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外為12時 円、114円台後半で上げ幅拡大 変異ウイルスに警戒感

配信日時:2021/11/26 12:19 配信元:QUICK
 26日午前の東京外国為替市場で、円相場は上昇した。12時時点は前日17時時点に比べ73銭の円高・ドル安の1ドル=114円65銭近辺で推移している。南アフリカで確認された新たな変異ウイルスの感染が世界的に広がれば、経済活動の正常化を阻むとの警戒感から「低リスク通貨」とされる円が買われ、12時すぎには一時114円60銭程度まで上げ幅を広げた。

 南アの国立伝染病研究所などは25日、同国で新型コロナウイルスの新たな変異が確認されたと発表した。従来に比べ複数の変異が生じ、高い感染力を持つ恐れがあるという。英国が南アとの渡航に制限を設ける方針を示した。香港では渡航者の感染が確認された。26日の日経平均株価が700円あまり急落し、円には買いの勢いが増した。

 日本時間26日の取引で米長期金利が低下しており、日米の金利差縮小を見込んだ円買い・ドル売りも入った。その時点の相場で通貨を売買する直物(スポット)取引では26日が11月の受け渡し最終日にあたり、「これまで積み上がった円の売り持ちを整理する動きが出やすいのも円高進行を促しているようだ」(国内証券の為替ストラテジスト)との声が聞かれた。

 円は対ユーロでも上昇した。12時時点は同74銭の円高・ユーロ安の1ユーロ=128円66~67銭で推移している。新型コロナの感染拡大への警戒感から日本株が大幅安となり、対ユーロでも円買いが活発となった。

 ユーロは対ドルで小幅に上昇した。12時時点は同0.0007ドルのユーロ高・ドル安の1ユーロ=1.1222ドル近辺で推移している。

 南アランドは大幅安となった。対円で12時時点で一時1ランド=7円10銭前後と、3月上旬以来およそ8カ月半ぶりの安値圏で推移している。同国で新型コロナの変異ウイルスが確認されたのをきっかけに景気の先行き不透明感からランド売りが加速した。

〔日経QUICKニュース(NQN)〕

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