みんかぶニュース コラムニュース一覧

みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=アークス、インバウンドとラピダス特需で追い風吹く  アークス<9948.T>は中期下落トレンドにあったが、調整十分で今が拾い場といえそうだ。北海道を地盤とするスーパーでM&A戦略の推進によって業容拡大を図っている。日の丸半導体新会社のラピダスが北海道千歳市に最先端半導体の量産を目指す新工場を建設中で、千歳市や札幌市などを中心に、中期的に北海道エリアの経済活性化が見込まれる状況にある。当然、ラピダス関連の大幅な人員増加が消費動向にも反映されそうで、同社への追い風は強い。このほか、訪日観光客にも北海道は人気スポットであり、インバウンド特需も収益成長を後押しする。  25年2月期業績は売上高が前期比4%増の6130億円予想と過去最高更新を見込み、営業利益は同3%増の173億円予想で21年2月期に記録したピーク利益177億4800万円に肉薄する見通しにある。株価指標面でも2000円台半ばの時価はPBR0.7倍台に過ぎず、割安感が顕著だ。(桂) 出所:MINKABU PRESS 2024/09/10 10:00 みんかぶニュース コラム 10日の株式相場見通し=反発、欧米株高と円安受け6日ぶり切り返す展開に  10日の東京株式市場は買い優勢の展開となり、日経平均株価は6日ぶりに反発する公算が大きい。前日まで日経平均は5日間で2500円近い下落をみせており、目先売られ過ぎた反動によるリバウンド局面が想定される。前日の欧州株市場は高安まちまちの展開ながら、ドイツやフランス、英国といった主要国の株価は総じて強さを発揮、独DAXや仏CAC40は5日ぶり、英FTSE100は7日ぶりに切り返す動きとなった。欧州時間のリスク選好の流れを引き継ぎ、米国株市場でも景気敏感株やハイテク株など幅広いセクターに買い戻しが優勢となった。前週末にかけての大幅な調整で値ごろ感が生じており、自律反発狙いの買いも活発化、NYダウは一時650ドルあまりの上昇でフシ目の4万1000ドル台を回復する場面もあった。前週末に発表された8月の米雇用統計の内容が懸念していたほどの悪い内容ではないとの認識が改めて広がったほか、今月17~18日の日程で行われるFOMCで利下げがほぼ確実視されていることも買い安心感につながっている。個別ではダウ構成銘柄のボーイング<BA>が3.4%高に買われ全体押し上げに寄与している。前日の欧米株高を受けて、今日の東京市場でも切り返す展開となりそうだ。外国為替市場で1ドル=143円台まで円安方向に振れていることも輸出セクターを中心に追い風となる。ただ、米国で現地時間10日に行われる大統領選候補者のテレビ討論会の内容を見極めたいとの思惑があるほか、日経平均は前日の後場に急速に下げ幅を縮小するなど、欧米株高に先立って買い戻しの動きが目立っていた分、上値は限定的なものにとどまる可能性がある。  9日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比484ドル18セント高の4万829ドル59セントと反発。ナスダック総合株価指数は同193.771ポイント高の1万6884.603だった。  日程面では、きょうは8月のマネーストック、5年物国債の入札、7月の特定サービス産業動態統計、8月の工作機械受注額(速報値)など。海外では8月の中国貿易統計、8月の英失業率など。 出所:MINKABU PRESS 2024/09/10 08:01 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=暗闇で旋回するジェットコースター相場  週明け9日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比175円安の3万6215円と続落。きょうの取引開始前の段階で先物は1200円あまりの下げで、3万5000円台割れも止むなしというムードが漂っていた。9月に入ってからの米国株の変調もさることながら、足もと外国為替市場で再び円高圧力が強まっており、それに日経平均先物をリンクさせたシステマチックな売りが全体相場に重くのしかかる状況にある。  しかし、相場はアマノジャクで全体にあきらめムードが漂うと案外下げないもの。きょうは前もって先物に投影されたように日経平均は一時1100円を超える急落をみせたのだが、そこを起点に一貫して下げ幅を縮小し、気が付けば3万6000円台に回帰、前週末終値まであと200円未満に迫る水準まで下げ渋った。かといってプラス圏までは戻し切れず、大引け間際まで下げ幅を広げたり縮めたりという、まさに前方視界不良、暗闇をハイスピードで旋回するジェットコースターの趣きである。  8月初旬の暴落は想定を超える苛烈さで投資家のマインドを凍り付かせたが、その後の戻り足も想定を超え、8月は月足でこれまで見たこともないような長い下ヒゲを形成した。しかし「二番底を警戒して、安いうちに買いポジションを高めることができた投資家は思った以上に少ない」(中堅証券ストラテジスト)という指摘もある。そのなか、「むしろもう一回、全体相場が仕切り直して(下げをみせて)くれれば買えるのに、、。」と思っていた向きも少なくなかったはずである。その仕切り直しが足もとで起こっているわけだが、いざ直面するとなかなか蛮勇を振るって買い向かうことができないのが人間心理というものだ。日経平均はこのまま横ばい圏でもみ合っていれば、黙っていても「日足一目均衡表」の雲抜けが迫っていた。ところが、広がる青空を目前に急降下、作っても作れないような漫画チックなチャートを形成している。  前週末発表された8月の米雇用統計は強弱入り交じる内容で、非農業部門の雇用者数の伸びはコンセンサスを下回ったが、失業率や平均時給は景気の冷え込みを示唆するものではなかった。しかし、過去にさかのぼって6月と7月発表分を下方修正したことが投資家の心証を悪くしたようだ。「FRBは(インフレ対応の時もそうだったが)またもや金融政策のタイミングを逃したのではないかという疑念が湧いた」(ネット証券アナリスト)ということだ。今週は10日のトランプVSハリスの大統領選・候補者テレビ討論と、11日の8月の米消費者物価指数(CPI)、そして12日には週間の米新規失業保険申請件数が注目の的となる。  一方、12日は国内では自民党総裁選の告示(27日に投開票)と、いよいよ次期総裁が誰になるかにマーケットの視線が釘付けとなる。今月の初め2日に“9月は小泉新総裁を織り込む相場”としたが、その流れが足もとで更に強まっている印象を受ける。関係者によると「キングメーカーは麻生氏ではなく菅氏の方で、菅氏が推す進次郎有利という見方が強い」という。フリーランス記者による「知的レベル云々」の直球ド真ん中の質問に見事にリターンエースを決めたような受け答えは、「出来過ぎている」つまり仕込みではないかという声も聞こえるが、としても解散総選挙をにらんで最強の人選という認識が菅元首相の後押しで永田町に広がっている雰囲気がある。  株式市場に目を向けると内需系小型株が優位の構図。個人消費周辺が強く、当欄で以前にも取り上げた100円ショップのワッツ<2735.T>のほか、「スーパーデリバリー」運営のラクーンホールディングス<3031.T>なども直近強調展開で年初来高値更新を射程にとらえており、注目しておきたい銘柄となる。  あすのスケジュールでは、8月のマネーストックが朝方取引開始前に日銀から開示されるほか、債券市場では午前中に5年物国債の入札が予定されている。午後取引時間中には7月の特定サービス産業動態統計が開示される。また、午後取引終了後には8月の工作機械受注額(速報値)が発表される予定でマーケットの関心が高い。海外では8月の中国貿易統計、8月の英失業率などが発表される。なお、この日から24日までの日程で第79回国連総会がニューヨークで行われる。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/09/09 17:01 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=エクシオG、配当利回り4%近辺で割安  エクシオグループ<1951.T>に注目したい。大手電気通信工事会社である同社の第1四半期(4~6月)の連結営業利益は前年同期比17.8%増の29億3800万円だった。通信キャリア向け売り上げが拡大したほか業務効率化などが寄与した。25年3月期の同利益は前期比5.5%増の360億円の見込み。生成AIの利用拡大で需要が高まるデータセンター向けの電気通信工事などが伸びるほか海外事業の採算改善が見込まれる。  今期配当は前期比で実質2円増の62円が計画されている。全体相場の下落で株価は調整局面にあるが、配当利回りは4%近い水準にあり割安感は強い。先行き5月につけた最高値1859円を目指す展開が期待できそうだ。(地和) 出所:MINKABU PRESS 2024/09/09 10:00 みんかぶニュース コラム 9日の株式相場見通し=大幅続落、米雇用統計発表後の米株安と円高を嫌気  9日の東京株式市場は主力株をはじめ広範囲に売りが加速する地合いとなり、日経平均株価は3万6000円台を大きく割り込む展開が想定される。前週末6日は欧州時間から世界同時株安の様相となった。欧州株市場では独DAXが1.5%安となったのを筆頭に主要国の株価が一斉に下値を探る展開を強いられた。米国株市場ではこの日の朝方取引開始前に発表された8月の米雇用統計が労働環境の軟化を示唆する内容と捉えられ、米経済先行きに対する警戒感が売りを誘発した。非農業部門の雇用者の伸びが14万2000人にとどまり事前の市場予想より約2万人少なかった。なお、6月と7月分の過去2カ月分についてはいずれも下方修正している。失業率についてはコンセンサスと並びの4.2%で前月との比較では低下したほか、平均時給の伸び率も事前予想を上回った。指標は強弱入り乱れ、米経済のソフトランディングを確信させるものではなかったが、一方で今月17~18日に開催されるFOMCで0.5%の利下げを決定づけるものでもなく、足もとでリスク回避ムードが強まった。東京市場では米雇用統計発表後の米株安を受け、買い手控え感が強まりそうだ。外国為替市場ではドル円相場が乱高下し、一時1ドル=142円近辺の攻防となるなど円高に振れており、これも輸出ハイテク株を中心にリスクオフの流れを助長しそうだ。内需の中小型株には逆行高する銘柄も出そうだが、全体相場を支える形は想定しにくい。  6日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比410ドル34セント安の4万345ドル41セントと続落。ナスダック総合株価指数は同436.829ポイント安の1万6690.832だった。  日程面では、きょうは4~6月期GDP改定値、7月の国際収支、8月の景気ウォッチャー調査など。海外では8月の中国消費者物価指数(CPI)、8月の中国の生産者物価指数、7月の米卸売在庫・売上高、7月の米消費者信用残高など。 出所:MINKABU PRESS 2024/09/09 08:01 みんかぶニュース コラム 来週の株式相場に向けて=“激動の秋”を視野に「内需・消費関連株」は復権するか  8月の大暴落相場の傷はなお癒えず、9月4日の日経平均株価は1638円安と大幅安を演じ、今日も一時400円を超す下落となった。今晩発表される米8月雇用統計への関心は高く、その結果次第で相場は大きく動く可能性がある。更に、11日の米8月消費者物価指数(CPI)、17~18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)、19~20日の日銀金融政策決定会合とビッグイベントが続く。  加えて、秋の日米政局もいよいよ佳境を迎えようとしている。まずは、10日には米大統領選で民主党のハリス候補と共和党のトランプ候補のテレビ討論会が行われる。今回の討論会の結果は、米大統領選の行方を大きく左右しそうだ。国内では、27日の自民党総裁選に向けた動きが活発化。23日には立憲民主党の代表選も行われる。状況次第では、秋から年末にかけて衆院選が行われることもあり得る情勢だ。米国を中心とした経済指標や経済政策に加え、日米の政局といった不透明要因が強まるなか、金融市場は荒い値動きが続くことも予想され、「輸出関連株には手をだしにくい」(市場関係者)という見方も出ている。  そんな市場の動向を先取る格好で株式市場では「内需・消費関連株」が動き出している。東証33業種指数では「小売業」が3月高値に迫っている。円高メリットの代表株であるニトリホールディングス<9843.T>が上昇基調にあるほか、イオン<8267.T>が6日に上場来高値を更新したことは象徴的だ。埼玉地盤のスーパーであるヤオコー<8279.T>も初の1万円に到達した。「倉庫・運輸」も7月高値に接近し、三井倉庫ホールディングス<9302.T>や安田倉庫<9324.T>などが堅調な値動きを続けている。7月の家計調査で実質消費支出が3カ月ぶりにプラスに転じたことも追い風だ。  中小型株の指標である「グロース250」が見直され、「医薬品」の第一三共<4568.T>や中外製薬<4519.T>が高値圏にあるのも同様の流れだ。今晩の米雇用統計やFOMCの結果次第で、ハイテク株の戻りも期待できるが、米大統領選の前後までは内需株中心の展開が予想される。  上記以外のイベントでは、9日にアップル<AAPL>が「Apple Event」を開催し、新型iPhoneが発表される可能性がある。12日に欧州中央銀行(ECB)理事会が開催される。13日に米9月ミシガン大学消費者マインド指数が発表される。  国内では、9日に4~6月期国内総生産(GDP)改定値が発表される。12日に7~9月期法人企業景気予測調査が公表される。13日は先物のメジャーSQ(特別清算指数)の算出日となる。個別銘柄では、9日にはミライアル<4238.T>、くら寿司<2695.T>、10日に三井ハイテック<6966.T>、11日に神戸物産<3038.T>、ANYCOLOR<5032.T>、12日にビジョナル<4194.T>、柿安本店<2294.T>、13日にエイチ・アイ・エス<9603.T>、丹青社<9743.T>などが決算発表を行う。来週の日経平均株価の予想レンジは、3万5900~3万7500円前後。(岡里英幸) 出所:MINKABU PRESS 2024/09/06 17:25 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=やまみ、食品株で群を抜く成長性に着目  やまみ<2820.T>は直近の上昇が急ピッチで過熱感が強まっているものの、ディフェンシブ性の強い食品セクターで成長性の高い企業とあって、押し目形成時は狙ってみたい。  同社は豆腐や厚揚げなどの製造、販売を展開。地盤とする西日本から関東地域に進出し、シェア拡大に動いている。25年6月期の売上高は前期比10.5%増の210億円、最終利益は同10.5%増の16億3100万円と、ともに前期に続き過去最高となる見通し。年間配当予想は同6円増配の72円とした。  今期も富士山麓工場を生かしつつ、積極的に営業展開を図る方針。PER(株価収益率)は21倍台と割高感があるが、円高リスクが意識されるなかで消去法的に選好されている食品株のなかで、事業の成長力は群を抜く。海外投資家からの同社株に対する関心も高まりつつあるとされており、過熱感を冷やす局面において一定程度の買い需要を集めそうだ。(碧) 出所:MINKABU PRESS 2024/09/06 10:00 みんかぶニュース コラム 6日の株式相場見通し=反発、米雇用統計前も目先リバウンド局面に  6日の東京株式市場は主力株をはじめ広範囲に買いが優勢となり、日経平均株価が4日ぶりに反発する展開が想定される。前日は欧州株市場が高安まちまちながら独DAX、仏CAC40、英FTSE100は揃って軟調だった。米国や中国の景気減速に対する警戒感が拭えないなか買いが手控えられ、FTSE100は5日続落と下値模索が続いている。一方、米国株市場では8月の米雇用統計発表を前に不安定な値動きとなり、NYダウは一時450ドルを超える下げをみせる場面もあった。この日に発表された8月のADP全米雇用リポートは非農業部門の雇用者数が事前コンセンサスを下回る内容となり、投資家心理を冷やした。ただ、売り一巡後はFRBによる利下げ期待を背景に下げ渋る展開となっている。ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数の方はプラス圏で推移する時間帯が長く、終盤に手仕舞い売りが出たものの結局上昇して取引を終えている。東京市場では前々日の4日に日経平均が1600円を超える暴落に見舞われ、前日も下げ止まらず3万6000円台後半まで水準を切り下げたが、足もとで過剰に売り込まれた反動も予想されるところ。米雇用統計発表を控え、この内容を見極めたいとの思惑が上値を押さえる要因となるものの、シュートカバーの動きが目先優勢となりそうだ。  5日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比219ドル22セント安の4万755ドル75セントと反落。ナスダック総合株価指数は同43.365ポイント高の1万7127.661だった。  日程面では、きょうは7月の家計調査、8月上中旬の貿易統計、3カ月物国庫短期証券入札、7月の景気動向指数(速報値)、消費活動指数など。海外ではユーロ圏の4~6月期GDP確報値、7月の独鉱工業生産指数、8月の米雇用統計など。 出所:MINKABU PRESS 2024/09/06 08:01 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=米景気後退懸念と円高警戒モード  きょう(5日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比390円安の3万6657円と続落。にわかにリセッション懸念に揺れた米国株市場だったが、前日は比較的底堅い地合いとなり、NYダウが小高く引け、ナスダック総合株価指数は終盤に軟化したが下げ幅は小さかった。きょうの東京市場でも不安心理の後退が期待されるところだったが、前日からのドル売り・円買いの流れが止まらなかった。円高とリンクさせた先物売りが炸裂、日経平均は寄り後早々700円近い下げに見舞われた。その後は押し目買いが活発化し、一時上昇に転じるなど立ち直ったかに見えたものの、後場に入ると再び売り直された。  8月2日に2216円安、週を跨いだ8月5日に4451円安という2営業日連続でメガトン級の波乱相場を経験して目が慣れてしまったきらいはあるが、前日の1638円安も「8月2日以前」の目線では事件といってよい暴落である。二番底に怯えながらの戻り相場では、約1カ月にわたり拍子抜けするくらい順調な戻り足で急落前の水準を回復したのだが、細かい陽線を積み重ねて75日移動平均線とのカイ離をようやく埋めたところで、いきなりの激震が襲った。賽の河原の石積みのように積み上げた陽線をいともたやすく崩されると、買う側としては手を出しにくくなるのが人情である。  米経済の動向にマーケットの関心が集中している。少し前までは景気に関する弱めの数字が出れば、FRBによる利下げ期待を増幅させるものとして株価にポジティブに作用するのが常だった。しかし、最近はインフレに対する警戒感が消失したことで、堅調な米景気の下でなおかつ利下げも期待する、という欲張りな状況にあった。米景気が弱ければ、今のゴルディロックス相場のシナリオを狂わせるネガティブ材料となる。  そして、きょうあすの米経済指標が大きなカギを握ることになる。日本時間今晩21時15分にADP雇用リポート、15分後の21時30分に週間の新規失業保険申請件数、そして23時にISM非製造業景況感指数と矢継ぎ早に開示され、本丸は明晩21時30分に発表される8月の米雇用統計だ。今は米国の雇用環境に視線が集中している。そのなか最も重視すべきは、タイムラグの小さい週間の失業保険で、これが万が一事前予想を大幅に上回るような申請件数となれば今晩の米株市場は荒波に揉まれることになる。あすの雇用統計についても非農業部門の雇用者数が大きく伸びて、なおかつ失業率が低下するという事前コンセンサスに沿うものかどうか、固唾を呑んで見守るよりない。  東京市場では、足もと中小型株が優位な流れにあるが、半導体セクターなどハイテク系の製造業はドル安・円高が足かせとなっている。米国ではFRBが段階的に利下げに向かうことが確実な情勢で、差し当たって今月17~18日の日程で行われるFOMCでの利下げ開始はほぼ確実。しかも、きょうあすの経済指標次第で出足から0.5%の利下げ決定といきなりアクセルを踏み込んでくる可能性もある。かたや日銀は、追加利上げについての機をうかがっている状況で、ひと頃よりはタカ派姿勢を緩めてはいるものの、早ければ年内12月中旬開催の金融政策決定会合で決めるケースが想定される。  ある程度ドル・円相場は織り込んでいるはずだが、実勢の1ドル=140円台ではこの日米金利差縮小の流れを反映済みとは到底言えない。円高メリット株を探した場合、国内消費に絡むセクターに優位性がある。物価上昇の流れの中で生活防衛のテーマでも注目されるのが100円ショップだ。円高による輸入採算の改善が追い風となる。そのなか、ワッツ<2735.T>はきょうザラ場に820円の高値をつけ、約1カ月ぶりに年初来高値を更新した。また300円ショップ「3COINS」を展開するパルグループホールディングス<2726.T>も同様の観点でマーク。このほか、生活防衛とは路線が異なるが、高品質商品で顧客ニーズをとらえ業績堅調なエービーシー・マート<2670.T>が好チャートを形成している。  あすのスケジュールでは、7月の家計調査、8月上中旬の貿易統計が朝方取引開始前に発表されるほか、午前中に3カ月物国庫短期証券入札が予定されている。午後取引時間中には7月の景気動向指数(速報値)、消費活動指数などが開示される。海外ではユーロ圏の4~6月期GDP確報値、7月の独鉱工業生産指数のほか、8月の米雇用統計に対するマーケットの関心が高い。この日はウィリアムズNY連銀総裁の講演やウォラーFRB理事の講演も行われる予定で、その内容が注目される。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/09/05 17:00 みんかぶニュース コラム 5日の株式相場見通し=続落、ダウ下げ止まるも円高進行を嫌気  5日の東京株式市場は主力株をはじめ売り優勢となり、日経平均は下値を探る展開が続きそうだ。前日に日経平均は1600円あまりの暴落となり、3万7000円トビ台で引けたが、きょうは3日続落で3万6000円台半ばまで水準を切り下げる場面も想定される。前日の米国株市場ではNYダウが小幅ながら前の日の終値を上回って着地したが、比較的狭いゾーンでもみ合う形で方向感を欠く展開だった。また、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数もプラス圏とマイナス圏を往来する動きをみせたが、取引終盤は売りに押され安く引けた。この日発表された7月の米雇用動態調査(JOLTS)では求人件数が2021年1月以来の低い水準となるなど、米労働市場の減速感が浮き彫りとなった。これは米リセッション懸念を増幅させるものとなった一方で、9月のFOMCでFRBが0.5%の利下げを行うとの見方を強め、全体相場を支える形となっている。なお、画像処理半導体大手のエヌビディア<NVDA>は続落したが、一時上昇する場面もあり売り圧力は限定的だった。東京市場では米株市場がいったん下げ止まる形となったことで、短期筋の買い戻しも予想されるところだが、外国為替市場でドル安・円高が一段と進んでいることはハイテクや自動車など輸出セクター中心にネガティブ材料として働く。週末に8月の米雇用統計発表を控えていることで、押し目に積極的に買い向かう動きも見込みにくい。  4日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比38ドル04セント高の4万974ドル97セントと小反発。ナスダック総合株価指数は同52.002ポイント安の1万7084.296だった。  日程面では、きょうは7月の毎月勤労統計、対外・対内証券売買契約、8月の輸入車販売、8月の車名別新車販売、8月の軽自動車販売など。海外ではマレーシア中銀の政策金利発表、7月のユーロ圏小売売上高、週間の米新規失業保険申請件数、8月のADP全米雇用リポート、4~6月期米労働生産性指数、8月の米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況感指数など。 出所:MINKABU PRESS 2024/09/05 08:00 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=エヌビディア株崩落の衝撃と深層  きょう(4日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比1638円安の3万7047円と急落。日経平均は8月初旬に暴落をみせたものの、その後は順調な戻りをみせ、前日は寄り付き早々に3万9000円台に片足を乗せる場面もあった。たとえ一瞬であっても、累積売買代金が高水準に積み上がっていた3万8000円台を駆け抜けたことは、強気筋の気勢を上げる背景となった。セオリーの二番底をつけに行く展開は回避されたと思われたが、その矢先、カレンダーが9月に変わったところで東京市場は激震に見舞われた。  1カ月前の暴落は“日銀ショック”などと言われたが、今回の波乱相場の震源地は紛れもなく米国である。米株市場では8月後半はNYダウが最高値圏を走るなどブル相場を謳歌していたが、レーバーデー明けで9月相場入りとなるや強烈な売り圧力が顕在化した。特に生成AIの象徴株であるエヌビディア<NVDA>を中心に半導体セクターの下げが際立っており、前日はエヌビディアが9.5%安と暴落、わずか1日で時価総額を2800億ドル弱、日本円にして40兆円以上も吹っ飛ばした勘定となる。東京市場でいえば時価総額で国内断トツのトヨタ自動車<7203.T>が1社丸ごと消失してしまったような状況だ。この日はエヌビディアにとどまらず、インテル<INTC>、アプライド・マテリアルズ<AMAT>、マイクロン・テクノロジー<MU>、アドバンスト・マイクロ・デバイシズ<AMD>といった主力どころが軒並み崩落し、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)の下落率も7.8%安という記録的な下げとなった。  下げの理由は8月の米ISM製造業景況感指数が47.2と事前コンセンサスを下回ったことが挙げられている。端的にいえば米経済の減速を警戒したということ。しかし、このフレーズについては耳にタコができた状態である。同指数が好不況の分水嶺となる50を5カ月連続で下回ること自体は想定通りだった。ゼロ・コンマレベルで予想を下回ったところで、ここまで売り込まれる蓋然性には乏しい。しかも今は、米景気の減速感が強まればFRBが利下げ幅を0.5%に広げるなど間髪入れず対処可能な局面である。  つまり、米リセッション懸念とFRBによる利下げ期待は表裏一体であり、よほどのネガティブサプライズを伴う指標でも出ない限り、そこに本当の危機感は芽生えない。今週末に発表予定の8月の雇用統計も同様で、強い数字であればそれは素直に好感され、思ったより弱い数字であったとしても、FRBが手の内に何枚も持つ利下げのカードを躊躇なく切るだけの話である。ジャクソンホール会議でパウエルFRB議長は金融緩和歓迎ムードのマーケットに釘を刺す素振りを微塵も見せず、「時が来た」とまで言い切り、利下げ姿勢を明示した。そうしたなか、ISM景況感指数がここまで米半導体株を叩き売らせるインパクトが本当にあったのか。真実はもう少し深いところにありそうだ。  エヌビディアについては8月下旬に発表した5~7月期決算が、8~10月期見通しも含め難癖すらつけにくい内容で、500億ドルの自社株買い発表のお土産付きであった。にもかかわらず、株価が大幅安となった理由を考える必要がある。この時の下げは全体相場への影響が限定的で、エヌビディア発のショック安は回避されたが、今はその幻だったはずのエヌビディアショックに時間差で直面した格好となっている。  同社の足もとの株価動向は今期ではなく来1月期の業績頭打ちを予言している。「米大手IT各社が生成AI関連に投資した金額は日本円で7兆円以上、そのうちの7割はエヌビディアが製造するGPUが占める」(ネット証券アナリスト)という。膨大な設備投資に見合うだけの回収がきいていない現状で株主からの突き上げもきつく、来年は生成AI投資が急減速する可能性が意識されている。きょうは台湾加権指数が4.5%安と日経平均を上回る下落率となった。半導体セクターのここからの下り坂は思いのほか長い可能性がある。  あすのスケジュールでは、7月の毎月勤労統計、対外・対内証券売買契約が朝方取引開始前に開示されるほか、前場取引時間中に8月の輸入車販売、8月の車名別新車販売、8月の軽自動車販売などが発表される。また、午前中に30年物国債の入札、日銀の高田審議委員の講演が予定される。海外ではマレーシア中銀の政策金利発表、7月のユーロ圏小売売上高、週間の米新規失業保険申請件数、8月のADP全米雇用リポート、4~6月期米労働生産性指数、8月の米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況感指数など。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/09/04 16:59 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=インフォMT、外食向け好調で下期業績回復へ  インフォマート<2492.T>は、8月5日につけた年初来安値201円を底に反発基調にあるが、まだ緒に就いたばかりといえる。上期決算は営業減益だったが、下期には回復が見込まれており、それに伴い株価も上昇基調を強めそうだ。  同社はBtoBプラットフォーム(企業間電子商取引サービス)の運営が主な事業。外食向けが主力で、なかでも「BtoBプラットフォーム 受発注」は外食に加えてホテル・旅館業界の新規が増加。また、企業のバックオフィス向けは「BtoBプラットフォーム 請求書」が、インボイス制度開始後も大手企業とそのグループ企業を中心に新規導入が進み、24年12月期上期連結売上高は72億1300万円(前年同期比15.1%増)となった。  一方、利益面では、データセンターのクラウド化に向けた検証を実施したことにより、サーバー関連費用が一時的に増加したことやタノムの子会社化に伴うのれん償却費及び販管費の増加、営業サポート人員の補強による人件費の増加などが圧迫し、営業利益は3億1000万円(同15.1%減)となった。ただ、8月からの外食向け「受発注」の料金改定や、サーバーのクラウド移行による原価低減効果などが期待でき、通期では、売上高160億8600万円(前期比20.4%増)、営業利益10億円(同20.4%増)と2ケタ増収増益を見込む。  外食向け、企業のバックオフィス向けとも主要サービスの利用企業数は増えており、25年12月期も増収増益の可能性が大。中期経営計画では26年12月期に営業利益50億円を目指している。(仁) 出所:MINKABU PRESS 2024/09/04 10:00 みんかぶニュース コラム 4日の株式相場見通し=急落、米景気懸念で3万8000円台割り込む展開に  4日の東京株式市場は主力株をはじめ広範囲に売り優勢の地合いとなり、日経平均株価は大きく下値を探る展開を強いられそうだ。前日は米景気減速に対する警戒感が意識されるなか欧州時間からリスクオフ一色、独DAX、仏CAC40などをはじめ主要国の株価指数が全面安となり、これを引き継いで米国株市場でもNYダウが600ドルを超える下げとなった。半導体関連などハイテク株への売りがかさむなか、ナスダック総合株価指数の下落率は3%を超えた。この日に発表された8月の米ISM製造業景況感指数が47.2と前月からは改善したものの、好不況の分水嶺となる50を下回る状況が続き事前コンセンサスも下回ったことで米リセッション懸念が利食い急ぎの動きを誘発した。画像処理半導体大手のエヌビディア<NVDA>が9.5%安と急落し25日・75日移動平均線を大きく下抜ける形となり、投資家のセンチメント悪化を助長している。半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)の下落率は7.8%に達した。米株急落を受けて、東京市場でもきょうは半導体関連などを中心にリスク回避の売り圧力が噴出する可能性が高まっている。日経平均株価は前日終値時点で3万8000円台後半に位置していたが、一気に3万7000円台まで急落する公算が大きい。外国為替市場では急速に円が買われ、1ドル=145円台まで円高が進行していることもネガティブ材料となる。売り一巡後はいったん下げ渋る可能性はあるが、為替動向や米株価指数先物の値動きなどを横目に不安定な値動きに終始しそうだ。  3日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比626ドル15セント安の4万936ドル93セントと3日ぶり大幅反落。ナスダック総合株価指数は同577.326ポイント安の1万7136.298だった。  日程面では、きょうは9月の日銀当座預金増減要因見込みなど。海外では8月の財新中国非製造業購買担当者景気指数(PMI)、ポーランド中銀の政策金利発表、カナダ中銀の金融政策決定会合、7月の米貿易収支、7月の米雇用動態調査(JOLTS)、7月の米製造業受注、米地区連銀経済報告(ベージュブック)など。 出所:MINKABU PRESS 2024/09/04 08:01 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=データセンター関連に流れ込む投資マネー  きょう(3日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比14円安の3万8686円と3日ぶり小反落。プライム市場の75%の銘柄が上昇する地合いで日経平均が小安く引けたのは、ひとえに指数寄与度の高い半導体製造装置関連の軟調によるもの。金利上昇効果で銀行株が買われTOPIXは6連騰と気を吐いたが、これについては日替わり循環物色の一環で今の相場の急所はここではない。  相場の流れが変わってきた。中小型株への資金還流が単発的ではなく恒常的に進み始めた雰囲気がある。全体上昇トレンドを象徴する相場の華だった半導体製造装置関連株については、押し目買いよりも戻り売りニーズが強い。レーザーテック<6920.T>をはじめディスコ<6146.T>や東京エレクトロン<8035.T>など売買代金は引き続き上位5傑を占める状況ながら、株価の方はある程度上がると戻り売りの集中砲火でチャートはおじぎを余儀なくされ、仕切り直しとなるパターンが定着している。  しかし、以前と比べ大きく異なるのは全体相場への影響力だ。半導体主力株が売られれば投資マインドもシュリンクし、日経平均は下値を探るのが当たり前だったが、最近はそうでもなくなっている。半導体主力株が売られても、半導体周辺の中小型株はどこ吹く風で上値を指向するパターンが目立ち始めている。  きょうは午前中に行われた10年物国債の入札が不調に終わったことで、新発10年債利回りは約1カ月ぶりの水準である0.925%まで上昇する場面があった。この場合、小型成長株が集結するグロース市場は向かい風が意識され、軟調な地合いとなるのがお決まりだった。ところが、きょうは金利上昇局面で日経平均がマイナス圏に沈むのを横目にグロース250指数は上値を指向、一時681.13まで買われ、8月27日につけた戻り高値をクリアした。つまり、「金利上昇でグロース売り」という単純思考から抜け出し、良い意味で潮の流れが変わったことを物語っている。これはもちろんグロース市場の銘柄に限らない。プライム市場あるいはスタンダード市場においても、グロース株(成長株)の範疇に属する中小型株の戻りを取りに行く方向に投資マネーが誘導されている。それと共鳴するようにテーマ物色の流れも再生されている。  今のマーケットの隠れテーマとして再燃しているのはデータセンター建設特需である。半導体周辺の業績好調企業の決算発表に際し、短信ではデータセンター向け需要に言及するケースが目立っており、これは株式市場の物色動向にも如実に影響を及ぼしている。最近では、データセンター向け光ファイバー特需で今期業績予想の上方修正を発表したフジクラ<5803.T>などの物色人気に反映された。また、政府クラウドの担い手であるさくらインターネット<3778.T>なども再び動兆。データセンターで喚起される電力需要の増大思惑では常連だった北海道電力<9509.T>などにも資金が還流している。直近、上値指向を強めるMipox<5381.T>も、今期業績の上方修正が好感されているが、その背景にはデータセンター投資拡大による恩恵が大きいという。  政府は産業の競争力強化と経済安全保障の観点から半導体関連の投資支援に傾注しているのは周知の通り。前週末は、時事通信が最先端半導体の量産を目指す日の丸半導体会社ラピダスに政府が出資を検討していると報道、この話自体は目新しくはないが、テーマ買いの動きを渇望しているマーケットには慈雨となった。その際、大口の戻り売りが待つ半導体製造装置主力株をスルーして、データセンター関連に資金が向かったのは株式需給に尽きるというしかない。ここから注目しておきたい銘柄としては、データセンター向けを睨んだ光半導体事業に照準を合わせるザインエレクトロニクス<6769.T>や、独立系データセンター大手のアイネット<9600.T>、同じくデータセンターを全国で多極展開するシーイーシー<9692.T>、このほか東京エレクトロン デバイス<2760.T>やさくらケーシーエス<4761.T>といった銘柄をマークしてみたい。  あすのスケジュールでは、9月の日銀当座預金増減要因見込みなど。海外では8月の財新中国非製造業購買担当者景気指数(PMI)、ポーランド中銀の政策金利発表、カナダ中銀の金融政策決定会合のほか、7月の米貿易収支、7月の米雇用動態調査(JOLTS)、7月の米製造業受注、米地区連銀経済報告(ベージュブック)など。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/09/03 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=オルガノ、純水製造装置で中期成長余地  オルガノ<6368.T>の7000円未満のもみ合いは中期スタンスで拾ってみたい。水処理装置大手で半導体関連や電力業界向けで高実績を誇る。生成AI市場の拡大を背景とした半導体工場の増設が相次ぐなか純水製造装置は中期的な需要増勢が見込める。24年3月期は営業利益段階で前の期比48%増と大幅な伸びで過去最高を更新したが、25年3月期の営業利益についても期初見通しを上方修正し、前期比9%増の245億円とピーク利益更新基調が続く見通し。プラント案件の大型化に伴う利益率改善効果やメンテナンス部門も好調な推移が見込まれ、業績成長路線に陰りはない。  株価は6000円台半ばから後半の推移となっているが、早晩7000円台での活躍に歩を進めそうだ。テクニカル的にも5日・25日移動平均線のゴールデンクロス示現が目前に迫っており、強気に対処してみたい。(桂) 出所:MINKABU PRESS 2024/09/03 10:00 みんかぶニュース コラム 3日の株式相場見通し=米株休場で手掛かり材料難も円安は追い風  3日の東京株式市場は手掛かり材料難の中も総じて底堅い動きとなり、日経平均株価は3万8000円台後半で堅調な展開となることが予想される。前日の米国株市場はレーバーデーの祝日のため休場だったことで、海外投資家の動向など方向性が見えにくいが、外国為替市場では1ドル=147円台まで円安方向に触れており、輸出セクターなどを中心に根強い買いが下値を支えそうだ。前日の欧州株市場では高安まちまちの展開となったが、ドイツ株市場の主要株価指数である独DAXは小幅ながら続伸し史上最高値を更新した。この日の中国上海株市場や香港株市場が軟調だったことを受け、取引前半は売りに押される展開だったが終盤になって切り返した。独東部の2州で州議会選が行われ、チューリンゲン州では移民排斥などを主張する右翼政党が初めて第1党となったが、これを警戒する動きは特に見られなかった。このほか、フランスでも仏CAC40が小反発し戻り高値近辺で強含みに推移している。東京市場では日経平均株価が前日に続伸し、一時フシ目の3万9000円台を回復したものの、その後は戻り売りに押されマイナス圏に沈む場面もあった。目先戻り一服場面も意識されるところで、きょうも頑強な値動きながら積極的に上値を買い進む動きは限定的となりそうだ。今週は米国で重要経済指標の開示が相次ぎ、週末6日には8月の雇用統計発表を控えている。東京市場でもこれら重要指標の内容を見極めたいとの思惑が強い。  日程面では、きょうは8月のマネタリーベース、10年物国債の入札、8月の財政資金対民間収支など。海外ではポーランド中銀の金融政策委員会(~4日)、ロシアで東方経済フォーラム(~6日)、7月の米建設支出、8月の米サプライマネジメント(ISM)製造業景況感指数など。なお、ベトナム市場は休場。 出所:MINKABU PRESS 2024/09/03 08:00 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=9月は小泉新総裁を織り込む相場  週明け2日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比53円高の3万8700円と続伸。名実ともに9月相場が始まった。「2日新甫(しんぽ)は荒れる」というアノマリーは古い人間の言うことかもしれないが、8月の最初の3営業日が激流に呑み込まれるような展開だっただけに、カレンダーをめくった直後の9月2日、スタート地点で思わず身構えてしまうのは市場関係者の性(さが)ともいえる。3万8000円台の滞留出来高の分厚いゾーンを突き抜けて、寄り付きで3万9000円台を回復したものの、そこから気迷いムードに転じた。日本時間今晩の米株市場は休場となることで全体商いも薄かった。  今週は米国で重要経済指標の発表が相次ぎ、週末には8月の米雇用統計の発表を控える。前週末に発表された7月の米PCEデフレーターはほぼ事前コンセンサス通りで無風通過といってよい。黙っていても9月17~18日に行われるFOMCで利下げが開始される状況にあり、今は米経済指標が強い数字、つまりグッドニュースは株式市場にもグッドニュースとなる。8月は雇用者数の伸び、失業率、平均時給ともに強めにみる向きが多い。ネガティブサプライズさえなければ、9月第1週は波乱なく通過できそうな気配はある。  9月は8月と同様に外国人投資家が日本株を売り越すケースが多いことで知られる。過去10年間を振り返って日経平均の月足で9月は6勝4敗(6回陽線を形成)だが、外国人投資家は実に9回売り越しで、2015年以降は昨年まで9月に一度も買い越したことがない。セルインメイならぬセルインセプテンバーなのである。ただし、これは米国株の下落(9月は陰線が多い)に伴うリスク許容度の低下が背景にあるようだ。現在、米株市場はFRBの利下げ期待で最高値圏を走っており、ひと頃のリセッション懸念も後退しているなか、かつてのゴルディロックス相場の環境に近い状態にある。米国株が強ければ日本株を合わせ切りする必要はなく、今回はこのアノマリーが10年ぶりに覆される可能性がある。  今年は国内では自民党総裁選、米国では大統領選挙があり、この行方が混沌としていることは株式市場にとっても不透明要因には違いないが、政治的なお祭りは株式市場に浮揚力を与えるというのが過去の例で、そういう意味では9月相場は強くなる可能性がある。米大統領選は民主党ハリス副大統領がトランプ前大統領よりも優勢にあるとの見方が強いが、「これは米メディアに情報操作されている印象もあり、実際のところは分からない」(国内投資顧問系エコノミスト)という声も聞かれる。  来週10日に予定される大統領候補者テレビ討論会が最大の要衝となることは間違いない。いずれにしても、初の女性大統領を目指すハリス氏には悪いが、バイデン路線を継承する民主党側の候補は誰でもあまり変わりはなく、今回の大統領選はトランプ前大統領VS“反トランプ前大統領”のような意味合いが濃い。株式市場にとっては大統領がどちらになるかで、銘柄選別段階で大きな影響はあるが、相場全体にとってはどっちでも株価は上昇するという見方が根強いようだ。  国内に目を向ければ今月27日に自民党総裁選が予定されている。候補者が非常に多く決選投票は間違いなさそうだが、決選投票になってからの戦いも考慮して、最終的に小泉進次郎元環境相が次期首相の座を射止める可能性が高そうだ。株式市場側からみれば、アベノミクスの流れを汲む高市早苗経済安全保障担当相がベストと思われるが、今の永田町の力学では難しい面がある。バックの日本会議が高市氏から小林鷹之前経済安全保障担当相の支援に移ったというような観測もあるが、そのコバホークを支持する若手議員にしても、ここにきて、待てよと立ち止まるところ。“次の選挙に勝つ”ことが第一義なので、小泉氏を担いだ方がその目的を成就しやすいという打算も働く。国会答弁がどうなるかという現実的な課題はあるが、かつて数々の語録を残した巨人軍の長嶋監督的なキャラクターから、国民的な支持を得やすいという一点で、小泉ジュニアの総理大臣就任が現実味を帯びている。  あすのスケジュールでは、8月のマネタリーベースが朝方取引開始前に開示されるほか、午前中に10年物国債の入札が予定される。午後取引終了後に8月の財政資金対民間収支が発表される。海外ではポーランド中銀の金融政策委員会(~4日)、ロシアで東方経済フォーラム(~6日)が開催される。米国では7月の建設支出のほか、8月の米サプライマネジメント(ISM)製造業景況感指数が注目される。なお、ベトナム市場は休場。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/09/02 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=パルHD、今期業績に増額修正期待  パルグループホールディングス<2726.T>に注目したい。複数のアパレルブランドのほか、雑貨店「3COINS(スリーコインズ」などを展開している。第1四半期(3~5月)の連結営業利益は前年同期比10.5%増の63億600万円と好調。3COINSを軸に雑貨事業などが伸びている。25年2月期の同利益は前期比8.1%増の201億2000万円と最高益の見込みだが、第1四半期での進捗率は31%に達しており増額期待が出ている。  雑貨事業の成長期待は強いほか、自社ECの拡大なども見込め、今期同利益は210億円前後へ伸びそうだ。来期以降も業績拡大期待は強く、株価は3月につけた2676円の最高値更新からの一段高が見込めそうだ。(地和) 出所:MINKABU PRESS 2024/09/02 10:00 みんかぶニュース コラム 2日の株式相場見通し=続伸、3万9000円台回復か  2日の東京株式市場は主力株中心に買い優勢の展開となり日経平均株価は続伸する公算が大きい。フシ目の3万9000円台を回復する場面もありそうだ。前週末の米国株市場ではNYダウが続伸し史上最高値を更新、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も3日ぶりに反発した。FRBによる利下げ期待を背景に引き続きダウは最高値圏で上値を指向している。この日発表された7月のPCEデフレーターは総合指数、コア指数ともに市場コンセンサスと一致し、FRBが9月以降も段階的に利下げを行うとの見方が強まった。個別には半導体大手のインテル<INTC>が10%近い上昇を示し、これに引っ張られる形で半導体セクターへの資金流入が目立っている。フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は3日ぶりに大幅反発した。東京市場では、前週末の米国株市場が強い動きを示したことで投資家心理が強気に傾きそうだ。外国為替市場で1ドル=146円台までドル高・円安方向に振れており、これが輸出セクター中心にポジティブ視されることが予想される。日本時間今晩の米国株市場はレーバーデーのため休場となることもあり、買い一巡後は模様眺めムードが広がる可能性もある。  30日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比228ドル03セント高の4万1563ドル08セントと続伸。ナスダック総合株価指数は同197.193ポイント高の1万7713.624だった。  日程面では、きょうは4~6月期の法人企業統計調査、8月の新車販売台数、8月の軽自動車販売台数など。海外では8月の財新中国製造業購買担当者景気指数(PMI)など。また、レーバーデーで米国株市場は休場。このほかベトナムも休場。 出所:MINKABU PRESS 2024/09/02 08:00 みんかぶニュース コラム 来週の株式相場に向けて=「雇用統計ショック」からのリベンジはあるか  30日の日経平均株価は前日比285円高の3万8647円と反発。日経平均株価は7月31日以来の水準に値を戻し、8月初旬の暴落時に形成されたチャート上の窓埋めも終えるなか反騰色を強めている。  8月は一時3万1000円台まで下落する大暴落を経験したが、ここまでの戻り足は順調といえる。もともと8月の大波乱相場は、7月30~31日の日銀金融政策決定会合で追加利上げが決定され、植田日銀総裁が想定以上のタカ派姿勢を示したことの影響は無視でない。そこへ更に、2日の「雇用統計ショック」が追い打ちをかけたことが背景にはある。特に、米7月雇用統計で失業率が上昇し、直近3カ月間の平均失業率が過去1年の最低値を0.5ポイント上回れば景気後退が始まった可能性が高いという「サーム・ルール」が発動された。これらを背景に、膨れ上がっていた「円キャリートレード」のドル買い・円売りのポジションが一気に解消され、急激な円高が進むとともに日本株も大暴落した格好だ。  足もとで米経済指標は底堅く景気後退懸念は薄らいでいる。ただ、来週は6日に米8月雇用統計が発表される。その内容が底堅ければ、前月からのリベンジが期待できそうだ。しかし、再び米雇用に悪化基調が見えれば、足もとの楽観論は消え去り、警戒モードに舞い戻らないともいえない。その際は9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.5%利下げ論が再び勢いづくだろう。  今晩の米7月個人消費支出(PCE)物価指数に加え、来週は3日に米8月ISM製造業景況感指数が発表されるなど重要経済の発表が目白押しだ。米経済のソフトランディング期待を背景にした上昇相場が続くか、どうかの分岐点となる可能性もある。  上記以外のスケジュールでは、海外では2日はレーバーデーで米国は休場、4日には米7月JOLTS求人件数、5日には米8月ISM非製造業景況感指数、同ADP雇用統計が公表される。5日にブロードコム<AVGO>が決算を発表する。国内では、2日には4~6月期法人企業統計が発表される。5日には7月勤労統計調査、6日には7月家計調査が公表される。  2日には伊藤園<2593.T>、3日には内田洋行<8057.T>、4日にはアインホールディングス<9627.T>、5日には積水ハウス<1928.T>、ロック・フィールド<2910.T>、6日にはクミアイ化学工業<4996.T>、カナモト<9678.T>などが決算を発表する。来週の日経平均株価の予想レンジは3万8000~3万9100円前後。(岡里英幸) 出所:MINKABU PRESS 2024/08/30 17:28 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=アルメディオ、第1四半期3.8倍増益と好スタート  アルメディオ<7859.T>は300~400円近辺での底練りを経て再浮上の機をうかがう。同社は祖業であったオーディオ・ビデオ機器などの規準や調整用テストディスクの製造販売事業から撤退し、現在は機能性材料メーカーとして歩みを進めている。主力は断熱材事業で、足もと業績は好調に推移している。  今月2日に発表した4~6月期(第1四半期)決算は、営業利益が前年同期比3.8倍の5億4500万円と急拡大。断熱材事業で国内向けに炉材の販売が増えたほか、中国向けで太陽光発電パネル製造向け拡散炉用ヒーターモジュールの販売が伸びた。株価は今期減益見通しを発表した5月に急落したが、第1四半期の好スタートを受けて買い戻しの動きが出つつある。(イ) 出所:MINKABU PRESS 2024/08/30 10:40 みんかぶニュース コラム 30日の株式相場見通し=強弱観対立、米経済指標控え様子見ムード  30日の東京株式市場は強弱観対立のなか日経平均株価は前日終値近辺で小幅な値動きとなりそうだ。前日は欧州株市場がほぼ全面高に買われており、特に独DAXの上値指向が顕著で直近18営業日で16営業日上昇し、この日は史上最高値を更新した。米国株市場でも景気敏感株を中心に買われ、NYダウは反発し最高値街道に復帰した。この日は画像処理半導体大手のエヌビディア<NVDA>が前日の決算発表を受けて材料出尽くし感から大きく売られ、これが半導体セクターなどに影響を与えた。フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は続落し、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も小幅ながらマイナス圏で引けている。一方、朝方に発表された4~6月期の米実質GDP改定値が前期比3.0%増と速報値から上方修正されたことや、週間の新規失業保険申請件数も前週から改善を示したことは、米経済のハードランディング懸念を和らげ全体相場を支える形となっている。東京市場では前日に日経平均が朝安後に持ち直し、わずかな下げにとどまったものの滞留出来高の多い3万8000円台は上値の重さも意識されている。きょうは週末要因に加えて、日本時間今晩に発表される7月の米PCEデフレーターなどの発表を控えていることから、様子見ムードも漂いやすい。取引時間中は外国為替市場の動向や米株価指数先物の動きなどを横目に不安定な値動きとなることも予想されるが、比較的狭いゾーンでの値動きとなることが予想される。  29日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比243ドル63セント高の4万1335ドル05セントと反発。ナスダック総合株価指数は同39.596ポイント安の1万7516.431だった。  日程面では、きょうは8月の都区部消費者物価指数(CPI)、7月の鉱工業生産指数、7月の有効求人倍率、7月の失業率、7月の商業動態統計、7月の自動車輸出実績、7月の住宅着工統計など。海外ではインドの4~6月期国内総生産(GDP)、7月の豪小売売上高、8月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)、7月のユーロ圏失業率、7月の米個人所得・個人消費支出、PCEデフレーターなど。 出所:MINKABU PRESS 2024/08/30 08:00 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=米利下げ契機にグロース市場は新章突入へ  きょう(29日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比9円安の3万8362円と3日ぶり小反落。固唾をのんだ米エヌビディア<NVDA>の決算は文句なしの内容といってもよかった。5~7月期決算は売上高が2.2倍で最終利益は2.7倍と事前予想を上回ったほか、データセンター向け売上高についても2.5倍と目を見張る伸びを達成。更に市場の関心が高かった8~10月期の売上高見通しもコンセンサスを上回った。加えて新たに500億ドルの自社株買い枠を設定することも発表。手の内にあるエースを4枚立て続けに切ったような決算発表だった。しかし、株価の方は時間外で急落。今回は「過剰な期待」という魔物にさすがのエヌビディアも絡め取られた格好である。だが、その割には東京市場の強さが光った。きょうは先物主導の裁定買いで大型株が強さをみせる一方、中小型株は冴えを欠いたが、ビッグイベント通過で目を向けてみたいのはグロース市場だ。  米国のFRBの金融政策の影響は東京市場の小型グロース株に大きな影響を及ぼす。コロナ禍での世界的な金融緩和によるインフレに対応して、FRBが利上げに踏み切ったのが2022年3月。旧マザーズ指数であるグロース250指数をみると、この直前から急落をはじめ約2年半にわたる低迷を余儀なくされた。「歴史的にみても米国の金融政策と日本のグロース市場(旧マザーズ)の株価相関性は高い」(ネット証券アナリスト)という。  そして2年半の歳月が流れ、今度は再び金融緩和路線にFRBの政策が切り替わる。9月FOMCでは0.25%の利下げが確実視されており、場合によっては利下げ幅が0.5%に及ぶ可能性もある。米利下げは今後も段階的に進むわけで、暗く長いトンネルを走り続けたグロース市場の銘柄群にもようやく光明が見え始めてきた、というのが今の状況だ。  グロース市場は正直、玉石混交である。バイオ関連などは需給先行で値動きは早いが、大幅赤字が続いているような銘柄は、どこでハシゴを外されるか怖い要素もある。株価が崩れた時に、ファンダメンタルズ面から支えがないため下値メドがつきにくい。元来、株は夢を買うものだが、やはり業績の良い銘柄を選別対象とするのは基本で、その方が勝率は高い。成長力を語るには土台があってこそ。もちろん例外はあるが、成長シナリオがいかに魅力的でも、足場がぐらついた状態(赤字や大幅減益)では株価の上昇も続かないのが道理だ。  日経平均が3万9000円台手前で戻り売りをこなしている間は、グロース市場に視点を移したい。8月初旬の暴落で荒れ地となったマーケットから「玉」を拾い上げる動きが続きそうだ。その候補としては、まず、ナレルグループ<9163.T>。建設業界向け人材派遣事業を主力に、ITエンジニア派遣やシステムエンジニアリングサービスを手掛け、建設DXの担い手として存在感を示す。24年10月期予想を含め売上高・営業利益ともに3期連続の2ケタ成長で過去最高更新が続く見通し。  また、コンベヤー用ローラーなどの部品製造を手掛けるJRC<6224.T>。発電用の大型案件を海外で受注するなどグローバルで実力を発揮、ロボットシステムインテグレーター分野も深耕しており、成長性は高い。業績は成長路線をまい進中で、25年2月期は営業25%増益を見込む。更にヌーラボ<5033.T>の800円台半ばでのもみ合い局面も買い場と見ておきたい。同社はクラウドサービスで、プロジェクト管理ツール「Backlog」を主力展開、生成AIを利用した高付加価値化にも余念がなく、料金引き上げの後も新規顧客獲得が進んでいる。営業利益は前期に3.3倍化を果たし、今期は前期比22%増の4億600万円とピーク利益更新が続く見通しだ。このほか、グロース市場銘柄ではないが、同じテイストの小型成長株でクロス・マーケティンググループ<3675.T>の押し目買いも一考。ネット調査から付加価値の高いデジタルマーケティングに重心を移しており、25年6月期は営業6割増益予想。8月7日に年初来安値をつけたが、同日に大陽線で底入れを明示した。その後は急速な戻りで連騰疲れも垣間見えるが、7倍台のPERは割安感が強い。  あすのスケジュールでは、8月の都区部消費者物価指数(CPI)、7月の鉱工業生産指数、7月の有効求人倍率、7月の失業率、7月の商業動態統計、7月の自動車輸出実績、7月の住宅着工統計など。海外ではインドの4~6月期国内総生産(GDP)、7月の豪小売売上高、8月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)、7月のユーロ圏失業率のほか、7月の米個人所得・個人消費支出、PCEデフレーターにマーケットの関心が高い。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/08/29 17:02 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=松屋R&D、ベトナム新工場や工程自動化が寄与  松屋アールアンドディ<7317.T>は血圧計センサー用腕帯などのメディカルヘルスケア事業と、自動車安全装置縫合システムをはじめとしたセイフティシステム事業が2本柱。前期に完成したベトナム新工場の効果に加え、製造工程の自動化に取り組んでいることがコスト抑制につながっている。  これにより、8月9日に発表した25年3月期第1四半期(4~6月)の連結営業利益は前年同期比2.2倍の4億8800万円で着地。通期予想は従来通り15億3900万円(前期比19.9%増)で据え置いているが、進捗率は31.7%に達していることから上振れが期待できそうだ。  株価は8月6日に年初来安値496円をつけたあとは下値を切り上げる展開。日足チャートでは25日移動平均線と75日移動平均線が接近しつつあり、一段の上値が見込まれる。(参) 出所:MINKABU PRESS 2024/08/29 10:17 みんかぶニュース コラム 29日の株式相場見通し=反落、エヌビディアの時間外急落が重荷  29日の東京株式市場は半導体関連株などを中心に売り優勢の地合いとなり、日経平均株価は3日ぶりに反落となりそうだ。前日の欧州株市場は高安まちまちながら、独DAXや仏CAC40など主要国の株価は堅調だった。独DAXは直近17営業日で15勝2敗となり、およそ3カ月半ぶりの高値をつけた。しかし、米国株市場では引け後の画像処理半導体大手エヌビディア<NVDA>の決算発表を控え、半導体セクターなどハイテク株を中心にポジション調整の売りが上値を押さえた。NYダウは4日ぶりに反落、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も1%強の下落となっている。そして注目されたエヌビディアの5~7月期決算は売上高が2.2倍、最終利益が2.7倍となり市場コンセンサスを上回ったほか、データセンター向け売上高も2.5倍と大幅な伸びを達成した。また8~10月期の売上高見通しも事前予想を上回る内容だった。加えて500億ドルの自社株買い枠も新たに設定している。ところが、これだけの条件が揃っても同社株は決算発表後に時間外で急落した。これを受け東京市場では半導体製造装置大手など主力銘柄に売りが先行する可能性が高い。外国為替市場ではドルが買われる展開となっており、足もとドル高・円安方向に振れていることは輸出セクターにポジティブ材料となるが、反応は限られそうだ。  28日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比159ドル08セント安の4万1091ドル42セントと4日ぶり反落。ナスダック総合株価指数は同198.793ポイント安の1万7556.027だった。  日程面では、きょうは対外・対内証券売買契約、7月の建機出荷、8月の消費動向調査など。海外では8月の独消費者物価指数(CPI)速報値、週間の新規失業保険申請件数、4~6月期米実質国内総生産(GDP)改定値、7月の米仮契約住宅販売指数など。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/08/29 07:57 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=天下分け目、エヌビディア祭り後の戦略  きょう(28日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比83円高の3万8371円と続伸。日本時間明朝に判明するエヌビディア<NVDA>の決算をとりあえず待つよりないというところ。そうしたなかも日経平均、TOPIXともに全体指数は強さを発揮した。純粋にこのタイミングでの実需買いは入りにくいが、薄商いのなか、年金資金のリバランス絡みの買いや企業の自社株買いなど機械的な買いが下値を支え、それを横目に手仕舞い売りならぬショート筋の手仕舞い買い戻しを誘い、先物主導で全体相場に浮揚力が加わった。日経平均寄与度の高い半導体主力株の後場に入っての底堅さは、売り方の恐怖が投影されていた感もある。個別株をみると値上がり銘柄が600であったのに対し、値下がり銘柄数は989に及んでおり、相場の体感温度としてはこちらに近かったと思われる。売買代金も前日に続き3兆2000億円台と低調な水準にとどまった。  個別株戦略に特化した場合、やはり最大の拠りどころとなるのは企業業績である。ただし業績内容の良い銘柄を買えば、後は自然に含み益が増えるのを待つだけ、というほど株式投資は簡単にはできていない。好業績株はその実態が既に株価に織り込まれているようなケースも多い。「優等生銘柄」は買う時点で既にそれなりの高みに達していて、そこから一段高となるには市場で織り込まれていない部分での収益面のサプライズが必要となる。  例えば当該企業が過去最高利益を毎期更新していても、増益率が1%刻みでは株価は反応してくれない。むしろ、利益成長は頭打ちということで売りの材料にされてしまう場合もあり得る。そして究極の高偏差値で“ディスアドバンテージ”を被っているのがエヌビディアだ。同社がスターダムにのし上がったのはもはや旧聞に属する話であり、スポットライトを浴び続けている銘柄ほど、行き過ぎた「期待」という重石を背負うことになる。  では、投資する側の狙い目はどこか。株価は流動的で常に実態を反映するとは限らない。この流動的な時間軸で株価を突き動かす材料は何かと言えば、それは“変化”である。「ちょい悪銘柄」に位置付けられるような株が大幅な業績の好変化をみせた場合などは、株価もパフォーマンスが大きくなりやすい。初動につけば高い確率でキャピタルゲインに恵まれる。ちょい悪銘柄というと語弊があるが、要は万人が文句なしの優良株と認めるような範疇にはない銘柄という切り口である。  今期業績が大幅な伸びを見込み、なおかつPERなどの伝統的投資指標で割安さも浮き彫りとなっているような銘柄。業態を問わず、こういうポジションにある銘柄にフォーカスしていくのは有力な投資手法だ。しかも今は、8月初旬の全体相場暴落の余韻が残るなか、棚ぼた的な拾い場を提供している銘柄も少なくない。  例えば民間主体にマンション建築やリニューアルで高実績を持ち、建設DXも積極的に取り入れている大末建設<1814.T>は25年3月期第1四半期の営業利益は前年同期比9割増を達成し、通期営業利益見通しも前期比64%増の26億円と急回復を見込む。PER10倍前後でPBR0.7倍台、加えて今期配当利回りが5.3%と抜群に高い。また、マンホールなどのコンクリート2次製品を手掛け台風・豪雨対策関連のテーマにも乗るイトーヨーギョー<5287.T>は今期営業2割増益予想にあるが、PER10倍未満でPBRは0.6倍弱だ。もちろん有配企業で、今期は減配見込みながら配当利回りは1.5%前後を維持している。また、タンタルコンデンサーのリーディングカンパニーである松尾電機<6969.T>は25年3月期営業利益が前期比倍増の5億1000万円を会社側では予想。最終利益がゲタを履いているとはいえ、PERは4倍に過ぎない。無配ながらPBRは0.7倍台で、どこかで材料株素地を開花させても不思議はない。このほか、業績好変化が見込まれる割安株では、共同ピーアール<2436.T>、大同工業<6373.T>、京三製作所<6742.T>などがある。  あすのスケジュールでは、対外・対内証券売買契約が朝方取引開始前に開示されるほか、午前中に2年物国債の入札が行われる。午後取引時間中に7月の建機出荷、8月の消費動向調査が発表される。また、IPOが1社予定されており、福証QボードにCross Eホールディングス<231A.FU>が新規上場する。海外では8月の独消費者物価指数(CPI)速報値、週間の米新規失業保険申請件数、4~6月期米実質国内総生産(GDP)改定値、7月の米仮契約住宅販売指数など。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/08/28 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=SWCC、エネルギー・インフラ事業好調  SWCC<5805.T>は、8月19日に年初来高値5110円をつけたあと調整しているが、業績上振れ期待を背景に先高感が強く、ここは押し目買いの好機ととらえたい。  8月9日に発表した第1四半期(4~6月)連結決算は、営業利益が48億6700万円(前年同期比3.0倍)となった。前期下期から続く堅調な国内建設関連向け電線需要に加えて、電力インフラ向けの高収益件名の特需、また、電力工事案件の平準化と各種収益改善施策の実施などに取り組んだことが奏功し、エネルギー・インフラ事業が好調だったことが牽引した。  高収益件名の特需は、特定の大型案件によるものではなく、国策を背景に高まる電力需要を反映した可能性が高い。また、競合企業の撤退などからSICONEXシリーズ(ケーブルと機器をつなぐオリジナルの接続部品群)の国内デファクトスタンダード化が進展していることなどから、同事業の好調は今後も継続が見込まれる。会社側では、25年3月期通期業績予想を営業利益135億円(前期比5.3%増)で据え置いたが、エネルギー・インフラ事業を牽引役に上振れの可能性は高く、調査機関によっては190億円前後を見込むところもある。  更に、前述の要因から26年3月期も同事業の好調が期待できる。電装・コンポーネンツ事業におけるxEV向け高機能製品の復調や通信・産業用デバイス事業における車載向け需要の堅調さを考慮すると連続増益へと向かいそうだ。(仁) 出所:MINKABU PRESS 2024/08/28 10:00 みんかぶニュース コラム 28日の株式相場見通し=一進一退か、エヌビディア決算前で様子見  28日の東京株式市場は様子見ムードが強いなか、日経平均株価は前日終値近辺で一進一退の展開か。前日の欧州株市場は主要国の株価が高安まちまちで、目先利益確定の売り圧力は意識されるものの、欧米中銀による利下げ期待を背景に総じて底堅い動きとなった。また、米国株市場でもNYダウがいったん下値を探る展開となったがその後は戻り足となり、わずかながらプラス圏で着地し連日で最高値を更新した。なお、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も高く引けている。28日の引け後に予定される画像処理半導体大手エヌビディア<NVDA>の決算発表を控え模様眺め感の拭えない地合いながら、下値では押し目買いニーズが強く上値指向を維持した。前週末のジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の講演がハト派的な内容で、9月利下げの可能性がほぼ確実視されていることが投資家心理を強気に傾けている。東京市場では米株市場が頑強な値動きをみせていることからリスク選好の流れが意識されるが、エヌビディアの決算発表の結果を見極めたいとの思惑が目先買い手控え要因となりやすい。外国為替市場では再び円高方向に振れており、これがハイテク株や自動車株など輸出セクターを中心に向かい風となることも考えられる。日経平均3万8000円台は累積売買代金が多く戻り売り圧力も強いことから、3万8000円台前半から半ばにかけて比較的狭いゾーンでの値動きが予想される。  27日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比9ドル98セント高の4万1250ドル50セントと小幅ながら3日続伸。ナスダック総合株価指数は同29.05ポイント高1万7754.82だった。  日程面では、きょうは7月の白物家電出荷額など。海外では7月の豪消費者物価指数(CPI)のほか、ウォラーFRB理事の講演が予定されている。 出所:MINKABU PRESS 2024/08/28 08:00 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=データセンター関連株に新たな「光」  きょう(27日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比178円高の3万8288円と反発。早いもので明日が8月権利付き最終売買日にあたる。エヌビディア<NVDA>の決算発表を目前に、半導体関連株には持ち高調整の売りが続いたが、それでもプライム市場の値上がり銘柄数は全体の8割を占めた。前向きな解釈をすれば「脱半導体相場」の地ならしが進んでいるという捉え方もできる。  エヌビディアの決算発表を契機に半導体関連株への物色人気が復活する可能性はあるが、過度な期待は持ちにくい。例えばエヌビディア向け半導体テスターで高水準の納入実績を誇り、エヌビディア関連の最右翼に目されるアドバンテスト<6857.T>の場合、急速なリバウンドはみせたものの、買い一巡後は再び75日移動平均線近辺まで水準を切り下げるなど脚力の弱さが露呈した。もし、エヌビディアが首尾よく決算発表後に上値追い態勢を明示したとして、アドテストの株価はそれにいったんは追随しても、大勢上昇トレンドを維持できるかには疑問符がつく。半導体製造装置関連の大相場も買い疲れ感が垣間見える。  しかし、GPU爆需を創出した生成AIの存在は幻想ではない。商業的ビジョンで今後過剰な設備投資は控えられる可能性はあるが、現在進行形で社会への浸透が続いている以上、テーマ性が色褪せることはないと思われる。そのなか「GPU、つまりAI用半導体とは別の領域で需要の飛躍的な伸びが見込まれるものもある。米国では光デバイス関連に注目する動きが出ている」(ネット証券アナリスト)という指摘がある。  具体的にはデータセンター向けで使われる光モジュール(光トランシーバー)で、これが膨大なデータを処理するうえで必須のデバイスとして認知されている。東京市場でもデータセンター向け光デバイスを手掛ける有力メーカーは存在する。注目銘柄としてはデータセンター向けケーブリングソリューションなどで技術力を発揮する精工技研<6834.T>。同社は自動車部品用金型でも高実績を持つが、売り上げの半分を光デバイス関連で稼いでいる。25年3月期は営業38%増益予想とV字回復を見込み、26年3月期以降も2ケタ成長が続く公算が大きい。株価は目先動意含みで、大勢2段上げに向け機が熟した感がある。  また、santec Holdings<6777.T>の押し目もマーク。同社は光測定器や、光パワーモニター、光フィルターなどの光関連部品をグローバル展開しており、商品競争力も抜群。以前は5G関連株の一角として存在感を際立たせた。最近は通信向けの需要が鈍化傾向にあるものの、生成AI特需を反映したデータセンター向け光製品の割合が増勢にあるという。株価は戻り一服から目先売りに押される展開ながら、週足ベースでは26週移動平均線との上方カイ離を解消したところで、再浮上への期待が膨らむ。  日経平均は3万8000円台での累積売買代金が多く、ここから3万9000円台に向かう道程は“心臓破りの坂”ともいえる。暴風雨をなんとかやり過ごしたものの連れて売買代金も急減しており、当面は胸突き八丁の上値の重い展開が予想される。しかし、その一方でグロース市場の戻り足が鮮明となってきた。今月2日と5日の暴落によって信用買い残の整理が急速に進んだことで、リバウンドがしやすくなった。貸株市場のコスト上昇で外資系証券経由のヘッジファンド筋の空売りもままならず、ショートカバーを入れた後は“ドテン買い”に動くケースも増えているという。ネット証券から外資系に貸し出す際の貸株金利は年利で約20%と言われており、短期の叩き売りが奏功しなければそのコストを思い切り被ることになる。戦略の転換は必至となる。空売りターゲットだったバイオ関連はその象徴で、きょうはメディシノバ・インク<4875.T>がストップ高、クリングルファーマ<4884.T>なども本領を発揮し始めている。バイオ関連は短期の割り切りスタンスが必要だが、需給相場の醍醐味を味わうには最適である。シンバイオ製薬<4582.T>やオンコリスバイオファーマ<4588.T>といった銘柄にも出番が回ってくる可能性がありそうだ。  あすのスケジュールでは、7月の白物家電出荷額が午前取引時間中に発表される。海外では7月の豪消費者物価指数(CPI)のほか、米国ではウォラーFRB理事がインドで講演予定にあり、その発言内容が注目される。また、ベネチア国際映画祭(~9月7日)、パリ・パラリンピック(~9月8日)が開催される。なお、米国の主要企業の決算発表では、エヌビディア以外にセールスフォース<CRM>の決算発表も注目される(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/08/27 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=アイスペース、需給改善で押し目買いチャンス  ispace<9348.T>の戻りトレンドに期待したい。同社は月への物資輸送(ペイロードサービス)をはじめとした月面開発の事業化を手掛けるベンチャー企業で、株式市場でも注目度が高い。昨年4月に実施した月面探査プログラムで月面着陸には失敗したが、早ければ今年の冬にも2回目の挑戦が予定されており、学習効果から次のチャレンジでの成功確率は前回よりも格段に高まることが予想される。  株価は8月5日の上場後安値430円からは200円以上水準を切り上げているが、依然として底値圏に位置している。株式需給面では信用買い残の整理がピーク時からは大分進んだことで、戻り足が軽くなっている。中期波動の上値抵抗ラインとして意識される75日移動平均線越えが視野に入っており、時価は押し目狙いで面白そうだ。(桂) 出所:MINKABU PRESS 2024/08/27 10:00

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