注目トピックス 日本株ニュース一覧

注目トピックス 日本株 JIG-SAW---IR情報冊子を制作、グローバルIoTビジネスや自動運転事業の近況を株主に訴求 JIG-SAW<3914>は、27日、「グローバルIoTビジネス」や「自動運転」等を軸にしたIR情報冊子を制作し、特に個人投資家に向けて事業現況や今後の成長性について訴求すると発表した。同社は、業績・ニュースについて、日常的な情報発信の中で開示しているが、同社サービスは、個人向けには馴染みの薄い法人向けサービスであるため、特に個人の株主に対し、同社がグローバルでの大きな成功を目指すIoTビジネスや実用化に向けて着実に進行している自動運転等の分野に関するより深く詳しい事業現況、今後の大きな成長性について、ダイレクトに情報を届けるとしている。なお、配送は、2022年3月末から4月上旬を予定しており、希望すればバックナンバーの申込みも可能としている。 <ST> 2021/12/28 09:31 注目トピックス 日本株 【IPO】セキュア<4264>---初値は2185円(公開価格950円) セキュア<4264>の初値は公開価格の2.3倍となる2185円となった。初値形成時の出来高は46万1800株だった。 <HK> 2021/12/28 09:01 注目トピックス 日本株 SBI、ヤマトHD◆今日のフィスコ注目銘柄◆ SBI<8473>東証の市場区分の見直しで、新生銀行が「スタンダード市場」を選択する方針を固めたことが報じられている。SBIは非上場化による公的資金返済に軸足を移すと伝えられており、新生銀行が日経平均構成銘柄から除外となれば、今後はSBIが臨時組み入れ期待銘柄として思惑的な動きを見せてくる可能性はありそうだ。短期筋の値幅取り狙いの動きなども活発化しよう。ヤマトHD<9064>11月30日につけた2494円をボトムにリバウンドを継続しているが、75日線に上値を抑えられている。もっとも、下値は25日線が支持線として機能しており、煮詰まり感が台頭。一目均衡表では雲下限に到達しており、雲突破を試す動きを見せてくるか注目される。なお、遅行スパンは実線を下から上に突き抜ける、上方シグナルを発生させている。 <FA> 2021/12/28 08:37 注目トピックス 日本株 ADR日本株ランキング~トヨタなど全般堅調、シカゴは大阪比320円高の28970円~ ADR(米国預託証券)の日本株は、トヨタ<7203>、ソニーG<6758>、ファナック<6954>、デンソー<6902>、任天堂<7974>、ファーストリテ<9983>、HOYA<7741>、富士通<6702>、オムロン<6645>、TDK<6762>など、対東証比較(1ドル114.9円換算)で全般堅調。シカゴ日経225先物清算値は大阪比320円高の28970円。米国株式市場は続伸。ダウ平均は351.82ドル高の36302.38ドル、ナスダックは217.89ポイント高の15871.26で取引を終了した。クレジットカード会社、マスターカード(MA)のデータで今年の年末商戦の小売売上高が17年ぶり最大の伸びを示すかなり強い結果が明らかになり、寄り付き後上昇。さらに、新型コロナ、オミクロン変異株の入院リスクが他のコロナ株に比べ低いとの最新研究結果も手伝い景気回復が続くとの期待に終日堅調に推移した。27日のニューヨーク外為市場でドル・円は、114円68銭から114円91銭まで上昇し、114円89銭で引けた。新型コロナウイルス・オミクロン株感染への過度の警戒感後退による欧米株高や原油急反発を受けて、円売りが優勢になった。ユーロ・ドルは1.1306ドルから1.1332ドルまで上昇し、1.1325ドルで引けた。オプション期限付近で欧州通貨買いが目立った。NY原油先物2月限は、続伸(NYMEX原油2月限終値:75.57 ↑1.78)。■ADR上昇率上位銘柄(27日)<6460> セガサミーHD 4.1ドル 1884円 (68円) +3.74%<1812> 鹿島 11.76ドル 1351円 (41円) +3.13%<8309> 三井トラスト 3.43ドル 3941円 (114円) +2.98%<6976> 太陽電 237.5ドル 6822円 (192円) +2.9%<7012> 川重 7.38ドル 2120円 (55円) +2.66%■ADR下落率上位銘柄(27日)<7752> リコー 9.11ドル 1047円 (-30円) -2.79%<6753> シャープ 2.82ドル 1296円 (-10円) -0.77%<7731> ニコン 10.68ドル 1227円 (-8円) -0.65%<3401> 帝人 12.03ドル 1382円 (-9円) -0.65%<8316> 三井住友 6.83ドル 3924円 (-1円) -0.03%■その他ADR銘柄(27日)<1925> 大和ハウス 28.76ドル 3305円 (39円)<1928> 積水ハウス 21.54ドル 2475円 (34.5円)<2503> キリン 16.46ドル 1891円 (9.5円)<2802> 味の素 30.54ドル 3508円 (52円)<3402> 東レ 11.75ドル 675円 (0.3円)<3407> 旭化成 18.75ドル 1077円 (7円)<4523> エーザイ 58.05ドル 6670円 (4円)<4704> トレンド 57.63ドル 6622円 (92円)<4901> 富士フイルム 74.08ドル 8511円 (59円)<4911> 資生堂 56.25ドル 6463円 (57円)<5108> ブリヂストン 22.15ドル 5090円 (60円)<5201> AGC 9.78ドル 5616円 (16円)<5802> 住友電 12.85ドル 1476円 (0円)<6301> コマツ 23.36ドル 2683円 (23円)<6503> 三菱電 25.56ドル 1468円 (7円)<6586> マキタ 42.94ドル 4934円 (65円)<6645> オムロン 100.61ドル 11560円 (95円)<6702> 富士通 34.41ドル 19769円 (229円)<6723> ルネサス 6.18ドル 1420円 (10円)<6758> ソニーG 127.21ドル 14616円 (251円)<6762> TDK 40.08ドル 4605円 (65円)<6902> デンソー 40.95ドル 9410円 (117円)<6954> ファナック 21.24ドル 24411円 (366円)<6988> 日東電 38.89ドル 8937円 (97円)<7201> 日産自 9.72ドル 559円 (6.3円)<7202> いすゞ 12.81ドル 1472円 (14円)<7203> トヨタ 185.9ドル 2136円 (28円)<7267> ホンダ 28.21ドル 3241円 (50円)<7270> SUBARU 8.91ドル 2048円 (5円)<7733> オリンパス 22.38ドル 2571円 (38.5円)<7741> HOYA 148.72ドル 17088円 (218円)<7751> キヤノン 25.25ドル 2901円 (41円)<7912> 大日印 12.63ドル 2902円 (45円)<7974> 任天堂 61.3ドル 56347円 (947円)<8001> 伊藤忠 61.36ドル 3525円 (34円)<8002> 丸紅 97.53ドル 1121円 (17円)<8031> 三井物 472.48ドル 2714円 (37.5円)<8053> 住友商 14.73ドル 1692円 (14.5円)<8306> 三菱UFJ 5.49ドル 631円 (10.4円)<8309> 三井トラスト 3.43ドル 3941円 (114円)<8316> 三井住友 6.83ドル 3924円 (-1円)<8411> みずほFG 2.56ドル 1471円 (22.5円)<8591> オリックス 100.85ドル 2318円 (25円)<8604> 野村HD 4.38ドル 503円 (2.2円)<8766> 東京海上HD 56.15ドル 6452円 (104円)<8802> 菱地所 13.84ドル 1590円 (10.5円)<9432> NTT 26.93ドル 3094円 (19円)<9735> セコム 17.36ドル 7981円 (45円)<9983> ファーストリテイ 58.25ドル 66929円 (569円)<9984> ソフトバンクG 22.85ドル 5251円 (31円) <ST> 2021/12/28 07:56 注目トピックス 日本株 前日に動いた銘柄 part2 三井金属エンジニアリング、湖北工業、シンクレイヤなど 銘柄名<コード>27日終値⇒前日比ニトリHD<9843> 16965 -1185第3四半期営業減益幅拡大を警戒視。enish<3667> 354 -28新株予約権の発行を発表。日本電波工業<6779> 1759 -98高値水準接近で戻り売りが優勢に。Gunosy<6047> 837 -40先週の連騰を受けて戻り売り圧力も強まる。ソースネクスト<4344> 176 -925日線レベルでは戻り売りが優勢に。メディカル・データ・ビジョン<3902> 1218 -50需給改善を期待した上値追いにも一巡感。ソフトバンクグループ<9984> 5220 -159クレディ・スイスGが資金返済求め提訴と伝わる。三井金属エンジニアリング<1737> 1064+150三井金属が完全子会社化目指してTOB実施。湖北工業<6524> 7450 +700直近IPO銘柄には今後の需給改善期待が優勢に。キョウデン<6881> 717 +47パワー半導体やEV関連分野の成長期待が続く形に。YE DIGITAL<2354> 452 -65第3四半期決算内容をマイナス視。シンクレイヤ<1724> 1151 +14121年12月期予想の修正を発表、営業利益は9.70億円から11.60億円に引き上げた。イメージ情報開発<3803> 492+803PLATZと業務提携契約を締結。アスタリスク<6522> 3010+500ファーストリテイリングと係争中だったセルフレジを巡る訴訟で和解が成立。オータケ<7434> 1605 +6722年5月期予想を上方修正、営業利益は3億円から5億円に引き上げた。ステラファーマ<4888> 757 +7110月の戻り高値突破で関心強まる。アジャイルメディア<6573> 460 +38YouTuber事務所と連携、ファン参加型タイアップの提供開始。中村超硬<6166> 511 +28子会社日本ノズルが大型不織布用ノズル等が製造できる新工場を建設へ。オンコリスバイオファーマ<4588> 541 -100Liquid Biotechとのがん検査薬テロメスキャン(OBP-401)のライセンス契約を解消。アジアクエスト<4261> 5060 -27日マザーズ市場へ新規上場、公開価格は2430円。前場段階では初値形成に至らず。セキュア<4264> - -27日マザーズ市場へ新規上場、公開価格は950円。前場段階では初値形成に至らず。 <FA> 2021/12/28 07:32 注目トピックス 日本株 前日に動いた銘柄 part1 ラクスル、イソライト工業、トレックス・セミコンダクターなど 銘柄名<コード>27日終値⇒前日比エアトリ<6191> 3210 -145欧州でのオミクロン変異株感染拡大を嫌気。リニューアブル・ジャパン<9522> 1806 -168レノバのストップ安から連想売り。ラクスル<4384> 5480 +220売り一巡感で押し目買い活発化。日本コンクリート工業<5269> 267 +9自社株買いを発表。タムラ製作所<6768> 738+100ノベルクリスタルテクノロジーの製品開発を材料視。アトラグループ<6029> 333 +46伊藤忠との業務委託契約締結を期待材料視。イソライト工業<5358> 1196 +158品川リフラクトのTOB価格1200円にサヤ寄せ続く。ミタチ産業<3321> 1106 +142上半期決算は一段の上振れ着地に。佐鳥電機<7420> 1061 +96ノベルクリスタルテクノロジーの出資企業として関心。ヘリオステクノ<6927> 304 +28配向膜印刷装置の大型受注を発表。トレックス・セミコンダクター<6616> 3625 +335ノベルクリスタルテクノロジー出資企業の一角として物色。ネットプロHD<7383> 1463 +107IPOラッシュ一巡後の需給改善期待なども。アステリア<3853> 1032 +79LINE WORKSとのコンポーネント開発を引き続き材料視。双信電機<6938> 786 +25「5G」、「EV」両分野での成長期待が続く。ほくほく<8377> 864 +59自己株式の取得実施発表で需給改善期待。レノバ<9519> 3900-700由利本荘風力発電事業者に選定されず。EduLab<4427> 941 -237特別調査委員会による追加調査継続との発表を嫌気。テスホールディングス<5074> 1990 -200レノバの急落受けて再生エネ関連の一角に売り集まる。象印マホービン<7965> 1433 -153今期大幅減益見通しをネガティブ視。ビーグリー<3981> 1664 -169TOB抽選漏れなどの売りが集まる状況か。イーレックス<9517> 2000 -192レノバの株価急落から連想売りも集まる。エフテック<7212> 566 -49メキシコ子会社の生産能力増強を引き続き材料視。 <FA> 2021/12/28 07:15 注目トピックス 日本株 ハウスコム---プライム市場基準達成に向けた計画書と新成長戦略を発表 ハウスコム<3275>は24日、新市場区分におけるプライム市場の基準達成を目的として、適合に向けた計画書を発表した。時価総額の増大や流動性の改善に向け、新成長戦略推進による業績向上やコーポレートガバナンスの充実、IRの拡充などを進める。新成長戦略推進による業績向上については、同日に併せて従来の中期経営計画に替わる「新成長戦略」を策定・公表した。3カ年目標値及び2030年3月期に向けた目標を定めている。具体的には「グループ直営の賃貸不動産仲介店舗を2021年3月期末の189店舗から300店舗に増やす」「事業領域の拡大、不動産の売買仲介分野への進出強化」「連結営業利益を2025年3月期までにコロナ前水準の11.9億円に回復させ、2030年3月期には21.3億円を目指す」などを掲げた。同社は業界の中でも先進的な取り組みを積極的に展開する企業であり、各方針の実行力は高いと思われる。また、目標達成に向けた取り組みも活発で、前倒しでの進捗も期待できると弊社は考える。 <ST> 2021/12/27 16:56 注目トピックス 日本株 【M&A速報:2021/12/27(2)】フロンティア・マネジメント<7038>、セレブレインを子会社化 ■フロンティア・マネジメント<7038>、人事戦略コンサル等のセレブレインを子会社化 60.4%の株式取得■学研HD<9470>、グローバル・ブレイン8号投資事業有限責任組合に出資■ストライダーズ<9816>グループ、スリランカで小規模農家のプラットフォーム事業展開のアグリスミクスに出資■ドライバー専門求人サイト等運営のドラEVER、SXキャピタルからシリーズBで約2億円の資金調達を実施■がん・感染症予防ワクチン開発の米VLPセラピューティクス、シリーズA-1で約24億円の資金調達を実施■Minerva Growth Capital、Taiyo Jupiter Holdings, L.P.からローランド<7944>株15%を取得■明電舎<6508>、子会社の明電O&Mを吸収合併【ニュース提供・MARR Online(マールオンライン)】 <FA> 2021/12/27 16:35 注目トピックス 日本株 日経平均寄与度ランキング(大引け)~日経平均は続落、ファーストリテとソフトバンクGの2銘柄で約75円押し下げ 27日大引け時点の日経平均構成銘柄の騰落数は、値上がり50銘柄、値下がり169銘柄、変わらず6銘柄となった。日経平均は続落。24日は海外の主要市場がクリスマスの祝日で休場だった。引き続き世界的な新型コロナウイルス変異株「オミクロン型」の感染拡大が懸念される一方、日本でも米製薬大手メルクの新型コロナ経口薬「モルヌピラビル」が承認されたことなどからやや警戒感が和らぎ、週明けの日経平均は3円高からスタートした。しかし、取引参加者が少なく、売買の手掛かり材料にも乏しいなかで利益確定の売りが出て、朝方に一時28658.82円(前週末比123.77円安)まで下落。その後は軟調もみ合いの展開となった大引けの日経平均は前週末比106.13円安の28676.46円となった。東証1部の売買高は7億7748万株、売買代金は1兆6685億円と前週末並みの低水準だった。業種別では、情報・通信業、非鉄金属、電気・ガス業が下落率上位で、その他も全般軟調。一方、ゴム製品、その他金融業、不動産業など5業種が上昇した。東証1部の値下がり銘柄は全体の67%、対して値上がり銘柄は29%となった。値下がり寄与トップはファーストリテ<9983>、同2位はソフトバンクG<9984>となり、2銘柄で日経平均を約75円押し下げた。また、日経平均構成銘柄の下落率トップはZHD<4689>で3.50%安、同2位はソフトバンクGで2.96%安だった。ソフトバンクGについては、クレディ・スイスGが訴訟を準備していると英紙が伝えている。クレディ・スイスGでは3月に経営破綻した英金融会社グリーンシルにからんだ資金回収を進めているが、破綻前に追加支援をしていた同社にも返済を求めるようだ。一方、値上がり寄与トップは東エレク<8035>、同2位はアドバンテ<6857>となり、2銘柄で日経平均を約53円押し上げた。また、日経平均構成銘柄の上昇率トップも東エレクで2.09%高、同2位はニコン<7731>で1.98%高だった。*15:00現在日経平均株価  28676.46(-106.13)値上がり銘柄数  50(寄与度+83.79)値下がり銘柄数 169(寄与度-189.92)変わらず銘柄数  6○値上がり上位銘柄コード  銘柄         直近価格        前日比 寄与度<8035> 東エレク        65600         1340 +47.23<6857> アドバンテ       10960           90 +6.34<9613> NTTデータ        2435           23 +4.05<4523> エーザイ         6666           97 +3.42<6758> ソニーG         14365           95 +3.35<4543> テルモ          4885           23 +3.24<4568> 第一三共       2930.5           26 +2.75<7203> トヨタ          2108         11.5 +2.03<3382> 7&iHD           5001           49 +1.73<5108> ブリヂストン      5030           37 +1.30<7731> ニコン          1235           24 +0.85<8830> 住友不          3378           23 +0.81<9064> ヤマトHD         2714           20 +0.70<3099> ミツコシイセタン    832           15 +0.53<8252> 丸井G           2154           15 +0.53<7267> ホンダ          3191           7 +0.49<8697> JPX         2506.5           14 +0.49<1928> 積水ハウス      2440.5           13 +0.46<9009> 京成           3140           20 +0.35<8233> 高島屋          1054           18 +0.32○値下がり上位銘柄コード  銘柄         直近価格        前日比 寄与度<9983> ファーストリテ    66360         -1180 -41.59<9984> ソフトバンクG     5220         -159 -33.62<9433> KDDI           3333          -29 -6.13<6645> オムロン        11465         -140 -4.93<9766> コナミHD         5500         -140 -4.93<6762> TDK            4540          -45 -4.76<2413> エムスリー       5752          -50 -4.23<8015> 豊通商          5280         -110 -3.88<6954> ファナック       24045         -110 -3.88<6506> 安川電          5770         -100 -3.52<6861> キーエンス       73180         -910 -3.21<6367> ダイキン        25750          -90 -3.17<4704> トレンド         6530          -80 -2.82<6981> 村田製          9180          -96 -2.71<6305> 日立建          3295          -70 -2.47<7733> オリンパス      2532.5          -17 -2.40<3659> ネクソン         2244          -34 -2.40<6971> 京セラ          7199          -33 -2.33<4519> 中外薬          3747          -22 -2.33<7832> バンナムHD       9109          -65 -2.29 <FA> 2021/12/27 16:33 注目トピックス 日本株 新興市場銘柄ダイジェスト:オンコリスはストップ安、アスタリスクがストップ高 <9211> エフ・コード 5000 -上場2営業日目に公開価格(2020円)の約3.0倍となる6000円で初値を付けた。会社設立は06年3月15日。CX(顧客体験)領域のデータ基盤を軸に企業のDX推進を支援するサービスを提供している。21年12月期の営業利益予想は前期比397.6%増の1.57億円。デジタル顧客獲得支援サービスが堅調に推移することに加え、販管費が14.1%減の2.39億円に縮小し、利益を押し上げる見通し。第3四半期累計の実績は1.38億円だった。<4588> オンコリス 541 -100ストップ安で年初来安値更新。15年11月に米国のLiquid Biotechと締結したがん検査薬テロメスキャン(OBP-401)のライセンス契約を解消すると発表している。ベンチャーキャピタルからの資金調達が遅延し、事業進捗が当初計画から大幅に遅延した状況を受けた措置。契約解消に伴い、蛍光顕微鏡等のテロメスキャンに関する設備投資額の回収が困難になったため、21年12月期に1.10億円の特別損失を計上する。業績見通しは精査中としている。<6522> アスタリスク 3010 +500ストップ高。ファーストリテイリング<9983>と係争中だったRFID(タグ情報を非接触で認識する技術)を活用したセルフレジ案件で、全面的な和解をしたと発表している。アスタリスクはセルフレジの開口型RFID読み取り機能に関する特許を取得しており、独自にセルフレジを開発して使用していたファーストリテイリングと争っていた。ただ、話し合いを継続する中で相互理解ができ、協力して互いの事業の発展に努めるとの合意に至ったという。<6166> 中村超硬 511 +28一時ストップ高。子会社の日本ノズル(神戸市)が新工場を建設し、大型メルトブローンノズル・ダイ製造設備に関する投資を実施すると発表している。投資予定額は約21億円(うち約11.5億円はサプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金)で、操業開始時期は23年4月の予定。場所は日本ノズルの工場敷地内。大型不織布用ノズル等の製造設備を設置し、医療用ガウンやおむつなど衛生用品の需要に対応する。<6573> アジャイル 460 +38大幅に3日ぶり反発。YouTuber/インフルエンサー事務所と連携し、クリエイターとファンの繋がりを活かした「ファン参加型クリエイタータイアップ」ソリューションの提供を開始すると発表している。従来のタイアップではコンテンツの視聴数や反応を主な分析範囲としていたが、ファン参加型タイアップでは参加者1人ひとりの活動内容やSNSによる情報発信の貢献分析が可能になるという。<1724> シンクレイヤ 1151 +141大幅に続伸。21年12月期の営業利益を従来予想の9.70億円から11.60億円(前期実績7.65億円)に上方修正している。通信事業者向け機器販売が好調に推移し、ケーブルテレビ事業者向けFTTH関連工事も順調に進捗したため。半導体の調達不足や原油価格の上昇などの懸念があったものの、サプライチェーンを駆使した生産・物流体制維持に努めたことが奏功した。販管費の抑制も利益拡大の要因となる見通し。 <ST> 2021/12/27 16:15 注目トピックス 日本株 MDNT Research Memo(8):次期中期経営計画を策定中。東証の市場再編に伴い「グロース市場」を選択 ■メディネット<2370>の事業活動の進捗と今後の取り組み3. 次期中期経営計画について2021年9月期を最終年度とする中期経営計画「ACCEPT2021戦略」では、細胞加工業の事業構造改革に取り組み、品川CPFでの効率的な製造体制を確立した。2019年9月期にはセグメント利益89百万円の黒字化を達成したものの、2020年9月期~2021年9月期はコロナ禍長期化の影響で損失を計上した。一方で、注目のCDMO事業も芽吹き始めた。現在、次期中期経営計画(ポスト「ACCEPT2021戦略」)は経営陣と戦略スタッフが検討中である。また東京証券取引所の市場再編(市場区分の見直し)に伴い、マザーズ取引市場に属する同社も、「事業計画と成長可能性」(2021年12月3日付で適時開示)を提出し、「グロース市場」を選択した。これは、新中期経営計画が“実現性のある戦略を確実に実行・効果を上げる”マネジメントシステムとして機能しているか評価されるものである。4. 患者の利益を考えたプロモーション(啓発)活動同社は、ここ数年間継続してメディアを通じて「がん免疫細胞治療」に関する啓発活動を行っている。同社は、がん治療従事者(医療機関や治療薬メーカー)として、がん患者が自身にとって最善の治療法を受けられるよう、医師や患者に向け「がん免疫細胞治療」に関する正しい知識・情報提供に努めている。5. 「カラダの免疫力」を高め、健康・長寿社会を実現する厚生労働省では「健康寿命」「長寿社会」に向けて、多様な健康・医療政策を打ち出している。同社は健康・長寿のカギとして常に免疫機能を高めておくことが肝要と考えている。同社のコア技術「免役細胞」はこうした「健康・長寿社会」の本格的な到来で、ますます重要性が高まっていると言える。「カラダの免疫力を高め、『健康・長寿社会』を実現する」ことが同社のパーパス経営となる。(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司) <EY> 2021/12/27 16:08 注目トピックス 日本株 MDNT Research Memo(7):「慢性心不全治療薬」「新型コロナウイルスワクチン」に資源集中 ■メディネット<2370>の事業活動の進捗と今後の取り組み2. 再生医療等製品事業の進捗と今後の取り組み再生医療等製品事業では、1) 「慢性心不全治療に用いる再生医療等製品の実用化」(九州大学との共同研究開発)、2) 「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の予防を目的とした自家樹状細胞ワクチンの開発」(国立がん研究センター、慶應義塾大学と共同研究)、3) 「HSP105に関連したがん免疫療法」(国立がん研究センターとの共同研究開発)、4) 「グルコース誘導体(2DG)によるT細胞の免疫細胞治療技術の開発」、5) 「キメラ受容体遺伝子を導入した免疫細胞の開発」(京都府立医科大学との共同研究開発)、6) 先制医療における免疫細胞治療の有用性にかかる共同研究等の研究開発を進めている。主要研究開発6テーマのうち、1) 及び2) を優先的に資源を集中して取り組んでいる。それ以外の開発テーマについては、開発が一定程度進んだ段階で事業性評価をベースに優先的に取り組むテーマの取捨選択や、国内外に目を向けて出口が見えている他社の開発テーマのライセンスイン、または当該企業・研究機関との資本業務提携等といった動きが今後あるかどうかにも注目したいところである。一方、同社は日本における自家細胞培養軟骨「NeoCart(R)」の製品開発に取り組んでいる。2018年12月に、米国食品医薬品局(FDA)の第III相臨床試験(安全性・有効性評価)の最終評価を発表、米国ヒストジェニックス(当時)のデータは有効性を示唆する結果ではあったものの、生物学的製剤承認申請(BLA)には追加の臨床試験を行う段階にある。(1) 慢性心不全治療向け「α-GalCer/DC」の共同開発状況同社と九州大学は難治性疾患である拡張型心筋症における新たな治療法として、樹状細胞を担体としたαガラクトシルセラミド(α-GalCer/DC)を用いてナチュラルキラーT細胞を活性化させ慢性心筋炎症を制御する研究に取り組んでいる。九州大学医学部の筒井教授主導のもと第I/IIa相臨床試験を実施した。同社は治験製造面で支援し、次相IIb試験の共同研究に向けて、治験製品の製造準備(同社品川CPFへ製造移管、製法変更等)及びPMDAとの協議(IIb相試験プロトコル、治験製品の品質や供給体制等)を進めている。現在は第IIb治験届出の準備が整ったとしており、2022年9月期中(出来るだけ早い時期)に治験開始と見られる。同研究は市場や投資家からの関心が高く、臨床試験結果に注目が集まっている。(2) 新型コロナウイルス感染症ワクチンの開発状況新型コロナウイルス感染症ワクチンは、引き続き世界で約160品目の研究開発が進められている。開発中のワクチンには、「不活性ワクチン」「組換えタンパクワクチン」「ウイルスベクターワクチン」「DNAワクチン」「メッセンジャーRNAワクチン」といった様々なワクチンがあり、米国Pfizer Inc.、独BioNTech SE、米国Moderna, Inc.、英国オックスフォード大学及び英国AstraZeneca PLCで開発・製造されたワクチンは、それぞれ世界各国で認可され接種が進んでいる。その反面、接種後は血栓ができる恐れや副反応のリスクも懸念されている。しかしその確率はわずかとされ、ワクチン接種による恩恵はリスクを上回ると言われており接種を奨励している国や地域は多い。一方、同社が開発している「自家樹状細胞ワクチン」はこれらのワクチンとは異なる。樹状細胞にSARS-CoV-2抗原をパルスし細胞性免疫により細胞傷害性リンパ球(CTL)を誘導して、体内でウイルスに感染した細胞そのものを殺傷し、除去する。さらに、一部のCTLはメモリーT細胞となって、ウイルス(SARS-CoV-2)に対する細胞傷害活性を持ったまま宿主に記憶されるため、長期的な予防効果が見込まれている。同社の樹状細胞はがん治療分野で独自に開発したものであるが、「自家樹状細胞ワクチン」はそのメカニズムを新型コロナウイルス向けに応用開発したものである。樹状細胞はがん治療分野では十数年前から実地医療現場で使用され、十分な安全性実績がある。しかし、樹状細胞ワクチンは患者自身の樹状細胞の成分採血をするため治療に手間がかかり、万人向けのワクチンとしては適していないため、同社は新型コロナウイルスのワクチンについては、重症化リスクのある高齢者・基礎疾患を有する人や医療従事者などウイルスに感染しやすい環境下の就業者が対象者となるとしている。2021年12月現在は、治験前に必要な非臨床安全性試験を実施しており、2022年以降の治験届の提出を予定している。ちなみに、樹状細胞を使ったワクチン開発は米国AIVITA Biomedical, INC.等数社しか行っていない極めて希少性の高いワクチンで、樹状細胞の活性化処理法に関する特許は同社が保有している。また同社は、「樹状細胞ワクチンプラットホーム」構想を描いている。「樹状細胞ワクチン」とは、樹状細胞を基盤に、そこに体内に侵入してきた異物(抗原)の“目印”を記憶させてそのターゲット(特定のウイルスや細菌)を攻撃する仕組みである。ターゲットを切り替えれば、新型コロナウイルスの変異種(直近のオミクロン株が好例)をはじめ、未だ有効なワクチンや治療薬が確立していない感染症(SARS、MERS、エボラ出血熱、ジカ熱、デング熱等)や多様な疾病(ウイルス性肝炎、HIV感染症、AIDS発症等)に対応したワクチンや治療薬の迅速な開発が可能となる。同社のコア技術は「免疫細胞」であり、免疫細胞技術をベースに現行のがん細胞治療分野から感染症(ウイルス・細菌)、さらにアンメット・メディカルニーズ対応やオーファン・ドラッグ(希少疾病用医薬品)新薬開発への道筋が開かれる。このビジネスモデルが国内外医療機関・製薬業界に高く評価されれば、同社の企業価値がさらに高まるものと弊社では期待している。(3) 米国での自家細胞培養軟骨NeoCart(R)の進捗日本における自家細胞培養軟骨「NeoCart(R)」の開発と販売を目的として、米国Ocugen, Inc.(旧 ヒストジェニックス)間で締結していたライセンス契約は、米国Medavate Corp.への引き継ぎ(データも含め技術資産譲渡)は実現しなかった。Ocugenは米国での開発再開を目指し、FDA(アメリカ食品医薬品局)と第III相の追加試験プロトコルについての協議を開始している。時間を要しているが、少しずつ進捗していると言う。同社は、Ocugenでの開発方針が決定次第、日本における開発方針を決定する。(4) 先制医療における免疫細胞治療の有用性にかかる共同研究2021年3月より臨床研究を開始しており、研究成果は免疫細胞治療の有用性の確立に向けた研究推進と再生医療等製品の治験に利用される。同社は、研究成果は早ければ2021年中にまとまるとしており、収集した基礎データはがん予防や感染症への応用を予定している。(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司) <EY> 2021/12/27 16:07 注目トピックス 日本株 MDNT Research Memo(6):細胞加工業は非がん治療領域への領域拡大、CDMO事業の拡大強化に取り組む ■事業活動の進捗と今後の取り組み1. 細胞加工業の進捗と今後の取り組み細胞加工業は、2019年9月期に初めて黒字化を達成したが、その後コロナ禍により免疫細胞治療を受ける患者(特にインバウンド患者)が激減し、今年も苦況(海外からの入国制限が継続)が続き、2021年9月期も減収・損失拡大を余儀なくされた。特定細胞加工物製造実績推移は、4~5期前の月間ピーク時に比べ、コロナ禍により細胞加工件数が急減したため、月間で約1/3まで落ち込んだ。しかし、2020年3四半期に細胞加工件数は下げ止まり、以降は徐々に回復傾向にある。コロナ禍の終息が見えないため、メディネット<2370>は国内がん患者を対象とした潜在顧客開拓をすべく、2021年9月期よりがん免疫細胞治療の啓発活動強化を推進している。また、「CDMO」事業は、かねてより進めていたヤンセンファーマとの治験製品製造における技術移転が完了し、同社と治験製品受託製造に関する契約を締結(2021年5月)、同年6月よりヤンセンファーマが日本国内で実施する国際共同治験(第III相臨床試験:CARTITUDE-4)の日本国内で試験に用いる治験製品製造工程の一部の製造受託を開始した。これにより、「CDMO」事業は業績拡大に向け進むことになる。細胞加工業の事業構造は特定細胞加工物製造業(がん免疫細胞治療の細胞培養加工)の“1本足打法”に偏っていたため、今回のコロナ禍の影響で大打撃を受けた。その教訓を生かし、事業環境変化に強い事業構造へ転換・拡大を推進している。従来からも進めていたが、1)非がん治療領域への領域拡大(細胞種と品目数の拡大)、2) CDMO事業の拡大強化が事業戦略の2本柱となる。CDMO事業の拡大強化のため、細胞培養加工の環境・体制整備として専門人材の採用(細胞加工技術者等40名程度)、資金調達(第18回新株発行、当初調達予定27億円)を実施した。また、事業目標については「2023年9月期黒字化」を目指す。一時的な黒字化だけにとどめずインバウンド患者依存の事業体質を改め、同社のコア事業として持続的安定成長型事業構造を確立することに主眼を置いている。(1) 特定細胞加工物の売上拡大再生・細胞医療に取り組む製薬企業、大学、医療機関、研究機関等から受託製造する特定細胞加工物における細胞種・品目数の取り扱いを増やしていくほか、「ネオアンチゲン樹状細胞ワクチン」の受託製造を推進していく。がんの治療に用いられるネオアンチゲン樹状細胞ワクチンは、患者自身のがん組織を用いてがん細胞の遺伝子異常を解析し、患者自身のがん固有の抗原(目印)を特定しワクチンを作製するため、少ない副作用で高い効果(免疫反応)が得られる。すなわち “オーダーメイドがんワクチン”とも言える。瀬田クリニック東京を中心とする同社の契約医療機関で提供している。同社は以前から、患者自身の組織を用いて治療に合わせた細胞加工の製造受託を行っており、今後も最新の「がんの個別化医療」に貢献しつつ、業績拡大に向け推進していく。(2) CDMO事業の加速2020年1月、品川CPFでは「再生医療等製品製造業許可」を取得した。同社はCDMO事業において、国内外製薬企業やバイオベンチャー企業に対し、今後アプローチを強化していく。ヤンセンファーマとの契約締結に次ぐ、治験製品受託製造の第2・第3の案件獲得に向け、製薬企業・大学病院を中心に顧客開拓活動を推進している。その活動を支える体制として、リモート環境を整え細胞加工業の効率化を行った。Web会議システムを用いた技術移転や監査など有効性を確認したうえで、Web周辺機器を用いたバーチャルプラントツアーを確立し、業務効率に効果をもたらしている。(3) バリューチェーン事業の拡大同社は“フロー型バリューチェーンビジネス”を構築し、再生・細胞医療のコンサルティング、細胞培養加工施設の運営管理、細胞加工技術者の派遣・教育システムの提供といった、特定細胞加工物を取り扱ううえで必要な一連の知見やノウハウを提供している。アカデミア(大学、研究機関)を中心として施設運営管理業務をリピート(継続受託)するとともに、新たに再生・細胞医療分野へ参入を企図しているアカデミアや製薬企業の様々なニーズに合わせた多様なサービスに取り組み、販売強化につなげていく。(4) 海外企業とのアライアンス活動強化同社は、2019年10月に台湾Medigen Biotechnology Corp.(MBC)とガンマ・デルタT細胞培養加工技術のライセンス契約を締結し、技術移転を完了した。この技術を用いたがん免疫細胞治療は台湾当局の承認後、MBCが提携する医療機関である新光醫院が台湾当局へ申請している。台湾国内で免疫治療を受診できる申請が許可されれば、台湾のがん患者が現地医療機関で同社の細胞培養加工技術を用いたがん免疫細胞治療が受けられるようになる。また、世界各国の医療法制度に応じて現地の医療機関に再生・細胞医療が健全に提供されるよう、同社が培った技術と経験を積極的にライセンス供与していく。さらに、コロナ禍の影響でインバウンド患者が入国できず減少傾向にあるが、日本での治療を待ち望んでいる多数の患者もおり、同社は日本で円滑に受診・治療できる仕組みを構築していくとしている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司) <EY> 2021/12/27 16:06 注目トピックス 日本株 MDNT Research Memo(5):細胞加工業はCDMO事業で製造受託の第1号を獲得し増収寄与 ■業績動向1. 2021年9月期通期の業績概要メディネット<2370>の2021年9月期通期の業績は、売上高が前期比12.8%減の683百万円、営業損失が1,080百万円(前期は926百万円の損失)、経常損失が870百万円(同836百万円の損失)、当期純損失が843百万円(同842百万円の損失)となった。細胞加工業において、CDMO事業の新規受託案件の製造を開始し売上増加に寄与したが、一方でコロナ禍の長期化による取引先医療機関における患者数の低迷で減収となった。損益面では、減収等により売上総利益は180百万円(前期比38.1%減)、販管費は1,261百万円(同3.6%増)となったことで営業損失は拡大した。昨年から継続実施している事業構造改革の徹底・強化等により一般管理費は効率化が図られた。また、投資事業組合運用益206百万円、固定資産売却益8百万円、新株予約権戻入益に伴う特別利益24百万円などにより、当期純損失は前期並となった。細胞加工業は2023年9月期黒字化を目指す。2022年9月期は足場固めの段階2. 2022年9月期通期の業績見通し2022年9月期通期の業績見通しは、売上高は752百万円(前期比10.1%増)、営業損失が1,755百万円(前期は1,080百万円の損失)、経常損失が1,755百万円(同870百万円の損失)、当期純損失が1,761百万円(同843百万円の損失)を見込んでいる。今後、感染防止策の徹底並びにワクチン接種の普及が進み、緊急事態宣言等の解除による経済活動の持ち直しが期待されるものの、コロナ禍の収束時期はいまだ見通せず、依然として先行きは不透明な状況が続くものと思われる。細胞加工業は、2019年9月期に初めて黒字化を達成したが、その後はコロナ禍により免疫細胞治療を受ける患者(特にインバウンド患者)が激減したため、大幅減収・損失を計上した。コロナ禍の終息に見通しがつかないことから、同社はインバウンド患者依存の事業体質を改め、新たな市場や顧客創出を図っていく。「特定細胞加工物」では、細胞種や品目拡大に向けて既に新規の受託製造を開始している。また、「CDMO」では、前期の製造受託契約をきっかけにさらなる受託が見込まれ、品川CPFの製造環境を整備し、受託に向けた技術移転などの実施を予定している。そのため、2022年9月期は売上回復・拡大を図りながら、2023年9月期に黒字化を目指す方針としている。3. 財務状況2021年9月期通期の財務状況を見ると、資産は、現金及び預金が4,095百万円(前期末比451百万円増)と2019年9月期末の1,403百万円を大幅に上回り、現金及び預金が手厚くなり研究開発資金が潤沢になったと言える。そのほかに投資有価証券の262百万円減少、有形固定資産の94百万円減少、無形固定資産の12百万円増加により、資産合計は前期末に比べ128百万円増加した。一方、負債合計は前期末に比べ31百万円増加した。主な増加要因は賞与引当金18百万円、未払金16百万円、繰延税金負債31百万円で、主な減少要因は未払法人税等33百万円である。純資産は、株主資本257百万円の増加となった一方、その他有価証券評価差額金137百万円及び新株予約権24百万円がそれぞれ減少したことにより、前期末に比べて96百万円増加となった。株主資本のうち、利益剰余金が6,509百万円増加、資本金3,767百万円及び資本剰余金2,483百万円それぞれ減少した。この結果、自己資本比率は、前期末の90.7%から90.8%となった。4. 資金調達同社では2020年9月期に第三者割当増資(新株予約権の発行・行使)を通算4回(第14~17回)実施し、資金2,942百万円を調達した。特に第17回新株予約権は、現在最優先で取り組んでいる新型コロナウイルス感染症の予防を目的とした自家樹状細胞ワクチンの開発資金に特化した第三者割当であった。また、2021年9月期に第18回新株予約権を発行した。今回の資金調達は、現在の喫緊の課題となっているCDMO事業拡大に向けた品川CPFの細胞培養加工施設の拡充や体制整備などに充てられる。なお、第17回新株予約権の行使は2021年6月15日に完了している。(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司) <EY> 2021/12/27 16:05 注目トピックス 日本株 MDNT Research Memo(4):免疫細胞治療分野のパイオニア。細胞加工技術の実績とノウハウを有する ■会社概要3. 特徴と強み(1) 細胞加工業としての実績約18.9万件メディネット<2370>のコア技術はがん免疫細胞治療のパイオニアとして蓄積してきた細胞加工技術である。その技術をベースに細胞加工業として、20年余りで細胞加工累積件数は約18.9万件(年間1万件ペース、2021年9月末)に達し、国内トップクラスの実績を有する。また、国内最大級の細胞培養加工施設(CPF)である品川細胞培養加工施設(2015年「特定細胞加工物製造許可」を取得、2020年「再生医療等製品製造業許可」を取得)を持ち、特定細胞加工物、再生医療等製品及び治験製品の開発から商用生産まであらゆる細胞・組織の加工や開発・製造受託に対応することが可能となっている。特に、細胞加工の品質面に自信を持っており、培養加工設備のオペレーションや独自の培養加工ノウハウが安全かつ高品質を生むカギとなっている。また、細胞加工技術者への教育と技術開発、信頼性保証の知識共有化が18.9万件の実績につながっている。(2) がん免疫細胞治療のファーストムーバー(先行者)である瀬田クリニックとの深い協力関係「免疫細胞療法総合支援サービス」(当時)は木村・江川体制がつくり上げたサービスである。瀬田クリニック東京は同社のがん免疫細胞治療用細胞加工技術を活用するがん免疫細胞治療専門クリニックで、これまで20年以上にわたり、同社と緊密かつ安定的な関係を維持してきた。また、中国・韓国などインバウンド患者(現在はコロナ禍の影響で入国制限)が増加傾向にあり、大きな需要となりつつある。同社の瀬田クリニック東京、並びに瀬田クリニック東京が医療連携を行っている全国の医療機関の売上高は全体の約7割を占める。しかし顧客集中リスクも内在し、同医療機関での医療事故や患者減少などにより特定細胞加工物の受託が減少する可能性も想定に入れておく必要がある。そのため同社は、がん免疫細胞治療の医療機関の新規開拓を進め、集中率を緩和する必要があると、弊社は考えている。(3) コア事業を所有前述のとおり細胞加工業は、これまで慢性的に損失計上が続いていたが、事業構造改革により利益体質への転換を図り、今後は稼げるビジネスとして事業を推進していく。ほかのバイオベンチャーと比較しても、財務体質はもとより経営の安定性がある。モノづくり企業と同様に、コア事業で稼いだキャッシュを成長の原資として新規事業に逐次資金投入することも可能である。そのため同社は、外部からの資金調達だけに頼ることなく、ベンチャー企業内で資金を環流できる財務構造の実現が可能となるだろう。(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司) <EY> 2021/12/27 16:04 注目トピックス 日本株 MDNT Research Memo(3):「細胞加工業」「再生医療等製品開発」で“両利きの経営”を行う ■会社概要2. 事業概要(1) 事業ポートフォリオメディネット<2370>は木村・江川体制の下、瀬田クリニック東京をがん免疫細胞治療の拠点として「免疫細胞療法総合支援サービス」の単体事業を推進してきた。2014年11月「再生医療等安全性の確保等に関する法律」及び「医薬品医療機器等法」が施行されたことにより、従来事業のコアを成していた「免疫細胞療法総合支援サービス」から細胞加工業へ転換し、さらに再生・細胞医療分野の再生医療等製品開発に乗り出した。免疫細胞療法総合支援サービスだけでは事業拡大の限界を感じており、再生医療等製品の開発が不可欠という考えがあったためだという。同社の“両利きの経営”は緒に就いたばかりで、これからいくつも高い壁を乗り越えて行かねばならない。これからの同社の手腕に注目したい。(2) コア事業としての細胞加工業細胞加工業では、主な顧客(医療機関、大学、研究機関などのアカデミア、製薬関係企業など)から臨床用、治験用の再生医療等製品や治験用の製品製造受託及び細胞培養加工施設の運営受託などを含めた関連サービスを行っている。また、顧客との関係構築のために、細胞加工技術者派遣、細胞培養加工施設の製造品質体制に対する教育、新規細胞培養加工施設の設計・据付のコンサルティングなどを付随サービスとして行っている。この20年間の細胞加工累計件数は約18.9万件(2021年9月末)の実績を有する。2014年に施行された「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」に基づき、2015年5月に品川細胞培養加工施設は「特定細胞加工物製造許可」を取得した。免疫細胞治療にかかる細胞加工に加え、体細胞・幹細胞・iPS 細胞などの多様な細胞加工の製造開発を受託することを視野に入れた特定細胞加工物の製造受託や、再生・細胞医療製品の開発から商業生産まで対応が可能となった。これに伴い、同社は医療法人社団滉志会※に対して3つの細胞培養加工施設(新横浜・大阪・福岡)を提供し、免疫細胞療法総合支援サービスを行っていたが、従来の「免疫細胞療法総合支援サービス」契約を終了し、2017年9月に「特定細胞加工物製造委受託」契約に切り替えた。医家向けの細胞加工から再生医療等製品の製造まで実施することとなり、細胞加工業における製造体制の効率化を図るため、2019年4月までに各細胞培養加工施設を品川細胞培養加工施設に統合した。※医療法人社団滉志会:国内初のがん免疫細胞治療の専門機関である瀬田クリニックグループの組織。(3) 「がん免疫細胞治療」が越えなければならない壁がん免疫細胞治療は現段階で保険適用になっておらず“自費診療”となっている。保険適用に至るためのエビデンスデータの不足・未整備は否めない。実際に、同社の業績にも医師の自費診療に対する拒否反応が大きく影響している。抗がん剤(保険適用)は患者の費用負担を軽減させることができる。しかしリスクもあり、治療に用いればがんは小さくできるが、治療を継続するとがんに耐性ができることがある。耐性ができると徐々に治療の効果が薄くなり、がんは完全消滅せずにまた大きくなってしまう。すると2nd、3rdラインの抗がん剤投与が始まり、最後には使用できる抗がん剤がなくなってしまう恐れがある。一般的に、標準治療ではがんが細胞レベルで完全に消失することはないと言われている。しかし、がん免疫細胞治療は体内に残存するがん細胞を細胞レベルで攻撃し、再発・転移を抑制させることを目的とする治療法で、標準治療(手術、放射線治療、抗がん剤)と併用すれば相乗効果も得られる。前述のとおり、がんの治療法は主治医が選択するため、患者自身ががん免疫細胞治療を希望するも、保険適用外となる治療は行わない方針の主治医は多い。そのため、現時点では“自費診療”であるがん免疫細胞治療は、保険承認を目指すため、有償で臨床試験しエビデンスデータを出していく必要がある。ただし、エビデンスデータの収集・蓄積には数年間に及ぶ時間を要する。最新の治療を保険診療として誰もが受けられるものとするためには、越えなければならない壁と言える。(4) 戦略事業としての再生医療等製品事業一般論として、「深化」は企業の事業収益の屋台骨を支えるものだが、「深化」だけを追求するとやがて成長の限界を迎えてしまう。そこに「探索」が加われば、自社が限界を迎える前に持続的成長を推進する選択肢を得やすくなる。企業総体としては、「深化」「探索」の両方(“両利きの経営”)があると良い。同社の場合は、2003年東証マザーズ株式上場のころから再生・細胞医療の研究開発に着手した。2017年には「再生医療等製品の製造販売承認」の取得や、自家細胞培養軟骨(開発番号MDNT01)の日本国内での製造と販売のライセンス契約締結の事業化を目指し、再生医療等製品事業の原型ができあがった。現在は自家細胞培養軟骨を筆頭に、「糖鎖修飾・代謝制御による免疫細胞の新規培養技術」で培養した免疫細胞を用いた再生医療等製品の開発(大阪大学との共同研究開発)、「慢性心不全治療に用いる再生医療等製品の実用化」(九州大学との共同研究開発)、「HSP105に関連したがん免疫療法」(国立がん研究センターとの共同研究開発)、「キメラ受容体遺伝子を導入した免疫細胞の開発」(京都府立医科大学との共同研究開発)などの研究開発を進めている。同社は、早期に製品化が可能な開発候補の選定を進める方針である。(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司) <EY> 2021/12/27 16:03 注目トピックス 日本株 MDNT Research Memo(2):苦況期を乗り越え、企業変革へ乗り出す ■会社概要1. 沿革メディネット<2370>は、「がん免疫細胞治療」領域のパイオニアとして走り続けてきた創業26年を迎えるバイオベンチャーである。(1) 創業の思い創業者である木村佳司氏のプロフィールを振り返る。木村氏は、自ら苦労を買って出る性分で何事にも深く首を突っ込み猛勉強し、当時所属していた組織で担当していた複数の分野のスペシャリストとなった。医療ビジネスに転身するきっかけは(株)保谷硝子(現HOYA<7741>)でコンタクトレンズや医療機器の販売を担当したことが背景にあるという。1995年にがん免疫細胞治療を開発・実用化する同社を創業した。木村氏は子どものころからひどい小児ぜん息を患っており、「ぜん息を治したい。健康になりたい」という思いが根底にあった。ぜん息は免疫疾患で薬での根治は難しく、体の免疫力のバランスを整えることで快方に向かう病気である。そのため同社を立ち上げた際も、免疫の領域で新しい事業を始めたいという思いがあった。その後、木村氏は東京大学医科学研究所でがんの免疫療法を研究してきた医師の故 江川滉二教授と出会い、2人は「がん治療の副作用から多くの患者さんを救うにはがん免疫細胞治療しかない」と大きな可能性を見出した。2人はがん免疫細胞治療法として血液内の免疫細胞に着目した。患者の血液から採取した免疫細胞を体外で培養し、機能を強化して体内に戻すことで、がんに対する免疫力を引き上げる仕組みを開発し、自分の免疫力を使ってがんを攻撃することを可能にした。その後、木村氏と江川氏(相談役として)は二人三脚で同社をけん引していった。(2) 画期的ビジネスモデル「免疫細胞療法総合支援サービス」をデザインし事業化に成功当時、再生・細胞医療は今ほど認知されていなかった。がん免疫細胞治療について有効性を示すデータは出ていたものの、事業として成立させるのは無理だと言われていた。しかし、患者のためにこの新しい治療法を普及させることは意義があると考え「だれもやらないなら自分たちでやるしかない」との思いから、「免疫細胞療法総合支援サービス」(当時)というまったく新しい事業モデルをデザインし、事業化するに至った。1999年には、江川教授が創業の地名を冠して命名・開院した国内初のがん免疫細胞治療専門クリニックである瀬田クリニック(現 医療法人社団 滉志会 瀬田クリニック東京)へサービスの提供を開始した。(3) 売上半減の苦況期同社の細胞加工業の売上高は、最盛時の2016年9月期には1,876百万円まで拡大したが、その後激減し、2018年9月期で売上半減の994百万円となった。その背景にはがん治療分野の免疫チェックポイント阻害剤の普及などが挙げられるが、最大の要因は、“自費診療”となる「がん免疫細胞治療」への風当たりが強かったことのようだ。通常、がん治療は標準治療(手術、放射線治療、抗がん剤など)をベースに主治医が治療計画を立てる。主治医は自分が得意とする治療以外にも、患者からの要望も踏まえ、効果のあるがん治療法(がん免疫細胞治療等)を取り入れた治療を検討することができる。しかし、標準治療以外は行わないという主治医は多く、一般的に“自費診療”の肯定派、否定派は半々であるようだ。否定派の医師は「保険で認められていない治療は用いるべきではない」という見解から、同社の細胞加工に関わるがん免疫細胞治療の適用が見送られるケースが多発したようだ。(4) 中期経営計画「ACCEPT2021戦略」を掲げ事業構造改革で“黒転”へ同社は2018年9月期から2021年9月期にかけて中期経営計画「ACCEPT2021戦略」を掲げ、同社の収益構造等の改善・改革に乗り出した。目指すのは、細胞加工業における製造体制の効率化及び2019年9月期の収支均衡、そして再生医療等製品のパイプライン拡充と早期収益化である。細胞加工業は2018年9月期に入ると、売上急減及び大幅な損失が見込まれ、事業再生は待ったなしの状況となった。「ACCEPT2021戦略」による事業構造改革により、2018年9月期から全国4拠点あった細胞培養加工施設を統合集約し、連結子会社2社を吸収合併、早期退職募集の実施や研究開発投資の大幅抑制に取り組んだことで、2019年9月期はセグメント利益89百万円となり、わずか1年間で黒字転換することができた。(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司) <EY> 2021/12/27 16:02 注目トピックス 日本株 MDNT Research Memo(1):細胞加工業の安定的事業収益構造を確立し、2023年9月期黒字化を目指す ■要約メディネット<2370>は、「がん免疫細胞治療」領域のパイオニアとして走り続けてきた、創業26年を迎えるバイオベンチャーである。創業者である木村佳司(きむらよしじ)氏(現 代表取締役社長)と東京大学医科学研究所において、がんと分子免疫学の研究者であった故 江川滉二(えがわこうじ)氏(東京大学名誉教授)が出会い、当時認知されていなかったがん免疫細胞治療を、“患者さんのため”に新しい治療法を提供すべく、「免疫細胞療法総合支援サービス」(当時)という画期的な新しいビジネスモデルをデザインし、事業化するに至った。1. 2021年9月期通期の業績概要及び2022年9月期通期の業績見通し2021年9月期通期の業績は、売上高が前期比12.8%減の683百万円、営業損失が1,080百万円(前期は926百万円の損失)、経常損失が870百万円(同836百万円の損失)、当期純損失が843百万円(同842百万円の損失)となった。細胞加工業において、CDMO事業の新規受託案件の製造を開始し売上増加に寄与したが、一方で新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)の長期化による取引先医療機関における患者数の低迷で減収となった。損益面では、減収等により売上総利益は180百万円(前期比38.1%減)、販管費は1,261百万円(同3.6%増)となったことで営業損失は拡大した。2022年9月期通期の業績見通しは、売上高は752百万円(前期比10.1%増)、営業損失が1,755百万円(前期は1,080百万円の損失)、経常損失が1,755百万円(同870百万円の損失)、当期純損失が1,761百万円(同843百万円の損失)を見込んでいる。今後は感染防止策の徹底並びにワクチン接種の普及が進み、緊急事態宣言等の解除による経済活動の持ち直しが期待されるものの、コロナ禍の収束時期はいまだ見通せず、依然として先行きは不透明な状況が続くものと思われる。2. 細胞加工業はがん免疫細胞加工の“1本足打法”から、事業環境に左右されないバランスのとれた事業構造を構築細胞加工業における「CDMO※1」事業は、かねてより進めていたヤンセンファーマ(株)※2との治験製品受託製造に関する契約を、2021年5月に締結し、製造受託を開始した。これにより、「CDMO」事業は業績拡大に向け進むことになる。また細胞加工業の事業目標として、2023年9月期黒字化を目指す。一時的な黒字化だけにとどめずインバウンド患者依存の事業体質を改め、同社のコア事業として持続的安定成長型事業構造を確立することに主眼を置いている。そのため、細胞培養加工の環境・体制整備として、専門人材の採用(細胞加工技術者等40名程度)、資金調達(第18回新株発行)を実施した。※1 CDMO(Contract Development and Manufacturing Organization)とはバイオ医薬品の受託開発・製造企業を指す。※2 世界最大のトータルヘルスケアカンパニーのジョンソン・エンド・ジョンソングループの医薬品部門。3. 再生医療等製品は「慢性心不全治療薬」と「新型コロナウイルスワクチン」に資源集中再生医療等製品事業における開発パイプラインでは、「慢性心不全治療に用いる再生医療等製品の実用化」と 「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の予防を目的とした自家樹状細胞ワクチンの開発」に優先的に資源集中して取り組んでいる。最も期待されているのは、「慢性心不全治療薬」である。九州大学医学部の筒井教授主導のもと、第I/IIa相臨床試験を実施し同社は治験製造面で支援している。第IIb治験届出の準備が整い次第、2022年9月期中(できるだけ早い時期)に治験開始と見られる。同研究は市場や投資家からの関心が高く、臨床試験結果に注目が集まっている。また同社は、がん治療分野で独自開発した「自家樹状細胞ワクチン」のメカニズムを新型コロナウイルス向けに応用開発し、現在国立がん研究センターや慶応義塾大学と共同研究を進め、治験前に必要な非臨床安全性試験を実施、2022年以降の治験届の提出を予定している。また、同社では「樹状細胞ワクチンプラットホーム」構想を描いている。ワクチンは、体内に侵入してきた”異物”(抗原)の“目印”を樹状細胞に記憶させることで、実際にターゲット(特定のウイルスや細菌)が侵入した場合に攻撃する。ターゲットを切り替えれば、新型コロナウイルスの変異種(直近のオミクロン株が好例)をはじめ、いまだ有効なワクチンや治療薬が確立していない感染症や多様な疾病に対応したワクチンや治療薬の迅速な開発が可能となる。同社のコア技術は「免疫細胞」であり、同技術をベースに既存のがん細胞治療分野から感染症分野、さらにアンメット・メディカルニーズ対応新薬開発への道筋が開かれ、このビジネスモデルが国内外の医療機関や製薬業界に高く評価されれば、同社の企業価値がさらに高まるものと弊社では期待している。■Key Points・2021年9月期は「CDMO」事業でヤンセンファーマより製造受託を獲得。これにより細胞加工業はがん免疫細胞加工の“1本足打法”から事業環境に左右されないバランスのとれた事業構造を構築・細胞加工業は2023年9月期黒字化を目指す。2022年9月期は足場固めの段階・再生医療等製品(研究開発・事業化)は「慢性心不全治療薬」と「新型コロナウイルスワクチン」に資源集中(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司) <EY> 2021/12/27 16:01 注目トピックス 日本株 テクマト Research Memo(10):配当性向は20%以上を基本に内部留保充実とのバランスを考えながら配当を実施 ■株主還元策テクマトリックス<3762>は株主還元策として配当金と株主優待制度を導入している。配当方針としては配当性向20%以上を基本方針として、内部留保充実とのバランスを考慮しながら決定していく。2022年3月期の1株当たり配当金は前期と同額の19.0円(配当性向31.5%)を予定している。ここ数期間は配当性向で30%以上の水準を維持しながら増配を続けていることから、2022年3月期も業績が計画を上回り、配当性向で30%を下回る水準になれば増配の期待も出てくる。また、株主優待に関しては毎年9月30日時点で500株以上保有の株主を対象に実施している。500株以上1,000株未満で1,500円相当の商品または寄付を、1,000株以上保有で4,000円相当の商品または寄付を選択できる内容となっている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) <EY> 2021/12/27 15:50 注目トピックス 日本株 テクマト Research Memo(9):2022年3月期業績は期初計画を据え置くも、上振れする可能性あり ■今後の見通し1. 2022年3月期の業績見通しテクマトリックス<3762>の2022年3月期の連結業績は、売上収益で前期比6.7%増の33,000百万円、営業利益で同3.3%増の3,700百万円、税引前利益で同8.6%増の3,700百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益で同4.3%増の2,400百万円と過去最高業績を更新する見通しだ。第2四半期までの通期計画に対する進捗率は売上収益で48.9%、営業利益で43.3%と50%を下回っているものの、同社の業績は従来から下期偏重型であるほか、ストック型サービスの新規案件の増加により右肩上がりの売上成長が見込まれることから、十分達成可能な数字と考えられる。特に、情報基盤事業については足元もクラウド型セキュリティサービスを中心に好調な受注が続いており、業績上振れ要因となる可能性がある。なお、人員体制については2021年3月期と同様のペースで増員を進めていく計画となっている。(1) 情報基盤事業情報基盤事業の売上収益は前期比9.8%増の23,000百万円、営業利益は同9.4%増の3,000百万円を見込んでいる。第2四半期までの通期計画に対する進捗率は売上収益で49.1%、営業利益で46.0%と前期実績(売上収益46.9%、営業利益44.7%)を上回るペースとなっている。前述したように、足元もクラウド型セキュリティサービスに対する需要は旺盛で繁忙状況が続いていることから、会社計画は上回る可能性が高い。今後の需要拡大が期待できる製品としては、ゼロトラスト・ネットワークアクセスモデルによる次世代セキュアアクセスソリューション「Appgate SDP」が挙げられる。リモートワークの普及に伴いVPN機器へのサイバー攻撃が急増するなかで、これら攻撃を防ぐためのツールとして注目されている。そのほか、ランサムウェア被害の増加に伴ってこれらを防御・検知するセキュリティ製品だけでなく、運用・監視サービス「TPS」や被害にあった場合に早急に必要なデータのバックアップ、改ざん防止を行うための次世代型セカンダリストレージ「COHESITY(コヒシティ)」などが挙げられる。(2) アプリケーション・サービス事業アプリケーション・サービス事業の売上収益は前期比0.1%増の10,000百万円、営業利益は同16.8%減の700百万円と増収減益を見込んでいる。第2四半期までの通期計画に対する進捗率は売上収益で48.6%、営業利益で31.6%となっており、前期実績(売上収益48.1%、営業利益51.6%)と比較すると営業利益の進捗率が低くなっている。医療分野やソフトウェア品質保証分野は順調に推移しているものの、CRM分野が低調だったことや、ビジネスソリューション分野で不採算案件が発生したことが要因となっている。下期についても医療分野やソフトウェア品質保証分野については好調が続く見通しだが、CRM分野については上期の受注遅れが響いて通期でも利益は計画を下回る可能性がある。ビジネスソリューション分野については、不採算案件の影響がなくなり、下期の利益は回復に向かうが、全体の営業利益はやや下振れする可能性があると弊社では見ている。2024年3月期に売上高400億円、営業利益50億円を目指す中期経営計画が順調に滑り出す2. 中期経営計画「BEYOND THE NEW NORMAL」(1) 基本方針と戦略テーマ2022年3月期からスタートした中期経営計画「BEYOND THE NEW NORMAL」では、デジタル化への急激なシフトと産業構造の劇的な変化を新たな成長機会と捉え、社会にとって必要不可欠な領域に向けた事業を加速し、社会課題を解決するためのサービス提供を通じて、持続可能な社会の創造に貢献していくことを基本方針に掲げた。現在の事業環境に置き換えて説明すると、企業のDXシフトが進むことで需要家側にIT人材が集まり、従来型のシステム受託開発型のビジネスは先細っていく可能性がある。一方で社会インフラとして安心・安全を確保するセキュリティソリューションの重要性は一層増してくるものと予想され、同領域を引き続き伸ばしていく。また、IT開発の内製化を支援するための各種開発支援ツールの提供やベストプラクティスを組み込んだ業務特化型のクラウド型サービスの提供によって、持続可能な社会の創造に貢献していくというものだ。事業戦略としては前中期経営計画において推進した「クラウド関連事業の戦略的・加速度的推進」「セキュリティ&セイフティ(安心と安全)の追求」を継続していく。また、基本戦略としては「取扱い製品の拡大・新規サービスの立ち上げ」「サービス化の加速(サービス比率の拡大)」「データの利活用(AIの利用含む)」「多様なアライアンス・M&A(既存事業の拡充と新規事業の創出)」「海外市場での事業拡大」「グループ間連携の強化によるシナジー創出」「人材育成/組織開発(ダイバーシティの推進含む)」の7つのテーマに取り組んでいく。まだ、スタートして8ヶ月余りだが、それぞれのテーマについて順調に進んでいるものと思われる。(2) 経営数値目標経営数値目標として、2024年3月期に連結売上収益40,000百万円、営業利益5,000百万円を掲げている。3年間の年平均成長率は売上高で9.0%、営業利益で11.7%となる。最初の2年間は教育事業や海外事業拡大のための先行投資を積極化していくこと、一部製品のサブスクリプションモデルへの移行による一時的な収益の落込みなどが影響して、利益の伸びが緩やかなものにとどまるが、2024年3月期には先行投資の効果なども出始め、利益成長も加速する格好となっている。2024年3月期の事業セグメント別業績目標は、情報基盤事業が売上収益で28,000百万円、営業利益で3,600百万円となる。年率10.2%の増収と9.5%の増益を見込む。売上収益については情報セキュリティシステムのクラウドシフトの流れが始まったばかりであり、今後も多くの企業や官公庁でクラウドシフトが進むと予想されることから、達成の可能性は十分あると言える。2023年3月期に営業利益率が12.4%と若干低下するが、これは大型案件の比率が高まることで利益率が一時的に低下することが要因だ。ただ、足元は想定以上に受注や受注残高が拡大しており、利益率の低下があったとしても増収効果により営業利益の水準は計画を上回る可能性が高いと弊社では見ている。また、運用・監視サービスである「TPS」の売上比率が高まってくれば利益率の上昇に寄与することになる。一方、アプリケーション・サービス事業は売上収益で12,000百万円、営業利益で1,400百万円を目標とし、年率6.3%の増収と18.5%の増益を見込んでいる。2022年3月期は利益ベースでやや下回る可能性があるものの、2023年3月期以降はCRM分野の売上収益が国内外で拡大していく見通しとなっているほか、医療分野やソフトウェア品質保証分野も増収増益が続く見通しとなっており、キャッチアップしていくことは可能と弊社では見ている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) <EY> 2021/12/27 15:49 注目トピックス 日本株 テクマト Research Memo(8):ストック型案件の拡大に伴い流動資産の前渡金、流動負債の契約負債が増加 ■業績動向3. 財務状況と経営指標テクマトリックス<3762>の2022年3月期第2四半期末の財務状況を見ると、資産合計は前期末比2,530百万円増加の42,527百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産では現金及び預金が425百万円、営業債権及びその他債券が615百万円それぞれ減少した一方で、ストック型サービスの拡大に伴い、前渡金が2,417百万円、前払保守料が316百万円それぞれ増加した。非流動資産ではその他の金融資産が339百万円増加した。負債合計は前期末比1,927百万円増加の25,569百万円となった。有利子負債が203百万円減少した一方で、契約負債が2,608百万円増加したことによる。契約負債は将来の売上収益として計上されるため、増加しているということは前向きに評価される。資本合計は前期末比602百万円増加の16,957百万円となった。利益剰余金が569百万円増加したことが主因だ。経営指標を見ると、親会社所有者帰属持分比率は前期末比0.9ポイント低下の36.2%となったが、これは将来売上計上される契約負債の増加が主因となっている。また、有利子負債比率は同1.6ポイント低下の7.8%となった。手元キャッシュは140億円以上と潤沢なことから、財務の健全性は維持されているものと判断される。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) <EY> 2021/12/27 15:48 注目トピックス 日本株 テクマト Research Memo(7):セキュリティシステムのクラウドシフトを背景に、情報基盤事業が大きく成長(2) ■業績動向b) CRM分野CRM分野の売上収益は前年同期比1ケタ減となった。前述したように前期まで継続していた既存顧客のリプレイス案件が一巡したことや、新規商談について成約に至るまでの時間がコロナ禍で長期化しており受注が伸び悩んだことが要因だ。ただ商談件数は堅調に推移しており、下期には受注ベースでキャッチアップし、通期受注は計画どおりとなる見込みだ。なお、テクマトリックス<3762>は受注拡大施策として周辺サービスを手掛けるベンダーとの連携を国内外で積極的に進めている。国内では(株)RevCommが開発した音声解析AI電話「MiiTel(ミーテル)」と同社のコンタクトセンターCRMシステム「FastHelp5」の連携を2021年5月より開始したほか、同年9月には(株)ソフツーが開発・提供しているクラウド型コールセンターシステム「BlueBean(ブルービーン)」と「FastHelp5」のシステム連携を行い、短期間で構築可能なクラウド型コンタクトセンターソリューションの提供を開始している。海外では2021年7月にタイのソーシャルデータ分析クラウドサービス最大手であるWISESIGHTを傘下に持つTZO Company LTd.に出資し、WISESIGHTと業務提携を行った。WISESIGHTはタイのローカル企業だけでなく、日系企業、グローバル企業など約300社を顧客に抱えており、今後、既存顧客や新規顧客に対して「FastHelp」の販売を進めていく。顧客企業に対しては、ソーシャルメディアの投稿から企業への問い合わせまでを統合的に管理し、対応できることになる。既に受注実績もあり、今後タイだけでなく東南アジア地域での拡販も協業して進めていく予定で、海外事業拡大に向けた契機としたい考えだ。c) ソフトウェア品質保証分野ソフトウェア品質保証分野の売上収益は前年同期比2ケタ増となり、受注はコロナ禍前の水準を超えるまでに回復した。前年同期はコロナ禍で製造業を中心として投資減速の影響を受けたものの、自動車業界を中心に組み込みソフトウェアの品質向上を目的としたテストツールの受注が増加した。また、金融機関等のエンタープライズ系についてもAPI連携等を目的としたテストツールの受注が回復している。サブスクリプション型ライセンスの受注が増加していることで、受注残高も積み上がっている状況にある。d) ビジネスソリューション分野ビジネスソリューション分野の売上収益は前年同期比2ケタ増となった。既存顧客である学術系公共機関向けのシステム開発案件が堅調だったほか、金融機関向けリスク管理分野においてLIBOR※廃止に対応するための開発需要も取り込めたことが増収要因となった。ただ、ベンチャーキャピタル向けファンド運営・管理システムの開発案件で数千万円規模の不採算案件が発生したことにより、利益面では苦戦した。なお、同案件の収束の目途はほぼ立っており、追加で損失が発生するリスクは低いようだ。※LIBOR(London Interbank Offered Rate):ロンドン金融市場における銀行間取引金利のこと。本指標の恒久的な公表停止が確定しており、同指標を参照してシステム取引を行っていた金融機関や企業は代替金利指標への移行などの対応を進める必要がある。子会社の状況については、山崎情報設計がほぼ計画に沿って推移しており、カサレアルはIT分野のオンライン研修サービスやクラウド関連技術に関するコンサルティングサービスが順調に推移し、計画を上回る進捗となった。e) 教育分野教育事業では「ツムギノ」の垂直立ち上げを目指すべく、専門組織を立ち上げ営業・マーケティング活動を大幅に強化するなど積極的な投資を進めている。2021年4月には(学)堀井学園 横浜創英中学・高等学校、(学)新渡戸文化学園 新渡戸文化中学・高等学校が導入したことを発表している。2法人とも主体的な学びを重視するなど教育に関して先進的な考え方を持っており、クチコミにより導入の検討を開始して採用に至ったようだ。現在は教育関連の展示会などに積極的に出展し、認知度向上に取り組んでいるほか、2021年10月には教育機関向けにGoogleソリューションの販売実績を豊富に持つシネックスジャパン(株)※と再販パートナー契約を締結した。今後、シネックスジャパンではGoogle が提供する教育ソリューション(Google Workspace for Education)と「ツムギノ」を組み合わせた連携ソリューションを軸に、教育機関向けの拡販を進めていくことになる。※政府のGIGAスクール構想において学校へのパソコン導入のうち約25%の導入(Chromebook)に関わった実績を持つ。「ツムギノ」に関する問い合わせは多いようで、今後も私立校及び国立大学付属校などで採用が進んでいくと見られる。一方、公立の小中学校に関しては各自治体の教育委員会が導入の決定権を持っているため、ICT活用に先進的な複数の自治体に提案活動を進めている状況にある。そのほか、教育機関向けに豊富な実績を持つ大手SIerとも販売パートナーの契約交渉を進めている段階で、これらが決まれば導入ペースも加速していくものと期待される。同社では収益化の時期について2025年3月期以降を想定しており、当面は先行投資段階となる。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) <EY> 2021/12/27 15:47 注目トピックス 日本株 テクマト Research Memo(6):セキュリティシステムのクラウドシフトを背景に、情報基盤事業が大きく成長(1) ■テクマトリックス<3762>の業績動向2. 事業セグメント別の動向(1) 情報基盤事業情報基盤事業の売上収益は前年同期比14.8%増の11,289百万円、営業利益は同12.5%増の1,379百万円と過去最高を更新した。また、受注高で同31.4%増の15,908百万円、受注残高で同52.3%増の25,314百万円といずれも大きく伸長した。年々巧妙化するサイバーテロ対策として、企業の情報セキュリティシステムも次世代型のクラウドセキュリティシステムにシフトする動きが2020年頃から進み始め、2021年に入ってその動きが顕著となったことが好調の背景にある。特に、国内外で事業拠点を多く持つ大企業にとってセキュリティ対策をクラウド上で一括管理できるメリットは大きく、Palo Alto Networks社製SASE※1である「Prisma Access」を導入する企業が大幅に増加した。受注案件の規模も3~5年契約で大型化する傾向にあり、受注残高が積み上がる要因となっている。規模が大型化することで売上総利益率は数ポイント程度の低下要因となるが、人件費率の低下により吸収できており、利益ベースでも増益に寄与している。なお、需要が急拡大しているPalo Alto Networks製品の一次代理店は同社以外にも複数あるが販売実績は同社がトップとなっており、パロアルトネットワークス(株)が2020年12月に開催したイベント「Japan Partner Day 2020 Virtual」でも、3年連続で「JAPAN Distribution Partner of the Year」※2を受賞している。※1SASE(Secure Access Service Edge):ネットワークとセキュリティの機能を包括的にクラウドから提供すること。クラウドサービスの普及が進むなかで、これまでクラウドのポリシーは利用サービス別に適用されることが多かったが、SASEは単一のクラウドに集約し包括的に管理するという新しい概念。※2 「JAPAN Distribution Partner of the Year」は、販売実績や前年度からの成長、販売後のサポートサービスの提供において大きな成果を達成した日本のディストリビュータを表彰するもので、同社は2018年から3年連続の受賞となった。分野別の売上動向を見ると、前年同期にリモートワークの普及に伴って特需的に増加したリモートアクセス製品や個人認証システムが減少したものの、次世代ファイアウォールを中心にクラウド型サービスが大きく伸長したほかストレージ製品も堅調に推移した。また、セキュリティシステムの高度化が進むとともに、統合セキュリティ運用・監視サービス「TPS(TechMatrix Preimium Support)」の売上も伸長した。営業活動においてクラウド型サービスとの複合提案の取り組みを強化したことや、二次代理店となるSIerでも「TPS」をセットで販売するケースが増えてきたことが要因だ。運用・監視サービスの売上規模はまだ小さいものの(部門構成比で10%弱)、サイバーテロによる重大インシデントの発生リスクが高まるなかで引き合いが強まっており、売上拡大とともに利益率向上に寄与することが見込まれる。なお、運用・監視サービスではほかに「TRINITY(トリニティ)」があるが、これは1代目のサービスであり、契約更新時により高度なサービスを提供できる「TPS」への移行提案を進めている。そのほか、子会社のクロス・ヘッドについては、インフラ構築案件が顧客の意志決定の遅れにより苦戦したものの、下期に挽回し通期では計画どおりになる見通しだ。沖縄クロス・ヘッドは売上高で計画を下回ったものの、リモートデスクトップ・サービスなど採算の良い自社サービスが好調で、利益ベースでは計画を上回って進捗している。なお、情報基盤事業(単体)におけるストック売上比率は、サブスクリプション課金モデルのクラウド型セキュリティサービスの急成長により前年同期の60.6%から76.2%と大きく上昇した。今後もサブスクリプション課金モデルのサービス拡大が見込まれることから、ストック売上比率も高水準で推移する見込みで安定した収益性が続くものと予想される。(2) アプリケーション・サービス事業アプリケーション・サービス事業の売上収益は前年同期比1.0%増の4,856百万円、営業利益は同49.1%減の221百万円となった。新規事業である教育事業への先行投資や、前期まで継続していたCRM事業における更新需要の反動減、ビジネスソリューション事業において数千万円程度の不採算案件が発生したことが主な減益要因となった。ただ、受注高は前年同期比7.3%増の5,484百万円、受注残高は同10.0%増の10,127百万円と順調に増加しており、先行きに関しては明るい。なお、ストック型売上比率(単体のアプリケーション・サービス事業及びNOBORIの売上収益に占める比率)は前年同期の56.0%から63.8%に上昇した。「NOBORI」を中心にクラウド型サービスが順調に成長していることや、非ストック型の比率が高いCRM事業が減少したことも一因となっている。同社は、ストック売上比率を今後3年間で65%程度まで引き上げていくことを目指している。a) 医療分野医療分野の売上収益は前年同期比2ケタ増と好調に推移した。クラウド型PACS「NOBORI」の契約施設数が順調に増加していることが主因だ。既存顧客の更新や新規受注、他社からのリプレイス案件がいずれも増加した。検査件数で見ると前年同期比19.7%増、保存患者数では同15.1%増となっており、2ケタ成長が続いている。また、新規事業として取り組んでいるPHRサービスについては地域連携医療機関など大規模病院で導入が進んでおり、利用者数は数万人規模と急速に拡大している。PHRでの収益化を図るとともに、PHRをタッチポイントとしてクラウド型PACSのさらなるシェア拡大を狙っている。AIベンチャーやエムスリーなどと協業して取り組んでいるAI診断サービスについては、脳腫瘍や肺炎の診断支援で利用が着実に進んでいる。ただ、普及拡大に向けてはAI診断支援サービスの保険適用がカギを握ると見ており、その状況が実現すれば収益化に向けて事業がより一層加速することが期待できる。一方、医知悟の遠隔読影サービスについては健診需要が堅調に推移し、計画を上回って推移している。また、A-Lineが提供する医療被ばく線量管理サービス「MINCADI」については、2020年4月より病院でのデータ管理が義務化されたことで需要拡大が期待されていたが、当初計画よりも導入ペースはスローとなっている。コロナ禍で規制当局の監査が厳しく実施されておらず、病院側での導入意識も低くなっていることが要因と見られる。A-Lineについては当面先行投資が続くものと同社では見ている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) <EY> 2021/12/27 15:46 注目トピックス 日本株 テクマト Research Memo(5):2022年3月期第2四半期累計業績は会社計画を上回って着地 ■業績動向1. 2022年3月期第2四半期累計業績の概要テクマトリックス<3762>の2022年3月期第2四半期累計の連結業績は、売上収益で前年同期比10.3%増の16,146百万円、営業利益で同3.6%減の1,601百万円、経常利益で同3.6%減の1,599百万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益で同4.9%減の1,045百万円と増収減益となったものの、会社計画に対してはいずれも上回って着地した。また、情報基盤事業を中心に受注高は同24.3%増の21,392百万円と大きく伸長し、第2四半期末の受注残高も同37.2%増の35,441百万円と過去最高水準に積み上がっている。売上総利益率は販売構成比の変化により前年同期の36.4%から34.3%に低下したが、金額ベースでは3.9%増益となった。このため販管費の増加が営業利益の減益要因となったが、主には前年同期に新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)で減少していた販売促進費の増加と、人員増に伴う人件費の増加が要因となっている。なお、受注残高が大きく積み上がっている要因として、情報基盤事業において3~5年の長期契約案件が前期以降、顕著に増加していることが挙げられる。単体ベースの受注残高で見ると当第2四半期末は前年同期比50.2%増の29,021百万円となったが、このうち1年後以降に売上計上される金額の比率は46.1%に達している。とは言え、1年以内に売上計上される案件の受注残高も前年同期比37.4%増の15,632百万円となっており、下期以降の売上見通しについても明るいと言える。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) <EY> 2021/12/27 15:45 注目トピックス 日本株 テクマト Research Memo(4):情報基盤事業、アプリケーション・サービス事業を展開(3) ■テクマトリックス<3762>の会社概要c) ソフトウェア品質保証分野ソフトウェア品質保証分野では、ソフトウェアの品質向上や開発工程の生産性向上を目標に、開発過程での全ライフサイクルを支援するベスト・オブ・ブリード※の開発支援ツール(テストツールなど)及びコンサルティングサービスを提供している。取扱製品のなかでは、ソフトウェアテストツールであるParasoft社製品が組込み系ソフトウェアの開発分野で高い市場シェアを持っている。※同一メーカーのシリーズ製品を使うのではなく、メーカーが異なっても最良と思われる製品を選択し、その組み合わせで利用すること。対象となるのは、デジタル家電や情報通信機器、自動車、医療機器、ロボットなどソフトウェアが組み込まれる機器のほか、金融システムのようなミッションクリティカルなソフトウェア等も含まれる。市場別売上高については、自動運転技術やEV(電気自動車)関連技術の開発需要が旺盛な自動車業界向けが最も大きくなっている。d) ビジネスソリューション分野ビジネスソリューション分野では、Web、オープンソース、最新のビジネスインテリジェンス技術等を活用したビッグデータ解析システムの開発(学術研究文献データ分析システムの開発等)のほか、金融機関向けの統合リスク管理システム等を提供している。また、連結子会社のカサレアルでインターネットサービスに関連するシステム開発や、技術者向けの教育研修サービスを行っている。2019年11月には金融工学と情報技術の重なる領域でのシステム企画・設計に強みを持つ山崎情報設計の株式を51%取得し子会社化している。山崎情報設計では金融取引統合管理システム「Apreccia」シリーズを中心に事業を展開している。e) 教育分野新規事業として教育機関向けクラウド型サービス「ツムギノ」の提供を2021年1月より開始している。2020年4月に(学)軽井沢風越学園向けに学びの個別化を実現することを目的に開発したコミュニケーション・プラットフォーム「typhoon」をベースに、校務支援システムと一体化させたプラットフォームサービスとなる。学校教育における指導方針がこれまでの全員一斉・受動型から、自主的・探求型へとシフトし、教職員の負担が増加しICTを活用した業務効率の向上が強く求められるなか、今まで蓄積してきたクラウド型サービスや情報セキュリティシステムの構築ノウハウを生かして開発した。特徴としては、低価格化(月額数百円/IDの利用料)を実現していること、マルチプラットフォームに対応可能なこと、子供が中心となるコミュニケーション・プラットフォームではあるが、保護者や地域の住民なども参加できるプラットフォームとして設計されていること、堅牢な情報セキュリティ対策が施されていることなどが挙げられ、競合サービスとの差別化要因となる。2021年11月には(一社)ASP・SaaS・AI・IoTクラウド産業協会が主催した「第15回 ASPIC IoT・AI・クラウドアワード2021」の社会業界特化系ASP・SaaS部門において準グランプリを受賞しており、今後の成長が期待できるサービスとして注目される。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) <EY> 2021/12/27 15:44 注目トピックス 日本株 テクマト Research Memo(3):情報基盤事業、アプリケーション・サービス事業を展開(2) ■テクマトリックス<3762>の会社概要(2) アプリケーション・サービス事業アプリケーション・サービス事業では、特定市場や特定業界向けにシステム開発、アプリケーション・パッケージ、テスト・ソリューション、クラウドサービス等の事業を展開している。対象分野としては医療、CRM、ソフトウェア品質保証、ビジネスソリューションの4領域で、売上構成比は各分野ともに20%~30%で拮抗している。また、新規事業として教育事業も開始している。a) 医療分野医療分野は、NOBORI、医知悟、A-Lineが提供する各種サービスで構成されているが、売上高の大半はNOBORIの事業で占められている。同社の医療分野の事業は、1998年にDICOM規格に対応した医用画像システムを開発し、PACS(医用画像管理システム)市場に参入したのが始まりである。その後、医療情報の病院施設外の保存が認められるようになった機会を捉え、クラウド型PACSのサービスを2012年10月より開始し、その後の成長の原動力とした。同社のクラウドサービスは初期導入コストが不要なほか、データはクラウド上で安全に管理されるため、病院側でデータバックアップ等のメンテナンス業務が不要になるといったメリットもある。また患者本人の同意と医療施設間の公開設定があれば、他施設の患者の画像やレポートをシームレスに参照することも可能となる。既存のオンプレミス(サーバを院内に設置する方式)ユーザの切り替えや、競合他社システムを利用する中規模・大規模病院のリプレイスのほか、従来は初期コストが高く導入に慎重だった小規模医療施設の新規開拓なども進んでおり、2021年9月末時点で契約施設数は1,000施設を超える水準となっている(2020年3月期より競争上の理由から施設数については非開示としている)。また、医療画像等の総検査件数は2.31億件、延べ患者数で3,849万人(複数の病院で画像診断を受ける患者はダブルカウントされている)のデータが「NOBORI」のクラウド上に保管されている。月額利用料は最低5万円からとなっているが、料金は導入後5年間に蓄積される画像データの予想量に基づく従量課金制となるため、大学病院等のヘビーユーザではその数十倍となるケースもある(サービス契約期間は5年間)。2012年のサービス開始から10年目を迎えるが、顧客事由による解約(閉院等)を除いてサービス内容を理由とした解約は発生しておらず、顧客からも高い評価を受けている。国内のオンプレミス型のPACS市場では富士フイルムメディカル(株)やキヤノンメディカルシステムズ(株)、GEヘルスケア・ジャパン(株)など大手医療機器メーカーが強いが、クラウドサービス型では同社が約8割と圧倒的なシェアを握っている。医療分野のクラウドサービスでは個人情報保護の観点からセキュリティ対策が重要となるほか、外部保存しているファイルサイズが非常に大きい医用画像をストレスなく院内で参照することが求められるため、ミッションクリティカルなシステムを構築する高い技術力が必要とされる。同社はネットワーク及びセキュリティ分野において豊富な知見と高い技術力を持ち合わせていることが強みになっていると考えられ、契約施設数では業界で唯一伸ばし続けている。「NOBORI」のプラットフォーム上では、オンラインでの検査予約サービスや夜間緊急時に院外にいる担当医師へ画像確認依頼ができるサービスのほか、AI画像診断支援、3D技術を用いた高度な画像解析、音声自動入力など他社の医療関連クラウドサービスなども提供している。2019年4月に子会社化したA-Lineが開発・提供するクラウド型の医療被ばく線量管理システム「MINCADI」もその1つである。「MINCADI」は、医療画像検査装置より得られる情報を自動的に取得し、患者ごとの医療被ばく線量や検査ごとの撮影条件をクラウド上で管理し、最適化するためのソリューションとなる。2020年4月よりX線CT診断装置等における医療被ばく線量の記録・管理が義務化されたことを受け、引き合いが増加している。NOBORIでは各種医療サービスを「NOBORI」のプラットフォーム上で提供していくことにより導入施設数や利用者数を拡大していく戦略で、2021年1月より有料サービスを開始した個人(患者)向けのPHR・医療情報共有アプリ「NOBORI」※も同プラットフォームを通じて提供している。※現在、無料版と有料版(月額100円)を提供。無料版はデータ保存期間が1年、有料版は無期限となっている。共有できる医療情報(カルテ情報、検査画像、薬歴情報等)やサービス(予約申込やキャンセル等)の内容については医療施設によって異なる。「医知悟」は遠隔画像診断(読影)を行う放射線科医等の専門医と、画像診断を必要とする医療施設等とをつなぐ情報インフラを提供するサービスとなる。「iCOMBOX」と呼ばれる専用通信装置を送り手側・受け手側の双方に設置し、「iCOMSERVER(センターサーバ)」を介して送受信するプラットフォームである。2021年9月末現在で650拠点以上の施設に導入され、利用専門医数は1,400名以上(実質的に稼働している放射線科医の約3分の1が利用)、月間の依頼検査数は約20万件、市場シェアは約34%でトップとなっており、月間の依頼検査数は直近で30万件を超える月も出ている。主な導入施設は、医療施設のほか大手健康診断事業者、衛生検査所、各種病院等である。また、2018年4月に「NOBORI」と連携し、「NOBORI」ユーザであれば専用通信装置を設置しなくても施設外の画像診断を行うことが可能となっている。b) CRM分野CRM分野では自社開発製品である「FastSeries」を中心に、企業の顧客サービス向上を支援するコンタクトセンターCRMシステムをオンプレミス及びクラウドサービスで提供している。電話、メール、SNS等による「顧客との接触履歴」と「顧客の声」を一元管理し、コンタクトセンター運営を効率化するCRMシステム「FastHelp」のほか、FAQナレッジシステム「FastAnswer」等を提供している。CRMシステム市場では、パッケージ製品で国内トップシェア、SaaS型ではセールスフォース・ドットコムが主な競合先となる。主要パートナーは、(株)ベルシステム24(ベルシステム24ホールディングス<6183>子会社)のほか、NEC<6701>や伊藤忠テクノソリューションズ<4739>など大手システム・インテグレーターとなり、各企業のコンタクト(テレマーケティング)センターや顧客サポートセンターで導入されている。また、医薬品業界で「FastHelp」の導入実績が高いことも特徴となっている。製薬企業では、日本製薬工業協会(製薬協)において提唱されている「くすり相談窓口」を一般的に設置しており、国内の多くの製薬企業に同社のCRMシステムが導入されている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) <EY> 2021/12/27 15:43 注目トピックス 日本株 テクマト Research Memo(2):情報基盤事業、アプリケーション・サービス事業を展開(1) ■会社概要1. 会社概要テクマトリックス<3762>は、ニチメン(株)(現 双日<2768>)の営業部門の戦略子会社として設立されたニチメンデータシステム(株)が前身である。このため、技術・ビジネスの両面で優れた製品・サービスを発掘する“目利き力”及び“マーケティング力”、レベルの高い“ビジネスオペレーション力”といった商社で培われたノウハウを受け継ぎ、事業展開を進めていることが最大の強みであり特長となっている。同社の子会社は、医療情報クラウドサービスの提供及び個人のPHR※や医療情報を共有できるスマートフォンアプリの開発を進める(株)NOBORIや、その子会社で遠隔画像診断のインフラサービスを提供する(同)医知悟(いちご)及び医療被ばく線量の管理システムを提供する(株)A-Line、また、ネットワークやサーバの運用・監視及びネットワークエンジニアの派遣、IT製品の輸入・販売・サポートを行うクロス・ヘッド(株)、その子会社で立地を生かしたBCPサービスの提供やSMB企業向けサービスの展開などを行う沖縄クロス・ヘッド(株)、システム開発やIT技術者の教育サービス等を展開する(株)カサレアル、金融機関向けパッケージ製品Aprecciaシリーズの設計・開発を行う山崎情報設計(株)の合計7社となる。※PHR(Personal Health Record):個人の健康に関する様々な情報を指す。NOBORIは、自己管理のもとに情報集約化を実現するツールやシステムを提供している。2. 沿革同社の創業は1984年8月で、ニチメン(現 双日)の営業部門の戦略子会社として発足した。1990年10月に受託開発事業に本格参入し、某大手都銀より為替ディーリングシステムを受注し、金融分野で事業開拓の第一歩を踏み出す。1996年12月には業務パッケージ事業にも参入し、自社開発品となるCRMパッケージ「FastHelp」の販売を開始したほか、1998年10月には自社開発品のDICOM※対応医用画像サーバ「Secured DICOM Server(現SDS Image Server)」の販売を開始するなど、アプリケーション・サービス事業にも領域を拡大していった。※DICOM:Digital Imaging and COmmunications in Medicineの略で、CTやMRI、CRなどで撮影した医用画像のフォーマットと、それらを扱う医用画像機器間の通信プロトコルを定義した世界標準規格。また、2005年2月にJASDAQ市場に株式を上場し(現在は東証第1部)、上場で調達した資金を使ってM&Aを推進、事業基盤の拡充に取り組んできた。具体的には、2007年8月に医療分野の子会社として医知悟を設立したほか、2008年1月にクロス・ヘッドを連結子会社化、2009年8月にカサレアルを完全子会社化、2014年3月にはクロス・ヘッドが沖縄クロス・ヘッドを完全子会社化している。また、CRM分野での海外展開を目的に、2018年4月にタイのバンコクに駐在員事務所を開設している。なお、医療分野では2018年1月にNOBORIを設立し、同年4月に医療システム事業を会社分割によって同社へ承継した。その際に、NOBORIは三井物産<8031>に対して第三者割当増資を実施(出資比率33.3%)しており、医療システム事業は同社と三井物産の合弁事業となっている。三井物産と開発や営業面で連携を図りながら、同事業を拡大していく戦略である。3. 事業内容同社の事業は、ネットワーク及びセキュリティシステムの構築、保守、運用・監視サービスを展開する情報基盤事業と、医療分野やCRM分野等の業界及び業務特化型ソリューションサービスを展開するアプリケーション・サービス事業の2つのセグメントで構成される。直近3年間の事業セグメント別構成比では、情報基盤事業が売上高で66~68%、営業利益で73~75%と過半を占めている。また、営業利益率では情報基盤事業が10%台から13%台に、アプリケーション・サービス事業が7%台から9%台にそれぞれ上昇している。情報基盤事業に対してアプリケーション・サービス事業がやや低くなっているが、これはアプリケーション・サービス事業で展開するクラウドサービス等の投資負担が重いためで、償却前営業利益率で見れば情報基盤事業を上回る水準※となっている。アプリケーション・サービス事業では新サービスの開発に向けた投資も積極的に行っているため、投資状況によって今後も営業利益率が変動する可能性はあるものの、趨勢的には売上拡大とともに収益性も上昇していくものと予想される。各事業の内容は以下のとおり。※2021年3月期の償却前営業利益率は、情報基盤事業が14.5%、アプリケーション・サービス事業が17.8%となっている。(1) 情報基盤事業情報基盤事業では、ネットワーク及びセキュリティ分野において独自の目利き力を生かし、北米を中心に高い技術力、競争力、成長力を持つ製品を見極め、単なる製品販売にとどまらずシステム構築から保守サポート、運用・監視サービスに至るまでワンストップ・ソリューションでサービスを提供している。主に、仮想化ソリューション※1、次世代ネットワーク、セキュリティ、ストレージ等の分野を対象としており、主要取扱製品にはF5 Networksの負荷分散装置※2、McAfee, LCCの不正侵入防御システム、Palo Alto Networksの次世代ファイアウォール※3、Dell EMCのクラスターストレージなどがあり、それぞれ販売一次代理店となっている。いずれも世界で高いシェアを持つ製品となっており、単体売上高に占める製品売上構成比では各1~2割程度だが、2021年3月期においてはPalo Alto Networks社製品が大きく伸長しており、同社のなかで最大規模の売上高となっている。※1 コンピュータシステムを構成する資源(サーバ、ストレージ、ソフトウェア等)に関する技術。複数から構成されるものを論理的に1つのもののように見せかけて利用できるほか、逆に1つのものを論理的に複数に見せかけて利用できる技術。※2 Webサイトへのアクセス集中による反応の低下やシステムダウンを防止するため、多数のアクセス(負荷)が集中した場合に適切に複数のサーバに振り分ける(分散する)装置。※3 使用されるポート番号やプロトコルなどに関係なく通過するアプリケーションを識別し、それを使うユーザの特定及び制御を行い、さらに幅広い脅威に対するスキャニングを実施することでITネットワーク環境において必要とされる可視化と制御を行うセキュリティシステム。販売先別売上構成比は、民間企業向けが約8割、官公庁・地方公共団体向けが約2割となっている。民間企業のなかには通信事業者やデータセンター事業者等のITサービス企業も含まれている。情報セキュリティ関連市場の拡大が続くなかで受注競争も激しくなっているが、同社は高い技術力に加えて、24時間365日の保守サポート体制、有人による運用・監視サービスなど、ワンストップで高品質なサービスを提供できる総合力を強みとして、民需・官需問わず幅広い顧客層において実績を積み上げている。ここ1~2年は、西日本エリアでの顧客開拓も直販並びにパートナー(二次代理店)を通じて順調に進んでおり、2020年10月には九州営業所を新たに開設している。連結子会社のクロス・ヘッド及び沖縄クロス・ヘッドは、ネットワークやサーバの運用・監視のほか、ネットワークエンジニアの派遣、セキュリティ製品・ストレージ製品の販売等を行っている。このうちクロス・ヘッドについては収益力の強化を図るため、2018年頃からは単純なエンジニア派遣業務主体のビジネスから付加価値の高いクラウドサービスの導入支援業務及びネットワーク・セキュリティの運用・監視サービスへのシフトを進めてきた。現在は、AWS(Amazon Web Service)の認定資格取得者数が約200人と全従業員の過半を占めるまでになっており、2019年5月にはAWSからAPN(AWS Partner Network)アドバンストコンサルティングパートナー※の認定を取得している。※APNアドバンストコンサルティングパートナーは、AWSに関する営業・技術体制があり、AWSでのシステムインテグレーションやアプリケーション開発等の実績が非常に豊富なパートナーが認定を受けられる。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) <EY> 2021/12/27 15:42 注目トピックス 日本株 テクマト Research Memo(1):情報セキュリティシステムのクラウド化需要を取り込み業績拡大が続く ■要約テクマトリックス<3762>は、情報基盤事業とアプリケーション・サービス事業を展開する。情報基盤事業では、独自の“目利き力”により、北米を中心に高い技術力、競争力、成長力を持つネットワーク及びセキュリティ関連の製品を見出し、製品販売にとどまらず、システム構築、保守、運用・監視サービスまでを含めたワンストップ・ソリューションサービスを提供しているのが強みである。また、アプリケーション・サービス事業では、医療、CRM、ソフトウェア品質保証、ビジネスソリューションと、新たに開始した教育事業の5つのソリューションサービスを展開している。特に、医療分野におけるクラウド型PACS(医用画像管理システム)※では業界最大手となっている。※PACS(Picture Archiving and Communication Systems):MRIやCT、超音波診断装置、内視鏡、PET等の医療検査機器で撮影された画像データを受信、データベースへ保存し、端末に表示するシステム。1. 2022年3月期第2四半期累計業績の概要2022年3月期第2四半期累計(2021年4月~9月)の連結業績は、売上収益で前年同期比10.3%増の16,146百万円、営業利益で同3.6%減の1,601百万円となった。売上収益はクラウド型セキュリティ製品を中心に情報基盤事業が同14.8%増と好調を持続した。年々巧妙化するサイバー攻撃に対処するための投資が続くなか、ここ最近はクラウド型製品にシフトする動きが顕著となっており、こうした需要を取り込めていることが好調の要因となっている。受注高では同31.4%増とさらに伸長しており、受注残高も積み上がる格好となっている。営業利益については販促費や人件費の増加、並びに新規事業となる教育事業の先行投資等により減益となったが、期初会社計画に対しては売上収益、営業利益ともに超過した。2. 2022年3月期見通し2022年3月期の連結業績は売上収益で前期比6.7%増の33,000百万円、営業利益で同3.3%増の3,700百万円と期初計画を据え置いた。アプリケーション・サービス事業は教育事業の先行投資等により減益を見込むものの、情報基盤事業の収益拡大でカバーする。足元もクラウド型セキュリティ製品の受注は好調を持続しており、通期業績も計画を上回る可能性が高いと弊社では見ている。なお、医療分野では引き続きクラウド型PACSの契約数拡大により2ケタ成長が見込まれるほか、自動車業界向けの受注が回復しているソフトウェア品質保証分野も増収増益が見込まれる。2021年3月期は端境期で低迷したCRM分野も国内外で周辺サービスを提供するベンダーとの連携を進めており、2023年3月期以降は成長が期待できそうだ。3. 中期経営計画「BEYOND THE NEW NORMAL」の進捗について同社は2022年3月期から新たな中期経営計画をスタートしている。基本戦略については、取扱い製品の拡大・新規サービスの立ち上げ、サービス化の加速、データの利活用、M&A・アライアンスの推進、海外市場での事業拡大など前中期経営計画からの戦略を踏襲する。業績目標は2024年3月期で売上高40,000百万円、営業利益5,000百万円とし、年平均成長率は売上高で9.0%、営業利益で11.7%となる。2年目までは先行投資もあって利益の伸びは緩やかだが、3年目に大きく伸ばしていく計画となっている。現在までの進捗状況については、情報基盤事業が想定を上回るペースで伸び、アプリケーション・サービス事業についてもやや出遅れたものの、下期以降にキャッチアップできる見通しとなっており、全体的には順調な滑り出しを見せていると言える。情報基盤事業においては情報セキュリティシステムのクラウドシフトが始まったばかりであり、今後もクラウドシフトの需要を取り込みながら年率2ケタ成長が続くものと予想される。■Key Points・情報セキュリティシステムのクラウドシフトを背景に、情報基盤事業が大きく成長・2022年3月期業績は期初計画を据え置くも、情報基盤事業の好調により上振れする可能性あり・2024年3月期に売上高400億円、営業利益50億円を目指す中期経営計画が順調に滑り出す(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) <EY> 2021/12/27 15:41 注目トピックス 日本株 ディア・ライフ---東京都中野区にマンション開発用地を取得 ディア・ライフ<3245>は24日、東京都中野区東中野にマンション開発用地を取得したことを発表。開発計画の概要は、物件名称が東中野プロジェクト(仮称)、専有面積799.60平方メートル、鉄筋コンクリート造地上8階建(共同住宅30戸)としている。物件は、JR総武線「東中野」駅徒歩2分・都営大江戸線「東中野」駅徒歩7分に位置し、新宿、東京など都心の主要ビジネス・商業エリアへのアクセスが良好。同社は、同物件に都心接近性・生活利便性を志向する単身者・DINKS層向けマンションを開発し、国内外の投資家・マンション販売会社・一般事業法人等に供給する。収益見通しについては、2024年9月期の売上の一部を予定している。 <ST> 2021/12/27 15:29 注目トピックス 日本株 ギグワークス---剰余金の配当について発表 ギグワークス<2375>は24日、取締役会において2021年10月31日を基準日とする剰余金の配当を行うことを決議したと発表。1株当たり配当金は、12月7日公表の予想と同じ8円00銭。同社は、2021年4月1日付で普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っており、前期実績は1株当たり22円00銭だったため、実質的な増配となる。同社グループでは、重点分野への積極的な投資等により競争力を早期に築くことと、株主への利益還元を重要な経営課題としており、より一層の業績向上を図ることで株主に還元できるように安定配当・増配を目指すとしている。 <ST> 2021/12/27 15:26

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