みんかぶニュース コラムニュース一覧
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=オハラ、半導体露光装置用の需要堅調
オハラ<5218.T>は9月13日、24年10月期第3四半期累計(23年11月~24年7月)の連結営業利益が前年同期比22.1%減の16億5900万円になったと発表。ただ、5~7月期に限れば前年同期比48.9%増の8億2200万円となっている。
エレクトロニクス事業で半導体露光装置用の堅調な需要が続いたことに加え、第3四半期は宇宙天文用途で特殊ガラスの販売があったことから特殊ガラスと石英ガラスがともに好調だった。光事業ではカメラ向けレンズ材が苦戦しているものの、顧客の在庫調整が底を打ちつつあることから来期の巻き返しに期待したい。
株価は9月27日に年初来高値1496円をつけ、その後は上げ一服商状。ただ、PBRは0.7倍前後と割安感があり、押し目は拾い場といえそうだ。(参)
出所:MINKABU PRESS
2024/10/10 10:00
みんかぶニュース コラム
10日の株式相場見通し=続伸、米株高と円安進行が追い風
10日の東京株式市場は主力株をはじめ広範囲に買い優勢の地合いが継続し、日経平均株価は続伸する可能性が高そうだ。3万9000円台後半で強調展開が見込まれ、場合によっては取引時間中に先物主導で4万円大台を意識するような局面も想定される。前日は欧州株市場で独、仏、英など主要国の株価が総じて上昇した。ドイツなど欧州経済の先行きに不透明感がくすぶるなかも、中国の追加経済対策への期待感を背景に投資家心理が強気に傾いた。米国株市場でもリスク選好の地合いが続いている。原油先物価格の上昇が一服していることでインフレに対する警戒感が緩和され、この日の午後に公表された9月開催のFOMC議事要旨も数人のメンバーがややタカ派的な見解を示していたものの、株式市場にネガティブな印象を与える内容ではなかった。前週末に発表された9月の米雇用統計を背景に、引き続き米景気のソフトランディング期待も根強く、上値を見込んだ投資資金が流入した。NYダウは史上最高値を更新、機関投資家がベンチマークとして重視するS&P500指数も最高値をつけている。東京市場でも米株高を受け投資家のセンチメント改善が続きそうだ。外国為替市場では1ドル=149円台前半の推移と円安傾向を強めていることも、輸出セクターを中心に追い風材料となる。一方、日本時間今晩に9月の米消費者物価指数(CPI)が発表されることで、この結果を見極めたいとの思惑から買い一巡後は上げ幅を縮小するケースも考えられる。
9日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比431ドル63セント高の4万2512ドル00セントと続伸。ナスダック総合株価指数は同108.701ポイント高の1万8291.617だった。
日程面では、きょうは9月の企業物価指数、9月のオフィス空室率など。海外では9月の米CPI、9月の米財政収支など。
出所:MINKABU PRESS
2024/10/10 08:01
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=中国株急騰で「資源エネルギー株」は息を吹き返すか
9日の東京市場で、日経平均株価は前日比340円高の3万9277円と2日ぶりに3万9000円台を回復した。前日の米国市場でエヌビディア<NVDA>などハイテク株が上昇。東京市場でもアドバンテスト<6857.T>が上場来高値を更新するなど、半導体関連株が買われた。ただ、売買代金は3兆6000億円台と商いはやや細り気味だった。
衆議院が解散され、これから27日の投開票に向けた選挙戦に突入する。今回も「選挙は買い」のアノマリー(経験則)通りに、株高に向けて相場が上昇するかが焦点となる。ただ、自民党の議席減の可能性も浮上するなか、相場は様子見姿勢が強まることも考えられる。
そんななか、関心が集まっているのが中国株の動向だ。この日の上海総合指数は11日ぶりに反落したものの、国慶節(建国記念日)に伴う大型連休を挟んだ10連騰で22年2月以来、約2年8カ月ぶりの水準に急上昇した。中国政府が先月24日に打ち出した金融緩和、不動産・株式市場対策に続き、大型の財政刺激策が打ち出されることへの期待が高まっている。
きょうも「中国当局が12日に財政政策に関する記者会見を開く見通し」と伝わると、東京市場でも安川電機<6506.T>やファナック<6954.T>、資生堂<4911.T>などに買いが流入した。中国は18日に7~9月期国内総生産(GDP)の発表を予定している。「5%前後」の成長が達成できるかが焦点となるなか、中国動向が一気に注目されそうだ。中国景気回復期待が強まれば、原油価格や銅など非鉄価格の上昇も期待される。INPEX<1605.T>や石油資源開発<1662.T>など石油関連株、住友金属鉱山<5713.T>や三井金属<5706.T>など非鉄株といった「資源エネルギー株」にも見直し余地が広がりそうだ。
今晩は米国で9月17~18日開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録が公表される。ノーベル化学賞の発表も予定されている。明日は国内で9月オフィス空室率が発表される。ファーストリテイリング<9983.T>やセブン&アイ・ホールディングス<3382.T>などが決算発表を行う。明晩は、米9月消費者物価指数(CPI)やノーベル文学賞が発表される。
出所:MINKABU PRESS
2024/10/09 17:09
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<注目銘柄>=M&Aキャピ、業績は再び増収増益基調へ
M&Aキャピタルパートナーズ<6080.T>は、第3四半期決算の発表と同時に24年9月期連結業績予想を下方修正し、その後株価は急落したが、足もとでは急落前の水準に回復している。25年9月期の業績回復への期待は高く、株価は一段高へ向かいそうだ。
同社は独立系のM&A仲介会社。同業大手他社と比較して手数料が安価であることや、大型案件に対応できることなどから、同社の評価が高まっている点に注目。下方修正したとはいえ、第3四半期(23年10月~24年6月)の成約件数は前年同期比30.7%増の149件となり過去最高を記録したほか、手数料1億円以上の大型案件も同4.2%増の25件と増加した。ただ、上期に大型案件の成約件数が低調に推移したことで、業績の進捗に遅れが発生し、成約見込時期を精査した結果、今期中の挽回は難しいと判断したのが下方修正の理由だった。
一方、第3四半期までの受託案件数は488(前年同期比22.0%増)、契約負債は11億3300万円(前期末比74.5%増)と業績の先行指標は過去最高を記録。コンサルタントの採用も順調のようだ。これらの多くが成約に結び付く25年9月期は再び増収増益基調に向かうと予想されており、営業利益80億円前後を見込む調査機関もある。10月31日に予定されている24年9月期決算発表は要注目だ。(仁)
出所:MINKABU PRESS
2024/10/09 10:00
みんかぶニュース コラム
9日の株式相場見通し=反発、米ハイテク株上昇で買い戻し優勢
9日の東京株式市場で、日経平均株価は反発する見通し。前日の欧州株は総じて下落したのに対し、米株式市場ではNYダウとナスダック総合株価指数がともに反発し、米フィラデルフィア半導体株指数(SOX)の上昇率は1%を超えた。米原油先物相場が4%を超す下げとなり、原油高によるインフレ懸念がいったん後退した。イスラム教シーア派組織のヒズボラのナンバー2であるカセム師が、レバノンの停戦に向けた取り組みを支持する意向を示したと伝わった。中東情勢の緊迫化を受けて上昇圧力がかかっていた原油先物に関しては、中国において大規模な追加の景気刺激策が示されなかった失望感も加わり、売りが優勢となった。米国では次世代AI半導体「ブラックウェル」についてエヌビディア<NVDA>がエネルギー効率の高さをアピールし、同社株が4%高となったほか、アップル<AAPL>やメタ・プラットフォームズ<META>などハイテク株が堅調に推移した。外国為替市場でドル円相場は1ドル=148円台前半と円安基調を維持していることもあって、9日の日経平均は前日の下げを取り戻す展開が見込まれる。国内では衆議院の解散が予定されるなかで、総選挙までの間は株高になる傾向があるといったアノマリーが意識されやすい局面だが、今週は日本時間10日夜に米9月消費者物価指数(CPI)の発表を控えている。物価指標の公表を受けた米国市場の反応を見極めたいとの投資家の姿勢が広がりやすい地合いにあり、積極的に持ち高を一方向に傾けにくい。朝方の買い一巡後は模様眺めのムードが広がることが想定され、日経平均については取引時間中は3万9200円から3万9700円の範囲での値動きとなりそうだ。
8日の米株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比126ドル13セント高の4万2080ドル37セントと小反発。ナスダック総合株価指数は同259.012ポイント高の1万8182.916だった。
日程面では、きょうは国内では臨時国会の会期末となり、衆議院が解散される。9月の工作機械受注が公表されるほか、イオン<8267.T>や吉野家ホールディングス<9861.T>が決算を発表する。韓国市場は休場で、夜にはノーベル化学賞の発表も控えている。このほか海外ではドイツの8月貿易収支や米国の8月の卸売在庫(確報値)が発表されるほか、9月17~18日開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の公表や、米10年債入札なども予定されている。
出所:MINKABU PRESS
2024/10/09 08:00
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=「先負」尽くしの総選挙日程に嵐の予感
きょう(8日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比395円安の3万8937円と反落。相変わらずというべきか、ボラティリティばかり高くて方向性がまるで見えないという展開が続いている。これは日本株市場に限ったことではないが、理屈では説明不能な要素が多い。市場筋からは「(全体相場の値動きは)狂った計器を思わせる針の振れ方」(中堅証券ストラテジスト)という声も聞かれる。国慶節による長い休日を終え、休場明けとなった中国・上海株は大幅上昇をみせたが、寄り付き天井で日足では上ヒゲのない大陰線を形成した。他方、香港ハンセン指数は急落し、こちらも大陰線を引いた。
中国株市場が休場の間、暴騰する中国ETFが話題を集めたが、この日はMAXIS HuaAn中国株式(上海180A株)上場投信<2530.T>がストップ安ウリ気配で最後まで値が付かず、上場インデックスファンド中国A株(パンダ)E Fund CSI300<1322.T>も暴落、中国H株ブル2倍上場投信<1572.T>やNEXT NOTES 香港ハンセン・ダブル・ブル ETN<2031.T>なども大幅に下落した。一方で、iFreeETF 中国科創板 50(STAR50)<2628.T>、iFreeETF 中国グレーターベイエリア・イノベーション 100(GBA100)<2629.T>はいったんストップ高に買われたが、その後は一転してウリ気配に変わり、そのままストップ安に直行。文字通りハシゴを外された格好となった。
「国慶節明けに10兆元(日本円にして約210兆円)規模の経済対策を打ち出す可能性があると中国人著名エコノミストが発言し、思惑が独り歩きしてミーム化した。足もとでその反動が出ている」(ネット証券アナリスト)とマーケット関係者は指摘する。もっとも、これらの銘柄群は流動性に難があり、ほぼ局地戦の仕手株のような銘柄で観賞用に過ぎないわけだが、裏を返せば東京市場には投資マネーが食指を動かすような銘柄が他に見当たらない。話題性が失われた市場ということがいえる。
石破新政権発足を受け何か政策期待で買おうという雰囲気は、正直今のマーケットからは感じられない。防衛関連の旗艦銘柄である三菱重工業<7011.T>は売買代金こそ上位を維持しているが、上値はどうにも重い。脇を固めていた川崎重工業<7012.T>、IHI<7013.T>も今一つの値動きで、組閣人事を経て一丁目一番地とみられた「防衛関連株」に対するマーケットの視線も直近は半信半疑のムードが漂っている。半導体関連もアドバンテスト<6857.T>が孤軍奮闘しているとはいえ、そのほか東京エレクトロン<8035.T>やディスコ<6146.T>、レーザーテック<6920.T>など主力どころの株価は冴えない。かといって、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>などメガバンクの上値を買い進む動きは限定的だ。
解散日から総選挙の投開票日までの期間で日経平均株価は上値を指向するという「総選挙アノマリー」に期待する向きは少なくない。圧倒的な確率で日経平均は上昇するケースが多かった。しかし、前回の総選挙は2021年の10月、岸田首相が政権発足から10日後という戦後最短の解散に打って出たが、投票日までの株価はマイナスパフォーマンスと稀少な例となった。今回も石破新政権の不人気ぶりから、その稀少なパターンを踏襲する可能性がある。奇をてらって拙速に解散することは少なくとも王道ではなく、石破首相自らがその考えを示していたはずであった。
なお、今回のケースでは解散日の10月9日、公示の15日、そして投票日の27日、この3日間がいずれも六曜の「先負」に当たるという偶然にしても作ったような日柄であることが、市場でも話題となっていた。前言を翻しなりふり構わず解散に踏み切った石破首相だが、六曜が示す「先んずれば負ける」という結果が待っているとすれば出来過ぎか。
あすのスケジュールでは、この日は臨時国会の会期末、衆院解散日となる。午前中に6カ月物国庫短期証券の入札が行われ、午後取引終了後には9月の工作機械受注額が開示される。海外ではニュージーランド中銀の政策金利発表や、インド準備銀行(中銀)の政策金利発表に耳目が集まる。米国では8月の卸売在庫・売上高が発表され、FOMC議事要旨(9月17~18日開催分)の内容が注目される。米10年国債の入札も予定されている。このほか、ジェファーソンFRB副議長の講演が行われる予定でマーケットの関心が高い。韓国市場は休場となる。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/10/08 17:00
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=日東紡、データセンター関連の好業績株で上値追い続く
日東紡績<3110.T>が下値切り上げ波動を継続、6000円近辺は買い場と判断したい。既に9月26日のマド開け急騰によって日足一目均衡表で雲抜けを果たしており、中期的にも上値の軽さが意識されやすい。
同社はガラス繊維(グラスファイバー)が売上高の80%超を占める主力製品で、近年の生成AI市場の拡大を背景にデータセンター(AIサーバー)向けで高水準の需要を取り込んでいる。業績はトップライン、利益ともに大幅な伸びが続く見通しにあり、25年3月期売上高は前期比17%増の1090億円、営業利益は同79%増の150億円を予想している。営業利益は07年3月期のピーク利益を上回り18期ぶりに過去最高更新となる見込みだ。また、26年3月期も同利益は2ケタ成長が続く公算が大きい。株価は遅かれ早かれ今年5月29日につけた上場来高値7480円奪回を視野に入れることになりそうだ。(桂)
出所:MINKABU PRESS
2024/10/08 10:00
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8日の株式相場見通し=反落、米株安と円高で3万9000円台割れも
8日の東京株式市場は主力株中心に大きく売り優勢に傾き、日経平均株価は大幅反落する公算が大きい。前日の欧州株市場は高安まちまちの展開で、仏CAC40、英FTSE100は上昇したものの、独DAXは上値の重い地合いでわずかながら反落。イランとイスラエル間の紛争が激化するなか、地政学リスクを警戒する動きが上値を押さえた。半面、中国が国慶節に伴う連休明けに追加の経済対策を発表するとの思惑が下値を支え、底堅さにつながっている。一方、米国株市場ではNYダウが反落。米10年債利回りが一時4%台に乗せるなど約2カ月ぶりの高い水準に上昇し、目先筋の利益確定売りを誘発、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数はダウを上回る1%超の下落となり、前週末の上昇分を吐き出す格好となった。中東情勢の緊迫化を背景に原油市況の上昇が止まらず、この日はWTI原油先物価格が2ドル76セント高の1バレル=77ドル14セントと大幅高で5日続伸したことが、株式市場で買い手控えムードを助長している。半導体関連ではエヌビディア<NVDA>が4日続伸と上値指向を強める一方、インテル<INTC>が調整色をみせるなど強弱入り乱れ、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は4日ぶりに反落した。東京市場では、米株安を受け足もとで利益確定の動きが優勢となりそうだ。米長期金利上昇にもかかわらず、外国為替市場ではリスクオフを反映したドル安・円高方向に振れており、これも輸出セクターを中心に全体相場の押し下げ要因となる。先物主導で下げ足を強め、日経平均は3万8000円台に押し戻される場面も想定される。
7日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比398ドル51セント安の4万1954ドル24セントと反落。ナスダック総合株価指数は同213.945ポイント安の1万7923.904だった。
日程面では、きょうは8月の毎月勤労統計、8月の家計調査、9月上中旬の貿易統計、8月の国際収支、9月の対外・対内証券売買契約、30年物国債の入札、9月の景気ウォッチャー調査など。海外では豪中銀理事会の議事要旨(9月開催分)、8月の米貿易収支、米3年物国債の入札など。
出所:MINKABU PRESS
2024/10/08 08:00
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=驚愕の米雇用統計、売り方の踏み上げ誘発
週明け7日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比697円高の3万9332円と大幅続伸。朝方から主力銘柄をはじめ広範囲に買いが先行した。途中緩む場面はあっても、利食い急ぎを誘発する展開には至らず、逆に大口の押し目買い注文が下値を支え、後場は最終盤まで高値圏でジリジリと水準を切り上げた。大引け間際に手仕舞い売りで上げ幅を縮小したものの、700円近い上昇で3万9000円台を大きく回復している。
前週末4日に発表された9月の米雇用統計は驚くほど強い内容であった。ついこの間までリセッション懸念が大手を振っていた米経済が、見立て違いだったということにもなる。フタを開けて見れば非農業部門の雇用者数の伸びが25万4000人で、事前の市場コンセンサスが15万人程度だったことを考慮すると10万人も上乗せされた水準。更に失業率は4.1%で8月から0.1ポイント改善し、8月と並びを見込んでいた事前予想よりも良好な内容だった。平均時給については前年同月比で4.0%の上昇となり、これも事前予想から0.2ポイント上振れ、前月比でも想定を上回った。経済実勢と金融政策は表裏一体で、FRBが利下げを急がない背景ともなり得るが、それよりも今は株式需給の方が先に立つ。米経済失速にかけた弱気筋の踏み上げが全体相場の流れを形成している。
個別株は日経平均が先物主導で大幅高している場面では、選別が難しい部分もある。投資対象として225採用銘柄に代表される大型株に追随するのであれば、ここから全体株価が上昇するという相場観があれば肯定される。よく大型株優位の地合いという表現がなされるが、それは日経平均やTOPIXの先高期待が強いということを代弁している。しかしその場合、買いを入れるタイミングは全体指数が押しを入れたところだ。石破政権の不安定さや中東情勢の緊迫化を念頭に置くと、仮にあすの日経平均が大幅高したとしても、ここで上値に飛びつくのは避けるべきで、むしろ出遅れている中小型株に打診買いを入れておくくらいの方が有効といえる。
ただ、日経平均の上値は為替の動向に左右されやすい。円安と株価指数先物がリンクされているためで、これは理屈の領域を超えている。今の相場は決して「バスに乗り遅れるな」というような焦って買う局面ではないが、ここからドル高・円安が更に進むという見立てであれば、内需外需を問わず大型株シフトが有効と考えられる。また総選挙アノマリーも念頭に置くと、石破政権だから買えないという理屈はしばらく棚上げとなりそうだ。
分かりやすいのは足もとの相場で売買代金上位を占めている大型株に照準を合わせておく手法である。乱暴な言い方をすれば、業態は関係ない。レーザーテック<6920.T>、三菱重工業<7011.T>、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>、ソフトバンクグループ<9984.T>、トヨタ自動車<7203.T>、ファーストリテイリング<9983.T>といった銘柄を分散して買っておけばそれで事足りる。もしくは、ど真ん中の直球でNEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570.T>を拾っておく手もある。暴騰する中国関連のETFを買うのは、百人一首の“坊主めくり“に等しく、それよりは遥かに健全といってよさそうだ。
一方、リスクオン相場で中小型株が敬遠される道理もない。こちらは仮に日経平均が軟化しても逆行高できる銘柄も多く存在している。目先狙いたい銘柄としては、スポンジチタン価格が上昇傾向にあるなか、航空機向け需要が成長軌道に回帰していることで生産能力増強に動く大阪チタニウムテクノロジーズ<5726.T>。また、東邦チタニウム<5727.T>も併せてマーク。このほか、航空機向けチタンアルミブレードを製造するAeroEdge<7409.T>にも意外性がある。
あすのスケジュールでは、8月の毎月勤労統計、8月の家計調査、9月上中旬の貿易統計、8月の国際収支、9月の対外・対内証券売買契約がいずれも朝方取引開始前に開示。また、午前中に30年物国債の入札が予定される。午後取引時間中には9月の景気ウォッチャー調査が発表される。なお、この日は名証ネクスト市場にケイ・ウノ<259A.NG>が新規上場する。海外では豪中銀理事会の議事要旨(9月開催分)が開示。米国では8月の貿易収支発表のほか、米3年物国債の入札が行われる。クグラーFRB理事やジェファーソンFRB副議長など複数のFRB高官の講演も予定され、これもマーケットの注目度が高い。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/10/07 17:00
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=エターナルG、海外市場開拓を本格評価
エターナルホスピタリティグループ<3193.T>に注目したい。同社は焼鳥店「鳥貴族」を展開しており、今年5月に現社名に変更している。24年7月期の連結営業利益は前の期比2.3倍の32億4800万円を記録。居酒屋需要の回復で店舗売上高が堅調に推移したほか、コロナ禍で競合店舗が減少したことも増益要因となった。25年7月期の同利益は前期比23.2%増の40億300万円と連続最高益が予想されている。
同社は9月に発表した中期経営計画で海外市場に本格進出し、27年7月期の営業利益60億円を目指すことを表明した。株価は3月に上場来高値4950円をつけた後は調整しているが、業績は好調で5000円乗せから一段高が見込める。(地和)
出所:MINKABU PRESS
2024/10/07 10:00
みんかぶニュース コラム
7日の株式相場見通し=大幅高、欧米株全面高と急速な円安を好感
7日の東京株式市場は主力株をはじめ幅広い銘柄に買い戻しが加速し、日経平均株価は大幅高で3連騰する可能性が高い。前週末の欧州株市場では英FTSE100がわずかに安かったほかは主要国の株価がほぼ全面高に買われる展開となった。この日に発表された9月の米雇用統計で非農業部門の雇用者数が市場コンセンサスを大幅に上回る強い内容だったことから、欧州市場でもこれが好感される格好となった。ここ調整局面にあった独DAXも5日ぶりに切り返す展開となっている。米国株市場でも雇用統計発表を受け寄り付きから強気優勢の地合いで、NYダウは買い一巡後伸び悩む場面もあったが、その後は買い直され高値圏で着地、史上最高値を更新している。米経済のソフトランディング期待が高まり、米金利上昇を受けて金融株への買いが顕著だったほか、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も半導体関連の上昇などを背景に終始強い動きとなった。東京市場では前週末の欧米株が全面高商状となったことで、リスク選好ムードが高まりやすい。更に外国為替市場では一時1ドル=149円台をつけるなど急速な円安に振れており、半導体などハイテクセクターを中心にこれを好感する買いが見込まれる状況にある。先物主導のインデックス買いが全体を押し上げ、日経平均はフシ目の3万9000円台を大きく回復する場面が想定される。
4日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比341ドル16セント高の4万2352ドル75セントと反発。ナスダック総合株価指数は同219.373ポイント高の1万8137.849だった。
日程面では、きょうは日銀支店長会議、10月の日銀地域経済報告、8月の景気動向指数速報値など。海外では8月のユーロ圏小売売上高、8月の米消費者信用残高など。また、この日からノーベル賞受賞者が発表される。なお、中国株市場は休場。
出所:MINKABU PRESS
2024/10/07 08:01
みんかぶニュース コラム
来週の株式相場に向けて=日米政局を横目にエネルギー関連株中心の展開か
先週9月27日の自民党総裁選で石破茂氏が新総裁に選出され、10月1日の臨時国会で同氏が新首相に就任した。そして新内閣が発足し、9日の衆院解散、15日の衆院選公示、27日の投開票のスケジュールが明らかになった。11月5日の米大統領選も近づくなか、日米政局は風雲急を告げる状況にある。
各メディアによる調査では、石破新内閣の支持率は発足時としては決して高くはない。また、米大統領選も民主党のハリス氏と共和党のトランプ氏は大接戦状態にあり、結果は見えにくい。こうしたなか、きょうの東証プライム市場の売買代金は4兆円を割り込むなど、様子見姿勢は強まっている。
石破首相の言動が、総裁選の時と首相就任後では全く異なることに対して「手のひら返し」と批判を浴びているが「株高を意識するという点では、株式市場にとって全く悪い話というわけでもない」(市場関係者)と前向きに捉える声もある。ただ、その姿勢は賛否を呼び、選挙結果に対する不透明感を強めさせている。
加えて、更なる不安要因となっているのが中東情勢だ。イスラエルとイランの対立が深まり、今後の展開からは目が離せない状況にある。原油価格が本格的な上昇に転じた場合、世界的なインフレ懸念を再燃させかねず、その影響は大きい。INPEX<1605.T>や石油資源開発<1662.T>など資源株、三菱商事<8058.T>や三井物産<8031.T>など商社株といったエネルギー関連株、それに三菱重工業<7011.T>や川崎重工業<7012.T>など防衛関連株が当面の相場の中核となる展開が予想される。
また、来週は10日に米9月消費者物価指数(CPI)が発表される。今晩の米9月雇用統計ともども高い関心を集めそうだ。
上記以外の来週のスケジュールでは、海外では9日に9月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録が公表される。11日に米卸売物価指数(PPI)、10月ミシガン大学消費者マインド指数が発表される。同日にJPモルガン<JPM>、ウェルズ・ファーゴ<WFC>が決算発表を行い、米国は決算シーズンに突入する。
また、来週はノーベル賞ウィークに突入する。7日に生理学・医学賞、8日に物理学賞、9日に化学賞、10日に文学賞、11日に平和賞が発表される。
国内では、8日に景気ウォッチャー調査が発表される。また、小売り・消費関連企業の決算が本格化し、7日に壱番屋<7630.T>、ウエルシアホールディングス<3141.T>、8日にJ.フロント リテイリング<3086.T>、キャンドゥ<2698.T>、9日にサイゼリヤ<7581.T>、エービーシー・マート<2670.T>、10日にファーストリテイリング<9983.T>、セブン&アイ・ホールディングス<3382.T>、11日に良品計画<7453.T>、ビックカメラ<3048.T>が決算発表を行う。11日にオルツ<260A.T>が新規上場する。来週の日経平均株価の予想レンジは3万8000~3万9100円前後。(岡里英幸)
出所:MINKABU PRESS
2024/10/04 17:26
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=テクノプロH、国内企業IT投資拡大の潮流満喫へ
テクノプロ・ホールディングス<6028.T>はIT領域を中心とする企業の旺盛な投資需要を支えに堅調な業況が期待でき、25日移動平均線を下回って推移する足もとの株価は値頃感が意識される。
同社は技術者派遣大手。25年6月期の売上収益は前期比8.1%増の2370億円、最終利益は同26.0%増の185億円を計画し、最終利益は3期ぶりに最高益を更新する見込みだ。年間配当予想は同10円増配の90円に設定している。自動車や半導体、エレクトロニクスや建設など関係する業界は広範囲にわたる同社だが、なかでもITセクターで高いエクスポージャーを持つ。日銀の9月短観では国内企業によるソフトウェア投資の積み増しぶりが顕著となっている。DX(デジタルトランスフォーメーション)を加速させようとする産業界のニーズを追い風に、業績の下振れ不安が乏しい状況にあると言えるだろう。月次の国内在籍技術者数は着実に増加し、稼働率も高い水準を維持している。
株価は1月9日の高値3740円から8月5日に2500円を下回る水準まで調整。9月19日に戻り高値3012円をつけた後に再び売り直しとなったが、日足・一目均衡表の雲領域の上限で下げ渋り、足もとでは2800円台での推移となっている。9月27日から30日の間に開けたマドを埋め、9月の戻り高値を奪還すれば、反騰の機運が一段と高まりそうだ。(碧)
出所:MINKABU PRESS
2024/10/04 10:00
みんかぶニュース コラム
4日の株式相場見通し=売り買い交錯、米雇用統計発表を前に様子見
4日の東京株式市場は売り買い交錯、日経平均株価は前日終値近辺でもみ合う展開が想定される。前日の欧州株市場はほぼ全面安に近い状況となり、ドイツの主要株価指数であるDAXは4日続落と調整色を強めている。中東情勢の緊迫化を背景に買いが手控えられる展開となった。米国株市場でも欧州時間のリスクオフの流れを引き継ぎ、NYダウ、ナスダック総合株価指数、S&P500指数いずれも軟調だった。米国でも中東の地政学リスクの高まりが意識されているが、イランによるミサイル攻撃を受けたイスラエルが近く報復に動くとの見方が強いなか、石油施設への攻撃も予想されている。そうしたなか原油価格が高騰、WTI原油先物価格は1バレル=73ドル台後半まで大幅に水準を切り上げており、これがFRBの金融緩和策に牽制圧力が働くのではないかとの思惑につながった。米東海岸の港湾労働者のストライキ突入も、物流を停滞させコンテナ船運賃上昇などインフレ圧力につながるとの見方も重荷となったようだ。東京市場では欧米株市場の軟調を受け、積極的な買いが入りづらい局面にある。日本時間今晩に開示される9月の米雇用統計を前に、この内容を見極めたいとの思惑も手控えムードを助長しそうだ。ただ、外国為替市場では1ドル=146円台後半の推移と円安水準が維持されていることが、輸出セクターを中心に追い風材料となり、日経平均は下値抵抗力も発揮しそうだ。強弱観対立のなか、3万8000円台半ばを軸とする比較的狭いゾーンでの値動きが見込まれる。
3日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比184ドル93セント安の4万2011ドル59セントと反落。ナスダック総合株価指数は同6.647ポイント安の1万7918.476だった。
日程面では、きょうは9月の輸入車販売、9月の車名別新車販売、9月の軽自動車販売、3カ月物国庫短期証券の入札など。海外では9月の米雇用統計など。中国市場は国慶節の祝日に伴い休場となる。
出所:MINKABU PRESS
2024/10/04 08:01
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=石破エフェクトと爆騰する中国ETF
きょう(3日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比743円高の3万8552円と急反発。日替わりで乱高下を繰り返しているが、投資家サイドも戸惑いを隠せないというところ。何か強弱観の対立があってその結果に振り回されているというような、イベントドリブン的な乱高下ではないからだ。宙に浮いたような状態で、無重力の中でクルクル回っているような相場というべきか、訳の分からないまま日経平均はボックス圏での無機質な往来を余儀なくされている。
きょうの株価上昇の背景は外国為替市場での円安進行に尽きる。ドル・円相場の動向にリンクさせた先物売買を通じ裁定取引主導の機械的なアンワインドの動きが反映され、日経平均は一時1000円超の上昇をみせる場面もあった。ドル・円は前日の1ドル=143円近辺から一気にドルが買い戻され、一時1ドル=147円台をつけるなど4円超の一瞬目を疑うような円安が進行した。トリガーを引いたのは石破新首相の発言。「現在、追加利上げの環境にあるとは考えていない」という植田日銀総裁かと見紛えるようなコメントで円売りを誘発した。選挙を意識しての発言なのかどうか、いずれにしてもこの過激なまでの円安を目の当たりにして一番驚いたのは石破首相本人かもしれない。
「軍事オタクにして経済音痴」といってしまえば失礼だが、経済全般について“岸田路線を継承する”のワンセンテンスのみで、あとはメディアに説明を委ねるというようなスタンスが透けて見える。直近明らかになった内閣支持率は共同通信社の調査で50.7%、日本経済新聞とテレビ東京の調査では51%、どちらも5割前後という数字が示された。ギリギリ50という数字にやや忖度した気配もうかがわれるが、いずれにしても2人に1人が発足したばかりにもかかわらず新内閣を評価しないという結果となった。
石破首相が自民党新総裁に就任した後の発言について、市場関係者からは「解散総選挙についてだけでなく持論を曲げることにこれほど躊躇しないということに、半ば驚きを禁じ得ない」(中堅証券ストラテジスト)という声も聞かれる。「現在、追加利上げの環境にあるとは考えていない」という言葉は、高市早苗前経済安保担当相が総裁選のさなかに述べた「金利を今、上げるのはアホやと思う」という発言とイコールである。加えて首相になった直後の発言として妥当性があったかどうかはいうまでもない。経済政策についてもグランドデザインが皆目不明で、出てきたのは地方創生を支援する交付金の倍増。「とりあえずカネを出すという、ビジョンなきバラ撒きのイメージが拭えない」(ネット証券マーケットアナリスト)という厳しい見方を示す向きも少なくない。
一つの仮説として、石破首相は総裁選で自分が選出されるとは思っていなかった可能性がある。安倍元首相と総裁選を戦った時とは違う。「高市氏に首相になってもらっては困る」という人たちの思惑によって発生したウネリによって押し上げられた。これまでは党内野党として歯に衣着せぬ物言いで存在感を示してきたが、今は立っているフィールドが真逆である。これまで自らが背にしてきた風景を目にして、これからどうしようか思案六法という風情だ。発言がブレまくっているのも、予期していないフィールドに立ってしまったことに対する動揺が反映されていると思われる。
足もと東京市場はインデックス売買主導の無機質な上下動を続けているが、皮肉にも個別では中国関連のETFが軒並み爆騰状態にある。値上がり率上位3傑を独占し、値上がり率トップのMAXIS HuaAn中国株式(上海180A株)上場投信<2530.T>については何と87%高であった。これは仮に高市氏が首相となっていたとしても同じだったとは思うが、何か日本株の先行き不安を暗示するような現象にもみえてくる。
あすのスケジュールでは、前場取引時間中に9月の輸入車販売(日本自動車輸入組合)、9月の車名別新車販売(日本自動車販売協会連合会)、9月の軽自動車販売(全国軽自動車協会連合会)が開示されるほか、午前中に3カ月物国庫短期証券の入札が行われる。個別企業では安川電機<6506.T>の3~8月期決算発表が注目される。なお、この日は日本証券業協会が「証券投資の日」と定めている。海外では9月の米雇用統計に対するマーケットの関心が高い。また、ウィリアムズNY連銀総裁が挨拶を行う予定。中国市場は国慶節の祝日に伴い休場となる。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/10/03 17:00
みんかぶニュース コラム
3日の株式相場見通し=大幅反発、急速な円安進行が追い風に
3日の東京株式市場は主力株をはじめ広範囲に買い戻される展開となり、日経平均株価は3万8000円台を大きく回復する公算が大きい。中東情勢の緊迫化を背景にリスク回避ムードは残るものの、前日の米国株市場が底堅い動きを示したほか、外国為替市場で急速に円安方向に振れていることで、株式市場でもアンワインドの動きが表面化しそうだ。前日の欧州株市場では主要国の株価が高安まちまちの展開となり、英FTSE100、仏CAC40は小高く引けたものの、独DAXは小幅ながら3日続落となった。米国株市場では朝方は売り優勢だったものの、その後は持ち直し取引後半はNYダウ、ナスダック総合株価指数ともにおおむねプラス圏で推移した。ただ、上値の重い展開に終始している。中東ではイランがイスラエルに大規模なミサイル攻撃を仕掛けたことに対しイスラエルは報復姿勢を示しており、予断を許さない局面にある。米株市場でも地政学リスクに対する警戒感は強いが、朝方発表のADP雇用統計で雇用者数の伸びが市場予想を上回った一方、賃金の伸びは鈍化傾向で、米経済の底堅さが意識されるなかインフレ懸念は後退しているとの見方が全体相場を支えた。そうしたなか、外国為替市場では急速にドルが買い戻される流れとなり、一時1ドル=146円台半ばまで円安に振れていることで、これが日本株に強力な追い風となる。米国では半導体関連株への買いが目立ったことで、東京市場でもこの流れを引き継ぎ、日経平均寄与度の高い半導体製造装置の値がさ株などへの買いが相場を押し上げる構図が想定される。
2日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比39ドル55セント高の4万2196ドル52セントと反発。ナスダック総合株価指数は同14.764ポイント高の1万7925.123だった。
日程面では、きょうは対外・対内証券売買契約、10月の日銀当座預金増減要因見込み、10年物国債の入札など。海外では8月の豪貿易収支のほか、週間の米新規失業保険申請件数、9月の米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況感指数、8月の米製造業受注など。なお、中国、韓国市場は休場。
出所:MINKABU PRESS
2024/10/03 08:00
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=外国人の「劇的買い転換」アノマリー
きょう(2日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比843円安の3万7808円と大幅反落。上下にボラティリティが高まるなか、日替わりでベクトルの向きが変わり、なかなか一筋縄では読めない地合いが続く。「森より木を見る」という銘柄重視のスタンスはよく言われることだが、今は個別株戦略も急所が見えにくくなっている。
目先半導体関連が一服し、防衛関連にマーケットの視線が集まっているが、防衛というテーマは銘柄の裾野が比較的狭く、手詰まり感が生じやすい弱みもある。足もとで三菱重工業<7011.T>が連日にわたって2位以下を大きく引き離す断トツの売買代金をこなしているが、これは少し前までレーザーテック<6920.T>が独占していた“ポールポジション”であった。ここだけ見ると、売買代金トップの座を占めるシンボルストックの交代が、半導体から防衛関連へと主役テーマが入れ替わったことを暗示しているようにも見える。だが、ここから三菱重に全力投球できるかというと、それはファンダメンタルズを考慮した場合、実践的にはリスクも大きい。あくまでバロメーターとしての位置づけとなる。
イランとイスラエル間の紛争は徐々に抜き差しならぬ局面となってきた。基本的に地政学リスクによって相場の大勢トレンドが下げに転じることはない。しかし、悪材料が単独ではなく複合的に内在しているケースもあり、押し目はひたすら買い下がって報われるというほど単純なものでもない。イランがイスラエルに向けて弾道ミサイルを180発以上も発射したことが伝わるなか、「イスラエルのネタニヤフ首相はアイアン・ドーム(防空・迎撃システム)が突き破られたことに相当なショックを受けており、報復手段についてもこれまでのようなプロレスでは済まされない状況となっている」(ネット証券マーケットアナリスト)と指摘する。日本にすればイランVSイスラエルは遠くの戦争かもしれないが、足もと地政学リスクによって原油市況が急動兆しており、これが高騰を続けるような場合は、物価高の流れと相まって日銀にもかなり強い圧力がかかることになる。追加利上げに向けたモラトリアム期間が前倒しで解消されれば、株式市場もバランスを崩す。
一方、米国のリセッション懸念はひと頃よりは大分緩和されている。FRBによる利下げは年内2回、つまり11月と12月のFOMCで0.25%ずつ政策金利を引き下げるという見方が今のところ本線だ。NYダウが前日に反落したとはいえ、史上最高値圏で頑強な値動きを示しているのは、経済のソフトランディング期待と金融緩和期待が併存するゴルディロックス的な相場環境が好感されている証である。注目されるのは今週末4日に発表が予定される9月の米雇用統計だ。
9月の雇用統計について事前コンセンサスは、非農業部門の雇用者数の伸びが15万人と14万2000人だった8月から若干増勢が予想されるが、失業率については4.2%、平均時給については3.8%増(前年比)と、どちらも8月と並びが見込まれている。ひと言でいえば程よくブレーキの利いた数字で、この通りであればFRBの政策姿勢に影響はなさそうだ。ただ、想定以上に強い数字だった場合、地政学リスクを背景とした原油価格の高騰や、金価格上昇などと共鳴して利下げシナリオに水を差すケースもゼロではない。
10月相場も前途多難を思わせるが、10~12月の四半期タームでみれば外国人投資家が本気を出すクオーターでもある。10月は過去10年間をさかのぼって外国人は日本株を月間ベースで8回買い越し、8勝2敗だった。ちなみに昨年10月は現物で9600億円強の大幅買い越しとなっていた。外国人にとって9月は売り越しの月(1勝9敗)であり、その代わり10月に仕切り直して買い越しに転じるのが強力なアノマリーだ。持論を曲げた10月解散表明で物議を醸した石破新首相だが、外国人によほど嫌われない限り、マーケットからは政権に追い風が吹くタイミングとなる可能性もある。
あすのスケジュールでは、対外・対内証券売買契約、10月の日銀当座預金増減要因見込みが朝方取引開始前に発表されるほか、午前中に10年物国債の入札が行われる。また、午後取引時間中には日銀から需給ギャップと潜在成長率が開示される。海外では8月の豪貿易収支のほか、米国では週間の新規失業保険申請件数が注目される。このほか、9月の米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況感指数、8月の米製造業受注などに対するマーケットの関心が高い。なお、中国、韓国市場は休場。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/10/02 17:00
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=JPHD、事業環境に追い風
JPホールディングス<2749.T>は9月20日に年初来高値772円をつけたあと押し目を形成しているが、業績拡大期待を背景に先高感は強く、ここは狙い目と考えたい。
「異次元の少子化対策」の効果が業績に表れてき始めたことに注目したい。8月13日に発表した第1四半期(4~6月)連結決算は営業利益が13億9800万円(前年同期比61.1%増)と大幅増益となったが、認可保育園からこども園へ4園移行したことや、新規施設の開設などが寄与したほか、「対人数の変更」(4・5歳児の預かり児童数に対応した保育士の配置基準の見直し)による補助金の増加などが収益に貢献。特に同社は、既に保育士の配置人数を増員していたことから業績へのインパクトが大きかった。
第2四半期以降も「対人数の変更」の業績への大きなインパクトが期待できる。同社では「対人数の変更」や「こども誰でも通園制度」などの影響は計画に織り込んでいないとしていることから、通期営業利益予想の47億5100万円(前期比3.6%増)は上振れの可能性が大きい。
更に来期からは1歳児も「対人数の変更」が適用見込みであり、今期以上のインパクトが期待できる。その後も、「こども誰でも通園制度」の開始も同様にプラスに働く。また、東京都認証学童保育のスタートなどもあり、同社に対する追い風は事欠かない。調査機関によっては25年3月期営業利益58億円、26年3月期66億円前後を見込むところもある。(仁)
出所:MINKABU PRESS
2024/10/02 10:00
みんかぶニュース コラム
2日の株式相場見通し=大幅反落か、中東の地政学リスクが重荷
2日の東京株式市場は主力株をはじめ再びリスク回避ムードが強まるなか買いが手控えられ、日経平均株価は大幅反落となる可能性が高い。3万8000円大台近辺の攻防となることが予想される。前日の欧州株市場では高安まちまちながら、独DAXや仏CAC40がいずれも続落するなど主要国は軟調な地合いが目立った。中東情勢の緊迫化が嫌気され売りを誘う形となった。米国株市場でも中東での有事リスクを警戒し景気敏感株やハイテク株など総じて売られ、ナスダック総合株価指数の下げが相対的に大きくなっている。イランがイスラエルに向けて弾道ミサイルを発射したことが伝わるなか、WTI原油先物価格が急伸したことも見送りムードを助長、ダウ、ナスダック指数とも終盤に下げ幅を広げた。恐怖指数とも呼ばれるVIX指数は急上昇し、一時9月11日の取引時間中以来となる20ポイント台まで水準を切り上げた。東京市場も地政学リスクが株価の重荷となることが予想される。日経平均は週明けの急落の反動で前日はリバウンド狙いの買いが優勢となったが、値幅的には前々日の下げ分の半値戻しにも届かなかった。引き続き石破新政権の政策スタンスに対する警戒感が拭えず、積極的な買いが入りにくい。外国為替市場でも方向感の定まらない動きとなっており、取引時間中は中国株市場が国慶節で休場ということもあって、ドル・円相場の動向や米株価指数先物の値動きに左右される地合いとなりそうだ。
1日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比173ドル18セント安の4万2156ドル97セントと4日ぶり反落。ナスダック総合株価指数は同278.811ポイント安の1万7910.359だった。
日程面では、きょうは9月のマネタリーベース、9月の消費動向調査、9月の財政資金対民間収支、全国証券大会など。また、海外ではポーランド中銀が政策金利を発表し、8月のユーロ圏失業率に注目が集まる。このほか米国では9月のADP全米雇用リポートが開示され、ボウマンFRB理事の講演も予定されている。
出所:MINKABU PRESS
2024/10/02 08:00
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=新政権の勝ち筋を探る、「防衛関連」が躍動
名実ともに10月下期相場入りとなった1日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比732円高の3万8651円と大きく切り返した。前日は石破茂新総裁の誕生を受け、2000円近い暴落の洗礼を浴びせたマーケットだったが、さすがに売られ過ぎとみたのか、きょうは素直にリバウンド局面へと移行した。
今月27日の総選挙まで1カ月の猶予もないが、それだけに石破新総裁は発言に細心の注意を払うはずである。金融所得課税の強化など財務省寄りの発言は封印し、経済対策について具体的な言及はないまでも、マーケットフレンドリーなコメントに終始することは想像に難くない。経済政策を軽視しているということはないはずだが、確固たるポリシーを持っているようにはあまり見えないゆえ、手っ取り早くといえば語弊があるが、岸田路線を継承する意向を明示している。とするならば、岸田政権下で導入された新NISAの梯子を外すようなコメントはできない。金融所得課税の強化は「富裕層がターゲット」と言えば、株式市場は安堵するかといえば絶対にそれはあり得ないことで、今回その相場の不文律を新総裁は理解したはずである。こうなると、ショート筋も先物を絡めた売り仕掛けなどは難しく、当面は下値にセーフティーネットが敷かれているような相場環境と考えられる。
きょうは日経平均が大幅反発したとはいえ、前日の半値戻しにも届かず自律反発の領域にとどまっているが、外国為替市場の円安方向への揺り戻しを味方につけて、とりあえずリスクオフの流れは堰き止めた。一つ明るい材料としては、石破新政権を評価する方向でテーマ株物色の流れが形成されたこと。つまり、防衛関連株への買いが一気に加速したことが特筆される。今回の組閣人事では解消されたはずの自民党内の派閥抗争の実態が色濃く反映されたものとなったが、注目点はそれ以外にもあった。それは「防衛族で固められた内閣」であること。「軍事オタク」と呼ばれる石破氏は言うまでもなく、防衛大臣に起用された中谷元氏は再登板で元陸上自衛官という筋金入りの防衛族であることは知られている。だが、市場筋は「それ以外でも小野寺政調会長、林官房長官、岩屋外務大臣、浜田衆院議運委員長が防衛大臣経験者、長島首相補佐官は民主党・野田政権時代に防衛副大臣を務めた。防衛という2文字で塗り込められた内閣」(ネット証券マーケットアナリスト)とする。名は体を表すというが、今回の内閣はそのまま政策姿勢を表している、というのである。
前日の相場は拒絶反応が先に立ったが、きょうは内閣の顔ぶれを見て、投資マネーは買いの手掛かりを目ざとく察知したようだ。そうしたなか、何と言っても圧巻だったのが、三菱重工業<7011.T>のパフォーマンスである。防衛省との取引額では群を抜いており、文字通り“リアル防衛関連”の旗艦銘柄といってよい。きょうは、売買代金トップ常連のレーザーテック<6920.T>を押しのけ、断トツの商いをこなしながら大幅高に買われた。更に、値上がり率上位は防衛関連株のオンパレードとなった。値上がり率上位10傑に三井E&S<7003.T>、東京計器<7721.T>、日本製鋼所<5631.T>、川崎重工業<7012.T>、カーリット<4275.T>、新明和工業<7224.T>、そして三菱重と実に7銘柄がランクインしている。
これらは重量級の銘柄が多いが、今後このテーマに波状的に物色の矛先が向くのであれば、中小型の値の軽い銘柄群にも高い確率で投資マネーは波及しそうだ。きょうの値上がり率ベストテンの中ではカーリット<4275.T>が小型で投資指標面からも割安であり、引き続き上値妙味がありそうだ。このほか、防衛関連の常連銘柄であった石川製作所<6208.T>は業績も好調で今期は復配見通しにあり、改めて見直し買いの対象に浮上しそうだ。また、株価3ケタ台で値ごろ感のある重松製作所<7980.T>も今期は営業2割増益見込みで、PERが10倍割れ、PBR0.6倍という安値水準に放置されている。
また、石破新総裁は「防災省」の創設を目指す意向を示している。これも防衛関連の姉妹テーマである防災関連に投資資金を誘導しそうだ。防災分野を中心にクラウド事業を展開するドーン<2303.T>は増収増益トレンドをまい進中で、株価も動意含みだ。
あすのスケジュールでは、9月のマネタリーベース、9月の消費動向調査、9月の財政資金対民間収支、全国証券大会など。また、海外ではポーランド中銀が政策金利を発表し、8月のユーロ圏失業率に注目が集まる。このほか米国では9月のADP全米雇用リポートが開示され、ボウマンFRB理事の講演も予定されている。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/10/01 17:00
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=インフォR、業績変貌期突入で押し目買いチャンス
INFORICH<9338.T>はスマートフォン向けモバイルバッテリーのシェアリングサービスを展開するというユニークな業態で、国内で約8割と群を抜くシェアを誇っており、足もとの業績も急拡大している。24年12月期は営業利益段階で前期比2.7倍の16億3500万円と変貌を見込むが、これでも保守的とみられ一段の増額修正が視野に入る。バッテリースタンドはコンビニエンスストアや携帯ショップ、駅、空港などに設置されるが、その台数はおよそ4万台。最近は証明写真BOXや自動販売機にバッテリースタンドを埋め込むモデルなど工夫も施され、需要取り込みが加速しそうだ。
株価は9月20日に戻り高値4625円を形成後に調整を入れているが、4000円を割り込む場面は買い場と判断される。3800円近辺に位置する75日移動平均線がサポートラインとして強く機能しそうだ。上値は中勢5000円を目指す展開へ。(桂)
出所:MINKABU PRESS
2024/10/01 10:00
みんかぶニュース コラム
1日の株式相場見通し=反発、円安を背景に目先買い戻し局面へ
1日の東京株式市場は前日の急落の反動で日経平均はリバウンドに転じる可能性が高い。外国為替市場では1ドル=143円台後半の推移と大きく円安方向に振れており、これが全体相場にポジティブ材料となる。前日の欧州株市場では主要国の株価が総じて軟調な値動きとなった。最高値街道を走っていた独DAXが利益確定売りで3日ぶりに反落したほか、仏CAC40は構成される40銘柄のうち39銘柄が下落、指数も2%の下げとなっている。この流れを受けて米国株市場もはっきりしない地合いとなったが、NYダウは取引時間中にほぼマイナス圏で推移したものの、引け際に急速に水準を戻しわずかながら高く引け連日の過去最高値更新となった。この日の午後に行われたパウエルFRB議長の講演では、今後の利下げについてそれほど積極的な姿勢を示さなかったことで、米長期金利が上昇し全体相場の上値を重くした。ただ、パウエル氏の講演を受け米経済に対する不安心理も後退しており、下げ圧力が強まることはなく、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数の方も上昇して引けている。東京市場では前週末の自民党総裁選で石破茂氏が新総裁に選出されたことを受け、日経平均が一時2000円を超える暴落に見舞われたが、きょうは更に下値を売り込む理由には乏しく、主力株を中心に広範囲に買い戻される公算が大きい。取引時間中は為替市場の動向などに左右されるケースもありそうだが、終始強調展開が見込まれる。
30日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比17ドル15セント高の4万2330ドル15セントと3日続伸。ナスダック総合株価指数は同69.580ポイント高の1万8189.170だった。
日程面では、きょうは8月の有効求人倍率、8月の失業率、9月の日銀全国企業短期経済観測調査(日銀短観)、日銀金融政策決定会合の主な意見(9月19~20日開催分)、9月の新車販売台数、9月の軽自動車販売台数など。海外では8月の豪小売売上高、9月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値、9月の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数、8月の米建設支出、8月の米雇用動態調査(JOLTS)、クックFRB理事の講演など。なお、中国、香港、韓国市場は休場となる。
出所:MINKABU PRESS
2024/10/01 08:00
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=クラッシャー石破、株価復元へ遠き地平
週明け30日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比1910円安の3万7919円と急反落。きょうで名実ともに波乱の9月相場が幕を閉じ、あすから10月相場、つまり25年3月期の下期相場入りとなる。8月ほどではないが、9月も前半に大きく下値を探る展開を強いられ、その後は売られた分をすべて取り戻すという上下にボラティリティの高い相場が演出された。しかし、月末になって想定外の激震に見舞われる格好となった。
海外株市場の動向をみる限り株式市場はグローバルではリスクオンである。直近にきて中国上海総合指数と香港ハンセン指数は、ロケット打ち上げを思わせるような俗に言う“火柱高”をみせている。これは特異な例としても、欧州株市場ではドイツの主要株価指数であるDAXが史上最高値圏を更新するなど強気優勢の地合いに陰りはなく、米国株市場でも前週末27日にNYダウが最高値街道に復帰している。
だが、東京市場は“石破ショック”の様相を呈し別世界に迷い込んだ。これは海外株高によるリスクオンの流れを完全に遮断するインパクトがあった。石破新総裁誕生はサプライズだったがそれだけではない。その後の組閣人事も含め、まさに解消したはずの派閥の力学がフルに反映された自民党総裁選の結果であった。市場では「永田町が“政治屋”の集まりであることが今回のイベントで浮き彫りになり、それが株式市場でアナフィラキシー反応的な売りにつながった面もある」(ネット証券ストラテジスト)と表現する。このショック安で、ネット証券では足もと想定外のタイミングで追い証が発生しているという。
今回、13人が初入閣とはいえ刷新されたイメージには程遠く、論功行賞という言葉があまりにも当てはまる組閣人事であった。安倍政権時代の官房長官をあれだけ長く務めた女房役の菅義偉前首相が、アベノミクス批判の急先鋒だった石破政権で副総裁を務めるという違和感。これに、本来は党員支持の多い方に投票するはずの旧岸田派の逆モーションも加わった。一方、キングメーカーの座を追われた麻生太郎副総裁を党最高顧問としての肩書で棚に押し上げ、麻生氏が推した河野太郎デジタル相のほか、上川陽子外相の名前も見られない。上川氏は決選投票で石破氏に票を投じたことを公言したが、今回の出馬に際し、推薦人を麻生派に頼り駆け込みで確保した経緯がある。今回も結局「派閥もどき」の総裁選となり、皮肉にも唯一の派閥を維持している麻生派が、結果的に逆目を引く格好となった。
麻生派では鈴木俊一前財務大臣が総務会長に選出されたが、これは高市早苗経済安全保障担当相に打診して断られたポストがあてがわれた。石破新総裁は2012年の総裁選の際に安倍元首相に決選投票で逆転負けを喫したが、組閣では幹事長に起用された経緯がある。その伏線があることは当然承知のうえ、今回、高市氏が幹事長ポストではなく総務会長が提示された時点で固辞したのは、突っぱねるよりなかったというのが本当のところかと思われる。また、総務大臣に村上誠一郎元行政改革担当相を起用したことも強烈な印象を与えた。反アベノミクスを旗幟鮮明とすることで、「水面下では清和会と宏池会の最終決戦の様相を呈してきた」(ネット証券マーケットアナリスト)と指摘する声も聞かれる。
問題は株式市場が早晩立ち直れるのかどうかという点。石破新総裁は10月27日の解散総選挙を前に、経済を映す鏡である株式市場に無頓着というわけにはいかない。金融所得課税の強化は当面眼中にはないと明言し、賃金上昇や物価高抑制などを政策面で支援する構えをリップサービスであっても明示してくるはず。となれば、先物を絡めて売りを仕掛けるような動きも封印されそうだが、かといって3万8000円近辺が買い場という確信は持てない。市場では「近々発表される世論調査の結果をみるまでは方向感がつかめず、見切り発車で買い出動するのはリスクも大きい」(前出のアナリスト)とする。
あすのスケジュールでは、8月の有効求人倍率、8月の失業率、9月の日銀全国企業短期経済観測調査(日銀短観)、日銀金融政策決定会合の主な意見(9月19~20日開催分)、9月の新車販売台数、9月の軽自動車販売台数など。この日は東証スタンダード市場にシマダヤ<250A.T>が新規上場する。海外では8月の豪小売売上高、9月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値、9月の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数、8月の米建設支出、8月の米雇用動態調査(JOLTS)、クックFRB理事の講演など。なお、中国、香港、韓国市場は休場となる。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/09/30 17:00
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=前田工繊、防災関連株として注目
前田工繊<7821.T>に注目したい。同社は土木・産業資材大手で地盤補強材などが主力。株式市場では防災関連株として人気を誇っている。24年6月期の連結営業利益は前の期比26.4%増の107億3600万円と好調。公共事業関連資材への需要でソーシャルインフラ事業が伸びたほか、インダストリーインフラ事業で自動車ホイール関連も堅調だった。25年6月期の同利益は前期比4.3%増の112億円と最高益の見込みだ。
豪雨や台風、地震など災害が相次ぐなか、自民党新総裁に就任した石破茂氏は「防災省」創設を提唱しており、同社株が改めて関心を集めそうだ。今期同利益は120億円前後への増額観測も出ており株価も上昇基調を強めそうだ。(地和)
出所:MINKABU PRESS
2024/09/30 10:00
みんかぶニュース コラム
30日の株式相場見通し=急落、石破氏の総裁選勝利で波乱展開に
30日の東京株式市場は主力株をはじめ大きく売り優勢に傾くことが避けられない。日経平均は大幅反落となり一気に3万9000円台を割り込む展開が予想され、場合によっては3万8000円台を下回るような波乱の様相を呈することも考えられる。前週末の欧州株市場は主要国の株価が総じて上昇し、独DAXは連日の最高値更新と気を吐いた。米国株市場ではハイテク株が軟調気味な推移でナスダック総合株価指数は安かったものの、景気敏感株を中心に頑強な値動きとなり、NYダウの方は最高値を更新した。注目されたPCEデフレーターは3年半ぶりの低い水準となり、事前コンセンサスを下回る内容だった。また、同日発表されたミシガン大学の9月の米消費者態度指数確報値が速報値から上方修正された。2つの経済指標はインフレが沈静化する一方、個人消費の底堅さを示唆する内容となり、投資家の心理改善につながっている。ただ、東京市場では欧米株高を引き継ぐことができそうもない。前週末に投開票された自民党総裁選で、マーケットが期待した高市早苗経済安全保障担当相ではなく、金融所得課税強化などに言及する石破茂元幹事長が選出されたことが嫌気される形となることが予想される。その後に明らかとなった内閣や党役員の顔ぶれも目新しさに乏しく、解消されたはずの派閥の力学が色濃く反映されたもので、これも全体株価の下げを助長する公算が大きい。外国為替市場で1ドル=142円台前半まで急速にドル安・円高が進んだことも輸出セクターを中心にネガティブに働くほか、中東での地政学リスクが再燃していることも警戒されそうだ。
27日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比137ドル89セント高の4万2313ドル00セントと続伸。ナスダック総合株価指数は同70.701ポイント安の1万8119.590だった。
日程面では、きょうは8月の鉱工業生産速報値、8月の商業動態統計、8月の住宅着工統計など。海外では9月の中国製造業PMI、9月の中国非製造業PMI、9月の独CPI、米国ではパウエルFRB議長の講演など。
出所:MINKABU PRESS
2024/09/30 08:01
みんかぶニュース コラム
来週の株式相場に向けて=「石破新総理」誕生後の相場を織り込む
27日の株式市場は、自民党総裁選に大きく左右された。午後1時から投開票が始まった自民党総裁選では、高市早苗経済安全保障相と石破茂元幹事長が決選投票に進出した。第1回投票で最多得票となった高市氏は低金利政策の維持と積極財政を主張していることから、為替相場では1ドル=146円台に円安が進行し、株式市場でも買いが膨らんだ。
特に、日経平均株価の上昇幅は900円を超える高値引けとなり3万9800円台に上昇。7月中旬以来、約2カ月ぶりの水準に上昇した。「マーケットは高市総理の誕生を織り込んでいった」(市場関係者)とみられている。
しかし、午後3時過ぎに公表された決選投票の結果は石破氏が勝利し、自民党の新総裁に選出された。石破氏勝利の結果、為替市場では午後4時時点で一時143円割れまで一転して円高が進行。日経平均株価も時間外取引で急落している。
今後は10月1日に臨時国会が召集され、石破氏が新総理に選出される見通しだ。「アベノミクス」の継承を打ち出していた高市氏と異なり、石破氏は株式市場にとっては評価が難しい新総理となりそうだ。特に、石破氏は「金融所得課税の強化」に意欲を示したことを警戒する見方がある。アナリストからは「あっても一部の富裕層に限るもので大幅な課税強化はないだろう」との声はあるが、金融市場への不安を取り除くことが今後の課題となりそうだ。
今日の大幅高の反動で、来週30日の日経平均株価は急落も予想され、株式市場は目先的には石破氏を軟調な値動きで迎える可能性がある。その一方、裏金問題に前向きな取り組みをみせることで政治への不信感を取り除くことなどが期待される。新総理誕生で内閣支持率が上昇すれば、株式市場にもプラス要因だろう。個別銘柄では、鳥取県が本社の寿スピリッツ<2222.T>や地方創生関連のチェンジホールディングス<3962.T>、雨風太陽<5616.T>、バルニバービ<3418.T>など。それに、三菱重工業<7011.T>や川崎重工業<7012.T>といった防衛関連株は引き続き人気を集めることが予想される。
上記以外では、来週も米国の景気動向が高い関心を集めそうだ。特に10月4日に米9月雇用統計が発表される。また、雇用統計に先立ち1日に米9月ISM製造業景況指数、米8月JOLTS求人件数、2日に米9月ADP雇用統計、3日に米9月ISM非製造業景況感指数と重要経済指標は目白押しだ。
国内では、1日に日銀短観が発表される。同日に8月失業率・有効求人倍率、9月開催分の日銀金融政策決定会合の「主な意見」が公表される。30日にしまむら<8227.T>、アダストリア<2685.T>、1日に象印マホービン<7965.T>、ナガイレーベン<7447.T>、2日に西松屋チェーン<7545.T>、霞ヶ関キャピタル<3498.T>、3日にキユーピー<2809.T>、不二越<6474.T>、4日に安川電機<6506.T>、ハイデイ日高<7611.T>が決算発表を行う。1日にシマダヤ<250A.T>が新規上場する。来週の日経平均株価の予想レンジは、3万8000~3万8900円前後。(岡里英幸)
出所:MINKABU PRESS
2024/09/27 17:25
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=Appier、世界展開する好業績のAI関連株
Appier Group<4180.T>の株価上昇に注目したい。同社は企業向けにAIを活用したマーケティング支援を提供。日本をはじめ米国や欧州、中国を含むアジアと幅広い地域で事業を展開している。8月の全体波乱相場に巻き込まれ900円台に突っ込む場面があったが、好業績を背景に急速な戻り足をみせ、足もとは1800円前後で推移している。
直近決算の24年12月期上期業績は営業8.7倍増益と急拡大。主要重点地域の北東アジアや欧米などが想定を上回る成長をみせたことが寄与した。会社側では下期も良好な見通しという。上期決算とあわせ同社初となる自社株買いの実施を発表しており、株主還元に注力する姿勢を示している。(イ)
出所:MINKABU PRESS
2024/09/27 10:00
みんかぶニュース コラム
27日の株式相場見通し=続伸、欧米株高を受けリスク選好続く
27日の東京株式市場は主力株をはじめ広範囲に買いが続き、日経平均株価は大幅続伸となりそうだ。フシ目の3万9000円台を大きく回復する可能性が高い。前日の欧州株市場はほぼ全面高商状となり、独DAXは史上最高値を更新、仏CAC40なども2.3%高と上げ幅が大きくなっている。中国が26日に打ち出した追加の景気刺激策が好感されており、日本や中国、香港などアジア株の大幅上昇を受け、リスク選好ムードが高まった。一方、米国株市場でもNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに上昇した。また、機関投資家がベンチマークとして重視するS&P500指数は史上最高値を更新している。この日に発表された米新規失業保険申請件数が市場の事前コンセンサスを下回ったことで、労働市場が懸念するほど弱くはないとの見方が広がった。また、個別株では中国関連である建設機械最大手のキャタピラー<CAT>などが上昇しダウ押し上げに貢献した。東京市場では前日に日経平均が大きく水準を切り上げ、1000円を超える上昇で高値引けとなったが、欧米株高を受け引き続き上値を指向する展開が予想される。外国為替市場では一時1ドル=145円台までドル買いが進むなど円安に振れていることも追い風となる。きょうは、午後に自民党総裁選の投開票が行われるが、その結果次第では不安定な値動きとなることも考えられるが、終始リスクオンの流れは維持されそうだ。
26日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比260ドル36セント高の4万2175ドル11セントと反発。ナスダック総合株価指数は同108.086ポイント高の1万8190.291だった。
日程面では、きょうは9月の都区部消費者物価指数(CPI)、7月の景気動向指数改定値など。また、午後1時から自民党総裁選の投開票が行われる。海外では1~8月期の中国工業企業利益、8月の米個人所得・個人消費支出、PCEデフレーター、9月の米消費者態度指数(ミシガン大学調査・確報値)も発表される。
出所:MINKABU PRESS
2024/09/27 08:00
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=10月相場も半導体狂騒曲は続く
きょう(26日)の東京株式市場は日経平均株価が前営業日比1055円高の3万8925円と急反発。引け際、吸い込まれるように高値引けとなった。値上がり銘柄数は1580とプライム市場の96%を占有し、マーケットはまさにリスクオン一色に染まった。
自民党総裁選の投開票をあすに控えるなか、しかも直前になっても誰が総裁の座を射止めるのか予想がつかないという状況にかかわらず、日経平均は待ちきれないように上値を突き進む展開となっている。きょうは9月の権利付き最終売買日にあたり、駆け込みでの配当権利取り絡みの買いが全体を支える、というのが一つの相場セオリーとなっている。だが、そんな特殊事情など眼中にないといわんばかりの怒涛の買いが押し寄せた。日経平均は3万8000円台前半を横に走る中期波動の分水嶺・75日移動平均線の上に綺麗に陽線を乗せてきた。この75日線は日経平均の戻りの難所で、累積売買代金が最も積み上がっている水準とも合致している。したがってここを完全クリアすると相場の視界が一変し、投資マインドも「乗り遅れてはならない」というムードに切り替わる。
総裁選は高市早苗経済安全保障担当相の勝利がマーケット目線では渇望されている。それを読み切っているということなのか。仮にそうであれば、相場の先見性恐るべしというよりないが、冷静にみて石破茂元幹事長が選出される可能性も十分にある。また、政策討論では失速を余儀なくされたとみられる小泉進次郎元環境相も、国会議員からの人気度は依然として高く、決選投票に残れば逆転できるポジションにある。
各人が看板とする政策テーマがあり、誰が総裁の座につくかで相場の物色対象も変わるため、見切り発車でのテーマ買い参戦はリスクも大きい。ただ、誰であってもネガティブにならない鉄板セクターもある。それが、防衛関連と半導体関連である。これらは次期政権でも間違いなく国策の要衝を担う。防衛大臣の経歴がある石破氏はもとより、高市氏も国家の主権と名誉を守り抜くという決意のもと、中国を意識したうえで日本の防衛力強化は是が非でも必要という姿勢を示す。防衛のシンボルストックである三菱重工業<7011.T>が大商いを伴って鮮烈な上値追いをみせているのは、総裁選の結果によって色褪せるテーマではないということを投資マネーが見越している証左だ。また、川崎重工業<7012.T>、IHI<7013.T>などもリアル防衛関連として同じ背景で買われている。
では、半導体はどうか。TSMCの日本誘致、日の丸半導体ラピダスの最先端半導体量産準備などをはじめ、米国をバックとした半導体政策はもはや立ち止まることはできない勢いで動き出している。そして、今回の半導体復権相場で最も強い光を放っているのがアドバンテスト<6857.T>だ。これまでの半導体大相場で、売買代金首位はレーザーテック<6920.T>の指定席ともなってきたが、株価パフォーマンスでは主役がかなり入れ替わっている。直近では7月までディスコ<6146.T>が筆頭人気だった。アドテストはどちらかというと地味な値動きで上値の重い印象だったが今回は違う。同社株は中長期で7000円大台ラインが強力な抵抗ラインとなっているが、ここを上抜くかどうかという場面にある。仮に、この難所をブレークすれば2月につけた上場来高値7456円の奪回を指呼の間に捉える。他の半導体主力株と比べれば波動の違いは瞭然であり指標株としてマークしたい。
このほか半導体周辺株でまだ見落とされている銘柄としては、半導体向けレーザーで高技術を持つオキサイド<6521.T>、半導体加工で需要な役割を担うダイヤモンド工具大手の旭ダイヤモンド工業<6140.T>、名古屋地盤の半導体商社の萩原電気ホールディングス<7467.T>、半導体実装用テープなど半導体材料で実績の高い巴川コーポレーション<3878.T>。そして、メーカー機能と商社機能を併せ持つ、東京エレクトロン<8035.T>のミニチュア版のような技術立社ダイトロン<7609.T>も面白いポジションにいる。
あすのスケジュールでは、9月の都区部消費者物価指数(CPI)、7月の景気動向指数改定値など。また、午後1時から自民党総裁選の投開票が行われ、マーケットの視線が集中する。この日はIPOが1社予定されており、東証グロース市場にAiロボティクス<247A.T>が新規上場する。海外では1~8月期の中国工業企業利益が開示。そして米国では8月の個人所得・個人消費支出、PCEデフレーターに市場の注目度が高い。このほか、9月の米消費者態度指数(ミシガン大学調査・確報値)も発表される。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/09/26 17:00
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=アルトナー、技術者の要請多く単価上昇
アルトナー<2163.T>は技術者派遣が主力事業。自動車関連メーカーにおける環境対応車の開発が活発なことが追い風となっているほか、生成AI向けの半導体需要の拡大で半導体製造装置関連メーカーからの技術者要請も旺盛だ。
足もとでは技術者数の増加に加えて稼働率も高水準で、技術者単価も上昇。また、売上高比率は小さいものの、請負・受託事業も堅調に推移している。9月9日に公表された25年1月期第2四半期(2~7月)の単独営業利益は前年同期比8.9%増の9億6000万円となり、通期計画16億9600万円に対する進捗率は56.6%となっている。
株価は戻りの鈍い展開が続いているが、日足チャートでは25日移動平均線と75日移動平均線が徐々に接近。ゴールデンクロスが実現すれば上げに弾みがつきそうだ。(参)
出所:MINKABU PRESS
2024/09/26 10:00