注目トピックス 日本株ニュース一覧
注目トピックス 日本株
前日に動いた銘柄 part2 ダブル・スコープ、ファナック、GMOリサーチなど
銘柄名<コード>17日終値⇒前日比石油資源開発<1662> 3280 -15016日は原油相場上昇だが地合い悪化で見切り売り優勢。大阪チタニウムテクノロジーズ<5726> 2380 -119地合い悪化が続く中、高値圏の銘柄の一角は利食いの対象に。東邦チタニウム<5727> 2329 -110大阪チタと同様に利食い売りの対象に。昭和電工<4004> 2413 -162東海カーボンなど黒鉛電極メーカー売られる。三菱UFJ<8306> 731.1 -16.2地合い悪化に押される形のほか日銀会合控え買い手控えも。トヨタ自動車<7203> 2063 -776月の生産計画は3度目の下方修正。ダブル・スコープ<6619> 1555 +150取組妙味も強く買い戻し主導の展開か。ファナック<6954> 20555 +420ゴールドマン・サックス証券では投資判断を格上げ。テラ<2191> 102 +11値頃感の強さや値動きの軽さで短期資金の関心続く。ガーラ<4777> 717 +100短期的な突っ込み警戒感から自律反発期待も。エヌリンクス<6578> 226 -22「メモリア−夢の旅人と双子の案内人−」の配信終了を発表。フェローテク<6890> 2454 -212新工場建設など材料に16日は一時上げ幅広げる。キョウデン<6881> 565 -50中計目標値引き上げなどで16日は大幅上昇。キャンバス<4575> 465 +49「CBP501」臨床第2相試験 3剤併用投与群でのがんの縮小確認を引き続き評価。GMOリサーチ<3695> 4080 +495物色先が限られるなか、もち合い上放れ。FRONTEO<2158> 978 -21AIレビューツールの精度向上も地合い悪化に押される。スポーツフィールド<7080> 2525 +50025日線をサポートとした再動意続く。ビジョナル<4194> 5700 -530同社など東証グロース市場の主力処には売り目立つ。バンク・オブ・イノベーション<4393> 2518 +190恋庭の月次情報を公表、5月の課金高は前月比21%増。ANYCOLOR<5032> 7320 -1500直近IPO、17日はリスク回避的な売りが先行。タメニー<6181> 114 +2地合い悪化で売り買い交錯。クックビズ<6558> 924 -113上方修正で16日に急騰した反動。ベビーカレンダー<7363> 2397 -161引き続き自社株買い発表が材料視されたが地合いに押されマイナス転換。
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2022/06/20 07:32
注目トピックス 日本株
前日に動いた銘柄 part1 京王電鉄、神戸物産、エアトリなど
銘柄名<コード>17日終値⇒前日比エアトリ<6191> 2780 +12722年9月期業績予想を上方修正。アクモス<6888> 365 +15ハードウェア保守会社の連結子会社化で事業拡大などに期待感。木徳神糧<2700> 4980 +2504月25日につけた年初来高値を更新し先高期待高まる展開に。東京通信<7359> 990 +150同社のアプリプロデューサーが6月19日放送のテレビ番組に出演と発表し認知度向上などに期待感。小糸製作所<7276> 4285 -220ヘッドランプの成長率鈍化見込み外資系証券が投資判断と目標株価引き下げ。恵和<4251> 3715 -2153月15日つけた年初来安値を下回り見切り売りがかさむ展開に。ソルクシーズ<4284> 376 +16eスポーツ事業への参入を期待材料視。京王電鉄<9008> 4700 +245三菱UFJモルガン・スタンレー証券では投資判断を格上げ。デサント<8114> 2872 +82東海東京証券では新規に買い推奨。KADOKAWA<9468> 2792 +102「特許で探した有望銘柄」で取り上げられる。近鉄GHD<9041> 4030 +115JPモルガン証券では投資判断を格上げ。神戸物産<3038> 3180 +90インフレ対応銘柄などとしても物色か。東レ<3402> 749.7 +17.1米ボーイングの底堅い動きなど支援にも。インテリジェント ウェイブ<4847> 883 -0特に材料ないまま連日の急伸で過熱警戒感。マネジメントソリューションズ<7033> 2072 -2642-4月期収益悪化や優待制度廃止を引き続きマイナス視。ギフティ<4449> 969 -75引き続きバリュエーションの割高感も意識。東海カーボン<5301> 1081 -86米グラフテックなども安値更新の動きで。レーザーテック<6920> 15515 -1385米国株大幅安でSOX指数は6%超の急落。富士通ゼネラル<6755> 2323 -134ゴールドマン・サックス証券では投資判断を格下げ。アルバック<6728> 4765 -405米SOX指数大幅安など逆風にも。新光電気工業<6967> 3675 -25516日の大幅安もあって狼狽売りなども優勢。スタンレー電気<6923> 2146 -121モルガン・スタンレーMUFG証券では投資判断を格下げ。BEENOS<3328> 1910 -138グランジャー・ピークの保有比率低下。大真空<6962> 933 -57信用買い残など高水準、地合い悪化で見切り売り。
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2022/06/20 07:15
注目トピックス 日本株
前日に動いた銘柄 part2 ダブル・スコープ、ファナック、GMOリサーチなど
銘柄名<コード>17日終値⇒前日比石油資源開発<1662> 3280 -15016日は原油相場上昇だが地合い悪化で見切り売り優勢。大阪チタニウムテクノロジーズ<5726> 2380 -119地合い悪化が続く中、高値圏の銘柄の一角は利食いの対象に。東邦チタニウム<5727> 2329 -110大阪チタと同様に利食い売りの対象に。昭和電工<4004> 2413 -162東海カーボンなど黒鉛電極メーカー売られる。三菱UFJ<8306> 731.1 -16.2地合い悪化に押される形のほか日銀会合控え買い手控えも。トヨタ自動車<7203> 2063 -776月の生産計画は3度目の下方修正。ダブル・スコープ<6619> 1555 +150取組妙味も強く買い戻し主導の展開か。ファナック<6954> 20555 +420ゴールドマン・サックス証券では投資判断を格上げ。テラ<2191> 102 +11値頃感の強さや値動きの軽さで短期資金の関心続く。ガーラ<4777> 717 +100短期的な突っ込み警戒感から自律反発期待も。エヌリンクス<6578> 226 -22「メモリア−夢の旅人と双子の案内人−」の配信終了を発表。フェローテク<6890> 2454 -212新工場建設など材料に16日は一時上げ幅広げる。キョウデン<6881> 565 -50中計目標値引き上げなどで16日は大幅上昇。キャンバス<4575> 465 +49「CBP501」臨床第2相試験 3剤併用投与群でのがんの縮小確認を引き続き評価。GMOリサーチ<3695> 4080 +495物色先が限られるなか、もち合い上放れ。FRONTEO<2158> 978 -21AIレビューツールの精度向上も地合い悪化に押される。スポーツフィールド<7080> 2525 +50025日線をサポートとした再動意続く。ビジョナル<4194> 5700 -530同社など東証グロース市場の主力処には売り目立つ。バンク・オブ・イノベーション<4393> 2518 +190恋庭の月次情報を公表、5月の課金高は前月比21%増。ANYCOLOR<5032> 7320 -1500直近IPO、17日はリスク回避的な売りが先行。タメニー<6181> 114 +2地合い悪化で売り買い交錯。クックビズ<6558> 924 -113上方修正で16日に急騰した反動。ベビーカレンダー<7363> 2397 -161引き続き自社株買い発表が材料視されたが地合いに押されマイナス転換。
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2022/06/18 07:32
注目トピックス 日本株
前日に動いた銘柄 part1 京王電鉄、神戸物産、エアトリなど
銘柄名<コード>17日終値⇒前日比エアトリ<6191> 2780 +12722年9月期業績予想を上方修正。アクモス<6888> 365 +15ハードウェア保守会社の連結子会社化で事業拡大などに期待感。木徳神糧<2700> 4980 +2504月25日につけた年初来高値を更新し先高期待高まる展開に。東京通信<7359> 990 +150同社のアプリプロデューサーが6月19日放送のテレビ番組に出演と発表し認知度向上などに期待感。小糸製作所<7276> 4285 -220ヘッドランプの成長率鈍化見込み外資系証券が投資判断と目標株価引き下げ。恵和<4251> 3715 -2153月15日つけた年初来安値を下回り見切り売りがかさむ展開に。ソルクシーズ<4284> 376 +16eスポーツ事業への参入を期待材料視。京王電鉄<9008> 4700 +245三菱UFJモルガン・スタンレー証券では投資判断を格上げ。デサント<8114> 2872 +82東海東京証券では新規に買い推奨。KADOKAWA<9468> 2792 +102「特許で探した有望銘柄」で取り上げられる。近鉄GHD<9041> 4030 +115JPモルガン証券では投資判断を格上げ。神戸物産<3038> 3180 +90インフレ対応銘柄などとしても物色か。東レ<3402> 749.7 +17.1米ボーイングの底堅い動きなど支援にも。インテリジェント ウェイブ<4847> 883 -0特に材料ないまま連日の急伸で過熱警戒感。マネジメントソリューションズ<7033> 2072 -2642-4月期収益悪化や優待制度廃止を引き続きマイナス視。ギフティ<4449> 969 -75引き続きバリュエーションの割高感も意識。東海カーボン<5301> 1081 -86米グラフテックなども安値更新の動きで。レーザーテック<6920> 15515 -1385米国株大幅安でSOX指数は6%超の急落。富士通ゼネラル<6755> 2323 -134ゴールドマン・サックス証券では投資判断を格下げ。アルバック<6728> 4765 -405米SOX指数大幅安など逆風にも。新光電気工業<6967> 3675 -25516日の大幅安もあって狼狽売りなども優勢。スタンレー電気<6923> 2146 -121モルガン・スタンレーMUFG証券では投資判断を格下げ。BEENOS<3328> 1910 -138グランジャー・ピークの保有比率低下。大真空<6962> 933 -57信用買い残など高水準、地合い悪化で見切り売り。
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2022/06/18 07:15
注目トピックス 日本株
動物高度医療 Research Memo(6):動物高度医療の市場環境は良好
■日本動物高度医療センター<6039>の成長戦略1. 市場環境動物高度医療の市場環境は良好である。過去2年は新型コロナウイルス感染症拡大を契機に猫飼育需要が高まり、新規犬猫飼育頭数が大幅に増加している。そして、ペットの家族化に伴って1世帯当たりの動物病院支出額は増加基調であり、ペット保険の市場規模も2ケタ成長が続いている。ペットの医療は飼い主の住居に近い「かかりつけの動物病院」で診療(一次診療)を受けるのが一般的だが、飼い主の間に「ペットにも人間と同じように高度な医療を受けさせたい」として高度医療(二次診療)に対するニーズが一段と高まっている。動物医療業界の総合的企業を目指す2. 動物医療業界の総合的企業を目指すこのように良好な事業環境も背景として、成長戦略には拠点と連携病院数の拡大、人材の確保・育成、M&Aも活用した事業領域の拡大を掲げ、動物医療業界の総合的企業を目指すとしている。拠点拡大については、大阪病院の開業(2023年3月頃予定)によって、関西エリアを中心に連携病院比率の引き上げを推進する。人材の確保・育成では、愛玩動物看護師の国家資格化(2023年2月中旬に第1回愛玩動物看護師国家試験実施予定)による業務効率化を推進する。M&Aも活用した事業領域の拡大では、子会社化したテルコムとのシナジー創出を推進する。なお2019年2月にリリースしたペット用活動量計「PLUS CYCLE(プラスサイクル)」については、日本電気<6701>(NEC)の愛玩動物コミュニケーションプラットフォームサービス「waneco」と連携して普及を促進している。3. 新たな成長ステージへペット市場及び動物高度医療の市場環境は良好であり、さらなる市場拡大余地も大きい。弊社では、良好な市場環境、高度な医療サービスを提供できる総合動物病院としての強み、大阪病院の開業、子会社化したテルコムとのシナジー効果によって、新たな成長ステージに入る可能性が高いと評価している。■株主還元策内部留保充実を優先して当面は無配継続方針同社は株主に対する利益還元を重要な経営課題の1つとして位置付けているが、現在は事業の拡大過程にあるため、経営基盤の強化及び積極的な事業展開のために内部留保の充実を図り、財務体質の強化と事業拡大のための投資等に充当し、より一層の業容拡大を目指すことが株主に対する最大の利益還元につながると考えている。このため創業以来2022年3月期まで無配当としている。今後においても当面の間は、優秀な人材の採用及びサービス向上に資する設備投資等のための必要資金として、内部留保の充実を図る方針としている。なお大阪病院開業によって大型設備投資が一段落するため、将来的には経営成績及び財政状態を勘案しながら株主への利益配分を検討するが、配当実施の可能性及び実施時期等については現時点では未定としている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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2022/06/17 16:26
注目トピックス 日本株
動物高度医療 Research Memo(5):2023年3月期はM&Aも寄与して大幅増収増益を予想
■今後の見通し● 2023年3月期連結業績予想の概要日本動物高度医療センター<6039>の2023年3月期の連結業績予想は、売上高が2022年3月期比29.6%増の3,860百万円、営業利益が同21.8%増の535百万円、経常利益が同22.9%増の540百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同27.2%増の365百万円と、大幅増収増益予想としている。費用面では大阪病院開業(2023年3月頃予定)費用等が発生するが、初診件数(紹介数)が順調に増加(4.0%増程度を想定)し、さらにテルコム(2021年7月期実績売上高699百万円、営業利益158百万円)の新規連結も寄与する。全体として保守的な印象が強く、弊社では会社予想に上振れ余地があると見ている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
<SI>
2022/06/17 16:25
注目トピックス 日本株
動物高度医療 Research Memo(4):2022年3月期は増収増益
■業績動向1. 2022年3月期連結業績の概要日本動物高度医療センター<6039>の2022年3月期の連結業績は、売上高が2021年3月期比4.6%増の2,979百万円、営業利益が同8.3%増の439百万円、経常利益が同6.7%増の438百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同0.6%増の286百万円だった。収益認識会計基準適用による業績への影響はなかった。増収増益で売上高と営業利益は過去最高だった。連携病院数の増加に伴って初診件数(紹介数)と総診療件数が順調に増加し、人件費の増加など事業拡大に向けた費用の増加を吸収した。売上総利益率は37.1%で2.2ポイント上昇、販管費比率は22.4%で1.7ポイント上昇した。連携病院数は2.6%増の4,030施設、初診件数(紹介数)は4.4%増の7,232件、総診療件数は3.8%増の28,296件となった。手術件数は2.1%減少したが、手術を行うかどうかは飼い主が判断するため、手術件数は必ずしも初診件数や総診療件数に連動しない。手術を選択しない場合でも、放射線治療や検査のために通院を続ける飼主が多く、結果的に手術件数が減少しても業績への大きな影響はなかった。自己資本比率低下だが財務の健全性は維持2. 財務の状況財務面で見ると、2022年3月期末の資産合計は2021年3月期末比1,122百万円増加して6,966百万円となった。主にテルコムの買収、大阪病院建設に伴う固定資産取得、キャミックの移転により、資産の部では有形固定資産が508百万円増加、無形固定資産が502百万円増加、負債の部では有利子負債が847百万円増加した。この結果、自己資本比率は4.0ポイント低下して36.0%となったが、特に懸念される水準ではなく、財務の健全性は維持されていると弊社では判断している。(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
<SI>
2022/06/17 16:24
注目トピックス 日本株
動物高度医療 Research Memo(3):地域の「かかりつけの動物病院」との分業で高度な動物医療を実現
■日本動物高度医療センター<6039>の事業概要1. 事業概要人用医療と同じCT、MRI、放射線治療器といった高度医療設備・機器を備え、ペットの専門疾患に関する研究・臨床を行ってきた獣医師が中心となり、ペットに対して高度な専門医療(検査・治療)を行う。ワクチン接種や予防などの一次診療は行わない。また診療後のケアは紹介元の一次診療施設に要請する。ペットの家族化、長寿命化、疾病多様化などで、飼い主の間に「ペットにも人間と同じように高度な医療を受けさせたい」として、動物医療に対する多様化・高度化のニーズが高まるなか、一次診療施設である全国各地の「かかりつけの動物病院」との分業によって、高度で充実した動物医療を実現している。また2009年3月には、民間では初めて「小動物臨床研修診療施設」として農林水産大臣から指定を受けた。動物医療業界において臨床や教育現場で活躍する人材教育の環境を整え、動物医療技術の向上を担う臨床研究にチャレンジするなど、教育・研究の実践の場として高度医療を提供することで、広く社会に貢献することを目指している。子会社キャミックの画像診断サービスは、一次診療施設から画像診断だけを希望する飼い主の紹介を受け、完全紹介・予約制でMRIやCTを用いて画像の撮影を行い、所見を付けて一次診療施設に報告している。基本的なスタンスは一次診療施設のサポートと位置付けている。2022年3月に子会社化した医療機器メーカーのテルコムは、動物の在宅医療に必要な「酸素ハウス(酸素濃縮器、ケージ、酸素濃度計等のセット)」の製造・販売・貸与を全国規模で行っている。専門診療科による高度医療やチームによる診療体制が特徴・強み2. 特徴・強みペット向け高度医療専門の総合動物病院として、高度かつ総合的な獣医療を提供していることが特徴だ。動物の生命もしくは生活の質に大きく関わる分野を幅広くカバーする専門診療科及び最先端の医療設備・機器を備えて、併発する分野の疾患や鑑別が困難な症状の疾患の場合には、複数の診療科で診療を実施する。2022年3月期の科目別初診数の構成比は泌尿生殖器・消化器科が約38%、脳神経科・整形科が約27%、腫瘍科が約23%、循環器・呼吸器科が約11%、眼科が約1%だった。過去の推移を見ると構成比に特に大きな変動はない。収益は診療費が柱3. 収益モデル収益は飼い主から受け取る診療費が柱である。一次診療施設との間で紹介料は発生しない。獣医師の診療報酬は自由診療であり、それぞれの動物病院が個々に設定している。このため動物病院よって診療報酬に格差がある。同社の場合は設備投資の償却や人件費などを考慮して診療報酬を設定している。なお診療内容は飼い主の希望に沿って行う。手術を行うかどうかも飼い主の判断となる。連結売上高の構成比は、同社の二次診療サービス(川崎本院、東京病院、名古屋病院)が8割強、連結子会社キャミックの画像診断サービスが1割強となっている。2023年3月期は新たに子会社化したテルコムの売上高が加わる。連携病院数、初診件数、総診療件数は増加基調4. 連携病院数、初診件数、総診療件数は増加基調診療件数は一次診療施設からの紹介件数によるため、同社は特に初診件数(新規に受け入れた症例数)を最も重要な経営指標と位置付けている。そして登録の申し込みに基づく連携病院数の増加が、初診件数や総診療件数(初診件数と再診件数の合計)の増加、すなわち収益の拡大につながる。学会発表やセミナー開催などの学術活動を継続的に推進して連携病院の増加を図っており、連携病院数は増加基調である。2014年3月末の2,973施設から2022年3月末には4,030施設まで増加した。病院の新規開業に伴って受入体制が強化されるため、連携病院数も病院の新規開業(2011年12月名古屋病院、2018年1月東京病院)時に大幅に増加する傾向もある。連携病院数の増加に伴って連携病院数比率(全国の小動物診療施設軒数に対する割合)も、2014年3月末の26.9%から2022年3月末には32.4%に上昇している。エリア別で見ると、川崎本院と東京病院の関東エリアでは連携病院数が2,522施設で連携病院比率が49.6%、名古屋病院の東海エリアでは連携病院数が622施設で連携病院比率43.9%となっている。連携病院数の増加に連動する形で初診件数(紹介数)及び総診療件数は増加基調である。2022年3月期は初診件数が前期比4.4%増の7,232件、総診療件数が3.8%増の28,296件だった。なお手術件数は2.1%減の2,063件だった。手術を行うかどうかについては、獣医師は助言を行うだけであり、最終的には飼い主が判断する。このため手術件数は必ずしも初診件数や総診療件数に連動しない。高度医療専門の総合病院への参入障壁高く、競合リスク小さい5.リスク要因リスク要因としては、一次診療施設からの紹介への依存、ペット飼育頭数減少や競合激化など事業環境の変化、診療サービスの過誤や診療動物間での感染症流行、獣医師法や獣医療法といった法令改正による規制強化、人材の育成・確保などがある。競合リスクに関しては、一次診療施設の動物病院数は増加傾向だが、同社は一次診療施設と直接競合せず、一次診療施設と連携・分業するビジネスモデルであることや、患者動物に最適な検査・診断・治療を迅速に提供できる高度医療専門の総合病院への参入障壁は高いため、同社にアドバンテージがあり、競合リスクは小さいと考えられる。愛玩動物看護師法で看護師を活用6. 人材の育成・確保(愛玩動物看護師法で看護師を活用)2022年3月期末時点の同社単体ベースの従業員数は171名となっている。人材の育成・確保に関しては、大学・専門学校・各種団体との関係性・人脈形成による採用強化に加えて、卒後臨床研修制度(2008年4月開始)を通じた獣医師育成も行っている。また、愛玩動物看護師法が2019年6月に成立・公布された。動物看護師を国家資格化して、人間医療と同様に採血や投薬などの医療行為を行えるようにする法律である。業務範囲の詳細は未定だが、(一社)動物看護師統一認定機構が指定試験機関となって、2023年2月中旬に第1回愛玩動物看護師国家試験が実施される予定となっている。同社の動物看護師は既に民間資格を取得しているため、同法によって国家資格への移行がスムーズに進展し、動物看護師の活用による獣医師の負担軽減や業務の効率化につながることが期待されている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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2022/06/17 16:23
注目トピックス 日本株
動物高度医療 Research Memo(2):犬・猫向け高度医療専門の総合動物病院
■会社概要1. 会社概要日本動物高度医療センター<6039>は、ペット(犬・猫)向け高度医療を専門に行う総合動物病院(二次診療施設)を展開している。ペットの飼い主にとっての「かかりつけの動物病院」となる地域の動物病院(一次診療施設)からの完全紹介及び予約により、一次診療施設では対処が困難な重度の患者動物に対して高度な専門医療(二次診療)を行う。事業拠点としては、高度医療専門の総合病院である川崎本院(2007年6月開業、神奈川県川崎市高津区)、名古屋病院(2011年12月開業、愛知県名古屋市天白区)、東京病院(2018年1月開業、東京都足立区)を展開している。なお4番目の拠点となる大阪病院(大阪府箕面市)は2023年2月完成・3月頃開業予定としている。連結子会社の(株)キャミックは、首都圏3拠点(東京都世田谷区、東京都江戸川区、埼玉県さいたま市)において、動物健診センター(高度医療機器を用いた動物の画像診断サービス)を展開している。また2022年3月には、動物の在宅医療に必要な「酸素ハウス」の製造・販売・貸与を行うテルコムを連結子会社化した。2022年3月期末の資産合計は6,966百万円、純資産は2,509百万円、資本金は385百万円、自己資本比率は36.0%、1株当たり純資産は1,078円80銭、発行済株式総数は2,436,200株(自己株式109,616株含む)である。2. 沿革2005年9月に株式会社日本動物高度医療センターを神奈川県川崎市高津区に設立し、2007年6月に川崎本院を開業した。2009年3月には民間で初めて農林水産大臣から「小動物臨床研修診療施設」の指定を受けた。その後2011年12月に名古屋病院を開業、2018年1月に東京病院を開業した。株式関係では2015年3月に東京証券取引所(以下、東証)マザーズ市場に新規上場し、2022年4月の東証市場再編に伴って東証グロース市場に移行・上場した。(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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2022/06/17 16:22
注目トピックス 日本株
動物高度医療 Research Memo(1):動物医療業界の総合的企業を目指す
■要約日本動物高度医療センター<6039>(JARMeC=Japan Animal Referral Medical Center)は、ペット(犬・猫)向け高度医療を専門に行う総合動物病院(二次診療施設)を展開し、動物医療業界の総合的企業を目指している。1. 地域の「かかりつけの動物病院」との分業によって高度な動物医療を実現ペットの飼い主にとっての「かかりつけの病院」となる地域の動物病院(一次診療施設)からの紹介によって、一次診療施設では対処が困難な重度の患者動物に対して高度な専門医療(二次診療)を行う。飼い主の間に「ペットにも人間と同じように高度な医療を受けさせたい」として、動物医療に対する多様化・高度化のニーズが高まるなか、全国各地の「かかりつけの動物病院」との分業によって高度で充実した動物医療を実現している。2. 2022年3月期は増収増益で過去最高業績2022年3月期の連結業績は、売上高が2021年3月期比4.6%増の2,979百万円、営業利益が同8.3%増の439百万円、経常利益が同6.7%増の438百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が0.6%増の286百万円だった。増収増益で着地し、売上高と営業利益は過去最高だった。連携病院数の増加に伴って初診件数(紹介数)と総診療件数が順調に増加し、人件費の増加など事業拡大に向けた費用の増加を吸収した。初診件数(紹介数)は前期比4.4%増加した。3. 2023年3月期はM&Aも寄与して大幅増収増益予想2023年3月期の連結業績予想は、売上高が2022年3月期比29.6%増の3,860百万円、営業利益が同21.8%増の535百万円、経常利益が同22.9%増の540百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同27.2%増の365百万円と、大幅増収増益予想としている。費用面では大阪病院開業(2023年3月頃予定)費用等が発生するが、初診件数が順調に増加(4.0%増程度を想定)し、さらに2022年3月に子会社化したテルコム(株)の新規連結も寄与する。全体として保守的な印象が強く、弊社では会社予想に上振れ余地があると見ている。4. 動物医療業界の総合的企業を目指して新たな成長ステージへ成長戦略には拠点と連携病院数の拡大、人材の確保・育成、M&Aも活用した事業領域の拡大を掲げ、動物医療業界の総合的企業を目指すとしている。ペット市場及び動物高度医療の市場環境は良好であり、さらなる市場拡大余地も大きい。弊社では、良好な市場環境、高度な医療サービスを提供できる総合動物病院としての強み、大阪病院の開業、テルコムとのシナジー効果によって、新たな成長ステージに入る可能性が高いと評価している。■Key Points・ペット(犬・猫)向け高度医療専門の総合動物病院・2023年3月期はM&Aも寄与して大幅増収増益予想・動物医療の総合的企業を目指して新たな成長ステージへ(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
<SI>
2022/06/17 16:21
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日経平均寄与度ランキング(大引け)~日経平均は大幅反落、東エレクとソフトバンクGが2銘柄で約134円分押し下げ
6月17日大引け時点の日経平均構成銘柄の騰落数は、値上がり36銘柄、値下がり184銘柄、変わらず5銘柄となった。日経平均は大幅反落。16日の米株式市場でNYダウは741ドル安と大幅反落。スイス国立銀行(中央銀行)が予想外に2007年以来の利上げに踏み切ったほか、英イングランド銀行(同)も5会合連続での利上げを実施し、世界的な金融引き締めの加速が警戒された。米国の経済指標が軒並み予想を下回ったことも投資家心理を悪化させた。ナスダック総合指数も-4.08%と大幅反落。日経平均は443円安と下落スタートすると、寄り付き直後に25720.80円(710.40円安)とこの日の安値を付けた後は下げ渋ったが、自律反発むなしく、安値圏でのもみ合いが続いた。日銀が金融政策決定会合で現状の緩和政策の維持を決めると、再び為替の円安進行が進み、後場は一時26000円を回復する場面もあったが、黒田総裁の記者会見を控えるなか買いが続かず失速。結局約1カ月ぶりに26000円割れで終えた。大引けの日経平均は前日比468.20円安の25963.00円となった。東証プライム市場の売買高は18億6965万株、売買代金は4兆2721億円だった。セクターでは精密機器、輸送用機器、金属製品を筆頭に全般売り優勢。一方、食料品、電気・ガス、陸運が上昇率上位となった。東証プライム市場の値下がり銘柄は全体の79%、対して値上がり銘柄は19%となった。値下がり寄与トップは東エレク<8035>となり1銘柄で日経平均を約89円押し下げた。同2位はソフトバンクG<9984>となり、信越化<4063>、リクルートHD<6098>、アドバンテ<6857>、TDK<6762>、トヨタ自<7203>がつづいた。一方、値上がり寄与トップはファナック<6954>となり1銘柄で日経平均を約14円押し上げた。同2位はファーストリテ<9983>となり、花王<4452>、ヤマトHD<9064>、京王<9008>、イオン<8267>、キリンHD<2503>などがつづいた。*15:00現在日経平均株価 25963.00(-468.20)値上がり銘柄数 36(寄与度+52.87)値下がり銘柄数 184(寄与度-521.07)変わらず銘柄数 5○値上がり上位銘柄コード 銘柄 直近価格 前日比 寄与度<6954> ファナック 20555 420 +14.76<9983> ファーストリテ 68480 370 +13.00<4452> 花王 5159 105 +3.69<9064> ヤマトHD 2139 53 +1.86<9008> 京王 4700 245 +1.72<8267> イオン 2233.5 47.5 +1.67<2503> キリンHD 2106.5 45 +1.58<1721> コムシスHD 2510 45 +1.58<2269> 明治HD 6450 190 +1.34<2282> 日ハム 4225 75 +1.32<2002> 日清粉G 1539 36 +1.27<7912> 大日印 2957 48 +0.84<3382> 7&iHD 5184 24 +0.84<9007> 小田急 1757 47 +0.83<3402> 東レ 749.7 17.1 +0.60<9735> セコム 8164 17 +0.60<6753> シャープ 1061 16 +0.56<2501> サッポロHD 2858 77 +0.54<4151> 協和キリン 2823 15 +0.53<9532> 大瓦斯 2505 69 +0.48○値下がり上位銘柄コード 銘柄 直近価格 前日比 寄与度<8035> 東エレク 48040 -2550 -89.62<9984> ソフトバンクG 4788 -212 -44.70<4063> 信越化 16275 -850 -29.87<6098> リクルートHD 3720 -230 -24.25<6857> アドバンテス 7270 -310 -21.79<6762> TDK 4250 -200 -21.09<7203> トヨタ自 2063 -77 -13.53<6902> デンソー 7259 -359 -12.62<6367> ダイキン工 19765 -305 -10.72<6988> 日東電 9110 -270 -9.49<7733> オリンパス 2682 -59 -8.29<3659> ネクソン 2708 -106 -7.45<6976> 太陽誘電 4970 -210 -7.38<4901> 富士フイルム 6855 -202 -7.10<4021> 日産化 6230 -200 -7.03<9433> KDDI 4343 -33 -6.96<6971> 京セラ 7177 -97 -6.82<9766> コナミHD 7660 -190 -6.68<8015> 豊田通商 4595 -190 -6.68<7267> ホンダ 3261 -90 -6.33
<FA>
2022/06/17 16:19
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パリミキHD Research Memo(7):2023年3月期は年間6円配当を継続予定
■株主還元策パリミキホールディングス<7455>は株主還元策として配当を実施している。安定配当を基本方針としていることから、2019年3月期、2020年3月期は親会社株主に帰属する当期純損失の計上にもかかわらずそれぞれ年間14円、10円の配当を実施した。2022年3月期もコロナ禍の影響を受け最終損益は赤字となったが年間6円配当を行った。2023年3月期についても、年間6円配当を予定している。(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<EY>
2022/06/17 16:07
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パリミキHD Research Memo(6):世界随一の医療ホスピタリティ・ビジネスモデルを展開
■パリミキホールディングス<7455>の中長期の成長戦略3. 海外事業引き続き眼科医療との融合・協業を軸に東南アジアで展開する「最先端の眼科医療 × 質の高いメガネ店」の相乗効果を実現し、世界随一の医療ホスピタリティ・ビジネスモデルを展開する。(1) 各国での展開状況・ベトナム「眼科専門病院とメガネ店の一体経営」を2014年より開始した。引き続き日本最高水準の医療を現地に根差し提供する。・カンボジアベトナムでの病院経営ノウハウを活用し、2021年に海外2拠点目の「眼科+メガネ店」を設置。・中国最新鋭の検査機器と眼科医とAIにより、目の診断を行う「アイケアセンター」を展開。・タイ・フィリピン店舗内で眼科医・オプトメトリストによるアイ・スクリーニング検査を実施する。診察・治療が必要な場合は眼科医と連携する。(2) 今後の見通し2025年3月期に、売上高4,900百万円、営業利益30百万円を目指す。海外事業は、店舗について「選択と集中」を完遂することで、収益体質を改善する戦略を打ち出している。具体的には、不採算店舗の整理を迅速に進め、東南アジア地域への積極的投資、低コスト・高リターンの店舗を展開し、前述のとおり「メディカル領域の協業」を加速し、付加価値の提供による差別化を図っていく。4. 社会貢献活動同社は社会貢献活動も積極的に行っている。中期経営計画においても社会貢献活動の継続を掲げている。以下は、災害支援を含めた様々な社会貢献活動の概要である。メガネ小売会社として古くから「緊急用メガネ」の備蓄に努めている。これは様々な度数のレンズを入れて作製したメガネを常時社内に備蓄し、災害時にこれらを被災者に配布するものだ。この活動は1991年の雲仙普賢岳の噴火時から行っている。主な支援として、東日本大震災では2年に及ぶ支援活動で37,240本の緊急用メガネの無償配布を行った。さらに2018年夏に起きた台風7号及び梅雨前線による集中豪雨(西日本)時や2019年9月~10月にかけての台風15号、19号、20号が東日本に甚大な被害をもたらした際も、同社は各地域の店舗に支援コーナーを設置しSNSの告知で多くの人々に迅速な配布を行った。このほか、補聴器や補聴器用電池、避難所へは保湿化粧品、またボランティアの参加者には防塵マスク、防塵ゴーグル、郊外店舗では生活用水の提供など、全国各地域の人々に支援活動を行っている。海外における支援も実施している。主な活動として、ベトナムでは、眼科医療の発展の一助としてハノイ市に日本国際眼科病院を設立した。同病院では、東南アジアにおける高度人材育成の場ともなっている。フィリピンでは、2013年11月にレイテ島の大型台風が発生し、現地にて緊急用メガネの贈呈、支援活動を行った。これを機に継続したボランティア活動を行っている。5. SDGsへの取り組み同社は、「2015年9月の国連サミットで採択された持続可能な世界を実現するため、2030年までの国際目標である17のゴール・169のターゲットから構成されたSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)の理念に共感し、事業活動と社会貢献活動を通じて、目標達成に貢献する」と宣言し、SDGsに対しても積極的に取り組んでいる。以下は同社の主なSDGs貢献である。(1) 海外支援とメディカル(SDGs:1、3~5、8、9、17)上海大学の眼鏡学部設立やベトナムの日本国際眼科病院設立への出資など、同社のメディカル事業は地域への貢献とともに発展してきた。(2) 循環型社会へ(SDGs:5、8、9、12、13、17)品質の良い日本製メガネには耐久性と柔軟性があるため、他社のメガネでも修理を受け付ける。使い捨てずにモノを大切に使う心を育む循環型社会を目指す。(3) 各店舗の環境への取り組み(SDGs:3、7、11~13、15)居抜き物件の積極的採用や木造建築店舗の活用、店舗照明のLEDへの段階的切り替えなど、グループ全体で店舗における環境負荷の低減に常に取り組んでいる。(4) スリランカへ愛を(SDGs:1、3、10、12、17)顧客から預かった不要なメガネの調整、メンテナンスを行い、綺麗な状態に仕上げたメガネをスリランカへ寄贈している。1991年から寄贈したメガネは55,000本になった。(5) 視力の大切さ(SDGs:3、8~10、12)「ビジュアルライフケア」は、専用の視力測定ツールと多様な測定項目を整え、生活シーン別に使い分けをするメガネの選び方を推進している。効果的な機能性レンズの提案だけでなく、“未病”の概念から顧客の健康を全面的にサポートできる体制づくりに取り組んでいる。(6) 聴こえる喜び(SDGs:3、8~10、12)顧客が高額な補聴器を使用する際の経済的、精神的なハードルを下げることを目的とした「らくみみサービス」がある。付随する独自の長期保証を設けることで、高齢者と家族の補聴器装用に関する不安の解消に努めている。また、好きな音楽や良い音を楽しみたい世代にも裾野を広げた「オーディオライフケア」を今後も積極的に展開していく。(7) 社会的弱者をなくそう(SDGs:3、8~10、12、17)イスラエルのオーカム社が開発した視覚障害者のためのAI視覚支援デバイス「オーカムマイアイ 2.0」を国内でいち早く導入した。また同社は次世代型電動車椅子「WHILL」を開発するベンチャー企業を支援しており、現在では「WHILL」を同社店舗で販売や試乗体験を行っている。(8) 日本製品の価値を伝える(SDGs:5、8、9、12、17)輸入品の影響で廃業する日本の製造業は多く、メガネの産地・福井県鯖江市も例外ではない。職人の高い技術を守り、産業を未来へと継承していくことも小売業の使命と考え、フレーム製造メーカー「クリエイトスリー」を2011年1月に子会社化した。高品質でありながら比較的安価な日本製PB展開を目指し、今後も日本製の価値を追求していく。(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<EY>
2022/06/17 16:06
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パリミキHD Research Memo(5):中期経営計画を更新。2025年3月期に営業利益15億円を目指す
■中長期の成長戦略パリミキホールディングス<7455>は2025年3月期を最終年度とする中期経営計画を2022年5月に更新した。以下がその概要である。1. 中期経営計画の全体像と概要(1) 全体像:目指すものコンセプト別店舗改装存在意義(Purpose)として 「トキメキとあんしんでお一人おひとりをより豊かに」を、目指す姿(Vision)として「世界的なホスピタリティブランドになる」を掲げている。経営改革を実行し、利益計上体質を目指すことで、2025年3月期に営業利益1,518百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,000百万円を目指す。(2) 定性的目標この計画の定性的目標として、「新しい価値軸で豊かさ(トキメキ × あんしん)を提供する」を掲げている。今までの業界価値観は、「価格と年齢」の軸で店舗展開をする企業が大部分であったが、これを同社では「トキメキ=期待感、わくわく感」と「あんしん=信頼、安心」という新たな軸(概念)で店舗及び事業展開を図っていく計画だ。(3) 社名変更同社は、この中期経営計画を遂行するにあたって、2022年4月から社名をパリミキホールディングスへ変更した。2009年に持株会社制へ移行した際より社名は三城ホールディングスであったが、顧客にとって馴染みのある店舗の屋号と上場銘柄名として表示される商号を一致させることで、同社の株式にも広く関心を寄せてもらう契機になることを願い、社名を変更した。これにより、同社のブランドイメージは一段と高まると思われる。併せて子会社の三城もパリミキへ社名を変更した。中期経営計画の達成に向け、4つの重点施策「メディカル領域の協業」「オーディオライフケアの充実」「店舗施策」「人材育成」を推進2. 経営・事業戦略この経営計画の遂行のために、「メディカル領域の協業」「オーディオライフケアの充実」「店舗施策」「人材育成」という4つの重要施策を掲げている。(1) 「メディカル領域の協業」同社では、既に海外では「眼科+メガネ店一体経営」のビジネス成功モデルを構築しており、日本の最高水準の医療・ホスピタリティを提供している。一方で、日本では眼科病院の経営支援を行い、「患者様(お客様)のために」理念の実践を行っている。今後は、これらのノウハウを相互活用していくことで、メディカル領域の協業を加速させる。「メディカル領域の協業」の新展開として、東南アジアにおいては「眼科+メガネ店」の経営形態を順次拡大し、日本の最高水準の医療を現地に根差し提供していく。2022年6月ベトナム 2号店がオープン予定で、この店舗は「眼科+メガネ店 (2Fは眼科診療クリニック)」となっている。日本においては、医療モールへの積極投資を行う。医療と質の高いメガネ店を併設することで、顧客に「あんしん」を与えることを目指している。2022年5月に、国内初の医療モールがオープン予定で、このモール内にはメガネ店(パリミキ)、眼科、調剤薬局が併設されている。このモールに対して、同社も出資を行っている。(2) 「オーディオライフケアの充実」もう一つ、同社が積極的に取り組む市場が「補聴器」だ。現在の日本における補聴器装用率(装用者÷難聴者人口)は13.5%に止まっており、潜在市場は大きい。これに向けて同社では、オーディオ事業部を新設し、2025年3月期に64億円の売上を目指している。(3) 「店舗施策」従来の概念を超え、出店地域・顧客に合わせて様々な「バリエーション豊かなトキメキの店舗」を展開する。例えば音楽とファッションをテーマにしたエンターテインメント型や木の香り漂うロッジ型など、訪れるだけで楽しめる店舗空間を演出し、また地域の特性に合わせ様々なイベントを行い、ただ単にモノの提供、ショッピングだけでない実店舗ならではの「トキメキ」の付加価値を提供する。短期施策としては、ドミナント的に出店している既存店、不採算店を統廃合し好立地へ移転する。中期施策としてロッジ型・メゾン型店舗を2022年3月期末の23店から2025年3月期末には64店へ拡大する。この間の投資は累計で50億円を計画している。(4) 人材育成高齢化に伴う目の衰えやスマートフォン等の普及による子どもの視力の低下など、目の問題は多様化・高度化している。単に遠くの(近くの)文字が読めるだけでなく、顧客一人ひとりに合わせたメガネを作製する必要も生じている。さらに眼科医との連携により目の健康を守るための眼病未病の重要性も増している。このような状況を背景に、国家資格「眼鏡作製技能士」が2022年4月より開始された。同社では国家資格化の実現を目指す「国家資格推進機構」の発足当初より、メガネ店の中心的存在としてこの資格に対して最大の支援を行ってきた。このため、現時点でも同社には「眼鏡作製技能士」候補が750名在籍し、2025年3月期末までには資格保有者を1,200名まで増加していく計画だ。今後さらに眼鏡医療技術専門学校との提携により人材育成を加速し、眼科医と眼鏡作製技能士との連携による、総合的なビジョンケアを実現する。(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<EY>
2022/06/17 16:05
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パリミキHD Research Memo(4):2023年3月期は営業利益740百万円予想。店舗の改装・整理を進める
■今後の見通しパリミキホールディングス<7455>の2023年3月期は、売上高で46,750百万円(前期比6.0%増)、営業利益740百万円(前期は500百万円の損失)、経常利益1,100百万円(前期比528.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益380百万円(前期は1,108百万円の損失)を見込んでいる。国内売上高は、引き続き店舗の改装や不採算店の整理を進めていくほか、既存店の回復により増収を目指す。国内店舗は、新規出店17店、退店20店、改装70店を計画、設備投資額は2,825百万円(前期は2,187百万円)を予定している。既存店で7.2%増、全店で5.8%増を見込んでいる。一方、海外店舗も回復予想としている。販管費は増加が予想されるが、増収により吸収し営業利益確保を見込んでいる。年間配当6円は維持する。(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<EY>
2022/06/17 16:04
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パリミキHD Research Memo(3):2022年3月期はオミクロン株の発生により第4四半期に失速し、営業損失
■業績動向1. 2022年3月期の損益状況パリミキホールディングス<7455>の2022年3月期の連結業績は、売上高で44,092百万円(前期比0.5%増)、営業損失500百万円(前期は180百万円の損失)、経常利益175百万円(前期比71.4%減)、親会社株主に帰属する当期純損失は1,108百万円(前期は39百万円の損失)となった。売上高は、第1四半期までは回復傾向にあったが、以降はコロナ禍(オミクロン株)の影響を受けて失速し、最終的に営業損失となった。売上総利益額は30,316百万円(前期比1.9%増)となった。連結ベースの売上総利益率は68.8%となり前期比で1.0 ポイント改善した。国内では三城が0.6ポイント増、金鳳堂が0.5 ポイント増、海外法人が3.6 ポイント増であった。一方で販管費は、2021年3月期がコロナ禍の影響で、店舗休業や営業時間の短縮により大幅に減少していたため、前期比2.9%増の30,816百万円となった。内訳は販売促進費2,126百万円(同3.2%増)、広告宣伝費1,148百万円(同2.3%減)、人件費15,715百万円(同3.5%増)、賃借料7,625百万円(同3.2%増)、その他4,200百万円(同1.8%増)となった。営業損失は、販管費が売上総利益額を上回ったことから、500百万円(前期は180百万円の損失)と損失が拡大した。経常利益は、営業外収益で為替差益384百万円を計上したため、175百万円(前期比71.4%減)となった。親会社株主に帰属する当期純損失は、特別損失として減損損失801百万円を計上したことで、1,108百万円(前期は39百万円の損失)と損失は大幅に拡大した。設備投資額は、2,187百万円(前期は2,232百万円)となった。2. セグメント別の動向(1) 国内の状況国内では新規出店11店に対して退店23店であったことから期末店舗数は650店となった。国内小売の全店売上高は前期比0.6%減であったが、内訳は三城が1.6%減、金鳳堂が14.1%増であった。一方で既存店の売上高は前期比1.4%増であったが、内訳は三城が0.5%増、金鳳堂が14.5%増となった。既存店売上高は、第1四半期(2022年4月~6月)は前年同期がコロナ禍の影響を大きく受けた時期であったことから、大きく増加したが、第2四半期(同年7月~8月)は前年同期比で11.2%減となった。以降は回復傾向となり前年同期を上回る月もあったが、同年1月以降はオミクロン株の影響を受けて失速、通年では微増収に止まった。この結果、セグメント売上高は39,377百万円(前期比0.9%減)、セグメント損失287百万円(前期は212百万円の利益)となった。(2) 海外の状況海外では7店を出店し、14店を閉鎖した。売上高は、前期がコロナ禍の影響を大きく受けたこともあり現地通貨ベースでは前期比4.4%増となり、円安の影響で円ベースでは同11.8%増となった。セグメント売上高は4,924百万円(前期比11.8%増)、セグメント損失は213百万円(前期は393百万円の損失)となり損失幅が縮小した。現金及び預金は潤沢で財務基盤は安定3. 財務状況2022年3月期末の財務状況を見ると、流動資産は24,185百万円(前期末比4,409百万円減)となった。主要科目では現金及び預金3,714百万円減、受取手形及び売掛金45百万円減、たな卸資産692百万円減などの要因があった。固定資産は11,598百万円(同263百万円増)となった。内訳は有形固定資産が4,840百万円(同111百万円増)、無形固定資産608百万円(同168百万円増)、投資その他の資産6,149百万円(同17百万円減)となった。この結果、資産合計は35,784百万円(同4,146百万円減)となった。流動負債は7,167百万円(同2,828百万円減)となった。主な変動は支払手形及び買掛金の減少118百万円、短期借入金(1年以内返済の長期借入金含む)の減少3,146百万円、未払金の減少82百万円によるものであった。固定負債は1,170百万円(同229百万円増)となった。この結果、負債合計は8,337百万円(同2,599百万円減)となった。純資産は27,446百万円(同1,546百万円減)となった。親会社株主に帰属する当期純損失の計上と配当金の支払いによる利益剰余金の減少1,583百万円が主な要因となった。4. キャッシュ・フローの状況2022年3月期のキャッシュ・フローでは、営業活動によるキャッシュ・フローは1,512百万円の収入となった。主な収入は減価償却費及びその他の償却費883百万円、減損損失801百万円、たな卸資産の減少790百万円となった。一方で主な支出は、税金等調整前当期純損失の計上706百万円、為替差益319百万円、助成金収入77百万円となった。投資活動によるキャッシュ・フローは330百万円の収入となった。主な収入は定期預金の払戻2,503百万円、主な支出は有形固定資産の取得1,607百万円、無形固定資産の取得359百万円となった。財務活動によるキャッシュ・フローは3,518百万円の支出となった。主に借入金の返済による支出3,176百万円、配当金支払いによる支出305百万円による。この結果、期中の現金及び現金同等物は1,514百万円減少し、期末残高は9,776百万円となった。(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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2022/06/17 16:03
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パリミキHD Research Memo(2):「パリミキ」を展開する国内大手メガネ小売業のチェーン
■会社概要1. 会社概要パリミキホールディングス<7455>の源流は、創業者・多根良尾(たねよしお)氏が1930年に兵庫県姫路市に開業した正確堂時計店である。1950年に姫路市に時計、貴金属、メガネを販売する(株)三城時計店を設立し、1960年には社名を(株)メガネの三城に改めた。その後は主に兵庫県を中心に店舗数を増やしていたが、1973年に二代目である多根裕詞氏がフランス・パリの三越の近くにミキブランドの店をオープンしたことを契機に同社の成長が始まった。パリへの出店の後、1974年に東日本地区での本格出店の拠点として(株)パリーミキ(後に関西のメガネの三城と合併、社名を(株)三城に変更)を設立し、全国での拡大を進めた。2009年には、(株)三城ホールディングスを設立し、持株会社制へ移行した。なお、同社は2022年4月から社名をパリミキホールディングスへ変更した。併せて子会社の三城もパリミキへ社名を変更した。2022年3月期末現在、国内650店舗、海外109店舗を有しており、国内大手のメガネ小売チェーンである。株式は1995年に日本証券業協会に店頭登録し、1996年には東証第2部に上場した。その後1998年には東証第1部へ指定替えした。現在は、東証プライムへ移行した。国内店舗はコンセプト戦略にのっとり改装を進め、業績復活目指す2. 事業概要(1) 店舗の形態及び平均客単価同社は、店舗数で国内大手のメガネ類の小売業者である。国内店舗の形態は大きく分けて、同社にとっての主力業態である「パリミキ」(通常店)、百貨店を中心とした店舗展開をしている「金鳳堂」となる。「パリミキ」は欧米、中国、東南アジアなど海外にも展開しており、2022年3月期の売上高(比率)は国内が39,377百万円(89.3%)、海外が4,924百万円(11.2%)となっている。ファストファッションを打ち出す同業他社との差別化を図るため、立地の顧客構成に合わせた新コンセプト店(メゾン、ロッジ、ベルエポック、サロン)へ改装を行うのと同時に、視力測定室や補聴器の聴力測定室設置を充実させる戦略を打ち出している。これにより、従来の顧客層だけでなく、ファミリー層顧客の増加を目指す。平均組単価(2022年3月期平均)は、全店で32.8千円(2021年3月期は31.1千円、2020年3月期は31.7千円)、百貨店内店舗(主に「金鳳堂」)では108.5千円(2021年3月期は109.2千円、2020年3月期は109.0千円)となっている。(2) 店舗数店舗数(2022年3月期末)は国内が650店(うち93店がのれん自立店)、海外が109店(中国34店、韓国39店、その他アジア25店、その他欧米11店)となっている。国内のうち、「パリミキ」が631店、「金鳳堂」が19店となっており、郊外型、ビルイン型、テナント型などがある。ほとんどの店舗が賃貸借物件によるもので、自社所有店舗は少ない。海外店はテナント型が主であり、ベトナムの1店舗、カンボジアの1店舗は病院に併設している。(3) 商品別売上高比率国内の商品別売上高比率を見ると、レンズとフレームが74.5%を占める。商品の平均粗利率は70%ほどであり、主力商品であるフレームとレンズは平均より高く、サングラスなどその他の商品は平均より低い。ただし、度付きサングラスの売上は新コンセプトの店舗が寄与しており、今後は後述するような「オーディオライフケアの充実」が進むに伴い、補聴器事業も順調に推移していくと期待される。(4) 商品の主な仕入先商品の主な仕入先は、金額ベースでは国内メーカーの比率が高いが数量ベースでは海外メーカー(主に中国)が高くなっている。商品売上数量の約80%は同社が独自に企画・設計したプライベートブランド(PB)となっており、百貨店店舗では著名なデザイナーブランドなどが多いことから、PBの比率は低く90%以上がナショナルブランド(NB)となっている。また日本製の優れた商品を広めていくことを目的とした“MADE IN JAPAN project”が5年目に入り、PB商品のブランド力を高めることで日本製の販売数量比も40~50%と増えている。3. 競合、特色、強みメガネの国内市場は業界で約4,000~5,000 億円と一般に推定されており、同社は業界第3位(第1位は(株)メガネトップ、2位は(株)ジンズ)である。しかしメガネの小売市場では、依然として小規模の家族経営店や数店だけのチェーン店が市場の半分を占めると言われている。その意味では国内には数多くの競合が存在すると言える。そのような業界環境のなかで、同社の特色(強み)として挙げられるのは、専門的な知識を備えた経験豊富なスタッフが多いこと、高いブランド力、大手チェーンとしてのスケールメリット、上場企業としての信用力、強固な財務基盤などが挙げられる。そのためメガネ店としての知名度は高く、多くのリピート顧客を抱えている。しかし過去10年、Zoff((株)ゾフ)などの登場により日本のメガネ市場が低価格化にシフトするなかで、これらの強みの一部は両刃の剣として同社の弱みとなってきた面も否定できない。そのため同社では、現在の強みを維持しつつも、今後は「変えるべきは変える」との方針から、ニューファミリー層が来店しやすく低価格でも質の良いメガネ購入体験を提供する新しい店舗戦略を打ち出してる。同時に「ビジュアルライフケア」を推進することで、ファストファッション化する同業他社との徹底的な差別化を強化する戦略である。また団塊世代が高齢化することで、今後需要が伸びる補聴器市場の開拓にも同社は注力しており、技術者が多く在籍する同社ならではの提案力で訴求をしていく。(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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2022/06/17 16:02
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パリミキHD Research Memo(1):2022年3月期は営業損失。中期経営計画を更新。業績の巻き返しを図る
■要約パリミキホールディングス<7455>は、傘下に連結子会社29社、非連結子会社4社、関連会社1社、その他の関係会社1社を抱える純粋持株会社であり、主要事業はメガネの小売販売である。2022年3月期末現在、国内650店舗(フランチャイズ含む)、海外109店舗(うち中国34店舗)を有しており、国内外に展開するメガネ小売チェーンである。なお、同社は2022年4月から社名を三城ホールディングスからパリミキホールディングスへ変更した。1. 2022年3月期の業績概要2022年3月期の連結業績は、売上高で44,092百万円(前期比0.5%増)、営業損失500百万円(前期は180百万円の損失)、経常利益175百万円(前期比71.4%減)、親会社株主に帰属する当期純損失は1,108百万円(前期は39百万円の損失)となった。第3四半期までは比較的好調に推移したが、第4四半期に入ってから新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)(オミクロン株)の影響を受けて失速した。売上高は、国内で既存店※が前期比1.4%増となったが退店により全店は同0.6%減となった。海外売上高は円安の影響もあり11.8%増となった。営業外収益で為替差益384百万円(前期は344百万円の差益)計上したことから経常損益は175百万円の利益となったが、特別損失として不採算店舗等の減損損失801百万円を計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純損失1,108百万円となった。※稼働24ヶ月超店舗のこと。退店分は調整済み。2. 2023年3月期の業績見込み2023年3月期は、売上高で46,750百万円(前期比6.0%増)、営業利益740百万円(前期は500百万円の損失)、経常利益1,100百万円(前期比528.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益380百万円(前期は1,108百万円の損失)を見込んでいる。国内では、引き続き店舗の改装や店舗整理を進めていくほか、既存店の回復で増収を目指し、海外も回復予想としている。国内店舗は、新規出店17店、退店20店、改装70店を計画、設備投資額は2,825百万円(前期は2,127百万円)を予定している。販管費は増加が予想されるが増収により吸収し、営業利益確保を見込んでいる。年間配当6円は維持する。3. 中期経営計画の更新同社は、「世界的なホスピタリティブランド」になることをVisionとした中期経営計画(2023年3月期~2025年3月期)を2022年5月に発表した。「トキメキとあんしん」を提供することを主なコンセプトとし、重要施策として「メディカル領域の協業」と「オーディオライフの充実」を進める。国内店舗数は650店舗と2022年3月期末比で横ばいとする計画だが、改装済み店舗数を256店から375店に増やすことで収益性を改善する。海外事業は「選択と集中を完遂」することで最終年度に黒字化を目指す。定量的な目標として2025年3月期に営業利益1,518百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,000百万円を計画している。コロナ禍の影響も不透明なことから容易な目標ではないだろうが、店舗改装の効果もあり不可能ではないと弊社は考えている。今後の同社がどのように変わっていくか、大いに注目したい。■Key Points・2022年3月期はコロナ禍(オミクロン株)の影響を大きく受け営業損失を計上・2023年3月期も継続した不採算店舗の整理を進め、営業利益確保を目指す・中期経営計画を発表、2025年3月期に営業利益15億円を目指す(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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2022/06/17 16:01
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飯野海運 Research Memo(9):ESG・SDGs経営を積極推進
■ESG・SDGs経営への取り組み1. 環境負荷軽減に向けた取り組みを積極推進飯野海運<9119>は従来から環境負荷軽減に向けた取り組みを積極的に推進している。海運業では2019年12月に同社初の二元燃料主機関搭載メタノール船が竣工、2020年3月に同社初のSOxスクラバー(脱硫装置)搭載のVLCCが竣工、2021年1月に同社で5隻目となるSOxスクラバー搭載船(VLCC)が竣工した。2022年2月には、LPGを燃料として使用できる同社初の二元燃料主機関搭載VLGCが竣工した。SOx排出規制に対応していることに加えて、新造船のCO2排出規制であるEEDI規制についても、2022年以降の建造契約船から適用されるフェーズ3に先行対応している。さらに2023年12月にはアンモニア運搬船の竣工を予定している。LPGも輸送可能な次世代型船舶で、環境負荷低減型の船舶として本邦船社初の建造となる。また、2023年1月からCII規制(Carbon Intensity Indicator規制、燃費実績の評価・格付)が施行され、海運会社には環境に一層配慮した船舶の運航が求められることに対応して、2022年2月には米国シリコンバレーを拠点とするAIスタートアップ企業Bearing社が開発したCII最適化ツールの段階的導入を決定した。不動産業の既存の保有ビルにおいては、最先端の環境性能を取り入れて大幅な省エネを実現している。そして主力の飯野ビルディング(建替えで2014年グランドオープン)は、日本初のLEEDプラチナ認証(米国グリーンビルディング協会による環境性能評価システムの最高位)、BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)評価で最高ランク5つ星、環境・社会への配慮がなされたビルに与えられるDBJ Green Building認証で最高ランクの5つ星を取得するなど、環境に関わる数々の認証を取得している。また日比谷フォートタワーの建設事業費調達では、日本格付研究所よりグリーンボンド評価(最上位のGreen1)を取得し、公募形式によるグリーンボンド(第2回無担保社債、2021年3月発行)で50億円を調達した。今後も更なる省エネ運用、高効率機器への刷新、環境認証の維持、再生可能エネルギーの活用などを推進する方針だ。2. 2030年に向けて温室効果ガス排出量40%削減目標環境問題の温室効果ガスへの対応では、排出量削減目標として、海運業では輸送単位当たり温室効果ガス排出量を2030年に2008年比40%削減、2050年に同50%削減、不動産業では単位面積当たりCO2排出量を2030年に2013年比50%削減を掲げている。そして「CDP気候変動スコア2021」において「B」評価を取得した。2021年7月には気候関連財務情報開示タスクフォースの提言(TCFD提言)への賛同を表明し、2021年9月にはTCFDコンソーシアムに加入した。また2021年8月には、水素社会の早期構築を目指して水素分野におけるグローバルな連携や水素サプライチェーンの形成を推進する水素バリューチェーン推進協議会(JH2A、2020年12月設立)に加入した。さらに2022年3月には、TCFD提言に基づいて不動産業における気候変動シナリオ分析を実施し、気候変動がもたらす重要リスクと機会を抽出し、項目を特定している。こうしたESG・SDGs経営への積極的な取り組みが評価されて、2022年4月には、グローバルインデックスプロバイダーであるFTSE Russellにより構築されたESG指数「FTSE Blossom Japan Sector Relative Index」の構成銘柄への選定を公表。3. 次期中期経営計画を2023年公表予定、ESG・SDGs経営を積極推進社会・ガバナンス面での取り組みも活発化している。働き方改革への取り組みでは、コロナ禍で各国での船員交代に制限がかかるなか、長期乗船防止のため船員交代を優先している。ダイバーシティへの取り組みでは女性・中途採用者を積極活用するとともに、2021年6月以降、女性管理職を新たに2名登用した。また2022年6月28日開催の株主総会で同社初の女性社外取締役の選任議案を付議予定。また、ガバナンス面では取締役の経営責任を明確にするとともに、経営環境の変化に迅速に対応できる経営体制を構築するため、取締役の任期を2年から1年に変更する議案を付議予定。次期中期経営計画は現在策定中で2023年に公表予定としている。海運業と不動産業を両輪として成長を目指す基本シナリオに変化はなく、更なる経済的価値や社会的価値の創造を目指してESG・SDGs経営を積極推進するシナリオにも変化はないだろうと弊社では予想している。さらに、こうした戦略が中長期的な収益拡大にとどまらず、投資対象としても投資家からの注目度の高まりにつながるだろうと弊社では評価している。(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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2022/06/17 15:39
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飯野海運 Research Memo(8):2022年3月期の1株当たり配当金は前期比14円増配の年間36円
■飯野海運<9119>の株主還元策1. 配当は安定的かつ連結配当性向30%を基準とした業績連動方式利益配分に関しては、海運業の業績が市況に大きく左右されるため、従来は財務体質の強化と必要な内部留保の充実、および今後の経営環境の見通しに十分配慮して、年間8円~12円の安定配当を目指すことを基本方針としていたが、中期経営計画策定に合わせて2021年3月期から、安定的かつ連結配当性向30%を基準とした業績連動方式の配当に移行した。配当額と利益成長の連動性を明確化し、業績の向上並びに配当の増額を目指すとしている。この基本方針に基づいて2022年3月期の1株当たり配当金は2021年3月期比14円増配の年間36円(第2四半期末11円、期末25円)とした。配当性向は30.4%である。そして2023年3月期の1株当たり配当予想は2022年3月期比16円減配の年間20円(第2四半期末10円、期末10円)としている。予想配当性向は30.2%となる。2. 株主優待制度株主優待制度(2022年3月末の対象から一部変更)は、毎年3月31日時点で500株以上保有株主に対して、保有株式数および保有期間に応じて株主優待ポイントを贈呈する。1ポイント=1円相当で、保有株式数500株以上1,000株未満で継続保有1年未満は2,000ポイント、500株以上を継続1年以上保有は3,000ポイント、保有株式数1,000株以上で継続保有期間1年未満は4,000ポイント、1,000株以上を継続1年以上保有は8,000ポイントを贈呈する。株主優待ポイントはカタログギフト商品または社会貢献活動への寄付のどちらかを選択できる。また、イイノホール(東京都)で実施予定の落語公演に抽選で招待。(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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2022/06/17 15:38
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飯野海運 Research Memo(7):2030年に向けた中期経営計画
■飯野海運<9119>の成長戦略1. 中期経営計画「Be Unique and Innovative.:The Next Stage −2030年に向けて−」長期ビジョン「IINO VISION for 2030」の実現に向けて、中期経営計画「Be Unique and Innovative.:The Next Stage −2030年に向けて−」(2021年3月期~2023年3月期)を策定し、最終年度2023年3月期の目標値には売上高900~1,100億円、営業利益75~85億円(市況変動を考慮して海運業が25~35億円のレンジ計画、不動産業が50億円)、経常利益70~80億円、親会社株主帰属当期純利益70~80億円、EBITDA195~205億円、ROE8~9%、D/Eレシオ最大2.0倍を掲げている。3ヶ年累計の営業キャッシュ・フローは550億円、事業投資は450億円としている。成長、安定、環境の3分野にバランス良く投資する方針だ。重視する指標として、収益性では事業投資損益やキャッシュ・フローも意識して経常利益およびEBITDA、効率性では資本コストを意識してROE、健全性では財務基盤の規律を維持するためD/Eレシオを設定した。3項目をバランス良く管理し、持続可能な成長を目指す方針だ。2. 重点強化策独自のビジネスモデル「IINO MODEL」の形成、高品質なサービス「IINO QUALITY」の提供を追求して、自社の経済的価値を高めると同時に、サステナビリティ(持続可能性)への積極的な取り組みによって、環境保全を含めた社会的ニーズに対応することで社会的価値を創造し、共通価値の創造(CSV=Creating Shared Value)を目指すとしている。共通価値を創造するための重点強化策には、安定収益基盤の更なる盤石化、グローバル事業の更なる推進、サステナビリティへの取り組みを掲げている。そして企業の基盤・土台の盤石化に向けた基盤整備項目は、船舶・ビル管理の品質向上と安全の徹底、コスト競争力の強化、人的資本の育成・強化、海外拠点の更なる活用、DX(Digital Transformation:デジタルトランスフォーメーション)の推進加速、ESG(環境・社会・ガバナンス)・SDGs(持続可能な開発目標)への対応強化としている。安定収益基盤の更なる盤石化では、不動産事業強化への取り組みとして長期的な視野での安定収益源となる都心基幹物件の獲得、海外・地方物件への進出など、海運業のエネルギー輸送の更なる強化として安定的な船隊整備の推進、既存契約荷主への高品質サービスの継続、安定的かつ高品質なエネルギー輸送の供給継続などを推進する。グローバル事業の更なる推進では、グローバル体制を推進する競争力の強化としてケミカルタンカーの既存中東航路以外の航路進出に向けた取り組み強化、ガス船およびドライバルク船の新規貨物・新規航路への取り組み強化、グローバル体制を支える組織力の強化として海外事務所の人材増員・機能強化などを推進する。サステナビリティへの取り組みでは、環境負荷低減に資する資産への投資推進として大型で燃費効率の良いエンジンを採用した船舶への投資強化(CO2排出率削減と経済効率性向上)、所有ビルにおけるエネルギーミックス推進(再生可能エネルギーへの転換やLED等の設備導入)に注力する。また、次世代燃料船への取り組み強化(LNG・LPG・メタノール等を燃料とする船舶への投資)や、二元燃料船の運航・管理ノウハウの高度化を推進する。サステナブルな貨物(環境負荷が少ない貨物、飢餓・貧困の撲滅に資する貨物)への取り組み強化として、LNG・穀物・肥料等の運航ノウハウの蓄積や荷主との関係強化を目指す。さらに、2030年に向けて新たな価値を創造すべくDXの推進を加速している。デジタル化基盤を整備し、安全運航の質向上(船陸のリアルタイム通信、最適航路モニタリング、故障予兆技術の活用など)、ESG推進サポート(CO2削減、燃費向上、多様な働き方の実現など)、業務改革(付加価値の高い業務に集中できる環境の整備、ノウハウが伝承される組織体制の強化など)といった新たな価値の創出を目指す。基幹システムの刷新に関しては順次、段階的に取り組む見込みだ。3. 組織・体制強化こうした重点強化策の推進を強化・加速するため、組織・体制の強化も進めている。2020年8月からは「IINO環境タスクフォース」および「IINO DXタスクフォース」を設置し、組織の横断的な対応を推進している。また2021年6月には、海外拠点の活動を統括する海外戦略担当と新規事業の企画調査立案を行う事業開発推進部を統合して事業戦略部を新設した。そして2022年6月には、船舶の環境負荷低減のための取り組みを強化するため技術部を新設するとともに、IINO環境タスクフォースとともにグループ内の安全・環境・品質に関わる対策を推進してきた業務管理部およびビル事業部の担当組織を分割統合して「サステナビリティ推進部」を新設する。なお外部とのアライアンスやコラボレーションも活用・強化する方針だ。2022年5月には、米国シリコンバレーに本拠地を置く世界最大のアクセラレーターであるPlug and Play社を起用して、様々な分野で先端技術を持つスタートアップとのコラボレーションを強化する方針を打ち出した。4. 中期経営計画最終年度の目標をおおむね達成の見込み中期経営計画の進捗状況を見ると、策定時点の前提に対して、燃料油価格が大幅に上昇しているものの、海運市況も大幅に上昇し、さらに為替が円安・ドル高となっていることも寄与して、2021年3月期、2022年3月期とも計画を大幅に超過達成した。そして2023年3月期も計画をおおむね達成する見込みとなっている。なお、2022年3月期の営業利益の中期経営計画策定時点との差異分析については、海運業(中期経営計画比5億円増)は、大型原油タンカーで修繕費等の船費増加により7億円減、ケミカルタンカーで冬場以降の市況は上昇したものの、通期ベースでは市況が想定よりも低水準だったことにより2億円減、大型ガス船でLPG船の市況下落およびLNG船の入渠による費用増加により5億円減、ドライバルク船で市況上昇のため、想定よりも高水準に推移したことにより18億円増、不動産業(同5億円減)は、オフィスビルで営繕費の増加により4億円減、イイノホールおよびフォトスタジオ等でコロナ禍の影響で稼働が低迷したことにより1億円減としている。また、2023年3月期の営業利益予想の中期経営計画策定時点との差異分析については、海運業(中期経営計画比3億円増)は、大型原油タンカーで船員費等の船費増加により3億円減、ケミカルタンカーで入渠費用や船員費等の船費が増加したことにより12億円減、大型ガス船で運航船売却による稼働減少を市況回復でカバーする見込みにより0億円減、ドライバルク船で市況が引き続き堅調に推移する見込みであることにより18億円増、不動産業(同12億円減)は、オフィスビルで堅調な稼働を維持するが、一部ビルにおける営繕費の増加により6億円減、イイノホールおよびフォトスタジオ等でコロナ禍の影響で稼働が低迷していることにより6億円減としている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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2022/06/17 15:37
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飯野海運 Research Memo(6):2023年3月期は減益予想だが上振れの可能性あり
■今後の見通し1. 2023年3月期連結業績予想の概要飯野海運<9119>の2023年3月期の連結業績予想は、売上高が2022年3月期比7.6%増の112,000百万円、営業利益が7.0%減の7,000百万円、経常利益が25.8%減の7,000百万円、親会社株主帰属当期純利益が44.1%減の7,000百万円としている。前提の平均為替レートは120円/米ドル(2022年3月期実績は112.06円/米ドル)、適合燃料油平均価格(補油地:シンガポール)は760米ドル/MT (上期860米ドル/MT 、下期660米ドル/MT、2022年3月期通期実績は558米ドル/MT)、市況はPanamaxが20,000米ドル(2022年3月期実績は27,416米ドル)、Small Handyが19,000米ドル(2022年3月期実績は23,029米ドル)としている。為替感応度(1円変動による経常利益への影響額)は年間114百万円の見込みである。ケミカルタンカーやドライバルク船の市況は堅調推移を見込むが、不透明感、海運業におけるコロナ禍に伴う船員交代の制限による費用増加、先行投資などを考慮して、増収ながら減益予想としている。営業利益の2022年3月期比5億円減の増減分析(計画)は、増益要因として、大型ガス船がLPG船の市況上昇、新造船の稼働、LNG船入渠費用の剥落で8億円増、ドライバルク船が市況の堅調推移で0億円増、小型ガス船が近海市況の上昇で1億円増、減益要因として、大型原油タンカーが船費の増加で3億円減、ケミカルタンカーが入渠費用の増加などで8億円減、不動産が高稼働率だが営繕費の増加で2億円減、その他が1億円減としている。営業外収益・費用や特別利益・損失の一過性利益・損失は織り込んでいない。海運業の市況変動に注意が必要だが、同社予想には上振れの可能性があると弊社では見ている。なお半期ベースに分解すると、上期は売上高56,000百万円、営業利益3,600百万円、経常利益3,200百万円、親会社株主帰属当期純利益3,500百万円、下期は売上高56,000百万円、営業利益3,400百万円、経常利益3,800百万円、親会社株主帰属当期純利益3,500百万円となる。2. 2022年度市況見通しウクライナ情勢による影響については、ケミカルタンカーでは石油製品の物流変化に伴って、プロダクトタンカーがケミカルタンカー市場からの退出、ロシア発の代替として中東・米国・アジアからの欧州向け輸送需要の増加を見込んでいる。ドライバルク船では、短期的には黒海発着の荷動きに悪影響があるが、荷動きパターンの変化(中南米発の荷動き活発化など)によるトンマイル増が市況にプラス要因となる可能性もあるとしている。大型ガス船では、LPGに関してはロシアの存在感が小さいため、対ロシア制裁に伴う直接的な影響は限定的な見込みとしている。上述のウクライナ情勢の影響も含めて、2022年度の海運業の市況見通しとして、ケミカルタンカーは新造船の竣工数が依然として少ないため市況は底堅く推移する見込みとしている。大型ガス(LPG)船は、市場全体で25隻程度の新造VLGCの竣工が見込まれているため、需給バランスの悪化要因として懸念されるが、一方でインド・東南アジアでの民生需要の増加や、パナマ運河での滞船の影響などで、市況は比較的安定して推移する見込みとしている。ドライバルク船は、2022年度の新造船供給量が限定的であり、輸送需要増加で市況は堅調に推移する見込みとしている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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2022/06/17 15:36
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飯野海運 Research Memo(5):2022年3月期は市況上昇で増益着地
■業績動向1. 2022年3月期連結業績の概要飯野海運<9119>の2022年3月期の連結業績は、売上高が2021年3月期比17.1%増の104,100百万円、営業利益が10.1%増の7,524百万円、経常利益が38.5%増の9,431百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が63.6%増の12,526百万円だった。平均為替レートは112.06円/米ドル(2021年3月期は105.79円/米ドル)、平均燃料油価格(補油地:シンガポール)は423米ドル/MT(2021年3月期は269米ドル/MT)、適合燃料油平均価格は558米ドル/MT(同346米ドル/MT)だった。海運業における市況上昇、既存契約の有利更改や効率配船への取り組みによる運航採算の向上、不動産業における日比谷フォートタワーの稼働などで大幅増収増益だった。営業利益の2021年3月期比6.9億円増の分析は、増益要因として、ドライバルク船が市況上昇による採算改善などで15.3億円増、ケミカルタンカーが入渠隻数の減少による費用減少や高運賃スポット貨物の獲得に加えて、市況が想定を上回ったことも寄与して6.3億円増、大型原油タンカーが新造船2隻の本格稼働も寄与して5.3億円増、不動産業が英国不動産の稼働増加や日比谷フォートタワーの稼働などで2.9億円増、その他が4.8億円増、減益要因として、大型ガス船が保有船の売却による稼働減少やLNG船の入渠による費用増加などで27.7億円減だった。営業外収益は1,786百万円増加(受取配当金が1,247百万円増加、円安・ドル高に伴って為替差益が650百万円増加など)し、営業外費用は143百万円減少(支払利息が149百万円減少)した。特別利益では固定資産売却益(売船)4,428百万円を計上、前期計上の子会社清算益822百万円が剥落、特別損失では投資有価証券評価損969百万円を計上した。なお、前回予想(2022年2月8日付の上方修正値、売上高103,000百万円、営業利益5,900百万円、経常利益6,800百万円、親会社株主帰属当期純利益10,000百万円)に対しても大幅に上回って着地した。主に外航海運業において、ウクライナ情勢の悪化に伴って米国や中東から欧州への輸送需要が増加し、ケミカルタンカーの市況が想定よりも高い水準で推移して採算が改善した。さらに、事業投資先からの配当金が増加したことや、第4四半期に為替が大きく円安・ドル高に振れて為替差益を計上したことも寄与した。2. セグメント別動向セグメント別の動向は以下のとおりである。(1) 外航海運業外航海運業は売上高が前期比19.1%増の82,546百万円、営業利益が同16.1%増の2,860百万円だった。大型原油タンカーは、入渠による費用が増加したが、支配船腹を長期契約に継続投入し、2021年3月期に竣工した新造船2隻の本格稼働も寄与して安定収益を確保した。ケミカルタンカーは、夏場以降に採算が改善した。基幹航路である中東域から欧州およびアジア向けの安定的なCOA(数量輸送契約)に加えて、アジア域からの高運賃スポット貨物の獲得、コスト面での入渠隻数減少による費用減少も寄与した。なお米国オペレーターとの合弁事業は、第3四半期にパートナーシップ形態を変更し、米国オペレーター向けプロフィットシェア付き定期用船契約に移行した。大型ガス船は、保有船の売却で稼働が減少し、LNG船の入渠に伴う費用増加が影響した。ドライバルク船は、専用船が順調に稼働し、市況が想定よりも高い水準で推移したことも寄与して運航採算が当初の予想を上回った。(2) 内航・近海海運業内航・近海海運業は売上高が前期比11.1%増の9,535百万円、営業利益が同1.7%増の513百万円だった。内航ガス輸送は、コロナ禍で民生用LPG需要の低迷が続いているが、中長期契約に基づいて安定的収益を確保した。近海ガス輸送は市況軟化の影響を受けたが、第4四半期に一部の契約更改を実現して採算が回復傾向となった。(3) 不動産業不動産業は売上高が前期比9.8%増の12,254百万円、営業利益が同7.4%増の4,150百万円だった。営繕費が増加したが、主力の飯野ビルディングの稼働が堅調に推移し、2020年3月に取得した英国ロンドンBRACTON HOUSEの稼働増加、2021年6月に竣工した日比谷フォートタワーの稼働も寄与した。コロナ禍に伴うイベント中止・延期の影響を受けていたイイノホール&カンファレンスセンターも、影響が徐々に和らいで稼働が改善傾向となった。自己資本比率上昇、D/Eレシオ低下3. 財務の状況財務面で見ると、2022年3月期末の資産合計は2021年3月期末比1,519百万円増加して247,130百万円となった。主に売掛金が増加したことによる。負債合計は9,979百万円減少して155,797百万円となった。船舶売却などで設備資金を返済し、有利子負債が10,816百万円減少した。純資産は11,497百万円増加して91,333百万円となった。主に利益剰余金が増加したことによる。この結果、自己資本比率は4.4ポイント上昇して36.9%となった。またD/Eレシオは0.33ポイント低下して1.32倍となった。利益剰余金の積み上げによる自己資本比率の上昇、有利子負債の返済によるD/Eレシオの低下など、財務体質の改善が進んだ形である。海運業と不動産業を両輪に安定した収益基盤を構築しており、財務健全性に大きな問題は無いと判断できるだろう。(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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2022/06/17 15:35
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飯野海運 Research Memo(4):不動産業は東京都心部の一等地でオフィスビルを賃貸
■飯野海運<9119>の事業概要と特徴・強み4. 不動産業不動産業はオフィスビル賃貸・管理・メンテナンスを行っている。本社ビルである飯野ビルディング(イイノホール&カンファレンスセンター含む)など、東京都心部の一等地に賃貸オフィスビルを複数所有していることが特徴だ。また、レンタルフォトスタジオ事業(イイノ・広尾スタジオ、イイノ・南青山スタジオ)など関連事業も展開している。1983年竣工の東京富士見ビル(東京都千代田区)、1988年竣工の飯野竹早ビル(東京都文京区)、2006年竣工の汐留芝離宮ビルディング(東京都港区)のほか、2009年に飯野ビルディング(東京都千代田区)の建替え工事に着手し、2011年10月に1期工事が完了して開業、2014年11月に2期工事が完了してグランドオープンした。2017年12月にはNS虎ノ門ビル(東京都港区、2016年竣工)の一部持分を取得した。2020年3月には英国ロンドンのオフィスビルBRACTON HOUSEを取得(2020年1月設立の現地連結子会社が取得)し、海外不動産を事業ポートフォリオに加えた。なお事業ポートフォリオ見直しに伴い、2017年3月に笹塚センタービル(1995年竣工)を売却した。また、旧東京桜田ビルを解体して参画した新橋田村町地区市街地再開発事業で、日比谷フォートタワー(東京都港区)が2021年6月に竣工した。この結果、2022年3期末時点の所有賃貸ビルは7棟(飯野ビルディング、東京富士見ビル、日比谷フォートタワー、汐留芝離宮ビルディング、NS虎ノ門ビル、飯野竹早ビル、ロンドンBRACTON HOUSE)となっている。同社にとって不動産業は長期的な視野における安定収益源の柱の1つであり、従前のターゲットエリアに指定していた都心に限定せず、今後は海外や地方にも目を向けて優良物件の獲得を目指す方針としている。高度な環境性能を追求した飯野ビルディング5. 飯野ビルディング飯野ビルディング(2011年開業、2014年グランドオープン)は「100年先にも愛されるビル」をコンセプトとして、通常の外壁・窓ガラスを二重構造にして断熱空気層を作ることで熱負荷を軽減する「ダブルスキン外壁」を採用するなど、高度な環境性能を追求したビルである。そしてLEED-CI(米国グリーンビルディング協会による環境性能評価システム)の最高位であるプラチナ認証を日本で初めて取得した。2015年には生物多様性保全に取り組むオフィスビルや商業施設を評価する「いきもの共生事業所®認証」(ABINC認証)を取得し、2016年にはABINC認証事業所のうち特にABINCの普及啓発や生物多様性の主流化への貢献度の高い施設として「第1回ABINC特別賞」を受賞した。同年に東京都環境確保条例における2015年度「優良特定地球温暖化対策事業所(トップレベル事業所)」に認定(2021年3月に2020年度の認定を再取得)された。2018年2月には東京消防庁による優良防火対象物認定表示制度に基づく「優良防火対象物認定証」(優マーク)を取得(2021年2月に継続取得)した。2018年3月には東京都環境局の在来種植栽登録制度「江戸のみどり登録緑地」の優良緑地として登録された。2018年10月には飯野ビルディングの事務所基準階部分(7階~27階)がBELS(建築物省エネルギー性能表示制度)で最高ランク5つ星を取得した。2019年3月には(株)日本政策投資銀行のDBJ Green Building認証で、飯野ビルディングが最高ランク5つ星、汐留芝離宮ビルディングが4つ星を取得(いずれも2021年12月に継続取得)した。また2022年5月には、再生可能エネルギーの活用を推進してCO2排出量を削減するための取り組みの一環として、飯野ビルディングの屋上に太陽光発電設備を設置し、運用を開始した。2021年6月に竣工した日比谷フォートタワーも、太陽光パネルの設置、屋上緑化、低蓄熱型舗装、日光による放射熱を低減するLow-Eガラスの採用、庇による直射日光の遮蔽など、環境面に配慮した施設となっている。また、ペットボトル自動回収機を通じたSDGsへの取り組みなども実施している。なお日比谷フォートタワーは(株)日本格付研究所によるグリーンボンド評価およびグリーン評価において最上位の「Green1」総合評価を取得し、日本政策投資銀行からはDBJ環境格付において「環境への配慮に対する取り組みが先進的」との格付を取得している。市況変動リスクに対して安定収益源積み上げを推進6. リスク要因・収益特性リスク要因として、いずれの事業も市況変動の影響を受けやすいが、安定収益源の積み上げを推進することによって盤石な事業基盤の構築を目指している。特に外航海運業は海運市況、燃料油価格、為替等の影響を受けやすく、業績が大きく変動する可能性がある。この対策として同社は、中長期の定期用船契約が中心の大型原油タンカーやガス船では安定収益源の積み上げを推進している。またケミカルタンカーでは、輸送数量の約7割を占める1年程度の複数のCOA(数量輸送契約)と約3割を占めるスポット貨物を組み合わせることで、利益の最大化を図っている。なおCOAでは一般的に、燃料油価格変動に伴う燃料費調整係数(BAF)を付けているが、契約によっては燃料油価格が小幅に上昇した場合に燃料油価格上昇分が価格転嫁されず、採算に影響を与えることがある。さらに内航・近海海運業も含めて、効率的配船やコスト増加に対応した契約有利更改を推進して採算性向上を目指している。不動産業は不動産市況、空室率、賃料などの影響を受けやすいが、同社保有の賃貸ビルはいずれもオフィスビル賃貸市況が堅調な東京都心部の一等地に立地しているため、市況の影響を比較的受けにくい。収益柱の飯野ビルディングは立地面の優位性や高度な環境性能を強みとして、引き続き安定収益源として牽引するだろう。(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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2022/06/17 15:34
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飯野海運 Research Memo(3):海運業(外航海運業、内航・近海海運業)と不動産業が両輪
■事業概要と特徴・強み1. 事業の概要飯野海運<9119>の事業は、海運業(外航海運業、内航・近海海運業)と不動産業を収益の両輪としていることが特徴だ。2022年3月期のセグメント別売上高構成比(調整前)は外航海運業が79.1%、内航・近海海運業が9.1%、不動産業が11.7%、セグメント別営業利益構成比は外航海運業が38.0%、内航・近海海運業が6.8%、不動産業が55.2%だった。売上高営業利益率は外航海運業が3.5%、内航・近海海運業が5.4%、不動産業が33.9%だった。過去5期間で見ると、売上高構成比に大きな変動はないが、営業利益構成比と売上高営業利益率に変動が見られる。これは、海運業の営業利益が市況や入渠費用などの影響で変動しやすいためである。不動産業は2020年3月期の売上高営業利益率が設備更新費用増加で低下したが、この一時的な要因を除けば30%台で推移し、高利益率の安定収益源となっている。海運業はケミカルタンカーや大型ガス船が主力2. 海運業海運業のうち、外航海運業は全世界にわたる水域において、原油を輸送する大型原油タンカー、石油化学製品を輸送するケミカルタンカー、LNG(液化天然ガス)やLPG(液化石油ガス)を輸送する大型ガス船、石炭・木材チップを輸送する専用船および穀物・鋼材・肥料などを輸送する小型~中型ドライバルク船(ばら積み貨物船)を運航している。内航・近海海運業は国内および近海を中心とした水域において、LNG・LPG・石油化学系ガスなどを輸送する小型ガス船を運航している。また、国内外における船舶管理業や船用品販売業なども行っている。2022年3月期末時点のグループ運航船舶数は合計92隻(社船47隻、用船45隻、共有相手持分および短期用船を含む)である。船種別の内訳は、外航海運業の大型原油タンカー5隻、ケミカルタンカー36隻、大型ガス船7隻(LNG船1隻、LPG船6隻、注:LNG船は社船1隻以外に出資先会社で24隻を共同保有または用船)、ドライバルク船18隻(ドライバルク船16隻、木材チップ専用船2隻)、内航・近海海運業の小型ガス船26隻(LNG船1隻、LPG船24隻、溶融硫黄船1隻)である。主要取引先には、アストモスエネルギー(株)(出光興産<5019>グループと三菱商事<8058>グループのLPG部門が統合したLPG商社)、出光興産、王子ホールディングス<3861>、ENEOS(株)(ENEOSホールディングス<5020>グループ会社)、JA全農(全国農業協同組合連合会)、J-POWER(電源開発)<9513>、東ソー<4042>、日本ゼオン<4205>、北海道瓦斯<9534>、Equinor ASA、SABICなどがある。なお2022年4月には、世界的な総合化学品メーカーであるSABICから、同社への貢献度が特に高く、優れた実績のあった企業として「SABIC Suppliers Recognition Program 2022」を受賞した。資源・エネルギー関連輸送を主力として、グローバル・ネットワークを駆使した効率的な輸送で、遠洋から近海にわたる幅広い水域で海上輸送サービスを提供している。業界最大級の船隊規模を誇るケミカルタンカーや、安定収益源として中長期契約を積み上げる大型ガス船などを特徴・強みとしている。特に中東積み石油化学製品の輸送量はトップクラスのシェアを誇っている。またLPG・石油化学系ガスの国内輸送シェアは業界トップクラスで、国内では数少ない内航LNG船も運航している。同社が運航するケミカルタンカーの多くはステンレス製タンクを有していることも特徴だ。ステンレス製タンクは通常の鉄製タンクに比べて耐腐食性が強いため、硫酸なども輸送できるメリットがあり、石油化学製品だけでなくパーム油などの輸送も行うことで効率的な運航を図っている。ステンレス製タンクに加えて、タンク洗浄など石油化学製品輸送に要求される高度な船舶管理ノウハウ、さらには効率的な輸送ノウハウを有していることが、同社の競争優位性につながっている。環境負荷軽減や競争力強化に向けた環境配慮型船舶3. 環境配慮型の最新鋭・次世代燃料船2020年1月から国際海事機関(IMO)の船舶燃料硫黄分濃度の規制(SOx規制)強化が適用開始となった。船舶燃料に含まれる硫黄分濃度を従来の「3.5%以下」から「0.5%以下」とする国際規制の強化である。対応選択肢としては、低硫黄燃料油(規制適合燃料油)の使用、またはSOxスクラバー(船舶の排出ガス中のSOxを除去する脱硫装置)の設置がある。この規制強化のマイナス影響としては、規制適合燃料油の対応仕様に変更するための船用品・修繕費の増加や、従来の船舶用燃料油と規制適合燃料油との価格差などがコストアップの要因となる。一方のプラス影響としては、規制適合燃料油の輸送需要の発生や、規制強化に対応できない船が淘汰されることによる需給バランスの改善などで、プロダクトタンカーやケミカルタンカーの市況上昇につながる効果が期待される。同社の対応としては、規制適合燃料油使用の際にコストアップ分の負担を荷主に求め、COA(数量輸送契約)等の契約に反映すべく交渉を行っている。さらに規制適合燃料油の使用にとどまらず、海運業における地球環境負荷軽減や競争力強化に向けた取り組みとして、環境配慮型の最新鋭・次世代燃料船へのシフトも推進している。2019年12月には同社初の二元燃料主機関搭載メタノール船(規制適合燃料油だけでなく、従来の重油と比較して硫黄酸化物SOxや窒素酸化物NOxの大幅削減も期待されるメタノールを推進燃料とすることが可能)が竣工した。2020年3月には同社初のSOxスクラバー搭載船(VLCC)が竣工した。その後の新造船においてもSOxスクラバー、海洋生態系保護のためのバラスト水処理装置、船尾フィンおよびフィン付き舵(Rudder Fin)などを装備した最新鋭の船へのシフトを推進し、2021年1月には同社として5隻目となるSOxスクラバー搭載船(VLCC)が竣工した。さらに2022年2月には、同社として初の二元燃料主機関搭載VLGCが竣工した。上甲板にLPGタンクを搭載し、貨物とは別に燃料用LPGを積載することで、規制適合燃料油だけでなくLPGを燃料として使用することが可能になる。2020年1月に全海域で強化されたSOx排出規制に対応していることに加えて、新造船のCO2排出規制であるEEDI(Energy Efficiency Design Index)規制についても、2022年以降の建造契約船から適用されるフェーズ3に先行対応している。また2021年10月には三井物産<8031>と、2023年12月に竣工予定のアンモニア運搬船の定期用船契約を締結した。本船は世界的な船級教会である米国ABS(American Bureau of Shipping)によるアンモニア燃料船化の基礎認証を受けて設計・建造される世界初のアンモニア運搬船で、LPGも輸送可能な次世代型船舶である。CO2排出量が削減できるLPG燃料や、ゼロエミッション燃料として注目されるアンモニア燃料への切り替えにも対応できる環境負荷低減型の船舶として、本邦船社初の建造となる。2023年1月からはA-Eの5段階で毎年の燃費実績を評価・格付けし、一定の評価を下回った船に改善計画の提出と主管庁による認証を義務付けることで、継続的な省エネ運航を促進させることを目的としたCII 規制(燃費実績の格付け)が施行される。同社はこれら環境規制に対応するべく、次世代燃料船の竣工に加え、海外スタートアップとの協働や技術部、サステナビリティ推進部の新設により環境への対応を加速させる。(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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2022/06/17 15:33
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飯野海運 Research Memo(2):歴史ある海運業と不動産業が両輪
■会社概要1. 会社概要飯野海運<9119>は1899年の創業(飯野商会、京都府舞鶴市)以来120年以上の歴史を誇る海運会社である。現在は資源・エネルギー輸送を主力とする海運業(外航海運業、内航・近海海運業)と、本社の飯野ビルディング(東京都千代田区)を主力とするオフィスビル賃貸の不動産業を両輪として事業を展開している。2022年3月期末の資産合計は247,130百万円、純資産は91,333百万円、資本金は13,092百万円、自己資本比率は36.9%、1株当たり純資産は863円00銭、発行済株式数は108,900,000株(うち自己株式数3,094,798株)である。2022年3月期末時点のグループ会社は、同社およびグループ会社76社(連結対象子会社62社、持分法適用会社5社、連結対象外の関係会社9社)の合計77社で構成されている。海外は駐在員事務所をドバイ、上海に、現地法人をシンガポール、ヒューストン、ロンドン、ドバイ(2021年8月設立)に展開している。主要な連結子会社は外航海運業のAZALEA TRANSPORT S.A.、内航・近海海運業のイイノガストランスポート(株)などである。なお2020年1月にIKK HOLDING LTDを設立し、英国ロンドンのオフィスビルを取得している。2. 沿革1899年、創業者の飯野寅吉(いいのとらきち)氏が京都府舞鶴市に飯野商会を設立して港湾荷役業および石炭運送業に着手、1944年に現商号の飯野海運株式会社に改称、1949年に東京証券取引所に上場した。2004年には海上運送業においてISO9001およびISO14001を同時認証取得、2005年にはビル賃貸業においてISO9001およびISO14001を同時認証取得している。そして2019年7月に創業120周年を迎えた。なお2022年4月の東京証券取引所の市場再編に伴ってプライム市場に移行・上場した。海運業では1964年の海運集約に際して定期船部門を分離・譲渡し、以来、タンカー・不定期貨物船経営を主力としている。ケミカルタンカー事業に本格進出したのは1980年代で、1991年にはインドネシア産LNGプロジェクトに参画してLNG輸送に進出、1993年にはカタール産LNGプロジェクトに参画、2001年には世界最大級のサウジアラビア・メタノール製造プロジェクトに参画した。また2019年12月には同社初の二元燃料主機関搭載メタノール船が竣工、2020年3月には同社初のSOxスクラバー(脱硫装置)搭載のVLCCが竣工、2022年2月にはLPGを燃料として使用できる同社初の二元燃料主機関搭載VLGCが竣工した。環境への負荷を低減する技術の積極導入を進めている。不動産業では2011年に飯野ビルディングの建替え1期工事が完了して開業、本社オフィスが日本初の「LEEDプラチナ認証」を取得、2014年に飯野ビルディング2期工事が完了してグランドオープンした。2021年6月には旧東京桜田ビルを含む新橋田村町地区市街地再開発事業の「日比谷フォートタワー」が竣工した。なお、2020年3月に英国ロンドンのオフィスビルを取得して海外不動産を事業ポートフォリオに加えている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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2022/06/17 15:32
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飯野海運 Research Memo(1):成長に向けてESG・SDGs経営を積極推進
■要約飯野海運<9119>は1899年の創業以来120年以上の歴史を誇る海運会社である。現在は資源・エネルギー輸送を主力とする海運業(外航海運業、内航・近海海運業)と、本社の飯野ビルディングを主力とするオフィスビル賃貸の不動産業を両輪としている。また、更なる成長に向けてESG・SDGs経営を積極推進している。1. 海運業はケミカルタンカーに強み、不動産業は安定収益源海運業は業界最大級の船隊規模を誇るケミカルタンカーや、中長期契約を積み上げる大型ガス船などを特徴・強みとしている。不動産業は飯野ビルディングなど東京都心部の一等地に賃貸オフィスビルを複数所有していることが特徴だ。海運業は市況変動の影響を受けるが、不動産業が安定収益源となっている。従来から環境負荷軽減に取り組み、海運業においては環境配慮型船舶の投入を推進し、不動産業においては保有ビルに最先端の環境性能を取り入れて大幅な省エネを実現している。2. 2022年3月期は大幅増収増益で着地2022年3月期の連結業績は、売上高が2021年3月期比17.1%増の104,100百万円、営業利益が同10.1%増の7,524百万円、経常利益が38.5%増の9,431百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が63.6%増の12,526百万円だった。海運業における市況上昇、既存契約の有利更改や効率配船への取り組みによる運航採算の向上、不動産業における日比谷フォートタワーの稼働などで大幅増収増益だった。前回予想(2022年2月8日付の上方修正値)に対しても大幅に上回って着地した。事業投資先からの配当金が増加したことや、第4四半期に為替が大きく円安・ドル高に振れて為替差益を計上したことも寄与した。3. 2023年3月期は船費増加などで減益予想だが上振れの可能性2023年3月期の連結業績予想は、売上高が2022年3月期比7.6%増の112,000百万円、営業利益が7.0%減の7,000百万円、経常利益が25.8%減の7,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が44.1%減の7,000百万円としている。ケミカルタンカーやドライバルク船の市況は堅調な推移を見込むが、不透明感、海運業における新型コロナウイルスの感染拡大(以下、コロナ禍)に伴う船員交代の制限による費用増加、先行投資などを考慮して、増収ながら減益予想としている。海運業の市況変動に注意が必要だが、足元の為替状況やドライバルク船市況の推移等から同社予想には上振れの可能性があると弊社では見ている。4. ESG・SDGs経営を積極推進、投資対象として注目2023年3月期は現・中期経営計画最終年度の目標値をおおむね達成する見込みだ。中期経営計画の策定時点の前提に対して、燃料油価格が大幅に上昇しているものの、海運市況も大幅に上昇し、さらに為替が円安・ドル高となっていることも寄与する。次期中期経営計画は現在策定中で2023年に公表予定としている。海運業と不動産業を両輪として成長を目指す基本シナリオに変化はなく、更なる経済的価値や社会的価値の創造を目指してESG・SDGs経営を積極推進するシナリオにも変化はないだろうと弊社では予想している。さらに、こうした戦略が中長期的な収益拡大にとどまらず、投資対象としても投資家からの注目度の高まりにつながるだろうと弊社では評価している。■Key Points・歴史ある海運業と不動産業が両輪・2023年3月期は減益予想だが上振れる可能性あり・成長に向けてESG・SDGs経営を積極推進、投資対象として注目(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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2022/06/17 15:31
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藤商事 Research Memo(6):業績及び配当性向を勘案し、安定配当を基本方針とする
■株主還元策藤商事<6257>は株主還元策として配当を実施している。安定配当を継続して行うことを基本方針としつつ、業績動向や配当性向などを総合的に勘案して配当額を決定する方針となっている。2023年3月期の1株当たり配当金については前期と同額の50円(配当性向93.3%)を予定している。年間配当支出金は11億円程度となるものの、手元キャッシュが190億円超と潤沢で配当余力は大きく、問題のない水準と言える。■生産工程におけるセキュリティ対策パチンコ・パチスロ遊技機は不正防止対策として、搭載される電子デバイスについて厳しい管理が行われている。部材調達段階で仕様に適合しているか厳正なチェックが行われるほか、製造から梱包、出荷の各工程は厳重な管理のもとで運営されている。なお、同社ではホームページに「パチンコ・パチスロの製造工程」を動画で掲載しており、セキュリティ対策なども紹介している。■ファン層の拡大に向けた取り組み同社ではファンに向けた取り組みの一環として、イベント出展などを行っている。2019年度は8月に開催された「コミックマーケット96」、12月に開催された「コミックマーケット97」へのブース出展、9月に開催された日本電動式遊技機工業協同組合主催「パチスロサミット2019」への出展などを積極的に行った。2020年度はコロナ禍の影響でリアルのイベント開催が中止となったものの、SNSを活用したプロモーションを実施した。2021年度は日本遊技機工業組合とパチンコ・パチスロ生活向上委員会が主催する「みんなのパチンコフェスONLINE2021」に出展。同社にとっては初のオンラインイベントへの出展となった。今後についてもSNSの活用などにより、ファン層の拡大につなげていく方針だ。また、ファンに向けてイベントの様子や新機種の解説動画などをYouTubeチャンネルで公開している。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2022/06/17 15:26
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藤商事 Research Memo(5):2023年3月期は徹底した原価低減策の実行により黒字転換を目指す
■今後の見通し2. 2023年3月期の業績見通し藤商事<6257>の2023年3月期の連結業績は、売上高で前期比1.3%増の30,000百万円、営業利益で1,500百万円(前期は698百万円の営業損失)、経常利益で1,500百万円(同599百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益で1,200百万円(同1,783百万円の純損失)となる見通し。販売台数ではパチンコ遊技機が前期比10.8%減の71千台、パチスロ遊技機が同351.6%増の14千台を見込んでいる。利益面では、原価低減策の実行により売上総利益率を前期の44.3%から50.3%に引き上げることで、収益回復を実現していく考えだ。パチンコ遊技機に関してはメインタイトルとして、「PストリートファイターV」(格闘ゲーム系)を6月に発売するほか、アニメジャンルで新規タイトルを投入する予定となっている。そのほか、「ホラー」など主要ジャンルのシリーズ機種を投入していくものと予想される。なお、「Pとある」シリーズの第3弾は2024年3月期以降となる見通しだ。パチスロ遊技機については、パチンコ遊技機で販売実績のあるシリーズ機種や、新規タイトルなど合わせて複数のタイトルの投入を予定している。そのうち一部は6.5号機となる。6.5号機から差枚方式となるため、どの程度の稼働力を達成できるかが注目される。なお、次世代遊技機となるスマートパチンコ/パチスロ機に関しては開発を進めており、2024年3月期以降の投入を目指している。売上総利益率の上昇要因としては、前期に高騰した部材費の価格がある程度沈静化していることに加えて、部材のリユース品比率の向上や、パネル構造などの設計段階から部材費の見直しを行うなど徹底したコストダウン活動を行うことで実現していく。部材のリユース品については従来、単品部品のみ再利用していたが、電源回路などのユニット品も含めてすべての品目に対象を広げ、再利用できるかどうか検討を進めている。このため、リユース品の調達機能なども強化する。売上総利益率については2020年3月期に52.4%まで上昇したこともあり、50%超の水準まで引き上げていくことは可能と見られる。なお、部材に関しては上期販売分まで確保できているようで、価格もピークの水準から下がった状態で調達できている。このため、第1四半期の売上総利益率は前第4四半期から上昇する見込みとなっている。販管費は前期比0.2%減の13,779百万円と横ばい水準で計画している。内訳を見ると、研究開発費が同862百万円減少の6,624百万円、広告宣伝費が同56百万円増加の509百万円、販売手数料が同125百万円増加の766百万円、その他が同652百万円増加の5,880百万円となり、研究開発費の減少分でその他費用の増加分をカバーする格好となる。研究開発費は前期に部材費等を計上した反動もあって減少する見込みだが、開発プロジェクト数については変わらないもようだ。なお、従業員数については2022年3月期末の457名(前期末比8名減)に対してほぼ横ばい水準で想定している。2023年3月期をリスタートの1年として成長基盤を構築する3. 重点施策コロナ禍を契機としたパチンコホールの閉店・休止の流れは、一旦、ピークアウトしたものと見られる。とは言え、市場環境としては部材不足による調達リスクが継続するなど、引き続き不透明な環境にあることに変わりない。一方で、2023年3月期からは次世代遊技機となるスマートパチンコ/パチスロ機の導入が開始される予定となっている。遊技機業界ではプリペイドカード方式が導入された1992年以来の大変革となる。プリペイドカード方式が導入されて以降市場が活性化されたことを考えると、今回も活性化の起爆剤になるものとして期待される。同社ではこうした激変する環境のなかで、2023年3月期をリスタートの1年と位置づけ成長を目指していく。重点施策としては前述した原価低減施策に加えて、引き続き「稼働力の向上」を掲げている。稼働力の高い機種を継続的に市場に投入していくことでシェアの拡大を図っていく。徹底した遊技者目線と、市場ニーズの変化を的確に捉えながら、斬新なアイデアを取り入れることで魅力的な機種を開発し、「稼働力の向上」を図っていく。同社は2019年より全国のパチンコホールを訪問して、競合メーカーの機種との比較も含めて綿密な分析を行い、開発部門に市場のニーズや改善点などをフィードバックすることで、新機種の開発に活かしている。改善項目は、音や映像の表現方法から玉の出方、ハンドルの形状に至るまですべて洗い出し、新機種の開発に反映させている。こうした取り組みの成果が、2021年3月期から投入した新機種に反映されており、「Pとある」シリーズのロングヒットにつながったと弊社では見ている。2023年3月期に投入されるパチンコ遊技機やパチスロ遊技機の新機種の稼働力についても、高評価を獲得できるかどうか注目される。また、商品戦略としては従来の「ホラー」「時代劇」「萌え」ジャンルに加えて、「アニメ」ジャンルの育成に注力している。各ジャンルで柱となるコンテンツを育成することが、販売台数の増加にもつながるためだ。特に、パチンコホールでは若年層の取り込みが課題となっており、キラーコンテンツとして若者に人気の高い「アニメ」ジャンルで主力機種を複数育てることができれば、シェアを拡大していくことも可能となる。2023年3月期は「アニメ」ジャンルで新たなIPを活用した機種を複数投入する予定にしており、その動向が注目される。同社ではパチンコ遊技機の市場シェアについて10%の達成を目指していく。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2022/06/17 15:25
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藤商事 Research Memo(4):スマートパチンコ/パチスロ機の導入による市場活性化に期待
■藤商事<6257>の今後の見通し1. 業界動向と市場シェア(1) 業界動向パチンコホール業界はここ数年、客数の減少を背景とした経営環境の厳しさが続くなかで、ホール軒数の減少傾向が続いてきたが、2020年以降は新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)でシニア層を中心に客数が一段と落ち込み、ホール数の減少傾向にも拍車がかかっている。2021年末時点のホール軒数は8,458軒(前年末比6.4%減)であったが、業界団体のデータでは8,000店舗を割り込む水準まで落ち込んでおり、経営体力のない中小事業者の淘汰が進んでいるものと見られる。遊技機の設置台数について見ても、2021年末時点でパチンコ遊技機が233万台(前年比3.9%減)、パチスロ遊技機が147万台(同6.2%減)となっており、市場の縮小が進むなかで遊技機メーカーの競争もさらに激しくなっている。2022年度の出荷台数について、同社ではパチンコ遊技機が100万台(前年度比16.1%減)、パチスロ遊技機が60万台(同7.1%減)といずれも減少に転じる見通しを示している。これはパチンコホールにおいて旧規則機から新規則機への入替を2022年1月までに実施したことによる特需の反動が2022年度は出ると見ているためだ。また、足元では部材不足の長期化により、ホール側の需要に対して予定通りの台数を納品できないケースも出ているもようで、先行きの見通しについては依然、部材の供給状況によって変動する可能性がある。こうした状況のなか、業界の再活性化の契機になるものとして注目されているのが次世代遊技機となるスマートパチンコ/スマートパチスロだ。従来の遊技機との大きな違いは、スマートパチンコは玉が封入され循環式となっており、また、スマートパチンコ/スマートパチスロともに遊技に必要な物理的な玉やメダルは使用せず電子情報を元に遊技ができるため、玉やメダルに触れることがないので感染防止対策につながるといったメリットがあることだ。これにより客足の戻りが鈍かったシニア層の回復が期待される。また、ホール運営側も出玉やメダルの持ち運びや計数管理など店舗スタッフの業務が減少し、人件費の抑制につながるといったメリットがある。そして、ゲーム性が高く集客力向上が期待できるような遊技機の開発ができるよう、規則の範囲内で業界内のレギュレーション変更が行われた。スマートパチンコでは大当たり確率が従来の320分の1から350分の1になることでスペック設計の幅が広がり、多様性のある遊技機開発が可能となる。また、スマートパチスロについては、有利区間の最大遊技数※1が撤廃され、どの段階からも大当たりが期待できるようになったほか、出玉性能も従来は大当たり開始からの増加2,400枚が上限であったが、差枚で2,400枚が上限となった※2。そのほかの詳細についてはまだ不明だが、次世代遊技機の導入が停滞していたパチスロ市場の活性化につながるものと期待される。※1 有利区間の最大遊技数は、現行の6.5号機までは有利区間の上限が連続4,000ゲームとなっており、最大遊技数に到達した場合に初期化され非有利区間(通常区間)に戻る。※2 その日の台の収支がマイナス1,000枚だった場合、上限は3,400枚となる計算で、今まで以上に多くの出玉を獲得できるようになる(差枚方式については現行の6.5号機から採用)。現時点では、スマートパチスロ機が2022年11月、スマートパチンコ機が2023年以降に導入開始となる見通しとなっている。懸念要因としては、半導体不足によって制御装置も含めて一定水準以上の台数を製造できない可能性が挙げられる。設備投資負担も掛かることから、当初は経営体力のある大手ホールから徐々に導入が進み、集客力が明確に向上することが確認できれば、導入ペースが加速していくことも考えられる。(2) 市場シェアの動向同社の販売シェアは人気機種の販売時期によって変動があるものの、パチンコ遊技機はおおむね5~9%で安定して推移しており、年間6~8機種のペースで新機種を開発、販売してきた。2021年3月期以降、「Pとある」シリーズが2タイトル続けて2万台を超えるヒット機種となったこともあり、従来得意としてきた「ホラー」や「時代劇」「萌え」に加えて新たに「アニメ」ジャンルで主力タイトルが確立されたことになり、今後のシェア拡大が期待される。2022年3月期のパチンコ機の販売シェアは、業界全体が新規則機の入替特需で販売台数が伸びたこともあって前期の8.1%から6.7%に低下したが、2023年3月期は7.1%と若干回復する見込みとなっている。一方、パチスロ遊技機はパチンコ機で販売実績のあるタイトルを中心に年間2~3機種のペースで新機種を投入することを基本方針としている。新規則機の適合率が低下した影響で2022年3月期は1機種の投入にとどまったが、2023年3月期は複数のタイトルを投入する予定で、販売シェアは2%台となる。同社では商品戦略として、ユーザーの年齢層別にターゲットを合わせたジャンルを強化し、主力タイトルの開発・育成を図っていくことで、ラインナップの拡充を図り、パチンコ・パチスロ遊技機の双方で販売シェア拡大を目指していく方針だ。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<SI>
2022/06/17 15:24