注目トピックス 日本株ニュース一覧

注目トピックス 日本株 ナック Research Memo(1):2022年3月期はワクチン職域接種会場運営が寄与。高齢化社会に伴うビジネス推進 ■要約ナック<9788>は、「暮らしのお役立ち」を基本戦略として、多角化経営で発展してきた企業である。展開する事業は、住まいと生活に関わる分野で、それぞれが有機的に結合していることで、「暮らし」に関わる分野を網羅し、消費者に役立つサービスを提供している企業と言える。ストックビジネスで収益基盤を万全なものとしたうえでほかの事業投資を積極的に行い、新たな成長エンジンの構築かつ多角化によって、リスク分散も行っている。1. 2022年3月期の業績概要2022年3月期の業績は売上高が54,924百万円(前期比1.1%減)、営業利益が2,760百万円(同0.8%減)、経常利益2,792百万円(同4.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,708百万円(同7.0%減)と営業微減益となったが、営業人員の確保や販促活動の強化など、先行投資を加速したことが要因となっている。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)に関しては、消費者に直結する商品やサービスを手掛けるため影響を受けたのは当然のことながら、むしろコロナ禍がプラスに働いた事業もあったため、大きく落ち込むことはなかった。感染予防として、自社製の次亜塩素酸水溶液「ZiACO(ジアコ)」のニーズが高まったほか、子会社による空港の水際対策による隔離施設の消毒・除菌作業や新型コロナワクチン接種職域会場(以下、ワクチン職域接種会場)運営に関する事業などが収益に貢献した格好となった。2. 2023年3月期の業績見通し2023年3月期の業績見通しは、売上高が60,000百万円(前期比9.2%増)、営業利益が3,000百万円(同8.7%増)、経常利益が3,000百万円(同7.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,000百万円(同17.1%増)と増収増益を見込んでいる。クリクラ事業がやや伸び悩むものの、他のセグメントはおおむね順調に推移するものと想定されている。なかでも、レンタル事業のケアサービス部門が在宅需要や高齢者向けに拡大が見込まれるなど、収益をけん引することになりそうだ。高齢化社会の進展に合わせたビジネス展開を進めていく。3. 収益構造が変化、25年3月期に営業利益5.000百万円へ収益構造は、過去に損失計上が続き収益圧迫要因となっていた100%子会社の(株)レオハウスを2021年3月期にヤマダ電機(現 ヤマダホールディングス<9831>)へ譲渡したことにより、住宅事業への依存割合が低下するとともに、グループ全体として利益を生み出す筋肉質な構造となった。2025年3月期を最終年度とする中期経営計画を推進しており、目標としては売上高75,000百万円、営業利益5,000百万円を掲げている。これまで事業ごとに縦割りとなる傾向があったものの、顧客情報の共有化をはじめグループで「横櫛」を通すようなビジネスを展開する考えである。その実現に向け、同社は社長直下の部署を設置している。■Key Points・コロナ禍でもビジネスチャンスを掴む・2023年3月期は増収増益を確保する見通し・中期経営計画で2025年3月期に営業利益5,000百万円を目標に掲げる(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也) <EY> 2022/07/07 16:11 注目トピックス 日本株 システム ディ Research Memo(10):配当性向20%超を目安に収益成長とともに継続的な増配を目指す ■株主還元策システム ディ<3804>は株主還元について配当によることを基本としている。配当金については成長のための内部留保の充実と安定配当を両立できるよう決定するとし、2021年10月期からは配当性向の水準として20%超を目安に実施していくことにした。2022年10月期の1株当たり配当金は前期比1.0円増配の19.0円(配当性向21.1%)と7期連続の増配を予定している。今後も業績が安定的に成長していけば、配当性向20%超を目安に増配を続けていくものと予想される。■情報セキュリティISMSやプライバシーマークの認証を取得済み。社員教育にも注力同社の製品(業務支援ソフトウェア)やクラウドサービスに関して、セキュリティ面での対策が十分なされていることも重要なセールスポイントであるのは言うまでもない。同社自身もサイバー攻撃や個人情報等の社外流出等の情報セキュリティ対策については、最大かつ細心の注意をもって臨んでいる。具体的には、ISO(国際標準化機構)が規定するISMS(情報セキュリティマネジメント)認証(ISO27001)や、個人情報に関する国内の代表的な規格であるプライバシーマーク(R)を指針として社内体制を構築し、それらの認証取得を完了している。また、社員の教育・啓発活動にも継続的に取り組んでいる。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) <EY> 2022/07/07 16:10 注目トピックス 日本株 システム ディ Research Memo(9):ストック売上の積み上げにより、年率10%超の持続的な収益成長を目指す ■今後の見通し3. 中期目標システム ディ<3804>は今後の成長戦略として、次世代パッケージソフトのリリース・拡販による顧客拡大とストック収益の積み上げに注力していくことで毎期10%超の増益を継続し、早期に経常利益10億円、累計顧客数1万件の達成を目指していく方針だ。順調に進めば経常利益は2023年10月期に達成し、累計顧客数についても2~3年後の達成が視野に入ってくる。また、KPIとしては売上高営業利益率20%(2021年10月期は21.0%)、ストック収益の売上構成比50%(同51.2%)、自己資本比率60%以上(同66.0%)、累計顧客数1万件(同8,264件)、入社3年後の社員定着率90%超の維持を掲げている。(1) すべてのソリューションでクラウドサービスを展開同社はシェア拡大施策としてパッケージソフトの性能・品質向上による高効率ビジネスを進めてきたが、主力製品がほぼ完成域まで達してきたことから、次の10年を支える次世代製品の開発を各事業部門で進めており、2019年以降、順次投入を開始している。これら新製品の拡販に取り組むことで、さらなるシェアの拡大と売上成長を目指している。開発の方向性としては「スマート・ソリューション」の提供を共通軸とし、ユーザー・カスタマーのアクションやインプットを待って起動、機能するのではなく、ユーザー・カスタマーの業務に寄り添い主体的・能動的に働きかけるパッケージソフトの構築を進め、すべてのソリューションにおいてクラウドサービスを展開していく方針だ。現在、ソフトエンジニアリング事業における次世代製品として「スマート文書管理システム(仮称)」の開発プロジェクトを立ち上げているが、当面は既存製品のバージョンアップを優先して開発を進めていく方針としており、リリース時期は未定となっている。なお、クラウドサービスの利用者側のメリットとしては、インターネット経由で手軽に利用できること、サーバ等の設備の保有や保守、セキュリティ対策が不要なこと、月額利用料のランニングコストを支払うだけで利用できるためイニシャルコストを節約できることなどが挙げられる。一方、サービス提供者のメリットとしては、1つのサーバ環境で多くのユーザーに対してサービス提供ができるため管理コストを大幅に削減できるほか、システムの更新・メンテナンスもサーバ内で一括して行うことができるため最新のサービスを顧客に迅速に提供できること、長期間の利用となればイニシャル一括売上よりもLTV(顧客生涯価値)が大きくなりストック収入を積み上げていくことで利益率の向上が期待できることにある。同社の経常利益はストック売上を積み上げていくことで、ここ数年10%以上の成長を実現してきた。今後もクラウドサービスの拡販によってストック売上の積み上げを図ることにより、持続的な利益成長を目指していく方針だ。(2) 地域社会向けビジネスの進展と飛躍同社では公共向けソリューションとして公教育、公会計分野が大きな柱として育っているが、そのほかにも学園ソリューション事業で「キャンパスプラン」が国公立大学向けに導入されているほか、ウェルネスソリューション事業における「Hello EX」「Hello Fun」、ソフトエンジニアリング事業の「規程管理システム」「契約書作成・管理システム」などの製品・サービスについても公共分野で導入が進んでいる。同社はこれらの販売をさらに拡大し顧客の裾野を広げていくだけでなく、これらの顧客基盤を生かした新たな地域創生ソリューションの開発に取り組み、地域社会の活性化に貢献していくことを目指している。今後の候補領域としては、地域活性化や自治体の再生、健康増進・福祉の充実、文化・教養の創生、地場産業育成支援、スマートシティ化などがあり、これらの候補のなかから新サービスの開発を進めていくものと予想される。特に自治体では地域社会の活性化を目的としたIT活用サービスへの関心が高まっており、既に900超の自治体を顧客に持つ同社にとってビジネスチャンスは大きいと言える。また、デジタル庁の創設に伴い行政のデジタル化への取り組みが活発化しており、そのなかでシステムの標準化やクラウド化などもテーマとして挙がっている。システムの標準化という点においては、現在の導入シェアも重視されるものと考えられ、公教育ソリューション事業や公会計ソリューション事業において、それぞれトップシェアを握る同社にとっては、将来的に追い風となる可能性がある。これは既存製品が継続的に利用されるだけでなく、周辺の新規サービス等の提供によるアップセルが期待できることにもつながる。このため、同社では来るべき時に備えて、現在のシェアをさらに拡大すべく積極的な顧客開拓を進めていく方針となっている。(3) 業務効率化の結果としての働き方改革の継続働き方改革も継続して取り組んでいく。コロナ禍の影響によりテレワークの普及が一気に進んだが、同社においてもテレワークの環境を整備しており、今後コロナ禍の影響が長期化しても対応できる体制を構築している。なお、社員の入社後3年間の定着率は直近で90%を割れたもようだ。テレワークなどコロナ禍で働く環境が大きく変化したことが一因と見られる。このため、同社は職場環境の改善等も含めて本社拡張の投資を決定しており、定着率向上に取り組んでいくことにしている。また、スキル向上のための教育研修等にも注力していく方針となっている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) <EY> 2022/07/07 16:09 注目トピックス 日本株 システム ディ Research Memo(8):2022年10月期はすべての事業部門で増収を目指す ■システム ディ<3804>の今後の見通し2. 事業部門別売上見通し(1) 学園ソリューション事業学園ソリューション事業は前期比9.1%増収と2期ぶりの増収を見込んでいる。第2四半期累計では減収となったが、下期は営業体制の見直しや提案力の強化に取り組んでおり、カスタマイズ案件の受注獲得に注力していく方針となっている。また、既存顧客に対するパッケージ製品から次世代学園総合情報システム「Campus Plan Smart」へのリプレイスや新規顧客の獲得も進めていく。特に大学では会計制度の変更によって2015年前後にシステム改修・更新の特需が発生しており、この部分の更新需要が2022年頃まで発生すると見られており、他社製品をリプレイスする好機となる。既に、大学向けで大型案件を2~3件受注しているもようで、2023年10月期に売上計上する予定となっている。このため、2022年10月期の売上高は減収となる可能性もあるが、2023年10月期には回復に転じるものと予想される。「キャンパスプラン」の大きな特長は、学務系業務や法人系業務などをトータルで提供できる点にある。領域ごと(例えば会計・経理や人事、学務などの領域)では強い競合製品がそれぞれ複数存在するが、異なる企業のソフトウェア製品を導入している場合はシステム操作に慣れるまで時間を要するといった課題がある。すべての業務システムを同一製品で網羅することができれば、職員が他部署に異動となった場合でもスムーズにシステムを操作でき、業務効率の向上にもつながる。既存顧客から同社製品が高く評価されている一因ともなっている。「Campus Plan Smart」についてもほぼ主要機能の開発が終わり、2023年までに学務系システムも含めてすべての機能がカバーされる予定となっている。既存製品との連携にも対応しているため、スムーズにリプレイスすることが可能で今後の受注増が期待される。大学向け以外では、私立高校や専門学校向けでの顧客開拓を進めていく。私立高校は全国に約1,300校、専門学校は約2,900校あり、そのうち同社製品は約150校に導入されていると見られる。導入シェアで見ると数%とわずかだが、逆にシェア拡大余地が大きいと見ることもできる。私立高校・専門学校の1校当たり生徒数※は、高校で約770名、専門学校で約220名と、大学の約3,500名と比べて規模が小さいため、初期投資負担の少ないクラウドサービス「キャンパスプラン for Azure」で機能性やコストパフォーマンスを訴求し、シェアを拡大していく戦略だ。1校当たりの売上規模は大学と比べて小さいが、導入校数を伸ばしていくことができれば、中長期的に安定収益基盤として収益貢献するものと期待される。※文部科学省「学校基本調査」(令和3年度)のデータを基に算出。(2) ウェルネスソリューション事業ウェルネスソリューション事業については前期比2.6%増収を見込んでいる。ただ、コロナ禍でフィットネスクラブ事業者や文化・観光施設の投資意欲がまだ回復していないようで、通期でも減収が続く可能性はある。こうしたなかで伸びを期待しているのはパーソナルジムなど小規模事業者をターゲットとしたクラウド型会員管理・会費回収システム「Smart Hello」となる。顧客数は第2四半期末で60施設を超えた程度だが、通期目標の100施設達成に向けて足元の引き合いは好調のようだ。一方、文化・観光施設向け運営管理システム「Hello Fun」については、コロナ禍収束後の市場回復を見据えた新製品の開発が計画どおりに進んでいる。(3) 公教育ソリューション事業公教育ソリューション事業は前期比26.3%増収を見込んでいる。前述したとおり、第2四半期累計では高校向けで北海道、愛知県、新潟県の約550校の新規導入があったことで売上高が急増したが、下期は新規案件もほとんどなく、ストック売上の積み上げ分が増収要因になる。下期売上高で見ると前年同期比7%の減収見込みと保守的な計画となっており、上振れする可能性はあると弊社では見ている。なお、公立高校向けの統合型校務支援システムの導入率は2022年度でほぼ100%になると見られることから、2023年10月期は新規導入案件が減少する見込みだ。一方で、小・中学校向けはまだ導入が進んでいない自治体も残っており、これら自治体での受注獲得に注力していくこと、また、既存ユーザーに対して「Home Services」の拡販によるアップセルに取り組むことで、2023年10月期以降の増収を目指していく。(4) 公会計ソリューション事業公会計ソリューション事業は前期比11.9%増収を見込んでいる。公教育ソリューション事業と同様、第2四半期累計に大型の新規導入案件が集中したことにより、下期の売上高は前年同期比33.6%の減収見込みとなっている。ただ、業界2番手の競合製品が2022年度末でサービスを終了することで、同製品ユーザーからの最終の切り替え需要が残っており、これら案件を受注していくことで売上高の上積みを狙う。なお、2023年10月期についてはこうしたリプレイス需要がなくなるため、売上高は鈍化または反動減となる可能性がある。「Common財務会計システム」の導入が進めば「PPP」の落ち込みをカバーできるが、本格的に導入が進む時期についてはもうしばらく先になる可能性が高いようだ。(5) ソフトエンジニアリング事業ソフトエンジニアリング事業は前期比9.9%増収を見込んでいる。コンプライアンスやコーポレートガバナンスの強化に取り組む動きが、一般企業だけでなく金融機関、学校法人などにも広がっていることから、下期も順調な売上拡大が見込まれる。(6) 薬局ソリューション事業薬局ソリューション事業は前期比32.5%増収を見込んでいる。前述した通りオンライン資格確認システム導入支援サービスの増加が増収要因となる。ただ、これは特需的な売上げとなるため、薬局への導入が一巡すれば減少要因となる。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) <EY> 2022/07/07 16:08 注目トピックス 日本株 システム ディ Research Memo(7):2022年10月期は期初計画どおりの増収増益が続く見通し ■今後の見通し1. 2022年10月期の業績見通しシステム ディ<3804>の2022年10月期の連結業績は売上高で前期比12.8%増の4,332百万円、営業利益で同10.4%増の892百万円、経常利益で同10.3%増の892百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同2.0%増の584百万円と期初計画を据え置いた。コロナ禍の動向やウクライナ危機に端を発した景気の先行きに不透明感が増しているものの、攻めの営業で新規顧客の獲得に取り組み、計画の達成を目指していく方針だ。第2四半期までの計画に対する進捗率は売上高で53.0%、営業利益で75.7%となっているが、既述のとおり公教育及び公会計ソリューション事業において新規顧客が増加し、フロー売上が伸長したことが主因となっている。通期売上高のうちストック売上は前期比8.9%増の2,141百万円、フロー売上は同16.8%増の2,191百万円を見込んでいる。ストック売上についてはおおむね計画どおりの推移が見込まれるため、フロー売上の動向が計画達成の鍵を握ることになる。下期のフロー売上は前年同期比8.6%増の920百万円の計画となっており、現在の受注状況からするとおおむね計画どおりの水準になるものと予想される。一方、営業利益についても下期にソフトウェアの減価償却費が増加するほか、2022年7月に取得した本社近隣ビルの改修工事費用なども見込まれることから、おおむね計画どおりとなる見通しだ。なお、新たに取得したビルは本社に隣接した5階建ての物件で、本社ビルと合わせて延床面積は従前の約1.5倍に拡張することになる。取得価額は2021年10月期末の純資産の30%超と発表していることから、9億円以上と推察される。自己資金及び借入金で賄う予定となっている。取得の目的は、本社ビルが人員増により手狭となってきたことや、今後も優秀な人材を確保してさらなる業績の拡大を目指すため、職場環境の改善を図ることにある。2022年4月の新卒社員数はエンジニアを中心に過去最多の19名となり、第2四半期末の役員・従業員数は前期末比16名増の267名となった。従業員1人当たり営業利益はここ数年上昇増加基調にあり、労働生産性の向上が続いている。2023年も新卒については17~18名を採用する予定だ。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) <EY> 2022/07/07 16:07 注目トピックス 日本株 システム ディ Research Memo(6):自己資本比率は70%台に上昇、財務内容は良好 ■業績動向3. 財務状況と経営指標システム ディ<3804>の2022年10月期第2四半期末の資産合計は、前期末比156百万円増加の4,852百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産は現金及び預金が166百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が36百万円それぞれ増加した。また、固定資産は繰延税金資産が40百万円、のれんが10百万円それぞれ減少した。また、パッケージソフトのリリースによりソフトウェア仮勘定が400百万円減少し、ソフトウェアが386百万円増加している。負債合計は前期末比170百万円減少の1,427百万円となった。主な増減要因を見ると、賞与引当金が64百万年、未払法人税等が36百万円、前受収益が11百万円それぞれ増加した一方で、支払手形及び買掛金が53百万円、未払費用が133百万円、役員退職慰労金が82百万円、有利子負債が21百万円それぞれ減少した。また、純資産合計は前期末比326百万円増加の3,425百万円となった。親会社株主に帰属する四半期純利益の計上等により利益剰余金が322百万円増加したことによる。経営指標を見ると、経営の安全性を示す自己資本比率が前期末の66.0%から70.6%に上昇し、逆に有利子負債比率が1.3%から0.5%に低下するなど、財務内容は健全な状態にあると判断される。自己資本比率については従前より60%以上をKPIとして掲げており、今後も同水準を維持向上していく見通しだ。なお、2022年7月に本社近隣にビルを取得し、取得資金の一部を借入金で賄う予定となっていることから、期末の自己資本比率は一時的にやや低下するものと予想される。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) <EY> 2022/07/07 16:06 注目トピックス 日本株 システム ディ Research Memo(5):公教育ソリューション、公会計ソリューションの新規導入数は大幅増加(2) ■システム ディ<3804>の業績動向(4) 公会計ソリューション事業公会計ソリューション事業では、地方自治体向けの公会計用ソフト「PPP(トリプルピー)」※や各種ソリューションを提供している。「PPP」は2000年に初期バージョンを開発し、2008年にリリースした「Ver.3」で複式簿記を簡単に実施できる機能を搭載、以降、熟成を重ねながら導入自治体数を拡大してきた。現在は「Ver.5」を提供している。※「PPP」:自治体会計(現金主義・単式簿記会計)を発生主義・複式簿記にもとづいて公会計財務諸表と固定資産台帳を作成する機能を持ち、会計制度の新統一基準に完全対応したソフトウェア製品として業界に先駆けて開発したことで、トップシェアを握るまでに成長した。2022年4月末の累計導入自治体・関連団体数は、前年同期比135団体増加の1,228団体(うち、自治体は30府県、8政令都市を含む900超)となっており、自治体における導入シェアは50%を超えた。2022年3月のサービス停止を発表している国策の競合製品(市場シェア約25%)からのリプレイス需要を順調に取り込めたことが導入件数の増加につながった。当第2四半期累計の新規獲得数は68団体と前年同期の16団体から4.2倍に増加したことで、売上高も同79.7%増の429百万円と大幅増収となり過去最高を更新した。導入先が県など大規模な自治体が多く、公教育ソリューション事業と同様、新規導入に伴うフロー売上の増加が増収に大きく貢献した。導入対象となる自治体数は1,788自治体、公共団体数は1,544団体で、このうち自治体向けの導入目標として1,000程度を掲げている。国策製品のサービスが終了する2022年度末までが導入件数を伸ばす最大の好機となり、2023年度以降は導入件数の伸びも一段落するものと予想される。競合先としては、未上場のジャパンシステム(株)や(株)ぎょうせい、TKC<9746>のほか、各地域に開発ベンダーがある。2023年度以降の成長を見据えて、同社は新製品として「Common財務会計システム」を2021年3月にリリースした。地方公共団体が行う「歳入歳出決算」「地方財政状況調査(決算統計)」「統一的な基準による財務書類」の3つの決算を一元管理することで早期の決算確定を可能とするほか、予算編成の際にPDCAサイクルを実現する各種分析ツールも標準装備するなど、決算処理や予算編成の業務省力化・効率化を支援するシステムとなっていることが特徴で、既存製品にはない先進的な考え方を取り入れた製品となっている。自治体の財務会計システムについては導入実績がないため採用までに時間がかかると見られるが、まずは「PPP」の導入ユーザーに提案し、他社からの切り替えを進めていく戦略で、早ければ2023年10月期からの売上貢献を目指している。「PPP」の自治体導入シェアが50%超と高いこと、今後公会計で必要となりそうな先進的な機能を盛り込んで作られていることなどから、将来的に導入件数が広がり収益貢献する可能性は十分あると弊社では見ている。(5) ソフトエンジニアリング事業ソフトエンジニアリング事業では幅広い業種の民間企業や金融機関、公益法人、学校法人等に、文書・契約書等の管理システム等を提供している。具体的商品としては「規程管理システム」や「契約書作成・管理システム」などがある。コンプライアンスやコーポレートガバナンスの強化を支援するソフトウェアとして、高機能かつコストパフォーマンスに優れている点が高く評価され、ここ数年着実に売上を伸ばしている。2022年4月末の累計顧客数は前年同期比64件増加の576件となった。当第2四半期累計の新規獲得件数は29件と前年同期比で1件増となり、売上高は同7.3%増の128百万円と堅調に推移した。コンプライアンスやガバナンス強化に取り組む企業が増えるなか、大企業を中心に導入が進んだようだ。(6) 薬局ソリューション事業・その他薬局ソリューション事業は連結子会社のシンクが手掛けている事業で、小規模の独立系調剤薬局に対してレセプトコンピュータ(レセコン)の「GOHL2」/「OKISS」を中心に各種業務システムを提供している。2022年4月末の累計顧客数は前年同期比1店舗増加の1,229店舗となり、売上高は保守サポート収入を中心にここ数年は安定して推移した。テナント収入も含めた2022年10月期第2四半期累計の売上高は前年同期比33.9%増の49百万円となった。薬局へのオンライン資格確認システムの導入支援サービスの増加が増収要因である。オンライン資格確認システムとは、患者がマイナンバーカードを利用して医療機関や薬局を利用する際に、マイナンバーカードの個人情報と加入している医療保険の資格を確認するためのシステムで、顔認証カードリーダーを使って確認を行うことになる。またレセプトコンピュータの再設定作業も必要となるため、既存顧客向けで関連売上が発生することになる。なお、同システムの導入費用については補助金で大半賄われることになっており、補助金の申請期限が2023年6月末までとなっていることから、2023年3月までにはほぼすべての薬局で導入が完了すると見られる(2022年6月12日時点で45.5%の薬局で導入が完了)。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) <EY> 2022/07/07 16:05 注目トピックス 日本株 システム ディ Research Memo(4):公教育ソリューション、公会計ソリューションの新規導入数は大幅増加(1) ■業績動向2.事業部門別動向(1) 学園ソリューション事業学園ソリューション事業では、学園運営をトータルに支援する学園情報管理システム「キャンパスプラン」を提供している。学校運営を支える情報システムは、学務系(対学生・生徒業務)と法人系(学校法人の内部管理業務)の大きく2系統に分けられるが、「キャンパスプラン」はこれらの業務をトータルで支援するソフトウェアとなっていることが特徴であり、強みとなっている。対象は国公立大学と私立学校法人(大学・短期大学・高校・専門学校等)向けで、システム ディ<3804>の製品は全国の国公私立大学(短大含む)約1,100校のうち約350校に導入され、業界トップクラスのシェアを確立している※。大学以外にも私立の専門学校や高校で導入が進んでおり、2022年4月末の累計導入学園数は前年同期比10校増の1,011校となった(現役ユーザー数は500~600校)。※競合は日本システム技術<4323>で、導入実績は2022年3月末で420校超。2022年3月期売上高で3,832百万円。2022年10月期第2四半期累計の売上高は前年同期比13.5%減の618百万円と2期連続で減少した。新規導入校数が前年同期の7校から4校に減少したことに加えて、コロナ禍によりカスタマイズ案件の導入提案も苦戦し、売上高で50百万円強の減収要因となった。なお、2019年11月に販売を開始したクラウド型の次世代学園総合情報システム「Campus Plan Smart」は、機能性・利便性・操作性が大きく向上し、また高度なセキュリティ機能にも対応していることが特徴となっている。総務・人事給与システムの提供からスタートし、学務系システムやその他業務システムへと順次開発を進めてきた。現状、主要機能についてほぼ開発を終えた状況となっており、今後ユーザーからフィードバックを得ながら製品のブラッシュアップを進めていくことにしている。ここ数年は業界での価格競争もあって売上高の伸び悩みが続いていたが、同製品の投入によって既存顧客でのリプレイスを進めると同時に新規顧客を開拓し、再成長を目指していく戦略となっている。(2) ウェルネスソリューション事業ウェルネスソリューション事業の製品はフィットネスクラブやスポーツ施設、アミューズメント施設などで利用される会員管理を中心とした施設運営支援システムとなる。2006年に提供を開始したフィットネスクラブ・スポーツ施設の会員管理システム「Hello EX」は業界トップシェアとなっており、2017年後半には文化・観光施設向け運営管理システム「Hello Fun」もリリースし、顧客の拡大に取り組んでいる。同事業については、情報機器や入退場ゲート等のハードウェア製品を含めて販売するケースもある。2022年4月末の累計顧客数は前年同期比64施設増の1,259施設となった。2022年10月期第2四半期累計の売上高は前年同期比14.8%減の326百万円と2年連続で減収となった。コロナ禍の影響が長引き、主力ユーザーとなるフィットネスクラブ等において、新規出店計画の延期や事業縮小及び店舗閉鎖が続いたこと、アミューズメント施設業界においても投資の抑制が続いたことが減収要因となっている。フィットネスクラブ等の会員数についてはコロナ禍前の状態を100とすると、2020年に5割程度の水準まで落ち込み、直近は7~8割程度まで回復したものの、まだ投資を行うまでの余力はなくもう一段の会員数の回復が待ち望まれる。こうしたなかで、2020年11月にリリースしたクラウド型会員管理・会費回収システム「Smart Hello」は順調に顧客獲得が進んだ。同システムは、パーソナルジムをはじめとする小型会員制施設向けを対象としたサービスで、月額1万円からの低価格料金で提供している。当第2四半期累計の新規顧客獲得数は43施設と前年同期の17施設から2.5倍に増加したが、大半は「Smart Hello」の顧客獲得によるものとなっている。(3) 公教育ソリューション事業公教育ソリューション事業は公立の小中高校向けに統合型校務支援システム「School Engine」※をクラウドサービスで提供している。同じ学校向けでも、私立学校法人や独立行政法人である国公立大学を対象とする学園ソリューション事業とは事業環境が大きく異なる。違いの1つは自治体予算制度というものだ。公立学校は各自治体の教育委員会の管理下にあり、エリア内での共通予算はあっても1校当たりの予算の制約が厳しい。こうした状況に適合するため、同社は「School Engine」を初期投資負担の少ないクラウドサービスで提供している。競合のなかにはパッケージソフトで提供しているところが多く、小中高校のすべてでクラウドサービスを提供しているのは同社だけとなっている。※統合型校務支援システムとは、教務系(成績処理、出欠管理、時数管理等)・保健系(健康診断票、保健室来室管理等)、学籍系(指導要録等)、学校事務系などを統合した機能を有するシステムのこと。同社の「School Engine」はこれらの機能のほかに生徒や保護者とのメール連絡網、グループウェア機能などがオプションで用意されている。営業先も学園ソリューション事業とは異なり、高校は各都道府県、小中学校は各市町村の教育委員会が窓口となる。案件を落札できれば当該教育委員会の管轄下にある学校すべてに導入されることが多い※。入札公示時期は案件によって異なるが、7~8月公示の場合は9~10月に落札事業者が決まり、翌年4月までに導入して運用開始となり、12~1月公示で2~3月に落札、2学期が始まる9月から運用開始となるケースもある。※高校については、自治体によって市立、県・府立、特別支援学校など導入対象を細分化して決めているところもある。例えば、同社が導入実績のある京都府では市立高校のみ、滋賀県では特別支援学校のみの導入となっている。2022年10月期第2四半期累計の売上高は前年同期比53.2%増の743百万円と過去最高を大幅に更新した。2022年4月末の累計導入校数は前年同期より674校増加の3,742校(20県、4政令指定都市、10中核都市:高校約45%、小中学校約42%、他幼稚園、特別支援学校等)となり、当第2四半期累計の新規導入校数は637校と前年同期の74校から大幅に増加した。このため、システム利用料収入の増加に加えてフロー売上(初期導入費用)が増収に大きく貢献した。弊社ではフロー売上だけで2億円程度の増収要因になったと見ている。高校向けで新たに北海道、愛知県、新潟県(1道2県で約550校)を受注したことが大きい。公立高校の導入校数は1,600校を超え市場シェアで約48%※とトップの地位を盤石なものとしている。高シェアを確立した背景としては、約10年前に業界で初めてクラウド型校務支援サービスの開発・提供を行ったことが大きい。他の自治体は導入実績を見て製品の採用を判断する傾向にあるためだ。高校向けについては富山県(52校)も受注しており、2023年4月に導入予定となっている。一方、小・中学校向けに関しては後発だったこともあり、市場シェアは約6%と業界3~4番手に位置している。※文部科学省「学校基本調査」(令和3年度)によると、全国の公立高校数は3,521校、小・中学校数は28,258校。なお、奈良市教育委員会の協力のもと開発を進めてきた保護者向け情報デジタル配信サービス「Home Services」は、2021年4月より奈良市の一部の小中学校向けに「School Engine」のオプション機能として運用を開始した。児童生徒に関する活動情報を学校から保護者にインターネットを通じて直接提供するサービスとなる。同社では奈良市で1年程度、運用実績の蓄積と機能改修を図ったうえで全国展開していく予定であったが、各自治体によってさまざまなニーズや考え方の違いがあるようで、拡販にはもうしばらく時間が掛かる見通しとなっている。なお、料金については「School Engine」の利用料の2~3割程度を想定している。文部科学省「学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果(令和2年度)」によれば、2021年3月における公立学校は全国で約3.3万校となっており、このうち統合型校務支援システムを導入済みの学校は73.5%(約2.4万校)と年々上昇傾向にある。文部科学省が推進する「GIGAスクール構想」では2022年度までに導入率100%を目標としているため、普及がほぼ一巡すると見られる2023年度以降は導入校数の伸びも鈍化する可能性が高い。このため、同社では「Home Services」のような新たなソリューションを開発・提供していくことで、成長を目指していくことにしている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) <EY> 2022/07/07 16:04 注目トピックス 日本株 システム ディ Research Memo(3):2022年10月期第2四半期は2ケタ増収増益に ■業績動向1. 2022年10月期第2四半期累計業績の概要システム ディ<3804>の2022年10月期第2四半期累計の連結業績は売上高で前年同期比16.0%増の2,295百万円、営業利益で同38.4%増の675百万円、経常利益で同38.7%増の675百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益で同30.9%増の437百万円と2ケタ増収増益となり、第2四半期累計として過去最高を更新した。コロナ禍の影響で学園ソリューション事業やウェルネスソリューション事業が減収となったものの、公教育及び公会計ソリューション事業が新規顧客の獲得により大幅増収となり、業績のけん引役となった。売上高の内訳を形態別で見ると、フロー売上が前年同期比23.5%増の1,271百万円、ストック売上が同7.8%増の1,024百万円となった。フロー売上については公教育及び公会計ソリューション事業における新規導入案件が3~4月にかけて集中したことにより2ケタ増収となった。一方、ストック売上については顧客数の積み上がりにより順調な増収となり、ストック売上比率は44.6%となった。当第2四半期末の累計顧客数は前期末比781件増の9,045件(現役ユーザー数は約6,100件)と大きく伸長した。事業別で見ると、公教育ソリューション事業が637件と増加分の大半を占めている。2022年は公立高校向け校務支援システムが愛知県、北海道、新潟県と3つの自治体に新規導入されたことが主因だ。また、公会計ソリューション事業やウェルネスソリューション事業についても前年同期の顧客獲得件数と比較するとそれぞれ増加となった。売上総利益率は増収効果やプロダクトミックスの変化により、前年同期の49.3%から49.9%へと上昇した。営業利益率で見ると、売上が大きく伸長した公教育及び公会計ソリューションの利益率が相対的に高い。また、販管費は前年同期比3.6%減となったが、主にはオンライン営業の継続により営業経費が減少したこと、一部人員の人件費を売上原価にシフトしたことが要因となっている。この結果、営業利益率は前年同期の24.6%から29.4%に上昇した。会社計画比では売上高で2.1%減となったものの、各利益は5%超となった。売上高については、コロナ禍の影響により学園ソリューション事業のカスタマイズ案件が低調だったことによる。一方、利益面ではもともと保守的に予算を組んでいたこともあり、販管費が計画をやや下回ったことが上振れ要因となった。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) <EY> 2022/07/07 16:03 注目トピックス 日本株 システム ディ Research Memo(2):業務・業種特化型の業務支援ソフトウェアを、6つの領域で展開 ■会社概要1. 沿革と事業領域システム ディ<3804>は、業種・業務特化型の業務支援ソフトウェアの開発・販売を手掛ける企業で、1984年に設立された。当初は、情報化に立ち遅れていた私立学校法人向けの業務支援ソフトウェアの開発・販売から事業をスタートし、その後、2001年に事業買収を通じてフィットネスクラブ向けソフトウェアへ進出するなど、事業領域を徐々に拡大し成長を遂げてきた。現在は6つの業種・業務を対象にパッケージソフトの開発・販売、並びにクラウドサービスの提供を行っており、それぞれを事業部門としている。業種特化型ソフトウェアでは、学園ソリューション(私立学校法人(大学・高校・専門学校)及び国公立大学向け)、ウェルネスソリューション(フィットネスクラブ・スポーツ施設及び文化・観光施設向け)、公教育ソリューション(公立の小・中・高校向け)、公会計ソリューション(地方自治体及び団体向け)、薬局ソリューション(調剤薬局向け)の5業種について業務支援ソフトウェアの販売またはクラウドサービスを提供している。また、業務特化型ソフトウェアとして、コンプライアンス業務支援の規程管理システム、契約書・マニュアルの作成・管理システム等を販売するソフトエンジニアリング事業(民間企業や金融機関、公益法人及び学校法人等向け)がある。2022年10月期第2四半期累計の事業部門別売上構成比を見ると、学園ソリューション事業が27%、公教育ソリューション事業が32%となっており、教育分野で全体の6割弱を占めている。そのほか、公会計ソリューション事業が19%、ウェルネスソリューション事業が14%と続く。ソフトエンジニアリング事業は6%だがニッチ領域のため競合が少なく、追加機能の開発にかかる費用や問い合わせ等も少ないため利益率は相対的に高い。薬局ソリューション事業は子会社の(株)シンクで展開しており、売上構成比は2%と小さいながらも大阪府下の小規模薬局を主たる顧客として安定した事業基盤を確立している。“イージーオーダー”型モデルで顧客に最新・最善のトータルソリューションを提供、ソフトウェアの“進化”により売上拡大と利益率向上を実現2. 特長と強みソフトウェアのタイプには様々なものがあるが、住宅やスーツ等になぞらえると理解が早いだろう。ソフトウェアは大きく、パッケージソフトとスクラッチ開発に分けることができる。パッケージソフトは住宅で言えば建売住宅であり、スーツではレディメイド(吊るし)に当たる。スクラッチ開発はその対極にあり、完全注文建築あるいはオーダーメイド・スーツに該当する。同社のソフトウェアは、パッケージソフトをベースに顧客の業務上の課題を解決し、また顧客の要求に合わせてカスタマイズしながら顧客ニーズを充足できる点が特長となっている。言わば建売住宅やイージーオーダー・スーツに相当し、高い顧客満足度と低コストを両立している点が強みとなっている。またソフトウェアの提供に加えて、導入支援やサポートサービス、関連するハードウェアの仕入販売等を行うなどトータルソリューションを提供している点も特長と言える。同社のパッケージソフトビジネスをイージーオーダー・スーツのイメージと説明したが、その作り込みの過程において同社が最も意識しているのが“進化”であり、これは同社の強みを理解するうえでのキーワードだと弊社では考えている。どのようなソフトウェアも初期の開発時をスタートとして、顧客ニーズへの対応を重ねながら必要な機能を拡充し、製品の完成度と品質向上を実現している。品質が向上することによって顧客数も増加し、売上拡大へとつながっていく。また、進化したパッケージソフトは“手離れ”が良く、追加の開発費用をかけることなく顧客のニーズを満たすことが可能となるため利益率も高くなる。こうした正の循環(ポジティブスパイラル)を実現できている点が同社の強みであると弊社では考えている。大規模顧客にはカスタムメイド、小規模顧客にはクラウドで対応し、顧客基盤を拡大3. 『Value & Volume Business』戦略同社の販売戦略、ひいては成長戦略を表すコンセプトを『Value & Volume Business』戦略と名付けている。同社の中核製品であるパッケージソフトと顧客層を重ね合わせると、パッケージソフトはボリュームゾーンの中規模事業者がメインターゲットとなり、かつてはそこに注力することで成長を実現してきた。前述のようにパッケージソフトの成長モデルを確立したことで同社は中規模事業者の両側の存在、すなわち大規模事業者と小規模事業者に顧客層を広げていくことでさらなる成長を目指している。これが『Value & Volume Business』戦略の基本的な考え方となる。具体的には、より規模の大きい事業体に対しては“Value Business”としてカスタムメイドによる対応を充実させ受注を獲得し、資金力の乏しい中小事業体向けには“Volume Business”として初期投資負担の少ないクラウドサービスで提供することによって顧客を獲得していく戦略となる。『Value & Volume Business』戦略の推進によって、2016年10月期以降は営業利益の増益と利益率の上昇が続いている。今後も同戦略を基本的な成長戦略として推進し、自然災害や景気変動、新型コロナウィルス感染症拡大(以下、コロナ禍)にも耐えうる強い事業基盤を構築して持続的な成長を目指していく方針となっている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) <EY> 2022/07/07 16:02 注目トピックス 日本株 システム ディ Research Memo(1):2022年10月期は過去最高業績更新へ ■要約システム ディ<3804>は業種・業務特化型の業務支援ソフトウェアを開発し、パッケージ販売やクラウドサービスで提供している。学園ソリューション(大学及び私立高校・専門学校)、ウェルネスソリューション(スポーツ施設及び文化・観光施設)、公教育ソリューション(公立の小・中・高校)、公会計ソリューション(自治体及び関連公共団体)、ソフトエンジニアリング(民間企業、公益法人、学校法人等)、薬局ソリューション(調剤薬局)の6つの事業を展開しており、薬局ソリューションを除く5つの分野で業界トップクラスのシェアを握る。ここ数年はクラウドサービスにも注力しており、2021年10月期におけるストック収入(クラウドサービス及び保守・サポート料)の売上構成比は51.2%と2017年10月期の26.5%から大きく上昇している。1. 公教育・公会計ソリューションが大きく伸長2022年10月期第2四半期累計(2021年11月~2022年4月)の連結業績は、売上高で前年同期比16.0%増の2,295百万円、営業利益で同38.4%増の675百万円となった。売上高は新規案件の導入が集中した公教育ソリューション事業で同53.2%増、公会計ソリューション事業で同79.7%増となり、両事業がけん引役となった。利益面では、増収効果に加えて売上総利益率が0.6ポイント改善したことも増益要因となった。期初会社計画比では、学園ソリューション事業がやや苦戦したが、その他の事業については順調に推移しおおむね計画どおりの進捗となった。当第2四半期末の累計顧客数は9,045件と前期末比で781件増となり、うち公教育ソリューション事業で637件増加した。また、ストック売上については前年同期比7.8%増の1,024百万円と順調に積み上がっている。2. 2022年10月期は2ケタ増収、営業増益を目指す2022年10月期は売上高で前期比12.8%増の4,332百万円、営業利益で同10.4%増の892百万円と期初計画を据え置いた。第2四半期までの進捗率は売上高で53.0%、営業利益で75.7%と好進捗となっているが、新規案件の導入が集中したことが要因であり、下期は開発に関連する償却費が増加することもあっておおむね計画どおりに推移する見通しだ。ストック売上は同8.9%増の2,141百万円、フロー売上は同16.8%増の2,191百万円を見込んでいる。ストック売上についてもおおむね計画どおりの推移が見込まれるため、フロー売上の動向が計画達成の鍵を握ることになる。下期のフロー売上は前年同期比8.6%増の920百万円の計画となっており、現状の市場環境を考慮すると達成可能な水準と思われる。なお、2022年7月に本社近隣のビルを取得した。人員体制の強化を進めるための環境整備が目的で、本社ビルと合わせて延床面積は従前から約1.5倍に拡大する見通しだ。3. 年率10%超の持続的成長により経常利益10億円の早期達成を目指す同社は成長戦略として「景気変動にも、自然災害にも、ウィルスにも負けない強靭な事業体を築く」ことをテーマに、次世代パッケージソフトの開発やクラウドサービスの提供により各ソリューションで顧客開拓を進め、ストック収益の積み上げを図ることで毎期10%超の収益成長を目指していく。順調に進めば2023年10月期にも経常利益で10億円を達成する見通しだ。また売上高営業利益率で20%(2021年10月期は21.0%)、ストック収入比率で50%(同51.2%)、累計顧客数で1万件(同8,264件)、入社3年後の社員定着率90%超をKPIとして掲げている。今後も既存市場における新規製品・サービスの投入によるアップセルに加えて、新規市場の開拓に取り組むことで持続的成長を図っていく方針だ。■Key Points・2022年10月期第2四半期累計業績は公教育・公会計ソリューションがけん引し、2ケタ増収増益に・2022年10月期は期初計画どおりの増収増益が続く見通し・ストック売上の積み上げにより、年率10%超の持続的な収益成長を目指す(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) <EY> 2022/07/07 16:01 注目トピックス 日本株 新興市場銘柄ダイジェスト:HANATOURは大幅に続落、ヘッドウォーターがストップ高 <6561> HANATOUR 1156 -136大幅に続落。「政府は今月前半に予定していた旅行支援策『県民割』の全国への拡大を延期する方向で調整に入った」と複数のメディアが報じ、売り材料視されている。新型コロナウイルスの感染再拡大を踏まえた措置で、報道によると「具体的な延期時期などは10日投開票の参院選後に決める」という。このため、HANATOUR JAPANやベルトラ<7048>、旅工房<6548>など観光関連銘柄が売り優勢となっている。<6046> リンクバル 240 +25大幅に5日ぶり反発。メタバースの中で出会える独身者限定イベント「メタバース愛(アイ)ランド」を22日と29日にテスト開催すると発表している。VR関連事業などを手掛けるm-Lab(東京都中央区)との共催。スマートフォンやパソコンから参加可能で、好きなアバターを選択してイベントに参加するため、顔出しはなく、見た目や職業などに関係なく相手を知ることができるという。<4192> スパイダープラス 555 -16一時ストップ高も、後場急落しマイナス転換。知財戦略を重要度の高い経営事項と認識し、取り組みを強化すると発表している。積極的に知的財産権を取得し、建設DXの知財分野でもトップシェアを目指す。また、チェンジ<3962>とともに自治体DXを推進すると6月29日に公表したことも引き続き材料視されていたようだ。自治体DXでは、施設管理などのメンテナンス領域や道路施設など土木工事領域への進出も視野に入れている。<4011> ヘッドウォーター 3900 +700ストップ高。大成建設<1801>が提供する統合管理システム「LifeCycleOS」のパートナーに東京エレクトロンデバイス<2760>とともに認定されたと発表している。東京エレクトロンデバイスと協業して大成建設の建設DXとデジタルツインを加速させる。LifeCycleOSの適用でリアルタイムに建物情報を建物利用者や管理者に提供し、各種デジタルデータを有効活用する仕組みを構築できるようになるとしている。<3691> デジプラ 815 +63日続伸。6日から開催されている総合展「JapanマーケティングWeek」にサブスク型デジタルギフトサービス「デジタルギフト」を出展すると発表している。今期の目標として掲げているデジタルギフト登録数1000件やサービス認知度の向上が目的。ブースへの来場者には、すぐに利用できるデジタルギフトをプレゼントする。デジタルギフトを体験してもらい、マーケティングや社内福利厚生としての活用検討を促す。<4175> coly 1418 +1反発。将来的なEX(エモーショントランスフォーメーション、エンターテインメントトランスフォーメーション)時代の到来を見据え、オフラインでの事業領域拡大を企図して飲食店ブランド「SugarDia」を立ち上げると発表している。テイクアウト用の揚げ菓子・ドリンクを提供するブランドで、今夏から秋頃に東京都渋谷区に第1号店をオープンする予定。スイーツとエンタメのコラボによる豊かな感情体験を日常の空間で提供する。 <ST> 2022/07/07 15:50 注目トピックス 日本株 クルーバー---2023年3月期6月度月次売上状況 クルーバー<7134>は5日、2023年3月期6月度月次売上状況を発表。全体売上高は14.75億円(前年比108.6%)となり、増加率は前月(107.3%)を上回り、販売及び買取が好調に推移した。直営店の売上高は、全店が3.38億円(前年比96.6%)、既存店が3.27億円(同97.9%)となった。直営店のFC店化により店舗数が前年より1店舗減少したことと、社内研修による臨時休業で営業日数が少なくなったことで、直営店売上高は前年を下回った。一方、フランチャイズ店の売上高は、全店が11.36億円(同112.8%)、既存店が11.01億円(同110.4%)となり、いずれも前月伸び率(109.8%/108.2%)を上回った。店舗数は、直営店が43店舗、フランチャイズ店は出店が3店舗(愛知県海部郡、福井県鯖江市、愛知県知多郡)あり、171店舗となった。合計では214店舗となっている。 <ST> 2022/07/07 15:42 注目トピックス 日本株 アイ・エス・ビー---アート、アルコールチェック管理装置「ゼネチェッカー」発売 アイ・エス・ビー<9702>は5日、子会社のアートが、セキュリティ製品ブランド「ZENESQUE(ゼネスク)」から、事務所据え置き型アルコールチェック管理装置「ZeneChecker(ゼネチェッカー)」を発売することを発表。ゼネチェッカーは、運転者の顔認証と検温を行い、アルコール濃度を測定し、測定結果を表示し、測定結果をゼネチェッカー本体に保存する。測定結果はパソコンのブラウザで閲覧することができ、レポートを作成することも可能。本体にプリンター機能を搭載しており、運転者の顔写真・測定結果などを、その場で印刷して利用することも可能としている。道路交通法施行規則が改正され、定められた車両数以上を保有する事業所は、安全運転管理者を選任し、業務として「アルコール検知器を用いて運転者の酒気帯びの有無の確認を行うこと」「記録を1年間保存しアルコール検知器を常時有効に保持すること」が必要となる。ゼネチェッカーは同規則に対応し、アルコール検知器と測定結果を記録する機能を搭載。運転者の顔認証を行ってから測定するため、なりすまし対策も万全としている。 <ST> 2022/07/07 15:40 注目トピックス 日本株 AIAIグループ Research Memo(13):現在は成長過程のため投資や財務体質改善を優先 ■株主還元策株主に対する利益還元については経営上の重要施策の一つとして認識しているが、現在は成長過程にあり、事業拡大に向けた積極的な設備投資や財務体質の強化を行うことが、株主に対する最大の利益還元につながると考えている。このため創業以来配当を実施しておらず、当面はこの方針を継続するとしている。将来的には、各事業年度の経営成績や財政状態を勘案しながら株主への利益還元を検討していく方針だが、現時点において配当実施の可能性及び実施時期等については未定としている。■ESG経営・SDGsへの取り組みSDGsへの取り組みも強化する方針だ。AIAIグループ<6557>は「人口問題の解決」を事業ミッションに掲げている。そして「誰一人取り残さない大胆な変革」のSDGsの理念のもと、保育園運営支援システムCCS を活用し、事業を通じて乳幼児突然死症候群の防止や質の高い未就学教育の実施、保育士の技術教育や職業教育の実施のほか、業務効率化を推進することで生産的な活動の実現を目指すとしている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展) <SI> 2022/07/07 15:33 注目トピックス 日本株 AIAIグループ Research Memo(12):AIAI NURSERYが安定収益基盤のステージに移行して成長加速 ■成長戦略3. AIAI PLUSの出店AIAIグループ<6557>は収益基盤構築に向けて認可保育園AIAI NURSERYの新規施設開設を加速してきたため、先行投資で営業損失が継続していたが、開設から3~4年を経過した既存施設の割合が上昇して認可保育AIAI NURSERYが黒字転換した。さらに事業環境の変化に対応して障がい児ケアのAIAI PLUSへの段階的なシフトを推進する方針だ。弊社では、認可保育AIAI NURSERYが安定収益基盤のステージに移行したことで、成長加速が期待できると評価している。(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展) <SI> 2022/07/07 15:32 注目トピックス 日本株 AIAIグループ Research Memo(11):人口問題を総合的に解決するビジネスの展開を目指す ■成長戦略1. 中期経営計画を策定AIAIグループ<6557>は中長期的に目指す姿として、待機児童が解消に向かうなか、近年増加傾向にある障がい児への適切なケアを通じて子どもの能力開発をサポートするとともに、2030年代にピークを迎える高齢化に向けた事業基盤整備を進め、人口問題を総合的に解決するビジネスを展開するとしている。そして2022年5月に「AIAIグループ中期経営計画2022~2024」を策定し、数値目標として2025年3月期売上高120億円~130億円程度、営業利益3億円~5億円程度を掲げた。主要KPIの目標としては、新規施設開設では、障がい児ケアの多機能型施設AIAI PLUSが3年間で新たに28施設、認可保育園のAIAI NURSERYが3年間で新たに9~13施設とした。またAIAI PLUSの稼働率はオープン1年以上経過した施設で90%以上を目指す。待機児童が減少傾向の一方で障がい児が増加傾向という市場環境の変化に対応し、AIAI NURSERYによる安定的な収益基盤を維持しつつ、成長分野のAIAI PLUSの展開に段階的にシフトする方針だ。テック事業の契約件数は2022年3月期比で1,500件の増加を目指すとしている。事業別基本戦略として、AIAI PLUSは増加傾向にある障がい児への適切なケアを通じた能力開発、AIAI NURSERYはインクルーシブ保育に向けたAIAI PLUSとの連携及び幼児教育プログラムの充実、テック事業はテックプロダクトを通じた個別最適な子どものケアの実現、AIAI MAISON/AIAI HOUSEは2030年代介護本格展開に向けた基盤整備を推進する。アクションプランとして、AIAI PLUSではAIAI NURSERYの物件開発ノウハウを活用して投資対効果が期待できる地域への積極的な新規施設開設を進め、AIAI NURSERYと同一または近隣の市区内に開設するドミナント戦略により、AIAI NURSERYとの集客、資格者の戦略的な人材配置、採用の面での事業間シナジーの発揮を目指す。そして稼働後早期の高稼働率実現を目指す。AIAI NURSERYでは、高い投資対効果が見込めるエリアに絞って毎年2~4施設の開園を継続し、安定的な収益基盤を維持する。待機児童が減少する局面でも、幼児教育プログラムの充実や優秀な人材の育成によって、差別化戦略を推進して高稼働率の維持を目指す。また、多様なキャリアパスにより、保育士の離職率低減も図る方針だ。テック事業では、当面は先行投資を継続し、契約件数増加や顧客単価(ARPA)の上昇により2025年3月期~2026年3月期に黒字化を目指すとしている。また、他企業との連携にも取り組み、新たな価値の創出を図る方針だ。2022年1月~3月には、CCS及び園児の午睡チェックセンサーCCS SENSORを活用して、良質な睡眠環境の確保や適切なケアに関してユニ・チャーム(株)と共同研究を行った。ライフケア事業(AIAI MAISON/AIAI HOUSE)では、2030年代の介護人口比率ピークに照準を合わせ、2026年以降の介護事業の本格展開に備えてサービス/ビジネスモデルの整備を進める。高付加価値サービスの提供を通じて高い収益性の実現を目指す。財務・資本戦略としては、自己資本充実に向けて、資産の流動化(流動化が可能な固定資産や有価証券の保有見直し)や、株式市場からの調達も含めた多様な資本調達の検討を進める。人事戦略としては、施設・オフィスのすべての社員が働きやすい環境整備の促進(健康経営の推進、ライフスタイルにあわせた多様な働き方の実現など)、及び優秀な人材を育成する体制の整備(ライセンス制度や教育修士制度による保育士のキャリアアップ支援、母店制度による母店施設長から一般施設長へのマネジメント支援)を推進する。なお2022年4月には経済産業省と日本健康会議より「健康経営優良法人2022」の認定を取得した。2. 3年間で総額2,500百万円の投資計画将来に向けた持続的な成長と事業規模の拡大に向けて、中期経営計画3年間で総額2,500百万円程度の投資を見込んでいる。内訳は、AIAI NURSERYの安定的な出店(2025年3月までに新たに9~13施設開設)で2025年3月までに1,550百万円程度、AIAI PLUSの積極展開(2025年3月までに新たに28施設開設)で2025年3月までに800百万円程度、テック事業の保有ICTプロダクトへの投資で2025年3月期までに新規機能開発投資150百万円程度としている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展) <SI> 2022/07/07 15:31 注目トピックス 日本株 AIAIグループ Research Memo(10):2023年3月期は営業黒字転換予想 ■今後の見通し● 2023年3月期連結業績予想の概要AIAIグループ<6557>の2023年3月期連結業績(12ヶ月決算)予想は、売上高が10,600百万円、営業利益が100百万円、経常利益が200百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が120百万円としている。15ヶ月決算の2022年3月期実績(売上高が11,975百万円、営業利益が440百万円の赤字、経常利益が461百万円の黒字、親会社株主に帰属する当期純利益が116百万円の黒字)との単純比較はできないが、既存施設の収益化進展や職員配置適正化による効率化などにより、チャイルドケア事業の認可保育AIAI NURSERYの黒字体質が定着して安定的な利益を確保し、先行投資を吸収して営業黒字転換予想としている。他方でチャイルドケア事業の多機能型施設AIAI PLUSの積極出店等にも取り組むこととしている。営業外では新規開設数の減少で補助金収入の減少を見込んでいる。新規施設は4月1日及び5月1日にチャイルドケア事業合計10施設(認可保育AIAI NURSERYが東京都3施設、千葉県2施設、多機能型施設AIAI PLUSが千葉県5施設)を開園済である。(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展) <SI> 2022/07/07 15:30 注目トピックス 日本株 AIAIグループ Research Memo(9):2022年3月期は営業赤字が大幅に縮小 ■業績動向1. 2022年3月期連結業績の概要AIAIグループ<6557>の2022年3月期の連結業績(決算期変更で15ヶ月決算、チャイルドケア事業の施設開園前にかかる諸費用の計上区分を売上原価から営業外費用の開園準備費に変更)は、売上高が11,975百万円、営業利益が440百万円の赤字、経常利益が461百万円の黒字、親会社株主に帰属する当期純利益が116百万円の黒字だった。決算期変更のため単純比較はできないが、2020年12月期実績(12ヶ月決算、開園準備費計上変更組替後、売上高8,318百万円、営業利益1,266百万円の赤字、経常利益276百万円の黒字、親会社株主に帰属する当期純利益150百万円の黒字)との比較で営業赤字が大幅に縮小した。新規施設の開設及び既存施設の収益化進展に加えて、職員配置の適正化や業務効率化なども寄与した。施設数増加に伴って売上が拡大し、営業損益が改善基調である。なお売上総利益率は11.8%、販管費比率は15.5%(2020年12月期は売上総利益率5.2%、販管費比率20.4%)だった。営業外収益では補助金収入1,058百万円を計上(同1,770百万円計上)し、営業外費用では開園準備費78百万円を計上(同114百万円計上)した。新規開設の減少で新規施設投資額に対する補助金収入及び開園準備費は減少した。特別損失では減損損失116百万円、投資有価証券売却損202百万円を計上した。新規施設開設は、チャイルドケア事業11施設(認可保育園AIAI NURSERYが6施設、多機能型施設AIAI PLUSが5施設)だった。グループ合計の2022年3月期末時点の施設数は、チャイルドケア事業が91施設(認可保育AIAI NURSERYが認可保育園71施設と小規模保育施設8施設の合計79施設、多機能型施設AIAI PLUSが12施設)、ライフケア事業が3施設、合計が94施設となった。2. セグメント別の動向セグメント別に見ると、チャイルドケア事業は売上高が11,322百万円でセグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が186百万円の黒字、ライフケア事業は売上高が487百万円で利益が25百万円の赤字、テック事業は売上高が374百万円で利益が50百万円の赤字だった。チャイルドケア事業は、既存施設及び新規施設の稼働が順調に推移し、職員配置適正化なども寄与して黒字転換した。新型コロナウイルス感染症拡大の影響として2021年4月には一時的な入園控があったが早期に回復した。新規施設は11施設(認可保育園AIAI NURSERYが千葉県3施設、東京都2施設、大阪府1施設、多機能型施設AIAI PLUSが千葉県4施設、東京都1施設)だった。2022年3月末時点の在籍園児数は合計4,077人で、合計在籍率は91%(0歳児は101%、1歳児は103%)となった。ライフケア事業は既存施設の稼働が順調だった。テック事業は既存システムのリプレイスに係るリソースの集中投下や、新たな営業体制の構築準備などの投資が先行した。3. 財務の状況財務面で見ると、2022年3月期末の資産合計は2020年12月期末比1,568百万円増加して12,066百万円となった。設備投資を目的とする借入金により現金及び預金が123百万円増加、売上増加により売掛金が307百万円増加、新規施設開設により有形固定資産が1,046百万円増加した。負債合計は1,410百万円増加して10,476百万円となった。短期借入金が193百万円減少したが、新規施設開設に伴う借り入れで長期借入金が1,417百万円増加した。純資産合計は158百万円増加して1,590百万円となった。資本金は資本剰余金への振替で減少したが、譲渡制限付株式の発行及び新株予約権行使に伴う払込により資本剰余金が増加、当期純利益計上により利益剰余金が増加した。この結果、自己資本比率は0.3ポイント低下して12.9%となった。先行投資で有利子負債が増加し、自己資本比率もやや低水準だが、営業活動によるキャッシュ・フローは継続してプラスを維持している。中期的には利益積み上げと有利子負債返済によって財務基盤を強固にすることが望まれるが、現在は成長過程のため特に大きな課題とは言えないだろう。(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展) <SI> 2022/07/07 15:29 注目トピックス 日本株 AIAIグループ Research Memo(8):ドミナント戦略やICT戦略で競合優位性 ■事業概要6. リスク要因保育・介護分野における一般的なリスク要因としては、利用者の減少、国や自治体による政策変更、関連法規制や許認可、施設における事故や感染症、保育士の確保難、競合激化などが挙げられる。保育分野においては、女性の就業率上昇に伴う保育園利用ニーズの高まり、政府による「新子育て安心プラン」や「こども庁創設プラン」などの後押しがあるものの、一方では待機児童問題の解消が進み、今後は利用者減少によって競争激化や採算性低下も想定されている。このリスク要因に対してAIAIグループ<6557>は、千葉県を中心とするドミナント戦略などを推進して競合優位性を維持している。さらに、今後は待機児童が減少傾向の一方で障がい児が増加傾向という市場環境の変化に対応して、認可保育園のAIAI NURSERYの新規開設を抑え、多機能型施設AIAI PLUSの新設にシフトしていくこととしている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展) <SI> 2022/07/07 15:28 注目トピックス 日本株 AIAIグループ Research Memo(7):AIAI NURSERYは開設後3~4年目から収益化 ■事業概要5. 収益特性認可保育AIAI NURSERYの収益特性として、新規施設開設時は初期費用や採用費用などの立ち上げ費用が先行する一方で、開設後数年間は高年齢クラス(3歳~5歳)が定員を満たさないため、低在籍数・低在籍率で赤字となる傾向にある。しかし開設後の年数の経過とともに低年齢クラス(0歳~2歳)の児童が進級を重ねることにより、高年齢クラス(3歳~5歳)の在籍数が増加し、在籍率も上昇して売上高、売上総利益も増加する。一般的には、開設後3~4年目以降になると在籍数増加・在籍率上昇によって収益化(黒字化)すると言われている。なお四半期別に見ると、認可保育園は4月1日オープンが原則のため、オープン前後の1-3月期及び4-6月期に新規施設開設関連費用が増加して経費率が上昇するが、その後7-9月期及び10-12月期にかけては受入児童数の増加や在籍率の上昇に伴って経費率が低下する傾向がある。また、各自治体からの設備補助金収入については、収入額の増減や計上時期のズレなどで収益変動要因となることがある。AIAIグループ<6557>はこれまで、収益基盤構築に向けて積極開設を推進してきたため戦略的に費用が先行して営業赤字が継続しているが、今後は新規開園ペースが落ち着いてくるとともに既存施設の収益化が進展し、収益化した既存施設の比率が上昇して、全体として安定的な利益を確保する見込みとしている。なお開園準備費について、従来は売上原価に計上していたが、費用負担の実態を明確にして損益区分をより適正にするため、2022年3月期から営業外費用に計上する方法に変更した。また、多機能型施設AIAI PLUSの収益特性としては、認可保育園と同じ建物で運営できるケースもあり、認可保育AIAI NURSERYに比べて投資額を抑えられるという特徴がある。認可保育AIAI NURSERYとの併設によるシナジー効果で、集客力や採用力の強化、戦略的な人員配置などにつながるメリットもある。さらに、認可保育園は4月1日オープンを原則とするが、多機能型施設はオープン時期を自由に設定できるという柔軟性もある。なお2022年3月期末時点の施設数は12施設である。全施設合計の平均稼働率は新規施設開設時に大きく低下するが、既存施設の稼働率は高水準となっている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展) <SI> 2022/07/07 15:27 注目トピックス 日本株 AIAIグループ Research Memo(6):テック事業は自社開発の保育園運営支援システムを拡販 ■事業概要4. テック事業AIAIグループ<6557>のテック事業(子会社CHaiLD)は、自らの認可保育園運営の経験を活かして2011年7月に自社開発した保育園運営支援システムCCSなど、保育の個別最適化を目指し、保育施設の業務効率化を推進するためのソリューションを全国の保育事業者向けに提供している。自らの認可保育園運営の経験で得られた豊富なデータやノウハウをベースにしていることが強みである。保育士の書類作成業務など保育施設の運営に係る事務業務時間を削減し、子ども一人ひとりと関わる時間、個々の発達状況や健康状態の把握などの時間を増やすことで、保育の質の向上に貢献することを目的としている。効率化によって保育の質向上を実現することで、利用者には「適切な保育」を提供し、保育士には「働きやすさ」を提供することが可能になる。保育士の手書きによる書類作成業務の負担を軽減できることで、保育士の離職率低下、保育士の採用コスト抑制などのメリットが得られる。なお保育園運営支援システムの提供サービスには、業務効率化を支援する総合業務支援システムCCS、園児の午睡チェックセンサーCCS SENSOR、保護者への写真・動画販売のCCS MEMORU、保育園と保護者間をつなぐ家庭向け連絡帳アプリなどがある。例えばCCSはサブスクリプション形式(月額料金2万円前後)で提供し、保育施設運営における事務作業を簡素化・効率化する。さらに、子どもの睡眠中の温度を解析した発熱予測機能を2021年5月にリリースし、2021年11月には、CCS SENSOR・発熱予測がBabyTech(R) Award Japan 2021健康管理部門で優秀賞を受賞した。(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展) <SI> 2022/07/07 15:26 注目トピックス 日本株 AIAIグループ Research Memo(5):ライフケア事業はサービス付高齢者向け住宅などを展開 ■事業概要3. ライフケア事業AIAIグループ<6557>のライフケア事業(子会社AIAI Life Care)は、東京都でAIAI MAISON(サービス付高齢者向け住宅)及び大阪府でAIAI HOUSE(住宅型有料老人ホーム)を運営している。また手作りおもちゃ工房AIAI FACTORY(生活介護施設)においては、生活介護を必要とする利用者に合わせた玩具の制作活動を提供する施設を運営している。サービス付高齢者向け住宅は、高齢者単身又は高齢者夫婦(主に65歳以上)が安心して生活できる環境を整えた賃貸物件の提供を行うとともに、訪問介護等のサービスを提供する施設である。住宅型有料老人ホームは、生活支援等のサービスが付いた高齢者(主に65歳以上)向けの居住施設である。介護が必要となった場合、入居者自身の選択によって、地域の訪問介護等の介護サービスを利用しながら、老人ホームでの生活を継続できる。2022年3月期末時点の施設数は合計3施設(生活介護施設1施設、サービス付高齢者向け住宅1施設、住宅型有料老人ホーム1施設)である。現状は既存施設の収益力の強化に向けて業態を作り込んでいる段階のため施設数に増減はないが、ベッドにセンサーを導入して健康管理を行うなどICTの活用も推進している。(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展) <SI> 2022/07/07 15:25 注目トピックス 日本株 AIAIグループ Research Memo(4):チャイルドケア事業は多機能型施設、認可保育園を展開 ■事業概要2. チャイルドケア事業主力のチャイルドケア事業(子会社AIAI Child Care)は、障がい児ケアの多機能型施設(児童発達支援、放課後等デイサービス及び保育所等訪問支援)であるAIAI PLUS、認可保育園AIAI NURSERY及び小規模保育施設AIAI MINIの運営を、東京23区・千葉県・大阪府を中心に展開している。多機能型施設AIAI PLUSは、発達に遅れのある未就学児(小学校入学前の児童)を対象に、日常生活における基本的な動作の指導や知識技能の付与、集団生活への適応訓練などの児童発達支援のほか、放課後等デイサービス及び保育所等訪問支援を提供する施設である。1回90分コースのプログラム(運動プログラム、思考プログラム等)に週2回以上取り組むことで、適切な行動をとるための感覚統合を育成し、発達をサポートする。児童の発達支援において多様化するニーズに応えるため、発達に関する専門家が個別にサービスを提供している。収益は、国民健康保険団体連合会(国保連)に障害福祉サービス費を請求するほか、自費負担サービス料を利用者に請求している。認可保育園AIAI NURSERYは、児童福祉法に基づいた児童福祉施設で、面積や保育士等職員数など国が定めた設置基準を満たし、都道府県知事等に認可された施設である。国及び自治体が負担する施設型給付(園児や保育士に関する補助金、施設の賃借に関する補助金等)を受けて施設を運営する。小規模保育施設AIAI MINIは、子ども・子育て支援制度によって新設された保育施設で、19名以下の定員かつ0歳から2歳までの子どもを対象として市町村の認可を受けた施設である。利用者からの保育料及び自治体からの地域型保育給付を受けて施設を運営する。チャイルドケア事業の施設数の推移(新セグメント区分に組替後)は以下のとおりである。2022年3月期期末時点で合計91施設(認可保育園71施設、小規模保育施設8施設、多機能型施設12施設)となった。認可保育園経営数は業界6位規模である。収益基盤構築に向けて直営認可保育園AIAI NURSERYの新規開設を推進するとともに、新たな成長ドライバーとして多機能型施設AIAI PLUSの新規開設にも注力している。チャイルドケア事業の特徴・強みとしては、参入障壁の高い認可保育園に特化していること、東京23区・千葉県・大阪府に集中したドミナント戦略によって効率よく展開していることなどがある。この結果、特に千葉県においては圧倒的なシェアを誇り、千葉県内における施設用土地・建物賃貸情報を得やすくなり、新卒保育士の採用でも有利な状況となっている。特色のある独自の園児向け教育プログラムも高い評価を得ている。単に子どもを預かるだけの保育園ではなく、AIAIグループ<6557>は各施設に専用の学習室や、雨天対応大型遊具「AINI」(子どもの運動能力を伸ばす総合アスレチック)を設置して、子どもの数量・図形・文字などに関わる感覚を豊かにするなど、「子どもの育つ保育園」として就学前能動的学習の充実を図っている。児童発達支援施設では2021年4月にサービス内容をリニューアルし、学習と運動を支援する「プログラムの専門家」して新たな発達支援プログラムをスタートさせた。なお雨天対応大型遊具「AINI BOX」は2021年8月に第15回キッズデザイン賞を受賞している。(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展) <SI> 2022/07/07 15:24 注目トピックス 日本株 AIAIグループ Research Memo(3):チャイルドケア事業、ライフケア事業、テック事業を展開 ■事業概要1. 事業区分AIAIグループ<6557>の事業セグメント区分は2022年3月期(決算期変更で15ヶ月決算)から組替・名称変更を実施して、チャイルドケア事業(児童発達支援、認可保育園等)、ライフケア事業(サービス付高齢者向け住宅等)、テック事業(保育の個別最適化を目指す自社開発システムの販売等)としている。2022年3月期のセグメント別売上高はチャイルドケア事業が11,322百万円(売上高構成比94%)、ライフケア事業が487百万円(同4%)、テック事業が374百万円(同3%)だった。(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展) <SI> 2022/07/07 15:23 注目トピックス 日本株 AIAIグループ Research Memo(2):日本の人口問題を解決する「福祉の総合企業」 ■会社概要1. 会社概要AIAIグループ<6557>は日本の人口問題を福祉事業によって解決する「福祉の総合企業」を目指し、福祉の「量」を支える認可保育園、障がい児支援施設、介護施設等の運営、及び福祉の「質」を支える自社開発の保育園運営支援システムCCSの販売を展開している。成長戦略としてこれまでの主力事業である AIAI NURSERY の運営のみならず、障害児のケアに最適なプログラムを提供する AIAI PLUS を展開する方針も打ち出している。本社所在地は東京都墨田区錦糸である。グループは2022年3月期末時点、同社(持株会社)、連結子会社3社で構成されている。なお2022年1月1日付で同社の商号を変更(旧商号global bridge HOLDINGS、新商号AIAIグループ)し、連結子会社も(株)global child careがAIAI Child Care(株)へ、(株)global life careがAIAI Life Care(株)へ商号変更した。(株)CHaiLDの商号は従来どおりである。また同社及び連結子会社3社の決算期を、従来の毎年12月末日から毎年3月末日に変更(2022年3月期より)した。2022年3月期末時点の資産合計は12,066百万円、純資産は1,590百万円、資本金は45百万円、自己資本比率は12.9%、発行済株式数は2,737,190株(自己株式110株含む)、連結従業員数は1,235人である。経営の透明性向上や意思決定の迅速化を目的として、2021年3月26日開催の第6回定時株主総会の決議により監査等委員会設置会社に移行した。なお第1位株主の(株)アニヴェルセルHOLDINGSは、AOKIホールディングス<8214>の創業者である青木拡憲氏が有する投資会社である。アニヴェルセルHOLDINGSからの会社分割の形で同社が設立された経緯があり、今後も同社株式を継続的に保有する方針としている。取引関係及び人的関係はなく、経営の独立性は維持されている。2. 沿革2007年1月に保育・介護事業の運営を目的として東京都葛飾区新小岩に「株式会社global bridge」を設立し、2007年3月に保育事業を開始、2008年5月に介護事業を開始、2011年7月に保育園運営支援システムCCSを自社開発した。そして2015年11月に、アニヴェルセルHOLDINGSからの会社分割(新設分割)によって持株会社である「株式会社global bridge HOLDINGS」を設立し、2017年10月には本社を現在地に移転した。その後はM&Aも活用してグループ再編・事業拡大を推進し、2022年1月に商号を現在のAIAIグループに変更した。2015年12月には、global bridgeを完全子会社化(その後2020年4月に(株)東京ライフケアを吸収合併してglobal child careへ商号変更、2022年1月にAIAI Child Careへ商号変更)、global bridgeからICT事業(現テック事業)を分離して(株)social solutionsを設立(その後2021年1月にCHaiLDへ商号変更)した。2018年7月には東京ライフケアを完全子会社化(2020年4月にglobal bridgeが吸収合併)してサービス付高齢者向け住宅の運営を開始した。2018年11月には(株)YUANを完全子会社化(その後2019年にglobal life careへ商号変更、2022年1月にAIAI Life Careへ商号変更)して住宅型有料老人ホームの運営を開始した。株式関係では、2017年10月に東京証券取引所TOKYO PRO Marketに上場、2019年12月に東京証券取引所マザーズに市場変更した。そして2022年4月の東京証券取引所の市場再編に伴って東証グロース市場に移行・上場した。(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展) <SI> 2022/07/07 15:22 注目トピックス 日本株 AIAIグループ Research Memo(1):中期経営計画でAIAI PLUSの積極展開を目指す ■要約AIAIグループ(株)<6557>(旧(株)global bridge HOLDINGSが2022年1月1日付で商号変更)は、日本の人口問題を福祉事業によって解決する「福祉の総合企業」を目指し、福祉の「量」を支える認可保育園、障がい児支援施設、介護施設等の運営、及び福祉の「質」を支える独自開発の保育園運営支援システムChild Care System(CCS)の販売を展開している。待機児童が解消に向かいつつある一方で障害児の数が増加傾向にある中、2022年5月11日に公表した「AIAIグループ中期経営計画2022〜2024」において、成長戦略としてこれまでの主力事業である AIAI NURSERY の運営のみならず、障害児のケアに最適なプログラムを提供する AIAI PLUS を積極的に展開する方針を打ち出している。1. チャイルドケア事業は障がい児ケアのAIAI PLUSと認可保育のAIAI NURSERY事業セグメント区分は、チャイルドケア事業(児童発達支援、認可保育園等)、ライフケア事業(サービス付高齢者向け住宅等)、テック事業(自社開発システムCCSの販売等)としている。主力のチャイルドケア事業は、障がい児ケアのAIAI PLUS事業として多機能型施設AIAI PLUSの運営、直営認可保育園AIAI NURSERY及び小規模保育施設AIAI MINIの運営を、東京23区・千葉県・大阪府を中心に展開している。認可保育園は千葉県において圧倒的なシェアを誇り、特色のある独自の園児向け教育プログラムも高い評価を得ている。テック事業は、自社開発の保育園運営支援システムCCSなど、保育施設の業務効率化を推進するためのソリューションを全国の保育事業者向けに提供している。2. AIAI NURSERYは開設後3~4年目から収益化、AIAI PLUSは積極展開認可保育AIAI NURSERYの収益特性として、新規施設開設時は初期費用や採用費用などの立ち上げ費用が先行する一方で、開設後数年間は高年齢クラス(3歳~5歳)が定員を満たさないため、低在籍数・低在籍率で赤字となる傾向にある。しかし開設後の年数の経過とともに在籍数が増加し、在籍率も上昇する。一般的には、開設後3~4年目以降になると在籍数増加・在籍率上昇によって収益化(黒字化)すると言われている。多機能型施設AIAI PLUSは、認可保育AIAI NURSERYに比べて低い投資額で開設・運営できるという特徴がある。認可保育AIAI NURSERYとの併設によるシナジー効果で、集客力や採用力の強化、戦略的な人員配置などにつながるメリットもある。3. 2022年3期期(決算期変更で15ヶ月決算)は営業赤字が大幅に縮小2022年3月期の連結業績(決算期変更で15ヶ月決算、チャイルドケア事業の施設開園前にかかる諸費用の計上区分を売上原価から営業外費用の開園準備費に変更)は、売上高が11,975百万円、営業利益が440百万円の赤字、経常利益が461百万円の黒字、親会社株主に帰属する当期純利益が116百万円の黒字だった。決算期変更のため単純比較はできないが、2020年12月期実績(12ヶ月決算、開園準備費計上変更組替後、売上高8,318百万円、営業利益1,266百万円の赤字、経常利益276百万円の黒字、親会社株主に帰属する当期純利益150百万円の黒字)との比較で営業赤字が大幅に縮小した。新規施設の開設及び既存施設の収益化進展に加えて、職員配置の適正化や業務効率化なども寄与した。施設数増加に伴って売上が拡大し、営業損益が改善基調である。4. 2023年3月期(12ヶ月決算)は営業黒字転換予想2023年3月期連結業績(12ヶ月決算)予想は、売上高が10,600百万円、営業利益が100百万円、経常利益が200百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が120百万円としている。15ヶ月決算の2022年3月期実績との単純比較はできないが、既存施設の収益化進展や職員配置適正化による効率化などにより、認可保育AIAI NURSERYの黒字体質が定着して安定的な利益を確保し、先行投資を吸収して営業黒字転換予想としている。多機能型施設AIAI PLUSの積極出店のほかテック事業などの先行投資を継続する。5. 中期経営計画を策定同社は中長期的に目指す姿として、待機児童が解消に向かうなか、増加傾向にある障がい児への適切なケアを通じて子どもの能力開発をサポートするとともに、2030年代にピークを迎える高齢化に向けた事業基盤整備を進め、人口問題を総合的に解決するビジネスを展開するとしている。そして2022年5月に中期経営計画を策定し、数値目標として2025年3月期売上高120億円~130億円程度、営業利益3億円~5億円程度を掲げた。将来に向けた持続的な成長と事業規模の拡大に向けて、中期経営計画3年間で総額2,500百万円程度の投資を見込んでいる。6. AIAI NURSERYが安定収益基盤のステージに移行して成長加速同社は収益基盤構築に向けて認可保育AIAI NURSERYの新規施設開設を加速してきたため、先行投資で営業損失が継続していたが、開設から3~4年を経過した既存施設の割合が上昇して認可保育AIAI NURSERYが黒字転換した。さらに事業環境の変化に対応して障がい児ケアのAIAI PLUSへの段階的なシフトを推進するとともに、テック事業の早期黒字化も目指す方針だ。弊社では、認可保育AIAI NURSERYが安定収益基盤のステージに移行したことで、成長加速が期待できると評価している。■Key Points・日本の人口問題を保育園中心の福祉事業によって解決する「福祉の総合企業」・2023年3月期営業黒字転換予想・多機能型施設AIAI PLUSを積極展開(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展) <SI> 2022/07/07 15:21 注目トピックス 日本株 日ピストン Research Memo(8):2022年3月期の配当は前期比50.0円増配の年間70.0円 ■株主還元策日本ピストンリング<6461>は、株主への適切かつ安定的な利益配分を行うことを経営の最重要課題と位置付けており、業績の動向や将来の事業展開等を総合的に判断して実施するとしている。この基本方針に基づき、2022年3月期の配当は前期比50.0円増配の年間70.0円(第2四半期末20.0円、期末50.0円)とし、配当性向は28.0%となった。また、2023年3月期の配当予想は前期と同額の70.0円(第2四半期末20.0円、期末50.0円)を予定しており、予想配当性向は28.4%となる。2022年4月からの東証市場区分再編に伴い、同社はプライム市場へ移行したが、上場維持基準への適合状況に関する一次判定結果として、移行基準日時点(2021年6月30日)の流通株式時価総額がプライム市場の基準を充たしていないとの通知を受けたことから、「新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画書」を作成した。第八次中期経営計画で掲げた重点施策を着実に遂行し、成果を具現化することで、企業価値の向上(流通株式時価総額の向上)を図り、2024年3月までにプライム市場上場維持基準の適合を目指すとしている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展) <YM> 2022/07/07 15:18 注目トピックス 日本株 日ピストン Research Memo(7):2031年3月期に非自動車エンジン売上高比率40%以上を目指す(2) ■成長戦略3. 経営戦略第八次中期経営計画では「Change as Chance ~変化の中にこそチャンスあり~」を掲げ、行動指針として「新しい5S」(変化に対応できる「Speed」、戦略を立案し実行できる「Skill」、データに基づき科学的に判断できる「Science」、組織を良くしたいという熱意「Spirit」、安心安全な環境と心構え「Safety」)を挙げている。また、重点施策として(1) 全体最適なモノづくりシステムの構築、(2) コア技術・製品によるソリューション提供型開発営業の推進、(3) 新製品事業開発・創出の強化、(4) 人と組織の構造改革(意識改革)、(5) サステナブル企業への躍進、の5つを掲げている。長期ビジョン及び中期経営計画の目標達成に向けては、自動車業界の動向を踏まえ、(1) 既存事業(自動車エンジン事業)の収益力強化、(2) 新製品事業(非自動車エンジン事業)の育成・確立、(3) サステナビリティ経営の推進、の3つの重点分野にリソースを注力する。(1) 既存事業(自動車エンジン事業)の収益力強化既存事業では、環境規制に対応した高品質の内燃機関部品を提供することで顧客のエンジン開発に貢献し、収益力を強化していく。具体的には、他社と差別化した技術でエンジンの熱効率50%達成に貢献する製品開発を進めるほか、e-fuelや水素燃料などカーボンニュートラルに向けた検討に取り組む。また、コア技術を生かして新興国市場への拡販を強化する。インドやアフリカといった新興国はEV化が見えておらず、当面はICE搭載車の拡大が続くと見込まれることから、成長余地のあるこれら新興国市場のシェア拡大を目指す。また、大型商用車のEV化には課題が多く、当面はディーゼルエンジンを搭載していくことが見込まれることから、多くの案件獲得に成功している中国で大型商用車領域のシェア拡大を目指す。さらには、新車がEVに置き換わってもエンジン補修需要は底堅く推移すると見込まれることから、北米・中米・アフリカでアフターマーケットビジネスのシェア拡大を推進していく。(2) 新製品事業(非自動車エンジン事業)の育成・確立非自動車エンジン事業では、医療分野や産業機械等といった新製品事業の着実な進展と、M&A・オープンイノベーションを活用した早期事業化を目指す。a) 医療分野日本ピストンリング<6461>は、主力事業である自動車エンジン部品の製造販売事業で蓄積した金属材料技術や精密加工技術等のノウハウを活用して、2015年3月期より医療機器分野への事業展開を図っている。医療分野は現在、国内外の有力医療機器メーカーや大学等の研究機関と連携し、医療従事者や患者の立場に立った「人にやさしい医療機器」の開発に注力している。医療用新材料チタン・タンタル合金「NiFreeT」は、ニッケルフリー・非磁性で生体適合性が高く、体内留置が可能で、医療機器用貴金属(プラチナ)と比較し安価という優位性がある。「NiFreeT」はピストンリング用に自社開発した形状記憶合金だが、ニッケルフリーで加工性に優れているため医療材料に転換した。歯科用スクリュー、ガイドワイヤ、カテーテル補強材など埋入型医療機器への応用が期待され、早期の製品化・事業化を目指している。2022年の世界埋入型医療機器市場の年間売上は約40億ドル(約5,000億円)の見込みとなっており、市場開拓余地は大きい。また、2022年1月には、救急・災害用医療機器専門商社のノルメカエイシアを子会社化した。ノルメカエイシアは日本でいち早く災害医療の導入を提唱し、日本初の災害医療機器等の専門商社として、災害救急分野での豊富な知識、経験を有する。災害救急医療用資器材や感染症対策商品等を取り扱うほか、災害医療救助訓練の企画立案等も行っている。ノルメカエイシアが持つ幅広い顧客基盤並びにソリューション提供・開発力と、同社のコア技術やものづくり力、国内外の拠点活用を通じた組織対応力・販売力を融合させることでグループシナジーを創出し、非自動車エンジン事業の売上拡大を目指す。このほか、世界最大手の医療機器メーカーであるMedtronicとの植込型医療機器協同開発プログラムでは、新製品開発を進めている。b) 産業機器分野産業機器分野では、メタモールド工法の形状自由度や材料自由度の優位性を生かして、CASE関連部品、ロボット、センサー等へ展開する方針である。また、3D形状圧粉コアを用いたアキシャルギャップ型モータは、インホイールモータに最適で、電動カート、車いす、搬送・農業用ロボット、パワードスーツ等への用途を想定している。(3) サステナビリティ経営の推進SDGsへの取り組みについては、社会に存在する様々な課題の中から優先して取り組むべき重要課題として、地球環境との共生(製品を通じた環境貢献、事業活動における環境貢献)、ステークホルダーとの共生(お客様満足度向上、従業員の安全と健康、ダイバーシティの実現)、持続的な成長のための基盤醸成(人権尊重、コーポレート・ガバナンス、コンプライアンスの遵守)を特定し、持続可能な社会の実現に向けた活動を展開している。このうち、「事業活動における環境貢献」としては、2024年3月期にCO2排出量25%削減(2014年3月期比)、2031年3月期に46%削減(同)、2050年度頃にカーボンニュートラル実現を目指している。これまで「革新的生産ライン」の導入、排熱再利用、照明のLED化、岩手県県有林J-クレジットの活用などに取り組んでおり、省エネ・高効率設備への更新や再生可能エネルギー電力の導入なども検討している。「従業員の安全と健康」としては、経済産業省及び日本健康会議が主催する「健康経営優良法人認定制度」において「健康経営優良法人2022(大規模法人部門)」の認定を受けた(2020年から3年連続の認定)。また、サステナビリティに関する国際的な評価機関である仏EcoVadisが実施した2022年サステナビリティ調査において、ブロンズ評価を獲得した。「ダイバーシティの実現」としては、本社所在地である埼玉県「多様な働き方実践企業」認定制度において「プラチナ」認定を受けている。「コーポレート・ガバナンス」強化の取り組みとしては、2020年6月に指名・報酬諮問委員会を設置し、2021年6月に監査等委員会設置会社へ移行した。このほか、2021年8月には原材料にコバルトを使用しない「コバルトフリーバルブシート」を開発した。これまでバルブシートの材料には、耐摩耗性向上を目的にコバルトが使われてきたが、コバルトは電気自動車の車載用電池に欠かせない原材料であるため市場価値が高騰してきていること、また、希少金属のため責任ある鉱物の調達という観点でリスクがある等、サステナビリティ面も含めて課題の多い資源であることが背景にある。「コバルトフリーバルブシート」の開発により、コバルトに依存することなく、従来と同水準の機能を確保できるようになった。同社は、本製品の拡販に努めるとともに今後も環境問題や人権その他の社会問題に対応し、サステナブルな社会の構築に向けて積極的な取り組みを続ける方針だ。また、2021年10月にはサステナビリティ推進室を新設した。従来は、持続可能な環境・社会の実現に向けた各種取り組みをCSR推進委員会が中心に進めてきたが、その取り組みを一層強化するため、サステナビリティ関連業務の実行・管理に関する企画推進のための専門組織として、経営企画部内にサステナビリティ推進室を新設した。(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展) <YM> 2022/07/07 15:17 注目トピックス 日本株 日ピストン Research Memo(6):2031年3月期に非自動車エンジン売上高比率40%以上を目指す(1) ■成長戦略1. 長期ビジョンと第八次中期経営計画日本ピストンリング<6461>は、排出ガス規制などの環境貢献、コストダウン、EV(Electric Vehicle)化やCASEなどの技術ソリューション、グローバル対応といった、自動車業界を取り巻く事業環境の大きな変化に対応するため、長期ビジョン「The Next NPR 2030」を策定した。目標値としては、2031年3月期に売上高1,000億円、営業利益率10%以上、非自動車エンジン売上高比率40%以上、CO2排出量46%削減(2014年3月期比)を掲げている。また、将来のありたい姿からのバックキャストにて、2021年5月に第八次中期経営計画(2022年3月期~2024年3月期)を策定した。長期ビジョンの達成に向けた基盤構築ステージとして、2024年3月期の売上高540億円以上、営業利益率8%以上、非自動車エンジン売上高比率15%以上、CO2排出量25%削減(2014年3月期比)を目指している。2. 市場環境グローバル自動車市場は、新興国を中心に自動車需要の拡大が見込まれるものの、地球温暖化やエネルギー問題に対応するため、環境規制の導入やEV化に向けた動きが加速しているほか、ICE(Internal Combustion Engine:内燃機関搭載車)が減少し、パワートレイン構成に変化が生じてきている。一方で、水素エンジンや再生可能エネルギーを利用して生成したクリーンなe-fuel(e燃料)エンジンの開発も進められており、次世代モビリティの選択肢として新たに普及すると想定している。EVとHEVのWell to WheelでのCO2排出量を比較すると、現在研究開発が進められている熱効率50%のエンジンを搭載したHEVは、EVに対し競争力があるためEV化が一気に進む可能性は低く、先進国においてエンジン生き残りのシナリオもあると想定している。なお、2021年5月にはトヨタ自動車が、クリーンな水素を燃料とするエンジンを搭載した自動車で、「スーパー耐久シリーズ2021Powered by Hankook第3戦NAPAC富士SUPER TEC24時間レース」に参戦・完走し、カーボンニュートラル時代に向けた新たなクリーン燃料自動車の選択肢の1つとして水素エンジンをアピールしている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展) <YM> 2022/07/07 15:16

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