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京葉瓦斯 Research Memo(5):2025年12月期第3四半期は電力調達コスト減少などにより大幅増益
配信日時:2025/12/26 12:35
配信元:FISCO
*12:35JST 京葉瓦斯 Research Memo(5):2025年12月期第3四半期は電力調達コスト減少などにより大幅増益
■京葉瓦斯<9539>の業績動向
1. 2025年12月期第3四半期の業績動向
2025年12月期第3四半期は、売上高が89,879百万円(前年同期比1.5%増)、営業利益が4,470百万円(同82.0%増)、経常利益が4,953百万円(同71.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益が3,539百万円(同81.2%増)と好調となった。
なお、従来、一部の不動産賃貸収入及び不動産賃貸費用は「営業外収益」及び「供給販売費及び一般管理費」に含めて表示していたが、セグメントの変更に合わせて、第1四半期より「売上高」及び「売上原価」に表示することとした。この変更を反映させるため、前第3四半期の不動産賃貸収入及び不動産賃貸費用についても「売上高」及び「売上原価」への組み替えを行ったが、影響は軽微である。また、同社の業績はガス事業のウエイトが高いため、売上高に需要の多い冬季(1月〜3月)に多く計上されるという季節的偏重がある。
第3四半期のガス販売量は、家庭用については顧客件数増、業務用については顧客設備の稼働増により、それぞれ伸長した。これにより、ガス販売量合計は514百万立方メートル(前年同期比0.9%増)となった。売上高は、原料価格の下落による販売価格低下をガス販売量の増加と電力小売販売量の増加でカバーし、増収となった。利益面では、ガス事業における原料価格の下落や、電力調達コストの減少などによる電力小売費用の減少などにより、売上原価が同1.3%減少した。この結果、売上総利益率は同1.9ポイント改善の33.2%となった。また、販管費を同0.5%増に抑制したため、営業利益は大幅に伸びた。
なお、2025年9月に、同社初の海外子会社であるKG America, LLCが、三井物産<8031>の子会社で分散型太陽光発電、蓄電池の分野におけるリーディングカンパニーForeFront Power, LLC (FP)とともに、米国においてPPA(Power Purchase Agreement)方式※による分散型太陽光発電事業に出資することを決定した。国内の再生可能エネルギー開発が停滞傾向にある一方、米国では電力需要の増加により加速している。同社は、米国を戦略的に重要な成長市場と位置付け、この出資を通じて再生可能エネルギー事業を本格的に展開する計画である。
※ PPA事業者が需要家の敷地内などに太陽光発電設備を設置し、需要家は初期投資をすることなく使用した分の電気料金をPPA事業者に支払う仕組み。
エネルギーの収益改善が全体業績をけん引
2. セグメント別の動向
セグメント別の業績※動向は、エネルギーが売上高83,722百万円(前年同期比2.2%増)、セグメント利益6,049百万円(同61.8%増)、ライフサービスが売上高4,784百万円(同12.3%減)、セグメント利益480百万円(同18.9%減)、リアルエステートが売上高1,573百万円(同19.4%増)、セグメント利益617百万円(同20.1%減)となった。エネルギーの収益改善が、全体業績の伸びをけん引した格好である。
※ 売上高・セグメント利益ともに調整前。
エネルギーは、ガスと電力小売の販売量が増加した一方、調達コストが下がったため、大幅な増益となった。主力のガス事業では、原料のドル建てLNG価格下落に伴い、販売価格も同様に低下した。家庭用ガス販売量は顧客件数の増加などにより前年同期比1.2%増と着実に伸長した。業務用ガス販売量は、商業用で一部の機器更新に伴い空調需要が減少したものの、工業用・その他用において顧客設備の稼働が増加したことなどにより、同0.7%増となった。家庭用・業務用ともに、スライドタイムラグ※1による売上総利益率の向上が利益を押し上げた。
※1 原料費調整制度※2に基づき、ガス原料価格の変動がガス販売単価に反映されるまで一定の時間差。家庭用で3ヶ月程度、業務用で1ヶ月程度のラグができ、一時的な増減益要因になる。
※2 事業者の効率化努力を透明化するとともに、経済情勢を迅速に料金に反映させるため、原料費の変動に応じて料金を変化させる制度。
電力小売事業では、顧客件数の増加や夏の猛暑による空調の使用増が寄与し、特に第3四半期に販売量が伸長した。販売量増加に加えて、ウクライナ情勢により市場価格が高騰していた時期に締結した電力の高値相対契約が徐々に解消していることが要因となり、損失ながらも大幅な増益となった。なお、電力小売事業は損失傾向が続いているが、高値の相対契約の解消により、将来の黒字化が見込まれる。
ライフサービスは、前年同期に災害時の停電対策にも有効なものとして小中学校の体育館向け大口ガス空調案件を獲得した反動により、減収減益となった。リアルエステートは、「リーフシティ市川 ザ・レジデンス」が2025年6月より入居を開始したことで売上高は順調に増加したが、竣工に伴う償却費など初期費用により、減益となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)
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1. 2025年12月期第3四半期の業績動向
2025年12月期第3四半期は、売上高が89,879百万円(前年同期比1.5%増)、営業利益が4,470百万円(同82.0%増)、経常利益が4,953百万円(同71.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益が3,539百万円(同81.2%増)と好調となった。
なお、従来、一部の不動産賃貸収入及び不動産賃貸費用は「営業外収益」及び「供給販売費及び一般管理費」に含めて表示していたが、セグメントの変更に合わせて、第1四半期より「売上高」及び「売上原価」に表示することとした。この変更を反映させるため、前第3四半期の不動産賃貸収入及び不動産賃貸費用についても「売上高」及び「売上原価」への組み替えを行ったが、影響は軽微である。また、同社の業績はガス事業のウエイトが高いため、売上高に需要の多い冬季(1月〜3月)に多く計上されるという季節的偏重がある。
第3四半期のガス販売量は、家庭用については顧客件数増、業務用については顧客設備の稼働増により、それぞれ伸長した。これにより、ガス販売量合計は514百万立方メートル(前年同期比0.9%増)となった。売上高は、原料価格の下落による販売価格低下をガス販売量の増加と電力小売販売量の増加でカバーし、増収となった。利益面では、ガス事業における原料価格の下落や、電力調達コストの減少などによる電力小売費用の減少などにより、売上原価が同1.3%減少した。この結果、売上総利益率は同1.9ポイント改善の33.2%となった。また、販管費を同0.5%増に抑制したため、営業利益は大幅に伸びた。
なお、2025年9月に、同社初の海外子会社であるKG America, LLCが、三井物産<8031>の子会社で分散型太陽光発電、蓄電池の分野におけるリーディングカンパニーForeFront Power, LLC (FP)とともに、米国においてPPA(Power Purchase Agreement)方式※による分散型太陽光発電事業に出資することを決定した。国内の再生可能エネルギー開発が停滞傾向にある一方、米国では電力需要の増加により加速している。同社は、米国を戦略的に重要な成長市場と位置付け、この出資を通じて再生可能エネルギー事業を本格的に展開する計画である。
※ PPA事業者が需要家の敷地内などに太陽光発電設備を設置し、需要家は初期投資をすることなく使用した分の電気料金をPPA事業者に支払う仕組み。
エネルギーの収益改善が全体業績をけん引
2. セグメント別の動向
セグメント別の業績※動向は、エネルギーが売上高83,722百万円(前年同期比2.2%増)、セグメント利益6,049百万円(同61.8%増)、ライフサービスが売上高4,784百万円(同12.3%減)、セグメント利益480百万円(同18.9%減)、リアルエステートが売上高1,573百万円(同19.4%増)、セグメント利益617百万円(同20.1%減)となった。エネルギーの収益改善が、全体業績の伸びをけん引した格好である。
※ 売上高・セグメント利益ともに調整前。
エネルギーは、ガスと電力小売の販売量が増加した一方、調達コストが下がったため、大幅な増益となった。主力のガス事業では、原料のドル建てLNG価格下落に伴い、販売価格も同様に低下した。家庭用ガス販売量は顧客件数の増加などにより前年同期比1.2%増と着実に伸長した。業務用ガス販売量は、商業用で一部の機器更新に伴い空調需要が減少したものの、工業用・その他用において顧客設備の稼働が増加したことなどにより、同0.7%増となった。家庭用・業務用ともに、スライドタイムラグ※1による売上総利益率の向上が利益を押し上げた。
※1 原料費調整制度※2に基づき、ガス原料価格の変動がガス販売単価に反映されるまで一定の時間差。家庭用で3ヶ月程度、業務用で1ヶ月程度のラグができ、一時的な増減益要因になる。
※2 事業者の効率化努力を透明化するとともに、経済情勢を迅速に料金に反映させるため、原料費の変動に応じて料金を変化させる制度。
電力小売事業では、顧客件数の増加や夏の猛暑による空調の使用増が寄与し、特に第3四半期に販売量が伸長した。販売量増加に加えて、ウクライナ情勢により市場価格が高騰していた時期に締結した電力の高値相対契約が徐々に解消していることが要因となり、損失ながらも大幅な増益となった。なお、電力小売事業は損失傾向が続いているが、高値の相対契約の解消により、将来の黒字化が見込まれる。
ライフサービスは、前年同期に災害時の停電対策にも有効なものとして小中学校の体育館向け大口ガス空調案件を獲得した反動により、減収減益となった。リアルエステートは、「リーフシティ市川 ザ・レジデンス」が2025年6月より入居を開始したことで売上高は順調に増加したが、竣工に伴う償却費など初期費用により、減益となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)
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