みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=弾丸リバウンド相場と政権交代の足音
配信日時:2025/03/18 17:30
配信元:MINKABU
きょう(18日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比448円高の3万7845円と続伸。前週末から世界的にリスクオフの巻き戻し局面に入っており、前日は欧州各国の株価が文字通りの全面高商状となり、米国株市場でもその延長線上で強調相場となった。ハイテク株の動きは鈍かったものの、NYダウが350ドルあまりの上昇と戻り足を継続。ダウは前週10日から13日までの4営業日で約2000ドルの急落に見舞われたが、前週末14日と週を跨いだ17日の2営業日で1000ドル強戻した。目まぐるしい動きながら綺麗に下げの半分を取り戻した勘定で、投資家の不安心理は相応に改善した。
東京市場もハイボラティリティな地合いである。昨年9月下旬から今年2月上旬にかけて日経平均はおよそ5カ月間にわたり3万8000円から4万円のレンジ相場を続けたが、3月に入ってそのボックス下限を踏みぬく形で下値を大きく試す波乱の展開となった。市場関係者の中には昨年8月初旬の大暴落(3営業日合計で7600円強の下落)に対する2番底を摸索する動きに入ったと見る向きもあった。
今回、値ごろ感からの逆張りは危険であるとの認識が市場筋にも広がっていたが、そうはならなかった。AIアルゴリズムのシステマチックな売りの後には、必ずと言っていいほどそのアンワインド局面が訪れる。理詰めでAIトレードに先回りするのはなかなか困難であり、結局後づけ講釈になってしまうのがお決まりのコースである。何も考えずにというと語弊があるが、海外投資家の売りに淡々と買い向かった個人投資家が、結果オーライでリバウンドの恩恵にあずかるパターンが多い。今回もそれに倣う値動きとなった。
ただ、きょうは一時3万8000円大台ラインに乗せたとはいえ、すかさず戻り売りを浴び終値では3万7000円台に押し戻された。累積売買代金が積み上がった3万8000円絡みの水準が、上値抵抗ラインとなるケースも考慮され、仮にこのまま3万8000円台に戻し切れなければ、ボックス圏が一段切り下がったことを認めざるを得なくなる。その場合、ボックス下限はどこかといえば、3月11日に下ヒゲで一瞬割り込んだ3万6000円近辺ということになる。つまり、中期視野で今は上昇相場の途上にはないというコンセンサスが次第に強まる可能性がある。
米国株のバリュエーション調整はまだ完了しておらず、迷走気味のトランプ米政権下で波乱要素を内在させている。とりわけ今週は中銀ウィークであり、イベントリスクも意識されるタイミングにある。あす19日には日銀の金融政策決定会合の結果が昼ごろに発表され、午後取引終了後には植田日銀総裁の記者会見が予定される。そこから半日遅れで日本時間20日未明にFOMCの結果発表と30分おいてパウエルFRB議長の記者会見という運びとなる。もっとも、日本は「利上げ」、米国は「利下げ」が俎上に載っているとはいえ、今回は日米ともに現状維持というのが既定路線となっている。会合後の記者会見におのずと耳目が集まるが、「植田氏もパウエル氏も次回会合での金融政策に対してサジェストするような時間軸になく、努めて当たり障りのない発言にとどめるだろう」(中堅証券ストラテジスト)という見方で、株式市場への影響は良くも悪くも限定的となりそうだ。
国内では政局がまたぞろ意識され始めた。石破首相は法に触れることのない10万円の商品券配布で、まさか退陣危機に遭遇するとは考えていなかったのではないか。「歴代首相の慣例」ともいうが、これを石破首相の口から主張することはおそらく政治的に無理がある。状況的には何かしらの力が働いて石破おろしの動きが加速し始めたことを意味する。そもそも防衛関連株が急速に人気化する過程において、国防族で固めた石破政権の存在感がマーケットで意識されていなかった点で、政権の持続可能性の乏しさを暗示している。
あすのスケジュールでは、日銀金融政策決定会合の結果発表が行われるほか、引け後に植田日銀総裁の記者会見が予定される。朝方取引開始前に開示される1月の機械受注、2月の貿易統計にもマーケットの関心が高い。午後取引時間中には1月の鉱工業生産確報値が発表される。午後取引終了後に発表される2月の訪日外国人客数も注目度が高い。なお、この日は東証プライム市場にJX金属<5016.T>が東証スタンダード市場にメディックス<331A.T>が新規上場する。海外では、インドネシア中銀やブラジル中銀が政策金利を発表、2月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)確報値が予定され、米国ではFOMCの結果発表と、パウエルFRB議長の記者会見が行われ、その内容に世界の耳目が集まる。(銀)
出所:MINKABU PRESS
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