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オーバル Research Memo(1):2026年3月期中間期の売上高は好調、営業利益は過去最高水準
配信日時:2025/12/24 11:01
配信元:FISCO
*11:01JST オーバル Research Memo(1):2026年3月期中間期の売上高は好調、営業利益は過去最高水準
■要約
オーバル<7727>は、1949年に創業された流量計のパイオニアで、流体計測機器メーカーの専業最大手であり、東京証券取引所(以下、東証)スタンダード市場に上場している。多岐にわたるラインナップを誇る流量計を提供するセンサ部門、流体計測に関わるシステムパッケージを提供するシステム部門、顧客の要望にきめの細かいメンテナンス対応で応えるサービス部門の3事業により、常に時代に最適な商品・サービスを提供し、顧客の最大級の満足を追求している。2032年3月期を目標に「アジアNo.1のセンシング・ソリューション・カンパニー」へと成長を遂げることを目指して、中期経営計画「Imagination 2028」(2026年3月期~2028年3月期)を鋭意推進中である。
1. 2026年3月期中間期の業績概要
2026年3月期中間期の連結業績は、売上高7,373百万円(前年同期比3.4%増)、営業利益919百万円(同33.3%増)、経常利益957百万円(同53.3%増)、親会社株主に帰属する中間純利益600百万円(同42.2%増)と、増収増益決算であった。売上高は、オーストリアのAnton Paar GmbH(以下、Anton Paar)からのライセンス契約に伴う一時金の収入や一部製品の値上げにより増加した。売上増や原価率の改善により、営業利益は前年同期を大きく上回り、過去最高水準となった。事業部門別に見ると、主力のセンサ部門に関しては、国内で主要顧客である化学関連業界向けが堅調に推移した。一方、海外で中国の電気自動車用などの電池関連業界向けが回復基調かつ、船舶関連業界向けが好調で、さらにAnton Paarからの契約一時金の収受を計上した。その結果、センサ売上高は前年同期比4.2%増となった。システム部門に関しては、前期に受注した大口案件の進捗により一定の計上があったが、直近の受注高減少の影響により、システム売上高は同5.5%減となった。サービス部門に関しては、地道できめの細かいメンテナンス活動の継続や、他社製品の校正サービスの強化により、サービス売上高は同6.6%増と堅調に推移した。自己資本比率は65.9%に上昇し、2025年3月期の、プライム・スタンダード・グロース市場に上場する精密機器業界平均を上回る高い安全性を確保している。1株当たり中間配当金を同3.0円増の10.0円に増配するとともに、大規模な自己株式取得を実施し、株主還元に前向きである。
2. 2026年3月期通期の業績見通し
2026年3月期通期の連結業績については、期初の予想を据え置き、売上高15,500百万円(前期比3.0%増)、営業利益1,450百万円(同1.9%増)、経常利益1,530百万円(同5.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益920百万円(同10.7%減)を見込んでいる。売上高については、Anton Paarとのライセンス契約に伴う一時金の収受及びシステム部門の大口受注等により、過去最高水準を見込む。また、原材料費・人件費の増加を見込むなかでも、営業利益及び経常利益は増益の見通しだ。親会社株主に帰属する当期純利益については、法人税等の増加を見込み減益予想となった。ただ、同社が発表する期初の業績予想は、慎重で保守的な傾向が強いことに留意する必要があり、予想を上回って着地する可能性が大きいと弊社では見ている。事実、中間期の営業利益は通期予想の63.4%に達している。1株当たり年間配当金は前期比4.0円増の20.0円へと過去最高の引き上げを予定しており、配当性向は業界平均を大きく上回る。加えて、下期も自己株式の取得を実施する。株主還元を重視する経営姿勢を弊社では評価している。
3. 中長期の成長戦略
目下推進中の中期経営計画「Imagination 2028」(2026年3月期~2028年3月期)では、売上高170億円(2025年3月期比13.0%増)、経常利益17.5億円(同21.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益11.6億円(同12.6%増)、ROE7.2%(同0.5ポイント上昇)を目指す。その実現に向けて、成長戦略ではセンサ事業、サービス事業、システム事業の強化・拡大を図るとともに、新規事業の創出にも取り組む。また、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けて、総還元性向70%以上(計画期間3ヶ年の平均)、DOE2.7%以上と利益変動にかかわらず安定的な配当を実施し、機動的な自己株式取得の実施も予定する。中期経営計画は多岐にわたる意欲的な計画である。スタートしたばかりであるが、着実に実績を積み上げており、今後の推移に期待したい。
■Key Points
・流体計測機器メーカーの専業最大手で、センサ部門、システム部門、サービス部門の3事業を展開
・2026年3月期中間期業績は増収増益。ライセンス契約の一時金の収入や一部製品の値上げにより増収となり、営業利益は過去最高水準。増配と大規模な自己株式取得を実施
・2026年3月期通期は期初予想を据え置き、小幅の増収と営業増益を見込むが、中間期の営業利益は通期予想の6割を超過。下期も増配や自己株式取得を計画し、株主還元にも配慮
・中期経営計画では、増収増益やROEの上昇を計画。達成に向けて3事業の強化・拡大を図り、新規事業の創出にも取り組む。総還元性向70%以上(計画期間3ヶ年の平均)、DOE2.7%以上を目標とし、自己株式取得の実施など、積極的な株主還元策も計画
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
<HN>
オーバル<7727>は、1949年に創業された流量計のパイオニアで、流体計測機器メーカーの専業最大手であり、東京証券取引所(以下、東証)スタンダード市場に上場している。多岐にわたるラインナップを誇る流量計を提供するセンサ部門、流体計測に関わるシステムパッケージを提供するシステム部門、顧客の要望にきめの細かいメンテナンス対応で応えるサービス部門の3事業により、常に時代に最適な商品・サービスを提供し、顧客の最大級の満足を追求している。2032年3月期を目標に「アジアNo.1のセンシング・ソリューション・カンパニー」へと成長を遂げることを目指して、中期経営計画「Imagination 2028」(2026年3月期~2028年3月期)を鋭意推進中である。
1. 2026年3月期中間期の業績概要
2026年3月期中間期の連結業績は、売上高7,373百万円(前年同期比3.4%増)、営業利益919百万円(同33.3%増)、経常利益957百万円(同53.3%増)、親会社株主に帰属する中間純利益600百万円(同42.2%増)と、増収増益決算であった。売上高は、オーストリアのAnton Paar GmbH(以下、Anton Paar)からのライセンス契約に伴う一時金の収入や一部製品の値上げにより増加した。売上増や原価率の改善により、営業利益は前年同期を大きく上回り、過去最高水準となった。事業部門別に見ると、主力のセンサ部門に関しては、国内で主要顧客である化学関連業界向けが堅調に推移した。一方、海外で中国の電気自動車用などの電池関連業界向けが回復基調かつ、船舶関連業界向けが好調で、さらにAnton Paarからの契約一時金の収受を計上した。その結果、センサ売上高は前年同期比4.2%増となった。システム部門に関しては、前期に受注した大口案件の進捗により一定の計上があったが、直近の受注高減少の影響により、システム売上高は同5.5%減となった。サービス部門に関しては、地道できめの細かいメンテナンス活動の継続や、他社製品の校正サービスの強化により、サービス売上高は同6.6%増と堅調に推移した。自己資本比率は65.9%に上昇し、2025年3月期の、プライム・スタンダード・グロース市場に上場する精密機器業界平均を上回る高い安全性を確保している。1株当たり中間配当金を同3.0円増の10.0円に増配するとともに、大規模な自己株式取得を実施し、株主還元に前向きである。
2. 2026年3月期通期の業績見通し
2026年3月期通期の連結業績については、期初の予想を据え置き、売上高15,500百万円(前期比3.0%増)、営業利益1,450百万円(同1.9%増)、経常利益1,530百万円(同5.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益920百万円(同10.7%減)を見込んでいる。売上高については、Anton Paarとのライセンス契約に伴う一時金の収受及びシステム部門の大口受注等により、過去最高水準を見込む。また、原材料費・人件費の増加を見込むなかでも、営業利益及び経常利益は増益の見通しだ。親会社株主に帰属する当期純利益については、法人税等の増加を見込み減益予想となった。ただ、同社が発表する期初の業績予想は、慎重で保守的な傾向が強いことに留意する必要があり、予想を上回って着地する可能性が大きいと弊社では見ている。事実、中間期の営業利益は通期予想の63.4%に達している。1株当たり年間配当金は前期比4.0円増の20.0円へと過去最高の引き上げを予定しており、配当性向は業界平均を大きく上回る。加えて、下期も自己株式の取得を実施する。株主還元を重視する経営姿勢を弊社では評価している。
3. 中長期の成長戦略
目下推進中の中期経営計画「Imagination 2028」(2026年3月期~2028年3月期)では、売上高170億円(2025年3月期比13.0%増)、経常利益17.5億円(同21.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益11.6億円(同12.6%増)、ROE7.2%(同0.5ポイント上昇)を目指す。その実現に向けて、成長戦略ではセンサ事業、サービス事業、システム事業の強化・拡大を図るとともに、新規事業の創出にも取り組む。また、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けて、総還元性向70%以上(計画期間3ヶ年の平均)、DOE2.7%以上と利益変動にかかわらず安定的な配当を実施し、機動的な自己株式取得の実施も予定する。中期経営計画は多岐にわたる意欲的な計画である。スタートしたばかりであるが、着実に実績を積み上げており、今後の推移に期待したい。
■Key Points
・流体計測機器メーカーの専業最大手で、センサ部門、システム部門、サービス部門の3事業を展開
・2026年3月期中間期業績は増収増益。ライセンス契約の一時金の収入や一部製品の値上げにより増収となり、営業利益は過去最高水準。増配と大規模な自己株式取得を実施
・2026年3月期通期は期初予想を据え置き、小幅の増収と営業増益を見込むが、中間期の営業利益は通期予想の6割を超過。下期も増配や自己株式取得を計画し、株主還元にも配慮
・中期経営計画では、増収増益やROEの上昇を計画。達成に向けて3事業の強化・拡大を図り、新規事業の創出にも取り組む。総還元性向70%以上(計画期間3ヶ年の平均)、DOE2.7%以上を目標とし、自己株式取得の実施など、積極的な株主還元策も計画
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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