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注目トピックス 日本株 サクシード Research Memo(3):教育と福祉に特化した4事業で構成 ■事業概要1. サービス・事業内容サクシード<9256>の事業は、教育人材支援事業、福祉人材支援事業、個別指導教室事業、家庭教師事業4つで構成されている。前2者が人材サービス、後2者が教育サービスに分類される。なお、家庭教師事業は、2023年3月期より教育人材支援事業からセグメントを分離し、個別指導教室事業とともに教育サービスの1つとなった。その教育サービスでは、個別指導教室事業で「個別指導学院サクシード」の教室を神奈川県内で展開、家庭教師事業では「家庭教師のサクシード」を運営、対面式及びオンライン式の2タイプの事業を行っており、いずれも自社ブランドでの展開となっている。人材サービスでは、教育人材支援事業で学校や自治体、他社学習塾など教育業界向けに人材紹介・派遣事業及び部活動運営などの業務受託を、福祉人材支援事業で保育園や介護施設など福祉業界向けに紹介・派遣事業を行っている。人材サービスの特徴は、事業を教育分野と福祉分野という近隣の業界に絞り、職種まで細分化した多数の自社求人サイトを通じて登録者(求職者)を募集、登録者や求人企業の様々なニーズに対しきめ細かく最適なマッチングが可能になっていることにある。このため、登録者や求人企業の満足度は非常に高いと言われている。なお、福祉業界の人材サービスは既にレッドオーシャン化が進んでいるが、同社の場合は、教育機関周辺でシナジーやスケールメリットが期待できることから、他社に比べて収益化しやすいと言える。ただし同社も利益率は高いが安定感に若干欠ける人材紹介事業から、収益が安定している人材派遣事業へとシフトを進め、人材サービス事業全体での収益安定化を図っている。収益性の高い「個別指導学院サクシード」2. 個別指導教室事業学習塾・予備校市場における2020年度の受講生数は2005年より増加傾向にある。これは、2008年に「脱ゆとり」教育へと学習指導要領が改訂されたことによって、学習量が増加し、学習塾ニーズが高まったことが要因と見られている。その後は少子化もあっておおむね横ばい推移の模様だが、シックスポケットに象徴されるように子ども1人当たりの教育費は増加しており、引き続き中学受験者数は右肩上がりの状態にある。また、生徒の若年化や非受験生の増加という傾向も現れてきている。(1) 「個別指導学院サクシード」個別指導教室事業では、「個別指導学院サクシード」と学習塾付き学童クラブ「ペンタスkids」を展開している。「個別指導学院サクシード」は、神奈川県内に26教室(2022年10月末現在)を展開する地域密着型個別指導教室である。小学校1年生から大学受験生までを対象に、学校の補習や受験対策、各種検定の対策など様々なニーズに応えた授業を提供、「すべての子どもたちに質の高い教育を」というポリシーの下、価格を低く抑えるため講師1人に生徒3人という授業スタイルを採用している。1対3の個別指導は、経済格差が教育格差になってはならないという起業当時の創業者の思いから、授業の質を落とさずなるべく授業料を低く抑えるためのシステムで、同社は個別指導の草分け的存在の1つと言うことができる。個別指導は集団授業では手の届きにくい生徒1人ひとりの進路や学習状況に応じたカリキュラムを提供でき、集団指導に比べて客単価が高くなる傾向がある。このため最近では、集団指導をメインとしていた塾が個別指導塾に鞍替えしたり、個別指導コースを新設したりする塾も多くなっているようだ。ただ、単に個別指導にしたからといって、同社も生徒もメリットを簡単に享受できるわけではない。実際に生徒の学力が伸びなければならず、そのためには優秀な講師が必要となり、これはどの学習塾も抱えている課題である。しかし同社の場合、後述するように、自社内の人材サービスで教育関連の登録者を幅広く確保しており、他社学習塾や私立学校、公立学校などの自治体向けに講師や教員を紹介・派遣している。このため、「個別指導学院サクシード」ではローコストで数多くの優秀な講師を採用することができるのである。また、全教室が同社直営で、授業カリキュラムや講師のクオリティ、教室運営などを均一化できるため、どの教室でも生徒や保護者が満足するサービスレベルを維持することが可能となっている。近年は高客単価の中学受験コースの生徒も増やしている。出店は、コロナ禍で一時的に抑制していたが、講師陣など競争力のある個別指導の仕組みを既に構築していることを背景に、2023年3月期に入って再開した。ドミナントエリアの神奈川に「個別指導学院サクシード」の出店を続けていくという戦略は今後も変わりないが、並行して、ニュータウンなど生徒の人口が増加しているエリアのある千葉や埼玉にも新たなドミナントエリアを形成していく方針で、長期的には全国展開も考えているようである。なお、「個別指導学院サクシード」の出店コストは、内装費等に多額の費用がかからないため、40ブース程度(1教室当たり在籍生徒数100人~150人)の標準的なモデルでは一般の小売や飲食店に比べて圧倒的に低くなっている。生徒数は出店から2~3年にわたってじわじわと伸びその後安定するため、一旦黒字化すると黒字を継続する傾向がある。(2) 「ペンタスkids」同社は「ペンタスkids」ブランドで、学童クラブの預かり機能に学習と習い事をパッケージしたハイブリッド型学童クラブのサービスを提供している(2022年10月末現在1校)。子どもたちを預かるだけでなく学習と習い事の機能をプラスすることで、教育意識が高く放課後の時間を有効に使いたい保護者のニーズを取り込んだ。内容は、毎日の学習カリキュラムのほか、英会話、プログラミング、体操、思考・表現ワークショップなどが含まれており、料金はやや高めとなるが、これらをオールインワンで提供している。また、学習塾が母体となって運営しているため、経験豊富な講師陣や個別指導教室で確立した指導ノウハウを活用することができる。こうした習い事のオールインワンや学習塾が母体であるという点が、他の学童クラブに対し大きな差別化要因になっていると考えられる。現在、共働き世帯の増加とともに急速に学童保育のニーズが高まっており、同社では「個別指導学院サクシード」出店エリアを中心に、2024年3月期以降も出店を拡大していく方針である。(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光) <NS> 2022/12/20 17:43 注目トピックス 日本株 サクシード Research Memo(2):自社ブランドの教育サービスと、教育・福祉に特化した人材サービスを展開 ■会社概要1. 会社概要サクシード<9256>は、「教育と福祉の社会課題を解決し、より良い未来を創造する」を企業ミッションに、自社ブランドの教育サービスと教育・福祉業界に特化した人材サービスを展開している。教育サービスでは個別指導教室と家庭教師の紹介事業を運営している。個別指導教室は神奈川県内に26教室(2022年10月末現在)を展開、家庭教師の紹介事業は首都圏と関西圏を中心に対面式で行っているほか、全国を対象にオンライン家庭教師の事業展開も推進している。人材サービスでは、教育業界や保育・福祉業界向けに、人材紹介や人材派遣、受託事業を行っている。業界を絞って職種等で細分化した自社求人サイトを通じて人材を募集しているため、登録者(求職者)と求人企業とのミスマッチが非常に少ないという特徴がある。また、大量に集められた人材のデータベースは、同社ビジネスの根幹を成している。積極経営により成長を継続2. 沿革2004年4月に現 代表取締役社長である高木毅(たかぎつよし)氏により設立された同社は、同年5月に「個別指導学院サクシード」を開校し事業を開始した。2007年に家庭教師派遣事業及び塾業界向けに人材紹介・派遣事業を、2008年には教育業界に特化した求人サイトの運営を開始した。さらに、2014年に保育士の人材紹介・派遣事業や学校教員の人材紹介事業を、2020年には学童クラブの運営、オンライン家庭教師のサービスを始めるなど、教育サービス・人材サービスの事業領域を大きく広げてきた。こうした積極的な経営は業績にも表れており、2019年3月期の大幅増収増益は、2014年以降に領域を広げた人材サービスが収益化したことが背景にある。また、2022年3月期にも売上高・利益がともに大きく伸びているが、後に詳述するように、オンライン家庭教師や個別指導教室、ICT支援員派遣サービスの売上高が拡大する一方、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)により個別指導教室の出店を一時的に中止したことで出店費用が抑制されたことが理由である。総じて売上高・利益ともに成長を続けており、2021年12月に同社は東京証券取引所(以下、東証)マザーズ市場に上場し、現在は東証グロース市場へと移行している。教育や福祉の課題に対し抜本的な対策が必要3. 業界環境日本は少子高齢化が進み、特に同社の属する教育分野と福祉分野では、人材不足の深刻化など課題が山積している。教育分野では、私立中学校や大学への進学率は高水準で推移し、シックスポケット(両親と両祖父母の合計6人の経済力)に象徴されるように家計における子ども1人当たりの教育費は増加傾向にある。一方で、都市部への人口集中に伴い、教育環境の地域格差はますます開いている。また、学校教員の過重労働問題も深刻化しており、学校教育の質の向上を図るには、教員の負担軽減が急務であると言われている。福祉分野においても、保育園、学童施設、介護施設の人材不足は年々深刻さを増しており、待機児童や介護離職の問題も解決に至っていない。国も自治体も手をこまねいているわけではないが、学校教員や保育士、介護士などに対するケアが十分とは言い切れない状況が続いている。このため、教育分野や福祉分野の課題に対し、抜本的な対策を打たなければならない時期を迎えているといえる。特に教育分野では、新学習指導要領の導入や外国語教育の充実など、グローバル化やIT化に対応するため多くの学校改革が進行している。一方、外国語教育の教科化やプログラミング教育の実施、部活動の運営など、教員に求められる業務やスキルはますます多様化・高度化している。こうした教員の過重労働に対して、さすがに閉鎖的・保守的と言われた教育制度も動き出し、教職員定数の改善や専門スタッフ・外部人材の配置拡充、業務の適正化などの見直しが行われるようになった。そのような教育業界において従来にないサービスを展開する同社は、教員の過重労働や教育の地域格差・経済格差、少子高齢化による人材不足など様々な課題を解消する一助となっている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光) <NS> 2022/12/20 17:42 注目トピックス 日本株 サクシード Research Memo(1):成長戦略をテコに教育関連サービスのオンリーワンへ ■要約1. より良い未来を創造するため、事業を通じ教育・福祉分野の課題の解決を支援サクシード<9256>は、個別指導教室事業で「個別指導学院サクシード」、家庭教師事業では「家庭教師のサクシード」の運営を行い、教育人材支援事業と福祉人材支援事業では教育分野・福祉分野を対象に人材サービスを行っている。教育分野では、学校教員の働き方や教育環境の地域格差などで課題が深刻化している。特に学校教員の過重労働問題に関しては、教員が多くの作業をこなさなければならないなか、グローバル化やIT化にも対処しなければならず、喫緊の課題となっている。福祉分野においても、保育園、学童施設、介護施設の人材不足が年々深刻さを増している。同社は、「教育と福祉の社会課題を解決し、より良い未来を創造する」を企業ミッションに、事業を通じてこうした課題の解消を支援している。2. 事業間のシナジー、社内マーケティングチーム、きめ細かなマッチングに強み教育サービスの地域密着型個別指導教室「個別指導学院サクシード」の特徴は、講師1人に生徒3人というモデルで質の高い授業を低価格で提供するところにある。「家庭教師のサクシード」はオンライン式に特徴があり、全国を対象に地域による教育機会の格差是正に貢献している。人材サービスでは、学校や自治体など教育機関向けにICT支援員※などを紹介・派遣しており、学校教員の過重労働問題解消の一助にもなっている。また人材不足に悩む同業他社の学習塾や保育園へも紹介・派遣を行っている。同社は教育分野・福祉分野に絞って事業を展開することで、獲得した人材に様々な職種を紹介できるなど事業間のシナジーを活かしながら、募集サイト等を機動的に作成できるマーケーティングチームを自社内に持ち、そこから得られる豊富な登録者と求人企業双方のニーズを汲み取ったきめ細かいマッチングといった強みを発揮している。3. 2023年3月期第2四半期は中期成長に向けた先行費用で営業減益も想定通り2023年3月期第2四半期業績は、売上高1,485百万円(前年同期比14.3%増)、営業利益247百万円(同8.6%減)となった。学校教員の働き方改革や教育・福祉領域での人材不足は同社にとっては追い風で、成長を後押しする要因となった。加えて、個別指導教室の出店加速やオンライン家庭教師のプロモーション強化、地方自治体向け人材サービスの拡充など積極経営を続けたことで、売上高は順調に拡大した。中でもICT支援員派遣サービスと部活動の運営受託サービスは、いずれも非常に好調だった。一方、サービス拡大に向けた人員強化や積極的なプロモーション、人員拡大に対応した本社増床など、中期成長に向けた先行投資的な費用が発生した。このため営業利益は減益となったが、進捗は想定通りだった模様である。※ICT支援員:ITを活用した授業や校務、教員研修などを教員がスムーズに行えるようにするための支援員。4. 中期成長戦略を背景に教育関連サービスのオンリーワンポジションの確立へ同社は2023年3月期の業績について、売上高3,082百万円(前期比19.0%増)、営業利益432百万円(同1.8%増)と予想している。個別指導教室では一時中止していた出店の再開・加速、オンライン家庭教師ではプロモーション強化、人材サービスでは新型コロナウイルスとの共存(以下、Withコロナ)へのシフトで再燃が予想される学校教員の負担軽減ニーズの取り込みによって、大幅な収益拡大を見込んでいる。中期的には強みを一層磨き込みながら、1)個別指導教室の出店加速、2)オンライン家庭教師の生徒数増加、3)学校・自治体向け人材サービスの拡大といった成長戦略を実行、経営資源が自社のみで不足する場合はM&Aも検討することで、高い成長を目指す。こうした成長戦略をテコに、同社は、教育関連サービスにおけるオンリーワンのポジションを確立する方針である。■Key Points・個別指導教室、オンライン家庭教師、教育・福祉関連の人材サービスなどを展開・強みは事業間のシナジー、社内マーケティングチーム、きめ細かなマッチング・当期は先行費用で減益も、中期成長を背景に教育関連サービスのオンリーワンポジションへ(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光) <NS> 2022/12/20 17:41 注目トピックス 日本株 新晃工業 Research Memo(12):配当性向24%~34%、機動的な資本政策も実施 ■株主還元策1. 配当方針配当については、財務体質の強化及び業容拡充を図る一方、株主に対しては業績動向を勘案しつつ積極的な利益還元を行う方針である。内部留保金については、経営体質の強化並びに将来の事業展開に活用する方針である。新晃工業<6458>の剰余金の配当は、中間配当及び期末配当の年2回実施している。2022年3月期の1株当たり配当金は年間50円(中間配当金20円、期末配当金30円)を実施した。2023年3月期の配当については少なくとも前期同額を維持、配当性向は24%~34%の間で株主還元したいという同社の意向もあり、1株当たり配当金は年間50円(中間配当金20円、期末配当金30円)を予定している。また、2022年5月に自己株式25万株を取得するなど、機動的な資本政策も実行した。2024年3月末日以降を基準に株主優待内容を変更2. 株主優待制度同社は株主優待制度を設けており、毎年3月31日現在1単元(100株)以上を保有する株主に対し、保有株式数と保有期間に応じた優待品を贈呈している。内容は、保有期間1年未満の株主に対して図書カード1,000円分、保有期間1年以上の株主に対して同社オリジナル優待カタログの中から、100株以上1,000株未満を保有する株主に3,000円相当、1,000株以上を保有する株主には5,000円相当の優待品を贈呈している。なお、2024年3月末日以降を基準に株主優待内容を変更し、毎年3月31日現在に1単元(100株)以上の株式を1年以上保有する株主を対象に、100株以上1,000株未満を保有する株主には図書カード1,000円分、1,000株以上を保有する株主には同社オリジナル優待カタログの中から5,000円相当の1品を贈呈する予定としている。■情報セキュリティ情報セキュリティ管理室を設置同社は、事業活動を通して、顧客や取引先の営業上・技術上の機密情報を有することがある。このため、情報セキュリティ管理室を設置し、これら情報の取り扱いに関する規程類の整備や従業員への周知徹底を図るなど、情報セキュリティを強化している。(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光) <NS> 2022/12/20 16:42 注目トピックス 日本株 タメニー Research Memo(11):株主優待制度は保有株式数に応じて優待券・優待ポイントを贈呈 ■タメニー<6181>の株主還元策● 株主優待制度現時点では将来に向けた投資を行っている段階のため配当を実施していないが、株主優待制度は毎年9月30日時点の1単元(100株)以上保有株主を対象として、保有株式数に応じて各種サービスで活用できる優待券、及び株主専用「タメニー・プレミアム優待倶楽部」で活用できる優待ポイントを贈呈している。2022年7月には各種サービスで活用できる優待券の変更(拡充)を発表し、2022年9月30日対象から実施した。なお株主専用「タメニー・プレミアム優待倶楽部」で活用できる優待ポイントに変更はない。■ESG/SDGsへの取り組みESG/SDGsへの取り組みとしては、すべての事業活動を通じて持続可能な社会の実現に貢献することを目的として、人財育成では女性管理職の登用(社外取締役1名)、管理職の360度評価、フレックスタイム制の導入、信頼の確立では情報セキュリティマネジメント規格「ISO(JIS Q)27001」や「プライバシーマーク」などの各種認証取得、コーポレート・ガバナンス体制の強化、地方創生では婚活支援システム「parms」の地方自治体への提供、地方自治体との協業(婚活セミナー・イベント)、健康と福祉では従業員の子育て・介護の支援、高齢者・障がい者雇用、環境と自然ではペーパーレス化促進等によって環境負荷の軽減と事業活動の効率性維持の両立に取り組んでいる。(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展) <SI> 2022/12/20 16:41 注目トピックス 日本株 新晃工業 Research Memo(11):2023年3月期下期は価格改定や稼働率向上でカバーへ ■業績動向2. 2023年3月期の業績見通し新晃工業<6458>は2023年3月期の業績を、売上高43,000百万円(前期比2.5%増)、営業利益5,750百万円(同0.7%増)、経常利益6,100百万円(同0.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益4,180百万円(同2.0%増)と見込んでいる。日本経済は、コロナ禍の収束が見えないなか、原材料の高騰や部材不足、円安など短期的なリスクや、少子高齢化など中長期的な課題に対応する必要に迫られている。一方、空調機は工場やデータセンターなど産業向けに安定した需要が継続しており、足下では東京や大阪の再開発事業の進行、事務所や商業施設の建設回復など比較的強い動きが続いている。このような事業環境を踏まえると、同社にとって、原材料高や部材不足への対応と同様、SIMAプロジェクトによる生産性向上を軸に中期経営計画「move.2025」で掲げた5つの重要取組項目に注力することやESG経営を推進していくことも非常に重要と言える。2023年3月期第2四半期は納期遅延などにより売上高の進捗が弱くなったが、その分第2四半期末の受注残が例年より厚くなっており、下期に集中的に売上に計上される見込みとなっている。このため売上高は、計画線またはそれ以上を確保できる可能性が高いと考えられる。原材料高により低下した売上総利益率は、価格改定で対応してはいるものの、受注と完工のタイムラグから効果が表れるのが第4四半期以降となるため、計画より弱い状況が続きそうだ。同社は第2四半期の未達について、通期に向けて案件量確保による工場稼働率の向上や受注後の交渉、原価や販管費の抑制、SIMAプロジェクトの加速などでカバーする考えである。通期の営業利益を計画どおり達成するためのハードルは高いが、こうした施策によって原材料高などによる売上総利益率の低下をどこまでカバーできるかが、カギとなるだろう。中長期的にリスク以上に大きくなる期待3. 中長期成長イメージ原材料価格の高騰や納期遅延など短期リスクを乗り越えたあと、中期成長にとって重要なポイントとなるのが、SIMAプロジェクトの完成と重要取組項目の推進である。SIMAプロジェクトは2024年3月期には一定の完成となる。国内の空調機が工場やデータセンター向けに好調で、加えて東京都心再開発や大阪万博関連、商業施設なども視野に入り、さらにバブル期納入後20年~30年が経過した水AHUの更新需要も徐々に増えてくると予想され、5つの重要取組項目も順調に進捗しそうだ。こうしたシナリオは精度の高い同社の需要予測などに基づいているため、可能性は高い。一方、現在発生している様々なリスクがこの先さらに悪化することは考えにくい。したがって、最終年度の2025年3月期に向けて業況は勢いを増し、中期経営計画目標の売上高520億円、営業利益75億円を達成する公算が高まったと言えるだろう。長期的には、新規のオフィスビル向け需要の鈍化や労働力不足といったリスクが予測されている。しかし、データセンターや工場向けはデジタル化や生産の国内回帰などを背景に息が長く続くという見方になってきており、さらに更新需要が加わってくることが期待される。また、気候変動への対応の点からも、同社は地球温暖化係数の低い熱媒体への転換やフロンガス使用量削減につながるシステム設計を推進する方針のため、同社空調機へのニーズは長期的にも高いと予想される。労働力不足については、SIMAプロジェクトなどにより解決に向かっていることだろう。このため、同社の長期的な事業環境も良好と考えられる。ただし、大型案件が様々増えてくると新技術が必要になるうえ、諸々のリスクを考慮して在庫の確保も必要となるため、遠からず工場や倉庫への投資が必要になると思われる。また、業容拡大の点から、M&Aなどにより、空調工事分野へと領域を拡大する意向を示している。この辺りの投資と成果が、同社の長期的な成長を支えることになると思われる。(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光) <NS> 2022/12/20 16:41 注目トピックス 日本株 タメニー Research Memo(10):パーパスを定義して中期経営計画再策定に着手 ■タメニー<6181>の成長戦略1. パーパスを定義して中期経営計画再策定に着手中期成長に向けた基本戦略としては、トレンドや社会変化に即座に対応できる柔軟な事業構造への転換、コロナ禍に負けない企業体質構築を目指している。2022年3月期までは、債務超過を解消するための短期的な業績回復施策として、広告投資抑制や固定費削減などの経営合理化施策を優先したが、2023年3月期以降は高収益体制の確立、プロダクトの競争力強化、財務基盤強化など、中長期視点で成長に向けた経営基盤再整備を推進している。経営体制の面では、短期業績回復に一定程度の目途が付いたとして、2022年10月1日付で代表取締役の異動を実施した。さらに中長期戦略の要として、パーパス(存在意義)を「創造する力とおもいやり、おもてなしで、人々の心を満たし、活力ある社会の実現を支えます。」と定義した。そして2023年3月期下期に中期経営計画の再策定に着手する予定としている。経営基盤再整備で中長期成長2. 経営基盤再整備で中長期成長婚活・ウェディング市場の事業環境は、生涯未婚率の上昇・婚姻数の減少が続いていることに加えて、コロナ禍に伴うイベント自粛の影響で大幅に悪化した。そして同社の業績も大幅に悪化した。ただし、一方では未婚率の上昇に伴って婚活サービス利用割合が上昇傾向となっている。同社は結婚相談所を起点として、婚活領域からカジュアルウェディング領域、さらにライフスタイル領域まで一気通貫の高品質・高付加価値サービスを展開し、高い信頼性・ブランド認知度を確立している。さらに、トレンドや社会変化に即座に対応できる柔軟な事業構造への転換も推進している。業績の回復や財務基盤の改善・安定化が当面の課題となるが、同社の特徴・強みを勘案すれば、同社の市場シェア拡大余地は大きく、経営基盤再整備によって中長期的に成長が期待できると弊社では評価している。(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展) <SI> 2022/12/20 16:40 注目トピックス 日本株 新晃工業 Research Memo(10):原材料費高騰や納期遅延などにより第2四半期は苦戦 ■業績動向1. 2023年3月期第2四半期の業績新晃工業<6458>の2023年3月期第2四半期の業績は、売上高17,910百万円(前年同期比1.9%増)、営業利益1,459百万円(同20.2%減)、経常利益1,827百万円(同9.1%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益1,270百万円(同11.1%減)となった。日本経済は、ウクライナ情勢及び急速な円安の進行により資源・エネルギー価格が高止まりとなったものの、コロナ禍の行動制限が緩和されたことにより経済活動は正常化に向けて動き出した。公共投資は底堅さが増し、民間設備投資は製造業で堅調に回復、景気は緩やかに持ち直していると言えるだろう。空調機業界では、産業空調への投資を中心に需要が回復し、空調機の全国出荷台数は前年同期に比べ約12%増加した。しかし、原材料価格の上昇や部材調達難を背景に、納期や工期の遅延、価格競争の発生など厳しい事業環境でもあった。こうした環境下、同社は販売価格の改定や納期管理の強化などを最重要課題として対策を強化した。業界全般の価格改定ムードや空調機出荷台数の好調に後押しされたこともあり、同社は原材料高を販売価格に転嫁する方針を期初に打ち出した。多くの取引先に受け入れてもらえたが、基本的に価格改定は新規引き合いからとなるうえ、売上計上されるまで9ヶ月前後のリードタイムが生じるため、上期は業績にほとんど反映されなかったもようである。なお、一部で価格競争が激化したものの、業界が繁忙期に入ったため影響は小さかったようだ。納期管理に関しては、代替部品メーカーの開拓や川上川下ともに取引先との交渉を強化したほか、SIMAプロジェクトとは逆行するが、一時的に遅延品を省いてセットアップするなどの対応も行った。一方で、中期経営計画「move.2025」に基づき、5つの重点ターゲットに対する製品販売戦略の実行、SIMAプロジェクトによる業務のデジタル化推進、需要が活発な空調工事分野における収益力向上、中国事業における利益率の改善なども着実に進めた。特に2023年3月期の注力分野としたデータセンターでは、国内勢の建設増加に対応したディベロッパーへの営業強化が奏功しているようである。このように、売上面については、中国事業はゼロコロナ政策で減収となったが、国内需要が強かったため機器販売は減らず工事も伸長し、1.9%の増収を確保することができた。利益面では、原材料高や円安によって原価が圧迫されたことで売上総利益率が3.4ポイント低下、販管費の抑制に努めたもののカバーできず、営業利益は20.2%の減益となった。なお、原材料価格の高騰や価格転嫁の遅れ、部材調達難などによる納期ずれが期初想定を超えて発生する可能性が高まったため、第2四半期決算を前に保守的に第2四半期の売上高を18,000百万円から17,400百万円、営業利益を1,850百万円から1,200百万円へと引き下げた。しかし結果的に、売上高は17,910百万円となり期初予想付近で着地し、営業利益も1,459百万円へと下方修正幅を縮めて着地した。これは、原材料高や円安の進行が急となったことで取引先の工事の進捗が見えにくくなっていたことが背景にあり、後述するように、最終的に購買強化などで対応できたため、納期遅れが想定ほどに発生しなかったという特殊な事情が要因である。セグメント業績では、日本セグメントが、部材調達難による納期延期が例年以上に見込まれるなか、購買強化と納期調整に注力したことで売上高は16,057百万円(前年同期比6.8%増)と増収を確保し、セグメント利益は原材料高の影響を受け、1,490百万円(同22.8%減)となった。アジアセグメントは、中国で不動産市場に依然リスクを抱えるものの固定資産投資の伸びが横ばい圏となって景気に持ち直しの動きが見られたが、ゼロコロナ政策によるロックダウンなどの影響により、売上高は1,873百万円(同26.4%減)となった。利益面では、減収に伴う目減りの一方、売掛金回収を進めたことで貸倒引当金の戻入益を計上したことから、セグメント損失は56百万円(前年同期はセグメント損失124百万円)と損失を縮小することができた。中国でロックダウンなどにより2ヶ月間工場が止まったことを考慮すれば、健闘した数値と言える。(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光) <NS> 2022/12/20 16:40 注目トピックス 日本株 タメニー Research Memo(9):2023年3月期通期予想を下方修正だが下期は改善基調 ■今後の見通し1. 2023年3月期通期連結業績予想の概要タメニー<6181>の2023年3月期通期連結業績予想(2022年11月11日付で下方修正)は、売上高が2022年3月期比3.3%増の5,756百万円、営業利益が195百万円の損失(2022年3月期は153百万円の損失)、経常利益が246百万円の損失(同218百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益が230百万円の損失(同320百万円の損失)としている。事業環境の想定については変更ないが、婚活事業の結婚相談所「パートナーエージェント」、カジュアルウェディング事業のカジュアル挙式披露宴「スマ婚」シリーズ及びフォトウェディング「LUMINOUS」の上期の回復遅れを主因として、前回予想に対して売上高を743百万円、営業利益を295百万円、経常利益を296百万円、親会社株主に帰属する当期純利益を280百万円、それぞれ下方修正した。ただし上期実績と下期予想(通期予想—上期実績)で見ると各種施策の効果により、下期は上期比増収効果で赤字縮小の見込みとしている。カジュアルウェディング事業については成約と施行のタイムラグで本格回復は2024年3月期以降となるが、婚活事業の結婚相談所「パートナーエージェント」において広告投資再開効果で集客が回復傾向となっていることなどを勘案すれば、下期は収益改善基調が期待できると弊社では見ている。2. 下期の重点施策と通期の事業別計画下期の重点施策としては、広告投資の再開や営業体制の再整備に加えて、収益回復に向けた法人集客強化などのマーケティング戦略の再構築や、パートナー企業との連携強化を推進する方針だ。修正後の事業別の売上高・営業利益、及び主要指標の計画は以下のとおりである。婚活事業は、上期の結婚相談所「パートナーエージェント」新規入会者数が減少したため、通期も減収減益の計画としている。ただし、次期も見据えた営業体制強化と広告投資再開の効果により、下期は新規入会者数の回復基調を見込んでいる。カジュアルウェディング事業は、結婚式二次会プロデュース「2次会くん」の施行件数増加や、フォトウェディング「LUMINOUS」の単価上昇などで増収だが、カジュアル挙式披露宴「スマ婚」シリーズの上期の成約件数が小幅増にとどまったため、通期ベースで施行件数減少を見込み、利益は前期並みの赤字を見込んでいる。ただし、カジュアル挙式披露宴「スマ婚」シリーズでは人的リソース補強も含めた営業体制整備による成約状況改善を見込み、フォトウェディング「LUMINOUS」ではオープンから2年以内の新設店舗の競争優位性を確立して次期以降の成約・施行件数の伸長を目指すとしている。収益回復の本格化は2024年3月期となる見込みだ。テック事業では婚活事業者間相互会員紹介プラットフォーム「CONNECT-ship」の利用拡大、法人・自治体向け事業では企業向けイベントプロデュース「イベモン」の施行件数増加や、地方自治体向け婚活支援システム「parms」導入拡大による収益拡大を見込んでいる。(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展) <SI> 2022/12/20 16:39 注目トピックス 日本株 新晃工業 Research Memo(9):5つの重点項目に取り組むなかでAHUの市場戦略を展開(2) ■新晃工業<6458>の中期経営計画(3) 水AHUとヒートポンプAHUの市場戦略5つの重点取組項目のなかでも主力製品である水AHUと戦略商品であるヒートポンプAHUに関しては、綿密なマーケティングによって設定した5つの重点ターゲットに、市場特性や技術要件に基づいた市場戦略を展開している。同社がマーケットリーダーで、規模が500億円(16,500台)と推定される水AHU市場では、事務所からデータセンターまで、オーダーメイドからスタンダードまでのフルライン戦略を基本としている。このため、比較的拡張余地の大きい大型ビル向け、産業向け、データセンター向け、更新向けの4つの分野を重点ターゲットにシェア向上を目指している。設計事務所やゼネコン、サブコンへのアプローチが必要な大型ビル向けは、東京や大阪の大型再開発に案件が多く設計に時間がかかるものの、生産効率が良い。標準仕様や収まりの重視、現場工程に合わせた納期調整が求められるため、大型ビル仕様の水AHUを企画・提案するほか、3DCADによる設計や混合ライン生産を活用していく。産業向けは、景気に左右されやすく短工期だが、製造業の国内回帰とともに拡大している。特殊仕様や短納期が求められるため、オーダーメイドによる設計・生産やAI工数予測などを活用して対応していく。データセンターは、テナントの入居に合わせた工事になるが、クラウドサービスの利用拡大やサーバーの高性能化(発熱量増加)を背景にニーズが急増している。データセンターの建設は、従来海外勢によるものが多く、しかもモジュールが一般的となったため参入するうえで難しい面もあった。しかし近年では高速大量のデータ通信ニーズや情報漏洩など運用面のメリットから、国内勢による建設も増えている。その際に大型で短納期やシステム化が求められることが多いが、そうしたニーズに対応できる企業が同社のほかにあまりなく、同社の技術力はもとより競争優位にあると言える。現在、これを生かして国内ディベロッパーへの営業を強化しているところである。海外では、海外空調機業者と比較して製品の信頼性やメンテナンス能力に優れるため、海外勢からの受注も広がりを見せているようだ。更新向けは、今後、納入後20~30年を経過した更新需要が増加する見込みである。更新は現場の制約が多く既設メーカーが優位だが、市場を退出した他社メーカーが多いため、こちらもチャンスが広がっている。現場ごとに異なる搬入経路にあわせた設計や、バラ搬入・現地組立を求められることが多いため、新晃アトモスとの連携を強化しながら、他社メーカー製更新物件への営業を積極化していく。規模が115億円(1,850台)とされるヒートポンプAHU市場では、中小規模のビルの簡易な空調システムや、既設工場の環境改善、熱源追加・置き換えなどの需要が多い。同社はチャレンジャーのポジションにあるため、強みを持つ産業向けオーダーメイドを足場にほかの領域へ向けて市場浸透を図っている。同時に、モジュール製品の投入や熱源の置き換えが求められることから、新製品や既設製品のオプションとして、よりスタンダードな製品も開発する方針である。(4) ESG経営の推進とSDGsへの貢献ESG経営の推進やSDGsへの貢献も同社の重要な取り組み課題であり、社長を委員長、ESG担当役員である副社長を副委員長とするESG/CSR委員会が中心となって、社会的責任を果たすサステナビリティの実現を目指している。そのため、中期経営計画のなかで「ESG経営の推進/SDGsへの貢献」を掲げ、これまでのESG活動をマテリアリティ(重要課題)とアクションプランにまとめ、気候変動やダイバーシティなど分野ごとにPDCAサイクルを回すことで目標の達成を目指している。気候変動への対応としては、もともと同社の水AHUは冷媒に水を使っている(フロンを使っていない)ため、環境への貢献は大きい。加えて、脱炭素を推進するため、一部製造拠点でCO2フリー電力への切り替えを完了した。ダイバーシティの推進に関しては、ダイバーシティ推進委員会を設置して活動を開始した。また、ガバナンスに関しては、過半数を独立社外取締役とする指名・報酬委員会を設置した。TCFD※については、同社はシナリオ分析に基づく事業インパクト(営業利益ベース)を情報開示している。それによれば、脱炭素社会への移行を想定する1.5℃/2℃シナリオ、経済活動を優先する4℃シナリオともに、同社の機会がリスクを上回ったということだ。このように、同社とってESG経営を推進することが、すなわち持続可能かつ安定的な収益を長期的に確保することにつながる。※TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures):気候関連財務情報開示タスクフォースのことで、企業活動における、気候変動へ与える影響についての情報開示推進を目的として作成された提言。(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光) <NS> 2022/12/20 16:39 注目トピックス 日本株 タメニー Research Memo(8):2023年3月期2Q累計はコロナ禍の影響は継続だが、赤字は縮小 ■業績動向1. 2023年3月期第2四半期累計連結業績の概要タメニー<6181>の2023年3月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比3.9%減の2,692百万円、営業利益が152百万円の損失(前年同期は215百万円の損失)、経常利益が177百万円の損失(同288百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益が193百万円の損失(同416百万円の損失)だった。コロナ禍の影響が継続し、前期の広告投資抑制なども影響したため、売上高は計画(3,000百万円)を下回り小幅減収だったが、外部出向を含む人員配置最適化や拠点統廃合による地代家賃削減など経営合理化効果で販管費が減少したため、営業利益と経常利益は計画(営業利益180百万円の損失、経常利益210百万円の損失)を上回り、前年同期との比較で赤字が縮小して着地した。親会社株主に帰属する四半期純利益については、臨時休業等による特別損失を計上したため計画(160百万円の損失)を下回ったが、前年同期比では赤字が縮小した。なお売上総利益は前年同期比7.8%減少の1,963百万円、販管費は同9.8%減の2,115百万円(広告販促費は同0.3億円増加の4.5億円、人件費は同1.7億円減少の7.7億円、地代家賃は同0.3億円減少の2.7億円、その他が同0.5億円減少の6.1億円)だった。広告販促費については2022年3月期第2四半期~第4四半期にコロナ禍の影響を鑑みて戦略的に抑制したが、2023年3月期は段階的に再開している。またEBITDAを四半期別に見ると、2022年3月期第2四半期から黒字基調に改善している。2. 事業別動向婚活事業は、売上高が前年同期比12.6%減の1,168百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が同21.1%減の295百万円だった。コロナ禍の影響を鑑みて前期第2四半期~第4四半期に広告販促費を戦略的に抑制したため、結婚相談所「パートナーエージェント」の新規入会者数が減少し、新規入会に伴う初期収入(登録料、初期費用等)が減少した。新規入会者数は前年同期比13.4%減の2,323名、期末在籍会員数は同11.7%減の8,962名となった。なお結婚相談所の広告投資については、2022年6月に首都圏を中心に交通広告を再開し、9月には東海及び関西に拡大している。婚活パーティー(「OTOCON」と「パートナーエージェントパーティー(PAP)」の合計)の開催数は同14.7%増の2,592回、参加者数は同12.2%増の29,290名だった。婚活パーティーから結婚相談所への送客は同48.0%増の259名だった。カジュアルウェディング事業は、売上高が同1.7%増の1,276百万円、利益がのれん償却費76百万円を計上して133百万円の損失(前年同期は129百万円の損失)だった。結婚式二次会「2次会くん」は受注活動強化などで施行件数が増加(前年同期比2.6倍の319件)したが、カジュアル挙式披露宴「スマ婚」シリーズの施行件数が減少(同33.7%減の295件)した。前期のコロナ禍による受注活動制限の影響に加えて、人的リソースを含めた営業体制整備が遅れた。なおカジュアル挙式披露宴「スマ婚」シリーズの成約件数は同8.1%増の332件にとどまったが、緩やかに回復傾向となっている。フォトウェディング「LUMINOUS」は、オープンから2年以内の新設店舗が苦戦し、施行件数が計画を下回った。なお全体として施行件数が減少(同3.8%減の2,175件)したが、品質強化の効果などで施行単価は上昇した。テック事業は、売上高が同24.6%増の81百万円、利益が同22.7%増の30百万円だった。婚活事業者間相互会員紹介プラットフォーム「CONNECT-ship」の利用会員数(期末)が増加(同1.3%増の31,217名)した。お見合い成立件数は同5.9%減の149,881件だった。ライフスタイル事業は売上高が同2.1%増の36百万円、利益が同195.3%増の14百万円だった。新規保険契約証券数が順調に増加(同33.8%増の293件)した。法人・自治体向け事業は売上高が同14.8%増の140百万円、利益が14百万円の損失(前年同期は8百万円の利益)だった。企業向けイベントプロデュース「イベモン」は施行件数が減少(同25.0%減の75件)したが、施行単価上昇で増収だった。地方自治体向けでは婚活支援システム「parms」の導入が拡大したが、システム開発に関わる収益の大部分は第4四半期に計上となる。3. 財務状況財務面で見ると、2023年3月期第2四半期末の総資産は2022年3月期末比343百万円減少して4,988百万円となった。流動資産では現金及び預金が74百万円減少、売掛金が76百万円減少、固定資産では無形固定資産のソフトウェアが82百万円減少、のれんが76百万円減少した。負債合計は149百万円減少して4,945百万円となった。流動負債で未払消費税等が70百万円減少、1年内償還予定の社債が20百万円減少した。長短借入金合計は80百万円減少して4,162百万円となった。純資産合計は193百万円減少して43百万円となった。利益剰余金が194百万円増加したが、資本剰余金が388百万円減少した。この結果、自己資本比率は3.6ポイント減少して0.9%となった。2023年3月期第2四半期末時点で純資産が43百万円まで減少し、安定的な財務基盤の回復が課題となっている。同社では2023年3月期末時点で純資産のプラスを維持できると見込んでいるが、さらに債務超過を確実に回避するとともに、より強固な財務基盤の構築に向けて各種施策を検討するとしている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展) <SI> 2022/12/20 16:38 注目トピックス 日本株 新晃工業 Research Memo(8):5つの重点項目に取り組むなかでAHUの市場戦略を展開(1) ■新晃工業<6458>の中期経営計画3. 中期経営計画「move.2025」の戦略中期経営計画「move.2025」の前提になっているのがSIMAプロジェクトで、デジタル化・自動化を推進することで、新たなデジタル工場(生産プロセス)の構築と新たな営業スタイルの確立を目指す。こうした新たな製販一体体制を背景に、水AHUの競争優位の維持・向上、ヒートポンプAHUの市場シェア拡大、工事・サービス事業の強化、中国事業の強化、技術深耕・品質向上という5つの重点項目に取り組む計画である。そのなかで水AHUとヒートポンプAHUの市場戦略が成長のカギを握る。また、こうした戦略と並行して、製品を通じた環境負荷低減や人材育成・働き方改革、ガバナンス強化といったESG経営も推進する考えである。(1) SIMAプロジェクト中期経営計画達成の前提になっているのがSIMAプロジェクトである。SIMAプロジェクトは、個別受注生産方式をより高度なレベルでデジタル化して原価低減につなげるというプロジェクトで、2019年にスタートした。2023年には増益貢献など一定以上の成果が期待されている。同社の製品は、オーダーメイドで労働集約的なセル生産方式であるため、営業も個別対応となり、生産性を引き上げづらいビジネスとなっていた。そのため、現状のままでは作業員不足や人件費効率の低下などの課題を解消することができなくなる恐れがあった。そこで、SIMAプロジェクトによって営業・設計・積算・製造を一から再定義するとともに、デジタル化・自動化を進めて事業基盤を強化、オーダーメイドでありながら高い生産性のビジネスを目指すことになった。SIMAプロジェクトでは、製造面においては、BOM(Bill of Materials:部品表や部品構成表のこと)や3DCAD、AIによる工数予測などを導入して、AHUの設計から積算、製造までの作業・工程をデジタル化・自動化し、全作業・全工程をライン生産方式で一気通貫して製造するシステム基盤を持った、新たな工場(生産プロセス)を実現していく考えである。営業面では、高精度の需要予測やBOMを活用することで、図面・見積・納期に関する顧客の疑問に営業現場でリアルタイムに応えることができる、系統化された営業スタイルを確立する方針である。既に同社の需要予測は先行き2年後まで高精度に見通すことができるうえ、AIの画像認識技術を利用した社内の図面検索システムによって、部品を画面上でラフな配置にドラッグ&ドロップするだけで配置に見合った図面を検索することが可能となっている。人口減少やベテランの退職などの影響は将来確実に出ると言われているため、SIMAプロジェクトは同社が社運を賭けたプロジェクトと言える。進捗は順調のようだ。(2) 5つの重点取組項目水AHUの強化では、マーケットリーダーとして圧倒的な競争優位を維持・向上させるとともに、成長分野で引き合いの強いデータセンターを深耕する方針である。同社のデータセンター関連売上高は2022年3月期に前期比51%増と高い伸びを示したが、短納期になることが多いことから、SIMAプロジェクトの強みを発揮する方針である。ヒートポンプAHUの強化では、新規参入したチャレンジャーとして知名度の浸透と、ダイキン工業と共同開発したオクージオブランドによるシェア拡大を進めている。従来の顧客に加え地方の設計事務所を中心に新規開拓を推進しており、2022年3月期には売上高が同114%増と大きく伸びた。工事・サービス事業の強化については、メーカー系の強みを生かし、水AHU中心から空調工事全般へと業容を広げるとともに、技術領域の拡張と利益率の向上を目指している。なかでもヒートポンプAHU周辺技術を強化しており、2022年3月期には売上高が前期比6.2%増と伸び、利益率の改善も進んだ。成長余地の大きい中国事業の強化は、高機能空調機にシフトするなど採算性重視に販売戦略を転換し、利益体質の構築を目指している。徹底した原価管理も進めており、2022年3月期の売上高は同17.3%増となり黒字化も達成したが、2023年3月期は同国のゼロコロナ政策によって苦戦気味となっている(足下は回復傾向のもよう)。一方、同国においてはゼロコロナ政策でPCR検査が日常化していることから、「移動式PCR検査ユニット(月産最大400台)」を製品化した。技術深耕・品質向上に関しては、技術開発の推進と品質大網への落とし込みを目指している。解析やAI、IoTなどデジタル技術を積極的に活用し、クレームゼロに向けた製品・サービスの品質向上にも注力している。2022年3月期は、高効率ファン・コイルの適用製品の強化、デジタル解析技術・SIMA周辺技術の拡充、エアスタ※やSINKOテクニカルセンターを活用した技術情報の発信を進めた。さらに2024年3月期には、従来の実験設備ではカバーできない高能力の試験が可能となる実験棟を神奈川工場に建設する計画である。なお、2021年9月にリニューアルした神奈川県秦野市にあるSINKOテクニカルセンターでは、製品開発技術やSINKOのものづくり、環境・健康に配慮した最新の製品展示、空調機の騒音や送風機の運転特性の体感など様々なコンテンツを用意している。また岡山工場においても、2022年7月につやま産業支援センター主催の「つやまエリアオープンファクトリー」に参加し、小中学生とその保護者が工場の様子や製品実機を見学できるイベントを実施した。※エアスタ(SINKO AIR DESIGN STUDIO):大阪府寝屋川市にある空調機のショールーム。建物全体が体験型ショールームとなっている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光) <NS> 2022/12/20 16:38 注目トピックス 日本株 タメニー Research Memo(7):高い信頼性・ブランド認知度を確立 ■タメニー<6181>の事業概要7. 特徴・強み結婚相談所を起点として、婚活領域からカジュアルウェディング領域、さらにライフスタイル領域における成婚後の新生活サポートサービスまで、幅広く全方位的な一気通貫の高品質・高付加価値サービスを展開し、高い信頼性・ブランド認知度を確立していることが特徴・強みだ。結婚相談所「パートナーエージェント」においては、高いスキルを持った成婚コンシェルジュサービスや自社独自開発のマッチングシステムによって業界首位の成婚率を実現し、高付加価値な結婚相談所のブランドを確立している。カジュアルウェディング領域においては、豊富な施行実績やノウハウをベースとして、withコロナ時代の新しい生活様式に適応した新たなウェディング・二次会トータルプロデュースを展開している。さらに、婚活事業者間相互会員紹介プラットフォーム「CONNECT-ship」や、新たに設立した結婚相談所連盟「婚活アライアンスパートナーズ」によって、成婚の最大化を図っている。婚活領域においては特に、安全性や健全性に関して社会的な信頼性や認知度が重要視されるが、同社は業界に先駆けて情報セキュリティマネジメント規格「ISO(JIS Q)27001」認証、プライバシーマーク、マル適マーク「IMS」を取得している。2015年には株式上場を果たし、世の中に必要とされる安心・安全な婚活支援会社として、その地位を確立している。今後も高い信頼性とブランド認知度を武器として、全方位サービス・全顧客ニーズ対応の体制を構築して事業展開する方針だ。婚姻組数減少でも競合優位性8. リスク要因・収益特性と課題・対策婚活・ウェディング業界における一般的なリスク要因としては、市場動向、法的規制、個人情報を含む情報管理、苦情対応、安全性・健全性などがあり、収益特性としては季節変動要因などがある。市場動向に関しては、少子化や未婚率上昇による婚姻組数の減少が意識されるが、一方では未婚率の上昇に伴って婚活サービス利用割合が上昇傾向であり、コロナ禍を契機にパートナーが欲しいと思う人の割合が上昇するなどの傾向も見られる。また、withコロナ時代には従来型の高価・大人数の挙式披露宴ではなく、同社が強みを持つ少人数形式のカジュアルウェディングやフォトウェディングの割合が増加すると予想されている。業界に先駆けて情報セキュリティマネジメント規格「ISO(JIS Q)27001」の国際規格認証を取得していることや、高品質・高付加価値なサービスで業界首位の成婚率を実現し、高い信頼性・ブランド認知度を確立していることなども勘案すれば、市場競合においても同社の優位性が発揮されるだろう。収益特性の季節変動要因については、挙式披露宴の施行が春(3-5月)及び秋(9-11月)に集中する傾向があり、同社のカジュアルウェディング領域の業績も、この影響を受けやすい。そのため閑散期の施行を促進する施策を強化している。またウェディングに関しては、成約から施行までの期間が一般的には8ヶ月程度と長期間になることが多いため、成約から売上計上にタイムラグが発生する。なお、コロナ禍の影響で事業環境が大幅に悪化したため、2021年3月期~2022年3月期に拠点統廃合、人員配置最適化、広告販促費の戦略的抑制などの施策を実施した。その後、コロナ禍の影響が徐々に和らいできたため、成長に向けた投資を再開する方針としている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展) <SI> 2022/12/20 16:37 注目トピックス 日本株 新晃工業 Research Memo(7):中期的に需要回復も、人手不足などリスク対応も必要 ■中期経営計画1. 中期事業環境今後、中期的にはコロナ禍で広がったテレワークの普及などにより、長期的には人口減少などにより、新規のオフィスビル建築が減少していくと見られている。しかし、足元では東京オリンピック・パラリンピック特需後の端境期から脱し、都市再開発などを中心に産業空調への投資が回復、オフィスビルに加え工場や研究所、データセンター向けの需要も増加している。このため、2024年頃に向け新晃工業<6458>は需要拡大期に入ることが見込まれる。2025年頃になると新規のオフィスビルもピークアウトする見通しだが、その頃になると新築物件に代わって市場を退出した大手メーカーの分を含めた納入後20~30年を経過したAHUの更新工事など、アフターサービス市場の拡大が予測されている。また、長期的に中小規模物件を中心に個別熱源の増加が続く一方、カーボンニュートラルを背景に水AHU(脱フロン)への期待も大きくなっていくと考えられている。一方、人手不足から案件を確保できなくなったり、人件費の上昇で採算が悪化したりといった可能性も指摘されており、現場での省力化が必須となる見込みである。海外では、アジア最大の市場で内需拡大が期待された中国で、ゼロコロナ政策などによる景気減速が懸念されている。加えて、コロナ禍やウクライナ情勢を背景に、原材料高や半導体などの部材不足、円安といったリスクが広がった。これにより建設業全般では、かつて経験したことのない価格高騰や納期・工期遅れが発生することとなった。こうした課題に対しては、中長期的に見込まれる新規案件の増加や工事・メンテナンス需要の拡大、特に原材料高や部材不足に対しては建設業界を挙げて価格改定を行い、人材不足などに対しては生産プロセスの効率化などにより対応していく考えである。リスクを解消しチャンスを確保するため中期経営計画を策定2. 中期経営計画「move.2025」こうした事業環境予測から、同社は、事業環境回復のトレンドに乗って既設工事につながる新築ビル向けAHUの受注などを拡大し、水AHUシェアトップの堅持とヒートポンプAHUにおけるシェアトップの奪取を目指す。また、既設工事では、手厚いサービスを強みとする新晃アトモスをさらに強化することで、10年~20年後に既設の更新需要を収益の柱とする方針である。そのために、デジタル化によって労働集約的な製販体制から脱却して生産性を向上し、様々なリスクを解消していく考えである。そこで同社は、中期経営計画「move.2025」を策定した。SIMAプロジェクトによって新しい製販一体の体制を構築し、そのうえで5つの重点取組項目を推進して、中期的な成長を持続する計画である。その目標として、2025年3月期に売上高520億円、営業利益75億円を目指すこととなった。(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光) <NS> 2022/12/20 16:37 注目トピックス 日本株 タメニー Research Memo(6):テック事業は婚活事業者間相互会員紹介などを展開 ■タメニー<6181>の事業概要4. テック事業テック事業の主要サービスは、婚活事業者間相互会員紹介プラットフォーム「CONNECT-ship」の運営、企業向け婚活支援システムである。「CONNECT-ship」は、日本で一番お見合いが組めるオープンなプラットフォームを目指して、2017年6月に開始した業界初、日本最大規模の婚活事業者間相互会員紹介プラットフォームである。事業者間で会員の相互紹介を行うことで出会いの機会や成婚の最大化を目指す。2023年3月期第2四半期末時点の利用事業者数は結婚相談所「パートナーエージェント」を含めて13社、利用会員数は31,217名(利用事業者の総会員数は約95,000名以上)、2023年3月期第2四半期累計のお見合い成立件数は149,881件となった。なお「CONNECT-ship」のマネタイズポイントについては、従来はお見合い成立料を得る方式だったが、2022年3月期からお見合い成立料を引き下げる一方で、新たに月額利用料を課金する方式に変更している。企業向け婚活支援システムは、結婚相談所事業を始めたい企業に対して、AIマッチングなどの最先端テクノロジーを活用した自社独自開発システムの提供、及び事業サポートを行っている。ライフスタイル事業はシナジー追求5. ライフスタイル事業ライフスタイル事業の主要サービスは、ライフスタイル領域における成婚後の新生活サポートサービスとして、成婚後サポート「アニバーサリークラブ」、保険相談サービス(保険代理店「Tameny×保険クリニック」)、不動産情報、ファイナンシャルプランニング等のサービスを展開し、サービス利用料や送客手数料などを得る。2020年10月には新たなサービスの創出に向けて、ファイナンシャルパートナーサービスを提供するブロードマインド(株)と業務提携した。保険代理店「Tameny×保険クリニック」における新規保険契約証券数は、2021年3月期の317件から、2022年3月期には396件、2023年3月期第2四半期累計には293件まで増加している。今後も、婚活領域やカジュアルウェディング領域における年間約7,700組(2022年3月期実績、婚活事業における成婚約1,700組、カジュアルウェディング事業におけるウェディングプロデュース約6,000組)の新婚カップルとの接点を活用してシナジーを追求する方針だ。法人・自治体向けも成長分野6. 法人・自治体向け事業法人・自治体向け事業の主要サービスは、企業向けイベントプロデュース「イベモン」、及び地方自治体向け婚活支援システム「parms」である。企業向けイベントプロデュース「イベモン」は、企業の社員総会、入社式、懇親会、忘年会などのイベントをプロデュースするサービスである。ウェディングのノウハウを活用して、目的に応じた戦略性の高い企画、会場手配、参加者を飽きさせないハイクオリティな演出・運営まで一括して受託する。フルプロデュースの平均費用は約100万円となっている。イベントを丸ごと任せられる利便性が評価され、コロナ禍でも成約・施行件数が拡大基調となっている。さらに、コロナ禍でオンラインイベントの需要が高まっているため、2021年4月には高品質な映像を用いたオンラインイベントソリューション「TV型パック」の提供を開始、2021年6月にはオンライン・オフライン融合型の社内イベントソリューション「ハイブリッドパック」の提供を開始した。今後の成長分野として事業を強化していく方針だ。地方自治体向け婚活支援システム「parms」は、自社独自開発の婚活支援システムをカスタマイズして、地方自治体が行う婚活を支援している。2023年3月期第2四半期末現在の導入自治体数(2023年3月期下期導入予定を含む)は10府県(契約順に福島県、京都府、埼玉県、秋田県、福井県、茨城県、宮城県、青森県、滋賀県、大分県)となった。このうち京都府、宮城県、滋賀県については婚活支援センター運営も受託している。なお京都府については2022年8月に、AI機能を搭載した新バージョン「parms」の再提供が決定した。2022年内の利活用開始を予定している。このほかに、自治体からのイベント・セミナーの企画・開催受託も増加している。直近では2022年6月に、和歌山県の結婚支援事業企画運営業務、及び秋田県の結婚サポータースキル向上・独身者婚活力アップ支援事業を受託した。2022年9月には、ひょうご出会いサポートセンターの「公民連携出会いイベント事業」を受託した。(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展) <SI> 2022/12/20 16:36 注目トピックス 日本株 新晃工業 Research Memo(6):一貫生産体制や需要精度の高さなどが強み ■事業概要3. 同社の強み新晃工業<6458>は、ビル建築工事のなかでもニッチな二次側空調機市場を深掘りすることでリーディングカンパニーとなった。そうしたポジションを得ることができた背景には、設備工事という独特の世界で培われた、同社の製販体制と事業運営の強みがある。同社の強みは、まず、設計から製造、販売、工事・サービスまでの製販一貫体制にある。具体的には、同じ建物でも1台ごとに仕様・能力・サイズが異なるオーダーメイドニーズに応える製品開発力・設計力、オーダーメイドがゆえにばらつく生産を生産現場が柔軟に対応して工場をフル稼働させるノウハウ(生産量を安定できないため過去に大手メーカーが撤退し、現在では新規参入もない理由である)、長年の実績を背景とする製品や作業の品質の高さ、営業から技術、製造、サービスまで緊急時でも一体となった迅速な動きなど、各部署の強みが有機的に結合した体制である。また、事業運営面において長年の実績に基づく案件情報量や設計段階で得られる早期の情報に基づいた需要予測精度の高さが強みとなっている。さらに、必要に応じて更新案件や小口案件を取り込むことで営業面から各工程をコントロールし生産量を安定化するノウハウ、長年の経験と科学的管理手法に基づく細やかな現場調整や生産物流計画なども大きな強みと言える。こうした強みを背景に、同社の更新案件比率は約50%と非常に高く、また有名施設への納入実績も多い。例えば、新国立競技場など東京オリンピック・パラリンピック関連の大型施設に幅広く空調機を設置したほか、グランフロント大阪、あべのハルカス、阪急うめだ本店(百貨店)、京セラドーム大阪(大阪ドーム)、中部国際空港セントレア、バンテリンドームナゴヤ(名古屋ドーム)、六本木ヒルズ、丸の内ビルディング、東京スカイツリー、東京駅、東京ミッドタウンなど全国の大型ビルのほか、スーパーコンピュータ「富岳」(理化学研究所)、吹上大宮御所、正倉院東宝庫、法隆寺大宝蔵院などへも納入している。海外でも、上海タワー、ザ・ペニンシュラ香港、ザ・ベネチアン・マカオ、ラッフルズホテル、マリーナベイサンズ、タージマハルホテルなど、快適性が求められる国際的な有名ホテルを中心に納入している。とはいえ、人口減少やベテランの退職、需要構造の変化などにより、こうした素晴らしい実績を支えてきた同社の強みが、中長期的に希薄化していく可能性がある。そのため実行しているのが、後述するSIMAプロジェクトである。(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光) <NS> 2022/12/20 16:36 注目トピックス 日本株 タメニー Research Memo(5):2022年オリコン顧客満足度調査格安ウエディング総合ランキング1位を獲得 ■タメニー<6181>の事業概要3. カジュアルウェディング事業カジュアルウェディング事業の主要サービスは、カジュアル挙式披露宴プロデュース「スマ婚」、結婚式二次会プロデュース「2次会くん」、フォトウェディングプロデュース「LUMINOUS」である。カジュアル挙式披露宴「スマ婚」は、予算内で高クオリティな結婚式をしたいという要望に応じて、安く・美しく・自由なカジュアルウェディングをプロデュースする。全国約250の提携会場での挙式披露宴をプロデュースし、当日の運営は挙式披露宴会場のプロのスタッフが行う。提携会場の日程の空き枠の有効活用や、アイテムの大量発注・自社内製などで価格を抑制するため、一般的な挙式披露宴費用約292万円(ゼクシィ結婚トレンド調査2021)に対して、「スマ婚」の平均費用は約200万円となっている。そして2022年8月には、2022年オリコン顧客満足度調査「格安ウエディング」総合ランキングで「スマ婚」が第1位を獲得した。なお、コロナ禍への対応だけでなく、新郎新婦のニーズが従来の「たくさんのゲストを招待して挙式+披露宴を行う」形式から、「本当に大切な人に感謝を伝えるための小規模な結婚式を行う」形式に移り変わってきていることに対応して、新たなプラン・サービスの企画開発・提供も推進している。2021年11月には「スマ婚少人数挙式ライトプラン」の受注を開始、2022年2月にはスマ婚少人数挙式と家族写真(和装後撮り)をセットにした「スマ婚フォト+挙式」の受注を開始した。今後も多様化するニーズに対応して様々なプラン・サービスを拡大していく方針だ。結婚式二次会「2次会くん」は二次会幹事代行サービスである。プロのプランナーによるプロデュースで、飲食店など全国480以上の提携会場からニーズに合わせて会場を紹介し、当日はプロの幹事・運営スタッフを会場に派遣(飲食は会場に委託)する。平均費用は約40万円となっている。フォトウェディング「LUMINOUS」は、全国6ヶ所のフォトスタジオなどにおいて、フォトを主軸としたウェディングを行っている。理想の花嫁姿を写真に残したいという要望に応えて、洗練されたスタジオセット、格式高いチャペルや邸宅のロケーションなど、本物のロケーションを生かして世界一美しい花嫁姿を実現する。プロデュース・撮影費用は平均約29万円となっている。一般的な挙式披露宴費用の約10分の1の予算で「結婚式よりも、結婚式らしい」体験ができる。フォトウェディング「LUMINOUS」は、withコロナ時代に適応したウェディングの形として成約・施行件数が増加しているため、今後の成長分野と位置付けて第3の収益源に育成するための施策を推進している。2020年11月には子会社のタメニーアートワークスがブライダル事業のエスクリ<2196>と業務提携した。首都圏のみで提供していたフォトウェディング「LUMINOUS」の撮影会場にエスクリの高クオリティなチャペルや会場が加わり、全国展開が可能になった。2021年6月には6拠点目(関西初出店)となる自社スタジオを大阪にオープンした。また「和装前撮り特別プラン」など高付加価値サービスを追加することで、平均単価の上昇傾向が見られるとしている。2022年12月からは、現代の家族の形を写真を通し記憶し続ける「アニバーサリーフォトプラン」と「ワンスモアフォトプラン」の提供を開始した。それぞれ、ライフステージ毎の記念を形に残したい層や、もう一度ドレスを着て2回目の撮影を楽しみたい層を取り込んでいく方針だ。なお2021年12月に、婚礼衣装の企画・製造販売を展開(本場英国の上質なウェディングドレス等のドレスショップを全国62店舗展開)するフォーシス アンド カンパニーと資本業務提携した。結婚式の決定要因として重要な役割を担う婚礼衣装を強化することで、ウェディング市場における競争力を一段と強化する。カジュアルウェディング事業の主要KPIの状況は以下のとおりである。カジュアル挙式披露宴「スマ婚」及び結婚式二次会「2次会くん」はコロナ禍の影響で落ち込む形になったが、2023年3月期以降は徐々に回復に向かう見込みだ。(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展) <SI> 2022/12/20 16:35 注目トピックス 日本株 新晃工業 Research Memo(5):水AHUを軸に様々な製品・サービスを展開 ■事業概要2. 製品・サービス新晃工業<6458>の製品やサービスは、セントラル空調で使用されるAHUと個別空調で使用されるヒートポンプAHU、「健康空調」、FCUなどそのほか製品、及び更新工事やメンテナンスなどで構成されている。同社は、製品ラインナップから、施主・設計事務所の意向や施設の特性・用途、設置場所の事情などに応じ、風量や熱処理量、清浄性、静音性など求められる仕様に合わせて、様々な製品やサービスを完全オーダーメイドで提供している。さらに最先端の技術や最新のニーズを取り入れて、製品の省エネ化や省スペース化、高効率化を追求することで、個別空調など新規の事業領域や「健康空調」のような新たな切り口、更新・メンテナンス需要を開拓・開発している。(1) 水AHU主軸の水AHUは、室内からの還気と同時に外気を取り込み、空気中の塵埃を除去した後に熱処理を行って各室へ向けて給気する機器で、セントラル空調の二次側空調システムで使用される。一般に送風機・コイル・加湿器・エアフィルタなどをケーシングに収めたユニット構造をしており、専用の機械室などに置かれる。貸室床面積を重視するオフィスビルなどでは、高機能かつ設置面積を抑えた空調機といった高度な仕様が求められることも多い。同社は、プラグファンの大幅な高効率化を実現した標準型AHU、空調性能をコンパクトなボディに集約したコンパクト型AHU、機械室を必要としないターミナル型AHUなど豊富なラインナップを用意しているほか、さらなる高機能製品の開発も続けている。(2) ヒートポンプAHUヒートポンプAHUは、外気の取り入れや加湿・空気清浄などセントラル空調の空調品質と、熱源の分散という個別空調の利便性を兼ね備えた空調機である。もともと個別空調とセントラル空調のすき間を狙った商品であったが、近年になって乾燥しがちな冬季の加湿不足などへの対策として採用の要請が強まってきた。このため同社は、2017年5月に競合企業で個別空調に強みを持つ空調業界トップ企業であるダイキン工業と、ヒートポンプAHUの共同開発において業務資本提携をした。同社にはヒートポンプ技術をキャッチアップしたいという意向があり、ダイキン工業には水AHUに関して同社のノウハウで補完したいという考えがあったため、Win-Winの関係性である。これにより同社は自社ブランド製品を開発した。2021年にモデルチェンジした室外機一体型ヒートポンプAHU「オクージオ」を戦略製品として販売を推進している。2022年にはヒートポンプAHUの室外機をモデルチェンジした。複数の室外機が除霜運転のタイミングをコントロールして給気温度の低下を抑制する「デフロストローテーション機能」を搭載した。(3) 「健康空調」同社はコロナ禍以前から「健康空調」という考え方を提唱している。細菌やウイルスは、対策を徹底していても施設内に持ち込まれてしまうものである。このため同社は、空調機にUVC(紫外線C波)ランプを搭載し、空気中に潜む細菌やウイルスを強力な紫外線照射で分解・除去する、空気除菌システム「健康空調」シリーズを開発した。オフィスや工場のほか、医療福祉施設や公共施設、文教施設など外部から大勢の人が集まる場所に最適な製品で、コロナ禍においては注目度がさらに増した。また、UVCランプ搭載AHUに加え、UVCランプ搭載のFCUカセット形も投入した。簡単なリプレイス工事で設置可能、人体に悪影響のあるオゾンなど2次汚染物質の発生がほとんどないこと、紫外線漏洩対策として安全装置付きといった特長がある。(4) FCUなどそのほかの製品そのほかの製品のなかでも、セントラル空調で水AHUとセットで使用されるFCUは主力製品である。コイルとファンモータユニット、エアフィルタで構成され、室内還気の温度調整を行う機器である。特に個別に仕切られた会議室や外気温度の影響を受けやすい窓側など、AHUだけでは難しいエリアの温度制御を行っている。FCUには2管式と4管式があり、4管式は個々の機器で自由な温度設定ができ、セントラル空調でありながら個別空調の特徴も持った製品である。このほか、品質や温度・湿度といった室内環境をエネルギー損失なしで個別コントロールするデシカント空調機・除湿機や、蒸気や温水を熱源に暖房を行うユニットヒータなどがある。2021年には、スーパーコンピューター施設やデータセンターで長年培った実績とノウハウを生かし、データセンターの様々な空調ニーズに多彩なラインアップでキメ細かく対応するサーバエアハンシリーズを投入した。(5) 工事・サービス事業2021年4月、工事・サービス事業を展開する子会社の新晃アトモスが、メンテナンス事業を行う子会社の新晃空調サービス(株)を吸収合併した。業界トップメーカーという同社の信頼感や設備劣化診断など豊富なサービスメニューを生かすため、子会社の機能を集約化することで工事・サービス事業を強化していく考えである。これにより、人口減少などにより新設物件の減少と既存施設の増加が見込まれていることにも対応する方針である。また、オーダーメイドに対応できず退出した他社メーカー製空調機の設備更新工事の獲得も見込んでいる。このように同社が工事・サービス事業を強化することは、長期的な事業環境を考慮すると非常に合理的であると言え、将来は水AHUの製造に次ぐ柱に育てる方針である。(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光) <NS> 2022/12/20 16:35 注目トピックス 日本株 タメニー Research Memo(4):結婚相談所は高品質が強みで業界首位の成婚率を誇る ■タメニー<6181>の事業概要2. 婚活事業婚活事業の主要サービスは、会員制の結婚相談所「パートナーエージェント」、オンライン結婚相談所「パートナーエージェントONLINE」、アプリ完結型の結婚相談所「パートナーエージェントApp」(2021年1月に開始した旧オンライン結婚相談所「スマ婚縁結び」シリーズのサービス名を2022年2月に変更)、婚活パーティー「OTOCON」、ワンランク上の婚活パーティー「パートナーエージェントパーティー(PAP)」である。結婚相談所「パートナーエージェント」は、主に1年以内を目途に結婚相手を見つけたい会員に対して、高いスキルを持った成婚コンシェルジュサービスと独自のマッチングシステムによって成婚までの活動をサポートする仲介型の結婚相談所である。会員の平均在籍期間は約18ヶ月、1人当たり総支払額(登録料、初期費用、月会費、オプション料、成婚料など)は平均約37万円となっている。成婚コンシェルジュによるマルチサポートにより、業界首位の成婚率(成婚率=年間成婚退会者数/年間平均在籍会員数×100、(株)ビッグツリーテクノロジー&コンサルティングの2022年1月調べで約27.0%、国内一般の平均婚姻率は約5.9%)を特徴としている。なお、コロナ禍においてリアルでの出会いの場が減少するなか、2021年3月にはDX婚活として成婚率No.1のサービス品質はそのままに、より効率的で、よりリーズナブルな婚活を実現するオンライン結婚相談所「パートナーエージェントONLINE」を開始した。そして2021年7月にはサービス開始からわずか5ヶ月で初の成婚を輩出した。アプリ完結型の結婚相談所「パートナーエージェントApp」は、オンラインを活用した出会いの場に対するニーズが高まっていることも背景として、婚活アプリ「スマ婚デート」運営で培ったノウハウをベースに新たに開発したアプリである。業界最安水準のライトプラン(月額1,000円、スタンダードプランは月額9,800円~)も提供している。婚活パーティー「OTOCON」、及び成婚率No.1のノウハウを生かしたワンランク上の婚活パーティー「パートナーエージェントパーティー(PAP)」は、結婚相談所「パートナーエージェント」へのエントリーサービスとして、本気で結婚したい男女が安心して気軽に参加できる婚活パーティーである。婚活パーティー「OTOCON」(2013年サービス提供開始)の累計参加者数は130万人を突破している。「OTOCON」の開催数及び参加者数については、2019年3月期まで順調に増加したが、2020年3月期からは運営最適化とサービス品質向上を目的として戦略的に開催数を減らしている。さらに2021年3月期以降はコロナ禍によるイベント自粛の影響で大幅に減少した。また、2022年4月1日付の民法改正で成年年齢が18歳に引き下げられたことを受け、婚活パーティーの参加資格を従来の22歳から18歳に引き下げた。結婚相談所「パートナーエージェント」においても入会者の年齢が下がる傾向が見られるため、婚活のスタートタイミングの早期化や若年層の婚活ニーズの高まりに対応していく方針だ。婚活事業の主要KPIの状況は以下のとおりである。いずれの指標も2021年3月期~2022年3月期はコロナ禍の影響で落ち込む形になったが、2023年3月期以降は徐々に回復に向かう見込みだ。その他の新規オプションサービスとしては、2020年6月にトータルコーディネートで会員の魅力を最大限に引き出す婚活用スタイリングサービス「パートナーエージェントコーディネート(PAC)」を開始した。サービス開始から6ヶ月でPAC利用者の成婚率が1.4倍に上昇するという成果が得られたため、2021年1月から全国展開を開始した。2021年3月には多様化する婚活ニーズに対応して、会員のプロフィールを動画で伝えるオプションサービス「ビデオプロフィール」も開始した。2021年8月には、AI婚活のマッチング精度のさらなる向上を目指して、エヌ・ティ・ティレゾナント(株)が提供する「gooのAI」を導入して従来のマッチングシステムをリニューアルし、新たにAI婚活マッチングシステム「sieger」の名称で運用を開始した。2021年9月には、結婚相談所「パートナーエージェント」が(株)スクラムの全国の結婚相談所の事業者間データ連携プラットフォームサービス「SCRUM」(会員数約4.3万人)と接続した。「SCRUM」は、全国結婚相談事業者連盟を運営する(株)TMSホールディングスと(株)日本仲人連盟が、2021年2月に共同で創設した全国の結婚相談所をつなぐデータ連携サービスである。この接続により、「パートナーエージェント」における紹介可能なマッチングプール(活動会員数)が、後述する婚活事業者間相互会員紹介プラットフォーム「CONNECT-ship」の登録会員数(約3.1万人)を合わせて、結婚相談所業界最大級の7万人超となった。なお2021年12月にはTMSホールディングスと資本業務提携、アイ・ケイ・ケイホールディングスと資本業務提携して強固な協力関係を構築した。2022年4月には結婚相談所連盟「婚活アライアンスパートナーズ」を設立した。約1万人の会員数を有する結婚相談所「パートナーエージェント」を含めて加盟している複数の結婚相談所の会員を紹介できるだけでなく、婚活事業者間相互会員紹介プラットフォーム「CONNECT-ship」と接続することも可能になる。より多くの結婚相談所の加盟を促進することで、加盟店会員の成婚機会拡大や成婚率上昇につなげられる。そして、より多くの成婚を輩出し、生涯未婚率の低下や少子化という社会問題の解決に取り組むことで、婚活業界の健全な発展にも貢献する。また2022年4月には新成人限定の婚活サポートセンターを開設した。さらに2022年7月には、婚活事業者間相互会員紹介プラットフォーム「CONNECT-ship」を活用した婚活パーティー「CONNECT-ship Party(コネクトシップパーティー)」を開始した。2022年9月には婚活パーティー「OTOCON」において、業界初となる婚活パーティー参加費無料のカップル成立仲介料型システムを導入した。(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展) <SI> 2022/12/20 16:34 注目トピックス 日本株 新晃工業 Research Memo(4):セントラル空調機器製造から領域を拡大 ■事業概要1. 事業内容新晃工業<6458>の事業は、地域別(セグメント別)に日本とアジアに分けられ、2022年3月期の売上高構成比は日本が83.3%、中国15.4%、その他1.3%となっている。製品及びサービス別の売上高構成比は、主軸の空調機器製造・販売事業(国内)53.0%、工事・サービス事業20.0%、ビル管理事業12.3%、空調機器製造・販売事業(海外)14.7%となっている。空調機器製造・販売事業(国内)は、新規案件46.4%、更新需要53.6%であり、用途別ではオフィス30.4%、工場34.4%、データセンター7.4%、医療福祉・文教・宿泊・駅・空港などその他27.8%となっている。また、生産拠点を神奈川と岡山に2拠点(ほかにテクニカルセンター)有し、同社が空調機などの製造販売を行っているほか、日本ビー・エー・シー(株)が空調機関連製品などの販売、新晃アトモス(株)が設備更新工事やメンテナンス、千代田ビル管財(株)がビル管理及びメンテナンスなど、子会社が周辺事業を行っている。海外は、上海新晃空調設備股フン有限公司、SINKO Air Conditioning(H.K.)Limited、Taiwan SINKO Kogyo Co.,Ltd.、SINKO Air Conditioning(Thailand)Co.,Ltd.の4子会社が上海、香港、台湾、タイに生産・販売拠点を有している。海外で最大の市場となる中国以外は、台湾、タイ、そのほかの国も含めて代理店中心に営業を展開している。(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光) <NS> 2022/12/20 16:34 注目トピックス 日本株 タメニー Research Memo(3):婚活・カジュアルウェディング領域を起点に周辺領域のサービスにも展開 ■事業概要1. サービス概要タメニー<6181>は、結婚相談所・オンライン結婚相談所・婚活パーティー・オンライン婚活サービス等の婚活領域、カジュアル挙式披露宴・フォトウェディング・結婚式二次会プロデュース等のカジュアルウェディング領域を主力に、周辺領域として、婚活事業者間相互会員紹介プラットフォーム・企業向け婚活支援システム等のテック領域、成婚後サポート・保険代理店・不動産情報・ファイナンシャルプランニング等のライフスタイル領域、地方自治体向け婚活支援・企業向けイベントプロデュース等の法人・自治体領域に展開している。高品質のサービスを創出し、5戦略領域と位置付けて事業を展開している。事業区分は、婚活事業(高付加価値型の結婚相談所運営、婚活パーティーの企画・運営、オンライン婚活サービス等)、カジュアルウェディング事業(カジュアル挙式披露宴・フォトウェディング・結婚式二次会プロデュース等)、テック事業(婚活事業者間会員相互紹介プラットフォーム運営等)、ライフスタイル事業(保険・金融・不動産関連等の生活品質向上に資するサービス提供)、法人・自治体向け事業(地方自治体向け婚活支援システム、企業向けイベントプロデュース等)としている。結婚相談所を起点として、婚活領域からカジュアルウェディング領域、さらにライフスタイル領域における成婚後の新生活サポートサービスまで、幅広く全方位的な一気通貫の高品質・高付加価値サービスを展開し、業界首位の成婚率など高い信頼性・ブランド認知度を確立していることが特徴・強みだ。なお2023年3月期第2四半期のセグメント別売上高(調整前)構成比は婚活事業が43.2%、カジュアルウェディング事業が47.2%、テック事業が3.0%、ライフスタイル事業が1.3%、法人・自治体向け事業が5.2%だった。2019年4月以降、M&A(カジュアルウェディング大手のメイション、フォトウェディングのMクリエイティブワークス、結婚式二次会会場紹介のpma)を活用して、婚活事業とカジュアルウェディング事業を2本柱としている。2021年3月期以降はコロナ禍によるイベント自粛の影響を強く受けたが、行動制限緩和に伴って売上が徐々に回復傾向となっている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展) <SI> 2022/12/20 16:33 注目トピックス 日本株 新晃工業 Research Memo(3):大型ビル向けに水AHU、中小規模向けにヒートポンプAHUも提供 ■新晃工業<6458>の会社概要2. 事業領域空調機は家庭用と業務用に分けられ、建物の規模や運用によって最適な機器が選択される。家庭用はいわゆるルームエアコンであり、TVCMでよく見かける民生用電機メーカー大手の製品が多い。業務用は、さらに個別空調とセントラル空調に分けられる。個別空調は、空調を必要とする部屋・エリアごとに室外機と室内機を設置する方式で、熱媒体にフロンガスなどを使用するが、設計・施工が容易で機械室を小さくすることができる。主に延床面積20,000平方メートル以下の中小規模の建物で採用され、空調機のシステムはパッケージエアコン、ビル用マルチエアコンなど汎用品で構成される。セントラル空調のシステムは、建物を一体として捉え、熱源機器を集中設置することでまとめて熱を作り(一次側空調システム)、冷温水(水)を熱媒体に各フロアへと運ばれた熱をAHUやFCUがファンで発生させた風で室内の温度・湿度を調整し(二次側空調システム)、そして空調全体の管理・コントロールを集中して行う(計装システム)仕組みになっている。延床面積20,000平方メートル以上の大規模な建物に利用され、建物ごとフロアごとに求められる要件が異なるため、最適なシステムを構築するには完全オーダーメイドが不可欠となる。同社はこのうち、セントラル空調の二次側空調システムを主要な事業領域としている。セントラル空調の主なメリットは、個別空調に使用されるフロンガスにはできない精密な温度・湿度制御が可能、スペースに合わせた上質な空気質の生成、設置や設計の自由度が高く優れた効率性やメンテナンス性があることなどが挙げられる。また、熱を搬送する媒体にフロンガスでなく水を使用しているため「環境にやさしい」ことも大きなメリットと言える。なお同社は、中小規模の建物で採用される個別空調領域にも積極的に事業を拡張している。個別空調では、セントラル空調に比べて簡易なシステムや汎用品が使用されるが、外調機についてはオーダーメイド仕様を要求されることが多くなってきた。そのため、セントラル空調の分野で蓄積してきた同社のノウハウを生かす素地があると考えている。そこで、同社はダイキン工業<6367>と業務資本提携してヒートポンプAHUの製造販売に参入し、現在では個別空調市場を取り込むための戦略商品として積極的に展開している。熱源機器を集中しても効率化されない規模の建物では、今後も個別空調方式が採用される見通しである。また、同社は、地球環境に負荷がかかる傾向にある個別空調の領域においても、地球温暖化係数の低い熱媒体への転換やフロンガス使用量の削減につながる、地球環境にやさしいシステムの設計も進める方針である。二次側空調機メーカーで国内シェアトップ3. セントラル空調の業界構造セントラル空調という視点から見た業界のプレーヤーは、施主、設計事務所、ゼネコン(建築会社)、サブコン(設備会社)、空調機関連メーカー(一次側・二次側・計装)となる。大きな建物を建築する際に、空調機の仕様を様々な建築設計に合わせなければならず、設計の段階から参加する必要がある。このため、空調機関連メーカーはゼネコンより早く施主・設計事務所と直接的な関わりを持つことが多い。しかし、発注の流れが「施主→ゼネコン→サブコン→空調機関連メーカー」となるため、商流上の契約先はサブコンとなることが多く、設計段階で関わりがあっても機器採用に直結しないこともある。また、建設業界の需要変動の影響を受けやすく、建設業界同様に国内市場が成熟している。そのような市場のため、二次側空調機メーカーは同社のほか、クボタ空調(株)、ダイキン工業、木村工機<6231>、暖冷工業(株)などに集約されつつある。同社は、こうした二次側空調機メーカーにおいて国内市場シェアはトップとなっている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光) <NS> 2022/12/20 16:33 注目トピックス 日本株 タメニー Research Memo(2):企業理念は「よりよい人生をつくる。」 ■会社概要1. 会社概要タメニー<6181>は、企業理念に「よりよい人生をつくる。」を掲げ、婚活及びカジュアルウェディングを主力に、周辺領域のテック、ライフスタイル、法人・自治体関連にも展開し、5戦略領域において顧客が求める高品質サービスを創出・提供している。2023年3月期第2四半期末時点でグループは同社、及び連結子会社2社で構成されている。連結子会社のタメニーアートワークス(株)はフォトウェディング等のカジュアルウェディング事業、タメニーエージェンシー(株)は広告代理業等のその他事業を行っている。なお、連結子会社でカジュアルウェディングやパーティープロデュース等を展開するタメニーパーティーエージェント(株)を2022年3月に吸収合併している。2. 沿革テイクアンドギヴ・ニーズ<4331>の100%子会社として旧(株)パートナーエージェントが設立され、2006年9月に婚活事業(結婚相談所)を開始した。2008年5月にテイクアンドギヴ・ニーズから独立し、新(株)パートナーエージェント(2004年6月設立の(株)ドリームドアが2008年5月に商号変更、現在の存続会社)が旧(株)パートナーエージェントから事業を譲り受けた。その後、2013年6月に婚活パーティー「OTOCON」サービスを開始、2017年6月に婚活事業者間相互会員紹介プラットフォーム「CONNECT-ship」を開始、2019年4月にカジュアルウェディングの(株)メイションをグループ化(2020年10月吸収合併)、2020年3月にフォトウェディングの(株)Mクリエイティブワークス(商号変更後タメニーアートワークス)をグループ化、2020年4月に結婚式二次会会場紹介の(株)pma(商号変更後タメニーパーティーエージェント)をグループ化して事業領域を拡大した。そして2020年10月にメイションを吸収合併して商号をタメニー株式会社に変更、グループ会社の商号も変更した。2021年12月には(株)フォーシス アンド カンパニー、アイ・ケイ・ケイホールディングス(株)<2198>、及び(株)TMSホールディングスと、それぞれ資本業務提携した。株式関係では、2015年10月に東証マザーズに新規上場し、2022年4月に東京証券取引所の市場再編に伴って東証グロース市場に移行・上場した。(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展) <SI> 2022/12/20 16:32 注目トピックス 日本株 新晃工業 Research Memo(2):原材料高など厳しい事業環境にあるも、需要環境は良好。中期経営計画も進捗 ■会社概要1. 会社概要と沿革新晃工業<6458>は大規模建物向けセントラル空調機器メーカーであり、空調機の製造販売、空調工事の請負施工、熱媒体自然循環システムの設計・施工・保守管理などを行っている。主要製品は、送風機や熱交換器(コイル)、フィルタ、加湿器などで構成されたフロア全体を空調する大型のAHUと、送風機(ファンモータユニット)、コイル、エアフィルタで構成された各部屋を空調する小型のFCU、セントラル空調と個別空調の特徴を兼ね備えたヒートポンプAHUである。このほか、既存建物の設備更新工事やメンテナンスなどを請け負う工事事業も展開している。巨大で複雑な空間を空調するための豊富な品揃えと、顧客の要望に沿って設計・製造する完全オーダーメイドが求められることから、空調機業界は専業企業などへの集約化が進んでいる。なかでも同社は、蓄積されたノウハウと豊富な実績を背景に、設計から製造、販売、メンテナンスまでの一貫体制を強みとしており、水AHUは国内市場において長年トップシェアを維持している。同社は1938年、藤井徳義(ふじいのりよし)氏により暖房機器の輸入販売を目的に設立された。1949年に第2次世界大戦で停止していた業務を再開し、1950年に同社を創業して業務用空調機の製造販売に乗り出した。その後、1951年にFCU、1957年にはAHU(今日の工場生産型)を日本で初めて開発し、生産拠点の拡大やメンテナンス業務の取り込み、海外進出など、日本の経済発展とともに業容を拡大していった。足下では、長引くコロナ禍や原材料高、部材不足、円安といったリスクが重なって厳しい事業環境だが、需要は、東京オリンピック・パラリンピック特需後の端境期から、東京や大阪などで進む大規模都市再開発や成長著しいデータセンター向けなど拡大期へとシフトしつつあり、良好と言える。また、中長期的には更新工事やメンテナンス需要の拡大も期待される。このため、同社は2021年5月に中長期の再成長へ向けた中期経営計画「move.2025」を策定し、5つの重要取組事項を推進しているところである。(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光) <NS> 2022/12/20 16:32 注目トピックス 日本株 タメニー Research Memo(1):婚活・カジュアルウェディングを主力に5戦略領域で高品質サービスを創出 ■要約タメニー<6181>は、企業理念に「よりよい人生をつくる。」を掲げ、婚活及びカジュアルウェディングを主力に、周辺領域のテック、ライフスタイル、法人・自治体関連にも展開し、5戦略領域において顧客が求める高品質サービスを創出・提供している。1. 婚活・カジュアルウェディングの一気通貫サービスと高い信頼性・ブランド認知度が強み事業区分は、婚活事業(高付加価値型の結婚相談所運営、婚活パーティーの企画・運営、オンライン婚活サービス等)、カジュアルウェディング事業(カジュアル挙式披露宴・フォトウェディング・結婚式二次会プロデュース等)、テック事業(婚活事業者間会員相互紹介プラットフォーム運営等)、ライフスタイル事業(保険・金融・不動産関連等の生活品質向上に資するサービス提供)、法人・自治体向け事業(地方自治体向け婚活支援システム、企業向けイベントプロデュース等)としている。結婚相談所を起点として、婚活領域からカジュアルウェディング領域、さらにライフスタイル領域における成婚後の新生活サポートサービスまで、幅広く全方位的な一気通貫の高品質・高付加価値サービスを展開し、業界首位の成婚率など高い信頼性・ブランド認知度を確立していることが特徴・強みだ。2. 2023年3月期第2四半期累計は赤字縮小2023年3月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比3.9%減の2,692百万円、営業利益が152百万円の損失(前年同期は215百万円の損失)、経常利益が177百万円の損失(同288百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益が193百万円の損失(同416百万円の損失)だった。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の影響が継続し、前期の広告投資抑制なども影響したため、売上高は計画を下回り小幅減収だったが、経営合理化効果で販管費が減少したため営業利益と経常利益は計画を上回り、前年同期との比較で赤字が縮小して着地した。親会社株主に帰属する四半期純利益は、特別損失を計上したため計画を下回ったが、前年同期比では赤字が縮小した。またEBITDAを四半期別に見ると、2022年3月期第2四半期から黒字基調に改善している。3. 2023年3月期通期予想を下方修正だが下期は改善基調2023年3月期通期の連結業績予想(2022年11月11日付で下方修正)は、売上高が2022年3月期比3.3%増の5,756百万円、営業利益が195百万円の損失(2022年3月期は153百万円の損失)、経常利益が246百万円の損失(同218百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益が230百万円の損失(同320百万円の損失)としている。婚活事業やカジュアルウェディング事業の上期の回復遅れを主因として下方修正した。ただし上期実績と下期予想で見ると各種施策の効果により、下期は上期比増収効果で赤字縮小の見込みとしている。カジュアルウェディング事業は成約と施行のタイムラグで本格回復は2024年3月期以降となるが、婚活事業の結婚相談所「パートナーエージェント」において広告投資再開効果で集客が回復傾向となっていることなどを勘案すれば、下期は収益改善基調が期待できると弊社では見ている。4. 経営基盤再整備で中長期成長同社は、2022年3月期までは債務超過を解消するための短期的な業績回復施策として、広告投資抑制や固定費削減などの経営合理化施策を優先したが、2023年3月期以降は中長期視点で成長に向けた経営基盤再整備を推進している。さらに中長期戦略の要としてパーパス(存在意義)を「創造する力とおもいやり、おもてなしで、人々の心を満たし、活力ある社会の実現を支えます。」と定義し、2023年3月期下期に中期経営計画の再策定に着手する予定としている。業績の回復や財務基盤の改善・安定化が当面の課題となるが、同社の特徴・強みを勘案すれば、同社の市場シェア拡大余地は大きく、経営基盤再整備によって中長期的に成長が期待できると弊社では評価している。■Key Points・婚活及びカジュアルウェディングを主力に高品質サービスを一気通貫で展開・2023年3月期通期予想を下方修正だが下期は改善基調・経営基盤再整備で中長期成長が期待できると評価(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展) <SI> 2022/12/20 16:31 注目トピックス 日本株 新晃工業 Research Memo(1):2023年3月期は下期に向けて業況が改善 ■要約新晃工業<6458>はセントラル空調機器のリーディングカンパニーで、大型オフィスビルなどのセントラル空調システム向けに空調機を製造販売している。主力製品は空気調和機(AHU:Air Handling Unit。以下、ヒートポンプAHUとの対比として水AHUという)とファンコイルユニット(FCU:Fan Coil Unit)で、戦略商品としてヒートポンプAHUの製造販売も行っている。2022年3月期の製品及びサービス別の売上高構成比は、空調機器製造・販売事業(国内)53.0%、工事・サービス事業20.0%、ビル管理事業12.3%、空調機器製造・販売事業(海外)14.7%となった。事業環境は、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)の継続や原材料高、円安といったリスクが発生しているが、東京オリンピック・パラリンピック特需後の踊り場から需要は拡大している状況である。1. 強みは設計から製造、販売、工事・サービスまでの一貫体制主力の水AHUは、室内からの還気(室内の空気を循環使用するため、ダクトを通って空調機の吸い込み側に返ってくる空気のこと)と同時に外気を取り込み清浄化して各室に給気する機器で、セントラル空調で使用される。戦略商品のヒートポンプAHUは、セントラル空調の空調品質と熱源の分散という利便性を兼ね備えた個別空調機で、もともとすき間商品であったが、近年になって乾燥しがちな冬季の加湿などの要請からニーズが強まってきた。ほかに、空気除菌システム「健康空調(R)」(以下、「健康空調」)シリーズの開発や工事・サービス事業など周辺事業も強化している。同社の強みは、設計から製造、販売、工事・サービスまでの一貫体制などにあり、こうした強みを背景に有名施設への納入実績も多い。2. 中期経営計画「move.2025」で2025年3月期営業利益75億円を目指す2021年に同社は中期経営計画「move.2025」を策定した。なかでもSIMA(SINKO Innovative Manufacturing of AHU)プロジェクトが目玉で、デジタル化による製造面の効率化と高精度な需要予測による新たな営業スタイルの確立を進めている。このSIMAプロジェクトをテコに、水AHU、ヒートポンプAHU、工事・サービス事業、中国事業の強化及び技術深耕・品質向上の5点を重点取組項目として推進している。特に水AHUとヒートポンプAHUについては、ターゲット市場を絞り、その市場の特徴などに合わせた市場戦略を展開している。さらに、製品を通じた環境負荷低減や空調による社会貢献などESG経営も進めている。足下では都市再開発やデータセンター向け需要の増加もあり、2025年3月期に売上高520億円、営業利益75億円の達成を目指している。3. 2023年3月期下期に工場稼働率の向上と価格改定の浸透が見込まれ、通期業績見通しを維持2023年3月期第2四半期の業績は、売上高17,910百万円(前年同期比1.9%増)、営業利益1,459百万円(同20.2%減)と苦戦した。原材料高や部材不足などのリスクが顕在化したことが要因である。しかし、建設業界の業況は踊り場から抜け出し、空調機業界の出荷台数も前年同期比12%程度増加しており、同社の受注も積み上がっている。原材料高などコストプッシュに対しては価格改定を進めている。このため、2023年3月期下期は工場稼働率の向上や価格改定の浸透が見込まれ、2023年3月期通期は売上高43,000百万円(前期比2.5%増)、営業利益5,750百万円(同0.7%増)とする計画の達成が視野に入りつつあるようだ。なお、長期的にオフィスビル向け需要が鈍化するとの予測もあるが、データセンターや工場、更新需要の増加などが期待され、事業環境は良好と考えられる。■Key Points・セントラル空調のリーディングカンパニーで、ヒートポンプAHUで個別空調にも参入・SIMAプロジェクトをベースに重点項目に取り組み、2025年3月期営業利益75億円を目指す・2023年3月期下期は工場稼働率の向上や価格改定の浸透が見込まれ、期初業績見通し確保へ(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光) <NS> 2022/12/20 16:31 注目トピックス 日本株 日経平均寄与度ランキング(大引け)~日経平均は大幅に4日続落、ソフトバンクGと東エレクが2銘柄で約112円分押し下げ 20日大引け時点の日経平均構成銘柄の騰落数は、値上がり31銘柄、値下がり193銘柄、変わらず1銘柄となった。日経平均は大幅に4日続落。19日の米株式市場でダウ平均は162.92ドル安(−0.49%)と4日続落。先週大きく下げていたため、寄り付きこそ小幅に上昇したものの、終日軟調に推移。米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げ継続が景気を冷やし、企業業績が悪化するとの懸念が引き続き相場の重荷となった。また、長期金利が上昇したこともハイテク株を中心とした売りにつながった。ナスダック総合指数は−1.48%と4日続落。他方、先週末からの連日の大幅下落を受けた値ごろ感や200日移動平均線手前からの反発を狙った買いで、日経平均は19.71円高と反発してスタート。断続的な買いで徐々に上値を伸ばし、前場中ごろには27339.49円(101.85円高)まで上昇した。しかし、後場は一転して大幅下落。日銀が金融政策決定会合において事前の現状維持の予想に反し、大規模緩和の修正を発表。従来0.25%程度としてきた長期金利の変動許容幅を0.5%に拡大すると決めた。このネガティブサプライズを受けて為替は急速に円高が進み、株式にはリスク回避の売りが広がった。日経平均は急落し、一時26416.91円(820.73円安)まで下げ幅を拡大。ただ、終盤にかけては押し目買いが入り、26500円を回復して終えた。大引けの日経平均は前日比669.61円安の26568.03円となった。東証プライム市場の売買高は18億4392万株、売買代金は4兆757億円だった。セクターでは不動産、精密機器、輸送用機器を筆頭にほぼ全面安となった。一方、銀行、保険、電気・ガス、証券・商品先物取引の4業種が上昇した。東証プライム市場の値下がり銘柄は全体の88%、対して値上がり銘柄は11%だった。値下がり寄与トップはソフトバンクG<9984>となり1銘柄で日経平均を約59円押し下げた。同2位は東エレク<8035>となり、ファーストリテ<9983>、ダイキン<6367>、アドバンテ<6857>、オリンパス<7733>、エムスリー<2413>などがつづいた。一方、値上がり寄与トップは東京海上<8766>となり1銘柄で日経平均を約3円押し上げた。同2位は千葉銀<8331>となり、三菱UFJ<8306>、日本郵政<6178>、コンコルディア<7186>、しずおかFG<5831>、MS&AD<8725>などがつづいた。*15:00現在日経平均株価  26568.03(-669.61)値上がり銘柄数  31(寄与度+20.46)値下がり銘柄数 193(寄与度-690.07)変わらず銘柄数  1○値上がり上位銘柄コード  銘柄       直近価格        前日比 寄与度<8766> 東京海上      2891.5         77.5 +3.98<8331> 千葉銀         914           48 +1.64<8306> 三菱UFJ     818.4         46.2 +1.58<6178> 日本郵政       1099           43 +1.47<7186> コンコルディア    526           38 +1.30<5831> しずおかFG     1011           38 +1.30<8725> MS&AD      4108          107 +1.10<8795> T&DHD      1789          152 +1.04<8316> 三井住友       4974          253 +0.87<8750> 第一生命HD     2885.5         248.5 +0.85<8354> ふくおか       2849          107 +0.73<8630> SOMPO         5761          105 +0.72<2871> ニチレイ       2800           37 +0.63<8309> 三住トラスト     4439          161 +0.55<8601> 大和証G        585           12 +0.41<9107> 川崎船         2725           40 +0.41<2002> 日清粉G       1540           11 +0.38<9531> 東瓦斯         2574           47 +0.32<2914> JT         2832.5          7.5 +0.26<8411> みずほ         1767         68.5 +0.23○値下がり上位銘柄コード  銘柄       直近価格        前日比 寄与度<9984> ソフトバンクG   5726         -292 -59.99<8035> 東エレク       41590         -1520 -52.05<9983> ファーストリテ   79200         -1500 -51.36<6367> ダイキン工     20705         -695 -23.80<6857> アドバンテス     9110         -280 -19.18<7733> オリンパス     2443.5        -132.5 -18.15<2413> エムスリー      3614         -215 -17.67<6954> ファナック     20090         -510 -17.46<4543> テルモ         3785         -109 -14.93<6758> ソニーG       10350         -395 -13.53<6988> 日東電         7890         -380 -13.01<4568> 第一三共       4317         -120 -12.33<4523> エーザイ       9038         -354 -12.12<7832> バンナムHD     8363         -347 -11.88<6098> リクルートHD   4091         -115 -11.81<6762> TDK         4535         -110 -11.30<7203> トヨタ自       1845          -65 -11.13<4063> 信越化        16920         -315 -10.79<6645> オムロン       6417         -310 -10.62<9613> NTTデータ     1917          -62 -10.62 <FA> 2022/12/20 16:27 注目トピックス 日本株 藤商事 Research Memo(10):SNSを活用したプロモーション実施も推進中 ■その他の取り組み1. CSRへの取り組み藤商事<6257>はエンターテインメントを通じて、持続可能な社会の実現に向けて主体的に取り組むとともに、ステークホルダーの期待を超える企業を目指すことをCSRの方針として掲げている。また、具体的な取り組み内容については、E(環境)、S(社会)、G(ガバナンス)の観点から以下のとおり推進している。(1) 環境循環型社会実現に向けた取り組みとしては、製品の開発段階から部材のリユースを見据えた製品づくりに取り組んでおり、ホールから回収した使用済み部品の一部を新機種の部品としてリユースすることで、廃棄物の削減を実現している。また、パチンコ遊技機では「サイドユニットシステム」、パチスロ遊技機では「分離筐体システム」を採用し、ホールでの機種入替の際に本体枠や筐体をそのまま残し、必要な部分のみを交換することで資源の有効利用と廃棄物削減に貢献している。省エネルギー化への取り組みとして、遊技機への節電モード※を搭載しているほか、すべての事業所でエコカーを導入、また、LED照明や省エネ性能の高い空調機を導入し、電力消費量削減に取り組むことで、地球温暖化対策としてのCO2排出量削減に貢献している。そのほか環境保全活動として、社内業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)を進めることで、ペーパーレス化を推進している。※遊技されない状態が一定時間続くと節電モードに切り替わる。(2) 社会遊技産業の健全な発展のため、法令を遵守した高品質遊技機の開発に取組んでいるほか、ファンに対してPSIO(遊技産業不正対策情報機構)やリカバリー・サポートネットワーク(パチンコ・パチスロ依存症問題の相談機関)に関する情報提供を通じて、遊技機の不正改造撲滅や依存症の抑制に取り組んでいる。また、法令遵守、共存共栄の観点のもと、サプライチェーンの取引先や新たな価値をともに創造する協力企業との連携を密にすることにより、パートナーシップのさらなる強化も図っている。従業員に対しては、1人ひとりが持てる能力を最大限に発揮できる職場環境づくりに努め、従業員の成長を通じて会社の発展を目指している。具体的には、フレックスタイム制度や時差出勤制度の導入、育児休業や有給休暇取得推奨などによるワークライフバランスの推進や、働きがいの向上と個人の成長を支援するための自己申告制度の導入、「ハラスメントに関する基本方針」の策定により、ハラスメントの無い職場環境づくりなどに取り組んでいる。地域社会への貢献については、各事業所周辺の清掃活動への参加等による地域の美化や環境保護に取り組んでいるほか、義援金の寄付やボランティア活動による災害支援活動などを行っている。(3) ガバナンス持続的な成長と中長期的な企業価値の創出を達成するため、コーポレート・ガバナンスの機能の充実が最重要課題と考えており、企業を取り巻く環境の変化に迅速かつ適切に対応するための経営上の組織体制や仕組みの整備、その他必要な施策を実施している。また、コンプライアンスやリスクマネジメントに対する取り組みについても強化している。2. ファン層拡大に向けた取り組み同社ではファンに向けた取り組みの一環として、イベント出展などを行っている。2019年度は8月に開催された「コミックマーケット96」、12月に開催された「コミックマーケット97」へのブース出展、9月に開催された日本電動式遊技機工業協同組合主催「パチスロサミット2019」への出展などを積極的に行った。2020年度はコロナ禍の影響でリアルのイベント開催が中止となったものの、SNSを活用したプロモーションを実施した。2021年度は日本遊技機工業組合とパチンコ・パチスロ生活向上委員会が主催する「みんなのパチンコフェスONLINE2021」に出展。同社にとっては初のオンラインイベントへの出展となった。2022年度についてもスマート遊技機の導入開始に向けて業界全体で各種イベントが実施されており、同社もファンに向けてイベントの様子や新機種の解説動画などをYouTubeチャンネルで公開している。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) <NS> 2022/12/20 16:10 注目トピックス 日本株 藤商事 Research Memo(9):業績及び配当性向を勘案し、安定配当を基本方針とする ■株主還元策藤商事<6257>は株主還元策として配当を実施している。安定配当を継続して行うことを基本方針としつつ、業績動向や配当性向などを総合的に勘案して配当額を決定する方針となっている。2023年3月期の1株当たり配当金については前期と同額の50円(配当性向93.3%)を予定している。年間配当支出金は11億円程度となるものの、手元キャッシュが230億円超と潤沢で配当余力は大きく、問題のない水準と言える。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) <NS> 2022/12/20 16:09 注目トピックス 日本株 藤商事 Research Memo(8):稼働力の高い新機種開発とスマート遊技機の投入によりシェア拡大を目指す ■今後の見通し3. 重点施策コロナ禍を契機としたパチンコホールの閉店・休止の流れが続いており、市場環境は依然として厳しい状況だが、次世代遊技機となるスマートパチンコ/スマートパチスロ機の導入が起爆剤となってホールへの客足が戻り、市場が再び活性化するとの期待が高まってきている。藤商事<6257>ではこうした激変する環境のなかで、2023年3月期をリスタートの1年と位置づけ成長に向けた施策に取り組んでいる。重点施策としては、前述した原価低減施策や採算性を重視した価格戦略に加えて、「稼働力の向上」を掲げている。稼働力の高い機種を継続的に市場に投入できれば、パチンコホールからの発注台数も増加し、市場シェアも拡大していくことになる。同社では、徹底した遊技者目線と市場ニーズの変化を的確に捉えながら、斬新なアイデアを取り入れることで魅力的な機種を開発し、「稼働力の向上」を図っていく。同社は2019年より全国のパチンコホールを訪問して、競合メーカーの機種比較も含めて綿密な分析を行い、開発部門に市場のニーズや改善点などをフィードバックすることで、新機種の開発に活かしてきた。改善項目は、音や映像の表現方法から玉の出方、ハンドルの形状に至るまですべて洗い出し、新機種の開発に反映させている。こうした取り組みの成果が、2021年3月期から投入した新機種に反映されており、「Pとある」シリーズのロングヒットにつながったと弊社では見ている。2023年3月期に投入されたパチンコ遊技機やパチスロ遊技機の稼働力も概ね想定どおりであり、開発プロセス見直しの成果が出ているものと考えられる。現在、取り組んでいる設計及び部材の見直しによるコスト低減効果についても、2023年以降顕在化してくるものと見られる。商品戦略としては従来の「ホラー」「時代劇」「萌え」ジャンルに加えて、「アニメ」ジャンルの育成に注力している。各ジャンルで柱となるコンテンツを育成することが、販売台数の増加と安定した収益基盤の確立につながるためだ。特に、パチンコホールでは若年層の取り込みが課題となっており、キラーコンテンツとして若者に人気の高い「アニメ」ジャンルで主力機種を複数育てることができれば市場シェアも拡大していくものと予想される。2024年3月期に投入するスマートパチンコ/スマートパチスロ機については、販売実績のある主力タイトルで勝負するものと見られ、その動向が注目される。同社ではパチンコ遊技機の市場シェアについて現状の1ケタ台後半の水準から10%超えを目指している。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) <NS> 2022/12/20 16:08

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