注目トピックス 日本株
BRUNO Research Memo(7):株主還元を重要課題と位置付け、IR活動強化。2025年12月に特別優待実施
配信日時:2025/12/24 12:07
配信元:FISCO
*12:07JST BRUNO Research Memo(7):株主還元を重要課題と位置付け、IR活動強化。2025年12月に特別優待実施
■株主還元策
BRUNO<3140>は、株主に対する利益還元を経営上の重要課題の1つと位置付け、継続的かつ安定的な配当を行うことを基本方針としている。この方針の下、財務基盤の健全性を維持しつつ、将来の事業展開に応じた内部留保の充実を考慮した配当政策を実施している。
2025年6月期の期末配当は1株当たり4.0円であり、配当性向は31.8%であった。2026年6月期の配当は前期と同額の1株当たり4.0円(配当性向6.6%)を予定している。今後は、堅調な業績と利益率の改善による収益拡大を考慮のうえ、配当性向を維持しながら、1株当たり10.0円以上の配当を目指す。
追加的な株主還元施策として株主優待制度を導入している。毎年6月30日現在の株主名簿に記載された株主を対象に、所有株式数に応じたRIZAPグループ商品を贈呈しており、贈呈基準は9,000円相当から36,000円相当までの段階制となっている。また、同社は従来のIR活動が十分でなかったと認識しており、今後はオンライン説明会やロードショーの開催を通じて株主・投資家との対話を強化し、より透明性の高い情報発信に努める方針である。
なお、同社は2025年に創業30周年を迎えたことから、特別株主優待を実施する。2025年12月31日現在の株主名簿に記載された400株以上を保有する株主を対象に、同社ECサイト内の特設ページで利用可能なクーポン券を贈呈する。贈呈額は、400株以上600未満が18,000円、600株以上1,000株未満が24,000円、1,000株以上が30,000円となる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 渡邉 俊輔)
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BRUNO<3140>は、株主に対する利益還元を経営上の重要課題の1つと位置付け、継続的かつ安定的な配当を行うことを基本方針としている。この方針の下、財務基盤の健全性を維持しつつ、将来の事業展開に応じた内部留保の充実を考慮した配当政策を実施している。
2025年6月期の期末配当は1株当たり4.0円であり、配当性向は31.8%であった。2026年6月期の配当は前期と同額の1株当たり4.0円(配当性向6.6%)を予定している。今後は、堅調な業績と利益率の改善による収益拡大を考慮のうえ、配当性向を維持しながら、1株当たり10.0円以上の配当を目指す。
追加的な株主還元施策として株主優待制度を導入している。毎年6月30日現在の株主名簿に記載された株主を対象に、所有株式数に応じたRIZAPグループ商品を贈呈しており、贈呈基準は9,000円相当から36,000円相当までの段階制となっている。また、同社は従来のIR活動が十分でなかったと認識しており、今後はオンライン説明会やロードショーの開催を通じて株主・投資家との対話を強化し、より透明性の高い情報発信に努める方針である。
なお、同社は2025年に創業30周年を迎えたことから、特別株主優待を実施する。2025年12月31日現在の株主名簿に記載された400株以上を保有する株主を対象に、同社ECサイト内の特設ページで利用可能なクーポン券を贈呈する。贈呈額は、400株以上600未満が18,000円、600株以上1,000株未満が24,000円、1,000株以上が30,000円となる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 渡邉 俊輔)
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富士製薬 Research Memo(6):CAGR12%成長で2029年9月期売上高800億円へ
*13:46JST 富士製薬 Research Memo(6):CAGR12%成長で2029年9月期売上高800億円へ
■中長期の成長戦略1. 中期経営計画の枠組み富士製薬工業<4554>は、「長期ビジョン2035ー“女性医療で新たな価値を創出し続け、誰もがwell-beingを実感できる社会へ貢献する”ー」達成に向けた中期経営計画(2025年9月期〜2029年9月期)において、持続的な成長と企業価値の向上を目指している。同中期経営計画の枠組みは、中期の成長ドライバー、長期の成長ドライバー、経営基盤の強化により構成されている。成長戦略は時間軸に応じて検討されており、実行する組織にも目配りがされているバランスのとれた中期経営計画である。2. 中期の成長ドライバー中期の成長ドライバーは以下3つの軸から構成されている。(1)女性医療の拡大による国内およびASEANでのプレゼンスの強化(2)バイオシミラーの本格事業化(3)グローバルCMOによる収益の安定化まず、女性医療では、月経困難症治療薬や更年期治療薬、経口避妊薬などで確立したポジションをさらに拡大し、「女性のライフステージすべてを支えるトータル・ウィメンズヘルスケア企業」への進化を目指す。新薬アリッサ(R)配合錠の投入で100億円の増収、タイを中心とした海外展開で20億円の増収を見込み、未充足ニーズの高い領域で新製品を投入し、2029年に女性医療事業売上高380億円を目標とする。次に、バイオシミラーでは、国産バイオシミラーの供給責任を担うリーディング企業として、製造・品質保証の一貫体制を生かしつつ、パイプラインを拡充中だ。ウステキヌマブBSを含む5製品の貢献などが130億円の増収効果をもたらし、2029年には同事業の売上を150億円規模に拡大させる計画である。同社としてはバイオシミラー事業を収益の新たな柱として育成を進めており、高収益が見込まれる女性医療とバイオシミラーで事業ポートフォリオの3分の2程度を占める構成を目指す。さらに、グローバルCMO事業では、富山工場とOLIC (Thailand)を両輪とした国際製造ネットワークを拡充し、国内外の製薬企業からの受託拡大を図る。特にホルモン剤や注射剤など、高付加価値製剤での受託比率を高め、安定したキャッシュ・フローの確保を狙う。2029年には同事業の売上を90億円に成長させる予定である。こうした取り組みにより、2029年9月期の売上高目標はCAGR12%を想定し800億円、営業利益100億円、ROE10.0%を目標としている。3. 長期の成長ドライバー(1) シーズ探索と研究開発強化同社は、後発品中心の事業構造から脱却し、次の成長を支える新薬創出型企業への転換を図っている。その中核に据えられているのがシーズ探索力の強化と研究開発投資の拡充である。2019年時点で年間30件程度だった新規シーズ創出件数は、2024年には100件超へと拡大した。これは、専任チームによる他社との提携強化、外部ニーズ調査、社内外のアイデア収集を組み合わせた成果である。探索体制は、創薬・事業開発・経営企画を横断する形で再編され、迅速な評価と意思決定を実現している。また、研究開発投資も中期経営計画期間中に大幅拡充される予定であり、無形資産投資(研究開発費・販売権・ライセンス取得費等)は前中期経営計画期間比で約96億円増となる計画。この資金を用いて、社内研究体制の拡張とともに、アカデミアやベンチャーとの共同研究、CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)を通じた外部シーズ投資も推進する。これにより、同社は「自前+外部連携」による新薬創出力の持続的拡大を目指している。(2) 新薬シーズ候補のポートフォリオ最適化現在、同社は25の新薬シーズ候補を保有しており、これらを売上規模・治療インパクト、開発段階、治療領域のバランスから最適化している。従来のホルモン剤中心から、女性医療に関連する多様な領域にも視野を広げ、開発ステージごとにリスクとリターンの調整を図る。また、開発ステージが前期段階の案件は売上規模・治療インパクトより探索テーマの多様化を図り、リスクを抑制する。一方、後期案件は売上規模・治療インパクトを優先し、上市に向けたプロセスを強化していく。こうした一連の取り組みは、短期的な収益案件と中長期的な成長種を両立させる「探索×最適化」の研究開発戦略として位置付けられ、2030年以降に向けた同社の持続的成長を支える基盤となっている。4. 経営基盤の強化加えて、これら中長期の成長ドライバーを支える基盤として、「人財・組織」「デジタル」「グローバル」への投資を重点強化する。研究開発への積極投資を継続しつつ、生産効率の高度化、営業のデジタル化、海外展開体制の再構築を進め、2030年以降の長期成長に備える。(1) 人財の強化まず「人財・組織」面では、女性が働きやすく活躍できる会社にするための様々な制度設計を行っている。たとえば、不妊治療特別有給制度や低用量ピル・更年期障害治療薬の費用補助、婦人科検診などの費用補助制度である。また、女性のみのチームを組成するなどし、女性社員の活躍の場を広げている。(2) 組織機能の高度化次に組織機能の高度化を図る。シーズ探索や研究開発基盤の強化を行い、持続的な研究開発体制を構築する。これにより、長期の成長ドライバーに向けたインフラを整える。また、安定供給基盤を従来以上に強化するほか、LCM(Life Cycle Management)推進基盤も強化する。既存医薬品のライフサイクルを延長し、収益性と医療貢献を持続させるための仕組み・体制を整備する。(3) デジタル「デジタル」分野では、デジタル変革(DX)を担う部門・体制面の整備により業務効率化と価値創出を推進する。併せて、デジタル人財の育成や風土改革を行うことにより、デジタル基盤を全社的に強化していく方針である。■株主還元策配当性向30%以上を堅持し、持続的成長と還元のバランスを追求同社は、税引後営業利益ベースで配当性向30%以上を堅持する方針の下、安定かつ継続的な利益還元を経営の重要方針の1つとして位置付けている。配当データによれば、年間配当金は2020年9月期の29.0円から一貫して増加しており、2025年9月期は45.5円、2026年9月期も47.0円を予想している。これにより、5期連続の増配を実現する見通しである。配当性向(税引後営業利益ベース)は、2020年9月期41.5%、2021年9月期33.5%、2022年9月期32.4%、2023年9月期33.6%、2024年9月期38.4%と推移しており、いずれも30%を上回る水準を安定的に維持している。この水準は、業績変動の中でも株主還元を重視する同社の姿勢を反映しており、事業成長と財務健全性の両立を意識したバランスのとれた配当政策と言える。中期的には、女性医療及びバイオシミラーの成長による収益拡大を背景に、さらなる増配余地も見込まれる。同社は今後も内部留保を成長投資へ振り向けつつ、安定的なキャッシュ・フローを原資とした持続的な株主還元を継続していく構えであり、安定成長型スペシャリティファーマとしての信頼性を高めている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 中西 哲)
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2025/12/24 13:46
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富士製薬 Research Memo(5):成長加速により売上高・営業利益ともに2ケタ増を達成
*13:45JST 富士製薬 Research Memo(5):成長加速により売上高・営業利益ともに2ケタ増を達成
■業績動向1. 2025年9月期業績動向富士製薬工業<4554>の2025年9月期連結業績は、売上高・営業利益ともに2ケタ増収増益となり、好調な推移を示した。売上高は前期比12.0%増の51,677百万円、営業利益は同28.6%増の4,999百万円を計上した。経常利益は44,459百万円(同0.3%増)とほぼ横ばいで推移した一方、親会社株主に帰属する当期純利益は3,000百万円(同51.2%減)と減益となった。増収要因としては、主力の女性医療分野における新薬や主力製品の販売が堅調に推移したことに加え、バイオシミラー事業の拡大や田辺三菱製薬(株)(現 田辺ファーマ(株))から承継した製品群の寄与が挙げられる。特に、2024年12月に発売した新薬アリッサ(R)配合錠や、天然型黄体ホルモン製剤『エフメノ(R)カプセル100mg』、経口避妊薬『ファボワール(R)錠』などが業績をけん引した。また、2024年5月に上市した乾癬治療薬『ウステキヌマブBS皮下注45mg「F」』が寄与し、バイオシミラー事業の成長が加速した。加えて、富山工場及びタイ子会社OLIC (Thailand)によるグローバルCMO事業も計画通り進捗し、全体の売上増に貢献した。一方、営業利益の増加は売上高の拡大に加え、製品ミックスにより売上総利益額・利益率ともに改善したことが寄与した。研究開発費は期ずれや開発中ジェネリック品の効率的な進捗により抑制された。ただし、販管費では人件費や減価償却費の増加が見られた。経常利益は為替評価損等の影響で横ばいとなったが、最終利益は前期にあった投資有価証券売却益など一過性要因の剥落により減益となった。2. 領域別業績動向同社は医薬品事業の単一セグメントであるが、「女性医療」「バイオシミラー」「グローバルCMO」の3事業領域を展開している。(1) 女性医療女性医療については、売上高22,372百万円(前期比5.7%増)となった。更年期障害治療薬エフメノ(R)カプセルが前期比35.5%増と大幅に伸長し、女性医療事業をけん引した。国内のHRT(ホルモン補充療法)服薬率は依然として低水準であるが、徐々に理解度が向上し市場が拡大している。経口避妊薬ファボワール(R)錠、ラベルフィーユ(R)錠」もオンライン診療市場での採用拡大が寄与した。新製品アリッサ(R)配合錠は発売初年度で売上高512百万円となり、2026年9月期第一四半期の処方制限解除を控えて来期以降の成長加速が期待される。(2) バイオシミラーバイオシミラーについては、売上高1,973百万円(前期比7.4%増)となった。乾癬治療薬ウステキヌマブBSが販売初年度ながら223百万円を計上し、好調に推移した。G-CSF製剤フィルグラスチムBSは薬価改定の影響により微減となったが、2025年11月に製造販売承認を取得したアフリベルセプトBS、ゴリムマブBS、デノスマブBSの3製品により、来期以降の成長ドライバーが揃う。3製品の先行品市場規模は合計1,500百万円と大きく、国内での販売拡大余地は極めて高い。またウステキヌマブBSは現在、先行品市場の約10%の市場である乾癬の適応のみでの販売だが、中期経営計画期間中にはクローン病、潰瘍性大腸炎の適応追加を見込んでおり、大きな成長が期待される。(3) グローバルCMOグローバルCMOについては、売上高8,342百万円(前期比4.9%増)となった。富山工場及びOLIC (Thailand)による受託生産が安定推移した。国内受託は新規案件増により13.9%増、海外受託は一部製品の生産調整で3.4%減となったものの、総じて堅調に推移している。ホルモン剤・注射剤といった高付加価値製剤の比率を高め、国際的な製造ネットワークの強化を進めている。3. 財務状況と経営指標2025年9月期末の同社の総資産は93,405百万円(前期末比3,404百万円増)となり、資産規模は拡大した。内訳では、売上増に伴う運転資金需要の増加や新製品投入に伴う費用計上を背景に、流動資産は47,913百万円(同5,445百万円増)に増加した。一方、固定資産は45,491百万円(同2,040百万円減)と減少し、減価償却の進行や設備投資の一服が影響した。現金及び預金は7,245百万円(同2,660百万円増)となったが、これは営業活動によるキャッシュ創出に加え、有利子負債の増加による資金調達の影響が大きい。負債合計は46,496百万円(同2,059百万円増)となり、このうち有利子負債は26,233百万円(同2,250百万円増)に拡大した。新製品開発や研究開発体制の強化に伴う投資資金の確保が主因である。一方、純資産は46,908百万円(同1,345百万円増)となり、自己資本比率は50.2%(前期は50.6%)と引き続き高水準を維持した。収益性面では、売上高営業利益率が9.7%(前期は8.4%)へ上昇し、製品ミックスの改善とコスト効率化の成果が見られた。現預金回転期間は1.68ヶ月(前期は1.19ヶ月)と長期化したが、これは資金調達と営業キャッシュ・フローの増加を反映したものと見られる。総じて、同社は積極的な成長投資を進めながらも健全な財務基盤を維持しており、今後の女性医療及びバイオシミラー事業の拡大に向けた資金体制は良好である。■今後の見通し増収増益を継続、株主還元も強化し増配へ1. 2026年9月期業績見通し2026年9月期の同社は、前期に続き売上高・営業利益ともに2ケタ成長を見込んでいる。売上高は57,490百万円(前期比5,813百万円増、11.2%増)、営業利益は5,520百万円(同530百万円増、10.6%増)を計画し、2期連続で過去最高を更新する見通しである。売上総利益率は41.2%(前期は40.2%)へ上昇する見込みで、製品ミックスの改善と高付加価値品の構成比拡大が寄与する。経常利益は5,240百万円(同17.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,810百万円(同27.0%増)を予想している。2. 領域別業績見通し女性医療では、同社の収益基盤を支える柱として引き続き堅調な成長を見込む。売上高は25,280百万円(前期比13.0%増)を計画しており、新製品『アリッサ(R)配合錠』が投薬制限解除後に本格拡販となり、3,100百万円規模まで成長する見通しである。更年期障害治療薬『エフメノ(R)カプセル』の継続的な成長により、女性のライフステージ全体を支える医薬品群としての地位を強化する。バイオシミラーは、前期比88.5%増の3,720百万円を計画しており、複数の新製品が薬価収載・販売開始となる見通しである。既存品の安定供給に加え、複数の新製品群が収益成長をけん引し、事業規模拡大に寄与する。グローバルCMOは8,500百万円(同1.9%増)と堅調を維持する予想である。富山工場及びOLIC (Thailand)を活用した受託生産が安定して推移し、収益の下支えとなる。これら3領域のうち、女性医療とバイオシミラーが全体売上の約5割を占める構造へ移行しつつあり、中期経営計画で掲げる「売上高800億円・ROE10%」の実現に向けた基盤を固めている。2026年9月期も設備投資を3,471百万円(同45.1%増)、研究開発費を4,600百万円(同37.6%増)と積極化し、次世代バイオシミラー及び女性医療での新薬開発に向けた布石を打つ計画である。(執筆:フィスコ客員アナリスト 中西 哲)
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2025/12/24 13:45
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富士製薬 Research Memo(4):女性医療への特化と新薬開発への取り組みにより、独自の競争優位性を構築(2)
*13:44JST 富士製薬 Research Memo(4):女性医療への特化と新薬開発への取り組みにより、独自の競争優位性を構築(2)
■事業概要2. 経営戦略の評価(1) 女性医療に特化した差別化集中戦略富士製薬工業<4554>の経営戦略は、医薬品業界において明確な差別化軸を有するものであり、「女性医療に特化したスペシャリティファーマ」としての地位を確立している点に特徴がある。同社は創業当初から、他社が市場規模や製造難易度の高さを理由に敬遠してきた婦人科領域に一貫して取り組んできた。その姿勢は、単なる製品供給にとどまらず、医療現場のニーズを的確に捉え、ホルモン剤や不妊治療薬といった高専門性領域で確かな信頼を築いてきた結果である。この“難易度の高い領域へのコミットメント”こそが、同社が中長期的に持続的成長を遂げるうえでの最も重要な経営資産と言える。(2) 独自の歴史的経路と模倣困難な競争優位性特に、日本市場においては、女性医療の潜在的成長余地が極めて大きい。欧米諸国と比較すると、月経随伴症状や更年期障害、不妊治療といった疾患の認知度は依然として低く、ホルモン治療の受診率も著しく限定的である。この「未充足市場(Unmet Needs)」に対して、同社は創成期から継続的に教育・啓発・処方支援を展開しており、医療従事者及び患者双方の意識変化を促してきた。こうした地道な活動が、今後の市場拡大フェーズにおいて同社の優位性をさらに高めると考えられる。過去半世紀にわたる専門領域への集中と、現場浸透力に裏打ちされた独自の歴史的経路をたどって形成されている。まさに、他社が容易に模倣することが困難な競争優位性を有している。(3) 女性医療事業は女性活躍推進社会を促進また、同社の女性医療事業は、単に女性の身体的健康の改善を目指すにとどまらず、社会的な文脈においても大きな意義を有している。2016年に女性活躍推進法が施行されて以降、企業や行政を挙げて女性の社会進出を支援する動きが加速しているが、女性の健康問題はその前提条件であり、同社の事業はまさにその基盤を支えるものである。月経困難症、更年期障害、不妊といった課題の改善は、働く女性の生活の質(QOL)と就労継続性を直接的に高めるものであり、同社の製品は社会的インフラとしての機能を果たしているとも言える。この点で、同社の経営戦略は医薬品産業における経済合理性と、ジェンダー平等を支える社会的使命の双方を兼ね備えた稀有なモデルである。さらに、女性医療という専門領域に集中しながらも、同社はバイオシミラーやグローバルCMOといった周辺事業を展開することで、事業ポートフォリオの多様化を図っている。これにより、研究開発の知見や製造技術の相互活用が進み、経営リスクを分散しながら持続的な成長基盤を構築している点も高く評価できる。総じて、同社の経営戦略は、ニッチ市場における専門性を深化させ、社会的価値と企業価値の両立を実現する経営モデルとして、今後のスペシャリティファーマの理想形を提示していると言える。(執筆:フィスコ客員アナリスト 中西 哲)
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2025/12/24 13:44
注目トピックス 日本株
富士製薬 Research Memo(3):女性医療への特化と新薬開発への取り組みにより、独自の競争優位性を構築(1)
*13:43JST 富士製薬 Research Memo(3):女性医療への特化と新薬開発への取り組みにより、独自の競争優位性を構築(1)
■事業概要1. 事業概要(1) 女性医療女性医療は、富士製薬工業<4554>の成長をけん引する中核事業であり、「未解決・未充足の女性の健康課題を解決する」という企業理念の体現である。世界的に女性医療市場は拡大基調にあり、2023年から2033年にかけて年率約4.8%の成長が見込まれる。特に日本では、疾患認知度やホルモン治療率が欧米諸国に比べて著しく低く、今後の成長余地が大きいことが示されている。この環境下で同社は、月経困難症治療薬『アリッサ(R)配合錠』を中核とした新製品群の展開により、女性医療市場でのシェア拡大を目指す。同薬品は天然型エストロゲン「エステトロール(E4)」を有効成分とする国内初の新規治療薬であり、2029年には年間売上高100億円規模に成長する見込みである。また、ヘルスリテラシー向上を背景に、既存主力の経口避妊薬や更年期障害治療薬『エフメノ(R)カプセル』なども伸長が期待されている。さらに、月経困難症治療薬(LEP)市場は2019年から2023年の5年間で約2倍に拡大し、2023年時点で使用シート数は1,000万を超える。同社は2029年までに『アリッサ(R)配合錠』で200万シートのシェア獲得を目標とし、女性医療の専任MR90名体制の営業力強化と、エムスリー<2413>との協業によるデジタルプロモーションを推進する。同社は、月経困難症・避妊・更年期・不妊といった女性のライフステージに寄り添う医薬品の総合提供を通じ、国内外で女性医療No.1ブランドの確立を目指している。現時点においても女性医療向け薬品の品揃えは40種類を超える。(2) バイオシミラーバイオシミラー領域は、同社にとって次世代の成長を担う戦略的事業であり、高付加価値型スペシャリティファーマへの進化を象徴する取り組みである。バイオシミラーとは、先行するバイオ医薬品の特許が切れた後に、先行バイオ医薬品と同等/同質の品質・有効性・安全性を備えた生物由来の後発医薬品であり、化学合成医薬品に比べて開発・製造の難易度が格段に高い分野である。日本では、国民医療費の増大を背景に、国が医療費抑制を目的として後発医薬品の普及を強力に推進しており、既に一般医薬品では処方全体の約9割がジェネリックに置き換わるまでに浸透している。こうしたなか、今後の医療費構造改革のカギを握るのがバイオ医薬品のコスト低減であり、バイオシミラーの普及は国策として極めて重要な位置付けにある。こうした環境下、同社は国内で5品目のバイオシミラーを上市している国内トップ企業として、医療費抑制と品質確保の両立を実現し、国の医療政策にも合致した役割を果たしている。同社は2013年にバイオシミラー事業に参入して以降、製造・分析・品質保証の一貫体制を構築してきた。さらに近年では、アイスランドのAlvotechとの戦略的提携を通じて、抗体医薬品を含む複数の開発パイプラインを確保しており、開発ポートフォリオの拡充とスピードアップを図っている。Alvotechのグローバルな開発・製造ノウハウを活用することで、同社は国内での開発力と競争力を一段と高めている。同社のバイオシミラー戦略は、過去からのジェネリック事業の拡張ということではなく、医療費抑制という社会的課題と、高品質な医療提供という使命を両立させる取り組みである。技術力、国際連携、政策適合性の3つを兼ね備えた同社は、バイオシミラー市場におけるリーディングポジションを確固たるものとし、持続的な成長軌道を描いている。(3) グローバルCMOグローバルCMO事業は、国内外の製薬企業からの製造受託を通じて収益の安定化と事業の国際展開を図る戦略的事業である。富山工場を中心に、高度な品質管理と柔軟な生産対応力を強みとし、注射剤やホルモン剤など、高難度製剤分野での受託実績を積み重ねてきた。また、2012年に子会社化したタイのOLIC (Thailand)を海外生産拠点として活用し、ASEANを中心とするグローバル展開を加速させている。中期経営計画では、「富山×タイ」の2拠点生産体制を軸に、国際的な製造ネットワークの構築を推進している。富山工場ではホルモン剤や注射剤の製造を中心に、高付加価値領域に特化した受託案件の拡大を進める。一方、OLIC (Thailand)はアジア最大級の医薬品受託製造企業として、外資系製薬企業を含む約40社と取引実績を有し、固形剤・液剤・注射剤など幅広い製品形態に対応している。これにより、同社は国内外双方で受託機能を補完し合う体制を確立している。さらに、今後はバイオシミラーや高薬理活性製剤の受託を視野に入れ、開発段階から製造・品質保証までを一貫支援する“フルスコープ型CMO”への進化を目指す。グローバルCMO事業は、医薬品の安定供給体制を支える社会的インフラとしての役割を担いながら、同社の中長期成長を下支えしている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 中西 哲)
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2025/12/24 13:43
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富士製薬 Research Memo(2):高い独自性を持つ女性医療特化のスペシャリティファーマ
*13:42JST 富士製薬 Research Memo(2):高い独自性を持つ女性医療特化のスペシャリティファーマ
■会社概要1. 会社概要富士製薬工業<4554>は、医療用医薬品の開発・製造・販売を主事業とする日本の製薬メーカーである。1965年4月に設立され、本社を東京都千代田区三番町に置く。子会社及び海外拠点を含むグループ体制で運営されており、2025年9月末時点での連結従業員数は1,760名(うち富士製薬工業969名、OLIC (Thailand)791名)に上る。1995年6月に株式を店頭登録し、現在は東京証券取引所プライム市場に上場している。販売・流通拠点は、札幌・東京・名古屋・大阪・福岡の主要都市に展開し、富山県には製造工場及び研究拠点である富山研究開発センターを有する。また、グローバル展開の一環として、タイの子会社OLIC (Thailand)を通じた海外での製造・販売体制も整備しており、アジアを中心に事業基盤を拡大している。設立以来、同社は一貫して女性医療領域に注力してきた。当初は約45年間にわたり後発医薬品(ジェネリック)を中心に事業を拡大してきたが、2008年に月経困難症治療薬『ルナベル(R)配合錠』の新薬の発売を転機として、同社は単なる後発品メーカーから新薬を手掛ける企業に転換し、ホルモン剤や不妊治療薬、経口避妊薬、更年期障害治療薬など、女性のライフステージに寄り添う幅広い医薬品を提供するスペシャリティファーマとしての地位を確立した。現在は、「女性医療」を中核として、バイオ後発品の開発・販売を担う「バイオシミラー」、そして富山工場及びOLIC (Thailand)を中心とする製造受託事業「CMO」の3つの事業領域を展開し、専門性の深化と事業ポートフォリオの拡張を通じて、国内外の医療現場に持続的な価値を提供している。2. 沿革同社は、1954年に東京都豊島区で創業した富士薬品商会を起源とし、1959年に富山県水橋町(現 富山市水橋地区)に製剤工場を設け、有限会社富士製薬工業として設立された。1965年には株式会社へ改組し、本格的に医療用医薬品の開発・製造・販売を開始した。1974年には婦人科領域向けホルモン剤を発売し、女性医療分野へ本格的に参入した。創業者・今井精一(いまいせいいち)氏は、創業当初より「多くの人が必要としていながらも支援の行き届いていない分野に貢献したい」という信念を抱いており、女性医療こそその理念を体現する領域であると考えていた。女性医療は市場規模が小さく、ホルモン剤など管理が難しい高専門性領域であったため、他社が参入をためらう分野であったが、同社は「満たされていないからこそ挑戦する」という方針を掲げ、独自の技術開発と製品供給に取り組んだ。この決断が、後のスペシャリティファーマとしての独自性と専門性を確立する礎となった。その後、診断用医薬品(造影剤)の発売などを通じて事業領域を拡大し、1995年には株式を店頭登録。2005年には設立40周年を機にコーポレートアイデンティティを刷新し、企業ブランドの再構築を進めた。2012年にはタイの医薬品製造受託会社OLIC (Thailand)を子会社化し、海外展開とグローバルCMO事業を強化。翌2013年には富山研究開発センターが竣工し、研究開発体制を拡充した。現在は、長年培った女性医療を中核に、バイオシミラー及びグローバルCMO事業を成長の柱として位置付け、東京証券取引所プライム市場上場企業として、専門性と国際競争力を兼ね備えたスペシャリティファーマへと進化している。(執筆:フィスコ客員アナリスト 中西 哲)
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2025/12/24 13:42
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富士製薬 Research Memo(1):女性医療への特化により、独自の競争優位性を構築するスペシャリティファーマ
*13:41JST 富士製薬 Research Memo(1):女性医療への特化により、独自の競争優位性を構築するスペシャリティファーマ
■要約1. 会社概要富士製薬工業<4554>は、医療用医薬品の開発・製造・販売を主事業とする日本の医薬品メーカーである。1965年4月に設立され、本社を東京都千代田区三番町に置き、海外拠点を含めたグループ体制で運営されている。2025年9月末時点で、連結従業員数1,760名に上る。1995年6月に株式を店頭登録し、現在は東京証券取引所プライム市場に上場している。同社は設立以来、女性医療に特化してきた歴史を有する。当初は後発医薬品(ジェネリック)の提供により業容を拡大してきたが、近年は月経困難症治療剤、不妊治療剤、更年期障害治療薬など「女性医療」向け医薬品の圧倒的な品揃えと永年の知見により、新薬の開発・製造・販売を行うスペシャリティファーマとしての地位を確立している。また2013年から国内でいち早くバイオシミラー(バイオ医薬品の後続品)に取り組み、現在では国内トップクラスの製造販売承認数を保有している。販売・流通拠点は日本国内における複数の事業所(札幌、東京、名古屋、大阪、福岡)を核とし、富山県には製造工場及び研究所(富山研究開発センター)を有する。また、グローバル展開の一環として、タイの子会社OLIC (Thailand) Limitedを通じた海外取引及び製造販売も実施しており、国内外での事業基盤を持つ。2. 2025年9月期業績概要2025年9月期は、売上高・営業利益ともに2ケタ増収増益となり、好調な決算となった。売上高は前期比12.0%増の51,677百万円、営業利益は同28.6%増の4,990百万円を計上。経常利益は4,459百万円とほぼ横ばいで推移したが、親会社株主に帰属する当期純利益は3,000百万円(同51.2%減)と一時的な減益となった。女性医療領域では、新薬『アリッサ(R)配合錠』や『エフメノ(R)カプセル、経口避妊薬『ファボワール』などが堅調に推移し、業績をけん引した。加えて、乾癬治療薬『ウステキヌマブBS皮下注45mg「F」』の寄与により、バイオシミラー事業の成長が加速した。さらに、富山工場及びOLIC (Thailand)によるグローバルCMO(contract Manufacturing Organization:医薬品製造受託)事業も計画通り進捗し、全体の増収に寄与した。一方、営業利益は売上増に加え、前期に発生した契約一時金の反動減が研究開発費を抑制したことも寄与したが、最終利益は投資有価証券売却益の剥落により減益となった。3. 2026年9月期業績見通し2026年9月期業績は、前期に続き売上高・営業利益ともに2ケタ成長を見込んでいる。売上高は57,490百万円(前期比11.2%増)、営業利益は5,520百万円(同10.6%増)を予想し、2期連続で過去最高を更新する見通しである。売上総利益率は41.2%(前期は40.2%)へ上昇する見込みで、製品ミックスの改善と高付加価値品の構成比拡大が寄与する。経常利益は5,240百万円(同17.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,810百万円(同27.0%増)を予想している。4. 中長期成長戦略同社は10年後のありたい姿を定めた長期的な目標として「長期ビジョン2035ー“女性医療で新たな価値を創出し続け、誰もがwell-beingを実感できる社会へ貢献する”ー」を策定し、中期経営計画(2025年9月期〜2029年9月期)はこの「長期ビジョン2035」を達成するための前半5年間と位置づけ、、持続的な成長と企業価値の向上を目指している。同中計の枠組みは、中期の成長ドライバー、長期の成長ドライバー、経営基盤の強化により構成されている。こうした取り組みにより、2029年9月期は売上高800億円、営業利益100億円、ROE10.0%を目標としている。■Key Points・女性医療に特化してきたスペシャリティファーマ・外部環境は、女性医療への認知度向上や女性活躍推進社会の浸透などにより当面の間フォローが続く・医療費適正化の観点からバイオシミラー事業への飛躍的な需要増も期待できる・処方箋を書く医師にとっては女性医療分野の薬品は同社が第一想起(執筆:フィスコ客員アナリスト 中西 哲)
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2025/12/24 13:41
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ククレブ Research Memo(10):利益成長とともに配当水準の向上を目指す
*13:10JST ククレブ Research Memo(10):利益成長とともに配当水準の向上を目指す
■株主還元策ククレブ・アドバイザーズ<276A>は株主への利益還元を経営上の重要課題として位置付けている。収益基盤の多様化や収益力強化のための事業資金への活用と内部留保の充実を最優先しつつ、株主利益最大化と内部留保のバランスを図りながら配当を行うことを基本方針としている。配当については実質初年度に当たる2020年8月期から実施し、2025年8月期まで連続増配を継続している。今後も業績や財務状況・事業環境等を総合的に勘案し、利益成長とともに配当水準の向上を目指す。2025年8月期の1株当たり配当金は、前期比5.0円増配の22.0円(上場記念配当2.0円含む)を実施した。2026年8月期も同5.0円増配となる27.0円を予定している。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2025/12/24 13:10
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ククレブ Research Memo(9):不動産テック×CREソリューションで高成長を目指す
*13:09JST ククレブ Research Memo(9):不動産テック×CREソリューションで高成長を目指す
■ククレブ・アドバイザーズ<276A>の中期経営計画2. 成長戦略(1) CREソリューションビジネスCREソリューションビジネスの成長戦略として、CREプラットフォーマーとしての確固たる地位確立に向け、事業・エリアに強みを持つパートナーとの戦略的アライアンスの取り組みを加速する。既述の地主やエムエル・エステート以外にも大手デベロッパーや不動産ファンド運用会社など多くの企業とアライアンスを進めており、相互のリソースを活用することで効率的に事業を拡大する。また、資本効率向上やサプライチェーン再構築などのCRE対応ニーズの高まりを背景に、CREマーケットにおいて増加する投資機会を継続的に捕捉する。従来のボリュームゾーンである5億円~20億円の案件を拡大するほか、20億円超の案件についてもパートナー企業との共同出資やファンド組成で獲得する。また、5億円未満の案件については「CCReB CREMa」を活用し、仕入から売却までの早期回転を継続し、キャッシュ効率を高める戦略である。重要なデータベースとなる「CCReB CREMa」の情報登録件数については、毎期20%強の拡大を想定し、2025年8月期末の6,867件から2028年8月期は13,300件を見込む。情報登録件数の照会率は2025年8月期の実績に基づき25.0%を前提とし、商談率は営業人員の増加により2025年8月期の5.5%から、2028年8月期は7.0%と緩やかな上昇を想定している。成約率は、2025年8月期の実績に基づき20.0%の水準が続く前提とした。これらを前提とすると、成約件数は2025年8月期の20件から2028年8月期は45件に拡大する。1件当たりの成約平均単価については、情報登録件数の増加とともに上昇トレンドが続く見通しで、成約件数と掛け合わせた変動売上高は2025年8月期の2,058百万円から2028年8月期は10,800百万円に拡大することになる。一方、ストック型ビジネス(不動産テックビジネスや賃料収入など)の売上高も事業規模の拡大に応じて、2025年8月期の497百万円から2028年8月期は1,200百万円への成長を見込む。なお、2028年8月期におけるCREソリューションビジネスの売上構成比は約85%(2025年8月期は93.3%)、不動産テックビジネスは約15%(同6.7%)を想定している。CREソリューションビジネスの各サービスの売上構成比については大きな変化はないと見込んでいる。CREソリューションビジネスでは、引き続きCREアドバイザリー、不動産仲介、B/Sを活用した不動産投資・賃貸、プロジェクトマネジメントの各サービスを強化する。加えて、新規ビジネスとして2027年から開始するマスターリース事業についても、危険物倉庫を皮切りに、新たなマスターリース対象となるアセットの探索を行う。(2) 不動産テックビジネス不動産テックビジネスについては、既存サービスの機能拡充を図り、同業他社に対する競争優位性を確保する。加えて、他社からのシステム受託開発も受注し、収入源の多様化を図る。すでに地主向けにAIを活用した不動産テックシステムについて共同開発を進めており、大手製造業やメーカーの管財部門からシステム開発依頼を数多く受けている。2028年8月期には、不動産テックビジネス売上高の約3分の1まで受託開発収入を拡大する計画である。(3) 新たな取り組み(M&A・アライアンス戦略)新たな取り組みとしてM&A戦略をCREソリューションビジネス、不動産テックビジネスでそれぞれ推進する。CREソリューションビジネスでは、企業価値20億円弱の中堅・中小企業の事業承継案件から、CREの潜在価値を引き出す案件を厳選して投資を実行する。その後、子会社化したのちに当該企業の事業部分を切り離し、残った不動産部分についてバリューアップを行い、資産価値を最大化した後に売却するスキームである。事業承継を課題としている中堅・中小企業で、遊休不動産を抱えている企業は多く、潜在ニーズは大きいため、2027年9月期以降、徐々にM&Aの実績を積み重ねながら、ノウハウを蓄積していく。一方、不動産テックビジネスに関しては、不動産テック事業や関連テック事業を展開する企業を対象にM&A・アライアンス戦略を推進する。両社のプロダクトを連携することでシナジーが期待できる企業や、顧客基盤を持つ企業、地方銀行向けにプラットフォームサービスを展開する企業などが対象となる。特に、主要ターゲットである中堅・中小企業の顧客を多く持つ地方銀行向けについては、顧客獲得の重要なルートとして位置付け、従来から「CCReB CREMa」だけでなく、不動産情報をオープンにせず自行内に利用を限定する機能を持つ「CCReB MB(マッチングボックス)」の導入に注力してきた。しかし、2025年8月末時点の導入銀行数は9行にとどまっているため、既にビジネスマッチングなどのプラットフォームサービスで多くの銀行に導入実績を持つ企業とのアライアンスを推進している。当該企業の提供するサービスの1メニューとして加えることで、導入ペースを加速させる狙いで、既にアライアンス候補先企業との協議も進行中である。そのほか、東証の上場基準厳格化に伴い、不動産テックなどのベンチャー企業に出資するVCからの紹介案件が増加しており、条件に適合する企業があれば前向きに検討していく。同社はM&A・アライアンス戦略の推進にあたり、2025年10月に経営企画室を新設し、M&Aをはじめ、ビジネスマッチングの経験豊富な人材を1名採用した。また、中堅・中小規模のM&A案件(企業価値30億円以下)を手掛けるファイブ・アンド・ミライアソシエイツ(株)と業務提携契約を締結した。今後、ファイブ・アンド・ミライアソシエイツの独自の案件ソーシング力や広範なネットワークと、同社の不動産テック及びCREソリューションを活用し、同社独自のCRE×M&Aを推進する。3. 人的資本戦略社内業務のDX活用による生産効率のさらなる向上と、人的リソースの拡充を両立する。採用計画については、リファラル採用や人材サービス会社を活用し、優秀な人材を採用する。2028年8月期の従業員数は30名と、3期で2倍増を計画している(2028年以降は新卒採用も視野に入れる)。また、優秀な人材を確保するため、各種インセンティブ制度の導入や、本社オフィスの移転(2026年9月予定)による職場環境の整備、社員エンゲージメント向上に取り組む。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2025/12/24 13:09
注目トピックス 日本株
ククレブ Research Memo(8):2028年8月期に売上高120億円、営業利益32億円を目指す
*13:08JST ククレブ Research Memo(8):2028年8月期に売上高120億円、営業利益32億円を目指す
■ククレブ・アドバイザーズ<276A>の中期経営計画1. 中期経営計画の概要同社は2025年10月に3ヶ年の中期経営計画「A Tech-Driven Platform Strategy」を発表した。不動産テックを起点としたCREソリューションの高い「質」と「成長性」を通じたビジネス展開の加速により、CREプラットフォーマーとしての地位確立を目指す。CREソリューションビジネスでは、戦略的アライアンス、各サービスの強化、CRE×M&A(事業再生と資産価値の最大化)戦略を掲げ、ネットワーク拡大を通じたCREプラットフォーマーとしての事業成長を推進する。また、不動産テックビジネスでは、不動産テックシステムの機能強化と利用拡大を推進し、さらには不動産テック関連企業とのM&Aやアライアンスによる事業拡大も目指す。業績目標としては、2028年8月期に売上高12,000百万円、営業利益3,200百万円、親会社株主に帰属する当期純利益2,080百万円を掲げた。年平均成長率では売上高で67.5%、営業利益で73.6%、親会社株主に帰属する当期純利益で67.2%と高成長トレンドが続く見通しである。営業利益率は、不動産テックを活用した「質」の高い案件に取り組むことで25〜30%のレンジを目指す。なお、同社は2025年11月に公募及び第三者割当増資により約24億円の資金調達を実施した。ただし、今回の中期経営計画は、これら増資による資金調達を前提とせずに策定されている。今回の資金調達の結果、投資余力が想定以上に大きくなったことで、中期業績計画達成の蓋然性は高まったと弊社では見ている。(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2025/12/24 13:08
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