注目トピックス 経済総合ニュース一覧

注目トピックス 経済総合 NYの視点:米5月小売予想下回るも消費の底堅さも見られる *07:43JST NYの視点:米5月小売予想下回るも消費の底堅さも見られる 米商務省が発表した5月小売売上高は前月比+0.1%と、伸びは4月から改善も予想+0.3%を下回った。4月分も0%から-0.2%に下方修正された。変動の激しい自動車を除いた小売売上高は前月比-0.1%と、予想外に2カ月連続のマイナスに落ち込んだ。ガソリンの売り上げが―2.2%、そのほかレストランなどでの売り上げが落ちたことが指数を押し下げた。ただ、自動車レンタルやスポーツ用品など売り上げは伸びた。国内総生産(GDP)の算出に用いられる自動車、建材、給油、食品を除いたコントロールグループは前月比+0.4%と、予想を小幅下回ったものの、前月比―0.5%からプラスに改善した。消費の底堅さも見られ米国の利下げを大きく織り込むのは時期尚早か。 <CS> 2024/06/19 07:43 注目トピックス 経済総合 NYの視点:FRBは利下げに慎重、インフレ改善基調再開も *07:39JST NYの視点:FRBは利下げに慎重、インフレ改善基調再開も パウエル議長を含め連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策決定当局者は依然、利下げに慎重な姿勢を維持していることが先週開催された連邦公開市場委員会(FOMC)の結果で明らかになった。消費者物価指数(CPI)は4月に続き5月もインフレ改善基調の再開が確認されたほか、PCE価格指数も少なくとも、加速は見られなかった。FRBの姿勢が他国中銀にもいくらか影響を与える可能性も指摘されている。FRB政策当局者は1-3月期のディスインフレ停滞への懸念が払しょくできないでいる。24年の連邦公開市場委員会(FOMC)の投票権は有さないが、フィラデルフィア連銀のハーカー総裁は、「高インフレが依然懸念」と指摘し、経済が予想通り展開したら、年内1回の利下げを予想している。ただ、不透明感が多く、2回の利下げの可能性や利下げを実施しない可能性も除外しなかった。同じく、本年の投票権を持たないがミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は週末のインタビューで、利下げを12月まで待つことが「理にかなう」と想定していることを明らかにした。市場は11月の利下げを織り込んだほか、12月に追加利下げに踏み切る可能性も織り込み始めている。 <CS> 2024/06/18 07:39 注目トピックス 経済総合 NYの視点:【今週の注目イベント】英中銀、豪準備銀、米小売など *07:39JST NYの視点:【今週の注目イベント】英中銀、豪準備銀、米小売など 今週は英中銀や豪準備銀、スイス国立銀が金融政策決定会合を実施する。それぞれ政策据え置きが予想されている。英中銀は今回の会合では政策を据え置くが、8月から利下げを開始すると見られている。その後、9月は見送り、インフレ動向次第では11月に追加利下げの可能性が予想されている。日本、英国、ユーロ圏は消費者物価指数(CPI)を発表。今後の金融政策決定を巡り注目材料となる。英国のCPIの減速が滞った場合、英中銀の利下げ開始が9月に先送りされる可能性も指摘されており、結果は重要。米5月小売売上高は4月の横ばいから伸びが加速する見通し。同時に、高インフレや労働市場への懸念に消費者が支出に消極的になっている兆候が見られる。6月のミシガン大消費者信頼感指数も昨年11月来で最低に落ち込んだ。予想外に鈍化が示されると年内の利下げ観測をさらに後押しし、ドル売り材料となる。逆に予想以上に消費が強い兆候が見られると、利下げ観測の後退でドル買いが強まる可能性もある。ユーロはフランスの政局リスクに引き続き軟調推移が予想される。■今週の主な注目イベント●米国17日:NY地区連銀製造業18日:小売売上高、企業在庫、鉱工業生産、対米証券投資、バーキン米リッチモンド連銀総裁が講演、ローガン米ダラス連銀総裁、クグラー理事がイベント参加、ムサレム米セントルイス連銀総裁が講演、グールズビー米シカゴ連銀総裁が討論会参加19日:米国市場休場20日:住宅着工件数21日:中古住宅販売、先行指数、バーキン米リッチモンド連銀総裁が講演●日本17日:機械受注19日:貿易収支、4月会合議事録公表21日:CPI●英国19日:CPI20日:英中銀金融政策決定会合21日:製造業PMI●欧州17日:EU非公式サミット、レーンECB理事、イベント参加18日:ユーロ圏CPI、独ZEW、デキンドスECB副総裁講演20日:ユーロ圏消費者信頼感、ユーロ圏財務相会合21日:ユーロ圏製造業PMI、サービスPMI●中国17日:小売売上高、鉱工業生産、失業率、中国人民銀行1年物中期貸し出しフォシリティ金利引き下げ予想20日:融資金利●豪州18日:豪準備銀金融政策決定会合 <CS> 2024/06/17 07:39 注目トピックス 経済総合 国内外の注目経済指標:日本の5月コアCPIは4月実績並みの水準か *12:59JST 国内外の注目経済指標:日本の5月コアCPIは4月実績並みの水準か 6月17日-21日に発表予定の経済指標の予想については以下の通り。■17日(月)午前11時発表予定○(中)5月小売売上高-予想は前年比+3.0%参考となる4月実績は前年同月比+2.3%にとどまった。自動車販売の減少が影響した。5月については自動車買い替えの際の補助金支給が開始されており、この影響で伸び率は4月実績を上回る可能性がある。■18日(火)午後9時30分発表予定○(米)5月小売売上高-予想は前月比+0.2%参考となる4月時実績は前月比横ばい。5月については反動増が予想されるものの、金利上昇の影響もあることから、やや低い伸びにとどまる見込み。■19日(水)午前8時50分発表予定○(日)5月貿易収支-予想は-1兆2995億円先行指標である5月上中旬の貿易収支は-1兆3538億円。赤字幅は前年同期比-3.2%。前年5月の貿易収支は-1兆3822億円だったことから、今年5月の貿易収支は昨年5月と同程度となる可能性がある。■21日(金)午前8時30分発表予定○(日)5月消費者物価コア指数-4月実績は前年同月比+2.2%参考となる4月実績は前年同月比+2.2%と、市場予想と一致。サービス価格の上昇圧力は緩和されつつあり、5月については4月実績と同水準のインフレ率となる可能性がある。○その他の主な経済指標の発表予定・17日(月):(日)4月コア機械受注・18日(火):(米)5月鉱工業生産・20日(木):(英)英中央銀行政策金利発表・21日(金):(欧)6月ユーロ圏製造業PMI、(米)6月サービス業PMI <FA> 2024/06/15 12:59 注目トピックス 経済総合 《Computex 2024》グローバルなテクノロジーエコシステムの要石、台湾(2)【中国問題グローバル研究所】 *10:59JST 《Computex 2024》グローバルなテクノロジーエコシステムの要石、台湾(2)【中国問題グローバル研究所】 ◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページ(※1)でも配信している「《Computex 2024》グローバルなテクノロジーエコシステムの要石、台湾(1)【中国問題グローバル研究所】」の続きとなる。アジアの巨人、SamsungとHuaweiが迎える苦境SamsungやHuaweiといったアジアのハイテク大手が直面している危機は、半導体産業における台湾の重要性をさらに際立たせている。AI技術の開発と実装をめぐる複雑な状況で舵取りをするなか、両社は重大な課題に取り組んでいる。例えばSamsungは、急速に進化するAI市場において競争力を維持できるか深い懸念を抱いている。同社の認識では、AI技術で遅れを取ってしまえば、世界的な市場シェアとイノベーション能力にまで影響を及ぼしかねない。それゆえ、SamsungはAIの進歩に不可欠な最新のチップ技術に確実にアクセスできるよう、台湾の半導体企業との提携に向けた取り組みを強化している。一方、Huaweiは地政学的緊張と米国の制裁によって悪化した多面的な危機に直面している。かつては電気通信業界とAI開発のリーダーであった同社であるが、現在は不安定な立場を余儀なくされている。貿易制限ゆえに最先端のチップを調達できないことが、AIに関する同社の野心に深刻な影響を及ぼしている。ハイエンド半導体の製造においてHuaweiが台湾TSMCに依存している点から見ても、両者の関係は重要である。TSMC製最先端チップの入手が叶わなければ、HuaweiはAIその他の先端技術で競争力を失い、世界の技術競争から取り残されるおそれがある。こうした苦況は、AI技術開発の持続可能性をめぐってアジアのハイテク大手企業に広がる懸念を浮き彫りにしている。単なる戦略的選択の枠を超え、技術的リーダーシップを維持するためにも、台湾の半導体能力に依存せざるを得ないのが現状だ。SamsungとHuaweiが直面した危機は、世界のハイテクエコシステム、特にAIと最先端の半導体技術において台湾が必要不可欠な役割を果たしていることをまざまざと見せつけている。まとめ台湾の半導体産業は、そのイノベーション、サプライチェーン、地政学的ダイナミクスにより世界のテクノロジーを支える礎となっている。NVIDIA社のジェンスン・フアン社長兼CEOの発言は、台湾TSMCが最先端チップ製造の先導役となっているなど、半導体技術の進歩において台湾が極めて重要な役割を果たしていることを改めて強調するものだった。また、AMDやIntelのようなハイテク分野の世界的リーダーが台湾への大規模な投資計画を発表したことで、台湾の影響力が国境を越え大きく広がっていることが明らかとなった。世界のIT業界の中心的存在という地位は、イノベーション、サプライチェーンの強靭さ、国際協力に対する台湾の真摯な姿勢の賜物でもある。台湾テックアリーナ(TTA=Taiwan Tech Arena、臺灣科技新創基地)や「グローバル協力訓練枠組み」(GCTF=Global Cooperation and Training Framework)のようなイニシアチブを通じて、台湾はイノベーションを促進し、専門知識を共有し、世界の繁栄に貢献している。その一方で、米中関係が緊張する状況において台湾が置かれた立場は、経済的利益と地政学的現実との間の微妙なバランスの上に成り立っており、安定と対話の必要性を浮き彫りにしている。今後の展望に目を向けると、台湾の半導体産業は引き続き技術革新を推進し、グローバルなパートナーシップを育み、地政学的な複雑さをも乗り越えていくだろう。人材育成、持続可能な慣行、国際協力に投資することで、台湾はデジタル革命の最前線に立ち続け、ハイテク産業の未来を形成し、世界経済の成長と安定に貢献できる態勢を整えている。写真: Nvidia CEO Jensen Huang台湾 台北国際コンピュータ見本市でファン氏が基調演説(※1)https://grici.or.jp/巨大テクノロジー企業による戦略的投資台湾の半導体のレベルの高さを受けて、NVIDIA、AMD、Intelなど世界的なハイテク企業は同国に大規模な投資を行うことを選択し、台湾の技術力への信頼とイノベーション育成に対する本気度を示している。台北国際コンピュータ見本市《Computex 2024》でこれら企業は、台湾の技術エコシステムにおける存在感を高め、現地パートナーとの連携を深めることを狙った大規模な投資計画を発表している。RyzenプロセッサやRadeonグラフィックスカードで知られる半導体大手、AMDのケースを見てみよう。AMDが台湾に構える研究開発センターの拡張を決定したことは、半導体業界の技術革新を推進する上で台湾が重要な役割を担っていることの表れである。台湾の豊富な人材、研究インフラ、ハイテク企業からなるエコシステムを活用することで、AMDは次世代コンピューティング技術の開発を加速させ、競争の激しい半導体市場でライバル企業に先んじようとしている。同様に、イノベーションと卓越したコンピューティング能力の代名詞ともされる、アメリカを代表する半導体メーカーIntelは、台湾に新たな製造・研究開発施設を設立する計画を発表した。半導体製造と技術革新における台湾のリーダーシップを利用することで、Intelは競争力を強化し、半導体業界のグローバルリーダーとしての地位を維持することを目指している。今回発表となった戦略的投資は、Intelと台湾の関係強化にとどまらず、最先端の半導体研究開発拠点としての台湾の地位をさらに高めるものとなる。技術的成果もさることながら、米中間の緊張が高まる状況においては、地政学の視点から見た台湾の重要性も軽視できない。技術とイノベーションのグローバルなつながりを維持するためにも、世界のハイテク・サプライチェーンにとって重要な結節点である台湾の安定と安全は至上命題である。軍事演習や外交的関与の増加をはじめとする昨今の地政学的動向から見ても、アジア太平洋地域における台湾の戦略的地位が重要であることは明らかだ。これに加えて台湾の半導体産業は、重要なサプライチェーンやテクノロジーに対する影響力と支配力とをめぐって米中両大国が覇権を争う大規模な地政学的対立の場ともなっている。米国は台湾の戦略的重要性を認めており、「台湾関係法」や武器販売の増加などを通じて台湾との関係強化を図ってきた。これとは対照的に、中国は台湾の大陸への経済的依存を利用する一方で、政治的目的を達成するべく圧力をかけるという、アメとムチによる二重の戦略を続けてきた。日本とEU ―テクノロジー分野の戦略的パートナーシップを強化日本の視点から見ると、《Computex 2024》はIT産業と半導体サプライチェーンにおいて台湾が果たしている極めて重要な役割を際立たせるものであった。技術革新で名を馳せる日本は、半導体製造と技術的進歩を側面から支える台湾の強みに一目置いている。ソニー、パナソニック、東芝をはじめとする日本のIT企業は、同イベントで台湾の関係者と積極的に交流し、協力と技術交流の道を探っていた。そこでの議論の中心となっていたのが、共同研究開発ベンチャー、サプライチェーン最適化、次世代半導体技術の開発といったテーマである。こうした交流は台日技術提携の重要性を際立たせただけでなく、技術革新の推進とサプライチェーンのレジリエンス維持に向け、より深い協力関係の土台を築くものでもあった。EUは、IT分野における台湾とのパートナーシップ強化に戦略的な重点を置いて《Computex 2024》に臨んだ。デジタル変革を成功裡に推し進めるための具体的な目標を示した政策文書、いわゆる「デジタルコンパス」の指針に則った取り組みの一環として、EUは技術力の強化とサプライチェーンの多様化を目指している。Siemens、SAP、Ericssonといった欧州の大手IT企業は同イベントに積極的に参加し、人工知能、5Gインフラ、IoTソリューションなどの分野で台湾企業との連携機会を模索していた。そこでの議論は主に、共同研究プロジェクト、技術移転メカニズム、シームレスな協力を促進するための規制枠組みをめぐって展開された。EUは、半導体製造とイノベーションに関する台湾の専門知識を活用することで、世界のIT業界における競争力を強化し、テクノロジーでの主導権確保を目指している。《Computex 2024》閉幕を迎えるにあたり、NVIDIAのジェンスン・フアンCEOは、「台湾Taiwan」という名に埋め込まれた「AI」の2文字について印象深い見解を述べている。それは、人工知能の未来を形作る上で台湾が極めて重要な役割を担っていることを強調するものだった。台湾がAI技術の進化に尽力していることは、技術革新という面での台湾の卓越性を物語るだけでなく、世界の発展に向けてより広範に取り組んでいることをも意味している。同氏は台湾がAI分野における重要なプレイヤーとして台頭し、世界的なAIインフラ整備に大きく貢献しうる態勢にある、とも述べている。こうした所見は、台湾の業績に対するより広範な認識と呼応するものであり、卓越性に向けた台湾の揺るぎない努力と、世界を舞台に多大な影響力を持つことに対する同国の誇りの表れでもある。「《Computex 2024》グローバルなテクノロジーエコシステムの要石、台湾(2)【中国問題グローバル研究所】」に続く。写真: Nvidia CEO Jensen Huang台湾 台北国際コンピュータ見本市でファン氏が基調演説(※1)https://grici.or.jp/ <CS> 2024/06/14 10:59 注目トピックス 経済総合 《Computex 2024》グローバルなテクノロジーエコシステムの要石、台湾(1)【中国問題グローバル研究所】 *10:55JST 《Computex 2024》グローバルなテクノロジーエコシステムの要石、台湾(1)【中国問題グローバル研究所】 ◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページでも配信している(※1)陳建甫博士の考察を2回に渡ってお届けする。はじめにグローバルなハイテク業界において台湾の半導体産業は単に一翼を担うだけの存在にとどまらず、むしろ要とも言える存在であり、イノベーションの推進と経済圏の形成に加え、地政学にも影響を及ぼしている。本論では、台湾の半導体産業が持つ多面的な意義を掘り下げ、その優れた技術力、戦略的パートナーシップ、地政学的な意味を探る。鍵となる出来事、講演、投資などを包括的に分析することで、ますます加速する世界のハイテク競争において台湾が果たしている重要な役割を明らかにする。台北国際コンピュータ見本市《Computex 2024》は、台湾の半導体業界の実力を知らしめる重要なプラットフォームとして、日本やEUなど世界の主要プレイヤーから強い関心を集めた。さまざまな国際的視点からの関わりや手応えを得た同イベントは、世界のITエコシステムにおける台湾の役割の重要性を際立たせるものとなった。台湾大学でのNVIDIA社CEO講演 ― テクノロジーにおける台湾の価値国立台湾大学(NTU)での基調講演においてNVIDIA社のジェンスン・フアン(Jensen Huang、黃仁勳)CEOは、台湾がNVIDIA社さらにはハイテク産業の成功のために決定的な役割を果たしてきたと断言した。その発言は台湾全土に響き渡るとともに世界的にも反響を呼び、テクノロジーの世界における台湾の貢献度の高さを改めて知らしめた。台湾を「私の故郷であり、パートナー」と呼び、「世界で最も重要な国の一つ」と述べることで、同氏は台湾の半導体エコシステムとNVIDIA社の技術革新との深いつながりを示して見せた。フアンCEOはまた、人工知能(AI)の将来についても言及し、医療から自動運転まで、AI技術がさまざまな分野で革命をもたらす可能性を語った。NVIDIA社がAI分野で掲げる野心的目標は、台湾の強固な半導体産業という強力なバックボーンがあってこそだとして、「台湾の高度な半導体技術のおかげで、NVIDIAは信頼性が高く効率的なAIサプライチェーンを構築できた」と述べている。高度なデータセンターからスマートシティまで、あらゆる分野の発展を促進するAIソリューションの開発と展開にとって、こうしたサプライチェーンは不可欠な存在だ。NVIDIAのAIプラットフォームに台湾製の最先端チップをシームレスに組み込むことで、未来のAIに求められる優れた性能と信頼性を確保できる。ジェンスン・フアン氏の講演からは、世界のサプライチェーンにおいて台湾の半導体産業が中心的な位置を占めていることが明白に見て取れた。台湾ハイテクセクターの中核であるTSMC(台湾積体電路製造)は、世界最大の半導体製造工場として、膨大な数の技術機器に欠かせない高度なチップを幅広く製造している。スマートフォンやノートパソコンからデータセンター、自動車システムに至るまで、TSMCが誇る最先端の製造技術は無数のイノベーションを生み出す基盤となっている。ここで、iPhone、iPad、MacBookで知られるハイテク巨大企業、Apple社のケースに目を向けよう。Appleは同社の主力デバイスを支えるAシリーズプロセッサの製造にあたって、TSMCの高度なチップ製造能力に大きく依存している。チップ製造におけるTSMCの専門技術を活かすことで、Appleは性能、電力効率、技術革新の面で常に時代の先端を牽引してきた。AppleとTSMCのこの共生関係は、世界的な技術進歩を促すために台湾の半導体産業が果たしている役割がいかに重要かを示すものだ。台湾の半導体産業の戦略的重要性は、Appleのような巨大ハードウェア企業にとどまらず、電気自動車と自動運転分野の先駆者であるTesla社のような最先端技術企業にまで及んでいる。自動運転という野心的なビジョンを支えるTeslaのオートパイロットと「フルセルフドライビング(FSD)」機能は、TSMCの半導体ソリューションに大きく依存している。Teslaの車載コンピュータを支えるカスタム設計のチップから、リアルタイムのデータ処理を可能にする高度なセンサーやプロセッサに至るまで、TSMCの半導体技術は「持続可能な自動運転が当たり前になる未来」というTeslaのビジョンを実現する上で、極めて重要な役割を果たしている。巨大テクノロジー企業による戦略的投資台湾の半導体のレベルの高さを受けて、NVIDIA、AMD、Intelなど世界的なハイテク企業は同国に大規模な投資を行うことを選択し、台湾の技術力への信頼とイノベーション育成に対する本気度を示している。台北国際コンピュータ見本市《Computex 2024》でこれら企業は、台湾の技術エコシステムにおける存在感を高め、現地パートナーとの連携を深めることを狙った大規模な投資計画を発表している。RyzenプロセッサやRadeonグラフィックスカードで知られる半導体大手、AMDのケースを見てみよう。AMDが台湾に構える研究開発センターの拡張を決定したことは、半導体業界の技術革新を推進する上で台湾が重要な役割を担っていることの表れである。台湾の豊富な人材、研究インフラ、ハイテク企業からなるエコシステムを活用することで、AMDは次世代コンピューティング技術の開発を加速させ、競争の激しい半導体市場でライバル企業に先んじようとしている。同様に、イノベーションと卓越したコンピューティング能力の代名詞ともされる、アメリカを代表する半導体メーカーIntelは、台湾に新たな製造・研究開発施設を設立する計画を発表した。半導体製造と技術革新における台湾のリーダーシップを利用することで、Intelは競争力を強化し、半導体業界のグローバルリーダーとしての地位を維持することを目指している。今回発表となった戦略的投資は、Intelと台湾の関係強化にとどまらず、最先端の半導体研究開発拠点としての台湾の地位をさらに高めるものとなる。技術的成果もさることながら、米中間の緊張が高まる状況においては、地政学の視点から見た台湾の重要性も軽視できない。技術とイノベーションのグローバルなつながりを維持するためにも、世界のハイテク・サプライチェーンにとって重要な結節点である台湾の安定と安全は至上命題である。軍事演習や外交的関与の増加をはじめとする昨今の地政学的動向から見ても、アジア太平洋地域における台湾の戦略的地位が重要であることは明らかだ。これに加えて台湾の半導体産業は、重要なサプライチェーンやテクノロジーに対する影響力と支配力とをめぐって米中両大国が覇権を争う大規模な地政学的対立の場ともなっている。米国は台湾の戦略的重要性を認めており、「台湾関係法」や武器販売の増加などを通じて台湾との関係強化を図ってきた。これとは対照的に、中国は台湾の大陸への経済的依存を利用する一方で、政治的目的を達成するべく圧力をかけるという、アメとムチによる二重の戦略を続けてきた。日本とEU ―テクノロジー分野の戦略的パートナーシップを強化日本の視点から見ると、《Computex 2024》はIT産業と半導体サプライチェーンにおいて台湾が果たしている極めて重要な役割を際立たせるものであった。技術革新で名を馳せる日本は、半導体製造と技術的進歩を側面から支える台湾の強みに一目置いている。ソニー、パナソニック、東芝をはじめとする日本のIT企業は、同イベントで台湾の関係者と積極的に交流し、協力と技術交流の道を探っていた。そこでの議論の中心となっていたのが、共同研究開発ベンチャー、サプライチェーン最適化、次世代半導体技術の開発といったテーマである。こうした交流は台日技術提携の重要性を際立たせただけでなく、技術革新の推進とサプライチェーンのレジリエンス維持に向け、より深い協力関係の土台を築くものでもあった。EUは、IT分野における台湾とのパートナーシップ強化に戦略的な重点を置いて《Computex 2024》に臨んだ。デジタル変革を成功裡に推し進めるための具体的な目標を示した政策文書、いわゆる「デジタルコンパス」の指針に則った取り組みの一環として、EUは技術力の強化とサプライチェーンの多様化を目指している。Siemens、SAP、Ericssonといった欧州の大手IT企業は同イベントに積極的に参加し、人工知能、5Gインフラ、IoTソリューションなどの分野で台湾企業との連携機会を模索していた。そこでの議論は主に、共同研究プロジェクト、技術移転メカニズム、シームレスな協力を促進するための規制枠組みをめぐって展開された。EUは、半導体製造とイノベーションに関する台湾の専門知識を活用することで、世界のIT業界における競争力を強化し、テクノロジーでの主導権確保を目指している。《Computex 2024》閉幕を迎えるにあたり、NVIDIAのジェンスン・フアンCEOは、「台湾Taiwan」という名に埋め込まれた「AI」の2文字について印象深い見解を述べている。それは、人工知能の未来を形作る上で台湾が極めて重要な役割を担っていることを強調するものだった。台湾がAI技術の進化に尽力していることは、技術革新という面での台湾の卓越性を物語るだけでなく、世界の発展に向けてより広範に取り組んでいることをも意味している。同氏は台湾がAI分野における重要なプレイヤーとして台頭し、世界的なAIインフラ整備に大きく貢献しうる態勢にある、とも述べている。こうした所見は、台湾の業績に対するより広範な認識と呼応するものであり、卓越性に向けた台湾の揺るぎない努力と、世界を舞台に多大な影響力を持つことに対する同国の誇りの表れでもある。「《Computex 2024》グローバルなテクノロジーエコシステムの要石、台湾(2)【中国問題グローバル研究所】」に続く。写真: Nvidia CEO Jensen Huang台湾 台北国際コンピュータ見本市でファン氏が基調演説(※1)https://grici.or.jp/ <CS> 2024/06/14 10:55 注目トピックス 経済総合 NYの視点:米5月PPIも伸び鈍化、ただQ1より高い水準で懸念も存続、PCEでさらに確認へ *07:45JST NYの視点:米5月PPIも伸び鈍化、ただQ1より高い水準で懸念も存続、PCEでさらに確認へ 米労働省が発表した5月生産者物価指数(PPI)は前月比-0.2%と、4月+0.5%から予想外に3月来のマイナスに落ち込んだ。昨年10月来で最低の伸び。ガソリン価格の下落が指数を押し下げた。前年比では+2.2%。伸びは4月から拡大予想に反し縮小した。4月分は+2.3%と、+2.2%から上方修正された。エネルギーや食品を除いたコア指数は前月比0%と、伸びは4月+0.5%から予想以上に縮小。また、前年比では+2.3%と、4月+2.5%から予想外に伸びが縮小した。PPIは一部項目が個人消費支出(PCE)価格指数を構成する項目と重なるため物価圧力の減速が予想されている。PCE価格指数の算出にも使用される航空運賃は4.3%低下。ポートフォリオ運用サービスは1.8%低下。診察料は横ばい、外来医療費は0.5%上昇。5月PCE価格指数は前月比+0.1%前後と、年初来で最低の伸びに留まると現状で、予想されている。特に連邦準備制度理事会(FRB)が焦点をあてている変動の激しい燃料や食品を除いたPCEコア価格指数は前月比+0.2%と、4月と同水準の伸びに留まり、前年比では2.6%と、21年3月来の低い伸びに留まる見通し。一方、5月PPIで伸び鈍化が見られたが、1月―3月期に比べ依然高い水準を維持している。このため、市場参加者の中でもインフレ鈍化基調に依然懐疑的見方も根強い。予想通りにPCEコア価格指数に改善が見られれば、利下げ観測がさらに強まることになる。 <CS> 2024/06/14 07:45 注目トピックス 経済総合 トルコリラ円今週の予想(6月10日)サンワード貿易の陳氏 (山崎みほ) *17:30JST トルコリラ円今週の予想(6月10日)サンワード貿易の陳氏 (山崎みほ) 皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター山崎みほの気になるレポートです。今回は、トルコリラ円についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、今週のトルコリラ円について『インフレ鈍化への期待から堅調に推移しそうだ』と述べています。続けて、『5月のトルコ消費者物価指数(CPI)は前年比75.45%上昇し、伸び率は4月の69.8%から加速し、市場予想の74.8%をやや上回った。教育、住宅、飲食店価格が大幅に上昇した。5月の生産者物価指数は前月比1.96%上昇、前年比では57.68%の上昇だった』と伝えています。また、『ロイター調査によると、一連の中央銀行の利上げなどにより、インフレ率は2024年末までに42.6%まで鈍化すると予想されている」とし、『前月比のインフレ率も3.37%と、4月の3.18%から加速したほか、予想(2.7-3.3%)を上回った。ただ、こちらも今後は鈍化すると見込まれている』と説明しています。陳さんは、『トルコリラは、今年に入ってから8%以上下落しているが、3月以降はほぼ安定しており、インフレ軟化期待が下支えしている』とし、『ただ、今回の指標を受けてトルコ中銀による追加利上げ観測が高まった。トルコ憲法裁判所による「中央銀行総裁を任期中に解任する大統領権限を無効とする判断」決定は、中銀の独立性を担保するものとしてリラを下支えした』と見解を述べています。また、『米金融大手JPモルガンは、5月末にトルコ国債の投資判断を「オーバーウエート」に引き上げると発表した』と伝えています。今週はトルコの4月鉱工業生産や、4月失業率、4月経常収支、4月小売売上高等の複数の経済指標が発表されます。トルコリラ円の今週のレンジについては、『4.65円~4.95円』と予想しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の6月11日付「トルコリラ円今週の予想(6月10日)」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 山崎みほ <CS> 2024/06/13 17:30 注目トピックス 経済総合 NYの視点:FOMC中立姿勢でハト派バイアス強めず、CPI改善も、利下げ遅れる可能性への懸念も *07:41JST NYの視点:FOMC中立姿勢でハト派バイアス強めず、CPI改善も、利下げ遅れる可能性への懸念も 連邦準備制度理事会(FRB)は11日から12日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で市場の予想通りで政策金利据え置きを決定した。声明では、「インフレが2%目標に向けさらなる進展が不足」から「わずかに進展した」と、インフレの進展の判断が上方修正された。■スタッフ予測GDP:24年+2.1%(3月2.2%)、25年2.0%(+2.1%)PCEコア:24年2.9%(2.65%)25年:2.35%(2.2%)金利:24年:5.125%(3月4.625%)、25年:4.125%(3.875%)インフレ見通しが上方修正されたほか、特に注目されていた金利予測も3回利下げ予想から1回の利下げ予想に修正された。市場は平均で2回利下げ予想への修正を想定していた。FOMCの委員は1-3月期のインフレ進展停滞を巡る不透明感がまだ払拭していない模様。4月に続き5月も消費者物価指数(CPI)も予想以上に伸びが鈍化し、ディスインフレ基調の証拠となったものの、パウエル議長は政策を巡るバイアスを何も示さなかった。唯一、委員会の中で、誰も追加利上げをベースケースとして見ていないと、指摘。FOMCが予想以上に利下げに慎重で、タカ派的な見解が主流となっている可能性が指摘されている。同時に、一部投資家の間で、FRBの利下げが過剰に遅れるリスクへの懸念も広がった。 <CS> 2024/06/13 07:41 注目トピックス 経済総合 ドル円今週の予想(6月10日) サンワード貿易の陳氏(山崎みほ) *17:19JST ドル円今週の予想(6月10日) サンワード貿易の陳氏(山崎みほ) 皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター山崎みほの気になるレポートです。今回は、ドル円についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、今週のドル円について『米連邦公開市場委員会(FOMC)や日銀金融政策会合を受けて、変動の大きい週になりそうだ』と述べています。続けて、『今週は、11~12日に米連邦公開市場委員会(FOMC)、12日に5月消費者物価指数(CPI)も発表される。また、13~14日に日銀金融政策決定会合が開かれる』と伝えています。また、『先週は、カナダ中銀が利下げを実施し、6日には欧州中央銀行(ECB)も利下げを開始した。先進国が利下げに踏み切る中、米連邦準備制度理事会(FRB)の次の一手は利下げだろうが、強い雇用統計を背景に、時期や回数が減少し、後ずれする可能性が高い』とし、『5月米雇用統計では、景気動向を敏感に反映する非農業部門就業者数が前月比27万2000人増と、伸びは4月の16万5000人増(改定)から拡大。市場予想(18万5000人増)を大幅に上回った。失業率は4.0%と、前月から若干悪化したものの、インフレに影響する平均時給は前年同月比4.1%上昇と、伸びは前月から小幅ながらも加速した。米雇用情勢が依然として底堅いことが示されたことを受け、米早期利下げ観測が後退した』と解説しています。次に、『今回のFOMCでは、政策金利は据え置かれる見込み。市場が注目するのはドットチャートだろう。前回の3月会合では、年内の利下げ回数は3回に据え置かれた』と伝え、『その後の経済指標などから、今回のドットチャートは2回ないしは1回の利下げに修正されることになるだろう。仮に2回となれば、9月に利下げを開始し、12月に追加利下げとなろう。1回ならば11月の利下げとなろう。週明け10日のFEDWATCHによると、利下げは年1回で11月のみ、46%強が織り込まれている。1回となればドル買いが強まろう』と考察しています。一方で、『日本の長期金利が1.0%を超える状況が出現したが、日銀会合では、国債購入の減額が決定されるのではないか。市場の混乱を避けるため、緩やかで段階的なものになろうが、来るべき利上げの地ならしになりそうだ。利上げ時期に関しては、7月か10月で見方が別れている』と言及しています。ドル円の今週のレンジについては、『154.50円~158.50円』と予想しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の6月11日付「ドル円今週の予想(6月10日)」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 山崎みほ <CS> 2024/06/12 17:19 注目トピックス 経済総合 NYの視点:FOMCではドット・プロットに注目、利下げ回数予想は引下げか *07:43JST NYの視点:FOMCではドット・プロットに注目、利下げ回数予想は引下げか 連邦準備制度理事会(FRB)は11日から12日に開催している連邦公開市場委員会(FOMC)でも政策金利を据え置く見通しとなっている。会合では声明、パウエル議長会見に加えてスタッフ予測のドット・プロットに特に焦点が集まる。年内の利下げの可能性を探るため経済や金利見通しに注目。昨年12月、前回3月と中間値で年3回利下げ予想が維持されたが、今回は下方修正されると見られ、ドル買い材料になる可能性がある。もし、19人のスタッフの中間値で1回の利下げ予想となった場合は、最初の利下げが11月、または12月になるとの見方。エコノミストはFRBが国内総生産(GDP)の見通しを引下げると同時に、インフレ見通しを3月から引き上げると見ている。CNBCの市場関係者を対象にした調査で、経済は柔軟性が強いとの見方。第2四半期GDP成長見通し:2%、第3四半期1.8%、第4四半期1.4%。景気後退予想も31%まで低下した。ソフトランディング予想も50%。同時に投資家が最大の脅威としてFRBの利下げが過剰に遅くなることを挙げている。パウエル議長は前回のFOMC後の会見で1-3月期のインフレ改善の進展の停滞に失望感を示し「年内のいつか利下げする見通し」との言及をしなかったが、4月の消費者物価指数(CPI)やPCEを受けて、インフレが2%に向けて改善する軌道に変わりはないことには確信を強めたと見られ、ドルの上昇も限定的か。 <CS> 2024/06/12 07:43 注目トピックス 経済総合 中国の戦略的メッセージ発信と強引な外交:2024年アジア安全保障会議からの洞察(2)【中国問題グローバル研究所】 *10:25JST 中国の戦略的メッセージ発信と強引な外交:2024年アジア安全保障会議からの洞察(2)【中国問題グローバル研究所】 ◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページ(※1)でも配信している「中国の戦略的メッセージ発信と強引な外交:2024年アジア安全保障会議からの洞察(1)【中国問題グローバル研究所】」の続きとなる。これまでのアジア安全保障会議との比較2024年アジア安全保障会議は、これまでとは大きく様変わりし、特に中国など主要参加国間の緊張の高まりと声高な自己主張が目立った。比較分析を行った結果、トーンと内容、成果においていくつかの顕著な相違点が明らかになり、アジア太平洋における大国間の対立ダイナミクスの変化と地域安全保障の課題が浮き彫りとなった。まず、2024年会議では、外交的エンゲージメントと参加した代表者のレベルがこれまでとは著しく異なる。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領や中国の董軍国防相など注目度の高いリーダーの参加は、世界的な安全保障問題に対処する場としての同会議の重要性が高まっていることを裏付けている。その一方で、ロシアやインドなど主要なステークホルダーの欠席で議論の範囲が限定され、今回の会議の包摂性には疑問符が残った。次に、2024年会議では、この地域の地政学的緊張と戦略的競争の拡大を反映し、主題の焦点が深刻化する米中大国間の対立へとシフトした。協力・信頼醸成に重点を置くことが多かったこれまでの会議とは異なり、今年は台湾と南シナ海などセンシティブな問題を中心に、鋭い言葉遣いと対立的な応酬が目立った。さらに2024年会議では、参加国間の戦略的優先課題と政治的立場の相違が鮮明となり、地域安全保障上の課題で合意形成と協力醸成を図る取り組みが一段と複雑なものになった。地域のガバナンスと安全保障体制に関するビジョンの対立を反映し、日本やオーストラリアなど一部諸国がルールに基づく秩序を守り、自由で開かれたインド太平洋を推進することへのコミットメントを改めて表明したのに対して、中国やロシアなどの諸国は既存の規範と制度に異議を唱えようとした。加えて、2024年会議は成果においても、具体的なコミットメントと外交イニシアチブの面でこれまでとは異なる。過去の会議では、信頼醸成や合同演習、協力の枠組みで合意に至ったのに対して、今年はかなりの問題で限定的な進展しか見られず、この地域のアクター間で二極化と不信感が拡大していることが浮き彫りとなった。全体的に見て2024年アジア安全保障会議は、これまでの協調の精神からの逸脱にほかならず、アジア太平洋地域で対立と競争が一段と激化していくことを示唆している。地政学的緊張が高まり続け、戦略的対立が深まる中、地域安全保障協力の未来は相変わらず不透明で、地域の紛争管理と安定促進には、対話の維持と信頼醸成、外交エンゲージメントが必要なことは明らかだ。懐疑的見方と批判2024年アジア安全保障会議は、中国の外交戦略と地域の安全保障ダイナミクスについて貴重な洞察を得る場となった一方、検討に値するさまざまな疑念と批判も引き起こした。南シナ海と台湾海峡における強引な行動をはじめとする不透明で曖昧な中国の戦略的意図も、主な批判の1つに数えられる。批評家は、中国の参加により、アジア安全保障会議のようなフォーラムが、真の対話と協力の場ではなく言葉巧みな駆け引きの場になると主張している。海事紛争に関する国際仲裁機関の裁定に従うことに中国が抵抗し、また自国の領有権の主張にそぐわない多国間イニシアチブを退けているとして、中国は順守する国際規範・制度を選り好みしていると指摘している。懐疑派はさらに、軍事の近代化と係争地域での領土拡大も進めていることに着目し、中国が真摯に対話と協力を呼びかけているのか疑問視している。安定と平和的発展を協調する中国の姿勢の裏には、地域の覇権を握り、世界的な影響力を持つという壮大な野望があり、同国の外交提案の信頼性を損ねていると主張している。もう1つの批判は、中国の台湾に対する扱いと、台湾が独立した政治主体であることを認めない姿勢に関するものである。中国は「一つの中国」という原則を主張し、台湾の独立に向けたいかなる動きにも反対しているが、台湾海峡における同国の威圧的な戦術と軍事演習は、緊張を高め両岸の安定を損なうものでしかないと批評家は主張している。さらに、観測筋の中には、自国の長期目標の達成と地域における影響力の強化にあたっての、中国の外交戦略の実効性を疑問視する向きもある。彼らは、中国の強引な態度と国際規範の軽視が、主要なパートナーとの関係を悪化させ、地域の反発を引き起こし、最終的に同国のソフトパワーと外交的信頼性を低下させかねないとしている。こうした疑念と批判に対し、中国の外交戦略の支持者は、地域安全保証の課題への対応における対話とエンゲージメント、相互理解の重要性を強調している。中国の行動は強引に見えるかもしれないが、合理的な安全保障上の懸念と自国の主権・領土保全の考えに突き動かされたものだというのが彼らの主張である。さらに、中国のアプローチへの賛同者は、米国やASEAN諸国など地域のステークホルダーとの建設的なエンゲージメントがアジア太平洋の平和と安定の推進に依然として不可欠だとしている。彼らは、緊張の緩和と係争地域での紛争防止には、現実的な協力と信頼醸成が必要だと強調している。全体的に見て、中国の外交戦略は一部から批判や懐疑的な見方を招くかもしれないが、同時に、アジア太平洋地域の対話と協力、紛争解決の潜在的機会ももたらす。微妙な意味合いを理解し、バランスの取れた形で疑念と批判を解釈することで、地域の安全保障問題で中国が果たす役割の変化と、それが世界の安定にもたらす影響をより総合的に理解することができる。今後の見通しと影響今後は、中国の外交戦略がアジア太平洋地域の将来の安全保障情勢に及ぼす影響を検証することが不可欠である。中国がアジア安全保障会議のようなフォーラムで役割と影響力を行使する今、同国の関わり方がどのように変化していくかを見通すことが欠かせない。現在の傾向を分析し、その結果から今後の傾向を予想することで、近い将来生じうる課題と機会について貴重な洞察を得ることができる。地域安全保障に関する協議に中国が参加し、強い存在感を示すことで、地域の安定に大きな影響が及ぶ。中国の外交戦略は自国の利益を高める一助となる一方で、近隣諸国や大国との緊張も高めかねない。アジア太平洋の平和と安全保障の推進を目指す政治家とアナリストにとって、この戦略が地域の安定に及ぼす影響の把握は不可欠である。ただ、こうした課題がある一方で、建設的な関係構築と協力の機会も存在する。地域のステークホルダー間で対話と信頼を醸成することで、地域の紛争のリスクを軽減し、安定の強化を図ることができるかもしない。効果的な戦略を策定し、地域のダイナミクスに対応していくには、このような課題と機会の両面を認識することが極めて重要となる。複雑な地域安全保障情勢を乗り切るうえで、先を見越したエンゲージメントと多国間協力は不可欠である。開かれた対話と信頼醸成を提唱することで、地域のステークホルダーは一致協力して共通する安全保障上の懸念に対処し、紛争の深刻化を防ぐことができる。戦略的エンゲージメントと協力に力を入れることが、アジア太平洋地域のより平和で豊かな未来の土台を創るのだ。写真: Ukrainian President Volodymyr Zelenskiy speaks at the Shangri-La Dialogue in Singapore(※1)https://grici.or.jp/ <CS> 2024/06/11 10:25 注目トピックス 経済総合 中国の戦略的メッセージ発信と強引な外交:2024年アジア安全保障会議からの洞察(1)【中国問題グローバル研究所】 *10:21JST 中国の戦略的メッセージ発信と強引な外交:2024年アジア安全保障会議からの洞察(1)【中国問題グローバル研究所】 ◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページでも配信している(※1)陳建甫博士の考察を2回に渡ってお届けする。はじめに:2024年アジア安全保障会議国際戦略研究所(IISS)が毎年主催するアジア安全保障会議(シャングリラ会合)は、アジア太平洋地域の安全保障上の課題と協力機会を話し合う極めて重要な場となっている。2002年に始まった同会議では世界各国の国防相や軍幹部、政治家が一堂に会し、地域・世界の安全保障に影響を与える極めて重要な問題を討議する。今年(2024年)の会議は、さまざまな国際的リーダーの多大な貢献に加え、米中間を中心とする大国間の対立の深刻化が浮き彫りとなり、特に注目すべき会議となった。同会議は各国が安全保障上の懸念の表明や解決策の提案、そしてハイレベルな外交協議を行う場を提供するものであり、その重要性は計り知れない。今年は多様なトピックが取り上げられたが、特に注目を集めたのはウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領と中国の董軍国防相というキーパーソンの参加であった。2人の演説や記者会見は、現在の世界的な安全保障ダイナミクスについて重要な洞察をもたらした。今回の会議は戦略的情勢に不可欠なものとして、政策決定に影響を及ぼし、アジア太平洋地域の安全保障体制を方向付けることになる。2024年会議のハイライトの1つは、ウクライナのゼレンスキー大統領が行った演説である。彼は、ロシアによるウクライナ侵攻への対処に焦点を当てた、来る6月の平和サミットの概要を説明した。同サミットには106の国と組織が参加を表明しているが、中国の外相は5月31日、ロシアが招待されていないことを理由に同国の不参加を発表した。ゼレンスキー大統領は演説の中で、ウクライナ侵攻が世界の安全保障に及ぼす幅広い影響と、武力行使への対処における国際的な団結の重要性を強調した。同大統領の演説は心を打つものであり、今回の侵攻がウクライナの主権と国民に壊滅的な影響を与えていることを聴衆に再認識させた。演説ではロシアの武力行使に国際社会が一枚岩となって対応することを求め、ウクライナでの紛争が単なる地域の問題ではなく、国際的な法と規範の順守を国際社会が堅持できるかどうかを試す極めて重要な試金石であると訴えた。これにより、続く地域安全保障についての議論の舞台が整ったが、董軍中国国防相がこれに参加することは大きな意味を持つ。ウクライナ紛争は、世界の安全保障問題が相互に関連しており、地域の紛争が国際社会の安定に広範な影響を及ぼすことを示している。董軍国防相の演説の詳細分析中国が安全保障に関する国際的な議論に参加する中でも、2024年アジア安全保障会議での董軍国防相の演説は重要な意味を持つものとなった。同国防相は米中の安定した軍事関係の重要性を強調し、中国は対話と協力にコミットする責任ある大国だと主張したが、その言葉を注意深く見てみると、戦略的動機と地政学的意味合いが根底にあることが分かる。注目すべきポイントの1つが、米国との緊張が高まっているにもかかわらず、中国が自国を平和を求める国だと表現した点である。米国をアジア太平洋地域の不安定化を招く主な要因と位置付けることで、南シナ海における軍事プレゼンスの強化など、自国の強引な行動から注意をそらす狙いがある。この戦略的なナラティブは、米国による攻撃の被害者という中国のイメージを国際舞台で打ち出すと同時に、中国共産党への国内の支持を固める役割を果たす。また、同国防相の台湾問題に対する強硬な姿勢は、領土の保全と主権に対する中国の揺るぎないコミットメントを如実に物語っている。台湾の独立に向けた動きに対する強い警告と、中国人民解放軍は介入をも辞さないという表明は、中国政府が許容できるレッドラインと、それを守るためには武力行使をいとわないという姿勢を表したものである。こうした台湾に対する攻撃的な姿勢には、国内の国家主義的な感情の喚起や、台湾政府によるさらなる挑発的な行動の抑止、台湾海峡へのいかなる干渉にも断固たる対応を取るという米国へのシグナルなど、複数の目的がある。さらに、同様の安全保障会議を北京で開催したいという中国の意向を董国防相が示したが、この発言からは、国際的な安全保障体制を自国に有利になるよう再編したいという同国の野望が透けて見える。主催国になることで、中国は地域安全保障についての議題とナラティブの設定に自らの影響力を行使して、アジア安全保障会議のような欧米主導のフォーラムの優勢(ドミナンス)を脅かそうとしている。こうした動きは、自国の利益と価値観に合致した国際制度を新たに設け、推進することで、第二次世界大戦以降主流となってきた欧米中心の秩序にくさびを打つという、中国のより広大な戦略を反映したものである。同国防相の演説を詳しく見れば、アジア安全保障会議に参加することによって、中国が自国の地政学的目標を推進し、世界的な安全保障問題での自国の役割に対する各国のとらえ方を方向付けようとしていることが明らかだ。表向きは協力と対話を掲げながら、こうした会議を戦略的に利用して、自国の支配的立場を明確にするとともに既存の世界秩序に異論を唱えており、地域の安定と、すでに確立された国際関係の規範に複雑な課題を突きつけている。そのため、中国がこうした会合に参加する根本的な動機と意味合いを深く理解することが、変化し続けるアジア太平洋安全保障情勢のダイナミクスに対応していくうえで不可欠となる。中国の外交戦略の検証中国も参加した2024年アジア安全保障会議は、中国がアジア太平洋地域にとどまらず、自国の利益を高めていくことを目的とした外交的レトリックと戦略的メッセージをともに披露する場となった。だが、その外交戦略を批判的に検証したところ、地域安全保障とグローバルリーダーシップに対する中国のアプローチの強みと限界の両方が明らかになった。董国防相が演説の中で強調した中国の主要な外交戦略のひとつは、対話と協力の推進を礎とした世界の安全保障の確保である。安定した米中軍事関係の重要性を強調し、誤解を防ぐためのコミュニケーションチャネルの強化を求めることで、中国は平和的な紛争解決に尽力する、理性的で責任あるアクターだという自らのイメージを打ち出した。中国が国際的な場で取ることが多いこうした外交姿勢は、多国間主義や不干渉の原則と矛盾せず、グローバルな問題に建設的に参画しているという同国のイメージ作りに資するものだ。しかし、協力はうわべだけで、その下には既存の国際秩序に異議を唱え、地域における中国の支配的立場を明確にすることを目的とした、より強硬なアジェンダが隠れている。ブロック間の対立を助長し、アジア太平洋の緊張を高めているとして米国を非難する同国防相のレトリックからは、南シナ海における軍事化など、自国の強引な行動を議論から外そうとする中国の努力がうかがえる。こうした戦略的フレーミングは、中国の行動を正当化すると同時に、ルールに基づく秩序を重視する欧米主導のイニシアチブにくさびを打つことで、アジア安全保障会議などの集まりや制度に対する国際社会の信頼を低下させる役割を果たす。また、台湾問題に関する中国の外交戦略からは、独立に向けたいかなる動きも阻止し、領土権を主張するために、威圧的な戦術を用いる意向であることが分かる。台湾の段階的独立の動きに対する董国防相の厳しい警告と、中国人民解放軍は介入をも辞さないという表明は、中国政府にとってのレッドラインと、台湾海峡の現状維持へのコミットメントを如実に物語っている。しかしこうしたアプローチは、台湾と、米国など台湾の同盟国との緊張を高めるおそれがあり、また長く続く中台紛争の平和的解決に向けた努力にも水を差しかねない。さらに、同様の安全保障会議を主催するという意向の表明は、国際的な安全保障体制を自国に有利になるよう再編したいという中国の野望を表している。主催国になることで、中国は地域安全保障についての議論により大きな影響力を行使し、自国の利益と価値観に合致した新たなナラティブを広めようとしている。だがこのような動きは、中国の意図と、グローバルガバナンスにおける透明性と包摂性(インクルーシビティ)の原則への同国のコミットメントに疑念を生む。中国の外交戦略の検証にあたっては、地域安全保障への中国のアプローチに特徴的な、協力と競争、建前と現実の複雑な相互作用を認識することが欠かせない。中国が対話と協力を推進する国であると自国をアピールする一方、その行動は自国の戦略的利益を高め、既存の秩序に異論を唱えることを目的としたより強硬なアジェンダを反映していることが少なくない。そのため、地域の緊張にうまく対応し、アジア太平洋の安定を促進するには、中国の外交戦略が持つ微妙な意味合いを理解することが不可欠である。「中国の戦略的メッセージ発信と強引な外交:2024年アジア安全保障会議からの洞察(2)【中国問題グローバル研究所】」に続く。写真: Ukrainian President Volodymyr Zelenskiy speaks at the Shangri-La Dialogue in Singapore(※1)https://grici.or.jp/ <CS> 2024/06/11 10:21 注目トピックス 経済総合 NYの視点:NY連銀1年期待インフレは低下、5年期待インフレは上昇 *07:41JST NYの視点:NY連銀1年期待インフレは低下、5年期待インフレは上昇 NY連銀が発表した5月分の消費者調査によると、1年先のインフレ期待は3.17%と4月3.26%から低下した。3年先は2.8%で4月から変わらず。5年は3.0%と、4月の2.8%から上昇した。連邦準備制度理事会(FRB)は特に長期の期待インフレ動向を注視。労働市場の状況では、職を失う確率は12.4%へ低下、自主退職も19.6%へ上昇するなど、労働市場への自信も根強い。消費を支え、インフレ改善にも時間を要する可能性がある。●米5月NY連銀消費者調査:1年先インフレ期待:3.17% (4月:3.26%)、3年先:2.8%(2.8%)、5年先:3.0%(2.8%)・中間住宅価格の伸び:+3.3%・1年先のガス価格:+4.8%、食品+5.3%、賃貸+9.1%、医療コスト9.1%、大学費:-8.4%■労働市場・賃金の伸び1年先:2.7%・職を失う確率12.4%へ低下、自主退職:19.6%へ上昇・新規の職を得られる確率:52.2%へ上昇 <CS> 2024/06/11 07:41 注目トピックス 経済総合 NYの視点:【今週の注目イベント】FOMC、パウエル議長会見、日銀金融政策決定会合、米CPI・PPI、など *07:40JST NYの視点:【今週の注目イベント】FOMC、パウエル議長会見、日銀金融政策決定会合、米CPI・PPI、など 今週は連邦準備制度理事会(FRB)が連邦公開市場委員会(FOMC)を予定しているほか、日銀が金融政策決定会合を予定しており注目となる。米国では消費者物価指数(CPI)や生産者物価指数(PPI)でインフレの改善動向をさらに確認していく。5月コアCPIは21年4月以降3年ぶりの低い伸びに改善する見通しで、予想通り4月に続きインフレ改善の証拠が見られると、年内の利下げ観測が再燃する可能性がある。日銀は会合で金融政策を据え置くと見られるが、国債購入減額を協議するとの報道もあり、政策の修正は円買いにつながる。FRBもFOMCで政策金利を据え置く見込み。強い雇用統計を受けて、7月の利下げも除外された。同時に、5月雇用統計の結果で、FRBの政策軌道が大幅に変わったわけではない。9月の会合までに、多くの新たな指標がでる。また、4月CPI やPCEで、インフレ改善兆候が見られFRBの次の行動は利下げとの見方に変わりはない。FOMCではパウエル議長会見やドット・プロットに焦点が集まる。特にスタッフ予測では、前回の予測では3回の利下げ予想が12月に続いて維持されたためドル売りにつながった。今回の予測では年2回、また1回の利下げ予想に引き下げられる可能性が強く、ドルの下値が限定的になる可能性がある。■今週の主な注目イベント●米国10日:NY連銀調査インフレ11-12日:連邦公開市場委員会(FOMC)、パウエル議長会見、ドットプロット12日:5月消費者物価指数(CPI)13日:新規失業保険者数、生産者物価指数(PPI)、ウィリアムズ米NY連銀総裁がイエレン財務長官との討論会で司会14日:輸出物価指数、ミシガン大消費者信頼感指数●日本10日:GDP11日:PPI13-14日:金融政策決定会合14日:鉱工業生産●英国11日:失業率12日:鉱工業生産●欧州11日:ECBのチーフエコノミスと、レーン理事講演13日:ユーロ圏鉱工業生産●中国12日:PPI、CPI●13-15日G7首脳サミット <CS> 2024/06/10 07:40 注目トピックス 経済総合 国内外の注目経済指標:米FOMC会合で政策金利の据え置き決定へ *14:50JST 国内外の注目経済指標:米FOMC会合で政策金利の据え置き決定へ 6月10日-14日に発表予定の経済指標の予想については以下の通り。■10日(月)午前8時50分発表予定○(日)1-3月期国内総生産改定値-予想は前期比年率-2.0%参考となる速報値は前期比-2.0%。1-3月期のソフトウエアを除く全産業の設備投資額は前年同期比+6.8%でまずまず良好だったが、個人消費はさえない状況が続いており、速報値からの上方改定は期待できない。■12日(水)午後9時30分発表予定○(米)5月消費者物価コア指数-予想は前年比+3.5%参考となる4月実績は前年比+3.6%。5月については財の価格が伸び悩んでいるが、サービス価格の上昇率は特に鈍化していないため、コアインフレ率は4月並みの水準となる可能性がある。■12日(水)日本時間13日午前3時結果判明○(米)連邦公開市場委員会(FOMC)会合-予想は政策金利の据え置き直近公表の地区連銀経済報告によると、物価は緩慢なペースで上昇し、さらなる物価上昇が消費に影響を及ぼしていることが判明した。複数の地区連銀総裁はインフレが低下し続けていることを示すより多くの証拠を待つ必要があると述べており、6月の会合でも政策金利の据え置きが決まる見込み。FOMCの金利・経済見通しに注目したい。■14日(金)決定会合の終了予定時刻は未定○(日)日本銀行金融政策決定会合-予想は国債買い入れ額の減額日本銀行の植田総裁は参議院の財政金融委員会に出席し、「物価安定目標の実現に向けては、人々が2%の物価上昇が将来にわたって続くと予想するようになる必要がある」との考えを示した。ただ、国債買い入れの減額については「金融緩和の出口戦略を進めていく中で減額することが適当だと考えている」と述べており、今回の会合で減額される可能性がある。○その他の主な経済指標の発表予定・10日(月):(日)4月経常収支・12日(水):(中)5月消費者物価指数・13日(木):(欧)4月ユーロ圏鉱工業生産、(米)5月生産者物価コア指数・14日(金):(米)6月ミシガン大学消費者信頼感指数 <FA> 2024/06/08 14:50 注目トピックス 経済総合 金、今週は5月雇用統計に注目 サンワード貿易の陳氏(山崎みほ) *17:14JST 金、今週は5月雇用統計に注目 サンワード貿易の陳氏(山崎みほ) 皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター山崎みほの気になるレポートです。今回は、金についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、『金、今週は5月雇用統計に注目』と述べています。続いて、『先週のNY金は、経済指標が強弱入り混じる中、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ見通しみ揺れて上値の重い展開となった。5月終値は2345.80ドル。週間では0.48%高。月間では1.86%高』と伝えています。また、『5月消費者景気信頼感指数は前月から上昇し、市場予想も大きく上回った。1~3月期米実質GDP(国内総生産)改定値は速報値(1.6%増)から下方修正され、GDPの伸びは前期(3.4%増)から大幅に減速した。4月米個人消費支出(PCE)物価指数は、前年同月比2.7%上昇したが、伸び率は前月から横ばいで、市場予想と一致した』と伝え、『市場が警戒していたほどインフレ圧力が高まっていないことから、米長期金利が低下し、金相場をサポートした』と見解を述べています。次に、『今週は米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ見通しが強まり堅調に推移している。5月米製造業PMIは48.7と、前月から低下し、市場予想も下回った。4月米雇用動態調査(JOLTS)では、非農業部門の求人数が市場予想を下回り、2カ月連続の減少となった。5月ADP全米雇用報告では、非農業部門民間就業者数(季節調整済み)の前月比増加幅が市場予想を下回った』と伝えています。また、『労働需給の軟化の兆しが示されたとの見方から、市場では米連邦準備制度理事会(FRB)が9月に利下げを開始するとの観測が改めて浮上した』と言及しています。こうしたことから、陳さんは、『6月12日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されるため、今週は1日からFRBがブラックアウト期間に入った』と伝え、『7日には5月米雇用統計が発表される。非農業部門雇用者数の底堅い伸びが見込まれているが、前回4月分はいずれも弱めの結果となったため、その流れが続くかどうか注目される』と述べています。NY金の予想レンジは、『2320~2420ドル』と想定しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の6月6日付「金、今週は5月雇用統計に注目」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 山崎みほ <CS> 2024/06/07 17:14 注目トピックス 経済総合 NYの視点:ECBのタカ派的利下げ、FRBの早期利下げ観測には注意必要 *07:36JST NYの視点:ECBのタカ派的利下げ、FRBの早期利下げ観測には注意必要 カナダ中銀はG7諸国の中で初めて利下げを実施した。続いて欧州中央銀行(ECB)も2019年来の利下げを実施した。協調緩和の思惑も強まった。ただ、カナダ中銀は追加利下げの可能性に言及した一方、ECBは追加利下げの可能性を示唆しなかっただけでなく物価予測を2024年2.5%(2.3%)、2025年2.2%(前回2%)へそれぞれ引き上げた。来年の見通しは依然目標値2%を上回ることになり、2%回復は2026年と見ている。ラガルド総裁は利下げの理由として、インフレが目標値に達する軌道にあることを過去数カ月で政策決定当局者が強めたためだと説明。また、政策がまだ、景気抑制的であり、その度合いを緩和させただけだとした。今後の政策はデータ次第と確認。ECBの中で数人のタカ派メンバーは6月の利下げを過剰に早期の時点で公約したことは間違いだったと批判。数人のメンバーはもし、公約していなければ、据え置きを支持したことを明らかにした。ECBの6月利下げは若干強いられたものとなった可能性がある。7月の利下げの可能性は除外された。また、9月の利下げの可能性も不透明となり、今後の指標動向次第となる。米国では1-3月のインフレ改善停滞後、4月の消費者物価指数(CPI)やPCE指数でインフレ改善の進行が再開した可能性が示唆された。加えて、JOLT求人件数やADP雇用統計、週次新規失業保険申請件数の結果で労働市場の減速傾向が示唆された。7月の利下げ確率も若干上昇。ただ、米国はバイデン政権が気候変動対策や法人税増税を盛り込んだ2兆ドル規模の「インフレ削減法案」(Inflation Reduction Actinflation act)という名目で経済に資金を大量供給しており、他諸国に比べ利下げがさらに遅れると見られるため、早期の利下げを織り込むのは注意が必要と見る。 <CS> 2024/06/07 07:36 注目トピックス 経済総合 南アフリカランド円今週の予想(6月3日)サンワード貿易の陳氏 (山崎みほ) *16:45JST 南アフリカランド円今週の予想(6月3日)サンワード貿易の陳氏 (山崎みほ) 皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター山崎みほの気になるレポートです。今回は、南アフリカランド円についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、南アフリカランド円について、『選挙結果を受けて、どのような政権ができるかが焦点となろう』と述べています。続いて、『5月29日投票の南アフリカ国民議会(定数400)選挙は2日、開票が終了し、与党アフリカ民族会議(ANC)は獲得議席159と、1994年の全人種参加選挙以来で初めて過半数を割った。背景には高い失業率や大きな格差、頻発する停電などを巡る国民の怒りや不満があるとみられている。ただ、第1党の座は維持した。ANCは政権維持に向け、他党との連立協議に臨むことになる』と伝えています。これに対し、『企業や海外投資家らは、ANCと第2党の民主同盟(DA)の連立政権がより好ましいとの見方をしている。ANCを離脱したズマ前大統領が率いる「民族の槍」(MK)や、急進的な「経済開放の闘士」(EEF)が連立に加われば、政治や経済の混乱が懸念されるためだ』と言及しています。次に、『南アフリカ準備銀行(中銀)は30日、政策金利を8.25%に据え置いた。金利据え置きは6会合連続。物価上昇圧力を抑えるとともに過去30年間で最も接戦となった選挙で目立つ行動を避けるため、中銀は政策姿勢を変えないだろうと見込まれていた』と伝えています。また、『今週の経済指標では、3日に発表される南ア第2四半期BER信頼感指数、14日の南ア第1四半期GDP、5日の南ア第1四半期経常収支が注目される』と述べています。南アフリカランド円の今週のレンジについては、『8.25円~8.55円』と予想しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の6月4日付「南アフリカランド円今週の予想(6月3日)にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 山崎みほ <CS> 2024/06/06 16:45 注目トピックス 経済総合 NYの視点:米5月雇用統計で労働市場減速のさらなる証拠を模索 *07:47JST NYの視点:米5月雇用統計で労働市場減速のさらなる証拠を模索 米労働省の5月雇用統計発表を控え、雇用統計の先行指標として注目される民間部門の雇用統計であるADP雇用統計の5月分は+15.2万人だった。伸びは4月+18.8万人から鈍化し昨年11月来で最低となった。また、4月JOLT求人件数は805.9万件と、21年2月以降3年ぶり低水準となった。失業者1人に対する求人件数も1.2件と21年6月来で低水準とコロナパンデミック以前の水準に戻るなど、労働市場の減速の兆候が出始め、利下げを後押しする結果となった。ただ、雇用統計の市場エコノミスト予想では失業率が3.9%と、4月と同水準を維持する見通し。また、非農業部門雇用者数は前月比18.5万人増と、17.5万人から伸びが拡大すると予想されている。先行指標として注目される全米の製造業活動を示すISM製造業の5月雇用は51.1と昨年9月来で初めて活動の拡大を示す50を回復し、22年3月来で最高となった。米国経済は消費がけん引するため、より注視されているISM非製造業景況指数の5月雇用も47.1と、前月の45.9から上昇した。ただ、予想を下回ったほか、活動の縮小となる50を4カ月連続で割り込んだ。労働市場のひっ迫緩和基調には変わりはないと思われるが、底堅さが再表明される可能性も残る。■5月雇用先行指標●ISM製造業景況指数雇用:51.1(48.5、4月48.6)●ISM非製造業景況指数雇用:47.1(47.2、45.9)●ADP雇用統計:+15.2万人(+18.8万人)●JOLT求人:805.9万(835.5万)●新規失業保険申請件数05/25/24| 219,000| 3,000| 222,500|05/18/24| 216,000| -7,000| 220,000| 1,791,00005/11/24| 223,000| -9,000| 218,000| 1,787,000| 1.2%05/04/24| 232,000| 23,000| 215,250| 1,786,000| 1.2%04/27/24| 209,000| 1,000| 210,250| 1,781,000| 1.2%04/20/24| 208,000| -4,000| 213,500| 1,768,000| 1.2%●米雇用統計予想失業率:3.9%(3.9%)非農業部門雇用者数:18.5万人(17.5万人) <CS> 2024/06/06 07:47 注目トピックス 経済総合 メキシコペソ円今週の予想(6月4日) サンワード貿易の陳氏(山崎みほ) *17:24JST メキシコペソ円今週の予想(6月4日) サンワード貿易の陳氏(山崎みほ) 皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター山崎みほの気になるレポートです。今回は、メキシコペソ円についてのレポートを紹介します。陳さんはまず、『メキシコペソ円は、予想通りに与党候補が勝利したことで、押し目を形成し上昇に転じよう。経済政策は、現政権の流れを引き継ぐと思われる』と述べています。続けて、『メキシコで2日午前(日本時間同日夜)、大統領選の投票が始まった。左派与党「国家再生運動(MORENA)」のクラウディア・シェインバウム前メキシコ市長(61)が、約6割の支持率を維持するロペスオブラドール大統領の人気をてこに、当選確実となった。メキシコ初の女性大統領が誕生する。次期政権は国内で横行している犯罪や多額の財政赤字への対応が急がれる』と伝えています。そして、『選挙結果を受けて、週明け3日のメキシコペソは対ドルで約4%下落した。メキシコ大統領選挙でのシェインバウム氏の圧勝を受け、連立与党が議会で圧倒的多数を確保し、エネルギー分野などでの憲法改正を推し進めるのではないかとの観測から下落した。メキシコペソは1ドル=17.7205ペソと1カ月以上ぶりの安値を付けた』と言及しています。次に、『今後の新興国債券投資は、総合的な指数型から各国を選別することになりそうだ。投資先として選好されるのは、経済がしっかり成長しているか、改革が進められているメキシコやブラジル、トルコ、インド、ポーランドなど。今後の投資家は幅広い新興国資産をパッケージ化した指数商品よりも、個別の国ごとに投資することを望んでいるという。こうした流れの中で、大規模な資金力を有する国際的な有力債券ファンドが、幾つかの重要市場に「非常に大規模な」投資を行っているという。新興国の間でも経済動向に格差が生じつつあり、さまざまな投資家が選別的な投資を好むようになってきた』と伝えています。陳さんは、『投資資金が流入しているのは経済が好調な新興国で、メキシコやインド、ベトナムがそれに適するという。いずれもインフレが抑制され、米中貿易摩擦から恩恵を受けているという共通点がある』述べています。メキシコペソ円の今週のレンジについては、『9.25円~9.55円』と予想しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の6月4日付「メキシコペソ円今週の予想(6月4日)」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 山崎みほ <CS> 2024/06/05 17:24 注目トピックス 経済総合 NYの視点:米4月JOLT求人件数は2021年来の低水準、過熱感の後退で利下げ観測強まる *07:39JST NYの視点:米4月JOLT求人件数は2021年来の低水準、過熱感の後退で利下げ観測強まる 米国労働局(BLS)が発表した4月JOLT求人件数は805.9万件と、3月835.5万件から予想以上に減少し、21年2月来で最低となった。失業者1人に対する求人件数も1.2件と21年6月来で低水準とコロナ以前の水準に戻った。労働市場への労働者の自信をあらわすとされる自主退職は350.7万と、340.9万から小幅増。自主的退職率は2.2%と、変わらず。1年前の2.3%からは低下した。雇用削減率は0.9%と0.8%から上昇も前年の1.0%からは低下。ただ、採用者数は500万台半ばとコロナ期を除いて2018年1月来の低水準近くで推移しており、冴えない。JOLTの結果はBLSも認めたとおり、あくまでも想定水準であることや回答率が過去最低の3割であることから実際にはより低迷している可能性も懸念されている。アトランタ連銀の4-6月期国内総生産(GDP)予想も1.7%と、前回の2.7%から大幅下方修正されるなど、景気減速で、9月の利下げを織り込む動きも再燃した。■4月労働市場ダッシュボード求人件数:4.8%(3月5.3%、2023年6.0%)採用率:3.6%(3.6%、3.8%)自主的退職率:2.2%(2.2%、2.3%)雇用削減率:0.9%(0.8%、1.0%)失業率:3.9%(3.8%)不完全雇用率(U6):7.2%(7.1%)非農業部門雇用者数:+17.5万人(+31.5万人)平均時給:前月比+0.2%、前年比+3.9%(+0.3%、+4.1%) <CS> 2024/06/05 07:39 注目トピックス 経済総合 軍事演習への断固たる対応。平和に向けた両岸協力の呼びかけ【中国問題グローバル研究所】 *16:15JST 軍事演習への断固たる対応。平和に向けた両岸協力の呼びかけ【中国問題グローバル研究所】 ◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページ(※1)でも配信している陳建甫博士の考察をお届けする。中国人民解放軍東部戦区が先ごろ、台湾周辺で2日間にわたり軍事演習を行った。それを受け、台湾の頼清徳総統は5月26日、台湾自治島周辺で軍事演習があったとはいえ、依然として中国と協力する気概があると述べた。頼総統は交流と協力を通じて台中間で相互理解と寛容さ、融和を促進し、双方にとって有益な状況を作り出し、共に平和と繁栄に向かうことを期待している。軍事演習の背後にある思惑中国人民解放軍の「連合利剣」演習は2022年に比べ規模が縮小され、期間も短縮された。その最大の理由は、2022年の軍事演習の範囲があまりにも広すぎたため、すでに緊張状態にあった日中関係をさらに悪化させるなど、国際社会の関心を広く集めてしまったことにある。中国共産党(CCP)も、演習活動がフィリピン北部にある米軍レーダー基地に察知されれば、戦略的展開に影響を及ぼすことを危惧した。その前回の演習ではCCPの発射したミサイルが仮想敵となり、第一列島線にある米国、台湾、フィリピン、日本のレーダー基地の共同戦闘能力を試すことになった。この演習を通じ、関係者はCCPが発射した11発のミサイルの位置とパラメータに関する貴重なインテリジェンス情報を収集し、今後の防衛・対応措置の参考となる貴重なデータを得た。国際社会の反応中国の軍事演習を受けて、国際社会は台湾海峡の状況に懸念と支持を表明した。米国は5月20日時点で航空母艦4隻を海外に展開し、中東、日本、シンガポールにそれぞれアイゼンハワー、レーガン、ルーズベルトを駐留させるとともに、リンカーンを東太平洋地域に向かわせていた。他にもUSSアメリカ(LHA-6)が佐世保に配備されている。これらの展開・配備はアジア太平洋地域における米国の強力な軍事プレゼンスと同地域の安全保障状況に対する強い関心を如実に物語っている。この間、バイデン米大統領はウェストポイント陸軍士官学校で演説を行い、同盟国の利益と地域の安全保障に対する揺るぎないコミットメントを強調し、米国は引き続き同盟国およびパートナー国と協力してインド太平洋地域の平和と安定を確保すると述べた。これは台湾を強く支持するだけでなく、地域の安全保障体制全体を再確認する発言である。頼清徳総統は演説の中で、バイデン米大統領と米国政府・議会、そして世界各国による、台湾海峡での平和と安定に対する確固たる支持に感謝の意を表明した。同総統は5月20日の就任演説において、台湾海峡の平和と安定は世界の安全保障と繁栄に不可欠な要素であると述べた。台湾海峡に波風を立て、地域の安定に影響を及ぼすいかなる国も、国際社会の抵抗と反発を受けるだろう。同総統は「台湾は国際社会の支援、特に米国の断固たる姿勢に感謝する。我々は進んで地域の安定を維持する責任を共同で担い、地域の平和に取り組むすべての国々と協力する」と強調した。両岸間の交流と協力の可能性台中の間には政治的・経済的・軍事的違いがあるとはいえ、交流と協力を通じて相互理解と寛容さを深めることが平和と繁栄の実現への重要な道筋であることに変わりはない。頼清徳総統は、平等と相互利益の原則の下で中国本土と交流・協力し、地域の安定と発展に貢献する用意があることを強調した。これは台中両国の国民の共通の利益にかなうだけでなく、アジア太平洋地域の平和と安定の維持にも寄与する。頼総統はまた、中国本土と台湾が地域の安定を維持する重責を共同で担うことも呼びかけた。同総統は、両岸間の交流と協力を通じて両国が理解を深め、相互信頼を高め、双方にとって有益な状況を醸成し、平和と繁栄に向かって共に歩むことを期待している。中国の「小粉紅」の反応今回の軍事演習は、いわゆる「統一」スピーチをネット上で精力的に展開してきた中国の一部ナショナリスト(通称「小粉紅」)の理性的とは言いがたい反応を国内で引き起こしているとはいえ、演習の終了が中国による台湾占領を意味するものではないことを明確に述べておかなければならない。台湾は依然として自由と自治を維持している。さらに、台湾のアーティストに対して、統一への支持を明確に示し台湾の独立に反対するよう求めるネット上の圧力には、常に分別と寛大さをもって対応していかなければならない。台湾人には、たとえ相手が統一に支持を表明したり、中国籍であったりしても、そのアーティストを応援し、好きになる権利がある。台湾は自由国家であるため、こうしたアーティストが自らの発言を理由に台湾で権利の行使を禁じられることはない。これとは対照的に、中国ではアーティストが統一に支持を表明しないと弾圧を受けることが多い。このような差は、言論の自由とアーティストの権利の保護における両岸間の考えの違いを示している。平和的協力の呼びかけに対して予想される中国の反応頼総統からの平和的協力の呼びかけを受けて、中国は外交的措置や経済的措置を含めたさまざまな非軍事的措置を講じる可能性がある。外交面では、中国は台湾との市民交流や民間のコミュニケーションルートを強化し、ソフトパワーを通じて台湾世論に影響を与えようとするかもしれない。加えて、より多くの両岸経済協力プロジェクトを進め、台中間の緊張緩和と経済相互依存の強化を図る可能性もある。経済分野では、中国は台湾企業・製品による市場アクセスを緩和し、台中間の貿易と投資を促進し、経済的利益を接点として両岸関係の改善を推し進めるかもしれない。同時に、RCEPなど地域経済協力の枠組みを利用して、より多くの協力機会を提供し、台湾を引き込み、地域経済統合のプロセスに参加させることも考えられる。だが、それでも将来の両岸関係は非軍事的衝突のリスクに直面するおそれがある。中国は、台湾が海峡両岸経済協力枠組取り決め(ECFA)の精神に反し、中国製品に貿易障壁を設けているとして、世界貿易機関(WTO)に提訴するかもしれない。こうした経済対立が国際貿易の場での台中間の緊張を高め、両岸関係の不確実性が増す可能性がある。まとめ絶えず変化する複雑な国際情勢に直面する今、台湾と中国は、平和的共存を基本とし、対話と協力を通じて互いの相違を解決し、相互信頼を高め、平和と繁栄に向かって共に歩むべきである。定期的に接触をするための外交ルートの確立や両岸協議の再開、信頼醸成策の着手などを具体的に進めることで、建設的な対話の道を開くことができるだろう。貿易協定や投資パートナーシップ、共同開発プロジェクトなどの経済連携イニシアチブは、経済成長や雇用創出、技術の進歩の面で相互の利益となる。さらに、文化交流や教育プログラム、人と人との交流で、台中間の理解と友好を育むことができる。対話と協力を促進することで、台湾と中国は共通の課題に対処し、発展機会をつかむことができる。経済成長や文化交流、地域の安定など、連携がもたらす潜在的メリットを強調することが不可欠である。経済協力が繁栄の共有につながり、また文化交流が両国の社会の多様性を高めることが期待できる。さらに、交流と相互理解の深まりは、地域の紛争の平和的な解決と衝突の防止に寄与しうる。頼総統の演説は、台湾が抱く平和への期待を表すだけでなく、両岸関係の今後の動向に関する新たな考え方と方向性も示している。相互尊重と平等、相互利益を原則とすることで、台湾と中国はアジア太平洋地域にとどまらない永続的な平和と繁栄の土台を築くことができる。協力と連携なくして、両国が違いを乗り越え、安定と繁栄という共有ビジョンに向けて取り組むことはできない。写真:台湾周辺で中国軍が軍事演習開始(※1)https://grici.or.jp/ <CS> 2024/06/04 16:15 注目トピックス 経済総合 NYの視点:米5月ISM製造業景況指数は2カ月連続の活動縮小、需要弱く *07:44JST NYの視点:米5月ISM製造業景況指数は2カ月連続の活動縮小、需要弱く 全米供給管理協会(ISM)が発表した5月ISM製造業景況指数は48.7と、4月49.2から上昇予想に反し低下し、2月来で最低となった。2カ月連続の50割れで活動縮小となった。重要項目の新規受注は45.4と4月から上昇予想に反し低下し、やはり2カ月連続の50割れで23年5月以降1年ぶりの低水準となったことが指数を押し下げた。また、支払い価格は22年6月以降で最高となった60.9から57へ低下した。ただ、活動の拡大を示す50を5カ月連続で上回った。雇用は51.1と、予想外に昨年9月来で初めて活動の拡大域を回復。22年3月来で最高となった。供給の改善が停滞する中、需要が弱く、企業は在庫処理を優先、製造活動が弱まった。これにより価格の伸びも緩やかなペースにとどまり、潜在的に「物」のコアインフレを新たに抑制すると指摘されている。■米5月ISM製造業景況指数:48.7(4月49.2)仕入れ価格:57.0(60.9)生産:50.2(51.3)新規受注:45.4(49.1)受注残:42.4(45.4)入荷遅延:48.9(48.9)在庫:47.9(48.2)雇用:51.1(48.6)輸出:50.6(48.7)アトランタ連銀の4-6月期国内総生産(GDP)成長見通しは1.8%と、5月31日時点の2.7%から大きく下方修正された。実質個人消費支出や民間居住投資の伸びが1.8%、1.5%とそれぞれ2.6%、3.1%から低下した。4月に入り、インフレ圧力の軟化や景気の減速の証拠が見られ、年内の利下げを後押しする結果が目立つ。短期金融市場は11月の利下げを100%織り込んだ。 <CS> 2024/06/04 07:44 注目トピックス 経済総合 頼総統の就任演説が示す台湾の今後の道筋と中国からの反応【中国問題グローバル研究所】 *16:07JST 頼総統の就任演説が示す台湾の今後の道筋と中国からの反応【中国問題グローバル研究所】 ◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページ(※1)でも配信している陳建甫博士の考察をお届けする。頼総統の描く展望 ― 繁栄・民主主義・国際的地位の確立へ5月20日の頼清徳(らい・せいとく)台湾総統の就任演説は台湾の未来に向けた構想を示すものとなり、台湾にさらなる繫栄、民主化、自由をもたらすとともに、国際社会で確固たる地位を築くことを約束した。その焦点は、歴代総統との比較でも、中国や米国に向けた声明でもなく、あるいは中国が言う「成績表の未完部分」への回答でもなかった。そこで掲げられていたのは、台湾の独自性、人民の権利、そして国のこれからの発展方向であり、演説は台湾の人々を団結させ国の未来のために協力を促すものだった。これまでも、台湾総統の就任演説の内容が事前にリークされ、上層レベルの仲介者を通じて台湾海峡対岸の関係者に届けられているという噂がまことしやかに囁かれていた。頼総統の演説も例外ではなく、中国と米国の双方が事前に内容を把握していたとの憶測もある。しかし実際に頼総統が行った演説は事前情報とは大きく異なり、海峡両岸の高官の中には落胆や不安を覚える者も出るなど、緊張の高まりをうかがわせるものとなった。演説の中で頼総統は「1992年コンセンサス」、「一つの中国、異なる解釈」もしくは「一つの中国」といった、歴史的に両岸関係に影響を及ぼしてきた用語の使用を避けた。だが、いかなる言葉を使ったとしても、中国共産党が不満を示す可能性が消えるはずもなく、台湾は自らの立場を明確に主張する必要性を示すことになった。頼総統は従来のアプローチから脱却し、中国政府との宥和よりも台湾の主権と民主的価値を優先させる方向へと戦略的転換を行うことになった。ここでの戦略的転換とは、中国本土とは明らかに異なる国家意識を持つ台湾の市民が増えている状況を踏まえ、台湾社会で広く共有されている感情を汲んだものだ。主権と民主主義の原則を強調する頼総統の姿勢は、1つの政治的な姿勢としてだけでなく、台湾が独自の理念と願望を持つ活力ある民主主義国家へと進化していることをも映し出している。政治的変化の中で、中国共産党は軍事作戦の実施により優位性を誇示中国共産党は頼総統の就任演説と台湾独立派の脅威を受け、「共同剣2024A」軍事演習を実施した。軍事演習は中国共産党がよく使う手段であるが、こうした演習の規模やロケーションは、台湾海峡における中国の戦略的利益を主張する目的に沿うよう計算された上で設定される。2022年のナンシー・ペロシ米下院議長訪台後に実施された演習など、これまでの軍事演習と比べると、今回の共同剣2024A演習は、台湾東部や離島までを含むより広い地域を網羅するものとなった。今回の演習領域拡大は、中国共産党が力を誇示し、台湾を威嚇せんとする意図を強調するものであり、軍事専門家の間では、偶発的な衝突や地域の不安定化といったリスクへの懸念が高まっている。中国共産党はこうした演習を通じて恐怖と不安を植え付けようとしてきたが、台湾国内がこれにひるむ様子を見せることはなかった。台北証券取引所はパニック反応よりもむしろ市場の強靭さを示し、軍事的姿勢の誇示に慣れた台湾市民の成熟ぶりと適応力の高さが見て取れた。このことは、台湾社会がプロパガンダと現実の区別に習熟していくにつれて、台湾の国民感情に影響を与えようとする中国共産党の試みが、今後さらに実を結びにくくなる可能性を示唆している。その一方で両岸関係の対立が長期化していることが、この地域の和解と安定にとっての課題となっている。中国共産党は対外プロパガンダから国内向けプロパガンダに軸足を移し、経済的課題から台湾への制裁に注意をそらそうとしており、台湾に対して主導権を維持し、己の権威を主張していくという中国共産党の強い意思が感じられる。だが台湾国民が中国側の戦術に動じることなく株式市場も底堅く推移するとなれば、中国共産党は己の力を誇示し統一を声高に主張する手段として、より頻繁な軍事演習に打って出るかもしれない。こういった複雑な状況を乗り切るには、台湾が防衛力を高め国際的なパートナーとの協力を強化しながら、断固たる姿勢を維持することが不可欠となる。外圧を受けてもなお強靭さを示し、民主的価値観と主権を堅持する方針を改めて明確に示すことで、台湾は中国共産党の軍事行動による影響を緩和し、台湾海峡における利益を守ることができるだろう。分断し統治せよ ― 台湾の団結切り崩しを目論む中国共産党の戦術中国共産党による台湾の内部分裂戦略は、既存の政治的・社会的断層線を巧みに利用して台湾の統一と主権を切り崩そうというものである。台湾立法院による最近の法的措置や外部団体との対立などは、台湾社会に不和をもたらし己の政治的影響力を行使せんとして中国共産党が意図的に行った作戦と見られている。ロシアによるクリミア併合など、他の国際的状況とも類似性を感じさせる中国共産党の戦術は、台湾に存在する民族的、政治的、社会的亀裂に乗じて地政学的目標を達成しようとするものだ。中国共産党は自身の行動計画に同調する特定の政治派閥や利益団体を支援することで、台湾の政治状況に亀裂を生じさせ、外部からの強制への抵抗力を削ごうとしている。中国共産党の戦略が目に見える形となった例の1つが、親中派の政治家や組織に対する秘密裏の支援である。これは台湾の政治的方向性を形成し、世論に影響を与えることを狙ったものだ。他にも、中国共産党はメディアやオンラインプラットフォームを利用してプロパガンダを流布し、不信感を煽ることによって台湾社会内部の分裂を悪化させている。内部分裂は台湾に甚大な悪影響をもたらし、台湾の政治的安定と民主主義的制度に重大な課題を突きつけている。台湾が外部からの分裂の企てに耐え抜くためには、政治的・社会的結束の強化が不可欠となる。そのためには台湾政府、諸政党、市民社会組織が対話と協力を通じて内部紛争に対処し、社会の連帯を強化し、外部からの工作にも折れない強靭さを得るための協調的な努力が必要だ。台湾が外部からの干渉にもしぶとく耐えられるかどうかは、分裂を促す戦術に対抗するための統一戦線を張れるか否かにかかっている。市民社会組織、報道機関、草の根運動は、外部からの操作に抵抗して台湾の民主主義的制度を守る上で極めて重要な役割を果たしている。そして台湾の主権を強化し、外部からの強要にも折れない強靭さを高めるためには、志を同じくする国々からの国際的な支持と連帯もまた不可欠である。内部の結束を強め、強固な国際的パートナーシップを結ぶことで、台湾は中国共産党の内部分裂戦略にも巧みに耐え抜き、変化を続ける地域ダイナミクスにあって台湾の自治と民主的価値観を守り抜くことができるだろう。求められるバランス感覚 ― 国際的注目が高まる中で習近平氏が抱えるジレンマ習近平氏にとっては、国際的な対中制裁リスクの存在によって、台湾に向けた今後の軍事行動をめぐる算段の難易度がさらに上がっている。日米軍事同盟による介入を招く危険性に加え、厳しい国際制裁を課される可能性もあり、中国にとってその影響は経済面でも政治面でも広範囲に及ぶおそれがある。近年、中国による人権侵害、領土問題、南シナ海での強引な行動に対して世界の関心がさらに高まっている。こうした問題は中国の国際的評判を落とし、外交関係を緊張させ、抑止と責任追求の手段として国際的制裁発動の懸念が増している。習近平氏にしてみれば、国際的制裁が視野に入ったことで、国内の安定と国際的圧力との間で微妙なバランス感覚が求められることになった。米国や日本などの国々からの強い反発は、国際的制裁の脅威とも相まって、中国経済のみならず国内における習近平氏の政治的正統性にとっても不吉なものとなりかねないからである。また、台湾海峡における中国の行動に対する国際社会からの反応も極めて重要である。台湾が中国共産党からの圧力に耐え抜くためには、米国や日本などの国々からの支持が不可欠だ。ただし、国際的な対中制裁措置の発動は両岸関係をさらに複雑なものとし、緊張の度合いを高めることによって平和的解決の見通しを損なう可能性がある。こうした難局を乗り切るには、すべての関係者が自制し、外交的関与を優先させることが大前提となる。対話と協力を促し、状況をエスカレートさせるリスクを軽減し、国際法と人権の原則を守ることによって、国際社会は台湾海峡の平和と安定の促進に建設的な役割を果たせることだろう。前進あるのみ ― 海峡両岸のダイナミクスにおける台湾の戦略的重要課題両岸関係の展望について考える上で、台湾海峡を取り巻く複雑なダイナミクスの荒波を乗り切るべく台湾が採用している戦略的アプローチに目を向けないわけにはいかない。中国共産党からの圧力が強まる中、頼総統政権は台湾の主権と民主的価値観を守りつつ安定と安全を維持するという難題に直面している。頼総統政権が最優先で行うべきは、党派を超えた協力関係と合意の形成を通じて政治的分裂を融和させ、台湾内の社会的結束を強化することだ。対外的な圧力に対抗して台湾の利益を守るためにも、国民党や台湾民衆党などの野党との建設的な対話が不可欠である。また、台湾は主権を明確に主張して、国際的な支持を積極的に求めていかなくてはならない。米国や日本などの重要なパートナーとの同盟関係を強化し、防衛力を高め、外交的な活動範囲を拡大していくことが、中国共産党の侵略に対抗して台湾の自治を守るためにも極めて重要である。台湾の進むべき道は、信念を持って主張するという態度を維持し、中国共産党が投げかける無数の難題に確固たる決意と万全の準備をもって対処しつつも、中国との対話にも前向きであり続けるというものだろう。国際社会との結びつきを強めながら対話の機会も逃さない、そうした姿勢によって、台湾は主権と安全保障に資するような両岸関係を形成しながら、自身の地位と影響力を高めていけるだろう。台湾が外部からの干渉にもしぶとく耐えられるかどうかは、分裂を促す戦術に対抗するための統一戦線を張れるか否かにかかっている。市民社会組織、報道機関、草の根運動は、外部からの操作に抵抗して台湾の民主主義的制度を守る上で極めて重要な役割を果たしている。そして台湾の主権を強化し、外部からの強要にも折れない強靭さを高めるためには、志を同じくする国々からの国際的な支持と連帯もまた不可欠である。内部の結束を強め、強固な国際的パートナーシップを結ぶことで、台湾は中国共産党の内部分裂戦略にも巧みに耐え抜き、変化を続ける地域ダイナミクスにあって台湾の自治と民主的価値観を守り抜くことができるだろう。写真:台湾、頼清徳総統が就任(※1)https://grici.or.jp/ <CS> 2024/06/03 16:07 注目トピックス 経済総合 NYの視点:【今週の注目イベント】ECB、加中銀、米ISMや雇用統計、OPECプラス *07:39JST NYの視点:【今週の注目イベント】ECB、加中銀、米ISMや雇用統計、OPECプラス 今週は欧州中央銀行(ECB)が定例理事会を予定しているほか、カナダ中銀は金融政策決定会合を予定している。米国ではISM製造業、非製造業景況指数、JOLT求人件数、米雇用統計など重要経済指標に注目。FRBは6月11日、12日に開催する連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、ブラックアウト期間入りするため、高官の講演やイベントは予定されていない。ECBはこの会合で0.25%の利下げを開始すると見られている。会合を前に発表されたユーロ圏5月消費者物価コア指数速報値は予想外に加速。一部では利下げの可能性に不透明感が広がった。センテノ・ポルトガル中銀総裁は「5月インフレの加速は、見通しを若干上回る程度」と述べており、ECBが計画通り利下げに踏み切る可能性を示唆した。独連銀のナーゲル総裁などは、6月に利下げしたあとも景気動向次第で判断し、2回目の利下げが9月ごろになると利下げペースに慎重な姿勢を見せた。ラガルド総裁会見で利下げペースを探ることになる。同時に予想外に利下げを見送った場合はユーロ買いが加速すると見る。カナダ中銀も会合で利下げに踏み切る見通し。同時に、カナダの第1四半期国内総生産(GDP)で成長が底堅いことが確認されており、万が一利下げが見送られるとカナダドル買いが強まると予想される。豪準備銀やNZ準備銀は直近の会合で、インフレ鈍化が進まず利上げの可能性にも言及した。米5月雇用統計で失業率は3.9%と4月と同水準を維持する見込みで、非農業部門雇用者数は19万増が予想されており、労働市場の底堅さが証明される見通し。一部の連邦準備制度理事会(FRB)高官は現在の政策が十分に景気抑制的であるかどうかに懐疑的見解を示し始めていたが、4月消費者物価指数(CPI)に続きコア価格指数で少なくともインフレが再燃していないことが証明されたため追加利上げリスクは低下した。ただ、PCEコア価格指数は前年比で2.8%と依然2%を上回っており、FRBが特に注視している住宅を除いたコア指数もあまり変化なく、高金利をより長く維持する必要性が強まっていることは確かか。■今週の主な注目イベント●米国3日:建設支出、ISM製造業景況指数4日:製造業受注、JOLT求人件数5日:ISM非製造業景況指数6日:週次失業保険申請件数、貿易収支、非農業部門労働生産性7日:米雇用統計、卸売り在庫●英国3日:製造業PMI●欧州3日:ユーロ圏、独・仏製造業PMI4日:独失業率6日:ユーロ圏小売売上高、独工場受注、欧州中央銀行(ECB)定例理事会、ラガルドECB総裁会見7日:ユーロ圏GDP、独鉱工業生産、ナーゲル独連銀総裁、ショナーベル理事が講演●中国3日:財新製造業PMI5日:財新サービス業PMI7日:貿易収支、外貨準備●日本7日:家計支出 <CS> 2024/06/03 07:39 注目トピックス 経済総合 欧米の注目経済指標:ECBは0.25ポイントの利下げ決定へ *13:54JST 欧米の注目経済指標:ECBは0.25ポイントの利下げ決定へ 6月3日-7日に発表予定の経済指標の予想については以下の通り。■3日(月)午後11時発表予定○(米)5月ISM製造業景況指数-予想は49.6参考となる4月実績は49.2。新規受注指数と生産指数の低下が要因。5月については4月時点の新規受注指数が50を下回っていることから、大幅な改善は期待できない。そのため、4月に続いて節目の50を下回る可能性がある。■6日(木)午後9時15分発表予定○(欧)欧州中央銀行(ECB)理事会-予想は0.25ポイントの利下げ理事会の複数のメンバーが6月利下げを想定しており、0.25ポイント幅の利下げ実施が決定される見込み。ただ、7月以降についてはデータ次第との見方が多く、年内の追加利下げは1回にとどまる可能性がある。■6日(木)午後9時30分発表予定○(米)4月貿易収支-予想は-696億ドル3月は消費財と資本財の輸入額は増加。一方、財の輸出は伸び悩んだ。4月については資本財の輸入額は減少しないと予想されており、財の輸出額が急増する可能性は低いことから、貿易赤字は3月並みの水準となる見込み。■7日(金)午後9時30分発表予定○(米)5月雇用統計-予想は非農業部門雇用者数が前月比+18万人、失業率は3.9%非農業部門雇用者数が4月実績をやや上回る可能性があるものの、労働参加率はやや上昇する可能性があるため、失業率は4月実績と同水準となる可能性が高いと予想されます。○その他の主な経済指標の発表予定・5日(水):(米)5月ADP雇用統計、5月ISM非製造業景況指数、(加)カナダ中央銀行政策金利発表・7日(金):(中)5月貿易収支、(欧)1-3月期ユーロ圏域内総生産確報値 <FA> 2024/06/01 13:54 注目トピックス 経済総合 NYの視点:米4月PCEコア価格指数でインフレ鈍化進展動向を探る、インフレ巡る不透明感多く *07:45JST NYの視点:米4月PCEコア価格指数でインフレ鈍化進展動向を探る、インフレ巡る不透明感多く 米4月PCEコア価格指数で、インフレ鈍化の進展が再開したことを確認できるかに注目が集まる。米国のインフレ動向を判断するうえでの重要指標で、FRBがインフレ指標として特に注目しているため、年内の利下げ時期を判断していく上で重要。1-3月期の消費者物価指数(CPI)でインフレ改善に進展が見られず、FRB高官は可能性は少ないが、利上げも除外しない考えを示した。4月CPIでようやく鈍化基調が再開、PPIは予想を上回ったったがその項目で、PCE価格指数の算出にも使われる外来医療費は0.1%、航空運賃は3.8%それぞれ低下しており、PCEもCPIと同様に、インフレ鈍化の進展再開が示唆されると期待される。ただ、インフレ鈍化の進展ペースは依然遅く、また、FRBが昨日公表したベージュブックの中で、特に保険など、支払い価格の上昇が指摘されており、短期的にはインフレの緩やかな上昇継続が予想されている。JPモルガンのダイモン最高経営責任者(CEO)は政策金利が6%に達する可能性やスタグフレーションを警告。インフレを巡り、前回の連邦公開市場委員会(FOMC)でも指摘されていた通り、いまだに多くの不透明性が存続している。NY連銀のダドリー前総裁はインフレ抑制を巡り金利が十分に高くない可能性に言及。今後のインフレ動向次第では、追加利上げの可能性も除外できない。 <CS> 2024/05/31 07:45 注目トピックス 経済総合 プラチナは年初高値を更新 サンワード貿易の陳氏(山崎みほ) *16:46JST プラチナは年初高値を更新 サンワード貿易の陳氏(山崎みほ) 皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター山崎みほの気になるレポートです。今回は、NYプラチナについてのレポートを紹介します。陳さんはまず、『プラチナは年初高値を更新』と述べています。続けて、『先週は週初めに地政学リスクの懸念から金が急騰したのに連れて、プラチナも1105ドルと年初来の高値を更新した。その後は、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ見通しが後退したことから軟化したが、1000ドルの大台は維持された。OSEプラチナも5000円の大台が維持された』と伝えています。陳さんは、『プラチナは供給不足の懸念が支援要因だろう』と考察しています。次に、『英精錬大手ジョンソン・マッセイは最新の報告書で、今年の白金市場は過去10年で最大の供給不安に陥っていると明らかにした。前年に高水準を保っていたロシアからの輸出が平年の水準まで減少したことや、工業用の底堅い需要が背景にある』とし、『ワールド・プラチナ・インベストメント・カウンシル(WPIC)も、今年の白金供給不足が市場予想を上回るとの見通しを明らかにした』と伝えています。また、『プラチナの需給逼迫懸念に加え、銅やアルミ等の産業用非鉄金属価格が上昇したことも支援要因となったようだ。特に銅は、電気自動車(EV)や自動化、人工知能などの成長分野による消費が供給を上回るとみられ、1万1100ドル超と、史上最高値を記録した』と見解を述べています。今週のNYプラチナのレンジについては、『1020~1150ドル』と予想しています。参考にしてみてくださいね。上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の5月29日付「プラチナは年初高値を更新」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。フィスコリサーチレポーター 山崎みほ <CS> 2024/05/30 16:46 注目トピックス 経済総合 NYの視点:ベージュブックも政策据え置きを後押し *07:38JST NYの視点:ベージュブックも政策据え置きを後押し 連邦準備制度理事会(FRB)はダラス連銀が4月初旬から5月中旬の情報をもとにまとめた米地区連銀経済報告(ベージュブック)を発表した。12地区のうち10地区がわずかまたは緩慢な成長を報告、2地区が横ばいを報告するなど、景気の底堅さが確認された。一方で、消費の勢いが鈍化している可能性も示唆されており、今後のサービスインフレの緩和にもつながる可能性もある。物価の高騰で、消費者が価格に敏感となり、裁量的支出を抑えていることが明らかになった。小売は消費者を引き付けるための割引を提示。自動車販売でも、一部のメーカーは顧客を引き付けるためのインセンティブを提示していることが明らかになった。また、見通しで不透明感が多く、下方リスクを警戒し、「いくらか悲観的」と指摘されている。消費の鈍化が具体化すればFRBの利下げの見通しがつく可能性がある。ただ、物価は、「緩やかなペースで上昇、継続を予想」と報告されている。一部の建設や製造業の原材料は下落が報告されているが、特に保険など、支払い価格の上昇が指摘されており、短期的には緩やかな上昇予想が報告された。結果は連邦準備制度理事会(FRB)が次回の連邦公開市場委員会(FOMC)で金融政策を発表するうえで参考材料となるが、政策据え置きを後押しすると見られる。JPモルガン銀のダイモン最高経営責任者(CEO)は政策金利が6%まで上昇する可能性に言及したほか、スタグフレーション入りする確率が現在予想されている以上に高いと警告した。・米地区連銀経済報告(ベージュブック)■経済「経済活動は拡大、ほとんどの地区でわずかまたは緩慢な成長。2地区は横ばい」「小売は裁量的支出の減少を示唆。消費者は価格に敏感」「自動車販売はおおよそ横ばい。一部のメーカーはインセンティブを提示」「旅行関連は強まった。レジャー関連の夏に向けた見通しは強弱まちまち」「非金融サービスの需要は増加、交通関連は様々」「製造業は横ばいか、拡大。2地区が鈍化を報告」「与信基準の強化や高金利で貸し出しの伸びが抑制」「商業用不動産の需要は弱まった」「住宅需要は緩やかに上昇。一戸建て建設は増加」「商業用不動産の状況は弱まった」「不透明性の上昇や下方リスクの上昇で見通しはいくらか悲観的」●雇用「雇用は緩慢に増加」「賃金の伸びは緩やか。一部地区ではパンデミック前の水準に正常化したと報告」●物価「物価は緩やかなペースで上昇、継続を予想」「小売は消費者を誘導するための割引を提示」「支払い価格が引き続き上昇、特に保険。一部の建設や製造業の原材料は下落が見られる」「短期的には緩やかな上昇が予想される」 <CS> 2024/05/30 07:38

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