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みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=CTS、建設業向けICT需要は一段と拡大  シーティーエス<4345.T>は建設業向けのICT(情報通信技術)サービスで需要の更なる拡大が想定されるとあって、中期的な観点で手掛けたい。同社はクラウドを中心としたICTやIoT(モノのインターネット)の活用により、人手不足が深刻化する建設現場の業務改革を支援するデジタルデータサービス(DDS)事業の成長に取り組んでいる。25年3月期の売上高は前期比8.2%増の120億円、最終利益は同6.5%増の19億8000万円を予想。ともに過去最高となった前期を上回る水準を見通すほか、中期経営計画では26年3月期に売上高を140億円、営業利益を36億円(25年3月期見通しは30億円)に伸ばす目標を掲げている。  土木系とともに建築系、地場ゼネコンとともに広域ゼネコンへと顧客ターゲット層を拡大する戦略で、現場業務の遠隔支援サービス「サイトアシストパッケージ」の導入拡大を狙う。配当利回りは3%台。昨年12月に安値618円を形成後は戻りを試す展開となっており、25日移動平均線を下回った局面では押し目買いに動きたい。(碧) 出所:MINKABU PRESS 2024/07/12 10:00 みんかぶニュース コラム 12日の株式相場見通し=大幅反落、急激な円高受けリスク回避の流れに  12日の東京株式市場は主力株をはじめ広範囲に売りが広がり、日経平均株価は大幅反落を余儀なくされそうだ。外国為替市場で急激な円高が進行しており、これがハイテクセクターを中心に利益確定売りを誘発することが予想される。前日の欧州株市場はドイツやフランスを筆頭に全面高商状となり、ここまでは世界同時株高の流れが続いたが、米国株市場ではハイテク株に利食い圧力が顕在化した。日本時間昨晩に発表された6月の米消費者物価指数(CPI)の内容が総合指数、コア指数ともに市場コンセンサスを下回る内容だった。これを受けてFRBによる9月利下げの可能性が高まったとの見方が広がり、景気敏感株の一角に投資資金が誘導され、NYダウは小幅ながら続伸。しかし、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は利食い急ぎで2%近い下落となり、8日ぶりに大幅反落となった。機関投資家がベンチマークとして重視するS&P500指数も反落した。また、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は3.5%安とナスダック指数を大きく上回る下落率となっている。外国為替市場では米CPI発表直後に仕掛け的なドル売り・円買いで急激な円高を誘発。政府・日銀による為替介入観測も浮上するなか、一時1ドル=157円台まで一気に4円前後の円高に振れる場面があった。これを受けて東京株式市場では半導体関連などをはじめリスク回避目的の売りが噴出し、日経平均やTOPIXなど全体指数を押し下げる展開が想定される。日経平均は4万2000円台を大きく下回る公算が大きい。  11日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比32ドル39セント高の3万9753ドル75セントと続伸。ナスダック総合株価指数は同364.041ポイント安の1万8283.407だった。  日程面では、きょうは株価指数オプション7月物の特別清算指数算出日(オプションSQ算出日)にあたる。また、3カ月物国庫短期証券の入札、5月の鉱工業生産指数(確報値)など。海外では6月の中国貿易統計、4~6月期シンガポールGDP、6月の米生産者物価指数(PPI)、7月の米消費者態度指数(ミシガン大学調査・速報値)など。 出所:MINKABU PRESS 2024/07/12 08:00 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=天を衝くガラスの階段  きょう(11日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比392円高の4万2224円と3日続伸。今週は上値が重いという大方の見方を覆し、見事に上昇気流に乗った。米CPI発表を控えまだ油断はできないが、ここまでショート筋は完全に裏目を引いた格好となっている。ただし、個別株ベースでは必ずしも株高を満喫できていないケースが多い。今月下旬からは企業の四半期決算発表が本格化するが、ここでのポイントは止まらない円安。政府・日銀の苦悩とは裏腹に企業業績には増額要因として働くが、これを個別に株価に反映できる企業とそうでない企業に分かれることは、よく認識しておく必要がある。  大型株優位の構図は米国も日本も同様だが、日経平均がここからノンストップで4万円台半ばから後半を目指すような強調展開を想定するのであれば、日経平均構成比率の高い銘柄を買っておけばよい理屈となる。例えば半導体製造装置では東京エレクトロン<8035.T>、アドバンテスト<6857.T>がツートップ、AI関連相場の旗艦銘柄ではソフトバンクグループ<9984.T>。また、半導体素材なら信越化学工業<4063.T>、電子部品ならTDK<6762.T>、このほか人材関連のリクルートホールディングス<6098.T>といったところだ。ただ、日経平均はここまで脇目もふらず全力疾走の連続で、さすがに疲れも見える。息を整える時間は必要であり、今のタイミングで大型株に照準を合わせるのには一考を要する。それでも大型株にしか投資意欲が湧かないというのであれば、相対的に出遅れている銘柄に的を絞った方が期待値は高そうだ。  高値圏を邁進する銘柄はそれ相応の背景があるからこそだが、株価位置が高ければそれだけ横殴りの風を受けやすい。ひとたび悪材料が出ると、その軽重は置くとしてそれを口実に利益確定売りの洗礼を浴びることになる。直近では三菱重工業<7011.T>が11連騰の後の3日続落となったが、この3日間で日経平均は1500円近く水準を切り上げている。その上げ潮の中で、想定の域を外れた“逆行安”といえるが、これは同社株にとどまらない。利益を確定したいが、手放した瞬間に持たざるリスクに苛まれるという恐怖から売りを出せなかった向きにとって、背中を押してくれる何かしらの悪材料はある意味福音となる。  それでも王道を行くというならソフトバンクGの分散買い。傘下の英半導体設計アームホールディングス<ARM>の時価総額が日本円にして約32兆円で、ソフトバンクGの時価総額のおよそ1.8倍。金額にして15兆円近い開きがあり、親であるソフトバンクGがアームの時価総額にキャッチアップするのは自然な流れだ。しかし、前述のように最高値圏を走る銘柄は、硝子の階段を踏みしめているような怖さもある。日経平均構成比上位の銘柄で出遅れているものを探すと、ファナック<6954.T>、京セラ<6971.T>などが挙げられる。  このほか、今はあまり光が当たっていない中小型株も、日経平均やTOPIXなど全体指数の上昇に一服感が出た時は必ず出番が回る。「人の行く裏に道あり花の山」という相場格言に倣って、今すぐ結果を求めず静かに中小型株を拾っておくのも立派なストラテジーといえる。先週取り上げた銘柄では丸運<9067.T>が満を持して材料株の本領を発揮した。とはいえ、材料性や株式需給の思惑にフォーカスするのではなく、基本はファンダメンタルズからの視点が大切。同社株は業績高変化が見込まれるにもかかわらず、PBR0.5倍近辺に放置されているというミスマッチ感が投資マネーの琴線に触れた。  これに続く候補としては今期も業績拡大が続くアイダエンジニアリング<6118.T>や日本コンクリート工業<5269.T>。また、データセンター関連の穴株でピーク利益更新トレンドを継続する八洲電機<3153.T>も押し目形成場面は買い場とみたい。生成AI対応のハイパースケールデータセンターへの需要が高まるなか、800Gbpsイーサネット対応コネクターや超高密度メモリー用ソケットで活躍の機会を捉えている山一電機<6941.T>にも目を配っておきたい。  あすは株価指数オプション7月物の特別清算指数(オプションSQ)算出日にあたる。また、3カ月物国庫短期証券の入札が午前中に行われるほか、午後取引時間中に5月の鉱工業生産指数(確報値)や生活意識に関するアンケート調査の結果が日銀から開示される。海外では6月の中国貿易統計、4~6月期シンガポールGDPのほか、6月の米生産者物価指数(PPI)、7月の米消費者態度指数(ミシガン大学調査・速報値)など。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/07/11 17:00 みんかぶニュース コラム 東京株式(後場寄り付き)=日経平均株価は前場終値比で強含み  後場寄り付き直後の東京株式市場では、日経平均株価が前営業日比380円高前後と前場終値と比較して強含みで推移。外国為替市場では1ドル=161円60銭台の推移。アジアの主要株式市場は総じて堅調。 出所:MINKABU PRESS 2024/07/11 12:32 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=ラバブルMG、新規受注件数など伸びる  ラバブルマーケティンググループ<9254.T>は、SNSマーケティング運用全般における支援事業を展開。また、運用支援ツールの開発・提供なども手掛けている。  24年10月期第2四半期累計期間(23年11月~24年4月)は、SNSマーケティング事業のキャンペーン案件の獲得や既存顧客の単価向上が業績に寄与。SNS運用支援の新規受注件数や大口のクライアント数も順調に伸びた。前期は決算期変更による7カ月の変則決算だったため前年同期との比較はできないが、同期間の連結営業利益は1億4500万円で着地。既に通期計画の1億円を上回っており、上振れ余地が大きいといえそうだ。  株価は6月19日に年初来高値1689円をつけたあとの調整を経て、足もとは出直りの動き。25日移動平均線や75日移動平均線は上昇基調を維持しており、上値を試す展開に期待したい。(参) 出所:MINKABU PRESS 2024/07/11 10:00 みんかぶニュース コラム 11日の株式相場見通し=続急伸、米株大幅高でリスクオンの流れ続く  11日の東京株式市場は主力株を中心に投資資金の流入が加速し、日経平均株価は大きく水準を切り上げ、3日続伸となりそうだ。前日は欧州の主要国の株価が総じて高かったほか米国株市場ではNYダウ、ナスダック総合株価指数、S&P500指数がいずれも大幅に上昇し、リスクオンの流れが強まった。この日はパウエルFRB議長が下院での議会証言を行ったが、労働市場の需給緩和に言及するなど、FRBによる早期利下げ期待を高める背景となった。先行き長期金利の低下が見込めるとの思惑が、ハイテク株に資金を誘導し、特にエヌビディア<NVDA>をはじめ半導体関連株への買いが目立っている。フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も2.4%高と大きく買われ、史上最高値を更新した。これを受け、東京市場でも先物が主導する形で上げ足が一段と強まる公算が大きい。日経平均はフシ目の4万2000円大台に乗せる可能性が高く、TOPIXと足並みを揃え大きく最高値を更新しそうだ。一方、急ピッチの上昇で目先高値警戒感も否めない。日経平均は7月に入ってから前日まで2200円以上も水準を切り上げており、その反動も警戒されるところ。日本時間今晩に発表される6月の米消費者物価指数(CPI)を控え、買い一巡後は上げ幅を縮小するケースも考えられる。後場の取引で米株価指数先物の値動きなどに影響を受ける可能性もありそうだ。  10日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比429ドル39セント高の3万9721ドル36セントと大幅高で3日ぶり反発。ナスダック総合株価指数は同218.157ポイント高の1万8647.448だった。  日程面では、きょうは5月の機械受注や対外・対内証券売買契約、6月のオフィス空室率など。海外では、韓国の金融通貨委員会、マレーシア中銀の政策金利発表、6月の米消費者物価指数(CPI)、6月の米財政収支など。 出所:MINKABU PRESS 2024/07/11 08:00 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=売り方が闊歩する二層化相場  きょう(10日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比251円高の4万1831円と続伸。前日に先物主導でほぼ800円高というハイパフォーマンスをみせた日経平均だが、きょうも怯むことなく上値を指向した。前週末に広く喧伝されたETF分配金捻出に伴う売り圧力だが、きょうは週明けの8日に続いて2回目で、日経平均とTOPIX合計8000億円近い規模で顕在化するとみられていた。ただ、相場は想定された好材料や悪材料については事前に株価に織り込む習性があり、実際表に出た時は「材料出尽くし」と称され、往々にして株価には逆方向のベクトルが働くことも多い。  今回も結果的にはそのケースに該当した形となった。前週に日経平均が急上昇した反動と今週のETF絡みの売り圧力を見込んで、ヘッジファンドなどショートポジションを組んだ投資家も多く、実際に週明け8日の日経平均は引け際の大口売りで安値引けとなった。だが、下げ幅としては小さく、「売り方としては違和感を覚えたかもしれない」(中堅証券ストラテジスト)という指摘もあった。前週(7月1~5日)の上昇を考えれば、後場にもっと派手に崩れてもおかしくはなかったという意味合いだ。そして、その違和感は前日ときょうの相場で「トラップにハマった」という確信に変わったかもしれない。  全体相場は日経平均が最高値街道をひた走る状況で、しかも前日に望外の急騰をみせた後も、高値圏で売り物を完全に吸収してしまう。一見すると物凄く強い相場に見えるのだが、買われている銘柄は一部の主力級銘柄であり、全般を俯瞰すると目を疑うくらい軟調な株が多い。きょうのプライム市場の個別株は値下がり銘柄数が931、値上がり銘柄数638と、値下がり銘柄数の方が300近く多い状況にある。投資家の頭上で繰り広げられる空中戦が今の実態であり、日経平均やTOPIXなどの主要株価指数は投資マインドとは乖離している。今は買い方の視点でも「違和感を覚える相場」といえるかもしれない。  売買代金は4兆7000億円超に膨らみ活況相場の様相ながら、その割に個人投資家の息遣いが聞こえてこない。これは米国株市場も東京市場と似たような状況にあり、市場関係者によると「最近は米ハイテク株高が枕詞に使われているようだが、実際はGAFAMなど一部の主力が牽引していて、個人トレーダーの主戦場である中小型株は一向に冴えない値動きが続いている」(ネット証券マーケットアナリスト)という。  東京市場では9日現在の日経平均の騰落レシオ(25日移動平均)が109.4%で、プライム市場の騰落レシオも107.9%とあまり大差がない。更にスタンダード市場が105.8%、グロース市場は97.1%である。今のところ過熱感に乏しい一方、悲観ムードからも掛け離れた水準にある。また、個人投資家の体感温度を示す信用評価損益率は、直近のネット証券大手の店内データでは、全体ベースでマイナス5.0%、グロース市場はマイナス20.8%という。全体でマイナス5%前後というのは至って良好と言ってもよい水準だ。グロース市場のマイナス20.8%についても、過去とのデータ比較では特段冷え込んだ状態ではない。数値的には死角がないようにも見える。  しかし、「個別銘柄の持続性という観点で以前とは違う」(中堅証券ストラテジスト)という指摘もある。あちらこちらで間欠泉が噴き上げるように株高パフォーマンスがみられるが、すぐに値を崩すケースが多くなっている。これは、「動いた銘柄を空売りターゲットとした方が分かりやすく取れる」(同)という認識が広がっているようだ。中小型株で貸借銘柄ではなくても、流動性の高い銘柄であれば貸株市場を経由して機関投資家は売ることができる。全体は踏み上げ相場を繰り返しているようだが、個別株のエリアでは売り方が闊歩しているという二層化相場が、買い方にとっての違和感の正体ともいえる。  あすのスケジュールでは、5月の機械受注や対外・対内証券売買契約が朝方取引開始前に開示されるほか、前場取引時間中に6月のオフィス空室率が発表される。また、債券市場では午前中に20年物国債の入札が行われる。午後取引終了後には6月の投信概況が発表される。海外では、韓国の金融通貨委員会が行われ政策金利が開示されるほか、マレーシア中銀も政策金利を発表する。米国では6月の消費者物価指数(CPI)に対するマーケットの注目度が高い。このほか、週間の米新規失業保険申請件数や、6月の米財政収支などにも投資家の関心が向いている。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/07/10 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=カカクコム、「食べログ」インバウンド向けネット予約サービスに期待  カカクコム<2371.T>は業績拡大期待を背景に上値を試す展開が期待できそうだ。  「食べログ」「求人ボックス」の両部門が引き続き堅調だ。「食べログ」は「飲食店販促事業」のPRサービス、ネット予約サービスの店舗数がともに増加傾向にあり、好調に推移。「求人ボックス」も利用者の数と1人当たりの売り上げが増加傾向にある。25年3月期は「食べログ」15%増収、「求人ボックス」35%増収を見込むが、この計画には6月26日に新たに開始した「食べログ」インバウンド向けネット予約サービスの貢献が織り込まれておらず、同サービスの進捗次第では更なる成長も期待できる。  これに加えて、「価格.com」が回復に向かっていることにも注目したい。コロナ禍からのリオープニングに伴う需要の高まりから金融、通信などサービス事業は好調に推移していたが、24年3月期はショッピング事業、広告事業の減収幅が縮小し、1~3月期は3年ぶりに増収となった。「価格.com」は売上高の減少から、最近の同社の利益圧迫要因となっていたが、ショッピング、広告の減収幅縮小から売上高が増加に転じれば、増益幅を押し上げることになりそうだ。  25年3月期は、会社側では営業利益285億円(前期比10.4%増)を見込むが、前述の要因から上振れの可能性は高い。今期営業利益300億円弱、26年3月期営業利益350億円を見込む調査機関もある。(仁) 出所:MINKABU PRESS 2024/07/10 10:00 みんかぶニュース コラム 10日の株式相場見通し=反落か、押し目買いで下値抵抗力も発揮  10日の東京株式市場は主力大型株などに利益確定の売り圧力が優勢となり、日経平均株価は反落する可能性が高そうだ。前日の欧州株市場では主要国の株価指数が総じて軟調だった。そのなか仏CAC40が1.6%安、独DAXも1.3%安と下げが目立っており、引き続きフランスの政局を巡る不透明感が相場の重荷となっている。一方、米国株市場では主要株価指数が高安まちまちの展開となり、NYダウは小幅続落となったものの、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は6日続伸と上値指向を継続、史上最高値更新が続いている。また、機関投資家がベンチマークとして重視するS&P500指数もナスダック指数と歩調を合わせてわずかながら6連騰、連日の最高値更新となった。この日行われたパウエルFRB議長の上院での議会証言は、インフレ沈静化に前向きな見解が示されたことでFRBによる早期利下げ観測が強まり、全体相場を支える形となっている。ただ、米景気減速への警戒感も意識されるなか、上値を積極的に買い進む動きも限定的だった。東京市場も同様の値動きとなるケースが考えられる。日経平均は前日に先物主導で急速に水準を切り上げ、一時1000円近い上昇をみせる場面もあった。足もと短期急騰の反動が意識されるほか、ETF分配金捻出に伴う売りが想定されるだけに上値は重い。しかし、下値では押し目買い意欲が旺盛で、底堅さを発揮する公算が大きそうだ。4万1000円台半ばで売り買いを交錯させる地合いが見込まれる。  9日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比52ドル82セント安の3万9291ドル97セントと続落。ナスダック総合株価指数は同25.553ポイント高の1万8429.291だった。  日程面では、きょうは6月の企業物価指数など。海外では6月の中国消費者物価指数(CPI)、6月の中国生産者物価指数(PPI)、ニュージーランドの金融政策決定会合、5月の米卸売在庫・売上高など。 出所:MINKABU PRESS 2024/07/10 08:00 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=仕掛け炸裂、日本株爆買いの正体  きょう(9日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比799円高の4万1580円と急反騰。前日は引け際に大口売りで安値引けとなったが、その記憶が吹き飛ばされるほどの強調展開となった。日経平均は一時1000円近い上昇で4万1700円台まで駆け上がる場面があった。大引けはやや伸び悩んだが4万1000円台半ばで着地し、大幅に史上最高値を更新した。想定外の強さと言ってよい。  前日の米ハイテク株高を受けリスクオンのバトンを渡された東京市場だったが、取引開始時点ではそれほど追い風が意識されていたわけではない。しかし、実際は予想だにしない急騰劇が待っていた。市場関係者からも一様に驚きの声が上がっていた。きょうは朝方の段階では比較的静かな値動きとなり、日経平均株価は寄り後早々に4万1000円台に乗せはしたものの、取引開始後30分ほどでいったん天井をつけ伸び悩む展開となった。この時点では至ってノーマルな地合いであり、前後場を通じ強気優勢でも、4万1000円台ラインを巡る攻防くらいに考えていた市場筋は少なくなかったはずである。  ところが、そうではなかった。その後は大方の思惑とはかけ離れた凄まじい勢いで投資マネーが流入した。これは、ショートポジションを積み上げていた向きにとっては青天の霹靂というよりなく、問答無用で踏み上げ相場の激流に呑み込まれる格好となった。市場関係者からは「元来、今週は“下値リスク警戒ウィーク”だった。ただ、(売りを仕掛ける側としては)条件が揃い過ぎていたきらいがあったことも否めない。得てして相場はアマノジャクにできている」(ネット証券ストラテジスト)という声が聞かれた。では条件が揃い過ぎているというのはどういうことか。  まず、今週は週明け8日と10日にETF分配金捻出に伴う売り圧力が金額ベースにして合計1兆3000億円規模で生じるという観測があった。実際に前日は日経平均が後場に入ってひたすら下値を探る展開で安値引けとなった。この日は推計で4500~4600億円程度の売りが出たとみられている。しかし、残る8000億円程度の売りが週央10日に控えているわけで、むしろ前門の虎よりも後門の狼(2回目の換金売り)の方が手強いということになる。先物を売って繋ぐにせよ、こういう環境下で強気にはなれるはずもない。まして積極的に実需買いを入れようとする向きは“人間の感覚では”存在しない。  前週を振り返ると、東京市場は先物主導で日経平均・TOPIXともに高値圏を舞い上がる地合いとなり、4日にはTOPIXが34年半ぶりの史上最高値を更新、これと足並みを揃えて日経平均株価も3月下旬以来約3カ月半ぶりの最高値をつけた。週末5日は上昇一服となったものの、週間で日経平均は1300円以上も水準を切り上げており、短期間の急伸に伴う高値警戒感が台頭していたのも事実である。加えて今週末にオプションSQ算出を控える。今の需給環境を考慮すれば、オプション絡みで売りを仕掛けるには打ってつけの時間軸にも見える。しかし、これは罠であった。売り建てた向きは、根こそぎ踏み上げ相場の肥やしとなった。  市場では買い主体がどこであるかで意見が錯綜したが、正体不明と言わざるを得ない。一部では「国内筋では莫大な黒字でホクホクのGPIF(年金資金)の大人買いや、海外筋であればバルクで買うオイルマネーが動き出した可能性も否定はできない」(中堅証券ストラテジスト)という指摘があったが、現時点では信憑性に乏しい部分もある。一方、可能性として高いのは人間のように恐怖心に左右されずマシンガンのように注文を出すAIアルゴリズムの買い。「踏み上げ誘発を狙った、いわゆるCTAの225先物へのフルアタックが機能したようだ。ただし、この上げは相場観に基づいた実需の買いではない。反動は必ず来るはず」(中堅証券マーケットアナリスト)という。あすはSQ週の魔の水曜日であるとともに、ETF絡みの売りが絡む。ファンダメンタルズとは離れた狐と狸の化かし合いだが、引き続きハイボラティリティな地合いとなる可能性は高そうだ。  あすのスケジュールでは、6月の企業物価指数が朝方取引開始前に開示される。海外では6月の中国消費者物価指数(CPI)、6月の中国生産者物価指数(PPI)にマーケットの注目度が高い。このほかニュージーランドの金融政策決定会合が行われ、米国では5月の卸売在庫・売上高が発表される。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/07/09 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=ネクストーン、今期業績急回復で大底離脱へ  NexTone<7094.T>は音楽の著作権管理と利用促進を目的としたビジネスを手掛け、民間企業としては日本音楽著作権協会(JASRAC)に対抗する唯一の会社として存在感を放つ。ニッチで活躍するユニークな業態のみならず、昨年9月には音楽配信ビジネスを展開するレコチョクと戦略的な資本・業務提携を行い、レコチョクの株式(議決権割合で51.7%)を獲得し傘下に収めたことで業容が拡大している点は注目される。  業績面ではトップラインの急拡大を見込み、利益も増収効果を映して大幅な伸びが視野に入っている。25年3月期は売上高が前期比49%増となる200億円、営業利益は同52%増の10億円を予想。売上高、営業利益ともに過去最高を更新するが、続く26年3月期も2ケタの利益成長が有力視される。株価は底値圏でもみ合っており、早晩リバウンド局面への移行が期待される。業績の伸びを考慮すれば5月21日につけた年初来高値1764円奪回を年内に実現する公算も小さくない。(桂) 出所:MINKABU PRESS 2024/07/09 10:00 みんかぶニュース コラム 9日の株式相場見通し=反発、米半導体株高受け強調展開  9日の東京株式市場は売り買い交錯のなかも日経平均株価は頑強な値動きで反発する公算が大きく、前日終値近辺で強調展開が見込まれる。前日の欧州株市場では政局不安定なフランスで主要株価指数が下値を模索したほか、各国の株価が総じて軟調に推移した。一方、米国株市場ではNYダウが小幅反落となったものの、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数が連日の最高値更新、機関投資家がベンチマークとして重視するS&P500指数も最高値更新を続けた。今週9~10日の日程で上下両院で行われるパウエルFRB議長の議会証言や、11日に発表予定の6月の米消費者物価指数(CPI)を前に様子見ムードが漂うものの、前週末に開示された6月の米雇用統計を受けて賃金インフレに対する懸念は後退しており、FRBによる早期利下げへの期待は依然として根強いものがある。この日はエヌビディア<NVDA>などをはじめ半導体セクターへの買いが目立ち、全体相場の押し上げに寄与した。東京市場では前日に日経平均株価が後場に軟化し安値引けとなったが、下落率はわずか0.3%にとどまっており、押し目買い需要の強さを反映した。引き続き短期間の上昇の反動に対する警戒感は残るが、米半導体株高を受けきょうも強含みで推移し、展開次第では4万1000円台乗せを視界に入れる場面もありそうだ。  8日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比31ドル08セント安の3万9344ドル79セントと反落。ナスダック総合株価指数は同50.979ポイント高の1万8403.738だった。  日程面では、きょうは6月のマネーストック、5月の特定サービス産業動態統計、6月の工作機械受注額(速報値)など。海外ではFRBのバー副議長やFRBのボウマン理事が講演を行う予定。 出所:MINKABU PRESS 2024/07/09 08:01 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=全体相場一服でも個別株物色の宴は続く  週明け8日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比131円安の4万780円と続落。前週末時点のヒアリングでは、今週は日経平均の上値追いが止まると予想する市場関係者は少なくなかった。名実ともに7月相場入りとなった前週は、週末こそ1円安と足を止めたが反落と呼べる類いのものではなく、週間ベースでは1300円以上も上昇した。ショートポジションを取っていた海外ヘッジファンドの買い戻しが利いた形だが、そのアンワインドの動きも一巡した気配がある。  そのなか、今週はきょうと明後日(10日)に7月の恒例イベントともいえるETF分配金捻出に伴う売りが合計1兆3000億円規模で顕在化する。となれば、ここはとりあえず嵐が過ぎるまで雨宿りしようかという気分になるのが投資家心理だ。前週末の米国株市場は相変わらずナスダック総合株価指数とS&P500指数の両指数が強く、揃って史上最高値を更新したが、この最高値街道を併走する姿にも目が慣れてしまった。日本株の上げ足はナスダックやS&P500よりも更に勾配が急である。米株高に引っ張られて云々という状況ではなさそうだ。個別株戦略にも知恵が求められる場面である。  個別株では日経平均やTOPIXの上昇に連動しやすい主力大型株が注目されているが、本来ならば相場の花形である半導体セクターに視点を合わせるのが正攻法。ただ、半導体製造装置大手では、固有の思惑とはいえレーザーテック<6920.T>が崩れ足となっていることが大きく、他の銘柄についてもやや疑心暗鬼に苛まれるケースが出てきそうだ。6月18日以降、目を見張る陽線の連打で存在を輝かせたアドバンテスト<6857.T>だったが、モメンタム相場で快走したものの、ふと立ち止まるとPERが70倍を超えており、上昇一服となる可能性も否めない。しばらく株価が冴えなかったソシオネクスト<6526.T>は目先調整一巡感が出ているものの、手掛かり材料に事欠くなか、ここが買い場かどうかは判然としない。  半導体主力銘柄からいったん離れて大型株を俯瞰してみる。例えば炭素繊維世界トップの東レ<3402.T>は25年3月期に業績急回復が見込まれていることで、再び実需買いが入り始めた感触。また、データセンター向けばかりに視線が向いていた半導体関連にも変化が出ている。最近の電子部品株人気は、スマートフォンのエッジAI搭載に伴い買い替え需要を喚起するというシナリオが原動力となっている。スマホ生産プロセスで必須となるロボドリルで圧倒的なファナック<6954.T>などもマークしておいて面白そうだ。  一方、中小型ではサイバーセキュリティー関連に元気な銘柄が多い。銘柄によって跛行色はあるものの、政策的な後押しを拠りどころに総じて投資資金の流れ込むルートが確立されているように見える。6月19日に紹介したFFRIセキュリティ<3692.T>やサイバートラスト<4498.T>はその後順調に上値追いを続けているが、依然として上値余地は十分残されていると思われる。目先の押し目を狙っていきたい。このほか、5月上旬のマド開け急伸後、異色の右肩上がりチャートを継続しているイー・ガーディアン<6050.T>などにも目を配っておきたい。ただし、参戦する際にはロスカットルールを自らに課しておく。強い銘柄につくのは黄金セオリーだが、流れが変わったと感じた時に間髪を入れず降りる勇気は必要。これはすべての「強い株」に共通する。  小型株の一本釣りでは、まずノムラシステムコーポレーション<3940.T>。DX導入・運用支援という時流に乗る銘柄だが、何と株価は100円台。これは株式分割を繰り返したことによるものだが、週足チャートでは綺麗な三角もち合いを形成している。また、大規模病院向けを主力とする医療用汎用ファイルシステムの最大手であるファインデックス<3649.T>も医療DX関連の有望株で面白い。  あすのスケジュールでは、6月のマネーストックが朝方取引開始前に日銀から発表される。また、午前中に6カ月物国庫短期証券の入札と5年物国債の入札が行われる。午後取引時間中には5月の特定サービス産業動態統計が開示。また、引け後に発表される6月の工作機械受注額(速報値)にも関心が高い。このほか、債券市場参加者会合が10日までの日程で開催される。海外では特に目立ったイベントはないが、FRB高官の発言機会が相次ぐことで、関係者の注目を集めている。この日の日本時間夜にFRBのバー副議長が講演を行うほか、日本時間10日未明にFRBのボウマン理事が講演を行う予定となっている。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/07/08 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=古河電工、生成AI関連需要も拡大  古河電気工業<5801.T>に注目したい。同社の24年3月期の連結営業利益は前の期比27.7%減の111億7100万円だった。光ファイバー・光関連部品などの不振が響いたが、ワイヤーハーネスなど自動車部品事業が回復し、従来予想を約60億円上回って着地した。25年3月期の同利益は前期比2.2倍の250億円と急回復する見通し。光ファイバー市場の好転や自動車関連の伸びなどが寄与しそうだ。  生成AIの市場急拡大に伴い、データセンターで冷却用ヒートシンクなどの機能製品が伸びている。株価は年初から急上昇しているが連結PBRは0.8倍台となお割安。先行き5000円を視野に入れた上昇相場が期待できる。(地和) 出所:MINKABU PRESS 2024/07/08 10:00 みんかぶニュース コラム 8日の株式相場見通し=反発か、米株高を受け堅調な地合い続く  8日の東京株式市場は強弱観対立のなかも主力株をはじめ堅調な値動きとなることが予想され、日経平均株価は反発し4万1000円近辺での推移が予想される。前週末の欧州株市場は高安まちまちの展開だったが、米国株市場ではNYダウをはじめ主要株価指数が揃って上昇し、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数と機関投資家がベンチマークとするS&P500指数は史上最高値を更新している。この日の朝方に発表された6月の米雇用統計は、非農業部門の雇用者数の伸びが若干コンセンサスを上回ったものの、4月と5月の数字がいずれも下方修正されるなど労働需給の緩和を示す内容だった。これを受けFRBによる早期利下げ観測の高まりから幅広い銘柄に物色の矛先が向かった。ただ取引時間中はナスダック指数が終始プラス圏で強調展開をみせたものの、ダウはマイナス圏で推移する場面も多く、市場エネルギー不足のなか景気敏感株などの持ち高を積極的に増やす動きは限定的だった。東京市場では前週末に日経平均株価が6日ぶりに上昇一服となったが、下げ幅は1円でほぼ横ばいで着地した。目先高値警戒感はあるものの、旺盛な買い意欲がきょうも全体相場を支えそうだ。一方、外国為替市場では米長期金利の低下を背景にドルが売られ、足もと1ドル=160円台の推移と円高方向に押し戻されていることは、輸出セクターなどの上値を重くする可能性がある。また、ETF分配金の捻出に伴う売り圧力も意識され、日経平均は軟化するケースも考えられる。  5日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比67ドル87セント高の3万9375ドル87セントと小幅反発。ナスダック総合株価指数は同164.457ポイント高の1万8352.759だった。  日程面では、きょうは7月の日銀地域経済報告、6月の景気ウォッチャー調査、5月の国際収支など。海外では5月の米消費者信用残高など。 出所:MINKABU PRESS 2024/07/08 08:00 みんかぶニュース コラム 来週の株式相場に向けて=日経平均4万円時代の新投資戦略を探る  5日の東京市場で日経平均株価は前日比1円安と6日ぶりに小反落。前日までの5日間で1500円強上昇していただけに利益確定売りも出た様子だが、引けにかけ下げ幅は縮小し、相場の基調の強さを感じさせた。   日経平均株価は4日には、3月22日高値を抜き4万913円と史上最高値を更新し、TOPIXも34年半ぶりに最高値を塗り替えた。今春の急上昇後は、6月下旬まで3万9000円ラインでの一進一退が続いただけに「次に相場が動き出すのは7月下旬からの決算発表以降ではないか」とみる市場関係者は少なくなかった。それだけに足もとの急伸には意外感もあり、「中国株に向かった資金が再び東京市場に舞い戻った」「トランプ復活相場を先取りし始めた」などの見方が飛び交っている。  ただ、足もとで急伸している三井住友フィナンシャルグループ<8316.T>の連結PBRはようやく1倍に達し、配当利回りは3%近辺と依然として割安感がある。半導体関連にも魅力的な銘柄は多い。いよいよ本格的な日経平均4万円時代に入りつつあり、市場では新たな投資戦略が模索されているが、「バリュー株とグロース株の循環相場」(アナリスト)の様相を呈するなか、ここからの本格的なサマーラリーへの期待は強い。  来週の相場を探るうえでは、今晩の米6月雇用統計の結果の影響は大きいが、同様に11日の米6月消費者物価指数(CPI)への関心は高い。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は9日と10日に上下両院で議会証言を行う。政治要因でも、7日にはフランスの国民議会(下院)選挙の決選投票が行われる。また、日本では同日に東京都知事選がある。更に株式需給面では8日と10日にETFの分配金捻出で約1兆2000億円の売りが出るとの観測も出ている。  上記以外のスケジュールでは、米国では12日に米6月生産者物価指数(PPI)、米7月ミシガン大学消費者マインド指数が発表される。米国で決算シーズンに突入し、12日にJPモルガン<JPM>、シティグループ<C>、ウェルズ・ファーゴ<WFC>が決算発表を予定している。  国内では8日に5月毎月勤労統計調査、6月景気ウォッチャー調査、11日に5月機械受注が発表される。また、消費・小売関連企業の決算が本格化。8日にウエルシアホールディングス<3141.T>、9日にハニーズホールディングス<2792.T>、10日に吉野家ホールディングス<9861.T>、サイゼリヤ<7581.T>、11日にファーストリテイリング<9983.T>、セブン&アイ・ホールディングス<3382.T>、12日に良品計画<7453.T>、ドトール・日レスホールディングス<3087.T>などが決算を発表する。来週の日経平均株価の予想レンジは4万400~4万1400円前後。(岡里英幸) 出所:MINKABU PRESS 2024/07/05 17:06 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=FFRI、官公庁向けで強さ発揮するサイバーセキュリティー企業  FFRIセキュリティ<3692.T>の上昇トレンドについていきたい。足もと企業や自治体へのサイバー攻撃を巡るニュースが相次ぐなか、株式市場ではサイバーセキュリティー関連株への関心が急速に高まっている。同社は防衛省など官公庁向け案件に強みを持つセキュリティー企業であり、関連銘柄の一角として注目だ。  前24年3月期は売上高が前の期比25%増の24億4600万円、営業利益が同2.5倍の4億9700万円と急拡大し、過去最高業績を更新。安全保障に絡むセキュリティー調査や研究案件が増加した。好業績を背景に上場後初となる配当を実施した。続く25年3月期も増収増益を見込み、引き続き配当も行う方針だ。(イ) 出所:MINKABU PRESS 2024/07/05 10:00 みんかぶニュース コラム 5日の株式相場見通し=一進一退か、米株休場も欧州株高はポジティブ  5日の東京株式市場は材料不足が意識されるなか、日経平均株価は前日終値を挟み一進一退の展開か。前日は米国株市場が独立記念日の祝日に伴い休場だったことで、手掛かり材料が少なく方向感が見えにくい。ただ、前日の欧州株市場は独DAXや仏CAC40をはじめほぼ全面高様相に買われたことで、リスク選好ムードは続いている。前日に日経平均は約3カ月半ぶりに史上最高値を更新、TOPIXは1989年12月以来、約34年半ぶりに最高値を更新した。短期間の急上昇により過熱感も拭えず、日経平均は前日まで5日続伸し、この間に1500円以上も水準を切り上げていることで、目先利益確定売りから上昇一服となる可能性はある。ただ、全体指数が軟化する場面では出遅れた向きの押し目買いが想定され、下値に対しても底堅い動きが見込まれる。なお、日本時間今晩に6月の米雇用統計の発表を控え、この内容を見極めたいとの思惑もあり、売り買いともにポジションを一方向に傾けにくいタイミングともいえる。取引時間中は外国為替市場の動向や、米株価指数先物の動きが日経平均やTOPIXに影響を与える可能性がある。  日程面では、きょうは5月の家計調査、6月上中旬の貿易統計、消費活動指数、5月の景気動向指数(速報値)など。海外では5月のユーロ圏小売売上高のほか、6月の米雇用統計など。また、ウィリアムズNY連銀総裁がインドで講演する。 出所:MINKABU PRESS 2024/07/05 08:01 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=トランプ相場はインフレと共に  きょう(4日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比332円高の4万913円と5日続伸。今週は1989年12月以来約34年半ぶりの史上最高値更新を視野に置くTOPIXの動向にマーケットの関心が高かった。その結果は、首尾よく週初から上値指向を続けノンストップで達成した。ついでにというと語弊があるが、3月下旬にひと足先に34年ぶりの最高値更新を果たしていた日経平均株価も、TOPIXと足並みを揃え最高値街道に再突入する形となった。  7月はETFの分配金捻出のための売りが出て全体相場の上値を押さえるという見方が強かった。昨年もこのETF絡みの売り圧力が喧伝され7月上旬から中旬にかけて日経平均、TOPIXともに下値模索の展開を強いられ週足で大陰線を引いた。ところが今年は真逆の展開となっている。7月のETF分配金捻出に伴う売りは、毎年恒例ともいえる需給イベントだが、今回も7月第2週前半(来週前半)に1兆数千億円規模の売りが東京市場にのしかかるという観測があった。市場では「これ(ETF絡みの売り)を見込んで前週あたりからショートポジションを積み上げる向きが急増、結果的に売り方は強制的な買い戻しを迫られ、TOPIXの34年ぶり最高値を演出する格好となった」(ネット証券マーケットアナリスト)とする。  6月は後半に入ってから前半の不調が嘘に思えるような急速な上昇トレンドを形成したが、これが7月初旬に入ってからの下げ余地を大きくするであろうという穿(うが)った見方につながった面もある。「海外ヘッジファンドの買い戻しが6月いっぱいで終了するという思惑も働いた。それもあって玄人筋ほど売りから入りやすく、結果的に踏み上げ相場の肥やしになってしまった」(中堅証券ストラテジスト)と指摘する。  米大統領選を前にした最初のテレビ討論で、こんなに早くバイデン氏がコーナーポストに追い詰められるような形になるとは誰も想定していなかったはずだが、マーケットがもう一つ見誤ったのは、トランプ大統領返り咲きの可能性が高まったことで株式市場全体がここまでリスクオンに振れるという現実であったと思われる。「もしトラ」という言葉自体に元来肯定的な響きはない。もしもトランプ氏が大統領選に勝利した場合、株式市場はリスクに遭遇するというニュアンスであり、これは2016年のヒラリー・クリントン氏とトランプ氏の大統領選の際に生まれたスラングである。しかし、当時はトランプ氏が大統領に就任すると米国株は急上昇トレンドに突入した。空売りのアンワインドが一気に進み全体相場を押し上げる構図となった。しかし、今回は過去の実績から、「もしトラ」は必ずしも株式市場にとってネガティブではないという学習効果が働いている。  そうしたなか、トランプ氏が掲げる政策でもっともマーケットの視線を引き付けているのは他国への追加関税だ。とりわけ中国からの輸入品には一律60%超の関税をかけ、その他の国や地域からの輸入品に10%の関税をかける案を提示している。これは、物価上昇圧力となってモノのインフレを再燃させる。一方、大型減税の拡充(減税の恒久化と法人税率の一段の引き下げ)では、財政出動に伴う過剰流動性の創出がインフレ圧力の顕在化につながる。更にトランプ氏は不法移民の取り締まり強化で数百万人単位を強制送還させる案を掲げており、これは労働者需給を逼迫させサービス分野のインフレを巻き起こす。  つまり、トランプ大統領はインフレの足音とともに再登場する絵図が浮かぶ。原油市況や非鉄市況がここにきて静かに上昇傾向を見せ始めているのはそのシナリオに沿ったものだ。しかも、日本は折からの円安に歯止めがかからない状況で、これはかなりのインフレ環境に晒されることになる。一方でタカ派になり切れない日銀。これを横目に今の株高は「インフレ対策で株を買う」というロジックが底流しているようにも見える。  あすのスケジュールでは、5月の家計調査、6月上中旬の貿易統計がいずれも朝方取引開始前に開示される。また、午前中に3カ月物国庫短期証券の入札が行われる。午後取引時間中には消費活動指数、5月の景気動向指数(速報値)などが発表される。また、この日は安川電機<6506.T>の3~5月期決算発表がありマーケットの関心を集めそうだ。海外では5月のユーロ圏小売売上高のほか、6月の米雇用統計への注目度が高い。このほか、ウィリアムズNY連銀総裁がインドで講演を行う予定にある。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/07/04 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=ラクスル、260万超の顧客基盤が強み  ラクスル<4384.T>は印刷・集客支援のプラットフォーム「ラクスル」が主力事業で、260万を超える累計登録ユーザー数が強み。また、マーケティングのプラットフォーム「ノバセル」なども展開している。  6月11日に公表した24年7月期第3四半期累計の連結決算は好調で、営業利益は前年同期比50.2%増の21億8900万円で着地。法人向け印刷販促管理サービス「ラクスルエンタープライズ」の導入企業が2000社を突破するなど、既存事業が堅調だったことが寄与した。同社は第4四半期も事業環境は大きく変わらないとみており、通期業績の上振れが期待される。  株価は6月中旬に開けたマドを埋めて仕切り直しの様相。日足チャートでは25日移動平均線と75日移動平均線とのゴールデンクロスが目前となっている。(参) 出所:MINKABU PRESS 2024/07/04 10:00 みんかぶニュース コラム 4日の株式相場見通し=続伸か、TOPIXの最高値更新が視野に  4日の東京株式市場は売り買い交錯のなかも頑強な値動きで、日経平均は続伸が予想される。前日は欧州株市場で主要国の株価が総じて高く、仏CAC40や独DAXなどいずれも1%を超える上昇を示した。フランスの国民議会選を巡る極右台頭に対する警戒感が後退し、幅広い銘柄にアンワインドの動きが出ている。一方、短縮取引となった米国株市場ではNYダウが小幅ながら安く引けたものの、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は3日続伸し史上最高値更新が続いた。またS&P500指数も連日で最高値を更新した。この日発表された6月の米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況感指数が、市場コンセンサスに反し2カ月ぶりに好不況の分水嶺である50を割り込んだほか、同日発表の6月のADP全米雇用リポートも非農業部門の雇用者数が事前予想を下回る水準だった。予想を下回る経済指標が相次いだことでFRBによる9月利下げ観測が高まり、ハイテク系グロース株を中心に追い風となった。東京市場ではTOPIXの史上最高値更新があと12ポイントあまりに迫っており、きょうはその動向が注目される。また、日経平均も今年3月につけた最高値4万888円まであと300円強の上昇で到達する位置にあり、展開次第ではTOPIXと同時に最高値更新というケースも考えられる。  3日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比23ドル85セント安の3万9308ドル00セントと3日ぶり反落。ナスダック総合株価指数は同159.539ポイント高の1万8188.302だった。  日程面では、きょうは対外・対内証券売買契約、6月の輸入車販売、6月の車名別新車販売、6月の軽自動車販売など。海外では5月の豪貿易収支、5月の独製造業新規受注のほか、英国では総選挙が行われる。なお、米国は独立記念日の祝日で休場となる。 出所:MINKABU PRESS 2024/07/04 08:02 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=「国家安全保障」の大潮流に乗る三菱重  きょう(3日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比506円高の4万580円と大幅高で4日続伸。前日の米国株市場では米長期金利の低下を背景にハイテク株への資金流入が続き、ナスダック総合株価指数が連日の最高値、更に機関投資家がベンチマークとするS&P500指数も終値で初の5500ポイント台乗せを果たし史上最高値を更新した。加えて、外国為替市場では日銀の存在など完全スルーと言わんばかりの円売り攻勢が続き、1ドル=161円台後半の円安に振れている。止まらない円安は政府・日銀にすれば気が気ではないが、株式市場にすれば輸出企業のEPS向上、あるいはインバウンド消費を増幅させる順風として大いにウェルカムというのが本音のようだ。  6月は海外投資家が日本株の持ち高を減らす傾向があり、過去10年間を振り返ると買い越したのはわずか2回、つまり8回は売り越していることになる。対して7月は10年間で6回買い越しという実績であり、今年も今月は買い戻しのタームに入る公算が小さくなさそうだ。そして、出足はどうやらその気配を漂わせている。  足もとで相場の景色もガラッと変わってきた。日経平均が4万円大台ラインを通過点とする大出直りを演じているのは事実だが、それとは違う意味で舞台が大きく回ったような印象を受ける。これまでは日米で生成AIが無双のテーマ性を発揮し、これがAI用半導体、データセンター、電力関連、エッジAIと物色領域を横に広げながら関連銘柄を刺激してきた。もちろん、これらのテーマ性が色褪せることはないが目先やや食傷気味となっていた。そこに、物色テーマとして急浮上し新たな潮流を発生させているのが「国家安全保障」だ。  米大統領選は決戦の11月5日まできっちり4カ月の時間が残されており、当然ながらまだ予断を許さないが、第1回テレビ討論を経た現状はトランプ氏が断然優位に立っている。というよりは、バイデン氏が勝利するというイメージが雲散霧消してしまったということに尽きる。これが株式市場にも大きなインパクトを与えている。「もしかしてトランプ」が「ほぼトランプ」というコンセンサスに変わってきたことで、これがマーケットの物色の流れをも支配するに至っている。  トランプ氏は同盟国に対して、軍事面で米国に頼り過ぎず自ら軍備拡大を行うことを強く要請している。トランプ大統領再選となれば防衛予算拡大に岸田政権はまい進するとの思惑が強まるなか、一方で米国の対中規制強化という政策も同時進行することになる。中国が態度を硬化させ、台湾有事という地政学リスクの蓋然性が高まっている。国家安全保障イコール防衛関連株への投資資金誘導が鮮明である。  そして、これが紛れもなく防衛省との取引額で群を抜く三菱重工業<7011.T>が怒涛の株高を続ける背景となっている。株価上昇だけではない。きょうの東京市場でディスコ<6146.T>やレーザーテック<6920.T>を押さえ、三菱重が売買代金トップに躍り出たのは特筆に値する。このほか、川崎重工業<7012.T>やIHI<7013.T>など“リアル防衛関連”が高値圏を突き進む展開となっている。また、リアル防衛関連ということであれば、防衛大手の一角であるNEC<6701.T>や三菱電機<6503.T>も外せない。   防衛関連という切り口ではサイバー空間も重要なエリアである。内閣サイバーセキュリティセンターは今月から人員を倍増させ、幹部ポストを新設することが伝わっている。既にサイバー防衛関連株が一様に動意づいており、その背景には企業へのランサムウェア被害が相次いでいることもあるが、国家安全保障という国際的な大きな枠組みの中で、有事を意識したこれまでとは違った潮流が発生している。FFRIセキュリティ<3692.T>やトレンドマイクロ<4704.T>などがそれを映している。このほかサイバーセキュリティクラウド<4493.T>などもマークしておきたい。  あすのスケジュールでは、対外・対内証券売買契約、6月の輸入車販売、6月の車名別新車販売、6月の軽自動車販売など。このほか、30年物国債の入札が予定されている。また、日本最大級のスタートアップカンファレンス「IVS2024 KYOTO」が6日までの日程で開催される。海外では5月の豪貿易収支、5月の独製造業新規受注のほか、英国では総選挙が行われる。なお、米国は独立記念日の祝日で休場となる。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/07/03 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=ALSOK、積極的な株主還元継続に期待  ALSOK<2331.T>は、好業績と積極的な株主還元施策継続への期待を背景に、株価4ケタ台での活躍が期待できそうだ。  5月14日に発表した24年3月期連結決算は、営業利益が390億8200万円(前の期比5.6%増)となった。機械警備、常駐警備、警備輸送からなるセキュリティー事業が伸長。綜合管理・防災事業や介護事業も伸長した。  続く25年3月期は営業利益403億円(前期比3.1%増)と連続増益を見込む。機械警備インフラを活用した新サービスの開始や「HOME ALSOK Connect」の「スマホゲート」の販売開始、情報セキュリティーサービスの拡充なども寄与する見通しで、業績上振れを予想する調査機関も多い。  決算発表時に、増配(23円70銭から24円80銭へ)と1770万株(発行済み株数の3.53%)を上限とする自社株買いを発表。株価はこれらを好感する形で上昇した。これにより、株主還元の強化策はいったん株価に織り込まれたようにみえる。ただ、会社側では従来30%としていた配当性向の目安を40~50%へ引き上げたほか、自社株買いについても今後も経営環境に応じて総合的に判断するとしている。26年3月期以降も積極的な株主還元が期待できそうであり、注目余地は十分にあろう。(仁) 出所:MINKABU PRESS 2024/07/03 10:00 みんかぶニュース コラム 3日の株式相場見通し=頑強な値動きか、米株高受けリスクオン継続  3日の東京株式市場は主力株を中心に目先筋の利益確定売りをこなし、日経平均株価は4万円トビ台で頑強な値動きとなることが予想される。前日は欧州株市場で独DAXや仏CAC40など主要国の株価が総じて軟調な値動きとなったが、米国株市場ではリスク選好の地合いを維持した。NYダウ、ナスダック総合株価指数ともに高く、後者は史上最高値を連日更新、また機関投資家が重視するS&P500指数も最高値を更新した。パウエルFRB議長がECB主催のフォーラムで米国のインフレ抑制についてかなり進展があったとの認識を示し、これをマーケットはハト派的な発言として好感する形に。米長期金利も低下しハイテク系グロース株などに追い風となった。個別では電気自動車(EV)大手のテスラ<TSLA>が10%高と値を飛ばし、全体リスクオン相場を助長している。アマゾン<AMZN>やアップル<AAPL>などのビッグテックも買われ指数押し上げに寄与した。東京市場では、前日に日経平均株価が先物主導で440円あまりの大幅高をみせ、フシ目の4万円大台に乗せた。前日の米株高を受けリスク許容度の高まっている海外投資家などの買いを誘導し、きょうも上値指向を維持しそうだ。ただ、外国為替市場で円安が一服していることや、大台回復で目先達成感からの売り圧力も拭えず、買い一巡後は上値の重い展開となることも想定される。日本時間今晩の米株市場が短縮取引となり、あすは独立記念日で休場となることもあって市場エネルギー不足も意識される可能性がある。  2日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比162ドル33セント高の3万9331ドル85セントと続伸。ナスダック総合株価指数は同149.463ポイント高の1万8028.763だった。  日程面では、きょうは国内では新紙幣の発行開始日。また、需給ギャップと潜在成長率が開示される。海外では6月の財新中国非製造業購買担当者景気指数(PMI)、5月の豪小売売上高、ポーランド中銀の政策金利発表、FOMC議事要旨(6月開催分)、6月のADP全米雇用リポート、週間の米新規失業保険申請件数、6月の米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況感指数、5月の米貿易収支、5月の米製造業受注など。 出所:MINKABU PRESS 2024/07/03 08:00 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=浮かび上がる「ほぼトラ」相場の片鱗  きょう(2日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比443円高の4万74円と大幅高。念願の4万円大台に一気に乗せた。いつものパターンともいえるが、後場後半になると先物主導でつむじ風に巻かれるように踏み上げ相場の色彩が強まった。きょうは高値引けではなかったものの、実需買いではなくショートポジションの手仕舞いが全体相場を押し上げる典型的な地合いとなった。何よりも値上がり銘柄数が全体の5割強を占めるにとどまっており、これは指数寄与度の高い主力大型株に資金が集中したことを物語る。  米国株市場の方はハイテク株中心に想定以上に強い動きである。米長期金利の上昇局面でもかまわずナスダック総合株価指数は最高値圏を舞い上がる。今は上がるから買う、買うから上がる、という状況で売り方もなすすべがないという感じだが、どこかで今のモメンタム相場の反動は来そうである。  米大統領選の第1回テレビ討論では、バイデン大統領とトランプ前大統領が期待にたがわず丁々発止、と言いたいところだが、お互いを罵(ののし)り合う展開で「政策論争ではなく、ひたすら仲の悪い老人同士が互いを否定するために口角泡を飛ばすという状況」(国内投資顧問系エコノミスト)という声が聞かれた。しかし、ディベートが進むとバイデン大統領の“老い”がクローズアップされる形となり、世論調査では同氏が大統領選に出馬すべきでないという回答が実に7割を超えたという。一方、トランプ氏についても過半数が出馬すべきでないという評価だったというから、有権者の「ダブルへイター」が浮き彫りとなっている。しかし、このままだと「大統領になるべきでない人を選ぶ戦い」でバイデン氏が圧倒していることになり、消去法でトランプ前大統領の返り咲きという線が濃厚となる。  米国も政治が病んでいるイメージだが、民主党内でも意見が割れ、まとまりがつかない様子だ。ブルームバーグ通信は、民主党全国委員会がバイデン氏を党候補に正式指名する手続きを前倒しすると報じた。そうしないと空中分解してしまう可能性を危惧している。4年前の再現で、バイデン大統領をたてることで対立の構図を印象づける算段だったが、時の流れは人間にとって容赦のないものであることが今回の討論で峻烈に映し出された。市場関係者によると、民主党のウルトラCとして「副大統領をハリス氏からオバマ元大統領にすげ替え、バイデン氏の影武者的存在として担ぎ上げるというジョークのような話も持ち上がっている」(ネット証券マーケットアナリスト)という。  ともあれ、2日の東京市場では「ほぼトラ」というムードが投資マネーの流れにも影響を与え始めた。トランプ氏が大統領になれば、大型減税の拡充に動くことが予想され、強力な財政出動に伴い金利の高止まりが避けられない。東京市場も日銀が大規模緩和策にピリオドを打つタイミングを測っている段階にあり、日米ともに長期金利が上昇基調をたどるとなれば、恩恵を受けるのはメガバンクや生保。三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>が売買代金2位に入る大商いの中で値を飛ばしたのは、トランプ相場の片鱗という見方もできる。また、日本にも防衛予算拡大圧力がかかるとなれば、防衛省との取引金額で群を抜く三菱重工業<7011.T>だが、やはり活況高となり最高値を更新した。  きょうは中小型株が蚊帳の外であった。ただ、前日にも触れた株価3ケタ台の材料株にはしぶとく資金が流れ込んでいる。丸運<9067.T>、nms ホールディングス<2162.T>、朝日ネット<3834.T>などが好チャートを形成している。また、バイオ関連も賑わっている。きょう新規上場のPRISM BioLab<206A.T>が初値形成後にストップ高に買われたことも刺激となりやすく、動兆しきりのトランスジェニック<2342.T>あたりをマーク。このほか、サイバーセキュリティー関連でセキュアヴェイル<3042.T>に継続的な資金流入が観測されるが、当欄継続注目のソリトンシステムズ<3040.T>の上げ足にも拍車がかかった。  あすのスケジュールでは、国内では新紙幣の発行開始日となる。また、需給ギャップと潜在成長率が午後取引時間中に開示される。海外では6月の財新中国非製造業購買担当者景気指数(PMI)、5月の豪小売売上高、ポーランド中銀の政策金利発表のほか、米国ではFOMC議事要旨(6月開催分)の内容にマーケットの関心が高い。このほか、6月のADP全米雇用リポート、週間の米新規失業保険申請件数、6月の米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況感指数、5月の米貿易収支、5月の米製造業受注など。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/07/02 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=綜研化学、業績急拡大で営業最高益続き超割安  綜研化学<4972.T>の戻り相場につきたい。アクリル系粘着剤の大手で、電子材料向け特殊機能材なども手掛ける。業績は足もと急拡大局面にある。24年3月期はスマートフォンの在庫調整圧力が同社のスマホ向け製品に逆風となったが、液晶ディスプレー関連製品の需要回復が寄与し、営業利益段階で前の期比88%増の38億2800万円と大幅な伸びを達成、過去最高利益を更新した。続く25年3月期も中国景気回復を追い風に液晶関連で需要を捉え、営業利益は前期比12%増の43億円予想と2ケタ増益が続く見通しにある。  PER8倍台でPBR0.6倍台と株価指標面で割安感が強い。今期年間配当も95円(前期実績も95円)予想と高水準、配当利回りに換算して3.5%前後に達する。株価は底値圏からの戻り初動にあり、5日・25日移動平均線のゴールデンクロスを形成したばかり。ここは強気に対処して面白そうだ。(桂) 出所:MINKABU PRESS 2024/07/02 10:00 みんかぶニュース コラム 2日の株式相場見通し=上値重い展開か、欧米株高と円安の影響は限定的  2日の東京株式市場は売り買い交錯のなかも3万9000円台半ばで上値の重い展開か。前日の欧州株市場では、ここ下値模索の続いていたフランス市場で主要株価指数のCAC40が5日ぶりに反発するなどリスクオフの地合いに歯止めがかかり、このほかドイツをはじめ他の主要国の株価も総じて高かった。6月末に行われたフランスの国民議会選挙は極右政党の国民連合が思ったほどは勢力を広げなかったとの見方で、過度な不安心理が後退した。また、米国株市場ではNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに高く、ナスダック指数は最高値街道に復帰した。フランスの政局に対する懸念が薄まったことで、米株市場でも買い安心感が浮上している。また、この日に発表された6月のISM製造業景況感指数は市場コンセンサスに反し、3カ月連続で好不況の分かれ目である50を下回った。これはFRBによる早期利下げ期待を後押しするが、一方で米経済減速に対する警戒感も意識されているもよう。ダウの上昇率は0.1%とわずかにとどまっている。東京市場では月替わりとなった前日に日経平均が先物絡みの買いで続伸したが、後半は利食い圧力が表面化し一貫して上げ幅を縮小した。きょうも、上値の重さが意識されそうで朝方は利益確定売りが先行する可能性が高そうだ。外国為替市場では一段と円安が進んでいるが、ここにきて円安を好感する動きが弱まり、輸出株など株価連動性を欠いていることも気掛かり材料となる。  1日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比50ドル66セント高の3万9169ドル52セントと小幅反発。ナスダック総合株価指数は同146.697ポイント高の1万7879.300だった。  日程面では、きょうは6月のマネタリーベース、10年物国債の入札が予定、6月の財政資金対民間収支など。海外では豪中銀の理事会の議事要旨(6月開催分)、6月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値、5月のユーロ圏失業率、5月の米雇用動態調査(JOLTS)など。 出所:MINKABU PRESS 2024/07/02 08:00 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=株価3ケタの底値買い変身妙味株を探す  名実ともに7月相場入りとなった1日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比47円高の3万9631円と続伸。前週末の米国株市場はNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに反落した。この日の取引開始前に発表されたPCEデフレーターがインフレの減速を示唆し事前予想とも一致したことで、セオリー通りならFRBの早期利下げ期待が再燃という流れだったが、後半は米長期金利が再上昇しリスク選好の地合いは続かなかった。しかし、東京市場は先物主導で買いが先行、微妙な雰囲気の中で日経平均は上値を追った。一方、TOPIXが高値引けで年初来高値を更新し、1989年の年末につけた史上最高値2884.80にあと60ポイントあまりに迫った。  今週は米国で重要イベントが目白押しである。まず、日本時間今晩の6月のISM製造業景気指数が注目され、あす2日にパウエルFRB議長がECBフォーラムで発言機会がある。週央3日にはFOMCの議事要旨(6月開催分)が開示されるほか、6月のISM非製造業景気指数も発表される。そして、週末には6月の米雇用統計が控える。  一方、欧州に目を向けると週後半の4日に英国で総選挙が行われるが、与党・保守党の大苦戦が見込まれ、敗北必至との見方。これはフランスで6月末に行われた国民議会選挙(下院)の流れを継ぐ形となる。フランス下院選は大方の予想通りマリーヌ・ルペン氏率いる極右の国民連合が第一党に躍り出ることが濃厚となったばかりで、欧州では政権与党に吹く逆風が一様に強まっていることが警戒される。片や米国では前週末行われた大統領選挙のテレビ討論会で、トランプ氏優勢というよりは、バイデン氏が自ら転んだような格好となっており、こちらもトランプ大統領復活に向けたストーリーが勝手に走り出している。これらが、どういう影響をもたらすかだが、一番明らかなのはウクライナ・ロシアの紛争について、各国が足並みを揃え支援姿勢を弱めるというシナリオ。紛争が収束する方向となればウクライナは報われないが、道義的な問題は置くとして、株式市場にとってはリスクオフの巻き戻しにつながるだけに、「望外の上昇相場につながる可能性がある」(中堅証券ストラテジスト)という声も聞かれる。  国内では7月7日の東京都知事選に耳目が集まる。過去を振り返って現職が出馬した場合は100%再選されるとあって、今回も小池百合子都知事が勝利するとの見方が強いものの、台風の目となっている前安芸高田市長の石丸伸二氏がどこまで食い込むか。ネット上で知名度を急上昇させたが、他の候補者と比べ石丸氏が論説力や政策姿勢などで群を抜いているのは明らかに見える。仮に石丸氏が当選しなくても善戦が予想され、これは自民党にとってはネガティブだ。もっとも市場関係者は「(石丸都知事爆誕でも)自民党の岸田首相おろしが加速するだけで、株式市場が今さら政局に左右されて揺らぐ要素は乏しい」(生保系エコノミスト)とする。  きょうのマーケットではTOPIXの新高値に象徴されるように、銀行や保険などの大手金融などのバリュー株優位の構図。業種別で値上がり首位となったのは低PBR株の宝庫である「海運」だった。しかし、テーマ買い意欲も活発で、29日付トップ特集「エッジAI関連7銘柄」で紹介のザインエレクトロニクス<6769.T>がストップ高、ジーデップ・アドバンス<5885.T>も一時S高に買われるなどグロース株が弱かったということでもない。  ザインも該当するが、個別株物色は株価3ケタ台の業績好変化銘柄に化ける銘柄が相次ぐ。1000円未満の中小型株で、変身余地を内包する銘柄としてはデータセンター関連の一角であるアエリア<3758.T>や自動車向け成形樹脂加工の児玉化学工業<4222.T>、eコマースで今期利益倍増が見込めるラクーンホールディングス<3031.T>などもマークしたい。  あすのスケジュールでは、6月のマネタリーベースが朝方取引開始前に開示され、午前中に10年物国債の入札が予定。午後取引終了後には6月の財政資金対民間収支が発表される。また、この日は東証グロース市場にPRISM BioLab<206A.T>が新規上場する。海外では豪中銀の理事会の議事要旨(6月開催分)、6月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値、5月のユーロ圏失業率のほか、米国では5月の雇用動態調査(JOLTS)にマーケットの耳目が集まる。このほか、パウエルFRB議長がECB主催の「ECBフォーラム」の討議に参加予定にあり、その発言内容に注目度が高い。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/07/01 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=グンゼ、4期連続の増配を評価  グンゼ<3002.T>に注目したい。紳士肌着大手の同社は電子機能材料など非繊維部門に注力している。24年3月期の連結純利益は前の期比13.5%増の51億900万円だった。構造改革の推進による事業構造改善費用を計上したが、アパレル事業などの収益が改善した。25年3月期の同利益は前期比46.8%増の75億円の見通し。素材関係の市況回復や生産性向上の取り組みなどが寄与する。今期配当は前期比4円増の157円と4期連続増配見通しだ。  株価は業績拡大を好感し、足もとでは年初来高値を更新しているが、連結PBRは0.8倍台と依然として割安だ。積極的な株主還元の姿勢を示していることも評価材料であり、先行き6000円乗せからの一段高が期待できる。(地和) 出所:MINKABU PRESS 2024/07/01 10:00 みんかぶニュース コラム 1日の株式相場見通し=続伸か、米株軟調も円安背景に買い優勢  1日の東京株式市場は、強弱観対立のなかも日経平均株価は続伸しそうだ。3万9000円台半ばから後半で目先筋の利益確定売りを吸収し、頑強な値動きが想定される。前週末は欧州株市場が高安まちまちの展開だったが、独DAX指数はプラス圏で引けたものの、仏CAC40が4日続落と下値を模索し約5カ月ぶりの安値で引けた。6月末に行われる国民議会選挙は極右政党の「国民連合」が第一党に躍り出る可能性が高いとみられていたこともあり、これを目前に持ち高調整の売りが続いた。一方、米国株市場ではNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに反落した。ダウは構成銘柄のナイキ<NKE>が急落したことが指数押し下げ要因となった。ただ、朝方は高く推移する場面もあり、ダウについてはナイキの下落による影響を除けば大引けも実質上昇して着地した計算となる。この日の取引開始前に発表されたPCEデフレーターがインフレの減速を示す数値で、事前の市場コンセンサスとも一致したことから米長期金利が低下、ハイテク株比率の高いナスダック指数も朝方は強調展開を示した。東京市場では前週は日経平均株価が週間で約1000円上昇したことで、足もとで利食い圧力が意識されやすいものの、外国為替市場では1ドル=160円台での推移が続いていることや、ここ海外投資家の日本株を買い直す動きが観測されるなか、先物主導で堅調な地合いとなることが予想される。ただ、上値の重さも拭えず、朝方取引開始前に発表される日銀短観の結果も全体相場に影響を与える可能性はある。  6月28日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比45ドル20セント安の3万9118ドル86セントと反落。ナスダック総合株価指数は同126.081ポイント安の1万7732.603だった。  日程面では、きょうは6月の日銀短観、6月の消費動向調査など。海外では6月の財新中国製造業購買担当者景気指数(PMI)、6月の独消費者物価指数(CPI)、6月の米ISM製造業景況感指数、5月の米建設支出など。なお、香港市場は休場。 出所:MINKABU PRESS 2024/07/01 08:00

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