みんかぶニュース コラムニュース一覧
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=JPHD、事業環境に追い風
JPホールディングス<2749.T>は9月20日に年初来高値772円をつけたあと押し目を形成しているが、業績拡大期待を背景に先高感は強く、ここは狙い目と考えたい。
「異次元の少子化対策」の効果が業績に表れてき始めたことに注目したい。8月13日に発表した第1四半期(4~6月)連結決算は営業利益が13億9800万円(前年同期比61.1%増)と大幅増益となったが、認可保育園からこども園へ4園移行したことや、新規施設の開設などが寄与したほか、「対人数の変更」(4・5歳児の預かり児童数に対応した保育士の配置基準の見直し)による補助金の増加などが収益に貢献。特に同社は、既に保育士の配置人数を増員していたことから業績へのインパクトが大きかった。
第2四半期以降も「対人数の変更」の業績への大きなインパクトが期待できる。同社では「対人数の変更」や「こども誰でも通園制度」などの影響は計画に織り込んでいないとしていることから、通期営業利益予想の47億5100万円(前期比3.6%増)は上振れの可能性が大きい。
更に来期からは1歳児も「対人数の変更」が適用見込みであり、今期以上のインパクトが期待できる。その後も、「こども誰でも通園制度」の開始も同様にプラスに働く。また、東京都認証学童保育のスタートなどもあり、同社に対する追い風は事欠かない。調査機関によっては25年3月期営業利益58億円、26年3月期66億円前後を見込むところもある。(仁)
出所:MINKABU PRESS
2024/10/02 10:00
みんかぶニュース コラム
2日の株式相場見通し=大幅反落か、中東の地政学リスクが重荷
2日の東京株式市場は主力株をはじめ再びリスク回避ムードが強まるなか買いが手控えられ、日経平均株価は大幅反落となる可能性が高い。3万8000円大台近辺の攻防となることが予想される。前日の欧州株市場では高安まちまちながら、独DAXや仏CAC40がいずれも続落するなど主要国は軟調な地合いが目立った。中東情勢の緊迫化が嫌気され売りを誘う形となった。米国株市場でも中東での有事リスクを警戒し景気敏感株やハイテク株など総じて売られ、ナスダック総合株価指数の下げが相対的に大きくなっている。イランがイスラエルに向けて弾道ミサイルを発射したことが伝わるなか、WTI原油先物価格が急伸したことも見送りムードを助長、ダウ、ナスダック指数とも終盤に下げ幅を広げた。恐怖指数とも呼ばれるVIX指数は急上昇し、一時9月11日の取引時間中以来となる20ポイント台まで水準を切り上げた。東京市場も地政学リスクが株価の重荷となることが予想される。日経平均は週明けの急落の反動で前日はリバウンド狙いの買いが優勢となったが、値幅的には前々日の下げ分の半値戻しにも届かなかった。引き続き石破新政権の政策スタンスに対する警戒感が拭えず、積極的な買いが入りにくい。外国為替市場でも方向感の定まらない動きとなっており、取引時間中は中国株市場が国慶節で休場ということもあって、ドル・円相場の動向や米株価指数先物の値動きに左右される地合いとなりそうだ。
1日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比173ドル18セント安の4万2156ドル97セントと4日ぶり反落。ナスダック総合株価指数は同278.811ポイント安の1万7910.359だった。
日程面では、きょうは9月のマネタリーベース、9月の消費動向調査、9月の財政資金対民間収支、全国証券大会など。また、海外ではポーランド中銀が政策金利を発表し、8月のユーロ圏失業率に注目が集まる。このほか米国では9月のADP全米雇用リポートが開示され、ボウマンFRB理事の講演も予定されている。
出所:MINKABU PRESS
2024/10/02 08:00
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=新政権の勝ち筋を探る、「防衛関連」が躍動
名実ともに10月下期相場入りとなった1日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比732円高の3万8651円と大きく切り返した。前日は石破茂新総裁の誕生を受け、2000円近い暴落の洗礼を浴びせたマーケットだったが、さすがに売られ過ぎとみたのか、きょうは素直にリバウンド局面へと移行した。
今月27日の総選挙まで1カ月の猶予もないが、それだけに石破新総裁は発言に細心の注意を払うはずである。金融所得課税の強化など財務省寄りの発言は封印し、経済対策について具体的な言及はないまでも、マーケットフレンドリーなコメントに終始することは想像に難くない。経済政策を軽視しているということはないはずだが、確固たるポリシーを持っているようにはあまり見えないゆえ、手っ取り早くといえば語弊があるが、岸田路線を継承する意向を明示している。とするならば、岸田政権下で導入された新NISAの梯子を外すようなコメントはできない。金融所得課税の強化は「富裕層がターゲット」と言えば、株式市場は安堵するかといえば絶対にそれはあり得ないことで、今回その相場の不文律を新総裁は理解したはずである。こうなると、ショート筋も先物を絡めた売り仕掛けなどは難しく、当面は下値にセーフティーネットが敷かれているような相場環境と考えられる。
きょうは日経平均が大幅反発したとはいえ、前日の半値戻しにも届かず自律反発の領域にとどまっているが、外国為替市場の円安方向への揺り戻しを味方につけて、とりあえずリスクオフの流れは堰き止めた。一つ明るい材料としては、石破新政権を評価する方向でテーマ株物色の流れが形成されたこと。つまり、防衛関連株への買いが一気に加速したことが特筆される。今回の組閣人事では解消されたはずの自民党内の派閥抗争の実態が色濃く反映されたものとなったが、注目点はそれ以外にもあった。それは「防衛族で固められた内閣」であること。「軍事オタク」と呼ばれる石破氏は言うまでもなく、防衛大臣に起用された中谷元氏は再登板で元陸上自衛官という筋金入りの防衛族であることは知られている。だが、市場筋は「それ以外でも小野寺政調会長、林官房長官、岩屋外務大臣、浜田衆院議運委員長が防衛大臣経験者、長島首相補佐官は民主党・野田政権時代に防衛副大臣を務めた。防衛という2文字で塗り込められた内閣」(ネット証券マーケットアナリスト)とする。名は体を表すというが、今回の内閣はそのまま政策姿勢を表している、というのである。
前日の相場は拒絶反応が先に立ったが、きょうは内閣の顔ぶれを見て、投資マネーは買いの手掛かりを目ざとく察知したようだ。そうしたなか、何と言っても圧巻だったのが、三菱重工業<7011.T>のパフォーマンスである。防衛省との取引額では群を抜いており、文字通り“リアル防衛関連”の旗艦銘柄といってよい。きょうは、売買代金トップ常連のレーザーテック<6920.T>を押しのけ、断トツの商いをこなしながら大幅高に買われた。更に、値上がり率上位は防衛関連株のオンパレードとなった。値上がり率上位10傑に三井E&S<7003.T>、東京計器<7721.T>、日本製鋼所<5631.T>、川崎重工業<7012.T>、カーリット<4275.T>、新明和工業<7224.T>、そして三菱重と実に7銘柄がランクインしている。
これらは重量級の銘柄が多いが、今後このテーマに波状的に物色の矛先が向くのであれば、中小型の値の軽い銘柄群にも高い確率で投資マネーは波及しそうだ。きょうの値上がり率ベストテンの中ではカーリット<4275.T>が小型で投資指標面からも割安であり、引き続き上値妙味がありそうだ。このほか、防衛関連の常連銘柄であった石川製作所<6208.T>は業績も好調で今期は復配見通しにあり、改めて見直し買いの対象に浮上しそうだ。また、株価3ケタ台で値ごろ感のある重松製作所<7980.T>も今期は営業2割増益見込みで、PERが10倍割れ、PBR0.6倍という安値水準に放置されている。
また、石破新総裁は「防災省」の創設を目指す意向を示している。これも防衛関連の姉妹テーマである防災関連に投資資金を誘導しそうだ。防災分野を中心にクラウド事業を展開するドーン<2303.T>は増収増益トレンドをまい進中で、株価も動意含みだ。
あすのスケジュールでは、9月のマネタリーベース、9月の消費動向調査、9月の財政資金対民間収支、全国証券大会など。また、海外ではポーランド中銀が政策金利を発表し、8月のユーロ圏失業率に注目が集まる。このほか米国では9月のADP全米雇用リポートが開示され、ボウマンFRB理事の講演も予定されている。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/10/01 17:00
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=インフォR、業績変貌期突入で押し目買いチャンス
INFORICH<9338.T>はスマートフォン向けモバイルバッテリーのシェアリングサービスを展開するというユニークな業態で、国内で約8割と群を抜くシェアを誇っており、足もとの業績も急拡大している。24年12月期は営業利益段階で前期比2.7倍の16億3500万円と変貌を見込むが、これでも保守的とみられ一段の増額修正が視野に入る。バッテリースタンドはコンビニエンスストアや携帯ショップ、駅、空港などに設置されるが、その台数はおよそ4万台。最近は証明写真BOXや自動販売機にバッテリースタンドを埋め込むモデルなど工夫も施され、需要取り込みが加速しそうだ。
株価は9月20日に戻り高値4625円を形成後に調整を入れているが、4000円を割り込む場面は買い場と判断される。3800円近辺に位置する75日移動平均線がサポートラインとして強く機能しそうだ。上値は中勢5000円を目指す展開へ。(桂)
出所:MINKABU PRESS
2024/10/01 10:00
みんかぶニュース コラム
1日の株式相場見通し=反発、円安を背景に目先買い戻し局面へ
1日の東京株式市場は前日の急落の反動で日経平均はリバウンドに転じる可能性が高い。外国為替市場では1ドル=143円台後半の推移と大きく円安方向に振れており、これが全体相場にポジティブ材料となる。前日の欧州株市場では主要国の株価が総じて軟調な値動きとなった。最高値街道を走っていた独DAXが利益確定売りで3日ぶりに反落したほか、仏CAC40は構成される40銘柄のうち39銘柄が下落、指数も2%の下げとなっている。この流れを受けて米国株市場もはっきりしない地合いとなったが、NYダウは取引時間中にほぼマイナス圏で推移したものの、引け際に急速に水準を戻しわずかながら高く引け連日の過去最高値更新となった。この日の午後に行われたパウエルFRB議長の講演では、今後の利下げについてそれほど積極的な姿勢を示さなかったことで、米長期金利が上昇し全体相場の上値を重くした。ただ、パウエル氏の講演を受け米経済に対する不安心理も後退しており、下げ圧力が強まることはなく、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数の方も上昇して引けている。東京市場では前週末の自民党総裁選で石破茂氏が新総裁に選出されたことを受け、日経平均が一時2000円を超える暴落に見舞われたが、きょうは更に下値を売り込む理由には乏しく、主力株を中心に広範囲に買い戻される公算が大きい。取引時間中は為替市場の動向などに左右されるケースもありそうだが、終始強調展開が見込まれる。
30日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比17ドル15セント高の4万2330ドル15セントと3日続伸。ナスダック総合株価指数は同69.580ポイント高の1万8189.170だった。
日程面では、きょうは8月の有効求人倍率、8月の失業率、9月の日銀全国企業短期経済観測調査(日銀短観)、日銀金融政策決定会合の主な意見(9月19~20日開催分)、9月の新車販売台数、9月の軽自動車販売台数など。海外では8月の豪小売売上高、9月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値、9月の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数、8月の米建設支出、8月の米雇用動態調査(JOLTS)、クックFRB理事の講演など。なお、中国、香港、韓国市場は休場となる。
出所:MINKABU PRESS
2024/10/01 08:00
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=クラッシャー石破、株価復元へ遠き地平
週明け30日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比1910円安の3万7919円と急反落。きょうで名実ともに波乱の9月相場が幕を閉じ、あすから10月相場、つまり25年3月期の下期相場入りとなる。8月ほどではないが、9月も前半に大きく下値を探る展開を強いられ、その後は売られた分をすべて取り戻すという上下にボラティリティの高い相場が演出された。しかし、月末になって想定外の激震に見舞われる格好となった。
海外株市場の動向をみる限り株式市場はグローバルではリスクオンである。直近にきて中国上海総合指数と香港ハンセン指数は、ロケット打ち上げを思わせるような俗に言う“火柱高”をみせている。これは特異な例としても、欧州株市場ではドイツの主要株価指数であるDAXが史上最高値圏を更新するなど強気優勢の地合いに陰りはなく、米国株市場でも前週末27日にNYダウが最高値街道に復帰している。
だが、東京市場は“石破ショック”の様相を呈し別世界に迷い込んだ。これは海外株高によるリスクオンの流れを完全に遮断するインパクトがあった。石破新総裁誕生はサプライズだったがそれだけではない。その後の組閣人事も含め、まさに解消したはずの派閥の力学がフルに反映された自民党総裁選の結果であった。市場では「永田町が“政治屋”の集まりであることが今回のイベントで浮き彫りになり、それが株式市場でアナフィラキシー反応的な売りにつながった面もある」(ネット証券ストラテジスト)と表現する。このショック安で、ネット証券では足もと想定外のタイミングで追い証が発生しているという。
今回、13人が初入閣とはいえ刷新されたイメージには程遠く、論功行賞という言葉があまりにも当てはまる組閣人事であった。安倍政権時代の官房長官をあれだけ長く務めた女房役の菅義偉前首相が、アベノミクス批判の急先鋒だった石破政権で副総裁を務めるという違和感。これに、本来は党員支持の多い方に投票するはずの旧岸田派の逆モーションも加わった。一方、キングメーカーの座を追われた麻生太郎副総裁を党最高顧問としての肩書で棚に押し上げ、麻生氏が推した河野太郎デジタル相のほか、上川陽子外相の名前も見られない。上川氏は決選投票で石破氏に票を投じたことを公言したが、今回の出馬に際し、推薦人を麻生派に頼り駆け込みで確保した経緯がある。今回も結局「派閥もどき」の総裁選となり、皮肉にも唯一の派閥を維持している麻生派が、結果的に逆目を引く格好となった。
麻生派では鈴木俊一前財務大臣が総務会長に選出されたが、これは高市早苗経済安全保障担当相に打診して断られたポストがあてがわれた。石破新総裁は2012年の総裁選の際に安倍元首相に決選投票で逆転負けを喫したが、組閣では幹事長に起用された経緯がある。その伏線があることは当然承知のうえ、今回、高市氏が幹事長ポストではなく総務会長が提示された時点で固辞したのは、突っぱねるよりなかったというのが本当のところかと思われる。また、総務大臣に村上誠一郎元行政改革担当相を起用したことも強烈な印象を与えた。反アベノミクスを旗幟鮮明とすることで、「水面下では清和会と宏池会の最終決戦の様相を呈してきた」(ネット証券マーケットアナリスト)と指摘する声も聞かれる。
問題は株式市場が早晩立ち直れるのかどうかという点。石破新総裁は10月27日の解散総選挙を前に、経済を映す鏡である株式市場に無頓着というわけにはいかない。金融所得課税の強化は当面眼中にはないと明言し、賃金上昇や物価高抑制などを政策面で支援する構えをリップサービスであっても明示してくるはず。となれば、先物を絡めて売りを仕掛けるような動きも封印されそうだが、かといって3万8000円近辺が買い場という確信は持てない。市場では「近々発表される世論調査の結果をみるまでは方向感がつかめず、見切り発車で買い出動するのはリスクも大きい」(前出のアナリスト)とする。
あすのスケジュールでは、8月の有効求人倍率、8月の失業率、9月の日銀全国企業短期経済観測調査(日銀短観)、日銀金融政策決定会合の主な意見(9月19~20日開催分)、9月の新車販売台数、9月の軽自動車販売台数など。この日は東証スタンダード市場にシマダヤ<250A.T>が新規上場する。海外では8月の豪小売売上高、9月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値、9月の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数、8月の米建設支出、8月の米雇用動態調査(JOLTS)、クックFRB理事の講演など。なお、中国、香港、韓国市場は休場となる。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/09/30 17:00
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=前田工繊、防災関連株として注目
前田工繊<7821.T>に注目したい。同社は土木・産業資材大手で地盤補強材などが主力。株式市場では防災関連株として人気を誇っている。24年6月期の連結営業利益は前の期比26.4%増の107億3600万円と好調。公共事業関連資材への需要でソーシャルインフラ事業が伸びたほか、インダストリーインフラ事業で自動車ホイール関連も堅調だった。25年6月期の同利益は前期比4.3%増の112億円と最高益の見込みだ。
豪雨や台風、地震など災害が相次ぐなか、自民党新総裁に就任した石破茂氏は「防災省」創設を提唱しており、同社株が改めて関心を集めそうだ。今期同利益は120億円前後への増額観測も出ており株価も上昇基調を強めそうだ。(地和)
出所:MINKABU PRESS
2024/09/30 10:00
みんかぶニュース コラム
30日の株式相場見通し=急落、石破氏の総裁選勝利で波乱展開に
30日の東京株式市場は主力株をはじめ大きく売り優勢に傾くことが避けられない。日経平均は大幅反落となり一気に3万9000円台を割り込む展開が予想され、場合によっては3万8000円台を下回るような波乱の様相を呈することも考えられる。前週末の欧州株市場は主要国の株価が総じて上昇し、独DAXは連日の最高値更新と気を吐いた。米国株市場ではハイテク株が軟調気味な推移でナスダック総合株価指数は安かったものの、景気敏感株を中心に頑強な値動きとなり、NYダウの方は最高値を更新した。注目されたPCEデフレーターは3年半ぶりの低い水準となり、事前コンセンサスを下回る内容だった。また、同日発表されたミシガン大学の9月の米消費者態度指数確報値が速報値から上方修正された。2つの経済指標はインフレが沈静化する一方、個人消費の底堅さを示唆する内容となり、投資家の心理改善につながっている。ただ、東京市場では欧米株高を引き継ぐことができそうもない。前週末に投開票された自民党総裁選で、マーケットが期待した高市早苗経済安全保障担当相ではなく、金融所得課税強化などに言及する石破茂元幹事長が選出されたことが嫌気される形となることが予想される。その後に明らかとなった内閣や党役員の顔ぶれも目新しさに乏しく、解消されたはずの派閥の力学が色濃く反映されたもので、これも全体株価の下げを助長する公算が大きい。外国為替市場で1ドル=142円台前半まで急速にドル安・円高が進んだことも輸出セクターを中心にネガティブに働くほか、中東での地政学リスクが再燃していることも警戒されそうだ。
27日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比137ドル89セント高の4万2313ドル00セントと続伸。ナスダック総合株価指数は同70.701ポイント安の1万8119.590だった。
日程面では、きょうは8月の鉱工業生産速報値、8月の商業動態統計、8月の住宅着工統計など。海外では9月の中国製造業PMI、9月の中国非製造業PMI、9月の独CPI、米国ではパウエルFRB議長の講演など。
出所:MINKABU PRESS
2024/09/30 08:01
みんかぶニュース コラム
来週の株式相場に向けて=「石破新総理」誕生後の相場を織り込む
27日の株式市場は、自民党総裁選に大きく左右された。午後1時から投開票が始まった自民党総裁選では、高市早苗経済安全保障相と石破茂元幹事長が決選投票に進出した。第1回投票で最多得票となった高市氏は低金利政策の維持と積極財政を主張していることから、為替相場では1ドル=146円台に円安が進行し、株式市場でも買いが膨らんだ。
特に、日経平均株価の上昇幅は900円を超える高値引けとなり3万9800円台に上昇。7月中旬以来、約2カ月ぶりの水準に上昇した。「マーケットは高市総理の誕生を織り込んでいった」(市場関係者)とみられている。
しかし、午後3時過ぎに公表された決選投票の結果は石破氏が勝利し、自民党の新総裁に選出された。石破氏勝利の結果、為替市場では午後4時時点で一時143円割れまで一転して円高が進行。日経平均株価も時間外取引で急落している。
今後は10月1日に臨時国会が召集され、石破氏が新総理に選出される見通しだ。「アベノミクス」の継承を打ち出していた高市氏と異なり、石破氏は株式市場にとっては評価が難しい新総理となりそうだ。特に、石破氏は「金融所得課税の強化」に意欲を示したことを警戒する見方がある。アナリストからは「あっても一部の富裕層に限るもので大幅な課税強化はないだろう」との声はあるが、金融市場への不安を取り除くことが今後の課題となりそうだ。
今日の大幅高の反動で、来週30日の日経平均株価は急落も予想され、株式市場は目先的には石破氏を軟調な値動きで迎える可能性がある。その一方、裏金問題に前向きな取り組みをみせることで政治への不信感を取り除くことなどが期待される。新総理誕生で内閣支持率が上昇すれば、株式市場にもプラス要因だろう。個別銘柄では、鳥取県が本社の寿スピリッツ<2222.T>や地方創生関連のチェンジホールディングス<3962.T>、雨風太陽<5616.T>、バルニバービ<3418.T>など。それに、三菱重工業<7011.T>や川崎重工業<7012.T>といった防衛関連株は引き続き人気を集めることが予想される。
上記以外では、来週も米国の景気動向が高い関心を集めそうだ。特に10月4日に米9月雇用統計が発表される。また、雇用統計に先立ち1日に米9月ISM製造業景況指数、米8月JOLTS求人件数、2日に米9月ADP雇用統計、3日に米9月ISM非製造業景況感指数と重要経済指標は目白押しだ。
国内では、1日に日銀短観が発表される。同日に8月失業率・有効求人倍率、9月開催分の日銀金融政策決定会合の「主な意見」が公表される。30日にしまむら<8227.T>、アダストリア<2685.T>、1日に象印マホービン<7965.T>、ナガイレーベン<7447.T>、2日に西松屋チェーン<7545.T>、霞ヶ関キャピタル<3498.T>、3日にキユーピー<2809.T>、不二越<6474.T>、4日に安川電機<6506.T>、ハイデイ日高<7611.T>が決算発表を行う。1日にシマダヤ<250A.T>が新規上場する。来週の日経平均株価の予想レンジは、3万8000~3万8900円前後。(岡里英幸)
出所:MINKABU PRESS
2024/09/27 17:25
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=Appier、世界展開する好業績のAI関連株
Appier Group<4180.T>の株価上昇に注目したい。同社は企業向けにAIを活用したマーケティング支援を提供。日本をはじめ米国や欧州、中国を含むアジアと幅広い地域で事業を展開している。8月の全体波乱相場に巻き込まれ900円台に突っ込む場面があったが、好業績を背景に急速な戻り足をみせ、足もとは1800円前後で推移している。
直近決算の24年12月期上期業績は営業8.7倍増益と急拡大。主要重点地域の北東アジアや欧米などが想定を上回る成長をみせたことが寄与した。会社側では下期も良好な見通しという。上期決算とあわせ同社初となる自社株買いの実施を発表しており、株主還元に注力する姿勢を示している。(イ)
出所:MINKABU PRESS
2024/09/27 10:00
みんかぶニュース コラム
27日の株式相場見通し=続伸、欧米株高を受けリスク選好続く
27日の東京株式市場は主力株をはじめ広範囲に買いが続き、日経平均株価は大幅続伸となりそうだ。フシ目の3万9000円台を大きく回復する可能性が高い。前日の欧州株市場はほぼ全面高商状となり、独DAXは史上最高値を更新、仏CAC40なども2.3%高と上げ幅が大きくなっている。中国が26日に打ち出した追加の景気刺激策が好感されており、日本や中国、香港などアジア株の大幅上昇を受け、リスク選好ムードが高まった。一方、米国株市場でもNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに上昇した。また、機関投資家がベンチマークとして重視するS&P500指数は史上最高値を更新している。この日に発表された米新規失業保険申請件数が市場の事前コンセンサスを下回ったことで、労働市場が懸念するほど弱くはないとの見方が広がった。また、個別株では中国関連である建設機械最大手のキャタピラー<CAT>などが上昇しダウ押し上げに貢献した。東京市場では前日に日経平均が大きく水準を切り上げ、1000円を超える上昇で高値引けとなったが、欧米株高を受け引き続き上値を指向する展開が予想される。外国為替市場では一時1ドル=145円台までドル買いが進むなど円安に振れていることも追い風となる。きょうは、午後に自民党総裁選の投開票が行われるが、その結果次第では不安定な値動きとなることも考えられるが、終始リスクオンの流れは維持されそうだ。
26日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比260ドル36セント高の4万2175ドル11セントと反発。ナスダック総合株価指数は同108.086ポイント高の1万8190.291だった。
日程面では、きょうは9月の都区部消費者物価指数(CPI)、7月の景気動向指数改定値など。また、午後1時から自民党総裁選の投開票が行われる。海外では1~8月期の中国工業企業利益、8月の米個人所得・個人消費支出、PCEデフレーター、9月の米消費者態度指数(ミシガン大学調査・確報値)も発表される。
出所:MINKABU PRESS
2024/09/27 08:00
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=10月相場も半導体狂騒曲は続く
きょう(26日)の東京株式市場は日経平均株価が前営業日比1055円高の3万8925円と急反発。引け際、吸い込まれるように高値引けとなった。値上がり銘柄数は1580とプライム市場の96%を占有し、マーケットはまさにリスクオン一色に染まった。
自民党総裁選の投開票をあすに控えるなか、しかも直前になっても誰が総裁の座を射止めるのか予想がつかないという状況にかかわらず、日経平均は待ちきれないように上値を突き進む展開となっている。きょうは9月の権利付き最終売買日にあたり、駆け込みでの配当権利取り絡みの買いが全体を支える、というのが一つの相場セオリーとなっている。だが、そんな特殊事情など眼中にないといわんばかりの怒涛の買いが押し寄せた。日経平均は3万8000円台前半を横に走る中期波動の分水嶺・75日移動平均線の上に綺麗に陽線を乗せてきた。この75日線は日経平均の戻りの難所で、累積売買代金が最も積み上がっている水準とも合致している。したがってここを完全クリアすると相場の視界が一変し、投資マインドも「乗り遅れてはならない」というムードに切り替わる。
総裁選は高市早苗経済安全保障担当相の勝利がマーケット目線では渇望されている。それを読み切っているということなのか。仮にそうであれば、相場の先見性恐るべしというよりないが、冷静にみて石破茂元幹事長が選出される可能性も十分にある。また、政策討論では失速を余儀なくされたとみられる小泉進次郎元環境相も、国会議員からの人気度は依然として高く、決選投票に残れば逆転できるポジションにある。
各人が看板とする政策テーマがあり、誰が総裁の座につくかで相場の物色対象も変わるため、見切り発車でのテーマ買い参戦はリスクも大きい。ただ、誰であってもネガティブにならない鉄板セクターもある。それが、防衛関連と半導体関連である。これらは次期政権でも間違いなく国策の要衝を担う。防衛大臣の経歴がある石破氏はもとより、高市氏も国家の主権と名誉を守り抜くという決意のもと、中国を意識したうえで日本の防衛力強化は是が非でも必要という姿勢を示す。防衛のシンボルストックである三菱重工業<7011.T>が大商いを伴って鮮烈な上値追いをみせているのは、総裁選の結果によって色褪せるテーマではないということを投資マネーが見越している証左だ。また、川崎重工業<7012.T>、IHI<7013.T>などもリアル防衛関連として同じ背景で買われている。
では、半導体はどうか。TSMCの日本誘致、日の丸半導体ラピダスの最先端半導体量産準備などをはじめ、米国をバックとした半導体政策はもはや立ち止まることはできない勢いで動き出している。そして、今回の半導体復権相場で最も強い光を放っているのがアドバンテスト<6857.T>だ。これまでの半導体大相場で、売買代金首位はレーザーテック<6920.T>の指定席ともなってきたが、株価パフォーマンスでは主役がかなり入れ替わっている。直近では7月までディスコ<6146.T>が筆頭人気だった。アドテストはどちらかというと地味な値動きで上値の重い印象だったが今回は違う。同社株は中長期で7000円大台ラインが強力な抵抗ラインとなっているが、ここを上抜くかどうかという場面にある。仮に、この難所をブレークすれば2月につけた上場来高値7456円の奪回を指呼の間に捉える。他の半導体主力株と比べれば波動の違いは瞭然であり指標株としてマークしたい。
このほか半導体周辺株でまだ見落とされている銘柄としては、半導体向けレーザーで高技術を持つオキサイド<6521.T>、半導体加工で需要な役割を担うダイヤモンド工具大手の旭ダイヤモンド工業<6140.T>、名古屋地盤の半導体商社の萩原電気ホールディングス<7467.T>、半導体実装用テープなど半導体材料で実績の高い巴川コーポレーション<3878.T>。そして、メーカー機能と商社機能を併せ持つ、東京エレクトロン<8035.T>のミニチュア版のような技術立社ダイトロン<7609.T>も面白いポジションにいる。
あすのスケジュールでは、9月の都区部消費者物価指数(CPI)、7月の景気動向指数改定値など。また、午後1時から自民党総裁選の投開票が行われ、マーケットの視線が集中する。この日はIPOが1社予定されており、東証グロース市場にAiロボティクス<247A.T>が新規上場する。海外では1~8月期の中国工業企業利益が開示。そして米国では8月の個人所得・個人消費支出、PCEデフレーターに市場の注目度が高い。このほか、9月の米消費者態度指数(ミシガン大学調査・確報値)も発表される。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/09/26 17:00
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=アルトナー、技術者の要請多く単価上昇
アルトナー<2163.T>は技術者派遣が主力事業。自動車関連メーカーにおける環境対応車の開発が活発なことが追い風となっているほか、生成AI向けの半導体需要の拡大で半導体製造装置関連メーカーからの技術者要請も旺盛だ。
足もとでは技術者数の増加に加えて稼働率も高水準で、技術者単価も上昇。また、売上高比率は小さいものの、請負・受託事業も堅調に推移している。9月9日に公表された25年1月期第2四半期(2~7月)の単独営業利益は前年同期比8.9%増の9億6000万円となり、通期計画16億9600万円に対する進捗率は56.6%となっている。
株価は戻りの鈍い展開が続いているが、日足チャートでは25日移動平均線と75日移動平均線が徐々に接近。ゴールデンクロスが実現すれば上げに弾みがつきそうだ。(参)
出所:MINKABU PRESS
2024/09/26 10:00
みんかぶニュース コラム
26日の株式相場見通し=反発、急速な円安とマイクロン好決算で半導体株に追い風
26日の東京株式市場は主力輸出株などを中心にリスク選好の地合いとなり、日経平均株価は大きく反発する可能性が高い。前日の欧州株市場は高安まちまちながら独DAX、仏CAC40、英FTSE100など主要国の株価は揃って軟調だった。米国株市場ではここ最高値更新の続いていたNYダウが目先利益確定売りに押される展開となった。この日に発表された8月の米新築住宅販売件数が前月から減少に転じ、景気減速を警戒するムードが持ち高調整の売りを誘った。ただ、FRBによる大幅な利下げを背景に米経済のソフトランディングが期待できるという見方が支えとなり、ハイテク株への買いは根強くナスダック総合株価指数はわずかながら上昇して引けている。個別にエヌビディア<NVDA>やインテル<INTC>、アドバンスト・マイクロ・デバイシズ<AMD>など半導体関連株が強く、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は3日続伸となった。東京市場では欧米株が冴えない値動きだったものの、外国為替市場で円安が急速に進んでいることは輸出セクターを中心に株価押し上げ材料となる。米国時間取引終了後に発表されたマイクロン・テクノロジー<MU>の四半期決算が市場コンセンサスを上回る内容で先行き見通しも予想以上に堅調だったことは、半導体関連株に強い追い風となることが予想される。あすの自民党総裁選の投開票を控え、買い一巡後は上値が重くなる可能性はあるが、一方できょうは9月の権利付き最終売買日であり、駆け込みでの権利取り狙いの買いが浮揚力を与えそうだ。
25日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比293ドル47セント安の4万1914ドル75セントと5日ぶり反落。ナスダック総合株価指数は同7.684ポイント高の1万8082.205だった。
日程面では、きょうは日銀金融政策決定会合の議事要旨(7月30~31日開催分)、国際決済銀行(BIS)国際資金取引統計及び国際与信統計の日本分集計結果発表、40年物国債の入札など。また、「東京ゲームショウ2024」が29日までの日程で開催。海外ではスイス中銀の政策金利発表、4~6月期米実質国内総生産(GDP)確定値、週間の米新規失業保険申請件数、8月の米仮契約住宅販売指数など。
出所:MINKABU PRESS
2024/09/26 08:00
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=出遅れ半導体関連が最強の赤札となる時
きょう(25日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比70円安の3万7870円と5日ぶり反落。朝方は円高環境を嫌気するムードがあったが、あすに配当権利付き最終日を控え、フタを開けて見れば押し目買いニーズが強く容易に下がらない。しかし、上値も重く、取引終盤は五月雨的な持ち高調整の売りによって結局マイナス圏で引けている。
前日の欧州株市場は全面高となったが、これは欧州と経済的つながりの強い中国で金融緩和策を軸とした景気刺激策が発表されたことを好感したもの。直近の上海総合指数と香港ハンセン指数の戻り足の強さは特筆に値する。中国株高→欧州株高の流れを引き継いだのが前日の米株市場で、NYダウは小幅ながら連日の最高値更新となった。対中規制の徹底強化を前面に押し出す米国が、中国の景気刺激策を好感するというのも何かジョークのように聞こえるが、ともあれ中国株底入れはリスクオフへの警戒を緩めるひとつの大きな要因となっている。これは足もと東京市場で中国関連株を買い戻す動きにも反映された。
東京市場は自民党総裁選を前に思惑が入り乱れるが、あと2日で答えは出る。仮に決選投票に小泉氏が上がってくれば勝利する公算は大きそう。しかし、石破VS高市となった時にどうなるか。株式市場がどちらを望むかは言うまでもないが、小泉支持の票が石破氏に流れるという永田町の事情を指摘する声もある。いずれにしても、総裁選を通過すれば解散総選挙モードとなる。「過去30年の総選挙アノマリーとしては、投票前から全体株価は上昇基調となり、投票後もその流れは続く。特に自民党が単独過半数を確保した場合はほぼ100%の確率で上げ潮相場に突入する」(中堅証券ストラテジスト)という。
個別株物色の流れは徐々に世界的な金融緩和モードを織り込み、半導体関連株の水準訂正の動きが始まっている。国内は日銀が遅かれ早かれ追加利上げに動くことになるが、欧米や中国とは金融政策の方向性が真逆であり、急いでアクセルを踏み込む気配はない。日米で金利差縮小の流れにあるのは確かだが、言葉で表されたイメージと現実の状況とは少なからぬカイ離がある。直近の10年債利回りは米国が3.7%台、対して日本は0.8%前後である。水準的な部分で文字通り日本の金利はケタ違いに低い。利上げ路線とはいってもモラトリアムの期間が長ければ、それだけ日本株市場にとってユートピア的環境が続く。
半導体関連セクターについては依然として見方が分かれるが、金利上昇の突風さえ吹かなければ、東京市場では「売られ過ぎの反動」が徐々に顕在化することが予想される。個別に業績動向をチェックしておく必要があるのは当然として、極論すれば半導体関連に位置付けられる銘柄群は、今のタイミングで拾いに行って報われないケースの方が稀と考えておいてよさそうだ。
投資家サイドとしてはチャート的に出遅れ感が強く、収益が上向きかつロケットスタートが可能な脚力の強い銘柄をリストアップしておくところ。超高精度X線ミラーで独占的な供給能力を有し、次世代半導体向けに独自開発した半導体研磨装置で需要を捉えるジェイテックコーポレーション<3446.T>。ICソケットの世界シェア約4割を有するグローバルニッチトップの山一電機<6941.T>。半導体製造装置向け真空シールで世界シェア6割を誇り、中国関連でもあるフェローテックホールディングス<6890.T>。半導体向けを主力とする超純水装置大手で、最先端半導体への設備投資対応で商機を高めている野村マイクロ・サイエンス<6254.T>。先端半導体向け絶縁膜材料で高い技術力を駆使し世界トップクラスの競争力を持つトリケミカル研究所<4369.T>などをマークしておきたい。
あすのスケジュールでは、日銀金融政策決定会合の議事要旨(7月30~31日開催分)、国際決済銀行(BIS)国際資金取引統計及び国際与信統計の日本分集計結果発表、40年物国債の入札など。また、「東京ゲームショウ2024」が29日までの日程で開催される。この日はIPOが4社予定されており、グロースエクスパートナーズ<244A.T>、INGS<245A.T>、キッズスター<248A.T>がいずれも東証グロース市場に、東証グロース市場と名証ネクスト市場にアスア<246A.T>が新規上場する。海外ではスイス中銀の政策金利発表、4~6月期米実質国内総生産(GDP)確定値、週間の米新規失業保険申請件数、8月の米仮契約住宅販売件数など。また、NY連銀主催のイベントでパウエルFRB議長やウィリアムズNY連銀総裁、バーFRB副議長などに発言機会がありその内容が注目される。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/09/25 17:00
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=フルヤ金属、業績は回復から再拡大期へ
フルヤ金属<7826.T>は、業績回復局面から再拡大期入りが期待でき、それに伴い株価も本格反騰局面へと向かいそうだ。
8月7日に発表した24年6月期連結決算は、経常利益が106億9000万円(前の期比13.7%減)と減益だったが、一昨年から続いていた情報通信や半導体、エレクトロニクスなどの市場の調整局面が底を打ち、下期から回復傾向となった。OLED(有機EL)向けイリジウム化合物やデータセンター向けルテニウムターゲットが回復基調にあることに加えて、医療分野向けイリジウムルツボも好調が続いており、これらが業績を牽引する見通し。25年6月期は経常利益120億円(前期比12.3%増)と2ケタ増益を見込む。
同社では、27年6月期を最終年度とする中期経営計画で経常利益165億円を目指すが、水電解装置向け触媒、リサイクル、Al-Sc(アルミスカンジウム)ターゲット材、半導体製造装置向け熱電対などの成長が牽引する見通し。特に熱電対は26年6月期に生産能力を2倍程度に引き上げる増強が予定されており、この効果で27年6月期にかけて売り上げは加速するとみられる。今後は株価面でも業績再拡大期待を織り込む展開が期待できそうだ。(仁)
出所:MINKABU PRESS
2024/09/25 10:00
みんかぶニュース コラム
25日の株式相場見通し=反落か、欧米株高も円高で利食い誘発
25日の東京株式市場は強弱観対立のなかもやや売りに押される展開で、日経平均株価は5日ぶりに反落する公算が大きそうだ。前日まで日経平均は4営業日続伸で合計1700円以上も上昇しており、目先利益確定売りの動きを誘発する可能性が高い。前日の欧州株市場ではドイツやフランス、英国など主要国の株価が全面高商状となった。中国で金融緩和や景気刺激策が発表されたことを受け、経済的結びつきの強い欧州経済へのプラスの影響を見込んだ買いが景気敏感株をはじめ幅広い銘柄に流入した。この流れを引き継ぎ、米国株市場でもNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに上値を指向する展開となった。NYダウの上値は重く、取引後半にマイナス圏に沈む場面もあったが、引け際にかけて締まる格好で連日で史上最高値を更新している。引き続き前週のFOMCでの大幅利下げなど、FRBが金融緩和に積極的な姿勢が市場センチメントにプラスに働いている。この日に発表された9月の米消費者信頼感指数が事前コンセンサスを下回ったものの、FRBの急ピッチの利下げが続くとの思惑が全体相場を支えた。東京市場では欧米株がほぼ全面高に買われたことで、リスク許容度の高まった海外投資家の買いが見込まれるが、外国為替市場で1ドル=143円台前半まで円高方向に振れていることは輸出セクターを中心に上値を押さえる要因となる。直近4営業日でやや過熱気味に買われた反動が出そうだが、一方で今週26日に9月の権利付き最終日を控え、駆け込みでの配当権利取り狙いの買いなどが入り、下値抵抗力を発揮することも想定される。
24日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比83ドル57セント高の4万2208ドル22セントと4日続伸。ナスダック総合株価指数は同100.251ポイント高の1万8074.521だった。
日程面では、きょうは8月の企業向けサービス価格指数、基調的なインフレ率を捕捉するための指標、8月の外食売上高、8月の全国スーパー売上高、8月の全国百貨店売上高など。海外ではスウェーデン中銀の政策金利発表、8月の米新築住宅販売件数、米5年物国債の入札など。
出所:MINKABU PRESS
2024/09/25 07:59
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=総裁選三つ巴も、輝き放つ高市関連銘柄
きょう(24日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比216円高の3万7940円と続伸。前週相次いで行われた日米の金融政策決定会合が概ねマーケットにフレンドリーな格好で通過したことで、今週は強気を唱える声が強い。ただし週末27日の午後に投開票が行われる自民党総裁選は決選投票にもつれ込む可能性が高く、同日も取引時間中は大勢が判明しない可能性があり、それだけに不透明感は最後まで拭えない。そうした思惑がきょう午後の日経平均の値動きにも投影された感がある。
きょうは為替市場で円安が進んだことが相場を支えたという見方がメディアで取り上げられたが、急速に円安が進んだのは後場に入ってからである。日経平均は同じ時間軸で勢いを失っており、「円安・株高」の構図ではなかった。円安でも、それ以上に総裁選を控え潜在的な利食い圧力が強かったという解釈も成り立つ。ただし、総裁選の後には解散総選挙が待つ。過去を振り返って総選挙後の株価は、自民党が単独過半数を占めた場合、3カ月以上にわたり極めて高い確率で上昇波動を形成するという鉄壁アノマリーが存在している。
偶然にも総裁選の27日が実質10月相場入り(26日が権利付き最終日)で配当権利落ちの売りを浴びる巡り合わせだが、買い場となる可能性もある。9月は過去10年で外国人が9回売り越しているが、下期相場に入る10月は逆に8回買い越しているという心強いデータがある。ブラックマンデーのイメージがあるが、実際は投資に有利な月なのだ。
個別株は自民党総裁選で誰が選ばれるかによって物色の方向性も変わるので、なかなか決め打ちはできないが、実質的に3人の争いとなっていることは確かのようだ。株式市場にとって最強の選択肢となるのは保守本流でアベノミクスを継承する高市早苗経済安全保障担当相だが、国会議員からの支持がどうしても弱く、決選投票に残ったとしても勝てるのかどうかは微妙である。しかし、希望的観測も含めてなのか、足もとの株式市場では高市新首相を予言するかのように“高市関連銘柄”の一角に買い攻勢が観測されている。例えばサイバーセキュリティー関連では、純国産エンドポイントセキュリティーソフト「ヤライ」で実績を積み上げるFFRIセキュリティ<3692.T>が大勢2段上げの様相をみせ、核融合関連では助川電気工業<7711.T>が異彩高を演じている。助川電気は錚々たる国内大手半導体製造装置メーカー向けにヒーターや計測器を提供していることで、半導体関連としても活躍余地が広がっている。また、核融合のほかに量子技術分野も国策で支援する姿勢を明示していることから、フィックスターズ<3687.T>などへの買いに拍車がかかっている。
そしてもう一つ、追い風が吹いているのが農林水産分野に絡む銘柄。高市氏は食糧安全保障に重きを置き、食糧自給率100%を目指す方針を標榜している。農業関連といっても銘柄の裾野は広いが、分かりやすいところでは農業総合研究所<3541.T>や丸山製作所<6316.T>などがイメージされる。ここで穴株としてマークしたいのがタカミヤ<2445.T>だ。仮設機材の販売やレンタルを手掛けるが、最近はアグリ事業の育成に注力することを明示している。しかも農業用AI・ロボットのベンチャーに出資するなど、DXを主眼とする戦略で時流を捉えたセンスの良さが光る。高市氏が総裁選に勝利するかどうかは置くとしても、PERやPBR、配当利回りから割安感が強く目を配っておきたいところだ。
このほか、半導体メモリー大手のキオクシア関連にも視線が集まっている。上場延期でも逆に存在感は改めて高まり、半導体関連株の復活機運と共鳴する可能性があり注目したい。関連銘柄ではティアンドエスグループ<4055.T>が急速人気化している。これに続く銘柄として半導体特殊ガスを手掛ける関東電化工業<4047.T>が好チャートを形成。また、意外性のあるところではソフト開発とITインフラの構築・運用を行うクエスト<2332.T>が、キオクシアと活発な取引関係にあり面白い存在となる。
あすのスケジュールでは、8月の企業向けサービス価格指数が朝方取引開始前に開示され、午後には基調的なインフレ率を捕捉するための指標、8月の外食売上高、8月の全国スーパー売上高、8月の全国百貨店売上高などが発表される。また、東証グロース市場にROXX<241A.T>、福証Qボードにリプライオリティ<242A.FU>が新規上場する。海外ではスウェーデン中銀の政策金利発表、8月の米新築住宅販売件数、米5年物国債の入札など。また、アジアインフラ投資銀行の年次総会が26日までの日程で開催される。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/09/24 17:00
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=WNIウェザ、最高利益更新予想で株価も出直り本番へ
ウェザーニューズ<4825.T>は長期下降トレンドを脱し出直り相場に突入しており、ここは追撃スタンスで臨みたい。同社は世界トップクラスの民間気象情報会社で、海洋気象サービスを祖業に事業領域を航空、陸上分野へと広げ、現在は個人向けの情報サービスを主力としている。インターネット事業としてスマートフォンアプリ「ウェザーニュース」を展開、業績拡大の原動力となっている。また、SaaS事業も育成中で、中期成長の足場としていく方針だ。
25年5月期は営業利益段階で前期比16%増の38億円を見込んでおり、これは16年5月期以来9期ぶりに過去最高利益更新となる。株価は8月下旬に5970円の年初来高値をつけたあとは5000円台後半でもみ合っているが早晩上放れる公算が大きい。6000円台替えはあくまで通過点で、中勢7000円を指向する強調展開を予想。(桂)
出所:MINKABU PRESS
2024/09/24 10:00
みんかぶニュース コラム
24日の株式相場見通し=4日続伸、3万8000円台回復へ
24日の東京株式市場は日経平均株価が4日続伸し、フシ目の3万8000円台を回復しそうだ。3連休明けとなるきょうの東京市場だが、前日の欧州株市場で独DAXや仏CAC40など主要国の株価指数が総じて強い動きを示したほか、米国株市場でNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに小幅ながら上昇したことで買い安心感が浮上している。外国為替市場では足もと円が強含んでいるものの、ここにきてドル高・円安方向に振れており、前週末は1ドル=144円台まで円売りの動きが鮮明化したことなども、輸出セクターを中心に追い風材料となる。米国では前週17~18日に行われたFOMCでFRBが0.5%の大幅利下げを決めたことが引き続き好感されている。前日は複数のFRB高官がハト派的な発言を行ったこともポジティブ視された。個別では半導体大手インテル<INTC>が一時4%を超える上昇をみせるなど半導体関連株が総じて堅調となり、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が小幅ながら反発したことも全体相場に追い風となった。ただ、ダウは高値警戒感も拭えず上値も重くなっている。東京市場では日経平均株価の相対的な出遅れ感が意識されやすく、前日の欧米株高を受けて目先戻り足を強めそうだ。一方、今週末に自民党総裁選の投開票を控え、この結果を見極めたいとの思惑から買い一巡後は神経質な値動きとなることが想定される。
23日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比61ドル29セント高の4万2124ドル65セントと3日続伸。ナスダック総合株価指数は同25.949ポイント高の1万7974.270だった。
日程面では、きょうは8月の白物家電出荷額など。海外では豪中銀の政策金利発表、9月の独Ifo企業景況感指数、7月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数、9月の米消費者信頼感指数など。
出所:MINKABU PRESS
2024/09/24 08:01
みんかぶニュース コラム
来週の株式相場に向けて=自民党総裁選を経て株価は本格回復へ突き進むか
市場の注目を集めた9月の「中銀ウィーク」だったが、米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.5%の大幅利下げに踏み切り、NYダウは19日に最高値を更新と順調だった。7月の追加利上げと植田和男日銀総裁の発言が8月の株価大暴落につながったと批判された日銀は、金融政策決定会合で「現状維持」を発表した。
中銀ウィークが終わり、今後の焦点は10月を意識した秋相場に移っていく。特に、来週は9月中間期末に向け26日が権利付き最終日となり、27日が権利落ち日となる。これに伴い、機関投資家による「配当再投資」に絡む先物への買いなどが注目を集めそうだ。
大きな焦点となるのが27日の自民党総裁選だ。自民党総裁選は事実上の首相選びとなるだけに、今後の相場へのインパクトは大きい。27日の午後1時から始まるため、取引時間中に新総裁が決まるかは不明だが、同日は市場の関心が集中しそうだ。同総裁選には過去最多の9人が立候補しているが、小泉進次郎元環境相、石破茂元幹事長、高市早苗経済安全保障相の3氏が上位を競い合っているとの見方が多い。
小泉氏は一時に比べ人気は失速気味との見方もあるものの43歳の最年少首相誕生への期待は高い。同氏の関連銘柄は、ライドシェア関連のディー・エヌ・エー<2432.T>や解雇規制緩和でリクルートホールディングス<6098.T>やパソナグループ<2168.T>、それに神奈川県地盤の百貨店、さいか屋<8254.T>など。石破氏は金融所得課税の強化に意欲を示したことを警戒する見方もあるが、ベテランの手腕が頼られている。関連銘柄は、同氏の地元である鳥取県が本社の寿スピリッツ<2222.T>や鳥取銀行<8383.T>、地方創生関連のチェンジホールディングス<3962.T>など。高市氏はアベノミクスの継承者との見方もあり、低金利政策による円安・株高期待も強い。三菱重工業<7011.T>など防衛関連やFFRIセキュリティ<3692.T>などサイバーセキュリティー関連株など。また、23日には立憲民主党の代表選挙が行われる。
上記以外のスケジュールでは、海外では24日に米9月消費者信頼感指数、26日に米4~6月期GDP確定値、27日に米個人消費支出(PCE)物価指数が発表される。25日にマイクロン・テクノロジー<MU>が決算を発表する。
国内では23日は振替休日で休場。26日に7月開催分の日銀金融政策決定会合議事要旨が公表される。同日から29日まで「東京ゲームショウ2024」が開催される。27日に9月東京都区部消費者物価指数(CPI)が発表される。24日にスギホールディングス<7649.T>、あさひ<3333.T>、25日にニイタカ<4465.T>、26日にハニーズホールディングス<2792.T>、27日に三益半導体工業<8155.T>、ハローズ<2742.T>が決算発表を行う。9月IPOが始まり、25日にROXX<241A.T>、リプライオリティ<242A.FU>、26日にキッズスター<248A.T>、アスア<246A.T>、INGS<245A.T>、グロースエクスパートナーズ<244A.T>、27日にAiロボティクス<247A.T>が新規上場する。来週の日経平均株価の予想レンジは、3万7300~3万8500円前後。(岡里英幸)
出所:MINKABU PRESS
2024/09/20 17:36
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=USS、中古車オークション成約増で株価は浮揚力発動へ
ユー・エス・エス<4732.T>は8月上旬の急落後の戻りが一服し、足もとでは上値を重くしているものの、業況自体は好調であり、25日移動平均線近辺で推移する株価は値頃感を意識させる。中古車オークション会場を運営する同社は、25年3月期の売上高が前期比5.1%増の1026億円、最終利益が同9.4%増の360億円になると予想。8月の第1四半期(4~6月期)決算発表時に通期の業績・配当予想を上方修正した。前期に続き過去最高益を見込む。
4~6月期のオークション出品台数は前年同期比5.2%減と落ち込んだ一方、成約台数は同11.5%増と大きく伸びた。7~8月も成約台数は2ケタの伸びを示している。大手自動車メーカーの認証不正を背景とした新車不足が下取り車両を減少させ、結果として中古車不足をもたらしている。こうしたなかで、品質の高い日本の中古車は海外からの需要が根強く、オークションでの成約単価は高水準で推移しているとあって、USSにおいては一段の収益上振れへの期待が膨らんだ状況にある。
信用倍率は0.28倍と売り長の状況。PER(株価収益率)は18.0倍近辺と、過去との比較で割安感は乏しいものの、株価が下押しした場面では業績の安定感から、押し目買い意欲が高まることも想定される。5月高値の1422円を上抜ければ、上場来高値1497円が視界に入ってくる。(碧)
出所:MINKABU PRESS
2024/09/20 10:00
みんかぶニュース コラム
20日の株式相場見通し=大幅続伸、欧米株全面高受け上値追い続く
20日の東京株式市場はリスク選好の地合いが続き、日経平均株価は大幅続伸する可能性が高そうだ。前日に770円あまりの上昇で3万7000円台に乗せたが、きょうは一段と水準を切り上げ一気に3万7000円台後半まで上値を伸ばす公算が大きい。前日の欧州株市場はほぼ全面高商状となり、独DAXは史上最高値を更新、18日のFOMCでFRBが0.5%の大幅利下げを決めたことで安心感が広がり、リスクオン一色に染まる展開となった。欧州時間の強気優勢の地合いを受けて、米国株市場でも朝方から幅広い銘柄に買いが向かいNYダウは3日ぶりに急反発、500ドルを超える上昇で最高値を更新した。また、ナスダック総合株価指数の上昇率は2.5%に達するなどダウを大きく上回った。前日は取引後半に判明したFOMCの結果を受けて、目先筋の利益確定売りで軟化したものの、この日は大幅利下げを背景とした米経済のソフトランディング期待が改めて意識される格好となった。朝方発表の週間の新規失業保険申請件数や、9月の米フィラデルフィア連銀景況指数などが景気の底堅さを示す内容だったことも好感されている。東京市場でも欧米株高の流れを引き継ぐ形で買い人気が盛り上がりそうだ。ただ、買い一巡後はやや不安定な地合いも想定される。きょうは3連休を控えた週末で、日銀金融政策決定会合の結果が発表されるほか、引け後の植田日銀総裁の記者会見を見極めたいとの思惑が上値押さえの要因となるケースも考えられる。
19日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比522ドル09セント高の4万2025ドル19セントと3日ぶり反発。ナスダック総合株価指数は同440.680ポイント高の1万8013.981だった。
日程面では、きょうは日銀金融政策決定会合の結果と植田日銀総裁の記者会見が注目される。このほか、8月の全国消費者物価指数(CPI)、8月の食品スーパー売上高、8月の主要コンビニエンスストア売上高など。海外では9月の中国最優遇貸出金利、8月の英小売売上高の発表など。
出所:MINKABU PRESS
2024/09/20 08:00
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=投資家心理を餌にするAIアルゴの衝撃波
きょう(19日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比775円高の3万7155円と続急伸。きょうのマーケットは想定外の円安が株式市場のトレンドを支配した。円安にリンクさせる形で先物を絡めた大型株への買いが全体を押し上げる格好となった。
世界中の耳目を集めたFOMCだったが、利下げ幅は50ベーシスポイント(0.5%)で政策金利は4.75~5.00%に設定された。0.5%か0.25%なのか、事前の見方は真っ二つに割れてはいたが、0.5%の選択肢をとった場合、FRBはなぜそれほど焦っているのか、ということに意識が向かう可能性があった。FOMCの結果発表とパウエルFRB議長の記者会見というビッグイベントを通過した後に、米国株市場がなお気迷いモードで、結局NYダウ、ナスダック総合株価指数ともにマイナス圏で引けたことにもその“迷い”が反映されている。少なくとも材料出尽くしという解釈は間違いである。
0.5%を選択した根拠としては、景気判断については維持されたものの、雇用判断を下方修正したということが大きな動機となっている。そして、これについてはFRBが焦り気味に利下げ幅を広げたのではなく、パウエルFRB議長いわく「あくまで後手に回らないための予防的措置」ということを強調している。かつてのインフレ局面で「今の物価上昇は一時的現象」と強弁して引き締め策への政策転換が遅すぎたことへの反省もこめられていると思われる。一方、バランスシートの縮小、つまり量的引き締めは粛々と続ける。
年内はあと2回のFOMCを残しているが、今回を含め合計1%の利下げというのがメインシナリオだ。仮に今回0.25%の利下げであっても、11月と12月の会合いずれかで0.5%の利下げを行えば帳尻が合うことになる。したがって前倒しでアクセルをふかしただけという見方も可能だ。ただ、これはパウエル氏が意図したところではないかもしれないが、このタイミングでの大幅利下げは、11月の米大統領選に少なからぬ影響を与える。足もとの景気を金融政策面から過保護気味にケアすることは、民主党ハリス副大統領にとって有利に働く。米株市場では主要株価指数の動向はともかく、物色テーマとしては「ハリス銘柄買い・トランプ銘柄売り」という流れが形成される公算が大きい。具体的にはエネルギー・金融株には向かい風が吹く一方、脱炭素(再生可能エネルギー)や電気自動車(EV)などがテーマ性を復活させるケースが考えられ、この流れは東京市場にも波及しそうだ。
さて、フタを開けて見ないことには分からないのがイベントドリブンの世界だが、今回のFOMCの結果がマーケットに及ぼした影響については「フタを開けてみた後でも分からない」という市場関係者も首を捻るような景色に遭遇した。FRBによる0.5%の利下げ決定が開示され、その瞬間は、為替の円買いポジションを組んでいた向きは快哉を叫んだかもしれない。しかし、現実は違った。1ドル=140円台トビ台まで一気に円高に進んだのも束の間、その後は急激なアンワインドで倍返しの円安、1ドル=144円近辺まで円が売られるという想定外の展開となった。
「円安に賭けていた投資家は発表直後の円高で投げさせられたが、その後の過激な巻き戻しで今度は円高に賭けていた投資家も悲鳴を上げる格好となった」(ネット証券マーケットアナリスト)という。そして、今度は株式市場で円安とリンクさせた日経225先物への速射砲的な買いによって、日経平均が一時1000円を超える急騰を演じることになった。この一連の流れは理屈が全く追いつかず、かつ、あまりに目まぐるしく、生身の人間では到底ついて行けない。裏返せばAIアルゴリズムトレードがまさに現在のマーケットで跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)している状況を物語っている。前出のアナリストいわく「直近、円買いポジションが約8年ぶりの高い水準に積み上がっており、これが狙われた。株式市場も同様で、AIアルゴは売りでも買いでもポジションが積み上がっている対象に逆方向のベクトルをかけて、揺さぶり落として利益を得るという手法が幅を利かせている」とする。個人投資家にすれば短期売買でも鉄火場に足を踏み入れない知恵が必要となる。
あすのスケジュールでは、昼ごろに日銀金融政策決定会合の結果が判明し、午後取引終了後の植田日銀総裁の記者会見に耳目が集まる。このほか、8月の全国消費者物価指数(CPI)、8月の食品スーパー売上高、8月の主要コンビニエンスストア売上高など。海外では9月の中国最優遇貸出金利、8月の英小売売上高の発表など。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/09/19 17:00
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=ULSグルプ、子会社が生成AI実用化推進プログラムに参画
ULSグループ<3798.T>子会社のウルシステムズは、アマゾン・ウェブ・サービス・ジャパン(東京都品川区)が実施する「AWSジャパン生成AI実用化推進プログラム」にパートナーとして参画しており、今後のサービス展開などが期待される。
同社グループはITコンサルティングサービスを提供しており、8月9日に公表した25年3月期第1四半期(4~6月)の連結営業利益は前年同期比28.5%増の7億2300万円で着地。情報通信、サービス、金融、製造及び自治体などを中心とする既存顧客からの旺盛な需要が続いたことが好業績につながった。
株価は8月28日に年初来高値5810円をつけ、その後は調整局面となったものの75日移動平均線が下値支持ラインとして機能。通期の連結営業利益予想に対する進捗率が高水準であることを考えれば、改めて上値を試す展開が見込めそうだ。(参)
出所:MINKABU PRESS
2024/09/19 10:00
みんかぶニュース コラム
19日の株式相場見通し=買い優勢、FOMC通過で不透明感払拭も上値は重いか
19日の東京株式市場は総じて買い優勢の展開となり、日経平均株価は続伸する公算が大きい。前日の欧州株市場は主要国の株価指数が軒並み軟調だった。欧州市場でも米国の金融政策への注目度は高く、FOMCの結果発表を目前に見送りムードの強い展開となった。また、米国株市場の方は取引後半に上下に荒れ模様の値動きとなった。NYダウ、ナスダック総合株価指数ともにプラス圏で推移する時間帯が長かったが、FOMCの結果とパウエルFRB議長の記者会見を受けて結局安く引けている。FOMCでは事前予想通り4年半ぶりとなる利下げを決定したが、利下げ幅については0.25%ではなく、通常の2回分に相当する0.5%だった、当初はこれを好感する形で買い優勢に傾いたものの、上値は重い展開で、徐々に利益確定売りに押される地合いに変わった。FRBが大幅利下げに踏み切ったことで、米国の経済実勢がかなり厳しい局面にあるとの認識が広がったことも買いを手控えさせる背景となったもようだ。東京市場では9月に入ってから日経平均が下値を試す展開を強いられていたが、前日は3日ぶりに切り返した。きょうは、FOMCが通過したことで目先の不透明要因が解消され、ショート筋の買い戻しが全体相場に浮揚力を与えることが予想される。ただ、米国株市場同様にFOMCの結果に対し、やや消化難といえる状況で上値は重そうだ。外国為替市場では一時1ドル=140円トビ台まで円高が進んだが、その後は円安方向に押し戻されており、全体相場への影響は限定的といえる。
18日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比103ドル08セント安の4万1503ドル10セントと続落。ナスダック総合株価指数は同54.760ポイント安の1万7573.301だった。
日程面では、きょうは4~6月期の資金循環統計、8月の首都圏マンション販売、福留全銀協会長の記者会見など。海外では英金融政策委員会の結果開示、ブラジル中銀、ノルウェー中銀、トルコ中銀、南アフリカ中銀などの政策金利発表、週間の米新規失業保険申請件数、9月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数、4~6月期米経常収支、8月の米中古住宅販売件数、8月の米景気先行指標総合指数など。
出所:MINKABU PRESS
2024/09/19 08:05
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=FOMCは嵐を呼ぶか
きょう(18日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比176円高の3万6380円と3日ぶり反発。相変わらず方向感の定まらない相場で、きょうは朝方に円安を追い風に470円あまりの上昇をみせたが、その後は伸び悩み、後場に入ると下げに転じる場面があった。取引時間中に為替市場で再び円が買い戻される展開となり警戒された。地合いが弱ければ、日経平均もそのままズルズルと下値を探る動きとなるところだったが、取引終盤は再び買いが優勢でプラス圏に切り返した。もっとも、売買代金は低調で、国内外の機関投資家がFOMC前に様子見を決め込んだことが窺われる。
FOMCでは利下げ幅が0.5%か0.25%かで見方が真っ二つに割れている。直近で0.5%を示唆する声が相次いだが、依然として微妙である。前日発表された8月の米小売売上高が市場予想に反し2カ月連続上昇したことで、この結果を踏まえてFRBが0.5%の利下げを行うとなると、米経済に対する不安感をむしろ煽ることにもなりかねない。ここは0.25%の利下げにとどめ、会合後の記者会見でパウエルFRB議長が極めてハト派寄りの発言でケアするというのが実践的ではある。
つまり、記者会見では年内あと2回の会合(11月と12月)でいずれも利下げの用意があるとし、データ次第でそのうち1回は0.5%の引き下げで対処可能という姿勢を前面に押し出す。アドバルーンを上げた関係で0.25%ならば米株市場の波乱は避けられないとの見方が強いが、「ドットチャートとパウエル発言との合わせ技でマーケット心理を冷やさない方向でまとめるのは不可能ではない」(生保系エコノミスト)という指摘もある。いずれにしても答えは日本時間あす未明に判明する。
個別では、消去法的に中小型株に短期筋を中心とした資金が流れ込んでいる。そのなか、バイオ関連株の一角にも物色の矛先が向いており、きょうは当欄でも継続的にマークしていた免疫生物研究所<4570.T>が突発人気化した。また、8月22日にリストアップしたキャンバス<4575.T>も持ち前の仕手性を発揮し大勢2段上げの様相。きょうは上ヒゲ形成を余儀なくされたものの、一時22%高の1490円まで駆け上がる場面があった。秋の学会シーズンということもあって、この時期のバイオ関連は人気化に向けた土壌が醸成されやすい。当然ながら株価材料がリリースされれば瞬く間に引火するが、火がついてから消えるまでの時間が読みにくく、下手をすればヤケドして終わる。また、材料がリリースされるタイミングについても個別企業ごとの話で、こればかりは事前に推測不能である。あたりをつける作業としては、当該株のチャート、日柄、出来高を注視するよりない。
業績内容にも目を配っておくところで、バイオといえど足もとの収益動向はポイントとなる。そのなか、タウンズ<197A.T>に着目。感染症の抗原検査キットの大手で、会社としての歴史は古いが、今年6月20日に東証スタンダード市場に新規上場した直近IPO銘柄だ。24年6月期は営業利益段階で前の期比62%増の80億3000万円を達成、続く25年6月期も前期比4%増の83億800万円予想と増益基調をキープする。検査キットといえば新型コロナのイメージが強いが、もちろんそれは一例に過ぎない。インフルエンザをはじめ多種多様のウイルスが日常の脅威となるなかで、これから先も同社の活躍余地は大きいといえる。PER9倍、配当利回り5%超はバイオ関連株では稀少な存在だ。
このほかトランスジェニック<2342.T>も改めてマーク。創薬マウス作製受託で高実績を有するが、25年3月期営業利益は前期比3.9倍の3億5000万円予想と回復色が鮮明。プライム上場銘柄ではペプチドリーム<4587.T>。一目均衡の雲を下抜けそうなタイミングでもあり目先正念場だが、75日移動平均線のサポートで踏ん張れれば狙い目となる。24年12月期は営業利益が前期比3倍の201億円を見込むが、一段の上振れも視野。
あすのスケジュールでは、4~6月期の資金循環統計、3カ月物国庫短期証券の入札、8月の首都圏マンション販売、福留全銀協会長の記者会見など。また、日銀の金融政策決定会合が20日までの日程で開催される。海外では英金融政策委員会の結果開示のほか、ブラジル中銀、ノルウェー中銀、トルコ中銀、南アフリカ中銀などが政策金利を発表。米国では週間の新規失業保険申請件数、9月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数、4~6月期経常収支、8月の中古住宅販売件数、8月の景気先行指標総合指数などが開示される。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/09/18 17:00
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=カドカワ、本業堅調で成長トレンドは不変
KADOKAWA<9468.T>は、大規模サイバー攻撃による影響を織り込む形で8月14日に25年3月期業績予想を下方修正したが、本業はむしろ堅調に推移している点に注目したい。
業績予想の修正では、営業利益は165億円から156億円(前期比15.5%減)へ下方修正した。サイバー攻撃により、出版・IP創出事業で国内紙書籍事業の生産高・出荷部数が減少したことや、Webサービス事業でニコニコファミリーのサービス全般が停止したことなどの影響を織り込んだ。
ただ、第1四半期決算時点で損失額が概ね確定したことは注目できる。サイバー攻撃の影響を除くと出版・IP創出事業は電子書籍と海外紙書籍が力強い成長をみせており、コスト増加トレンドも一巡し回復基調にある。また、アニメ・実写映像は、特にメディアミックス戦略で重要な役割を担うアニメの成長トレンドが継続しており、好調だった前期を更に上回る業績貢献が期待できる。大型DLC(ダウンロードコンテンツ)の「ELDEN RING SHADOW OF THE ERDTREE」の好発進で、「ELDEN RING」本編のリピート販売にも好影響を与えており、これらが業績に貢献する。
そのため、調査機関によっては25年3月期営業利益を190億円前後と見込むところもあり、上振れ期待は高い。「ダンジョン飯」「【推しの子】」「Re:ゼロから始める異世界生活」「この素晴らしい世界に祝福を!」「無職転生~異世界行ったら本気だす~」などIPポートフォリオが入れ代わりメディアミックスされ収益貢献していることから、今後の成長期待も高い。(仁)
出所:MINKABU PRESS
2024/09/18 10:00
みんかぶニュース コラム
18日の株式相場見通し=反発、急速な円安受けリスクオフの巻き戻しへ
18日の東京株式市場は主力株を中心に広範囲に買い戻される展開となり、日経平均株価は反発する公算が大きい。前日の欧州株式市場では独、仏、英国などの主要株価指数が揃って堅調だった。欧州では取り立てて好材料が発現しているわけではないものの、米大幅利下げ期待が投資家心理を強気に傾けている。ただ、前日の米国株市場はNYダウがわずかながらマイナス圏で引けた。18日に結果が判明するFOMCでは利下げが確実視されているが、利下げ幅が通常モードの0.25%ではなく、0.5%になるとの見方が強まっている。米経済下支え効果に期待する買いが続いた一方、目先筋の利益確定売りでやや上値の重い展開だった。この日に発表された8月の米小売売上高が事前の市場予想に反し2カ月連続で上昇したことで、米10年債利回りが水準を切り上げたことも重荷となった。なお、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は前の日の終値近辺でのもみ合いが続いたが、根強い買いが下値を支え結局プラス圏で着地している。東京市場では、前日に先物主導で波乱含みの地合いとなったが、これは外国為替市場でドル安・円高に振れたことを嫌気したもの。足もとでは米長期金利上昇を背景にドルが買い戻されており、1ドル=142円台まで急速に円安方向に押し戻されていることから、株式市場でもリスクオフの巻き戻し局面に移行しそうだ。もっとも日本時間19日未明にFOMCの結果発表とパウエルFRB議長の記者会見を控え、この結果を見極めたいとの思惑から買い一巡後は不安定な値動きとなることも予想される。
17日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比15ドル90セント安の4万1606ドル18セントと5日ぶり小反落。ナスダック総合株価指数は同35.934ポイント高の1万7628.061だった。
日程面では、きょうは7月の機械受注、8月の貿易統計、1年物国庫短期証券の入札、実質輸出入動向、8月の訪日外国人客数など。海外ではインドネシア中銀の政策金利発表、8月の英消費者物価指数(CPI)、8月のユーロ圏消費者物価指数(HICP・改定値)、8月の米住宅着工件数、FOMCの結果発表とパウエルFRB議長の記者会見など。
出所:MINKABU PRESS
2024/09/18 08:00
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=円高突風と総裁選で変化する波紋
3連休明けとなった17日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比378円安の3万6203円と続落。一時は750円安と大荒れ模様だったが、円高にリンクさせた先物主導の売り仕掛けに大分目が慣れてきたのか、終盤は当たり前のように下げ幅を縮小した。
今週は世界的な中銀ウィークで日米以外にも、英国、ブラジル、トルコ、南アフリカ、インドネシア、ノルウェー、そして週末20日には中国と軒並み政策金利が発表される。そうしたなか、日本は日銀金融政策決定会合で利上げ見送りが確実視され、米国の方は今回のFOMCで利下げを開始することがやはり確実視されている。つまり、日米ともに答えは見えているのだが、FRBの利下げが0.5%なのか0.25%なのかが分からなくなっており、これが足もとの相場のボラティリティを高めている。
元来、今回のFOMCでは0.25%引き下げるシナリオが本線だったので、相場を揺さぶるようなバイアスがかかる余地はあまりなかったはず。だが、直近ウォール・ストリート・ジャーナルとフィナンシャル・タイムズ、いわゆる米英の主力2紙が示し合わせるかのごとく0.5%の可能性に言及したことで話がややこしくなった。仮に利下げが開始されても0.25%だった場合は、米株市場は失望売りに晒されるというリスクが生じている。
きょうはFOMC待ちのタイミングで模様眺めとなるはずが、日本株は大きく売り優勢に傾いた。円高を警戒し、先物にリンクさせたインデックス売りが全体を押し下げるいつものパターンだが、円高誘導を嫌気するというのは0.5%利下げを読み込んだものにほかならない。しかし0.5%は確率的には6割強で、残りの4割弱は0.25%とみているのが現状である。仮に0.25%の利下げだった場合はどうなるか。米株市場は下げても、ドル・円相場は急速に円安方向への揺り戻しが起こる道理となる。ここで米株安でも日本株が上昇するかどうかは結構重要な話で、円安スルーで米株安に追随した場合は、早い話日本株はどちらに転んでも最初から下値を探る運命だったということになる。「米株高・円高」なら円高を嫌気し、「米株安・円安」なら米株安の方を嫌気するという奇妙なパラドックスに陥る。これは、日本株を買えない別の理由が他に存在していることにもなる。
こうなると、9月27日に投開票される自民党総裁選が、株式市場的にもかなり大きなイベントとして浮き彫りとなりそうだ。今回の総裁選で決選投票となることはおそらく避けられないが、誰と誰がその舞台に立つのかがまだ見えてこない。実質3人の争いに絞られていることに違いはなく、「石破茂元幹事長が決選の舞台に進むケースはかなり濃厚」(ネット証券アナリスト)という指摘がある。とすれば石破VS小泉あるいは石破VS高市のカードどちらかになる可能性が高そうだ。金融所得課税の強化に前向きな発言を示す石破氏が勝利するケースは、株式市場にとってはネガティブシナリオだが、一般的には最有力候補なのだ。ところが、この2枚の決選カードいずれも軸馬の石破氏の方が不利という、こちらも永田町ならではの奇妙なシチュエーションが予想される。国会議員投票では菅前首相の睨みが利いて、小泉氏にかなり票が流れる。現時点で既に斎藤経済産業相、古川元法相、木原誠二幹事長代理は小泉支持を表明している。
小泉氏はここにきて政策に関する発言に中身がないという見方が改めて浮上しているが、「バックについている菅―竹中ラインの院政であれば良くも悪くも安定感はある」(中堅証券ストラテジスト)という声も聞かれる。一方、政策論で群を抜く保守の一等星・アベノミクス継承の高市氏は株式市場の側から見れば最強の選択肢だが、決選投票にもし残れれば菅氏と麻生氏のシフトチェンジで逆転の目があるだけに要注目となりそうだ。日米同じタイミングで初の女性トップ誕生という、歴史的出来事が起こる可能性もあり得る。
あすのスケジュールでは、7月の機械受注、8月の貿易統計が朝方取引開始前に発表されるほか、午前中に1年物国庫短期証券の入札が予定されている。午後取引時間中には実質輸出入動向が日銀から開示され、全国地方銀行協会会長の記者会見や日証協会長の記者会見が行われる予定。このほか、午後取引終了後に発表される8月の訪日外国人客数に関心が高い。海外ではインドネシア中銀の政策金利発表、8月の英消費者物価指数(CPI)、8月のユーロ圏消費者物価指数(HICP・改定値)、8月の米住宅着工件数など。また、この日はFOMCの結果発表とパウエルFRB議長の記者会見に市場の注目度が高い。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/09/17 17:00