日経QUICKニュース

外為12時 円、上昇 113円台半ば 米ロ関係緊迫化への懸念で買い

配信日時:2021/12/08 12:26 配信元:QUICK
 8日午前の東京外国為替市場で円相場は上昇した。12時時点は前日の17時時点に比べ14銭の円高・ドル安の1ドル=113円49~50銭だった。米国とロシアとの関係悪化などへの警戒から「低リスク通貨」とされる円には買いが優勢だった。一方、新型コロナウイルスの「オミクロン型」の感染拡大に伴う行動制限への懸念は後退している。8日午前の日経平均株価が上昇したこともあり、円の上値は限られた。

 バイデン米大統領は7日、ロシアのプーチン大統領とのオンライン協議で、ロシアがウクライナへの軍事行動をエスカレートさせた場合に「同盟国と強力な経済的措置で対抗する」と警告した。緊張緩和に向けた実質的な合意形成にも至らず、事態が緊迫化するリスクが意識されて円買い・ドル売りを誘った。

 もっとも、円の上値を試す動きは鈍かった。オミクロン型を巡っては「従来型に比べて重症化しにくい可能性がある」(バイデン米政権のファウチ首席医療顧問)との見方が広がっている。各国で厳しい行動制限が課されにくくなるとの思惑から日米の株式相場が上昇し、円の上値を抑えた。国内輸入企業による円売り・ドル買い観測も円相場の重荷だった。

 9~12時の円の高値は113円36銭近辺、安値は113円56銭近辺で、値幅は20銭程度だった。

 円は対ユーロでも上昇した。12時時点は同13銭の円高・ユーロ安の1ユーロ=128円15~16銭だった。ユーロは対ドルで小動きで、12時時点は同0.0002ドルのユーロ高・ドル安の1ユーロ=1.1291ドル近辺だった。

〔日経QUICKニュース(NQN)〕

ニュースカテゴリ