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BRUNO Research Memo(6):「世界基準の家電/美容/雑貨メーカー」を目指し、収益性の高い事業構造へ転換
配信日時:2025/12/24 12:06
配信元:FISCO
*12:06JST BRUNO Research Memo(6):「世界基準の家電/美容/雑貨メーカー」を目指し、収益性の高い事業構造へ転換
■中長期の成長戦略
1. 中期経営計画
BRUNO<3140>は、東京証券取引所グロース市場の規定に基づいて「事業計画及び成長可能性に関する事項」を開示し、毎年3ヶ年の中期経営計画をローリング方式で見直している。中期目標として「世界基準の家電/美容/雑貨メーカーへ」を掲げ、2028年6月期に売上高23,000百万円、営業利益3,450百万円、営業利益率15.0%を目標としている。
デザイン・品質・収益性・企業価値の4分野で目標を設定しており、特に収益性では業界最高水準の営業利益率を追求し、ベンチマークとしてニトリホールディングス<9843>及びファーストリテイリング<9983>を参考にしている。同社の2025年6月期営業利益率は3.0%であったのに対し、2025年3月期のニトリホールディングスは12.7%、2025年8月期のファーストリテイリングは16.6%と現時点では乖離が大きく、以下の施策によりこの差の縮小を図る方針だ。
2. 成長戦略
(1) トップライン施策
同社は、収益性を伴う持続的成長の実現を目指し、トップライン拡大に向けて4つの重点施策を推進している。
a) キッチン家電領域の商品深掘り
ヒット商品であるホットプレート、ブレンダー、トースターなどの周辺需要を拡大させる関連商品の開発に注力する。課題解決型の商品開発を強化し、商品ラインナップを拡充する。
b) トラベルブランド「MILESTO」の拡大
国内及びインバウンド需要の回復を背景に販売が好調であることから、「GOOD DESIGN賞」受賞歴を有するデザイン性・機能性を強みに、デイリーアイテムの拡充とブランド認知拡大を図る。
c) 美容家電分野への本格参入
子会社ジャパンギャルズの美容家電技術と同社のデザイン力・ブランド力を融合し、機能と価格の両面で優位性を持つ商品の開発を推進する。
d) ギフト事業の拡大
主力商品のギフト需要の高さ(コンパクトホットプレートは販売の約半分を占める)を生かし、「BRUNOカタログギフト」を拡充する。5,000円から20,000円までの4つの価格帯で提供しており、ECサイト及び直営店を通じて、結婚・出産などのライフイベントにおけるギフト需要を的確に取り込む。
(2) 販路戦略
売上総利益率の高い自社販売チャネルへのシフトを進め、価格コントロール力の強化を図る。直営店舗や自社ECサイトに加え、自社による楽天市場やAmazonなどのECモールでの販売、さらに引き続き卸売業者を通じて専門店や量販店等への販売を行う「マルチ販路戦略」を展開する。
自社ECサイトではUI/UXの改善と顧客管理の強化を進め、既存顧客の購買頻度向上を図る。直営店舗はショールーム機能を担い、店舗で商品を体験し、自社ECサイトで購入するモデルを理想形としている。2025年6月期の自社EC売上高は4,667百万円(前期比24.1%増)と好調であり、2028年6月期には7,600百万円を目指す。また、大手商業施設での催事(ポップアップ出店)にも積極的に対応する方針だ。
(3) コスト戦略
中期経営計画の達成に向け、原価低減と販管費削減を軸にコスト最適化を推進する。
a) 原価低減
RIZAPグループとの共同購買やSKU削減による在庫管理強化を進める。主に中国にある製造委託先との直接交渉により、ロット削減、発注単価引下げ、支払条件改善などを実施している。塩田社長主導で原価低減に取り組み、さらにコスト競争力を高めていく。
b) 在庫削減
在庫管理の徹底により、在庫回転日数を短縮している。これにより営業キャッシュ・フローを改善し、物流コストや倉庫コストを大幅に削減した。商品ごとに在庫回転日数を設定し、週次でモニタリングを行っている。在庫の欠品リスクと売れ残りリスクを勘案した追加仕入れの判断は、塩田社長自らが行っている。
c) 販管費削減
年間約7億円の広告宣伝費を見直し、高効率な広告媒体に特化することで宣伝効果を維持しつつ2~3割の削減を見込む。加えて、生成AIを活用した業務プロセス改革により効率化を進め、オリジナル商品の高収益化と利益拡大を図る。
(3) 海外戦略
中国をはじめとするアジア市場を重点地域と位置付け、2028年6月期に海外売上高6,300百万円を目標としている。中国市場では、2023年設立の現地法人による直営EC構想から代理店販売へと方針を転換した。ただし、マーケティング、品質管理、売り方などは同社がコントロールしてブランド戦略を展開している。当面はブランドの浸透に注力しつつ、中期的に直営ECや店舗展開を視野に入れ、エリアや販路など既存代理店との棲み分けを検討する。香港では代理店を通じて7店舗を展開しており、深センなど周辺地域への拡大を計画している。また、東南アジアや中東(ドバイ)などからも引き合いがあり、進出を検討している。欧州市場ではデザイン力を生かし、2026年2月にドイツで開催される展示会「Ambiente」に出展予定である。将来的にはグローバル旗艦店を設ける構想を持ち、現地ニーズに対応した商品開発を進める計画だ。海外での販路に関しては、M&Aを通じた拡大も視野に入れている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 渡邉 俊輔)
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1. 中期経営計画
BRUNO<3140>は、東京証券取引所グロース市場の規定に基づいて「事業計画及び成長可能性に関する事項」を開示し、毎年3ヶ年の中期経営計画をローリング方式で見直している。中期目標として「世界基準の家電/美容/雑貨メーカーへ」を掲げ、2028年6月期に売上高23,000百万円、営業利益3,450百万円、営業利益率15.0%を目標としている。
デザイン・品質・収益性・企業価値の4分野で目標を設定しており、特に収益性では業界最高水準の営業利益率を追求し、ベンチマークとしてニトリホールディングス<9843>及びファーストリテイリング<9983>を参考にしている。同社の2025年6月期営業利益率は3.0%であったのに対し、2025年3月期のニトリホールディングスは12.7%、2025年8月期のファーストリテイリングは16.6%と現時点では乖離が大きく、以下の施策によりこの差の縮小を図る方針だ。
2. 成長戦略
(1) トップライン施策
同社は、収益性を伴う持続的成長の実現を目指し、トップライン拡大に向けて4つの重点施策を推進している。
a) キッチン家電領域の商品深掘り
ヒット商品であるホットプレート、ブレンダー、トースターなどの周辺需要を拡大させる関連商品の開発に注力する。課題解決型の商品開発を強化し、商品ラインナップを拡充する。
b) トラベルブランド「MILESTO」の拡大
国内及びインバウンド需要の回復を背景に販売が好調であることから、「GOOD DESIGN賞」受賞歴を有するデザイン性・機能性を強みに、デイリーアイテムの拡充とブランド認知拡大を図る。
c) 美容家電分野への本格参入
子会社ジャパンギャルズの美容家電技術と同社のデザイン力・ブランド力を融合し、機能と価格の両面で優位性を持つ商品の開発を推進する。
d) ギフト事業の拡大
主力商品のギフト需要の高さ(コンパクトホットプレートは販売の約半分を占める)を生かし、「BRUNOカタログギフト」を拡充する。5,000円から20,000円までの4つの価格帯で提供しており、ECサイト及び直営店を通じて、結婚・出産などのライフイベントにおけるギフト需要を的確に取り込む。
(2) 販路戦略
売上総利益率の高い自社販売チャネルへのシフトを進め、価格コントロール力の強化を図る。直営店舗や自社ECサイトに加え、自社による楽天市場やAmazonなどのECモールでの販売、さらに引き続き卸売業者を通じて専門店や量販店等への販売を行う「マルチ販路戦略」を展開する。
自社ECサイトではUI/UXの改善と顧客管理の強化を進め、既存顧客の購買頻度向上を図る。直営店舗はショールーム機能を担い、店舗で商品を体験し、自社ECサイトで購入するモデルを理想形としている。2025年6月期の自社EC売上高は4,667百万円(前期比24.1%増)と好調であり、2028年6月期には7,600百万円を目指す。また、大手商業施設での催事(ポップアップ出店)にも積極的に対応する方針だ。
(3) コスト戦略
中期経営計画の達成に向け、原価低減と販管費削減を軸にコスト最適化を推進する。
a) 原価低減
RIZAPグループとの共同購買やSKU削減による在庫管理強化を進める。主に中国にある製造委託先との直接交渉により、ロット削減、発注単価引下げ、支払条件改善などを実施している。塩田社長主導で原価低減に取り組み、さらにコスト競争力を高めていく。
b) 在庫削減
在庫管理の徹底により、在庫回転日数を短縮している。これにより営業キャッシュ・フローを改善し、物流コストや倉庫コストを大幅に削減した。商品ごとに在庫回転日数を設定し、週次でモニタリングを行っている。在庫の欠品リスクと売れ残りリスクを勘案した追加仕入れの判断は、塩田社長自らが行っている。
c) 販管費削減
年間約7億円の広告宣伝費を見直し、高効率な広告媒体に特化することで宣伝効果を維持しつつ2~3割の削減を見込む。加えて、生成AIを活用した業務プロセス改革により効率化を進め、オリジナル商品の高収益化と利益拡大を図る。
(3) 海外戦略
中国をはじめとするアジア市場を重点地域と位置付け、2028年6月期に海外売上高6,300百万円を目標としている。中国市場では、2023年設立の現地法人による直営EC構想から代理店販売へと方針を転換した。ただし、マーケティング、品質管理、売り方などは同社がコントロールしてブランド戦略を展開している。当面はブランドの浸透に注力しつつ、中期的に直営ECや店舗展開を視野に入れ、エリアや販路など既存代理店との棲み分けを検討する。香港では代理店を通じて7店舗を展開しており、深センなど周辺地域への拡大を計画している。また、東南アジアや中東(ドバイ)などからも引き合いがあり、進出を検討している。欧州市場ではデザイン力を生かし、2026年2月にドイツで開催される展示会「Ambiente」に出展予定である。将来的にはグローバル旗艦店を設ける構想を持ち、現地ニーズに対応した商品開発を進める計画だ。海外での販路に関しては、M&Aを通じた拡大も視野に入れている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 渡邉 俊輔)
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