みんかぶニュース コラムニュース一覧
みんかぶニュース コラム
1日の株式相場見通し=続伸か、米株軟調も円安背景に買い優勢
1日の東京株式市場は、強弱観対立のなかも日経平均株価は続伸しそうだ。3万9000円台半ばから後半で目先筋の利益確定売りを吸収し、頑強な値動きが想定される。前週末は欧州株市場が高安まちまちの展開だったが、独DAX指数はプラス圏で引けたものの、仏CAC40が4日続落と下値を模索し約5カ月ぶりの安値で引けた。6月末に行われる国民議会選挙は極右政党の「国民連合」が第一党に躍り出る可能性が高いとみられていたこともあり、これを目前に持ち高調整の売りが続いた。一方、米国株市場ではNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに反落した。ダウは構成銘柄のナイキ<NKE>が急落したことが指数押し下げ要因となった。ただ、朝方は高く推移する場面もあり、ダウについてはナイキの下落による影響を除けば大引けも実質上昇して着地した計算となる。この日の取引開始前に発表されたPCEデフレーターがインフレの減速を示す数値で、事前の市場コンセンサスとも一致したことから米長期金利が低下、ハイテク株比率の高いナスダック指数も朝方は強調展開を示した。東京市場では前週は日経平均株価が週間で約1000円上昇したことで、足もとで利食い圧力が意識されやすいものの、外国為替市場では1ドル=160円台での推移が続いていることや、ここ海外投資家の日本株を買い直す動きが観測されるなか、先物主導で堅調な地合いとなることが予想される。ただ、上値の重さも拭えず、朝方取引開始前に発表される日銀短観の結果も全体相場に影響を与える可能性はある。
6月28日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比45ドル20セント安の3万9118ドル86セントと反落。ナスダック総合株価指数は同126.081ポイント安の1万7732.603だった。
日程面では、きょうは6月の日銀短観、6月の消費動向調査など。海外では6月の財新中国製造業購買担当者景気指数(PMI)、6月の独消費者物価指数(CPI)、6月の米ISM製造業景況感指数、5月の米建設支出など。なお、香港市場は休場。
出所:MINKABU PRESS
2024/07/01 08:00
みんかぶニュース コラム
来週の株式相場に向けて=新高値圏に浮上するTOPIXと夏相場の行方
今春以降は往来相場が続いた東京市場だが、6月は月間で1095円(2.8%)上昇と堅調。特に、今月後半には上値抵抗線となっていた3万9000円ラインを突破した。とりわけ、足もとでの強さが目立つのがTOPIXだ。今日は一時2821まで上昇し、3月22日につけた終値ベースの年初来高値2813.22を上回る場面があった。結局、後場に伸び悩んだものの、3月高値を抜ければ1989年12月の最高値2884.80が再び視野に入る。
大手銀行株が買われ三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>や三井住友フィナンシャルグループ<8316.T>、みずほフィナンシャルグループ<8411.T>が年初来高値を更新した。足もとで日本の長期金利は1.0%台に上昇しており、金利上昇が銀行株には利ザヤ改善による収益拡大につながるとの期待が強い。半導体関連株に加え、日立製作所<6501.T>や伊藤忠商事<8001.T>など時価総額上位銘柄の上昇がTOPIXを牽引している。日経平均株価に比べTOPIXは内需バリュー株の影響も強いだけに、米国に加え国内金融政策の動向は注視されそうだ。
来週からは7月となり本格的な夏相場に突入するが、最大のポイントは30~31日の米連邦公開市場委員会(FOMC)と日銀金融政策決定会合となる。日銀会合に向けては1日発表の6月日銀短観への関心が高い。大企業製造業の業況判断指数(DI)は11と、3月から横ばいが予想されている。足もとでは急激な円安が進行しているが、国内金利の上昇懸念が銀行株上昇につながるかも注視される。
また、FOMCに向けては5日の米6月雇用統計が大きな焦点となる。更に、今月末の30日にはフランスで国民議会(下院)の総選挙の第1回投票が行われ、英国では4日に下院総選挙が予定されている。来週は重要イベントが目白押しであり、相場はその結果に一喜一憂する展開が予想される。
上記以外のイベントでは、海外では1日に米6月ISM製造業景況指数、2日に米5月JOLTS求人件数、3日に米6月ADP雇用統計、米6月ISM非製造業景況指数、それに6月11~12日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録が公表される。4日は米国が独立記念日で休場となる。日本では5日に5月家計調査が発表される。3日には新紙幣が発行される。安川電機<6506.T>が5日に決算発表を行う。2日にPRISM BioLab<206A.T>が東証グロース市場に新規上場する。来週の日経平均株価の予想レンジは3万9000~4万円前後。(岡里英幸)
出所:MINKABU PRESS
2024/06/28 17:16
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<注目銘柄>=パーカライ、業績安定感もPBRは1倍割れ
日本パーカライジング<4095.T>はPBR(株価純資産倍率)が1倍を下回っている。金属表面処理で国内トップの企業で業績に安定感があり、中期目線でマークをしておきたい。同社は25年3月期の売上高を前期比5.5%増の1320億円、経常利益を同2.8%増の205億円と計画。経常利益は18年3月期の過去最高益に肉薄する見通しだ。今期の想定為替レートは1ドル=148円。実勢のドル円レートは160円台と円安水準で推移しており、為替面での業績押し上げ効果の発揮による最高益更新の期待が膨らんでいる。
自動車・鉄鋼以外の新たな分野の開拓とともに、インド市場など海外事業の拡大などによる成長戦略を掲げる同社は、ROE(自己資本利益率)の向上策として、事業構造改革と政策保有株式の縮減を進める方針も示している。同社株は2月下旬以降、レンジ相場が続いていたものの、6月27日に年初来高値を更新するなど、もちあい上放れに向かいつつある。配当利回りは3%台とまずまずの水準とあって、全体相場の調整局面においては下値抵抗力をみせそうだ。(碧)
出所:MINKABU PRESS
2024/06/28 10:00
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28日の株式相場見通し=反発、米株高と円安を好感し買い戻し優勢に
28日の東京株式市場は主力株をはじめ広範囲に買い戻され、日経平均株価は反発する公算が大きそうだ。前日の欧州株市場は主要国の株価が高安まちまちだった。30日に国民議会選挙を控える仏CAC40は3日続落と下値模索を続けたが、独DAXが3日ぶりに小幅反発するなど強さを発揮した。一方、米国株市場ではNYダウ、ナスダック総合株価指数ともにプラス圏で引けた。米長期金利の低下を受け株式の相対的な割高感が後退し、押し目買いが優勢となった。もっともダウの上昇率は0.1%弱とわずかにとどまっている。ダウの構成銘柄ではないが、半導体大手マイクロン・テクノロジー<MU>が決算発表を嫌気され7%を超える急落をみせ、その他の半導体主力銘柄にも売りが波及、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も続落となった。東京市場では前日に日経平均が一時400円以上下げるなどリスク回避ムードとなったが、きょうは米国の主要株価指数が頑強な値動きを示したことを受け切り返す展開が予想される。外国為替市場で1ドル=160円トビ台後半の円安に振れていることは、輸出セクター中心に追い風となりやすい。ただ、日本時間今晩に発表が予定されるPCEデフレーターの結果を見極めたいとの思惑から、3万9000円台後半では持ち高調整の売りも出やすく、上げ幅は限定的となる可能性もある。
27日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比36ドル26セント高の3万9164ドル06セントと続伸。ナスダック総合株価指数は同53.528ポイント高の1万7858.684だった。
日程面では、きょうは5月の失業率、5月の有効求人倍率、6月の都区部消費者物価指数(CPI)、5月の鉱工業生産指数速報値など。海外では5月の米PCEデフレーター、6月の米消費者態度指数確報値など。
出所:MINKABU PRESS
2024/06/28 08:01
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明日の株式相場に向けて=「37年半ぶり円安」と米大統領選の行方
27日の日経平均株価は前日比325円安の3万9341円と4日ぶりに反落した。前日のニューヨーク市場では、取引終了後に決算を発表したマイクロン・テクノロジー<MU>の株価が8%近い下落と急落。これを受け、この日の東京市場では東京エレクトロン<8035.T>など半導体関連株が下落した。日経平均株価は前日までの3日間で1000円超上昇していたことから、利益確定売りも膨らんだ。
同時に大きな関心を集めたのが為替市場の動向だ。26日のニューヨーク市場では1ドル=160円80銭台まで円安が進行。4月29日の160円24銭を更新し、1986年12月以来、37年半ぶりの円安水準に落ち込んだ。この歴史的な円安を受けても、トヨタ自動車<7203.T>やホンダ<7267.T>などの自動車株は値を下げており、かつてのような円安を好感する状況となっていない。
昨晩の円安は、1990年の160円35銭の安値も更新しており、一気に37年前まで時間を巻き戻した。1986年は急激な円高が進んだ年だが、年初は200円前後の水準だった。いまの円安が37年前の逆コースをたどるとすれば、一段の円の下落余地は大きいとも考えられそうだ。
特に、28日には米5月個人消費支出(PCE)デフレーターが発表される。この結果に市場は敏感に反応するとみられ、結果次第ではそのタイミングに合わせて、政府・日銀による為替介入もあるかもしれない。また、11月の米大統領選に向けた第1回目のテレビ討論会は、米現地時間27日午後9時(日本時間28日午前10時)から予定されている。明日の相場への影響は不透明だが、同討論会の結果がトランプ前大統領優勢となった場合、トランプ返り咲きを市場は一段と織り込んでいくことが予想される。
上記以外の28日のスケジュールは、海外ではイラン大統領選挙が行われる。国内では6月東京都区部消費者物価指数(CPI)が発表されるほか、5月失業率・有効求人倍率、同鉱工業生産指数が公表される。ロゴスホールディングス<205A.T>が東証グロース市場に新規上場する。
出所:MINKABU PRESS
2024/06/27 17:07
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<注目銘柄>=ナレルG、契約単価上昇などが業績に寄与
ナレルグループ<9163.T>は12日、24年10月期第2四半期累計(23年11月~24年4月)の連結決算を発表。売上収益は前年同期比22.9%増の102億200万円(従来予想は101億6000万円)、営業利益は同26.9%増の13億3300万円(同10億1000万円)で着地した。
同社は建設業界やIT業界向けに技術者派遣を行っており、両業界ともに人手不足が続くなか、顧客のニーズに応じて在籍人数や稼動人数が増加したことが業績に寄与。また、契約単価が上昇したほか、効率的な人員配置も奏功している。通期業績予想は従来見通しを据え置いているものの、国内建設需要の堅調さなどを考えれば上振れ余地がありそうだ。
株価は14日に直近高値2970円をつけたあとは上げ一服商状となっているが、日足チャートでは25日移動平均線と75日移動平均線とのゴールデンクロスが視野に入りつつあり、時価は仕込み好機とみたい。(参)
出所:MINKABU PRESS
2024/06/27 10:00
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27日の株式相場見通し=売り優勢か、直近の急ピッチな上昇の反動で
27日の東京株式市場では主力株への売りが優勢となり、日経平均株価は軟調に推移する見通しだ。前日の米国市場ではNYダウ平均株価が小幅に上昇。ナスダック総合株価指数は続伸した。エヌビディア<NVDA>は引けにかけてプラスに転じる展開だったが、半導体株は総じて冴えない展開となり、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は小幅に下落。引け後に決算を発表したマイクロン・テクノロジー<MU>は時間外取引で水準を切り下げている。外国為替市場では1ドル=160円台後半まで円安が進行し、対ユーロで円相場は最安値をつけた。夜間取引で日経平均先物9月限は3万9400円台前半まで水準を切り下げている。今週に入り日経平均は急ピッチな上昇をみせており、前週末比で3営業日間の上げ幅は1000円超となっている。配当再投資の買いや、四半期末のリバランスに伴う資金の流入が日本株の底上げに寄与したとみられているが、きょうから受け渡しベースで実質的に7月相場に入り、12月期決算企業の株価は中間配当の権利落ちの影響を受けることとなる。7月上旬はETF(上場投信)の分配金捻出に伴う売り圧力が見込まれているほか、日本時間6月28日午前には米大統領選前のテレビ討論会が控えているとあって、目先の利益を確定する目的の売りが膨らむことが想定されている。更に、急速な円安の進行の反動で一時的に円が強含んだ場合は、輸出株には逆風となるだろう。一方、米長期金利の上昇は金融株やバリュー株の下支え要因となる見込み。日経平均は3万9200円から3万9600円の範囲で推移しそうだ。
26日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比15.64ドル高の3万9127ドル80セントと小反発。ナスダック総合株価指数は同87.502ポイント高の1万7805.156と続伸した。
日程面では、5月の商業動態統計、1~3月期資金循環統計、対外・対内証券売買契約が公表されるほか、2年物国債の入札が予定されている。5月の建機出荷額や6月の月例経済報告なども発表される。東証グロース市場には、豆蔵デジタルホールディングス<202A.T>が新規上場する。海外では1~5月の中国工業企業利益が公表される予定。米国では週間の新規失業保険申請件数や1~3月期の米実質国内総生産(GDP)確定値、5月の耐久財受注額速報値、5月の米仮契約住宅販売指数などの発表を控えている。
出所:MINKABU PRESS
2024/06/27 08:00
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明日の株式相場に向けて=AI売買が作り出す違和感の正体
きょう(26日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比493円高の3万9667円と大きく上値を伸ばした。朝方に日経平均は高く始まったものの、強弱観が対立し売り買い交錯の展開だったが、その後に先物主導で上げ足を強める格好に。前引け段階では550円あまりの上昇で高値引けとなり、後場に入っても強く、終盤やや伸び悩んだとはいえ3万9000円台後半で売り物をこなし切った。
前日の海外市場を振り返ると、欧州株市場は全面安ではなかったが主要国の株価指数が総じて軟調に推移した。これで米国株市場が前日のエヌビディア<NVDA>急落の残像を引きずってリスクオフに傾くようなことになれば、東京市場もその影響は免れない。売り方としてはそこに期待した部分があったかもしれない。しかし、そうはならなかった。カギを握るエヌビディアが25日移動平均線を下回ることなく、大陽線で切り返し流れを変えた。全体指数もNYダウは6日ぶりに反落したものの、今度はこれと入れ替わりハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数が満を持して大きくリバウンド。東京市場でもこれまで上値を押さえつけていた「米ハイテク株安」の呪縛から逃れる格好となった。
株式市場に影響を与えるイベントとして、6月末のフランス国民議会選に耳目が集まっている。マリーヌ・ルペン氏率いる国民連合の躍進が予想されているからだ。極右政党の台頭とメディアは騒ぐが、これについて現地を知る市場関係者は「現在は(国民連合は)努めて中道寄りで少なくとも極右ではない。仏大統領の座を狙うマリーヌ氏がマイルド路線に車線変更したことが国民の支持増勢につながっている」(生保系エコノミスト)という。「マクロン大敗でも(想定内であり)株式市場に激震が走るということはなさそうだ」(同)とする。英国もスナク政権は左前状態で、ドイツも政局動揺が著しい。インフレが鈍化しているとはいえ、今も変わらぬ欧州経済の厳しさが与党に厳しい向かい風となっていることが窺われる。
ただ、これを日本株の売り材料に掲げるのは方向違いといえる。言うまでもなく国内も与党に吹く逆風は負けず劣らず強く、本来気にするのであればこちらの方だ。目先は今月末の仏下院選挙より、新星登場で盛り上がる七夕の東京都知事選の行方の方が、よほどマーケットにとっても大きなイベントであることは間違いない。
きょうの株式市場は日経平均が一時600円超の急伸をみせ、大引けも500円近く上昇して着地した。ただ、TOPIXは15ポイント水準を切り上げたに過ぎない。前日はTOPIX主導の上げで注目を浴びたが、これは銀行や自動車など大型バリュー株が相場の牽引役を担ったからである。きょうはガラリと変わり、相場の花形である半導体主力銘柄のハイパフォーマンスが日経平均を押し上げ、銀行株は高かったものの自動車や鉄鋼、海運といったバリュー株は鳴りを潜めた。最近はNYダウとナスダック指数にみられる逆方向の動きや、日経平均とTOPIXの波動の相違など違和感を覚える動きが目立つ。
こうした相場の波紋はAIアルゴリズム売買が自在に作り出しているような印象も受ける。昨日のTOPIXの上げ幅が際立った時には、配当再投資の買いがまことしやかに囁かれたが、理由をつけたがるのが人間のクセで、そこには本当は理由など存在しない可能性もある。AI売買全盛の時代に、人間の感性をベースとした相場観は裏切られることが多い。理由や解釈も含めAIがメディアを操るような(投資家を洗脳するような)時代が近づいている、もしくは訪れている証かもしれない。
あすのスケジュールでは5月の商業動態統計、1~3月期資金循環統計、対外・対内証券売買契約がいずれも朝方取引開始前に開示され、午前中に2年物国債の入札が予定されている。午後には5月の建機出荷が発表される。このほか6月の月例報告など。また、この日はIPOが1社予定されており、東証グロース市場に豆蔵デジタルホールディングス<202A.T>が新規上場する。海外では1~5月の中国工業企業利益のほか、フィリピン中銀、トルコ中銀、スウェーデン中銀、チェコ中銀などが政策金利を発表する。米国では週間の新規失業保険申請件数、1~3月期の米実質国内総生産(GDP)確定値、5月の耐久財受注額速報値、5月の米仮契約住宅販売指数などが注目されている。このほか、米7年物国債の入札も行われる。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/06/26 17:00
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=インフォR、スタンド設置台数増でユーザー数拡大へ
INFORICH<9338.T>は、5月16日に年初来安値3145円をつけた後、6月中旬まで3500円を挟んだもみ合いにあったが、ここにきて安値圏からの離脱を図りつつある。
同社は、モバイルバッテリーのシェアリングサービスである「ChargeSPOT」が主力。5月14日に発表した第1四半期(1~3月)連結決算は、営業利益が1億2500万円(前年同期6400万円の赤字)と大幅に黒字転換した。例年、第1四半期はイベントが少なく、寒さにより人流が減少するため売上高は落ち込むが、そうしたなかにあってもコロナ禍後の人流の増加を背景としたユーザー数の継続的な増加により国内レンタル売上高が伸長。コスト管理の実施により1台当たりの営業利益も増加している。
スマートフォンの電源であるリチウムイオン電池の劣化特性やスマホの買い替えサイクルの長期化、消費電力量の飛躍的な増加などを背景にモバイルバッテリーの需要は拡大している。そうしたなか、バッテリーのシェアリングサービスを利用する人はまだ2割程度といわれており、成長余地は大きい。同社では、駅や空港などの人流が多い施設や観光地への設置を積極的に進めており、ユーザー数の更なる増加により業績拡大は継続しそうだ。
また、バッテリースタンドを活用した広告事業も既に展開しているスタンドを活用することから利益率が高く、今後の収益への寄与が期待できる。会社側では24年12月期の営業利益を16億3500万円(前期比2.7倍)と見込むが、調査機関では今期営業利益17億円、来期31億円を見込むところもある。(温羅)
出所:MINKABU PRESS
2024/06/26 10:00
みんかぶニュース コラム
26日の株式相場見通し=続伸、米ハイテク株高受け上値指向続く
26日の東京株式市場は主力株中心に買い優勢の地合いが続き、日経平均株価は続伸で3万9000円台を固める動きが予想される。前日の欧州株市場では高安まちまちの展開だったが、ドイツやフランス、英国など主要国の株価は総じて軟調に推移した。航空機大手のエアバスの急落が全体相場に影響を及ぼしている。一方、米国株市場では主要株価指数が引き続きちぐはぐな動きをみせた。この日はFRB高官によるタカ派的な発言が相次ぎ、FRBが早期利下げに慎重なスタンスとの見方が広がり、景気敏感株などへの利益確定売りが表面化した。これを背景にNYダウは6日ぶりに安くなったが、ここ下値を模索していたナスダック総合株価指数の方は4日ぶりに大きく切り返す展開となっている。個別では利食い急ぎの動きでここ急速に株価水準を切り下げていた米画像処理半導体(GPU)大手エヌビディア<NVDA>が6.8%高と大幅反発し、その他の半導体関連株の買い戻しも誘発され市場のセンチメント改善につながった。きょうの東京市場では米ハイテク株高を好感する動きが期待できそうだ。半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は1.8%高と4日ぶりに急反発したことを受け、前日に売り込まれた半導体主力株などに買い戻しの動きが強まることが予想される。日経平均株価はショート筋の買い戻しを交え、3万9000円台半ばまで水準を切り上げる展開が考えられる。
25日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比299ドル05セント安の3万9112ドル16セントと6日ぶり反落。ナスダック総合株価指数は同220.837ポイント高の1万7717.654だった。
日程面では、きょうは東京市場では6月の権利付き最終売買日。海外では5月の米新築住宅販売件数、米5年物国債の入札など。このほか、アジア最大級のモバイルカンファレンスであるMWC上海が28日までの日程で行われる。
出所:MINKABU PRESS
2024/06/26 08:00
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=エッジAI時代幕明けの予兆
きょう(25日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比368円高の3万9173円と続伸。前日の米国株市場ではNYダウが5連騰と気を吐いたが、後半は半導体関連への売りが噴出し楽観気分が吹き飛んだ。ナスダック指数は3日続落、半導体銘柄で構成されるSOX指数については3%強の急落。そして、象徴株ともいえるエヌビディア<NVDA>は6.7%安と急落に見舞われた。時価総額世界トップに躍り出たことが報じられた直後に、もんどり打つような崩れ足で、にわかにセンチメントが悪化した。しかし、東京市場はしぶとかった。TOPIX主導の上昇で、配当再投資の買いが支えたという見方が示されていたが、米ハイテク株買いの日本株売りというロングショートの巻き戻しという観測に信憑性が高いようだ。このタイミングで3万9000円台を回復し75日移動平均線をブレークしたことは、売り仕掛けを狙っていた向きにとっては出鼻を挫かれた格好である。
ではエヌビディア急落の背景は何か。ここまで爆需を存分に享受しているGPUに何かしらのネガティブな思惑が発生している気配がある。生成AI市場の成長に今の段階で陰りが見えるはずもないので、ビジネス構造的な部分での逆風。こう考えるとアップル<AAPL>やグーグルなどが、スマートフォンやパソコンに生成AIを搭載することに対し意欲を剥き出しにしていること、これが影響している可能性がある。「AIサーバーを経由してクラウドによる生成AI提供」が現在の姿だが、これがエッジAI化されると利用者にとって一段と身近な存在となってくることは自明だ。プライバシー保護やセキュリティー、更に通信コスト面などでメリットが生じ、懸案の電力供給問題も緩和される。
結果として生成AIの市場拡大をこれまで以上に後押ししそうだ。ところが、この新潮流は厄介なことにその裏側で強力な引き潮を発生させる可能性がある。つまり、AIサーバーとそれを設置するデータセンターの増設需要にストップがかかるというシナリオだ。その場合、AIサーバー向けGPUで需要を独占しているエヌビディアの成長が止まるケースも考慮される。もちろんエヌビディアはM&Aを駆使して次の成長舞台を摸索中であり、それが間に合うかもしれないが、GPUで独り勝ちという時代は過ぎ去ることになる。
ただし、全盛を誇るエヌビディアに陰りがみられても、その場合は株式市場でエッジAI関連株に投資マネーの熱視線が向かう。米国ではクアルコム<QCOM>が関連最右翼だが、歴史の浅い市場だけに日本では現状手探り状態にある。大手ではソニーグループ<6758.T>やNEC<6701.T>などが挙げられるが、成長余地の大きい中小型株にもチャンスが回ってくる。アナログエッジAI開発で先行するソリトンシステムズ<3040.T>、エッジAI開発のクラウドプラットフォームで高実績を有するフィックスターズ<3687.T>、エッジAIカメラのオプティム<3694.T>などをチェックしておきたい。
一方、中東の地政学リスク再燃でエネルギー価格高騰に対する思惑も高まっている。INPEX<1605.T>が上昇基調を明示、この流れが他の銘柄にも飛び火する公算は小さくない。富士石油<5017.T>は株価500円台でPBRが0.4倍台、また最終利益がゲタを履いた状態ながらPER5倍台と割安。バリュー系材料株として改めてマークしたい。
エネルギー関連株の流れを汲む銘柄では5月下旬に取り上げた東邦チタニウム<5727.T>がその後順調に戻り足を形成、直近5日・25日移動平均線のゴールデンクロスを経て上値追い基調に弾みがついている。2026年に水素装置向け材料生産に動き出す計画を発表していることにも注目。株価的には先駆した大阪チタニウムテクノロジーズ<5726.T>の後を追う形だが、株価の値ごろ感で言えば邦チタの方が上値妙味ありという見方もできる。両銘柄とも2022年に併走して大相場を形成した経緯があるが、この年の年初から11月にかけて大阪チタは800円近辺から4850円に大化けし、邦チタは同じく800円台から3300円台に変貌を遂げた実績がある。その時の再現というには気が早いが、両銘柄ともトレンドは約1年半ぶりに折り返し地点に来た感触がある。
あすのスケジュールでは、東京市場では6月の実質最終商い日(権利付き最終売買日)となる。海外では5月の米新築住宅販売件数が開示されるほか、米5年物国債の入札が予定されている。このほか、アジア最大級のモバイルカンファレンスであるMWC上海が28日までの日程で行われる。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/06/25 17:00
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=ライオン、金利上昇に強く底値買い好機
ライオン<4912.T>はトイレタリー大手でディフェンシブ銘柄に位置付けられ、有利子負債が少なく金利上昇局面で強みを発揮する。1300円未満の株価は底値圏で買い溜めるチャンスといえる。配当利回りは2%強でそれほど高くはないが、自社製品詰め合わせの株主優待などがあり、中期投資対象として妙味がある。
24年12月期は営業利益段階で前期比32%増の270億円予想と回復色を鮮明とする見込み。派手さはないものの収益基盤は盤石であり、中期的には年初来高値水準である1400円台半ばを目指す展開が期待できる。(桂)
出所:MINKABU PRESS
2024/06/25 10:00
みんかぶニュース コラム
25日の株式相場見通し=一進一退か、ダウ5連騰も米半導体株安が重荷
25日の東京株式市場は強弱観対立のなか、日経平均株価は前日終値を挟み一進一退の展開か。前日の欧州株市場では主要国の株価が総じて切り返す動きとなり、今月末の国民議会選挙を控え極右政党の台頭が警戒されるフランスでは、主要株価指数のCAC40が1%を超える上昇で切り返し、市場のセンチメントが改善している。また、米国株市場では欧州株市場のリスクオンの流れを引き継ぐ形で、NYダウが5日続伸し約1カ月ぶりの高値水準に浮上した。景気敏感株やディフェンシブストックへの買いが続き指数を押し上げている。ただ、半導体や人工知能(AI)関連などを中心とするハイテク系・グロース株は値を下げるものが多く、ナスダック総合株価指数は1%を超える下げで3日続落と明暗を分けた。特に画像処理半導体(GPU)大手のエヌビディア<NVDA>が6.7%安と急落、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も3%安と大幅な下落となった。東京市場では米半導体株安を受け、売買代金上位の半導体製造装置の主力銘柄などに売りが波及する可能性があり、全体相場も上値の重い展開が想定される。しかし外国為替市場では1ドル=159円台後半の推移と円安水準でもみ合いが続き、これが前日同様に全体相場の下支え材料となることが考えられる。日経平均は長くレンジ相場が続いていることで下値に対する抵抗力もついており、売り買い交錯のなかも先物主導で3万9000円台をうかがう地合いとなる可能性もありそうだ。
24日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比260ドル88セント高の3万9411ドル21セントと5日続伸。ナスダック総合株価指数は同192.544ポイント安の1万7496.817だった。
日程面では、きょうは5月の企業向けサービス価格指数、4月の景気動向指数改定値、基調的なインフレ率を捕捉するための指標、5月の全国スーパー売上高、5月の外食売上高など。海外では、4月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数、6月の米消費者信頼感指数など。このほか、ボウマンFRB理事の講演やクックFRB理事の講演が予定されている。
出所:MINKABU PRESS
2024/06/25 08:01
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=エヌビディア株が暗示する曲がり角
週明け24日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比208円高の3万8804円と反発。前週末の欧州株市場で主要国の株価がほぼ全面安で嫌なムードが漂ったが、米国ではナスダック総合株価指数は安く引けたものの、NYダウが小幅高ながらしぶとくプラス圏で着地、リスクオフの流れを堰き止めた。これで東京市場も深押しのリスクが軽減され、更に為替市場では折からの円安が加速した。足もとの円安は政府・日銀にすれば頭を抱えるところだが、皮肉にも株式市場には依然として強い浮揚効果をもたらしている。特にきょうは先物絡みで円安にリンクさせたシステマチックな買いが観測された。引け際手仕舞い売りが出たとはいえ、「後場は望外の強調展開」(準大手証券ストラテジスト)だった。
しかし、油断はできない。米国ではフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が十字足を示現し5日移動平均線から下に放れた。このSOX指数と似通ったチャートを形成しているのが、破竹の快進撃を続けてきたエヌビディア<NVDA>である。世界的な生成AI市場の拡大を背景に、同社がAIサーバー向けに独占供給するGPUが爆発的な需要を捉えていることは確かだが、株価は今見えている風景の先まで織り込んでしまっているのもおそらく事実であろう。
東京市場ではインターネットが本格普及期に突入する初動段階、1999~2000年当時にITバブル相場が形成されたが、弾けたあとの下げ足も早かった。一世を風靡する生成AIも似た要素がないとは言い切れない。エヌビディアの株価は今が天井とはいわないまでも、今期(25年1月期)が曲がり角になる可能性も念頭に置いておきたい。
とはいえ足もとではAI周辺株が強い。きょうはグローバルニッチトップ銘柄のトリケミカル研究所<4369.T>が大幅高に買われた。同社は先端半導体メモリー向け高誘電材料で抜群の商品競争力を持っている。GPUとセットでパッケージングされる「HBM(広帯域メモリー)向けでも需要を捉えている」(中堅証券アナリスト)という。このほか、直近22日付のトップ特集「好業績で異彩放つグローバルニッチ6銘柄」でも紹介された大同工業<6373.T>は強力な上昇トレンドを構築中。目先は短期急伸の反動もあり得るが、0.3倍近辺のPBRは長い目で見れば依然安過ぎる水準。このほかニッチトップ企業では、ボトリングシステムの澁谷工業<6340.T>、製パン機のレオン自動機<6272.T>。また、航空機逆噴射装置用カスケードでシェア独占の日機装<6376.T>の押し目にも着目。
一方、ここTDK<6762.T>の上げ足が際立つが、その株高の原動力となったのが全固体電池の新素材開発で、エネルギー密度を従来比100倍に高め大容量化を実現させるというもの。全固体など次世代電池関連については、電気自動車(EV)需要の失速が報じられたこともあって最近はテーマ買いの動きが鳴りを潜めていたが、TDK効果でにわかに再脚光を浴びている。関連株で好チャートの銘柄はマークしておきたい。全固体電池の製造工程で必要となる造粒・コーティング装置で関連最右翼のフロイント産業<6312.T>や、全固体電池を次世代コア事業の一つに位置付ける三櫻工業<6584.T>などをマーク。
このほか、インフレ環境下で人手不足の問題が多方面で取り沙汰される。その際、採用される側の隙間時間をうまく活用できれば、就労機会が確保しやすくなるのは道理である。そうした現代社会ならではのニーズに着目したビジネスで、スキマバイトサービス(アプリ)を展開するタイミー<215A.T>が7月26日、東証グロース市場に新規上場する。時流に乗るビジネスモデルで人気化する公算が大きいが、同社株の公開を前に投資マネーの流れにも少なからず影響を及ぼす可能性が高い。関連株としてツナググループ・ホールディングス<6551.T>が動意含みだ。業績も絶好調で24年9月期は営業利益段階で前期比5割増の6億6200万円予想と連続で過去最高を大幅更新する見通しにある。
あすのスケジュールでは、5月の企業向けサービス価格指数が朝方取引開始前に開示されるほか、午前中に20年物国債の入札が予定される。午後には4月の景気動向指数改定値、基調的なインフレ率を捕捉するための指標、5月の全国スーパー売上高、5月の外食売上高などが発表される。海外では、4月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数、6月の米消費者信頼感指数などが注目されるほか、米2年物国債の入札が行われる。なお、ボウマンFRB理事の講演やクックFRB理事の講演が予定されている。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/06/24 17:00
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=川重、業績V字回復を評価へ
川崎重工業<7012.T>に注目したい。総合重機大手である同社の24年3月期連結純利益は前の期比52.1%減の253億7700万円だった。航空エンジンの損失を一括計上したことなどが響いた。25年3月期の同利益は前期比3.1倍の780億円と2期ぶりに最高益を更新しV字回復の予想だ。航空宇宙システム事業は、防衛省向けの伸びが期待でき、パワースポーツ&エンジン事業でオフロード4輪などの寄与が見込める。
防衛関連に加え、世界で初めて液化水素運搬船を建造するなど水素関連としても注目されている。株価は上昇基調にあり15年3月につけた6470円の高値更新から一段高が期待できる。(地和)
出所:MINKABU PRESS
2024/06/24 10:00
みんかぶニュース コラム
24日の株式相場見通し=強弱観対立、円安進行も上値重い
24日の東京株式市場は強弱観対立のなか、日経平均株価は前週末終値を挟んでやや弱含みで推移しそうだ。前週末の欧州株市場はドイツやフランスなど主要国の株価指数が総じて軟調に推移した。企業の景況感が悪化傾向を示すなか、極右台頭に伴う政局不安や経済減速への警戒感が買いを手控えさせた。また、米国株市場では方向感の見えにくい動きでNYダウとナスダック総合株価指数が狭いゾーンでプラス圏とマイナス圏を往来する展開となり、前者はわずかに高く引けたものの、後者は小幅マイナス圏で着地している。この日に発表された6月の米購買担当者景気指数(PMI)速報値はサービス業、製造業ともに市場予想を上回る水準で投資家心理を改善させ、消費関連株は買いが優勢となる銘柄が目立った。一方、画像処理半導体(GPU)大手のエヌビディア<NVDA>が3%超の下落を示し、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も続落するなどハイテクセクターが軟調な地合いとなっている。東京市場では前週末に日経平均が小幅反落し、週間では200円強水準を切り下げた。きょうは外国株市場で1ドル=160円を視界に入れる円安が進んでおり、ハイテクや自動車株には追い風となりやすいが、過度な円安是正に向けた日銀の金融政策転換に対する警戒感も拭えず、上値は重そうだ。朝方に開示される日銀金融政策決定会合の主な意見(6月開催分)の内容が注目されるほか、取引時間中は為替動向や米株価指数先物の値動きに左右されそうだ。
21日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比15ドル57セント高の3万9150ドル33セントと小幅ながら4日続伸。ナスダック総合株価指数は同32.226ポイント安の1万7689.361だった。
日程面では、きょうは日銀金融政策決定会合(6月13~14日開催分)の主な意見。5月の白物家電出荷額、5月の全国百貨店売上高など。海外では6月の独Ifo企業景況感指数など。
出所:MINKABU PRESS
2024/06/24 08:01
みんかぶニュース コラム
来週の株式相場に向けて=「政治の季節」を迎え様子見姿勢は続くか
21日の東京市場は、日経平均株価が前日比36円安と小幅に4日ぶり反落した。積極的な売買は手控えられ3万8600円を中心とする一進一退に終始した。
6月に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)と日銀金融政策決定会合ではアク抜け感は出ず、「結局、ともに7月30~31日に予定されている次回会合に課題は持ち越された」(市場関係者)格好だ。このことが相場の気迷いムードを強めさせており、日経平均株価の3万9000円を上値とした往来相場は「なおしばらくは続きそうだ」(同)との見方は少なくない。
日米金融政策に加え、新たな警戒材料となったのが、欧州での極右台頭という政局不安だ。特に、フランスではマクロン大統領が下院議会の解散選挙に踏み切ったことから、その結果を注視する展開となった。フランスの下院選の第1回投票は30日に行われ、決選投票は7月7日の予定だ。その結果次第では、金融市場にショックが走る可能性もある。
また、国内では同じく7月7日の東京都知事選が高い関心を集めている。現職の小池百合子知事は負けないまでも苦戦すれば、野党は勢いづくことになる。9月の自民党総裁選を視野に今後、日本国内でも政治がテーマに浮上することが予想される。
加えて、金融政策面では来週は24日に日本銀行が6月の金融政策決定会合における「主な意見」を公表する。また、28日には米国で個人消費支出(PCEデフレーター)が公表される。更に、27日は株主総会の集中日で翌28日には約2兆3000億円の配当金が支払われるとみられており、配当再投資の動きも関心を集めている。
上記以外のスケジュールでは、海外では27日に米1~3月GDP確定値が発表される。同日に米大統領選に向けたバイデン大統領とトランプ前大統領が候補者テレビ討論会を開催する。26日にマイクロン・テクノロジー<MU>、27日にナイキ<NKE>が決算発表を行う。
国内では27日に5月商業動態統計、28日に6月東京都区部消費者物価(CPI)が発表される。24日にしまむら<8227.T>、壱番屋<7630.T>、25日にスギホールディングス<7649.T>、27日にナガイレーベン<7447.T>、28日に高島屋<8233.T>、三陽商会<8011.T>などが決算発表を予定している。更に、27日に豆蔵デジタルホールディングス<202A.T>、28日にロゴスホールディングス<205A.T>が新規上場する。来週の日経平均株価の予想レンジは3万8000~3万9200円前後。(岡里英幸)
出所:MINKABU PRESS
2024/06/21 17:24
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=ソースネクス、訪日客増加でポケトーク事業に追い風
ソースネクスト<4344.T>に注目したい。直近5月の訪日外客数は前年同月比6割増の304万100人と、3カ月連続で300万人を突破した。インバウンドの増加は同社が手掛ける携帯翻訳機「ポケトーク」の販売に追い風となっており、今後の更なる業容拡大に期待が膨らむ。
株価は、連結子会社ポケトークの上場準備開始を明らかにした3月に急動意。130円前後から300円台まで一気に急上昇した。その後は調整局面に入ったものの、200日移動平均線が走る180円近辺で下げ止まり、じりじりと下値を切り上げる展開に。ポケトーク事業拡大に向けた先行投資で赤字が続く業績に改善の兆しがみえてくれば、今後の株価上昇に弾みがつきそうだ。(イ)
出所:MINKABU PRESS
2024/06/21 10:00
みんかぶニュース コラム
21日の株式相場見通し=強弱観対立、米ハイテク株安も円安進行で方向感見えにくい
21日の東京株式市場は売り買い交錯のなか、日経平均株価は前日終値近辺で方向感の見えにくい不安定な値動きが想定される。前日は欧州株市場で主要国の株価指数がほぼ全面高に買われる展開となったが、米国株市場では半導体関連などを中心に変調な動きを強いられた。エネルギー関連株の上昇などを背景にNYダウは上値指向を継続したものの、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は朝方こそ高く始まったがその後は値を消し、午後の取引で下げ幅を広げる展開となった。これまで相場の牽引役を担っていたエヌビディア<NVDA>が3.5%安に売られたほか、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も3日ぶりに急反落している。朝方発表された週間の新規失業保険申請件数が事前コンセンサスを上回った一方、6月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、5月の米住宅着工件数は予想を下回るなど、景気減速を示唆する経済指標が相次いだ。足もとでFRBによる早期利下げ期待が追い風となっているが、同時に米経済の先行きに対する警戒感も意識されている。東京市場では、米ハイテク株安が上値を押さえる要因となるものの、外国為替市場で一段と円安が進んでいることは株価の下支え材料となり、強弱観が対立する地合いが想定される。日経平均は3万8000円台半ばでのもみ合いとなりそうだ。
20日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比299ドル90セント高の3万9134ドル76セントと3日続伸。ナスダック総合株価指数は同140.645ポイント安の1万7721.587だった。
日程面では、きょうは5月の全国消費者物価指数(CPI)、5月の食品スーパー売上高など。海外では6月の英PMI、6月のユーロ圏PMI、6月の独PMI、6月の仏PMI(いずれも速報値)、6月の米PMI(S&Pグローバル調査・速報値)、5月の英小売売上高、6月の米中古住宅販売件数、5月の米景気先行指標総合指数など。
出所:MINKABU PRESS
2024/06/21 08:00
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=「新TOPIX関連」の潮流発生
きょう(20日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比62円高の3万8633円と3日続伸。前日の米国株市場が休場だったことで手掛かり材料難が意識されやすいところではあったが、こうなると投資家の視線は必然的に前日の欧州に向く。とりわけ仏CAC40と独DAX指数の注目度が高いが、いずれも軟調だったことで、朝方はリスク回避モードとなった。しかし、後場に入ると米株価指数先物(ナスダック100指数)が強さを発揮しているのを横目に買い戻しを誘発、日経平均は先物主導でほぼ一本調子に下げ幅を縮小し、午後2時前にプラス圏にたどり着いた。その後は狭いゾーンでもみ合ったが、大引けは帳尻を合わせてこの日の高値圏で着地している。何がどう作用したという相場ではなかったが、薄商いが象徴するように目先は売り買いともに力が抜けた状態にある。
方向感の見えにくい、つかみどころのない地合いが続くなか、テーマ物色の動きも鳴りを潜めている。だが、そのなかで一つ市場関係者の話題となっていたのが「新TOPIX」絡みの銘柄であった。日本取引所グループが前日にTOPIXの新たな改革案を公表、採用銘柄の時価総額基準を一段と厳格化し、2028年には現在よりも40%強少ない1200銘柄程度に絞り込む。同時に成長性のある企業を取り込むことを目的に、スタンダード市場とグロース市場からおよそ50銘柄が加わると伝わった。
過去にさかのぼるが、東証2部やマザーズから東証1部に市場変更された銘柄についてはTOPIX新規採用に伴い、指数連動型ファンド(パッシブファンド)の組み入れニーズが発生し、それがそのまま買い需要として株価に浮揚力を与えるという見方で物色人気につながるケースが多かった。今回も同様の理屈で、プライム市場以外から新規採用された銘柄は、“株高ボーナス”の恩恵に授かるという思惑が漂う。ここでマーケットの視線が向かったのが「スタンダード上場銘柄で時価総額上位にある銘柄」である。短絡的と言えばその通りだが、そもそも株価は思惑で動く。半分はマネーゲーム的な感覚で投資資金の食指を動かしたのは、スタンダード市場で売買代金第2位に位置する日本マクドナルドホールディングス<2702.T>や、第4位の東映アニメーション<4816.T>、第7位のワークマン<7564.T>、第9位のフクダ電子<6960.T>、第11位のセリア<2782.T>といった銘柄群である。
ちなみに、スタンダード市場の断トツの時価総額トップは1兆5000億円強の日本オラクル<4716.T>。また、時価総額上位10傑では、上記以外の銘柄では第3位がアコム<8572.T>、第5位に住信SBIネット銀行<7163.T>、第6位にハーモニック・ドライブ・システムズ<6324.T>、第8位に三菱食品<7451.T>、第10位にナカニシ<7716.T>というラインナップとなっている。
このほか、最近の内需株の弱さによって投資家の関心が薄れているが、前日引け後に発表された5月の訪日外国人客数は予想通りとはいえ文句をつけようのない高水準だった。前年同月比で60%増の304万人で、3カ月連続の300万人超え。コロナ禍前の19年5月との比較でも約1割近く多い。この活況ぶりをスルーしてしまうのは、ひとえに株式需給の悪さによるが、これは半導体関連とも似通った部分がある。
しかし、目を凝らしてみると局地的ではあるが反応している銘柄も少なからずある。突然変異的な急騰相場を演じた藤田観光<9722.T>はインバウンドの切り口とは関係のないところで人気化したのだが、ホテル関連株に資金還流を促す契機となるかもしれない。CSSホールディングス<2304.T>などはその流れを暗示する動きともいえる。このほか、目先ノーマーク状態のワシントンホテル<4691.T>や投資指標面で割安感の強いツカダ・グローバルホールディング<2418.T>などに目を配っておきたい。
あすのスケジュールでは、朝方取引開始前に発表される5月の全国消費者物価指数(CPI)にマーケットの関心が高い。午前中に3カ月物国庫短期証券の入札が行われるほか、午後に5月の食品スーパー売上高が発表される。なお、この日は東証グロース市場にMFS<196A.T>が新規上場する。海外では各国で購買担当者景気指数(PMI)の開示が相次ぐ。6月の英PMI、6月のユーロ圏PMI、6月の独PMI、6月の仏PMI(いずれも速報値)、6月の米PMI(S&Pグローバル調査・速報値)が発表される。このほか、5月の英小売売上高、5月の米中古住宅販売件数、5月の米景気先行指標総合指数など。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/06/20 17:00
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=長谷川香料、中国での更なる事業展開に期待
長谷川香料<4958.T>は10日、中国子会社が上海市で建設を進めていた新研究棟が完成し稼働を開始したと発表。同国市場における香料需要の高まりが背景にあり、今後の更なる事業展開が期待される。
また、5月10日に発表した24年9月期第2四半期累計の連結決算で、経常利益が前年同期比22.2%増の45億5500万円となり、通期計画88億円に対する進捗率が52%弱と順調に推移していることにも注目したい。日本や中国で飲料向けを主因にフレーバー部門の売り上げが好調なほか、米国での販売も伸びている。
株価は3000円近辺で下値を固めて出直り気配。中期トレンドを示す75日移動平均線を完全に上抜けることができれば、上げに弾みがつきそうだ。(参)
出所:MINKABU PRESS
2024/06/20 10:07
みんかぶニュース コラム
20日の株式相場見通し=反落か、手掛かり材料難も欧州株安が重荷
20日の東京株式市場は様子見ムードのなかも主力株中心に下値を試す展開か。日経平均株価は3日ぶりに反落し、3万8000円台半ばから前半で売り物をこなす地合いとなりそうだ。前日は米国株市場がジューンティーンス(奴隷解放記念日)の祝日で休場だったことから、手掛かり材料に事欠く状況にあるが、ここ政局不安や景気先行き不安の漂う欧州主要国の株価指数が総じて軟調に推移し、東京市場でもこれが向かい風として意識されやすい。前日の欧州市場は独DAXが0.4%安、仏CAC40が0.8%安といずれも1%に届かない下げだったものの、終始軟調な推移となった。フランスで今月末に行われる国民議会選挙で極右勢力の伸長を警戒する動きが依然として拭えない。また、この日はEUの執行機関である欧州委員会が、過剰な財政赤字を是正する手続きの対象国にフランスやイタリアなど7カ国を挙げ、これがネガティブに捉えられた面もある。東京市場では、前日に半導体セクターの主力株がエヌビディア<NVDA>をはじめとする米半導体株高に追随できず、売りに押される銘柄が目立った。信用買い残が膨らむなか、株式需給悪が上値を押さえる要因となっており、きょうも半導体関連株の値動きが投資家のセンチメントを左右する可能性がある。一方、外国為替市場では1ドル=158円台に入る円安方向に振れていることで、これは半導体セクターなど輸出株やインバウンド関連などを中心に株価の下支え材料となることが予想される。
日程面では、きょうは東京都知事選が告示される(投開票は7月7日)。このほか、5月の主要コンビニエンスストア売上高、5年物国債の入札など。海外では、6月の中国最優遇貸出金利、5月の米住宅着工・許可件数、週間の米新規失業保険申請件数、6月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数など。また、インドネシア中銀、スイス中銀、ノルウェー中銀などが政策金利を発表する。
出所:MINKABU PRESS
2024/06/20 08:01
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=エヌビディア躍進と東京市場に潜む悲観
きょう(19日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比88円高の3万8570円と続伸。前日の欧州株市場は全面高となったが、ドイツやフランスなどいずれも1%に満たない上昇率で、とりあえず下げ止まったという格好。また、米国株市場の方もナスダック指数が7連騰で連日の史上最高値更新というと聞こえはいいが、5ポイント高とほぼ横ばいで着地。NYダウも続伸ながら0.1%の上昇にとどまった。モヤモヤ感が拭えないなか、東京市場も怪しい値動きとなった。日経平均は朝方300円を超える上昇をみせる場面はあったが、その後はどうにも上値の重い地合いで、後場取引後半には値を消す展開に。大引けの日経平均は高くなったが、その直前まで前日終値近辺を千鳥足で徘徊した。
米株市場では大手ハイテク株の躍進が目立つ。その筆頭はいうまでもなくエヌビディア<NVDA>で、最高値圏での快進撃が続いている。前日は遂に時価総額でマイクロソフト<MSFT>を抜き去り、世界トップの座に躍り出た。AI用半導体で大脚光を浴びたGPUの独占的サプライヤーとして、業績と株価の躍進ぶりについて今更触れるまでもない。ただ、この天をも切り裂くような先鋭化したチャートは、新たに資金を投入する側からすれば躊躇するのが普通の感覚である。バンジージャンプ並みの思い切りが必要といってもよい。しかし、パフォーマンスで後れを取るわけにいかない機関投資家は、持たざるリスクに背中を押されて資金を投下する。俗に言うFOMO(フォーモ)に洗脳された構図となっている。
中国の古典に「千丈の堤も螻蟻(ろうぎ)の穴をもって潰(つい)ゆ」という言葉がある。どんなに頑丈な堤防であっても、時が来ればそれまで気にも留めなかった“蟻の一穴”が崩壊の端緒となることを言ったものだ。今は一世を風靡するエヌビディアの株価もその瞬間がいずれは訪れる。今、その話を持ち出すのは時期尚早にも思えるが、実はそうでもない可能性がある。東京市場の半導体製造装置大手の最近の株価推移は、エヌビディアをはじめとする米半導体セクターと不自然なくらいにギャップが大きい。特にエヌビディアと収益連動性が高いはずのアドバンテスト<6857.T>の株価の出遅れ感が気になる。
変調なのは半導体関連だけではない。内需株も危険な匂いを漂わせている。インバウンド関連の追い風が強まるなか、ここ最近の日本航空<9201.T>やANAホールディングス<9202.T>など空運、そして東武鉄道<9001.T>、京浜急行電鉄<9006.T>、小田急電鉄<9007.T>など私鉄やJR東日本<9020.T>、JR東海<9022.T>なども合わせ鉄道株の崩れ足も何かを語っている可能性がある。ありていに言えば日本から投資マネーが逃げ出しているようなイメージを想起させ、少なくとも楽観できる局面ではないことを教えている。
当面、個別株戦略は機動的に半身に構えた感じで対処する。リスクヘッジ的な意味合いでは、有配企業でありながら解散価値を大幅に下回る銘柄群の下値を拾う作戦がひとつ。例えば今3月期営業75%増益の40億円予想で大幅増配を計画し、配当利回りが4%あまりに達しているアーレスティ<5852.T>。同社株のPBRは何と0.33倍。解散価値の半値はおろか、3分の1というのはさすがに放置され続ける水準とは思えない。このほか、ここ動意含みの大同信号<6743.T>はPBR0.3倍台。また、同じく上値慕いをみせる大同メタル工業<7245.T>はPBR0.4倍台。もちろん、いずれも有配企業である。
投資テーマでは、エヌビディア関連からひと捻り入れた「サイバー防衛」が旬といえそうだ。生成AI市場の急拡大を背景に、データ改竄(かいざん)や情報漏洩、フェイク動画、ジェイルブレークなどさまざまなリスクが極大化の傾向をたどるなか、セキュリティー関連株への注目度が高まりやすい。FFRIセキュリティ<3692.T>、ラック<3857.T>、サイバートラスト<4498.T>、ソリトンシステムズ<3040.T>などに目を向けておきたい。
あすのスケジュールでは、東京都知事選が告示される(投開票は7月7日)。6月の月例報告、5月の主要コンビニエンスストア売上高が発表されるほか、5年物国債の入札が午前中に行われる。また、この日はPostPrime<198A.T>とWOLVES HAND<194A.T>が東証グロース市場に、タウンズ<197A.T>が東証スタンダード市場に新規上場する。海外では、6月の中国最優遇貸出金利、5月の米住宅着工・許可件数、週間の米新規失業保険申請件数、6月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数などが注目される。また、インドネシア中銀、スイス中銀、ノルウェー中銀などが政策金利を発表する。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/06/19 17:00
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=ラクス、第2四半期以降新規受注の伸び回復へ
ラクス<3923.T>の株価は今年に入り下降基調にあったが、4月26日安値1522円を底に下値を切り上げている。
同社は、経費精算システム「楽楽精算」、電子請求書発行システム「楽楽明細」、メール共有管理システム「メールディーラー」などで知られる業務効率化のためのクラウドサービスを提供する企業。24年3月期は営業利益55億5900万円(前の期比3.4倍)と大幅増益となった。
前期はインボイス制度や電子帳簿保存法の追い風があった。その反動により24年1月以降の「楽楽精算」「楽楽明細」の月次売上高の伸び率が鈍化したとして株価は下落基調にあったが、新規受注の伸び鈍化は会社側も想定済み。一方、前期に行った人員増強などを通して販売力は強まっており、マーケティング投資の増額効果もあって第2四半期以降は新規受注も回復に向かいそう。会社側では25年3月期の営業利益を90億円(前期比61.9%増)と見込むが、保守的との見方が強い。
また、会社側では「楽楽精算」の価格改定を検討しており、7〜10%程度の上昇を見込む。値上げ効果が本格的に寄与する26年3月期には純利益100億円以上(25年3月期予想69億円)を見込んでおり、増益基調継続にも注目したい。(仁)
出所:MINKABU PRESS
2024/06/19 10:00
みんかぶニュース コラム
19日の株式相場見通し=続伸、欧米株堅調受け買い戻し続く
19日の東京株式市場は主力株中心に買い戻しが続き日経平均株価は続伸、3万8000円台後半に歩を進めそうだ。欧州株市場が足もと下げ止まる動きをみせ、前日は仏CAC40や独DAXなど主要国の株価指数をはじめほぼ全面高商状となっており、過度な不安心理の後退がみられる。ただし上げ幅は小さくいずれも自律反発の域を出ていない。一方、米国株市場ではハイテク系グロース株への買いが続いており、NYダウが続伸しバランスを取り戻しているほか、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は小幅ながら7連騰で最高値街道を走っている。この日は画像処理半導体大手のエヌビディア<NVDA>が3.5%高に買われ上場来高値を更新、時価総額でマイクロソフト<MSFT>を上回り世界首位となった。これが全体相場のリスク選好ムードを後押し、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も続伸、こちらも最高値更新となっている。米半導体関連への買いが追い風となって、東京市場でも同関連株を中心にリスクオンの地合いが想定される。日経平均は3万8000円台後半での強調展開が見込まれるが、きょうは米国株市場が奴隷解放記念日の祝日で休場となることから、海外投資家の売買が細る可能性があり、買い一巡後は上値が重くなるケースも考えられる。
18日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比56ドル76セント高の3万8834ドル86セントと続伸。ナスダック総合株価指数は同5.212ポイント高の1万7862.232だった。
日程面では、きょうは日銀金融政策決定会合(4月25~26日開催分)の議事要旨、5月の貿易統計、5月の首都圏新規マンション販売、5月の訪日外客数など。海外では5月の英消費者物価指数(CPI)、6月の米NAHB住宅市場指数、ブラジル中銀の政策金利発表など。奴隷解放記念日の祝日に伴い米国株市場は休場となる。
出所:MINKABU PRESS
2024/06/19 08:00
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=“1%ジャストの戻り”は気迷いの結晶
きょう(18日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比379円高の3万8482円と反発。切り返しに転じたとはいえ1%ジャストの戻りに過ぎず、前日の欧米株高を受けたリバウンドとしては物足りない。通常なら後場は徐々に買い戻しの動きが加速し、次第高でその日の高値圏で大引けを迎えるのが、急落後のリバウンド局面としてはお決まりのパターンであった。きょうも取引終了間際に手仕舞い売りならぬ「手仕舞い買い戻し」の動きで日経平均が跳ねる形となったが、ショート筋を踏ませた感触はほとんどない。
週明け17日は先物主導の売りで思わぬ急落に見舞われたが、メジャーSQ通過後の仕掛けということもあって虚を衝かれた部分もあったかと思われる。問題は下げの背景が判然としないということだ。今月末のフランス国民議会(下院)選挙で極右政党の躍進が警戒されている。確かに政局不安の火種として、現地ではのっぴきならないネガティブな要素をはらんでいることは理解できるが、これを前日の日本株急落の材料に掲げるには正鵠を射ているとは到底思えない。仮に海外投資家が日本株の買いポジションを減らす動き、もしくは先物売りでヘッジをかけたとしても、それは別の理由がおそらく存在する。政局ならばよほど国内の方がいろいろと売りの取っ掛かりが多いはずで、逆に言えば敢えて欧州に理由を求めるほど、国内政治のマーケット全体に与える影響は希薄化していることの裏付けともなっている。
フランスの政情は日本にとって実はダミーで、実際は日銀が金融政策決定会合で国債買い入れ減額を発表したことが本丸という指摘も多い。しかし、この日銀の量的引き締めの選択肢については寝耳に水どころか、耳にタコができるほど投資家サイドは事前のリークで聞かされていた話だ。実際、決定会合直後は想定よりもハト派的という解釈が大手を振り、日経平均は強含みプラス圏で着地している。そして、週末は無風通過で一件落着に見えたものの、週明けに時間差で大きくマーケットは揺さぶられた。後付け材料として可能なのは前週末14日引け後の植田日銀総裁の記者会見を嫌気したという説。しかし、これは後付けというよりは“なすりつけ”のネタにされている印象もある。
先物絡みで振り回されているようにも見えるが、個別株に対しても気迷いムード満載で、物色意欲が減退している感は否めない。前日はプライム市場で全体の8割弱の銘柄が下落し、きょうは7割強の銘柄が上昇した。しかし、主力どころを見るとショート解消に伴うリバウンドは前場に見せ場を作り、後は惰性で流した感じとなった。後場は前場の余韻で日経平均が上昇をキープしたとはいえ、3万8000円台半ばまで上値を伸ばすのが精一杯。そこから先は胸突き八丁、戻り売りを浴びて退散するよりない状況だった。
半導体関連株は相変わらず跛行色が強く、一斉高でロケットスタートを決めても、ゴールテープを切るまでには脱落者(マイ転)が多数出てしまうのは見慣れた風景。米エヌビディア<NVDA>がアクセル全開でフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が青空圏を舞い上がっても、東京市場の方は“笛吹けど踊らず”の状態から抜け出せないでいる。例えばエヌビディア関連の急先鋒であるアドバンテスト<6857.T>の5000円台半ばでのもみ合いを、以前のように絶好の買い場とは言い切れなくなっている。
19日の米国株市場がジューンティーンスで休場ということもあって、足もとで外国人投資家の売買に厚みが伴わない面もあるが、やはり個人投資家マインドも冷え込んでいる。信用買い残は増勢にあるが、それは今の値ごろ感からくるもので積極的に買い向かっているようには見えない。一方、空売り比率は直近17日現在で45.9%まで高まっているが、相場の転機を示唆するにはまだ少し距離がある印象だ。
あすのスケジュールでは、朝方取引開始前に日銀金融政策決定会合(4月25~26日開催分)の議事要旨が開示されるほか、5月の貿易統計が発表される。午後取引時間中には5月の首都圏新規マンション販売が開示。また、午後取引終了後に発表される5月の訪日外客数にマーケットの関心が高い。なお、IPOが1社予定されており、東証グロース市場にライスカレー<195A.T>が新規上場する。海外では5月の英消費者物価指数(CPI)、6月の米NAHB住宅市場指数、ブラジル中銀の政策金利発表など。この日は奴隷解放記念日の祝日に伴い米国株市場は休場となる。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/06/18 17:00
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=酒井重、マド埋めから戻り本番へ
酒井重工業<6358.T>の6000円未満は買い場と判断したい。道路舗装に使われるロードローラーなど道路機械の専業大手であり、大型機で強みを発揮し、国内では圧倒的な商品競争力を誇る。海外売上比率が6割弱を占めており、米国での新機種投入などで24年3月期は経常利益が前の期比43%増の33億2400万円と大幅な伸びを達成した。その反動もあって25年3月期は27億円予想と2ケタ減益を見込むが保守的で、上振れ余地を内包している。
PBRが0.8倍台と割安に放置されるが、PBR1倍回復に向けた経営努力に前向き。9月末の株主を対象に1株を2株にする株式分割を発表、25年3月期年間配当は分割修正前で215円予想と前期実績比で減配ながら、配当利回りは3.7%と高い。5月中旬に開けたマドを埋めにいく展開が想定され、マド埋め完了後も更なる戻り足が期待できる。株式需給面も信用買い残が枯れた状態で上値は軽そうだ。(桂)
出所:MINKABU PRESS
2024/06/18 10:00
みんかぶニュース コラム
18日の株式相場見通し=大幅反発か、欧米株高受け目先センチメント改善
18日の東京株式市場は主力株中心に広範囲に買い戻される地合いとなり、日経平均株価は大きく切り返す展開が想定される。前日の欧州株市場は高安まちまちの展開ながら、仏CAC40や独DAXをはじめ主要国の株価指数は自律反発狙いの買いが入りリバウンドに転じた。依然として極右勢力台頭による政局不安は重荷となっているものの、足もとはいったん下げ止まる動きとなった。また、米国株市場ではハイテク株への買いが継続、ナスダック総合株価指数が6連騰で最高値更新を続けたほか、消費関連株にも値ごろ感から押し目買いの動きが表面化し、NYダウが5日ぶりに反発した。朝方は米長期金利の上昇を嫌気してダウはマイナス圏でスタートしたが、その後は尻上がりに買いが優勢となった。この日の朝方に発表された6月のNY連銀製造業景況指数は市場コンセンサスを上回る強い内容で、米景気の底堅さが確認されたことは景気敏感株などに追い風となっている。東京市場では前日に日経平均株価が700円あまりの急落に見舞われたが、きょうは欧米株が強さを見せたことでセンチメントが改善、幅広い銘柄に買い戻しを誘発する公算が大きい。前週末の日銀の金融政策決定会合では国債買い入れ減額が発表されたものの、日銀の政策スタンスは想定したほどタカ派寄りではなかった。株式の相対的な割安感が意識されやすい一方、今週は19日の米国株市場が休場となるほかスケジュール面から手掛かり材料不足で、買い一巡後は様子見姿勢となる可能性もある。
17日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比188ドル94セント高の3万8778ドル10セントと反発。ナスダック総合株価指数は同168.138ポイント高の1万7857.020だった。
日程面では、きょうは5月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値、6月の欧州経済研究センター(ZEW)独景気予測指数、ハンガリー中銀、豪中銀の政策金利発表、5月の米小売売上高、5月の米鉱工業生産・設備稼働率、4月の米企業在庫、4月の対米証券投資、米20年国債の入札など。なお、インドネシア市場は休場。
出所:MINKABU PRESS
2024/06/18 08:00
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=要警戒、“全部売り”状態の東京市場
週明け17日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比712円安の3万8102円と急反落。取引時間中は3万8000円台を下回る場面もあった。前週末を振り返ると、日銀金融政策決定会合は事前の想定通り国債買い入れ減額を決めたとはいえ、想定よりもハト派的な内容であったという見方が強まり、後場に日経平均は頑強な値動きを示した。しかし、安心感が広がったのも束の間、植田和男日銀総裁の記者会見を経て時間差でリスクオフの波が押し寄せる格好となっている。前週末の引け後の日経平均先物の値動きが、週明けの東京市場の軟調展開を予想させたが、実際は大方の想定以上に深押しとなった。
これだけの売りを浴びながら背景が今一つはっきりしない。日銀の政策転換への思惑もあるとはいえ、それだけではなさそうだ。前週末に時計の針を戻すと、まず欧州株市場の動向に目が行く。主要国の株価が全面安に売り込まれたが、そのなかフランスの主要株価指数であるCAC40の下落率が約2.7%に達するなど顕著な下げとなった。ここ数日のフランス市場はまさに「釣瓶(つるべ)落とし」の形容が当てはまる崩れ足となっている。
背景は極右勢力の台頭。今月末から投票が始まるフランスの国民議会選挙(下院)でマリーヌ・ルペン氏率いる極右政党が勝利するパターンとなった場合、フランスのEU離脱の可能性までシナリオとして描かれ、株式市場にとってもリスク回避ムードが意識されざるを得なくなっている。これを受けて市場関係者の間では「欧州系の海外投資家が日本株を合わせ切りしている」(中堅証券ストラテジスト)という見方が示されていた。
11月のビッグイベント米大統領選については「ダブルへイター」、いわゆるどちらも支持したくないという白けた状況が伝わっているが、それでも熱狂的な支持者を有するトランプ氏が優位という見方が強い。トランプ氏が大統領に返り咲くとすれば「欧州と共鳴する形で、これからの世界はナショナリズムの台頭あるいは、グローバリズムの後退が一つの潮流を形成しそうだ」(ネット証券マーケットアナリスト)という。これだけでは一概に株式市場にネガティブとは言い切れないが、米国中心に自国ファーストとなれば世界的な有事リスクが今よりも高まる公算が大きく、そうなると世界景気減速の中でのインフレ再燃という、スタグフレーションの亡霊が再び姿を現す可能性がある。
ECBは前回の会合で利下げを決めたが、FRBはすぐにこれに追随することに躊躇している。また、ECBの継続的な利下げを見込む向きも今のところ少数派だ。インフレの火種がくすぶるなか、利下げが景気減速に追いつかないケースを株式市場は危惧しているようにも見える。とりわけ米国の逆イールドの解消(2年債利回りと10年債利回りの再逆転)のタイミングは注意を要する。それは債券市場のメカニズムとして正常化に向けた動きであっても、福音となるとは限らない。「逆イールド期間の長さやスプレッドの大きさを考えれば、その解消局面が静かに訪れると期待するほどマーケットは楽観的ではない」(ネット証券アナリスト)という。時間軸的にその瞬間は、実勢経済や株式市場にとって非常にリスキーな風景が眼前に広がっている可能性を示唆する。
日銀の国債買い入れ減額は事実上の量的引き締め(QT)といっていいが、会合後の東京市場は頑強な値動きとなった。仮に引け後の植田総裁の記者会見で「思ったよりタカ派っぽい」という認識が広がったにせよ、その指摘には矛盾がある。メガバンクや大手生保の下落トレンドに歯止めがかからないことだ。トヨタ自動車<7203.T>やNTT<9432.T>の下げっぷりに唖然とするだけではなく、足もとでは半導体関連をはじめとするハイテク主力株であろうが、メガバンクであろうが投資資金は退避する一方だ。気が付けば三菱商事<8058.T>など大手商社株もバフェット効果が完全剥落した状態に放置されている。押し目買い好機と買い下がる前に、これらが何を意味するのかに思考を巡らす時間が必要かもしれない。
あすのスケジュールでは、IPOが1社予定されており東証グロース市場にインテグループ<192A.T>が新規上場する。また、この日はトヨタ自動車<7203.T>の株主総会が行われる。海外では5月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値、6月の欧州経済研究センター(ZEW)独景気予測指数、ハンガリー中銀、豪中銀の政策金利発表、5月の米小売売上高、5月の米鉱工業生産・設備稼働率、4月の米企業在庫、4月の対米証券投資など。また、米20年国債の入札も予定されている。なお、インドネシア市場は休場。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/06/17 17:00
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=太平洋セメ、PBR0.8倍台でなお割安
太平洋セメント<5233.T>に注目したい。セメント最大手である同社の業績は好調だ。24年3月期の連結営業利益は、前の期比で約13倍の564億7000万円と大幅増益となった。国内ではセメント価格の値上げが浸透したほか、活発なインフラ投資が追い風の米国子会社の増益が寄与した。25年3月期の同利益は前期比48.8%増の840億円が予想されており、18年ぶりに最高益を更新する見通しだ。
業績拡大を受け、株価は上昇基調を強めているが、連結PERは7倍台、同PBRは0.8倍台と依然として割安感は強い。先行き18年1月につけた5070円の高値更新からの一段高が期待できる。(地和)
出所:MINKABU PRESS
2024/06/17 10:00