デバイス開発のニッチトップで、傾注する半導体検査装置向け紫外レーザーに将来性が高い。  24年2月期業績は一部部材で不具合が発生した影響により業績見通しを下方修正、営業損益段階で8億3300万円の赤字となる見通しだが、これは一過性と捉えられ、25年2月期は回復色を強める公算が大きい。営業損益は赤字から脱却し4億~5億円の黒字化が見込まれる。また、中期的に半導体テスター向け中心に紫外レーザーの需要は増勢基調を強めることが予想される。株価面では貸株市場を経由した空売りなどの買い戻しも浮揚力につながりやすく、2月27日の戻り高値3145円を払拭し3000円台半ばを目指す動きが期待できそうだ。(桂) 出所:MINKABU PRESS 2024/03/19 10:00 みんかぶニュース コラム 19日の株式相場見通し=上値重いか、日銀政策修正の動きは織り込み済み  19日の東京株式市場は思惑錯綜のなか上下に不安定な地合いとなりそうだ。昼ごろに発表される日銀の金融政策決定会合の結果をにらみ、日経平均株価は3万9000円台後半で強弱観を対立させる展開が想定される。前日の米国株市場ではNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに堅調に推移した。20日に結果が判明するFOMCを控え、積極的な売買が見送られ、両指数ともに狭いゾーンで推移したが、エヌビディア<NVDA>が4日ぶりに反発するなどマグニフィセントセブンが総じて強い動きを示し、ハイテクセクターへの根強い買いが全体相場を支えた。米株高に加え外国為替市場では1ドル=149円近辺の円安水準でもみ合っていることもあり、東京市場でも追い風が期待されるが、前日に日経平均株価は先物主導で1000円を超える急騰をみせていることで、その反動から上値は重い可能性がある。きょうの日銀の決定会合でマイナス金利が解除されることについてはほぼ100%織り込んでいるほか、ETF買い入れの停止やイールドカーブ・コントロール(YCC)の撤廃が行われても想定内と思われる。ただ、引け後の植田日銀総裁の記者会見を見極めたいとの思惑から、取引時間中にポジションを一方向に傾ける動きとはなりにくい。また、あすのFOMCの結果発表を控え、持ち高調整の売り圧力も意識されそうだ。  18日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比75ドル66セント高の3万8790ドル43セントと3日ぶり反発。ナスダック総合株価指数は同130.274ポイント高の1万6103.448だった。  日程面では、きょうは日銀金融政策決定会合の結果発表と植田和男日銀総裁の記者会見、2月の訪日外国人観光客数など。海外では豪中銀の政策金利発表、3月の欧州経済研究センター(ZEW)の独景気予測調査、2月の米住宅着工件数、米20年国債の入札など。 出所:MINKABU PRESS 2024/03/19 08:00 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=来期を見据え半導体中低位株に照準  週明け18日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比1032円高の3万9740円と急反騰。前週末の欧州株市場は高安まちまち、米国株市場でもハイテク株が売りに押され、NYダウなど主要株価指数が揃って下落するなど冴えなかった。しかし、日経平均は取引開始前から先物がフルスロットル状態で、寄り付き高く始まった後も急加速し、あれよという間に3万9000円台後半まで上値を伸ばした。そして引け際に駆け込みで1000円高を演じるオマケ付き。違和感満載の急騰パフォーマンスだったといえる。  ちょうど1週間前の月曜日(11日)を思い起こすと、きょうとは真逆の地合いであった。日経平均は朝方から先物主導で問答無用の下げに見舞われ、一時1200円近い急落、大引けも868円安と大荒れ模様だった。ちなみにその前の週末に米国株市場はNYダウが下げたとはいえ小安い程度、ナスダック総合株価指数も1%強程度の下げで波乱のかけらも見当たらない。為替市場も大した円高ではなく、市場関係者も首をかしげるような突然の嵐だった。あたかもきょうの地合いは、その時の打ち返しのような相場つきである。  あすは日銀の金融政策決定会合の結果が開示されるが、リークとみられるメディアを通じた観測記事が流され、市場はマイナス金利の解除を事前に織り込む形となった。ETFの買い入れ停止とYCC撤廃まで合わせて織り込んだかどうかは定かではないものの、この2つは事実上形骸化していたとの見方は強く、仮にそこまで踏み込んでも波乱要素には乏しい。結果として先物市場では空売りのアンワインドが加速した。一方、20日に判明するFOMCでは政策据え置きでほぼ間違いないが、ここではドットチャートとパウエルFRB議長の記者会見に耳目が集まる。米経済の強さを目の当たりに、メインシナリオの6月利下げが更に後ズレするのか否か。そして年内の利下げ回数も、これまでの3回から2回に変わるのかどうかという点に投資家の視線が向いている。ただ、いずれにせよ「日米の金融会合後に相場が崩れる展開は想定しにくい」(中堅証券ストラテジスト)という。  きょうは先物主導で日経平均が押し上げられたが、個別株もリスクオンの流れに乗って旺盛な物色意欲が反映された。特に半導体やAI関連株が買い直される展開で、米エヌビディア<NVDA>を中軸とするテーマ買いの動きは波状的に続き、色褪せる気配がない。日経平均は上昇トレンドのテクニカル的な要衝となっている25日移動平均線を巡る攻防が意識されたが、きょうは大陽線でしっかりと上に抜けてきた。ハイテク系グロース株への資金還流を物語るもので、日経平均のチャートとオーバーラップする銘柄も少なくない。  半導体関連では、メモリーだけでなくパワーデバイス分野にも業績改善色を示す銘柄が相次いでおり、その点は要注目となる。中小型株でマークしておきたい銘柄としては、まず旭ダイヤモンド工業<6140.T>。ダイヤモンド工具の専業大手だが、SiC半導体向けで高水準の需要を捉えている。25年3月期の急回復を視野に時価は仕込み妙味が大きそうだ。また、Mipox<5381.T>も調整十分で500円台半ばは買い対処して面白い。同社は表面加工処理に使う液体研磨剤で高シェアを誇る。パワーデバイスのエッジ研磨や表面研磨で実績が高く、24年3月期は営業赤字見通しで株価も冴えない動きを強いられていたが、25年3月期は大幅黒字転換が視野に入る。両銘柄とも3ケタ台の株価に買いやすさが漂う。  このほか株価3ケタ台の半導体関連穴株として日本トムソン<6480.T>を改めてマークしたい。搬送や位置決めで使われる直動案内機器を製造するが、これは半導体製造装置分野で旺盛なニーズを取り込むことになる。同社の業績も24年3月期が底となりそうで25年3月期以降、回復色を鮮明とする可能性が高い。PBR0.6倍前後でプライム市場銘柄としては尻に火がついた状態にあるものの、内部留保を活用しないで溜め込んでいるということでは決してない。配当利回りは3%近い水準を確保し、自社株買いにも前向きに取り組んでいる。株価は2月中旬を境に動兆をみせるが、依然として出遅れ感が強い。  あすのスケジュールでは、日銀金融政策決定会合の結果発表と植田和男日銀総裁の記者会見に耳目が集まる。また、大引け後には2月の訪日外国人観光客数が発表される。海外では豪中銀の政策金利発表、3月の欧州経済研究センター(ZEW)の独景気予測調査のほか、米国では20日までの日程でFOMCが開催される。このほか、2月の米住宅着工件数、1月の米証券投資が開示、米20年国債の入札も予定されている。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/03/18 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=双日、配当利回り3%台で割安感  双日<2768.T>に注目したい。総合商社の同社は、2月に24年3月期連結純利益予想を950億円から1000億円(前期比10.1%減)に上方修正した。同時に今期配当も従来予想から5円増の135円(前期比5円増)に見直した。石炭価格が高値圏で推移していることなどが寄与する。25年3月期は、米国自動車販売やLNG事業などの伸びで同利益は1100億円前後への増益転換が期待できる。  株価は配当利回り3.4%前後の水準にあり割安感は強い。足もとで原油などエネルギー価格が上昇していることも同社株には追い風に働く。連結PBRは0.9倍台の水準にあり、株価は4000円台での活躍が見込める。(地和) 出所:MINKABU PRESS 2024/03/18 10:00 みんかぶニュース コラム 18日の株式相場見通し=反発か、日銀決定会合後にアク抜け期待  18日の東京株式市場は強弱観対立のなかも日経平均株価は3万8000円台後半で頑強な値動きを示しそうだ。前週末の欧州株市場は高安まちまちで独DAXは小幅下落したものの、仏CAC40はわずかながら4日続伸し史上最高値を更新した。一方、米国株市場では主要株価3指数が揃って下落した。コンセンサスを上回る強い数字が相次ぐ物価指標を背景に米長期金利の上昇傾向が続いており、株式の相対的な割高感が意識されやすくなっている。今週予定されるFOMCでは政策金利据え置きとの見方でほぼ織り込まれているが、今後の利下げのタイミングや年内の利下げペースなどにマーケットの関心が高く、ドットチャートやパウエルFRB議長の記者会見を前に見送りムードが強まった。東京市場でも日銀の金融政策決定会合を控え、この結果と会合後の植田和男日銀総裁の記者会見の内容を見極めたいとの思惑が上値を押さえる要因となりやすい。ただ、現状でマイナス金利解除の可能性をかなりの部分織り込んでおり、決定会合通過後はアク抜け感から株式市場は上値を指向するという見方もある。先物主導の買い戻しが進めば、日経平均に思わぬ浮揚力が加わるケースも考えられる。足もとで日米の金利差拡大を背景に外国為替市場でドル高・円安傾向に振れていることもポジティブ材料として働きやすい。  15日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比190ドル89セント安の3万8714ドル77セントと続落。ナスダック総合株価指数は同155.356ポイント安の1万5973.174だった。  日程面では、きょうは1月の機械受注、1年物国庫短期証券の入札など。海外では、1~2月の中国固定資産投資、中国不動産開発投資、中国工業生産高、中国小売売上高、2月のユーロ圏消費者物価指数、3月の全米住宅建設業協会(NAHB)住宅市場指数など。 出所:MINKABU PRESS 2024/03/18 08:00 みんかぶニュース コラム 来週の株式相場に向けて=17年ぶりの利上げは織り込んだのか  来週は、いよいよ日銀の金融政策決定会合と米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。日米中銀の決定会合により春相場は重要ポイントを迎えることになる。  市場関係者の関心は、18日から19日にかけて開催される日銀会合に向かっている。大手企業の春闘は満額回答が相次ぐなど賃上げの動きは強まった。これを受け、来週の日銀会合でマイナス金利政策が解除される、との見方も強まっている。その場合、2007年以来17年ぶりの利上げとなる。ある市場関係者は「3月の金融政策変更の可能性はかなり高まった。相場も大分、織り込みつつある。むしろ米国の金融政策の方が不透明感は強いかもしれない」ともみている。日銀がマイナス金利を解除した場合、その後の政策のスタンスが注目されそうだ。政策が維持された場合は、4月に持ち越しとなる。  更に、19日から20日にFOMCがある。今回は政策金利の据え置きが有力だが、ドットチャートが公表されるほか、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言が注視されそうだ。  東京株式市場に関しては、日経平均株価は一時大きく膨らんだ25日移動平均線とのかい離は解消された。下値不安は薄らいでいるが、半導体株の急騰の反動でしばらくは、なお一進一退が続く可能性がある。  一方、TOPIXはこの日も上昇するなど強含みで推移している。「TOPIXの昨年9月ザラ場高値時の信用の期日がちょうど今日だった」(アナリスト)という。期日明け後の需給面の好転も期待され、春相場はTOPIXを中心とした相場展開が予想される。三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>など銀行株や大成建設<1801.T>など建設株、三井不動産<8801.T>など不動産株が注目されそうだ。  上記以外のイベントでは、海外では18日に中国2月小売売上高、19日にドイツ3月ZEW景況感指数が発表され、21日にイギリス金融政策委員会が開催される。20日にマイクロン・テクノロジー<MU>、21日にナイキ<NKE>の決算発表が予定されている。国内では18日に1月機械受注、19日に2月訪日外客数が発表される。20日は春分の日で休場。22日に2月消費者物価指数(CPI)が発表される。21日にツルハホールディングス<3391.T>が決算発表を行う。来週の日経平均株価の予想レンジは3万8100~3万9300円前後。(岡里英幸) 出所:MINKABU PRESS 2024/03/15 17:14

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