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MDNT Research Memo(5):細胞加工業はCDMO事業で製造受託の第1号を獲得し増収寄与
配信日時:2021/12/27 16:05
配信元:FISCO
■業績動向
1. 2021年9月期通期の業績概要
メディネット<2370>の2021年9月期通期の業績は、売上高が前期比12.8%減の683百万円、営業損失が1,080百万円(前期は926百万円の損失)、経常損失が870百万円(同836百万円の損失)、当期純損失が843百万円(同842百万円の損失)となった。細胞加工業において、CDMO事業の新規受託案件の製造を開始し売上増加に寄与したが、一方でコロナ禍の長期化による取引先医療機関における患者数の低迷で減収となった。損益面では、減収等により売上総利益は180百万円(前期比38.1%減)、販管費は1,261百万円(同3.6%増)となったことで営業損失は拡大した。昨年から継続実施している事業構造改革の徹底・強化等により一般管理費は効率化が図られた。また、投資事業組合運用益206百万円、固定資産売却益8百万円、新株予約権戻入益に伴う特別利益24百万円などにより、当期純損失は前期並となった。
細胞加工業は2023年9月期黒字化を目指す。2022年9月期は足場固めの段階
2. 2022年9月期通期の業績見通し
2022年9月期通期の業績見通しは、売上高は752百万円(前期比10.1%増)、営業損失が1,755百万円(前期は1,080百万円の損失)、経常損失が1,755百万円(同870百万円の損失)、当期純損失が1,761百万円(同843百万円の損失)を見込んでいる。今後、感染防止策の徹底並びにワクチン接種の普及が進み、緊急事態宣言等の解除による経済活動の持ち直しが期待されるものの、コロナ禍の収束時期はいまだ見通せず、依然として先行きは不透明な状況が続くものと思われる。
細胞加工業は、2019年9月期に初めて黒字化を達成したが、その後はコロナ禍により免疫細胞治療を受ける患者(特にインバウンド患者)が激減したため、大幅減収・損失を計上した。コロナ禍の終息に見通しがつかないことから、同社はインバウンド患者依存の事業体質を改め、新たな市場や顧客創出を図っていく。「特定細胞加工物」では、細胞種や品目拡大に向けて既に新規の受託製造を開始している。また、「CDMO」では、前期の製造受託契約をきっかけにさらなる受託が見込まれ、品川CPFの製造環境を整備し、受託に向けた技術移転などの実施を予定している。そのため、2022年9月期は売上回復・拡大を図りながら、2023年9月期に黒字化を目指す方針としている。
3. 財務状況
2021年9月期通期の財務状況を見ると、資産は、現金及び預金が4,095百万円(前期末比451百万円増)と2019年9月期末の1,403百万円を大幅に上回り、現金及び預金が手厚くなり研究開発資金が潤沢になったと言える。そのほかに投資有価証券の262百万円減少、有形固定資産の94百万円減少、無形固定資産の12百万円増加により、資産合計は前期末に比べ128百万円増加した。一方、負債合計は前期末に比べ31百万円増加した。主な増加要因は賞与引当金18百万円、未払金16百万円、繰延税金負債31百万円で、主な減少要因は未払法人税等33百万円である。純資産は、株主資本257百万円の増加となった一方、その他有価証券評価差額金137百万円及び新株予約権24百万円がそれぞれ減少したことにより、前期末に比べて96百万円増加となった。株主資本のうち、利益剰余金が6,509百万円増加、資本金3,767百万円及び資本剰余金2,483百万円それぞれ減少した。この結果、自己資本比率は、前期末の90.7%から90.8%となった。
4. 資金調達
同社では2020年9月期に第三者割当増資(新株予約権の発行・行使)を通算4回(第14~17回)実施し、資金2,942百万円を調達した。特に第17回新株予約権は、現在最優先で取り組んでいる新型コロナウイルス感染症の予防を目的とした自家樹状細胞ワクチンの開発資金に特化した第三者割当であった。また、2021年9月期に第18回新株予約権を発行した。今回の資金調達は、現在の喫緊の課題となっているCDMO事業拡大に向けた品川CPFの細胞培養加工施設の拡充や体制整備などに充てられる。なお、第17回新株予約権の行使は2021年6月15日に完了している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
<EY>
1. 2021年9月期通期の業績概要
メディネット<2370>の2021年9月期通期の業績は、売上高が前期比12.8%減の683百万円、営業損失が1,080百万円(前期は926百万円の損失)、経常損失が870百万円(同836百万円の損失)、当期純損失が843百万円(同842百万円の損失)となった。細胞加工業において、CDMO事業の新規受託案件の製造を開始し売上増加に寄与したが、一方でコロナ禍の長期化による取引先医療機関における患者数の低迷で減収となった。損益面では、減収等により売上総利益は180百万円(前期比38.1%減)、販管費は1,261百万円(同3.6%増)となったことで営業損失は拡大した。昨年から継続実施している事業構造改革の徹底・強化等により一般管理費は効率化が図られた。また、投資事業組合運用益206百万円、固定資産売却益8百万円、新株予約権戻入益に伴う特別利益24百万円などにより、当期純損失は前期並となった。
細胞加工業は2023年9月期黒字化を目指す。2022年9月期は足場固めの段階
2. 2022年9月期通期の業績見通し
2022年9月期通期の業績見通しは、売上高は752百万円(前期比10.1%増)、営業損失が1,755百万円(前期は1,080百万円の損失)、経常損失が1,755百万円(同870百万円の損失)、当期純損失が1,761百万円(同843百万円の損失)を見込んでいる。今後、感染防止策の徹底並びにワクチン接種の普及が進み、緊急事態宣言等の解除による経済活動の持ち直しが期待されるものの、コロナ禍の収束時期はいまだ見通せず、依然として先行きは不透明な状況が続くものと思われる。
細胞加工業は、2019年9月期に初めて黒字化を達成したが、その後はコロナ禍により免疫細胞治療を受ける患者(特にインバウンド患者)が激減したため、大幅減収・損失を計上した。コロナ禍の終息に見通しがつかないことから、同社はインバウンド患者依存の事業体質を改め、新たな市場や顧客創出を図っていく。「特定細胞加工物」では、細胞種や品目拡大に向けて既に新規の受託製造を開始している。また、「CDMO」では、前期の製造受託契約をきっかけにさらなる受託が見込まれ、品川CPFの製造環境を整備し、受託に向けた技術移転などの実施を予定している。そのため、2022年9月期は売上回復・拡大を図りながら、2023年9月期に黒字化を目指す方針としている。
3. 財務状況
2021年9月期通期の財務状況を見ると、資産は、現金及び預金が4,095百万円(前期末比451百万円増)と2019年9月期末の1,403百万円を大幅に上回り、現金及び預金が手厚くなり研究開発資金が潤沢になったと言える。そのほかに投資有価証券の262百万円減少、有形固定資産の94百万円減少、無形固定資産の12百万円増加により、資産合計は前期末に比べ128百万円増加した。一方、負債合計は前期末に比べ31百万円増加した。主な増加要因は賞与引当金18百万円、未払金16百万円、繰延税金負債31百万円で、主な減少要因は未払法人税等33百万円である。純資産は、株主資本257百万円の増加となった一方、その他有価証券評価差額金137百万円及び新株予約権24百万円がそれぞれ減少したことにより、前期末に比べて96百万円増加となった。株主資本のうち、利益剰余金が6,509百万円増加、資本金3,767百万円及び資本剰余金2,483百万円それぞれ減少した。この結果、自己資本比率は、前期末の90.7%から90.8%となった。
4. 資金調達
同社では2020年9月期に第三者割当増資(新株予約権の発行・行使)を通算4回(第14~17回)実施し、資金2,942百万円を調達した。特に第17回新株予約権は、現在最優先で取り組んでいる新型コロナウイルス感染症の予防を目的とした自家樹状細胞ワクチンの開発資金に特化した第三者割当であった。また、2021年9月期に第18回新株予約権を発行した。今回の資金調達は、現在の喫緊の課題となっているCDMO事業拡大に向けた品川CPFの細胞培養加工施設の拡充や体制整備などに充てられる。なお、第17回新株予約権の行使は2021年6月15日に完了している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水啓司)
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