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みんかぶニュース コラム
3日の株式相場見通し=続伸、NYダウ大幅高受け買い優勢に
3日の東京株式市場は主力株中心に買いが優勢となり、日経平均株価は3万8000円台後半を指向する展開が見込まれる。前週末の欧州株市場で主要国の株価指数が総じて高かったほか、米国株市場ではNYダウが約1年ぶりの大きさとなる570ドルあまりの急騰をみせたことが、投資マインドを強気に傾けそうだ。注目された4月のPCEデフレータは3月と同水準で事前の市場コンセンサスと合致、コア指数の方も事前予想と合致しマーケットの不安心理が後退した。これを受けて米長期金利が4.50%前後まで低下、株式市場に追い風となっている。名実ともに6月相場入りとなったきょうの東京市場だが、米株市場で物価指標を好感してNYダウが急伸をみせたことが市場センチメントを改善させ出足好調なスタートを切りそうだ。今週行われるECB理事会で利下げが行われる公算が大きいとみられていることもポジティブ材料となる。一方、日経平均は前週末に先物主導で400円以上の上昇をみせており、その分上値が重い可能性もある。買い一巡後は米株価指数先物や外国為替市場の動向などを横目に、強弱観を対立させる地合いが予想される。
31日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比574ドル84セント高の3万8686ドル32セントと4日ぶり大幅反発。ナスダック総合株価指数は同2.064ポイント安の1万6735.015だった。
日程面では、きょうは1~3月の法人企業統計、5月の新車・軽自動車販売台数など。海外では5月の財新中国製造業PMI、5月のISM製造業景況感指数、4月の米建設支出などがある。
出所:MINKABU PRESS
2024/06/03 08:00
みんかぶニュース コラム
来週の株式相場に向けて=日米決定会合を視野に「金融株」人気は続くのか
31日の東京市場で日経平均株価は前日比433円高と急伸し、4日ぶりに反発した。前日までの3日間で日経平均株価は800円を超える下落を演じていただけに、自律反発狙いの買いが流入した格好だ。「3万8000円前後の水準には値頃感も働く」(市場関係者)といい、下値を拾う動きも強まった格好だ。
とはいえ、足もとの東京市場は上値の重さが目立つ。22日のエヌビディア<NVDA>の決算は好調だったが、東京エレクトロン<8035.T>やレーザーテック<6920.T>など日本の半導体関連株は戻り売りをこなし切れていない。来週からは6月相場に突入するが、焦点は11~12日の米連邦公開市場委員会(FOMC)と13~14日の日銀金融政策決定会合だ。ともに不透明感は強く、日米の会合が通過するまでは手控え気分が強まる可能性がある。
FOMCに関しては、米連邦準備制度理事会(FRB)高官から早期利下げに慎重な声も出ており、特に来週は7日の米5月雇用統計を筆頭に、3日の同ISM製造業景況指数など重要経済指標の発表が相次ぐ。経済指標の結果に一喜一憂する展開が予想される。
また、日銀会合にも警戒感が強まっている。国内長期金利は1%を超え、13年ぶりの水準まで上昇したが、市場には日銀の早期利上げ観測がくすぶるほか、国債買い入れ額の減額を巡る思惑も根強い。「日銀が量的引き締め(QT)の方向性を示せば、金利の一段の上昇は避けられない」(市場関係者)ともみられている。日銀に政策変更があった場合、為替や株式市場全体にどんな反応があるのか。
そんななか、足もとで三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>や三井住友フィナンシャルグループ<8316.T>といったメガバンクを中心に銀行株は上昇基調を強めている。東証業種別株価指数の「銀行」は年初から30%強上昇しているが、PBR1倍割れ銘柄はなお多い。野村ホールディングス<8604.T>や大和証券グループ本社<8601.T>など証券、第一生命ホールディングス<8750.T>など生損保を含む金融株の人気は続きそうだ。
上記以外のスケジュールでは、海外では4日に米4月JOLTS求人件数、5日に米5月ADP雇用統計、同ISM非製造業景況感指数、6日にECB理事会が開催される。2日には「OPECプラス」の閣僚級会合が予定されている。
国内では、3日に1~3月期法人企業統計が公表される。3日に伊藤園<2593.T>、6日に積水ハウス<1928.T>、7日にクミアイ化学工業<4996.T>などが決算発表を行う。5日に宇宙関連企業のアストロスケールホールディングス<186A.T>が、東証グロース市場に新規上場する。来週の日経平均株価の予想レンジは3万8000~3万9100円前後。(岡里英幸)
出所:MINKABU PRESS
2024/05/31 17:24
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<注目銘柄>=栗本鉄、バリュー株・高配当利回りで資金流入継続へ
栗本鐵工所<5602.T>は2月以降、上昇基調が継続し、2006年以来の高値圏に浮上しているが、PBR(株価純資産倍率)は0.7倍台と1倍を割れている。配当利回りは4%台と高水準にあり、金利上昇局面における資金流入の継続を期待したい。
同社は水道管に使われる鋳鉄管大手。25年3月期は売上高が前期比1.5%減の1240億円となる見通しで、前期に過去最高益となった最終利益は同8.6%減の50億円と予想する。国内の公共事業関連では需要拡大が期待しにくいなかで、原材料やエネルギー・物流コストの上昇などが利益を圧迫する見込みだ。一方、生成AIの普及に伴い増設が期待されているデータセンターでは水冷技術の適用が進むとみられており、株式市場の一部では同社が手掛けるバルブの需要が拡大するとの思惑が広がっているようだ。
今期の業績予想を発表した今月14日に売られた局面ではすかさず押し目買いが入った。日経平均株価が今年に入り史上最高値をつけるなかにあって、同社株は1991年の上場来高値である1万8000円と比べると足もとの水準はまだ割安感があると受け止められ、PBRの水準是正に向けた持続的な株高が見込めそうだ。(碧)
出所:MINKABU PRESS
2024/05/31 10:00
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31日の株式相場見通し=強弱観対立、米株安で買い手控えムード
31日の東京株式市場は強弱観対立、日経平均株価は前日終値をはさみ方向感の見えにくい展開が見込まれる。前日の米国株市場ではNYダウが下げ止まらず3日続落となり、一時400ドルを超える下げで3万8000ドル割れ目前まで売り込まれる場面もあった。また、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も続落し、終値ベースで1%を超える下げとなった。この日発表された24年1~3月期の米実質国内総生産(GDP)改定値は速報値から下方修正された。個人消費の伸び率が引き下げられたことで、景気減速に対する警戒感が強まり、景気敏感株などをはじめ幅広い銘柄に売りが広がった。また、個別では前日の夕方に決算を発表したセールスフォース<CRM>が20%近い下落となり投資マインドを冷やす格好となっている。これを受けて東京市場でもリスク回避目的の売りが出やすい環境にあるが、日経平均は米株市場に先立って前日に500円あまりの下げをみせており、その分だけ下値抵抗力を発揮する可能性がある。ただ、きょうはMSCIの構成銘柄定期見直しに絡む売り圧力が想定され、後場は買い手控えムードが強まることも考えられる。また、日本時間今晩に予定される米PCEデフレータの発表を控え、この内容を見極めたいとの思惑も影響し積極的な買いが入りにくい。足もと円高方向に振れている外国為替市場の動向などもにらみ上下に不安定な地合いとなりそうだ。
30日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比330ドル06セント安の3万8111ドル48セントと3日続落。ナスダック総合株価指数は同183.501ポイント安の1万6737.079だった。
日程面では、きょうは4月の失業率、4月の有効求人倍率、4月の鉱工業生産指数(速報値)、4月の商業動態統計、5月の都区部消費者物価指数(CPI)、4月の自動車輸出実績、4月の住宅着工統計、為替介入実績など。海外では5月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)、5月の中国非製造業PMI、インドの1~3月期国内総生産(GDP)、5月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)、4月の米個人所得・個人消費支出・PCEデフレータなど。
出所:MINKABU PRESS
2024/05/31 08:01
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=アドテストと東電の下げが暗示するもの
きょう(30日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比502円安の3万8054円と大幅安で3日続落。一時900円超の急落に見舞われる場面もあった。その後は先物にアンワインドの動きが生じ下げ渋る展開とはなったが、気が付けば日経平均は3万8000円台を巡る攻防にあり、4万円大台の“岸”からは大分沖に流されてしまった感がある。値ごろ感から買い向かいたいのはヤマヤマながら、今の相場が引き潮にあるという疑念が拭い切れなくなっているのも事実だ。相場は静観する勇気が必要な時もある。
前日を振り返るとアジア時間からリスクオフの流れが形成されており、中国・上海株市場を除き総じて下値を探る展開となっていたが、それを引き継いだ欧州株市場も全面安、更に米国株市場ではNYダウが400ドルあまりの下げに見舞われ、頼みの綱のナスダック総合株価指数もさすがに抗(あらが)えず反落を余儀なくされた。少し前の世界同時株高局面では東京市場はその波に乗ることができず悶々としたムードが漂ったが、皮肉にも世界同時株安となると、今度は他国市場に輪をかけて売り込まれる格好となってしまう。今の日本株の需給関係の悪さを物語っている。
これまでと何が変わったかといえば、明確なのは国内外で再び金利上昇圧力が高まっていること。これまでは米長期金利ばかり俎上に載せられていたが、欧州や日本でも金利上昇が株式市場の“目に見える敵”として意識され始めた。日本では10年債利回りがきょうは一時1.100%をつけた。もちろん欧米と比べれば別次元で、たかが1%強に過ぎないが、ついこの間まで世界で唯一のマイナス金利国であった日本にとってはそれなりに重い。
長期金利の1.1%台乗せは2011年7月以来約13年ぶりという。これについて市場では「12年の年末からスタートしたアベノミクス相場以前の段階まで時計の針が戻った」(ネット証券マーケットアナリスト)とする。11年7月当時の日経平均は1万円近辺で菅直人政権から野田政権に移行する直前のタイミングだった。金利と株価は別モノで、当時の長期金利に日経平均が歩調を合わせて1万円まで下げると考えるのはさすがにナンセンスだが、実は旧マザーズ指数であるグロース250指数をみるとあながち一笑に付すこともできない。きょうは取引時間中にフシ目の600を下回り594まで下げる場面があった。今から13年前のマザーズ指数(グロース250)は450~480で推移していた。つまり、あと100ポイント下げれば、ほぼ同水準といってよい。追い証があまり発生していない中でのこの状況は、戦慄に近いものを覚える。
今の相場のタチの悪さは、逆説的になるが売り方が暗躍した形跡が薄いこと。「直近の空売り比率は40%強に過ぎず仕掛け的な売りが乗せられている感じではない。昨年9月後半から10月初旬にかけて日経平均が3000円あまりの急落をみせたときの空売り比率は48%近くに達していた」(中堅証券ストラテジスト)という。空売りが積み上がっていれば、その買い戻しが下げに対するブレーキの役割を果たし、ともすれば踏み上げ相場の糧ともなるが、ショート筋不在の実需主体の下げは復活にも時間がかかる。
一方、光明がないわけではない。きょうは大嵐に見舞われたようだが、プライム市場の値上がり銘柄数は982で全体の6割を占めた。MSCIの構成銘柄見直しに絡む先回り的な売りが乗せられている可能性があり、実際きょうの下げも先物が絡む主力大型株に偏っていた。現時点で相場が引き潮にあると判断するのは早計かもしれない。ただ、6月相場が仮に戻りに入っても、メインストリートを走る銘柄が入れ替わるケースも念頭に置きたい。個別では半導体関連でアドバンテスト<6857.T>、電力株では東京電力ホールディングス<9501.T>の下げが苛烈であり、これが何を意味しているのか読み解く時間も必要だ。
あすのスケジュールでは、4月の失業率、4月の有効求人倍率、4月の鉱工業生産指数(速報値)、4月の商業動態統計のほか、5月の都区部消費者物価指数(CPI)にマーケットの関心が高い。また、午前中に3カ月物国庫短期証券の入札が予定。午後に4月の自動車輸出実績、4月の住宅着工統計が発表され、夜には5月の為替介入実績が財務省から開示される。海外では5月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)、5月の中国非製造業PMI、インドの1~3月期国内総生産(GDP)、5月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)のほか、4月の米個人所得・個人消費支出・PCEデフレータが注目されている。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/05/30 17:00
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<注目銘柄>=極洋、27年3月期経常益135億円を目指す
極洋<1301.T>は5月10日、25年3月期通期の連結業績予想を公表。経常利益は前期比12.9%増の100億円を見込み、期末一括配当は前期比10円増配の110円を計画している。
主力の水産事業では調達・営業部門の連携強化による販売量の拡大を図るほか、新規調達先の開拓による資源アクセス強化や海外生産・販売拠点の拡充に注力する方針。また、生鮮事業は強みを生かした販路の拡大など、食品事業は消費者ニーズを捉えた商品力の強化などに取り組むとしている。また、同日には新中期経営計画も発表しており、最終年度となる27年3月期の経常利益目標を135億円に設定していることにも注目したい。
株価は5月10日に直近高値3920円をつけたあとは上げ一服商状となっているが、日足チャートでは25日移動平均線と75日移動平均線のゴールデンクロスが目前。PERやPBRには割安感があり、上値を試す展開が期待できそうだ。(参)
出所:MINKABU PRESS
2024/05/30 10:00
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30日の株式相場見通し=続落、世界的な金利上昇を嫌気
30日の東京株式市場は主力株をはじめ広範囲に売り優勢の地合いが想定され、日経平均株価は3日続落となりそうだ。目先は世界同時株安局面の様相を呈している。前日はアジア株市場で中国株市場を除き総じて下値を試す状況だったが、この流れを引き継ぎ欧州株市場はドイツ、フランス、英国など主要国をはじめ全面安商状となった。この日に発表された5月の独消費者物価指数(CPI)が強い数字でインフレ懸念が再燃、独長期金利が上昇し投資家心理を冷やした。更に米国株市場ではNYダウが400ドルを超える大幅安となり、ここ最高値圏で強さを発揮していたハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も反落した。米株市場では再び長期金利が上昇基調を鮮明としており、前日は米10年債利回りが4.6%台まで水準を切り上げ株式の割高感が改めて意識されている。FRB高官によるタカ派的な発言が相次いだほか、国債入札も不調で金利上昇につながった。個別ではエヌビディア<NVDA>が全体相場に逆行し4日続伸と気を吐いたが、全体相場への貢献は限られた。東京市場では上値の重い展開が続いており、前日はプライム市場の8割以上の銘柄が下落するなど調整色を強めたが、きょうも一段と下値を探る地合いを余儀なくされそうだ。値ごろ感からの押し目買いも想定されるが、世界的に長期金利が上昇傾向を示すなか、日本でも前日に10年債利回りが1.075%まで上昇しており、買い手控えムードは拭えない。
29日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比411ドル32セント安の3万8441ドル54セントと大幅続落。ナスダック総合株価指数は同99.300ポイント安の1万6920.580だった。
日程面では、きょうは2年物国債の入札、4月の建機出荷など。海外では4月のユーロ圏失業率、1~3月の米実質国内総生産(GDP)改定値、週間の米新規失業保険申請件数、4月の米仮契約住宅販売指数など。また、南アフリカ中銀が政策金利を発表。このほか、ウィリアムズNY連銀総裁が講演を行う予定。
出所:MINKABU PRESS
2024/05/30 08:00
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明日の株式相場に向けて=個別材料株のピンポイント戦略
きょう(29日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比298円安の3万8556円と続落。4万円大台はおろか、3万9000円台ラインもなかなかクリアできない状況となっている。前日は米国株市場でNYダウは下げたものの、日経平均と連動性の高いナスダック総合株価指数が最高値を更新、個別ではエヌビディア<NVDA>が値を飛ばし早くも1100ドル台へ突入、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も最高値をつけ、加えて1ドル=157円台の円安というリスクオンのオンパレード。東京市場でも半導体セクターにはこの上ないフォローウインドが吹いているはずなのだが、目の前にはその風にうまく乗れない現実がある。
国内でも長期金利の上昇基調に歯止めがかからず、日銀の追加利上げに向けた動きを警戒しているという解釈だが、正確に言えば相場が嫌気しているのはそこではない。現状では、日銀の利上げは早くて7月。そして年内は10月にあと1回行うかどうかというところで、0.25%の引き上げ2回と仮定すると合計で0.5%の引き上げ、水準としては0.6%というのが、おそらくは年内マックスのタカ派シナリオである。これを延々と嫌気し続けるというのもナンセンスだが、問題は利上げと経済実態が見合っていないということにマーケットは懸念を抱いている。
利上げは「強い景気」があってこそで、今はどう見ても日本の内需は疲弊している。「鉄道株の下げが異常」(ネット証券アナリスト)という指摘もあるが、これは何を意味しているかといえば、インフレ環境でも簡単に値上げできない鉄道業界の弱み。その延長線上には個人消費の冷え込み、つまりスタグフレーションを警戒している。
難しい地合いだが、そうしたなかも投資マネーはしたたかで全方位型の物色に切り替わってきている。きょうはGLOE<9565.T>がストップ高に買われたが、これは一部メディア報道で、「自民党のスポーツ立国調査会がeスポーツの普及、振興や選手強化を推進することを盛り込んだ提言」をまとめたことが伝わり、これを材料視したもの。eスポーツのテーマ性自体は色褪せることはないが、株式市場においてここ最近はテーマ買いの対象から外れていたことで新鮮味があった。6月ごろに策定される“骨太の方針”で反映される可能性があり、関連株をチェックしておく価値はありそうだ。個人投資家が参戦しやすい中低位株では、eスポーツに注力姿勢を明示しているカヤック<3904.T>や、同分野のプロモーションに携わるテー・オー・ダブリュー<4767.T>などに目を配っておきたい。
また、きょうは総じて利食われたものの、ここ電力株への物色人気が急激に盛り上がった。半導体工場やデータセンター増設に伴う電力需要の拡大と、それに付随する電力エネルギー確保を目的とした原発再稼働への思惑が買いの根拠である。原発周辺株では東京エネシス<1945.T>が中段で売り物をこなし上放れの機が熟しているようにも見える。今期減益予想とはいえ、PBR0.6倍台で4%近い配当利回りはバリュー株の要素も十分に兼ね備えており買いやすさがある。同じく電力株周辺では電力制御システムなどを手掛ける正興電機製作所<6653.T>も押し目買い妙味がありそうだ。4月11~12日と4月30日に大商いで急動意をみせ、上ヒゲをつけたが2点天井とはならなかった。その後は商いを減少させつつも株価を切り上げていることがポイントで、良好な株式需給を反映している。
これ以外では低PBR株の宝庫である地銀株にも視線を向けておくところ。内需セクターの停滞ムードはネガティブ材料ながら、熊本や北海道など巨大半導体工場を中心とした“城下町景気”の恩恵を受けるエリアは別格。ラピダス関連で北海道電力<9509.T>が株価を変貌させたが、この北海電が大株主に名を連ねる北洋銀行<8524.T>は要マーク。北海道地銀最大手にしてPBR0.4倍台と依然として解散価値の半値以下に放置されており、夏場に大勢3段上げに向かう公算も小さくない。
あすのスケジュールでは、2年物国債の入札、4月の建機出荷が発表される。海外では4月のユーロ圏失業率、1~3月の米実質国内総生産(GDP)改定値、週間の米新規失業保険申請件数、4月の米仮契約住宅販売指数などにマーケットの関心が高い。また、南アフリカ中銀が政策金利を発表する。このほか、ウィリアムズNY連銀総裁が講演を行う予定でその発言内容が注目される。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/05/29 17:00
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=リンテック、AM部門急回復で再成長期へ
リンテック<7966.T>は、5月9日に年初来高値3555円をつけた後、短期的な調整局面にあったが、再び高値更新から新たな上値へ向かいそうだ。
5月8日に発表した24年3月期連結決算は、営業利益が106億2800万円(前の期比23.0%減)だった。米国でのシール・ラベル用粘着製品の低迷や国内での主原料価格の高止まり、物流コストの上昇の影響で、印刷材・産業工材関連事業が赤字に転落したことが響いた。また、大型テレビやスマートフォン、パソコン用などの需要減少で電子・光学関連事業も苦戦した。
ただ電子・光学関連事業では、下期以降に半導体関連粘着テープや関連装置、積層セラミックコンデンサ関連テープの受注が急回復していることから、25年3月期はこれらアドバンストマテリアルズ(AM)部門の復調が期待できる。特に半導体関連装置は、生成AI用のHBM(高帯域幅メモリ)関連装置の出荷が本格化しており、業績を牽引しよう。また、印刷材・産業工材関連事業もラベル用粘着剤の米国での在庫調整が一巡しており、急回復が期待できそうだ。
会社側では25年3月期営業利益180億円(前期比69.4%増)を見込むが、AM部門の半導体関連粘着テープ・装置の好調から上振れの可能性が強い。また26年3月期には同240億円強を見込む調査機関もあり、業績は回復から再成長基調へ向かいそうだ。(仁)
出所:MINKABU PRESS
2024/05/29 10:00
みんかぶニュース コラム
29日の株式相場見通し=頑強か、国内長期金利上昇は警戒材料に
29日の東京株式市場は売り買い交錯のなかもやや強気優勢の地合いが想定され、日経平均株価は頑強な値動きを示しそうだ。前日の欧州株市場はドイツ、フランス、英国など主要国をはじめほぼ全面安商状となった。一方、米国株市場ではNYダウが200ドル超の下げをみせたものの、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数の方は続伸し過去最高値を更新した。この日はミネアポリス連銀のカシュカリ総裁が早期利下げ期待に水を差すタカ派的な発言を行ったほか、発表された5月の米消費者信頼感指数が事前予想に反し改善傾向を示し、1年後の予想インフレ率も小幅上昇したことで、米長期金利が水準を切り上げ投資家心理を冷やした。10年債利回りは4.5%台まで上昇する場面があり株式の相対的な割高感が意識され、全体相場の重荷となった。ただ、画像処理半導体大手のエヌビディア<NVDA>が大幅高に買われ最高値街道を走るなどAI関連株に買いが集まり、ナスダック指数はダウとは対照的に終日プラス圏で推移している。東京市場ではエヌビディアが急伸をみせたことや、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も最高値をつけたことを受け、半導体関連株には追い風が見込まれるが、足もとで長期金利が上昇傾向を強めており、これが投資家の買い意欲を削ぐ可能性がある。外国為替市場ではドル高・円安方向に振れていることはポジティブ材料ながら、日経平均3万9000円近辺では戻り売り圧力も強そうだ。
28日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比216ドル73セント安の3万8852ドル86セントと反落。ナスダック総合株価指数は同99.086ポイント高の1万7019.880だった。
日程面では、きょうは5月の消費動向調査、日銀の安達審議委員が熊本県金融経済懇談会で記者会見、森田日証協会長の会見も予定されている。海外では米国でウィリアムズNY連銀総裁の講演内容に市場の注目度が高い。また、この日は米地区連銀経済報告(ベージュブック)が開示されるほか、米7年物国債の入札が行われる。米セールスフォース<CRM>の2~4月決算にもマーケットの視線が集まりやすい。
出所:MINKABU PRESS
2024/05/29 08:00
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=「順張り・逆張り」両面作戦で銘柄選別
きょう(28日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比44円安の3万8855円と小反落。前日の米国株市場が休場ということもあり、いつもより国内に相場の手掛かりを求めやすい環境にあったが、クローズアップされたのはやはり日銀の存在だ。日本の場合、インフレはもとより実質賃金のマイナスが重荷で、この対策としては円安進行を止めること。これは岸田政権と日銀が共有する最重要テーゼである。つまり今は日銀の大規模緩和策の限界を相場がどう織り込んでいくかという段階にある。そうしたなか、前日に日銀の内田副総裁が「デフレとゼロ金利制約との戦いの終焉は視野に入った」と発言。証文の出し遅れ的なニュアンスで捉えられたのか、ドル・円相場は反応薄だったが、株式市場では半導体主力株などハイテクセクターの気勢を削ぐだけのインパクトはあった。
もっとも個別株の物色意欲自体は旺盛で、半導体関連も主力どころに特化して振り向けられていた投資マネーが良い意味で分散されている印象もあり、個人投資家にとっては選択肢の幅が広がったことで参戦しやすくなっている面はありそうだ。冷静に考えれば10年債利回りが1%強の金利水準で株式の割高感など意識されようがない。
そうしたなか、きょうもデータセンター関連株への物色人気に陰りは見られなかった。ラピダス・エリアを管轄する北海道電力<9509.T>をはじめ、電力株が軒並み上昇したほか、データセンター向け通信ケーブルを手掛けるフジクラ<5803.T>など電線株や、高砂熱学工業<1969.T>のような空調工事会社も異彩高が相次ぐ。これらの銘柄に対する買いの勢いは、ひと頃の猫も杓子も「半導体製造装置」関連を目指していた投資マネーの動きを彷彿とさせる。今のテーマ買いの流れは、データセンター関連で創出される収益寄与がどのくらいかというファンダメンタルズ分析よりも、株式需給が良好であれば買われ、そうでなければ敬遠されるという単純にして最強のセオリーが株価を突き動かす原動力となっている。
半導体という一つのテーマにおいても、燎原の火のごとく物色の裾野が広がっていることで投資マネーの流動性を高め、結果として個人投資家などの復活参戦を促す。また、物色対象も半導体及びAIへの一点集中ではなく、さまざまな方向に目を配るタイミングへと移行しつつあるようだ。
個別株戦略として、高値圏を走る銘柄に乗るのは勢い重視で良かれ悪しかれ結果は早い。またある程度の時間的猶予があれば、逆張りで対処して戻りに乗るという手段もある。順張りと逆張りという観点で銘柄選別すると、まず“順張りモード”の銘柄では金、銀、プラチナなどの貴金属価格の上昇を背景に力強く株価の下値を切り上げている松田産業<7456.T>が挙げられる。また、同じく着実に上昇トレンドを構築しているのが宇宙関連と防衛関連二つの切り口を持つカーリットホールディングス<4275.T>で業績好調かつPER・PBRともに低い。更に電力株人気から更に派生した銘柄では、無線鉄塔などで実績の高い巴コーポレーション<1921.T>が注目され、こちらは約20年ぶりの高値水準を飛翔している。これらの銘柄に共通しているのは、株価の強さはもちろんとして、依然として投資指標面から割安なバリュー株の範疇にあるということだ。
“逆張りモード”の銘柄にも光を当ててみると、まず大底圏で動意待ちなのが東邦チタニウム<5727.T>。業績面は正直厳しく今期減配見通しだが、有配企業であることに変わりはなく、市況産業としては今が夜明け前の暗闇にある。北陸電気工事<1930.T>も前週23日に年初来安値をつけたばかりだが、ここは逆張り好機にみえる。北陸電傘下の電気工事会社だが、電力株上昇のビッグウェーブが周辺に波及するなか、調整一巡で瀬踏みをしている今のうちにソッと拾っておくのは有力かもしれない。
あすのスケジュールでは、午後取引時間中に5月の消費動向調査が内閣府から開示される。また日銀の安達審議委員が熊本県金融経済懇談会で記者会見を行うほか、森田日証協会長の会見も予定されている。海外では米国でウィリアムズNY連銀総裁の講演内容に市場の注目度が高い。また、この日は米地区連銀経済報告(ベージュブック)が開示されるほか、米7年物国債の入札が行われる。米セールスフォース<CRM>の2~4月決算にもマーケットの視線が集まりやすい。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/05/28 17:00
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=豊田通商、最高益基調で一段高余地
豊田通商<8015.T>に注目したい。トヨタ系総合商社である同社の24年3月期連結純利益は、前の期比16.6%増の3314億4400万円と最高益を更新した。自動車販売や自動車生産関連の取り扱い増などが収益を押し上げた。またアフリカでの増益などが寄与した。25年3月期の同利益は前期比5.6%増の3500億円の見込み。配当も前期比20円増の300円と15期連続での増配が計画されている。
同社の新中期経営計画では27年3月期の同利益4000億円が目指されており、積極的な株主還元も実施する方針だ。株価は連結PER9倍前後、配当利回りも3.1%台と割安で1万円回復からの一段高が見込める。(地和)
出所:MINKABU PRESS
2024/05/27 10:00
みんかぶニュース コラム
27日の株式相場見通し=反発、米ハイテク株高受け買い戻し優勢に
27日の東京株式市場は主力株中心に買い戻し優勢の地合いとなり、日経平均株価は反発に転じる公算が大きい。前週末の欧州株市場は高安まちまちで、ここドイツ、フランス、英国など主要国の株価指数は最高値圏から軟化傾向を示している。米国株市場ではハイテク主力銘柄を中心に買い戻され、NYダウが小反発したほか、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は史上最高値を更新した。ミシガン大学が発表した5月の消費者態度指数の確報値は速報値から上方修正されたものの半年ぶりの低水準だったほか、1年後の期待インフレ率の方は速報値から下方修正された。これを受けインフレに対する過度な不安心理が後退し、全体相場はグロース株に追い風の強い地合いとなった。東京市場では前週後半に日経平均が上下にボラティリティの高い展開となり、週末は460円近い下げで前日の大幅高の大半を吐き出す格好となったが、きょうは米ハイテク株高を受け再び買いが優勢となる可能性が高そうだ。なお、米株市場ではエヌビディア<NVDA>が連日で最高値を更新したのをはじめ、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)がナスダック指数と歩調を合わせて最高値を更新していることから、東京市場でも同関連株にポジティブに作用しそうだ。日経平均は3万8000円台後半から3万9000円台回復を視野に入れる動きが予想される。
24日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比4ドル33セント高の3万9069ドル59セントとわずかながら3日ぶり反発。ナスダック総合株価指数は同184.761ポイント高の1万6920.794だった。
日程面では、きょうは3月の景気動向指数改定値、4月の外食売上高、5月の月例経済報告など。海外では1~4月の中国工業企業利益、5月の独Ifo企業景況感指数など。なお、メモリアルデーの祝日で米国市場は休場。また、英国市場も休場。
出所:MINKABU PRESS
2024/05/27 08:00
みんかぶニュース コラム
来週の株式相場に向けて=日本株市場の「分断化」進み複合的視点が必要
24日の東京市場は、日経平均株価が前日比457円安と急反落。前日にはエヌビディア<NVDA>の好決算で半導体関連株が買われ486円高と急伸していたが、その上昇分をほぼ吐き出した格好だ。
米国の5月購買担当者景気指数(PMI)が予想を上回り、早期利下げ期待が後退したことが要因となった。決算発表が一巡するとともに「市場の関心は再び日米の金融政策に向かいつつある」(市場関係者)。ここからは、6月11~12日の米連邦公開市場委員会(FOMC)、同13~14日の日銀金融政策決定会合に向けた動きが最大の焦点となる。
そんななか、日本株をみるうえでの大きなポイントとして「半導体関連株など米国市場に左右される銘柄群と、日本の内部要因に左右される銘柄群とに大きく分かれ、分断化が進んでいる」(アナリスト)ことが指摘されている。
東京エレクトロン<8035.T>やアドバンテスト<6857.T>といった銘柄は、米半導体株や米連邦準備制度理事会(FRB)による米金融政策による影響が大きい。その一方、例えばイオン<8267.T>やしまむら<8227.T>のような内需系銘柄は「実質賃金の減少が懸念されるなか、日本の金利動向や円安の行方が注視されている」(同)という。
特に、足もとの日経平均株価の上昇率が米国など海外市場に見劣りしているのは「GDPのマイナス成長にみられる個人消費の弱さが大きな要因」(エコノミスト)とも指摘されている。消費拡大という点では「物価高の抑制に向けた円安の是正が求められるほか、利息収入増加の面からは政策金利引き上げもプラス要因かもしれない」(同)との声も出ている。こうしたなか、海外に加え国内の金融政策動向への関心が強まっていきそうだ。
来週のスケジュール面では、来週は31日の米4月個人消費支出(PCE)デフレーターや同日の5月東京都区部消費者物価指数(CPI)などが注目されそうだ。上記以外では、海外では28日の米5月消費者信頼感指数、30日の米1~3月期GDP改定値、31日の中国5月製造業PMIなどが関心を集めそうだ。
国内では27日に植田和男・日銀総裁が国際コンファランスで挨拶を行う。31日に4月失業率・有効求人倍率が発表される。また、27日にダイドーグループホールディングス<2590.T>、30日に東和フードサービス<3329.T>、31日にトリケミカル研究所<4369.T>、ACCESS<4813.T>が決算発表を行う。28日に学びエイド<184A.T>が東証グロース市場に新規上場する。来週の日経平均株価の予想レンジは3万8200~3万9200円前後。(岡里英幸)
出所:MINKABU PRESS
2024/05/24 17:14
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=エヌピーシー、「ペロブスカイト」関連の一角として注目
エヌ・ピー・シー<6255.T>の中長期上昇トレンドに乗りたい。同社は太陽光パネル製造装置の大手で、米太陽電池メーカーのファースト・ソーラー<FSLR>が主要顧客。米国での政策支援を背景とした太陽電池関連の活発な設備投資が追い風となっている。次世代太陽電池として期待される「ペロブスカイト太陽電池」の製造装置も手掛けており、同太陽電池関連株の一つとしても注目されている。
先月、四半期決算とともに24年8月期連結業績予想の上方修正を発表。営業利益を前期比2.2倍の21億4900万円(従来予想15億8400万円)と急拡大する見通しを示した。部品販売の好調が続いているほか、一部案件が前倒しで計上される見込みになったという。年間配当は前期比1円増の7円を見込んでいる。(イ)
出所:MINKABU PRESS
2024/05/24 10:00
みんかぶニュース コラム
24日の株式相場見通し=反落、利下げ観測後退による米株安で心理悪化
24日の東京株式市場で日経平均株価は反落する見通し。前日の米国市場では市場予想を上回る四半期決算と業績見通しを発表したエヌビディア<NVDA>が急騰したが、楽観ムードは広がらなかった。5月の米国の購買担当者景気指数(PMI)の速報値は製造業、サービス業ともに市場予想を上回った。また、週間の新規失業保険申請件数は市場予想を下回り、米国経済の底堅さが意識され、インフレ環境が長期化するとの見方から米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ観測が後退。更に、投資家向け説明会で業況に対する慎重な見方が広がったボーイング<BA>が急落したことも、NYダウを押し下げる要因となった。大阪取引所の夜間取引で日経平均先物6月限は3万8550円で終了。シカゴの日経平均先物6月限は3万8560円で引けた。日経平均株価は前日、エヌビディア株の時間外取引での急伸を受けて3万9100円台まで水準を切り上げたが、NYダウが大幅安となったことで投資家心理の悪化は避けられず、主力株全般に売りが優勢となり下落して始まると想定される。半導体関連株にも利益確定目的の売りが見込まれる。一方、この日は4月の全国消費者物価指数(CPI)が公表される。生鮮食品を除くコアCPIに関しては前年比でプラス2.2%が市場のコンセンサスで、前月から伸び率が鈍化するとの見方が優勢だが、市場予想を上回る結果となった場合には、日銀が早期に利上げに踏み切るとの市場の観測を強める可能性があり、その際には金融セクターを下支えする要因となるとみられている。加えて、ドル円相場は一時1ドル=157円台に乗せるなど円安基調が続いているほか、4月以降、国内の主要企業による自社株買いが相次いで発表されたことは、日本株の下値をサポートする要因となるとみられている。日経平均株価は取引時間中、3万8400円から3万8800円の範囲で推移する公算が大きい。
23日の米株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比605ドル78セント安の3万9065.26ドルと続落。ナスダック総合株価指数は同65.511ポイント安の1万6736.033だった。
日程面では国内では4月の全国消費者物価指数のほか、4月の全国百貨店売上高が公表される予定。海外では米国で4月の耐久財受注と、5月のミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)の発表を控えている。
出所:MINKABU PRESS
2024/05/24 08:00
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=エヌビディア効果で東京市場復活へ期待つながる
23日の東京市場で日経平均株価は前日比486円高と急伸し、3営業日ぶりに3万9000円台を回復した。市場関係者が注視したエヌビディア<NVDA>の決算は、市場予想を上回る好結果となり半導体関連株が軒並み高に買われた。
関心を一身に集めたエヌビディアの決算が予想を上回ったことから、「半導体市場の成長に自信を深めた筋が見直し買いを入れた」(市場関係者)という。具体的にはレーザーテック<6920.T>が上場来高値を更新し、ディスコ<6146.T>が初の6万円台に乗せた。もちろん東京エレクトロン<8035.T>、アドバンテスト<6857.T>、ソフトバンクグループ<9984.T>といった主力株も買われた。米ナスダック指数が最高値圏に浮上するなか、東京市場も半導体関連株に牽引される形で本格反騰に向かうことが期待されている。
ただ、市場には「半導体などハイテク株の一本足打法の状態には不安感も残る」(ストラテジスト)との声も少なくない。今日の東証プライム市場の値上がり銘柄数も50%を少し超えた程度。アドテストやソフトバンクGなど日経平均株価への寄与度の高い銘柄が相場を牽引し、一時500円を超える急騰を演じた格好だ。
エヌビディアの決算が終わると当面は目立ったイベントは無くなる。22日に公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が示すように、米連邦準備制度理事会(FRB)にはタカ派姿勢が根強く残っている。エヌビディア効果で東京市場復活への期待はつながった格好だが、「今後、日経平均株価が4万円奪回を目指すためには、半導体関連株を中心にナスダック指数が更なる上値追いを演じてくれることが必要だろう」(市場関係者)とみる声が出ている。米国市場の動向に一段と一喜一憂する展開は今後も続きそうだ。
今晩は、米国で新規失業保険申請件数や5月製造業購買担当者景気指数(PMI)が発表される。ボスティック・アトランタ連銀総裁の講演が予定されている。明日は、日本では4月消費者物価指数(CPI)や同全国百貨店売上高が発表される。
出所:MINKABU PRESS
2024/05/23 17:10
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=みらいWKS、主軸事業の各種KPIが伸長
みらいワークス<6563.T>は5月14日、24年9月期第2四半期累計(23年10月~24年3月)の連結決算を発表。経常利益は前年同期比78.4%増の2億4200万円となり、通期計画の3億5000万円に対する進捗率は69.1%に達した。
デジタルトランスフォーメーション(DX)案件などが牽引役となり、主軸のプロフェッショナル・エージェント事業の売上高に関連する各種KPI(契約数、直接営業人員数、大手企業取引数など)が順調に伸びたことが寄与。また、Webプラットフォーム事業が堅調だったことも好業績につながった。
足もとの株価は下値を切り上げる展開となっており、日足チャートでは25日移動平均線と75日移動平均線が徐々に接近。ゴールデンクロスが実現すれば、一段の上値を試す展開が期待できそうだ。(参)
出所:MINKABU PRESS
2024/05/23 10:00
みんかぶニュース コラム
23日の株式相場見通し=反発、エヌビディア好決算で投資家心理上向く
23日の東京株式市場で、日経平均株価は反発する見通し。前日の海外市場では、欧州の主要株価指数はそろって下落し、米株式市場ではNYダウが反落。ナスダック総合株価指数も3日ぶりに反落した。この日公表された4月30日~5月1日開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨では、参加者からインフレに対する警戒感が示され、タカ派的な内容との受け止めが市場に広がった。一方、米国市場の取引終了後にエヌビディア<NVDA>が発表した2~4月期の決算は市場予想を上回る内容となった。5~7月期の売上高見通しもコンセンサスを超える強い内容となったほか、増配と株式分割も発表されたとあって、時間外取引でエヌビディア株は上伸。これに連れる形で大阪取引所の夜間取引において、日経平均先物6月限は一時3万8800円まで水準を切り上げた。時間外取引でのエヌビディア株は戻り売り圧力が加わりながらもプラス圏を維持し、1000ドルの大台に乗せた。朝方の東京市場ではエヌビディアの好決算と時間外取引での同社株の上昇に加え、重要イベントをひとまず無難に通過したことへの安心感が広がりやすく、主力株や半導体関連株に対して買い戻しの流れが優勢となり、日経平均株価は上昇して始まるとみられている。また、外国為替市場ではFOMC議事要旨公表後にドル買いが進んだ。ドル円相場は足もとで1ドル=156円台後半と円安が進行しており、自動車など輸出関連株への追い風となるだろう。半面、米国市場での原油先物相場の下落を受け、石油関連株は弱含みの展開も見込まれる。日経平均株価は前日に3万8700円近辺に位置する75日移動平均線を下回って終了した。直近では米国株に対する日本株の出遅れ感が強まっていたこともあり、日経平均株価は取引時間中、75日移動平均線を下値に3万9000円をうかがう展開となることも予想される。
22日の米株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比201ドル95セント安の3万9671.04ドルと反落。ナスダック総合株価指数は同31.080ポイント安の1万6801.544だった。
日程面では、国内では4月全国スーパー売上高が公表される予定。海外ではユーロ圏と米国で5月製造業PMIとサービス業PMIが発表されるほか、米国の4月新築住宅販売件数の発表も控える。主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会合が25日までの日程でイタリアにおいて開かれる。
出所:MINKABU PRESS
2024/05/23 08:00
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=米エヌビディア決算前のグロース株安をどう読むか
22日の東京株式市場で日経平均株価は前営業日比329円83銭安の3万8617円10銭と続落した。日本時間23日早朝のエヌビディア<NVDA>の決算発表を目前に手控えムードが広がるなか、東京エレクトロン<8035.T>やアドバンテスト<6857.T>、レーザーテック<6920.T>など半導体関連株が軒並み安となったほか、主力株全般に持ち高調整目的の売りが優勢となった。エヌビディアの決算発表後にアク抜け感が広がるのか、それとも失望感に包まれることになるのか、大きな分岐点に差し掛かるなか、市場参加者を神経質にさせたのが、アマゾン・ドット・コム<AMZN>によるエヌビディア製品の発注方針を巡る報道だ。英フィナンシャル・タイムズ紙によると、アマゾンのクラウドサービス部門がエヌビディアの最先端半導体の発注を一時停止し、新モデルの発売を待つことにしたという。今後の売上高見通しにどのような影響が出るのか、懸念材料が一つ加わったこととなった。
そしてもう一つ、個人を中心に投資家心理を悪化させたのが、およそ2年ぶりの安値をつけた東証グロース市場250指数の存在である。今月に入り、経済産業省が新興市場の上場維持基準の厳格化に向けた提言をする方針だと一部で報じられ、指数への下押し圧力が強まることとなったが、この日の下げは長期金利の上昇によるところが大きいようだ。日銀による早期の利上げ観測を背景に、円債市場で長期金利は11年ぶりに一時1%台に乗せた。金利の上昇は、バリュエーション面での評価の高いグロース株には逆風となる。
3月期の決算発表が一巡した後の日本株の予想EPS(1株利益)は切り上がることがなく、日経平均株価のPER(株価収益率)は16倍台半ばと、割安感に乏しい。「ここから日本株が上値を試すには、米国の利下げ観測とエヌビディア決算のポジティブ・サプライズという二つのエンジンが必要」(国内証券アナリスト)との声もある。株価が上場来高値近辺で推移するエヌビディアの決算を巡っては、ただでさえ市場の期待値が高まった状態にあり、同社株の反応と、市場心理に及ぼす影響は未知数だ。
米国市場で投資家の不安心理を示すVIX指数は11台と極めて低い水準となっている。VIX指数が低水準にあるがゆえ、エヌビディア決算後の相場の変動性はさほど高まらないとみるのは早計だろう。市場参加者の相場観が固定化した状況で、リスクイベントの発生により先行き不透明感が強まった際、ボラティリティは一気に高まることとなりやすい。米国株の調整が深まれば、日本株は海外投資家の売りを浴びることとなりかねない。
一方、日本企業が株主還元姿勢を強化したこと自体は、当面は日本株を下支えする要因になるとみられている。小型グロースとともに大型株の手掛けにくさが意識される局面が到来したとしても、バリュー株の株主還元強化は、引き続き有望な投資テーマとなる可能性が高い。
例えば鉄鋼セクターでは、日本製鉄<5401.T>など大手3社の配当利回りは4%台に上る。一方、愛知製鋼<5482.T>と大同特殊鋼<5471.T>は3%を下回る水準で、PBR(株価純資産倍率)は1倍以下。東証による低PBR改革の潮流下で、大手の水準に追従する形での株主還元策における新たなアクションに期待したい。また、直近ではペロブスカイト太陽電池関連株がにぎわったが、「国策」という共通項でその効果に注目したいのが、6月より始まる定額減税だ。プチ贅沢的な消費の矛先となると期待される美容関連のビューティガレージ<3180.T>は下値を切り上げる動きとなっているほか、旅行予約サイトのアドベンチャー<6030.T>は自社株買い公表後、急ピッチに戻りを試している。
あすのスケジュールでは、国内では4月全国スーパー売上高が公表される予定。海外ではユーロ圏と米国で5月製造業PMIとサービス業PMIが発表されるほか、米国の4月新築住宅販売件数の発表も控える。主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会合が25日までの日程でイタリアにおいて開かれる。
出所:MINKABU PRESS
2024/05/22 17:03
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=サンリオ、複数キャラクター戦略で中計前倒しへ
サンリオ<8136.T>は3月27日に年初来高値3137円をつけたあと調整しているが、ここは拾い場と考えたい。
5月14日に発表した24年3月期連結決算は、営業利益が269億5200万円(前の期比2.0倍)となり、14年3月期に記録した過去最高益を10年ぶりに更新した。国内の店舗・テーマパークが成長を継続したことに加えて、複数キャラクター戦略により国内ライセンス事業が2ケタ増となったことが牽引。また、海外は北米/中国のライセンス事業が牽引した。
25年3月期はハローキティ50周年効果でキャラクター商品販売やテーマパークの収益拡大が期待できる。複数キャラクター戦略が奏功し、ライセンス事業も国内、北米、アジアなどで伸長する見通し。会社側の営業利益300億円(前期比11.3%増)予想は保守的との見方が一般的で、350億円以上を見込む調査機関が多い。
決算と同時に発表した新たな中期経営計画では、27年3月期に営業利益400億円以上を目指す。北米や中国などで事業を強化するほか、日本でのライセンス事業やインドなどの新たな地域での収益を拡大させる方針だが、複数キャラクター戦略などによる収益源の拡大などで、数値目標は前倒し達成される可能性が高いだろう。(仁)
出所:MINKABU PRESS
2024/05/22 10:00
みんかぶニュース コラム
22日の株式相場見通し=弱含み、エヌビディア決算控え持ち高調整主体の展開へ
22日の東京株式市場で日経平均株価は弱含みで推移する見通しだ。前日の欧州の主要株価指数は総じて下落。米株式市場ではNYダウは反発し、ナスダック総合株価指数は連日で最高値を更新した。米連邦準備制度理事会(FRB)の高官から早期の利下げに慎重な発言が相次いだものの、カナダの4月消費者物価指数(CPI)の伸びが鈍化したことを受けて債券選好の流れとなり、米長期金利が低下し、米国株の支えとなった。米経済の軟着陸期待が根強いなかで、投資家の不安心理を示すVIX指数も低下した。半面、半導体大手のエヌビディア<NVDA>の決算発表を控えポジションを一方向に傾けにくい地合いとなり、上値を追う姿勢は限られた。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は0.3%安。シカゴの日経平均先物は、6月限が3万8860円とやや水準を切り下げて取引を終えている。東京市場においては、夜間の先物の軟調な動きが意識され、日経平均株価は安く始まると想定される。エヌビディアの決算を見極めたいとのムードが強く、日中は主力株を中心にいったん持ち高を整理する目的の売りが広がりやすい。また、米国の原油先物と金先物相場の下落は、石油関連や非鉄など資源株の重荷となるとみられている。一方、ドル円相場は1ドル=156円台前半での推移を続けており、輸出関連株の下支え要因となる見通し。取引開始前に日本の3月の機械受注が公表されるが、市場の予想よりも良好な結果となり、機械・精密機器関連セクターに好反応が見られれば、市場心理にはプラス効果をもたらしそうだ。日経平均株価は取引時間中、3万8700円から3万9000円の範囲で推移する公算が大きい。
21日の米株式市場では、NYダウ平均株価が前週末比66ドル22セント高の3万9872.99ドルと反発。ナスダック総合株価指数は同37.750ポイント高の1万6832.624だった。
日程面では、国内では3月機械受注のほか、4月の貿易収支が発表される予定。財務省が40年債入札を実施する。海外では4月30日~5月1日開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨のほか、米4月中古住宅販売件数が公表される。エヌビディアに加え、ターゲット<TGT>の決算発表も控えている。
出所:MINKABU PRESS
2024/05/22 08:00
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=損保株は上昇、金融株高の地合いは消えず
21日の東京市場で日経平均株価は前日比122円安と反落した。前日の米株式市場で半導体株などが上昇したことを背景にナスダック指数は最高値を更新。これを受け東京市場も朝方は買いが先行し、日経平均株価は一時270円を超える上昇となった。しかし、後場にかけて値を消し結局3万9000円を割り込んだ。
「22日のエヌビディア<NVDA>の決算発表を前に様子見姿勢も強まった」(市場関係者)様子だ。東証プライム市場の売買代金も3兆9000億円台とやや細り気味となった。
市場には、エヌビディアの5~7月期売上高は前年同期比2倍に急増するとの予想も出ているようだ。ただ、同社の株価には業績急拡大をすでに織り込んでいる面もあるだけに、実際の反応は蓋を開けてみないと分からない面も多そうだ。特に、東京市場では日経平均株価に与える東京エレクトロン<8035.T>やアドバンテスト<6857.T>など半導体関連株の影響は大きいだけに、エヌビディアの動向は無視できない。
とはいえ、より大きな相場のポイントは世界的なカネ余り相場の行方であり、基調にある過剰流動性を背景に短期筋などのホコ先は生成AIに絡む半導体株に向かっている面がある。エヌビディアの決算が予想を上回れば半導体株が一段高となり、下回れば半導体に向かっていた資金は他セクターに向かい、株式市場から流出するには至らないだろう。
そんななか、半導体関連株と並ぶ投資先となりそうなのが銀行など金融株だ。今日の東京市場では、20日に決算を発表した東京海上ホールディングス<8766.T>やMS&ADインシュアランスグループホールディングス<8725.T>が急伸した。今期減益予想が嫌気されたSOMPOホールディングス<8630.T>は下落したものの、3社ともに配当利回りは3%超の水準にあり再評価余地は大きい。
同じく配当利回りが3%を超える三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>、三井住友フィナンシャルグループ<8316.T>、みずほフィナンシャルグループ<8411.T>のメガバンクともども金融株はエヌビディア決算の内容に関わらず株高の地合いは変わらないとみられる。
今晩は米国でウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁の講演などが予定されている。明日は朝方の取引開始前に、3月機械受注や4月貿易統計などが発表される。海外では前述のエヌビディアに加えシノプシス<SNPS>、アナログ・デバイセズ<ADI>の決算が発表される。4月30日~5月1日開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録も公表される。
出所:MINKABU PRESS
2024/05/21 17:00
みんかぶニュース コラム
21日の株式相場見通し=続伸、米半導体株の上昇が追い風に
21日の東京株式市場で日経平均株価は続伸する見通しだ。前日の米株式市場でNYダウは反落。JPモルガン・チェース<JPM>最高経営責任者(CEO)のジェイミー・ダイモン氏が投資家向け説明会で早期の退任を示唆し、自社株買いに関して後ろ向きな発言をしたことを受けて同社株が大幅安となったことが重荷となった。一方、アナリストによる目標株価引き上げがあったエヌビディア<NVDA>が買われ、半導体株は軒並み高。ナスダック総合株価指数は最高値を更新した。米ハイテク株の頑強ぶりが投資家のリスク許容度を高めるなか、ドル円相場は1ドル=156円台前半とドル高・円安方向に振れており、東京市場では半導体関連や輸出株を中心に買いが優勢となりそうだ。一方、22日に予定されるエヌビディアの決算内容を見極めたいとのムードもあり、朝高後は様子見機運が強まりやすく、短期筋による仕掛け的な売買で株価指数が上下に振れる展開も想定される。半導体関連のほか注目されるのが損保株だ。前日の取引終了後に各社は相次いで自社株買いなど積極的な株主還元策を発表している。株価がポジティブな反応を示した場合、投資家心理を支えることとなりそうだ。日経平均株価は取引時間中、3万9200円から3万9600円の範囲で推移するとみられている。
20日の米株式市場では、NYダウ平均株価が前週末比196ドル82セント安の3万9806.77ドルと反落。ナスダック総合株価指数は同108.908ポイント高の1万6794.874だった。
日程面では、国内では4月首都圏マンション市場動向が公表される予定。日銀が「金融政策の多角的レビュー」に関する第2回ワークショップを開催する。海外ではユーロ圏で3月の経常収支、貿易収支などが発表される予定。米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁など米連邦準備制度理事会(FRB)高官の発言機会も控えている。
出所:MINKABU PRESS
2024/05/21 08:01
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=住友ゴ、連結PBR0.7倍台と割安
住友ゴム工業<5110.T>に注目したい。大手タイヤ企業の同社の第1四半期(1~3月)連結営業利益は、前年同期比2.7倍の206億9600万円と大幅増益となった。円安の追い風もありタイヤ事業などが伸びた。これを受け同社では第2四半期の業績予想の増額修正を発表したが、24年12月期通期の同利益は610億円(前期比5.4%減)で据え置かれた。ただ、経費削減効果もあり市場には670億円前後への増額期待が強い。
足もとの株価は強含みで推移しているが、連結PBRは0.7倍台、配当利回りは3.1%前後となお割安感は強い。先行き15年3月につけた2313円の史上最高値の更新を目指す展開が期待できそうだ。(地和)
出所:MINKABU PRESS
2024/05/20 10:00
みんかぶニュース コラム
20日の株式相場見通し=リスク選好ムード続き底堅い、米半導体株安は重荷
20日の東京株式市場で日経平均株価は底堅く推移する見通し。前週末の米株式市場でNYダウは反発し、終値ベースで初めて4万ドル台に乗せた。米国経済の軟着陸(ソフトランディング)期待をもとにした投資家のリスク選好姿勢が強まり、全体相場を支援した。一方、ナスダック総合株価指数は小幅続落。エヌビディア<NVDA>は2%近く下げるなど、半導体関連は総じて軟調に推移しており、東京市場においてハイテク関連株の買い手控え要因となる可能性が高い。また日本国内では、農林中央金庫が債券運用で含み損を抱え、25年3月期が最終赤字の見通しとなり、1兆円規模の資本増強を検討していると報じられている。地銀各行は今期の業績予想の開示を済ませているとはいえ、外債投資を積極化した過去がある。銀行株は前週末に上昇圧力が掛かっていたことから、売りに押される展開も想定される。半面、ドル円相場が1ドル=155円台後半での推移を続けている点は、輸出関連株を下支えする要因になる見込みだ。主要企業が自社株買いを相次いで発表したことを受け、株式需給の改善期待も広がっており、下値を追う姿勢は限定的となるとの見方は多い。テクニカル面でも日経平均は5日移動平均線が25日移動平均線を上抜けてゴールデンクロスを形成しており、上昇トレンドを見込んだ買いを誘いやすい。日経平均は取引時間中、3万8500円から3万9000円の範囲で推移するとの見方が出ている。加えて、サウジアラビアのムハンマド皇太子が23日までの日程で来日する。21日の岸田文雄首相との首脳会談を前に、経済分野での包括協力の内容が伝わっており、水素供給網の強化などが盛り込まれるという。ムハンマド皇太子はアニメやゲームの愛好家として知られており、人気クリエーターとの会合や最新ゲームをプレーしてもらう機会を設ける方向で調整が進められているとも報じられており、関連銘柄には思惑的な資金が流入しそうだ。
17日の米株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比134ドル21セント高の4万0003.59ドルと反発。ナスダック総合株価指数は同12.355ポイント安の1万6685.966だった。
日程面では、きょうは国内では3月第3次産業活動指数や4月主要コンビニエンスストア売上高が公表されるほか、10年物価連動国債の入札が予定されている。また、東京海上ホールディングス<8766.T>やMS&ADインシュアランスグループホールディングス<8725.T>、SOMPOホールディングス<8630.T>が決算を発表する。海外では中国で5月の最優遇貸出金利が発表されるほか、ドイツの4月生産者物価指数が公表される予定。台湾次期総統の就任式も控えている。
出所:MINKABU PRESS
2024/05/20 08:00
みんかぶニュース コラム
来週の株式相場に向けて=エヌビディア決算機に本格反騰に突入するか
17日の東京市場は日経平均株価が前日比132円安と4日ぶりに反落した。前日の米国市場で半導体関連株などが下落したことが警戒されたほか、過去3日間で日経平均株価が700円強上昇していた反動も出た様子だ。
足もとでは、NYダウやナスダック指数が最高値を更新する一方、日経平均株価は2カ月近い調整局面に入っている。春先までの急伸の反動と言えば、その通りだが「結局は、1989年12月につけた旧最高値(3万8915円)を意識する相場が続いている」(アナリスト)との声も出ている。チャート的には3月22日につけた最高値4万888円から4月19日安値までの下げ幅の2分の1戻しが3万8978円。「半値戻しは全値戻し」という格言もあり、上昇基調に拍車がかかるかどうかの大きなポイントに差し掛かっている。
そんななか、来週はいよいよ22日に米半導体大手エヌビディア<NVDA>の決算発表がある。ちょうど3カ月前の2月のエヌビディア決算ではその好内容が評価され、半導体株高のなか、日経平均株価は34年ぶりの最高値更新へ駆け上がったことは記憶に新しい。
東京エレクトロン<8035.T>やアドバンテスト<6857.T>といった半導体関連株が日経平均株価に与える影響は大きい。それだけに、エヌビディアの決算次第で一気に上昇基調を強めることも、逆に再び下落基調となることも起こり得る。来週は「テック相場」入りするか、あるいは三井住友フィナンシャルグループ<8316.T>など銀行株を中心とする「バリュー株相場」の色彩が強まるかの大きな岐路となりそうだ。また、22日には4月30日~5月1日開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録が公表され、米金融政策の行方を探るうえで注目を集めそうだ。
上記以外のスケジュールでは、来週は海外では22日に米4月中古住宅販売件数、23日に同新築住宅販売件数、24日に同耐久財受注が発表される。20日にキーサイト・テクノロジー<KEYS>、22日にシノプシス<SNPS>、アナログ・デバイセズ<ADI>などの決算発表が予定されている。
国内では21日に日銀「金融政策の多角的レビュー」に関する第2回ワークショップが開催される。22日に4月貿易統計、24日に4月消費者物価指数(CPI)が公表される。20日に東京海上ホールディングス<8766.T>やSOMPOホールディングス<8630.T>、MS&ADインシュアランスグループホールディングス<8725.T>の決算発表が予定されている。来週の日経平均株価の予想レンジは3万8400~3万9200円前後。(岡里英幸)
出所:MINKABU PRESS
2024/05/17 17:18
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=Arent、建設業界のDX化進展で一段の飛躍機運
Arent<5254.T>の株価水準の更なる切り上がりに期待したい。同社は建設業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)化を支援するためのコンサルティングやシステム開発・製品販売などを展開。9日に発表した24年6月期第3四半期累計(23年7月~24年3月)の連結決算は、売上高が前年同期比53.5%増の21億8600万円、最終利益が同2.3倍の4億1400万円となり、直近3カ月となる1~3月期の売上高と各利益は四半期ベースで過去最高となった。
人手不足の構造的な問題を抱え、生産性向上の余地がある建設業界において、Arentの課題解決力に対するニーズは拡大の一途にあるとみられ、中期的な事業成長への期待は根強い状況にある。業界大手の複数のサブコン・ゼネコンとのプロダクト開発に関連する売上高も規模が拡大しており、安定的な成長に寄与している。
日足チャート上では5日移動平均線と25日移動平均線が5月に入りゴールデンクロスを達成した。今年3月につけた年初来高値と5月の安値の半値戻しの水準となる5852円近辺を突破すれば、反騰機運を一段と強めそうだ。(碧)
出所:MINKABU PRESS
2024/05/17 10:00
みんかぶニュース コラム
17日の株式相場見通し=反落、欧米株上昇一服で利食い誘発
17日の東京株式市場は主力株をはじめ広範囲に利益確定の売りに押される地合いが想定され、日経平均株価は4日ぶりに反落する公算が大きい。ここ世界的に株式市場ではリスクを取る動きが優勢だったが、足もとでは上昇一服局面となっている。前日の欧州株市場では独DAX、仏CAC40、英FTSE100など主要国の株価指数が総じて軟調だった。また、米国株市場ではNYダウが午前中の取引で初の4万ドル大台乗せを果たしたが、午後の取引では値を消す形となり結局小幅ながらマイナス圏で引けている。ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も狭いレンジでの値動きとなったが、午後は上値の重い展開となりマイナス圏で取引を終えた。米国では4月の消費者物価指数(CPI)の発表を受けて、FRBによる早期利下げ期待が再燃し上値指向を強めたものの、足もとで過熱感も拭えず、この日は利益確定を急ぐ動きが買いの勢いを上回った。ダウは今月に入って2000ドル以上の上昇をみせており、フシ目の4万ドル大台に乗せたことで目先達成感からの売りを誘発した格好だ。欧米株市場が上昇一服となったことで、きょうの東京市場も見送りムードが強まりそうだ。ここ低下基調にあった米長期金利が下げ止まったことから、外国為替市場ではドルが買い戻され円安方向に振れており、これは輸出セクター中心に株価の下支え材料となる可能性はある。日経平均は3万8000円台半ばから後半の水準で売り買いを交錯させそうだ。
16日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比38ドル62セント安の3万9869ドル38セントと3日ぶり反落。ナスダック総合株価指数は同44.069ポイント安の1万6698.321だった。
日程面では、きょうは3カ月物国庫短期証券の入札が予定。海外では4月の中国70都市の新築住宅価格動向、4月の中国工業生産高、4月の中国小売売上高、4月の中国不動産投資、4月の中国固定資産投資、4月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値、4月の米景気先行指標総合指数など。
出所:MINKABU PRESS
2024/05/17 08:00
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=怒涛の世界株高とスタグフレーション
きょう(16日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比534円高の3万8920円と3日続伸。前日の米国株市場ではビッグイベントであった4月の米消費者物価指数(CPI)の伸び率が事前コンセンサスを若干下回ったことを受け、主力株中心にこれが好感されてリスク選好の地合いが演出された。前日の欧州株市場もほぼ全面高で、きょうのアジア株市場も全面高、当然ながらアジアの一員である東京市場もこれについて行く格好となった。
取引時間中は、米長期金利低下を背景に急速に円高に振れる為替市場を横目にしながら伸び悩む場面もあったが、後場終盤に入ると先物主導のインデックス買いで日経平均が押し上げられた。もっともTOPIXの上げは小幅にとどまっており、日経平均が独走した感が強い。何よりも値下がり銘柄数が1000近くに及び値上がり銘柄数を大幅に上回っていることから、一般投資家にとってはあまりリスクオンが実感できない地合いだったはずである。
改めて世界のマーケットを見渡せば強気一色といっても過言ではないような状況だ。欧州株市場では英国に続き、ドイツの主要株価指数であるDAXも最高値を更新したが、直近ではこれに続いてフランスCAC40も最高値街道に突入した。米国では前日にNYダウ、ナスダック総合株価指数、S&P500指数の3指数が揃って最高値を更新。アジア市場では半導体王国の台湾が最高値街道を突き進み、更にオーストラリアが最高値近辺で推移、南米ではアルゼンチンも最高値水準で強調展開を維持している。日本株優位論に沸いた1~3月の喧騒が東京市場にもそろそろ戻って来ていい頃合いだ。
日本株も1月から3月上旬にかけては、日経平均がまさに爆騰モードで7000円あまりの上昇をみせた。2008年のリーマン・ショック後に日経平均は7000円近辺まで売り込まれたが、今年は年初からわずか3カ月で、当時の日経平均の時価総額まるごと全部を創出したような状況となった。ただ、その奇跡の3カ月がもたらした高揚感は、ここ最近はご無沙汰状態といってもよい。ある意味世界の中でもっとも冷めた市場かもしれない。
きょうは為替のドル安・円高が急速に進んだことが邪魔をした面はあるが、それでも後場取引終盤は日経225先物主導の買い戻しが利いて、この日の高値圏で着地した。しかしながら今一つ不完全燃焼、ジグソーパズルで言えば足りないピースが存在する。プライム市場だけを見ていると肌感覚が伴わないが、今のグロース市場に目を向けると荒れ果てた状態にあり、これは今後の不安要因として意識せざるを得ない。きょうはグロース市場指数とグロース250指数はともに年初来安値を更新した。しかも昨年10月の安値も下回っており、投資マネー離散の現状を如実に物語っている。
昨年10月時点で日経平均は3万円台ソコソコの水準だった。グロース市場を炭鉱のカナリアに見立てれば、昨年の秋口にカナリアは確かに鳴き止んでいた。だが、主力銘柄は崩れなかった。日経平均はその後4万円台まで怒涛の上昇波を形成した経緯は周知の通りだ。今回はどうか、仮死状態にあるカナリアが息を吹き返すのかどうか、それとも全体波乱相場の予兆なのか見極めていく必要がある。きょうは東京エレクトロン<8035.T>、アドバンテスト<6857.T>などをはじめ生成AI関連で潤う半導体株が相場を牽引した。しかし、これらは皆グローバルエリアで活躍するゼロワンクラスの銘柄群だ。今朝がた発表された1~3月期の国内総生産(GDP)は2四半期ぶりのマイナス成長となったが、内需のマイナスは4四半期連続だ。個人消費も落ち込みが止まらない。米国経済のスタグレーション懸念が東京株式市場でも警戒されていたが、むしろ足もと警戒すべきは国内のスタグフレーションのようだ。小型の内需株が集積するグロース市場の低迷は、実質賃金上昇など夢物語の「日本企業の99%を占める中小企業」の苦悩を代弁しているようにも見える。
あすのスケジュールでは、国内では特に目立ったイベントはないが、午前中に3カ月物国庫短期証券の入札が予定されている。海外では4月の中国70都市の新築住宅価格動向、4月の中国工業生産高、4月の中国小売売上高、4月の中国不動産投資、4月の中国固定資産投資など中国での重要経済指標発表が集中する。このほか4月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値、4月の米景気先行指標総合指数など。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/05/16 17:00