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みんかぶニュース コラム 29日の株式相場見通し=急反発、欧米株全面高でアンワインド局面へ  29日の東京株式市場は主力株をはじめ幅広い銘柄が買い戻され、日経平均株価は9日ぶりに急反発する公算が大きい。足もとで世界的な株安のアンワインド局面に移行している。前週末の欧州株市場では主要国の株価がほぼ全面高に買われたほか、米国株市場でもNYダウが一時800ドルを超える上昇をみせ、終値でも650ドルあまり水準を切り上げた。下値模索の続いていたナスダック総合株価指数も4日ぶりに切り返す展開となった。この日の朝方に発表された6月のPCEデフレーターが前月比0.1%の上昇と、事前の市場コンセンサスとほぼ一致する内容で、過度な不安心理が後退し全体指数を押し上げる形となった。FRBによる9月利下げの可能性が高まったとの見方が広がり、ここまで売りターゲットとなっていたハイテク株などへの買い戻しを誘っている。これを受けて週明けの東京市場でも久しぶりにリスクオンの地合いとなりそうだ。日経平均株価は前週末まで2年9カ月ぶりとなる8日続落と下げが顕著で、この間に3600円も下落した。世界的に見ても東京市場は突出して売られ過ぎており、足もとではそのリバウンド局面が予想される。日経平均はフシ目の3万8000円台を一気に回復する可能性もある。一方、日米の中央銀行の金融政策方向の違いから、外国為替市場での円高警戒感は拭えず、取引時間中はドル・円相場の動向などに影響を受ける場面も想定される。  26日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比654ドル27セント高の4万589ドル34セントと大幅続伸。ナスダック総合株価指数は同176.157ポイント高の1万7357.882だった。  日程面では、きょうは7月権利付き最終売買日となり、明日から実質8月相場入りとなる。海外では特に目立ったイベントはないが、タイ市場が休場となる。 出所:MINKABU PRESS 2024/07/29 08:00 みんかぶニュース コラム 来週の株式相場に向けて=米ビッグテック決算と日米決定会合がカギ握る  日経平均株価が下げ止まらない。26日は前日比202円安となり8日続落。これは21年9月から10月にかけての2年9カ月ぶりのことだという。11日の日経平均株価の最高値(4万2224円)からは4500円強下落した。  足もとの株式市場を巡る環境の変化としては「急激な円高進行」「日米半導体株の下落」「米大統領選の民主党候補にハリス氏」といったところだが、特に東京市場にとっては半導体などテック株下落の影響が大きい。米ナスダック指数の下落が目立つが、「23日のアルファベット<GOOG>の決算内容はさほど悪くなかったが、株価は急落した。それだけ米テック株は割高な水準まで買われていたということだ」(アナリスト)との声が出ている。  また、来週は30~31日に米連邦公開市場委員会(FOMC)と日銀金融政策決定会合が予定されており、為替市場が一段とボラタイル(変動が大きい)な動きとなることも予想される。FOMCでは政策金利は据え置かれるとの予想が多いが、9月以降に対し、どんなメッセージが打ち出されるかが焦点だ。更に、日銀の決定が注視されている。市場関係者からは「日銀が利上げに踏み切ると、円キャリートレードの巻き戻しを通じて世界の金融市場に一段の波乱が起こることも考えられる」と警戒する見方もある。  来週は、30日にマイクロソフト<MSFT>、31日にメタ・プラットフォームズ<META>、1日にアップル<AAPL>、アマゾン<AMZN>とビッグテック決算が相次ぐ。日本では31日のアドバンテスト<6857.T>の決算なども注目されるほか、週末の8月2日には米7月雇用統計が予定されており、目の離せない展開となりそうだ。  上記以外のスケジュールでは、海外では31日に米7月ADP雇用統計、1日に米7月ISM製造業景況指数が発表される。30日にアドバンスト・マイクロ・デバイシズ<AMD>、31日にアーム・ホールディングス<ARM>、1日にインテル<INTC>、2日にエクソン・モービル<XOM>の決算発表がある。  日本では31日に6月鉱工業生産が発表される。企業決算では29日にコマツ<6301.T>、ファナック<6954.T>、30日に村田製作所<6981.T>、NEC<6701.T>、31日に日立製作所<6501.T>、1日に三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>、三菱商事<8058.T>、2日に三井不動産<8801.T>、任天堂<7974.T>。更に、29日にLiberaware<218A.T>、30日にHeartseed<219A.T>、31日にFaber Company<220A.T>が新規上場する。来週の日経平均株価の予想レンジは3万7200~3万8400円前後。(岡里英幸) 出所:MINKABU PRESS 2024/07/26 17:29 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=エフピコ、値上げ効果・高機能商品拡大で成長軌道は不変  エフピコ<7947.T>の上昇トレンド転換を期待したい。同社は食品トレーや弁当容器の最大手で25年3月期は売上高が前期比6.3%増の2360億円、最終利益が同3.4%増の121億2200万円を計画。最終利益は過去最高益となった21年3月期(122億1100万円)に肉薄する見通しだ。4月30日に電力料金や原料価格の高騰を背景に製品価格全般で15%以上の値上げを7月1日出荷分から開始すると発表。最大手とあって価格決定力の高さを印象付けた。  冷食市場や病院・介護給食市場向けの高機能商品の提案などを通じて売り上げの増加を図る方針。新たなM&Aなどを通じた海外戦略も推進し、30年3月期までに売上高3000億円、経常利益300億円(25年3月期見通しは180億円)に伸ばす目標を掲げている。原材料となるベンゼンやナフサ価格は円安に連れる形で上昇圧力が掛かっていたが、目先の円安一服はコスト負担の低下につながる可能性がある。株価は6月17日に年初来安値2285円をつけた後、持ち直しの局面に入ったが、円高トレンドが鮮明となった場合、業績上振れの期待をもとにした本格的な反騰シナリオが見込めそうだ。(碧) 出所:MINKABU PRESS 2024/07/26 10:00 みんかぶニュース コラム 26日の株式相場見通し=売り買い交錯、ダウ下げ止まり円高一服で安心感も上値重い  26日の東京株式市場は売り買い交錯のなか、日経平均株価は前日終値を挟んだ比較的狭いゾーンでもみ合う展開が予想される。株式市場が世界的なリスクオフ環境に置かれるなか、前日の欧州株市場は総じて軟調な値動きが続いたが、米国株市場では景気敏感株の一角などに押し目買いが優勢となり、NYダウが3日ぶりに切り返すなど下げ止まる動きをみせた。この日に発表された4~6月期の米実質国内総生産(GDP)速報値が、事前の市場コンセンサスを大きく上回る内容であったことで、景気後退に対する過度な警戒感が和らいだ。ただ、取引時間中はダウが600ドル近い大幅な上昇をみせる場面があったものの、後半は伸び悩み上げ幅は100ドル未満に縮小した。26日に発表される6月のPCEデフレーターを見極めたいとの思惑から、買いポジションを高める動きは限定的だった。一方、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数の方は、終盤に売り圧力が強まり3日続落して引けている。東京市場では前日に日経平均が1300円近い急落をみせており、しかも7日続落で、この間に3300円あまりも水準を切り下げる状況となっている。突っ込み警戒感からの買い戻しや押し目買いが機能すれば反発に転じやすいタイミングといえる。また、外国為替市場で1ドル=154円近辺までドル高・円安に振れていることも輸出セクター中心に有利に働く。一方、米PCEデフレーターの発表を控え、上値では戻り売りも想定され値動きは重い可能性がある。目先方向感が定まらず、外国為替市場や米株価指数先物の動向に左右されやすい。  25日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比81ドル20セント高の3万9935ドル07セントと3日ぶり反発。ナスダック総合株価指数は同160.688ポイント安の1万7181.725だった。  日程面では、きょうは7月の都区部消費者物価指数(CPI)、5月の景気動向指数改定値など。海外ではロシア中銀が政策金利を発表するほか、6月の米個人所得・個人消費支出、PCEデフレーター、7月の米消費者態度指数(ミシガン大学調査・確報値)など。 出所:MINKABU PRESS 2024/07/26 08:00 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=日銀狂騒曲と生成AIラリーの終着点  きょう(25日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比1285円安の3万7869円と急落。7日続落で3万8000円台を一気に下回った。今月11日に4万2224円の史上最高値をつけたが、そこからわずか2週間でここまで相場の景色が変わるというのはにわかには信じ難いが、現実である。ここ2週間で日経平均は4300円以上の下げ、大暴落といっても過言ではない。上値を追う最中はガラスの階段を踏みしめるように慎重だったはずだが、とはいえ機関投資家にすれば、周りが熱気に包まれるなか単独でフェードアウトするには相当な勇気がいる。結局は「持たざるリスク」への恐怖が邪魔をして逃げ遅れてしまう。今年の「エヌビディア祭り」もその事例に当てはまる。  日本株の急激な株価調整は世界的なリスクオフに巻き込まれた部分もあるが、直接的には今月末に同一日程(30~31日)で予定される日米中銀による金融政策決定会合への思惑がマイナス方向に増幅されたものだ。特に東京市場では日銀の政策舵取りが非常に難しい場面にあり、仕掛け的なドル安・円高によって、心の片隅に巣食う不安心理が株式市場で極大化した。河野デジタル相や茂木幹事長が利上げ要請ともとれる発言を行い、これが7月利上げ説、つまり今月30~31日の決定会合で日銀が動くとの思惑につながり、円高を誘発した。市場では「積み上がっていた円売りポジションのアンワインドが一気に進んだ」(中堅証券ストラテジスト)とする。  日銀の早期利上げに言及する市場関係者は多いが、本音の部分で今月に利上げを行うと考えている向きはほとんどいないはずである。しかし、直近ではその稀少なシナリオがまことしやかに囁かれていた。「政策金利の引き上げ幅は0.25%ではなく、お試し価格的に0.1%で刻んでくる」(同)という具現性を伴う話も出ていたくらいだ。これは外国為替市場の円高誘導に十分すぎるネタとなる。そして、株式市場ではAIアルゴリズム売買による円高にリンクさせた先物売りが容赦なく連射され、全体相場の崩落を演出した。とりわけ、半導体セクターの変調ぶりは投資マネーをフリーズさせるに十分なインパクトがあった。  この流れには伏線がある。米国株市場で最強テーマと目されていた生成AIに懐疑的な見方が浮上している。「生成AIは確かに革命的な技術分野だが、実際に商業目的では育成しにくい部分が浮き彫りとなっている」(ネット証券アナリスト)という。著作権絡みの問題や、もっともらしく完成された文章で嘘をつく生成AIは、一方でフェイク動画やランサムウェアの大量生産など、ダーティーなイメージも強くなった。結果として、企業の生成AIへの投資意欲を萎えさせ、払底状態のはずだったGPUに強烈な在庫調整圧力が働く。  以前にも触れたが、中国戦国時代の思想書である韓非子には「千丈の堤も螻蟻(ろうぎ)の穴をもって潰(つい)ゆ」という一節がある。どんなに頑丈かつ巨大な堤防であっても、時が来ればそれまで気にも留めなかった“蟻の一穴”が崩壊の端緒となる。天下無双を誇っても時の流れは必ずそれを穿(うが)つ。エヌビディアの大躍進は歴史的にも特筆に値するものだが、業績も株価もどこかで天井を打つことは避けられない。そして株価の天井は業績に数カ月から1年先行する。とすればエヌビディアの全盛は曲がり角に差し掛かっていることを、足もとの株価動向が語っている可能性がある。  市場関係者からは「エヌビディア連動レバ型ETFに投資していた投資家が店内にも結構多く、その反動も厳しいものとなっている」(ネット証券アナリスト)とする。いわゆる生成AIのシンボルストックとしてハヤされたエヌビディア株の2倍のボラティリティを示す同商品は投資家の人気も高く、実際勝ち組投資家の象徴でもあった。しかし、目先は大きく情勢が変わった。折からのドル安・円高も強力な向かい風で、含み益の消失はあっという間である。エヌビディア・エフェクトはこれまでと逆方向のベクトルで東京市場を大きく揺さぶる格好となっている。  あすのスケジュールでは、7月の都区部消費者物価指数(CPI)、5月の景気動向指数改定値など。また、債券市場では3カ月物国庫短期証券、2年物国債の入札が行われる。この日は東証グロース市場にタイミー<215A.T>が新規上場する。海外ではロシア中銀が政策金利を発表、6月の米個人所得・個人消費支出、PCEデフレーターにマーケットの関心が高い。このほか、7月の米消費者態度指数(ミシガン大学調査・確報値)も開示される。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/07/25 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=コシダカHD、中間目標の達成が視野に  コシダカホールディングス<2157.T>の24年8月期通期の連結売上高は前期比14.8%増の627億2800万円が予想されており、中期経営ビジョンの中間目標(25年8月期に連結売上高650億円)の達成が視野に入っている。同社は重点施策として海外展開の本格化や新しい収益の柱の創出などを掲げており、今後の動向が注目される。  足もとでは主力のカラオケ事業が積極的な出店などから好調で、7月10日に公表した第3四半期累計(23年9月~24年5月)の連結営業利益は前年同期比18.3%増の70億4700万円で着地。計画の68億6400万円を上回り、通期見通しの92億7800万円に対する進捗率は約76%となっている。  株価は5月27日の年初来安値801円と7月11日の直近安値806円でダブルボトムを形成。日足チャートでは25日移動平均線と75日移動平均線とのゴールデンクロスが目前で、戻りを試す展開に期待したい。(参) 出所:MINKABU PRESS 2024/07/25 10:00 みんかぶニュース コラム 25日の株式相場見通し=続急落、米ハイテク株暴落受けリスクオフ加速  25日の東京株式市場は主力株をはじめ幅広い銘柄がリスク回避目的の売りに晒され、日経平均株価は3万9000円台を大きく割り込む展開となりそうだ。先物主導で1000円近い下げとなり、3万8000円近辺まで一気に水準を切り下げるケースも考えられる。足もとで世界的にリスクオフの流れが強まっている。前日の欧州株市場でドイツやフランスなど主要国の株価指数が総じて軟調だったほか、米国株市場ではハイテク株を中心に売りが噴出する形となった。前日引け後に決算発表を行ったアルファベット<GOOGL>やテスラ<TSLA>が急落し全体指数の下げを助長している。このほかエヌビディア<NVDA>やアップル<AAPL>、マイクロソフト<MSFT>といったビッグテックが軒並み大きく値を下げ投資家心理を冷やした。NYダウが500ドル強の下げとなったほか、ナスダック総合株価指数の下げは650ポイントあまりに達し、下落率は2022年10月以来となる大きさとなった。これを受け東京市場でも全面安に近い商状で、特に半導体など輸出ハイテク株には売り圧力が顕著となりそうだ。外国為替市場では一段と円が買い進まれ、一時1ドル=153円10銭台まで円高が進行、これも全体相場にネガティブに作用する展開が予想される。売り一巡後は買い戻しなどで日経平均が下げ渋る可能性もあるが、取引時間中は為替市場の動向や米株価指数先物の値動きなどに左右され、ハイボラティリティな地合いに拍車がかかりそうだ。  24日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比504ドル22セント安の3万9853ドル87セントと大幅続落。ナスダック総合株価指数は同654.938ポイント安の1万7342.413だった。  日程面では、きょうは6月の企業向けサービス価格指数、週間の対外・対内証券売買契約、6月の外食売上高、6月の全国百貨店売上高、7月の月例経済報告など。海外では、G20財務相・中央銀行総裁会議(~26日)、韓国4~6月期GDP、7月の独Ifo企業景況感企業景況感指数、4~6月期米実質GDP速報値、週間の米新規失業保険申請件数、6月の米耐久財受注額速報値など。 出所:MINKABU PRESS 2024/07/25 08:00 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=「アイランドリバーサル」と悪魔の囁き  きょう(24日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比439円安の3万9154円と大幅安で6日続落。加速する円高を見て投資家が狼狽したムードは感じられない。むしろ、嬉々として買い向かっている雰囲気すらある。だが、今は円高にリンクさせたAIアルゴの先物売りプログラムが作動すると、どうにも対抗できない。しかも、きょうは後場に入って中小型株も十把一絡げに売られており、東京市場はリスクオフ一色に染まった。  全体相場の流れは残念ながら引き潮にあることを認めざるを得ない。ここまで半導体関連株が局地的に波に揉まれる状況にあったが、このリスクオフの高波が他の入り江にも及び始めている。日経平均株価は6月下旬から今月中旬にかけて一気呵成に4万2000円台まで駆け上がった。11日にマドを開けて跳躍し史上最高値をつけたが、高揚感に乏しく結局小幅の陰線を示現して終了。そしてこの日を境にトレンドが下向きに転換、ローソク足もオセロでひっくり返したように陽線から陰線のオンパレードへと変わった。典型的な「アイランドリバーサル」となっているが、11日は空売り筋による踏み上げラッシュの最終局面ともいえ、結果的に“離れ小島”でアダ花を咲かせた形となってしまった。  当欄では「個別株は弱い銘柄だけでなく強い銘柄も多くあり、全体指数に惑わされないこと」を主張してきたが、現時点では嵐の前に敢えて外に出ていく必要はない。ここは、バイデン米大統領ではないが勇気ある撤退が最善の選択肢ともなり得る。日経平均はきょうまで6日続落となっており、合計2000円以上の下落。更に1000円超の急落をみせたのが最高値形成の翌日である12日で、ここから数えて、きょうまで上昇した日はわずか1営業日のみの1勝7敗。下げ幅にして3000円を超えている。普通に考えればここはいったん買い場と判断するのは当然ともいえる。しかし仮に切り返しても戻り売りの壁に阻まれ上値は限られそうだ。短期割り切りでのリバウンド狙いにとどめるところで、4万円台を割ったからといって、絶好のバーゲンセールと買い漁るタイミングではなさそうだ。  週足の日経平均をみると26週移動平均線と上方カイ離を解消する形で急接近している。この26週線は年初からの上昇相場で実はまだ一度も下回っていない。また13週・26週線のデッドクロスも目前に迫っている。この状況でも空売りがズッシリと載せられていれば、それは過去に繰り返されたショートスクイーズによる急反騰も期待できるが、市場関係者は「11日の最高値をつけにいった過程でショート筋は総撤退を迫られており、今回の下げでは買い戻しによるブレーキが利きにくい」(ネット証券マーケットアナリスト)と指摘する。日経平均が3万8000円台に突入すると、ほぼ自動的に26週線を下にブレークすることになり、テクニカル的にも今は綱渡りの最中にある。  テクニカルとは別にイベントリスクにもスポットをあててみる。今月は30~31日の全く同じ日程で日米の中央銀行による金融政策決定会合がある。日本と米国の時差を考えると、31日の昼ごろに日銀の金融政策発表にマーケットの耳目が集中し、翌8月1日の未明にFRBの金融政策とパウエルFRB議長の記者会見の内容が明らかとなる。つまり、7月31日の後場と8月1日の前場は、否応なく強烈なイベントドリブンの嵐に巻き込まれる公算が大きい。  現状のメインシナリオは「日銀の9月利上げ、FRBの9月利下げ」であるが、これがどうも怪しくなってきたと市場筋は囁く。岸田首相を含む与党幹部の相次ぐ利上げ要請的な発言は、日銀にしてみればアドバルーン。つまり、総裁選のある9月の会合ではなく、今月の会合でのサプライズ利上げが俎上に載っているという。更に、FRBでは9月利下げに前向きだったパウエルFRB議長は、共和党トランプ前大統領に忖度して次回会合でタカ派に宗旨替えするという見方もまことしやかに伝わる。信憑性はともかく、日米中銀を巡る思惑は株式市場にとっては不都合なシナリオとなる。  あすのスケジュールでは、6月の企業向けサービス価格指数、週間の対外・対内証券売買契約、6月の外食売上高、6月の全国百貨店売上高、7月の月例経済報告など。海外では、G20財務相・中央銀行総裁会議が26日までの日程で開催される。また、韓国4~6月期GDP、7月の独Ifo企業景況感指数、4~6月期米実質GDP速報値、週間の米新規失業保険申請件数、6月の米耐久財受注額速報値など。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/07/24 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=交換できる、住設DXの受注好調  交換できるくん<7695.T>は6月25日に年初来高値2777円をつけたあと調整しているが、業績拡大期待を背景に3000円台乗せを目指す展開が期待できる。  同社は、キッチン・トイレ・洗面室・浴室回りといった日常生活に欠かせない住宅設備機器の交換サービスをインターネットを通じて展開。24年3月期は、テレビCM放映によるブランディング投資効果が顕在化し、主力の住設DX事業(交換できるくん事業)の受注が好調だったほか、今年1月にグループ化したアイピーエス社のソリューション事業も寄与。営業利益は過去最高の3億2800万円(前の期比9.0%増)となった。  前期に好調だった住設DX事業の受注状況は25年3月期に入ってもその基調を維持しており、引き続きテレビCMの放映やタクシー広告を中心とするブランディング投資を継続する方針。また、省エネ補助金利用支援キャンペーンを行うことにより、受注の更なる増大を狙う。一方、ソリューション事業は、既存事業としてはITの開発が主軸であり、既存顧客との長期継続プロジェクトがあるため、安定成長が期待できる。ブランディング投資により伸び率は鈍化するが、25年3月期は営業利益3億3000万円(前期比0.4%増)と連続増益見通しだ。  更に7月1日には、住宅設備機器メーカーの修理代行サービスや修理管理業務システム開発・販売を行うハマノテクニカルワークスグループを子会社化した。BtoB領域における修理サービスへの参入などでBtoB事業の強化も期待でき、中期的な成長力も向上しそうだ。(温羅) 出所:MINKABU PRESS 2024/07/24 10:00 みんかぶニュース コラム 24日の株式相場見通し=弱含み推移か、急速な円高進行が重荷に  24日の東京株式市場は主力株を中心に強弱観が対立、日経平均株価は様子見ムードが強まるなか前日終値をはさみ弱含みに推移しそうだ。前日は欧州株市場が高安まちまちだった。独DAXは続伸したものの仏CAC40は反落、フランスは政局不安で大幅に水準を切り下げた後も戻り切れず安値圏での往来が続いている。一方、米国株市場ではNYダウが小幅反落、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も引けにかけ軟化しわずかながらマイナス圏で着地している。取引終了後のアルファベット<GOOGL>やテスラ<TSLA>の決算発表を見極めたいとの思惑などから模様眺め感の強い地合いとなった。全般手掛かり難のなか、決算発表などを材料に個別企業ごとに物色される展開に終始した。今週後半には4~6月期米実質GDP、6月のPCEデフレーターなどの発表を控えており、これも売り買いともに積極的にポジションを傾けにくい背景となっている。東京市場ではここ半導体関連株などが変調で、日経平均も冴えない動きが続いている。前日も朝高後に値を消し、小幅ながら5日続落となった。7月12日に1000円強の急落をみせたが、この日を含め前日までの7営業日で6日間下落し、この間に2600円以上も水準を下げている。目先値ごろ感からの押し目買いや空売りの買い戻しを誘発しやすいものの、上値を買い進む動きは見込みにくい。また、足もと外国為替市場で一段と円高が進んでいることは輸出セクター中心にネガティブに作用しそうだ。  23日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比57ドル35セント安の4万358ドル09セントと反落。ナスダック総合株価指数は同10.217ポイント安の1万7997.351だった。  日程面では、きょうは6月の全国スーパー売上高など。また40年物国債の入札も予定される。海外では7月の仏購買担当者景気指数(PMI)速報値、7月の独PMI速報値、7月のユーロ圏PMI速報値、7月の英PMI速報値、カナダ中銀による政策金利発表、6月の米新築住宅販売件数、S&Pグローバル調査による7月の米PMI速報値など。 出所:MINKABU PRESS 2024/07/24 08:00 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=円高をテーマに買える中小型材料株  きょう(23日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比4円安の3万9594円と5日続落。全体相場はようやく下げ止まった感はあるが、欧米株高を引き継いだ割には強気になり切れない疑心暗鬼の値運びで、結局わずかながらマイナス圏で着地した。  前日は欧州時間からリスクオンの流れに変わっている。ドイツ、フランス、イタリアなど主要株価指数がいずれも1%を超える上昇で、欧州の強調地合いを横目に取引を開始した米国株市場も半導体関連などハイテクを中心に広範囲に買い戻しが利いた。そのなか、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は4%高と派手なリバウンドを演じた。特に生成AIの象徴株に位置付けられるエヌビディア<NVDA>や半導体製造装置最大手のアプライド・マテリアルズ<AMAT>の上げ足が顕著であり、これを受けてきょうの東京市場でも、売買代金上位の半導体関連株が買い戻しラッシュとなることが期待された。しかし、いざフタを開けてみると、寄り付きこそ一斉にカイ気配スタートと気を吐いたが、その後は値を消す銘柄が相次ぐなど精彩を欠いた。半導体セクターは“スコーピオン”の毒に当たったレーザーテック<6920.T>の崩れ足が強烈だ。しかし、それ以外の主力銘柄についても押し目買いから戻り売りにコンセンサスが変わりつつある。前日に個人投資家が信用枠を目いっぱい活用して買い向かったディスコ<6146.T>が朝高後に漸次水準を切り下げたのも、短期で利益を回収しておきたい投資家心理を投影する格好となった。  日銀への利上げ催促ともとれる自民党幹部の発言などが重荷となったという見方もあるが、それは為替が1ドル=156円台前半まで円高に振れた理由にこじつけられた感もある。現実問題、7月30~31日の日銀金融政策決定会合で追加利上げが実施されるケースは限りなく低いと思われる。ただ、9月20日前後に自民党総裁選が入る可能性が取り沙汰されるなか、9月19~20日の日銀金融政策決定会合で日銀が動きにくいという思惑が伏線となり、7月前倒しという思惑が独り歩きを始めた印象を受ける。  もっとも、不安定な地合いでも個別株の物色意欲が失われているわけではない。きょうはプライム市場の約7割の銘柄が上昇した。そのなか、足もとの円高をプラス方向に解釈できる銘柄に投資資金が誘導されている。円高メリットで象徴的に買われやすい銘柄としてはニトリホールディングス<9843.T>が挙げられるが、時価総額2兆円を超える大型株ゆえ、値動きはそれほど軽くない。短期志向の個人投資家にすれば、足の軽い中小型の円高メリット株で値幅が取れれば、それに越したことはないというのが本音であろう。  独立系の食品専門商社であるラクト・ジャパン<3139.T>は乳原料などの輸入に際して為替が円高方向に振れることで収益採算が高まる。24年11月期業績予想は最終利益段階で前期比47%増の30億円と大幅増益を見込んでいる。時価予想PERも10倍弱と割安感が強い。7月16日にマドを開けての大幅高で3200円の年初来高値をつけたが、その後は陰線が続き今のところ上値が重い。しかし、3000円を割り込んだ時価水準は、増額修正期待を背景に買い場と判断される。  また、材料株素地に飛んでいる銘柄として三菱製紙<3864.T>が面白い存在といえる。紙パ業界は円高メリット業種として有名である。そのなか、同社は王子HD系で印刷用紙や情報用紙などコート紙主体の製紙会社で、水処理膜などの機能材料でも実力を発揮する。PER4倍前後、PBR0.3倍台という投資指標面からは割安圏放置が際立つ。25年3月期営業利益は前期比約5割増の80億を計画。年間配当は10円を計画するが増配の可能性も指摘されている。このほか、時価総額7000億円の中型株では、靴専門店として業界最大手に位置するエービーシー・マート<2670.T>も、好業績の輸入関連企業に分類され、足もとで進む円高は追い風となる。買いの好機と見ておきたい。  あすのスケジュールでは、6月の全国スーパー売上高など。また、債券市場では40年物国債の入札が予定される。海外では7月の仏購買担当者景気指数(PMI)速報値、7月の独PMI速報値、7月のユーロ圏PMI速報値、7月の英PMI速報値が発表されるほか、カナダ中銀による政策金利も公表。米国では6月の米新築住宅販売件数、S&Pグローバル調査による7月のPMI速報値など。また、米債券市場では5年物国債の入札も行われる。このほか、ボウマンFRB理事による講演も行われる見通し。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/07/23 17:01 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=ジェイエイシ、ハイクラス人材紹介で業績絶好調  ジェイエイシーリクルートメント<2124.T>は人材紹介ビジネスを展開するが、語学力を有するグローバル人材や、幹部級などハイクラス人材の高額案件で高い実績を誇る。また売上高の1割強を、アジアを中心とする海外で占めるなど、活躍エリアは国内にとどまらない。業績はトップライン、利益ともに成長トレンドをまい進、24年12月期売上高は前期比16%増の400億4200万円、営業利益は同15%増の94億5000万円といずれも連続で過去最高を更新する見通しだ。  株価は4月1日に810円の年初来高値をつけた後は調整局面に移行。6月17日には631円の年初来安値を形成したが、下ヒゲをつけて切り返し、その後は漸次戻り足に転じている。全体地合い悪に押され足もと700円を割り込んだものの、ここは再び買い場と判断される。早晩切り返し年初来高値奪回を視野に入れそうだ。(桂) 出所:MINKABU PRESS 2024/07/23 10:00 みんかぶニュース コラム 23日の株式相場見通し=大幅反発か、欧米株のリバウンドに追随  23日の東京株式市場は主力株中心に幅広く買い戻される展開が予想され、日経平均株価は大幅反発が想定される。足もとで世界的にアンワインドの流れとなっている。前日の欧州株市場ではドイツやフランスなど主要国をはじめほぼ全面高に買われ、米国株市場でもハイテク株を中心にリスクオフの巻き戻しが入り、NYダウ、ナスダック総合株価指数ともに切り返す動きをみせた。画像処理半導体大手のエヌビディア<NVDA>が次世代半導体で中国向けモデルを準備しているとの観測が広がり、これを手掛かり材料に大幅高でリバウンドに転じたほか、半導体製造装置トップのアプライド・マテリアルズ<AMAT>なども急伸、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が4%高に買われるなど半導体セクターへの買いが際立っている。また、ハイテク株比率の高いナスダック指数の上昇率も1.6%に達した。一方、バイデン米大統領が11月の大統領選から撤退を表明したことで先行き不透明感も漂い、景気敏感株などへの買いは限定的となりダウの上昇率は相対的に小幅にとどまっている。東京市場では前日まで日経平均が4日続落し、この間に1600円以上も水準を切り下げており、目先売られ過ぎの反動が見込まれる。前日に終値で4万円大台を14営業日ぶりに割り込んだが、きょうは展開次第で大台復帰を視野に入れる場面も考えられる。半導体株への買い戻しの度合いがカギを握るほか、取引時間中の米株価指数先物の動向などにも左右されそうだ。  22日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比127ドル91セント高の4万415ドル44セントと3日ぶり反発。ナスダック総合株価指数は同280.628ポイント高の1万8007.568だった。  日程面では、きょうは基調的なインフレ率を捕捉するための指標など。海外ではトルコ中銀の政策金利発表、ハンガリー中銀の政策金利発表、6月の米中古住宅販売件数など。 出所:MINKABU PRESS 2024/07/23 08:00 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=逆張り個人の半導体全力買いは奏功するか  週明け22日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比464円安の3万9599円と大幅安で4日続落。フシ目の4万円大台ラインを大きく割り込む格好となった。前週末は25日移動平均線をギリギリ維持する水準で下げ止まり、値ごろ感と合わせ目先押し目買いポイントとしてはいい頃合いに思われたが、なかなか思惑通りにはいかないのが相場の相場たるゆえんである。  足もと不穏な値動きの米国株市場と歩調を合わせる展開だが、日経平均はハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数との連動性の強さが改めて確認される形となっている。もっとも、ナスダック指数とほぼ同じタイミングで25日移動平均線を下回ってきたのだが、上昇のプロセスは大分異なる。ナスダック指数の方は5月から一貫して実需の買いによる下値切り上げトレンドを構築してきたのに対し、日経平均は7月に入ってからショート筋の踏み上げでいきなり上昇エンジンがかかり、それも束の間、上旬に演じた急騰を中旬には全部吐き出すという、極めて短期間に強気と弱気が入れ替わる起伏の激しいチャートを形成している。  これはAIアルゴリズム売買に振り回された形跡が強く残されている。ファンダメンタルズやテクニカルに基づいた生半可な相場観では対処しにくい、神ならぬ“AIのみぞ知る”相場展開だ。そうしたなか、一つ言えるのはその時のムードに流されず、ロング・ショートいずれも逆境で目をつむって逆張りに徹した方が良い結果に恵まれやすいということ。高値で空売りを狙うスタンスは推奨できないが、少なくとも深押し場面は買いを入れるチャンスとなっているケースが多い。それを念頭に置けば今は手出し無用に見える半導体セクターも、そろそろ風向きが変わるタイミングが近いのかもしれない。  ただし、中長期トレンドでみた場合、それはまた別次元の話である。例えば半導体製造装置業界最大手の東京エレクトロン<8035.T>の場合、3万5000円近辺での突出した滞留出来高をこなし切って上に突き抜けるのは、よほどの好条件が揃わない限り難しい。ネット証券大手の店内では、きょうは個人投資家が半導体関連の主力銘柄を、信用取引を活用して強烈に買い越しているという。確かにディスコ<6146.T>などの値運びを見れば、足もとの業績好調にもかかわらず、不条理に売られ過ぎという判断が働くのは当然だが、本当に底値を拾いに行くのであれば、「きょう信用で買い向かった資金が、狼狽売り(投げ売り)に転じるような場面」である。当面は短期リバウンドのサヤ取りの領域を抜け出せない。  米国株市場でもこれまでの強気ムードがにわかに霧消している。機関投資家が持たざるリスクに突き上げられて買い続けた反動が顕在化している。それを如実に暗示しているのが恐怖指数と称されるVIX指数だ。前週末19日は引け値ベースで16.52と4月下旬以来3カ月ぶりの高値水準に浮上した。しかもこの日はザラ場で安値10.62まで急低下する場面があり、1日の変動値幅は6.5ポイントに達した。市場筋は「オプションか何かにリンクさせたAIトレードの影響が出ている可能性がある」(中堅証券ストラテジスト)と指摘するが、いずれにせよ米株市場でもダッチロールを思わせる怪しい雰囲気が漂う。  11月の米大統領選でのバイデン大統領の“勇気ある撤退表明”については、少なくともサプライズではない。マーケットは早い段階から織り込みが進んでいた。しかし、今回の大統領選はトランプVS反トランプの戦いであり、その意味ではまだ予断を許さない。市場では「ヒラリーでも成し得なかった『ガラスの天井』を突き破る役回りを棚ボタ的にカマラ・ハリス氏が担う可能性もある」(生保系アナリスト)とする声もある。妊娠中絶を巡る問題がトランプ再選のアキレス腱になるという指摘で、バイデン氏撤退でむしろ「ほぼトラ」と言い切れなくなったという穿(うが)った見方も浮上している。  あすのスケジュールでは、基調的なインフレ率を捕捉するための指標が午後取引時間中に日銀から開示される。また、この日は東証スタンダード市場と名証メイン市場にフィットイージー<212A.T>が新規上場する。海外ではトルコ中銀の金融政策委員会の結果が公表されるほか、ハンガリー中銀の政策金利発表も行われる。米国では6月の中古住宅販売件数が発表される。また、米債券市場では2年国債の入札が予定されている。このほか、テスラ<TSLA>、アルファベット<GOOGL>の4~6月期決算発表にマーケットの関心が高い。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/07/22 17:00 みんかぶニュース コラム 東京株式(後場寄り付き)=日経平均株価は前場終値比で下げ渋る  後場寄り付き直後の東京株式市場では、日経平均株価が前営業日比390円安前後と前場終値と比較して下げ渋っている。外国為替市場では1ドル=157円50銭台の推移。アジアの主要株式市場は高安まちまち。 出所:MINKABU PRESS 2024/07/22 12:31 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=サントリBF、猛暑追い風で業績拡大期待  サントリー食品インターナショナル<2587.T>に注目したい。同社はサントリーホールディングスの子会社で清涼飲料大手。第1四半期(1~3月)の連結営業利益は前年同期比28.5%増の338億7600万円と堅調だった。コスト削減などで日本事業が伸びたほか、海外事業も順調だった。24年12月期の同利益は前期比5.1%増の1490億円と最高益の見通し。日本で今年10月に予定している値上げなども寄与する見通しだ。  今夏も猛暑が予想されていることは同社には追い風で、今期業績には増額修正期待も膨らんでいる。株価は6月に5897円の最高値をつけた後は一服局面だが、ここは格好の拾い場。先行き6000円台乗せから一段高が狙える。(地和) 出所:MINKABU PRESS 2024/07/22 10:00 みんかぶニュース コラム 22日の株式相場見通し=大幅続落、米株安でリスク回避の流れ続く    22日の東京株式市場は主力株中心にリスク回避の売りが広がり日経平均株価は4日続落となる可能性が高い。フシ目の4万円大台を大きく割り込み3万9000円台半ばまで水準を切り下げる場面も想定される。前週末は世界的に株式市場がリスクオフの流れとなり、欧州株市場ではドイツやフランスなど主要国の株価が総じて軟調だったほか、米国株市場でも景気敏感株やハイテク株などに幅広く売られる展開となった。マイクロソフトOSで発生した世界的なシステム障害により、セキュリティーに対する警戒感が一気に高まり、経済に対する悪影響が懸念されるなか株式市場でも狼狽売りを誘った。半導体関連への売りが噴出、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は3.1%安に売り込まれた。恐怖指数と称されるVIX指数も投資家心理の動揺が反映され乱高下、引けは16.5ポイントと3.7%の上昇を示した。米株市場の波乱含みの地合いが東京市場にも伝播することは回避しにくい状況にある。21日にバイデン米大統領が11月の大統領選からの撤退を表明したことも、ある程度は織り込まれていたとはいえマーケットにネガティブに左右しやすい。取引時間中は外国為替市場の動向や、米株価指数先物の値動きに神経質な展開となることが予想される。   19日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比377ドル49セント安の4万287ドル57セントと続落。ナスダック総合株価指数は同144.283ポイント安の1万7726.940だった。  日程面では、きょうは6月の白物家電出荷額、6月の食品スーパー売上高、6月の主要コンビニエンスストア売上高、6月の首都圏マンション販売、7月の中国最優遇貸出金利など。なお、タイ市場は休場。 出所:MINKABU PRESS 2024/07/22 08:01 みんかぶニュース コラム 来週の株式相場に向けて=「トランプ効果」で夏相場に潮目の変化は起こるか  7月第3週(16~19日)の日経平均株価は前週に比べ1126円(2.7%)安と4週ぶりに反落した。11日に終値で4万2224円と史上最高値を更新したが、翌12日に1033円安、18日も971円安に見舞われた。  足もとの高値波乱の背景には、ひとつには「為替の円安基調の変化」、もうひとつは「半導体などハイテク株の波乱」がある。そして、この波乱をもたらした要因としてトランプ氏による米大統領への再選期待が膨らんだことが挙げられている。  直近の半導体株の波乱となったのは「対中半導体規制の強化」に関する報道だ。この報道はバイデン政権の方針として伝えられたが、当然トランプ氏も同様の姿勢を打ち出している。更に、同氏は台湾について「米国の半導体ビジネスを全て奪った」とも発言している。この発言に対してアナリストからは「トランプ氏は台湾積体電路製造(TSMC)<TSM>をどう扱おうとしているのか」と警戒する声が出ている。TSMCの動向はエヌビディア<NVDA>を含めた世界の半導体企業に影響を及ぼすことが予想される。  また、同氏の「アメリカ・ファースト」政策で米国に製造拠点を取り戻すためには、ドル安を志向しているとみられている。米利下げ機運の高まりもあり、ドル安・円高が進みやすい状況が生まれている。  直近では、米民主党は大統領候補をバイデン氏からカマラ・ハリス氏に乗り換えるのではとの見方もある。今後の状況は不透明だが、「民主党としてはハリス氏を新たな候補とすることで、せめて議会選でも大敗することは避けようとしているように思える」(市場関係者)との見方がある。予想より早く訪れた「トランプ効果」は夏相場の状況も左右しそうな気配だ。  来週は海外では25日に米4~6月期GDPが発表される。26日にパリ五輪が開幕する。22日にアルファベット<GOOG>、テスラ<TSLA>、24日にIBM<IBM>が決算発表を行う。  国内では、25日に6月全国百貨店売上高、26日に東京都区部消費者物価指数(CPI)が公表される。また、決算発表が本格化する。23日にニデック<6594.T>、三菱自動車工業<7211.T>、24日にオービック<4684.T>、25日にルネサスエレクトロニクス<6723.T>、富士通<6702.T>、26日にキーエンス<6861.T>、信越化学工業<4063.T>などが予定している。23日に東証スタンダード市場にフィットイージー<212A.T>が新規上場する。来週の日経平均株価の予想レンジは3万9200~4万1200円前後。(岡里英幸) 出所:MINKABU PRESS 2024/07/19 17:31 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=マルハニチロ、PBR1倍割れの円高メリット株  マルハニチロ<1333.T>の上昇についていきたい。足もと為替市場では日米の金融政策や米大統領選の動向を見据え、ドル売り・円買いの動きが強まっている。円高メリット株への関心が高まっており、その一角である同社の注目度も増しつつある。  業績は好調だ。25年3月期の売上高は前期比1.9%増の1兆500億円、営業利益は同13.1%増の300億円を予想。営業利益は2期ぶりに最高益を更新する見通しだ。配当は前期比15円増の100円を見込む。株価はバリュー株物色の流れに乗る形でここまで上昇トレンドを続けてきたが、依然としてPBR1倍割れの状況にあり、一段の水準訂正が期待される。(イ) 出所:MINKABU PRESS 2024/07/19 10:00 みんかぶニュース コラム 19日の株式相場見通し=続落か、ダウ急落受け売り優勢も下値は限定的に  19日の東京株式市場は強弱観対立のなかも引き続きリスク回避目的の売りが優勢となり、日経平均株価は3日続落となりそうだ。前日の欧州株市場では主要国の株価が高安まちまちとなり、仏CAC40は反発したものの、独DAXは4日続落と下値模索が続いている。ECB理事会の結果は事前予想通り政策金利が据え置かれ、ラガルドECB総裁の記者会見でも今後の政策の方向性が明示されなかったことから、マーケットの反応は限られている。一方、米国株市場では注目された台湾の半導体受託製造最大手TSMC<TSM>の4~6月期決算が好調な内容であったことで、朝方はこれを好感する形で半導体株中心に買い戻しが入り、NYダウ、ナスダック総合株価指数ともに高く推移した。だが強調展開は続かず、ほどなくマイナス圏に沈んでいる。特に前日まで6連騰でこの間に1900ドルあまり水準を切り上げていたダウについては下げ幅が500ドルを超える大幅下落となった。バイデン米大統領の11月の大統領選からの撤退観測が高まるなか、先行き不透明感が意識された。また、この日に発表された週間の米新規失業保険申請件数が市場コンセンサスを上回る高い水準となったことで、米経済のソフトランディング期待がやや後退したことも上値の重石となった。東京市場ではNYダウの大幅下落を受けて、リスクオフの地合いが想定されるが、日経平均は前日に1000円近い急落をみせたこともあり、目先ショートポジションの解消や、値ごろ感からの押し目買いで下値は限定的なものにとどまりそうだ。売り物をこなした後は上昇に転じるケースも考えられる。  18日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比533ドル06セント安の4万665ドル02セントと7日ぶり反落。ナスダック総合株価指数は同125.702ポイント安の1万7871.223だった。  日程面では、きょうは朝方取引開始前に6月の全国消費者物価指数(CPI)が発表される。また、午前中に3カ月物国庫短期証券の入札が予定される。海外ではマレーシアの4~6月期GDP速報値、6月の英小売売上高など。また、米国ではウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁の講演が予定されている。 出所:MINKABU PRESS 2024/07/19 08:01 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=「生成AI+半導体」から転変するマネー  きょう(18日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比971円安の4万126円と大幅続落。寄り後早々に下げ幅は1000円近くまで広がり、一気に4万円大台攻防の様相を呈した。その後は下げ渋ったものの、戻り足に転じることもなく後場終盤に売り直され、結局この日の安値圏で引けた。ここ最近の日経平均の時価予想PERは17~18倍台であり、今期企業業績の増額修正期待を考慮すればファンダメンタルズ比較で今が明らかに買われ過ぎということにはならない。しかし、株式需給面からの視点では、4万円大台は吹き曝しの高台に立つようなもので、横殴りの突風にしばしばバランスを崩す。きょうの急落もそのよくある光景の一つといえるが、やはり大勢トレンドの変化、つまり長期波動のベクトルが下に向くことに対する警戒感は常に漂っている。  前日の米国株市場で半導体セクターへの売りが噴出、堰を切ったような売り注文でフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は6.8%安と20年3月のコロナショック以来の暴落となった。生成AIと先端半導体は表裏一体の最強テーマであったが、その歯車がゆっくりと逆回転を始めたイメージがある。それを示唆するのが、象徴株となっていたエヌビディア<NVDA>の変調だ。このエヌビディアの株価とSOX指数はトレンドが酷似しており、この日はエヌビディアも6.6%安で同指数と足並みを揃え大陰線を引いた。最近はどちらかといえばエヌビディア株の方が“より弱く”、これにSOX指数が同期していくような展開をみせていた。この日の急落はその延長線上のひとコマとなった。  米株市場においてエヌビディア株を持たざるリスクが極大化するなか、「機関投資家はひたすらロングポジションを貫くよりなかったが、一方で本能的には利益確定をしたいという欲求と綱引きの状態にあった」(中堅証券ストラテジスト)と指摘する。これは、ある意味利食いを肯定化する「売りの口実」を渇望している状況にも等しい。  そうしたなか、バイデン米政権が先端半導体の対中規制を強化する動きが報じられたほか、米大統領返り咲きが現実味を帯びているトランプ氏が、台湾防衛に批判的ともとれる発言をしたことでTSMC<TSM>の株価急落を招き、半導体関連株は売り一色に染まった。当然ながらエヌビディア株も利食い急ぎの動きが顕在化し、このリスクオフの大波がきょうの東京市場にも押し寄せた格好である。折からのドル売り・円買いの動きが加速し1ドル=155円台まで円高が進んだことも、マーケット心理を冷やした。  日経平均は寄り後早々に985円安まで売り込まれ、その後は下げ渋る展開となったが、戻り足に転じることもできず4万円トビ台前半を彷徨した。テクニカル的には3万9900円台にある上向きの25日移動平均線との上方カイ離解消が迫っており、いったん買い場となる可能性はある。ただ、日経平均への影響が大きい半導体主力銘柄の崩れ足の修復はそう簡単ではない。  もっとも、個人投資家にすればそれほど悲観する地合いではないともいえる。というのは、日経平均に目を奪われがちだが、集中的に売られている半導体関連を除けば内需株を中心に頑強な値動きを示しているものも少なくないからだ。この日も業種別には33業種中8業種が高く、食料品などのディフェンシブストックは、むしろ上昇する銘柄の方が目立っていた。個別株ベースでも全面安ではなく、値下がり銘柄数は全体の7割に届いていない。当面は半導体関連という危険地帯から退避してきた投資マネーが、新たな流入先を求める地合いが想定され、個別株物色という観点からはプラスに働くケースもある。ここはアンテナを高くして、全方位型で全体相場の影響を受けにくい材料株へのシフトを考えたい。テーマとしては最高値圏を走る金市況関連で松田産業<7456.T>や住友金属鉱山<5713.T>を継続マーク。また、新たなところでは急速に普及する無人レジ関連で業績好変化のサインポスト<3996.T>や、ここ動意が相次ぐバイオ関連セクターからは、再生医療分野の研究開発型バイオテックとして頭角を現すステムリム<4599.T>が思惑含みのチャートを形成している。  あすのスケジュールでは、朝方取引開始前に6月の全国消費者物価指数(CPI)が発表される。また、午前中に3カ月物国庫短期証券の入札が予定される。海外ではマレーシアの4~6月期GDP速報値、6月の英小売売上高など。また、米国ではウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁の講演が予定され、その内容がマーケットの関心を集めそうだ。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/07/18 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=神島化、高付加価値品を積極投入  神島化学工業<4026.T>の25年4月期通期の単独営業利益は前期比11.0%増の23億5000万円が予想され、年間配当は前期比2円増配の44円が計画されている。  主力の建材事業で住宅分野は高級軒天ボードなどの高付加価値製品の推進や採算性の向上に努め、非住宅分野では好調な高層ビル需要の取り込みに注力する構え。また、化成品事業については大型設備完成による拡販や高機能・高付加価値の新製品開発品の市場投入を積極化する方針だ。原材料の高止まりなど懸念材料もあるが、原価低減・生産性の向上により一層の合理化・コストダウンを図るとともに、価格転嫁も進めるとしている。  株価は6月17日に年初来高値2162円をつけたあとの調整を経て、足もとは仕切り直しの動き。短期トレンドを示す25日移動平均線は上昇基調にあり、上値を試す展開に期待したい。(参) 出所:MINKABU PRESS 2024/07/18 10:00 みんかぶニュース コラム 18日の株式相場見通し=大幅続落、半導体株の一段安を警戒  18日の東京株式市場は主力株を中心に売りが広がり、日経平均株価は大幅続落となりそうだ。前日の欧州株市場はECB理事会の結果発表とラガルドECB総裁の記者会見を前に様子見ムードが強く高安まちまちの動きだった。一方、米国株市場ではNYダウが6連騰と上値指向を強め連日の最高値更新と気を吐いたが、半導体セクターへの売り圧力が一段と強まるなか、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は2.8%安と急反落する展開となった。バイデン米政権が半導体の対中規制を一段と強化する動きが伝わったことで、これが大きく嫌気されている。また、11月の大統領選で勝利する可能性が高いとみられているトランプ前大統領も中国に対する強硬姿勢を明示しており、半導体関連への逆風が改めて意識される局面となった。そうしたなか、FRBによる早期利下げ期待が強まるなかで景気敏感株への投資資金シフトが鮮明となり、ダウとナスダック指数の明暗を分ける形となっている。米株市場の地合いを引き継ぎ、東京市場では半導体セクターへの売りが更に強まりそうで、これが日経平均の押し下げ圧力として顕在化しそうだ。また、外国為替市場では日米金利差縮小の思惑を背景にドル売り・円買いが進み、1ドル=156円近辺まで円高が進行していることも半導体株安を助長する公算が大きい。日経平均は4万円トビ台前半まで一気に水準を切り下げる可能性がある。中小型株への物色意欲がどの程度全体相場に反映されるかがポイントとなりそうだ。  17日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比243ドル60セント高の4万1198ドル08セントと6日続伸。ナスダック総合株価指数は同512.415ポイント安の1万7996.925だった。  日程面では、きょうは6月の貿易統計、7月の主要銀行貸出動向アンケート調査、1年物国庫短期証券の入札及び5年物クライメート・トラジション利付国債の入札、実質輸出入動向など。海外では、6月の豪雇用統計、6月の英失業率、ECB理事会の結果発表とラガルドECB総裁の記者会見、南アフリカの金融政策委員会、週間の米新規失業保険申請件数、7月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、6月の景気先行指標指数など。 出所:MINKABU PRESS 2024/07/18 07:59 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=半導体株崩落と中小型株復活の真相  きょう(17日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比177円安の4万1097円と反落。前日の米国株市場でNYダウが740ドルあまりの急騰を演じ、このリスクオンの流れを引き継いで朝方は買い優勢に傾いたものの、その後は上値の重さが露呈、後場に入ると急速に値を消し下値を模索する弱地合いに変わった。ただ、TOPIXは日経平均とは対照的な値動きとなり、終始プラス圏で売り物をこなした。  米国株市場のみならず、東京市場でも「トランプ・トレード」が花盛りである。銃撃を受けながらもトランプ前大統領は無双の強運ぶりを発揮、突き上げた拳はドラクロワの描いた「民衆を導く自由の女神」を彷彿とさせ、語弊を承知で言えばまさに選ばれし者としてのカリスマ性を存分に発揮する舞台となった。市場では「日米ともに株価がバブル圏に足を踏み込んでいる可能性は否めないが、半導体バブルに代わってトランプ・バブルが最終ステージのメーンイベントとなる」(中堅証券ストラテジスト)という声すら聞かれる。  きょうの相場では三菱重工業<7011.T>を筆頭に、川崎重工業<7012.T>やIHI<7013.T>の防衛関連の三羽烏が買われたが、特に金品提供問題で空売りの溜まっていた川重の踏み上げ相場が際立った。しかし、トランプ氏が11月の大統領選に勝利する可能性が高まったとはいえ、まだ難関がいくつも控え、道は決して平坦ではない。半導体製造装置関連株の崩れ足が前途に影を落としている。スコーピオン・キャピタルの売り仕掛けで暴落に見舞われたレーザーテック<6920.T>のみならず、ここにきて業界最大手東京エレクトロン<8035.T>の下げっぷりも大勢上昇トレンドの終焉を示唆するだけのインパクトがある。これは、バイデン米政権による半導体の対中規制強化の観測報道が嫌気されたという解釈だが「今さら」であり、トランプ相場の只中では、証文の出し遅れのような話しである。  半導体株崩落の真相は極めて強硬な政策スタンスをとる副大統領候補バンス氏の存在が影響しているという見方がある。「バンス氏はトランプ路線継承者というよりも遥かに過激で、特に対中政策については超のつく強硬派。日本の半導体製造装置メーカーにはかなりの打撃となり得る」(ネット証券アナリスト)と断言する。トランプ・トレードは足もとで相場の上昇エンジンとなっているが、バンス氏の存在によって思わぬ落とし穴にはまる懸念がある。「ここにきてのラッセル2000の急騰も、バンス氏の政策でビッグテックへの風当たりが強まるとの思惑が底流している」(同)という。この流れが海を渡って、日本のグロース市場の底入れに一役買っているとすれば皮肉な話ではあるが、ともあれ、今はトランプ・エフェクトで内需の中小型株が刺激される構図が浮き彫りとなりつつある。  中小型株では国際的にも安全保障の要衝となっているサイバーセキュリティー関連株に着目。防衛関連の裏銘柄で、本命はFFRIセキュリティ<3692.T>だが、タイミング的にはランサムウェア対策製品に注力の構えにあるセキュアヴェイル<3042.T>のリバウンド狙いも面白い。現状は滞留出来高の多い340~350円近辺をクリアできるかどうかは微妙だが、貸株市場を通じた空売りが高水準に溜まっていることで買い戻しによる浮揚力が働きやすい。また、直近IPO銘柄のカウリス<153A.T>などの底値買いも一法。  一方、新紙幣の発行で電子決済需要が喚起されている。ウェルネット<2428.T>はプリペイド型電子マネーや電子チケットに注力し同社独自技術で需要開拓が進んでいる。また、企業DX支援も中小型株の主戦場で実力株が目白押しだ。同分野の先駆的銘柄であるYE DIGITAL<2354.T>をマーク。不動産周辺では、ホテル分野に傾注するコスモスイニシア<8844.T>に注目したい。更にバイオ関連株にも動意株が相次いでおり、資金の回転は速くても、最近は打ち寄せる波のように断続的に資金が流れ込む地合いに変化している。連続陽線で静かに上値を慕う免疫生物研究所<4570.T>をチェックしておきたい。  あすのスケジュールでは、6月の貿易統計、7月の主要銀行貸出動向アンケート調査、1年物国庫短期証券の入札及び5年物クライメート・トラジション利付国債の入札、実質輸出入動向など。また、東証スタンダード市場にカドス・コーポレーション<211A.T>が新規上場する。海外では、6月の豪雇用統計、6月の英失業率のほか、ECB理事会の結果発表とラガルドECB総裁の記者会見、南アフリカの金融政策委員会、週間の米新規失業保険申請件数、7月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、6月の景気先行指標指数など。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/07/17 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=円谷フィHD、「ウルトラマン」効果に期待  円谷フィールズホールディングス<2767.T>は5月30日安値1426円を起点に上昇基調に転じているが、PER9倍台の時価水準は割安感が強く更なる上昇余地が感じられる。  同社はパチンコ・パチスロなど遊技機の企画開発・販売のほか、映画、テレビ番組の企画・製作やキャラクター商品の企画・製作・販売などを行うコンテンツ&デジタル事業を展開する。24年3月期は遊技機事業が「エヴァンゲリオン」シリーズを中心に好調に推移。「ウルトラマン」ライセンス収入が伸び悩みコンテンツ&デジタル事業は苦戦したが、営業利益は118億2700万円(前の期比8.0%増)で着地した。  25年3月期は、24年3月に子会社化したソフィアグループの寄与もあり、引き続き遊技機事業の伸長を見込む。注目はコンテンツ&デジタル事業の復調で、6月にNetflixで配信を開始したアニメ映画「Ultraman:Rising」は、グローバル視聴ランキングで最高2位を獲得。IPの認知度向上に貢献し、10月25日に発売が予定されている「ウルトラマン」の新カードゲーム展開にも好影響を与えよう。  25年3月期は、会社側では営業利益152億円(前期比28.5%増)を計画するも、調査機関では上振れを見込むところが多い。26年3月期以降はASEANでのライセンス収入の拡大が予想され、連続大幅増益が期待できそうだ。(仁) 出所:MINKABU PRESS 2024/07/17 10:00 みんかぶニュース コラム 17日の株式相場見通し=続伸、NYダウの大幅高受けリスクオン  17日の東京株式市場は強気優勢の地合いが予想され、日経平均株価は続伸する公算が大きい。4万1000円台後半をうかがう展開となりそうだ。前日の欧州株市場はドイツやフランスなど主要国をはじめほぼ全面安商状となった。中国経済の減速が欧州経済にも影響を与えるとの警戒感がくすぶるほか、18日に予定されるECB理事会の結果発表を前に見送りムードが強かった。ところが米国株市場では、景気敏感株中心に買いが集まり、NYダウが700ドルを超える急伸をみせ連日で史上最高値を更新した。この日発表された6月の米小売売上高が市場コンセンサスを上回り個人消費の底堅さが確認されたほか、FRBによる9月利下げ期待も根強く、“ゴルディロックス相場”への期待感が全体を押し上げている。ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も3日続伸となったが、こちらは小幅の上昇にとどまった。エヌビディア<NVDA>やメタ・プラットフォームズ<META>など大手IT株の一角が軟調だった。なお、時価総額の比較的小さい銘柄に物色の矛先が向き、中小型株で構成されるラッセル2000は大きく上昇している。東京市場では、前日に日経平均が反発したものの終盤伸び悩む展開で上昇率は0.2%とわずかだった。外国為替市場では足もと円安が一服しており、輸出セクターへの追い風はやや弱まっているが、日銀の金融政策正常化に向けた思惑を背景に銀行株などに投資資金が流入している。きょうは、米株市場でのNYダウ大幅上昇を好感する形で、終始リスクオンの地合いが想定される。  16日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比742ドル76セント高の4万954ドル48セントと5日続伸。ナスダック総合株価指数は同36.774ポイント高の1万8509.340だった。  日程面では、きょうは引け後に6月の訪日外国人客数が発表される。海外では、6月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値、6月の英CPI、6月の米住宅着工件数、6月の米鉱工業生産・設備稼働率、米地区連銀経済報告(ベージュブック)など。 出所:MINKABU PRESS 2024/07/17 08:00 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=「トランプラリー」での小型株上昇は何を示唆するか  連休明け16日の東京株式市場で、日経平均株価は前営業日比84円高の4万1275円と反発した。前週末に1000円を超す下げとなった後、国内連休中に米ハイテク株が堅調に推移し、NYダウ平均株価は最高値を更新した。トランプ前大統領への銃撃事件というショッキングな出来事が起きながらも、演壇で星条旗を背景に拳を振り上げるトランプ氏は「強いアメリカ」を体現する人物と米国民の一部には受け止められたに違いない。「トランプラリー」の再燃シナリオが意識されるなか、日経平均は短期的な過熱感と円安基調の一服が圧迫要因となり朝高後に伸び悩んだが、三菱重工業<7011.T>など防衛関連株や、三井住友フィナンシャルグループ<8316.T>や第一生命ホールディングス<8750.T>をはじめとする金融株に買いの矛先が向かった。  もう一つ、東証グロース市場250指数の上昇も市場参加者の関心を集めた。前週末に3%を超す急伸となったことから、利益確定売りに押されやすい局面にあったものの、終値は前週末比0.62%高と、上昇率は日経平均(0.20%)やTOPIX(東証株価指数、0.34%)を上回った。  米国では7月11日の消費者物価指数(CPI)公表後、代表的な中小型株指数であるラッセル2000指数に強い上昇圧力が掛かっている。CPIの公表を受けて米連邦準備制度理事会(FRB)による年内2回の利下げシナリオの織り込みが一段と進んだ一方で、トランプ氏の「アメリカファースト」型の政策が財政赤字を拡張させるとの見方もあって、15日の米国市場では10年債利回りは上昇。政策金利の影響を受けやすい2年債利回りが横ばい圏内となるなかで、2年債と30年債利回りの逆イールド状態が解消し、2年債・10年債のマイナスの利回り格差は縮小した。  逆イールドの解消は、教科書的には金融セクターの収益環境にプラス効果をもたらすものとなる。半面、長期金利の指標となる10年債利回りの上昇そのものは、グロース株の多い小型株には逆風となる。そもそも米国でも日本でも、大型株優位の展開が続いていた。利下げ観測の高まりに伴って、出遅れ状態の修正を狙った資金が一時的に中小型株に流入したとみることもでき、上昇の持続性についてはなお疑問符がついた状態と言えるだろう。  更に、長期金利の上昇シナリオに関して留意をしなければならないのが、次期大統領の任期である。トランプ氏が11月の大統領選で勝利を収めたとしても、任期は残り4年。「4年の『期間限定』となれば、トランプ氏が掲げる減税恒久化などの諸政策のいくつかは、財政赤字の現状から共和党内でいずれ修正を迫られることとなりそうだ。副大統領候補のバンス氏を含め、共和党が現実路線をとるシナリオが存在する以上、市場の想定通り中期的に10年債の利回りの水準が切り上がっていけるかどうかは読みにくい」(中堅証券ストラテジスト)との声もある。トランプ氏がドル高を嫌ってFRBに利下げ圧力を掛けるシナリオも存在するだけに、金利上昇を見込む市場のムードの変化については、神経をとがらせる必要がありそうだ。  加えて、欧州ではハンガリーが欧州連合(EU)の議長国となったが、オルバン首相はトランプ氏とともにロシアのプーチン大統領と近い人物とされる。国際情勢が急変するリスクが横たわり、かつ中国景気の停滞懸念がくすぶっているのに対し、日本は岸田政権の支持率が低迷しながらも自公連立政権の枠組みは継続するとみられ、更に企業の保守的な業績予想の上振れ余地も見込まれている。海外勢による先物買いは一服したとみられ、相場の過熱感を冷ます過程に差し掛かってはいるものの、海外投資家の「消去法的」な買いが日本株を押し上げることへの期待感は根強い状況にあり、「海外勢の狙いそうな大型株に資金が集中する展開が続くのではないか」(同)とみる市場参加者は多い。  あすは国内では引け後に6月の訪日外客数が公表される。海外ではインド市場が休場。英国の6月消費者物価指数、ユーロ圏6月消費者物価指数の改定値、米6月住宅着工件数、米6月鉱工業生産指数が公表されるほか、米地区連銀経済報告(ベージュブック)も注目イベントとなる。このほか、ASMLホールディング<ASML>の決算発表や、米国の20年物国債入札も控えている。 出所:MINKABU PRESS 2024/07/16 17:01 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=アネスト岩田、ニッチトップの実力生かし業績絶好調  アネスト岩田<6381.T>の1600円台前後でのもみ合い局面は強気に買いで対処したい。同社は塗装機及び圧縮機などの大手メーカーで、塗装用のハンドスプレーガンでは国内で70%超のシェアを有するニッチトップ企業だ。また、国内だけでなく海外にも積極展開しており、海外売上高比率が6~7割を占めている。特にインドでは圧縮機の製造工場を現地に新設するなど販売戦略を強化しており、インド関連株の切り口を持つ。  業績は絶好調といってよい。24年3月期に続き25年3月期も営業最高益を更新する見通しにあり、前期比10%増の68億円を見込んでいる。株主還元にも前向きで、今期年間配当は前期実績に1円上乗せの50円を計画。配当利回りも3%前後と高く、PERにも割高感は感じられず中長期保有で妙味が大きい。(桂) 出所:MINKABU PRESS 2024/07/16 10:00 みんかぶニュース コラム 16日の株式相場見通し=一進一退か、連休中は米株上昇も円安一服が上値抑制  16日の東京株式市場で、日経平均株価は一進一退の展開が見込まれる。国内3連休中に米国株は上昇し、NYダウ平均株価は4万ドルの大台を回復後、過去最高値を更新した。13日に米国のトランプ前大統領への銃撃事件が発生。トランプ氏は耳を負傷したが、命に別状はなかった。銃撃事件後に市場ではトランプ氏が大統領選で勝利するとの見方が強まり、エネルギー関連株や金融株に資金を振り向ける流れが強まっている。一方、外国為替市場ではドル高・円安の流れが一服。米国時間15日には瞬間的に1ドル=157円10銭台まで円高に振れる場面があった。米連邦準備制度理事会(FRB)による年内2回の利下げ観測が強まるなかで、パウエル議長は同日、第2四半期の経済指標から、インフレが目標の2%に向かって鈍化していることへの自信を深めたとの認識を示し、一時的にドル売りが膨らんだ。更に、市場では前週後半に日本政府・日銀が連日で為替介入を行ったとの推測が出ている。前週末の日経平均は急速な円高進行や米ハイテク株の調整を背景に、1033円安と急落していた。その後、米国市場ではハイテク株が持ち直し、全体相場にリスク選好ムードが強まったとあって、16日朝方の東京市場では主力株に自律反発狙いの買いが見込まれる。金融やエネルギー関連銘柄には「トランプラリー」を意識した資金が流入することへの期待も高まっている。もっとも、円安基調の一服が輸出関連株の上値を圧迫する要因となるほか、全体相場は6月下旬以降の急ピッチな上昇を受けて引き続き短期的な過熱感が強まった状況にある。前週末に急伸したグロース市場の主要銘柄には、目先の利益を確定する目的の売りが膨らむ可能性もある。日経平均株価は4万1000円台での値固めの展開となるか、注目されることとなりそうだ。  15日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比210ドル82セント高の4万0211ドル72セントと4日続伸。ナスダック総合株価指数は同74.120ポイント高の1万8472.566と続伸した。  日程面では、きょうは国内では2014年1~6月分の日銀金融政策決定会合の議事録が公表されるほか、5月の第3次産業活動指数の発表を控えている。海外ではドイツの7月ZEW景況感指数とユーロ圏5月貿易収支、米6月小売売上高、米6月輸出入物価指数、米7月NAHB住宅市場指数などが公表される予定。バンク・オブ・アメリカ<BAC>やモルガン・スタンレー<MS>、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>が決算を発表する。 出所:MINKABU PRESS 2024/07/16 08:00 みんかぶニュース コラム 来週の株式相場に向けて=高値調整懸念も底堅さ堅持か、半導体企業決算に注目  12日の東京株式市場で日経平均株価は前日比1033円安と急落した。下げ幅は今年最大。下落率(2.4%)でも今年2番目の水準となったが、前日まで連日で最高値更新を演じていただけに「高値圏でのスピード調整」(アナリスト)とみる声は少なくない。  前日までの株価上昇に関しては「売り方の買い戻し」とも「出遅れていた日本株に海外勢が買いを入れてきた」とも言われている。実際、7月第1週(1~5日)の投資部門別売買動向では、海外投資家は現物・先物ともに2週連続買い越しで、特に先物の買い越し金額は昨年11月第2週以来の水準に膨らんだ。  一部には「7月下旬からの決算発表での業績増額修正期待を先回りした買いが入ったのでは」(市場関係者)との見方もある。となると、今月下旬からの決算発表の内容を確認することが必要となる。また、業績拡大期待の背景には為替の円安があるだけに、1ドル=160円台を割り込んだ円高水準は逆風となる。この為替動向を探るうえでも今月下旬の米連邦公開市場委員会(FOMC)と日銀金融政策決定会合が注視されそうだ。  市場関係者からは「相場の堅調地合いは強い」との声が聞かれる。ただ、東京市場は前のめり状態で上昇基調を強めただけに、今月下旬にかけていま一度足もとの状況を確認する場面となることも考えられそうだ。  そんななか、来週は米国の経済指標と有力半導体関連企業の決算が注目されそうだ。16日には米6月小売売上高が発表される。また、17日にオランダのASMLホールディング<ASML>、18日に台湾の台湾積体電路製造(TSMC)<TSM>の決算が発表される。その内容次第では半導体関連株などが再び大きく動くかもしれない。  上記以外のイベントでは、18日に米フィラデルフィア連銀製造業景気指数が公表される。15日にゴールドマン<GS>、16日にバンク・オブ・アメリカ<BAC>、モルガン・スタンレー<MS>、18日にネットフリックス<NFLX>、19日にアメックス<AXP>の決算発表が予定されている。  国内では、15日が「海の日」の祝日で休場。19日に6月消費者物価指数(CPI)が発表される。16日に東宝<9602.T>、古野電気<6814.T>、18日にディスコ<6146.T>、19日にB-R サーティワンアイスクリーム<2268.T>などの決算が予定されている。18日にカドス・コーポレーション<211A.T>が東証スタンダード市場に新規上場する。来週の日経平均株価の予想レンジは4万600~4万1800円前後。(岡里英幸) 出所:MINKABU PRESS 2024/07/12 17:08

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