みんかぶニュース コラムニュース一覧
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=Jエレベータ、今期も最高益更新基調が続く
ジャパンエレベーターサービスホールディングス<6544.T>に注目したい。同社は独立系エレベーター保守の最大手。大手エレベーターのメーカーに比べ安い保守費用などを強みにシェアを拡大させている。24年3月期の連結営業利益は前の期比36.1%増の68億2100万円と最高益を更新。配当も従来計画比2円増の25円(前の期は17円)とした。25年3月期の同利益は前期比17.3%増の80億円が見込まれている。
同社の業績予想は慎重な数字が出されることが多く、市場では今期も最終的には83億円前後へ増額されるとの見方が出ている。株価は上昇基調にあり、21年9月につけた2992円の最高値更新からの一段高が見込める。(地和)
出所:MINKABU PRESS
2024/06/10 10:00
みんかぶニュース コラム
10日の株式相場見通し=強弱観対立、米雇用統計上振れも米株市場に底堅さ
10日の東京株式市場は強弱観対立のなか、日経平均株価は前週末終値近辺でもみ合う展開が想定される。前週末の欧州株市場は高安まちまちながらドイツ、フランスなど主要国の株価指数は下値を探る展開となった。前週はECB理事会でECBが4年9カ月ぶりの利下げを決めたことが追い風となったが、前週末は米国の早期利下げに対する不透明感が再び強まり利食いを誘発した。米国株市場では注目された5月の米雇用統計の内容が労働市場の強さを示す内容となったことで、米長期金利が4.4%台まで上昇しマーケット心理を冷やす格好となった。雇用統計は非農業部門の雇用者数の伸びが27万2000人と事前コンセンサスを大幅に上回ったほか、平均時給の伸び率も0.4%と予想よりも大きかった。FRBによる9月利下げのシナリオが後ずれするとの見方が再燃し、全体相場の上値を重くしている。しかし、一方で景気減速への懸念が後退したことをポジティブ視する見方もあり、下値では押し目買いニーズも強く、NYダウ、ナスダック総合株価指数ともに下げ幅は限定的だった。東京市場では米雇用統計が想定外の強い数字だったことは警戒されるものの、米株市場が思いのほか底堅かったことや、外国為替市場で円安方向に振れていることなどを拠りどころに下値を売り込む動きは想定しにくい。今週は日米で金融政策決定会合が行われることもあり、目先は一方向にポジションを傾けにくいという思惑も漂う。
7日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比87ドル18セント安の3万8798ドル99セントと4日ぶり反落。ナスダック総合株価指数は同39.995ポイント安の1万7133.126だった。
日程面では、きょうは1~3月期国内総生産(GDP)改定値、4月の国際収支、5月の貸出・預金動向、5月分の対外・対内証券売買契約、4月の特定サービス産業動態統計、5月の景気ウォッチャー調査などが発表される。また、この日はアジアでは香港市場、中国市場(上海・深圳)、台湾市場が休場となるほか、豪市場も休場となる。
出所:MINKABU PRESS
2024/06/10 08:00
みんかぶニュース コラム
来週の株式相場に向けて=中銀ウィークで半導体・銀行株は荒い値動きか
7日の東京市場で日経平均株価は前日比19円安の3万8683円と小幅反落。東証プライム市場の売買代金も3兆4000億円台と低調だった。今晩は米国の重要経済指標である5月雇用統計が発表されるほか、来週は11~12日に米連邦公開市場委員会(FOMC)、13~14日に日銀金融政策決定会合と日米中央銀行の決定会合が予定されていることから、ビッグイベントを前に積極的な売買は手控えられた。
市場には「日経平均株価が3万9000円を抜けきれずに膠着状態となるなか、来週の中銀ウィークは今後に向けた大きなポイントとなる」(市場関係者)との見方が出ている。東京市場は14日が先物のメジャーSQ(特別清算指数)となることもあり、週末にかけボラタイルな値動きとなることもあり得る。
6月FOMCに関しては金融政策は現状維持が予想されており、焦点は早ければ9月とみられている利下げの確率が高まるか、どうかだ。今回のFOMCではドットチャート(政策金利見通し)やGDP成長率の予想などが示される。足もとでは5割強の確率で9月利下げが行われると予想されているが、FOMCを経て早期利下げの可能性が高まるかがポイントだ。利下げに前向きな内容となれば、エヌビディア<NVDA>を中心とする半導体関連株は一段と買われ、東京市場でも東京エレクトロン<8035.T>やアドバンテスト<6857.T>などへの追い風が強まることも予想される。
一方、FOMCに比べて「より不透明感が強い」(アナリスト)とみられているのが、日銀金融政策決定会合だ。市場には「利上げはあっても7月以降だろうが、国債買い入れ減額は6月会合でもあり得る」(同)との声が出ている。日銀が資産残高を縮小する量的引き締め(QT)への方向を示せば、国内金利の一段の上昇とともに三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>や三井住友フィナンシャルグループ<8316.T>など銀行株は一段の上昇も見込めるだろう。来週は、FOMCでは半導体関連、日銀会合で銀行株などを中心に荒い値動きとなることも予想される。
上記以外のイベントでは、12日には米5月消費者物価指数(CPI)が予定されており、その結果が注目される。13日には米5月生産者物価指数(PPI)が公表される。10日からアップル<AAPL>のイベント(WWDC)が開催される。国内では10日に1~3月GDP改定値、11日に5月工作機械受注が発表される。10日にミライアル<4238.T>、11日にロック・フィールド<2910.T>、12日にANYCOLOR<5032.T>、13日に神戸物産<3038.T>、14日にエイチ・アイ・エス<9603.T>などが決算発表を行う。更に、11日にD&Mカンパニー<189A.T>、14日にChordia Therapeutics<190A.T>が東証グロース市場に新規上場する。来週の日経平均株価の予想レンジは3万8000~3万9300円前後。(岡里英幸)
出所:MINKABU PRESS
2024/06/07 17:17
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<注目銘柄>=トリプルアイ、AI・データセンター関連の一角として注目
トリプルアイズ<5026.T>への物色人気が続いている。同社は独自開発の画像認識プラットフォーム「AIZE(アイズ)」を用いたAIソリューションを手掛けるほか、データセンター事業も展開。株式市場でのAI・データセンター株人気を背景に関連銘柄の一角として注目度を増しており、今後も目が離せない状況が続きそうだ。
上期(23年9月~24年2月)実績は売上高が前年同期比85.1%増の20億3400万円、最終損益が前年同期の赤字から2900万円の黒字に転換して着地した。主力のAIソリューション事業が好調だった。通期計画では増収・最終赤字を見込んでおり、今後の業績動向が注目される。(イ)
出所:MINKABU PRESS
2024/06/07 10:00
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7日の株式相場見通し=上値重い展開か、米雇用統計発表控え様子見
7日の東京株式市場は強弱観対立のなか日経平均は上値の重い展開となり、前日終値を下回る水準で推移しそうだ。前日の欧州株市場はほぼ全面高に近い商状となった。この日に行われたECB理事会では、市場の予想通り4年9カ月ぶりに政策金利の0.25%引き下げを決定し、これが好感される形に。もっとも、欧州株市場では事前に織り込みが進んでいたほか、ECBが今後の利下げに対しては慎重なスタンスとの見方も広がったことで、ポジティブな影響は限られている。一方、米国株市場では主要株価指数が高安まちまちの展開となり、NYダウは3日続伸したものの、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は小幅ながら4営業日ぶりにマイナス圏で引けた。カナダ中銀の利下げに続き、ECBが利下げに踏み切ったことを受け、FRBも早期に政策金利を引き下げやすくなるとの思惑から景気敏感株中心に頑強な値動きを示すものが多くなっている。ただ、日本時間今晩に発表される5月の米雇用統計を控え、この結果を見極めたいとの思惑から様子見ムードも拭えなかった。東京市場では前日に日経平均が反発したものの後半は上げ幅を縮小、上値の重さが改めて意識されている。きょうも米雇用統計発表を前に積極的な買いは入りづらく、前日の米株市場ではエヌビディア<NVDA>など半導体関連が冴えない値動きとなっていたこともあり、全体相場の方向性が見えにくい地合いとなりそうだ。
6日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比78ドル84セント高の3万8886ドル17セントと3日続伸。ナスダック総合株価指数は同14.784ポイント安の1万7173.121だった。
日程面では、きょうは4月の家計調査、5月上中旬の貿易統計、4月の景気動向指数(速報値)など。海外では5月の中国貿易統計、インド中銀とロシア中銀の政策金利発表のほか、5月の米雇用統計に対するマーケットの関心が高い。このほか、米国では4月の米卸売在庫・売上高、4月の米消費者信用残高なども発表される。
出所:MINKABU PRESS
2024/06/07 08:00
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明日の株式相場に向けて=半導体関連株の行方握る「米雇用統計」
5日の米株式市場でナスダック指数が最高値を更新したことを受け、6日の東京市場でも半導体関連株を中心に値を上げ、日経平均株価は前日比213円高の3万8703円と3日ぶりに反発した。一時3万9000円台を回復したが、午後にかけてはやや上昇幅は縮小した。
特に、米国市場ではエヌビディア<NVDA>が5%高と急伸。時価総額は3兆ドルに乗せ、アップル<AAPL>を抜きマイクロソフト<MSFT>に続く米国2位の企業に躍進した。ナスダック指数が上昇基調を強めている背景にあるのは、米インフレ懸念の後退だ。5日に発表された米5月ADP雇用統計は予想を下回ったほか、同ISM非製造業景況指数も項目別では「価格」が低下した。米長期金利は一時4.2%台に低下した。
市場では、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で50%を超える確率で利下げが決定されると予想しており、この金利低下観測が半導体株などハイテク株を押し上げている。これを受けて、この日の東京市場でも東京エレクトロン<8035.T>やアドバンテスト<6857.T>、ディスコ<6146.T>を中心とする半導体関連株が値を上げた。米国のショートセラー(空売り投資家)の標的となったレーザーテック<6920.T>は続落した。
当面、半導体などハイテク株の焦点となるのは、やはり米金融政策だろう。11~12日に開催されるFOMCが注目されるが、まずは明晩の米5月雇用統計が大きな焦点となる。現時点では非農業部門雇用者数は19.0万人増(4月は17.5万人増)が予想されている。明晩の雇用統計を無事にこなせば、日本株も半導体などハイテク株を中心に一段の戻りを試すことも期待できそうだ。
今晩は米新規失業保険申請件数と米4月貿易収支が発表される。また、欧州中央銀行(ECB)理事会が開催される。ECBでは利下げが予想されており、米金利低下への追い風が期待される。明日の予定では、上記の米雇用統計以外では国内で4月の家計調査、4月の景気動向指数など。海外では5月の中国貿易統計、4月の米消費者信用残高など。また、クミアイ化学工業<4996.T>や日本駐車場開発<2353.T>、サムコ<6387.T>、エイチーム<3662.T>などの決算発表が予定されている。
出所:MINKABU PRESS
2024/06/06 17:09
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<注目銘柄>=GENOVA、今期売上高100億円超えへ
GENOVA<9341.T>は、医療機関と利用者の情報非対称性を解決する「メディカルプラットフォーム事業」が主力。また、業務効率化を通じて患者の快適な医療体験を提供する「スマートクリニック事業」も展開している。
25年3月期通期の連結売上高は初の100億円超えとなる見通し。既存事業の強化に加え、幅広い業界との提携による新たな価値創出を通じ、過去最高益を実現する事業基盤を構築するとしている。また、同社は会社設立以来配当を実施していなかったが、今期末に30円の配当(普通配10円と記念配20円)を計画していることにも注目したい。
株価は5月27日につけた直近安値1256円を底に下値を切り上げる展開。25日移動平均線と75日移動平均線とのゴールデンクロスが実現すれば戻りに弾みがつきそうだ。(参)
出所:MINKABU PRESS
2024/06/06 10:00
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6日の株式相場見通し=大幅反発か、米ハイテク株高でリスクオン
6日の東京株式市場は広範囲に買い戻される地合いとなり、日経平均株価が大きく切り返す展開が想定される。前日の欧州株市場ではECB理事会で利下げを決定するとの観測が強まるなかドイツやフランスなど主要国の株価指数が上昇したほか、米国株市場でもハイテク株を中心に買いが集まり、ナスダック総合株価指数が330ポイント高と2%近い上昇をみせ史上最高値を更新、再びリスクオンの流れが形成されている。この日に発表された5月のADP全米雇用リポートで非農業部門の雇用者数の伸びが前月から縮小し、事前の市場コンセンサスも下回った。これを受けFRBの早期利下げへの期待が再燃しグロース株に資金を誘導する格好となった。カナダ中銀が4年3カ月ぶりに利下げを実施したことも追い風となるなか、米10年債利回りは4.3%台を下回る水準まで低下、株式の相対的な割高感が緩和された。エヌビディア<NVDA>が急騰し半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)の上げも目立った。東京市場では前日に日経平均が先物主導で一時500円近い下げをみせるなど荒れた展開となったが、きょうは米ハイテク株高を受け主力株中心に買い戻しの動きが強まりそうだ。3万8000円台後半から場合によっては3万9000円台を視野に入れる場面も考えられる。取引時間中に米株価指数先物や国内長期金利の動向に左右されるケースも想定される。
5日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比96ドル04セント高の3万8807ドル33セントと続伸。ナスダック総合株価指数は同330.858ポイント高の1万7187.905だった。
日程面では、きょうは5月の輸入車販売、5月の車名別新車販売、5月の軽自動車販売、5月のオフィス空室率など。海外では4月の豪貿易収支、ユーロ圏小売売上高、欧州中央銀行(ECB)理事会の結果発表とラガルドECB総裁の記者会見、週間の米新規失業保険申請件数、1~3月の米労働生産性指数、4月の米貿易収支など。
出所:MINKABU PRESS
2024/06/06 08:02
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明日の株式相場に向けて=風雲急を告げる東京市場はチャンスの塊に
きょう(5日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比347円安の3万8490円と続落。前日の欧州株市場が総じて下落。米国株市場ではNYダウ、ナスダック総合株価指数いずれも上昇したのだが、取引時間中はフラフラして最後に帳尻を合わせた感じである。米長期金利の低下基調が鮮明な割には覇気がない。東京市場も米株高を好感という雰囲気ではなかった。加えて為替市場ではドルが売られ、一時1ドル=154円台の円高となるなど警戒材料も多かったが、これも円高を悪役にするだけの合理性を欠いた。取引時間中は一貫して円安方向に押し戻されていたものの、日経平均はこれには無反応だったからだ。
世界的に景気減速への警戒感が株式市場を取り巻くムードを変えている。欧州株市場ではあす6日にECB理事会の結果発表とラガルドECB総裁の記者会見を控えるが、今回の会合で0.25%の政策金利引き下げは濃厚とみられ、これがリスクオン相場の根拠となっていた。しかし、マーケットの視線の先はインフレ警戒感から景気先行き懸念の方に少しずつ向きを変えてきている印象を受ける。
「景気」が冷めてきたから「利下げ」を行うというのはいわゆるワンセットだが、後者の利下げを株高の拠りどころとするのが「金融相場」であり、前者の景気減速感を株が買えない理由として挙げるのであれば、それは「逆業績相場」の色を帯びる。本来は、逆業績相場のあとに金融相場が始まるのが常識だが、欧州はここまでの上昇プロセスで金融相場の入口をタイムマシンに乗って先取りしてしまったようなところがある。独DAXや仏CAC40が史上最高値をつけたのは5月の中旬のことであった。
そして米国ではFRBによる引き締め転換後も、七不思議といわれるほど“強い景気”を維持してきた。ようやくここにきて景気の過熱感が解消され雇用環境も減速が顕著となってきたのだが、望んでいた経済実態を目の前に「待てよ」というムードとなっている。米株市場は勝手にノーランディング・シナリオを織り込んでいたようなフシがあり、今となってはたとえ経済が軟着陸であっても着陸するのは嫌だという本音が拭えない。本当はFRBの早期利下げ観測が逃げ水のように後ろにズレ込んでいるうちが華であり、利下げのスケジュールが現実味を帯びてくると、今度は経済実態の冷え込みに株式市場が躊躇する構図である。スタグフレーションのかすかな足音をマーケットは気にしている。
もっとも、スタグフレーションという切り口であればよほど日本の方が近いポジションにいる。かつての欧米を彷彿とさせる日本の物価上昇は、需要なきコストプッシュ型インフレの典型である。きょう発表された4月の毎月勤労統計では労働者1人あたりの実質賃金は前年同月比0.7%減少、遂に25カ月連続で前年を下回ったことになる。春闘で賃金の大幅な伸びが話題となったが、それは名目賃金であって、春闘効果をもってしても物価の伸びに追い付けない現実を注視する必要がある。日銀はもはや7月にも追加利上げのカードを切るよりないという見方が広がっているが、これは物価高誘導の円安対策が主眼であって、強くない景気を冷やしてしまう誤謬を犯す可能性をはらんでいる。
個別ではレーザーテック<6920.T>への売り攻勢が凄まじかった。一時3300円を超える下落もさることながら、6000億円近い売買代金には目を見張るよりない。空売りヘッジファンドのスコーピオン・キャピタルが宣戦布告、「典型的な不正会計」というワードが衝撃的に躍った。これは同社株のみならず、疲れが見えていた半導体製造装置関連株全般にかなりの向かい風となり得る。来週末の日銀金融政策決定会合とメジャーSQ算出を控え、スコーピオンが敷いた絨毯を売り方が闊歩するような相場環境となる可能性もゼロではない。しかし、仮にここでイレギュラーな下げに見舞われた場合、それを仕込み好機に変えることができるのが、小回りの利く個人投資家の特権でもある。安全ベルトを締めながら、キャッシュポジションを高くして備えておきたい。
あすのスケジュールでは、5月の輸入車販売、5月の車名別新車販売、5月の軽自動車販売、5月のオフィス空室率など。また、午前中に6カ月物国庫短期証券の入札が予定される。海外では4月の豪貿易収支、ユーロ圏小売売上高のほか、ECB理事会の結果発表とラガルドECB総裁の記者会見が注目される。このほか、週間の米新規失業保険申請件数、1~3月の米労働生産性指数、4月の米貿易収支など。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/06/05 17:00
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=タカラトミー、有力商材貢献し業績拡大継続へ
タカラトミー<7867.T>は業績拡大期待を背景に、更なる上値を目指す展開が期待できる。
5月14日に発表した24年3月期連結決算は、営業利益が188億1800万円(前の期比43.4%増)と大幅増益となった。国内で主力商材の「トミカ」、「ベイブレードX」が伸長したほか、「キデイランド」をはじめとする小売事業やカプセルトイ事業が好調に推移。米国でトミー・インターナショナルが堅調だったことも寄与した。
25年3月期は、会社側では営業利益200億円(前期比6.3%増)を見込むが、国内小売事業やカプセルトイ事業の好調持続や米大手玩具メーカーであるハスブロ<HAS>を介した「ベイブレードX」の欧米展開、アジアでのアミューズメントマシンの人気拡大など有力商材のグローバル展開を中心に利益拡大余地は大きい。調査機関のなかには同230億円強を見込むところもあり、上方修正の可能性は十分にある。更に、26年3月期は「ベイブレードX」の欧米需要が拡大期を迎えるとみられ、業績増益基調は続こう。30年3月期に営業利益300億円を目指す中期経営計画にも注目したい。(仁)
出所:MINKABU PRESS
2024/06/05 10:00
みんかぶニュース コラム
5日の株式相場見通し=続落、世界景気減速懸念と円高を嫌気
5日の東京株式市場は主力株をはじめ総じて売りに押される展開が想定され、日経平均株価は続落し3万8000円台半ばでの値動きが予想される。前日の欧州株市場では世界景気の先行き不透明感から主要国の株価指数がほぼ全面安商状となった。一方、米国株市場ではNYダウが反発に転じたほか、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も取引終盤に買いが優勢となり小幅ながら続伸している。この日に発表された4月の米雇用動態調査(JOLTS)では非農業部門の求人件数が3年2カ月ぶりの低水準となり、賃金インフレへの警戒感が後退した。FRBの早期利下げ観測が高まるなか米長期金利が一段と水準を切り下げ、金利敏感株を中心に買いが集まった。もっとも、ここにきて米国の経済指標が相次いで景気減速を示唆する内容を示していることは、市場センチメントを冷やす背景ともなっている。この日はダウがマイナス圏に沈む場面もあり、ナスダック指数の方は午後の取引中盤まで前日終値を下回る水準で推移した。東京市場では、日経平均が3万8000円台を中心とするもみ合いが1カ月以上続いており、なかなか方向感が出にくい状況にある。きょうは下げ止まらない米長期金利を背景に、外国為替市場では1ドル154円台までドル安・円高が続いており、これが半導体関連をはじめ輸出ハイテク株などにマイナスに作用し、全体相場の押し下げ要因となりそうだ。
4日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比140ドル26セント高の3万8711ドル29セントと反発。ナスダック総合株価指数は同28.377ポイント高の1万6857.047だった。
日程面では、きょうは4月の毎月勤労統計が朝方取引開始前に発表される。また、この日はマーケットでも注目度の高いIPOが1社予定されており、アストロスケールホールディングス<186A.T>が東証グロース市場に新規上場する。海外では1~3月の豪国内総生産(GDP)、5月の財新中国非製造業購買担当者景気指数(PMI)、5月のADP全米雇用リポート、5月の米ISM非製造業景況感指数などが注目。また、カナダ中銀の政策金利発表も予定される。
出所:MINKABU PRESS
2024/06/05 08:00
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=嵐を呼ぶ「SQ」と「決定会合」のシンクロ
きょう(4日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比85円安の3万8837円と3日ぶり反落。朝方に安く始まった後、下値をずるずると切り下げる軟調展開で一時330円あまりの下落を強いられたが、その後は買い戻され一時プラス転換も視野に入る戻り足を示した。結局戻し切れず、前日終値を下回る水準で着地したが、「思ったよりも押し目買い意欲は活発」(中堅証券ストラテジスト)という声も上がっていた。
今週は木曜日にECB理事会の結果発表とラガルドECB総裁の記者会見が予定されており、ここでは政策金利の0.25%引き下げが濃厚とみられている。これを拠りどころに欧州株市場は前週後半を境に戻り足にあり、今のところリスク選好ムードといえる。一方、米国株市場の方は、今週は重要経済指標が目白押しだが、アンカーとして控えるのが週末7日に発表される5月の米雇用統計で、この内容にマーケットの耳目が集まる。
雇用統計はどういう内容がポジティブなのか、これがまた難しい。前日発表された5月のISM製造業景況感指数は前月から悪化し、2カ月連続で分水嶺の50を下回り、市場コンセンサスにも届かなかった。当然長期金利は低下し、これでもしNYダウが上昇すればFRBが早期利下げを実施しやすくなったという講釈が大手を振るところだったが、実際はダウが一時400ドル超下げる場面に遭遇した。前日の米株市場は利下げのタイミング云々ではなく、景気減速への警戒感がクローズアップされる格好となった。
今週末の米雇用統計についても、市場では「米景気が強すぎればインフレ懸念を助長させ、利下げ期待の剥落で相場にマイナスに作用する。一方、景気が弱いという印象を与えるのもよくない。ソフトランディング観測の信頼性を希薄化させる悪材料となる。どちらにも寄らず、中庸であることがベスト」(ネット証券アナリスト)という。中庸な指標とはどういうものなのか、確証の持てる具体的な数字があるわけではないが、要は投資家にゴルディロックスを印象づける内容であれば、米国株市場は上昇に転じやすくなるということ。しかし考えてみると、それは結構難儀であることが分かる。針の穴を通すとまでは言わないが、株式市場が好感するストライクゾーンはかなり狭いようにも思えるからだ。
では日本株の場合はどうか。米国株の動きに左右されやすいとはいえ、最近は半導体関連株ひとつ取っても米株市場との連動性が失われている。特に、以前はエヌビディア関連のツートップとして脚光を浴びたアドバンテスト<6857.T>やディスコ<6146.T>が、最近は“エヌビディア祭り”が続いているにもかかわらず冴えない値動きが目立つ。これは、ひとえに国内要因に引きずられていると考えるよりない。日銀の金融政策が転換点を迎えていること、そして不安定な政治(政局)が、足もとで海外投資家離れを誘発しているという指摘が市場関係者の間からは聞かれた。
来週は米国でFOMC、国内では日銀の金融政策決定会合が行われる。FOMCについては政策変更なしで、パウエルFRB議長が利下げのタイミングに言及することも考えにくく、相場への影響は限定的であろう。それよりも今回は13~14日の日程で開催される日銀の決定会合のほうが肝である。結果が発表される14日がメジャーSQ算出日と重なることもあって、派手な「日銀プレー」を誘発する可能性がある。ここで、カギを握るのが空売り筋の動向だ。直近3日現在の東証合計の空売り比率は38%まで低下している。つまりショートがほとんど積まれていない状況で、相場は強気に傾いていることを示唆する。しかし、裏返せば現状は買い戻し圧力が働きにくい地合いであり、その分だけ売り方が仕掛けやすい環境ともいえる。今回の決定会合でいきなり利上げに動く可能性は限りなく低いが、国債の買い入れ減額が想定され、引き締めモードであることに変わりはない。例によって事前にアドバルーンを上げるにせよ、その過程での売り仕掛けを警戒しておく必要がある。
あすのスケジュールでは、4月の毎月勤労統計が朝方取引開始前に発表される。また、この日はマーケットでも注目度の高いIPOが1社予定されており、アストロスケールホールディングス<186A.T>が東証グロース市場に新規上場する。海外では1~3月の豪国内総生産(GDP)、5月の財新中国非製造業購買担当者景気指数(PMI)、5月のADP全米雇用リポート、5月の米ISM非製造業景況感指数などが注目。また、カナダ中銀の政策金利発表も予定される。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/06/04 17:00
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=ENEOS、エネルギー関連の雄で高株主還元に注目
ENEOSホールディングス<5020.T>が高値圏でのもみ合いを経て上値を慕う展開。早晩、新値街道を走る公算が大きく、上場来高値水準である900円大台ラインの突破も十分射程圏といえそうだ。国内トップの石油元売り会社だが、子会社を通じて海外での石油・天然ガス開発などに積極的に取り組み原油や天然ガスの権益を所有するほか、化合物半導体材料などの開発でも高い実力を有している。
24年3月期は営業65%増益と急回復をみせたが、25年3月期は前期比14%減の4000億円と減益を見込む。しかし、世界的なインフレモードが続くなか、原油市況の上昇基調は今後も続きそうで、同社の業績上振れ余地につながる可能性もある。加えて株主還元に極めて積極的姿勢をみせていることは特筆され、発行済み株式総数の約23%に相当する6億8000万株を上限とした自社株買いを発表したことはマーケットで大注目を浴びた。依然としてPBR0.7倍台で指標面からも見直し余地の大きさを示唆する。(桂)
出所:MINKABU PRESS
2024/06/04 10:00
みんかぶニュース コラム
4日の株式相場見通し=反落、米株高安まちまちで目先利食い誘発
4日の東京株式市場は強弱観対立のなかも、主力銘柄を中心に利益確定売り優勢の地合いとなりそうだ。前日の欧州株市場では英FTSE100は小安かったものの、独DAXなど主要国の株価が総じて上昇した。今週行われるECB理事会で利下げが行われる可能性が高く、これを拠りどころに投資家のセンチメントが強気に傾いている。しかし、米国株市場では主要株価指数が高安まちまちの展開で、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は4日ぶりに反発した一方、NYダウは前日に急伸をみせた反動で売り圧力に押され反落となった。ここダウとナスダック指数がちぐはぐな値動きとなっている。この日は午前中に発表された5月の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数が事前の市場コンセンサスを下回った。また、4月の米建設支出も予想に反し前月比で減少したことで、米景気の底堅さに対する信頼感が揺らいでいる。週末7日に5月の米雇用統計発表を控えていることもあり、ポジション調整の売りが表面化した。ただ、個別ではエヌビディア<NVDA>が5%近い上昇を示したことで、ハイテク系グロース株に追い風となり、ナスダック指数は頑強な値動きとなっている。東京市場では前日に日経平均が前週末に続き430円あまりの大幅高を示し、2営業日合計で870円近く水準を切り上げており、きょうは米株市場の動きを受けて、リスクオンの反動が出やすいところ。3万8000円台半ばから後半の推移が想定される。
3日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比115ドル29セント安の3万8571ドル03セントと反落。ナスダック総合株価指数は同93.655ポイント高の1万6828.670だった。
日程面では、5月のマネタリーベース、10年物国債の入札、5月の財政資金民間収支など。海外ではインド下院の総選挙の開票、4月の米雇用動態調査(JOLTS)、4月の米製造業受注など。
出所:MINKABU PRESS
2024/06/04 08:00
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=出世株相次ぐ「データセンター」関連
名実ともに6月相場入りとなった3日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比435円高の3万8923円と大幅続伸、一時フシ目の3万9000円台に乗せる場面もあった。依然として疑心暗鬼の相場環境といえるが、そうしたなかもきょうは月初の株高アノマリーがきっちり機能した格好だ。ただ、6月は過去10年間を振り返って、日経平均の月足は6勝4敗ながら、外国人投資家は日本株に対して結構シビアなスタンスをとっており、現物ベースで買い越したのはわずかに2回に過ぎない。
前週末の米国では、4月のPCEデフレータが総合指数、コア指数ともに事前予想と一致したことが好感され、長期金利の低下とともに株式の相対的な割高感が後退、NYダウが574ドル高と約1年ぶりとなる急騰パフォーマンスを演じた。とはいえ、分かってはいても、物価指標が発表されるごとに相場はいいように振り回される状況は相変わらずだ。インフレ警戒感も「再燃」と「後退」の繰り返しで、過去の指標に支配されている。バックミラーを覗き込んでその都度一喜一憂しているようなもので、車が角を曲がって次の指標が映し出されると、その前の指標が全否定されるがごとく雰囲気が激変するケースも多い。
その意味で今週は米国での重要指標が相次ぐことで、バックミラーを覗く回数が殊更に多くなる。日本時間の今晩に5月の米ISM製造業景況感指数、5日に5月のADP全米雇用リポートと5月のISM非製造業景況感指数、6日木曜日は4月の米貿易収支、そして週末7日は5月の米雇用統計が発表される。場合によってはNYダウやナスダック総合株価指数など主要株価3指数が酩酊状態でジグザグ走行を強いられる可能性もなきにしもあらずだが、「(今週の統計では)総じてインフレ鈍化の道筋にあることが確認されるのではないか」(生保系アナリスト)という声もある。いずれにしても過度に不安視せず、全体指数は全体指数、個別株は個別株と切り離して考えておく方がよさそうだ。
個別株に目を向けると相場の花形である半導体関連に跛行色がみられ、以前のような総花的な上昇が見込みにくくなっており、どちらかと言えば日銀の7月追加利上げの動きをにらみながらバリュー株がやや優位の構図にも見える。また、テーマ株物色については半導体のポジション調整の動きが資金シフトの追い風となりやすく、全方位型での対処を心掛けたい。まずは低PBR株の宝庫である地銀セクターでは、前週に取り上げた北洋銀行<8524.T>が一時45円高の627円まで買われ、前週末と合わせて2営業日で13%も水準を切り上げ上場来高値を更新した。北海道千歳市と熊本で場所は違えども、巨大半導体工場による“城下町景気”を拠りどころに、相対的に出遅れている九州フィナンシャルグループ<7180.T>も改めて注目される。4ケタトビ台の株価は仕込み好機に映る。
データセンター関連では精工技研<6834.T>が一気に上値追いを加速、約3年半ぶりの高値圏に歩を進めている。先駆的存在のさくらインターネット<3778.T>やさくらケーシーエス<4761.T>は大相場の後だけに、現状はまだ上値の売り玉が重石となっている印象はあるが、アイネット<9600.T>が直近戻り高値を更新するなど同テーマに対する投資資金の視線は依然として熱い。ここは、出遅れ組で株価低位のブロードバンドタワー<3776.T>や調整一巡感漂うAGS<3648.T>に着目しておきたい。このほか、ダイダン<1980.T>など空調工事株からバトンを受け、NTT系電気通信工事大手のエクシオグループ<1951.T>も要マーク。
また、直近では都市鉱山関連株に再び光が差し込んでいる。政府は三菱マテリアル<5711.T>などと組んで電子ゴミのリサイクル体制を整備するとの一部報道がなされた。三菱マの株価は冴えなかったが、きょうは同関連銘柄でアサカ理研<5724.T>が陰線を引いたものの一時5.4%高に買われた。継続フォローしている松田産業<7456.T>のほか、足もと新値街道に突入しているAREホールディングス<5857.T>も新たに目を配っておくところか。
あすのスケジュールでは、5月のマネタリーベースが朝方取引開始前に日銀から開示される。また、午前中に10年物国債の入札が予定されている。このほか、後場取引終了後に5月の財政資金民間収支が発表される。海外ではインド下院の総選挙の開票が行われる。また、4月の米雇用動態調査(JOLTS)にマーケットの関心が集まるほか、4月の米製造業受注も発表される。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/06/03 17:00
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=メック、業績増額で再評価機運
メック<4971.T>に注目したい。同社は化学薬品メーカーで、半導体パッケージ基板向け銅表面処理剤で世界トップ。主力の超粗化系密着向上剤「CZシリーズ」などが好調だ。5月に24年12月連結営業利益を従来予想の30億円から36億5000万円(前期比46.4%増)に増額修正を発表。円安や生産効率の改善が寄与した。生成AIの登場でデータセンター向けなど半導体需要が拡大するなか、業績は大幅な増益基調にある。
半導体パッケージ基板の大型化や多層化が進んでいることは同社製品への追い風に働いており、25年12月期も引き続き増益基調が続きそうだ。株価は、先行き5000円乗せからの一段高が見込める。(地和)
出所:MINKABU PRESS
2024/06/03 10:00
みんかぶニュース コラム
3日の株式相場見通し=続伸、NYダウ大幅高受け買い優勢に
3日の東京株式市場は主力株中心に買いが優勢となり、日経平均株価は3万8000円台後半を指向する展開が見込まれる。前週末の欧州株市場で主要国の株価指数が総じて高かったほか、米国株市場ではNYダウが約1年ぶりの大きさとなる570ドルあまりの急騰をみせたことが、投資マインドを強気に傾けそうだ。注目された4月のPCEデフレータは3月と同水準で事前の市場コンセンサスと合致、コア指数の方も事前予想と合致しマーケットの不安心理が後退した。これを受けて米長期金利が4.50%前後まで低下、株式市場に追い風となっている。名実ともに6月相場入りとなったきょうの東京市場だが、米株市場で物価指標を好感してNYダウが急伸をみせたことが市場センチメントを改善させ出足好調なスタートを切りそうだ。今週行われるECB理事会で利下げが行われる公算が大きいとみられていることもポジティブ材料となる。一方、日経平均は前週末に先物主導で400円以上の上昇をみせており、その分上値が重い可能性もある。買い一巡後は米株価指数先物や外国為替市場の動向などを横目に、強弱観を対立させる地合いが予想される。
31日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比574ドル84セント高の3万8686ドル32セントと4日ぶり大幅反発。ナスダック総合株価指数は同2.064ポイント安の1万6735.015だった。
日程面では、きょうは1~3月の法人企業統計、5月の新車・軽自動車販売台数など。海外では5月の財新中国製造業PMI、5月のISM製造業景況感指数、4月の米建設支出などがある。
出所:MINKABU PRESS
2024/06/03 08:00
みんかぶニュース コラム
来週の株式相場に向けて=日米決定会合を視野に「金融株」人気は続くのか
31日の東京市場で日経平均株価は前日比433円高と急伸し、4日ぶりに反発した。前日までの3日間で日経平均株価は800円を超える下落を演じていただけに、自律反発狙いの買いが流入した格好だ。「3万8000円前後の水準には値頃感も働く」(市場関係者)といい、下値を拾う動きも強まった格好だ。
とはいえ、足もとの東京市場は上値の重さが目立つ。22日のエヌビディア<NVDA>の決算は好調だったが、東京エレクトロン<8035.T>やレーザーテック<6920.T>など日本の半導体関連株は戻り売りをこなし切れていない。来週からは6月相場に突入するが、焦点は11~12日の米連邦公開市場委員会(FOMC)と13~14日の日銀金融政策決定会合だ。ともに不透明感は強く、日米の会合が通過するまでは手控え気分が強まる可能性がある。
FOMCに関しては、米連邦準備制度理事会(FRB)高官から早期利下げに慎重な声も出ており、特に来週は7日の米5月雇用統計を筆頭に、3日の同ISM製造業景況指数など重要経済指標の発表が相次ぐ。経済指標の結果に一喜一憂する展開が予想される。
また、日銀会合にも警戒感が強まっている。国内長期金利は1%を超え、13年ぶりの水準まで上昇したが、市場には日銀の早期利上げ観測がくすぶるほか、国債買い入れ額の減額を巡る思惑も根強い。「日銀が量的引き締め(QT)の方向性を示せば、金利の一段の上昇は避けられない」(市場関係者)ともみられている。日銀に政策変更があった場合、為替や株式市場全体にどんな反応があるのか。
そんななか、足もとで三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>や三井住友フィナンシャルグループ<8316.T>といったメガバンクを中心に銀行株は上昇基調を強めている。東証業種別株価指数の「銀行」は年初から30%強上昇しているが、PBR1倍割れ銘柄はなお多い。野村ホールディングス<8604.T>や大和証券グループ本社<8601.T>など証券、第一生命ホールディングス<8750.T>など生損保を含む金融株の人気は続きそうだ。
上記以外のスケジュールでは、海外では4日に米4月JOLTS求人件数、5日に米5月ADP雇用統計、同ISM非製造業景況感指数、6日にECB理事会が開催される。2日には「OPECプラス」の閣僚級会合が予定されている。
国内では、3日に1~3月期法人企業統計が公表される。3日に伊藤園<2593.T>、6日に積水ハウス<1928.T>、7日にクミアイ化学工業<4996.T>などが決算発表を行う。5日に宇宙関連企業のアストロスケールホールディングス<186A.T>が、東証グロース市場に新規上場する。来週の日経平均株価の予想レンジは3万8000~3万9100円前後。(岡里英幸)
出所:MINKABU PRESS
2024/05/31 17:24
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<注目銘柄>=栗本鉄、バリュー株・高配当利回りで資金流入継続へ
栗本鐵工所<5602.T>は2月以降、上昇基調が継続し、2006年以来の高値圏に浮上しているが、PBR(株価純資産倍率)は0.7倍台と1倍を割れている。配当利回りは4%台と高水準にあり、金利上昇局面における資金流入の継続を期待したい。
同社は水道管に使われる鋳鉄管大手。25年3月期は売上高が前期比1.5%減の1240億円となる見通しで、前期に過去最高益となった最終利益は同8.6%減の50億円と予想する。国内の公共事業関連では需要拡大が期待しにくいなかで、原材料やエネルギー・物流コストの上昇などが利益を圧迫する見込みだ。一方、生成AIの普及に伴い増設が期待されているデータセンターでは水冷技術の適用が進むとみられており、株式市場の一部では同社が手掛けるバルブの需要が拡大するとの思惑が広がっているようだ。
今期の業績予想を発表した今月14日に売られた局面ではすかさず押し目買いが入った。日経平均株価が今年に入り史上最高値をつけるなかにあって、同社株は1991年の上場来高値である1万8000円と比べると足もとの水準はまだ割安感があると受け止められ、PBRの水準是正に向けた持続的な株高が見込めそうだ。(碧)
出所:MINKABU PRESS
2024/05/31 10:00
みんかぶニュース コラム
31日の株式相場見通し=強弱観対立、米株安で買い手控えムード
31日の東京株式市場は強弱観対立、日経平均株価は前日終値をはさみ方向感の見えにくい展開が見込まれる。前日の米国株市場ではNYダウが下げ止まらず3日続落となり、一時400ドルを超える下げで3万8000ドル割れ目前まで売り込まれる場面もあった。また、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も続落し、終値ベースで1%を超える下げとなった。この日発表された24年1~3月期の米実質国内総生産(GDP)改定値は速報値から下方修正された。個人消費の伸び率が引き下げられたことで、景気減速に対する警戒感が強まり、景気敏感株などをはじめ幅広い銘柄に売りが広がった。また、個別では前日の夕方に決算を発表したセールスフォース<CRM>が20%近い下落となり投資マインドを冷やす格好となっている。これを受けて東京市場でもリスク回避目的の売りが出やすい環境にあるが、日経平均は米株市場に先立って前日に500円あまりの下げをみせており、その分だけ下値抵抗力を発揮する可能性がある。ただ、きょうはMSCIの構成銘柄定期見直しに絡む売り圧力が想定され、後場は買い手控えムードが強まることも考えられる。また、日本時間今晩に予定される米PCEデフレータの発表を控え、この内容を見極めたいとの思惑も影響し積極的な買いが入りにくい。足もと円高方向に振れている外国為替市場の動向などもにらみ上下に不安定な地合いとなりそうだ。
30日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比330ドル06セント安の3万8111ドル48セントと3日続落。ナスダック総合株価指数は同183.501ポイント安の1万6737.079だった。
日程面では、きょうは4月の失業率、4月の有効求人倍率、4月の鉱工業生産指数(速報値)、4月の商業動態統計、5月の都区部消費者物価指数(CPI)、4月の自動車輸出実績、4月の住宅着工統計、為替介入実績など。海外では5月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)、5月の中国非製造業PMI、インドの1~3月期国内総生産(GDP)、5月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)、4月の米個人所得・個人消費支出・PCEデフレータなど。
出所:MINKABU PRESS
2024/05/31 08:01
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=アドテストと東電の下げが暗示するもの
きょう(30日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比502円安の3万8054円と大幅安で3日続落。一時900円超の急落に見舞われる場面もあった。その後は先物にアンワインドの動きが生じ下げ渋る展開とはなったが、気が付けば日経平均は3万8000円台を巡る攻防にあり、4万円大台の“岸”からは大分沖に流されてしまった感がある。値ごろ感から買い向かいたいのはヤマヤマながら、今の相場が引き潮にあるという疑念が拭い切れなくなっているのも事実だ。相場は静観する勇気が必要な時もある。
前日を振り返るとアジア時間からリスクオフの流れが形成されており、中国・上海株市場を除き総じて下値を探る展開となっていたが、それを引き継いだ欧州株市場も全面安、更に米国株市場ではNYダウが400ドルあまりの下げに見舞われ、頼みの綱のナスダック総合株価指数もさすがに抗(あらが)えず反落を余儀なくされた。少し前の世界同時株高局面では東京市場はその波に乗ることができず悶々としたムードが漂ったが、皮肉にも世界同時株安となると、今度は他国市場に輪をかけて売り込まれる格好となってしまう。今の日本株の需給関係の悪さを物語っている。
これまでと何が変わったかといえば、明確なのは国内外で再び金利上昇圧力が高まっていること。これまでは米長期金利ばかり俎上に載せられていたが、欧州や日本でも金利上昇が株式市場の“目に見える敵”として意識され始めた。日本では10年債利回りがきょうは一時1.100%をつけた。もちろん欧米と比べれば別次元で、たかが1%強に過ぎないが、ついこの間まで世界で唯一のマイナス金利国であった日本にとってはそれなりに重い。
長期金利の1.1%台乗せは2011年7月以来約13年ぶりという。これについて市場では「12年の年末からスタートしたアベノミクス相場以前の段階まで時計の針が戻った」(ネット証券マーケットアナリスト)とする。11年7月当時の日経平均は1万円近辺で菅直人政権から野田政権に移行する直前のタイミングだった。金利と株価は別モノで、当時の長期金利に日経平均が歩調を合わせて1万円まで下げると考えるのはさすがにナンセンスだが、実は旧マザーズ指数であるグロース250指数をみるとあながち一笑に付すこともできない。きょうは取引時間中にフシ目の600を下回り594まで下げる場面があった。今から13年前のマザーズ指数(グロース250)は450~480で推移していた。つまり、あと100ポイント下げれば、ほぼ同水準といってよい。追い証があまり発生していない中でのこの状況は、戦慄に近いものを覚える。
今の相場のタチの悪さは、逆説的になるが売り方が暗躍した形跡が薄いこと。「直近の空売り比率は40%強に過ぎず仕掛け的な売りが乗せられている感じではない。昨年9月後半から10月初旬にかけて日経平均が3000円あまりの急落をみせたときの空売り比率は48%近くに達していた」(中堅証券ストラテジスト)という。空売りが積み上がっていれば、その買い戻しが下げに対するブレーキの役割を果たし、ともすれば踏み上げ相場の糧ともなるが、ショート筋不在の実需主体の下げは復活にも時間がかかる。
一方、光明がないわけではない。きょうは大嵐に見舞われたようだが、プライム市場の値上がり銘柄数は982で全体の6割を占めた。MSCIの構成銘柄見直しに絡む先回り的な売りが乗せられている可能性があり、実際きょうの下げも先物が絡む主力大型株に偏っていた。現時点で相場が引き潮にあると判断するのは早計かもしれない。ただ、6月相場が仮に戻りに入っても、メインストリートを走る銘柄が入れ替わるケースも念頭に置きたい。個別では半導体関連でアドバンテスト<6857.T>、電力株では東京電力ホールディングス<9501.T>の下げが苛烈であり、これが何を意味しているのか読み解く時間も必要だ。
あすのスケジュールでは、4月の失業率、4月の有効求人倍率、4月の鉱工業生産指数(速報値)、4月の商業動態統計のほか、5月の都区部消費者物価指数(CPI)にマーケットの関心が高い。また、午前中に3カ月物国庫短期証券の入札が予定。午後に4月の自動車輸出実績、4月の住宅着工統計が発表され、夜には5月の為替介入実績が財務省から開示される。海外では5月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)、5月の中国非製造業PMI、インドの1~3月期国内総生産(GDP)、5月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)のほか、4月の米個人所得・個人消費支出・PCEデフレータが注目されている。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/05/30 17:00
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=極洋、27年3月期経常益135億円を目指す
極洋<1301.T>は5月10日、25年3月期通期の連結業績予想を公表。経常利益は前期比12.9%増の100億円を見込み、期末一括配当は前期比10円増配の110円を計画している。
主力の水産事業では調達・営業部門の連携強化による販売量の拡大を図るほか、新規調達先の開拓による資源アクセス強化や海外生産・販売拠点の拡充に注力する方針。また、生鮮事業は強みを生かした販路の拡大など、食品事業は消費者ニーズを捉えた商品力の強化などに取り組むとしている。また、同日には新中期経営計画も発表しており、最終年度となる27年3月期の経常利益目標を135億円に設定していることにも注目したい。
株価は5月10日に直近高値3920円をつけたあとは上げ一服商状となっているが、日足チャートでは25日移動平均線と75日移動平均線のゴールデンクロスが目前。PERやPBRには割安感があり、上値を試す展開が期待できそうだ。(参)
出所:MINKABU PRESS
2024/05/30 10:00
みんかぶニュース コラム
30日の株式相場見通し=続落、世界的な金利上昇を嫌気
30日の東京株式市場は主力株をはじめ広範囲に売り優勢の地合いが想定され、日経平均株価は3日続落となりそうだ。目先は世界同時株安局面の様相を呈している。前日はアジア株市場で中国株市場を除き総じて下値を試す状況だったが、この流れを引き継ぎ欧州株市場はドイツ、フランス、英国など主要国をはじめ全面安商状となった。この日に発表された5月の独消費者物価指数(CPI)が強い数字でインフレ懸念が再燃、独長期金利が上昇し投資家心理を冷やした。更に米国株市場ではNYダウが400ドルを超える大幅安となり、ここ最高値圏で強さを発揮していたハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数も反落した。米株市場では再び長期金利が上昇基調を鮮明としており、前日は米10年債利回りが4.6%台まで水準を切り上げ株式の割高感が改めて意識されている。FRB高官によるタカ派的な発言が相次いだほか、国債入札も不調で金利上昇につながった。個別ではエヌビディア<NVDA>が全体相場に逆行し4日続伸と気を吐いたが、全体相場への貢献は限られた。東京市場では上値の重い展開が続いており、前日はプライム市場の8割以上の銘柄が下落するなど調整色を強めたが、きょうも一段と下値を探る地合いを余儀なくされそうだ。値ごろ感からの押し目買いも想定されるが、世界的に長期金利が上昇傾向を示すなか、日本でも前日に10年債利回りが1.075%まで上昇しており、買い手控えムードは拭えない。
29日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比411ドル32セント安の3万8441ドル54セントと大幅続落。ナスダック総合株価指数は同99.300ポイント安の1万6920.580だった。
日程面では、きょうは2年物国債の入札、4月の建機出荷など。海外では4月のユーロ圏失業率、1~3月の米実質国内総生産(GDP)改定値、週間の米新規失業保険申請件数、4月の米仮契約住宅販売指数など。また、南アフリカ中銀が政策金利を発表。このほか、ウィリアムズNY連銀総裁が講演を行う予定。
出所:MINKABU PRESS
2024/05/30 08:00
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=個別材料株のピンポイント戦略
きょう(29日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比298円安の3万8556円と続落。4万円大台はおろか、3万9000円台ラインもなかなかクリアできない状況となっている。前日は米国株市場でNYダウは下げたものの、日経平均と連動性の高いナスダック総合株価指数が最高値を更新、個別ではエヌビディア<NVDA>が値を飛ばし早くも1100ドル台へ突入、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も最高値をつけ、加えて1ドル=157円台の円安というリスクオンのオンパレード。東京市場でも半導体セクターにはこの上ないフォローウインドが吹いているはずなのだが、目の前にはその風にうまく乗れない現実がある。
国内でも長期金利の上昇基調に歯止めがかからず、日銀の追加利上げに向けた動きを警戒しているという解釈だが、正確に言えば相場が嫌気しているのはそこではない。現状では、日銀の利上げは早くて7月。そして年内は10月にあと1回行うかどうかというところで、0.25%の引き上げ2回と仮定すると合計で0.5%の引き上げ、水準としては0.6%というのが、おそらくは年内マックスのタカ派シナリオである。これを延々と嫌気し続けるというのもナンセンスだが、問題は利上げと経済実態が見合っていないということにマーケットは懸念を抱いている。
利上げは「強い景気」があってこそで、今はどう見ても日本の内需は疲弊している。「鉄道株の下げが異常」(ネット証券アナリスト)という指摘もあるが、これは何を意味しているかといえば、インフレ環境でも簡単に値上げできない鉄道業界の弱み。その延長線上には個人消費の冷え込み、つまりスタグフレーションを警戒している。
難しい地合いだが、そうしたなかも投資マネーはしたたかで全方位型の物色に切り替わってきている。きょうはGLOE<9565.T>がストップ高に買われたが、これは一部メディア報道で、「自民党のスポーツ立国調査会がeスポーツの普及、振興や選手強化を推進することを盛り込んだ提言」をまとめたことが伝わり、これを材料視したもの。eスポーツのテーマ性自体は色褪せることはないが、株式市場においてここ最近はテーマ買いの対象から外れていたことで新鮮味があった。6月ごろに策定される“骨太の方針”で反映される可能性があり、関連株をチェックしておく価値はありそうだ。個人投資家が参戦しやすい中低位株では、eスポーツに注力姿勢を明示しているカヤック<3904.T>や、同分野のプロモーションに携わるテー・オー・ダブリュー<4767.T>などに目を配っておきたい。
また、きょうは総じて利食われたものの、ここ電力株への物色人気が急激に盛り上がった。半導体工場やデータセンター増設に伴う電力需要の拡大と、それに付随する電力エネルギー確保を目的とした原発再稼働への思惑が買いの根拠である。原発周辺株では東京エネシス<1945.T>が中段で売り物をこなし上放れの機が熟しているようにも見える。今期減益予想とはいえ、PBR0.6倍台で4%近い配当利回りはバリュー株の要素も十分に兼ね備えており買いやすさがある。同じく電力株周辺では電力制御システムなどを手掛ける正興電機製作所<6653.T>も押し目買い妙味がありそうだ。4月11~12日と4月30日に大商いで急動意をみせ、上ヒゲをつけたが2点天井とはならなかった。その後は商いを減少させつつも株価を切り上げていることがポイントで、良好な株式需給を反映している。
これ以外では低PBR株の宝庫である地銀株にも視線を向けておくところ。内需セクターの停滞ムードはネガティブ材料ながら、熊本や北海道など巨大半導体工場を中心とした“城下町景気”の恩恵を受けるエリアは別格。ラピダス関連で北海道電力<9509.T>が株価を変貌させたが、この北海電が大株主に名を連ねる北洋銀行<8524.T>は要マーク。北海道地銀最大手にしてPBR0.4倍台と依然として解散価値の半値以下に放置されており、夏場に大勢3段上げに向かう公算も小さくない。
あすのスケジュールでは、2年物国債の入札、4月の建機出荷が発表される。海外では4月のユーロ圏失業率、1~3月の米実質国内総生産(GDP)改定値、週間の米新規失業保険申請件数、4月の米仮契約住宅販売指数などにマーケットの関心が高い。また、南アフリカ中銀が政策金利を発表する。このほか、ウィリアムズNY連銀総裁が講演を行う予定でその発言内容が注目される。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/05/29 17:00
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=リンテック、AM部門急回復で再成長期へ
リンテック<7966.T>は、5月9日に年初来高値3555円をつけた後、短期的な調整局面にあったが、再び高値更新から新たな上値へ向かいそうだ。
5月8日に発表した24年3月期連結決算は、営業利益が106億2800万円(前の期比23.0%減)だった。米国でのシール・ラベル用粘着製品の低迷や国内での主原料価格の高止まり、物流コストの上昇の影響で、印刷材・産業工材関連事業が赤字に転落したことが響いた。また、大型テレビやスマートフォン、パソコン用などの需要減少で電子・光学関連事業も苦戦した。
ただ電子・光学関連事業では、下期以降に半導体関連粘着テープや関連装置、積層セラミックコンデンサ関連テープの受注が急回復していることから、25年3月期はこれらアドバンストマテリアルズ(AM)部門の復調が期待できる。特に半導体関連装置は、生成AI用のHBM(高帯域幅メモリ)関連装置の出荷が本格化しており、業績を牽引しよう。また、印刷材・産業工材関連事業もラベル用粘着剤の米国での在庫調整が一巡しており、急回復が期待できそうだ。
会社側では25年3月期営業利益180億円(前期比69.4%増)を見込むが、AM部門の半導体関連粘着テープ・装置の好調から上振れの可能性が強い。また26年3月期には同240億円強を見込む調査機関もあり、業績は回復から再成長基調へ向かいそうだ。(仁)
出所:MINKABU PRESS
2024/05/29 10:00
みんかぶニュース コラム
29日の株式相場見通し=頑強か、国内長期金利上昇は警戒材料に
29日の東京株式市場は売り買い交錯のなかもやや強気優勢の地合いが想定され、日経平均株価は頑強な値動きを示しそうだ。前日の欧州株市場はドイツ、フランス、英国など主要国をはじめほぼ全面安商状となった。一方、米国株市場ではNYダウが200ドル超の下げをみせたものの、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数の方は続伸し過去最高値を更新した。この日はミネアポリス連銀のカシュカリ総裁が早期利下げ期待に水を差すタカ派的な発言を行ったほか、発表された5月の米消費者信頼感指数が事前予想に反し改善傾向を示し、1年後の予想インフレ率も小幅上昇したことで、米長期金利が水準を切り上げ投資家心理を冷やした。10年債利回りは4.5%台まで上昇する場面があり株式の相対的な割高感が意識され、全体相場の重荷となった。ただ、画像処理半導体大手のエヌビディア<NVDA>が大幅高に買われ最高値街道を走るなどAI関連株に買いが集まり、ナスダック指数はダウとは対照的に終日プラス圏で推移している。東京市場ではエヌビディアが急伸をみせたことや、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)も最高値をつけたことを受け、半導体関連株には追い風が見込まれるが、足もとで長期金利が上昇傾向を強めており、これが投資家の買い意欲を削ぐ可能性がある。外国為替市場ではドル高・円安方向に振れていることはポジティブ材料ながら、日経平均3万9000円近辺では戻り売り圧力も強そうだ。
28日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比216ドル73セント安の3万8852ドル86セントと反落。ナスダック総合株価指数は同99.086ポイント高の1万7019.880だった。
日程面では、きょうは5月の消費動向調査、日銀の安達審議委員が熊本県金融経済懇談会で記者会見、森田日証協会長の会見も予定されている。海外では米国でウィリアムズNY連銀総裁の講演内容に市場の注目度が高い。また、この日は米地区連銀経済報告(ベージュブック)が開示されるほか、米7年物国債の入札が行われる。米セールスフォース<CRM>の2~4月決算にもマーケットの視線が集まりやすい。
出所:MINKABU PRESS
2024/05/29 08:00
みんかぶニュース コラム
明日の株式相場に向けて=「順張り・逆張り」両面作戦で銘柄選別
きょう(28日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比44円安の3万8855円と小反落。前日の米国株市場が休場ということもあり、いつもより国内に相場の手掛かりを求めやすい環境にあったが、クローズアップされたのはやはり日銀の存在だ。日本の場合、インフレはもとより実質賃金のマイナスが重荷で、この対策としては円安進行を止めること。これは岸田政権と日銀が共有する最重要テーゼである。つまり今は日銀の大規模緩和策の限界を相場がどう織り込んでいくかという段階にある。そうしたなか、前日に日銀の内田副総裁が「デフレとゼロ金利制約との戦いの終焉は視野に入った」と発言。証文の出し遅れ的なニュアンスで捉えられたのか、ドル・円相場は反応薄だったが、株式市場では半導体主力株などハイテクセクターの気勢を削ぐだけのインパクトはあった。
もっとも個別株の物色意欲自体は旺盛で、半導体関連も主力どころに特化して振り向けられていた投資マネーが良い意味で分散されている印象もあり、個人投資家にとっては選択肢の幅が広がったことで参戦しやすくなっている面はありそうだ。冷静に考えれば10年債利回りが1%強の金利水準で株式の割高感など意識されようがない。
そうしたなか、きょうもデータセンター関連株への物色人気に陰りは見られなかった。ラピダス・エリアを管轄する北海道電力<9509.T>をはじめ、電力株が軒並み上昇したほか、データセンター向け通信ケーブルを手掛けるフジクラ<5803.T>など電線株や、高砂熱学工業<1969.T>のような空調工事会社も異彩高が相次ぐ。これらの銘柄に対する買いの勢いは、ひと頃の猫も杓子も「半導体製造装置」関連を目指していた投資マネーの動きを彷彿とさせる。今のテーマ買いの流れは、データセンター関連で創出される収益寄与がどのくらいかというファンダメンタルズ分析よりも、株式需給が良好であれば買われ、そうでなければ敬遠されるという単純にして最強のセオリーが株価を突き動かす原動力となっている。
半導体という一つのテーマにおいても、燎原の火のごとく物色の裾野が広がっていることで投資マネーの流動性を高め、結果として個人投資家などの復活参戦を促す。また、物色対象も半導体及びAIへの一点集中ではなく、さまざまな方向に目を配るタイミングへと移行しつつあるようだ。
個別株戦略として、高値圏を走る銘柄に乗るのは勢い重視で良かれ悪しかれ結果は早い。またある程度の時間的猶予があれば、逆張りで対処して戻りに乗るという手段もある。順張りと逆張りという観点で銘柄選別すると、まず“順張りモード”の銘柄では金、銀、プラチナなどの貴金属価格の上昇を背景に力強く株価の下値を切り上げている松田産業<7456.T>が挙げられる。また、同じく着実に上昇トレンドを構築しているのが宇宙関連と防衛関連二つの切り口を持つカーリットホールディングス<4275.T>で業績好調かつPER・PBRともに低い。更に電力株人気から更に派生した銘柄では、無線鉄塔などで実績の高い巴コーポレーション<1921.T>が注目され、こちらは約20年ぶりの高値水準を飛翔している。これらの銘柄に共通しているのは、株価の強さはもちろんとして、依然として投資指標面から割安なバリュー株の範疇にあるということだ。
“逆張りモード”の銘柄にも光を当ててみると、まず大底圏で動意待ちなのが東邦チタニウム<5727.T>。業績面は正直厳しく今期減配見通しだが、有配企業であることに変わりはなく、市況産業としては今が夜明け前の暗闇にある。北陸電気工事<1930.T>も前週23日に年初来安値をつけたばかりだが、ここは逆張り好機にみえる。北陸電傘下の電気工事会社だが、電力株上昇のビッグウェーブが周辺に波及するなか、調整一巡で瀬踏みをしている今のうちにソッと拾っておくのは有力かもしれない。
あすのスケジュールでは、午後取引時間中に5月の消費動向調査が内閣府から開示される。また日銀の安達審議委員が熊本県金融経済懇談会で記者会見を行うほか、森田日証協会長の会見も予定されている。海外では米国でウィリアムズNY連銀総裁の講演内容に市場の注目度が高い。また、この日は米地区連銀経済報告(ベージュブック)が開示されるほか、米7年物国債の入札が行われる。米セールスフォース<CRM>の2~4月決算にもマーケットの視線が集まりやすい。(銀)
出所:MINKABU PRESS
2024/05/28 17:00
みんかぶニュース コラム
<注目銘柄>=豊田通商、最高益基調で一段高余地
豊田通商<8015.T>に注目したい。トヨタ系総合商社である同社の24年3月期連結純利益は、前の期比16.6%増の3314億4400万円と最高益を更新した。自動車販売や自動車生産関連の取り扱い増などが収益を押し上げた。またアフリカでの増益などが寄与した。25年3月期の同利益は前期比5.6%増の3500億円の見込み。配当も前期比20円増の300円と15期連続での増配が計画されている。
同社の新中期経営計画では27年3月期の同利益4000億円が目指されており、積極的な株主還元も実施する方針だ。株価は連結PER9倍前後、配当利回りも3.1%台と割安で1万円回復からの一段高が見込める。(地和)
出所:MINKABU PRESS
2024/05/27 10:00
みんかぶニュース コラム
27日の株式相場見通し=反発、米ハイテク株高受け買い戻し優勢に
27日の東京株式市場は主力株中心に買い戻し優勢の地合いとなり、日経平均株価は反発に転じる公算が大きい。前週末の欧州株市場は高安まちまちで、ここドイツ、フランス、英国など主要国の株価指数は最高値圏から軟化傾向を示している。米国株市場ではハイテク主力銘柄を中心に買い戻され、NYダウが小反発したほか、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は史上最高値を更新した。ミシガン大学が発表した5月の消費者態度指数の確報値は速報値から上方修正されたものの半年ぶりの低水準だったほか、1年後の期待インフレ率の方は速報値から下方修正された。これを受けインフレに対する過度な不安心理が後退し、全体相場はグロース株に追い風の強い地合いとなった。東京市場では前週後半に日経平均が上下にボラティリティの高い展開となり、週末は460円近い下げで前日の大幅高の大半を吐き出す格好となったが、きょうは米ハイテク株高を受け再び買いが優勢となる可能性が高そうだ。なお、米株市場ではエヌビディア<NVDA>が連日で最高値を更新したのをはじめ、半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)がナスダック指数と歩調を合わせて最高値を更新していることから、東京市場でも同関連株にポジティブに作用しそうだ。日経平均は3万8000円台後半から3万9000円台回復を視野に入れる動きが予想される。
24日の米国株式市場では、NYダウ平均株価が前営業日比4ドル33セント高の3万9069ドル59セントとわずかながら3日ぶり反発。ナスダック総合株価指数は同184.761ポイント高の1万6920.794だった。
日程面では、きょうは3月の景気動向指数改定値、4月の外食売上高、5月の月例経済報告など。海外では1~4月の中国工業企業利益、5月の独Ifo企業景況感指数など。なお、メモリアルデーの祝日で米国市場は休場。また、英国市場も休場。
出所:MINKABU PRESS
2024/05/27 08:00
みんかぶニュース コラム
来週の株式相場に向けて=日本株市場の「分断化」進み複合的視点が必要
24日の東京市場は、日経平均株価が前日比457円安と急反落。前日にはエヌビディア<NVDA>の好決算で半導体関連株が買われ486円高と急伸していたが、その上昇分をほぼ吐き出した格好だ。
米国の5月購買担当者景気指数(PMI)が予想を上回り、早期利下げ期待が後退したことが要因となった。決算発表が一巡するとともに「市場の関心は再び日米の金融政策に向かいつつある」(市場関係者)。ここからは、6月11~12日の米連邦公開市場委員会(FOMC)、同13~14日の日銀金融政策決定会合に向けた動きが最大の焦点となる。
そんななか、日本株をみるうえでの大きなポイントとして「半導体関連株など米国市場に左右される銘柄群と、日本の内部要因に左右される銘柄群とに大きく分かれ、分断化が進んでいる」(アナリスト)ことが指摘されている。
東京エレクトロン<8035.T>やアドバンテスト<6857.T>といった銘柄は、米半導体株や米連邦準備制度理事会(FRB)による米金融政策による影響が大きい。その一方、例えばイオン<8267.T>やしまむら<8227.T>のような内需系銘柄は「実質賃金の減少が懸念されるなか、日本の金利動向や円安の行方が注視されている」(同)という。
特に、足もとの日経平均株価の上昇率が米国など海外市場に見劣りしているのは「GDPのマイナス成長にみられる個人消費の弱さが大きな要因」(エコノミスト)とも指摘されている。消費拡大という点では「物価高の抑制に向けた円安の是正が求められるほか、利息収入増加の面からは政策金利引き上げもプラス要因かもしれない」(同)との声も出ている。こうしたなか、海外に加え国内の金融政策動向への関心が強まっていきそうだ。
来週のスケジュール面では、来週は31日の米4月個人消費支出(PCE)デフレーターや同日の5月東京都区部消費者物価指数(CPI)などが注目されそうだ。上記以外では、海外では28日の米5月消費者信頼感指数、30日の米1~3月期GDP改定値、31日の中国5月製造業PMIなどが関心を集めそうだ。
国内では27日に植田和男・日銀総裁が国際コンファランスで挨拶を行う。31日に4月失業率・有効求人倍率が発表される。また、27日にダイドーグループホールディングス<2590.T>、30日に東和フードサービス<3329.T>、31日にトリケミカル研究所<4369.T>、ACCESS<4813.T>が決算発表を行う。28日に学びエイド<184A.T>が東証グロース市場に新規上場する。来週の日経平均株価の予想レンジは3万8200~3万9200円前後。(岡里英幸)
出所:MINKABU PRESS
2024/05/24 17:14