みんかぶニュース コラムニュース一覧
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=口座開設が急増、東京メトロは吉と出るか
きょう(17日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比269円安の3万8911円と続落。半導体関連株が引き続き冴えない。午後に発表されたTSMC<TSM>の決算は事前予想から上振れ、今後の見通しについてもコンセンサスを上回った。しかし、関連銘柄は一瞬反応はしたものの、浮上したところに大口の売りをぶつけられ萎む展開に。半導体セクターの需給悪が改めて認識された。前日に13%超の急落でプライム市場の値下がり率首位に売り込まれたレーザーテック<6920.T>は、朝方こそ前日終値近辺で強弱観を対立させたが、その後は下値を探る展開に終始した。半導体製造装置関連の中で孤軍奮闘のアドバンテスト<6857.T>の方は後場に入ってジリジリと戻り歩調となり、TSMC効果で一時プラス圏に浮上する場面もあった。が、あと一歩踏み込めず小幅マイナス圏で着地。しかし、土壇場で8000円台をキープしたのは意地をみせたともいえる。
一方、この日買われたのは電力株だった。関西電力高浜原発1号機の今後10年間の管理方針認可を受け、原発の長期活用への思惑で電力株に投資資金が流入した。また、大手証券の投資判断引き上げも折良く買いの手掛かり材料となった。しかし、電力株は相場の柱にはなり得ない。半導体株の復権なくして日経平均の最高値奪回は見込めないといってよい。
話題としては、来週23日に東証プライム市場に上場する東京地下鉄<9023.T>。時価総額約7000億円という鳴り物入りの大型IPOとなるが、当然ながら一般的な認知度は申し分なく、市場では「東京メトロを買いたいがために、新規に口座開設する動きが想定以上となっている」という声も聞かれ、個人投資家の関心は投資初心者も含め非常に高いことがうかがわれる。配当性向40%以上を掲げており、インカムゲインの観点で魅力が指摘されていたが、公開価格が1200円と当初見込みより高めに決まったことで、配当利回りはその分低下する。また、業績面では収益は安定している一方、成長の伸びしろは限定的であることも否めない。しかし同社の場合、株主優待は大きな武器となる。東京メトロを利用する人であれば、優待と併せて実質的な配当利回りは見た目よりも大きくなる。
「全線きっぷ(片道)」が200株につき年間6枚贈呈されるが、市場筋の話では「100株単位の小口投資家が多いことで、セカンダリーでもとりあえず200株の倍数にしておこうという動きが出そうで、これは同社株の公開後の株価に浮揚効果をもたらす」(ネット証券アナリスト)という指摘もある。ちなみに1万株保有すれば「全線定期乗車証」に昇格、つまり、いつでもどこでも乗り放題ということになる。
資金吸収額が大きいだけに、換金売りによる株式需給面でのネガティブな作用が取り沙汰されないとも限らないが、それは一過性であり、一方で関連株探しの動きが個別物色人気に反映される可能性は念頭に置きたい。既に電力の需給計画や海運の配船計画、都市交通分野などでAI技術を活用した計画最適化システムを展開するグリッド<5582.T>が人気化しているが、これは大手鉄道事業者向けで同社が計画最適化に絡む案件を数多く抱えており、東京メトロ関連としての思惑が株価を突き動かしている面もあるようだ。「現時点で案件獲得はJRに限られている」(会社側)とするが、東京メトロや他の私鉄向けで今後商機を捉えることへの努力は否定していない。
グリッド以外に東京メトロ関連としてマークしたい銘柄としては、まずビーマップ<4316.T>。同社は鉄道などの交通関連向けに事業活動に連動したプラットフォーム構築などITソリューションを提供している。株価は400円台で75日移動平均線が下値サポートラインとして機能し、テクニカル的に買い安心感がある。また、同じく400円台でノーマーク状態といてよい駅探<3646.T>も、モビリティーサポートや広告配信プラットフォームで収益チャンスをつかむ可能性がある。
あすのスケジュールでは、9月の全国消費者物価指数(CPI)、対外・対内証券売買契約など。また、午前中に3カ月物国庫短期証券の入札が予定されている。海外では9月の中国70都市の新築住宅価格動向、9月の中国小売売上高、9月の中国工業生産高、9月の中国不動産開発投資、9月の中国固定資産投資、アジア太平洋経済協力会議(APEC)財務大臣会合などのほか、欧州では9月の英小売売上高、米国では9月の住宅着工件数などが発表される。なお、この日はウォラーFRB理事が講演を行う予定。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/10/17 17:00
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<注目銘柄>=QPS研究所、二番底形成から戻り本番へ
QPS研究所<5595.T>はここからの出直りに期待したい。株価は8月5日安値の1167円と9月17日安値の1188円で二番底を形成。その後、宇宙株物色の高まりを背景に9月下旬にかけて2100円台まで上昇し、足もとは1600円近辺で堅調に推移している。
小型人工衛星の開発・運用と、そこから取得した画像データの販売が進み、前24年5月期は売上高が前の期比4.4倍増と急拡大し、営業損益は黒字化を達成した。今期も大幅な増収を見込み、営業利益は減益予想であるものの黒字の定着はポジティブに捉えられる。最終損益は特別損失の影響などで赤字が続く見通しだ。第1四半期は増収・営業赤字で着地したが、会社側では「ほぼ計画通り」としており過度に不安視する必要はなさそうだ。(イ)
出所:MINKABU PRESS
2024/10/17 10:00
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17日の株式相場見通し=反発、米株高受けリバウンド狙いの買いが優勢に
17日の東京株式市場は幅広く買い戻される展開となり、日経平均株価は反発する可能性が高い。前日の700円を超える下げ分を取り戻すには至らないものの、3万9000円台前半から半ばのゾーンで頑強な値動きが予想される。前日の欧州株市場は高安まちまちの展開となったが、米国株市場では金融株や景気敏感株を中心に買い戻す動きが優勢で、NYダウは2日ぶりに最高値を更新した。朝方に発表されたモルガン・スタンレー<MS>の決算が事前のコンセンサスを上回る内容だったことから、同社株が大幅上昇したほか、その他の大手金融株にも買いが流入し全体相場を押し上げた。前の日に大きく売り込まれたエヌビディア<NVDA>が3%超の上昇をみせたのをはじめ、半導体関連も切り返しに転じる銘柄が目立ち、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も小幅ながら反発した。これを受けて東京市場でも目先リバウンド狙いの買いが先行しそうだ。外国為替市場では足もとドル買い・円売りの動きが優勢となっていることも自動車やハイテクなど輸出セクターに追い風となりやすい。一方、テクニカル的には、前日に日経平均はマドを開けて陰線で5日移動平均線を下回っており、目先持ち高調整の売り圧力が意識され上値も重い可能性がある。取引時間中は米株価指数先物や為替動向に左右されそうだ。
16日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比337ドル28セント高の4万3077ドル70セントと反発。ナスダック総合株価指数は同51.492ポイント高の1万8367.079だった。
日程面では、きょうは9月の貿易統計、8月の第3次産業活動指数、実質輸出入の動向など。海外ではトルコ中銀の政策金利発表、9月のユーロ圏消費者物価指数(改定値)、ECB理事会の結果発表とラガルドECB総裁の記者会見、10月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、10月の全米建設業協会(NAHB)住宅市場指数、9月の米小売売上高、9月の米鉱工業生産指数・設備稼働率、8月の米企業在庫、8月の対米証券投資など。
出所:MINKABU PRESS
2024/10/17 08:00
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明日の株式相場に向けて=アドバンテストとレーザーテックの明暗
きょう(16日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比730円安の3万9180円と5日ぶり急反落。前日の寄り付きに4万円大台をあっさり回復した日経平均だったが、“うたかたの夢”だったかと思わせるような趣きである。きょうは朝方から先物主導で売りの集中砲火を浴び、取引を開始してわずか十数分後に3万9000円トビ台まで水準を切り下げた。前日の続きであれば4万円大台絡みの攻防というのが普通の流れだが、実際はそれよりも1000円下の水準で売り買いを交錯させた。
悪役となったのは日経平均寄与度の高い半導体関連で、日経平均構成比率で第2位にランクされる東京エレクトロン<8035.T>が1銘柄で日経平均を240円あまり押し下げた。更に、プライム市場で売買代金首位となったレーザーテック<6920.T>は一時14%安と急落、売買代金だけでなく値下がり率でもプライム市場トップとなった。前日に1590円高と値を飛ばし、久しぶりにマーケットの視線を集めたのも束の間、きょうは3400円を超える倍返し以上の下げに見舞われ投資マインドをフリーズさせる格好となっている。
8月初旬の日経平均大暴落の残像が消えないなか、投資家にすればなかなか本腰を入れた投資はできない。黙って見ていればスルスル上がるが、積み上げた途端に崩されるパターンの連続ではテーマ株物色のような中期スタンスの買いは入れにくい。きょうの半導体関連にとって、出会い頭的な悪材料となったのが、オランダの半導体製造装置大手ASML<ASML>が誤って予定よりも1日早く発表した7~9月期決算だ。このフライング開示にマーケットはざわついたが、その内容もネガティブな要素をはらんでいた。7~9月期のEPSは市場予想を上回る一方、同期間の新規受注が事前コンセンサスから大幅に下振れた。25年12月期通期業績予想についても下方修正を発表し、売り攻勢を誘発。この日、ASMLは16.3%安と暴落したが、東京市場にもリスクオフの波が押し寄せた。
ASMLの決算の中身について市場では「生成AI用半導体向け装置は順調に伸びていることが確認できたが、それ以上にスマートフォン用メモリー関連の需要の落ち込みが全体収益にダメージ」(ネット証券マーケットアナリスト)と指摘する。つまりAI用半導体向けは好調だが、それよりもパイが大きいメモリー全般については広帯域のHBMを除き、需要が低迷しているという現状が浮き彫りとなった。
そのなか、マスクブランクス検査装置でASMLと密接な取引関係を持つレーザーテクの下げが大きくなったのは半ば想定されたことだが、それ以上にアドバンテスト<6857.T>の底堅さが光った。これはアドテストがエヌビディアのGPU向け、つまりAI用半導体向けテスターで圧倒的な納入実績を有することで、他の半導体製造装置関連と一線を画す存在に位置付けられていることを示唆する。GPUはコアと称される演算回路の数が極めて多く、これに比例してテスター需要を大方の想定以上に強く喚起するという。
半導体関連については折悪しく、エヌビディア<NVDA>やアドバンスト・マイクロ・デバイシズ<AMD>などが製造販売する生成AI用半導体について、米政府が中東諸国を念頭に置いた国ごとの輸出規制を検討しているとブルームバーグ通信が報じたこともセンチメント悪化に拍車をかけた。まだその概要もはっきりせず、ここでの“検討報道”は売り方と組んでいるのではないかと思わせるようなタイミングであった。ともあれ、この押し目が半導体セクターにとって拾い場を提供しているのかどうかは、もう少し様子を見る必要がある。一つ言えることは、アドテストの相対的な優位性が一段と際立ってきていることで、今後もそのポジションが維持されるのかどうかも併せて注目となる。
あすのスケジュールでは、9月の貿易統計、8月の第3次産業活動指数、実質輸出入の動向などが開示される。個別企業の決算では国内ではディスコ<6146.T>が発表予定。また、台湾のTSMC<TSM>の決算発表に注目度が高い。海外ではトルコ中銀の政策金利発表、9月のユーロ圏消費者物価指数(改定値)のほか、ECB理事会の結果発表とラガルドECB総裁の記者会見に市場の関心が高い。このほか週間の米新規失業保険申請件数、10月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、10月の全米建設業協会(NAHB)住宅市場指数、9月の米小売売上高、9月の米鉱工業生産指数・設備稼働率、8月の米企業在庫、8月の対米証券投資など。米企業の決算発表ではネットフリックス<NFLX>が注目される。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/10/16 17:00
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<注目銘柄>=大有機、業績回復から拡大基調へ
大阪有機化学工業<4187.T>は、7月16日に年初来高値4255円をつけたあと、半導体関連銘柄の低迷や全般相場の下落を受けて調整していたが、9月9日安値2805円を起点に戻り歩調に転じている。当面、業績回復期待を背景に戻りを試す展開が続きそうだ。
同社は、半導体用フォトレジスト原料やディスプレー用材料、自動車用塗料、粘接着剤などに欠かせないアクリル酸エステルの製造販売が主な事業。10月11日に発表した第3四半期累計(23年12月~24年8月)連結決算は、営業利益が29億9700万円(前年同期比1.9%減)と減益となった。電子材料事業の主力製品であるArFレジスト用原料の販売減少などが響いた。
ただ、最先端のEUVレジスト用原料は実用化の進展から販売は大幅に増加しているほか、半導体市場が緩やかに回復に向かっていることを背景にArFレジスト用原料も復調に向かっている。ディスプレー関連の新規材料も伸長しており、電子材料事業は回復基調が鮮明。また、化成品事業における自動車向け材料も好転しており、業績は着実に回復基調にある。会社側の24年11月期営業利益42億円(前期比17.4%増)予想は上振れの可能性が高い。また、25年11月期については、調査機関によっては営業利益55億円前後を見込むところもあり、業績は回復から拡大基調へと向かいそうだ。(仁)
出所:MINKABU PRESS
2024/10/16 10:00
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16日の株式相場見通し=5日ぶり急反落、米半導体株安でリスクオフ
16日の東京株式市場は主力株をはじめ広範囲に売りが優勢となり、日経平均株価は5日ぶりに大幅反落となりそうだ。前日の取引時間中にフシ目の4万円大台を回復したが、大引けは3万9000円台に押し返されるなど利益確定売り圧力も観測された。きょうはその流れを継いで利食い急ぎの動きが表面化する公算が大きい。前日は欧州時間からリスク回避ムードの強い地合いとなっている。原油先物価格の急落が警戒されるなか、17日のECB理事会の結果発表を控え、押し目に買い向かう動きも限定的となった。米国株市場でも半導体関連株への利益確定売りが顕著で、全体相場を押し下げる格好に。25年12月期通期業績見通しの下方修正を受けてオランダの半導体製造装置大手ASML<ASML>が16%を超える急落となり、これが半導体セクター全般に波及した。加えてこの日はエヌビディア<NVDA>やアドバンスト・マイクロ・デバイシズ<AMD>などのAI用半導体について、中東諸国を念頭に置いた国ごとの輸出規制を検討しているとの報道も投資家心理を冷やした。NYダウやS&P500指数はここ最高値更新基調を続けていたが、急ピッチの上昇に伴う目先高値警戒感も重荷となっている。東京市場でもきょうはリスクオフ一色の展開を余儀なくされそうだ。米株市場の地合いを引き継ぎ、半導体セクターへの売りが全体相場を押し下げる形となり、ドル安・円高方向に振れる外国為替市場の動向も横目に日経平均は3万9000円台を割り込むような下げとなる可能性もある。
15日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比324ドル80セント安の4万2740ドル42セントと3日ぶり反落。ナスダック総合株価指数は同187.098ポイント安の1万8315.587だった。
日程面では、きょうは8月の機械受注、9月の訪日外国人客数など。海外ではインドネシア中銀、タイ中銀、フィリピン中銀の政策金利発表、9月の英消費者物価指数(CPI)、9月の米輸出入物価指数など。
出所:MINKABU PRESS
2024/10/16 08:01
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明日の株式相場に向けて=“初動前夜”の「AI関連株」をロックオン
3連休明けとなった15日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比304円高の3万9910円と4連騰。海外株高に引っ張られる形で一時フシ目の4万円大台を回復した。取引後半はさすがに息切れ気味となったが、これも一つの学習効果によって想定された流れと捉えることもできる。
振り返れば今年の8月初旬に歴史的暴落に遭遇、この時に日経平均は8月1日が975円安で、2日に2200円安、週を跨いで5日に4451円安と倍々ゲームの急落に見舞われ、3営業日合計で7600円強というにわかに信じられないような下げとなった。この残像が投資家の脳裏に残っているのはいうまでもなく、それまでのような全力で強気相場に乗るというようなムードは霧消した感がある。
しかし、それが逆に良かったという見方もできる。暴落から立ち直り見事な復元力を発揮した日経平均だったが、1カ月後の9月初旬から中旬にかけて再び投げ売りの洗礼に見舞われた。この時は7日続落で合計3000円を超える下落。しかし、8月初旬の暴落と比べれば余震といえるレベルで、狼狽するような状況ではなかった。むしろ投資家は冷静にどこで買い出動するかを推し量っていたようなフシがある。そして9月末の石破ショック。石破新首相は総裁選に勝利しただけで、自らにショックと称されるような非は何もないのだが、株式市場が期待していたシナリオが土壇場でひっくり返されたような状況にあって、これは永田町政治に対する失望感が反映されたとみてよい。この日1日で一時2000円を超える下落をみせたのだが、ここは押し目買い場という判断を示した投資家も多かったのではないか。事実、そこから日経平均はよろめきながらも短期間で立ち上がった。
4万円台を回復してからも、油断はできないと投資家皆が思っている。それが、信用枠を使った買いが膨らまないという学習効果に映し出されている。ひとことで言えば、皆が買い建玉をパンパンに張らせた状態で首尾よく上昇するというパターンは相当レアなケースに属し、元来半分腰が引けた状態だからこそ株価は上昇する。これは日経平均も個別株も同じ理屈で動く。とすれば日経平均は4万円台回復をみて、手を引っ込める投資家も多くなることが予想される。それを読んだ動きが、きょうの後場に観測された手仕舞い売りである。
しかし、個別株は違う。日の目を見ていない銘柄にリターンリバーサルの恩恵が及ぶとするなら、これからである。全体相場の勢いが止まるとテーマ物色の流れに乗って中小型株の一群が動き出す。米国ではエヌビディア<NVDA>に対する見直し機運が高まっている。アナリストの投資判断引き上げ合戦となっているのは、売り場探しのポジショントークという穿った見方はあるものの、エヌビディアの業績がここで頭打ちということはなさそうだ。何よりもブラックウェルに対する爆発的な需要に一番驚いているのは、ほかならぬジェンスン・ファンCEO本人で、その言葉に誇張や虚偽の気配は感じられない。これは、AI用半導体やAIソフトウェア関連など周辺株への資金還流にもつながっていく。
きょうはアドバンテスト<6857.T>を筆頭に半導体製造装置の主力どころが活況高に沸いたが、米株市場の物色の流れを汲むのであれば、AI関連の出遅れにも目が向かうところだ。まだ初動前夜と言ってよく、アンテナを高くして今後に備えたい。休眠状態にあったブレインパッド<3655.T>や言語解析AIで新境地を開拓したFRONTEO<2158.T>がこのまま音無しの構えを続けるとは考えにくい。また、業績好調組では、人間並みの柔軟な言語理解度を有する「AEI」をソリューション基盤とするpluszero<5132.T>、「AI×サブスクモデル」の次世代型レセプトチェックで医療DXを支援するUbicomホールディングス<3937.T>、独自のAI活用コンサルティングを展開し、顧客企業の課題解決にワンストップで対応するRidge-i<5572.T>などが挙げられる。
あすのスケジュールでは、8月の機械受注が朝方取引開始前に開示されるほか、午前中に安達日銀審議委員が香川県の金融経済懇談会で挨拶し、午後取引時間中に記者会見が行われる。また、同じ時間帯に森田日証協会長の会見も予定される。午後取引時間終了後には9月の訪日外国人客数が発表される。なお、この日は東証スタンダード市場に日水コン<261A.T>が新規上場する。海外ではインドネシア中銀、タイ中銀、フィリピン中銀が政策金利を発表。9月の英消費者物価指数(CPI)、9月の米輸出入物価指数なども注目。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/10/15 17:00
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=システナ、企業のDX需要捉え業績は想定上回る
システナ<2317.T>の300円台は買い場と判断したい。ソフトウェアの開発・導入のほかクラウドサービス、システムインテグレーションなどITコンサルティングで強みを発揮する。車載システムで実績が高く、最近は次世代モビリティ分野に注力姿勢を明示している。また、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)案件はマイナンバー絡みの開発ニーズが旺盛だ。25年3月期は第1四半期(24年4~6月)に営業利益段階で前年同期比38%増の26億4300万円と急増。これを受けて通期見通しも従来予想の85億~105億円から100億~120億円(前期比3~24%増)に大幅増額修正した。今期の年間配当も前期実績から2円増配となる12円を計画、配当利回りが3.3%前後と高いこともポイントだ。
株価は9月6日に406円の年初来高値をつけてからは利益確定売りに押されていたが、75日移動平均線をサポートラインに早晩切り返す展開が読める。ここから上値指向となれば日足一目均衡表では雲の上に再浮上することになり、テクニカル的には上昇に転じるのを見てから追撃買いを入れるのも一法だ。中勢400円台後半を目指す展開へ。(桂)
出所:MINKABU PRESS
2024/10/15 10:00
みんかぶニュース コラム
15日の株式相場見通し=4日続伸、米株高受け4万円大台乗せも
15日の東京株式市場は日経平均株価が4日続伸しフシ目の4万円大台を回復する可能性がある。祝日をはさんで3連休明けとなる東京市場だが、この間に欧米株が揃って上値指向を示しており、世界的な株高基調に合流する展開が想定される。前日の欧州株市場は主要国の株価指数が総じて上昇、独DAXは約2週間ぶりに史上最高値を更新した。引き続き中国における財政出動による景気刺激策への期待感がマーケット心理を強気に傾けている。また、米国株市場では米経済がソフトランディングするとの見方が強まるなか、ハイテクセクターなど主要企業の好決算への期待が株価を押し上げる格好となった。NYダウは連日で最高値を更新し、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も上値追い基調が鮮明で最高値更新まであと一歩に迫っている。この日に講演したウォラーFRB理事は、米景気が想定以上に堅調であることに言及する一方、来年にかけて緩やかな政策金利引き下げを続けることに前向きな発言を行い、これもポジティブ視されている。東京市場では前週末まで日経平均が3営業日続伸で3万9000円台後半まで水準を切り上げてきたが、きょうは目先筋の利食いをこなし、4万円台に乗せることができるかどうかが注目される。外国為替市場では一時1ドル=150円近辺までドル高・円安が進んでおり、これは輸出セクターを中心に追い風となる。また、前日の米国株市場ではエヌビディア<NVDA>やアプライド・マテリアルズ<AMAT>といった半導体主力銘柄が買われ、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が上昇したことは東京市場の同関連株にも投資資金を誘導しそうだ。
14日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比201ドル36セント高の4万3065ドル22セントと続伸。ナスダック総合株価指数は同159.748ポイント高の1万8502.685だった。
日程面では、きょうは8月の鉱工業生産・確報値など。海外では9月の英失業率、10月の欧州経済研究センター(ZEW)独景気予測指数、8月のユーロ圏鉱工業生産、10月の米NY連銀製造業景況指数など。
出所:MINKABU PRESS
2024/10/15 08:01
みんかぶニュース コラム
来週の株式相場に向けて=米インフレ懸念が日経平均を4万円に押し上げるか
11日の日経平均株価は前日比224円高と3万9600円台に乗せ、再び4万円乗せが視野に入ってきた。足もとでは27日の日本の総選挙、11月5日の米大統領選挙とビッグイベントが迫っている。
いまのところ「選挙は買い」という日本のアノマリー(経験則)は生きている格好だ。ただ、特に米大統領選は大接戦で「ハリス氏とトランプ氏のどちらが勝利するかは分からない状態」(市場関係者)であり不透明感も強い。
そんななか、市場の注目を集めたのが10日に発表された米9月消費者物価指数(CPI)がエネルギーと食品を除くコアで前年同月比3.3%上昇と市場予想(3.2%)を上回ったことだ。これまで、米景気減速が警戒され9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.5%の大幅利下げが行われた。しかし、堅調なCPIを受け11月FOMCの利下げは0.25%にとどまるとの見方が強まった。
市場には「米インフレ鎮静化は一筋縄ではいかない」との声も上がり始めており、場合によっては「11月あるいは12月FOMCで利下げは見送られ、据え置きも」(アナリスト)との声も出始めている。もし、米政策金利が据え置かれる可能性が高まれば「ドル円相場は150円に乗せる」(同)ともみられている。この円安は東京市場では株高要因となり、日経平均株価4万円乗せへの追い風となりそうだ。
来週は17日の米9月小売売上高や18日の中国7~9月期国内総生産(GDP)、それに16日のASMLホールディング<ASML>や17日の台湾積体電路製造(TSMC)といった半導体関連企業の決算発表が注目されているが、為替の一段の円安進行があるかは高い関心を集めそうだ。
上記以外のスケジュールでは、海外では14日に中国9月貿易収支、15日に米10月ニューヨーク連銀製造業景気指数、17日に欧州中央銀行(ECB)理事会、米10月フィラデルフィア連銀製造業景気指数、18日に中国9月小売売上高が予定されている。また、15日にバンク・オブ・アメリカ<BAC>、17日にネットフリックス<NFLX>、18日にプロクター・アンド・ギャンブル<PG>が決算発表を行う。
国内では14日はスポーツの日の祝日で休場。16日に8月機械受注、18日に9月消費者物価指数(CPI)が発表される。15日に東宝<9602.T>、高島屋<8233.T>、ドトール・日レスホールディングス<3087.T>、17日にディスコ<6146.T>、18日にブロンコビリー<3091.T>、B-R サーティワンアイスクリーム<2268.T>が決算発表を行う。16日に日水コン<261A.T>、18日にインターメスティック<262A.T>が新規上場する。来週の日経平均株価の予想レンジは3万9000~4万200円前後。(岡里英幸)
出所:MINKABU PRESS
2024/10/11 17:19
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=北海電、200日線が下値の支えに
北海道電力<9509.T>は調整一巡から出直りの機が熟しつつある。AIの普及に伴って電気の使用量が急増するとの期待感から、電力セクターは今年に入り一躍注目を浴びた。特に、国策半導体企業「ラピダス」による北海道内での新工場建設を巡り、その経済波及効果への思惑から同社株は投資家の熱い視線を集めている。
今25年3月期は、前期に売上高、純利益とも過去最高を達成した反動で減収減益となる一方、配当予想は前期比据え置きの見通し。PERは5倍程度とセクター内での割安感が強く、PBRは1倍割れだ。株価は年初から夏にかけ、600円台から1700円台まで急上昇。その後は調整局面に入ったものの、900~1000円近辺で上向きに推移する200日移動平均線が下値のサポートラインとして機能している。(イ)
出所:MINKABU PRESS
2024/10/11 10:00
みんかぶニュース コラム
11日の株式相場見通し=続伸か、CPI上振れも底堅い米株市場を横目に強含み
11日の東京株式市場は売り買い交錯のなか、日経平均株価は前日終値近辺でもみ合う展開が想定される。ただ、上値は重いものの根強い買いが流入し強含みで推移しそうだ。前日は欧州株市場がドイツやフランス、英国など主要国の株価が総じて軟調となったが、これは同日に発表された9月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を上回る強い内容であったことが警戒されたもの。また、米国株市場ではNYダウ、ナスダック総合株価指数ともにマイナス圏で引け、ダウとともに最高値を更新基調にあったS&P500指数も利益確定売りに押された。ただ、3指数ともに下げは小幅にとどまっている。米国時間でこの日の朝方に開示された9月の米CPIは、エネルギーと食品を除くコア指数が前月比で0.3%、前年同月比では3.3%の上昇となり、いずれも事前のコンセンサスから上振れした。一方、同時刻に発表された週間の米新規失業保険申請件数は25万8000件で市場の見通しを上回った。物価上昇圧力が意識されるなかで雇用環境は弱いという状況が明らかとなった。FRB高官のタカ派的な発言もあり、利下げ期待が後退し全体相場の重荷となったが、米経済のソフトランディングへの期待が押し目買いを誘導し、下値に対しても抵抗力を発揮している。東京市場では、米CPIが想定を上回ったものの米株市場が比較的落ち着いた値動きとなったことで、リスク回避の地合いとはなりにくい。日経平均株価はここ適度に押し目を入れながらもジリ高基調を維持しており、きょうもその流れが維持される可能性は高い。ただ、外国為替市場ではドル安・円高含みで推移しており、一段と円が買われる展開となった場合は全体相場も軟化する公算が大きい。
10日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比57ドル88セント安の4万2454ドル12セントと3日ぶり小反落。ナスダック総合株価指数は同9.568ポイント安の1万8282・049だった。
日程面では、きょうは株価指数オプション10月物の特別清算指数(オプションSQ)算出日。また、9月のマネーストック、3カ月国庫短期証券の入札、9月の投信概況など。海外では韓国金融通貨委員会、9月の米卸売物価指数(PPI)、10月の米消費者態度指数(ミシガン大学調査・速報値)など。なお、香港市場は休場。
出所:MINKABU PRESS
2024/10/11 08:01
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=株高でも冷え込む投資マインド
きょう(10日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比102円高の3万9380円と続伸。日経平均は朝方に大きく上昇して始まったが、その後は伸び悩む展開で後場寄り早々に3万9300円を下回り前日の終値に急接近、マイナス転換する寸前まで水準を切り下げる場面があった。米株高に追随する格好で日経平均やTOPIXなど上値慕いの動きを続けているが、個別株に焦点を当てるとどれも方向性が見えず中空を漂っているような状態。市場関係者も「買いたい銘柄が見当たらない相場」と口を揃える。
新政権発足でも物色テーマ不在というのが今の実態だ。米株高がストップすれば東京市場でも利食い圧力が一気に顕在化する可能性はある。石破首相の組閣人事で急浮上した防衛関連も三菱重工業<7011.T>を筆頭に上値が重く、かといって米エヌビディア<NVDA>の戻り高値更新で意気が揚がるかと見られた半導体セクターは、アドバンテスト<6857.T>の独り舞台の様相で他がついてこない。同社株は上場来高値圏で強さを発揮しているが、これについては「AI用半導体分野においてテスター(検査装置)が他の製造装置全般とは一線を画して需要が高いことが背景にある」(ネット証券アナリスト)と指摘する。ただ、半導体関連全般の人気復活には遠い。円安の恩恵も株価に作用していない。
では、内需株はどうか。8月の実質賃金が再びマイナスとなるなか物価高が個人消費マインドを冷やしている。きょうのイオン<8267.T>の急落などが、消費関連株の先行き不安を反映している。イオンの決算悪は皮肉にも賃上げが利益採算の悪化に拍車をかけたものだ。内需に資金を引き寄せる導線として期待された地方創生関連も買いが一巡し、ふるさと納税のチェンジホールディングス<3962.T>や産直通販サイト運営の雨風太陽<5616.T>の2銘柄の上値が重くなり、6連続ストップ高と爆発的人気をみせたセーラー広告<2156.T>は、前日から連続ストップ安モードに転じている。地銀株全般も冴えず、地方創生がテーマ性を帯びるような気配は感じられない。このほか、防災関連などもしかりである。
個別株については決算絡みでサプライズがあったものが単発高するパターンで、決算発表後に追撃しても妙味に乏しい。基本的に個別株は足もと様子をみるよりない相場環境といえる。今週はオプションSQ週ながら、全般商い低調で売り方の仕掛けも入らないような状況。その点では“閑散に売りなし”だが、買いも入れにくいというのが実態だ。
総選挙アノマリーが盛り上がりを欠いているのは、石破新政権が永田町の事情だけで成立した政権であることが見透かされている。インフレで庶民の生活が苦しくなっているところで、政治家の裏金問題が取り沙汰されたことは非常にバッドタイミングだった。加えて、その後の自民党総裁選も決選投票では政治家の保身が前面に押し出されたような結果で、総選挙での苦戦はやむなしである。衆議院の定数465議席に対し、現状は自民党が256議席で公明党と合わせて288議席。233議席でギリギリ過半数確保となるが、野党の足並みが揃わない中でさすがに56議席以上の減少(過半数割れ)には至らなそうだ。しかし、自民党の単独過半数割れはかなり濃厚のようだ。過去のデータでは総選挙後の株価上昇は自民党が単独過半数を確保することが事実上の条件で、その意味で今回は厳しい。
一つ光明があるとすれば、以前にも触れたが10月は外国人投資家の買い越すケースが際立って多い月であり、今回も米国株が強調を維持できればリスク許容度の上昇を背景に、アノマリーとしては一番期待できそうだ。ちなみに10月第1週(9月29~10月5日)は現物では4000億円近い買い越しで実に7週ぶりの買い攻勢に転じた。もっとも、先物では6000億円あまり売り越しており何ともいえない部分もあるが、先物売りは9月末の石破ショックの影響が反映された意味合いが強い。今後はそのアンワインドが全体相場に浮揚力を与える可能性があることも念頭に置いておきたい。
あすのスケジュールでは、株価指数オプション10月物の特別清算指数(オプションSQ)算出日。また、朝方取引開始前に9月のマネーストックが開示される。午前中に3カ月国庫短期証券の入札が行われ、午後取引終了後には9月の投信概況が発表される。この日は東証グロース市場にオルツ<260A.T>が新規上場する。海外では韓国金融通貨委員会が行われるほか、9月の米卸売物価指数(PPI)、10月の米消費者態度指数(ミシガン大学調査・速報値)などに市場の関心が高い。なお、香港市場は休場となる。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/10/10 17:00
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=オハラ、半導体露光装置用の需要堅調
オハラ<5218.T>は9月13日、24年10月期第3四半期累計(23年11月~24年7月)の連結営業利益が前年同期比22.1%減の16億5900万円になったと発表。ただ、5~7月期に限れば前年同期比48.9%増の8億2200万円となっている。
エレクトロニクス事業で半導体露光装置用の堅調な需要が続いたことに加え、第3四半期は宇宙天文用途で特殊ガラスの販売があったことから特殊ガラスと石英ガラスがともに好調だった。光事業ではカメラ向けレンズ材が苦戦しているものの、顧客の在庫調整が底を打ちつつあることから来期の巻き返しに期待したい。
株価は9月27日に年初来高値1496円をつけ、その後は上げ一服商状。ただ、PBRは0.7倍前後と割安感があり、押し目は拾い場といえそうだ。(参)
出所:MINKABU PRESS
2024/10/10 10:00
みんかぶニュース コラム
10日の株式相場見通し=続伸、米株高と円安進行が追い風
10日の東京株式市場は主力株をはじめ広範囲に買い優勢の地合いが継続し、日経平均株価は続伸する可能性が高そうだ。3万9000円台後半で強調展開が見込まれ、場合によっては取引時間中に先物主導で4万円大台を意識するような局面も想定される。前日は欧州株市場で独、仏、英など主要国の株価が総じて上昇した。ドイツなど欧州経済の先行きに不透明感がくすぶるなかも、中国の追加経済対策への期待感を背景に投資家心理が強気に傾いた。米国株市場でもリスク選好の地合いが続いている。原油先物価格の上昇が一服していることでインフレに対する警戒感が緩和され、この日の午後に公表された9月開催のFOMC議事要旨も数人のメンバーがややタカ派的な見解を示していたものの、株式市場にネガティブな印象を与える内容ではなかった。前週末に発表された9月の米雇用統計を背景に、引き続き米景気のソフトランディング期待も根強く、上値を見込んだ投資資金が流入した。NYダウは史上最高値を更新、機関投資家がベンチマークとして重視するS&P500指数も最高値をつけている。東京市場でも米株高を受け投資家のセンチメント改善が続きそうだ。外国為替市場では1ドル=149円台前半の推移と円安傾向を強めていることも、輸出セクターを中心に追い風材料となる。一方、日本時間今晩に9月の米消費者物価指数(CPI)が発表されることで、この結果を見極めたいとの思惑から買い一巡後は上げ幅を縮小するケースも考えられる。
9日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比431ドル63セント高の4万2512ドル00セントと続伸。ナスダック総合株価指数は同108.701ポイント高の1万8291.617だった。
日程面では、きょうは9月の企業物価指数、9月のオフィス空室率など。海外では9月の米CPI、9月の米財政収支など。
出所:MINKABU PRESS
2024/10/10 08:01
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=中国株急騰で「資源エネルギー株」は息を吹き返すか
9日の東京市場で、日経平均株価は前日比340円高の3万9277円と2日ぶりに3万9000円台を回復した。前日の米国市場でエヌビディア<NVDA>などハイテク株が上昇。東京市場でもアドバンテスト<6857.T>が上場来高値を更新するなど、半導体関連株が買われた。ただ、売買代金は3兆6000億円台と商いはやや細り気味だった。
衆議院が解散され、これから27日の投開票に向けた選挙戦に突入する。今回も「選挙は買い」のアノマリー(経験則)通りに、株高に向けて相場が上昇するかが焦点となる。ただ、自民党の議席減の可能性も浮上するなか、相場は様子見姿勢が強まることも考えられる。
そんななか、関心が集まっているのが中国株の動向だ。この日の上海総合指数は11日ぶりに反落したものの、国慶節(建国記念日)に伴う大型連休を挟んだ10連騰で22年2月以来、約2年8カ月ぶりの水準に急上昇した。中国政府が先月24日に打ち出した金融緩和、不動産・株式市場対策に続き、大型の財政刺激策が打ち出されることへの期待が高まっている。
きょうも「中国当局が12日に財政政策に関する記者会見を開く見通し」と伝わると、東京市場でも安川電機<6506.T>やファナック<6954.T>、資生堂<4911.T>などに買いが流入した。中国は18日に7~9月期国内総生産(GDP)の発表を予定している。「5%前後」の成長が達成できるかが焦点となるなか、中国動向が一気に注目されそうだ。中国景気回復期待が強まれば、原油価格や銅など非鉄価格の上昇も期待される。INPEX<1605.T>や石油資源開発<1662.T>など石油関連株、住友金属鉱山<5713.T>や三井金属<5706.T>など非鉄株といった「資源エネルギー株」にも見直し余地が広がりそうだ。
今晩は米国で9月17~18日開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録が公表される。ノーベル化学賞の発表も予定されている。明日は国内で9月オフィス空室率が発表される。ファーストリテイリング<9983.T>やセブン&アイ・ホールディングス<3382.T>などが決算発表を行う。明晩は、米9月消費者物価指数(CPI)やノーベル文学賞が発表される。
出所:MINKABU PRESS
2024/10/09 17:09
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=M&Aキャピ、業績は再び増収増益基調へ
M&Aキャピタルパートナーズ<6080.T>は、第3四半期決算の発表と同時に24年9月期連結業績予想を下方修正し、その後株価は急落したが、足もとでは急落前の水準に回復している。25年9月期の業績回復への期待は高く、株価は一段高へ向かいそうだ。
同社は独立系のM&A仲介会社。同業大手他社と比較して手数料が安価であることや、大型案件に対応できることなどから、同社の評価が高まっている点に注目。下方修正したとはいえ、第3四半期(23年10月~24年6月)の成約件数は前年同期比30.7%増の149件となり過去最高を記録したほか、手数料1億円以上の大型案件も同4.2%増の25件と増加した。ただ、上期に大型案件の成約件数が低調に推移したことで、業績の進捗に遅れが発生し、成約見込時期を精査した結果、今期中の挽回は難しいと判断したのが下方修正の理由だった。
一方、第3四半期までの受託案件数は488(前年同期比22.0%増)、契約負債は11億3300万円(前期末比74.5%増)と業績の先行指標は過去最高を記録。コンサルタントの採用も順調のようだ。これらの多くが成約に結び付く25年9月期は再び増収増益基調に向かうと予想されており、営業利益80億円前後を見込む調査機関もある。10月31日に予定されている24年9月期決算発表は要注目だ。(仁)
出所:MINKABU PRESS
2024/10/09 10:00
みんかぶニュース コラム
9日の株式相場見通し=反発、米ハイテク株上昇で買い戻し優勢
9日の東京株式市場で、日経平均株価は反発する見通し。前日の欧州株は総じて下落したのに対し、米株式市場ではNYダウとナスダック総合株価指数がともに反発し、米フィラデルフィア半導体株指数(SOX)の上昇率は1%を超えた。米原油先物相場が4%を超す下げとなり、原油高によるインフレ懸念がいったん後退した。イスラム教シーア派組織のヒズボラのナンバー2であるカセム師が、レバノンの停戦に向けた取り組みを支持する意向を示したと伝わった。中東情勢の緊迫化を受けて上昇圧力がかかっていた原油先物に関しては、中国において大規模な追加の景気刺激策が示されなかった失望感も加わり、売りが優勢となった。米国では次世代AI半導体「ブラックウェル」についてエヌビディア<NVDA>がエネルギー効率の高さをアピールし、同社株が4%高となったほか、アップル<AAPL>やメタ・プラットフォームズ<META>などハイテク株が堅調に推移した。外国為替市場でドル円相場は1ドル=148円台前半と円安基調を維持していることもあって、9日の日経平均は前日の下げを取り戻す展開が見込まれる。国内では衆議院の解散が予定されるなかで、総選挙までの間は株高になる傾向があるといったアノマリーが意識されやすい局面だが、今週は日本時間10日夜に米9月消費者物価指数(CPI)の発表を控えている。物価指標の公表を受けた米国市場の反応を見極めたいとの投資家の姿勢が広がりやすい地合いにあり、積極的に持ち高を一方向に傾けにくい。朝方の買い一巡後は模様眺めのムードが広がることが想定され、日経平均については取引時間中は3万9200円から3万9700円の範囲での値動きとなりそうだ。
8日の米株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比126ドル13セント高の4万2080ドル37セントと小反発。ナスダック総合株価指数は同259.012ポイント高の1万8182.916だった。
日程面では、きょうは国内では臨時国会の会期末となり、衆議院が解散される。9月の工作機械受注が公表されるほか、イオン<8267.T>や吉野家ホールディングス<9861.T>が決算を発表する。韓国市場は休場で、夜にはノーベル化学賞の発表も控えている。このほか海外ではドイツの8月貿易収支や米国の8月の卸売在庫(確報値)が発表されるほか、9月17~18日開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の公表や、米10年債入札なども予定されている。
出所:MINKABU PRESS
2024/10/09 08:00
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=「先負」尽くしの総選挙日程に嵐の予感
きょう(8日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比395円安の3万8937円と反落。相変わらずというべきか、ボラティリティばかり高くて方向性がまるで見えないという展開が続いている。これは日本株市場に限ったことではないが、理屈では説明不能な要素が多い。市場筋からは「(全体相場の値動きは)狂った計器を思わせる針の振れ方」(中堅証券ストラテジスト)という声も聞かれる。国慶節による長い休日を終え、休場明けとなった中国・上海株は大幅上昇をみせたが、寄り付き天井で日足では上ヒゲのない大陰線を形成した。他方、香港ハンセン指数は急落し、こちらも大陰線を引いた。
中国株市場が休場の間、暴騰する中国ETFが話題を集めたが、この日はMAXIS HuaAn中国株式(上海180A株)上場投信<2530.T>がストップ安ウリ気配で最後まで値が付かず、上場インデックスファンド中国A株(パンダ)E Fund CSI300<1322.T>も暴落、中国H株ブル2倍上場投信<1572.T>やNEXT NOTES 香港ハンセン・ダブル・ブル ETN<2031.T>なども大幅に下落した。一方で、iFreeETF 中国科創板 50(STAR50)<2628.T>、iFreeETF 中国グレーターベイエリア・イノベーション 100(GBA100)<2629.T>はいったんストップ高に買われたが、その後は一転してウリ気配に変わり、そのままストップ安に直行。文字通りハシゴを外された格好となった。
「国慶節明けに10兆元(日本円にして約210兆円)規模の経済対策を打ち出す可能性があると中国人著名エコノミストが発言し、思惑が独り歩きしてミーム化した。足もとでその反動が出ている」(ネット証券アナリスト)とマーケット関係者は指摘する。もっとも、これらの銘柄群は流動性に難があり、ほぼ局地戦の仕手株のような銘柄で観賞用に過ぎないわけだが、裏を返せば東京市場には投資マネーが食指を動かすような銘柄が他に見当たらない。話題性が失われた市場ということがいえる。
石破新政権発足を受け何か政策期待で買おうという雰囲気は、正直今のマーケットからは感じられない。防衛関連の旗艦銘柄である三菱重工業<7011.T>は売買代金こそ上位を維持しているが、上値はどうにも重い。脇を固めていた川崎重工業<7012.T>、IHI<7013.T>も今一つの値動きで、組閣人事を経て一丁目一番地とみられた「防衛関連株」に対するマーケットの視線も直近は半信半疑のムードが漂っている。半導体関連もアドバンテスト<6857.T>が孤軍奮闘しているとはいえ、そのほか東京エレクトロン<8035.T>やディスコ<6146.T>、レーザーテック<6920.T>など主力どころの株価は冴えない。かといって、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>などメガバンクの上値を買い進む動きは限定的だ。
解散日から総選挙の投開票日までの期間で日経平均株価は上値を指向するという「総選挙アノマリー」に期待する向きは少なくない。圧倒的な確率で日経平均は上昇するケースが多かった。しかし、前回の総選挙は2021年の10月、岸田首相が政権発足から10日後という戦後最短の解散に打って出たが、投票日までの株価はマイナスパフォーマンスと稀少な例となった。今回も石破新政権の不人気ぶりから、その稀少なパターンを踏襲する可能性がある。奇をてらって拙速に解散することは少なくとも王道ではなく、石破首相自らがその考えを示していたはずであった。
なお、今回のケースでは解散日の10月9日、公示の15日、そして投票日の27日、この3日間がいずれも六曜の「先負」に当たるという偶然にしても作ったような日柄であることが、市場でも話題となっていた。前言を翻しなりふり構わず解散に踏み切った石破首相だが、六曜が示す「先んずれば負ける」という結果が待っているとすれば出来過ぎか。
あすのスケジュールでは、この日は臨時国会の会期末、衆院解散日となる。午前中に6カ月物国庫短期証券の入札が行われ、午後取引終了後には9月の工作機械受注額が開示される。海外ではニュージーランド中銀の政策金利発表や、インド準備銀行(中銀)の政策金利発表に耳目が集まる。米国では8月の卸売在庫・売上高が発表され、FOMC議事要旨(9月17~18日開催分)の内容が注目される。米10年国債の入札も予定されている。このほか、ジェファーソンFRB副議長の講演が行われる予定でマーケットの関心が高い。韓国市場は休場となる。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/10/08 17:00
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=日東紡、データセンター関連の好業績株で上値追い続く
日東紡績<3110.T>が下値切り上げ波動を継続、6000円近辺は買い場と判断したい。既に9月26日のマド開け急騰によって日足一目均衡表で雲抜けを果たしており、中期的にも上値の軽さが意識されやすい。
同社はガラス繊維(グラスファイバー)が売上高の80%超を占める主力製品で、近年の生成AI市場の拡大を背景にデータセンター(AIサーバー)向けで高水準の需要を取り込んでいる。業績はトップライン、利益ともに大幅な伸びが続く見通しにあり、25年3月期売上高は前期比17%増の1090億円、営業利益は同79%増の150億円を予想している。営業利益は07年3月期のピーク利益を上回り18期ぶりに過去最高更新となる見込みだ。また、26年3月期も同利益は2ケタ成長が続く公算が大きい。株価は遅かれ早かれ今年5月29日につけた上場来高値7480円奪回を視野に入れることになりそうだ。(桂)
出所:MINKABU PRESS
2024/10/08 10:00
みんかぶニュース コラム
8日の株式相場見通し=反落、米株安と円高で3万9000円台割れも
8日の東京株式市場は主力株中心に大きく売り優勢に傾き、日経平均株価は大幅反落する公算が大きい。前日の欧州株市場は高安まちまちの展開で、仏CAC40、英FTSE100は上昇したものの、独DAXは上値の重い地合いでわずかながら反落。イランとイスラエル間の紛争が激化するなか、地政学リスクを警戒する動きが上値を押さえた。半面、中国が国慶節に伴う連休明けに追加の経済対策を発表するとの思惑が下値を支え、底堅さにつながっている。一方、米国株市場ではNYダウが反落。米10年債利回りが一時4%台に乗せるなど約2カ月ぶりの高い水準に上昇し、目先筋の利益確定売りを誘発、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数はダウを上回る1%超の下落となり、前週末の上昇分を吐き出す格好となった。中東情勢の緊迫化を背景に原油市況の上昇が止まらず、この日はWTI原油先物価格が2ドル76セント高の1バレル=77ドル14セントと大幅高で5日続伸したことが、株式市場で買い手控えムードを助長している。半導体関連ではエヌビディア<NVDA>が4日続伸と上値指向を強める一方、インテル<INTC>が調整色をみせるなど強弱入り乱れ、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は4日ぶりに反落した。東京市場では、米株安を受け足もとで利益確定の動きが優勢となりそうだ。米長期金利上昇にもかかわらず、外国為替市場ではリスクオフを反映したドル安・円高方向に振れており、これも輸出セクターを中心に全体相場の押し下げ要因となる。先物主導で下げ足を強め、日経平均は3万8000円台に押し戻される場面も想定される。
7日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比398ドル51セント安の4万1954ドル24セントと反落。ナスダック総合株価指数は同213.945ポイント安の1万7923.904だった。
日程面では、きょうは8月の毎月勤労統計、8月の家計調査、9月上中旬の貿易統計、8月の国際収支、9月の対外・対内証券売買契約、30年物国債の入札、9月の景気ウォッチャー調査など。海外では豪中銀理事会の議事要旨(9月開催分)、8月の米貿易収支、米3年物国債の入札など。
出所:MINKABU PRESS
2024/10/08 08:00
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=驚愕の米雇用統計、売り方の踏み上げ誘発
週明け7日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比697円高の3万9332円と大幅続伸。朝方から主力銘柄をはじめ広範囲に買いが先行した。途中緩む場面はあっても、利食い急ぎを誘発する展開には至らず、逆に大口の押し目買い注文が下値を支え、後場は最終盤まで高値圏でジリジリと水準を切り上げた。大引け間際に手仕舞い売りで上げ幅を縮小したものの、700円近い上昇で3万9000円台を大きく回復している。
前週末4日に発表された9月の米雇用統計は驚くほど強い内容であった。ついこの間までリセッション懸念が大手を振っていた米経済が、見立て違いだったということにもなる。フタを開けて見れば非農業部門の雇用者数の伸びが25万4000人で、事前の市場コンセンサスが15万人程度だったことを考慮すると10万人も上乗せされた水準。更に失業率は4.1%で8月から0.1ポイント改善し、8月と並びを見込んでいた事前予想よりも良好な内容だった。平均時給については前年同月比で4.0%の上昇となり、これも事前予想から0.2ポイント上振れ、前月比でも想定を上回った。経済実勢と金融政策は表裏一体で、FRBが利下げを急がない背景ともなり得るが、それよりも今は株式需給の方が先に立つ。米経済失速にかけた弱気筋の踏み上げが全体相場の流れを形成している。
個別株は日経平均が先物主導で大幅高している場面では、選別が難しい部分もある。投資対象として225採用銘柄に代表される大型株に追随するのであれば、ここから全体株価が上昇するという相場観があれば肯定される。よく大型株優位の地合いという表現がなされるが、それは日経平均やTOPIXの先高期待が強いということを代弁している。しかしその場合、買いを入れるタイミングは全体指数が押しを入れたところだ。石破政権の不安定さや中東情勢の緊迫化を念頭に置くと、仮にあすの日経平均が大幅高したとしても、ここで上値に飛びつくのは避けるべきで、むしろ出遅れている中小型株に打診買いを入れておくくらいの方が有効といえる。
ただ、日経平均の上値は為替の動向に左右されやすい。円安と株価指数先物がリンクされているためで、これは理屈の領域を超えている。今の相場は決して「バスに乗り遅れるな」というような焦って買う局面ではないが、ここからドル高・円安が更に進むという見立てであれば、内需外需を問わず大型株シフトが有効と考えられる。また総選挙アノマリーも念頭に置くと、石破政権だから買えないという理屈はしばらく棚上げとなりそうだ。
分かりやすいのは足もとの相場で売買代金上位を占めている大型株に照準を合わせておく手法である。乱暴な言い方をすれば、業態は関係ない。レーザーテック<6920.T>、三菱重工業<7011.T>、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>、ソフトバンクグループ<9984.T>、トヨタ自動車<7203.T>、ファーストリテイリング<9983.T>といった銘柄を分散して買っておけばそれで事足りる。もしくは、ど真ん中の直球でNEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信<1570.T>を拾っておく手もある。暴騰する中国関連のETFを買うのは、百人一首の“坊主めくり“に等しく、それよりは遥かに健全といってよさそうだ。
一方、リスクオン相場で中小型株が敬遠される道理もない。こちらは仮に日経平均が軟化しても逆行高できる銘柄も多く存在している。目先狙いたい銘柄としては、スポンジチタン価格が上昇傾向にあるなか、航空機向け需要が成長軌道に回帰していることで生産能力増強に動く大阪チタニウムテクノロジーズ<5726.T>。また、東邦チタニウム<5727.T>も併せてマーク。このほか、航空機向けチタンアルミブレードを製造するAeroEdge<7409.T>にも意外性がある。
あすのスケジュールでは、8月の毎月勤労統計、8月の家計調査、9月上中旬の貿易統計、8月の国際収支、9月の対外・対内証券売買契約がいずれも朝方取引開始前に開示。また、午前中に30年物国債の入札が予定される。午後取引時間中には9月の景気ウォッチャー調査が発表される。なお、この日は名証ネクスト市場にケイ・ウノ<259A.NG>が新規上場する。海外では豪中銀理事会の議事要旨(9月開催分)が開示。米国では8月の貿易収支発表のほか、米3年物国債の入札が行われる。クグラーFRB理事やジェファーソンFRB副議長など複数のFRB高官の講演も予定され、これもマーケットの注目度が高い。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/10/07 17:00
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=エターナルG、海外市場開拓を本格評価
エターナルホスピタリティグループ<3193.T>に注目したい。同社は焼鳥店「鳥貴族」を展開しており、今年5月に現社名に変更している。24年7月期の連結営業利益は前の期比2.3倍の32億4800万円を記録。居酒屋需要の回復で店舗売上高が堅調に推移したほか、コロナ禍で競合店舗が減少したことも増益要因となった。25年7月期の同利益は前期比23.2%増の40億300万円と連続最高益が予想されている。
同社は9月に発表した中期経営計画で海外市場に本格進出し、27年7月期の営業利益60億円を目指すことを表明した。株価は3月に上場来高値4950円をつけた後は調整しているが、業績は好調で5000円乗せから一段高が見込める。(地和)
出所:MINKABU PRESS
2024/10/07 10:00
みんかぶニュース コラム
7日の株式相場見通し=大幅高、欧米株全面高と急速な円安を好感
7日の東京株式市場は主力株をはじめ幅広い銘柄に買い戻しが加速し、日経平均株価は大幅高で3連騰する可能性が高い。前週末の欧州株市場では英FTSE100がわずかに安かったほかは主要国の株価がほぼ全面高に買われる展開となった。この日に発表された9月の米雇用統計で非農業部門の雇用者数が市場コンセンサスを大幅に上回る強い内容だったことから、欧州市場でもこれが好感される格好となった。ここ調整局面にあった独DAXも5日ぶりに切り返す展開となっている。米国株市場でも雇用統計発表を受け寄り付きから強気優勢の地合いで、NYダウは買い一巡後伸び悩む場面もあったが、その後は買い直され高値圏で着地、史上最高値を更新している。米経済のソフトランディング期待が高まり、米金利上昇を受けて金融株への買いが顕著だったほか、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も半導体関連の上昇などを背景に終始強い動きとなった。東京市場では前週末の欧米株が全面高商状となったことで、リスク選好ムードが高まりやすい。更に外国為替市場では一時1ドル=149円台をつけるなど急速な円安に振れており、半導体などハイテクセクターを中心にこれを好感する買いが見込まれる状況にある。先物主導のインデックス買いが全体を押し上げ、日経平均はフシ目の3万9000円台を大きく回復する場面が想定される。
4日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比341ドル16セント高の4万2352ドル75セントと反発。ナスダック総合株価指数は同219.373ポイント高の1万8137.849だった。
日程面では、きょうは日銀支店長会議、10月の日銀地域経済報告、8月の景気動向指数速報値など。海外では8月のユーロ圏小売売上高、8月の米消費者信用残高など。また、この日からノーベル賞受賞者が発表される。なお、中国株市場は休場。
出所:MINKABU PRESS
2024/10/07 08:01
みんかぶニュース コラム
来週の株式相場に向けて=日米政局を横目にエネルギー関連株中心の展開か
先週9月27日の自民党総裁選で石破茂氏が新総裁に選出され、10月1日の臨時国会で同氏が新首相に就任した。そして新内閣が発足し、9日の衆院解散、15日の衆院選公示、27日の投開票のスケジュールが明らかになった。11月5日の米大統領選も近づくなか、日米政局は風雲急を告げる状況にある。
各メディアによる調査では、石破新内閣の支持率は発足時としては決して高くはない。また、米大統領選も民主党のハリス氏と共和党のトランプ氏は大接戦状態にあり、結果は見えにくい。こうしたなか、きょうの東証プライム市場の売買代金は4兆円を割り込むなど、様子見姿勢は強まっている。
石破首相の言動が、総裁選の時と首相就任後では全く異なることに対して「手のひら返し」と批判を浴びているが「株高を意識するという点では、株式市場にとって全く悪い話というわけでもない」(市場関係者)と前向きに捉える声もある。ただ、その姿勢は賛否を呼び、選挙結果に対する不透明感を強めさせている。
加えて、更なる不安要因となっているのが中東情勢だ。イスラエルとイランの対立が深まり、今後の展開からは目が離せない状況にある。原油価格が本格的な上昇に転じた場合、世界的なインフレ懸念を再燃させかねず、その影響は大きい。INPEX<1605.T>や石油資源開発<1662.T>など資源株、三菱商事<8058.T>や三井物産<8031.T>など商社株といったエネルギー関連株、それに三菱重工業<7011.T>や川崎重工業<7012.T>など防衛関連株が当面の相場の中核となる展開が予想される。
また、来週は10日に米9月消費者物価指数(CPI)が発表される。今晩の米9月雇用統計ともども高い関心を集めそうだ。
上記以外の来週のスケジュールでは、海外では9日に9月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録が公表される。11日に米卸売物価指数(PPI)、10月ミシガン大学消費者マインド指数が発表される。同日にJPモルガン<JPM>、ウェルズ・ファーゴ<WFC>が決算発表を行い、米国は決算シーズンに突入する。
また、来週はノーベル賞ウィークに突入する。7日に生理学・医学賞、8日に物理学賞、9日に化学賞、10日に文学賞、11日に平和賞が発表される。
国内では、8日に景気ウォッチャー調査が発表される。また、小売り・消費関連企業の決算が本格化し、7日に壱番屋<7630.T>、ウエルシアホールディングス<3141.T>、8日にJ.フロント リテイリング<3086.T>、キャンドゥ<2698.T>、9日にサイゼリヤ<7581.T>、エービーシー・マート<2670.T>、10日にファーストリテイリング<9983.T>、セブン&アイ・ホールディングス<3382.T>、11日に良品計画<7453.T>、ビックカメラ<3048.T>が決算発表を行う。11日にオルツ<260A.T>が新規上場する。来週の日経平均株価の予想レンジは3万8000~3万9100円前後。(岡里英幸)
出所:MINKABU PRESS
2024/10/04 17:26
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=テクノプロH、国内企業IT投資拡大の潮流満喫へ
テクノプロ・ホールディングス<6028.T>はIT領域を中心とする企業の旺盛な投資需要を支えに堅調な業況が期待でき、25日移動平均線を下回って推移する足もとの株価は値頃感が意識される。
同社は技術者派遣大手。25年6月期の売上収益は前期比8.1%増の2370億円、最終利益は同26.0%増の185億円を計画し、最終利益は3期ぶりに最高益を更新する見込みだ。年間配当予想は同10円増配の90円に設定している。自動車や半導体、エレクトロニクスや建設など関係する業界は広範囲にわたる同社だが、なかでもITセクターで高いエクスポージャーを持つ。日銀の9月短観では国内企業によるソフトウェア投資の積み増しぶりが顕著となっている。DX(デジタルトランスフォーメーション)を加速させようとする産業界のニーズを追い風に、業績の下振れ不安が乏しい状況にあると言えるだろう。月次の国内在籍技術者数は着実に増加し、稼働率も高い水準を維持している。
株価は1月9日の高値3740円から8月5日に2500円を下回る水準まで調整。9月19日に戻り高値3012円をつけた後に再び売り直しとなったが、日足・一目均衡表の雲領域の上限で下げ渋り、足もとでは2800円台での推移となっている。9月27日から30日の間に開けたマドを埋め、9月の戻り高値を奪還すれば、反騰の機運が一段と高まりそうだ。(碧)
出所:MINKABU PRESS
2024/10/04 10:00
みんかぶニュース コラム
4日の株式相場見通し=売り買い交錯、米雇用統計発表を前に様子見
4日の東京株式市場は売り買い交錯、日経平均株価は前日終値近辺でもみ合う展開が想定される。前日の欧州株市場はほぼ全面安に近い状況となり、ドイツの主要株価指数であるDAXは4日続落と調整色を強めている。中東情勢の緊迫化を背景に買いが手控えられる展開となった。米国株市場でも欧州時間のリスクオフの流れを引き継ぎ、NYダウ、ナスダック総合株価指数、S&P500指数いずれも軟調だった。米国でも中東の地政学リスクの高まりが意識されているが、イランによるミサイル攻撃を受けたイスラエルが近く報復に動くとの見方が強いなか、石油施設への攻撃も予想されている。そうしたなか原油価格が高騰、WTI原油先物価格は1バレル=73ドル台後半まで大幅に水準を切り上げており、これがFRBの金融緩和策に牽制圧力が働くのではないかとの思惑につながった。米東海岸の港湾労働者のストライキ突入も、物流を停滞させコンテナ船運賃上昇などインフレ圧力につながるとの見方も重荷となったようだ。東京市場では欧米株市場の軟調を受け、積極的な買いが入りづらい局面にある。日本時間今晩に開示される9月の米雇用統計を前に、この内容を見極めたいとの思惑も手控えムードを助長しそうだ。ただ、外国為替市場では1ドル=146円台後半の推移と円安水準が維持されていることが、輸出セクターを中心に追い風材料となり、日経平均は下値抵抗力も発揮しそうだ。強弱観対立のなか、3万8000円台半ばを軸とする比較的狭いゾーンでの値動きが見込まれる。
3日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比184ドル93セント安の4万2011ドル59セントと反落。ナスダック総合株価指数は同6.647ポイント安の1万7918.476だった。
日程面では、きょうは9月の輸入車販売、9月の車名別新車販売、9月の軽自動車販売、3カ月物国庫短期証券の入札など。海外では9月の米雇用統計など。中国市場は国慶節の祝日に伴い休場となる。
出所:MINKABU PRESS
2024/10/04 08:01
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=石破エフェクトと爆騰する中国ETF
きょう(3日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比743円高の3万8552円と急反発。日替わりで乱高下を繰り返しているが、投資家サイドも戸惑いを隠せないというところ。何か強弱観の対立があってその結果に振り回されているというような、イベントドリブン的な乱高下ではないからだ。宙に浮いたような状態で、無重力の中でクルクル回っているような相場というべきか、訳の分からないまま日経平均はボックス圏での無機質な往来を余儀なくされている。
きょうの株価上昇の背景は外国為替市場での円安進行に尽きる。ドル・円相場の動向にリンクさせた先物売買を通じ裁定取引主導の機械的なアンワインドの動きが反映され、日経平均は一時1000円超の上昇をみせる場面もあった。ドル・円は前日の1ドル=143円近辺から一気にドルが買い戻され、一時1ドル=147円台をつけるなど4円超の一瞬目を疑うような円安が進行した。トリガーを引いたのは石破新首相の発言。「現在、追加利上げの環境にあるとは考えていない」という植田日銀総裁かと見紛えるようなコメントで円売りを誘発した。選挙を意識しての発言なのかどうか、いずれにしてもこの過激なまでの円安を目の当たりにして一番驚いたのは石破首相本人かもしれない。
「軍事オタクにして経済音痴」といってしまえば失礼だが、経済全般について“岸田路線を継承する”のワンセンテンスのみで、あとはメディアに説明を委ねるというようなスタンスが透けて見える。直近明らかになった内閣支持率は共同通信社の調査で50.7%、日本経済新聞とテレビ東京の調査では51%、どちらも5割前後という数字が示された。ギリギリ50という数字にやや忖度した気配もうかがわれるが、いずれにしても2人に1人が発足したばかりにもかかわらず新内閣を評価しないという結果となった。
石破首相が自民党新総裁に就任した後の発言について、市場関係者からは「解散総選挙についてだけでなく持論を曲げることにこれほど躊躇しないということに、半ば驚きを禁じ得ない」(中堅証券ストラテジスト)という声も聞かれる。「現在、追加利上げの環境にあるとは考えていない」という言葉は、高市早苗前経済安保担当相が総裁選のさなかに述べた「金利を今、上げるのはアホやと思う」という発言とイコールである。加えて首相になった直後の発言として妥当性があったかどうかはいうまでもない。経済政策についてもグランドデザインが皆目不明で、出てきたのは地方創生を支援する交付金の倍増。「とりあえずカネを出すという、ビジョンなきバラ撒きのイメージが拭えない」(ネット証券マーケットアナリスト)という厳しい見方を示す向きも少なくない。
一つの仮説として、石破首相は総裁選で自分が選出されるとは思っていなかった可能性がある。安倍元首相と総裁選を戦った時とは違う。「高市氏に首相になってもらっては困る」という人たちの思惑によって発生したウネリによって押し上げられた。これまでは党内野党として歯に衣着せぬ物言いで存在感を示してきたが、今は立っているフィールドが真逆である。これまで自らが背にしてきた風景を目にして、これからどうしようか思案六法という風情だ。発言がブレまくっているのも、予期していないフィールドに立ってしまったことに対する動揺が反映されていると思われる。
足もと東京市場はインデックス売買主導の無機質な上下動を続けているが、皮肉にも個別では中国関連のETFが軒並み爆騰状態にある。値上がり率上位3傑を独占し、値上がり率トップのMAXIS HuaAn中国株式(上海180A株)上場投信<2530.T>については何と87%高であった。これは仮に高市氏が首相となっていたとしても同じだったとは思うが、何か日本株の先行き不安を暗示するような現象にもみえてくる。
あすのスケジュールでは、前場取引時間中に9月の輸入車販売(日本自動車輸入組合)、9月の車名別新車販売(日本自動車販売協会連合会)、9月の軽自動車販売(全国軽自動車協会連合会)が開示されるほか、午前中に3カ月物国庫短期証券の入札が行われる。個別企業では安川電機<6506.T>の3~8月期決算発表が注目される。なお、この日は日本証券業協会が「証券投資の日」と定めている。海外では9月の米雇用統計に対するマーケットの関心が高い。また、ウィリアムズNY連銀総裁が挨拶を行う予定。中国市場は国慶節の祝日に伴い休場となる。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/10/03 17:00
みんかぶニュース コラム
3日の株式相場見通し=大幅反発、急速な円安進行が追い風に
3日の東京株式市場は主力株をはじめ広範囲に買い戻される展開となり、日経平均株価は3万8000円台を大きく回復する公算が大きい。中東情勢の緊迫化を背景にリスク回避ムードは残るものの、前日の米国株市場が底堅い動きを示したほか、外国為替市場で急速に円安方向に振れていることで、株式市場でもアンワインドの動きが表面化しそうだ。前日の欧州株市場では主要国の株価が高安まちまちの展開となり、英FTSE100、仏CAC40は小高く引けたものの、独DAXは小幅ながら3日続落となった。米国株市場では朝方は売り優勢だったものの、その後は持ち直し取引後半はNYダウ、ナスダック総合株価指数ともにおおむねプラス圏で推移した。ただ、上値の重い展開に終始している。中東ではイランがイスラエルに大規模なミサイル攻撃を仕掛けたことに対しイスラエルは報復姿勢を示しており、予断を許さない局面にある。米株市場でも地政学リスクに対する警戒感は強いが、朝方発表のADP雇用統計で雇用者数の伸びが市場予想を上回った一方、賃金の伸びは鈍化傾向で、米経済の底堅さが意識されるなかインフレ懸念は後退しているとの見方が全体相場を支えた。そうしたなか、外国為替市場では急速にドルが買い戻される流れとなり、一時1ドル=146円台半ばまで円安に振れていることで、これが日本株に強力な追い風となる。米国では半導体関連株への買いが目立ったことで、東京市場でもこの流れを引き継ぎ、日経平均寄与度の高い半導体製造装置の値がさ株などへの買いが相場を押し上げる構図が想定される。
2日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比39ドル55セント高の4万2196ドル52セントと反発。ナスダック総合株価指数は同14.764ポイント高の1万7925.123だった。
日程面では、きょうは対外・対内証券売買契約、10月の日銀当座預金増減要因見込み、10年物国債の入札など。海外では8月の豪貿易収支のほか、週間の米新規失業保険申請件数、9月の米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況感指数、8月の米製造業受注など。なお、中国、韓国市場は休場。
出所:MINKABU PRESS
2024/10/03 08:00
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=外国人の「劇的買い転換」アノマリー
きょう(2日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比843円安の3万7808円と大幅反落。上下にボラティリティが高まるなか、日替わりでベクトルの向きが変わり、なかなか一筋縄では読めない地合いが続く。「森より木を見る」という銘柄重視のスタンスはよく言われることだが、今は個別株戦略も急所が見えにくくなっている。
目先半導体関連が一服し、防衛関連にマーケットの視線が集まっているが、防衛というテーマは銘柄の裾野が比較的狭く、手詰まり感が生じやすい弱みもある。足もとで三菱重工業<7011.T>が連日にわたって2位以下を大きく引き離す断トツの売買代金をこなしているが、これは少し前までレーザーテック<6920.T>が独占していた“ポールポジション”であった。ここだけ見ると、売買代金トップの座を占めるシンボルストックの交代が、半導体から防衛関連へと主役テーマが入れ替わったことを暗示しているようにも見える。だが、ここから三菱重に全力投球できるかというと、それはファンダメンタルズを考慮した場合、実践的にはリスクも大きい。あくまでバロメーターとしての位置づけとなる。
イランとイスラエル間の紛争は徐々に抜き差しならぬ局面となってきた。基本的に地政学リスクによって相場の大勢トレンドが下げに転じることはない。しかし、悪材料が単独ではなく複合的に内在しているケースもあり、押し目はひたすら買い下がって報われるというほど単純なものでもない。イランがイスラエルに向けて弾道ミサイルを180発以上も発射したことが伝わるなか、「イスラエルのネタニヤフ首相はアイアン・ドーム(防空・迎撃システム)が突き破られたことに相当なショックを受けており、報復手段についてもこれまでのようなプロレスでは済まされない状況となっている」(ネット証券マーケットアナリスト)と指摘する。日本にすればイランVSイスラエルは遠くの戦争かもしれないが、足もと地政学リスクによって原油市況が急動兆しており、これが高騰を続けるような場合は、物価高の流れと相まって日銀にもかなり強い圧力がかかることになる。追加利上げに向けたモラトリアム期間が前倒しで解消されれば、株式市場もバランスを崩す。
一方、米国のリセッション懸念はひと頃よりは大分緩和されている。FRBによる利下げは年内2回、つまり11月と12月のFOMCで0.25%ずつ政策金利を引き下げるという見方が今のところ本線だ。NYダウが前日に反落したとはいえ、史上最高値圏で頑強な値動きを示しているのは、経済のソフトランディング期待と金融緩和期待が併存するゴルディロックス的な相場環境が好感されている証である。注目されるのは今週末4日に発表が予定される9月の米雇用統計だ。
9月の雇用統計について事前コンセンサスは、非農業部門の雇用者数の伸びが15万人と14万2000人だった8月から若干増勢が予想されるが、失業率については4.2%、平均時給については3.8%増(前年比)と、どちらも8月と並びが見込まれている。ひと言でいえば程よくブレーキの利いた数字で、この通りであればFRBの政策姿勢に影響はなさそうだ。ただ、想定以上に強い数字だった場合、地政学リスクを背景とした原油価格の高騰や、金価格上昇などと共鳴して利下げシナリオに水を差すケースもゼロではない。
10月相場も前途多難を思わせるが、10~12月の四半期タームでみれば外国人投資家が本気を出すクオーターでもある。10月は過去10年間をさかのぼって外国人は日本株を月間ベースで8回買い越し、8勝2敗だった。ちなみに昨年10月は現物で9600億円強の大幅買い越しとなっていた。外国人にとって9月は売り越しの月(1勝9敗)であり、その代わり10月に仕切り直して買い越しに転じるのが強力なアノマリーだ。持論を曲げた10月解散表明で物議を醸した石破新首相だが、外国人によほど嫌われない限り、マーケットからは政権に追い風が吹くタイミングとなる可能性もある。
あすのスケジュールでは、対外・対内証券売買契約、10月の日銀当座預金増減要因見込みが朝方取引開始前に発表されるほか、午前中に10年物国債の入札が行われる。また、午後取引時間中には日銀から需給ギャップと潜在成長率が開示される。海外では8月の豪貿易収支のほか、米国では週間の新規失業保険申請件数が注目される。このほか、9月の米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況感指数、8月の米製造業受注などに対するマーケットの関心が高い。なお、中国、韓国市場は休場。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/10/02 17:00