注目トピックス 日本株ニュース一覧
注目トピックス 日本株
ヤーマン、豊田織◆今日のフィスコ注目銘柄◆
ヤーマン<6630>2022年4月期業績は営業利益が前期比12.5%増の68.8億円で着地。海外部門が中国において大きく売上を伸ばしたことや、国内各販路もそれぞれ堅調な売上となり、売上・利益ともに過去最高となった。2023年4月期業績は、売上高が前期比22.1%増の500億円、営業利益は同45.3%増の100億円を計画。コンセンサス(80億円程度)を上回る。豊田織<6201>7450円辺りでのダブルボトム形成からのリバウンドにより、6月2日には8620円まで上昇。その後は調整を見せて支持線として意識されていた25日線を割り込んだものの、ボリンジャーバンドでは-2σまで調整したことから、仕切り直しのタイミング。一目均衡表では雲下限まで下げたことから、雲下限を支持線としたリバウンドが意識されやすい。
<FA>
2022/06/15 08:31
注目トピックス 日本株
ADR日本株ランキング~ファナックなど全般冴えない、シカゴは大阪比240円安の26420円~
ADR(米国預託証券)の日本株は、ファナック<6954>、ファーストリテ<9983>、デンソー<6902>、富士通<6702>、富士フイルム<4901>、資生堂<4911>、オムロン<6645>、日東電<6988>など、対東証比較(1ドル135.45円換算)で全般冴えない。シカゴ日経225先物清算値は大阪比240円安の26420円。米国株式市場はまちまち。ダウ平均は151.91ドル安の30364.83ドル、ナスダックは19.12ポイント高の10838.35で取引を終了した。ソフトウエアメーカー、オラクル(ORCL)や運送会社フェデックス(FDX)の株価上昇を受け投資家心理が改善し、寄り付き後、上昇。しかし、5月生産者物価指数(PPI)が消費者物価指数(CPI)に続き大幅な伸びに留まったため、連邦準備制度理事会(FRB)の6月連邦公開市場委員会(FOMC)での0.75%の利上げが市場にほぼ織り込まれると金利の上昇に伴い売りが加速し、主要株式指数は下落に転じた。ダウは終日軟調に推移。引けにかけては、ハイテクが持ち直しナスダック総合指数は小幅高で終了した。14日のニューヨーク外為市場でドル・円は134円24銭から135円45銭まで上昇し、135円33銭で引けた。米連邦準備制度理事会(FRB)が6月、7月の連邦公開市場委員会(FOMC)でそれぞれ0.75%の利上げを実施することを織り込んだ債券利回りの上昇に伴いドル買いが加速した。ユーロ・ドルは1.0469ドルから1.0400ドルまで下落し、1.0416ドルで引けた。予想を下回った独6月ZEW景気期待指数を受け域内の景気減速懸念にユーロ売りが続いた。NY原油先物7月限は続落(NYMEX原油7月限終値:118.93 ↓2.00)。ニ■ADR上昇率上位銘柄(14日)<9202> ANA 3.74ドル 2533円 (76円) +3.09%<7012> 川重 8.71ドル 2949円 (74円) +2.57%<6952> カシオ 95.2ドル 1289円 (21円) +1.66%<6976> 太陽電 159.75ドル 5410円 (70円) +1.31%<5802> 住友電 10.92ドル 1479円 (17円) +1.16%■ADR下落率上位銘柄(14日)<1801> 大成建 7.28ドル 3944円 (-136円) -3.33%<6753> シャープ 1.78ドル 964円 (-31円) -3.12%<8309> 三井トラスト 2.93ドル 3969円 (-113円) -2.77%<1812> 鹿島 10.36ドル 1403円 (-34円) -2.37%<8411> みずほFG 2.18ドル 1476円 (-29円) -1.93%■その他ADR銘柄(14日)<1925> 大和ハウス 22.48ドル 3044円 (-17円)<1928> 積水ハウス 17.23ドル 2334円 (-0.5円)<2503> キリン 15.24ドル 2064円 (6.5円)<2802> 味の素 22.44ドル 3039円 (-9円)<3402> 東レ 10.21ドル 691円 (-6円)<3407> 旭化成 15.54ドル 1052円 (-5円)<4523> エーザイ 38.13ドル 5165円 (-24円)<4901> 富士フイルム 51.65ドル 6996円 (-58円)<4911> 資生堂 38.07ドル 5157円 (-60円)<5108> ブリヂストン 18.74ドル 5077円 (-21円)<5201> AGC 7.37ドル 4991円 (-69円)<5802> 住友電 10.92ドル 1479円 (17円)<6301> コマツ 24.63ドル 3336円 (-26円)<6479> ミネベア 34.88ドル 2362円 (8円)<6503> 三菱電 21.01ドル 1423円 (-11.5円)<6645> オムロン 50.66ドル 6862円 (-83円)<6702> 富士通 25.38ドル 17189円 (-126円)<6723> ルネサス 4.96ドル 1344円 (-18円)<6758> ソニーG 83ドル 11242円 (12円)<6762> TDK 32.84ドル 4448円 (-32円)<6902> デンソー 28.09ドル 7610円 (-39円)<6954> ファナック 14.94ドル 20236円 (-169円)<6988> 日東電 34.66ドル 9389円 (-61円)<7201> 日産自 7.87ドル 533円 (-6.2円)<7202> いすゞ 11.68ドル 1582円 (-10円)<7203> トヨタ 155.16ドル 2102円 (7円)<7267> ホンダ 24.47ドル 3314円 (27円)<7270> SUBARU 9.03ドル 2446円 (-23円)<7733> オリンパス 20.26ドル 2745円 (10.5円)<7741> HOYA 92.65ドル 12549円 (-36円)<7751> キヤノン 23.94ドル 3243円 (-3円)<7974> 任天堂 52.91ドル 57333円 (83円)<8001> 伊藤忠 55ドル 3725円 (-25円)<8002> 丸紅 101.37ドル 1373円 (5円)<8031> 三井物 487.12ドル 3299円 (-16円)<8053> 住友商 13.86ドル 1878円 (-18.5円)<8267> イオン 16.07ドル 2177円 (-25.5円)<8306> 三菱UFJ 5.46ドル 740円 (7.4円)<8309> 三井トラスト 2.93ドル 3969円 (-113円)<8316> 三井住友 5.89ドル 3989円 (-8円)<8411> みずほFG 2.18ドル 1476円 (-29円)<8591> オリックス 84.77ドル 2296円 (-25円)<8604> 野村HD 3.6ドル 488円 (0.9円)<8766> 東京海上HD 55.39ドル 7503円 (1円)<8802> 菱地所 14.18ドル 1921円 (-14円)<9202> ANA 3.74ドル 2533円 (76円)<9432> NTT 28.55ドル 3867円 (-4円)<9735> セコム 15.12ドル 8192円 (-65円)<9983> ファーストリテイ 49.16ドル 66587円 (-463円)<9984> ソフトバンクG 18.61ドル 5041円 (8円)
<ST>
2022/06/15 07:55
注目トピックス 日本株
前日に動いた銘柄 part2 レーザーテック、ビジョナル、ANYCOLORなど
銘柄名<コード>14日終値⇒前日比IRJ−HD<6035> 2004 -70先行き不透明感拭えない中で見切り売り優勢。コーセー<4922> 11560 -510三菱UFJモルガン・スタンレー証券では目標株価を引き下げ。三菱UFJ<8306> 732.6 -3.3米長期金利の上昇で金融関連が堅調推移。ダブル・スコープ<6619> 1514 +5513日高値水準からの調整受けて買い戻し優勢にも。INPEX<1605> 1725 -16NY原油上昇も本日は地合い悪に押される。レーザーテック<6920> 17275 +4653月安値割り込んで下げ達成感も強まるか。マネックスグループ<8698> 434 -13ビットコイン価格の急落が売り材料に。日本郵船<9101> 9660 +130グロースからバリューへの資金シフトも強まるか。ネクストウェア<4814> 203+50「インテグリティ・ドローン」開発を発表。かんなん丸<7585> 428 +27記念配当6円の実施を発表。児玉化<4222> 460 +54引き続き中期計画を高評価の動きが続く。リミックスポイント<3825> 610 -120ビットコイン価格の急落が売り材料に。ユビAI<3858> 509 -6413日にかけての連日の急伸で過熱警戒感も。クシム<2345> 376 -2314日上半期の決算発表を控えているが。神島化学工業<4026> 1228 -107前期の下振れ決算を引き続きマイナス視。CAICAD<2315> 162 -3スケブなどとIEO実施検討に向けた覚書締結で13日は大幅高。VALUENEX<4422> 1022+150第3四半期の営業損益は黒字浮上(前年同期は1.23億円の赤字)、通期計画も超過。ビジョナル<4194> 5900 +54022年7月期の営業利益予想を上方修正、人材採用支援市場が活況。スマレジ<4431> 1066 +15022年4月期の営業利益は会社計画超過、上限39万株の自社株買いも。サーキュレーション<7379> 2259 +254第3四半期の営業利益は前年同期比36.5%増、上限8万2600株の自社株買いも。アールプランナー<2983> 1051 -297第1四半期の営業損益は赤字に転落して着地。Pアンチエイジ<4934> 3110-70022年7月期予想を下方修正、営業利益は60億円から23億円に引き下げ。ツクルバ<2978> 603 -26第3四半期の営業損失は6.69億円と前年同期から赤字幅拡大。カイオム・バイオサイエンス<4583> 176 +3「CBA-1205」の第1相試験後半パートにおける試験実施施設拡大と第1例目の被験者への投与開始について公表。ストリームM<4772> 165 +18「Soo-Man Lee総括プロデューサー、サウジアラビア文化部長官と歓談」との発表で短期資金の思惑向かうとの見方。ANYCOLOR<5032> 6700 +500直近IPO、引き続き商い活発。
<FA>
2022/06/15 07:32
注目トピックス 日本株
前日に動いた銘柄 part1 愛知銀行、セルソース、鳥貴族HDなど
銘柄名<コード>14日終値⇒前日比ファーストロジック<6037> 816 +5322年7月期業績予想上方修正と23年7月期業績予想・増配、自社株買いを発表。愛知銀行<8527> 5410 +270米長期金利上昇手掛かりに3月28日につけた年初来高値更新し先高期待高まる。ジェネレーションパス<3195> 424 +46中間期営業損益は前年同期の0.04億円の赤字から0.82億円の黒字に転換。セルソース<4880> 3805 +365ペット保険のアニコムと再生医療等分野で業務提携開始。東和薬品<4553> 2241 -180ジェネリック全般の出荷調整による採算低下を見込み外資系証券が投資判断と目標株価引き下げ。正栄食品工業<8079> 3645 -30022年10月期の利益予想を下方修正。グッドコムアセット<3475> 1262 +89上半期は上振れ着地で通期計画比で高進捗に。鳥貴族HD<3193> 2341 +158足元での順調な収益回復を評価続く。大真空<6962> 1005 +53KDDIが基地局開設遅れで指導受け5G普及拡大期待も。IDOM<7599> 737 +28東海東京証券では新規に買い推奨。千葉銀行<8331> 740 +14米長期金利上昇で銀行株に資金向かう。静岡銀行<8355> 808 +14金融関連株堅調で地銀株にも資金向かう。太平洋セメント<5233> 2079 +55石炭価格サーチャージ制導入による収益改善期待が続く。Hamee<3134> 1061 -118足元の収益成長鈍化をマイナス視へ。東建コーポレーション<1766> 7580 -930今期の2ケタ減益見通しをネガティブ視。アセンテック<3565> 649 -63第1四半期2ケタ営業減益を嫌気。ラクスル<4384> 1599 -126通期売上予想下方修正など引き続きマイナス視。スノーピーク<7816> 2400 -189地合い悪に押されて寄り付きから25日線割り込む展開に。SREHD<2980> 1867 -105リバウンド一巡感の中地合い悪で見切り売り優勢。神戸物産<3038> 2867 -1432-4月期は営業小幅減益に転じる。日産化学<4021> 6820 -420三菱UFJモルガン・スタンレー証券では投資判断を格下げ。エイチ・アイ・エス<9603> 2013 -1462-4月期営業赤字幅は前四半期比で拡大へ。ビジョン<9416> 1327 -87H.I.S.の決算がインバウンド関連の一角にも影響か。ファーマフーズ<2929> 1454 -48決算発表後のリバウンドも一巡して見切り売り優勢。第一三共<4568> 3073 -232特に材料観測されないが利食い売りの対象にも。住友倉庫<9303> 2004 -98JPモルガン証券では投資判断を2段階格下げ。
<FA>
2022/06/15 07:15
注目トピックス 日本株
ギグワークス---2Q減収もコンタクトセンターは引き続き好調、東京都の案件も受注
ギグワークス<2375>は10日、2022年10月期第2四半期(21年11月-22年4月)連結決算を発表した。売上高が前年同期比9.9%減の105.90億円、営業利益が同72.7%減の2.29億円、経常利益が同70.4%減の2.53億円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同68.0%減の1.32億円となった。オンデマンドエコノミー事業の売上高は前年同期比18.9%減の68.52億円、セグメント利益は同42.6%減の6.87億円となった。前第2四半期累計期間に実施した大型案件が完了したこと、また世界的な半導体不足の影響でパソコン等の供給不足は続いており、キッティング業務や設定設置業務は低調に推移したことから減収減益となった。一方で、ヘルプデスクやサービスデスク関連のニーズは、高い水準を維持している。自社運営のコンタクトセンターは、通販・テクニカルサポート・IoT関連のサポートセンター等の受注拡大が進んでおり順調に稼働している。また、新宿コンタクトセンターの移転によって、東京都から医療機関案内のコールセンター案件を受託するなど、各自治体からの受託案件についても受注体制が整いつつある。一部地域でサービスが開始された次世代通信規格5Gは、インフラ整備の需要が高まっており、本格稼働に向けた工事班体制の強化を推進している。システムソリューション事業の売上高は前年同期比3.3%増の21.15億円、セグメント利益は同21.2%減の2.40億円となった。自社開発のCRMシステム「デコールCC.CRM3」の販売は、感染症再拡大の影響で一部開発の延期が発生していることもあり軟調に推移した。しかし受託開発案件は、回復基調にあり、ギグワーカーを含むビジネスパートナーと連携し受注規模は拡大している。シェアリングエコノミー事業の売上高は前年同期比32.0%増の18.18億円、セグメント損失は0.92億円(前年同期は0.88億円の損失)となった。運営するシェアオフィスは、83拠点(2022年4月末)を展開し、様々な利用提携先の施設を含めると国内最大級となる770拠点以上となった。シェアオフィスの利用会員数は11,600会員、ドロップイン会員についても1,500会員に達した。また、オフィスの分散化及び削減、通勤時間の短縮や生産性向上等、確実なニーズの高まりと共に利用シーンも多様化し、このような変化に応えるべくマルチロケーションで利用できるサテライトオフィス「THE HUB all access」のサービスを提供することで、利便性の更なる向上に努めた。当第2四半期累計期間は、感染症の拡大により昨年出店した拠点が当初想定した計画を若干下回る結果となり、増収計画を一部弱含みで着地した。また、all accessにおいては、従量制会員は大幅に増加したが、利用単価が計画を下回り売上が利用客数の増加に比例して上がらず、赤字計画を下回った。2022年10月期通期の連結業績予想については、売上高が前期比13.4%増の240.00億円、営業利益が同10.6%増の10.00億円、経常利益が同6.6%増の10.00億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同38.1%増の6.00億円とする期初計画を据え置いている。
<ST>
2022/06/14 17:25
注目トピックス 日本株
早稲アカ Research Memo(8):2023年3月期は前期比2.0円増配の24.0円の配当を予定
■株主還元策早稲田アカデミー<4718>は株主還元策として、配当金については安定配当を基本とし、業績状況と配当性向も勘案しながら利益配分を行っていくことを基本方針としている。2023年3月期の1株当たり配当金については、前期比2.0円増配の24.0円(配当性向34.7%)と2期連続の増配を予定している。また、株主優待制度も導入しており、毎年3月末の株主を対象に、継続保有期間に応じてQUOカードを贈呈(3年未満は一律1,000円相当、3年以上は一律2,000円相当)しているほか、9月末の株主に対しては同社グループで使用可能※な株主優待券を贈呈(3年未満で5,000円相当、3年以上で10,000円相当)している。株主優待も含めた単元当たりの総投資利回りは3年未満保有株主で7.4%、3年以上保有株主で12.7%となり、グループサービスを利用または利用を検討している投資家にとっては魅力的な水準と言える(2022年5月26日終値1,134円で計算)。※「早稲田アカデミー(「大学受験部」含む)」「ExiV」「SPICA」「オンライン校」「IBS」「English ENGINE」「野田クルゼ」「水戸アカデミー」「QUARD」で利用可(海外校を除く)。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<SI>
2022/06/14 16:28
注目トピックス 日本株
早稲アカ Research Memo(7):中期業績目標を大幅上方修正、2024年3月期も高い利益成長が続く見通し
■今後の見通し2. 中期経営計画早稲田アカデミー<4718>は2021年1月に4ヶ年の中期経営計画を発表し、「子どもたちの未来を育む 独自の価値を提供し続け 教育企業No.1を目指す」ことを企業目標に、合格実績戦略により成長を目指す方針を掲げた。合格実績戦略とは、「本気でやる子を育てる」という同社の教育理念を徹底実践することを起点に、生徒の本気を引き出す授業によって成績向上と志望校への合格を実現し、その結果、顧客満足度を高めて地域での評判を獲得し、塾生数の増加によって収益を拡大していく戦略で、これまで同社が継続して取り組んできたものだ。業績目標については2021年以降、小学生を中心に塾生数が想定を上回るペースで拡大を続けていることから、前年5月に続いて2回目の上方修正を発表した。最終年度となる2024年3月期には売上高で331.7億円(前回290.8億円)、経常利益で25.5億円(同17.1億円)を目指す。2023年3月期見込みに対する成長率は売上高で7.0%増、経常利益で17.0%増となり、2023年3月期とほぼ同様のペースでの収益成長を見込んでいることになる。前述した通り主力の小学生部門において低学年層の塾生数が大きく伸びていることもあり、達成する可能性は十分あると弊社では見ている。また、今回ROEについても目標値を新たに発表し、2024年3月期で12.1%を設定した。今回の中期経営計画においては、既存のコア事業の強化を図りつつ、新領域へも積極的にチャレンジしていく方針を掲げてきた。コア事業の強化についてはおおむね順調に進んでおり、その結果として塾生数の拡大につながっているものと考えられる。一方、新領域についてはオンライン校の設立や、ICTを活用した新規サービスについては予定通り進んでおり、個別指導部門の拡充展開についても事業譲受により同社単独で展開していくことが可能となったことで2023年3月期以降加速していくものと予想される。一方で、英語ブランド校舎や海外直営校の展開についてはコロナ禍ということもあって進んでおらず、今後の課題となる。(1) DX戦略についてコロナ禍で開始した新規サービス「早稲田アカデミーEAST」や「早稲田アカデミーOnline」は、塾生や保護者からの評価も高く、多く利用されている。このため、これらサービスについては外販の可能性も検討している。また、既存サービスに加えて新たなサービスの開発も推進していくため、2022年4月より情報システム部をデジタルソリューション部に改称し、人員も増強した。現在、複数のプロジェクトを企画しており、外部のIT企業も活用し開発を進めている。同社ではITの活用度合が顧客満足度の向上や学習効率の向上などの面で、競争上の差別化要因になってくるとの考えから、今後もサービスの開発や機能の拡充に注力していく方針である。(2) 個別進学館の展開について個別進学館については、難関校合格に向けた個別指導塾としてのNo.1ブランドの確立を目指すべく、今後は積極的に展開していく方針だ。今回、明光ネットワークジャパンとの共同展開から同社単独で事業展開していくこととなり、今まで以上に集団校舎との連携が進むと見ている。直営校舎については校長の育成ペースにもよるが、年間2~3校のペースで展開していく予定にしている。集団校舎と個別指導塾ではマネジメント手法も異なるため、校長として配属するには教務主任として現場で1年以上の経験を積む必要がある。このため、FCシステムも活用しながら事業展開を加速していきたい考えだ。2022年3月現在、FC校も含めて58校体制となっているが、早期に100校体制の実現を目指していく。難関校志望の塾生は苦手科目について、個別指導塾を併用して利用しているケースも多い。早稲田アカデミー(小学・中学部、大学受験部)の校舎数128校に対して、個別進学館は58校しかなく今までは他の個別指導塾にこうした生徒が一定数流れていた可能性がある。今後、早稲田アカデミーの近隣に個別進学館を開校していくことで、他塾に流出していた塾生を囲い込むことでLTVの最大化を目指す。個別進学館については1校舎当たりの平均塾生数が90名程度と競合塾と比較して規模はまだ小さいものの、難関志望校向け個別指導塾としてのブランドが確立されれば、塾生数の一段の増加と収益力の向上が見込まれる※。なお、早稲田アカデミーが近隣にある個別進学館の塾生のうち、早稲田アカデミーにも通塾している塾生の比率は約35%となっている。※個別進学館の校舎当たり塾生数は、明光ネットワーク決算短信より(2021年8月末の全校舎数56校(FC含む)に対して塾生数は4,986人)。競合塾としてリソー教育<4714>や東京個別指導学院<4745>があり、校舎当たり生徒数は会社資料から130~180名程度と推定される。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<SI>
2022/06/14 16:27
注目トピックス 日本株
早稲アカ Research Memo(6):2023年3月期も小学部を中心に快進撃が続く
■今後の見通し1. 2023年3月期の業績見通し早稲田アカデミー<4718>の2023年3月期の連結業績は売上高で前期比8.6%増の31,000百万円、営業利益で同18.0%増の2,149百万円、経常利益で同18.2%増の2,176百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同17.6%増の1,303百万円と増収増益基調が続く見通しだ。引き続き小学部を中心に塾生数の増加を見込んでおり、営業利益率も増収効果と校舎当たり塾生数の増加による固定費率低下により、前期の6.4%から6.9%に上昇する見込みとなっている。2022年4月末の塾生数は単体ベースで前年同期比11.5%増と順調な滑り出しとなっており、今後の夏期講習等の受講者数も同様のペースで伸長すれば、計画を上回る業績が期待できることになる。(1) 部門別売上高と塾生数の見通し部門別売上高は、小学部で前期比11.9%増の18,105百万円、中学部で同4.5%増の11,188百万円、高校部で同0.7%増の1,583百万円となる見通し。前提となる期中平均塾生数は、小学部で同13.7%増、中学部で同5.1%増、高校部で同4.4%増となる。塾生1人当たりの平均売上高は小学部で同1.6%減、中学部で同0.5%減、高校部で同3.5%減とそれぞれ低下を見込んでいるが、要因としては、学年別塾生数の構成比変化によるものとなっている(非受験年の塾生数の増加率が相対的に高い)。2022年4月末の「早稲田アカデミー」の塾生数の状況で見れば、小学1年生が前年同期比79.4%増、2年生が60.2%増、3年生が同24.6%増、4年生が同21.7%増といずれも20%を超えており、特に4年生の塾生数が初めて5年生(受験コース)を上回った点は注目される。2024年3月期もこれら塾生数が繰り上がることで、継続的な売上拡大が見込めるためだ。なお、前第4四半期から加わった旧明光ネットワークの個別進学館事業については、売上高で6億円強の上乗せ要因となり、営業利益についてものれん償却後で若干の利益を計画に織り込んでいる。(2) 校舎展開について新規校舎の展開については、夏頃に個別進学館を1校、2023年春を目途に早稲田アカデミー(小学・中学部)、個別進学館で各1校を予定している。また、物件さえ見つかれば湾岸エリア(勝どき、天王洲等)での校舎展開をさらに進めていきたい考えだ。子会社の集学舎についても物件が見つかれば、2023年春に1校を開校する体制を整えている。加えて増床計画として、流山おおたかの森校についても1.5倍に増床予定となっている。そのほかも定員に近づいている校舎については適宜、増床・移転を検討していくことにしている。(3) 費用の見通し売上原価率は前期の72.4%から71.7%に低下する見込み。原材料費は前期に引き続き塾生数・受講者数の増加に伴う教材模試仕入の増加、及びオンライン英語関連の外注費増加により前期の13.5%から14.1%に上昇を見込んでいる。原材料費率については2020年3月期まで約10%の水準であったが、2021年3月期以降に13%超と水準が上昇している。この要因として、外注費率の高いオンライン英語レッスンの受講生が増加していることに加えて、小学生向け模試を選択制から必修制に段階的に切り替えたことが大きい。一方、労務費率は講師などの増員を進めるものの、増収効果により前期の35.7%から35.2%に低下し、地代家賃の比率も同12.1%から12.0%に、その他費用の比率も同11.1%から10.4%とそれぞれ増収効果により低下する見通しとなっている。ただ、例年その他の費用については保守的に見積もる傾向にある。広告宣伝については引き続きWeb広告や交通広告等の費用対効果の高い施策を実施していくほか、人材採用のための広告費についても増やす予定にしている。(4) 子会社の動向子会社の動向については、野田学園が既卒生の低迷により厳しい業績が続く見通しとなっているが、他の子会社については引き続き塾生数の増加により増収増益が続く見通しだ。今後も相互のリソースを共有していくことでシナジーを高め、高い合格実績を積み上げていくことで成長を目指していく戦略だ。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<SI>
2022/06/14 16:26
注目トピックス 日本株
早稲アカ Research Memo(5):財務の健全性は高く無借金経営に
■業績動向2. 財務状況と経営指標早稲田アカデミー<4718>の2022年3月期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比1,077百万円増加の19,663百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産では現預金が103百万円減少した一方で、塾生数、春期講習会受講生数の増加等により営業未収入金が128百万円増加した。固定資産は豊洲校や品川校等の新規校舎開校に伴い有形固定資産が532百万円増加したほか、明光ネットワークから個別進学館事業を譲受したことに伴いのれんが461百万円増加した(同事業ののれん償却額は年間約60百万円で10年定額償却)。期末ののれん残高は1,302百万円となっている。負債合計は前期末比650百万円増加の8,232百万円となった。流動負債では支払手形及び買掛金が63百万円増加したほか、前受金が134百万円、未払法人税等が154百万円それぞれ増加した。固定負債は長期借入金が309百万円減少した一方で、資産除去債務が563百万円増加した。資産除去債務は賃貸契約に基づく原状回復費用の積立てとなるが、工事単価がここ数年上昇している実勢を反映して今回、積み増しを行ったことによるものである。なお、有利子負債(リース債務を除く)はすべて返済し、無借金経営となっている。純資産は前期末比426百万円増加の11,431百万円となった。収益認識会計基準等の適用に伴い、繰越利益剰余金の期首残高が94百万円減少したほか配当金支出418百万円があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益1,108百万円を計上したことにより、利益剰余金が689百万円増加した。また、その他有価証券評価差額金が137百万円減少した。経営指標を見ると、安全性を示す自己資本比率は前期末の59.2%から58.1%に低下したが、有利子負債も無くなり財務の健全性は良好な状態を維持していると判断される。2021年3月期に公募増資を実施したことや収益の拡大もあって現預金は潤沢となっており、今後はこれらの資金を新規校舎の開設や新サービスの開発、あるいはM&A等の成長投資に振り向け、収益をさらに拡大していく戦略となっている。M&Aについては、ITサービスの開発力を持った企業も対象となるようだ。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<SI>
2022/06/14 16:25
注目トピックス 日本株
早稲アカ Research Memo(4):2022年3月期業績は塾生数の好調な伸びに支えられ大幅増収増益を達成
■業績動向1. 2022年3月期の業績概要早稲田アカデミー<4718>の2022年3月期の連結業績は、売上高で前期比12.2%増の28,551百万円、営業利益で同71.2%増の1,821百万円、経常利益で同70.9%増の1,841百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同109.4%増の1,108百万円とコロナ禍で低迷した前期から一転、急回復し、売上高は11期連続の増収、各利益は3期ぶりに増益に転じた。利益水準としては2007年3月期以来15期ぶりに最高益を更新したことになる。また、2021年8月に上方修正した会社計画に対しても売上高、各利益ともに上回って着地している。(1) 部門別売上高と塾生数の動向部門別売上高について見ると、小学部が前期比15.5%増の16,176百万円、中学部が同11.8%増の10,707百万円、高校部が同4.6%減の1,572百万円となり、小学部が業績のけん引役となった格好だ。また、期中平均塾生数は前期比12.0%増の43,628人と業界平均※1を大きく上回り、集団塾を主力に展開する上場企業のなかでもトップの成長率だったと見られる。内訳を見ると、小学部が同15.5%増の24,937人、中学部が同9.9%増の16,268人といずれも過去最高を更新し、高校部は同6.2%減の2,423人と唯一減少傾向が続いた。高校部については難関大学向け学習塾としてのブランドを確立すべく、数年前から校舎をターミナル駅に集約化する戦略を推進してきた影響によるものであり※2、2022年3月期で集約化によるマイナス影響は一巡することになる。※1 経済産業省「特定サービス産業動態統計調査」によると、2021年度の生徒数は前期比5.0%増であった。※2 高校部の校舎数は、2016年3月期末の12校から2021年3月期末に6校まで段階的に減らしてきた。特に小学部の伸びが大きかった理由としては、外的要因と内的要因に分けて見ることができる。外的要因としては、コロナ禍で2020年4月~5月に学校が一斉休校となった際に、私立中学校ではICTを積極活用し、オンライン教育により教育サービスの質を落とさない取り組みを行っていた一方で、公立中学校では無策が露呈し生徒の学力向上に大きなばら付きが出るといった問題が生じたことで、私立中学を志望する生徒が増加したことが挙げられる。私立中学への受験者数については2015年を底にして増加に転じていたが、コロナ禍を契機として2021年度はより一層、その傾向が強まったと考えられる。こうした市場トレンドは私立中学校向け受験対策で高い実績を持つ同社にとって、追い風になったと見ることができる。一方、内的要因としては、2020年のコロナ禍以降、業界でいち早くZoomを活用した「双方向Web授業」を開始し、「対面授業」再開後もデュアル形式での学習環境を提供し続けるなど多様な顧客ニーズに応えてきたことや、ICTを活用した各種サービスの開発・提供をコロナ禍以降継続的に行い、塾生の学習効率向上や利便性の向上に取り組んできたことが塾生数の増加につながったと見られる。ICTを活用したサービスとしては「早稲田アカデミーEAST」※1やZoomを活用した「オンライン自習室」※2を提供したほか、塾生及び保護者向けの多機能ポータル「早稲田アカデミーOnline」を開発・提供している。「早稲田アカデミーOnline」については2021年9月よりスマートフォンアプリでの提供も開始したことで利便性が大きく向上し、保護者からも好評を得ている。※1 早稲田アカデミーEAST(Electronic Answer Sheet Transfer)とは、生徒が自宅で受験した答案用紙をスマートフォンやタブレット端末で撮影、アプリを使ってアップロードし、それを講師が校舎で添削して返却(早稲田アカデミーOnline上にアップロード)、生徒は「早稲田アカデミーOnline」上でそれを確認し、復習できる仕組みで、無料サービスとなっている。※2 緊急事態宣言の再発出により通塾できない生徒がいるなかで、自習室についてもオンラインで提供できないかという要望に応えて開始した無料サービス。(2) 新規校舎の開設状況新規校舎として2021年7月に湾岸エリアに早稲田アカデミー2校(豊洲校、品川校)、早稲田アカデミー個別進学館1校(豊洲校)を開校したほか、2022年2月に早稲田アカデミー個別進学館1校(戸越校)、同年3月に早稲田アカデミー1校(流山おおたかの森校)を開校した。また、集学舎において2022年3月にQUARD1校(鎌取校)を開校している。湾岸エリアは就学人口が増えておりニーズの高いエリアであったが、今まで条件に見合う物件が見つからず出校できずにいた。今回満を持しての開校となったが予想以上の反響で、早稲田アカデミー豊洲校についてはすぐに定員に近い状態まで増え、すでに2号館を増床し対応している。1校舎当たりの生徒数では武蔵小杉校が初めて1千人を突破したが、豊洲校についても2023年3月期中に1千人を超える可能性がある。また、品川校についても同様で2号館が必要な状態となっており、物件を探しているがエリア的に、適切な物件確保にはしばらく時間がかかるものと思われる。2022年3月に千葉県流山市に開校した流山おおたかの森校についても湾岸エリアと同様の状況で(流山市は15歳以下の人口増加率で全国トップ)、塾生数が想定以上に増加していることから、1.5倍の増床を予定しているほか、個別進学館についても開校する予定となっている。既存校の移転増床については、早稲田アカデミー千葉校と成城学園前校で実施しており、いずれも順調に塾生数が増加している。そのほか、2021年11月に明光ネットワークから譲受した個別進学館の直営12教室については、第4四半期から連結対象となったが業績への影響は軽微となっている。また、新たな取り組みとして2021年4月よりオンライン校を開校している。小学6年生と中学3年生の特別コースに限定したもので、生徒数は100人前後と見られる。距離的な問題で早稲田アカデミーに通塾できない国内外の生徒が対象となっている。(3) 費用の増減要因2022年3月期の営業利益率は前期比2.2ポイント上昇の6.4%となった。売上原価率が同1.3ポイント低下したほか販管費率も同0.9ポイント低下した。売上原価率のうち、原材料費率は塾生数・受講者数の増加に伴う教材模試の仕入増加や、オンライン英語関連の外注費増加によって同0.4ポイント上昇したものの、校舎当たり塾生数の増加によって労務費率が同1.2ポイント、地代家賃率が同0.3ポイント、その他が同0.2ポイントそれぞれ低下した。労務費が前期比8.4%増となった要因は、業容拡大とサービス品質向上に向けた講師及びアシストスタッフの増員に加えて、業績向上に伴う従業員賞与引当金の増加によるものとなっている。また、販管費率低下の内訳を見ると労務費率が同0.3ポイント、広告宣伝費率が同0.1ポイント、その他が同0.5ポイントの低下となっており、それぞれ増収効果によって低下した。金額ベースでは労務費が成長戦略推進のための人員増や業績向上に伴う賞与引当金の増加によって同8.8%増となったほか、広告宣伝費も費用対効果の高いWebマーケティングに注力したことで同8.5%増となった。その他の販管費は株主優待費用を中心に同6.3%増となった。(4) 子会社の業績動向子会社の業績動向について見ると、野田学園についてはコロナ禍の影響で既卒生を中心に生徒数が低迷し減収となったものの、集学舎や水戸アカデミーについては塾生数も順調に拡大し、増収増益となった。水戸アカデミーについては2021年春に県立の中高一貫校が開校となったことで入塾希望者が増加しており、校舎の増床で対応したことも収益増要因となっている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<SI>
2022/06/14 16:24
注目トピックス 日本株
早稲アカ Research Memo(3):首都圏で小中高校生を対象にした進学塾「早稲田アカデミー」を中心に展開(2)
■会社概要3. 強み早稲田アカデミー<4718>の最大の強みは、首都圏において私立の難関中学や難関高校に毎年、業界トップクラスの合格者数を輩出できるシステムを確立している点にある。具体的には、これら志望校へ合格させるためのカリキュラム・教材が確立しているだけでなく、合格に直結する指導法を教師に習得させるための教育研修システムも整備されている。また、塾生たちのやる気を引き出し学習意欲を高めるための「学習する空間づくり」や、互いに競い合い切磋琢磨する学習環境を提供していること、さらには「志望校への合格」という共通目標を全社一丸となって達成していくため、教師だけでなく事務職も含めたインセンティブの設定、人事評価制度を導入していることも高い合格実績を維持し続けている要因になっている。同社の基本戦略である「合格実績戦略」という、顧客にとって明確でわかりやすい差別化を推進することでブランド力を向上させ、その結果として「難関校に行くなら早稲田アカデミー」という流れを小学部や中学部では作り出している。今後は大学受験、また、公立の高校受験においても同様の戦略を推進することで塾生数を伸ばし、収益を拡大していく方針となっている。4. 主要株主と提携状況同社の主要株主を見ると、現在の筆頭株主はナガセ<9733>で出資比率は18.49%、第2位に英進館(株)9.62%、第5位に明光ネットワークジャパン<4668>5.00%、第8位に学研ホールディングス<9470>2.76%と同業他社が上位に名を連ねている。このうちナガセとは、ナガセの子会社で中学受験指導の草分け的存在である(株)四谷大塚と1997年に提携塾契約を締結している。提携内容は、小学部で使用する教材類を四谷大塚から購入し、カリキュラムも準拠して指導すること、並びに四谷大塚の実施する公認テスト会場として同社が代行的な業務を行うことができることなどが定められている。第2位株主の英進館は九州を地盤とする進学塾で、慶応義塾女子高校やラ・サール高校の入試対策用特別講座及び夏期合宿、講師研修などの共同開催を行うなど事業面で協業関係にある。また、第5位株主の明光ネットワークとは、個別指導塾「早稲田アカデミー個別指導館」の共同開発を目的に資本・業務提携していたが、2021年11月に提携関係を解消している。ただし、明光ネットワークは同社株式を継続して保有する意向であり、提携関係解消後も株式を追加で取得している。第8位の学研ホールディングスとはグループ会社とアジアでの早稲田アカデミーブランドによる海外学習塾事業に関する業務提携契約を締結している。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<SI>
2022/06/14 16:23
注目トピックス 日本株
早稲アカ Research Memo(2):首都圏で小中高校生を対象にした進学塾「早稲田アカデミー」を中心に展開(1)
■会社概要1. 会社沿革早稲田アカデミー<4718>は1975年に創業者の須野田誠(すのだまこと)氏が早稲田大学在学中に、東京都杉並区にて小中学生対象の学習指導サークルを開始したところからスタートする。当初は都立の進学高校であった「西高の合格者数No.1」を目標に進学塾を運営。数年後に目標を達成したが、その後、進学校の人気が公立高校から私立高校へシフトしていくなかで、同社も新たな目標として「早慶附属高校の合格者数No.1」を目指すことを1990年に打ち出した。カリキュラム、教材の拡充を進めると同時に、教務指導力の強化に取り組みながら合格実績を年々積み上げ、2001年に合格者数No.1を達成、その後はこのブランド力を持って校舎数の拡大を進め、業績も本格的な成長期に入っていった。早慶の附属高校は首都圏で7校あり、年間の受験者数は1万を超える。潜在的な志望生徒数は数万人となり、高校受験の進学塾として成長を目指すため、同分野で合格者数No.1を獲得することは最大の宣伝効果になったと言える。その後も2022年まで22年連続でトップを走っており、今では2位以下を大きく引き離す圧倒的なNo.1となっている(2022年春は定員約1,520名に対して1,558名が合格)。また、次の目標として設定した難関私立高の「開成高でのNo.1」も15年連続で達成しており(同100名に対して90名)、首都圏における高校受験ではブランド力、合格実績ともにNo.1の進学塾として不動の地位を確立している。現在は次の目標である首都圏の難関中学である「御三家中学※の合格実績No.1」達成に向けた取り組みを進めている。※男子は開成、麻布、武蔵中学校、女子は桜蔭、女子学院、雙葉(ふたば)中学校を指す。また、グループ展開として2007年に医歯薬系大学受験専門予備校「野田クルゼ」を運営する野田学園の株式を取得し、完全子会社化したほか、2015年に茨城県内で小中学生を対象とした進学塾「水戸アカデミー」を運営する(株)アカデミー(現、水戸アカデミー)、2018年1月には千葉県内で小中高校生を対象とした進学塾「QUARD」を運営する集学舎の株式を取得し完全子会社化している。また、2010年から明光ネットワークジャパンと資本・業務提携を締結して共同で展開してきた個別指導塾「早稲田アカデミー個別進学館」の事業(直営、FC事業)について、2021年11月に同社が譲受し、単独で展開していくこととなった。海外市場についても、国内の難関校を目指す生徒に教育サービスを提供するため、2019年にロンドンとニューヨークで子会社が早稲田アカデミー直営校を開校したほか、(株)学研スタディエ及びその子会社との間で、早稲田アカデミーブランドによる海外学習塾事業に関する業務提携契約を締結し、アジアで5校(シンガポール2校、ベトナム2校、台湾1校)が展開されている。2. 事業内容同社及び連結子会社は、進学塾を複数のブランドで展開している。同社においては、小学生から高校生までを対象とした「早稲田アカデミー」を首都圏(東京、神奈川、千葉、埼玉、茨城)で展開しており、ブランド名としては「早稲田アカデミー(中学受験・高校受験)」(2022年3月末116校)のほか、「早稲田アカデミー大学受験部」(同6校)、個別指導塾の「早稲田アカデミー個別進学館」(同42校)、難関中学高校受験専門塾「ExiV(エクシブ)」(同5校)、最難関中学受験専門塾の「SPICA(スピカ)」(同1校)など合計170校を直営で展開している。そのほか、2017年より小中学生向けの英語塾として開始した「多読英語教室 早稲田アカデミー English ENGINE」(同3校)を運営している。子会社では、野田学園が医歯薬学系専門の大学受験予備校「野田クルゼ」を都内で2校展開している。野田学園を子会社化した背景は、大学受験において理系で高いレベルの指導ノウハウを持つ講師をそろえており、文系主体であった同社の「大学受験部」とのシナジー効果を狙ってのことだ。また、水戸アカデミーは茨城県内で小中学生を対象とした進学塾「水戸アカデミー」を1校運営している。中学部が主力で、県内の難関公立高校である水戸第一高校の合格者数で高い実績を持つことが特徴となっている。集学舎は、千葉県内で小中高校生を対象とした進学塾「QUARD」を5校展開しており、うち高校部門については東進衛星予備校の映像授業を行っている。主力は中学部で県立千葉高をはじめとする難関公立高校で高い合格実績を有している。いずれも難関公立校への進学を志望する生徒の獲得強化に取り組む同社にとって、シナジーが得られるとの考えから子会社化した。特に、集学舎とは人材採用や受験対策講座の共同開催などで協業が進んでいる。そのほか、欧米で早稲田アカデミー各1校運営しており、2022年3月末のグループ全体の直営校舎数は180校となっている。2022年3月期の売上構成比を見ると、小学部が全体の56.7%を占める主力部門となっており、次いで中学部が37.5%、高校部が5.5%となっている。直近5年間の傾向としては小学部の構成比が上昇し、中学部及び高校部が低下している。小学部については私立中学の受験者数がここ数年増加傾向となっていることに加えて、低学年層(小学1年生~4年生)や公立進学コース(Kコース、5年生~6年生)の塾生の取り込みに成功していることが上昇要因となっている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<SI>
2022/06/14 16:22
注目トピックス 日本株
早稲アカ Research Memo(1):「早稲田アカデミー」小学部の塾生数が2ケタ増と好調持続
早稲田アカデミー<4718>(掲載本文)■要約早稲田アカデミー<4718>は、首都圏で小中高校生を対象とした進学塾「早稲田アカデミー」等を直営で展開しており、子会社の(株)野田学園で医歯薬系専門の大学受験予備校「野田クルゼ」を、(株)水戸アカデミーで茨城県内の小中学生向け進学塾「水戸アカデミー」を、(株)集学舎で千葉県内の小中高校生向け進学塾「QUARD(クオード)」を運営しているほか米国、英国でも日本人子女を対象に進学塾を各1校運営している。2022年3月末のグループ直営校舎数は180校、2022年3月期の期中平均塾生数は4.3万人超となっている。1. 2022年3月期の業績概要2022年3月期の連結業績は、売上高で前期比12.2%増の28,551百万円、経常利益で同70.9%増の1,841百万円といずれも過去最高を更新する好決算となった。期中平均の塾生数が全体で前年同期比12.0%増と伸長したことが増収要因となり、経常利益率も校舎当たり塾生数の増加により前期実績の4.2%から6.4%に上昇した。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)が続くなかで、私立中学を志望する生徒が増加するなど市場環境として追い風が吹いたことに加えて、「双方向Web授業」と「対面授業」のデュアル形式の学習環境を提供し続けたことや、ICTを活用したサービスの提供にも積極的に取り組んできたことが塾生数の増加につながった。新規開設校は「早稲田アカデミー」で3校、「早稲田アカデミー個別進学館(以下、個別進学館)」で2校、「QUARD」で1校となっている。また、2021年11月に「個別進学館」を共同展開してきた明光ネットワークジャパン<4668>から直営12校とFC事業(16校)を譲受している。2. 2023年3月期の業績見通し2023年3月期の連結業績は、売上高で前期比8.6%増の31,000百万円、経常利益で同18.2%増の2,176百万円と増収増益が続く見通しである。新規開設校は「早稲田アカデミー」1校、「個別進学館」2校を予定している。期中平均塾生数は前期比10.0%増を計画しており、2022年4月末の塾生数(単体ベース)は前年同期比11.5%増と好調な滑り出しを見せている。なかでも小学部1年生~4年生はいずれの学年も20%以上の伸びを見せており、塾生の早い段階からの取り込みに成功しており、2024年3月期以降の塾生数の増加につながる動きとして注目される。夏期講習の状況も順調に推移するようであれば、2023年3月期も会社計画を上回る業績が期待できそうだ。3. 中期経営計画の上方修正について同社は足元の業績が想定以上のペースで拡大していることを踏まえて、中期経営計画の最終年度となる2024年3月期の業績目標値を大幅に上方修正した。具体的には売上高を290.8億円から331.7億円に、経常利益を17.1億円から25.5億円に引き上げており、2024年3月期も経常利益で17%増と2ケタ増益が続く見通しだ。また、ROEも12.1%を目標とした。基本方針は従来と変わらず、同社ならではの教育サービスをICTも活用しながら提供し、合格実績戦略を推進することで塾生数を拡大していく。また、現在自社で活用している各種デジタルサービスの外販の可能性についても今後検討していく。同社単独での事業展開となった「個別進学館」については、集団塾の「早稲田アカデミー」と連携をより一層強化し、FCシステムも活用しながら100校体制の早期実現を目指していく。直営校については当面、年間2~3校ペースで新規開校を進めていく意向で、ほかにFC校の展開も予定しており、集団塾の塾生で今まで他社の個別指導塾を併用していた塾生を「個別進学館」で囲い込み、顧客のLTV最大化に取り組んでいく。4. 株主還元策株主還元については、安定的な配当を基本として業績状況と配当性向も勘案しながら利益配分を行っていく方針だ。2023年3月期の1株当たり配当金は前期比2.0円増配の24.0円を予定している。また、株主優待として毎年3月末の株主を対象に、継続保有期間に応じてQUOカード(1,000円相当又はその2倍)を贈呈しているほか、9月末の株主を対象に、継続保有期間に応じてグループ各社の授業料等に利用可能な株主優待券(5,000円相当又はその2倍)を贈呈している。株主優待も含めた総投資利回りは3年未満保有株主で7.4%、3年以上保有株主で12.7%(2022年5月26日終値1,134円で計算)となる。■Key Points・2022年3月期業績は塾生数の好調な伸びに支えられ大幅増収増益を達成・2023年3月期も小学部を中心に快進撃が続く・中期業績目標を大幅上方修正、2024年3月期も高い利益成長が続く見通し(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<SI>
2022/06/14 16:21
注目トピックス 日本株
日経平均寄与度ランキング(大引け)~日経平均は大幅に3日続落、東エレクとソフトバンクGが2銘柄で約63円分押し下げ
6月14日大引け時点の日経平均構成銘柄の騰落数は、値上がり52銘柄、値下がり171銘柄、変わらず2銘柄となった。日経平均は大幅に3日続落。13日の米株式市場でNYダウは876ドル安と大幅に4日続落。インフレ高進・連邦準備制度理事会(FRB)による利上げペース加速を警戒する動きが続いた。中国での新型コロナ流行再燃が懸念されたほか、暗号資産市場の急落も投資家心理を悪化させ、売りが加速。ナスダック総合指数も-4.68%と大幅に4日続落し、主要株価指数は揃って年初来安値を更新。米国株安を引き継いで日経平均は431.69円安と大幅下落でスタート。寄り付き直後に一時下げ渋ったが、再び失速すると、前場中ごろには26357.90円(629.54円安)まで下落。午後は時間外取引のナスダック100先物が大きく上げ幅を広げたことが短期筋の買い戻しを誘い、緩やかに下げ幅を縮める展開が続いた。大引けの日経平均は前日比357.58円安の26629.86円となった。東証プライム市場の売買高は12億6090万株、売買代金は3兆0333億円だった。セクターでは空運、精密機器、不動産を筆頭に全般売り優勢。一方、海運と銀行の2業種が上昇した。東証プライム市場の値下がり銘柄は全体の76%、対して値上がり銘柄は21%となった。値下がり寄与トップは東エレク<8035>となり1銘柄で日経平均を約35円押し下げた。同2位はソフトバンクG<9984>となり、第一三共<4568>、KDDI<9433>、日産化<4021>、ネクソン<3659>、ソニーG<6758>などがつづいた。一方、値上がり寄与トップは信越化<4063>となり1銘柄で日経平均を約3円押し上げた。同2位は太陽誘電<6976>となり、味の素<2802>、村田製<6981>、アドバンテ<6857>、日立建機<6305>、三菱倉<9301>がつづいた。*15:00現在日経平均株価 26629.86(-357.58)値上がり銘柄数 52(寄与度+22.53)値下がり銘柄数 171(寄与度-380.11)変わらず銘柄数 2○値上がり上位銘柄コード 銘柄 直近価格 前日比 寄与度<4063> 信越化 17340 95 +3.34<6976> 太陽誘電 5340 80 +2.81<2802> 味の素 3048 45 +1.58<6981> 村田製 8251 53 +1.49<6857> アドバンテス 7820 20 +1.41<6305> 日立建機 3315 35 +1.23<9301> 三菱倉 3185 50 +0.88<4151> 協和キリン 2871 21 +0.74<9107> 川崎船 9210 170 +0.60<5333> 日本ガイシ 1907 15 +0.53<6762> TDK 4480 5 +0.53<9104> 商船三井 3200 50 +0.53<8331> 千葉銀 740 14 +0.49<8355> 静岡銀 808 14 +0.49<6770> アルプスアル 1491 14 +0.49<7912> 大日印 2870 27 +0.47<9101> 郵船 9660 130 +0.46<6361> 荏原製 5440 60 +0.42<6103> オークマ 5410 60 +0.42<4043> トクヤマ 1802 48 +0.34○値下がり上位銘柄コード 銘柄 直近価格 前日比 寄与度<8035> 東エレク 51710 -1020 -35.85<9984> ソフトバンクG 5033 -132 -27.83<4568> 第一三共 3073 -232 -24.46<9433> KDDI 4402 -102 -21.51<4021> 日産化 6820 -420 -14.76<3659> ネクソン 2972 -178 -12.51<6758> ソニーG 11230 -300 -10.54<4543> テルモ 3905 -73 -10.26<4519> 中外薬 3459 -95 -10.02<7832> バンナムHD 9310 -265 -9.31<6098> リクルートHD 4172 -81 -8.54<4704> トレンド 6720 -240 -8.43<9613> NTTデータ 1849 -43 -7.56<4911> 資生堂 5217 -207 -7.27<6367> ダイキン工 20365 -205 -7.20<9766> コナミHD 8160 -190 -6.68<7203> トヨタ自 2095 -36.5 -6.41<7733> オリンパス 2734.5 -43.5 -6.11<4503> アステラス薬 2024.5 -32.5 -5.71<6954> ファナック 20405 -140 -4.92
<FA>
2022/06/14 16:17
注目トピックス 日本株
DDホールディングス---5月度の月次売上高発表
DDホールディングス<3073>は14日、5月度の月次売上高等前年同月比及び新型コロナウイルス感染症拡大前の2020年2月期同月比、出退店等の店舗状況を発表した。なお、月次売上高等前年同月比及び2020年2月期同月比には連結子会社であるエスエルディー<3223>は含んでいない。全店の前年同月比(カッコ内は2020年2月期同月比)は、売上高は333.2%(67.2%)、客数は220.2%(62.5%)、客単価は151.3%(107.5%)。既存店の前年同月比では、売上高は339.3%(74.3%)、客数は223.5%(70.4%)、客単価は151.8%(105.6%)。飲食事業の既存店前年同月比では、売上高は388.7%(72.6%)、客数は239.1%(71.9%)、客単価は162.5%(101.0%)。アミューズメント事業の既存店前年同月比では、売上高は273.9%(76.6%)、客数は185.7%(66.3%)、客単価は147.5%(115.6%)。ウェディング事業の既存店前年同月比では、売上高は174.9%(99.5%)、客数は232.2%(51.1%)、客単価は75.3%(194.7%)となった。グループ全体の直営店舗数(連結子会社であるエスエルディーを含む)は、1店舗の退店があり、5月末の店舗数は344店舗となった。
<ST>
2022/06/14 16:17
注目トピックス 日本株
フォーシーズHD---ドリームフィリアとの中国での販路拡大に向けた業務提携
フォーシーズHD<3726>は13日、ドリームフィリアと中国における販路拡大に向けて、業務提携の決定を発表。ドリームフィリアより5ヶ年販売計画が提出され、「フェヴリナ」「ファインビジュアル」「エニシングホワイト」の3つのブランドの化粧品・健康食品の販売を行うコミュニケーション・セールス事業の中国における販売計画が2022年9月期から2024年9月期までの期間において約3.20億円としており、2021年9月期の連結売上高に対して10%を超える業績予想となっているため、同社取締役会にて同契約の締結を決議した。本契約の相手先であるドリームフィリアは、Invus Asia Limited The Invus Group,LLC に所属する Director CHRIS JIANG による後方支援により事業活動を行う。CHRIS JIANG は、香港オフィスに所属する Director であり、M&A、資金調達などのさまざまな取引に携わっており、その豊富なネットワークをフルに活用し中国国内における拡販のサポートをすることとなっている。2020年10月に中国の口コミECアプリ「小紅書(RED)」にフェヴリナ旗艦店をオープン。中国の2大SNS「微博(weibo)」「小紅書(RED)」の公式アカウントを開設し、2022年5月末までに約47,000名のフォロワーを獲得している。今回ドリームフィリアにより越境ECでの販売を小紅書(RED)で皮切りに、天猫国際(Tmall)・京東商城(JINDON)において、同社が展開する化粧品の販売を行うこととなったとしている。
<ST>
2022/06/14 16:15
注目トピックス 日本株
PBシステムズ Research Memo(8):「超高齢社会における健康寿命の延伸」などに取り組む新ビジネス
■株主優待ピー・ビーシステムズ<4447>は、現状成長を優先すべき企業ということもあり、配当は実施していない。ただし、投資家に企業理解を深めてもらい、中長期的に株式を保有してもらうことを目的として、毎年9月30日現在の株主名簿に記載または記録された株主を対象とする株主優待制度を導入している。保有株式数に応じて、優待内容は変わるが、2021年9月期は以下の通り実施した。なお、Smart Mobile Stand(SMS)及びSystem Hangerは、福岡県の地場企業が金属加工で発生する端材を有効活用して開発したSDGs製品となっており、地域と社会問題への貢献を図る同社の意思が込められている。100株以上1,000株未満で特製カレンダー2冊1,000株以上3,000株未満で特製カレンダー2冊とSmart Mobile Stand(SMS)1個3,000株以上で特製カレンダー2冊とSystem Hanger1個上記は2021年9月期に実施した優待内容であり、内容は今後変更される可能性がある。■SDGs及びESGへの取り組みセキュアクラウドシステム(SCL)事業を通じたSDGs(Sustainable Development Goals)への貢献は、目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」を中心として成り立っている。同目標は、具体的に言えばインフラ、産業化、イノベーションに関連するテーマだ。外務省資料の言葉を借りて、さらに補足すれば「強靭(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る」ことだと言えよう。業務システムとデータをクラウドに集約するほか、クラウド中心の高速かつユーザーフレンドリーなデータ活用基盤の全体構築をも支援し、イノベーションの基礎となるビジネスのデジタル化を推進すると同時に、堅牢なサイバーセキュリティを提供し、システム障害はもちろん、現実の災害等の多様なダメージからの迅速なシステム回復能力を形にする。このように同社は、企業におけるシステム面でのインフラを構築すると同時に、どのような危機的状況でも、事業を継続するためのレジリエンスソリューションを提供することを通じて、目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献しているということになる。さらに、直近の動向として同社は、九州産業大学とユーエム物産(株)との産学連携チームとして、(株)QTnetの「オープンイノベーションプログラム TSUNAGU2021」に出場し、2022年2月15日に「優秀賞」を受賞したことを公表している。具体的には、九州産業大学スポーツ健康科学科の科学的知見から「VRで身体と脳を活性化させる」アイデアを着想し、「360°VRシアター4DOH」を活用することで、VRを通じて「身体」と「脳」を活性化させる事業企画「e(エレクトロニック) × r(リアル) スポーツ」が高評価を得た(以下、erビジネスと表記)。今回の優秀賞受賞は、日本における重大な社会課題であり、国策として取り組む方針が掲げられている「超高齢社会における健康寿命の延伸」などに対して、4DOHを通じてこれまで同社がアミューズメント分野等で培ってきたVR技術等を活用・進化させることで、シニア市場へ参入することを意味する。erビジネスの新展開によって、健康で生き生きと生活することのできる高齢者を増やし、特にエネルギーが低下しがちな地方の活性化を実現する。ひいては「活力ある日本」の実現に貢献することを目指しており、ESG、特にSocial(社会)に対してインパクトを与える可能性のある中長期的に注目すべき取り組みの1つとなっている。この「erビジネス」と「メタバース事業」が中長期的な同社の成長モメンタム加速の原動力として注目されよう。(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
<FA>
2022/06/14 15:39
注目トピックス 日本株
PBシステムズ Research Memo(7):「6つの戦略」推進を通じて成長をさらに加速
■今後の見通し2. 注力施策ピー・ビーシステムズ<4447>は、セキュアクラウドシステム(SCL)事業のリード拡大戦略及びエモーショナルシステム(EMO)事業の新市場適応戦略を各3つ、合計6つの戦略として示している。いずれも重要な戦略となっており、その進捗を注視する必要があるものの、ここまでのレポートの中であまり言及していない、エモーショナルシステム(EMO)事業関連に焦点を絞りたい。同事業がコストのみを計画に織り込んでいることは既に述べたが、それは事業成長が見込めないことを示すわけでは一切なく、むしろ中長期的に言えば、事業展開次第で大きな成長可能性を秘めていることを理解しておく必要があるだろう。目先的にはコロナ禍で停滞していた商談の再開とその刈り取りに注力することになると推察されるが、例えば足元で急激に社会の関心が高まっている「メタバース」を1つのきっかけとして、事業展開の方向性が広がる可能性もある。実は、メタバース自体は2021年に入ってにわかに生まれたような最新の概念ではない。しかし、旧Facebookがメタバースへの注力姿勢を示すため、社名を「Meta」に変更したことが大きく影響しているとはいえ、このタイミングで改めてこの概念が注目されているのは、近年「5G」「AI」「NFT(Non-Fungible Token=非代替性トークン)」をはじめとする様々な技術革新もあって、これまで以上にメタバースの可能性が拡張していることが背景にある。実際、経済産業省も「仮想空間の今後の可能性と諸課題に関する調査分析事業」の報告書を2021年7月に公表して、市場の拡大に備えて課題点等の洗い出しを行っている。さて、任天堂<7974>の「あつまれ どうぶつの森」や米Epic Gamesの「 Fortnite(フォートナイト)」等がメタバースのイメージの具体例としてメディアをはじめとして、巷では多々取り上げられている。これ自体は特に間違っていないが、あくまで既存のメタバースのレベルから、現段階では多くの人々のイメージが及ばないレベルの仮想空間を実現できる可能性が高まっていることが重要なのだ。従来は「VR(仮想現実)」と「AR(拡張現実)」は、個別具体的に語られてきた。しかし、メタバースという大きな枠組みの中で構想が打ち立てられ、様々に立ちふさがる政治的、経済的、社会的、技術的な諸問題の解決を図りながら、実現に向かっていくことになる。そうした中で、エモーショナルシステム(EMO)事業を通じてVRへの知見と実績を積み上げてきた同社が、メタバースという巨大な波に対して、中長期的にどのように自社を変革し、関わっていくのかという点は見過ごせないポイントであると弊社では考えている。なお、現在同社は、業務システム系のシステム仮想化やクラウド基盤の構築に強みを持っている企業であり、一足飛びでビジネス領域に加えるということは難しいが、メタバースを考えた際には主力事業も絡んで展開する可能性がある。メタバース自体もまだまだこれからという成長領域であることもあって、あくまで現段階では、会社側の動向を見守るほかない状況だが、そういった意味でも2022年9月期は重要な位置付けとなりそうだ。なお、同社は2022年1月1日付で「メタバース推進部」を新たに設置した。同部署は、今後需要が拡大すると想定される「企業向けメタバース」の構築要望に応えるため、有力なパートナー企業との協業体制確立のもと、仮想空間構築用のクラウド基盤設計からVRコンテンツ制作、システム運用までを一貫してサポートする新サービスの立ち上げを目的としている。メタバース推進部長には、「4DOH」シリーズのシステム設計者で、3D映像/音響プログラミング、知覚心理学などのVR技術に精通した技術者が就任した。また、その後も(株)デイ・ソフトウェアと、企業向けのメタバース空間において、既存のNFTのように特定の仮想通貨やブロックチェーンには依存しない、自由度の高い真正性保証システムの実証実験を共同で実施することに合意したと発表している。具体的には、同社が構築する企業向けメタバース空間のプロトタイプを、デイ・ソフトウェアの取引真正性保証ソフトウェア「Pedy」に連携し、企業向けメタバース内で発行されたデジタル商品引換券等を利用した取引や譲渡(=所有権の移転)、その結果に基づく現実世界での実際の商品への引き換えなど、一連の流通経路における真正性の保証機能や実用性などを検証する予定で、既にプロトタイプ構築を開始している。さらに、ANAP<3189>と企業向けのプライベートメタバース空間構築サービスの共同事業開発を開始すると発表した。講演会等のバーチャルイベントからバーチャルオフィスといった企業活動の様々なシーンに対応可能なバーチャル空間を構築し、企業が来訪者に向けて各種サービスを提供できるようサポートする。具体的には、ANAPのもつ店舗設計ノウハウ、ファッション性の高いディスプレイノウハウと、「Meta connect by ANAP」を利用したメタバース向けアイテム生成技術に、同社の感動共有型VRシアター「4DOH」の「実写(360°VR)+CG」による、映像コンテンツの作成、デジタル映像生成テクノロジーを応用することで、企業に適した専用メタバース空間を構築していくことになる。ANAPとの取り組みが爆発的に拡大していくことに期待というよりも、メタバース人材の交流等も含めて共同事業開発を通じて、同社のメタバース事業に対する知見が多角的に蓄積される点が最もポジティブなポイントであると弊社では考えている。上期の決算説明会でも不動産、新聞、観光、旅行、大手(BIG4)コンサルティング会社等、同社のメタバース事業に関する問い合わせが多数届いていることを明かし、会社側も事業展開加速のため、さらなる協業の可能性を探る方針を示しており、本格的な動向はこれからといったところであろう。(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
<FA>
2022/06/14 15:38
注目トピックス 日本株
PBシステムズ Research Memo(6):4期連続での最高益更新期待、今後の成長への思惑も膨らむ
■今後の見通し1. 2022年9月期の業績見通しピー・ビーシステムズ<4447>の2022年9月期の業績予想は、期初計画を据え置いており、売上高が2,500百万円、営業利益が266百万円、経常利益が252百万円、当期純利益が176百万円を計画している。会計基準の関係※で単純比較は馴染まないが、実質的に売上高は前年同期比15%増、営業利益も同15%増となる見通しであり、4期連続での最高益更新が期待される。※2022年9月期の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)等を適用している。注目すべきポイントは、以下の2点となる。まず第1に、売上高計上の前倒しに取り組むという点だ。もともと、同社業績に関しては第2四半期及び第4四半期に偏重傾向があったことは既に触れた通り。実際、久留米市ネットワーク強靭化基盤構築及び保守案件などの大型プロジェクトをこなして、上期(2021年10月- 2022年3月)で売上高および営業利益ともに2021年9月期上期の進捗率を上回っている。まずは上期の好調が通期目標達成の必須条件だったため、上期の計画比での上振れ着地は、通期計画の達成に向けてポジティブに評価したい。なお、第3四半期が重要な位置づけであることは間違いないが、同社は2021年9月期において第4四半期に一気に業績を巻き返した実績もあるため、弊社では通期着地に対し安心感を持っている。売上高計上の前倒しは、構造変化への取り組みの端緒であり、2022年9月期のみで判断するというよりも、中長期的に前倒し傾向を実現・維持することができるか否かが要点だ。構造変化を現実のものとすれば、同社の今後の成長余地は一段と高まると弊社では考えている。第2のポイントは、2021年9月期に業績の重しとなったエモーショナルシステム(EMO)事業については、コストのみを計画に織り込んでおり、2桁成長をセキュアクラウドシステム(SCL)事業のみで達成する意欲的な計画となっているという点だ。ちなみに、同社は2021年10月より組織変更を行い、営業組織を一本化して再構築している。併せて、エモーショナルシステム(EMO)系の技術者を普段はセキュアクラウドシステム(SCL)事業に従事させつつ、「4DOH」受注時にはスポット的にエモーショナルシステム(EMO)事業に従事するような、柔軟な動きができる体制にして、効率化も図っている。エモーショナルシステム(EMO)事業についてもコロナ禍の影響で回復が遅れているアミューズメント領域から、産業系や自治体をターゲットに切り替えているため、新規受注が取れなくともレンタル形式での引き合いが徐々に増加してくると弊社では見ている。実際、「4DOH」が1つの目玉となったBOAT RACE 若松におけるキッズチャレンジワールドの集客も非常に好調で目標値を大きく上回ったようであり、魅力という観点では1つの安心感につながる実績となった。DX関連の引き合いは言うまでもないが、Emotet対策・サイバーレジリエンス構築サービスの提供を新たに開始したことからもわかるように、上期までの状況を見るとサイバーセキュリティに絡んだレジリエンス需要も旺盛である。特に足元では自治体、教育機関、病院といった社会インフラ分野の顧客への営業が好感触のようだ。また、注力施策の1つとしても挙げられている「SaaS事業者へのアプローチ」も重要だ。自営のプライベートクラウド基盤を運用しているSaaS事業者においては、経年によるシステム基盤更新の需要が必然的に発生することになる。同社がSaaS事業者向けのシステム構築を拡大し始めてから5年経過するため、既存顧客のシステム基盤更新需要が望めるほか、見込顧客段階のSaaS事業者のシステム基盤刷新需要も積極的に捉えることが期待されよう。上期までの受注実績には含まれていないものの、第3四半期早々にクラウド基盤構築関係の約7億円を追加受注したことも公表しており、通期計画の達成に向けて順調に進捗している印象である。関東圏での顧客開拓もパートナー企業の拡大とともに順調に進んでいることで、必然的に九州近郊と比較して高度な案件が増加するため、利益率についても向上余地はあると弊社では考えている。懸念点としては、旺盛な需要に対応するリソース(人材)不足が挙げられるので、パートナー企業の一段の拡大や人材採用、MA&といった動きに注目していく必要がある。(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
<FA>
2022/06/14 15:37
注目トピックス 日本株
PBシステムズ Research Memo(5):第2四半期単独の営業利益は過去最高を更新
■業績動向1. 2022年9月期上期の業績動向2022年9月期上期の業績は、売上高が1,128百万円、営業利益が137百万円、経常利益が138百万円、当期純利益が96百万円となった。会計基準の影響※で単純比較は馴染まないが、参考までに見ると売上高は前年同期比17.8%増、営業利益は同42.5%増、経常利益は同43.2%増、当期純利益は同21.3%増となる。また、上期計画比で見ても売上高は7.0%増、営業利益は2.8%増、当期純利益も5.2%増となった。ピー・ビーシステムズ<4447>の収益構造は、もともと第2四半期(1月-3月)と第4四半期(7月-9月)に偏重傾向がある。2021年9月期も同様であり、期初段階で会社側が提示していた通り特に第4四半期の比重が大きかったが、2022年9月期の第1四半期及び第2四半期の実績を見る限り、意識的に取り組んでいる前倒しについては概ね順調と言えそうだ。同社が事業コンセプトとして掲げている「必須のレジリエンス」のさらなる推進を通じて、SaaS事業者や地方公共団体、教育機関の旺盛なクラウド需要への対応及びサイバーセキュリティ関連の需要取り込み(レジリエンス強化構築等)、DXを希求する企業の基幹システム構築等に注力した。東京営業部を起点とした関東圏の営業強化はもちろんのこと、関西の新規顧客開拓等も進めたことで、大幅な増収増益かつ上期計画も上回る好調な業績推移を見せている。※「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を2022年9月期の第1四半期の期首から適用している。セキュアクラウドシステム事業の好調さが鮮明2. 2022年9月期上期のセグメント別業績動向2022年9月期上期のセグメント別業績は、セキュアクラウドシステム(SCL)事業の売上高が1,125百万円、セグメント利益153百万円、エモーショナルシステム(EMO)事業の売上高が2百万円、セグメント損失が15百万円となった。単純比較は馴染まないが、セキュアクラウドシステム(SCL)事業は実質的に売上高及びセグメント利益が2桁の伸びとなっているほか、エモーショナルシステム(EMO)事業も小幅ながら損失が縮小している。セキュアクラウドシステム(SCL)事業については、前期に受注した自治体のネットワーク強靭化基盤構築等の案件を着実に進行させたほか、重要な戦略製品と位置付けているDellのDP4400導入を通じた既存顧客のレジリエンス構築案件も順調に増加した。加えて、拡大させているパートナーとの協業を起点として、東京の大手企業の先進的なVDI案件といったように、新規顧客のDX案件を受注する流れが生まれているようだ。さらに、同社はウイングアーク1st<4432>の「Dr.SUM」、ユニリタ<3800>の「Waha!Transformer」などの導入を通じて、DX需要及び「2025年の崖」対策の需要をさらに深く取り込む動きを見せている。例えば、「Waha!Transformer」は既存の基幹系システムから必要なデータを抽出・変換、さらに加工・連携をSQLやプログラミングなしでシームレスにつなぐデータ連携ツールだ。DXを考えた際、本来は基幹システムや業務システム自体がDXという大枠の発想のもとで構築ないし最適化されているべきだが、特に中堅企業等はそういった状況にはないことが大半である。だからこそ、大前提としてのデータ化で多くの企業がつまずくことになる。そういった意味で、既存システムからのデータ抽出及び利活用を可能にする「Waha!Transformer」などのツールは、中堅企業のDXに対して非常に親和性も高いとみられ、同社にとっても導入後の開発案件はもちろん、継続的なフォロー業務につながる可能性もある製品となっている。当然ながら、SaaS事業者におけるクラウド基盤の拡張構築も需要は依然として非常に旺盛で、増収に貢献した。前回レポートでも指摘していた通り、ソリューション自体の高付加価値化傾向に加え、原価低減に対する不断の業務改善が同社では見られており、セグメント営業利益率は期待通り13.6%と前年同期(12.9%)及び前々年同期(13.3%)を上回る高水準に達している点も見逃せない。エモーショナルシステム(EMO)事業については、残念ながらコロナ禍の影響が依然としてアミューズメント領域には強く残っており、主力製品である4DOHの新規受注には至らなかった。そのため、既存施設でのメンテナンスや教育機関のWEB制作等の小型案件の積上げとなったことが背景で実質減収となっている。しかし、第1四半期に受注したBOAT RACE 若松における4DOHイベント運営案件(9百万円)について、コロナ禍に伴いイベント終了日が第3四半期に期ズレしたため、第2四半期の売上高に含まれておらず、受注残として計算されている影響がある点は押さえておく必要がある。なお、期末受注残についても単純比較は馴染まないが、参考までに単純比較するとセキュアクラウドシステム(SCL)事業において前年同期比79.2%増の753百万円と好調な積み上がりになっている。この背景としては、関東圏の同社優良パートナーが増加したことが最大の要因として挙げられるが、その他にも関西圏の優良中堅企業の新規開拓、SaaS事業者の旺盛な需要に伴うクラウド基盤向けソフトウェア販売、クラウド基盤構築の好調などもポイントとなっている。エモーショナルシステム事業についても、前述した通りBOAT RACE 若松における4DOHのイベント運営案件があり受注残高は9百万円、両事業の合計では前年同期比81.3%増の763百万円、上期末の受注残高は過去最高を更新した格好だ。3. 2022年9月期上期の営業地区別売上高上期時点では関東圏及び九州近郊の地区別売上高を会社側は公表していない。しかし、構成比が2021年9月期末段階で関東圏が51%、九州近郊が49%となっていたことを踏まえれば、概ね同水準ないし関東圏が若干伸びている構成比となっていると弊社では予測している。なお、説明会資料の中で新たに公表された情報として、ロイヤルカスタマー(※各種システム投資案件に関して同社が安定的な受注を期待できる、規模感のあるエンドユーザー企業)及びパートナー企業の数が挙げられる。安定的な取引先の確保という意味でロイヤルカスタマーの増加がポジティブである点については言うまでもないが、特に受注増の可能性及び同社の案件対応余力の拡大につながる可能性のあるパートナー企業の増加については今後同社を見る上で重要な情報の1つとなろう。なお、パートナー企業数については2022年3月末時点で3社であったが、2022年5月時点では7社と拡大していることも、関東圏の比率が安定的に推移しているであろうことを裏付ける1つの要因となる。(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
<FA>
2022/06/14 15:36
注目トピックス 日本株
PBシステムズ Research Memo(4):国内有数の「仮想化技術企業」として有名海外IT企業からも高い評価
■強みピー・ビーシステムズ<4447>の社名にある「P」は「Powerful」、「B」は「Beautiful」、つまり力強く美しいシステムを指している。時代の流れに左右されず、可能な限り普遍的で、障害に強いシステムを作りたいという想いをその技術力で現実のものとしつつ、顧客の期待のさらにもう一歩先を考慮したシステム構築(ソリューション提案)を目指すことが創業時からの変わらぬ姿勢だ。そうした品質に対する強いこだわりは、パートナー企業から受けている高い評価からも明らかだ。シトリックス・システムズ・ジャパンから『Citrix Specialist of the Year』として2017年に表彰、さらに『Best of Citrix Advisor Rewards/Net New Partner Sourced Award』を2017年2018年と2年連続で受賞、2020年には国内初の『Technology Excellence Award』も受賞するなど、仮想化技術企業として評価を得ている。Citrixのソリューションアドバイザーは、当初「PLATINUM」をトップとする3ランクで構成されており、当然ながら同社は最高位の「PLATINUM」に位置し続けていた。2021年3月10日付で会社側も発表している通り、現在はさらに上位のレベルとして新設された「PLATINUM PLUS」に伊藤忠テクノソリューションズ<4739>とともに唯一2社のみが本レポート執筆時点で認定されている。「PLATINUM PLUS」は技術面、実績面で従来の最上位レベルだった「PLATINUM」よりも極めて厳しい条件が設けられており、国内において「PLATINUM PLUS」のメンバーとしてCitrixから認定された企業は過去おらず、初めて認定を受けた企業として、業界でも大きな話題になった。なお、米国においても同ランクとして認められているのは、本レポート執筆時点でわずか90社のみの登録となっている。その他、世界的にも知名度の高いMicrosoftやVMware、DELLからも同様に高い評価を受けているほか、国内IT企業とも多数のパートナー関係を構築している。(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
<FA>
2022/06/14 15:35
注目トピックス 日本株
PBシステムズ Research Memo(3):システムのプライベートクラウド化を核とする
■事業内容1. セキュアクラウドシステム(SCL)事業ピー・ビーシステムズ<4447>の主力事業であるセキュアクラウドシステム(SCL)事業は、一言で表現すればデジタルワーク推進からDXの実現までをクラウド技術力でトータルにサポートする。具体的には、単一企業・組織内で利用するクラウドを「プライベートクラウド」と呼ぶが、「システムのプライベートクラウド化」を核として事業を展開している。企業名で言えばCitrix、VMware、DELL、Microsoft等の多様な選択肢の中から、セキュリティ、ストレージ、サーバー等のハードウェア商品及び各種ソフトウェア商品を含め、企業のDX実現の前提となる最適なクラウド基盤の設計・構築・維持を担っている。また、近年大企業でも多数の事例が生じており、強く問題視されているのが「サイバー攻撃」だ。これによって引き起こされるシステム障害からの回復力、システム自体の強靭化、つまり「レジリエンス」に対する実務レベルでの深い知見と豊富な実績を持っていることが同事業の特色の1つとして挙げられるだろう。BtoCで直接サイバーセキュリティ対策製品を開発・提供しているわけではないため、サイバーセキュリティ対策の専門家としての性格がややわかりにくいものの、多種多様な選択肢の中から、基幹システムとの整合性なども踏まえて、顧客にとって最適な提案を行うことができるのは、独立系のSIerである同社の強みだ。なお、同社は売上高100億円~500億円規模の中堅企業をメインターゲットとしてビジネスを展開しており、近年は公共(自治体や各種団体等)領域での引き合いも増加している。同事業は、サーバーの仮想化や強靭なセキュリティ環境の構築を行う「プラットフォーム」、仮想化環境に特化し、現場から発生するニーズを満たした機能を製品化して販売を行う「プロダクツ」、顧客が望む独自機能を満たすためのスクラッチ開発(手作り開発)を行う「カスタマイザー」の3区分で構成されている。用途の可能性が拡大する「4DOH」2. エモーショナルシステム(EMO)事業エモーショナルシステム(EMO)事業は、360度スクリーンに3D映像を切れ目なく表示する特許(特許第4166260号:立体映像の投影方法及び立体映像の投影装置)をもとにした、没入感の高いVR空間を生み出す、体験共有型VRシアター「4DOH」シリーズを製造販売する事業だ。2022年3月末現在、「4DOH」シリーズの常設設置箇所は遊園地を中心として、国内12箇所、海外1箇所、計13箇所(一般向けに利用公開されていない企業及び研究機関の国内設置先2箇所を含まず)。2020年には視聴者の操作により上映中の映像のストーリー分岐等を行うことができるインタラクティブ機能を追加した「i4DOH」、コロナ禍で向き合うことになったニューノーマル社会においても利用できるよう、少人数向けに小型化し換気性能を強化した「i4DOH:ATOM」をそれぞれ販売開始した。2020年12月には有明ガーデンクリスマスのイベント、2021年2月にはKBC(九州朝日放送)の全国ネット特別番組「羽鳥×指原 みんなの夢アワード まとめてかなえちゃう!SP」にて「i4DOH」が使用されるなど、コロナ禍という極度の逆風下でも、同製品が提供するサービスの魅力がフックとなることによって、関心が集まっている。その他、4DOHにおいて上映するコンテンツ制作も行っており、例えば有名IPとしては、2017年3月の「ウルトラマンゼロ Another Battle ~光と力~」を皮切りに、「頭文字D project VR -疾駆-」、「新幹線変形ロボ シンカリオン360°ザ・ムービー」を手掛けている。同社の代表取締役社長である冨田氏がアニメ・漫画コンテンツに対して広く知見を有していることも、事業展開にはポジティブに作用するだろう。「4DOH」については、もともと遊園地を中心としたアトラクション需要がメインだったものの、博物館や科学館での利用を皮切りに、可能性が拡大している。地方創生のツール、介護医療及びスポーツ分野への活用、防災・工場見学をはじめとした様々な用途に対応するシミュレーターとしての利用も検討されるなど、引き合いが広がりつつあったタイミングでコロナ禍が直撃してしまった。そのため、これまでの軌跡や足元の状況というよりも、アフターコロナでの需要の具体化に注目が集まる事業という位置付けとなっている。(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
<FA>
2022/06/14 15:34
注目トピックス 日本株
PBシステムズ Research Memo(2):システム仮想化技術に精通したクラウド基盤構築力が強みの独立系SIer
■ピー・ビーシステムズ<4447>の会社概要1. 事業概要中堅企業をメインターゲットとしつつ、SaaS事業者、公共団体向けに各種情報システムを構築する、システム仮想化技術に精通したクラウド基盤構築力が強みの福岡を地盤とする独立系SIerである。身近なところではデジタルワーク推進から、サイバーセキュリティに絡んだレジリエンス構築やDXの実現までをクラウド技術力でトータルにサポートするセキュアクラウドシステム(SCL)事業を中核とする。VR空間を生み出す、体験共有型VRシアター「4DOH」シリーズを製造販売するエモーショナルシステム(EMO)事業との2軸構成でビジネスを推進しているが、新たにメタバース事業を育成中である。2. 経営理念「勇者たらんと。」小さな僕等が持ち得るものは、一人一人の知恵と勇気と、諦めない強い心だけだ。どんな時でも、「その一歩」が踏み出せるように。勇者たらんと。業務効率化を目的とした際、手軽で一定のレベルが担保されている汎用パッケージシステムをクラウド上で利用する方向に企業は進んでいく。しかし、単純にそうした対応を取れば、個々の企業の独自の経営ノウハウ、技術、文化(生産方法や営業手法、経営管理方法、顧客サービス手法等)を反映させることはできない。そういった「競争力」と「最新技術」を取り入れながら最適なシステムを構築・運用していくことは、理想である反面、実際は簡単ではないのが現実だ。同社は、その道がたとえ困難であっても、一歩踏み出す勇気を持つことを企業ポリシーとしている。技術と実績を磨き続け、卓抜した存在に成長3. 沿革同社は、現代表取締役社長である野村コンピュータシステム(株)(現 野村総合研究所<4307>)出身の冨田和久(とみたかずひさ)氏が1997年2月に創業した。2004年4月にはシトリックス・システムズ・ジャパン(株)と、シトリックス・ソリューション・アドバイザー/プラチナ契約を締結して、技術と実績を磨き続け、シトリックスソリューションを筆頭に、システム仮想化やクラウド基盤の構築等において、卓抜した存在に成長している。また、2010年12月にはエモーショナルシステム(EMO)事業を開始した。その後、2019年9月に福岡証券取引所Q-Boardに株式を上場すると、2020年に株主優待制度を導入、東京営業部も設置するなど、今後のステップアップを見据えて、順調に上場企業として成長を続けている。サイバー攻撃被害の急増はビジネスチャンス4. 事業環境まず、同社の主力事業であるセキュアクラウドシステム(SCL)事業が対象としているクラウドサービス市場について概観しておく。令和3年版情報通信白書によれば、2020年の世界のクラウドサービス市場規模は約37兆円(3,281億米ドル)だ。詳細を見ていくと、アジア太平洋地域が約9兆円(782億米ドル)となっている。また、中国情報通信研究院のCloud Computing White Paperによれば、中国の2020年における同市場は約3.5兆円(2,091億元)とされており、これを鑑みると日本国内のクラウドサービス市場は概ね2兆円後半レベルと推定でき、非常に大きな市場が広がっていることがわかる。また、令和3年版情報通信白書には2023年までの同市場の推計値まで記載があり、各地域で成長が続くことで、全体としては約66兆円(5,883億米ドル)まで拡大が見込まれている(アジア太平洋地域は約15兆円(1,357億米ドル))。アジアにおいては、中国の爆発的な成長が中心となることは想定内だが、日本についても成長性が豊富であることは疑いようがなく、基本的に良好な成長市場であると弊社は見ている。また、サイバー攻撃(サイバーセキュリティ)の状況についても確認する。同社は直接コンピューターウイルス対策製品などを手掛けているわけではない。しかし、クラウドサービスを一部でも利用している企業の割合は、令和3年版の情報通信白書によれば、2020年で68.7%であり、2016年の46.9%と比較して、利用率が年々拡大していることが明らかだ。このように、ビジネスにおけるクラウドの重要性が増すと同時に、サービスの安定的な稼働、つまりセキュリティに気を配った基盤構築の必要性が不可避的に増しているというわけだ。実際、サイバー攻撃の状況がどのようになっているのかを国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)がまとめた「NICTER 観測レポート 2021」を参考に見ておく。同レポートでは、「1IPアドレスあたりの年間総観測パケット数」をインターネットにおけるサイバー攻撃関連活動の活発さを表す指標として考えている。この数値を見ると、クラウドサービスの状況を確認した際に情報通信白書で見た2016年では約52万パケットが観測されていたが、2021年には約174万パケット、つまり約3.3倍の数値となっており、サイバー攻撃が近年どれだけ活発化しているのかが一目瞭然だ。実際、上場企業も多数サイバー攻撃のターゲットとなり、多くの被害が報告されている。こうした状況の中、サイバー攻撃はもちろん、自然災害や事故等によって引き起こされるシステム障害からの回復力、システム自体の強靭化、つまり「レジリエンス」に対する実務レベルでの深い知見と豊富な実績を持っている同社を巡る事業環境は近年良好さを増しつつある。なお、同社はこうした状況を踏まえて2022年にEmotet対策・サイバーレジリエンス構築サービスの提供を開始している。最後に簡単にメタバース市場に触れておきたい。米国ではより顕著だが、国内においても既に巨額の投資資金がメタバース関連の領域に流入していることは明白だ。足元で社会的な関心が急激に高まっていることもあり、各調査会社が市場規模を推計しているが、いずれを見ても超巨大市場に成長することを示唆している。なお、同社のメタバース市場への関わりについては、本レポート「今後見通し」の「2. 注力施策」を参照されたい。(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
<FA>
2022/06/14 15:33
注目トピックス 日本株
PBシステムズ Research Memo(1):DX案件等の引き合い強まり、上期業績は前年同期実績、上期計画比でも順調
■要約1. サイバーセキュリティに絡んだ「レジリエンス」や「DX」需要を捉える企業ピー・ビーシステムズ<4447>は、中堅企業をメインターゲットとしつつ、SaaS事業者、公共団体向けに各種情報システムを構築する、システム仮想化技術に精通したクラウド基盤構築力が強みの福岡を地盤とする独立系SIerである。身近なところではデジタルワーク推進から、サイバーセキュリティに絡んだレジリエンス構築やDX(デジタルトランスフォーメーション)の実現までをクラウド技術力でトータルにサポートするセキュアクラウドシステム(SCL)事業を中核とする。VR(仮想現実)空間を生み出す、体験共有型VRシアター「4DOH」シリーズを製造販売するエモーショナルシステム(EMO)事業との2軸構成でビジネスを推進しているが、新たにメタバース事業を育成中である。国内クラウドサービス市場及び特に同社が強みを持つプライベートクラウド市場については、いずれも良好な成長市場であると一般的にも位置付けられている。また、クラウドサービスの利用拡大に伴って、サービスの安定的な稼働、つまりセキュリティに気を配った基盤構築の必要性が不可避的に増している中で、高度な技術力を持つ同社の活躍の場が広がっている。2. DX案件等の引き合い強まり、上期業績は前年同期実績、上期計画比でも順調な着地2021年9月期上期の業績は、売上高が1,128百万円、営業利益が137百万円、経常利益が138百万円、当期純利益が96百万円となった。会計基準の影響※で単純比較は馴染まないが、参考までに見ると売上高は前年同期比17.8%増、営業利益は同42.5%増、経常利益は同43.2%増、当期純利益は同21.3%増となった。また、上期計画比で見ても順調な着地となっている。前期に受注した自治体のネットワーク強靭化基盤構築等の案件を着実に進行させたほか、重要な戦略製品と位置付けているDellのDP4400導入を通じた既存顧客のレジリエンス構築案件も順調に推移した。加えて、拡大させているパートナーとの協業を起点として、東京の大手企業の先進的なVDI(Virtual Desktop Infrastructure=デスクトップ仮想化)案件といったように、新規顧客のDX案件を受注する流れが生まれている。※2022年9月期の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)等を適用しているため、対前期増減率は記載なし。3. 4期連続での最高益更新期待、今後の成長への思惑も膨らむ2022年9月期の業績予想は、期初計画を据え置いており、売上高が2,500百万円、営業利益が266百万円、経常利益が252百万円、当期純利益が176百万円を計画している。会計基準の関係※で単純比較は馴染まないが、実質的に売上高は前年同期比15%増、営業利益も同15%増となる見通しであり、4期連続での最高益更新が期待される。DX関連の引き合いは言うまでもないが、Emotet(エモテット)対策・サイバーレジリエンス構築サービスの提供を新たに開始したことからもわかるように、上期までの状況を見るとサイバーセキュリティに絡んだレジリエンス需要も旺盛である。特に足元では自治体、教育機関、病院といった社会インフラ分野の顧客への営業が好感触のようだ。上期までの受注実績には含まれていないものの、第3四半期早々にクラウド基盤構築関係の約7億円の追加受注があったことも公表しており、通期計画の達成に向けて順調に進捗している印象である。上期の決算説明会では不動産、新聞、観光、旅行、大手(BIG4)コンサルティング会社等、同社とのメタバースに関する問い合わせが多数届いていることを明かしており、今後への期待感も改めて高まる。※2022年9月期の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)等を適用している。■Key Points・「サイバーセキュリティ」「レジリエンス」「DX」需要は年々重要性を増している・主力事業のみで4期連続での最高益更新を達成する意欲的な計画・不動産、新聞、観光、旅行、大手(BIG4)コンサルティング会社等、同社のメタバース事業に関する問い合わせ多数(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
<FA>
2022/06/14 15:32
注目トピックス 日本株
酒井重 Research Memo(8):2022年3月期は前期比85.0円増配の年間165.0円配当を実施
■株主還元策酒井重工業<6358>は、長期にわたり安定的な経営基盤の確保に努めるとともに、配当についても安定的な配当の継続を重視し、業績と健全な財務体質に裏付けられた成果の配分を基本方針とし、配当政策と自己株式の取得を行っている。既述のとおり、中期的な株主還元方針としては、ROE3%未満の場合は配当性向100%、ROE3%~6%の間はDOE3%、ROE6%超の場合は配当性向50%の還元を行うとしている。また、自己株式の取得については、2026年3月期までに5~20億円規模を上限とした機動的な自己株式取得を行うと発表している。上記の配当政策に基づき、配当については2022年3月期に年間165.0円(配当性向49.0%)を実施し、2023年3月期については年間165.0円(予想配当性向73.6%)が予定されている。また、自己株式の取得については2022年3月期に130,000株(340百万円)を行ったが、2023年3月期は現時点では未定としている。このように、ROEの改善に向けて明白な方針を発表し、それに沿った株主還元策を実行している同社の姿勢は、評価に値すると言え、今後の株主還元策にも注目したい。(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<YM>
2022/06/14 15:28
注目トピックス 日本株
酒井重 Research Memo(7):2026年3月期に売上高300億円、営業利益31億円を目指す
■中長期の成長戦略酒井重工業<6358>は2021年6月に、2026年3月期を最終年度とする「中期的な経営方針」を発表した。最終目標として「企業価値・株主価値の向上」を掲げ、これを達成するために「事業の成長戦略」と「効率的な資本戦略」を推進する方針である。また、定量的な目標としては、2026年3月期に売上高300億円、営業利益31億円、ROE8%を実現し、安定的に配当性向50%(DOE4%)を維持することを目指す。なお、売上高が初年度にして計画を上回るペースで進捗するなどしているが、現時点で方針は変わらず、数値目標も据え置いている。1. 事業戦略(1) 国内市場:安定化及び次世代事業開発による付加価値創造ロードローラの国内市場は既に成熟期にあることに加えて同社のシェアも高いことから、既存製品に新たな付加価値(高機能等)を付けること、つまり次世代事業開発による成長を目指す。具体的には以下のような展開を図る計画だ。a) 安全性の点から、緊急ブレーキ搭載機種の水平展開を推進する。作業中の建機の進行方向に人や障害物がある場合に緊急停止する機能について、国内主要機種へのオプション設定は完了(緊急ブレーキ装着率は中型ローラで約3割)しており、今後は海外市場へ水平展開していく方針である。b) 転圧管理システム(CCV付)による締固め品質の向上を目指す。工事管理者と現場をリモートで繋ぎ、リアルタイムで締固め品質の確認と管理(転圧回数等)を可能にした。国土交通省ICT路盤施工で加速度応答法による管理が要領化される予定。c) 自律式(無人)走行ローラの製品化により生産性向上を目指す。自動操縦標準機開発プロジェクトにおいて複数ゼネコンとの現場実装試験を通じた製品化を推進する。具体的には、無人施工により安全な施工現場、効率的な締固め作業による生産性の向上、オペレーターの技量によらない品質の安定化と向上を目指す。(2) 海外市場:シェア拡大と事業領域の拡大海外市場においては、需要が拡大している地域(国)も多いこと、また同社のシェアも低いことから成長の余地は大きい。このため、既存市場の深耕と事業領域の拡大の2つの戦略により、道路維持補修機械を海外市場に展開することで成長を目指す。a) 東南アジア市場では、市場深耕及び製品領域拡大を目指す。具体的には、2019年に新工場が稼働したインドネシア拠点を販売・製造・サービスの中核拠点としてインドネシア国内及びASEANにおける市場活動の深堀を進める。b) 北米市場では、市場シェア拡大を目指し、北米流通戦略強化とシェア拡大政策を推進する。具体的には、ランチェスター・ブルーオーシャン戦略を基本としたニッチマーケティング戦略と、舗装品質向上に焦点を絞った技術営業によって、シェア拡大を目指す。c) 海外事業領域の拡大を目指し、ASEAN市場やODAなどにおける道路維持補修機械の市場開拓政策を推進する。(3) 定量的目標数値目標としては、2024年3月期に売上高265億円、営業利益20億円、ROE5.5%、2026年3月期に売上高300億円、営業利益31億円、ROE8%を目指す。2022年3月期の進捗状況としては、売上高は中期経営計画初年度にして計画を上回るペースで進捗している。一方、営業利益については、エネルギー・部材価格の構造的上昇や物流費高騰による収益構造の悪化に対して営業利益率の改善ペースが遅れており、価格改定及びコスト低減による収益構造改革を推進している。ROEについては、米国子会社の繰延税金資産381百万円を計上したことにより6.3%を達成したものの、一過性の税効果会計上の利益であることから、引き続き収益構造改革を進めていく。2. 資本戦略資本政策の基本方針として同社は、ROE8%を目標としてそれを支えるための株主還元を実施するとし、株主価値の向上(資本効率の改善)を掲げている。2026年3月期の最終目標として、ROE8%かつ配当性向50%、すなわちDOE4%を掲げている。一般的に、ROEの向上のためには2つの改善が必要である。1つは言うまでもなく親会社株主に帰属する当期純利益の改善(上昇)であるが、もう1つは株主資本の抑制(必要以上に株主資本を増加させない、あるいは減少させること)である。同社では、前者の事業利益向上のためには既述のような事業戦略を推進していく計画だが、同時に必要以上に株主資本を増加させないために、「ROE3%を下回る場合は配当性向100%の還元」「ROE3%~6%の間はDOE3%の還元」「ROE6%を超えた場合は配当性向50%の還元」とする配当政策を実行する方針である。自己株式の取得については、2026年3月期までに5~20億円規模を上限とした機動的な自己株式の取得を行うとしている。また、投資有価証券についても、事業戦略観点からの見直しを進める方針だ。なお、成長投資については、資本収益性(ROIC)を重視し、レバレッジの活用も検討するとしている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<YM>
2022/06/14 15:27
注目トピックス 日本株
酒井重 Research Memo(6):世界の建設機械需要は底堅い回復基調にあることから前期比8.4%営業増益を見込む
■今後の見通し● 2023年3月期の業績見通し酒井重工業<6358>の2023年3月期の連結業績は、売上高で29,300百万円(前期比10.2%増)、営業利益で1,500百万円(同8.4%増)、経常利益で1,450百万円(同3.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益で950百万円(同33.4%減)を見込んでいる。なお、親会社株主に帰属する当期純利益が減益となるのは、前期に発生した一過性の繰延税金資産計上(381百万円)の剥落が主因である。所在地別の売上高・利益の見通しは開示されていないが、各地域とも増収を目指す方針だ。世界的にインフラ投資が拡大するなか、世界の建設機械需要は底堅い回復基調であるものの、エネルギー・部材価格のさらなる上昇やサプライチェーン再編圧力の高まりに加え、中国上海でのロックダウンの影響(2022年6月1日に外出制限は事実上解除)、ロシア・ウクライナ情勢の見通しなど不透明な要因も多いことから、営業利益率は前期比0.1ポイント低下する予想となっている。同社では、価格改定とコスト低減、製品供給力強化による収益構造改革を推進することで達成を目指す。同社は「今後、四半期決算を開示する時点で必要に応じて修正を行っていく」と述べており、今後の展開を注視する必要があるだろう。(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<YM>
2022/06/14 15:26
注目トピックス 日本株
酒井重 Research Memo(5):財務基盤は安定、手元の現金及び預金は7,993百万円と豊富
■酒井重工業<6358>の業績動向3. 財務状況2022年3月期末の財務状況について、流動資産は前期末比2,148百万円増の25,075百万円となったが、主に現金及び預金の増加1,009百万円、受取手形及び売掛金(電子記録債権を含む)の増加578百万円、棚卸資産の増加157百万円などによる。固定資産は前期末比609百万円増の12,782百万円となったが、主に設備投資による有形固定資産の増加259百万円、投資その他の資産の増加427百万円などによる。この結果、資産合計は前期末比2,757百万円増の37,858百万円となった。一方で、負債合計は前期末比1,634百万円増の14,697百万円となったが、主に流動負債のうち買掛債務(支払手形及び買掛金、電子記録債務)の増加1,278百万円、短期借入金の増加582百万円、固定負債のうち長期借入金の減少410百万円、繰延税金負債の減少80百万円などによる。純資産合計は前期末比1,123百万円増の23,161百万円となったが、主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加959百万円、その他有価証券評価差額金の減少168百万円などによる。この結果、2022年3月期末の自己資本比率は61.1%(前期末は62.7%)となった。同社ではバランスシートのスリム化に注力してきたが、その成果として2022年3月期末の正味運転資本(売上債権+棚卸資産-仕入債務)は前期末比5.3%減(同542百万円減)の9,779百万円となった。主に棚卸資産の効率化を進めたことで、連結売上高が前期比23.0%増ながらも棚卸資産は前期末比157百万円増の7,207百万円に抑制できた。この結果、売上高/棚卸資産回転数は、前期末比0.62回改善して年間3.69回に向上した。4. キャッシュ・フローの状況2022年3月期の営業活動によるキャッシュ・フローは2,359百万円の収入となった。主な収入は、税金等調整前当期純利益の計上1,470百万円、減価償却費680百万円、棚卸資産の減少237百万円、仕入債務の増加1,103百万円などで、主な支出は、売上債権の増加369百万円などとなっている。投資活動によるキャッシュ・フローは263百万円の支出となったが、主に有形固定資産の取得258百万円による。財務活動によるキャッシュ・フローは1,227百万円の支出となったが、主な支出は長短借入金の減少(ネット)267百万円、自己株式の取得341百万円、配当金の支払額468百万円などとなっている。この結果、現金及び現金同等物は前期末比1,079百万円の増加となり、現金及び現金同等物の期末残高は7,926百万円となった。(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<YM>
2022/06/14 15:25
注目トピックス 日本株
酒井重 Research Memo(4):国内外市場ともに需要回復が進み、2022年3月期は大幅営業増益
■業績動向1. 2022年3月期の業績概要酒井重工業<6358>の2022年3月期の連結業績は、売上高が26,599百万円(前期比23.0%増)、営業利益が1,383百万円(同97.3%増)、経常利益が1,407百万円(同113.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が1,427百万円(前期は4百万円の利益)となった。売上高については、中国で微減となったものの、それ以外は国内を含めて各地域とも増収となった。特に前期にコロナ禍の影響を受け減収となった北米とアジアが大きく回復した。売上総利益率は24.1%となり、前期比0.9ポイント低下したが、これは原材料費及び物流費の上昇等による。ただし、原価率の上昇は当初の見込みよりは下回った。販管費は、行動制約から事業活動再開に伴い前期比6.7%増となったが、増収に伴う売上総利益の増加(同18.5%増)により、最終的に営業利益は大幅増益となった。さらに、北米事業子会社において繰延税金資産381百万円を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比で大きく拡大した。営業利益の増減要因を分析すると、増収による増益が1,244百万円、原価率の上昇による減益が245百万円、販管費の増加による減益が316百万円であった。また販管費増の内訳は、人件費の増加83百万円、運送費の増加85百万円、技術研究費の増加76百万円、その他費用の増加73百万円であった。2. 地域区分別の動向国内では、国土強靭化加速化対策を背景に道路・土木工事などの公共投資関係が比較的堅調に推移した結果、売上高は14,292百万円(前期比9.6%増)となった。海外では、主要な市場での建機需要の回復が進んだことから、売上高は12,306百万円(同43.4%増)となった。このうち北米は、コロナ禍からの回復によりインフラ工事が増加したことに加え、シェアアップを目指して行ってきた営業活動の成果もあり、売上高は5,039百万円(同55.3%増)と大幅に増加した。アジアでは、好調なベトナム、タイなどのインドシナ市場に加え、停滞していたインドネシア市場でも需要回復が進んだ結果、売上高は6,492百万円(同33.7%増)となった。その他は中南米、大洋州、アフリカともに回復基調で、売上高は731百万円(同62.7%増)となった。(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<YM>
2022/06/14 15:24
注目トピックス 日本株
酒井重 Research Memo(3):高付加価値化と海外シェアの拡大で成長を図る
■事業概要1. 事業内容酒井重工業<6358>の主たる事業は、道路舗装などに使われるロードローラの製造・販売で、ロードローラ関連が売上高の約95%を占める。また、「道路建設機械事業を通じて世界の国土開発という社会事業に貢献する」を企業理念に掲げている。一口でロードローラと言っても、能力や大きさなどは多岐にわたっている。同社の製品数はプラットフォームだけでも20種ほどあり、これにバリエーションを加えた最終製品数は70~80種に及ぶ。大きさも約1トンから20トン(大型土木向け)と幅広い。中心の価格帯は500万円(中型ローラ)~1,000万円(大型ローラ)だが、ロードカッタなど数千万円するものもある。なお、生産は見込み生産であり、受注生産は行っていない。製品の耐用年数は20~30年であるが、ここまで使い切る顧客は少なく、多くの場合は法定償却(7~10年)後に買い換え需要が発生する。また、償却済み機材の多くは中古品として海外(特に発展途上国)へ転売される。2022年3月期の地域区分別売上高※は、国内14,292百万円(売上高比率53.7%)、北米5,039百万円(同18.9%)、アジア6,492百万円(同24.4%)、中近東・ロシアCIS44百万円(同0.2%)、その他731百万円(同2.8%)となっている。※「地域区分別売上高」とは、顧客向けに実際に販売された金額であり、決算短信での報告セグメントである「所在地別売上高」とは異なる。主な販売先は、国内では約70%が建機レンタル会社(カナモト<9678>、西尾レントオール<9699>等)向け、残り30%がエンドユーザー(大手や中小のゼネコン、道路工事会社等)向けとなっている。エンドユーザー向けには、与信管理の関係からファイナンス会社経由のものも含まれる。海外では、主に代理店経由でエンドユーザーに販売されるが、北米では一部がレンタル会社経由となっている。2. 特色、強み既述のように同社はロードローラをはじめとする道路建設機械の専業メーカーであるが、以下のような特色や強みを持っている。(1) 専業メーカーとしての長い歴史同社の最大の特色(強み)は、ロードローラをはじめとする道路建設機械の専業メーカーとしての長い歴史であろう。言い換えれば、選択と集中によるグローバルニッチ戦略によって専門性を高め、独自の技術を蓄積してきたことだ。この長い歴史と経験によって、下記のような技術力や信用力を高めてきた。(2) 技術力単に「道路を固める、舗装する」と言っても、それぞれの土地や土質、土壌などによって必要な圧力・回転力等(締固め技術)は異なる。そのため、工事会社はそれぞれの工事現場(地盤等)に合った異なる種類のロードローラが必要な場合も多い。同社によると、ローラの施工機能自体が、道路や盛土の最終品質(密度、平坦性、寿命)を決定付けるとのことで、一般的には、転圧密度が1%上がると道路寿命が10%延長されると言われているようだ。そのため工事発注者・施工者にとっては、ロードローラの価格だけでなく、製品品質(性能)も非常に重要な要素となっている。同社は、長い間ロードローラをはじめとする道路建設機械の専業メーカーとして歩んできたことから、この「締固め技術」については高い技術力を誇っており、同業他社が追い付くことは容易ではない。同社の技術力を一言で言えば、「モノとコトの知見」である。すなわち、工事全体を俯瞰したエンジニアリング力と多様な材料への対応力である。具体的には、タイヤによる揉みこみ、縦振動による転圧力UP、横振動によるすり付け、垂直振動による厚層転圧、タイヤ振動によるさらなる高密度転圧、高周波振動による難転圧問題解消等、各種技術の組み合わせにより施工品質と施工効率の向上を可能にしている。同社の技術力の高さについての一例としては、「機械的振動技術」と「その防振技術」の関係制御力が挙げられる。ロードローラにおいて、施工機能を高める重要な手段が各種の機械的振動であるが、一方でこの振動自体が機械故障の原因となり、さらにはオペレーターの居住性に大きく影響する。したがって、振動締固め力強化と機械品質の相反する関係を制御する力(技術)が重要であり、これは短期間で蓄積できるものではない。(3) 信用力経験工学と実績に裏付けられた信用力も同社の強みだ。地下の締固め品質を確保する技術についてはブラックボックスであり、後発メーカーや非専業メーカーが容易に真似できるものではない。例えば、高温で運ばれてくるアスファルト合材は限られた時間のなかで施工する必要があることに加え、施工不良の場合は再施工という大きな代償を伴う。また、道路や盛土の施工品質問題の発生は遅効性があり、完工時の締固め品質はブラックボックスになる傾向にある。このような経験工学は、長年使い慣れたブランドと様々な現場経験による長年の知見が強みとなっており、これらの点が多くの顧客から信頼を得ている。3. シェア及び競合(一社)日本建設機械工業会のデータによれば、2021年度の国内建設機械出荷額は2.9兆円、このうち同社の主要製品であるロードローラ等の道路機械は2.6%となっている。この道路機械市場で、同社のシェアは70%超とトップメーカーとなっている。競合先としては日立建機<6305>などがあるが、いずれも専業メーカーではない。また、海外メーカーも一部進出しているものの存在感は薄い。したがって、国内においては、市場の浮沈がそのまま同社の業績につながっているとも言える。世界市場(海外市場)では、正確な統計がないものの、同社のシェア(生産台数ベース)は5~6%と推定される。ただし、これは全世界をベースにしたもので、同社が主戦場としている日本、ASEAN、北米の市場に限ればシェアは20%程度のようだ。なお、世界市場での主な競合はCaterpillar、FAYAT SAS、Deere&Company、Volvo Personvagnar ABなどであるが、ロードローラの専業メーカーは見当たらない。(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<YM>
2022/06/14 15:23