注目トピックス 日本株ニュース一覧

注目トピックス 日本株 コーセル---大幅反落、第1四半期営業減益決算をマイナス視 コーセル<6905>は大幅反落。先週末に第1四半期の決算を発表、営業利益は7.8億円で前年同期比0.4%減益となっている。原材料費の上昇、人件費や経費の増加などが響いたもよう。もともと上半期は同9.0%の減益予想であったが、前四半期は4四半期ぶりの増益転換を果たしていたこともあり、再度のモメンタム低下をネガティブ視する動きが先行へ。なお、第1四半期は受注高も前年同期比で2ケタ減少となっている。 <ST> 2022/09/20 10:21 注目トピックス 日本株 今週のマーケット展望「日経平均予想は27300~28000円」~マネックス証券チーフ・ストラテジスト広木隆氏(山崎みほ) 皆さま、こんにちは、フィスコマーケットレポーター山崎みほの「マネックス証券の気になるレポート」です。各地で台風の影響が大きかった3連休でしたが、東京をはじめ、まだ雨風が強い地域も多いようです。引きつづき、安全第一で過ごしていきましょう!さて、マネックス証券の「メールマガジン新潮流」が、9月20日に配信されました。そのなかから今回は、同証券のチーフ・ストラテジスト、広木隆氏のレポート「今週のマーケット展望」の内容をご紹介いたします。まず広木さんは、『中央銀行ウィークの今週、日本はシルバーウィークでもあり3日の立ち合い日となる』とした上で、『台風14号の影響も警戒されるなか、FOMCの結果待ちで、20-21日は様子見姿勢が強く動意薄となるだろう。問題はFOMCの結果を受けた米国市場の反応に左右される22日だ』と言及しています。その背景について、まず『翌日からまた3連休とあって、その日もポジションは大きく取れない。米国株が仮に下げたとしても、それに追随して売ったまま3連休を迎えられるか?米国市場はその木曜の夜も次の金曜日も取引がある。CPIショックで相当売り込まれてきた後だけにFOMCがネガティブ・サプライズとなって売られたとしても短期で巻き戻る可能性は十分ある』と見解を述べています。さらに、『そもそも今回のFOMCでの75bpsの利上げは完全に織り込み済み。パウエル議長のタカ派姿勢も、ドットチャートで政策金利の上限引き上げも織り込み済みだろう。サプライズの要素はあまりないように思われる。材料出尽くしで6月の時のように米国株相場は反発する可能性もある』としつつ、『しかし、それにも追随できないのは同じだ。短期で反発しても持続性には疑問符がつくからだ』と説明しています。『結局のところ、よほど大きな波乱がない限り、今週の東京市場は「動けない」一週間となるだろう』と、広木さんはみているようです。また、『今回同様、CPIショックからのFOMCという流れだった6月を振り返ると、実際に75bpsの利上げが決まると、事前に織り込み済みだったこともあり材料出尽くしで株式相場は反発した。ところがその直後、スイス国立銀行が15年ぶりの利上げを行ったことが市場に衝撃を与え波乱の展開となった』と振り返り、『今回、スイス国立銀行も利上げを行い、マイナス金利政策を脱すると見られている。そうなれば日銀だけが世界で唯一のマイナス金利政策をとる中央銀行となり、キャリートレードが活性化して円安が進む可能性が高い』と示唆しています。そして、『円安はメリット・デメリット両面あるが、差し引きすれば日本株にはプラス要因であり、すでに活況を呈しているインバウンド関連株などが一段と買われる展開も想定される。グローバルで見て日本株は相対的に優位な状況にある』と考察しています。最後に、『ゴールデンウイークの飛び石連休の狭間の立ち合い日が意外に堅調なのは、日本が休場中の海外の動向を反映できないからポジションが取れず、結果、売りも引っ込んで「閑散に売りなし」の状況になるからだ』として、『今回のシルバーウィークの3日間も同様に、意外に堅調な相場となるのではないか』とまとめています。参考にしてみてくださいね。山崎みほの「気になるレポート」はマネックス証券の「メールマガジン新潮流」に掲載されたレポートを山崎みほの見解で注目し、コメントしています。レポート発行人との見解とは異なる場合があります。詳細は発行人のレポートをご確認くださいね。フィスコマーケットレポーター 山崎みほ <FA> 2022/09/20 10:12 注目トピックス 日本株 アドバンスクリエイト---福岡証券取引所本則市場に上場 アドバンスクリエイト<8798>は14日、福岡証券取引所の承認を受け、28日に福岡証券取引所本則市場に上場することを発表。同日以降、東京証券取引所プライム市場及び福岡証券取引所本則市場の二市場にて、同社の株式売買が可能となる。同社は、九州地区での知名度を高め、「保険市場福岡コンサルティングプラザ」での営業活動を強化し、同地区の採用活動を積極的に実施し、九州経済に貢献していく。 <ST> 2022/09/20 09:57 注目トピックス 日本株 【IPO】eWeLL<5038>---初値は3910円(公開価格1700円) eWeLL<5038>の初値は公開価格の約2.3倍となる3910円となった。初値形成時の出来高は84万1800株だった。 <CN> 2022/09/20 09:03 注目トピックス 日本株 サイジニア---レビュー・口コミ・Q&Aエンジン「ZETA VOICE」、坂善商事の公式通販サイト『サカゼン』に導入 サイジニア<6031>は20日、ZETA株式会社が提供するレビュー・口コミ・Q&Aエンジンである「ZETA VOICE」が、坂善商事の運営する公式通販サイト『サカゼン』にて導入されたことを発表。同社は「ZETA VOICE」の提供により、『サカゼン』に、レビュー機能実装でユーザーの利便性向上をサポートしていくとしている。「ZETA VOICE」は、投稿者の「身長」「性別」といったパーソナル情報や「購入サイズ」「いつも着ているサイズ」などの購入条件を参考にすることができ、購買検討中のユーザーの意思決定を後押し、ユーザーの購入条件に合わせて関連性の高いレビューを参照することが可能なサービスである。 <ST> 2022/09/20 08:45 注目トピックス 日本株 扶桑化学、キリンHD◆今日のフィスコ注目銘柄◆ 扶桑化学<4368>2023年3月期業績予想の修正を発表。売上高は662億円から685億円、営業利益を156.5億円から171.0億円に上方修正した。ライフサイエンス事業は、円安による円換算後の売上高増加の影響はあるものの、果実酸類の国内販売が減少しているため、売上高は計画を下回る見込みである。一方で電子材料および機能性化学品事業は、旺盛な半導体需要により超高純度コロイダルシリカの販売が好調に推移しており、売上高は計画を大きく上回る見込み。キリンHD<2503>8月31日につけた2305.5円をピークに調整を継続し25日線を割り込んだものの、切り上がる75日線が支持線として機能している。一目均衡表では雲上限が支持線として意識されているほか、遅行スパンは実線と交錯しているものの、もち合いレンジ内での推移であり、上方シグナル発生へのハードルは低い。 <FA> 2022/09/20 08:34 注目トピックス 日本株 ADR日本株ランキング~ファーストリテなど全般堅調、シカゴは大阪比140円高の27490円~ ADR(米国預託証券)の日本株は、ファーストリテ<9983>、任天堂<7974>、デンソー<6902>、HOYA<7741>、オリンパス<7733>、富士フイルム<4901>、富士通<6702>、TDK<6762>、エーザイ<4523>、日東電<6988>など、対東証比較(1ドル143.25円換算)で全般堅調。シカゴ日経225先物清算値は大阪比140円高の27490円。米国株式市場は反発。ダウ平均は197.26ドル高の31019.68ドル、ナスダックは86.62ポイント高の11535.02で取引を終了した。連邦公開市場委員会(FOMC)控えた長期金利の上昇を警戒した売りに、寄り付き後、下落。バイデン大統領がパンデミック終了を宣言したほか、中国の成都市での新型コロナ抑制の都市封鎖が解除される方針がプラス材料となり、上昇に転じた。引けにかけて、FOMCでの大幅利上げは織り込み済みとの見方が強まったほか、売り持ち手仕舞の買戻しも巻き込み、上げ幅を拡大し終了。19日のニューヨーク外為市場でドル・円は、143円64銭まで上昇後、143円18銭まで反落し、143円22銭で引けた。バイデン米大統領が景気後退を回避するとしたほか、20、21日に開催予定している連邦公開市場委員会(FOMC)での3会合連続での0.75%利上げを織り込み金利上昇に伴うドル買いが強まった。その後、米9月NAHB住宅市場指数が予想以上に低下したためドル買いが後退。ユーロ・ドルは0.9976ドルまで弱含んだのち、1.0022ドルまで上昇し、引けた。デコス・スペイン中銀総裁が経済を守るために緩やかな利上げを支持する姿勢を示したほか、独連銀も「ドイツ経済はすでに縮小している」との見解を示したことがユーロ売りに繋がった。NY原油先物11月限は小幅高(NYMEX原油11月限終値:85.36 ↑0.60)。■ADR上昇率上位銘柄(19日)<7733> オリンパス 21.84ドル 3129円 (128円) +4.27%<6976> 太陽電 118.98ドル 4261円 (106円) +2.55%<6361> 荏原 17.91ドル 5131円 (111円) +2.21%<8411> みずほFG 2.37ドル 1698円 (33円) +1.98%<2802> 味の素 28.31ドル 4055円 (77円) +1.94%■ADR下落率下位銘柄(19日)<6770> アルプス 16.49ドル 1181円 (-30円) -2.48%<8309> 三井トラスト 2.96ドル 4240円 (-103円) -2.37%<4911> 資生堂 35.53ドル 5090円 (-94円) -1.81%<7731> ニコン 10.03ドル 1437円 (-24円) -1.64%<6753> シャープ 1.62ドル 928円 (-15円) -1.59%■その他ADR銘柄(19日)<1925> 大和ハウス 21.59ドル 3093円 (-19円)<1928> 積水ハウス 17.44ドル 2498円 (-4円)<2503> キリン 15.64ドル 2240円 (30.5円)<2802> 味の素 28.31ドル 4055円 (77円)<3402> 東レ 10.83ドル 776円 (8.3円)<3407> 旭化成 14.08ドル 1008円 (-1.5円)<4523> エーザイ 42.3ドル 6059円 (51円)<4704> トレンド 55.97ドル 8018円 (8円)<4901> 富士フイルム 48.14ドル 6896円 (36円)<4911> 資生堂 35.53ドル 5090円 (-94円)<5108> ブリヂストン 17.53ドル 5022円 (-7円)<5201> AGC 6.73ドル 4821円 (41円)<5802> 住友電 11.39ドル 1632円 (27円)<6301> コマツ 19.73ドル 2826円 (19円)<6503> 三菱電 19.05ドル 1364円 (-4円)<6645> オムロン 48.36ドル 6928円 (33円)<6702> 富士通 22.3ドル 15972円 (72円)<6723> ルネサス 4.57ドル 1309円 (10円)<6758> ソニーG 72.48ドル 10383円 (-27円)<6762> TDK 34.89ドル 4998円 (33円)<6902> デンソー 25.67ドル 7354円 (54円)<6954> ファナック 15.08ドル 21602円 (-18円)<6988> 日東電 30.34ドル 8692円 (62円)<7201> 日産自 7.55ドル 541円 (1.8円)<7202> いすゞ 12.43ドル 1781円 (3円)<7203> トヨタ 141.45ドル 2026円 (-4.5円)<7267> ホンダ 24.84ドル 3558円 (33円)<7270> SUBARU 8.91ドル 2553円 (27.5円)<7733> オリンパス 21.84ドル 3129円 (128円)<7741> HOYA 102.74ドル 14718円 (68円)<7751> キヤノン 23.11ドル 3311円 (7円)<7974> 任天堂 53.45ドル 61254円 (164円)<8001> 伊藤忠 52.62ドル 3769円 (-4円)<8002> 丸紅 97.38ドル 1395円 (5.5円)<8031> 三井物 461ドル 3302円 (21円)<8053> 住友商 13.64ドル 1955円 (3円)<8267> イオン 18.75ドル 2686円 (-1.5円)<8306> 三菱UFJ 5.07ドル 726円 (-5.3円)<8309> 三井トラスト 2.96ドル 4240円 (-103円)<8316> 三井住友 6.09ドル 4362円 (12円)<8411> みずほFG 2.37ドル 1698円 (33円)<8591> オリックス 79.44ドル 2276円 (0円)<8604> 野村HD 3.47ドル 497円 (-7.7円)<8766> 東京海上HD 54.5ドル 7807円 (-44円)<8802> 菱地所 13.66ドル 1957円 (-17.5円)<9202> ANA 3.86ドル 2761円 (-21円)<9432> NTT 26.96ドル 3862円 (17円)<9735> セコム 14.75ドル 8452円 (11円)<9983> ファーストリテイ 57.08ドル 81767円 (397円)<9984> ソフトバンクG 19.03ドル 5452円 (-6円) <ST> 2022/09/20 07:34 注目トピックス 日本株 前日に動いた銘柄 part2 トレードワークス、サイバー・バズ、ANYCOLORなど 銘柄名<コード>16日終値⇒前日比川崎汽船<9107> 7630 -410米フェデックスの下振れ決算などマイナス視も。KLab<3656> 419 -1916日は個人投資家のマインド悪化映す展開へ。レーザーテック<6920> 17515 -865米SOX指数下落に連れ安も。三菱UFJ<8306> 731.3 +7.7米金融関連株上昇で銀行株が堅調。日立金属<5486> 2174 +12中国当局がベインの株式取得を承認と。SGホールディングス<9143> 2136 -15引き続き株式売出による需給懸念で。トレードワークス<3997> 1105 +101高水準の自社株買いによる需給改善期待で。リード<6982> 723 +100アニールレス技術の特許権取得を引き続き材料視。幸和製作所<7807> 778 +94自社株買い実施による需給改善を期待。アマテイ<5952> 131 +6「木割れ最強釘」開発などと伝わっている。フジタコーポ<3370> 338 +46特に材料なくマネーゲーム。ビジョナリーホールディングス<9263> 198 +12第1四半期の収益急改善を引き続き評価ムトー精工<7927> 530 -82通期最終損益下方修正で配当計画も引き下げ。アサカ理研<5724> 1749 -179都市鉱山関連として15日急伸の反動。不二硝子<5212> 1353 -148ワクチン関連として連日急伸の反動。神栄<3004> 873 -92不二硝子と同様にワクチン関連として連日の急伸の反動。アルマード<4932> 1358 -17725日線割れから手仕舞い売りが優勢に。トミタ電機<6898> 6370 -8703連休控えて短期資金の換金売りも。Kudan<4425> 2440 -66自律走行ロボット(AMR)向け Visual SLAM ソフトウェアのROSパッケージ『KdVisual2 ROS for AMR』を提供開始と発表。フレアス<7062> 756 +2月次業績を発表、8月の売上高は前年同月比7%増。フェニックスバイオ<6190> 645 -13TransCure bioServices SAS との業務提携に向けた基本合意書締結。ハイブリッドテク<4260> 839 +54スタートアップ支援プロジェクトでカスタマイズ絵本のえほんインク選定。サイバー・バズ<7069> 1524 +300オンライントークのWithLIVEを完全子会社化、取得価額6億円。エスユーエス<6554> 869 +3522年9月期の期末配当予想を増額修正、特別配当含む15円に。PKSHA<3993> 1844 -5022日付で東証スタンダード市場に市場変更へ。HANATOUR<6561> 2007 -22直近好調だった旅行やインバウンド関連は週末要因もあって16日は利食い優勢。東京通信<7359> 1374 -137ひとまず思惑買いが解消される格好との指摘。ANYCOLOR<5032> 10910 +1500株価は連日の急伸で節目の10000円を突破。 <FA> 2022/09/20 07:32 注目トピックス 日本株 前日に動いた銘柄 part1 HOUSEI、M&Aキャピタルパートナーズ、鳥貴族HDなど 銘柄名<コード>16日終値⇒前日比ファイバーゲート<9450> 961 +34株価は成長性を評価不足として国内証券が買い推奨。藤久HD<7135> 647 +46株主優待制度拡充とプライム市場上場維持基準の適合に向けた計画書発表。ビーイングHD<9145> 1898 +588月の営業収益18%増。HOUSEI <5035> 928 +150顔パスでのセキュリティ解除実現。AppBank<6177> 169 -2015日大幅高の反動安。アクシージア<4936> 1246 +1221月4日につけた年初来高値を上回り先高期待高まる。M&Aキャピタルパートナーズ<6080> 4095 +695業績上方修正で2ケタ増益見通しに。ギフトHD<9279> 3940 +480第3四半期好決算への評価が続く。伊予銀行<8385> 711 +53金利上昇期待で地銀の一角も高い。アルヒ<7198> 1407 +90SBIHDグループ会社のTOB実施を引き続き期待材料視。スノーピーク<7816> 2213 +1198月月次売上2ケタ増回復で先行き懸念後退。鳥貴族HD<3193> 2504 +163「やきとり大吉」の買収発表を引き続き好材料視。ふくおか<8354> 2650 +108国内長期金利の先高観測なども強まり。F&LC<3563> 2489 +84当面の底打ち感強まる中でリバウンド期待が継続か。リゾートトラスト<4681> 2403 +50SMBC日興証券では目標株価を引き上げ。アスクル<2678> 1620 -227第1四半期は営業減益決算に。ブイキューブ<3681> 1077 -169ジクウとの販売提携手掛かりに15日にかけ上昇も。ダブル・スコープ<6619> 2479 -500子会社WCPの公募価格が下振れとの報道をネガティブ材料視も。恵和<4251> 3795 -390新規材料観測されないが25日線割れで見切り売り加速。エニグモ<3665> 526 -3815日は決算受けてあく抜け感が先行したが。オイシックス・ラ・大地<3182> 1771 -106シダックスではTOBへの反対を維持。gumi<3903> 923 -64目先の上値到達感など広がる形か。ヤーマン<6630> 1229 -87引き続き決算をネガティブ視する動きが継続。国際紙パルプ商事<9274> 675 -58節目の700円レベルを割り込む動きとなり。アイスタイル<3660> 549 -46連休控えて短期資金の見切り売りが優勢。三井ハイテック<6966> 7630 -57015日には決算説明会開催のもようだが。ギフティ<4449> 2345 -157高値圏で利食い売りが集まる形にも。メルカリ<4385> 2185 -136米長期金利上昇などで中小型グロース株は軟化。 <FA> 2022/09/20 07:15 注目トピックス 日本株 前日に動いた銘柄 part2 トレードワークス、サイバー・バズ、ANYCOLORなど 銘柄名<コード>16日終値⇒前日比川崎汽船<9107> 7630 -410米フェデックスの下振れ決算などマイナス視も。KLab<3656> 419 -1916日は個人投資家のマインド悪化映す展開へ。レーザーテック<6920> 17515 -865米SOX指数下落に連れ安も。三菱UFJ<8306> 731.3 +7.7米金融関連株上昇で銀行株が堅調。日立金属<5486> 2174 +12中国当局がベインの株式取得を承認と。SGホールディングス<9143> 2136 -15引き続き株式売出による需給懸念で。トレードワークス<3997> 1105 +101高水準の自社株買いによる需給改善期待で。リード<6982> 723 +100アニールレス技術の特許権取得を引き続き材料視。幸和製作所<7807> 778 +94自社株買い実施による需給改善を期待。アマテイ<5952> 131 +6「木割れ最強釘」開発などと伝わっている。フジタコーポ<3370> 338 +46特に材料なくマネーゲーム。ビジョナリーホールディングス<9263> 198 +12第1四半期の収益急改善を引き続き評価ムトー精工<7927> 530 -82通期最終損益下方修正で配当計画も引き下げ。アサカ理研<5724> 1749 -179都市鉱山関連として15日急伸の反動。不二硝子<5212> 1353 -148ワクチン関連として連日急伸の反動。神栄<3004> 873 -92不二硝子と同様にワクチン関連として連日の急伸の反動。アルマード<4932> 1358 -17725日線割れから手仕舞い売りが優勢に。トミタ電機<6898> 6370 -8703連休控えて短期資金の換金売りも。Kudan<4425> 2440 -66自律走行ロボット(AMR)向け Visual SLAM ソフトウェアのROSパッケージ『KdVisual2 ROS for AMR』を提供開始と発表。フレアス<7062> 756 +2月次業績を発表、8月の売上高は前年同月比7%増。フェニックスバイオ<6190> 645 -13TransCure bioServices SAS との業務提携に向けた基本合意書締結。ハイブリッドテク<4260> 839 +54スタートアップ支援プロジェクトでカスタマイズ絵本のえほんインク選定。サイバー・バズ<7069> 1524 +300オンライントークのWithLIVEを完全子会社化、取得価額6億円。エスユーエス<6554> 869 +3522年9月期の期末配当予想を増額修正、特別配当含む15円に。PKSHA<3993> 1844 -5022日付で東証スタンダード市場に市場変更へ。HANATOUR<6561> 2007 -22直近好調だった旅行やインバウンド関連は週末要因もあって16日は利食い優勢。東京通信<7359> 1374 -137ひとまず思惑買いが解消される格好との指摘。ANYCOLOR<5032> 10910 +1500株価は連日の急伸で節目の10000円を突破。 <FA> 2022/09/17 07:32 注目トピックス 日本株 前日に動いた銘柄 part1 HOUSEI、M&Aキャピタルパートナーズ、鳥貴族HDなど 銘柄名<コード>16日終値⇒前日比ファイバーゲート<9450> 961 +34株価は成長性を評価不足として国内証券が買い推奨。藤久HD<7135> 647 +46株主優待制度拡充とプライム市場上場維持基準の適合に向けた計画書発表。ビーイングHD<9145> 1898 +588月の営業収益18%増。HOUSEI <5035> 928 +150顔パスでのセキュリティ解除実現。AppBank<6177> 169 -2015日大幅高の反動安。アクシージア<4936> 1246 +1221月4日につけた年初来高値を上回り先高期待高まる。M&Aキャピタルパートナーズ<6080> 4095 +695業績上方修正で2ケタ増益見通しに。ギフトHD<9279> 3940 +480第3四半期好決算への評価が続く。伊予銀行<8385> 711 +53金利上昇期待で地銀の一角も高い。アルヒ<7198> 1407 +90SBIHDグループ会社のTOB実施を引き続き期待材料視。スノーピーク<7816> 2213 +1198月月次売上2ケタ増回復で先行き懸念後退。鳥貴族HD<3193> 2504 +163「やきとり大吉」の買収発表を引き続き好材料視。ふくおか<8354> 2650 +108国内長期金利の先高観測なども強まり。F&LC<3563> 2489 +84当面の底打ち感強まる中でリバウンド期待が継続か。リゾートトラスト<4681> 2403 +50SMBC日興証券では目標株価を引き上げ。アスクル<2678> 1620 -227第1四半期は営業減益決算に。ブイキューブ<3681> 1077 -169ジクウとの販売提携手掛かりに15日にかけ上昇も。ダブル・スコープ<6619> 2479 -500子会社WCPの公募価格が下振れとの報道をネガティブ材料視も。恵和<4251> 3795 -390新規材料観測されないが25日線割れで見切り売り加速。エニグモ<3665> 526 -3815日は決算受けてあく抜け感が先行したが。オイシックス・ラ・大地<3182> 1771 -106シダックスではTOBへの反対を維持。gumi<3903> 923 -64目先の上値到達感など広がる形か。ヤーマン<6630> 1229 -87引き続き決算をネガティブ視する動きが継続。国際紙パルプ商事<9274> 675 -58節目の700円レベルを割り込む動きとなり。アイスタイル<3660> 549 -46連休控えて短期資金の見切り売りが優勢。三井ハイテック<6966> 7630 -57015日には決算説明会開催のもようだが。ギフティ<4449> 2345 -157高値圏で利食い売りが集まる形にも。メルカリ<4385> 2185 -136米長期金利上昇などで中小型グロース株は軟化。 <FA> 2022/09/17 07:15 注目トピックス 日本株 16日大引け時点の日経平均構成銘柄の騰落数は、値上がり79銘柄、値下がり146銘柄、変わらず0銘柄となった。 16日大引け時点の日経平均構成銘柄の騰落数は、値上がり79銘柄、値下がり146銘柄、変わらず0銘柄となった。日経平均は反落。15日の米株式市場でダウ平均は173ドル安と反落。長期金利の上昇でハイテク株が売られたほか、過剰な利上げによる景気後退を懸念した売りが続いた。ナスダック総合指数は-1.42%と大幅反落。米国市場の流れを引き継いで東京市場でもハイテク株を中心に売りが先行し、日経平均は244.52円安からスタート。また、米物流大手フェデックスが発表した6-8月期の暫定決算が予想を大幅に下回り、時間外取引の米株価指数先物が下落していたことで売りが膨らみ、午前中ごろには27525.68円(350.23円安)まで下落。心理的な節目を手前に下げ渋ったものの、アジア市況も軟調に推移するなか、国内3連休を控えた手仕舞い売りが優勢で、その後は安値圏でのもみ合いが続いた。午前に中国で発表された8月小売売上高と8月鉱工業生産は揃って予想を上回ったが、市場の反応は限られた。大引けの日経平均は前日比308.26円安の27567.65円となった。東証プライム市場の売買高は14億1756万株、売買代金は3兆4048億円だった。セクターでは海運、鉱業、電気機器が下落率上位となった一方、銀行、電気・ガス、保険が上昇率上位となった。東証プライム市場の値下がり銘柄は全体の67%、対して値上がり銘柄は30%だった。値下がり寄与トップは東エレク<8035>となり1銘柄で日経平均を約65円押し下げた。同2位はファーストリテ<9983>となり、アドバンテ<6857>、TDK<6762>、トレンド<4704>、日東電<6988>、ファナック<6954>などがつづいた。一方、値上がり寄与トップはソフトバンクG<9984>となり1銘柄で日経平均を約4円押し上げた。同2位はエーザイ<4523>となり、花王<4452>、東京海上<8766>、協和キリン<4151>、資生堂<4911>、三井不<8801>などがつづいた。*15:00現在日経平均株価  27567.65(-308.26)値上がり銘柄数  79(寄与度+35.85)値下がり銘柄数 146(寄与度-344.11)変わらず銘柄数  0○値上がり上位銘柄コード  銘柄       直近価格        前日比 寄与度<9984> ソフトバンクG   5458           20 +4.22<4523> エーザイ       6008           65 +2.28<4452> 花王          6102           44 +1.55<8766> 東京海上       7851           84 +1.48<4151> 協和キリン      3250           40 +1.41<4911> 資生堂         5184           32 +1.12<8801> 三井不         2981           31 +1.09<8830> 住友不         3579           30 +1.05<8355> 静岡銀         852           29 +1.02<3382> 7&iHD      5951           26 +0.91<2502> アサヒ         4680           22 +0.77<8331> 千葉銀         786           22 +0.77<8354> ふくおか       2650          108 +0.76<7752> リコー         1139           21 +0.74<9009> 京成          4075           40 +0.70<4324> 電通グループ     4255           20 +0.70<8802> 三菱地所      1974.5         18.5 +0.65<1925> 大和ハウス      3112           18 +0.63<7912> 大日印         3030           35 +0.62<1928> 積水ハウス      2502           16 +0.56○値下がり上位銘柄コード  銘柄       直近価格        前日比 寄与度<8035> 東エレク       40910         -1850 -65.01<9983> ファーストリテ   81370         -1080 -37.95<6857> アドバンテス     7360         -250 -17.57<6762> TDK         4965         -135 -14.23<4704> トレンド       8010         -400 -14.06<6988> 日東電         8630         -370 -13.00<6954> ファナック     21620         -300 -10.54<4063> 信越化        15895         -290 -10.19<6098> リクルートHD   4398          -85 -8.96<2413> エムスリー      4434          -98 -8.27<9613> NTTデータ     1936          -44 -7.73<6861> キーエンス     50110         -1950 -6.85<9766> コナミG       6930         -190 -6.68<9433> KDDI       4296          -28 -5.90<3659> ネクソン       2588          -74 -5.20<6367> ダイキン工     24095         -145 -5.10<7974> 任天堂        61090         -1310 -4.60<4021> 日産化         6760         -130 -4.57<6971> 京セラ         7964          -61 -4.29<4901> 富士フイルム     6860         -115 -4.04 <FA> 2022/09/16 16:20 注目トピックス 日本株 ケアネット Research Memo(9):2022年12月期の配当金は1株当たり6.0円の配当を予定 ■株主還元策ケアネット<2150>は株主への利益還元を重要政策の1つと認識しており、適時配当を実施している。配当については各期の経営成績と事業への投資に備えるための内部留保の充実とのバランスを勘案しながら、安定配当を基本に決定する方針となっており、2021年12月期は1株当たり6.0円(配当性向15.7%)の配当を実施した。2022年12月期の配当についても6.0円の配当を予定しており、収益成長による企業価値の向上と配当金の増額により株主に報いていく方針を明確に示している。(執筆:フィスコ客員アナリスト 欠田耀介) <EY> 2022/09/16 16:09 注目トピックス 日本株 ケアネット Research Memo(8):アウトソース市場は将来的に3,000~4,000億円に拡大する見通し ■中期経営ビジョン2. 成長戦略(1) 医薬DX事業医薬DX事業を取り巻く市場環境については、今後も製薬企業がプロモーション施策をMRによる人海戦術からeプロモーションを組み合わせたハイブリッド型にシフトしていく流れが続く見通しであり、市場の構造転換によってeプロモーション市場は高成長が続くものとケアネット<2150>は予想している。同社資料から、国内MR数は2013年をピークに7年連続で減少しており、製薬企業各社を取り巻く事業環境が根本的に変わろうとしていることが読み取れる。同社はeプロモーションの市場規模について、現在の約500億円規模(製薬業界全体では1兆3,000~5,000億円)から、将来的にはハイブリッド型を含めたアウトソース市場として3,000~4,000億円と、全体の3~4割を占めるまでに成長すると見ている。なかでも今後新薬の開発が相次ぐスペシャリティ医薬品領域を中心にデジタルエンゲージメントを推進するサービスの提供を通じて、医薬DX市場の拡大をけん引するメインプレーヤーへの成長を目指す。スペシャリティ医薬品に関しては、プライマリー医薬品とは異なり、より精度の高い医療機関・医師のターゲティングが求められ、効果・安全面の理解のために専門医の研究・処方例に基づく知見と経験の共有が重視される傾向にある。このため、データサイエンスを強化するとともに質の高いオンラインカンファレンスや「MRPlus」、Web講演会などを行うためのプラットフォームを新たに構築する計画となっている。スペシャリティ医薬品領域の拡大に伴い、製薬企業のプロモーション費用構造は大きく変容し、社内費用(MR関連費)が減少とアウトソースへの切り替え拡大が予測される。しかし、製薬企業には、医薬品の適正使用推進に向け医薬品の品質・有効性・安全性に関する情報の提供・収集・伝達の義務がある。このため、MRの役割はスペシャリティ医薬品が処方される急性期病院を中心とした配置となり、DXの活用と併せてより効率的な情報活動に転換することが予想される。派遣MR(CSO)とeプロモーションの連携、融合(DX化)が進展することで、アウトソースサービスの競争力が向上し、市場はさらなる拡大を見込んでいる。医薬DX事業の競争環境としては、今後もエムスリーやメドピアなどが競合となることが予測されるが、医療系広告事業としての寡占的な競争環境とは異なるとしている。急激なMRの減少により、製薬業界が求めるものは広告から営業ソリューションにシフトしている。営業ソリューションは、広告と異なり住み分けが必然となるため、スピーディーで効率的なソリューションの提供により十分なシェアの獲得が期待できる。競合に対する同社の優位性としては、登録医師会員数で約20万人と業界屈指の基盤を確立していることや、医学教育コンテンツサービスを展開してきた成果として医師等から高い信頼性とブランド力を確立していること、また同社が有する医師との信頼関係を軸にインターネットと人が融合するハイブリッド型のDX支援サービスを展開できることなどが挙げられる。また、新たな事業環境では従前のスケールや、機能的なAI・データマネジメントのようなテクニカル面は競争優位性の核とはなり得ず、根源的な強みとなるのは医師の囲い込みであると同社は見ている。そのため、スピーディーかつ効率的な営業ソリューション、大学病院の教授クラスから専門医のトップクラスが魅力を感じる付加価値の提供へ注力することが最重要課題としている。(2) メディカルプラットフォーム事業コロナ禍の影響により診療所の経営支援ニーズが一層高まるなかで、同社は医師・医療機関に対してこれまで蓄積してきたノウハウを活用して、教育コンテンツサービスやキャリア支援サービスに加えて診療・経営の効率化につながるサービスを開発し、展開する予定だ。医療機関、特に診療所のDXは遅れており、DXサービスの潜在需要は大きいと見られる。今後の開発の方向性を診療所のケースで見ると、診療のオンライン予約やオンライン診断のほか、専門医によるオンライン相談、患者のモニタリングサービス、経営に関わる業務効率化支援サービスなどスマートクリニックの実現に向けたサービスラインナップを拡充する予定である。なお、新たに子会社化したアドメディカが運営する総合ヘルスケア専門メディア「Doctors Me」も同カテゴリーに入る。同メディアでは有料で専門医等に病気や症状についてオンラインで相談できるサービスを提供している。同社の優位性としては、5万人を超える診療所開業医の医師会員を有していることに加えて、診療所開業を目指す40代を中心とした病院勤務医の多くが同社の医療教育コンテンツを見て育ったため認知度とブランド力が高く、新規サービスを立ち上げる場合には効率的にプロモーションなども行える点が挙げられる。(3) ヘルスデータサイエンス事業ヘルスデータサイエンス事業では、産業医科大学ヘルスマネジメントシステムや東京海上ホールディングスとの提携により、健康管理のデータ分析・アルゴリズム開発を進める。同社が開発するメディカルプラットフォームと各社との取り組みによるサービスプログラムを連携し、企業も個人もともに健康にするプラットフォームを開発・提供していく。企業の定年延長に伴い企業及び健康保険組合の支出がさらに増加することが予想されるなかで、健康経営に取り組む企業はここ数年増加傾向にあり、健康経営に関する市場規模も拡大することが予想されている。こうしたなか、健康保険組合向けの医療費適正化支援サービスを行う企業はシステム・コンサルティングの両分野で増えているが、医療やヘルスケアの介入サービスと健康保険組合及び企業との連携はいまだ不十分であると同社では考えている。そこで、同社は戦略的提携を通じて健康データや診療データのビッグデータ分析・アルゴリズム開発を行い、同社が開発するメディカルプラットフォームと各社のサービスプログラムを連携することで、より効果的な健康管理のプラットフォームを開発・提供することを目指している。(執筆:フィスコ客員アナリスト 欠田耀介) <EY> 2022/09/16 16:08 注目トピックス 日本株 ケアネット Research Memo(7):2025年12月期に売上高300億円、営業利益100億円を目指す ■中期経営ビジョン1. 中期経営ビジョンの概要コロナ禍によって医療・製薬業界におけるDXが加速するなか、ケアネット<2150>は創業25年目となる2021年を「第二創業」と位置付け、今後の飛躍的な成長を目指すための中期経営ビジョンを2021年5月に発表した。経営数値目標としては、2025年12月期に売上高300億円、営業利益100億円を掲げた。5年間の年平均成長率は売上高で41%、営業利益で46%となる。収益成長を実現していくために必要となる「CareNet.com」の登録医師会員数は25万人に増やす計画だ。また、企業価値の継続的拡大に向けて、東証プライム市場への上場も目指す。経営理念として「デジタル時代のサステナブルな健康社会づくりに邁進」することを掲げ、現在の主力事業である医薬DX事業の成長に加えて、新規成長事業となるメディカルプラットフォーム事業・ヘルスデータサイエンス事業を育成することで高成長を目指す。同社では従来、製薬企業、医療機関をサービス対象としてきたが、経営理念に基づき今後はサービス対象領域を個人や企業/保険者まで広げていく。医薬DX事業に関しては、スペシャリティ医薬など最新の医薬品・医療技術の普及に向けて、製薬企業と医療機関をつなぐサービスをより強化する。また、メディカルプラットフォーム事業では、医療機関(医師)と患者をつなぐオンライン診断等のサービス開発を進め、医療機関のDXを支援する。ヘルスデータサイエンス事業では、1人ひとりの国民が最良の健康管理を行えるようなデータ分析に基づく疾病予防サービスのプラットフォームを東京海上ホールディングスなどとの戦略提携先と共同で開発し、健康経営に取り組む企業/保険者向けに提供するとしている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 欠田耀介) <EY> 2022/09/16 16:07 注目トピックス 日本株 ケアネット Research Memo(6):医薬DX事業の好調持続、2022年12月期の通期計画達成の蓋然性が高まる ■業績動向3. 2022年12月期の業績見通しケアネット<2150>の2022年12月期の連結業績は、売上高で前年同期比12.4%増の9,000百万円、営業利益で同2.2%増の2,589百万円、経常利益で同2.2%増の2,614百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同13.0%増の1,818百万円を見込んでいる。新型コロナウイルスの終息が見えず業績の見通しが立ちにくいことから、2021年度末時点で確度の高い数値のみを予想として開示している。既に着手している新規事業開発からの増収期待等は予想値に織り込んでいない。足元の受注状況は引き続き好調なことから、計画の実現可能性は高いと弊社では見ている。主力事業である医薬DX事業については、引き続き「MRPlus」、Web講演会等のeプロモーションサービスに対する需要が旺盛である。既存サービスの販売拡充、高付加価値サービス提供に注力し増収を見込む。同セグメントの売上高は、前述のとおり製薬企業の予算消化の動きに合わせ、第2四半期と第4四半期に売上の伸びが変わるという季節性が見られることから、2022年12月期においても第4四半期に大きく売上高が伸びるのではないかと弊社では見ている。メディカルプラットフォーム事業では、引き続き「CareNeTV」の売上増を見込んでいる。専門医試験対策シリーズの拡張や人気講師によるライブセミナー等、魅力的なコンテンツを揃えることで有料会員数のさらなる積み上げを図る。また、2022年12月期より、医師キャリア事業を連結グロース事業から、当セグメントに組み入れた。キャリア支援事業に加えて、病院の事業承継支援サービスのニーズも増えつつあり、ケアネットワークスデザインの収益増を見込んでいる。ここ数年クリニックを中心に医療機関で後継者不在の問題が顕在化しはじめており、こうした医療機関と新規開業を希望する医師をマッチングさせるサービスで、今後の成長が期待される。売上原価項目を含む費用面においては、前期に引き続きスペシャリティ医薬品に適したサービス・新規事業の開発投資及び人員強化を積極的に行う。また、最先端の技術を持ったベンチャー企業・医療機器・データサイエンス・デジタルヘルスケアを対象にした事業に対して、企業買収や戦略的提携、資本参加を積極的に進め、事業規模の拡大につなげる。同社の企業買収や戦略的提携は、すべて中期経営計画の達成に向けた施策であり高いレベルで関連している。急激な市場環境の変化に伴い、機会と課題が表裏一体の状況のなか、市販前の臨床試験から市販後の安全性調査まで支援サービスの幅を拡大する方針だ。また、YMGサポートを子会社化することにより、医師会員資産・インターネット情報提供技術等と医療機関・専門医のマネジメントノウハウ等とを融合し、治験段階からの製薬企業・病院との関係構築により後程のプロモーション受注拡大に寄与する見通しだ。コアヒューマンの子会社化においては、現在展開しているインターネットによる医薬品情報の提供サービスモデルに加えて、人とインターネットを融合したハイブリッドな情報提供モデルの構築を一段と推進していく。(執筆:フィスコ客員アナリスト 欠田耀介) <EY> 2022/09/16 16:06 注目トピックス 日本株 ケアネット Research Memo(5):医薬DX事業の高成長が続き、2022年12月期第2四半期累計業績は増収増益 ■業績動向1. 2022年12月期第2四半期累計業績の概要ケアネット<2150>の2022年12月期第2四半期累計(2022年1月~6月)の連結業績は、売上高は前年同期比12.0%増の4,274百万円、営業利益は同8.1%増の1,500百万円、経常利益は同7.5%増の1,504百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は4.6%増の998百万円と増収増益となった。同社の売上高の90%近くを占める医療DX事業においては、既存サービスの販売体制強化などの施策を推進し、製薬企業からの受注に支えられ売上高が伸長した。「CareNet.com」の登録医師会員数についても、2022年6月末で20.2万人と順調に増加した。コロナ禍により売上高を拡大した前年同期からさらに売上高を伸ばし、主力サービスである「MRPlus」の顧客企業数は70社を超え、Web講演会等の受注を含め堅調に推移した。メディカルプラットフォーム事業においては、連結グロース事業より組み入れたキャリア事業の成長に支えられ、売上高・営業利益とも大幅に伸長した。主力サービスである「CareNeTV」の有料会員数は6,497人と堅調な伸びを見せた。また、2022年8月に新規事業の開発を目的として、CSO事業(MR業務代行)において実績のあるコアヒューマン、SMO企業であるYMGサポートの子会社化に向けた株式取得で合意した。なお、収益認識に関する会計基準等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しているため、対前年同期比増減率は参考値である。四半期ベースの業績推移を見ると、2021年12月期第4四半期をピークに、2四半期連続で売上高が前四半期比で減少しているが、これは季節変動の影響によるもので、足元の受注状況からするとピークアウト感はない。同社の過去のトレンドを見ると、売上高は第2四半期が年間を通じて最も低くなり、第4四半期にピークを迎える季節性がある。2022年12月期も受注状況は堅調に推移しているが、例年の季節変動の範囲での動きとなり、第4四半期にピークを迎える動きが見られる。(1) 医薬DX事業医薬DX事業の売上高は前年同期比8.4%増の3,829百万円、営業利益は同4.5%増の1,937百万円となった。前述のとおりコロナ禍を背景に製薬企業からの「MRPlus」、Web講演会等のeプロモーション案件の受注が拡大したことが要因だ。「MRPlus」、Web講演会ともに増収率は同程度となった。顧客企業数についてはコロナ禍以前の50社台から70社を超えるまでに成長した。また、eプロモーションサービスの基盤となる「CareNet.com」の登録医師会員数についても、2022年6月末現在で20.2万人、前年同期比で4.7%増と順調に拡大し、製薬・医療業界においてDXが進んでいることがうかがえる。(2) メディカルプラットフォーム事業メディカルプラットフォーム事業の売上高は前年同期比56.3%増の444百万円、営業利益は同336.5%増の175百万円となった。医師キャリア事業の本セグメントへの組み入れにより大幅な増収増益となった。2022年6月末の「CareNeTV」有料会員数が6,497人、前年同期比で7.0%増と好調に推移した。新型コロナウイルス感染症関連の最新情報のコンテンツを充実したことや専門医試験対策等の人気シリーズの拡張を図ったことなどが会員数の増加につながったと見られる。なお、医師キャリア事業の本セグメント組み入れに伴い、前期比については、2021年12月期の実績に医師キャリア事業の売上高・営業利益を同社が計上し、弊社が算出したものである。業容拡大により強固な財務基盤を実現。短期・中長期の双方において懸念なし2. 財務状況と経営指標2022年12月期第2四半期末の総資産は前期末比41百万円減少の10,700百万円となった。主な変動要因を見ると、流動資産では現金及び預金が322百万円増加、売上債権が295百万円減少した。また、固定資産ではのれん14百万円、投資その他の資産が8百万円減少した。負債合計は前期末比711百万円減少の1,892百万円となった。主な変動要因を見ると、流動負債ではポイント引当金が128百万円増加し、買掛金が未払金28百万円、役員賞与引当金が234百万円減少した。また、固定負債では役員株式給付引当金が10百万円増加した。純資産は前期末比670百万円増加の8,808百万円となった。主な変動要因として、利益剰余金が660百万円の増加が挙げられる。経営指標を見ると、収益拡大や増資による純資産の増加によって自己資本比率が前期末の75.6%から82.1%に上昇した。純資産の増加に応じた収益を確保できない場合、ROEが低下するという側面が見られるが、足元の業績は引き続き増収増益基調で、中期経営計画の進捗状況も好調であることから懸念はないと考える。また、現金及び預金も70億円を超える水準まで積み上がるなど、収益拡大に伴って財務基盤も強化された。有利子負債比率は0.1%と実質無借金経営であり、財務の健全性は高いと弊社では考える。(執筆:フィスコ客員アナリスト 欠田耀介) <EY> 2022/09/16 16:05 注目トピックス 日本株 ケアネット Research Memo(4):日本の医療用医薬品市場規模は横ばい予想も、同市場構成の変化を見込む ■会社概要3. 市場環境ケアネット<2150>を巡る市場環境としては、医薬DX市場の拡大が最大のトピックスと言える。日本の医療用医薬品市場規模は将来にわたって横ばいの予想であるが、構成は大きく変化している。プライマリ領域医薬品※1の特許が切れ、スペシャリティ領域医薬品※2の開発・上市が進むにつれて同領域のシェアが拡大し、MR数の削減が進んだ。これには、スペシャリティ医薬品はプライマリ医薬品と比べ薬剤別の患者数が少なく、処方できる医療機関が限られる一方、提供すべき医薬品情報の専門性は高くなるため、プライマリ医薬品が主流の時代とは異なるeプロモーションが必要になってきたという背景がある。また、コロナ禍も市場環境を大きく変化させる要因の1つであり、MR数の削減加速化や営業拠点の統廃合が進んでいる。医師の行動も変容しており、インターネットでの医薬品情報収集が拡大し、会合もオンライン化が浸透しつつある。これにより、eプロモーションはMR補完を目的とした単なるネット広告の位置付けから、MR代替の手段へ変化した。※1 プライマリ領域医薬品:降圧剤等生活習慣病の治療薬などに用いられる大量生産を目的とした低分子化合物医薬品。※2 スペシャリティ領域医薬品:がんや希少疾患などの難治性疾患の治療に用いられる、バイオ医薬品等の先進技術により開発された医薬品。スペシャリティ医薬品のモダリティ※1は、多様化により高度に専門化しており、開発特化型のベンチャー(EBP※2)による研究開発が拡大をけん引している。日本においても開発パイプラインに占めるEBPの割合は拡大する見通しであり、EBPの台頭により営業・マーケティングプロセスを中心としたアウトソースはさらなる拡大が予想される。今後、スペシャリティ領域拡大に伴い、製薬企業のプロモーション費用構造は大きく変容する。製薬企業社内、アウトソースに関わらず、医薬品情報提供方法は「人とDXの融合」を通じて進化することから、同社は製薬企業プロモーション費用における医薬DX市場は、2030年には約3,000億円~4,000億円の規模に達すると見ている。※1 モダリティ:医薬品の創薬基盤技術の分類をいう。従来は低分子化合物が中心であったが、近年はバイオ医薬品等の新規モダリティが増加している。具体的には、分子標的薬で知られる抗体医薬品のほか、細胞治療、遺伝子治療、ペプチド医薬品、拡散医薬品等がある。※2 EBP:Emerging Biopharmaの略。年間売上高5億ドル未満かつ年間研究開発費2億ドル以下の企業を指す。(執筆:フィスコ客員アナリスト 欠田耀介) <EY> 2022/09/16 16:04 注目トピックス 日本株 ケアネット Research Memo(3):情報の信頼性、医師のカバー数、医師への伝達力において高い競争力を有する ■会社概要2. 事業内容ケアネット<2150>は企業理念として「デジタル時代のサステナブルな健康社会づくりに邁進します」を掲げている。事業セグメントは、今後成長が見込まれる連結子会社の経営成績等を明確にするために会社組織の変更を2022年12月期第1四半期に実施した。報告セグメントは、従来の医薬DX事業、メディカルプラットフォーム事業、連結グロース事業の3区分から、医薬DX事業、メディカルプラットフォーム事業の2区分に変更した。2022年12月期第2四半期累計の売上構成比で見ると、医薬DX事業が売上高、営業利益ともに、90%前後を占める主力事業となっている。(1) 医薬DX事業医薬DX事業は、製薬企業の営業・プロモーション活動をインターネットを活用して支援するサービス「MRPlus」、Web講演会のほか、2020年4月に事業取得したがん専門医向けに特化した情報発信プラットフォーム「がん@魅せ技」などが含まれる。「MRPlus」は、ターゲット医師に対して、医師が必要とする視点で作成した動画コンテンツを「CareNet.com」を通じて配信している。医師の反応を分析(コンテンツ視聴後にアンケートを実施・回収)するとともに、MR(医薬情報担当者)とのエンゲージメントの機会を創出するサービスで、クライアントは製薬企業となる。製薬企業の通常の営業活動は、MRが医師に面会し、様々な医薬情報を提供したうえで自社商品を販売する。そのため、医師のニーズを汲み取る必要があり、同サービスはそのための重要なツールとして機能する。「MRPlus」は動画コンテンツを視聴した医師と担当MRが情報交換できるプラットフォームであり、営業活動の生産性を向上するサービスとなる。情報配信先の医師は「CareNet.com」の登録会員であるため、同会員数を増やすことが「MRPlus」の価値を高めることにつながる。そのため、同社は「CareNet.com」のサービス品質向上に努めている。具体的には、医療関係者に役立つ医療コンテンツ(手技動画や患者指導、ガイドライン解説など)や海外論文、最新の医療ニュースなどから質の高いコンテンツを掲載している。2022年6月末の登録医師会員数は202千人と年々増加しており、国内における医師数(2020年末時点339千人)の6割弱をカバーする水準となっている。「MRPlus」のサービスは販促対象となる医薬品が抱える課題によって支援方法が異なるため、金額や契約形態は案件ごとに異なる。また、製薬企業のプロモーション活動費用が年後半に偏重する傾向にあることから、同サービスの売上高も第4四半期(10月~12月)が最も高くなる傾向にある。競合企業としてはエムスリー<2413>やメドピア<6095>のほか、最近は(株)日経BP(日経メディカルOnline)とも競合するケースが増えている。これら競合サイトのなかにおける「CareNet.com」の差別化要因は、コンテンツの高い専門性・品質である。そのほか、Web講演会も「MRPlus」と並ぶ主力サービスとなっている。多忙な医師が外出する必要なく、KOL(キー・オピニオンリーダー)のレクチャーを視聴することができるため、新規治療法などに関する情報を全国に迅速にとどけるソリューションとして、コロナ禍を契機として需要が急速に拡大している。20万人を超える医師会員基盤を持つ「CareNet.com」を通じて集客告知することで医師1人当たりの集客コストを抑えることが可能であるほか、配信ベンダーとのサービスパッケージ化によって、集客から配信、視聴/アンケートログ報告までをワンストップで提供できることが強みとなっており、コストパフォーマンスの高いプロモーション施策として製薬企業からの需要が増加している。「がん@魅せ技」は、臓器別がん治療において国内トップクラスの実績を持つKOLが自らの治療法を動画で公開しており、登録医師会員が視聴できるようになっている。ビジネスモデルは「MRPlus」とほぼ同様で、製薬会社を中心に、手術に使用する医療機器メーカー等もクライアントとなる。(2) メディカルプラットフォーム事業メディカルプラットフォーム事業では、医師や医療従事者に対する医療教育動画サービス「CareNeTV」が主力サービスとなっている。医療教育分野のプログラム数としては2,000を超えており、日本最大級のコンテンツを有していること、また、コンテンツの品質も高く、PCだけでなくスマートフォンやタブレット端末でも視聴が可能で利便性も高く、医療教育分野のコンテンツ配信サービスとしては圧倒的なポジションを築いている。料金プランは月額課金方式(月額5,500円)とPPV方式(330円~)の2通りとなるが、大半は月額課金方式による収入となっている。2022年6月末の有料会員数は6,497人と年々増加しており、特に2020年以降は新型コロナウイルス感染症関連の最新情報コンテンツを充実させたこともあり、増加ペースが加速している。売上高についても、2021年12期で7期連続増収増益を達成した。直近2期は前期比40%超の成長を実現している。そのほか、教育コンテンツのDVD販売なども手掛けている。また、後述の連結グロース事業の廃止に伴い、医師向けキャリア支援事業を行う(株)ケアネットワークスデザインが組み入れられている。(3) 連結グロース事業連結グロース事業は、2022年12月期第1四半期より報告セグメントを廃止した。従来においては、今後成長が見込まれる連結子会社の経営成績等の明確化を目的に区分管理していたが、前期において一定規模までの成長が確認できたことから、グループ一体として事業の開発、営業を推進する方針とした。その結果、連結グロース事業の報告セグメントを廃止し、各連結子会社を、医薬DX事業・メディカルプラットフォーム事業のいずれかの報告セグメントへ組み入れた。具体的には、連結子会社6社のうち営業活動を行っている5社について、(株)SC-Labo、(株)アスクレピア、ヘルスケアコンサルティング、アドメディカの4社を医薬DX事業に、ケアネットワークスデザインをメディカルプラットフォーム事業にそれぞれ組入を実施した。(執筆:フィスコ客員アナリスト 欠田耀介) <EY> 2022/09/16 16:03 注目トピックス 日本株 ケアネット Research Memo(2):事業のDX化、人とインターネットを融合した情報提供モデルの構築を推進する ■会社概要1. 会社沿革ケアネット<2150>は医師向けの医療情報の提供を目的に、1996年7月に現 代表取締役会長兼最高経営責任者(CEO)の大野元泰(おおのもとやす)氏らによって設立された。当初は衛星通信放送「スカパー!」にて「ケアネットTV・メディカルCh.」を放送していたが、2000年よりインターネットを使った医師(医療従事者含む)向けの無料会員制サイト「クラブ・ケアネット」(現「CareNet.com」)を開設し、同サイトの会員を基盤としてインターネットを活用した製薬企業向けサービスへと展開した。2000年10月にはマーケティング調査サービスを、2001年11月には現在の主力サービスとなる医薬営業支援サービスを開始し、その後業績を拡大した。2014年以降は国内外企業との提携も活発に進めて既存サービスを強化するとともに、新規サービスの開発・育成にも注力している。なお、マーケティング調査サービスは2014年12月にマクロミル<3978>との合弁で設立した(株)マクロミルケアネット(2016年12月期に株式を一部売却し、非持分法適用関連会社となる)に事業移管した。2017年3月には取締役で最高執行責任者(COO)であった藤井勝博(ふじいかつひろ)氏が代表取締役社長兼最高執行責任者(COO)に就任した。経営体制としては従前と大きく変わらないが、代表取締役会長となった大野氏は主に海外案件やM&Aなどの対外折衝を担当する。2018年5月には(株)メディカルインキュベータジャパンとベンチャー企業投資に関する業務提携を締結し、両社が中心となって製薬・医療機器メーカーの臨床開発から販売までのプロセスをトータルで支援するコンソーシアム「SSI(Successful Support for Innovator)」を設立した。2020年以降は、成長戦略として新規事業開発のための子会社を相次いで設立したほか、戦略的提携やM&Aを積極化している。M&Aでは2020年4月に(株)フェーズワンから手技動画メディア「がん@魅せ技」運営事業を取得したほか、2021年2月に病気・健康に関する相談ができる総合ヘルスケアメディア「Doctors Me」を運営する(株)アドメディカを子会社化した。また、ヘルスデータサイエンス事業の開発に向けて、産業医科大学ヘルスマネジメントシステムや東京海上ホールディングス、メディカル・データ・ビジョン<3902>と戦略的提携を2020年に締結した。2021年11月には、二松学舎大学国際政治経済学部の准教授である小久保欣哉氏との共同出資により、(株)ヘルスケアコンサルティングを設立した。ヘルスケア・ライフサイエンス領域のRWDやQOL・PRO、PHRデータなどのあらゆる医療ビッグデータを分析し、戦略的なエビデンスを創出することを目的として、新たに事業を開始した。2022年8月には、SMO企業であるYMGサポートを子会社化することで合意し、同社が有する医師会員資産・インターネット情報提供技術等とYMGサポートが有する医療機関・専門医のマネジメントノウハウ等とを融合することにより、事業のDXを加速する。また、同月にCSO事業(MR業務代行)において実績のあるコアヒューマンの株式を取得し、子会社化することで合意した。これにより現在展開しているインターネットによる医薬品情報の提供サービスモデルに加えて、人とインターネットを融合したハイブリッドな情報提供モデルの構築を進める。(執筆:フィスコ客員アナリスト 欠田耀介) <EY> 2022/09/16 16:02 注目トピックス 日本株 ケアネット Research Memo(1):2022年12月期第2四半期は著しい伸びを見せた前期からさらなる成長を実現 ■要約ケアネット<2150>は、インターネットを活用した製薬企業向けマーケティング支援サービスとなる医薬DX事業を主力事業として展開している。具体的には、医師・医療従事者向けに様々な医療情報を無料で提供するWebサイト「CareNet.com」を運営し、同サイトに登録した会員の属性やニーズなどを収集して、製薬企業に対して医薬品のマーケティング活動支援を行うサービス「MRPlus」を展開している。1. 2022年12月期第2四半期累計業績の概要2022年12月期第2四半期累計(2022年1月~6月)の連結業績は、売上高は前年同期比12.0%増の4,274百万円、営業利益は同8.1%増の1,500百万円、経常利益は同7.5%増の1,504百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は4.6%増の998百万円と増収増益となった。医療DX事業においては、製薬企業からの受注に支えられ、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)により売上高を拡大した前年同期からさらに売上高を伸ばし、Web講演会等の受注を含め堅調に推移した。メディカルプラットフォーム事業においては、連結グロース事業より組み入れたキャリア事業の成長に支えられ、売上高・営業利益とも大幅に伸長した。また、2022年8月に新規事業の開発を目的として、CSO事業(MR業務代行)において実績のあるコアヒューマン(株)、SMO企業であるYMGサポート(株)の子会社化に向けた株式取得で合意した。なお、収益認識に関する会計基準等を第1四半期連結会計期間の期首より適用しているため、対前年同期比増減率は参考値である。2. 2022年12月期の業績見通し2022年12月期の連結業績は、売上高で前年同期比12.4%増の9,000百万円、営業利益で同2.2%増の2,589百万円、経常利益で同2.2%増の2,614百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同13.0%増の1,818百万円としている。医薬DX事業においては、既存サービスの販売拡充、高付加価値サービス提供、製薬企業向けオウンドサイト支援の新規参画に注力し、増収を見込む。メディカルプラットフォーム事業においては、「CareNeTV」「ケアネットDVD」をはじめとする医療コンテンツの質の向上及び生涯学習コンテンツの拡充を図り、新規会員を獲得することにより売上高の拡大をねらう。売上原価項目を含む費用面においては、前期に引き続きスペシャリティ医薬品に適したサービス・新規事業の開発投資及び人員強化を積極的に行う。また、最先端の技術を持ったベンチャー企業・医療機器・データサイエンス・デジタルヘルスケアを対象にした事業に対して、企業買収や戦略的提携、資本参加を積極的に進め、事業規模の拡大につなげる。足元の受注状況は引き続き好調なことから、通期計画の実現可能性は高いと弊社では見ている。3. 中期経営ビジョンについて同社は2021年5月に、今後5年間の中期経営ビジョンを発表した。主力の医薬DX事業のさらなる成長に加えて、新規成長事業としてメディカルプラットフォーム事業・ヘルスデータサイエンス事業を育成することで、2025年12月期に売上高300億円、営業利益100億円を目指す。年平均成長率は売上高で41%、営業利益で46%となる。製薬・医療業界においてDXが進行するなか、飛躍的な成長を実現する好機と見て、M&Aも含めて積極的な投資を実行する方針だ。医薬DX事業については、製薬業界のプロモーション施策においてインターネット活用が一段と進むと見ており、なかでも需要増加が見込まれるスペシャリティ医薬品領域に注力していくことで高成長を継続する方針だ。メディカルプラットフォーム事業では、クリニック向けにIT活用による診療・業務の効率化を支援するサービスを開発・育成していく。ヘルスデータサイエンス事業では、産業医科大学ヘルスマネジメントシステム(責)や東京海上ホールディングス<8766>との戦略的提携を通じて、職域を軸に健康管理のプログラムを開発する。そして、メディカルプラットフォームと連携することにより競争力のある健康プラットフォームサービスを提供していく。経営目標達成に必要となる資金調達については、第三者割当による新株予約権の発行により完了しており、スペシャリティ医薬品向けDXモデルの開発やデータサイエンス分野の強化に向けた開発投資・人材投資・M&A資金などに充当する予定だ。■Key Points・医薬DX事業の高成長が続き、2022年12月期第2四半期累計業績は増収増益の着地・2025年12月期に売上高300億円、営業利益100億円を目指す・eプロモーション市場を含むアウトソース市場は、将来的に3,000~4,000億円に拡大する見通し(執筆:フィスコ客員アナリスト 欠田耀介) <EY> 2022/09/16 16:01 注目トピックス 日本株 アンジェス Research Memo(9):遺伝子医薬のグローバルリーダーを目指す ■今後の成長戦略アンジェス<4563>は経営理念として、「治療法がない疾病分野や難病・希少疾患などを対象にした革新的な遺伝子医薬の開発・実用化を通じて、人々の健康と希望にあふれた暮らしの実現に貢献する」ことを掲げ、長期ビジョンとして「遺伝子医薬のグローバルリーダー」になることを目指している。黒字化の時期に関しては、開発パイプラインの進捗状況次第となる。特に、米国でHGF遺伝子治療用製品の開発に成功した場合には、数十億円規模のマイルストーン収入(既に受領した契約一時金含む)が得られる見通しとなっているため、その動向には注目しておきたい。Emendoを子会社化したことで中期的に研究開発費の増加が予想されるが、Emendoが開発を進めるパイプライン導出の可能性や、先進的なゲノム編集ツール「OMNI プラットフォーム」のライセンスフィーを獲得できる可能性も出てきている。今後の成長戦略としては、グローバル化に向けた組織強化や人財育成、並びに技術プラットフォームの深化と拡大に取り組みながら、1)「コラテジェン(R)」の製品価値最大化、2)パイプラインの継続的拡大、3)欧米を中心としたグローバル展開の推進、4)検査事業も含めた希少遺伝性疾患への取り組み強化などに注力し、企業価値の向上を目指していく方針だ。希少遺伝性疾患のスクリーニング検査事業を行うことで、希少遺伝性疾患領域での新たな開発品候補を見出し、Emendoの「OMNIプラットフォーム」を活用することで効果的な開発を進めていくことができれば、「遺伝子医薬のグローバルリーダーを目指す」と言う同社の長期ビジョンも実現に近づくものと考えられ、今後の動向が注目される。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) <SI> 2022/09/16 15:49 注目トピックス 日本株 アンジェス Research Memo(8):研究開発費の増加により2022年12月期第2四半期累計の営業損失はやや拡大 ■業績動向1. 2022年12月期第2四半期累計業績の概要アンジェス<4563>の2022年12月期第2四半期累計の売上高は前年同期比38.1%増の31百万円、営業損失は9,124百万円(前年同期は7,540百万円の損失)、経常損失は7,420百万円(同7,330百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失は7,425百万円(同7,450百万円の損失)となった。売上高については、「コラテジェン(R)」が前年同期比19百万円減の3百万円となったものの、2021年4月に開設したACRLにおけるオプショナルスクリーニング検査の手数料収入28百万円を計上したことが増収要因となった。「コラテジェン(R)」に関しては2021年までに田辺三菱製薬向けに一定量を出荷したことによる反動減となっている。売上原価は検査事業に関連した費用の増加により36百万円を計上した。研究開発費は6,617百万円と前年同期比1,655百万円増加した。新型コロナウイルス感染症ワクチンの臨床試験が完了したことにより、研究用材料費が同621百万円減少した一方で、新たな製造委託先に対する製造関連費用の計上により外注費が2,125百万円増加した。また、主にEmendoの研究開発人員増加により、給料手当が138百万円増加した。販管費は2,502百万円と前年同期比85百万円減少した。為替の円安進行によりEmendoののれん償却額が167百万円増加した一方で、支払手数料が同130百万円減少した。また、営業外収支は同1,494百万円改善した。円安の進行で為替差益が同1,223百万円増加したほか、補助金収入202百万円を計上した。2022年12月期も100億円規模の研究開発費を投下予定2. 2022年12月期の業績見通し2022年12月期の業績見通しは、臨床試験の進捗状況によって研究開発費が変動することや、営業外収益に計上している新型コロナウイルス感染症ワクチン開発に係る補助金収入の計上時期が流動的なことから非開示としており、合理的な算出が可能となり次第速やかに開示する方針としている。経営の指針としては、「新たな展開を考え、ますます発展、進化していく端緒となる年」にすることを目指しており、新型コロナウイルス感染症ワクチン及び治療薬を筆頭に、既存パイプラインの開発推進に取り組んでいく方針だ。子会社のEmendoでもELANE変異によるSCNを対象とした臨床試験開始に向けた取り組みを最優先課題として推進し、研究開発費については前期とほぼ同水準の100億円規模を投下していく予定だ。売上高については、「コラテジェン(R)」及びオプショナルスクリーニング検査の手数料収入が第3四半期以降もほぼ同水準で推移することが見込まれる。なお、新型コロナウイルス感染症ワクチンに係る補助金収入については、第2四半期末の前受金が5,764百万円となっており、最大で同額分を計上する可能性がある。手元キャッシュは130億円超と潤沢で当面の事業活動資金は確保3. 財務状況について2022年12月期第2四半期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比2,862百万円減少の42,592百万円となった。流動資産では、「コラテジェン(R)」の原薬製造に伴い原材料及び貯蔵品が446百万円増加した一方で、現金及び預金が4,687百万円減少したほか、新型コロナウイルス感染症ワクチンに関連した前渡金が1,161百万円減少した。固定資産では円安の進展に伴いのれんが2,775百万円増加した。負債は前期末比1,258百万円増加の8,079百万円となった。新型コロナウイルス感染症ワクチンの開発プロジェクトにかかる助成金の入金により前受金が644百万円増加したほか、新型コロナウイルス感染症ワクチンの製造関連費用計上により買掛金が804百万円増加した。純資産は前期末比4,121百万円減少の34,513百万円となった。親会社株主に帰属する四半期純損失7,425百万円を計上した一方で、主にのれんに係る為替変動の影響により為替換算調整勘定が3,316百万円増加した。2022年12月期第2四半期末の現金及び預金は13,211百万円と前期末より減少したものの、2022年12月期の事業活動資金については確保されているものと考えられる。2023年12月期以降は各開発パイプラインの進捗や導出状況等によるが、必要であれば新たな資金調達を検討していくものと見られる。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) <SI> 2022/09/16 15:48 注目トピックス 日本株 アンジェス Research Memo(7):新たに導入した「ゾキンヴィ」は販売承認申請に向けた準備を進める ■主要開発パイプラインの動向5. ゾキンヴィ2022年5月に米バイオ医薬品企業のアイガーと、希少遺伝性疾患で早老症とも呼ばれるHGPS、及びPLを適応症とした治療薬「ゾキンヴィ」について、日本における独占販売契約を締結した。今後、アンジェス<4563>が日本の薬事承認取得を担当し、承認取得後にアイガーから製品を仕入れて販売していくことになる。なお、契約一時金及び開発進捗に応じたマイルストーンの支払総額は最大150万米ドルとなっている。HGPS及びPLは、患者数が世界でも合わせて600人程度と極めて少ない致死性の高い遺伝的早老症のことで、HGPSはLMNA遺伝子の点突然変異により、ファルネシル化※された異常タンパク質であるプロジェリンが生成されることにより発症する。また、PLはLMNAやZMPSTE24遺伝子の変異によりプロジェリンとは異なるファルネシル化タンパク質を生成し老化を促進する。「ゾキンヴィ」はHGPSやプロセシング不全性早老性PLの小児及び若年成人において、核膜と強国な結合を形成するファルネシル化した欠陥タンパク質(細胞の不安定化と早期老化を惹起)の蓄積を阻害する作用を持つ。臨床試験の結果ではHGPS患者の死亡率を60%減少させ、平均生存期間を2.5年延長させることができたとしている。また、安全性についても多くのPL患者が10年以上にわたって「ゾキンヴィ」治療を継続しており、副作用も嘔吐、下痢、悪心等、その大半が軽度または中等度のものとなっている。2020年11月に米国で販売承認されたのに続き、2022年7月には欧州でも販売承認を取得していることから、国内でも承認される可能性は高いと見られる。※タンパク質に行われる修飾の一種。ファルネシル化により、タンパク質の末端には疎水性のプレニル基が結合する。末端が疎水性になったタンパク質は、その疎水性の部分を細胞膜内に挿入するため、タンパク質は細胞膜(細胞の内側)につなぎ留められる。つまり、ファルネシル化されたタンパク質は、細胞の内側の細胞膜上に存在するようになる。難病情報センターの資料によると日本におけるHGPSの患者数は10人弱と極めて少ないことから、薬事承認を得るために米国の臨床試験データを援用することにしている(同臨床試験には3人の日本人データが含まれる)。同社は過去にも希少遺伝性疾患であるムコ多糖症VI治療薬「ナグラザイム(R)」の独占販売契約を米BioMarin Pharmaceutical Inc.と2006年12月に締結し、販売してきた実績がある(契約解消に伴い2019年12月期第2四半期で販売終了)。当時の経緯を辿ると販売契約締結後、2007年6月にオーファン・ドラッグ※指定を受け、同年8月に米国での臨床試験データを援用して販売承認申請を行い、2008年3月にスピード承認されている。「ゾキンヴィ」についても、有効な治療法がなく死亡リスクの高い疾患(平均寿命14.5歳)のため、同様の手順で販売承認を取得していくものと予想される。※オーファン・ドラッグは希少疾病用医薬品のことで、指定基準としては患者数が5万人未満と少なく、治療法が未だ確立されておらず代替する医薬品がないこと、またはすでにある治療薬に対して非常に高い有効性または安全性が期待される医薬品であることなどが挙げられる。オーファン・ドラッグ指定を受けると、研究開発費用の助成金が交付されるほか、優先審査を受けることが可能となる。なお、売上規模に関しては薬価や投与患者数次第ではあるものの、米国での販売価格を参考にすれば「ナグラザイム(R)」と同等かやや上回る規模になると見られる(「ナグラザイム(R)」のピーク時売上高は2018年12月期382百万円)。また、同社は薬事承認取得と並行して、新生児のオプショナルスクリーニングを行うACRLで、HGPSやPLの検査を実施する準備を進めていくことにしている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) <SI> 2022/09/16 15:47 注目トピックス 日本株 アンジェス Research Memo(6):NF-κBデコイオリゴDNAは2022年内に開発方針を固める予定 ■アンジェス<4563>の主要開発パイプラインの動向3. NF-κBデコイオリゴDNANF-κBデコイオリゴDNAは、人工核酸により遺伝子の働きを制御する「核酸医薬」の一種で、生体内で免疫・炎症反応を担う「転写因子NF-κB」に対する特異的な阻害剤となる。主にNF-κBの活性化による過剰な免疫・炎症反応を原因とする疾患の治療薬として、研究開発を進めている。● 椎間板性腰痛症(注射投与)椎間板性腰痛症の患部にNF-κBデコイオリゴDNA(開発コードAMG0103)を注射投与することによって、慢性腰痛に対する鎮痛効果とともに、椎間板変性に対する進行抑制や修復を促す効果が期待される。新タイプの腰痛治療薬として2018年2月より米国で後期第1相臨床試験(25症例)を実施し、全症例の投与後12ヶ月間におけるトップラインデータを2021年4月に発表した。発表資料によれば、12ヶ月間の観察期間を通じて重篤な有害事象は認められず高い安全性が確認されたこと、有効性についても投与早期に腰痛が大幅に軽減し、腰痛の抑制効果も投与12ヶ月後まで継続したことが確認されたとしている。また、患者自身からも高い満足度が得られており、良好な結果が得られたものと同社では評価している。治験責任医師からも、「AMG0103は素晴らしい安全性プロファイルを有し、12ヶ月にわたり腰痛を有意に軽減しており、慢性椎間板性腰痛症に苦しむ患者に対して画期的治療薬となる可能性があると考えています。さらに、腰痛の軽減に加えて、椎間板の高さを回復させる可能性が示唆されたことは注目に値します。」とのコメントを得ている。現在、慢性椎間板性腰痛症に関しては、一般療法としてステロイド注射(対処療法)が使用されることが多いが、同治療薬との比較においても同等以上の効果が得られたとしている。ステロイドが一時的な対処療法であるのに対してAMG0103は炎症を抑制する効果があり、その結果として腰痛の症状が改善することが理由と考えられる。椎間板性腰痛症は慢性的な腰痛疾患で特に中高年層に多く、米国の患者数は577万人程度と見られている。米国では治療法として椎間板内注射が一般的であり、手技に習熟している医師も多くAMG0103の導入が進む環境は整っている。ただ、価格面を考えると鎮痛効果だけでは既存治療法と差別化が難しいため、椎間板変性に対する進行抑制効果や修復促進効果などが今後の臨床試験で確認できれば開発成功に向けて大きく前進するものと思われる。現在、FDAと第2相臨床試験のプロトコルについて協議を進めている状況にあるが、トップラインデータの発表を受けて国内外の製薬企業からの注目度も高まっており、ライセンス契約等の交渉も同時並行で進めている。第2相臨床試験では米国だけでなく欧州や日本での実施も新たな検討項目として上がっているもようで、第2相臨床試験の開始前にライセンス契約が決まる可能性も出てきている。ただ、まだ症例数も少ないことから、第2相臨床試験を実施しさらなるデータを蓄積したうえで契約交渉に臨む可能性が高いと弊社では見ている。なお、AMG0103の開発に成功すれば、慢性椎間板性腰痛症に使用される世界初の核酸医薬品となる可能性がある。高血圧DNAワクチンは改良も選択肢に入れ、今後の開発方針を2022年内に決定する方針4. 高血圧DNAワクチンプラスミドDNA製法を用いたワクチンの1つとして、高血圧症を対象としたDNAワクチン(AGMG0201)の開発を進めている。同ワクチンは大阪大学の森下竜一(もりしたりゅういち)教授の研究チームにより基本技術が開発されたもので、血圧の昇圧作用を有する生理活性物質アンジオテンシンIIに対する抗体の産生を誘導し、アンジオテンシンIIの作用を減弱させることで長期間安定した降圧作用を発揮するワクチンとなる。現在販売されている主な高血圧治療薬としてはARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬(経口薬))があるものの、毎日服用する必要があるため、長期的に見た患者1人当たりの治療コストは高くなる。このため、発展途上国では医療経済上の問題から使用が限定的となっている。同社が開発するDNAワクチンは既存薬よりも高薬価になると想定されるが、薬効の持続期間次第ではトータルの治療コストが既存治療薬を下回る可能性もある。同社は2018年4月よりオーストラリアで安全性と有効性を評価する第1相/前期第2相臨床試験(症例数24例)を開始し、2020年3月にすべての患者への投与を完了した。同試験結果については、2021年10月17日付でHypertension Researchに論文として掲載された。要旨としては、安全性に問題がなく、DNAワクチンを投与した患者では、特に高用量群で抗アンジオテンシンII抗体の産生が多く認められ、全体として同ワクチンに対する忍容性は良好であるとの結果であった。ただ、抗体価については被験者ごとでバラつきがあり、今後分析する必要があるとしており、血圧降下作用といった有効性についても別の形でデータをまとめていく予定にしている。同社では、抗体の産生量を増やすために、投与量をさらに増量して臨床試験を実施するなど、今後の開発方針について2022年内までに決定する意向を示している。いずれにしても第1相/前期第2相臨床試験を再度実施する可能性が高い。なお、高血圧DNAワクチンに関しては2020年6月に日本で、7月に米国でそれぞれ製剤特許及び用途特許を取得している。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) <SI> 2022/09/16 15:46 注目トピックス 日本株 アンジェス Research Memo(5):HGF遺伝子治療用製品「安静時疼痛」の適応追加向け国内開発は中止を決定 ■アンジェス<4563>の主要開発パイプラインの動向2. HGF遺伝子治療用製品DNAHGF遺伝子治療用製品は血管新生作用の効果を活用して、閉塞性動脈硬化症のなかでも症状が進行した慢性動脈閉塞症向け治療薬として開発が進められてきた。慢性動脈閉塞症とは、血管が閉塞することによって血流が止まり、組織が潰瘍・壊疽を起こして最終的に下肢切断を余儀なくされることもある重篤な疾患である。治療法としてはカテーテル治療や血管バイパス手術などが行われているが、手術ができない状態になっているケースも多く、新たな治療法の開発が望まれていた。HGF遺伝子治療用製品は、血管が詰まっている部位周辺に注射投与することによって新たな血管を作り出し、血流回復によって潰瘍の改善や安静時疼痛の緩和といった症状の改善を図るというもの。国内では2019年3月に、「標準的な薬物治療の効果が不十分で、血行再建術の施行が困難な慢性動脈閉塞症における潰瘍の改善」を効能、効果または性能として、条件及び期限付販売承認を取得し※、同年9月より「コラテジェン(R)筋注用4mg」として提携先の田辺三菱製薬を通じて販売を開始した。用法は、虚血部位に対して筋肉内投与を4週間間隔で2回行い(4mg/回)、症状が残存する場合には4週間後に3回目の投与を行うことも可能となっている(薬価は約61万円/1瓶(4mg))。※本承認の条件は、承認日から5年以内に、1)重症化した慢性動脈閉塞症に関する十分な知識・治療経験を持つ医師のもとで、創傷管理を複数診療科で連携して実施している施設で本品を使用すること、2)条件及び期限付承認後に改めて行う本品の製造販売承認申請までの期間中は、本品を使用する症例全例を対象として製造販売後承認条件評価を行うこと、の2項となる。条件及び期限付承認となるため、製造販売後承認条件評価を実施することになっており、5年以内に120症例のデータを収集し、非投与群(プラセボ)80症例との比較を行い、同結果をもって本承認の申請を行うことになる。現在の進捗状況について見ると、2021年末に患者登録が完了しており、1年間の経過観察期間を経てデータを収集、評価・分析を行うことになる。2023年前半頃に判明する結果が良好であれば本申請を行い、2024年の本承認取得を目指すことになる。なお、市販後調査についてはデータの集積を目的に今後も継続していく予定となっている。また、慢性動脈閉塞症の「安静時疼痛」の適応追加を目的に国内で実施してきた第3相臨床試験については、2021年12月に目標症例数40例の投与を完了し、データの整理・分析を進めてきた結果、主要評価項目である二重盲検試験期(ステージ1)において12週後の安静時疼痛の投与前からの変化量において、プラセボ群に対して有意差が得られなかったことから、開発中止を決定した(2022年9月7日付発表)。同社では適応追加により製品価値を高めたうえで薬価の引き上げを目指していたが、今回の開発中止により薬価引き上げの可能性は薄まったと言えよう。国内では「潰瘍の改善」を効果、効能として本承認を取得し、販売拡大を目指していくことになる。国内の慢性動脈閉塞症の患者数は約80万人だが、このうち「コラテジェン(R)」が現在使用可能な患者数※は0.5~2万人程度と同社では推計している。※投与対象肢の動脈に閉塞又は狭窄部位が認められ、かつ潰瘍を有していること(平均10cm程度、最大約30cmまで)。血行再建術の適応が困難なこと。既存の内科的治療や処置による症状改善が認められないこと。血行動態の指標が一定水準以下であること等。一方、米国では2020年2月より後期第2相臨床試験がスタートしている。2019年6月に閉塞性動脈硬化症のうち、包括的高度慢性下肢虚血についてのグローバル治療指針※が公表され、同治療指針を踏まえて下肢切断リスクの低いステージ1~2の患者を対象に臨床試験を進めている。国内の臨床試験は症状が比較的重い患者が対象であったが、米国では軽度な患者を対象としているのが特徴だ。主要評価項目は「潰瘍の改善」と「血流の改善」としており、治験プロトコルはHGF遺伝子治療用製品またはプラセボを4週間の間隔を置いて4回投与するというもの。被験者を4mg/回、8mg/回、プラセボの3群に分けて各20症例のデータを収集する(観察期間は12ヶ月間)。※グローバル治療指針(Global Vascular Guidelines;GVG):包括的高度慢性下肢虚血(CLTI:Chronic limb-threatening ischemia)の初期段階から適切な治療マネージメントを提供することで患者のQOLの向上を図ることを推奨している。本ガイドラインでは臨床ステージを4段階(clinical stage1~4)に分け、それぞれのステージにおける治療方針が示されており、今回の試験では下肢切断リスクの低いclinical stage1と2を対象としている。このステージの患者には、まず潰瘍の治療を考慮することがガイドラインで推奨されており、該当する患者数は閉塞性動脈硬化症患者778万人のうちの約60%を占めると専門家は指摘している。米国の臨床試験の進捗状況も順調のようで、2022年内に被験者登録を完了し、2024年に試験結果を発表するスケジュールに変わりない。試験結果が良好であれば、RMAT※指定制度を用いて早期承認を目指すことも選択肢の1つとして考えているようだ。米国における閉塞性動脈硬化症の患者数は日本と比べて格段に多いだけに、今後の開発動向が注目される。※RMAT(Regenerative Medicine Advanced Therapy):重篤な疾患を開発対象とした再生医療の先端治療法で、臨床試験で一定の効果を示したものに対する指定制度。RMAT指定を受けた品目は優先審査と迅速承認の機会を得ることができる。そのほか、2019年2月にイスラエルのKamadaとイスラエルを対象国とした導出(独占的販売権許諾)に関する基本合意書を締結しており、現在はKamadaが規制当局と協議を進めるなど申請準備段階にある。また、2020年10月にはスペシャルティ薬(特定疾患専門薬)を扱うトルコのEr-Kimと、トルコでの導出に関する基本合意書を締結したことを発表している。今後、Er-Kimが薬事承認を取得後に独占販売権を締結し、販売、マーケティング、現地での医療活動に関する役割を担っていくことになる。薬事承認に先立って、Named Patient Program※を活用したトルコでの販売を開始する予定にしている。※Named Patient Programとは、特定の患者に代わって、医師からの要求に応じて、人道的見地から当該国での未承認の医薬品を提供するプログラムのこと。同プログラムに申請して承認されれば、患者は後期段階の臨床試験中の薬や他国で既に承認済みの薬の提供を受けることが可能となる。なお、「コラテジェン(R)」の販売承認を条件付きながらも国内で得られたことで、国内初の遺伝子治療用製品となっただけでなく、世界初のプラスミド(DNA分子)製品及びHGF実用化製品、末梢血管を新生する治療用製品、循環器医療領域での治療用製品となり、遺伝子医薬のグローバルリーダーを目指す同社にとっては大きな第一歩を踏み出したものと評価される。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) <SI> 2022/09/16 15:45 注目トピックス 日本株 アンジェス Research Memo(4):新型コロナウイルス感染症(武漢型)ワクチンの開発中止を発表 ■主要開発パイプラインの動向アンジェス<4563>の主要開発パイプラインには、新型コロナウイルス感染症に対するDNAワクチン及び治療薬、HGF遺伝子治療用製品、NF-κBデコイオリゴDNA、高血圧DNAワクチン等がある。各パイプラインの概要と進捗状況、今後の開発方針は以下のとおり。1. 新型コロナウイルス感染症予防ワクチン及び治療薬(1) 新型コロナウイルス感染症ワクチン同社は2022年9月7日付で新型コロナウイルス感染症(武漢型)向けDNAワクチンの開発中止と合わせて、変異株(オミクロンBA.5等)に対する改良型DNAワクチン並びにその経鼻投与製剤についての研究開始を発表した。新型コロナウイルス感染症(武漢型)向けDNAワクチンについては、2020年3月より初期のワクチンの非臨床試験を開始し、第2/3相臨床試験まで開発を進めてきたが、2021年11月に初期のワクチンでは期待通りの効果を上げることが難しいとの判断に至り、2021年8月より初期のワクチンの薬剤濃度を上げた高容量製剤(以下、高容量製剤)を用いた第1/2相臨床試験を進めてきた。同試験に関する最終結果はまだ確定していないが、速報データにより初期のワクチンよりも免疫原性は増強したものの、筋肉内接種群と皮内接種群のいずれにおいても主要評価項目である「12週後のSARS-CoV-2のシュードウイルスに対する中和活性、及び12週後のSARS-CoV-2スバイク(S)糖タンパク質特異的抗体価」が期待する水準に達しなかったことが明らかとなったため、高容量製剤を含む初期のワクチンの開発中止を決定したとしている。なお、初期のワクチンの開発中止により、これまで共同研究に参画してきた大阪大学及びタカラバイオ、ダイセル、EPSグループ、ファンペップ、新日本科学等との初期のワクチンに関する共同研究も終了している。一方で、これまでの研究開発の知見を生かして、プラスミド※の発現効率や導入効率の向上等、プラットフォームの見直しを行い、将来発生する可能性のある新たな変異株への対応も視野に入れ、安全でより効果の高い経鼻投与による改良型DNAワクチンの研究を開始することを決定しており、当面はオミクロン株の最新変異株(BA.5等)に対して有効なワクチンの研究開発を進めていくことにしている。経鼻投与製剤の研究開発を行うため、米スタンフォード大学医学部と共同研究契約も締結した。同大学が開発した「Gold-Nanostar Octopod」技術に着目し、同技術を活用して開発を進めていくことになる。同大学が同技術を用いて作製した経鼻投与ワクチン(武漢型の遺伝子配列を持つプラスミドDNA)でマウス実験を実施したところ、ワクチン投与後に血清中の抗体(IgG、IgA、IgM)上昇が確認されたほか、β株等の変異株に対しても中和活性を示したこと、組織学的な検討によりリンパ節・脾臓においてスパイクタンパク質に対する細胞性免疫反応、液性免疫反応が確認されたことなどから、同技術を用いて研究開発を行う価値はあると判断した。なお、共同研究の期間としてはおおむね3年程度、研究費は約3百万ドルを見込んでいる。※プラスミド(plasmid)とは、大腸菌などの細菌や酵母の核外に存在し、細胞分裂によって娘細胞へ引き継がれるDNA分子の総称。一般的に環状の2本鎖構造を取り、染色体のDNAからは独立して複製を行う。その独立した遺伝子複製機構から、遺伝子組み換え操作のベクターとして創薬などで利用されている。このプラスミドを大腸菌に導入し、大腸菌の大量培養により目的のDNAを増幅する。プラスミド製法では、HGF遺伝子治療用製品「コラテジェン(R)」が上市済みであり、製法そのものについての安全性は確認されている。なお、今まで実施してきた初期のワクチンの研究開発費用については、国の補助金等で賄われてきた。具体的には、AMEDが2020年5月に公募した「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチン開発」に採択され、研究開発費20億円(直接経費、研究開発期間:2020年6月−2021年3月)の支援を受けたほか、厚生労働省が公募した「令和2年度ワクチン生産体制等緊急整備事業」にも同年8月に採択され、約93億円の交付金(事業期間:2020年8月−2022年3月)を受けて、タカラバイオ<4974>が中心となって大規模生産体制の構築を進めてきた。さらに、AMEDが公募した「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチン開発」(2次公募、研究開発予定期間:2020−2021年度目途)にも同年8月に採択されている(金額は非開示)。一方、改良型DNAワクチンと経鼻投与製剤の研究費用は、当面の間は手元資金で充当していく予定にしており、研究開発の進捗を見極めながら資金の検討を行っていくことにしている。これら採択を受けた補助金については入金がすべて完了しており、その一部は営業外収益として2021年12月期に1,399百万円、2022年12月期第2四半期累計に118百万円を補助金収入として計上している。残りの金額については前受金として貸借対照表の流動負債に計上されており、2022年12月期第2四半期末時点で5,764百万円となっている。今後、開発プロジェクトの実績報告書を関係当局に提出し、監査・承認を経て補助金等の金額が確定(補助金収入として計上)することになる。関係当局の年度末が3月のため、残額分の一部は2023年12月期に計上時期がずれ込む可能性もある。国内でのワクチンは現状、ファイザー等の外資系企業からの調達に頼っているが、国産ワクチンの開発は必要との政府の方針のもと、2022年3月にワクチン開発推進の司令塔となる「先進的研究開発戦略センター(SCARDA)」が発足した。基礎研究から実用化に向けた開発までの戦略的な研究を国策として推進し、ワクチンの国産化を目指しており、ワクチンの開発ニーズが引き続き強い状況に変わりないことから、同社でも研究開発を継続していく方針だ。(2) 新型コロナウイルス感染症治療薬「AV-001」の開発状況カナダのVasomuneとの共同開発品である「AV-001」(Tie2受容体アゴニスト化合物)※は、もともと2018年より全世界を対象に急性呼吸不全など血管の不全を原因とする疾患を対象とした医薬品として共同開発を進めてきたものだが、中等度から重度の新型コロナウイルス感染症肺炎患者向けの治療薬としても効果があると判断し、2020年より米国で臨床試験を開始したものとなる。※同社は2018年7月にVasomuneと、急性呼吸不全など血管の不全を原因とする疾患を対象とした「AV-001」の全世界を対象とした共同開発契約を締結した。開発費用と将来の収益を折半し、また、同社がVasomuneに対して契約一時金及び開発の進捗に応じたマイルストーンを支払う契約となっている。急性呼吸窮迫症候群の患者数は米国だけで26万人いる。肺炎患者は、ウイルスの影響でTie2受容体の働きが抑制されることにより肺の血管機能が壊れ、肺胞に浸出液が入り込むことで肺炎を発症する。「AV-001」はTie2受容体の働きを活性化させる効果があり、これによって血管機能が正常化し肺胞に浸出液が入り込まなくなることで、炎症を沈静化させるメカニズムとなる。開発状況は、2022年1月より米国で前期第2相臨床試験を開始しており、今のところ順調に登録が進んでいる(目標症例数は約120例)。ただ、新型コロナウイルス感染症の変異株に関しては重症化するケースも少なくなってきており、また、肺炎による呼吸不全を起こす患者数も減少傾向にあることから、同社では今後の開発方針を再検討していくことにしている。なお、「AV-001」の開発にあたっては、米国及びカナダの政府関係機関からVasomuneが助成金を獲得しており、開発費負担分に応じて同社もVasomuneから補助金の一部を受領している。2022年12月期第2四半期累計では補助金収入として84百万円(2021年12月期は100百万円)を営業外収益として計上した。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) <SI> 2022/09/16 15:44 注目トピックス 日本株 アンジェス Research Memo(3):Emendoで臨床開発とライセンス契約締結を目指す ■アンジェス<4563>のEmendoBioの開発状況1. ゲノム編集とOMNIプラットフォームの特徴ゲノム編集とは、特定の塩基配列(ターゲット配列)のみを切断するDNA切断酵素(ヌクレアーゼ)を利用して、思い通りに遺伝子を改変する技術を指す。以前からゲノム編集技術はあったが、2012年にこれまでの技術よりも短時間で簡単に標的とするDNA配列を切断できるCRISPR/Cas9(クリスパーキャスナイン)と呼ばれる革新的な技術が登場したことで、製薬業界においてもゲノム編集技術を用いた開発が活発化した。ただ、これらの技術は狙った遺伝子とは異なる箇所(標的DNA配列と似た配列)を切断してしまう「オフターゲット効果」があり、安全性という面で課題となっていた。これに対して、Emendoが独自開発したOMNIプラットフォーム技術では、高精度に標的のDNA配列を切り取る独自のヌクレアーゼ(OMNIヌクレアーゼ)を数多く作出し、これらの中から適切なヌクレアーゼを選択して、それをさらに標的配列に対して最適化することで、「オフターゲット効果」のない安全性の高いゲノム編集を可能としている。ゲノム編集による医薬品の開発を進める場合に、安全性と効率性という点においてOMNIプラットフォームは優位性があると評価される。また、もう1つの特徴としてアレル特異的遺伝子編集が可能である点が挙げられる。アレル特異的遺伝子編集とは、対をなすアレル(対立遺伝子)の一方を傷つけることなく、異常のある遺伝子のみをターゲットにして編集することを言う。ヒトは父型と母型の2つのアレル(対立遺伝子)を一対として持っており、片方のアレルが異常配列となることで発症する遺伝病を優性遺伝(機能獲得型変異/ハプロ不全)、両方のアレルに必要な遺伝子が欠損することで発症する遺伝病を劣性遺伝(複合型ヘテロ接合体/ホモ接合体)、または伴性遺伝(性別によって発症の仕方が異なる遺伝病)と呼ぶ。遺伝性疾患のうち、アレル特異的遺伝子編集の対象となるのは優性遺伝と劣性遺伝のうちの一部で、遺伝性疾患の過半を占めることになる。これはOMNIプラットフォームを活用したゲノム編集による治療薬の開発領域が幅広いことを意味している。Emendoの調べによれば、遺伝性疾患の治療薬の市場規模は全体で約2兆円の規模があり、このうち1.1兆円がOMNIプラットフォームの対象領域になりうると見ており、潜在的な成長ポテンシャルは大きい。2. 今後の事業戦略Emendoでの今後の事業戦略としては、自社開発による収益化とOMNIプラットフォーム技術のライセンス供与による収益獲得の2軸で展開していく方針となっている。自社開発については、ELANE変異によるSCNを対象とした臨床開発を進めるべく、IND申請に向けてFDAとの協議を行っている。SCNとは骨髄における顆粒球系細胞の成熟障害により発症する好中球減少症のことで、遺伝子変異により出生後の早期から好中球減少による中耳炎、気道感染症、蜂窩織炎、皮膚感染症を反復し、肺炎や敗血症などその他の疾患に至るケースもある。100万人に2人の割合で発症する希少疾患で、SCNの約7割はELANE変異によるものとなっている。現在の治療法は、ST合剤(抗生剤、スルファメトキサゾール・トリメトプリム)による感染予防が一般的で、感染症がコントロールできない場合にはG-CSF※を使用して好中球の誘導を促すことになる。ただ、G-CSFを高用量で使用した場合、骨髄異形成症候群や急性骨髄性白血病へ移行し、造血幹細胞移植が必要となるケースもある。Emendoでは患者から造血幹細胞を取り出し、OMNIプラットフォームを用いて正常な機能を有するELANEを発現させたうえで患者の体内に戻し、好中球の機能を回復させる根治療法の開発を目指している。動物実験では正常な遺伝子を傷つけずに、異常な遺伝子のみを正確に区別して破壊し、その結果、造血幹細胞が好中球に分化できるようになったことが確認されている。※G-CSF(顆粒球コロニー刺激因子):サイトカインの一種で顆粒球産出の促進、好中球の機能を高める作用がある。現在、FDAと臨床試験のプロトコルについて協議を進めている段階にある。OMNIプラットフォームを用いた臨床開発が初めてということもあって慎重に協議を重ねているようで、臨床試験の開始時期については2023年以降になるものと予想される。EmendoではまずELANE変異によるSCNでPOCを取得することを最優先課題として取り組み、その後に他のパイプラインの臨床開発も進めていくことにしている。現在、前臨床試験段階では血液系や眼科系の遺伝性疾患の開発を進めている。一方、OMNIプラットフォームのライセンス供与については、バイオベンチャーからメガファーマまで合計10社程度の引き合いがきており、複数社と交渉を進めている段階にある。特に、CAR-T療法の開発企業からの関心度は高い。CAR-T療法は免疫細胞療法の1つで、がん患者のT細胞に標的抗原に対するCAR(Chimeric antigen receptor:キメラ免疫受容体)をコードする遺伝子を導入することで、がん細胞に対する攻撃力を高める治療法だが、先進のゲノム編集技術を用いることで、治療効果の高い新薬を効率的に開発できる可能性があるためだ。CRISPR/Cas9技術を使った開発も進められているが、既述のとおり「オフターゲット効果」がないOMNIプラットフォーム技術のほうが安全性が高いというメリットがあるため、ライセンス契約が締結される可能性は高いと弊社では見ている。同社では疾患別に非独占的ライセンス契約を締結していく方針であり、ペプチドリーム<4587>のようなビジネスモデルを志向している。Emendoの人員は2020年の子会社化時点で50名強程度であったが、その後開発体制を強化し現在は100名程度の規模となっている。研究開発費は2021年12月期で23億円程度だったが、2023年以降、臨床試験が開始されれば開発費も増加するものと予想される。当面は開発資金が先行することから、開発資金の調達を目的に米国でIPOすることも選択肢の1つとして考えられる。米国ではゲノム編集技術で開発を進めるバイオベンチャーのなかで、臨床開発前の段階でも株式上場している企業があるため、要件的には可能と見られる。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) <SI> 2022/09/16 15:43 注目トピックス 日本株 アンジェス Research Memo(2):大阪大学発のバイオベンチャーで、遺伝子医薬に特化した開発を進める ■会社概要1. 会社沿革アンジェス<4563>は1999年に設立された大阪大学発のバイオベンチャーで、HGF遺伝子(肝細胞増殖因子)の投与による血管新生作用の研究成果を事業化することを目的に設立された。HGF遺伝子治療用製品では、田辺三菱製薬(株)と2012年に米国市場、2015年に国内市場で末梢性血管疾患を対象とした独占的販売権許諾契約を締結している。2019年3月に国内で慢性動脈閉塞症患者向けに条件及び期限付製造販売承認を取得し、同年9月から田辺三菱製薬を通じて販売を開始しているほか、米国にて2020年2月より後期第2相臨床試験を実施している。その他のパイプラインでは、2018年より米国で椎間板性腰痛症を対象とした核酸医薬品であるNF-κBデコイオリゴDNAの後期第1相臨床試験を開始したほか、同年4月よりオーストラリアで高血圧症を対象としたDNAワクチンの第1相/前期第2相臨床試験を開始し、いずれも良好な結果が得られたことを発表している。また、2022年9月にスタンフォード大学と新型コロナウイルス感染症の変異株を対象としたDNAワクチン経鼻投与製剤の共同研究を行うことを発表した。アライアンス戦略についても2018年以降積極的に展開している。2018年に共同開発契約を締結したカナダのVasomuneが、2020年12月から新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬候補品となる「AV-001」の臨床開発を進めているほか、2018年にマイクロバイオームの研究開発を行うイスラエルのMyBiotics Pharma Ltd.に出資した。また、2020年12月には先進のゲノム編集技術を開発する米国のEmendoを買収し、子会社化している。なお、2021年4月には国内で希少遺伝性疾患検査を主目的とした衛生検査所ACRLを設立し、希少遺伝性疾患のオプショナルスクリーニング検査業務を同年7月より開始している。2. 事業の特徴とビジネスモデル同社の事業の特徴は、遺伝子の働きを活用した医薬品である遺伝子治療用製品、核酸医薬、そしてDNAワクチンを遺伝子医薬として定義し、社会的な使命であるとともに確実な需要が存在する「難治性疾患」や「有効な治療法がない疾患」を開発対象領域としていることにある。また、自社開発品以外にもこうした事業方針と合致する開発候補品を海外のベンチャーや大学などの研究機関から導入して、開発パイプラインの強化とリスク分散を図っている。同社のビジネスモデルの主軸は、研究開発に特化し(製造は外部の専門機関に委託)、開発品についての共同開発や独占製造販売権許諾契約を大手製薬企業と締結することで、契約一時金や開発の進捗状況に応じたマイルストーン収入を獲得し、また、上市後の製品売上高に対して一定料率で発生するロイヤリティ収入を獲得するモデルとなる。臨床試験の規模や期間は対象疾患等によって異なるが、第1相から第3相試験までおよそ3~7年程度かかると言われている。臨床試験の結果が良ければ規制当局に製造販売の承認申請を行い、おおむね1~2年の審査期間を経て問題がなければ承認・上市といった流れとなる。新薬開発の成功確率は低く、基礎研究段階に特定した候補品が新薬として発売される確率は、約3万分の1と言われている。このため、HGF遺伝子治療用製品が条件付き承認とは言え、上市までこぎつけたことはバイオベンチャーとして一定の成果が得られたものと評価される。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) <SI> 2022/09/16 15:42 注目トピックス 日本株 アンジェス Research Memo(1):米子会社のゲノム編集ツール「OMNIプラットフォーム」に注目 ■要約アンジェス<4563>は、1999年に設立された大阪大学発のバイオベンチャー。遺伝子医薬を中核とした開発を進めており、長期ビジョンとして「遺伝子医薬のグローバルリーダー」になることを目指している。新薬候補品を開発し、販売パートナーとの販売権許諾契約によって得られる契約一時金や、開発の進捗状況などによって得られるマイルストーン収入、上市後の製品売上高にかかるロイヤリティ収入を獲得するビジネスモデルとなる。2020年12月に米国で先進ゲノム編集技術の開発を行うEmendoBio Inc.(以下、Emendo)を子会社化した。1. Emendoで新たなゲノム編集技術による臨床開発及びプラットフォームサービスの提供を目指すゲノム編集を従来技術よりも安全かつ高精度に実行できるツールとなる「OMNI(オムニ)プラットフォーム」が今後、注目を浴びそうだ。米子会社のEmendoが開発した技術で、現在、希少疾患であるELANE(好中球エラスターゼ遺伝子)関連重症先天性好中球減少症(以下、SCN)※を対象とした臨床試験の開始に向け、FDA(米食品医薬品局)と協議を進めている段階にある。また、CAR-T療法の開発を進めている製薬企業やバイオベンチャーからの関心が高まっており、同技術のライセンス供与に向けた協議も複数社と開始しているもようだ。同技術を使うことで今まで困難とされてきた遺伝性希少疾患の治療にも道が開かれることになり、Emendoでは同技術の適応対象となる遺伝性疾患の市場規模は1兆円を超えると試算しており、潜在的な成長ポテンシャルは極めて大きい。当面は開発負担が先行することになるが、今後の動向が注目される。※顆粒球系細胞の成熟障害により発症する好中球減少症で、発症すると細菌感染などが起きやすくなり、中耳炎や気道感染症、皮膚感染症等を繰り返し、敗血症により死亡することもある。2. 主要開発パイプラインの動向新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するDNAワクチンの開発については、高用量製剤での第1/2相臨床試験の速報結果により、これまで取り組んでいたワクチンの開発中止を発表。一方、カナダのVasomune Therapeutics(以下、Vasomune)と共同開発中の治療薬「AV-001」(中等度から重度の新型コロナウイルス感染症肺炎患者を対象)は、2022年1月より前期第2相臨床試験を米国で実施中だ。慢性動脈閉塞症を対象としたHGF遺伝子治療用製品「コラテジェン(R)」のうち、国内における潰瘍の改善を効果・効能とした市販後調査は2021年末に予定症例数の登録が完了し経過観察中となっており、2024年の本承認取得を目指している。しかし、国内で実施していた慢性動脈閉塞症における安静時疼痛の追加適応については、投与前からの変化量においてプラセボ群に対して有意差を見いだせないということで開発中止を発表した。一方、米国で実施している後期第2相臨床試験については早ければ2022年内に被験者登録が完了し、2024年にも結果が判明する見通し。椎間板性腰痛症を適応症としたNF-κBデコイオリゴDNAについては、ライセンス契約も視野に入れながら第2相臨床試験の開発計画を策定中で、オーストラリアで実施している高血圧DNAワクチンの開発についても、第1相/前期第2相臨床試験のデータを分析して今後の開発戦略を策定していく計画となっている。いずれも2022年中に開発方針を策定し、2023年春までに公表したい意向のようだ。そのほか、2022年5月に米Eiger Bio Pharmaceuticals Inc.(以下、アイガー)から導入したハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群(以下、HGPS)とプロジェロイド・ラミノパチー(以下、PL)※1を適応症とした治療薬「ゾキンヴィ」※2については、国内の販売承認申請に向けて準備を進めている状況にある。※1 HGPSやPLは遺伝子の突然変異により発症し、平均14.5歳までに心臓病(動脈硬化症)で死亡するのが一般的とされ、病気の症状としては深刻な成長障害、強皮症に似た皮膚、全身性脂肪性筋萎縮症、脱毛症、骨格形成不全、心血管系の衰えを伴う全身性動脈硬化の促進、衰弱性の脳卒中が含まれる。世界の患者数は600人程度で、日本でも難病指定されており、10人弱の患者が確認されている。※2 HGPSの死亡リスク低減、プロセシング不全性早老性PLの治療薬として、2020年11月に米国で承認された。臨床試験の結果ではHGPS患者において死亡率を60%減少させ、平均生存期間を2.5年延長させることができたとしている。開発元はメルクでアイガーはメルクから全世界での独占的権利をライセンスされた。3. 業績動向2022年12月期第2四半期累計の売上高は前年同期比38.1%増の31百万円、営業損失は9,124百万円(前年同期は7,540百万円の損失)となった。売上高はオプショナルスクリーニング検査の手数料収入を主に計上した。新型コロナウイルス感染症ワクチンの製造関連費用等を中心に研究開発費が前年同期比1,655百万円増加し、営業損失の拡大要因となった。2022年12月期の業績見通しは、開発プロジェクトの状況によって研究開発費が変動することなどから現時点では未定としているが、研究開発費については約100億円と前期並みの水準を見込んでいる。なお、2022年12月期第2四半期末の現金及び預金は13,211百万円となっており、当面の事業活動を進めていくうえでの資金は確保されているが、2023年以降はパイプラインの開発及び導出状況次第で、新たな資金調達を模索していく可能性もある。■Key Points・Emendoで新たなゲノム編集技術を活用した臨床開発とライセンス契約締結を目指す・HGF遺伝子治療用製品の「安静時疼痛」の適応追加に向けた国内での開発は中止を決定、米国での臨床試験は計画通りに進捗・2022年12月期も100億円規模の研究開発費を投下予定・治療法がない疾病分野や希少遺伝性疾患等を対象に開発を進め、遺伝子医薬のグローバルリーダーを目指す(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) <SI> 2022/09/16 15:41

ニュースカテゴリ