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マイクロアド Research Memo(6):流動比率・固定比率ともに健全な数値
配信日時:2025/12/26 11:06
配信元:FISCO
*11:06JST マイクロアド Research Memo(6):流動比率・固定比率ともに健全な数値
■業績動向
2. 財務状況と経営指標
マイクロアド<9553>の2025年9月期末時点の財務状況は、総資産は前期末比755百万円増加の9,149百万円となった。このうち、流動資産は受取手形及び売掛金の増加539百万円などにより、394百万円増加した。固定資産は、繰延税金資産の増加348百万円などにより、361百万円増加した。
負債合計は前期末比755百万円増加の5,252百万円となった。このうち、流動負債は短期借入金の増加300百万円、支払手形及び買掛金の増加264百万円などにより、800百万円増加した。固定負債はリース債務の減少22百万円、長期借入金の減少19百万円などにより、44百万円減少した。純資産合計は前期末から大きな変動はなく3,897百万円となった。
経営指標は、流動比率が前期末比11.1ポイント減の107.1%、固定比率が同9.3ポイント増の98.3%となった。流動比率、固定比率ともに依然として健全な数値であり、長短の支払い能力に問題はないと弊社は考えている。また、自己資本比率は38.2%となり、前期末比0.8ポイント低下した。ただ、利益率の高いデータプロダクトに注力するなかで当期純利益を積み上げることによって純資産の厚みが増すため、弊社は中長期的には自己資本比率は高まるものと推察する。
■今後の見通し
2026年9月期は増収増益見込み、本格的な利益創出フェーズへ
2026年9月期の連結業績は、売上高で前期比11.3%増の17,444百万円、のれん償却費と株式報酬費を考慮した調整後営業利益が同30.9%増の1,026百万円、営業利益で同33.0%増の815百万円、経常利益で同43.4%増の761百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同240.1%増の663百万円を見込んでいる。
2025年9月期に実施した生産性向上施策により、同社は売上のベース拡大と利益率の改善を同時に達成した。これを踏まえて2026年9月期は本格的な利益創出フェーズへ移行する方針を掲げている。利益成長の実現と並行して、新たに開始したIP関連事業やTikTok Shop関連事業への投資と拡大も積極的に進める。既存事業の基盤強化に加え、新規事業の攻勢展開によって事業の成長基盤をより厚いものにしていく姿勢が示されている。
今後の成長イメージに関して、同社は総合データカンパニーとしての事業拡大を進めており、2025年9月期には新規事業としてBtoC領域における複数の物販事業を開始した。これに続いて2026年9月期は、BtoB領域における「UNIVERSE DATA PLATFORM」の新たな活用事業を積極的に推進する方針を示している。「UNIVERSE」は自社広告プラットフォーム「UNIVERSE Ads」への広告配信により発展してきたが、データ経済圏の拡大を目的とした取り組みが進んでいる。その中心となるのが、「UNIVERSE DATA PLATFORM」の他社広告プラットフォームへの連携推進であり、これにより大手SNSや動画プラットフォームへの広告配信が新たに可能となる。
具体的には、Facebook、Instagram、TikTok広告などとの連携を前期に進めており、自社プラットフォームのみでは到達できなかった領域へ広告配信の幅が広がる。連携によって利用可能となるデータは、趣味嗜好データ、購買データ、ビジネスユーザーデータなど多岐にわたり、「UNIVERSE」が扱う業種特化型製品のデータ範囲も拡張できることとなる。自社プラットフォームにおいては従来どおりWebサイトやスマートフォンアプリへの広告配信が主体であるが、他社プラットフォームとの連携開始によってデータ活用の幅は飛躍的に高まり、「UNIVERSE」の事業領域拡大を強力に後押しする見通しである。既存サービスの深化だけでなく、「UNIVERSE」を軸とした新規領域への展開を通じて事業構造の広がりを図る姿勢が明確であり、中長期的な成長の拡大が期待されると弊社では見ている。
(1) データプロダクト
データプロダクトでは、売上高で前期比10.5%増の10,214百万円、売上総利益で同14.5%増の3,621百万円を見込んでいる。自社プラットフォームにおいては利益率の改善を通じた粗利総額の拡大をねらう方針である一方、今期は市場規模の大きい他社プラットフォームでの展開を一段と加速させる方針である。他社プラットフォームを新規顧客獲得のチャネルと位置づけ、そこから自社プラットフォームへの併用を促すクロスセル施策も推進する。共通の営業リソースを活用することで稼働アカウント数の純増を促し、データプロダクト全体として売上と粗利の成長を目指す構図となっている。自社と他社の双方のプラットフォームを生かすことで、収益源の複線化と成長速度の向上を図ることが期待されている。
(2) コンサルティング
コンサルティングでは、売上高で前期比12.5%増の7,229百万円、売上総利益で同12.4%増の1,849百万円を見込んでいる。メディア向けコンサルティングサービスにおいて、契約メディア数や広告枠数を着実に積み上げることで拡大を続ける見通しである。また、連結子会社であるエンハンスでは、ユーザーによる定期課金やコンテンツごとの課金など、多様な課金モデルに対応した、Webメディア向け収益化支援プラットフォーム「AE」事業を2025年12月に取得し、メディア運営企業の収益最大化支援の拡大が期待される。海外コンサルティングサービスでは、訪日観光客の増加によるインバウンドマーケティングの需要を捉えつつ、IPコラボの新規事業であるIPmixerを通じて事業規模の拡大をねらう。国内外双方の市場において需要が高まる領域を着実に取り込みながら、サービス全体の成長加速を見込む構成となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
<HN>
2. 財務状況と経営指標
マイクロアド<9553>の2025年9月期末時点の財務状況は、総資産は前期末比755百万円増加の9,149百万円となった。このうち、流動資産は受取手形及び売掛金の増加539百万円などにより、394百万円増加した。固定資産は、繰延税金資産の増加348百万円などにより、361百万円増加した。
負債合計は前期末比755百万円増加の5,252百万円となった。このうち、流動負債は短期借入金の増加300百万円、支払手形及び買掛金の増加264百万円などにより、800百万円増加した。固定負債はリース債務の減少22百万円、長期借入金の減少19百万円などにより、44百万円減少した。純資産合計は前期末から大きな変動はなく3,897百万円となった。
経営指標は、流動比率が前期末比11.1ポイント減の107.1%、固定比率が同9.3ポイント増の98.3%となった。流動比率、固定比率ともに依然として健全な数値であり、長短の支払い能力に問題はないと弊社は考えている。また、自己資本比率は38.2%となり、前期末比0.8ポイント低下した。ただ、利益率の高いデータプロダクトに注力するなかで当期純利益を積み上げることによって純資産の厚みが増すため、弊社は中長期的には自己資本比率は高まるものと推察する。
■今後の見通し
2026年9月期は増収増益見込み、本格的な利益創出フェーズへ
2026年9月期の連結業績は、売上高で前期比11.3%増の17,444百万円、のれん償却費と株式報酬費を考慮した調整後営業利益が同30.9%増の1,026百万円、営業利益で同33.0%増の815百万円、経常利益で同43.4%増の761百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同240.1%増の663百万円を見込んでいる。
2025年9月期に実施した生産性向上施策により、同社は売上のベース拡大と利益率の改善を同時に達成した。これを踏まえて2026年9月期は本格的な利益創出フェーズへ移行する方針を掲げている。利益成長の実現と並行して、新たに開始したIP関連事業やTikTok Shop関連事業への投資と拡大も積極的に進める。既存事業の基盤強化に加え、新規事業の攻勢展開によって事業の成長基盤をより厚いものにしていく姿勢が示されている。
今後の成長イメージに関して、同社は総合データカンパニーとしての事業拡大を進めており、2025年9月期には新規事業としてBtoC領域における複数の物販事業を開始した。これに続いて2026年9月期は、BtoB領域における「UNIVERSE DATA PLATFORM」の新たな活用事業を積極的に推進する方針を示している。「UNIVERSE」は自社広告プラットフォーム「UNIVERSE Ads」への広告配信により発展してきたが、データ経済圏の拡大を目的とした取り組みが進んでいる。その中心となるのが、「UNIVERSE DATA PLATFORM」の他社広告プラットフォームへの連携推進であり、これにより大手SNSや動画プラットフォームへの広告配信が新たに可能となる。
具体的には、Facebook、Instagram、TikTok広告などとの連携を前期に進めており、自社プラットフォームのみでは到達できなかった領域へ広告配信の幅が広がる。連携によって利用可能となるデータは、趣味嗜好データ、購買データ、ビジネスユーザーデータなど多岐にわたり、「UNIVERSE」が扱う業種特化型製品のデータ範囲も拡張できることとなる。自社プラットフォームにおいては従来どおりWebサイトやスマートフォンアプリへの広告配信が主体であるが、他社プラットフォームとの連携開始によってデータ活用の幅は飛躍的に高まり、「UNIVERSE」の事業領域拡大を強力に後押しする見通しである。既存サービスの深化だけでなく、「UNIVERSE」を軸とした新規領域への展開を通じて事業構造の広がりを図る姿勢が明確であり、中長期的な成長の拡大が期待されると弊社では見ている。
(1) データプロダクト
データプロダクトでは、売上高で前期比10.5%増の10,214百万円、売上総利益で同14.5%増の3,621百万円を見込んでいる。自社プラットフォームにおいては利益率の改善を通じた粗利総額の拡大をねらう方針である一方、今期は市場規模の大きい他社プラットフォームでの展開を一段と加速させる方針である。他社プラットフォームを新規顧客獲得のチャネルと位置づけ、そこから自社プラットフォームへの併用を促すクロスセル施策も推進する。共通の営業リソースを活用することで稼働アカウント数の純増を促し、データプロダクト全体として売上と粗利の成長を目指す構図となっている。自社と他社の双方のプラットフォームを生かすことで、収益源の複線化と成長速度の向上を図ることが期待されている。
(2) コンサルティング
コンサルティングでは、売上高で前期比12.5%増の7,229百万円、売上総利益で同12.4%増の1,849百万円を見込んでいる。メディア向けコンサルティングサービスにおいて、契約メディア数や広告枠数を着実に積み上げることで拡大を続ける見通しである。また、連結子会社であるエンハンスでは、ユーザーによる定期課金やコンテンツごとの課金など、多様な課金モデルに対応した、Webメディア向け収益化支援プラットフォーム「AE」事業を2025年12月に取得し、メディア運営企業の収益最大化支援の拡大が期待される。海外コンサルティングサービスでは、訪日観光客の増加によるインバウンドマーケティングの需要を捉えつつ、IPコラボの新規事業であるIPmixerを通じて事業規模の拡大をねらう。国内外双方の市場において需要が高まる領域を着実に取り込みながら、サービス全体の成長加速を見込む構成となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)
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