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注目トピックス 日本株 天昇電 Research Memo(6):主力事業は自動車向け中心のプラスチック成形品。技術力で他分野へ展開中(5) *15:36JST 天昇電 Research Memo(6):主力事業は自動車向け中心のプラスチック成形品。技術力で他分野へ展開中(5) ■天昇電気工業<6776>の会社概要f) カウンタープレッシャー成形法金型内を加圧状態に保ち、表面の発泡を抑えて冷却固化することにより平滑な成形品が得られる。ヒケ、ソリが改善され、肉厚の成形品にも対応できる。また、型内圧力が低く比較的大型の成形品を得られる。(5) 製品評価・測定同社では、開発段階で試作品による寸法測定や各環境下での評価を実施しており、これにより顧客が十分に満足するものづくりを目指している。同社における特徴ある代表的な装置は以下のとおり。a) 3次元測定機ルビー・セラミック等の材質の球体プローブで、製品を点・線で測定し、立体を3次元的に観測できる測定機である。b) キセノンウエザーメーター太陽光・温度・湿度・降雨などの屋内外の条件を人工的に再現して退色・劣化を促進させることで、製品・材料の寿命を予測する装置である。c) 車両格納型大型恒温室実物大の車両(自動車)を格納できる実験装置で、温度・湿度などの環境変化に対する耐久性/信頼性の評価を行う。(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇) <HN> 2025/06/27 15:36 注目トピックス 日本株 天昇電 Research Memo(5):主力事業は自動車向け中心のプラスチック成形品。技術力で他分野へ展開中(4) *15:35JST 天昇電 Research Memo(5):主力事業は自動車向け中心のプラスチック成形品。技術力で他分野へ展開中(4) ■天昇電気工業<6776>の会社概要(2) 設計・解析・材料選定a) 最先端技術顧客のメリットを追求するため、製品の軽量化、生産の高効率化、リサイクル材料への転換など、最先端技術を用いて顧客ニーズに臨機応変に対応し、コストダウンも追求する。b) 設計CAE/CADを駆使した製品設計により、モックアップ評価、金型構造検討、機能検討など、無駄なく効率のよい生産と金型構造を考慮した設計提案を行う。c) 解析同社が自信を持っている技術の1つがCAE(Computer Aided Engineering)による解析技術だ。3次元CADで作成した製品モデルにより、コンピュータによる流動、冷却、収縮などの解析を行い、あらゆる角度から十分に検討を重ねたうえで試作段階に移行する。d) 材料選定同社は、鉄、非鉄金属材料から樹脂材料への切り替えの際、従来の機能や品質を低下させることなく、コストパフォーマンスに優れた最適形状を実現する樹脂材料の選定にも対応している。材料の解析から新規ポリマー開発、ポリマーアロイの検討など、材料と設計、あるいは生産ラインとリンクさせ、迅速な提案を実現している。(3) 樹脂溶着技術アセンブリー工数を大きく削減し、顧客へのコストダウンとリードタイム削減に大きく寄与する。a) 振動溶着溶着面を振動させ、摩擦熱で樹脂を溶融させて接合する方法である。b) 熱板溶着被溶着材の溶着面の間に熱板を挟み、適正な温度で溶着面を加熱し、圧着させて接合する方法である。(4) 特殊成形技術同社の成形技術が、製品設計のフレキシビリティを高める。現在では、光沢生地部品の成形技術を生かし、顧客の要望、ニーズに的確に応えている。同社が創業以来培ってきた成形技術は膨大なものであり、これこそが同社の最大の強みとも言える。以下はその一部である。a) E-Mold電熱を利用して数十秒以内に樹脂の溶融温度まで金型表面(加熱コアー)だけを加熱して、充填した後30秒以内に冷却させる超高温金型温度制御技術である。成形工程での外観の仕上がり向上により、通常成形後に行われていた塗装工程を省き、トータルコストの改善につながる。b) emCo電熱を利用して数十秒以内に金型表面を加熱して、充填後に電熱外周に水を通して冷却させる超高温金型温度制御技術である。c) Heat&Cool金型内部にスチーム(蒸気)を一定時間通して、一時的に金型温度を上昇させることにより、製品表面に発生するウエルド、フローマーク等の外観不良が改善される。シボ転写率の向上、成形残留応力歪の低減により製品のソリ成形が解消される。d) 3D ウエルドレスHeat&Cool一般のHeat&Coolでは平面もしくはそれに近い製品形状にしか対応できないが、同社の最新技術「3D ウエルドレスHeat&Cool」は立体的な形状にも対応していることから、立体的な高光沢、ウエルドレス成形が可能となる。今後の応用分野が期待される。e) AGI射出成形において樹脂の射出に引き続き窒素ガスを注入し、これで保圧することにより成形品の品質(ヒケ、ソリ等)の改善、形状の簡略化、偏肉設計による強度アップを図る。この方法を用いることで、新しいデザイン、コストダウンへの対応が可能となる。(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇) <HN> 2025/06/27 15:35 注目トピックス 日本株 天昇電 Research Memo(4):主力事業は自動車向け中心のプラスチック成形品。技術力で他分野へ展開中(3) *15:34JST 天昇電 Research Memo(4):主力事業は自動車向け中心のプラスチック成形品。技術力で他分野へ展開中(3) ■天昇電気工業<6776>の会社概要(3) 特色と強みa) 長い間に培われた技術力と顧客からの信頼同社は創業当初からプラスチック製品の製造を手掛けており、この間に培われた技術力は高い。さらに単に最終製品を製造するための設備だけでなく、様々な設備を保有しており、これらのコンビネーションにより多くの顧客の多様なニーズに応えることができる。そのため顧客からの信頼の獲得につながり、新製品の企画段階から同社に声がかかることも多い。b) 最先端技術と様々な生産設備同社は単に製品を製造する射出成形機だけでなく、様々な設備を持っている。例えば、金型製作/設計設備、フィルム華飾設備、試作設備、印刷/ホットスタンプ設備、塗装設備、組立設備、測定/試験設備等があり、これにコンピュータを駆使した最先端の技術を組み合わせることで、常に顧客へ最良の提案ができる体制を築いている。c) 特殊技術同社は、顧客からの多様なニーズに応えられるよう、特殊技術も有している。主な特殊技術は以下のとおり。i) ウエルドレス/光沢成形技術:特殊金型、成形技術を用いて塗装レスを実現し、漆器のような光沢を出すii) 特殊印刷(炭素繊維品塗装):独自の技術を使って炭素繊維(カーボン)への特殊塗装を行うiii) フィルム華飾:真空・圧空技術によって製品へフィルムを貼り付け転写し、手触りの感触も表現できる(4) 競合射出成形製品の市場には多くのメーカーが存在する。しかし同社が手掛ける製品の多くは、価格が決め手となる汎用品ではなく、同社が企画段階から参画してそれぞれのユーザー向けに設計された製品が多い。したがって同社と真正面から競合する企業は少ないが、同社は射出成形製品だけではなく幅広い分野への参入を視野に入れている。4. 主要な技術(1) 表面華飾(加飾)技術a) 3次元表面華飾技術(TOM)真空/圧空技術により製品へフィルムを貼付・転写する。これにより、デザインだけでなく、手触りの感触も表現できる。b) 水圧転写水溶性フィルムを使用し、水圧により絵柄を転写する技術で、素材を生かしたデザインを表現できる。c) 塗装技術独自の塗装技術を駆使し、高光沢・高輝度塗装をはじめ、炭素繊維(カーボン)製品への特殊な塗装も手掛けている。主に自動車部品の塗装に用いる。今後、自動車のEV化が進むとさらに軽量化が要求され、プラスチック部品の需要が一段と高まると期待される。d) 印刷/転写技術スクリーン印刷、パッド印刷、ホットスタンプなど、様々な印刷/転写技術を保有している。平面や凹凸面といった形状に合わせられるため、小さなものから大きなものまで多機種にわたって提案できる。フィルム華飾とのコラボレーションも可能であり、スマートフォンのケースなど、様々な分野での応用が期待される。e) 漆器の光沢技術特殊金型、成形技術を用いて、塗装レスを実現し、漆器のような光沢感を表現できる。(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇) <HN> 2025/06/27 15:34 注目トピックス 日本株 天昇電 Research Memo(3):主力事業は自動車向け中心のプラスチック成形品。技術力で他分野へ展開中(2) *15:33JST 天昇電 Research Memo(3):主力事業は自動車向け中心のプラスチック成形品。技術力で他分野へ展開中(2) ■天昇電気工業<6776>の会社概要3. 事業内容(1) 事業領域と生産類型分類主力事業は、各種プラスチック製品や部品の製造・販売である。プラスチックの加工にはいくつかの方法があるが、同社は射出成形によって製品を製造している。単に最終製品の製造だけでなく、開発当初から顧客と共同で製品設計、金型設計・製造、成形、塗装、印刷、検査、納品と一貫して行う場合もある。同社の事業を事業領域で分類すると、「受託生産」「共同開発」「自社ブランド」の3領域に分けられ、さらに生産類型では以下の4つに分けられる。a) 成形事業(受託生産)自動車・家電・OA機器などを顧客から生産委託を受けて各種部品等を製造する。微細な顧客の要望に応えるため、同社の「顧客本位・品質重視」の姿勢と、強度や美しさなどを生み出す幅広い技術を掛け合わせて事業を遂行している。b) 成形事業(共同開発)顧客の商品企画・開発力と同社の商品企画・開発力を持ち寄って共同開発を行っている。同事業は、結果を掛け算にまで高めることを目的としており、得意分野を的確に見定める“企業力”が問われる分野である。芳香剤自動拡散器、樹脂製把手などユニークな製品実績が多数ある。c) 金型事業(受託生産)顧客からの委託を受けて金型を製造する事業である。金型製造のための最先端設備と金型を知り尽くした同社の高度な加工技術で、スピーディかつハイクオリティな金型供給を実現している。d) 最終製品事業(自社ブランド)自社ブランド製品を同社が独自に開発する事業である。生産品のストック&フローに不可欠なプラスチックコンテナから、医療廃棄物専用容器、集中豪雨の被害から生活を守る雨水貯留槽まで、多種多様なオリジナル製品が上市している。「プラスチックという材料の特性を最大限に生かしきる」という同社の最高品質へのこだわりが、ベストセラーを生み、生産の現場や医療の最前線で使用されている。(2) 主要製品と主な向け先同社のセグメントは製品別ではなく国別販売地域で分けられており、2025年3月期の売上構成比は、日本成形関連事業71.1%、中国成形関連事業1.9%、アメリカ成形関連事業26.0%、不動産関連事業1.0%となっている。不動産関連事業については、神奈川県相模原市の土地・建物及び福島県二本松市の土地を賃貸する事業で、毎期安定した収益を上げている。不動産関連事業を除いた近年の成形関連事業の主な向け先(同社による概算値)は、自動車関連が約60%、オリジナル(自社)製品が約25%、家電・OA機器が約15%となっている。製品は国内5工場(福島、矢吹、群馬、埼玉、三重)、国内子会社1工場、海外2工場(中国、メキシコ)で製造されている。a) 自動車関連各種内外装品、エンジンルーム用部品、ダッシュボードなど様々な製品を製造・販売している。主要な大手自動車メーカーとはすべて取引があるが、特定のグループには属していない。また部品メーカーでもTier1(最終製品メーカーへ製品の重要な部品などを直接供給する企業)、Tier2(Tier1へ納品する企業)の多くの部品メーカーと取引がある。自動車向けでは、製品設計~金型製作~成形~塗装~各種組立まで同社のネットワークを活用して最適地生産を行い、技術力と総合力で顧客の多種多様なニーズに応えている。近年注力しているのが、華飾分野におけるカーボン塗装技術だ。同社の経験・ノウハウを生かした同技術は、自動車のみに特化せず多分野に展開することが可能である。b) 家電製品家電メーカー等からの依頼により、外装品や機能部品の設計、成形、華飾、組立等のサポートを行っている。『毎日 目にするものだから、毎日 手にするものだから』を常に意識し、顧客の立場に立った同社ならではの幅広く奥行きのある技術が、美しい外観と高品質を実現している。機能とデザイン性の両立が求められる家電製品の世界では、部品においても高い外観品質と精度が要求されている。同社では、多様な金型技術・成形技術を駆使することに加え、アセンブリー、塗装までも一貫して行うことで、顧客の高度な要望に応えている。金型温度を瞬時に上昇・下降させて成形する技術は、ウエルドやフローマーク等の外観不良を改善、同時に金型への樹脂の転写性能を向上することで、高光沢やシボデザインの製品をより美しくし、塗装を施さなくとも外観を美しく魅せることができる。また、これらの成形技術に「射出圧縮成形」や「ガスアシスト成形」といった特殊な成形方法を組み合わせることで、ヒケやソリといった不具合も軽減し、高い外観品質の維持が可能となっている。c) OA部品家電製品と同様に、オフィス機器メーカーからの依頼により、外装品や機能部品の設計、成形、華飾、組立等のサポートを行っている。家電で培った外観を美しく魅せる技術を生かし、オフィスのあらゆるシーンにも、同社製品が使われている。例としては、人間工学に基づき座り心地を追求した高級オフィスチェアには、同社の異材質成形技術が生かされている。硬い材質を骨格に、柔らかい材質で被覆した椅子の背もたれは、人間工学の理想を具現化し、絶妙の座り心地を実現した。また、LED照明機器のレンズでは高い透明性が重視される。高い透明性は、成形技術のみならず経験から養われる熟練の目と徹底した品質管理体制の賜物であり、同社の長年の経験とノウハウが日本のオフィスシーンをサポートしている。d) オリジナル製品同社が持つ各種プラスチック製品の設計、成形、加飾、組立等の技術を生かし、各種製品類の搬送用に使われるテンバコ(多目的通い箱)、テンタル(樽型容器)、ミッペール(医療廃棄物専用容器)、雨水貯留浸透槽、テンサートラック(導電性プリント基板収納ラック)といったオリジナル製品を製造・販売している。(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇) <HN> 2025/06/27 15:33 注目トピックス 日本株 天昇電 Research Memo(2):主力事業は自動車向け中心のプラスチック成形品。技術力で他分野へ展開中(1) *15:32JST 天昇電 Research Memo(2):主力事業は自動車向け中心のプラスチック成形品。技術力で他分野へ展開中(1) ■天昇電気工業<6776>の会社概要1. 会社概要同社は、1936年(昭和11年)に創業した歴史ある合成樹脂(プラスチック)成形品メーカーである。ラジオのキャビネットを木製からプラスチック化したのは同社が初めてである。その後も長い歴史のなかで、様々な合成樹脂の成形加工を手掛けてきた。その間に培われた技術力をベースに、金型事業、塗装などの加工工程へも事業領域を広げ、生産においても国内のみならず海外生産へも進出している。現在では自動車部品、家電・OA機器や機構部品、さらに大型コンテナや医療廃棄物専用容器など多分野へ展開している。2. 沿革同社の創業は1936年に遡る。以降は一貫してプラスチックの成形加工を事業として行ってきた。すなわち、プラスチック加工の老舗であり名門でもあると言える。株式については、1961年に東京証券取引所(以下、東証)第2部に上場し、現在は東証スタンダード市場に上場している。これまでに幾多の主要株主の変遷があったが、現在はプラスチックコンテナやパレットの大手メーカーである三甲(株)の関連会社が筆頭株主(2025年3月末現在33.6%保有)、三井物産<8031>が第2位(同13.8%)となっている。なお、三井物産の出身である石川忠彦(いしかわただひこ)氏が長い間同社を率いてきたが、2024年6月から三井化学<4183>出身の藤本健介(ふじもとけんすけ)氏が代表取締役社長となった。(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇) <HN> 2025/06/27 15:32 注目トピックス 日本株 天昇電 Research Memo(1):老舗のプラスチック成型品メーカー。自動車向け中心から他分野への展開を図る *15:31JST 天昇電 Research Memo(1):老舗のプラスチック成型品メーカー。自動車向け中心から他分野への展開を図る ■要約天昇電気工業<6776>は、1936年(昭和11年)に創業した歴史のある合成樹脂(プラスチック)成形品メーカーである。長い歴史のなかで培われた技術力は高く、顧客との信頼関係も厚い。製品の向け先は幅広い業種に及んでいるが、近年は自動車向けの比率が約60%と高い。今後は、内需向けの製品を拡充し自動車向けの比率を徐々に下げる方針だ。北米での事業については引き続き注力していくが、米国子会社の第三者割当増資(2025年1月)により同社の持分が55.91%から41.40%へ低下したことで連結対象から外れ、2026年3月期からは持分法適用関連会社※となる。※ 同社の米国子会社が2025年1月に第三者割当増資を行ったことから、同社の持分が55.91%から41.40%へ低下し、同子会社は連結子会社から持分法適用関連会社となった。これにより同社の2025年3月期決算では、貸借対照表ではこの変更が反映されており、損益計算書では事業上の影響はないものの、貸借対照表の変更に伴い持分変動利益602百万円を特別利益として計上した。但し、これは資金の移動を伴う利益ではない。1. 2025年3月期の業績概要2025年3月期の連結業績は、売上高27,885百万円(前期比3.6%増)、営業利益914百万円(同13.9%減)、経常利益1,079百万円(同18.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,264百万円(同33.3%増)となった。親会社株主に帰属する当期純利益が増益となったのは、特別利益として持分変動利益610百万円を計上したことによる。国内では、上期に主たる向け先である自動車メーカーの生産調整の影響を受け、通期では減収・減益となった。中国では、物流産業資材及び機構品部品の販売拡大に努めたことから増収を確保したが、費用増により損失を計上となった。米国ではメキシコ第二工場の稼働率上昇に伴い生産量が順調に拡大して増収・増益となった。この結果、営業利益は同13.9%減となったが、ほぼ中間期に修正した予想どおりの結果となった。減価償却費はほぼ前期並みであったことから、償却前営業利益(営業利益+減価償却費)は同4.8%減となった。2. 2026年3月期の業績見通し2026年3月期の連結業績は、売上高22,000百万円(前期比21.1%減)、営業利益600百万円(同34.4%減)、経常利益600百万円(同44.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益400百万円(同68.4%減)と予想している。売上高、利益ともに大きく落ち込む予想になっているが、これは米国子会社が第三者割当増資を行い、同子会社が連結対象から外れて持分法適用関連会社になったことによる。自動車生産が前期比では増加すると見ていること、米国での増設の効果がさらに寄与することなどから、同社は「本来の事業としては、10%ほどの増益を見込んでいる」と述べている。数値上は大幅減益予想だが、実態は必ずしも悲観する内容ではないので、今後の展開を注視したい。トランプ関税の影響については、直接の影響はないので2026年3月期の予想には織り込んでいない。3. 中長期の成長戦略現在は売上高の約60%が自動車向けとなっているが、今後は雨水貯留浸透槽などの内需型製品の売上高を伸ばすなどして自動車向け比率を35%程度とすることで成長を図る。地域別では、米国での事業をさらに拡大することを目指しているが、今後は持分法適用関連会社として収益に反映される。容易ではないが徐々に進んでおり、これが達成できれば、同社の体質は大きく変わるだろう。ここ数年で財務体質も改善されてきていることから定量的な数値とともに同社の事業体質がどう変わっていくのか、今後に注目したい。■Key Points・プラスチック成形品の老舗メーカー。技術力が高く顧客からの信頼は厚い・2026年3月期は連結子会社除外の影響で営業減益予想だが、実態は10%ほど増益見込み。・今後は内需型製品及び海外事業の拡大で収益基盤の安定化を図る(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇) <HN> 2025/06/27 15:31 注目トピックス 日本株 クリアル---東京都港区に所在する販売用不動産の売却 *15:06JST クリアル---東京都港区に所在する販売用不動産の売却 クリアル<2998>は25日、クラウドファンディング方式で組成したファンドに係る販売用不動産を売却すると発表した。同物件は、2022年4月に竣工した東京都港区所在の共同住宅・店舗用途ビル「CREAL premier赤坂」で、鉄筋コンクリート造/地下1階・地上3階、延床面積827.50平方メートルである。売却先や価格は契約上の守秘義務により非開示としているが、売却価格は2025年3月期末連結純資産52.73億円の30%相当以上である。売却契約の締結日は2025年6月26日、引き渡し日は同年6月30日を予定している。同社と売却先との間には、特記すべき資本関係・人的関係はない。 <AK> 2025/06/27 15:06 注目トピックス 日本株 出来高変化率ランキング(14時台)~アジャイル、シリコンスタなどがランクイン *15:06JST 出来高変化率ランキング(14時台)~アジャイル、シリコンスタなどがランクイン ※出来高変化率ランキングでは、直近5日平均の出来高と配信当日の出来高を比較することで、物色の傾向など市場参加者の関心を知ることができます。■出来高変化率上位 [6月27日 14:32 現在](直近5日平均出来高比較)銘柄コード   銘柄名   出来高   5日平均出来高   出来高変化率   株価変化率<6573> アジャイル     30814000  255758.66  306.9% -0.0314%<3672> オルトプラス    9842700  94217.58  251.01% 0.1388%<5131> リンカーズ     31423800  666105.34  250.31% 0.0673%<3907> シリコンスタシオ  283200  39108.18  238.71% 0.0434%<7035> anfac     4535600  228996.74  211.18% -0.1265%<1488> iFJリート    312176  122746.758  206.5% -0.0021%<264A> Schoo     2618900  312864.66  204.06% -0.1402%<6908> イリソ電子     530000  272932.74  192.1% 0.0364%<3457> AndDoHLD  473000  82842.96  192.05% -0.0792%<3328> BEENOS    38200  25736.4  190.59% 0%<2220> 亀田菓       176200  159519.8  172.6% 0.0512%<8927> 明豊エンター    663500  60052.26  165.92% -0.0421%<2632> MXSナ100ヘ  11084  30635.816  164.03% 0.0067%<1367> iFTPXダ    17040  163396.334  151.86% 0.0285%<4597> ソレイジア     40860400  351525.72  145.43% 0.147%<2998> クリアル      261900  393215.2  139.82% -0.1125%<6418> 金銭機       285600  82577.54  138.23% 0.0372%<5451> 淀川鋼       889000  408186  128.21% 0%<3810> サイバーS     822100  114986.66  122.2% 0.0617%<5713> 住友鉱       2945600  4285564.18  120.68% 0.0639%<6966> 三井ハイテ     2873700  718220.98  116.85% 0.0586%<6817> スミダコーポ    651000  191088.52  114.24% -0.0301%<3053> ペッパー      2324700  154765.1  113.29% -0.0576%<6297> 鉱研工業      806200  260984.22  112.41% 0%<6844> 新電元       80500  60422.7  109.66% 0.0351%<5101> 浜ゴム       1495600  1924051.58  108.37% 0.0647%<3091> ブロンコB     180200  250921.8  105.6% -0.043%<2569> 上場NSQヘ    77743  82420.475  102.85% 0.0088%<4564> OTS       26415600  247006.9  102.17% -0.0357%<6993> 大黒屋       144318600  4085135.84  102.12% 0.2968%(*)はランキングに新規で入ってきた銘柄20日移動平均売買代金が5000万円以下のものは除外 <CS> 2025/06/27 15:06 注目トピックス 日本株 加藤製作所---2.8t吊り組立定置式ジブクレーン「CSH36-6」の販売を開始 *15:04JST 加藤製作所---2.8t吊り組立定置式ジブクレーン「CSH36-6」の販売を開始 加藤製作所<6390>は25日、鉄塔建設作業用2.8t吊り組立定置式ジブクレーン「CSH36-6」の販売を開始したと発表した。近年では再生可能エネルギーの導入が加速しており、発電拠点が遠隔地に集中していることから、新たな送電ルートの整備が求められている。さらに、全国的な送電線設備の老朽化に伴う更新需要に加え、電力自由化や分散型電源の普及により、双方向制御が可能な高度な送配電網への移行も進んでおり、鉄塔の新設や建替工事に対する需要の高まりが見込まれる。一方で、工事会社が保有する鉄塔建設作業用クレーンの多くは、1990年代の送電線工事需要のピーク時に導入されたものであり、その多くが耐用年数を迎えており、現場で稼働可能な機体が不足していることが大きな課題となっている。このような状況を踏まえて同社が開発した「CSH36-6」は、深礎基礎工事における残土の排出や資機材運搬用の機種である。従来機の作業性能を継承しながら、アウトリガー、ロワーフレーム、パワーユニット、運転席ユニットを全面的に刷新した。これにより、運搬や設置が困難な山岳地や傾斜地の現場において、組立・分解の効率化、作業性・整備性の向上に加え、クレーン作業におけるさらなる安全性の向上を実現した。「クレーン運転(5t未満)に係る特別教育」の受講により運転が可能で、クレーン運転に必要な免許や技能講習は不要。同社の販売目標は年20台。同社は今後も、インフラ整備に貢献する製品の開発を通じて、持続可能な社会の実現に寄与する。 <AK> 2025/06/27 15:04 注目トピックス 日本株 ギックス---日本航空の定時株主総会にMygru採用 *15:03JST ギックス---日本航空の定時株主総会にMygru採用 ギックス<9219>は24日、日本航空<9201>が開催した第76回定時株主総会にて、同社が提供するマーケティングツール「Mygru(マイグル)」が採用されたと発表した。この採用は、2025年2月から4月にかけて実施されたJAL公式アプリ「JALマイレージバンクアプリ」(JMBアプリ)向けの会員基盤活性化支援に続くもので、JALグループにおけるMygru本格導入となる。Mygruは、オフライン・オンラインの行動データを可視化・分析し、顧客理解と施策最適化の好循環サイクルを生み出すマーケティングツールである。来店や回遊など購買前の店頭行動を捕捉し、アンケートやスタンプを組み合わせたミッションによって購買前後の行動変化を把握できる。ミッションの達成により顧客体験向上や購買促進、リピート喚起・ファン化を促進する仕組みを提供する。また、小売・流通のみならず、消費財メーカーやファンビジネス、リアルイベントにも幅広く活用でき、既存の会員システム、公式アプリ、LINE公式アカウントなどとも連携可能である。同社は今後もJMBアプリのさらなる活性化および顧客接点の強化に向けて、継続的に伴走支援していく。 <AK> 2025/06/27 15:03 注目トピックス 日本株 キッズスター:上場来高値~3倍も、「ごっこランド」がアプリ、リアル、海外で展開加速の兆し *14:33JST キッズスター:上場来高値~3倍も、「ごっこランド」がアプリ、リアル、海外で展開加速の兆し 「ごっこランド」の運営を手掛けるキッズスター<248A>の株価が動き始めている。株価は長らく上値の重い展開が続いてきたが、2024年の上場後調整からの戻り高値1,700円半ばの攻防ともなり、それを上回ると上場来高値2,400円超も視野に入る。上場来高値(時価総額で61億円程度)という数値の達成は、営業利益CAGR+30%の改善性が高ければ、それほど無理はない。同社はストック型のビジネスであり、かつその積み上げペースが国内、海外ともに加速の兆しが見えている。単価アップによる利益率の向上も想定され、当面は利益成長で+30%の維持加速も想定される。5年後の当期純利益で5億円、成長スピードを考慮したPERで20~30倍という前提を置けば、時価総額100~150億円という計算は成り立つ。なお、同社は、スマートフォンやタブレット端末といったスマートデバイス向けアプリ「ごっこランド」の運営を手掛けている。2013年にサービスが開始された主力サービスである「ごっこランド」は、未就学児~小学生を中心とした知育アプリであり、手のひらでいつでも、どこでも、だれでも実社会の職業やサービスを体験できるプラットフォームとなっている。「ごっこランド」は、プラットフォーム型のため、1つのアプリケーション内に様々な企業に関連する仕事・ブランド・製品・サービスが出店し、そのコンテンツ数が150を超え、継続的に楽しむことが可能な設計となっている。「ごっこランド」のリアル展開の第1弾として、2024年7月から大規模なモールや商業施設におけるファミリー向けイベント「ごっこランド EXPO」を開催し、アプリで慣れ親しんだ世界観を、全国各地で体験できる場所の創出も開始している。「ごっこランド」ユーザーは無料で利用、パビリオン出店企業からは出店料を収受(月額定額制の最短2年間の初回契約、約半数が利用料の前払いを選択)するモデルとなっている。競合他社との比較では、大手玩具メーカーおよび大手通信キャリアとの比較において、出店数88が数倍規模、アプリランキングでも同社がトップクラス(App Store子ども向けアプリのランキングで2位、Google Playオールファミリーのランキングで3位、2024年6月現在)に位置付けている。キッザニアも競合となろうが、アプリやショッピングモールでの展開も図る同社とは、タッチポイントの数が大きく異なる状況。「ごっこランド」の累計ダウンロード数は2024年12月時点で750万ダウンロードを突破。3年合計のダウンロード数は2015年~2017年が127万、2018年~2020年が168万、2021年~2023年が245万となっており、認知度向上でダウンロードスピードが加速している。月間プレイ回数も2,500万回超と増加傾向。76%の親子が一緒に利用しており、子どもだけでなく親世代への訴求も有効。知名度の向上、ユーザーの増加、企業の出店増加のポジティブサイクルができあがりつつある。出店企業は日本航空、日本生命保険など大手企業も多く名を連ねている。企業の出店目的も、かつてのファミリー層をターゲットとするB to C企業のマーケティング・ブランディングのための出店から、B to B企業の広報活動の一環、工場見学・出前授業・展示会等のDX化の一環、インナーブランディング(社内向け・従業員向け)、SDGs活動の周知など多様化してきており、同一企業グループからの目的に合わせた複数出店も増えている。今後は「ごっこランド」のデジタルとリアルの融合を推進する。また、国内は子供人口こそ減少しているものの、一人当たり教育費は増加傾向にあり、「ごっこランド」を起点に「特性」に合わせた学びのマッチングの収益化も検討中。また、海外展開も注目点となる。2023年8月に、第1弾としてベトナム版「ごっこランド」である「Gokko World」の配信を開始している。「Gokko World」は配信開始から1年1か月で累計100万ダウンロードを突破しており、継続した子ども世代の人口増加と経済成長により、アプリユーザーと出店企業の増加が大いに期待されるアジアを中心に、「Gokko World」の展開を図る。 <HM> 2025/06/27 14:33 注目トピックス 日本株 SDSHD---もみ合い、継続企業の前提に関する注記の記載を解消 *14:25JST SDSHD---もみ合い、継続企業の前提に関する注記の記載を解消 SDSHD<1711>はもみ合い。本日提出予定の有価証券報告書において、これまで記載していた「継続企業の前提に関する注記」の記載を解消したと発表している。同社取締役である吉野勝秀氏とコミットメントライン契約を締結、吉野氏との間で3億円の融資枠を設定することを決定している。これによって、同社は財務的な安定性が増大し、当面、資金的な懸念が無い水準を確保できると判断したもよう。 <ST> 2025/06/27 14:25 注目トピックス 日本株 エプコ---大幅続伸、再エネサービス上振れで業績予想を上方修正 *14:24JST エプコ---大幅続伸、再エネサービス上振れで業績予想を上方修正 エプコ<2311>は大幅続伸。前日に25年12月期の業績上方修正を発表している。営業利益は従来予想の0.6億円から1.9億円、前期比8.1%増に引き上げている。子会社のENE’sが第2四半期に期初の想定を上回る太陽光パネル関連工事を受注したことで、再エネサービスの売上高、営業利益が計画を超過する見通しとなっているもよう。第1四半期は2ケタ減益決算だったこともあり、ポジティブに評価する動きが先行する形に。 <ST> 2025/06/27 14:24 注目トピックス 日本株 イリソ電子---大幅続伸、シティインデックスイレブンスが大株主に浮上 *14:12JST イリソ電子---大幅続伸、シティインデックスイレブンスが大株主に浮上 イリソ電子<6908>は大幅続伸。前日に提出された大量保有報告書によると、旧村上ファンド系であるシティインデックスイレブンスが大株主に浮上したことが明らかになっている。共同保有における保有割合は5.04%となっている。保有目的は、投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為等を行うこととしている。株主価値向上策につながっていくとの思惑などが先行する状況とみられる。 <ST> 2025/06/27 14:12 注目トピックス 日本株 福田組:新潟県を地盤として全国展開する総合建設会社、積極投資と安定配当を両立 *14:11JST 福田組:新潟県を地盤として全国展開する総合建設会社、積極投資と安定配当を両立 福田組<1899>は1902年創業の新潟県を地盤として全国展開する総合建設(土木・建築)会社である。子会社26社、関連会社6社で構成されており、新潟県以外に北海道、東北、東京、名古屋、大阪、九州など全国に支店・営業所が存在する。2024年12月期における売上構成比では、福田組56.9%、福田道路18.7%、その他24.45。事業は土木工事・建築工事の請負やコンサルティング業務を中心に、不動産の開発・賃貸や建設資材の製造・リース事業なども手掛ける多角的なビジネスモデルである。売上構成は土木工事と建築工事が二本柱で両者で約9割を占めており、残りを子会社による建設附帯事業(アスファルト合材製造・仮設資材リース等)や不動産開発・賃貸事業が担っている。同社の強みは新潟県内において圧倒的な知名度と実績を持ち、120年の歴史で培った顧客からの信頼とある。中堅ゼネコンとしては財務基盤も堅実で自己資本比率は50%以上と健全性が高く、新潟県外でも関東・東日本・西日本・九州地区で大型案件を受注する営業力を発揮している。主要子会社も安定した業績を維持しており、協力会社との強固なパートナーシップによる付加価値向上や高品質な施工に定評がある。こうした点で全国レベルでも競争力を発揮できる体制を整えていることが、同社の差別化要因と言えそうだ。2025年12月期第1四半期決算では、売上高が40,263百万円(前年同期比2.8%減)、営業利益が2,273百万円(同14.5%減)で着地した。前期から繰り越された工事案件が順調に推移したことで、前年同四半期と比べて完成工事高は増加した。ただ、大型開発物件が前年同四半期に引き渡されたことによる不動産事業売上高の反動減が影響した。利益面でも、価格転嫁に伴う適正な請負代金の設定により、工事利益率が前年同四半期と比べて改善、並びに完成工事総利益は増益となったが、不動産事業売上高の減少に伴う不動産事業総利益の減少幅が大きかった。2025年12月期の会社計画は、売上高167,000百万円(前期比0.2%増)、営業利益6,000百万円(同21.7%減)の見込み。こちらも大型開発不動産案件が無く、続く資材価格高騰や人手不足の中、受注タイミングや工事利益率が不透明なため、減益を見込む。ただ、受注高は1,708億円を目指す。不動産に関しては今期は端境期のため、次なる大型案件の受注を目指すようだ。建設業界の市場環境として、政府の国土強靭化やグリーン社会の実現に向けた政策を背景に公共投資は堅調が見込まれ、民間分野でも脱炭素社会の構築やデジタル化に関連する投資が広がり長期的な市場拡大が期待される。一方、日本経済の先行き不透明感から受注競争は激化しており、厳しい競争を勝ち抜くための営業力・コスト競争力の強化が不可欠である。また、新潟県内にとどまらず既存の事業エリアを深耕して安定的に受注を確保する戦略も求められている。加えて、少子高齢化に伴う建設技能者の慢性的な人手不足や働き方改革への対応も業界全体の課題であり、2024年4月から建設業に時間外労働の上限規制が適用される中、優秀な人材の確保・育成が急務となっている。福田組はこれまでの120年の歩みを踏まえ、更なる持続的成長を遂げるために2022年から2025年を「変革期間」と位置付けた中期経営計画2025を推進している。具体的には、脱炭素社会やデジタル社会への移行に伴い多様化する新たなニーズに対応すべく提案力・技術力を高め、地域密着の強みを生かしつつ首都圏を含む既存事業エリアの深耕による安定受注を図る。また、次の100年を見据え、4年間で累計75億円規模の投資を計画しており、環境配慮型の設備投資や防災・減災対応、DX推進、人材育成など「質」の充実に注力している。これらの施策を通じて、「100年先も誠実」にマルチステークホルダーとの強固な絆を築く企業を目指し、地域社会に不可欠なパートナーとして持続的な成長を図る方針である。そのほか、同社は企業価値向上に必要な内部留保とのバランスに留意しつつ、長期的に安定した配当の維持を基本方針としている。現長期ビジョンの株主還元方針では純資産配当率2.0%又は配当性向20%を目安としており、効率性についてはROE8%水準を目指しているが、前期より株主還元の強化策として1株あたり200円配当を行い、当期以降も従来の基本配当110円から200円配当へ底上げを見込んでいる。健全な財務基盤の下で株主還元と成長投資の両立を図っている。 <HM> 2025/06/27 14:11 注目トピックス 日本株 日空調 Research Memo(8):数値目標は2026年3月期に営業利益95億円、ROE10.0%以上(2) *14:08JST 日空調 Research Memo(8):数値目標は2026年3月期に営業利益95億円、ROE10.0%以上(2) ■中期経営計画「SNK Vision 2030 Phase II」3. 新日本空調<1952>の「SNK Vision 2030 Phase II」の進捗状況(1) 2025年3月期における主な取り組み主に以下の5分野で進捗があった。1) 時間外労働の上限規制への対応工事の平準化や業務の効率化を進め、適切な施工体制を構築し、上限規制の遵守率は100%を達成した。2) 将来の成長に向けた戦略投資人的資本の強化、デジタル変革、成長分野への展開に向け、40億円を超える投資を実行した。3) カーボンニュートラルに向けた技術開発同社が保有する技術「設備運用データ見える化ツール」とGHG排出量可視化クラウドサービスの連携を実現し、保有技術の深化を推進した。4) 株主還元の強化株式分割による市場の流動性向上と約10億円の自己株式取得による株主への利益還元を実現した。5) ブランディング戦略の推進企業認知度の向上や人材獲得を目的に、ウルトラマンをイメージキャラクターに起用した新たな広告を作成・展開し、ブランディングを強化した。これらの取り組みの詳細は以下のとおりである。(2) 現場業務の効率化と省力化、サプライチェーンの強化を推進同社独自の物流・加工ネットワークシステムによる物流及び加工場などの一括管理、具体的にはこれまで首都圏だけで展開してきた「SNK-SOLNet(R)」の全国展開を進めた。これにより、現場工数の10~30%削減を目指している。(3) 減災レジリエンス技術や新たな社会課題解決に向けた新技術開発と産学官・地域連携等による技術提供・共同開発の推進具体的には、同社グループでは千葉大学災害治療学研究所と共同で、放射線災害治療学研究をテーマとした放射線災害に対応する安全な医療体制と空調設備の研究を行っており、以下のような具体的な案件を進めている。1) コンテナ医療ユニットの被ばく対策課題:感染症や放射能汚染環境下での運用を検討。2) 患者受け入れ時の被ばく対策被ばく汚染に応じて陰圧・陽圧の切り替えを行い、浮遊粉塵の飛散を抑制。(4) 事業領域の拡大・成長分野への展開スタートアップとの協業やJAXAとの共同研究による宇宙産業への参画など、以下のような案件が進行中である。・宇宙ビジネス共創プラットフォーム「クロスユー」に参加・放射線対策技術を生かし、JAXAと研究開発契約締結・Frontier Innovations 1号に出資し、スタートアップとの協業間口を拡大・高高度有人気球の開発・製造・運航を行う(株)岩谷技研に出資、協業を開始(5) 技術革新、新たな社会課題解決に向けた新技術開発及び地域連携等による技術提供・共同開発の推進これらを実現するために、2028年3月期上期に新技術開発拠点「SNK EBINA Innovation X HIVE(R)」を開設することを決定した。この拠点は、三井不動産<8801>が手掛ける「三井不動産インダストリアルパーク(MFIP海老名& forest)内に整備される大規模テナント型の研究施設であり、設備業界としては初の取り組みとなる。複数テナント型物流施設の中に、木造構造を採用した研究拠点を開設することで、自然資源の循環を促進し、持続可能な街づくりへの貢献を目指す。(6) カーボンニュートラルの取り組み科学的な根拠に基づいたGHG排出量削減目標を設定し、2026年3月期中のSBT(Science Based Targets)認証取得を目指している。基準年を2021年とし、2030年までに以下の削減目標を掲げている。(具体的な削減目標)・Scope1+Scope2:60.6%削減(再生エネルギーの導入、電気自動車への切り替えなど)・Scope3:22.5%削減(排出量のうち、約99%を占めるカテゴリー11を削減)またTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への対応としては、気候変動が事業に与える影響を評価し、長期的な視点から低炭素技術の開発、エネルギー効率の向上、再生可能エネルギーの活用拡大に取り組んでいる。主な取り組みとしては、(株)Sustechとの協業により、脱炭素・省エネルギー分野におけるサービスの高度化や事業開発を推進、さらに設備運用データの見える化ツール「EQデータグラス(R)」とGHG排出量可視化クラウドサービス「CARBONIX」との連携を進めている。今後は、自然資本との関係性を可視化することで、リスクの早期特定と対策を講じ、機会創出につなげる。これにより、事業戦略の拡大とともに、企業の信頼性と競争力の向上を図る。(7) ブランディング推進と次世代を担う人材の確保に向けた取り組み企業ブランドの強化及び認知度向上を目的に、ウルトラマンをイメージキャラクターに起用し、企業広告「カイテキヒーロー」を公開した。この広告は、ステークホルダーからの信頼獲得や、人的資本戦略の一環としての人材獲得促進も視野に入れた、総合的なブランディング施策の1つである。キャッチコピーである「カイテキヒーロー」には、ウルトラマンが地球を守るヒーローであるように、同社も“空気の快適を守るヒーロー”として社会に貢献するという想いを込めている。これらの広告を、主に「You Tube」や「TVer」を通して積極的に発信している。(8) 投資計画本計画において同社は、2026年3月期までに「R&D、成長事業、環境、その他」「人的資本」「デジタル革命」の3分野に累計で150~200億円の投資を行うことを発表済みだが、2025年3月期までの実績として、これら3分野に各々30億円(累計)を投資した。最終年度までには、残りの投資枠を以下のような分野に投資する計画だ。(R&D、成長事業、環境その他)研究開発の推進、スタートアップとの連携強化(宇宙産業など)、ロジスティクスセンター(SNK-SOLNet)の全国展開、ESG投資、働きやすい空間創りなど。(人的資本)人材の獲得(新卒・キャリア)と育成、ブランディングの強化(新広告の展開)、エンゲージメントの向上、リスキリングの強化など。(デジタル変革)現場デジタル化の推進、生成AIの活用、デジタルインテグレーションの推進など。(9) 株式分割・自己株式取得・政策保有株式の削減同社は、株価水準及び市場の流動性向上を目的として、2025年1月1日を効力発生日として、1株につき2株の割合で株式分割を行った。また株主還元の拡充及び資本効率向上を目的に、上限総額10億円とする自己株式の取得を実施し、2025年2月4日に取得を完了した。さらに、2026年3月期末までに政策保有株式の20%削減(2023年3月末比)を発表しているが、既に2025年3月期末までに3,589百万円を削減済みで、これは目標値20%のうち16.5%を削減したことになる。■株主還元策配当方針をDOE5.0%以上に変更。2026年3月期は年間80円配当を予定同社は、株主還元に関する基本方針としてDOEの下限を3%、連結配当性向30%以上としていたが、適正な資本効率を実現するため2025年3月期から基本方針を「DOEの下限を5%、2030年までは原則減配をしない」に変更した。これに伴い2025年3月期の配当を年間80円に増配(2024年3月期は年間50円)したが、2026年3月期も年間配当80円を発表済みだ。このように、単に業績の向上を目指すだけでなく、資本政策と株主還元策においても積極的な同社の姿勢は大いに評価すべきだろう。(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇) <HN> 2025/06/27 14:08 注目トピックス 日本株 日空調 Research Memo(7):数値目標は2026年3月期に営業利益95億円、ROE10.0%以上(1) *14:07JST 日空調 Research Memo(7):数値目標は2026年3月期に営業利益95億円、ROE10.0%以上(1) ■中期経営計画「SNK Vision 2030 Phase II」1. 中期経営計画「SNK Vision 2030 Phase II」の概要新日本空調<1952>は2020年に、2030年を見据えた長期経営方針となる10年ビジョン「SNK Vision 2030」を発表し、その基本方針として「新日本空調グループは、持続可能な地球環境の実現と、顧客資産の価値向上に向け、ナレッジとテクノロジーを活用するエンジニア集団を目指す」を掲げている。数値目標としては「事業規模1,300~1,500億円、営業利益率10%以上、ROE10%以上」を目指す。さらに、この基本方針を実現するための5つの基本戦略として、「事業基盤増強戦略」「収益力向上戦略」「デジタル変革戦略」「企業統治戦略」「人的資本戦略」を発表している。「SNK Vision 2030」は、2021年3月期にスタートして2023年3月期に第1ステップが終了した。それを引き継ぎ、2024年3月期には第2ステップとなる新たな中期経営計画「SNK Vision 2030 Phase II」(2026年3月期最終年度)を策定したが、2025年3月期以降の手持ち工事量や、事情動向、働き方改革等の現状を踏まえた結果、数値目標を見直した。以下はこの計画の数値目標と現在までの進捗状況である。2. 「SNK Vision 2030 Phase II」の目標(1) 経営数値目標と投資計画Phase IIの最終年度である2026年3月期の経営数値目標は、受注工事高135,000百万円、完成工事高135,000百万円、営業利益9,500百万円、経常利益10,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益8,400百万円、ROE10.0%以上としている。しかし前述のように、2026年3月期の業績予想がこの目標を上回っており、中期経営計画の最終目標を達成するのはほぼ確実と言える。また投資計画としては、2024年3月期から2026年3月期までの3年間の累計金額として、150~200億円を計画している。主な項目は、「R&D、成長事業、設備、環境」「人的資本」「デジタル変革」などを計画している。(2) 資本政策と政策保有株式同社は資本政策の基本方針として、「利益・資本・リスクのバランスを考慮しつつ、財務健全性を維持しながら、株主資本コストを上回るROEを見込めるよう、資本効率の向上を図る。それとともに、R&Dや成長事業、設備、環境、人的資本、デジタル変革などへの投資を行いながら、利益や資本の水準に見合った株主還元を実現することで、この政策を通じて企業価値の向上を図る」と述べている。この資本政策に沿って、2023年3月期末に21,738百万円あった政策保有株式を2026年3月期末までに4,348百万円(20%)削減し、17,390百万円とすることを目標に掲げている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇) <HN> 2025/06/27 14:07 注目トピックス 日本株 日空調 Research Memo(6):2026年3月期は完成工事高が初めて1,400億円越えの見込み *14:06JST 日空調 Research Memo(6):2026年3月期は完成工事高が初めて1,400億円越えの見込み ■今後の見通し1. 2026年3月期の業績見通し新日本空調<1952>の2026年3月期は、受注工事高155,000百万円(前期比0.7%増)、完成工事高144,000百万円(同4.6%増)、完成工事総利益23,400百万円(同6.4%増)、完成工事総利益率16.3%(前期16.0%)、営業利益12,000百万円(同5.8%増)、経常利益12,500百万円(同4.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益8,800百万円(同8.9%減)と予想している。親会社株主に帰属する当期純利益が減益予想となっているのは、前期に特別利益を計上したことによる。完成工事総利益率は、手持ち工事の採算性などから、16.3%(前期は16.0%)と改善する見込みで、販管費は同7.0%増を予想している。大都市圏の再開発やデータセンター・工場関連を含む大型案件(繰越工事)を多数抱えており、完成工事高は初の1,400億円越えを予想している。損益面では、人的資本への投資や資材価格の上昇といったコスト増要因はあるものの、引き続き適切な施工体制の構築や業務のデジタル化による効率化、原価低減の取り組みを進めることで、前期比での増益を見込んでいる。同社によれば、「現在の予想はかなり固めに予想したもの」とのことであり、今後の工事の進捗度合いや期中受注・完成工事の状況によっては、予想が上振れする可能性もあると弊社では見ている。関係会社の受注工事高は反動減の予想だが、親会社の受注・完成工事高は高水準の見込み2. 分野別の予想(1) 受注工事高連結ベースでの受注工事高は155,000百万円(前期比0.7%増)を予想している。個別会社の受注工事高は130,000百万円(同6.3%増)を見込んでおり、内訳としては国内一般(新築)が48,100百万円(同1.7%増)、国内一般(リニューアル)が72,000百万円(同5.2%増)、原子力が9,900百万円(同50.4%増)と予想している。原子力が大幅増となるのは、前期からのずれ込みによる。関係会社(国内)は12,000百万円(同12.2%増)、関係会社(海外)は13,000百万円(同37.7%減)を見込んでいる。海外が大きく落ち込む予想となっているのは、前期に大型案件を獲得した反動によるもので、それ以外は堅調に推移する見込みだ。(2) 完成工事高連結ベースでの完成工事高は144,000百万円(前期比4.6%増)を予想している。個別会社の完成工事高は122,000百万円(同9.9%増)を見込んでおり、内訳としては国内一般(新築)が49,800百万円(同18.8%増)、国内一般(リニューアル)が64,000百万円(同3.0%増)、原子力が8,200百万円(同16.9%増)と予想されている。関係会社(国内)は9,000百万円(同20.8%減)、関係会社(海外)は13,000百万円(同14.8%減)が見込まれている。関係会社は前期の反動で減少予想だが、水準自体は依然として高く、懸念される内容ではない。(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇) <HN> 2025/06/27 14:06 注目トピックス 日本株 日空調 Research Memo(5):政策保有株式の縮減が進み、自己資本比率は58.6%へ上昇 *14:05JST 日空調 Research Memo(5):政策保有株式の縮減が進み、自己資本比率は58.6%へ上昇 ■業績動向2. 財務状況新日本空調<1952>の2025年3月期末の財務状況は、流動資産は89,836百万円(前期末比5,539百万円増)となった。主な増減要因は現金及び預金の増加6,642百万円、売掛債権(受取手形・電子記録債権・完成工事未収入金等)の減少3,319百万円、有価証券の増加300百万円、未成工事支出金の増加620百万円などによる。固定資産は28,330百万円(同4,724百万円減)となったが、主に政策保有株式の縮減方針に沿った投資有価証券の売却や時価評価減による投資その他の資産の減少4,685百万円による。この結果、2025年3月期末の資産合計は118,166百万円(同814百万円増)となった。流動負債は46,899百万円(前期末比1,327百万円減)となった。主な増減要因は支払手形・工事未払金(電子記録債務を含む)の増加2,507百万円、短期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)の減少6,083百万円、未成工事受入金の減少565百万円などによる。固定負債は1,972百万円(同1,557百万円減)となったが、主な要因は繰延税金負債の減少1,566百万円であった。この結果、負債合計は48,872百万円(同2,884百万円減)となった。純資産合計は、69,294百万円(同3,699百万円増)となったが、主に当期純利益の計上による利益剰余金の増加6,682百万円、その他有価証券評価差額金の減少2,786百万円などによるものである。この結果、2025年3月期末の自己資本比率は58.6%(前期末は55.8%)となった。3. キャッシュ・フローの状況2025年3月期の営業活動によるキャッシュ・フローは14,238百万円の収入となった。主な収入は、税金等調整前当期純利益の計上13,922百万円、減価償却費661百万円、売上債権の減少3,694百万円、仕入債務の増加2,194百万円によるもので、主な支出は未成工事受入金の減少703百万円、法人税等の支払額3,175百万円などであった。投資活動によるキャッシュ・フローは2,048百万円の収入となった。主な支出は有形固定資産の取得206百万円、無形固定資産の取得395百万円などで、主な収入は投資有価証券の売却による収入(ネット)2,633百万円などであった。財務活動によるキャッシュ・フローは10,184百万円の支出となったが、主な支出は、長短借入金の純減額6,166百万円、自己株式の取得による支出1,012百万円、配当金の支払額2,974百万円であった。この結果、2025年3月期の現金及び現金同等物は6,638百万円増加し、期末残高は20,120百万円となった。(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇) <HN> 2025/06/27 14:05 注目トピックス 日本株 日空調 Research Memo(4):2025年3月期は完成工事高、営業利益以下は過去最高 *14:04JST 日空調 Research Memo(4):2025年3月期は完成工事高、営業利益以下は過去最高 ■業績動向1. 2025年3月期の業績概要(1) 損益状況新日本空調<1952>の2025年3月期の業績は、受注工事高153,891百万円(前期比9.0%増)、完成工事高137,684百万円(同7.6%増)、繰越工事高125,868百万円(同14.8%増)、営業利益11,346百万円(同22.9%増)、経常利益11,976百万円(同23.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益9,656百万円(同34.7%増)となった。親会社株主に帰属する当期純利益の伸び率が高いのは、特別利益として投資有価証券売却益2,049百万円を計上したことによる。完成工事高及び営業利益以下の各段階利益は過去最高を更新した。完成工事総利益率は、好採算の工事の完工に加えて施工の効率化も進み16.0%(前期は14.6%)と改善した。一方で販管費は、人員増や職場環境の改善などにより同12.6%増と計画どおりに推移したことから、営業利益は前期比で大幅増益となった。(2) 分野別状況1) 連結受注工事高:153,891百万円(前期比9.0%増)このうち個別会社の受注工事高は122,329百万円(同5.3%増)となった。内訳は国内一般(新築)が47,312百万円(同2.6%減)、国内一般(リニューアル)が68,431百万円(同18.4%増)、原子力が6,584百万円(同33.2%減)であった。国内一般では、新築は微減となったが、前期の水準が高かったことによるもので、事業環境が悪化したわけではない。一方でリニューアルは長期の大規模改修工事など、前期を上回る受注を確保した。原子力は、一部計画の見直し等により受注時期が2026年3月期へ移行したため、前期比で減少した。関係会社の受注は、国内が10,693百万円(同5.9%増)、海外が20,867百万円(同40.9%増)であった。国内は、新築・リニューアルともに工場関連を中心とした産業分野の受注が堅調に推移し、前期を上回る水準となった。海外は、シンガポールにおいて政府系の大規模案件を受注したことにより、前期比で大幅な増加となった。全受注工事高のうち保健は65,907百万円(前期比10.0%増、構成比42.8%)、産業は87,983百万円(同8.3%増、同57.2%)となり、いずれの分野でも伸長した。2) 連結完成工事高:137,684百万円(同7.6%増)個別会社の完成工事高は111,049百万円(同4.2%増)となったが、内訳は国内一般(新築)が41,913百万円(同4.6%減)、国内一般(リニューアル)が62,119百万円(同13.3%増)、原子力が7,015百万円(同10.4%減)であった。新築は、保健分野・産業分野ともに工事が順調に進捗したが、前期が高水準であったことから前期比では微減となったが水準は高いので懸念される結果ではない。リニューアルは、両分野での工事が好調に進み、前期比で大きく増加したが、原子力は、一部計画の見直し等により完成時期が2026年3月期へ移行したため前期比で減少した。関係会社の完成工事高は、国内が11,369百万円(同21.0%増)、海外が15,266百万円(同27.1%増)であった。国内・海外ともに、産業分野を中心とした工事が順調に進捗し、前期を上回る水準で推移した。全完成工事高のうち保健は58,971百万円(前期比0.6%増、構成比42.8%)、産業は78,712百万円(同13.5%増、同57.2%)であった。3) 連結繰越工事高:125,868百万円(同14.8%増)このうち個別会社の繰越工事高は99,427百万円(同12.8%増)となり、高水準を維持している。内訳は国内一般(新築)が55,133百万円(同10.9%増)、国内一般(リニューアル)は34,730百万円(同22.2%増)となり、依然として産業分野を中心に高水準の工事量を確保している。原子力は9,563百万円(同4.3%減)で、ほぼ前期並みとなった。関係会社の繰越工事高は、国内が2,991百万円(同18.4%減)、海外は23,449百万円(同31.4%増)であった。海外については、大型受注を獲得したこともあり高水準で推移した。全繰越工事高のうち保健は57,063百万円(前期比13.8%増、構成比45.3%)、産業は68,805百万円(同15.6%増、同54.7%)であった。(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇) <HN> 2025/06/27 14:04 注目トピックス 日本株 日空調 Research Memo(3):主な分野別は5つ、特に原子力関連の空調に強み *14:03JST 日空調 Research Memo(3):主な分野別は5つ、特に原子力関連の空調に強み ■事業概要1. 分野別の概要新日本空調<1952>の主要事業は、空調設備を主とした建築設備の設計・施工管理の単一事業であることから、「セグメント別」は開示されていないが、同社では「分野別売上高・受注高」を開示している。分野別の大分類として「個別(親会社)」と「関係会社」に分けられている。さらに中分類として個別は「国内一般(新築)」「国内一般(リニューアル)」「原子力」に分けられ、関係会社は「国内」と「海外」に分けられている。受注金額は案件ごとに大きく異なり、数百万円から数十億円と幅が広い。工期(受注から完工・売上計上まで)も数ヶ月から長いものは数年に及ぶ。利益率も案件ごとに異なるが、労務費や資材コスト、工程管理等の影響により、売上計上時の利益率が当初の計画から変動する場合もある。(1) 国内一般(新築):2025年3月期完成工事高構成比30.4%一般的なビル・工場・公共施設等の新築物件の空調設備工事を行うもの。新築のため、大手ゼネコンの下請けとして入る場合が多い。また空調関係以外に給排水工事なども行っているが、構成比が低いため特に区分けはしていない。(2) 国内一般(リニューアル):同45.1%対象は新築と同じだが、リニューアル(更新)工事を請け負うもの。元請けとして施主から直接受注するケースが多いため、相対的に利益率は高い。(3) 原子力:同5.1%原子力発電所や関連施設への空調工事を行うもの。日本初の原子炉空調を施工した長い歴史があることから信頼も厚く、同分野でのシェアは40%ほどと推定されており、国内ではトップクラスである。ただし、市場が限られていることもあり、受注工事高は期によって変動する場合が多い。(4) 関係会社(国内):同8.3%国内の関係会社が行う工事高。(5) 関係会社(海外):同11.1%海外の関係会社が行う工事高。同社では、半導体関連を含む電気・電子、自動車、機械などの産業向けの完成工事高(及び構成比)を「産業」、それ以外を「保健」として開示しているが、2025年3月期の産業は78,712百万円(構成比57.2%)、保健は58,971百万円(同42.8%)であった。また、新築とリニューアルの完成工事高(全社ベース)はそれぞれ55,704百万円(同40.5%)、81,980百万円(同59.5%)であった。2. 特色と強み(1) 原子力関連に強い国内に同社と同様の空調設備の工事・監理を提供する企業は無数にある。そのような業界の中で、同社の強みの1つはやはり長い歴史を有する「原子力関連」だろう。既述のように、日本原子力研究所に日本初の原子炉空調を施工した実績と、その後の信頼は現在も続いており、これは同社の強みだ。(2) 半導体向けに強い同社は比較的「産業向け」の売上比率が高いが、そのなかでも特に半導体関連に強い。これは、古くから(株)東芝との関係が深かったことによる。これもまた同社の「信頼と実績」に基づいており、特色であり強みと言えるだろう。(3) トップクラスの技術力と優良な顧客基盤戦前から培われた高い技術力は同社の強みであり、国内トップクラスの水準と言える。磨かれた技術力は幅広い分野に及ぶ。また、長い歴史の中で積み重ねた実績が信頼につながっており、この信頼関係に基づいた豊富で優良な顧客基盤も同社の強みだろう。戦前の南満州鉄道の特急「あじあ号」や関釜連絡船「興安丸」の実績は言うに及ばず、戦後の高度成長期に日本初の超高層ビル「霞が関ビルディング」の空調施工を行ったことなど数多くの実績が近年の大型再開発プロジェクトの受注につながったとも言える。3. 主な競合企業同社のような空調設備工事を手掛ける企業は、大小合わせれば全国に無数にある。その意味では、競合する企業は無数にあると言えるが、超高層ビルや大規模工場・設備などの空調を手掛けられる企業は少ない。正確な市場シェア等の算出はできないが、同社によれば「東京証券取引所プライム市場に上場している空調工事大手7社の中で、当社は5番目になる」とのことである。主な競合企業は、高砂熱学工業<1969>、三機工業<1961>、朝日工業社<1975>、日比谷総合設備<1982>、ダイダン<1980>、大気社<1979>である。(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇) <HN> 2025/06/27 14:03 注目トピックス 日本株 日空調 Research Memo(2):空調を主とした建築設備の設計・施工管理の大手 *14:02JST 日空調 Research Memo(2):空調を主とした建築設備の設計・施工管理の大手 ■会社概要新日本空調<1952>の主要事業は、空調設備を主とした建築設備の設計・施工管理であり、1930年に米国Carrier Global Corporationと提携、東洋キヤリア工業(株)として設立されたのが起源である。戦前には、南満州鉄道の特急「あじあ号」に世界初の全列車空調を施工、また関釜連絡船「興安丸」に世界初の全船空調の施工などの実績がある。戦後は、1957年に日本原子力研究所(茨城県東海村)(現 (国研)日本原子力研究開発機構)に日本初の原子炉空調を施工し、1968年には日本初の超高層ビルである「霞が関ビルディング」の空調設備を施工した。1969年に東洋キヤリア工業の工事事業部が分離独立し、新日本空調(株)(SNK)となった。その後も国内の建設需要の高まりにより業績を伸ばすと同時に2003年には中国に現地法人 新日本空調工程(上海)有限公司」(現 新日空(中国)建設有限公司)を、2008年にはスリランカに現地法人SHIN NIPPON LANKA (PRIVATE) LIMITEDを、2010年にはシンガポールに現地法人SHIN NIPPON AIRTECH (SINGAPORE) PTE. LTDを設立、2024年には香港に新日空(香港)建設有限公司を設立して海外展開も加速させている。株式については1990年に東京証券取引所(以下、東証)市場第2部に、1993年には同第1部に上場し、現在は東証プライム市場に上場している。(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇) <HN> 2025/06/27 14:02 注目トピックス 日本株 日空調 Research Memo(1):2025年3月期は完成工事高が順調に伸長し前期比22.9%の営業増益 *14:01JST 日空調 Research Memo(1):2025年3月期は完成工事高が順調に伸長し前期比22.9%の営業増益 ■要約新日本空調<1952>は、空調設備を主とした建築設備の設計・施工管理を手掛ける総合設備エンジニアリング会社である。設立から100年近い歴史があり、国内の大手空調設備会社の一角だが、特に原子力関連の空調システムにおいて高い技術力を持っている。1. 2025年3月期は前期比22.9%の営業増益2025年3月期の業績は、受注工事高153,891百万円(前期比9.0%増)、完成工事高137,684百万円(同7.6%増)、繰越工事高125,868百万円(同14.8%増)、営業利益11,346百万円(同22.9%増)、経常利益11,976百万円(同23.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益9,656百万円(同34.7%増)となった。親会社株主に帰属する当期純利益の伸び率が高いのは、特別利益として投資有価証券売却益2,049百万円を計上したことによる。完成工事高及び営業利益以下の各段階利益は過去最高を更新した。完成工事総利益率は、好採算の工事の完工に加えて施工の効率化も進み16.0%(前期は14.6%)と改善した。一方で販管費は、人員増や職場環境の改善などにより同12.6%増と計画どおりに推移したことから、営業利益は前期比で大幅増益となった。2. 2026年3月期の営業利益は前期比5.8%増予想だが上振れの可能性も2026年3月期については、受注工事高155,000百万円(前期比0.7%増)、完成工事高144,000百万円(同4.6%増)、営業利益12,000百万円(同5.8%増)、経常利益12,500百万円(同4.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益8,800百万円(同8.9%減)と予想している。親会社株主に帰属する当期純利益が減益となるのは前期に特別利益を計上したことによる。完成工事総利益率は、手持ち工事の採算性などから16.3%(前期は16.0%)と改善する見込みで、販管費は同7.0%増を予想している。業界環境がフォローであることに加え、繰越工事高が高水準であることを考慮すると、この予想が達成される可能性は高い。今後の期中受注・完成工事の状況によっては、利益がさらに上振れする可能性もあると弊社では見ている。3. 中期経営計画「SNK Vision 2030 Phase II」を推進中同社は、2030年を節目とした長期経営方針となる10年ビジョン「SNK Vision 2030」を発表している。この計画では、「グループとして持続可能な地球環境の実現と、顧客資産の価値向上に向け、ナレッジとテクノロジーを活用するエンジニア集団を目指す」ことを基本方針として、「事業基盤増強戦略」「収益力向上戦略」「デジタル変革戦略」「企業統治戦略」「人的資本戦略」の5つの基本戦略を掲げている。数値目標としては「事業規模1,300~1,500億円、営業利益率10%以上、ROE10%以上」を目指す。現在は、この計画のPhase II(2026年3月期最終年度)を推進中であるが、数値目標が達成される可能性は高い。本計画に沿って、資本政策も含めて各種施策を着実に実行しており、定性的にどのように成長するか注目したい。4. 株主還元:2026年3月期の年間配当は80円を予定同社は、2025年3月期から株主還元に関する基本方針を「DOEの下限を5%、2030年までは原則減配をしない」に変更した。これに伴い、2025年3月期の配当を年間80円※(2024年3月期は年間50円)に増配したが、2026年3月期も年間配当80円を発表済みだ。さらに2025年3月期には10億円の自己株式取得を完了しており、単に業績の向上を目指すだけでなく、資本政策と株主還元策においても積極的な同社の姿勢は大いに評価すべきだろう。※ 2025年1月1日を効力発生日として普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行ったが、過去の配当金額も遡及して修正済み。■Key Points・国内トップクラスの空調設備会社。原子力関連に強み・2025年3月期は22.9%の営業増益を達成、各段階利益は過去最高・2026年3月期は5.8%営業増益予想、年間80円配当を予定(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇) <HN> 2025/06/27 14:01 注目トピックス 日本株 出来高変化率ランキング(13時台)~クリアル、大黒屋などがランクイン *13:58JST 出来高変化率ランキング(13時台)~クリアル、大黒屋などがランクイン ※出来高変化率ランキングでは、直近5日平均の出来高と配信当日の出来高を比較することで、物色の傾向など市場参加者の関心を知ることができます。■出来高変化率上位 [6月27日 13:32 現在](直近5日平均出来高比較)コード⇒銘柄⇒出来高⇒5日平均出来高⇒出来高変化比率⇒株価変化率<6573> アジャイル      27095400  255758.66  298.36% 0.0236%<3672> オルトプラス     8643100  94217.58  237.25% 0.0277%<5131> リンカーズ      24130200  666105.34  223.25% 0.0961%<7035> anfac      4197200  228996.74  202.78% -0.0437%<3457> AndDoHLD   445900  82842.96  184.89% -0.0776%<1488> iFJリート     255786  122746.758  182.45% -0.001%<6908> イリソ電子      486800  272932.74  181.77% 0.041%<3328> BEENOS     32900  25736.4  172.21% -0.0012%<2632> MXSナ100ヘ   10981  30635.816  162.87% 0.0063%<3907> シリコンスタシオ   127300  39108.18  141.40% 0.0658%<4597> ソレイジア      35952000  351525.72  129.29% 0.0882%<6418> 金銭機        261700  82577.54  127.30% 0.0434%<5451> 淀川鋼        814900  408186  117.74% 0%<2998> クリアル       215700  393215.2  116.68% -0.096%<6966> 三井ハイテ      2633100  718220.98  106.14% 0.0586%<6817> スミダコーポ     605500  191088.52  105.49% -0.0271%<6297> 鉱研工業       761000  260984.22  105.40% 0%<5713> 住友鉱        2589100  4285564.18  104.75% 0.066%<2569> 上場NSQヘ     75853  82420.475  99.89% 0.0091%<3091> ブロンコB      171200  250921.8  99.51% -0.0417%<3053> ペッパー       1998600  154765.1  95.57% -0.0528%<1568> TPX2倍      6698130  1198659.679  94.33% 0.0283%<6844> 新電元        69600  60422.7  91.98% 0.0407%<8157> 都築電        43200  57295.94  88.47% 0.0075%<3597> 自重堂        29900  100898.6  88.40% -0.1328%<5101> 浜ゴム        1253100  1924051.58  87.00% 0.0677%<6993> 大黒屋        125572700  4085135.84  85.83% 0.3437%<9284> カナディアン     5206  164622.6  84.99% -0.0356%<1852> 浅沼組        348400  132572.58  84.08% 0.019%<8137> サンワテクノス    53300  63867.36  83.40% 0.0238%(*)はランキングに新規で入ってきた銘柄20日移動平均売買代金が5000万円以下のものは除外 <CS> 2025/06/27 13:58 注目トピックス 日本株 翻訳センター Research Memo(6):2026年3月期は、主力の翻訳事業が増収をけん引 *13:06JST 翻訳センター Research Memo(6):2026年3月期は、主力の翻訳事業が増収をけん引 ■今後の見通し翻訳センター<2483>の2026年3月期の連結業績は、売上高が前期比1.6%増の11,400百万円、営業利益が同1.0%増の900百万円、経常利益が同1.5%増の920百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同12.9%減の630百万円と、増収及び営業増益を予想する。翻訳関連市場を取り巻く事業環境は、ワークスタイルの変化やデジタルテクノロジーの進展などによって大きく変化しており、顧客獲得競争はさらに激しさを増すことが予想される。同社では新たな中期経営計画(2026年3月期~2028年3月期)に基づき、専門分野に精通した翻訳者・通訳者と日々蓄積される豊富な言語資産の活用を通じて、デジタル時代に対応した言語サービスを提供する戦略を遂行する。翻訳事業の売上高は前期比で142百万円増(前期比1.6%増)と堅調な増収を見込む。新たな中期経営計画の下、AIやデータの活用により事業競争力の強化を推し進め、顧客シェアの拡大を図るとともに、新しいサービスの開発・提供により顧客との関係構築を深める。内訳としては、医薬分野の伸びが大きく同145百万円増(同5.3%増)、特許分野が同88百万円増(同3.0%増)、金融・法務分野が同50百万円増(同8.0%増)と増収に寄与する見込みである。一方で工業・ローカライゼーション分野は同140百万円減(同6.1%減)と減収を予想する。派遣事業は、通訳者・翻訳者養成スクール「アイ・エス・エス・インスティテュート」との連携により、高度な語学スキルを兼ね備えた人材の養成にも注力することで、通訳者・翻訳者の確保と拡充を図り、顧客基盤の拡大を推進し、前期比4百万円増(同0.3%増)と堅調に推移する見込みである。通訳事業は、オンサイト通訳需要が回復基調にあるなか、顧客企業のニーズに寄り添ったサービスを提供し、顧客企業との関係性を深める方針であり、同62百万円増(同5.3%増)と増収を見込む。なお、その他事業に含まれるコンベンション事業は、通訳事業に付随して発生する事業機会であり、自律的な拡大はねらわない方針を継続する。営業利益は前期比9百万円増(同1.0%増)と微増を予想する。機械翻訳の活用拡大の効果が顕れること等により売上総利益率は47.8%(同0.4ポイント増)とさらに上昇する見込みである。販管費に関しては、人件費増などの影響により同125百万円(同2.8%増)と予想する。なお、2026年3月期上期の営業利益予想は355百万円、下期は545百万円となっており、例年どおり季節性が見られる。弊社では、テクノロジーの変化が急速に進む事業環境のなかで、同社は最新技術をいち早く取り入れて生産性を上げ、顧客企業からの信頼を深めているため、今後もシェア向上による業績の拡大が可能であると考えている。2026年3月期の売上高、営業利益に関しては、コンベンション事業縮小の影響などが軽微で翻訳事業の寄与度が高くなるため、予想のリアリティが高いと考えている。■中長期の成長戦略AI・データの活用による事業競争力強化等を基本戦略とする、新中期経営計画を策定同社は、2025年5月に新たな中期経営計画を発表した。前中期経営計画の振り返りでは、ドキュメント集約の仕組みづくり(医薬、特許、IR分野)やドキュメント別のMT(機械翻訳)モデルの構築では一定の成果を得られたものの、業務効率化の取り組みに課題が残った。新中期経営計画では、前中期経営計画の積み残し課題を踏まえつつ、同社を取り巻く事業環境がMT(機械翻訳)や生成AIの普及により大きく変化しており、これまで以上にAI・データ活用による事業競争力の強化が重要な課題であると位置付けた。基本方針としては、「New Standards in Translation」をキーワードとし、専門分野に精通した翻訳者・通訳者と日々蓄積される豊富な言語資産の活用を通じて、デジタル時代に対応した高付加価値かつ高効率な言語サービス及び事業モデルを業界のトップランナーとして構築・提供する決意を宣言している。重点施策としては、以下の3点である。(1) AI・データの活用による事業競争力の強化同社の翻訳サービスの強みは、翻訳者との信頼関係、自社専用エンジンの保有、専門文書への対応力などである。さらに、最新テクノロジーであるMT(機械翻訳)・LLM(大規模言語モデル)の活用によるサービスの競争力向上に加え、データドリブンな営業・マーケティング活動を実践することで、顧客企業との長期的、安定的な関係の構築を推し進め、シェア拡大を目指す。(2) 業務効率化の推進これまでは、機械翻訳の活用で登録翻訳者の作業効率の向上が行われてきたが、それに加えて、今後は社内プロジェクト管理業務の効率化にも取り組む。案件の工程設計や進捗管理を担うプロジェクトマネージャが蓄積した知識や経験を体系化しシステムに実装することで、工程管理の精度を高め業務効率化を推進する。(3) 安定した収益基盤の確立グループ全体の持続的な成長に向け、資本効率を重視した事業ポートフォリオの最適化を進め、経営資源を効果的に配分する。また、成長の基盤となる人材の育成や成長領域に対する投資に取り組む。成長領域としては、引き続き翻訳事業のシェア拡大に取り組む。2024年1月の(株)福山産業翻訳センターのグループ会社化の事例のように翻訳業界での再編は今後も可能性があり、同社はその中心的存在である。また、将来の収益源の育成のため、新しい成長事業の獲得(主にM&Aを活用)も積極的に行う計画である。特に、翻訳事業とのシナジーが想定されるWeb制作業界、ドキュメント制作業界などが対象になる。翻訳ニーズが発生するか、顧客・対象業界との親和性があるかなどがポイントとなるだろう。2028年3月期の目標値では、売上高で2025年3月期実績の1.16倍となる13,000百万円、営業利益で1.35倍となる1,200百万円、当期純利益で1.11倍となる800百万円とさらなる成長を計画する。テクノロジーの進化が早く、価格低下リスクもある業界ではあるが、同社はいち早くMTを活用して生産性を向上させており、価格低下時の対応力に自信を持つ。市場(金額ベース)が伸び悩んでも、シェア拡大により業績を伸ばせる数少ないプレーヤーであることに注目したい。■株主還元策2026年3月期は、配当金75.0円、配当性向39.9%を予想同社は、企業の利益成長に応じた継続的な還元を行うことを方針としている。2006年の上場以来13期連続で配当金の増配または維持を続けたが、コロナ禍の影響で2021年3月期は減益となり減配、それ以降はまた増配が続いている。同社では2024年に配当方針を変更し、配当性向で35%を目標とすることを新たに決定した。この方針の下、2025年3月期は配当金75.0円(前期比10.0円増)、配当性向34.6%となった。2026年3月期は配当金75.0円(前期と同様)、配当性向39.9%を予想する。(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫) <HN> 2025/06/27 13:06 注目トピックス 日本株 ニデック---大幅続落、有価証券報告書の提出期限延長を申請 *13:05JST ニデック---大幅続落、有価証券報告書の提出期限延長を申請 ニデック<6594>は大幅続落。25年3月期有価証券報告書の提出期限延長に関する承認申請書を提出することを決定と発表している。6月30日の提出期限を9月26日まで延長することを申請する。連結子会社であるイタリアのFIR社に関して、貿易取引上の問題及び関税問題に関し、社内の更なる調査・検討を行って対処を進めており、その完了に至るまで時間を要するもよう。売り材料と捉えられる形になっている。 <ST> 2025/06/27 13:05 注目トピックス 日本株 翻訳センター Research Memo(5):2025年3月期はコンベンション事業縮小の影響などで売上微減 *13:05JST 翻訳センター Research Memo(5):2025年3月期はコンベンション事業縮小の影響などで売上微減 ■業績動向1. 2025年3月期の業績翻訳センター<2483>の2025年3月期の連結業績は、売上高が前期比0.8%減の11,210百万円、営業利益が同1.3%減の890百万円、経常利益が同3.5%減の905百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同1.7%増の723百万円と前期並みの売上・各利益を確保した。売上高に関しては、コアビジネスである翻訳事業及び通訳事業で過去最高売上を更新し、派遣事業も堅調だったものの、コンベンション事業を含むその他事業の減収をカバーできず、全社では微減となった。翻訳事業では前期比48百万円増(前期比0.5%増)となった。特許分野では、企業の知的財産関連部署の一部大口顧客において受注が減少したものの、特許事務所からの受注は好調を維持し、同9百万円増(同0.3%増)となった。医薬分野では、顧客企業との継続的な関係性の構築と顧客基盤の拡大に努めるなか、外資製薬からの受注が第4四半期に伸長したことに加え、内資製薬での受注増加やCRO(医薬品開発受託機関)の複数顧客における旺盛な需要の取り込み等もあり、同89百万円増(同3.4%増)となった。工業・ローカライゼーション分野では、自動車や電機、エネルギー関連等を中心とする製造業の顧客からの受注が拡大したものの、非製造業からの受注が低調に推移し、同87百万円減(同3.7%減)となった。金融・法務分野では、上場会社の英文開示に対する機運の高まりを背景にIR関連文書の受注が好調に推移したことに加え、企業の管理系部署からの受注も伸長し、同37百万円増(同6.4%増)となった。派遣事業においては、語学スキルの高い人材への底堅い需要を背景に引き合い数や受注は増加したものの、終了者の増加等により常用雇用者数が前期並みの水準で推移し、同1百万円増(同0.1%増)となった。通訳事業では、既存顧客である金融機関、医薬品関連会社、精密・通信機器メーカー、外資系コンサルティング会社からの継続受注に加え、顧客数の拡大が寄与し、同91百万円増(同8.3%増)と過去最高を更新した。その他事業においては、通訳者・翻訳者養成スクール「アイ・エス・エス・インスティテュート」の集客が好調に推移したものの、コンベンション事業縮小に伴う大幅な減収が影響し、同235百万円減(同40.8%減)となった。売上総利益額は前期とほぼ同等、売上総利益率では47.4%(同0.4ポイント上昇)と高い水準を維持している。翻訳事業のセグメント利益は低下したものの、コンベンション事業を含むその他事業の収益性の改善が粗利率上昇の要因である。販管費は人件費増を主因として同0.3%増となった。結果として、営業利益及び経常利益でわずかに減益となった。なお、親会社株主に帰属する当期純利益が同12百万円増(同1.7%増)となったのは、子会社株式売却益と第4四半期の東京本社移転に伴う移転補償金の計上が要因である。自己資本比率76.5%。無借金経営を継続。ROEは10%以上を継続2. 財務状況と経営指標2025年3月期末の総資産は前期末比509百万円増加の8,836百万円となった。そのうち流動資産は377百万円増加となった。未収入金(その他に含まれる)の増加や現金及び預金の増加が主な要因である。固定資産は132百万円増加となった。建物及び構築物(有形固定資産)の増加が主な要因である。負債合計は前期末とほぼ変わらず2,075百万円となった。そのうち流動負債は5百万円減少、固定負債は5百万円増加と大きな変化はなかった。なお同社は無借金経営を継続しており、有利子負債はない。経営指標では、流動比率で414.8%、自己資本比率で76.5%とともに高い水準にあり、短期及び中長期の財務の安全性は高いといえる。ROE(自己資本当期純利益率)は11.1%(前期11.9%)と、中期経営計画で目標とする10%以上を維持しており、経営効率の高さにも定評がある。(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫) <HN> 2025/06/27 13:05 注目トピックス 日本株 マツダ---大幅続伸、相対的な出遅れ感強まる自動車株で強い動き目立つ *13:04JST マツダ---大幅続伸、相対的な出遅れ感強まる自動車株で強い動き目立つ マツダ<7261>は大幅続伸。本日は同社のほか、日産、三菱自、SUBARUなど自動車株で上昇が目立っている。ここまで米国関税の影響が警戒されてきていたが、日経平均が4万円台回復、TOPIXが年初来高値を更新する中で、出遅れ感が台頭する状況にもなっているもよう。また、各社が米国で値上げを進めていること、「25%の自動車関税はわれわれの受け入れられるものでない」との経済再生相発言など日本政府の自動車関税交渉に対する強い姿勢なども材料視。 <ST> 2025/06/27 13:04 注目トピックス 日本株 翻訳センター Research Memo(4):主力の翻訳事業は4分野(特許・医薬・工業・金融)に専門特化 *13:04JST 翻訳センター Research Memo(4):主力の翻訳事業は4分野(特許・医薬・工業・金融)に専門特化 ■事業概要2. 翻訳事業主力の翻訳事業は、翻訳センター<2483>本体、HC Language Solutions(2024年12月に全株式を売却し、非子会社化)、(株)パナシア及びメディア総合研究所が行っている。分野特化戦略を推進しており、「特許」「医薬」「工業・ローカライゼーション」「金融・法務」の4分野に分けて専門化している。a) 顧客業界とサービス内容「特許分野」の顧客は特許事務所や企業の知的財産関連部署であり、主に特許出願用の明細書など特許関連文書の翻訳サービスを提供する。特許事務所においては、出願件数上位100事務所の約70%と取引実績がある。また企業(知的財産関連部署)では、電機、機械、化学、製薬やバイオといった業種の大手メーカーが中心である。「医薬分野」の顧客は国内外の製薬会社・医療機器会社であり、医薬品・医療機器の研究開発から承認申請、マーケティングまで、あらゆるステージで発生する文書の翻訳サービスを提供する。グローバルのトップ製薬会社は外注する翻訳会社を絞る傾向にあり、プリファードベンダー(優先調達先)になれないと取り引きできない場合も増えている。同社では実績と知名度を背景に世界のトップ製薬会社の多く(世界売上高100億ドル超26社の96%)と取引実績があり、大手製薬会社をターゲットにプロジェクト型案件及び顧客常駐型サービスの拡大を推進している。「工業・ローカライゼーション分野」は、自動車、電機、精密機械、エネルギーといった主要製造業から情報・通信、ITといった非製造業まで幅広い産業領域を対象とする。取扱文書は、仕様書、作業手順書、取扱説明書、教育資料、Webサイトなど様々であり、1つのドキュメントから複数の言語に翻訳することも多い。「金融・法務分野」の顧客は国内外の銀行・証券・保険会社、法律事務所及び企業の管理系部署である。金融関連では目論見書や運用報告書、法務関連では各種契約書、企業管理部署関連では決算短信や有価証券報告書、株主総会招集通知、アニュアルレポートなどのIR関連の開示資料などが代表的な文書である。近年、企業の管理系部署との取り引きを拡大している。b) 強み同社の特長は「組織化・システム化された営業・制作機能」である。これにより要求の厳しい産業翻訳の顧客に対してバランスの良い価値(品質、スピード、コスト)を提供できるうえ、大規模プロジェクトや多言語案件にも機動的に対応できる。営業機能に関しては、1) 専門特化によるノウハウ蓄積2) 信頼されるコミュニケーションと顧客社内他部門への展開3) グループネットワークを生かしたサービスの提案などが強みとなっている。制作機能に関しては、1) 2,911名の翻訳・通訳登録者(2025年3月末時点)2) ICTによる登録者マッチングシステム3) NMT、PE、翻訳支援ツール(CAT)、独自開発ツール・マクロの活用4) 80言語以上に対応5) 専門特化した子会社(メディカルライティング、海外への特許出願支援など)などが強みとなっている。営業及び制作の両機能は相互に影響し合い好循環を生んでいる。同社は、基本戦略として「NMTに本格的に取り組む事業モデルへの転換」を実行してきた。NMT化を図る戦略のターニングポイントとなったのは、2017年10月に行われた機械翻訳エンジン開発会社であるみらい翻訳への資本参加(持分比率8.99%)である。2016年11月にGoogleが翻訳ツールにNMTを採用したことで翻訳精度が格段に向上したことを背景に、企業が保有する翻訳データを効果的に学習できるNMTが必要不可欠であると判断したことが資本参加の目的だった。現在同社は機械翻訳エンジン「Mirai Translator (R)」の代理店として外販活動も行っている。NMT及びPEを翻訳工程に取り入れ、主要4分野で作業時間の短縮を図る取り組みを開始してから7年が経過した。成果は売上総利益率の向上という形で明らかとなっている。7年前の2018年3月期の売上総利益率は42.4%だったが、直近の2025年3月期は47.4%と5.0ポイント上昇している。価格競争において作業時間の改善効果は顧客への値引きに還元される。同社ではまだすべての案件でNMTを活用できているわけではないため、今後も継続して売上総利益率の向上が期待できる。c) セグメント別業績推移翻訳事業全体としては、2016年3月期以前から業績が右肩上がりで推移してきたが2020年3月期に踊り場となり、2021年3月期の業績はコロナ禍の影響により落ち込んだ。その後は全体として業績が回復傾向にあるが、年によって一部不調な分野がある。2024年3月期は、医薬で一部顧客の売上減少の影響、2025年3月期は工業・ローカライゼーションで非製造業からの受注減少があった。翻訳事業全体の2025年3月期の売上高は8,507百万円(前期比0.5%増)、営業利益は776百万円(同14.8%減)と増収減益となった。3. 派遣事業派遣事業は連結子会社アイ・エス・エスが行う事業であり、語学スキルの高い人材を顧客企業へ派遣する。昨今は金融関連企業やITサービス関連企業、医薬品関連企業からの求人が堅調に推移している。2025年3月期は、語学スキルの高い人材への底堅い需要により受注が増加したが、終了者の増加等により常用雇用者数が前期並みの水準で推移した。売上高は1,175百万円(前期比0.1%増)、営業利益は30百万円(同30.8%減)と売上は堅調に推移するが、利益は低下傾向である。4. 通訳事業通訳事業は連結子会社アイ・エス・エスが行う事業であり、IRカンファレンスや商品発表会、各種イベントなどでの通訳業務を請け負う。コロナ禍を契機に、顧客企業のオンライン会議に伴う通訳需要を積極的に取り込み、サービス形態の幅が広がった。2025年3月期は、既存顧客である金融機関、医薬品関連会社、精密・通信機器メーカー、外資系コンサルティング会社からの継続受注に加え、顧客数も拡大した。2025年3月期の売上高は1,187百万円(前期比8.3%増)と2期連続で過去最高売上高を更新、営業利益は89百万円(同6.3%減)となった。5. その他事業その他事業には、コンベンション事業や通訳者・翻訳者養成スクール「アイ・エス・エス・インスティテュート」を運営する語学教育、外国特許出願支援などが含まれる。前期までは「コンベンション事業」は独立した報告セグメントだったが、量的な重要性が低下したため、「その他事業」に統合された。同事業は、コロナ禍においてはイベントや国際会議・学会などの開催中止や延期の影響が大きく、その後も完全な回復には至らなかったため、体制を縮小した経緯がある。2025年3月期の売上高は340百万円(前期比40.8%減)、営業損失は10百万円(前期は152百万円の損失)となった。通訳者・翻訳者養成スクール「アイ・エス・エス・インスティテュート」の集客が好調に推移したものの、コンベンション事業縮小に伴う大幅な減収が影響した。(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫) <HN> 2025/06/27 13:04 注目トピックス 日本株 翻訳センター Research Memo(3):専門性の高い産業翻訳に注力。機械翻訳と人手翻訳の融合が進む *13:03JST 翻訳センター Research Memo(3):専門性の高い産業翻訳に注力。機械翻訳と人手翻訳の融合が進む ■事業概要1. 事業環境国内の翻訳・通訳の市場規模は、約2,960億円と推計されており、産業翻訳が市場の大半を占め、安定して推移する。医薬品、金融、自動車、電機、エネルギー、IT・通信、小売業などの国内企業のグローバル展開や外資系企業の日本進出が需要発生のドライバーとなっている。こうした環境のなか翻訳センター<2483>は着実に成長してきた。得意とするのは、「専門性が高く、間違いが許されない」文書であり、薬品承認申請資料、特許明細書、取扱説明書などが挙げられる。産業翻訳ニーズの最近の特徴として「スピード化」「デジタル化」が挙げられる。自動車、医薬品、IT業界などをはじめ企業のグローバル化は加速しており、翻訳会社としても高いレベルの対応力が求められる。また、AIの進展は業界に大きな変化をもたらしつつある。2016年11月にGoogleが発表したニューラル機械翻訳(NMT)は、それまで主流であったルールベース機械翻訳(RMT)や統計的機械翻訳(SMT)に比べて格段に翻訳精度を向上させ、業界を驚かせた。個人がニュースを翻訳する、ビジネスで意味を簡略的に把握するために翻訳するといった汎用的な用途では、Google翻訳などの機械翻訳が既に浸透しており、同社が外販を担う機械翻訳エンジン「Mirai Translator (R)」もNMTの手法を取り入れている。2022年11月には、ChatGPTが登場し、個人を中心に翻訳機能としても使われ始めている。一方で、翻訳の品質に関しては誤訳も発生するため、補助や概括の用途が主体と考えられる。産業翻訳では、これまで専門性の高い翻訳者による人手翻訳が主流であったが、近年は企業が保有する翻訳データの活用を目的にNMTの普及が進んでおり、翻訳業務の生産性は向上している。(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫) <HN> 2025/06/27 13:03

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