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みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=売り方不在?のイベントドリブン
きょう(12日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比258円安の3万8876円と反落。前場は朝方に320円あまりの下げをみせ、プチ波乱の様相をみせたが、その後は押し目に買い向かう動きが顕在化し下げ渋った。
今週は、日本時間今晩に開示される5月の米消費者物価指数(CPI)や、あす未明に公表されるFOMC、更に日銀の金融政策決定会合とビッグイベントが目白押しだが、そうしたなか、きょうは“SQ週の魔の水曜日”に当たるだけに、投資家サイドも思わず身構えてしまうところ。振り返って前日の欧州株市場は文字通りの全面安に売り込まれた。欧州議会選における極右政党の台頭に伴い政局不安が取り沙汰されている。これで米国株市場が崩れ足となればちょっとした世界同時株安モードであったが、ここでリスクオフの流れは堰き止められた。米株市場では持ち高調整の売りを引き金に利食い急ぎの動きとなったのは朝方だけで、ナスダック総合株価指数はすぐにプラス圏に浮上、NYダウは戻し切れなかったものの下値は固く、0.3%安と“お湿り”程度の下げにとどめた。個別株ではエヌビディア<NVDA>は小安く引けたが、それを忘れさせるパフォーマンスを演じたのがアップル<AAPL>で、7%を超える急伸をみせマーケットに漂う弱気ムードを一掃した。
こうなると、東京市場も売り方が跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)できるほどのネガティブな相場環境には程遠い。朝方に先物主導で若干揺さぶられたものの、そこから一段の実需売りを誘発するには至らなかった。メジャーSQ直前の駆け引きも「コールオプションの強気の建玉が4万円近辺で目立つ」(中堅証券ストラテジスト)という。投資家の体感温度を表す空売り比率は11日現在で38%台と6日ぶりに40%台を割り込んだ。空売り比率は40%台後半になると、下値に対する思惑がかなり強い状態で、ショート筋の露骨な揺さぶりが入るケースも多いが、40%を切ると売り勢力はほぼ離散しているようなイメージだ。目先は買い手控えの中も「閑散に売りなし」という商状を呈している。
最近は全体相場の上値の重さに辟易している投資家も少なくないはずである。6月に入ってからは商いも低調だが、ニューマネーとして期待された投資経験の浅い投資家層が興味を失っているという状況が見て取れる。例えばネット証券大手の話では「新NISAの買い付けは(個別株に投資する)成長投資枠で1月と比較して6割減の状況」としており、証券業界を取り巻く新NISA導入当初の喧騒は雲散霧消したような状態である。しかし、売りで利ザヤを稼ごうと画策するショート筋も少ない。きょうも“魔の水曜日”の片鱗をのぞかせたのは前場の取引開始後1時間程度で、後場は薄商いのなか、終始底堅さが発揮される地合いとなった。すべては今週のビッグイベントを通過した後、ということらしい。
ただ、こういう「待ち」の場面は次に予想されるテーマ買いに目ぼしをつけておくタイミングでもある。最近は半導体や生成AI、あるいはそこから派生したデータセンターといったお決まりのテーマとは路線の異なる「ペロブスカイト太陽電池」関連株の一角が人気化しており、物色裾野が広がる可能性がある。貼合加工で高い技術を持つフジプレアム<4237.T>はペロブスカイト太陽電池分野に照準を合わせており、早晩頭角を現しそうだ。また、特殊潤滑油で強みを持つ化学品メーカーのMORESCO<5018.T>もペロブスカイト素子にダメージを与えない高性能の封止材を開発中、本格開花への期待が大きい。
7月3日から新紙幣の発行が開始されるが、これも経済効果は非常に大きい。インフラ面では券売機などの市場に分かりやすい追い風となるが、既に日本でも普及が進むキャッシュレス決済を加速させる呼び水となる可能性に着目。ネットスターズ<5590.T>やビリングシステム<3623.T>の押し目などをマークしておきたい。
あすのスケジュールでは、週間の対外・対内証券売買契約、4~6月期法人企業景気予測調査がいずれも朝方取引開始前に財務省から開示される。午前中に3カ月物国庫短期証券の入札も予定されている。午後取引終了後には5月の投信概況が発表される。海外では4月のユーロ圏鉱工業生産のほか、5月の米生産者物価指数(PPI)、週間の米新規失業保険申請件数に注目度が高い。また、米30年国債の入札が行われる予定。このほか、この日はウィリアムズ・NY連銀総裁が経済団体のイベントで発言機会があり、その内容にマーケットの耳目が集まる。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/06/12 17:00
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<注目銘柄>=東映アニメ、「DRAGON BALL DAIMA」などに期待
東映アニメーション<4816.T>は今年に入ってからの下落で割高感が払拭されており、打診買いを入れてみたい。
5月13日に24年3月期連結決算を発表し、営業利益は233億6400万円(前の期比18.5%減)だった。売上高は過去最高の886億5400万円(同1.4%増)となったが、「聖闘士星矢 The Beginning」関連の費用が増えたことが利益を圧迫。また、「デジモン」シリーズや「ドラゴンボール」シリーズの商品化権販売が前年同期の勢いには至らなかったことも響いた。
25年3月期は営業利益200億円(前期比14.4%減)と連続減益を見込む。会社側では複数新作の放映開始による製作原価や主力IP群の周年イベントに関わる広宣費の増加、人件費の増加、将来の収益拡大につなげる戦略的な投資などを利益圧迫要因として挙げているが、前期の「聖闘士星矢」関連費用の消失に加えて、「DRAGON BALL DAIMA」の配信権収入、「ONE PIECE」アニメ25周年効果などで、会社計画は保守的との見方が強い。調査機関のなかには同240億円前後を見込むところもあり、上方修正の可能性は十分だろう。(仁)
出所:MINKABU PRESS
2024/06/12 10:00
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12日の株式相場見通し=反落か、重要イベント前で買い手控え
12日の東京株式市場は主力株中心に売り優勢の地合いが予想され、日経平均株価は3日ぶりに反落する可能性が高い。前日は欧州株市場が全面安に売られた。売り一巡後は総じて下げ渋る動きを見せたものの戻せず、欧州議会選における極右政党の台頭に伴う政局不安が重荷となっている。一方、米国株市場では主要株価指数が高安まちまちの展開となった。NYダウは終始軟調な動きで反落したものの、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数と機関投資家が重視するS&P500指数は続伸し、両指数ともに連日で史上最高値を更新した。12日の5月の米消費者物価指数(CPI)とFOMCの結果発表を前にポジション調整の売りがダウの上値を押さえたが、この日はアップル<AAPL>が大幅高で切り返しナスダック指数の上昇に貢献している。取引時間後半に米長期金利が低下傾向となったことも市場のセンチメント改善につながった。東京市場では前日に日経平均が続伸し3万9000円台をキープしたが、朝高後は上げ幅を縮小する動きで結局100円未満の上昇にとどまった。目先は米CPIやFOMCの結果待ちで、週末に日銀金融政策決定会合も予定されることから買い手控えムードは拭えない。週末はメジャーSQ算出も控えており、先物主導で不安定な値動きとなることも予想され、3万9000円台を割り込んで推移する場面も想定される。
11日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比120ドル62セント安の3万8747ドル42セントと反落。ナスダック総合株価指数は同151.017ポイント高の1万7343だった。
日程面では、きょうは5月の企業物価指数など。海外では5月の中国CPI、5月の中国PPI、タイ中銀の政策金利発表、5月の米CPI、5月の米財政収支など。また、米連邦準備制度理事会(FOMC)の結果とパウエルFRB議長の記者会見にマーケットの関心が高い。なお、フィリピン市場は休場。
出所:MINKABU PRESS
2024/06/12 08:00
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=“SQ週の魔の水曜日”ブレークできるか
きょう(11日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比96円高の3万9134円と続伸。続伸はしたが、値下がり銘柄数が全体の62%を占めており、実質的には相場はひと押し入れた感触。TOPIXの方はマイナス圏で着地した。
日本時間あす夜9時半に5月の米消費者物価指数(CPI)が発表されるが、結果がどうあれその余韻に浸る間もなく、日本時間の明後日(13日)未明、午前3時にFOMCの結果が公表、更にその30分後にパウエルFRB議長の記者会見が行われる。米CPIについては総合指数の伸び率が前年同月比3.4%予想で、これは4月から横ばい見込み。また、エネルギーと食品を除いたコア指数の方は同3.5%予想で、4月の伸び率は3.6%だったので、こちらは減速が見込まれている。
米CPIが想定通りであれば、おそらくFOMCも大方が予想する範囲の内容で相場は強調展開が維持されそうだ。今回の会合での政策変更は行われない見通しだが、それは百も承知、マーケットの視線はドットチャートと会合後のパウエルFRB議長の記者会見に向いている。年内の利下げ見通しについて、ドットチャートは前回3月会合時点で年3回との見方だったが、今回の会合で2回、場合によっては1回に減る可能性が高い。しかし、「年3回の利下げが難しいということはマーケットの方ではとうに織り込んでいて、ドットチャートの開示を固唾を飲んで見守るような状況ではない」(中堅証券ストラテジスト)という。「年2回・利下げスタートは9月のFOMC」というのが今回のメインシナリオであり、米国株市場もこれを大本線として織り込み、シナリオ通りであればおそらく株価は上値追い基調を強めることが予想される。
米株市場ではNYダウの戻りがやや遅れているが、前日はハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数と、機関投資家がベンチマークとして重きを置くS&P500指数は揃って史上最高値を更新している。重要イベントラッシュで様子見ムードといわれながらも、実際は紛れもなく強気相場の様相を呈している。いきり立つ競走馬の手綱を締めてフライングを抑えているような構図に見えなくもない。FOMC通過後に首尾よくNYダウをはじめ主要株価指数が上げ足を強めれば、日本株にも浮揚力が加わることになる。
ただし、日本は週末14日に日銀の金融政策決定会合の結果発表と大引け後の植田日銀総裁の記者会見を控えている。FOMCを前門の虎とするならば、こちらは後門の狼といえる。あすは“SQ週の魔の水曜日”ということもあり、その点、波乱を演出する舞台としては申し分がない。しかし、市場関係者からは「売り方も仕掛けるだけの胆力は持ち合わせていない」(ネット証券マーケットアナリスト)という指摘がある。今回の会合において「国債買い入れ減額」と「7月の追加利上げ」観測が既にメディアで喧伝されているような状況にある。国債買い入れについては現状で6兆円程度という線引きがなされているが、減額するとしてこれを何兆円程度減らすのか、株式市場への影響はその幅にもよる。
ところが、ここにきて「(国債購入について)『サプライズ減額なし』という選択肢も考えられる」(同)という見方が浮上している。仮にそうなれば、ショート筋は悶絶することになる。更に、植田総裁が7月追加利上げ観測をいったん沈静化させる可能性も指摘される。世界的に利下げが相次ぐなか、「このタイミングで世界と真逆の政策カードを切ることをためらうのでは」(同)という見立てである。明らかに今の日本国内の景気は強いとはいえない。日銀が利上げを急ぐのは、インフレの元凶となる円安を何とかしたいという一心で、拙速な利上げを断行すれば円安以上の弊害が生じ、景気をオーバーキルする懸念が拭えない。そうなれば本末転倒である。また、こうした折、タイミングを合わせるように日本株に欧米系ファンドが食指を動かしているという報道がなされており、海外資金の東京市場上陸の足音が、売り方の動きを封じる無言の圧力を加えている。いずれにせよ、週末から来週にかけての日米株式市場の動きは今年前半の最大のヤマ場となりそうだ。
あすのスケジュールでは、5月の企業物価指数に注目。海外では5月の中国CPI、5月の中国PPI、タイ中銀の政策金利発表、5月の米CPI、5月の米財政収支など。また、米連邦準備制度理事会(FOMC)の結果とパウエルFRB議長の記者会見にマーケットの関心が集まる。なお、この日はフィリピン市場が休場となる。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/06/11 17:00
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<注目銘柄>=日製鋼、原発や防衛など国策関連の一角
日本製鋼所<5631.T>は5月28日に年初来高値4970円をつけてから調整局面に入ったが、時価は25日移動平均線との上方カイ離修正を経て、再び買いに分がある局面となってきた。原子力発電で実績の高い大型鋳鍛鋼製品で抜群の優位性を持つほか、樹脂製造機械など産業機械でも世界屈指の商品シェアを有する。また、電子製品や航空・宇宙分野への展開力も強みで、防衛関連株としてテーマ買いの対象となったこともある。
業績は24年3月期の営業30%増益に続き、25年3月期も同利益は前期比11%増の200億円予想と2ケタ成長を継続する見通し。PER22倍前後と割安感はないものの、豊富な受注残を武器に業績上振れ余地もあり、大勢上昇トレンドが続きそうだ。(桂)
出所:MINKABU PRESS
2024/06/11 10:00
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明日の株式相場に向けて=「低PBR・バリュー」のビッグウェーブ
週明け10日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比354円高の3万9038円と反発。ようやく3万9000円台にたどり着いた。しかし、岸といえるのは4万円大台でまだまだ距離がある。上陸するにはもうひと泳ぎしなければならない。
前週末7日の日本時間夜9時半、つまり米国株式市場の朝方取引開始前に発表された5月の米雇用統計は、相場の波乱要因となっても不思議のない内容だった。ここ米国の経済指標は一様に景気減速を指し示す内容であったことから、おそらく今回の雇用統計もそれを裏付けるような数字が並ぶかと思いきや、非農業部門の雇用者数の伸びは事前コンセンサスを大幅に上回る27万2000人となった。更に平均時給も予想を上回り伸びが加速する結果に。冷静にみれば失業率の方は上昇しており、労働需給がタイト化しているともいえないのだが、カナダ中銀、ECBに続き、FRBも利下げのカードを切るタイミングが近づいているという思惑に水を差す形となったことは確かだ。ところが、米株市場は雇用統計の結果を至ってクールに受け止め、米長期金利の上昇などどこ吹く風で取引時間中はダウ、ナスダック指数ともにプラス圏で推移する場面もあった。両指数ともマイナス圏で引けたとはいえ少なくとも弱気優勢の地合いではなかった。
週明けの東京市場では外国為替市場でドル高・円安方向に振れたこともあって半導体関連株が買い戻され日経平均の上昇を後押ししたが、値上がり上位業種を見ると保険、銀行、倉庫、非鉄、自動車、鉄鋼などのバリュー株が目立ち、グロース系銘柄からの資金シフトが静かに進んでいることをうかがわせる。東証が毎月15日をメドに発表している「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」に関する開示企業リストが注目を集めるなか、低PBR株の資金誘引力が増している。もちろん、成長投資や株主還元など低PBR脱却に向けた経営努力を見込んでの流れであり、東証号令に歩調を合わせるアクティビスト(物言う株主)の存在も株高に向けた思惑に一役買っている。
8日にアップされた株探トップ特集「低PBR特選10銘柄」でも紹介された安田倉庫<9324.T>の上げ足は、突然変異型のミーム株といえば大げさだが、小型成長株と見まがうほどの軽い上げ足で上場来高値圏を突き進んでいる。しかし、PBRはわずかに0.55倍に過ぎない。また、三菱製紙<3864.T>も持ち前の材料株素地を開花させ、商い急増のなか9%高と値を飛ばした。こちらはPERが4倍台で、PBRはきょうの急騰を反映してようやく0.4倍ちょうどまで水準を切り上げた。仮に会社の解散価値と同等まで買われるとしたら、時価からダブルバガー以上のパフォーマンス(一株純資産は前期実績ベースで2076円)となる。こうなると、2匹目のドジョウを狙おうという思惑にも駆られるが、2匹目どころではなく、今の東京市場にはその候補が何百匹とうごめいている。
もちろん、そのすべてが株高パフォーマンスを演じられるわけではないが、これまではエキストラに徹していたものの、実は成長株顔負けの役者がかなり含まれているということがマーケットにも伝わり始めた。にわかにスポットライトを浴びた安田倉と同じ倉庫株では日本トランスシティ<9310.T>も目を見張る俊足ぶりを発揮。きょうはザラ場4ケタ大台乗せでいったん利食われたが、同社株のチャートは低PBR株=万年割安のイメージを払拭するに十分過ぎるインパクトがある。
このほか、鉄道向け信号大手の京三製作所<6742.T>、コーティング材主力の化学メーカー藤倉化成<4620.T>、地盤改良工事の専業である日本基礎技術<1914.T>などは上値指向が鮮明でマークしておきたい。更に半導体関連の実力株で真空シールでは過半の世界シェアを持つニッチトップ、フェローテックホールディングス<6890.T>が0.6倍台の低PBR株であることに驚かされる。
あすのスケジュールでは、5月のマネーストックが朝方取引開始前に日銀から開示される。後場取引終了後には5月の工作機械受注額(速報値)が発表される。また、この日はIPOが1社予定されており、東証グロース市場にD&Mカンパニー<189A.T>が新規上場する。海外では米連邦公開市場委員会(FOMC)が12日までの日程で開催される。また、5月の全米自営業者連盟(NFIB)中小企業楽観度指数が開示。このほか、5月の英失業率も発表される。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/06/10 17:00
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<注目銘柄>=Jエレベータ、今期も最高益更新基調が続く
ジャパンエレベーターサービスホールディングス<6544.T>に注目したい。同社は独立系エレベーター保守の最大手。大手エレベーターのメーカーに比べ安い保守費用などを強みにシェアを拡大させている。24年3月期の連結営業利益は前の期比36.1%増の68億2100万円と最高益を更新。配当も従来計画比2円増の25円(前の期は17円)とした。25年3月期の同利益は前期比17.3%増の80億円が見込まれている。
同社の業績予想は慎重な数字が出されることが多く、市場では今期も最終的には83億円前後へ増額されるとの見方が出ている。株価は上昇基調にあり、21年9月につけた2992円の最高値更新からの一段高が見込める。(地和)
出所:MINKABU PRESS
2024/06/10 10:00
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10日の株式相場見通し=強弱観対立、米雇用統計上振れも米株市場に底堅さ
10日の東京株式市場は強弱観対立のなか、日経平均株価は前週末終値近辺でもみ合う展開が想定される。前週末の欧州株市場は高安まちまちながらドイツ、フランスなど主要国の株価指数は下値を探る展開となった。前週はECB理事会でECBが4年9カ月ぶりの利下げを決めたことが追い風となったが、前週末は米国の早期利下げに対する不透明感が再び強まり利食いを誘発した。米国株市場では注目された5月の米雇用統計の内容が労働市場の強さを示す内容となったことで、米長期金利が4.4%台まで上昇しマーケット心理を冷やす格好となった。雇用統計は非農業部門の雇用者数の伸びが27万2000人と事前コンセンサスを大幅に上回ったほか、平均時給の伸び率も0.4%と予想よりも大きかった。FRBによる9月利下げのシナリオが後ずれするとの見方が再燃し、全体相場の上値を重くしている。しかし、一方で景気減速への懸念が後退したことをポジティブ視する見方もあり、下値では押し目買いニーズも強く、NYダウ、ナスダック総合株価指数ともに下げ幅は限定的だった。東京市場では米雇用統計が想定外の強い数字だったことは警戒されるものの、米株市場が思いのほか底堅かったことや、外国為替市場で円安方向に振れていることなどを拠りどころに下値を売り込む動きは想定しにくい。今週は日米で金融政策決定会合が行われることもあり、目先は一方向にポジションを傾けにくいという思惑も漂う。
7日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比87ドル18セント安の3万8798ドル99セントと4日ぶり反落。ナスダック総合株価指数は同39.995ポイント安の1万7133.126だった。
日程面では、きょうは1~3月期国内総生産(GDP)改定値、4月の国際収支、5月の貸出・預金動向、5月分の対外・対内証券売買契約、4月の特定サービス産業動態統計、5月の景気ウォッチャー調査などが発表される。また、この日はアジアでは香港市場、中国市場(上海・深圳)、台湾市場が休場となるほか、豪市場も休場となる。
出所:MINKABU PRESS
2024/06/10 08:00
みんかぶニュース コラム
来週の株式相場に向けて=中銀ウィークで半導体・銀行株は荒い値動きか
7日の東京市場で日経平均株価は前日比19円安の3万8683円と小幅反落。東証プライム市場の売買代金も3兆4000億円台と低調だった。今晩は米国の重要経済指標である5月雇用統計が発表されるほか、来週は11~12日に米連邦公開市場委員会(FOMC)、13~14日に日銀金融政策決定会合と日米中央銀行の決定会合が予定されていることから、ビッグイベントを前に積極的な売買は手控えられた。
市場には「日経平均株価が3万9000円を抜けきれずに膠着状態となるなか、来週の中銀ウィークは今後に向けた大きなポイントとなる」(市場関係者)との見方が出ている。東京市場は14日が先物のメジャーSQ(特別清算指数)となることもあり、週末にかけボラタイルな値動きとなることもあり得る。
6月FOMCに関しては金融政策は現状維持が予想されており、焦点は早ければ9月とみられている利下げの確率が高まるか、どうかだ。今回のFOMCではドットチャート(政策金利見通し)やGDP成長率の予想などが示される。足もとでは5割強の確率で9月利下げが行われると予想されているが、FOMCを経て早期利下げの可能性が高まるかがポイントだ。利下げに前向きな内容となれば、エヌビディア<NVDA>を中心とする半導体関連株は一段と買われ、東京市場でも東京エレクトロン<8035.T>やアドバンテスト<6857.T>などへの追い風が強まることも予想される。
一方、FOMCに比べて「より不透明感が強い」(アナリスト)とみられているのが、日銀金融政策決定会合だ。市場には「利上げはあっても7月以降だろうが、国債買い入れ減額は6月会合でもあり得る」(同)との声が出ている。日銀が資産残高を縮小する量的引き締め(QT)への方向を示せば、国内金利の一段の上昇とともに三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>や三井住友フィナンシャルグループ<8316.T>など銀行株は一段の上昇も見込めるだろう。来週は、FOMCでは半導体関連、日銀会合で銀行株などを中心に荒い値動きとなることも予想される。
上記以外のイベントでは、12日には米5月消費者物価指数(CPI)が予定されており、その結果が注目される。13日には米5月生産者物価指数(PPI)が公表される。10日からアップル<AAPL>のイベント(WWDC)が開催される。国内では10日に1~3月GDP改定値、11日に5月工作機械受注が発表される。10日にミライアル<4238.T>、11日にロック・フィールド<2910.T>、12日にANYCOLOR<5032.T>、13日に神戸物産<3038.T>、14日にエイチ・アイ・エス<9603.T>などが決算発表を行う。更に、11日にD&Mカンパニー<189A.T>、14日にChordia Therapeutics<190A.T>が東証グロース市場に新規上場する。来週の日経平均株価の予想レンジは3万8000~3万9300円前後。(岡里英幸)
出所:MINKABU PRESS
2024/06/07 17:17
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=トリプルアイ、AI・データセンター関連の一角として注目
トリプルアイズ<5026.T>への物色人気が続いている。同社は独自開発の画像認識プラットフォーム「AIZE(アイズ)」を用いたAIソリューションを手掛けるほか、データセンター事業も展開。株式市場でのAI・データセンター株人気を背景に関連銘柄の一角として注目度を増しており、今後も目が離せない状況が続きそうだ。
上期(23年9月~24年2月)実績は売上高が前年同期比85.1%増の20億3400万円、最終損益が前年同期の赤字から2900万円の黒字に転換して着地した。主力のAIソリューション事業が好調だった。通期計画では増収・最終赤字を見込んでおり、今後の業績動向が注目される。(イ)
出所:MINKABU PRESS
2024/06/07 10:00
みんかぶニュース コラム
7日の株式相場見通し=上値重い展開か、米雇用統計発表控え様子見
7日の東京株式市場は強弱観対立のなか日経平均は上値の重い展開となり、前日終値を下回る水準で推移しそうだ。前日の欧州株市場はほぼ全面高に近い商状となった。この日に行われたECB理事会では、市場の予想通り4年9カ月ぶりに政策金利の0.25%引き下げを決定し、これが好感される形に。もっとも、欧州株市場では事前に織り込みが進んでいたほか、ECBが今後の利下げに対しては慎重なスタンスとの見方も広がったことで、ポジティブな影響は限られている。一方、米国株市場では主要株価指数が高安まちまちの展開となり、NYダウは3日続伸したものの、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は小幅ながら4営業日ぶりにマイナス圏で引けた。カナダ中銀の利下げに続き、ECBが利下げに踏み切ったことを受け、FRBも早期に政策金利を引き下げやすくなるとの思惑から景気敏感株中心に頑強な値動きを示すものが多くなっている。ただ、日本時間今晩に発表される5月の米雇用統計を控え、この結果を見極めたいとの思惑から様子見ムードも拭えなかった。東京市場では前日に日経平均が反発したものの後半は上げ幅を縮小、上値の重さが改めて意識されている。きょうも米雇用統計発表を前に積極的な買いは入りづらく、前日の米株市場ではエヌビディア<NVDA>など半導体関連が冴えない値動きとなっていたこともあり、全体相場の方向性が見えにくい地合いとなりそうだ。
6日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比78ドル84セント高の3万8886ドル17セントと3日続伸。ナスダック総合株価指数は同14.784ポイント安の1万7173.121だった。
日程面では、きょうは4月の家計調査、5月上中旬の貿易統計、4月の景気動向指数(速報値)など。海外では5月の中国貿易統計、インド中銀とロシア中銀の政策金利発表のほか、5月の米雇用統計に対するマーケットの関心が高い。このほか、米国では4月の米卸売在庫・売上高、4月の米消費者信用残高なども発表される。
出所:MINKABU PRESS
2024/06/07 08:00
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=半導体関連株の行方握る「米雇用統計」
5日の米株式市場でナスダック指数が最高値を更新したことを受け、6日の東京市場でも半導体関連株を中心に値を上げ、日経平均株価は前日比213円高の3万8703円と3日ぶりに反発した。一時3万9000円台を回復したが、午後にかけてはやや上昇幅は縮小した。
特に、米国市場ではエヌビディア<NVDA>が5%高と急伸。時価総額は3兆ドルに乗せ、アップル<AAPL>を抜きマイクロソフト<MSFT>に続く米国2位の企業に躍進した。ナスダック指数が上昇基調を強めている背景にあるのは、米インフレ懸念の後退だ。5日に発表された米5月ADP雇用統計は予想を下回ったほか、同ISM非製造業景況指数も項目別では「価格」が低下した。米長期金利は一時4.2%台に低下した。
市場では、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で50%を超える確率で利下げが決定されると予想しており、この金利低下観測が半導体株などハイテク株を押し上げている。これを受けて、この日の東京市場でも東京エレクトロン<8035.T>やアドバンテスト<6857.T>、ディスコ<6146.T>を中心とする半導体関連株が値を上げた。米国のショートセラー(空売り投資家)の標的となったレーザーテック<6920.T>は続落した。
当面、半導体などハイテク株の焦点となるのは、やはり米金融政策だろう。11~12日に開催されるFOMCが注目されるが、まずは明晩の米5月雇用統計が大きな焦点となる。現時点では非農業部門雇用者数は19.0万人増(4月は17.5万人増)が予想されている。明晩の雇用統計を無事にこなせば、日本株も半導体などハイテク株を中心に一段の戻りを試すことも期待できそうだ。
今晩は米新規失業保険申請件数と米4月貿易収支が発表される。また、欧州中央銀行(ECB)理事会が開催される。ECBでは利下げが予想されており、米金利低下への追い風が期待される。明日の予定では、上記の米雇用統計以外では国内で4月の家計調査、4月の景気動向指数など。海外では5月の中国貿易統計、4月の米消費者信用残高など。また、クミアイ化学工業<4996.T>や日本駐車場開発<2353.T>、サムコ<6387.T>、エイチーム<3662.T>などの決算発表が予定されている。
出所:MINKABU PRESS
2024/06/06 17:09
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=GENOVA、今期売上高100億円超えへ
GENOVA<9341.T>は、医療機関と利用者の情報非対称性を解決する「メディカルプラットフォーム事業」が主力。また、業務効率化を通じて患者の快適な医療体験を提供する「スマートクリニック事業」も展開している。
25年3月期通期の連結売上高は初の100億円超えとなる見通し。既存事業の強化に加え、幅広い業界との提携による新たな価値創出を通じ、過去最高益を実現する事業基盤を構築するとしている。また、同社は会社設立以来配当を実施していなかったが、今期末に30円の配当(普通配10円と記念配20円)を計画していることにも注目したい。
株価は5月27日につけた直近安値1256円を底に下値を切り上げる展開。25日移動平均線と75日移動平均線とのゴールデンクロスが実現すれば戻りに弾みがつきそうだ。(参)
出所:MINKABU PRESS
2024/06/06 10:00
みんかぶニュース コラム
6日の株式相場見通し=大幅反発か、米ハイテク株高でリスクオン
6日の東京株式市場は広範囲に買い戻される地合いとなり、日経平均株価が大きく切り返す展開が想定される。前日の欧州株市場ではECB理事会で利下げを決定するとの観測が強まるなかドイツやフランスなど主要国の株価指数が上昇したほか、米国株市場でもハイテク株を中心に買いが集まり、ナスダック総合株価指数が330ポイント高と2%近い上昇をみせ史上最高値を更新、再びリスクオンの流れが形成されている。この日に発表された5月のADP全米雇用リポートで非農業部門の雇用者数の伸びが前月から縮小し、事前の市場コンセンサスも下回った。これを受けFRBの早期利下げへの期待が再燃しグロース株に資金を誘導する格好となった。カナダ中銀が4年3カ月ぶりに利下げを実施したことも追い風となるなか、米10年債利回りは4.3%台を下回る水準まで低下、株式の相対的な割高感が緩和された。エヌビディア<NVDA>が急騰し半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)の上げも目立った。東京市場では前日に日経平均が先物主導で一時500円近い下げをみせるなど荒れた展開となったが、きょうは米ハイテク株高を受け主力株中心に買い戻しの動きが強まりそうだ。3万8000円台後半から場合によっては3万9000円台を視野に入れる場面も考えられる。取引時間中に米株価指数先物や国内長期金利の動向に左右されるケースも想定される。
5日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比96ドル04セント高の3万8807ドル33セントと続伸。ナスダック総合株価指数は同330.858ポイント高の1万7187.905だった。
日程面では、きょうは5月の輸入車販売、5月の車名別新車販売、5月の軽自動車販売、5月のオフィス空室率など。海外では4月の豪貿易収支、ユーロ圏小売売上高、欧州中央銀行(ECB)理事会の結果発表とラガルドECB総裁の記者会見、週間の米新規失業保険申請件数、1~3月の米労働生産性指数、4月の米貿易収支など。
出所:MINKABU PRESS
2024/06/06 08:02
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=風雲急を告げる東京市場はチャンスの塊に
きょう(5日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比347円安の3万8490円と続落。前日の欧州株市場が総じて下落。米国株市場ではNYダウ、ナスダック総合株価指数いずれも上昇したのだが、取引時間中はフラフラして最後に帳尻を合わせた感じである。米長期金利の低下基調が鮮明な割には覇気がない。東京市場も米株高を好感という雰囲気ではなかった。加えて為替市場ではドルが売られ、一時1ドル=154円台の円高となるなど警戒材料も多かったが、これも円高を悪役にするだけの合理性を欠いた。取引時間中は一貫して円安方向に押し戻されていたものの、日経平均はこれには無反応だったからだ。
世界的に景気減速への警戒感が株式市場を取り巻くムードを変えている。欧州株市場ではあす6日にECB理事会の結果発表とラガルドECB総裁の記者会見を控えるが、今回の会合で0.25%の政策金利引き下げは濃厚とみられ、これがリスクオン相場の根拠となっていた。しかし、マーケットの視線の先はインフレ警戒感から景気先行き懸念の方に少しずつ向きを変えてきている印象を受ける。
「景気」が冷めてきたから「利下げ」を行うというのはいわゆるワンセットだが、後者の利下げを株高の拠りどころとするのが「金融相場」であり、前者の景気減速感を株が買えない理由として挙げるのであれば、それは「逆業績相場」の色を帯びる。本来は、逆業績相場のあとに金融相場が始まるのが常識だが、欧州はここまでの上昇プロセスで金融相場の入口をタイムマシンに乗って先取りしてしまったようなところがある。独DAXや仏CAC40が史上最高値をつけたのは5月の中旬のことであった。
そして米国ではFRBによる引き締め転換後も、七不思議といわれるほど“強い景気”を維持してきた。ようやくここにきて景気の過熱感が解消され雇用環境も減速が顕著となってきたのだが、望んでいた経済実態を目の前に「待てよ」というムードとなっている。米株市場は勝手にノーランディング・シナリオを織り込んでいたようなフシがあり、今となってはたとえ経済が軟着陸であっても着陸するのは嫌だという本音が拭えない。本当はFRBの早期利下げ観測が逃げ水のように後ろにズレ込んでいるうちが華であり、利下げのスケジュールが現実味を帯びてくると、今度は経済実態の冷え込みに株式市場が躊躇する構図である。スタグフレーションのかすかな足音をマーケットは気にしている。
もっとも、スタグフレーションという切り口であればよほど日本の方が近いポジションにいる。かつての欧米を彷彿とさせる日本の物価上昇は、需要なきコストプッシュ型インフレの典型である。きょう発表された4月の毎月勤労統計では労働者1人あたりの実質賃金は前年同月比0.7%減少、遂に25カ月連続で前年を下回ったことになる。春闘で賃金の大幅な伸びが話題となったが、それは名目賃金であって、春闘効果をもってしても物価の伸びに追い付けない現実を注視する必要がある。日銀はもはや7月にも追加利上げのカードを切るよりないという見方が広がっているが、これは物価高誘導の円安対策が主眼であって、強くない景気を冷やしてしまう誤謬を犯す可能性をはらんでいる。
個別ではレーザーテック<6920.T>への売り攻勢が凄まじかった。一時3300円を超える下落もさることながら、6000億円近い売買代金には目を見張るよりない。空売りヘッジファンドのスコーピオン・キャピタルが宣戦布告、「典型的な不正会計」というワードが衝撃的に躍った。これは同社株のみならず、疲れが見えていた半導体製造装置関連株全般にかなりの向かい風となり得る。来週末の日銀金融政策決定会合とメジャーSQ算出を控え、スコーピオンが敷いた絨毯を売り方が闊歩するような相場環境となる可能性もゼロではない。しかし、仮にここでイレギュラーな下げに見舞われた場合、それを仕込み好機に変えることができるのが、小回りの利く個人投資家の特権でもある。安全ベルトを締めながら、キャッシュポジションを高くして備えておきたい。
あすのスケジュールでは、5月の輸入車販売、5月の車名別新車販売、5月の軽自動車販売、5月のオフィス空室率など。また、午前中に6カ月物国庫短期証券の入札が予定される。海外では4月の豪貿易収支、ユーロ圏小売売上高のほか、ECB理事会の結果発表とラガルドECB総裁の記者会見が注目される。このほか、週間の米新規失業保険申請件数、1~3月の米労働生産性指数、4月の米貿易収支など。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/06/05 17:00
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=タカラトミー、有力商材貢献し業績拡大継続へ
タカラトミー<7867.T>は業績拡大期待を背景に、更なる上値を目指す展開が期待できる。
5月14日に発表した24年3月期連結決算は、営業利益が188億1800万円(前の期比43.4%増)と大幅増益となった。国内で主力商材の「トミカ」、「ベイブレードX」が伸長したほか、「キデイランド」をはじめとする小売事業やカプセルトイ事業が好調に推移。米国でトミー・インターナショナルが堅調だったことも寄与した。
25年3月期は、会社側では営業利益200億円(前期比6.3%増)を見込むが、国内小売事業やカプセルトイ事業の好調持続や米大手玩具メーカーであるハスブロ<HAS>を介した「ベイブレードX」の欧米展開、アジアでのアミューズメントマシンの人気拡大など有力商材のグローバル展開を中心に利益拡大余地は大きい。調査機関のなかには同230億円強を見込むところもあり、上方修正の可能性は十分にある。更に、26年3月期は「ベイブレードX」の欧米需要が拡大期を迎えるとみられ、業績増益基調は続こう。30年3月期に営業利益300億円を目指す中期経営計画にも注目したい。(仁)
出所:MINKABU PRESS
2024/06/05 10:00
みんかぶニュース コラム
5日の株式相場見通し=続落、世界景気減速懸念と円高を嫌気
5日の東京株式市場は主力株をはじめ総じて売りに押される展開が想定され、日経平均株価は続落し3万8000円台半ばでの値動きが予想される。前日の欧州株市場では世界景気の先行き不透明感から主要国の株価指数がほぼ全面安商状となった。一方、米国株市場ではNYダウが反発に転じたほか、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も取引終盤に買いが優勢となり小幅ながら続伸している。この日に発表された4月の米雇用動態調査(JOLTS)では非農業部門の求人件数が3年2カ月ぶりの低水準となり、賃金インフレへの警戒感が後退した。FRBの早期利下げ観測が高まるなか米長期金利が一段と水準を切り下げ、金利敏感株を中心に買いが集まった。もっとも、ここにきて米国の経済指標が相次いで景気減速を示唆する内容を示していることは、市場センチメントを冷やす背景ともなっている。この日はダウがマイナス圏に沈む場面もあり、ナスダック指数の方は午後の取引中盤まで前日終値を下回る水準で推移した。東京市場では、日経平均が3万8000円台を中心とするもみ合いが1カ月以上続いており、なかなか方向感が出にくい状況にある。きょうは下げ止まらない米長期金利を背景に、外国為替市場では1ドル154円台までドル安・円高が続いており、これが半導体関連をはじめ輸出ハイテク株などにマイナスに作用し、全体相場の押し下げ要因となりそうだ。
4日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比140ドル26セント高の3万8711ドル29セントと反発。ナスダック総合株価指数は同28.377ポイント高の1万6857.047だった。
日程面では、きょうは4月の毎月勤労統計が朝方取引開始前に発表される。また、この日はマーケットでも注目度の高いIPOが1社予定されており、アストロスケールホールディングス<186A.T>が東証グロース市場に新規上場する。海外では1~3月の豪国内総生産(GDP)、5月の財新中国非製造業購買担当者景気指数(PMI)、5月のADP全米雇用リポート、5月の米ISM非製造業景況感指数などが注目。また、カナダ中銀の政策金利発表も予定される。
出所:MINKABU PRESS
2024/06/05 08:00
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=嵐を呼ぶ「SQ」と「決定会合」のシンクロ
きょう(4日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比85円安の3万8837円と3日ぶり反落。朝方に安く始まった後、下値をずるずると切り下げる軟調展開で一時330円あまりの下落を強いられたが、その後は買い戻され一時プラス転換も視野に入る戻り足を示した。結局戻し切れず、前日終値を下回る水準で着地したが、「思ったよりも押し目買い意欲は活発」(中堅証券ストラテジスト)という声も上がっていた。
今週は木曜日にECB理事会の結果発表とラガルドECB総裁の記者会見が予定されており、ここでは政策金利の0.25%引き下げが濃厚とみられている。これを拠りどころに欧州株市場は前週後半を境に戻り足にあり、今のところリスク選好ムードといえる。一方、米国株市場の方は、今週は重要経済指標が目白押しだが、アンカーとして控えるのが週末7日に発表される5月の米雇用統計で、この内容にマーケットの耳目が集まる。
雇用統計はどういう内容がポジティブなのか、これがまた難しい。前日発表された5月のISM製造業景況感指数は前月から悪化し、2カ月連続で分水嶺の50を下回り、市場コンセンサスにも届かなかった。当然長期金利は低下し、これでもしNYダウが上昇すればFRBが早期利下げを実施しやすくなったという講釈が大手を振るところだったが、実際はダウが一時400ドル超下げる場面に遭遇した。前日の米株市場は利下げのタイミング云々ではなく、景気減速への警戒感がクローズアップされる格好となった。
今週末の米雇用統計についても、市場では「米景気が強すぎればインフレ懸念を助長させ、利下げ期待の剥落で相場にマイナスに作用する。一方、景気が弱いという印象を与えるのもよくない。ソフトランディング観測の信頼性を希薄化させる悪材料となる。どちらにも寄らず、中庸であることがベスト」(ネット証券アナリスト)という。中庸な指標とはどういうものなのか、確証の持てる具体的な数字があるわけではないが、要は投資家にゴルディロックスを印象づける内容であれば、米国株市場は上昇に転じやすくなるということ。しかし考えてみると、それは結構難儀であることが分かる。針の穴を通すとまでは言わないが、株式市場が好感するストライクゾーンはかなり狭いようにも思えるからだ。
では日本株の場合はどうか。米国株の動きに左右されやすいとはいえ、最近は半導体関連株ひとつ取っても米株市場との連動性が失われている。特に、以前はエヌビディア関連のツートップとして脚光を浴びたアドバンテスト<6857.T>やディスコ<6146.T>が、最近は“エヌビディア祭り”が続いているにもかかわらず冴えない値動きが目立つ。これは、ひとえに国内要因に引きずられていると考えるよりない。日銀の金融政策が転換点を迎えていること、そして不安定な政治(政局)が、足もとで海外投資家離れを誘発しているという指摘が市場関係者の間からは聞かれた。
来週は米国でFOMC、国内では日銀の金融政策決定会合が行われる。FOMCについては政策変更なしで、パウエルFRB議長が利下げのタイミングに言及することも考えにくく、相場への影響は限定的であろう。それよりも今回は13~14日の日程で開催される日銀の決定会合のほうが肝である。結果が発表される14日がメジャーSQ算出日と重なることもあって、派手な「日銀プレー」を誘発する可能性がある。ここで、カギを握るのが空売り筋の動向だ。直近3日現在の東証合計の空売り比率は38%まで低下している。つまりショートがほとんど積まれていない状況で、相場は強気に傾いていることを示唆する。しかし、裏返せば現状は買い戻し圧力が働きにくい地合いであり、その分だけ売り方が仕掛けやすい環境ともいえる。今回の決定会合でいきなり利上げに動く可能性は限りなく低いが、国債の買い入れ減額が想定され、引き締めモードであることに変わりはない。例によって事前にアドバルーンを上げるにせよ、その過程での売り仕掛けを警戒しておく必要がある。
あすのスケジュールでは、4月の毎月勤労統計が朝方取引開始前に発表される。また、この日はマーケットでも注目度の高いIPOが1社予定されており、アストロスケールホールディングス<186A.T>が東証グロース市場に新規上場する。海外では1~3月の豪国内総生産(GDP)、5月の財新中国非製造業購買担当者景気指数(PMI)、5月のADP全米雇用リポート、5月の米ISM非製造業景況感指数などが注目。また、カナダ中銀の政策金利発表も予定される。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/06/04 17:00
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=ENEOS、エネルギー関連の雄で高株主還元に注目
ENEOSホールディングス<5020.T>が高値圏でのもみ合いを経て上値を慕う展開。早晩、新値街道を走る公算が大きく、上場来高値水準である900円大台ラインの突破も十分射程圏といえそうだ。国内トップの石油元売り会社だが、子会社を通じて海外での石油・天然ガス開発などに積極的に取り組み原油や天然ガスの権益を所有するほか、化合物半導体材料などの開発でも高い実力を有している。
24年3月期は営業65%増益と急回復をみせたが、25年3月期は前期比14%減の4000億円と減益を見込む。しかし、世界的なインフレモードが続くなか、原油市況の上昇基調は今後も続きそうで、同社の業績上振れ余地につながる可能性もある。加えて株主還元に極めて積極的姿勢をみせていることは特筆され、発行済み株式総数の約23%に相当する6億8000万株を上限とした自社株買いを発表したことはマーケットで大注目を浴びた。依然としてPBR0.7倍台で指標面からも見直し余地の大きさを示唆する。(桂)
出所:MINKABU PRESS
2024/06/04 10:00
みんかぶニュース コラム
4日の株式相場見通し=反落、米株高安まちまちで目先利食い誘発
4日の東京株式市場は強弱観対立のなかも、主力銘柄を中心に利益確定売り優勢の地合いとなりそうだ。前日の欧州株市場では英FTSE100は小安かったものの、独DAXなど主要国の株価が総じて上昇した。今週行われるECB理事会で利下げが行われる可能性が高く、これを拠りどころに投資家のセンチメントが強気に傾いている。しかし、米国株市場では主要株価指数が高安まちまちの展開で、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は4日ぶりに反発した一方、NYダウは前日に急伸をみせた反動で売り圧力に押され反落となった。ここダウとナスダック指数がちぐはぐな値動きとなっている。この日は午前中に発表された5月の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数が事前の市場コンセンサスを下回った。また、4月の米建設支出も予想に反し前月比で減少したことで、米景気の底堅さに対する信頼感が揺らいでいる。週末7日に5月の米雇用統計発表を控えていることもあり、ポジション調整の売りが表面化した。ただ、個別ではエヌビディア<NVDA>が5%近い上昇を示したことで、ハイテク系グロース株に追い風となり、ナスダック指数は頑強な値動きとなっている。東京市場では前日に日経平均が前週末に続き430円あまりの大幅高を示し、2営業日合計で870円近く水準を切り上げており、きょうは米株市場の動きを受けて、リスクオンの反動が出やすいところ。3万8000円台半ばから後半の推移が想定される。
3日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比115ドル29セント安の3万8571ドル03セントと反落。ナスダック総合株価指数は同93.655ポイント高の1万6828.670だった。
日程面では、5月のマネタリーベース、10年物国債の入札、5月の財政資金民間収支など。海外ではインド下院の総選挙の開票、4月の米雇用動態調査(JOLTS)、4月の米製造業受注など。
出所:MINKABU PRESS
2024/06/04 08:00
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=出世株相次ぐ「データセンター」関連
名実ともに6月相場入りとなった3日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比435円高の3万8923円と大幅続伸、一時フシ目の3万9000円台に乗せる場面もあった。依然として疑心暗鬼の相場環境といえるが、そうしたなかもきょうは月初の株高アノマリーがきっちり機能した格好だ。ただ、6月は過去10年間を振り返って、日経平均の月足は6勝4敗ながら、外国人投資家は日本株に対して結構シビアなスタンスをとっており、現物ベースで買い越したのはわずかに2回に過ぎない。
前週末の米国では、4月のPCEデフレータが総合指数、コア指数ともに事前予想と一致したことが好感され、長期金利の低下とともに株式の相対的な割高感が後退、NYダウが574ドル高と約1年ぶりとなる急騰パフォーマンスを演じた。とはいえ、分かってはいても、物価指標が発表されるごとに相場はいいように振り回される状況は相変わらずだ。インフレ警戒感も「再燃」と「後退」の繰り返しで、過去の指標に支配されている。バックミラーを覗き込んでその都度一喜一憂しているようなもので、車が角を曲がって次の指標が映し出されると、その前の指標が全否定されるがごとく雰囲気が激変するケースも多い。
その意味で今週は米国での重要指標が相次ぐことで、バックミラーを覗く回数が殊更に多くなる。日本時間の今晩に5月の米ISM製造業景況感指数、5日に5月のADP全米雇用リポートと5月のISM非製造業景況感指数、6日木曜日は4月の米貿易収支、そして週末7日は5月の米雇用統計が発表される。場合によってはNYダウやナスダック総合株価指数など主要株価3指数が酩酊状態でジグザグ走行を強いられる可能性もなきにしもあらずだが、「(今週の統計では)総じてインフレ鈍化の道筋にあることが確認されるのではないか」(生保系アナリスト)という声もある。いずれにしても過度に不安視せず、全体指数は全体指数、個別株は個別株と切り離して考えておく方がよさそうだ。
個別株に目を向けると相場の花形である半導体関連に跛行色がみられ、以前のような総花的な上昇が見込みにくくなっており、どちらかと言えば日銀の7月追加利上げの動きをにらみながらバリュー株がやや優位の構図にも見える。また、テーマ株物色については半導体のポジション調整の動きが資金シフトの追い風となりやすく、全方位型での対処を心掛けたい。まずは低PBR株の宝庫である地銀セクターでは、前週に取り上げた北洋銀行<8524.T>が一時45円高の627円まで買われ、前週末と合わせて2営業日で13%も水準を切り上げ上場来高値を更新した。北海道千歳市と熊本で場所は違えども、巨大半導体工場による“城下町景気”を拠りどころに、相対的に出遅れている九州フィナンシャルグループ<7180.T>も改めて注目される。4ケタトビ台の株価は仕込み好機に映る。
データセンター関連では精工技研<6834.T>が一気に上値追いを加速、約3年半ぶりの高値圏に歩を進めている。先駆的存在のさくらインターネット<3778.T>やさくらケーシーエス<4761.T>は大相場の後だけに、現状はまだ上値の売り玉が重石となっている印象はあるが、アイネット<9600.T>が直近戻り高値を更新するなど同テーマに対する投資資金の視線は依然として熱い。ここは、出遅れ組で株価低位のブロードバンドタワー<3776.T>や調整一巡感漂うAGS<3648.T>に着目しておきたい。このほか、ダイダン<1980.T>など空調工事株からバトンを受け、NTT系電気通信工事大手のエクシオグループ<1951.T>も要マーク。
また、直近では都市鉱山関連株に再び光が差し込んでいる。政府は三菱マテリアル<5711.T>などと組んで電子ゴミのリサイクル体制を整備するとの一部報道がなされた。三菱マの株価は冴えなかったが、きょうは同関連銘柄でアサカ理研<5724.T>が陰線を引いたものの一時5.4%高に買われた。継続フォローしている松田産業<7456.T>のほか、足もと新値街道に突入しているAREホールディングス<5857.T>も新たに目を配っておくところか。
あすのスケジュールでは、5月のマネタリーベースが朝方取引開始前に日銀から開示される。また、午前中に10年物国債の入札が予定されている。このほか、後場取引終了後に5月の財政資金民間収支が発表される。海外ではインド下院の総選挙の開票が行われる。また、4月の米雇用動態調査(JOLTS)にマーケットの関心が集まるほか、4月の米製造業受注も発表される。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/06/03 17:00
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=メック、業績増額で再評価機運
メック<4971.T>に注目したい。同社は化学薬品メーカーで、半導体パッケージ基板向け銅表面処理剤で世界トップ。主力の超粗化系密着向上剤「CZシリーズ」などが好調だ。5月に24年12月連結営業利益を従来予想の30億円から36億5000万円(前期比46.4%増)に増額修正を発表。円安や生産効率の改善が寄与した。生成AIの登場でデータセンター向けなど半導体需要が拡大するなか、業績は大幅な増益基調にある。
半導体パッケージ基板の大型化や多層化が進んでいることは同社製品への追い風に働いており、25年12月期も引き続き増益基調が続きそうだ。株価は、先行き5000円乗せからの一段高が見込める。(地和)
出所:MINKABU PRESS
2024/06/03 10:00
みんかぶニュース コラム
3日の株式相場見通し=続伸、NYダウ大幅高受け買い優勢に
3日の東京株式市場は主力株中心に買いが優勢となり、日経平均株価は3万8000円台後半を指向する展開が見込まれる。前週末の欧州株市場で主要国の株価指数が総じて高かったほか、米国株市場ではNYダウが約1年ぶりの大きさとなる570ドルあまりの急騰をみせたことが、投資マインドを強気に傾けそうだ。注目された4月のPCEデフレータは3月と同水準で事前の市場コンセンサスと合致、コア指数の方も事前予想と合致しマーケットの不安心理が後退した。これを受けて米長期金利が4.50%前後まで低下、株式市場に追い風となっている。名実ともに6月相場入りとなったきょうの東京市場だが、米株市場で物価指標を好感してNYダウが急伸をみせたことが市場センチメントを改善させ出足好調なスタートを切りそうだ。今週行われるECB理事会で利下げが行われる公算が大きいとみられていることもポジティブ材料となる。一方、日経平均は前週末に先物主導で400円以上の上昇をみせており、その分上値が重い可能性もある。買い一巡後は米株価指数先物や外国為替市場の動向などを横目に、強弱観を対立させる地合いが予想される。
31日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比574ドル84セント高の3万8686ドル32セントと4日ぶり大幅反発。ナスダック総合株価指数は同2.064ポイント安の1万6735.015だった。
日程面では、きょうは1~3月の法人企業統計、5月の新車・軽自動車販売台数など。海外では5月の財新中国製造業PMI、5月のISM製造業景況感指数、4月の米建設支出などがある。
出所:MINKABU PRESS
2024/06/03 08:00
みんかぶニュース コラム
来週の株式相場に向けて=日米決定会合を視野に「金融株」人気は続くのか
31日の東京市場で日経平均株価は前日比433円高と急伸し、4日ぶりに反発した。前日までの3日間で日経平均株価は800円を超える下落を演じていただけに、自律反発狙いの買いが流入した格好だ。「3万8000円前後の水準には値頃感も働く」(市場関係者)といい、下値を拾う動きも強まった格好だ。
とはいえ、足もとの東京市場は上値の重さが目立つ。22日のエヌビディア<NVDA>の決算は好調だったが、東京エレクトロン<8035.T>やレーザーテック<6920.T>など日本の半導体関連株は戻り売りをこなし切れていない。来週からは6月相場に突入するが、焦点は11~12日の米連邦公開市場委員会(FOMC)と13~14日の日銀金融政策決定会合だ。ともに不透明感は強く、日米の会合が通過するまでは手控え気分が強まる可能性がある。
FOMCに関しては、米連邦準備制度理事会(FRB)高官から早期利下げに慎重な声も出ており、特に来週は7日の米5月雇用統計を筆頭に、3日の同ISM製造業景況指数など重要経済指標の発表が相次ぐ。経済指標の結果に一喜一憂する展開が予想される。
また、日銀会合にも警戒感が強まっている。国内長期金利は1%を超え、13年ぶりの水準まで上昇したが、市場には日銀の早期利上げ観測がくすぶるほか、国債買い入れ額の減額を巡る思惑も根強い。「日銀が量的引き締め(QT)の方向性を示せば、金利の一段の上昇は避けられない」(市場関係者)ともみられている。日銀に政策変更があった場合、為替や株式市場全体にどんな反応があるのか。
そんななか、足もとで三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>や三井住友フィナンシャルグループ<8316.T>といったメガバンクを中心に銀行株は上昇基調を強めている。東証業種別株価指数の「銀行」は年初から30%強上昇しているが、PBR1倍割れ銘柄はなお多い。野村ホールディングス<8604.T>や大和証券グループ本社<8601.T>など証券、第一生命ホールディングス<8750.T>など生損保を含む金融株の人気は続きそうだ。
上記以外のスケジュールでは、海外では4日に米4月JOLTS求人件数、5日に米5月ADP雇用統計、同ISM非製造業景況感指数、6日にECB理事会が開催される。2日には「OPECプラス」の閣僚級会合が予定されている。
国内では、3日に1~3月期法人企業統計が公表される。3日に伊藤園<2593.T>、6日に積水ハウス<1928.T>、7日にクミアイ化学工業<4996.T>などが決算発表を行う。5日に宇宙関連企業のアストロスケールホールディングス<186A.T>が、東証グロース市場に新規上場する。来週の日経平均株価の予想レンジは3万8000~3万9100円前後。(岡里英幸)
出所:MINKABU PRESS
2024/05/31 17:24
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=栗本鉄、バリュー株・高配当利回りで資金流入継続へ
栗本鐵工所<5602.T>は2月以降、上昇基調が継続し、2006年以来の高値圏に浮上しているが、PBR(株価純資産倍率)は0.7倍台と1倍を割れている。配当利回りは4%台と高水準にあり、金利上昇局面における資金流入の継続を期待したい。
同社は水道管に使われる鋳鉄管大手。25年3月期は売上高が前期比1.5%減の1240億円となる見通しで、前期に過去最高益となった最終利益は同8.6%減の50億円と予想する。国内の公共事業関連では需要拡大が期待しにくいなかで、原材料やエネルギー・物流コストの上昇などが利益を圧迫する見込みだ。一方、生成AIの普及に伴い増設が期待されているデータセンターでは水冷技術の適用が進むとみられており、株式市場の一部では同社が手掛けるバルブの需要が拡大するとの思惑が広がっているようだ。
今期の業績予想を発表した今月14日に売られた局面ではすかさず押し目買いが入った。日経平均株価が今年に入り史上最高値をつけるなかにあって、同社株は1991年の上場来高値である1万8000円と比べると足もとの水準はまだ割安感があると受け止められ、PBRの水準是正に向けた持続的な株高が見込めそうだ。(碧)
出所:MINKABU PRESS
2024/05/31 10:00
みんかぶニュース コラム
31日の株式相場見通し=強弱観対立、米株安で買い手控えムード
31日の東京株式市場は強弱観対立、日経平均株価は前日終値をはさみ方向感の見えにくい展開が見込まれる。前日の米国株市場ではNYダウが下げ止まらず3日続落となり、一時400ドルを超える下げで3万8000ドル割れ目前まで売り込まれる場面もあった。また、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も続落し、終値ベースで1%を超える下げとなった。この日発表された24年1~3月期の米実質国内総生産(GDP)改定値は速報値から下方修正された。個人消費の伸び率が引き下げられたことで、景気減速に対する警戒感が強まり、景気敏感株などをはじめ幅広い銘柄に売りが広がった。また、個別では前日の夕方に決算を発表したセールスフォース<CRM>が20%近い下落となり投資マインドを冷やす格好となっている。これを受けて東京市場でもリスク回避目的の売りが出やすい環境にあるが、日経平均は米株市場に先立って前日に500円あまりの下げをみせており、その分だけ下値抵抗力を発揮する可能性がある。ただ、きょうはMSCIの構成銘柄定期見直しに絡む売り圧力が想定され、後場は買い手控えムードが強まることも考えられる。また、日本時間今晩に予定される米PCEデフレータの発表を控え、この内容を見極めたいとの思惑も影響し積極的な買いが入りにくい。足もと円高方向に振れている外国為替市場の動向などもにらみ上下に不安定な地合いとなりそうだ。
30日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比330ドル06セント安の3万8111ドル48セントと3日続落。ナスダック総合株価指数は同183.501ポイント安の1万6737.079だった。
日程面では、きょうは4月の失業率、4月の有効求人倍率、4月の鉱工業生産指数(速報値)、4月の商業動態統計、5月の都区部消費者物価指数(CPI)、4月の自動車輸出実績、4月の住宅着工統計、為替介入実績など。海外では5月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)、5月の中国非製造業PMI、インドの1~3月期国内総生産(GDP)、5月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)、4月の米個人所得・個人消費支出・PCEデフレータなど。
出所:MINKABU PRESS
2024/05/31 08:01
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=アドテストと東電の下げが暗示するもの
きょう(30日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比502円安の3万8054円と大幅安で3日続落。一時900円超の急落に見舞われる場面もあった。その後は先物にアンワインドの動きが生じ下げ渋る展開とはなったが、気が付けば日経平均は3万8000円台を巡る攻防にあり、4万円大台の“岸”からは大分沖に流されてしまった感がある。値ごろ感から買い向かいたいのはヤマヤマながら、今の相場が引き潮にあるという疑念が拭い切れなくなっているのも事実だ。相場は静観する勇気が必要な時もある。
前日を振り返るとアジア時間からリスクオフの流れが形成されており、中国・上海株市場を除き総じて下値を探る展開となっていたが、それを引き継いだ欧州株市場も全面安、更に米国株市場ではNYダウが400ドルあまりの下げに見舞われ、頼みの綱のナスダック総合株価指数もさすがに抗(あらが)えず反落を余儀なくされた。少し前の世界同時株高局面では東京市場はその波に乗ることができず悶々としたムードが漂ったが、皮肉にも世界同時株安となると、今度は他国市場に輪をかけて売り込まれる格好となってしまう。今の日本株の需給関係の悪さを物語っている。
これまでと何が変わったかといえば、明確なのは国内外で再び金利上昇圧力が高まっていること。これまでは米長期金利ばかり俎上に載せられていたが、欧州や日本でも金利上昇が株式市場の“目に見える敵”として意識され始めた。日本では10年債利回りがきょうは一時1.100%をつけた。もちろん欧米と比べれば別次元で、たかが1%強に過ぎないが、ついこの間まで世界で唯一のマイナス金利国であった日本にとってはそれなりに重い。
長期金利の1.1%台乗せは2011年7月以来約13年ぶりという。これについて市場では「12年の年末からスタートしたアベノミクス相場以前の段階まで時計の針が戻った」(ネット証券マーケットアナリスト)とする。11年7月当時の日経平均は1万円近辺で菅直人政権から野田政権に移行する直前のタイミングだった。金利と株価は別モノで、当時の長期金利に日経平均が歩調を合わせて1万円まで下げると考えるのはさすがにナンセンスだが、実は旧マザーズ指数であるグロース250指数をみるとあながち一笑に付すこともできない。きょうは取引時間中にフシ目の600を下回り594まで下げる場面があった。今から13年前のマザーズ指数(グロース250)は450~480で推移していた。つまり、あと100ポイント下げれば、ほぼ同水準といってよい。追い証があまり発生していない中でのこの状況は、戦慄に近いものを覚える。
今の相場のタチの悪さは、逆説的になるが売り方が暗躍した形跡が薄いこと。「直近の空売り比率は40%強に過ぎず仕掛け的な売りが乗せられている感じではない。昨年9月後半から10月初旬にかけて日経平均が3000円あまりの急落をみせたときの空売り比率は48%近くに達していた」(中堅証券ストラテジスト)という。空売りが積み上がっていれば、その買い戻しが下げに対するブレーキの役割を果たし、ともすれば踏み上げ相場の糧ともなるが、ショート筋不在の実需主体の下げは復活にも時間がかかる。
一方、光明がないわけではない。きょうは大嵐に見舞われたようだが、プライム市場の値上がり銘柄数は982で全体の6割を占めた。MSCIの構成銘柄見直しに絡む先回り的な売りが乗せられている可能性があり、実際きょうの下げも先物が絡む主力大型株に偏っていた。現時点で相場が引き潮にあると判断するのは早計かもしれない。ただ、6月相場が仮に戻りに入っても、メインストリートを走る銘柄が入れ替わるケースも念頭に置きたい。個別では半導体関連でアドバンテスト<6857.T>、電力株では東京電力ホールディングス<9501.T>の下げが苛烈であり、これが何を意味しているのか読み解く時間も必要だ。
あすのスケジュールでは、4月の失業率、4月の有効求人倍率、4月の鉱工業生産指数(速報値)、4月の商業動態統計のほか、5月の都区部消費者物価指数(CPI)にマーケットの関心が高い。また、午前中に3カ月物国庫短期証券の入札が予定。午後に4月の自動車輸出実績、4月の住宅着工統計が発表され、夜には5月の為替介入実績が財務省から開示される。海外では5月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)、5月の中国非製造業PMI、インドの1~3月期国内総生産(GDP)、5月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)のほか、4月の米個人所得・個人消費支出・PCEデフレータが注目されている。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/05/30 17:00
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=極洋、27年3月期経常益135億円を目指す
極洋<1301.T>は5月10日、25年3月期通期の連結業績予想を公表。経常利益は前期比12.9%増の100億円を見込み、期末一括配当は前期比10円増配の110円を計画している。
主力の水産事業では調達・営業部門の連携強化による販売量の拡大を図るほか、新規調達先の開拓による資源アクセス強化や海外生産・販売拠点の拡充に注力する方針。また、生鮮事業は強みを生かした販路の拡大など、食品事業は消費者ニーズを捉えた商品力の強化などに取り組むとしている。また、同日には新中期経営計画も発表しており、最終年度となる27年3月期の経常利益目標を135億円に設定していることにも注目したい。
株価は5月10日に直近高値3920円をつけたあとは上げ一服商状となっているが、日足チャートでは25日移動平均線と75日移動平均線のゴールデンクロスが目前。PERやPBRには割安感があり、上値を試す展開が期待できそうだ。(参)
出所:MINKABU PRESS
2024/05/30 10:00
みんかぶニュース コラム
30日の株式相場見通し=続落、世界的な金利上昇を嫌気
30日の東京株式市場は主力株をはじめ広範囲に売り優勢の地合いが想定され、日経平均株価は3日続落となりそうだ。目先は世界同時株安局面の様相を呈している。前日はアジア株市場で中国株市場を除き総じて下値を試す状況だったが、この流れを引き継ぎ欧州株市場はドイツ、フランス、英国など主要国をはじめ全面安商状となった。この日に発表された5月の独消費者物価指数(CPI)が強い数字でインフレ懸念が再燃、独長期金利が上昇し投資家心理を冷やした。更に米国株市場ではNYダウが400ドルを超える大幅安となり、ここ最高値圏で強さを発揮していたハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も反落した。米株市場では再び長期金利が上昇基調を鮮明としており、前日は米10年債利回りが4.6%台まで水準を切り上げ株式の割高感が改めて意識されている。FRB高官によるタカ派的な発言が相次いだほか、国債入札も不調で金利上昇につながった。個別ではエヌビディア<NVDA>が全体相場に逆行し4日続伸と気を吐いたが、全体相場への貢献は限られた。東京市場では上値の重い展開が続いており、前日はプライム市場の8割以上の銘柄が下落するなど調整色を強めたが、きょうも一段と下値を探る地合いを余儀なくされそうだ。値ごろ感からの押し目買いも想定されるが、世界的に長期金利が上昇傾向を示すなか、日本でも前日に10年債利回りが1.075%まで上昇しており、買い手控えムードは拭えない。
29日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比411ドル32セント安の3万8441ドル54セントと大幅続落。ナスダック総合株価指数は同99.300ポイント安の1万6920.580だった。
日程面では、きょうは2年物国債の入札、4月の建機出荷など。海外では4月のユーロ圏失業率、1~3月の米実質国内総生産(GDP)改定値、週間の米新規失業保険申請件数、4月の米仮契約住宅販売指数など。また、南アフリカ中銀が政策金利を発表。このほか、ウィリアムズNY連銀総裁が講演を行う予定。
出所:MINKABU PRESS
2024/05/30 08:00
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=個別材料株のピンポイント戦略
きょう(29日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比298円安の3万8556円と続落。4万円大台はおろか、3万9000円台ラインもなかなかクリアできない状況となっている。前日は米国株市場でNYダウは下げたものの、日経平均と連動性の高いナスダック総合株価指数が最高値を更新、個別ではエヌビディア<NVDA>が値を飛ばし早くも1100ドル台へ突入、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も最高値をつけ、加えて1ドル=157円台の円安というリスクオンのオンパレード。東京市場でも半導体セクターにはこの上ないフォローウインドが吹いているはずなのだが、目の前にはその風にうまく乗れない現実がある。
国内でも長期金利の上昇基調に歯止めがかからず、日銀の追加利上げに向けた動きを警戒しているという解釈だが、正確に言えば相場が嫌気しているのはそこではない。現状では、日銀の利上げは早くて7月。そして年内は10月にあと1回行うかどうかというところで、0.25%の引き上げ2回と仮定すると合計で0.5%の引き上げ、水準としては0.6%というのが、おそらくは年内マックスのタカ派シナリオである。これを延々と嫌気し続けるというのもナンセンスだが、問題は利上げと経済実態が見合っていないということにマーケットは懸念を抱いている。
利上げは「強い景気」があってこそで、今はどう見ても日本の内需は疲弊している。「鉄道株の下げが異常」(ネット証券アナリスト)という指摘もあるが、これは何を意味しているかといえば、インフレ環境でも簡単に値上げできない鉄道業界の弱み。その延長線上には個人消費の冷え込み、つまりスタグフレーションを警戒している。
難しい地合いだが、そうしたなかも投資マネーはしたたかで全方位型の物色に切り替わってきている。きょうはGLOE<9565.T>がストップ高に買われたが、これは一部メディア報道で、「自民党のスポーツ立国調査会がeスポーツの普及、振興や選手強化を推進することを盛り込んだ提言」をまとめたことが伝わり、これを材料視したもの。eスポーツのテーマ性自体は色褪せることはないが、株式市場においてここ最近はテーマ買いの対象から外れていたことで新鮮味があった。6月ごろに策定される“骨太の方針”で反映される可能性があり、関連株をチェックしておく価値はありそうだ。個人投資家が参戦しやすい中低位株では、eスポーツに注力姿勢を明示しているカヤック<3904.T>や、同分野のプロモーションに携わるテー・オー・ダブリュー<4767.T>などに目を配っておきたい。
また、きょうは総じて利食われたものの、ここ電力株への物色人気が急激に盛り上がった。半導体工場やデータセンター増設に伴う電力需要の拡大と、それに付随する電力エネルギー確保を目的とした原発再稼働への思惑が買いの根拠である。原発周辺株では東京エネシス<1945.T>が中段で売り物をこなし上放れの機が熟しているようにも見える。今期減益予想とはいえ、PBR0.6倍台で4%近い配当利回りはバリュー株の要素も十分に兼ね備えており買いやすさがある。同じく電力株周辺では電力制御システムなどを手掛ける正興電機製作所<6653.T>も押し目買い妙味がありそうだ。4月11~12日と4月30日に大商いで急動意をみせ、上ヒゲをつけたが2点天井とはならなかった。その後は商いを減少させつつも株価を切り上げていることがポイントで、良好な株式需給を反映している。
これ以外では低PBR株の宝庫である地銀株にも視線を向けておくところ。内需セクターの停滞ムードはネガティブ材料ながら、熊本や北海道など巨大半導体工場を中心とした“城下町景気”の恩恵を受けるエリアは別格。ラピダス関連で北海道電力<9509.T>が株価を変貌させたが、この北海電が大株主に名を連ねる北洋銀行<8524.T>は要マーク。北海道地銀最大手にしてPBR0.4倍台と依然として解散価値の半値以下に放置されており、夏場に大勢3段上げに向かう公算も小さくない。
あすのスケジュールでは、2年物国債の入札、4月の建機出荷が発表される。海外では4月のユーロ圏失業率、1~3月の米実質国内総生産(GDP)改定値、週間の米新規失業保険申請件数、4月の米仮契約住宅販売指数などにマーケットの関心が高い。また、南アフリカ中銀が政策金利を発表する。このほか、ウィリアムズNY連銀総裁が講演を行う予定でその発言内容が注目される。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/05/29 17:00