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LaboroAI Research Memo(4):2025年9月期は4.4%の営業増益だが、実質はさらに好決算
配信日時:2025/12/24 12:34
配信元:FISCO
*12:34JST LaboroAI Research Memo(4):2025年9月期は4.4%の営業増益だが、実質はさらに好決算
■Laboro.AI<5586>の業績動向
1. 2025年9月期の業績概要
(1) 損益状況
2025年9月期の連結業績は、売上高1,900百万円、営業利益191百万円、経常利益166百万円、親会社株主に帰属する当期純利益146百万円となった。一部案件の進行計画変更に伴い、第4四半期に見込んでいた売上の一部が2026年9月期期にずれ込んだが、おおむね計画どおりの着地となった。親会社株主に帰属する当期純利益は、合弁解消に伴う関係会社株式の売却により予想を上回った。
売上総利益率は66.9%(前期67.0%)とほぼ前期並みとなった。販管費は人員増に加えてM&Aによる子会社取得関連費用等が追加されたことなどから増加している。この結果、営業利益はわずかな増加にとどまった。ただし、下記に述べるように新規連結子会社が営業損失を計上した点を考慮すれば、実質的には見かけの数値以上の好決算であったと言えるだろう。
(2) セグメント別状況
連結決算の開示に伴い、セグメント別状況も開示されている。以前からの事業である「カスタムAIソリューション事業」の売上高は1,892百万円(前期比24.9%増)、セグメント別は250百万円(同36.6%増)であった。新規連結子会社による「システム開発事業」の売上高は12百万円(前期比較無し)、営業損益は59百万円の損失(前期比較無し)であった。
カスタムAIソリューション事業では、一部案件が2026年9月期にずれ込んだものの前期比で25%弱の伸びを達成した。新規連結子会社によるシステム開発事業では、検収を迎える案件が少なく売上高は限定的であった。そのため営業損失を計上したが、この損失のうち41百万円は子会社取得関連費用とのれん償却等であった。以上のような点を考慮すると、実質的な決算結果は見かけの数値よりも良かったと言えるだろう。
(3) 「カスタムAIソリューション事業」の顧客別状況
a) 規模別構成比
2025年9月期における顧客の規模別売上高は、100百万円以上が650百万円(前期比25.3%減)、50百万円〜100百万円未満が575百万円(同162.2%増)、10百万円〜50百万円が607百万円(同85.3%増)、10百万円未満が59百万円(同39.3%減)であった。
売上構成比としては、100百万円以上が34%、50百万円〜100百万円未満が30%、10百万円〜50百万円が32%、10百万円未満が3%となっている。また、100百万円以上の顧客数は4社(2024年9月期は6社)となり、安定的な顧客基盤を構築している。売上高上位3社の占める割合は29%(2024年9月期35%、2023年9月期46%)へ低下しており、顧客ポートフォリオの分散も進んでいる。
b) 既存/新規顧客種別売上高
顧客種別売上高は、既存顧客が1,470百万円、新規顧客が417百万円、プロダクト※が5百万円であった。通期で11社の新規顧客を獲得し、新規顧客からの収益が成長をドライブした。
※ 音声コーパス(LaboroTVSpeech)の販売など。
c) 従業員数の推移
重要な要素である社員数も順調に増加した。2025年9月期末の総従業員数は96名(前期末比18名増)となったが、内訳はエンジニア42名(同11名増)、ソリューションデザイナ25名(増減なし)、その他22名(同7名増)、役員7名(増減なし)となった。
従業員数は前期末比では増加しているが、特にソリューションデザイナが計画(9名増)を大きく下回り、全体としても期初計画(107名)を下回った。
現金及び預金は20億円超と売上規模に比して豊富
2. 財務状況
2025年9月期末の財務状況を見ると、流動資産は2,623百万円となった。主要科目は現金及び預金2,048百万円、売掛金及び契約資産552百万円となった。固定資産は189百万円となったが、内訳は有形固定資産が81百万円、投資その他の資産38百万円であったが、投資その他の資産の減少はX-AI.Labo(株)(合弁会社)を含む関係会社株式を売却したことによる。この結果、資産合計は2,813百万円となった。
流動負債は265百万円となり、主要科目は買掛金23百万円、未払法人税等66百万円である。この結果、負債合計は265百万円となった。純資産合計は2,547百万円となったが、主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加146百万円によるものである。2025年9月期末現在で、現金及び預金が2,048百万円あり、事業規模に比べて資金は豊富といえる。
3. キャッシュ・フローの状況
2025年9月期のキャッシュ・フローについては、営業活動によるキャッシュ・フローは215百万円の収入となった。これは主に税金等調整前当期純利益215百万円、売上債権及び契約資産の減少額39百万円、関係会社株式売却損益48百万円等があったことによるものである。投資活動によるキャッシュ・フローは300百万円の収入となったが、主な支出は子会社株式の取得(株式会社CAGLAの株式取得)による55百万円、主な収入は関係会社株式(グロービング株式会社との合弁会社であるX-AI.Labo株式会社株式)の売却410百万円であった。財務活動によるキャッシュ・フローは8百万円の収入となったが、主な収入は新株予約権の行使による株式の発行による収入9百万円であった。この結果、現金及び現金同等物の期末残高は2,048百万円となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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1. 2025年9月期の業績概要
(1) 損益状況
2025年9月期の連結業績は、売上高1,900百万円、営業利益191百万円、経常利益166百万円、親会社株主に帰属する当期純利益146百万円となった。一部案件の進行計画変更に伴い、第4四半期に見込んでいた売上の一部が2026年9月期期にずれ込んだが、おおむね計画どおりの着地となった。親会社株主に帰属する当期純利益は、合弁解消に伴う関係会社株式の売却により予想を上回った。
売上総利益率は66.9%(前期67.0%)とほぼ前期並みとなった。販管費は人員増に加えてM&Aによる子会社取得関連費用等が追加されたことなどから増加している。この結果、営業利益はわずかな増加にとどまった。ただし、下記に述べるように新規連結子会社が営業損失を計上した点を考慮すれば、実質的には見かけの数値以上の好決算であったと言えるだろう。
(2) セグメント別状況
連結決算の開示に伴い、セグメント別状況も開示されている。以前からの事業である「カスタムAIソリューション事業」の売上高は1,892百万円(前期比24.9%増)、セグメント別は250百万円(同36.6%増)であった。新規連結子会社による「システム開発事業」の売上高は12百万円(前期比較無し)、営業損益は59百万円の損失(前期比較無し)であった。
カスタムAIソリューション事業では、一部案件が2026年9月期にずれ込んだものの前期比で25%弱の伸びを達成した。新規連結子会社によるシステム開発事業では、検収を迎える案件が少なく売上高は限定的であった。そのため営業損失を計上したが、この損失のうち41百万円は子会社取得関連費用とのれん償却等であった。以上のような点を考慮すると、実質的な決算結果は見かけの数値よりも良かったと言えるだろう。
(3) 「カスタムAIソリューション事業」の顧客別状況
a) 規模別構成比
2025年9月期における顧客の規模別売上高は、100百万円以上が650百万円(前期比25.3%減)、50百万円〜100百万円未満が575百万円(同162.2%増)、10百万円〜50百万円が607百万円(同85.3%増)、10百万円未満が59百万円(同39.3%減)であった。
売上構成比としては、100百万円以上が34%、50百万円〜100百万円未満が30%、10百万円〜50百万円が32%、10百万円未満が3%となっている。また、100百万円以上の顧客数は4社(2024年9月期は6社)となり、安定的な顧客基盤を構築している。売上高上位3社の占める割合は29%(2024年9月期35%、2023年9月期46%)へ低下しており、顧客ポートフォリオの分散も進んでいる。
b) 既存/新規顧客種別売上高
顧客種別売上高は、既存顧客が1,470百万円、新規顧客が417百万円、プロダクト※が5百万円であった。通期で11社の新規顧客を獲得し、新規顧客からの収益が成長をドライブした。
※ 音声コーパス(LaboroTVSpeech)の販売など。
c) 従業員数の推移
重要な要素である社員数も順調に増加した。2025年9月期末の総従業員数は96名(前期末比18名増)となったが、内訳はエンジニア42名(同11名増)、ソリューションデザイナ25名(増減なし)、その他22名(同7名増)、役員7名(増減なし)となった。
従業員数は前期末比では増加しているが、特にソリューションデザイナが計画(9名増)を大きく下回り、全体としても期初計画(107名)を下回った。
現金及び預金は20億円超と売上規模に比して豊富
2. 財務状況
2025年9月期末の財務状況を見ると、流動資産は2,623百万円となった。主要科目は現金及び預金2,048百万円、売掛金及び契約資産552百万円となった。固定資産は189百万円となったが、内訳は有形固定資産が81百万円、投資その他の資産38百万円であったが、投資その他の資産の減少はX-AI.Labo(株)(合弁会社)を含む関係会社株式を売却したことによる。この結果、資産合計は2,813百万円となった。
流動負債は265百万円となり、主要科目は買掛金23百万円、未払法人税等66百万円である。この結果、負債合計は265百万円となった。純資産合計は2,547百万円となったが、主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加146百万円によるものである。2025年9月期末現在で、現金及び預金が2,048百万円あり、事業規模に比べて資金は豊富といえる。
3. キャッシュ・フローの状況
2025年9月期のキャッシュ・フローについては、営業活動によるキャッシュ・フローは215百万円の収入となった。これは主に税金等調整前当期純利益215百万円、売上債権及び契約資産の減少額39百万円、関係会社株式売却損益48百万円等があったことによるものである。投資活動によるキャッシュ・フローは300百万円の収入となったが、主な支出は子会社株式の取得(株式会社CAGLAの株式取得)による55百万円、主な収入は関係会社株式(グロービング株式会社との合弁会社であるX-AI.Labo株式会社株式)の売却410百万円であった。財務活動によるキャッシュ・フローは8百万円の収入となったが、主な収入は新株予約権の行使による株式の発行による収入9百万円であった。この結果、現金及び現金同等物の期末残高は2,048百万円となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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