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みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=エヌピーシー、「ペロブスカイト」関連の一角として注目  エヌ・ピー・シー<6255.T>の中長期上昇トレンドに乗りたい。同社は太陽光パネル製造装置の大手で、米太陽電池メーカーのファースト・ソーラー<FSLR>が主要顧客。米国での政策支援を背景とした太陽電池関連の活発な設備投資が追い風となっている。次世代太陽電池として期待される「ペロブスカイト太陽電池」の製造装置も手掛けており、同太陽電池関連株の一つとしても注目されている。  先月、四半期決算とともに24年8月期連結業績予想の上方修正を発表。営業利益を前期比2.2倍の21億4900万円(従来予想15億8400万円)と急拡大する見通しを示した。部品販売の好調が続いているほか、一部案件が前倒しで計上される見込みになったという。年間配当は前期比1円増の7円を見込んでいる。(イ) 出所:MINKABU PRESS 2024/05/24 10:00 みんかぶニュース コラム 24日の株式相場見通し=反落、利下げ観測後退による米株安で心理悪化  24日の東京株式市場で日経平均株価は反落する見通し。前日の米国市場では市場予想を上回る四半期決算と業績見通しを発表したエヌビディア<NVDA>が急騰したが、楽観ムードは広がらなかった。5月の米国の購買担当者景気指数(PMI)の速報値は製造業、サービス業ともに市場予想を上回った。また、週間の新規失業保険申請件数は市場予想を下回り、米国経済の底堅さが意識され、インフレ環境が長期化するとの見方から米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ観測が後退。更に、投資家向け説明会で業況に対する慎重な見方が広がったボーイング<BA>が急落したことも、NYダウを押し下げる要因となった。大阪取引所の夜間取引で日経平均先物6月限は3万8550円で終了。シカゴの日経平均先物6月限は3万8560円で引けた。日経平均株価は前日、エヌビディア株の時間外取引での急伸を受けて3万9100円台まで水準を切り上げたが、NYダウが大幅安となったことで投資家心理の悪化は避けられず、主力株全般に売りが優勢となり下落して始まると想定される。半導体関連株にも利益確定目的の売りが見込まれる。一方、この日は4月の全国消費者物価指数(CPI)が公表される。生鮮食品を除くコアCPIに関しては前年比でプラス2.2%が市場のコンセンサスで、前月から伸び率が鈍化するとの見方が優勢だが、市場予想を上回る結果となった場合には、日銀が早期に利上げに踏み切るとの市場の観測を強める可能性があり、その際には金融セクターを下支えする要因となるとみられている。加えて、ドル円相場は一時1ドル=157円台に乗せるなど円安基調が続いているほか、4月以降、国内の主要企業による自社株買いが相次いで発表されたことは、日本株の下値をサポートする要因となるとみられている。日経平均株価は取引時間中、3万8400円から3万8800円の範囲で推移する公算が大きい。  23日の米株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比605ドル78セント安の3万9065.26ドルと続落。ナスダック総合株価指数は同65.511ポイント安の1万6736.033だった。  日程面では国内では4月の全国消費者物価指数のほか、4月の全国百貨店売上高が公表される予定。海外では米国で4月の耐久財受注と、5月のミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)の発表を控えている。 出所:MINKABU PRESS 2024/05/24 08:00 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=エヌビディア効果で東京市場復活へ期待つながる  23日の東京市場で日経平均株価は前日比486円高と急伸し、3営業日ぶりに3万9000円台を回復した。市場関係者が注視したエヌビディア<NVDA>の決算は、市場予想を上回る好結果となり半導体関連株が軒並み高に買われた。  関心を一身に集めたエヌビディアの決算が予想を上回ったことから、「半導体市場の成長に自信を深めた筋が見直し買いを入れた」(市場関係者)という。具体的にはレーザーテック<6920.T>が上場来高値を更新し、ディスコ<6146.T>が初の6万円台に乗せた。もちろん東京エレクトロン<8035.T>、アドバンテスト<6857.T>、ソフトバンクグループ<9984.T>といった主力株も買われた。米ナスダック指数が最高値圏に浮上するなか、東京市場も半導体関連株に牽引される形で本格反騰に向かうことが期待されている。    ただ、市場には「半導体などハイテク株の一本足打法の状態には不安感も残る」(ストラテジスト)との声も少なくない。今日の東証プライム市場の値上がり銘柄数も50%を少し超えた程度。アドテストやソフトバンクGなど日経平均株価への寄与度の高い銘柄が相場を牽引し、一時500円を超える急騰を演じた格好だ。  エヌビディアの決算が終わると当面は目立ったイベントは無くなる。22日に公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が示すように、米連邦準備制度理事会(FRB)にはタカ派姿勢が根強く残っている。エヌビディア効果で東京市場復活への期待はつながった格好だが、「今後、日経平均株価が4万円奪回を目指すためには、半導体関連株を中心にナスダック指数が更なる上値追いを演じてくれることが必要だろう」(市場関係者)とみる声が出ている。米国市場の動向に一段と一喜一憂する展開は今後も続きそうだ。  今晩は、米国で新規失業保険申請件数や5月製造業購買担当者景気指数(PMI)が発表される。ボスティック・アトランタ連銀総裁の講演が予定されている。明日は、日本では4月消費者物価指数(CPI)や同全国百貨店売上高が発表される。 出所:MINKABU PRESS 2024/05/23 17:10 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=みらいWKS、主軸事業の各種KPIが伸長  みらいワークス<6563.T>は5月14日、24年9月期第2四半期累計(23年10月~24年3月)の連結決算を発表。経常利益は前年同期比78.4%増の2億4200万円となり、通期計画の3億5000万円に対する進捗率は69.1%に達した。  デジタルトランスフォーメーション(DX)案件などが牽引役となり、主軸のプロフェッショナル・エージェント事業の売上高に関連する各種KPI(契約数、直接営業人員数、大手企業取引数など)が順調に伸びたことが寄与。また、Webプラットフォーム事業が堅調だったことも好業績につながった。  足もとの株価は下値を切り上げる展開となっており、日足チャートでは25日移動平均線と75日移動平均線が徐々に接近。ゴールデンクロスが実現すれば、一段の上値を試す展開が期待できそうだ。(参) 出所:MINKABU PRESS 2024/05/23 10:00 みんかぶニュース コラム 23日の株式相場見通し=反発、エヌビディア好決算で投資家心理上向く  23日の東京株式市場で、日経平均株価は反発する見通し。前日の海外市場では、欧州の主要株価指数はそろって下落し、米株式市場ではNYダウが反落。ナスダック総合株価指数も3日ぶりに反落した。この日公表された4月30日~5月1日開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨では、参加者からインフレに対する警戒感が示され、タカ派的な内容との受け止めが市場に広がった。一方、米国市場の取引終了後にエヌビディア<NVDA>が発表した2~4月期の決算は市場予想を上回る内容となった。5~7月期の売上高見通しもコンセンサスを超える強い内容となったほか、増配と株式分割も発表されたとあって、時間外取引でエヌビディア株は上伸。これに連れる形で大阪取引所の夜間取引において、日経平均先物6月限は一時3万8800円まで水準を切り上げた。時間外取引でのエヌビディア株は戻り売り圧力が加わりながらもプラス圏を維持し、1000ドルの大台に乗せた。朝方の東京市場ではエヌビディアの好決算と時間外取引での同社株の上昇に加え、重要イベントをひとまず無難に通過したことへの安心感が広がりやすく、主力株や半導体関連株に対して買い戻しの流れが優勢となり、日経平均株価は上昇して始まるとみられている。また、外国為替市場ではFOMC議事要旨公表後にドル買いが進んだ。ドル円相場は足もとで1ドル=156円台後半と円安が進行しており、自動車など輸出関連株への追い風となるだろう。半面、米国市場での原油先物相場の下落を受け、石油関連株は弱含みの展開も見込まれる。日経平均株価は前日に3万8700円近辺に位置する75日移動平均線を下回って終了した。直近では米国株に対する日本株の出遅れ感が強まっていたこともあり、日経平均株価は取引時間中、75日移動平均線を下値に3万9000円をうかがう展開となることも予想される。  22日の米株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比201ドル95セント安の3万9671.04ドルと反落。ナスダック総合株価指数は同31.080ポイント安の1万6801.544だった。  日程面では、国内では4月全国スーパー売上高が公表される予定。海外ではユーロ圏と米国で5月製造業PMIとサービス業PMIが発表されるほか、米国の4月新築住宅販売件数の発表も控える。主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会合が25日までの日程でイタリアにおいて開かれる。 出所:MINKABU PRESS 2024/05/23 08:00 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=米エヌビディア決算前のグロース株安をどう読むか  22日の東京株式市場で日経平均株価は前営業日比329円83銭安の3万8617円10銭と続落した。日本時間23日早朝のエヌビディア<NVDA>の決算発表を目前に手控えムードが広がるなか、東京エレクトロン<8035.T>やアドバンテスト<6857.T>、レーザーテック<6920.T>など半導体関連株が軒並み安となったほか、主力株全般に持ち高調整目的の売りが優勢となった。エヌビディアの決算発表後にアク抜け感が広がるのか、それとも失望感に包まれることになるのか、大きな分岐点に差し掛かるなか、市場参加者を神経質にさせたのが、アマゾン・ドット・コム<AMZN>によるエヌビディア製品の発注方針を巡る報道だ。英フィナンシャル・タイムズ紙によると、アマゾンのクラウドサービス部門がエヌビディアの最先端半導体の発注を一時停止し、新モデルの発売を待つことにしたという。今後の売上高見通しにどのような影響が出るのか、懸念材料が一つ加わったこととなった。  そしてもう一つ、個人を中心に投資家心理を悪化させたのが、およそ2年ぶりの安値をつけた東証グロース市場250指数の存在である。今月に入り、経済産業省が新興市場の上場維持基準の厳格化に向けた提言をする方針だと一部で報じられ、指数への下押し圧力が強まることとなったが、この日の下げは長期金利の上昇によるところが大きいようだ。日銀による早期の利上げ観測を背景に、円債市場で長期金利は11年ぶりに一時1%台に乗せた。金利の上昇は、バリュエーション面での評価の高いグロース株には逆風となる。  3月期の決算発表が一巡した後の日本株の予想EPS(1株利益)は切り上がることがなく、日経平均株価のPER(株価収益率)は16倍台半ばと、割安感に乏しい。「ここから日本株が上値を試すには、米国の利下げ観測とエヌビディア決算のポジティブ・サプライズという二つのエンジンが必要」(国内証券アナリスト)との声もある。株価が上場来高値近辺で推移するエヌビディアの決算を巡っては、ただでさえ市場の期待値が高まった状態にあり、同社株の反応と、市場心理に及ぼす影響は未知数だ。  米国市場で投資家の不安心理を示すVIX指数は11台と極めて低い水準となっている。VIX指数が低水準にあるがゆえ、エヌビディア決算後の相場の変動性はさほど高まらないとみるのは早計だろう。市場参加者の相場観が固定化した状況で、リスクイベントの発生により先行き不透明感が強まった際、ボラティリティは一気に高まることとなりやすい。米国株の調整が深まれば、日本株は海外投資家の売りを浴びることとなりかねない。  一方、日本企業が株主還元姿勢を強化したこと自体は、当面は日本株を下支えする要因になるとみられている。小型グロースとともに大型株の手掛けにくさが意識される局面が到来したとしても、バリュー株の株主還元強化は、引き続き有望な投資テーマとなる可能性が高い。  例えば鉄鋼セクターでは、日本製鉄<5401.T>など大手3社の配当利回りは4%台に上る。一方、愛知製鋼<5482.T>と大同特殊鋼<5471.T>は3%を下回る水準で、PBR(株価純資産倍率)は1倍以下。東証による低PBR改革の潮流下で、大手の水準に追従する形での株主還元策における新たなアクションに期待したい。また、直近ではペロブスカイト太陽電池関連株がにぎわったが、「国策」という共通項でその効果に注目したいのが、6月より始まる定額減税だ。プチ贅沢的な消費の矛先となると期待される美容関連のビューティガレージ<3180.T>は下値を切り上げる動きとなっているほか、旅行予約サイトのアドベンチャー<6030.T>は自社株買い公表後、急ピッチに戻りを試している。  あすのスケジュールでは、国内では4月全国スーパー売上高が公表される予定。海外ではユーロ圏と米国で5月製造業PMIとサービス業PMIが発表されるほか、米国の4月新築住宅販売件数の発表も控える。主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会合が25日までの日程でイタリアにおいて開かれる。 出所:MINKABU PRESS 2024/05/22 17:03 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=サンリオ、複数キャラクター戦略で中計前倒しへ  サンリオ<8136.T>は3月27日に年初来高値3137円をつけたあと調整しているが、ここは拾い場と考えたい。  5月14日に発表した24年3月期連結決算は、営業利益が269億5200万円(前の期比2.0倍)となり、14年3月期に記録した過去最高益を10年ぶりに更新した。国内の店舗・テーマパークが成長を継続したことに加えて、複数キャラクター戦略により国内ライセンス事業が2ケタ増となったことが牽引。また、海外は北米/中国のライセンス事業が牽引した。  25年3月期はハローキティ50周年効果でキャラクター商品販売やテーマパークの収益拡大が期待できる。複数キャラクター戦略が奏功し、ライセンス事業も国内、北米、アジアなどで伸長する見通し。会社側の営業利益300億円(前期比11.3%増)予想は保守的との見方が一般的で、350億円以上を見込む調査機関が多い。  決算と同時に発表した新たな中期経営計画では、27年3月期に営業利益400億円以上を目指す。北米や中国などで事業を強化するほか、日本でのライセンス事業やインドなどの新たな地域での収益を拡大させる方針だが、複数キャラクター戦略などによる収益源の拡大などで、数値目標は前倒し達成される可能性が高いだろう。(仁) 出所:MINKABU PRESS 2024/05/22 10:00 みんかぶニュース コラム 22日の株式相場見通し=弱含み、エヌビディア決算控え持ち高調整主体の展開へ  22日の東京株式市場で日経平均株価は弱含みで推移する見通しだ。前日の欧州の主要株価指数は総じて下落。米株式市場ではNYダウは反発し、ナスダック総合株価指数は連日で最高値を更新した。米連邦準備制度理事会(FRB)の高官から早期の利下げに慎重な発言が相次いだものの、カナダの4月消費者物価指数(CPI)の伸びが鈍化したことを受けて債券選好の流れとなり、米長期金利が低下し、米国株の支えとなった。米経済の軟着陸期待が根強いなかで、投資家の不安心理を示すVIX指数も低下した。半面、半導体大手のエヌビディア<NVDA>の決算発表を控えポジションを一方向に傾けにくい地合いとなり、上値を追う姿勢は限られた。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は0.3%安。シカゴの日経平均先物は、6月限が3万8860円とやや水準を切り下げて取引を終えている。東京市場においては、夜間の先物の軟調な動きが意識され、日経平均株価は安く始まると想定される。エヌビディアの決算を見極めたいとのムードが強く、日中は主力株を中心にいったん持ち高を整理する目的の売りが広がりやすい。また、米国の原油先物と金先物相場の下落は、石油関連や非鉄など資源株の重荷となるとみられている。一方、ドル円相場は1ドル=156円台前半での推移を続けており、輸出関連株の下支え要因となる見通し。取引開始前に日本の3月の機械受注が公表されるが、市場の予想よりも良好な結果となり、機械・精密機器関連セクターに好反応が見られれば、市場心理にはプラス効果をもたらしそうだ。日経平均株価は取引時間中、3万8700円から3万9000円の範囲で推移する公算が大きい。  21日の米株式市場では、NYダウ平均株価が前週末比66ドル22セント高の3万9872.99ドルと反発。ナスダック総合株価指数は同37.750ポイント高の1万6832.624だった。  日程面では、国内では3月機械受注のほか、4月の貿易収支が発表される予定。財務省が40年債入札を実施する。海外では4月30日~5月1日開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨のほか、米4月中古住宅販売件数が公表される。エヌビディアに加え、ターゲット<TGT>の決算発表も控えている。 出所:MINKABU PRESS 2024/05/22 08:00 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=損保株は上昇、金融株高の地合いは消えず  21日の東京市場で日経平均株価は前日比122円安と反落した。前日の米株式市場で半導体株などが上昇したことを背景にナスダック指数は最高値を更新。これを受け東京市場も朝方は買いが先行し、日経平均株価は一時270円を超える上昇となった。しかし、後場にかけて値を消し結局3万9000円を割り込んだ。  「22日のエヌビディア<NVDA>の決算発表を前に様子見姿勢も強まった」(市場関係者)様子だ。東証プライム市場の売買代金も3兆9000億円台とやや細り気味となった。  市場には、エヌビディアの5~7月期売上高は前年同期比2倍に急増するとの予想も出ているようだ。ただ、同社の株価には業績急拡大をすでに織り込んでいる面もあるだけに、実際の反応は蓋を開けてみないと分からない面も多そうだ。特に、東京市場では日経平均株価に与える東京エレクトロン<8035.T>やアドバンテスト<6857.T>など半導体関連株の影響は大きいだけに、エヌビディアの動向は無視できない。  とはいえ、より大きな相場のポイントは世界的なカネ余り相場の行方であり、基調にある過剰流動性を背景に短期筋などのホコ先は生成AIに絡む半導体株に向かっている面がある。エヌビディアの決算が予想を上回れば半導体株が一段高となり、下回れば半導体に向かっていた資金は他セクターに向かい、株式市場から流出するには至らないだろう。  そんななか、半導体関連株と並ぶ投資先となりそうなのが銀行など金融株だ。今日の東京市場では、20日に決算を発表した東京海上ホールディングス<8766.T>やMS&ADインシュアランスグループホールディングス<8725.T>が急伸した。今期減益予想が嫌気されたSOMPOホールディングス<8630.T>は下落したものの、3社ともに配当利回りは3%超の水準にあり再評価余地は大きい。  同じく配当利回りが3%を超える三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>、三井住友フィナンシャルグループ<8316.T>、みずほフィナンシャルグループ<8411.T>のメガバンクともども金融株はエヌビディア決算の内容に関わらず株高の地合いは変わらないとみられる。  今晩は米国でウィリアムズ・ニューヨーク連銀総裁の講演などが予定されている。明日は朝方の取引開始前に、3月機械受注や4月貿易統計などが発表される。海外では前述のエヌビディアに加えシノプシス<SNPS>、アナログ・デバイセズ<ADI>の決算が発表される。4月30日~5月1日開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録も公表される。 出所:MINKABU PRESS 2024/05/21 17:00 みんかぶニュース コラム 21日の株式相場見通し=続伸、米半導体株の上昇が追い風に  21日の東京株式市場で日経平均株価は続伸する見通しだ。前日の米株式市場でNYダウは反落。JPモルガン・チェース<JPM>最高経営責任者(CEO)のジェイミー・ダイモン氏が投資家向け説明会で早期の退任を示唆し、自社株買いに関して後ろ向きな発言をしたことを受けて同社株が大幅安となったことが重荷となった。一方、アナリストによる目標株価引き上げがあったエヌビディア<NVDA>が買われ、半導体株は軒並み高。ナスダック総合株価指数は最高値を更新した。米ハイテク株の頑強ぶりが投資家のリスク許容度を高めるなか、ドル円相場は1ドル=156円台前半とドル高・円安方向に振れており、東京市場では半導体関連や輸出株を中心に買いが優勢となりそうだ。一方、22日に予定されるエヌビディアの決算内容を見極めたいとのムードもあり、朝高後は様子見機運が強まりやすく、短期筋による仕掛け的な売買で株価指数が上下に振れる展開も想定される。半導体関連のほか注目されるのが損保株だ。前日の取引終了後に各社は相次いで自社株買いなど積極的な株主還元策を発表している。株価がポジティブな反応を示した場合、投資家心理を支えることとなりそうだ。日経平均株価は取引時間中、3万9200円から3万9600円の範囲で推移するとみられている。  20日の米株式市場では、NYダウ平均株価が前週末比196ドル82セント安の3万9806.77ドルと反落。ナスダック総合株価指数は同108.908ポイント高の1万6794.874だった。  日程面では、国内では4月首都圏マンション市場動向が公表される予定。日銀が「金融政策の多角的レビュー」に関する第2回ワークショップを開催する。海外ではユーロ圏で3月の経常収支、貿易収支などが発表される予定。米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁など米連邦準備制度理事会(FRB)高官の発言機会も控えている。 出所:MINKABU PRESS 2024/05/21 08:01 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=住友ゴ、連結PBR0.7倍台と割安  住友ゴム工業<5110.T>に注目したい。大手タイヤ企業の同社の第1四半期(1~3月)連結営業利益は、前年同期比2.7倍の206億9600万円と大幅増益となった。円安の追い風もありタイヤ事業などが伸びた。これを受け同社では第2四半期の業績予想の増額修正を発表したが、24年12月期通期の同利益は610億円(前期比5.4%減)で据え置かれた。ただ、経費削減効果もあり市場には670億円前後への増額期待が強い。  足もとの株価は強含みで推移しているが、連結PBRは0.7倍台、配当利回りは3.1%前後となお割安感は強い。先行き15年3月につけた2313円の史上最高値の更新を目指す展開が期待できそうだ。(地和) 出所:MINKABU PRESS 2024/05/20 10:00 みんかぶニュース コラム 20日の株式相場見通し=リスク選好ムード続き底堅い、米半導体株安は重荷  20日の東京株式市場で日経平均株価は底堅く推移する見通し。前週末の米株式市場でNYダウは反発し、終値ベースで初めて4万ドル台に乗せた。米国経済の軟着陸(ソフトランディング)期待をもとにした投資家のリスク選好姿勢が強まり、全体相場を支援した。一方、ナスダック総合株価指数は小幅続落。エヌビディア<NVDA>は2%近く下げるなど、半導体関連は総じて軟調に推移しており、東京市場においてハイテク関連株の買い手控え要因となる可能性が高い。また日本国内では、農林中央金庫が債券運用で含み損を抱え、25年3月期が最終赤字の見通しとなり、1兆円規模の資本増強を検討していると報じられている。地銀各行は今期の業績予想の開示を済ませているとはいえ、外債投資を積極化した過去がある。銀行株は前週末に上昇圧力が掛かっていたことから、売りに押される展開も想定される。半面、ドル円相場が1ドル=155円台後半での推移を続けている点は、輸出関連株を下支えする要因になる見込みだ。主要企業が自社株買いを相次いで発表したことを受け、株式需給の改善期待も広がっており、下値を追う姿勢は限定的となるとの見方は多い。テクニカル面でも日経平均は5日移動平均線が25日移動平均線を上抜けてゴールデンクロスを形成しており、上昇トレンドを見込んだ買いを誘いやすい。日経平均は取引時間中、3万8500円から3万9000円の範囲で推移するとの見方が出ている。加えて、サウジアラビアのムハンマド皇太子が23日までの日程で来日する。21日の岸田文雄首相との首脳会談を前に、経済分野での包括協力の内容が伝わっており、水素供給網の強化などが盛り込まれるという。ムハンマド皇太子はアニメやゲームの愛好家として知られており、人気クリエーターとの会合や最新ゲームをプレーしてもらう機会を設ける方向で調整が進められているとも報じられており、関連銘柄には思惑的な資金が流入しそうだ。  17日の米株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比134ドル21セント高の4万0003.59ドルと反発。ナスダック総合株価指数は同12.355ポイント安の1万6685.966だった。  日程面では、きょうは国内では3月第3次産業活動指数や4月主要コンビニエンスストア売上高が公表されるほか、10年物価連動国債の入札が予定されている。また、東京海上ホールディングス<8766.T>やMS&ADインシュアランスグループホールディングス<8725.T>、SOMPOホールディングス<8630.T>が決算を発表する。海外では中国で5月の最優遇貸出金利が発表されるほか、ドイツの4月生産者物価指数が公表される予定。台湾次期総統の就任式も控えている。 出所:MINKABU PRESS 2024/05/20 08:00 みんかぶニュース コラム 来週の株式相場に向けて=エヌビディア決算機に本格反騰に突入するか  17日の東京市場は日経平均株価が前日比132円安と4日ぶりに反落した。前日の米国市場で半導体関連株などが下落したことが警戒されたほか、過去3日間で日経平均株価が700円強上昇していた反動も出た様子だ。  足もとでは、NYダウやナスダック指数が最高値を更新する一方、日経平均株価は2カ月近い調整局面に入っている。春先までの急伸の反動と言えば、その通りだが「結局は、1989年12月につけた旧最高値(3万8915円)を意識する相場が続いている」(アナリスト)との声も出ている。チャート的には3月22日につけた最高値4万888円から4月19日安値までの下げ幅の2分の1戻しが3万8978円。「半値戻しは全値戻し」という格言もあり、上昇基調に拍車がかかるかどうかの大きなポイントに差し掛かっている。  そんななか、来週はいよいよ22日に米半導体大手エヌビディア<NVDA>の決算発表がある。ちょうど3カ月前の2月のエヌビディア決算ではその好内容が評価され、半導体株高のなか、日経平均株価は34年ぶりの最高値更新へ駆け上がったことは記憶に新しい。  東京エレクトロン<8035.T>やアドバンテスト<6857.T>といった半導体関連株が日経平均株価に与える影響は大きい。それだけに、エヌビディアの決算次第で一気に上昇基調を強めることも、逆に再び下落基調となることも起こり得る。来週は「テック相場」入りするか、あるいは三井住友フィナンシャルグループ<8316.T>など銀行株を中心とする「バリュー株相場」の色彩が強まるかの大きな岐路となりそうだ。また、22日には4月30日~5月1日開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録が公表され、米金融政策の行方を探るうえで注目を集めそうだ。  上記以外のスケジュールでは、来週は海外では22日に米4月中古住宅販売件数、23日に同新築住宅販売件数、24日に同耐久財受注が発表される。20日にキーサイト・テクノロジー<KEYS>、22日にシノプシス<SNPS>、アナログ・デバイセズ<ADI>などの決算発表が予定されている。  国内では21日に日銀「金融政策の多角的レビュー」に関する第2回ワークショップが開催される。22日に4月貿易統計、24日に4月消費者物価指数(CPI)が公表される。20日に東京海上ホールディングス<8766.T>やSOMPOホールディングス<8630.T>、MS&ADインシュアランスグループホールディングス<8725.T>の決算発表が予定されている。来週の日経平均株価の予想レンジは3万8400~3万9200円前後。(岡里英幸) 出所:MINKABU PRESS 2024/05/17 17:18 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=Arent、建設業界のDX化進展で一段の飛躍機運  Arent<5254.T>の株価水準の更なる切り上がりに期待したい。同社は建設業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)化を支援するためのコンサルティングやシステム開発・製品販売などを展開。9日に発表した24年6月期第3四半期累計(23年7月~24年3月)の連結決算は、売上高が前年同期比53.5%増の21億8600万円、最終利益が同2.3倍の4億1400万円となり、直近3カ月となる1~3月期の売上高と各利益は四半期ベースで過去最高となった。  人手不足の構造的な問題を抱え、生産性向上の余地がある建設業界において、Arentの課題解決力に対するニーズは拡大の一途にあるとみられ、中期的な事業成長への期待は根強い状況にある。業界大手の複数のサブコン・ゼネコンとのプロダクト開発に関連する売上高も規模が拡大しており、安定的な成長に寄与している。  日足チャート上では5日移動平均線と25日移動平均線が5月に入りゴールデンクロスを達成した。今年3月につけた年初来高値と5月の安値の半値戻しの水準となる5852円近辺を突破すれば、反騰機運を一段と強めそうだ。(碧) 出所:MINKABU PRESS 2024/05/17 10:00 みんかぶニュース コラム 17日の株式相場見通し=反落、欧米株上昇一服で利食い誘発  17日の東京株式市場は主力株をはじめ広範囲に利益確定の売りに押される地合いが想定され、日経平均株価は4日ぶりに反落する公算が大きい。ここ世界的に株式市場ではリスクを取る動きが優勢だったが、足もとでは上昇一服局面となっている。前日の欧州株市場では独DAX、仏CAC40、英FTSE100など主要国の株価指数が総じて軟調だった。また、米国株市場ではNYダウが午前中の取引で初の4万ドル大台乗せを果たしたが、午後の取引では値を消す形となり結局小幅ながらマイナス圏で引けている。ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も狭いレンジでの値動きとなったが、午後は上値の重い展開となりマイナス圏で取引を終えた。米国では4月の消費者物価指数(CPI)の発表を受けて、FRBによる早期利下げ期待が再燃し上値指向を強めたものの、足もとで過熱感も拭えず、この日は利益確定を急ぐ動きが買いの勢いを上回った。ダウは今月に入って2000ドル以上の上昇をみせており、フシ目の4万ドル大台に乗せたことで目先達成感からの売りを誘発した格好だ。欧米株市場が上昇一服となったことで、きょうの東京市場も見送りムードが強まりそうだ。ここ低下基調にあった米長期金利が下げ止まったことから、外国為替市場ではドルが買い戻され円安方向に振れており、これは輸出セクター中心に株価の下支え材料となる可能性はある。日経平均は3万8000円台半ばから後半の水準で売り買いを交錯させそうだ。  16日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比38ドル62セント安の3万9869ドル38セントと3日ぶり反落。ナスダック総合株価指数は同44.069ポイント安の1万6698.321だった。  日程面では、きょうは3カ月物国庫短期証券の入札が予定。海外では4月の中国70都市の新築住宅価格動向、4月の中国工業生産高、4月の中国小売売上高、4月の中国不動産投資、4月の中国固定資産投資、4月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値、4月の米景気先行指標総合指数など。 出所:MINKABU PRESS 2024/05/17 08:00 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=怒涛の世界株高とスタグフレーション  きょう(16日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比534円高の3万8920円と3日続伸。前日の米国株市場ではビッグイベントであった4月の米消費者物価指数(CPI)の伸び率が事前コンセンサスを若干下回ったことを受け、主力株中心にこれが好感されてリスク選好の地合いが演出された。前日の欧州株市場もほぼ全面高で、きょうのアジア株市場も全面高、当然ながらアジアの一員である東京市場もこれについて行く格好となった。  取引時間中は、米長期金利低下を背景に急速に円高に振れる為替市場を横目にしながら伸び悩む場面もあったが、後場終盤に入ると先物主導のインデックス買いで日経平均が押し上げられた。もっともTOPIXの上げは小幅にとどまっており、日経平均が独走した感が強い。何よりも値下がり銘柄数が1000近くに及び値上がり銘柄数を大幅に上回っていることから、一般投資家にとってはあまりリスクオンが実感できない地合いだったはずである。  改めて世界のマーケットを見渡せば強気一色といっても過言ではないような状況だ。欧州株市場では英国に続き、ドイツの主要株価指数であるDAXも最高値を更新したが、直近ではこれに続いてフランスCAC40も最高値街道に突入した。米国では前日にNYダウ、ナスダック総合株価指数、S&P500指数の3指数が揃って最高値を更新。アジア市場では半導体王国の台湾が最高値街道を突き進み、更にオーストラリアが最高値近辺で推移、南米ではアルゼンチンも最高値水準で強調展開を維持している。日本株優位論に沸いた1~3月の喧騒が東京市場にもそろそろ戻って来ていい頃合いだ。  日本株も1月から3月上旬にかけては、日経平均がまさに爆騰モードで7000円あまりの上昇をみせた。2008年のリーマン・ショック後に日経平均は7000円近辺まで売り込まれたが、今年は年初からわずか3カ月で、当時の日経平均の時価総額まるごと全部を創出したような状況となった。ただ、その奇跡の3カ月がもたらした高揚感は、ここ最近はご無沙汰状態といってもよい。ある意味世界の中でもっとも冷めた市場かもしれない。  きょうは為替のドル安・円高が急速に進んだことが邪魔をした面はあるが、それでも後場取引終盤は日経225先物主導の買い戻しが利いて、この日の高値圏で着地した。しかしながら今一つ不完全燃焼、ジグソーパズルで言えば足りないピースが存在する。プライム市場だけを見ていると肌感覚が伴わないが、今のグロース市場に目を向けると荒れ果てた状態にあり、これは今後の不安要因として意識せざるを得ない。きょうはグロース市場指数とグロース250指数はともに年初来安値を更新した。しかも昨年10月の安値も下回っており、投資マネー離散の現状を如実に物語っている。  昨年10月時点で日経平均は3万円台ソコソコの水準だった。グロース市場を炭鉱のカナリアに見立てれば、昨年の秋口にカナリアは確かに鳴き止んでいた。だが、主力銘柄は崩れなかった。日経平均はその後4万円台まで怒涛の上昇波を形成した経緯は周知の通りだ。今回はどうか、仮死状態にあるカナリアが息を吹き返すのかどうか、それとも全体波乱相場の予兆なのか見極めていく必要がある。きょうは東京エレクトロン<8035.T>、アドバンテスト<6857.T>などをはじめ生成AI関連で潤う半導体株が相場を牽引した。しかし、これらは皆グローバルエリアで活躍するゼロワンクラスの銘柄群だ。今朝がた発表された1~3月期の国内総生産(GDP)は2四半期ぶりのマイナス成長となったが、内需のマイナスは4四半期連続だ。個人消費も落ち込みが止まらない。米国経済のスタグレーション懸念が東京株式市場でも警戒されていたが、むしろ足もと警戒すべきは国内のスタグフレーションのようだ。小型の内需株が集積するグロース市場の低迷は、実質賃金上昇など夢物語の「日本企業の99%を占める中小企業」の苦悩を代弁しているようにも見える。  あすのスケジュールでは、国内では特に目立ったイベントはないが、午前中に3カ月物国庫短期証券の入札が予定されている。海外では4月の中国70都市の新築住宅価格動向、4月の中国工業生産高、4月の中国小売売上高、4月の中国不動産投資、4月の中国固定資産投資など中国での重要経済指標発表が集中する。このほか4月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)改定値、4月の米景気先行指標総合指数など。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/05/16 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=エラン、CSセットが順調に拡大  エラン<6099.T>は5月8日、24年12月期第1四半期(1~3月)の連結決算を発表。経常利益は前年同期比6.8%増の10億6500万円となり、上半期計画の17億円に対する進捗率は62%超となった。  介護医療関連事業の主力サービスである「CS(ケア・サポート)セット」をより普及・拡大させるため、全国28カ所の本支店及び営業所から営業活動を施設(病院及び介護老人保健施設など)に対して展開したことが奏功。導入施設数は2360(23年12月期末は2320)、月間利用者数は43万5576人(同42万8503人)に増加した。  株価は5月9日に直近高値1080円をつけたあとは調整色を強めているが、日足チャートでは25日線と75日線が徐々に接近。ゴールデンクロスが実現すれば、出直り機運が高まりそうだ。(参) 出所:MINKABU PRESS 2024/05/16 10:00 みんかぶニュース コラム 16日の株式相場見通し=続伸、欧米株最高値相次ぎリスクオンに  16日の東京株式市場は主力株をはじめ広範囲に買いが広がり、日経平均株価は上値追い指向を強めそうだ。世界的にリスクオンの流れが強まっている。前日の欧州株市場で主要国の株価指数が総じて上昇し、独DAX、仏CAC40、英FTSE100がいずれも史上最高値を更新した。また、米国株市場ではNYダウが続伸し約1カ月半ぶりに最高値をつけ、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も連日で最高値を更新した。米国ではこの日の朝方に発表された4月の米消費者物価指数(CPI)が市場コンセンサスを下回る伸び率となり、インフレに対する過度な懸念が緩和され投資家心理が強気に傾いた。米長期金利が4.3%台まで低下し、株式の相対的な割高感が薄れたことも追い風となっている。半導体関連株も総じて強く、エヌビディア<NVDA>やアドバンストマイクロデバイシズ<AMD>、アプライド・マテリアルズ<AMAT>といった銘柄が大幅高に買われ、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も大幅に水準を切り上げ4連騰と上昇基調を強めた。これを受け相対的に出遅れる東京市場でもリスク選好の地合いが予想され、日経平均は3日続伸し3万8000円台後半に歩を進めそうだ。ただ、日米金利差縮小を背景に外国為替市場では急速にドル安・円高方向に振れており、これが全体相場の上値を押さえる可能性もあり、買い一巡後の動きが注目される。  15日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比349ドル89セント高の3万9908ドル00セントと続伸。ナスダック総合株価指数は同231.210ポイント高の1万6742.390だった。  日程面では、きょうは1~3月期国内総生産(GDP)、3月の鉱工業生産(確報値)など。海外ではフィリピン中銀による政策金利発表、4月の米輸出入物価指数、4月の米鉱工業生産指数・設備稼働率、4月の米住宅着工・許可件数、5月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数など。 出所:MINKABU PRESS 2024/05/16 08:00 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=半導体セクターに復活の兆候  きょう(15日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比29円高の3万8385円と小幅続伸。前日の米株高と円安を好感して朝方こそ大きく買いが先行する場面があったが、寄り後20分弱で天井を形成、それ以降は一貫して下値を切り下げた。値下がり銘柄数が全体の7割を占め実質的には下げ相場だ。米消費者物価指数(CPI)発表前で持ち高を減らしておきたいという思惑が働くのは仕方ない、という解釈が一般的だがそれはおそらく本質とは異なる。本家本元の米国では直前にきてナスダック総合株価指数が史上最高値を更新しており、東京市場が買えない理由を米CPIになすり付けるのは無理がある。  そうしたなか光明は半導体関連株が軒並み息を吹き返したこと。前日の米国株市場で半導体関連株が総じて買われたことが追い風となったが、それだけではなさそうだ。米国とは違って、日本企業の決算発表では今期業績の保守的な見通しが買いの気勢を削いだ。とりわけ半導体関連セクターは決算発表の内容次第で株価が極端に振れるケースが目立つ。したがって総論では“まだ買えない”というコンセンサスが漂っていたのだが、きょうで決算発表ラッシュが終了することもあり、ネガティブな流れが変わりつつある。  来週22日に予定される米画像処理半導体大手エヌビディア<NVDA>の決算が大きな意味を持つ。しかし、既にマーケットは同社の強い業績ガイダンスを先取りしているようなムードもある。市場筋は「台湾の半導体受託生産最大手TSMC<TSM>の4月の月次売上高が過去最高であったこと、更に生成AI関連が需要を喚起しているAIサーバー用半導体は、今後増勢が強まるとの見方が支配的であり、エヌビディアの今回の決算(及び見通し)はかなりポジティブなものになるのではないか」(中堅証券アナリスト)と指摘する。実際の数字的な部分はフタを開けてみないことには分からないが、事前の期待が強すぎると、得てしてその高いハードルに足をとられるケースもありがちだ。だが、エヌビディアの現在の株価は上場来高値圏より低い位置で瀬踏みしている状態にあり、その点では今回の決算発表で出尽くし売りという選択肢を引く可能性は低いように思える。  米国では半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)が戻り足を強め、底入れ反転後の上昇一服場面からもう一段上のステージをうかがう場面にある。ちなみにSOX指数のチャートの起伏は構成銘柄の一つでもあるエヌビディアと非常に似ている。代表的な半導体関連株でもSOX指数とは必ずしも値動きは連動しておらず、例えばインテル<INTC>やアドバンストマイクロデバイシズ<AMD>は依然として株価は低位を這っている状況だ。対してエヌビディアやTSMCの株価は復元力の強さが浮き彫りで、そのチャートはそのままSOX指数にオーバーラップしている。  米半導体関連株には跛行色がみられ、これは東京市場でも同じことがいえる。そのなか半導体主力株のなかで同業他社よりも早く調整モードを強いられていたのがアドバンテスト<6857.T>だった。しかし、ここにきて満を持して底入れ足を明示しておりマークしておきたい。同社株は遅かれ早かれ5日・25日移動平均線のゴールデンクロス(GC)がみられそうだが、仮にGC示現の時には今よりだいぶ株価水準は切り上がっている公算が大きい。したがって、時価5000円台前半の水準は打診買いを入れてよいタイミングである。  また、半導体関連で括れるかは微妙だが、英半導体設計アーム<ARM>を傘下に置くソフトバンクグループ<9984.T>の戻り足にも着目。24年3月期は最終赤字継続ながら損失幅は縮小傾向となった。決算内容については評価が分かれるところだが、時間軸的に決算発表通過で怖いものがなくなった。AI分野に経営の重心を置くことを明確に打ち出しており、エヌビディアと同じ路線を走る銘柄として株価連動性を高める可能性がある。  あすのスケジュールでは、朝方取引開始前に1~3月期国内総生産(GDP)が開示される。また、午前中に1年物国庫短期証券及び20年物国債の入札が行われる。午後取引時間中には3月の鉱工業生産(確報値)の発表がある。海外ではフィリピン中銀による政策金利発表のほか、4月の米輸出入物価指数、4月の米鉱工業生産指数・設備稼働率、4月の米住宅着工・許可件数、5月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数など。また、週間の米新規失業保険申請件数も注目される。海外主要企業の決算発表ではアプライド・マテリアルズ<AMAT>、ウォルマート<WMT>(いずれも2~4月期)が予定されている。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/05/15 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=大栄環境、参入障壁が高い施設保有が強み  大栄環境<9336.T>は、業績拡大期待を背景に、3月1日につけた年初来高値2874円更新から更なる上値を目指しそうだ。  同社は、産業・一般廃棄物の収集運搬、中間処理、最終処分をワンストップで提供する国内最大級規模の廃棄物処理業者。特に最終処分場や焼却施設といった参入障壁が高い施設群を有しているのが強みで、24年3月期時点で全国の自治体の約26%となる467自治体と取引がある。  5月13日に発表した24年3月期決算は、営業利益が197億1400万円(前の期比18.6%増)となった。インフラ開発案件に伴う廃棄物処理需要を獲得したことや三木バイオマスファクトリーが昨年10月に本格稼働したこと、更にパートナー企業や自治体との廃プラスチック資源循環システムの構築に注力したことなどにより廃棄物の受入量が拡大。また、内製化によるコスト削減を進めたことも寄与した。  今後も強みである最終処分場や焼却施設といった施設を有することに加えて、M&Aや処理能力の拡張を行うことで高い業績成長が期待できる。また、公民連携(PPP)を通じた取引自治体数の拡大も見込まれる。足もとで老朽化などによる自治体施設トラブルの発生により、一時的な処理受託が増加していることなどもプラスに働こう。会社側では25年3月期営業利益205億円(前期比4.0%増)を見込むが、230億円強を見込む調査機関もある。(仁) 出所:MINKABU PRESS 2024/05/15 10:00 みんかぶニュース コラム 15日の株式相場見通し=続伸、米株高受けリスクオンの地合いに  15日の東京株式市場は主力株中心に買い優勢の地合いが継続し、日経平均株価は続伸する公算が大きい。3万8000円台半ばから後半にかけての強調展開が見込めそうだ。前日の米国株市場では米長期金利が低下基調となるなかリスク選好ムードとなり、ハイテク株や景気敏感株など幅広く買いが広がった。NYダウ、ナスダック総合株価指数ともに取引後半に上げ足を強める展開で、ナスダック指数は終値で4月11日の高値を上回り約1カ月ぶりに史上最高値を更新した。この日の朝方発表された4月の生産者物価指数(PPI)は市場コンセンサスから上振れたものの、3月分が下方修正されたことがポジティブ視された。パウエルFRB議長の金融イベントでの発言では、政策金利は当面現状維持する方針を示したが、これまでと同じく次の政策変更が利上げではなく利下げの可能性が高いとの認識を示したことで、マーケットに特に嫌気されることはなかった。米株高を受けきょうの東京市場でも強気が優勢となりそうだ。米株市場では半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も上昇、外国為替市場では円安水準が維持されていることで、半導体セクターに追い風として意識される。ただ、日本時間今晩に発表される4月の米消費者物価指数(CPI)を控え、買い一巡後は様子見ムードが広がる可能性もある。  14日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比126ドル60セント高の3万9558ドル11セントと反発。ナスダック総合株価指数は同122.942ポイント高の1万6511.180だった。  日程面では、きょうは4月の訪日外国人客数など。海外では1~3月期ユーロ圏域内総生産(GDP)改定値、3月のユーロ圏鉱工業生産指数、5月のNY連銀製造業景況指数、5月の全米住宅建設業協会(NAHB)住宅市場指数、4月の米消費者物価指数(CPI)、4月の米小売売上高、3月の米企業在庫など。なお、香港と韓国市場が休場。 出所:MINKABU PRESS 2024/05/15 07:59 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=米CPI発表前で錯綜する思惑  きょう(14日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比176円高の3万8356円と反発。方向感の定まらない地合いというが、5分足チャートを見ると文字通り往ったり来たりで行き先の見当がつかない酩酊状態を思わせるような値動きとなった。日経平均は朝方にリスク選好で始まったものの買いが続かなかった。案の定、前場後半に下げに転じたが、後場終盤に再び買い板が厚くなり、結局プラス圏に再浮上して後場の高値で引けた。  前場の崩れ足は国内長期金利の上昇を嫌気したというが、10年債利回りは依然として1%未満で外国為替市場はどこ吹く風で1ドル=156円台の円安が進行。“売りの材料不足”で最後は小さいながらも陽線で着地し帳尻を合わせた。しかし、値下がり銘柄数が値上がりを上回るなど見た目より体感温度は低い。3万8000円台半ばで25日移動平均線と75日線のデッドクロスが示現したが、テクニカル的には様子見の時間帯にある。  個別株は全体相場とは別次元で考えておく必要があるのは当欄でも主張してきた通りだが、いかんせん今は半導体関連株に跛行色が目立ち、波に乗れていないのが痛いところ。この日も24年12月期上期(1~6月)の業績予想を増額修正した日本マイクロニクス<6871.T>が大きく売り叩かれたほか、24年12月期第1四半期(1~3月)決算で最終67%増益達成の東京応化工業<4186.T>が大幅安を強いられるなど、決算期待が裏目に出るにせよ、少々合理から外れた首を捻ってしまうような下げに見舞われている。たとえ実態が良い銘柄でも決算跨ぎの株は極力持つべきではないというのは、好決算を発表しても、このように需給先行で過剰に売り込まれるケースがあるからだ。チャートの位置的にもボックス圏で推移し、出尽くしと言われるほど高いポジションにいないのにもかかわらず、容赦ない売りの洗礼が浴びせられる。これは投資マインドを疑心暗鬼に陥らせるに十分なインパクトがある。鉄火場を避け、決算発表後の銘柄の値動きをよく確認しながら、好実態株に照準を絞る方が勝ちやすい。  全般論としては、あす15日に発表が予定される4月米消費者物価指指数(CPI)の結果を見極めないことには、おいそれとは動けないという状況。事前コンセンサスは総合指数で前年同月比3.4%、前月比では0.4%の上昇。また、コア指数は前年同月比3.6%、前月比で0.3%の上昇というところだが、万が一この数字を上振れた場合は、ここ強調展開が続いていた米国株市場は少なからず影響を受けそうだ。  もっともそれを承知で米国株市場は強い動きを続けてきた。前日こそ売りに押され小幅に反落したとはいえ、その前日まで8連騰と上値追いを満喫、この間に1700ドル近く水準を切り上げた。「もし、米CPIが上振れして米国株が崩れた時は買い場と判断している向きが多い」(中堅証券ストラテジスト)という声も聞かれる。なお、これに先立って、日本時間今晩にパウエルFRB議長のオランダ・アムステルダムでの討議参加が予定されている。ECBエリアということもあって、比較的ハト派的な論調でまとめてくるのではないかという見方もあり、CPI発表の緩衝材となる可能性もある。  個別株は決算発表一巡後にテーマ買いの動きが復活しそうだ。あす引け後に開示される4月の訪日外客数を前にインバウンド関連の一角に目を向けておきたい。きょうは好決算発表を受けコメ兵ホールディングス<2780.T>が急騰を演じたが、業態の近いシュッピン<3179.T>もマークしておきたい。また、ホテル事業に力を入れるツカダ・グローバルホールディング<2418.T>の400円台も食指の動く水準で、投資指標面からPERが5倍、PBRも0.8倍と、インバウンド関連のなかでは割安感が際立つ。  あすのスケジュールでは取引時間中に特に目立ったイベントはないが、引け後に4月の投信概況が開示されるほか、4月の訪日外国人客数にマーケットの関心が高い。また、エーザイ<4523.T>、日本郵政<6178.T>、リクルートホールディングス<6098.T>、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>、第一生命ホールディングス<8750.T>などが決算発表を予定している。海外では1~3月期ユーロ圏域内総生産(GDP)改定値、3月のユーロ圏鉱工業生産指数、5月のNY連銀製造業景況指数、5月の全米住宅建設業協会(NAHB)住宅市場指数、4月の米消費者物価指数(CPI)、4月の米小売売上高、3月の米企業在庫など。なお、この日は香港と韓国市場が休場となる。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/05/14 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=ラクトJ、乳製品需要旺盛で上値指向鮮明  ラクト・ジャパン<3139.T>の上値指向が続いており、この流れに乗ってみたい。乳原料やチーズなどの食品原料や食肉加工品などの輸入販売を行う専門商社だが、足もとの業績は変化率の高さが際立つ。  国内事業では輸入乳製品原料や食肉関連商品の販売が好調で収益押し上げに寄与している。また、アジア事業においてもチーズの販売が伸びており全体業績に貢献している。更に製品価格引き上げ効果も利益率向上に反映され、24年11月期第1四半期(23年12月~24年2月)は経常利益が前年同期比50%増の11億1600万円と急拡大した。通期の経常利益は34億円(前期比19%増)を計画しているが、進捗率から上振れする公算がある。  株価は年初来高値近辺に位置するが、時価予想PERは11倍前後と依然として割安感が強く上値余地を示唆。2000円台後半の売り物をこなし、21年4月以来となる3000円大台乗せが視野に入りそうだ。(桂) 出所:MINKABU PRESS 2024/05/14 10:00 みんかぶニュース コラム 14日の株式相場見通し=頑強な値動きか、米ハイテク株堅調で強含み  14日の東京株式市場は売り買い交錯のなか引き続き方向感のつかみにくい地合いとなり、日経平均株価は前日終値近辺で一進一退ながら頑強な値動きが予想される。前日の欧州株市場では高安まちまちもドイツ、フランス、英国など主要国の株価指数は総じて利益確定の売りに押された。また、米国株市場でもNYダウが9日ぶりに反落に転じた。この日の前日まで8日間で1700ドル近い上昇をみせていただけに、その反動が出た形だ。今週15日に発表が予定される4月の米消費者物価指数(CPI)を控え、持ち高調整の売りが上値を押さえた。ただ、ダウの下げ幅は100ドル未満にとどまり、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数の方は反発して引けている。インテル<INTC>やマイクロンテクノロジー<MU>など半導体主力株の一角が強い動きをみせ、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も小幅ながら続伸した。東京市場ではここ日経平均株価の戻り足が鈍く、3万8000円台後半での戻り売り圧力に上値を押さえられる展開が続いている。上値抵抗ラインとなっている25日移動平均線を巡る攻防だが、下値に対しても底堅さが確認されており、きょうは強弱観対立のなかも日経平均は強含みで推移する可能性がありそうだ。  13日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比81ドル33セント安の3万9431ドル51セントと9日ぶり反落。ナスダック総合株価指数は同47.369ポイント高の1万6388.238だった。  日程面では、きょうは4月の企業物価指数、5年物国債の入札、3月の特定サービス産業動態統計、4月の工作機械受注額など。海外では4月の英失業率、5月の欧州経済研究センター(ZEW)独景気予測指数、4月の米生産者物価指数など。 出所:MINKABU PRESS 2024/05/14 08:01 みんかぶニュース コラム 明日の株式相場に向けて=日経平均とは裏腹に躍動する個別株  週明け13日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比49円安の3万8179円と小幅反落。どうにもこうにも上値が重く、何が悪いかと聞かれれば株式需給というよりない。日銀による国債買いオペの減額で動揺を余儀なくされ、金融政策スタンスの変更がしきりに悪材料として囃(はや)されるが、冷静に考えればこれまでの流れの延長であり、今に至って大騒ぎするような話ではない。仮に早晩追加利上げに動いても、ゆっくりと階段をのぼって行くような緩やかな引き締め路線が担保されており、元来相場の基礎体力が強ければ、売り玉は容易に吸収される。それができないのは、今の日本株がグロバールマネーのポジション調整における売りグループの方に入っているためだ。  株式需給の実態悪は時間を経過して数字に反映されるまでは明確には把握できない。しかし、テクニカルが今の需給バランスの閉塞感を裏付けており、年初から3月上旬まで強力な下値支持ラインとして機能していた25日移動平均線が、気が付けば上値抵抗ラインに見事に化けている。騙(だま)し絵を見るような“25日線の裏切り”は、図ったかのような75日線とのデッドクロス演出によって投資家の気勢を削いでいる。  前週末の欧州株市場はリスクオン一色で独DAXや英FTSE100はともに6連騰で最高値街道を快走している。そして仏CAC40も6連騰で遂に史上最高値に躍り出た。米国株市場ではNYダウが8連騰で3万9500ドル台を回復し、約1カ月半ぶりとなる最高値復帰まであと300ドル弱に迫っている。アジアでは中国・上海総合指数や香港ハンセン指数が年初来高値圏でなお上値を慕う動きが鮮明だ。逆行する日本株のウィークポイントが何かに思いを巡らしがちだが、日経平均は年初からわずか3カ月で7000円あまりの上昇をみせ、市場関係者の度肝を抜いたわけで、その揺り戻しであると考えるのが妥当。世界株のリスクオンが続くのであれば、遅かれ早かれ日本株にも再び出番は回ってくる。  個別株の物色意欲は旺盛で、決算発表は次期業績ガイダンスが保守的であれば売り叩きのネタになっているのは確かだが、好内容であれば想定以上に評価されて株価を急騰させるケースも相次ぐ。きょうは、値上がり銘柄数と値下がり銘柄数がいずれも800あまりでほぼ同数という状況。そのなか、値上がり上位をみるとストップ高銘柄のオンパレードであった。決算プレーで実際にうまく立ち回るのは難しいが、物色ターゲットとなった銘柄への投資マネーの流れ込み方は半端ではない。  個別は好決算を発表した銘柄の中から有望と思われる株を漸次絞り込んでいく。例えばテーマ買いの動きとしては今一つ盛り上がりを欠いているが、インバウンド関連では今週央の訪日外客数発表を前に700円近辺で煮詰まっているラウンドワン<4680.T>。5日・25日移動平均線のゴールデンクロスが目前だ。また、データセンターや半導体生産工場など半導体設備投資関連ではダイダン<1980.T>の好業績が光る。PER12倍台は成長力を考慮して割安かつ3%台の配当利回りが魅力だ。AI関連では他社と一線を画す抜群の業績成長路線を走るユーザーローカル<3984.T>の戻り足が輝きを放っている。  このほか、マド開け急伸後に売り物をこなし一段の上値指向で新値圏を舞うエーアンドエーマテリアル<5391.T>。目先的には高値警戒感から利益確定の動きを誘発しやすいが、そこにしっかりと買い向かう動きが観測される。8倍台のPER、0.5倍台のPBR、そして4%超の配当利回りと3拍子揃っていることがその理由。またファインケミカル部門で先端半導体材料に傾注している四国化成ホールディングス<4099.T>も24年12月期第1四半期決算は売上高と経常利益が2ケタの伸びで、進捗率を考慮すれば通期上振れ期待十分。化学セクターでは前週9日に24年3月期決算を発表したダイセル<4202.T>や、8日に開示したタキロンシーアイ<4215.T>などが強いチャートを形成している。  あすのスケジュールでは、4月の企業物価指数が朝方取引開始前に開示され、午前中に5年物国債の入札も予定。午後取引時間中には3月の特定サービス産業動態統計、引け後に4月の工作機械受注額が発表される。なお、国内主要企業の決算発表ではINPEX<1605.T>、楽天グループ<4755.T>、ENEOSホールディングス<5020.T>、ソニーグループ<6758.T>、ニトリホールディングス<9843.T>など。海外では4月の英失業率、5月の欧州経済研究センター(ZEW)独景気予測指数、4月の米生産者物価指数などが注目される。(銀) 出所:MINKABU PRESS 2024/05/13 17:00 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=トクヤマ、高配当利回りで上昇余地  トクヤマ<4043.T>に注目したい。24年3月期の連結営業利益は、前の期比78.8%増の256億3700万円だった。セメントや化学品の値上げや製造コストの削減などが寄与した。25年3月期の同利益は前期比28.7%増の330億円と連続増益の見込み。今期は半導体向け多結晶シリコンの回復が寄与する見通しだ。配当性向30%以上を目指しており、今期配当は前期比20円増の100円を予定している。  業績の増益基調を評価する格好で、足もとの株価は上昇しているが、連結PBRは0.9倍前後で今期予想の配当利回りも3%台と割安感は強い。バリュー株として上値余地は大きく、ここからの一段高が狙える。(地和) 出所:MINKABU PRESS 2024/05/13 10:00 みんかぶニュース コラム 13日の株式相場見通し=強弱観対立、欧米株高も上値重い展開か  13日の東京株式市場は強弱観対立の地合いとなり、日経平均株価は前週末終値近辺でもみ合う展開が想定される。海外市場に目を向けると欧米株市場の上昇基調が継続している。前週末の欧州では独DAXが6連騰で連日の史上最高値圏更新、英国FTSE100も6日続伸し最高値街道を走っている。米国株市場でもNYダウが昨年12月以来となる8日続伸と上値追いが止まらず、3万9500ドル台まで上昇、史上最高値まであと300ドル弱に迫った。マクロでは米長期金利の低下が投資家のセンチメント改善につながっているほか、ミクロ面でも企業業績の好調が改めて好感されている。前週1週間のダウの上げ幅は830ドルあまりに達し、これは昨年12月以来約5カ月ぶりの大きさとなった。前週末はハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数がわずかながらマイナス圏で引けたものの、エヌビディア<NVDA>やマイクロンテクノロジー<MU>など半導体主力株が強い動きをみせ、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は上昇に転じている。これを受けきょうの東京市場はリスク選好の地合いが期待されるところ。ただ、最近は日経平均が欧米株高にキャッチアップできないケースが目立っており、きょうも3万8000円台半ばでは戻り売り圧力の強さが意識され、上値の重い地合いとなる可能性がある。  10日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比125ドル08セント高の3万9512ドル84セントと8日続伸。ナスダック総合株価指数は同5.396ポイント安の1万6340.869だった。  日程面では、きょうは4月のマネーストックが朝方取引開始前に開示される。 出所:MINKABU PRESS 2024/05/13 08:06 みんかぶニュース コラム 来週の株式相場に向けて=米CPIに注目集まるが一進一退継続か  10日の日経平均株価は3日ぶりに反発し、前日比155円高で取引を終えた。一時600円超上昇したが、その後は伸び悩んだ。この日は「先物で買われ、先物で売られた」(市場関係者)といい、やや方向感に欠けた。ゴールデンウイーク明けの今週は4日間の立ち会いだったが、週間では7円安とほぼ横ばいだった。日経平均株価の上値は25日移動平均線(3万8550円前後)に抑えられており、上値の重い展開となっている。  東京市場の上値の重さの要因には、第1には米金融政策への警戒感が挙げられる。また、第2にはトヨタ自動車<7203.T>の25年3月期業績予想が市場予想を下回るなど、業績面への不透明感もあるだろう。  まず米金融政策に関しては、先週の米4月雇用統計などを受け市場には再び利下げ機運が台頭しているが、この期待が続くかどうかだ。特に来週は15日に米4月消費者物価指数(CPI)が発表されるだけに、その結果を市場は注視しそうだ。また、15日には米4月小売売上高も発表されるほか、CPIに先立つ14日には米4月卸売物価指数(PPI)が公表される。加えて、大きな焦点である半導体関連株の動向に関しては16日にアプライド・マテリアルズ<AMAT>の決算発表が予定されており、その結果も関心を集めるだろう。  日本企業の決算では13日のソフトバンクグループ<9984.T>、14日のソニーグループ<6758.T>、15日の三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>などが注目される。決算発表は来週15日には一巡するが、今期業績予想に関しては「会社側からは控え目な数字も出ており、決して悲観的になる必要はないが、その内容を確かめるには夏場の第1四半期(4~6月)決算発表を待つ必要がありそうだ」(アナリスト)との見方もある。日経平均株価の高値をつけたのは3月下旬であり、「小回り3カ月」とすれば、次の転換点は6月下旬頃となる。こうしたなか、当面の相場は一進一退を予想する声も出ている。  上記以外のスケジュールでは、16日に米4月鉱工業生産、同住宅着工件数、17日に中国4月小売売上高などが発表される。15日にシスコ・システムズ、16日にウォルマート<WMT>の決算が予定されている。国内では15日に訪日外客数、16日に1~3月期国内総生産(GDP)が公表される。13日に大成建設<1801.T>、ブリヂストン<5108.T>、14日にSMC<6273.T>、楽天グループ<4755.T>、15日にリクルートホールディングス<6098.T>、エーザイ<4523.T>などの決算発表が予定されている。来週の日経平均株価の予想レンジは3万7800~3万8900円前後。(岡里英幸) 出所:MINKABU PRESS 2024/05/10 17:19 みんかぶニュース コラム <注目銘柄>=インソース、今期最高益・増配見通しで出直り本番へ  インソース<6200.T>はここからの出直りに期待したい。同社は企業研修、公開講座など社会人向け教育サービスの大手。業績は成長トレンドを継続中だが、株価はここ1年以上にわたり調整を続けてきた経緯がある。業務効率化や生産性向上に向けてリスキリング(学び直し)への関心が高まりをみせるなか、同社に吹く追い風は今後ますます強まるだろう。  直近7日に発表した上期(23年10月~24年3月)連結決算は旺盛な需要を捉え、営業利益は前年同期比24%増の24億円だった。今期予想(45億9000万円)に対する進捗は順調だ。前期まで3期連続の営業増益を達成しており、今期も増益で過去最高益を更新する見通しにある。配当も増配基調にあり、今期は前期比2円増の15円を見込む。(イ) 出所:MINKABU PRESS 2024/05/10 10:00 みんかぶニュース コラム 10日の株式相場見通し=反発、欧米株高続き買い戻し誘う  10日の東京株式市場は主力株中心に幅広く買い戻す動きが強まり、日経平均株価は大幅反発し3万8000円台半ばまで水準を切り上げる展開も想定される。前日は欧州株市場で主要国の株価指数が上昇基調を継続し、独DAXや英FTSE100はいずれも5連騰で連日の最高値更新とリスクオンの流れが鮮明。注目された英中銀の金融政策委員会の結果は政策金利を据え置いたものの、ベイリーBOE総裁のコメントなどを受け早晩利下げに動くとの見方が強まった。また、米国株市場でも景気敏感株を中心に物色意欲は旺盛でNYダウは7連騰と気を吐いた。この日に発表された週間の新規失業保険申請件数が事前予想を上回り、労働需給の緩和が意識されるなかFRBによる年内利下げへの期待が全体相場を押し上げる格好となっている。投資マインドが強気に傾くなか、ダウは直近7営業日で1500ドル以上も水準を切り上げた。こうした欧米株市場の強い動きを引き継いで、きょうの東京市場でもリスク選好の地合いが予想される。ただ、米株市場ではエヌビディア<NVDA>やマイクロンテクノロジー<MU>など半導体関連株が冴えず、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は反落となったことで、半導体セクターには風向きが悪く、日経平均の上値を重くする可能性もある。  9日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比331ドル37セント高の3万9387ドル76セントと7日続伸。ナスダック総合株価指数は同43.509ポイント高の1万6346.265だった。  日程面では、きょうは株価指数オプション5月物の特別清算指数(オプションSQ)算出日。このほか、3月の家計調査、3月の国際収支、4月の貸出・預金動向、4月の景気ウォッチャー調査など。海外では5月の米消費者態度指数(ミシガン大学調査・速報値)、4月の米財政収支など。 出所:MINKABU PRESS 2024/05/10 08:00

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