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LaboroAI Research Memo(3):今後はセミカスタムのAI開発・AGT-Xにも注力
配信日時:2025/12/24 12:33
配信元:FISCO
*12:33JST LaboroAI Research Memo(3):今後はセミカスタムのAI開発・AGT-Xにも注力
■Laboro.AI<5586>の事業概要
2. 「カスタムAIソリューション事業」の事業内容の続き
(2) 提供形態
基本的に同社では、各産業を代表する企業や産業の変革に係る難易度の高いテーマに挑み、いち早く成功事例を創出し、そうした成功事例を拡大再生産し、結果幅広いテーマのプロジェクトが拡充されることで強固な顧客基盤を築いている。
各プロジェクトの成果物については、基本的に知的財産権として顧客企業に属する。一方で、課題に対する技術的なアプローチ等、汎用的に活用できる部分もあり、同社はこれらを活かして技術的基盤や営業資料として集約/汎用化を行い、他の産業/企業等への面展開を行っている。したがって長期的な視点からは、同社の技術・営業的な資産を増やしていく取り組みと、蓄積した知見を活用して効率的な成長を図る取り組みの両方が必要であり、それぞれがバランスよく伸長していくことが重要である。前者はAI-SD:AIソリューションデザインと呼称しておりこれまでと同様注力していくが、今後は後者の蓄積した知見を活用して効率的な成長を図る取り組みとして、特にAGT-X:エージェントトランスフォーメーションの領域に注力する。
今まで同社が提供してきたカスタムAIは、顧客ごとに仕様・内容が異なる「フルカスタムAI」であったが、AGT-Xは一部の機能が共有化(汎用化)されている。これにより顧客にとっては開発時間が短縮されるメリットがある。同社にとっても原価低減につながる可能性がある。
(3) 事業モデルとKPI
同社の主力事業は顧客の経営課題や戦略に合わせたオーダーメイドのAI開発であり、案件ごとに投入するコンサルタントや技術者のレベル、工数などを計算して顧客に対価を請求する事業モデルである。そのため、「顧客数」が重要なのはいうまでもないが、同社の場合は顧客あたりの年間売上高は数百万円から1億円超と幅広く、さらに案件が数年間継続する顧客もあれば、単年度で終了する顧客もあり、単純に顧客数だけを見るのはあまり意味がない。重要な指標(KPI)としては、「年間売上成長率」「売上総利益率」「既存顧客売上高成長率」「年間新規顧客獲得数」が挙げられる。
(4) 顧客ポートフォリオ
a) 業界別売上高構成
同社の顧客基盤は、様々な業種(業界)及び企業にわたっており特定の業界には偏っていない。このことから、ある特定の業界や企業の影響は少なく、リスクは分散されていると言えるだろう。
b) 売上規模別の構成比
売上規模別は、2025年9月期実績で100百万円以上が34%、50〜100百万円が30%、10〜50百万円が32%、10百万円未満が3%となっている。売上規模100百万円以上の大手顧客の割合は、2023年9月期の46%、2024年9月期の57%から減少傾向にあり、高額顧客依存度が下がりつつある。
(5) 従業員数の推移
同社の主要事業は「カスタムAI」の開発・提供であることから、その主役となるのは従業員、特にAIコンサルタント及びエンジニアからなる専門人材である。言い換えれば、これら人材の質と数が同社の競争優位性の源泉ともいえる。過去4年間の従業員の推移を見ると、コアとなるソリューションデザイナと機械学習エンジニアの陣容は順調に拡大している。
3. 「カスタムAIソリューション事業」の特色、強み、競合
同社の主力事業はオーダーメイドのAI開発であるが、特色としては顧客企業の売上向上/成長に資するAI開発をテーマとしたバリューアップ領域に注力している点だ。AI活用は生産性向上、人手の代替によるコスト削減といったテーマ(ランザビジネス領域)が多い中、より難易度が高く、産業インパクトの大きな領域に軸足を置いている点が特徴である。
こうしたバリューアップ領域で「カスタムAI」の開発を行う上では、AIやシステムの知見だけでなく、顧客のビジネスに対する深い理解も求められる。この点において、同社はビジネス・AIの双方の知見を持つ、AIコンサルタント(ソリューションデザイナ・エージェントトランスフォーメーションプロデューサー)の専門人材のチームを組成している。創業者である椎橋氏、藤原氏ともにボストン・コンサルティング・グループ出身であり、かつこのAIコンサルタントのチームには国内外のコンサルティング会社や事業会社の企画部門等でコンサルティングや事業開発に関する経験を積んだメンバーが在籍しており、こうしたメンバーの持つ知見の蓄積及び、各メンバーがプロジェクトでのOJTを通じて技術的知見・業界知見を蓄積することが、新たなAIコンサルタントを育成することにつながっている。このような技術・ビジネス両面の知見を有する専門人材を多く保有していることが同社の強みと言えるだろう。
ビジネス競合となるのは、AI開発を主力事業とするスタートアップや戦略・DXに関するコンサルティング会社が多い。コンサルティング会社に対しては、AI開発/実装に関する知見で、AIスタートアップとは注力する領域が「バリューアップ型AIテーマ」により注力しているという点で差別化を図っているといえる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<HN>
2. 「カスタムAIソリューション事業」の事業内容の続き
(2) 提供形態
基本的に同社では、各産業を代表する企業や産業の変革に係る難易度の高いテーマに挑み、いち早く成功事例を創出し、そうした成功事例を拡大再生産し、結果幅広いテーマのプロジェクトが拡充されることで強固な顧客基盤を築いている。
各プロジェクトの成果物については、基本的に知的財産権として顧客企業に属する。一方で、課題に対する技術的なアプローチ等、汎用的に活用できる部分もあり、同社はこれらを活かして技術的基盤や営業資料として集約/汎用化を行い、他の産業/企業等への面展開を行っている。したがって長期的な視点からは、同社の技術・営業的な資産を増やしていく取り組みと、蓄積した知見を活用して効率的な成長を図る取り組みの両方が必要であり、それぞれがバランスよく伸長していくことが重要である。前者はAI-SD:AIソリューションデザインと呼称しておりこれまでと同様注力していくが、今後は後者の蓄積した知見を活用して効率的な成長を図る取り組みとして、特にAGT-X:エージェントトランスフォーメーションの領域に注力する。
今まで同社が提供してきたカスタムAIは、顧客ごとに仕様・内容が異なる「フルカスタムAI」であったが、AGT-Xは一部の機能が共有化(汎用化)されている。これにより顧客にとっては開発時間が短縮されるメリットがある。同社にとっても原価低減につながる可能性がある。
(3) 事業モデルとKPI
同社の主力事業は顧客の経営課題や戦略に合わせたオーダーメイドのAI開発であり、案件ごとに投入するコンサルタントや技術者のレベル、工数などを計算して顧客に対価を請求する事業モデルである。そのため、「顧客数」が重要なのはいうまでもないが、同社の場合は顧客あたりの年間売上高は数百万円から1億円超と幅広く、さらに案件が数年間継続する顧客もあれば、単年度で終了する顧客もあり、単純に顧客数だけを見るのはあまり意味がない。重要な指標(KPI)としては、「年間売上成長率」「売上総利益率」「既存顧客売上高成長率」「年間新規顧客獲得数」が挙げられる。
(4) 顧客ポートフォリオ
a) 業界別売上高構成
同社の顧客基盤は、様々な業種(業界)及び企業にわたっており特定の業界には偏っていない。このことから、ある特定の業界や企業の影響は少なく、リスクは分散されていると言えるだろう。
b) 売上規模別の構成比
売上規模別は、2025年9月期実績で100百万円以上が34%、50〜100百万円が30%、10〜50百万円が32%、10百万円未満が3%となっている。売上規模100百万円以上の大手顧客の割合は、2023年9月期の46%、2024年9月期の57%から減少傾向にあり、高額顧客依存度が下がりつつある。
(5) 従業員数の推移
同社の主要事業は「カスタムAI」の開発・提供であることから、その主役となるのは従業員、特にAIコンサルタント及びエンジニアからなる専門人材である。言い換えれば、これら人材の質と数が同社の競争優位性の源泉ともいえる。過去4年間の従業員の推移を見ると、コアとなるソリューションデザイナと機械学習エンジニアの陣容は順調に拡大している。
3. 「カスタムAIソリューション事業」の特色、強み、競合
同社の主力事業はオーダーメイドのAI開発であるが、特色としては顧客企業の売上向上/成長に資するAI開発をテーマとしたバリューアップ領域に注力している点だ。AI活用は生産性向上、人手の代替によるコスト削減といったテーマ(ランザビジネス領域)が多い中、より難易度が高く、産業インパクトの大きな領域に軸足を置いている点が特徴である。
こうしたバリューアップ領域で「カスタムAI」の開発を行う上では、AIやシステムの知見だけでなく、顧客のビジネスに対する深い理解も求められる。この点において、同社はビジネス・AIの双方の知見を持つ、AIコンサルタント(ソリューションデザイナ・エージェントトランスフォーメーションプロデューサー)の専門人材のチームを組成している。創業者である椎橋氏、藤原氏ともにボストン・コンサルティング・グループ出身であり、かつこのAIコンサルタントのチームには国内外のコンサルティング会社や事業会社の企画部門等でコンサルティングや事業開発に関する経験を積んだメンバーが在籍しており、こうしたメンバーの持つ知見の蓄積及び、各メンバーがプロジェクトでのOJTを通じて技術的知見・業界知見を蓄積することが、新たなAIコンサルタントを育成することにつながっている。このような技術・ビジネス両面の知見を有する専門人材を多く保有していることが同社の強みと言えるだろう。
ビジネス競合となるのは、AI開発を主力事業とするスタートアップや戦略・DXに関するコンサルティング会社が多い。コンサルティング会社に対しては、AI開発/実装に関する知見で、AIスタートアップとは注力する領域が「バリューアップ型AIテーマ」により注力しているという点で差別化を図っているといえる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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