みんかぶニュース コラムニュース一覧

みんかぶニュース コラム 来週の株式相場に向けて=エヌビディア決算を経て年末高は視野に入るか  15日の東京株式市場で、日経平均株価は前日比107円高の3万8642円と4日ぶりに反発した。前日のNYダウは207ドル安と反落したが、日経平均株価は前日までの3日間で1000円近い下落となっており、値頃感からの買いが台頭した。また、為替は一時1ドル=156円後半まで円安が進行したことから、輸出関連株などが買われた。  9月下旬の自民党総裁選から10月の衆院選、11月5日の米大統領選と政治のビッグイベントが続き、この間に日銀金融政策決定会合、米連邦公開市場委員会(FOMC)、そして中間決算があり、この1カ月強は市場が注視するニュースフローが途切れることなく続いた。15日に決算発表は一巡し、今秋に予定されたビッグイベントはほぼ終了しつつあるが、最後に残されたのが20日に予定されているエヌビディア<NVDA>の決算発表だ。  いまや世界の株式市場で時価総額トップに立つまでに成長したエヌビディアの決算は、日本はもちろん世界の市場を動かすことになる。半導体関連株が大きなウエートを占める東京市場にとっては尚更だ。同社の8~10月期決算は、市場では売上高、利益ともに8割近い大幅増が予想されているようだ。前回8月の決算発表時では5~7月期は大幅な増収を達成したが、投資家の期待が過剰だったこともあり株価は下落している。  20日に発表される決算は8~10月期の実績はもちろんとして、次世代AI半導体「ブラックウェル」の需要が注目されている。春先までのように、エヌビディアが好決算を発表すれば半導体関連株が軒並み買われるという地合いではない。しかし、足もとの円安もありエヌビディアが好決算を発表すれば、東京市場には追い風となる。師走相場も間近に迫るなか、同社の決算が年末高に向けて号砲となるかが、関心を集めている。  来週のイベントでは、海外では18日に米11月NAHB住宅市場指数、19日に米10月住宅着工件数、21日に米11月フィラデルフィア連銀製造業景況感指数、米10月中古住宅販売件数、22日に米11月S&Pグローバル米国製造業PMIが発表される。19日にウォルマート<WMT>、キーサイト・テクノロジー<KEYS>、20日にパロ・アルト・ネットワークス<PANW>、スノーフレイク<SNOW>、21日にディア<DE>、ギャップ<GPS>が決算発表を行う。  国内では、18日に9月機械受注、20日に10月貿易統計、10月訪日外客数、22日に10月消費者物価指数(CPI)が発表される。19日に東京海上ホールディングス<8766.T>、MS&ADインシュアランスグループホールディングス<8725.T>、SOMPOホールディングス<8630.T>が決算を発表する。22日にガーデン<274A.T>がスタンダード市場に新規上場する。来週の日経平均株価の予想レンジは、3万8200~3万9400円前後。(岡里英幸) 出所:MINKABU PRESS 2024/11/15 17:24 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=共和電、洋上風力・防災向けの需要は拡大へ  共和電業<6853.T>のレンジ上抜けを期待したい。同社は物体のひずみ具合を計測するセンサーである「ひずみゲージ」の大手。自動車の衝突試験システムのほか、鉄道やダム、トンネルといったインフラ領域で同社の製品は活用されている。24年12月期の売上高は前期比5.4%増の157億円、経常利益は同6.9%増の12億5000万円、最終利益は同0.2%増の9億円を計画。第3四半期累計(1~9月)の受注高は、航空宇宙分野やダムなど土木関連分野で増加し、前年同期比3.8%増の114億9700万円となった。  11月1日に政府は防災庁設置準備室を発足させた。災害に強い社会インフラを構築しようとする機運の高まりは、構造物の変化を迅速に察知できる同社の計測システムの需要を押し上げることとなるとみられている。洋上風力発電所の整備拡大に向けた潮流や、宇宙関連での民間企業の研究開発活動の広がりも、同社の事業には追い風となる。配当利回りは3.8%台とまずまずの水準。9月以降のレンジ相場の高値436円を明確に上抜けた場合は、5月8日の年初来高値477円まで節目らしい節目は存在せず、反転攻勢に拍車が掛かりそうだ。(碧) 出所:MINKABU PRESS 2024/11/15 10:00 みんかぶニュース コラム 15日の株式相場見通し=反発、米株安も加速する円安を背景にリバウンドへ  15日の東京株式市場は主力株を中心に買い戻しが優勢となり、日経平均株価は4日ぶりに切り返す可能性が高い。3万8000円台後半で頑強な値動きが想定される。前日はアジア株市場が日本を含め総じて軟調だったが、欧州時間に入ると流れがかわり、ドイツやフランスをはじめ主要国の株価が一斉にリバウンドに転じたことで過度な不安心理が後退した。しかし、米国株市場ではNYダウ、ナスダック総合株価指数いずれも朝方こそ高く始まったものの、その後は売りに押される展開を強いられ、午後の取引で下げ幅を広げる格好となった。トランプラリーで上昇した反動で主力銘柄の一角に利食い急ぎの動きが観測され、全体相場の重荷となっている。そのなか、個別株ではテスラ<TSLA>の下げが目立っている。経済指標ではこの日に発表された週間の米新規失業保険申請件数が事前予想を下回り、労働市場の底堅さが確認された一方、同じ時間帯に開示された10月の米卸売物価指数(PPI)は市場コンセンサスと合致し、12月のFOMCでFRBが利下げを決めるとの見方は依然として根強い。東京市場では米国株安はネガティブ材料ながら、欧州株が総じて強かったことや、外国為替市場で1ドル=156円台前半まで一段とドル高・円安が進んでいることで、輸出セクターを中心に株価の押し上げ材料となりそうだ。ただ、引き続き方向感は見えにくく、取引時間中は米株価指数先物やアジア株市場の動向を横目に上下に不安定な値動きとなることが予想される。  14日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比207ドル33セント安の4万3750ドル86セントと反落。ナスダック総合株価指数は同123.074ポイント安の1万9107.651だった。  日程面では、きょうは7~9月期GDP速報値、9月の第3次産業活動指数など。海外では10月の中国70都市の新築住宅価格動向、10月の中国小売売上高、10月の中国工業生産高、11月の米NY連銀製造業景気指数、10月の米小売売上高、10月の米輸出入物価指数、10月の米鉱工業生産・設備稼働率、9月の米企業在庫など。 出所:MINKABU PRESS 2024/11/15 07:59 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=トランプラリーの幻想と騰落レシオの現実  きょう(14日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比185円安の3万8535円と3日続落。今週は後場に入ってから崩れ足になるケースが続いている。きょうもその典型で、安値引けのオマケ付きとなった。企業の決算発表ラッシュもようやく終了し、結果として期待したほどではなかったが、足もとの急速な円安が今後の見通しに織り込まれていないことをポジティブに捉える向きもある。しかし、何か今の相場は違和感を覚える。  前日13日時点で日経225ベースの騰落レシオは77.6%だった。直近の日経平均株価の水準や信用評価損益率などをみても投資マインドはそれほど冷え込んでいるようには思えないのだが、80%を下回っているという事実には驚かされる。というのも、日経225ベースで騰落レシオが80%を下回ったのは今年に入ってからは前日を含めわずかに2回しかないからだ。残りの1回は8月9日であり、いうまでもなく当時は8月5日に史上最大の暴落に見舞われた直後で、大波乱相場の残響の中にあった。この時は79.8%であり、つまり前日13日に騰落レシオは今年最低を記録していたことになる。  騰落レシオは市場の過熱感や冷え込み度合いを測るうえで、単純ながら極めて信頼性の高い指標であり、値上がり銘柄数と値下がり銘柄数の比率を割り算で指数化(%で表記)したもの。一般的には25日移動平均が使われるが、これは直近25日間の値上がり銘柄数を同期間の値下がり銘柄数で割った数値で、100%前後を中庸として、120%を超えると過熱圏を示唆。逆に80%もしくは70%を下回ると陰の極に近い水準とされる。現在の日経平均は3万8000円台で4万円大台回復も視界に入る局面だが、投資マインドはほぼ戦意を失った状態といっても過言ではない。これは、短期トレードでマーケットと対峙している投資家ほど感覚的に理解できるはずで、決算プレーで盛り上がっているように見えても、その鉄火場に参戦しているのはほんの一握りに過ぎない。  トランプラリーは米国だけではなく、東京市場にも波及しているとみられているが、そこに投資資金の潮流が本当に発生しているのかといえば疑問符が付く。きょうは再び売買代金首位に躍り出た三菱重工業<7011.T>が、株価も一時5%を超える上昇で上場来高値近辺での強調展開を続けた。三菱重を筆頭に「リアル防衛関連」の三羽烏といえば川崎重工業<7012.T>、IHI<7013.T>であり、きょうはIHIは後場値を消したが、相対的に出遅れる川重はプラス圏を維持した。しかし、どこか後ろ向きな気配が漂う。トランプ次期大統領の政治的圧力に対する思惑、つまり日本の防衛費拡大を買いの根拠としているのだが、いかにも従属的で活力が感じられない。  炭鉱のカナリヤを例にあげれば、今の東京市場はおそらくカナリヤが仮死状態からは脱したものの、自らの意思で再び囀(さえず)ることをやめたような状態にある。それを騰落レシオが如実に語っている。例えば足もとで過激ともいえる円安トレンドが復活しているが半導体関連株はさっぱり反応しなくなった。対ドル1円の円安で営業利益が約500億円上乗せされるというトヨタ自動車<7203.T>でさえ、底値もみ合い圏を脱していない。  そもそも今の円安進行もセオリーから外れている。米長期金利の急上昇に伴う日米金利差拡大が背景に挙げられているが、前日の米株市場では10月の消費者物価指数(CPI)発表を受け、12月FOMCでの利下げ期待が高まったことが好材料視されていた。片や日本はFOMCと同時期に開催される日銀金融政策決定会合で追加利上げの可能性が語られている。トランプラリーは相場の周りにある計器を狂わせまくっている。加えて言えばトランプ氏が大統領に就任するのは来年の1月20日である。2カ月以上の間、トランプトレードが今後もマーケットでテーマ性を維持できるとは思えない。例えば向こう2カ月のビットコイン価格の動向は要注目となる。株式市場でもここは売りの仕掛けに備えるところで、キャッシュポジションを高めておけば、仕切り直しのチャンスを捉えることも可能だ。  あすのスケジュールでは、7~9月期GDP速報値、9月の鉱工業生産(確報値)、9月の第3次産業活動指数など。海外では10月の中国70都市の新築住宅価格動向、10月の中国小売売上高、10月の中国工業生産高、10月の中国固定資産投資、10月の中国都市部固定資産投資、11月の米NY連銀製造業景気指数、10月の米小売売上高、10月の米輸出入物価指数、10月の米鉱工業生産・設備稼働率、9月の米企業在庫など。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/11/14 17:30 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=中外炉、PBR1倍の早期達成に注力  中外炉工業<1964.T>はPBR1倍の早期達成に向けた施策を推進。「豊富な受注残を背景に、プロジェクト工程管理及び調達コスト削減などを更に強化」することや、「より充実した株主還元、安定的・継続的な配当の実施」などを掲げている。  足もと業績は堅調で、10月31日に公表した25年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結決算は、営業損益が7700万円の黒字(前年同期は2億5000万円の赤字)で着地。下期は受注残案件の海外鉄鋼向けプロセスラインや機械部品・半導体部材熱処理炉などの工事が進捗するとみて、通期計画は従来通り25億7000万円(前期比74.0%増)としている。  足もとでは黒字浮上を手掛かりとした買いが一服しているものの、日足チャートでは25日移動平均線と75日移動平均線とのゴールデンクロスが実現。指標面には割安感があり、上値を試す展開を期待したい。(参) 出所:MINKABU PRESS 2024/11/14 10:00 みんかぶニュース コラム 14日の株式相場見通し=反発か、米CPI通過で買い戻し優勢に  14日の東京株式市場は主力株をはじめ広範囲に買い戻しが入り、日経平均は反発しそうだ。前日は後場に下げ足を強め600円を超える下落となったが、きょうはリバウンド狙いの動きが顕在化し、フシ目の3万9000円台回復を視界に入れる場面も想定される。前日の欧州株市場では主要国の株価が総じて軟調な地合いが続いたが、米国株市場ではNYダウが朝方にマイナス圏に沈む場面はあったが、おおむねプラス圏で推移した。この日発表された10月の米消費者物価指数(CPI)は総合指数、コア指数ともに市場コンセンサスと合致する内容で、投資家の不安心理を後退させた。12月のFOMCではFRBが3会合連続で利下げを行うとの見方が強まり、買いを後押しした。ただ、上値も重く引け際にダウは上げ幅を縮小し、小幅な上昇にとどまったほか、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数はマイナス圏で着地している。欧米株市場は依然として不安定な値動きが続いているが、米CPI発表を波乱なく通過したことは安心材料。東京市場では前日に日経平均が先物主導で大幅な下げをみせた反動で、ショート筋の買い戻しなどが全体相場を押し上げる展開が見込まれる。外国為替市場で一段と円安が進んでいることは警戒材料ともなり得るが、輸出セクターには追い風として意識されそうだ。  13日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比47ドル21セント高の4万3958ドル19セントと反発。ナスダック総合株価指数は同50.676ポイント安の1万9230.739だった。  日程面では、きょうは週間の対外・対内証券売買契約、10月の投信概況など。海外では9月のユーロ圏鉱工業生産、10月の米卸売物価指数(PPI)、週間の米新規失業保険申請件数など。 出所:MINKABU PRESS 2024/11/14 08:00 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=トランプ「超タカ派閣僚人事」が話題に  きょう(13日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比654円安の3万8721円と大幅続落。前日の欧州株市場で主要国の株価下落が続いたことや、米国でもNYダウが上昇一服となったことで、買い手控えムードが広がった。外国為替市場では1ドル=155円前後まで円安が進行し、これは輸出セクター中心にポジティブ材料となるはずだったが、今回は勝手が違った。最近は円安と日経平均の連動性が希薄化していることもあって、東京市場でもリスク回避ムードを払拭することはできず、前日のアジア市場から始まった世界株安の流れに呑み込まれる格好となってしまった。気が付けば最近はあまり目にすることがなかった「トリプル安」に遭遇している。  トランプトレードに沸く米国株市場を目の当たりに、日本も前週はその宴に参加していたが、今週に入ると何か夢から覚めたような雰囲気が漂っている。トランプ次期政権は日本経済や株式市場にとってポジティブかというと、実際にそうした要素は見当たらない。「キリスト教で宗派が一緒ということが盛んに言われるが、アベノミクス否定の急先鋒だった石破首相とトランプ次期大統領が意気投合できるというのは楽観的過ぎる部分もある」(生保系エコノミスト)という指摘もある。  世界的に警戒感が高まっているのは、トランプ氏の閣僚人事で、前回のトランプ政権とは色が異なっているからだ。同じ赤でも前回は白の混ざったピンク系統であったが、今回は深紅。これは「トリプルレッド」ということ以上に、「閣僚人事が明らかになるにつれ、その顔ぶれが強烈なくらいタカ派的」(ネット証券マーケットアナリスト)という状況が驚きを持って受け止められている。上院・下院とも共和党が過半数の議席を獲得しただけでなく、閣僚人事もアメリカ・ファーストを前面に押し出すことに躊躇のない人選で、暴走トランプならぬ“暴走トラック内閣”と称する声も聞かれる。  前回の政権では、トランプ氏は閣僚人事に遠慮があった。その結果がペンス副大統領をはじめ必ずしも味方とはいえない人物を政権内部に抱え、思うようにならないもどかしさが反省点として今回の人事に反映されているという見方もある。ブレーキを踏む役割が不在で、これが暴走トラックといわれる所以(ゆえん)である。アメリカ・ファーストがどの程度のものなのか、その度が過ぎると世界はカオスに陥る。「貿易面でカギを握るのが少額貨物減税制度で、これが関税引き上げに際して抜け穴に使われたが、当時(前政権時)はそれを容認していた。今回、仮にこれが廃止または見直されるようなら、トランプ氏は本気であることを知らしめる形で緊張感が高まることは間違いない」(同)という  東京市場も当面は売り方の仕掛けが入りやすい時間帯に入りそうだ。ただ、先物を絡めて株価の方向性が合致する主力大型株は全体指数に堂々と逆行するのは難しい面もあるが、中小型株に照準を合わせ「森より木」の戦略であれば十分対応は可能といえる。企業の決算発表については、あす14日が打ち上げ花火で言えばフィナーレの連発乱れ打ち場面に相当する。全体指数は荒れるかもしれないが、個別株の観点では来週は決算プレーに翻弄されない平穏なマーケット環境が戻って来る。  ここでの物色対象はあくまで好業績をベースに絞り込むのがセオリーであり、好決算発表組の中から、強いチャートを形成し、なおかつ株価的に行き過ぎて買われていない銘柄を丹念に絞り込んでいく作業が求められる。候補としてはデータセンター関連の一角で今中間期76%営業増益達成の新日本空調<1952.T>や、プリント基板向けなどに樹脂加工主体の電子材料を提供し、今3月期営業利益を大幅上方修正し前期比2.8倍化を見込む有沢製作所<5208.T>などがある。また、独立系システムインテグレーターでAI関連の一角でもあるTDCソフト<4687.T>は今上期営業3割増益で通期見通しも増額し、前期比25%増益で3期連続のピーク利益更新を見込んでいる。  あすのスケジュールでは、週間の対外・対内証券売買契約が朝方取引開始前に開示されるほか、午後の取引時間終盤に10月の投信概況が発表される。海外では9月のユーロ圏鉱工業生産、7~9月期ユーロ圏域内総生産(GDP)改定値、10月の米卸売物価指数(PPI)、週間の米新規失業保険申請件数など。また、パウエルFRB議長が金融イベントで発言機会があるほか、NY連銀のウィリアムズ総裁の講演も予定されている。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/11/13 17:30 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=ニチコン、データセンター向けなど好調  ニチコン<6996.T>は11月6日に上期決算と同時に25年3月期通期業績予想の下方修正を発表したが、悪材料出尽くしとみた買いで株価は大幅高となった。今期の業績低迷は株価に相当織り込まれており、PBR0.6倍台の割安感もあって、注目余地は大きかろう。  下方修正は、コンデンサ事業で主に白物家電・産業用インバータ機器向けの大形アルミ電解コンデンサが想定より低調に推移したことが要因。また、エネルギー・環境関連製品事業で、家庭用蓄電システムが上期前半にかけて市場在庫過多の影響を受けたことや、V2H(ビークル・トゥ・ホーム)システムについても政府補助金開始遅れや申請低調などにより想定を下回り、需要回復に時間を要するとみられることも織り込んだ。  ただ、生成AIサーバーなどデータセンター用途の導電性高分子アルミ固体電解コンデンサが引き続き好調に推移し、更に拡大が見込まれており、利益率改善にも寄与しそう。エネルギー・環境関連製品事業も家庭用蓄電システムは期初は在庫過多の影響を受けたものの、第2四半期以降は販売が正常化に向かっている。  これらを受けて、全社営業利益は第1四半期をボトムに改善基調をたどり、26年3月期は再び増益となることが期待できる。調査機関のなかには、26年3月期営業利益80億円弱を見込むところもある。(仁) 出所:MINKABU PRESS 2024/11/13 10:00 みんかぶニュース コラム 13日の株式相場見通し=続落、欧米株安を警戒も円安が下支え材料に  13日の東京株式市場は主力株をはじめ総じて買いが手控えられる地合いとなり、日経平均株価は続落する可能性が高い。ただ、下値も限定的で3万9000円台前半でもみ合う展開が想定される。前日の欧州株市場では主要国の株価が総じて軟調となり、独DAXや仏CAC40がいずれも2%を超える下落をみせるなど下げ幅も大きくなった。発表されたドイツの景気指数が低調だったことが嫌気されたほか、この日は欧州株市場に先立って中国・上海株や香港株、台湾株などアジア株市場の下げが目立ったこともあって、目先リスク回避目的の売りが優勢となった。トランプ次期政権の人事が徐々に明らかとなるなか、対中強硬派の顔ぶれが揃っていることも警戒ムードにつながっている。米国株市場でも上昇一服局面となり、NYダウは直近5営業日で約2500ドルも水準を切り上げていたことで目先利益確定売りがかさみ、下げ幅は400ドルに達する場面もあった。また、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は相対的に底堅さを発揮し、後半は下げ渋ったものの小幅マイナス圏で引けている。10月の米消費者物価指数(CPI)の開示を控え、米10年債利回りが4.4%台前半まで水準を切り上げるなど長期金利の上昇が顕著となるなか、株式の相対的な割高感が重荷となった。きょうの東京市場では欧米株安を受けて足もとポジション調整の売り圧力が顕在化し、日経平均は下値を探る展開を強いられそうだ。ただ、日米金利差拡大を背景に外国為替市場ではドル高・円安が更に加速する動きとなっていることで、これが全体相場の下値を支える公算が大きい。  12日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比382ドル15セント安の4万3910ドル98セントと3日ぶり反落。ナスダック総合株価指数は同17.362ポイント安の1万9281.401だった。  日程面では、きょうは10月の企業物価指数、30年物国債の入札など。海外では10月の米消費者物価指数(CPI)、10月の米財政収支など。 出所:MINKABU PRESS 2024/11/13 08:00 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=10兆円国策支援でAI関連が再始動へ  きょう(12日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比157円安の3万9376円と3日ぶりに反落。前日の欧州株市場が久々に全面高商状となり、米国株市場でもNYダウが300ドルあまりの上昇をみせ、終値で初となる4万4000ドル台で着地。こうなると、東京市場でも日経平均4万円大台が視野に入る予感はあったのだが、思惑通りには進まないのが今の相場だ。後場に入ると先物から売り仕掛けが入って急速に値を消し、一時は400円近い下げに見舞われる場面もあった。個別株は相変わらず決算プレーによる乱高下が相次いでいる。しかし、決算発表は今週14日木曜日に最も集中しており、同時にこの日でピークアウトとなる。業績内容の良い銘柄と悪い銘柄がおおむね振り分けられ、好実態株に仕切り直しの買いが向かう時間帯へと移行する。  前日に特別国会が召集され、衆参両院は本会議で石破茂首相(自民党総裁)を第103代首相に指名したが、その石破首相は同日夜に行われた記者会見で、2030年度までに半導体やAI分野へ10兆円以上の公的支援を行う方針を表明、メディアでも大きく報じられた。もっとも今年度もしくは来年度に何兆円というのではなく、30年度までに10兆円以上というのが何ともアバウトな印象で、株式市場でも距離感がつかめなかったのか、残念ながら反応は極めて限定的なものにとどまった。  それよりは、前日の米株市場でNYダウなど主要株価指数が揃って最高値を更新した一方、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が値を崩したことがネガティブ材料としてのしかかった。米半導体株安を受けてディスコ<6146.T>やアドバンテスト<6857.T>、レーザーテック<6920.T>、東京エレクトロン<8035.T>といった半導体製造装置の主力どころは軒並み売りに押される展開を強いられた。  この背景には前週末に報じられた、米商務省が台湾の半導体受託生産最大手TSMC<TSM>に対し、中国向け先端半導体の出荷を停止するように命じたというニュースが影響している。この報道は、米国よりも日本の半導体セクターの方が強い向かい風に晒される話である。半導体製造装置で世界トップシェアのメーカーがひしめく日本にも、遅かれ早かれ米国から対中規制強化の圧力が強まることは回避できそうもない。そうした思惑が投資マインドを急速冷却する格好となった。石破首相による“10兆円支援”のリップサービスが簡単にスルーされるあたり、今の東京市場上空の雲行きの怪しさを暗示しているようにもみえる。なかなか半導体主力銘柄の復活がままならない状況下、“野中の一本杉”となって最高値圏を邁進していたアドバンテスト<6857.T>の株価も変調をきたし、今後利食い急ぎの動きが表面化するようだと少々厄介である。  石破首相が表明した公的支援の延長線上には最先端半導体の量産を目指すラピダスの存在が意識されている。ラピダスの活躍はAI市場の佳境入りと同じ時間軸で進むことが予想される。今はまだ理想買いの段階ながら、ハード分野(AI用半導体)への買いが一服する一方でソフト分野の銘柄、いわゆるAI関連の中小型株に再び投資マネーの視点が映るタイミングにある。例えば、その号砲を鳴らしたのがブレインパッド<3655.T>。同社株についてはきょう取引時間中の好決算発表が人気化の直接的な材料となったが、まだ第1四半期時点でそこまで目を見張る内容ではなく、ストップ高カイ気配に張り付いたのは意外で、AI関連株に対するマーケットの潜在的な物色ニーズを暗示した。この時期の個別株攻略は、決算発表通過後の銘柄に照準を合わせるのが基本だ。今の相場の流れを視野に、AIによるデジタルプラットフォームを運営するABEJA<5574.T>、AIコードレビューやAI画像診断分野で実績を重ねるフィックスターズ<3687.T>、AIエンジンを活用した顔認証プラットフォームで先駆するトリプルアイズ<5026.T>などをマークしてみたい。  このほか番外として、好決算をまだ株価が織り込んでいないと思われる中低位株に着目。バイオマス発電及び省エネ支援ビジネスを展開するエフオン<9514.T>、プリント配線板のトップメーカーである日本CMK<6958.T>などに上値余地がイメージされる。  あすのスケジュールでは、10月の企業物価指数が朝方取引開始前に発表されるほか、午前中に30年物国債の入札が行われる。海外では10月の米消費者物価指数(CPI)に対するマーケットの注目度が高い。このほか10月の米財政収支も開示される。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/11/12 17:30 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=住友電設、DC建設特需で業績躍進し連続増配も注目  住友電設<1949.T>はここ上値指向を強め上場来高値圏で頑強な値動きだが、現在の株式市場で有力テーマとなっているデータセンター(DC)関連の一角ということもあり、5000円台近辺は強気に買いで対処したい。関西を地盤とする設備工事会社で、電力や空調、プラント関連工事などを主力展開する。そうしたなか、生成AI市場の急成長を背景にDCの建設需要が旺盛で、同社のビジネスチャンスが膨らんでいる。  25年3月期上期(24年4~9月)決算は営業利益が前年同期比98%増の61億6200万円と倍増した。通期では前期比24%増の155億円を予想しており、20年3月期以来5期ぶりの過去最高更新となる見通しだ。  株主還元に積極的な点も評価される。12年3月期から毎期増配を続け、25年3月期は前期実績比14円増配の120円を計画するが、これで実に14期連続の増配となる。株価は中勢6000円台を目指す展開に。(桂) 出所:MINKABU PRESS 2024/11/12 10:00 みんかぶニュース コラム 12日の株式相場見通し=続伸、欧米株高受け上値指向続く  12日の東京株式市場は目先利益確定売り圧力は意識されるものの、主力株を中心に根強い買いが続き、日経平均株価は3日続伸となる公算が大きい。前日は欧州株市場が久々にリスク選好の地合い一色に染まり、ドイツやフランスなど主要国をはじめほぼ全面高に買われた。米株高が続くなか、相対的な出遅れ感から投資資金の買い戻しが顕著となっている。また、米国株市場でも依然として投資マインドが強気に傾いた状態が続いており、この日もNYダウが300ドルを超える上昇で最高値街道を走っている。米大統領選でトランプ前大統領が勝利したことで、トランプ新政権が打ち出す財政政策や規制緩和などへの期待感が景気敏感株などに買いを誘導している。今後はFRBによる利下げも想定されるなか、底堅い経済と金融緩和環境が共存するゴルディロックス相場の様相が強い。ただ、この日は半導体関連などを中心にハイテク株が冴えを欠き、ナスダック総合株価指数はマイナス圏で推移する時間帯も長く、ほぼ横ばい圏で取引を終えた。きょうの東京市場では欧米株がほぼ全面高商状となったことに加え、外国為替市場で一時1ドル=154円近辺まで円安に振れていることが追い風となりそうだ。日経平均株価は3万9000円台後半で推移することが予想される。また、衆参両院は前日の本会議で石破茂氏を第103代首相に指名したが、石破首相は記者会見で2030年度までに半導体やAI分野に10兆円以上の公的支援を行うことを表明しており、これを受けて同関連株への物色意欲が高まる可能性がある。  11日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比304ドル14セント高の4万4293ドル13セントと続伸。ナスダック総合株価指数は同11.986ポイント高の1万9298.763だった。  日程面では、きょうは10月のマネーストック、10月の工作機械受注額など。海外では10月の英失業率、11月の欧州経済センター(ZEW)の独景気予測調査など。 出所:MINKABU PRESS 2024/11/12 08:01 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=「トリプルレッド」で超円安のパラドックス  週明け11日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比32円高の3万9533円と続伸。取引開始前は調整局面が予想され、場合によっては3万9000円割れもあるかと思われたが、思った以上に下値抵抗力を発揮しプラス圏で着地した。ザラ場中に為替がほぼ一方通行でドル高・円安方向に振れたことが、日経平均を支える背景となった。  ドル高の根拠としては米国での「トリプルレッド」実現に伴う財政拡張が米金利上昇をもたらすという筋書きがベースにある。日米の中央銀行は真逆の舵取りが既定路線化している。米国では12月17~18日の日程で行われるFOMCでFRBによる3会合連続の利下げが意識されるが、米国に半歩遅れの18~19日に開催する日銀の金融政策決定会合の方は、追加利上げに動く可能性が取り沙汰される。本来は円高方向に振れるのが道理だが、「トランプ大統領の返り咲きで今の株式市場はパラドックスだらけだ。文字通り相場に聞くよりない状況」(中堅証券マーケットアナリスト)という声も聞かれる。  前週1週間でNYダウは1930ドルあまり上昇、これは週間の上げ幅としては2年半ぶりの大きさという。トランプ効果の賜物だが、前週の東京市場の方はどうだったかといえば、日経平均は週間で1450円弱の上昇と米国並みに水準を切り上げた。もっともその前の週末が1000円超の急落をみせていたことで、その分だけ発射台が低かったという事情はあるが、としても東京市場が米株市場と同じ方向にバイアスがかかっていることは事実だ。欧州株市場が、トランプ氏が勝利を確実にした後に全面安に売り込まれていたのとは対照的である。前週は日経平均が大立ち回りをみせたが、騰落レシオ(25日移動平均)をみると、前週末時点で日経225ベースで96%、プライム市場全体でも97%と100%を下回る水準にある。見た目ほど過熱感がない点も株価の底堅さにつながっている。  しかし、日本も関税対象国であり、おまけに半導体の対中規制では米国の言いなりになるよりないポジションにある。かつて安倍首相はトランプ前大統領とは極めてフレンドリーな関係を築き上げていた。共通の趣味であるゴルフで意気投合したという話しが伝わるが、それよりはやはり安倍首相の天性のパーソナリティーに左右される部分が大きかったに違いない。石破首相はトランプ大統領と同じキリスト教・プロテスタント(宗派プレスビテリアン)であるということが共通項として挙げられ、これが日米の良好な関係につながるという指摘もあるが、ディールを強みとする現実主義かつアメリカ・ファーストのトランプ氏に通用するほど甘くはないと思われる。いずれにしても、石破首相はセールストークに活用するはずで、日米首脳会談後にはその結果がおおむね判明する。  防衛費拡大に関しては石破首相のフィールドであり、兵器在庫一掃バーゲンの受け皿にされるのではなく、先端品の購入などで目利きぶりを発揮する可能性は期待できるものの、あくまで経済全般で国益を追求するのが主眼で、現状は心許ない。何より国内政治が近年記憶にないほど脆弱化しているのが気がかりだ。国民民主党はあまりにバッドタイミングで玉木代表のスキャンダルが報じられた。これについては穿った見方が無きにしもあらずだが、玉木氏のボーンヘッドである公算が大きい。  そうしたなかも、水面下では自民党と立憲民主党の連携に向けた地ならしが着々と進んでいるように見える。きょうの特別国会召集で石破首相が選出され野党との協力体制を前面に押し出すことになるが、市場では「石破首相と立民の野田代表のタッグは財務省応援ブラザーズといってもよく、減税などもってのほかという流れになるのでは」(国内投資顧問系ストラテジスト)という指摘もある。自民党が重要ポストを野党に分配しているのも暗示的であり、とりわけ衆院予算委員長を要望通り立憲民主党に譲ったのは異例で、次に向けた布石と見るのが自然であろう。  あすのスケジュールでは、朝方取引開始前に10月のマネーストックが開示され、午後3時過ぎに10月の工作機械受注額が発表される。国内主要企業の決算発表では1~9月期決算でINPEX<1605.T>、レゾナック・ホールディングス<4004.T>、4~9月期決算で住友金属鉱山<5713.T>、東京エレクトロン<8035.T>、ソフトバンクグループ<9984.T>などが予定されている。海外では10月の英失業率、11月の欧州経済センター(ZEW)の独景気予測調査などにマーケットの関心が集まる。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/11/11 17:30 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=内田洋行、オフィス関連事業が好調  内田洋行<8057.T>に注目したい。24年7月期の連結純利益は前の期比9.9%増の69億9600万円と最高益を更新した。オフィス関連事業は、出社とテレワークを合わせたハイブリッドワークに対応した需要が拡大。情報関連事業では、大手企業向けライセンス事業が好調だった。25年7月期の同利益は前期比2.9%増の72億円と前期に続き最高益が見込まれているが、市場には業績の上振れ期待も出ている。  公共関連事業は全国の児童・生徒に1人1台の学習端末を配る「GIGAスクール構想」が端境期にあるが、オフィス関連事業と情報関連事業が業績を押し上げている。株価は、配当利回り3%台の水準にあり8000円台回復が見込める。(地和) 出所:MINKABU PRESS 2024/11/11 10:00 みんかぶニュース コラム 11日の株式相場見通し=反落、目先利食いで上昇一服局面へ  11日の東京株式市場は主力株中心に利益確定の動きが優勢となり、日経平均株価は反落し3万9000円台前半で推移する展開となりそうだ。前週は週間で1400円以上も上昇したが、目先的にはその反動からスピード調整の地合いが想定される。前週末は欧州株市場で主要国の株価が総じて軟調な値動きとなったが、米国株市場では景気敏感株や金融株を中心に買いが流入し、NYダウが史上最高値を更新した。週間の上げ幅は1900ドルを超え、2022年5月以来約2年半ぶりとなる大幅な上昇を記録している。米大統領選でトランプ前大統領が勝利したことを受け、強力な財政政策に期待したリスク選好の地合いが継続した。この日に発表されたミシガン大学の11月の米消費者態度指数(速報値)が事前コンセンサスを上回り7カ月ぶりの高水準となったことも、米経済のソフトランディングに対する期待につながり全体相場の押し上げに寄与した。なお、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数の方も4日続伸し最高値更新基調が続いているが、この日の上げ幅はわずかにとどまっている。個別ではテスラ<TSLA>の上げ足の強さが際立った。東京市場では米株高に追随する形で、前週は日経平均が3万9000円台半ばまで急速に水準を切り上げたが、きょうはその反動が見込まれ、上昇一服となる可能性が高そうだ。外国為替市場では1ドル=152円台半ばの推移と、ひと頃よりはドル安・円高方向に振れていることも輸出セクターへの買い手控えにつながる。また、今後は石破首相とトランプ次期大統領の会談などに対する思惑がマーケットの値動きに反映されそうだ。  8日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比259ドル65セント高の4万3988ドル99セントと反発。ナスダック総合株価指数は同17.318ポイント高の1万9286.777だった。  日程面では、きょうは日銀金融政策決定会合(10月30~31日開催分)の「主な意見」、10月の景気ウォッチャー調査、特別国会召集など。海外では中国独身の日。なお、ベテランズデーで米債券市場・外為市場は休場。 出所:MINKABU PRESS 2024/11/11 08:01 みんかぶニュース コラム 来週の株式相場に向けて=トランプ流の「優勝劣敗相場」に突入か  8日の東京市場は、日経平均株価が一時400円を超える上昇となり4万円に接近した。しかし上値では売りに押され結局、前日比118円高の3万9500円で取引を終えた。  東京市場は中間決算の発表がピークを迎えつつあるが、7日時点では日経平均採用銘柄の連結PERは約16.1倍と割高ではないが、割安とも言いにくい水準。騰落レシオ(25日移動平均)も94%前後とこちらも中立的な水準にある。4万円が上値の節として意識されつつあるなか、大幅な円安進行による業績押し上げ効果などがなければ「相場の見通しに強弱感は対立しており、当面は高値圏での一進一退が続く」(市場関係者)との見方が出ている。  共和党トランプ氏が16年の米大統領選に勝利した後の「トランプ相場再来」が期待されているものの、「8年前とは景気サイクルが異なる」(アナリスト)との見方もある。当時は15年にチャイナショック、それに16年に英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)などがあり米国の景気は底から立ち上がる状況だった。しかし、今回は「米国は景気拡大の最終局面にあり、ここから大型の財政刺激策はインフレという形でしか吸収できないのではないか」(同)とも指摘されている。トランプ氏の財政拡大策は遠からず米金利上昇を伴うとの警戒感が強い。  トランプ氏の経済政策は、米国経済の「アニマルスピリッツ」を取り戻すこととも捉えられ、すでにナスダック指数の上昇などにそれは表れつつある。ただ、そこでは優勝劣敗が鮮明となる。16年のようにあまねく相場が上昇する「トランプ相場」が期待しにくいとなると、全体の中から恩恵銘柄を物色することになる。三菱重工業<7011.T>や川崎重工業<7012.T>のような防衛関連、フジクラ<5803.T>や古河電気工業<5801.T>のような電力設投関連は「勝ち組」となる一方、日産自動車<7201.T>やマツダ<7261.T>など自動車株は厳しい局面も予想される。長い目での優勝劣敗相場を勝ち抜くための眼が試されそうだ。  来週は経済指標では13日の米10月消費者物価指数(CPI)が注目されるほか、15日の米10月小売売上高なども関心を集めそうだ。また、14日にアプライド・マテリアルズ<AMAT>が決算発表を行う。国内企業の半導体関連では12日の東京エレクトロン<8035.T>、同日にはソフトバンクグループ<9984.T>が決算を発表する。14日には600社近い企業の決算発表が行われピークを打つ。  上記以外では、海外では12日にはドイツZEW景況感指数、13日に米10月財政収支、15日に米11月ニューヨーク連銀製造業景気指数が発表される。国内では11日に10月開催分の日銀金融政策決会合の「主な意見」、12日に10月工作機械受注、15日に7~9月期国内総生産(GDP)が公表される。  11日にリクルートホールディングス<6098.T>、ブリヂストン<5108.T>、12日にINPEX<1605.T>、住友金属鉱山<5713.T>、13日に楽天グループ<4755.T>、TOPPANホールディングス<7911.T>、14日に三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>、電通グループ<4324.T>などが決算発表を行う。来週の日経平均株価の予想レンジは3万8800~4万200円前後。(岡里英幸) 出所:MINKABU PRESS 2024/11/08 17:43 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=マネックスG、“トランプ銘柄”として物色人気に  マネックスグループ<8698.T>の出直り局面についていきたい。同社はネット証券大手だが、傘下に仮想通貨(暗号資産)取引所「コインチェック」を持つ。仮想通貨に好意的な姿勢を示すトランプ氏が米大統領選で勝利したことを受け、ビットコイン価格はここ数日で急上昇しており、取引所での売買活発化による業績への好影響が期待される。  先月下旬に上期決算とあわせて特別配当の実施を発表し、これが材料視され株価は急動意。その後底堅く推移していたが、前述のビットコイン価格上昇を背景に物色人気が加速。特別配当発表前の600円台半ばから800円台まで一気に水準を切り上げており、3月につけた年初来高値(972円)が視野に入りつつある。(イ) 出所:MINKABU PRESS 2024/11/08 10:00 みんかぶニュース コラム 8日の株式相場見通し=続伸、米ハイテク株高好感も円高で上値重い  8日の東京株式市場は日経平均株価が続伸し、3万9000円台後半まで上値を伸ばしそうだ。前日の欧州株市場では英国を除き独DAXや仏CAC40など主要国の株価が総じて反発した。また、米国株市場ではハイテク株を中心にリスク選好の地合いが続き、ナスダック総合株価指数は3連騰となった。直近3営業日合計で同指数は1000ポイント以上の上昇をみせるなど上げ足の強さが目立つ。NYダウの方は上値が重くわずかながらマイナス圏で引けた。ただ、S&P500指数は高く、ナスダック指数とともに史上最高値更新を続けている。注目されたFOMCではFRBが政策金利の0.25%引き下げを決定した。想定通りとはいえ2会合連続の利下げで、これがポジティブ視されている。東京市場でも米株高を受け引き続き上値を指向しそうだ。ただ、米長期金利の低下を背景に外国為替市場では急速に円高方向に振れており、これが輸出セクターを中心にマイナス材料となる可能性もある。日経平均は前日に小反落したものの、今週に入ってから1300円以上も水準を切り上げており、買い一巡後は短期筋の利益確定売りも誘発しそうだ。  7日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比59セント安の4万3729ドル34セントと3日ぶり小反落。ナスダック総合株価指数は同285.993ポイント高の1万9269.459だった。  日程面では、きょうは株価指数オプション11月物の特別清算指数(オプションSQ)算出日にあたる。このほか、9月の家計調査、9月の特定サービス産業動態統計、9月の景気動向指数速報値など。海外では11月の米消費者態度指数(ミシガン大学調査・速報値)のほか、ボウマンFRB理事が米大学主催討議に参加し発言内容が注目される。 出所:MINKABU PRESS 2024/11/08 08:01 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=トランプ台風で大手金融と海運株に潮流  きょう(7日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比99円安の3万9381円と小反落。前日は良い意味でトランプ台風がマーケットを席巻した。自国の石破新総裁誕生では急落した東京市場だが、米国のトランプ新大統領誕生に際しては諸手を挙げての株高歓迎というアイロニカルな展開である。もっとも前日に先物主導ではしゃぎ過ぎたきらいもあり、きょうは上値が重かった。とはいえ値上がり銘柄数がプライム市場全体の77%を占めるなど物色意欲は旺盛で、TOPIXの方は3連騰と気を吐いている。  前日の欧州株市場は主要国の株価が軒並み売られる展開となった。トランプ氏の大統領選勝利で少なくとも欧州は警戒ムード一色だったことが分かる。関税強化や安全保障面での不透明感というのはグローバルで一致する懸念材料だが、トランプ政権だった2019年10月に貿易協定を締結している日本と、対米貿易で先鋭的に対立したままの関係にある欧州とでは事情が違う。だが、日本もそれほど楽観的な状況とはいえない。当時の日本は安倍政権であり、トランプ氏との信頼関係を個人レベルで築き上げた安倍元首相の功績が大きい。石破首相がトランプ大統領の不興を買うとは言わないが、トランプ氏ならではのディールに翻弄される可能性は十分にあり、今後の展開を注視したい。  ともあれ、相場の潮流に大きな変化が出ていることは間違いがない。トランプトレードの東京市場への波及という点では確かな方向性が見えているわけではないが、一つ言えるのは米長期金利の上昇圧力が今後更に強まるという流れだ。国内でも新発10年債利回りが1%台に乗せてきた。三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>などメガバンクや第一生命ホールディングス<8750.T>などの大手生保株は押し目買いを念頭に継続注目の対象となる。このほか、高配当利回りが際立ち、円安進行も追い風材料となる川崎汽船<9107.T>や商船三井<9104.T>など海運大手に改めて目を配っておきたい。  一方、“暴落時の赤札銘柄に注目”というが、株価が先物主導で乱高下するような乱調相場でも、全体の地合いに関係なく淡々と我が道を行く上昇株は、その銘柄固有の評価ポイントが必ず存在する。全体相場がムード先行で右往左往している時に、チャート面から強さを発揮している個別銘柄をチェックしておくことは肝要である。  直近紹介した銘柄では、愛知製鋼<5482.T>が目を見張る陽線の連打で新値圏を快走している。足もとの業績は低調ながらトヨタ系の自動車向け特殊鋼大手として確固たる地位をキープしているが、PBRが依然として0.3倍台にあることは自社の株式価値に無頓着と思われても仕方がない。そこに旧村上ファンド系アクティビストが着目し、株式買い増しに動いていることが株価を突き動かす原動力となった。仮にPBR1倍復帰を目指すのであれば、前期実績ベースの1株純資産1万2700円程度まで買われてもよい理屈だ。ともあれ、株主還元の強化や成長投資への取り組みは必須課題ということになる。また、トヨタ系で自動車部品を手掛ける住友理工<5191.T>も連日の年初来高値更新。時価はリーマンショック前の08年2月以来16年9カ月ぶりの高値圏を走る。  このほか、ITソリューション大手のJBCCホールディングス<9889.T>は2000年春先のITバブル期以来の高値水準で実質的な青空圏を舞う展開にある。システムインテグレーターとしては草分け的存在だが、収益体質向上になお前向きに取り組んでいる。また、決済サービス大手のウェルネット<2428.T>も強いチャートを形成中。こちらは10年タームでみるとまだ底値ゾーンと言ってもよく、配当性向をベースに株主還元に前向きで1000円未満は押し目買いで報われそうだ。番外になるが、内需の消費関連株では飲食やホテル事業などを手掛けるDDグループ<3073.T>をマーク。株価は中段で目先調整モードにあるが、1300円台は打診買いを入れて面白い水準といえる。  あすは株価指数オプション11月物の特別清算指数(オプションSQ)算出日にあたる。このほか、9月の家計調査、10月上中旬の貿易統計、対外・対内証券売買契約がいずれも朝方取引開始前に発表され、午前中に3カ月物国庫短期証券の入札が予定されている。午後取引時間中には9月の特定サービス産業動態統計、9月の景気動向指数速報値のほか、日銀から消費活動指数が開示される。海外では11月の米消費者態度指数(ミシガン大学調査・速報値)、ボウマンFRB理事が米大学主催討議に参加し発言内容が注目される。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/11/07 17:30 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=ファイズHD、ECソリューションサービス好調  ファイズホールディングス<9325.T>は、主にEC(電子商取引)ビジネスを手掛ける企業を対象としたサードパーティー・ロジスティクス(荷主が第三者であるロジスティクス業者に対し、物流業務全般を長期間一括して委託すること)事業である「ECソリューションサービス」が好調だ。  物流センターの運営受託事業は、大手ネット通販会社向けセンターや流通業向けセンター、配送センターの業務請負や人材派遣が引き続き堅調。輸配送の領域では配車プラットフォームサービス事業の取引先数及び成約件数が増加しており、10月31日に公表した25年3月期第2四半期累計(4~9月)の連結営業利益は前年同期比13.7%増の6億1500万円で着地した。  株価は810円近辺での下値の堅さを確認したあと、足もとでは上放れの動き。日足チャートでは25日移動平均線と75日移動平均線が接近してきており、戻りを試す展開が見込まれる。(参) 出所:MINKABU PRESS 2024/11/07 10:00 みんかぶニュース コラム 7日の株式相場見通し=続伸、日経平均4万円大台を意識  7日の東京株式市場はリスクオンの流れが続くなかも、日経平均の上値は重い展開となりそうだ。前日に1000円あまりの急騰を演じたが、きょうは利益確定売りの動きも表面化しそうだ。前日の米国株市場では、大統領選でトランプ前大統領が勝利を確実としたことをマーケットは好感し、1500ドル超の上昇を示した。また、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数や機関投資家がベンチマークとして重視するS&P500指数も大きく水準を切り上げた。米議会選挙の方は上院で共和党が過半数を確保し、下院でも共和党が優勢という状況で「トリプルレッド」となる可能性が高まっており、財政政策拡大への期待感がリスク選好ムードに拍車をかけている。米10年債利回りは一時4.4%台後半まで上昇したほか、トランプ氏による暗号資産の振興への思惑からビットコインが最高値をつけている。もっとも、これに先立って欧州株市場は独DAXや仏CAC40など主要国の株価指数は軒並み下落した。トランプ政権下で関税が引き上げられることなどへの警戒感が売りを誘導している。東京市場では米国株に連動する傾向が強く、外国為替市場では米長期金利上昇を受けて急速にドル高・円安が進んでいることもあり株高誘導が見込まれるが、日経平均は前日に急騰した反動もあり、強気一辺倒とはなりにくい面もある。FOMCとパウエルFRB議長の記者会見を日本時間明朝に控えていることで、上値ではポジション調整の売りも顕在化し、フシ目の4万円大台には届かない可能性が高い。  6日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比1508ドル05セント高の4万3729ドル93セントと大幅続伸。ナスダック総合株価指数は同544.295ポイント高の1万8983.466だった。  日程面では、きょうは9月の毎月勤労統計など。海外では10月の中国貿易統計、英中銀の政策金利発表、FOMCの結果発表とパウエルFRB議長の記者会見など。 出所:MINKABU PRESS 2024/11/07 08:00 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=「トランプ相場再開」で買われる株・売られる株  6日の日経平均株価は前日に比べ1005円高と急伸した。世界中が固唾をのんで見守った米大統領選は共和党のトランプ氏優勢の報道が続き、これを受けた東京市場も「トランプ・トレード」再開で大幅な上昇となった。  東京市場では、開票序盤に激戦州のジョージア州でトランプ氏が優勢と伝わるとドル高・円安が進行し、それとともに日経平均株価も急伸。昼にかけて為替市場では一時1ドル=154円台に乗せ、日経平均株価も午後0時50分には前日に比べ1100円超高の3万9600円台まで上昇する場面があった。  トランプ氏優勢の流れは一貫して続き、米議会選挙も共和党が上院の多数派を奪還したと報じられ、大統領と上下両院の議会選も共和党が制する「トリプルレッド」に対する期待も高まった。トランプ氏は午後4時過ぎに勝利宣言を行った。  公式的なトランプ氏に対する勝利宣言は行われていないが、市場からは「状況次第では勝敗が確定するのに、数日かかるかもしれないとの警戒感もあった。その懸念が無くなっただけでも相場にはプラス材料だろう」(アナリスト)と評価する声が出ている。米下院選の結果を確かめる必要があるものの、「米財政赤字拡大などの懸念材料を織り込むのはまだ先で、当面はトランプ相場が続くとみていいのではないか」(同)ともみられている。日経平均株価は再び4万円乗せが期待できそうだ。  物色対象は、トランプ関連として以前から指摘される三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>など銀行関連、三菱重工業<7011.T>など防衛関連、INPEX<1605.T>などエネルギー関連、それにマネックスグループ<8698.T>やセレス<3696.T>、SBIホールディングス<8473.T>など仮想通貨関連株だろう。一方で米国の関税引き上げの影響が懸念されるトヨタ自動車<7203.T>やホンダ<7267.T>、マツダ<7261.T>など自動車株には逆風も予想される。  そんななか、この日に最も注目を浴びた銘柄のひとつがIHI<7013.T>だ。同社は午後1時に25年3月期業績予想の増額修正と増配を発表。トランプ氏優勢で防衛関連株が人気を集めるなか、更なる買い材料が好感され株価はストップ高に買われた。トランプ氏は、米国に頼らない各国独自での防衛力強化を主張しており、防衛関連予算は一段の上積みも予想される。IHIのように物色テーマの追い風を捉え、更に業績拡大が見込める銘柄を探すことが「トランプ相場再開」に乗るポイントとなりそうだ。 出所:MINKABU PRESS 2024/11/06 17:53 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=IGポート、版権事業が利益成長を牽引  IGポート<3791.T>は、9月20日に年初来高値2234円をつけたあと調整していたが、ここにきて再騰機運を高めている。  同社は映像(アニメーション)制作と出版事業、版権事業などを展開する。10月11日に発表した第1四半期(6~8月)連結決算は、制作期間の長期化や人件費高騰などで映像制作事業は大幅減益となったものの、「怪獣8号」や劇場版「ハイキュー!!」などの新作に加え、過去シリーズ作品が好調に推移した版権事業が大幅増益となり、営業利益は4億4400万円(前年同期比34.9%増)で着地した。  今後も版権事業は、有力アニメIPを有していることを背景に、過去シリーズによる権利収入をベースにして、新作による積み上げで利益拡大が見込まれる。日本アニメ専門の動画配信事業者クランチロールが新興国へ配信地域を拡大していることは追い風となろう。また、オリジナルグッズ販売を行うその他事業では、劇場版「進撃の巨人」の11月8日の公開を控えてIP活性化によるグッズ販売の拡大が期待できる。  25年5月期通期業績予想は、会社側では営業利益17億3700万円(前期比41.8%増)を見込むが、前述の版権事業の好調とグッズ販売の貢献で上振れの可能性は高い。また、26年5月期以降は、映像制作事業の収益性改善に向けた取り組みも進むとみられ、増益基調が継続しそうだ。(仁) 出所:MINKABU PRESS 2024/11/06 10:00 みんかぶニュース コラム 6日の株式相場見通し=神経質な展開、米大統領選の開票状況受けた先物売買で振幅へ  6日の東京株式市場で、日経平均株価は神経質な展開が見込まれる。前日の欧州市場ではイギリスのFTSE100種総合株価指数が下落したのに対し、ドイツ株価指数(DAX)は上昇するなど高安まちまち。米株式市場ではNYダウとナスダック総合株価指数がともに反発した。米国の大統領・議会選挙の投開票日となり、選挙結果に対する関心が一段と強まるなかで、10月の米ISM非製造業景況感指数が前月から上昇し、市場予想を上回った。雇用指数も上昇し、米国景気の底堅さと中央銀行による利下げが両立する米国経済のソフトランディング期待が膨らんだ。外国為替市場でドル円相場は1ドル=151円台へ円高方向に振れてはいるものの、6日朝方の日経平均株価は米国株高を支えとして上昇して始まる公算が大きい。  米大統領選では民主党候補のハリス氏と共和党候補のトランプ氏が激しく競り合っている。議会選挙も重要なポイントとして考えられており、トランプ氏が勝利し、上下両院が共和党となる「トリプルレッド」となる可能性が高まったとの見方が広がった場合の米金利上昇と円安・株高を見込む声もある。ハリス氏が勝利した際は、バイデン大統領の路線が継続されることへの安心感が台頭するとの指摘がある。一方で「トランプ氏勝利を見込んだ『トランプトレード』は選挙前にすでに先走りしていたところもあって、ハリス氏勝利の場合の失望感の台頭とトランプ氏勝利のケースでの『噂で買って事実で売る』展開の両方のリスクには留意が必要」(国内証券ストラテジスト)との声も出ている。僅差となれば再集計に乗り出す州が現れるケースが想定され、最終的な結果が判明するのに時間を要するシナリオも横たわる。いずれにせよ開票状況を受けた先物売買により、日経平均は上下に揺れる展開となる見通しで、3万7800円から3万9800円という広めのレンジを想定したいところである。国内では午後1時55分にトヨタ自動車<7203.T>が9月中間期の決算を発表する。市場の予想に比べて底堅い決算を示し、同社の株価が堅調に推移した場合は、投資家心理には一定のプラス効果をもたらす可能性が高い。  5日の米株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比427ドル28セント高の4万2221ドル88セントと反発。ナスダック総合株価指数は同259.187ポイント高の1万8439.171だった。  日程面では、きょうは国内では9月19~20日開催分の日銀金融政策決定会合の議事要旨が公表される。企業決算はトヨタのほか、日本郵船<9101.T>や伊藤忠商事<8001.T>、NTTデータグループ<9613.T>、ニトリホールディングス<9843.T>などが開示を予定している。海外ではドイツの9月製造業新規受注や、ユーロ圏と米国の10月サービス業PMIが発表される予定。クアルコム<QCOM>やアーム・ホールディングス<ARM>の決算発表も控えている。 出所:MINKABU PRESS 2024/11/06 08:00 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=決算発表済みの銘柄に金剛石は眠る  3連休明けとなった5日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比421円高の3万8474円と大幅反発。米大統領選の投開票を目前に、相変わらず先物に振り回され猫の目のように変わるハイボラ相場である。そうしたなか、きょうから取引時間が30分延長になった。違和感を覚える投資家も多かったと思われるが、注目はクロージングオークションであり、売買が成立しない注文受付時間を15時25分から5分間設けた後、15時30分に板寄せを行うもの。例えば売買代金首位のディスコ<6146.T>を例に挙げると、15時24分に4万4600円で値をつけたのを最後に6分間値が付かず、15時30分に4万4540円で終値を形成。株価的に大きな変動はなかったほか、売買代金についてはこの間にほぼ11万株をこなし、1分間あたり平均約1万8000株をこなした勘定で、これは平常ペースとそれほど差はない。なお意外だったのはプライム市場全体の売買代金で4兆円強にとどまり、30分取引時間を延長したものの前週末(4兆4900億円)より約10%減となった。もっとも、きょうは初日で参戦を控えた機関投資家も多かった可能性はある。   個別株の物色の流れは決算プレーオンリーといってもいいような状態だ。テーマ買いの動きは鳴りを潜めている。例えば、最近では高市トレードのリバイバルで助川電気工業<7711.T>などが買われたが、単発的で横に広がらない。また、ひと頃は石破内閣発足を受け三菱重工業<7011.T>などが物色人気に沸いたが、これも頭打ちとなり、ほどなく人気前の水準まで往って来いとなった。防衛関連は何も石破政権だから買われるというわけではなく、グローバルな視点で今後の日本の方向性を示唆したものであるはずだが、そういう理屈では売り圧力を抑制できないようだ。結果として、政策テーマに乗る銘柄を中期投資で溜め込むような、実需買いをベースとした動きは後退を余儀なくされている。  今月中旬くらいまでしばらくの間は、決算発表後にボラティリティが極大化する銘柄をターゲットとした短期トレードがマーケットを席巻することになろう。とはいえ、決算跨ぎの買いは丁半博打に近い。仮に予想通り好決算を発表したとしても、事前のコンセンサスに届かないという理由で、理不尽なほど売りの砲火を浴びるケースもある。  当該銘柄の決算内容の良し悪しだけでなく、事前のマーケットの熱量も考慮しなければならず、ここまで読み切るのは至難の業だ。では、この時期に博打的トレードではなく、もう少し時間軸の長い投資を考えた場合、どういうスタンスをとるべきか。これは「好決算を発表済みの銘柄」の中から順張りで取れそうな銘柄を探すことが有効といえる。  候補を挙げると、工業炉トップシェアを誇る中外炉工業<1964.T>、製造・開発分野の技術者派遣を行うジェイテック<2479.T>、工具や補修部品などのネット通販を手掛けるMonotaRO<3064.T>、消防車のトップメーカーのモリタホールディングス<6455.T>などが強い動きで、順張りの流れに乗っている。カタログ通販を祖業にネット通販にも傾注し、インバウンド特需の取り込みも進むスクロール<8005.T>も面白いチャートを形成している。これらの銘柄はすべて10月末に好決算を発表済みである。  このほか番外編として、同じく10月末に決算発表を行った銘柄の中で愛知製鋼<5482.T>の強力な下値切り上げ波動も刮目に値する。トヨタ系の自動車向け特殊鋼大手だが、業績は原料コスト高騰に抗えず24年4~9月期は営業3割減益と厳しい状況にある。トップラインは堅調ながら利益は減速が顕著。しかし、株価は上値指向が鮮明だ。他社と一線を画す加工技術を持ちながらPBR0.3倍台と何と解散価値の3分の1の水準に放置。そこに目をつけたのが旧村上ファンド系のアクティビストで、共同保有で株式買い増しを続けている。決算通過で怖いものがなく、追随買いも誘導されやすくなっている。  あすのスケジュールでは、日銀金融政策決定会合の議事要旨(9月19~20日開催分)、11月の日銀当座預金増減要因見込みが朝方取引開始前に開示される。海外ではマレーシア中銀の政策金利発表、ブラジル中銀の政策金利発表のほか米国では30年物国債の入札が予定される。国内主要企業の決算発表ではJFEホールディングス<5411.T>、ダイキン工業<6367.T>、IHI<7013.T>、トヨタ自動車<7203.T>、日本郵船<9101.T>、NTTデータグループ<9613.T>、ニトリホールディングス<9843.T>などがある。海外主要企業ではクアルコム<QCOM>、アーム・ホールディングス<ARM>の決算に注目度が高い。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/11/05 17:30 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=キャリアL、高配当利回り魅力で中計も評価材料に  キャリアリンク<6070.T>は2400円から2600円のゾーンでのボックス圏往来が続いているが、早晩ここを上放れる公算が大きい。大手企業や官公庁などを主要顧客に業務プロセスを一括して受注するBPO事業で力を発揮するほか、コンタクトセンター向け人材や事務系人材の派遣サービスなどにも積極展開している。取引を行っている地方自治体の数が170(前の期から58の増加)まで拡大しており、業務テリトリーの拡大効果もあって25年3月期の業績はトップライン、利益ともに増勢にある。  25年3月期営業利益は前期比7%増の34億9500万円予想と回復基調が鮮明となる見通しだ。今期年間配当は前期と並びの120円を計画しており、時価予想配当利回りは4.7%台と高い。中期経営計画では、27年3月期に売上高605億4300万円、営業利益50億1300万円を数値目標に掲げていることもポジティブ視される。(桂) 出所:MINKABU PRESS 2024/11/05 10:00 みんかぶニュース コラム 5日の株式相場見通し=反発、不透明環境も目先リバウンド狙いの買い優勢  5日の東京株式市場は主力株中心に幅広く買い戻される展開で、日経平均株価が反発に転じそうだ。前週末に1000円超の下落で3万8000円トビ台まで売り込まれたが、先物主導で下げ過ぎの感も否めず、きょうはそのリバウンドが見込まれる。前日の欧州株市場は高安まちまちながら、独DAX、仏CAC40はいずれも反落している。今週は米国で大統領選の投開票やFOMCなどのビッグイベントを控えており、欧州でもこの結果を見極めたいとの思惑が買いを手控えさせた。ただ、下値を売り込むような動きも見られず全体指数の下げ幅は限定的なものにとどまっている。一方、米国株市場ではNYダウが一時400ドルを超える下げに見舞われるなど不安定な展開となった。米国大統領選の投開票を5日に控え、機関投資家のポジション調整の売りが優勢だった。共和党のトランプ前大統領と共和党のハリス副大統領の支持率は拮抗した状態で接戦が見込まれるなか、結果判明には時間を要するとの観測も強く、目先見送りムードが拭えない状況にある。直近の一部世論調査の結果ではトランプ氏が必ずしも優勢とは言えず、大手銀行株などトランプトレードで買われた銘柄を売り急ぐ動きも出ている。ただ、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数の方は底堅さを発揮し下げは小幅にとどまった。そのなか、8日からNYダウの構成銘柄に採用されるエヌビディア<NVDA>が上昇し、全体相場を支えた。東京市場では米株市場でNYダウが下値を試す展開となったことは逆風材料だが、前週末の急落の反動から目先自律反発の地合いとなる公算が大きい。外国為替市場では一時1ドル=151円台半ばまで円高に振れる場面もあったが、その後は円安方向に押し戻されており、マーケットのセンチメントへの影響は限定的といえそうだ。  4日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比257ドル59セント安の4万1794ドル60セントと反落。ナスダック総合株価指数は同59.933ポイント安の1万8179.984だった。  日程面では、きょうは10月のマネタリーベース、10月の財政資金対民間収支など。また、きょうから東証が取引時間を延長(大引けが15時30分に変更)する。海外では豪中銀の政策金利発表、10月の財新中国非製造業PMI、9月の米貿易収支、10月のISMサービス業景況感指数のほか、米大統領選の投開票が行われる。 出所:MINKABU PRESS 2024/11/05 08:01 みんかぶニュース コラム 来週の株式相場に向けて=米大統領選の本番迎え「不透明感」は一巡するか  1日の日経平均株価は前日比1027円安と大幅続落。後場に入り下げ幅が拡大し、一時3万8000円台を割り込んだ。東京市場は明日から3連休となることもあり、来週のビッグイベントを控えポジション調整の売りも膨らんだ様子だ。今晩は米10月雇用統計が発表されるほか、ついに5日に米大統領選を迎える。また、6~7日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。  なかでも市場の関心を集めるのが、米大統領選だ。今後の世界情勢の流れを決定づけることになるだけに、6日の東京市場は米大統領選の開票結果を横目に一喜一憂することになる。民主党のハリス氏と共和党のトランプ氏の決選となるが、足もとではトランプ氏が優勢との見方が多い。そんななか、まず市場が気にしているのは「早い段階で結果が判明するのか」(市場関係者)だ。もし、混戦となり勝敗が分かるまでに時間がかかれば「市場は不透明感を嫌気するかもしれない」(同)という。  また、同時に実施される議会選挙がどうなるかも焦点だ。大統領に加え、連邦議会上下両院も共和党がとる「トリプルレッド」となった場合、トランプ氏の唱える減税や規制緩和が一気に進みインフレ的な政策が予想されるなか、銀行株やエネルギー株などに買いが入る展開も見込まれている。ただ、「トランプ氏の財政拡張策に対して債券市場がどう反応するのかが大きなポイント」(アナリスト)だ。米長期金利が上昇基調を強めることになれば、株高に水が差されることも起こり得る。  ハリス氏が勝利した場合、足もとのトランプトレードの巻き戻しも考えられる。ただ、ハリス氏も財政拡張策を打ち出しており、やはり債券市場の動向が注目されている。いずれにせよ、来週は米大統領選の行方を固唾を飲んで見守ることになる。  更にFOMCでは0.25%の利下げが予想されている。12月も同様に0.25%の利下げを見込む声が多いが、今後の米金融政策を巡りパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見などが注目されそうだ。  上記以外のイベントでは、米国では5日に米10月ISM非製造業景況感指数、8日に米11月ミシガン大学消費者マインド指数が発表される。6日にアーム・ホールディングス<ARM>とクアルコム<QCOM>が決算発表を行う。  国内では、4日は文化の日の振替休日で休場。5日からは東証の取引時間が午後3時30分まで30分間延長される。6日には9月開催分の日銀金融政策決定会合の議事要旨が公表される。5日に任天堂<7974.T>、三菱重工業<7011.T>、6日にトヨタ自動車<7203.T>、伊藤忠商事<8001.T>、7日に日本製鉄<5401.T>、フジクラ<5803.T>、8日にソニーグループ<6758.T>、三井不動産<8801.T>が決算発表を行う。来週の日経平均株価の予想レンジは3万7000~3万9500円前後。(岡里英幸) 出所:MINKABU PRESS 2024/11/01 17:24 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=ニッケ、ユニフォーム生地の値上げ効果発現に期待  日本毛織<3201.T>は4月以降、学校や企業向けユニフォーム生地の値上げに踏み切ったが、本格的な効果発現はこれからとみられている。災害備蓄用の毛布などの需要が増加すれば、一段の業績上振れが期待できそうだ。  同社は羊毛紡織の名門で、産業機材や不動産賃貸など事業の多角化を進めてきたことでも知られる。24年11月期の売上高は前期比2.2%減の1110億円、経常利益は同0.3%減の116億円、最終利益は同0.7%増の77億円の見通し。4月以降、ユニフォーム生地の価格を段階的に引き上げたが、流通在庫の関係などで、上期(23年12月~24年5月)はその効果を満喫するまでに至らなかったようだ。少子高齢化が加速しているとはいえ、特に学校制服向けの生地は一定の需要が存在するだけに、この先は利益の拡大基調が強まっていくと期待される。更に、全国各地で防災体制を強化する取り組みが広がるなか、災害用毛布の需要が好調に推移していることも注目ポイントとなる。  直近ではM&Aによる成長を図っており、買収企業の収益貢献も顕著となっている。同社株は10月24日の1231円を底に株価は再び戻り局面に入っている。PBR(株価純資産倍率)は0.7倍台と低水準とあって、資本効率の向上に向けたアクションがあれば、株価はポジティブに反応しそうだ。(碧) 出所:MINKABU PRESS 2024/11/01 10:00 みんかぶニュース コラム 1日の株式相場見通し=大幅続落、欧米株全面安でリスク回避ムード強まる  1日の東京株式市場は主力株から中小型株まで広範囲に売りがかさむ展開となり、日経平均株価は大幅続落を余儀なくされそうだ。海外では欧米株市場のリスクオフの流れが止まらない状況となっている。前日の欧州株市場ではドイツ、フランス、英国など主要国をはじめ連日の全面安商状となった。米長期金利が上昇傾向を強めていることが引き続き嫌気されているほか、ユーロ圏でもECBが想定よりも利下げに慎重との見方が広がり買いが手控えられた。米国株市場では、米長期金利が4.3%台前半まで上昇しハイテク株を中心に利食い急ぎの動きが表面化した。この日発表された9月のPCEデフレーターはエネルギー・食品を除くコア指数が市場コンセンサスを上回りインフレ圧力が再び意識された。翌日に10月の米雇用統計の発表を控えていることもあり、ポジション調整の売りが全体指数を押し下げている。特にハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数の下落率は2.8%に達し、エヌビディア<NVDA>が4.7%安に売り込まれたのをはじめ半導体関連の下げもきつく、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も4%強の急落で投資家心理を冷やした。このほか決算発表を嫌気されマイクロソフト<MSFT>やメタ・プラットフォームズ<META>などが大きく下値を探る展開となった。東京市場では米ハイテク株の急落を受けてリスク回避目的の売りに晒されそうだ。10月の米雇用統計の発表を控えた3連休前ということに加え、3連休明けの5日は米大統領選の投開票が行われることで、持ち高を減らす動きが加速すれば、日経平均は3万8000円大台近辺まで一気に水準を切り下げる可能性もある。  31日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比378ドル08セント安の4万1763ドル46セントと3日続落。ナスダック総合株価指数は同512.780ポイント安の1万8095.151だった。  日程面では、きょうは10月の新車販売台数・軽自動車販売、3カ月物国庫短期証券の入札など。海外では10月の中国財新製造業PMI、10月の米雇用統計、10月の米ISM製造業景況感指数、9月の米建設支出など。 出所:MINKABU PRESS 2024/11/01 08:00

ニュースカテゴリ