日経QUICKニュース

外為12時 円、下落 114円台前半 対ユーロも安い

配信日時:2021/11/04 12:29 配信元:QUICK
 4日午前の東京外国為替市場で円相場は下落した。12時時点は休日前2日の17時時点に比べ51銭の円安・ドル高の1ドル=114円16銭近辺だった。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が3日の記者会見で、早期利上げ観測をけん制した。米景気への楽観が広がって日米の株式相場や米長期金利が上昇し、投資家のリスク選好や日米金利差の拡大を見込んだ円売り・ドル買いが優勢だった。

 FRBは3日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で量的緩和の縮小(テーパリング)の開始を決めた。ただ、パウエル議長は会見で「利上げの判断にはより厳しい条件の達成が必要だ」とも述べ、早期利上げは否定した。FRBが利上げに慎重な姿勢を示したと受け止められ、同日の米株式市場ではダウ工業株30種平均など主要指標が過去最高を更新。4日の日経平均株価も上昇し、投資家心理が改善したとの見方から「低リスク通貨」とされる円が売られた。

 3日発表の10月のADP全米雇用リポートでは非農業部門の雇用者数が市場予想を上回って増加した。米景気が底堅いとの見方が広がり、同日の米長期金利が前日比0.05%高い1.60%で終えたことも円売り・ドル買いを促した。中値決済に向けて輸入企業による円売り・ドル買いが増えたとの見方も円相場の重荷だった。9~12時の円の安値は114円24銭近辺、高値は114円04銭近辺で、値幅は20銭程度だった。

 円は対ユーロでも下落した。12時時点は同54銭の円安・ユーロ高の1ユーロ=132円48~49銭だった。

 ユーロは対ドルで小幅に下落した。12時時点は同0.0005ドルのユーロ安・ドル高の1ユーロ=1.1604~05ドルだった。

〔日経QUICKニュース(NQN)〕

ニュースカテゴリ