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福田組:新潟県を地盤として全国展開する総合建設会社、積極投資と安定配当を両立
配信日時:2025/06/27 14:11
配信元:FISCO
*14:11JST 福田組:新潟県を地盤として全国展開する総合建設会社、積極投資と安定配当を両立
福田組<1899>は1902年創業の新潟県を地盤として全国展開する総合建設(土木・建築)会社である。子会社26社、関連会社6社で構成されており、新潟県以外に北海道、東北、東京、名古屋、大阪、九州など全国に支店・営業所が存在する。2024年12月期における売上構成比では、福田組56.9%、福田道路18.7%、その他24.45。事業は土木工事・建築工事の請負やコンサルティング業務を中心に、不動産の開発・賃貸や建設資材の製造・リース事業なども手掛ける多角的なビジネスモデルである。売上構成は土木工事と建築工事が二本柱で両者で約9割を占めており、残りを子会社による建設附帯事業(アスファルト合材製造・仮設資材リース等)や不動産開発・賃貸事業が担っている。
同社の強みは新潟県内において圧倒的な知名度と実績を持ち、120年の歴史で培った顧客からの信頼とある。中堅ゼネコンとしては財務基盤も堅実で自己資本比率は50%以上と健全性が高く、新潟県外でも関東・東日本・西日本・九州地区で大型案件を受注する営業力を発揮している。主要子会社も安定した業績を維持しており、協力会社との強固なパートナーシップによる付加価値向上や高品質な施工に定評がある。こうした点で全国レベルでも競争力を発揮できる体制を整えていることが、同社の差別化要因と言えそうだ。
2025年12月期第1四半期決算では、売上高が40,263百万円(前年同期比2.8%減)、営業利益が2,273百万円(同14.5%減)で着地した。前期から繰り越された工事案件が順調に推移したことで、前年同四半期と比べて完成工事高は増加した。ただ、大型開発物件が前年同四半期に引き渡されたことによる不動産事業売上高の反動減が影響した。利益面でも、価格転嫁に伴う適正な請負代金の設定により、工事利益率が前年同四半期と比べて改善、並びに完成工事総利益は増益となったが、不動産事業売上高の減少に伴う不動産事業総利益の減少幅が大きかった。2025年12月期の会社計画は、売上高167,000百万円(前期比0.2%増)、営業利益6,000百万円(同21.7%減)の見込み。こちらも大型開発不動産案件が無く、続く資材価格高騰や人手不足の中、受注タイミングや工事利益率が不透明なため、減益を見込む。ただ、受注高は1,708億円を目指す。不動産に関しては今期は端境期のため、次なる大型案件の受注を目指すようだ。
建設業界の市場環境として、政府の国土強靭化やグリーン社会の実現に向けた政策を背景に公共投資は堅調が見込まれ、民間分野でも脱炭素社会の構築やデジタル化に関連する投資が広がり長期的な市場拡大が期待される。一方、日本経済の先行き不透明感から受注競争は激化しており、厳しい競争を勝ち抜くための営業力・コスト競争力の強化が不可欠である。また、新潟県内にとどまらず既存の事業エリアを深耕して安定的に受注を確保する戦略も求められている。加えて、少子高齢化に伴う建設技能者の慢性的な人手不足や働き方改革への対応も業界全体の課題であり、2024年4月から建設業に時間外労働の上限規制が適用される中、優秀な人材の確保・育成が急務となっている。
福田組はこれまでの120年の歩みを踏まえ、更なる持続的成長を遂げるために2022年から2025年を「変革期間」と位置付けた中期経営計画2025を推進している。具体的には、脱炭素社会やデジタル社会への移行に伴い多様化する新たなニーズに対応すべく提案力・技術力を高め、地域密着の強みを生かしつつ首都圏を含む既存事業エリアの深耕による安定受注を図る。また、次の100年を見据え、4年間で累計75億円規模の投資を計画しており、環境配慮型の設備投資や防災・減災対応、DX推進、人材育成など「質」の充実に注力している。これらの施策を通じて、「100年先も誠実」にマルチステークホルダーとの強固な絆を築く企業を目指し、地域社会に不可欠なパートナーとして持続的な成長を図る方針である。
そのほか、同社は企業価値向上に必要な内部留保とのバランスに留意しつつ、長期的に安定した配当の維持を基本方針としている。現長期ビジョンの株主還元方針では純資産配当率2.0%又は配当性向20%を目安としており、効率性についてはROE8%水準を目指しているが、前期より株主還元の強化策として1株あたり200円配当を行い、当期以降も従来の基本配当110円から200円配当へ底上げを見込んでいる。健全な財務基盤の下で株主還元と成長投資の両立を図っている。
<HM>
同社の強みは新潟県内において圧倒的な知名度と実績を持ち、120年の歴史で培った顧客からの信頼とある。中堅ゼネコンとしては財務基盤も堅実で自己資本比率は50%以上と健全性が高く、新潟県外でも関東・東日本・西日本・九州地区で大型案件を受注する営業力を発揮している。主要子会社も安定した業績を維持しており、協力会社との強固なパートナーシップによる付加価値向上や高品質な施工に定評がある。こうした点で全国レベルでも競争力を発揮できる体制を整えていることが、同社の差別化要因と言えそうだ。
2025年12月期第1四半期決算では、売上高が40,263百万円(前年同期比2.8%減)、営業利益が2,273百万円(同14.5%減)で着地した。前期から繰り越された工事案件が順調に推移したことで、前年同四半期と比べて完成工事高は増加した。ただ、大型開発物件が前年同四半期に引き渡されたことによる不動産事業売上高の反動減が影響した。利益面でも、価格転嫁に伴う適正な請負代金の設定により、工事利益率が前年同四半期と比べて改善、並びに完成工事総利益は増益となったが、不動産事業売上高の減少に伴う不動産事業総利益の減少幅が大きかった。2025年12月期の会社計画は、売上高167,000百万円(前期比0.2%増)、営業利益6,000百万円(同21.7%減)の見込み。こちらも大型開発不動産案件が無く、続く資材価格高騰や人手不足の中、受注タイミングや工事利益率が不透明なため、減益を見込む。ただ、受注高は1,708億円を目指す。不動産に関しては今期は端境期のため、次なる大型案件の受注を目指すようだ。
建設業界の市場環境として、政府の国土強靭化やグリーン社会の実現に向けた政策を背景に公共投資は堅調が見込まれ、民間分野でも脱炭素社会の構築やデジタル化に関連する投資が広がり長期的な市場拡大が期待される。一方、日本経済の先行き不透明感から受注競争は激化しており、厳しい競争を勝ち抜くための営業力・コスト競争力の強化が不可欠である。また、新潟県内にとどまらず既存の事業エリアを深耕して安定的に受注を確保する戦略も求められている。加えて、少子高齢化に伴う建設技能者の慢性的な人手不足や働き方改革への対応も業界全体の課題であり、2024年4月から建設業に時間外労働の上限規制が適用される中、優秀な人材の確保・育成が急務となっている。
福田組はこれまでの120年の歩みを踏まえ、更なる持続的成長を遂げるために2022年から2025年を「変革期間」と位置付けた中期経営計画2025を推進している。具体的には、脱炭素社会やデジタル社会への移行に伴い多様化する新たなニーズに対応すべく提案力・技術力を高め、地域密着の強みを生かしつつ首都圏を含む既存事業エリアの深耕による安定受注を図る。また、次の100年を見据え、4年間で累計75億円規模の投資を計画しており、環境配慮型の設備投資や防災・減災対応、DX推進、人材育成など「質」の充実に注力している。これらの施策を通じて、「100年先も誠実」にマルチステークホルダーとの強固な絆を築く企業を目指し、地域社会に不可欠なパートナーとして持続的な成長を図る方針である。
そのほか、同社は企業価値向上に必要な内部留保とのバランスに留意しつつ、長期的に安定した配当の維持を基本方針としている。現長期ビジョンの株主還元方針では純資産配当率2.0%又は配当性向20%を目安としており、効率性についてはROE8%水準を目指しているが、前期より株主還元の強化策として1株あたり200円配当を行い、当期以降も従来の基本配当110円から200円配当へ底上げを見込んでいる。健全な財務基盤の下で株主還元と成長投資の両立を図っている。
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