みんかぶニュース コラムニュース一覧
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=スパイダー、売上高成長続き底値買いチャンス
スパイダープラス<4192.T>は大底圏で急動意をみせているが、300円台半ばの水準は依然として拾い場と判断される。早晩400円台乗せから一段と水準を切り上げる展開が期待される。建築図面や現場施工の管理アプリを開発・販売し、建設現場の業務効率化サービスを提供する。契約企業は大手ゼネコンをはじめ2000社を超え、サブスクリプション形態で安定した収益基盤を構築している。人工知能(AI)を活用した配筋検査業務の機能拡充など、付加価値を高めて更なる需要開拓を図る。
業績は人的投資など先行費用の関係で営業赤字が続いているものの、トップラインの伸びが顕著で成長力の高さは証明されている。25年12月期を境に営業損益が黒字転換する可能性があり、今は安値買いの好機に。(桂)
出所:MINKABU PRESS
2024/12/10 10:00
みんかぶニュース コラム
10日の株式相場見通し=売り買い交錯、米CPI発表前で上値重い
10日の東京株式市場は強弱観対立のなか、日経平均株価は前日に続き比較的狭いゾーンでの値動きとなり、3万9000円台前半でのもみ合いが予想される。前日の欧州株市場では主要国の株価が高安まちまちの展開となり、直近まで7連騰で史上最高値更新を続けていた独DAXは8日ぶりに上昇一服となった。防衛関連株への売りが目立ち全体指数に影響したが、下げ幅はわずかにとどまっている。一方、仏CAC40は8連騰を記録、中国の財政政策への期待が拠りどころとなり、底入れ反騰色を強めている。米国株市場ではハイテク株などを中心に幅広い銘柄に利食い急ぎの売り圧力が表面化しており、主要株価3指数いずれも下落した。NYダウは12月に入ってから上値の重さが目立ってきた。今月行われるFOMCではFRBが0.25%の利下げを決定するとの観測が強まっているが、11日に発表予定の11月の米消費者物価指数(CPI)を前に、この結果を見極めたいとの思惑から積極的な買いが手控えられた。個別ではエヌビディア<NVDA>をはじめ半導体関連株への売りが目立つ。エヌビディアは中国当局が独占禁止法などの疑いで調査を始めたと伝わったことが売りを誘った。また、アドバンスト・マイクロ・デバイシズ<AMD>はアナリストの投資判断引き下げが嫌気され大幅な下落を余儀なくされた。最高値街道を走っていたナスダック総合株価指数も反落し、2万の大台乗せを前に足踏みを余儀なくされている。東京市場ではここ最近はナスダック指数に連動する形で日経平均が上昇基調にあったが、きょうは同指数の軟化を受けて上値の重い展開を強いられそうだ。今週末13日にメジャーSQ算出を控えており、先物主導で荒れた値動きとなる可能性もあるが、押し目買いニーズも強い。外国為替市場でドル高・円安方向に振れていることは輸出セクターを中心に株価の下支え材料となる。
9日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比240ドル59セント安の4万4401ドル93セントと3日続落。ナスダック総合株価指数は同123.084ポイント安の1万9736.690だった。
日程面では、きょうは11月のマネーストック、5年物国債の入札、11月の工作機械受注額など。海外では、豪中銀の政策金利発表、11月の中国貿易統、11月の全米自営業者連盟(NFIB)中小企業楽観度指数など。なお、タイ市場は休場。
出所:MINKABU PRESS
2024/12/10 08:00
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=内需株の地殻変動、噴き上げる「DX関連」
週明け9日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比69円高の3万9160円と反発。スタートダッシュを決めた師走相場だが、前週末あたりから上値追いにやや懐疑的なムードも出てきた。きょうも変動幅こそそれほど大きくはないが、寄り付き天井を形成し、その後は上下に不安定に揺れた。しかし、米国ではハイテク株中心にリスクオン相場が続いており、ナスダック指数が最高値圏を快走するのを横目に足もとで弱気に傾く道理もない。今週は週末にメジャーSQ算出を控え、先物主導で全体相場の流れが急変することも考えられるが、中小型株への物色意欲が再燃している点は個人投資家には追い風といえる。
今週は11日に11月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えているが、米株市場ではここを無風通過と読んでいるのか、前週末時点で12.77と13%を割り込んだVIX指数をみても、かなり楽観に傾斜していることが分かる。来週17~18日のFOMCでは0.25%の利下げが既定路線となっている雰囲気だが、問題はドットチャートで、来年のFRBの金融政策の舵取りがどうなるかに世界の関心が高い。いまのところ年間で1%もしくは0.75%の引き下げ予想が本線のようだが、「毎会合連続ということではなく、様子をみながらボチボチ引き下げる、景気も強いしそれで十分というイメージ」(ネット証券ストラテジスト)とする。そうした声を聞くほどに、楽観の中で成熟した上昇相場が陶酔の中で消えていく件(くだり)とならないかと不安がよぎる。
東京市場で懸案となっている半導体関連株の低迷脱出は、レーザーテック<6920.T>が象徴するように株式需給がカギを握る。高水準の信用買い残の整理が進むどころか、株価を下げながら買い残が増勢一途となっており、需給悪を見込んで新規の買いが入ってこないという悪循環に陥っている。これだけ下げれば、レーザーテクなどは逆張りで食指が動くのが人情だが、株価水準よりも需給的な観点が必要で、今は戻っても吹き値売りで対処するよりない時間帯だ。また、皆がそう考えるからこそ吹き値売りもそう簡単ではない。
流れは内需の中小型株に向いている。にわかに動意が相次いでいるのが、DX関連の銘柄群である。こちらはしばらく「投資家の視点から姿を消していた」という点が、半導体セクターと異なる。株価が下落トレンドを強いられる過程で、逆張りで信用買い残が膨張するような状況にはなかったため、テーマ物色の波が起きると戻り足も軽い。
DX関連も業績面で選別していくのが基本だが、足もとの進捗率で騙されるケースもある。例えば下期回収型の銘柄は、上期の収益がパッとしなくても、後半追い込みがかかる「まくり」パターンで帳尻が合うことが多い。もちろん、その逆のケースもあるが基本的にITソリューション関連は大型案件の計上一発で景色が変わるので、安易に進捗率で判断しないことが肝要だ。「相場は相場に聞け」というが、これは個別株にもそのまま当てはまり、チャートの値動きはある意味、その銘柄の鼓動であり息遣いである。同様のコンセプトで、より実践的に「強い株につけ」という格言もある。
最近の動きでは派遣型研修のDX支援ビジネスを展開するインソース<6200.T>が現在進行形で強さを発揮。また、独立系で自治体に強いアイネス<9742.T>なども大勢2段上げを思わせる動きだ。このほか、官公庁向けで実績の高いクロスキャット<2307.T>が拾い場を提供している感触。ビッグデータ・AI関連の成長株としては、既に動兆著しいがFinatextホールディングス<4419.T>などの押し目買いに妙味がありそうだ。このほか、ネットリサーチを祖業に、近年はデジタルマーケティングなど高付加価値分野に舵を切り業績を変貌させているクロス・マーケティンググループ<3675.T>も目が離せない。
あすのスケジュールでは、11月のマネーストックが朝方取引開始前に開示されるほか、午前中に5年物国債の入札が行われる予定。午後3時以降に11月の工作機械受注額が発表される。また、この日はGENDA<9166.T>の2~10月期決算発表が予定されている。海外では、豪中銀が政策金利を発表するほか、ブラジルの金融政策員会が11日までの日程で開催される。また、11月の中国貿易統計にマーケットの関心が高い。米国では11月の全米自営業者連盟(NFIB)中小企業楽観度指数が開示され、7~9月期労働生産性指数の改定値も公表される。米債券市場では3年物国債の入札が予定されている。なお、タイ市場は休場となる。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/12/09 17:30
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=ラクス、経理デジタル化需要が拡大
ラクス<3923.T>に注目したい。同社はクラウド経費精算システム「楽楽精算」などが主力。25年3月期の連結純利益は従来予想の69億円から73億1000万円(前期比74.6%増)に増額され、配当も従来予想を20銭上回る4円10銭(前期比1円75銭増)に見直された。中堅・中小企業の経理業務のデジタル化需要は強く、主力のクラウド事業が想定を上回って推移している。IT人材を派遣するIT人材事業も堅調だ。
同社は中期経営目標で26年3月期の同利益を100億円以上(今期予想比36.8%以上増)に置いているが、この目標は達成可能との見方が出ている。株価は8月高値2457円更新からの一段高が見込める。(地和)
出所:MINKABU PRESS
2024/12/09 10:00
みんかぶニュース コラム
9日の株式相場見通し=反発、米雇用統計後のハイテク株高が追い風
9日の東京株式市場は主力株中心に買い戻しが優勢の地合いとなり、日経平均株価は反発する可能性が高そうだ。前週末の欧州株市場は高安まちまちの展開だったが、ドイツの主要株価指数であるDAXは小幅ながら7日続伸し、連日で最高値をつけている。また、フランス株もここドイツ株に歩調を合わせCAC40が7日続伸、政局不安がやや後退するなか戻り足を強めてきた。米国株市場では景気敏感株や金融株の一角が冴えず、NYダウは続落となったが、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は反発し最高値を更新した。また、機関投資家がベンチマークとして重視するS&P500指数も反発し最高値街道に復帰している。発表された11月の米雇用統計は非農業部門の雇用者数が事前コンセンサスを上回る水準だったほか、10月分も上方修正した。平均時給も予想を上回った。一方、失業率は前月の4.1%から4.2%に加速したが、これはコンセンサスとほぼ合致し、総じて今回の雇用統計は強い内容だったといえる。とはいえ際立って強い数字でもなく、今月17~18日に開催されるFOMCでFRBによる0.25%の利下げは有力という見方に変化は生じていない。今週は11日に11月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えており、これを確認したいというニーズはあるものの、足もとの米長期金利が低下傾向を示したこともあって、ハイテクセクターには追い風の意識される相場環境となった。東京市場では前週末に日経平均が5日ぶりに上昇一服となったが、きょうは前週末の米ハイテク株高を受けて、再び仕切り直しの買いが流入しそうだ。ただ、今月18~19日の日銀の金融政策決定会合を控え、上げ幅は限定的となる可能性もある。
6日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比123ドル19セント安の4万4642ドル52セントと続落。ナスダック総合株価指数は同159.051ポイント高の1万9859.774だった。
日程面では、きょうは10月の国際収支、11月の景気ウォッチャー調査、7~9月期GDP改定値など。海外では11月の中国消費者物価指数(CPI)、11月の中国生産者物価指数(PPI)、10月の米卸売在庫・売上高など。
出所:MINKABU PRESS
2024/12/09 08:00
みんかぶニュース コラム
来週の株式相場に向けて=円高懸念残るなか「外食・小売り」の上昇は続くか
6日の東京市場で日経平均株価は304円安の3万9091円と5日ぶりに反落した。前日まで日経平均株価は1200円近く上昇しており、利益確定売りが膨らんだ格好だ。特に、今晩は米11月雇用統計が発表される。市場では17~18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利下げを7割近い確率で織り込んでいるが、なお3割近くは政策金利据え置きを予想しているだけに、今晩の雇用統計への関心は高い。
また、来週は11日に米11月消費者物価指数(CPI)、12日に同生産者物価指数(PPI)が発表される。加えて、18~19日の日銀金融政策決定会合では追加利上げに対する見方は割れている。それだけに、13日の12月日銀短観も目が離せないだろう。
日米金融政策の結果で「為替が円安・円高のどちらかに動くかで株式市場の物色傾向も左右される」(市場関係者)ことになる。円安基調が強まれば、当然、半導体関連などハイテク株が見直されるが、足もとでは一時1ドル=148円台まで進んだ円高を意識し内需株に見直し買いが入っていることは見逃せない。
特に、円高メリットも期待される外食や百貨店、スーパー、専門店などを含む「小売り株」は堅調な値動きを続けている。東証33業種別の「小売業」セクターは、きょう1992.67と年初来高値をつけた。小売業の年初からの上昇率は21%となり、日経平均株価の17%やTOPIXの15%を上回る頑強ぶりだ。外食関連では、牛丼チェーンでは吉野家ホールディングス<9861.T>傘下の「吉野家」やゼンショーホールディングス<7550.T>傘下の「すき家」などの月次売上高は堅調に推移している。また、衣料など専門店ではファーストリテイリング<9983.T>や良品計画<7453.T>、しまむら<8227.T>などが月次売上高の伸びを材料に株価は上昇している。ニトリホールディングス<9843.T>を含め、当面は為替動向を横目に見ながら、小売り株の株価動向を注視する展開が予想される。
上記以外の来週のスケジュールでは、海外では9日に中国11月CPI、10日に中国11月貿易収支、12日に欧州中央銀行(ECB)理事会が開催される。10日にトール・ブラザーズ<TOL>、11日にアドビ<ADBE>、12日にコストコ・ホールセール<COST>、ブロードコム<AVGO>が決算発表を行う。
国内では9日に7~9月期GDP改定値、11月景気ウォッチャー調査、11日に10~12月期法人企業景気予測調査が発表される。13日は、先物のメジャーSQ算出日となる。9日に泉州電業<9824.T>、ミライアル<4238.T>、10日にGENDA<9166.T>、11日にANYCOLOR<5032.T>、12日にビジョナル<4194.T>、タイミー<215A.T>、13日に神戸物産<3038.T>、丸千代山岡家<3399.T>が決算発表を予定している。12日にユカリア<286A.T>、13日にラクサス・テクノロジーズ<288A.T>が新規上場する。来週の日経平均株価の予想レンジは3万8400~3万9700円前後。(岡里英幸)
出所:MINKABU PRESS
2024/12/06 17:31
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=伊勢化、もみ合い上放れ再び人気化へ
伊勢化学工業<4107.T>は調整一巡から再上昇の機運を強めている。同社はAGC傘下のヨウ素メーカー大手。世界トップクラスの生産シェアを誇り、20カ国以上に製品を供給している。脱炭素社会の実現に向けて政府が後押しする「ペロブスカイト太陽電池」の主原料がヨウ素であることから、同太陽電池関連の有力株として投資家の熱い視線が注がれている。
業績は絶好調だ。ヨウ素の国際市況が堅調なことや円安を追い風に、23年12月期は営業4割増益で過去最高を更新。今24年12月期も前期比3割近い増益を予想している。株主還元にも前向きで今期は6期連続の増配となる見通しだ。株価は年前半に急速に物色人気化し、6月に4万500円の上場来高値をつけた。その後反動安に見舞われたものの、右肩上がりの200日移動平均線に支えられる形で徐々に下値を切り上げ、足もと2万円前後のもみ合いを上放れてきた。(イ)
出所:MINKABU PRESS
2024/12/06 10:00
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6日の株式相場見通し=狭いレンジでのもみ合いか、米雇用統計前で様子見ムード
6日の東京株式市場は強弱観対立のなか、日経平均株価は前日終値近辺で様子見ムードの強い地合いとなることが予想される。前日の欧州株市場はほぼ全面高に近い形で上昇し、ドイツの主要株価指数DAXは6連騰で最高値を更新、11月以降は政局不安で調整色を強めていたフランスの主要株価指数CAC40も直近は6日続伸と底入れを明示している。しかし、米国株市場ではここやや過熱気味に買われていたことで警戒感も出ている。前の日にNYダウやナスダック総合株価指数など主要株価3指数が揃って最高値を更新したが、この日は目先持ち高調整の売りが表面化した。日本時間今晩に発表される11月の米雇用統計を前にこの内容を見極めたいとの思惑から買いポジションを軽くする動きが優勢だった。9月から10月にかけての米雇用統計についてはハリケーンやストライキの影響が反映された要素も強く、その意味で11月の雇用統計の内容に注目度が高いとの指摘も出ている。なお、この日の朝方取引開始前に発表された週間の米新規失業保険申請件数は事前コンセンサスを上回った。一方、マーケットの関心が高いビットコイン価格は4日の夜に初めて10万ドルの大台に乗せており、米株市場でも関連株の一角を物色する動きを誘発している。東京市場では12月に入ってから日経平均が4連騰と上値指向を強めていたが、前日の米国株市場が上昇一服となったことを受け、きょうは上値の重い展開を強いられそうだ。米株価指数先物の動向などを横目に不安定な値動きとなることも予想されるが、下値も限定的で3万9000円台前半の比較的狭いレンジでのもみ合いに終始しそうだ。
5日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比248ドル33セント安の4万4765ドル71セントと反落。ナスダック総合株価指数は同34.857ポイント安の1万9700.259だった。
日程面では、きょうは10月の家計調査、10月の毎月勤労統計、11月上中旬の貿易統計、10月の景気動向指数速報値など。海外では7~9月期のユーロ圏実質国内総生産(GDP)確報値、10月の独鉱工業生産指数、11月の米雇用統計、12月のミシガン大学・米消費者態度指数速報値、10月の米消費者信用残高など。
出所:MINKABU PRESS
2024/12/06 07:59
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=「防衛関連株」の裾野に広がる鉱脈
きょう(5日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比119円高の3万9395円と4日続伸。気が付けば日経平均は12月に入ってから安い日がない。きょうは寄り付き直後に高値をつける“寄り天”状態となったのだが、それでも大引けにしぶとくプラス圏で着地するあたり、売り方の立場であれば焦燥感にかられるところかもしれない。
米国株市場の上昇に拍車がかかっている。これまでは、買われている銘柄をみても景気敏感株が有利な時と、ハイテク株の好調が目立つ時とが交互に訪れる感じで、指数で言えばNYダウが上値指向を強めている時は相対的にナスダック総合株価指数が出遅れ、ナスダック指数の上げ足に勢いがつくと、ダウの方は動きが鈍くなるというパターンが多く見られた。しかし、直近はもう猫も杓子も十把一絡(ひとから)げに上がる相場で、両指数ともに一緒に坂道を駆け上がるような状況となっている。当然ながらS&P500指数も最高値圏を走っている。そうしたなか、特徴的なのはフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)の動向であり、今年7月上旬につけた最高値5904はおろか、10月中旬につけた戻り高値5445にも届いていない。「エヌビディア・エフェクト」はAI用半導体というエポックの象徴としてなお絶大な影響力を及ぼしているが、同社の劇的な「成長スピード」も峠を越えたという認識が、半導体セクターから覇気を奪っているようだ。
ただし、米国では半導体関連株の人気復活が実現しない段階でも、全体指数はフィーバー状態に近いブル相場が演出されている。日本の場合は半導体関連セクターの値動きと日経平均やTOPIXの値動きはかなり連動性が高い。これは底値圏もみ合いを続ける日経半導体株指数と、日経平均やTOPIXの波動を見比べれば一目瞭然だ。SOX指数とダウやナスダック指数のトレンドにほとんど相関が見られないのとは対照的である。しかし、東京市場においても半導体関連の上値が重いからといって、その他のセクターも冴えない動きを強制されるということはない。個別株は指数の動向とはまた別次元である。
きょうは三菱重工業<7011.T>が後場に利食いで値を消したものの、前場に約3週間ぶりに上場来高値を更新した。川崎重工業<7012.T>、IHI<7013.T>は上場来高値には届いていないが、いずれも急勾配のリバウンド局面に転じている。今週の初めにスウェーデンのストックホルム国際平和研究所が、世界の兵器メーカー上位100社の収益が2023年に前年比4%あまり増加し、日本円換算で約95兆円だったことを公表。そのなか、三菱重や川重など日本企業5社の兵器による収益合計は同35%増と大幅拡大し、約1兆5000億に達したことが伝えられた。24年、そして25年はこの金額よりも更に膨らむことが確実というコンセンサスによって「防衛関連」というテーマが一段と強靱化されている。
関連銘柄では防衛関連という範疇では伏兵だったIMV<7760.T>が想定以上の物色人気となり、8月初旬以降の戻り相場で時価総額を短期間で倍化させた。倍化しても今の時価総額は200億円未満である。動電型振動試験装置で世界トップクラスの競争力に耳目が集まっている。その実力が国家安全保障という錦の御旗のもとで開花することは、それは理想買いの段階としても株高ストーリーとして申し分がない。
このIMV効果は他の銘柄にも伝播するタイミングが訪れることが予想され、既にその緒に就いた状況にもみえる。ここからは出遅れ銘柄に目が向くところであり、防衛関連という物色テーマの持続性が保たれる中で、投資資金が流れ込む蓋然性は非常に高い。いわゆる待ち伏せ買いで妙味を内包している銘柄としては、防衛省向け訓練・救難用発煙筒などで受注を積み上げる細谷火工<4274.T>、情報システム関連など防衛装備品を提供する日本アビオニクス<6946.T>、US-2型救難飛行艇などで防衛省との取引実績が豊富な新明和工業<7224.T>、防塵・防毒マスクで高シェアを確保する重松製作所<7980.T>、官公庁向けで強みを持つ技術商社でドローンなど新技術分野に定評がある理経<8226.T>などが挙げられる。
あすのスケジュールでは、10月の家計調査、10月の毎月勤労統計、11月上中旬の貿易統計、10月の景気動向指数速報値など。海外では7~9月期のユーロ圏実質国内総生産(GDP)確報値、10月の独鉱工業生産指数が発表されるほか、米国では11月の雇用統計にマーケットの関心が高い。12月のミシガン大学・米消費者態度指数速報値、10月の米消費者信用残高なども開示される。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/12/05 17:30
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=ウネリー、リカーリング顧客数が順調に伸びる
unerry<5034.T>は生活者行動ビッグデータ「Beacon Bank」を運営。「分析・可視化サービス」「行動変容サービス」「One to Oneサービス」のいずれもリカーリング(4四半期以上連続で取引のある顧客企業、及び直近3カ月以上連続で取引のある新規顧客企業)性の高い安定収益を誇る。
足もと業績は堅調で、11月14日に発表した25年6月期第1四半期(7~9月)の単独営業損益は4600万円の黒字(前年同期は4600万円の赤字)に浮上。売上高の9割以上を占めるリカーリング顧客数が119社(前年同期は89社)に増加したことや、原価率及び販管費率が改善したことが寄与した。
株価は11月29日に直近高値2354円をつけたあとは一服商状となっているが、日足チャートでは25日移動平均線と75日移動平均線とのゴールデンクロスが目前。改めて戻りを試す展開が期待できる。(参)
出所:MINKABU PRESS
2024/12/05 10:00
みんかぶニュース コラム
5日の株式相場見通し=続伸、米株最高値圏推移でリスクオン波及
5日の東京株式市場は買い優勢の地合いとなり、日経平均は3万9000円台後半を指向する展開となりそうだ。前日の欧州株市場は高安まちまちの展開だったが、独DAXは1%超の上昇で5日続伸と上値指向が強く、最高値更新が続いている。また、米国株市場では景気敏感株に買い戻しが進みNYダウが3日ぶりに反発、最高値街道に復帰した。ハイテク株も引き続き強い動きでナスダック総合株価指数は4日続伸となり、こちらは連日の最高値更新となっている。この日はパウエルFRB議長が討論会で発言する機会があり、米経済に対する強気の見方を示すとともに、今月のFOMCでの利下げに否定的なニュアンスもなかったことで、マーケットは0.25%の利下げを改めて織り込む形で買いが優勢となった。個別ではNYダウ構成銘柄でクラウドソリューション大手のセールスフォース<CRM>が大幅に上昇し、指数押し上げ効果をもたらした。エヌビディア<NVDA>をはじめ半導体関連株全般も強さを発揮した。東京市場では前日に日経平均が小幅に上昇し3日続伸したものの、値下がり銘柄数が全体の8割近くを占めるなど実質的にはリスク回避ムードの強い相場だった。だが、きょうは米株高を引き継ぎ、主力株をはじめ広範囲に投資資金が誘導されそうだ。日経平均ベースの騰落レシオ(25日移動平均)は前日時点で98%とほぼ中立水準にあり過熱感は乏しい。外国為替市場ではドル円相場が相変わらず上下に不安定な動きを続けているが、足もとで1ドル=150円台半ばの推移と円安水準でもみ合っていることはハイテクや自動車セクターに追い風材料となる。
4日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比308ドル51セント高の4万5014ドル04セントと3日ぶり反発。ナスダック総合株価指数は同254.205ポイント高の1万9735.116だった。
日程面では、きょうは週間の対外・対内証券売買契約、11月の輸入車販売、11月の車名別新車販売、11月の軽自動車販売など。海外では10月のユーロ圏小売売上高、週間の米新規失業保険申請件数、10月の米貿易収支など。なお、タイ市場は休場となる。
出所:MINKABU PRESS
2024/12/05 08:02
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=来年の潮流は「リアル防衛関連」と「IP」
きょう(4日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比27円高の3万9276円と小幅ながら3日続伸。後場切り返したものの上値も重く終盤に値を消したが、しぶとくプラス圏で着地。ただ、値下がり銘柄数が全体の約8割を占めており、体感温度としては13ポイント弱の下落をみせたTOPIXよりも更に弱い地合いだったといえる。日銀の12月利上げ見送りの可能性を一部通信社が報じたが、結果的に反応薄だった。
11月相場は米国株市場ではNYダウが月間で3000ドル超も水準を切り上げたが、東京市場では11月の日経平均は月間で873円の下落となった。意外なことに月別にみると11月は過去10年間で9勝1敗と最強の月だが、今年はそのアノマリーが不発だった。もっとも月初(11月1日)に1027円安と急落しているため、月初の終値と月末の終値で比較すると陽線が立つという微妙なポジションにある。そして12月については、「掉尾の一振」という常套句からは強いイメージがあるが、直近10年間は5勝5敗とイーブンだ。更に付け加えれば、1月は直近10年間で6勝4敗である。つまり株式市場のアノマリーとしては、年末年始はイメージするほど強くはないという実態がある。
だが、今年の12月相場は週明けから日経平均がスタートダッシュを決めた。前日までの2営業日合計で早くも1000円超の上昇となり、きょうは利益確定売りで前場は下値を探ったものの、前述のように持ち直しプラス圏で引けている。ただ、個人投資家にとって決して与しやすい相場ではない。個別株ベースではなかなかテーマ買いの動き(物色の流れ)が定着せず、短期スタンスで機動的な対応を怠れば、すぐに積み上げた利益を吐き出すような状況に陥る。目先の上げ下げにこだわるほどに前方は視界不良となり、結果として参戦しない方が賢明ということにもなる。どんな銘柄も一本調子には上がらない。腰を据えて有力テーマに沿う銘柄を投資対象とすることが結局は勝利への近道となる。投資マネーの流れがどこに向かっているか全体観を把握することが大切だ。
この時期は来年の株式市場で何がテーマ性を発揮するかということを念頭に置きつつ、個別株の動向に目を凝らすことが肝要。まず、一つの流れは今年の大躍進銘柄となった三菱重工業<7011.T>に代表される防衛関連株だ。きょうは防衛関連の三羽烏と言ってもよい三菱重、川崎重工業<7012.T>、IHI<7013.T>の総合重機3社が物色人気に沸いた。リアル防衛関連として東京計器<7721.T>なども動意急となった。笛吹けど踊らずの半導体関連主力銘柄との値動きの違いは株式需給関係に尽きる。また、石破政権は不人気内閣のレッテルを貼られてはいるが、国防族で固められており、その観点では地政学リスクにシフトする世界の潮流に乗っている。米国では来年1月下旬からトランプ政権に移行するが、日本の防衛コスト負担が高まることは間違いない。財源の問題で増税懸念などもつきまとい株式市場にネガティブな側面もあるが、防衛関連に位置付けられる銘柄群にとっては株価刺激材料に事欠かない相場環境となる。
防衛関連では継続注目のIMV<7760.T>が上昇加速、きょうはフシ目の4ケタ大台を突破し上場来高値を更新した。目先過熱気味ではあるものの11倍前後のPERに割高感はなく、押し目買いを基本に一段の上値余地を堪能することは可能だろう。また、人工衛星などで防衛省向け受注実績を積み上げるキヤノン電子<7739.T>に意外性がある。業績も24年12月期第3四半期(1~9月期)営業利益は前年同期比79%増と急拡大しており、通期上振れ着地の可能性を内包している。
このほか、前日の続きとなるが任天堂<7974.T>などを中心とするIP(知的財産)関連が強い。ここにきて、ソニーグループ<6758.T>の株高もテーマ物色の流れが本物であることを示唆する。コナミグループ<9766.T>やバンダイナムコホールディングス<7832.T>などを併せてマーク。インバウンド関連でもあるハピネット<7552.T>も継続注目したい。
あすのスケジュールでは、週間の対外・対内証券売買契約が朝方取引開始前に開示されるほか、午前取引時間中に11月の輸入車販売、11月の車名別新車販売、11月の軽自動車販売などが発表される。海外では10月のユーロ圏小売売上高が開示され、米国では週間の新規失業保険申請件数にマーケットの関心が高い。このほか10月の米貿易収支も発表される。なお、タイ市場は休場となる。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/12/04 17:30
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=フジミインコ、先端ロジックデバイス向けなど好調
フジミインコーポレーテッド<5384.T>は、9月9日につけた年初来安値2150円を底に緩やかに戻り歩調をたどっているが、いまだ2000円台前半にとどまっている。業績回復局面にあることを考慮すると上値余地は大きいだろう。
同社は、半導体製造用CMP(化学的機械的研磨)製品大手。11月5日に発表した9月中間期決算で、営業利益は57億200万円(前年同期比44.4%増)となった。顧客の稼働回復に伴いシリコンウエハー向け製品(ラッピング材、ポリシング材)が伸長したほか、CMP製品もAI関連の先端ロジックデバイスやメモリ向けの販売が増加。データセンター向けHDD(ハードディスクドライブ)の需要増加を受けてハードディスク基板向け製品も好調だった。
会社側では、9月20日に中間期・通期業績予想を上方修正したが、中間期営業利益はその修正計画52億5000万円を上回って着地した。会社側が収益性や費用前提を慎重に織り込んでいたことが上振れの要因とみられている。会社側では下期の状況を引き続き慎重にみており、通期予想については営業利益106億5000万円(前期比29.1%増)の9月修正値を据え置いたが、慎重すぎるとの見方もある。調査機関によっては120億円前後を見込むところもあり、上振れへの期待は高い。
来期以降についても、同社は先端用途を中心にロジック半導体用途のウエートが高いことを考慮すると、業績減速リスクは限定的とみられ、連続2ケタ増益が期待されている。(仁)
出所:MINKABU PRESS
2024/12/04 10:00
みんかぶニュース コラム
4日の株式相場見通し=強含みもみ合いか、円高含みの為替動向は警戒材料
4日の東京株式市場は主力株中心に強弱観対立の地合いとなり、日経平均株価は前日終値近辺でもみ合う展開となりそうだ。前日の欧州株市場ではドイツ、フランスなど主要国をはじめ総じて上値を指向した。この日はアジア株市場もリスクオンで、中国上海総合指数や香港ハンセン指数が揃って上昇したことなどが安心材料となり、独DAXは連日で最高値を更新している。一方、米国株市場では引き続き買い意欲旺盛な中も、景気敏感株などを中心に利益確定売り圧力も観測され、NYダウは小幅ながら続落となった。注目された10月の米雇用動態調査(JOLTS)は非農業部門の求人件数が市場予想を上回ったことで、労働市場の堅調さが確認されたが、今週末に発表予定の11月の米雇用統計を控え、この内容を見極めたいとの思惑からポジション調整の売りが上値を押さえている。NYダウは11月に月間で3000ドル強も水準を切り上げており、急ピッチな上昇に警戒感もくすぶっている。ただ、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数はここにきて強さを発揮し、この日も小幅ながら3日続伸で連日の最高値更新となった。東京市場では、米ハイテク株高が続いていることは追い風材料となるも、前日に日経平均株価は700円を超える大幅な上昇をみせており、きょうは強含みで推移しながらも上値は限定的となりそうだ。外国為替市場で不安定な動きが続いており、足もとで一時1ドル=148円台後半まで円高が進む場面があるなど、輸出セクターには神経質な相場環境となることも予想される。日経平均3万9000円台前半の比較的狭いゾーンで売り買いを交錯させる地合いが想定される。
3日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比76ドル47セント安の4万4705ドル53セントと続落。ナスダック総合株価指数は同76.963ポイント高の1万9480.911だった。
日程面では、きょうは12月の日銀当座預金増減要因見込みなど。海外では11月の財新中国非製造業購買担当者景気指数(PMI)、11月のADP全米雇用リポート、10月の米製業受注、11月の米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況感指数、米地区連銀経済報告(ベージュブック)など。また、パウエルFRB議長が米メディア主催の討議に参加予定で、そこでの発言内容が注目される。
出所:MINKABU PRESS
2024/12/04 08:00
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=「サンリオ復活」と「任天堂界隈」に思惑
きょう(3日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比735円高の3万9248円と大幅続伸。マーケット関係者も今朝の取引開始前の時点では、日経平均の急騰劇を予測した向きはほとんどいなかったのではないか。前日の米国株市場でナスダック総合株価指数が満を持して史上最高値を更新したことは強力な追い風には違いないが、NYダウの方は上昇一服となり、為替も1ドル=149円台まで円高が進んでいたことを考慮すれば、引き続き神経質な地合いが想定された。しかし実際は見ての通り、一時900円高を演じる大活劇相場で、売買代金も久しぶりに5兆円台に乗せた。
これだけ急激な上げ潮が発生したのは日経平均先物のショートカバーに火が付いたこともあるが、個別では半導体製造装置関連株への買い戻しが一気に顕在化したことが背景にある。この理由としてバイデン米政権はAI用半導体やハイスペックの半導体製造装置の輸出規制(エンティティリスト)を発表、140社の中国系企業を追加した一方で、日本やオランダは外れたことを好感したという解釈もあった。しかし、考えてみれば今回は日本やオランダだけではなく、約30カ国が対象外である。また、関税強化などトランプ次期政権の政策が俎上に載っている時間軸において、今バイデン政権が駆け込みで打ち出す政策がどれほどの意味があるのかという疑問もある。半導体株へのショートが想定以上に積まれていたという株式需給面の現実が浮き彫りになったことは確かだが、少なくとも半導体セクターへ実需の買いを誘導するインパクトには乏しい。
きょうは先物主導の全面高商状で逆に個別株の方向性がつかみにくい部分もあったが、テーマ買いの動きとしては知的財産絡み(キャラクタービジネス周辺)の銘柄に照準が合っている。特に今はソニーグループ<6758.T>のKADOKAWA<9468.T>買収の動きが示唆するように、アニメキャラクターを人工知能(AI)との融合でストーリーのシナリオ作成段階から縦横無尽に動かすことが可能で、権利関係さえしっかりしておけば人的コストがほとんどかからない時代が訪れようとしている。株式市場におけるトレードもしかりだが、既に“AIが人類の知能の総和を超える”というシンギュラリティが、さまざまな分野で現実化しているようにも見える。
以前にも触れたが本命格はサンリオ<8136.T>や任天堂<7974.T>で、両銘柄がツートップとして存在感を現してきた。サンリオは前週27日に大手金融機関及び同社社長の大量売り出し発表を受け700円を超える急落をみせたのだが、わずか4営業日で全値戻しの上を行き、上場来高値を更新した。この動きには驚くよりないが、大口の買い手がいたということ。もとより増資ではないため既存株主が保有する株式価値の劣化も生じない。
そして、任天堂もポケモンやマリオで世界に名を馳せるなど、知的財産の塊のような企業で、改めてスポットライトが当たっている。任天堂の場合はサウジ系ファンドの持続的な売りが観測されていたが、直近関東財務局に提出された変更報告書で同ファンドの保有が5%強まで低下したことが判明、ここで保有株売却はいったん打ち止めという観測が広がるなか、株価の戻り足に弾みがついた。
任天堂については「ニンテンドースイッチの後継機が来年1月にも発表され、3月には販売開始という観測も一部で浮上」(ネット証券アナリスト)していることもあって、足もとで買いの勢いが強まっている。気が付けばきょうで7連騰、7月につけた上場来高値9170円クリアも射程圏に入ってきた。こうなると、スイッチ絡みで自然と周辺銘柄にも視線が向く。電子部品やLSI関連としてホシデン<6804.T>、メガチップス<6875.T>などの動兆が著しい。更に、エレコム<6750.T>あたりに動きが出る可能性がある。
あすのスケジュールでは、12月の日銀当座預金増減要因見込みが朝方取引開始前に開示される。また、この日はIPOが1社予定されており、TMH<280A.T>が東証グロース市場と福証Qボードに新規上場する。海外では11月の財新中国非製造業購買担当者景気指数(PMI)、11月のADP全米雇用リポート、10月の米製造業新規受注、11月の米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況感指数、米地区連銀経済報告(ベージュブック)などにマーケットの関心が高い。このほか、パウエルFRB議長が米メディア主催の討議に参加予定で、そこでの発言内容が注目される。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/12/03 17:30
みんかぶニュース コラム
3日の株式相場見通し=続伸、ナスダック最高値が追い風も円高は警戒材料
3日の東京株式市場は幅広い銘柄に買いが続き、日経平均株価は3万8000円台後半で頑強な値動きが予想される。前日の欧州株市場は主要国の株価が総じて堅調だった。そのなか、独DAXは3日続伸し10月中旬以来約1カ月半ぶりに史上最高値を更新している。米国株市場ではNYダウが上昇一服となったものの、ハイテク株に強い動きをみせる銘柄が目立ち、相対的に出遅れていたナスダック総合株価指数は終始高値圏で売り物をこなし、11月11日以来3週間ぶりに最高値圏に突入した。トランプ次期米政権下での関税引き上げなどの政策によるインフレ圧力の再燃が警戒され、ダウは目先ポジション調整の売りに押される展開だった。ダウは11月に月間で3000ドル強の上昇を示していることで過熱感も意識されやすい。ただ、この日に発表された11月の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数は50を下回ったものの前月から改善傾向を示し、コンセンサスも上回ったことで米経済の底堅さに対する安心感が押し目買いを誘導した。一方、米長期金利は4.1%台まで低下しており、ハイテク株への追い風が意識された。特に半導体セクターへの買い戻しが強まり、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は続伸し戻り足を強めている。東京市場では米ハイテク株高を受け、前日に続きリスク選好の地合いが想定される。ただ、足もと外国為替市場で一時1ドル=149円台前半まで再び円高方向に振れており、これが自動車やハイテクセクターの上値を重くする可能性がある。3万9000円近辺では戻り売りが優勢となる状況も予想される。
2日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比128ドル65セント安の4万4782ドル00セントと反落。ナスダック総合株価指数は同185.782ポイント高の1万9403.948だった。
日程面では、きょうは11月のマネタリーベース、10年物国債の入札、11月の財政資金対民間収支など。海外では10月の米雇用動態調査(JOLTS)など。
出所:MINKABU PRESS
2024/12/03 07:59
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=地銀株に師走の上昇旋風吹くか
名実ともに師走相場入りとなった2日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比304円高の3万8513円と反発。12月に入っても相変わらず五里霧中の相場展開で、きょうも朝方取引開始前に日経平均先物はプラスマイナスゼロの水準で、どっちに振れるか皆目見当がつかなかった。そして、寄り付きは前週末終値とほぼ同水準でスタートしたが、その数分後に160円ほど上昇したところで急反転、一気に下値を探る展開に変わった。取引開始後40分ほどで3万8000円台を割り込み、マーケットに緊張感が走ったものの、前場中盤を境に今度は急速な巻き戻しが入った。日経平均の5分足でみると朝方につけた大陰線と後場早々につけた大陽線が対比的であり、システマチックだが明確な理由が見当たらない。至近距離で相場と対峙すればするほどAIトレードに振り回される。後講釈で理屈を探す前に、もう次の動きが来るという感じでとにかく目まぐるしい。
為替市場の方は午前8時過ぎから一貫して円安方向に押し戻されており、ひと頃のような円安・株高のセットではなくなっていることが、最近の相場の特徴である。ひとつ言えるのは、半導体主力株はボリューム面ではディスコ<6146.T>とレーザーテック<6920.T>の順位が入れ替わったくらいで、依然として売買代金上位を占める銘柄が多いのだが、値動き自体は敗戦処理的なムードが拭えなくなっている。
対中国の半導体輸出規制がネックとなっているという見方だが、そもそも東京エレクトロン<8035.T>やレーザーテック、ディスコ、アドバンテスト<6857.T>といった銘柄が順繰りに最高値をつけに行く過程で、対中規制など耳にタコができるくらい聞かされてきた話である。株価が上がる時は少々の悪材料はノイズに過ぎず、地合いが悪くなると理由にされる。これは半導体関連に限ったことではないが、今は買い方が白けた状態で、売り方の動き(上値での空売りと下がったところでの買い戻し)が上げ下げの主動力となっている。
きょうはファーストリテイリング<9983.T>が朝方に大きく売られ日経平均押し下げ効果をもたらしたほか、資生堂<4911.T>なども下落が顕著で、中国関連株への逆風が意識された。日産自動車<7201.T>の最近の崩れ足も中国関連の側面で嫌気されている要素が大きい。例えば不買運動といっても、銘柄によっては多分に思惑先行の部分もあり、中国関連に位置付けられる銘柄で大きく値を下げたものの中には、買い場を提供しているケースも多いはずだ。しかし、日産自が会社解散価値の4分の1以下、PBR0.2倍台で買いが入ってこないという現実は、仮にイレギュラーであるとしても薄ら寒さを覚える。
一方、きょうの相場で光を放ったのは金融セクターだ。業種別値上がり率で33業種中1位が保険、2位が銀行であった。12月の日銀金融政策決定会合での利上げ観測が強まっており、分かりやすく金利上昇期待で物色の矛先が向いた。もっとも、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>や第一生命ホールディングス<8750.T>などの大手を買うのが王道としても、短期トレード対象として妙味があるとすれば地銀セクターであろう。
きょうは地銀株も全面高商状に買われたが、地銀株で値幅を取るうえでポイントとなるのは押し目買いを基本とすることだ。高値をつかむと引かされることも多く、陰線形成時に拾う方が有効なケースが多い。銘柄数が多く、株価も皆同じ背景で十把一絡げ(ひとからげ)で動くと言ってしまえば語弊もあるが、ファンダメンタルズよりも投資のタイミングに焦点を当てる方が実践的である。ただ、値ごろ感だけで選ぶと思わぬ落とし穴にはまるため、当然ながら業績内容は常にチェックしておかなければならない。個別では、堅実経営で知られる栃木銀行<8550.T>、大阪地盤でスタートアップにも傾注する池田泉州ホールディングス<8714.T>、福島県内2位の資金量を有し中小企業や個人向けで実績の高い大東銀行<8563.T>、同じく千葉県内2位で個人向けに強みを発揮する京葉銀行<8544.T>などを投資対象として目先マークしてみたい。
あすのスケジュールでは、11月のマネタリーベースが朝方取引開始前に日銀から開示されるほか、午前中に10年物国債の入札が予定される。また、午後取引時間中(取引終盤)に11月の財政資金対民間収支が発表される。海外では10月の米雇用動態調査(JOLTS)が注目される。この日はクグラーFRB理事の講演が予定されており、その内容にマーケットの関心が集まる。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/12/02 17:30
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=モノタロウ、業績最高益基調を評価
MonotaRO<3064.T>に注目したい。同社は作業場向けの間接資材をネット通販している。第3四半期累計(1~9月)の連結営業利益は前年同期比18.0%増の270億4000万円だった。大企業顧客とのシステム連携を通じた販売などが奏功した。24年12月期通期の同利益は前期比14.4%増の358億2000万円と最高益を更新する見込みだが、360億円台に上振れて着地するとの見方が出ている。
同社が手掛ける作業場向け間接資材の市場規模は5兆~10兆円と言われるが、そのうちネット通販の比率はなお小さく成長余力は高い。業績好調を評価し、株価は先行き11月11日につけた年初来高値2805円更新から3000円を目指す展開が見込める。(地和)
出所:MINKABU PRESS
2024/12/02 10:00
みんかぶニュース コラム
2日の株式相場見通し=強弱拮抗、欧米株上昇も一段の円高が重荷
2日の東京株式市場は強弱観対立のなか、日経平均株価は前営業日近辺でもみ合う展開が想定される。前週末の欧州株市場は高安まちまちながら、ドイツやフランスなど主要国の株価は総じて強さを発揮した。そのなか独DAX指数は1%を超える上昇で続伸し、10月中旬につけた史上最高値以来の株価水準まで浮上している。ユーロ圏の景気全般に対する警戒感は拭えないものの、ECBによる次回会合での利下げ観測がマーケットのセンチメント改善につながっている。また、米国株市場では感謝祭の翌日で半日取引となるなかも旺盛な買い需要が反映され、NYダウが反発し史上最高値を更新。機関投資家がベンチマークとして重視するS&P500指数も最高値を更新した。ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も上げ足を鮮明とし1万9200台まで上昇、最高値更新まであと100ポイント未満に迫っている。米長期金利の低下を背景にエヌビディア<NVDA>が2%超の上昇をみせるなど半導体関連に物色の矛先が向き、全体相場に浮揚力を与える格好となった。この日は年末商戦の入り口である「ブラックフライデー」にあたり、個人消費が刺激されることへの期待感も小売セクターなどに買いを誘導している。東京市場では堅調な欧米株の動向を引き継ぎ、リスク選好の相場環境が意識されるところ。しかし、外国為替市場でドル売り・円買いの動きが一段と進み、1ドル=150円台を下回る円高に振れていることが自動車やハイテク株に重荷となりそうで、日経平均の上値は限られそうだ。3万8000円台前半でのもみ合いが予想され、ドル円相場の動向や米株価指数先物の値動きなどを横目に売り優勢となれば、3万7000円台に水準を切り下げる場面も想定される。
29日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比188ドル59セント高の4万4910ドル65セントと反発。ナスダック総合株価指数は同157.690ポイント高の1万9218.166だった。
日程面では、きょうは7~9月期の法人企業統計調査、11月の新車販売台数など。海外では11月の財新中国製造業PMI、10月のユーロ圏失業率、10月の米建設支出、11月の米ISM製造業景況感指数など。
出所:MINKABU PRESS
2024/12/02 08:00
みんかぶニュース コラム
来週の株式相場に向けて=再び日米欧「中銀会合」にフォーカス当たる
29日の東京市場で日経平均株価は前日比141円安の3万8208円と反落した。為替の円高が進行するなか、一時3万7900円台に下落。「3万8000円割れの水準では値頃感からの買いが入ってくる」(市場関係者)ものの、市場の関心は3万8000円ラインを巡る攻防に集まっている。
来週からいよいよ24年相場の締めくくりとなる12月相場が始まる。今秋の日本と米国での選挙を経て、年内のビッグイベントはほぼ一巡か、ともみられていたが、今年も残すところわずかとなるところで「日米欧の中央銀行の金融政策決定会合が、再び大きな焦点となりそうだ」(アナリスト)とみられている。
具体的には12月12日に欧州中央銀行(ECB)理事会、17~18日に米連邦公開市場委員会(FOMC)、18~19日に日銀金融政策決定会合が予定されている。ECB理事会では0.25%の利下げが予想されているが、ドイツを中心に欧州景気に先行き不安が台頭するなかECBの判断が注目されている。12月のFOMCでは、一時は政策金利据え置き観測も台頭したが足もとでは再び0.25%利下げの見方が強まっている。日銀決定会合では追加利上げの有無が焦点となりつつある。
特に、米国ではトランプ次期政権下での財政拡張によるインフレ懸念を背景にドル高が進行したが、財政規律重視派と言われるスコット・ベッセント氏が新政権の財務長官に就任することとなり、「相場の流れが変わった」(市場関係者)。米国で再び利下げ機運が強まり、日本では追加利上げとなれば、1ドル=150円を割り込んだ為替相場は一段の円高もあり得る。
そんななか来週の米国では重要経済指標が目白押しだ。6日の米11月雇用統計が最大の焦点となるが、2日に米11月ISM製造業景況指数、3日に米10月JOLTS求人件数、4日に米11月ADP雇用統計、米11月ISM非製造業景況指数が予定されている。4日にはパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長に発言機会がある。
足もとでの円高が警戒されるなか、東京株式市場では円高メリット関連のニトリホールディングス<9843.T>やサイゼリヤ<7581.T>、吉野家ホールディングス<9861.T>などを中心に内需関連株が注目されそうだ。
上記以外のイベントでは、海外では4日に米ベージュブック(米地区連銀経済報告)、5日に米10月貿易収支、6日に米12月ミシガン大学消費者マインド指数が発表される。3日にセールスフォース・ドット・コム<CRM>、4日にダラーツリー<DLTR>、シノプシス<SNPS>が決算発表を行う。
国内では2日に7~9月期法人企業統計、6日に10月家計調査、10月毎月勤労統計調査が発表される。2日に伊藤園<2593.T>、ピープル<7865.T>、3日に内田洋行<8057.T>、5日に積水ハウス<1928.T>、6日にロック・フィールド<2910.T>が決算発表を行う。4日にはTMH<280A.T>が新規上場する。来週の日経平均株価の予想レンジは3万7700~3万8800円前後。(岡里英幸)
出所:MINKABU PRESS
2024/11/29 17:30
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=HENNGE、セキュリティー需要追い風に成長加速へ
HENNGE<4475.T>は企業の情報セキュリティー対策ニーズの高まりを背景に順調な業容拡大が期待でき、25日移動平均線に接近しつつある足もとの株価は押し目買いの好機に映る。同社が主力とするクラウド型セキュリティーサービス「HENNGE One」は、複数のシステムIDの管理や、情報漏洩防止、サイバー攻撃からの防御といった機能を持ち、国内トップのシェアを持つという。
25年9月期は売上高が前期比24.8%増の104億4100万円、最終利益が同34.1%増の11億900万円と2ケタの増収増益の計画で、連続で過去最高益を更新する見通し。今期の年間配当は4円と前期の初配3円から1円増配を計画する。契約企業数やユーザー数を順調に積み上げるなかで、前期の平均月次解約率は前の期からやや上昇したとはいえ、0.54%と極めて低水準。今期も契約企業数の増加とARPU(1契約当たりの平均収入)の向上を狙う。加えて、海外でのイベント開催を含め広告宣伝活動を積極的に展開するといい、国内だけでなく海外企業向けの契約数の拡大にも期待が膨らみつつある。(碧)
出所:MINKABU PRESS
2024/11/29 10:00
みんかぶニュース コラム
29日の株式相場見通し=もみ合い、米株休場で手掛かり材料難
29日の東京株式市場は強弱観対立のなか、日経平均株価は前日終値近辺でもみ合う展開が想定される。前日の欧州株市場では主要国の株価が総じて上値を指向した。トランプ次期米政権下での関税強化など通商政策に対する警戒感が、各国株式市場の上値を押さえていたが、この日はその反動で買い戻しが優勢となった。欧州での政局不透明感もマーケットへの織り込みが進み、独DAXや仏CAC40など終始強調展開を維持した。そのなか、ドイツ、フランスともに金融セクターに株価を上昇させる銘柄が目立っている。一方、米国株市場は感謝祭の祝日で休場だった。きょうの東京市場では前日の米株市場が休場だったこともあり手掛かり材料に乏しく、売り買いともに一方向にポジションを傾ける動きは出にくい面がある。きょうは週末かつ月内最終商いということもあって、売買代金なども盛り上がりを欠きそうだ。前日に臨時国会が召集され、きょうは石破首相の所信表明演説が予定されており、この内容が株式市場にも影響を与える可能性がある。ここ外国為替市場では急速にドル売り・円買いの動きが進んでいたが足もとでは円高が一服しており、ハイテク株や自動車株など輸出セクターにはポジティブに作用しそうだ。また、国内でもインフレ圧力が強まるなか、朝方取引開始前に発表される11月の都区部CPIの結果にもマーケットの視線が集まりそうだ。
日程面では、きょうは11月の都区部消費者物価指数(CPI)、10月の有効求人倍率、10月の失業率、10月の鉱工業生産速報値、10月の商業動態統計、10月の自動車輸出実績、10月の住宅着工統計、11月の消費動向調査など。海外では、11月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)、インドの7~9月期GDPなど。なお、米国では年末商戦が本格スタートするブラックフライデーとなる。
出所:MINKABU PRESS
2024/11/29 08:02
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=静かなる奔流「インバウンド関連」に刮目
きょう(28日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比214円高の3万8349円と3日ぶりに反発。前日の欧米株安と急速な円高を受け東京市場も朝方は売りが先行、リスク回避モードのスイッチが入ったかと思われたが、3万8000円台を割り込むと、どこからともなく買い注文が集まってくる。これが水鳥の羽音なのかは定かではないが、売り方が慌て気味に買い戻すというパターンが10月初旬以降繰り返されてきた。
図らずして“勝手に踏み上げ相場”の色を帯びてくる。今回もそのケースが当てはまるかは今後を注視するよりないのだが、買い方の立場から押し目買いを入れる一つのモノサシとなるのは、日経平均の3万8000円近辺を横に走る75日移動平均線だ。ここを下回ると、ビリビリっと電気に打たれたかのようにリバウンド相場に転じる。逆にこの75日線が上値抵抗ラインとして機能するような状況に陥ると、売り方の仕掛けが炸裂する可能性がある。振り返れば今年7月末、日経平均は戻り局面を75日線で阻まれたが、その後は周知の通り8月初旬に史上最大の下げ幅を交えた暴落局面に遭遇した。
今はまだ75日線を絡めた攻防であり、その意味で波乱相場の機は熟していないという見方もできる。買い方の視点では、75日線を下抜けた後の戻り局面で、同移動平均線に再び弾き返されるような状況となったら深追いは禁物となる。これを需給面で裏付けているのが同移動平均線とシンクロする価格別の累積売買高だ。滞留出来高が際立って多いのが3万8000~3万9000円のゾーンであり、ここが上昇相場と下落相場の分水嶺となっている。年末高への期待はひと頃よりは大分しぼんではいるが、弱気に傾くのは時期尚早。仮に東京市場が本当の意味でリスクオフに傾くとしても、時間軸的には来年1月20日のトランプ氏の米大統領就任までモラトリアム期間と考えておいてよいのではないか。
足もと外国為替市場では荒れた値動きで、円高への警戒感が拭えない。しかし、これはプラスの側面もある。12月の日銀金融政策決定会合で追加利上げを読む市場関係者も多いなか、「1ドル=150円を切るような円高に振れれば、利上げ見送りの可能性が出てくる」(ネット証券アナリスト)という声もある。事前のアドバルーンをマーケットが好感すれば、年末は内需株中心に物色の矛先が向く可能性が出てくる。急速に円が買われているとはいえ、9月中旬時点で1ドル=140円近辺までの円高を経験しており、いくらトランプ次期米大統領がドル安肯定論者であっても、その水準に再アタックするような経済的背景は見当たらない。円高への行き過ぎた警戒は必要なさそうだ。
物色対象として、半導体関連株は値ごろ感こそあるものの戻り売りの壁が厚い。きょうはブルームバーグ通信が「バイデン政権が中国に対する半導体規制強化を検討しているが、以前想定されていたほど厳しくはない」と伝えたが、何とも奥歯に物が挟まったような証文の出し遅れのような報道で、東京エレクトロン<8035.T>が反応したもののショートカバーの域を出ず、レーザーテック<6920.T>やアドバンテスト<6857.T>が引き続き売り圧力に凌駕されたところをみても綾戻し(あやもどし)の材料にとどまっている。
一方、あまり目立たないがインバウンド関連に強い動きをみせる銘柄が増えている。トランプ次期大統領のSNS砲に振り回されにくいという面も、投資資金の流入を助長しているようだ。候補としてはホテル関連で共立メンテナンス<9616.T>やベルーナ<9997.T>に着目。とりわけ後者は穴株的要素を内包し、PERやPBRなど指標面の割安さも目立つ。このほか、カプセルトイやトレカを手掛けるハピネット<7552.T>、羽田空港ターミナルの家主である日本空港ビルデング<9706.T>、宿泊施設向け予約管理システムの開発・販売を手掛ける手間いらず<2477.T>なども物色対象として面白い。
あすのスケジュールでは、11月の都区部消費者物価指数(CPI)、10月の有効求人倍率、10月の失業率、10月の鉱工業生産速報値、10月の商業動態統計のほか、3カ月物国庫短期証券の入札と2年物国債の入札が行われる。午後取引時間中には10月の自動車輸出実績、10月の住宅着工統計、11月の消費動向調査が開示。また、この日はグロービング<277A.T>とTerra Drone<278A.T>の2社が東証グロース市場に新規上場する。海外では11月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)、インドの7~9月期GDPなど。なお、米国株市場は感謝祭の翌日で短縮取引となる。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/11/28 17:30
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=極東貿易、M&Aに積極的で更なる成長を期待
極東貿易<8093.T>は産業向けが主力の機械商社。関連事業のM&Aに積極的で更なる成長が期待される。
足もと業績は好調で、11月8日に発表した25年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結営業利益は前年同期比2.3倍の7億9600万円となり、通期計画12億円に対する進捗率は66.3%に達した。産業設備関連部門は国内外の重化学工業向け設備事業を中心に順調で、産業素材関連部門も北米向け自動車部品用樹脂・塗料事業が堅調に推移。機械部品関連部門で特殊スプリング関連事業の収益性が改善したことも寄与した。
株価は11月12日に戻り高値1625円をつけたあとは一服商状となっているが、日足チャートでは25日移動平均線と75日移動平均線とのゴールデンクロスが実現。PBRには割安感があり、ここは仕込み好機と捉えたい。(参)
出所:MINKABU PRESS
2024/11/28 10:00
みんかぶニュース コラム
28日の株式相場見通し=続落、米株安や急速な円高警戒で3万8000円台割れ
28日の東京株式市場は主力株をはじめ広範囲に売り優勢の地合いが続き、日経平均株価は引き続き下値を試す展開で3日続落となりそうだ。前日の欧州株市場では主要国の株価が総じて軟調な値動きを強いられ、仏CAC40は約3カ月半ぶりの安値圏に沈んだほか、独DAXも小幅ながら続落した。トランプ次期米政権下での関税引き上げに対する警戒感が根強い。一方、米国株市場ではNYダウが6日ぶりに反落。朝方強調展開にあったがその後に軟化、午後の取引では終始マイナス圏での推移となった。ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は朝方から軟調で5日ぶりに反落し、史上最高値更新はお預けとなっている。この日に発表された週間の米新規失業保険申請件数は事前コンセンサスを下回り、労働市場の堅調な実態が示された。また、その後に発表された10月の米個人消費支出物価指数(PCEデフレーター)は市場予想と概ね合致し、全体相場への影響は限られている。個別株ではパソコン関連機器の製造販売を手掛けるデル・テクノロジーズ<DELL>が急落し、市場センチメント悪化につながった。東京市場では欧米株市場が売りに押される展開だったことや、外国為替市場で一時1ドル=150円台半ばまで一段とドル安・円高が進んでいることが警戒され、買い手控えムードが続きそうだ。日本時間今晩の米株市場が感謝祭の祝日に伴い休場ということもあり、商いも盛り上がりを欠くなか日経平均は3万8000円台を割り込む公算が大きい。
27日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比138ドル25セント安の4万4722ドル06セントと6日ぶり反落。ナスダック総合株価指数は同115.101ポイント安の1万9060.476だった。
日程面では、きょうは週間の対外・対内証券売買契約、10月の建機出荷、臨時国会の召集日。海外では韓国中銀の政策金利発表、11月の独消費者物価指数(CPI)速報値など。米国株市場はサンクスギビングデー(感謝祭)の祝日で休場。
出所:MINKABU PRESS
2024/11/28 08:00
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=「トランプ2.0」で危険水域の銘柄群
きょう(27日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比307円安の3万8134円と続落。きょうは11月相場の権利付き最終売買日となるが、引き続き冴えない値動きに終始した。あすからの実質12月相場入りで掉尾の一振を期待したいのはヤマヤマだが、投資マインドが冷え切っているため、年末高のシナリオもウォーミングアップから仕切り直す必要に迫られている。問題は助走がいつ始まるかだ。きょうは日経平均が一時400円を超える下げとなったものの、終値でフシ目の3万8000円大台ラインをキープしたことはポジティブに評価することもできる。しかし、プライム市場の値下がり銘柄数が全体の82%強に及んでおり、やはり投資意欲の落ち込みは覆うべくもない。
米国株市場に目を向ければトランプラリーはなお活発で、その証拠に前日はNYダウが5日続伸し、なおかつ5陽連を形成して最高値街道を邁進中だ。この日は機関投資家がベンチマークとして重視するS&P500指数も最高値をつけた。更にハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は両指数に若干遅れてはいるが、それでも25日移動平均線をサポートラインに下値切り上げ波動を継続、あと120ポイントあまりの上昇で最高値水準に到達する。トランプ米次期政権下での財政政策への期待が膨らむ一方、FRBが利下げに前向きな姿勢を維持している状況は、かつてのゴルディロックス相場のパワーアップバージョンを思わせる。12月17~18日開催のFOMCでは6割以上の確率で0.25%の利下げ実施がコンセンサスとなっている。前日発表された11月の米消費者信頼感指数は事前予想を上回り、米景気の底堅さが示された。その一方で同日午後に開示された11月のFOMC議事要旨はFRBの緩和的スタンスを確認させる内容だった。
日本時間きょう深夜に発表される10月の米PCEデフレーターに対するマーケットの関心が高いが、市場では「前月と比較してコア指数の伸び率加速が見込まれているものの、大方マーケットには織り込まれている」(生保系エコノミスト)という。10月のPCEコアデフレーターは前年比で2.8%増がコンセンサスで、9月の2.7%増を上回る伸びが予想されている。「これが3%まで上振れるような結果となれば話は別だが、基本的に波乱要因とはなりにくい」(同)という声が聞かれた。
ではFOMCに1日遅れで開催される12月の日銀金融政策決定会合のほうはどうか。こちらは日銀が追加利上げに動く可能性が高いとみる向きが市場関係者に多い。食品スーパーなどで買い物をすれば実感できるが、最近の物価高は看過できないレベルだ。「植田日銀総裁がいかに慎重でも、ここで0.25%利上げのカードを切ることに全く違和感はない」(中堅証券ストラテジスト)状況といえ、こうなるとほぼ同じタイミングで米国では利下げ、国内では利上げというベクトルの向きが真逆の金融政策が採られることになる。
方向性としてFRBの利下げと日銀の利上げはマーケットに織り込まれているが、それでもほぼ同時にカードを切るとなると相応のインパクトがある。足もとドル・円相場で1ドル=152円台前半まで急速に円高が進んだが、振り返って9月中旬には140円近辺まで円が買われたことを考えれば、今の円高はまだ序の口かもしれない。きょうの自動車や機械セクターへの売りは「関税引き上げ」と「円高」がダブルでのしかかったことによる。
個別では、まずアドバンテスト<6857.T>の崩れ足が半導体株復活への期待を萎えさせている。また、このほかに安川電機<6506.T>が8月初旬の暴落相場でつけたザラ場安値を終値で大きく下回ってきたことに警戒感を強める声が多く聞かれる。比較的底堅かったキーエンス<6861.T>やファナック<6954.T>にも売りを仕掛けているフシがあり、機械セクターは注意が必要だ。きょうは上海総合指数や香港ハンセン指数は自律反発したが、両市場の動きを横にらみに、中国関連の位置づけにある銘柄への押し目買いは慎重に考慮する必要がある。
あすのスケジュールでは、朝方取引開始前に週間の対外・対内証券売買契約が開示されるほか、午後取引時間中に10月の建機出荷が発表される。また、この日は臨時国会の召集日となる。個別にIPOが1社予定されており、東証グロース市場にククレブ・アドバイザーズ<276A.T>が新規上場する。海外では韓国中銀の政策金利発表、11月の独消費者物価指数(CPI)速報値が発表される。なお、米国株市場はサンクスギビングデー(感謝祭)の祝日で休場となる。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/11/27 17:30
みんかぶニュース コラム
27日の株式相場見通し=軟調か、米株高も円高進行などに警戒感
27日の東京株式市場はポジション調整の売り圧力が続く可能性が高い。日経平均株価は3万8000円台前半で弱含みに推移しそうだ。前日は欧州株市場がほぼ全面安商状となった。トランプ次期米大統領が25日にSNSを通じて中国・メキシコ・カナダに対し関税強化の方針を示したことで、次期政権下での外交政策を警戒するムードが欧州各国でも強まっている。一方、米国株市場ではNYダウが安く始まったものの、午前中に切り返す展開となり、それ以降は一貫して下げ渋る動きで午後の取引でプラス圏に浮上した。この日は上げ幅こそ鈍化しているが、5日続伸で最高値街道を走っている。発表された11月の米消費者信頼感指数が事前予想を上回り、米経済の底堅さに対する期待感が投資家心理を支え、大手IT株や景気敏感株などに根強い買いが入った。また、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は終始堅調な値動きで4日続伸となり、史上最高値更新が再び視界に入ってきた。なお、機関投資家がベンチマークとして重視するS&P500指数は最高値を更新している。東京市場では前日に日経平均が先物主導で大きく下値を探る場面があり、一時750円超の下落を示したが、その後は戻り足をみせ大引けは1%未満の下げにとどまった。ただ、トランプ次期政権による関税強化など、各国に負担を求める政策に対しての警戒ムードは強く、足もと外国為替市場でドル安・円高方向に振れていることも投資家のセンチメント悪化につながりそうだ。日本時間深夜に発表が予定される10月の米PCEデフレーターの内容を見極めたいとの思惑も買い手控え要因となりやすい。一方、機関投資家による配当再投資の買いなどが全体株価を下支え、日経平均の下げ幅も限定的なものにとどまりそうだ。
26日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比123ドル74セント高の4万4860ドル31セントと5日続伸。ナスダック総合株価指数は同119.462ポイント高の1万9174.297だった。
日程面では、きょうは40年物国債の入札が行われる。海外ではニュージーランド中銀が政策金利発表、24年1~10月期の中国工業利益、10月の米耐久財受注額、24年7~9月期米実質GDP改定値、週間の米新規失業保険申請件数、11月の米シカゴ購買担当者景気指数(PMI)、10月の米個人所得・個人消費支出、PCEデフレーター、米7年国債の入札など。なお、インドネシア市場は休場。
出所:MINKABU PRESS
2024/11/27 08:00
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=トランプSNS砲の衝撃と中小型株戦略
きょう(26日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比338円安の3万8442円と反落。ザラ場も含め予測不能、翻弄されっぱなしで至近距離で相場と向き合うほどに方向感がつかめなくなるような地合いだ。例えば前日は思惑に反し朝方から日経平均は値を飛ばし、取引時間中は不安定に揺れたとはいえ、ほぼ高値ゾーンでのもみ合いに終始した。しかし、きょうは欧米株高を引き継いで強い動きが期待されたものの、フタを開ければ寄り付きから急速に下値を切り下げ、一時750円を超える波乱含みの下落に見舞われた。
AIアルゴリズムが作動するなか、先物主導のジェットコースターに乗るような相場が続く。“生身の人間”の予測を外すのがAIの仕事といわんばかり。おそらく足もとの相場にトレンドは発生していないと思われるが、日々の波の高さには、たじろぐケースが多い。前日は米財務長官人事(ベッセント氏の指名)をポジティブ視した流れが形成され日経平均は大幅高に買われたものの、きょうはそれを吐き出す展開を余儀なくされた。朝方取引開始前の午前8時半過ぎにトランプ米次期大統領がSNSで中国、カナダ、メキシコを対象とした追加関税に言及。日本は特に名指しされたわけではないが、この先そのリスクに怯えるような状況を意識させ、取引開始までの30分弱の間にセンチメントは急速に弱気に傾いた。
トランプ氏の「ツイッター砲」がしばしば相場の撹乱要因となった頃を想起させるが、ちなみに現在トランプ氏は独自SNSとして立ち上げた「トゥルース・ソーシャル」を活用している。一方、大統領選でトランプ氏が勝利した後、民主党支持者はSNSでは「ブルースカイ」に集結する状況にあり、まさに今の米国は思想の「分断」が色濃くなっている。
いずれにせよ、このSNS経由の“トランプ発言”によってきょうの相場は大時化(おおしけ)模様となった。鶴の一声ならぬトランプの一声で株式マーケット全体にこれだけ影響が生じてしまうのも迷惑な話だが、来年1月20日以降、日本にとってネガティブなトランプ効果に身構える必要があることを、きょうの相場は教えている。また、こうしたケースではAIアルゴリズムの持つ優位性が今後一段と高まっていきそうだ。突発的な情報発信を感知してトレードに反映させるまでのスピードで、AIに人間が勝てる道理はなく、同じ土俵に立っては勝負にならない。決算プレーなどもその要素をはらんでいる。
ただ、人間の知恵で流れを捉えることは可能だ。きょうは全体指数は日経平均、TOPIXいずれも下値を探る展開を強いられたが、個別株ベースでは中小型株の一角に買いが向かった。前日の米国株市場は内需系中小型株で構成されるラッセル2000が3年ぶりの高値圏に浮上した。東京市場でも全体相場が先物主導で荒れやすくなれば、その影響を受けにくい銘柄でテーマ物色の流れに乗ろうとする動きも顕在化しやすい。きょうは地合い悪のなかもペロブスカイト太陽電池関連の銘柄群にお鉢が回ってきた。「経済産業省が2040年に原発20基分に相当する20ギガワットまで高める目標を検討している」と伝わり、発電層の主原料に使われるヨウ素関連であるK&Oエナジーグループ<1663.T>や伊勢化学工業<4107.T>のほか、ヒラノテクシード<6245.T>、フジプレアム<4237.T>、エヌ・ピー・シー<6255.T>といった銘柄が軒並み動意づいた。
このほか内需の中小型株では、システム開発やセキュリティー関連銘柄などにも動意気配の銘柄が見受けられる。今後テーマ物色の波が及ぶ可能性があり、マークしておきたい銘柄としては、仮想デスクトップ関連製品を展開するアセンテック<3565.T>やSNSで昨今話題となりがちな炎上対策でエルテス<3967.T>。このほか、クラウドサービスで不動産事業者向け業務支援を行う日本情報クリエイト<4054.T>、医療情報分野で自社開発の電子カルテを展開するCEホールディングス<4320.T>、国内最大の企業関連クチコミ情報サイトを運営するオープンワーク<5139.T>などに目を配っておきたい。
あすのスケジュールでは、午前中に債券市場で40年物国債の入札が行われる。海外ではニュージーランド中銀が政策金利を発表するほか、24年1~10月期の中国工業利益が発表される。また、10月の米耐久財受注額、24年7~9月期米実質GDP改定値、週間の米新規失業保険申請件数、11月の米シカゴ購買担当者景気指数(PMI)などが開示され、特に10月の米個人所得・個人消費支出、PCEデフレーターに対する注目度が高い。このほか、米7年国債の入札が行われる。なお、インドネシア市場は休場。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/11/26 17:30
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=エニーカラー、高成長路線まい進し今期初配当へ
ANYCOLOR<5032.T>の2100~2250円のもみ合いは買い場と判断される。底値圏からの上放れが近づいている感触で、ここは強気に対処したい。VTuberグループの「にじさんじ」を運営するが、業績は高成長路線をまい進しており、25年4月期の営業利益は前期比20%増の148億円を予想。これは21年4月期の14億5200万円からみて10倍以上の水準だ。VTuberファンの規模拡大に伴いグッズ販売が増勢途上にあり、今後も収益への貢献が見込まれる。今期は初配当を実施(年65円配)する見通しで予想配当利回りは3%近い。
PERは13倍前後で成長株としては割安感が強い。今年2月につけた年初来高値3850円から時価は40%以上も水準を切り下げており、それだけに株価の戻り余地も大きい。当面は8月下旬と9月下旬にダブルトップの形でつけた戻り高値2628円が上値目標として意識される。(桂)
出所:MINKABU PRESS
2024/11/26 10:00
みんかぶニュース コラム
26日の株式相場見通し=もみ合いか、3万8000円台後半で強弱観対立
26日の東京株式市場は強弱観対立のなか前日終値近辺でもみ合う展開が想定される。前日に日経平均株価は一時3万9000円台に乗せる大幅高に買われたが、きょうは3万8000円台後半で上値の重い展開となりそうだ。前日の欧州株市場は高安まちまちの展開だったが、独DAXや仏CAC40など主要国の株価指数は堅調に推移した。経済全般の停滞感は拭えないものの、長期金利の低下に伴い株式の相対的な割安感が強まり下値を支えている。一方、米国株市場ではNYダウが連日の大幅高で最高値圏を走っている。トランプ次期米大統領が新政権の財務長官ポストにヘッジファンド業界で名を馳せたスコット・ベッセント氏を指名、これが好感される形で全体相場を押し上げた。米長期金利が急低下したことを背景に景気敏感株などを中心に買いが集まった。金利低下についてはベッセント氏が財務長官に就任することで、トランプ氏の掲げる減税や関税引き上げなどが想定よりも緩やかなものとなり、インフレ圧力への警戒感が和らいだことが反映された形だ。NYダウは直近4営業日合計で1400ドル以上の上昇を示した。ただ、エヌビディア<NVDA>が続落するなど変調で、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数の上げ幅は限定的だった。東京市場では前日に米株価指数先物の値動きなどを横目に、週明けの米株高を事前に織り込む格好で日経平均が500円近い上昇をみせており、その分上値は重くなることが予想される。日本時間あすの早朝に開示されるFOMC議事要旨(11月開催分)の内容などを確認したいとの思惑もあり、3万9000円近辺では利益確定売り圧力も意識されそうだ。
25日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比440ドル06セント高の4万4736ドル57セントと4日続伸。ナスダック総合株価指数は同51.184ポイント高の1万9054.835だった。
日程面では、きょうは10月の企業向けサービス価格指数、「基調的なインフレ率を捕捉するための指標」が開示される。海外では9月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数、9月のFHFA住宅価格指数、10月の米新築住宅販売件数、11月の米消費者信頼感指数、FOMC議事要旨(11月6~7日開催分)など。
出所:MINKABU PRESS
2024/11/26 08:05