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RSテクノ Research Memo(7):ウェーハ再生事業、プライムウェーハ事業とも繁忙で修正通期計画上振れの公算大
■今後の見通し1. 2021年12月期業績の見通しRS Technologies<3445>の2021年12月期の連結業績は、売上高で前期比23.6%増の31,600百万円、営業利益で同34.7%増の6,100百万円、経常利益で同39.0%増の7,300百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同9.7%増の3,100百万円となる見込み。期初計画から売上高、営業利益、経常利益を上方修正したが、弊社では同計画値は保守的で、上振れする公算が大きいと見ている。上方修正額については、第2四半期までの計画上振れ分であり、下期については期初の計画を据え置いていること、半導体市場は下期に入ってからも活況でウェーハ再生事業やプライムウェーハ事業を中心に下期の売上高は一段と拡大する可能性が高いと弊社では考えている。なお、中国新工場に関連した補助金については下期も継続して計上する見通しとなっている。為替前提レートについては104円/米ドルと期初計画を継続している。1円/米ドルの円安は営業利益で年間30~40百万円の増益要因となる。事業セグメント別の状況について見ると、ウェーハ再生事業の期初計画(会社別計画より弊社推計)は売上高で前期比横ばい、営業利益で2ケタ減益を見込んでいたが、前述のとおり第2四半期累計では1ケタ台の増収増益となっており、下期も旺盛な顧客需要が続いていることから、増収増益が続く可能性が高い。第2四半期に国内と台湾で生産能力を増強しており、その効果が下期はフルに寄与すること、また需給ひっ迫から販売価格を若干値上げしたことなども下期の業績を見るうえでのプラス要因となる。販売価格は8インチ再生ウェーハで5~10%の値上げを実施したほか、12インチ再生ウェーハについても主要顧客を除く一部顧客で5%程度の値上げを実施した。値上げ分については減価償却費の増加等で吸収されるため収益へのインパクトは軽微なものの、期初計画で値上げは想定していなかったため、計画比での上振れ要因となる。プライムウェーハ事業の期初計画(会社別計画より弊社推計)は売上高で前期比8%増、営業利益で2ケタ増益を見込んでいたが、大幅増収増益となる可能性が高い。8インチプライムウェーハの月産能力は新工場稼働により前期末に13万枚となっているが、第2四半期の約6~7割の稼働率を2021年末にはフル稼働に引き上げていく予定となっており、販売量の拡大が予想されるためだ。また、顧客の工場認証作業についても順次進むことで、第4四半期には販売構成の変化(モニタウェーハ→プライムウェーハ)による売上増も見込まれる。販売価格については需給ひっ迫から上昇傾向にあることもプラス要因となる。半導体関連装置・部材等事業については増収増益が見込まれる(会社別計画より弊社推計)。前述したように半導体関連装置の仕入販売が好調なほか、DG Technologiesで手掛ける半導体製造装置向け消耗部材についても、新工場の稼働もあって販売量の拡大が見込まれるためだ。新工場についてはまだ立ち上げ段階で、徐々に生産量を増やしていくものと予想される。また、2020年からコスト低減施策として、中国子会社で製造するシリコン材料の調達を始めている。2021年12月期は新工場の立ち上げに伴う償却負担増加もあって利益面での貢献は軽微だが、2022年12月期以降は売上拡大とともに利益増に貢献するものと予想される。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2021/10/13 16:07
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RSテクノ Research Memo(6):各事業セグメント業績は堅調推移。半導体関連装置・部材等事業は大幅増収
■RS Technologies<3445>の業績動向2. 事業セグメント別動向(1) ウェーハ再生事業ウェーハ再生事業の売上高は前年同期比7.4%増の6,132百万円(内部売上高または振替高含む、以下同様)、営業利益は同7.6%増の2,230百万円となった。メモリやロジックを中心に半導体需要が引き続き拡大し、顧客からの旺盛な需要に応えるため、第2四半期に国内及び台湾工場で12インチ再生ウェーハの生産能力を増強したことが増収増益に寄与した。月産能力は国内工場が前期末比2万枚増の28万枚、台湾工場が同2万枚増の18万枚となり、フル稼働が続いた。(2) プライムウェーハ事業プライムウェーハ事業の売上高は前年同期比25.2%増の5,980百万円、営業利益は同35.7%減の561百万円となった。前述したとおり新工場の稼働と顧客認定が進んだことにより、売上高は増収となったものの、新工場の立ち上げ費用と研究開発費の増加が減益要因となった。なお、徳州新工場の8インチプライムウェーハの月産能力は、北京工場から移設した月産8万枚の製造ラインに新設した5万枚の製造ラインを加えて合計13万枚となっている。稼働率は2020年12月時点の約6割から2021年12月期第2四半期は6~7割と若干の上昇にとどまっているが、四半期売上高については第1四半期の2,280百万円から第2四半期は3,700百万円と大きく増加している。これは稼働当初はまだ顧客の工場認定がされていない状況で、単価の低いモニタウェーハとして販売していたこと、その後顧客認定が徐々に進んだことで第2四半期には4~5割をプライムウェーハとして販売できるようになり、販売単価が上昇したことが主因となっている。プライムウェーハとしての販売が増加したことにより、収益性も向上している。(3) 半導体関連装置・部材等事業半導体関連装置・部材等事業の売上高は前年同期比63.8%増の4,229百万円、営業利益は同87.2%増の176百万円となった。営業体制の強化により、仕入販売品となる半導体関連装置の売上高が大きく増加したほか、DG Technologiesで手掛けるドライエッチング装置向け消耗部材も半導体製造装置メーカーだけでなく、フル生産が続く大手半導体メーカー向けに好調に推移した。消耗部材については需要に追い付かない状況が続いていることから、2021年5月に国内に新工場を立ち上げ、2拠点体制で今後の需要増に対応していく予定だ。新工場では検査工程など自動化設備を導入しており、既存工場と比べて生産性の高いことが特徴となっている。旺盛な設備投資資金を借入金で調達するも、ネットキャッシュはプラスで財務の健全性は維持3. 財務状況と経営指標2021年12月期第2四半期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比12,264百万円増加の71,014百万円となった。主な変動要因を見ると、流動資産では現金及び預金が5,382百万円増加したほか、受取手形及び売掛金が1,096百万円増加した。固定資産では、主に台湾子会社の設備投資増強により有形固定資産が2,750百万円増加したほか、持分法適用関連会社であったSGRSの株式取得等により投資その他資産が2,273百万円増加したことによる。負債合計は前期末比4,823百万円増加の23,208百万円となった。流動負債では支払手形及び買掛金が277百万円増加したほか、未払金が550百万円増加した。固定負債では長期借入金が3,755百万円増加した。有利子負債は前期末比5,489百万円増加の8,625百万円となっている。また、純資産は前期末比7,440百万円増加の47,805百万円となった。親会社株主に帰属する四半期純利益の計上等により、利益剰余金が371百万円増加したほか、為替換算調整勘定が1,069百万円、GRITEKによる第三者割当増資等により非支配株主持分が6,456百万円増加したことによる。キャッシュ・フローの状況を見ると、営業キャッシュ・フローが3,287百万円の収入となったのに対して、投資キャッシュ・フローは7,504百万円の支出となった。主に有形固定資産の取得による支出5,409百万円、SGRSの株式取得による支出2,014百万円となっている。財務キャッシュ・フローは8,724百万円の収入となった。主に長期借入れによる収入5,200百万円と、非支配株主からの払込みによる収入2,593百万円による。この結果、現金及び現金同等物の残高は前期末比5,400百万円増加の23,310百万円となっている。経営指標を見ると、安全性を示す自己資本比率が前期末の40.5%から34.8%に低下した一方で、有利子負債比率は13.2%から34.9%に上昇した。設備投資資金等に目的に有利子負債が増加したことが主因だ。ただ、現金及び預金もほぼ同額増えており、ネットキャッシュはプラスを維持していることなどから、財務の健全性は維持されているものと判断される。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<EY>
2021/10/13 16:06
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RSテクノ Research Memo(5):2021年12月期第2四半期累計売上高は前年同期比23.0%増と大きく伸長
■業績動向1. 2021年12月期第2四半期累計業績の概要RS Technologies<3445>の2021年12月期第2四半期累計の連結業績は、売上高で前年同期比23.0%増の15,559百万円、営業利益で同4.5%減の2,464百万円、経常利益で同26.4%増の3,662百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益で同62.6%減の630百万円となった。半期ベースでは売上高と経常利益で過去最高を更新したことになる。また旺盛な半導体需要を背景に、売上高、営業利益、経常利益とも期初計画を上回った。売上高については、プライムウェーハ事業が前年同期比25.2%増、半導体関連装置・部材事業が同63.8%増と大きく伸長し、けん引役となった。営業利益の増減要因を見ると、ウェーハ再生事業で158百万円の増益、半導体関連装置・部材等事業で82百万円の増益となった一方で、プライムウェーハ事業で312百万円の減益となり、全体の利益を押し下げる要因となった。これは山東GRITEKにおける新工場の立ち上げ費用並びに研究開発費の増加が主因となっている。研究開発費については8インチウェーハの認定を受けるための試作費用等も含まれている。ただ、これらの費用は、地方政府の補助金で賄われるスキームとなっており、営業外収入として1,102百万円の補助金収入を計上(前年同期は35百万円)した結果、経常利益段階では2ケタ増益となっている。なお、期初計画と営業外収支の差異が大きくなっているが、これは補助金収入について、期初計画では営業利益段階に組み入れていたことによるものだ。売上高の上振れに対する、営業利益の上振れが小さく見えるのはそのためで、実質的な利益の上振れ額は経常利益段階で見るのが妥当である。また、今回特別損失として株式報酬費用1,372百万円を計上している。これはGRITEKの上場準備に伴って、BGRSの有するGRITEK株式の一部をGRITEKの社員持株会に2021年2月に譲渡した際の1株当たり価格と、監査法人の認識した公正価値とに乖離があり、その差額分を2021年12月期第1四半期に株式報酬費用として計上したものになる。なお、本件によるキャッシュアウトはなく、純資産への影響もない(特別損失の計上で利益剰余金の減少要因となるが、資本剰余金の増加で相殺)。主要会社別の業績で見ると、同社単体では売上高で前年同期比27.9%増の6,681百万円、営業利益で同34.4%増の1,320百万円と好調に推移した。ウェーハ再生事業が旺盛な顧客需要と生産能力増強の効果が第2四半期より寄与したこと、並びに半導体関連装置の仕入れ販売が好調だったことが主因だ。台湾子会社は売上高で前年同期比14.0%増の2,708百万円、営業利益で同0.6%減の762百万円となった。12インチ再生ウェーハの需要がTSMC向けを中心に好調に推移したが、増産投資に伴う減価償却費の増加により利益は横ばい水準にとどまった。中国子会社については、売上高で前年同期比22.7%増の5,841百万円、営業利益で同47.3%減の485百万円となった。売上高は新工場の稼働や8インチプライムウェーハの顧客認定が進んだことにより増収となったが、新工場の立ち上げ費用や研究開発費の増加が減益要因となった(営業外の補助金収入も含めれば2ケタ増益)。なお、第2四半期だけで見ると、中国子会社の売上高は前年同期比45.2%増の3,637百万円、営業利益は同21.5%増の723百万円と研究開発費増を吸収し、大幅増収増益となっている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<EY>
2021/10/13 16:05
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RSテクノ Research Memo(4):ウェーハ再生事業は12インチで業界シェア約33%とトップ
■会社概要3. 事業内容事業セグメントはウェーハ再生事業とプライムウェーハ事業(プライムシリコンウェーハ製造販売事業)、半導体関連装置・部材等事業の3つのセグメントとその他に分けて開示している。2021年12月期第2四半期累計の事業別構成比を見ると、ウェーハ再生事業が売上高の37.5%、営業利益の75.2%、プライムウェーハ事業が売上高の36.6%、営業利益の18.9%を占めており、両事業が収益柱となっている。(1) ウェーハ再生事業ウェーハ再生事業は、RS Technologies<3445>及び台湾子会社で展開している。主力となる12インチの月産能力は2020年末時点で国内が26万枚(8インチは13万枚の能力を保有)、台湾が16万枚の合計42万枚となっている(直近では46万枚に増強)。同社の推計による世界シェアは数量ベースで約33%とトップとなっており、競合は国内では濱田重工(株)、三益半導体工業<8155>の2社、海外では台湾系の3社となり、6社で全体の約9割を占める寡占市場となっている。また、地域別出荷数構成比(2020年12月期)を見ると、12インチ再生ウェーハは台湾が40.4%、日本が32.6%と両国で全体の約7割を占めている。一方、8インチ再生ウェーハについては、欧州が46.3%、米国が23.5%と高くなっているのが特徴だ。主要顧客は台湾のTSMCのほか、国内ではソニーセミコンダクタマニュファクチャリング(株)やキオクシア(株)など、米国ではIntel、Micron Technology、欧州ではST MicroelectronicsやInfineon Technologiesなど大手半導体メーカーが並んでいる。なお、12インチ再生ウェーハのうち、7.0%を占めている中国向けに関しては現在国内から出荷しているが、2022年に量産開始予定のSGRSに順次シフトし、国内工場ではその他地域の需要をカバーしていく戦略となっている。(2) プライムウェーハ事業中国子会社GRITEKの事業となり、売上高の3分の2がプライムウェーハ、3分の1が消耗部材及びインゴットの販売で占められる(2020年度)。2021年6月末のプライムウェーハの月産能力について見ると、徳州工場で5インチが5万枚、6インチが15万枚の設備能力を有している。また、8インチについては、2020年10月に竣工した山東GRITEKの新工場に移設した月産能力8万枚の製造ラインに加えて新規に5万枚の製造ラインの投資を行い、合計で13万枚となっている。プライムウェーハの顧客は主に中国半導体メーカーで、顧客数は60~70社に上る。これらの顧客は主に家電製品や自動車などに搭載されるアナログ半導体を製造している。また、消耗部材及びインゴットについては海外にも販売しており、消耗部材の一部は国内で半導体製造装置用消耗部材を製造しているDG Technologies向けに出荷している。(3) 半導体関連装置・部材等半導体関連装置・部材等の事業には、同社で仕入販売する半導体関連装置や半導体材料・パーツの売上のほか、子会社のユニオンエレクトロニクスソリューション、DG Technologiesの売上が含まれる。半導体製造装置については、主に日本の半導体装置メーカー等から仕入れて(一部、中古品も含む)、中国・韓国・台湾等の半導体メーカーへ販売している。また、ユニオンエレクトロニクスソリューションは半導体商社で、(株)日立パワーデバイスのパワー半導体のほか、ルネサスエレクトロニクス<6723>のMCUなどを主に取り扱っている。2020年に上海事務所を開設し、新型コロナウイルス感染症の拡大が収束した後に半導体関連商品の拡販を進めていく予定となっている。DG Technologiesは半導体製造装置向け消耗部材(石英リングやシリコン電極等)の製造販売を行っており、国内外の大手半導体製造装置メーカーや大手半導体メーカーに販売している。製造拠点は神栖工場(茨城県)のみであったが、旺盛な需要に対応すべく2021年5月に栗原工場(宮城県)を新たに開設している。(4) その他その他の売上として、2013年より開始したソーラー発電事業における売電収入(発電能力は約1.59MW)のほか、半導体ウェーハ製造工程における技術コンサルティングサービスなどを同社で行っているが、全体の業績に与える影響は軽微となっている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2021/10/13 16:04
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RSテクノ Research Memo(3):再生ウェーハは精緻な検査・研磨技術による再生利用可能回数の多さが強み
■会社概要2. 再生ウェーハとプライムウェーハについてRS Technologies<3445>が主力事業としているシリコンウェーハの再生加工事業及びプライムウェーハ事業における同社の強みや成長ポテンシャル等を理解するために、半導体製造プロセスやシリコンウェーハの役割、その製造方法等について以下に簡単に説明する。(1) シリコンウェーハ半導体とは電気を通す導体と電気を通さない絶縁体の中間の性質を持つ物質で、この性質を生かして高密度に電気回路を形成した集積回路(Integrated Circuit)が製造されている。PCの頭脳に当たるMPU(Micro-Processing Unit)や情報を記憶するためのメモリ(フラッシュメモリやDRAM)などが代表的な半導体で、家電製品や情報通信デバイス、自動車電装品など様々なアプリケーションに搭載されており、“産業のコメ”とも呼ばれている。こうした半導体の基板には、求める性能に応じて様々な材料が使われており、なかでも幅広く使われているのがシリコンとなる。多結晶シリコンを溶融して純度の高い単結晶シリコンのインゴット(塊)を引き上げ、それを円盤状にスライスしたものを「シリコンウェーハ」※と呼ぶ。半導体メーカーはシリコンウェーハ上に微細な回路を形成し、半導体チップを製造する。※12インチウェーハの1枚の厚さは775μm±25μmと決まっており、1本のインゴットから数百枚のシリコンウェーハが得られる。シリコンウェーハは現在、サイズ別に直径5インチ(125mm)、6インチ(150mm)、8インチ(200mm)、12インチ(300mm)と複数サイズが量産化されている。高集積化(微細化)が求められる最先端の半導体は、12インチウェーハで量産されている。微細化とともに半導体設備投資額が増大するなか、1枚のシリコンウェーハからより多くの半導体チップを製造することで、1個当たりの製造コストを抑制することが可能となるためだ。ウェーハサイズの大口径化とともに、ウェーハの製造技術も難易度が上昇しており、参入障壁も高くなる傾向にある。また、半導体製造ラインに投入されるシリコンウェーハは、すべて半導体チップの製造用として使われているわけではない。半導体はシリコンウェーハ上に微細な配線パターンを繰り返し形成していくことで完成するため、工程ごとに仕上がり状態をチェックするためのテストや評価を行いながら製造プロセスを進めている。こうしたテスト・評価用途のシリコンウェーハを「テストウェーハ」や「ダミーウェーハ」「モニタウェーハ」などと呼んでおり(以下、当レポートではこれらを総称して「モニタウェーハ」の用語で統一する)、再生ウェーハが利用されている。一方、実際に半導体チップに加工されるウェーハのことを一般的に「プライムウェーハ」と呼んでいる(同社の事業セグメント名では「プライムシリコンウェーハ」という呼称となっているが、同じ意味である)。(2) 再生ウェーハモニタウェーハの使用量は、半導体製造ラインに投入される全ウェーハ量の約20%と見られている。モニタウェーハも新品のウェーハを投入することが基本ではある。しかし、半導体メーカーは少しでも半導体製造コストを下げるため、一度使用したモニタウェーハを同社のような再生加工業者で再生して再度利用している。再生ウェーハの価格は新品ウェーハの約25%と安いため、ウェーハの投入枚数が同じであれば、モニタウェーハに再生ウェーハを利用するだけでウェーハの投入コストが大幅に削減できることになる。再生ウェーハの工程は、受入検査を行い、半導体の製造工程で形成された絶縁膜などをすべて除去したあと、クリーンルームにてウェーハ表面を平坦化するための研磨を行い、精密洗浄を行って出荷する流れとなる。同社の強みは、膜除去工程で化学的な加工によりすべての膜をはく離しウェーハ表面のダメージを最小限にとどめて精緻な研磨加工を行うことで、再生利用可能回数を20~30回と業界平均よりも約2倍に伸ばせる技術力を持つ点にある。12インチのプライムウェーハの厚さは約775μmで、モニタウェーハとして利用できるのは630μm程度までと言われている。このため、1回の再生処理で研磨する厚みが薄いほど再生利用可能回数が伸びることになる。例えば、1回の研磨で10μmを削ってしまえば同ウェーハの再生利用可能回数は14~15回にとどまるが、研磨を5μmに抑えることができれば30回近くまで利用が可能となる。そのほかの強みとしては、金属不純物の除去技術を持っていることが挙げられる。特に、銅(Cu)の除染除去については新品ウェーハと同様の清浄度で仕上げられる唯一のサプライヤーとして多くの半導体メーカーから認証を得ている。現状、銅(Cu)使用再生ウェーハの高清浄度が要求される工程への投入を行う需要はそれほど多くないが、今後、ウェーハ需給がひっ迫しコストが上昇するなどの環境変化があった場合に、需要が立ち上がる可能性はある。(3) プライムウェーハプライムウェーハは新品ウェーハと同義となる。ウェーハの製造工程は、インゴットを引き上げるまでの前工程と、インゴットからウェーハを円盤状にスライスし研磨や表面処理を行う後工程からなる(両工程を行うメーカーを「一貫メーカー」と呼ぶ)。それぞれの工程で高い技術力が要求されるが、事業としての成否は特に、前工程での生産歩留まりにかかっている。生産歩留まりという概念は、単に時間当たりの引上本数を上げることにとどまらない。1本の単結晶からいかに多くのプライムウェーハに適した品質の良いウェーハを得ることができるかがより重要となる(同じ新品ウェーハでも、プライムウェーハとモニタウェーハとでは価格が大きく異なるため)。プライムウェーハは中国の山東GRITEKで製造販売している。強みとしては、前述したように内資企業として様々な優遇制度を活用できること、半導体産業の育成は中国政府の国策となっており様々な施策の恩恵を享受できる可能性があることなどが挙げられる。技術面においては、後工程での研磨・洗浄工程においてウェーハ再生事業で長年培ってきた業界トップクラスの技術力が生かせる点にある。当面は中国内における半導体生産量の拡大に対応するだけで手一杯と見られるが、将来的には、製品の品質をグローバル基準まで引き上げ、同社の販売ネットワークを通じて全世界の半導体メーカーに販売していくことを目標としている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2021/10/13 16:03
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RSテクノ Research Memo(2):シリコンウェーハの再生加工事業からスタート
■会社概要1. 沿革RS Technologies<3445>は、ラサ工業<4022>がシリコンウェーハの再生加工事業から撤退することを受け、その設備と技術を継承して2010年12月に設立された。以来、三本木工場(宮城県大崎市)と、2014年に台湾に新設した子会社である艾爾斯半導體股フン有限公司の台南工場(2015年竣工)の2工場体制でシリコンウェーハの再生加工事業を展開してきた。また、2017年には中国でプライムウェーハ事業に進出することを発表し、2018年に中国の国有企業である北京有色金属研究総院(現 有研科技集団有限公司 以下、GRINM)及び福建倉元投資有限公司(以下、福建倉元)との3社間で、合弁会社となる北京有研RS半導体科技有限公司(以下、BGRS)を設立した。同時に、BGRSがGRINMの子会社でシリコンインゴットやプライムウェーハの製造販売を行うGRITEKに出資し、完全子会社化した。BGRSへの出資比率は同社が45%、GRINMが49%、福建倉元が6%となっており、同社の出資比率は50%を下回る。しかし、福建倉元は同社の代表取締役社長である方永義(ほうながよし)氏の親族が運営する投資会社であり、同社側が実質的に50%以上を保有していること、またBGRSの董事会を構成する董事5名のうち3名を同社が指名していることから、実質的には経営権を有しているとみなし、連結対象子会社としている。BGRSが複雑な出資スキームとなっているのは、中国現地資本の出資比率が50%以上であれば内資企業として取り扱われ、中国政府や地方政府から各種補助金等を得ることが可能であるほか、設備投資や税制面での優遇メリットも享受でき、外資系企業に対して競争上優位に立てるためだ。なお2018年には、GRITEKの新たな製造拠点となる山東省徳州市の地方政府と、合弁会社である山東有研半導体材料有限公司(以下、山東GRITEK)を設立している(出資比率はGRITEK 80%、徳州市20%)。そのほか、同社は創業時より半導体関連の製造装置や部材等の買取・販売事業を行っており、2018年に半導体商社の(株)ユニオンエレクトロニクスソリューション、2019年に半導体製造装置の消耗部材(石英リング、シリコン電極)の製造販売を手掛ける(株)DG Technologiesの株式を相次いで取得し完全子会社化するなど事業領域の拡大を進めている。また、2020年には中国における半導体関連部材拡販のため、上海悠年半導体有限公司及び有研艾唯特(北京)科技有限公司を設立したほか、12インチウェーハ再生事業並びにプライムウェーハ事業を手掛けるSGRSをGRINM、徳州市政府系ファンド等と合弁で設立(設立当初の同社の出資比率は19.99%で持分法適用関連会社、現在はGRITEKを通じて株式を保有)するなど、中国での事業展開を積極的に推進している。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<EY>
2021/10/13 16:02
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RSテクノ Research Memo(1):2021年12月期業績計画は上方修正した会社計画をさらに上振れする公算大
■要約RS Technologies<3445>は半導体の主要部材であるシリコンウェーハの再生加工を主力事業として展開し、メインサイズの12インチ(300mm)及び8インチ(200mm)再生ウェーハで世界シェア約33%(同社推計)とトップに立つ。また、2018年から中国でプライムウェーハの一貫製造販売事業に進出したほか、2022年には関連会社でも12インチ再生ウェーハ事業を開始する予定としている。半導体関連装置・部材等事業の育成にも注力している。1. 2021年12月期第2四半期累計業績は期初計画を上回る増収増益に2021年12月期第2四半期累計(2021年1月~6月)の連結業績は、売上高で前年同期比23.0%増の15,559百万円、営業利益で同4.5%減の2,464百万円、経常利益で同26.4%増の3,662百万円となり、期初計画(売上高13,100百万円、営業利益2,200百万円、経常利益2,200百万円)を上回って着地した。旺盛な半導体需要を背景に、プライムウェーハシリコン製造販売事業(以下、プライムウェーハ事業)、半導体関連装置・部材事業を中心に売上高が好調に推移したことが要因だ。営業利益が減益となったのは、中国子会社で新たに稼働を開始した新工場の立ち上げ費用や研究開発費の増加が要因となっている。ただ、これらの費用は地方政府からの補助金収入※1で賄われており、経常利益段階では2ケタ増益となっている。なお、特別損失として株式報酬費用1,372百万円※2を計上したため、親会社株主に帰属する四半期純利益は同62.6%減の630百万円にとどまった。※1 2021年12月期第2四半期累計では営業外で1,102百万円(前年同期は35百万円)の補助金収入を計上した。※2 子会社株式の上場準備に伴って一部株式を社員持株会に譲渡したことに伴い、公正価値との差額分を株式報酬費用として計上している。実際のキャッシュアウトはない。2. 2021年12月期業績計画を上方修正するもなお上振れ余地あり2021年12月期は売上高で前期比23.6%増の31,600百万円、営業利益で同34.7%増の6,100百万円、経常利益で同39.0%増の7,300百万円とそれぞれ期初計画(売上高29,200百万円、営業利益5,900百万円、経常利益5,900百万円)から上方修正している。ただ、同数値は第2四半期までの上振れ分を加味した数値で、下期についてはほぼ期初計画を据え置いている。下期に入ってからも半導体の需要は旺盛で、同社もフル稼働で対応している状況に変わりなく、ウェーハ再生事業については生産能力増強効果が下期にフルに寄与すること、また、中国の8インチプライムウェーハ新工場の稼働率も第2四半期の6~7割程度から年内にはフル稼働になる見通しとなっており、下期は一段と売上拡大が見込めることなどから、会社計画はなお上振れ余地があると弊社では見ている。3. 中国半導体市場の成長を取り込むことで、中長期的な成長を目指す同社は中期経営計画の最終年度となる2024年12月期に売上高37,100百万円、営業利益7,900百万円の目標を掲げている。前提となる半導体市場の成長率は年率5%程度としているが、足元の需要は前提を上回るペースで成長しており、同社も12インチ再生ウェーハの2023年12月期の生産能力を当初計画から4%上方修正している。また、中国での8インチプライムウェーハについても、工場認定中のため現状は単価の安いモニタウェーハとして主に販売されているが、2022年12月期以降はプライムウェーハとしての販売が本格化することから、一段の売上拡大が見込まれる。さらに半導体製造装置用部材を手掛ける国内子会社において、2021年5月に新工場を稼働させており、同事業の今後の成長も期待される。こうしたことから、中期経営計画の業績目標値は十分達成可能と弊社では見ている。なお、中国の持分法適用関連会社、山東有研RS半導体材料有限公司(以下、SGRS)※で開発を進めている12インチプライムウェーハについては、モニタウェーハの品質までクリアしており、2022年12月期下期に量産工場の検討に入る見通しだ。2022年12月期第1四半期から量産開始予定の12インチ再生ウェーハと合わせて、中国域内での旺盛な需要に対応していく計画となっている。SGRSについては収益化が見込める段階で、連結子会社として取り込んでいく予定としている。中国では国策として半導体産業の育成をバックアップしており、その追い風も利用しながら同社も成長していくものと予想される。※連結対象子会社の有研半導体材料有限公司(現 有研半導体硅材料股フン公司。以下、GRITEK)が19.99%を出資している。■Key Points・旺盛な半導体需要を背景に2021年12月期第2四半期累計の売上高は前年同期比23.0%増と大きく伸長・通期業績計画を上方修正するも、ウェーハ再生事業の能力増強効果やプライムウェーハ事業の稼働率上昇を考慮すると上振れする公算大・中期経営計画は順調な滑り出し、台湾工場の能力増強を前倒し、12インチプライムウェーハの開発も順調に進む(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<EY>
2021/10/13 16:01
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ピアラ Research Memo(7):当面は成長投資を優先するも、安定配当は継続していく方針。自己株式の取得も実施
■株主還元策ピアラ<7044>は株主還元の考え方について、今後の事業展開と財務体質強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当を継続して実施していくことを基本方針としている。現時点では引き続き成長過程の段階にあるため、成長投資(M&Aや資本業務提携、人材投資等)を最優先とするものの、今後も業績や成長投資等を総合的に勘案しながら、安定した配当を実施していく方針としている。2020年12月期は普通配当3.0円に東京証券取引所第1部市場への昇格による記念配当2.0円を追加し5.0円としたが、2021年12月期は普通配当で5.0円を予定している。また、自己株式の取得も実施しており、取得株数で25万株(発行済株式総数の約3.5%)、取得額3億円を上限に、2021年8月16日から2022年2月28日までの期間で取得していく。なお、同社は2022年4月に東証の市場区分が変更されるにあたって、「プライム市場」を選択する方針としている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<YM>
2021/10/13 15:07
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ピアラ Research Memo(6):H&B及び食品市場を主軸に、他業界へのマーケティング支援展開も実験的に進める
■今後の展開1. 市場環境ピアラ<7044>がターゲットとするH&B及び食品業界の市場規模(通販・EC市場)は、2016年の1.8兆円から2020年は2.5兆円と年率7%前後の安定成長が続いたもようだ。今後も高齢化社会の進展による潜在顧客数の増加や健康に対する意識の高まり、女性の社会進出等を背景に、同市場は年率6~8%の安定成長が続くものと予測されている。同社では、これら通販・EC企業が投下するマーケティングコストは売上高の30%超と高く、業界全体では7,000億円を超える市場規模になっていると見ている。特に、ここ数年はEC市場の拡大を背景に大手ナショナルブランドメーカーもデジタルマーケティング施策に注力し始めていることから、マーケティングコスト全体に占めるデジタルマーケティングの比率も上昇傾向が続くと見られ、同社が展開している領域に関して見れば、中長期的に年率2ケタ台の成長が続くものと予想される。一方で、既述のとおり同領域ではブラック広告が増加していることを受け、規制当局が審査を厳格化した。業界の規制強化は、中長期的に見れば広告市場のクリーン化につながり、同社の安全性に対する顧客支持が高まるためポジティブに捉えることができるが、現状はその過渡期にあると同社では認識しているヘルスケア産業について見ると、高齢化社会の進展に伴って予防や健康管理サービスなどの市場拡大が進むなかで、国内市場規模は2013年の16兆円から2020年の26兆円、2030年には37兆円へと急速な市場の拡大が予測されている。このため、同社では予防医療も含めたモノ・コトサービス企業に対するマーケティング支援も強化していく方針となっている。さらには、グローバル化の進展や発展途上国の経済成長を背景に、世界の越境EC市場についても、2020年の9,123億ドルから2027年には48,561億ドルと年率27%の高成長が続くとの予測もある。中国や東南アジアなど経済成長率の高いアジア地域へ販売拡大を志向する日本企業も多く、こうした企業に対して越境EC支援サービスを提供していくことでさらなる成長を目指している。特に、中国市場ではインフルエンサーを活用したライブコマース事業に注力するほか、東南アジア市場ではコロナ禍で現状は事業活動が停滞しているものの、コロナ禍収束後に改めて積極展開を進めていく方針となっている。そのほか、新たな成長の可能性を探るため、これまでH&B及び食品市場領域で培ってきたマーケティング支援のノウハウを他業界でも展開する予定だ。2020年11月からスタートしたエンタメDX事業に続き、実験的に他業種向けにマーケティング支援の一部を提供している。2021年12月期は期初計画を下方修正するも、通販DX事業の開始により回復の道筋が見え始める2. 2021年12月期の業績見通し2021年12月期の連結業績は売上高で前期比2.1%増の14,896百万円、営業利益で同76.0%減の120百万円、経常利益で同76.7%減の109百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同94.0%減の20百万円と、期初計画からいずれも下方修正した。コロナ禍が長期化していることに加えて、H&B及び食品市場におけるWeb広告の規制強化により、ヒット商品が生まれにくくなってきていることが要因だ。2021年8月には薬機法の規制が強化され、広告主だけでなく広告代理店やアフィリエイターなどにも課徴金が課せられることになり、広告主の出向意欲の低下が懸念される。ただ、通販DXサービスについては多くの引き合いが来ており、順調に推移している。このため、半期ベースで見れば第2四半期累計を底に緩やかながらも回復に転じる見通しだ。なお、同社は業績悪化の経営責任を明確にするため、役員報酬の一部自主返納※を決定している。※2021年8月~2022年2月までの間、代表取締役社長は月額報酬の40%、取締役(社外取締役を除く)は同20%を自主返納する。エンタメDX事業は、登録アーティストの増加や新サービスとなるNFTモールのオープンにより、流通額で10億円を超えるものと予想される。NFTモールでは登録アーティストの動画や画像、テキスト等のデジタルコンテンツを、固定価格またはオークション形式で販売する予定となっている。また、NFT化することでオリジナルデータであることの証明が可能となるため、購入したデジタルコンテンツを再出品して販売することも可能となる。つまり、二次出品の場合でも、登録アーティストに売上の一部が還元される仕組みとなっている。流通額の10%程度が同社の売上に計上されることになり、運営コストなどを差し引いた売上総利益率は70~80%程度が見込まれる。登録アーティストによって流通額も大きく成長する可能性があり、今後の動向が注目される。そのほか、通販DXサービスを加速させるための強化サービスとして、2021年7月にはオフライン広告の直接効果と間接効果の可視化を行うオフラインDXのサービスを開始し、顧客を獲得するうえで重要なカギを握る広告クリエイティブの企画を得意とする(株)ダイレクト・ホールディングスと業務提携した。3. 中期経営計画数値目標の見直しについて(1) 数値目標と基本方針2020年12月期からスタートした3ヶ年の中期経営計画では、経営数値目標として2022年12月期に連結売上高235億円以上、営業利益12億円、営業利益率5%以上を目標として掲げていた。しかしながら、市場環境の変化による戦略シフトを行ったことや足元の業績状況に鑑みて、売上高及び営業利益の目標値を一旦取り下げることとした。なお、新規事業投資については3年累計で10億円という計画に変わりない。2022年12月期の業績については、通販DXサービスの動向がカギを握ると弊社では見ている。同サービスの拡大に伴い、シャワー効果によって成果報酬型のKPI保証サービスの売上成長にもつながるためだ。先行して開始した2社では成果が出始めており、今後の期待は大きい。なお、現在の見込み案件の多くは2021年12月期第4四半期以降に売上貢献してくる見通しとなっている。このほかの成長戦略として、他業種への横展開のほか、D2C支援サービスなども育成を進めている。当面は、国内では、通販DX事業及びエンタメDX事業等の新規事業を成長分野と位置付け注力していくほか、海外では、中国での有力インフルエンサーを活用したライブコマース事業の育成を進めていく。中国のライブコマース市場規模は、2019年の6兆9千億円から2021年には30兆円を超えるとの予測もあることから、中国向けの有力販路の1つとして注目している。日本製品の中国での人気は依然高いため、販売する商材(コスメ、美容家電、日用品等)の獲得と合わせて有力インフルエンサーの獲得も推進していく。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<YM>
2021/10/13 15:06
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ピアラ Research Memo(5):市場環境の変化やコロナ禍の影響により、2021年12月期第2四半期は減収減益に
■業績動向1. 2021年12月期第2四半期累計業績の概要ピアラ<7044>の2021年12月期第2四半期累計の連結業績は、売上高で前年同期比7.3%減の6,810百万円、営業損失11百万円(前年同期は222百万円の利益)、経常損失3百万円(同218百万円の利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失62百万円(同151百万円の利益)となった。Web広告に対する規制強化の影響を受けて大型ヒット商品の創出に苦戦したことや、コロナ禍によるマイナス影響を国内外で受けたこと、新規事業への投資が計画通り実行していることなどが収益悪化要因となった。また、今後想定されるリスクに対して各種減損処理を実施したことや評価損を計上したことも、期初会社計画からの下振れ要因となった。営業利益の増減要因を見ると、イレギュラーな減益要因としてマスクの評価損30百万円(第2四半期に計上)、大手取引先向けの一時的な広告停止により12百万円※、コロナ禍によるマイナス影響として国内リアルプロモーションの中止等により87百万円、海外子会社の事業停滞により48百万円の下振れ要因となった。さらに、Web広告に対する規制強化による大型ヒット商品の低迷により94百万円、新規投資の増加により91百万円の減益要因となった。一方、増益要因としては、通販DXサービスの開始で21百万円、新規ヒット商品の効果で26百万円、販管費の絞り込みで11百万円、新規事業の貢献で32百万円となった。※同社の主要顧客の1社において、他社が行ったアフィリエイト広告で不適切広告のあったことが発覚し、2021年12月期第2四半期に一時的に広告出稿を自粛した。四半期ベースの売上高と売上総利益の推移を見ると、第2四半期は売上高で前年同期比3.5%減の3,533百万円、売上総利益で同22.4%減の498百万円となったものの、通販DXサービスを開始したこともあり、第1四半期比では売上高で増収に転じたほか、売上総利益もマスク評価損(30百万円)や大手取引先の一時的な広告停止の影響(12百万円)を除けば増益となっており、若干ながら底打ち感は出ている。ヒット商品(月額5百万円以上のクライアント)の売上高をマーケティング支援開始年別で見ると、2021年に開始した商品の一部がヒットしたほか、2020年に開始した商品も一部ヒットした。しかしながら全体的には、Web広告に対する規制強化を受けて大ヒット商品が生まれにくくなっていることや、前期に引き続いて主要取引先で他社事由により広告出稿が一時的に停止した影響を受け、売上高は伸び悩んでいる状況にある。販管費は前年同期比6.7%増の1,031百万円、金額で65百万円増加した。主な増加要因は、人員体制の強化に伴う人件費の増加で34百万円、地代家賃の増加で10百万円、新規事業への投資費用などその他販管費で21百万円となっている。なお、2021年12月期第2四半期末の従業員数は210名と前年同期比で23名増加した。新規事業の取り組みとしては、通販DXサービスで売上高160百万円を計上したほか、エンタメDX事業は流通取引額で526百万円となった。主に大型アーティストやアイドルグループに関連したEC販売が貢献したものと見られる。そのほか、子会社のピアラベンチャーズが、セルフエステスタジオを全国展開する(株)ボディアーキ・ジャパン並びに健康食品の通販会社である(株)ハーバルアイに、ファンドを通じて投資を実行した。なお、これらの投資先には今後、ピアラベンチャーズからの事業成長のサポートと、同社からのマーケティング支援を提供することを発表している。また、2021年5月には、美容情報サイト「MOTEHADA(モテハダ)」を事業譲受した。「MOTEHADA」は、エステ、メイク、スキンケア関連に関するコンテンツが豊富な来店誘致型のSEOメディアである。「MOTEHADA」事業譲受により、SEOのノウハウ蓄積のほか、オウンドメディアの運営に携わることでマーケティングデータの蓄積を加速させ、独自のコンテンツ発信によりH&B領域のクライアントの潜在顧客や新規顧客獲得のフック役になることを目指す。なお、エステサロンなど店舗系の顧客獲得が進む可能性もある。自己資本比率は40%台と安定した財務状況が続く2. 財務状況2021年12月期第2四半期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比78百万円増加の5,135百万円となった。主な変動要因を見ると、流動資産では受取手形及び売掛金が116百万円、現金及び預金が84百万円それぞれ減少し、その他流動資産が増加した。また、固定資産では有形固定資産が47百万円、無形固定資産が75百万円、投資有価証券が15百万円それぞれ増加した。負債合計は前期末比152百万円増加の3,002百万円となった。これは、成長投資のための資金として有利子負債が147百万円増加したことによる。また、純資産合計は同74百万円減少の2,132百万円となった。ピアラベンチャーズ1号投資事業有限責任組合が外部より出資を受け入れたことを主因として被支配株主持分が23百万円増加した一方で、親会社株主に帰属する四半期純損失62百万円の計上及び配当金支出により利益剰余金が97百万円減少した。経営指標を見ると、有利子負債が増加したことにより有利子負債比率が前期末の51.6%から61.0%に上昇したものの、ネットキャッシュ(現金及び預金−有利子負債)は897百万円のプラスとなっているほか、自己資本比率も同社が目安としている40%台を維持していることから、財務状況は安定した状態を維持していると判断される。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<YM>
2021/10/13 15:05
注目トピックス 日本株
ピアラ Research Memo(4):ブランディングからLTV向上まで一気通貫で最適化する通販DXサービス開始(2)
■会社概要b) KPI保証サービスKPI保証サービスでは、H&B及び食品市場の通販企業800社以上で実施してきたマーケティング支援により蓄積してきた運用ノウハウや独自データをもとに、「悩み特化型のDMP」とAI機能を搭載したマーケティングオートメーションツール「RESULT MASTER」をクライアントまたはピアラ<7044>、もしくは両社で利用しながらマーケティング施策を行っている。ユーザーの悩み別にデータを蓄積している強みは、ソーシャルメディアから収集するデータの中からヒットした商品の条件をリアルタイムに取り込みデータ管理するだけでなく、たとえば「しみ」や「しわ」などユーザーの悩み別にタグ付けすることで、クライアントの商品1つ1つに最適化したマーケティング施策をAIによって導き出すことができる点にある。H&B領域でのユーザーの「悩み」は、流行に左右されることなく変わらないため、その商品特性と価格帯をベースに過去データを使うことが可能となる。また、どの媒体にどのようなキーワードを使って広告の設定をしていたか、どのような広告を使用していたか、送料無料やクーポン等のオファーは付いていたかなどもタグ付けし、AIエンジンによって学習させている。このため、同社が蓄積している過去データから商品特性や価格を軸に類似する商品をピックアップし、過去の成功パターンを当てはめていくことで、効果の高いマーケティング施策を実現できる仕組みとなっている。なお、広告手法については8割を既存データから導き出された施策を利用し、2割は新しい手法(V Tuber、TikTok等)を活用している。これは、新たな媒体や手法を用いたほうが効果的な場合もあるためで、効果が確認できれば、類似案件に対して活用することでマーケティング効率を高めている。KPI保証サービスの成果報酬の考え方については、まず新規顧客(商品購入者)に対して、広告を通じて購入を促し、初回購入につなげることで事前に定めた成果報酬を獲得している。また、リピート通販の場合は、クライアント(広告主)は初期投資として新規顧客獲得費用がかかるため、初回購入段階ではまだ赤字であり、リピート購入を継続していくことで収益化するビジネスモデルが主流となっている。このため、成果報酬には新規顧客獲得のほか、商品を追加購入した場合や、1年以上購入実績のなかった顧客が再度購入した場合、単品で商品を購入していた顧客が定期コースを申し込んだ場合など様々なパターンがあり、LTVを向上させることで成果報酬を獲得している。なお、料金プランは1案件当たり最低50万円からとしている。クライアント側から見れば、新規顧客1人を獲得する、または顧客のLTVを向上させるための費用が固定化されるため、費用対効果が事前に確定していることになる。マーケティング支援サービスでは、最初にプロモーションの予算が決められ、その枠内で各種広告運用を行うことが一般的であるが、マーケティング施策の効果が出なかった場合は費用負担だけがかかることになる。一方、KPI保証サービスでは、結果(新規顧客獲得数またはLTVの向上)に応じて対価が発生するため、このようなリスクはなく、クライアントが利用しやすいサービスとなっていることが特長だ。なお、同社の費用の大半は各種媒体への広告掲載料で占められ、売上原価の外注費として計上される。主要な媒体はGoogle、Yahoo!、LINE、Facebook等が挙げられる。また、売上高が成果報酬型であるのに対して費用は媒体コスト等によって変動するため、プロモーション案件ごとに利益率も変動する(売上総利益率で3~30%レンジ)。なお、同社は事業リスクの軽減を図るため、KPI保証で顧客獲得件数の保証はしていない。また、当初見込んでいたマーケティングの成果が出なかった場合のロスカットルール(一定期間トレーディングの実績がない場合、累積損失額が一定水準を超えた場合等)を社内で設けており、その基準を超えた場合は自動的に運用をストップするようにしている。仮にロスカットルールに抵触した場合でも、当該クライアントとの信頼関係は変わらず、ほかの商品に切り替えて再度プロモーションに取り組むケースが多い。c) 広告マーケティング広告マーケティングは、「RESULTシリーズ」を利用しないマーケティング支援サービスとなり、売上高の2~3割を占めている。通販企業の会報誌や商品などにチラシやパンフレットを同梱し、特定ユーザーに発送する同封コンシェルジュサービスや、DM広告サービスなどが大半を占める。そのほか、テレマーケティングやリアルイベントによるプロモーション、インフルエンサーを活用したバズマーケティングなどのサービスも提供している。広告マーケティングは、マーケティング支援サービスの成果に関係なく一定額の報酬(手数料)を得るビジネスモデルが大半だが、直近ではクライアントの課題や予算をもとに設定したKPIの成果に応じた報酬を請求するKPI保証型サービスへのシフトを進めている。d) エンタメDX2020年11月より、新規事業としてエンタメDX事業を開始している。次世代型総合エンタメプラットフォーム「サイバースター」を立ち上げ、登録アーティスト(ミュージシャン、アイドル、コスプレイヤー、YouTuber等)のライブ配信やギフティング、コンテンツや物販のEC、ファンクラブ運営、電子チケット販売、グッズの商品企画・受注生産などのサービスを提供している。同社が持つマーケティングのノウハウを活用し、データ分析を行うことで、ファンの囲い込みを図ることが可能になる。2021年12月期第2四半期末時点で、HKT48やNGT48など12組のアーティストが登録している。なお、プラットフォーム上で発生する流通額の一定料率が同社の売上高となる。e) その他サービスそのほかのサービスとして、H&B及び食品市場をターゲットに「悩み別データ」を活用して商品企画開発からマーケティング支援までを一気通貫でサポートするサービス「BEATMAKER(ビートメーカー)」や、リモート接客ツール「リモートせっきゃくん」、マーケティング支援と金融支援をセットにして提供する「PIALA PAY」のほか、海外事業として越境ECコンサルティングサービスや中国でのインバウンドマーケティング支援サービスなどを展開している。(2) グループ体制同社の事業は、同社及び連結子会社8社により構成されている。子会社のうち(株)PIALab.は、徳島支社を拠点として「徳島おもてなし研究センター」を設置し、コールセンター業務(アルバイトを含めて100名弱程度)やECサイトの運用代行などを行っている。これまで外部委託していたコールセンター業務の一部は同子会社で代替しており、事業の拡大に伴って拠点を移転、増設しさらなる成長を目指す。また、2020年11月設立のピアラベンチャーズでは、H&B及び食品市場等の領域をメインに支援を行うファンドを設立、運営している。海外子会社については、タイのPIATEC(Thailand)Co.,Ltd.でシステム開発や運用保守管理業務を行っている。また、タイへの進出支援業務や和食料理動画メディア「Channel J(チャンネルジェイ)」の運営については、2019年8月に新設したCHANNEL J(THAILAND)Co.,Ltd.に移管しており、事業強化を進めている。中国では、比智(杭州)商貿有限公司が大手ECサイト(天猫、淘宝網等)や大手SNS(微信、微博)を活用したマーケティング企画、制作、デザイン、広告運用等を行っている。そのほか、越境EC支援や輸入請負販売代行サービスを行う子会社を2019年に台湾とベトナムに設立している。2019年までは海外事業も順調に成長してきたが、コロナ禍の影響により、2020年以降は中国を除いて各子会社の事業は停滞気味となっている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<YM>
2021/10/13 15:04
注目トピックス 日本株
ピアラ Research Memo(3):ブランディングからLTV向上まで一気通貫で最適化する通販DXサービス開始(1)
■ピアラ<7044>の会社概要2. 事業内容とグループ体制(1) 事業内容同社グループは「全てがWINの世界を創る」という経営理念の下、「Smart Marketing for Your Life(あなたの生活をマーケティングでより素敵に便利に)」をビジョンとし、すべての顧客と関連する企業に「ECトランスフォーメーション」※を推進している。顧客がより良い商品に出会い、購買自体を楽しんでもらうことに価値を見出し、顧客満足度を最大化することをミッションとしている。市場領域はH&B及び食品市場にフォーカスし、EC及びD2C事業者への新規顧客獲得や顧客育成等のマーケティング支援を軸に事業開発や商品開発、インフラ整備等を行っている。さらに、他業種やグローバルにも展開することで、事業領域の拡大に取り組んでいる。※「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念である「デジタルトランスフォーメーション」を同社グループの事業基盤に当てはめて再定義した造語。ここ数年で、ECを取り巻く環境は劇的に進化しており、スマートフォンの普及による購買行動やコミュニケーションの変化、SNSの活用、アドテクノロジーの進化、大手ショッピングモールのIDが自社ECでも利用可能になるなど、ECを取り巻く環境変化に対応するにはそれ相応のコストと知見が必要になる。マーケティング支援の対象領域をH&B及び食品市場にフォーカスしているのは、国内の総人口が減少傾向にある一方で、シニア層は増加傾向が続くことが予想されることから、アンチエイジングや予防医薬などのH&B商品や機能性表示食品の市場で安定成長が見込まれるためだ。また、これらの市場はデジタルマーケティングとの親和性が高いことも要因となっている。具体的には、同社がこれまで蓄積してきた消費者の「悩みや購買状況」などのビッグデータ(悩み特化型DMP※)をAI技術も活用しながら分析することで、ヒット商品を生み出すための再現性の高いマーケティング施策をプランニングし、運用支援を行っている。このノウハウが競合他社との最大の差別化要因となり、同社が成長を続けてきた要因となっていた。※DMP(Data Management Platform):オンライン上に蓄積された様々な情報データを管理するためのプラットフォーム。DMPを活用することで各種情報をセグメント化でき、個々のユーザーに合わせたOne to Oneのマーケティング施策が可能となる。しかしながら、近年Web広告市場では景品表示法や薬機法の規則を逸脱するコンテンツが増加していることを受け、規制当局が審査を厳格化したことにより、市場環境が大きく変化してきている。同社自身に規則違反はないものの、過去に蓄積してきたデータに基づくヒット商品創出の勝ちパターンが通用しにくくなってきているようだ。また、クライアント企業についても、他社のプロモーションで規則違反となることで一定期間販売活動を自粛するケースが増えており、Webプロモーションに対して業界全体で慎重になり始めている。こうした逆風を打破するために、通販DXサービスを新たに開始した。a) 通販DXサービス通販DXサービスは、Web中心のマーケティング支援サービスであるKPI保証サービスから拡張し、オフラインも含めたデータの一元管理により、ブランディングからLTV向上までを一気通貫で最適化するサービスとなる。同サービス開始の背景は、既述のとおりWeb広告市場において景品表示法や薬機法の規則を逸脱するブラック広告が増加していることを受け、規制当局が審査を厳格化したことがある。直近では、2021年8月に薬機法の規制が強化されたが、これにより、医療品・医薬部外品、化粧品、医療機器、再生医療等製品などを対象に広告内容に違反が見つかった場合には、広告主だけでなく広告代理店やアフィリエイターなどにも課徴金が課せられることになった。この規制強化により、広告の表現がさらに制限され、広告主のマーケティング施策を見直す動きが出始めている。業界の規制強化は、中長期的に見れば広告市場のクリーン化につながり、同社の安全性に対する顧客支持が高まるためポジティブに捉えることができるが、現状はその過渡期にあると同社では認識している。通販DXサービスは、従来のWeb広告を中心としたマーケティング支援から、ブランディング広告やテレビCM等にも領域を拡大し、トータルのマーケティング効果の最適化、費用対効果の最大化を目指すサービスとなる。仕組みとしては、クライアント用のプライベートDMPを構築し、オンライン・オフラインのデータを蓄積するとともに、同社のMAツールを活用してこれらのデータを計測・分析し、PDCAを回すことによってマーケティング効果の効率化及び最大化を図る。同社でマーケティングをトータルで支援するため、オンラインとオフラインで別々に発注・運用していたクライアントの広告予算を、同社が一括して引き受けることで効率化できるといったメリットもある。同サービスの核となるMAツール「RESULT MASTER」については、Facebookの「コンバージョンAPI」を連携させ、「カスタムオーディエンス」にも対応できる仕様で提供している。今後、Facebook広告やInstagram広告を運用する際に不可欠となる両機能が、「RESULT MASTER」の導入のみで実装可能となる。また、テレビCMやオフライン広告、ミドルファネル施策等のデータ収集・計測も実施することで、Cookieに依存しない広告計測にも対応していく。こうした取り組みにより、広告配信精度の向上を図り、CVの拡大並びにCPA(顧客獲得コスト)の低減を図っていく。また、LINEやSMS、電話、DMなどの顧客アプローチ手段についても、パーソナライズしたシナリオマーケティングを作成・運用することで、LTVの向上を目指す。通販DXサービスで新たに開始するものとしては、「CM-UP」がある。テレビCMを放映した際のCMリーチ数、位置情報、時間、検索数、Webへのアクセス数の増減、商品の売上効果を可視化・分析し、PDCAを回すことによって最適化を図り、顧客獲得効果を最大化する。同社は、出稿プランからメディア枠の仕入れ、CM制作、分析、最適化までを一気通貫でサポートする。「CM-UP」を導入後、約6倍の顧客獲得成果が出た事例も出ているようだ。また、オフライン広告のDX化も実施していく。具体的には、新聞広告やDM、折り込み広告、同封広告等のオフライン広告とWebを連動させ、広告効果の最大化を図る。オフライン広告からWebに誘導するまでの導線を複数(電話、QRコード等)設置し、エリアや位置情報、時間、QRアクセス等のデータを収集・分析することで、最適なオフライン広告運用を実現し、Webや同社が運営するコールセンターへの誘導率を高めることで、定期購入の促進や取りこぼし防止を目指す。そのほか、ミドルファネル施策では、インフルエンサー分析を強化していく方針だ。2021年6月には、インフルエンサー評価を可視化するツール「A STREAM」を提供する(株)A(エース)と業務提携を行い、「I-match(アイマッチ)」の提供を開始した。同社のツールとAのツールを組み合わせることで、インフルエンサーのECにおける売上貢献度を測定・可視化し、インフルエンサーのマーケティング効果の最大化を実現していくツールとなる。仕組みとしては、PR投降後、インフルエンサーのインサイト情報やクライアントからの売上情報を回収し、投稿エンゲージメントからアンバサダーの評価・入れ替えなどを実施していく。なお、通販DXサービスの運用期間は3~6ヶ月程度で、受注時に総額を決めて月額で売上計上していくビジネスモデルのため、安定した収益が見込めることが特長である。1案件当たりの受注金額は数千万円から1億円を超えるケースもある。また、通販DXサービスのシャワー効果により、成果報酬型のKPI保証サービスの売上再成長も期待できる。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<YM>
2021/10/13 15:03
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ピアラ Research Memo(2):H&B及び食品市場に特化したマーケティング支援サービスが主力事業
■会社概要1. 会社沿革ピアラ<7044>は、2004年に現 代表取締役社長の飛鳥貴雄(あすかたかお)氏が資本金100万円で有限会社ピアラとして創業したことが始まりとなる。飛鳥氏は創業前に大手外資系アパレルのトリンプ・インターナショナル・ジャパン(株)に在籍しマーケティング部門を統括していたが、もともと独立志向が強く、アパレルブランドを自身で立ち上げたいとの想いで学生時代の友人ら3名とともに会社を立ち上げた。創業当初は、前職時代の経験を生かして紙媒体のカタログにチラシを同封するビジネスモデルでスタートし、2008年からWebマーケティングのサービスを開始する。現在のECカートシステムである「RESULT EC(リザルトイーシー)」やクローズド型アフィリエイトASP「RESULT PLUS(リザルトプラス)」などがこれに該当する。「RESULT PLUS」は初代版のみ開発を外部に委託したが、「RESULT EC」や2012年に開発したAI搭載マーケティングオートメーションツール「RESULT MASTER(リザルトマスター)」など、その後のプラットフォームはすべて自社で開発している。デジタルマーケティング支援事業を展開していくなかで、これらのソリューションは既に多くの企業が開発・提供していたことから、差別化を図るためソリューションサービスを無料にし、クライアント企業に対して成果(新規顧客獲得、リピート受注の獲得等)にコミットすることで成果報酬を獲得する「KPI保証サービス」を開始した。クライアント企業が1年かけて販売していた商品を3ヶ月で完売させるなど、ヒット商品を短期間で創出する結果を出し続けたことでクライアント企業からの評価も高まり、事業を成長軌道に乗せていった。また、同社は顧客ターゲットとして、SNSなどデジタルメディアと親和性の高いH&B及び食品市場の通販企業に特化して事業展開を進めているが、これらの分野で高い費用対効果が得られる対面型のマーケティング支援サービスも行っている。このほか、海外市場でも2012年にタイに子会社を設立して以降、2013年に中国、2019年には台湾とベトナムに子会社を相次いで設立し、アジア市場で日本商品のマーケティング支援を展開している。2020年以降は新規事業への取り組みも積極化している。同年8月よりマーケティングサービスと金融支援サービスをセットにした「PIALA PAY」の提供を開始したほか、11月にはエンタメDXサービスとして次世代型総合エンタメプラットフォーム「サイバースター」の提供を開始している。また、新規子会社として(株)ピアラベンチャーズを設立した。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<YM>
2021/10/13 15:02
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ピアラ Research Memo(1):通販DXサービスの提供開始とエンタメDX事業の育成により再成長を目指す
■要約ピアラ<7044>は、ヘルスケア&ビューティ(以下、H&B)及び食品市場のECやD2C※事業者へのマーケティング支援サービスを主力事業として展開している。Web広告市場に対する規制強化を背景に、主力のKPI保証サービスが伸び悩むなか、新たな成長戦略として通販DXサービスを2021年5月より開始した。Web中心のマーケティング支援だけでなく、オンラインとオフラインのデータを一元管理し、商品のブランディングからLTV(1年間に購入する金額)の向上まで一気通貫で最適化するサービスとなる。※D2C(Direct to Consumer)は、自社で企画・製造した商品を自社ECサイトで販売し、顧客管理まで行うビジネスモデルを指す。1. 2021年12月期第2四半期累計業績の概要2021年12月期第2四半期累計の連結業績は、売上高で前年同期比7.3%減の6,810百万円、営業損失で11百万円(前年同期は222百万円の利益)となり、会社計画(売上高8,323百万円、営業利益261百万円)に対しても下回る格好となった。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)で国内のリアルプロモーションの中止や媒体の発刊中止、海外事業が停滞したことに加えて、Web広告に対する規制強化の影響を受けて大型ヒット商品の創出に苦戦したことや、新規事業への投資を進めたことなどが収益悪化要因となった。なお、第2四半期から開始した通販DXサービスについては、売上高で160百万円、営業利益で21百万円を計上するなど順調な滑り出しを見せた。2社でサービスをスタートしたが、Webによる顧客獲得数が6倍に増加したほか、購入率が2倍になるといった成果が出始めている。2. 2021年12月期の業績見通し2021年12月期の連結業績は、売上高で前期比2.1%増の14,896百万円、営業利益で同76.0%減の120百万円と、それぞれ期初計画(売上高18,241百万円、営業利益705百万円)から下方修正した。コロナ禍によるマイナス影響が続くほか、2021年8月に「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(以下、薬機法)の規制が強化されたことにより、大型ヒット商品が生まれにくい状況が続くと予想していることが要因だ。一方で、通販DXサービスは多くの引き合いがあるなど、新たなプロモーション施策としてクライアントの期待度も高まっている。また通販DXサービスが成長すれば、シャワー効果によりKPI保証サービスも再成長すると弊社では見ている。また、2020年11月から開始したエンタメDX事業も、流通額で10億円を超える見通しだ。次世代型総合エンタメプラットフォーム「サイバースター」上では、登録アーティストのライブ配信やガチャ機能によるコンテンツ販売を行っているが、今後はNFT※モールのオープンも予定しており、登録アーティスト数の増加もあってさらなる流通額の成長が期待できる状況となっている。なお、流通額の一定率が同社の売上として計上される。※「NFT(非代替性トークン)」とは、デジタル化された創作物に対して唯一の署名をつけることでその出自や所有権を証明するもの。著作物の違法コピーができないといった特性もある。3. 中期経営計画数値目標の見直しについて同社は2022年12月期を最終年度とする3ヶ年の中期経営計画を進行中だが、市場環境の変化による戦略シフトを行ったことにより、売上高及び営業利益の目標値を一旦取り下げ、通販DXサービスの進捗を見ながら中期経営計画の精査を進める。成長戦略としては、通販DXサービスでの新規顧客獲得及びKPI保証サービスへのシャワー効果による売上拡大、エンタメDX事業での流通取引額拡大に加え、中国市場での有力インフルエンサーを活用したライブコマース事業にも注力していく。また、他業種へのマーケティング支援展開についても実験的に準備を進めている。特に、通販DXサービスが成長のカギを握ると見られるだけに、今後の動向に注目したい。■Key Points・オンラインとオフラインのデータを一元管理し、ブランディングからLTVの向上まで一気通貫で最適化する通販DXサービスを開始・安定成長が見込めるH&B及び食品市場を主軸に、他業界へのマーケティング支援展開も実験的に進める・2021年12月期は期初計画を下方修正するも、通販DX事業の開始により回復の道筋が見え始める(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<YM>
2021/10/13 15:01
注目トピックス 日本株
出来高変化率ランキング(14時台)~メディカルN、SHIFTなどがランクイン
※出来高変化率ランキングでは、直近5日平均の出来高と配信当日の出来高を比較することで、物色の傾向など市場参加者の関心を知ることができます。■出来高変化率上位 [10月13日 14:07 現在](直近5日平均出来高比較)コード⇒銘柄⇒出来高⇒5日平均出来高⇒出来高変化比率⇒株価変化率<3645> メディカルN 4044600 245600 1546.82% 15.88%<3267> フィルカンパニー 461600 37140 1142.86% 18.23%<4078> 堺化学 454500 39260 1057.67% -7.21%<3996> サインポスト 4817900 556960 765.04% 11.45%<3409> 北日紡 1238600 155060 698.79% 8.42%<1419> タマホーム 3137200 426740 635.15% -8.88%<7711> 助川電 257300 37280 590.18% 3.79%<7888> 三光合成 1225700 191980 538.45% -10.35%<3540> Ciメディカル 104800 18040 480.93% -0.16%<7769> リズム 114800 21960 422.77% 0.2%<6205> OKK 1554100 297540 422.32% 8.79%<6652> IDEC 272500 52320 420.83% 8.36%<5781> 東邦金 60300 13440 348.66% 3.7%<6236> NCHD 39200 10140 286.59% 1.28%<7777> 3Dマトリクス 17159300 4565260 275.87% 15.5%<3927> F−ブレイン 4005500 1077200 271.84% 7.32%<9919> 関西スパ 302100 83500 261.80% 4.6%<9755> 応用地 338300 94380 258.44% 5.77%<9740> CSP 115300 33340 245.83% 2.67%<7928> 旭化学 226200 67400 235.61% -5.54%<6378> 木村化 638600 191200 234.00% -0.42%<7725> インターアク 335700 104180 222.23% -7.89%<7426> 山大 123800 40680 204.33% 7.82%<7792> コラントッテ 137200 45860 199.17% -5.73%<7513> コジマ 914400 308760 196.15% -3.83%<3697> SHIFT 727500 249660 191.40% 9.61%<6193> バーチャレク 193000 66540 190.05% 10.99%<7375> リファインバスG 106200 36640 189.85% 7.5%<2882> イートアンドHD 136300 48840 179.07% -8.68%<3086> Jフロント 5184500 1985900 161.07% 9.14%(*)はランキングに新規で入ってきた銘柄20日移動平均売買代金が5000万円以下のものは除外
<CS>
2021/10/13 14:58
注目トピックス 日本株
旭化学---急落、供給網混乱や電力不足で今期は2桁減益
旭化学<7928>は急落。2021年8月期決算を発表、営業利益は前期比8.5倍の8.06億円と大幅増益となった。電動工具業界では建設現場での工具重要や巣ごもり需要により販売が好調に推移、自動車業界でも前期の新型コロナ感染拡大の影響からの挽回生産があり堅調だった。一方、22年8月期は同13.2%減の7.00億円の見通しとしている。世界的な供給網の混乱で部材不足が生じているほか、中国での電力不足の影響を受けているもよう。タイでもコロナ感染拡大で景気が低迷しており、受注活動に支障が出ているようだ。
<YN>
2021/10/13 14:30
注目トピックス 日本株
三光合成---急落、第1四半期の大幅減益決算をネガティブ視
三光合成<7888>は急落。前日に第1四半期決算を発表、営業利益は1.5億円で前年同期比46.8%減益。据え置きの通期計画は29億円で前期比20.3%増益であり、想定外の低進捗スタートとなった。売上高は2ケタ成長となっているが、欧米セグメントの収益が悪化した。今後も原材料価格上昇の影響などが懸念され、収益の下振れを意識するような展開になっている。
<YN>
2021/10/13 14:05
注目トピックス 日本株
東宝---急伸で上場来高値、上半期大幅増益で通期予想を上方修正
東宝<9602>は急伸で上場来高値。前日に上半期の決算を発表、営業利益は215億円で前年同期比3倍の水準となった。また、通期計画は従来の320億円から380億円、前期比69.3%増に上方修正している。映画興行事業における収益の改善、映像事業における「呪術廻戦」「ウマ娘」関連商品の販売好調などが大幅増益の背景に。比較的業績見通しには保守的な傾向もあり、一段の業績上振れも意識される展開に。
<YN>
2021/10/13 13:42
注目トピックス 日本株
コジマ---急落、今期の大幅減益・減配見通しを嫌気
コジマ<7513>は急落。前日に21年8月期の決算を発表、営業利益は88.6億円で前期比22.7%増益、従来計画線上での着地になった。期末配当金は従来計画10円から14円に引き上げ、前期比2円の増配とした。一方、22年8月期は50億円、「収益認識に関する会計基準」の適用で増減率は記載していないが、実質的に大幅な減益見通し。巣ごもり需要やテレワーク需要による押し上げ効果の反動減を想定。年間配当金も10円への減配を見込んでいる。
<YN>
2021/10/13 13:32
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出来高変化率ランキング(13時台)~メディカルN、フィルカンパニーなどがランクイン
※出来高変化率ランキングでは、直近5日平均の出来高と配信当日の出来高を比較することで、物色の傾向など市場参加者の関心を知ることができます。■出来高変化率上位 [10月13日 13:08 現在](直近5日平均出来高比較)コード⇒銘柄⇒出来高⇒5日平均出来高⇒出来高変化比率⇒株価変化率<3645> メディカルN 3163700 245600 1188.15% 17.15%<3267> フィルカンパニー 434800 37140 1070.71% 16.75%<4078> 堺化学 419600 39260 968.77% -6.91%<3409> 北日紡 1102400 155060 610.95% 5.79%<3996> サインポスト 3771000 556960 577.07% 9.14%<1419> タマホーム 2797700 426740 555.60% -8.2%<7711> 助川電 240000 37280 543.78% 4.31%<7888> 三光合成 1131800 191980 489.54% -10.57%<7769>* リズム 104200 21960 374.50% 0.41%<3540> Ciメディカル 81500 18040 351.77% 1.15%<6205> OKK 1281600 297540 330.73% 10.42%<5781> 東邦金 57700 13440 329.32% 4.05%<6652> IDEC 220900 52320 322.21% 7.72%<6236> NCHD 38000 10140 274.75% 2.81%<9919> 関西スパ 276000 83500 230.54% 4.86%<7777> 3Dマトリクス 14920300 4565260 226.82% 11.25%<9740> CSP 107200 33340 221.54% 3.09%<3927> F−ブレイン 3457500 1077200 220.97% -0.09%<7928> 旭化学 204000 67400 202.67% -3.03%<6378> 木村化 559100 191200 192.42% 1.12%<7375> リファインバスG 103900 36640 183.57% 6.41%<7426> 山大 113600 40680 179.25% 13.47%<7792> コラントッテ 126200 45860 175.19% -6.04%<7725> インターアク 286600 104180 175.10% -7.85%<9755>* 応用地 257800 94380 173.15% 5.64%<3697> SHIFT 647600 249660 159.39% 8.92%<2882> イートアンドHD 123500 48840 152.87% -8.18%<6193> バーチャレク 162200 66540 143.76% 10.76%<4673> 川崎地質 221100 91280 142.22% 17.73%<7513> コジマ 732600 308760 137.27% -3.33%(*)はランキングに新規で入ってきた銘柄20日移動平均売買代金が5000万円以下のものは除外
<FA>
2021/10/13 13:26
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堺化学---急落、株式売出による目先の需給悪化を警戒
堺化学<4078>は急落。197万3300株の売出、29万5900株のオーバーアロットメントによる売出の実施を発表している。売出人は三菱マテリアルなどの大株主。売出価格決定期間は10月20日から25日まで。目先の需給悪化を警戒する動きが優勢になっているようだ。発行済み株式数の5.33%に当たる90万株、15億円を上限とする自社株買いの実施も発表しているが、株価の下支え効果としては限定的と捉えられている。
<YN>
2021/10/13 13:24
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三光合成---急落、第1四半期の大幅減益決算をネガティブ視
三光合成<7888>は急落。前日に第1四半期決算を発表、営業利益は1.5億円で前年同期比46.8%減益。据え置きの通期計画は29億円で前期比20.3%増益であり、想定外の低進捗スタートとなった。売上高は2ケタ成長となっているが、欧米セグメントの収益が悪化した。今後も原材料価格上昇の影響などが懸念され、収益の下振れを意識するような展開になっている。
<YN>
2021/10/13 13:16
注目トピックス 日本株
日経平均寄与度ランキング(前引け)~日経平均は続落、東エレクが1銘柄で約23円分押し下げ
13日前引け時点の日経平均構成銘柄の騰落数は、値上がり87銘柄、値下がり134銘柄、変わらず4銘柄となった。日経平均は続落。61.62円安の28168.99円(出来高概算5億8421万株)で前場の取引を終えている。12日の米株式市場でのNYダウは117.72ドル安(-0.34%)と3日続落。8月JOLT求人件数が年初来初めて減少したことで雇用回復への懸念が強まった。また、インフレ指標発表を前に様子見ムードが広がるなか、連邦準備制度理事会(FRB)のクラリダ副議長やボスティック米アトランタ連銀総裁がインフレリスクに言及したことが嫌気された。さらに、国際通貨基金(IMF)が経済成長率見通しを引き下げたことも景気敏感株の売りを誘った。金利先高観がくすぶる中、ナスダック総合指数も0.13%安と3日続落した。米株安の流れを引き継いだ日経平均は145.17円安の28085.44円でスタートすると、そのまま27993.46円まで下げた。ただ、1ドル=113円台後半まで進んだ円安が輸出株の下支え役となったほか、全体も押し目買いから下げ渋ると、下値の堅さが買い戻しを誘い、日経平均は間もなくして上昇に転じた。上げ幅は一時134.38円高(28364.99円)までに拡大。しかし、伸び悩んで再びマイナスに転じると、その後は前日終値近辺でこう着感を強めた。個別では、日本郵船<9101>などの大手海運3社が大幅に下落。金利先高観に加え、来年のDRAM価格の下落観測などを受けて大幅下落となったフィラデルフィア半導体指数(SOX指数)の影響もあり、東エレク<8035>やアドバンテス<6857>が大幅安。公募増資による新株発行に係る価格が決まったSUMCO<3436>は商いを伴いながらやや下落となっている。米アップルが、半導体不足を理由にiPhoneの生産計画を下方修正したことが嫌気され、村田製<6981>、太陽誘電<6976>、イビデン<4062>なども大きく売られている。また、ソフトバンクG<9984>、ソニーG<6758>、リクルートHD<6098>、三菱UFJ<8306>、三井住友<8316>などが軟調。そのほか、業績下方修正を発表した日ペHD<4612>、第1四半期減益決算が嫌気された三光合成<7888>、第1四半期大幅増益も出尽くし感が先行したタマホーム<1419>などが急落し、東証1部値下がり率上位に並んでいる。一方、上期事業利益が会社計画を上回ったJフロント<3086>、前期上振れ着地に加え今期も大幅増益見通しとしたSHIFT<3697>がそれぞれ急伸、第3四半期営業利益が通期計画を上回ったフィルカンパニー<3267>、監理銘柄からの指定解除を発表したOKK<6205>などと共に東証1部値上がり率上位に並んだ。1部売買代金上位では、レーザーテック<6920>、ファーストリテ<9983>、ソフトバンク<9434>、JT<2914>などが堅調で、円安を好感した三菱自<7211>が大幅高、そのほか、ヒューリック<3003>、富士フイルム<4901>、レノバ<9519>などが買われている。セクターでは海運業、銀行業、鉄鋼などが下落率上位となっている一方、不動産業、金属製品、建設業などが上昇率上位に並んでいる。東証1部の値下がり銘柄は全体の62%、対して値上がり銘柄は32%となっている。値下がり寄与トップは東エレク<8035>となり1銘柄で日経平均を約23円押し下げた。同2位はソフトバンクG<9984>となり、信越化<4063>、太陽誘電<6976>、京セラ<6971>などがつづいた。一方、値上がり寄与トップはファーストリテ<9983>となり1銘柄で日経平均を約16円押し上げた。同2位はオリンパス<7733>となり、エムスリー<2413>、富士フイルム<4901>、ネクソン<3659>などがつづいた。*11:30現在日経平均株価 28168.99(-61.62)値上がり銘柄数 87(寄与度+86.16)値下がり銘柄数 134(寄与度-147.78)変わらず銘柄数 4○値上がり上位銘柄コード 銘柄 直近価格 前日比 寄与度<9983> ファーストリテ 71590 480 +16.92<7733> オリンパス 2387 30 +4.23<2413> エムスリー 7207 44 +3.72<4901> 富士フイルム 9023 104 +3.67<3659> ネクソン 1903 49 +3.45<4543> テルモ 4998 24 +3.38<9613> NTTデータ 2161 19 +3.35<7832> バンナムHD 8194 87 +3.07<5332> TOTO 5460 170 +3.00<6902> デンソー 7613 81 +2.85<8015> 豊通商 4970 75 +2.64<7269> スズキ 5086 75 +2.64<8252> 丸井G 2202 52 +1.83<3086> Jフロント 1113 96 +1.69<1963> 日揮HD 1119 42 +1.48<4507> 塩野義 7601 41 +1.45<7270> SUBARU 2216.5 38 +1.34<5803> フジクラ 690 34 +1.20<6724> エプソン 2210 17 +1.20<8830> 住友不 4077 34 +1.20○値下がり上位銘柄コード 銘柄 直近価格 前日比 寄与度<8035> 東エレク 45850 -680 -23.97<9984> ソフトバンクG 6194 -67 -14.17<4063> 信越化 18735 -295 -10.40<6976> 太陽誘電 5780 -260 -9.16<6971> 京セラ 6571 -102 -7.19<9433> KDDI 3638 -33 -6.98<6857> アドバンテ 8650 -90 -6.34<6098> リクルートHD 7047 -50 -5.29<6762> TDK 3660 -45 -4.76<6981> 村田製 8446 -131 -3.69<4021> 日産化学 6260 -100 -3.52<4568> 第一三共 2898 -32.5 -3.44<4503> アステラス薬 1939 -14.5 -2.56<6758> ソニーG 12260 -70 -2.47<6367> ダイキン 24330 -65 -2.29<4519> 中外薬 3896 -20 -2.11<4452> 花王 6529 -57 -2.01<7735> スクリン 8790 -240 -1.69<7203> トヨタ 1994 -8.5 -1.50<5108> ブリヂストン 5288 -38 -1.34
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2021/10/13 12:27
注目トピックス 日本株
【M&A速報:2021/10/13(1)】ベーシック・キャピタル・マネジメント、TIS子会社の中央システムを買収
■ベーシック・キャピタル・マネジメント、TIS<3626>のSES事業子会社の中央システムを買収■中央インターナショナルグループ<7170>、保険代理店業子会社2社を合併■東京海上HD<8766>、マイクロモビリティのシェアリングサービス展開のLuupと資本業務提携■バーチャルキャラクターとの対話型サービス「cocoro:id」運営のMOSHBIT.、シリーズAで資金調達を実施■BtoB専用の事業用駐車場手配サービス「at PORT」運営のLandit、シードラウンドで約7000万円の資金調達を実施■米Invesco Developing Markets Fund、印ZEEL株主に対する公開書簡を公表 ソニーグループ<6758>傘下のSony Pictures Networks Indiaとの合併に懸念を表明■動画で組織実行力を高めるマネジメント支援サービス提供のClipLine、シリーズEで総額6億円の資金調達を実施■伊藤忠食品<2692>、関西スーパーマーケット<9919>に対し同社開催予定の臨時株主総会の議案に対する質問状を送付■C向けセールアンドリースバックサービス「CASHARi/カシャリ」開発のガレージバンク、プレシリーズAで資金調達を実施■建築デザインスタートアップのスタジオアンビルト、総額1.3億円の資金調達を実施■KDDI Open Innovation Fund 3号、植物肉スタートアップのDAIZに出資■グローリー<6457>、無人決済システム開発のTOUCH TO GOと資本業務提携■リテイルテック事業のフェズ、総額約11.5億円の資金調達を実施■スマート南京錠サービス提供のKEYes、資金調達を実施■第15回「M&Aフォーラム賞」授賞式、オンラインで開催 正賞は書籍「M&A失敗の本質」に決定■セキド<9878>、コスメティック事業部を子会社化へ■電設資材商社の昭和電機産業、岐阜市に営業拠点を持つ岐阜電材を完全子会社化■Energy TechのREXEV、シリーズBで約6.3億円の資金調達を実施■Woven Planet GroupのCVCであるWoven Capital、都市気候テクノロジー分野のVCである2150のファンドに出資■分散型クラウドファンディングのDAOLaunch、Meridian Capitalと戦略的パートナーシップを締結■クレディセゾン<8253>、選択的卵子凍結保管サービス事業のグレイスグループに出資【ニュース提供・MARR Online(マールオンライン)】
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2021/10/13 12:04
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日ペHD---大幅続落、業績下方修正で一転営業減益見通しに
日ペHD<4612>は大幅続落。前日に21年12月期の業績下方修正を発表している。営業利益は従来の1020億円から800億円、前期比7.9%減と、一転減益見通しとしている。自動車生産台数が各地域で想定を下回って自動車用塗料事業の売上が伸び悩んだほか、原材料価格の高騰が響く形になっているようだ。8月10日に上方修正する前の水準870億円を下回るまでの下方修正がネガティブなインパクトに。
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2021/10/13 11:27
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TKP---日本経済新聞社と業務提携、「OFFICE PASS」に加入
ティーケーピー<3479>は13日、日本経済新聞社(日経)と業務提携したことを発表。TKPは、全国で貸会議室・レンタルオフィス・シェアオフィスを運営し、法人顧客を中心にサービスを展開。日経は、日経ID会員向けに別途有料でワーキングスペースのマッチングサービスプラットフォーム「OFFICE PASS」を提供している。TKPの運営する貸会議室や、「Regus」のレンタルオフィス・シェアオフィスがネットワークに加入することで、「OFFICE PASS」の事業拡大を図り、両社が協力して新規顧客獲得に注力する。同社は、コロナ禍により集約型の大規模オフィスを見直し、オフィス分散化やオフィス勤務とテレワークを組み合わせた「ハイブリッド型オフィス」戦略が注目されている中、両社の強みを融合させ、今後も働き方のソリューションを提供していくとしている。
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2021/10/13 11:11
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OKK---大幅続伸、四半期報告書提出で監理銘柄指定解除
OKK<6205>は大幅続伸。前日に遅延していた第1四半期の決算、並びに、監理銘柄からの指定解除を発表している。同社は四半期報告書の提出遅延によって、9月22日付で監理銘柄に指定されていた。先行き不透明感の後退からリバウンドを目指す動きが優勢になっているようだ。なお、第1四半期営業損益は3.6億円の赤字で前年同期比3.3億円の損益改善、順調に赤字幅は縮小する状況となっている。
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2021/10/13 11:07
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出来高変化率ランキング(10時台)~Ciメディカル、NCHDなどがランクイン
※出来高変化率ランキングでは、直近5日平均の出来高と配信当日の出来高を比較することで、物色の傾向など市場参加者の関心を知ることができます。■出来高変化率上位 [10月13日 10:38 現在](直近5日平均出来高比較)銘柄コード 銘柄名 出来高 5日平均出来高 出来高変化率 株価変化率<3267> フィルカンパニー 298400 37140 703.45% 17.9%<4078> 堺化学 249900 39260 536.53% -6.08%<7711> 助川電 212600 37280 470.28% 5.89%<3409> 北日紡 760000 155060 390.13% 7.37%<7888> 三光合成 878800 191980 357.76% -11.23%<1419> タマホーム 1894800 426740 344.02% -7.6%<5781> 東邦金 49200 13440 266.07% 5.63%<3645> メディカルN 847000 245600 244.87% 6.93%<6652> IDEC 151400 52320 189.37% 6.69%<9740> CSP 94100 33340 182.24% 3.48%<3540>* Ciメディカル 49000 18040 171.62% 0.49%<7426> 山大 99000 40680 143.36% 12.99%<6205> OKK 708200 297540 138.02% 5.86%<3927> F−ブレイン 2389900 1077200 121.86% 8.16%<7928> 旭化学 149200 67400 121.36% 0.94%<6236>* NCHD 22400 10140 120.91% 1.11%<7777>* 3Dマトリクス 10037700 4565260 119.87% 14.59%<4673> 川崎地質 187800 91280 105.74% 14.36%<9919> 関西スパ 166100 83500 98.92% 6.42%<3996>* サインポスト 1100300 556960 97.55% 3.55%<6193> バーチャレク 129600 66540 94.77% 8.95%<3697> SHIFT 477000 249660 91.06% 8.47%<7375>* リファインバスG 68500 36640 86.95% 8.6%<7725> インターアク 188500 104180 80.94% -7.53%<2513> NF外株ヘッジ無 251480 139328 80.49% 0.19%<2882> イートアンドHD 86900 48840 77.93% -6.54%<6378>* 木村化 337300 191200 76.41% 2.52%<6255> エヌピーシー 1387800 807480 71.87% 0%<7792>* コラントッテ 78800 45860 71.83% -4.23%<3086> Jフロント 3369900 1985900 69.69% 9.93%(*)はランキングに新規で入ってきた銘柄20日移動平均売買代金が5000万円以下のものは除外
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2021/10/13 10:49
注目トピックス 日本株
フィルカンパニー---大幅反発、第3四半期営業益は通期計画を大幅超過
フィルカンパニー<3267>は大幅反発。前日に第3四半期決算を発表、累計営業利益は8.1億円で前年同期比9.1億円の損益改善となっている。通期計画は9月16日に上方修正した6.8億円であるが、これを大きく上回る水準に。販売額が過去最高クラスの不動産売却が完了したことなども寄与した。ガレージ付賃貸住宅「プレミアムガレージハウス」の受注高は引き続き増加傾向にあるほか、開発販売スキームにおける土地仕入を1年4ヵ月ぶりに再開ともしている。
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2021/10/13 10:48
注目トピックス 日本株
富士ソフト---凸版印刷とデジタルマーケティング事業拡大を目指し協業開始
富士ソフト<9749>は12日、凸版印刷<7911>とデジタルマーケティング事業拡大とICT開発体制強化において、協業を開始することを発表した。本協業では、同社の持つICT分野での高度な技術と豊富な実績をもとにした開発力、およびAIなどの先進技術を活かしたデジタルトランスフォーメーション(DX)のノウハウと、凸版印刷のデジタルマーケティングにおけるノウハウや顧客ネットワークを融合させる。デジタルマーケティング領域におけるサービス開発や基盤整備を共同で推進することで、顧客への最適なソリューションを提供し、両社におけるデジタルマーケティング事業の拡大を目指していく。昨今、DXに対する意識は高まっており、マーケティング領域においても様々な取り組みが加速している。また、デジタルマーケティング領域では、案件が複合化・複雑化しており、これらを支えるICTの重要度は益々増大している。同社は、独立系IT企業として最先端の技術や豊富な実績をもとに、様々な業種・業界の顧客に最適なソリューションを提供してきた。本協業を推進しつつ、今後さらに、新しい技術分野やビジネス分野へのチャレンジと新たな顧客への支援拡大を目指していくとしている。
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2021/10/13 10:44